公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1962/08/31
会議録
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。 初めに、旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案(参第四号)を議題といたします。本案は、去る八月十七日、本委員会に付託になっております。本案の提案理由の説明を求めます。発議者基政七君。
○基政七君 ただいま議題となりました旧沖繩における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 御承知のとおり、敗戦の結果わが国は、サンフランシスコ条約第三条によって旧沖繩県に対する施政権をアメリカ合衆国の手にゆだねることに同意いたしました。以来今日まで十余年の間、わが国は旧沖繩県に対する領土権を持ちながら、それに対して施政権を行使することはもちろん、部分的にせよ国内法を適用することすらできない状態のまま今日に至っているのであります。 したがって、旧沖繩県住民は、国籍上は日本人でありながら、日本人としての何らの特権も保護も与えられず、アメリカの軍政下の規律と生活に甘んずることを余儀なくされているのであります。 その結果、旧沖繩県の住民たちは、主権者としてたれもが当然に持つ権利、たとえば自分たちを統治する行政の長をみずから選ぶ権利、公共施設に自分の国の国旗を掲げる自由、労働組合を何ら干渉なしに作る自由など、主権者としての基本的権利や自由を持ち合わせていない実情であります。 このような状態の中で旧沖繩県住民はこぞって祖国復帰を熱望し、当地の立法院また、そのことを再三にわたって決議いたしております。 われわれは同じ同胞として、このような旧沖繩県住民の期待を一日も早く実現するよう最善の努力を尽くすことが必要であり、また、そのような方向に一歩でも二歩でも近づく具体的な施策を積み重ねていくことが、日本政府ないしは国会に課せられた重大な使命であると痛感するものであります。 周知のように、旧沖繩県に対するアメリカ合衆国の施政権行使は、それがサンフランシスコ条約に基づくものとはいえ、それには、沖繩を国連の信託統治にするという合衆国の提案が行なわれるまで、という条件がついており、決して無制限に認めたものではないのであります。しかもこの条件は、過去十余年の間に実行されなかったし、今後も実行される見通しは全くないのであります。 これらのことから私たちは、旧沖繩県は、将来日本に復帰することが、最も自然であり、望ましい姿であると考えるのであります。しかも、これの可能性は将来において十分予想される事柄であります。 私たちはこの際、このような事態をあらかじめ予測し、旧沖繩県住民が、みずからの国会議員を選出し得るよう、旧沖繩県の議席について公職選挙法上の暫定措置を講じておくことが必要であると考えるのであります。これがこの法律案を提出する主たる理由であります。 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。 まず、衆議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法及び奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の関係規定によりまして、四百六十七人とされております議員定数を、当分の間、臨時に四百七十一人とし、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する議員の定数を四人といたしました。 次に、参議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法の関係規定によって二百五十人とされております議員定数を、当分の間、臨時に二百五十二人とし、そのうちの百五十二人を地方選出議員とし、衆議院議員の選挙と同じように、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する地方選出議員の定数を二人といたしました。 なお、この法律の施行期日は、公職選挙法が、将来、旧沖繩県の地域に適用されることとなってから別に政令で定めることにいたしております。 以上が旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案の提案理由の趣旨説明でございます。何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(青柳秀夫君) 本案に対する質疑はこれを後日に譲ります。
○委員長(青柳秀夫君) 公職選挙法改正に関する調査を議題とし、前回に引き続いて、参議院議員通常選挙の実施状況等に関する件についての質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○中尾辰義君 大臣にお伺いしますが、この前の当委員会におきまして、戸別訪問が非常に増加した。ところが、これは宗教団体が折伏として選挙活動をした、こういうことでふえた。こういうような発言がございましたが、私はこれは大臣が新聞等ごらんになって、明確な根拠のない発言だったんじゃないかと、このように私は理解しておるんですが、この前回における大臣の発言の取り消しの意思はございませんか。この点お伺いします。
○委員長(青柳秀夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(青柳秀夫君) 速記を始めて。
○国務大臣(篠田弘作君) お答えします。先般の私の答弁は、ただ一つの例として申し上げたわけでございまして、それによってもし御迷惑を及ぼすようなことがあれば取り消しをいたしておきます。
○中尾辰義君 了解しました。この件について、前回の委員会でも相当私は検察当局にも行き過ぎな取り締まりの点について質問をしたわけですが、その点は当局においてもひとつ今後御注意を願いたいと思うのです。 それから先ほどビラの話が出たんですが、ビラが相当今度ふえたわけですけれども、それにしても、相当あっちこっちビラを許可なしで張ってある。一番ひどいのは電柱ですが、電柱に、関西配電なら関西配電の許可がなくしても張ってある。それを選管にこれをとっておけと、このように通告した場合に、これはどうなりますかね。はぐ権利は選管にあるのか、警察にあるのか、それとも電柱の所有者にあるのか。それが一つと、こういうものは警察官はどういう態度に出ればいいのか。この二点についてお伺いしておきます。
○政府委員(松村清之君) こういう合法でないポスターが張られました場合には、選挙管理委員会等から候補者のほうへ申し上げて、候補者でとっていただく、これが一番正当なやり方だと思います。ただ、どうしても候補者のほうで納得せられないという場合に、電柱の所有者である電力会社が自救行為としてこれをはぐということも、これは法律の上では別に問題のないところでございます。
○中尾辰義君 そういった場合に、警察では無関心というわけですか、全然タッチしないと。警官に、かりに運動員があれ違反じゃないかと、こういうふうに交番所へ行って話をしたところが、警官は、それはうちのほうの権限じゃないと、こういうようなことがあるわけですがね。警察官は、取り締まり当局として、ただ傍観しておればそれでいいというわけですか。
○政府委員(宮地直邦君) ただいまの場合は、管理者の承諾を得ないでポスターを張ったということで違反になるわけです。したがって、そういう場合には、今選挙局長からもお答えいたしましたように、それぞれの候補者等に撤去方の警告を発する。同時に、われわれのほうでは違反としての措置、証拠の保全ということをいたすわけでございまして、それ自体に対して撤去ということを警察が現在許されないのでございますから、形式的に見たときに放置されたというふうに誤解を受けた例があるのではないかと思うわけでございます。
○中尾辰義君 警察は候補者に対して警告をする、ポスターをはぐ権限はないと、こういうわけですね。
○政府委員(宮地直邦君) さようでございます。
○小林武治君 一つ伺っておきますが、不在投票の問題ですね。選挙局長、今病院では不在投票をやっておるが、その後老人ホームというのが非常にふえるですね。規模も大きくなっておる。しかも、病人等が多くて外出不能の者が多いんで、いわばある程度病院に似てきたものがあるんですが、これに不在投票を認めるというふうなことはどうでしょうか。
○政府委員(松村清之君) 不在投票の制度は、投票所へ行けない人にできるだけ投票の機会を与えるための制度でございますので、正当な事由のある場合につきましては、不在投票の制度というものが現在よりももっとゆるやかなことができるような方向で、今の問題に限りませず、ほかの場合につきましても、今後検討して参りたい、そういうふうに考えております。
○小林武治君 今の場合、私が特に申し上げておるのは、老人ホームにそういう必要が非常に多くなってきたから、特にこの問題をひとつ検討してもらいたい。ほかにもあるかもしれぬが、老人ホームの問題を、不在投票を認めることがいいかどうか。できたら認めてほしいと、こういうことなんです。
○政府委員(松村清之君) その問題、十分ひとつ検討いたしまして、将来できるような道を考えてみたいと思います。
○小林武治君 もう一つの問題は、補充選挙人名簿といいますか、これを乱用されておらぬか。最近の選挙でも非常に多数の人が補充名簿に載せてもらいたい、至るところにそういう問題が起きているが、こういう問題について、どうも従来のようなやり方でなくて、ひとつ検討してみる必要がないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(松村清之君) この問題は、基本的には先般の選挙法の改正の附則に規定されておりますように、住民登録を基礎とする選挙人名簿を作るということで解決ができるように考えますが、現行法の上におきましても、法律では申請により補充選挙人名簿を作るとございます。この申請というのをなるべくたくさんの人に選挙してもらえるようにということで、従来は非常に広く解釈いたしまして、選挙管理委員会の職員が申請したものでもこれを取り上げておる。それが確かであるならば取り上げておるということでございますが、やはりこれは法律の趣旨に基づきまして本人の申請か、あるいは本人の委任状のある代理者による申請でないと認めない、こういうふうにこれはさっそく現行法でも実施いたしたいと思うのでございますが、そういうふうにやることによりましても、この補充選挙人名簿の、先般の選挙等にありました問題はある程度解決のつく問題だと思います。しかし、基本的には先ほど申しましたように、住民登録というものを基礎としてやる、こういうことによらなければ根本的には解決できないのではなかろうか。しかし、住民登録は今のところ不備な点もありますので、その辺をあわせ考えて将来早く実施したい、そういうふうに考えております。
○小林武治君 従来、一応補充名簿というものが常識的なものがあったんですね。ところが、常識をこえるような大量の補充名簿というふうな問題が出てきたんで、今までの考え方で見ておくわけにいかないというふうな私は弊害が出てくるのではないかと思うので、新規の問題として、今度のような選挙に出てきた現象をひとつ検討して、弊害があるならこれを除去する、こういうような考え方をしなければならないと思いますが、どうですか、従来どおりでいいと思いますか。
○政府委員(松村清之君) これはお話を待つまでもなく、私どもも今回の参議院選挙にあたりましては、非常にこの弊害を痛感いたしておるわけでございます。こういう状態のままでございますと、来年春の統一地方選挙においてはこれはもっとひどいことになりはしないかと、こういうふうに心配いたしておりまして、何とか来年の地方選挙までにはこれについて従来と違った何らかの方法というものを考える必要があると、そういうふうに現在考えまして検討いたしておるような次第でございます。
○中尾辰義君 補充選挙人名簿の縦覧を区役所の役人がそれを断わる権利がありますか。
○政府委員(松村清之君) これは正当な事由がなければ断わるわけには参りません。これは選挙人に対して選挙人名簿を見せることは、これは選挙管理委員会として当然なすべきことでございます。ただ、基本選挙人名簿にしましても、補充選挙人名簿にしましても、縦覧の期間というものがございますから、その期間の問は選挙人に見る権利がございますけれども、その期間外となりますると、これはやはり正当な事由のある場合には、選管のほうでもあるいは断わるようなことがあるかもしれませんけれども、これはしかしできるだけ選挙民の要求のあったときには、できるだけひとつ見せるようにということにはいたしております。
○中尾辰義君 こういう例があるんですよ。京都府で選挙人名簿を見に行った。そうすると、縦覧料を五十円ずつ取っているのです。これは私のほうから抗議をしまして、向こうの区長が謝罪しましたけれども、これは十数人取っていると、こういう例もありましたが、これは一言お耳に入れときます。
○小林武治君 今の補充名簿の問題は新しい問題として非常に重要な問題であるし、今の地方選挙等においても何か考えなければならぬと、こういうことを言われていますが、この点について大臣十分な認識を持っていただいて、ひとつ考えていただきたい。 それからもう一つ伺っておきたいのでありますが、来年の三、四月ころ地方選挙が一斉に行なわれると、したがって、この選挙期日の統一に関する法律が出されるということは今日から予想できるのでありますが、その法律を出すにつきまして、この前の法律では都道府県の議員と市町村の議員との選挙期日の間隔が一週間しかなかった。そのために現在では県は十五日、それから市は十日、町村は七日と、こういう選挙運動期間があるが、間隔が七日では、両方が重複してしまって、市会議員の選挙か、県会議員の選挙かわからぬと、選挙が非常な混乱を来たしたと、こういう事実がありまするので、来年の選挙に期日統一の法律を出される際は少なくとも十日ないし十五日の間隔を置かれるようにぜひしてもらいたいと、こういうことを思っておりますが、どうですか。
○国務大臣(篠田弘作君) 御意見のようなことは選管のほうからも非常に要望されておるそうであります。したがいまして、明年の地方選挙までに十分検討したい、こう思っております。
○小林武治君 今の希望は、これはもう選挙をするほうも、されるほうも、選管も、みな希望しておりますから、ぜひひとつそういうふうな内容の法律を出していただきたいと、こういうことをひとつ要望しておきます。
○国務大臣(篠田弘作君) 承知いたしました。
○小林武治君 それからもう一つは、先ほどからこの委員会でも懇談しておったのでありますが、地方選挙の運動用自動車は、前の法律の改正で乗用車に限られておるが、市町村や県の選挙では乗用車だけでは実際上できまいと。したがって、地方選挙の特例として乗用車または小型貨物自動車のいずれによってもいいと、こういうひとつ特例を出してもらいたいと、こういう希望が強いのでありますが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(篠田弘作君) その点も十分研究したいと思います。
○小林武治君 これはまたちょっと変な質問でありますが、こういうものはこの際として選挙審議会に関係なしに政府で立案して下さる、こういうふうなつもりですか。
○国務大臣(篠田弘作君) 御承知のとおり、乗用車を使うということが建前として法律できまっておりますから、その法律を直す必要があるわけです。しかし、そうだからといって特にそれを審議会の意見を求めるという必要はないのじゃないか。経験上こういうことは工合が悪いから法律を直すというくらいの報告程度でいいのじゃないかと、こういうふうに解釈しております。
○小林武治君 私もそれでいいのじゃないかと思いますが、要するに、これは選挙の問題はできるだけ早くきめてもらう、こういう必要がありまするからして、次の通常国会には冒頭からできるだけ早く提出して成立させる、こういう必要があると思いまするので、その向きのひとつ用意を政府においてもされるように願いたいと思っておりますが、なお、これに関連して、多少地方選挙に対する特例というようなものも考えられると思うのでありまするが、それらのこともひとつ今度の選挙の実績にかんがみて検討していただきたい。また、場合によっては私どものほうから要望を出す場合がある。いずれにしろ、早く内容をきめてほしい、こういうことをひとつ要望しておきます。
○吉江勝保君 ちょっと関連のような質問なんですが、先ほど補充選挙人名簿の問題がちょっと出ておったのでありますが、その補充登録する申請人を調べられたときに、同じ町村に在住しておって登録されていなかったという人もあるでしょうし、あるいはその町村以外から転入して来ておるという人もあるわけでしょうね。そういうときに、もし他町村から来ておる人の補充選挙人名簿に登載をした場合には、その前の町村の基本選挙人名簿に載っておるその名簿はどういう訂正を連絡して措置を講じておられるのですか。そういう点は少し手続上の問題になるようですが、要は二重投票になるおそれはないかということをお尋ねしたいのです。
○政府委員(松村清之君) これは選挙人を名簿に登載しましたときには、その人の前におりましたところの選挙管理委員会にその旨を通知することによって、そこの名簿から落とす、こういうことにいたしております。
○吉江勝保君 それは一応はそうなっておるのでしょうが、その事務ですね、それを通知をされると、それじゃ受けたほうはどうしておりますか。
○政府委員(松村清之君) これは受けたほうは修正して落とすことにしております。
○吉江勝保君 それはいきなりすぐに修正して、もう消してしまうのですか。
○政府委員(松村清之君) これは通知があったらそのとおりやることにいたしております。
○吉江勝保君 その措置にはもう少し……そう簡単にいかない場合もあるのじゃないですか。
○政府委員(松村清之君) 実際そのとおりやっておるわけでございます。
○吉江勝保君 そうすると、こちらのほうに登載したその瞬間といいますか、そのときにすぐにもう前町村のほうに通知を出す。通知を出して抹消したかどうかということは、こちらのほうで確認しておられますか、もう一度……。
○政府委員(松村清之君) これは今申しましたとおりやっておるわけでございますが、ただ実際の問題としては、こういうような事柄が起きることが考えられるわけでございます。この補充選挙人名簿というのは、できるだけ選挙民に投票の機会を与えますためにぎりぎりで作るわけでございますから、しかもその補充選挙人名簿を確定するというのは、投票期日に接近した時日で確定しているわけでございますから、そのときに通知をして、その通知が、これは大体近県、近くでございますとそのとおり投票期日に間に合うようにできるわけでございますが、これが非常に遠隔な地でございますと、東京と鹿児島というような遠隔な地でありますると、実際問題として投票期日までにその操作ができない。そこで投票期日には東京と鹿児島と両方に載る場合が考えられるわけでございますが、実際問題としては両方で投票するということは起きてないと思いますが、ただ補充選挙人名簿を投票期日に接近してきめるというところに問題があるのでございまして、この点を避けようとすれば選挙人の補充選挙人名簿への登録というものについて何らか制限を加えなければならぬということになりまして、この点は実際仕事をやっております者にとりましては非常に問題に考えておるわけでございますが、実際には考えられるほど問題というものはないと考えております。
○吉江勝保君 遠隔の場合を例にあげておられますが、そう遠隔でなくて、通知をしたというので向こうが抹消されておるかどうかということは、補充選挙人名簿に登録をしたところでは確認はされておらぬでしょう。
○政府委員(松村清之君) これはそのとおりやっておるわけですが、特に同一の都内とか、たとえば大阪市の市内とか、こういう場合のことに関しては、これは全くそのとおりやっておるわけです、区から区への移動等においては。ただ、今申しましたように、県等が異なった場合におきましては、その点にやや問題が残るようにも考えております。
○吉江勝保君 その点はまだ納得しないのですけれども、理論というか説明はわかるのですよ。しかし、実際には確認されていない、選挙人名簿にはまだそのまま残っているという事態に事実上なっておりゃせぬかということなんですね。理屈の上ではわかるのですけれども、確認はされておらぬだろうということなんです。 いま一つほかの問題についてちょっと聞いてみますが、先般の選挙法の改正で、党に割り当てられた選挙用の車ですね、これを使って従来は選挙活動はできなかった、政治活動はできたが選挙運動はできなかった。それを今度は選挙運動ができるように改正になったのですね。したがって、その党の車で党のたとえば総裁であるとか委員長とか、こういう方が選挙区へ行って、そうして特定候補のために推薦演説をされるということは今度は差しつかえないというふうに思っておりますが、それでよろしいですか。
○政府委員(松村清之君) 総裁が街頭等におきましてその選挙区の候補者の選挙運動のための演説を行ないますことは、これは政党の政談演説を行ないますことに関連してといいますか、従としてといいますか、そういう意味では今回できるようになっておるわけでございます。
○吉江勝保君 そうすると、今のだと何か政党の政談演説を一度やらないと特定候補の推薦はできないのですか。
○政府委員(松村清之君) 法律の上におきましては、政談演説のときに選挙運動の演説ができる、こういうふうな立て方になっておるわけでございますから、選挙運動のための演説に終始する、こういうことは法律の文面から照らして問題があるように考えます。
○吉江勝保君 大体党の政策を述べて、それに続いて今度は特定候補推薦、こういうことに一応なるだろうと思うのですね。それで一応差しつかえないわけですか。
○政府委員(松村清之君) そういうことでございますれば、これは差しつかえございません。
○吉江勝保君 そのときに、そうすると特定候補で推薦を受ける候補は、その場合その車に同乗しておってもそれは差しつかえないんですか。
○政府委員(松村清之君) 車に同乗することは差しつかえありません。
○吉江勝保君 その車に乗っておるときに、特定候補は特定候補としての、たとえばたすきをかけておるとか、そういうものをかけて、そこに一緒におるのはどうなんですか。
○政府委員(松村清之君) この問題につきましては、この法律解釈としまして議論のあるところでございますが、今回の選挙の前に関係省の打ち合わせではたすきをかけるということは、これはこの法律、これ二百一条の十二でございますが、この法律の規定に反するというように解釈を統一いたしました。
○吉江勝保君 それはその規定があるというような今お話し、その条文見ておりませんが、今までの制限は、選挙運動はできない、政治活動しかできないというときには、これは特定候補を示すものはどんなものでもつけておってはいけない、こういう解釈が行なわれておった。ところが、今度は政治活動だけでなしに、選挙活動もできるということに改まれば、その委員長なり総裁が特定候補をなんぼそこで推薦されようと、演説されようと差しつかえない、そのときに推薦を受ける候補者が、これが特定候補であるというたすきをかけておってなぜ悪いのですか。
○政府委員(松村清之君) これはただいま申しました条文に「いかなる名義をもってするを問わず、掲示又は頒布する文書図画」これにまあ候補者のたすきが入るわけでありますが、「に当該選挙区の特定の候補者の氏名又はその氏名が類推されるような事項を記載すること。」、こういう法文があるわけでございますから、これに該当する、こういうふうに統一解釈をしているわけでございます。
○吉江勝保君 その条文は、前のときにはなるほどそういう解釈でよかったと思うのです。ところが、今度は今言ったように、選挙活動が差しつかえないというたときに、なぜその推薦される候補者がたすきをかけておってよろしいという法文解釈でなしに、なぜそれが悪くなるのですか。
○政府委員(松村清之君) これは結局現在の法文が今申しましたようにありますために、そういう解釈をいたしておるわけでございまして、これは立法論としての議論でございましたらいろいろ考え方があるかと思います。ただ、こういう現在の法文に照らして、そういう解釈をしたというような状況でございます。
○吉江勝保君 今重ねて言っていますがね、解釈も根本的に政治活動だけしかできないのだという当時の解釈はわかるが、今度選挙活動まで許したとき、前の統一解釈を、同じくまた統一解釈として持ってこられておるというのはどうなんでしょう。その点だけは少し変えなくちゃいかぬのじゃないですか、解釈の仕方も。
○政府委員(松村清之君) この問題は、現行法のままにおきましても実は解釈において議論が多少分かれておったわけであります、実情を申し上げますと。したがいまして、今後実際の選挙をやりました経験等に徴しまして、十分そういう点につきましては、解釈の上での問題でございますれば検討をして参りたい、こういうふうに考えております。
○委員長(青柳秀夫君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(青柳秀夫君) 速記を始めて。
○市川房枝君 大臣何か会議があるそうですから、適当なときにお帰りいただいてもけっこうです。 最初に、選挙費用の届出の問題を伺いたいのですが、届出の期間は選挙後十五日でしたね。もう全部、これは候補者それから政党及び政治団体と両方ありますけれども、届出の状態はどうなんで、こざいましょうか。選挙局長でけっこうです。
○政府委員(松村清之君) まあ私どものほうは、これは全国区についてのみしか承知しておりませんが、全国区の候補者について見ますると、五人を除きましてあと全部収支報告が出ております。それから政党政治団体の選挙に関する寄付がありますれば、これを報告しなければならないことになっておりますが、この点につきましては、今七十二団体から報告が来ております。私どものほうに関係のあります全国的な政治団体は、五百十三あるわけでございますが、しかし、この五百十三の中には、もうすでに届出だけ何年か前にあるけれども、今は実質はないとか、あるいは全然収支の関係がないというものもございますから、はたして今回の選挙で寄付を受けられた団体のうち、どの程度がまだ済まないかということについては、私どものところでははっきりいたさないのでございますが、出ておりますのは七十二団体出ております。
○市川房枝君 これは候補者の場合にも、それから今の政党あるいはその他の政治団体の場合も届け出ない場合がありますね。届け出ない場合の処罰は何もないのですね。
○政府委員(松村清之君) これは届け出ない場合には、公職選挙法あるいは政治資金規正法による罰則がございます。
○市川房枝君 その罰則は適用されたことありますか。
○政府委員(松村清之君) これは今までのところないというふうに私記憶しております。
○市川房枝君 そうすると、届け出なくてもかまわぬということになりますね。もう少しこれは励行はできないものでしょうか。
○政府委員(松村清之君) この点は実際問題としては扱いがむずかしいのでございますが、私どものほうでは、まあ前回の参議院選挙のあたりから、まあだんだんこれを軌道に乗せなければいけないというふうに考えまして、収支報告を出さぬ場合には、こういう罰則がありますから、警察あるいは検察のほうへ告発するかもわかりませんよと、こういうことで励行するように努めておりますが、実際問題として、出されていないものにつきまして、まあそういう措置をとったものは今までございません。
○市川房枝君 この届出は、個人も政党の場合も、私は選挙費用が、まあ一応これは表向きだけのことなんですけれども、どれだけ使われたかということを知るために法的に規定されてあると思うのですよ。選挙で一番の大きな一つの問題は、金がかかる、かかり過ぎるということだと思うのですが、一応法律で届出を規定しているとすれば、それを励行させて、それからこれは出しただけで、あと別にそれについては何らの処置はないというのですか。公表の問題は別ですけれども、それはいかがですか。
○政府委員(松村清之君) まあ選挙の管理機関といたしましては、まあ出されたものについて形式的には審査は一応いたしております。しかし、ただ中へ入って、立ち入って審査いたしますことは、選挙管理委員会の権限外でございますから、その点につきましては現在のところ別にいたしておりません。ただ、まあ形式的審査の結果それでよいということになって、今もおっしゃいましたように、官報あるいは県の公報等で公表をする、こういうようにいたしております。
○市川房枝君 前の衆議院の選挙のときも同じですね、扱い方は。特に選挙制度審議会を設け、そこで新しく選挙法の改正がある程度行なわれたのですが、それに関連してまあその法の中の規定を幾らかでも考え方を前よりも積極的にやって下さろうという意思といいますかは、ないみたいに、さっきから伺っておると、ないみたいに思うのですけれども、どうですか。
○政府委員(松村清之君) 候補者の選挙に関します収支報告書と、政党その他の政治団体の収支の報告書、まあこれにつきましては、今御指摘のように、選挙制度審議会でも公表するにはするにしてもわかりやすい内容、あるいは徹底するような方法をとるように、こういう答申になっているわけでございます。それでこれはまあ法律問題でなく、政令あるいは行政上の問題で私どもも実はその趣旨に沿うべくいろいろ研究もしているわけでございますが、何分にも今回の選挙法が改正されましてから時日もございませんので、十分研究する時間もございませんでしたために、この候補者の収支報告書の内容といいますか、形式、様式につきまして、今回はこれも不十分とは思いますが、短時日でできる範囲の改正はいたしましたが、まあその他の問題につきましては、今後の問題としてひとつ考えて参りたいというふうに思います。
○市川房枝君 今お話のように、公表の形式は少し前よりは見やすくなったように思ってそれはけっこうだと思うのですが、その届出のおしまいにといいますか、この届出は真実に相違ありませんという、選挙法でそれを書くことになっているのですが、それはやっぱり印刷で届出のおしまいにくっついているだけであって、何かもう少し真実であるということを少なくとも意識を届出者にしてもらうような方途は何も講じられませんのですか。
○政府委員(松村清之君) 今のお話を伺いますと、その点もなるほどと思うのでございますが、まあほんとうは届け出る人に真実に相違ございませんと署名捺印してもらうのがいいかと思いますが、これは今後検討して参りたいと思いますが、役所の書類には真実に相違ありませんまでを印刷して、あと署名捺印だけしていただくというのが大部分の慣例でございますので、今そうしているわけでございますが、まあそのほうが、今おっしゃいますようなほうがよろしいというふうにも私考えますので、この点今後の問題としてひとつ検討さしていただきたいと思います。
○市川房枝君 報告書に今度領収書をつけることになりましたね、あれはどうなんですか、実際に領収書を照合してといいますか、写しでいいことになっているのですけれども、そうすると、一番もとの領収書といったものと同じものなのか、あるいは写しを出したものを会計報告とつき合わせて一体ごらんになるのか、あの領収書というものはどういうふうに利用されておるのか。
○政府委員(松村清之君) この領収書につきましては、選挙管理機関として届け出られたものにつきましては、領収書と収支報告書とをつき合わして、これはまあ形式的審査かもしれませんが、いたしております。ただ、今おっしゃいますように、まあ領収書の中には、この写しの中には領収書が取れませんために、むしろ写しをつけたりあるいは候補者自身が領収書にかわるものとしてメモをしたもの等がございますので、これが真実であるかどうかということになりますると、まあこれまでは、私どもの選挙管理者としての権限外のことになりますので、そこまではいたしておりませんが、出てきておりますものにつきましては、収支報告書と領収書とを照らし合わして審査はいたしております。
○市川房枝君 届け出られた選挙費用、候補者あるいは政治団体のもこれは官報なりあるいは府県の公報なりで報告することになっているのですが、これはまあ選挙制度審議会のときに、もっと有権者に知らせるように何らかの方途をということで意見が出たのですが、結局、法律の上では別段の規定がない。まあ今までと同じような結果になっておるのですが、何らか、これはかりに法的には今申した官報と公報だけにしても、自治省としてもう少し一般の有権者に知らせるという方法をお考えになっているかどうか。これ、大臣にひとつ。そういう必要をお感じになられるかどうか。
○国務大臣(篠田弘作君) 何らかの方法で徹底的に選挙民に知らせるということは非常に望ましいことでございますが、選挙民の数が何しろ非常に多いわけでございます。そこで、やはり官報とか、そういうものを利用するということになっておりますが、候補者の数もまた非常に多いわけでありまして、一人々々のそういう計算を何千万という選挙民に知らせるということはそれは容易じゃない。しかし、知らせるほうが望ましいから官報以外に何らかの方法があれば研究したい、こう思います。
○市川房枝君 まあ届け出られた会計の報告書、収支報告書というものが、まああれはほんとうじゃない、だからそんなものを出したってたいして意義がないということも言えるのですけれども、一応法的には有権者に知らせるという趣旨で、官報と公報——有権者にやっぱり知らせるということが有権者が選挙費用というものに関心を持つ。つまり選挙費用というものがだんだん多くなって困る。これは候補者のほうの方々もそうなんでしょうけれども、有権者の側もやはり選挙費用というものについて関心を持つようにさせるためには、あるいはある意味において、それを見ることによってその候補者のその選挙運動というものと選挙費用と比べて見て、どうもこればかりで済んでいるはずはないというようなことも考えさせる一つの材料として、有権者の数が非常に多い。今お話のように、なかなか一人々々に公報みたいな工合に、私はいかない。それにはたいへんな金がかかりますし、それには選挙制度審議会でいろいろな意見が出て、それはどうもやっぱり無理だというようなことで、具体的な案が出なかったのですけれども、しかし、これは私はそんなにたくさんでなくてもいいのですけれども、一応出たら——まあ私が簡単に考えることは、政治団体の届出が出たら、そうしたらそういうものをみな総計してみるとこれだけになるのだ、どことどこが出てこうなるんだという集計をお作りになって、そうしてそれをある程度。パンフレットくらいにするといいますか、あるいは個人の候補者のもまとめて何か印刷するとか、そうして希望者にそれを分けるといいますか、それを売ってもかまわないと思いますけれども、イギリスなんかは売っているのですけれども——だからそういう意味のつまり努力といいますかを、今までもやってほしかったのですけれども、まあそういうことをすると、少しうるさいといいますか、めんどうになるといいますか、なるべく騒がないほうがいいというようなことで、今まで届け出たものは届けっぱなし——それで実は届け出たのだって数字が違うのですけれども、違ったってそれもそのまま平気で公報に出ちゃうというような実情なんです。だから私はやはり選挙を扱っておられる当局御自身が、やはりそういう点でもっとこの問題と真剣にお取り組みいただくというために、何らかひとつ考えていただきたい。たいして金はかけなくてもできると思うのですけれどもね。
○国務大臣(篠田弘作君) 御趣旨尊重いたしまして考えます。 ただ、政治資金規正法の場合でありますと、政党でも個人でも、非常な差がそこにありますから、読んでも非常に興味があるだろうと思います。選挙費用の場合には、大体法定選挙費用のワク内でみんなおっつけておりますから、たいした違いがないので、それを刷って何十万という人間に配っても、どれほどの興味をもって読むか、たとえば政党だというと、片一方何億という政党もあるでしょうし、もう片一方では何千万、個人の場合は、ある人は何千万、あるいは何十万と、こういう違いがありますから、読む人が非常に興味がある。ただ、法定費用のワク内でみんな適当にと言っちゃ悪いけれども、そういう範囲内でみなやっておりますから、これは何千万刷るという値打があるかないか、まあ審議会でもそういう意見があったそうでありますが、とにかく研究してみます。
○市川房枝君 それから今の選挙費用の、政党あるいは政治団体の届出ですね、この届出の問題は、あれは全国区は自治省ですか、それから地方区は地方の選管ですか、どうして分けるのです。
○政府委員(松村清之君) これは法律によりまして、全国区についての政党への選挙の寄付は中央選挙管理委員会、地方区の場合には地方の選挙管理委員会に届け出ることになっておりますが、これは実はおっしゃるように、区別がつきにくいと思います。区別のつきにくい場合には、その旨を書いて一緒にして届け出るようにと、こういうふうに法律で書いてございます。
○市川房枝君 それから今大臣もおっしゃいましたように、政治資金の届出、これは一年に二回、その中にも選挙費用が入るわけですけれども、しかし、これは選挙費用と、ちゃんとはっきりしていないのですね、それで選挙費用として届け出ない政治団体が、いわゆる政治資金規正法による届出の中に入る場合があるのですけれども、だから選挙費用だけの政治団体を見ようとしても、ちょっとわかりませんね、さっきの届出の励行をつまりしていないから、だからその点なんかも、やはり選挙費用は費用ということで出るようなふうにしてもらうほうが、はっきりするのじゃないかと思うのですけれども。
○国務大臣(篠田弘作君) ちょっと私なんかの例を引きましても、政治資金規正法による寄付が、きわめて微々たるものではありますけれども、ございます。そういう場合にはちゃんと受け取りを出しまして帳面に記帳して、自治省に届け出ております。しかし、その百万なら百万という費用の中から、かりに私が三十万をおろしましてもらいまして、これ管理者がありますからそれからもらって、私が受け取りを出してもらうわけです。そうして私が選挙区なら選挙区に風水害で見舞に行くわけです。そうしますと、形は見舞でありますけれども、実質的にはこれは選挙運動にもなっているわけです。そこで、それを一体選挙費用の中に私が見舞に行った分を、これを選挙費用として入れるかどうかという、そういうところの区別というのは非常にむずかしいものですから、大体選挙費用というものは告示から選挙が終わるまでの間にかけた金を選挙費用としてこれを選挙委員会に届け出ておる。だから、もちろん議員でありますから御同様、何か結婚式に行って、まあお祝いをかりに五千円出したということも、これ選挙費用と言えば選挙費用と言えますけれども、そういうことまで選挙費用に入れることがいいか悪いかということは非常に問題だと私は考えます。そこでやはりはっきり選挙に使ったものだけを選挙費用とする、そうしてあとは政治資金規正法の規定によって届出をしておる、これが現状でございます。
○市川房枝君 私一応それでいいと思います。まあ選挙法できめている範囲内、期間内のものを選挙費用とする、それが法定選挙費用ということになっておるのですから、それはそれでいいと思うのですが、そういうのがというか、政治団体でやはり選挙期間中に使ったのが政治資金のほうに来ちゃって、それが届け出ないから区別ができていないということを私申し上げている。
○政府委員(松村清之君) これは、実は先ほどからお話がございますとおり、これは選挙に関するものは、選挙が終わったあとに届け出る。これははっきりするわけでございます。それからおっしゃいますように、年二回の分にはその分を加えてやっておるわけで、そこでまあ理屈の上から申しますると、選挙のときに届け出ていないものは選挙の収支が合わないわけなんですが、それはおっしゃいますように、実際はあるかと思いますが、ただ、その場合に、選挙のときに届け出ないものが年二回の報告のときに届け出られると、そこに法律に違反したという問題も明らかに起こりますわけで、なかなか非常に微妙な問題があると思います。まあこれ選挙のときに届けたものがそのまま年二回の報告がきちんと入ってくれば種分けをして分けることも、何ら問題ないと思いますし、その辺非常にデリケートな問題でございますので、まあ今後そういったやり方については、これは十分考えられると思いますから、一度検討してみたいと思います。
○市川房枝君 法定選挙費用は、まあこの間の選挙法の改正で、参議院の選挙の場合、約倍額といいますかなったわけなんですけれども、これは改正当時、実際に物が高くなっているのだ、実際金が要るのだからふやそうということでふえたと思うのですが、それじゃまあ法定選挙費用が倍額になった。法定選挙費用で選挙費用が済んでいるかといえばそうではなさそうで、巷間新聞の伝えるところでは、やれ五千万円前後だとかあるいは一億、二億使った方があるとかいうことが出ているのですが、その点はどうなんでしょう。どうお考えになりますか、大臣。
○国務大臣(篠田弘作君) 私はそういうふうには考えません。なぜ考えないかと言いますと、私が一番最初に当選しましたとき、私は二十五万円で、その当時でも法定選挙費用はたしか八十万円くらいだと思います。私の選挙区は四国四県と同じ広さですから、しかし、私はそのとき二十五万円でやりました。したがって、トラックにも一回も乗りません。それからマイクも一つも使いません。私は自分でリュックを背負いまして、自動車に乗って立会演説会場と駅前だけで演説をして、社会党や共産党の諸君もみなトラックに乗ってマイクを使ってやりましたが、私は初めから終わりまでマイクも使いません。ボール紙で作ったメガホンと汽車だけで選挙しました。それでやっぱり当選しました。ですからやる意志があれば、私はそう何億とか何千万とか、天文学的な数字を言われてもわかりませんが、そういうような人もあるのかもしれませんが、そういう人は必らず違反にひっかかっていると思います。したがいまして、まじめに選挙をやっている人はまあそれはそういうことはない。大体そういう金を一体どこから持ってくるか、集まるわけが常識的に私はないと考えます。
○市川房枝君 まあ大臣の今のお話を聞くと、選挙のやり方も私なんかがやったと同じような選挙のやり方をやっていらっしゃるので、その点非常に敬服するのですが、全国区で六百五十万円という金額は、私の知っている候補者なんかでそれが多過ぎてというか、それだけの金を作るのもたいへんなんだ、かえって今度の改正によって選挙費用がよけい要るようになっちゃった。そういう方があるのですけれどもね。そういう方は法定以下でやっていて下さるわけでしょうし、それはたいへんけっこうだと思うけれども、まあなかなかこれははっきりわからないのですが、まあしかし、一応法定選挙費用の届出といいますか、これはさっき大臣はあんなのは何にも役に立たぬとおっしゃったけれども、それは事実法定選挙費用の必らず二割ないし三割減に届けられているのですよ。それでうまく配分されているという場合が多い。そうでない方ももちろんあると思いますけれども。しかし、それを見ますと、おもなる寄付者の名前なり見ると、なかなかやっぱりおもしろいと申しますか、わけなんでして、初めからこれには相当うそがあるということを承知の上で、私はやっぱり国民だって見るでしょうし、見ていいと思うのですが。それでこれは政治団体のほうですね。これは私調べておりませんけれども、政治団体への寄付額が、衆議院のときと候補者の数が違いますから必ずしも額では比較できないと思いますけれども、法定選挙費用が上がったから、いわゆるそういう政治団体の選挙にお使いになった金が少しは減ったといいますか、比較的に少なくなったというような、まだ御調査できてないかもしれませんけれども、そういう感じしますが、どうですか。これは局長さんに。
○政府委員(松村清之君) まあ私どもは、そういう調査まだいたしておりませんが、別に法定費用が上がったことに関連して、従来と特に収支の面で異なったものがあるというような感じでございますね、感じは受けておりません。
○市川房枝君 この間の改正、これは百九十九条ですけれども、「特定の寄附の禁止」の項で、新たに第二項として「国から、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体から、補助金、負担金、利子補給金その他の給付金」等を「受けた会社その他の法人は、」当該選挙に対して寄付をしてはならないという条項が新たにつけ加わったわけですが、そうするとこの法律に該当する会社その他の法人があるわけなんですが、それの名簿といいますか、それ全部おそろいになりましたか。
○政府委員(松村清之君) 国から補助金等をもらっております会社その他の法人につきましては、公職選挙法改正のときからいろいろ集めておるのでございますけれども、まだ全部取りまとめるまでには至っておりません。
○市川房枝君 今度選挙が済んで、政治団体といいますかが、この条項に該当するというか、そういう団体からもし寄付を受けたら、受けたものも、それから出したほうの会社その他の法人も、「三年以下の禁錮又は五千円以上五万円以下の罰金に処する。」という罰則がついておるのですが、これは該当する件があるかどうかということの御調査といいますか、これはどこがなさるのですか。
○政府委員(松村清之君) まあ、これはどこがそういう権限があるかは別にいたしまして、選挙管理機関に政党あるいは候補者の収支報告が出てくるわけでございますから、この収入の面における寄付において百九十九条に該当するような会社から寄付が出ておるかどうかということは、一応まあ選挙管理機関としても見るべきであろうと思います。実はその中央選挙管理委員会に届けられておりますものに関しましては、その点私も一応見てみました。見てみましたところ、まあこれは寄付する者、寄付をもらうほうで十分心得ておると思いますので、そういうことはないのだと思いますが、私の見たところでは、こういうものに該当する者からのものは少なくとも報告書には出ていないというふうに見受けております。
○市川房枝君 そうすると、まあ地方のは地区の選挙管理委員会がそれを調べますか。
○政府委員(松村清之君) これは別にその選挙管理委員会として調べる義務は私はないと思います、法律的には。これは取りまとめたものを公表することによって、そこであれは百九十九条違反の寄付を受けておるじゃないかと、こういう批判が当然出ると思いますから、選挙管理委員会としては義務はないと思いますが、やはり報告書を受け、法律がある以上は、やはり一応目を通すべきが至当であると思います。
○市川房枝君 この条項の、そうするとあれですか、責任者はいないわけですか。
○政府委員(松村清之君) これは私は普通の法律違反、すなわち犯罪捜査といいますか、それと同様に考えるべきだと思います。やはり検察なり警察なりで普通の犯罪と同じような方法でもってその法律違反であるかどうかということを見るべきであって、これを特定の機関があらかじめ違反があるかないかということを詳細に調べるということは、これは法律の趣旨とするところではない。そういうふうに考えます。
○市川房枝君 選挙に関しては、寄付をしていけないけれども、政治資金として寄付することはかまわないのですね。
○政府委員(松村清之君) そのとおりでございます。
○市川房枝君 それで、そうすると、政治団体に対して寄付されている金ですね。今あれは七月、ですから六月までがいわゆる政治資金規正特例の上期ですね、あるいは下期になるのかもしれませんが、下期の中で第二項の該当の団体が寄付していても、それは選挙と書かなければ一向差しつかえないわけですね。
○政府委員(松村清之君) ここが法律違反あるいは犯罪捜査の問題になると思います。これは形式的な報告書では政治資金だと、こういうことで、届け出をしておりましても、それが実際は選挙に対する寄付であると、こういうような場合になりますると、これは法律違反という普通のやり方で事件として扱うべき問題だと思います。
○市川房枝君 そうすると、その届出が出してからといいますか、出ないとちょっとわからないわけですね。警察がそれを取り上げることができるといいますか、という程度で、それをそのままならばそれで済んじゃうわけですね。
○政府委員(松村清之君) これは私の答えるべきところでないかもしれませんが、普通の犯罪と同じように、実際は法律違反の事態があり、あるいは犯罪というものがあり得ると、こういう場合におきましても、これを犯罪容疑者として取り上げるかどうかということは、これはそれぞれ取り締まり当局の問題であろうと思います。
○市川房枝君 刑事局長、今のその点についての御意見を伺いたいのですが。
○政府委員(宮地直邦君) 今の御質問の一般に公表された資料等も犯罪捜査の資料となることは当然でございますが、今までの御質問でも明らかになっておりますように、それ自体について違反が明記されてくるということはございませんので、他のわれわれのほうの捜査によって得た場合において、そういうものも一つの資料として捜査活動をすると、こういう形になると思います。
○市川房枝君 そうすると、結局届出がそのまま通っちゃうといいますか、それに選挙に関してと書くはずがないから、政治資金の届出として届け出ると、ただ期日が選挙前後だと、その疑いがあるといえばあるのだけれども、幾ら選挙最中だって何だって、それは政治資金として寄付したのだというならば一向何にはなりませんね。それは伺うまでもないと思うのですが、そうすると、結局この条項を規定するときに、私どもはこれはほんとうのこの禁止の規定というものはインチキだというか、規定したって何にもならないのだということを申し上げたんですが、前の安井自治大臣は、この規定によって大いに効果があると、こういうふうにおっしゃったんですが、済んでみて、今いろいろ伺って、やはり私どものかねて考えていたようなことに、結局はそうだなという感じを受けるのですが、いかがですか。
○政府委員(松村清之君) 私は違った感じを持っております。これはこういう規定ができましたことによって、法律の予防的効果といいますか、そういうものが確かにあるのでございまして、この法律ができたために寄付する者も寄付を受ける者も、こういう寄付のやりとりはいけないのだと、そういう認識が深まっておりますので、そういう意味においてはすでにこの法律の効果を果たしておると思います、現にこれは前の法律になりますけれども、この中に請負業者の選挙に関する寄付禁止の規定があります。これは現在もあります。これがありますためにこの土木建築業者の寄付というものは出ておりません。それを見ましても、それと同様に今度こういう規定を設けたことによってやはり同じような法律の効果を果たしておるというふうに私は考えております。
○市川房枝君 局長としてはそうおっしゃらなければならないでしょうけれども、これはまあその今の政治団体の銀行、会社からの寄付といいますか、それを計算してみて、少し減っていればそういうことも言えるかもしれませんけれども、減っちゃいないのだ、ふえているのだということになると、あまり効果がなかったということになるのじゃないかと思うのですが、これはそれ以上お伺いいたしません。 違反のことについてちょっと伺いたいのですが、選挙最中といいますか、選挙後に違反の新聞記事を見るのですが、違反についてはこの前の委員会で警察のほうから違反の件数の御報告があって、前回に比較して件数も人員もふえているということなんですが、私どもはこの間の選挙が特別違反が多かったというふうに見るよりも、違反は前も同じことあったんだと、今度もあったんだと、それが幾らか多くなったかどうかわかりませんが、件数が多いということは、結局警察の取り締まりが前よりも幾らかきびしくなったといいますか、それであんなに手があがってきたんだと観測しますけれども、それはいかがですか。
○政府委員(宮地直邦君) いろいろこれはこの件数もふえたということにつきましては、いろいろの御判断があるかと存じますが、われわれといたしましては、取り締まりについて今回は特に、卑近な言葉で申しますと、強くせよとか、今回は弱くせよとか、こういったことはございませんので、あくまでも公正なる適正なる取り締まりをせよということの趣旨の徹底以外にわたっておりませんので、私のほうにおいてこの数字がふえたということは、取り締まりの強弱によって出たとはちょっと私どものほうでは判断し得ない。ただ、今回申しますというと、今回の選挙法の改正というものが大改正であった。特に一般に報道せられた面というのは、取り締まり面が中心において報道せられた結果、一般の選挙民が異常にこの問題に関して関心を持っておったということは、各般の事実からわれわれも感じておるのでございます。
○市川房枝君 そうすると、違反がふえたということになるんですね、今の御答弁ですと。そうすると、なぜふえたかといいますか、この間の選挙が、その理由はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(宮地直邦君) ふえたということ、あるいは一方においては、従来ならば、警察当局の耳にも入ってこなかったような問題というものも警察の耳に入ってくるようになった。それは先般の委員会におきましても御指摘がありましたように、いわゆる悪い意味の密告というものを避けまして、そういうものを除きましても、そういう空気があったということももう一つの原因だと思いますが、今回の違反の件数の実態のふえたというような点、この前申し上げましたように、事実この選挙の自由妨害というようなものにつきましては、絶対数がふえたこと、これまた間違いがないんでございます。ここでは検挙した件数が三百八十七件と書いてございますが、ポスターを破ったという例ははるかにこれより多いんです。特に十四才未満の少年によって——これは事件になりませんので、この件数にあがってきませんけれども、現実にそういうふうなポスターの毀棄ということにつきましてはふえております。この原因いかんということになりますと、われわれのほうもにわかにわかりませんけれども、張る場所が今回は非常に各候補者ともなかなか管理者の同意が得られないという例もあり、また、ポスターがふえたということも原因かと存ずるわけでございます。それから戸別訪問もふえておるということも、これはいかなる理由が——相当特異な例がふえておることも、これもまた事実でございます。それから買収、利害誘導の点におきまし ても、今回の点についてわれわれが検討いたしますというと、確かに件数はふえております。しかしながら、一方において、買収というものに対します悪いということの公明選挙運動等の徹底もありまして、金額というものはあ まりに上っていないんじゃないか。われわれ捜査当局の能力が足らないから実態が摘発できないんだという御批判もありますけれども、われわれ見ておりまして、どうもそういうにおいはするがどうしても捜査の及ばないというふうな事件よりも、個々の事件というものが著しく小さくなってきた。こういう統計数字を、われわれが日常の選挙違反取り締まりを通じての感じというものは、そういうふうな件数だけでなくして、実態的に見ましたときにはさような感じを受ける。極端な場合には、ある候補者の方々は非常にわずかな物品を非常な広範囲にまかれた。これはその一件が一個の法的には買収罪になりますから件数が上がってくる、こういうふうな感じを受けるのでございます。
○市川房枝君 有権者に幾らか違反というものに対する認識といいますか、関心が高まったということが一つの理由だということでしたら、私どもたいへんうれしいわけなんです。 実は私の友人といいますか、知ってる人たち、無所属で立った候補者がいますが、そういう人の違反が新聞なんかにだいぶ出ていたんですが、それでそういう人から私が質問されたんです。無所属だからたいしたことでなくても違反として引っぱられるんだろうか。これは政党に入れば政党のほうで何とか押えてもらえるというか、いや現にそういう方から、政党に来ればこんなことなら押えてやったんだのにと言われた、そういうことがありますかという質問を私が受けて、いやそういうことはあり得ないはずだと私は思うと、そう答弁をしたわけですけれども、しかし、なかなか納得をしないわけですが、そういう感じを持たせるというか、ジャーナリズムにも責任があるかもしれませんけれども、警察当局はそういうのをどうお考えになりますか。
○政府委員(宮地直邦君) 世間に、いろいろ選挙に関しましては、従来の選挙の例等から無責任な言動その他というものが横行するのでございますが、われわれそれに対して今はなはだ迷惑しているのでございますが、現在警察として最も大事なことは、選挙違反取り締まりに関して最もいたしておりますのは、不偏不党、いかなる政党政派につきましても違反というものについては見のがさない適正なる捜査を不偏不党いたす、こういうことでございまして、それは取り締まりを受けた者から見れば、あるいは自分は無所属だから、あるいはどこだからというふうな御判断があるような感じを受けられるかもしれませんけれども、現在の警察制度は公安委員会というものによりまして、そういう意味において政治的中立を保っておりますので、絶対にさようなことはありません。
○市川房枝君 当然そうあるべきだし、そういうお言葉をいただいて、そういうふうに伝えますが、やっぱり今まで無所属で立つ人たちは選挙のくろうともいないし、選挙にはあまり知識がないので、別に内容としてはたいしたことないといいますか、責められるべきことでないんだけれども、やっぱり法の上から見ると違反になるというふうなことが私あるのじゃないかと思うんですが、それで、そういう候補者については、これまあ自治省、選挙管理委員会の問題になるかもしれませんが、そういう人の立候補の際、もう少しそういうことを教えるというか、それは候補者自身が調べるべきなんです、当然。当然だけれども、しかし、選挙管理委員会では選挙の前に候補者をお呼びになって、候補者というか、運動員といいますか、そうして選挙法についての説明があるんですね。ところが、それが非常に来る人たちはほとんどくろうとばかりで別に説明するほどの必要がないといいますか、割合にわれわれが犯しやすいという選挙違反について説明になっていましょうか。そういうこまかい心づかいがどうもないということを感ずるんですけれどもね。これはそっちのほうへ責任を持っていっちゃ悪いかもしれませんけれども、それは候補者自身か、あるいは候補者の周囲の人たちがもっとそういうことをちゃんと調べて違反に問われないようにすべきだと思いますが、しかし、管理委員会のほうでも私そういう親切心といいますか、あるいは聞きに行ったときにやっぱり非常に丁寧親切にといいますか、教えてくれるところと、そうでなくてぶっきらぼうといいますか、不親切なところがあるようでございます。それによって未然に違反を防げたのに違反をやっちゃったというようなことがあるようですけれども、これはひとつ心におとめをいただきたいし、警察当局では、選挙法には違反しているけれども実際はそういう意思なくて、知らないためにやっているんだということはすぐおわかりになるだろうと思いますので、そういう点くろうとでうまく抜けていく人と、そうでなくて引っかかる者との区別を幾らか御考慮いただけるといいと思いますが、それはお願いとして申し上げておきます。 警察当局に伺いたいのは、違反の統計を拝見するんですが、政党別の統計というのはないんですか。これは私、有権者の側に立つで申し上げるわけですけれども、その有権者の側ではそういうことを知りたいといいますか、そういうことが選挙の参考になる、今度はだめでもこの次の参考になるといいますか、そういうわけでぜひそういうものはほんとうは発表していただきたい。それを妨げるといいますか、それを喜ばないといいますか、もし方面があるとすれば、それだったらその違反を少なくしてもらえばいいんで、やはり有権者の前にそういうことをはっきりしてほしいと思うのですけれども、それはどうなんですか。そういう統計はありますか、政党としての。
○政府委員(宮地直邦君) 今お手元に差し上げてありますように、罪種別の統計はとっておりますけれども、所属党派別の統計というのは従来からとっておらないのであります。
○市川房枝君 それはなぜですか。とれないことありませんね。簡単ですね。簡単ですけれども、どういう趣旨でそれをおとりにならないか。私実は前にも伺ったことがあるのですけれども。
○政府委員(宮地直邦君) 警察のほうにおきましては、罪種別というものは必要でございますけれども、先ほども申しましたように、警察はあらゆる政党というものを超越して違反ということを対象にするという趣旨において党派別を従来からとっていない、こういうことでございます。
○市川房枝君 それはどうも私少し納得がいかないのですが、やはり選挙違反というものが普通の破廉恥罪よりももっと悪いのだ、つまり民主政治を破壊するものだからもっと悪い罪だということを一般に認識させるというか、そういう私は国民、有権者というか、一般にそれが出てこなければ選挙違反は減らないと思うのですけれども。だから、一体選挙違反というものをどうして減すかということから考えて、今申し上げたどの政党が一番多いか、どの政党は少ないというか、どこがどうだということがやはり政党の一つの誇りになって、有権者に私は訴えてほしいと思うのですけれども、政府といいますか、警察当局としてはそういうものを出すと、今度は多かった党から文句がくるからといいますか、そういうなるべく無難なということでなさらないのか、ちょっと私納得いかぬのですが。その理由はどうなんですか。そういう立場から見てそういうものがあるといいと思うし、たいしためんどうでもない、すぐできるはずだと思うのですが。
○政府委員(宮地直邦君) 統計を出します以上にはこれは正確に出さなければならぬ。そうしますと、選挙期間中にこういうこまかい統計を出すことは必ずしもこれは簡単なことではないと思いますけれども、われわれが党派別統計をとっておらないという趣旨は、警察は党派というものについては一切関知しないで、違反事実をあくまでも対象にするという趣旨において、新警察制度になって以来ずっととっていない、こういうことなんでございまして、決してそれがためにどうこうするという他意はございません。
○市川房枝君 それは警察の態度としては一応私はそうかもしれないと思うのですけれども、有権者の側で言えばどうもちょっと納得ができないのですが。私は政党だけでなく、ほんとうは候補者といいますか、議員といいますか、やはり選挙違反ということをもっと一般の人にだれが選挙違反があったということが投票の私はやはり標準の一つになるべきであって、だからそれまでほんとうはお願いをしたいと思うけれども、それはまあちょっと人権に関するといいますか、ことに裁判で告訴といいますか、あるいは裁判というところへいけばこれは明らかでしょうけれども、だからそうしたという一つの事実といいますか、あるいは裁判で有罪となればもちろんはっきりしておりますけれども、そういうものをもう少しPRといいますか、これは候補者あるいはたまたま議員といいますか、その人にはお気の毒ですけれども、やっぱり有権者の側に立てばそういうものが実はほしいんで、そういったことは問題にならないかもしれませんけれども、一応私の感想として申し上げておきます。 あともうちょっとお聞きしたいんですが、自治省の方、今度の選挙で国民総投票運動ですか、約六億円の金でなすって、まあその結果といいますか、それも大きな一つの原因となって投票率が一〇%も前よりも上がったということなんですが、国民の多くの人からいうと、そういった面に六億もの金を使ったということは非常にもったいないという感じがあるんですが、いやあれだけ上がればそれだけの値打はあったといいますか、その金と投票率の問題と比べて、どんな御感想でございますか。
○政府委員(松村清之君) 今回の参議院選挙を迎えるにあたりましては、参議院選挙の投票率というものが毎回低下してきておるような状況にございましたし、また、世論調査等におきましても参議院選挙に対する関心はきわめて低いと、こういう状況でございましたので、こういう状態のまま投票ということになりますると、国民の投票参加が非常に低下して、参議院の存在そのものについても非常な問題になるのではなかろうか、そこで国民として、せっかく大切な選挙権を持っておるわけでございますから、今回はこの参議院の存在というもの、あるいは参議院選挙、こういうものに強い関心を国民に抱いてもらって、その結果として進んで投票していくと、こういうことにすべきものではなかろうか、こういうふうに考えまして、政府として、さっき御指摘ございましたように、六億の経費をこれに費したわけでございます。私は先般ここで、一〇%の投票率の向上した理由というものについて申し述べましたように、この六億の金が一〇%をもたらしたとは考えておりませんが、何ほどかの効果はあったと思いますが、その点は別にいたしましても、国民の一〇%、有権者の一〇%が、前回よりも一〇%ふえて投票へ参加したということは、私はこれは非常に重要な意義を持っておるのではないか。そういう意味でこれは金銭にかえがたい価値を持っておるのではないか、そういうふうに感ずる次第でございます。
○市川房枝君 そういうお考えですと、今度選挙のたびにまた何億という金をお使いになるつもりですか。
○政府委員(松村清之君) これはさきに申しましたように、今度の参議院選挙に限って、ただいま申しました状況のゆえにやったことでございまして、これからの地方選挙、衆議院選挙、あるいは再び三年後に来ます参議院選挙にこれと同じことをやるかどうかということは、これは別の問題でございまして、私としては、今回のようなことはこれきりでいいのではなかろうか、そういうふうに考えております。
○秋山長造君 ちょっと。投票率の高いところは、賞金を出したりなんかしたような例がありますか。
○政府委員(松村清之君) これは、賞金という現金を出した例があるかどうかということについては、私聞いておりませんが、おそらく賞金という金を出したところはないと思います。そういうような話を聞きましたので、事前にこれをやめるようにいたしましたし、またその前に、全般的に賞金をもって投票をかる、こういうようなことは厳重に避けるように、こう申してありますから、私の聞いたところでは、金そのものを出したと、こういうことは聞いておりません。
○秋山長造君 金そのものを出さなくても、何か金にかわるようなもの、単なる表彰状とかなんとかいうことでなしにもつと裏づけのあるですね、何か出したような例があるんじゃないですか。週刊誌あたりで、名前は言いませんけれども、そういうところがあるような話も聞くし、それからまた、今の一割ふえたということは、これは抽象的には、棄権が多いよりは投票率の高いほうが、それは好ましいということは、一応はそのとおりですけれどもね、しかしまた、その内容をこまかく検討してみると、必ずしもそれがほんとうに本質的に、ただ機械的に無関心層を動員して形式的に投票させるということがほんとうにいいのかどうかということをやっぱりいろいろ深く考えていると、また疑問が起こってくるのですが、だから今の局長の今回限りだという御答弁の中には、あるいは私の推量によると、多少そういうふうな面も含まれての御答弁だと思ったが、その辺いかがですか。
○政府委員(松村清之君) 自治省でやります表彰も、府県でやります表彰もそうでありますが、表彰というものにはほとんど何ほどかの賞品といいますか、物を添えて賞状とともに渡すことが慣例でございます。したがいまして、先般自治省におきましても表彰いたしましたが、その際にも従来と同様に表彰状に添えて品物を渡しました。ただ、この表彰の対象といたしましては、ただ投票率のよかったというだけではなくして、選挙の管理執行が適正であった、あるいは公明選挙運動に非常に成果が上がった、こういうことを含めて全般として表彰の基準というものを作って行ないましたのでございます。そこで、自治省といたしましてはどういう表彰の品物をつけたかといいますと、府県の選挙管理委員会に対しては三、四千円、それから市町村の選挙管理委員会に対しては二、三千円、それから個人に対しては千円くらいの品物をつけましたが、これも従来やっておるものに比較してむしろ金額的には実は少ない額の品物でございます。それと同様に、府県においても同じような品物をつけておると思いますが、これは従来やってきましたものと同様のものでございまして、決してその品物をもって投票をかり立てるということではないというふうに確信いたしております。 それから最後にお話のありました今回限りという意味は、実は今おっしゃったような趣旨ではなくして、やはり公明選挙運動というものは近年特に活発にやっております。それから地方選挙、衆議院の選挙というのはこれは従来も非常に投票に参加する人が多うございます。参議院選挙もあと三年後でございますから、三年間には国民の政治意識、選挙への関心、意識というものも非常に高まって、参議院選挙の投票に参加する者が半分にも満たないというような事態というものは私はないというふうに、そういうふうに考えまして、さように申し上げたようなわけでございます。
○市川房枝君 今、秋山さんから御質問があったその感謝状と言いますか、表彰状というものはずいぶん出ているでしょうが、これをもらいたいためにといいますか、市町村あるいは府県、おもに市町村でしょうが、その棄権防止運動にいろいろな懸賞ですね、何かくじ引きの懸賞とかいろいろのものを投票した人に配るとか、これはちょいちょい新聞に出ておりますが、投票した人に何か物をやる、恩典をやるということは、結局、候補者に投票したり何か物をやるというのは一種の買収供応に通ずるような感じがするので、それは望ましくない、こう考えておるのですが、そういうものは幾らか行き過ぎといいますか、そういうものに対して自治省はどういうふうな指導をなさいましたか。
○政府委員(松村清之君) 投票に来ました選挙民に金銭はもちろんのこと、何か品物を渡す、あるいは顕彰するということにつきましては、厳重にそういうことをしないようにというふうにいたしております。したがって、大部分の地方団体の選挙管理委員会ではこれを守っておると思いますが、たくさんある市町村の選挙管理委員会のことですから、中にはあるいは来た人に鉛筆とか、あるいは子供と一諸に来れば風船を渡すとかということはあるというふうなことは聞いておりますが、この程度ならば私は、これもなるべく差し控えてもらいたいと思いますけれども、しかし、この程度のことでしたらばこれもいけないとは思いますけれども、やらないようには言っておりますけれども、そういうところがあるいは今回の選挙に一部あったかもしれませんが、この辺はひとつ大目に見てもあるいは許される面ではなかろうか。しかし、原則的には投票に来た人には何物もやらない、こういうことに厳重に通達あるいは指導はいたしております。
○政府委員(藤田義光君) 市川先生からいろいろ非常に参考になる御質問を受けておりまして、われわれも勉強になります。私就任早々に表彰式に立ち会いまして、実は今回は個人表彰では徳川夢声、森繁久弥、中村メイ子、PRに功労のあった人を表彰したのですが、森繁久弥氏のごときは初めて国家表彰を受けた。今後はこういう表彰のあるなしにかかわらず公明選挙、買収の行なわれない選争をやってもらうために犠牲的に全力をあげて啓蒙したいということを非常に力強くわれわれに約束していただいたのですが、いろいろ御指摘の点に関しましては、全国に私たちも転々耳にしております。そういう行き過ぎに関しましては今後ひとつ注意しましてなるべくそういう資料もひとつこの機会に集めたいと思います、行き過ぎを是正していきたいと思います。 それからこの参議院選挙に要しました六億という予算の問題、実は来年春地方選挙を統一的に行ないますので、局長からも今回きりだと言明いたしましたが、参議院選挙は衆議院選挙とともに国家の最高の行事でございますから、考え方によっては私はこの程度の予算であれだけの成果を上げたのは成功ではないかともいう見方もあちこちから聞いております。まあ来年の予算編成で、実は今準備中でございまして、来年の地方選挙にも相当思い切って公明選挙をやろうじゃないかと、私と大臣と話しておる点もございますので、今後予算の問題等に関しましては行き過ぎがあった点は徹底的に是正しますが、ひとつ生きた公明選挙費ならばよし、思い切って使おう、こういうような気持も持っておりますので、至らぬ点はどんどん御指摘願いまして反省するとともに、いい面をうんと伸ばしていく、そのためにはある程度予算がふえるという結果になることもあり得ると、こういうふうに御了承をお願いしたいと思います。
○市川房枝君 やはり投票率がいいということは、それはそれで私はけっこうだと思うのですけれどもね、しかし、投票率がいいということは必ずしも政治意識向上を意味していないので、御承知のとおりに、島根県がいつも投票率がいいのですが、あそこで政治意識調査をしたら非常に低いということが実は事実出てきたし、それから今度の選挙でも島根県だいぶ批判が出ているみたいな話をちょっと聞いているのですが、だから必ずしも単なる投票率を上げることは私はあまり望ましくない。むしろやっぱりほんとうの政治啓発をして、そうして、投票のいかに大事か、国民の義務であり、権利であるというか、ということで行使させるという方向へもっていかなければ、だから単なる総投票運動、単なる棄権防止運動というものはむしろ意識を下げる結果にもなってしまうというふうに考えますので、今後のその運動の際には、私、その点ひとつ政治啓発と伴ってやる、一緒にやるということを十分お考えをいただきたいと思うのです。 それで表彰は、ここに表彰の目録なんかも印刷したものをいただいたのですが、なかなか、これは、よかったからというのですか、大番ぶるまいで、非常に数が多いというのですか、表彰が少し多過ぎるみたいな気がするのですが、その単なる数字を上げるというのじゃなくして、ほんとうの意味の公明選挙に努力したといいますか、あるいは選挙の管理でよかったというふうなことならいいけれども、表彰の仕方というものにもちょっと、私、問題があるのじゃないかと実は思うわけです。今、政務次官から、来年の地方選挙の問題についての公明選挙運動、これは私大いにやっていただきたいと思うのですが、これはなかなか、あるいは参議院、衆議院の選挙よりももっとむずかしい、不公明な選挙が行なわれているといいますか、もっと金のかかる選挙が行なわれているので、だからこれを公明にするためにはどうしたらいいのかということについての、私、格段のやはり検討をしていただいて、そしてほんとうの効果のあるような運動、お金を、ほんとうに生きたとみんなが思えるようなことでひとつやっていただくようにお願いをしたいと思います。
○政府委員(藤田義光君) 今御指摘のとおりでございます。実は、各政党にも選挙対策本部ができるようでありますし、政府におきましても、先般の政務次官会議で、何か、自治省中心に一つの機構を作りまして——暫定機構でございますが、地方選挙をなるべくきれいな選挙にしようと、どういう機構にするかは今から研究を始めるところでございます。各党、政治結社、政治団体、相呼応して、なるべく公明選挙をやりたい、今までにない、自治省を中心の機構を考えてみたい、こう考えております。
○市川房枝君 この六億の総投票運動と関連しているかどうか、ちょっと私よくわかりませんが、この間、私のよく知っている、ある東京都の区の選挙管理委員に会いましたが、この間、何か別府で選挙管理委員の会がありましたか。
○政府委員(松村清之君) 別府でありましたのは、市と区の選挙管理委員会の理事会のようなものでございます。
○市川房枝君 その会があって、そこへ行くのだけれども、一日の会合に、何でも一週間くらいの日当ですか旅費ですか、があって、そうして見物をしてくるのだ。それでその人自身非常にそれを憤慨して私に話したわけなんですけれども、それで私がちょっと感じたのは、こういう金があるのは、この間六億円の金が少し残っているかに伺っていますが、何か配分になったのが少し余っているのじゃないか、それをそういうことに使うのかと、実はこれは私が間違っているのかもしれませんけれども、選挙管理委員会は選挙管理並びに公明選挙常時啓発の責任を持っているわけなんですけれども、必ずしも非常に熱心にやって下すっているとは思えないといいますか、これは今度の法律の改正で選挙管理委員の資格に少し制限をつけましたね。それで、この法律が適用されてから管理委員かわりましたか、同じですか。
○政府委員(松村清之君) これは次の選任の際からでございますので、今のところこれの適用をされたものは出ていないのじゃないかと思います。
○市川房枝君 その選挙管理委員の問題になりますと、これは私、選挙制度審議会で実は主張し、これはしょっちゅう自治省に申し上げておるのですが、選挙管理委員会に必ず婦人委員を加えてほしい、それを法律で制定してほしいということを言ったのですが、これはどうも通りませんで、選挙制度審議会としては、自治省に対して、婦人管理委員を任命するように努力するといいますか、そういう項目が実は入っているんですが、自治省としてはそれについてどんな努力をして下さいましたか。そして、その結果婦人委員が少しふえましたかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(松村清之君) この点につきましては、選挙管理委員会の会議あるいは総務部長会議その他機会あることに県市町村の当局者に対してそういうようにするようにと、こういうことは伝えてございます。ただ選任の時期というものが、法律が改正されましてからおそらくきていないのじゃないかと思います。したがって、そのことで婦人がふえたということはないと思いますが、そういう機運が、婦人を四人のうちに一人加えるという機運が地方にだんだんと出てきておるようには私は見受けておりますから、次の選任の時期には全国で現在よりは何ほどかは必ずふえるものと期待しております。
○市川房枝君 次の選任時期はいつになりますか。
○政府委員(松村清之君) 去年が大体選任時期でございました、去年の暮れが。したがって、三年後になります。新しい法律だと四年後になります。それは次の選任者からでございますから、まだ少し間があるわけでございます。
○市川房枝君 選挙管理委員会が選挙の事務を遂行すると同時に、政治啓発の任務を持っているわけなのです。婦人の有権者は男の方よりも二百五十万多いわけですし、だからその管理委員の中に婦人を一人——一人でいいと思うのですが、一人加えて下さることが政治啓発にもなり、単に婦人ばかりでなく、全体の有権者の啓発にもなっていく。そして、さっきのような遊び事なんかに対してやっぱり婦人はそういうことに感心しないというか、現在の選挙管理委員会のあり方についても非常にきびしく批判をしておったのですが、そういう点から見て、ぜひ婦人を加えてほしいと思うのですが、しかし、これは各議会の選任になるわけで、そうなるとやっぱり自民党なり社会党の議会の党派の関係で推薦されることで、なかなか女など出てこられない。そこで私は、やっぱり法律ででもちゃんときめていただかなければ、なかなか女が単なる自治省の勧奨ではといいますか、あるいは自治省はそういう直接の権限を持っておいでにならないということも伺っておりますので、これを法律で規定してほしいと思いまして希望したのですが、実現はしなかったのですが、この次の、三年後の改選のときにはひとつ自治省から大いに勧誘していただいて、ふやしていただきたいということを特にお願いしておきます。もっともこれは自治省だけでなく、私ども婦人側でもそういう運動をもちろんしなければいかぬと思うのです。 なお伺いたい点がありますけれども、少し時間が延びましたから恐縮でございますが、きょうはこの程度にして、また次の機会に伺わせていただきたいと思います。
○委員長(青柳秀夫君) 他に御質疑もなければ、本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 次に、継続調査要求についてお諮りいたします。 ただいま本委員会において調査を進めております公職選挙法改正に関する調査を閉会中も継続して行なうため、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の内容及びその手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます、よってさように決定いたしました。 —————————————
○委員長(青柳秀夫君) 次に、委員派遣承認要求についてお諮りをいたします。 ただいまの継続調査の要求が承認せられました場合に、本調査による閉会中の委員派遣を行なうこととし、本院規則第百八十条の二の規定により、議長に提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 なお、派遣委員の人選等並びに要求書の作成につきましては委員長に御一任を願いたいと存じます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会