内閣委員会 第3号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/16
会議録
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。 本日は、午前中、公務員の給与問題について、午後は北富士演習場問題についてそれぞれ調査を行ないます。 まず、国家行政組織及び国家公務員制度に関する調査を議題とし、公務員の給与問題、人事院勧告に関する件について調査を行ないます。政府側から神田人事院総裁職務代行、瀧本人事院給与局長が出席をいたしております。 それでは御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 それじゃ人事院の勧告につきまして、一昨日人事院に対して若干質疑をしたいと思っておりましたが、主として政府の所信をただしたのですが、きょうは人事院の今度の勧告について人事院にひとつ腹蔵なき御説明と答弁を願いたいと思います。今度の勧告の内容は、従来の勧告よりだいぶ複雑なものであって、一見なかなか理解しがたいと思う。したがって、それを簡潔にひとつ答弁してもらいたいと思うのです。この公務員の給与の問題は、ひいては民間の給与に影響するところが大きいのです。また、民間の給与の実態は、また公務員に非常に影響する、こういうことで非常に政府の公務員に対する給与の問題についての考え方が、われわれとしては理解できない点が相当あります。それがために人事院ははっきりとした考え方を勧告の中に出しておかなけりゃいかぬと思うのですが、その点も若干私はあいまいじゃなかろうかと思いますので、具体的にひとつお尋ねをいたします。 まず第一に、労働省の本年四月の毎月勤労統計によりますと、民間のいわゆる昨年同月との比較をいたしますと、一三・三%のいわゆる上昇したという統計数字が出ております。人事院もその資料をとってやられておると思うのですが、今度の勧告を見ますると、あらゆる要件を入れて、最終的には九・三%というものを出されておるのですが、そういう労働省の調査統計と、人事院の統計の食い違いの点を簡潔にまずひとつ前提として御説明を願いたい。
○政府委員(瀧本忠男君) 労働省の毎月勤労統計というものは、これは大体三十人以上の全事業場の給与の平均を示すような方法でやっております。それの月々の変化を見ていくということが毎月勤労統計の主たるねらいのように心得ております。ところで、毎月やる統計でございますので、実は全体を表わすというためには、そのつど全国の事業場からその時点々々におきまして全国の事業場を押えて、それをいわゆる無作為抽出法で調査事業場を選定するという方法でやるのが一番正確だと思うのであります。ところが、事実上毎月そんなことはできませんから、労働省は三年に一ぺんずついわゆる全事業場を抑えるというやり方で、そうして三年間は大体において一ぺん押えました事業場を調査対象として調査をやっていくというやり方をしておるのであります。ここ一、二年の間に事業場が非常にふえております。また、規模も拡大しているという状況が一方にございます。こういうような場合におきましては、ある時点ある時点で事業場を押えるということになりますので、その時意に近いところでは、それを代表するということが言い得ると思いますが、少し期間がたって参りますと、ずれて参る。班に労働省におきましては、三年ごとに調査対象事業場を変えまして、そしてその時点においては、古い調査と新しい調査と両方やるのであります。その平均賃金を出して見ますと、相当の狂いが毎度出ているような状況になっております。われわれのほうといたしましては、これは一年に一ぺんやる調査でありますから、その時点におきまして、五十人以上のわが国の事業場というものを全部調べ上げまして、それから無作為抽出法で六千事業場を選定するというやり方でやっております。したがいまして、われわれのほうの調査と労働省の調査と、そこの間の狂いが出てくるということがあり得ると思う。 なお、簡単にというお話でございますが、ちょっと関連しておりますので、しゃべらせていただきますが、最近一、二年の間におきまして、労働市場に非常に変化が出ております。また、現に先ほども申しましたように非常にこうした規模別事業場の動きが大きかったという状況でございまして、昨年の例を見てみましても、従来でありますれば、大きい事業場の給与が上がる。これは実額のみならず、金額においても上がる。金額においても率においても上がる割合は大きいというような状況があったのでありますが、昨年の状況を見てみますと、かえってそれが小さい事業場のほうが金額においても、大きい事業場より上がりが大きい、また、率においても下の事業場が非常に上がりが大きい、これはわれわれの報告にも述べているのでありますが、五百人以上の事業場は一〇・四%しか上がっていない、それから五百人から百人までにおいては一三・三%上がっている。三十人から百人までのところでは一.五・八%上がっている。その平均が一三・三%こういうことになっております。以上申しましたようなことで、非常にこの賃金の内部構造に変化が起こったというようなことが、昨年の特徴であったと、われわれは思っております。先ほど申しましたように、われわれのほうではも六千事業場を押えてやりますが、これは六千事業場を抑えまして、その事業場において公務と同等の職務をやっておる、まあ同種同等と考えられる職務をやっておるものを事実上二十七万人選んで参りまして、これは無作為抽出の部分がありますが、選んで参りまして、そうして事業場の賃金がどうなっておるかということでなしに、個々のわれわれのある職務の種類と段階に応じて賃金がどのように変化しておるかということを調べるのであります。われわれのほうの九・三%というのはそういう数字でございます。かりに労働省と同じような事業場全体で支払う賃金を全労働者数で割った平均ということで調べて参りますと、一〇・一%ということになるわけです。これは労働省の一三・三%に対しまして一〇・一%となりますが、この一〇・一%というものは、これは事業場をその時点その時点で抑えまして、五十人以上の全平均の賃金の上がりがどうなっておるかということを調べた数字でありますが、したがいまして、もし労働省の調査方法と同じような、まあ同じといっても多少違いますが、類似した方法で、すなわち、ことし調査しました事業場について去年はどれだけ支払っておったかということと去年の四月はどれだけ支払っておるかというのを調べましてやりますと、一二%という数字が出てくる。これはやはりその間に事業場の盛衰というものが非常にあったことを物語っておるというふうに思うのであります。したがいまして、われわれとしましては、事業場全体で支払った五十人以上の平均は一〇・一%である、しかしながら、これは単なる目安でございまして、われわれが直接問題とするのは公務におけると同様な職務の種類あるいは責任の度合いに応じた、比較できるようなものだけを二十七万人選んで参りまして、それを直接比較してみると九・三%の上がりになっておる、こういうことで労働省の一三・三%というものとわれわれのほうの九・三%というものはおのずからこの関係がわかってくるというように思えるのであります。もう一つ公務におきましては、昨年一年間にこの四十四万人というものの、一般職の国家公務員でありまするが、その約一割に当たります四万人という非常に大量の定員外職員の定員内への繰り入れという事実があるのであります。約一割に当たるのでありますが、こういう方々は主として級地の低い、暫定手当で申しますならば級地の低い地域に在勤しておられる方が非常に多い、そういうところでは官民較用があまりないという現象がある。また、男女別に見ましても、女の割合が非常に多いというようなことがございまして、そういうことが国家公務員の賃金と民間の賃金を比較いたしまする上におきまして非常な影響があったであろうというようなことが考えられるのでありますが、以上のような結果、われわれの富民較差というものが九・三%というふうに出て参ったのであります。なお、ちなみにこの調査方法は去年の調査方法と同様の、同一の方法によりましてやっておりまして、何らその間に変えておりません。調査方法をあるいは比較方法というものは変えておりません。その結果出てきた数字でございます。
○委員長(村山道雄君) ただいま増子公務員制度調査室長が出席いたしましたので、報告申し上げます。
○山本伊三郎君 人事院に言っておきますが、全部言われてしまってもまた質問が重複いたしますから、私の質問した範囲内で答えていただいて次に進んでいった方が早いと思います。今ずっと言われましたが、昨年度の特徴として、民間の給与の上昇の内容が大企業では非常に低率である。中小企業に至るに従ってその上昇率が大きくなっている。具体的に五百人以上の場合は一〇・四%、百人から五百人が一三・三%、これが平均になっている。三十人以下百人が一五・八%、率においてなるほど上がっておりますが、はたして現在の、四月現在における民間をこの三種類に分けたわけですけれども、大企業、中小企業における給与の較差が金額においてどうなっているか。
○政府委員(瀧本忠男君) 今おっしゃいました一三・三に相当いたしますものが二千七百四円でございます。五百人以上の一〇・四%に相当いたします金額が二千四百二十八円、それから百人以上五百人未満の一三・三に相当いたします数字が二千六百四十七円、三十人以上百人未満の一五・八%に相当いたします数字が二千八百七十八円、このようになっております。
○山本伊三郎君 これはおのおのパーセンテージの上昇した率における金額ですが、私が尋ねているのは、これだけの中小企業の下のほうのいわゆる上昇率が上がったが、現実における給与の較差がどうなっているか、これを聞いている。なるほど最近中小企業のいわゆる労働力の入手が非常に不足しているので、勢いそういう傾向が出ているけれども、絶対的な賃金からいうと、まだまだ私は非常に較差があると思う。それをちょっと聞きたいのです。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまおっしゃいました金額そのものをちょっと手持ちしておりませんので、五百人を一〇〇といたしました場合の百人から五百人未満、三十人から百人未満の率を申し上げたいと思います。そういたしますと、五百人以上を一〇〇といたしますると、百人から五百人までが八七・三%、それから三十人から百人までが八一・八%、このようになっております。
○山本伊三郎君 その調査、これはおそらくは労働省の調査によっておられると思うのですが、きまって支給する給与、こういうことですか。
○政府委員(瀧本忠男君) さようでございます。
○山本伊三郎君 そうすると、年間臨給はこの中に含まれておらないのですか。
○政府委員(瀧本忠男君) さようでございます。
○山本伊三郎君 最近のこの給与の実態というか、傾向というか、この点が民間においては年間臨給、いわゆる盆、正月における賞与といいますか、あるいは手当と申しますか、そういうものが非常に大きい要素を持ってきているんですね。これは常識的にも考えられると思うんです。したがって、毎月きまって支給する給与というだけでは、現実に民間に対するいわゆる給与、大きい意味の給与ということになると、相当また開きがあると思うんです。そういう調査は人事院はやっておりませんか。
○政府委員(瀧本忠男君) 労働省の統計を見ます場合に、ただいま御指摘のように海月勤労統計のきまって支給する給与の動きというものを見ておりまするが、同時に、毎月勤労統計に特別に支払われた給与、今おっしゃる臨給であります、この統計が載っておりますので、われわれのほうもその数字を絶えず見ている次第であります。なお、われわれのほうは、いわゆる基準内給与のほかに、人事院といたしまして、特別に支払われまする給与というものにつきまして年間の状況を調査いたしております。
○山本伊三郎君 きょうは批判的な質問はちょっと一応おきまして、さっと一ぺん説明だけ聞きたいのですが、かりに今言われたような調査方法によって毎勤統計数字との間においての若干の食い違いはそういうことであった。したがって、国家公務員の給与の実態を比較して見ると九・三%は合理性がある。こういう説明であると思う。一応それはそれとして、かりに九・三%が民間との給与の人事院の自信を持った較差であるということとしても、今度の場合、一昨日の委員会で聞きますと、今度のこの勧告を政府が実施する――九月一日ということになると思いますが、そのときにおける上昇率というものは六・六%、同時にその他のもの、若干切りかえによって上昇的要素を持っているものを含めて七・一%、年度間における最終のこの本勧告による号俸に全部切りかえられたときに七・九%にしかならない。そうすると、まだそこに九・三%と七・九%との間に相当の差がある。こういう漸増的な切りかえということ自体の問題はあるけれども、最終的段階を見ても九・三%と七・九%では相当の差がある。これはどういう意味で調節をされておるか。
○政府委員(瀧本忠男君) お手元に提出いたしておりまする勧告報告の写しの中に、勧告の部分で申しておるのでありまするが、厚い勧告報告のまん中辺に別記第二というのがございます。この俸給の切替要領の要点だけをただいま読み上げてみますると、「新俸給施行の日における職員の俸給の切替えについては、次により行なうものとする。一 職員の切替日における職務の等級は、切替日の前日における職務の等級とする。」これはたとえば行政(一)の俸給表の適用を受けております者はもちろん行政(一)でありますが、行政(一)の四等級の人は新しい切りかえ後においても四等級であると、こういうことでございます。二番目に、「職員の切替日における号俸への切替えは、別表第一により行ない、切替日の前日における号俸が別表第一に掲げられていない職務の等級に属する職員の新号俸は、旧号俸と同じ号数の号俸とする。」これはただいま私が朗読いたしておりますすぐ次に別表第一というのがございますが、ここに等級が掲げてない等級は、これはもう旧主等級三号であれば新三等級三号である。この表には、行政(一)表について言えば、一等級、二等級、三等級は書いてございません。そういうところはもう直接に同じ号俸に切りかえるということが書いてございます。それから次に三番で、「旧号俸を受けていた期間は、新号俸を受ける期間に通算する。」これは別表第一によって通算するということでございますが、問題になりまするのは次の四番でございます。別表第二というのが、ただいまごらん願っております勧告報告の冊子の一番喪のページにございますので、ちょっとお開き願いたいと思います。この別表第二には、たとえば行政職俸給表でございますれば、二等級のところは一番上の欄でありますが、令号俸を書いてあります。三等級も全号俸、四等級も全号俸、航等級も全号俸、六等級は五号俸以上の号俸、ここで表示してあります五号俸とかいうのはみな現行号俸のことであります。七等級は八号俸以上の号俸、八等級は十五号俸以上の号俸、各俸給哀別に表示してございまするが、そのような者につきましては、そのようなとろに在職しておりまする職員につきましては、現在の号俸を受けていた期間に三月を加えた期間をもって旧号俸を受けていた期間とする。すなわち、これはちょっと表現が回りくどいのでありまするが、こういう方々につきましては、次期昇給において三カ月短縮してあるということをここに書いてあります。なぜこのようなことをするかと申しますれば、三番で申しておりますように、今回の俸給表は、俸給の合理化をはかりましたために、それ以下の部分が非常に有利になっております。それとのつり合いでこの四番をいたすのでごさいまするが、ただいま山本委員がお述べになりましたように、われわれは今回のベース・アップ、いわゆる昨年と同様の意味において、ベース・アップは六・六%というふうに心得ております。ただ、俸給表の多少の合理化を行ないましたために、同時にあわせて行なわれる昇給部分というものがございます。そういうものを入れますと、切替日当日において七・一になる。で、切りかえが逐次行なわれまするので、最終段階においては七・九になる、こういうことでございまするが、ただいま読み上げました切替要領の四番というものは、この切りかえに伴いまして、現在おりまする職員の調整をいたす規定でございます。この規定によりまして、相当給与原資を要するということになるのでございます。で、なおかつ今回は、俸給表自体が増額されまするので、俸給に比例してきめられておる各種の手当、たとえば寒冷地手当でありますとか、隔辺地手当というようなもの、そういうものが自然増として出てくる部分があるというようなことでございまして、そのほかにもう一つ今度の俸給表の改定によりまして下位等級の逐次並んでおります一つの号俸から上位号俸に昇格いたしますときに、同じ号俸に昇格するというのがところどころできるのでございますが、この場合に下位等級においては一年差のズレがありますのが、上位等級になって一緒になってしまうというのでは、これはやはり給与上バランスがとれない、ここはやはり上位等級に行っても一年差になるようにする必要があるということで、そういうことに対する措置もいたしたいというふうに考えております。そういうことでそれらを合わせますと、おおむね九%に近い予算を要するのでございまして、この勧告の本文で要求いたしております俸給表の改正に伴い必要とされる経費百六十七億円という中には、七・九%の改善はもちろん、ただいま私が申し上げましたような改善に要する費用までここには算入されておるのでございまして、これはおおむね九%に近いものと心得ております。で、九・三%と九%ではなお〇・三%の差があるのではないかというお話しになるだろうと思いますが、この点につきましては、われわれが昨年の末に勧告いたしました暫定手当がもしお取り上げいただいておったのであろうとするならば、現在の公務員のベースは〇・三%高かったであろうということが考えられるわけでございます。それは現実に行なわれていない。しかし、これは、まあわれわれとしては政府側ができるだけ早くこれを実現していただくことを希望いたしておりまするし、また、おそらく政府側もして下さるものと、国会へ提出して御承認願えるものと思っておりますので、そういう場合には明らかにこの〇・三というのは暫定手当の改善の費用として必要である。いずれから解釈しても〇・三というものはそういうものでございまするので、われわれはおおむね今度の勧告におきまして、ある一時点で完全に埋めておるとはもちろん申しません。今度の俸給表は逐次切りかえるということでございますので、時間がかかるのでありまするけれども、最終段階におきましてはおおむね較差に近いことになっておる、このように心得ておる次第でございます。
○山本伊三郎君 大体私は、一応いろいろと調べてみた結果、そういうことであろうと思いますが、なかなか今度の勧告の内容を内閣委員の方々に理解をしてもらうことは相当私は作間を要するのじゃないかと思います。もちろん専門家の人事院がこの説明で大体わかるだろうということで出しておられますが、なかなかそうはいかないと思うのです。長年これを審議してきた私どもは、今度の勧告を見ただけでは理解できない。なお、この問題は当然内閣委員会で今後問題になるやつですから、内閣委員に対して私はもう少し詳しいデータを出していただいて、実情を新たに認識していただかなければ、ただわれわれと人事院、あるいは政府と論議をして、それでオーケーというわけにいかぬと思うのです。一昨日も労働大臣に申しましたが、この勧告は政府だけにやっておらないのです。国会、衆参両院の議長にまずやって、三人連記であるけれども、国会に対して、国家公務員法によって人事院は責任をもって勧告しておるわけですから、今までの審議経過を見ますると、国会は、政府が閣議できめて法律に出すまではこんなものはあまり関係ないのだという、まあ失礼なことであるが、そういうふうな観念で私は今までおったのではないかと思う。これは国会にまず勧告されておるのですから、国会の、特に内閣委員の方々に対する勧告の趣旨なり事情というものを十分理解ささずして、はたしてこれが、りっぱな法律案ができるかどうか私は疑問だと思う。そういう意味におきまして、もう少し説明を、今言われたようなものをもう少し例示をし、データを私は各委員に配っていただきたいと思う。まずこれをひとつ希望しておきます。 そこで、今いろいろとこの説明を得ましたけれども、どうも人事院は政府なり、民間の、いわゆる日経連と申しますか、民間のそういう給与の関係団体に対して遠慮をしがちな勧告であるということは、これはもう私は結論的に言えると思うのです。なるほど年間最終的には九%程度になる、それもしさいに〇・〇〇以下の数字をすっと見ますると、やはり九%を切れることは私は事実だろうと思う。なお、〇・三%は昨年の十二月の人事院の勧告、いわゆる暫定手当の政府は予算措置をしなかった、それを人事院は非常に親切に政府の立場を守って、こういうことをやるから、この〇・三%の差だけは残しておくから政府はやりなさい、人事院は財源の心配までして政府にこの勧告をしておる。しかし、私から言うと、切りかえ時限において、すでに九・三%人事院の調査によってあると、こう言っておるのです。この完結は年間において、最終段階になると一年後になると思うのです。そのときには、民間の給与も一年後には上昇してくることは今の経済事情から明らかなんです。したがって、先を見越した、そういうものを基礎として今度の勧告の切りかえをやっていかれるということは、私はやはり間違いでなかろうかと思う。四月一日現時において九・三%の較差があるという認識、調査の上にそういうものが出てきたならば、その時限において民間との給与の較差を直ちに解消するということが、これは正しい行き方である。それが一年間たってようやく九%、いわゆる大体暫定手当の財源分を残した九%というものが解決するのだ、こういうことはわれわれとしては理解に苦しむのです。しかし、人事院のこの作業された苦心というものはわれわれわかっております。しかし、そういうことで私ははたしていいかどうか、公務員諸君は納得するかどうかということは私は非常に疑問なんです。私たちは調査の結果、あるいは六%、五%でもいい、五%以下ならば勧告はしないでもいいというように国家公務員法でなっておるけれども、しかし、その事実が出た以上、その事実に立ってやっていくという、その原則を確立してもらいたい。そうでなければ、公労協のように、あるいはその他団体交渉なり、争議権を発動してやった場合に、これは力関係で最後には仲裁裁定が出た場合にはこれはやむを得ない、科学的に実態をつかんでおらなかったけれども、仲裁裁定という政治的な和解方法でやられるのですから、一般の者はこれで納得しようということにはなるのだけれども、現在の公務員はそういう措置がとられていないわけですから、唯一に人事院の調査、そういうものによってこれが守られておるのですから、したがって、その点は人事院も考えられて勧告をすべきだったと思う。この合いろいろと説明されたその措置について、私はある程度了解する点があのですけれども、根本的に言って、やはり間違った方法をとっておられる、こう思う。したがって、この点については、私はいずれまた自後いろいろと明らかにしますから、きょうはその点の根本的な問題について、一応人事院の所見をただしておきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 〇・三%というものを親切に残しておるのはどうも適当でないじゃないかと……。
○山本伊三郎君 それだけじゃない、段階的にやっていく措置。
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院といたしましては、公務と民間とを比較するということを、金額の上におきましてやるということは、これはもちろんでございます。そのほか給与体系等につきましては、これは現在人事院がやっておりまする職種別民間給与調査のように、かっちりとして出て参る性質のものではございません。しかしながら、労働省の賃金構造基本調査でありますとか、そのほか各種の賃金調査が方々にございまして、そういうもので体系がどういうふうになっておるかということも、われわれは絶えず研究をいたしておるのでございます。最近民間におきましては、初任給というものが非常に高騰しておるという事情がございます。また、初任給が高騰するがゆえに、中小事業場におきましてもやはりそれに見合った初任給をきめなければ人が来てくれないという関係から、中小事業場の賃金の増加割合というものが最近比較的高くなっております。これも先ほど申したとおりです。初任給を引き上げますると、やはりそれとのバランスで、それに近い層、若年層と申しますか、そういうところの賃金は非常に上がっておるという現象があるわけです。その金額自体が上がっておるだけでなしに、民間におきましては、ある一定年令に到達しました場合の金額というものが、公務よりも早く大きい金額に到達する傾向があるというようなことをどうもわれわれは感じておるのであります。それからまた、かつてしばしば公務の給与改善をして参ったのでありますが、それは主としてある一定号俸の金額を増すということを原則として給与の改定をして参った、ところが、どの等級の号俸をごらん願っても、一連の番号で号俸番号がついております。現在二号の者は、大過なく勤務いたしておりますれば、一年後には三号になる、すなわち、三号と二号との金額の差額というものが昇給金額ということになるのであります。この三号と二号との差額、すなわち各号俸の差額、間差額と申します。この間差額を増加するという措置は比較的手薄になっておる、従来のベース・アップ方式というものは、号俸の金額自体を引き上げるということが主眼点でございまして、号俸の間差額を広げていくという方法は二の次になっておるという状況でございます。これは言いかえてみますると、その昇給金額を現在の給与額で割りましたものが、これが昇給率でありますが、その昇給率というものが漸滅して参った傾向があるということも否定できないのであります。したがいまして、このままでほっておきますと、かりに初任給を合わせましても、五年後、十年後、あるいは十五年後というような場合に、民間と非常に差が出てくるのではなかろうかというようなことをわれわれ心配いたしまして、これはやはり初任給を合わすだけではなしに、昇給速度というものも大体民間と合わしておかなければ、やはりちぐはぐになる、これらのことを考えまして、そのためには今回非常に複雑なことをやっておりまするが、現存十二年かかって到達します号俸に、行政(一)表あたりにおきましては九年で到達するようにせよ、昇給速度を早めよ、こういうことを今度の俸給表でいっておるのであります。それに伴いまして、いろいろ複雑な切りかえ条件が出て参っておるのでありますが、現在いろいろな号俸に分布しておる人の序列と申しますか、一定の均衡状態が一つあるわけでございますが、それを昇給速度を早めるという措置によってこわしてしまうということは、これはまた別の面から非常に問題もございます。したがいまして、現在あります序列を崩さない。これは現在十二年に並んでいるものを九年の間に圧縮するわけでありますから、その間隔は若干ずつ狭くなりますけれども、その序列を総体的には崩さないということを前提といたしまして、現在十二号の中から三号引き抜きまして、そうしてこれを九号に再配分した、こういうやり方をやっておるのでございます。で、この現存あります各号俸に分布しております者の序列を崩さないためにはどうやったらいいか。そのためには一時点で全部切りかえるということは不可能なわけでございます。そのためにわれわれはこれを逐次切りかえるという方法によりまして新俸給に切りかえていく、こういう措置をとらざるを得なかった、こういう次第でございます。
○山本伊三郎君 瀧本局長、そういう説明をされてもなかなかわかりにくいと思うのです。今言われたことをわかりやすく、まあ、われわれが理解のできる点を言うと、現在のこの俸給表については昇給率が民間との上昇から考えて若干低くなってきたから号俸表を各等級――特に六等級以下については二、三号短縮をして昇給を早くする、今まで四年かかっていたのを三年に上げて、そうして切りかえをやっていこう、こういうことで財源があとに飛ぶ。こういうことですね。あなたの言っているのは。
○政府委員(瀧本忠男君) そういうことでございます。
○山本伊三郎君 それはわれわれは人事院の配慮、いわゆるこの号俸を圧縮するということについては、――この二号、三号を圧縮されたこと自体は私は賛成しないけれども、圧縮することは、これは私はいい方向であるということは認めます。しかし、そういう号俸を縮めていくというような措置をなぜこの財源の中でとらなければならないのかという、私は考え方を持っているのです。昇給はこれは今の制度でもやはりやっていくのだから、そういう親心と言いますか、そういう意味において昇給卒を早くよくしようという考え方があるなら、それは別個にやはり考えるべきであって、それは次の勧告の中に現われてくる問題であって、やってしまったあとに公務員の給与水準というものはこれだけと出てくるのですから、来年度民間の企業と比較して、それだけ上がったから較差はこうなるのだということで、また次の問題です。先を見通して、これだけの財源でこれだけのものはあとに飛ぶのだということは、こういうことは私は若干気がねをした勧告ではなかろうかと思うのです。たとえば暫定手当の問題もそうですし、〇・三%というわずかな財源であるけれども、これがすでに実施されたと見たら国家公務員の水準がそうであったろうということを基礎にして、〇・三%だけは取ってしまった。現実には上がっておらない。これは閣議ではまだ暫定手当を実施するというような決定もしておらない。閣議で法規をしてでもあれば私はいいのですけれども、三十七年度予算にも通らない。そういうものを人事院は勧告をするときに、政府が〇・三%の財源を取ってそれをやらすのだということば、私は人事院の考え方として若干あやまちということはどうか知れませんけれども、あまりおもんばかりが深いのではないかと思う。したがって、民間給与の四月のやつは現実に支払われておる給与と公務員の水準とを比較して、まあわれわれは二二%と言っているのですが、今人事院が九・三%と言われるなら九・三%でもいい。その較差を解消して、次のときに、暫定手当も実施され、また、昇給の号俸も圧縮されて、それで公務員の給与水準が上がってきた。それで来年四月において民間との給与較差をしたら公務員の給与は非常に接近してきた。したがって、今度の勧告は五%になったら、六%になったら初めて出すべきものであって、将来一年間に上がるだろうというその見通しでやられる勧告というものは私は非常に納得できない。というのは、この公務員の水準とか民間の水準にいたしましても、これは公務員の構造によって変わってくるのですから、そういうことはありますまいけれども、高給者が大量にやめられて新しい者が大衆に入ってこられたら低くなる水準ですから、同種のものを比較するとしても何の要素で変わってくるという、これは私の言うた例は悪かったかもしれないけれども、変わり得る将来可能性がある。それをも、そういう要素を考えて、やはり人事院が将来を見通しての、株の高騰とかなんとかいうような先を見通しての投機的な考え方で人事院が勧告をするということは間違いではなかろうかと思うのです。この点を私は尋ねているのです。それは間違いであるとは言わないと思うのですが、その点が私はどうも理解ができない。今度の給与の勧告の内容について、九・三%とすれば、昨年よりも約二%程度引き上がっておるから、これはわれわれ資料が十分ない、労働省の発行する資料だけしかないので、人事院のような調査はできませんけれども、かりにそれを是認するとしても、その九・三%の較差を解消する方法において私は納得できないということを基本的に考えているのですが、この点必要でございますが、さっき説明されましたけれども、この点について再度所見を聞いておきたい。
○政府委員(瀧本忠男君) まず俸給表の体系を改正することに伴う予算は、それはやったあとに問題にすべきであると、お話の趣旨は一応われわれ了解できるのであります。ただ、われわれといたしましては、この俸給表の体系を変えますことによりまして事実公務員の給与が引き上げられるという部分がございます。したがいまして、これはやはり官民較差を解消する部分で考えるのが適当である、このように考えた次第でございます。 それから暫定手当のことにつきましては、われわれは勧告しておりまするし、歴代の給与担当大臣あるいは御関係の閣僚がこの問題はもうやるのだ、やるのだということを何回も言っておられますし、まあ前国会におきましても相当積極的に御発言が当委員会等においてあったということを私記癒しておりますが、閣議決定になっておらないようでありまするけれども、この問題はおそらくは政府とされてもほっておかれる問題ではないだろうというふうに考えまして、そういたしまするならば、やはりわれわれが仮定をいたしておる点をおしかりがあったのでございまするけれども、やはり事実給与の水準がそれだけ上がるわけでございまするから、これを勘定の外にするというふうには参らないというような感じでございます。
○山本伊三郎君 あまりきょうは批判的な質問、追及はやめますが、これは政府との関連性があるのですが、かりに今人事院の説明されたものを是認するとしても、五月一日実施となって、そのとき現在において六・六%ないし七・一%というものの一応の切りかえのときにおける上昇といいますか、改善される。昨年のようにこれが政府が実施をおくらした場合には、最後の年間の、人事院は七・九%にいくということすら民間よりも一年以上ずらしてしまうということになる。実施時期において、切りかえの時限において六・六%ですからね。だからこれは勧告と政府の実施の時期における非常に関連性がある。また、責任があると思う。人事院が五月一日に実施することが好ましいという勧告を去年も出されたが、あれも十月になってしまった。したがって、私は花月一日に実施されるという前提において今論じておる。そういうことを考えるとわれわれとしては問題が非常にあとに残っておると思う。しかし、これは私はきょうはもう追及いたしません。しかし、これはいずれ政府にまた次の機会にひとつ聞きたいと思うのだが、そこでもう一つ具体的に聞いておきたいのですが、今度は教育職の場合に、いわゆる専門学校、工業専門学校が設定されたということから、表に一表加えられましたですね。で調べておるのでありますが、私よりも全部に言ってもらうように、その趣旨と、それから大体短大との関係その他をちょっと触れていただきたい。
○政府委員(瀧本忠男君) 今年の四月から高等専門学校というものができました。これは工業の学校でございます。で、これは設置法等によりますると、五年間の一貫教育であるということになっております。したがいまして、新制高等学校の教科内容、それから文部省の説明によりますると、短大以上の工業の専門課程を一貫的に五年間もやるのだ、したがって、単に高等学校と短大とをつないだようなものではない、このような御説明を承っておるのであります。で、その中には、教授、助教授、講師、それから助手という階級がございまして、おおむね講師は一般教養課程というようなものを御担当になるようにわれわれ承知いたしております。まあ、教授、助教授という方が主としていわゆる専門課程を御担当になるというようなことを御説明いただいておるのでありまするが、そういう前提に立ちまして、この高等専門学校というものをどういうふうに取り扱うのかずいぶん迷ったのでございますが、現在の教育職(一)の俸給表、(二)の俸給表、(三)の俸給表、いずれにもこれは当てはまらないのであります。したがいまして、やはりこれは新しい俸給表を作るより仕方がない、そのときに専門課程を主として担当される教授、助教授という者につきましては、おおむねこれは短大並びに現行の新制大学というようなところとのバランスにおきまして、そういう俸給表が定められるべきであるというように感じておりまするし、また、高等専門学校の校長は、これはやはり短大の学長というような方々とのバランスで、これはきめるべき問題であろうというようにも承知いたしておるのであります。ただ、講師のところは、これは非常にむずかしいのでありまして、設置法によりますると、教授、助教授に準じた仕事をするということになっておるのでありまするけれども、現に発足いたしておりまする高等専門学校における講師の方々の職務内容を見てみますると、おおむねこれは現在のところは高等学校の教諭と大体似たような仕事をされておるのじゃないかというようにわれわれは見ておるわけであります。もっとも本年の四月からできただけでございまするので、現在即断はできませんが、今後事態の変化がございますればそれに即応して俸給表は将来に向かって変えなければならないかもしれません。現存のところはよくわかりません。けれども、現在のわれわれの認識では、やはり高等学校の教諭という者とのバランスをとる必要があるのではなかろうかというように考えております。また、助手は、これは将来、助教授、教授というような方々に昇進されるような若い方々を確保して、そうしてこの補助をするというような役でございまするので、これはやはり大学における助手というようなものとある程度均衡をとって定める必要があるのじゃないかというようなことで、今回の高等専門学校の俸給表は、ただいま申し上げましたような見解に基づきまして作っているものでございます。
○山本伊三郎君 これも相当私は論議の余地があると思うのです。なるべく表を多くすることについては、われわれ基本に反対しているのです。なるべく表を少なくしてやるべきであると思うが、今度の場合、工業専門学校ができたということで、また一つの表がふえてきたのですが、これは専門的になると思いますが、どうしても作らなくちゃならぬというわけでは私はないと思うのです。作らぬでもやっていける方法が私はあると思う。ただ、そういう表を作って、別にやっているのだというようなことを印象づけるためにこれはやっておられるような気持もするのです。しかし、まだ内容十分検討しておりません。三表と四表との差、二表と四表との差をどこに認められているか、今の説明でそのようになっているかどうか。上のほうについては、若干そういう傾向があるが、中間層においては、あまり私は変わりないんじゃないかという気持もするのです。その点はまた後に譲ります。 もう一つ根本的な問題をちょっと聞いておきたいのですが、神田人事官はちょっと御病気ですから、瀧本局長でけっこうですが、公務員の給与というのは、戦前と戦後とはだいぶ変わっているのですが、この調査を見ましても、五十人以上の事業場を含めて数字を出されているのですが、現実の問題で、これは地方自治体も合わせてそうですが、今大学を出たり、そういう学校を出て、希望者が非常に少なくなってきているのです。したがって、地方自治体あたりでも、優秀な学校の成績の者をとろうとしても、試験は受けるけれども、いよいよ採用通知を出すと、どこかへ就職している、こういう事態が現実にあるのです。それはひいては公務員における行政水準の低下ということになるのですが、それで現在公務員の給与というものを見ますると、だいぶ片と変わってきているのです。人事院はどういう考えでおられるか知りませんが、なるほど戦前においても公務員の給与は民間よりも著しく高かったと私は言いません。ただ、公務員の一つの魅力として持っておったのは、恩給とか、そういう年金制度が、いわゆる自然保険料方式で設置されていました。専門的な言葉を使いますけれども、いわゆる恩給という給与の性格で出されておった。ところが、今日は国家公務員であろうが、自衛隊ですら、これは一つの共済制度、相互共済制度の年金制度にもう変わってしまっているわけです。そういうところからいくと、そうすると給与は民間よりもいつも下に押えられてくる、民間の給与が上がったのを見て、公務員もそれに続いておおむね均衡をとろうとする。しかも先ほどの答弁から聞くと、上回った措置よりも、下回ったところへ押えていこう、こういうことですね。それで私は公務員に対する人材というものの入手は非常にむずかしくなるのじゃないか、なると同時に、公務員の方々自体の、いわゆる仕事に対する責任性ということも、あまり追及できなくなるのじゃないかと思うのです。こういう点は人事院は、公務員に対するそういう給与とか、身分についての勧告なり、そういう取り扱いの機関ですから、そういう点で根本的にひとつ公務員の給与のあり方について検討していただきたいと、これは私は質問じゃなくて――もう年金はすでに恩給じゃなくて、共済制度という、民間における厚生年金と同じような形のいわゆる平準保険料方式に変えられてしまった、そういう現時において公務員に対する、魅力ということはどうか知りませんが、それはもうないんですよ。その上、また責任を追及するということで、公務員には非常に一般の民間の勤め人、勤労者よりも、別な法律上の、いわゆる制約がある。単にそういう政治活動とか、公務員法に規定した以外に、刑法でも、一般の民間会社ではならなくても、あるいは収賄とか、そういう涜職罪も課されている。やる者は悪いのです。私は何もそれを賞賛し、いいとは言っておらない、やること自体は悪いけれども、公務員という働き人であるがために、そういう別な刑法の制裁も加えられている。そういうものをもって、なおかつやろうということは、なかなか私は一般の今日の感覚を持った若い人々には、僕は問題があると思うのです。人事院はそういう点も今後勧告に際して考えるべき問題ではなかろうかと思います。 なお、つけ加えておきます。人事院はなるほど公務員の年金制度の勧告については、若干その程度を考えて勧告されました。完全な平準保険料方式でなくて両者を折衷した方法で出されたけれども、政府はこれをとらなかった。そして昭和三十四年に国家公務員の共済組合を作って、これは本院で審議されたと思いますが、そのときは私はまだ議員ではなかったのですが、そのときの勧告は、人事院はその趣旨を若干盛っておったけれども、政府はそれをとらなかった。しかも公務員の給与の勧告が出ても、いつも政府はその態度については非常に冷淡だ。こういう点について、これは、きょうは室長がおられるが、大臣がおられないけれども、この点は十分政府でも考えてもらいたい。きょうはだいぶ暑いときでございますので、私もこれで一応終わりたいと思います。 最後に、寒冷地への勧告の問題ですが、暫定手当は勧告したのだが、これは一にかかって政府の責任です。寒冷地への勧告は、八月に実際の支給日があるのですから、これは単に公務員の寒冷地地帯における給与の問題だけじゃないのです。地方自治体の交付税の種算基礎にも入れられるのです。したがって、地方財政にも影響のある問題ですから、人事院は単に公務員の給与という問題の観点でなくして、そういう点からひとつ早く出してもらいたいとしょっちゅう言っておったのですが、まだ出ておらないようです。その点ちょっとお答え願いたい。
○政府委員(神田五雄君) この問題につましては、前の入江人事院総裁のときもいろいろお答えしてあるはずでございます。で、勧告の仕事がここで終わりましたので、早急に研究して何とかいたしたいとせっかく努力しておるところでございます。ただ、その範囲ですが、これは非常にむずかしい問題ですが、ごく小さい範囲にとどまるのじゃないかと思っております。
○山本伊三郎君 入江総裁もおなくなりになりまして、非常にお気の毒だと思っております。入江総裁が、もうたびたび、勧告は大体八月の実際の支給日以前に間に合わすようにということを言っておられたのですが、はっきりいついつやるということは、それは政府委員ですから言えないと思いますが、もう八月も半ばでございますから、これはもうすぐ、きょうでも出してもらわなければ、実際現実に本人の手に渡るのがおくれると思うのです。今言われた答弁を裏返すと、範囲は非常に厳選しておるけれども、やるということについてはもうほとんどきまっておるのだ、ただ、時間的にどうということは言えないということだと思うのですが、そういう工合に了解していいですか。
○政府委員(神田五雄君) そのとおりでございます。
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。 午前の会議はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ――――・―――― 午後一時十六分開会
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。 国の防衛に関する調査を議題とし、北富士演習場に関する件について調査を行ないます。 政府側から林調達庁長官、沼尻調達庁不動産部長が出席いたしております。なお、志賀防衛庁長官は後刻出席の予定でございます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 これはもうすでに十カ月になんなんとする問題なんです。それがまだ解決しておらないので、大臣来れは、大臣のひとつ所見をはっきりただしたいと思うのですが、調達庁長官にひとつこの問題で予備的に聞いておきます。一体調達庁は、この北富士の入会権が基礎となる林野の雑産物の補償問題でどういう考え方でいるかということが実は疑わしい。もう抽象的なことを言っても、なかなかあなた方やらぬから、具体的に聞きますが、最初、学者のいわゆる実情調査ができれば直ちに解決をする、こういうことで藤枝長官は再々ここで答弁しておるのです。調達庁長官も再々繰り返しておることは御存じのとおりです。ところが、いまだにもって解決しておらない。われわれはこういう問題を本日は取り上げる必要はないと思っておったのですが、取り上げざるを得ない。しかも九月に入ればまた駐留軍がやってきますよ。その際に北富士でどういう問題が起こっても、これは一にかかって調達庁の責任になると思う。そういうつもりで答弁していただきたい。学者の調査の資料を出してもらいたい。これはもうすでに一カ月以上前に言ってある。ところが、昨日あなたのほうの女の使いの方が私の留守中に来て置いていったらしい。私がすでに帰ってしまったあとに電話でそういう連絡があったのですが、きょうおそらく委員会があるからそれを追及されると思い、その学者の調査は私の会館へ届けたということで言いのがれしようと思って届けた、そういうやり方は私どもとしてはきわめて調達庁に誠意がないと思う。少なくとも委員会に提出を求めたのだが、まだ学者の調査の報告が来て二、三日後であるから、まだ十分検討しておらないから、後日これを示しますと言っている。それに、きのう午後何時ごろか知りませんが、届けてきたらしい。したがって私はまだそれを見ておらない。内容を電話で聞いても、秘書ですから、十分内容を検討できない。そういうことでおくれている。誠意が一つもないと思うのですね。もしこの委員会が、あれは問題になっている、だから、何も長官に来てくれと言わないが、こういう工合にできたからひとつ説明をしたいならしたいと、使いをよこして……、それを封筒に入れたまま会館に置いておいて、きょう私が、学者の調査はどうなったかと聞いたら、きのう届けましたと答弁すると思う。そういうことではこの問題は解決できませんよ。一体、それについて長官どう思いますか。
○政府委員(林一夫君) 学者の調査の結果の資料の提出がおくれまして恐縮に存じます。先生おっしゃるとおり、あの資料を持って参上しまして詳しく説明するのが親切なやり方だと、こういうふうに考えております。そのようなことをいたさなかったのは、まことに遺憾に思っております。また、今後あの資料について詳しく説明をいたしたいと思います。事前に十分説明をいたさなかったという点についておわびを申し上げます。
○山本伊三郎君 それで、きょうその資料は持ってきておられるのですか。これはもう私だけの問題じゃないのですよ。そういうものを私が要求すれば、参考までに各委員にやはり配ってやるのがこれは至当でしょう。個人的に私は要求をしておるのじゃないのですよ。
○委員長(村山道雄君) 私から申し上げますが、資料は全員に配付いたしております。
○山本伊三郎君 そこで聞きたいのですが、私は内容を検討しておらないので、残念ながら具体的に言えないのですが、あの学者の報告を基礎にして調達庁はこの問題の解決をすると言っておられたのですが、それは事実であるかどうか、これをまずお聞きしたい。
○政府委員(林一夫君) かねがね申し上げましたとおり、この補償の適正化をはかるためには、どうしても第三者の客観的な調査資料を参考にする必要がある、そういうような意味におきまして、学者の調査をお願いいたしたのであります。したがいまして、学者の調査の結果は、それを参考にしまして案を作りまして、その案を関係者に提示しまして現在協議をいたしておるところでございます。
○山本伊三郎君 しからば、あの稲わらの換算について、学者の調査の結果とそれから調達庁との意見に、どういう具体的の食い違いがあるのかどうか。学者の調査そのものを調達庁はとろうという考え方でおるのか、あるいはどの程度までとろうと思うのか、具体的に調査資料を持っておられるのなら、それで答えてもらいたい。それから余裕があったら一部私に下さい。
○説明員(沼尻元一君) この補償の適正化の問題といたしまして、この革の補償につきまして、現在調達庁が行なっております補償は、この北官士が米軍の演習場であるがために、従来関係住民が立ち入って自由に採草ができ、それで堆肥が作れたのだが、演習場となったがために草が思うようにとれなくなった。そこでそのとれなくなったことによる損失を補償するという建前で補償をしてきておるわけでございますが、そのとれなくなった草の補償の仕方としまして、これをわらに換算いたしまして補償をいたしておるわけでございます。ところが、従来わらの単価の問題につきまして、二つの点から適正化が要求されておったわけでございます。一つの問題は、調達庁といたしましては、このわらは山梨県内から全部購入できるという前提に立っておったわけでございます。ところが、忍草入会組合等が、現実にはこのわらというものは山梨県だけでは不足しておって、静岡県等から購入せざるを得ない実情にある。そこで、山梨県だけから買う場合と静岡県から買う場合とでは、わらの単価の点あるいは運搬費の点等において相違が出てくる。そこで、これをそういう点を考えて修正してほしいというのがわらの単価の改定の大要でございます。 そこで学者のこの点についての考え方でございますが、結論的に申しますと、調査の結果といたしましては、山梨県だけではこの北富士の需要するわらをまかない切れない。それをどこから買うかということになりますと、静岡県の田方郡、ここがわらの大量の生産地ということになっておりますが、ここからも購入せざるを得ない実情にあるというような報告がなされております。その点は私たちもすなおに受け入れておるわけでございます。 もう一つの点は、そういうふうにしてわらを購入する場合の単価の問題でございますが、従来調達庁が山梨県の大体谷村地区というところから購入するという前提で補償しておったわけでございますが、従来の調達庁の見てきました単価としましては、貫当たり十三円五十六銭というふうなところで買えるというような見方をしております。それに対しまして学者の報告では、こういう山梨県からのわらの購入価格というものは大体貫当たり二十五円程度が妥当じゃないかというような報告が参っております。そこで、調達庁としては、今まで見てきました価格と学者の報告の価格に相当の開きがございますので、どうしてそのような開きができたかをいろいろ調査したわけでございますが、このわらの価格については農林統計というものが出ておりまして、これがまた全国的なわらの他段を月々、山梨県のこういうところでは貫当たり幾ら、静岡県のここでは幾らというふうな農林統計があるわけでございますが、その農林統計によりますというと、貫当たり十五円七十五銭というような統計が出ております。そこで、どうしてそういう荒が出たのかというふうなことを農業協同組合とか、あるいは個人の聞き込みとかいうことで町調査を私たちとしてもしたわけでございますが、私たちの聞き込みました範囲でも、やはり農林統計以下の値段で売買されているのが実績であるというようなことでございまして、そういう点から私たちとしては、従来の調達庁の十三円五十六銭というのもこれも低きに過ぎるだろう、そこで客観的に一応公信性のある農林統計の十五円七十五銭というものをとるべきであろうということで、これをとることにいたしたわけでございますが、この点が学者の見解と違う一つの点でございます。 もう一つは、静岡県のわらの価格でございますが、これは学者の報告では、当初貫当たり二十五円という報告が出ておりまして、これは学者のほうでさらに再調査いたしました結果、二十五円というのを修正いたしまして、貫当たり二十一円五十銭程度がまあ妥当な数字であろうというような報告がなされております。そこで、この静岡県分につきましては農林統計が二十一円となっております。そこで、この農林統計と大差ないわけでございますが、この農林統計をとるのがよかろうということで、私たちといたしましては、静岡県分については農林統計を採用するということにいたしておるわけでございます。もっともこのわらの値段は、わらの値段だけじゃなくて、運賃をどう見るかということが一つの大きな要素になるわけでございます。この点については、学者の報告は、この静岡県側あるいは山梨県、両県側についていずれも貫当たり一、二円程度運賃として見るべきであろうというような報告が当初なされておりましたが、それは、私たちとしてはこの運賃につきましては、やはり運輸省の陸運局の公示価格というものがございますので、この点はやはりそれによるべきであろうということで、そういう観点から調達庁側としては、このわらの価格については学者の意見というものを参考にしながら、いろいろ再調査等もした結果、農林統計というものによることが一番妥当であろう。プラス運賃としては、これは陸運局告示のものでいこう、こういう態度で現在交渉しておるわけでございます。
○委員長(村山道雄君) 質疑の途中でございますが、防衛庁長官が出席されましたので、報告いたします。 なお、長官より発言を求められましたので、この際、これを許すことといたします。志賀防衛庁長官。
○国務大臣(志賀健次郎君) 今回、はからずも防衛庁長官の職責を汚すことになりました。もとより微力非才でございますが、誠意をもって事に当たる所存でございますので、何とぞ格段の御鞭撻また御協力をお願い申し上げる次第でございます。就任いたしまして日浅うございまして、広範にわたる防衛庁の所管の仕事もまだ十分に勉強いたしておりませんので、今度の国会における諸先生の御質問に対して十分な答弁ができ得ない場合もあろうかと考えます。一そう努力するつもりでございまするが、以上のような次第でございまするから、御了承をあらかじめお願い申し上げる次第であります。重ねて諸先生の御協力を衷心からお願い申し上げまして、一言ごあいさつを申し上げた次第であります。
○委員長(村山道雄君) それでは、北富士演習場問題に関する調査を続行いたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 今の稲わらの価格の問題で、学者の説と農林統計と引き出してくどくどと説明された。この農林統計がとられたという根拠も、われわれ反駁する点がたくさんある。で、農林統計は、御存じのように、全国の稲わらの価格を統一的に調査をされてやっておられるのですが、学者の調査は、この北富士の入会権が阻害されてなま草がとれない、林野雑産物がとれないということで、北富士における部落を基礎としていろいろ調査をされた。したがって、調査の仕方についてわれわれは相当反駁することがあるのです。これはもう私は最後に一つお願いしたいのですが、私は、私がここで幾らあなた方に反駁しても聞かない、したがって私は今日もっと早く、大臣もかわられたのですが、これを早く解決するために、他の内閣委員にも私は十分認識してもらうために、調査をされた藤野あるいは出口両教授なり、あなたは農林省々々々言われますが、千葉の農林省の試験場の技師の方を呼んで、おのおのの立場でひとつここではっきりと合理的のものは何であるかということを、ここへ参考人として呼んでもらいたい。そうでないと、あなた方は、あるときは学者の調査もできればそれを基礎としてやる。これが今度は若干変わってきて、今度参考としてやる。今度の実際現場の交渉の中では、ほとんど学者の考え方というものは何一つ取り入れていないということを聞いておる。今、学者から、特にもらった資料、学者の意見を織り込んだものを持ってきて質問いたしますが、あなたが言われますけれども、参考にするということは、ただ相当の費用をかけて学者が調査したやつを見て、政府なり調達庁の考え方に合うようなものであればそれをとろう、出たものが考え方に合わなければこれはオミットしよう、そういう考え方でやってきている。したがって、私はもうくどくど言わないが、もうこれで十数回やっておる。それがまだ解決しない。これは志賀防衛庁長官は十分聞いてもらいたいのだが、本院ではすでに昨年の二月の十五日だと思いますが、現場調査をしておるのです。しかも報告書も出しておる。それがもう一年半になるのが、これまだ解決しない。しかも九月になれば、また米軍がかりにこちらのほうに演習に来たときに、地元で問題になったときに、一体だれが責任をとるのですか。それが一つも誠意ある解決がされておらない。学者がせっかく自分の智のうなり努力をしぼってやった調査というものは全くほごにされたと言って、直接私は会うておりませんけれども、きわめて不満の意を表明しておられます。学者というものは、依頼されれば、その依頼された事項について自分の学問的な立場からやるのだから、しからばここが学者として間違いであれば間違いであるというような、私はそれを言ってもらいたい。それを言わぬと今度は、学者が調査したやつはいかぬから農林統計でわらの値段をきめるのだ。それをきめるのに農林統計が出ているのですよ。学者調査をする必要はない。農林統計は早くから出ておるのだから、それをとってやったらいいのじゃないですか。要するに、調査したものが、農林統計よりわらの価格が下回っておったので、それを学者の意見はこれだからと言ってやるつもりでしょう、本音は。そういう私は卑怯な態度をとらずに、誠意をもって解決すべきであると私は言うのですよ。わらの価格だけではないですよ。その他のいろいろ換算につきましても、運搬費についても問題がある。大臣は就任早々だから私はきょうはあまりこまかく追及いたしません。調達庁としては責任を感じませんか。しかも学者調査が二カ月ばかりおくれた。したがって八月中には解決いたしますと言うが、まだ解決のめどもついておらない。この点について防衛庁長官もあいさつの中で、就任早々だから十分な答弁はできないけれども御了承願いたいと言うので、この問題はそう断られたからといって私は引っ込むわけにはいかない。この問題について新防衛庁長官として引き継ぎを受けられたと思うのです。どういう所見でおられるか、それをちょっと聞いておきたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) 先刻来、長官からもお話があったことと思いますが、ただいま地元の組合の枠部の諸君に提示していろいろ話し合いを進めておる案の内容は、学者の調査の結果を相当にこれを参考に取り入れて、そうして円満な解決に当たっておるというふうに私は引き継いでおるわけでございます。
○山本伊三郎君 それじゃあ、きょうは私まだ十分学者のやつは検討してないが、すぐわかることです。したがって、今、志賀大臣が学者の調査を多く参考にしてやったということですから、きょうでなくてもいいです。これは今度は許しませんよ。学者の参考は、どことどことどれを参考にして、どうしたかという、表に作って一つ出して下さい。おそらく参考ということはどういう意味で言われておるか知りませんが、学者が調査してもこうであったということくらいで、おそらく対照表を作れば全部学者の意向というものは入れられていない、すべて低くなっておると思うのですが、その点あなた方、学者もこれを検討されたのですから、学者の言われたものより換算率でよくなったという点が一つでもありますか、それを聞いておきたい。
○説明員(沼尻元一君) 学者の調査を取り入れた点でございますが、簡単に申しますと、たとえばわらの値段にいたしましても、先ほど申しましたように、従来は全部山梨県から購入するという建前でおりましたのを、山梨県だけではわらというものが不十分だということで、学者の意見というものを十分取り入れて、静岡県からも相当購入するというような点、そういう点十分学者の意見というものを参考にしておるわけでございます。
○山本伊三郎君 それは、そういうことは学者の調査事項じゃないですよ、そんなものはしろうとでも、現在の山梨県下の稲わらの要するに出産率というものは、もうわかるのだ。そんなものは学者に依頼せぬでもわかっておる。しかも、それも学者の調査の結果はそのままとっておらないでしょう。相当値切ってやっておるでしょう。学者は、それよりも、稲わら自体の換算率はどうであるかということを専門的に調べておる。それらは一つもとっておらない。したがって、私がここで幾ら言っておったって聞いておる人はわからないのですから、今言いましたように、学者はこうしておる、そして地元の方はこうである、それは参考までにつけられてもいいが、調達庁はこうであるということを次の内閣委員会に出して下さい。そうすれば、もう一目瞭然わかると思う。 それと、私はここで発言しておきますが、これは最も近い委員会でお諮りしてもらいますけれども、おのおの、学者と、それから農林省といえば農林省の人も呼んでもらってもいいと思いますし、千葉の農林省の関係の試験場の技師でも呼んでもらっていいと思いますし、地元の人も呼んでもらって、ここではっきりとどれが正しいか、調達庁の、いうことが正しいかということの私は参考人の要求をしてもらいたいと思いますから、これも覚えていてもらいたい。これは質問ではない。この意向で私は本問題は解決してもらいたいと思う。 そこで、大臣に総括して聞くが、一体この問題については、就任早々ですから、どういう考え方かと言うことは無理かしれませんが、すでに長い間の懸案ですが、防衛庁長官としてはいつごろのめどで解決できるという、どういう考え方か所見を聞かしてもらいたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) いつという期限は切っておりませんけれども、一日もすみやかに円満な妥結を見たいということで横浜調達局をして地元の組合の諸君とせっかく御協議を願っておる最中でございます。
○山本伊三郎君 志賀大臣、実はきわめてそれは、あなたたち新任だから事情聞いていないと言うが、これは三十五年度の補償の問題ですよ。地元のほうでは一日千秋の思いでこの補償が早くきまってもらいたい、希望と言うよりも切実な考え方でおるのです。しかも、あなたじゃないが、前の防衛庁長官も、六月中ごろには大体この話を進めていくということを言われたのだが、学者の調査が二カ月おくれたから、それで八月中には話を進めて解決するだろうと、こういう話だった。それが八月もすでに中旬を過ぎておるのだから、一日も早く――これはいつも政府の人々の言うことですよ、すみやかにやりたい、一日も早くと。一体いつこれを解決できるかというと、要するにこれは調達庁のほうの腹一つでできるのですよ。それが一日も早く、早くだと言っても、それは地元の農民の人々は納得できないですよ。調達庁長官もおそらく交渉の相手方ですから、あなたも見通しがあると思う。大臣には一体どういうあなたは進言をするのですか。
○政府委員(林一夫君) この補償の適正化の問題は、昨年の暮れお約束をいたしまして、なるべくすみやかにその実現を期すという約束をしておるわけであります。そういうことで、本年の初めから調達庁と地元の入会組合の代表者との間に協議を進めていろいろの意見の交換をやってきたのであります。その間調査を依頼しました学者の報告を持っておったのでありまするが、この報告が出ましたので、この報告を参考にしまして調達庁の案を作りまして、現在組合の代表者に提示しまして話を進めておる段階でございます。でございますので、なるべく早く妥結したい、こういうふうに考えております、ところが、この補償の問題、これはやはり補償契約を結ぶということでございまして、やはり私どもの案を相手力の組合の力がのんでいただけばすぐ解決できる、あるいは相手方の御要求するところを調達庁がそのままのめば解決できるという問題でございますが、お互いにやはり合理性がありまして、合理性を求めまして意見、主張があるのでございまして、この調整に骨を折っておるのでございます。何分にも相手方のある交渉の問題でございまして、意見がととのわないと、結局妥結をするということにはならないのでございます。調達庁といたしましては、学者の意見を参考にしまして案を作りまして、十分に地元の方々の意見を取り入れまして案を作りまして、地元の方に提示して、現在話を進めておるのであります。このようなことで話がまとまれば非常にしあわせと、こういうふうに考えておりまして、なるべく早く話がまとまるように、私どもも大いに張り切って折衝はいたしておるのであります。何分にも相手のある交渉でございますので、いつまとまるかというようなことは、ちょっと申し上げかねるので、相互に譲り合って、なるべく早く解決したい、こういうふうに考えております。
○山本伊三郎君 調達庁長官、そういう国会の答弁をすれば、地元の人は政治に対するきわめて不信が出てきますよ。あんだらばこの学者調査をするとき、どう言ったのですか。いろいろあの七つの組合の問題があるから、客観性のある学者の調査によってこれを解決するのだ。われわれもそういう考え方で学者の調査を待っておった。しかも、地元の人々には、これは横浜の調達局長だと思うが、学者の調査がどう出ようと、地元の人は学者の調査が出ればそれに服しますか、よろしいと言った。現実に今より悪くなってもかまいません、こう言っておるのですよ。志賀大臣よく聞いていて下さい。したがって、学者の調査が出れば、地元の人は、かりに今よりも補償の額が少なくなってもやむを得ない。というのは、向うも七つの組合の複雑な事情があるからです。片っ方がよくなれば、こっちも取りたいと言う。そこで本院が調査したときにも、報告書にはっきりしておるわけですよ。昨年の二月十五日に当委員会で現地調査を行なった。その結果、報告書の中にこういうことを言われておる。入会補償の受給資格を明確にすることである。この入会補償を明確にするということは、あの北富士の入会地帯に対する農家の依存度が幾らであるか、依存度がどうなっておるかということを十分学者が調べて、その結果によってやれば、他の部落の人に問題があっても、依存度というのは学者の調査によったのだからというので決定するのだから、他に問題は波及しないということから、これはもうほんとうに科学的に解決をせざるを得ないということで、本院も特に出張調査をしたのですよ。そういう経過がある。これが、学者の調査は出たが、それは参考として、また調達庁の案で地元と交渉するのだと思うのは、もとへ返ってしまっておるのです。それなら、何も学者の調査は必要ない。それを長い間、何カ月も、学者の調査だと言って引き延ばしていて、出たやつは参考にするのだと言う。今調達庁長官の話を聞くと、地元の人には地元の意見があるだろう、調達庁は調達庁で意見がある、そしてそれで妥結すると言うなら、学者の調査だと言って何も大がかりにやる必要はない。調達庁で勝手に学者に依頼してやっておればいい。本院に何も学者の調査なんて言う必要ない、参考にするならばですよ。今にも学者の調査が出れば、客観性があるから、それで解決するのだというような言い方をしておいて、今さらそういうことをほごにしてしまうということは、政治に対してきわめて不誠意です。この点について見解どうですか。
○政府委員(林一夫君) 私ども学者の調査を依頼しましたのは、客観的な妥当な資料を得て適正化をはかるということで調査を依頼したのであります。そういうようなことで、学者の調査の結果を参考にしまして、調達庁の案を作った。でございますので、この調達庁の案というのは、学者の調査の結果そのままずばりではございません。前から申し上げているように、学者の調査の結果を参考にしまして適正化をはかるということでございます。学者の調査の結果を相当参考にいたしまして案を作りまして、地元の方に提示しまして、そして協議を進めておるということでございます。
○山本伊三郎君 それじゃ私は聞きますが、前からの経緯をみな知っておる内閣委員の方もおられると思いますが、そうすると、なお聞きますと、学者の調査と調達庁の意見と合わないということは、学者の調査は間違いであるということか。学者の調査は間違いでないけれども、そのままやると補償の額が上がるので、調達庁としてはこれは別に一つの案を考えるという意味か。われわれが調査を学者に依頼する場合には、やはりそういう点も考えておかなければいけないので、その点ひとつ今後の問題がありますから……もう一ぺん言いますと、学者の調査が誤りである、したがってこれをそのままとるわけにいかない、そこで調達庁は別の案を作るのだ、こういう意味かどうか。
○政府委員(林一夫君) 先ほども申しましたように、学者の調査の結果を参考にしまして案を作ったのでございます。参考にするということは、やはり学者の意見も尊重するという意味も入っておるのです。一つの案を作りますについては、いろいろの資料を基礎にして作らなくちゃならないので、その一つの資料として、学者の調査の結果を待っておったわけです。これを参考にして案を作ったわけでございます。全然学者の調査を無視しておるということではございません。この点はいろいろの点について説明申し上げればおわかりになると思うのでありますが、十分学者の御意見も参考にして案を作っておるのであります。ただいま先生は、補償金額が多くなるような場合においては学者の意見を聞かない、あるいは少なくなるような場合においては学者の意見を採用するというようなことを申されたように伺っておるのでありまするが、決してそういうことはございません。学者の意見を参考にしまして補償金額が上がるというところもございますし、あるいはたとえば農林統計あたりを参考にしまして下がるという面もあります。総体的に見まして、非常に合理的な案ができたというふうに私どもは考えておるのであります。かような点から申しますと、この案によりますと、補償額総額においては前年度よりも相当額ふえておる。こういうことは、やはりいろいろの合理的な、あるいは適正なる御意見を参考にしまして、なるべく地元に有利になるように案を作ったわけでございます。
○山本伊三郎君 これはね、学者の調査にもいろいろあるのです。僕らもこの問題については相当長らく携わってきたのですが、しかし今度のこの稲わらを初め問題の調査については、きわめて専門的な技術的な具体的なものを調査をさせておるのですよ。もしこれが、学者のこの調査を参考にしてということを言われますが、間違いであれば間違いで、僕はその間違いというのを聞いて、今度私は参考にしたいのです。権威あるものを出しておると私は思うのです。しかし学君といえども神様じゃないから、間違いもあるでしょう。したがって調達庁がそれを参考にしてこの数字と変えて出しておられるのはどういう根拠でやられておるのか。農林統計が正しいなら、農林統計の正しい根拠を示してもらいたいと言っておるのです。きわめて具体的に学者が調査されておるのですよ。水の含有量は幾らである、それはどういうようになっておるかということを、きわめて専門的にやられておるのですよ。他の資料でこれをくつがえすためには、その根拠がなければ私はだめだと思う。それなら、初めからそういうことを言いなさんな。それなら初めから、学者のやつを参考でとにかくとるのだと、こう言っておきなさい。これを出された以上は、この数字と違うという場合は、農林統計はそれでよろしい、農林統計は正しいのだから、それでこう訂正したのだ、こういう答弁があるべきだ。それを参考にして調達庁案を作った。それなら妥協案じゃないですか。それなら初めからそういうこともできますよ。その点どうですか。
○政府委員(林一夫君) 先ほどから申し上げましたように、学者の調査の結果を参考にしまして合理的な案を作って地元の力と協議をしておるわけであります。したがいまして、この案の中には、学者の意見も参考にしたところが非常に多いのであります。たまたま先ほどちょっと説明しましたように、わらの値段については、学者の調査の結果出てきた値段よりも、当庁の考えました案の値段のほうが安くなっておった。これはやはりこのわらの値段につきましては、これをこまかく申し上げますと、実はわらの値段まで学者に調査を依頼したわけではないのであります。このわらのその他の点、たとえば購入地の問題だとか、あるいは生産数量の問題というような調査を依頼したのでございまするが、それに付随してわらの値段の報告があったのでございます。したがいまして、学者のほうも、実はこのわらの値段についでは専門外であるというようなことで、やはり備考をつけておられるのであります。また一方このわらの値段につきましては、毎年々々農林統計がはっきり出ております。また調達庁としましても、過去、現在にわたってこのわらの値段については十分調査しておるのであります。そういうようなことからこの学者の意見も考え合わせ、農林統計と合わせて考えまして、この辺が適当であろうということで、この値段をきめたというような次第でございます。
○山本伊三郎君 それじゃ、先ほど申しました対照表をひとつ作って出して下さい。きょうここで幾ら論議しても、きわめて抽象的になりますから、私から言ったって、あなたは当然そういう答弁をしますから、今度は具体的に学者の調査の結果こうなっておる、これはわれわれとしてはこうする、しかしその根拠はどこにあるということをひとつ出して下さい。 そこで、今言われたが、調達庁の案というものができたと言う。私はまだその質問をしておらない。どういう案ができて交渉されておるのですか。
○説明員(沼尻元一君) この補償額の問題は、わらの生産地をどこに求めるか、それから単価をどうするかということにほとんど全部がかかるわけでございますが、その単価のきめ方でございます。調達庁の考え方としては、山梨県から買うわらにつきましては、農林統計の貫当たりの単価十五円七十五銭というものをとっております。それに陸運局の吉永値段、これは運賃でございます。それから山梨県分については、これもわらの値段につきましては農林統計の値段、それからこれの運搬につきましては陸運局告示の貨物運賃料金をプラスしたもの、そういうものを両者平均いたしますと、平均単価というものが大体二十五円七十銭程度というもので提示しておるわけでございます。
○山本伊三郎君 これは稲わらの価格だけですが、ほかにも換算率もたくさんある。そういうもので交渉しても、しかし相手方はそれを受けないんだから解決しない、こういうことですか。
○政府委員(林一夫君) ただいま説明いたしましたような案を地元に提示しまして協議を進めておるわけでございます。
○山本伊三郎君 われわれとしては学者の調査が客観性があると見ておるのですが、農林統計も織りまぜて十五円七十五銭出しておる。この農林統計は、調達庁としてはこれはもう最も正確な正しいものだという判断に基づいて出されておるのだが、農林当局の専門の研究所、試験場においても、この問題には若干別な意見があるのですが、そういうことは聞いておりませんか。農林統計でのみやっておるということで了解していいですか。
○説明員(沼尻元一君) これは個々の聞き取りによりますというと、これはいろいろそれぞれ値段というものは個人々々によって違う点があるわけでございますが、やはり大体わらの値段というもの、そのものがたいへんつかみにくいものでございます。そこで、この山梨県分について学者のほうの報告は二十五円であり、静岡県のほうは二十一円五十銭だというようなこと、これを客観的にその妥当性というようなものを考えて見ますというと、わらの値段というのは、これは山梨県よりも静岡県側のほうが高いというのが常識的になっておるようでございます。それから学者そのものも、この山梨県でとれるわらは静岡県に比べて品物もよくないというようなことも申しております。そういう点から見ても、静岡県は二十一円五十銭で、山梨の二十五円というものをそのまま取り入れるということは非常に問題があるというような点、こういう点、当初においては学者は両方とも二十五円ということで出してきたわけでございますが、後日、静岡県側のほうを変えてきたわけでございまして、ただ山梨県のほうについても、これは調達庁のほうもじかに御意見も聞いたわけでございますが、何分にもこの龍野助教授でございますが、この人は農業経営学のほうの専門の教授でございまして、わらの価格のほうは、まあ付随的にこれも必要があるので調査してほしいというような依頼があったので調査したわけだけれども、自分としては専門家でもないので、まあ大体こういうところでかんべんしてほしいというようなところで、先生自体も、自分としては専門家ではないので、そういう報告を一応参考とされてひとつ調達庁がしかるべき案をお作りになったらよいでしょうというような御意見でもございますので、その教授の意見をそのままずばりそれでいくということは非常に危険性があるというようなことから、私たちとしてはあくまでこれは参考としていきたい。そうしてまた、このわらの値段というものは毎年、これから五年六年たてば変わっていくものでしょう。そのたびに毎年わらの値段というものを第三者に調査を委託するというようなこともできるわけでもございません。やはり農林統計でいきますれば、毎年々々わらの価格を反映して変わっていくというような点がございまして、それによっていけば、毎年その価格で三十六年度も農林統計でいき、三十七年度もいくというようなこともできますので、農林統計そのものが客観性を持っておる場合には、やはりそれによることが一番妥当なんではないかというふうに考えたわけでございます。
○山本伊三郎君 あなたと翻していると、ぐるぐる回りで、実際僕らも憤慨せざるを得ないのです。農林統計のいわゆる稲わらの価格というものは、これは面業取引上の一般の統計数字を出しておるわけです。これは現地における補償金額をきめようということでわらの金額を論じているわけです。そんなことは言われなくても、初めに言っておられればこの問題はもっと早く解決するのです。そういう違う数字を出してきてここで答弁するというようなことは、われわれとしては全く問題外ですよ。しかし、もうあんたにはどれほど言ってもカエルの面に水といいますか、答えないのだな。だから実際解決するにはあんたらでなくして、これはもう大臣もせっかく就任されたのだから、これはもう別の方法を考えざるを得ない~思うのです。そして私の言ったことが間違いであれば、私はこれ以上言いません。納得をさすような答弁が今まで一つもされておらない。初めそれを言われたら僕らもそういうことでやるならばということでいいのですが、最初はそうじゃなかった。で、今言うと、龍野教授は専門家でないから、これについては非常にあやふやなことを報告をしたように言われるが、これは大きな学者の冒涜ですよ。それは何もなるほど専門家でないけれども、これをやるために標本抽出についてはもっと農林省のやったやつよりも十分にやっているはずなんです。本人は学者という立場から――それが間違いであるなら、これはまた別の学者がやれば変わるかしれませんよ。標本抽出についても一カ所や二カ所でなしに、ずいぶん方々やっていわゆるこのデータを出しておるのですよ。農林統計みたいなああいう全国を一つにした標本抽出の方法じゃないのですよ。いわゆる補償という立場からやっておるのだから、私は農林の統計よりもあの入会権の補償についても数字としては私は確かだと思っております。まあこういう意味において私はもうきょうはこれ以上言ったところで水かけ論――というよりも、あんたら満足な答弁をしないので、このことだけは志賀新大臣が一応ここにいてもらって、今後これについての解決の努力を急いでもらいたい。今度のときまでに――この学者の調査を調べてみましたが、ちょっと見たところでは中間報告も載っておらない。重要な中間報告も載っておらないように思うのです。しかし、今質問最中に調べておるのですから十分でないが、どうも私の聞いた内容とは若干この調査報告に漏れておる点があるやに私は見ます。しかし、これは自後に、この次にこれを検討しておいて質問いたします。これをきのうよりも三日も一週間も前にもらっておれば、きょう私はもっと具体的に、せっかく新大臣来られておるのですから、もう少し具体的に質問したいのですが、残念ながらきのう来たところで、しかも私はまだ目を通しておらないので、きょうはこの程度でこの問題は終わりますが、しかし、私がここで質問して追及するのでなくして、防衛庁なり調達庁自身、この解決に熱意を持ってやってもらいたい。私はここで何もあんたらのいやなことを質問したくない。解決してしまえばこんなもの――こんなものと言えば失礼ですが、長い間取り上げている問題を言いたくないのだが、なかなか解決しないものだから言うのですが、この点について志賀新大臣の所見を、私の言った誠意ある解決を早くしてもらいたいということについての答弁をしてもらいたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) 先ほど就任のごあいさつに申し上げましたとおり、防衛庁全体の問題につきまして誠意を持って事に当たると申し上げたのでありまして、もとよりただいま御審議の対象になっておりまする補償の適正化の問題につきましても、むしろ誠意よりも情熱を傾けて解決に努力いたしたいと思います。また同時に、相手のあることでございますから、こちらだけが大いにやりましても、相手のほうでまた乗ってこなければ依然これは解決しないのでありまして、私は地元組合諸君もひとつ協力的な態度ですみやかに円満にこれを解決したいと念願いたしておる次第であります。
○山本伊三郎君 これは質問でないから重ねて一点僕は要望しておきますが、大臣も忙しいが、地元の人に一ぺん会ってみられたらわかると思うのです。きわめて筋の通った話を私も聞いておるのです。無理なら無理、どこが無理だということを一言って筋を通せば、そうむちゃを言う人じゃないと思うのです。農民の方々ですから、純朴ですから、こういうもので国から金を取ってやる、そういうことはない。だからそういう意味で大臣が情熱を傾けて話をされれば私は解決はでき得ると思うのですから、その点ひとつ大臣も今後御検討願いたい。 そこで大臣が見えましたから、ひとつ、この問題は北富士に関係あるのですが、八月の五日に、これは山梨地方版であったかと思いますが、産経の新聞で北富士、東富士の演者地を北海道の方に適当な地ができたのでそれに移す考えである、こういう意味の発表をされておるのです。これはしかし政府ではありません。自民党の国防部長の堀内代議士が地元で発表されております。これでこの問題も解決します。これが解放されて演習地がなくなればこの問題は解決します。補償もないのですから、きわめてセンセーションを起こしている。これについて防衛庁長官、政府を代表してこの事実の真偽、しかもこれは自民党の国防部長です。政党政治においては党の国防部長は相当私は信憑性のある御発表だと思っておるのですが、これについてひとつ聞いておきたい。
○国務大臣(志賀健次郎君) ただいま御指摘になりました問題は、党の方ではいろいろ考え方はあるかもしれませんが、私は具体的には承知いたしておらないのであります。ただ防衛庁といたしまして、北海道駐屯の四個師団の専用の演習場が、現在適切な演習場がないのでありまして、四、五年前から北海道におきまする四個師団の演習地を探し求め、また、計画をいたして、ようやく最近その計画がだんだん地元との折衝に入っておる段階でございまして、これは北富士の演習地とは全く別個のものでございます。あくまでも防衛庁としまして北海道における部隊の専用の演習地として考えておるのでございまして、党の政調会がどのような考え方を持っておりまするか、私まだ承知いたしておらないのであります。
○山本伊三郎君 まあこれは自民党内部の問題であると片づけられればそうかもしれませんが、しかし、これは大きい意味のあることを言っておられます。しかも今日新官庁都市と申しますか、新しい都市を北富士あるいは富士山麓にという問題が起こっておるので、地元の人は非常にこの点については神経過敏です。御存じのように、霊峰富士といわれて日本の国の象徴のあのふもとにどんどんどんどんと演習されるということは、これはやはり常識的に考えても、あそこをほんとうの霊峰のふもととして平和的ないわゆる環境に置きたいというのは、これはもう国民の感情だと思うのです。こういう意味からいうと、私はこれは大いに――北海道に移すのはいいかどうか、これは別ですが、私は自母堂の国防部長がいいことを言ってくれたと思って非常に喜んでおるのですが、今志賀防衛庁長官は、そういうことは全然防衛庁としては考えておらない、こういう趣旨ですが、それならばこれは一応懸案ですが、もう一つだけ聞いておきたいのですが、現在のあの米軍の演習地をいつ返還されるか、そういう交渉もこの前の日米合同委員会なんかやられたようでございまするが、そういうことは新大臣として何ら聞いておられませんか。
○国務大臣(志賀健次郎君) 全然聞いておりません。
○山本伊三郎君 この問題について聞いておらないと言われるならば、しからばこれはもう各政府――池田総理もそういうことをいつもここで言われたと思うのですが、なるべく早く返還を望んでおるのだ、こういうことで、前の西村長官も、われわれの考え方はいわゆる返還されても、そういうわれわれのような民有地とし、あるいは国有地でも公園とかその他機地にするのじゃなくて、自衛隊の演習地という考え方はあるけれども、早く返還してもらいたいのだということを言っておられたのですが、志賀大臣はそういうことは何も考えておられないのですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) その点は前長官から引き継いでおりまして、米軍から返還を求めた場合においては、まあ返還後自衛隊の演習場にこれを使用して、米軍のほうからまた随時使用したいという希望があれば、これに使用せしめるという建前ですみやかに返還を求める、そういうふうに承知いたしております。
○山本伊三郎君 承知じゃなしに、あなたもせっかく防衛庁長官になられたのですから、やはり防衛庁長官としてのまあ方針というもの、そういうものでひとつ今後あの問題については取り組んでもらいたいと思うのです。で、自衛隊の演習地にすると言われますが、これはあの環境は新長官御存じだと思いますが、観光地帯としていろいろまあ問題のあるところですが、私はやはり日本の今の現状から見、国土の状態から見てですね、北富士のあの周辺に厄除ないわゆる演習地として実弾が常に落下するというようなことは、自衛隊という立場から見るといろいろ問題があるが、この点は日本の政治家として考えるべき要素のあるものじゃないかと思うのですが、この点について何ら考えておられないかどうか、その点ちょっと参考までに聞いておきたいと思います。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは、ただいまお話の点は将来の問題でありまして、私はあくまでも当面の問題として、すみやかに米軍から海運を求めて自衛隊の演習場にして、そうしてまた米軍が希望すれば、これに使用せしめるという建前でせっかく努力を続けたいと考えておるわけであります。
○山本伊三郎君 まあ前の長官の言うことと大体変わらないのですが、前の藤枝長官のときにはそうはっきり言われなかったのですが、大体まあ返してもらうということが先決だということであったのですが、志賀長官の言われることであったら、アメリカ軍は早急に応じる態度でなかろうかと思う。長い間この問題を本委員会で討議したが、直ちに防衛庁の、自衛隊の演習場になるかならぬという危惧の念が相当強いので返還がむずかしい。したがって、自衛隊のほうで使うということになれば、その問題は私は比較的早く向こうも了解するのじゃないかと思うのです。しかし、私は言っておきますが、われわれとしては、そういう考え方には反対です。政府としてはそういう考えでやられるのはそれはけっこうでございますが、ああいう富士のすそ野をアメリカ軍も共用で演習場として使うということは、私は日本の恥辱だと思っております。自衛隊だけでも、まあ別の意味で問題でありますが、そういうところをそういう考え方で進まれるということは、きょうはまあ初めての新大臣の心情を聞いたのですが、わが党としては承認できないということを一応意思表示をしまして、きょうは私の質問はこれで終わりたいと思います。
○阿具根登君 私の聞き漏らしだったら御訂正願いたいのですがね。今の問題、新聞等で拝見しておりますと、北海道の演習基地は、自衛隊の演習場に数年前から検討しておったのだ、それを駐留軍に使わせるということはこれは困ったもんだというようなことがあとで訂正されておったと私どもは記憶しておった。ただいま志賀長官の話を聞いておれば、北海道は北海道に駐留している自衛隊だけの演習場である、富士は富士として自衛隊で使いたい。そしてまあ駐留軍が使わしてくれといった場合には使わせるということを条件で譲ってもらいたい、こういう考えのようですが、それが事実であるのか。それとも富士のすそ野は自衛隊としても、あのくらいの広さ、また、ああいう所はだめだから、北海道のどっか広い所、しかも国有地であって、だれにも迷惑をかけない所、そういう所でやるのだというように、新聞に出ておったのをそういうふうに私は解釈したのですが、いずれがほんとうか、それだけ……。
○国務大臣(志賀健次郎君) 先ほど申し上げましたとおり、北海道の矢日別演習場は、これは北海道部隊オンリーであります。また、米軍に使用せしめるということは考えておりません。また、米軍から将来矢日別を演習地として取得した場合において使わしてもらいたいというような希望がございません。したがって、北海道の現存地元と折衝中の矢日別演習場は、北海道駐屯の部隊専用としてひとつ御了承願いたいのであります。したがって、富士の淡料地の問題は、さいぜんから申し上げているとおり、返還を求める前提として、返還を求めた後は、自衛隊がこれを管理して使用する、また、米軍から希望があった場合においては、使用させる場合もあり得るかもわからぬということでございます。さように御了承願いたいと思います。
○山本伊三郎君 今の問題は、ちょっと私に対する答弁とは、ちょっと満されるのですが、今までの大体の方針では、自衛隊の演習場に移管するけれども、これはアメリカの演習という前提であれを自衛隊の演習場に使うということが政府の方針。今の話を聞くと――阿具根委員に対する答弁を聞くと、米軍に使わすこともあり得るということですが、それはそういうことでは、どういうことですか。
○国務大臣(志賀健次郎君) これは米軍が希望しなければ……、富士の演習地を使用したいという希望がある場合においては、使用させる、使用してもらう、そういう意味でございます。したがって、米軍がある年において使用しない土地もあるいはあり得るかもわからぬということを申し上げたわけであります。
○山本伊三郎君 それは内閣委員である人にはよくわかっているのだが、それは表面のことであって、アメリカ当局が返さないというのは、アメリカが使うのだという前提を保証しなければ返さないということなんですよ。それを使いたいと希望すれば使えるのだという、これは志賀さんは新しいからそうかもしれませんが、これは実情ではそうだと私は思うのです。
○国務大臣(志賀健次郎君) その点はまだ十分私は聞いておりませんから、さらに研究してみたいと思います。
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記を始めて。 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。
○委員長(村山道雄君) 生田防衛政務次官から発言を求められておりますので、この際これを許します。
○政府委員(生田宏一君) ちょっとごあいさついたします。このたび政務次官を命ぜられましたが、先ほどもう大臣からすでにごあいさつがあったと思いますが、私は大臣の御方針に従ってこれを補佐するというのが私の任務でございますので、皆さんの御指導を得まして、私の任務を十分に果たしたい、こう考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(村山道雄君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十分散会