社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/30
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。 委員の変更についてお知らせいたします。 本日、藤原道子君及び奥むめお君が委員を辞任せられまして、その補欠に亀田得治君及び林塩君が選任をせられました。
○委員長(加瀬完君) 労働情勢に関する調査を議題といたします。 質疑の御通告がございますので、順次これを許します。
○小柳勇君 私は、福岡県中間市における大正炭砿の職員が退職いたしました。その退職金の問題で、今日なお紛争が続いておりますから、この問題について関係当局に質問をいたします。 若干経緯を説明いたしますと、昨年から大正炭砿は不況になりまして、相当赤字が出て、会社がこれを放棄しようとした。ところが、通産大臣のあっぜんによって、大正砿業に田中社長が新たにきまりまして、その社長がただいま経営をいたしておるのでありますが、二千名おりました職員が九百名退職いたしまして、そうして退職金を要求しておるのでありますが、ついに今日に至りましても退職金を会社が支払わない。したがって、退職をいたしましたけれども、会社の社宅にそのままおって、現在退職金及び未払い賃金についての要求をやっておるのであります。その退職者は、最近組合を作りまして、地方労働委員会にこれが認可の手続をとりましたところ、最近、退職者の労働組合としての認可がされております。そういうような経過でありますが、ただいまから質問して参りますが、通産省に質問いたします。大正炭砿のここ過去一、二年の経営の実態及びこれからの、たとえばこれから一年くらいの見通しをもって、どういう経営がなされようとしておるのか、通産省から説明を求めます。
○説明員(中野正一君) ただいま御質問のありました大正砿業の問題でございますが、今、先生から御指摘がありましたように、昨年来、非常に経営が悪化いたしまして、その結果、非常に賃金未払いとか資材代がたまり、また、その間に生産がうまくいかないというような事態が続きまして、数十億に上ります赤字といいますか、焦げつき債務といいますか、そういうようなものがあるような状態に立ち至りまして、本年に入りましてから、経営者も、ただいま御指摘があったように、田中さんという方が社長になる、こういうようなことがありまして、しかし、組合のほうとは、一応炭労のほうと妥結ができまして、相当の人員整理も行なわれまして、通産省のほうでも、前の通産大臣の佐藤通産大臣がいろいろあっせんをされまして、立ち上がりができるのじゃないかというふうにわれわれも期待しておったのでありますが、その後の状況も見ますというと、今言われましたように、まず第一に、退職者が最初の予定よりも相当多数に上ったということから、九百名近い退職者が出たのでありまして、これは予定の退職者の数を相当上回った。そのために、現在の生産状況から申しまするというと、採炭夫あたりはまだ不足する、こういうような状況になっておるわけでございます。また、金融関係が、これは御承知かと思いますが、大正砿業は福岡銀行がほとんど唯一の取引銀行であるというふうな状況でございまして、また通産大臣が中へ入られましたときも、福岡銀行との関係がうまくいかないというと、結局立ち上がり資金なり運転資金——運転資金は別といたしましても、その当時の大体の見込みで、約二億円ほどの立ち上がり資金が要る。これは資材代金、未払い賃金、あるいは退職金、そういうふうなものでございますが、約二億円程度の立ち上がり資金が要る、こういうことで、これはどうしてもやはり福岡銀行が相当応援してもらわないというと、また福岡銀行が相当の債権を大正砿業に持っておりまして、そういうことでいろいろいきさつがあったのでありますが、今の社長の就任ということで、立ち上がり資金が出るんじゃないかというふうに通産省としても期待をし、また、この大正砿業は山の状況等から言いますと、うまくこれが経営ができ、また、組合もこれに協力し、能率が上がっていけば、相当の成績を上げ得る山じゃないかと、こういうふうに通産省あたりでも見ておるわけでありまして、その意味で何とか経営が軌道に乗り、労務関係等も順調にいくようにというふうにこいねがいまして、通産省としましてもいろいろあっぜんをしたようでありますが、どうもその後の経営の状況を見ますというと、うまくいかない。これは先ほど申し上げました二つ理由がありまして、一つは、退職金の支払いがうまくいかない、これは組合との協定で、三千万円さしあたり退職金を払うという約束になっておるわけでありますが、このうち、約百人分退職金は一応支払ったというのでありますが、大部分のものに対しては支払っていない。したがって炭住にその退職者の方々が残留して、会社との間にトラブルが起こる、こういうような状況になっております。また、賃金も、先般来、これも私、非常に心配したのでありますが、七月分の賃金が八月になっても支払いが遅延をする。これは現地の通産局で調べさせましたところが、七月分の俸給は八月の二十日に払うという約束のものが一両日おくれまして、たしか二十三日だったと思いますが、支払っておりますが、退職金の関係が支払われていない。もう一つは、資材代、あるいは機械の修理といいますか、相当長く生産が中絶しておったという関係がございまして、坑内が荒れておるわけでありまして、これの整備、主として機械関係の補修を中心とした資材代というものが要るわけであります。そういう点について現地の通産局でもいろいろ心配いたしまして、経営者側、あるいは労働組合側からの話を聞きまして、何とか経営が軌道に乗るようにというふうに考えておるわけであります。いかにせん、今のところ、非常に残念なことでございますが、うまくいっていないというのが現状でございます。
○小柳勇君 将来の見通しについても、通産省は悲観的なようでありますが、具体的に合理化事業団で買い上げるとかいう、そういうことの話が出ている事実はございませんか。
○説明員(中野正一君) 私の聞いておるのでは、山をやめてしまうとか、買い上げてやめてしまう、そういう話は全然聞いておりません。経営者側のほうも、相当われわれ今まで聞いた範囲では、熱意を持って何とか立て直しをしたいというふうにわれわれも聞いておったものですから、その方向でわれわれとしてもできるだけ努力をしたいというふうに考えております。
○小柳勇君 通産省があっせんをし、努力をしてお世話になった田中社長が、途中で再三辞表を出している。やめたいというような意向を漏らしておるようであるが、会社再建の熱意はあると通産省は見ておりますか。
○説明員(中野正一君) 今の御指摘の点については、これは田中社長のことで、最近は病気になられまして、八月の十七日か十八日ごろに入院をされたというようなことで、さっそく私も電話をかけまして、これは病院にかけずに、現地の通産局の担当の部長に言いまして、社長にも会ってもらったのですが、その話では、一時そういうような話もあったようでありますが、本人はやめる気はない、何とかしてやりたいということのようでございます。ただ、重役陣の辞表を取りまとめて、重役の交代というか、そういうようなことは何かあるんじゃないかという現地の返事で、まだやめるというようなことは、私は聞いておりませんです。
○小柳勇君 通産省が中に入って、金のあっせんなり、経営陣の立て直しについても、積極的にやっておられるのですから、退職者の諸君が言うのは、政府が中に入って、炭労と会社の間で協約もできたような清勢であるから、退職金をもらわぬで生活もできないような現実では、政府がもう少し積極的に退職金の支給についてもお世話すべきではないかというような、政府に対する不満及び希望を持っているわけですが、こういう点について通産省はどう対処されますか。説明員(中野正一君)退職金については、御承知かと思いますが、政府の財政投融資の金で、合理化事業団に当初の予算で十五億先般の一月の終わりの石炭緊急対策によりまして、退職金金融の整備資金として三十億円財投から追加をいたしました。十五億は全部もう各社に分配済みでありますが、そういう金があるわけでありますが、何しろ一番私どもが困っているのは、大正砿業に、もう担保力がないというようなふうな状況でありまして、これは一応政府の金ではありますが、財政投融資の金でございまして、もちろん、たしかこれは五年ぐらいの期間で長期に返してもらえばいいという金でございますが、金利も非常に安いのでございますが、また、金融機関から退職金を借りるというような場合には、合理化事業団による保証という、一種の政府保証がありますが、そういう制度もあるのでありますが、どうも今のままの形では退職金金融の制度があっても、それが利用できないような状況じゃないかというふうに私は心配しているわけであります。そこらに何らかの道が開ければ、退職金金融についてもできるだけの便宜は取り計らいたい、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 合理化事業団から十月ごろに、二十億ないし三十億ぐらいの金が出してもらえるのではないかという現地ではうわさがございますが、そういうものについて御存じですか。
○説明員(中野正一君) 合理化事業団から出る金というのは、結局設備の近代化資金、これは無利子でございますが、これと今言った退職金金融の整備資金、この二つがございますが、近代化資金については、会社のほうから何もまだ話がないようでございます。整備資金についても、貸してもらいたいというふうな話は聞いておりますが、まだそこらが、そういう希望は持っておられるようでありますが、今言った担保の問題等で問題もありますし、なかなかまだ具体化していないという状況でございます。それから、今言われました二十億とか何とかというような話は、何かそれはそういう希望を持たれるということは一これは何か数字的な間違いがあるのじゃないかという気がいたします。ただ、開発銀行は前々から大正砿業に金を貸しておりますし、先般経営者がかわったからだとたしか思いましたが、立ち上がりの資金として、二千万円開発銀行からは金を貸しております。
○小柳勇君 その二千万円開発銀行から出ましたのはいつごろでしょうか。
○説明員(中野正一君) これはちょっと日にちはいつごろかというのはあれでありますが、たしか私が石炭局に来ましたあとでございますから、六月ぐらいの話じゃないかと思います。六月の終わりごろじゃないでしょうか。
○小柳勇君 今のお話によると、通産大臣も中に入っておることであるから、退職金の支払いなり、あるいは今後の山の経営については、通産省としても積極的に指導援助していこう、こういうような態勢であると理解してよろしゅうございますか。
○説明員(中野正一君) そうでございますが、先ほど来申し上げておりますように、やはり大正砿業の経営自体が、もう少ししっかりするというか、そういう形に早く態勢を整えてもらってそうしないというとなかなか応援のしようも非常にむずかしい、こういう実情でございまして、前の佐藤大臣からのいろいろの経緯もございますし、われわれとしましてもできるだけのことをしたい。また、今の新大臣も非常に心配しておられますので、そういう方向でひとつ考えていきたいと思います。
○小柳勇君 せめて田中社長が、からだが病気であるのは治療してもらって、一日も早く元気になってもらわなければなりませんが、社長が、労働組合員に対しても、退職者に対しても、誠意をもって交渉に当たって、これの解決のために最善の努力をする、そういうような指導は、せめて、直ちに今後もやってもらわなければならぬと思いますが、その点はいかがですか。
○説明員(中野正一君) そういう方向で、今現地の通産局、あるいは担当の部長等にもわれわれのほうから言いまして、できるだけ問題が早く片づいて立ち直りができるように、できるだけのことはいたしたいと考えております。
○小柳勇君 それから、労働基準局に対してお聞きをいたしますが、退職者の昨年の未払い賃金、それから不当労働行為の摘発、基準法違反の摘発、あるいは早期支払い勧告を会社に出しておりますが、抗議して参りましたけれども、会社としては、ほとんど誠意ある回答をしない、現地の福岡のほうの基準局のほうでもわかっておるはずであるけれども、一体基準局としてはどういうふうに考えておるのか、こういう不満があるわけですが、いかがですか。
○政府委員(大島靖君) 大正砿業の賃金不払いの問題は、石炭鉱業全般の賃金不払いの中でも、特にきわ立って重大な問題だと考えております。かねがね小柳先生にも格別の御憂慮をおかけいたしておるわけであります。もちろん労働者の皆さんが働いた賃金の未払いの問題でありますから、これは当然支払うべきものであります。基準局といたしましては、賃金遅払いの問題につきまして一番苦労いたしますのは、不払いがあるから、これを基準法違反として措置をするということだけでは、結局労働者のためにはプラスにならないわけなんです。何とかしてなしくずしにしてでも払ってもらって、それで労働者側の給料分が取り返せるようにしたい、これが私どもの一番苦労いたすところであります・本件につきまして、現地の監督署ないし基準局長自体が、会社を再三にわたりまして招致いたしまして、不払い賃金の分割支給の計画書を提出せしめております。ただ、先ほど来お話のように、いろいろな事態の変更によりまして、現在さらに不払いの分割支払い計画を再検討いたしておる状況であります。非常に先生御承知のとおり、むずかしい問題ではありますが、事態は非常に重大だと思いますので、私どもといたしましても、小柳先生の御質問を契機にいたしまして、さらに一段と努力をいたしまして、また、その間、通産当局者と十分連絡をとりまして、できるだけの努力をいたしたいと考えます。
○小柳勇君 通産省のほうは、十分山の実態については御存じでありましょう。労働省もお調べでわかっておりますとおり、賃金未払いであった会社は三百名の退職者を募集したが、暗に相違して、山に見切りをつけたんでしょう、九百名以上の人が退職した。ところが、退職金が出ないために動きがとれない、そういう情勢でございますので、未払い賃金、退職金の支払いについては人道問題だと考えるのです。早急に手を打って分割払い等をいたしまして、生活費だけは守るようにひとつ指導してもらいたいと思います。同時に、今退職者の諸君が言っているのは、失業保険がある者はいいが、もうこれも切れてしまっておる者がたくさんいる。あるいは職業訓練を受けたいが、職業訓練所に申し込んでも、とても九百名からの者を一時に訓練できるような職業訓練所はない、そうすれば、われわれ一体どうして生活するか、そういう切実な人道上の訴えがある、この問題について、所管局長見えてませんか、担当課長見えておりませんか、ひとつ労働省のこの緊急対策をお聞きしておきたいと思います。
○説明員(廣瀬忠三君) 炭鉱離職者につきましては、従前、広域職業紹介地域にかかわる離職者であって、広域職業紹介の適格性を有する者については、六十日給付延長をするということをやっておりましたのを、この四月に石炭対策の離職者対策の強化の一環といたしまして、九十日延ばしております。その結果、最高の給付日数の者につきましては、二百七十一日が現在所定給付日数でございます。それが三百六十日までもらえるようにしております。失業保険は、御承知のとおり、受給し得る期間は一年になりますが、一年一ぱいもらえるような措置をすでにことしになって講じておるわけでございます。さらにこれ以上失業保険の給付日数を延ばすということにつきましては、むろんこれは法律改正をやらなければできることではございません。法律改正をやれるかどうかという問題になりますと、やはり失業保険というものの性格が、いわば摩擦的な失業対策という観点から組み立てられているものでございます。非常に困難な問題があると思います。今、小柳先生のおっしゃったように、訓練所の定数にもワクがある、そういうことで訓練所へなかなか入れないで、所定日数の短い者は、これが所得の保障を受けられない、そういうことでお気の毒な事態になるということもあり得る。これは私どもも非常に御同情を禁じ得ないところでございますが、私、失業保険課長でございますが、失業保険という立場からこの問題を解決するということは非常にむずかしい問題じゃないか。中高年令層については、離職者の多発地域について、現在現行法で給付制度が設けられている上に、さらに中高年令という理由で、給付変更をしたらどうかというような御意見もおありかと思います。この点は、現在の失業保険が、たとえば保険料率につきましても、年令が高いからよけい保険料をとるというような形をとっておりませんし、こういう形をとるということは、なかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、また、一律に何日延ばすというやり方をいたしますと、その中には、たとえば労働能力をほとんど失っている者とか、意思能力が明白でない者、そういう者がかなりいることも考えられます。技術的に非常にむずかしい問題があろうかと思いますけれども、私どもとしては、慎重な検討をこの問題についてはしていかなければならない、こういう気持でおります。緊急対策いかんという、こういう御質問に対して、直接お答えにはならなかったと思いますけれども、基本的な考え方を申し上げますと一以上のとおりでございます。
○小柳勇君 雇用のほうの話も聞きたいが、大臣に質問いたしますが、今、大臣、福岡県の中間市の大正炭砿の退職者の生活上の問題を質問いたしております。退職金が未払いであります。賃金についても十分払ってなかった上に、退職金が未払いでありまして、千名近くの人が現在社宅にそのままおりまして、毎日社長に退職金を払ってくれという要求をしておるわけです。そこで、問題は、もう失業保険も切れて参りますその九百名の人を、職業訓練してほかの仕事をやらせようとしても、なかなかそれだけの職業訓練の能力もない。ところが、失業保険は、法規でございますから、簡単には改正できない。そうしたら、一体どうして生活するか、こういう人道上の問題に発展していますが、退職金の支払いについては、通産省も、それからあなたのほうの労働基準局長も、行政指導をやって、早急に分割払いでもできるようにしたいと今答弁がありました。私が大臣にお尋ねするのは、そういう緊急の状態については、もう人道上の問題として、失業保険の延期とか、あるいは特別に生活資金を貸しつけるとかしなければ、人道上の問題として許せないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(大橋武夫君) この問題につきましては、局長からも申し上げたと存ずるのでございまして、退職金の支払い残につきましては、労働省といたしましても、極力努力いたしておるところでございます。しかし、仰せのごとく、事態は非常に急迫いたしておるようでございまして、この対策につきましては、現在のところ、法によって処置するということも参りません〇しかし、石炭対策といたしまして、労働省といたしましても非常に関心を持っておるのでございまして、できるだけ実情をすみやかに調べまして、できるだけのことを考えたいと思っております。
○小柳勇君 労働大臣もすぐ調査してもらいまして、緊急事態として最善の処置をしていただきたいと思います。 つぎに、警察庁に質問いたしますが、社長に退職金要求をするために、過去に若干警察との混乱が起こっておるようであります。私は、過去のものを追及すると同時に、退職金を支払わなければ生活できないものですから、毎日社長のことろに交渉に行く、あるいは要求に参る。そこに武装警官がおりまして挑発する、そういうことで不測の事態が発生することをおそれるわけです。過去の問題について御調査があれば、その報告と、将来どうされるか。私は、武装警官などがちらちらして、その退職者の神経を高ぶらして問題を発生させることを避けてもらいたいと思います。警察庁の意見をお聞きいたします。
○説明員(土田国保君) お尋ねの過去の警察関係の事件でございますが、現在までのところ、発生いたしました件数は十七件と承知しておりまして、そのうち、十件は告訴事案でございます。なお、警察部隊と同盟の人たちとが対峙したと申しますか、接触した事案というのが八月四日に発生いたしております。その状況を簡単に申上げますというと、この日午後の一時ごろと承知いたしますが、会社側の会計課におきまして未払い賃金の仮払いを開始いたしまして、それに対しまして、同盟側のほうでこの支払いの中止を要求し、支払いは午後の二時ごろ中止しておるように聞いております。それで、約三百名の同盟の人が、事務所の前で宮原鉱長に対して、退職金の未払いに対して釈明を要求し、それが夜の十時過ぎごろまで続いております。一方、これに対しまして、九時五十分ごろでありますか、会社の竹原という勤労課長さんが、宮原鉱長の救出ということにつきまして、相談のために現地の大根戸の巡査駐在所に見えたのでありまして、その際、同盟側の人が、竹原課長の駐在所に来たことを知って面会を要求し、それがだんだん多数になって参り、それから竹原課長のほうでは、その駐在所の中の居間のほうに退避いたしまして、夜間ではあり、大勢の人と会うことは不安だということで、面会はお断わりするというようなことから、大勢集まって外でだいぶ喧騒をきわめてくる、こういう事態が発生いたしまして、警察側のほうとしては、逐次制服部隊を配置いたしまして、駐在所の前面にこれが並んで、外部から押し入ることがないように一応阻止をする。いわば同盟側と警察側とが駐在所の前で対峙状態になったという事案でございます。この際、同盟側から告訴状が後ほど出ている事件でございますが、午後の十一時五十分ごろ、応援の警戒部隊が到着をいたしまして、駐在所の向かって右の方角から、駐在所の警察部隊と同盟側とがその入口付近で対峙しているそのまん中に入りまして、そうして、その警戒部隊の右翼に配置されるというときに、何か暴行ないし職権乱用があったというような内容と伺っているのであります。告訴状が出ておりますので、この結末と申しますか、これは検察当局のお調べを待つほかはないわけでありますが、現地の警察側の報告で聞いておりますところによりますというと、この際は一列側面縦隊で、先頭の分隊長から、漸次駐在所に向かって右から左へ間を入っておりまして、その間、警察部隊の前進にあたって問題を起こすことのないように、特に慎重を期しまして、投光器を携帯いたしました。その投光器の照射も命じておりますし、また、その際に、分隊長が警棒を片手から上げまして、前へという合図をいたしておりますが、しかし一部隊員が警棒をむやみに使用するという事態はないのであります。また、割って入りました間に、同盟側との間に、からだのすり合いといいますか、それは若干あったようでありますが、警棒の使用はもちろん、手足などに対する暴行というような事実はないように聞いております。これがこの八月四日の事件でございます。 それから、第二の問題でございますが、今後いろいろと事案の発生というものが予想されるわけでございます。申すまでもございませんが、警察といたしまして、労働争議がございまして、そのものに対しまして介入するというようなことはあってはならないわけでございますが、ただ、その争議が正常のレールを逸脱して、不法行為にわたるというような場合、これはもちもん周囲の情勢を合理的に検討して、慎重に処理しなければならないのでありまするけれども、必要に応じて、警告、制止、または最悪の事態には検挙ということに踏み切らざるを得ないというような事態もあろうかと思うのであります。
○小柳勇君 ここに私は新聞の切り抜きも持っておりますし、現地の陳情書も持っております。そして、武装警官がなぐるけるの暴力行為を働いて、退職者の中に数名の被害者ができたと、 こういうふうなことが書いてある。武装警官ですから、ちょっと動けばいろいろ強く当たるでしょう。この労働争議に対して、武装警官が出てなぐるするの暴行を働いたというように新聞記者が書くような、そういうことがあっては絶対ならぬ、私はそう思うのですが、現在、水俣市でも、労働争議に対して警官の介入があるように心配いたしておりますが、この問題についてもう一回、きょうは長官がおられませんから、警察庁長官にかわって、あなたの今後の取り扱いに対する決意を聞いておきたいと思います。
○説明員(土田国保君) ただいまの新聞記事でございますが、私、記事そのものについては実は存じないのでございますけれども、繰り返すようでございますけれども、この八月四日の事件といたしますると、まあ、なぐるけるというような暴行は働いておらないというように現地から報告がきております。ただし、これは告訴事件でありますので、先ほど申しましたように、検察当局のお調べの結果を待つということにならざるを得ないと思います。 水俣の問題もお触れになりましたが、警察といたしまして、たとえば警棒を使用いたします場合、厳格に警棒使用取扱規程というものによりましてこれを使用するというようなことは、当然その責務として行なうべきものであると思うのでございますが、しかし、いたずらになぐるけるというようなことを遠慮なくやるというような気持は毛頭ございません。
○小柳勇君 警官の今後の行動についても、十分ひとつ現地のほうに御連絡されて、そういうことがなされないように処置してもらい。なお、水俣の問題については、党からの要請がありまして、私も明晩さっそく現地に参りたいと思っておりますが、ひとつ警察庁からも現地を指揮されまして当労働運動に不当なる介をなされぬように手配しておっていただきたい。 それから、通産省がお急ぎのようですから、最後に通産省に質問いたしますが、鉱害復旧の問題で、鉱害復旧の金も全然払わぬものですから、被害者のほうから先般大きな抵抗をいたしまして、排水路がふさがれた、そのために山の作業が中止になった、洗炭作業ができなくて中止になった。ところが、会社のほうが折れまして、損害額の約十分の一、一割という見積りで三十万円を支給したために、その紛争は一時中止しておる。これは鉱害については、もう御存じのとおりでございまして、その被害者はほとんど農民である、あるいは中小企業の人であるが、そういう人が怒って、これは全市に発生いたしておりまして、総額約六千万といわれておりますが、そういう鉱害復旧に対しても、ほとんど会社側は誠意を示しておらぬ。こういう問題については、通産省の石炭局長では完全な答えもあるいは無理かと思いますが、通産省を代表して御意向を聞いて、通産省に対する質問はきょうは終わりたいと思います。
○説明員(中野正一君) 大正砿業の鉱害問題についても、現地でそのようなことが起こっておる。非常にわれわれも心配しておりますが、なお現地に命じまして、よく実情を調査いたしまして善処したいと思います。
○小柳勇君 次に、法務局にお尋ねいたしますが、会発が円満な話し合いを希望して、会社に団体交渉を申し入れ、あるいは話し合いに応ずるように勧告を望んで陳情をした、あるいは警官の職権乱用で、人権擁護を強く訴えて法務局へも何回も行ったけれども、現地の法務局としては十分に動いてくれなかった、こういうようなことが陳情されております。法務局の定員の問題もありましょうが、人道問題まで発生している。こういう問題で法務局にかけ込んだ場合に、私は、もっと積極的に問題を扱ってもらいたいと思うのですが、法務局のほうの見解を聞いておきたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) 法務局担当の民事局長はこの席に来ておりませんのでございますが、ただいまの御意見のところは民事局長にお伝えいたしまして、善処していただくようにいたしたいと思います。
○小柳勇君 それでは、刑事局長だから答弁もよくできないようでありますから……。私のほうの要求が十分わかっていなかったようでありますが、法務局のほうで、現地の法務局は直方の法務局ですが、そこへかけ込んだけれども、十分措置をしていただけなかったということでありますから、お調べの上、善処してもらいたいと思います。 最後に、労働省の労働基準局に質問いたしたいと思いますが、先般の三友砿業のときにも質問いたしました労働者の労働基準法違反の問題など、組合からも摘発の要請などありましょう、そういう労働者の要求に対して、現地の基準局に対して積極的に働くように労働省のほうからも指導をしてもらわなければならぬ。この退職者の問題については、特に労働基準法に違反しているという点がたくさんあるようでありますから、積極的に調査をしてこれの解決に当たってもらいたいと思いますが、基準局長から御意見を聞いておきます。
○政府委員(大島靖君) ただいま先生から御指摘の点につきましては、基準局といたしましては当然のことで、ことに本件の賃金の不払い問題につきましては、直接労働者の生活に響く問題であります。お説のとおり、今後ともに積極的に努力をいたしたいと思います。
○小柳勇君 最後に、労働大臣に、これに関連した問題、類似した問題でありますが、先般この委員会で、三友砿業という山田市の小さい山が開発銀行から押さえられまして、競売になった事件を私はここで質問いたしました。その失業者が職を追われ、失業者が失業保険も切れまして、百数十名遊んでいるわけです。遊ぶというか、もう仕事がないものですから、生活に追われているわけですが、職業訓練所に入りたいと思いましても、年配でもあるし、定員の都合もありまして、職業訓練所にも入れない。そうかといって、新たな仕事もない、そこで、会社のほうに未払い賃金を要求しましても、前の会社はつぶれておりまして、新しい会社の社長は金は持たぬということで、先般労働省にも陳情に参りました。労働基準局長は存じておりますが、こういう事例がたくさんあるわけです。失業保険は切れた、職業訓練所には入れない、一体おれたちをどうしてくれるかという人道上の問題に発展しておるわけであります。幸い、有澤調査団長の答申も出ようとしておりますが、労働大臣、積極的にこういう問題をどうするかということも、予算の編成時期でもありますから、ひとつ積極的に対策を立ててもらいたいと思います。大臣の見解を聞き、私の質問を終わります。
○国務大臣(大橋武夫君) この点につきましては、全く御趣旨に同感でございまして、いずれ調査団の答申を待ちまして、政府としての全般的な対策を立てることに相なっております。その際、十分に考慮して、有効な方法を考えるようにいたしたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○亀田得治君 時間が足りないようでありますから、できるだけ重点的に問題をしぼってお尋ねをいたします。 その第一は、昭和三十五年以来、国鉄の不当労働行為に対する救済命令の問題といたしまして、公労委では取り上げて審査をしてきた問題でありますが、御承知のように、これが七月三日に救済命令が出まして、それに対しまして、国鉄当局から行政訴訟を起こして、その救済命令を争っておられることは御承知のとおりだと思う。そこで、私たちの気持としましては、ともかくストライキ権を奪われておる国鉄労働組合、こういうものに関しましては、特に公労委といったようなものが出す決定、こういうものは相当重要な意味を持つものだというふうに考える。これは国鉄当局もそういう点を十分考えて処置すべきじゃないかというふうに考えているわけです。で、公労委の立場というものを尊重するのであれば、これに対して、さらに訴訟を起こして問題を未解決のままにして争っていく、こういったようなことは、はなはだおもしろくないわけであります。で、問題は、公労委の決定が根本的に間違っているということであれば、これはあるいは法律上認められた訴える権利でありますから、それも一つの方法でしょうが、私たちが現地に参りまして、金沢管理局の局長等の意見を聞きましても事実はある、結局はその事実の評価が国鉄当局としては気にくわない、こういうことなんです。そういう評価の程度の問題であれば、現在の公労委を構成しておるメンバーの顔ぶれ等からみましても、やはりそういう程度のことは、第三者機関の決定を尊重していく、こういうことが当然ではないかというふうに考えておるわけなんですが、何ゆえに、そういう態度をとられないで、提訴というふうなことで、こういう問題を労使間でさらに争うような関係に持ち込んでおられるのか、基本的な気持を聞きたいし、また、これは労働大臣といたしましても、十分これは関心を持っておられると思うのでありますが、労働大臣の立場としてのこういう事態に対する考え方をこの際承わっておきたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 国鉄の部内にこういう問題が出ましたことにつましては、私どももまことに残念なことであると思っておるわけであります。ことに、これにつきまして公労委の救済があったのでございますが、事件がこれによって確定をみることなく、さらに裁判を続けておるような状況でございます。これにつきまして、ただいま仰せられました御趣旨には傾聴すべき点があると存ずるのでございますが、しかし、何分、そういう事態をも含めて、事案全体についての結論が裁判所にまかされておるような状況でございますので、労働相といたしまして、この問題につきまして見解を申し上げることもいかがかと存じますので、この際は、私どもは、ただすみやかに裁判が確定して事件が決定されるように希望をいたしておるところでございます。
○亀田得治君 出席がおそかったものですから、今、例の救済命令の問題につきまして労働大臣の見解を承ったところなんですが、もう一度質問を繰り返しまして、国鉄当局の考え方をお聞きしておきたいと思います。それは、例の七月三日の救済命令が出まして、それに対しまして当局が訴えを起こしまして、その結果、この問題は未解決な格好に形の上ではなっておるわけです。ところが、私たちが現地で、現地の責任者等に意見を聞いてみましても、結局提訴をしている理由というものは、救済命令の中で指摘しておるような事実そのものを否定しておるわけではない。いつ幾日どこに集まったとか、どういうことをしゃべったとか、あるいはどういう機関紙をまいたとか、そういったようなことはもちろん認めておる。ただ、そういう事実に対する公労委の評価が気に食わない、こういうことに私は尽きるように思うのです。そういたしますと、その程度のことであれば、私たちの感じといたしましては、やはりこれは第三者機関として作られている公労委の決定、こういうものを当局自体もやはり尊重をして、多少自分のほうに気に食わない決定でありましても、あの決定自体が、労働組合が提訴したことを全部認めておるわけでもない。きちっとしたことをいえば、労働組合自身としても認められておらぬ点もあるわけでして、まあそういう性格のものですから、そういうものに、さらに当局側がこれを訴えにまで持っていって争っていく、こういう格好は、はなはだ私はおもしろくないのではないか。一方では、やはり事故をなくしようといったようなことで、労使関係もっとうまくいくようにしようといったような問題等もあるわけですね。いろいろな点等から考えてみましても、この程度のことについて、ことさらに訴えを出す。はなはだ私はおとなげないやり方ではないか。そういうふうに争っておれば、他方で安全運転等の問題についてスムーズに話をやろうとしても、なかなか実際それは両手に花というようなわけにはいかないものでありまして、そういう点を一体国鉄当局はどういうふうにお考えになっておるのか。少しでも自分の言い分が通らなければ、それはしゃくにさわるから訴えをして争っていく、そういうお気持なのか、どういうお気持で訴えをされておるのか、その点を一つお聞きしたいわけです。
○説明員(吾孫子豊君) ただいまお尋ねの中に、何か国鉄の現地の当局側の関係者か何かが、この救済命令の中で指摘された事実は全部そのまま認めておるんだが、その事柄の扱い方というか、解釈についてだけ異義があるというようなことを申しておるかのようなお言葉がございました。私はあるいは聞き違ったかもしれませんが、そういうふうにおっしゃられたように思うのですが、今度の公労委の救済命令が出るまでには、ずいぶん長い間公労委でもいろいろな角度からお調べになったことでもあり、また、私どものほうからも関係者が出まして、いろいろ陳弁する機会もあったわけでありますが、それにもかかわらず、結論的に申し上げますと、救済命令で指摘されました事実の中に、事実そのものの認定が間違っておられる、あるいは存在しないものを存在するように言われておりましたり、あるいは内容が非常に間違って誤認されておられるようなものもある。さらに、また、法解釈という面においても、当局側の立場から見ますというと、納得のいかないものがある、そういうようなことがありますので、そういういろいろ納得のいかない点が含まれておりますものをそのまま承服するというわけにも参りかねますので、そういう場合に、法律におきましても、行政訴訟によって争う道も開かれておりますので、それらの諸点につきましては、やはりはっきりさせておきたいということもございまして、救済命令に対する処分取り消しの訴えを出したようなわけでございまして、この救済命令で指摘された事柄が、事実としては争う余地がないので、ただ、それの解釈その他について異見があるということで訴えを出しておるということではございません。問題がありますので、それらの点をはっきりさせていただかないと、納得のいく救済命令としてお受けするわけには参りかねるということで 訴えを提起したような次第でございます。
○亀田得治君 総裁も同じ考えですか。
○説明員(十河信二君) ただいま副総裁から答弁いたしましたように、われわれといたしましては、できる限り公労委と話し合いをつけて、公労委の御決定、裁定、御意見なりを十分尊重したい、こういうことでしばしば陳弁の機会を与えられて、いろいろ申し上げたのでありますが、それが不幸にして、今、副総裁から申し上げましたような事態に立ち至りまして、やむを得ずそれらの事実を明らかにしていただきたいということで提訴をいたしたような次第でございます。
○亀田得治君 これは労働大臣、ひとつよく御検討願いたいわけですがね。今お答えのような、ああいう枝葉未節のことを拡大強化して説明をされておるから、私は、なかなかこの国鉄の労使間というものはむずかしい点があるなあという感じをまたよけい持つわけなんです。といいますのは、この救済命令の主文はこうなっておるわけなんです。これは労働大臣もごらんになったでしょうが、「日本国有鉄道は、金沢鉄道管理局管内の駅長及び助役の一部が職員に対して貴労働組合から脱退するようしようようし、並びに金沢鉄道管理局が貴労働組合に不利な記事を掲載した「金鉄だより」を配布して、貴労働組合の運営に支配介入したことについて遺憾の意を表するとともに、今後かかる行為を繰り返さないことを約する。」そのほかの申し立ては棄却する、これがつまり結論なのです。なるほどここに主文の理由というものがつけられておりまして、その理由の中に事実関係がたくさん掲げおりますが、あるいはもっと事実関係を検討すれば、多少間違っているのもあるかもしれないと私も思う。しかも、もっと検討すれば、第一審である公労委の段階では、わからなかったことがまた出てくるかもしれない。しかも、ずっと今申し上げたように、一部そういう不当労働行為のあったこと自体は、実は何といってもはっきりしている。だから、そういう大まかなところからどうして考えられないのか、そんな一つ一つの事実関係をやっていってごらんなさい、裁判所の関係でも、どちらが勝っても、また控訴しておれば二年も三年もかかっていくわけです。一体こんなことが、はたしてこういこう性格の案件として常識的に見て妥当なものかどうか、こんなものはだれも妥当だなんと考えませんよ。おそらく私は、労働関係を心配されている労働大臣としては、まあ腹の中ではそういうふうな気持でおられると思いますが、そこを私は申し上げるわけです。一つ一つのこまかいことはともかく、この公労委のメンバーにしても、法律の専門家がそろっておってやっているわけです。それほど間違ってもおらないだろうと私は思うわけです。だから、なぜこういう程度のことであれば、この救済命令の実行について、国鉄当局自体として、このままどうもあやまり証文を出すような格好も工合が悪いから、もう少しそこら辺何か緩和する方法がないかどうかといったようなことで、これは労働組合と話し合いをすれば、私は話のつく問題だと思う、こういうことは。全然何もない。そういうことを皆さんがおっしゃるなら、それはまた別だろうが、そういうことじゃない、この処分を見たって。これはどうしますかね、総裁として考えてほしいことです。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄当局といたしましては、もちろん不当労働行為というようなことがあってはならないと考えておりまするし、また、そのようなにおいのするようなことも気をつけなければならぬことであると考えておりますので、私どもとしては、相当平素からさようなことのないように注意をしてきたつもりでございますけれども、それにもかかわらず、こういうようなことで問題が出てきまして、いろいろ各方面の方に御迷惑をおかけしたことは恐縮に存じておりますけれども、しかしながら、ここに出されました救済命令を拝見いたしました際に、その内容の中に、相当先ほども申し上げましたように、事実の誤認と思われるようなこともございまするし、また、私どもが、平素不当労働行為というようなものは起こらないように指導に努めてきたつもりでありますだけに、この法解釈の面についても、納得のいきかねる点もあるようなわけでありまして、そういうようなことから訴訟を提起したのでございますが・とにかくいろいろなことがあったんだから、この救済命令で指摘されたとおりではないにせよ、まあまああやまっておいたらどうだというような考え方もあるかとは思いますが、国鉄の現場の労務管理ということを考えますと、そういう面は、そういいかげんに処置するというわけには参りませんので、疑いの余地のあることは、やっぱりしかるべき道を踏んで、はっきりさせるべきものはやはりはっきりさせなければいけないというふうに考えて訴訟を提起したようなわけでございます。しかしながら、労使関係の正常化ということは、これは当然私どもとして努めなければならないことでもございまするし、また、不当労働行為と思われるようなことが反復されるということは避けなければならないことでございますので、このようなおそれのある、疑いが伴うような行為が極力なくなりますように、これはそういう面で今までも及ばずながら努力をしてきたつもりでございますけれども、なお、今後一そうこれらの点について、組合側との間でも、話し合い等の機会を通じまして、労使関係の正常化、不当労働行為の疑いを受けるような行為をなくしていくということのためには、前向きの姿勢で、今後なお一そう努力をいたして参りたいというふうに考えておるのでございます。
○亀田得治君 ぜひそういう前向きの姿勢で考えてもらいませんと、あまりこまかい理屈をあなたこねられますと、私も、もうちょっと専門的にお聞きしたい点もたくさんあるわけです。たとえば救済命令指摘の事実の中で、間違っている点もあるんだと言われますが、一体それは大まかに言って何割くらいあるのか、そういうことも聞きたいわけです。あなたとしては答えなければいかぬわけです。そうなれば私は、まるきりこれが全部何もないんだ、そんなことは絶対言われるものじゃないし、また、そんなことをあの公労委が何回でしたか、非常なたくさんの回数やって審議して、そんな荒唐無稽な事実を指摘するわけはない。そうすると幾らか出てくるわけでしょう、どうしたって認めざるを得ないんだ。それは裁判所に行って、対立関係だから、意地になって否認する場合と別です、ここで答える場合は。ところが、そういうことをあなたは聞かれちゃ困るわけですよ・あなた自身、前向きで考えてもらえば、そこまで追及する必要もないわけです。で、なぜ私がそういうことを言うかといえば、まあ現地のどこへ行きましても、あのころは相当やった、こう言っておるわけです、やったほうも。だから、ともかくそれに近いものがあるわけです。ところが、それに対して、多少事実が違うといって、ぽんと訴訟されておりますと、今度そういうことをやった諸君が強気になってくるわけです。この影響を心配するわけです。だから、あったのならあったということを、それは間違いだから、国鉄当局は、少なくとも不当労働行為はいかぬとわれわれにおっしゃっておったのだから、もしそういうことがあったのなら、これはいかぬのだと、こういう態度をはっきり取られることが、下のほうで、間違って大いにやったほうが、また出世もできるんじゃないかと思うておるような諸君に対して成しめるようにもなるわけなんです。逆になるわけなんです、提訴して争うということは。その点をぜひ考えて、組合との間で十分に、やっぱりほかにいろいろ問題もあるでしょうが、検討してもらいたい。そこで、そういうことが影響しているかどうかわかりませんが、私たちが八月の十三日に金沢鉄道管理局に参りまして、いろいろ関係者につきまして最近の事情を聞いたわけでありまするが、最近はこういうことを盛んに言われるわけですね。それは、最近の不当労働行為のやり方は、どうも陰性的になってきた。最近は第一組合員と第二組合員を、いろいろな昇給なり、そういう際に差別扱いをして、そうして第一組合員をいじめている。そういう格好で第二組合を強くしていくというようなやり方というものがふえてきているので、非常に困っている一こういうことを言っておりますが、一体そういう差別扱いを昇給なりいろいろなときにやって、そういうものを組合関係の消長に結びつけていくということは、はなはだけしからぬ。率直に第一から第二に入れという勧誘よりも、こいつはもっと悪質だというふうに私は考えるわけですが、当局の考え方を聞いておきたい。
○説明員(吾孫子豊君) 全体として、労使の関係を正常化いたして参りますために、いつまでも済んだ既往の事実にさかのぼってせんさくし合うというような姿は、私どもとしても、早くそういうことをなくしまして、先ほどもお言葉にございました、もっと前向きの姿で、職場の明朗化ということのために力を尽くして参りたいと思っているわけでございます。 そこで、今御指摘のございました組合の所属によって昇給に差等をつけるというようなことは、もちろんあってはならないことでございまするし、私どもも、そういう点に対しては、厳に注意をいたしているのでございますが、先般来、亀田先生の御一行以外にも、いろいろな国会関係の諸先生が金沢の管内等を御視察になったこともございまして、そういう際に、直接間接いろいろ御注意やら御指摘のあった点につきましては、私どもといたしましても、一応調べたつもりでございます。もちろん、そのところどころピック・アップして特に問題にされたようなことを調べた程度でございまして、全般的な非常に詳しい報告を取っているというところまでは参っておりませんけれども、二、三の個所については調べておりまするけれども、たまたま今私がここに報告を受けました調べの実積を見ましても、昇給等について、そんなに差別というようなことはつけられてはおらないわけでございます。それはたまたまその例がおそらくあるのかもしれませんけれども、それにまた管理者側が、組合の所属の自由、あるいは昇給に差等をつけるというようなことは・私どもの調べました限りにおきましては、そういうことはあり得ないのでございまして、そういうような疑いを招いたということは、まことに遺憾なことでありますので、今後なお一そうそういうような疑いを招くというような問題を起こさないように、十分注意をこの上ともいたして参りたいと考えております。
○亀田得治君 これはいろいろ資料をもらってきておるわけですが、あるいは衆議院の委員会等でもすでに御指摘があったかもしれぬと思うのですが、一つだけ私それでは指摘して、御見解を聞きたいわけですが、たとえば今年の五月一日発令の級別の定数欠員補充、これは運輸関係のみの資料がここにあるわけです。それを見ますと、三十八名その日に発令されておる。そのうち、第一組合員が八名です。第二組合員が三十名発令されておる。しかも、その第一組合の八名というのも、そのことに関連して、おそらく勧誘されたのだと思いますが、その後二名が第二組合に入っているわけです。おそらく昇級のときに条仲をつけられたのじゃないかと思いますが、だから三十二対六と、こうなっておる。現在第一組合と第二組合の比率は七千二百と約三千です。組合員数は倍近く第一組合がありまして、そうしてこの五月一日の欠員補充の運輸関係だけをとった発令でありますが、これほどこう数が違う、逆に。たまたまそうなったのだというふうなものでは私はなかろうと思う。ほんとうは、これは一々いろいろ聞いておりますから、言いたいところですが、それはとても一時間や二時間ではそんなことは言えませんから、全体ひっくるめて、結論的に、はなはだ不自然ではないかという感じを持って見ておるわけですが、あなたのほうでおそらくこの資料の御説明もあったろうと思いますから、御見解を聞いておきたい。
○説明員(吾孫子豊君) 今御指摘のございました五月一日付の発令の級別定数欠員補充という事柄につきましては、実は何もまだ伺っておりません。ただ、昇給及び昇職等の実績についてお話が出たことがあるように承っておりまするので、三十七年の四月以降に実施されました営業関係の掛職及び構内関係の掛職登用試験で登用された者の数の調べをただいま私は手元に持っておりますけれども、それの報告を見ますというと、全体で六十五名登用されたうちで、国労所属の職員が二十八名、それから、いわゆる第二組合といわれておる金地労の方が三十七名ということになっておりまして、なるほどこの数字を見ますというと一国労及び金地労のそれぞれの組合員の全体数に対比いたしてみますというと、相対的に金地労のほうの登用者が多くなっておりますことは認めておりますけれども、これにつきましては、受験者の関係でありますとか、職種の関係でありますとか、いろいろな事情もあったと思われまするので、私どもが調べましたところによりますれば、志願者の関係と、結局は試験の成績の結果でこういうようなことになったと承知しておりますので、組合の所属いかんによって差別待遇をしたものとは思っておりません。今のお話で御引例になりました五月一日付の発令の件は、今ここに職員局長もおりますけれども、ちょっと私のほうでただいまわかりかねますので、その点はもう一ぺんよく調べてみたいと思います。
○亀田得治君 同じく運輸関係の欠員補充、八月一日にも二名行なっておるんですが、これも第二組合だけなんです。ただいま副総裁から言われましたその数字を見ましても、まあこれは私が指摘したほど開きはないわけですが、それでも組合員数に比較したらアンバランスです。ある場合には第二組合が多かったけれども、ある場合には第一組合が非常に多いから、全体を見たら大体うまくいっているという話ならいいんだが、どれをとってみても逆なんです。これはもう何かがあるというふうに上の者は当然これは考えるべき問題なんです。私たちは、こういう全体的なことでなしきに、個々の人物の比較表までもらっている。全体の統計数字だけじゃ困る。甲と乙という者を比較してみてくれ、そうすると、だれが見ても甲が先に発令されなければならぬのに、乙が先になっておる、第二組合だけだと言う。しかも、乙が発令された後に、甲のところに行って見習いについておるわけです。そんなばかげた話があるものですか。だから、これは高岡駅の関係でありますが、調べてごらんなさい。そういうことを、これはもう周囲の人はみんな目で見ているわけですから。高岡の操車場の第一組合員が東海正義、第二組合員が朽木善行という人、国鉄に入った年数からいいましても、技術の面からいいましても、全然違うわけなんです。逆になっている。で、そういうわけでして、それから試験の成績云々というようなことも言われますが、まあ今までは学科試験のところで第一組合員をみんな落とした。しかし、最近は学科試験はそれほど落とさぬようになった。ところが、学科試験のあとの、何か口頭試問ですか、人物考査というのですか、何かあるようですが、その段階において非常な整理をしている、こういうふうにいわれておる。学科試験にあまりむちゃなことをしたら、これはすぐわかりますからね。だから、だんだん上手になっているんじゃないか。人物試験考査といえば、やはり現場長の認定とか、そういったような問題が幅をきかすわけでしょうから、だからそういうことがいわれておるわけで、それから、どうも問題が第二組合のほうには漏れておるのではないか、こういうことすらもいわれるわけです。何も第一組合がそんな頭の悪い、人柄の悪い者ばかりがおるわけじゃないですからね。だから、そこで一つの資料要求として、ことし一年間、金沢管理局におけるそういう異動関係ですね、これを全部ひとつまとめて、資料として出してもらいたいと思う。ことしの一月から八月までです。まあ私が先ほど御指摘したようなものもそこに含まれているわけですが、あなたのほうで一応全部まとめてほしい。名前をずっとあげて、まあ、あなたのほうでは、だれが第一組合か第二組合か、それはわからぬでしょうから、資料をいただきましたら、私たちのほうでその関係を整理してみます。そうせぬと、われわれのほうとしても、一部の資料だけをもらってこういう御批判を申し上げるのは、若干問題もあろうかと思いますから、そういう意味で、ひとつその資料をできるだけ早くお出しを願いたい、よろしいですな。
○説明員(吾孫子豊君) 実は、ただいまの御質問とほぼ同じような御質問が衆議院のほうでもございました。試験の公正が疑われるというようなことがあってはゆゆしい問題でもございますし、そういう点につきましては、私どもといたしましても、さらに十分試験の公正を期し得るような方法をとりたいということを申し上げた次第でございますが、今御指摘のございました異動関係の資料ということでございますが、これは昇給であるとか昇格とか、そういう意味のことかと思いますが、そういう際に、実は私どものほうは、組合員の所属というようなことは、大体問題にせずにやっておるはずでございまして、したがいまして、組合員の所属につきましては、めいめいの組合員にやはり申告でもしてもらいませんとわからないという事情がございます。実は衆議院のほうでは、そういう所属を三十二年ごろまでさかのぼって全部調べてくれ、こういうような資料の御要求がございましたので、そういうことになりますというと、相当ひまがかかりますか、しかし、国会からの御要求でありますので、やりますというふうに御返事はいたしてございます。それで、三十二年以降の組合の所属を、個々の職員について、どういう経過でどうなっておるかということを全部申告してもらいますように通達をいたしましたのですか、それを見まして、また、あわせて今お尋ねのございました昇給昇格等の異動関係につきましても、できるだけ早く取りまめますようにやってみるつもりでございます。若干時日がかかるということはお許しいただきたいと思います。
○亀田得治君 私のほうは、組合員の所属について当局に一々問い合わせをしてもらって、その回答を求めるというようなことはしてもらいたくないのです、正直な話。ともかく名前さえずっとあがってくれば、その点は私たちのほうで調べたほうが、これはまた早いわけですし、そういうふうに思っております。そして、私の特に申し上げたいことは、最近でも、なおかつ、 こういうことがあるという点についての反省る求めておるわけですから、今年中でけっこうです。できるだけ早く、そのかわり相当長期間かかるということじゃなしに。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○説明員(河村勝君) 昇給につきましては、金沢管理局に、いずれの組合であるかを問わず、組合員の数が一万名でございまして、これは一月と七月に大体半分ずつ昇給するわけでございますが、約一万名の人間の名簿を出せという御要求になるわけですか。
○亀田得治君 私、国鉄の内部のことはあまり知らぬわけですが、小柳君にちょっと聞いたのですが、一つ一つのこまかい昇給ですね、そういうものまで一々拾うとしたらたいへんな数になるようですが、ともかく昇職といいますか、一級上がるといったようなやつが非常に私は問題であろうかと思うのです。だから、そういう点にしぼってとりあえずひとつ出してもらいたい、それならそんなに多くないと思いますから、お願いしておきます。 そこで、時間もないですから、最後に、次の点をずっと私一ぺんに申し上げますから、これも事実を調べてほしい。すぐここで認否はされないでしょうから。 第一点は、富山駅の山崎首席助役、これは前に福光駅で第二組合を大いに作って、その手腕を買われて富山駅の首席助役になって来た、こういうふうに現地では言われておる人物ですが、彼は現在でも露骨に第二組合に入れと、こういうことを盛んにやっておるわけです。非常に露骨なやり方であります。朝の点呼のときなどにそういうことを働きかけておる。掛の者から、きょうはどういうふうになっておる、そういう組合の問題について、そんなことを話を聞いたりしておるので、はなはだ目に余るものがあるということを言っておるわけです。この人はこそこそとやるのではなしに、きわめて露骨らしいですね。ほかの助役諸君も、どうも今度かわって来た首席助席は少しやり過ぎる、そういったような批判すらしておるようです。これが第一点。 それから、第二点は、これも富山駅の第一組合員の河岸勇幸という人ですが、この人が今井という運転掛から第二組合への加入を勧められておる。その理由は、河岸が宿舎を頼んだわけです。宿舎に入りたいなら第二へ来なければだめだ、こういうことをいうことをいわれておる。これは直接助役が言っているというわけではありませんが、しかし、そういうふうなことが一般的にいわれたとしたらたいへんな問題である。これが第二点でございます。 それから、第三点は、山崎という第一組合員の方が掛職の登用試験に合格しましたが、先ほど申し上げた今井運転掛が、いくら試験に合格しても、第二組合へ来なければ登用されぬぞと、そういうおどかしといいますか、そういうことを言うておるわけです。 それから、第四は、これも富山駅の草野という庶務掛がありますが、給袋を渡す掛りの人のようですが、給料日に各自にそれを渡す際に、第二組合への加入を話かけておる。もちろんこれは勤務中ですが、助役もそういうことを見て知らぬ顔をしておる。この働きかけを受けたのは井尻という第一組合員です。 それから、第五点、山本清、山本浩、これは二人とも第一組合員ですが、貨物の助役の方に呼ばれて——自分の宿舎に呼ばれたようですが、そして組合のことについて、第一組合の悪口を盛んに言われた。これも最近あったことです。以上が富山駅です。 次に、富山操車場の関係について二、三点申し上げておきます。昭和三十七年の三月四日ですが、杉木という助役が、転勤したかったら第二組合に入らなければだめだ、こういうことを国労組合員に言うておる。言われた人は、自分の名前は秘してくれと、こう私たちに言われておるので、これはちょっと申し上げにくいわけですが、その人は、そんなことをしなければならないのなら転勤などをしなくてもいいということで、現在第一組合にとどまっておる、こういうわけなのです。 それから、同じく今年の三月二日、やはり杉木助役が、この操車掛登用試験の第二次試験の際に、第二組合に加入しないと合格せんぞということを、同じ職場の第一組合員の方に話をしておる。まあ、そのほかたくさんいろいろなことを私たち聞かされたわけでありますが、これはみんな組合員が私たちに直接そのことを証言しておる問題ですからして、私たち書いたものだけをもらって申し上げているわけではないのでして、委員会で取り上げる以上は、やはり本人に確かめてみたり、その確かめた中での若干を申し上げたわけでありますから、そのつもりで、ひとつ事実関係をよく調査の上でお答えを願いたいと思います。
○説明員(河村勝君) 今列挙されました各項目につきましては、取り調べをいたします。
○亀田得治君 それでは、一応国労関係の私の分はこの程度にして中止しておきます。
○杉山善太郎君 きょうは労働大臣も総裁も御出席でありますので、関連をして基本的な問題について、限られた時間であるということを了承しておりますので、きわめて簡潔にただしておきたいと思いますが、大体国鉄の労務管理のあり方というものに実は問題があるのではないか。そのあり方というものについて、やはり国鉄が姿勢を正さなければ、おれはいいのだ、お前のほうが悪いのだという姿勢では、これはやはり悪循環が絶えないのではないかと、そういうふうに判断をいたします。と申しますは、七月四日の救済命令の事例に徴するまでもなく、他の二公社五現業に比べてみて、具体的な問題として、たとえば不当労務管理、あるいは不当労働行為という、その差別は紙一重であり、すれすれでありますけども、そういう論議、それから不当差別、それは昇給昇格にちなんでみても、不当差別だといって水掛け論も起きてきています。はなはだしきは人権侵害じゃないかと判断される事案が、他の二公社五現業に比べてみて、一体具体的な係争事件がどうかということ、そういうものを私ども対比較して、国鉄と他の二公社五現業等を比べてみて、どうもあまり件数が多いということになると、やはり本質的な問題として、国鉄の労務管理のあり方に実は問題があるのじゃないか、そういうふうに判断せざるを得ないわけであります。したがいまして、今、亀田委員の質問に対して、あるいは具体的なやはり事案、事例に対して、ひとつ聞き合わせをしようということになっておると思いますけれども、その国鉄の労務管理のあり方という問題について、そして、その問題があるというふうにわれわれは判断をしているわけでありますが、したがいまして、総裁から、労務管理に対する基調となる基本方針、大筋というものについて、ひとっこれはきわめて常識的な問題でありますけれども、今日あたりまえのこと、そして常識的なことが十分身についていない、姿勢が正されていない、軌道から外れておるということが紛争の根源ではないか、そういうふうに考えます。蛇足でありますけれども、国鉄は、何といっても日本の運輸産業の中核であらねばならぬ、そういう判断からいって、これから新しい五カ年計画を遂行なさいます過程の中でも、人的な要素、物的な要素、財力の面の総合勘案の中から、どれも必要でありましょう。人的要素という関係の中においては、公正な労使関係という問題からいきますと、労務管理に問題があというような不信感や疑惑感が一般社会から評価されることにおいては、国鉄自体としても、決して得にならぬ立場だと、こういうふうに判断いたします。結論的にお尋ねしたい点は、他の二公社五現業と対比較なさってみて、どうもおれの家庭の事情の中では紛議が多い。いい悪いは、たとえば救済命令に対して、あなたのほうでは行政訴訟を提起されておりますから、裁判所がしかるべく判断を下すということに譲るといたしましても、そういう事案、事例を他の公社や五現業に比べて、あまり事案が多いのではないか、係争が多いのではないか。そういう問題から、私は、やはりこの際、総裁に、国鉄の労務管理のあり方に関連をして、確固不動の基本方針というものに対する見解と申しますか、所信というものを聞きただしておきたいと思います。申し上げておきますが、われわれはそういうことを聞いて、意地悪くこれを活用するということでなくて、この悪循環は、だれがいいにせよ悪いにせよ、これはどこかの時点である線を引いて、お互いにこういうことのないようにしていかなければいけない。そういう関係から、今申し上げました労務管理のあり方に問題があるのではないか。そういう点とあわせて、時間がありませんから、ついでに一々問答式にお尋ねするのでなくて、確固不動のひとつの労務管理に対する国鉄総裁としての基本方針をこの際伺っておきたいと思うのであります。 労働大臣その他の関係当局にもお願いを申し上げておきますが、他の二公社五現業と対比較してみて、あまりに事案、事例が多い、そういうふうに判断いたしますので、そういう点についてもひとつよく比較対照して、ことに労働大臣におかれましては、前回、労働大臣の所信表明のときに申し上げておきましたように、公正な労使関係という問題に対して、やはり全体として、非常に日本の労働運動に対して、未熟とか、あるいは行き過ぎがあるというような、そういう点がかりにあるとすれば指摘をいただくにいたしましても、対内的な見地からして、大いに労務管理のあり方というものは問題がある。ことに国鉄の場合では問題があるじゃないか、そういうように考えますので、まず総裁のほうから、今お伺いした点について、やはり所信なり見解なりをお伺いしたいと、こう思のです。
○説明員(十河信二君) 今お話しの点は、しごくごもっともなお尋ねでありまして、私どもも、今お話のありましたように、国鉄を改善して参るためには、どうしても労使が共同の立場を持つという、共通に協力していかなければならぬ。したがって、そういうふうに、われわれの労働管理もその方針に従ってやっていこうということを絶えず強調しておる次第であります。今お話のように、いろいろ問題がたくさん起こりまして、皆さんに御心配をかけ、あるいは世間からもいろいろ批評されるようなことは、これはわれわれとしては深く反省しなければならぬと、こう考えまして、こういう問題が起こるまでもなく、絶えずそのことを戒めておるような次第であります。他の公社等と比較しまして、そういう問題が多いということにつきましては、私は深く反省をして、今後とも一そう努力をして、そういうことのないようにしていきたいと思います。今後、いろいろ問題になっておりまする金澤の局のごときも、そういう趣旨におきまして、金澤の局だけでなく、ほかの局に対してもいやしくもそういう疑いを受けるようなことはしちゃならぬぞということを戒めておるような次第であります。その努力がなかなか効を奏していない点があるかもしれませんが、今後一そうそういう趣旨で、さらに一段と努力を傾けていきたいと覚悟いたしておる次第であります。
○国務大臣(大橋武夫君) 三公社五現業に比べまして、特に不当労働行為などの問題が国鉄に目立って出ておるということは、遺憾ながらその通りであります。これにつきましては、ただいま国鉄総裁から、今後のあり方についてお述べになりました次第でございますが、国鉄の労務管理の問題は、厳密に申しまするというと、国鉄並びに運輸省の仕事でございます。労働省でかれこれ申し上げる資格はないわけでございますが、しかし、今後とも大事な産業でございまするので、いろいろまた事実上御相談相手になる必要がありましたら、私どもとしてもできるだけ協力いたしたいと存じます。
○杉山善太郎君 さらに総裁にもう一点お伺いしておきますが、私は、やはり禍根を断つために、今後お互いが姿勢を正すということについては、大体今の総裁の見解を了といたしますが、関連をして、私から本質的な問題で聞きただしたいのは、労務管理の基本方針というものについての御見解の表明がなかったように思います。と申しまするのは、国鉄という一つの企業の中に、それはおれたちの関知せざる問題だというふうに判断なさいますかは別といたしましても、たとえば動力車労組あり、最近では金地労ですか、通念上、常識的には第二組合があり従来の国労ありと、こういった点について、これはそれらの人々が自由な意思によって勝手に作っているのだから、それまでもどうこうするわけにはいかぬのだ、それをやったら支配介入だというふうにお考えになっているかどうかは別の問題として、これが、かりそめにも運輸産業の中核であるいわゆる国鉄企業の中における人的な面において、それはやはり労使慣行というものは、まず非常に重視しなければならぬ問題だと思うのです。それは決して野放しではないでしょうと思いますけれども、今日の時点では、あるものの既成事実に対しては、一つになれといっても、そう簡単にはいきますまいけれども、そういう点について、私は、基本方針というものについて、そういうような関連で、一応労務管理の基本方針というものについてお伺いしておきたい点があるのだ、そういう意味でありまするから、そういう点にしぼって、基本方針といっても、きわめて常識的でありまするけれども、木で鼻をくくったような御見解でなくて、真剣に、重大な問題と判断をいたしますので、総裁の責任において、国鉄の労務管理のあり方というものに問題があるということと関連をして、さらにその根っこである労務管理の基本方針という問題についてお聞かせいただきたいと、こう思うのです。
○説明員(十河信二君) 私どもといたしましても、たくさんの労働組合があるということは、いろいろ手数もかかりますし、仕事もやりにくいという点もありますけれども、国鉄は何といいますか、オープン・ショップで、これはわれわれとしては、どうも立ち入ってかれこれ言うことはできない。したがって、いわゆる不当労働行為というふうな疑いを受けるようなことはできるだけしちゃいけないということを戒めております。したがって、今いろいろな組合ができておりまして、その組合の所属いかんによって、先ほどから問題になっておりますような差別待遇をするとか何とかいうことは絶対にしてはならぬ、公平に個人々々の勤務の状態、能力等を検討して、公平にやらなくちゃいかぬ、労使慣行を正常化するためには、どうしても折り目を正して、筋を通すことが必要じゃないか、こう考えてやらしている次第であります。なお、そういう点においても、間違いのないようにということを絶えず念を押して戒めているような次第でございます。
○小柳勇君 私も、亀田委員のお供をして現地を調査いたしましたので、具体的に質問したい点がたくさんございますが、今調査活動を続けているし、根本的に、この際、現場の明朗化のために私のほうでも努力したいと、努力中でありますから、質問はきょうは保留いたします。ただ、この際、総裁、副総裁、職員局長がおられますから、一つのことを指摘して、私は要請だけいたしておきたいと思います。 それは、調査団が異口同音にいいますのは、新潟も北陸も、非常に職場が暗い。どこの駅に行っても客貨車区に行っても、ほかの職場に比べて職場が暗い。職員がにこやかに迎えて、笑い声を聞くというような、そういうような空気もないし、上長と部下職員との間に非常に隔たりがあるような気がしてならない、こう異口同音に言って、見解が一致いたしました。暗いから、したがって事故がよけい起きはせぬかということで、金澤鉄道局で調べましたところが、中部支社の中で三十六年度に発生いたしました事故が三十二件、その中で、残念ながら金澤が十四件、人間を倍持っております名古屋が十一件、静岡は七件、長野に至りましてはゼロです。実に三十二件の中で、十四件の事故が金澤鉄道局に発生している。それは一体なぜか、こういうことをわれわれいろいろ問いただしますと、一人の職員が言いますのには、実は、ここ三年ばかり運転掛の採用試験が非常に不合理であるように思う。それはなぜかと聞きましたところが、第一組合の者は、優秀であってもなかなか試験を通らぬから、もう最近は試験を受けなくなってしまった。優秀な職員が試験を受けない。しかし、定員はちゃんととらなければいけませんから、職員をお互い同士見ても、あの人がというような人が運転掛の試験に採用されて昇職している。横から見ても非常に不安である。そういう人が運転掛になっている。それがここ三年ばかり続いている、こういうことが原因ではないでしょうかということが一人の職員からありました。このようなことで、もし大きな事故でも起こりましたら、それこそたいへんだと思う。金沢鉄道局は、今、電化、複線化のために、職場をあげて突貫工事に取り組んでおりますが、職場が暗い、上下の連絡も不徹底、また、職員の間では、第一と第二と常にいがみ合っている。それに差別待遇などがあって、憂秀な職員が試験を受けなくなった。こういうことでは、ここ近い将来に大きな事故が発生しはせんかということを私は心配いたしました。したがって、私は、亀田委員等にも相談いたしまして一こういう問題を根本的に解決するためにはどうしたらいいかということで努力しておりますが、その結論はまだ出ませんが、三人の方にお願いするのは、もしこのようなことがあってはたいへんだと思いますから、早急に調べてもらって、大きな事故が発生しませんように、職場が明朗化いたしますように、早急に措置をしていただきたい。これだけお願いして、私にきょうは質問を保留いたします。
○亀田得治君 それでは、国鉄問題はこれで……。 それではあと残りの時間もあまりないので、これも簡単に要点だけひとつ本日のところは触れていくことにいたしますが、最近タクシー会社のストライキに関連して、運輸行政というものが、はたして公正に行なわれておるかどうか、こういう点について疑点を持たすような事柄が二、三起きているわけなんです。私は、もしそういうストライキに運輸当局までが巻き込まれてくるということになりますと、これはたいへん重大な問題に発展していくので、そういう心配のあまり、この問題についてひとつ当局の真意をよく確かめたいと思う。それは相鉄交通株式会社の問題でありますが、これが昨年非常に長期のストライキがありましたが、その後これが解決いたしまして、本年に入りまして、さらに団体交渉等が続いたわけでありまするが、結局それがうまくまとまらない。こういうことから、会社がせっかく持っておる免許を運輸省に返上する、そういう立場をとりまして、本年の五月二十九日ですか、解散決議をいたしまして、そうして運輸当局に廃業申請をする、こういうことになったわけでありますが、運輸当局は六月五日にそれを許可したわけです。運輸当局も、労使間に争いがあるということは十分御承知のはずでありますし、会社がこのような解散決議をするのは、結局、労働組合員がうるさいから、こいつをうまく早く整理をしろ、こういうふうな意図のもとでやっておるということも、これははっきりしておるはずなんです。にもかかわらず、六月五日にこれを許可されておるわけなんです。私は、このような、何といいますか、急いだ解散の許可ということは、運輸省自体が労働争議に介入してきて、そうして会社側の言い分を脱法的に援助してやる、こういう結果に実はなってくるわけでありまして、組合員としては、このような当局の出方に対して、はなはだ不満を持っておるわけなんです。どういう考えでおるのか。まず、ひとつ局長からお答えを願います。
○政府委員(木村睦男君) ハイヤー・タクシー事業の廃止は、道路運送法によりまして、主務官庁の認可が必要でございます。で、いかなる基準で認可をするかということは、これも道路運送法の四十一条にあるわけでありますが、基準がただ一つでありまして、公衆の利便を著しく阻害しない限り、廃止の認可申請があれば、これを認可しなければならない、こういうふうになっておるわけです。この条文に基きまして、相鉄交通は、長期間の労資の争議等によりまして、今後経営を続けてやることは、ますます赤字を作るだけで、とうていたえられないという会社の内部事情でありまして、成規の手続で解散の決議をいたし、その決議を添えまして法定の手続をとって、ただいまお話の五月三十日に東京陸運局へ事業廃止の認可申請をしたわけでございます。陸運局といたしましては、ただいま申し上げました条文によりまして、一体この廃止を認めることが公衆の利便を著しく阻害するかということについて検討をいたしたのでございますが、その点について申し上げますと、相鉄交通は、横浜市、川崎市、この二市にまたが、て事業をいたしております。全体の車両数は百十九両でございますが、この百十九両のうち、横瀬市で営業いたしておりますのが七十六両、川崎市で営業をいたしておりますものが四十三両、こういうふうな状況でこの会社は営業いたしておるのでございますが、この横浜における七十六両の車、あるいは川崎市におきます四十三両の車が、事業廃止によって活動しなくなる、これがその地方の利用者の利便を著しく阻害するかどうかについて検討をいたしたのであります。 まず、横浜市について見ますと、現在六十二の会社がございまして、合計二千五百二十八両のハイヤー・タクシーの車が動いております。それに対しまして、相鉄交通の横浜におきます車両数は七十六両でございますので、約三%の比率を示しております。 それから川崎市におきましては、十八社のタクシー会社でございまして、総計七百五十四両の車が稼働いたしております。このうち、相鉄交通が四十三両ございますので、占める割合は、大体五・七%程度になろうかと思うのでございます。その程度の車がなくなるということは、確かに公衆の利便がそれだけ減るわけでございますけれども、この三%なり、あるいは五・七%程度の輸送力の減りますことが、著しく公衆の利便を害するという判断をなすに至りませんので一そういう点から考えまして、道路運送法の当該条文の、著しく公衆の利便を阻害するものではないというふうに判断し、著しく公衆の利便を阻害しない場合には、廃止の申請があれば、これを認可しなければならないという義務規定になっておりますので、それに基づいて事業廃止を認可いたしたのでございます。 それから、五月の三十日に認可の申請があり、六月の五日にこの認可の処分をしたわけでございますが、あまりに早いではないかというふうなお話があるわけでございますが、この事業の免許申請につきましては、いろいろ事業の内容の審査、その他万般の調査をいたしませんと、法律に掲げてあります免許の基準に該当するかどうか判断ができないために、かなりの日数がかかっておるのでございますが、廃止の認可申請に対します判断、調査というものは、ただいま申し上げましたような、ただ一点の基準というものについて判断をすることになっておりますので、比較的早くそういった判断ができるわけでございます。なお、会社として事業の廃止を決議いたしました以上は、事実なかなか仕事に意欲を持って大いに公衆の利便を増進するような営業、サービス等が期待もできないというふうな状態にすでになっておりますので、廃止しなければならないものであるならば、できるだけ早く廃止の認可をするという建前をとらしておりますので、そういうふうな状況判断によりましてこれを処分したわけでございます。もちろん法律上の廃止認可の基準はそれでございますけれども、いやしくも一つの会社が事業を廃止するにつきましては、いろいろの理由があるわけでございまして、今回も、会社内部の労使の争議に端を発して、経営が傾いたということでございますので、一応廃止に至るまでの事情は労使双方から聴取して、その事実も一応知った上で、ただいまの基準に照らして処分をした、こういうことになっております。
○亀田得治君 多少こまかいことになりますが、参考にお聞きしますか、何パーセントの減車ということになれば、四十一条第二項の、「公衆の利便が著しく阻害されるおそれがある」と、こういうことになるのです。何か基準があったらお答え願いたい。
○政府委員(木村睦男君) これは行政上の判断によるものでございまして、その土地々々の事情においても違うと思います。したがいまして、あらかじめ何パーセント以上が著しく公衆の利便を害し、それ以下が害しないというふうなあらかじめ数字をきめるということは、これはむしろ困難でもあり、不自然であろうかと思います。それぞれのその土地の実情によりまして、陸運局長が常識的に行政上の良心をもって判断するという以外に方法はないと思います。
○亀田得治君 一通りの説明がありましたが、この廃業の申請が当局に出たことを労働組合の方が聞きまして、今年の六月四日に、組合の代表者が、これは解散をせぬでもいいのに、ことさらに労働争議の戦術として会社側がこういうことをやろうとしているのだ、そういう陳情に行きまして東京陸運局の総務部長並びに旅客第二課長に面会をしておるわけなんです。これも御存じだと思いますが、そのとき当局は、本件についてはまだ検討をしておらない、こういうことを答えておる。そのときは、まだ検討しておらぬと。なお、この許可もないうちに、すでに会社は車をそのときにはとめてしまっているわけですが、そういうことは違法である、こういうことも総務部長並びに第二課長が言うているわけなんです。労働組合の陳情を聞きまして、これは解散決議だけでは、ああそうですかというわけにいかねので、当局としても善処をする、そういうふうに組合の代表者におっしゃっておるわけなんです。そこで、組合の代表者は、当局のそういう言葉を了として帰りました。ところが、あにはからんや、翌日にはちゃんと会社の申請を許可してしまった、経過はこういうことなんです。六月四日に行ったときにはまだ十分検討もしておらぬのに、今度は労働組合から陳情に行きますと、むしろそれが逆に勅激になったのかもしれません。まあそんなことなら、あまり問題が紛糾せぬうちに、早く判を押してしまえ、逆に運輸当局の内部がそういうふうになったのじゃないかと私は思うわけなんです。そうでなければ、前日そういうお話をなさったわけでありますから、労働組合にとってはたいへん重要な問題ですから、翌日許可するにいたしましても、もう一度組合の代表者を呼んで、調べた結果はこうこうこういうことなんだがというふうにお話し下ってもいいわけですし、その辺の事情ですね、四日から五日にかけてどうしてそういうふうに急にすばやく処理をされたものか、もう少し明確にしてほしいわけです。
○政府委員(木村睦男君) 四日の日に組合の幹部の方に会って、この問題についてはまだ検討していないという回答をしたということは、私は報告を受けておりません。
○亀田得治君 大体役所というところは、都合の悪いことは知らぬ知らぬというくせがあるわけですが、これはちゃんとメモまで作っているわけでして、当局の一言々々は非常に組合では重視しているわけでして、お調べを願いたいと思う。で、この会社側の説明は、一体何日にお聞きになったのか、それをお答え願いたい。
○政府委員(木村睦男君) いつ聞いたかという日にちは、私は手元の資料に書いてございませんので、あとで調べてみます。
○亀田得治君 まあ、おそらく私の推測では、六月の四日に労働組合がこういうことを言ってきた。で、運輸当局からさっそく会社のほうに電話があったのじゃないかと思う。会社が飛んで行って、じゃこれはともかくぐずぐずしないで、早く判を押してもらわなければ困るのだ、こういうことではなかろうかと私は想像するのです、時間的な関係からいって。で、なるほど当局のおやりになっていることは、それはまあ先ほど御説明がありましたように、道路運送法の第四十一条というものに反しないように表面的にはやっておられるわけでしょうが、ただ、そういう合法的にやられることが、裏ではこの労働争議に事実上介入してくる格好になることを私たちは問題にしておる。形式的にも、運輸当局ともあろうものが、そんな間違ったことをされるなんということは考えていない。形式的に合法的であることが、実際は労使の問題に対する介入になっておるところに、はなは遺憾なといいますか、そういう感じを受けるわけです。そこで、会社当局にお会になった日はいずれ明らかにしてもらうわけでありますが、労働組合からそういう注意がいっておるわけですから、これはそんな解散をする必要がないではないか、こういうことを私は一言でも運輸当局から言ってもらうのが公正ではないかと考えておる。これは百十九台この会社は持っておるわけですね。お聞きしますと、一台の権利が百五十万から百七十万、約二億になるわけですね。それで会社がその権利を全部ひっくるめて他の会社に譲渡する。こういうことは運輸当局も、まあ法規の関係は私は知りませんが、事実上これは認められておることなのです。実際上にそういうふうにやられておるわけなのです。ところが、この解散は、驚くなかれ、この百十九台の莫大な権利というものを運輸省にお返しする、こういうことなのです。労働者に対しては退職金も払わないわけなのです。予告手当だけで、退職金も払わないで追っぱらってしまう。ほんとうの解散であれば、それは処分できるものは処分をして、その金で労働者に対して払うべきものは払っていく、これがほんとうなのだ。せっかく持っておる権利を放棄して、そして早々に解散をやっている。これは労働者をおっぽり出すという以外の何ものでもないでしょう。こういう点は一体運輸当局で検討をされたものなのかどうか。ただ解散決議を持って来たらそれでいいんだ、パーセンテージをはじいてみると、まあたいした乗客に迷惑をかけぬだろう、そういうことだけでは私はいかぬのじゃないか。百十九台に関連した運転手並びにその家族を入れれば、これは相当な数になるわけだ。考え方によっては、やはりこれは公衆に対する一種の迷惑になりますよ、それだけの人数が集まれば。そういう点はあなたのほうでわかっていたのかどうか、認可をされる場合に。お聞きいたします。
○政府委員(木村睦男君) 交通会社が事業を廃止します場合には、いろいろ理由があるわけでありますが、特に本件のように、労使非常にもめまして、そこで経営がうまくいかない、したがって、廃止するよりほかに方法がないというような場合もあるわけでありますが、われわれといたしましては、こういう場合にその争議に介入するような結果になるようなことは、極力避けるように指導をしておるわけであります。事業の廃止は、先ほども申しましたように、道路運送法という、労働問題あるいは労使関係とは別の角度から、事業そのものが公衆に利便を提供する事業であるということから規制しておりまして、それに基づいて事業の廃止を認可にかけておるわけでありまして、その手続に基づきまして廃止を認可するということは、労働争議なり、あるいは労働争議に介入するということは全然無関係の問題として処理しなければならないことになっておるわけでございます。もちろん、会社がいつまでも健全に運営をされ、労使の問題が円満にいくことを期待するものではございますけれども、ひとたび会社の意思として解散を決議いたしまして、そして廃止の手続を踏みました以上は、成規の手続に従って処理をするということを義務づけられておるような実情でございます。もちろん、これだけの世帯の会社が解散することでございますので、乗務員、その他職員のいろいろな処置の問題等、これはあることは承知しておるわけでございますが、それと、この道路運送法に基づきます事業廃止の義務づけられた申請の認可というものとは、一応切り離して考えていかなければならない、かような趣旨で措置をいたしておりますので、陸運局長といたしましても、これが労働争議への介入であるとかないとかいうことについては、別のことであるというふうに考えて処理させておるわけでございます。
○亀田得治君 これはまあ運輸大臣に一度よく基本的な考え方を聞かなければならぬと思いますが、形式的にはあなたのおっしゃるとおりです。しかし、そういうことを簡単にあなたは断定されますが、そういたしますと、今後争議が紛糾してくると、どうもこいつらめんどうくさいから、もう全部おっぽり出してしまえ、ややこしいから直ぐ廃業申請だ、こういうふうなことが一体はやり出したらたいへんなことになります。そして、せっかく持っている権利もわざわざざあなたのほうへ返してしまう。廃業を認可してしまった以上は、これは生きてこないわけです。そんなばかげた非常識な解散の仕方があるものじゃない。ストライキという問題、労使間の問題があるものだからこんな早急なことをやっておる、それははっきりしておるわけです。普通ならば、借金で首が回らない、そういうことなら、自分の持っている権利をなるべく有利に処分をして、そして解散していく、これが普通のやり方です。あなたののほうへ出している書類には、いろいろ借金があるとか、いろいろなことも書いているようですが、しかし、その借金の大部分というものは、親会社の相模鉄道からの借金なんです。相模鉄道の重役とこの相鉄交通の重役とは、重役が兼任されたりしておりまして、親会社と子会社の関係なんです。借金の面からいってもそうなんです。普通こういうものが廃止を決議しなければならぬという、そんな事情にはないわけなんです。だから、私たちは、これは組合員をいじめるための偽装的な解散決議なんだ、そういうものをただ形式的に認めてもらっては困る、こう皆さん方のほうへお願いしたところが、逆に、もめてこぬうちに早く判を押してしまえ、ぽんと判を押されておるわけです。今おっしゃったようなことが、一体あちこちのタクシー会社ではやり出したらどうします。あなたのほうとしても、これは公益事業でしょう。公益事業だから、一種の公共的な事業——むろん公益事業とまでは言わぬかも知らぬが、公共的な仕事なんです。だから、運送事業法によって免許事務等もきめてあるわけです。だから、あなたのほうで、この会社はいいとして認めて仕事をやらした以上は一それはやはりできるだけ続けてもらいたい、こういう態度であるべきであると思う。それを、書類を持って来たら、それをほんと認める、これは道路運送法において、一種の公共的な仕事として扱っている法の建前からいっても、そういう行政運営は間違いだ。かたがた、そのことが、労使間にとっては非常に大きな問題になってくると思う。納得いかぬわけです。形式がそろっているからはんこを押した、それが何が悪いのだ、そういうことでは、これも労働大臣にこういう問題についての見解を聞きたいわけですが、大臣は用があって中座されておるわけですが、労政局長はこれをどういうふうに考えますか。形式論を聞くのではない。労働者というものが、こういうことで、はたして納得がいくかどうか。わざわざ自分の権利を放棄して会社を解散していく。そうして、お前らがごちゃごちゃ騒いでおっても、会社がないんだから、組合員ではないのだからと、こんなことをいわれておさまるものかどうか。労働省という立場から、見解をひとつ聞かせていただきたい。
○政府委員(堀秀夫君) この相鉄交通の事件につきましては、私どもその間の事情を把握しておりませんので、具体的にこの件について申し上げることは差し控えたいと思いますが、一般的に申しまして、使用者側が組合を、嫌悪のあまり、それを崩壊させる目的をもって擬装解散を行なうというようなことは好ましくないことであるというふうに考えます。ただ、その場合に、使用者の立場といたしましても、他に正当な事由があるために、そのために解散を行なうというような場合に、これは一方において憲法二十二条の職業選択、営業の自由というような面との関連もあります。その間の均衡をみまして判断さるべきことと考えますが、組合を嫌悪して、これを崩壊させる目的をもって擬装解散をさせるということは好ましくないと考えます。
○亀田得治君 それは公平な第三者がこんな話を聞けば、これはだれでも好ましくない。今、運輸当局が言うような形式論では、実質論としては納得されぬわけです。これはそういう点では、はなはだ重要な問題でありますので、運輸大臣に、適当な機会に、今後の運輸行政のあり方として、ひとつ見解を求めたいと思うわけです。 そこで、これに関連するわけですが、相模鉄道ですね、親会社の。これは鉄道並びにバスなり、いろいろなものをやっておるわけですが、これが昨年の九月二十二日付で、川崎地区で十台ですか、新しい増車の申請をしておることは御存じだろうと思うのです。これは同じ系統の資本が、一方で増車を申請しながら、一方ではそれに何倍するものを惜しげもなく当局に返上していく。これはもうはなはだ筋が通らないわけだ。この点をどういうふうにごらんになっておりますか。
○政府委員(木村睦男君) タクシー事業におきましては、いわば一つの系列といいますか、そういった関係の会社はほかにもいろいろ例があるわけでありまして、相鉄交通が相模鉄道の系列の会社であるということもはっきりしております。系列ではありますが、一応企業体としては、別のそれぞれ独立の企業になっておりますので、増車の申請その他につきましては、企業的に別であれば、別の事業として増車についての処分をいたしております。これは相模鉄道のみならず、全般的に企業体が別であるということで、企業ごとに審査をいたしまして、増車の必要があるときには増車をするという措置をとっておりますので、相模鉄道の場合もそれによったものであります。
○亀田得治君 だから、そういうことも、あなたは形式だけをおっしゃっておる。これはもう相模鉄道の専務取締役の柳原節義という人が相鉄交通の社長なんです。そんな少し関係があるという程度のものじゃない。同一、一体なんです。同じ人物が両社の意思決定をやれる立場にあるわけです。それを、一応法人としては別だから、一方では廃車になっても、一方ではまた必要があればまた認めていくのだ、そんなばかげたことを言うて、あなた筋が通ると思いますか。相模鉄道の新しい免許などは、少なくともこういう問題が起きた以上は、簡単には認められぬとでもおっしゃるならばまだわかる。認める場合には、あなたのほうは、廃止の場合よりもよほど大きな権限を持っておる。あなたがなかなか認めないで、ずいぶん困っておる申請者もたくさんおるわけなんです。こんなでかいやつに対してはそういうあたたかい答弁をなさる、こんな問題まで起こしておいて。一方では、同じ系統のものは要らぬということで返しておるのですよ。こんなものの新免がどうして認められるのです。ふに落ちないじゃないですか。もっともっとほかに新しい免許をほしがっている人はたくさんある、中小業者で。どうなんです。
○政府委員(木村睦男君) タクシーの事業の免許は、承御知のように、免許基準に従いまして、公平に審査をしてやっておるわけでございまして、こういった兄弟会社とか親子会社的なものでありましても、企業体が一応別でありますし、免許基準に適合しておる限りにおいては免許をするというふうにやっております。別に相模鉄道が、まあ鉄道を経営しておりまして、単純なタクシー会社より規模が大きいということは事実でございますが、鉄道のほうが大きいから、特にこれに対してあたたかい措置をとったとか、そういうことは絶対にございません。
○亀田得治君 この問題に即して私が言っている。一方の会社の専務で、一方の会社の社長なんですよ。同一人が意思決定できる。法人が別なことはわかり切った話だ。それが一方ではもう要りませんと返して、一方では認めてくれ。そんなことは、あなた、ほかの行政の場合に、おまえはかを言うなと追い帰されますよ。そんなことをしておるから、運輸当局と自動車会社の関係とか、そんなことがいろいろうわさされるわけなんです。筋が通りますかね、そんなことが、おかしいな。それじゃ、この新免は、あなたのほうじゃ、もうお認めになるような内意でも固めておるのですか、相模鉄道の新しい免許は。どうなんです。
○政府委員(木村睦男君) さっきの御質問は、私が誤解しておったかもしれませんが、過去において相模鉄道のタクシーを認可したことだと思ってお答えしたわけでございますが……。
○亀田得治君 これからの話、新しいのがあなたのところへ出ておるわけです。
○政府委員(木村睦男君) 現在申請が出ております。それにつきましては、陸運局のほうで厳重に審査をして、免許をするか却下するか、処分をするわけでございますが、たとえば、これは相模鉄道のみに限りませんが、一つの会社が事業を廃止いたしまして、別の法人で、事実上は全然それと同じ形態であるというふうな、まあ擬装的な形で新たに免許を申請していくというふうなものにつきましては、これは陸運局としても重大な考慮を払うべきものであると考えております。
○亀田得治君 そういうことなら、本件のごときは、なおさら重大な考慮を払わなければいかぬことでしょう。 もう五時を過ぎましたので、もう一点運輸行政上の問題としてお聞きしますが、札幌に中央交通というタクシー会社がある。これが今年の五月十三日より、これも労働組合に対する戦術として、会社を閉鎖しているわけなんです。労働組合がストライキにも入っておらぬのに、組合員をいじめてやろうということで、向こうが事業所を閉鎖しているわけなんです。ところが、この道路運送法の四十一条の第二項、先ほど御指摘の条文ですね。これによると、やはり、これは第一項ですか、「事業の全部又は一部を休止」する場合、一項と二項になるわけですが、やはりこれによって当局の許可を受けなければできないわけなんですね、勝手にやめるとか休止するというようなことはできないわけですね。このことを札幌の陸運局に話し込んでも、何も処置をしない。会社のほうに一回くらいちょっと注意をしたという程度で今日まできておるわけなんです。こういうことは一はなはだこの運送法を無視した行為ではないかと思う。新聞ではじゃんじゃんそういうことが書かれていて、札幌の陸運局は十分知っておる。しかし、自分のところには一時休止するというような許可願いは出ておらぬ。一体この四十一条に違反して休止なり廃業等をした場合の処置規定ですね、それに対する監督官庁としての処置の規定というものはどういうものがあるのです。
○政府委員(木村睦男君) 道路運送法に違反した行為があります場合は、車両の使用停止、あるいは一部事業禁止、あるいは免許の取り消し、そういった行政処分ができることになっております。
○亀田得治君 私、まあ早々の際でありますが、これは罰則はないのですか。
○政府委員(木村睦男君) 刑法上の罰則はないと思います。
○亀田得治君 そうしたら、ずいぶん長期にわたって、無許可でそういうことをやって労働者をいじめておるわけですが、今おっしゃったような、監督官庁として持っておる行政上の措置というものを、当然これは発動すべきじゃないですか。あなたのほうが免許したということは、ともかく常時五十台なら五十台許したものを動かしておいてもらわぬと困るのだ、こういう立場だ。それが無視されておるわけだ。無視されてもいいというなら、それは過剰に免許したということになる。これは監督官庁の立場でそんなことを黙っておるというのは、これはおかしい。あなた報告を聞いているでしょう。この問題はずいぶんやかましい問題になっている。ほうっておいていいのですか、そういうことは。
○政府委員(木村睦男君) 私、実はまだ報告を聞いておりません。さっそく調べてみます。
○委員長(加瀬完君) 労政局長にお願いしますが、今の亀田委員の指摘するような問題をもう少し運輸省との間で話し合って、今、亀田委員の指摘するような、何か救済方法を両者でお話し合いしていただくわけには参りませんか。
○政府委員(堀秀夫君) このただいまお話の件については、労働省として、まだ詳細承知いたしておりませんれけども、運輸省とよく相談をいたしまして、検討いたしたいと思います。
○亀田得治君 それじゃ、まあ時間の都合で、本日のところはその程度にして、きしっとはっきりした見解を持って次には来てほしいと思うし、それから、そういう不当なことが毎日続いているわけでして、そのために非常に不信をかっているわけなんです。これは今第二に私が指摘した問題などは、まつ正面から法律を無視しているわけなんですね。第一の問題は、あなたのほうじゃ、相当形式論理としては、多少言いのがれしやすいような点もあるが、第二の問題なんかは、これは問題にならぬ話なんです。無法状態です、そういう意味では。だから、これは答弁を待つまでもなく、善処してもらいたいと要求しておきます。 それから、きょうは警察は来ておりますか。
○委員長(加瀬完君) 警察は帰りました。
○亀田得治君 最近、タクシー会社のストに暴力団が介入するという問題がずいぶん起きているわけです。これは川崎地区で三光自動車の委員長の丸山良夫さんがこの六月二十日に殺されたという問題、あるいは六月二日、これは札幌の第一ハイヤーの及川委員長が病院に人を見舞に行ったときに、病院の中で暴力団に暴力をふるわれておる。警察官は現行犯逮捕もしないで、暴力団とその場でしゃべっている。私、極端なこの二つだけを今申し上げたわけですが、警察が残っておりましたら、この点をひとつ聞きたいと思っていたわけですが、先ほどから若干残った問題とあわせて、この暴力団の介入の問題につきましても、ひとつ次回に議題に載せてもらいたいということを要求いたしまして、たいへんおそくなりましたが、この程度で本日のところは質疑を終わります。
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もないようでありますので、本件に関する調査は、本日のところ、この程度にとどめおきます。 散会いたします。 午後五時十六分散会