内閣委員会 第2号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/14
会議録
○理事(下村定君) これより内閣委員会を開会いたします。 初めに、去る十日予備審査のため付託せられました法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。それじゃ中垣法務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(中垣國男君) 提案理由の御説明をいたします前に一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたびの内閣改造によりまして法務大臣に就任いたしました中垣國男でございます。非常にふなれな者でございまして、何かと御迷惑をかけるかと思うのでございますが、皆様の御指導、御協力を得まして職務を果たして参りたいと存じます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。 大阪市都島区にある大阪少年鑑別所の施設は、終戦後の応急的な措置として建設された木造建築を主体とするものでありまして、すでにその損傷の程度も進み、改築を必要とするに至っておりますところ、最近同施設の周辺一帯が帝業地区として発展し、交通も激しくなり、不適当な環境に置かれることとなったのであります。そこで、政府におきましては、同施設の移転の必要を認め、他に適当な川地を得ることに努めましたところ、幸いに、堺市田出井町にある大阪刑務所耕転地約二万平方メートルを敷地として転用することを得、同所に鋭意少年鑑別所施設の新営工事を進めました結果、近く完成する運びに至りましたので、ここに法務省設置法別表五の大阪少年鑑別所の位置を堺市に改めようとするものであります。 以上が法務省設置法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
○理事(下村定君) 本案の質疑は、都合によって後日に譲ります。 —————————————
○理事(下村定君) 次に、去る十日予備審査のため付託せられました郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。保岡郵政政務次官、お願いいたします。
○政府委員(保岡武久君) 手島郵政大臣が所用のためにきょう出て参っておりませんので、私からかわりまして、郵政省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げたいと思います。 この法律案は、前国会で審議未了となりました内容をそのまま提案するものでありまして、今国会で引き続き御審議をお願いする理由の第一は、非常勤者の本務者化及び宇宙通信開発のための増員を行なう必要があること、第二は、放送関係法制の改正が焦眉の急務と考えられますので、臨時放送関係法制調査会の設置をはかりたいこと、第三は、電波監理及び人事管理上の必要性から機構の整備をはかることが緊要であるからであります。 次に、この法律案のおもな内容について申し上げます。 改正の第一点は、大臣官房人事部を人事局とすることであります。 最近における人事、労務、給与その他人事部の所掌事務は、質量ともに非常に膨大になってきておりますので、大臣官房人事部を人事局としようとするものであります。 なお、この改正に伴いまして、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員のうち、政令で定めるものの人事につきましては、大臣官房において行なうことにいたしております。 改正の第二点は、電波監理局の次長制を廃止して、同局に三部を置くことであります。 最近における無線局の著しい増加に伴う免許、検査、監視業務並びに放送行政の複雑化に即し、これらの事務に関する分任体制を明確にするため、電波監理局の次長制を廃止して、同局に放送部、無線通信部及び監視部の三部を置こうとするものであります。 改正の第三点は、附属機関として臨時放送関係法制調査会を置くことであります。 電波の利用、特に放送の進歩発達に即応するため、放送に関する法制について検討を加え、関係諸問題を調査審議するため、附属機関として、存続期間を二年とする臨時放送関係法制調査会を設けようとするものであります。 この法律案は、以上申し述べましたもののほか、郵政省の職員のうち、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の定員を百一人増員するための改正を行ない、あわせて、その他条文の整備を行なうことを内容といたすものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
○理事(下村定君) 本案の質疑は都合により後日に譲ります。 —————————————
○理事(下村定君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の給与問題に関し調査を行ないます。 まず、去る十日、国会及び内閣に対してなされました一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告、いわゆる人事院勧告について人事院当局から説明を聴取することといたします。 まず、人事院総裁職務代行神田五雄君。
○政府委員(神田五雄君) 私人事院の神田でございます。 一般職の国家公務員の給与に関する報告および勧告に関する説明 人事院は、八月十日国会及び内閣に対しまして、一部職の国家公務員の給与に関する報告および勧告をいたしたのでございます。 国家公務員の給与は、昨年の勧告の実施により改善を見たのでありますが、他方、民間給与、生計費等公務員給与の決定に関係のある諸条件にもわが国経済の実情が反映してこの一年間に相当な変化が生じて参ったのでございます。 すなわち、民間給与につきましては、本院が、例年のごとく、本年四月現在で、全国の民間事業所約六千、その従業員約二十七万人について給与調査を行ない、これを公務員の実態調査の結果と比較いたしましたところ、民間の給与が公務員のそれを九・三%上回っていることが明らかになったのでございます。 ことに民間の初任給は、昨年に比べ、おおむね一五%以上も上昇しており、また、賞与等の特別給もかなりの増加を示している実情にあります。 他方、総理府統計局の調査によりますと、本年四月までの一年間に、東京及び全都市の消費者物価は、いずれも七%台の騰貴を示しており、また、同局の家計調査における一世帯当たり平均の消費支出額は、同じく本年四月までの一年間に、東京では七・五%、全都市では一三・一%の増加となっているのでございます。 また、これらの事情を反映いたしまして、本院が毎年算定いたしております東京における十八才程度の独身男子の標準生計費についても、本年四月においては、月額一万九百六十円と昨年に比べ千百四十円の増加となっているのであります。 以上の諸事情を総合勘案いたしまして、かつまた、最近における民間の給与改善が中位以下の層において相対的に大きく、これに対しまして、公務にあってはこれらの層の昇給率が低下の傾向にある事情を特に考慮いたしまして、今回、次のような勧告を行なった次第であります。 すなわち、第一は、初任給の中位等級以下の職員に重点をおきまして、特に行政職俸給表(二)の適用職員に配意して俸給額の改善を行なうことといたしますとともに、主として中位以下の職員を対象として俸給制度の合理化をはかることとし、これらを内容として俸給表の改定を行ない、これに逐次切りかえることといたしたのでございます。 なお、本年四月に新設された高等専門学校の教職員に対しましては、これに適用するため、新たに特別の俸給表を設けることといたしました。 第二は、民間の賞与に相当する特別給は、現在公務員については年間三・四カ月分でございますが、これを民間にあわせて〇・三カ月分増額することといたしました。 また、その支給日、支給方法等についても適正化をはかり、勤勉手当の一部については、三月に支給するようにいたしますとともに、支給日前一カ月内に退職する職員にも支給し得る道を講ずることといたしました。 なお、宿日直手当については、民間の実情を考慮いたしまして、土曜日退庁時から引き続いて行なわれる宿直勤務に対し四百二十円以内の額を支給し得るよういたしております。 以上、今回の報告および勧告につきましてその概要を申し上げましたが、この勧告の実施時期については、この勧告の基礎となっております官民給与の較差が昭和三十七年四月を基準としておりますことから見まして、本年五月一日といたしている次第でございます。 したがいまして、この勧告が実施される場合におきましては、給与法の適用を受ける公務員約四十七万人につきまして、昭和三十七年度内におおむね、俸給喪の改正に対し約百六十七億円、期末手当、勤勉手当等の増額に対し約四十億円、両者を合わせまして約二百七億円の経費を要する見込みとなっているのであります。 何とぞ、国会におかれましては、この報告および勧告を御審議下さいまして、すみやかに適切な措置をとられるよう切望する次第でございます。 以上でございます。
○理事(下村定君) 以上で説明を終りました。 それではこれより質疑を行ないます。政府側から御出席の方は、大橋給与担当国務大臣、ただしこれは間もなく出席せられる見込みでございます。神田人事院総裁職務代行、瀧本人事院給与局長が出席しておられます。 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 労働大臣——給与担当大臣はもう見えますか。
○理事(下村定君) 間もなく来られることになっております。
○山本伊三郎君 きょうは主として政府に対してちょっと注文があったのですが、しかし、まだ来ないので、人事院にちょっと下調べで、ちょっと御質問しておきたいと思います。 今簡単に神田人事院総裁代理から御説明願いましたが、これを調べますと、いろいろ問題が出てきておるように思うのです。しかも今度の勧告は、昨年の八月八日の勧告と違って、きわめて巧妙になされておるので、説明だけ聞いておってもなかなか理解ができないと思うのです。そこで端的にひとつお願いいたしますが、今度のこれが実施されたときにおいて、今百六十七億の所要財源が要ると言っておられまするが、はたして民間給与との較差から見て幾らのパーセンテージが解消できるのか、まずそれをちょっと先に聞いておきたい。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま神田人事官から御説明申し上げましたように、今回の俸給表におきましては、いわゆるベース・アップということを行ないますと同時に、俸給表の体系の合理化ということをいたしておるのでございます。なぜ俸給表の体系の合理化をやったかと申しますると、これは従来の公務におきまして、この給与改善をいたして参ります場合に、号俸の金額を引き上げるという措置はおおむねやったのでございまするけれども、その号俸と号俸との間着額と申しますか、 〔理事下村定君退席、委員長着席〕 これは一年で次の号俸になるのでございますから、昇給金額でございます。その昇給金額については、従前あまり改善をいたして参っていない。ただし俸給表の体系を従来とてもやはり少しずつ是正する意味におきまして、その昇給金額を多少増したところはございますが、原則として俸給表の金額自体を増加するという方法をとって参ったのであります。その結果、われわれの検討によりますると、平均昇給率というものが相当最近落ちてきておるのではないかということを一部感じております。一方民間におきましては、初任給が、これは大企業、中小企業を問わず、非常に改善されておる。このことは、やはり現存在職しておりまする若い職員にもやはり給与の増額をはからなければならぬという機運が出て参りまして、それは統計にも現われておるのでありますが、この辺の給与も増額しておるという状況になっております。そういうことから見まして、どうも公務員の中以下の職員の年間の平均昇給率というのが少し低いのじゃないか。これはやはりそういう面から改善する必要があるということで、今回はいわゆる従来の意味におきますベース・アップと、体系の合理化とあわせ行なったのであります。したがいまして、今回は従来のように切りかえ日に直ちに新俸給表に乗り移るということになりませんでした。これはその前後の体系を乱さないように、序列を崩さないようにする必要があったからであります。その結果、いわゆる従来の意味におけるベース・アップは六・六%になったわけであります。しかし、体系の合理化に伴うものもございますので、切りかえ即日におきましては七・一%の増額になるのであります。俸給表に移りかわる、あるいはまた、後にお求めに応じて御説明申し上げたいと思っておりますが、暫定俸給に切りかわったり、あるいは暫定俸給から新俸給に切りかわったり、新俸給に直接行ったり、いろいろケースがございますが、これは体系合理化まで含めて即日七・一%になります。この新しい俸給表の切りかえは、順次、逐次行なわれますが、最終段階においては七・九%になるのであります。七・九%になる改善をいたすことになるわけであります。そのほか体系の合理化に伴いましてそういうことをやりましたので、そのほかの職員に対しましても必要なやはり調整措置をやらなければならぬという問題がございます。それからまた……。
○山本伊三郎君 私の質問に対してだけ簡単に……。
○政府委員(瀧本忠男君) 七・九ということになるのでありますが、われわれの見当から言いますと、まず九・三という現在、差がごさいますが、そのうち〇・三というものが暫定手当を昨年の十二月に人事院が勧告しておりまするし、政府側でも早期にやるとおっしゃっておりますので、当然やられるとわれわれも思っておりますが、これが〇・三、そうすると九%ということになります。そうすると、今申し上げましたように、俸給表のみによる増額分は七・九%でありますが、そのほかの分を合わせで最終段階ではおおむね較差を解消し得る、このように考えております。
○山本伊三郎君 この点についてはいろいろあるのですが、大橋大臣が見えましたので、時間の関係があるので人事院のほうはちょっとこれで一服をして、大橋給与担当大臣にちょっと聞いておきたいのですが、昨日、本会議であなたがわが党の吉田法晴議員の質問にお答えになったのですが、この勧告を尊重するという通り一ぺんの答弁でしたが、非常に不満足です。そこできょう初めて大臣が就任されましたので、あいさつも抜きでこう言うことは非常に失礼でございますが、あなたにひとつこの勧告に対する、人事院に対する認識について、ちょっと聞いておきたいと思います。 わが国の国家公務員法の人事院の勧告、人事院の存在というものはきわめて特殊だと思うのですが、非常に大橋大臣は博学でございますが、公務員の制度、ことに公務員に対する勧告制度というものは各国でどうなっているか、ちょっと最初にそれを聞いておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 御質問にお答えをいたす前に、委員会の皆様にごあいさつを申し上げることをお許しいただきたいと存じます。 過般の内閣改造にあたりまして、私、労働大臣に任ぜられ、兼ねて給与その他の公務員制度に関する事務を担当いたすことと相なりました。給与及び公務員制度の問題は、その内容が広範かつ複雑であるばかりでなく、慎重な検討を要する重要問題を含んでおりますが、全力をあげて職責を果たし得るよう努力いたす所存でございます。当委員会の先生方には、格別のお世話に相なることが多いと存じますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げて、ごあいさつといたします。 次に、ただいま山本さんの御質問、人事院の勧告のような、外国の制度はどうなっておるかということでございましたが、私、不敏にいたしまして、その間の事情をつまびらかにいたしておりませんので、また、人事院のほうなりあるいは特に必要があれば、取り調べの上、後刻お答えをいたしたいと存じます。
○山本伊三郎君 そこで人事院の勧告の性格なんですが、そういう意味でちょっと聞いてみたのですが、従来、終戦後、公務員の給与については、国表公務員法の成立と同時に、勧告が毎年ではないが十数回出されております。これに対する政府の態度は、私はきわめて不満なんです。なぜ国家公務員に対して給与の勧告がなされるかということは、もう労働大臣も、労働大臣であるからその点は十分御存じだと思いますが、公企労関係の仲裁裁定、そういうものとはきわめてその性格が変わってきておると思うのです。公務員には御存じのように、国家公務員法、また並びに、地方公務員法によっていわゆる団体交渉権すら否定されるような状態にある。したがって、ただ公務員の給与なり身分を守るのは、一にかかって現在の制度においては、人事院が守っておるという法律の建前なんです。ところが、人事院の勧告が出されても、人事院勧告そのものについてもわれわれは非常に不満なんです。不満ではあるけれども、その完全な尊重すらせずに、政府がこれを政治的にいわゆる曲げておる。こういう事実は、大橋大臣もすでに過去のことは御存じだと思うのです。そういうことから見ると、われわれとしては今度の人事院の勧告は、まだ質問を始めておりませんが、今若干答弁がありましたけれども、きわめて問題点がある。現在の民間の給与からして、相当低くあるということはもうすでにはっきりしておるのですが、しかるに、きのうの答弁では、現在検討しておるということくらいしか言っておられないのです。しかもすでに民間の給与は、四月現在であれだけの較差があるということをはっきり人事院が報告しているのですから、今現在においては、公務員の給与はそれだけの較差があるということは、はっきりしているのです。かりに人事院の勧告が若干問題があるとしても、それをまだこの国会では予算措置も考えることはしておられない、こういう総理なりあなたの答弁なんです。一体これによって、国家公務員はみずから交渉する権利も与えられておらない。しかも勧告を出されても政府はそれほど冷淡である。一体公務員はだれに、何にすがって自分の生活を守るかということです。この認識を一体どう持たれておるかということを、就任当初でございますけれども、その点をひとつはっきり、本会議では本会議という政治的な意味がありましょうけれども、委員会ではひとつ腹を割って、その点の新大臣の自己所見をこの際にひとつ承っておきたいと思うのです。
○国務大臣(大橋武夫君) ただいまの御質問の御趣意にありましたごとく、人事院の勧告というものは、団体交渉権、ことに団体行動権に非常な制限を受けておりますので、公務員の勤務の条件を改善し、維持いたします上から言って、まことに大事なものなのでございまして、この勧告は常に適切に行なわれまするとともに、その勧告につきましては、国会も政府もこれを十分に尊重いたしまして、すみやかに実施するということは、これは公務員法の趣旨からいいましても当然のことであると存じておるのでございます。したがって、私といたしましても、この問題の取り扱いにつきましては、かような考えをもって対処いたすのでございまするが、ごらんになりまするとおり、現在勧告になりましたものは、公務員の一般職の給与に関する問題なのでございまして、この問題に手をつけまするというと、当然特別職の公務員、また、地方公務員、その他たくさんの公務員の給与につきましてもやはりこれに準じた扱いをしなければならぬことは当然であると思うのでございます。そこで、人事院の勧告を尊重するという趣旨のもとに、ただいま政府の関係機関は、この勧告を実施いたしまする場合、勧告に盛られていない公務員全体の均衡ある取り扱いにつきましても検討いたさなければなりませんし、また、これを実施するにあたりましての財源措置につきましても十分確保いたすことが必要であるわけでございます。したがって、これら広範な作業をただいま実施中なのでございまして、これらの作業全体を進めました上で、政府といたしましては国会にこの措置をお諮りいたすというふうにすることが適当だと、こういう考えで現に進んでおる次第でございます。かような意味をもちまして、本会議でも御答弁申したわけでございますが、本会議の性質上非常に簡単に申し上げまして、十分意を尽くさなかった点もあるかと存じますが、真意はただいま申し上げたごとくでございますので、どうぞ御了承いただきたいと存じます。
○山本伊三郎君 本会議よりは言葉の数は多いのですが、内容はあまり変わっておらない。大橋大臣もすでに相当に党の主要な役をされてきて、いろいろこういう問題については御存じだと思うのですが、今日初めてこの勧告が出されたらそういう答弁も了解できるかもわからぬが、過去十数回すでに勧告があるのです。その勧告が出た場合、その他のいわゆるこの特別職の公務員、または自衛隊、地方公務員、こういうものがこれに準じてやられておる慣例は、もう人事院の勧告のワクをこえてやったということはないのです。これを基準に全部右へならえしてやられておる。これがまた、地方公務員法の精神もそうなっておるのですから、したがって、すでに四月現在において、あなたの所管する労働省で民間給与の較差、毎月勤労統計によって一三・三%あるということはすでに報告されておるのですから、政府としても〇・〇一%くらいまでの数字はわからなくとも、ある程度の予算措置というものも考えていなければならないと思うのです。勧告が出て、その勧告によってまたほかの作業をするのだ、そうして予算措置も考えるのだということになれば、先ほど冒頭に申し上げましたように、国家公務員の給与というものはいつもずれて実施されてしまう、こういうことになるのですね。したがって、公務員の諸君は、そういう立場におるから相当不満を持っておるけれども、もうやり方がないのですねこの前、大橋大臣が新任早々に代表にお会いになったようでございますけれども、非常に感じのいい方だということも聞いておりますけれども、感じだけではこれは腹がふくれるわけではないのですから、ひとつあなたはここで政府を代表して、こういう問題について、やはり根本的な方針というものを、軌道というものを作っていただきたいと思うのです御承知のように、三公社その他現業関係では、団体交渉していけなければ、仲裁裁定というものを出されます。この裁定については、きわめて政治的なものが加味されてくることは、これはあの組織上やむを得ないと思う。しかし、人事院勧告は相当長い期間かけて、科学的に数字を出して、出されてきたものをどう選ぶかという問題、選べないですよ。もし選ぶとなれば、公企労のように団体交渉を煮詰めてきて、そこで何か労使関係を仲裁裁定という形で出されるということならば、労使不満でも一応それは納得するでしょう。国家公務員なり地方公務員の場合はそれがないから、出された人事院の勧告は不満であっても、一応そうされたならば、法律的にはこれは文句言えないという立場なんです。したがって、政府としては、そういう冒頭に言いましたように、人事院の勧告の性格というものを十分政府が理解をしておかなければ、公務員という特殊な労使関係というものが非常に私は問題になってくると思う。今日非常に公務員の問題についていろいろ言われておりますけれども、こういう問題が解決されずして、幾ら政府が綱紀粛正とか、そういう言葉を使ってもだめですよ、筋も通っていないし。したがって、先ほど大橋大臣が、他に特別職の問題があり、地方公務員の問題がある、それらを検討して財源の問題を、措置を考えてやるということは、一応表面は通りますけれども、過去長い聞こういうものを見てきているわれわれとしては、当然政府は今まで打つべき手を打っておらない。そういう点について、大橋大臣は新任されたのですから、政府部内でその点の認識を新たにしてもらいたいと思います。もちろん国家財政も、法律、予算によって作られているのですから、やはりその措置はしなければいかないけれども、政府は誠意をもってその措置をやるように考えなくちゃならぬと思う。現実にそれじゃ聞きますけれども、この国会でおそらく無理だということを池田総理がきのう言われましたが、全然いかないとは言わない。そうすると、現時点においては、この国会において補正予算を出すことは無理である、出すことはできないという否定的な態度だったが、それは事実であるかどうか、もう一ぺん聞いておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) ただいまの段階では、昨日総理大臣の申し上げましたとおり、今国会の会期等の関係から見まして、補正予算の提出並びに公務員給与についての法案の提出は困難だと考えております。
○山本伊三郎君 そうすると、これは現実の問題で私は尋ねていきたいと思う。そうすると、今は政治的判断から見ると、十一月には総理が西欧諸国を回るように、そういう日程も組まれている。現実の問題で臨時国会が開けなかった場合には、通常国会に持ち越されるでしょう、補正予算が。そうすると、ペンディングのまま、懸案としたまま通常国会に持ち越されても、通常国会は十二月中に開かれて、直ちにこの審議というわけにいかない。年が明ける。そうすると、四月現在で較差があるというのを、一年持たして、そうして国会で論議をして、あれやこれや言って、そうして実施する。一年間一体どうするという、そういう点を配慮願いたいのです。現実の問題で、生活の問題ですから、勲章もらうとか、そういう問題ならば、一年、二年待っていいけれども、給与を一年間も、民間との較差があるということを人事院は勧告してきた。これは政府だけの責任ではないんですよ。衆議院、参議院——池田総理大臣よりも、両院に対して勧告してきているんですよ。政府は責任あるけれども国会も大きな責任がある。それが政府の措置によって、国会が、じんぜんと次の通常国会を持ちなさい、そういうことをわれわれの責任上言えないですよ。その意味において、もし通常国会に回されてしまったら、一体どうなるのか、その点は政府は責任を感じませんか。
○国務大臣(大橋武夫君) 政府といたしましては、人事院の勧告についてはすみやかにこれを実施することについては、もとより責任を感じている次第でございます。ただ事柄が国会の御審議を要する問題でございますので、その点で制約は当然あるのでございますが、しかし、その範囲におきまして、国会の御協力を得て成案のできました上はできるだけすみやかに御審議をいただき、実施ができるようにしたいと、かように熱望いたしておるところでございます。
○山本伊三郎君 まあ大橋大臣としてはそういう答え以外にはここで答弁はできませんが、当事者から見ると、そうのんきな問題ではないと思うんですよ。したがって、現実に私はお尋ねしたいんですが、政府としては臨時国会を開く予定があるのかないのか。ないとすれば、通常国会へ回る。通常国会へ回れば、おそらく成案を急いでも予算の審議、補正算を審議しても二月に入る。そうしてそれが決定になるというのは相当おくれてくる。その場合に、公務員は何によっていわゆるその間の暮らしを立てるか。一応予算措置はできなかっても、政府としてはこういう措置をとりたいんだという一つの方針がきまっておれば、それはその間において借金をしてでもやるけれども、勧告をされたけれどもどうなるんだというそういうペンディングのままでおかれることは、私は公務員としては非常に不安だと思う。しかもまた、来年度の新規採用というのも出てくる。今日、御存じのように、公務員の希望者は非常に少なくなっておる。こういう段階で私はもう少し政府が真剣に考えていただきたいと思う。私は、当面の話で、あれは真剣に考えておるかどうか、腹のうちはわかりませんけれども、真剣にひとつこれを考えてもらいたいと思う、とやかく言いませんけれども。そうすれば私はおのずから方針が出てくると思う。先ほど言われましたが、すみやかにということは、この前も、内容については問題があったけれども、五月の実施というものを出しても、十月しか実施しない。しかも何らの公務員等の意思も聞けない。そういう国家公務員に対して、そういう三権を剥奪された対象の人たちに対して、人事院がせっかく勧告しても、それも実施しない。こういうことでは問題はますます悪質化してきても、これは政府の責任ですよ。私はこの前の福永大臣にも冒頭にこの点を申し上げておいたんですが、福永大臣も非常に個人的には同感の意を表しておられたけれども、現実はそうでなかったんです。今度大橋さんも給与担当大臣で非常に御苦労ですが、私はやっぱりそういう経過で終わるんじゃないかという危惧がするので、はなはだ初めて出席されたこの委員会でちょっと言い過ぎだと思いますけれども、政府の閣僚の一員として、私にあなたに対して誠意の問題で大きくひとつがんばってもらいたいと思うんですが、すみやかに実施するということですが、正月から実施するということの方針は政府としてどうか、具体的に一つぐらい満足する答弁をしていただきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) いつから実施するかということは、結局全体の結論として出てくる問題でございますので、いましばらく御猶予賜わりたいと存じます。
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
○山本伊三郎君 その点は大橋大臣にここで首を締めてこう言えと言ったってなかなかそうはいかないことは僕も長い経験から知っていますが、私らの言うことの真意を十分閣議に伝えてもらいたいと思います。 それからもう一つですが、これはあなたの前の問題ですが、昨年十二月に暫定手当の勧告をしておる。これも勧告を尊重すると言うけれども、これも実施をしておらない。瀧本給与局長の答弁を聞くと、われわれが心配したとおりに、暫定手当の〇・三%を今度の給与勧告の中の較差の中に繰り込んできた。これもあとで人事院に対して追及いたしますけれども、そういう憂えがあるから、この介は別の経過があるということで早く実施してもらいたいということですが、昨年の十二月ですよ。しかも人事院はなぜ十二月に出したかというと、三十七年度の予算編成に間に合わすためにやったのです。これも三十七年度に政府はその予算編成をしなかった。水田大蔵大臣に相当追及いたしましたけれども、あやまりはしなかったけれども、補正予算のときには考慮したいというような答弁があったことは聞いておられると思う。そういうことなんですよ。あなたは初めてですから、あなたの責任は追及いたしませんけれども、政府の態度というものはずっとそういうことですから、私は常に政府の態度に対して不満を持っておると同時に疑問を持っておるんですね。こういうずるい手を使われたら、結局公務員はせっかく暫定手当は暫定手当としてもうすでに解決したものだと思ったら、今度の給与のこの勧告と一緒に合わして解決しようという人事院もこれもきわめて私は卑怯な手だと思う。あれは全公務員があれによって救われるものじゃないですよ。暫定手当というのは、いわゆるゼロ地に対しては相当な引き上げになるけれども、その他のものには三%というものは生きてきませんよ。そういう矛盾したものをこの勧告の中で一緒に解決しようとすることはきわめて大きな矛盾がありますよ。これも一つを言えば、政府が早く勧告を実施しなかったために姑息の手段として人事院はこういう勧告を出してきた。こういう経緯があるんですから、時間も非常に延ばしましたけれども、労働大臣はその点の政府部内の考え方、認識の問題について十分閣議で発言をししもらいたいということを私は最後に希望いたしまして、今の質問にお答え願っておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 全くお話のことにつきましては同感でございますので、十分に御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○山本伊三郎君 暫定手当は……。
○国務大臣(大橋武夫君) 昨年十一月に勧告されました……。
○山本伊三郎君 十二月。
○国務大臣(大橋武夫君) 十二月に勧告されました暫定手当につきましては、先ほど瀧本局長からも、これを実施すれば初年度において〇・三ということを説明されましたが、これにつきましては、この機会に当然解決しなきゃならぬと考えております。
○山本伊三郎君 質問じゃないですが、今のちょっと見当はずれの答弁だが、大臣ちょっと用事があるから、私はその答弁には満足しておらないということだけつけ加えておいて、きょうはこれで一応労働大臣の質問を終わります。
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。 他に御発言はございませんか。——他に御質疑がなければ、本件の調査は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時八分散会