社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/21
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会をいたします。 社会保障制度に関する調査を議題といたします。 まず、厚生大臣より、厚生行政の基本方針についての所信を聴取いたします。
○国務大臣(西村英一君) 私は、今般の内閣改造に当たり、厚生大臣に任ぜられましたが、その重責を果たすよう鋭意努力して参りたい所存でありますので、厚生行政に特に御造詣の深い各位の格別の御協力、御支援をお願いする次第であります。 この機会に、厚生省所管行政に関しまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。 社会保障制度の充実強化は、国民の生活安定と福祉の向上を期する上におきまして不可欠なことは、あらためて申すまでもありませんが、中でも厚生行政は、国民の日常生活に密接した諸問題を担当し、社会保障施策の中枢として、今日きわめて重要な役割をになっております。 歴代内閣も、厚生行政の進展につきましては、特に意を用い、逐年整備充実を重ね、国民皆保険及び国民皆年金体制の達成を初めとして、社会福祉制度等についても一応の基礎づけをみるに至っているのでありますが、厚生行政がさらに国民生活に浸透し、その要請にこたえていくためには、なお今後とも一段の改善を要する事項が多いのであります。 近年、国民経済の成長は著しいものがあるのでありますが、一般生活水準向上の陰に取り残される者がないよう、低所得者対策の強化を中心に、所得格差の是正をはかるほか、厚生行政各般の施策にわたってその内容の充実強化をはかることがきわめて重要な課題と考えているのであります。近く社会保障制度審議会より「社会保障制度の総合調整に関する基本方策」の諮問につき答申がなされる由聞き及んでおりますが、答申がなされれば、その御趣旨等も十分尊重いたしまして、厚生行政が的確な長期的視野のもと、着実な前進を遂げていくよう全力を傾け、国民各位の期待にこたえて参りたい所存であります。 なお、厚生行政については、各位も御承知のとおり、当面解決を要すべき問題も多いのでありますが、これらの問題解決のためには、各位の理解ある御協力が心から望まれるのであります。今後とも各位の強い御協力を衷心よりお願い申し上げるものであります。
○委員長(加瀬完君) 本調査事件に関して質疑の通告がございますので、順次御発言を願います。 その前に、ただいま厚生省関係の政府委員の御出席の方は、官房長、厚生省公衆衛生局長、医務局長、薬務局長、社会局長、年金局長、社会保険庁長官、厚生省児童局長、以上でございます。
○藤田藤太郎君 私は、厚生大臣に、今後厚生行政を積極的に進めていただくということになりまして、どうぞひとつがんばってやっていただきたいと冒頭にお願いをしたいわけでございます。 大臣も、厚生大臣として厚生行政を担当される前から、この所信にも片りんが出ておりますけれども、経済の進みと、それから低所得者や社会保障が、いかに経済自身にとって重要な役割を持つかということが所信の中にも少し述べられているように、今の日本の社会保障制度というのはほんとに力を入れて、生産がこれだけ伸びる、経済がこれだけ伸びると言われるのでありますから、これに応じて低所得者、低生活水準の方々をどうして引き上げていくかという問題については、私はほんとにがんばっていただきたいと思うわけでございます。 そこで、この所信を承って、ずっとお話になったんですが、どうも最後には、社会保障制度審議会の社会保障制度の総合調整に関する答申が出るから、これを見てやるということに締めくくりがあるようでございます。私は、厚生行政、社会保障というものは、そういうものでなしに、政府自身が今日までおやりになってきた中で、大臣自身が、たとえば社会保障をどうやっていくんだという、もう少し具体的な所信の表明がしていただきたかったと思うのであります。しかし、まあ就任日が残いので、いろいろの面で大臣自身も具体的にお話ができなかったのではないかと、この点は私も感じているわけでありますけれども、今の日本の経済にとって、社会保障ほど大事なものはない。その根本は、慈善や恩恵というような格好でやるのではなしに、ほんとうに社会が国民全体の生活を保障していく、それが経済繁栄の道なんだ、こういう格好の強い打ち出し方を大臣がされてもいいんではないか、こういう工合に私は思うのですが、その点はどうお考えになっているか、お聞かせを願いたいと思う。
○国務大臣(西村英一君) 御意見はよくわかりますが、やはり福祉国家を建設する、ことに経済の成長があって、そうしてそれによって基本が作られなけりゃならぬ。今その間に低所得の方があるし、非常に気の毒な方ができる。しかし、それはその両面がやはりうまく調和がとれていかなけりゃいかぬ、私はこう思われるので、まあ一方的な言い方をしますれば、いかに経済が成長しても、そういう貧しい気の毒な方が多く見えておったんでは、これは全然われわれの希望する福祉国家ということが成り立ったとは私は思いませんので、これはやっぱりどうしてもそういう方については、こういうような経済の成長の時期は、特に取り残されるものが多いのでございまするから、貧困の方、低所得の方には、これは非常な力を注がなきゃいかぬと、そのように考えておる、はなはだ抽象的でございますが……。
○藤田藤太郎君 御存じのように、今の世界をながめてみて、今の欧州、アメリカを含めて、先進国といわれているところの経済状態はどうか。むしろ生産と消費のバランス、むしろ人権尊重の面から国民の生活を引き上げるという社会保障が柱になっておりますけれども、こういうところに経済政策の中心が置かれて、そして、そういう面からのコストの問題ですね、調整、そういう工合が経済の今の動きの中にある。ところが、日本はどうかというと、自由主義、自由経済で、過剰の生産と資金面の負担という面から国民の生活を犠牲にして、そういう面から今日の景気下降の状態がある。全くもって世界一の憲法を作っている日本と、そういう憲法のない国でも、国民生活の向上する中で経済の生産と消費のバランスをとって、近代社会、近代国家を発展さしていくという西欧圏、いわゆる各国と日本の姿勢を見てみたならば、ちょっと違うところがある。そういう面から考えてみて、今、経済の進みとバランスがとれなければいかぬといわれますけれども、大ざっぱにいって、外国のようなバランスのある経済までいこうと思えば、日本の生産経済の中で、日本の生産購買力を三割、四割、もっと上げなければ、むしろ生産と消費のバランスがとれないというのが日本の現状なんじゃないかと思っている。そういう状態において、まだまだ抽象的な、経済の進みとバランスをとりながらとおっしゃるけれども、バランスの基本というものをどこに置いておられるか。これは経済論議に入りますが、これはどう考えておられるか。
○国務大臣(西村英一君) そういう面からいたしますれば、まあ日本の経済が伸びる割合に、非常に社会保障制度が取り残されておる、おくれておる。西欧諸国のその方面の発達したところと日本とを比べまして、それは確かに非常におくれておるわけであります。これは御承知のように、日本の社会制度というものが、先進国に比べて、制度そのものが非常におくれて発達したのであります。これをどんどん伸ばしていかなければいかぬ。そういう経済成長のために、貧乏人の犠牲の上に築かれていかに経済が成長されたって、それは私は満足なものではない。しかし、制度として社会保障制度を進めていくという、その制度そのものが日本ではおくれていると私は認めるのでありまして、それはどうしてもやはり進めなければならぬ、かように考えておるわけでございます。 はなはだ抽象的なことになりまするが、特にそういう気持がありましても、制度そのものがおくれているんだから、これから特にやらなければいかぬ、かように考えておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 だから今の世界の現状を見て、日本は、社会保障制度や、国民人権尊重とか生活水準が、経済の今日の進みとバランスをとって、おくれておるから社会保障制度を進めなければいかぬのだ、一生懸命やりたい、こうおっしゃるなら、私は、そんならしっかりやって下さい、こういうわけでありますけれども、何も経済の進みとおのずからバランスがある云々ということになると、そういう御意見があるとすれば、何を基本にしてそれじゃ今のような状態をバランスとしておるかということを私は聞きたくなるわけです。だから、まあ私は後段の決意だけを聞いて、そうしてこれ以上私は進めませんけれども、とにかく具体的な問題については、大臣就任早々すでから、私はあまり追及いたしませんけれども、しかし、私は考えていただかなければならぬことは、今の世界の経済の面から見て、景気変動というものの大きな波の中で国民が苦しんでいるというようなところは、おそらく西欧圏といわれている国の中にはないわけであります。みな努力をしてこの幅を縮めて、そうして生産と消費のバランスをとりながらどんどん国民生活を守っていくというところに政治の中心が置かれておりますから、むしろどうしてバランスをとりながらそれをしようかという段階に入っておるのだ、日本は大いに違うわけです。景気変動の中で、ほんとうにざっくばらんにいって、国民だけ犠牲になっている。これ以外に何ものもないと私は極論すれば言えると思う。まあ経済が伸びたといわれますから、経済が伸びたら、そのバランスをとって、なぜ国の全体の繁栄の道を開いてもらえないか。こういう状態に置いて、私は、貿易の面でも、ガットの三十五条を取れとか、早く削除してもらいたいとかいってみたって、これは私は非常に無理だと思う。だから、むしろガットの三十五条の援用を削除してくれというなら——われわれもしてもらいたいという気持ですけれども、それには基本的なわれわれの国の政治の姿勢を変えていく、その中心は私は社会保障の向上だと、そう思うのです。大臣、所見はどうでございますか。
○国務大臣(西村英一君) まあ同じことを申し上げるようになりまするが、社会保障制度がおくれておりますので、私といたしましては、もう全力をあげてそのほうに力をいたしたい。また、制度等につきましても、一がいに社会保障制度といいましても、非常にまあ形式だけはすべてに整ったようになっておりまするが、全般において実がない。したがいまして、先般の社会保障制度審議会にもいろいろ——その答申を待って云々ということも所信表明の中にもうたってありまするが、やはり何といいますか、調整期にきたといいますか、ここで一つの曲り角にきたのだから、大いに力を尽くさなければならぬ。制度そのもの等につきましては、一応の形はでき上がっておるけれども、内容的に非常に貧弱だ。したがいまして、それを肉づけをしていきたい。それには皆さん方の御協力を得まして、また、私としまして、かたい決意を持ってやっていきたい、かように私は考えておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 まあ社会保障制度を向上していくということについては、私たちは、この委員会は、むしろ協力一致して大臣を助けていくという、私はそういう考えです。それで私はやっていいと思う。ところが、得てして途中でとまってしまうわけです。ですから、大臣も、来年度の予算編成期に今あるわけですから、大いにひとつがんばってもらわなければいかぬと私は思う。具体的な問題はいずれあとから御意見が出ると思いますから、私は触れませんけれども、社会保障の柱である医療制度の問題、年金の所得保障の問題、いろいろと私はこまかしい問題が具体的にあると思うのです。ですから、その点については大いにひとつ大臣にがんばってやっていただきたい。来年度の予算には、大筋としてどういうものを中心にそれじゃ厚生行政、社会保障を進めていくかという決意がありましたらお聞きしておきたいと私は思う。
○国務大臣(西村英一君) ちょうど八月は、御承知のように、予算の概算を大蔵省に出す時期になっておりまして、せっかく今いろいろ検討中でありますので、まだ煮詰めたところまで、このものに重点を置くというようなことを申し上げられないのであります。しかし、こう通覧して厚生行政を見ますと、あれもこれもやりたいということばかりでありまして、これだけを重点的にやったらというようなものが、もうなかなか柱がたくさんあるのでありまして、したがいまして、これだけを中心にやるんだと、一がいにそう言えないのでありまして、もう柱が非常にたくさんある。あれもやりたい、これもやりたい、つまり非常におくれておるというように見受けられますので、今せっかく検討いたしておる最中でございます。
○藤田藤太郎君 大いに大臣、気ばってがんばってもらうということにして、私は一般的な質問はこの次に譲ります。 しかし、私が先ほどから申し上げておることを大臣にお願いをしておきたいのですけれども、今から予算編成期に入るわけです。われわれこの委員会はいつでも開いて、いろいろな問題を、こういう問題はどうやろうと言われれば協力するかまえにあるわけです、これから休会になりましても。だから私は、やはり堂々とひとつ社会保障の問題を進めていただきたい。 それから、どうも所信表明々見ておりますと、ただ答申尊重云々といわれた格好で、しまいには社会保障制度の審議会の答申が出るから、これを見てといった、まるで厚生行政の全体のことを——そういうお気持はないと思いますけれども、そういうところに実をちょっと置いてやろうというようなかまえのように、この所信表明を見ますと受け取れるわけであります。しかし、これは諮問機関なんで、大いに尊重してもらわなければいけませんけれども、厚生行政として、それから、また大臣として、社会保障を今の経済の中で、世界の国を見たって、これこれは力を入れてこうやってきたけれども、これこれは足らないからこういう工合にやっていくのだ、社会保障制度審議会もこういう答申を出してくれそうだ、それに応援を得て、なお力を入れてやりたいのだというくらいの、ひとつ前を向いて進んでいくのだというかまえを私は出していただきたかったと思うわけであります。だから、どうぞ大臣、ひとついずれこの次にいろいろ問題をお尋ねするとして、がんばってやっていただきたい、これをお願いしておきます。
○国務大臣(西村英一君) いろいろ御激励の言葉をいただきまして、私も今具体的にどうこうということが言えませんが、確かに手をつけなければならぬ仕事が非常に多いと、かように考えておりますので、まあ私の力の及ぶ限りやってみたいと思います。
○小柳勇君 私も、大臣のただいまの所信表明に対して、一、二決意を聞いておきたいと思うのです。 率直にいいまして、今まで大臣の所信表明を何回か聞いて参りましたが、一番抽象的でありまして、われわれに大臣が何をやろうとしておられるかということがちっともわからぬのです。今までの大臣の所信表明の中には、ばく然とした中にも、このことだけは自分がやりたいのだという決意がありました。それが非常にばく然として、ないのですが、厚生省の各局のかまえも悪いと思うのです。これは大臣まだなれないのですから、大庭がこれをお書きになったとは私思いません。厚生省全体のかまえがそういうことであっては、一体この予算編成期にどのような予算を作ろうとされておるかすら疑うわけです。一体この所信表明の中でどこが一番ポイントであるか、大臣から決意を聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(西村英一君) 実は仰せのとおり、これは役人が書きましたものをやったのであります。しかし、その間に、特にやはり現在いろいろ厚生行政が曲り角にきておるから、これはずいぶん前に社会保障制度審議会に諮問をいたして、まあ専門の方に意見を聞いて、それでやろうということでそういうことになっておりますけれども、最後に、非常に厚生省としては当面解決すべき問題が多いから、ここでひとつこの問題解決のために努力しなければならぬということを、私たちは実際これは入れてもらわなければ困るということで入れたのであります。あと具体的な問題は非常にたくさんありますので、あるいは御指摘のように、どこが重点かわからないじゃないか、こういうおしかりを受けますが、最後の、当面解決を要する問題が山積しておる、こういうことだけは私は感じ取りまして入れたような次第でございます。正直なところ、そういうようなことでございますが、どうぞ御了承願います。
○小柳勇君 大臣は、社会保障制度審議会の答申に非常に期待をして、これを中心に厚生行政をやろうというお考えがあるようでありますが、あの答申については、私ども相当問題を持っております、まだ結論を申し上げる機会でございませんけれども。したがって、大臣があれにたよって厚生行政をやろうとされると、私どもは、またこれは重大な決意を持って臨まなければならぬのでありますが、大蔵省すらが、今度はもう所得がこれだけどんどんよくなってきたんだから、減税よりも、むしろ社会保障のほうに金を回していこう、そうして国民の格差をなくしようというかまえで今予算を検討し始めております。あなた御存じのとおりです。そして、その大蔵省が言っておるのは、労働省や厚生省の予算が出たら、これを検討して、社会保障のほうにもっと今度金を持っていかなければならぬとかまえておる。そういうときに、大臣のようなそういうふうなかまえでは、おそらく大蔵省は、もう厚生省の予算は削ってしまおうじゃないかと言う心配があるわけです。したがって、私は、この所信表明に現われた、役人どもが悪いなら役人どもをもう一ぺんきちっと整列さして気合いを入れなければ、このかまえでは、われわれがこの社会労働委員会でやろうとする抱負なり希望なりというものが、ほとんどこの予算に入らぬのじゃないかという気がするのです。 そこで、もう一つ私は大臣の決意を聞きたいのですが、社会保障というのは、一体、所得がふえたから、そのふえた余りで貧乏人に恵んでやるのか、あるいは憲法二十五条で、国民すべてが健康で文化的な生活を保証されているのですから、その憲法の精神によって——所得は、それは去年よりもふえないかもしれない、ふえようがふえまいが、社会保障のほうは、逐次うんと飛躍的に前進させなければならぬというかまえでおられるのか、大臣は一体どちらの道を選ぼうとしておられるのか、決意を聞いておきたい。
○国務大臣(西村英一君) 貧しい者は富める者のためにあるわけじゃございません。したがって、やはり恵んでやるからというような気持は私は持っておりません。十分憲法の規定にあるような思想で考えなければならぬ、決して恵んでやるのだ、慈善事業だと、そういうふうに社会保障制度を考えておるものではございません。
○小柳勇君 まだ大臣の決心についてもう少し確かめたいのでありますが、まだ就任間もないので、一つ二つ大きな問題だけ聞いておきたいと思うのですが、一つは、日本の医療制度について、これは長い懸案事項です。大臣も、二人も三人もこの医療制度については相当苦心してこられましたけれども、今一体どのような御決心で厚生大臣をお引き受けになったのか、これからどういうふうな決心でこの医療制度の前進のために働いていかれようとしておられるのか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 医療制度の問題につきまして、もちろん私も今まで議員といたしまして、専門にやったわけじゃございませんけれども、新聞及び委員会等で拝見いたしまして、非常にこれはまずい状況になったと思っておりました。大臣に就任いたしましてから、まずやはり取り上げなければならぬのがこの問題でございます。実はこの問題は、私、大臣としていろいろ役人の方から聞きますると、聞けば聞くほど複雑な状況になっておるのが現実の姿でございます。それで、厚生大臣が、たとえば中央医療協議会等も、法律ができましても開かれない、開かれないからこれをいろいろ非難をされる、そういうことですが、これを開くには、御承知のとおり、医師会側、支払者側の団体が、今までいろいろな経過をたどりましてこういうふうな状況になって開かれないのでありまして、したがいまして、これを解くにはどの筋から解いていくかということを非常に今苦心をいたしておるのでございます。したがいまして、さしあたりの問題もありまして、今こういう気持をもってこれを解きほぐすんだといいましても、一口になかなか言えないのでございます。したがいまして、十分小柳さんも御了承できると私は思うのです。
○小柳勇君 厚生大臣、ですから私どもが考えている以上の決心をしてお引き受けになったと思うんだけれども、歴代の厚生大臣が非常に苦心をして、これが前進のために努力してこられておる。したがって、大臣におなりになるときは、第一に医療問題をどういうふうに解決しようかという抱負があると思うのですが、その抱負だけでもいいからお聞かせ願いたいと思う。
○国務大臣(西村英一君) それは満足に医療制度を持っていかなければ、それは絶対に困ると思いましたから、その具体的な抱負というか、それは絶対に国民の生命をあずかることで、こういうような闘争がいつまでも続けられてはいかぬ、これは解決しなければならぬ。その解決の方法、手段というものがいろいろ今までのいきさつであるのであります。したがいまして、一言で、ここでこういう方法を持てば快刀乱麻を断つようにできるんだというような、こういうような方法は今私はないと言っておるのでございます。これはやはり私は、それですから、この利害関係者、医師会側あるいは支払者側が対立しているんだが、相互に理解を深められないか、いろいろ省内で聞き、また、私が今まで感知感得したところによりますと、やはり医師会側も支払者側も、おのおのの立場を堅持して、あまり会ってもおらない、話し合いもしておらないというようなことを非常に感じられるのでございます。そういうような相互理解に立たなければやはりいかぬのじゃないか。それでそういう接近の方法をとりたいということで、いろいろ私も話を進めておるのでございます。したがいまして、今このトラブルを解決する名刀がないか、こういうことについてはこうだということのお答えはできないということでありまして、一日も早くこれを軌道に乗せたい。ところが、軌道に乗せるためにはいろいろないきさつがある。それで、なかなかその糸口を今どこに見つけるかということに苦心をいたしておるのでございまするから、これはあまりだらだらやるわけにもいきませんが、もうしばらく日にちをかしていただかないと、ここでこうするんだということを申し上げられませんし、また、厚生大臣に就任したときも、この手でやるんだというようなことは考えられましたが、とにかくこれは国といたしましては重要な問題であるから、これを軌道に何とかして乗せなければならぬ。しかし、さぞかし今までの歴代の大臣が苦しんできたことでありますから、非常にこれは特別な手が要るだろうということは感じておったわけであります。はなはだ御満足な返事にならないかもしれませんが、そういうような気持でございます。
○小柳勇君 医療制度の前進のために、ひとつ一生懸命御努力願いたいと思うのです。われわれも委員として、責任を持ってこれの解決のために努力していく決心でおりますから、歴代の大臣があまり芳しくない結果に終わっておりますから、ひとつ最大の努力を要請したいと思います。 次の問題は、今、大蔵省も言っている問題ですが、一千万人の国民の底上げをしなければ、国民の所得格差の解消はなかなか困難である。したがって、一番大事なことは低所得階層の生活をもっと引き上げることである。その中で、第一に考えるのは生活保護基準の引き上げである、次は失業対策事業をどうするかということである、こういうことを言っておるわけです。失業対策事業については労働省所管でありますが、生活保護基準の引き上げと、日雇い賃金の引き上げというのが、毎年の予算の審議のとき、論議のときに天びんにかかりまして、厚生省と労働省が、あるときには励まし合い、あるときには足を引っ張り合いしながら、これの引き上げに努力しているんですが、国民生活の所得格差をなくするという第一の仕事が生活保護者の生活の引き上げであるとするならば、厚生大臣としては、この生活基準の引き上げに相当の力を尽くしていただきたいと思うのですが、今御就任の決意として、ことしは一体どのくらい生活保護の基準を引き上げる御決心であるか、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 生活保護者——まことに気の毒な方々でありまして、われわれはできるだけのことをしなければならないのでありますが、昨年の補正予算でしたか、五%とか、ことしまた予算で改定をみたわけでありますが、しかし、今後の物価等の推移等も考えまして、せっかく力を尽くしたい、かように考えておる次第でございます。
○小柳勇君 具体的にはまた担当の局長からお伺いいたしますが、大臣の御決心をこの際聞いておきませんと、今臨時国会では再三再四お聞きできませんし、八月中くらいに予算の構想がきまりますから聞くのでございますが、決して就任されたばかりの大臣をいじめるわけではございませんから、ひとつ善意にとっていただきたいと思います。 それに関連いたしまして、生活保護あるいは保護の施設、そういうような国民の下層階級、低所得階層、そういうところの人々の生活を守るのは、大部分が厚生省なんですね。その厚生大臣の御決意いかんによって、そういう人々の生活が日の目を見るか見ないかというせとぎわにあるわけです。したがって、これからの大臣の行政の中では、大部分がそういう人々の生活を守ることに注がれるのではないかと思うのでありますが、もう一度大臣の御決心を、くどいようでありますが、御決心を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 現在の生活保護者を守ることはもちろんでございますし、また、生活保護者でなくとも、いわゆる低所得の方々、相当に苦しい生活をしておる方々がたくさんあることも十分承知いたしております。それで、また厚生省というわれわれの任務は、そういう方々に対しまして十分なことをしてやるというのが、一言で言いますと、私たちの任務でございますので、はなはだ微力でございまするが、できるだけの力を尽くしたい。しかも、ちょうど予算期にもなっておりますので、十分その辺は考えて努力いたすつもりでございます。
○小柳勇君 大臣に対してはもう最後でございますけれども、もうひとつ割合に具体的な面から御決心を聞いておきたいと思うのでございますが、国民年金ができまして、国民皆年金の方向に日本が動いておるわけでございますが、国民年金自体についても、まだ相当の不満が国民の中にあります。その問題はまたあとで質問いたしますけれども、老齢福祉年金あるいは母子年金、障害年金というのができました。私どもとしては国民年金全部の前進は非常に時間がかかりましょうが、せめて無拠出の老齢福祉年金あるいは母子年金、障害年金だけでももう少し前進して、低所得階層なりあるいは生活貧困の方たちの、特に老人あるいは未亡人あるいは障害者の生活が安心できるように、そういうのが私たちの大きな政策です。この老齢福祉年金、母子年金、障害年金に対しまして、大臣はどのような御見解でこれからの施策を立てていかれるのか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 御指摘のように、国民年金制度は非常に多くの問題があるわけでございます。これは制度が新しいので、あまり実施もしないのに、昨年もいろいろな改正をやった、また、今後もいろいろ問題があろうかと思うのであります。それで、なかんずく、そのうちの福祉年金のことにつきましては、先般、年金制度調査会からも、これは私の前に諮問をいたしておったとみえまして、答申が参りました。その答申にも、今御指摘のような福祉年金については、十分考慮しなければならぬということを申し述べておるわけでございまして、私といたしましても、その趣旨を汲みまして、せっかく今案を作りつつあるわけでございまして、何らか期待に沿いたいと、かように考えておる次第でございます。
○小柳勇君 大臣の所信表明については質問を終わりまして、次に、部分的に各局長に質問をいたしますが、年金の問題が出ましたので、年金局長に質問いたします。 今、大臣の答弁にもありましたように、福祉老齢年金については、国全体の施策として、もっと前進しなければならぬ。公務員なり準公務員に比べまして、中小企業や農村の老人の生活というものは、あまりにも隔たっておりますので、われわれとしては老齢福祉年金をもっと前進させることに全力を傾注していきたいと思っているのでありますが、七十才から千円ということが今の年金の実態であります。まあ日本の国民の平均寿命は一体幾らになっておりましょうか。
○政府委員(山本正淑君) 平均寿命は、現在では男が大体六十五才、女が六十九・五才、かようになっております。平均存命と関連いたしまして申し上げておきますと、男子について申し上げますと、六十才以上の平均余命が十五年、それから六十五才以上が約十二年、七十才以上が九年、かような数字になっております。
○小柳勇君 七十才千円の老齢福祉年金、これが中心になって母子年金、障害年金に累を及ぼしていくのですが、老齢福祉年金について、これからどういうような構想で前進する考えがあるかないか、お聞きいたします。
○政府委員(山本正淑君) 先ほど大臣から申し上げましたが、この国民年金につきましては、制度創設まだ日は浅いのでございますが、その間におきまして、特に福祉手金につきましては、毎国会におきまして、国会での御審議の結果の御意見が相当出ておりまして、あるいはこの質疑を通じ、あるいはまた各委員会の決議の形でちょうだいいたしておりましてそれを専重して逐年内容の改善あるいはまた不備の点の改善というものをやって参っております。前国会におきましてもさような措置を講じて参ったのでございますが、なお幾多の問題をかかえておりまして、先般四月の後半におきまして、国民年金審議会に対しまして、福祉年金の改善についての意見を諮問いたしまして、その結果、七月の末に答申をいただきまして、それに基づきまして、その内容といたしましては、特に障害年金、母子年金に重点を置いた給付水準の引き上げと、それから各種の支給制限につきまして、速急に緩和を要すべき諸点について答申をいただきまして、それに基づきまして、ただいまどういうふうな構想で予算要求をするかということを検討中でございます。
○小柳勇君 七十才千円の線を動かさないで検討しておるのか、あるいはその年令なり金額を含んで、全面的に前進する方向に検討しておるのか、いずれでございますか。
○政府委員(山本正淑君) 老齢年金の七十才千円という線につきましては、これはいろいろと拠出年金との関連の問題もある点は先生御承知のとおりでございますが、先般の答申によりましても、特にこの拠出制の国民年金、あるいはもっと広く厚生年金も含めましてものを考える。そうして国民年金の全体の体系の中で、福祉年金がどういう性格と位置づけを持つべきであるかという点を根本的に検討しなければいかぬ問題があるという点を指摘されておるのでございます。しかしながら、そういったような基本的な問題があるのだが、老齢福祉年金についても、比較的低所得の世帯にある老齢者と、そうでないものといったものの考え方を持つべきじゃないか、そうして、比較的低所得の世帯にある老齢年金の受給者については、年金額の引き上げを考慮したらどうかといったような答申をいただいておりますので、そういう答申の線に沿って現在検討中でございます。
○小柳勇君 国民年金全体についての構想も大事でしょうが、私が今質問しているのは、老齢福祉年金、母子年金、障害年金を重点的にやるべきではないか、やるとすればいつ一体やるのか。しかも、それには金額なり年令をも含んで検討しているか、このことを質問しているのですから、簡潔に要点だけを答弁していただきたい。
○政府委員(山本正淑君) 現在の老齢年金の金額千円ということを引き上げることについて検討いたしております。
○小柳勇君 現在、老齢福祉年金一年間の支給金額は幾らになりましょうか、老齢と、障害と、母子と、一年間の支給金額。
○政府委員(山本正淑君) 福祉年金につきましては、昭和三十七年度におきましての見込み額でございますが、老齢年金では約二百五十四億、それから障害年金では四十三億、それから母子、準母子年金で約三十八億でございます。合計いたしまして三百三十五億くらい要するかと存じております。
○小柳勇君 先日委員部にお願いしておいたのですが、六十五才二千円、七十才三千円とするならば、一体老齢福祉年金の金額は幾らになるでしょうか、推定。
○政府委員(山本正淑君) ただいまの御質問の、老齢福祉年金を、六十才から千円、六十五才から二千円、七十才から三千円とするとどれくらいの金額になるかという御質問だと存じますが、そういたしますと、おおよそ合計いたしまして千三百億ほどの金額になるかと存じます。そのうち、先ほど申しました二百数十億は現在支出しておるという形に相なると思います。
○小柳勇君 その六十才千円を削りましたら概算幾らになりますか。
○政府委員(山本正淑君) 六十五才から二千円、七十才から三千円ということにいたしますと、約千人十億見当になると思います。
○小柳勇君 そうしますと、現在約三百五十億といいますというと、プラス六百五十億くらいでその私どもの言う老齢福祉年金が実施できるということ、これは概算としては確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(山本正淑君) ただいまの点でございますが、そのほかに障害、母子を含めまして三百三十五億でございますから、約百億を引かなければならぬかと思います。
○小柳勇君 わかりました。 国民年金の問題点については、すでに私が言うまでもなく、今までの委員会でも相当論議されておりますから、国民年金の答申と同時にこの委員会で論議されたものも含んで、早急に改善されるように希望するのでありますが、特に私どもが今問題としておりますのは、悪平等の点です。所得が少ない人でも、一家族で四百円なり六百円の掛金をかける、あるいは所得の多い人でも掛金が同じであるという点。それから保険料の徴収の方法がまちまちでありまして、婦人会が取ってみたり、あるいは町内会が取ってみたり、いろいろであります。そういうものも、もっと系統的にしていただきたいと思います。いろいろ国民年金については問題を今まで提起しておりますから、そういうものを含めまして、早急に国民年金の改善の方向に、前向きの方向に検討をお願いしたいと思うのであります。 年金問題については、その問題と、特にここで要請いたしますのは、私どもは国民年金の改善と同時に、老齢福祉年金なり母子年金、障害年金の前進を期待していますから、このわずかの金でそういう人が安心して生活できますように、善処かたを大臣の就任を機会に要請して、私は次の質問に入りたいと思います。
○藤田藤太郎君 年金の問題で一言。 国民年金、それから厚生年金ですね、厚生年金は三十九年の四月からで、もう作業にかからなければどうにもならない時期にきている。国民年金は四十五年後に月三千五百円なんといっている年金をこのまま置いておくというのは、私は世界に恥をさらしておるものだと思います。この前の年金局長とも議論をしたことがございますが、だから私としては、厚生省としてはこの二つの年金をどう建て直していくか、特に厚生年金はどういう作業をやっていくか、いつから作業をどういう工合にやるか、こういうことを一つ聞かしておいてもらいたいと思います。
○政府委員(山本正淑君) ただいま藤田先生御指摘のように、拠出制の年金につきましては、たくさんの問題を今日かかえておるのでございます。御承知のように、厚生年金につきましては、五年目ごとに再計算をするということが法律できまっております。厚生年金は三十九年に相なっております。国民年金につきましては、それから二年ほどおくれることにになるわけにもなりますが、ところが、今日の、特に厚生年金につきましては、給付額が非常に低額であるということを中心といたしまして、いろいろの問題があるわけでございます。あるいは国家公務員その他の共済組合給付との比較において、それから、また、保険料の問題もございましょうし、あるいは報酬の考え方とか、いろいろの問題を含んでおるのでございます。これは先国会におきましてもこの問題についての御質問がございまして、厚生省といたしましてはこの検討に着手して、でき得べくんばこの期日を早めまして改正をやりたいというような気持で今日取り組んでおる次第でございます。ただ、先生も御承知のように、非常に問題点が多く、かつまた、この所得の伸び、あるいはまた消費支出の伸び、あるいは物価、生活水準といった各方面の経済事情とも関連するところが多いのでございまして、ただいませっかくこういったようなあらゆる角度から検討を進めておるのでございまして、いずれそれぞれの審議機関等の意見も聞き、また、関係の方面も非常に多いのでございまして、そういったような方面の御意見も聞いて具体案をきめていきたい、かように存じている次第でございます。
○藤田藤太郎君 いつから作業をやるか、厚生年金については。
○政府委員(山本正淑君) 今私どもの局におきましていろいろの作業に入っておるわけでございまして、検討いたしておるのでございます。ただ、これに数理計算その他がございまして、相当期日を要するわけでございますが、現在検討に入っておる段階でございます。
○藤原道子君 私は、国民年金の点で、特に大臣に伺いたい。私は、政治家が国民をだましてはいけないと思うのですが、今政府のお話を聞いていて、どうも納得がいかないのです。この間の参議院選挙で、自民党の元厚生大臣をした方が、立会演説会その他を通じて、少なくとも国民年金は一万円以上なければ老後の生活は保障できないのだ、福祉年金は七千円くらい必要と思います、こいうふうに演説していらっしゃる。この間、私、地方で婦人会の懇談会へ出ましたら、福祉年金が七千円にふえたそうですねと、こういう質問が出た。私はそんなことは聞きもしないし、そんなはずはないと、こう言いましたら、いや、自民党の偉い人がそう言いましたと、もう信じ込んでいるのです。自民党の中に、現在国民年金を一万円くらいにするなんという案があるのですか。それと同時に、福祉年金が七千円、こういうことが場あたりで言われたんでしょうか。自民党の中にそういう御意見があるのか。これは重大問題だと思います。この際、大臣に伺っておきたい、自民党として伺っておきたい。
○国務大臣(西村英一君) 私、寡聞にしてそういうことは知らないのです。それは何かの間違いじゃございませんでしょうか。
○藤原道子君 間違いであると言われるならば、その当時出ております新聞を次回の委員会に持ってきてもよろしいです。はっきりしておる。立会演説会でやっている。
○国務大臣(西村英一君) もしそういうことが前大臣からあったとすれば、これはその人個人の問題だと思いますが、少なくともわが党のあれは、そういう政策は掲げておりません。推進するということは掲げておりますけれども、そういう国民年金を一万円にするというようなことを、党でもそういうことを決定したこともなければ、その程度で議論したこともありません。
○藤原道子君 私が言うまでもないのですが、社会党は六十才から七千円にするとうたったわけです。社会党の案はそうです。それは実態に即しない夢物語だと攻撃したその人が、選挙ともなればそういうごまかすような演説をして票をかっさらっている。それを信じ込んでいる未亡人たちが喜んじゃって、この間座談会に出たら聞かれちゃって、先生御存じないのでしょうなんて言われて、何ということだろうと思って、狐につままれたような、そういうことが現実にある。あなたはこれは間違いじゃないかとおっしゃるなら、立会演説会で堂々と言われているわけですから、念のために申し上げておきます。新聞を持って参ります。
○小柳勇君 次は、生活保護の問題で質問いたします。 局長、大臣は就任されたばかりで、保護基準の引き上げについてもまだ明確に御答弁なかったのですが、厚生省としてはどういうかまえですか、今度は。
○政府委員(大山正君) 来年度の生活保護基準の引き上げにつきましては、まだ予算の承認を終わっておりませんので、省といたしまして決定いたしておりません。したがって、具体的な数字を申し上げる段階に至っておりませんが、私ども所管の事務当局といたしましては、先ほど大臣からお答えがありましたように、最近の物価の値上げ、そのほかさらに実質的な改善をも織り込みまして、相当程度の生活保護基準の引き上げを行ないたい、かように考えております。
○小柳勇君 同時に、内部のほうの、たとえば教育扶助とか住宅扶助とか、そういう内部のほうの改定などについては検討しておられますか。
○政府委員(大山正君) ただいまお話のありましたうち、特に教育扶助につきましては、現在の基準では私どもも十分でないと、かように考えておりますので、来年度におきましては、文部省とも打ち合わせまして引き上げたい、かように考えております。住宅扶助につきましては、実際の運用面に相当幅がございますので、運用の面におきまして十分考えていきたい、かように考えております。
○小柳勇君 それから、国庫補助と地方負担がございまして、失業者多発地帯で生活困窮者が出るところは生活保護が出ますので、地方財政で手を上げるわけですが、そういうところに対しては特別のめんどうをみなければならない。たとえば全額国庫負担とするとか何とか、特別のめんどうをみなければ地方財政は逼迫しているが、この点についての検討はどうでございますか。
○政府委員(大山正君) 御承知のように、生活保護費につきましては、八割が国庫負担、二割が地方の負担になっておりますが、この二割の負担分につきましては、地方交付税で交付されているわけですが、特に御指摘のような生活保護の保護率の高いような地域につきましては、地方財政上も非常な負担になっておりますので、昨年度におきましても、特別交付税の交付につきまして自治省とも打ち合わせまして、そのような地域につきましては十分な手を打ったわけでございまして、今後ともさような方法によりまして対処していきたい、かように考えております。
○小柳勇君 生活保護につきましては、部分的にもう少しございますが、ちょうど予算編成期でございますので、特に御質問しているわけでありまして、私どもの意のあるところをくんで、十分にひとつ改定するところは改定するし、それから生活保護者が出ると、まゆをしかめて、困ったなあということで、地方で生活保護のあれをやりませんように、国が十分めんどうをみる態勢を作ってもらいたいと思うのです。 次に、施設の問題で質問していきますが、施設の職員がほうぼうから陳情に来まして、待遇が悪い。一般公務員に対しましても地方公務員に比べましても、非常に施設職員の待遇が悪いために、したがって、ホームなどでも十分の仕事ができないというような苦情があるわけです。この予算編成期にあたりまして、私は少なくとも公務員並みに施設職員の待遇を引き上げるべきであるという主張を持っているのですが、どういう御見解ですか。
○政府委員(大山正君) 御指摘のように、生活保護関係の保護施設、あるいは児童関係の施設等におきます職員の給与が従前非常に低いわけでございまして、現在なお低い水準にあります。それで過去二年ほどにわたりまして、これも御承知のとおりでございますが、相当大幅な引き上げを行なって参ったのでございまして、三十五年の十月に一一・九%、三十六年の四月に七・五%、三十六年の十月に七・六四%、また、本年の七月からは平均一〇・四三%というふうに引き上げて参りましたが、なお施設の職員が、特に公立の場合と私立の場合とを比較しました場合に、私立の職員の給与につきましては、国あるいは公共団体から参ります事務費、あるいは措置費だけにたよるというようなことになります結果、公立の場合に比較いたしまして、まだ相当の格差がございます。私どもといたしましては、ぜひこの公務員水準にまで持っていきたいという目標のもとに、来年度におきましても引き続きこの改定に努力したい、かように考えております。
○小柳勇君 同時に、施設の建造費、たとえば少し問題が小さくなりますが、母子寮を作りますのに、単価が今木造の場合三万八千円、ブロックの場合だと五万八千円ですか、これでは作れない。そこで、この割当をもらってもできないという悩みがあるが、物価騰貴に見合って、この施設の単価などについても相当大幅な引き上げをしなければ、せっかく厚生省が地方に作ってやろうという親心があっても、地方としてはできないという悩みがあるようでありますが、こういう点についてはどういう御配慮をされますか。
○政府委員(大山正君) 社会局関係の保護施設、あるいは児童局関係の児童福祉施設、いずれも補助単価が現在非常に低いために、御指摘にありましたように、必ずしも二分の一、あるいは四分の一というような法定の補助率になっておらない現状でございまして、私どもは、今後はこのような社会福祉施設につきましては、やはり不燃性の建築でいきたいということも考えておりますので、これらをあわせまして、来年度におきましては、予算単価が実際に合うように、これの引き上げに努力したい、かように考えております。
○小柳勇君 大臣、今、局長からの御答弁がございましたが、施設の職員が、公務員に比べまして非常に待遇が悪い。しかも、昼夜を分かたず、その施設に泊まりこんで仕事をしている職員の待遇が悪いために、非常な不満が陳情として出て参るわけです。今、局長も、一生懸命に待遇をよくするように、少なくとも公務員並みにするということで努力をしておられるようでありますが、大臣の御決意をこの際お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 小柳さんは、たびたびそういうことを専門にやっているから、なおさら私たちより詳しいのでございましょうが、私も郷里の方々から、大臣になるまでは、たびたび陳情を受けました。今までの値上げについても、そのほうを専門にやったわけではないけれども、相当に関心を持っておったわけであります。今度たまたまこういうふうな責任の地位にありますので、十分尽力したいと思います。まだ公務員との開きは三割くらいあるようでございます。できるだけ早い機会に、少なくともそれを目標にしまして接近したいという考えを持っておりますので、御了承を願いたいと思います。
○藤原道子君 関連。今の御質問のように、最近社会施設に働く希望者がだんだん少なくなっている。非常に憂うべき状態なんです。ところが、厚生省では、今、公務員並みに引き上げたいと努力をしている、こういうことですが、どうも生活保護法の基準が上がれば対象を減らすとか、いろいろ今まであるわけなんです。この間私聞くところによると、全国更生事業会議というのがあったようですね大阪で。そのときに救護更生部会で、今度最低基準をきめるのだというようなことが発表され、大体精薄施設においても二十五名に一名の職員にする、定員を。それから、戒護を要する者に対しては、八人に対して一人、こういうふうなことを今計画中で、それを今度実現する予定だと、こういうことを発表された。それに対して、参会者から、労働基準法の適用はどうなるのだと質問したところが、労働基準法はマッカーサーが押しつけたので、日本の実情には即していない。したがって、今労働省と話し合って、社会施設に働く者には基準法の適用をしないことにする予定で話し合いを進めているのだ、こういう答弁をしている。二十五人に一人ということになると、これは二交代をしたとしても、もし二交代すれば五十人に一人、あるいは日曜、休日なんていうことになれば、とてもたいへんな人を一人でみなければならない。精薄施設などというものは非常に手がかかる希望が持てない暗い施設で、しかも、愛情をたたえて働いている人がこういう待遇をされてはかなわない。ますます人がいなくなったら、施設は作ったって運営はできない。そこで、そういう予定があるのかどうか、二十五名に一人なんていう人員でやれると考えてそういう基準を考えておられるかどうか、この点を局長から伺いたいと思います。厚生省の役人の名前だけは遠慮しておきます。
○政府委員(大山正君) 私ども社会福祉施設につきましても、やはり労働基準法の適用がある。また、これを守っていくように人員配置をしなくてはならないというように考えております。 それから、最低基準の人数につきましては、従来、養老施設その他の施設につきまして、はっきりした最低基準が設けられておりませんでしたが、先般、厚生大臣の諮問機関であります社会福祉審議会に最低基準についての諮問をいたしまして、人数等の基準を定めていただきました。それで、これは児童の施設は別でございます。成人のための施設でございますが、成人の施設の場合につきまして、ただいまお話のありました大体二十五人に一人、それから、特にその中に病弱者等がありましたら、八人に一人で加算するというような答申がございまして、これによりますと、現在よりは増員しなくてはならんということに相なりますので、私ども事務当局といたしましては、来年度予算にぜひこの増員を要求したいということを考えておるわけでございまして、なお十分とはもちろん申しかねますけれども、人手を逐次増すことによりまして労働基準法の線をできるだけ守っていきたい、かように考えております。
○藤原道子君 おとなの施設だけをおやりになる。児童の施設ははっきり別だと解釈していいんですね。
○政府委員(大山正君) 児童の施設につきましては、児童福祉法によるほかに、最低基準がございますので、それによってやるということに相なるわけでございまして、ただいまお話のありました二十五人に一人というような基準は、これは成人のと申しますか、社会局所管の養老施設、あるいは精薄につきましても、成人の精薄施設ということでございます。
○藤原道子君 私はね、うまく逃げられちゃ困る。私はそのときの速記録を持っておる。次の委員会でこの点について追及したい。はっきり言っておるのは、そういう施設で働くこれらの人には労働基準法を適用しないということを労働省と交渉中だ、その方針でやるんだと、はっきり言っていらっしゃる。私は、厚生省の考え方に限りない不満を持っておる。おとなの施設だといっても、二十五人に一人となると、まあ皆さんが行くときには、とても整備して待っているでしょう。だが、ふだん施設に行ってごらんなさい。惨たんたるものですよ。二交代になった場合は五十人を一人でみなければならない。ほとんど夜昼通じて働いておるというのが、これが施設に働いておる人の涙ぐましい努力なんで、私は、この最低基準に対して、安易なきめ方をされては困る。たとえて言えば、看護婦の定員にいたしましても四人に一人、療養所が六人に一人、議員の中には、常時一人いるような錯覚を起こしておりますが、実際には三交代制になっておる。日曜出勤、深夜、夜中、百床くらい一人でみておる。だから看護婦だって、ほとんど基準法に定められた休憩時間なんか取らないで働いておるじゃありませんか。簡単に、二十五人に一人ならばこれは大丈夫だといわれても、これは常時二十五人に一人ならばよろしい。やはり交代制であり、休日があるということを考えて、単におり箱に入れておるものを監視していればいいんではないのです。憲法二十五条の規定によって、健康にして文化的な最低生活を保障する、これによって営まれている社会施設でなければいかん。この基本的な考えが厚生省で欠けておるんじゃないかということを、私どもは施設に行き、病院に行くたびに考える。 大臣に伺います。私は、大臣に強くなってほしい。私たちは、看護婦の問題にしても、保母さんの問題にしても、社会施設の問題にしても、もういやになるくらいこの委員会では取り上げておる。ところが、何らそれに対する対策はいまだに打ち出されない。病院にしたって、現にきのうの新聞にだって出ていたでしょう。入院を拒否する病院がずいぶんふえておる、看護婦が足りないから。私は、こういう考え方では厚生省という名が泣くと思う。私は、よほどの大臣が、決意を持ってやろうと思ってもできないのだというような言い訳ばかりするんではなくて、しかも、日本の国民のほんとうに不仕合わせな人をあたたかく守っていくのだという至上命令を遂行してほしいと思う。大臣の御決意を私は伺いたいと思う。
○国務大臣(西村英一君) 藤原先生の御意見ごもっともでございまして、最近また看護婦の非常に不足であるというようなことも十分わかっております。ただ、これも申しわけになりまして、はなはだおそれ入りますけれども、実際は予算で大蔵省と折衝するわけでございます。われわれは、従来も厚生省といたしましては力を尽くしたと思うのであります。はなはだ皆さん方の期待に沿えなかったのでありますが、しかし、いつまでもそんなことを言っておられないので、これはあくまで適正なことはやっていかなければならぬと思います。その点は十分これからも決心をいたしまして、御期待に沿いたいと思っております。
○小柳勇君 私もこれで最後ですが、施設の問題は給与の問題だけじゃなくて、産休の問題など、休みの問題についても、定員の面からの配慮を願っていただきたいと思います。今の看護婦に関連して質問していきますが、それは看護人ですね。精神病院などの看護人の教育は、看護婦と併置して教育してよろしいではないかという意見があるが、どのような見解でおられるか、お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 御指摘のとおり、現在男子の看護にあたります看護人、その関係の養成は、看護婦、准看護婦と一緒に養成しておる状態でありますが、大体の養成施設におきまして寄宿舎制度をとっておりますので、宿舎の問題とか、その他いろいろの問題で一緒にするのに対して不便だという問題も中にございますが、御承知のとおりに、看護要員は大部分が女子の方が多くて、男子の看護人になっていただきます希望者が比較的少ない。それで、それを集中いたしまして一カ所で養成するということについてなかなか困難があるのです。たしか四、五年前に一カ所そういうふうな看護人の男を養成する施設を国立の施設の中に作ろうということを企図いたしまして、施設側と交渉したのでありますが、なかなかこれが実現できなかったような次第でございまして、問題といたしましては、問題意識としては十分持っておるのでございますが、いまだに実現に至っていないことは、はなはだ残念に存じております。そういうことは厚生省としては十分検討いたしておるということを御了承いただきたいと思います。
○小柳勇君 今の問題、宿舎の問題などはそうだけれども、通勤、通学でもいいというところで、准看護婦から甲看に看護婦のほうでは教育がなされる。そのときに看護人を一緒に併置して、准看から甲看に一緒に養成できないものか、こういう要請が私立病院で提起されておるわけです。それで質問しているのですが、私立病院で、准看から甲看の養成をやっておるから看護人をそこで一緒に養成してくれないか、こういう要請があるのですが、それができるかできないか。
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今のお話は、准看護婦が三カ年やって、あと二カ年間いわゆる進学コースと称しておるものと思いますが、それに男の准看護人というのですが、それが一緒に教育を受けられるかどうかという問題だと思いますが、これは私は可能だと、こういうように考えておりますし、さらに男の准看護人だけの進学コースを考えてみたこともあるくらいだ、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○藤原道子君 大臣はお急ぎのようですから、ごく簡単に問題点だけ伺います。 私は、大臣がさっき医療制度については相当熱意を持ってやると言われましたけれども、このごろ赤字か黒字かで、赤字の病院は公立病院でもどんどんつぶすという傾向にある。病院に必要な施設でも、赤字ならばどんどんつぶしていくというような悲しむべき現象が現れている、これは私はゆゆしき問題だと思う。だから医療に対しての心がまえは、大臣よほどがんばってもらわないと、これはたいへんなことになる。看護婦の問題その他もございますが、これはあとで局長から伺うことにして、大臣にそのものずばりで伺いたいのは日赤の機構の問題です。日赤の一体最高責任者はだれか、一体だれが責任を持つのか、この点がいつもあいまいで、いつ伺ってもよくわからない。また、日赤そのものは独立採算制でやっているようなことを言う。ところが、またプール制であるということも言われる。このくらいあいまいでございまして、非常に下部において混乱を起こしている。これは一体どちらが正しいのか。どういう方向で厚生省は指導しているのか。この点をこの際私はお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 日赤は法律をもってした特殊法人だろうと思いますが、私は、その点以外にはあまりつまびらかでないので、ひとつ局長から答弁させます。
○政府委員(大山正君) 日赤の最高責任者は日赤本社の社長であると考えております。それから、病院の独立採算制、あるいはプール計算制の問題でございますが、やはりこの点は長い伝統の上に立ちまして、原則として各病院は独立採算制にある。一部につきまして若干のプール計算制が行なわれている、かように承知いたしております。
○藤原道子君 それは間違いないのですか。主として独立採算制である。しかし、一部においてプールも行なわれているということですか。
○政府委員(大山正君) さように承知いたしております。
○藤原道子君 御案内のように、医療に従事する人の待遇が非常に悪いのです。日赤あたりでも話のほかにきびしい労働条件が行なわれている。今度もやはり夏季手当の問題などで争議に入っているところもある。ところが、地方では、病院は要求どおり出したい、ストは避けたいというようなことで本社へ相談がくる。そうすると、本社のほうでは、ストなんというのは、患者の一人や二人は死ぬくらいでなければほんとうのストでない。今のストというのはほんとうのストじゃないのだから、やらしたらいいじゃないかということで、施設側がいろいろ困難な事情を説明しても、本社が承認しない。黒字だから円満に妥結できるのに、本社が承知しないからこれが妥結できないという形になっている。あるいはまた本社には内緒で何とかしょうというようなこそくな手段をとらざるを得ない実情に追い込まれている病院もある。また、人を入れることに対してすら、本社のほうが言うことを聞かない。地方の支部長、病院長も、ぜひとも円満に妥結したいと思っても、本社のほうが首を縦に振らないために、つらいストに入って、これを放置せざるを得ない状態だということになりますと、独立採算制とは言えないと思いますが、これは一体どういうふうに解釈したらいいのですか。
○政府委員(大山正君) ただいまの具体的な係争の問題につきましては、実は私十分承知いたしておりませんので、さっそく日赤につきまして調査をいたしまして、他の適当な機会にお答えさしていただきたいと思います。
○藤田藤太郎君 ちょっと関連して。 日赤の今日の病院運営というのは、百五十幾つも診療所を含めて出先があるわけなんだが、実際問題として、私はこう見ていると、日赤ののれんを貸しているという程度のものではないかと私は思うのです。それでいて、日赤が何のかんのとその病院の問題に干渉がましいことをやっている。ここに私は問題の起こりがあるのではないかと思う。だから、私は、日赤の役割というもの、日赤法からいって、国がめんどうをみるというなら、実際に百五十幾つの診療所全般のそこに来られる患者の皆さんを、日赤の水準によって、日赤が医療施設の社会に貢献する場ということなら、政府がもっとめんどうをみる。めんどうをみて、そして日赤を育てていくか、または府県の主要病院としての役割を持つ任務を持たすかどうかということは、厚生省はもっともっと研究をして日赤問題と取り組まなければいかぬ時期にきているのではないかと私は思う。私はこう見ていると、病院の経営については、みんな借金で病院を建てている。そして負担がかかれば、全部従業員の働き出したものからこれを返していく。そういう事態なんですよ。こんなことで、たとえば社会保険の病院なんかは、国が出して病院の機械、施設をして、日赤へは何の援護も——病院の施設拡大、その他運営の面については、どこからも何の援護がない、こういう格好で、それでのれんを分けている。それで、のれんの権利だけは本社が行使する。こんな格好では、日赤で働いている人はほんとうに気の毒という言葉に尽きると私は思う。だから、日本赤十字社の今日の日本社会における任務、役割というものを、もっともっと厚生行政の中で生かしていくというなら、私はもっと国がめんどうをみるべきである。それで悪いところは助けていく、プール制ができればプール制にする。これができなければ府県の主要病院としての役割をどうすれば果たせるかということを明らかにしてやらない限りは、今のような格好の日赤運営というものをこのままにしておくことができないということは、この委員会でも、一昨年でしたか、えらい議論をしているところなんです。しかし、便々として同じ条件のもとで同じ紛争が従業員間で行なわれている。もっとひどくいえば、一億五千万円というような膨大な資金を病院が出して看護婦の養成までやっている。こんなことは、これこそ日赤の今日までやってきた役割からして、国がめんどうをみて看護婦の養成ぐらいすべきであると私は思う。そういうこともほっておって知らぬ顔だ。さわらずにいこうというものの考え方で厚生行政としては進んでおる。私はこれ以外に言いようがないと思う。だから、その点はよく存じませんとか、よく把握していませんとかということでなしに、日赤というのは一般の普通の民間病院とは違う重要な意義を持っている病院なんですから、これは厚生行政として、もっと真剣に取り組んで、日赤の将来はどうあるべきかということを考えるべき時期だと思う。藤原先生のおっしゃっているのも、そういう何のかんの、ほったらかしの中から今のような日赤の問題が、片っぽうでは独立採算制だというので働き出して、そこで自分らの生活を守ろうとすれば、今度は上のほうから統制がくる。どこに焦点があるかわからぬというような格好で日赤が運営されているから、だれが責任者かという反論をしたくなってくるわけですよ。だから、そこらあたりは、根本的にもっと厚生省が日本赤十字の問題については私はしっかり取り組んで、どうあるべきか、日赤の医療業務というのは重要な社会に貢献をしておるところですから、もっと真剣に私はこの問題を考えてもらいたい。
○国務大臣(西村英一君) 藤原先生のお尋ねで、どういう問題かと思って実は返答を少しちゅうちょいたしました。今、藤田先生からお話がありましたが、私も日赤の、何と申しますか、改革と申しますか、というようなことは、有志の方から二、三話を承っておることはあるのです。お話がありましたように、当面いろいろなトラブルがあるようなことはまあ別といたしまして、特殊法人をもって認めておるところでございますので、われわれも特殊法人たる資格を十分達成できるように、これはまあ時代も非常にいろいろ変わっておりますので、いろいろ変わっておるかもしらぬと思うのですが、今せっかくのお話もありましたので、厚生省といたしましても、一応再検討をいたしたい。当面のトラブル等の問題はまあ別といたしまして、これはひとつわれわれも大いに考えたい、かように思っております。
○藤原道子君 私はこれ以上追及したってしようがないから、大いに検討してもらわなければ困ると思うのですけれども、日赤には、この前ここの委員会で検討したときに、三十数億の負債がある。これをかかえて日赤の建て直しをするといったって、なかなか容易でないと思う。これらに対しても国がやはり考えて、この処理を国の力でしてやって、そして日赤本来の仕事をやらせていくと同時に、今、藤田先生からもお話がございましたけれども、医療費、療養費の中から看護婦を養成するという今のあり方は聞違いだ、やはり看護婦の養成は、国が奨学金制度をはっきり設けて、そこで権威ある教育をしていくというようなことをやはり考えていかなければ、日本の医療というものに対しても一つの線が出てこないのではないか。ことに日赤の伝統から考えまして、たとい当面のトラブルは別としまして、といいましても、ストを避けたい。ストをやることは、これは従業員だけの問題ではなくて、患者をも含めての重大問題です。それにもかかわらず、患者の一人や二人が死ぬぐらいでなければほんとうのストとは言えない、今のストなんかなれ合いだからやらせたらいい、こういう暴言を吐くのが日赤の人事部長です。はっきりこういうことを言っている。こういうことが許されるか。あるいは独立採算制だと言いながら、こういうことを言ってくれば、本社が承認しないものを支給した場合は責任者を処分する、こういうことでおどかしている。これではぶったりたたいたり、縛ったり、従業員は一体どうしたらいい。こういう点も十分にあなた方は検討して、監督官庁はもう少し監督官庁らしくやってもらいたい。私はこのことを強く大臣に申し上げまして、御決意を促しておきたいと思うのです。 きょうは時間がないですから……。
○藤田藤太郎君 さっきの社会施設、養護施設の職員の件について、藤原先生の話を聞いていると、あなたは基準法を守っていくのだとおっしゃったけれども、出先で人を集めておいて、基準法というものは労働省のほうに話がしてあるからもういいとか、これから話をしてそんなものをやるなと言っても、それはしようがないのだというようなものの言い方を、あなたの部下かどうか知りませんが、しかし、厚生省の皆さん方が、一般の国民を集めておいてそういうことを言っておるなんということは、私はきびしくひとつ調べていただいて、そういう国民を惑わすようなことのないようにしてもらいたい。さっき私は言おうと思ったのだけれども、これはけしからぬ話ですよ。そしてつけ足しして、アメリカから押しつけられた憲法、そんなことはとんでもないことだと思う。その責任は政治的に社会的に大いにやったらよろしい。しかし、国民に、執行者の代弁者である公務員の皆さん方がそんな話をするのに、その問題をつけ加えて、一般国民に、そうだからこうだというようなものの言い方はとんでもないことだと私は思う。それはきびしく調べてもらって、今後絶対にないようにということ、これが第一ですけれども、私は、こんなことをここで答弁して、はい基準法を守りますと言うならば、今までのことは水に流されておしまいでしたということじゃ、悪いことをして物をとっても、あとで返せばそれでおしまいだということと私は同じだと思う。以後絶対そういうことのないように、きびしくそれを調べていただいて、そういうことを改めてもらいたいと思う。
○政府委員(大山正君) 十分調査いたしまして、もしもそのような事実がございましたら、以後そういうことのないように十分注意いたします。
○藤原道子君 その日時は三十七年六月二十六日、二十七日の二日間大阪で開かれた会議の席上です。十分調べて下さい。
○高野一夫君 私は、一言だけ簡単に大臣に、質問でなくして、この委員会においてお願いを申し上げておきたいのでありますが、厚生省の各局課の仕事を見ますと、すでにそれぞれの担当の仕事で手一ぱいのように見受けます。それで、私がこれから申し上げることは、局課を離れて、大臣、政務次官において十分ひとつ御考慮を願って、政府部内で厚生大臣に音頭をとっていただきたいことであります。 結局厚生行政のポイントは民生安定にあろうかと思うのでありまして、医療保障、年金保障、あるいは母子対策、生活保護費の拡大、引き上げ、いろいろありましょうけれども、要するに、働ける者が働いて仕事にありついて、自分の腕でかせいだ金で暮らしが立てていけるようになれば、私はそれでいいだろうと思う。そこで、働けない者に対していろいろな援助の手を伸ばすよりほかないわけであります。ことに厚生省は人口問題の調査をやっているのであります。そこで、このことは常に私どもは労働省にも要請するのでありますが、現在私が申し上げるまでもなく、日本の産業構造というものは年々変わって参ります。ことに農業基本法がこれから具体化して参りますれば、農村のあり方もずっと変わって参る。二、三男対策の問題でわれわれ困っておったのがつい一昨年ごろでしたが、今日では農村の人手がなくて、千円の日当を出しても、一向に日雇いのお手伝いさえないという状態、第二種、第三種の産業のあり方も変わっている。そこで、政府全体といたしまして、通産省は通産省、農林省は農林省、経済企画庁は経済企画庁で、それぞれいろいろな、経済、産業の今後のあり方について検討を加えて、統計もとっているはずであります。ところが、これが常にばらばらである。農林省の統計、あるいは今後の農村のあり方、農業に従事する専業の世帯、あるいは就業者、そういうものにも農林省は農林省で勝手に考えているが、労働省との連絡はない。労働省は労働省でいろいろなことを考えているけれども、各省と密接な連絡があるようにはどうしても受け取れぬ。比較的労働省が一番中心になってやっておると考えます。経済企画庁にしても、いろいろな統計が出る、通産省にしても、二種、三種の産業についてのあり方、吸収し得る就業労働力等についても十分研究はしている。それで結局厚生省の仕事は民生安定にあるというならば、これは私は一言にして尽きる厚生省の仕事であろうと思われますけれども、働けない者は援助をするけれども、働ける者は十分働かして、十分かせがして、十分自分で食っていける。その音頭、そういうような対策を各種産業構造に応じて割り振った一つのいろいろな計画を立てて、五年計画、七年計画を立てていくところが、その音頭をとるところが私は厚生省でなければならぬと思っているわけです。これはことに人口問題の調査を厚生省でやっているということは、人口問題の調査をただやっているだけでは何にもならないのでありまして、その人口問題の調査の一つの大きな生かすべきデータとして、民生安定のほうになぜもっと生かす積極的な工夫ができないものであろうか、こう常に私は思うわけです。そこで、これは厚生省の各局課に私は要望いたしますが、先ほども申し上げましたとおりに、すでに仕事で手いっぱいでありますから、どうかひとつ厚生大臣が、閣議そのほかいろいろな機会において、厚生大臣が音頭をとられて、特に農林省、通産省、経済企画庁、労働省、こういうふうに呼びかけられて、総合的の私はこれに人口対策といいますか、就業対策といいますか、働いて食っていける道をひとつ考えようじゃないか。この企画を作り上げる音頭をぜひ厚生大臣にとっていただきたい。そこで、その点は具体的には経済企画庁のしかるべき局課で作ってもけっこうだと思います。また、厚生省の人口問題の調査の係も、相応じて協力されればけっこうだろうと思いますけれども、民生安定を第一のモットーにする仕事の一番の中心が厚生省であったならば、その厚生大臣がひとつ音頭をとられて政府の意見をまとめて、経済企画庁あたりで総合的な五年計画、七年計画を立てていただきたい。そうしてせっかく金をかけ、苦労をしてやっておられる厚生省の人口問題の調査の機能をひとつ生かしていただきたい。これは私は特に大臣に要望をし、お願いをいたします。別に質問でも何でもありません。委員会の劈頭、以上のことをお願い申し上げておきたい。そうして、そこで働けない者の生活保護費の問題、あるいはそのほかの医療保障の問題、いろいろありましょうから、それはそれとして、厚生省の仕事としてやらなければなりませんが、根本的な問題についての音頭をとるよう、西村新大臣にぜひお願いしておきます。
○国務大臣(西村英一君) 御説のとおりでありまして、私もまあ就任間もないので、急ぐ仕事は急ぐ仕事で片づけなければならぬ。根本的には今、高野さんのおっしゃいましたように、人口問題について統計を持っている。この統計は、私の聞くところによりますと、非常に日本でもいいといわれておる。しょせん私どもは人間の問題を取り扱うのでありますから、この統計を重視いたしまして、それから出てくるところの人間社会の消長と申しますか、たとえば老人がどうなる、あるいは出産率はどうなっておるか、そういうことはこの人口統計でやはりしっかりとつかんで、その上でやはり厚生行政が出てくるのでありまして、十分御意見のあるところは尊重いたしたいと思います。 それからもう一つ、厚生行政と一口にいいましても、厚生省でできるというのはその一部分でございまして、たとえば青年、少年の問題にいたしましても、やはり文部省と関係を持ちます。いろいろな意味で他の行政と非常に関係を持つ行政でございます。そういうようなことも十分承知いたしておりますから、今申されましたことにつきましては、十分注意を払っていきたい、かように考えております。
○委員長(加瀬完君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 ただいま懇談の席でお話のありましたように、麻薬関係につきまして、前委員会の取りきめに従いまして、薬務局長から説明を聴取することにいたします。
○政府委員(牛丸義留君) この前の委員会で御質問の点がございましたので、その項目に大体従って御説明を申し上げたいと思います。 第一は、麻薬取り締まり強化に対する麻薬取締職員の増員についての問題でございます。これは現在麻薬行政に従事しております職員は、厚生省の麻薬課に二十四名、それから北海道、東北、関東甲信越、中部、それから近畿、中国、四国、九州の八地区に麻薬取締官事務所というものが設置されておりまして、そういう地区の事務所に合計百五十三名の職員が配置されておるわけでございます。そのほかに、各都道府県に麻薬取締員というものが、これは取締官と違いまして、身分は府県の吏員でございますが、そういう者が四十六府県に合計百名配置されておるわけでございます。これらの職員では、近来ますます巧妙になり、潜在化してきております麻薬事犯の取り締まりの完璧を期するわけにはどうしてもいかないわけでございまして、組織の強化をはかって、職員を増員をする必要があるということが第一の点でございまして、これはまだ厚生省として来年度予算の概算要求の査定もできておりませんが、私ども業務局の事務当局としては、少なくとも今日の人員の倍以上の増員をお願いしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 職員の問題はその点でございますが、次は、麻薬取締法の改正をいろいろと事務的に検討しているわけでございますが、その問題点はどういう点かということでございまして、その点についての御説明を申し上げたいと思います。麻薬取締法の改正の検討を要すべき点としては、大体大きく分けまして、麻薬の犯罪の捜査及び罰則の強化に関する点を検討するということと、それから麻薬中毒者の医療及び保護に関する事項を検討するという、この二点が一番大きな点でございます。この点に関しまして、どういう点が問題になるかと申しますと、まず第一の犯罪捜査、麻薬取り締まりの捜査並びに罰則の強化の点でございますが、これは、一つは予算的な問題とも関連するわけでございますが、現在の麻薬取締官は特別司法警察官としての職権を持っておるわけでございますが、取締官としては、職務質問その他の権限がないというようなところから、なかなかその活動に対して限界があるわけでございます。こういう点をどういうふうに改正していったらいいか、こういうことがわれわれが検討したい一つの点でございます。これは一般の警察権を行使される警察官との関係、その他との関係がございまして、まだ結論は得ていないわけでございますが、取締官の捜査活動上、権限を拡大してはいかがであろうかということが私どもとして検討しておる点でございます。 それから、その他の活動としましては、非常に経費が少ないという活動費、それから装備、そういうふうなものは予算措置として来年度の予算要求を考えるわけでございますが、取締官の増員をし、その権限を強化していくということが、捜査に関連する麻薬取締法の改正の一つの問題点でございます。 それから、もう一つは罰則の強化でございますが、これは現在、わが国の現行の麻薬取締法におきましては、罰則が最高十年というような刑になっておりまして、罰金も最高額が五十万円ということでございまして、これではどうしても罰則が少し軽きに失するではないか。外国の例を見ますと、タイ国におきましては二十年の刑、それからお隣の台湾、中国、それからアメリカ等におきましては、最高が無期になっておりますので、そういう外国の立法例等も考えまして罰則の強化をはかる。それから罰金五十万円というものも、これはいわば不法行為である一つの経済事犯というふうにも考えられますので、罰金の最高額をもっと上げることが必要じゃないか。これはまあ最終的には法務省の所管でございますが、今私どもと事務的に連絡し、そういう懲役の最高刑を上げると同時に、罰金の最高額を上げる。少なくとも現在の五十万を、百万を単位とする、あるいは一千万を単位とする程度まで上げることが必要じゃないか。これは私どもの所管でございませんので、その辺がどこまでいくかは、刑の一般的なバランスの問題でございますが、そういうふうに私どもとしては希望いたしておるわけでございます。 それから第二の点は、麻薬中毒者の医療及び保護に関する問題でございます。これは現在、麻薬中毒者等は、精神衛生法の措置入院の規定を援用いたしまして、自己または他人に危害を及ぼすような者は強制入院の措置をやるわけでございますが、しかし、麻薬患者は一般の精神病患者とは違って、自分なり他人を傷つけるような、そういう狂暴な症状を起こすということはきわめてまれでございますし、また、そういう禁断症状でそういうようなことがあったにしても、それは非常に短い期間においてそれが消滅するということで、なかなか一般的な精神衛生法の規定のほうの運用ということでは措置できない点がございますので、この点に対して、この麻薬取締法の中で改正をするか、あるいは精神衛生法の中で改正をするか、問題点についてはまだいろいろと検討している段階でございますが、いずれにしてもそういう点についての措置入院、そういうものに対する現行の規定を強化する必要があるのじゃないかということが医療並びに保護に関連する第一の点。 それから、現在のただ医療だけを考えまして、禁断症状が起こっているその期間だけ入院をたとい強制的にやりましても、それが過ぎまして退院をさせるということになると、再び同じような事犯を繰り返すという傾向がございます。つまり麻薬の患者というのは、そういういわば疾病的なものと同時に、非常に精神的な面のいわば弱さが、麻薬によってそれが倍加されてきているというような傾向もございますので、たとい禁断症状がとれても、一定の期間入院をして、そうして心身ともに健康な状態にまで回復して退院をさせる、まあいわばそういう一つのアフター・ケアというか、それが療養の一部とも思いますけれども、単に禁断症状に対する措置だけではなくて、ある一定の期間をもって治療を行なうということが必要であるということでございますので、そういう点も考えて、その点をどういうふうにすればいいか。しかし、麻薬の禁断症状がとれましたあとは、これはまあいわば精神状態はそういう意志力が非常に弱ったとしても、その他の判断力その他については一般人と変わりないわけでございますから、そういうふうな者を強制入院、身分の拘束をするということは、これはもう非常に悪用されると人権問題に関連する問題でございますので、まあそういう点の強制規定をどうするかということで、現在関係当局と話し合いをしている点でございますが、そういう点の改正を考慮する必要があるのじゃないかというのが第二の点でございます。 そのほか、まあこれはもっとこまかい問題になりますけれども、麻薬の治療に対して、現在麻薬を使用することは禁止されておるわけでございますが、療法として漸減療法という療法がございますので、そういうふうな療法を採用するということになれば、麻薬患者の治療に麻薬を使用するということを法律の改正によって制限的に許可するというようなことも必要になってくるわけでございます。そういう点についての改正、その他いろいろとこまかい点もございますが、時間の関係で大きな改正点はそのような点を考慮しているわけでございます。 それから第三の点は、過去において覚醒剤禍の対策として、罰則の強化が非常に有効であったというか、麻薬禍撲滅のための罰則引き上げ、これはただいま申し上げた点でございますが、覚醒剤の過去との関連で補足説明を申し上げますと、覚醒剤取締法の場合は、輸出入、所持、製造、譲渡、使用等の制限及び禁止の違反に対しましては、三年以下の懲役または五万円以下の罰金というのが当初の規定でございましたけれども、これを最高一年以上十年以下の懲役または五十万円以下の罰金に引き上げる、そういう改正の措置をとられたわけでございます。それによって、そういうことも覚醒剤禍撲滅対策が非常に効果をおさめた一つの規定になっているというようにこの前お話がございましたので、その実情を申し上げたいと思います。 それからその次の点は、麻薬中毒者の刑務所等の入所状況はどういうふうになっているかという御質問でございますが、麻薬中毒者の激しい禁断症状というものは、大体十日ないし十五日間で消滅するわけでございますので、少年鑑別所——これは少年の場合でございます。並びに拘置、起訴後移送される刑務所等において中毒者であったということで、そのために特別の取り扱いを行なったというような事例は今日聞いておりません。おそらくこれは時間的に禁断症状がとれて、精神はもうろう状態でございますが、禁断症状がとれた状態において鑑別所なりあるいは刑務所に送致されるというような格好になるので、そういうふうなものの禁断症状のある状態でそういう措置をされたということは、例としては今日ないというふうに私どもは聞いておるわけでございます。 それから、強制収容する麻薬中毒者というものは一体どの程度推定されるかという数の問題でございます。で、今日私どもとして麻薬の中毒者というものは一体どのくらいおるかということは、これはまあ非常に実情把握が困難でございまして、正確なところは私どもも自信がないわけでございますが、記録上私どもが掌握しているもの、これは人間の名前もわかっておるというようなものは現在六千人くらいおるわけでございます。この六千人の中で、しかし、現在私どもが収容を必要とするようなものは、その中からこれはいろいろと現在犯罪のために刑務所に入っている者もございますし、それから医療からくる中毒者で、現在治療を受けている者もございますから、六千人をそのまま強制収容するという必要はないかと思います。それで、とりあえずの点は、私どもとして強制入院の対象にする麻薬中毒者というものは、大体二千人程度のものを予想して、それに対する対策を考えていけばいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから次は、麻薬と売春の関係はどういうふうになっているかという御質問でございます。これは過去三年におきます麻薬中毒者の発見数というものの一応数を申し上げますと、昭和三十四年は、麻薬中毒者発見数の中で、婦人の中毒者というものが五百二十九名、三十五年が四百七十五名、三十六年が六百一名、そういうふうなこれは婦人の中毒者でございます。そのうちで接客婦なり、あるいは無職という者、要するに職業別に見て売春婦であると推定をすることが非常に公算が高いものは、接客婦であるとか、あるいは無職、職がないというようにその職業を申告しておる者の数を当たってみますと、三十四年の五百二十九名中、四百三十五名が接客婦なり無職というふうになっておりまして、これは比率から申しますと八二%でございます。三十五年は四百七十五名中、四百二十五名、比率は八九%、三十六年は六百一名のうち、五百三十八名で、比率は九〇%、これだけの者が接客婦なり無職という、職業別に見てそういうふうになっておりまして、これは一番売春婦であると推定する公算の高い職業であると考えられますので、これを概論的に申し上げますと、婦人の麻薬中毒者のうちの大部分は売春に関係があるというふうに、断言はできませんが、推定できるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、最後はヘロインの密輸対策でございますが、これはわが国の麻薬違反の大部分はヘロインによるものでございます。そのヘロインは国内では生産をされておりませんで、ほとんど百パーセント国外から密輸入されておるというのが現実でございます。したがって、これを十分取り締まれば、日本の不正麻薬の流入なり、あるいは使用というものは禁止できるわけでございますから、これに対して一体どういうふうなことを考えるかという御質問でございます。これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、第一に考えなければならぬのは、的確な情報の収集ということが必要になってくる。それも国内の情報収集だけじゃなくして、日本に麻薬が密輸入される地域として、香港あるいはバンコックというような東南アジア地域、そういうふうなところの主要地に情報収集のための係官を常駐するなり、あるいはそういうものと国際的な協力によって特別の措置を講ずるなり、そういうふうにして海外から国内に密輸入されるその情報をまずキャッチする。それと同時に、国内においても情報の収集に努める、そういう点が何をおいても私どもとして第一に考えなければならない点じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それから、そういう情報の収集というものは、私ども厚生省の麻薬取締官だけの問題ではございませんし、これに関連する警察はもちろんのこと、税関あるいは海上保安庁、その他いろいろとこの麻薬取り締まりに関連する官庁との緊密な連携ということが非常に必要になってくるかと思いますので、そういう点についての一つの情報交換の制度を、今でも警察との間には互助協定も結んでおるわけでございますが、さらに緊密にしていく。海外の情報についても、同様に関係各官庁と緊密な情報をとって、それぞれの立場から麻薬の不法侵入というものに対する的確な情報収集、それに基づいて適正な手を打つということが根絶のための一番大きな手段であろうかというふうに考えられるわけでございます。 大体この前の委員会で御質問がありました点は以上のような点でございましたので、私から御説明を申し上げた次第でございます。
○委員長(加瀬完君) 委員長から厚生省に御注意を申し上げますが、今ぐらいの資料ならば簡単に印刷ができて、本日の委員会にも間に合うはずでございますから、御説明のときには、なるべく資料を提出するようにお運びを願います。 なお、ただいまのはこの前の御質問についての御説明だけでありまして、厚生省としての麻薬の根本的な対策は何かということは明瞭ではございません。次の委員会には、厚生省の根本的な麻薬対策というものをはっきりと項目的に打ち出しまして、予算的にもしも裏づけなければならない問題がございましたら、予算の額も想定をされまして御提出をお願いをいたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。 他に御発言もないようでございますので、本日はこれにて散会をいたします。 午後零時四十三分散会 ————・————