社会労働、農林水産委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/08/30
会議録
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。 前例により、私が連合審査会の委員長の職を勤めさしていただきます。 これより環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入るわけでございますが、その前に委員長より注意をいたします。農林、厚生両省には、きょうは連合審査会であり、特に農林水産委員会の諸君は、ただいま提案をいたしております法案については、多大の批判をお持ちでございますので、十時から二時間の予定でありますので、定刻までに必ず御出席いただきますように依頼いたしておったわけでございますが、待つこと実に二時間に近くなります。蛇足でございますが、延べ時間にいたしますと、四十時間以上を委員は待ったことになります。これは連合審査会をあまりにも軽視する御態度でございまして、私どもは承服するわけには参りません。以後御注意を願いたい。 これより質疑に入ります。御質疑のある方は、どうぞ順次御発言を願います。
○藤野繁雄君 私は、質問をする前提として、本法律案の成立の経過から申し上げてみたいと思うのであります。 昭和三十二年の四月二十七日に衆議院から参議院に送付されて、参議院は社会労働委員会に本案を付託されたのであります。参議院の農林水産委員会においては、食肉販売業をこの法律の適用業務とすることは、農林政策の遂行上に問題があるといたしまして、社会労働委員会に連合審査の申し入れをいたしまして、両委員会の連合審査が行なわれたのであります。また、農林大臣と厚生大臣及び自民党のほうでは話し合いが行なわれたのであります。そして、この法律案に対する政府の意見としては、農林大臣の意見を付して原案に同意する旨の閣議決定がされたのであります。その農林大臣の意見というのは、食肉販売業及び氷雪販売業をこの法律案から削除すべきであるという確認のもとに閣議で承認されておるのであります。厚生、農林大臣及び自民党の総務会長、幹事長、政調会長は、五月二十日にこの法律案に関する覚書を作成したのであります。その覚書は、「厚生大臣は、食肉販売業及び氷雪販売業に関する本法の施行及び運用については、事前に農林大臣の同意を得るものとし、次期国会において本法を改正し、食肉販売業及び氷雪販売業を削除するものとする。」という覚書であるのであります。農林水産委員会は、農林水産委員会の決議といたしまして、この法律から食肉販売業及び氷雪販売業を除くべき旨を社会労働委員会に申し入れたのであります。社会労働委員会は、右によって、食肉販売業及び氷雪販売業を適用営業から除外すること、厚生大臣による規制措置は営業方法の制限のみとし、料金の制限をはずす等の修正をして可決されたのであります、次いで、参議院においては、委員会の修正議決どおり可決されたのであります。しこうして、これが衆議院に送られたところが、衆議院とは前もって了解ができておったにもかかわらず、三分の二以上の多数をもって参議院の案は否決されたのであります。 その後の経過を考えてみまするというと、その後本法は改正されずして、本法の運用については、八月二十八日に農林事務次官と厚生事務次官との間に、次のような覚書がとりかわされたのであります。その覚書は、「一、厚生大臣は、食肉販売業及び氷雪販売業に関し、本法に基づき、又は本法を施行するため、法令を制定し、若しくは改廃し、又は認可その他の処分を行なおうとするときは、文書を以てあらかじめ農林大臣の同意を得るものとする。 二、厚生省は、食肉販売業及び氷雪販売業に係る本法の施行に関し、通達を発する場合には、農林省の同意を得るものとする。」こういうふうになっておるのであります。その後、この覚書に基づいて環境衛生同業組合及び同連合会の設立については、厚生大臣から協議があり、しこうして、農林大臣はそれに同意をせなくちゃできないのであるが、つまり農林大臣の同意を得なくちゃできないのであるが、農林大臣の同意を待たずして、厚生大臣は、環境衛生同業組合及び同連合会の設立を認可しているのであります。同意を得ずして認可しているのであります。昭和三十五年の七月に、全国食肉環境衛生同業組合連合会から、食肉販売業に関する適正化基準の設定認可について厚生大臣に対する申請が行なわれ、厚生大臣から、中央環境衛生適正化審議会に対して諮問が行なわれたのでありますが、同審議会は、営業方法の制限、すなわち、休日、営業時間等に対する制限に限って設立すべきものであると答申したのであります。この答申に基づいて厚生大臣の協議があったから、農林大臣はこの協議には同意しているのであります。こういうふうな経過でありますから、これから質問に入るのでありますが、農林、厚生両事務次官の覚書によれば、環境衛生同業組合の設立を認可する場合は、農林大臣の同意を要するにもかかわらず、農林大臣の同意をなくして、厚生大臣が一方的に認可したということはいかなる理由であるか、覚書違反ではないかということが第一の質問であります。 次は、厚生、農林両大臣及び自民党の三役の覚書によって見ますると、厚生大臣は——中間を省きますが、「次期国会において本法を改正し、食肉販売業及び氷雪販売業を削除するものとする」と、こういうふうな約束をしておりながら、今日まで右改正法律案を厚生大臣が出さなかった理由はどこにあるか。この二つの点をまずお尋ねしたいと思うのであります。
○国務大臣(西村英一君) お答えする前に、委員長から御注意がありましたことでございますが、弁解をここでするわけではございませんが、どうも皆さん方、お待たせしまして、まことに相済みませんでした。 ただいまの藤野さんの御質問でございまするが、私も、その覚書等につきまして拝見いたしましたが、昭和三十二年となっておるわけであります。今日までもう五年になっておるわけでございます。それで、私たち厚生省としては、農林省と今までいろいろ協議をしてこの食肉販売行政に当たってきたと思うのでありまするが、今御指摘の点の申し合わせがあるにかかわらず、どういうわけで申し合わせを守らなかったかということにつきましては、私、それ自身については、これをつまびらかにしらないのであります。もしよければ政府委員からお答えいたしたいと思います。私たちの厚生省で食肉販売業を環衛法の中に入れておる精神は、価格の点云々というような、そういう問題を取り扱うという意思はあまりないのであります。ただ、衛生の上から、これを等閑に付するわけにはいかないという精神でございますから、そのつもりでわれわれはやっておるわけでございまして、その点だけは、ひとつ藤野さんも趣旨だけは御承知おき願いたいと思うのであります。今のこまかい点は政府委員から一こまかい点をいいますと、そのケースの点は私は存じ上げませんから。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいまお尋ねの、組合の設立の認可につきまして農林大臣の同意を得ないことは覚書違反ではないか、こういう御質問でございます。私も、もちろんそのときの当事者ではございませんので、記録その他によりましてお答えをするわけでございますが、当時の事情を記録によりまして見ますと、覚書の線に沿いまして、厚生省からは農林省のほうに御連絡をいたし、御意見を求めたわけでございます。これに対しまして、農林省のほうからは、当時中小企業団体の組織に関する法律が成立する過程によりまして、その法律に基いて組合を組織するように指導したい、そういう旨の御返事があったように記録に残っております。そこで、厚生省といたしましては、この中小企業団体の組織に関する法律に基づいて組合を組織すべきか、あるいは環衛法に基いて組合を組織すべきかという二つの道があったわけでございますが、食肉の組合の業界厚生省といたしましては、その認可の書類その他を十分審査いたしたわけでございますが、法規上の欠点がございませんので、これを認可しないという理由がなくなりまして、やむを得ずこれを認可したといういきさつと承知いたしております。
○藤野繁雄君 しかし、両次官の覚書によれば、農林大臣の同意を得る、得なくちゃできないと書いてあるのに得ないままにやるということは、行政庁の連絡がまずいじゃないか、将来においても、こういうふうな連絡のまずいような方法で運営される方針であるか、承りたいと思うのであります。
○政府委員(五十嵐義明君) 当時の経過につきましては、ただいま申し上げたような事情でございまして、いろいろ当事者の間に事情があったことと思うのでございます。少くとも、私が従来この問題につきましても、何回か畜産局長ともお話をいたしております。この運営につきましては、農林省のお立場、お考えというものを十分承知いたしておるつもりでございます。今後は、こういう問題につきましては、十分御趣旨を尊重して、連絡を密にして運営して参りたいと、かように考えておるわけであります。
○藤野繁雄君 次は、今回提立された環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案によって見まするというと、従来はどういうふうになっているかというと、適正な衛生措置の阻害と、こうなっている。今農林大臣がお話のとおりなのです。それに今回は新たに営業の健全な経営の阻害ということを加えられた。この点からいえば、さっき厚生大臣がお答えになったのとは反対になっておるのであります。しこうして、そのためには適正化規定の認可、員外者に対する事業活動の改善の勧告及び規制命令等が発せられるようになってこういうふうなことになれば、さっき厚生大臣がお話になったのと全く正反対の法律案が提案されておるのであります。また、農業の生産部門から考えてみまするというと、農業基本法の立法の精神に基づいて、農業の生産の増加をはかり、国民生活の安定をはかり、かつ、国民の食生活の改善をしよう、こういうふうなことになって、畜産の奨励をしなくちゃできないのであります。しかるに、今申されたような法的の改正をすれば、こういうふうなものは根本的にこわされるのであります。また、国民生活から申しますというと、国民大衆の食生活の安定に支障がある。こういうふうに私は考えるのであります。それでありますから、先の経過のときにも申し上げましたように、中央環境衛生適正化審議会においても、答申には、休日、営業時間というようなものの制限だけをせろという答申をして、これによって厚生大臣と農林大臣は同意があって認可されておるというようなことになれば、今回の改正というものは中央環境衛生適正化審議会に諮問されて、まず中央環境衛生適正化審議会の意見はどうであったか、また、厚生大臣は改正案についてはどう考えておられるのであるか、さっきはそういうふうなことはしたくない、藤野もそれを了承しろ、こういうふうなことであったのでありますが、この点はどうであるか。また、この点については、厚生大臣は、自民党、社会党、民社党の三党からどういうふうな協議を受けておられるのであるか、その協議を同意されたのであるかどうか、この点お伺いしたいと思うのであります。また、本法律案の制定当時には、前にも申し述べたとおりに、閣議にかかっておるのでありますが、今回は閣議にかけて、閣議においてもこれは了承されたのであるかどうか、これをお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(西村英一君) 非常に専門にわたった御質問でございまするが、私、今度のこの法案は議員立法でございまするが、その精神は、主としてサービス業についていろいろ調節しなければならぬ問題があるので議員の方方の立法になったと思うのであります。今のお尋ねは非常に詳細なことでございますので、政府委員から答弁をさせたいと思います。
○政府委員(五十嵐義明君) だんだんのお尋ねでございますが、最初に、今回の改正の主要な点でございます衛生措置と健全な経営の問題でございますが、この点につきましては、私ども立案者の御意思をそんたくしてこれを理解しております限りでは従来、勧告あるいは、規制命令を出します基本的な要件として、この二つが重なって存在するという場合に勧告あるいは規制命令を出すということになっておりましたものを、それぞれに書き分けたというふうに理解しておるわけでございまして、衛生措置の上に、さらに健全な経営の阻害の問題を書き加えたというふうには理解いたしていないわけでございます。そこで、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、厚生省といたしましては、衛生措置の問題からこれを強く取り上げまして、この法律の運営に当たっていきたいということで、それに反するじゃないかという御質問の趣旨かと存じますが、私どもの実際に業界と接触したしまして感じておりますところでは、衛生措置もちろん独立して重要な問題がございます。しかし、健全な経営なくして、衛生措置のみを求めるということは、非常にむずかしい問題だと考えるのでございまして、この間に密接不可分な関係があるというふうに理解しておりますので、今回の改正にあたりましても、立法の趣旨、あるいは第一条の目的に沿いますように、私どもといたしましては、運用上、衛生措置に遺憾のないように、公衆衛生の向上に役立つように運営して参りたい、かように考えておるわけでございます。 また、この法律が施行されましたならば、大臣はどのように運営するかというお尋ねがございましたが、これは先ほどの大臣の御答弁、あるいはただいま私が補足したしましたところで尽るかと思います。 また、三党からどの程度の協議を受けたかということでございますが、よりよりのお話は承りましたが、これは閣議で決定というような運びには至っていないように私は承知いたしております。
○藤野繁雄君 時間がないから、あまり突込んで質問はできないが、この前は閣議でそういうふうな話があり、今回閣議でそういうふうな決定がないということは、私は遺憾に存ずるということを申し述べておきます。しかし、これがいよいよ通過して実行されると いう段になれば、さっきも申し上げましたように、日本の農業の成長部門である畜産業の振興に重大なる支障があるということは、御了承の上に運営に当たっていただきたいと思うのであります。 次に、農林大臣にお願いしたいのでありますが、農林大臣は、農林委員会で、私の質問に対して、こう答えておられるのであります。私もよく懇談いたしておりますが、何らかの方法で、環境衛生からやる権限と、経済関係からやる権限とは、明らかに区別してもらうように、せっかく今協議をいたしておりますので、どうぞ委員会におかれてもよろしくお願いいたします。こう答弁いたしておるのでありますが、その後、農林大臣はどんな協議をされたか、その結果を承りたいと思うのであります。
○政府委員(森茂雄君) 本法の運用の点に関しての御質問でございますが、これは先ほどお話のように、三十二年に立法されたときも議員立法でありましたし、今度の改正案も議員改正でございますので、農林当局といたしましても、厚生当局と十分相談いたして、現在審議中でございますので、これが通過後における措置につきましては、事務当局同士相談をいたしております。私どの現段階におきまする両当局の当事者は緊密な連絡をはかって、前の御抗議がございましたような状況と違って、円滑な運営をして参りたい。その内容といたしましては、現在畜産局、農林省側でながめておりまする状況といたしまして、特に食肉の消費は異常な増加を続けておる際でありますので、当該業者から、衛生措置等の関係、あるいは今回独立しての健全な経営をはかるために最低価格等を決定して、それより以下に減らせないというような状況があるようなお話も聞いてはおりまするけれども、当局からながめた状況といたしましては、一店当たりの食肉の販売量も、非常な勢で増加しておる現在、消費の増進こそすれ、最低価格を設けまして、販売価格の制限等の認可の申請が出ましょうとも、農林当局及び厚生当局は、これだけの健全な経営を阻害するという状況、あるいは阻害するおそれありという状況が現状においては見られませんので、運用といたしましては、現在二、三年のうちにそういう状況が出るとは考えられないわけであります。したがいまして、現在まだ新しく改正される運用に関する覚書は締結はいたしておりませんけれども、現在の両当局の緊密な連絡で万全な運用を期して参りたいと思います。ただ、何せ議員立法でございますので、各省全般にわたっての協議を経て閣議を決定され——政府提案をいたしておりません関係上、前の立案当時後における運用が適当でなかったという点もありますので、十分御審議等もいただきまして、政府側としても、十分万全の策を講じていかないと、とかく前のような状況を、また非常に現在緊密な連絡をとっておりますけれども、人がかわればそういうことにまずい場合が出てくるのじゃないか、こういうようなおそれはわれわれ痛感しておるわけであります。したがいまして、政府当局といたしましては、政府部内におきましても、万全な、十分な各省一致の、公取あるいは別途中小企業団体組織に関する法律がありまして、不況条件につきましても、サービス業あるいはその他の販売業についても、厳格な運用をされる法律もありますので、それらとの関連を十分政府部内において統一をして運用されるべきものだと考えるわけであります。
○委員長(加瀬完君) 委員長より政府委員にお願いをいたしますが、質問者の持ち時間が非常に制限をされておりますので、御答弁は簡単に、しかも明確にお願いをいたします。
○藤野繁雄君 次は、経済企画庁長官にお尋ねします。この法律が成立したならば、国民経済に悪影響を及ぼすことがなきにしもあらずということを心配しておるのであります。すなわち、食肉の生産に支障を来たし、国民の消費生活に支障を来たし、国民の体位向上に支障を来たし、あらゆる方面から悪影響があると考えておるのでありますが、企画庁長官はこれに対してどういうふうな考えを持っておられるか、お伺いをしたいのであります。できるだけ簡単にお願いします。
○説明員(羽柴忠雄君) この法律につきましては、先ほどの経緯にもございますように、議員立法でもありまして、政府部内におきましてその影響等につきましてはいろいろ検討をいたしておるわけでございまするが、今直ちにこれが悪影響を及ぼすかどうかということにつきましては、まだはっきりした御答弁を申し上げる段階に至っておらないのであります。
○温水三郎君 厚生大臣の答弁によると、この法律は衛生の立場からのみ関与する考え方であるというような御答弁であると解釈して差しつかえないかどうか、この点をまず伺いたい。
○国務大臣(西村英一君) サービス業は、いろいろな点につきまして規制をしなければならぬ点が起こったのでこの議員立法になったのだと思われるのですが、全然今サービス業のみではないのでありますが、その精神といたしまして、この法律の制定によりまして肉食販売のほうに影響を与えるというようなことを私は考えておらないのであります。
○温水三郎君 営業の健全を阻害するおそれがあるという場合が食肉業の関係についてどういう予想があるか、この点についてお伺いしたい。
○政府委員(五十嵐義明君) この法律の基礎になります規制関係についてのお尋ねかと存ずるわけでありますが、私どもの理解しておりますところでは、先ほどもちょっと触れましたように、組合の自主的な活動によりまして健全な経営を行なっていくということを基盤にいたしまして、その上に立って衛生的な措置が確実に守られるということを窮極の目的として運営しておる。したがいまして、厚生省の立場といたしましては、第一条に書いてございますように、公衆衛生の向上をはかっていくということが、この法律の窮極の目的である、このように考えております。
○温水三郎君 それでは、中小企業団体の組織に関する法律の中で、いわゆる不況カルテルなるものが存在しておるのですが、これがあるのにかかわらず、なおこの環境衛生法によって、健全なる運営が阻害されるおそれがある場合に規制することができるような法律を作らなければならない理由をどう御解釈になっておるか、伺いたいと思う。
○衆議院議員(小沢辰男君) ただいまのお尋ねは、むしろ私ども衆議院の社会労働委員会で立法いたしましたので、立法者としてこういう点を第一条の改正点の中に入れた理由を、中小企業団体法との関連においてお尋ねになられたのじゃないかと思いますので、私どものほうの委員会の各党の打ち合わせによる第一条、特に第一条の改正をしようとしました考え方を申し上げたいと思うのでございますが、御承知のとおり、環境衛生関係営業のいわゆる環営法、これが立法されたときは昭和三十二年、御承知のとおり、中小企業団体法というのは不況カルテルだけのものでございました。ところが、御承知の前国会において中小企業団体法の改正が両院を通過いたしまして、この改正によりますと、今度は合理化カルテルまで団体法の中に取り入れてあるわけでございます。そういうように、環営法立法のときとは、だいぶ状況が異なっている客観情勢がございましたので、それから、また、一方、もう一つ一番私ども関心が深かったのは、いわゆる環営団体のプロパーの団体としては、御承知のとおり、理髪業、パーマ、その他のいわゆるサービス業というものがございますが、これが厳格に適正な衛生措置の阻害というような条件だけで特に営業方法その他料金の問題を考えていきます場合には、その判定等がなかなかめんどうな場合がございます。たとえば、過般、昨年の秋に起こりました東京都の理髪関係の規制命令発動の要請に対しまして、今日までの事態の推移を見ておりますと、営業時間の関係を主として取り上げたわけでございますけれども、営業時間が延長されることによって適正な衛生措置の阻害がどの程度起こってくるかということは、相当長期間にわたる従業員その他のいろいろな健康管理の面をデータとして集めなければなかなか出て参りません。また、一方、すでに現行法の第一条にありますように、「当該営業における過度の競争により適正な衛生措置を講ずることが阻害」され、るということが、すでにこれは立法当初からあるわけでございますので、したがって、中小企業団体法の観念が変わってきている今日、当然そちらのほうで、商工組合として、もし中小企業団体法でいこうという場合には、この法律の適用業種であっても、中小企業団体法で、そうした面、いわゆるカルテル、あるいは本法にいう適正化規程に類することはできるわけでございますが、相なるべくんば、これらの環境衛生関係の業種については、中小企業団体法によらないで、その同じ内容でこちらの法律に生かしたいという気持ちもございまして、いろいろ三党で話し合った結果、この営業の健全の阻害という要件を、適正な衛生措置の阻害の要件と並んで一つ入れて置こうじゃないか、こういうことに相なったわけでございますので、その点御理解をいただきたいと存じます。 なお、食肉関係のことにつきましては、現在適正化規程もございませんので、したがって、今後の問題として、われわれも衆議院の委員会におきまして、一方、農業基本法を中心にする畜産の奨励と、それの流通面のことを十分考えた上で、いずれそういう問題のはっきりした結論がついたときにやろうじゃないか、こういうことで、当面は一応関係のないものとして今度の改正に踏み切ったわけでございます。
○温水三郎君 ただいまの御答弁によって、中小企業団体の組織に関する法律があるけれども、環境衛生の立場から一歩進めたものというふうに私は解釈せざるを得ないのでありますが、中小企業団体の組織に関する法律が、これが不徹底であって、この制限をもう少し緩和しなければ中小企業の保護育成に適切でないという理由でこの法律の改善を企図せられるならば、これは別問題でございますけれども、環境衛生の立場から一歩を進められるといたしますならば、中小企業団体の法律に定める場合におけるこの制限をくぐるという意図があるように考えるのであります。中小企業団体の組織に関する法律におきましては、わが国の経済全般について、他の業種あるいは消費国民に与える影響を十分考慮して、公平なる政治の立場から非常に大きな制限を設けておるにかかわらず、環境衛生の立場から一歩進めるということ、これらの影響をかなり度外視した結果になることを私はおそれるのでありまして、ことに食肉業の関係においては、さっき藤野委員が言われたように、わが国の農業を推進するために農業基本法を制定せられた今日の政治の背景によって、畜産の振興ということをはあわれわれは大いに考えなければならない場合に、先ごろ豚肉が非常な値下がりをしたにかかわらず、小売価格は下がっていない、こういうようなことから、農民は自分の生産するところのものの拡大をはからんがために、食肉を比較的安価に供給して需要の拡大をはかっていく、こういう自衛手段をとるに至っておる。しかも、生産農民が拡大をはからんがための共販ということも考えて今日やっておる。これはもうささやかなる零細農民の正当防衛的行為であると私は見るのでありますが、環境衛生法の立場から一歩を進めるということは、かような農民の唯一のささやかなる防衛手段、これを奪うところの結果になるのであって、私は、これを食肉業に適用されるにおいては、わが国の農業、ことに畜産の発展については、非常に重大な結果を来たすものと考えるのであります。私は、時間がないから意を尽くしませんけれども、この法律の適用にあたって、食肉業を除外せられることを要望するのでありますけれども、これがそこまで修正できないものとするならば、少なくとも、最小限度閣議決定をもってこの法律の取り扱いに関して、絶対に畜産に影響を来たさないような行政的明確なる措置をとられることが絶対に必要であると考えるのであります。これに対する厚生大臣並びに農林大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) さいぜんも申しましたように、厚生省の立場としては、あくまでも衛生を主眼として考えておりまして、従来とも、この食肉の生産、販売、卸しというものについて、私たちのほうでとやかく言うつもりはないのであります。しかし、今おっしゃいましたような心配もあるということでございますので、その点はひとつ私としてもできるだけ考慮してみたいと思っております。
○政府委員(大谷贇雄君) ただいまの御質問の問題につきましては、両大臣におきまして明確にいたす必要がある、かように存ずる次第でございます。
○温水三郎君 重ねて御答弁をお願いいたしますが、閣議決定を経て、畜産業に影響を来たさないという行政的万全の惜置をおとりになる考えであるかどうか、両大臣に重ねて御答弁をお願いします。
○国務大臣(西村英一君) 閣議決定をしてやるかどうかということは、もうしばらく考えさしていただきたいのでありまして、行政につきましては、従来もそういうあれをとっておりませんし、また、今後も、そういう販売について影響を及ぼすというようなことを私は考えておらないのでありますが、閣議決定をどうするかこうするかということは、しばらく考えさしていただきたいと思います。
○政府委員(大谷贇雄君) 畜産局長から御答弁をさせます。
○政府委員(森茂雄君) 本法の改正は議員立法でございますし、ただいまだんだんと御意見がありましたように、閣議決定を経て提案されない関係もございますので、いろいろ過去におきしても、国会の皆さん方に御迷惑になる時間をかけておる関係上、閣議決定を経てやることが、今後のいろいろ運用惜置について万遺憾なきを期するものと考えまして、私、農林大臣に対しては、そういうふうに上申いたしておきます。
○温水三郎君 厚生大臣の御答弁に対しては、不満の意を表します。私は、社労委員会において、食肉業を除くという修正が行なわれることを希望いたしまして質問を終わります。
○渡辺勘吉君 先ほども委員長からも触れましたように、肝心の農林大臣がまだ見えないのに私の質問を提起することは、きわめて不適当だと思いますが、大臣は一体何時ごろ見えますか。
○委員長(加瀬完君) 速記やめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○渡辺勘吉君 それでは、せっかく定刻から御出席をいただいておる公正取引委員会の委員長にまず御質問申し上げます。 この環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律が三十二年の六月に成立をいしましてから今日まで、この法律の第三条に基づきますところの環境衛生同業組合の組織が各地に逐次進渉して参っておるのでありますが、同業組合が適正ならざる料金協定を行なって、公取委が違反の勧告、あるいは審決を行なった事例があるかどうか、あればその具体的な事例を伺いたいと思います。
○政府委員(佐藤基君) この環境衛生同業関係の問題でありますが、サービス料金がだんだん高くなって参りました。これは人件費が高くなる関係でやむを得ない点もありますけれども、少なくとも、消費者物価という見地から、これが高くなるのは極力押えなければならぬという意味におきまして、われわれといたしましては、同業組合のいわゆる価格協定的な問題につきましては、特に意を用いておるわけであります。そこで、三十三年から現在までに問題になったのが十七件あるわけであります。しかして、その内訳を申しますというと、まあ善意か悪意かちょっとわかりませんけれども、この制度を十分知らないために、あやまって価格協定したという事件も相当ありますので、そういうものにつきましては、これを問題といたしまして、事情をよく話して注意するというと、そういうことだったかと言うて、その価格協定をやめておるという事件もあります。しかしながら、まだ結末がついていない事件がだいぶんありまして、今年の八月十八日現在におきましては六件問題になっております。そのうちの五件は、成規の手続によりましてやっておりますし、その他残りの一件につきましては、まだ予備審査中でありまして、いかなる措置を講ずるかという点にはまだいっておりません。そういう事情であります。
○渡辺勘吉君 たとえば、このサービスの対象のうちの理髪料金に例をとりますと、現在理髪料金は二百五十円ないし二百七十円に一斉に値上げをされておる実態であります。これは個々の業者がそれぞれの独自の立場で値上げをした形をとってはおりますけれども、実際は同業組合のやみ協定によって実施されておるというのが実態であると思いますし、この事態は、独禁法の運営から申しまして、当然公取として取り締まらなければならない事態であると思いますが、この点に対する委員長の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(佐藤基君) ただいまのお話、ごもっともでありまして、たとえば東京で申しますというと、基準料金は百六十円でございます。ところが、実際百六十円の床屋なんていうのはごく少なくて、大部分は二百円とか二百五十円とか、あるいは三百円とかいうのでありまして、しかもへそれは一定の地域において大体同じ料金であるように思われるのであります。そこで、われわれの立場といたしては、どうしてもこれは協定等がありはしないかというので、一生懸命に調査をしているのでありますが、その結果、先ほど申したわずかな件数でありますが、問題にしたのがあるのであります。公取といたしましては、さらに十分調査いたしまして、独禁法違反事件があれば、これの排除措置を講ずるというふうに、極力努力したいと思います。
○渡辺勘吉君 この中央環境衛生審議会に公取の代表が委員として入っておられるはずでありますが、この中央環境衛生審議会の審議を通じてきめられた——今理髪で一例の御紹介がありましたが、理髪の場合は中央基準が百四十九円五十銭、公取委員も、この基準料金で十分衛生なり、あるいは営業の適正が期せられることに同意をして決定されたと思いますが、その点の理解の程度はどうなっているのでありましようか。
○政府委員(佐藤基君) お話のとおりであります。
○渡辺勘吉君 現在の実施されております料金は、今申しました理髪の例にとりましても明らかなように、基準料金を大幅に上回っているわけでありますから、特別にこれ以上同業組合の権力を強めたり、あるいはアウトサイダー規制を強化する必要はないわけでありまして、むしろ自由な競争を行なわせることこそが、国民経済、特に消費大衆の利益のためになると考えるのでありますが、これに対する委員長の御意見はいかがでありますか。
○政府委員(佐藤基君) 消費者大衆の立場から申しましても、また、独禁法の立場から申しましても、結局自由競争をいたしまして、同じサービスのものはなるべく安くするというのが理想であります。しかして、その基準料金、東京で申しますれば百六十円というのが適正だと思っております。
○渡辺勘吉君 今、理髪の具体的な例で重ねて御回答いただいたのでありますが、この実施されている料金の値上げの理由としては、人件費の高騰ということで理解をされているようでありますが、総理府の統計局で出した個人企業経済調査によりますと、東京消費者物価、男子調髪料金に占める業主の所得と従業員給与に見ましても、料金の上昇の大部分が、三十五年六月の総理府の調査では、理容料が百五十六円六十七銭というものが、三十六年の九月には二百二円になっているわけで、この上昇率が二八・九%であります。しかし、理容料の上昇率よりも、従業員給与の上昇率が約一〇%低いわけであります。業主所得がむしろ五八・七%と、非常に大きな幅の上昇を来たしておって、肝心の水道、光熱費その他の経費、材料費がわずか六%しか上昇していない。さらに悪いことには、賃金が上昇いたしますと、料金を上げればよいというような経営者の安易な態度を許すということは、これは経営者に経営の近代的な努力や体質改善の努力をおろそかにさせる結果となって、これは業界の健全な発展のためには、現行の環境衛生法の目的からいっても、非常にこれははき違えられた実態に置かれておると思います。で、委員長にお伺いいたしたいことは、経済憲法である独禁法の第二十四条では、生活協同組合、あるいは農業協同組合、あるいは漁業協同組合等の、営利を目的とせざる特殊法人は、末端価格維持契約から適用を除外されておるのでありますが、この独禁法の精神を類推いたしますならば、環境衛生法においても、農業協同組合、あるいは生活協同組合、漁業協同組合、労働組合等が、当然価格協定から除外される、員外者の規制命令の対象からも除外されるのが至当であると思いますが、この点に対する委員長の御意見はいかがでございますか。
○政府委員(佐藤基君) 員外者規制の問題は、これは自由競争原理から申しましても、極力避けるようにしておるわけであります。したがって、今申されましたような問題は、独禁法でも除外されておるのでありますからして、なるべく員外者規制としても除外するのが適当ではないかというふうに思います。
○渡辺勘吉君 以上の委員長の御答弁を通じて、公正取引委員会としては、この従来の適正な衛生措置の阻害のほかに、新たに営業の健全な経営の阻害というようなことを挿入しようとする改正に対しては反対であるというふうに今までの御答弁を通じて理解をいたしてよろしゅうございましょうか、どうでありましょうか。
○政府委員(佐藤基君) この問題につきましては、公正取引委員会の審議におきましても検討したのでありますけれども、われわれといたしましては、この環営法というのは、先ほど厚生大臣もお話のとおり、適正な衛生措置の確保ということが問題でありまして、そういう限度においてはかまわないけれども、さらに新たな営業の健全な発達ということを加えることはどうかということであります。しかして、そのことは、現在におきましては中小企業団体法の規定によって目的を達し得るのじゃないか、そういう意味で、何もこの法律に入れる必要はないのじゃないかというふうないわゆる反対意見を申しておる次第であります。
○渡辺勘吉君 非常に明快な御回答をいただきまして、たいへん感謝をいたしますが、次に、提案者が、今度のこうしたような、今、公正取引委員長が必要がないとおっしゃったそういうことを、たとえば公正取引委員会に事前に御相談の上に御提案になった経過がございますかどうか、その点をお伺いいたします。
○衆議院議員(小沢辰男君) 御承知のとおり、この法律は前通常国会に提案をいたしたものであります。その際に、私みずからも委員会を代表しまして、公正取引委員会の事務当局に説明に参り、また、いろいろと来ていただいて相談をいたしました。確かに意見の違う点は、今御指摘の内容についてはございましたが、これは委員長の発言は、そのときから私どもも聞いております。なお、今、公正取引委員会が、中小企業団体法のほうでいけるのだから、したがって、この環営法の中ではこの要件を必要としないのじゃないか、こういう御意見でありますが、私どもは、環営関係の業種についてはこの法律でまとめてやっていけるのに、商工組合をわざわざ作って中小企業団体法によって処理をする必要はなかろう。むしろ同じ目的を達するのであるならば、やはりこの環営法の関係の従来の業種については、環営法の中で処理をし得るようにしていくほうがよほど親切ではなかろうか、こういうことに委員会の打ち合わせができたわけでございます。
○渡辺勘吉君 今の法律の提案者の御説明を伺いましたが、事務当局と相談をしたという程度でこういう改正案を提案されたことは、きわめて遺憾であると思います。明らかに委員長自体が、こういう経済立法的な性格にすりかえることについての反対の意思を表明されている点は、もっと責任ある吟味検討を経て御提案をされるべきであったのではないか、この点こそが、やはり改正案に対する大きな問題点であると思います。この点については、農林大臣が出席をされました際に、農林大臣の意見も伺いますし、また、厚生大臣から直接の御回答もいただきたいと存じております。
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
○衆議院議員(小沢辰男君) ただいま公正取引委員長に会わないで、事務当局と相談して、そういう点は、はなはだ疎漏じゃないかというお尋ねでございましたが、私どもは公正取引委員会を代表した担当の部長と相談をし、あるいは議論をして進めた問題でございまして、この点は、公正取引委員長が主宰をする委員会の意見というものを、正式に部長を通じて聞いておるわけでございますから、その点だけは私はっきり申し上げておきます。ただし、見解の相違は、これは政治的な判断に基づく委員会の各党の委員がいろいろ話し合った結果でございますので、この点はおっしゃる御意見は御意見として十分承りますけれども、事務当局、事務官と相談しただけでけしからぬじゃないかということについては、この点はひとつ御了解願いたいと思います。
○渡辺勘吉君 じゃ、この点については、もう一つだけ補足的に委員長に御質問いたしますが、環境衛生審議会に出席をされている公取委の代表も、このことについて反対の意思を述べられたと伺っておりますが、その点はどうでありますか。
○政府委員(佐藤基君) 厚生省の審議会に出て、局長が委員になっておりますが、局長も申し上げたと私も記憶しております。
○渡辺勘吉君 はっきりいたしました。 やっと農林大臣も出席されたようでありますから、次に、農林大臣と厚生大臣にお伺いいたしますが、今度の改正法案では、要綱等にもありますように、適正化規程の認可、あるいは員外者に対する規制命令等の発動の要件として、従来の法律にうたっておる適正な衛生措置の阻害のほかに、新たに営業の健全な経営の阻害を加えることに改正案がなっておるのでありますが、これは先ほど厚生大臣の御説明と局長の御説明との中には、かなりの不統一な発表がございました。しかし、この法律は、本来、衛生立法的な趣旨で貫かれておるものと理解しておったのでありますが、今度の改正は、明らかに従来の衛生立法的な性格から大きくこれを逸脱して、経済立法的なものにその法律の性格を明確にすりかえようとする内容に理解されますが、この点について、まず、農林大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(重政誠之君) ただいま御指摘になりました点につきまして、すりかえようとこの法律がしておるかどうかは別問題といたしまして、少くとも、従来の環境衛生の限度をこえて、経済関係、経済行為にまでこの法律がやろうとすればやれるというふうになるのではないかと私は思うのであります。そこで、私どもの考えといたしましては、御承知のとおり、畜産とか園芸とかいうものは、いわゆる成長部門であります。農業といたしましては、その方面に大いに伸ばさなければならないのであります。肉は、やはりできるだけ安くて、その需要、消費ができるだけ多くなるような指導方針で私どもは指導いたしておるのであります。それが他の原因によりまして、その値段が安くならないような行政措置が行なわれるということになりますと、われわれの行政方針にもそこに異なったものが出て参るのであります。その点につきましては、ただまい御指摘になりましたとほぼ同様な私は考えを持っておるものでありますが、要するに、これはいろいろ他の関係もありましてこういう改正案が環境衛生のほうから出て参ったと思うのであります。そこで、今の環境衛生の限度をこえて運用をせられることのないようにこれをいたせば、それで両方ともその目的は達するのではないかと私は考えておる次第であります。
○渡辺勘吉君 厚生大臣からも……。
○国務大臣(西村英一君) 従来の法律では、員外者の規制をやる場合は、適正な衛生措置の阻害、または健全な経営の阻害ということになっておるわけであります。その両者の条件を備えないと規制ができない、新たに経済上の問題をうたったのではなくて、それを分離したのだと私は今回は解釈いたしておるのでございまして、ただいま農林大臣が申しましたように、厚生省の建前としては、この経済上の問題を、食肉に関する問題については含めておらないのであります。
○渡辺勘吉君 それでは、厚生大臣に、この点についてかさねてお伺いいたしますが、営業の健全な経営が阻害されるという、この改正の中にうたわれておる表現は、きわめて抽象的でありますが、具体的にはどういう場合とそれでは大臣は理解されるのでありますか。また、その具体的な基準について御回答をいただきます。
○国務大臣(西村英一君) たとえば理髪業のような場合に、その理髪最低料金を割って営業するというような場合に、それはまあ大衆からいえば、料金は安ければ安いことがいいと思いますけれども、それがそういうことによって衛生上の措置を怠るというようなこともありはせぬか、その場合に規制をしたいというような場合が起こると思うのであります。ところが、今法律の建前は、適正な衛生措置の阻害ということと、健全な経営ということの二つの条件が備わらないと、なかなかこの規制ができないと思うのでありまして、その点を今度の議員立法で、一つの要件によって注意ができる、勧告ができるといううふうな意味において議員立法で提案をなされたのじゃないか、かように了解をいたしております。
○渡辺勘吉君 その基準はどうですか。
○政府委員(五十嵐義明君) 勧告あるいは規制命令を出すというふうに衛生措置が阻害され、あるいは健全な経営が阻害されておるというような事態をどのように見るかという御質問でございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、先ほどもどなたかの発言のように、東京都の理髪の関係の規制命令のお話が出たわけでございますが、その内容につきましては、私どもは二つの方向を考えておりまして、一つは営業方法のほうに現われてくる、一つは経済的な面で現われてくるというふうに考えております。たとえば営業方法の上でありますと、営業時間を延長して客を招く、あるいは過重な労働を強いるとか、あるいは休日を返上して営業に努めるというような面に現われてくる面が一つございます。また、価格でダンピングをするというようなことから、あるいは景品をつけて客を招くというような面が現われて参りまして、その結果、衛生上の問題に支障多く、消毒その他に問題を残すというように考えておるのであります。
○北村暢君 関連してちょっとお伺いしますが、理髪料金、風呂屋の料金等はいいですが、食肉の基準価格というものは一体どうやってきめるか。環境衛生審議会で食肉の基準価格というもの、また、最低価格というものをきめるのか。おそらく経済官庁でない、また、そういう性格でない審議会で、日日動くこの食肉の価格というものをどのようにこの規準をきめるのか、その方法について説明していただきたい。
○政府委員(五十嵐義明君) ただいまお尋ねの点は、御質問の中にある程度解答が出ていると私は考えるわけでございます。先ほど畜産局長からも答弁がございましたように、この食肉の関係の基準料金をきめていくということは、従来五年間のこの法律の運用上、そういう動きがございません。現在も、また、近い将来も、そういう動きは出てこないように私は理解いたしておるのであります。また、御指摘のとおり、この問題は非常に困難な問題だと考えます。
○北村暢君 健全な経営とか何とかということの判断をするのに、その食肉の価格が何だかわからないで健全な経営ということは何もきめられないじゃないですか。それをきめるのには、そういうものをきめるものさしがなければ、健全経営だか何だかわからない。その基準は一体何か。したがって、きめられない食肉等については除外するというならば話はわかりますよ。だから、そこのところは、サービス料金だだとか何とかということなら、衛生の面からいろいろなデータをとって百六十円なんという基準は出るだろうけれども、食肉の場合には、この健全経営になるかどうかということについての価格がわからないでは、一体健全経営かどうかという基準がわからないじゃないか。したがって、そういう点について、どういうルートで食肉のほうについても処理できるのか、自信があるのか。その判断をするのは、この中央環境衛生審議会、これがやるのかやらないのか、こういうことを聞いておるのです。
○政府委員(五十嵐義明君) 今回の改正を含みまして、勧告を出します場合には、価格に関する問題が出ますれば、中央環境衛生適正化審議会に諮るわけでございます。もちろん規制命令を出す場合にも諮って、その意見を求めてから規制命令を出すということになっておるわけでありますが、その場合、健全な経営が阻害されておるということを明確に見通す手段としてどういうものさしがあるか、こういうことでございますが、それは先ほど申し上げましたように、営業の方法の上で一つものさしがあろうと思います。それから、直接食肉の価格に触れないでも、その営業者の収支、あるいはそれをめぐる諸般の事情というようなことから、経営が健全に運営されているものかどうかという面も出てくるわけでございますので、そういった点で、もし問題がありますれば、そのように処理して参りたい、かように考えております。
○渡辺勘吉君 非常にどうも不明確な回答であって、遺憾に思います。要するに、今までわかりましたことは、この環営法は衛生立法に名をかりて、実態的には、経済的な立法というものが一そうその性格を今度の改正案の上で明確に規定をするものと理解をいたします。この営業の健全な経営という、明らかに経済行為に属するものは、一体何省が所管をされるのか。たとえば、今、北村委員から発言がありました食肉については、どの省が、どこまでの部門を監督されるのか。今の局長のように、経済行為に対してまで厚生省が経営指導までを含めて担当されるのか。その点をまず農林大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(重政誠之君) 食肉についての問題、畜産についての問題は、農林省設置法によりまして、農林省が所管をいたしております。厚生大臣の御所管になるのは、衛生的見地に立っての衛生行政であろうかと考えております。
○渡辺勘吉君 今の点について、厚生大臣から御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(西村英一君) 私のほうも、私のほうの立場では衛生上の問題でございまして、食肉の問題について、その価格をどうしようというような考えは従来もやってきておりませんし、今後も、私としてはやるつもりはありません。
○渡辺勘吉君 今の厚生大臣の御答弁を伺いますと、食肉販売業は、この環営法の対象から削除するのがきわめて妥当であると理解いたしますが、厚生大臣の御意見はいかがでございますか。
○国務大臣(西村英一君) いや、さようではないのでございまして、衛生上の点につきましては、これはやるので、食肉の生産、卸、販売等の価格の問題については、農林大臣のお答えのとおりだと、こう申しておるのであります。
○渡辺勘吉君 今の大臣の御答弁を伺いますと、ますます食肉販売業は環営法の対象から除外することが適当であると今の御答弁からも理解をいたします。それがはなはだ遺憾であるとなれば、大臣のさらに御答弁を伺います。
○国務大臣(西村英一君) 私は、衛生上の立場から、当然現在の食肉販売に対しましても、現在の法律で衛生上の立場からは必要だと、こう言っておるのです。ただし、販売価格の点においては、従来も触れておらないし、今後も触れたくない、こう言っておるのでございます。これは農林省の所管であると、こう答えておるのでございます。
○渡辺勘吉君 それでは、今の点について農林大臣のもっと具体的なお考えをお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(重政誠之君) 食肉の販売業という経済行為をやる事業につきましては、農林大臣の所管であることは間違いございません。ただ、販売をいたします店舗等についての衛生施設、衛生上の取り締まり、衛生上のまた御指導というようなものは、これは厚生大臣の御所管であろうと考えております。
○渡辺勘吉君 与えられた時間がないもので、たいへんどうも残念でありますが、次の問題に入ります。この点については、営業の健全な経営が阻害されたという場合、その場合の同業組合が作成いたしますところの適正化規程が適正であるかどうか、そういうものについては審議会に諮問をされると思いますが、その点はどうでありますか、厚生大臣。
○国務大臣(西村英一君) 今ちょっと聞き落しましたが、その企画の点の問題でございますか。
○渡辺勘吉君 同業組合が作る適正化の規程が適正であるかどうか、それを審議会に諮問をされますかどうか。
○国務大臣(西村英一君) もちろん審議会に諮問をされると私は思います。
○渡辺勘吉君 その答申を尊重されておりますか、今までどうでありますか。
○国務大臣(西村英一君) 答申はもちろん尊重いたしております。
○渡辺勘吉君 それでは伺いますが、理髪料金の例を先ほど公取委員長が申されましたが、東京の組合が百六十円、こういうものに対して、現在は二百五十円から二百七十円にもなっている、そういう点はきわめて遺憾であるという委員長の御回答をいただいておるのでありますが、ほんとうに今大臣がおっしゃったように、その答申を尊重されるという誠意が、経過的にはなはだ微弱であったと理解するのでありますが、その点はどうですか。
○国務大臣(西村英一君) 理髪の問題ですが、その理髪の問題は、最低料金を答申を願っておけるわけでございまして、それ以上の価格について私のほうでとやかく言うあはれない。ただ、安くしろという行政上の指導はいたしますけれども……。
○渡辺勘吉君 どうも理髪にばかり時間をとりますが、先ほどの公取委員長の御答弁にもありましたように、中央基準が百四十九円五十銭、これで十分環境衛生の趣旨に沿った措置ができるという内容でこれが出ておるわけであります。そういう点から申しますと、今の大臣の答弁は、そういう審議会の答申が非常に軽視されておる。今までの経過は別といたしましても、その最低基準料金で十分そういう措置ができるという内容の検討の上でこれが答申されておるわけであります。内容を個個具体的に検討に検討を重ねて出したそれは答申であります。でありますから、過去をこれ以上どうこう申し上げるつもりはございませんが、今後はこの権威ある審議会の答申を十分に尊重して実施をしていただきたいという希望をこの際申し上げておきます。
○委員長(加瀬完君) 厚生大臣お答えになりませんが、今の問題は答えていただいたほうがいいでしょう。
○国務大臣(西村英一君) 答申がありますれば、その答申を尊重いたしまして、料金等、なるべく安いように指導するのは当然でありますので、十分指導いたしたいと思います。
○渡辺勘吉君 この改正案の第二の問題点は、員外者規制の強化の問題でありますが、このような改正案に見られるようなカルテルの行為を行ない、しかも、員外者までにもこれで規制をする、この規制に従わない場合には営業停止処分という厳罰がありますが、一体こういう法律改正の内容は、憲法に保障するところの営業の自由を侵害することにならないかどうか。法制局の御回答を求めます。
○政府委員(山内一夫君) 今の問題は、たしか中小企業団体組織法のほうにもこの例は私はあったと思います。それで、結局、今、環適法の改正される——何と申しますか、適正化規程ができるところの基準の問題、これが法律の所期しておるところの一つの目的でございますが、こういう適正な衛生措置が講ぜられなくなる、あるいは営業の健全な経営が阻害されることになるということが、公共の福祉上、やはりそういう事態を阻止するのが必要であるという前提が立ちますれば、これを全体に押し及ぼさない限り、そういう望ましくない事態が防止できないという前提が立ちますれば、これは憲法違反では私はないと思っております。
○渡辺勘吉君 それでは、次に、問題の食肉販売の問題についてお伺いいたしますが、この食肉販売業が本法の対象営業になっております。その他の対象営業は、氷雪販売業を除いて、全部がいわゆるサービス業でありますのに、物品販売業であるところの食肉と氷雪だけをなぜ加えたのでありますか。もし食肉をどうしても入れなければならないということでありますならば、食品衛生法の業種を全部入れなければ、これは非常に不均衡である扱いが出て参るわけであります。そういう部分をつかまえて、厚生大臣は、この環営法の対象業務はサービス業務であると仰せられたところにもその本質があるように、なぜそういうサービス業務以外に、食肉販売業及び氷雪販売業という、そういう物品販売業を特に抽出して対象業務にされたのでありますか。この点を厚生大臣からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) これは議員立法でございまするからそういうことになったのですが、しかし、それはそれといたしましても、やはり肉を扱うとか、あるいは氷店がやはり非常に病気の面、伝染病等からは、やはり気をつけなければならぬ職種ではなかろうかと私は考えまして、それ以上にわたって私のほうで価格の点を云々するというようなことは、私どもの行政としては出過ぎておりますけれども、その必要はあろうかと私ども思うのであります。
○渡辺勘吉君 どうもこの食品衛生法の対象の中から、特に食肉だけを引き出したということは納得がいきません。畜産は、農基法にもうたっておりますように、選択的拡大の中心とされている項目であります。にもかかわらず、昨今の豚の枝肉の暴落に見られますように、これは産地の価格が暴落をしておるのに、小売価格はその値幅が非常に定着をしております。農林省の最近発表された資料を見ましても、一番最近のことしの一月に例をとりましても、豚肉の産地価格が、前年同月の比較で七二という指数が出ておりますのに、同じく小売価格は九〇という指数が出ております。ことしの六月は、産地の価格が前年同月に比べまして、前年同月を一〇〇といたしますと七七、二三%も産地価格が暴落をいたしておりますのに、小売価格は前年同期に比べて八七、わずか二%の低落を示しておるにすぎないわけであります。こういうふうに、非常に生産者価格が不安定であるという原因は、食肉の流通機構が前近代的であり、前時代的なもので、中間経費が非常にかさんでおるのであります。同じく農林省の発表しておる肉畜の中間利潤を見ますと、農家の庭先価格で生体当たりの一頭の値段が一万五千七百五十円、農家の庭先で一万五千七百五十円に売り渡されたものが、小売価格では二万五千五百八十二円、実に六割二分の増高を示して消費者に売り渡されておる実態であります。中間経費は、この数字から見ましても、六割二分にも達しておる。その中で小売商のマージンは二七%を占めております。金額にして一頭あたり換算四千二百六十四円、こうしたような中間経費の非常に不合理な利潤をこの法律は温存することが意図されておるように考えられるのでありますが、この点について、まず、農林大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(重政誠之君) 食肉の流通機構が十分いっておらないという御指摘でございますが、それは私も全く同感でございます。この点は従来とも改善をいたさなければならないと考えて、検討をいたしておるのでありますが、いろいろの事情もございまして、なかなか思うにまかせませんが、できるだけひとつすみやかにその流通機構の改善をはかって、産地が安くなれば消費者に安く食肉の提供ができる、こういう方向で進みたい、こう考えておる次第であります。
○渡辺勘吉君 それでは、最後にお伺いいたしたい点は、先ほど藤野委員が取り上げられたことについて回答がなかったようでありますので、それを最後に御質問いたします。 三十二年の五月にこの法律が制定されたときに、厚生、農林両大臣、党三役の間で覚書がかわされたのであります。これは次期国会で、食肉販売業を適用業種から削除する、この覚書が取りかわされておるのであります。厚生省はこの覚書にいかに善処をされたか、また、そのとった措置がどうであったか。農林大臣は、またこれに対してどういう相談を受け、また、相談をされ、これの次期国会に提案するということについて善処をされたか、その点をお伺いいたします。
○国務大臣(西村英一君) さいぜんも申しましたように、そういう覚書は私も拝見をいたしましたが、今日まで数回の国会を通って、五年にもなるわけでございます。その間、厚生、農林両省は打ち合わせをして今日に参っておるのが現状でございます。
○国務大臣(重政誠之君) 御指摘のような覚書が存在をいたしておることは、私も拝聴いたしております。厚生省と農林省の間で、その覚書の実行について相談はあったようでありますが、その実現に至らなかった次第であります。そういたしまして、食肉についての環境衛生組合が設立を見たのであります。その際に、農林省側としては、これに対しては反対の態度をもってやったのでありますが、結局それが設立になったというような実情にあるわけであります。
○牛田寛君 環営法の一部改正の問題でございますが、ただいままでの審議を伺っておりましても、非常に問題点が多い。私の感じますところでは、これは改正ではなくて、むしろ改悪ではないかというふうにも考えるわけでございます。そこで、初めにお伺いいたしますのは、提案理由の御説明にもございますが、このたびの改正は、この法律の所期する効果の達成に支障を来たす面があるということで、この制度の整備をしようということの目的のために改正するという御趣旨でございますけれども、具体的にどういう点で効果の達成に支障を来たすのか、この点について提案者から伺いたいと思います。
○衆議院議員(小沢辰男君) 私ども昨年の秋の臨時国会でやはり三党共同で、また、参議院の御承認を得まして一部の法律改正をやったわけでございますが、御承知のとおり、員外者に対する規制命令の発動につきましては、先ほども申し上げましたように、特に営業時間、方法等につきまして、昨年の秋以来、東京都におきまして問題を生じました。いろいろと実際にこれの実情を聞いておりましたところが、なかなかこの法律案の中にある適正措置の阻害というような点を端的に把握するということが非常にめんどうでもあり、かつ、長期を要するというような点で、そのために、せっかく公の審議機関を通りまして認められました適正化規程というものの内部における運営すらなかなかできないという団体の実情等を考えまして、これではせっかく作った法律の円滑な実施ができない、そのために業界が混乱するというような現実の姿を見ましたものですから、それについて考えまして今回の改正をいたしたわけでございます。
○牛田寛君 今回の改正の要点は、まず第一条の「適正な衛生措置を講ずることが阻害され、又は阻害されるおそれがある場合」、その点が最も主要な問題だと考えられておりますが、ただいまの御説明によりますと、特に員外者の規制命令の問題でありまして、特にその内容が勤務時間というような問題を取り上げておりますが、営業の健全な経営云々ということの理由は非常に薄弱であると私は理解するのでありますが、その点についていかがですか。
○衆議院議員(小沢辰男君) 先ほど私が申し上げましたように、中小企業団体組織法の考え方が、特に前回の国会で改正案が成立をいたしまして、不況カルテルから合理化カルテルに進んでいる現状等も考えまして、同じ中小企業者、むしろそれ以下の零細な企業が過当競争によりまして、いろいろの弊害が出てくるということに対して、せっかくできました法律の趣旨を貫くために、いわば看板を二枚掲げるのをできるだけ容易にしていこう、一方、実は適正化規程につきましては、これは御承知のとおり、先ほど質問にございましたが、審議会を通り、そうした消費者団体も入った、あるいはまた第三者的な意味で公取の委員も入ったようなところでできたものについての員外者に対する適用でございますので、したがいまして、今回の改正をすることにより、そういう基本的な点についての公正妥当は担保しながらも、それのでき上がったあとの適用でございますので、よりやりやすくするということに実は政治的な意味で重点を置いたのでございます。
○牛田寛君 今お話を伺いますと、環営法の効果の達成に支障を来たすという提案理由でございますが、それとは少し焦点がずれておる。むしろ経済不況という、一つの経済的な一般の現象面からこの改正をなさったというふうに私ども聞こえるんです。そういたしますと、環境衛生上の措置を実施していくということが本来の趣旨であるところの環営法の本旨を、もうすでに改正の動機からしてずれておる、そういうふうに私はただいまの御答弁から理解するのであります。
○衆議院議員(小沢辰男君) そういう意図は全くございませんで、御承知のとおり、発端になりましたのは、営業時間、あるいは休日の問題からからみまして、これらが組合できめました適正化規程というものを員外者に適用する場合に、その適用にあたっての条件として、しかも、第一条にも、また、すでに員外者に対する規制命令の発動の現行法の五十六条の二の規定におきましても、「営業の健全な経営が阻害」ということがやはり出てきておりますので、零細企業であればあるほど、営業の健全を阻害するようなことであると、衛生措置はやはり確保されないというような意味でここに改正をやったわけでございますから、不況の現況を打開するための経済的な目的の改正という意図は、また、そういう議論をしたことも、実は衆議院の委員会の協議ではございません。
○牛田寛君 現行法では、衛生措置を講ずることが阻害された場合に、料金等の規制、その他の経営の安定をもたらすための措置を講ずることができるようにという表現になっております。ただいまの御答弁であれば、現行法で十分これは規制できるのであって、何も特に取り上げて営業の健全な経営が阻害されるという条項を入れる必要はないと私は考える。
○衆議院議員(小沢辰男君) 現行法の五十六条の二にも、当該営業の健全な経営が阻害されている事態が存し、かつ、このような事態がそのままであると、適正な衛生措置の阻害を来たすおそれがあると、こういうのが要件になっておるのでありますが、したがいまして、私ども今回の改正で考えましたのは、もちろん政府としては適正な衛生措置の確保ということにあるわけでございますが、営業時間や、そういう面になりますと、なかなかそれを判定するための材料は、相当の長年月にわたりまして、それが労働条件にいかに反映し、その労働条件の結果、実際に顧客に接する衛生——その人たちの健康状態がどういうふうに影響し、それから、さらに他に衛生上の被害を及ぼすような事態になるかどうかという点については、非常に実はめんどうでございますので、健全な経営の阻害が、やはり業界全体から見ますと、だんだん質の低下になってくる、そういう面を特に重視いたしましてこの改正をやろうとこういうことにしたわけでございますので、決して実は業界の経済的な問題を解決するためではありません。その点は、特に発端は、やはり十月以来の規制命令のいろいろな論争、論点から見ました、そういうことで起こってきた点を御了承いただきたいと思います。
○牛田寛君 今までたびたびこの点について論議されておりますので、こまかい点を一つ一つ申し上げませんが、環営法は、どこまでも環境衛生ということを主体として定められた法律でありますので、ただいまの御答弁でありますと、あらためて経済措置も行なうというような立場での改正であるというふうに変わってきているわけであります。先ほどのお話ですと、この法の制定の際には、中小企団体法もまだ制定されておらないときであるということでありますが、すでに団体法が制定されておりまして、しかも、不況カルテルだけではなしに、合理化カルテルも成立の要件に入っているわけでありますので、むしろそのような経済的な要件を克服するためには、中小企業団体法によって処理することが当然である、かように私は考えるわけでございます。何ゆえ……。
○衆議院議員(小沢辰男君) ごもっともな御意見でございまして、私どももそういうような点を考えてみましたが、同じようなことであるなら、この法律の議員立法されました当時のいきさつから見まして、公衆衛生の見地から、関係の深い業界、これらの業界が一本にまとまって指導され、監督もされ、運営せられていく環営法で同じような目的を達するほうが、より合理的ではなかろうか、こういう各党の意見になったわけでございます。
○牛田寛君 ここに一つの問題点が出てくると思うのですね。中小企業団体法は、独禁法の適用除外としてカルテル行為を認めておりますが料金あるいは価格の規制の点については、それ以前の何段階かの条件がある。中小企業団体法を見てみますと、十七条の「商工組合の事業」では、第一項第一号、第二号、第三号では、価格の規制の前に、原材料の購入があるとか、流通の問題であるとか、あるいは販売数量だとか、そういう点についての規制を行なった上で、どうしてもその不況条件が克服されないとき、または不安定条件が克服されないときに、初めて物価なり賃金の規制を行なうことができるという、そういう慎重な形をとっているわけであります。ところが、今度の改正は単に「営業の健全な経営」という抽象的な表現だけでこの一項が入っている。これはこの一項のためにカルテルの成立要件が成立するおそれが十分あるわけです。単に一面の現象であるところの勤務時間の問題、それから衛生状態から考えてその判定を下すのが困難であるというような理由だけでこういう基本的な経済要件というものをこの中に入れるということは、これは根本的に大きな誤りであると私は思います。この点について公取委員長の御意見を承りたい。
○政府委員(佐藤基君) ただいまお話がありました中小企業団体法におきましても、あるいはまた独禁法の不況カクテルにつきましても、価格協定ということは、よくよくの場合でないとさせない。まず第一段の数量制限その他の制限をやって、しかる後に、なおかつ、不況克服ができない場合に価格協定というような慎重な手続をとっておるわけであります。そこで、そういう点から申しましても、やはりこの環営法につきましても、そういう配慮が必要じゃないかということが私のほうの反対の一つの理由にもなっておる次第でございます。
○牛田寛君 農林大臣の、御予定が詰まっているそうでありますから、農林大臣にお伺いいたします。先ほどのお話にも出て参りましたが、食肉関係を環営法からはずすという申し合わせがすでにできておるしかも数年を経過しておる。そのまま今まで環営法に入れておって経過した。何らの措置もとられていなかったことについては、農林大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(重政誠之君) まことにどうも遺憾なことと思うのでありますけれども、議員立法でこの法律が成立いたしますれば、私どもは、これを忠実に執行をいたす政府としては義務があるわけであります。前におきましては、いろいろ連絡をとって参りましたけれども、不幸にしてこの組合の設立が認可せられて現存をいたしておりまするので、農林大臣の権限といたしましては、どうもいかんともなしがたいわけであります。最近はもっとも十分両省の間には連絡をとりまして、かりにこういう法律が両院を通過して制定せられましても、食肉の販売業と申しますか、価格その他の問題については、この規定は政府部内において適用しないようにいたそう、こういうふうな考えになっておるわけであります。
○牛田寛君 そういたしますと、従来これまでの環営法の範囲内では食肉販売業が環営法の適用を受ける業者に含まれておっても実害がなかった、別に業者に対しても不便がなかった、あるいは生産者に対しても影響がなかったこういうふうにお考えですか。
○国務大臣(重政誠之君) これまでのところは、実害は現実にはございませんです。
○牛田寛君 農林大臣のお言葉を信ずることにいたしまして、時間がございませんので、このたびの法律改正が行なわれますと、これは以前とはだいぶ条件が変わってくると思うのです。すでに食肉という一つの商品を取り扱ういろいろな立場の人たちの間で意見の食い違いが起こってきておる。そういたしますと、これはすでに食肉という問題をめぐって混乱の起こる可能性は、十分証拠が現われてきておる。それに対して、農林大臣はまだこれをお見送りになるお考えかどうか、この点をひとつお伺いいたしたい。
○国務大臣(重政誠之君) 率直に私の希望を申し上げますというと、あとでいろいろ混乱と申しますか、問題の起こりますようなことは、なるべく立法当時において避けていただいたほうがよろしいのではないか、こういうふうに私は考えます。しかし、いろいろの御事情もあることだろうと思いますから、この法律を両院で通過せられましたならば、あとは運用の問題になります。政府といたしまして、厚生、農林両大臣の間におきましては、事実上この食肉の販売業につきましては、ただいま問題になっております規定の適用はいたさないようにやりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○牛田寛君 すでに数年前に、適用業種から除外するという覚書ができているにもかかわらず、これまで延び延びになっている。覚書ができているくらいでありますから、現在適用業種に含まれているということがいいことではない、必ず問題が予想されておるわけであります。しかも、ただいまの御答弁の中に、今度の改正は非常に好ましくない。しかし、諸般の都合でやむを得ないというようなお言葉でございますけれども、法律というものは一体だれのためにあるのか、また、法律の運用というものが一体だれのために、何を対象として、中心に考えて行なわなければならないかということを考えますと、やはりこれは食肉とい一つの対象を考えた場合には、やはり食肉の生産者なり販売業者が迷惑をこうむらないで、円滑に取引なり生産ができるようにしていくのが、これが政治の立場ではないかと思うのでありますが、農林大臣のただいまのお言葉では、そういうふうな国民の利益を中心としたお考えではなくて、ただいまの法律の成立の経過であるとか、あるいは今までの話し合いの都合であるとか、そういうものを中心にして判断なされておるように私は思うのでございますが、それでは反対ではないかと思います。農林大臣の責任としてのお立場では、あくまでも食肉を扱う生産者なり販売業者なりの利益を中心として、その利益のために不利だ、相反するというような、そういう法律案ならば、むしろ農林大臣の責任において、はっきりとこれは反対の意思を表明していただきたいと私は思うのですが、その点についての明確なひとつ御答弁を願いたい。
○国務大臣(重政誠之君) お言葉のとおりでありまして、法律、制度は、申すまでもなく、国民の利益を中心に考えなければならぬということは当然のことであります。でありますから、先ほども御答弁申し上げましたように、私の率直なる希望を述べさせていただければ、こういうような食肉販売業の経済行為にまで適用がなされるような規定は好ましくない、こう思うのであります。
○牛田寛君 時間もございませんので、農林大臣に対する質疑はこれで打ち切ります。 提案者にお伺いするわけでありますが、法律改正の趣旨は、趣旨といたしましても、その結果としては、ただいま農林大臣の御答弁にもありますように、食肉という一つの業種について考えましても、非常な混乱の要因になることが予想されるわけであります。ただいまの衛生措置の要件から判断することは困難であるというような問題は、まだまだほかの措置でもって十分にカバーできるという性質のものであるにかかわらず、その法律改正が大きな弊害を伴ってくるおそれがあるということについては、どのようにお考えになりますか。
○衆議院議員(小沢辰男君) 先ほど来食肉関係の適用を除外したらどうだ、この問題をめぐりましていろいろ御意見を拝聴いたしました。私ども衆議院の社会労働委員会で議論をいたしましたときにもその問題はございました。御承知と思いますが、現在まで食肉関係の業界につきましては、組合の結成はありましたけれども、この適正化規程というものは全然今日まで実施をされておらない、制定もされておらない、認可もされておりません。したがいまして、今日までの食品の中で、いわゆる畜産の価格につきまして、この法律が支障になったり、あるいはこの法律を隠れみのにしているような事態というものは全くないと私どもは判断をいたしておるのであります。もし従来までそういう問題が、国会でも、あるいは国民の中でも問題があるとするならば、他の流通過程に対する他の行政の、あるいは政治の問題でなかろうかと思います。今回の改正で、さらにその事態が変更を来たすかどうかという問題でございますが、今回の改正は、主としてこの提案の説明の中をごらんになっていただいてもわかりますが、規制命令、適正化規程というものができ上がりましたあとで、これを員外者に適用するにあたってのいろいろな問題を中心にして改正をいたしておるわけでございます。したがいまして、適正化規程というものは今日ないんですから、したがって、この業種につきましては、今日のところ問題は起こらないわけでございますが、しかし、法律でございますから、当然この適正化規程というものを申請をし、これが審議会にかかり、それから中央官庁の認可の対象になるということは事実でございます。私ども、食肉関係の将来の農業基本法に即応した行政の進展というものをはかります趣旨には大賛成でございまして、その意味で、とにかく、とりあえずはこの改正そのものに直接今関係はないわけでございますので、一応食肉関係のものについては、行政措置として、ひとつ両省で十分従来の趣旨に沿った運営をしてもらいまして、その間にいろいろ検討を願った上で、あらためてひとつこの問題を討議しよう、そうして必要があれば所要な措置を加えようじゃないか、それまでは、ひとつしばらく他の業界全体のこともございますので、御了解を得たい、こういう気持で実は改正をしたわけでございます。
○牛田寛君 農林大臣も、農林省の立場から、この改正については問題がある、こう言われておる。また、公正取引委員長も、独禁法の立場から、環営法が経済措置に反映することについての反対意見を表明しておられます。ただいまの御答弁ですと、非常な混乱は起こらないという御意見でございますけれども、農林大臣も公取委員長も、この点について反対意見を持っておられるのであります。それを、ただ提案者の立場で、混乱は起こらない、問題はないんだというふうに一方的に断定なさるということはそれは越権ではないか、少なくとも、現在は物価の問題が問題になっております。賃金の値上げも問題になっております。流通機構の問題も問題になっております。そういうふうな一つの物価の問題国民の生活に直接つながる大事な問題にこの法改正が根本的につながっておるという点について、ただ提案者の一方的な意見だけを押し通すというわけには私はいかない、少なくとも、関係各省の責任ある立場では、この農林大臣なり公取委員長なりの意見は十分尊重されて、そして意見の一致の上にやはり法律改正というものをなさなければならないと思うのです。ところが、このたびの環営法の改正案の審議にあたりましては、衆議院におきましても、あるいは参議院におきましても、ほとんど時間がかけられていないように私は承知しております。そのようなことで、はたして国民の生活の安定ということが確保できるかどうかということについて、私は国会議員の一人として、国民に対する責任の上において、非常に不満を持っておるわけであります。もう少しこの点については、本日の審議でも明らかなように、根本的に十分なる検討をなされた上で決定されておそくはないと私は思います。むしろ、この法案が早急に決定されるということが、国民にとっては一つの大きな不幸の要因になるおそれが十分にあると私は思います。その点について、もう一度ただいまの御答弁のような断定的な御意見ではなしに、検討するという御見解を私は承りたいと思うわけです。
○衆議院議員(小沢辰男君) 先ほども申しましたように、私たちとしては、食肉の問題につきまして、なお十分検討するということは十分私ども三党で話し合いをいたしております。ただ、当面他の団体のこともございますので、今食肉関係が具体的な問題になっておるわけではありません。また、問題になるようなおそれにつきましては、行政当局で、両省で十分その点は協議をして、前のような取り扱いを継続していくということがはっきりいたしておりますので、今後の一つの問題として、当面この改正をひとつ御了承願いまして、将来そういう面につきましては、十分私どもも、よく三党で話し合いをいたしたことでもございますので、善処したいという気持でございますので、そう趣旨は変わってないように思うのです。当面一つの問題解決として御了承をいただきたい。
○委員長(加瀬完君) これをもって連合審査会を終了いたすことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加瀬完君) 異議ないと認めます。連合審査会を終了いたしました。 櫻井農水委員長より発言を求められておりますので、これを許します。
○櫻井志郎君 農林水産委員会を代表いたしまして、一言ごあいさつ申し上げます。 社会労働委員会委員長及び委員各位におかれましては、農林水産委員会全員の要請による決議に基づきました連合審査を快く受け入れていただきまして、本日、長時間にわたって審査ができましたことに対しまして、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(加瀬完君) これにて散会いたします。 午後二時九分散会