農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1962/08/23
会議録
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。 まずお諮りいたします。堀本宜実君から理事を辞任いたしたい旨の申し出がございましたが、これを許すことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。 つきましては、この際、その補欠として理事に中野文門君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(櫻井志郎君) これより農林水産基本政策に関する件を議題といたします。戸叶武君。
○戸叶武君 重政さんのこの間の所信表明をお聞きしましても、全く、今までの河野農政をそのまま踏襲するという印象以外に何も私たちには得られなかったのですが、重政さんは大臣に就任せられたときにも、農林省においてこれから二人大臣がいるつもりでいてもらいたいというあいさつをしたというようなことが、新聞にもひやかしでしょうが出ているほど、おそらくは河野農政の最も忠実なる継承者と思われるのでありますが、この中におきまして、やはり食管制度の問題が、非常に大きな問題になっておりますが、この問題に言及したときに、松村委員会の結論を参考にするというような口吻でありましたが、それは何を意味するのか。松村委員会とは一体何か、大臣の諮問機関か、それとも自民党の政調会の一委員会か、そういう点を明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 松村懇談会というのは、前農林大臣の河野大臣の相談をせられるいろいろ意見を聞かれる一つの懇談会であったわけであります。そこで、大臣が私にかわりましたので、懇談会の皆さんは、もう自分たちは前大臣の相談相手と申しますか、前大臣に頼まれてやったのであるから、この辺でひとつやめてはどうかという意見もある。どういうふうにしょうかという御相談が、松村さんからあったわけです。私はせっかくの二十回にもわたって検討せられたのであるから、引き続きひとつやっていただきたいということを申し入れまして、先日皆さんの御了承を得たようなわけであります。
○戸叶武君 それでは松村懇談会というのは、大臣のプライベートな一つの諮問機関のようなものだと思うのでありますが、私はここで米価決定の際における農林大臣の態度というものに非常に不審があるので問いただします。これは河野農林大臣の問題ですが、重政さんは河野さんの身がわりのようなもので、責任も受け継いでおられると思うのでありますが、あの米価決定の際におけるところの紛争を見てもわかりますように、米価は最終的にだれが決定したのか、これが問題であります。 前農林大臣の河野君は、音に聞こえた実力者ということでありますが、結局は最終的な数字上における決定というものは、田中前政調会長がきめたということが新聞に報ぜられております。河野君も非常におこったということですが、一体だれが米価の最終的決定をなさったんですか。
○国務大臣(重政誠之君) これはもう戸叶さんもご承知のとおりに、米価の決定は、行政府である政府が決定をすることになっており、またしたわけであります。そう私は承知をしております。自民党の政調会の意見は、もちろん政府としては十分尊重をいたさなければなりません。しかしあくまでもその責任をとり、その決定をするものは政府であることは間違いない。こう私はえ考ます。
○戸叶武君 大臣の答弁は筋は通っておりますが、現実のいきさつは筋の通らないきめ方であったと思うのです。今の日本の政治の運営の仕方が、イギリス流の議院内閣制といわれておりますが、今の自民党が絶対多数を擁して今日自民党の数を持ってすれば、何でもできるという形で事実上の政治を運営し政府特に内閣における責任の権限まで侵して、一党の政調会長が、今日では田中君は閣内に入っておりますが、最終決定まで、少なくとも内閣における最も責任ある地位にある河野農林大臣の意思をも否定して、そうして決定してしまったというのは、これは新聞に伝わっておるので、公々然の事実となっております。しかも、いつも米価決定の際において、与党との連絡ということを主にして、農民団体その他からの陳情ということを通じて、選挙運動とも結びつくようないかがわしい不明朗な形で、米価決定がなされております。米価決定だけではございません、土地改良に対する補助費の問題でも何でもそうですが、こういう紊乱したやり方というものは、議会政治というものを根本から否定した一党独裁のやり方でありまして、今後そういうことが、とにかく今の大臣の答弁どおりに事実進行するのならよろしいが、農林大臣が二人あるなんということを、冗談にしろ言っているというような仕末では、非常に心もとないものがあるので、こういう点からしても、農林大臣の地位並びにあり方、その責任というものに対して、謙虚も一歩くずれると、卑屈になるのですから、そういうひとつ大臣としての見識を持って今後大臣に処してもらいたいと私は思います。 そこで、この米の価格の問題というものが、日本の農政においてきわめて重要な問題であり、また別な時間においてこの問題に対しては十分時間を取って質疑をすることにいたしますが、農林省の最近の統計によりますると、農家収入というものはこのごろだんだん変化して参りまして、兼業農家の増加によって農業収入よりも農業外収入が多くなったというような統計すら表われてきておりますが、しかしいずれにしても、農業収入の約五〇%は米による収入だと思います。したがって、この米価の決定というものは、単作地帯の新潟、秋田、山形というような米の生産地ばかりでなく、一般農民にとっても非常に重要な問題になっていると思いますが、この米価を決定する政府の態度として、その基準をどこに置くというのが一番問題になっております。生産者所得補償方式という線を、必ずしも政府は貫かないで、この食管関係の赤字というものを理由として、赤字が出過ぎるとか出ないとか、こういうような問題だけから米価問題を自分たちに都合のよいようにきめようとしておりますが、今とっている政府の基本的な態度というものはどういうものであるか、また今後どういう態度でそれを処理していくか、そういうことを承りたたい。
○国務大臣(重政誠之君) 御承知のとおりに、昨年から、本年の米価の決定にあたっても同でありますが、生産者米価を決定をいたしまするにつきましての前提条件の第一として、財政負担とは切り離して生産者米価は決定する、こういう原則を自民党内に置きました米価懇談会においても採用をいたしたわけであります。でありますから、ただいまお述べになりましたように、財政負担が多くなるから生産者米価は低目にきめるというような、ややもすれば往年そういうふうに見られたようなことは、一切これを払拭いたしまして、財政負担に関係なく生産者米価は食管法の定めるところに従って、生産者所得補償方式によって決定をするということできめられたわけであります。これは御承知のとおりだろうと思います。
○戸叶武君 生産者所得補償方式できめていくと言いながらも、清盛坊主が衣の下からよろいを見せるように、河野君もあなたも、これは何とかしなければならないというのを至るところに発言しております。あなたもこの間、食糧管理制度の改善につきましては、現行制度は米が少ないときにできたものでありますが、需給が均衡しつつある現状におきましては、はたして適当であるかどうか検討の必要があると存じます……。そして松村懇談会の意見を聞いて慎重に対処するというのだが、松村懇談会よりも、議院内閣制のもとにおいては、反対党を含めての国会における農林水産委員会、予算委員会その他の十分な慎重審議というものが私は重点にならなくちゃならないと思うのですが、松村懇談会の意見を聞いてきめるなどということを、国会の中におけるあなたの施政方針と見られるものにおいても公然としてそういうことを述べておりますが、大臣としては、そういう前の大臣連中の意見を聞いてきめるという考えで、自分自身としては独立した見解を持っておらないのですか。
○国務大臣(重政誠之君) もちろん私自身は独立の見解は持っております。持っておりますが、御承知のとおりにこれは、ことにこういう米に関する問題のごとく、国民の全部を相手にするような制度につきましては、独走することは絶対にできません。まずせっかく前大臣が作られたこの松村懇談会の意見をまず第一に聞き、さらに各方面の意見を十分に聞きまして、その上で農林大臣として判断をいたす、こういうのが私は民主政治の行き方であろう、こう考えて、そういう方向でやって参りたい、こう考えておる次第であります。
○戸叶武君 米価の問題は、あらためてまた論議することにいたしまして、最近における各国の農政の動きというのを見れば、他産業との所得の格差を埋めていくために政府がしかるべき農業保護政策を行なって、これの所得の均衡化をはかるというのが重点になっているのでありますが、池田総理大臣が就任して以来、池田経済政策、河野農政、あなたにまでつながるところのこの考え方の基調をなすものは、池田さんが農業の経済成長率は二・八%程度で所得は倍増とはいかぬ、四割ないし五割伸びればよいほうで、これを倍増に導くのは農業人口六割ないし七割の削減を断行しなければならないというような考え方を持ち、そしてこの年々百万以上の人口というものを、経済成長政策に沿うて鉱工業部門のほうへ吸収しようという施策がその基調をなしておるのであり、事実上、最近はこの農民の数というものが激減しつつあるのであります。これは経済成長の必然的な結果で、これによって日本の産業構造は変化しつつあるのであると言えばそれまででありまするが、この現象を非常に強めているものは農村においては食っていけない、農村で働いたのでは収入が少ないということが主になっておるのでありまして、私は農業の面におけるところの農業基本法というもののねらいは、日本においては完全に私は絵に書いたぼたもちのようで、中身のない、農民の保護を現実的に強めた面が少ないと思うのでありますが、今度、あなたは昌頭において新農政の方向というものは、農業基本法の線に浴うていく、それに必要なる法律制度の制定及び財政的裏づけを至急に行なうということを強調されまして、そして予算要求のごときも三千億程度取らなければならぬというかまえでなしておるようでありますが、予算の裏づけがなければ、農業政策などというものは実るものではないと思うのですが、大臣は三千億程度の予算を獲得するつもりかどうか。
○国務大臣(重政誠之君) それはどういうところから出たか知りませんが、私はどういう事項についてどれだけの予算の要求をするかということはまだきめておりません。省内でもまだ予算省議は始めておりません。でありますから三千億がいいか三千五百億がいいかということは、ちょっとただいま申し上げることができないのですが、近く予算省議も開いて、それぞれ要求の内容をきめていきたいと、こう考えております。
○戸叶武君 それでは、取るというのはかけ声で、中身はないということですね。私は少なくとも、こまかい数字が出ないにしてもこの財政的裏づけという具体的な裏づけにおいては、どの面に重点を置くか、あなたは農業生産の選択的拡大を進めたいと、それがためにこれが畜産や果樹、そういうものの伸張に重点を置くような主張と、それから土地改良その他農業構造改善事業というようなものに非常に力こぶを入れておるようですが、まだ具体的には何ら構想は固まっていないのですか。
○国務大臣(重政誠之君) これは御承知のとおりに、農業構造改善事業でありますとか、あるいは流通改善の事業でありますとか、そういうように果樹、畜産の振興、主産地形成の問題あるいは価格安定施策というようなことは、前国会の協賛を経て、現に実行をしつつあるのであります。これはもう御承知のことと思うのでありますが、それらの事項については、さらに私は拡充をして参りたい、こう聞えておるわけであります。その他、先般具体的に私が申し述べましたような事項は、いずれも重大な当面の事項と考えております。したがってそれらの問題については、心要な予算はもちろん計上いたしまして、三十八年度予算を編成して参る、こういうつもりでおります。
○戸叶武君 この農業政策を進める上において非常にむずかしい点は、農村とは何ぞや、農業とは何ぞやという堀り下げ方でありまして、政府としては、西ドイツにならってグリーン・レポートとグリーン・プランによってこの対策を打ち出そうとしておるのだと思いますが、大正末期の自作農制定の際の論議の際に、田淵豊吉氏が、平野、農村、漁村、山村おのおのみな構造的に違っておるのだから、抽象的なばく然とした農業政策というものでは必ずしも十分言い尽くしていない点があるというふうに指摘したことがありますが、しかしそれ以後においても、どうも農業政策というものの焦点というものが、そのときどきによっていろいろ変ってきていると思います。まあ赤城農林大臣のときには、彼が筑波山麓の丘作地帯の出身であった関係か、この畑地潅漑や土地改良というものに非常に力を入れましたが、今農村において私は一番困っているのは、沿岸漁業などをやっておったところの海岸寄りの農村と山間部における僻地の農村だと思います。それと同時に米作地帯においては、何といっても米価というものが安定しているからあるとろまで農家収入が安定しつつありますが、麦作地帯の特に関東平野におけるところの地方などというものは麦がだめだ、麦をやったんじゃとても暮らしていけぬという形で果樹に転換したり、酪農に転換したりいろいろやっておりますが、しかし今、これらの地帯において一番問題なのはタバコとビール麦の問題だと思います。ところがタバコは専売公社の関係で大蔵省が握っていて、農林省はたな上げされている。大蔵省のやり方というものは生産農民の立場というものはあまり考えない。この専売事業で金をもうけるという考え方であって、タバコの耕作農民というものは過重労働にあえぎながら、しかも安い値段でタバコを作らなければならないような状態になっております。しかも生産農民を代表するところの農民組織というものがタバコ耕作組合という専売公社の下請機関的なボス支配によって、十分その生産農民の利益をということを代表せられないことは明らかでありまして、この専売公社の総裁のごときは、本年は六%の増反を要請されているんだといいますが、あのような価格とあのような専売公社のやり方では、六分は私は増反は困難じゃないかと思っておりますが、おそらくそれは六分の増反要請ということを言っておりながら、増反の不可能な場合においては、七年ほど前に河野さんたちがアメリカからタバコの葉を二年分もよけいに、余剰農作物の麦を買う使命をもっていた時分、押しつけられたようなその手をまた用いざるを得なくなるんじゃないかと思って心配しております。これはタバコの問題だけじゃないと思います。ビール麦がそうじゃありませんか。ビール麦におけるところの需要の増大というものが、二、三割毎年伸びているというのは明らかなのでありまして、それに必要な麦芽に対する対策も講じなければならないというのであって、この三十五年ですか、三十五年の九月における国会における食糧庁側の答弁におきましては、三十六、七年までには完全に輸入しなくてもいいだけの麦芽の対策もビール会社その他にとらせることになっているからこのときだけこれに限って麦芽を輸入させてもらいたいという、これは詳細に政府答弁をみな記録して残しておりますが、今度もまた麦芽が足りないことが起こる。ビール麦の増反というものはもう農民が欲しておるのでありますが、このビール麦を作っている生産農民の団体としてビール麦耕作組合というのが、タバコ耕作組合よりもあくどいボス支配でありまして、これは独占資本につながるところの一つのボス支配、要するに麦耕連と称するものが蟠居しておって、これは単位農協から盛り上がってくる系統共反体制によって、その生産農民の立場を擁護するという線とは反した行き方をしておるのであって、その競合行為というものが農協法違反であるということをもう三年前から追及して、農林省の経済局長あるいは農協部長のごときもこれを認めているのであります。認めておりながらも麦耕連の会長が農協中央会の会長を兼ねるだけならよいが、経済連の理事となりあるいは会長となり、あるいは農業会議の会長を兼ねるというような、全くの逸脱した農協法違反の行為というものを指摘して、そのたびごとに農林省は監督官庁として的確な処置をやるといって三年もこの委員会において繰り返してきたことをいまだに実行しない。そういうのならば、私たちは、そういう監督官庁というものが、競馬の関係で坪山栃木県の麦耕連会長と河野君は特殊な関係にあるので、河野君に頼んでいるから大丈夫だという考えで、そういうふうにのさばっているのかもしれないが、そういう紊乱したやり方でもって農協法をじゅうりんし、それから監督官庁としてのこの監督が麻痺状態で怠慢であるという形であるとすれば、国会におけるわれわれの審議権というものは全く無視されているから告発します、農林大臣と、とにかく坪山氏を。そうしてこの国会における麻痺状態というものを通じて、われわれは、農協法を守れないのでは、幾らわれわれがここで審議してもだめだから公判闘争でもって戦うという処置を講じなければならないと思いますが、そういうふうに、国会は国の最高機関であり、われわれは人民の代表として最高の審議権を持っているのだが、そこにおける監督官庁の答弁やなにかというものが、国会を軽視し、侮辱し、そういうような国の法律を無視したようなやり方を公然として許しておいていいのかどうか。河野農林大臣には予算委員会において、今度現われてきたならば対決すると言ったら、姿を消し、協同組合部長もまた姿を消してしまったが、経済局長はきょう来ているようだし、農林大臣は河野さんから引き継いでいると思いますが、私は今初めて言っているのじゃない。私は通常国会の予算委員会において農林委員会ではらちがあかぬから警告して、そうしてこの処置を求めてきたわけですが、あなたにはもう前から私も質問の予告も出しておりますし、報告があったと思いますが、大臣から私は的確な答弁を願い、答弁に不満なときには直ちに大臣を告発して争うという態度で臨みたいと思います。もういつまでも三年も四年も、こんなばかなことをいつまでも同じようなことを繰り返して論議はできません。
○国務大臣(重政誠之君) いろいろ御質問でございますが、第一に、ビール麦の生産並びに麦芽の生産の問題について申し上げますと、お話しのとおりにビール麦の生産は、生産の選択的拡大をやられます上におきましてもこれは重要な作物であります。私どもはできるだけこの増産をやって、いやしくも麦芽は海外から輸入をしないようにしなければならぬという考えを持っておるわけであります。そこで農林省といたしましては、昨年は、ただいまお話にもありましたように、ビール会社に対しては麦芽の製造設備を要求したわけであります。そうしてビール麦の増産をやらしたわけであります。でありますが、ビールの需要が、極度に消費が伸びたわけであります。私の聞いておりますところによりますと、農林省並びに関係方面におきましては一割五分程度の消費増であろう、こう考えてやったようでありますが、それが三割以上の消費増ということになったようであります。そこに生産の見込みの違いがあったようであります。そこで今年からは、まあ言ってみれば、農林省のほうはビール麦につきましては、中に入り込んでいって、生産の指導その他流通過程における指導も真剣にやっていなかったようであります。これを今回は真剣に責任を持って、農林省が中に入って需給の計画を立てる、こういうことにいたしておるのであります。方針といたしましては、私が今申し述べましたとおり、選択的拡大の上からいきましても、ビール麦という作物は、非常に重要な作物でありますので、内地において必要なだけのものは国内において生産を進める、こういう建前で進んでおります。 それから第二の、ただいま非常におしかりを受けた点でございますが、これもいろいろ報告も聞きました。が、農林省におきましては、法制局ともずいぶんこれは競合禁止の規定に触れるかどうかということについて検討を続けてきたようであります。しかしどうも競合禁止という規定に正面から触れるという結論を出すに、法制局方面でも至らなかったようであります。そこで、本年からは麦耕連が従来ビール会社にビール麦のあっせんをしておりましたものを、これはビール麦の現物の買い取り並びにビール会社に対する販売は協同組合連合会において、経済連においてこれをやる、経済行為は経済連でやる、麦耕連は技術の指導等に当たるというふうにその分野を明らかに、農林省が入りまして協定をせしめたのであります。したがって、こうなりますというと、競合禁止の規定には触れないということになろうかと思うのであります。これによって解決をいたしたような次第であります。御了承を賜わりたいと思います。
○戸叶武君 この問題は、あとで証拠書類が全部、怪文書その他もありますから、ビール会社、麦耕連から出したのも。これは競合であることは明らかであることを、今までの歴代協同組合部長なんか認めていたんです。だんだんそういう悪知恵を出してボスと結託して、ごまかしの抜け穴を考えてきているのですから、これはあらためて、法律関係の連中も来てもらって、一応国会でもってこの問題を追及いたしますが、このビールの、あなたの答弁とあなたはその時分大臣でないし、よく知らないでしょうが、じゃ、三十五年九月七日の本委員会における政府委員の岡崎三郎君、食糧庁の総務部長でしたでしょう。このときこういう答弁をしているんですよ。ことしは三十七年ですよ、去年が三十六年、おととしのことですよ。「ビールの需要が年々二割ないし三割というように伸びておりますので」——一割五分じゃないですよ、「三割というように伸びておりますので、従って、これは伸びるのは非常にけっこうである、最終的にはこれは国内産のビール麦でもって全部まかなってほしいということを、実は私どもは昨年もそういう注文を出したのでございます。」「昨年」というのは三十四年です。「ことし一年はまあやむを得ないから」。——「ことし一年」というのは三十五年ですよ。——「モルトの輸入は認めるけれども、しかし、来年からはこれはもう絶対に認めないということで、昨年実は一応そういう条件のもとに賛成したことがあったわけでございます」そうして三十六年度、三十七年までかかるのだとビール会社のほうで言うから、それまでには全部モルトの製造設備が間に合うからということで弁明したのでしょう。 どうも政府の責任ある答弁というものはあてになりませんな三十五年の答弁と今の大臣の答弁は雲泥の差じゃありませんか。どこに一致点がありますか。
○国務大臣(重政誠之君) これは、私は去年、おととし、どうなっておるのかよく存じませんが、最近の事情しか存じませんが、設備は、おそらく今のようなお話を聞きますと、こうしたビール会社側においては必要な設備はやった。が、最近の事情では原料がないのだということのようであります。それが三割ないし五割の需要増が見込まれるというのが、一体どういうところから出てきたのか、私は存じませんが、これはまあ一年に三割以上も四割も伸びると言えば、これは非常に異例なことだと思うのでありますが、まあ二割前後のものがふえるというふうに予定するのが普通じゃないかと思うのですが、そこらのところはよくわかりませんので、そこの事情をひとつお話し申し上げて……。
○政府委員(坂村吉正君) ただいま戸叶委員の御質問で三十五年のときの食糧庁の総務部長の答弁がございますが、その当時私ども外から、別のところでその問題を見ておりましたけれども、二割ないし三割伸びるというような、そういう見方はともかく、そういう答弁ではございますけれども、そういう数字によって、一昨年の数字によってそういうことを御答弁したかどうか、そこら辺はちょっとわかりませんけれども、大体の毎年の計画は一五、六%から一七、八%くらいの伸び、こういうようなことで麦芽の製造設備をビール会社に整備しろ、こういうことで農林省はやって参ったわけであります。そういうことで三十五年にビール会社に強硬にそういう通達をいたしました。それが三十六年には完成するという予定が非常におくれまして、三十七年の春くらいまでには、大体その設備はできましたわけでございます。そういう過程の事情がございましたものですから、三十六年にもある程度の麦芽の輸入もいたしましたし、三十七年には、設備はある程度今度はできますが、需要の伸びは今までの一五、六%−一七、八%という見込みに比べまして、三九%−四〇%伸びて参ったわけでございます。そういうような事情でありますので、非常に足りなくなった。しかも原料麦が、食糧庁の中に、それから国内にもなくなってしまった。こういう事情のもんですから、これはまあそういう特殊な事情を考えまして、三十七年に麦芽の輸入はある程度許さざるを得ないという事態に追い込まれたわけであります。しかしいつまでこういうことをやっておってもいかんと思うのでございますので、先ほどの大臣のお答えにもありましたように、農林省が本気になってビール麦の生産に入り込んで、あるいは生産、需給のバランスをとっていくということに入り込んで、そうしてビール会社の需要も的確につかんで、これを各県を通じても割り当てといいますか、指導いたしまして、そうして生産の原料を確保していこう、こういう態勢をことしからとっている、こういう実情でございます。
○国務大臣(重政誠之君) いずれにしても、農林省の説明員の委員会における御説明が、どうも今の統計的な数字による実態から離れているようなことを御説明をしたということは、これはもうまことに相済まない限りであります。私があやまるよりほかはないのでありますが、ただいま農林経済局長が申しましたことが、これがまあこの年々の実績によっての御答弁でありまするので、ひとつ、さよう御了承賜わりたいと思います。なお先ほど来申したとおりに、今後におきましては、農林省が責任をもってその生産の、需給の見通しを立てて、それによって増産をしていく、こういう行き方にもっていっているわけであります。御了承賜わります。
○戸叶武君 おととし政府当局が、今後絶対に認めないと、「絶対」いう言葉はどういう意味を持つのか。しかもこの数年来の経済雑誌を見て下さい、ビール株というのは成長株ですよ、どこだって二、三割伸びるというのは常識で、そうしてあの配当を見てごらんなさい。どんどん食生活の変化につれて、ビールは伸びておりますし、それに税金が安くなった、値も少し下がる。みんなもビールを飲むということで、これがくろうとが伸びるということが予測し得ない、まあ池田内閣というのは、経済見通しが当たらないことと、総合的調整能力を持たぬことでもって有名だから、そういう伝統の上に立って、そういうふうな見通しがくずれているのでしょうが、岡崎君のが当たっているのです。今の経済局長の言うのがでたらめなんです。でたらめを言うやつのことを信じてくれと言ったって、二年前の、この三十五年に明らかに正確に予見した言葉のとおり動いているのに、それは間違いだ、大臣の不見識なこと、いいかげんにしなさい。岡崎三郎君は三十五年の際における政府の代表的答弁です。それが間違いだ、今のがほんとうだ、ばかも休み休み言いなさい。そんなことじゃ私たちは、いちいち今度は問いたださなければ、政府委員の答弁というものをうっかり聞けぬ。二年も過ぎると、変な大臣が出て来て、あれはうそだ、改めてくれ、こんなばかなことがありますか。私はそれの資料を要求いたします。この数年間におけるビールの伸びですね、それからモルト設備の進め方の状況、あのときたしか、倍になるという計画でしたが、全部その資料を要求いたします。今までは改府はかまわなかった、今度からやるのだ、ばかも休み休み言いなさい、だめです。こういうような実態で、実際ビール会社の下請け機関的な麦耕連というのは無用の長物なんです。それがこの単協が指導しているのですからね、事実十七円のリベートで一俵について指導している。このリベートは栃木県ではおそらく二千万円をこえるでしょう。坪山一家の少数のボスが押えてやっているのが実態です。生産農民に還元すべきが至当なんです。そういうものが、河野君なら河野君に渡りをつけてやれば、今度はどんどん、競合関係であるが、それは農協法違反ではないかもしれない。こういう答弁をやっているから、公判廷で争わなければ、もう黒白は明らかにならないかもしれないから、それにいくまでに一度この法制関係の担当者を出して聞いてもいいが、おそらくは私は今のような政党政治のもとにおいては、こういうボス支配のもとにおける圧力で、そういった担当者というようなものは、いいかげんな答弁しかやっていないので、法律というものはほとんど無視されていくのが実情だと思う。今度はいろいろな資料も集めて、その問題も十分やりますけれども、私は今の米価問題だけでなくて、やはりビール麦の問題、タバコ耕作農民の価格に対する要求、そういうものを満たし得るためには、タバコのようなものはやはり大蔵省から、生産関係は農民に関係のあることであるから、農林省がやはり担当するように切りかえていくべきであって、この行政改革というものは、今のような官庁の都合でものをやるのでなく、人民主権の国における政治のあり方というものは国民に対するサービスです、国民に対する奉仕です。そういうものが大切なんでありますが、今このビール麦の生産者の作付希望に対しても、会社側では会社側の都合だけを聞いてやっているから、それに合うような生産体制というものは作られていないのです。価格の問題あるいは種子の配分の問題、この原々種なども会社側が握っておって、これをコントロールしておるという状態でありますが、このようなほとんど国策に近い仕事を独占資本がやっているところの弊害というものは、会社の都合というものに重点を置いて、生産農民の利益というものを無視しているやり方があるのですが、今後この種のごときものも、私は国の試験場なり各県において十分これは生産農民に満たし得るような方式をとって指導してもらいたいし、それから生産計画などというものもビール会社の都合だけでなくて、もう少し農林省というものが責任を持って農協その他と相談し、この生産農民に満足を得られるような体制を作られてもらいたいと思うのですが、大臣はいかなる御見解ですか。
○国務大臣(重政誠之君) まことにごもっともな御意見でございまして、先ほど来申しますとおりに、生産計画につきましては、農林省が本腰を入れてこれは介入をいたし、そうして生産のほうもビール会社が勝手にきめるということにせないような方針でやることにいたしております。 なお、種の問題でございますが、これは原々種は、ビール会社が幾つもありますが、それぞれ醸造の技術等にマッチしたビール麦が必要であろうかと思うのであります。でありますから、原々種はやはり会社側に選ばしたほうがよかろうと思うのでありますが、原種はお説のとおりに、これは農事試験場その他公的機関において必要なだけの原種は原種圃を設けて作る。そうしてそれを農家諸君に配っていく、こういうことにいたすことにいたしておるのであります。御了承を賜わりたいと思います。
○戸叶武君 その原種なり原々種の問題でありますが、要するに麦耕連と系統共販とが今対立しております。競合の関係にあるのは歴然たる事実なんでありまして、そのために栃木県のように全国の四分の一を生産するようなビール県におけるボス坪山一家というものは、系統共販に踏み切ったところの農家に対しては、種を送らないようにビール会社に働きかけるというようなやり方をやって、生産農民というものは非常に苦しめられているわけです。こういう事実を犯していながら、麦耕連の会長が系統共販体制における経済連の会長を占めるというようなことで、泥棒が十手を持ってかけずり回るようなことで、これでどうして農協指導ができますか。私はこの形式的な法律解釈でなくして、農協運動というものはもっとまじめに考えてもらいたい。ほかの県においてもこの国会における論議というものが活発になるのに従って、系統共販に日本のほとんど全国の体制というものが作り上げられている。埼玉県においても茨城県においても麦耕連が解消し、方々において農協中央会長を兼ねているのを許すというような形で、栃木県、千葉、山梨、神奈川など、三、四県残っておりますが、それも主として長い間のこの執念で、しかも坪山会長なるものが、競馬友だちである河野君に取りついていれば大丈夫だとうまいことを考えて、どうもうまくないことですが、馬がとり持つ縁で、こういうやり方をやっていることは、とにかくこれはたまったものじゃない。これは私は天下が歴然と知ってわかっていることですから、あまりふざけたまねをやっているとためになりませんよ。こういうことは今度は生産農民全体に火をつけますから、明らかに。これは特に栃木、神奈川等において、これは重要なことですから、こういうゆがんだ形でゆるふん協定を作っては、今度協議会、協議会なんかは作っていない。事実上系統共販のものが十組合今日できて対立している。それに協議会があるということになると、うまいことがやれないから、ごまかしが。そんな実態を把握しないで今度は現地調査をやってもらいますし、この問題だけできょうつぶすわけにいきませんから、終わりにしますけれども、あなたがほんとうに確信を持って農協法違反でないということを言明できますか。そうでないと、私は大臣を責めてもしようがないから。その点明確にして下さい。
○国務大臣(重政誠之君) 従来そういうようないろいろな弊害が出ましたのは、麦耕連が経済行為をやる、経済連も経済行為をやる。そこで今のように麦耕連に来ない者には種を配らぬというようなこともあるいはあったかもしれませんが、今回は、今後は経済行為は経済連、麦耕連は経済行為はやらない。これは栽培技術等の指導に当たるというふうに、その仕事の分野を明らかにいたしたのでありますから、そういうことになりますというと、競合ということには私は当たらないのではないかと思うのでありますが。
○戸叶武君 あなたは知らない。過渡的な便法としてのこれは協定であって、麦耕連というものは当然解消されるべき性質のものなんです。それをゆるふん協定だから、その協定をたてにとって、無用な長物じゃないですか。指導は全部単協でやっているのですよ、麦耕連は指導費という名目のもとにリベートをビール会社から取っている。だめですよ。今まで経済局長が答えたことなんか、うそなんだ。そんなでたらめ答弁をやってはだめだ。
○政府委員(坂村吉正君) 大臣の御答弁にありましたように、農協の系統と、それから麦耕連が中心になりまして地方で協議会を作って、それで事業の分野を調整していこう、こういうようなことで話し合いが自主的にできておりますのでその線でどういう工合に動いて参りますか。たとえば今御指摘のように、栃木県ではそういうことが実際行なわれないのだ、こういうことであれば、またこれはその事実を調査して、もしそういうようなことであれば、それは農協法の違反という問題があるいは起らぬとも限らないわけでございます。が、そういう点はこれは十分新しい事態に即して事実を調査いたしまして十分検討したいと思います。
○戸叶武君 もう時間がありませんから私はこれで打ち切りますけれども、この問題は今度資料を全部要求して、大きな問題ですから、そういう点で大臣の答弁と今までの農林省当局の答弁とは食い違ってきているので、大臣相手に今度は予算委員会でこの問題を追及しますから、どうぞ大臣も十分準備しておいて、河野君とも連絡して、また栃木県のボスとも連絡して、十分戦備を整えてやってきてもらいたい。
○委員長(櫻井志郎君) 農林当局に伺いますが、先ほどの資料は提出できますね。
○政府委員(坂村吉正君) それはあります限りの資料は提出いたします。
○北條雋八君 私は時間がございませんので簡単に伺いますが、御答弁はなるべく御丁寧にお願いしたいと思います。 農業基本法の精神は、自立経営農家を育成しまして、自立経営が困難なものは協業によって生産性を向上さしていく、また、農業所得の増大をはかって他産業との所得格差を均衡のとれるようにしていくというのが目的であります。これらに対して、最近における農地の拡大による自立性、あるいは協業経営の実態はどうなっておるのかということをお伺いしたいと思うのです。農林省の統計調査部の協業に関する農業情報によりますと、全面協業経営、部分協業経営と分けてあります。全面協業経営は一一%、部分協業は八九%、部分協業の経営がほとんど圧倒的に多い。その内訳を見ますと、養豚が四〇%、養鶏が一八・五%、果樹が一一・五%、酪農が九・七%、農菜園芸が七・三%、農地が要らない、しかも現金収入の入ってくる協業的なものが多いということがわかるわけです。基本法でうたっております選択的拡大の目的、将来の成長農産物であります畜産とか果樹に農家の関心が向いているということは、まことにけっこうなことであるのですが、果樹にしろ畜産にしろ、相当大きな資本を要するものであることは言うまでもないのであります。また、その報告の中の、それら協業に携っておる参加農家の経営階層の組み合わせを見ますと、「組み合わせ別協業体数」という表が出ております。その表を見ましても下層農家の協業に参加している比率が非常に低いのです。零細農家は協業をやる、また上層の農家は自立経営をやるという基本法の根本の精神に相反しているように思うのです。ですから、実際は小農とかあるいは零細農は切り捨てられて、一向に基本法の恩典にあずかっていないというふうに聞えるのでありますが、その辺の点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) お示しのとおりの協業の現在は状態ではないかと思うのでありますが、土地の協業は、ただいまもお述べになりましたとおりに、現在のところ多く行なわれておりません。これはひとつ御了承願っておかなければならぬと思いますことは、協業にも関係をいたします農地法の改正が、御承知のとおりに、前国会で成立をいたしたのでありまして、そういうような関係も手伝って、そういうことになっておると私は思うのであります。さらに根本的の問題として、土地の協業の問題は、やはり構造改善というものが計画的に行なわれていかなければ、なかなか耕地面積を拡大するとか、あるいはこれを協業してやるとかいうようなことは、相当果樹とかあるいは畜産の協業等に比べますと困難な点があろうかと思うのであります。これは少し長目にごらんをいただいて、やはり皆さん方の御協力に待って実現をしていかなければならぬと、こう考えております。
○北條雋八君 基本法の恩典というものが、どうもやはり中、大農に厚くて下に薄いような運営になりはしないかということを心配するのでございます。その点は運営によることでございますから、政府におかれても監督を十分にいたされたいと思います。 次に、流通過程の合理化、中央卸売市場の整備、生産出荷体制の確立等の諸施策をすみやかに講ずると大臣が言われましたけれども、具体的にどれだけのことをおやりになるのか、お聞きをしたいと思います。 今年度農林予算のうち、生鮮食料品卸売市場対策費として一億五千万円が計上されているにすぎません。農林省の流通対策の貧弱さを知らされた次第でございます。東京だけでも、築地、神田そのほか七つの大きな卸売市場がありますが、どれだけの整備ができたのか、また本年はどれだけの予算を獲得できる自信がおありになるのか、来年度の構想を伺い度たいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 流通機構の改善につきましては、御承知のとおり、東京都におきましては、標準小売店の指定をやりまして、これは実施に移しております。さらに公認小売市場の設置につきましても準備を進めております。これは近く実現に至るであろうと思うのであります。映画館を十ほどつぶしまして、これを小売協同組合の市場にしたい、こう考えて、これも話が大かた進んでおります。さらには団地の付近の小売市場を設けるというようなこと、いずれも話が進行いたしておりますから、近く実現の運びにこれらはなると思うのであります。さらに、中央卸売市場の問題であります。先ほど本年度予算をあげて御指摘がございましたが、この予算は、原則といたしまして東京、大阪の中央卸売市場に使いたい、こういう考えを持っておるわけなんです。本年度はことに大阪の東部市場の設備を近代化する等の事項に重点を置いてこの金は使いたい、こういうふうに一つ考えておるわけであります。東京の中央卸売市場の改善の問題でございますが、これはいろいろと敷地その他についても検討を今いたしておるわけでありますが、御想像のとおり、これはそう簡単な問題ではございません。市場を他のところに移す、しかもそれは適当な地所でなければならぬというようなことから、一、二候補地はあるのでありますが、さらに埋め立てによったらどうかというようなものもございます。あるいはまた現在の築地市場を拡張できるだけ拡張をしていったらどうかというような意見もあります。いろいろ研究、検討をいたしておる最中であるわけであります。その他消費地並びに産地に冷蔵庫を設ける、あるいは冷蔵貨車を建造をして、消費地と産地との間を直結して、そうしましてこの市場における荷不足のときには、この冷蔵庫にある魚を出しますとか、あるいは産地から直接に輸送せしめるとかいうようないろいろな構想を持っておるわけであります。これらも今検討をいたしております。近くこれも実現をいたしたい。卸はできることならばこういう問題でございますから、来年度の、三十八年度の予算を待たずして予備金支出その他方法があれば何らかの方法によりまして、こういうものは構想、計画が確定をいたしますれば、できるだけすみやかに実行に移るようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○北條雋八君 なお、現在県単位で出荷調整をされておりまするが、県外との横のつながりが十分でないために、事実上は各市場間の入荷量が均衡がとれていない。一つの都市でも市場によって大きな価格差が出てきておる。したがって、先月より農林省の指導によりましてできた標準小売店の小売価格が、仕入れ市場が変わると、同じ町内の店でも標準価格が違うという結果が出ております。このような流通機構の不備をどういうふうに改善されていくおつもりか、その点も伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 出荷調整につきましては、ただいま仰せのとおりに、出荷調整協議会を設けまして、市場の状態を産地に通報をするというような制度をとっておるのでありまするがこれも小規模でございます。そこで、私はすみやかにこれを拡大をいたしまして、主産地には市場の入荷の状態あるいは見込み等をすみやかに通報をいたしまして、産地のほうで出荷地を選択をする、あるいは出荷の数量を選択をする、抑制をするというような措置をひとつとることもできるようにいたしたいとこう考えております。さらに標準卸売市場において、同じ品物で産地が違うからそこでその値段が違うというようなお話しでございまするが、これは銘柄が違い、品質が違いますと、これ値段が、標準値が違うことは当然のことでありますが、おそらくただいま御指摘の点は、同一産地において、同一銘柄、品質のものであってもそういうことが起こりはしないという御懸念であろうと思うのでありますが、それはここに中央卸売市場の制度の根本の問題に触れるわけでございます。私どもの考え方では、一つの市場で卸売は単数、理想的に申しますれば、これは一つがよろしい。そうして一つの卸で同一当地のものは産地のもの、また同一銘柄のものはそこでせる、こういうことにすればいいと思うのでありますが、現状はそうではございません。魚にいたしましても五つの卸売会社があるわけであります。でありますから、同じサンマならサンマが五カ所、四カ所でセリが行なわれており、同時に値段がそれぞれ違ってくる。そうして仲買人はまたそれぞれ卸売にいわば直結したような格好になっておる向きもあるのであります。先般私は魚市場の卸売業者の諸君と仲買業者の諸君と会って話をしたことがございますが、彼らは卸売会社に直結しないで、全般的にどの卸売業者のせりにも行って買うのである、こういうことを言っておりますが、どうも必ずしもそうでもないようなことがある。そういたしますというと、せり台が数個できて、そしておのおのせるものがみんな違うということになりますので、今お示しのようなことが起こると思うのであります。でありますから、将来これをどういうふうは向けていくか、卸売業者整理の方向へ向かっていく、合同の方向へ向かっていくということにならざるを得ないと思うのでありますが、これはなかなか御承知のとおりの、長年の慣習もあることでありますし、そう簡単な私は事業ではないと思うのでありますが、しかし少なくともその理想に向かって私は努力をいたして参りたい、こう考えております。
○北條雋八君 次に、農産物の価格安定法につきまして伺いたいと思います。米麦その他澱粉畜産物等の主要農産物につきましては、一応の価格安定策ができておりますけれども、果実、蔬菜の価格安定策がとられておらない。農林省の長期見通しによりますと、今後十年間に果樹全体で新植は約年平均一万五千町歩程度を見込んでおるようであります。価格安定策及び災害補償の施策もとらないで計画どおり果実の生産が拡大されると考えておられのかどうか。この選択的拡大も要するに価格の安定がなければできません。その点伺いたいと思います。 それに、構造改善計画によりますと、果樹栽培におきましても、ああいう長い間、生産を上げるまでには年数のかかるものでも三年計画で融資援助は終わっているようになっております。みんな三年で終わっております。三年で生産が上る果実栽培というものはないと思うのです。農林省は三年以後はほうりぱなしにしておくのかどうか。それだけやっただけで、はたして年平均一万五千町歩の新植ができるかどうか。そういう点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 果樹及び野菜の価格安定の政策でございますが、これは御承知のとおりに、畜産物とかあるいは魚類の安定策、さらに米麦というようなものに比べますというとなかなか困難な問題であると思うのであります。それはやはり貯蔵性が非常に乏しいというところに第一に問題があるのであります。そこで、従来畜産振興事業団等でやっておりますようなああいった方向でやる、あるいは米について政府がやっておりますような方向でやとるいうわけには参らぬと思う。別なことを考えなければならぬと思うのであります。そこで要するに問題は、先ほど御指摘のありましたように、産地と市場との関係を緊密にいたしまして、価格の安定をはかるということが出荷量の調節をやるというようなことから、あるいは市場の合理化をはかるというようなことから価格の安定をはかっていくというのが、まず第一に着手をいたさなければならぬ問題かと思うのであります。野菜につきましては、そういうような意味もあり、ざらに進みまして東京市場に持って参ります野菜は、ある程度のものは特約と申しますか、東京市場に出荷をする野菜栽培の地域を指定をいたしまして、そうして入荷があまり変動しないような方向に持っていこうという試みも実はいたしておるような次第であります。さらにわれわれも十分検討をいたしたいと考えておりますが、皆様方のほうでもいい御案がありましたら、ひとつ御指導を願いたいと考えます。
○北條雋八君 私の伺いましたのは、構造改善計画、今パイロット地区を指定されてやっておりますが、あれのつまり果樹の栽培について三年だけの融資援助ということでは、三年以後に私は非常に困るのじゃないか、特に果樹に対しては特別に年数を変えるとか、何とかいうようなことをしないで、予定どおり栽培ができるとお思いになるどうかということを伺っておるわけなんです。
○国務大臣(重政誠之君) 御承知のとおりに、ミカンのごときは十年以上もしないと、ほんとうの収穫は得られないというようなものであります。三年生ぐらいの苗を植えても、あとは七、八年くらいはかかるということになりますから、そういうものにつきましては、今御説のようなその年限を考える必要があるということになると思いますが、中には桃、クリ三年であり、ブドウも三年ならもうりっぱな収穫がある程度得られることになりますので、そこらの辺はひとつ実情に応じまして運用上しんしゃくをいたして参りたい、こういうふうに考えます。
○北條雋八君 農民が一番関心を持っておるのは価格問題であり、しかもそれが生産費を補償するものでなければ、選択的拡大とかあるいは構造の改善というものはできないと思うのでありますが、現在行き詰まった日本の農業を好転させるには、思い切って長期低利の金融と、豊作貧乏にならないように支持価格を定めて農業保護政策を強力に講ずる以外に道はないと思っております。農産物の価格安定制度の大幅な拡充のために、食管会計から独立した特別会計制度に改める必要があると考えるのでございますが、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 食管制度につきましては、申し上げましたように、十分検討を加えることになっておりますが、食管会計におきましても、御承知のとおりに、それぞれ費目を設定をいたしまして、六つの費目で経理をいたしておるような次第でありまして、ただいま仰せになりました農安法の関係あるいは飼料需給安定法の関係は、米、麦及び輸入する小麦等は別途の経理を別ワクでいたしておるのが現状でございますが、さらにそれを御趣旨は切り離して別の特別会計にして、そうして内容を拡充をしろという御意見だろうと思うのであります。ものによりましては、私も会計を別途に切り離すがいいかどうかは、これはまた第二段の問題でございますが、その内容を少し検討、拡充をする必要がありはしないかと考えておりますものが澱粉でございます。今研究をいたしておりますが、これはできるだけひとつ重要な農産物につきましては適切な安定施策を、価格安定施策を講じて参りたい、こう考えておるのでございます。ただちょっとついでに今お触れになりましたことでございますから、私の考えをつけ加えて申し上げたいと思いますが、それは生産費所得補償方式をすべての農産物に適用をしてはどうかという御意見があることでありますが、これは私はなかなかむずかしい問題だと思うのです。米麦につきましては、他の農産物とは別に、食管法において特別の価格の措置をとっております。これは申すまでもなく、米という問題は農家所得のうちでも大宗をなすものであるという観点から、ああいう政策がとられておることと思うのであります。ところが、その他の果樹にいたしましても畜産物にいたしましても、それが一つの企業体であり、それらのものが商品であるという面は、これはやはり私どもは十分考えていかなければならない問題であると思うのであります。いかなる場合におきましても、米と同様に生産費所得補償方式でやるということは、ちょっと無理があるのではないかと私は考えておるのであります。つけ加えて申し上げます。
○北條雋八君 時間がございませんので、次にそれにつけ加えまして伺いたいのですが、生鮮食料品、特に蔬菜、果実の共同販売のために現在の市町村、府県、全国中央機関の三段階をもって販売されております。これらを二段制に改めれば、それだけの手数料というものが省けますし、時間的にも非常にいいんじゃないかと思う。その二段階制に改めるお考えは大臣はおありにならないですか。 それからなおついでにまとめて伺いますが、そのために農協を初め農業団体の再編成が必要だと思います。それらについて何か考えていらっしゃることがあれば伺いたいと思う。
○国務大臣(重政誠之君) 私は、今の三段制を直ちに二段制に再編成をする必要があるとは実は考えておらない。ところが、今お示しのように、果樹等の場合におきまして、もう二段制でよろしい、あるいは中央の全販の手を通さなくても県の経済連の手で十分に市場との取引ができるというようなものにつきましては、これは私はしいて三段階あるから三段階、どうしても全販を通さなければならないとは私は考えていない。要は産地において相当な主産地の形成ができまして、そうしてそこのブドウならブドウ、ナシならナシ、ミカンならミカンというのが、中央市場におきまして相当の銘柄取引ができる信用のあるものになってくれば、私はお説のとおり、何も中央機関をただ形式的に通さないでいいんじゃないか。だから要点はその問題、その前提には主産地における、何と申しますか、果樹なら果樹の、ミカンならミカンの一つの農協というものがこれが発達をしていくということが私は前提にならなければならないと思うのであります。でありますから、そういうような特殊の農協というものは歓迎をすべきものであると私は思っております。そういうものが漸次力がついて参りまして、これが県の経済連と協力をいたしまして、市場の開拓をするなり、あるいは市場に有利にその生産物を販売するという状態になるのが、これはもっぱら事実上の問題であろうと私は思う。形式的と申しますか、二段階制がいい、三段制が悪いというので一これを現在の機構の編成をやるべきものではないんじゃないか、こういうふうに私は考えております。
○北條雋八君 次に、新しい農業のにない手であるはずの若年労働力の流出についてお聞きしたいと思うのですが、構造改善、選択的拡大、所得の均衡等、どれをとってもこれからの農業は近代経営と科学技術を必要とする農業経営となっていくことは、これはもう必然でございます。ところが、高等教育を受けた若い農業従事者こそ新農政のにない手であると考えるのに、近年の農村青年の他産業への流出は非常に多く、他産業への就職者の総数、これは三十五年度の統計を見ますと約七十万人のうち、全体の七割の四十八万人が十九才以下のいわゆる新規の学校の卒業者である。しかも、このうち十四万人は農家の長男、跡取りであります。これに対して農業に残った学校を卒業した者は七万二千人しかいない。このように青年が農業を見捨ててしまうという、つまり農業にあいそうをつかしてしまったということは、将来の農村にとって非常に重大な問題だと思います。構造改善を行なう予定の三千百町村のうちで、毎年二百から四百の町村の近代化が進められる、他方ではかえって農村の老朽化がだんだん目立つようになってきた。これから離農していく青年に対して、すみやかに何とか施策を講じて、農業に意欲と情熱を傾けられるような予算の拡充が必要ではないかと思いますが、指導の充実等思い切った施策を講ずることが必要と思うのですが、こういうことに対しましてどうしたら青年に農村意欲を盛り上がらせるかということに対して、大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(重政誠之君) 私は、よく農村の人口が年々四十万減るとか五十万減るとかいうことで、今にも農村がだめになってしまうようなことを御心配される向きがありますが、これは私はあまりそう心配はしないわけでありますが、と申しますのは、ことしの春でありましたが、アメリカで発表になりましたアメリカの農業の実態を見ましても、ちょうどアイゼンハワーからケネディが大統領になるまでの間のまる八年間に農業を経営する農場、それから人口はほとんどたしか一割五分以上ないし二割ぐらい減ったと思いますが、ところが生産は二割ふえているのでありますから、私はやはりこういう例を見ましても、人口が減ったから、今の人口がどうしてもおらなければならぬとは実は考えないのであります。問題は、農業の経営そのものを改善をして、基盤の改善その他農業基本法に示しているあらゆる制度を拡充をいたしまして、農業というものが企業として成り立つ、今よりもうかるようになるという施策を講ずることが根本であろうと思うのです。ただ困りますのは、今も御指摘の青年諸君が大量に農村を去るということは、これは考えなければならぬことであると私は思っている。これにはどうしても根本はただいま申しましたようなあらゆる施策を講じて、農業経営というものの所得がふえる。そうして他産業に比べてあまり遜色のないような生活もできるというところまで持っていけば、そういうことはないと思うのでありますが、いかんせん、今はそういうわけに参りません。したがって、やはり青年諸君に希望を持ってもらうようなことを考えなければならぬと思うのであります。それには一つは、どうしても農業用機械その他技術の研修、修得を得せしめる、そういうことによって、つまり高度の技術を身につけるように持っていけば、これはまた私は農村の青年諸君の考えも変わってくるのじゃないかと思うのであります。そういう意味におきまして、現在いろいろな農林省においても施設をやっております。やっておりますが、これらをひとつ真剣にあらゆる青少年に関する農業の団体を統合いたしまして、ただいま御指摘になりましたような問題につきましてさらに具体的に施設を強化して参りたいと、こういうふうに考えております。
○北條雋八君 農村に魅力を持たせるために、この農業基本法ができたわけなんでありまするが、今言ったとおりだんだん農業も近代化あるいは科学技術を要する、また青年がそれだけ必要になるのに、それらがみんな都市に移行するというわけで、これはまあ痛しかゆしのことになるわけなんですが、いずれにしても早く農村の収入を、農家の収入をふやすということが先決だと思います。 なお大臣、時間がおありにならないようでありますが、先ほど戸叶議員から食管制度のことについてお話がありました。私も食管制度について大臣に伺いたいことは、供出完了後は自由販売にするという河野構想についてどうお考えであるか。また、食管制度の根本的改正について松村懇談会を設けて検討中と言っておられますけれども、このどういう点が問題になっているのか、それも伺いたい。 また農業基本問題の調査会の答申で、学者グループも、将来間接統制に移行すべきであるという説がございますが、そういう点についても御意見を伺いたい。私は現行制度のもとでも、よい品質の米は高く、また良質米の増産をはからせるということからも、ほかのいろいろな格差をやめてしまって、質に対する格差をもっとつけて、そうして生産者に対しても、また消費者に対しても、いい米は高くして、そうして消費者に対しては食味に応じた米が買えるようにする。現在の段階におきましては、たとえば一、二等米は現在の値段よりもうんと高くしまして、そうして三等、四等は据え置きにする。五等あるいは等外はもっと安くする。そうして絶対に今消費者米価はいじらないと言っておられますが、本年はともかくも、来年あたりはそういうふうに格差を、品質に格差をつけていくという方法もあるのじゃないかと思うのですが、今申し上げました統制をはずすか、あるいは間接統制にするか、あるいはそのほかの米価に対してどういうふうにもっていったら一番いいかというお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) これは、ただいま戸叶さんの御質問に対しても私お答えをいたしましたように、現在のところ各方面の意見を聞いておるところであります。私がここで私の意見を十分に申し上げることがどうも適当ではないと思うのでありますが、せっかくの御質問でありますから、私の感想を申し述べますというと、食管制度というのは、米が非常に足らないときにできたのであって、それの一つの例をあげますというと、農家諸君の作ったものはみんな政府が強制的に買い上げる、政府以外には売ってはならぬというような制度ができておる。これがその制度を作ってから今日まで、もうほとんど二十年近くも行なわれておるわけでありますが、最近、米のように自分が作ったものを自由に売ることのできないものがほかにあるかというと、何にもないのです。それで、米に、農家の生産したものに対してだけそういうような、戦争の前からの非常に食糧の不足しておった時代に作ったこの制度をそのまま適用し続けていくということは、一体いいかどうか、順法精神を唱道せられますけれども、もうやみは公然に認められておる。またこれを認めなければやっていけないという事情である。そういうことをそのままにおいていっていいかどうかということは、私は非常な問題があると思います。これ一つを考えてもそうだと思うのでありますが、しかし、まあ、現行制度のもとにおいて、しからば今お示しになりましたように良質のいいものは高く、品質の悪いものは安く、消費者の嗜好に応じて、これが適正に消費者の手に渡るようにできないものかということは、ごもっともなことでありますから、その点につきましても、私どもは今検討をいたしております。
○委員長(櫻井志郎君) 午前からの会議は、これで休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————・———— 午後一時三十九分開会
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。 午前に引き続き農林大臣に対し質疑を行なうことにいたします。
○天田勝正君 私は一昨日の農林大臣の所信表明の際に不在でありましたので、のちほど拝見いたしたのでありますが、これによりますと別段の新味はない、前河野農林大臣の言われたことと同じだと思います。まあしかし、私は言葉としてはこれでよろしいと思います。農業基本法を作る際に、これができればあすからさっそく農村の生活が天国になるように宣伝されたわけでありまして、それをまた奇想天外のようなことを言われても、実際は実行不可能では何にもなりませんから、むしろ同じ池田内閣のもとでありますので、そう変わらないというほうが一貫しておるということは、まあ一つほめておきます。 ところが問題はその施策の内容であります。新大臣もその施策の第一としては、選択的拡大をうたっておるわけでありますが、そこで私が伺うのは、他のこの農業対策等読んでみましても、やはり依然として成長部門は畜産あるいは果樹、園芸、こういう面を重視しておられます。しかるに農林省の予算を見ますというと、この成長部門と言われるほうが一向重視されてないというのが現実であります。例を二、三申し上げてみますと、家畜生産物の生産増大、こういう費目がございますが、これは三十六年度におきまして十七億五千四百万円、三十七年度で十八億六千五百万円、確かに上がったことは事実でありますけれども、この成長部門に対して一億しかよけいに予算は注ぎ込んでおらない、こういうことであります。さらに適地適産をしてこの主産地を形成する、こういうことをうたっておるのでありますが、ところが果樹農業生産振興、この費目につきましては三十六年度が四千二百万円、三十七年度が四千百万円、わずかでありますけれども減っております。よろしいですか、だからこういうところでちょっと目ぼしいものは、テンサイ糖の貿易振興に資するとか何とかというのが目立ってふえておる。しかし、このテンサイ糖は確かにけっこうな話でありますけれども、日本農業とすると、これはもう局部的な産物だろうと思う。そうかと思いますと、一時養蚕などは繭が貫当たり千円を割るというようなことで、われわれ養蚕県のほうでは、百姓が絹糸みたいに細くなっちゃったことがあるのですけれども、そのうちにたちまちその養蚕は復活して、このごろはまあたいへん何とか償う養蚕業になってきた。このほうの費用は、とこう見ますと、これは三十六年に三千八百万円、三十七年は一千四百万円とこういうふうに減額されちゃった。養蚕生産合理化。ところがこれを見ますと最近この省力飼養というようなことで、桑畑の中で蚕を飼う、まあ昔、家で露天飼いをやったああいうものを畑で飼う、そういうことだろうと思う。そういうことはますます宣伝して奨励しなければならないのに、予算のほうで見ると、逆に減っておる。半分以下に減っちゃっておる。それから大豆、菜種なんかにしましても、目の前に迫まっております自由化で、これはたいへん力を入れておかなければならないことだと思うのでありますけれども、これは三十六年度が九千八百万円、三十七年度が八千七百万円の減額、まあいろいろ例をあげれば切りはありませんけれども、つまりずっと政府が一貫して成長部門であるとか、あるいは転換などして力を入れなければならないという部面が、こういうふうにどんどん減っている。これでは一体河野さんもまるででたらめなことを言ったのだし、さらに重政さんもこれを踏襲するようにうかがえるのでありますが、てんでつじつまが合わないように私は思う。そこでこれはどうしたことかということが一点。これでは確かに足らないとお認めになると思うのだけれども、それならば来年度の予算編成にあたってどうされるのか、まずこれを伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) 予算の計上の仕方と申しますか、組み方についてはいろいろ御意見があろうと思いますが、実際どうもしろうとが見て、日本の予算書は実際わかりにくいと思うのでありますが、今お示しになりました園芸、果樹あるいは蚕糸その他いろいろありますが、そういうような項であったところで、大豆なら大豆、果樹なら果樹というものについている予算を盛っておらないのであります。でありますから畜産の問題も同様でありますが、価格安定の施策については、価格安定の施策として予算が計上してあって、その中に大豆については自由化によって内地の大豆が値下がりする。その場合に一つの価格補償の制度は、きっぱり別なところに載っている。それから果樹につきましても、基盤の形成という意味から述べますというと、構造改善あるいは土地改良の経費の中に畑作改善の畑地の灌漑の経費でありますとかというようなものが、みなそっちのほうで載っているわけでありまして、でありますから一がいに今申し述べられましたようなことには、予算はなっておらないことを御了承を賜りわたいと思います。しからば、それならそれで本年度予算というもので成長部門に対する予算は十分であるかと申しますと、これは必ずしもそうとは考えておりません。でありますから、これは来年度におきましては、さらにその内容を拡充して参りたいと考えております。
○天田勝正君 後段のほうの説明は、そういうお考えならば、私ども予算の編成を待ちたいと、こう思っております。しかし前段の説明はおかしいのであって、私も時間がありませんから、詳しい説明はいたさない。私も二十二年以来この予算書はずっと見ている。そう見違った見当はずれの見方は、私はしておりません。昨年度の予算を提出される際に、すでに農業基本法の政府案が通過するまでになっているという前提に立って、そうして今まで項目として大きくなかった農業構造改善、こういうものを大きく広げまして、他の項目にあったものをそいつに持ってきた。それですから今の大臣の前段の説明は、三十五年と三十六年を比較したならば、私もやはりそういうことがありはせぬかと思う。そうではない、三十六年度と三十七年度の組み方に同じ基盤に立って組みながら、今私が指摘したような事柄が幾つもある。成長部門ばかりではなくて、転換しなければならない部門あるいは自由化にさらされる部門、こういうものをずっととらえて、まあ軒並みと言っていいくらいで、もし増額すれば畜産なんかについて一億円だと。これは画期的に増産しなければならないようなものが、それは五%ぐらいしかふえてないというのでは、結局農業を画期的に改善したり、あるいは所得の格差を縮めていくということにはならぬのじゃないかということでありますから、私はこの際好意的に後段の説明だけを期待して次へ進みたいと思います。 先ほど来流通機構の改善の問題が取り上げられましたが、私も別の観点から具体的に伺いたいと思います。今の農産物と、これが消費者に渡る場合に、その利害が直通してないというとというのは必ずしも両方とも利益であったり、両方とも損害だったり、そういうものを分け合うという意味ではありません。資本主義の社会でありますから、やむを得ない現象として、生産者が非常に生産物が安くてたいへん損だという場合でありますれば、今度は消費者がたいへん安いものが買えて得だ、こういうことにならなければならぬ。しかるところ、そうなっていないというところが問題なんですね。たとえば前々から指摘されておりましたように、牛乳でいえば、日本のように生産者から今度は消費者が買の場合までに三倍にもなっている。こんなことはどこの世界にもないのです。これを指摘しますと、とかく今まで政府側は、どうもサービス料金が上がってくるのはやむを得ませんから、先進国型にだんだん移行したからこういうような現象だなんて言う。ところがヨーロッパ諸国を回ってみましても、日本よりも明らかにサービス料金はどこでも高こうございます。どこでも高いが、それでも倍以上というのはないのですよ。日本では中間のサービス料金が安いにもかかわらず、それが三倍になっている。どこかに欠陥があるということは、これはもう明瞭だと私は思います。そういう観点で私は以下伺うわけですが、たとえばさっきから言われる中央御売市場、このことが特に取り立てられたようでありますければも、私はこの点については、わが党の農業基本法を提案した際にも、資料として提出しましたし、説明も申し上げたはずでありますが、まず生産地市場と消費地市場、それから国営モデル市場、この三つに分けて考えなければならぬ。その生産地市場が今だんだんと生産者の運営というよりか、業者の主張によりまして、むしろそれの都合よく運営される、こういう形が出てきておる。全く憂うべき現象であります。でありますから、私はこれは農業従事者の専管になるという監督もし、法律的にもそう直さなければならぬ。これは大資本を持ってこなくても、一字、一村の生産地市場なんかは、一業者が支配するということはやすやすたるものであります。けれども、これをさしてやっておったんでは、売るも買うも先様次第という今までの農村の状態が続く。ここらのところが、穀物生産で直接なり間接なりでだんだんこれを他のものにも及ぼしていく切りかえというものは、こういうところから始めなければならぬ。もう一つは消費地市場であります。これは今お答えを聞くと、たいてい中央卸売市場とは別でありまして、これは府県でやっております、なかなかじかにはやれませんからという答弁を聞くのですが、その答弁はこっちで遠慮する。その消費地市場を根本的に直すには、私の考えでは何といっても生産者の代表も消費者の代表もこれが運営に参加させなければだめだ。初めはどうせ業者にしかるべくやられてしまうでしょう、しかしこれをなれさせるということが大切なんでしょう。そういうことをやらなければならない。第三のモデル市場ですが、これは私が言ってだいぶんたってから河野さんがまね言みたいに言って、どうも特許権を侵害されたような気がするわけですが、これは私はせめても六大都市に二十くらい作れば、全然今の流通形態というものは変わってくると思う。ほんとうの理想は生産者と消費者が一つのパイプでつながるのが理想ですが、一ぺんにそうはいかない。一ぺんにそうはいかないが、段階を踏むために一国営モデル市場というものが必要だ。二十くらい作っても、私は一カ所三億くらいかけても六十億くらいあればこれはできるのだ、こういう自信を持っています。屋根なんかバラックでも何でもかまいません。かなりのものが保存できるいうな施設のほうへ金をかけてもああいうことをすれば私は可能であると思いますが、どうもこの大臣の所見を見ましても、たいへんこれに力を入れるようにおっしゃっているのだが、具体的にはさっぱりそういう根本のところへこう触れられておらないのですが、これはどういうわけですか。これをやってもらわなければ、今の農村は売るも買うも先様のつけ値次第、こうなっているのですから、とても助かるみ見込はないと思う。この点どうです。
○国務大臣(重政誠之君) 消費地の市場を、たとえば卸売市場と申しますか、そういうものを十も二十もたとえば東京都内に作るということは、私は賛成ではないのです。中央卸売市場というのは、あくまでも公正な価格を決定する場でありますから、これは単数であることが正しいのではないかと私は考えております。ただし小売市場につきましては、先ほども申し上げましたとおりに、標準小売店、あるいは公認の小売市場というようなものを相当数やはり消費地に作るということが、私は望ましいことであると考えまして、そういう方向へ午前中述べましたように進んでおるわけであります。中央卸売市場の運営に生産者をこれに参加させてはどうかという御意見でありますが、これは私も考えなければならぬ問題であると思うのであります。卸売の手数料等をきめる際におきましても、これは生産者側の意見が十分に反映をするようなことを考えなければならぬと考えておる次第であります。
○天田勝正君 私の質問の中で大臣が取り違えられた点がありますが、それは私が卸売市場をさらに二十も三十もよけいに作る、単純にそういう主張をしたのではないのです。国営のモデル市場を作って、せめて六大都市でも、それは東京のようなところは四カ所作ってくれればよろしいだろうし、小さい横浜あたりでは二カ所も作ればいいだろうし、そういう国営モデル市場を作って、本来の理想であります生産者と消費者の直結、このことへ進めるために、急にそうやったって混乱が起きますから、このことへ進めるための一段階として、国営モデル市場を作ったらどうか。しかもこれはまあ失礼な申し分でありますが、当委員会で私が言い出したことでりますが、河野さんもそれを言っておられるわけです。でありますからあなたはどう考えられるかと、こういうことなんです。その予算とするならば、ついでに申し上げるのでありますけれども、かつて私はここで説明したが一カ所三億円であっても六十億ぐらいでできるのだ。これは今の農林予算でできないほどの乱暴なことを、われわれ野党が威勢のいいことを言っておるのじゃなくて、どの党がやってもできる予算なんです。こういうふうに信じておりますから、これは参考に申し上げたのであります。それから消費地市場は全般に対して私は生産者と消費者の代表を入れさせる。こういうことを私は主張いたすのであります。ただし、その運営参加の仕方でありますけれども、これが単に出資をするとか一あるいはまた株式会社だから株を持つとか、そういうことを私は毛頭考えておりません、なぜ毛頭考えなくてもそういう法律さえ作ればやれるかといいますと、利潤追求株式会社といえども、昭和六年の商法改正以来は、株なんぞ持たなくてもちゃんと重役になれるのです。資本主義の先端をいく株式会社でさえ、そういうもう時代の変遷に伴って処置をとっておるわけです。ところが中央卸売市場などどこを見ましても、農産物でなければ水産物なんです。それを全部出しておるものに一つも発言権がないということのほうが、今の時代からすればおかしいというのが私の考え方でございます。しかしもちろん法を整備する場合には、さような場合は会社法と同じように、資本など要らずに任意参加できるのだ、ただその代表とは何ぞやということになれば、これは整備しなければならぬでしょう。ただそういうことをやるべきだ、それでついでに申し上げますが、これはほんとうはデンマークのように町を歩いてそこらじゅうに市場のあるような式が望ましいのです。しかしあれは何といっても三十年戦争ののちに人作りから始まって今日を来たしたのでありますから年季が入っている。ところがあの年季を今ごろ日本でやっていたのでは、とてもこれは世界の農民から立ちおくれてしまう。だからそこを国のほうで潤活油をどんどん回してやってしなければならぬ、こういうことで申し上げておるのでありまして、ぜひこの国営モデル市場の構想あるいは運営参加のことは、運営参加のほうは河野さんあまり、実はいやがっておったわけであります。いやがっておったわけですが、モデル市場のほうはほんとうは認めておられたわけなんでありますので、片一方はちょっと今の……、それで片一方は今度は違うのだということでは、とても困ってしまうので、一貫してもう一ぺん承っておきます。 それから一番初めの質問に対してはお答えになっていないのですが、生産地市場がだんだん消費者に支配される傾向が出てきておるが、これに対のて生産者の専管で他にくちばしを入れさせない、こういう法改正をやるおつもりはありませんかどうですか。
○国務大臣(重政誠之君) ちょっとはっきり聞こえませんので、返答が違っておるかしれませんが、生産地市場ということをおっしゃっておりますけれども、これはちょっとどういうのか私にははっきりわからないのですが……。
○天田勝正君 今の卸売市場ですよ。町の、都市の卸売市場をいうておる。
○国務大臣(重政誠之君) 消費地の市場ですね。
○天田勝正君 そうです。
○国務大臣(重政誠之君) これは私は、あくまでも東京、大阪がやはり公正な値段をつけるところであると私は考えております。現在の実際のあれを見ましても、東京の建値と申しますか、せりで作った値段が、この仙台なりあるいは新潟なりその他この付近の地方消費地の価格に非常な影響をしておる、大阪市場において建てられた建値というのが、関西から下のほうの消費地の地方市場の値段に影響をしておわるけでありますから、中央卸売市場、東京、大阪があくまでもこれが中心の市場として考えなければならぬと私は思っておるのであります。これを国営にするがいいかどうかということは、問題でありましょうが、理想を申しますならば、市場は国営にしてその運営を卸売業者といいますか、卸売会社に運営をさすと、こういう行き方がすっきりした行き方ではないかと私は思っておるのであります。これはなかなか中央卸売市場は、十億や二十億で私はそう簡単に一ところの市場なんてできるものではないと思うのでありますが、お金のことは別問題といたしまして、いい場所で、ここならいい、ここでどういうふうにやればいいという構想がまとまりますれば、敢然と私はやるつもりでおるのであります。今その点は検討を具体的にいたしております。しかし、なかなかむずかしい問題で簡単でないということだけは、一つ御承知おきを願いたいと思うのであります。
○天田勝正君 まあ初めて私と問答されるわけですから、質問の言葉も足らない向きもあるし、取り違えられるのもやむを得ないと思います。これは私のほうで善意に解釈しておきます。けれども、私はもう前々から言っておることは、今大臣がお答えになられたように、即座に中央卸売市場等をたちまち国営にしてしまえ、そういう乱暴なことを言っておるのでもなければ、そういう民間人の創意を発揮できるところは私も全部もぎ取ってしまうということには賛成していないのです。ですから、これは二つ、二本建で考えておるのでありまして、国営モデル市場というものは今までなかったたもので、今標準店などというのを作っておりますけれども、ああいうのではなくて、国営モデル市場をあまりたくさん作るというと、これは国が背負い切れませんから、損害があった場合なんか背負い切れませんから、そういうことでなくて、ごく数を限定して見本的にそういうものを別に作ったらどうか、これが一つ。それから今の中央卸売市場、これらは今あるがままにして内容を改善したらどうか、こういう二つに分けております。一つ誤解なきように願います。民間の創意は、やはり残すべきものは残しておいたほうがいいというのが私の考え方であります。それから生産地市場は、これは運営指導したらよろしいのですけれども、出荷組合あたりの市場では、これはそう大資本を持ってこなくても、ちっと東京あたりの業者が行きますと、その一生産地の市場ぐらいを支配するのはわけないですよ、事実、実態的に。そうでしょう、大臣は農林省の大先輩ですからよく御存じだと思います。これはだれでも知っておることなんです。ところがこれを何か法的規制をしないと、結局そういう状態に陥るから、これが業者に被害を及ぼさないように法的な整備をすべきじゃないか。これもまあ私のほうで大臣の答弁を好意的に解釈するならば、一つぜひこれは検討してもらいたい、みんな知っておることを私は聞いているのです。 そこでちょっと観点を変えて質問しますが、ところがこの流通機構の改善の問題につきましても、たとえば家畜なんかの、あるいはその生産物の取引はだんだんふえます。ふえるのに、それじゃ予算のほうで見ますと、三十六年度が七千四百万円、三十七年度で一億七千七百万円、確かにこれは一億ふえている。しかしこの見方にすれば三十六年度のほうがむしろ何をやったんだか、少な過ぎるのですよ。ちっとも実績がないでしょう、三十六年度は。それでまあそれよりも一億だけふえたから今度は実績が上がるかもしれないけれども、普通の常識からすれば昔は比較にならぬほどふえていっております。畜産物の流通の合理化というものにもっともっと予算を投じなければならぬじゃないか、これが一つ。それから、青果物の流通の改善、これも近ごろは近郊のささえになっている。近郊といっても二里や三里の間じゃないんで、自動車で四時間くらいのところはみな近郊のうちに入ってしまっている、これもご存じだと思う。この予算を見たら、三十六年度の二千三百万円というお粗末なのに驚いたのですが、三十七年も同額なんです。これは一体どうしたことですか。それから、中央卸売市場の整備と、どういうことを整備するのかわからないけれども、これも三十六年度九千万円でどれだけ改善されたかということは、われわれちっとも目に見えて知らない。そうすると、これのほうも六千万円ふえただけなんですね。これではしかし来年度の予算編成にはとてもどうにもならぬのじゃないかと私は思います。この流通全体について、予算を今あげた事実から見て蔬菜なんかこれは二千三百万円くらいでいいのですか。とんでもないことですよ、これはどういう御方針で予算編成されますか。
○国務大臣(重政誠之君) 流通機構改善ということは、もう御承知のとおりにこれは非常に物価の安定対策から申しましても、また生産者に、その生産物を適正の価格で売るという意味におきましてもこれは非常に大切なことでございますので、午前中もいろいろ申し上げましたように、具体的な計画を立て、施策をもって予算の要求はできるだけ三十八年度においてはいたすつもりでおります。また、ものによりましては、三十八年度の予算を待つまでもなく予備金その他政府の手元でできるものなら、この年度内におきましても金を出して、できるだけすみやかにその実現をしたい、こういうふうに考えております。
○天田勝正君 まあいろいろ言いましても、半分以上もう時間を使ってしまっておるようですから急ぎますが、私はこの際要望しておくことは、だれが考えても、とんでもない予算だといってよろしいような蔬菜の流通改善のほうが二千三百万円だなんという、それが据え置きだ、こういうことでは問題になりませんので、まあ今の大臣のお話からすれば、来年度の予算編成を待つまでもなくというお言葉がありましたので、これはひとつ大急ぎで事務当局を叱咤勉励されまして、実情を見て何とかしてもらいたいと要望しておきます。 次は、価格安定の対策と食管制度の問題ですが、私はここに、大臣の説明でも食糧管理制度に言及されまして、午前中問題になっておりました松村懇談会等のこともあるし、現行制度が米の少ないときにできたのだから云々と、こういうこともあって、確かに変貌したということは、私はそう感じます。けれども問題は、今国がなさなければならないのは、農業者と非農業者との所得格差を縮める、解消していくと、これが何としても大命題で、そのために農業基本法ができた。それがどんどん所得格差がふえていったりなんかするならば、農業基本法なんてちっとも要らないということになる。そこでしからばその格差を縮めるどころか、現在の所得を保障するにどういう制度があるかといえば、食管くらいのものなんですよ。あとは自由農産物云々なんというのもあるけれども、これはタマネギくらいのものだとか、あるいはまた間接保障のものが若干あるというようなもので、成長産業のほうなんかさっぱりない。成長部門のほうはさっぱりない。ここが問題なのでありまして、農家だっていつまでもたんぼを耕して米ばかり作っているのは趣味でやっているのではない。ほかへ移りたいけれどもほかへの保障がないのですよ。うっかりすれば、去年はあれほど野菜が高かったけれども、一昨年は野菜が安くって、大根が野積みでしょうがないから牛にくれた。牛はそっぽを向いてしまった。牛がまともに大根のほうへ向かなくなってしまった、私のほうでは。そういうことで困るから、この食管制度にたよって、せめて所得を確保するとこういうことになってくるのです。そこでそのほうでまたちゃんと実情を申し上げてみますと、重要農産物の価格安定、この品目は、これはタマネギだけです。内容は、重要農産物というのだからずいぶん重くって要を得ていると思ったら一つなんです。それから青果物生産農家経営安定対策、これだ、これのほうがタマネギだ。これが三十七年度五千万円で、三十六年はゼロ、繭糸価格安定、これは特別会計のほうでありますけれども、百五十八億三千万円から百六十億二千万円と見ている。二億しかふえていない。大豆の菜種保護対策、これは三十億が二十五億二百万円と五億も減ってしまっているのですよ。これは一体どういうわけですか。これじゃちっとも価格安定対策に私はならぬと思う。ここのところにはちっとも、今盛んに農家の収入もふえているであらう、ふやさなければならない果実なんかのほうはちっとも入ってない。それで、この問題に関してさらに聞きますが、昨年たいへん野菜が暴騰した。消費者お困りになった。ところが十一月にその対策として政府は臨時生鮮食料品流通調査班、こういうものを作りました。一昨年のように暴落してしまって、農家が首が回らないときには、ちっとも農林省はこういうものは作ってくれない、高くなると、それを押えるためには一生懸命調査班というものを作って、安くなって、きゅうきゅうというときには一向調査班というものは作らない、これはどういうわけですか。今度はそうでなくて、逆にしますか、農家が安くて困るときこういう調査班を作る、こういうことに大臣は方針を変えてくれますね、念を押しておきます。それで、第一これは、あの高い野菜のときでも農家の所得はそうべらぼうにふえたのではないのですよ、この事実を私は大臣には何にもまして知ってもらいたい。最後の、この小売り段階だけでも、一つの商品で四八%取っているものがある。農家の取り前が二七%、その農家の取り前の二七%というのは、ただここにあるものを売って、そうして取るのではないのですよ。半年かけて、肥料をやったり何かいろいろなことをやっての取り分です。そのほうが、ここにお客が来て、それを渡してやるよりも少ないというのなら、いつまでたっても貧乏します。ですから今、これの水かけ論みたいになると困るから、私はちゃんと数字をあげたのですが、こういうことではとてもどうにもならぬ。これをどうするかということと、臨時生鮮食料品流通調査班、こういうものができたけれども、一体その活動はどういうふうにやっておられたのか、成果はどうなのか、これをひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(重政誠之君) この臨時生鮮食料品流通調査班がどういうことをやったかということにつきましては、ひとつ政府委員のほうから御答弁をさしていただきます。 なお、先ほど予算をことをるるお述べになりましたが、むろん金も必要であるわけでありますが、しかし予算さえあれば、それで効果が十分出るというだけのものでもないわけでありまして、たとえば先ほど御指摘になりました大豆の価格安定の予算が三十億が二十五億に下がっておる、これじゃだめだろう、こういう御意見でありましたが、これは実は前年三十億の予算をそのまま生産者に配るのではないわけであります。これは御承知のとおりに、大豆をAAにいたしまして、そうして安い大豆が入ってきて、それがために内地の大豆の値段が下がる、その場合政府はこれを補給する、その補給金の予算が三十億ということになっておったわけであります。それを実績によって見ますと、どうも三十億は要らない、二十億か二十五億あれば大丈夫だということで、その五億はおそらく査定で削った、減少したものと思うのでありまして、決してその価格安定そのものに支障は、その予算が五億減ったために起こるということはないと思います。そういうわけでありまして、予算も非常に大事でありますが、問題はこの省令なら省令のやり方、この制度の仕組み、そういうものが非常に私は大切なことだと思うのでありまして、私がいろいろ午前中来申し込べておりますのは、価格安定対策につまきしても、これは農安法の内容の拡充なり、あるいはその中から取り出して、別に考えなければならぬようなものもありますと、そういうものについては、今検討をいたしておりますということを申し上げたわけでありまして、ひとつそういう点御了承賜わりたいと思います。
○説明員(松岡亮君) ただいま臨時調査班の仕事の内容につきまして御質問でございましたが、これは本年の一月でありましたが、官房に一室を設けまして、そこに調査官と四、五人の中堅の事務官を置きまして、実地に流通実態を調査するようにいたしたものであります。この調査の特徴は追跡調であります。一つの品目につきまして、産地から消費地の小売まで、ずっと追いかけて調査する。品目の数は大衆的な消費の対象になるものでありますが、数は少ないけれども、徹底的にあらゆる段階の品目、いろいろな制度の問題点というものを、狭い範囲でありますけれど、調査いたしているのであります。大体現在第二回目の調査を実施いたしておりますが、その成果は九月の末ごろまでにはまとめられるかと思います。その結果を見まして、また来年度の施策に反映する等の措置をとるように考えているのでございます。
○委員長(櫻井志郎君) 下がったときにもやるかという質問……。
○説明員(松岡亮君) 生産者価格が下がりました場合にも、農林省としてはその原因等については常に問題にして、必要によっては問題にして調査をやってきたわけでありますが、昨年の野菜その他生鮮食料品の価格の高騰は特に目立っておりまして、家計支出の中の消費支出のふえ方も非常に目立った。そういうことから今回は特に調査室を設けまして、その実態を調査しているのであります。
○天田勝正君 大臣お聞きのとおりです。お聞きのとおりだけれども、これを生きた行政とするには、どこへも発表しないでおいたのではだめなんです。農林省がやるより先に、サンデー毎日で昨年取り上げてやっているのですよ。これは一人の記者がやっているんですよ。その日のうちに、売るところからずっと何まで、店頭価格まで調べて、そうして全部これを発表したのです。たいへんわれわれもこれは参考になった。ですから、そういうものを調べるのもいいですが、九月末ごろまでにまとまって、そのときはまるで事情が違って今度は安過ぎたものが、安くなくなっちゃって、議論するようなこと要らなくなっちゃって、たまたま高かったものがずっと下がっちゃって、調査の結果は何にも役に立たない、こうなったのでは……。生鮮食料品などは、実はその日の調査が翌日すぐ使えるというとこが大切なんです。ですから……。私の時間がなくなって、少し委員長はさばを読んだのではないかと思いますが、困りますが……とにかく、生きた行政をやってもらいたい。そうすると、それだけでも、農家の所得は守れますから、これは要望しておきます。 次は、農林関係物資の自由化の問題ですね。これは順序と速度と時期一簡単に質問いたしますが、これはどういうことでありますか。
○国務大臣(重政誠之君) 御承知のとおりに、貿易自由化の問題は、先般十月を目途として自由化をしようということが、一応閣議で了承をせられておりますから、十月から実施せられる目標になっている品目というものは、すでに新聞等にも発表になっていることと思うのであります。そこで、それは、時期はどういうことになり、順序はどういう順序になるか、私はっきり承知しておりませんが、まあ一応きまっておるといえばきまっておるようなことでありますが、しかし私は、その後の一般の経済情勢等もございますので、再検討を私はいたしております。そうしまして、方針といたしましては、自由化をしたために、内地の農業といいますか、その同一品目のようなものに大なる影響を及ぼさないような措置をできるだけとってやる、こういうので再検討をいたしておるわけであります。その方法としましてはいろいろあるでありましょうが、たとえば関税を引き上げるというようなことによりまして競争ができるという、自由化しても大丈夫だというものも相当にあります。あるいは、再検討の結果、そのままこの状態においても、自由化しても、支障は、万支障ないと認められるようなものもあります。それから、やはりちょっといろいろな対外的の関係もありまして、その話がきまるまではひとつ自由化とめておいたほうがいいというようなものもあります。いろいろございますが、まだ私のところで品目別にはっきりした結論は得ておりません。目下検討中であります。
○天田勝正君 それはね、委員長にお願いしておきますがね、この自由化の資料は、もう前国会で実は一応いただいておる。一応いただいておりますけれども、その後、今大臣もお語りになったように、政府部内でもこれに若干、その手心といいますか、しなければいかぬという意見も出ておることを、私どもも新聞等で聞いておるし、それから与党部内にも同じような意見が出ておる、こういうことなんですね。それですからここで私は、最近十月も迫ったことだし、固まってやせぬかと思って質問したわけです。ですから、ひとつ急速にこの資料を当委員会に出してもらうように委員長のもとでお取り計らい願いたい。お願いしておきます。 何せ、このことにもどうしても関係してきますけれども、さきに私が指摘いたしましたように、どうも肉でも、ちょっと上がれば、これはほっとしたなと百姓が言う時分には、緊急輸入というのでがたりと鼻先たたかれて肉が暴落してしまう、こういうありさま。それじゃえさのほうは高くなったからといって緊急輸入でがたりと下げてくれたことなんて一ぺんもない。そういう農林省じゃ、どうも農民を守る農林省じゃなくなりますので、今のこと自由化にも全体として関連をして参りますが、ひとつこの点は大臣のほうで、今までのそういうことじゃないようにお願いしておきます。 最後は農業金融の問題ですが、私、他産業と所得格差をなくするという方法の一つとして、どうしたって鉱工業のような成長産業よりか、今低い生産性にある農業を改善するための金利というものは低くなけりゃならぬ、これが原則でなければならぬとこう思いますが、大臣どう思いますか。
○国務大臣(重政誠之君) それはもうお話のとおりであります。しかし、工業方面と金利がつり合っておれば、農業方面はいいときは言っておられぬのだろうと思いますが。もしそうお考えであるとすれば、それは非常に私は異議がある。農業は工業と違って収益はよくありません特質を持っておるものでありますから、商工業に比べましては問題にならないほど利子が安くて、そうして長期の金融をしなければならぬと私は考えておるのです。で、現在でも御承知のとおり近代化資金はたしか六分五厘でいっておるのでありますから、工業方面の利息に比べればよっぽど安いので、そんな金利が一般金融市場にあるわけないです。ですからただそのバランスだけではいけないと私は思うのでありまして、私はこの農業金融制度については、大いにこれは検討改善を加えなけりゃならぬと実は思って今検討いたしておりますが、その目標は、何といたしましても資金量をふやすにはどうすればふえるか。低利長期の金融をするのにはどういう方法でやればよろしいかということが要点であろうと思って、私はそれで今検討をいたしておるわけであります。
○天田勝正君 まあきょうは所得格差のことへは、私も別段指摘しなかったし、もうこのことはくどいことですから省略したのですけれども、商業者一人当たりの所得でいえば、三十四年でもうすでに三〇・三%ですよね。非農業者が一〇〇とするならば農業従事者一人あたりはその三〇・三にしかなっていない。今は、ごく最近の統計は知りませんが、大体二八%だと私は思っておる。この私の考えが違えば違ったで事務当局から指摘してもらってもいい。それから農家と非農家との家計費も格段に違う。ずいぶん上がっているということでこの提出されました農業観測には書いてありますけれども、実額からすると、もうてんで違う。それで、農業所得と農家における農外所得とを比べれば、農外のほうが五二%になっちゃって農業所得のほうが四八%こういうふうになっちゃっている。ですからこれを改善する資金が必要ならば、その金利はなおさら大切だ。そうして六分五厘なんてこんな安い金利はないのだと大臣言われたけれども、ここに私は異論がある。あるのですよ。それはですね、政府企業でやる輸出入銀行だの、開発銀行だので貸しておるのですね。工業部門になんか片っぱしから四分、五分でしょう。それは、相手が安い金を借りているから、うらやましいからしゃくにさわると、そういうことではないのです。この問題になると、どうも議論長くなるので困るのだが、日本の、何でしょう、工業がこういうまあ近ごろみたいに、西独と日本は奇蹟のような発展を遂げておるのだけれども、これは近ごろの話じゃない。明治以来から日本の工業の発展なんというものはやっぱり奇蹟に近い。これはなぜかというと、当時の税収は地租が七五%でしょう。ほとんど百姓が納めていたのです。工業なんかない。だから工業から取りようがなかった、税金はね。そういうもの、農業のほうのささえでどんどんどんどん金つぎ込んで急速な発展をしたということは、間違いない事実だと思う。で、その当時は、天下の糸平なんかが息を吹き返した場合をごらんになっても、みなあれは金利ただですよ、政府資金はね。だから、このごろになれば、農家のほうがただの金利だっていいくらいのものだけれども、どうも時代が違うというと損なもので、そうはいかない。ですから農業金融なんというものは、私はどうしたって三分五厘くらいに押さえるということでなければ、画期的な所得格差を縮めるということは困難だと思うのですけれども、この点はどうですか。
○国務大臣(重政誠之君) まあ輸出入銀行の金利は、これはもう特殊な輸出金融であるとか、まあよほどの特殊なものでないと、四分とか四分五厘という金は出ておりません。私が先ほど申しましたのは、一般の金融のベースで申しまして、農業金融の金利というものは商工業の金融ベースでは絶対にならない。それよりうんと安くなければならないということを申し上げたわけであります。これはただいまお述べになりましたところで大体意見は一致しておるように考えます。問題はそういうような長期低利の資金を融資をする、その資金量を豊富にするということをいかにしてやるかということが問題だろうと思うのでありまして、せっかくその問題につきまして今検討をいたしておる段階であります。
○藤野繁雄君 私は去る二十一日に農林大臣の所信表明を承ったのでありますが、それによってみますというと、「まず第一は、農業生産の選択的拡大を進めたいと存じますが、特に需要の増加に対応して畜産物、果実等につきましては、その生産の伸展を図るための施策を講ずること」としております。こういうふうになっているのであります。そこでこれに関連いたしまして食肉問題をお尋ねしたいと思うのでありますが、環境衛生法が衆議院を通過いたしまして参議院に参りました際においては、社会労働委員会と農林水産委員会は合同審査をやりまして、あとで農林水産委員会は、農林水産委員会の決定のもとに社会労働委員会に申し込んだのであります。それは食肉と氷雪はこれから削除すべきものである、こういうふうなことで申し込みをし、衆議院のほうでも、政府当局でも、また自民党の三役でもそうあるべきものだということで参議院は修正可決したのでありますが、それが衆議院に行ってみますというと、三分の二以上の多数をもって参議院の修正は否決され、衆議院の原案どおり決定されたのであります。御承知のとおりであります。そこでその対策といたしまして、厚生大臣と農林大臣、自民党の総務会長、幹事長、政調会長の間で覚書が取りかわされたのであります。それによりますというと、「厚生大臣は食肉販売業及び氷雪販売業に関する本法の施行及び運用について、事前に農林大臣の同意を得るものとし、次期国会において本法を改正し、食肉販売業及び氷雪販売業を削除するものとする」と、こういうふうな覚書ができていることは御承知のとおりであります。しかるにその後そのままになって、四十国会においてはこれがさらに改正案が出ているのであります。それによってみまするというと現在までは、適正な衛生措置の阻害というのであったのが、新たに、営業の健全な経営の阻害、と、こういうふうなことになって参っておるのであります。私などは環境衛生法では環境衛生方面のことを取り扱うべきものであって、食肉の価格をいかにするかということは、これは農林省の所管であるべきものと信ずるのであります。今これについては衆議院でいろいろ検討しておられるようでありますが、農業基本法の規定にもありますように、これは成長部門である。また大臣の説明にもありますとおりに成長部門である。しこうして十カ年後にはこれを三倍にも伸ばしていかなくちゃできない。三倍にも伸ばすためには食肉の販路拡張に力を入れなくちゃできない。しかるにもしも今度の改正案のようなことで、営業の健全な経営の阻害、というようなことになって、デパートであるとか、農業団体であるとか、その他のものが安売りをするというようなことを禁止されるというようなことになったらば食肉の販路は減じてきて、予定の畜産物の販路は減じてきて、予定の畜産物の販路拡張、生産拡張というものは阻害されるものであると信じて疑わないのであります。こういうふうな点で、今衆議院で審議しておられるのでありますが、大臣はいかなる処置をこれについてとりたいと思っておられるのであるか、お伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(重政誠之君) 藤野さんのるるお述べになりました御意見も全く同感であります。環境衛生の見地から経済関係の食肉の価格の制限を厚生大臣がやるということはこれは筋の違う話であると思うのであります。全くただいまお述べになりましたとおりに、この成長部門の畜産部門におきましては、まだまだこの国民をして肉を消費してもらわければならない。二倍、三倍も、したがって増産をやらなければならぬ、それがすなわち農家の所得を増大するゆえんであります。しかるに一業者の経営ということを中心にして、あたかも既存のものの権益だけを擁護するような建前から価格制限をするというようなことは、これはとうてい私どもの賛成のできないことでありまして、せっかく今衆議院でも審議中でありますが、衆議院の農林委員会の委員諸君も、ただいまお述べになりました藤野さんの御意見と同様であるように拝聴いたしております。私もよく懇談いたしておりますが、何らかの方法でこの環境衛生からやる権限、経済関係からやる権限とは明らかに区別をしてもらうようにせっかく今協議をいたしておりますので、どうぞ当委員会におかれてもよろしくひとつお願いいたします。
○藤野繁雄君 大臣の非常な努力によってある程度円満に進行しつつあるということはまことに喜ばしいことであるのでありますが、すでにさっき申し上げたような覚書もあって、廃止するということを政府が決定していることであるにもかかわらず、さらにこれを環境衛生の法律を強化して、そうして畜産物の成長を阻止するようなことは私ども農林水産関係の者としてはどうしたっても了承することができないのであります。どうか大臣においては、最後の場合においては、営業の健全な経営の阻害というようなことが絶対的にないように努力していただきたいということを希望を申し上げます。
○国務大臣(重政誠之君) できるだけひとつ努力いたします。
○藤野繁雄君 次は果樹であるのであります。果樹の問題で私が最近考えているのはミカンのカン詰であります。果樹も成長部門であって、今後伸ばしていかなければできない、これに対して政府も農業者も力を入れているということは御承知のとおりであります。また果樹の振興をはかるためには、カン詰の製造に力を入れなくちゃいけない。しこうして世界の状況は日本のミカンのカン詰を非常に望んでおるのであります。それにもかかわらず本年のカン詰の生産状況はどうであるかということになるというと、予定のカン詰の数量を生産することができなかった。また原料が高くて赤字経営でもやらなくちゃできない、こういうふうな状態である。もしもこのカン詰が予定の数量を需要があるのにもかかわらず輸出することができず、価格が高くなるというようなことがあったならば、せっかく成長部門で外貨獲得に絶大なる好材料であるミカンのカン詰が将来において輸出ができないようになるおそれがあるのであります。こういうようなことから考えてみまするというと、本年できるところのミカンについて、大臣は需要が幾らであって、それならばどれだけの生産ができるか。その価格は幾らぐらいであれば世界市場に売り出すことができるか、こういうふうな点についてお考えがあったらば承りたいと思うのであります。
○国務大臣(重政誠之君) ミカンのカン詰の輸出についての御意見、そのとおりであります。実は昨年は原料のミカンが高過ぎてカン詰を十分に作ることができないというので相当問題があったわけであります。私もその重要性にかんがみていろいろ骨を折りましたが、結局農林中金の融資をするということで一応まあまあというところの予定数量をカン詰にして輸出することができたという実情であります。この問題は本年もまた場合によれば繰り返されるようになるかもしれないと思います。これはもう御承知のとおりに、結論的に言えば、ミカンの供給が少ないということ、急激にジェースなどがふえてその方面に原料ミカンが使われるということになって値段が高くなるということであろうと思います。そこで何らかの方法をこれは講じて、お話のとおりミカンのカン詰の輸出は非常に有望でありまして、輸出が十分にできぬということになりますと市場を喪失するおそれもありますから、何らかの方法でこれは輸出ができるようにしなければならぬと実は考えて、それをどうやるかということを業界の諸君とも相談して検討をしておるようなわけで、とにかく何らかの方法を講じてミカンのカン詰の輸出を引き続きできるようにしたいと考えております。
○藤野繁雄君 現在においては品不足かわりません。しかしながら、政府の指導とそれから農業の構造改善で所得の増大ということで、農家のほうもミカンの増殖に力を入れているのでありまして、現在は不足するかわからんけれども、ここ数年の間には過剰になって仕方がないというような段階にまで追い込まれないとも限らないのであります。でありますから、そういうふうな場合に対処するために私の案としては、予定の数量を確保するために、今から生産者とカン詰業者との間に契約栽培というような方法をもって、契約によってこれだけの量数は必ず確保するのだ。そうして、こういうふうなことまで言っていいかどうかわかりませんが、いわばそういうふうなことで赤字が出るというような場合においては、そのとき考えて、何とか対策を講ずる。そうしてできるだけ多くのカン詰を生産する。そうして市場の獲得をやり、将来においてミカンが多くなったならば、どれだけでも輸出能力があるのだと、安心して諸外国から注文がくるように取り計らうべきものであると信ずるのでありますが、大臣の御意見をお伺いしたい。
○国務大臣(重政誠之君) それも一応ごもっともなお考えだとも思うのでありますが、しか要は、契約栽培をいたしましても、時価より安いというのでは、とうていそれでは農家のほうは契約を実行はしないと思うのであります。その場合には、しからば政府がその補てんをするかといえば、ここにまた相当の問題があるわけです。お見込みのとおりに、私もここ数年のうちには相当ミカンの供給もよくなると思うのです。もちろん需要のほうも私は予想外にこれは伸びると思うのですが、それでも供給の市場というものは数年後にはよくなると思います。そこでカン詰業者のほうのことを言えば、ここしばらくはもうけがない。場合によれば損するかもわからんが、あとは楽しみがあるわけです。それを今ここで悪いときだけ何か政府で税金でこれを補てんするというようなことになると、どうも割り切れないような考えがいたしますので、その間は何かその損を政府も考える、業者のほうも考えるということで、何かその損を預かるといいますか、何かあんばいをそこでして、合理的にこれを持っていったらどうか、こういうふうなことを実は考えているのです。まだ具体的に成案は得ておりませんから、はっきりしたことは申し上げる段階になっておりませんけれども、私の考え方はそういう考え方をいたしているわけであります。これは重要なことでありますから、せっかくひとつすみやかに検討して、成案を得たいと考えております。
○藤野繁雄君 今、大臣のお考え非常にいいと思っておりますが、できるならばこれは共済制度のようなことにして、あるいは基金のようなものを作って、あるいは硫安の輸出会社のようなああいうふうな制度か何かによって一時の赤字はカバーして、将来における利益によって補うというような、将来の希望を持った対策を講じなくちゃできないと思うのでありますから、どうぞひとつ十分御検討をお願いしたいと思うのであります。 次は、大臣の所信表明の最後に書いてある激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案であります。この法律によって災害を受けたところの地方公共団体が、財政援助によって災害のあらゆる仕事をすみやかに円満にしていくことができるということで喜んでいるのでありますが、この財政援助に関する法律を読んでみますというと、まだ詳しくは読んでないのでありますが、大体骨子だけを書いてあって、肝心かなめのことはみな政令にゆだねてあるように考えられるのであります。今最近に起こった災害について申し上げますというと、福岡、佐賀、長崎、熊本におけるところの災害、北海道における災害というようなものがおもなる災害と考えておるのであります。しこうして現在政府当局でこの災害の政令案なるものを作られつつあるというようなことを聞いているのでありますが、もしもそういうふうな案ででき上がったといたしましたならば、おそらく私は九州の災害、北海道の災害というものは激甚地災害に指定される県が一県あるかどうかであって、その他のものは全部除外されるおそれがないとも限らないのであります。私は数県について具体的に数字で調査したのでありますが市町村の場合においては、ある程度救われるような状態になるのでありますが、都道府県はこれによって救われないところの県が大部分であります。もし、はたしてしかりといたしましたならば、この激甚地災害の法律について各地方は非常に成立を希望しているのであるが、いざ実施されるということになったならば何もなかった、こういうふうなことになってはせっかくの政府の激甚地災害を救おう、こういうふうな心が、よくしてやろうという心がふいになってしまうのであります。でありますから、これはまだ法律も通っていないし、政令案もでき上がってはおらないと思うのでありますが、政令を作られる場合においては、農林大臣はとくとお考え下さって、今年の激甚であった府県には全部都道府県が激甚地に指定されるように御配慮を願いたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(重政誠之君) それじゃ官房長から事情を説明させます。
○政府委員(林田悠紀夫君) 激甚災害であるかどうかということにつきましては、御承知のように、災害基本法の定めるところによりまして政令をもって指定することにしておるわけでございます。それで激甚災害に指定されました場合どの県が激甚災害法によりまする、かさ上げ方式と申しますか、補助率を上げた補助を受けるかどうかということが次に問題になってくるわけでございまして、その府県あるいは市町村はこの第三条によりまして、政令で定める基準によって該当するということになっておる次第でございます。それでその政令につきましては、現在法律が審議中でございまするので、各省いろいろ集まりましてまだ審議をしておる段階でございまするが、一応考えておりまするところは、第三条に基づきまする公共土木施設の災害復旧事業費の国庫負担法の適用を受ける災害復旧事業につきましては、各地方公共団体の事業ごとの負担額の合計額を出しまして、それをその地方公共団体の標準税収入と比較いたしまして、その割合が百分の二十をこえる都道府県それから市町村にありましては百分の十をこえる市町村というふうに考えておる次第でございます。これはなお検討中でございまするので、一応そういうようなことでございます。
○藤野繁雄君 今官房長からお話しになった数字で計算すれば、現在は佐賀県以外のものは該当いたしません。市町村はある程度やられるかわかりません。それで今大臣に希望しておくのは、今の都道府県の二〇%を一〇%に、市町村の一〇%を五%にして、そうしてそれだけのものは激甚地災害としてやっていただきたいと思うのであります。一例をあげてみますというと、わが長崎県のようなところに、三十二年で災害を受けて、三十六年で災害を受け、三十七年で同じところが災害を受けている。連続災害なんです。そういうふうな場合において、過去の金もまだ払っていないのに、今度は二〇%に達しないから激甚地災害とすることができないというようなことであったならば、こういうふうな連続災害の場合の計算の方法についても考えていただいて、できるならば、今回の激甚地災害の財政援助の法律は、都道府県は一〇%、市町村は五%、こういうふうにぜひ実現するようにお願いして、そうして連続災害があったところでも進んで災害復旧ができるように地方の財政力の涵養に力を入れていただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○北村暢君 私は、いろいろ各委員から流通問題で質問が出ているようでありますが、私もこの流通問題について質問をいたしたいと思いますが、まず、政府のとっております物価の値上がりに対する、特に生鮮食料、特にそのうちでも野菜その他の値上がりが非常にはなはだしいということでもって、生鮮食料品の価格安定対策というものの具体化について対策をとっているようでございますが、そのうちで、すでに大臣からも説明ありましたように標準小売店の指定、公認小売市場の新設の問題、そのほかに、天田君からもありました国営の中央卸売市場の制度、これは法律改正とも関連するんだろうと思いますが、そういう問題、そのほか水産物価格安定事業団の設立というような問題について、その他にもありますが、いろいろ施策を講じているようでございますが、その中で、一応発足しているのは標準小売店の指定、こういうことが七月二十三日から発足したようでございますが、これはそのことによって直ちに効果が現われるということは、私もそう簡単にはいかないだろうと思うんですが、しかし、この制度は非常に申しわけ的で、世論が高い、高いというものだから、標準小売店というようなことで、一応世間の目といいますか、対策をやったんだ。こういうことにしかすぎないのじゃないか、このように思うんです。したがって、実際問題として一実施している東京都自身が全然自信を持っておらない、こういうことが一つ言えると思う。それで、実際問題として、野菜なら野菜の、青果の小売店一万軒あるうち、四百軒か何か適当そうなものを指定する、それを六カ月期間でやる、こういうことになっているわけですが、その指定されたものが、実は東京都の指定した標準小売店に対して、青果物の協同組合がまた同じような標準店の指定をやっている。ほとんど一万軒全部標準小売店の指定になってしまっている。だから、どれが東京都の標準店か、どれが協同組合の標準店なのか、実際看板だけ見ると、これも標準店、これも標準店、標準店というのは一体何だか消費者にはわからない。こういうのが実態ですよ。ですから、この標準店を設けたことによって、私は価格がそう簡単にはできない、またできない要素を持っている。先ほども言ったように、大臣からも説明あったように、卸売人によってみなその値段が違うわけですから、標準価格といっても違ったものが出て参りますし、そのうちの三割上下を見ておるということになるというと、この規格がはっきりしない。品質規格というものがはっきりしないものに標準価格を設けること自体が実はナンセンスなんですね。そういうようなことで気休め程度のものにしかならないのじゃないか、このように私は思うのです。したがって、その実効というものについて決して期待するものがない。したがって、東京都もこれに対する監督なんというものはほとんど行き届かない。監督のための人員というのが何名おるのか。監督はおそらく行き届かない、こういうことです。標準価格というものを掲げながら、標準価格というものをただ掲げたというだけで、その実施する監督というものは行き届かない、こういう実態だろうと思うんです。したがって、これにはあまり期待ができないと、こういうふうに私は思います。これは質問でございませんから……。 それから、公認小売市場の新設、これについては映画館なにがしということがありましたが、この広い東京で三カ所や四カ所の映画館を小売公設市場、公認小売市場といったようなものを作ってみたところで、これが一体どれだけ消費者物価に安くなるような方向に影響するか。しかも、これは膨大なものでない。映画館四館くらいというのですから、これは大したことはない。その映画館を何か計画によって進められているような大臣の答弁でしたけれども、これは権利金等が高くて、実際問題話が成り立たない。そんな高い権利金で映画館を小売市場にしても成り立たないといって、大体仕事は進んでないのが実情じゃないですか。大臣はどういうふうに聞かれているかしらぬが、実際問題としては進んでおらないです。したがって、この問題についてほんとうに公認小売市場というものを新設するという政府の施策として補助もし融資もするということなんですが、ほんとにこれ作るとなるというとたいへんなことです。地域的にいっても、今この映画館を小売市場にするくらいですからさしあたって地域、場所、建物を設置するといったってなかなか簡単にいかない問題ですが、相当なやはり強権的な力を持ってやらないというとできる筋合いのものじゃないと思うんです。したがって、その見通しが一体どういうふうになるのかということをお伺いしたい。 それから、天田さん盛んに主張されるのでありますけれども、河野前農林大臣も、東京と大阪に新たに国営の市場を設ける、こういうことで、これは非常にむずかしいけれども鋭意やっているというような話なんですが、ほんとにやる気になっておられるか。これは法律改正をしないということできまりませんが、来年の通常国会に法律改正をやって、国営の卸売市場というものを東京と大阪に設ける、法律を設けてやる、こういうところまでほんとうに踏み切ってできるのかどうか。これに対しては既存の業者からの抵抗というものが相当あるはずなんです。したがって、これについてはその抵抗を押し切ってまでやる気があるのか。この点についてお伺いしておきたいと思うんです。そしてまた、その場所的な問題は、東京都については埋立地その他候補地の選定で非常に苦しんでいるようでございますけれども、この場所を選定する場合においても、とにかく袋小路のような埋立地のところに市場を設けたって、これは交通上からいって成り立たないんですよ。今の築地でさえ今日の東京都の交通事情からいけばもう麻痺状態にある。それをまたその埋立地の奥に持っていったらだれも行く者がない。行ったら出てこられない。ですから、そういう所に持っていくなら、これは道路を作ってからでないと作ったって成り立たないんです。これは非常にたいへんな問題です。ですから、国営市場一つ作るにしましても、これは国道筋の非常にいい場所でなければ、まず交通というものを考えなければ利用に適さんものができて、自然開店休業になってしまう、こういう問題があると思う。そういう非常に困難な問題なんだから、私どもの聞いた話によると立ち消えというふうに聞いておるけれども、今大臣はまだそれに熱意を持ってほんとうにやる気持があるかどうか、それをお伺いしたいと思うのでございます。 まず、大臣にその点について御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(重政誠之君) 今標準小売店を現在設けてやっておりますのが全然無意味のようなお言葉でありましたが、私はそうは思っておらない。東京都全域にわたってそういうものを設けることが理想でありましょうが、なかなか初めからそういうわけに参りませんから、現在では八百か九百程度を手初めに始めたわけでありますが、いろいろ手直しをしなければならぬところもありますし、完全なものではありませんが、しかし、とにかくこの標準小売店ができておるところでは、やっぱり消費者は安心してその店から買っておられる事例もあるようであります。これは政府なり東京都だけでなかなかいけるものではないのでありまして、やはり消費者のほうがそのつもりになってこれを利用せられ監督をせられるということが非常に必要であろうと思うのであります。いずれにしましても、私はこれをだんだんに推し進めて参りますと、やはり一応の小売価格というものが、比較的公正と申されるような小売価格というものが私はできていくんじゃないかと、こういうふうに考えておるわけであります。 それから公認小売市場の問題でありますが、これは御指摘のありましたように、映画館の権利金が高くて困るというようなところもあるようあでりますが、しかし、それが全部が全部そうではないのでありまして、話のできるようなところも私はあるやに聞いておりますが、これは後ほどその事情は担当の局長から御説明を申し上げたいと思います。 それから中央卸売市場の問題でありますが、大阪は東部市場の新設を今いたしておりますから、相当広い地域でありますし、あの設備の完成を急いでやらせば大体大阪はあれで一応やっていこう。東京は今のお話のとおりこの場所の選定が非常にむずかしい。これは交通事情、それから海運の便も魚類の市場についてはありましょうし、条件がいろいろ整ってこないと場所をきめるわけに参りません。そこで、いろいろに検討をいたしておるわけでありますが、国営市場を新設する場合には業者の反対の問題は私はそう心配はいたさないんです。国営で市場を作りまして、いやならこの市場を貸さないということにすれば、いやでない者が一ぱいくるんですから、これは私はあまり業者側の反対のために行き悩むということには私はならぬ、でありますが、先ほど御指摘のようないろいろの市場としての立地条件が問題になると思うのであります。それからまた、十年後にはどうだというのでは間に合わぬことになるし、でありますので、非常に苦慮いたしております。その結果、結論としては結局今の市場というものを中心にしてこれの改善策というようなことも検討をしなければならぬと思って、その方面も今検討をさしておるようなわけであります。
○政府委員(坂村吉正君) 公認小売市場の問題につきまして、先ほど御指摘のように、非常に権利金等で行き悩んでおるのではないかというお話でございますが、これは映画館の転業の問題で、大体立地条件その他からいって転用可能と思われるようなものが四つ五つあるわけでございますが、これが具体的にそこまで参りますのに非常に時間がかかります。それから今度は具体的に実際にどういう工合にこれを借りて、どういう工合に改造をしていくかということになって参りますと、今東京都は、これを直接映画館を借りまして、そして改修をして使用したらどうか、こういう考え方でやっておりますが、いろいろ権利金であるとか、あるいは家賃であるとか、そういうような問題で話が合わないという事実はございます。しかし、そのままでほうっておいて、両方に、東京都とそれからその映画館の所有者との間にまかしておいたのでは進みませんから、私のほうでもできるだけ早くその問題を詰めておるわけであります。実はあした両方を呼びまして、それぞれ農林省も、私どものほうも中に入って調整をとってひとつ進めるように、こういうような形で進めておりますわけでございます。大体これはそういう状況でございまするので、行き悩みになって進まないということじゃございませんので、むずかしい問題はございまするけれども、だんだん進んでいくという、できるだけ早く進めていく、こういう態勢にありまするので、そういう工合に業界も動いておりまするから、御了承いただきたいと思います。
○北村暢君 その標準小売店の問題は、標準小売店の看板かけたから急に安心をして物か買えるというようなそんななまやさしい問題じゃないのです、これは。それで今度の、今、天田さんが言った臨時生鮮食料品の流通の実態調査の、あなたの部下が調査した資料の中にも、小売のものは目減りその他腐敗、経営——人件費類、運搬費類の高騰ということからいって、小売マージンというのは三〇%から四〇%というのはこれはとても圧縮することが今後といえども非常に困難であろうと、こう言っておるのです。だから、小売そのものを、業態そのものを合理化しない限り、とてもそれは標準店の看板をかけたからといって、価格が安くなるとか何とかそういう問題じゃない。これは根本の問題である。しかし、これはもう一万からの小売店ですから、これを合理化するといったって、並み大ていな問題じゃないのです。だから、これはこれとして、相当やはりああいう零細な小売店の合理化といっても簡単にいかないのですから、問題は私は残ると思います。したがって、標準小売店の相当看板をかけたから合理化が進むということにはならないのじゃないかということが言いたいわけなんですよ。それですから、これはまあそういう点で非常に今後政府がどういうふうに力を入れるかという問題です。これはもう全然手を触れたことがない。むずかしいものであります。やったことがない問題である。したがって、これはひとつ今の公設公認市場の問題とも関連する政策上の問題ですから、そういう意味で申し上げておるわけであります。 それから、次に一つお伺いをいたしたいのは、この水産物価格安定事業団の設立の構想、これは東京都と大阪に一万トン級の冷蔵庫を作る、あるいは三百両の冷凍車をやる、いろいろ価格安定の問題で計画があるうですが、そのうちの事業団の問題、そういう構想が一応仮称ですが、ある。これについてほんとうに冷蔵庫を建設する計画がどの程度具体的にいっているのか。現在築地のあそこに、こういう膨大な冷蔵庫を建てるといっても、地域的な余裕もないでしょうし、あの付近ということになれば、地域を、まず冷蔵庫を建てる場所を見つけるのにたいへん苦労されるのじゃないか。これは東京、大阪ということのようですが、そういう場合に土地が非常に払底して求めにくい状態の中に、これは築地の、現在の築地の向かい側になるんだと思うのですが、月島のほうになります。ここを東京都で埋め立ててやって、その跡を払い下げるという土地があるわけなんです。ここに民間の冷蔵庫ができるというような私は話を聞いておるわけです。したがって、その地域は、地積は相当、今の築地の約半分ちょっとくらいある地域です。これは東京都の議会においてもかつて問題になっておる土地なんです。それを入手するためにある財団法人ができて、しかもこれが農林関係に関係のある人が集まってできている財団法人、そういうものがあって、民間の冷蔵庫を作るということの話があるようですがね。そういう問題と今政府が考えている事業団、冷蔵庫の建設と一体どういう関係があるのかないのか。おそらくないだろうと、こう思うのですけれどもね。もし、ほんとうに公団的な政府のものができるということになるというと、民間はその隣に冷蔵庫を作っても、一万トン——これは七千トンになるか、大阪と両方ですからどうなるかわからないわけですが、そういう点で民間にも影響してくる問題だと思うのです。したがって、公団の冷蔵庫建設というものは、今の価格安定対策としてここ一、二年の間に本格的にやはり取り組んで実現をするものなのかどうか、この点をひとつお伺いをしておきたい。
○国務大臣(重政誠之君) これは本格的に取り組んでその実現をする決意でおります。そこの、先般、私も所は知りませんが、今の御指摘の所だろうと思うのですが、冷蔵庫を作るのに適当な土地があると、こういうことは聞きましたが、まだ、土地の選定をしてどこに作るかというようなところまで話はいっておりません。ほかにもいろいろあるかもわからぬと思いますが、とにかく現在ではその冷蔵庫をだれに作らしてその運営をどうするかというようなことはまだ検討しておる最中でございます。したがって、その土地までは、その選定まではまだいっておりません。
○北村暢君 それではちょっとあとでごちゃごちゃになってもいかぬですからね、参考のために申し上げておきますが、実はその土地——大臣が見られたか見られないかという土地ですが、これは都議会で問題になっておる土地です。というのは、財団法人で水産振興会というんだそうです、私の聞いたところによると。これは事実はどうか知りませんが、私の聞いたところによるとそうなんですが、しかもこれは東京都から非常に安い価格で払い下げを受けておるのですね。それがまた、水産振興会というものは一体どういうものかというと、この土地を払い下げるためにできたような財団法人らしいですね。それでそういう利権的なものがあって、東京都議会でこれではいかぬということで、港湾局長それから市場の市場長それらの人が会って、何か委員会を設けて運営をする、こういうことになっているのだそうですが、その委員会というものが開かれたことが、またできたのかできないのか、開かれたことがない。とにかくそういう利権のからんだ問題なんです。そういうものがしかも築地のまん前にあるのです。地域としては非常にいいところです。そういう問題がありますので、もし東京都が本格的にその築地の市場の流通改善のためにやろうとする決意があれば、私はそういう有効な土地を、しかも在団法人が持って、比較的安い価格で手に入れているところがある。したがって、これは東京都がやる気になれば私は相当有効にできるのじゃないか、今の新しい国営の市場を設けるというこことは非常に困難ですが、困難ですが築地の今の狭い状態を緩和し、しかも冷蔵庫を設けて価格安定するということに対しては非常に大きな有効な働きをするのじゃないかというふうに思うのです。したがって、この点については、まあこれは私の情報として今持っている。真相のほどはこれはわかりませんが、土地のあることだけは事実なんです。そうして都議会で問題になったことだけは事実です。したがって、その点はよく今後の問題の処理にあたって考えていただいたらいいのじゃないか、このように思います。 それから次にお伺いしたいのは、流通改善対策として緊急にこういうふうないろいろな対策を講じているわけですが、その中でこの前の中央卸売市場法の改正のときにも附帯決議として出ているのですが、この取引の迅速化と、それから中間経費の節約、こういうことでうたわれて、しかも最近における水産物の、特に水産物でございますけれども、生鮮食料というものと加工品というものと、加工品の占める歩合というものがどんどん伸びてきておるわけです。そういう形の中で現在の法律の建前からいうと、定価売りといえども仲買いがこれを値引きをするということができないことになっているわけですね。ところが、実態は、この定価売りは仲買いが直接値引きをしておる。そして形式上は手数料を卸に支払っておる。で、卸は何らタッチしていない。形式的になっている。したがって、この定価売りのものに限って、それも全部でないのですが、加工品全部じゃない。定価売りで、しかも非常に限られたものでありますけれども、これはその手続をする者に限ってだけ仲買いは値引きすることができるという規定を設ければ五%か幾らの手数料というものを払わないで済む。これは架空の処理でもって手数料を払っている。これは流通改善の点から言えばこれは節約できる。したがって、これは私はやるべきじゃないか、こういう意見を出しておったのですけれども、今度の法律改正に伴います東京都の業務規程の改正案を見ますというと、それが、今までやっておる実態がそうであるものが禁止しなければならないような業務規程の内容になって一加工品、そういう定価売りのもの一切そういう仲買いが値引きすることはもちろんできない、こういうことが今までなかったやつがわざわざ出てきて入っておるわけです。したがって、そういう点について今後法律改正をやって、経費節約ということをやる意思がおありになるかどうか、この点をお伺いしておきたいと思うのです。それで、これはちょっと事情を申し上げないとわからないのですが、青果と魚では違うのですよ、実態が。ごらんのように、魚に関する限りは一般の小売がせりにほとんど参加しているわけですが、ほとんど全部が仲買いを通しているわけです。仲買いを通さないものはほとんど行っていない。青果のほうはそうじゃない。小売から仲買い両方せり台に立てるわけです。しかもその青果の場合は、それを仲買いにやらせないで小売が直接定価売りのものだってやったらいいじゃないか、こういう理屈は成り立つのです。しかし、水産物の場合は、小売が直接仲買いに立たないのですから立って立てないことはないのですが、そういうことにはなっていないのです。やはり仲買いが全部といっていいくらい処理しているわけですね。これはやはり、築地のあれだけの膨大な規模になると仲買いというものはもう省略したら手数料その他省けていい、簡素化されるというけれども、あれは省略するといったってこれは絶対にできないものです。絶対にあの仲買いは必要なんですね。それですから、ちょっと事情が違いまするので、私はその特殊事情からいってそうすべきだと思うのです。したがって、状況について附帯決議もあるし、私の総理大臣に対する質問書の中にも、実情に即して検討するということの答弁書が出ているのですが、これについて一体どういうふうな考え方か伺いたい。
○国務大臣(重政誠之君) まことに適切な御意見と拝聴いたしましたが、魚の中央卸売市場で仲買いの存在の理由というものは、実は私も十分認めております。御承知のことおりに、これをなくすると、あの荷さばきができないわけでありまするから、どうしてもこれは存在しなければならぬと思います。定価売りのものをその仲買いが直接に値引きをさしたらどうかという御意見でありますが、これは事実そうさしてもいいのだと私は思うんですが、ただ、そこに問題がありまますのは、同一市場の中であるものは卸からいき、あるものはそうでなし仲買いでいくということは、どうもそれが、その影響なり市場がそれによってかれこれ混乱する、大げさに言えば。そういうようなことを来たしても困る、こう考えるわけでありまして、そこで、今の大体の機運といたしましては、仲買いのものがそういうような定価売りを扱う場合に、その仲買いが寄って一つの卸売会社を作って、そうしてそういう定価売りのカン詰とか、あるいは燻製品とかいうようなものを扱うというようなことに持っていくのがいいのではないか、そういうふうに考えておるわけでありまして、それはまた事実そういう方向にだんだんいきつつあるように考えております。
○北村暢君 それじゃ大臣の意見ではできないことはない、卸売人に、仲買いがまとまって卸売人になればいいというのですが、卸売人というのはそんなに簡単にふやさないで単一でいこうという考え方でしょう、大臣の考え方は。
○国務大臣(重政誠之君) これはしかし、それでカン詰とか何とか、そういうようななま魚以外のものを扱う卸売業者なら差しつかえないと思うのですがね。この定価売りのものだけを扱う分は、なまの魚を扱うのにまた卸売会社がふえるのじゃないか、これはなかなか承知できないわけですけれども……。
○北村暢君 それじゃ私も、これは定価売りのものだけに限ってですから、しかもこれは業務規程で絶対できないわけじゃないですね。ということは例外があるのですよ、現実に。というのは、これは河野農林大臣のときにバナナの例外に仲買いが荷引をすることができる、輸入品については、これは例外規定を業務規程の中でやったんです。法律では仲買いは荷引をすることはできないです。ところが、東京都の業務規程の中で輸入品は仲買いが荷引している、こういうことに今現実はなっておるのですね。これは大臣がやろうと思えば、そういうことができるのです。しかもバナナはせりですよ、せりをやっている、入札をやっているでしょう。定価売りじゃないですよ。そういうものすら仲買いが荷引ができて、定価売りの定価のきまっている、卸を通じなくても値段のわかっているもの、したがって、生産者から直接来ても何ら差しつかえないもので中間に卸を入れなければならない、そうして五%の手数料を払わなければならない。これはだれが考えたって矛盾ですよ。したがって、どこかを簡素化しなければならないという問題が出るわけなんです。したがって、私はこれは簡素化できるものだからやりなさいと、こう言うわけなんですね。したがって、これはひとつ非常に要望のある点でありますし、御検討をいただきたいと思います。 それから今度の臨時事情調査、先ほどの事情調査等の、これは私、報告書を全部内容を読ましていただきましたが、この次また出るというのですが、これはやはり役人が五、六名行って、あの複雑な流通機構の中に入って実態調査をやるのですが、やはり本物が押えておらない、実際は。やはり中央卸売市場の本筋である適正な価格をきめるという、このことがこの報告の中には何も書いてない。特に水産関係が多いわけですが、水産関係は、先ほど天田君も指摘されているように、産地市場の問題が青果と違って、非常に複雑なんです。で、水揚げの産地市場、ここにまずせりが立って、そこで生産者と、それから市場の卸売人と、そこへ仲買人が入って、その仲買人がさらに消費地の市場とし、したがって四段階、五段階になるわけです。そうして消費地まで届く。この問題があるので、これは水産庁で産地市場の問題を検討しておるのですけれども、これは協同組合の共同出荷ということがなかなか水産に関する限りできない。したがって、これはもう非常に流通上の大問題です。これを合理化しないと、とてもできない。ところが、これは中央卸売市場じゃないわけです、産地市場というのは。したがって同じ農林省の中でも経済局と水産庁と、二つに分かれて、産地市場のほうはわしらの権限じゃないというようなことで、これはどうも産地市場のほうは煙幕に隠されている。これを徹底的に、中央卸売市場の問題はこれだけやかましく論議されますけれども、産地市場の問題はぼおっとして、あまり論議されない。ここに価格形成の上における大きな問題があると思うのです。したがって、そういうような点。それから、そういう産地の仲買人というのが完全な委託じゃないのですね。無条件の委託じゃない。それで大水産会社と産地仲買人は指し値委託なんです。それで適当な自分の言う値段でなければ落とさないのです。荷物を引っ込めちゃう。こういうことでは、せりの建前になっておる中央卸売市場が公正な価格が決定されていない。これはもう明らかな事実なんです。したがって、これはもう仲買人が一斉に指摘しておるところなんです。これは卸売人が絶対に大水産資本の、大企業の生産品は指し値でなければ、適当に思うような値段でなければ荷物を引っ込めちゃう、こういうことが事実行なわれておる。そういう非常に簡単な、しかも事実のあるものがこの報告書にも載っておらない。そうしてまた農林省も監督する気にもなっておらない。事実行なわれておるのです。それじゃ適正価格というものは出てこない。こういう実態があるということをひとつ——中央卸資市場の大きな問題なんです。これは監督行政でできるのです。法律はそういうことに指し値なんということにはなっていないのですから、したがって、これは監督行政でできる。しかし、そういうことをやったために営業停止処分を受けた卸売業者もいなければ、ほとんど普通みたいになっておる。これではどんなに末端の標準小売店なんかでやってみたところでだめなんです。もとがだめなんです。したがって、これはひとつ大いに改善をする余地がある。そういうようなことを含めて抜本的な中央卸売市場法、先ほど言った国営ということをやるとするならば、法律改正をやらなければできないわけなんですから、そういうものを含めて通常国会にひとつ——この前の附帯決議等を含めて政府が通常国会に法案を提出する用意があるのかないのか、これをひとつお伺いしたい。
○国務大臣(重政誠之君) まことにこれは重要なことでございますが、ただいまいろいろ御指摘になりまするように、非常にこれは難問題をたくさん含んでおる問題であります。十分検討いたしまして、できれば通常国会にも成案を得て提案をいたしたいという考えておりますが、何とかそこまでこぎつけたいと考えております。しかし、どうも今、必ずやるということをここでお約束するわけにもこれはいかないと思います。それほどこれはむずかしい問題がたくさんございます。これはもう御承知のとおりでありますから御了承願いたいと思います。
○北村暢君 むずかしい、むずかしいで長くされてしまうというと、せっかくあれで、この前の法律改正のときにずいぶんこの点論議しておるのですから。それでやはりあまりに東京都の築地なら築地が巨大になり過ぎて、これは集散地市場の性格を持っており、近県はほとんどここにくるということで、築地に入ったものがまた行くのですから、必ず消費者にとっては二重経費になってくるのですよ。ですから、これは地方市場の整備ということが非常に大事なんです。したがって、地方にやはり信用のあるがっちりした市場ができてくれば、この集散地市場というものはなくなってくる。そういうこととも関連する中央卸売市場だけの問題じゃない。全般の問題でございまするので、ひとつこれは早急に成案を得ていただきたいと御要望申し上げておきます。 それから次に、時間がございませんので、バナナの最近のコレラに関連する問題について御質問いたしたいと思うのですが、これは被害額が大体三億ぐらいに上っておるようでございますが、船にして四はい分のようでございます。そこで、イサルコという船なんですが、これは七月三十日ですか、入っておるのですね。そうしてこれは厚生省の検疫をやるほうですね、それから農林省の植物防疫、これも検査が通って合格品としてすでに荷揚げがされておる。加工までされようとしておる。そういうものが急につかまってしまったのですね。そうしてこれは今のところどうにもならない。あとの三ばい分は船の上で処理されたのですから、これは税関も通っておらぬし、何も通っておらぬという問題なんです。しかしながら、ここで私はこの全部を補償しろということは非常に無理だろうと思うのですけれども、この合計額が大体三億くらいのうち、差益金と関税の分なんですが、差益金はこれは全部の船について差益金のやつはもう金は払ってあるわけですね。それから関税分は、揚ったのはイサルコだけですから、これは関税分、これは私は何とか政府の補償の対象になるのじゃないか、補償というよりは売らなかったわけなんですから、廃棄したわけですから、差益金はもうかったものに対する、さらにもうかり過ぎるからというので政府で取り上げる金なんですね、差益金というのは。その差益金が相当大きいのですよ。一かご五千四百八十円のうち差益金は二千十六円で、バナナの半分のものは買わないうちに二千何ぼ払わないというと買えないわけですね。そういう形、それはもうすでに払ってあるわけです。したがって、その差益金と関税の分は、これは政府に払ってあるのだから、政府の責任において払い戻していいんじゃないか、こういうふうに思うのです。しかもこれは膨大なんですよ。やや半分に近いものが政府のふところに入っているわけですから、したがって、これはバナナを買った損は、これは商取引ですから、また伝染病の予防の点からいって、あれもむごいことはむごいのですけれども、何らかの処置をする方法がないものだから、どうにもしようがないというのですが、政府に入ったものだけは、これは行政措置か何かの方法で、どういう法律になっているか知らないのですけれども、常識的に考えて、これはむちゃじゃないかと思うのですが、そういう点は配慮できないのか、どうなのか、ひとつ大臣から御答弁いただきたい。
○国務大臣(重政誠之君) ごもっともだと私思います。それは今その問題もありまするし、ほかの問題もありまして、コレラ関係のせっかく今協議をいたしておりますから、その経過なりにつきまして担当の局長から説明させます。
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおりバナナの廃棄の分については、非常に大きな損害でございまして、今業界のほうで厚生省と折衝中でございます。しかし、その様子を聞いてみますると、厚生省の言い分は、食品衛生法ではどうも補償という観念があの法律にはないのだ、こういう言い分でいろいろ話が進まないようでございますが、どういう関係か、この点については農林省のほうにあまり具体的に業界のほうからこまかい連絡は今までございませんし、今お伺いしますと、差益金はおっしゃるとをり先に取り上げておりますし、それから関税も入っておるわけでございます。これは理屈といたしましては、政府かただとっているようなものですから、どうも返すようにするのが筋じゃないかというような感じもいたしますので、そういう事実か今までもはっきりいたしておりませんので、これは十分検討いたしたいと思います。
○北村暢君 今のちょっと私の常識的なことは皆さんそういうふうに、大臣も局長も常識的に返すのがあたりまえだと、こうおっしゃるのですけれども、なかなかそう簡単なものでないようですよ。ですから、常識的に言つて私は返すべきだ、しかもこれは少々のものではないのですよ。相当——三億の被害のうち一億数千万円が政府のただ取り、しかも年々歳々政府はこのバナナだけで二十数億差益金というのを取っているのですから、ただもうかっているのですよ。政府は輸入させればもう差益金が自動的に入ってくる。払わないというと輸入させないのですから、これは非常に大きいです。したがって、これはもう政府が非常にもうけさしていただいているものでもあるし、二十数億も取っているのだから、この際一億ぐらい返してもいいはずだ、私は常識的にそう思う。したがって、これはぜひひとつそういう処置、腐ったものまで、投げたものまで補償せよと私は言っているのではないので、政府の責任で処理できるものをやれと、こう言っているのですから、ひとつこれはぜひ実現をしていただきたい。 それからバナナについて、十七日かの閣議のあとか何かで大臣は記者会見をされて、バナナは台湾との貿易の関係もあって、貿易の自由化を延期する、こういうことを言われたというようなことがちょつと新聞に出ておったようでございますが、そういうことなのかどうなのか。これについてそういう自由化を延期するのかしないのか、これをひとつお尋ねをいたします。
○国務大臣(重政誠之君) 今のコレラ関係の問題につきましては、実はあのバナナを輸入禁止をして輸送途中にあるもの、それから一つは今御指摘になりました、すでに通関をしているものというようなものがあることを予想しまして、あの措置をとる際に、厚生大臣に私から話をしたのですが、あとの補償問題その他についてはどうなっておるかということを聞いたのでありますが、その問題はあとでひとつ相談をしたい、とにかく緊急な問題だから、これだけやらしてくれということで、これはもう当然やらなければならぬ措置であるから私も同意したのであります。今のような問題につきましてはひとつ常識的に、国民の納得のいくような措置をとりたいと考えております。 それから第二の台湾バナナの自由化の問題でありますが、まだはっきりきめておるわけではございません。ございませんが、御承知のとおりバナナは自由化をすると、こういう建前で前国会において関税を二〇%から一〇%引き上げた、さらに暫定税率として五〇%を取る、こういうことを国会でも御承認を得ているわけであります。そこで当然この十月から、当然でありませんが、十月を目途として自由化するという品目に入っているわけでありますが、私の考えもまだ確定的ではございませんが、私はどうもコレラによって台湾バナナの輸入が禁止せられた、しかもこれが早く解除になれば別でありますが、どうも相当長期にわたってこの輸入禁止が行なわれるのではないかというふうに想像ができるわけであります。先般コレラの台湾における状況を視察するためにそれぞれ専門のお医者なり細菌学者なりが厚生省から派遣をせられまして、これが十日間ほどの予定でありますから、間もなく帰ってくるだろうと思いますが、それによって大体の時期を判定するよりほかはないと厚生大臣は言っております。私もそうだろうと思うのですが、それではこれが長期にわたって輸入が禁止せられるということになりますと、これはやはり考えなければならぬのではないかと私自身はそう思っているのです。と申しますことは、台湾は、御承知のとおりに、米とバナナ、そのバナナを輸出を禁止せられて、往年は日本の果実の、全消費果実の一割ぐらいに当たったものが台湾から来ておったのです。現在でもこれが三%ぐらいのものは来ておるという状態なんです。この台湾から見れば重要な輸出品を、コレラのためにここでシャット・アウトしてしまって、そうして自由化をバナナについて行なうと、わけもわからないようなところから日本はバナナがどんどん入ってくる。そうして日本の市場は台湾を締め出しておいて荒らされてしまうということになることがわかっておる。わかっておるのに、この際直ちにこのバナナの自由化をどうしても十月から行なわなければならぬのかどうかということについては、いろいろの一般の貿易の方面から、何と申しましても南方方面のものができるのは農産物であります。幸いそれを日本が買ってもいい立場にあるものはできるだけ買ってやるのが日本の商品が南方へいくゆえんであると思う。それを今のバナナはそこで拒否しておいて、ほかのほうからエクアドルから入る、あるいは南方の小さな島からどんどん入ってくるというような制度をここで作るということは一考を要するのではないか、向こうのほうも解除になって、そうして台湾のほうも輸入禁止が解除になって、平等の立場に全部置いたときにやるほうがよろしいのではないかというふうな私は実は考えなのです。そこで先般新聞記者がそういうことを言っておりましたけれども、そう詳しいことは申しませんが、一考を要するということを私は申したのであります。それが今お述べになりましたような記事になったのだろうと思います。
○北村暢君 もう時間がきましたから、ほかに肥料問題もやるつもりだったけれども、このバナナ問題で終わりますから……。今大臣の説明を聞きますと、台湾のバナナが長期に輸入禁止ということになりますと、今もうすでにトンガのバナナが入ってこようとしているわけですね。しかもバナナの輸入の大部分は台湾バナナです、今までの実績からいうと。したがって、これが禁止になるというと、そうすると自由化をしないということは、バナナの輸入量は台湾のその禁止が解けるまで輸入量はうんと減る、こういうことになるように受けとれるのですけれどもね。したがって、今すでに中南米その他で自由化ということを目標に、御存じのユナイテッド・フルーツですか、膨大なバナナの中南米の計画がすでにあるわけですよね。それで自由競争でやっていこうというのでしょう。そういうようなわけで、それに味方をするわけでもなんでもないのですけれども、今のコレラ問題の突発事故によりまして、非常にもうすでに計画的に進んでいるところが相当出てきているのではないかと思うのですよ。もう台湾バナナはだめだということで、すぐにトンガへ飛行機で乗り込んで業者が行っている。なかなか敏感ですからね。しかもこのバナナというのはもうかるのですから。そういうようなことで、これは非常に問題があると思う。したがって、これは慎重にいかなければならない。大臣のおっしゃるとおりだと思うのですけれども、ただ私はこれの輸入の自由化するのを延期すること、一つにはこういうことを端的に言っているのですよ。今度のコレラでバナナ業者は損をした、確かに損をしたけれども、今まではとんでもないもうけてきたのだろう、したがって、自由化もこれから若干延期するから、今権利を持っている人は自由化してもらわないほうがいいわけだ、実際は。したがってそういう意味で延期もするのだから、補償のほうはそっちのほうで帳消しだ、まあこういうような全くうがった言い方をしている向きがあるのですよ。まあ非常にそれは不見識だと思うのですけれども、それはそういうふうなことで処理されたのでは、これはもうどうせお前たちもうかっているのだから、ときたま損をしたって、しかも局長言われたように、あれだけ何千万と損して黙っているというのだから、よほどもうかっているのに相違ないと思うのですからね。おかしいと思うのですが、そういったことはちょっとやはりおかしいですよ、行政的にいっても。やはりもうかっているから補償する必要はない、これはちょっとおかしいんでありまして、私はやはり筋は筋で補償は補償、それで自由化の問題もそういう荒っぽい理由で延期するということはやはり考える余地があるんじゃないか、こんなような感じがいたします。したがって、この問題については慎重にひとつ取り扱っていただきたいと思います。 以上で、私の時間超過いたしました。恐縮いたします。
○国務大臣(重政誠之君) ごもっともであります。私はもう全然他意はございません。ただいま私の考えを率直に申し上げたのでありまして、なお検討をいたすつもりでありますが、今までもうかっておるから今度の損はそれで帳消しというようなことは今初めてお伺いすることで、私の考えたこともないことですが、これを延期するとすれば、今私の申し上げましたような理由でやるごとになると思いますが、まだそれははっきりきめておりませんから、なお慎重にひとつ検討をいたしまして結論を得たいと考えます。
○温水三郎君 だいぶおそくなりましたので、基本の問題を簡単にひとつ。 最近果樹、畜産は別として、農業自体があまり重大ではないのだ、農民の問題が重大なんだということを巷間ときどき聞くわけなのですが、この点について一体どうお考えになるか。われわれはわが国の農業の発展増強ということがわが国の最も大事な問題であると考えておるのであります。この大本に向かって国の農政が進められなければならぬ、かように考えておるわけなのです。池田首相は所信表明で一つ一つ言われた。しかるに現在の農村には作ろうとするところの人がない。往時から今日を見ますと、農村における青年というものは二割くらいしか残っていない。しかも今日の農業は昔の農業と違って、十年研究しなければ一人前の農民ということは言えないというくらいに技術が高度化しておる。このまま放置して、十年、十五年先にわが国の農業生産は一体どうなる、こういう基本の問題について農林大臣は農業の発展ということに対する施策を講ぜられるつもりであるか。極端な言葉をもって言えば、農民救済的な考え方をもって農政の発展をなさるおつもりであるか、まずそれを伺いたい。
○国務大臣(重政誠之君) これは申し上げるまでもなく、農業が引き合う農業になる、農業をやっておれば相当の所得が得られると、そういう農業に発展をせしめなければならぬと考えておるのであります。それがために、御承知のとおりに構造改善もやらなければならぬ、主産地形成もやらなければならぬ、あるいは選択的拡大もやらなければならぬ、流通機構の改善もやらなければならぬ、金融制度もやらなければならぬということで、あらゆる面においてその農業がもうかるように、経営ができるようにするために施策を講じようといたしておる次第であります。決してその農業を救済するようなものにしておこうというつもりはもう全然ないわけであります。
○温水三郎君 そこでお伺いいたしますが、食糧管理制度の問題につい大臣は、これは現行制度は米が少ないときにできた制度であるから、今日米が余っているときには、これを改めなきゃならないというような御意見のようでございますけれども、これは二様にどうも解釈ができるのであります。なるほど、米の少ないときに、消費者に対して主要食糧の負担を多くかけないために、換言すれば、米を安く、そして何といいますか、平均的にといいますか、国民に食わせるためにできたのが食糧管理制度である。これはそのとおりなんですが、これを改善しなければ、改めなければならないということは二様に解釈される。すなわち、どこまでも、米の今日需給が均衡がとれている時代においては、農業生産を保護するための、その目的からこれを改善しなければいけないというふうにもとれるし、あるいは、もう米が足りないことはないのだから、消費者のためにというか、あまりこれを直接統制等の手厚い保護を加える必要はないのだというふうにも解釈される。このどちらのお考えをお持ちであるのか、それを伺いたい。
○国務大臣(重政誠之君) これは先ほども申し上げましたとおり、私の意見がそのとおり通って、そのとおりやれるものでもこれはない問題であります。そこで、やはり私も、松村懇談会にお願いをして、さらに検討を進めて御答申いただくような段階にいたしたい。その他、各方面の御意見を十分承って私は結論を出したいと考えておるわけであります。そこで、この問題を当委員会においても論議をしかかりますというと、おそらく、この問題で三日や四日やっても切りはつかぬと思います。ですから、なるべく私自身の意見は現在申し上げることはどうも適当でないと考えて控えておるのであります。が、せっかくのことでありますから、ごく一つの例として簡単に私の考える一端を申し上げますというと、今のように自分が作ったものを政府でなければ売ることができないのか、売ることができぬというような、そういう制限的な規定を置くことが農家に利益であるかどうか。これはまた、見方の相違もありましょうが、私はそうでない。今の生産者米価で政府に持ってくれば幾らでも買います。それより高くほかのほうで、あるいは酒屋であるとか、その他の方面で高く買ってくれるというのなら、自由にそれは農家が売ることができるようにしたほうが、農家のためには私は有利であり、合理的であるとも考えるのです。さらにまた、先ほども申しましたとおりに、何でもかんでもこの段階で政府が一応農家から買ってでなければ消費者に渡すことができぬというような制度をどこまでも維持するということが、はたしてこれは適当であるかどうかというような問題もいろいろ私はあろうかと思います。そういうような問題につきまして、十分ひとつ各方面の御意見を承り、また、松村懇談会の御意見を聞いた上で、私は、この食管制度改善問題は腹をきめて措置をいたしたい、こう考えております。
○温水三郎君 食管制度の問題で理論的な問題を問答するということになると、おっしゃるとおり、これは非常に長時間というか、長時日を要すると思います。そこで、この問題については、私は理論的な問題をお尋ねしておるわけで、ただ、思想として簡単に、米が、需給が均衡がとれると仮定するならば、その立場に立って農家に対する手厚い保護の方向に食管制度を改善せんと考えておられるか、もしくは、もう米が足りないという状態ではないから、そういう手厚い保護を廃止してもいいというふうにお考えになっておるのか、その思想は一体どちらをお考えになっておるのか、まず、その点だけを本日は承りたいと考えておるわけです。
○国務大臣(重政誠之君) 今の制度が農家にとって手厚い保護である、こういうふうにごらんになるとすれば、私は、この食管法にうたっておる生産者価格の決定の方式であろうと思うのであります。そこで、この方式はいかなる場合においてもこれは存続をしなければならぬと、こう思っておるのであります。その他の問題は、私は、必ずしも農家に手厚い保護とは考えておりませんから、もし、そういうふうにごらんになりますれば、私は、農家に手厚い保護をするという観点に立って考えておると申し上げてもよろしいと思うのであります。そして半面には、政府のほうも、語弊があるかもしれませんが、不必要とまではいかぬにしても、なるべく政府も手を抜きたい、手を抜かれるところは扱いて差しつかえないところは、政府もそれに手をかけずにいったほうがいいのじゃないか、こういうふうに考えております。
○温水三郎君 理論的な問題は抜きにしまして、そういうことはあり得ないことなんですが、かりに米が余った場合、これは安くなる、当然、現在よりも。だから、それを現行食管制度がいい悪いという問題を抜きにして食管制度を改善するとおっしゃるのだが、そういうことはないように、現在よりもっと手厚い保護になるように改善するとお考えになっておるのか、あるいは、もうおっぽらかしていいとお考えになっておるのか、その点だけを承りたい。
○国務大臣(重政誠之君) 現在の制度で決して米が余っても安くならないようになっております。御承知のとおりに、これはやはりこの価格の決定の方式、やり方にあると思うのでありますが、これは変えようというつもりは持っておりませんだから、米が非常に余ったから米は非常に安くなる、こういう考えは持っておりません。
○温水三郎君 この問題については、また日時をあらためてお伺いすることにいたします。質問は、おそくなりましたからこの程度で終わります。
○委員長(櫻井志郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会