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41回国会参議院1962/11/01

内閣委員会 閉会後第4号

発言数
6
登壇者
3
会派数
2
開催日
1962/11/01

会議録

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) これより、内閣委員会を開会いたします。  本日は、先般行ないました委員派遣についてその調査の報告を聴取することといたします。  それでは、まず北海道班の報告をお願いいたします。小柳君。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 北海道班の報告を申し上げます。横川委員及び私の二名は、去る九月十七日から一週間の日程をもって国の地方出先機関、公務員制度及び自衛隊の実情調査のため、自衛隊の第二航空団、北部方面総監部及び第二師団、北海道庁、北海道開発局、北海道管区行政監察局、旭川行政監察局、人事院札幌地方事務所、札幌郵政局、札幌郵政監察局、旭川営林局を視察するとともに、北海道総合開発の一環としての苫小牧臨海工業地帯の開発状況を視察して参りました。以下調査の概要について簡単に御報告いたします。  まず、第二航空団でありますが、本航空団は、青森県三沢に位置する北部航空方面隊に隷属するわが国唯一の戦闘部隊であり、領空侵犯機に対する措置、F104の飛行訓練、千歳、八雲、計根別各基地の管理警備等を主たる任務としております。領空侵犯に対する出動は、本任務が付与されました昭和三十三年二月以来二百五十二回、月平均大体五回、その方向は西が最も多く九十一回、次いで北の六十六、東方四十四であります。パイロットの充足状況は、初級九七%、中級一一六%、指導的地位にある上級六三%で、パイロット養成の見地から理想的態様とのことでありました。  次に、千歳飛行場の利用状況でありますが、民間機のそれが三十五年度一三%、三十六年度二三%、三十七年度三二%と年々増加しており、去る八月三十日の自衛隊ジェット機と民間機の着陸問題、かっての小牧飛行場における事故等の起こることのないよう対策が望まれる次第でありますが、自衛隊においても半自動の着陸管制装置GCAにかわる自動管制誘導装置ラップコンの設置を急ぎ、明年六月完成の暁には、十数機に同時に指示を与え誘導することができ、現在六分を要する着陸間隔が三分に短縮されるとのことでありました。  次に、陸上自衛隊について申し上げます。北部方面隊は、北海道に対する直接間接の侵略に対し陸上の防衛に任ずるとともに、必要に応じ公共の秩序維持に当たることを任務とし、北部方面総監部、本邦唯一の機械化師団たる第七師団を含む四カ師団及び総監直轄の第一特科団、第三施設団、第一戦車群、北部方面航空隊、通信隊、病院、補給処等をもって組織されております。方面隊の定員は、陸上自衛隊総員の約三分の一、五万人で、充足率は六七%、三万四千名、うち道内出身者は二四%、道外出身者のらち四〇%が九州出身者であります。充足率向上には隊も意を用い、隊員応募数について中央割当の一一〇%を達成しておりますが、道内出身者割合は、数年間に四、五%程度しか上昇しておりません。  装備については、中央の示す充足基準を、ほぼ完全に充足しているが、国産の戦車、装甲輸送車等に充足度の低いものがあるほか、米国からの供与品、武器、車両等の一部に老朽のため、更新を要するものがあるとのことでありました。また、施設については、旧来の施設、米軍の仮施設を利用するものが多く、駐屯地内を国道が通過するものもあり、第二師団のごとく、新設したものも、寒冷地の特殊事情から、すでに破損を来たしており、整備の必要が認められました。なお、演習場については、現存するものは十分活用されているようですが、大規模演習のため、現在進められている矢田別演習場の円滑な取得について要望されました。  次に、災害派遣については、各部隊とも積極的に実施することを基本方針とし、過去十年間に件数四百七十五件、延べ人員十八万八千人に及び、去る八月の台風九、十号については、人員、車両、舟、航空機多数の出動により、三千五百の人命を救助、築堤、道路補修に活躍、なかんずく、根室本線狩勝付近の国鉄応急復旧作業には、全力をあげて従事し、道経済に寄与したことに対し感謝されておりました。また、最近は、各師団ごとに各時期に即応した予防派遣に主眼を置き、態勢を整えているとのことでありました。  部外工事については、最近、道南地方等において冬季の工事実施が活発化し、昨年度は三十五年度の倍、本年度はさらに上回る見込みでありますが、需要に応じきれず、実施率は五〇%程度であります。  終わりに、隊員の学習意欲が旺盛であり、土着機運が醸成されつつあることにかんがみ、年末年始帰省旅費の存続、国設宿舎の増加が、また、長期在道幹部の内地交代促進のための赴任旅費の増額、耐用年数をこえた供与品の更新等について、要望があったことを付言しておきます。  次に、北海道庁でありますが、職員の定員化については、三十三年十月以降五回にわたる措置により、本年四月一日をもって総数四千二百六十八名全員の定数化を完了しております。  自衛隊との関係は、自衛隊が法の定める範囲において民間との協力を積極的に実施する方針であることと相待って、射撃訓練によるトドの駆除、災害出動、部外工事等を通じ、協力関係は見るべきものがありますが、ジェット機の騒音による被害、演習に基因する農林関係被害等について、すみやかに適正な補償をし得るよう、いわゆる特損法のごとき法律を制定し、算定基準を明確にするとともに、予算措置を講ずるよう、要望がありました。  次に、国の地方出先機関との関係については、行政事務の簡素合理化の要請として、道側から、行政の執行は、国、都道府県、市町村、それぞれの主体において分任される行政の領域が統一的に区分され、責任の帰属が明確に決定され、おのおのの自律と協力により行なわるべきものと思われるが、実情は、領域が必ずしも明確でなく、ために事務処理上の競合を来たし、陸運行政のごとく、二元的行政が行なわれ、行政責任の明確を欠く結果を招く例が少なくない。また、防災問題のごとく、緊急適切な措置を講ずべき場合の責任分野と相互の調整について明確を欠くものもある。これを是正するためには、国の後見的監督の縮小、手続及び調査等の簡素化、法令の整理統合、公務員の資質向上と増員抑制、行財政責任の明確化、陳情行政の排除、国及び地方団体の協力体制の確立等が必要である。特に北海道の場合、中央との遠隔、地域の広大、積雪寒冷等の事由により、行政事務の簡素化が痛感されるほか、北海道総合開発計画を強力に推進するためにも、他府県より以上に行政内容の充実と行政の能率的運営が要求される。これがため、行政制度については、法令の改廃統合、共管競合事務の一元化、権限の委譲、委任等、財政制度については、国の会計年度を暦年制とすること、この実現不可能の場合は、継続費制度の活用、補助金等の早期交付について所要の措置が望まれる、との意見が述べられました。  なお、今回の人事院勧告に伴う給与改定所要額の財源措置について国の特別な配慮を望む旨、また、道の地域的特色を認め、寒冷地手当を一カ月分に引き上げられたい、旨の要望がありました。  次に、北海道開発局でありますが、本年度は北海道総合開発第二次五カ年計画の最終年度に当たり、終了時の事業遂行状況は、総額において一〇一%の進度率で、計画の所期の目標は大体達成し得る見込みであります。明年度は、去る七月十日閣議決定を見た第二期総合開発計画が実施に移されることとなり、明年度以降八カ年に約五千億の事業を同局が担当することとなり、ピーク時には、年間事業量が現在の四百億の倍をこえることが予想されますが、同局は、所掌する各事業ごとに一府三省の指揮監督を受ける特殊な行政機構であるため、種々の問題があり、また、年々飛躍的に増大する事業量に比し、職員数の増加が十分でなく、したがって、同計画に基づく事業の強力な推進のため、適正かつ合理的な執行体制の確立が望まれます。局からは、これに関連して、業務体制の強化に関し、一、事業量と職員数の不均衡是正、二、専門職の増強と処遇改善、三、能率向上のための研修が、組織の改正に関して、一、試験研究部門の強化、二、事業建設部門、管理部門、契約部門の拡充強化等の実現が強く要望されました。  次に、行政監察局関係でありますが、その管轄下の地域が特に広大であるにかかわらず、管区局が四十九名、函館、旭川、釧路局は各二十名の定員で、一監察官室の人員は監察官以下五名のところが大部分であるため、中央計画監察の実施にあたり、調査対象数、所要期間等に制約を受けるのみならず、昭和三十年に比し、一一・三倍と飛躍的に受理件数の増加している行政苦情に対する処理体制も必ずしも十分であるとは言いがたい実情でありました。しかしながら、中央計画監察、行政実情調査により必要な措置を講ずるほか、行政苦情相談協力委員を増置して、広く末端における行政苦情を把握し、処理体制を逐次強化するとともに、行政民主化懇談会、巡回苦情相談等を通じ、苦情業務の広報宣伝を行ない、国民の苦情を収集し、そのあっせん解決に積極的努力を傾注しているとのことでありました。  なお、局側から、各省庁の部内監察機関は、その活動が当該部局内にとどまっているが、行管は行政組織運営の合理化、適正化の観点から、これらの総合調整をはかり、必要に応じ助言を与え、その能力を最高度に発揮せしめる立場にあると考えられるので、実現方の配慮を望む旨、また、監察業務の円滑な運営を期するため、地方局の管轄区域と定員の再検討、職員の処遇改善、事務能率向上のため必要な器具、車両等の購入予算の確保、行政苦情相談協力委員の増員等について要望がありました。  次に、人事院札幌地方事務所について申し上げます。当所においては、本年四月以降半年間に、公務員の服務制度、給与の報告、勧告についての人事担当官会議の開催人事記録等の監査、選考採用の承認、採用試験の実施、民間給与実態調査、研修、北海道地区官庁安全会議の結成、不利益処分及び災害補償の審査請求等、任用、給与、職員、公平各般の問題についての業務を実施しておりますが、対象とする官庁数が多く、わずか二十名の人員と一千万程度の予算で、これら業務を円滑に実施するには、多くの困難があろうと存じました。地方事務所としては、その克服の一助として、月刊「地方事務所だより」な発行し、PRに努めているとのことでありました。  なお、公務員の任用について、初級試験応募者数が、昨年度に比し、一三・六%と大幅に増加しているが、昨年度合格者中四六%が辞退し、辞退者中四五%が民間に就職した事情から、官庁の採用を早める必要があると考える旨の意見が述べられました。  次に、札幌郵政局、札幌郵政監察局について申し上げます。北海道における郵政業務の運営は、一部の遅配等を除き、総体的にはきわめて円滑とのことでありますが、地域の広大、人口の稀薄に加え、入植開拓、電源開発、森林鉱山資源の開発等総合開発に伴う開拓地域が奥地に多く、かつ寒冷積雪の自然的障害、取り扱い物数の増加等を克服するため、郵便局舎の増改築、要員の適正配置、僻地集配施設の改善等が問題点として指摘されました。  郵政事故、犯罪対策については、郵政局において、郵政事業犯罪防止対策委員会を設置し、総合的防犯対策を検討するほか、特定局の自主的結成にかかる防犯協力会の育成指導、幹部の指導監督の徹底、職場規律の確立、防犯意識の高揚等の諸施策を実施する一方、監察局において年次考査を通じ、監察結果を運営面に反映するとともに、犯罪の早期発見に努め、現業管理段階と地区の防犯体制の確立、監督者の立会看視、郵便物の抜き書き記録と着否監査等、犯罪防止の根本的対策に関し、検討を行なっておりました。  右の諸事情に関連し、要員の増員、欠員の補充、外勤の非常勤職員の雇用単価引き上げ、郵便集配区の冬期増区及び賃金予算の増額、局舎改善の促進、捜査及び考査関係旅費の増額、防犯指導研究会関係予算の増額等が要望されました。  次に旭川営林局でありますが、本局におきましては、人員の問題として、正規の職員外の伐採、林道関係労務者延べ百二十万人が季節労務から最近常勤的になりつつあるため、その職務体系が、また、業務上の問題としては、洞爺丸台風による風倒木処理の終了に伴う生産費のスローダウン、天然林伐採のための林道開発、造林事業等の増加に伴う道路新設単価の引き上げ及び造林品種の選定等が指摘され、造林、製品生産事業の請け負いについて、道路工事等公共工事に対する前払い金制度と同様の制度を設けること、及び造林請け負い事業者に対する失業保険適用について要望がありました。  次に、苫小牧臨海工業地帯でありますが、この開発は、広大な工業適地と豊富な工業用水を有する北海道のうち、特に用地用水、原料資源及び陸上交通等立地条件に恵まれた苫小牧に工業港を築設し、鉄鋼、石油を基幹産業としたコンビナート化による臨海工業地帯を造成し、中核工業地帯の造成と重化学工業の振興を重点施策とする第二期北海道総合開発計画の主柱としようとするものであります。苫小牧工業港は、主要部を内陸部に設置する堀込式の人造港で、八カ年計画の総事業費は百九十一億九千万円、昭和三十六年度までの港湾事業費は約二十九億、本年度は十四億六千万円が投入され、本年度中に石炭埠頭施設の使用が開始される見込みであります。また、工業用地、住宅用地等についても造成が進められ、すでに基幹産業として出先興産の精油所及び関連化学工場の建設について決定を見ておりました。  なお、この事業に関連し、工業港の昭和四十年度までの完成、各種の工場誘致、道央地域の新産業都市建設地域としての指定、技術者養成のため苫小牧市に国立の工業高等専門学校の設置、日勝鉄道工事の早期完成等について強い要望がありました。  最後に、私ども一行の在道中、警官隊と阻止団体との間に衝突事件を起こしました十勝太通信所、いわゆるローランC基地について、札幌調達局から聴取いたしました事情について報告いたします。問題の発端は、昨年十月太平洋において遠距離用航行援助装置を設置する必要に追られた在日米軍が、北海道東南海岸にその候補地を求め、平坦、海岸に近接、輸送に便、等各種の条件から、十勝郡浦幌町十勝太が最終的候補地と選定されたことに始まっております。基地には、百八十八メートルのアンテナ、兵舎、動力室、ポンプ室等を含み、五百七十坪に及ぶ施設が建設され、工期は三十八年六月の予定であります。用地は必要な手続を経て本年八月二十日ごろ米軍に提供され、雑役については鹿島建設が入札により米軍と契約を締結しております。調達局は、工事開始にあたり無用の摩擦を避けるように米軍及び業者に注意するとともに、開始と同時に現地に職員を派し、不測の事態が発生せぬよう留意したが、八月二十八日以降数度にわたる資材搬入の後、九月十八日警察と基地建設反対団体の間に衝突が起こり、八名の逮捕者と多数の負傷者を出すに至った、とのことであります。現在は冬季期間中工事中止のため平静を保っておりますが、この種事件が繰り返されることのないよう、関係当局の適切な対策が望まれる次第であります。  以上、はなはだ簡単でありますが、北海道地区視察の概要について報告を終わります。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) それでは次に、九州班の報告をお願いいたします。鶴園君。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 九州班の御報告を申し上げます。  村山委員長、石原委員並びに私の三名は、去る十月三日より九日までの七日間、鹿児島県及び常崎県に出張いたしまして国の地方出先機関、公務員制度及び自衛隊の実情を調査して参りましたが、鹿児島県では特に屋久島及び種子島の両島に渡り、離島行政及び離島に勤務する公務員の実情等について、つぶさに調査をいたして参りました。  以下調査の概要を御報告申し上げます。  まず、自衛隊関係について申し上げます。今回視察いたしました部隊は、鹿児島県鹿屋基地にあります海上自衛隊航空集団第一航空群及び鹿屋教育航空郡並びに宮崎県新田原基地にあります航空自衛隊第五航空団であります。私どもは、各部隊におきまして、それぞれ業務及び基地の概要並びに要望等を聴取するとともに、装備、諸施設を視察いたしましたが、自衛隊関係で特に要望されました点は、まず、航空機乗員に支給される航空手当の支給額の是正の問題であります。現在、航空手当の額は、ジェット機乗員に厚く、プロペラ機乗員に薄くなっております。海上自衛隊では、現在、ジェット機は保有しておらず、鹿屋基地においても、対潜哨戒機P2Vを主体としてその任務についておりますが、乗員の勤務はジェット機よりもむしろP2V等の航空機のほうが悪条件のもとに置かれており、ジェット機乗員を優遇しておる現行の航空手当は不合理であるため、これを是正し、両者の較差を解消してほしいこと、また、これが海上自衛隊の航空機乗員を確保するためにも必要である、旨の意見が述べられました。  次は、鹿屋基地の施設の問題でありますが、同基地には現在格納庫が一棟しかなく、したがって、大部分の航空機は格納できない状態にあります。このため、毎年の台風襲来に際しては、これらの航空機は青森県八戸基地まで避難させておるとのことであり、これに伴う隊員の過労、経済的損失を考えると、格納庫を一棟増設することがむしろ得策であり、その増設を強く希望しておる旨が述べられました。  次に、国の地方出先機関について申し上げます。今回視察いたしました機関は、鹿児島市にあります港湾行政機関及び宮崎市にあります建設省大淀、小丸両川工事事務所であります。鹿児島市には、本年四月港湾合同庁舎が完成して、同市にある港湾行政機関のうち長崎税関鹿児島支署、鹿児島入国管理事務所、輸出品検査所鹿児島支所、動物検疫所鹿児島出張所、植物防疫所鹿児島出張所、鹿児島検疫所、鹿児島港輸入食品検査事務所、九州海運局鹿児島支局、鹿児島海上保安部の九機関が入居いたしております。私どもはこの合同庁舎に参り、これら九機関よりそれ、それ業務の概要及び港湾行政運営上の問題点等を聴取いたしました。御承知のとおり、現在港湾行政機構は非常に多元化し、関係法令も複雑多岐にわたり、また、諸般の手続もきわめて煩雑になっております。したがって、一般関係者の受ける不利不便も大きく、つとに港湾行政の簡素化が望まれております。私どもは各機関よりの説明を聴取いたしましたが、港湾行政機構の多元化に伴い、船舶の出入港の手続、輸出貨物の船積みまでの手続、輸入貨物の通関手続等に幾多の煩雑、重複が見られます。たとえば船舶の出入港に際しましては、同一内容の書類を税関、海上保安部、入国管理事務所、港湾管理者等に提出しなければならないことになっております。出入国者及び輸出入貨物に関する行政事務についても、税関のほか入国管理事務所、動物検疫所、植物防疫所、検疫所、輸入食品検査事務所等があり、それぞれ業務を担当しております。これらの行政機関の統一あるいは事務の移管についての是非は、それぞれの業務の特質もあり、直ちに結論は得られないにしても、今後の貿易の発展に即応するためには十分検討を加え、港湾行政多元化より来る不利不便は是正すべきであると思われます。また、現在海上保安部長は港長として港則法に基づく業務を行なっておりますが、一方港湾管理者は港長と密接な業務を所掌しており、両者の関係についても十分検討を加える必要があるのではないか。また、港湾の清掃については、現在その実施機関が明確になっておりません。これについてもその実施機関を明確にする必要があると感ぜられました。  次に、各機関の説明によりますと、鹿児島港の特色は、琉球との交流が主であり、出入国者、輸出入貨物も対琉球関係が大部分を占めております。このため出入国者数は羽田空港に次ぎ全国第二位の多きに達しております。しかし、鹿児島港は現在非常に狭隘であるため、このような対琉球関係との交易の進展に阻害を来たすおそれがあり、鹿児島港の改修、整備が急務となっております。鹿児島港も現在新港建設工事が進んでおりますが、関係各機関はその早急完成を強く要望しておりました。  次に、各機関より述べられました要望事項を申し上げます。対琉球関係の交易の進展等に伴う業務量の増に即応して、税関、動物検疫所、植物防疫所、輸出品検査所、海運局支局よりそれぞれ定員増の要望があり、また、輸出品検査所、検疫所よりは、公務員宿舎増設の要望がありました。特に検疫所では離島勤務職員の宿舎の確保が要望されました。海運局よりは、離島航路に対する補助金の増額が強く要望されました。これは離島住民の感情として、運賃の引き上げを行なわないためにもその必要性が訴えられたのであります。また、厚生省の輸入食品検査事務所は、現在駐在官が一人おるのみであり、その組織も法令上明確になっておりません。これは職員を強化するとともに、その組織も法令上はっきりさせる必要があるのではないかと感ぜられました。海上保安部においては、巡視船の増強等が要望されましたが、当保安部の最新巡視船も最高速力十六ノットであり、予算上やむを得ずこのように速力のおそい船を建造しておるとの説明でありますが、その任務の性質上、予算的にももっと考慮すべき問題であると考えられたのであります。  港湾行政については、さきに申し上げましたように、種々の問題があり、第四次行政審議会の答申も出ており、また、臨時行政調査会の調査の対象にもなると思いますが、当委員会も、港湾行政のあり方について十分検討する必要があると思われます。鹿児島市には幸いりっぱな合同庁舎が完成しており、関係機関が収容されておりますので、これらの機関が離散して所在しておる地に比すれば一般関係者の受ける利便も非常に大きいものがあると思われます。このような合同庁舎が今後も各地に建設されることが望ましいことであります。しかし、この合同庁舎の管理については種々問題があるようです。鹿児島の合同庁舎の管理を指定されている税関の説明によると、合同庁舎の管理運営にあたっては、光熱、水料、各所修繕費、工事費等合同庁舎共用部分の維持管理に必要な経費は各庁公平に分担することになっておりますが、各庁の予算事情により、一部官庁において経理上不可能となれば、工事の施行等ができなくなり、管理上支障を来たす場合もあるとのことであり、このため、合同庁舎の維持管理に要する予算は、管理を指定された官庁に一括配賦するようにしてほしいこと、また、合同庁舎の施設保守のための特定職員は指定官庁にこれらの定員を繰り入れる措置をしてほしい旨の強い要望があり、合同庁舎が全国に建設されつつあるおり、できれば合同庁舎の管理に関する立法を希望しておりました。  次に、魔児島県及び屋久島、種子島関係について申し上げます。  鹿児島県におきましては、主として同県における離島振興計画の進捗状況及び離島振興事業に対する要望等を聴取いたしました。鹿児島県には離島が多く存在しておるため、同県は離島振興行政には相当の熱意を持ってその推進をはかっており、その計画の進捗率も、昭和三十七年度末において、全国平均七五%に対し、同県は八七%の進捗率が見込まれており、特に屋久島、種子島はそれぞれ八九%及び一〇五%が見込まれ、同県の離島のうちでも最もよい進捗率を示しております。離島振興法の有効期限の十カ年延長に伴い、鹿児島県でも目下新たな振興計画の策定を急いでおりますが、今後離島振興事業の推進にあたっては、離島住民の所得を増大するため、地域に適応した産業の振興を強力に推進する必要があり、このため諸般の産業助長施策に対する特別措置、各種振興事業に対する国庫補助率及び事業費単価の引き上げ、事業採択基準の引き下げ、文教、厚生等基本的施設の整備、離島関係地方公共団体に対する地方交付税の算定及び起債に対する特別措置、離島航路の整備強化及び航路補助の増額等が要望されました。  その後私どもは、まず屋久島に渡り、続いてさらに種子島に参り、それぞれ現地の実情を調査いたしました。屋久島は、御承知のとおり、島の大部分が山地であり、中央にある宮之浦岳は九州一の高峰であります。平地はわずかに東部、南部の海岸地帯にあるのみであります。同島は雨量がきわめて多く、年間降雨量は、山岳地帯で約一万ミリに達し、平地でも約四千ミリになっております。また、同島は台風常襲地であり、毎年公共土木施設、農産物等に多額の災害を与えておるとのことであります。このため、農業経営は、その特異な地形による耕地面積の狭小と相待って、農家経済はもちろん低く、また、一般生産所得も鹿児島の離島の平均より低くなっております。しかし、反面、同島は約三十一万キロワットに及ぶ豊富な水力資源を持っております。当地にある屋久島電工株式会社によりすでに約一万一千キロワットの発電工事が完成しており、これに対応する化学工業もすでに操業を行なっておりますが、さらに近く約一万二千キロワットの発電工事が完成することになっており、同島の開発はなお今後に残されております。島内の道路もそのほとんどが未改良線であり、幅員も狭く、橋梁もかけかえを要するものが多いとのことであります。また、港湾については、同島は良港に恵まれず、大型貨物船、定期船の接岸ができず、貨客の運搬はすべて小型船で行なっており、荒天時あるいは季節風による波浪のため寄港できないことがしばしばある現状であり、私どもも屋久島より種子島へ渡るときは屋久島南端の安房港より出港する予定でありましたが、波浪のため乗船ができず、わざわざ島の北端の一湊港まで回り乗船をした次第であり、同島の産業の進展、豊富な木材の搬出、また、島民の利便のためにも道路、港湾の整備が必要であり、離島振興法により同島の公共事業は急速に伸びてきておるとのことでありますが、今後一そうその整備の促進を地元より強く要望されました。屋久島は今後電源開発に伴う化学工業の振興、農林水産業の振興、あるいは豊富な観光資源と相待って、さらにその開発を推進する必要を強く感じたのであります。  種子島は屋久島とは対象的にほとんど平坦地であるため農耕地に適しており、木炭の生産、砂鉄の採掘、製糖企業の進出等、島内の産業事情もよく、一人当たりの生産所得も、高く、特に農業所得は県の平均を凌駕しており、住民の経済水準、生活水準も比較的高くなっております。しかし、農産加工、鉱業開発の進展に即応していくためには、今後さらに道路、港湾等の整備充実が必要となっております。  西之表港は、当地域における最重要港でありますが、接岸施設も少なく、船舶が輻湊し、滞貨を来たしておる現状であり、その整備が急がれております。また、鳥の中部、南部では、港湾設備も十分でありません。道路についても島の縦貫道路を初め、改良を要するものが多いようであります。地元においては、これらはいずれも今後の振興計画により、その整備の進捗を強く要望いたしておりました。  なお、種子島には中種子町に離島振興法により中種子空港が、また、西之表市には市の建設した西之表空港があり、島内に二つの空港が建設され、使用されております。これは地元の事情よりやむを得ぬものがあるかもしれませんが、離島振興予算も必ずしも十分でない現在、一考を要する問題であると感ぜられました。  私どもは、両島内の主要な施設等を視察するとともに、両島に所在する国及び県の出先機関、地元市町当局よりそれぞれ業務の概要及び離島に勤務する公務員として特に当委員会に対する要望等を聴取して参りました。説明を聴取した機関は、屋久島においては、上屋久営林署、下屋久営林署、統計調査事務所上屋久出張所、食糧事務所上屋久出張所、上屋久及び下屋久の各法務局出張所、屋久島測候所、屋久島航路標識事務所、尾之間郵便局、県の土木事務所、土地改良事務所及び上屋久、屋久両町の十三機関。また種子島においては、西之表税関監視署、種子島税務署、統計調査事務所西之表出張所、食糧事務所熊毛支所、営林署分室、農業試験場種子島試験地、西之表及び中種子の各法務局出張所、種子島測候所、種子島航路標識事務所、熊毛公共職業安定所、労働基準監督署分室、種子島郵便局、現和郵便局、裁判所。県の機関として熊毛支庁、土木事務所、保健所、家畜衛生所、農業試験場熊毛支場及び西之表市、中種子、南種子両町の二十三機関であります。  各機関の説明のうち、特に当委員会に対する要望を申し上げますと、その第一は給与の問題であります。特に隔遠地手当の支給額及び級地の引き上げ並びに隔遠地手当を期末手当、勤勉手当の算出の基礎に算入してほしいということであります。これは両島における国の出先機関の一様に強く要望しておった点であります。  第二は宿舎の問題であります。特に本土より赴任してくる職員に対する宿舎の確保及び宿舎の質を本土並みに向上させること、宿舎の様式は島の特殊性を考慮したものにしてほしいこと等であります。  第三は、医療の問題であります、両島は、診療施設、専門医がいまだ不足しており、医療に恵まれておらないため、両島とも総合病院の設置を強く要望しております。特に島のうちでもさらに辺地にある両島の航路標識事務所を初め測候所、営林署、郵便局よりその要望が強く出ておりました。  第四は、機動力の整備の問題であります。この要望は、統計調査事務所、食糧事務所、労働基準監督署及び郵便局より述べられておりますが、現在配置されている自転車では十分業務の遂行ができないため、ぜひ単車を配置してほしいということであります。  第五は、通信費の増額の問題であります。本土との連絡は海上交通がしばしば欠航するため、電話連絡が必然的に多くなるが、これに要する通信費が極度に不足しておるため、これを増額してほしいということであります。これは統計調査事務所、食糧事務所より特に要望された点であります。また、電話については屋久町より即時通話の実現を、種子島郵便局よりは本土との郵便物の輸送はすべて航空機輸送にしてほしい旨が述べられました。  第六は、旅費、定員等の増加の問題であり、特に統計調査事務所、食糧事務所、測候所等より要望されたのであります。  以上の諸点は、両島に勤務する公務員の切実なる要望でありますが、両島とも本土に比し相当の物価高であり、特になま野菜に不足しておるとのことであります。また、保健、衛生、子弟の教育等の点より見ても、あるいは本土との人事交流を容易にするためにも、離島という悪条件下に勤務する公務員ができ得る限り落ちついて勤務し得る態勢を整えることが必要であると感ぜられました。この点については、屋久両町、西之表市当局よりも、国の出先機関が十分活動でき得るように十分配慮してほしい旨が述べられておりました。なお、このほか法務局出張所より、現在両島にある出張所は一人庁ないし二人庁であり、その規模が貧弱であるため、出張所の統廃合あるいは定員を増加してほしいことおよび渡切費を大幅に増額してほしいこと、種子島郵便局よりは現在の局舎が狭隘であり、すでに移転先の敷地を確保してあるが、局舎は本土優先で新局舎の建設がおくれておるため、その建設促進を希望しておる旨、また、熊毛公共職業安定所よりは屋久島に分室を設置してほしい旨がそれぞれ述べられました。  なお、西之表市には、国の出先機関の合同庁舎が建設される予定になっておりますが、各機関は現在の庁舎がほとんど老朽化しておるため、その建設促進を強く希望しておりました。  次に、地元の市町当局よりの要望を申し上げますと、道路、港湾の整備等離島振興事業の促進についてはすでに申し上げましたが、そのほか第一に、離島の公共団体に対する地方交付税の算定については離島補正を考慮してほしいということであります。これは各市町、いずれも述べておりました要望であります。  第二は、甘味資源の保護の問題であります。両島における糖業の振興は、非常に重要視されておりますが、貿易の自由化に伴い大きな衝撃を受けるため、その保護政策を強く要望されました。なお、上屋久町よりは健保の直営診療所設置を誘致しており、そのための準備を進めておるので、その実現について、西之表市、南種子町よりは国有林の払い下げについて、また、南種子町よりは同町が農業構造改善事業の実施地区に指定されているが、これに伴う地元負担が多いため、国の補助の増額についてそれぞれ要望がありました。また、屋久町では国の出先機関の誘致を希望しておりましたが、西之表市においては特に地方裁判所、家庭裁判所及び地方検察庁の支部を西之表市に設置し、現在鹿児島市まで出かけておる不便を解消してほしいこと、並びに西之表市に海上保安署の設置を要望されました。司法機関の設置については簡易裁判所より、また、海上保安署の設置については鹿児島海上保安部よりも同様の要望を受けております。  最後に、宮崎県について申し上げます。宮崎県においては、県政の概要及び国の地方公共団体との間における行政事務の再配分について説明を聴取いたしましたが、特に行政事務再配分については、機関委任事務について地方公共団体の実態に沿うよう配慮してほしいこと、すなわち福祉立法の施行について現在十分な人的、予算的配慮が欠けておるので、このような機関委任事務が地方公共団体の実態に沿って十分な措置が講ぜられるようにすること、また、企業誘置の関係から農地転用の許可の権限を大幅に農林大臣より知事に委譲してほしいこと等の要望が述べられました。  以上が今回の調査の概要であります。なお、詳細な点については、各機関よりそれぞれ資料を受けてきており、調査室に保管いたしております。  以上で報告を終わります。

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 以上二班のほか、中部地方にも委員を派遣いたしておりますが、同班の報告は、都合により次回に譲ることといたします。  なお、今回の派遣に関連し関係当局に対する御質疑もあろうかと存じますが、これにつきましては適当な機会に譲ることといたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

村山道雄自由民主党

○委員長(村山道雄君) 速記を始めて。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時七分散会

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