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41回国会参議院1962/08/31

農林水産委員会 第5号

発言数
88
登壇者
6
会派数
3
開催日
1962/08/31

会議録

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。  お諮りいたします。中野文門君から理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。  つきましては、この際委員長は、その補欠として理事長青田源太郎君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、農薬取締法の一部を改正する法律案、以上三案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取することにいたします。衆議院議員、井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○衆議院議員(井手以誠君) 提案者の井手以誠でございます。  ただいま議題になりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案及び天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案及び農薬取締法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  本年七月の集中豪雨によりまして、二十八年の大水害、三十二年の諌早大水害で原形復旧を施しました中小河川堤防、農地及び産業用施設は、一個所も残さないほどに再度決壊の災害を受け、関係者が深刻な打撃を受けたことはもちろん、国費のこの上もないむだづかいとなっておりますので、このような被害の愚を繰り返さないよう、この際多年の懸案であります改良復旧に踏み切るとともに、半期完成をはかる必要があります。  以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、原形に復旧した施設で再度災害にかかりました個所、または原形に復旧するだけでは災害防止に十分な効果が期待し得ない個所につきましては、それに必要な改良工事を災害復旧事業とみなすことにしました。  第二に、緊急工事は三年以内を二年以内に繰り上げて、工事の早期完成をはかることとしました。  第三に、連年災害の実情と地方の財政事情にかんがみまして、連年災害の規定を三年間から五年間に改めることにしました。   —————————————  一方あわせて御提案しております天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案は、最近の物価騰貴による農業経営の実態と、被害農林漁業者の長期間にわたる復興の窮状にかんがみまして、経営資金の貸付を現行のそれぞれ倍額に改め、償還期間の五年を十年に、据置期間を三年以内に改めることにいたしました。  次いで農薬取締法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  本年七月の豪雨によりまして、かねてから紛議を起こしておりました水田除草剤PCPが、有明海、琵琶湖等に流入して魚貝類が死滅し、有明海におきましては福岡、佐賀、長崎、熊本四県漁民が二十億円、琵琶湖におきましては四億円にも上る決定的被害を受けたのであります。  このような被害の発生を見ましたのは、現行農薬取締法が、人畜に被害のない農薬を登録するだけで自由に販売使用されていた欠陥を持っていたからであります。幸い最近に至りましてほとんど毒性を持たぬ新農薬も生産段階にありますので、現行法の一部を改めて使用規制を加えることとしました。  まず第一に、農薬の登録につきましては、人畜のほか水産動植物に被害のないものを加えました。  第二に、農林大臣または都道府県知事は、地域を定めて農薬の使用を制限、禁止することができることとしました。  第三に、使用を制限禁止された農薬にかわる農薬の購入に要する価格差を国が補助することができることとしました。  以上がこの法律案の提案の理由及び要旨であります。  以上、三法律案を何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 次に、請願の審査を行ないます。当委員会に付託された請願は全部で四十一件でございます。前例により、まず懇談で下審査をいたしたいと存じます。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) その前に、前委員長梶原委員から発言を求められております。

梶原茂嘉自由民主党

○梶原茂嘉君 この機会にちょっとごあいさつを申し上げたいと存じます。  前国会におきまして、私、農林水産委員長として席を汚したのでありますが、皆様の御協力によりまして幸いに大きなあやまちなしにその職責を果たせたことをこの機会に厚くお礼を申し上げまして私のごあいさつとする次第であります。どうもありがとうございました。(拍手)   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速記をとめて。   〔午後一時三十三分速記中止〕   〔午後二時十三分速記開始〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。  それでは、慎重に下審査をいただきましたので、第五二号、第一二〇号、五三号、一二一号、五四号、一二二号、八一号、九七号、一〇〇号、一五八号、一六三号、一六九号、一七五号、一九四号、二一八号、二四七号、二八六号、三一五号、一六六号、一八六号、 二〇三号、 二〇四号、 二〇五号、二〇六号、二〇七号、三一八号、三一九号、三五五号、四三三号、三六四号、 三六七号、 四四〇号、 四四一号、四四二号、四四三号の請願は、院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。  報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  他の請願は、留保することに決定いたします。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 次に、なたねの基準価格に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 三十七年産の菜種の基準価格につきましては、交付金暫定措置法に基づきまして、三十七年の六月三十日付で告示をされたように承知をいたしております。そこで、お伺いいたしたいことは、告示をされました今年産の基準価格が三千百八十円ということでありますが、この基準価格という限りにおきましては、何かの目標がなければならぬと思うのであります。この基準価格ということは、一体何を意味しておるのか、まずそれを最初にお伺いいたしたい。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 大豆なたね交付金暫定措置法の第二条でございますが、この法律の趣旨は、大豆の輸入が自由化される、その場合、菜種あるいは大豆の生産農民に及ぼす影響を緩和するという趣旨がねらいでございます。したがいまして、第二条の基準価格と申しますのは、自由化の影響を受けないときにおきます菜種あるいは大豆の生産者が手取りとしておった額、それが自由化の後にもあまりに変わらないようにということで、第二条にございますように、標準の販売価格との差を見て交付金をきめ、その交付金を菜種あるいは大豆の生産者に交付するわけです。基準年次に得ていた所得と大きな影響を与えない、そのときの所得の水準を維持してやるということがねらいのために作られる価格でございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 その基準という意義ですね。基準価格というのですから、何を基準しているのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 基準価格というのは、法律とか政令にございますように、三十一年から三十三年の大豆あるいは菜種の生産者の販売価格に農業パリテイ指数を乗じた金額及び大豆または菜種の生産事情その他の経済事情を参酌し、大豆または菜種の再生産を確保することを旨として農林大臣が定める金額、そのことを基準価格というのであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 その法律に規定されておることは承知いたしておりますが、基準価格という限りは、国営検査も行なわれているのですから、ちょうど米の場合でありますれば、政府は年々基準価格として三等裸米が幾らということを基準価格という法律用語に基づいてなされておるのですね。ですから、この場合の三千百八十円という基準価格というものは、米の場合に例をとれば、どういうものを対象として基準としておるのかということをお伺いしているのです。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 米の場合で言いますと、よく一−四等の平均手取りは、たとえばことしは一万二千百七十七円というようなことを申しますが、ここで申します基準価格も、大体それに似たことで、特定の面から特定のものについてこういうことを言うのではなくて、菜種生産者について補償するといいますか、維持してやろうという手取り水準を示しているということでございます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 生産者に手取りを補償してあげようということがねらいであることはよくわかります。そういう趣旨でできた法律ですから、その手取りを補償してやろうとする場合に、等級別、銘柄別、いろいろの区別があるのでありますから、その何を三千百八十円は表示をしておるのかということが明確にならなければ、生産者としては非常に不安でもあるし、どういう金額に対して補償していただけるのかということについての目安も立たないということなんです。ですから、三等なら三等の基準価格が三千百八十円とか、一等の基準価格が三千百八十円という表示がなければ、実際の流通過程における取引の面では、非常に混乱を生ずるということになると思うのです。おそらく三千百八十円というものは三等の菜種を標準にしておるというように私は理解いたしておりますが、そういうことでないのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) そういうふうなことではないのでありまして、菜種の生産者の補償さるべき価格の水準、所得の水準を示しておるのです。御承知のように、この法律制度は特定のものについてある価格を、厳格に支持価格を支持するというようなことがねらいでありませんで、先ほど私が申し上げたように、自由化の影響を緩和する、影響のないときの手取り水準は確保してやる。影響を少ないようにしていく。その間に生産性を上げて国際的な競争力を身につけていく、それまではひとつこういうことをやろうじゃないかというねらいかと思います。そういう意味で厳格にそれぞれのものについて一定の価格を支持するという制度でないので、三千百八十円というのも、いわば総和平均的なものというふうに御理解願いたいと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そうしますと、具体的に交付金をお出しになる場合に、作業はどういうふうにおやりになりますか、具体的に。そういう総和平均だと、おそらくこれは実際取引は競争入札等によって行なわれております。その競争入札の結果がいろいろに等級別、品種別に現われて参りますね。その場合に総和平均ということでありますると、全取り扱い数量のその平均が三千百六十円に達しない場合には、全体に補償をする、交付する、こういうことになりますか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 基準価格というのは、今申し上げたような意味で、生産者の手取り水準を示すものです。元来この制度はおそらくこの委員会でも言ったと思いますが、農協等がやっております。自主的な共販といいますか、調整機能があるわけですが、そういうものを前提にして組み立てられていると思うのです。またそういうものを尊重してやれるという御決議もあったように私聞いておるのですが、そういう意味で従来も自主調整、共販体制ということになりますと、売ってみて生産価格が出てくるわけです。これも同じように、法律にありますように、標準販売価格というようなものを生み出している。それと基準価格との差を見て、もちろん流通過程などのことを考えるわけですけれども、差を見て交付金を交付する。つまり言いかえてみれば、基準価格をきめるというのは、標準販売価格との関係で交付金を算定する方式であるというふうにもいえると思うのです。菜種を作られる生産農民のほうは従来も共販体制というよう中では、売ってみて初めて生産価格というものが出てくるわけで、そういうな意味では自分のものを幾らに売れるかということは、昔も今も同じような判断の条件がそろっていると思うのですが今申し上げたように、言うなれば交付金の額をきめるということでもあるわけであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 どうも僕は理解しかねますがね。三十七年産の菜種はいろいろの検査の結果の等級差が生じますね。それから品種もいろいろな品種があるわけですね。そういうものを販売いたしまして、この販売したものに対して過去の手取りを補償しようという場合に、過去の手取りは等級別に違っておったわけですね。それを総和平均で基準価格を示した、どういうふうに対比してこの交付金法を活用していくのかということが、今の御説明では私わかりません。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) おっしゃる意味は、共販体制の中で売ってみて、そういう油分の多いものは高く売れる、低いものは低く売れるということで、従来の農業団体が自主的に油分の多いものと少ないものとの間には格差をつけておった。ですから、たとえば一方が千円で売れれば一方は八百円で売れる。それに上乗せする交付金は今言ったように、昔得ていた価格というか、所得そのものじゃなくて、水準ということを私申し上げておりますが、それとそう差のないものを、交付金を積み重ねて、しかもその交付金は昔の手取り水準と今度の標準販売価格と称する売れた水準との差、これを見て、油分の多いものは高い値段にプラスアルファされるわけですから、やはり油分の多いものは、交付金ともとの価格差を含めた金額等を出せば、油分の少ないものよりは手取りが多くなるということで、積み重ねる交付金の額は同じですけれども、いいものはやはり高い手取りになるということになるわけであります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 まだ私はわかりませんが、もっとわかりやすく具体的にお伺いしますが、油分の多いものはかりに四千円で売れた、油分の少ないものは三千円に売れたという場合に、基準価格は三千百八十円ですね。具体的に交付金はどう発動するのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) それは、四千円で売れた、三千円で売れたという場合は、売れた数量の、たとえば油分の多いものが五十ある、油分の少ないものが五十あったということになれば、三千五百円で売れた、こういうことになりますね、総和平均について。こういう場合において基準価格は三千百八十円ならば交付金はないということになります。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そうしますと、この法律に基づいて販売せられるものは、油分の高いものはこの対象には持ち込まないという、油分の低いものだけ対象に持ち込んで販売をするということになると、いつも三千円のものだけが出てくるのですね。そうすると、三千百八十円と、百八十円違うのですから、必ず百八十円というものは交付をしていく、こういうことになるといたしますと、生産の関係が非常に私はまずいことになるのじゃないか、こう思うのですが、そういう心配は起きませんですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 交付金の対象になりますものは、集荷機関が調整計画をやります前に出してくるという手続がある。その中に載っているものがこれにかかるということだと思います。そこで、実際調整計画の中へ出てきますものは油分の多いものは一つも初めから出てこないというようないきさつなり、そういうようなこともあると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、従来の自主調整機能、そういうものを土台にして積み立てておりますので、たとえば委託してお取り扱いになるものは調整計画の中におそらく全部出てくるということになってこの制度が動くのじゃないかと、こういうふうに思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 それはもちろん系統組織の取り扱いなり、あるいは業者の系統においても取り扱うというその取り扱い数量は、全生産数量をそれに載せなければならぬという法律命令はないんですね。ですから、交付金をもらうことを対象に考えてくると、油分の低い、交付金のもらえるものだけがその販売計画に載ってくるということになる可能性はあると思います。そういうことであっては生産を増強していくとか、あるいは国際競争に耐え得るりっぱなものを作っていく方向とはだんだん隔たりを生じてくる。もし、全生産数量をとなれば、収量の高い、油分の少ないものを作っていけばいつでも交付金がもらえるということになるわけだから、お話の目的と、こういうやり方とでは結果が非常に狂ってくるんではないですか。そういうことを考えると、総和平均といっておらぬで、具体的にもっと明示したほうが国としても利益があるし、この仕事をやっていきます場合に非常にスムーズに私は事が運ぶと思うのです。なぜそんなあいまいなわけのわからないことをやるのか、その辺が私には了解しかねる。もっと明確に基準価格は何を基準としたものであるということを明示をして振興なさることがいいと思うのですが、どうしてそれがいけないのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 前段のお話で、これは悪いものだけが調整計画に載ってくるだろうというようなことは、私はまあ実際問題としてはないと思います。したがいまして、調整計画の中へ載ってくるものは基準年次と大体比べ得る内容的な品質なり、規格を組み合わせて出てくると思います。そういう意味で、基準年次と比べて交付金の額をきめるという方法が、両者総和平均で比べるということがしかるべきものだというふうに思います。そこでお話のように、この特定の規格のものについて全部値段を、基準価格をきめよう、それとの見合いでまたそれぞれのものの標準販売価格を算定をして比べるということがもしそのまま行なわれるとすれば、ある特定のものだけを取って交付金の額をきめて、そのきまったものをほかの規格のものにも適用するという乱暴なことにはならないと思う。それぞれについて全部計算すれば、総和平均できめたものと交付金の額は同じになると思います。そういう意味で、それぞれのものを全部きめるというようなことは技術的にいろいろ問題もありましょうし、結果として総和平均できめていいんです。またどういうものが、どういう規格のものが幾ら取り扱われて、幾らで売れたかというようなことを事こまかに入っていくということは、今のやり方としては結局は厳格に支持価格制度をやるということになる。そうなれば国が直接発動をしていく、国が買い、国が売るという制度にまでならなければそういうことはできない次第と思います。農産物価格安定法の時代にも規格をきめて買い入れるというものは全部のものじゃなくて、ある一部のものにきめて、そのものを買って全体の価格を維持しようという思想だったと思いますが、そういうことをしておったというのも、ただいま言っておったようなことの事情が背景にはあったのじゃないかと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 農産物価格安定法のときには基準というものがはっきりしておって、それを下回る事態が発生する場合には政府が買い入れの措置をとる、これはきわめて明確になっておった。その間に等級間の格差というものをその基準価格から上げ下げをしていくということであったのですから、これはきわめて明確なんですよ。今度の場合は総和平均ということで、実際の実務をやる者としてはおそらく手も足も出ないということになるのですよ。この法律を作るときに当時の長官と私と質疑したときには、大体それらの格差をきちんときめて、告示したその金額よりも低がった販売が行なわれた場合にはそのものずばりで補償するのだ、そうして下がった場合にはもうけ得、そうしますというと、何べん念を押しても、そんなばかなことができるかと、何べん念を押してもやりますということで、ここで御答弁なさって速記録にも載っているのです。その後政府として取引していないのです。その取引しないでこういうことをするというのは、この法律を審査するときの政府の御答弁とは食い違っておる。それは一体どう解釈されておるのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 私その間の事情はよくまだ知らないのですけれども、今申し上げたように、農産物価格安定法というのはいわば支持価格制度であります。新しいこの交付金の制度は、いわば一種の不足払い、所得の不足払い、補給金というような性格の違った制度だと思います。そういう意味で、今おっしゃったように、農産物価格安定法のときには支持価格がきちんとしておってというようなお話がございました。それは制度の大きな性格の相違に私はあるのだと思います。そういう意味で、両者の差があるという認識の上でいろいろ考えなければいけないと私は思うのですが、そういうようなことから、前長官からどういう御答弁があったか私知らないのですけれども、そういうことにはならないのじゃないかと思います。高いものも低いものも、高く売れたものも低く売れたものもということを全部くるめて標準販売価格を作る、そのとおりに法律にも明示されておるわけです。法律で販売価格を作る。したがいまして、高く売れたものはもうけ得というようなことにはこの制度としてはならないというふうに私は理解をいたします。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そのいう趣旨で、これは繰り返し繰り返し速記録をごらん願いたいのですが、そういうことにはならぬと思うということを何べんも注意をするような趣旨に立って私は質問したのです。それはもうそうではない、こういうふうに運用いたしますということをはっきりその席で御説明をなすって、そこで、そういう趣旨を了解してこの法律に私は賛成をした一人なんです。それができ上がってしまうと、まるっきりでたらめなことをやっておるということになると、われわれは法律を審査するときに、一体どういう態度をとったらいいのかということがわからなくなっちゃう。そこで私は少なくとも、この法律に基づいて基準価格を示すという限りにおいては、何らかはっきりした目標の基準をきめてその価格を示す、あとのところは自主的にそれぞれの格差を設けるなり等級間の差をつけて調整団体が取り扱うということでよろしいと思うのです。が、この法律制定のときの質疑応答のいきさつを考えますれば、今、長官のお話しになるような総和平均というようなことでは、法律の趣旨を御説明なすった政府の態度とは非常に食い違ってくるのです、その責任は一体どうなるのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 私今申し上げましたように、今まで支持価格制度というようなものはわが国にもあったわけです。不足払い的な制度というものはこれが初めてだと思います。そういう意味で新しいことでございますし、いろいろ問題があろうと思います。私どももこの制度の実施をやっていく場合には絶えず反省もし研究もして、より妥当な運用の仕方をしていくということは常にとっておる態度なんですけれども、今お触れになられた点は法律の条文を読めばちょっとそれとは違うということで、どういう説明があったかですが、法律の条文を読んでいただけばそういうことには決してならぬように書いてございますので、そういうふうに御了解願いたいと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 それはおかしいんで、法律の条文を読めばそうならぬといっても、この法律を運営する政府の態度はかくかくでありますと、こういう御答弁があったので、そこで、法律を読むとそうはならぬと思いますということを繰り返し、これはもうおそらく五、六回繰り返して同じことを聞いたはずなんだ。それに対して、明確に御答弁をなすっているんです。しまいには、少し大きな声で、そうしつこく聞くのはおかしいじゃないかというぐらいの態度で御答弁になっている。そいつが、でき上がってしまうと解釈が変わってくる。もし解釈がそんなに変わるとすれば、あの法律を審査するときに、あるいは御答弁になったような趣旨が十分表現されるように修正を行なうというような取り計らいをしておかなければならなかったはずなんです。安定法から交付金法に変わるんですから、その変わるときに、十分変わっても大丈夫だという措置をしておかなきゃならぬはずだったんです。そいつを、そんなに明確な御答弁がございましたので、なるほどこの法律をすらっと読むとそういうようにはならぬと思うけれども、そういうふうに誠意をもって政府が運営なさるというなら政府の誠意に期待してそれはけっこうだと、こういう態度で賛成の意を表して通過さした。通過してしまうと、そうではないということになると、一体御答弁はもうこれから信用ができぬということになる。これでは困ってしまうので、そういうような法律制定のいきさつから申しましても、この基準価格ということは、総和平均というようなことではなくて、一つの基準というものをはっきり見定めて、その基準がかくかくの額であると、こういうように示さなければならぬと思うんです。それでなくちゃ政府の態度が私は一貫しないと思うんですよ。そうしたって別に何も政府の負担がふえるとかどうとかということでないんでね。今もお話があったように、結論は一緒になるんですから、結論が一緒になるとすれば、法律制定のときの御説明の趣旨とそうしてまた調整団体が行なう事務的な措置がなるべく簡易にいくようにしてやるということが私は政府として正しい措置だと思う。それができないという理由はどこにあるんですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 私は、しばしば申し上げているので、同じことを繰り返すことになって申しわけないんですけれども、制度の趣旨は、価格支持と違って不足払い的の制度ということは御了解願えたと思うんですが、その場合に、自由化前の所得の水準を維持しましょう、その水準を維持するところの水準はどの辺なんだというものをまずきめて買う。それと、全体として実際に売れた値段の水準はどこなんだということを片や標準販売価格ということで実際に売った結果でながめてみるわけです。それとの差をとって交付すべき交付金の額をきめる。いわば昔の所得水準に維持するためにはどれだけのものを補給してやったらいいかという、その補給金の額を決定する手続がこういうことだと思うんです。そこで、これはその補給金を生産農民がもらうならば、いいものを作っていた人は、実際の手取りはもっと高くなる。悪いものを作っていた人は、その人よりは低くくなる。それは昔の自由化の影響を受けないときもそうであった。それぞれが昔の水準と同じようなものをちょうだいする、維持ができるということをはかる制度なんで、今言ったようなことを総和平均ということで交付金の額を出してそれぞれの方に払うということで十分だと思います。それをもし個々のものについて厳格に一定の価格を支持しなきゃいかぬということになるならば、突き詰めていけば、これは国で買い上げる、また国が売るというようなところにまで行かなければそういうことはできないのじゃなかろうか。そういうことを価格支持をするという制度じゃなくて、先ほど申し上げたような所得の不足払いをするというようなことが本来なんですから、法の運用はそういうふうでいい。また、そういうふうな運用をするということは、総和平均でものを考えるということは、法律の第二条の中にも出てきておる、趣旨は。そういうふうに御理解願いたいと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 繰り返して申し上げますがね。そういうことになるのではないかということで私はこの法律を審査するときに具体的に例をあげてお尋ねをしたんですわ。これは速記録を一ぺんよくごらん願いたい。そこでその具体的な設例を設けて御質問申し上げたときに、その基準より高い値段で売れた場合はどうなりましょうか。それは、上手に売ったのだからもうけ得だ、その基準価格より下がったときだけが補償されるんだということを、これは三、四回か五、六回尋ねて、明確に御答弁になっておる。たしかそのときの記憶は、私だけではなくて、他の諸君からも関連して御質問がありまして、そういう趣旨が明確に答えられておるんです。そういう法律制定のときの政府の責任のあるお答えから考えますれば、総和平均の基準価格というものを示すだけではなくて、具体的な基準に対する価格を示すということにならなければ、法律制定のときの政府の意図はここで間違ってきておるということになりますよ。そうなりますると、法律を審査するときの態度というものをどういうふうにわれわれはとったらいいかということの疑問を持つんです。  そこで、今ここでこんなことを繰り返しやっておりましても平行線ですから、やめてもいいですけれども、私の今申し上げましたことが速記録に明確になっておる場合にどうされますか。そうすると、あのときはうそを言って法律を通しちまったんだ、こういうことになっちまう、端的に言うと。それじゃたいへんなことになりますよ。速記録を調べてみて、私の今申し上げたことが間違っておるならば取り消します。そのとおりとなったらどうされますか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 私、速記録を拝見していませんからあれですが、制度としてはそういうことにならんと思います。そうして、おそらく私は、高く売れたときはもうけ得、安く売れたときは補給してもらうんだという言い方は、標準販売価格が高いときはそれきりなんで、もうけただけの話なんで、標準販売価格が基準価格より安いときはこれは交付金をもらうんだ、そういう意味のことをあるいは言い方がまずく言われたということじゃないかと、こういうふうに私は思います。制度自体から、個々の取引が高く売ったときはもういいんだ、安く売ったときだけもらうんだということにはなり得ないと思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 関連して。あとで私もまとめて御質問しますが、関連して一つだけお聞きしたいんですが、まず形式的なことですけれども、農林省公報の七月十一日号、私は政府からもらう資料はこれしかないものですから、これを見ますと、今問答になっておる基準価格の告示が公報に出ておるわけです。この公報を見ますと、「三十七年産製油用なたね三等六十kg当り(包装込)三千百八十円」というものが(六月三十日農林省告示第八三八号)として出ております。それで、これがありますから、私は今問題になっておることは問題ではない。当然三等建で告示をされておるのであるから、今総和平均とか、わけのわからぬような回答を繰り返してやっておることは、実はきわめて意外であります。  なお、さらにこの告示に希望を申し上げれば、これは黒種、和種、そういう点でやはり三等をさらに明確に基準価格として告示を追加して明示をしていただきたい。洋種との格差もあるわけでありますから、最も取引の実態に即した価格の告示をするとなれば、製油用和種三等建幾ら、こういうふうにして生産者が検査を受けた際に、どれだけの三等受検をしたものは、いかに実取引が低くても、この法律によって補償されるということで安心して出荷されるわけであります。したがってそういう点を告示にさらに明確に表示をして、そうして生産者に安心をして、その差額を、取引上起こり得る下回った場合の差額を期待するという告示にさらにこれは追加を実は強く要望するつもりで参ったんでありますが、その基本的な三等建自体が告示で、公報で出されておりながら、それが今の長官の答弁では、三等建というものはない、総和平均であるということに至りますならば、これは今森委員が質問したことと関連して、これは後刻私の質問の際に、私なりの意見を加えて質問をいたしたいと思いますが、この公報は一体どういうことですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 重要な印刷間違いでございまして、後に訂正をいたしております。ただ私が申し上げました総和平均、それから個々の銘柄別にきめるという話は、先ほど森委員がいろいろお話がございましたけれども、ああいう趣旨で、やはり総和平均で基準価格のほうも、販売価格もそれに対応した形で考えるということが、この法律の制度の趣旨にかなうやり方だというふうに思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 印刷間違いであるということであれば何をか言わんやでありますから、それではそれはやはりすみやかにそれを訂正してもらいませんと、私のようにやはり菜種生産者の立場に立ってすなおにこういうものを見ている者にとっては、その間の当然あり得ることが期待が裏切られるということであって、印刷間違いも三が四になったとか、あるいはカッコがなかったとかということならいざ知らず、こういう専門的な告示の表示というものが、三等というものが間違って入ったということは、単なる印刷校正、そういう事務的なものではなしに、期待的に考えれば、やはり森委員が質問したように、当然取引の商習慣として、また生産者の立場から三等建が基準になっておるのでありますから、そういう期待を実は印刷にしたということではないんですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 全くの印刷誤りでございます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それではすみやかに訂正して下さい。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 何べん言っても同じことを繰り返して御答弁ですから、時間が経過しますのでどうも納得しないのですが、かりに三等標準で示したと、今私はそれを見ておりませんけれども、公報かなんかに出ている。それはそれでいいじゃないですか。それでちっとも実効は変わらぬという、あなたの御説明も結果は同じになりますというなれば、もうせっかく広く告示して説明書を配布して、あとにそれをまただらしなく取り消したなんということになると厄介なことになるでしょう。結果が同じになるということならそのままにしておかれるほうが、この法律制定のときの御説明の趣旨にも即するし、何も政府に御迷惑をかけることではないのですから、取引も円滑にいくというなら、円滑にしてやるように考えることが私は正しいし、法律制定のときにはそういう御説明があったのですから、そのとおりにおやりになることがどうしていかぬのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) たとえば和種、菜種、製油用三等というようなことで基準年次についてもそういうものが、基準年次の販売価格が探し出せるということはおそらく私はできないと思いますけれども、そういうことができ、あるいは今度売った場合に製油用三等というものだけを拾い上げて標準販売価格を考えるというようなことができたとしても、その問で計算をした交付金というものはほかの規格のものにそのまま適用するわけにはいかないと思います。ほかのものはほかのものでやはり同じようなことをして交付金をそれぞれもらってみていくということでなければならないと思います。したがいましてやはり全体の総和平均というものを見てやれば、それで法律の趣旨は十分達し得るというふうに考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 三等標準の額が幾らである、こういうように示して自主的に等級間格差というものを設定せしめるというようにしていけば結果は同じになるんじゃないですか。そうしてその自主的にきめたものを政府が承認するなりして措置をせしめるということになれば、取引の段階でも非常に円滑にいきまするし、政府の負担もふえたり減ったりということにならぬはずだし、そうしてまた当初の御説明ときちんと一緒になるということなんですから、お話しになったように総和平均で三千何がしというものを示した実際の取引は各種各様のものが出てくる。その平均がこれは数量の加重平均とおっしゃいますけれども、そういうことで三千百八十円と相違した場合には処置をするということであれば、結果は同じになるのですから、三等標準をお示しになってもいいんじゃないですか、なぜそれがいけないということになるんでしょうか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) まず製油用の三等というようなものについて基準年次の価格というようなものは私ども出てこないと思うのですが、もしかりにそういうことをして個々のものについてある一定の価格を補償する、それだけはあとから払ってやるというようなことになれば、実際問題として集荷団体で幾らのものを、どういうものをどこで幾ら買ったというようなことまで補助金を出す政府機関としてはやらなければいかぬと思います。おそらくそういうことをするのはなかなかできないことで、むしろそこまでやらなければならぬというなら、政府が直接出て買ったり売ったりするということにならざるを得ない。そこまでやるということじゃなくて、先ほど申し上げたような手取り水準を補償する、販売価格水準との差を交付金として出す、そういうことで自由化の影響は避けて、影響ないようにして生産性を引き上げていこうじゃないかということが法律のねらいの趣旨なんですから、私が申し上げたような方法でやるのが妥当な法律の趣旨に合ったやり方だというふうに考えております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 法律の趣旨、あなたは今そう説明されるのですけれども、この法律制定のときの趣旨はそういう説明ではなかったのですよ。そのことをひとつ考えてもらいたい。人がかわるというと解釈をずんずん変えていくというのなら国民は一体何をたよっておったらいいか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) そのことは先ほどから私申し上げたように、詳しく速記録を読んでないからわかりませんが、標準価格が高いときは払わなくて、それっきりで、標準販売価格がうんと低いときは、交付金を受けるのだという趣旨のことを、さっきから言われたのじゃないかというふうに私は考えます。この制度に関する限りは、私は、そういう個々の取引について、調整計画の中に載っているものについて高く売れたからそのものはいいんだ、安いものだけなるのだというふうにすることにはなっていないというふうに理解しております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 一ぺん速記録をよく、私ももう一ぺん読みますが、お読み願って、私が今ここで申し上げたことに御答弁が誤りがなかったということでありますれば、そういうように改めていただくということのお約束はいただけますか。法律制定のときに趣旨を説明したその説明に対して質疑を申し上げて、その質疑に対して明確にお答えをいただきましたということがはっきりして参りました場合には、制定のときの御説明どおりに態度を改めていただけるということにならなければならんと思いますが、その措置はできますか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 私は拝見しなければいかんわけですけれども、その言っている趣旨が正しければ、私はそのとおりでいいと思いますけれども、明らかに間違っているということなら、これはまた別の問題がありましょうけれども、間違っているということをそのとおりやるというわけには、私はこの法律制度の中ではいけない、やれないというふうに考えております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 今の問題ですけれども、三十八通常国会に同じ法律が出されたときの法案要綱には、基準価格は大豆は北務道十勝、小粒二等について、菜種は黒種三等(洋種を除く)について定めることとする。こういう資料がある。それから同じく法案の公布要綱骨子の四月十九日、これには基準価格及び内示価格は標準品について定めるので、こういうことがございます。これは食糧庁から出ている資料です。そういうふうに常識的なことですよ。何も異をここで唱えているものではなくて、農家が検査を受けたときに三等の検査を受けた。それでは市場の取引で、それを下回っても交付金のおかげで手取りは幾らになるという安心を与えるものですよ。そういう取引の一般慣習の基準というものが、たとえば長官は米について言われましたけれども、あの米についても、三等、裸、軟質米、これで基本価格というものが出ている。なぜ菜種だけが基準価格というものについて、そういう常識的な三等建というものを表示できないのですか。三十八通常国会にもそういう一つの考え方が食糧庁の内部統一の資料にあるんですよ。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 先ほどから申し上げたように、こういう不足払いというような制度は、わが国で初めてでございますから、その立案の過程でいろいろのことが検討されて、ある時期にそういう意見があったということはあろうと思いますが、でき上がった制度はそうじゃないわけです。  それから今お話のございました農民が作るときに値段がわからんじゃないかというお話でございますが、これはそうじゃない。むしろ単に自主的な調整機能だけをやったときと違って、おれの手取は三千百八十円水準になるのだということはむしろわかる。昔は売ってみて最後に精算をして初めて生産価格がわかるというようなことだったんで、昔と今とそう大きな開きはないし、むしろ手取り水準はこの辺になるのだというふうなことは今のほうが多少ははっきりしているんじゃないかというようなことも言えるんで、そういうことはないんじゃないかというふうに私考えます。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 昔よりも今がはっきりしているとおっしゃいますけれども、これは詭弁としか受け取れない。共同計算でやっております。共同計算の前提条件は一定の標準の銘柄、等級、そういう一つの規定を設けて、そういう標準の銘柄と標準の等級品と、その他のものとの銘柄、等級の格差の規定を明示して、そうしてこれを委託しようとする生産者に明示して、そうして共同計算というものを行なわれておるわけです。そういう前提たる標準等級、標準銘柄というものが何だかわけのわからない総和平均というものの中ではなんといたしますか。そういう一つの従来の経過から申しましても、第一取引の基準というものがなければならん。共同計算だってそういうものが前提として生産者が納得して無条件委託販売をしておる。そういうことと、等級も何も明示しないで、総和平均で幾らだということのほうが進歩しているということは、これは詭弁以外の何ものでもない。なぜそういうふうに総和平均という新機軸を固執されるのですか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) これはしばしば申し上げたように、価格支持制度ではなくて、不足払い的な制度だという建前から私が申し上げたようなことになる。むしろそういう、これはおそらく不足払いというような制度は、いろいろなものに生まれるのじゃないかと私は思います。そういう意味で新しい制度ですからいろいろな問題があると思います。しかし、そういう意味でいろいろ研究をしなければならぬわけですが、むしろそういう制度だということを生産農民のほうにもPRをしていきたい。わかっていただくように私ども努力したいというような気持でおります。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 今の基準価格の性格ですが、これは支持価格ではない。価格の水準である。こういう性格を規定されております。しかし、私が前もこの参議院の農林水産委員会で先輩がその点について当時の安田長官に質問を繰り返し、それに対して繰り返し答弁をされておる。基準価格の性格というものは、強く農民を保護するための補償価格であるということを繰り返し答弁をしておられます。この補償価格を保障するための保償措置であるという性格は、明らかに政府によるやはり支持価格的な性格を持ったこれは基準価格であるというふうに考えるわけです。それで価格水準という言葉に名をかりてあくまでもそういう補償するというような性格をすり変えるというふうになされた上で主張されるということは、非常にこの運用の上からいっても、今のような混乱がそこから出てくるのであって、第一今、長官が答弁になられたように、もしもこれが支持価格であるならば、政府でこれは取り扱うべきであるという意味の御答弁があったのでありますが、それなら農業団体の自主的共販体制にまかせるというときには政府は責任を持たないという反論になるわけですか。反語になるわけですか。生産者に払うべき代金なり交付金が正しく正当に支払われるということについては、政府が、これは買い入れ制度をとるとらないという、そういう手段にかかわらず、全責任を持って政府がやはりその処理に当たるべきであります、生産者に正しく支払われなくても、それは政府の責任ではない、だから支持価格ではないから政府がやらないんだ、支持価格であるなら政府が直接責任を持ってやるべきだというようなことは、どうもこれは責任のがれな表現であって、今のような三等建てということがはっきりとすれは、買い入れ価格で買い入れ制度にこれは切りかえる性格のものであるということは、非常に問題をずらして考えておることで、今のようなやり方は私は菜種の場合には一番望ましい形であると思います。政府がこれを直接操作するということになれば、大体取引の実態も周知していない、管理費もよけいかかる、非常に経費がかさむ、不合理な扱いになる。したがって、長年取り扱いをしておる集荷団体にこれをまかせて、合理的に取引をさせて、それによって出てくる交付金の措置をやるということで、政府がまたその処置を十分責任を持って見守るということが一番望しい形であると思いますから、そういうことが三等建てというようなことをすることによって、政府が直接買い入れをすることにならざるを得ないから、どうしても価格水準という性格で、これを総和平均というようなあいまいな基準価格の性格をしなければならぬということは、これは非常に本末転倒もはなはだしいこれは答弁であります。私はこういう答弁には全く承服できません。またこの銘柄や等級を明確にすることは、買い入れ制になるというならば、この制度が、私はやはり前の長官が国会で答弁したように、手厚い補償を農民に約束する基準価格であるという主張からいって、支持価格制度の一つの性格の中に位置づけられたものであるというふうに考えますが、もしもそれが支持価格制度でないというならば、生産者団体の自主的調整機能を十分にこれを発揮さして、その結果として共同計算の生産価格、それに交付金を上乗せするという制度は一体何を目的としてそういうことをお認めになるのか、この間の見解を承りたい。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) また前の繰り返しにならざるを得ないんですけれども、制度のねらいは、不足払い的な思想、ある一定の価格を厳格に支持する、ある特定の銘柄のものはこれこれの値段は必ず補償するんだという制度じゃないわけです。もしそういうことなら、売ったり買ったり政府がしなければならぬということになろうと思うのです。という意味で、今のようなやり方をして、ああいう技術的な方法で実際に売れたそれぞれのものに一律に出す、交付金の額を算定をしてやっていくという、そういう運用をしなければならないというふうに思っています。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 今これは速記録がありますから売みますが、私がずっと質問をした最後にこういうことを言っておるのですが、計画上、端的に、二俵承認を受けた、そうしてその一俵は千百円で売った、一俵は九百円で売った。基準価格が千であったという場合に、交付金がありますか、ありませんかという設例をしているのですよ。その場合に、基準価格が千ですから、千百で売った場合は、九百で売ったとプール平均すればちょうど基準価格になるのだ、交付金はない、こう理解すべきかどうかというと、千百円の場合はそれでよろしいが、九百の場合に百交付金を出すと、「本旨はそのとおりであります。」こうきっぱり答弁がなされておるのですよ。どうもわかりませんが、それでは結論を伺いますがと言って、最後にそういう質問をいたしますると、「本旨はそのとおりであります」と、きわめて明確に答弁されておるのです。それが今の長官の御説明では変わってきておる、こういうことなんです。それは法律がそういう趣旨じゃないから、その点答弁が間違っておると、こういうふうにおっしゃると思うと思うのです。間違った答弁は正しく修正していくのが当然なんだ、こういうことだと思いますがね。それもわからぬわけじゃありません。ありませんが、何もそう変えぬでも、基準価格というものを三等標準にしてやれぬわけじゃないでしょう。そのほうが取り扱いの業者にいたしましても、協同組合にいたしましても非常にやりやすいというならやりやすいようにしてやる、そうして、今、渡辺委員もおっしゃいましたように、ずっと読んでおりますと、「保証々々」ということを盛んに言っていらっしゃいますよ。「保証するのだ」、「保証する」というなら、やっぱり何かを基準にして、それから下がった場合を補償してやるという、端的に質問しても、本旨はそのとおりでありますというふうにしていただくと一貫すると思うのですがね。補償の趣旨もどうしてそれがいかぬのですか。そうこだわる必要ないでしょう。これはやっぱり予算の関係があるから、何かそういうふうにせぬと困るということでありますれば、これはまた重大なことなんで、この速記録に、当時の、これは法律の義務費になりますから、当初予算に計上した額が足りなければ予備費を出す、予備費でできなければ補正予算を出してみようと、こういうふうにはっきり言っていらっしゃいますよ。予算の関係はないはずですよ。この法律を作るときに予算は作るが、それが足りなければ義務費になりますので予備費を出します。予備費が足りなければ補正予算を出して、計画数量についての単価の差額を交付いたします。予算のことはここではっきりしたわけです。こういうやり方については今申し上げたような答弁なんです。だから、そういうふうになすったらどうなんですか。もうそうこだわらずにあっさりしていただくと——もうこれで質問やめますがね。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) その速記録私も詳しく拝見しなければいかぬのですが、千円が基準価格で、千百円になったときは払わぬし、九百円に標準販売価格がなったときは払うのだというふうな意味のことを、そういうふうに言ったのじゃないかと私は思います。それから「保証」というふうなことは、一定の価格、それをそのものとして実現をさせるという意味のこともあるように言ったかもしれませんけれども、ある程度の水準は維持するのだという意味での「保証」という意味もあろうかと思いますし、私が申し上げているのとそう違わないような気もいたしますけれども、しばしば私申し上げているように、そのようなことでこの制度は運用していかなければいけないのじゃないかというふうに私は思っております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 この点はまだ私は問題がございますが、私ももう少し勉強して、さらに適当な機会にこのことについてはもう少しお伺いいたします。きょうは質問を途中でこのことは終わっておきます。それから、もう一つお伺いしたいのです。三千百八十円というものは、三年間の平均をとってきめたとおっしゃいます。まあそのとおりと思いますが、この法律の中には、再生産を確保していくような趣旨に基づいて基準価格というものはきめなければならぬという表現がございますね。他にも、経済事情を参酌してとか、いろいろあります。ありますが、再生産を確保していくということを一つの目途にしておるということなんですね。だとすれば、最近の生産事情から考えますれば、この今おとりになっておる三ケ年の平均というものは、必ずしも妥当ではないということに私は理解されると思いますが、そうなりませんでしょうか。再生産を確保してやるということを目途として基準価格というものきさめなければならないという趣旨から申しますれば、最近の生産事情というものは相当変わってきておるのですから、三千百八十円という据え置きの措置というものは、法律の趣旨を十分表わしてはいないというように私は思うのです。それがそうでないというように理解される理由を御説明いただきたいのです。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 基準年次に物価の上昇とかというようなことを見、さらに、その間に生産性が上がっておるわけでありますから、生性産が上がったというようなことを顧慮してきめてあるわけであります。そういう意味で、基準年次の補償というとあれですが、水準を顧慮しておりますし、また、生産性の上がりというようなことも顧慮しております。再生産を確保する価格だということは私は言えると思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 多分そういう御答弁があると思ったのです。生産性が上がっておる、生産性が上がったから、そこで調節をいたしますると、基準三カ年間の平均手取りを補償するという結果が生まれるはずだ。ところが、その生産性向上というものをどういうように見ていらっしゃいますか。生産性の向上が物価その他上昇によって、生産費の上昇を吸収し得たというように見ていらっしゃるわけですね。そうでしょう、今の御説明によりますると。そこで、その生産性の向上とはどういう調査に基づいて、どういう数字が出ておるのか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 生産性の向上を計算します場合には、いろいろな生産性の向上の意味というのは、いろいろ議論があると思いますが、私どもは、ここでは基準年次の反収と、三十七年産のこれをきめます当時における反収、基準年次が百十八キロぐらい。それから、三十七年を見ましたのが百三十九キロというふうに、そういうことで見ております。実際問題としては、三十七年の反収は、その後出たのでは百四十キロちょっと上がっておるように思いますが、そういうことで見ております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そういう平面的な計算で生産性の向上をはかるということは、私は非常にあやまちを犯しておると思うのです。と申し上げますのは、三十四年以降、政府の統計によりましても、相当作付面積は減少しておりますね。その減少している部分というものがどういうものであったかという実態を見きわめませんというと、今お話のような結果は出てこないと思うのです。私の承知いたしておりまするところでは、急激に減少いたしました耕作反別の減は、生産性の非常に低かった水田の裏作等が急激に減少しておるので、言葉をかえて申しますれば、非常に反当収量の高かった地域だけが残って、低かった地域が減っておるというのですから、その実態を比較いたしませんというと、生産性の向上という数字は出てこない。そこに一つあやまちを私は政府は犯しておると思うのです。このことはどういうように御説明になりましょうか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 実態は、はたしてそのとおりかどうかということには私は非常に疑問を持ちます。確かに減っております。田のほうが減っておると思いますけれども、それは生産性の低いところが減ったということは必ずしも言えないので、むしろ早期栽培とこいうようなことがあって、菜種が入らなかったというような事情で減ったとろもありますし、実態が、減ったところは生産性の低いところばかりなんだということは断定できないのじゃないかと思います。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 私も今ここでそういうことを詳細に計算をしておりませんから申し上げませんけれども、今御説明のございましたように、基準年次三カ年間の平均反収と昭和三十七年の反収とを比較いたしますると、単位面積当たりの収量は相当ふえておるという数字が出る。私はそのことは間違いがないと思うのです。それが生産性の向上を見ておる。こういうことで計算されておるということでございますと、昭和三十七年の反収というものは、私の調べでは、反収の高い地域だけが残って、反収の低かった地域というものは、三十四年以降の減反のほうへずっと吸収されていっておる。三十一、二、三年の平均のときにはそれが入っておるといたしますると、そういう実態を分析して生産性の向上が幾ばくであるかということを見て参りますと、これはやってみなければわかりませんけれども、今、政府のほうで計算されておるような生産性の向上という指数は出てこないと思うのです。これは私の県でも相当菜種を作っておりますし、政務次官の郷里なんか、非常に菜種の産地で、それがほとんど最近は菜種が減ってきました。その理由は、田に作る反収というものが非常に減るのですから、病気その他の関係で、そういうところは急激に減っておる。そういう実態を取り入れて計算をしなければ生産性の向上ということは言えないと思うのです。そこで、今ここで私は断定いたしません。そういうことが調査の結果明らかになって参りますれば、生産性の向上という部分を修正されますかどうか、今までの三千百八十円というものを計算したときには、直接生産費は上昇しておる。それはお認めになった。それを吸収する手段として生産性が向上したから差引した、その間に経済事情を参酌して三千百八十円にきまったのだが、その生産性の向上を織り込んでおる計算があやまちであったということがはっきりいたしますれば、その部分だけは端的に修正するという行動がとられなければならぬと思います。そういう結果が出る。今度はまた経済上のほうで、わけのわからぬファクターを見て、またそこで調整し直すと、結果が同じになる。こういう御説明では、やはり三百代言みたいになってしまって、生産性の向上を見込んである部分があやまちであったということが明らかになりますれば、端的に見て価格そのものを修正しなければならぬ、そのときに修正するのはいやだから経済事情をまた重く見る、そんなことをやったのじゃ話にならぬわけです。それはよろしゅうございましょうか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 一般的な話として、誤りがあれば正すということは、私は当然なことだと思いますけれども、私どもの見る限りにおいて、今年の価格をきめる際に見る限りにおいて、そのような実態が生ずるというようなことはなかったように思います。さらに、これを生産性の向上と当時考えられました見込み反収というようなものを考えまして、そのとおりきめるということになると、むしろもう少し値段が下がるというようなことがあったんじゃないかと思います。それと生産性を見るという、生産性の上がりというのは、たとえばまだほかに反当の投下労働時間といとようなもので見る方法がある。そういうものを見ましても、相当労働時間が減ってきております。ですからそういうことも勘案して総合的にきめておりますので、ある一つの点だけをとらえてどうこうというわけにはなかなか参らないのではないか、こう思っております。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そう逃げるほうの答弁ばかりなさらないで、今きまっている三千百八十円というものをはじき出した根拠があるのでしょう。その根拠の中にあやまちがもしあったということが発見されれば、その部分だけを修正する、反収にしても、もう少し高いやつを低く見ておったとしてもそれはいいと思うのです。それを今度調べてみて、間違いがあったから、今度は前に勘案したやつを呼び起こして差し引きするということをやらないと、今までの計算の基準というものはそのまま据え置いて、その中にあやまちがあった部分が発見されたら、その部分だけを端的に修正部分として加えていく、そうすれば今までの趣旨はずっと貫きますね。ところが、それが発見されるというと、前にやったやつを全体的にまた再検討して調整を加えてしまうということになると、一体何を基準に価格をきめたのだということで、しょっちゅうふらふらしてしまうのですね。何も基準がなくてまあ前年据え置きということを導き出すために逆算でやっていると、それでは趣旨がおかしくなってしまうのです。だから、今までおやりになった作業というものは正しいと一応前提して、その中に正しくなかったという事実が発見されれば、その部分だけを端的に修正するという処置が私は正しいと思うのですがね。それをやっていただけますか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) ですから、お話申し上げるように、一般的に誤りがあれば正すのは当然のことと思います。この菜種の価格をきめますのは、政令に書いてありますように、パリティではじいた金額等、その他いろいろなことを参酌したりということで総合的にきめておることなんですから、ある一カ所だけつまんで、どうのこうのということはなかなかむずかしいんじゃないか、たとえば反収にいたしましても、当時見込んでおったものよりは、あとでふたをあけてみたらずっと大きくなったそれはそこが間違っておったのだから修正して、もう少し値段を下げなきゃいかぬじゃないかというようなことにはなかなかならぬと思います。その逆の場合もまたそうじゃないかというふうに私感じます。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 これで私質問やめますが、今の三千百八十円というものは、結局、基準年次における農家の手取り平均というものを確保してやるという趣旨できめたのですから、それはそれでいいと思うのですよ、一応。金額は私は納得している。やり方はいいと思いますが、そのやり方の中に誤りがあったということであれば、その誤りの部分というものはやはり修正してやる、そのことが法律に示しておる再生産を確保するという点を見つめる形ということになると思うのです。そういうことは正しくないのでしょうか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) ですから、たとえば当時見込んでおった反収が百三十九キロ、もし、ふたを開いて見れば百四十何キロになっている。で、これは誤りじゃないかと言って、すぐ直すということにならないんじゃないかということを私は申し上げているわけです。

森八三一第二院クラブ

○森八三一君 そういうことを言っているのではない、そのはじいたときの根拠に、やり方に基本的な誤りがあった場合には、その誤りの部分は正しい計算で行なうべきじゃないかということです。その見込みが違った、違わないということではない、やり方に誤りがあったとすれば、それは改める、つまり反収がふえたという見込みは、実態を物語っておらぬというならば直す、こういうことですから、これは端的にお認めになったほうがいいんじゃないか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 何かこう抽象的に申し上げればそういうことだと思うのですけれども、こういうことが何らかの方法論として誤りだということになりますと、何かあとへ問題を残してもいけないと思いますが、私は今申された反収というような点については、見込んでおった反収の百三十九キロが、ふたを開けて百四十何キロになるということがあっても、直すべき問題ではなくて、しかし一般的な話として誤りがあれば直すということは、これは当然のことじゃないかと思います。

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) それでは速記を始めて下さい。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それでは時間がありませんから、要点だけを質問いたしますが、価格の問題ですけれども、今一般論としていろいろな質疑が出ているわけですけれども、法律なりあるいは政令で出ている基準案の三十一年、三十三年の間には、三十二年は非常に大きな減収があった年ですから、したがって、こういう三年をそのまま機械的に見て、そうして三十七年を指数の対象とするということを、もっとこの基準案の三十一年なり三十二年、三十三年を平年反収にこれを広げて反収を見る、三十一年から七年間を遡及してその間の最高最低の年次を引いた平年次五カ年の平均の反収の取り方を三十一年、三十二年、三十三年にこれを引き直して基準年の反収に見るという見方も、これはあり得ると思うのです。で、問題は、菜種の生産を十分国内需給との観点に立ってあたたかく見守っていこうとする基本的な態度で臨むのか、できるだけこれを安く据え置こうかという、これは基本的な態度にもかかると思います。したがって、この点はむしろ長官よりは大臣に、出席の機会にそういう点を伺いますが、そういう平均反収の取り方もあり得ると思います。取る、取らない、また運用上のこれは解釈にもなると思います。そういう点を考えますと、これはちょうど百三十キロなります。そうしてこれを三十七年の百四十二ですかになるなら、それを指数として取るということになれば、かなり農家の生産意欲にもこれは役立つ結果が一つの要素としては出てくると思います。最近の統計調査部で出している公報を見ますると、菜種の減収の理由として、台風被害による苗不足、菜種価格の低下ということをうたっておる。明らかにそういうことを公報でその理由としてうたっておるし、また反面、過般、大裸麦の特別措置法が、これは流れましたけれども、あの際に転換作物の対象として菜種をあげておったわけです。   〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕  しかし、菜種は、毎年作付が減少してきております。しかもこの作付減収の調査部の資料によりますと、ことしは全体の作付の面積十七万五千町歩に対して、前年に比べて一一%減の二万二千町歩が作付が減少してきております。その面積のうち一万二千三百町歩が作付を放棄しております。これは統計調査部の資料ですよ。作付を放棄しておる。それならば、菜種油がそれだけ需要動向に見合っていないのかということを別な資料で見ますと、これはやはり菜種の食用油脂に占める要素というものはきわめて大きい。しかも、こうしたような作付放棄等から非常に生産が停滞しておる。そこで、むしろ輸入に七万トンを計画をしておる。こういうことが一体今度の法律の趣旨に沿うた方向であるかどうかということを考えますと、これは非常にこの法律の趣旨と反する事実がもう先行しておる。したがって、この価格の点でありますけれども、今反収だけについて言いました。しかし非常に、生産事情という説明の中に落としておる点があると思います。で、この大豆なたね交付金暫定措置法施行令に、第二条に、こういうふうにうたっております。「農材省令で定めるところにより算出される農業パリティ指数の平均値で除して」得た額、「及び大豆又はなたねの生産費等の生産事情」、生産事情には「生産費等の生産事情」とあります。なぜ「生産費」という要素を無視して、「等」というような、非常に生産者にとっては不利になるような反収だけを取り上げたか。そういう点をまず伺いたいと思います。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 法律の趣旨は私先ほど来申し上げたことでございまして、それは菜種が、確かに菜種油の需要が多い、それの原料である菜種の自給度を高めるということは、これはもうもちろん好ましいことなんですけれども、しかし不合理な、生産性の低い形で自給度が高まるというようなことであってはならないと思います。生産性を高めて、外国と競争し得るようにということもこの法律の背後にはあると思うのです。そういう意味で、いたずらに基準価格が高いということはこの法律の趣旨には合わないので、むしろ、生産性の上がった分を含めて基準年次の所得も補償していくということがねらいだと思います。そういう意味で価格の決定方法もそういうことになっているので、パリティを見、あるいは生産費、生産費調査必ずしも今十分なものがないようでありますけれども、それにしても、そういうものも参考にし、生産するということも今の法律の趣旨に合わせて考え、その他の経済条件を見るということで価格は定めるべきものである。生産性というようなことは、価格を考える場合に、基準価格を補償さるべき数量を考えるという場合には、生産費と同じように重要な要素にせざるを得ないというふうに思っております。それから、最初におっしゃった、平均反収というようなものを、こういう見方だ、それはそうだと思います。しかしながら、これはある基準の年次を取り出して、自由化のあまり影響を受けない基準年次を取り出して、そのときの事情を基準にしてあと考えようということでありますから、そのときがたまたま凶作であれば、そういうことと価格は結びつき、ほかのことも給びついて、一体となって基準となっているので、反収だけを取り上げて七カ年平均をみて価格だけはそのときを置くというようなことにもならないのじゃないかというふうに思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 それで、この施行令にうたっておる生産費ということははっきりうたっておるわけですね。なぜそれを計数的に取り上げないかということです、「等」というようなことで。今言ったような基準年次には三十二年は大きなこれは不作の年であります。それは法律に「一定期間」とうたっておりますから、その特殊な生産事情はやむを得ないとしても、そういう点を生産費としてみた場合は、   〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕 必ずしもこれを全面的に取り上げるに足らないのであるかどうかは別といたしまして、やはり農林省の統計調査部で累年生産費調査を実施しているわけですね。たとえば三十六年だけをとっても、三千七百八十一円という生産費が出ております。これだけを要素としてとるべきだとは私は申し上げませんが、少なくとも施行令で生産費ということを明確にうたっておる。そういう要素を計数として取り上げないということは、非常にこれは片手落ちであると言わなければならない。そういう点をまず施行令に忠実に取り上げて再計算をしていただきたい、第一点は。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) 生産費調査によります生産費そのものをとるということではございませんけれども、物価の上昇ですとか、あるいは労賃の上がりというようなことで、生産費は確かに昔から比べると上がっておりますが、そういうようなことはパリティというようなことの中にも含まれておりますし、逆に、生産費調査はごらんになるとわかるように、反当というか、単位当たりの投下労働というのは急速に減っております。そういう生産性の上がりということもこの生産費調査の中から見られるわけであります。そういうようなことを一体として考えてきめたわけでありまして、生産費調査を無視してきめたということではありませんので、これをみて再計算をしてまた値段を出すというようなことではないのじゃないかと、こう思います。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 今の御答弁ではどうもはっきり了解できないのですが、パリティも掛けたと、それはパリティを掛けろとはっきりうたってあるのですよ、施行令で。及び菜種の生産費等の要素をはっきりとうたい、これは去年法律が国会に出されたときも、生産費というものを大きい項目の一つとして基準価格構成の要素として明示されておる。そういう明らかな要素を何か計数的には理解できないような、プラス・アルファ的な扱いをされるということは、これは生産者としては施行令の建前からいっても納得ができない、こういうことを申し上げておる。それをどういう程度に計数整理をされたのかですね。これは次回にそういう点もひとつ明らかにして明示をしていただきたいと思います。何しろこれは施行令にあることですから、そういう明確な要素をどういうふうに計数整理の中では取り上げて処理されたかということです。  それから次に、反収だけが、パリティを掛けた、これはまあはっきりしております。これは計数としてはっきり出ております。その結果三千六百五十三円という金額が出ております。ここまではいいんですけれども、そこで反収要素だけをファクターとして修正をするほかに、生産事情としては、当然投下された労働時間も生産性の向上によって短縮されたと説明されましたが、まさにそのとおりでございます。しかしながら、その投下された労働時間に対するその労働賃金に引き直す場合の措置を、米のように、他の類似する全製造工業労賃のそれに評価がえをして、そうして生産費としてこれをはじき出すというようなことが、米にはできて菜種にはできないということであれば、これは何としても、これは単に菜種だけではございませんが、選択的拡大という方向はやはりそういう大きな価格構成の不均衡の上からなかなか問題は合理的に前進しないと思うのでありますが、そういう投下された労働時間が短縮したという、そういう時間の短縮だけを要素にせずに、それに投下された労働時間の評価を適正にこれを、同じ食糧庁長官の所管の対象でありますから、米と同じようにそれをやはり評価がえをするということで出せば、米を作る農民も菜種を作る農民も、その所得がひとしく政府によって補償されるというような、前の長官が補償するというのは単に差額を補償するというのじゃなくて価格を補償するのだ、厚くこれを補償するのだということを繰り返し委員会で述べておられるのでありますから、そういう点で生産費を計算して、そうしてこの菜種の生産意欲というものを向上し、反面にはさらにその生産性の向上という努力も農民は尽くしながらやっていくということがないと、今の農家の実態は、水田地帯の農家と同じように農業労働、重労働に従事しながら、その所得が二分の一というような非常に低いところに定着をしておる。そういう点をこういう一つの措置でやはりとっていただかないと、作付放棄というような傾向は、これは日本農業の現状としては非常にやはり問題とすべき事柄であるということも考えて、その菜種の価格が低いから作付が減少し、作付放棄が出ておると調査部では理由を述べておるわけでありますから、そういう意味の施行令でいう生産費というものをもっと正確に要素として、反収だけを取り上げるだけではなしに取り上げて、これを再検討していただきたいと思うのであります。それについて取り上げていただけますか。

大澤融食糧庁長官

○政府委員(大澤融君) すべての農作物について生産費所得補償方式というような米にやっておるような方法をとるということは、私は考えられないと思います。菜種も例外じゃないと思います。ことにこの法律は国際的な事情を背景にした制度だけに、われわれとして一番やらなければならないことは、菜種のやはり生産性を上げていくということ、そしてそういうふうになるまでは基準年次と大きな変化を与えないようにしようじゃないかということがねらいなんで、生産費所得補償方式ということは私はとれないのじゃないか、こう思います。それから作付面積が減るということ、これは確かにそうなんですけれども、これは価格関係というようなことじゃ必ずしもない。農村の労力の一般的な減少というような面が大きく響いておると思います。価格関係からいえば、たとえば反当労働報酬からいえば、対抗作物であります麦よりは必ずしも低くない。あるいはまた、作付転換が行なわれる場合に、収益性としては、どちらかといえばやはり菜種よりは低い飼料作物に転換するというような面も、統計調査部の資料によってかなり顕著に現われている。必ずしもそういうことだけじゃないというふうに私は思います。それから生産費そのものを計数的に直ちに使うということは、現段階ではなかなかむずかしいのじゃないかというふうに私思っております。そういう意味で、生産費というような事情は、先ほどおっしゃられたような形で基準価格を考える場合に考慮に入れていくということじゃないか、こういうふうに思っております。

渡辺勘吉日本社会党

○渡辺勘吉君 生産費をそのままそっくり取り上げられないということも、事情としてはわかりますが、それならば「生産費等」といった「等」という位置づけの反収等も、もっとここであたたかいような角度で、非常にこれは科学的じゃなくておそれ入りますけれども、もっと国内で必要な食用油脂としての菜種は、国内でひとつの自給させようとする角度で、「等」という運用もひとつ再検討していただきたいと思います。  それから時間がありませんから、今、国際価格との競争等も考慮してこの法律が出たとおっしゃいましたから、その点について最後にお伺いをいたしますが、最近のアメリカから輸入する大豆、こういうものを菜種に換算して、農家の手取り価格に換算をいたしますと、この支持価格では三千二百十一円という金額が出ます。それは支持価格で逆算をした金額であります。それから現実に取り引きされている市場価格から、これを内地の農家の庭先価格に計算いたしますと、三千三百三十四円という金額が出ます。こうしたように、アメリカから輸入をするそういう価格の脅威を受けないためにも、少なくとも現在市場で取り引きされている三千三百三十四円というものを下回るような今度の告示価格というものは、今、長官がおっしゃったような趣旨には非常に隔たるところがはなはだしいと思うのでありますが、そういう点も考慮して——これは答弁をお願いいたしませんけれども、もう一ぺんこの告示に至った計算の中で再検討をする点を吟味していただいて、また先般申し上げた総和平均というような前代未聞の建値を常識的な和種の三等建でこれを計算をするということをひとつ希望申し上げて、きょうの私の質問を終わります。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) この際お諮りいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中も調査を行なうため、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。  なお、要求書の作成は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 重ねてお諮りいたします。  閉会中における委員派遣に関しては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井志郎自由民主党

○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時散会    ————・————

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