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41回国会参議院1962/08/23

商工委員会 第2号

発言数
115
登壇者
12
会派数
2
開催日
1962/08/23

会議録

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。  本日の委員会の議事について申し上げます。まず、福田通商産業大臣及び宮澤経済企画庁長官から施策に関する所信を聴取いたしまして、それから所信表明に対し主として貿易に関する件、自由化の問題、金属鉱業問題、農産物の自由化、陶磁器対米輸出問題等につきまして御質疑を行ないます。  次に、次回の委員会の日時は、八月三十日木曜日午前十時とすることにお話し合いをいたしました。  以上であります。   —————————————

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) それではこれより議事に入ります。  産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、まず、福田通商産業大臣及び宮澤経済企画庁長官から、それぞれ施策に関する所信を聴取いたします。福田通商産業大臣。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) わが国経済の最近の情勢は、昨秋以来政府のとって参りました一連の景気調整策の効果がようやく浸透する段階に入っております。すなわち、鉱工業生産は四月以来一進一退を続けながらも下降傾向をたどるなど国内経済は全般的に落ちつきを見せ、経済は本格的な調整期を迎えることとなりました。また、国際収支も、輸入の沈静とアメリカ向けを中心とする輸出の好調から、当初見込みの赤字一億ドルからかなりの改善をみ、特別借款の受け払いを除外して、おおむね上期、下期とも均衡ベースを維持できるものと予想されます。  このような段階に当面して、私は、景気調整策を弾力的に運用しつつ、同時に経済外交の推進、輸出金融、輸出保険の充実強化、輸出体制の整備等の輸出振興措置の強力な実施をはかり、国際収支の均衡を確固たる基盤の上に置くこととしたいと考える次第であります。  さらに、かかる国際収支均衡の基盤の上に、経済の長期発展路線を整備するため、技術の振興、産業立地の適正化および用地、用水の確保等産業基盤の拡充に強力な措置を講じ、経済成長の基礎固めを行なうことが肝要であると考えるものであります。  ひるがえって海外経済の動向に眼を転じますと、欧州経済共同体の進展に即応して、英国の欧州経済共同体に対する加盟が当面の問題となり、米国が通商拡大法案を通じてこれと協調する姿勢を進めるに至るなど世界経済の再編成の過程が進行しております。このような国際経済環境のもとにおいてわが国が国際経済社会の一員として正当な地位を占めるためには、貿易の自由化はぜひとも達成しなければならない課題と考えるものであります。したがって、今年十月の九〇%自由化につきましても、各業種の実情に即した慎重な考慮を払いつつ、これを進めて参りたいと考えるものであります。  このような自由化の推進に即応して、これが対策の整備をはかるため、当面、関税対策等の充実をはかるとともに、さらに長期的には、一面において自由化に即応し得るようにわが国産業体制の整備をはかる等その国際競争力の強化に努め、中小企業の近代化の推進をはかるとともに、他方、海外諸国のわが国に対する差別待遇の是正に努める所存であります。  貿易自由化に関連して申し述べたいことは、資源産業対策であります。わが国の資源産業特に石炭につきましては、昨年来、石炭対策関係閣僚会議を設置し、その決定に従い、炭鉱の合理化、近代化対策、離職者対策、産炭地域振興対策等を逐次実施に移して参ったのでありますが、当面、最近の貯炭増加の傾向、極度の資金不足等に対処するため、このたび石炭対策関係閣僚会議において資金対策を中心とする石炭緊急対策を決定、実施することといたしました。  しかし、最近の重油の値下り傾向、労賃、資材費等の値上り等を克服して石炭鉱業の合理化を達成するためには、さらに抜本的な対策の実施が必要とされますので石炭調査団の現地調査に基づく答申をまって、所要の施策を講ずる所存であります。  非鉄金属鉱業につきましては、その多くが国際競争力に乏しく、自由化に対処するためには、適切な対策の確立が必要とされるのであります。このため、政府は、従来から関税率の引き上げ、関税割当制度の採用等所要の関税改正を行なうとともに、探鉱補助金の増額、合理化資金の確保等に努めて参りましたが、さらにこの際、先般の通常国会における決議の趣旨にかんがみ、施策の一そうの充実をはかりたいと考え、本年度新設いたしました鉱業審議会の検討をまって所要の施策を講ずることにいたしております。  さらに、この際特に強調したいことは、中小企業の振興であります。政府は、わが国経済に占める中小企業の重要性にかんがみ、設備の近代化、組織化の推進、金融の円滑化等の措置を強化し、その施策に遺憾なきを期している次第でありますが、さらに経済成長を安定した基盤にのせるためには、経済の各分野における均衡の確保、なかんずく、所得格差の是正に努めることが肝要であります。したがいまして、今回画期的な中小企業振興策を打ち出すため、次期通常国会に中小企業基本法案を関連法規とともに提出することといたしまして、目下、中小企業振興審議会等において鋭意検討を進めております。いずれ成案を得て、提案の運びといたしたいと存じますので、その際は十分審議を尽くしていただきますようお願い申し上げます。  以上によりまして、通商産業施策の当面の課題につきまして所信の一端を申し述べたのでありますが、私といたしましては、今後施策の充実に努め、わが国経済発展のため全力を傾注する覚悟でございますので、今後とも一そうの御協力をお願いいたす次第でございます。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 次に、宮澤経済企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) この機会に、所掌事務につきまして考えておりますことを申し上げまして、御批判を仰ぎたいと存じます。多少長くなりますので、どうぞお許しをいただきたいと思います。  まず、最近の経済情勢と国際収支の要旨について申し上げます。  昨年の秋でございますが、総合的な景気調整策が実施されましてから、十カ月を経過いたしましたが、その間、卸売物価の下落、製品在庫の増大、設備投資意欲の鎮静など、その効果は経済の各分野に浸透いたしまして、その結続果上昇をけて参りました鉱工業生産にも昨今やや頭打ちの傾向が見られるようになりました。輸入は落ちついておりますし、輸出も対米向けを中心に増大をいたして、貿易収支は本年六月には一年半ぶりに黒字を記録いたすことになりました。国際収支の先行きを示します輸出入信用状収支の動向から判断いたしますと、国際収支の本年度下期における均衡の目標は、ほぼ達成できるものとただいま考えております。しかしながら、米国の景気の見通しに関連をいたしまして、今後の対米輸出の動向には必ずしも楽観を許さないものがございますし、また輸入につきましても、鉱工業生産が弱含み傾向にございますので、それに見合って現在料の輸入が落ちつくだろうということは予想されますけれども、最近見られる製品輸入の増加というような傾向もございますので、国際収支の先行きについては、今後もなお慎重に見守る必要があると存じます。また、それとともにわが国経済の直面しております課題は、国際収支の当面の均衡達成だけですべて解決されるわけではございませんので、わが国経済が長期にわたって成長発展を遂げ雇用の改善と国民生活水準の向上をはかって参りますためには、長期にわたっての国際収支の均衡を維持して行く必要があることは申すまでもございません。したがいまして、従来政府のとって参った政策なり態度なりはなお当分堅持して行くことが必要であると考えております。経済企画庁としましては、わが国経済の安定成長の道程を見きわめつつ、関係各省の調整に努め、諸施策の円滑な実施を極力推進して参りたいと考えております。  次に、貿易自由化の促進について申し上げます。  貿易自由化の促進は、国際的にみて必要であるばかりでなく、これによってわが国の経済の体質を改善をいたし、国民生活の向上に寄与いたしまして、国民経済全体の利益を増進することができるのでございますから、今後わが国の経済が発展して参りますためには、一度は通らなければならない関門であると考えます。わが国の経済は、この貿易自由化を円滑に進めるとともに、世界経済の再編成という新しい事態にも即応して行かなければならないわけであります。これらの課題を解決いたしますためには、国内的には、わが国産業の生産性を高めることにより国際競争力を一そう強化する、これが根本でございますが、また同時に、国民経済全体としても、国際的視野のもとに産業秩序を確立するとともに、輸出振興に一そうの努力を傾注をいたし、また、外に対しては、海外経済協力の促進とわが国に対する差別待遇の撤廃に努めることが肝要であると考えます。政府は、本年九月末までにわが国の貿易自由化率を九〇%程度に引き上げる方針を決定し、これに必要な対策を織り込んで貿易・為替自由化促進計画を今日まで推進して参りました。経済企画庁といたしましては、今後ともこの基本方針にのっとまして、関係各省と緊密な連絡をとりながら、自由化に対して必要な各般の対策を具体化して参りたいと考えております。  次に、物価の安定につきまして申し上げます。  景気調整策が浸透いたしました結果、卸売物価は今日まで軟調に推移をいたしておりますけれども、消費者物価はむしろ騰勢を続けております。上がりぎみであります。このような消費者物価の上昇の原因は、単純に経済成長の行き過ぎとか、あるいは自然的な条件だけに帰することは必ずしもできないと考えるのであります。経済の高度成長は国民所得の大幅な増加をもたらしましたが、その結果、消費水準が大幅に上昇をいたしたのみならず、消費構造そのものが大きく変化いたしつつあると考えます。このような消費需要の量的及び質的な変化に即応する供給側の態勢の整備がこれに追いつかない。それが、価格の上昇を来たしている一つの理由であると考えるのであります。また、雇用が増大いたしました結果、比較的若い労働力に逼迫を生じまして、そこを通じて賃金水準が一般的に上昇いたしましたばかりでなく、従来相対的に低廉な若い労働力に頼っておりましたサービス業、中小企業、農林水産業の賃金が大幅な上昇をいたしました。これらの産業分野はもともと生産性の向上によって、このような人件費の上弁を急速に吸収することが困離なものが多かったために、その料金なり、価格なりの値上がりを生じている、こういう面が少なくないと考えられるのであります。さらには、経済成長に即応いたしまして公益的な諸施設についてもその整備拡充をはからなければなりませんが、このためには、新たな資本投下が必要であり、これに伴って資本費が上昇し、その結果として料金・価格が上昇した場合もあるのであります。長期的に考えますと、経済の高度成長は国民全般の福祉向上の見地からぜひ必要なことであり、これに伴う経済構造の近代化、物価体系の先進国型への移行ということは当然わが国の経済で経過すべき当然の過程であります。最近の消費者物価上昇の中には、このような合理的理由に基づくある程度やむをえないものもあると考えられますが、他面、経済成長の過程においては、生産性の向上によって製品価格を引き下げ得る場合も多々あるのでありますから、これら両面を総合して全体としての物価水準を安定させるよう努めなければならないと考えております。政府は、著しい消費者物価の上昇は国民生活を直接に脅かすばかりでなく、経済の安定した成長のためにも害がございますので、先般物価安定総合対策を決定したのでありますが、経済企画庁としましては、今後ともこの総合対策にのっとりまして、その一そうの推進に努力したいと考えております。  次に、全国総合開発計画でございますが、近年のわが国経済の高度成長の過程において、既成大工業地帯においては、用地、用水、交通等の隘路が一段と激化し、過大都市という問題を引き起こしておりますとともに、その他の地域との格差がますます広がっておる傾向でございます。これらの問題の解決には、全国的な観点に立って総合的に施策を推進する必要がありますので、経済企画庁としては、国土総合開発法に基づく全国総合開発計画の策定に鋭意努力して参ったのでありますが、この計画はすでに国土総合開発審議会の審議を終わり、間もなく政府として正式に計画を決定したいと考えております。今後は、さきに国会の議決をいただいた新産業都市建設促進法、低開発地域工業開発促進法等を活用して、この計画を推進し、都市の過大化防止それから地域格差の縮少に配慮しながら、資源の有効な利用とその適切な地域配分を通じまして、地域間の均衡ある発展をはかって参りたいと考えております。  なお、離島振興および各地方開発の促進などについても、引き続き努力を傾注いたす考えであります。  最後に、水資源の行政でございます。最近顕著になって参りました社会資本の立ち遅れを是正をし、わが国の経済が長期にわたって均衡のある発展をいたしますために、基盤を整備いたしますひとつの施策として、水資源の総合的な開発とその合理的な利用をはかることが必要でございます。さきに水資源開発促進法および水資源開発公団法が制定され、経済企画庁としてはその実施に遺憾のないよう努めて参ったのでありますが、すでに水資源開発公団は発足し、水資源開発基本計画も決定の運びとなり、この仕事がようやく軌道に乗りつつある段階でありますので、今後ともその成果を収めますよう一そう努力して参りたいと考えております。  以上申し上げましたように、わが国の経済は、国際収支の改善、物価の安定、貿易自由化の促進、長期的な経済発展の基盤の整備、あるいは地域格差の是正など、幾多の困離な問題を持っておるのでありますが、このような事態に対処いたしまして、私といたしましても、与えられました責務を全ういたしたいと考えておりますので、何とぞ今後ともよろしく御教示とお力ぞえを賜わりますようにお願いをいたす次第でございます。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 以上で所信表明は終了いたしました。  これより本件に対する質疑を行ないます。本日は、特に貿易に関する件について御質疑願います。なお、政府側から出席の方は、福田通商産業大臣、上林通商産業政務次官、倉八軽工業局長、川出鉱山局長でございます。御質疑のおわりの方は、順次御発言を願います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 所信表明について、あるいはその中で特に貿易関係についてということですが、貿易・為替の自由化に関連をして、きょうはお尋ねをいたしたいと思います。  十月一日から九〇%の自由化ということが言われております。所信表明の中にもそう出ておったようです。その自由化のスケジュール、九〇%自由化するという話ですが、その具体的な内容、重要なる品目名、あるいは延期をするもの、あるいはウエーバー条項ですか、自由化免除の修正を予定するもの等、品目と関連をして大綱を御説明いただきたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 自由化の計画につきまして、その時期、内容等について大綱を説明せよという御質問と存ずるのでありますが、自由化の問題につきましては、実はただいま名品日別に、たとえば非鉄金属等にいたしますならば、鉱山の数とかあるいは会社の数、もしくはその内容、それから従業員の数等々、具体的にこれを調べまして、それから一方国際的な価格がどういうふうな推移をたどっているかというようなことも研究をいたしますと同時に、御存じのように、関税その他の措置によって、いろいろ自由化に踏み切ろうとして手当をいたしたこと、それが今どの程度に効果をあげておるかというような面等も考慮をいたしまして、実は今品目別に詳細に検討をいたしておる段階でございます。そこでせっかくの御質問でございましてまことに恐縮でございますが、どの品目をどういうふうにするかということはまだきめておりませんので、これをきめる時期は大体九月の半ば前後という建前で、ただいま、目下その作業を進めておるというのが実情でございますので、御了承を願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 各品目別に調査をしておる、具体的にはまだ言えるところまできていない——対策が立たないで、自由化とともに大きな影響がそれぞれの産業にあると考えられるのに、ただ自由化だけはする、こういうことでは、これは少なくとも日本の国民に関する政治ではないと考えられるのですが、それは各品目あるいは産業別にあとで伺うこととして、そうすると、あらためて伺いたいことになるのですが、貿易自由化に関する根本理念というものはどいうところに置いておられるのですか。考えられることは、戦後独特の経済発展を遂げたアメリカで、資本の高度な蓄積によって企業規模が巨大化し、そこで、それに対応して保持できるような大きなマーケットを獲得する必要から、アメリカが、イギリスやあるいは西欧等の協力を得て、IMFやガットを軸にして各国に対する貿易の自由化を強制をしておる、こう解釈し得るわけでありますが、通産省側としては、一体貿易の自由化が不可欠とするそもそもの理由を日本の経済からどのように考えておられるか、お尋ねする次第であります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、アメリカの提唱によりまして自由化が提唱されておることは事実でございますが、日本としましては、やはりまあ戦前の労働力のダンピング等もあり、戦後の事情等もございまして、日本に対しては非常に差別的な貿易上の措置をとられておる実情でございます。で、こういうような差別化をされておりましては、日本の貿易を今後伸ばしていくというわけにはいきませんので、できるだけこちらのほうも自由にするが、あなたのほうもひとつ門戸を開放して日本の品物を買うようにしてもらいたい、こういうことによって、初めてこの日本の産業を伸ばし、それによってまた日本の国民生活の安定がはかれるものである、こういう建前から、自由化という問題に踏み切った次第でございまして、これは私が申し上げないでも、すでにおわかりと思いますが、あらためて一応考え方を申し述べた次第でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 この差別といいますか、あるいはアメリカ等での輸入の制限その他については別に論議がなされるので、その点は後日に譲ります。  従来、現在で七三%の貿易自由化を実現実施されておる、こういうことになっておりますが、すでに相当の影響も出ております。で、この十月一日に九〇%に移るために残りの一七%の自由化を推進しようというわけでありますが、この残されておる一七%の自由化については、非常な大きな影響があり、あるいは産業によっては、非鉄金属等もその一つでありますけれども、壊滅的な打撃を与えるのではないか、こういう心配をされている。で、今までの段階で国内産業にとってどのような影響なり摩擦が生じておるのか。先般配付された通産白書によっても、その点一向どうもはっきりいたしませんから、特にお尋ねをいたしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 従来やりました七三%の自由化によって日本の経済がどの程度影響を受けておるかという御質問かと存ずるのでありますが、これについては、今までのところそれほどの大きな影響がないというふうに了承いたしておるのであります。詳しい点については、局長から御説明いたさせます。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) ただいまのお尋ねでございますが、従来まで、七三%に至りますまでに、いろいろの段階で、何回かに分けて、その都度自由化すべき品目に対する考えられる影響というものを慎重に研究いたしまして、自由化品目をきめて参りましたわけでございますが、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、従来までのところ、自由化しました品目につきましては、特に特別の問題を生じておる、あるいは業界のほうから特別問題として取り上げて、いろいろ要求があるというような品目はございません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 これから自由化していくという産業について、非鉄金属にしても、あるいは化粧品にしても、あるいは重機械工業にしても、あるいは自動車等についても、これは影響がすでに現われているわけですけれども、今まで自由化された中で、これは個々の例でありますけれども、ジュースとか、すでに自由化されて、なお、今後の自由化と関連をして心配される面がございますが、そういう点についても、ほとんど影響がないということですか。心配はないということですか。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) 今吉田先生のお尋ねになったのはジュースでございますか。清涼飲料でございますか。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 今まで自由化したものでは、そうです。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) もちろん全然影響がないというわけではございませんけれども、もともと自由化の趣旨自身が、若干の影響はございましても、それによって国内産業がより健全に発達する、あるいは先ほど大臣の言われましたほかの国の自由化、それとの見合い、あるいは国際的な関係、そういうような点から申しまして、若干の影響のあるものは順々に踏み切っていく、そういうような考え方で進んでいるわけでございまして、御指摘のようなものにつきまして、全然影響がないということは申し上げられませんけれども、ある程度予想されて、まあまあやむを得ず耐えなければならないのではないかというような程度の影響にとどまっているのではないかと考えるわけであります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 十月にやるものについて、たとえば非鉄金属とか、あるいはまた化粧品などというようなことでございますが、もちろんそれによって壊滅的な打撃を受けるということが明らかになっておるにかかわらず、自由化に踏み切るということは、これは私はいかがかと考えておるのでありまして、その影響の度合いというものは十分検討いたさなければなりません。そういう意味合いで、ただいま各品目別にどの程度の影響があるかということを検討いたしまして、そうしてこれに対する対策を考え、さしあたり対策等ができないという場合には、ものによっては、やはり十月に大体予定をしておっても、これを延期せざるを得ないものも出てくるのではないかと、こういうような考えで、今検討を進めておるのである、こう申し上げた次第であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 今お尋ねをしたのは、これからのものについての影響、それから対策ではなしに、今まで自由化したものが、各産業についてどういう影響があるかという点について、十分の調査がなされているかということをお尋ねをしたのでありますが、局長。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) 今のお尋ねの、すでに自由化した品目に対します影響につきまして、個々別々の業種につきましては、もちろん従来の自由化の影響を十分監視、あるいは調査をしているのでございますが、その全体をまとめました資料というものは現在は用患いたしておりません。また、業界のほうから特別非常に大きく問題として要求があるというふうなものは、現在までのところは、私たちの知っております範囲では参っておりません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 今までの影響の調査云々という点は、発表されておらん。あるいは業界からのあれはないけれども、通産省としては、調査をしておられる。私のほうから提出を願いたいということになれば、提出されるものはあるわけですか。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) 業種を御指定いただきまして、御明示いただきますればそのお答えを……。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 あとでお願いすることにして。  問題になってくるのは、あと一カ月ちょっとで、自由化していこうという品目に関して、産業別に対策は今検討中だということで確立されておらん。確立されている産業はないと私どもは考えるわけですが、その中でエネルギー関係、あるいは金属鉱業、農産物、農産物資などはその尤なるものだと思うのでありますが、金属鉱業の問題については、非鉄金属等の問題については、あとでお尋ねをすることにして、中小企業一般に対しては、自由化の波を防ぎとめる方策として、どういうことが具体的に考えられておるか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) もとより中小企業といいましても、いろいろの御承知のように種類がございますが、これを一般的に言いますれば、何といっても中小企業自体の体質改善ということになりますから、あるいは合理化をはかるあるいはまた同業種との間においてそれぞれいろいろの何といいますか、共同的な問題の処理をはかっていくというような意味で、関係のある面については、そういうような施策を十分に考慮しながらやっているという段階でございまして、特にこの業種についてどうするかということになりますと、これは一つ一つの業種についてやはり検討をして参るのでありませんと、ちょっとお答えをいたしかねるかと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 インスタント・コーヒーや、あるいは冷凍エビなどは、一挙に大量の輸入があって、しばらく過剰になったということを言われております。それからまたこれは常識みたいなことですけれども、化粧品などは高価でも外国品をという、舶来物をという従来の風潮もございまして、その種のぜいたく品が自由化で流れ込んでくるという懸念もある。あるいはこのまま放置すれば、せっかくかせいだ外貨も一部逃げ出すという政策的な矛盾も生ずるおそれがありますが、どういう対策を御用意しようとされるのか。あるいは国産優先しろということ。これは業界自身の中でもそういう宣伝がなされておりますが、こういう点について、どういう構想をお持ちなのか、承りたい。  それからこれに関連をいたしますが、壊滅的な打撃を受けるとするならば、これは自由化は十月一日から困難ではないか。こういうお話でありますが、これは常識的に考えられておるところでありますけれども、劣悪な資源条件で競争力のないものとして、農産物あるいは酪農品、石炭、非鉄金属、紙パルプ、油脂、ソーダ灰、あるいは過燐酸石灰、それは決定的な産業、あるいは競争力が未熟で深刻な影響を受けると考えられるのは乗用車、あるいは大型工作機械、あるいは大型重電機、特殊鋼、あるいは国産飛行機。新しい産業で、競争力が全く欠けているものとして石油化学、あるいはアクリル繊維、電子工業等があげられているわけでありますが、こういうものが相当重大な影響を受けるあるいは壊滅的な影響を受ける産業だと言われております際だけに、大臣の所見を特に承っておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) まず第一点の消費財についての御質問のように承ったのでありますが、これはお説のとおり、国産品愛用というようなことは、もちろんこれはやらなければいけないわけです。どうも残念なことに国産品の愛用運動をやると、逆に舶来品のほうを好んで使うというような逆作用等もあり得るのでありまして、そういうようなことを勘案いたしますと、なかなか国産品愛用という意味で、そういう施策をやったからというだけで、もう問題が解決したということにはならない場合もあると思うのであります。したがって、そういうようなことも考慮いたしまして、ただいま化粧品の問題等についても個別的に研究をいたしておりまして、これは全部が全部十月から自由化をする。あるいはそのうちの一部をこれをとめるかというようなことについては、先ほど来申し上げておるように今検討しておるということで御了承願いたいと思うのであります。  次に、今申されました非常にいろいろの品目についてでありますが、申されましたうちで、たとえば自動車等につきましては、すでにこれは相当二年くらいの余裕を見て自由化をしようというようなことになっております。銅、鉛、亜鉛というようなものは御承知のように一応来年の三月ということにきめておりまして、その他の非鉄金属については十月一日というふうにきめておりますが、しかしこれをどういうふうに処置するかということは、ただいま先刻から申し上げておるように検討をいたしておる段階でございます。  いろいろの品目等、相当多種多様にわたっておりますが、いずれにいたしましても、これが日本の特に中小企業がやっておるような仕事に大きな打撃を与えるようなものにつきましては、これは慎重に検討し、そうしてその対策が立てられないのに、その産業が致命的打撃を受けるということがわかっておるのに、九〇%自由化ということをきめたからといって、それを全部実現していくと、こういう考え方で私たちはやっておるものではないのでありまして、そういうような場合には万やむを得ない場合には一時これを延ばすというようなこともあり得る。またその間においてなんらかの施策をとって、そこでまだ一定の時期に自由化に踏み切るというものも出てくるでしょう。いろいろそういうような長短のといいますか、深浅の度合いを考えまして、そうして処理をいたして参りたい。かように考えておる次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 大臣、ちょっと今吉田、委員の質問に御答弁があったわけですが、はっきり聞き取れなかったんですが、銅、鉛、亜鉛、これは十月から自由化やるというのですか、やらんというのですか。はっきりひとつ。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 銅、鉛、亜鉛につきましては、大体来年三月を目途として自由化をしよう。こういう考えでございまして、十月ではございません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 目途ということがはっきりわかりませんが、非鉄金属の中で十月からやるというのは何と何ですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) それは先ほどから申し上げた次第でありますが、その影響その他を考えましてただいま検討をいたしております。こういうわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 まあ関連質問ですから私あとでお尋ねしますがね、十月から貿易の自由化をやるやらないということは、今から対策を立てておかなければ、あと九月一カ月しかございませんよ。今検討中などというのはちょっと通産大臣無責任な御答弁じゃないですか。また私あとでお尋ねしますがね。関連質問ですから、これでやめますが、十月から貿易の自由化をやるということになれば、半年、一年前から対策を立ててもまだ不可能な問題がたくさんある。それがあと一カ月後に迫った自由化に検討中なぞということは了承できませんが、あとで……。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) それは対策を何も検討するとか何とかというのじゃないのであります。十月一日に自由化に踏み切るかどうかということを検討している、こういう意味でございます。しかし、そのうちでも、一カ月の間にでも対策が立ち得るのがあればやりますが、対策が立たないために、自由化に踏み切るというと壊滅的な打撃でも受けるというようなものについては、まだその態度をきめてない。すなわち慎重に検討している。やるかやらないかを慎重に検討している、こういう意味でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 そうすると、関連をして阿部委員から質問がございましたが、鉛、亜鉛等について、十月からでなくて、三月を目途にしておる云々ということですが、壊滅的な影響があるということは、これはお認めになっている。それまでに対策が立つか立たぬか。全産業について壊滅的な打撃を予想されるものについては、その影響を考え対策を立てつつある。対策が立つか立たぬかということは、一カ月そこそこしかない。そうすると、十月なり、あるいは鉛、亜鉛等についても三月まで立つか立たぬかもわからぬ。あるいは影響が壊滅的にあるということになれば、自由化をやるかやらぬかということを慎重に検討しているということは、壊滅的な影響がある産業については、十月一日から九〇%自由化をやるということは、これは延期をすることもあると、こういう趣旨で聞いていいんですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおりと私は考えるのでありまして、九〇%という数字にこだわらない。もちろん九〇%を達成するというためにはでききるだけ努力をするけれども、どうしてもいかぬというものを、国内の産業がどうなってもかまわぬというような気持で、この問題を処理するのではございません。こう申し上げるわけであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 これは貿易自由化全般について壊滅的な影響があると考えられる品目、産業について、自由化の延期の決議も社会党は用意しつつありますが、概括的でありますけれども、自由化を延期する品目、産業もあるということで、一応了承いたします。  それから、これは外務省の意見と通産省、大蔵省の間で意見の相違として報ぜられておるところに関連をするわけですが、EEC対策について、外務省から文書が出た。あるいはこれに関連して閣内意見が違っているんではないかという問題ですが、外務省あほうは、最初から対日輸入制限品目表や、あるいは対日緊急輸入制限権を認め、その代償として三十五条援用の撤回を受けると、こういうものであるのに対して、通産省側は日本商品に対するそのような輸入制限品目表などを簡単に認めなくても、先方の差別待遇を現実的にどうして少なくするかという態度であるように聞いておりますが、そこでこの対EECの交渉の方針は、現在どういうようにまとまりつつあるのか。私どもは、当然対米貿易についての輸入制限についても、国会の決議等にしても、制限撤廃に日本として努力すべきだと考えておるんですが、どういう政府部内の意向にまとまりつつあるか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その問題につきましては、実は私が就任前のことでもあるし、あとで経緯その他は通商局長から説明をさせるようにいたしますが、私といたしましては、外務省と通産省の間で格別そういう差異があるというふうには考えてはおらないのであります。要するに、できるだけこちらもよろいかぶとを脱いでいくが、あなたのほうもEECにしろアメリカにしろ、よろいかぶとを脱いで、いわゆる平等の立場で貿易をするようにしていこう、それを進めるやり方として、どういうふうに考えたらよいかということではなかろうかと私は考えておるのでありまして、根本的な意見の差異はないと考えておる次第でありますが、この点についても通商局長から説明をいたさせたいと思います。

松村敬一通商産業省通商局長

○政府委員(松村敬一君) ただいまの外務省と通産省と意見の相違があるのではないかということに対しまして、私からお答えいたします。  よく打ち合わせをいたしまして、そういう考え方を持っておりますが、今日英交渉をやっておりまして、今後続きましてフランス、イタリヤとも貿易交渉を九月中にやることになっております。それで、そのやり方あるいはその進め方によるわけでございますけれども、日本の態度といたしまして、あらかじめ特に現在イギリス、フランス、イタリヤと申しますような日本に非常に制限を設けております国に対しまして、その交渉をいたします際に、あらかじめこちらでそういう国に対して自由化を均霑させないというような、そういう差別的な措置をとらないということをあらかじめ言う、というようなことが一時外務省の見解というようなことで新聞に出ておりましたが、この点につきしては、そういうことをあらかじめ言うべきことではないわけでございまして、場合によりましては、やむを得ない場合には自由化を留保するということもいたし方がないのではないか、ただ、そういうことを実際に踏み切りましてやるかどうかということにつきましては、今後の交渉の進展の工合、先方の態度、あるいはその国との国交上全般の問題、そういう点を十分考慮いたしまして決定するというような、そういう方針でおるわけでございまして、そういう意味におきましても、先ほど大臣からおっしゃっいましたように、自由化品目というものの決定というのは、もう少しそういう国との交渉状況等を加味いたしませんと、はっきりあらかじめきめて発表するというようなことは、かえって不得策であるというような点もあるわけでございまして、そんな点から申しましても九月中旬、そのころになりませんとはっきり確定いたしかねると、こう  いう次第であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 これは自由化全体が日本の実情あるいは要求からというよりも、いわば押しつけられた自由化という印象が強い。もう一つは、外務省の態度、これは外務省がおられんで言うのはどうかと思いますが、外交全体について言うべきことも言わぬという感じがする。この問題についても輸入制限品目あるいは対日緊急輸入制限権を認める云々というような、今通商局長も言われましたが、こちらはとにかく向こうの制限の権限を認めなければ、そこで三十五条の援用の撤回を求めるというようなきわめて安易な方法をとるということは、私は国民生活に重大な影響がありますだけに、少し弱くなることもあるけれども、日本の産業を保護する立場から、自由化問題についても、あるいはEEC対策等についても、日本の国民の利益を主張するということで臨んでいただくことを希望をしておきます。まだ多少お話もございましたが、対英関係その他にいたしましても、問題はやはり残っております。大臣あるいは通商局長の答弁がございましたが、通産省の従来の立場をさらに貫いていただくように要望をいたしておきます。  もう一つの一般的な問題として、十月一日を自由化の目標にすると、あと一カ月そこそこしかない。いわば九〇%自由化の最終的な段階に近づきつつあるわけですが、それに対して各産業に対する影響あるいは対策といいますか、あるいは保護措置がろくろく講ぜられておらぬ。少なくともまだ立っておらぬ、こういう段階。それからもう一つは、国際収支の悪化による金融引き締めや、いわゆる調整政策といいますか、成長政策に基づく生産過剰で苦悩しつつある業界にとって、その上に、自由化——自由な輸入が一挙にはかられるということは、これは現実無視、日本の経済の現状に対して、これはいわば大きな外からの圧迫ということになるわけでありますが、その自由化の、これは大臣は強行するわけではないと慎重論を述べられましたけれども、政府あるいは総理大臣としては自由化はやるのだと、こういう強い態度だったわけでありますが、それと景気調整策とははなはだしく矛盾する政策のように考えられるのでありますが、国内産業を育成すべき立場にある通産省として、この自由化と景気調整策との矛盾をどういう工合に処理していこうとされるのか、この点を大臣にお伺いします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいままでに通産省としての考え方を実は申し上げておったのでありますが、やや誤解を招くおそれがありますので、もう一度お話をさせていただきますと、自由化をすることに予定をしておるものは、大部分はやはり踏み切って自由化をするのでございまして、それについては、これはやると、しかし中で四分の一ないしは五分の一のものの品目については、やっぱり十分検討をしておかないと、影響が非常にきついものがあると、そういうものについては今慎重にこれを検討して、そうしてどうしてもこれは国内産業に非常な影響があるというか、その産業自体がとても持っていけないというような場合になりますならば、これは道を考えにゃいかぬ。じゃ、それはいつきめるのか、まだきまってないじゃだめじゃないかと言われますけれども、そういうことを全部詰めて、そうして全体として今度は九月の半ばごろを期して、そうしてそれでは十月一日に予定している品目は大体これくらいだが、そのうちで、これだけはすぐやる、この分については対策を講じてやるというふうに分けて、大体きめていくようになるだろうと思うのでありまして、自由化というものの対策ができてないからこれは延期するのだとか、あるいはそれ自体を研究しておるというのではございませんので、この点はもうおわかりかと思いますが、ひとつ御理解を賜わりたいと思うのであります。  そこで後段の問題でございますが、自由化をやった場合に、日本のいわゆる産業の不況対策というものを考えて見た場合、通産省というのは産業育成の立場に立っておりますから、それを考えなければいかぬ、こういうお話でございますが、そういうような、自由化とは直接関係なくして非常に不況である産業もございます。また、自由化に関連して不況に一そうなり得る産業もあるのでありまして、そういう意味からいって、自由化をやる場合に特に影響のあるというようなものについては、先ほど申し上げましたように研究をしておる、こういう立場でございますから御理解をしていただきたいと思うのであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 自由化政策と、それから景気調整策とは全般として矛盾するのではないかというお尋ねをしたのですが、個々の産業について自由化の検討もするし、それから自由化と景気調整策とは矛盾するものじゃないというようなお話ですが、論議をしておると長くなりますから、この点はこれでやめておきます。  それからもう一つ、貿易の問題、これは自由化なり、あるいは景気調整策と、貿易規模、特に輸出規模の問題等は、貿易構造を変えなければだめじゃないか、こういう私どもの意見もあって、貿易全般、あるいは特に政府の言われる共産圏貿易という問題については別の機会にお尋ねいたします。先ほど来問題にしました中で、大臣も、冒頭に陳情もございましたし、非鉄金属の問題について、特に考慮しながら一般的な問題に論議をしていくわけですが、金属工業、非鉄金属の問題でありますが、十月に予定しておるものもあり、あるいは十月でなくて、三月を目途に云々ということでございますが、先ほど来論議をいたしましたように、十月あるいは三月までに十分の対策が立つかどうか。鉱業審議会等でも審議されておりますけれども、まだ政府の方針は審議会待ち。その中で買い取り機関の問題等もあるわけですが、本会議でも質問申し上げました、あるいは阿部委員等から御質問があるかもしらぬと思うのでありますけれども、壊滅的な打撃を受けるという点は間違いがない、非鉄金属においては。現にすでに先ほども陳情がございましたけれども、十数鉱山の閉山、あるいは縮小があり、一万名近い労働者の失業という事態を現に出しておるわけです。自由化すればこの壊滅的な打撃を受けるということは、これは何人の目にも明らかになっておる。そこで、はっきり自由化延期の方針を打ち出すべきじゃないか。先ほど、壊滅的な打撃を受ける産業については自由化の延期を、これは考えざるを得ないのじゃなかろうかという御答弁もございました。その一つの例でございます。  それからもう一つ、対策として関税だけではどうにもならぬのだ、これはすでに今までの検討でも明らかにされておりますから、それに対して国内交渉等もあったわけでありますが、鉱業審議会の経過を見ても、外国から入ります、あるいは国で開発いたしましたものも含めて買い取り機関の問題云々という点については、ほぼ方向ができつつあるものと考えられるのでありますが、その点について通産大臣としてどういう工合に考えられますか、固まっておらぬと思いますが、方向をひとつお示し願いたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 言葉の表現の問題でありますが、実は一つの業種業種について調べて参りまして、これはたとえばでありますけれども、AならAの品目について、従業員が三千人おられる会社がたとえば十ある、こういうふうに考えてみた場合に、こういうものにいわゆる中小企業が非常に多いかどうかということなども、一つの考慮の要素になるものだろうと思います。たとえばそれがどの企業にも関係があるものでありますならば、その転業とかあるいは転職というような場合も、割合にできる場合があります。そういう場合もあるというか、こういうことも一つの考慮すべき要素になるであろうと思うのでありますが——等々いろいろ考えてみて、三千人の中で三十人に関する分だけは、これは非常に貧弱鉱山でどうしてもむずかしい、そんなときでもやらないのかやるのかということになりますと、これは決断の問題になるだろうと思う。たとい一人離職しようともそれはやっちゃいけないのだという考え方では、私は政治のやり方にはならないと思いますので、そこはすなわち政府として慎重に検討した上で裁断をする、こういうことに相なろうと思うのでありますが——ということになりますと、そういうデータを今研究いたしておる段階でございまして、最終的にきめるのは来月の半ばに相なろうかと存ずるのでありまして、ここではなはだ繰り返してこういうふうなお答えをするのは恐縮でありますが、延ばすとも延ばさぬともここでお答えするわけには参らないのでありますので、ひとつ御了承願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 もう一つ、ではお尋ねいたしたいのですが、石炭の場合についてもそうであります。それから自由化なりあるいは産業政策を考える場合に、国民の利益、これが民主政治の基礎でもありましょうし、特に最近、これは日本の場合完全雇用が行なわれておらぬ。あなたは今三千人の中に幾ら云々ということで例を引かれて言われました。実際問題として日本の場合には、転業といいますと他のほんとうの雇用に吸収されるものがない。それはますます最近深刻になりつつあります。特に中高年令層の雇用の問題については、職業訓練で努力をするというのだけれども、実際には生活と雇用の安定が、なかなか他に転じては無理だということに、その状況はさらに深刻になる。したがって、政治の根本が国民の福祉ということにあるとするならば、産業政策というものも、国民の福祉、この問題に関連していうならば、生活と雇用の安定という点から考えなければならぬ。こういう意味で今までの答弁には、これは最近の、あるいはその問題に関連をしあるいは産業政策に関連をして、閣議決定なりあるいは国会で決議をされました趣旨とはいささか違うのではないか。雇用、生活の安定を保障する中で産業政策を考えていく、こういうことになれば、貿易・為替の自由化ということもあるけれども、鉱業政策について重大な決意あるいは見解を伺わなければならぬ事態と考えておるのですが、その点について通商産業大臣の決意を伺いたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、全部の国民に仕事を与えるという考え方に立って産業政策をやっていかなければならないことはお説のとおりでございます。しかし、ただいまのような問題が起きました場合に、転業をはかるとかあるいはほかの仕事を教える、そしてそっちのほうへまたかわってもらう。あるいはまた職業安定所を通じて、何かほかの仕事をみつけてもらうというようなことも、やはり一種の安定対策だと思うのであります。それを忘れてやるというわけではございません——ございませんけれども、そこに一人の人もほかの職業にかわるのはいけない、その職場を持った以上は、もうその職場を離れないような政策をするのが、それがいわゆる完全雇用のものの考え方であるということになりますと、これはなかなかむずかしかろうかと思う。こういうふうな意味で私はお答えを申し上げておる次第であります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 重ねて恐縮ですけれども、一般的な問題もそうですが、主権者の一人といえども、その生活を安定させる、保障するというのは民主政治のこれは責任です。そういう意味で、一人の転業者があっても云々というておるのは、基本的な精神においても私は違うんじゃないか。特に金属鉱山の場合に山の中、そうしてほとんど何代にわたってそこで仕事をしてきた。その鉱山がほとんどあげて自由化をされるならば、壊滅をするだろうという予想がなされる今日、その職場でもあり、あるいは金属鉱業というものを安定をさせるために、鉱業政策を確立しなければならぬ、こういう私は立場に追い込まれていると思うんです。鉱業政策の問題として、それに対して政府として、これは通産大臣がひとつきておられるから、通産大臣に生活、雇用の問題も含めてお尋ねをいたしておるわけです。それには今のようなありきたりの答弁でなしに、もう少し金属鉱業の安定のために、抜本的な対策を立てたいという決意がなければなるまいと思うんですが、いかがですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、自由化に踏み切るというと大部分のものが、その山自体もやっていけない、したがって、そこにいる大部分の人が職を失うという事態である、そして対策もないんだ、今対策が立っておらぬということであれば、それは私はこの際踏み切ってやるということにはならないだろうと思います。しかしその判断というものは、個々の企業についてたとえば石綿なら石綿と、あるいはマンガンというものでは事情も違います。たとえばの例でありますが、そういうふうにすべて一つ一つの産業についてこまかく検討をしていくという形で考えていきますならば、その最後の断を下すのはやはり九月の半ばころに総合的に断を下す。それではそういうような非常に今困っておって何とかせにゃならぬ産業があるとして、それに対して何ら対策を講じないかということであれば、これはもう私が申し上げるまでもなく、鉱業審議会というので検討もいたしてもらっております。また通産省自体としても、こういう問題は重要な問題でございますから研究をいたしておりまして、そういうことはどうでもいい、ほっておいてそうして自由化だけに踏み切っていこうという考えではございませんで、ひとつその点を御理解をしていただきたい、かように申し上げておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 時間がございませんから簡単にお尋ねいたします。  さいぜん大臣の所信表明の中にございました、貿易の自由化と石炭、非鉄金属ですね、この非鉄金属のほうで探鉱補助の増額、合理化資金の確保、こういう項目でございますが、法の定めるところによりますと、予算を八月一ぱいに大蔵省に各省から提出しなければならないというようにきまっておるわけですね。ですから、おそらく通商産業省としては、明年度の予算の最終決定はもちろんことし一ぱいかかるでしょうけれども、予算の骨組みというものは、通商産業省としてはできておるわけです。ですからここに探鉱補助金の増額、合理化資金の確保というように明示してございますが、その三十八年度の予算に対する構想をひとつ承りたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 構想といって——これはまあ御説明をすれば、費目別についてみんな足りないものばかりでありますから、大いにひとつ、二倍も三倍にも増額をしてもらわにゃいけませんし、ものによっては十倍にしてもらっても足りないというものもあるでしょう。したがいまして、今月の末までにはこれは出さなければいけませんので、ただいま各局別のものをまとめまして、そして今総合しておる段階でございます。そしてそのうちには、もちろん今御指摘がございました探鉱補助金の問題についても、合理化資金の問題についても十分考慮を払っておるということでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 ただいま申し上げましたとおり、その最終決定は例年のとおりですとことしの十二月の末になるでしょうから、ですから私は、今要求される額が多くて、最終決定が少ないから、これはいい悪いということで、あとで大臣と問答しようとは思いません。ただ、すでにもう今月も四、五日しかございませんから、そうしますると、当然省としてまとまっているはずだと思うわけです。ですから、どういう点に重点的に予算を要求して、どういう施策を講じたいということは、おそらく大臣の心の中できまっているんじゃないかと思うんです。これからやるなどということじゃないんでしょう、あと幾らもないんですから。そして八月三十一日までに大蔵省に出さなきゃならないんですから、まだ検討中というのは、どうも大臣、おかしいと思うんですがね。ここにはりっぱにこう書いてあるんです、ここにはね。ですから、もう少し具体性があってもいいはず。たとえば、探鉱費、ことしが三億円、しかし三億円では足りませんから今度は十三億にいたしますと、こういうことでもけっこうなわけです。そういうことは全然考慮ないんですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) まだ事実省議をやっておりません。これは一応私たちが出す場合には、各局おのおの、それぞれの局で、これだけはほしい、これだけはほしいといって出てきまして、それをみな総合しますというと——今度の予算のやり方は閣議では前年度経費の五〇%増というふうなことを一応きめておりますが、いずれにいたしましても、そのワクの中に入るか入らぬかは別としても、また各局がやはり要望をいたしておるそれを総合して、それではここはどうする、探鉱費はそれじゃこういうふうに原局は言うておるけれどもどうしよう、こういうことはこれから省議できめるわけでございまして、したがって私自身、まことにどうも申しわけないんですが、そのこまかい数字をまだ了承いたしておりません。しかし各原局においてもうできている——もう日ならず、これが決定される段階になると思いますので、そうなればもちろんお答えをさしていただきたいと思いますが、今この段階において何億だと、こうおっしゃいましても、まだきまっておりませんのでお答えするわけにいかない。しかし、できるだけこういうものはふやすようにいたしたいということは、方針として申し上げておいていいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 額がきまっておらぬとおっしゃるのであればそれ以上お尋ねしませんけれども、今月一ぱいにとにかく出さなければならぬはずになっている、それがまだ今日きまっておらぬということになれば、きわめて私は不安を感ずるわけですが、新聞を読ましていただくと、近藤鶴代さんという科学技術庁の長官は予算を取る名人だということで盛んに宣伝をしておるから、近藤鶴代さんに負けぬようにひとつ要望しておきます。  そこでお尋ねしますが、十月から実施する非鉄金属と三月からやろうとなされる非鉄金属の差をつけた理由をひとつお尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 一応十月からやろうと思いました種類のものについては、関税措置その他をやりまして、大体まあ何とかやっていけるんじゃないか、こういう考え方に立って、一応十月一日でやろうと、こうしたのでありますが、その後外国商品の値下がり等を考えてみますというと、はたしてやれるかどうかということについて研究しなけりゃいかぬという意味で、ただいま検討をいたしておるということであります。一方、銅、鉛、亜鉛の問題につきましては、そういうような措置をとってみても、関税等の措置だけではまだ処理できるかどうかわからぬ。また、名鉱山の合理化あるいはその他の施策をやってやれば、大体来年の三月までには自由化に踏み切れるだろう、こういう考え方に立って分けたわけでございます。その種類を分けたのはそういう点にあるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 最前、吉田委員の質問に対する御答弁ですがね、まあマンガンとか、水銀、モリブデン、黒鉛、こういうものを十月からやるやにここで拝聴しておったのですが、たとえば、私よくわかりませんけれども、水銀の例を取ってみますと、外国製品と六、七十万円の差がありますね。はっきり精細に何千何百万円までは私にわかりませんけれども、六、七十万円のトン当たりのコストの差がある。それは一体どういうふうな処置を対策として講じてやられるかという——まあこれは水銀の例ですが、具体的にお尋ねをしたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その問題については今までやった対策については、あとで鉱山局長から説明をさせますが、これからどうするかということは、これは今検討しておる段階でございますから、そのように御了承願います。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 十月から予定しております品目が十幾つございますが、これはいずれもタリフ・クォーター制度を採用することを前提にしておるわけでございます。で、タリフ・クォーター制度は、これは申すまでもなく割当制度でございまして、割当を受けたものは関税ゼロで入ります。これは割当を受けるのは、需用想定から見て、要輸入量と認めたやつの範囲内で割当をするわけでございます。その割当をはみ出したものは、これは二次関税を取って高い税率の適用を受ける。原則として国内鉱山関係等を保護する建前でできておりますから、その高い関税を乗り越えて入ってはこないであろう。まあ一種の自由化とは言いますけれども、半自由化、割当は残る制度でございます。これを十月から実施する予定にしております。この中で、先ほど大臣が申し上げましたが、昨年の見通しから考えますと、海外の相場が相当に下がっておるものが出てきておるわけでございます。たとえばタングステン等は、当初の予想よりも相当に海外相場が下がっております。したがって、これの十月からそれに対する対策をどういうことにするかということを現在考えておるわけでございます。  銅、鉛、亜鉛につきましては、これは十月から三月までの間というのが政府の方針でございまして、これは関税引き上げ、しかもそれは一本関税でございます。タリフ・クォーター制度ではない。一本関税で、関税を暫定的に引き上げて自由化をするという方針で参っておりますが、銅につきましては、海外相場は昨年よりはむしろ強含みでございますけれども、鉛、亜鉛については非常に下がってきておるわけでございます。これらの対策につきましては、現在鉱業審議会を数回開きまして、先ほど御質問の探鉱の問題をどういう制度でやるか、どういう形でやるか、探鉱の必要なことは何人も認めておるわけでございます。  これを今練っております。  それから、価格あるいは需給の安定の問題を、関税制度のみに頼ってやれるかどうか、その辺についての対策を現在検討しております。以上でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そのタリフ・クォーター制度にして、割当と、割当外と——割当外は関税をかけるとおっしゃったが、相当外国商品とのコストの差があるから、はたしてそのコストの差だけ関税をかけることができるかどうか、パーセントを元にしてね。したがって、そういう額の関税をかければ——今局長御答弁のように、相当外国と問題が起きている。あるいは裏をくぐって入りやせんかという心配がある。  それからもう一つ、タリフ・クォーター制にして、一応国内の経済力とにらみ合わせて、大体どのくらい必要だということで、おそらく通産省で御計画になるか、あるいは経済企画庁で御計画になるかわかりませんが、見通しが誤らなかった場合にはいいでしょう。しかし経済の動向というものは効くものですから、なかなか池田さんの話のとおりにいかない。御承知のとおり、そういう場合には、このタリフ・クォーター制というものが混乱を生じてくるのではなかろうかという懸念がありますが、こういう懸念は私の危惧で終わるでしょうか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) これは通産省といたしまして、鉱山局だけできめるわけではございません。業界の意見も当然考えなければならないと思いますが、総合的に判断いたしまして最も実際に近いように、支障のないようにきめるつもりでございます。

川上為治自由民主党

○川上為治君 私はあまりこまかい質問は申し上げませんが、ただ非鉄金属なり鉱物資源の問題については、非常に関心を持ち、これはほんとうに真剣に対策を講じていただきたい、こう思うのです。というのは、転換という問題になりますと、普通の工場とは非常に違った状態にあると思います。普通の工場の、今まで何か作っておりまして、そして今度はほかのほうに転換するというのと違って、山がいよいよほかのほうに転換するということになりますと、従業員の問題だけではなくて、山そのものをほかに転換するということはできませんから、非常にむずかしい問題が私はあると思うのです。でありますから、石炭についてはいろいろ今日までやっておりますが、非鉄金属については、どちらかといいますと、今までほとんどやっていない、こう言いましても差しつかえないと思います。そこで自由化というのが出てきまして、急激にこの問題については処理しなければならぬというような状態になったのですが、先ほどから大臣の話を聞いておりますと、この対策を十分に講じた上でなければ自由化をしない。もちろんこれは個々の物資について十分検討した上でやるのですが、原則的にはそういう対策を十分講じた上でなければ自由化はさせない、こういうようなふうに私は受け取ったのですが、その対策の問題について、先ほどいろいろ話がありましたように、関税の問題とか、あるいはタリフ・クォーターの問題とか、あるいは探鉱助成金の問題とか、いろいろな方法が考えられると思いますが、今度の問題については、これはよほど特殊な手を打ちませんというと、なかなかこれは簡単にやれるものではない、そう思います。特殊の手というのは、たとえば需給調整機関の問題であるとか、あるいは価格調整機関の問題でありますとか、そういう今まで特に大蔵省あたりが非常に反対しておりましたものを、この際は思い切ってこれを実行するというふうに持っていきませんというと、なかなか関税とかあるいはタリフ・クォーター制とか、それだけで、あるいは探鉱の助成金という程度だけではこの問題は片づかぬ、こう思いますが、そういう従来からいろいろ考えていてやろうとしておった問題について、大蔵省その他のほうから反対もあってなかなか話がつかない問題についても、今度は思い切ってそういうことを実行するように、大臣が決意をしてやるというような考えを持っておりますかどうか。その辺の覚悟を聞いて、もし大臣が少し弱いお考えであるならば、私はこの問題については今度は思い切ってひとつ強力に進めてもらいたいということを御要望を申し上げておきたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおりでございまして、私が今までの御質問で、自由化についての内容をここで述べろということになりますと、これはちょっとまだきめておらないから述べられないわけでありますけれども、その種の非常に影響のあるものについていかなる施策をとっていくかということについては、これはほんとうに重大な決意をもって研究をしなければならない、こう考えているわけであります。特にあなたなどは一番専門家であられるので、いい知恵がございましたならば、遠慮なく私のほうへお教えいただきたいと思います。

川上為治自由民主党

○川上為治君 知恵はありましても、知恵をお貸しいたしましても、なかなか今まで実行されていないというのが私は現実の姿じゃないか、そう思うのです。特にたとえば国産の石油についての調整問題とか、あるいは外国の油との調整問題等についても、いろいろ言われておるけれども、ほうぼうから話が出たり、いろいろあって、なかなかこれまた実行できない、こういうような状態に現在やはりあるのじゃないか、そう考えるものです。でありますから、私は大臣に特に要望を申し上げたいのは、そういう情勢であるけれども、この問題については、非常に重要な問題だから、ほんとうに十分な対策を講ぜられ、かつ今申し上げましたように、従来なかなかできなかったことを思い切って今度はやるという決意で臨んでいただきたいことを、特に私は要望申し上げておきたいと思うのです。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 川上委員の要望に対して、大臣の、お知恵を拝借したいなんということは、自民党の議員総会かあなた方の派閥の中でやればいいのであって、あなたはもう少し自信を持ってやってもらわなければ困る。そこで今鉱山局長の答弁ございました各界と相談しておやりになるという、これはけっこうなことです。ただ、私は今まで、最前吉田委員の御質問の言葉の中にもございましたが、炭鉱の問題、石炭政策はこれでいいのだということで押し切って、これはいけませんと言っても、われわれの力む微力なんですが、押し切って今日になった。筑豊のあるいは長崎あるいは北海道とかいう炭鉱労働者が、家族を抱えて路頭に迷っているのが現状なんです。ですからあなたのお話もよくわかるのだが、そういうことでいいのかという心配がある。水銀の例をとっても、私はこれは外国から入るのもけっこうです。日本で絶対量が足らぬから、入るのもいいです。仕方がない。しかし一手買い取り機関でも作って、国内商品と外国商品とミックスしてやらなければ、おそらくそのどこからか一角から崩れてしまって、そのとき私どもいかにここでけしからぬと、三年前こうだったと言っても、これはだめなんです。ですから、そのあたり私は心配しておるのです。ですからこれは心配ないように御明示を願いたい。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 深く努力いたしたいと思っております。衆議院で非鉄金属鉱山に関する決議がございまして、その際にいろいろな項目がございましたが、中に価格調整、需給調整の機関として買い取り機関の問題もあったかと思います。あるいはプール計算方式を検討せよという問題も、衆議院の決議でございますが、ございました。そういう問題も含めまして、現在鉱業審議会で検討をしております。まだ結論は出ておりませんが、いろいろな案を通産省からも出しまして研究をしてもらっておるようなわけでございます。いずれも何らかの結論が出てくることを期待しております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 何らかの結論といっても、もうあと一カ月後に自由化しようという該当品目があるのですから、そういうことでいいのか、こういうことを申し上げておるのです。  それからもう一つあわせてお尋ねしたいのは、この前の国会でいろいろ論議されましたとき、例を銅にとって申し上げますと、二カ年半は三万円の関税でいき、あと二万七千円の関税で、国内のコストとバランスをとるという方針でいきますというお話がございました。しかし今日では外国商品がその当時より価格が下がっておるので、また再考しなければならぬというようなお話も承っておるのですが、これはどういうふうな方向で来年の三月まで貿易の自由化に備えての見通しを立てるか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 銅の地金につきましては、御指摘のように、前期二年半がトン当たり三万円の関税、後期二年が二万七千円、三千円下げるわけでございまして、現状よりも上げて、だんだん下げていくということで、急激なショックを避けつつ自由化に踏み切っていくというのが、現在政府できまっておる方針でございます。ところが鉱業審議会では、既定のことも含め、そのほかにもっといい知恵はないであろうかという最も根本的なところから検討を現在いたしておりますものですから、まだ結論は出ておりませんが、必ずしもその前提に拘泥はしないで審議を進めていくということでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、依然として三万、二万七千円でいくと、こういうことですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 現在政府の方針はそうなっておりますが、必ずしもそれに拘泥をしないで検討を審議会は進めておりますので、あるいは別な考え方が出てくれば、それを政府としてはさらに検討してみなければならないかと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 しかし、当時のですね、まあ世界相場がアメリカによってなされるかどうか私よくわかりませんけれども、やはりその世界相場の銅の建値に大体標準を作るアメリカの相場が変動してくると、依然として三万だ二万七千円だということでいくわけにはいかぬでしょう。そういうことになりませんか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 鉱業審議会でも、銅が論議の一つの大きな中心になっておりまして、一本関税三万円、二万七千円という一本関税で自由化に踏み切る、あと探鉱関係の資金は相当に確保するということにした場合に、はたしてそれだけで十分であろうか。先生の御指摘のように、一本関税と探鉱資金の確保、これはまあ資金の量にもよりますけれども、それだけで十分であろうか。つまりは需給の安定という面が、さらにある特定の、少なくともある特定の期間必要ではないかという御意見が非常に強く出ておりまして、今それを中心にして分科会を設けて研究をしておるところでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、まあかりにですね、百歩譲って、まだ関税は入ってきませんけれども、来年の四月から関税が入ってくる。そうすると、関税そのものは直接非鉄金属の山に使うことはできませんけれども、やりようによっては使うことができますね、直接ルートでは、款項を別にして使うことができる。そうすると三方、最初の二年六カ月ですね、その関税をもってして、この近代化資金あるいは探鉱費等に使うのですか。外国商品を関税をかけて、何十何億になるかわかりません、しかしその金を大蔵省の金庫に入れぬで、結局国内の同じ種の非鉄金属産業の山に使うのですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) まだ結論が出ておりませんものですから具体的に申し上げられないのがはなはだ遺憾でございますが、需要業界とそれから鉱山業界との協調ということを基本にいたしまして、この関税をうまく使う方法はないものかどうかということが最近議論の中心になっておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 鉱山局長さんは、業界業界と非常に心配なさっておるようですがね。なるほどその業界の意向というのも全然無視してやりなさいということは申し上げませんけれども、省のこの種の行政の一環として、やはりいろいろな第三者の意見や何かが入るでしょうけれども、そういうのを切って、明確に筋を通してやる方法はないのですか。それをやらなければ、そちらのあれですね鉱山持っている者、あるいは製練所を持っている者、銅製品を使う者、それはもういろいろ各種各様の意見があって、おそらく通産省は何らせぬうちに、また大臣がおかわりになって、またこういう話をしなければならぬということになるのですよ。そこの一本化した方針がないですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 業界の意見は、やはり十分尊重しなければいけないと思います。そうして、業界の意見と申し上げましたけれども、これは鉱業審議会が学識経験者として委嘱した委員でございまして、必ずしも自分の業界の立場からだけの意見ではないわけでございます。中立の委員の方も中に入っておられるわけでございます。十分その意見を聞いた上で、最後に大臣がおきめになることであろうかと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 話が振り出しに戻るようですが、私の仄聞するところによると、どうも審議会の意見が多種多様で遅々として進まぬというように承っておる。そういう御意見を大臣なり局長なりにお尋ねするのもどうかと思いますが、まあ省からも、いろいろな資料の提出を求められたり、あるいは参考意見として意見を述べるために審議会に私は出席されておると思う。ですからここでお尋ねしたいことは、予算編成前に、審議会のあらゆる答申が出るかどうかという見通し。これを聞くのはちょっとどうかと思いますが、もしわかっておれば、お尋ねしておきたいと思います。来年の予算がきまってから審議会の結論が出ても、これはどうも翌々年度になりますので、その点をお尋ねします。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 現在までに数回開いておりまして、本会議のほかに分科会も何回も開いております。あしたもまた鉱業審議会がございます。できるだけ急いでおりますが、問題が鉱山の場合には、鉱種の数もいろいろございます、鉱種によって、その事情も違いますが、いろいろの議論が行なわれておりまして、本月中に結論を持つのを目途としておりましたのですが、これはフリー・ディスカッションの機会も必要となっておりますので、今のところ、いつまでということは申し上げかねますのですが、なるべく早く中間的でもよろしいですから、全部きまらなくても、きまったものからでも、何らかの形の答申を期待を私は実はしておるわけでございます。いつ何日にそれを出すというようなことは、ちょっとまだ申し上げにくいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 次に、硫化鉱のようなものですね。これは貿易の自由化の対象にいたしませんという方針だというふうに承っておりますが、これに関連して国鉄運賃、これは値上げ当時ですね。——大臣わからぬでしょうから局長さん。——硫化は貿易の自由化いたしませんという方針のようですが、それに関連して、昨年国会できまったのは、本年の四月からですか、前の国会に運賃値上げが出まして、あの当時硫化の値上げ問題について、肥料審議会で、肥料代に含めるということで最終的締めくくりを持ち越されておったはずですが、これは解決いたしましたか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 昨年の運賃割引の、営業割引の制度でやっておりますが、改定時期にきておるようでございまして、今せっかく運輸省のほうと継続方を交渉いたしております。  なお硫化鉱の問題につきましては、これは鉱業課長に……。

大木恒通商産業省鉱山局鉱業課長

○説明員(大木恒君) 硫化鉱の運賃割引に際しまして、消費者側の硫酸メーカー、特に肥料メーカーでございますが、そのほうに対しまして運賃の値上げのうちの一部をコストの中に入れてもらうようにということで、昨年の運賃値上げの際に、業界に対しまして通産省内部で、軽工業局を通じましてお願いをいたしました。これについてはちょっとパーセンテージは忘れましたが、一部原価の中に織り込んでいただいたわけでございます。それでなお不足の分につきましては、国鉄の運賃割引のほうにお願いをいたしまして、鉱産物全体といたしまして、たしか六千万円程度の営業割引として運賃割引が実現したわけでございまして、それが今事業年度まで継続しておるわけでございます。  さらに今後の継続につきましては、先ほど局長がお話ございましたように、現在国鉄と折衝をしておりまして、国鉄内部におきましても、金属鉱業の実態をよく認識していただきまして、関係の鉄道管理局と現在営業割引の線で継続するかどうか検討中というふうに聞いております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私のお尋ねしているのは、硫化が国鉄運賃の値上げすることによって、相当の量ですから、それでことしの春の国会で問題になった。したがって、四月一日から実施して、五月の十八日まで値上げ運賃で換算して計算をして、十九日から逆に二三%の割引をして、七月三十日までは国鉄運賃の値上がっておらぬ以前の姿で計算したわけです。ところが、八月一日からどうするかということになって、その上がった分だけ肥料審議会の答申と相待ってコストの中に含みます、こういうことになっているから、端的にお尋ねすれば、国鉄運賃上がらぬ以前と同じ姿で硫化が運ばれますか、こういうことをお尋ねしている。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 昨年の八月の新肥料年度でございますが、国鉄運賃全体の値上げを全部コストの中に織り込んでおりません。そのうちの一部をたしか織り込んでいると聞いております。その不足分につきまして、硫化鉱の国鉄運賃割引のほうにお願いをしまして、その分だけの割引をしております。でありますから、結果からいいますと、肥料業界と鉱山業界、国鉄、三者でもって、均等ではございませんが、それぞれ負担しまして、山の運賃の軽減をはかっているということになっていると思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そういうことではないのです。当時の速記録を読んでみればわかるのですが、当時の通産大臣佐藤さんと経済企画庁の迫水さん——迫水さんが企画庁長官をやっておられて、そこで木暮さんと話してきめてある。しかし担当している課長のあなたがわからぬということになれば、まだすっきりしないので、まだあいまいもことした形で、やはりやられているのじゃないかと思いますが、あなたも帰ってお調べを願いたい。  その次にお尋ねをしたいのですが、八幡とか、日本鋼管、富士鉄、鉄鋼業界が操短をやっておりますね、一八%か、二三%。あれは相当影響いたしますね。あれはどういうことになるわけですか。ずっと操短をやるわけてすから——通産大臣の勧告によって操短をやっているわけですから。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) それは実情がどういうふうに変化して参りますか、ただいまのところでは、まだむしろ滞貨がふえておるような段階でございますので、操短を緩和するということはございませんが、しかし今後どうするかということは、事態の推移を見て善処していくと、こういうこと以外にお答え申し上げられないかと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 操短をやってから、三カ月も四カ月も操短をやって、北九州とか北海道の室蘭地区とかでは大問題。しかし大臣は、今後の推移を見てというから、きわめてのんびりしておるのですが、それに関連して、貿易の自由化によって非鉄金属、こういうものが非常に影響をこうむるのだが、金本位制の国であるから、金とか鉄ですね、鉄鉱、これを掘っている山は影響なかろうというふうに私は考えておったのですが、今申し上げましたその二〇何%操短ということで、大会社が全部やっておるので、今度鉄を掘る山も、貿易の自由化じゃないのだけれども、影響をこうむるという事態が現われているのですが、こういう事態は通産当局では御承知ですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) もちろん操短をやった場合においては、相当の影響はあると思いますが、これはもちろん通産省として調査をしておることは事実でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 時間がだいぶんたちましたから、私もう簡単で終りますが、十月から貿易の自由化やるのと、三月からやられるのと、いろいろあるようですが、今対策をお聞きしたわけですが、その対策をもってして今、日本にある金属鉱山がこのまま現行維持ということでいけますかどうですか。ということは、端的にお伺いすると、十月からと、来年の四月一日からと、二つに分けて貿易の自由化をするのですが、日本の金属鉱山が一つもつぶれませんか。こういうことをお尋ねしたいわけです。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 一つもつぶれないかという御質問ですと、これはやはり自由化をしないときでも、鉱山は脈が尽きたりあるいは市況のために絶えず閉山というものはあるわけでございます。たとえば昨年だけでも、相当数の鉱山が閉山になっております。今年になりまして、市況の影響もございますけれども、相当の数が現に出てきておるわけでございます。いろいろな対策を立てまして、自由化に踏み切った場合に、それではどれくらいの影響があるかということは、ちょっと私からはっきり、私もよく、それじゃどのくらいの鉱山がどうなるということは、対策のいかんにもよりますが、一つも鉱山がつぶれないような対策ということは、これは自由化をしない場合でも鉱山は絶えず新陳代謝いたしておるわけでございまして、その辺は、そういうことはないのではないかと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 一つもつぶれないか、といってと局長答弁するのですが、地下資源を採掘しておるのですから、石油にしても石炭にしても、この種の非鉄金属にしても、鉱石がなくなったあとは、当然これはもう休廃山、閉山になるのはあたりまえですよ。ただしかし現行のままであればやっていけるものを、外国商品が安い、怒濤のように入ってくるために日本の市場をさらわれてつぶれる。これがありませんかというお尋ねなんです。私は今まで長い間経験して、いつでも労働省と話し合いをするのですが、通産省では計画に基づいて、ぼちぼち企業をつぶしたりするわけです。これは自由主義経済だからやむを得ないかもしれない、弱いのがつぶれるのは。しかし労働省のほうにいってみると、通産省は通産省の通産行政に失敗して、私のほうに失業者をたくさん回してもらっては困るというのが労働省の言い分ですよ。したがって貿易の自由化によって、幾つかの山が自由化の波にやられてしまう。そうすると幾つの山がつぶれて、何人の従業員がその山を去らなければならないかということは事前にわかっておって、そして労働省のほうとも連絡をとって、しからばどうするかという対策が、やっぱり労働省と通産省とで話し合いがなされるべきだと思う。こういうことですから、大体貿易の自由化、ことしの十月と来年の四月からやれば、どれくらいの山が維持困難になるであろうか、どのくらいの人間が余るであろうか、その人間をどうするかという話し合いが、労働省の責任ではあるけれども、あなたのほうで労働省のほうに、やはり示して対策を立ててもらわなければならない。特に本年度の予算に要求してもらわなければならぬと思うのです。  ですから、そういう山の数とか、あるいは従業員の数は御承知だと思うのです。御承知でなかったら、これは怠慢ですよ。それは全然御承知じゃないのですか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 鉱山の場合は、石炭の場合とその点若干異なる点がございまして、もちろん私ども相当の調査をして鉱山の実態の把握に努めておりますが、鉱山の場合には、もう絶対にだめなコストの高い山も中にはあるかと思いますけれども、探鉱次第によっては生き返る山も相当にございます。小さいから必ずしも競争力がないわけではない。大きいところも、コストの高いところはございます。小さい鉱山がまた大鉱山になる可能性も多分にあるわけでありまして、いわゆる石炭のようにスクラップ・エンド・ビルドの政策をそのまま適用しがたい性格を持っているもの、それは若干は、そういうものがあると思いますが、したがって自由化になりました場合、これから対策を立てるわけでございますが、われわれとしてはなるべくショックを与えないような、急激なショックを与えないような、まあ関税引き上げも、その一つの手段ではあるわけでございます。ショックを与えないような対策を立てつつ、だんだん合理化が進んでいくということをやるべきではないかということで、現在研究いたしておるわけでありまして、もちろん労働省ともいろいろ相談はいたしております。  それでは、現在何鉱山がどうなって、人がどうなるという数字は、的確にはまだ把握していないわけでございます。目下検討をしておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 炭鉱と違うという御答弁ですが、炭鉱の場合にも数年前、今鉱山局長から承ったような話を承った。結論的には同じになる。特に探鉱費、近代化資金といっても、探鉱費は昨年三億円。一つの山でも三億円ぐらい探鉱しなければならないのに、政府のやる補助金が微々たるものですから、大手は自分の力でやる山もあるわけですが、中小企業等は、もう貿易の自由化にやられてしまうから、わかっているだけ掘ってしまう。あとは炭鉱やめだというけしからぬ経営者かたくさんおる。ですから、これは三億円が三十億ででもあれば別問題ですが、しかし今まで遅々として進まない予算拡大について、ことし望外な予算がふえるとは考えられない。最前、局長にお話した外国の関税ですね、外国からの関税を全部これに使うということになれば別問題ですが、しかもなかなか、今後の交渉に待たなければなりませんけれども、容易でないということになると、幾つかの山が貿易の自由化によってやられるわけです。その対策をスロー・ダウンでやって、あるいは急ピッチでやって、いずれにしても対策を立てておかなければならないと思いますが、そういう対策については、全然御心配要りませんか。

川出千速通商産業省鉱山局長

○説明員(川出千速君) 雇用の問題ないしは離職者対策の問題につながる御質問かと思います。現在すでに日本鉱業では相当の人員整理の数を発表しております。三千名以上だったと思いますが、そのほかにも閉山をした山もあるわけでございまして、こういう問題の処理につきましては、労働省とも相談を現在いたしておるわけでございますが、とりあえずは広域職業紹介の指定地域にいたしまして、これは一般的な対策でございますが、手を打っておるわけでございます。なお石炭のようなあるいはそれに準ずるような対策がとれるかどうかということにつきましては、いろいろな議論がございます。われわれとしましては、地下産業である、それから労働関係の方は勤続年数が一般産業に比べれば相当長い、それから平均年令も相当高いこと等、特殊な事情もございますので、何らかの対策を立てなければいけないということで、労働省とも合打ち合わせをしておるところであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私も、石炭のようにならぬことが望ましいことであって、局長さんの御答弁のようにいけばいいけれども、石炭というもので、えらい今までの長い間に悲惨な状態を知っているがゆえに、金属鉱山もそのようになるのではないかということで、今のうちに手当をしなければ、このままの姿でいけば、三年後には石炭の姿と同じようになってしまうということで、いろいろと御要望やお尋ねをしているのですが、とにかく格段の努力をお願いしたいと思うわけです。  次に、石炭のことで一つ二つ聞きたいのですが、担当の方お見えになっていますか。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 速記を止めて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 速記を始めて。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間もあまりございませんから、私も二、三の点について御質問をいたしますが、それはアメリカの輸入陶磁器の関税引き上げの問題についてでございますが、その前に、対米輸出の先行き不安ということについて、大臣から一点御答弁を願いたいと思います。  そこで、わが国の対米輸出は、ことしの一月から六月までの累計を見ますと、昨年の同期に比べまして約一億九千万ドルほど増加している。一応これは好調のようにも考えられるのでありますが、これは三十六年度の日本の対米貿易が十億二千万ドルに及んでおりまして、輸入超過であること、このことを考慮いたしますると、一向にこれは楽観できる問題じゃないと思うのです。そこで、あとでこれはまた質問いたしますけれども、最近の輸出状態全体として、アメリカの景気の雲行きとこれは関連して、対米輸出の先行きが非常に不安じゃないか、こういうふうに考えられるわけでございますけれども、見通しからいきますと、わが国の産業にとって、きわめてこれは重要な問題だろうと思うのです。それは別といたしましても、対米輸出の内訳を見ますると、陶磁器などの雑貨類、それから繊維製品、それから怪機械類及び鉄鋼など、特にこれは消費財が多いのが特質であります。  そこでまずお尋ねいたしたいのは、対米輸出の自主規制について、現在日本側では、政府及び民間を通じまして、どのような形式や段階によって、輸出の自主的な規制を行なっているかどうか、こういうような政策が考えられていると思うのですが、この点について大臣から御答弁を願います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 対米輸出の問題につきましては、御承知のように現在の段階では、昨年に比べてまあ非常に、三〇%とか四〇%の伸びを示して順調でございます。しかし、アメリカの景気の動向というものから見ますと、アメリカの景気が大体頭打ちをしているように見られますので、必ずしもこれは楽観ができないというのが現実の状態でございますが、お説のとおり、繊維の問題にしても陶磁器の問題にしても、いろいろのいわゆる向こうの業者からの、何といいますか、こちらからいえば輸出をはばむような策がとられておりまして、これはなかなか問題になっておりますが、一応われわれとしては、いわゆる自主規制の形において、アメリカと仲よく話をするといいますか、話し合いの上で、できるだけ商売を伸ばしていく、こういう方針をとっている次第であります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 そこで、今関税引き上げで問題になっておりまする陶磁器の件でございますが、日本製の陶磁器の対米輸出は、これは八十余年——百年近く輸出をやっておるわけですが、こういう歴史を持っておるわけです。いわばこれは普通でいけば、安定輸出品であるということが言われておるわけなんです。で、陶磁器の製造業者も市場開拓には相当努力をして、今日の地位というものをかちとったわけなんです。したがってこれは過去において、こうした問題に、七回くらいいろいろと関税等の問題があったわけです。こういう過去の何回か関税引き上げ問題に、こういう難題にぶつかりながら、今日まだ対米輸出については、熱意を持って毎年々々努力をしてきている。先方の輸入業者、メーカーの理解もあったことも当然でしようけれども、しかし、これは今わがほうの製造業者が、この関税引き上げということで非常に苦慮していることも大臣御承知のとおりだと思うのです。  それで、アメリカ側といたしましても、これは非常に国内の業者からのつき上げもあるだろう、こういうことも考えられる。特に厚手の高級食器、これは日本の輸出がほとんど大きな地位を占めておると思うのですが、これも過去七回にわたる関税の問題があって、日本の業者といたしましては、今日まで自主的にいろいろと調整をはかりながら、対米輸出をやってきたわけです。現在陶磁器の対米輸出の地位というものは、したがって特に高級品については、これは日本の輸出業者が非常な努力をしてきたことも大臣認められると思うのです。  そこで政府として、今後一体これらの日本の輸出関係について——アメリカといろいろ折衝はしておられますが、一体どんなような方針を持っておられるかどうか、この点お尋ねいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のように、陶磁器につきましては、長い間日本が対米輸出をいたしておりました。その間いろいろの問題もございましたが、そのつど業者のお方も、また政府としても努力をいたしまして、今日の地位を築いて参っておるのでありますが、最近に至って、また輸入業者の訴えによって、ただいまはいわゆる委員会を開いて、どういうふうにするかという処置が検討されておることは、近藤さんが御指摘のとおりであります。  政府といたしましては、こういうような日本の雑貨類のうちでも、特に対米関係において陶磁器が占める地位等も考えまして、そういうようなことになっては非常に業者に対しても打撃を与えることになるので、弁護のためには、十分弁護士等も活用してもらわなければいかぬ、これを全部業者に負担させるのもどうかというので、特に補助金を出してまで、弁護料の補助金まで出して、一生懸命これを防衛といいますか、そういうような輸入制限が行なわれないように努力をいたしておるという段階でありますが、通産省といたしましても、外務省と連絡をとりまして、お説のように、この日本の陶磁器業界が非常に今まで紳士的にやってきた、特に高級品については、今までそういう地位を持っておるんですから、これが一挙にして、そういう自由関税をかけられるというようなことで輸入を防遏されるということは、まことに遺憾にたえませんので、政府関係を通じましても、何とかそういうようなことがないように今後十分努力をいたして参りたい、かように考える次第であります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 関連して御質問いたしますが、アメリカの輸入制限、それから関税の引き上げ問題、今陶磁器問題が起きておるわけでありますけれども、通産大臣も御承知かと思いますが、昨年日米の経済合同委員会が日本の箱根で開かれた際に、日本側からアメリカに対して、輸入制限ないしは関税引き上げ問題について、当時十分に日本に対して好意ある考慮を求めるというような発言があったようでありますが、その際に、アメリカ側のほうでは日本の低賃金問題を出して、当時ドルでアメリカは言ったようでありますが、円に換算すると、あらゆる産業——男女を通じてでありますが、一日平均約二千円、ところが日本は大体において四百円前後、いいところをとっても五百円前後、総平均でありますが、なる。と、まあ四分の一。こういう状態では、アメリカの国内産業自体が、日本の低賃金による輸入品によって極端に言えば崩壊していくという話があって、これはまあむしろやぶへびだというので、アメリカの輸入制限、関税引き上げ問題についての日本の攻撃というのですか、これがストップしたというようなことを当時聞いておるのですが、自来私は、この問題はアメリカでいろいろな姿で出てくるのではないかと非常に憂慮をしておったのでありますが、はたせるかな、陶磁器の関税引き上げ問題というものが出てきたわけであります。今後を考えますると、陶磁器関税問題はもちろんでありますけれども、いろんな商品について出てくるのではないか、これに対して日本側はどういう態度をとるのか。  これについて考えられますることは、国際的には、そういう問題がありますが、国内においては、ことに中小企業製品について、さような問題が起きまする際に、一面において賃金をだんだん上げるということになると、中小企業自身、経営自身がはたして耐えられるのかどうか、国際的に国内的に二律背反的な、そこに宿命的な問題があるのではないか。これを考えましたる際に、日本の政府としては、よほどしっかりした対策を、国際的に国内的に講じていかなければならぬのではないかということを痛感いたしておるわけですが、今の問題に関連いたしまして、今後の基本的な日本の方針と言いますか、そういう問題について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 前段の趣は、私も仄聞したことはございますが、そのことを今つまびらかにいたしておりません。が、お説のとおり、今後繊維の問題にいたしましても、陶磁器の問題にいたしましてもあると思いますが、そういうような対米輸出ということについて、今後も、いわゆるアメリカの業者から反対があって、そうして問題が起こり得ることは予想されないわけではございません。しかし、これはアメリカだけじゃなくて、どこの国からも起きる問題でございまして、私は、世界の国々が、お互いが商売をしておるという段階から見ますと、これはどうしても避けられないことだと思うのであります。  そういうときに、先ほど自由化の問題でいろいろお話がございましたが、私たちは商売関係の人からも、いろいろ話を聞いておるのでございますが、やっぱり日本の立場をいじめようというような場合に、お前のところは、こういうことをして悪いことをしているじゃないか、お前のほうは、たとえば自由化をしないで差別をしておるじゃないか、それで勝手に貿易を伸ばそうと考えているのはいかぬというような意見もあって、これはやっぱり、うちのほうも自由にする、お前のほうも自由にしてくれ、こういうわけでやり合わにゃいかぬ。そうして突っ張っていかなければ、商売というものは成り立たないと思います。  ただ、まあ御承知のようにアメリカにつきましては、何といっても、こっちのほうが輸出いたしておるものよりは輸入しておるものが多いのでありますから、そこいら辺のところをもっと強調したいとも思うのでありますけれども、ここがまた、なかなかむずかしい問題でありまして、御承知のように、輸入しているものについては、向こうが非常に安いとか、便宜をはかってくれるというようなことがあって、そこから買ったほうが得だということになるものだから、どうも急にはやめるわけにいかないというような、いろいろな事情等もございまして、こっちがこれだけやってやるんだから、もっとお前さんのほうも買ってくれたらいいじゃないかとよう言えない場合もあります。  しかしいずれにいたしましても、日本の国としては、どこの国とも友好な立場において、友好関係において、やはり商売をしていくということでございますので、まあひとつこの際、十分な決意をもってやらにゃいかぬというお言葉は、もうよくわかるのでありますが、その国、その時、またその品物に応じて、ひとつ弾力的な考え方で、商売は商売だという考えでもってできるだけ進めて、そして日本の国内産業を助成するといいますか、育てていくというためにお骨折りをしたいと、かように考えておる次第でございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 ただいまのお答えに関連するわけでありますが、一面貿易自由化で日本の産業は、先ほど来、まあいろいろ質疑応答のあるがごとく、非常な危険を侵してまで貿易自由化をやろうとしておる。一方アメリカその他については、輸入制限、関税引き上げがある。私はこの今こそ日本からの輸出製品に対する制限、あるいは関税引き上げ問題を好転させるのには、ギブ・アンド・テイクで、絶好の機会じゃないか。これを外交的に経済外交として大きく持ち出すということは、私はもう当然であり、また絶対に必要なことじゃないか。それだけにこの際真剣な、国をあげての対策をお考え願ってしかるべきじゃないかということが一つであります。  それともう一つは、チープ・レーバーを言われますが、それ以上にやはり価格の問題で国際的に問題なのは、乱売、過当競争といった問題であります。これについては国内別係もありましょうが、要するに外国商社の買いたたき、これがまあ非常な大きな原因をなしておるのであります。これについて国内それから外国商社に対する両面から、徹底した過当競争の防止、乱売競争の防止、これをこの際おやりになることが絶対に必要じゃないか。今の大きく貿易自由化に関連する経済外交を打ち出すということと相並んで、この二点を徹底的におやりになり、早急に対策を立てていただく、しかも徹底的におやりになることが必要だというふうに思っていますが、御所見を承りたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のごとく、自由化を実現して、今度まあさらに踏み切って九〇%を目途に今やるわけでありますから、これを機会にわれわれのほうも、これを武器として、われわれもこれだけ踏み切っておるのだから、ひとつあなたのほうでも十分日本の誠意を認めて、そして日本のものを買うように、そうして日本の品物が入らぬようなことはできるだけせぬようにしてもらいたいということを、いわゆる経済外交の方針といたしまして、お説のごとく大いにやらしていただきたいと考えておる次第でございます。  なおまた後段の過当競争等につきましては、いろいろの問題がございます。これは場合によっては、よく言われることでありますけれども、何といいますか、いろいろの法制上の制約等もあるわけでありますけれども、しかしそれを乗り越えて、そうしてできるだけそういう面についても、ひとつ研究をさしていただく、またある場合においては指導をするというようなことも考えさしていただきたいと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは局長にちょっとお尋ねするのですが、今般アメリカの陶磁器業者が、関税委員会へ提訴したその関税引上率は、それぞれ一挙に約一〇〇%前後に及ぶと、こういうように聞いているわけですが、一〇〇%近いということになると、これは私は暴挙にひとしいと申してもいいものだと思うのですけれども、この大幅な引上率に関する簡単な内容、それからもしこの関税引き上げが実施された場合におけるわが方の輸出に対する打撃、それから次に関連産業を含めた約四千五百ほどの中小企業並びに十二万人にも及ぶところの従業員への影響というものは、非常に私は大きいと思う。  そこでついででございますが、この関税委員会へわがほうからも出席して、当方の立場を証言しているように聞いておるのですが、どのような説明をされたのか、ごく簡単でよろしいのですが、ひとつお聞かせ願いたい。

倉八正通商産業省軽工業局長

○説明員(倉八正君) 最初の関税率の引き上げの問題でありますが、このことは商品の内容あるいは大きさによって非常に違いますが、たとえば磁器をとっていいますと、現在のものよりもさらに四五%高くなって、さらに付加税が一〇%高くなる。それから色づきのものについては、現在のものよりも五〇%高くなって、さらに付加税一〇%届くなる、こういうふうな関税の引き上げを今要求しているわけであります。で、われわれとしましては、現在すでにアメリカに出ております外国の用品及びこれに関連する商品が、これによってどのくらい影響を受けるかということは、はっきりつかめないのでありますが、非常に影響があるだろうということを予想しまして、先般来から今近藤先生の御指摘になりましたように、業界から二名、補助金を出しまして業界からさらにあと二名、合計四名を向うの関税委員会の公聴会に出したわけであります。ちょうど七月の二十四日から八月の二日まで公聴会がありまして、日本のほうもこれに弁護士を通じまして、大いに抗弁したわけでありますが、その内容につきましては、簡単に申し上げますと、磁器につきましては、日本の磁器は米国の磁器よりも価格が安いのであって、米国の国内製品と競合はしないというのが一つであります。それからまた販売方法が違いまして、日本の商品は中級なところで売っているが、米国の国産品は高級な場所で売っている。売り方と申しますが、販売場所が違うというような言い方、それから一九五三年、関税委員会が、いわゆる業者の引き上げ要求に対しまして、引き上げを却下したわけでありますが、その当時と現在というのは需要が変らない。これを磁器について向こうへ陳述したわけであります。  それから陶器につきましては、一応日本としては硬質の陶器を出しているので、これは価格が高くて米国品とは競合しないということが一つであります。それから米国品は、最近ガラスやプラスチック品が非常に出回って、それが国内産業同士を食い合っているじゃないか。日本の陶器が出たからといって、米国の陶器を決して侵食しているのじゃない、こういう陳弁をしまして、七月の五日に帰ってきたわけでありまして、現在関税委員会みずからが調査に乗り出して、各方面の意見を総合調査しているような状態であります。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは私が申し上げるまでもなく、目下ケネディ大統領は通商拡大法を裁定して、それから諸外国に対しては関税の引き下げを実行して自由貿易を大きく推進しようとしておるのであります。その実どうやら国内の一部の業者に突き上げを食って、部分的には逆に保護貿易主義に転換し、現にまだ引き続いて問題になっているのは、綿製品の賦加金の問題もございます。今度の陶磁器にしてもケネディ大統領の選挙対策の一つだと私は思っておる。それと通商拡大法の通過の重大な関係があるので、問題がますます複雑になっているように私は思うのです。特に陶磁器の場合は、今のチャンス、通商拡大法がパスしない前にこれを強行しよう、こういう気がまえがございまして、今回は、容易に、この問題は楽観を許さないと私は思うのですが、従来もこの陶磁器の関税の問題ではしばしばございましたが、そのつど大統領のあれによって緩和されておりまするが、やはり今度の場合は、大統領選挙も近づいておる関係で、なかなかアメリカとしても、これは強行策をとっておるんじゃないか、こういうふうにも考えられるわけですが、通産省としては、こういう点について、どういう見解を持っておられるのか、この点大臣から伺っておきたいわけです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お話のとおり今までもしばしば問題がありまして、結局関係閣僚会議の決定によって、今まではそういうような関税の膨張をするというようなことはやめになってきておったものであります。今度の場合は、大統領選挙といいますか、選挙にも関係があるから、どうなんだろうかというお説でございますが、これはわれわれといたしましても、どの程度にこの問題をケネディ大統領が利用しようとされておるか。あるいはまた通商拡大法との関連は、どの程度に考えておるかということは、私から申し上げることはちょっとむずかしかろうと思うのでありますが、いずれにいたしましても、日本が持っておった権益を侵されるというような形に相なるわけでありますので、政府としては極力ひとつ、そういうことのないように政府に対しても働きかけをいたしたい、かように考えておるわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 先ほど大臣も言っておられたように、日本とアメリカとの関係は、日本のほうは輸入超になって、輸出のほうは、買うほうよりうんと少ないわけです。もう少し日本としては強くアメリカ側に僕は要求できる素地というものがあると思うのです。いつもアメリカ側の言うことで、こちらがごもっともでございますでは、日本の業者としても、これは今後考えなきゃならぬのじゃないかと私は思うのですが、そういう点はどうですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、そういうふうにやれるといいのでありまして、PR等でも輸入業者が、向こうの業者がそんなに日本の輸入を押さえるというと、おれのほうにも影響があるからひとつやめてくれ、こういうふうに言わせるように宣伝をし向けていくということにすれば、これは一番いいわけであります。おっしゃるとおりでありまして、それも考えておるのでありますが、ただ、これは残念なと言うとおかしいけれども、何しろ向こうから買う品物が安い、よそで買うより安いのであります。それからまた、あらゆる意味において、金融その他についても便利をはかってくれる、支払い方法その他についても、便利をはかってくれるというふうになっているものですから、どっちにしたって、アメリカから買わねば損だという品物が今多いというところに、今あなたがおっしゃった、こんなにおれたちが物を買ってやるのだから、だから君たちのほうももう少し物を買ったらいいじゃないか、われわれが買うのだから、ということが端的に言えない面もあるわけであります。しかしながらおっしゃるお気持は十分わかるのでありまして、何と言ったってよけい買っているのですから、その点を強調して、そうして向こうさんにも、いわゆるアメリカにも、なるべくよけい物を買ってもらえるように、ひとつ大いに骨を折らなければいかんということにつきましては、おっしゃるとおり考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いつも対米貿易になりますと問題になる点は、日本は低賃金で労働者を使っているから製品が安いということが、いつも問題になるのです。今度の参議院選挙のときには、池田総理や自民党のほうでは、いや今の物価高は労働者の賃金値上げに原因しているのだというように宣伝されたようですけれども、いつも外国と貿易問題でずっとひっかかるところは、日本の低賃金という問題が常に問題になっているので、そうするとこれは、池田さんや自民党の皆さんが言っておられる大幅な賃金値上げをするから、こういうことになってきたのだということ、物価が上がってきたのだとか何とかいうこととは、私は全く違うのじゃないかと思うのですが、どうですかこれは。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 賃金を上げますというと、やはり物価にはね返ってくることは、これは事実だと思うのでありまして、物価にはね返ってきて値が上がれば、輸出がむずかしくなるということになろうかと思うのであります。賃金が安ければ、物価はそれほど高くならない、そうなれば輸出はできる、こういうことになります。そうすると外国のほうから、お前のほうは、いわゆる労働力のダンピングをしているじゃないかと言われるのでありますけれども、しかしそれは、おのおのその国その国における経済の状態、また経済の発展の状態、またその国民生活の向上の姿というものは、どこの国も違っているので、それを一々言っていたのでは、お互いに交際というものもできないし、商売というものもむずかしかろうかと思うのでありまして、こういう点は相互がやはり理解をし合うことによって、初めて世界の平和というものが保てるのだ、こう思うのであります。一ぺんにアメリカ並みのことを日本にせいと言ってもできませんし、あるいはまたタイの人たちに、日本と同じことをせいと言ってもできないのは、これはもう同様だと思うのでありまして、こういうふうに先進国からいわゆる後進国に至るまでの間には、いろいろの経済段階があると思うのでありますが、しかしながらお互いがその立場を慰めつつも、できるだけ貿易なり何なりの、物を売ったり買ったりするようなことをできるだけ自由にしていく、こういう考え方でやってもらわなければ、私は先進国としての威信は保てない、こういうふうに考えているわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最近アメリカの景気は、ドル不安やコスト・インフレ、失業の累増などによって現われているように、次第に先き行きの雲行きが悪化の傾向を示しておると思うのです。そこで来年の早々か、来年の夏ごろには、これははっきりとアメリカの不況ということが問題になってくるのではないかと、こういうふうに一般的には観測されているのであります。  もしもそのようなことになると、量的に増加したかのように見える対米輸出というものが、ますます減退していくのではないか、こういうことが予想されるわけでありますが、これについて何か対策を考えておられますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 貿易の関係におきましては、できるだけ貿易を伸ばすというのは筋合いでございますが、たとえば対米関係において、そういうことが起きるかどうか、今からそれは、予想というものはありますけれどもが、そうなればなったで、またアメリカのほうはアメリカ、またよそはよそというふうに、できるだけとにかく伸ばしていく、そうして事態が起きたに従って先見できる段階までわかってきたときに処置をしていくというよりほかに、いわゆる経済は生き物だという立場から考えてみますというと、われわれとしてもこうするのだ、ああするのだということは申しかねると思うのであります。しかし、できるだけ伸ばすということについては、もうたとえそれがアメリカであろうと、どこの地域であろうと、ひとつ大いにがんばっていかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 大臣は何か一時に用件があるそうで急いでおられるので、最後に一点、これは陶磁器の問題と別ですけれども、お聞きしておきたいのですが、先ほど来貿易自由化の問題で、いろいろ同僚議員から質問をされておりますように、この貿易自由化に対する反対の今機運というものが、各業界に現われておることは事実なんです。これは機械金属関係もそうでございますし、さらに非鉄金属、それから化学関係、それから農産物等々、たくさん今業者は貿易自由化を反対、または大幅な延長をしてもらいたいといういろいろな陳情もして、受けておるわけなんです。過日、これは八月十八日の新聞に出ておったのですが、重政農林大臣はバナナの自由化の問題については、これはコレラの問題もあるし、日台関係もあるから、これは延期するのだ、こういうことを閣僚会議のあとで語られたと、こういうことが新聞に出ておるのですが、台湾のバナナの問題の自由化については、今大臣はどういうふうに考えておられるのかどうか。これは農林大臣は延期したいと、こういうことを言っておられるし、貿易関係のほうは通産大臣の関係でありますから、これは通産大臣として、先ほど吉田委員の御質問に対して、業種別にこれはいろいろと考えて、九月の中旬に、はっきりときめたい、こういうふうなことを答弁しておられたのですが、今どういうふうに考えておられますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その問題につきましては、まだ正式に農林省のほうから私どものほうに話がございません。今新聞その他を通じて承っている段階でございまして、いずれにいたしましても、そういういろいろの影響その他も考えまして、九月の半ばごろには結論をこういう問題についてもつけたい。実を言いますと、一つ一つ、これはそれじゃやめておこうとかというように一つ一つを決定しているのではなくて、一応検討して、全部まとめた上で、それじゃこの品目はどうするか、この品目はどうするかということで一括してきめると、こういう段階になっておりますので、御了承をいただきたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この陶磁器の関税引き上げ問題については、今、日本の陶磁器業者、また輸出業者は非常に心配しておるわけなんです。それで過般、衆議院の商工委員会でも、それに対するところの決議をやったわけです。本委員会でも時間があれば、きょう皆さんと御相談申し上げて決議をしていただきたいと思うのですけれども、まあきょうはお昼で終わろうということでございますから、次回の本委員会で決議できるように、ひとつ案文を各党派で御検討願っておきたいと思いまして、このこともあわせて提案を申し上げる次第であります。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) ただいまのことでお答えいたします。  午前中の理事会でその話がございまして、案を一応作りまして、各党派に持ち帰りまして、御相談の上で、この次の委員会で善処したい、こういうことでございますので御了承願います。  他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十六分散会    ————・————

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