社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/08/28
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。 委員の変更についてお知らせいたします。八月二十四日、武内五郎君及び亀田得治君が委員を辞任せられまして、その補欠に柳岡秋夫君及び藤原道子君が選任せられました。八月二十七日、柳岡秋夫君が委員を辞任せられまして、その補欠に久保等君が選任せられました。
○委員長(加瀬完君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。 本日は麻薬対策に関する件を問題として調査を行なうことになっておりますので、委員の御質疑の前に、厚生省、警察庁、法務省、大蔵省関係から同問題について御説明を承ることにいたします。 政府側の出席者は、厚生省薬務局長牛丸義留君、警察庁保安局長野田章君、法務省刑事局青少年課長荻野かく一郎君、大蔵省関税局業務課長前川憲一君であります。順次御説明を願います。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記をつけて。
○政府委員(牛丸義留君) お手元の資料の「昭和三十六年における麻薬事犯の実態とその取締概況」という資料がございますので、その項目につきまして、おもな点を御説明申し上げたいと思います。 まず第一に、二ページの「麻薬事犯の現況」というその項目でございますが、これは最近のわが国の麻薬事犯というものが非常に隠密になり、かつ、巧妙な手口になってきているということを前回も申し上げたのでございますが、昭和三十六年の事犯件数は、別の資料で「昭和三十六年における麻薬・あへん・大麻に関する違反統計」というのがございますので、そこに詳細な資料を数字として記載しております。その概括的なことを申し上げますと、三十六年で違反件数が二千二百三十五件、検挙された人間の数が二千六百六十五名の検挙でございます。これは戦後最大の検挙数を示しているわけでございます。昭和三十五年の統計の資料と比較いたしますと、件数において一三%、人員において一五%の増加を示しているわけでございます。そのうちのほとんどが麻薬取締法関係の違反でございまして、あとはあへん法の関係、それから大麻取締法関係というものがわずかにあるわけでございます。違反者の数を性別に申し上げますと、男が二千七十八名、女が五百八十七名、これも昨年に比較しましてそれぞれ増加しているわけでございます。それで、こういう最近の違反者の傾向といたしまして、その次の三ぺ−ジに要約しておきましたので、その点を御説明申し上げたいと思います。 第一の点は、一段と国際化した、悪質、巧妙化してきたということが一つの特徴というふうに考えられます。わが国につきましては、麻薬事犯の大部分がヘロインによるものであるということは、統計でも示されているとおりでございますが、前回も御説明申し上げたわけでございますが、そのヘロインは、製造も処理も、わが国では許されておりませんので、すべて海外からの不正の密輸入がおもでございます。そうして、その密輸入者は、日本−香港の間の国際電話等によって絶えず連絡をとって取り引きの割符を交換するとか、その他いろいろな手を用いて麻薬の密輸入をやっているわけでございまして、非常にその手段は巧妙化し、国際性を帯びてきているということが一つの特徴と考えられるわけでございます。 第二の点は、密輸の陸揚げ地点が従来と変わってきたという点が一つの特徴と考えられます。従来は、一般の貿易港でございます神戸、大阪、横浜などが一番の陸揚げの港湾であったわけでございますが、そういうところに非常に取り締まりも厳重でございますので、取り締まりが、一般の貿易港に比べて緩和であると考えらるような港湾に目をつけまして、そういうところを利用するというような事犯が出てきているわけでございます。三十六年においては、相生港というような、そういうふうな従来みられなかったようなところが一つの陸揚げ地点になっている。そういう点も一つの傾向と考えられるわけでございます。 その次は、アヘンの密輸事件が従来よりも増加してきたということが一つの特徴でございます。 それから、その次は、麻薬の密輸のルートが従来と変わってきた。従来は、香港から日本にくるというのが代表的な密輸のルートでございますが、最近は、むしろ、バンコック方面からの密輸のルートというのがだんだんとクローズ・アップされてきたというのが特徴でございます。それから、俗に赤ネタといってこれはヘロインの中でも粗製のものでございますが、そういうものが朝鮮方面から密輸されているということも最近の一つの傾向でございます。 それから、その次の点は、単独の事件が減少して、非常に組織化してきたということが一つの特徴というふうに考られます。 それから、その次の点は密売のルートが非常に分かれてきている。これは国内に入ってからの問題でございますが、そういう点なり、あるいは密売の手口が非常に変わってきた。一人々々の販売じゃなくして、それを十人なら十人というふうなものをまとめて、そうして販売する場所もそのつど変えていくというような取り締まりの目をくぐって、巧妙な方法で密売をするというような点がだんだんと最近の特殊な傾向というふうに考えられます。 それから、その次の点は、三国人のグループが非常に高層化してきた。これはあとで一つの密売の組織を御説明申し上げたいと思いますが、一つの大きな上の組織のところに三国人がおって、そして日本人はその売人として手先に使われておるような一つの組織系統図をあとで御説明申し上げたいと思うわけでございます。その他隠匿場所も非常に巧妙になってきておる。それから、青少年の麻薬の不正使用がだんだんと増加してきておる。それから、大都市だけじゃなくして、そのほかにもだんだんと麻薬禍というものが波及をしてきておるという点が最近の傾向というふうに考えられるわけでございます。 それから、医師回りの中毒患者の増加、これも結局は一般の密売なり、そういうものの入手が困難な場合には、開業医その他に対して、麻薬中毒患者が、いろいろな方法でそこからの施用を強要するなり、そういうふうな傾向が出ておる。そういう点が最近のざっと拾い上げた点でございますが、特殊な傾向というふうに考えられるわけでございます。 次の七ぺ−ジの「麻薬の密輸入について」でございますが、これは先ほども申し上げましたように、主として船舶、それから航空機というようなものが密輸入の輸送手段として使われているわけでございます。そして、その入ってくる輸出先は、先ほども申し上げましたように東南アジア、主としてバンコック、それから香港というようなところが一つの点でございますが、これは日本が非常に密輸のいわば価格が高いというような点も日本に密輸される一つの原因になっているかと思うわけでございます。それも、昭和三十六年における密輸事犯はこの下の表に書いてありますようにハイヒン号その他の船、これは国籍は、ノルウェー、イギリス、インドその他いろいろございますが、主として船員は中国系統の船員が主でございますが、その内訳を表のところに書いているわけでございます。 それから、少しめくりまして、次は国内における不正取引の状況を御説明申し上げたいと思います。十ページの第三の点でございます。これは事犯の性格が賭博とか、売春、暴力事犯と同様に、組織化されてきて、単独の事犯が少くなったということを先ほども申し上げたわけでございますが、大都市のある地区事務所の管内すなわち、東京なり横浜を管轄する関東信越の地区事務所、あるいは大阪、神戸を管内に持つ近畿の地区事務所、それから北九州を有する九州地区事務所等が一番国内の不正事犯が多いわけでございまして、その第二表は麻薬取締官事務所の管轄する地区別に事件の件数と人員を表にしてあげてみたわけでございます。これによりますと、関東信越が九百三十一件で四二%、人員が千百七十三名で四四%というふうに、非常に半数近い件数を示しております。その次が近畿の七百四十四件、三二%、八百十三名の三〇・五%というような数字を示しております。不正取引に供される麻薬のほとんどは、先ほど申し上げましたように、ヘロインでございます。それが大体不正麻薬の八五%を示しておりまして、そのほか、大麻あるいはモルヒネ、その他合成麻薬というものがそのあとのパーセントを示しております。その表は第三表に「麻薬別事犯検挙件数及び人員」として掲げているわけでございまして、ヘロインが千八百九十件、二千二百六十五名で、ほとんど圧倒的な部分を占めているわけでございます。違反の形態は、これは不正所持が大半でございまして、その次が不正の取引というようなものが大部分でございます。その内訳は第四表に示しているわけでございます。第五表は、検挙した場合に、どういう所に隠匿していたかということを示しているわけでございまして、身体及び被服の中に隠しておいた、あるいは所持品と一緒に隠しておった、あるいは自分の家の中なり周囲に置いておいたという点をここにパーセントとしてあげているわけでございます。それから、その次は、違反で検挙された人間の年令別の数をここに示しているわけでございまして、一番大きな年令別でウエートを示しておりますのは二十一才から三十才までの千三百八十人名が全体の五二%という数字を示しているわけでございます。その他この点に少々こまかく書いておりますが、これは省略いたしまして、十六ページの麻薬取扱者による事犯について御説明申し上げたいと思います。麻薬取扱者というのは、主として医師なり薬局というのがこれに該当をするわけでございます。その総数は十二万一千五百六十四名、三十六年の統計でございます。三十六年は、そのうちで九十一件、百二十名という数字でございます。三十五年に比較いたしまして、件数において一九%、人員は七%の減でございます。麻薬取扱者の麻薬違反というものがそれほど大きな数字を示しておりませんし、むしろ三十五年、三十六年の対比では減少しているというような傾向でございます。これは主として各府県に入っております麻薬取締員が監督、取り締まりをやっているわけでございます。 その次の十八ぺ−ジに、ただいまのは主としてヘロイン等の違反でございますが、その他アヘンによる事犯、あるいは大麻による事犯というものを十八ページに数字をあげているわけでございますが、これは、数から申しまして、日本におきましては、そう大きな事犯として申し上げるほどのことはないと考えます。 それから、少し途中を省略いたしまして、二十二ぺ−ジに飛んでいただきたいと思いますが、麻薬中毒者の状況について申し上げたいと思います。これは二十三ぺ−ジの中段ほどに書いておりますように、終戦後より現在、昭和三十六年十二月末まで記録した中毒者は七千八百四十名潜在中毒者は、事犯関係者の取り扱った麻薬の数量及び供述等によって約四万人、また、常用者を含めると、約二十万人というふうに推定されるわけででございますが、この中毒者の統計は、別の資料といたしまして、「昭和三十五年、三十六年における麻薬中毒者統計」それから、三十六年の「麻薬中毒者実態調査」、それから「昭和三十七年上半期における麻薬中毒者統計」というものをお手元に統計資料として提出しておりますので、あとでこの点をごらんになっていただきたいと思います。 最後に、二十八ページに飛びまして、麻薬取り締まりの基本方針と、取り締まり上の問題点及びその対策について御説明申し上げたいと思います。 麻薬禍を防ぐその方法としましては、麻薬事犯の防止というものと、麻薬中毒の撲滅というのが一番大きな柱になるかと思いますので、そのためには、麻薬取り締まりの強化をしていくということ、それから、第二に、麻薬中毒者の対策を強力に推進する、それから、第三番目には、一般の社会の協力を得る意味におきまして、あるいは麻薬禍の害悪をよく国民に浸透させるためのPRに重点を置く、この三点が最も重要な問題だと思うわけでございます。 その第一点といたしまして、麻薬取り締まりの強化における問題点としては、第一に、これは前回も述べましたように、確度の高い情報の収集ということが必要になるかと思います。このためには、各取締官庁相互の緊密な連絡、それから、国際的な情報の収集、交換というようなことも考えていかなければなりませんけれども、第一の点は、そういう麻薬情報というものを的確につかんでいく、したがって、そのための情報網の整備ということが第一に問題になってくると思います。 その次は、各取締機関の連絡の強化ということが必要でないかと思うわけでございまして、これは現在、昭和三十三年から麻薬対策の連絡会というものを各取締官庁相互間において設置いたしまして、今緊密な連絡のもとにやっているわけでございますが、将来さらにこういう点に対する各取締官庁の連絡の強化が必要になってくると思います。 それから、その次は、捜査技術の向上として取締官その他に対する研修制度を徹底していくということが必要になってくると思います。 それから、その次は、濃厚地区の選定及び重点的な取り締まり、全国に一般的な取り締まりということも必要でございますが、濃厚地区に対して重点的な取り締まりをやっていく、そのために、東京、横浜、大阪、神戸等の港湾関係、あるいはその他密集している地区に対しては、重点的な取り締まりをやっていく、そのためにいろいろな組織を強化していくということが必要になってくるかと思います。 それから、第四は取扱者指導監督、これは一般の不正不当な麻薬施用者に対する指導監督の強化をはかるということでございます。そういうようなことをするためには、取締職員の増員なり、捜査用の装備、器具の近代化をはかっていくことも必要でございますし、罰則を従来よりも強化していく、こういう点については法律の改正が必要かと思いますが、そういう点が問題になってくると思います。 それから、第二の点におきましては、これは麻薬中毒者対策の問題でございますが、中毒者の収容施設の整備をはかっていくということが問題になってくると思います。そのためには、強制収容なり、その資料の問題等について、これも法律の整備を必要とすると思うわけでございます。 第三は、啓蒙、指導の点でございますが、これは従来、今日におきましては、濃厚地区に推進委員会というものを設置し、また、相談員を設置してそういうものの啓蒙に当たっているわけでございますが、さらに強力な一般の国民を対象とする麻薬禍撲滅のための啓蒙、宣伝、指導ということが必要になってくるかと思うわけでございます。そういう点を勘案いたしまして、来年度の予算要求は、まだ省として、大蔵省に対する概算要求が決定しているわけじゃございませんが、私どもとしましては、麻薬取り締まりの強化のための費用、それから、中毒者対策としては、国立の収容施設を設置する、それから、府県の収容施設に対する二分の一補助金を考慮する。そういうふうなことを重点として、予算の計上を今日事務的には考えておるわけでございまして、三十七年度におきましては一億六千四百万の予算額に対しまして、私どもとしては、六、七億程度の予算の要求をいたしたいと考えておるわけでございます。 以上、簡単でございますが、厚生省の説明を終わります。
○委員長(加瀬完君) 委員の異動についてお知らせをいたします。 本日、久保等君が委員を辞任せられまして、その補欠に柳岡秋夫君が選任せられました。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 引き続いて説明を承ります。警察庁の野田保安局長。
○説明員(野田章君) 警察庁保安局から提出しました資料は、「三十六年中における麻薬犯罪の実態とその取り締り概況」及び「昭和三十七年上半期における麻薬犯罪の検挙状況について」、さらに「医療関係者による麻薬事犯等の実態とその検挙状況」という資料を提出してございます。ただいま牛丸薬務局長から御説明がございました麻薬犯罪の実態と、ほとんど同じことが書いてございますので、詳しく説明することを省略いたしたいと思いますが、目立ったところを資料に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。 最初の資料、「麻薬犯罪の実態とその取締り概況」の中には、まず、三ぺ−ジに、三十六年中の麻薬犯罪の検挙件数並びに人員が書いてございます。警察で検挙いたしましたものが二千二百三十件、二千二百九十六人でございます。 次に、この四ページでございますが、四行目に、麻薬犯罪、特にヘロインを対象とした犯罪は、大都市を中心に行なわれておる現状でありまして、神奈川、大阪、兵庫、警視庁、福岡、これらの庁府県で約八割を検挙しているのであります。ヘイロンにつきましては、大阪府が八割その他の府県で二割という状況であります。なおその次の五ページの表の下に「すなわち」とあって「主要府県においては、九九%以上が麻薬取締法の違反であり、残りの一%弱があへん法の対象である生あへんの密輸、不法所持等であるのに対し、これ以外の地域におけるものは半数以上があへん法、大麻取締法の違反となっている。」と、こう書いてございますが、要するに大都市主要府県では、全然禁止されておるヘロインというものが大部分であって、その他の地方の府県におきましては、アヘン、大麻、そういう違反があるという状況でございます。 なお、男と女の関係につきましては七ぺ−ジにございますが、七ぺ−ジの一番上の欄にありますように、男が七六%、女が二四%という状況であります。 なお七ぺ−ジの六に、再犯の状況がございますが、二千二百九十六人のうち、再犯者が千百六十五人、その。パーセンテージは五〇・八%であります。八ページの上に書いてあります。 なお、日本人と外国人の関係につきましては、八ぺ−ジに、日本人が約九割、外国人が一割であります。 それから、年令別も、先ほど薬務局長から御説明がありましたが、九ぺ−ジの八のところに、二十才末満、二十才から二十五才、二十五才から三十才というふうに分けでございますが、これで見まして、要するに三十才以下が五十六%を占めておる、ここに非常に問題があるということであります。 次の職業別が十ページにございますが、職業別では、要するに無職、暴力団関係者、売春婦等、無為徒食の者が過半数を占めておるということであります。無職が二三・三%、暴力団関係者が約二八・八%、暴力団で定職を持っている者がありますので、それを含めると一一九・七%ということになっております。これは後ほどまた出て参ります。押収麻薬数量等につきましては十二、十三ぺ−ジに書いてございます。 事犯処理の状況は、法務省から来ておられますが、十四ぺ−ジ、十五ページに書いてございます。麻薬取締法違反につきましては、八三・六%の起訴率になっております。こういうことが十五ぺ−ジに書いてございます。要するに、この起訴、あるいは起訴猶予等になりましたものは、ケシの栽培事犯とか、あるいは医者の他人に施用した違反、そういう例でありまして、その他の点は厳罰が課せられているという状況であります。 なお、保釈中の事件、あるいは刑の停止中の事件というものが、麻薬という性質上、非常に多いということが十六ページないし十七ぺ−ジに書いてございます。保釈中に検挙をした事件が六四件、刑の執行猶予中の検挙者が百四十四名、こういうことが十六、十七ページに書いてございます。 それから、十八ページ以下に、麻薬犯罪の実態と傾向が書いてございますが、これも先ほど薬務局長から御説明がありましたとおり、十九ページに、その(1)から(6)まで要点を書いてございますが、香港が多少弱くなってきております。それにかわってバンコックが東南アジアにおける麻薬の密輸製造の基地になっているように思われるという点、密輸の手段が、これは外航船の乗組員による携帯輸入で、密輸関係者は不良外国人が大部分であるということ、そういう概況は薬務局長の御説明・と同様でございます。 なお、二十ページに、「密売事犯の実態と傾向」、この中で、これも御説明がありましたとおり、暴力団の相互の関連性が非常にふえてきた、密売の潜在化、巧妙化の傾向がある、他地区への進出、密売ルートの開拓、暴力団の交代のひんぱん化、少年利用の密売の悪質化、つまり密売の検挙というものが非常にきびしくなりましたので、目ぼしい暴力団の幹部がうしろに隠れて、そうして少年あるいはそういう者を前に立てて、そうしてこれを使ってやるというような事犯が非常にふえてきた。この辺は非常に注目すべきものだと思うのであります。 二十一ぺ−ジに、暴力団による麻薬犯罪の実態が書いてございますが、これにありますとおり、総検挙数二千二百九十六人のうち、暴力団関係者の検挙人員は六百八十二名、二九・七%になっているのであります。二十二ページに、その暴力団の数が百十四団体と、次に、二十二ぺ−ジの(4)のところに、麻薬取扱者、薬剤士とか医者とか看護婦、そういう取扱者の関与する事犯の実態と傾向が書いてございます。この点は、別の「医療関係者による麻薬事犯等の実態とその検挙状況」にも書いてございますが、最近やはり麻薬の不正施用等の事犯が相当長期にわたって行なわれておる。しかも、また相当潜在していると見られる。同一の中毒者が多数の医師から不正使用を受けておる。医者としてたやすくこれに応じている。医師の中には、医者自身が中毒に陥って不正施用している者がある。あるいは経営不信を補うために、麻薬の弊害を逆用して、大いに中毒に陥れようとするような不正をしている者がある。それから、麻薬の取り扱いに関する業務の履行が十分でない。要するに、届出というようなものが非常に履行されていない、あるいは麻薬の保管というものが非常に粗漏であって、そういう保管場所から麻薬が盗まれるというような事犯が非常にたくさんあがっておるというような点があるわけでございます。 次に、二十三ぺ−ジの、麻薬中毒者による事故の実態と傾向、この中毒者の問題が書いてございます。これも(1)から数項目の項目が書いてございますが、麻薬を入手するために、麻薬中毒者はどんな犠牲も措しまない、全財産を使い果たす、あるいは、窃盗、詐欺、そういうものに上って麻薬代を捻出する、そういう犯罪と結びつく傾向があるわけであります。麻薬中毒者は多数の医師から不正施用を受けている、医師を強要して施用される事犯が増加している、麻薬の窃取事犯も増加している、薬局から窃取する事犯が増加している。中毒者が密売人になる傾向がある、麻薬中毒による死亡事故、死体遺棄事件が増加している、こういう状況であります。なお、麻薬中毒者の実態につきましては、三十五ぺ−ジ以下に書いてございます。現在名簿に登載してあります者が六千九百九十一名、そのほか二千三百十名が記載してありますが、これは所在不明等で確認されていないということであります。 中毒者につきましては省略いたしまして、なお、麻薬の取り締まり対策につきましても、先ほど薬務局長から御説明がございましたが、警察の取り締まりの対策といたしましては、まず、不正に国内に搬入される麻薬の根源を絶つという意味で、密輸の取り締まりというものが非常に大事であると思います。次に、国内に密輸入されました麻薬の不正の流通の役割を果している麻薬暴力団の密売組織の壊滅をはかっていくということ。第三に、麻薬犯罪を誘発する基盤となっている麻薬の中毒の患者取り締まりを主眼としているわけでありまして、麻薬の密輸につきましては、先ほど来御説明申しましたように、いろいろのルートがございますが、強固な国際的な組織と、巧妙な隠匿方法、それに的確な海外情報の乏しさから、この捜査が非常に困難な現状でございます。こういう点を今後克服して密輸入の取り締まりに邁進いたしたいと存じております。 また、密売組織は、暴力団相互の連携等によりまして、組織が強固となり、単なる麻薬事犯の一面的な取り締まりだけでは、密売組織の上部を突き、それを壊滅させるということは困難である。警察といたしましては、警察各般の機能を総合的に発揮しまして、暴行、傷害、窃盗、恫喝、詐欺、売春、賭博、あるいはダフ屋、景品買い、あらゆる警察事象からこれらの麻薬暴力団の根を絶つように、多面的な取り締まりを続けて参りたいと考えておるのであります。また、麻薬の利用者に対しましては、いわゆる中毒者等についてその実態の把握に努め、あるいはその動向を注視いたしまして、それらの利用者に供給されるルートの解明をはかって、多数の密売者、あるいは麻薬中毒者を検挙しておりますが、これを今後とも大いに強化して参りたいと思うのであります。で、これらの取り締まりの重点に対応しまして、取り締まりの態勢の整備も着々考えておりますが、これも警察官の人員の内部の配置転換等によりまして、現在警察庁並びに管区警察局における麻薬係員の増員、あるいは第一線の各府県本部、警察署等における麻薬係員の増員等、態勢の整備等を考えております。まあ神奈川県、あるいは警視庁におきましては、近く麻薬取締課を独立させるという動きが見えております。予算につきましては、麻薬取り締まり関係の予算は、本年度は約五千万円でございますが、来年度の予算要求は、活動費におきまして約二億円あまりを要求中でございます。そのほか、装備、通信器材、映写機等、捜査用の必要な機器代約千二百万円を要求をいたしております。 なお、海外の情報網の問題がございますが、東南アジア各国の大使館、あるいは領事館等の系官と緊密な連携をとりまして、それらの東南アジア各国の警察取締官と情報の交換を進めておるわけでございますが、今後できればこれらの在外公館に、麻薬、あるいは治安全般を担当する領事、大使館員の増員を要求したいと考えておるのであります。 概況は以上であります。
○委員長(加瀬完君) 次に法務省刑事局荻野青少年課長。
○説明員(荻野かく一郎君) 法務省関係麻薬事犯の概況について御説明申し上げたいと思います。 お手元にお配りいたしました法務省刑事局作成の「麻薬事犯の概況」というのをごらんいただきたいと思います。麻薬関係の法令違反、これは御承知のとおり、麻薬取締法、あへん法、大麻取締法違反、その他刑法の阿片煙二関スル罪、これらの関係違反事件の過去十一年間における受理並びに処理状況を作成いたしました。これは三ページに作ってございます。これをごらんいただきますとおわかりのとおり、昭和三十二年以来、だんだんふえて参りました。三十五年におきましては、戦後の最高数を記録いたしております。それから、三十六年におきましても、これは裏の四ぺ−ジに「第一表の2」というのがございます。これに三十六年の一月から十二月分を記載してございます。この三十六年におきましても、著しい減少は示していないのでございます。これらの事犯の大部分を占めておりますものは麻薬取締法違反事件でございまして、昭和三十五年のこの受理人員は、麻薬関係事犯の総受理人員の約八五%強に当たっております。さらに、また、昭和三十六年になりますと、実に九三%強と相なっておるわけでございます。 さて、このような事件がどのように受理され、処理されたかにつきまして、第一表の2、3をまたごらんいただきたいと思うのでございます。昭和三十六年の全国の検察庁における麻薬関係の法令違反事件の受理状況、これは受理人員が、新規三千百七十三名でございまして、前の年と比べますと、八十人ばかり減少いたしております。しかしながら、これを法令別に検討いたしてみますと、阿片煙二関スル罪は前年同様ゼロであります。あへん法違反事件は減になっております。それから大麻取締法違反事件も減になっておるのであります。全体では八十人ほど減っておるのでありますが、何と麻薬取締法違反事件は二千九百五十五人と、前年に比べまして七%も増加を示しておるという次第でございます。なお、この麻薬取締法違反事件におきましては、総受理人員の八三%に当たります二千四百五十四人というのが、先ほど警察庁の方からも御説明がありましたとおり、横浜でございますとか、東京、大阪、福岡、神戸などの各地検におきまして受理されておるのであります。麻薬取締法違反事件の大半は、今申し上げました五つの地方に集中されておる。これは麻薬事犯の分布を示すものとして興味深いものといわなければならないものと考えておるのであります。 次に、受理いたしました事件はどういうふうに処理されておるか、これもやっぱり「第一表の2」、「第一表の3」をごらんいただきますとおわかりいただけますように、起訴人員は二千三百七人でございます。昭和三十五年の千九百七十二人に比べますと、三百三十五人、一七%ふえております。起訴率におきましても、昭和三十五年は七〇・六%でございましたのが、昭和三十六年では七九・一%でございまして、前の年よりも大幅に起訴率が上がっておるわけでございます。また、その起訴いたしました人員の内訳をごらんいただきましても、公判請求いたしましたものが全起訴人員中の九四・五%、二千百八十人、略式命令を請求いたしましたものが五・五%にすぎない百二十七人でございました。起訴の人員等も、もとより前年より下がっておるわけでございます。 次に、これらの起訴いたしました事件がどのように処分されておるか、これを第七ページに司法統計年報から拾いまして掲載いたしました。そうして三十年から三十五年までを載せたわけでございますが、年々その科刑が重くなっております。特に、一年未満の短期刑に処せられておるものが逐年減少しております。また、刑の執行猶予のいい渡しを受けておりますものも著しく減少しておるのでございます。裁判所のほうでも非常に重点を置いておりまして、検察官のほうも重い求刑をするわけでございますが、最近におきましても、懲役八年、罰金百万円というような、かなり重い刑が言い渡されておる状況でございます。厚生省、警察庁、いずれも対策についてお話しになったのでございますが、法務省といたしましても、対策として考えておりますことを一、二申し上げてみたいと思います。 その一つは、麻薬事犯につきましては、事のほか厳罰方針をとっておるということでございます。この種の事犯につきましては、特に徹底的な検挙と厳正な処理が要請されるということは申し上げるまでもないところでございまして、検察庁におきましても、この方針に従いまして事犯の処理に当たっておるのでございます。先ほども申し上げましたとおり、昭和三十六年におきましては、麻薬取締法違反事件の起訴率は八三・三%これは三十五年における全刑法犯の起訴率が五六・二%であることからお考えいただきましても、相当きついものであります。さらに、また、凶悪犯であります殺人、これは起訴率が六六・九%でございます。放火が六五・一%でございます。強盗が八一・三%でございました。こういうことからみましても、麻薬事犯に対する処分がきびしさを加えておるということが言えるのではなかろうか、かような気持ちで検察に当たっておるわけでございます。 第二番目は、麻薬検察の充実強化、これは昭和二十四年以来、全国の各地方検察庁に麻薬係検事というものを置きまして、専門的にこの種の検察の充実強化をはかっておりますが、昨年は、また、指定地の麻薬係検事の中央会同というものを開催いたしまして、麻薬検察に関する諸問題について協議をいたしましたほか、横浜地検の検事を東南アジアのほうに派遣いたしまして、麻薬事情も視察調査せしめた次第でございます。ことしも近く十月末か十一月の初めに麻薬係検事会同を開催いたしまして、いっそうの麻薬検挙と検察の徹底を期したいと考えておる次第でございます。 三番目に、法務省として大きく考えておりますのは、関係機関との連繋ということでございます。きょうの説明も各省から出ておるわけでございまして、それらの担当しております係の者が常に緊密な連繋をとることが最も必要だと、かように考えておるわけでございまして、中央におきましても地方におきましても、検察庁、厚生省、大蔵省の関税局、海上保安庁などの諸機関と常に密接な連繋を保っておりますほか、たとえば麻薬取締官の研修でありますとか、あるいは、また、麻薬対策についての地方協議会等には地元の検察庁の検察官を出席させるようにいたしておりますほか、本省からも、できる限り係官を派遣いたしまして協議に参画するなど、麻薬犯撲滅の目的を達するように努力いたしておる次第でございます。 簡単でございますが、概況を御説明いたしました。
○委員長(加瀬完君) 次に、大蔵省関税局前川業務課長。
○説明員(前川憲一君) ただいま厚生省、警察庁、法務省の方々から、かなり包括的、かつ、網羅的な御説明がございましたので、私のほうはごく簡単に御説明申し上げたいと思います。 資料でございますが、お手元に「麻薬密輸取締関係資料」というものをお配りしております。これにつきまして、及びこれを離れまして、現在税関におきまして麻薬の取り締まりを大体どういうふうにやっておるか、また、今後どういう方向へ持っていこうとしておるのかというふうなことをお話し申し上げたいと思います。 この資料のほうでございますが、ここに、関税法違反といたしまして麻薬の事件を処理いたしました件数が第一ぺ−ジに出ておりますが、その下の表は、これは事件の簡単な表でございますが、これは三十六年中と三十七年の六月に至るまでの事件の数でございます。 一ぺ−ジめくっていただきますと、前に掲げましたように、密輸事犯として立件いたしましたもののほかに、税関におきまして麻薬等を発見いたしました事例が書いてございます。これはどういうものかと申しますと、関税法違反というためには、輸入する人がおりまして、それが輸入された、あるいはされようとしているということがはっきりいたしませんと、関税法違反、つまり密輸入ということにはなりませんので、ただ、先ほど来お話しにございましたように、やはり水際線、水ぎわにおきまして麻薬を発見するということがきわめて重要でございますので、税関におきましても、入港する航空機、船舶、あるいは旅客、あるいはその乗員、そういうものにつきまして麻薬があるかないかということは十分注意し、経験と注意力を集中いたしましてやっておるわけでございますが、そこで発見いたしましても、それがだれのものかわからない、あるいは輸入されるのかされないのかわからないというふうな場合があるわけでございます。そういう場合には、関税法違反事件といたしましては立件できませんけれども、麻薬取締官事務所なり、あるいは警察なりに引き継いで、麻薬が国内に入るのを水ぎわで防渇するように努力しておる。その事例がここに一件から五件まで、これは本年に入りましてからの事件だけを例示的に書き上げたわけでございますが、書いておいた次第でございます。あとは、ただ御参考までに、関税定率法、あるいは関税法におきまして、麻薬の取り締まりに関係のある条文がいかがに相なっておるかということを書いたわけでございます。 で、この資料を離れまして、先ほど申しましたように、実情がどうなっておるかということを簡単に以下申しますと、先ほど来お話にもございましたように、麻薬密輸という事件において、これをつかまえるということはきわめて重要なことでございます。ところが、これはきわめて少量で済むものでありまして、いろいろなところへ巧妙に隠匿されるわけでございます。これは税関としましてもなかなかむずか しく、苦労を要するところでございまが、職員の注意力、あるいはできるだけ経験のある職員を配置するというふうにいたしまして、輸入に際しましての貨物の検査、それから旅具、つまり携帯品その他でございますが、そういうものの検査の段階におきまして、できるだけこれを発見するように努めております。ただ、これはなかなか言うはやすくして行なうはむずかしいと申しますのは、一面におきまして人権尊重ということがございますので、いわゆる、まあむちゃくちゃな身体捜索というふうなことはできないような情勢にあります。それから、また一方、特に羽田等においていわれておりますように、外国からの観光客等が参ります場合に、あまり羽田で時間がかかる、非常にめんどうくさいというふうなことはいけないということになっておりまして、いわゆる通関の迅速化、簡易化という要請が一方にあるわけでございます。そういったような要請と調和しつつできるだけやって参る。このために、検査、取り締まりに当たります職員に対しまして、いわゆる研修をやりまして、麻薬の性状とか見分け方、そういったようなものを厚生省の専門家の方々から十分講習をしていただくといったような努力をしておるわけでございます。こういうわけで、一般的な検査というものには、やはりそこにおのずから限界もございますので、先ほどからたびたびお話も出ましたように、やはり情報によって、疑いのある時点、疑いのある場所、時、そういうところに重点的にやるということがどうしても必要になるわけでございます。こういう意味合いにおきまして、厚生省、警察、その他麻薬取り締まりの他官庁との連絡を密にいたして、定期的、あるいは随時に情報を交換いたしまして、それに基づいて、そういう取締官庁の御協力を得て、疑いのある場所につきまして、必要に応じては裁判所の令状をいただきまして捜査をする、こういうことになっておる。もちろん、そのほか一般の密輸情報にからみまして、あるいは投書等によりましして税関が麻薬の情報をキャッチいたしました場合には、細大漏らさず、専門官庁であられる麻薬取締官事務所なり警察なりに御連絡申し上げております。 以上が、ごく大ざっぱに申しまして現在の状況でございますが、今後の方向といたしまては、従来やっておりますように、関係機関との連絡を密にする。それから、情報のギブ・アンド・テーク、両方の面につきまして、より緊密にやっていく。それから、また、そういう情報があったときに、迅速的確な取り締まりができるように人員を強化し、かつ、また、その機動力、その他捜査に必要な器具等の装備を十分にする、こういう方向で来年度以降やっていこうと思っております。 それから、また、海外との関係でございますが、これはまあ国全体としてどこの役所も同じことをやるのは、これは予算のむだでありますから、その辺のところは十分に協力して、むだのないようにしなければならぬように思いますが、税関におきましても、できるだけ海外に情報網の触手を伸ばしまして、それから、また、警察、厚生省その他でまとめてお取りになりました情報をいただくというふうなことによりまして、国際的な麻薬の取引ルートの根源を的確にキャッチする、こういうふうにしたい、かように考えておる次第でございます。 きわめて簡単でございますが、もしもあとで御質問がございましたならば、さらに御説明申し上げます。
○委員長(加瀬完君) 次に、海上保安庁樋野警備救難部長。
○説明員(樋野忠樹君) 海上保安庁といたしましての麻薬の密輸取り締まりの現況につきまして御報告申し上げます。 関係各省からすでに御報告のございましたように、密輸ルートの玄関口の一つでありまする海上における取り締まりを担当いたしまする当庁のまず現勢力から申し上げますと、全国で九十の保安部署がございまして、これに使用しております船舶は約三百三隻でございますが、これらの部署は、むろん海上保安庁の全目的のためでございますので、海難救助等もむろんございまするが、主として密航、密輸等の取り締まりに従事しておりまする船舶は、随時部署等におきまして、必要に応じまして指令しておるのであります。陸上における職員といたしましては、百三十名が従事しておるような現状でございます。で、これらの船艇、部署、人員を使いまして、まず、いかなる方法をとっておるかということを申し上げますと、第一が、情報の収集の強化をはかっておるということであります。先ほどから関係各省でいろいろの御報告のございましたように、非常に少量のものでございますし、きわめてこれらのものの隠匿場所等は、非常に発見にむずかしいわけでございますので、いずれにいたしましても、かような事犯を検挙するのには、どうしても情報の入手に努めなければならないのは当然でございますので、各関係官庁とよく協力しまして、情報の積極的交換をはかりますと同時に、また、第三者からも情報の入手に努めておる次第でございます。 それから、船舶のうちでも、特に要注意船がございますが、これらのものは、この種事犯の特性といたしまして、きわめて反復性の強いものでございますので、常に船舶が入港して参りました場合には、終始入港から出航まで当庁の船舶をそばにつけておりまして、または航行しましても、当庁の船舶をずっとつけて参りまして−これはよくある手でございまするが、一応密閉した容器の中に入れまして海中に投棄いたしまして、それをほかの者が来て拾い上げておかへ持って上がるということがございますので、ずっと目が離せないわけでございますので、これらの追尾警戒をずっとしておるというようなことでございます。また、必要とありますれば捜査令状をもらいまして、約数十名の者をして船内の立ち入り検査をさせておるものでございます。 それから、他官庁との協力態勢の強化をはかっておりまするが、むろんさきに申し上げました情報の入手その他につきましても、積極的に他官庁と協力しておるわけでございまするが、特に麻薬取締官、あるいは税関、警察等とも十分協力いたしまして、その検挙に万全を期しておるような次第でございます。 それから、今後の対策といたしまして、いかなることを予算面その他においてはかっておるかということでございますが、何分一万海里にも及ぶ広大な海域の取り締まりの万全を期することは、非常にむずかしいところでございますが、私どもといたしましても、順次警備関係職員と船艇の増強と、これに従事する人員の増強をはかりますとともに、また、その効率化をはかりまして、機動力の強化をはかり、艦艇の増強等をはかる予定であります。 以上、簡単でございますが、御報告申し上げまして、また後ほど御質問がございますればお答えいたします。
○委員長(加瀬完君) 政府側の説明は、以上をもって終わりました。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○高野一夫君 ちょっと法務省に伺いたいのですが、今までの麻薬関係の法令によって処罰された場合には、法律で許されている最高、いわゆる厳罰主義で臨んでおられるか、それとも、まあまあ主義で、この辺でよかろうというようなところで臨んでおられるか、その辺のところをちょっと聞かせてもらいたい。
○説明員(荻野かく一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、麻薬事犯につきましては、厳罰方針をもって臨んでおるのでございまして、容赦をしないという態度でございます。相当重い求刑をしておるわけでございます。先ほど表の御説明を申し上げましたが、最近におきましては、最高刑の求刑もしばしばいたしておる次第でございます。
○高野一夫君 それで、先年覚せい剤取締法の改正がございまして、厳罰の強化をはかる、それから、各官庁も非常に協力していただいて、今日ヒロポン中毒者がほとんど絶無に近い状態である。麻薬取締法を改正いたしまして、さらにこの懲役の年数をふやす、罰金刑も数十倍に上げるというようなことを試みた場合に、それでもって絶無はできぬでしょうけれども、相当の効果があると考えられますか。
○説明員(荻野かく一郎君) ただいま御質問がございましたとおり、覚醒剤の取り締まりにつきましては、罰則の強化をいたしましたし、それから、また、先ほど厚生省の薬務局長からお話がございましたように、あれは徹底した国民運動と申しますか、PRが行き届いたせいもございまして、まことに数が減少してきたということはうれしいことだと思っているわけであります。麻薬取り締まりの関係につきましても、私ども常に地方検察庁の麻薬係の検事から意見を聞きましたり、このくらいの程度の刑でもっていいかどうかというようなことも尋ねておるのでございます。まあこの事件の処理につきまして、今の法定刑では軽過ぎやしないかという意見も出ております。それから、また、先国会の衆議院におきまして、麻薬対策の強化に関する決議の中に、不正取引者などに対する罰則の強化ということがあげられております。法務省におきましても、現行の法定刑が軽過ぎはしないか、こういうふうに考えまして、これはほかの法令による法定刑との均衡もございますが、この際、大幅に画期的に強化する方針のもとに、ただいま外国の立法側でありますとか、その適用になりました具体的の事例等を調査をいたしまして、鋭意研究に努めておる次第であります。
○高野一夫君 それで、懲役刑をかりに延ばすとして、最高十五年、あるいは無期というようなところが考えられますか、この麻薬違反者に対して。麻薬違反のごとき者には、そういうような高度の懲役刑は課せられぬとか、いろいろ常識もあるでしょうけれども、十五年、あるいは無期、これは一人、二人の殺人なんかより、はるかに本質的に罪の重い場合が非常に多いと思うのですが、十五年ないし無期懲役というようなことが考えられますか。
○説明員(荻野かく一郎君) 十五年がいいか無期がいいか、そういうことが考えられるかどうか、ここで私断言する権限も、それから、まだそこまで検討を進めておる段階でもございませんので、申し上げかねるわけでございますが、しかし、今申し上げましたように、大幅に、画期的にひとつ強化しようじゃないかという方針のもとにやっておるわけでございます。これは先ほど来、各省から御説明がございましたように、外国から麻薬が入ってくる、外国との国際的な犯罪といわれておるわけでございまして、ひとり日本の国だけ刑が軽いということになりますと、どうも菅原先生なんかおっしゃっておるように、麻薬天国だというようなことになってしまいます。ですから、やはり各国との刑のバランスとでも申しますか、そういうことも考えて進めて参りたいと思っておるわけでございます。したがいまして、今、先生から御質問がございましたように、十五年、あるいは無期という線も考えられないことではない、かように私は思っております。
○高野一夫君 これは警察庁のほうか関税関係のほうか、あるいは厚生省からか、どちらからでもけっこうですが、密輸違反事件の説明を先ほど来伺っておりますと、やはり日本人が数が多いのですが、しかし、麻薬にしぼって考えてみると、やはり中国人、韓国人、そういう人が相当多いような感じがします。そこで、私が一つ疑問に思うのは、ヒロポンのときの当時の法務省、あるいは警察庁関係の説明を伺いますと、密造部落があちこちあった。その密造部落の非常に規模の大きなものが北鮮系、特に朝鮮人がやっておる。そうしてその朝鮮人は、自分たち同じ民族には絶対に売らない、日本人だけに売る、こういうような非常に厳重なやり方をしておる。私どもは、当時政府側と相談いたしまして、これは日本民族の将来に対する体質を破壊させる、あるいは精神混迷、また、社会秩序の混乱というようなことを企図した一つの思想活動の現われじゃないだろうかということも考えて審議を当委員会でしたことがあるのですが、この麻薬の密輸という、ことに、これは台湾か中国本土か知らぬけれども、相当中国人が多いというふうなことから考えて、こういうような思想的背景のもとに、ことさらにもうけ主義でなくやっておるというような傾向は見えませんか。完全なるいわゆるもうけ仕事と断ぜられますか。
○政府委員(牛丸義留君) 現在の日本の密輸者が中国系の第三国人が多いということは、ただいまの御質問のとおりでございまして、それがもうけ主義のほかに、思想的なものというところまで私どもはここで確証をつかんでおるわけではございませんが、たまたまことしの五月、ジュネーブで第十七回の麻薬委員会が国連の主催で行なわれたわけでございますが、そのときに中国代表からそれに近いような発言がございましたことは、一つの事実としてございますので、御報告申し上げておきます。
○説明員(野田章君) 先ほど提出しました「麻薬犯罪の実態とその取締概況」の八ページないし九ページに、外国人の麻薬犯罪に対する関与の状況が記載してございますが、ここにありますとおり、八ページの最後のところに、外国人の麻薬犯罪に対する関与の割合は、昭和三十三年一七・九%、三十四年一五%、三十五年が一〇・八%年々全体の割合は減っておりますが、密輸あるいは卸元等の関係につきましては、九ぺ−ジの表にありますとおり、「輸入」のところでは、日本人がなくて朝鮮が二・六、中国人が一七・六ということで、輸入関係等では中国人及び朝鮮人が非常に多い。それから、なお、密輸に従事しておる、あるいは密売等に従事している者の中の中毒者の数というのは、末端のものは比較的中毒者が多いわけでありますが、卸元とか、あるいは、密輸入者というものには比較的中毒者が少ない、これはやはり思想的動機があるかどうかはよくわかりませんが、やはりこれらの元凶というものは、自分自身が麻薬禍に侵されてはいない、他人を害するという、商売本位でやっておるということがうかがわれると思います。なお、暴力団等の麻薬犯罪の関係者等につきましても、一般の麻薬犯罪者の中における中毒者の割合よりも、暴力団の密売者の中における中毒者の割合が非常に少ないという数字が出ております。
○高野一夫君 もう一問で、あとほかの委員に譲りますが、この麻薬密輸の摘発ということは、ほかのものと違って、非常なむずかしい苦心が伴うことと察しているわけなんですが、これを何とかして未然に防ぐいい方法がないものだろうか、あるいは香港なら香港、シンガポール、ラングーンで押えることができるものか、こっちに来たときに押えられるか、これは発見しなければしょうがないのですが、その発見がむずかしい性質のものですけれども、何かできないものかということが考えられる、それと同時に、これについての一つのお考え、こうしたらば今よりはより十分な防遏策が講じられるというお考えがあるならば、それをひとつ伺いたい。どこからでもけっこうです。 それから、もう一つ、中共は共産政治をしいてから麻薬禁止をやっておる。そこで、その禁止した結果の成果はどの程度上がっているか。日本にその情報が回っているでしょうか、それが一つ。それから、アヘンの栽培を中共が禁止しているはずなんですが、ところが、ほのかに聞くところによりますと、雲南、貴州あたりでは、やはりこっそり栽培している。大目に見ているとも見られる。そうすると、やはり中共は知らぬ顔をして、それがビルマあたりに流れ込んで、また日本へ持ってくる大もとになっているのじゃないかとも考えられる。そこで、アヘン、麻薬を禁止した後の中共における業績、成果がどの程度上がっているか上がっていないか、その状況がおわかりであるならば、概略聞かしていただきたいということと、税関においてはこう、国内においてはこうというようなことで、こういう方法をとったならば、もっと効果ある密輸摘発ないし防止ができる、こういう何かひとつお考えでもあれば、それを聞かしていただきたい。
○政府委員(牛丸義留君) まず、私から申し上げますが、第一の、密輸防遏の有効適切な手段があればということでありますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、しかし、第一には、東南アジア——香港なり、あるいはバンコック等のそういう輸出先の状況というものが、私どもとしては、今のところ全く盲目で、情報があるときにはパッシブにそれを活用しているというような程度でございますので、これはどこの省でどうするということは別として、国としてそういうところに一つの情報の目を持つということをとりあえず考えなければならない問題じゃないか、麻薬の情報については、外務省を通じないで、直接麻薬担当の中央官庁に情報を交換するということはできるということが国際条約で規定されておりまして、そういう点で、薬務局長は情報交換先には一応規定されておりますが、そういう面で、香港政庁なり、あるいはほかの国から情報がくることもあるわけでございます。しかし、そういうことはどうしても手おくれになるわけでございますので、私どもの実際の手先として、そういう点に的確な情報網を附置するということは、これは最小限要請される点じゃないか。それから、こちらに入ってきます港口その他につきましては、それぞれ私どものほうの取締官、あるいは水上警察その他の警察の機能、あるいは税関の機能、そういう関係の機能を総動員して、的確な情報に基づいた捜査をやる。最近はそういう捜査の機械もだんだんと発見され、整備されて、麻薬を所持しているのを簡単に検出できるというようなものが、イタリアでそういう機械ができたということを、この前の麻薬委員会でイタリアの代表から紹介がありまして、私ども今その見本を注文をしているわけでございます。そういういわば科学的な捜査器具の整備をいたしまして、専門官の的確な活動によって、その情報と、そういう捜査の精密、この両面からやっていくということ以外には、私どもとして、とりあえずの有効な手段はないんじゃないかというふうに考えます。 それから、第二の中共の点につきましては、これは国際会議にも中共は出ておりませんので、国連の報告その他も全然ありませんし、私どもも的確な情報は持っておりません。ただ、中共でアヘンが禁止され、麻薬のそういう吸引が禁止されたということと、中共と、それからタイ、ビルマの国境周辺というものが、現在アヘンの、ケシの密作地帯ということになっておりますが、これはどうしてもタイ国でも手が及ばないし、ビルマ政府も手が及ばない、中共も手が及ばないというような、いわば三国の国境周辺が今日ケシの密作の一大地帯だということははっきりとしているわけでございまして、そういうところで密作されたものが、バンコックなり、あるいはラングーンなりシンガポールなりというようなところ、あるいは途中で精製され、あるいはその土地でヘロインその他に製造されて、それが香港を通じて日本なりアメリカに密輸される、こういう点は、これは大体はっきりとした線が出ているわけでございまして、その程度のことしか私どもとしてはわかっていないわけでございます。
○説明員(野田章君) 海外の情報の収集という面につきましては、先ほど申し上げたわけですが、やはり麻薬の原産地である東南アジアの各国の取締機関とわが国の取締機関との間に、麻薬取り締まりについての国際的な協力体制を強化していくということが非常に重要であろうと思います。現在、警察庁としまして、香港とインドネシアに書記官及び領事を派遣して、それぞれの公館長のもとで勤務しつつ、治安情報等について連絡をしておりますが、今後こういう線を増加して参りたい、かように考えているのであります。たとえばバンコック、あるいはカルカッタ、シンガポール、台北等にさらに駐在官を派遣するようにいたしまして、そうしてそれぞれの国の取り締まり機関と常時緊密な情報交換に当たらせるというふうに考えておるのであります。これらの国におきましては、取り締まりに当たっております警察官が、平素警察大学その他に派遣されておりまして、人的なつながりは現在多少持っておりますが、また、この国際刑事警察機構による情報の交換という基盤もありますので、治安情報全般及び麻薬等について、東南アジア各国との間に今後強力な連絡の体制を作って参りたいと思うのであります。 なお、これらのビルマあるいは台湾、中華民国、インド、マライ、フィリピン、シンガポール、それからタイ等の警察官の日本に対する派遣を現在要請しておりますが、これらの警察庁から麻薬担当係官がわが国に派遣されて参りますならば、これらの派遣員との間に麻薬に関する研修を実施しまして、麻薬取り締まりについての構成、あるいは取締機構、あるいは取り締まりに関する情報の交換、麻薬事情等、各般の問題について協議をして参りたい。これらの国々との間に、できれば毎年情報交換の意味で、こちらからも派遣したり、あるいは先方からも東京に派遣を受けたりというような機会を極力作って参りたい、かように考えております。 なお、中共におけるアヘンの栽培の禁止等に対する成果につきましては、残念ながら、現在私はまだ詳しく聞いておりませんが、台湾からの情報等によれば、一、二あるように承っておりますが、的確なことがわからないのは非常に残念でございます。今後これらの点につきましても、できる限り実情の把握に努めて参りたいと考えております。
○小柳勇君 私は、各省の予算と、それから関係人員、それから、これからの構想、そういうものをお尋ねしたい。全体的なものを見たいのでありますから、厚生省からひとつ、今の麻薬担当官二百五十名いるようですが、それと予算、それから、新しく要求の予算、構想がありましたら、そういうものをお知らせ下さい。
○政府委員(牛丸義留君) まだ予算省議が終わっておりませんので、的確な数字は申し上げられませんが、私ども事務当局で考えておりますものを申し上げたいと思います。 現在は、麻薬取締官が百五十名、それに麻薬取締員が百名が定員でございまして、それの活動によって麻薬取り締まりが行なわれておるわけでございます。その本年度の予算は、総額で一億六千四百万円でございます。それで、それを来年度の予算といたしましては、取締機構の整備として麻薬取締官の増員を考慮しております。これは人員増をどの程度ということはまだはっきりしませんが、少なくとも現在の取締官では手薄でございますので、各地区の麻薬取締官事務所が十分な機能を発揮できる程度の増員をお願いしたいと思うわけでございます。そのほかに、捜査用の器具の近代化として、いろんな器具の購入代、そういうふうなもので大体約五千七百万円、それから、取り締まりの旅費、活動費等を含めまして三千万円程度、それから、海外駐在の費用といたしまして、これは三カ国でございますが、二千六百万円、それから、そのほかに麻薬取締官事務所の整備として七千万円。それから、第二番目は、麻薬中毒対策として、国立の収容施設を百床のものを設置したい、これが大体一億二千万円程度の予算が必要になってきます。そのほかに、各府県なり法人で設置される収容ベッドの整備の補助として、百床分、二千五百万円を見込む。それから、そういうものに対する入院措置の費用として、約八千万程度のものを見込んでおります。そのほか、麻薬禍対策推進費等を加えまして、七億円程度の概算でございます。これはまだ確定した数字でないことだけを御了承願いたいと思います。
○説明員(野田章君) 三十八年度の麻薬関係の予算の庁内でまとまりました要求額の概要を申し上げますと、標準予算額で五千四十六万七千円、そのほかに一億五千百十七万円の要求をすることになっております。これらのうち、おもなものは活動旅費、あるいは捜査費でございまして、活動旅費につきましては、標準予算額が三千九百九十二万円、このほかに、現在要求しておりますものが七千九百三十二万円であります。警察の装備費としまして、携帯用の録音機、あるいは望遠レンズ、カメラ、あるいは双眼鏡等のものにつきまして、千二百三十五万六千円を装備のほうから要求するのであります。なお、捜査費につきましては、標準予算で九百九十万円、これに特に七千百万円の増額要求をするということでございます。
○小柳勇君 ことしの予算と現在の定員、警察庁幾らでしょうか、三十七年度予算。
○説明員(野田章君) 三十七年度の予算は五千万円でございます。これを三十八年度予算では、約四倍にふやしたい、二億円あまりにしたい。
○小柳勇君 関係官は大体何人ですか。
○説明員(野田章君) 関係の警察官は現在、専従者と兼務者警察の場合は、麻薬取り締まりに従事する者は、それぞれあらゆる角度からやっておりますから、特に専従者と麻薬を兼務しておる者を合わせますと、約二千人でございます。
○説明員(荻野かく一郎君) 本年度関係の予算については、資料を私持って参りませんでしたので、明確にお答えできないのを残念に思います。それと、私どものほうは、この青少年課というところで、麻薬のほかに、売春、それから青少年犯罪、この三つを総合的にやっておるのでございまして、予算関係につきましても、たとえばこの実態調査旅費と申しましても、麻薬だけというふうに切り離していたすことが困難な状況でございます。幸いちょっと私、三十八年度につきましての概算要求の概要をメモしたのがございますので、簡単に御説明したいと思うのでございますが、第一は、風紀とも関係がございますが、麻薬犯罪の実態調査旅費というものを要求しております。これは昨年は三十万円、ことしはこれを九十一万円ほど増額してもらいたい、これは刑事局ばかりでなしに、最高検察庁、高検などで使う分でございます。そのほかに、新しい考え方といたしまして、麻薬調査票制度というものを実施したいと思います。これは少年事件などにつきましては、すでに昨年九月以来、全国の検察庁に実施いたしまして、事件ごとにこまかいデータを書いたカードを作成いたしまして本省に送らせ、あるいは相互に検察庁と交換する、あるいはまた裁判上の立証資料にする等、活用しておるわけでございますが、麻薬の関係につきましても、被疑者一名について二枚ずつ作成いたしまして、その一枚は検察庁のほうに送らせる。それから、さらに麻薬犯罪が多発しております地区、先ほどちょっと申し上げました東京、横浜、大阪、神戸、福岡、こういうところでは四枚作らせまして、相互に検察庁間で交換させるようにしたい、こういう構想のもとに、ただいま大蔵省のほうへ折衝する準備をしておるわけでございます。この金額はたいしたことはないのでございまして、百四十万ばかりのものでございます。それから、そのほかにもう一つ、これはやはり少年事件、売春事件と関連いたしますが、刑事資料調査室という構想を考えております。これは、この主要な地点にはお医者さんを配置して、中毒症状があるかどうか、麻薬関係ではそういうことを調べたり、あるいは環境調査、こういうことをいたしまして、そして処理をいたしますときにも、常に刑事政策的な観点から処理を進めて参りたいということから、四十二名の増員、それから、環境調査の費用としまして百万円、それから、麻薬中毒者の診断をしたり、それから、鑑定のための写真等、五百万円ほど要求も出ておるわけでございます。
○小柳勇君 答弁の途中ですけれども、私が今質問している趣旨は、あとで麻薬の特別の決議をしたいと思っておりますが、麻薬取り締まりには、専門の知識を持っている人でないと困りますから、そういう人が一体何人くらい日本では動員できるのであろうか、予算がことしはどのくらい使われているか、人をどのくらい増加したらもっと徹底的に取り締まれるか、そういうことを私どもあとで対策を立てたいと考えておりますから、その資料ですから、概算でよろしいのです。
○説明員(荻野かく一郎君) 総額といたしまして、会同等を含めまして、一千二百七十九万円ほどを来年度要求するように今準備を進めております。そのほか、国際会議、それから、在外の研究員の派遣等も考えておるわけでございます。
○説明員(前川憲一君) 今、小柳先生の御質問の御趣旨に沿うような数字を特に用意してきておりませんので、御趣旨はよくわかりましたから、予算の中から麻薬に関連のあるものをピック・アップいたしまして、要領よくまとめたものをすぐ御提出いたしますので、予算のほうは後ほどにさせていただきたいと思います。それから、人の数でございますが、これも麻薬だけやっているというわけじゃございませんが、いずれにいたしましても、水ぎわの線を通って麻薬というものが入ってくる。航空機なり船舶なり、われわれ関税線と申しておりますが、そういうところからウォッチする、あるいはウォッチして、そこに犯罪があれば、これを立件したり検挙したりする、そういうのが一体どれくらいおるかという概算だけちょっと申し上げておきますと、警務関係が約九百名、それから旅具、これは船員とか旅客の携帯品、身の回り品を検査する、これが約百人。それから、そういう者の情報収集をしましたり尾行いたしましたり、あるいは立件いたしましたり、そういうのを審理と申しておりますが、この関係が約三百名、全体で約千三百人おります。これをわれわれは来年度といたしましては、少なくとももう五、六百人、多ければ八百人ふやして、そのウォッチの網の目をより充実したい、かように考えております。概要は後ほど資料を差し上げます。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を始めて。 残余の質疑は午後に譲り、午前中はこの程度にとどめます。午後二時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————・———— 午後二時十五分開会
○委員長(加瀬完君) ただいまより再開いたします。 午前中に引き続いて、麻薬対策に関する件について質疑を続行いたします。
○藤原道子君 資料に基づいてではなく、私は別個の立場から御質問したいのですが、けさほど来、どちらの省の御報告を聞いても、情報集収というか、連携を緊密にしなければならぬということを皆さんおっしゃっていらっしゃる。ところが、現状においてはそれがあまりスムーズにいっていないのじゃないかという感じを深くするのでございますが、これを中央対策本部というようなものを設けて、そこ一本で麻薬対策を強化していくというような構想はあなた方のほうではお持ちになっているのかいないのか、この点をどちらからでもけっこうですから、伺いたい。
○政府委員(牛丸義留君) 取締官庁各相互の連携ということは非常に必要でございますし、また、現在私どもは非常によく行なわれておると思っております。中央におきましてはもちろんのこと、第一線におきましても、密輸の現状に対して、警察と共同し、あるいは税関、海上保安庁等と協力して取り締まりを実施した例も数多くございますし、そういう現実において私どもは緊密な連絡をとってやっているつもりでございますが、さらにそういう点はいかに協調しても協調し過ぎることはない程度に必要なことではないかというふうに考えております。現在は、昭和三十三年から、中央におきまして各省間の連絡会議というものを持って、大体毎月、あるいは時によっては隔月というようなこともございますが、連絡の会議を開いておりまして、そうして、それぞれの省で、そのとき必要なテーマにつきまして意見を述べたり、あるいはその連絡すべき事項をやっておるわけでございます。第一線においても、そういう点について、相協力して麻薬の撲滅をはかるように私どもとしても指導をやっておるわけでございますが、それよりもさらに緊密な、たとえばヒロポンの対策のときに、ヒロポン対策の対策本部というようなものができまして、そうして強力な体制のもとにヒロポンの撲滅をやった例もございますので、そういうふうな一つの機構を作っていくことに対しては、私どもは賛成でございます。
○藤原道子君 今、外地へ現地の情報収集のために派遣されている人、これはどれくらい行っておるのですか。各省とも、外地調査というか、情報収集のためにどれくらいの人員がどこへ派遣されておるのですか。
○説明員(野田章君) 在外公館に派遣になっておりますのは、先ほど申しましたように、香港に一人、それからインドネシアに一人でございます。麻薬とは直接関係ありませんが、警察から海外に情報連絡で行っておりますのは、ほかにパリの大使館に一人、それからローマ大使館に一人、それからユーゴスラビアの大使館に一人、現在、警察庁から外務省に派遣になっておりますのは、ただいま申しましたような数でございます。
○藤原道子君 五人。
○説明員(野田章君) 五人でございます。そのほかに、先ほど申しましたように、ポーランドを含めて、ことし五人の増員計画を立てまして、今、大蔵省、外務省等と折衝にかかろうという状態でございます。で、現在の状態から申しますと、結局、外地へ参りまして一つの事務所を独立に設けて、何人かの自分の部下を使って情報収集をするということまではちょっとむずかしかろう、要するに、在外公館に派遣をして、その派遣員と内地の取り締まり機関とよく連絡をして、こちらの情報をさらに流す。それを在外公館員が現地の、たとえば香港でありますれば香港政庁とか、その他関係出先の政府の取り締まり機関に国内の情報を渡す、そうして向こうから情報をもらうというような形で、在外公館を通して国内資料の交換なり情報の交換をやって、そこからこちらに情報を送ってもらうという形でいくのが今までの形でございます。おそらく当分この形でやっていって、多少派遣先をふやすという線でいくほうがいいのじゃないかと考えております。
○藤原道子君 私は、在外公館に派遣して、そこで活躍をする、それはそれでいいと思うのですけれども、大体、麻薬に対して各省の対策が非常に弱かったと思うのです。人殺し、ほんとうに悪質な人殺しですから、人を殺すなら直接殺すのだけれども、これはじりじり殺していっている。しかも、それによって日本の金が、聞くところによると、七百億くらい海外へ流れているのじゃないか、こういうことです。だんだん若い世代の者がむしばまれていくということになると、どのくらいの予算が要るかしれませんけれども、思い切って各省連絡をして遺憾なきを期してもらっても、やり過ぎになるということは絶対にないと思う。もっと強くやってほしいということを、私は、この際、特に要望しておきたい。 それから、もう一つお伺いしたいと思いますことは、今ヘロインですか、これを使っているのは日本とアメリカだけですか。こういう良質なものを使っているのは。最近は、香港よりも、むしろ日本のほうが中継地になっている。日本に密輸されたものが、さらに日本からアメリカへ送られているというような、密輸の基地になっているというようなことも聞かれされていますが、その実態はどんなものなんですか。
○説明員(野田章君) 今までの警察で検挙をしました事例につきましては、日本が中継基地になってアメリカに流れているという事案は、今まではございません、検挙した事例では。しかし、アメリカの麻薬対策の施設としては、現在、香港、あるいはイタ国、あるいはフィリピン等にアメリカは麻薬の情報官を設置して、日本等とも連絡して、アメリカに流れる麻薬の密輸の防止に努めているということはありますけれども、日本からアメリカへ流れているというのは、今までのところでは私どもは聞いておりません。
○藤原道子君 そこで、お伺いしたいのですが、ほとんどが税関でずいぶんきびしく取り締まっていらっしゃる。ところが、アメリカの軍艦とか、アメリカの飛行機とかというようなものに対しては、日本は手が出ないのですね。それを使ってもしも入ってきた場合には、取り締まるとかする方法はないと私はしろうとなりに考えるのですが、それらに対してはどういう方法を持っていられるか。これは野放しでいっているのじゃないかと思われるのですが、それはどうなんでしょう。
○政府委員(牛丸義留君) 在日のアメリカ駐留軍等の不法所持については、麻薬取り締まり官等もそこにタッチしておるわけでございまして、アメリカの軍人が不法所持しておるとか、あるいは軍人から密売されたというものを検挙した例もございますし、また、私どものそういう活動に対して、アメリカ軍当局からの感謝状ももらっている例もございまして、日本の国内とアメリカ軍に対しては、取り締まりの協力態勢でできるわけでございます。しかし、軍艦その他に対しては、ちょっとこれは私どもの手に及ばないところでありますから、その点はおそらくそういう事例があるかどうか疑問でございますが、一応圏外というふうに考えております。
○藤原道子君 これは私たちも、しっかりした情報を持っているわけではありませんけれども、ときどきそういうことを聞くし、アメリカの軍人が、密売というか、日本に流しているというようなことも、たまたまつかまることがありますね。ということになれば、これは手が及びませんといって、今のような状態では及ばないでしょうけれども、それをどうするかということを突っ込んで協議されていることはあるのですか、アメリカ当局と。飛行機で持ってこようと思えば、幾らでも持ってこられるのですからね。
○政府委員(牛丸義留君) 在日のアメリカ軍との間に、取り締まりのそういう協力の話し合いをしておるわけであります、現実に。そうしてアメリカ軍の駐在地その他に対しても、取締官が活動を行なっているという現状でございます。
○委員長(加瀬完君) これは保安局長もお答えをいただきたいと思います。
○説明員(野田章君) 先ほどお配りしました資料の十九ぺ−ジの(3)に書いてございますが、三十六年中に外国の軍人、外交官の関与する事案の検挙はないわけでございます。しかし、幾つかの情報はもたらされております。横浜で外国軍人が約五百グラムの麻薬を持っているのを検挙したという事例があるということを今、係から聞きましたが、確かに従来検挙した事例では、はなはだまれでありますけれども、そういう飛行機によって、あるいはその他によって携行して入ってくるというケースはあり得ることだと思っております。したがいまして、それぞれの軍のいわゆる検察関係の機関、そういうものと当然連絡をとって、これらの事案の捜査、検挙に努める。同時に、これらから日本側のいわゆる卸元なりに渡るわけです。そういう段階でもやはり捜査をしていく。したがって、税関、あるいはその他に入ってきて、そこから外へ出る、その間の捜査というものもあり得るわけです。われわれといたしましては、税関、その他関係機関とも協力して、そうして外に出て日本側の卸元等に譲渡される場合を、非常に注意して視察、内偵しているということもあるわけでございます。これは当然軍人そのもの、あるいは軍の基地なり、そのものの捜査と、その外側の捜査と一連のチーム・ワークをとって、いろいろの事案の検挙に努めるということに最善を尽くしていく以外にないと、かように考えております。
○藤原道子君 くどいようですけれども、アメリカの軍人が持っていたというような場合には、その出所を追及した場合に、どういうところから入ってきておりますか。
○説明員(野田章君) 香港からです。
○藤原道子君 そうではなくてその軍人が香港から入手してきたのですか。
○説明員(野田章君) そうです。
○藤原道子君 ということになれば、麻薬なんというのは、たまたま好運でつかまっているというような状態なんですが、今のところ。ということになれば、香港だってシンガポールだって、バンコックだってアメリカだって、自由自在な所なんですから、軍の関係で入ってくるから、携帯していることがわからないのですね。だから、これは遠慮がちに連絡しているのだろうと思うのですけれども、とにかく麻薬の殺人的なこのあり方から考えて、強くアメリカとの間を、合同会議ですか、そういう意味でも強く主張して、やはり第三国人の手を取り締まりますと同時に、その方面からも入っておるという可能性がある限りは、そちらの芽もつむような努力をいっそう私は強くやってもらいたいということを要望しておきます。
○政府委員(牛丸義留君) 現在の連絡以上に、私どもも緊密な連絡をとりますし、その点のそごのないようにいたしたいと思います。
○委員長(加瀬完君) 今の問題で、検挙はないそうですけれども、容疑の件数、あるいは容疑の内容等についての御調査がありますか。
○政府委員(牛丸義留君) アメリカの軍用機及び航空母艦を利用した麻薬事件というのは、昭和三十三年に、横浜の私どもの関東信越の麻薬取締官事務所が検挙した例がございますので、それをお答え申し上げたいと思います。 簡単に概略を申し上げますと、三十三年の二月十三日に、極東空軍のジョンソン基地のOSI、これはアメリカの太平洋空軍特別犯罪調査部でございますが、そのOSIからの情報に基づいて捜査を開始して、そして麻薬ヘロインの二十八包、六百八十九グラムを押収した例がございます。これは香港から米軍の軍用機によって搬入してきたという例でございます。それから、また、同年の三月四日、神奈川県の横須賀市の米海軍情報部からの連絡によって、航空母艦のキーアーサージ号が香港を出発して横須賀に入港する。その乗組員のE・A・バイヤード上等准尉という者が、香港の基地から、香港に勤務している看護少佐からのスーツケースを預かっている。それを日本における受取人がいなくなったので、そのスーツケースを海に捨ててくれと、こういう電報を受けたことから不審を抱いて、そのスーツケースをあけて、ヘロイン二千九グラムを発見した。こういう例がございますので、情報だけでなく、現実にアメリカの軍用機並びに航空母艦等を利用した麻薬事件というものはあることを御報告申し上げておきます。
○藤原道子君 非常におそろしいと思うんです、これは。やろうと思えば幾らでもできるんですよ。だから、これはアメリカがたまたま連絡してくれたからわかったようなことなんですね。ですから、こういうことは非常に大きな問題でございますから、もっと強くこれに何らかの方法をやることのできるように、十分検討してもらわなきゃ困る。これは私は、第三国人のほうへだけ目をそらしていても、その方面からら入ってくるのは野放しなんですからね、悪く言えば。これをどう阻止していくかということは頭の痛い問題だろうと思う。痛いからといって、そのままにできませんので、これは強く話し合いを進めてもらわなきゃ困る。 それから、今までのお話で、麻薬の問題は大体わかったわけですけれども、さらに、きょう厚生省の報告によると、中毒患者の問題にも若干触れていられたようですけれども、この間の禁断症状のときでも大騒ぎしましたけれども、さて収容するといえば、収容する場所がないんですね。そして禁断症状が切れれば、みんな出しているんでしょう、地域へ。あれはもう三年くらいたっていても、白いものを見せればだめになるといわれるくらい根強い魅力を持つものだということを聞いているわけです。ところが、日本では、これだけ多くの中毒患者がおりながら、今収容されたのはわずかでしょう。精神衛生法でやっているだけなんです。収容所というのはないんです。これに対して、厚生省は今後どの程度の熱意をもって対策を立てられるか。きょう言われたようなことも、もう少し詳しく御説明願いたい。
○政府委員(牛丸義留君) 現在一番私どももおくれを感じておりますのは、取り締まりの強化の点はさることながら、中毒患者の収容施設がまだ整備されていないという点でございまして、これは昨年から、ようやく麻薬の専門の収容施設というものが、国庫補助の予算措置もできまして、わずかながらそういう緒についたようでございまして、現在、財団法人の復光会の病院、それから神奈川県の県立の麻薬収容施設とかを今年度の予算で作っているという程度でございまして、どうしてもこれは現在の私どもが掌握できる、あるいは行政的に発見できる中毒患者の収容についても、数が不足しているような状況でございますので、来年度においては、さらにそういう点について予算措置をしていきたい。そうして、まあこれは的確な全体の中毒患者数というものはよくわかりませんけれども、私どもとしては、とりあえず収容施設というものは、二千ベッドぐらいはここ二、三年の間に整備していく必要があるのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、そういう点に対して、今のままでいきますと、精神衛生法によって措置入院をしているという点でございますので、麻薬取締法なり、あるいは精神衛生法を改正しまして、その辺の強制入院の措置を、法的な根拠をもう少しはっきりとさせていく必要があるのじゃないか。 それから、先ほど藤原先生のお話にもありましたように、現在の法規では、なおったらそれ以上強制的に入院させておくということもできませんので、少なくとも、ある一定の期間は強制的に入院をさせて、そして治療を完成させるというようなことを考えていく必要があるのではないか。この点については、いろいろと法律上の問題がございますので、現在検討しているわけでございますが、東南アジア等の例を見ますと、六カ月ぐらいを入院の一つの期間というふうに考えられているようでございます。禁断症状は十日前後でなくなるわけでございまして、それからあと、どの程度まで一体やったらいいか。これはまあ医学的ないろいろな問題もございますし、それから、医学上の問題を離れても、精神的な問題もございますから、そういう点を勘案して、少なくとも三カ月ぐらいは病院で治療をするというようなことをまず考えていきたいというふうに考えております。そうすることによって、単に禁断症状をなおしたいというだけじゃなくして、自後の肉体的、精神的な回復を待って、そして退院をする、そして再び中毒の繰り返しをなるべくやめていくというようなことを指導していくべきじゃないかというふうに考えておるわけでございます。で、そういう点につきましては、入院中の問題、その他の問題もございますので、そういう点について、精神衛生法並びに結核の患者等と関連して、国の補助というようなことも考えたらいかがか、ということで、来年度の予算に考えておるわけでございます。
○藤原道子君 東南アジアでも六カ月、それから、どこだか、今ちょっと記憶にないのですが、三年ぐらい島を開放して、島でコロニー的な恢復をはかっている国があるというふうに聞いているのですが、そういうことは御調査ないですか。というくらいなのに、三ヵ月ぐらいでいいとお考えでしょうか。こういう中途半端なやり方では意味をなさない。あの中毒患者というのは、三年ぐらいたっても、意思の弱い人は、粉を見せられれば、もうふらふらと元へ返るのですよ。それがせっかく予算を取っておそまきながら始めるというのに、三カ月では、私は意味ないと思うのです。三カ月と考えられた根拠は何ですか。
○政府委員(牛丸義留君) 前の質問でございますが、三年間というのは医療刑務所的なもので、長期の収容が外国においてはある例もございますけれども、麻薬のいわゆる中毒患者施設としては、そんなに長期なものは私はまだ伺っておりません。それで、三カ月でどうかということでございますが、これはまあ医学的な症状として考えられるのに、プラスどのくらいの期間が必要かということでございますので、私も専門家でありませんので、その点ははっきりとお答えできないわけでございますが、症状をなくして、それから、そのあと立ち直りの時期として、まあいわばアフター・ケアの期間として二カ月程度あればいいじゃないか。それは長いほどけっこうかもしれませんけれども、いろんな経費その他の関係もございますので、できる期間として、最小限として考えれば、二カ月ぐらいが適当じゃないかというくらいのあれでございます。
○藤原道子君 どこへ行っても「経費その他」ということが出るんですね。だけれど、せっかく経費を使ってやって、またそれがもとへ返れば意味ないと思うんですよ。私はしろうとだからとおっしゃるけれども、これだけの期間をきめるには、くろうとと相談されてやられたんだろうと思う。だから、私は、三カ月では無理だし、むしろ予算のむだ使いをする結果になるような気がしてだまらない。なおそうとして、なおりたいと努力をしても、また出て行けば三カ月ぐらいでもとへ返る。だから、アフター・ケアといいましようか、コロニーといいましょうか、そういうところで働かせながら、心身ともに完全に社会復帰ができるというようなことに考えられるということはどうでしょうか。
○政府委員(牛丸義留君) 三カ月というのは、これは私がしろうとで考えたわけじゃなくて、専門家の意見も聞いた一つの期間であります。まあ症状がなくなって、そして三カ月、少なくとも二カ月ぐらいのアフター・ケアの期間を置いたら大体大丈夫だろう。それで、その期間にもう一ぺんそこで健康診断をやりまして、そうして、その個人的な差によって症状がもし回復しないような者は、さらに収容の期間を延ばしていく、そういう措置をとってやっていけばいいんじゃないかというような専門家の意見でございます。
○藤原道子君 厚生省の対策はいつも消極的なんですよ。結核だって、強制命令入所しても、菌が出なくなればもう退院さしている。結核なんかでも、菌が出なくなったって、社会復帰して働けるようにならなければ完全な回復とは言えない。また再発で、しょっちゅう入院している、順ぐり順ぐりに。これはむだなことなんですよ。厚生省はもっとなぜ国民の健康を守っていくんだという立場に立って万全な措置をとられないか。予算が足りないなら、与野党ともに、この麻薬問題だって一生懸命取っ組んでいるんですから、予算をとることにはお互いに協力するじゃありませんか。予算を離れて、これをやれば麻薬は撲滅できるんだ、中毒患者はこうすれば回復することができるんだというところに立って私は考えてもらいたい。どうでしょうか、やっぱり三カ月でやりますか。
○政府委員(牛丸義留君) 私どもの、専門家の意見を聞いた一つの結論でございますので、それをさらに検討しまして、もし不都合な点がありましたら、改めることはひとつも差しつかえないと思います。
○藤原道子君 そこで、入院していても、家族の生活に非常に苦労して、落ちついて治療ができないといようなのがたくさんあるわけです、逃げ出して行ったり。結核とか結核はそこまでいってないけれども、特別の措置として、入院中、禁断症状を断って、回復まで持っていくという過程においては、家族の生活も保障してやる。罪を憎んで人を憎まずですから、これを完全になくしていくということは国としても大切なことなんですから、そこまでのことは考えていませんか。
○政府委員(牛丸義留君) その残された家族の生活問題は、別にまた生活保護法なりその他の問題がございますし、私どもとしては、少なくとも麻薬対策としては、そこまで今日の段階では考えておりません。
○丸茂重貞君 私は、警察と厚生の両方にお伺いしますが、取り締まりの当局のお立場、たいへん御苦労のあるのは十分よくわかります。一番先に御質問申し上げたいのは、このおそろしい麻薬というものを絶滅するのに最も効果的な方法は何かということを簡潔にひとつお伺いいたしたい。今までの御説明にはいろいろたくさんあります。よくわかっていますが、特に血の出るような御経験をされた結果、まず、とにかくこれが一番目前緊急の重大なことだということをひとつ教えていただきたい。
○説明員(野田章君) 先ほども簡単に申し上げましたが、一つは、やはり密輸入をいかに押えるかということ。一つは、その密輸入の段階から、国内でこれを販売、密売する組織、特に暴力団による全国的な密売網ができておりますから、この密売網を作っているものを、これを取り締まっていく。第三点は、いわゆる中毒者の実態を明確に把握して、この中毒者を、先ほど来問題になっておりますように、収容するなり、その他適切な措置によりまして中毒症状をなくす。需要がなくなるわけでありますから、そういう面で中毒者に対する措置とあわせて、中毒者の視察内偵等から、これに近づく販売者、そういうものを押えていく、こういう方法でやってはいかがであろうかと思っております。
○政府委員(牛丸義留君) ただいま保安局長の説明されたのと大体私も同じように考えるわけでございますが、特にわが国の不正麻薬の大半がヘロインである関係からいいましたら、麻薬が外国から入ってこないようにまず防遏する。それから、国内におけるそれの不正の取り扱い者を取り締まっていく。それから、そういうものが使用される素地である麻薬中毒患者というものを絶滅していくという、この三点が結局は麻薬対策の根幹ではないかというふうに考えておるわけであります。
○丸茂重貞君 いただいた資料を拝見しますと、いろいろ麻薬検挙事犯というのが載っております。今最重点施策と思われるものからながめますと、検挙の件数ですから、また実際上むずかしいこともよくわかっておりますが、大体推定二十万といわれる連中の中で、ほぼ六千人の検挙ですから、大体三%ぐらいということですね。で、こういうことは、おそらく検挙には技術的な問題等、たいへんな隘路があることはよくわかると思います。思いますが、その最重点を置かれる場合に、警察庁二千人、厚生省が合わせて二百五十人ですか、大体そんなものだと記憶していますが、この人数をどのくらいふやしたら一体ほぼそれぞれのお立場から満足できるような成果が上げられるような見通しがございましょうか。大ざっぱでけっこうでございます。
○説明員(野田章君) 今お話がありました嗜癖者二十万人といわれておりますが、先ほど約七千人と申しますのは、まは検挙者というよりは、麻薬中毒者で、現在警察が住所氏名等を確認している中毒者の数というものが約七千人、昨年検挙しました人員は二千二百三十件、二千二百九十六人という、非常に少ない数字であります。厚生省の御発表にも、中毒者は約四万人といわれておりますが、われわれのほうの確認している約七千人と、いわゆる四万人との間に相当な開きがあるわけです。つまりそれだけがわれわれのまだ目の中に入ってきていない数字が相当ある。これをいろいろな面から突きとめていって、できるだけはっきりその麻薬中毒者の実態を把握するという作業を現在やっております。で、もう一つの御質問の、どの程度の人員の増強が必要かと申します点は、現在ちょっと明言しかねるところがございますが、私どもとしましては、さしあたり、できれば現在の専従員の数を、これは先ほど専従員と兼務者で約二千人あまり、二千二百人くらいだと思いますが、兼務という線ではなくて、専務者の数をできるだけふやしていきたい。これはできれば、やっぱり今の倍くらいの数にしていきたい。もちろん倍にしたからといって、先ほど申しましたように、七千人の中毒者を四万人まで詰めていく作業が一気にできるとは思いませんけれども、現在の人員を倍くらいにしてはいきたい。しかし、御承知のように、警察の人員も、麻薬以外にも非常に手薄な面が、交通とか、その他たくさんございまして、警察官の増員という問題も、にわかにはむずかしいというところから、現在のところでは、既配置の人員の中から、比較的手が余っているというところはありませんが、何とかひねり出して、そして麻薬専従者というものを多少なりともふやしていこうという努力を事実問題としてやっているという現状でございます。
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締官は、取締官としては全国に百五十人配置されております。それから、各都道府県にそのほかに取締員が百名、先ほどいわれましたように、合計二百五十人、こうなっております。これをどの程度まで増員すれば完璧を期せられるか、これはなかなかむずかしい問題でございますが、御承知のように、麻薬取締官は、警察の取り締まりとまた違いまして、これは麻薬そのものを追っかけておるわけでございますので、私どもとしては、まあいわば少数精鋭主義でいくべき性格のものじゃないかということで、いたずらに数をふやしたら、現在の二倍にしたら二倍に実績がふえるというふうには考えられませんけれども、そういう少数精鋭主義で、現在の八地区の麻薬取締官を、今よりももっと活動しやすいような方向に持っていくには、私どもとしては倍くらいの人間は必要じゃないか。しかし、問題は、それと同時に、活動し得るいろいろな条件ということが必要になってくると思いますが、人員だけからいうと、私どうも非常にこれは大ざっぱな議論かもしれませんけれども、二倍程度の増員があれば、現在の麻薬取締官のそういう特性を生かす意味の活動がもっとできるのではないかというふうに考えておるわけであります。
○丸茂重貞君 これは午前中もお答えがあったので、少しくどいようですが、これが治安当局と厚生省と二またで捜査に当たっておられる。これが正直のところ、御両者の立場から、捜査に支障を来たすとか、そういうふうなことはございませんか。簡単にひとつ。
○説明員(野田章君) 現在のところ、麻薬取締官と警察官との間に、同一の対象を追っているために支障を来たしたという例はほとんどございません。と申しますのは、今お話のありましたように、実際に潜在している犯罪というものが非常に多いわけです。現在、厚生省の係官及び警察官が追っかけていますけれども、全体の中の非常に一部を追っておるわけでありますから、したがって、もしこの両者で同じものを追っているということになれば、警察と厚生省との間に、共助協定なりその他をちゃんと結んでおりまして、そのケース・バイ・ケースで打ち合わせをして、そうして幾らでも次に伸びるわけですから、そういういわば潜在している未開発の地域が無限に存在している。したがって、そういう面で捜査意欲というものをお互いに燃やしながら、それぞれぶつかり合うところは相互に譲り合う基準等もできておりますので、今までのところは、格別支障を来たしておるという事実はほとんどございません。
○政府委員(牛丸義留君) 私どものほうから見ましても、ただいま保安局長が申されましたように、それぞれの方法でやっておりまして、共同でやるということはありましても、いたずらに両方で二元的にやられて非常に不便があるというようなことは今まで一度もないのでございまして、その点の御心配はないかと思います。
○丸茂重貞君 大体、厚生省は、御承知のように、行政当局ですから、その行政当局に所属している麻薬取締官が捜査権を持って動くということは、これは異例な事実でございましょうね。そこで、今、薬務局長のお話にあったように、量より質の問題なんだ、これはよくわかります。ところが、治安当局のほうでは、お互いに今までは支障がなかった、こういうお話なんですが、お配りをいただいた治安当局の資料の中に「医療関係者による麻薬事犯等の実態とその検挙状況」というのがありますね。この二ページの一番下ですが、「反面行政庁による監督が十分でないことがうかがわれる」のだ、こういう表現があるようでございますね。これは今の言葉と直接御関係がなくてもいいんですが、どういう御見解からいわれたことなんでしょうか。
○説明員(野田章君) この医療関係者による麻薬犯罪の検挙状況で、私どものほうが、行政庁による監督なり指導をさらに強化してほしいという要望をいたしましたゆえんは、医者が麻薬を施用する場合には特別な免許が要るわけです。そして、その免許のある医者だけが麻薬を取り扱うわけですが、しかも、その場合でも、中毒者に麻薬を施用するということは許されていない。したがって、その病気の治療上麻薬を使う場合は許されているわけでありますが、それ以外の施用というものは許されていない。そこで、医者に麻薬中毒患者等が来た場合、それを届け出するとか、あるいは医者が麻薬を保管している場合に、かぎのかかった入れものに確実に保管しなければいけないとか、そういうような義務が医者自身にあるわけであります。ところが、そういう義務を、医者とか、あるいは看護婦とか診療所等が守っていない。そのために、あるいは強迫し、あるいは恐喝し、あるいは欺罔するなどして、中毒者が数十件の診療所なり医者から麻薬の施用を受けているというような実情がこの資料に書いてあるわけであります。そういった意味で、医者とか着護婦とか、そういうものを行政指導、監督する府県の衛生部なり、あるいは厚生省御当局において、特に麻薬取扱者の取り扱いの疎漏からくる問題を解決するように、ひとつ行政監督をしてほしい、こういうことを要望したわけでございます。
○丸茂重貞君 これに対する薬務局長の御見解はどうですか。
○政府委員(牛丸義留君) ただいまの保安局長の御説明でもおわかりだと思いますが、これは麻薬取締官なり、取締員と警察との権限の競合ということではなくして、一般的な医療従事者に対する衛生行政と申しますか、そういう面の行政指導の必要性を私はいわれていることだと思いますし、両方の取締員なり、警察との間の権限の競合なり、そういう問題とは少し離れている問題じゃないかというふうに解釈しております。
○丸茂重貞君 これは私の想像ですが、この表現から裏返すと、こういう見解が成り立つかどうか。たとえば行政当局の本来の使命は、監督を十分ならしめるのが本来の使命である。ところが、異例の捜査権を持ったがために、先ほども保安局長が言われたように、非常に対象が多いものだから、それぞれの立場から追っかけても、今は競合している余裕がない。ところが、厚生省のほうにすれば、元来監督の立場にあるべき立場なんだが、捜査権を付与されたために、一生懸命捜査のほうに力を入れ過ぎたために、監督のほうがおろそかになった結果、治安当局からこういう資料になったということも、言って言えないこともないと思われますが、これに対して薬務局長から御説明いただきたいのですが。
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締官のほうは不正麻薬を追っかけているわけでございまして、それから、都道府県の吏員でございます麻薬取締員というものは、麻薬取締法に基づく麻薬施用者の監督をやっているわけでございます。そういう麻薬取締員の活動と行政権の問題は、多少その点の構成は変わっているわけでございます。麻薬施用の免許は都道府県知事がやるわけでございまして、そういう都道府県知事が衛生行政の一環としてやられる一般監督指導というものと麻薬取締員の活動というものとは、私は、一般行政権の問題の中に異例の取締権を付与されたから、そこに何か事務的な支障があるのじゃないかというものとは、多少ニュアンスが違っている問題じゃないかというふうに考えまして、あくまで一般衛生行政の取り締まりをもっとしっかりやれというような保安当局の御意見だというふうに私は解釈しておるわけでございます。
○丸茂重貞君 これは、近い将来、麻薬対策に対して強力な施策を行なう上に重要な問題なんで、重ねてお伺いしますが、大体専門学識を持っている技術者が、今麻薬取締官として捜査権を付与されている。そういう方々は、麻薬に対する専門的な知識は非常に深くて高いが、捜査ということになれば、これはまた特別な立場になりましまう。その辺にもし弱点があるとすれば、今後の統一的な強力対策を立てる上に大きな支障になると思います。これは私の私見でございますが、むしろそういう技術を修得した方々は、一般的な捜査を行なうグループの専門的な指導者としての立場を持つような格好で近い将来の麻薬対策の中に位置づけしたほうがいいかどうか、これは私の私見でございます。この点について、もっとはっきり申し上げますならば、一般の捜査を本職とされる方々にまかせる、しかし、その捜査の土台となる専門的な知識については、専門知識を持った技術者におまかせする、科学技術の捜査、何というのですか、警察にありますね、ああいう格好でいったほうが能率的であるのか、これをちょっと御両所からお教えいただきたいのですが。
○政府委員(牛丸義留君) ただいまの丸茂先生のお話は、いわば犯罪捜査ということからいいますならば、もうまさにそのとおりだと思うわけでございますが、麻薬取締官なり麻薬取締員のやっておりますのは、麻薬の捜査でございますので、もちろんこれは犯罪捜査的な一つの技術も必要であるわけでございますが、長年麻薬取り締まりに従事しているのが麻薬取締官の実態でございますし、その点の御心配は、私はそうお考えになる必要はないと考えております。結局は、いろいろな面において、特別の行政権なり取締権を付与されているものは、たとえば密輸に対しては税関というものがございますし、それから、そのほか、警察から離れた独自の一つの分野に対する独特の取締行政というものはあるわけでございますから、それと同じ意味において、麻薬という特殊なものに対して麻薬取締官という専門家がいるということも、私は一つの行き方じゃないかというふうに考えております。しかし、また、その点について、一般の犯罪捜査、そういうものの知識も必要でございますから、その点は一番基礎となる警察のほうの協力をお願いして、共同して取り締まりに当たっていくということは必要だろうと思います。
○説明員(野田章君) 警察と麻薬取り締まりの専門の麻薬取締官等との関係についての御意見でございますが、私ども麻薬犯罪を警察で捜査している立場から申しますると、麻薬犯罪というものが各種の犯罪と結びついて行なわれているという面が一面ではございます。したがいまして、警察の麻薬専従の捜査員のほかに、防犯、保安、あるいは刑事、各部の捜査員が協力して捜査をしているという実情もございます。したがいまして、警察の面からいいますと、多面的に、傷害の面から、あるいは暴行、脅迫の面から、あるいは窃盗、いろいろな犯罪と麻薬犯罪が結びついておりますので、広い面から、できるだけ広い窓口から麻薬というものに届くという捜査も一面ではやっているわけでございます。しかし、その半面、麻薬につきましては、やはり常習の麻薬密輸入者、あるいは常習の麻薬ブローカー、そういうものもあるわけでございまして、これらに対する継続的、かつ系統的な情報の収集なり、視察内偵というものも、やはり非常に重要な部分になってくると思うのでございます。そういう面で、かりに麻薬取締官なり、その他関係の機関で海外との連絡を持っている主要な人物の視察内偵を継続的に行ない、それらの線からまた協力者を得て、強力な取り締まりの手が打てるということも非常に可能性のあることだと思います。したがいまして、麻薬の捜査というものは、多角的に、多面的にいく面と、非常に中心に最短距離で迫っていく面と、各種各様のものがございまして、それぞれの能力を十分に持っている機関が、また、そういう人員が警察の中にもおりますし、また、麻薬取締官の中にもいる。現在の段階では、それらのあらゆる機関、あらゆる捜査員がお互いに十分な連携、協力態勢をとって、そうして総力をあげてやっていくということが現在行なわれている捜査のあり方だと思います。なお、先ほど来問題になりました、ただ警察としましては、中毒者に関する限り、さいの河原に石を積むような愚をなるべく繰り返したくないという願望を持っているわけでございます。現場で次から次へと犯罪者を検挙いたしまして、これを送致してもすぐに出てくる、あるいはすぐに繰り返すというようなことを何とか食いとめたい、そういう面では、午前中も問題になりました刑罰の問題、あるいは保釈の問題、あるいは収容施設等の問題、そういういわば厚生省御当局に対していろいろ要望しておりますのは、捜査の上の競合の問題ではなくて、捜査以外の面でこれらの麻薬禍の防止の大きなやはり助長行政の手を打ってもらいたいと、こういうことを一面では警察では要望し、それらの助長行政の施策と相待って取り締まりの効果というものが逐次重なっていくと、こういう仕組みにしてほしいという意味で、しばしば厚生省のほうにいろいろな情報を申し上げているわけでございます。
○丸茂重貞君 ただいまの御発言の中の、中毒患者が出た、この中毒患者を一々今の法律では探知できませんから、これも野放しになる。先ほどのお話とつなぎ合わせますと、医療機関で施用した中では、ひどいのは一人の患者が数十軒の医師を回って注射を打たしている、麻薬を打っている、こういうお話があったのですが、いただいた医療関係者による資料の三ぺ−ジの中ですけれども、他人に施用八十六件というのがありますね、この中にはそれが入っていますか。一件としてそれぞれ……。
○説明員(野田章君) ええ。
○丸茂重貞君 そういうことですね。そうした場合に、数十軒にわたって歩くまでに、およそ中毒患者というのは一応野放しになっていたとはいえ、先ほどのあれですと、七千人押えている。それが数十軒回る問に、それを途中で阻止するような手は打てなかったのですか。どうなんですか。
○説明員(野田章君) 結局これらの患者が住所なり氏名を全部偽るわけですね。ですから、私どもで持っております名簿の中にも、はたして写真とか指紋がついているわけでもありませんから、犯罪で検挙したものについては、ある程度はっきりしていますが、本人の申告なり病院の届出等による名簿もあるわけです。したがいまして、数十軒も歩いているわけですから、−非常に注意すれば、医者が本来そういう中毒患者に軽々しく麻薬を施用してはいけないことになっているのですから、連絡をとればわかると思うのですけれども、それが多少事務的に疎漏に流れているという一面もあるのじゃないかと思います。それから、一面では、今言ったように患者が巧みに氏名、住所等を偽装して医者をだますというところから、なかなかつかみにくいという面も出てくるのじゃなかろうかと、かように考えております。
○丸茂重貞君 今のお話ですと、中毒患者が医師のところに行った、不注意であったために施用した事務的に疎漏であったために施用した、こういうことなんですね。中毒患者というのは、あらかじめ医師にわかるような仕組みにしておられるのですか。
○説明員(野田章君) 結局麻薬を打ってもらいたい場合に、腹が非常に痛いんだというようなことでだますと、痛みどめで麻薬を注射をしてやると、数十軒の医者を回り歩く患者ともなれば、そういう手口が非常に巧妙にもなる。そういう面で、多少医者もだまされるし、もっとよく見れば、これは麻薬の中毒患者で、だまして麻薬を打ってもらっているのだいうことが医者にわからないはずがないと思うのですけれども、その辺のところは私もよく詳しくは聞いておりませんが、多少やはり不注意な点があるじゃないか。一面では、患者が上手に医者をだましているという点もある。特にこの中に書いてありますのは、中毒患者であるということを知りながら、だまされたのではなくて、情を通じて、莫大な金品をもらって患者に麻薬を注射していたという例も、参考までに厚生省に送ったわけですが、山形の某料理店の主人が、約四百五十万円の金を三年間に医者に渡し、あるいは電気冷蔵庫とか、あるいは扇風機、そういうものを贈ってみすみす医者をだましておるというふうに情を通じて麻薬を打ってもらっておった、こういうふうな例もある。したがいまして、まあ不注意、あるいはそういう職務意識の欠如、そういうものから医療関係者がやっておるものもある。医者あるいは看護婦自身が中毒患者で、みだりに施用しておる例がある。それらのいろいろな例が重なっておるということを参考までに申し上げたというわけです。
○丸茂重貞君 そうすると、この八十六件は、すべてそういう例だという御説明ですか。全部そういう例なんですね。承知をしながら、金品の贈呈を受けて施用したのですね、この八十六件は。いただいた資料の三ぺ−ジですか、上からいきますと八つ目です。他人に施用したということがあるでしょう。
○説明員(野田章君) 医師が他人施用八十六件ですね、これは不注意の分もあるし、意識的な分もあるこの資料に掲げてありますのは、三十六年及び三十七年上半期中の一年半の間に警察で検挙した医療関係者が、百七十二件、百四十五名、その検挙者の内訳でありますから、取り締まりしたものの中で、八十六件というものは違反であるということになるわけだと思います。
○丸茂重貞君 この八十六件は、全部承知で打ったわけですか。
○説明員(野田章君) 犯意がある、承知であるわけです。
○丸茂重貞君 犯意という専門的な言葉が出てきたのでむずかしくなりましたが、たとえば一人の中毒患者が数十軒のお医者さんを回った。それはおそらく一軒に一回だろうと想像されますがね、そういう頻度ですと。そうした場合にも、これは犯意があるというカテゴリーに入ったのですか。
○説明員(野田章君) 数十軒の医者を回ったという例があとのほうに書いてありますが、当然一件として入っておると思います。
○丸茂重貞君 それはみんな入っておるわけですか。
○説明員(野田章君) 入っております
○丸茂重貞君 それはいずれも犯意があるという格好で片づけた、こういうことですね。
○説明員(野田章君) 違反として検挙しております。
○丸茂重貞君 今の資料の二ぺ−ジの一番上の行ですか、医師の不正施用が大半を占めておるという資料をいただいたのです。ところが、先日の新聞を見ますと、医師の麻薬に対する犯罪がいかにも多いという表現になって出たのですが、この資料がもとであったかどうか、私は知らないけれども、おそらく、この書き方だと、そういうふうに出てもこれはやむを得ない、こういうふうに思われます。ところが、今、治安当局の一番最重点の施策は、何といっても密輸入を押えることなんです。しかも、あとの問題はそれを販売する業者を押えることなんだ、こういうことがおわかりになっておる。しかも、これは別の資料として、「医療関係者による」と、こういう格好で出てきておるわけですが、そうすると、私の一番心配するのは、重点が密輸入とか、あるいはそれを販売するルートにあるということを御存じでありながら、これは失礼でしたらお許しいただきたいのですが、あまりにルートを追っかけていくということはむずかしいし、隘路が多いので、つい、やすきに流れて、赤ん坊の手をねじるように、一回注射したようなものを、それを犯意があると認定して検挙してこういう資料を作ったのではないか。これは言葉が過ぎたらごめん下さいね、そういうふうに解されてもやむを得ない。こういう点についての資料の発表方法等は重大な問題です。これは今後国民が総ぐるみで麻薬というものを追放しなければならない段階に、間違っても医者もその一番の悪の根源なんだということを、世論に与えるような資料は慎重に取り扱っていただきたい。しかも、これを見ますと、一年半の間に百七十二件ですか、内容を聞くと一回注射をした。しかも、今、局長さんのおっしゃる中には、医者が患者さんを見て中毒者であると見破れないわけはないてところが、私も医者なんです。現実にだまされたことが四回くらいある。私は非常に慎重なほうなんですが、それでもだまされる。あとになってほかの医療機関からばれてきて、あいつがそうだったかというのが四回ある。こういう点を考えますと、医者が万能だという考え方は、麻薬については最も禁物です。それはしばしば証明されておりますし、生命まで、あるいは貞操までかけて取ろうとするんですから、こういう点は今後慎重にお扱いいただきたい。 私、最後に申し上げたいことは、もう問題は、密輸入されることと、販売業者をたたくこと、中毒患者を拘禁することの三つに出た以上は、今後の施策はこの方面に重点的にしぼりまして、しかも、医療関係者は、薬局でもどこでもそうですが、扱う薬の量はきまっている、幾ら買って幾ら使った、それを報告しておるわけです。この面からの不正ということは、まあそんなに影響は考えられないというのが常識だと私は思うのです。ですから、こういうことこそは、今専門的な知識を持っている行政当局に全部おまかせして、むしろ治安当局としては、最大原因であるところの今の三つのことに全力をあげていただきたいと思います。あれもやるこれもやるということだから、全部の施策が薄くなって効果が上がらない。言葉が過ぎたらお許しいただきたいが、そういうふうに考えられます。そこで、私は、さっき申し上げたように、厚生当局が監督者として、今の麻薬取り扱い者を一元的にしっかりやっていただきたい。それから、今の専門的な捜査技術を非常に必要とする段階では、ひとつ専門的な警察当局に全力をあげてやっていただく。それがためには、国会は全力をあげて予算を取る。だから、こういう場合の表現には、予算を控え目に出さないで、二億、三億ということをおっしゃらずに、百億、百五十億とおっしゃって、国民のためですから、遠慮されることはない。そういう点で、ぜひまあきちっと区別をつけて、きめた以上は全力をあげてやるという体制を組んでいただきたいと思う。どうも資料をいただいても納得がいかない。この点、政府に対しては、特に今後御注意いただきたい。
○説明員(野田章君) 先ほど密輸あるいは暴力団、あるいは中毒者の問題を申し上げまして、医療関係との関連のお話がございましたが、私どものほうで、先ほど午前中も説明申し上げましたように、主要府県における麻薬問題というのは、医療用麻薬とは全然関係ないヘロインの犯罪です。ヘロインの犯罪につきましては、先ほど申し上げました三つの重点がそのまま当てはまるものと思います。しかし、午前中配付しました資料の二十八、二十九ページのところをちょっとごらんいただきたいと思いますが、中毒原因別で、疾病に起因するものが三六・八%ある。それから、好奇心等によるものが六二・二%ある。つまり、現在の麻薬中毒者のうち、ヘロイン等によるものは大都市に非常に多くて、中小都市、いなかの府県のほうにいけば、ヘロインによる中毒ではなくて、疾病等の治療から、だんだん麻薬というものの中毒症状になってきたというものが非常に多いわけです。この二十八ページの資料にありますように、主要府県とその他の地方の府県と比べますと、主要府県では七九・一%が好奇心とか誘惑によって出ておる。ところが、いなかの府県では七一・七%が疾病の治療に起因して中毒になっている。したがって、その麻薬中毒との戦いということになれば、これはどうしても都会の中毒者というものは、神戸とか、横浜、大阪、そういうところは非合法のヘロインによって中毒になる。したがって、ヘロインに対する警察の取締対策というものは、大都市のいわゆる麻薬密集地帯と称せられるところを、先ほど申しました三つの重点で徹底的にやっていかなければならない。ところが、日本全体の広い府県を見渡すと、その他のいなかの府県では、ヘロインなどからくる中毒でなくて、七一・七%が疾病の治療に関連してきておって、しかも、医療用麻薬による中毒が非常に多い。特に年令別に見ましても、この次のページに書いてございますが、その主要府県のほうは九二・三%の大部分がヘロインの中毒者である。ところが、主要府県以外の府県では、ヘロインによる中毒者はわずか一六・一%しかない。そうして年令も、医療用麻薬を常用する比較的高年令層の中毒者というものがいなかの府県に多いという面からいいまして、われわれは、いわゆるヘロインに対する犯罪の捜査というものを、先ほどの三つの重点でいくと同時に、ヘロイン以外の、医療用麻薬による疾病というものからそのまま治癒するものもあるわけですが、不幸にして中毒になっていく者もある。先ほど申しました六千九百九十一名の中毒者の状況の中にもございますが、これまた治療の効果で、いなかのほうは非常に治癒しているのです。ですから、主要府県、大府県、のヘロイン以外のものでは、また、非常に治癒している者も相当あるわけでございまして、一がいに医者というものを私どもは非難をしたり、あるいはそれを差別待遇するわけではないわけです。しかし、医療機関関係者がこの麻薬中毒というものと戦っていく上に、一面においては悪質なヘロインとの戦いの補助的な役割かもしれませんが、これとこれは競合していない、こっちは大都市、こっちは中都市なりいなかの府県、そういうものの間でお互いにチーム・ワークをとって、お互いにそういう二つの面で応援していこうじゃないかという意味でございまして、決して警察というものが、いたずらに点数のために弱い者いじめ、やさしいところに捜査の手を伸ばしているというような、本心からの御意見じゃないと思いますが、決してそういうわけではないわけでございます。その点を一応了解を得たいと思います。
○山本杉君 関連。薬務局長並びに保安局長にお伺いしたいのですが、先ほど来からいろいろお話を伺っておりまして、大体分析、追及は十分にしていただいているのです。そうして、この委員会がこの問題を取り上げる以上は、何としても麻薬は撲滅しなければならぬと思いますが、今後その方向に向って、今も丸茂委員から、予算の要求があれば幾らも努力するというお話があった。また、さっき藤原委員が、中途半端では困るということを言っていらしたのでございますが、伺いたい点は、私どもも一生懸命いたしますが、必ず日本からこの麻薬禍を撲滅する自信がおありでしょうかということを一言伺っておきたい。
○政府委員(牛丸義留君) これはヒロポンの例もございますし、私どもはできると思いまナ。また、やらなければならぬというふうに考えております。
○説明員(野田章君) 薬務局長の申されたのと同一の趣旨でございまして、あくまでもこの撲滅に最前を尽くして参りたいと存じます。
○村尾重雄君 午前中、高野委員から、麻薬取り締まりの強化の方途の一つとして、罰則強化に関するお尋ねがあったのであります。私、この罰則について関係者の御意見を一つ、二つお伺いしたいと思います。と申し上げるのは、今も昔も、犯罪と、その犯罪に対する刑罰を比べると、犯罪者にとって割が合わないというのが日本の通例なんです。なるほど犯罪に対する刑罰というものは、重いどころか、過酷なぐらいのものが多いとされている。ところが、麻薬の取り締りについては、違反者に対する罰則というものが軽いということが、今日のこの犯罪者の非常にふえている実情から見て、これは事実だと、こう考える。そこで、厚生省から、これは二、三日前にいただいたものですが、きょうちょっと目を通したのですが、たとえば送検して、裁判所において処分を受けて確定した受役者は、三十六年度九百九十八名に対しての懲役年月の合計が千百七十一年三カ月となっております。また、罰金のものが九十七名で、その罰金総額が百五十九万八千幾ら、また懲役罰金というものがありますが、時間がかかるので省きますが、この表だけ見ても、たとえば九百九十八人に対する懲役年数を簡単に割りますと、一人一年二カ月にすぎない。また、特にひどいのは罰金刑なんですが、これも簡単に割りますと、合っているかどうかお調べ願いたいのですが、一人について一万六千五百円程度にしか罰金がかかってこないという計算になるのです。私は、その懲役が重い軽いは、一年二カ月というものがどうかということは触れませんが、しかし、特に罰金の問題なんです。御承知のように、この麻薬の関係者がどれほどの巨利を占めているかということ、もちろん上下の格差がはなはだしいということは事実ですが、どれほど麻薬の違反行為によって利益を得ているかということを、いろいろと人に聞き、調べたり、また、自分でそれを知った場合にその中心人物といいますか、違反者の行為に対して憤激を感ずる。そういう点から考えて、現行の、たとえば五十万円の罰金刑というか、あるいは懲役においても、しかも、常習者であり、再犯者であり、これがせいぜい十年以下の懲役が最高だということについては、いかに罰則が軽いかということを痛切に感じるのです。こういう点で、麻薬課長の先日当委員会でお話のあったときに、罰金刑に対しては、現在の五十万円をば、百万円単位とか、あるいは一千万円単位に罰金刑を引き上げたいという御意向があったと聞きました。私は、ほかの一般法の罰則とどういう関係になるか知りませんが、一千万円単位でもこれは低過ぎると思うのです。これはひとつ十分お考え願って、いわゆる億単位までこれは引き上げるべきだと思うのです。と申し上げるのは、これによって、巨利を得ている中心人物というものは、何億、何十億という利益を得ているということは、これは確かな問題だと思うのです。こういうふうな点で、午前中、無期懲役というようなお話もございましたが、こうした懲役についての意見はまず抜いて、特に私は、時間がないので、関係者に御意見をお伺いしたいと思いますが、罰金刑の軽いということについてどういうお考えを持っておられるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(荻野かく一郎君) 午前中にもちょっと罰則の強化の点について、法務省が、ただいま大幅に画期的に引き上げる方針のもとに検討しておるというふうにお答え申し上げたのでございますが、罰金刑につきましても同様に考えております。
○村尾重雄君 この罰則強化については、関係者は取り締まりの強化のために、違反を撲滅するためにこれは必要だということは御承知のとおりでありますから、それはお答え願わなくてもよろしゅうございます。
○委員長(加瀬完君) どなたかお答えになりませんか。 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記始めて。 —————————————
○委員長(加瀬完君) 高野委員より発言を求められておりますので、これを許します。
○高野一夫君 私は、この際、各党各会派共同提案にかかる麻薬対策に関する決議案を提出いたしたいと思います。 案文を朗読いたします。 麻薬対策に関する決議案 麻薬悪用の徹底的撲滅を期する為左 の事項に就て政府は速かに対策を講 ぜられむ事を要望する。 一、麻薬悪用者に対しては、厳罰主 義をとること。 一、現行麻薬取締法を改正して、麻 薬悪用に対する刑罰を強化し、麻 薬中毒患者を強制収容して治療す る道を講ずること。 一、麻薬取締官を大幅に増員するこ と。 一、密輸入防止の為政府各機関の連 絡並びに国際的連絡を一層緊密に し、その摘発に粗漏なからしむる よう努めること。 一、政府は、麻薬悪用の怖るべき事 実を国民に周知徹底せしめ、且つ 麻薬対策に要する予算の増額を計 ること。 一、政府は、麻薬対策の一元化を計 るため麻薬対策中央本部を設置 し、特に右の対策を強力に推進せ しめるよう講ずること。 以上であります。
○委員長(加瀬完君) ただいま高野委員より提出されました決議案を議題といたします。高野委員提出決議案を本委員会の決議とすることに御賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加瀬完君) 全会一致と認めます。よって、高野委員提出の決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 この際、西村厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(西村英一君) ただいま当委員会におきまして、麻薬対策に関する決議をいただきましたが、それに対しまして政府の所信を一言申し述べたいと思います。 今までも、厚生省といたしましては、麻薬対策につきましては、非常に力をいたしたつもりではございまするが、最近の検挙の状態その他を見まして、必ずしも私たちの目的を達しておらないのは、はなはだ皆さま方に対して申しわけない次第でございます。私が申すまでもなく、麻薬は、これは民族の消長にかかる重大問題でありますので、この点にかんがみまして、当委員会の委員の方々も、各党各派を通じましてこの強い決議になったと、私はかように思うのでございます。われわれといたしましては、今後この決議の趣旨に沿いまして力を尽くしたいと思う次第でございますので、皆さま方の御協力を今後もお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(加瀬完君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十七分散会 ————・————