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41回国会参議院1962/08/28

文教委員会 第2号

発言数
147
登壇者
11
会派数
3
開催日
1962/08/28

会議録

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  まず、理事の互選を行ないます。  本委員会の理事の数は四名とし、その互選の方法は成規の手続を省略して、便宜、その指名を委員長に御一任願うことにして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。それでは理事に斎藤昇君、二木謙吾君、吉江勝保君、豊瀬禎一君を指名いたします。  速記をちょっと中止して下さい。   〔速記中止〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記起こして。   —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) それではこれより公立学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。荒木文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました公立学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。  現在、公立学校の災害復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法により、国がその復旧に要する経費の一部を負担し、災害復旧の促進をはかっております。現行の規定におきましては、国の負担の対象となる災害復旧に要する経費は、原則として原形に復旧するものとして算定することどなっておりますが、例外として、原形に復旧することが不可能な場合、または原形に復旧することが著しく困難または不適当な場合に限って当該施設を改良して復旧することを認めています。しかしながら、学校建築は、その性格上、耐火耐震耐風の要請を満たす恒久建築が要求されると同時に、公共建築であることからする災害時の地域社会の避難救助の中心となる性質をもあわせ持つため、近来特に学校建築の鉄筋、鉄骨化が要望されております。現行の改良復旧の規定のみではこの要望に十分に応ずることが困難であるので、従来、激甚災害の場合にはそのつどの特別措置法によって広く改良復旧の措置が認められて参りました。しかし、このことは激甚災害のみに限られるべき事柄ではありませんので、今回、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に一般的にこの措置を取り入れることといたしたいと考えたのであります。この改正により、今後、木造校舎を鉄筋、鉄骨造の校舎に改良して復旧することが一そう促進されることと期待しております。  以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略を申し上げました。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 木造の建築がだんだん鉄筋化していく、こういう要望が非常に強いことと、私どもも学校建築に対してはかねてから要望しておったところですから、まあ大へんけっこうだと思いますが、一つ伺いたいことは、原形に復旧します場合に、基準坪数、それだけでなさるのでしょうか。具体的に言えば、学校を建てます場合に、一教室については児童の人数幾ら幾ら、だからこれだけの坪数と、これを基準にしております。ところが、よく地方などに参りますと、町から寄付されたり、あるいはいろいろな形で寄付されて、少し大きくといいますか、含みのような形になっているのがございますのですが、そういうのが災害にあいました場合に、補助する費用はどの坪数でするのか。原形復旧といいますけれども、原形の中に含まれているのでしょうか、どうでしょうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 公立学校施設災害復旧費国庫負担法によりまして「政令で定める基準により、当該公立学校の施設を原形に復旧する」云々とあるわけですが、この規定を受けまして、施行令におきまして、第一条に、原則としましては、国が措置すべき対象坪数としては基準によって計算する、こういう建前がとられております。このことは、一般的な建前としてはやむを得ないかと思いますが、しかし、この施行令におきましても、画一的にこの基準で切るということは不合理でありますから、そこで施行令の二項、三項によりまして、特に原形まで復旧するということが不適当であると認める場合には、被災坪数まで見ることができるという規定があるわけでございます。で、従来ともこの規定の適用によりまして、実情に即してかなりよく見ております。形式的に、画一的に切るということでなく実際やってきております。しかし、必ずしも十分でなかったかと思います。今後このような改良復旧の法律ができれば、それに応じまして、その辺の適用については、一そう実情に即するように措置したいと考えております。なお、根本的には基準の問題があるわけでございます。基準が現在低くきめられております。これは早晩改正しなければならぬと考えて、私ども今その研究を続けておりますし、来年度からは新基準によるように努力したいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますと、被災坪数を特別の何かがない限りは、そのまま原形とみなして補助する、こういうことでよろしゅうございますか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 一応は原則によりまして基準坪数までを見るという建前があるわけなんです。これは極端な場合を言いますれば、何かの都合で、新しい基準から言いましては、また教育上は必ずしもそれほど必要でないと思われる部分が含まれる場合もあり得るわけなんです。そういうことを考えまして、一応基準までという原則はありますけれども、しかし、災害のような特別の場合という事情も考え、また教育上の必要ということを考えまして、実際運用の問題としましては、この施行令の二項、三項によりまして被災坪数まで見るように今までも相当やってきております。今後とも一そうそういう点に努力したいと考えているわけです。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもの承知しております範囲では、学校がなかなか生徒数が足りない、小さい、たとえば特別教室その他については非常に苦心して増しているわけですね。ですから、必要でない、余っている、余分なというところはあまり承知していないのですが、具体的にどんなところが必要でないようなとお考えになっているのでしょうか。と申しますのは、今までこの法律がございませんために、木造で災害にあいましたとしますね、そうしました場合に、やはり単価が少ないために大蔵省なんかなかなかむずかしい。板切れを打ちつけておいて、つまらないバラックを作っておいて、基準坪数に応じて補助して建てた、こういうふうな非常な困難な点がございますけれども、そういう点経験しておりますので伺いたいと思うのですけれども……。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 一般的には、現にある施設は、多くの場合、教育上の必要な建物であるのでありまして、そういった、私が申し上げたような例はきわめてわずかでありますけれども、まあ私の聞いたところでは、たとえばある建物をその学校教育のためのみならず、地域社会の一般使用のために特に規模の大きいものを作った。非常にそれがその学校の規模に比較すれば著しく大きいものを作ったという場合には、この学校の施設災害復旧法で全部見るということは少しバランスを失するというような問題があって、まあ予算の制約もありまして、その辺は少し圧縮していただいたというような実例があるのであります。そういうふうな特殊の場合はありますけれども、多くの場合は、やはり原形で見ることが教育上望ましい場合が多いわけでございます。だから、従来その点からいいまして、必ずしも十分であるとは申されません。しかし、従来も相当この規定の援用によって、実際上著しく不都合であるような実施はあまりやっておらないと考えております。今後ともできるだけそういうふうに持っていくように努力します。またこれについては大蔵省もそういった基本的な考え方については大体了承しておるような次第でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 実は私の勤めておりました学校が、大正十五年に建てたわけなんですけれども、そのときには、徴兵検査をする場所がたとえば区に必要だと、こういうわけで特に大きく講堂を建てたわけですね。毎年徴兵検査とか、簡閲点呼とかいうような場合に使うために特別の予算で作った。それを、今そういうことがなくなったために、それを非常に有効に教育上使っているわけなんです。そうした場合には、これをかりに原形復旧とする場合に、これはやはり全部見ていただくという形式になるのでしょうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) まあ国が災害の場合どこまで見るかという原則論に立ちますと、やはり一応基準というものがあるのだから、教育上必要なんだ、そうしてそこまでは国が保障しよう、こういう線があるわけですから、  一応やはり基準までということを考えまして、あとそれがそういうふうな措置によっては実際上著しく不適当な結果を見る、不適当な措置だということになります場合には特別の措置を講ずるわけですけれども、その辺の判定はやはり個々具体的な問題として措置することになるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 その判定でございますか、査定でございますか、それはどことどこが立ち会って、最終的な裁定はどこがするようになっているのでしょうか。たとえば東京の場合、特別区の権限というもの、都のあれというもの、それから自治省、大蔵省、いろいろ関連があるでしょうけれども、文部省としては最終的にはどこできめたものに自分たちは意見を申し上げるということになっておりましょうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) それは地元の教育委員会からお話を聞き、その申請に基づいて最終的には文部省として判断する。その場合には、予算の制約、その中でどう措置するかという問題として文部省として判断いたします。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この頃については、やはり私の考えといたしましては、基準坪数だけではかられますと、今申し上げたように非常に小さくなるわけです。ですから、これが非常によく解釈されるように、しかも今実際使ってなくてはならない施設になっている、こういう場合には、それを含めた復旧、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか、そういうふうに要望しておきたいと思うのですけれども。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) できるだけそういう趣旨によって、今後の予算の獲得に努めたいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それから公立学校施設災害復旧費国庫負担法、昭和二十八年に本法ができておりますね。そのときに、国が三分の二を負担するということでございますね。普通災害の場合も国が三分の二負担するという法律でございますね。そうすると、単価は幾らなんでございましょうか。去年のままの単価でなさると、こういうわけでございましょうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 単価につきましては、一般整備と同様の単価、すなわち鉄筋コンクリートの場合であれば、小中学校につきましては六万二千円、鉄骨造であれば四万八千円、木造であれば三万二千五百円、こういうふうに一般整備の場合と同じ単価で措置しております。しかし、この単価は今後私は改定すべきものだと考えて、来年度の予算では実現に努力するつもりであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 単価は、これはどなたが考えても、今これだけで建つということはとても考えられませんで、政府としましては、どのくらいふやすつもりなんでしょうか。たとえば、それで万全、これだけでいいということはなかなかむずかしいでしょうけれども、最小限やっぱり補償する、でなければ三分の二を補償するといっても、実質的には単価が上がりますと三分の一の補償にも足りないという結果が招来されるのではないかと考えますのですけれども。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) ただいまちょっとその資料を手元に持合わせておりませんけれども、大体二割見当ふやしたいと、ただいま考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 二割ですと、たとえば鉄筋にした場合七万三千円ぐらいになりますですね。そうなると、私建築のことには非常にうといのでございますけれども、今、校舎建築の場合に七万三千円ではたして建つでしょうか。それが私大きな問題で、かりに三分の二補助するといいましても、さっき申し上げたように、三分の一にも足りないというように、計算してみるとなるようなんですけれども、もう少しふやすというような計画をお立てになっていただきたいと、こういうわけなんですが。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 単価の問題については、全国的な実施状況を見ました場合に、なかなかどの程度にしたらいいかということはむずかしい問題でございまして、場合によっては非常に安く作られている場合もあるし、また都会地などで非常にりっぱな建物を建てるというときにはかなり上回っております。いずれにしても、現行のこの単価が低いことは認めております。そこで今研究しておりますのは、今の資材の値上がり、労務費の値上がり、資材のほうは実は最近やや下がりぎみですけれども、労務費は確かに相当値上がってきておる。そのほか、たとえば建築基準法による制約とか、防火施設などを備えつけなければならぬというようなことからくるコスト・アップの問題とか、それからまた教育的に新たな工夫をこらさなければならぬというような教育的な要請とか、そのほかいろいろな要請をし細に点検して今作業中でありますが、その結果、大体大きく申しまして二割アップ程度のことをただいま考えておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 まあ二割アップもしないよりはけっこうですけれども、もう一歩思い切って、これはやはり恒久的な建物になるわけですから、鉄筋となりますとかなり長い間使いますから、少しでも手を抜いたり、それからおろそかにしたりしますと、相当長い年月の間に無理が生じてくるのではないか、こういう観点から、できるだけたくさんの予算をとっていただくように要望いたしまして、この項は終わりますが、もう一つだけ伺いたいのですが、今度のこの普通災害でこれだけの補助をすると、たとえば学校に子供でも放火したとしますね、あるいは気の違った人が放火した。そうした場合にこの災害の法を適用して三分の二を見る、そうしますと、大体今までごく、昨年でも一昨年の例でもけっこうですが、激甚災害の件数、特別立法でした激甚災害の件数と、今度の普通災害のときもまぜて、できるという件数はどのくらいの被害件数がございましたでしょうか、大体でけっこうでございますが、全国的に。激甚災害のたとえば台風なんかにあって建て増ししたり、それから改築したりしている、それから他に放火だとか、何かそういうふうな災害にあったのと二つに分けて、概略でけっこうです。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 正確を期するため課長からお答えさせます。

井内慶次郎文部省管理局助成課長

○説明員(井内慶次郎君) ただいまのお尋ねでございますが、三十四年、三十五年、三十六年の三カ年の実績を申し上げます。三十四年の災害は伊勢湾台風のございました災害でございますが、被害を受けまして国の負担対象になりました全国の学校数は三千百十七校でございます。三千百十七校のうち激甚災害地として指定を受けまして激甚災害の国庫負担をもらいましたものが一千百七十校、それから一般災害の扱いを受けましたものが一千九百四十七校ということがその内訳でございます。なお、三十四年災害の国として交付いたしました負担金は約二十三億でございます。それから三十五年災害はチリ津波等があった年でございますが、三十五年の災害は国庫負担の対象となりました被害校数は百九十五校でございます。三十五年災害の際は激甚災害の指定を受けましたものはございませんで、全部一般災害として百九十五校が処理されております。国から交付いたしました負担金は約七千六百万円でございます。三十六年度災害は第二室戸台風を含めます災害でございまして、三十六年度中に国庫負担の対象となりました被災校の校数は全部で四千四百四十八校でございます。そのうち特例法の適用を受けましたのが、特例法と申しますか、激甚災害の処理をいたしましたのが一千五十七校でございまして、一般災害の処理を受けましたものが三千三百九十一校、国から支出いたしました国庫負担金が約二十七億。これが過去三カ年間におきまする公立学校の災害の状況でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 よくわかりましたが、やはり非常に災害が多いわけなんですが、特にまあ激甚災害については、これはいろいろ人災とか、天災とか伺いますが普通災害におきましては、やはり、相当防止できる範囲があるのじゃないか、この法律に直接関係はございませんけれども、やはりあの校舎の管理につきまして警備員制度を設けるとか、まあいろいろ方法を講じならければならない。ところが全国的に今見ていきますと、教師の宿日直、こういう点は責任を転嫁下るという場合が非常に多い、こういう点もあわせて考えながら、この法がよく実施されるように要望いたしまして質問を終わります。

中山福藏自由民主党

○中山福藏君 ちょっと一点だけ、私お尋ねしておきたいのですが、この法律の改正案は、原則的には復元、例外的には改良と、二点というものがうかがえたわけなのですが、私が一つ確かめておきたいことは、今日、四囲の状況によって復元あるいは改良を必要としないような場所的条件というものが現われておるところが多々あると思うのです。たとえば気象学の進歩によって台風のコースに当たっておる、あるいは河川の流域の変動によるところは復元をやっても将来非常な災害が起こるというような場所は、これは一応学校を移動して、そして新しく建築したほうが将来のためにいいんじゃないかということも考えられるのです。そういうことは一応この改正案を出されるときはお考えになったのでしょうか、どうでしょうか。ひとつその点だけを確かめておきたい。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) この法律の第五条に、「(原形に復旧することが不可能な場合において当該施設の従前の効用を復旧するため施設をすること及び原形に復旧することが著しく困難であるか又は不適当である場合において当該施設に代わるべき必要な施設をすることを含む。)」とありますのは、こういう特に註をつけておりますのは、今御指摘のような場合に、この規定の活用によってそのようなことができるのだ、そういうような場合も原形に復旧するものとして措置するのだ、こういう趣旨をうたっておるわけでございます。

中山福藏自由民主党

○中山福藏君 その点が非常に不明確でありましたから、私は一応それを確認しておきたいと思ってお尋ねしたわけであります。どうかひとつそういうことも十分お考えおきを願いたいと思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 根本的な問題としては反対する要はないと思いますが、災害地における問題として、復興する場合の、かりに現代建築に変えていく、こういう場合に、相当その県によって三分の二の補償をされておるけれども、あとの三分の一の出資に困難する県があろうかと思います。あるいは市もあると思います。そういう場合に、たとえば父兄の寄付を仰ぐとか、こういうことがふえてくるのじゃないかという気がするのです。特に災害地ということは市民全体、県民全体の不幸でありますところであって、その中で建築を変えるということになると相当負担が大きくかかってくる。貧乏な県においては、それをまかなうためには個々の負担になってくる、こういう場合の対策はどう考えるかですね。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) まあ災害の場合は、一般的に地方財政にとって負担加重になるわけでありますして、そういう意味において三分の二という率を高め、また激甚災害の場合には、それを特に高めるということは、この場合激甚災害の法律によってとられておるわけでありますが、なお残る部分については起債措置を相当よく見ておるわけであります。でまあ、今後ともそういった起債については、なるべくよく見るように努力するという問題はありますけれども、今まで相当起債で見ております。そういうことで、まあかなりのところまで国としては措置しておることになっておると思います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 そうすると、何ですか、一般市民の寄付を仰ぐとか、そういうことは災害地に対してないのだ、こういうふうな解釈をしてもいいのかどうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 寄付を仰ぐということは、全然ないとは私申し上げにくいのでありますが、これは具体的ないろいろな場合があると思いますけれども、ただ災害の復旧については、大体よく国としては見ておるわけであります。補助金と起債で見ておりますから、大体においてはできると私ども考えております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 大体においてということは、ないことはないと言われるのですか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) これはやっぱりいろいろ具体的な事例においては、そういう場合もあり得ると考えます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 そうなってきますと、現在の補助金の価格を先ほど二割程度上げたい、こういう御意見でしたが、二割程度ということは、結果的にはそれだけ三分の一の費用も二割上がるわけですけれども、負担の上に負担がかかってくるわけですね。したがって、それはもうあると言うほうが確実なんであって、そのないということは言えないということは、一般市民にも迷惑をかけることがあるのだ、こういう解釈に立っておられるということに解釈していいのかどうか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 今の問題は、単価が低い、それから構造比率も実際上低いというような事情が、場合によりますと地方に迷惑をかけるということの原因だと思いますが、その点は今後改良しなければいけないと思います。しかし、それにいたしましても、まあ今のような補助率も高め、その起債も相当見ておりますから、まあ最低限度のものは、最低必要なものは、大体そう無理しなくてもできるという建前にしておるわけです。しかし、実際問題として、地方ではなお苦しい中にもりっぱなものを建てたいということで、ある場合には寄付をとるというようなこともあると思いますけれども、しかし、一般的には、大体国の措置で必要なものは建てられる、こういう建前になっておるわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 現実的にはその建前になっている、こういう確認だということでよろしゅうございますか。

米田勲日本社会党

○米田勲君 すみませんが関連質問させて下さい。ちょっと大臣に聞きたいのですが、今の局長の話を聞いていると、災害の復旧について寄付のことを否定していないのです。そういう指導方針で文部省が災害復旧のことを考えているということは、これは問題だ。そういう一般の寄付を当てこんでいるような指導はしないという建前で、災害の復旧を推し進めるべきであって、今の局長の話を聞いていると、われわれはちょっとその寄付は納得できないのですが、大臣はどういう考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、政府委員から申し上げましたのは、建前論と現実問題を一緒くたに申し上げておるきらいがあったと思います。現実問題としては、父兄負担になっている事例は相当あると思います。そのことを念頭に置いてお答えしましたから、そうとられたと思いますが、建前としては、校舎の災害復旧などについて父兄負担が当然なければやれないという建前で予算等が組まれるべきものじゃない、そういうものだと思います。これは実際となりますと、その予算単価にいたしましても、その都度ケース・バイ・ケースで単価がきまるという建前じゃございませんために、一応物価の動向なり、あるいは賃金の動向なりを、ある程度先を見きわめたつもりできめられたものが、現実的には実情に合わないままに踏襲されるというきらいがある。そういうことからしまして、なるほど三分の二だ、二分の一だ等々の補助金が出まして、残りが地元負担ということになりまして、その負担分を起債等の措置で一応の財政措置はするといたしましても、単価がどうも実際と違うものだから、その違った分だけは持ち出さざるを得ない、持ち出すときでも、公共団体がみずから自己資金で、あるいは起債額等をふやすことによって補う建前になっておりますが、その圧力があまりきついために、当該市町村等では実際上困難だというときに、心ならずも寄付金に仰ぐということがあり得たであろう。それはむろん望ましいことじゃございませんから、それを解消する努力はわれわれの責任だ、こういう建前を一応申し上げ、そして現実遺憾ながら父兄負担になっているものがあるということに触れましたために明快を欠いておったかと思います。建前としては、私が今申し上げましたような方向で政府は考えねばならぬ、文部省も努力すべきものだ、こう考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 重ねてお話ししておきますが、教育のことに関して、国や自治体が当然責任をもって進めなければならぬはずである経費が、父兄の負担に大幅にかかっておるというのが日本の現在の教育をめぐる実情なんです。これは文部大臣もよく知っておる。その膨大な父兄負担をどうして解消するかということは、これは文部行政上非常に重大な課題だ。そういうことを一方に努力しなければならないものを持っていながら、災害復旧の問題のこの質疑の話の中で、不用意にも一般の父兄に災害復旧の寄付を期待しておるような答弁が出てくるというのはけしからぬ話だ。建前どおり指導すべきなんです。建前は建前だが、そういうことはあり得るなんというような、そういう指導の仕方というものは誤りを来たす。自治省などともこれはよく連携をしながら、父兄の負担を期待して災害を復旧するというような、そういう指導はしないのだ、こういう立場に立って、法案を改正すべきものがあれば出すべきであって、答弁の最中に、大臣にかわって政府委員がわれわれの納得のできないことを言っても、大臣はだまって聞いておるというのはけしからぬ話だ。これは今そういう話が政府委員からあったけれども、これはちょっと指導方針からいって建前が違っておるということは、われわれが指摘するまでもなく、大臣はそのことを訂正すべきだと私は思うのだが、どうですか、積極的に。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 高山さんの二度目の御質問に対しまして、私が申したようなことを政府委員が申しましたから、それでまあ話は終わったものと理解しておったのですが、米田さんからまたお尋ねがありましたから今のとおりお答えしたわけですけれども、これは政府の立場としては、先ほど私の申し上げたことが当然であり、政府委員が二度目に申し上げたことが本来の線であると御理解いただきたいと思います。なお、ついでながら、その努力は少しはいたしてきております。たとえば昨年の台風のときの災害復旧につきまして、学校施設につきましては、従来のその単価を何割か引き上げまして、大蔵省に認めさせて、災害復旧に対したわけでございます。それがその後の予算単価として取り入れられ、三十七年度予算にはそれが取り入れられておるという実績もございます。しかし、これまた物価の動向ないしは賃金の上昇度合等までも見込み得なかったという形跡がございますから、三十八年度にはもうちょっと実情に合うような努力をせねばならないという作業をいたしておるわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 今の回答で大体わかりましたが、補足質問もあったようですが、確認しておきますが、PTAその他を通じて各個々の寄付金を仰ぐということは建前でない、これが大前提ですね。そういうことは考えていない、こういうふうに確認をしてもいいかと思いますが、それでよろしゅうございますか、大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりに心得ます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 では質問を終わります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 三、四回前の国会のときに、当委員会において私がただしておったと記憶しておるんですが、たとえば鹿児島とか、宮崎の台風常襲地帯、こういう地方に対しては、被害を受けた後に復旧していくというような、しかもその復旧も予算のワク内で必ずしも全部できないという手おくれの状態ではなくて、台風常襲地帯に対しては、先に国の予算をつぎ込んでいって、しかも新しく建てるやつについても鉄筋化のための予算を積極的に大幅に交付していく、補助していくと、こういう建前について考えておられるかどうかをただし、大臣も、趣旨はいいけれども、今の段階ではそういうことにはいけないというようなことを答えられたと記憶しておるんですが、本法案提出の際に、台風常襲地帯の単に災害復旧でなくして、新しく校舎等を建築する際に、前向きで鉄筋化をさせる、そのためには国が大幅に補助していく、こういった点について検討されましたか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私が特別に指示をして具体的な検討はいたしておりません。ただ一般的に申し上げますと、およそ建築の技術者たるもの、日本では台風がくるところには、風に而え得る強度を念頭に置くべきであり、地震が多いわけですから耐震設計であるべきであり、火災も起こらぬようになるべく耐火構造であるべきである。しかもそれは当然といたしまして、一応は建設技術者が考えておることに期待しておるわけであります。ただ台風常襲地帯については、豊瀬さんも九州ですから御承知ですが、昔から木造は木造なりに、かわらぶきはかわらぶきなりに、台風がくるときに自主的に防護施設をやるという習慣はあるわけでございますから、九州方面の学校建築の設計者は、一応今申し上げましたようなことを考慮に入れてやっておるであろう。その計算以上のものがきましたときにいろいろ災害が出てくる。あるいは老朽校舎等があるために思わざる災害等が現実に起こっておると思いますが、それに対しましては、今御審議中のこの法律の通過によりまして、改良復旧によってその必要に応じていく。それ以上に現在ある学校施設を全部再吟味いたしまして、この法律により改良復旧するであろうようなものに、全部作りかえるという角度からは実は検討いたしておりません。施設部等でもってそういう考慮を現実にやっておるかどうかは確かめてはおりませんけれども、私としては特にそのことが指示して検討させるということまではいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 局長にお尋ねしますが、たとえば鹿児島、宮崎、二つを指定いたしますが、その地域における小中あるいは高等学校、これの木造、鉄筋の比率ですね。全国平均とどうなっていますか。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) ちょっと課長からお答えさせていただきたいと思います。

井内慶次郎文部省管理局助成課長

○説明員(井内慶次郎君) ただいま準備いたしております資料でお答えさせていただきたいと思いますが、わが国の公立学校の小学校、中学校、高等学校までの全体の保有坪数が何坪あって、そのうち現在鉄筋、鉄骨、木造の割合が大体どうなっておるかということを初めにちょっと御説明申し上げます。  これは三十六年五月一日の実態調査の数字でございますが、小学校は全体で大体一千五百十一万坪というのが全体の延べ坪数でございます。そのうち木造が八六%でございます。大体一千三百七十二万坪でございます。それから中学校の場合が、全体の坪数が八百三十万坪でございまして、そのうち木造が八二%でございまして、約六百八十二万坪でございます。それから高等学校が、全体で四百十七万坪でございまして、そのうち木造のパーセンテージが七六%、約三百十五万坪ということになっております。で、現在の全国の公立中学校の保有の状況はただいま申し上げましたようなとおりでございますが、この保有の木造校舎を国が関与いたしまして鉄筋、鉄骨化して参ります最大の事業は、危険校舎の改築事業でございます。危険校舎の改築事業につきまして国から一定の負担金を……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ちょっと……。質問の要旨は、今あなたが説明した全国の平均が八六、八二、七六、宮崎は何%、何%とお答えになればそれでいいのです。

井内慶次郎文部省管理局助成課長

○説明員(井内慶次郎君) 府県別はただいま持っておりませんので……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それならいいです。局長に再度のお尋ねしますが、今の三十五年六月の資料ですね、これはきわめて不正確というか、三十五年から今日までの間に、鉄筋化は三十五年以前のテンポと非常に違った傾斜をたどりながら進んでおると思うのですね。それを今ごろ三十五年六月ごろの木造、鉄筋の比率表を出すと、そういうずさんな資料しか文部省にはないのですか、いささか怠慢じゃないですか。

井内慶次郎文部省管理局助成課長

○説明員(井内慶次郎君) ことしの五月一日現在の実態調査は、集計を終わりまして数字を取りまとめたところでございまして、ただいま持ってきておりませんけれども、毎年五月一日現在で調査いたしまして、集計事務が大体八月初めに終わるというのが状況でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 三十六年のやつもないんですか。

井内慶次郎文部省管理局助成課長

○説明員(井内慶次郎君) 先ほど申し上げましたのが三十六年の数字でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 やはり教育の問題は、一つの障害が惹起してというか、問題が起こってからこれを立て直していく、あるいは手当をしていくと、そういうことはきわめて好ましくない現象であるということは、大臣も文部行政をやっておられて十分御承知のことと思うのです。校舎の場合でも、あるいはその他の諸設備の問題にしても、あるべき姿を先に設定して、たとえば常襲地帯において木造が多く鉄筋が少ない、こういった状況であれば、今の現状から、これが改良を地方自治体に委任するという形でなくて、国が積極的に一つのプランを設定し予算を補助していきながら、そういった地帯における災害被害をとどめていくと同時に、よりよい環境のもとで教育を受けさせると、こういった観点に立つべきだと思うのです。したがって、本災害法とは直接的には関係ありませんけれども、特に災害常襲地帯の地域に対する校舎改良の問題については十分検討して、必要な施策を大臣のほうで進めていただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまのお説は私も全面的に賛成でございます。ただ現実問題となりますと、なかなか百年河清を待つような気持がいたしますが、三十七年度予算を要求しますときに、できれば小、中、高の校舎は、施設は原則としてすべて鉄骨、鉄筋主義でいこうということで予算折衝もいたしましたが、ようやく一割くらいの構造比率を上げるにとどまりました。今後も今お説のような気持で、今申し上げましたようなことで予算折衝もしていきたいと思います。ただし、それも危険校舎とか、統合校舎とか、あるいは新設の場合に限られたような状態でございますので、既存のものを鉄骨鉄筋に積極的に持っていくという段階にまでは直ちには入り込めないかと思います。数兆億円を要するかと思われますので、時間はかかりましょうとも、根本の方針を、原則として全部鉄骨鉄筋にする、そういう気がまえを持って対処すべき課題とは心得ております。努力いたします。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記をつけて。  ほかに御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと見て御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  公立中学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 次に、養護教諭の充実、大学管理に関する問題等、当面の文教政策に関し調査を進めます。  質疑の通告がございます。順次発言を許します。岡田君。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 大学管理制度の問題について文相にお伺いしたいと思います。  中央教育審議会においてこの問題はずっと論議を重ねられ、中間報告を出す準備をされてきたので為りますが、たまたまその間に中教審の案なるものが漏れまして、それからだいぶいろいろな議論が各方面で行なわれた。それで中教審の案も発表されたわけでありますが、中教審の中間報告といいますか、その答申というものは、正式にいつごろ出ることになってえるのでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) むろん確たることは私どもの立場ではわかりかねますけれども、大学の目的、性格に関する中間報告は昨年一応出ております。さらに、今岡田さんがおっしゃったことは、主として管理運営の問題につきましての中間報告のことかと思います。御指摘のとおり、新聞にスクープされましたものが一応出まして、それをきっかけにいろんな論議が出てきているわけでありますが、その管理運営の中間報告がいつ出されるかは、今申しましたとおり、むろん予定できませんけれども、仄聞しますれば、九月一ぱいにはおそくも出し得るであろうという様子と心得ております。さらに、諮問事項の最後の項であります。組織編制に関する中間報告が管理運営に引き続き出されるであろう、まあそういうことと承知いたしております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 文部省では、これに基づきましてこの次の通常国会に法律案を提出する。そういうふうに事を運ばれるんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これもまだ見込みでございますが、もちろん前大臣のときに諮問をいたしまして三年越しの御検討をいただいておりますが、答申が出ますれば直ちにそれを受けまして、立法措置を必要とするものは立法措置をする。予算措置を伴うとしますれば極力その努力をすることは、文部省の立場から言いますと、当然のことと、こう考えているわけであります。したがって、万一答申が今申し上げたような時期よりもはるかにおくれるとなれば、あるいは通常国会には間に合わないということがあり得るかと思います。ですけれども、できますことならば、三年越しの検討の結果の答申は、それを活用する気持でおることは当然と心得ますので、できるだけ通常国会には間に合うものならば間に合わしたいものだ、そういう心がまえでおるわけであります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 まあ文部省としてはこの答申に基づいて法律案を作る。こういうことになるわけですが、これにはすでに発表されたところに対しまして、大学当局者の間からも、あるいは一般にも相当な批判もあるようでございます。いろいろな意見もあるようでございます。それらを十分に取り入れて、そうしてこの法律案を用意せられるのか。あるいは中教審から出ましたものを主にしてそれらのいろいろな批判等は、これは別に取り入れることもないというような態度で法律案を作成されるのか。これは文部省の態度の問題ですけれども、まずその点についてお伺いしたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ心がまえとしましては、文部省にいわばかわって、客観的な立場で冷静に中教審のメンバーの方がそれぞれ御検討いただいておるその結果が答申となって現われるわけでございますから、原則として、その線に沿って立法措置を考えることは、これは当然のことだと心得ております。ただし、今お話のように、まあ幸いにしてと申しますか、その後、各方面からいろいろと検討されました意見が出つつあるようでございますから、それらの御意見の中で取り入れねばならないと考えられるもの、そういうものはこれを取り入れるのにやぶさかであってはならない。そういう気持は持っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 各方面のそういう意見が出てきたら、それを取り入れるにやぶさかでない、こういうことを言われたのですが、それは文部省が一方的にそれを入れるという考え方か、あるいはまた大学総長なんかの集まりがありましょう、その代表者の方からの意見の具申しということもありましょう。日本学術会議のほうでも勧告案を出しておりますが、さらに正式に答申案が発表されれば、また意見も出るでございましょう。そういうようないろいろな機関の意見を正式に徴されて、それを文部省が、その意見として取り入れるにやぶさかでないという意味なんです。それはどうかいうふうにそれを取り計らおうとなされるのか、その点を明確にひとつしていただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 当然に尊重せねばならないという制度上の関連を申し上げれば、中教審の答申が基本線であります。これはもう当然のことだと思います。たとえば国立大学の学長協議会等がございますが、ここでも今盛んに検討しておられるようであります。その検討されました結論が出た場合、中教審の答申と同じに扱うべきものではい、制度として、そのことが確立されているわけじゃない、いわば、表現がまずいかもしれませんが、便宜御意見をちょうだいするという相互関係でございますから、その内容を拝聴しまして、十分責任をもって検討して、取るべきものは取るという考え方であるべきだという意味合いでございます。その場合に、場合によりましては、さらにそういう御意見については、中教審の御意見等も聞くことはあるとは思いますけれども、基本線は中教審の線に沿っていくのが、制度上の立場であろう。その他国立大学のみならず、個人といえども、それぞれ御意見のある方はたくさんあるわけですから、そういう御意見も承らしていただいて参考にしていかねばならぬ。参考にしてと申しますことは、その中に客観性のある貴重な御意見であるならば、取り入れることにやぶさかであってはなるまい、こういう態度で臨むのが本筋ではなかろうか、こういうふうに思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういうふうにいたしますと、たとえば九年の末ぐらいまで、あるいはもう少しおそくなるかと思うのですが、中教審の答申が出て、そうしてそれに基づいて法律案を作成する。その間にまあそういうようないろいろな意見が出る、これをまあ取り入れるか取り入れないかは別といたしまして、聴取をし、それに基づいて検討を加えるということになって参りますというと、法律案を作成するのに、やはり相当時間もかかるのではないかというふうに考えられるのですが、そうなると、なかなか通常国会に提出するということも困難になる。私はまたこれはやはりじっくり考えてやらなければならぬ問題だと思う、と申しますのは、昭和十三年に、やはり大学管理の問題が出ましたときにも、ああいうような、まあいわば非常時体制のもとにおいて、国家のコントロールを非常に強めよう、またそういう圧力が強かった時代におきましても、この問題は相当紛糾をし、かなり長い時間がかかっているのです。それらから考えまして、たとえ中教審の答申がありまして、政府がそれを単なる技術的に法律案に直すといたしましても、その間にそういうような事態になって参りますれば、非常に慎重を要するのではないかというふうに考えられるのですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ大体基本的な心がまえとしましては、いわゆる憲法の保障しております学問の自由、これに手を染めようなどということは全然当初からないわけであります。いわゆるまたそれに関連して言われます大学自治というものに対しましても、ことさら国家権力と申しますか、文部大臣の権限拡張をして快哉を叫ぼうなどというけちな根性は当初からないわけであります。むしろ真の学問の自由、真の大学の自治を確立し、安定せしめる上にもし必要であるならば、もしそれが立法上欠陥あるがゆえであるならば、何とか措置をしなければならぬじゃないかという課題としてとらえての諮問でもあるわけでございまして、現在の文部省の私のみならず、事務当局といえども、今申しましたような心がまえで臨んでおるわけであります。また客観的にみまして六・三・三・四制度がスタートしまして十五年経過しておりますが、小、中、高についてはそのつど国会の御審議をいただきながら、部分的ながらも修正を施して今日にきております。大学制度につきましてはそのままでございます。そのままだから何とかしなきゃならぬという準純な考えでスター、したわけでも毛頭ないので、諮問が行なわれますときも、このままでいいかどうか、現実を、十数年の経過を見ても、真の学問の自由と真の大学の自治というものが混迷を来たしておりやしないかということを堀り下げて検討していただいて、制度上の措置が必要ならば、答申に基づいて何とか措置すべき課題であろう、こういうことでスタートしておりまして、むろん慎重でなければならぬことはお説のとおりであると思います。単に何とかしなきゃならぬからどうかするんだということであっては、むろんいけないことだと存じます。同時に、またなるべく各方面の建設的な御意見も謙虚にこれを聞いて対処すべきことも、心がまえとしては当然のことと心得ます。ただ繰り返すようでおそれいりますが、何を基本とするかという意味合いでのお尋ねとすれば、中教審の答申が基本線であるということは、これは当然のことだと思います。国立大学その他大学関係の団体等も積極的な検討をしつつあると承知しております。これもそう遠くないうちにまとまった御意見も聞かしていただけるようなめども期待できると思っておるのでありまして、あくまでもお説のとおり慎重に、あくまでも客観的な立場において、真の学問の自由と大学の自治が維持改善され、確保されるようにという考え方で臨むべきものなり、かように思っておる次第であります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ただいまのお話ですと、学問の自由、研究の自由、したがって大学の自治という問題には触れない。したがって、政府としては国家権力に上って大学を支配するいう考え方は毛頭ない、こういうふうに言われておる。しかしながら、中教審の案なるものが発表されました。そういたしますというと、これは大学総長あたりから、もちろん各教授からあるいは著名な学者からも、かなりこれによって研究の自由、学問の自由、大学の自由がそこなわれはしないかというような危惧の念が表明されておる。これはおそらく荒木文相もお読みになったろうと思うのであります。あるいは報告を受けられておろうと思うのであります。そういたしますと、この中教審の案なるものに対して、相当な、あるいは批判なり反論もあろうということは予想されているわけでありますが、なかなかの文部省が中教審の案をそのままとって法律化していこうということには、いろいろそこにまた将来問題が紛糾するおそれが認められますが、それらの点について、政府は、もし中教審の案を骨子としてそこに報告されたようなものをそのままとっていくといたしますならば、その際に相当な批判があるであろうということは、今から予想されておるのかどうか、その点は一つはっきり、予想しておるなら予想しておるというふうにおっしゃっていただきたいと思います。どうでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) いかなる法律案といえども、見方により立場により、いろいろ議論があることは当然だと思うのであります。さっきも申しましたように、事前に各方面の意見をできるだけ拝聴して、取り入れることは取り入れるべくやぶさかであってはならないという心がまえで、原案というものができませんことには、あくまでスタートができないことも当然のことでありますから、政府の責任において意見を取り入れ、検討した案を国会に提案いたしまして、国会で十二分の御審議をいただくということが一般的に見まして当然の措置であり態度でなければならぬのではなかろうかと、こう思うわけであります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 中教審の答申が出て、そうして法律案ができますれば、これは国会でも審議しなければなりません、これは当然のことでございます。私どももその任務を持っておるわけですが、とにかく私どももああいうふうな案が発表せられ、またそれに対していろいろ批判があります以上、この問題の成り行きに多大の関心をもって、今後しばしば、あるいはこの問題の今後の経過を見ながら文部大臣の考え方をお伺いしたいのですが、まだそこのこまかい内容の段階まであなたにお聞きする時期ではないので、その点についてはお尋ねしませんが、この大学の問題につきましては、過日の参議院選挙の際に池田首相がかなり力説をされておった。そういたしますと、池田内閣の一つの重要な施策であるというふうに私は考えるのでありますが、実はこの間の所信表明等に人作りということを大いに強調されておったわけでありますが、この人作りと大学制度改善という問題と関係があるというふうに、この池田内閣としては関連を持たしておるというふうに考えるのですが、その点はどういうふうになっているのか、お伺いしたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 総理が具体的に明確にどういう考えに立って人作りという用語を使っておるか私もよくわかりませんけれども、この大学の問題は池田総理の発言いかんにかかわらず、先刻も触れましたように、また岡田さん自身も御承知のように、中教審に十分検討してもらうべき課題なりという意味合いにおいては、三年前から日程に上っておるわけでございます。まあいわば文部省にかわって知恵を貸していただきたいという形で三年間検討をしていただく、その結果が出てくるという段階がたまたま今年になっておるという、むしろ事務的とも言いかねますけれども、特別に政治的にアクセントをつけて、さあやるのだという課程ではないと私は承知いたします。たんたんとして、さっき申し上げたような趣旨においてこのことが取り扱われ、国会におきましても、その意味において衆知を集めて御審議を願う、そうしてよりよき制度への努力をするという課題と思うわけでございます。人作りといえば、通俗に考えますれば日本人の知識、技能の啓発ないしは人間形成という課題であるかと思いますが、それは単に学校教育のみならず、社会教育あるいは家庭教育とでも申しますか、あるいは職場教育とでもいうがごときものが総合されて、よりよき日本人ができていくというのが、まあ人作りの通俗に考えました課題であろうかと心得ます。そういうことで、人作りは有史以来民族としては努力さるべき課題であり、現在としては現在らしい立場においてよりよき人間形成に向かっての努力が当然なさるべきであると考えます。総理がそういうことを言及しましたのは、今までの努力がいささか足らないものありせば、さらに努力をし続けるであろうという政治家としての宣言と心得ます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 総理がとにかく所信表明で人作りという問題を大きく取り上げた。この問題は人間形成の問題、人間形成の問題であるといたしますならば、これは教育という問題が非常に大きなウエートを占めておる。今文部大臣が言われましたように、教育についてはもちろん学校教育ばかりではございません。社会教育もありましょう、いろいろありましょう。けれども、学校教育が大きな場面を占めるということは、これはもう私から申し上げるまでもない。そういたしますと、どうも私として考えますれば、たとえ大学の問題について中教審に諮問されたのが三年前であっても、今日ここに大学の管理運用等について、あるいはその他の方針について、政府がいよいよ具体的に法律案を出そうという段階になってきますれば、この問題と当然関係を持たざるを得ない事態になろうかと思います。おそらく総理もこの発言をせられた場合に、そういうことをやはり予想されておる、あるいはそのことをやはり計算のうちに入れられておるのじゃないかというふうに考えるのですが、ただいま文部大臣は、その総理の宣言された人作りという問題に対して、どうも内容はよく関知していないのだと言うに至っては、内閣一体の見地から見て、私はまことにふに落ちないのです。もし、総理がこの所信表明にそれをはっきりとうたわれ、その所信表明のおそらく草案というものは、閣議において、諮られたものと思う。その際に文部大臣はその所管とするところなんですから、その問題について明らかにその方針を、まあそれを総理が言い出されたならば、明らかにしておくべきことではないのか、またこれが池田内閣の方針であるといたしますならば、文相が今まであの所信表明があってから今日までの間に、その問題について総理のその所信表明のうちにあった人作りという問題に対してある程度の具体的な形のものを持っておられなければならぬはずなんですが、持っていないとすれば、まことに内閣が一つであるという見地から見ておかしな話なんですが、その点は一体どういうふうになっておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お尋ねの意味で、私の今念頭にありますことを雑駁ながら申し上げたのであります。もっと厳密な意味においては、あらゆる面について掘り下げて、しかる上でないとお答えは困難でありますので、さっきのようなお答えにもなったわけであります。繰り返し申し上げるようですが、総理が言う人作りというものは、学校教育はもちろん今御指摘のとおり一番大事な場面を占める事柄だと思います。まあ通俗にこのごろ青少年の犯罪、非行少年犯罪が続発する、これを一体どうするかという課題、あるいは社会的な現象といたしましても、映画その他の面に現われるもろもろのエロだ、グロだというものの横行するがごとき風潮、そういうことも間接ではございましょうが、人作りの上に支障を来たしておるというがごとき、単に文部省だけで処理できない、国全体として国民全体が考えなければ青少年のためによりよき人間形成の条件を与えることは困難だという問題が山積しておる。それらを一括いたしまして人作りのために努力をしょう、こういう考えであろうと思うわけでありますが、冒頭に申し上げましたように、それらのことにつきましては、即席で直ちに今私がお答え申し上げるほどの内容を念頭に持っておりませんので、今後漸を追うてしさいに検討を加えつつ具体的な施策として取り上げていきたい、私としてはさように考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 まあ今のお話ですと、これから考えるとだんだん人作りという問題について具体的なものを示していきたい、こういうお話ですが、その人作りの過程において、学校教育というものがやはり大きいウエートを占めるということはお認めになった。学校教育のうちにおいて大学の教育というものもまた人作りに関連をするものであると私は思うけれども、その大学の教育が人作りに関連をするという点は、これは文部大臣も同感だろうと思うのですが、その点いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) むろん同感でございます。現に学校教育法の大学の章を瞥見いたしましても、正確な法律文そのものでは申し上げられませんけれども、大学においては学問のうんのうをきわめる研究ももちろん大事だが、やはり学生の知的、道徳的、応用的な能力を展開する場でもあるということを書いておるくらいでありますから、知識、技能を身につけるということも人間形成の実態の一部であろうと思います。のみならず、道徳的、応用的な能力の展開もまた人作りの問題でなければならぬ。すでにして大学がそのことを意図しておりますが、はたしてその学校教育法の求めるところに応じ得ているものやいなやという現実問題で、さらにそれが応じ得ていないとするならば、制度上の欠陥にあるかどうかということも当然検討さるべき課題でありまして、人作りに関連があることはもうお説のとおりで、大学教育といえどもそのらち外ではないと、こう考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ただいま文部大臣がこの大学教育また大学の制度、運営というものも人作りと無関係のものでないということを言われた。ところが、この人作りの問題ということになりますというと、一体どういう形の人が理想的なのかという問題が一つ出てくる。人作りということは、ただばく然と人作りというもんではない、あるいはこうしてはいけない、ああしてはいけないというだけのストイック的なものではない。アイデアリスティックが示されなければ、池田総理なり、あるいは池田内閣なりがここに一つの人作りという問題でアイデアリスティックを示してくる、そしてそれで今度はそういうような人を形成しようというためのいろいろ諸般の方策が実施される、あるいは教育が行なわれる。そうしてきますと、教育というものがある種の型にはまったものになるおそれがある。たとえば戦争前に私は日本の軍部、これが一定の型の人を求めて、そしてその鋳型に国民をはめていこうとした。それを大学にまで及ぼしたわけです。そして自分たちの好まない者は排除していく、それに合うような制度を作り上げていった、運用もやっていく、こういうようなことをやっていく、それが結局大学における研究の自由、学問の自由を奪い、さらにまたこれによって大学の自治というものはもうけし飛ばされてしまったということになる。したがって、この人作りということも、これを根本的に考えていきますというと、もちろん大学教育と関係がある。しかしながら、そのどういう型を求めるか、そしてまたそれをどういうふうにその人作りをやっていく上に国家が力を用いるかということになって参りますというと、あるいは政府が指導するということになって参りますというと、そこに学問の自由、研究の自由とあるいは摩擦し、衝突するということも起こってくる。私はこの人作りという問題を総理が出され、しかも、それに今日行なわれようとしておる大学の管理運営というような問題を結びつけていくということになるならば、非常な危険な問題が起こってくる。今日著名な大学関係者がいろいろな意見を発表しておりますのも、私はそこにあろうかと思うんです。そういう点で人作りという問題それがどういう形で行なわれるか、そうして国家がどういうような方針でそれを進めていくかという問題とたいへんな関連のある問題なので、そこいらの点からこの大学管理運営制度というものを検討していかなければならぬのじゃないかと思いますが、これはまた憲法の問題とも関連する問題になりましょう。私はそういうような点で大学の今後の管理運営制度というものは単なる技術的な問題ではない、行政的な問題ではないと思っております。したがって、それだけにまた今後むずかしい問題もありましょう。中教審がはたしてそこまでこれを考えてやったかどうかということもなお私どもには幾多の疑問もあるわけでありまして、したがって、これらの問題について人作りとこの大学管理運営制度その他の諸般の改善とを関連させる場合に非常な危険があるということを文部大臣は認識されるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は危険はないと思います。と申しますのは、総理もむろんそうだと信じますが、私どもも一定の人間は自民党的に見てこうあらねばならぬとか、文部大臣である荒木何がしがこう思うから、こうあらねばならぬという予定された人間像を念頭に抱きながら、そこにぐいぐい引っぱっていくなどという大それた考えは毛頭ございません。もし、あるとするならば憲法の趣旨に基づき、また憲法の趣旨に沿って、もろもろの主権者たる国民の意思が法律制度となって現われておると思いますから、その線に完全に沿うような人間作り以外の人間作りは私はないと思います。ただ現実には憲法が実施せられましてまる十五年、十五年間の現実の歩みが、あるいは学校におきましょうとも、学校教育の場を通じましても、あるいは社会的な諸現象から見ましても、大学そのものにいたしましても、はたして憲法が期待するような、いわば人間作りということに抽象しますれば、従前の努力がよどみなく行なわれきたったかどうかということが反省され、もし、政治行政の面で努力が足りない部分があるために思うにまかせない点があるならば、それを改善することにウエートを置いて、テンポを早めて努力するというごとき課題が現われてくることは当然予測されますけれども、一つの型にはめたものをこうしなければならぬというふうなことは私どもは念頭にないわけでありますから、したがって、中教審の答申も、おそらく今御指摘のようなことも深く考えられて答申が出るものと期待するわけでありますが、さらに政府としましては、お話のようなことも含めながら、あくまでも虚心たんかいに政治行政の面の過去を反省しながら、将来を見詰めながら、大学というもののあり方が、客観的に国民が納得のいくような線は何だろうという考え方のもとに推敲を加えまして国会の御審議を願う態度であるべきだ、かように思いますから、特別に人間作りと言いましたこと、そのことで誤りが誘発されるんだという危険性はないものと心得ております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 まさか文部大臣が誤りがありますと言うわけにはいかぬからそう言われるでしょうが、しかし、過去の例から考えますというと、そういう危険性が非常に多い。御承知のように、日本におきましてはほんとうに国民の間から育った民主主義というものは戦前にはなかった。むしろ明治維新以降、日本におきましては官僚が支配し、そうして民主主義的なものが生まれようといたしましたが、しかし、その後にこれが逆転いたしまして、軍部が支配するような事態があった。そうして日本におきましてはそこにかなり民主主義に立つものとは違った人間形成が要求されてきておった。そうしてそれが最後には軍の要求のものに変わっていったわけであります。私どもその過去の例を見てみますというと、あなたが盛んにそういうことはないと言われましても、なお危惧の念が沸かざるを得ないのであります。そういう点からいたしまして、われわれは中教審の答申が出まして、政府が法律案を作成されるその過程、あるいはまた一面におきまして、これから明らかにされるであろう池田首相のいわゆる人間作りなるもの、それとも関連して十分検討していかなければならぬ。これは私どもとしては過去の例から見まして手放し的にあなたの言われるとおりになかなか信ずるわけにいかんのであります。  きょうは私は大学制度の問題につきましてはこのくらいにいたしまして、今後このいろいろなものが発表され、そうしてまた政府がそれに対してどういう態度をとるかということなどについてお伺いをして、十分に法律が出るまでの間にこの問題についての論議をやっていきたいと、こう存じております。それにつきましてはいろいろなものが出ておりますが、ひとつこれは文部省のほうから国会のほうに資料として出していただきたいと思っています。もちろんこれは中教審の今まで発表されましたもの、あるいは国立大学協会、日本学術協会等の発表されましたもの。それからもう一つは管理制度の問題でございますから、大学管理運営改善協議会ですか、協議会のほうで発表されましたものもあるようでございますが、そういうものをひとつ文部省のほうから取り寄せていただいて御配付を願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それぞれ有権的と申しましょうか、確かにあるグループの御意見であるとかいうものが確認されましたものを、入手し得ましたものは御要望に沿いたいと思います。ただ時期的には、一挙にはできない事柄でもございますから、順次提供しますか、一まとめにして提供しますか、そこら辺は今後お打ち合わせの上で、むろん入手できる資料は国会にも御提出申し上げるという心がまえで参りたいと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 では私の質問はこれで終わります。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 速記を始めて。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私は教職員の定数、特に前国会におきまして問題となった養護教諭と事務職員の件を中心に質問いたしますが、三十八年度の予算の編成の過程にもあると思うのですが、文部省におきましては、三十八年度の予算について、ほぼ骨子がまとまっておりますでしょうか。また、大蔵省の提出時期はいつごろになっておりますか。その点まずお伺いいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 大蔵省に対します予算提出は八月末でございます。いろいろ検討中でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますと、大体もう案がまとまっておると解釈してよろしゅうございましょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 大体私どもの腹案としてはまとまっているわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 昨年の予算編成では、小学校におきましては児童五十四名について教師一名、それから中学校は五十二名について教師一名と、このように編成されたわけですが、ことしはその人数をどのように踏んでいらっしゃるのでしょうか、三十八年度予算の。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは御承知のように、年次計画と申しまして、すし詰め学級の解消ということをやって参っておりますので、来年度におきましては小学校、中学校ともに五十人ということで計画をいたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもは前々から申し上げましたように、やはり一学級の定員を四十名と、こういうように終局的に持っていきたいと考えているのですが、その定員の問題はまた次に譲りまして、その定員に関連しまして、去る三月三十一日の文教委員会で決議されて、その決議に対して文部大臣が表明、お約束したことについてだけ伺いたいと思いますけれども……。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ちょっとその前に私に関連質問をさせていただきたいと思うんです。今のすし詰め教室の解消は、三十八年までにやるという約束は何度もしていて、五十名以下にする、小学校、中学校は一これは約束どおりだが、そのときに小規模学校に対する政令を同時に廃止するということを約束をしておるのですが、それは間違いないでしょうね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その政令の問題でございますが、全廃するということでなくて、小規模学校についてもできる限りこれを充実していくというように私は了解いたしておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういう答弁が出るというと時間がかかるんだが、これは去年の予算委員会の分科会で私は文部大臣や当時の内藤局長ともいろいろ論議したのですがね、小規模学校の政令がいかに学校における教育活動を阻害しているかということの実情をよくお互いに認識したのですが、それを早急に三十八年度を待たないで解決すべきだという主張をしたんであるが、そのとき大臣も局長もこもごも、実情はよくわかるけれども計画どおり三十八年度のときにすし詰めを解消していく年次計画になっているからそのときに同時にあわせて不合理な小規模学校に対する政令を廃止するということでそれまで待ってくれと、こういう約束になっているのだが、これは分科会の会議録に載っておる言葉であって、今ごろになってから一部解消だとか一部改善なんということを言わない約束になっているのだが、どうですか、局長。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その点につきましては、なお私も速記録を調べまして善処いたしたいと思いますが、私どもの考えといたしましては、その小規模学校の定員の充実等につきましては三十八年若干はできると思いますけれども、完全にはやはり三十九年以降の生徒の漸減とあわせてこれを実施していくという考え方で、ものを考えているわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 関連質問なんで、私時間を長くとると千葉さんに失礼になるからやめますけれども、文部大臣、約束が違うぞ、こういう話であると。これはあなたも記憶しておるはずです。あの小規模学校の政令がいかに実情に合わないかということは、もう認識しているはずだ。とんでもないものの考え方から発しているのだ。そのときの財政の問題からもきたでしょう。しかし、それを今度はすし詰め教室解消は三十八年度まで待ってくれということでわれわれがまんしてきたのだから、今ごろになってから、文部大臣そういうことを言って、またこれを年次計画で何年も延ばして、完全に解消する主で延ばしていくということでは困るので、後日それはあらためていろいろ質問をしたいけれども、もう大蔵省に予算を提出する時期が迫っているときに、そういう内容を含んでやるということは約束をたがえていることになる。慎重にこれは大臣検討してもらいたい。この点はきょうは関連質問ですからそれだけで……。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと私も記憶が薄れちまって申しわけないことですが、委員会等の決議、あるいは御質問に対してお答えしましたことは、誠実にこれを実行に移す努力をすることにはむろん一貫して心がまえとしては持っております。今お尋ねになりましても、ちょっと具体的に私は申し上げかねますけれども、今政府委員が申し上げましたように、検討を加えてあらためて御返事申し上げることにいたします。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 三十一日の文教委員会で、学校教育法の二十八条の趣旨にのっとって年次的に設置を推進する。一緒に養護教諭の養成計画についてもそれに即応した万般の整備をするということが決議されて、それに対して荒木文部大臣は政府を代表して、誠意をもって実現に努力すると、そういうことをおっしゃられたわけです。その間、時の過程で充足計画の内容が明らかにされたことはお互い御承知のとおりで、昭和三十八年度から四十二年度にかけて五カ年計画でこれを推進していこうではないか、その中で御承知のように、昭和四十二年には養護教諭は小学校九百名につき一名、中学校千二百名につき一名、こういうふうになつて、とりあえずそれには三一八年度はどのようにするかという論議の中で、地方費支弁の者で免許状のある者を全部任用がえしていく、その数が約二千三百名と、こういうふうになっておりますわけです。それ以後三十九年度約千二百名の増員、以後は毎年七百五十名増員、こういうように約束されたわけですが、今度の予算の編成の中にどのように具体的に盛られておりますでしょうか。それについてお答えいただきたいと思います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) この前の国会におきまして大臣がお約束いたしました趣旨に従って予算を提出したいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今私が申し上げましたのは、これは私どもとそれから政府のほうと御検討をいただいて話し合った内容でございますが、そのとおり五カ年計画を実施していただく御計画でしょうか——実施していただくではなく、実施する計画なんでしょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 三十八年度を初年度といたして、四十二年までに大体約五千人でございますが、それを充足するような計画で進めたいという決意でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あのときには概算して約五千名と話し合いましたが、その後数字をあげてみますと五千二百五十名ということに大体なりますけれども、その数字はとにかくとしまして、その五カ年計画に沿ってしていく、それに間違いないというお話でございますが、それではその三十八年度の予算の中にもお約束どおり盛るとおっしゃったのですが、具体的に地方費支弁の者の免許状のある者二千三百名の増員ということをとのように自治省と折衝してお盛りになっておりますでしょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) まだ自治省と折衝はいたしておりませんが、私どもとしては、大体お述べになりましたように、市町村負担の養護婦というのはかなりおりますので、そういう市町村負担の養護婦を予算的に切りかえていくという趣旨で三十八年度は相当数の増員計画を立てたい、こう考えておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 相当数という数字が三十八年度で約二千三百名——大体四千五百名近くの地方費支弁の者がおりまして、その中で免許状を持っていない者は五カ年の計画の中で免許状をとるような手だてを講ずる、とりあえず持っている者が約二千三百名、これを三十八年度中には必ず県費支弁に切りかえると、こういうふうなお約束ですが、その数字がしっかり盛られておりますかどうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私二千三百名という数字、ちょっと記憶がないのでございますが、大体二千人というふうに心得ておりますという当時お約束だったと思います。ただし、その約二千人と申しますのは三十六年度において、定数法と現在員との充足すべき差の数として一応考えておった数だと思います。したがって、まだ本年度の養護教員の実数がまだ正確につかめていないのでございますけれども、昨年に比べて若干ふえていることは事実でございます。したがって、定数法の関係から申しますと、二千人まで充足しなくとも、定数法どおりに置けるというふうに考えられるのでございます。したがって、約千だろうと思いますけれども、若干数字は現実の数と比べませんと、そこに確定数が出て参りません。これは今後の予算要求の過程において、その点は若干是正していきたい、こういうふうに考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この数字でございますが、今おっしゃったように、調査して各県別のが出ないとお互いに——そこに百名とか百五十名の差があることは私ども了解しておりますけれども、定数法の中で解消できるのではなくて、それはなかなかできにくいので、これを一たんきちっとワクづけたと、こういうふうになりますので、今調査をしている最中でしょうか。実数について各県別のはございませんでしょうか。三月三十一日以降の調べの各県別の……。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 一応五月現在の数を持っておりますけれども、まだ不確定要素が若干ございますので、したがって、そういう不確定な数字をもう少し固めませんと、正確な数字は申し上げられないと思っております。しかし、今申したように、一応三十六年の現在員でもって計画いたしますと、約二千名という数が出ております。それはお約束したとおりでございます。二千名を若干割るだろうという見通しを持っておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもの調査では二千名をこえる。大体この審議の最中には約二千三百名に踏んだわけですが、これはその以後採用になっているものも地方でかなりございます。というのは、やはり定員に縛られまして、どうしても正規に採用できないというので、一時的に採用しているという、こういう例をかなり聞くわけなんです。したがいまして、それらを調べまして確かな数字が出ましたら、その後そのものを全部県費支弁に切りかえていく、三十八年度の計画については、そのことがやはり一番重点になったわけでありますから、これはくれぐれも違背ないように編成の中に入れていただきたい。よろしゅうございますか。数字について申しましたような若干の相違があるということは認めますけれども、とにかく市町村費支弁で免許状のある者については全部切りかえていく、この線をお通しいただきたいと思うのです。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 県によっていろいろ事情が違うことは御指摘のとおりでございますが、三十八年度に市町村負担の養護婦等を全部一名も残らずこれを切りかえるということにはならないと思います。それを優先的に切りかえるという方向で約二千名程度を増員するという計画を持っております。しかし、今申し上げたように、具体的な数字はこれから固まるわけでございますけれども、それにいたしましても、市町村負担の分もやはり三十六年に比べますと、三十七年は若干ふえておるのじゃないかと思います。したがって、全部これを一名残らず切りかえるということはこれは無理だと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますと、優先的にということでしたが、この前は優先的にそれをする、三十八年度についてはこれ一本でいこうじゃないか、大体二千とか二千三百の数でいけば、一名残らずいく勘定になるわけです。優先的といいますと、たとえば千九百名であってもこれこれの事情で、県によって違うと言われると困るのですが、県によって格差がある。非常に不公平があればこそ学校教育法の二十八条に関連して法案を出したわけなんですから。それでこれを実際的に推進せられていく場合に、再三申し上げますように、この数をきちっと三十八年度はほかのことはとにかくとして、これだけはやろうという話し合いであったと思う。だから、優先的にという言葉じりをとるわけじゃございませんけれども、やはりこれは一名残らず切りかえていくという方針で進んでいただかないと困るわけなんです。このお約束が違いやしませんか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は約束が違うと思っておりません。二千名を優先的に充足するというお約束だったと考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは優先的に切りかえていくという、数については多少は異論はある。実際問題として、県側では市町村費負担になっているものを、よほどでないと積極的に自分のほうへかかえ込むということはやらないですよ。大体県は県財政がそんなに豊かでないんですから。そうなると、よほどこれは文部省の行政指導が勤評をやらせたくらいに熱心にやらぬと、とてもこれは計画どおりいかぬですよ。その点はどれくらいのものの考え方でおりますか。このことを約束したときは、相当市町村費負担になっている実情から、いろいろ待遇の面についても、教育上の問題についても難点が数々あるので、まずこの問題を最初の年に解消していこう、そういう考え方で一致したんですからだからこれは文部省の建前としては優先的にやるような準備体制はしましたよ。しかし、県がやらぬものはわしら知らぬ、これではわれわれとお互いに約束した目標が達成できないことになる。その点はあなたどう考えていますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは御承知のように、足数として増員するわけでございます。したがって、その具体的な人間をどう処置するかということは、これはいろいろ県のやり方もあると思います。しかし、定数として増員いたしました以上は、現在の市町村負担の分を最優先に考えて、これを切りかえるように指導する、こういうつもりでおるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その指導は相当熱心にやられるだろうね。もちろん形式的ではないでしょうね。その点がやはり気がかりだな。そうすると、もう三分の一も四分の一も切りかえがきかないままいってしまうおそれがある。そういうおそれありませんか、よほど熱心に指導しないと。どうですか、あなた方専門家だからわかっているでしょう。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これからの問題でございますから、できるだけやりたいと思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今、米田委員が質問した点が非常に私気になるわけです。というのは、今まで長い間行政指導をするするとおっしゃりながら、実際にできなかったわけです。できない理由はかくかくでございますと県があげてきますというと、それはやむを得ないということになったので、特に前国会でその点が指摘されて、文部省は責任をもって行政指導なさるという答弁であったわけです。ですから、具体的に三月三十一日以降どういう調査をして、それから各県に向かってどういう行政指導をなさったか聞かしていただきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私どもは主管課長会議なり、あるいは教育長会議を通じまして、国会で大臣がお約束しましたこの年次計画というものを、みんなによく徹底させるようにいたしまして、県としてもまだこれは三十八年度の問題でございますけれども、もし、そういうことになったら、十分適切な処置がとれるようにというあらかじめの指導をいたしたわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この行政指導でございますが、県によっては非常にいい抜け道を考えて、何とかできなかったことだけを報告なさるところがあるわけです。私ども産休補助教員にしろ、事務職員にしろ、あるいは定員問題にしろ、話し合ってみますと、大体四十六都道府県の中で、三分の一くらいあまり聞いていないところがあるようですね。文部省においても行政指導した、文部省のいうことなら何でも聞くというような府県のようなところですと、これは産休のような問題ですと今度きまったらやろう、こういうふうになるわけです。そういうような県もかなりあるわけなんで、県別に私ども現場の先生方から聞いた県の実態をつかんでいるわけですけれども、文部省においても大体どの県が今までそういう行政指導が徹底したかしていないかおわかりになると思うのです。そういう県には特に目をかけて、目をつけて御指導いただきたい。具体的に地方支弁で、県費支弁に切りかえられないというところが出てきたらば、その県をまあ文部省のほうへこちらも調べて申し上げますし、それから文部省のほうとしても調査して、そうして徹底的な御指導をいただきたいと思います。していただけますか。これは一県々々やらなければだめなんです。とても、総括していってもそのときにちょっとごふじょうに行った人は聞いていなかったり、居眠りしていた人があれば、こことこの県はわかった、この県はわからない、イエスかノーをとるくらいの御指導を、何か、しいて言うと、恐縮ですが、今までこり切ってますので、その点だけひとつ御指導願っておきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 教育委員会は一から十まで文部省のいうことを聞くわけじゃございません。この問題だけについて特にせよとおっしゃることもわからぬこともございませんが、それはやはり具体的な問題と同時にやはり数字の問題がいろいろありますから、そういう点についてはできる限り教育委員会と私どもと話し合いによって、できる限りやりたいと考えています。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 その点は文部省のいうとおり教育委員会が何でもというわけじゃありませんけれども、やはり国が責任をもって、予算を編成する政府が、私どもはこれを審議してよりよいものにしていく、こういうやはり最高の、ここで審議する機関ですから、そこで決議して政府がそれを了承してやったとなれば、これは強制とか何とかという意味じゃなくて、当然やはり国の責任としてその定員の問題については充足できるようにやはり行政指導はしてもいいのじゃないか、こういう意味でありますから、そういう心配する必要はこの件に限っては、と思いますけれども、そういう点要望いたしまして次に移ります。  もう一つは、養成所の件ですが、三十八年度ですか、今度から三カ所ふやすというような話し合いになっておりましたが、それも予算に盛っていただいたでしょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは大学学術局のほうでいろいろ計画してもらっておりますが、大体国立大学において三カ所ふやすという計画を進行させているようでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますと、やはりことしと同じように一大学で三十名程度の養成、それで同じようにやはり高等学校卒業して看護婦の免許状を持った者の入学資格で一年養成課程、こういうことでよろしゅうございますね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 大体従来一大学三十名でございますので、その例にならって、従来のとおりにやろうと思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そこで、逆にやはり養成所ができたものですから、PRが足りなかったこともまあいろいろありまして、養成所によっては非常に応募者が多かったところと、それから足りないところも出ているようです。ですから、それらは十分に計画どおり養成できるような処置をもう一ぺんやはり行政指導の中でしていただきたいと思うのですけれども、それで、三カ所の予定地は大体どこでございましょうか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ちょっと私の所管でございませんので正確にお答えできませんが、あとでまたほかの者からお答えいたしたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そこで、まだ質問したいのですが、まあ要点だけ伺っておいて、次に……。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ちょっと関連質問。これはあのときの約束はこうなっているので、八大学に養成所を設けて、そうして充員をしていく。人数に見合うように資格がとれる人員を補充できるような体制でこの養成機関を設けていく。その場合、八大学という話のときに、それでは足りない場合があるじゃないか、こういう話が出て、それでやってみて五カ年計画の充員に資格をとっている者が足りなくなる場合には、さらに増設しようという約束になっているので、それも忘れないでひとつやっていってもらいたい、これは覚えているでしょうね。そういう約束になっているということはどうですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私はそこのところを正確に覚えていないのですけれども、そんなお話もあったように記憶しております。これは所管の局でいろいろ検討していると思いますので、その点は善処したいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 養成するほうは大学学術局のほうかもしれぬが、充員する者を必要とする側はあなたのほうですから、あなたのほうで計画させたものが、そのとおりうまくいくように局同士の話し合いを当然行なわれなければならない。あのときの話を私もよく記憶していないなんというそういう無責任そのものの聞き方じゃ困るよ、局長。もっと直剣になってもらわなければ、われわれはいいかげんでお互い話した話ではないのだから、あなただって責任をもって局長になったからにはやってもらわなくちゃ大学学術のほうだから私どものほうはよく知らぬのだということではあなたのほうの仕事が困るでしょう。計画どおりいかなくなっちゃう。そのときには当然約束どおり養成所の設置をふやしていくという約束になっているのですから、間違いのないようにひとつやってもらいたい。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 その養成所の件ですが、とりあえず三十八年度は三カ所を増設する。その後人員に見合って養成計画をする。それにさらに、今免許状のない者は、できるように処置するとか、あるいは新しく採用する場合に年令の基準等によって各県に非常に門戸が狭い、それを広げていくとか、いわゆる選考基準の範囲とか、そういうことについてもあわせて考慮する、こういう話であったわけです。ですから、これは大学学術局のほうもさることながら、初中局においてもそういう点を十分考慮していただかなければならないと思いますけれども……。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 養成計画につきましては、四十二年までの年次計画について、さしあたり支障のないような養成をするということは、これは私ども十分心得ているつもりであります。なお、四十三年以降においてどうするかという問題も、根本問題としてはあるわけでございます。当時いろいろお話の出ましたのを記憶をよみがえらしてみますと、四十三年以降についても生徒は漸減いたしますけれども、それと見合いながらできる限りこの養成について積極的に考えるのだ、こういうようなお話であったと私は記憶いたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 養成所の件ですが、募集してなかなか来手がないということを聞いていたのですけれども、そうしましたら、やはり教員になりますと給与が非常に低い。特に初任給が低い。こういう点に関連いたしまして、文部大臣にこれをお伺いいたしますが、昨年に続いて今度人事院の勧告がございましたですね、人事院の勧告そのままを実施いたしましても非常に教員の生活が苦しいから、この学術教育新聞ですか、ずっと日本の教師たちというふうにその悲劇的条件というのがずっと載っているわけです。その中に、これは日本教職員組合の調査、あるいは文部省の調査、あるいはその他調査事項等の比較がずっとあるわけなんですが、その中に民間給与との格差がなかなか縮まらない。そういう中で荒木文相は、国会答弁にしばしば大学教授の給与に言及して、裁判官あるいはそれ以上にしたいということを述べられているわけです。しかし、実際的には大蔵省と自治省その他の財政上の問題で、これは私ども今までの様子を考えていった場合に困難じゃないか、そこの困難を打開していく一つとして、まず人事院勧告をそのまま、私どもは内容は不満でございます。非常に問題があって、計算の仕方その他についても問題点がたくさんございますけれども、かりにあのまま実施されても低い。こういう中で人事院勧告に対しても文部大臣は教職員に対してどのように考えていらっしゃいますか、関連してひとつ伺いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 人事院勧告は物価その他の条件の変動に応じて毎年勧告するという性格のものと思いますが、むろん政府はこれを尊重して実施する、これは当然のことと心得ます。で、私はそれは一般的に公務員おしなべての物価その他の条件との見合いにおいての課題でございますが、およそ教師の給与が今のままでいいかという問題には根本的に疑問を持ちます。戦前のことをそのまま持ち出すとかれこれ言われる向きもありますが、少なくとも教師の給与については、戦前のものの考え方が正しかったのではないか。他の職域との比較になりますが、やはりもっとレベル・アップされるべき本質を持っている。そうでないならば、使命が果せないであろうということを私は思います。その課題と毎年毎年の人事院勧告とは幾分問題が違った立場に立つものではございますが、あわせて毎年のやつは尊重し、基本的にレベル・アップすることも機会あるならば実現する努力を続けたいと、私はそう心得ております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今、文部大臣の御答弁の中に、戦前の云々ということもございましたし、たくさんの問題をはらんでおりますので十分な質疑をしたいのですが、お約束の時間もございますので、この件についてはあとに譲りまして、もう一つだけあとに戻して伺いたいと思いますが、この養護職員と並んで、事務職員の充足計画のことを話し合ったわけですが、六千名増員の五カ年計画でございますね、これも同様に必ず実施していただけると解釈してよろしゅうございますね。そうして三十八年度の予算の編成過程における具体的な増員について答えていただきたいと思います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 養護教諭と同様に、事務職員につきましても年次計画をもちまして充足の予定を大臣はおっしゃいましたが、その趣旨に従いまして、私どもとしては同様に三十八年度の当初計画として、約二千人くらいになると思いますが、その計画を進めているわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 わかりました。三十七年度の現員が九千五百人、三十八年度の増員数は二千人、三十九年度は千人とずっとなっておりますが、二千人をお約束をしていただいて、編成の中に必ず盛っていただくということを御約束いただきまして質問を終わります。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ちょっと申し上げておきますが、これも先ほどの養護教諭と同様に、三十七年の現在員というものをやはりはっきりつかみませんと、二千人になるのか、若干その数字が不明であるという問題が同様にございますので、その点は御了承いただきたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この趣旨が生かされるように……。

北畠教真自由民主党

○委員長(北畠教真君) 本日の質疑は、この程度にいたしまして、散会いたします。    午後零時三十四分散会   —————————————

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