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41回国会参議院1962/10/11

社会労働委員会 閉会後第4号

発言数
93
登壇者
12
会派数
2
開催日
1962/10/11

会議録

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。  労働情勢に関する調査を議題といたします。  本日は、大正鉱業株式会社における労働問題、国鉄における不当労働行為、江東区における職業訓練所閉鎖の件、失業対策事業に関する件、全駐労の失対労務契約の件について、順次調査を行ないます。  御質疑のある方は、どうぞ御発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大正炭鉱の問題について質問いたします。  先般、調査団が参りまして、昨日、その調査報告にもありましたように、中間市における大正炭鉱は千名近い首切りが発生して、その離職した人たちは退職金を支給されないために、なお炭住に居残って退職金支払いを会社側に要求しておるような情勢であります。また、残りました千二百名の炭鉱労働者は生産にいそしんでおりますが、この炭鉱労働者に対する賃金の支払いも十分ではない。したがって、退職した退職者同盟が退職金を要求して、会社側に強い団体交渉をやれば、残りました炭鉱労働者は、自分たちの賃金支払いがそれだけおくれるという心配から、退職者同盟対残りました炭鉱労働者の間に争いも起こっておるような情勢である。言うならば、会社側と炭鉱労働者と退職者同盟とが、三者三様の立場で三つどもえになって紛争が発生しているというのが現状であります。昨日の調査団の報告でも、これはすでに人権問題まで発生していると考えるという報告がありましたが、私もそのように考えるものであります。先月のこの委員会でもこれを質問いたしました。通産局も、非常に誠意をもってこの問題の解決のために努力しておられるようでありますが、私は、きょう重ねてこれを質問いたします。重ねて質問することはまことに遺憾でありますが、事態が進展しないために、やむを得ません。したがって、まず第一に労働省に質問いたしますのは、千名近い炭鉱労働者が離職して、現在失業保険で生活している。そして、退職金がないために、ほかに転宅することもできない。また、失業保険だけでありますから、生活も非常に困窮している。こういうような実態を考えますと、当然権利のある退職金を会社側が支給しないということは、労働基準法の精神に違反すると思うが、どうでございましょう。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) これは明らかに基準法違反と考えられます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣の答弁で、明らかに基準法違反だということでありますが、今後労働省としてはどのような方針、方策をもってこれが解決のために努力されるおつもりであるか、お聞きいたします。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 実は、私どもといたしましては、この基準法違反という一つの事件は、明らかにそういう立場で処理をする必要があると考えております。同時に、退職金未払いという事実があり、それに関連いたしまして、多数の労働者が非常に困っておられまするので、この問題の実際的解決をも考慮する必要があるという考えを持っている次第でございます。この退職金の全部もしくは一部をできるだけすみやかに支払い得るような状態にいたしたい、かように考えまして、この問題につきましては、私からも、通産大臣に融資のあっせん方について善処せられまするようお願いをいたし、通産大臣といたしましても、ただいま努力を重ねておられる段階でございます。労働省といたしましては、ただいまそのほうの様子を待っておるわけでございますが、しかし、基準法違反の事件そのものを全然放任いたしておるわけではございませんので、これにつきましては、基準法違反の事件という立場で詳細調査をいたしております。したがって、諸般の状況から見まして、適当な時期が参りましたならば、これは事件として取り上げて処分いたす、こういう考えで十分調査を進めておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 基準法違反については、労働問題を理解しておるものは大体了解できるのではないかと思います。あとは、どうしてこの人権問題にまで発展しておるこの問題を早期に解決するかということでありますから、ひとつ労働省は、早急にこの問題を解決するように、万全の措置を講じていただきたいと思います。地方労働委員会なども積極的に動いておりますが、これは会社側が金を支払わなければいかんともしがたいことであります。法律でこれを規制いたしましても、あるいは地方労働委員会が動きましても、金がないといって支払わない、これについては、もういかんともしがたいことでありまして、有沢調査団の報告で、炭鉱業者に対するいろいろの施策が報告されるようでありますが、それを待つまでもなく、至急にこの問題、特にこの退職金の問題については、至急解決できるように、なお一そうの努力をお願いをいたすところであります。同様に、今、失業保険で生活をいたしておりますが、失業保険が切れたものも、もう相当数出ております。今年一ぱいで多数の者が失業保険が切れはしないかと思いまするが、その後一体どうしようとされるか。千名近い離職者を、一体労働省としてはどういうふうにして生活を守ろうとされるか、お聞きいたします。

三治重信労働省職業安定局長

○説明員(三治重信君) 今度の調査団でも、退職金がもらえないために再就職の意欲がなかなかわかなくて、非常に困っている例が多いわけであります。こういう大手の大正鉱業みたいな事例は、また特別ひどいわけでございます。したがって、われわれのほうとして、再就職の問題でいろいろ御相談しておりまして、現在相談しましたのが約四百九十名ばかりで、あとの方は、まだ十分な面接にも応じない、結局、退職金の問題でそういうような再就職の意欲がわかない、こういうことであります。それでも職業訓練を積極的に受けたいということで、現在職業訓練所に入られた方が百十三名ございます。この方たちは再就職の意欲があり、訓練が終了すれば就職できると思います。それから、なお、県外への就職希望者も七十人ほどございますので、これも近くできることと思いますが、いずれにしても、退職金の問題で非常にこじれておるために、再就職の意欲がわかない。しかし、その問題はその問題として、非常に再就職の重大な障害になっているわけですが、今度調査団の報告が出まして、それが実施されるようになれば、私のほうとして、その問題もできるだけ早く解決されるだろうし、その問題が解決されれば再就職の問題も相当進み、なお、それでも残られる方には、また先日一部報道されておりますように、われわれのほうとしては、やはりその生活保障、再就職までの意欲を喚起するために、就職手当をさらに失業保険の終了後に出していく措置を新しく積極的な対策としてとりたいと思っておりますが、今のところ、これが延びますというと、失業保険の受給者で、それが終了してもなお就職ができないという、非常な不幸なことで、その間の処遇をどうするかという問題について、できるだけ新しい対策を早くとりたいということで進んでいきたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 職業訓練に応じようにも、八幡まで行かなければならぬし、収容能力が足らないわけですね。一番大切なことは、失業保険が切れた人たちの生活を守ることでありますから、特別に政府がお金でも出して、退職金に見合う金を特別融資する、そのくらいのことをして、同時に仕事を与えるなど、積極的にやっていかなければ、退職金をもらうというそのほうに精力を費やして、職業訓練を受けるだけの、まだそこまで心の余裕がないそうでありますが、退職金に対する特別の融資などについては、今労働省として考えておられませんか。

三治重信労働省職業安定局長

○説明員(三治重信君) 今の行政の建前からいきますと、そういう退職金のためのものは、石炭に関係しましては、整理資金と申しておりますが、そういう整理資金の支出関係、それから、そういう面の一応の所管は通産省になっておりまして、しかも、合理化事業団が、市中金融をどうしても受けられない場合に、整理資金を合理化事業団が出すというふうになっておりますので、先ほど大臣からお答えいただいたように、通産省も、非常にこの問題についていろいろ手は打っておりますが、現在のままでなかなか解決の道がない。したがって、まあできる限り早く新体制に移行したい、こういうふうに考えて、両々相相談して、できるだけ早く金融の道をつけるように努力したいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現地のほうの情勢は、労働省でも把握しておられましょうが、残っておる炭鉱労働者は炭労に入っております。炭労のほうの残った労働者は、働いて給料をとってとにかく生活しなければならぬ、給料を出すのも、今の金繰りでは精一ぱい。そこで、残りました炭労の労働者に対する給料の支払いの問題と、それから、やめました退職者が退職金をとるその戦いとがこんがらがって参りまして、そこに対立的なものが出ているわけです。このことは非常に残念なことでありますが、そこで労働省として、炭鉱労働者に対する仕事に見合う賃金の支払いについても、十分に今後とも指導してもらわなければなりません。同時に、同じような袋ですから、金が片一方にいきますと、片一方には出ていかない。そこで労働者同士の対立が起こります。先般会社側から妨害排除の仮処分申請をいたしまして、その判決も出たようでありますが、それは退職金をとるために生産点へ参りまして、生産をストップするという戦術がとられた。退職者同盟のほうが生産ストップをやるわけです。そうしますと、残って働こうとしておる者も労働者でありますから、その退職者に対しては、直接の手は下さないけれども、しかし、仕事ができないというそのふんまんはあるわけですね、そういうことで、これは生産点における特殊な争いが起こっておるわけですから、これを十分にひとつ考えられて、炭労の諸君には私のほうからも話しますけれども、この指導の面で、両者が生産点では対立しないように私どもも指導いたしております。労働省としてもそういう指導をやられると同時に、会社側にもう少し積極的に金を作って、生活権の問題として、早急に解決するような最善の努力をしていただきたいと思います。もう一度ひとつ今度は大臣からその御決意を聞いておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) この退職金未払いがもとになりまして、残留労働者と退職者との深刻な対立がありますことも承知をいたしております。ただいまお述べになりましたような趣旨で、労働省といたしましても、できるだけ対策を考えまして、すみやかに事態を解決するように全力をあげたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産省にお尋ねいたします。有沢調査団の報告の最終場面で、通産大臣と石炭局長見えないのが残念でありますが、炭業課長から責任をもって御答弁を願いたい。再三再四にわたりまして、石炭局長その他通産省が、大正炭鉱の融資の問題で御尽力願いましたことについては感謝いたしておるものであります。今、労働大臣に質問いたしましたように、金がわずかしかできないものですから、生産を上げるためには、働いた労働者に賃金を支払うことに優先して金を使っておる。そのために、退職いたしましてすでにもう四カ月になろうとしておりますのに退職金の支払いがない。だから、退職金をよこせということで同盟を結成いたしまして、約九百名の者が一団となって退職金融資の戦いをしておる。どうしても会社が反省をしない、団体交渉にも応じないから、会社の社長にデモをかけたり、あるいは生産点に参りまして作業ストップをするというような場面もありました。そこで、労働者同士の争いも発生したのでありますが、また裁判ざたにもなった。今後この山がどのように運営されるかについては、有沢調査団の報告にも含まれると思いますけれども、私は、その有沢調査団の報告については将来性の問題として考えまして、現在発生しておる退職金支払いの問題は、生活権確保の問題として早急に処理してもらわなければならぬと思うのです。現在とられつつある通産省の指導と、これからどうしようとされるのか、御答弁を願いたいと思います。

佐伯博蔵通商産業省石炭局炭業課長

○説明員(佐伯博蔵君) 石炭局長にかわりましてお答え申し上げます。今、小柳先生がおっしゃられましたように、大正の問題は特別なケースになっておりますが、まず、現在その特別な状態を解消することに一番力を注いでおります。福岡の通産局長、中間市長、それから石炭局、三者をもちましてこの非常事態を円満に平和的に解決するように努力をいたしております。特に現地におきまして中間市長が中心になりまして、いろいろ会社側と退職者同盟の方のほうに、円満に解決するようにあっせんをいたしておるわけでございます。大体十月の昨日あたりそのあっせんができる見通しになっておりましたが、両者に意見の若干違う点があったようでありまして、若干延びておりますが、今明日中になるべく早くあっせんを成立させるということで進んでおる次第でございます。それから、そういうふうなことで平和的に解決いたしますと、その後の、先ほどお話がございました整理資金等の融資、それから合理化の資金というふうなものにつきましても、そういうふうなものが平和的に解決いたしますと、あとそれに引き継ぎまして、いろいろな融資対策というふうなことを続けていきたいというふうに思っておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今あっせんを進めつつあるような話でありますが、佐藤通産大臣のときに、これは大臣が直接現地に参りまして、会社側にも労働者にも、強い決意をもって確約した問題でありますから、今後とも一そうひとつ誠意を尽くして御尽力下さいまして、少なくとも、ことしの暮れを退職金未払いのまま千名近い離職者が年越しすることのありませんように、最善の努力をしていただきたいと思います。このことを大臣並びに局長にもお伝え願いたいということを要請いたしまして、私の質問を終わります。

佐伯博蔵通商産業省石炭局炭業課長

○説明員(佐伯博蔵君) 私も全く同感と思いますので、帰りまして大臣その他にも御報告いたしまして、万全の措置を講じたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私も、大正炭鉱の問題で、大臣の所見、通産省の御見解、御意見を承っておきたいと思います。  私は、争議というものは、おのおのの地方の実情、その他問題があるから争いがあるわけですけれども、しかし、大正炭鉱の問題ほど、みんながあの経営者に対する一たとえば労働委員会の三者が一致して経営者に対する怒りを持っておる。そういう争議、労使間というものは、私は見たことがない。そうして何か通産省の融資が云々と言うてみたり、それから約束を果たすための三千万円の頭金の問題についても、いろいろ何やかやと経過をずっと見てみますと、一回ごとに言い方が変わってきて、それで結局その場のがれで今日までずるずるときておるということ。私は、これに対して、どの立場の人もけしからぬということになっておるのではないかと思うのです。だから、それは現地の問題でございますから、そういう格好がいつまでも続いていいかどうかというところにわれわれ社会労働委員会の一員としては、これをこのまま見ておるわけにはいかない。小柳委員から質問があったと思いますから、私はくどくは申しませんけれども。やはり労働省、労働大臣等におかれましても、何とかやはり正常なルートに乗るように——三百人募集したのが、千人も希望退職が出るというのは、全くもって不信感の一言に尽きると思う。開発銀行の融資を六億からして、とにかく通産省が世話しておられるわけですから、通産省はもっと力を入れなければならぬ。こんな問題を通産省がほっておくということは、私はけしからぬと思っておるのですよ。政府が六億も開発銀行から融資をしておって、会社が三千万円の問題で再建ができない。こんな状態でほっておいて、あとどうするか。もしこんな状態で生産不能になってしまってつぶれてしまったらどうなる。私は、もっと大事にしてもらいたい。そういう点から、私は、通産省にもしっかりとこの処置をしてもらいたい。労働省といたしましても、労働大臣から、何とか正常なルートに乗るように、一段と努力をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。繰り返しませんから……。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) この問題につきましては、労働省といたしましても責任を持ちまして、十分通産大臣と協力いたしまして、すみやかに適切な措置をとるようにいたします。

佐伯博蔵通商産業省石炭局炭業課長

○説明員(佐伯博蔵君) 私もやはり全く同感でございますので、上司に御報告いたしまして、最善の努力をいたしたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 私は、江東総会訓練所の問題に関連いたしまして、まず大臣に御所見をお聞きしておきたいと思います。今さら言うまでもございませんけれども、すべての働く能力のある者には職を与えて、そうして健康にして文化的な生活を保障する、これが憲法の精神であろうかと存じます。そういう憲法の精神を忠実に実施をするというのも、またこれ政府の責任であろうかと思うわけでございますが、最近における科学の進歩によりまして、高度の技術が要請され、また、オートメーション化等による労働力の流動ということも非常に激しくなって参っておるわけでございます。こういう中で職業訓練所の持つ使命というものは、非常に重大だというふうに考えるわけでございますけれども、江東総合訓練所に見られるような廃所、廃官というようなことは、こうした時代の要求と申しますか、そういうものに逆行するものではないか、こういうふうに考えるわけですが、大臣の御所見をまずお伺いしたいというふうに考えます。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) ただいま江東総合訓練所の問題につきまして、廃所、廃官というのは、現在の情勢ないしは職業訓練の重要性からみて適当ではないんじゃないかという御指摘がございましたが、この問題については、廃所あるいは廃官、やめてしまうというような考えはさらさらございません。従来申し上げておりますように、適切にさらに効果的に運営するにはどうしたらいいか。これは先生御承知のように、敷地約四百坪という、訓練所では一番敷地も狭小な規模でございますので、これを本来の職業訓練という立場から十分機能を発揮せしめるにはどうしたらいいか。現に御承知のように、雇用促進事業団で運営をいたしておるわけでございまして、労働省といたしましては、雇用促進事業団等とも連絡をいたしまして、今検討いたしておるような次第でございます。前回も御質問いただいたのでございますが、その後引き続きまして、何しろ敷地四百坪という、訓練所では現在一番狭い敷地の建物でございます。廃所はしない、現在の訓練組織として維持したい。さらにこれを伸ばすにはどうしたらいいかという角度から、種々検討いたしておるような次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 ただいまの答弁ですと、廃所、廃官はしない、現地の状態といいますか、訓練の内容をどういうふうに建設的に発展させていくかということを検討中だということに確認してよろしゅうございますか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) この内容につきましては、先生御承知のとおりであろうと存じますが、訓練所の機能として現在江東総訓でやっております洋服、洋裁、機械工、機械製図工という職種の問題をどう扱うかという技術的な問題、それから、それを基礎訓練としてやるか専門訓練としてやるか、あるいは委託訓練としてやるか、あるいは定時制訓練としてやるかといったような、訓練技術上幾つかのからみ合いの問題がございます。そこで、私がお答え申し上げておりますのは、現在のままの姿で洋服、洋裁、機械工、機械製図といった職種で、現在の形態のまま維持するかどうかという点については検討を要すると考えておりますが、訓練所そのものとして将来維持していくという考えには変わりがないという点について御了承いただきたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 この前の委員会におきまして、私どもの質問に対しまして、局長のほうから、三十八年度は三十七年度の暫定措置をそのまま継続するような予算を現在要求しておると、こういう答弁があったわけです。この問題につきましては、すでに会議録でも明らかなように、本年の二月二十日に、衆議院の社会労働委員会におきまして、当時の労働大臣、あるいは局長が委員の質問に答えまして、三十七年度はもうすでに予算の編成が終わっているのでやむを得ないけれども、三十八年度には十分御趣旨に沿うようにやると、こういう答弁をなされておるわけです。もうすでに相当な期間がたっているにもかかわらず、今ごろそういうように検討しておるのだという今の御答弁でございますけれども、非常に私は遺憾に思うわけでございますが、本年二月二十日の政府の答弁と、それから三十八年度の予算要求をする内容と申しますか、経過ですね、これとの関連についてちょっとお伺いしたい。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) この前の通常国会におきまして、福永前労働大臣からも御答弁がございましたし、私からも、三十七年度については、予算上の問題としては一応結論が出たことになっておりますが、さらに三十八年度についてどう持っていくかという点につきまして、これは十分慎重に検討さしていただきたいと、こういう御答弁を申し上げたわけでございます。その後いろいろ検討を続けて参りましたが、雇用促進事業団関係の予算につきましては、政府機関の予算ということで、別途大蔵省と折衝をいたしておるような次第でございますが、先生御承知のように、転職訓練の問題、炭鉱離職者の問題等、いろいろからみ合いがございますので、そういう問題を各地の訓練所でどういうように分担していただくかという点につきましては、炭鉱離職者対策なり、あるいは日雇い労働者問題等とも関連いたしまして、まだ未確定の要素が幾つかあるわけでございます。そこで、江東総合職業訓練所につきましても、転職訓練に重点を置くか、あるいは新規学校卒業生などの訓練に重点を置くかという点についての基本的な訓練の役割なり機能なりにつきましても、ただいま申しましたように、転職訓練を大幅に増加したり、それを各訓練所にどういうふうに分担してもらうかというような問題ともからみ合いまして、現在検討しておるような状態でございます。一応形式といたしましては、とりあえず予算を組んで出さなければならぬという制約がございますので、形としては、ほぼ前年と同様な形を考えております。これは一応時期的な制約がございますので、前年と同じような形に組んで出しております。ただいま申しましたように、ごく近い機会におきまして、この転職訓練なり炭鉱離職者対策をどうするという問題ともからみ合いまして具体的な検討をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。その場合におきましても、冒頭に申し上げましたように、これを廃止してしまうといったような、訓練所の機能を失なわしめる、こういうような考えではありませんで、あくまで訓練所として活用していきたい、こういう考えには変わりないわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 江東総訓を廃止しないということは言っておられますけれども、前の訓練内容とは変わってきておるということはお認めになりますね。で、この前の雇用促進事業団の法案が通過する際に、附帯決議として、職業訓練の事業費については、できるだけ一般会計から支出をするという考え方に立ってその予算の増額もしていくのだ、こういう決議がなされ、そうして大臣も、その決議に対しては十分責任を持って実現をしたいと、こういうふうに答弁をされておるわけです。で、江東総訓の廃止された一番大きな理由は何かというと、東京都の委託金が打ち切られた、そのために経営上の問題から、今までの訓練の内容を改組して、専門訓練、あるいは職業講習、事業主からの委託訓練ですね、そういう形に変わってきておると思うのですが、そういう東京都からの委託金がなくなったから、今までの訓練内容を変えて改組をするんだということでは、私が当初申し上げました職業訓練のあり方から言って、政府は無責任じゃないか。前の国会で附帯決議として、一般会計からそういう場合には増額をして支出をするんだ、こういう決議がなされている以上、その決議に従って東京都から打ち切られた委託金は当然政府が支出をして、そして今までどおりの訓練内容、さらにまたこれを建設的に内容を充実していく、整備をしていく、こういうことが、私は、当然政府としてやるべき義務ではないか、こういうふうに考えるわけですが、どうでしょうか。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 委員の変更についてお知らせいたします。  本日、藤田進君が委員を辞任せられまして、その補欠に杉山善太郎君が選任せられました。   —————————————

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) 雇用促進事業団そのものの運営につきましては、いろいろ国会におきましても御配慮賜わっておるのでございますが、特に江東総合訓練所の運営につきまして、ただいま都道府県の委託費が打ち切られたからという御指摘がございましたが、実は雇用促進事業団で運営いたしております総合職業訓練所は、失業保険の保険施設という性格を持っておりますので、従来当委員会などにおきましても、できるだけ失業保険の被保険者を訓練せよという御指摘があったわけでございます。そこで、新規学校卒業生などの訓練につきましては、まだ被保険者でないわけでございますが、全体の雇用促進対策という点から都道府県で委託金を出しまして、それを財源といたしまして新規学校卒業生などについても訓練をやるという点については、従来の経緯から見まして、雇用促進事業団で運営する総合訓練所においてもこれを行なうということにいたしたわけでございますが、できるだけ被保険者の訓練を行なう、こういう精神が一方に採用されておるわけでございます。したがいまして、総合訓練所の運営を考えます場合に、新規学校卒業生の訓練と並びまして、相当比重を持って考えなければならないのは、失業保険の被保険者の訓練であろうかと存じます。そこで、江東総訓の場合を考えました場合に、現に被保険者であって雇用されておる労働者が、さらに追加訓練なり再訓練を受けたいという場合に、そういった訓練に対して援助の手を差し伸べる、あるいは失業された被保険者の転職訓練を行なうという使命をもまた十分発揮してもらう必要があるんじゃないか、こういう問題があるわけでございます。そこで、単に委託費が打ち切られたかどうかという観点からでなくして、本来の保険施設としてどのように運営すべきかという別な基本的な要請もございますので、いろいろ検討しておるような次第でございます。そういう観点から、私どもとしては、本来の職業訓練の使命を達成することを基本にしつつ、施設の設置されたいろいろな考え方というものを十分尊重いたしまして運営していきたい、かように思っているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 今の局長の答弁からすると、私は現在の江東訓練所のその訓練の機構と申しますか内容は、答弁の内容からしてちょっとおかしいのじゃないかと思うんです。当然雇用促進事業団が失業保険施設としての役割を持っているということになりますならば、当然失業者を重点にした職業訓練というものを行なっていかなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、現在の江東総訓の内容を見ますと、雇用労働者の委託訓練、これが主でございます。それともう一つは、職業講習ということになっておるわけでございますが、この雇用労働者の委託訓練を見ましても、一人当たり年間二万円も金を払わなければならぬと、こういうことになりますれば、これは中小企業の雇用労働者の訓練ということはなかなか困難ではなかろうか。大企業の雇用者のみにこういう機会を与えているというようなことになるのじゃないかと思いまするし、したがって事実上、一般失業者を訓練所から締め出しておると、こういうような形になっておるんじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) ただいま申しました私の答弁の中で、被保険者にできるだけ利用をしてもらいたい、こういう趣旨でございますので、現に雇用されている者は被保険者である、そういう者について訓練をいたします場合に場所がない、あるいは機械施設がないという場合に施設を提供して利用していただくということは、施設本来の目的から見ましてこれは合致していると考えているわけでございます。ただその場合に、現に雇用されておる者でございますから、事業主においても利益を受けるという点で若干の経費を納めておる、こういう関係でございますので、施設の設置の趣旨から見まして、これは趣旨に反しているものとは考えないのでございますが、問題は何一分にも施設が狭隘でございまして、これをただいま申しましたように、失業者の転職訓練をやる、それから江東地区には中小企業が多うございますので、現に雇用されておる者であるが、さらに定着性を高めるために技術訓練をしたいという要望がございます場合に援助をしなけりゃならない。現に雇用されておる者であるが、その援助をしなけりゃならない、また失業しておる者の訓練もしなけりゃならない、一方において新規学校卒業生などで就職したい、そのために腕にわざをつけたいという者についての訓練に応じなけりゃならないといういろいろの要請がございますので、それで訓練所を廃止するということではなくして、そういった、かような目的にこたえるために、ことに江東地区というあの地区の経済事情を考えまして、どのように運営したらいいかというので今検討しているわけでございます。そういう点から冒頭に申し上げましたように、転職訓練ということが非常に大きく最近取り上げられておりますので、江東総訓がかりに転職訓練、失業した者についても転職訓練をやるという場合にどのように当てはめていったらいいかという問題がございますので、鋭意検討いたしておるわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 先の委員会で局長のほうからこの江東総訓の問題で、大体総合訓練所は各地域と申しますか、都道府県に大体一カ所ぐらいが適当だと、こういう基準といいますか、方針だというようなことが言われておるわけでございますが、私はやはり東京のように非常に広い、しかも人口の多いところへ、ただ一カ所ということでは足りないんじゃないか、不十分じゃないか、北海道さえ四カ所あるということでございますので、少なくとも小平の東京の総合訓練所とともに、やはり江東総訓は今のままと申しますより、三十六年度の訓練機構に返ってそれを建設的に内容を充実していく、こういう形で存置しておくことが適当ではないか、こういうふうに思うんですが、そういう点についてどういうふうにお考えですか。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) 雇用促進事業団で経営いたしております総合訓練所は、おおむね県におきましては一カ所でございます。こういうことで設置されてございます。ただ、北海道とか九州のように炭鉱離職者その他特殊の事情がございますものについては、個所数が多くなっておるわけでございます。ところで、職業訓練のいろいろな要請にこたえますための手段といたしましては、総合訓練所ばかりではないのでございまして、御承知のように、都道府県が設置運営いたしますところの一般職業訓練所がございます。そこで、総合訓練所を設置いたします場合におきましても、都道府県の中で一般職業訓練所の配置状況がどのようになっておるかという点をも考慮に入れつつ設置をいたしましておるようなわけでございます。しかしながら、東京のような膨大な人口をかかえておる大都市において総合訓練所が一カ所で少ないじゃないかというような御意見も、これはごもっともな御意見だと存ずるわけでございますが、その場合に、ただいま申しましたように、一般訓練所と総合訓練所の配置をどうするかという訓練組織の問題が基本にあるわけでございます。その際に、江東総合職業訓練所のような、敷地きわめて狭隘にして拡大の余地も少ないというような特殊の事情にある訓練所をどのように将来伸ばしていったらいいかという問題がございますので、あの四百坪の敷地のところをそのまま維持するのがいいのか、もっと別に設置するのがいいか、あるいは一般訓練所とのかみ合わせをどうしたらいいか、いろいろな問題がございますので、そこら辺を今検討しておるわけでございます。将来の大筋といたしまして、大きな方向といたしましては、さらに施設を拡充しなければならないという点については、全く御意見のとおりであります。ただ、江東総合職業訓練所につきましては、何しろ地理的、物理的な制約がございまして、私どもどうしたら最も適切に活用できるかということについて心を砕いておるようなわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 それからもう一つ、洋服、洋裁の問題でございますけれども、これが総合訓練所の訓練内容としては不適当な科目だと、雇用促進事業団の運営協議会におきましてそういう方針が出されたということをお聞きしているわけですが、しかし、私どもの聞いておる範囲では、そういう協議会の中でそういう問題が出たということは聞いておらない、こういうことを言っている委員の方もおるわけですが、この点について協議会の中で、はっきりと洋服、洋裁というのは総合訓練所の訓練科目としては不適当だという結論を出したものかどうか、その点もひとつお聞きしたい。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) 当時の運営協議会につきましては、私その席におりませんでしたので、具体的な事情をつまびらかにいたしませんですが、協議会としては、ただいま申しましたように、江東総合訓練所の運営問題につきましては、先生御指摘のとおり、運営方針を変えるという決定を見たようでございます。そこで、問題になりますのは、洋服、洋裁が不適当であるかどうかという問題でございますが、総合職業訓練所で扱います科目といたしましては、原則的に工業的職種が中心になっておりまして、一般職業訓練所と総合職業訓練所との違いがどこにあるかという問題とも関連いたしまして、できるだけ工業的職種で、そうして機械施設その他高度のものを要すると認められるものに訓練の重点を指向いたしたい、そうして訓練のコースも基礎訓練と並びまして、専門訓練という二年間の訓練コースを設定しているようなわけでございます。これは一般職業訓練所は一年でございますが、総合訓練所では二年という専門コースを設置して高度の技術訓練を行ないたいという考えがあるわけでございます。したがって、洋服、洋裁といった科目を総合訓練所で重視するかどうか、基本的にこれは訓練職種として取り上げ拡大するかどうかという問題になりますと、これはやや消極的にならざるを得ない。これは、私は、一般職業訓練所と総合職業訓練所という機構がございまして、それぞれ担当する分野が若干異なります以上、何らかのそこに性格なり機能なりの相違がなければならない、こういう観点から雇用促進事業団におきまして洋服、洋裁という種目を採用することについて消極的であるという態度が、これはあながち不適当だ、こういうふうには言えないのじゃないかと思うわけであります。したがいまして、運営協議会におきまして、洋服、洋裁を総合訓練所において積極的に取り上げるということはむしろ控え目にしたい、こういう角度から新しい方面に機能を転換したということも、これは考え方としてはうなずけると、こういうふうに考えている次第でございます。ただ、現時点におきまして江東総合訓練所の訓練職種なりあるいは訓練の方法をどうするかということにつきましては、先刻来申し上げておりますように、慎重に検討しておる次第でございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 最後にはっきりしていただきたいと思いますけれども、先般の委員会で局長は、募集したが集まらない、こういうことをおっしゃっておりました。しかし、それは募集した時期なり、あるいは積極的な募集を行なったかどうかというような問題、あるいは宿泊設備の問題なり、あるいはまた職業講習の内容として、学割も定期ももらえない、そういうようないろいろな条件から、募集しても人が集まらないということがあったのだろうと思いますけれども、しかし、最近における応募人員等を見ましても、私は決して落ちておらない、洋服等については若干落ちている分もありますけれども、洋裁等についてはかえって募集人員よりもオーバーしている、こういうような状態でございます。ですから、地元のやはり相当強い要望もあることでございますので、この江東総訓の問題につきましては、もう過去の委員会等でも相当やられ、そうして政府としても十分検討して趣旨に沿うようにするのだ、こういう確認もいたしておりますから、はっきりとここで現在の訓練機構をさらに建設的に発展をさせていく、こういうひとつ方向をとってもらいたいということを要望するとともに、局長のほうから、あるいは大臣でもけっこうですが、ひとつ政府の考え方をはっきりさせていただきたいと思うのです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 関連して、大臣に今のを含んで御答弁願いたいのですが、これは委託訓練で、土地としては非常にいいようです、しかも機械科、機械製図科、洋服科、洋裁科というのですから、私どもが考えましても非常に科目としてもいいようです。私が言いたいのは、これから数万名の者を離職者の中に入れようとしている炭鉱問題を控えてこの際こそ総合訓練所は各地方とも拡充して、単に福岡だけではなくて、全国の総合訓練所において離職者を収容して教育する、そういう施策こそ必要ではないかと思うのです。きのう私ども両院総会で確認したことも、首切りを前提として有沢調査団の報告が出ることは絶対反対である、私どもはこの離職者が失業者がない、ほかに仕事がある、そういう態勢がなされるということを前提としなければいろいろ問題も解決しないということを確認し合っているのですが、そういうやさきでありますから、しかもこの前の二月二十日に大臣は衆議院の社会労働委員会で三十八年度は再建するのだとはっきり確約してあるわけですから、土地としても、場所としてもいいようだ。ただ建物が古いようでありますから、予算を組んでひとつ再出発する、再建する、そういう決意で一般募集して、この職業訓練所をうんと活用する、そういう決意をしてもらいたいと思うのです。そういうこともこの際ひとつ大臣に私はお願いし、決意を促して御答弁を伺いたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 江東総合職業訓練所の問題につきましていろいろ御心配をいただいておりますことは、労働省といたしましてもまことに感謝にたえないところでございます。従来からこの訓練所は敷地の広さ等が特に問題になりまして、総合訓練所としてはたしてどうであるかというような考え方がありまして、それがためいろいろと迷いも生じておったのでございます。しかしながら、仰せのごとく、石炭対策その他に関連いたしまして職業訓練の必要性は現在非常に大きくなっておるのでございまして、これに対しましては特に石炭対策とのにらみ合いの上で労働省といたしましても職業訓練全般につきまして十分に検討を加えなければならぬと考えておるのであります。したがって、総合訓練所につきましても、九州、北海道等のごとく各府県においても一カ所でなく、必要に応じてはさらに数をふやすというようなこともむろん考えるべき点と存じます。しかし、これはなお調査団の答申が一両日中に出ますので、それを待ちまして早急に検討をいたしたいと思っております。その際におきまして、この江東総合訓練所の今後の取り扱いをも含めまして検討をいたしたいと存じますが、ただ江東の訓練所そのものについて、ただいまどうするという具体的なお話は、まだここで申し上げる段階ではないと存じますので、いましばらく検討の時期をお与え下さいまするよう、いずれにいたしましても早急に検討を進めまして、なるべくすみやかに将来の扱いをはっきり申し上げたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 訓練局長に質問しますが、大臣の答弁はそれでいいが、その江東訓練、今あるやつを炭鉱の離職者の問題と引っくるめて検討してもらっちゃ困るわけです。これは今あるわけですから、今まで運営してきたのですからだからこれを今までのように講習会程度にしておくのか、三十八年度はもう少し予算をつけて、練習場がない、あるいは施設が古いのならこれをよくして、もし土地が狭いならば二階建でも作ってやるという方向で検討してもらわなければ困るわけです。そういうことで、この前も予算を聞きましたが、一体金が幾らかかるのか、予算がはっきりしてなかった。きょうはその予算の面と、やはりこれを検討するかしないか、ここで答弁して下さい。

村上茂利労働省職業訓練局長

○説明員(村上茂利君) 予算要求の形としてはさしあたり三十七年度とほぼ同じ形で出しておりますが、これは最終決定版ではございませんので、いろいろ検討しておるわけでございます。ただいま大臣から御答弁いただいたようなことでございますが、問題は、あの建物は戦前の病院の建物でございまして、病室と廊下——あの非常に作りが訓練所向きではございません。それから敷地も四百坪という狭い敷地でございますので、この建物の敷地をどうして活用するかという点について非常に技術的な問題があり、それに経費を投入するとしましても、今の四百坪しかない敷地にどのような建物を作り、どうするかという点につきまして、これは技術的にいろいろ困難な問題があるわけでございます。そこではなはだ恐縮でございますが、先国会以来いろいろ検討をしていただいておるわけでございます。私は先ほど冒頭に御答弁申し上げましたように、職業訓練所としてはこれは廃止はいたしません。何とか活用する方法で考えたい、こういうふうに申しておりまするので、それを建物を作り直すのか、あるいは敷地を買うのかといったような問題になりますと、今ああいう土地柄でございますので、なかなか簡単に結論は出ない、こう申し上げておるわけでございます。今の時期になってまだ具体的な案がないというのはどうかという点につきましては、まことに恐縮に存ずる次第でございまして、基本精神はあくまでも訓練所としてさらにその機能を伸ばしていきたいという考えを持っておりまして、予算要求はとりあえず三十七年とほぼ同じ形で出しておりますけれども、さらに至急検討を加えたい、こういうことでございますから、まことに具体的な内容がございませんで恐縮でございますけれども、そういった特別の土地、建物といったような物理的諸条件がございますので、ひとつ御了承いただきたいと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 広さについても四百坪、決して私は狭いとは思いません。言葉じりをとるのじゃございません。ございませんけれども、今まで相当貢献したようであります。しかも洋服、洋裁、機械製図——機械科については若干問題がありましょう。機械製図などについては、決してこれは土地が狭いなどということでこれを抹殺するようなことにはならぬと思いますから、局長も相当まだ考えがあるようでありますから、私この質問保留いたします。検討して下さい。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) ただいま国鉄副総裁吾孫子豊君、常務理事河村勝君が御出席になりました。順次御質疑のある方は発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 亀田委員が要請したのでありますが、明日党のために、今党準備で出席ができませんので、かわりまして、質問の要旨を聞いておりますから質問いたします。  この前の前の社会労働委員会で資料要求いたしました。その資料が一部出てはおりまするが、この資料のようなことを亀田委員は問題としておりません。これは第二義的には問題にいたしましたけれども、亀田委員が問題にいたしましたのは、差別待遇がなされておる、昇給時期になっても第二組合は全部昇給するが、国労のほうは昇給されない、あるいは運転掛の試験で昇職する、その中でも第二組合の人が多い、あるいは試験を受けさせるときも国労になったら試験を受けない人がおるのではないか、そういうような昇給昇職などの実績を調べてもらえぬかということでありました。これは非常に膨大な資料でありましょうから、まだ時間がかかっておるようでありますが、その資料を中心に亀田委員は質問したかったようであります。したがって、きょうは資料が出ておりませんから、資料を早急に作っていただいて、亀田委員が帰りましてからまた質問いたしますが、私は関連して、昨日国労から資料が出ましたので、この問題を一、二短時間質問いたします。そうして問題を残しておきたいと思うのですが、三十七年の七月期昇給が実施されました。これは金沢鉄道管理局の中の糸魚川支部地区でありますから、全部ではございません。その中で落とされた者をずっと一べついたしますというと、駅、区とも国労の者がほとんどであって、第二組合の職員は一人も落とされた者に入っていない。で、まあその理由の中には、勤務成績不良とか、あるいは同僚との調整とか、いろいろございますけれども、この実績が明らかに示しておりますが、今なおこういうような不当労働行為的差別待遇がなされておるのではないか、そのことを心配するのでありますが、副総裁はこの前の質問のときにもおいでになりましたが、その後どのような指導をなしておられるか、このような実績をキャッチしておられるかどうかお聞きいたします。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) この前、八月三十日の社会労働委員会でもって御要求になりました資料につきましては、目下鋭意調べをさしておるような次第でございます。その際にもお話がございましたし、ただいまもお尋ねのございました不当労働行為的な差別待遇というようなことがあってはならないという御指摘につきましては、私どもといたしましても全くそのとおり、仰せのとおりでございますので、できる限りの注意もし、また指導もいたしておるつもりでございまするが、具体的には私自身管理局長も更迭いたしましたので、新しい管理局長に対して直接に注意もいたしておりまするし、現場のほうでもそういうようなことのないように注意もさしておるはずでございまして、少なくとも全体としてよほど従来とは様子が変わってきておるというふうにお考えいただけるようになったのじゃないかと思っておるのでございまするが、ただいま御指摘のございました糸魚川地区の具体的な昇給の内容等につきましては、まだ承知いたしておりません。先般もお答え申し上げましたように、組合の所属いかんによって差別待遇をするというようなことは厳に注意をさせておるつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一問質問いたしますが、この差別待遇については早急に調べていただきたいと思います。国労から出ておりますこの資料がうそだと思いませんから、当局のほうでお調べになって、国労と突き合わして、なぜ一体このように差別が実績で現われておるかを検討して、次の資料に加えてもらいたいと思います。  それから、私はこの前、総裁にも注文いたしましたが、運転掛、皆さん運転掛というのは赤帽でございます。列車を扱う助役の仕事をする運転掛でございますが、これに第一組合の人が試験受けても通らぬので、試験を初めから受けない。したがって、第二組合の人が主として試験を受けて昇職しておる。そうしますと、国労に残った第一組合の中で優秀な人たちは国労の中では十分敬服できない、そういう現象があって、もしも事故が起こったらどうしましょうかということを総裁には話しまして、その差別待遇がなされぬように、試験は平等に受けさせてくれ、そのような話をいたしておりましたが、その後の指導をいかにしておられるか、お聞きいたします。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○説明員(吾孫子豊君) 昇職の試験、あるいはその他掛職の登用試験等につきまして、組合による差別というようなことがないようには十分注意をいたしておるつもりでございます。ただ、たまたま今ここに先般御質問のございました項目のうち、富山の操車場の掛職登用試験のときのことについて先般お尋ねがございまして、その御質問の中身は、昭和三十七年の三月二日の掛職登用試験のことについてこの前御質問がございましたのですが、その点だけ調べたものが今わかっておりますので、実績を申し上げますというと、決して国労の所属の職員が全部オミットされるというようなことは実績として行なわれておりません。と申しますのは、この試験の例は信号、操車掛の採用試験でございまするが、二月九日に第一次試験をやりまして、三月の七日に第二次試験をやっておるのでございますが、その際に、第一次試験で合格いたしました者は三十四名あるわけですが、その中で国鉄労組所属の職員が十四名、それから金地労所属の職員が二十名ということになっております。さらにその後第二次試験の合格者の数は、国労所属の職員が三名、金地労所属の職員が八名ということで、大体金地労所属のほうが合格者が倍ぐらいになっておりますが、たまたまこの富山操車場の職員の組合所属の割合を見ますというと、国鉄労組所属の者が百三十八名、金地労所属の者が二百十二名ということでございまして、所属職員全体の割合から見ますというと、若干金地労のほうが率がいいようなふうにはなっておりますが、大ざっぱに申して大体所属職員の数が一対二であり、合格者の数もほぼ一対二というようなことでございまして、これはまあ試験のことでございますので、いろいろ個人差というようなこともございますから、一がいに組合所属職員数の比率がそのままぴしりと試験の結果に現われるというわけにも参りませんので、ただこの前何か国労所属の職員は全然受ける際にもいろいろ制限をされ、また合格者の数もほとんどないようなお尋ねが出ておりましたのですけれども、ただいま申し上げましたのは富山の操車場における実例でございますが、そういうような組合所属のいかんによる差別待遇というようなことはないようにくれぐれも注意をいたしておるつもりでございますので、御了承いただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄当局に要請したいのでありますが、重ねて現地並びに国鉄労組のほうからできれば現地をもう一回調べてくれないか、そのような要請もありますので、今検討中でありますが、三十五年の五月に非常にひどかったということで調べて、それから先日また私と亀田委員、藤田委員が行って調べて、第三回の調査団を派遣してくれというほど現地ではまだ差別待遇がなくなっておらぬ。このようなことは職場の明朗化を欠きまして、職場が暗くなって、上司と職員との間の不和、第一組合と第二組合との間の葛藤、対立、こういうものがありまして、決して明るい職場はできないと思うわけであります。私のほうでももう一度調べてみたいと思っておりまするが、早急に、こういうものが三たび起こっておるといたしますならば、国鉄当局もひとつ指導体制を作ってもらって、一日も早くこういう問題がなくなるようにして、明るい職場を作って、運転無事故のためにせっかく御尽瘁あるようにお願い要請する次第であります。  それから労働大臣に質問いたします。これに関連するのでありますが、これは国鉄の問題は一事例でありますけれども、民間にも第二組合を作ってストライキ態勢なり、あるいは団体交渉を弱めて貿易自由化の態勢に備えようという機運が相当あります。これは労働行政としてもゆゆしい問題と思いますが、先般私水俣市の水俣工場の現地に参りました。そのときに現地の組合の幹部諸君が言いますのは、自民党の議員の皆さんが現地に見に来られて、水俣でもう少し第二組合を作ってこの闘争を早くおさめなければならぬというようなことを新聞記者に話して帰られたという話で、これは議員の発言だから大きく取り上げられたのかもわかりませんが、民間工場でも、あるいは公務員の組合でも、こういうような思想風潮によって、労働法があってなきがごとき労働省の指導がなされつつある。これは再三われわれがここでも問題にしておることでありますが、労働法を守って、これに立って労働行政を担当しておられる労働省として、こういう問題をどのように指導しようとしておられるか、大臣からお聞きしておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 労働省といたしましては、労働組合法によりまして労働組合が結成されますことは、これは当然憲法に基づきまする労働者の権利でございまして、労働省といたしましては、かような団結権を擁護し、育成する立場にあるわけでございます。したがいまして、すべての組合につきまして、同じような態度で区別することなく指導し、またそれぞれこれを擁護するという考えをもって進んでおる次第でございます。ただ、いろいろな立場の方々がそれぞれの立場に応じて、あるいは第一組合を支持し、あるいは第二組合を擁護するというようなことがあるかもしれませんが、労働省といたしましては、あくまでも公平に自由になすべきものと考えておるのでございます。特に、第二組合の結成ということによりまして、労働組合の自由にして民主的な運営がそこなわれるというようなことのないように気をつけたいと思っております。

杉山善太郎日本社会党

○杉山善太郎君 前回の委員会で十河総裁もお見えになっておりましたので質問をいたしたわけでありますが、関連で質問さしていただきますが、要約いたしまして、たとえば海運と陸運の中間である鉄道を比べてみた現象面の上では、とにかく職場の明るい暗いという、そういう対比較を厳密に私どもが精査いたしてみますると、船舶海運労働者はどこの場合でも職場が明るい、比較対照して非常に国鉄の職場は暗い。そういうふうに客観的に、声を、現象面でとらえることができるという、そういう関連の中で、私は先回も十河総裁に対して、どうも国鉄はやはり労務管理の本質上のあり方に問題があるんじゃないか、そういうことを指摘し、さらに三公社五現業——たとえば不当労働行為であるとか、あるいは不当差別であるとか、はなはだしきは人権侵害のようなことが論議される、そういう現象面の見地からして、やはり国鉄の場合は多いのだ、そういうような点からいって、やはり労務管理のあり方に本質上の問題があるのじゃないか、そういうことを意図して若干の質問を試みた過去の経緯がございまするが、中国の古い言葉に火のないところに煙がないのだ、今かりに質問に対する一つの資料を見せていただきますというと、これこれは事件に対してはあるのだ、それはありません、事実はないのだということになっておりますけれども、あるないの議論につきましては、やはり国労側あるいは当局側がお出しになるそういうものを資料として突き合わして、そしてこれに対する当事者を喚問するというようなぎりぎりの線まで煮詰めないと、その審議の程度はなかなかはかり知りがたいということになります。そういうふうな時間をかけるよりも、いわゆる日本的にもほとんど言い尽くされておりますけれども、中国の古い言葉の中で、その火のないところに煙がないんだ。国鉄の当局はおれのほうにはそんなことはないんだ、故意にそういう言いがかりをつけられるんだというのでありまするけれども、実際問題として、今日この不当労働行為であるとか、あるいは不当差別といったような問題につきましては、私どもは、春秋の論理から、火のないところに煙はないんだ、したがって、基本的にはどうしても労務管理のあり方というものの本質を正にして改めていただくというかまえで、国鉄の当局が姿勢を正してもらわないと、私は禍根の根は断てないんじゃないか、そういうふうに考えますので、今具体的に関連質問の中で、やはりこれこれはどうだ、これこれはどうだということは、先回亀田委員がいろいろと事案を提起され、それに対してひとつ資料を出してほしいというような、そういう一つの過程の中間の段階でありまするので、多くは申しませんけれども、そういう点についても十分ひとつ労務管理のあり方に対する姿勢を正していただきたい、そういうふうに強い要望を申し上げておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は水俣争議の問題について大臣にお尋ねをしたい。御承知のとおり、水俣争議は二月の一日からの要求団交から始まって、七月の初めから今日まで労使が対立した形で争議が続いているわけであります。本来、労働組合法にいたしましても、労働関係調整法にいたしましても、いかにして労使関係を正常なうちに紛争を解決するということ、そして対等の立場で労働条件がきめられる、この原則の上に立って基準をきめて、労働三法というものは労使間の方向を規定していると、ルールをきめていると私は思う。そうでありますからこそ、いろいろの手続において、たとえば当事者同士で問題が解決しないときには、調整法のきめによって双方が調整機関にゆだねて問題を解決していくということは、日本の労働法ばかりじゃなしに、またその実際の問題ばかりじゃなしに、これは世界共通の問題だと私は思う。ところが、今の水俣争議を見ておりますと、たとえば六月二十二日から団交が拒否されたままになっている、こういう問題がございます。そうでありますと、労組法の七条の二号の、不当労働行為というものはどう処理していくかという問題もここに出てくるわけでございます。中労委のあっせん段階が五月の十日から六月の六日までございました。しかし、この不調という段階の一段の経過を経て、八月三十一日から地労委が中労委との相談によって、この対立が、争議をこのままにしておくことができなくて、あっせんに入ろうとするそういうときでも、このあっせんにも応じない、使用者側はこのあっせんにも応じない。私たちが現地に行って会社側にその意見を聞いてみると、あっせんには応じません、こういう態度でございます。こんな格好で私は労働関係が持続されるということになれば、片一方ではロックアウトをやる、六カ月したら関係は切れるんだとうそぶいて、そうして労働者を職場からほうり出していく、片方においては第二組合を援護して、第二組合を育てながら、そういう処置をとっていくということになれば、労働者の保護というものはどこにあるんだと私は言いたいのである。労働行政を担当される大臣として、こんな格好でいいのかと私はまず第一に大臣の所見を承りたいと思うのであります。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 水俣の争議につきましては、労働省といたしましても非常に長期化しておりまする点に注目いたしまして、絶えずその状況を注意いたしておるところでございます。仰せのごとく団体交渉が拒否せられましてから相当長い間たっておりまするし、またこの間におきまする地労委のあっせんも効果を上げるに至らない点は、まことに遺憾に存ずる次第でございます。しかし、まあ労働省といたしましては、一応労使間におきましてかような対立をいたしておるのでございますが、労働争議というものの解決に当たっては、まず、労使が自主的に解決せられるのが本来の建前でございまするし、また労働省としてどちらに対してどうするというわけにも参らない次第でございますので、心配をしながらも注意深く見守っておるというのが現在の状況でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は労働省が直接その要求回答、その内容の具体的問題について直接調整に乗り出すというようなことを言っておるわけではない。それは労働委員会というもの、調整機関があるのでありますから、その調整機関がそのことを進めていくのが法律上の手続でございます。しかし、この団交が拒否されている。それから、生まれている第二組合は第二条の使用者側の利益を受けた組合であるのかどうかというようなところにおいても、それは労働行政上の問題として労働委員会との連絡の上にこのような問題の検討がされてしかるべきだと私は思う。しかし、この問題はまずおくといたしましても、団交が拒否されて、不当労働行為、そして片一方でロックアウトをして、そして六カ月したら籍がないのだから、それまでの間はあっせんというものは受けない、こういう格好の労使関係というのは私は外国にないと思うのです。使われる者、使う者、設備と労働力があって生産というものが行なわれるわけであります。そうなってくると、おのずからそこには要求する立場、それから出す立場、その立場によって利害関係は違うでありましょうけれども、双方によって問題が解決せないときには、この労働三法の建前からいっても、調整機関にまかせてその意見を聞いてみる、そこで何とか問題の解決をはかっていくというところに努力するようなルールというものが、日本の憲法からきた労働三法の建前だと私は思う。そういう指導は、労働省が労働行政でやるべきだ。具体的な問題は、調整機構の調整委員会でやってもらいたい。しかし、使用者はどういう立場で労働問題に対処しなければならぬ、労働組合はどうだというルールの間違いがあったら、労働省は労働行政としてこれは正していくというところに、問題の基点を置かなければ、労働行政というものは、ただ見ているというだけでは問題は解決しない、私はそう思うのです。ですから、その点について労働省はどういう工合にお考えになって水俣争議というものを見ておられるか、これをひとつ御所見を承りたい。

堀秀夫労働省労政局長

○説明員(堀秀夫君) 本争議の早期解決をはかるということについては、私どももただいま先生の申されたごとく、この争議が早期に解決することを熱望しておるものでございます。ただ、この争議の経緯につきましては御承知のように、六月に中労委があっせんを行ないましたが、これは不調に終わったわけでございます。その後現地の熊本地労委において八月の末からあっせん活動をしておられるという状況でございます。なかなかこれが成果を見ませんことは、私どもとしても遺憾に思っておるわけでございまするが、その間におきまして労働省といたしましては、現地の熊本県庁、熊本県の労働委員会等を通じまして、この争議の過程中において双方ともに暴力行為を慎しみ、あるいは不当な行為をなるべく慎しんで、正常なルートで交渉してもらいたいということは、当事者に再三注意しておるところでございます。この地労委のあっせんにつきましては、ただいま中断というような形をとっておりまするが、使用者側からは、その問におきまして当初は拒否しておりました資料等についても提出しておるような状態でございます。私どもといたしましては、そういう観点からこの争議がなるべくすみやかに解決することを熱望しておりまするが、またそれだけにせっかく現地においていろいろ関係者が今努力しておられるこのデリケートな段階におきまして、またこれについて第三者が別な形で介入するというようなことになりますと、かえって争議の早期解決を阻害するというようなことにもなりかねないような微妙な段階にあるわけであります。私どもといたしましては、繰り返して申し上げますように、争議の早期解決を念願しつつ深甚の注意をしておる、こういう段階でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういうことで労働行政は、私は全うできるとは思わん。会社の代表が将来をかけて中労委のあっせんを受けません、こう言い切っている、労働委員会の調査について言っている。あなたは今資料を地労委に出したから、中労委に出した資料をそのまま——どんな資料を出されたか知りませんけれども、あっせんを受けないで、地労委に資料を出しているといって何ら——それで問題解決の道が開けていくのですか。もっと実態を把握してもらいたいと私は思う。日本の労組法が生まれた、三法が生まれた建前というのは——世界の経験の上に立って、労使間の問題解決のために労働三法ができた。外国の例をとってみますと、問題が解決しない、そのときには第三者のあっせん、調停——自主的に解決することがなんといっても建前ですけれども、解決しないときには、世界労働機構というものは世界の法規でありますから、そういう建前で調停事項にゆだねながら問題を解決していくという、こういうところに私は労使間の問題が行なわれるという工合に私は労働行政で教育といいましょうか、指導をされるべきだと思う。今の状態というのは、あっせんは受けません、資料は出されたか知らないけれども、それで片一方で、ロックアウトして六カ月たったら籍がないのだから知らん、こういう言い方をして組合をつぶそう、労働者の権利というのはどこで保護されるのですか。

堀秀夫労働省労政局長

○説明員(堀秀夫君) 労働省といたしましては、この紛争議にあたりましては、労使双方に対して中正な立場で臨みたいと考えておるわけでございます。ただいまいろいろなお話もございましたけれども、やはり先ほども先生が指摘されましたように、現地における紛争議のあっせんというものは、やはり労働委員会がこれに当たるという建前になっておるわけでございます。労働組合法、労働関係調整法等にも規定がございますが、この紛争議の解決については当事者の自主的調整というものをまず第一に考えました。それが功を奏さなかったようなときに、あっせんというような手続があるわけであります。あっせんにつきましては、もとより強制力はないわけでございます。しかし、これは公正なる第三者的機関である地労委の努力がどのように行なわれているかということと並びまして、それと周囲の世論というようなものに期待しつつ紛争議の合理的解決をはかるというのが法のねらいであろうと思うのでございます。いろいろ当事者においてそれぞれ主観的な申し分があろうと思うのでございまするが、現地の地労委その他の関係者がみなせっかく熱心に努力しておられる段階でございまするので、私どもとしてはそれをもう少し見守る、こういう態度で参りたいと考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 地労委がどういう工合に努力されておるか、私は具体的にはよく存じません。しかし、八月三十一日に地労委はあっせんをやろうという、そうして申し合わせて協議をされた。今日、十月のもう十一日です、われわれが行きましたのが三日の日、今月の三日ですよ、九月じゃない、その三日に行って、何とか問題を、早期解決のために第三者の意見を聞いて、何とかこのあっせん調整機構を通じてでも解決する方法がないか。地労委はたまたまあっせんをする熱意を持っておられる、これをどう考えでおられるかと言ったら、将来も地労委のあっせんを受ける意思はありません、会社を代表して申し上げますと、こういう式なんですね。そうすると、今、労政局長の言われたこととは全く違うじゃないですか。私は内容についてあまりきょうは触れたくない。いずれ双方の意見を聞く機会を作って、そうしてつまびらかにしたい。それは何もどちらの立場、主観的立場とか、そういうことじゃないです。われわれは問題の早期解決を願っているがために、この争議の労使間の関係をルールに乗せたいというんです。労働三法のルールに乗せたいというのがわれわれの考え、そのルールに乗せるために労働大臣としてはできるだけの私は活動をされるべきではないか、こう思うのです。それが何もなされていない。今聞くと、資料が出たから、地労委が努力しているからといったって、相手が応じなければ、いつまでたったってこれはだめなんです、今の法律の建前からいって。だから、紛争がこういうことになったときには、私はやはりルールに乗せなさいという指導鞭撻は労働省がおやりになることが建前ではないか。ルールに乗ったあとの問題は調整機関がやるのです。私は当然その道を労働省としてはとられるべきではないかと思うのです。御意見を承りたいと思います。  それから、この内容について私は少し触れておきたいと思う。御承知のとおり、会社のいわれている生産性の問題や賃金の問題や労務費の問題や、そういうものを検討してみて苦しいといわれるのでありまするけれども、他社と比較して苦しい状態にない。他社にぬきん出てよい状態の経営をおやりになっているのです。  それからもう一つは、この紛争の中心になっている一、二を取ってみますと、現地の人は坑員として雇う。それから職員としては現地の人を雇わない。そうして職員の人だけは非常に他社以上の給料、それから坑員については他社から二千円から五千円の差の低い給料で使っている。そういう私はいろいろな不信感というものがここに集まってきておるのじゃないかと思う。しかし、私はそういうことをここで触れようとは思いません。しかし、そういう事実を指摘していただいたり、労組法の二条の、使用者から経済的援助を受けた第二組合であるかどうかということを御質問になったり、いろいろのことをしてルールに乗せるための努力というものは労働省としてはやるべきだ、それでなければいつまでたってもそのルールに乗らぬ。こういう格好でこの問題が進んでいるということは、私はどうも理解がしにくいのであります。中労委、地労委のワクは、全国的規模ですから、これは中労委の管轄でありましょうけれども、中労委が一回あっせんに失敗したからといって、そのままで置いておくのではなくして、中労委、地労委が協力してその争議を解決するためにあらゆる知能をしぼって努力をされるべきような重大な争議ではないかと私は思っておるのです。そういう点についても、今の労政局長のお言葉だけですと、何か高みの見物をしておるとしかわれわれは受け取れません。だからその点は、確固たる早期問題解決のために労働省は今後どういう工合にこの問題について取り組んでいくかということを大臣から承りたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 藤田委員の仰せのように、労使の紛争議につきましては、もとより自主的に解決されなければならぬ性質のものでございますが、しかしながら、やはり調整法の道があります以上は、労使双方ができるだけこうした法規の精神を尊重されまして、事態の解決につきまして誠意をもってこうした手続に出るということが必要であることは、これは私どももそのとおりに存じております。したがいまして、労働省といたしましては、先ほどお答え申し上げたところが不十分でございまして、あるいは何ら無関心で、高みの見物をしておるような態度をとっておるかのような御印象を受けられたかもしれませんが、労働省といたしましては、できるだけ早期解決が望ましい。また仰せられたように、この紛争議の解決についてできるだけすみやかに調整法の手続に乗るような態勢が望ましい、こういう考えを持っておるのでございまして、このためには当事者の双方につきましても、適当だと認められる方法を通じまして、意のあるところを通ずるように努力はいたしておるわけでございます。先ほど労政局長から地労委の問題につきまして会社側も資料を提出したということを述べたのでございますが、この地労委のほうで調査をいたしました当時、会社としては初めからあっせんに応ずる意思が全然ない、したがって、あっせんのための資料の提出であるとか、あるいは委員会の状況の聞き取り等については全然応ずる意思はないというようなことを公言しておるやに聞いたことがございます。その際におきまして、労働省としましては、そういうふうな一こくな考え方は争議を解決するゆえんではないと考えましたので、地労委あるいは県庁を通じまして、少なくとも資料の提出というようなことについては、地労委の要請に協力することが望ましいではないかというような意見を述べたこともあるわけでございます。その後会社のほうで資料を提出されたということを聞きましたし、またその後あっせんそのものにつきましては、会社側としてあっせんは全然受け付ける意思はないということを申しておりました。むろん労働省としてはそれを押えつけて、ぜひあっせんを聞けという法的な立場にはないものでございますから、困ったものだとは思いましたが、しかし、そういうことはあっせんが出た上でよく判断をしてきめるべきことではなかろうか。初めからすべてのあっせんには一切耳を傾けないというようなことははたして適当かどうかというようなことも考えられますので、そういった考えもあり得るということを人づてに伝えたこともあるわけでございます。したがいまして、労働省としましてはいろいろ事態の性質上許される方法を通じまして、できるだけの内面的な指導はこれまでにもいたしておったつもりでございますが、しかし、現実にそれらのことが効果を上げておらないことは申すまでもないのでございまして、しかし、それにもかかわらず、私どもはできるだけこの問題が早期に解決するように望んでおることは先ほど局長からも申し上げたとおりでございます。したがって、今後におきましても、機会がありましたならばできるだけそのために役立つような行動をとりたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 調整事項のあっせんについては、組合は地方委のあっせんを受ける、中労委のあっせんを申請して失敗に終わりましたけれども、第三者のあっせん、それは拘束するものでないことはもう法律がきめているわけです。そういう組合は何とかこの争議を解決したいという熱意を持っている。それで、その水俣の本社というものは何も水俣にあるわけじゃない、東京にあるわけです。ですから、私はやはりこれをルールの上に乗せるように労働省としてはやはり努力をしてもらいたい、大臣に最後の所見を承っておきたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) さような考えをもって参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は今の水俣の問題については、何とか早期解決のために、将来も労働省が積極的にやっていただくということでございますから、これをまずひとつ期待いたしましょうし、それからまたわれわれも社会労働委員会の一員として、社会労働委員会としてもこういう争議が続いていることは国家的損失、国民の損失なんですから、何とか解決するために大いにこれから勉強をしたいと思いますので、ぜひ一段と積極的なこのルールに乗せるための努力を大臣はしていただきたいと思います。  それから、次の問題でありますけれども、失対事業の打ち切りだという問題がいわれる。先日も調査委員会の答申、研究報告がされました。労働省としては、これとどういう工合に取り組もうとしておられるか。失対打ち切りという世間でいわれている問題に対して、この前も御意見はお聞きしたのでありますけれども、この事態に立って労働省は今後どうこれと取り組んでいこうとしておられるか、お聞きしたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 失業対策事業の改善につきましては、かねてから申し上げましたごとく、専門家の方々に現状の分析をしていただいておりまして、その調査研究の報告が今月の初めに提出されたことは、御承知の通りでございます。私どもはこの報告を基礎といたしまして今後の改善の具体策を作りまして、そうして来たるべき通常国会において関係の予算案とともに必要な法案の御審議をいただきたい、かように存じておる次第でございます。ところで、この方策の中心になるべき点でございますが、かねてから失業対策事業の打ち切りというようなことについては、私どもは考えておらないということを申し上げて参りました。この報告におきましてもやはり同じような態度がはっきり打ち出されておる、こういうふうに私は報告を理解いたしておるのでございます。したがいまして、現在失業対策事業に依存いたしておりまする三十五万の労働者諸君の雇用の安定並びに生活の安定ということを眼目といたしまして失対事業の改善の具体案を作成いたしたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 大臣は失対は打ち切りはしない、この報告を聞いて通常国会までにいろいろ検討をして、そして生活保護の問題や生活の向上の問題や失業者の保護の問題について検討したいとおっしゃるのですが、いつ時分それじゃこの結論をお出しになるのですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 大体この法案、予算案等は年内には結論を出したいと思います。したがいまして、来年度の予算案に予算を乗せ、またそれに必要な法案は通常国会に予算と前後して出すようにいたしたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで私はお聞きしたいのですが、時間がないようですから、しぼって私は申し上げますけれども、炭鉱が七万六千も今の状態で首切りが起きてくるということ、働く能力のある人がやはり職場について、労働力を通じて社会に貢献する完全雇用の道というのは、労働省はあげて力を入れられなければならぬところだと思う。今日失業保険をもらっておられる方々は四十万近くあります。こういう方々が今の民間の比率からいくと五十五才で定年、そこでは定年になって老後の生活ができない、年金の所得保障もできていない。こういう方々の五十五才以後の生活というものがございます。それからまた企業整備その他によって中高年の失業者がどこで生活を立てていくか、この問題についても十分な解決がされていない。求職に対して実際に就職したのは一〇何%、あとの八〇何%はそのままである、こういう状態でございます。そこで、この失対事業は、失業者のその余った労働力といいましょうか、失業されている方方の、この失対事業を通じて社会に貢献してもらおうというこの法律の建前だと私は思うわけであります。ですから、いろいろの施策を労働省としてはお考えになるでありましょうけれども、何といっても生活の向上、家族を含めて生活ができるようなやはり賃金にしなくてはなりませんし、頭から緊急失対法の一般賃金の八十、九十でよろしいというような法律で縛る、賃金、労働条件は労使が対等の立場できめるという国際的な大原則をこの法律で破りていく、こういう中で失対事業というものが行なわれているわけであります。私は、大臣の今のお言葉の失対事業は打ち切らない、内容も向上をする、失業者を救済していくという建前で案をきめたいとおっしゃっているのでありますから、これ以上は追及いたしません。残念ながら、もう少し発言をしたいのでありますけれども、都合があるようですから、これ以上きょうは追及いたしませんけれども、やはりそういう観点に立って、この問題について取り組んでもらわなければ、私は、打ち切りは言っていないのだと大臣が重ねて言われるのでありますけれども、この失対労務者の中からは失対事業は打ち切られるのだ、こういう感じで受け取る、こういうニュアンスを与えてみたりしているわけであります。そういう中で労働不安を起こしている、私は重大なことだと思うんです。だから、そういうことのないように、私は、大臣は十分な配慮をしてこの問題と取り組んでいただきたい。もっとたくさん言いたいことがありますけれども、私はその点を強くきょう主張して、いずれこの問題については、次の機会に私は大臣の所見を承ると同時に、この報告をされた問題については訂正してもらうような意見を申し述べたいと思っておりますので、今、大臣がこれから鋭意この要綱——結論、対策をお立てになるというのでありますから、私はきょうはこのくらいにしておきます。どうぞその努力をしていただきたい。大臣の所見があったらお聞きしておきたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 御趣旨の点は、私もかねてからさように考えておりますので、先ほど申し上げましたような趣旨で、すみやかに成案を得て、御批判を仰ぎたいと存じます。   —————————————

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 委員の変更についてお知らせいたします。  本日山本杉君が委員を辞任せられ、その補欠に徳永正利君が選任されました。   —————————————

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、全駐留労働者の問題について質問いたします。  聞くところによりますと、新賃金要求並びにベース・アップの実施時期などをめぐりまして、団体交渉をやっているようでありますが、組合側は十月の二十二日から来月の六日までの間に、各地域に二十四時間ストライキ待械態勢をしいて、強力に交渉していきたいということを決定いたしておるようでありますが、調達庁長官が今お留守でございますけれども、小里労務部長、今までの団体交渉に対しては、九月二十九日に回答を出しておられるのでありますが、前進する見通しがあるのかどうか。まず現在の情勢について御報告をお願いいたします。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) この駐留軍従業員の給与改定の問題並びにベース・アップの件につきまして、ただいま雇用主としての調達庁と全駐労との間に団体交渉が持たれて、話し合いを進めつつございます。給与改定の問題は、これは現在の給与のシステムを全体的に変更すると、合理的なものに改善をするという問題でございまして、これは今日まで約二年近い問、全駐労との間に、あるいは調達庁と米軍との間に論議がかわされてきておる問題でございます。昨年の三月に調達庁からこの給与制度の改善の問題につきまして組合に案を提示いたしましてから、問題が具体的に論議に入りまして、ことしに入りましてからもっぱらその給与制度の改善の問題について米軍と調達庁、あるいは労働組合との間に話を詰めて議論をし、検討を加えて参ったのであります。昨年の三月に組合に提示をいたしました案と、ただいま御指摘の九月の二十九日の調達庁の回答に関連をいたしまして、この七月の下旬から八月の中旬にかけまして米軍と調達庁が、それこそ深夜に及ぶような交渉をいたしまして決定をいたしました管理者案というのは、非常に隔たりがございます。昨年の三月の案と最近組合に提示をいたしました案とは相当な差異があるわけでございます。昨年の三月に出しましてから、組合等の意見も十分われわれとしては聞いて参りまして、そういう組合の意向等にも沿って米軍とも折衝を重ねて参りました。そして最終的には、八月の十三日に細部にわたる管理者案ができまして、これを組合に提示をし、その提示案に対しまして組合から第一次、第二次の修正案が出されまして、その修正案に対して、九月の二十九日に回答を出したわけでございます。  そこで、この給与制度全体の改正でございますから、非常に内容が膨大なものであるということから組合からの反対提案、修正要求も相当広範な範囲にわたっております。項目にいたしまして二十数項目になっておりまするが、それだけの修正要求が調達庁に出されたわけでございます。そこで調達庁といたしましては、その後も米軍と話を進め、協議をいたしておる最中でございまして、実はあすも米軍と午前午後にわたってこの問題を協議をするというような段取りになっているような状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 十月の二十二日以降、十一月の六日ごろまでが大きな山のようでありますが、軍のほうはどうでしょうか。どうでしょうかといいますのは、十月一日から公務員のべ・アが閣議では決定しておる。そういたしますど、人事院勧告に基づくこのべ・アについては、米軍といえども了承しているものと思うが、公務員と大体同じ水準で給与体系を作っていこうとする駐留軍労務者に対する交渉でありますから、十月一日にベース・アップができて、そうしてあとの退職手当とか、あるいは頭打ちとか、もろもろの問題がありますが、これも関連した問題でありますから、十月二十二日までに解決するような見通しでございますか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 公務員に関しまするベース・アップの問題が政府としても態度が決定したようでございまするが、従来から駐留軍従業員に関しまするベース・アップは、公務員に準じてこれを実施すると、したがって実施の期日等も公務員が十月一日に行なわれますれば、それと同時期に実施をすると、こういう態度で参っておりまするので、今回公務員のベース・アップが十月一日から行なわれるということが決定をいたしますれば、その線に沿ってそれに準じた取り扱いを、駐留軍従業員についてもする段取りになるだろうと思っております。またそうしなければならないと思っております。十月二十二日から全駐労がストライキを計画をしておりますが、調達庁あるいは軍といたしましてもできるだけ平和的に問題を解決したいということで、全駐労の修正要求等も伺いまして、管理者間で十分協議を進めて参りたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公務員給与に準ずることについては了解しているようでありますが、在日米軍格差手当を一〇%つけると、基本給から八%削って、基本給は下げなければならぬというような予算の苦しい情勢のようでありますが、公務員給に準じて格差手当をつけるとすれば、予算は幾ら要るでしょうか。金額として八%引かないとして、そのままなまで出すとすれば……。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 基本給から八%引くという問題は、これは組合との間にもいろいろ論議をかわしておりまするが、いわば技術的な問題でございまして、基本給を八%下げるということでは結果的にはないわけでございます。それは基本給を、基本給の中に一応八%程度の米軍格差というようなものがあるという一応の仮定のもとに基本給から八%を引いて、そうして二%というネットのいわばベースアップを給与の切りかえのときにやろう、こういうことで二%を引き出すための技術的な操作をやるために八%というものを引いたわけでございます。そこで八%を引いて二%加えて一〇%というものを米軍格差として考えておるわけでございまするが、したがってあくまでもこれは一〇%の格差をつけるということでなしに、単に技術的な操作として二%というネットをつけるための八%を引いた。こういうふうに御理解いただきたいと思います。したがいまして基本給から八%というものを一応引いておりまするけれども、これがいろいろな手当にはね返る場合に、それが従来の基本給八%引いたものを引かないものとして計算すれば、これは何ら従来と変わりはないわけでございまして、したがって原則的には八%を引きましても諸手当の計算の場合にはこれを加えて、もとの基本給のままで計算する。ただ従来から問題になっておりました有給休暇の買い上げ手当といいますか、有給休暇を買い上げるための、買い上げてそれにお金を払っておる。そういうものにはね返るのは理屈上もおかしい。こういうことでそれにはね返らさないようにするとか、さらに公務員にないような特殊作業手当にははね返らさないようにするとかいうような多少の例外を設けた点が、従来よりも不利になっておるといえば不利になっておると思いますが、全体的には八%から引きましても、諸手当の計算の場合にはそれを加えてやりまするからマイナスにはならぬ。プラスになるのはどういう点かといいますと、たとえばベースアップのときに基本給が上がりますればその一〇%というものが一応仮想のもとでありますけれども、格差手当としてつきますから、その手当に必ずはね返ってくる。したがいまして、かりに公務員が千円べースアップがあれば千百円上がる。あるいは定期昇給を公務員が千円やれば千百円上がる。必ず定期昇給なりベースアップのときにそれがはね返ってくるという有利な点もあるということで、ネット二%を引き出すための技術的な操作として八%引いた。こういう関係に、ちょっと複雑な関係でございますがそういうことになっておるわけでございまして、そこで先生のお尋ねのネットをつければどれだけ要るかということでありまするけれども、これは一〇%の格差手当をつければまさに一〇%のベースアップでございまするから、従来の予算に比較して月々の所要経費の一〇%のベースアップ、こういうことになる勘定でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 幾らですか、それは。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 月にしまして大体一億二千万円程度になります。八%で一億二千万円程度になります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 非常に苦しい答弁をしておられますが、新基本給といいますか、新しい体系に移行しますね。その移行する体系の基本給というのは、公務員と見合う基本給である、このことは確認してよろしゅうございますか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 新しい八%を引いた基本給で公務員の表をそのまま適用いたしまするから、その八%を引いたところに見合う号俸のところにいくわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、切りかえる前は八%公務員よりも高かったと、一口に言いまして。高かったから今度切りかえの場合には公務員と見合うために八%下げて号俸表を使った、ちょうどそれで公務員並みである、こういうことですか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 公務員の表で八%を引くということによって問題が出て参りますのは、定期昇給の額が、八%引けば下にランキングされますから、そこのところの定期昇給の額が八%上の場合とどう違うかという問題が重要な問題になって参りますが、公務員の表をずっと見て参りますと、必ずしも下のほうの定期昇給の額の幅というものが、上のほうより少ないということにはなっていないわけでございます。したがいまして、八%引けば下のほうにランキングされることによって定期昇給の額に関係をいたしまする面ではマイナスはないというふうに私どもは考えております。それと公務員の表に当てはめてやるという根本の趣旨は、現在駐留軍の従業員が頭打ちが非常に多いということを解消するために、公務員の表をそのまま使えば相当上が頭があくと、こういうことでございますから、公務員の表の上のほうは定期昇給の額がスロー・ダウンして参りますから、下のほうにいきますれば頭がよけい開いた、こういう勘定でございます。そういうことからいたしまして、その八%引いたほうに必ずしも不利にはならぬ、むしろ有利になるほうが多いというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 どうもよくわからぬのですが、私が今質問しておるのは、今三万五千円基本給をもらっておる人がそのまま横に移動して今度の新しい号俸表を使います、そのことはそれは新しい号俸表は公務員並みなんでしょう、だからその三万五千円のクラスのものを三万五千円に移行していくのですかと、そのことを聞いているのです。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 基本給をきめます場合に、先ほど御説明いたしましたように、八%引いてやりまするから三万五千円から八%引いたものが一応新しい基本給として出て参ります。再組立基本給とわれわれは言っております。再組立基本給に見合うところの号俸を使うと、こういうことです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そこで今現在基本給三万五千円の号俸の人から新しい号俸に、八%引いた新しい号俸に入ってきまして、これに一〇%プラスされていくことにして、そうすると実質上二%プラスになって参りますね。そうしますと、その二%だけはこれはプラスしたではないかとおっしゃいますけれども、在日米軍の手当というものは組合の要求としては新基本給の一〇%相当額支給してくれと、こういう要求です。それに対して実質上は二%しか増額しないものだと理解してよろしゅうございますか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) そのとおりでございます。ネット上昇するといいますか、切りかえにあたって増額するのは約二%ということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。まあその問題については、あとまた組合との交渉でいろいろ解決して下さい。  それからもう一つの問題は、その新基本給ができまして、それに見かけ上は一〇%という手当がつくけれども、実質は二%しかプラスしてない、それが今度十月一日のベースアップがございますね。十月一日のベースアップがありまして、次に来年の一月にまた新基本給に切りかえて参りますね、そうすると体系がぐっと変わってきやしませんか、それはどうですか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 今度の給与制度全体の改正の問題は非常に内容が膨大なものですから、公務員のベースアップが十月一日に行なわれます際に、それがおそらく国会で審議されてきまりますのは十二月になるという新聞報道等もございますから、したがって公務員のベースアップがはっきりきまります十二月になりませんと駐留軍の従業員に対してどういう措置をとろうか、公務員に準じてやるという方針をとっておりますからきまらないと、こういうことになりますから、ただいまのところ私ども調達庁として考えておりますのは、一応現在のベースアップをしない前の基本給で切りかえの手続を進めて、そうして来年の一月一日に切りかえをすると同時に、一月一日にベースアップもすると、それをことしの十月までさかのぼると、こういう措置を作業等の関係でとらざるを得ないのではないかと、こういうふうに考えておりますが、その点はまだはっきり確定はしておりません。ただいま軍ともあるいは労働組合とも検討をして協議をしたいと思っております。まだはっきり確定しておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういうところに団体交渉の混乱している原因があるように私は見受けるわけです。たとえば十月一日現在の公務員給与が九・何%上がったから上げます、これでぱっといけば一応問題は解決するわけです。そして十月一日、その上がったものを基礎にして来年の一月一日に新体系に切りかえます。その方法はそのときの号俸から八%引いて直近上位なりあるいは下位の最も近接した号俸に切りかえて、それが新基本給になります。これに一〇%加えたものが収入になります。こうなると物事はすっきりするわけです。ところが、今混迷しているのは、この公務員の十月一日の実施も十二月になるかもしれません。したがって、まだここのところの作業は済んでおりません。それかといって、新体系については今までずっと長くやってきたのですから、新体系の号俸について切りかえなければならない。これについては、ともかく基本の考え方としては今までの旧基本給の八%引いて新基本給に直していきます。その柱だけきまっておりますね、それが両方あるんですから、しかも、その十月一日が十二月になり、あるいは新体系が一月一日であろうと、そういうものは固まっていないのではなかろうかと理解するのですが、どうですか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 御指摘のとおりでございますが、本来からいえば、十月一日のベースアツプで、ベースアップしたものに基づいて一月一日に新しい制度に切りかえる、これは当然普通やることでございますが、そこで、先ほど私が申しましたように、一応一月一日に現在の基本給で切りかえをやりまして、そうして現在の基本給で切りかえをやった上に公務員と同じようなベースアップをやるとすれば、どれだけ月々上がるかということを見まして、それを十月へさかのぼるという措置をとらざるを得ないのではないかということを申し上げましたが、そういうことをした場合と、ただいま先生の言われましたような、十月にベースアップをして、一月に切りかえるという場合と、どちらが損得があるかという問題は、これは私ども今それこそ実例をもって、どういう損失なり利益があるか、どちらの方法をとったことによってどういう欠点が出てくるかということを検討中でございます。そういう段階でございますから、普通のように十月一日にベースアップをして来年一月に切りかえるということのほうが有利であるということになりますと、とりあえず、やむを得ず一月に現在の基本給でやってさかのぼるという方法について、どういうふうにそれをアジャストするか、是正するか、こういう問題が出てくるというように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 損得の問題ということが、どういう立場から言っておられるのか、まだはっきりわかりませんけれども、新体系の問題については、去年からの問題ですね。それから人事院の勧告というのは、この間の問題、十月一日にするかどうかは、閣議は十月にきめておりますから、去年からの問題と最近八月十日に出た人事院勧告の問題を天びんにかけて、どちらにしようか検討中であるというのは、あまりにも不見識ではございませんか。労務部長に言ってもしようがないかもわかりませんが、少なくともその基本給をちゃんと作っておいて、そうして切りかえについては一体予算は幾ら要るのだ、一〇%ぐらいで幾ら要るのだ、そのくらいのことは作業が進んでおらなければ、団体交渉やられるのは無意味じゃないかと思います。それだからしょっちゅう全駐労の諸君が、国会にもやってくるし、社労のたびに問題にしなければならないと思うのですが、去年からの問題については、たとえば八月であろうと、十月であろうと来年の一月であろうと、いつでも切りかえできる。それは個人々々の問題は検討すれば損得はありましょう。損得はありましょうけれども、個人々々を一々これはもうけるからこうしょうとか、損するからこうしょうとか、役所としてはそういうことはできないはずです。そこで大きな筋がきまったならば、どちらを先にするか、それによって予算は概算幾ら要る、その予算を米軍から取ろう、それをやらなければ団体交渉をやったって無意味です。それこそ労働者を欺瞞するものではないかと思うし、あなた方自身、あるいは課長なりその他担当者はたまらぬですよ。調達庁長官おられませんので言いませんが、もっと原則をぴしゃっときめて、切りかえの新体系については団体交渉は一応めどはついたから、一応新体系に切りかえようではないか、そうして今度はベースアップは九・三%にきまったならば、ベースアップにそのままいこうではないか。金は米軍からこれだけ取ろうではないか、その態勢を早くきめて、そうしてそれに全精力を傾注しなければこの問題についていつまでも混迷を続けるのじゃないかと思いますが、私の言うのは無理でしょうか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 体系問題は、これは八月の中旬に組合と団体交渉いたしました際に、内容の細部の点については調達庁が管理者案を出したけれども、実施の期日がはっきりしない。それでは絵にかいた餅ではないかという議論が出まして、できるだけ早く実施をすべきであるという組合の強い要求に基づきまして、内容はこうである、実施の期日は来年の一月一日である、こういう回答を組合にしまして、それでもって米軍とも作業を進め、あるいは全駐労とも団体交渉を続けてきている、こういうことでございますから、米軍なり調達庁といたしましては、非常に日にちも切迫しておりますけれども、何としても来年の一月一日には実施をしたい、こういうことでやっておりまして、また、組合にもそういう約束を一応しているわけでございますから、そこでこれだけ膨大な切りかえをやるということになりますと、十二月に公務員のベースアップがきまって、それに準じて駐留軍従業員のベースアップをやろう、それを終わってから来年一月一日にやるということは、事実上絶対に不可能なことなんです。そういうことからいたしまして、やむを得ず来年一月一日に新体系に切りかえるということのために、便宜措置をもってまず新体系に切りかえて、そうしてベースアップをして十月にさかのぼるというようなことを考えざるを得ないのではないかというのが、私どもの考え方でございますから、先生の言われますようなベースアップの予算については、従来からわれわれとしても公務員に準ずるベースアップをやるということを方針としておりますから、それの予算の点は、これは今までのベースアップ等の交渉からいたしまして、米軍としてははっきり覚悟している、めどをつけている、こういうふうに私どもは考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 何回言っても同じことですけれども、十二月一日かもわからぬとおっしゃいますけれども、閣議では十月一日に内定しているようです。私どもは不満です。十月一日は不満です。五月一日と人事院の勧告がありますから不満ですけれども、閣議は十月一日に決定しているということを新聞は報じております。それから現在の基本給というものも明らかです。一月一日に新体系に切りかえようとすることも大体米軍も了承しているようだし、あなた方もその心組みにおいて、三つの時点というものは一応わかっているとするなら、混迷しないように作業してもらって、できているかもわかりません、言われないだけかもわかりませんが、早く問題を解決しなければならないのではないか。そうしてあと頭打ちがどうか、退職手当が一体どうなるか、そういう具体的な問題に入っていくことが交渉の順序だと思います。一番基本がまだきまってないということについては、私どもはまだ納得できないのです。それとさっき言われた損得の問題というのは、一体どういうことでしょうか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 六万何千人の人たちについて、全部一人々々損得を計算するということはとうてい不可能でございますが、全体的に見て、私の申し上げましたように、一月一日に切りかえをする。その上でベースアップをして、それを十月にさかのぼるという場合と、十月一日にベースアップをして、そうして一月一日に新体系に切りかえるという場合の比較考量の問題を私はいっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 一月一日の新体系の切りかえについてはもうこれはほとんどきまったと同じことでしょうか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 労働組合にもそういう約束をしておりまするし、調達庁、米軍ともぜひそういうことでやりたいということで作業を進めております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういたしますと、十月一日を目途にベースアップなされるものとしてのベースアップの金額などについてはわかりましょうから、あとはその問題については在日米軍の手当などこれにコンマがついて参りますけれども、いろいろ内容についてありますけれども、私はこれで組合にかわって交渉しても問題は前進しませんから、団体交渉で煮詰めていただきますが、要は、十月二十二日から十二月六日ごろまでには大筋をきめていきたいというこの組合の要請を皆さんも率直に受け入れてもらって、ひとつ具体的な作業を進めてもらって、ストライキをしないでも問題が解決するように努力してもらいたいと思いますが、いかがでございますか。

小里玲調達庁労務部長

○説明員(小里玲君) 御指摘のように、私ども全力をあげて解決に邁進したいと思います。

加瀬完日本社会党

○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十一分散会

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