決算委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/10/29
会議録
○委員長(鈴木壽君) これより決算委員会を開会いたします。 ただいま委員の異動がございましたので、御報告いたします。佐藤芳男君及び武内五郎君が委員を辞任され、その補欠として中野文門君及び小柳勇君が委員に選任されました。 以上であります。 —————————————
○委員長(鈴木壽君) それでは、昭和三十五年度決算外三件並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を議題といたします。 当委員会におきましては、閉会中本委員会の審査及び調査に資するため、東北、中部及び北九州の各県に委員を派遣いたし、りぶさに現地の実情を調査して参ったのでありますが、本日は、まず、これら各班より、その調査につきまして御報告をいただきたいと存じます。 それでは、東北班より御報告願います。大森創造君。
○大森創造君 東北班は、佐藤芳男、武内五郎の両委員と私が参加いたしまして、昭和三十五年度決算審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、九月十六日から二十一日までの六日間、宮城、青森、秋田の三県下において、各県の財政状況、三十五年度決算検査報告指摘事項及び八郎潟干拓工事などについて視察調査して参りました。また、秋田県下では、鈴木壽委員長が参加され、御支援をいただきましたのでございます。 以下その概略を御報告申し上げます。 まず、宮城県の財政状況について申し上げます。 宮城県の三十七年度予算は、財政再建計画の最終年度であり、県財政の健全性を回復しつつありますが、高校生急増対策を初め、社会保障制度の拡充に伴う経費、公共事業費の増額及び給与改定の平年度化に伴う人件費等、歳出規模において相当膨脹することが予想されております。その反面、県税等の一般歳入については、最近各方面で言われているように、三十七年度後半以降は低調であろうという経済動向などから見て、多くを期待することは困難と推定されております。したがって、その予算の内容を充実する意味において、県経済長期計画との関連における新規重要施策の採択について特に配慮することはもちろんでありますが、継続事業についても取捨選択を行なうなど、重点的、効率的な経費使用に留意し、収支の均衡保持に努め、健全財政を建前としております。 以上のごとき県財政の実情から、 一、国の補助単価を実態に応ずるよう配慮され、国庫補助基本額が地方財政計画、地方交付税算定の基礎となっている単価より著しく下回っているのを合理化されたい。 二、高校生急増対策の財源措置を講ぜられるとともに、その構造比率の鉄筋六〇%、鉄骨三〇%、木造一〇%を、すべて校舎は鉄筋、体育館・実習場は鉄骨とせられたい。 三、給与改定経費について完全なる財源措置を講ぜられたい。との要望がありました。 また、宮城県関係の三十五年度決算検査報告指摘事項につきましては、工事計画及び施行が当を得なかったもの等三件の土木工事の調査をいたしたのでございますが、職員の不足等から監督不十分の点もあり、各件とも、関係省庁と協議いたしまして、手直し工事を施行するとともに、請負業者には一定期間の請負停止、職員の研修等の措置を講じております。なお、各省の工事基準の相違をなくすること、冬期コンクリート工事については十分の配慮をされたいこと等の要望がありました。 次に、青森県における調査について申し上げます。 青森県におきましては、三十五年度決算検査報告指摘事項を中心とし、県財政との関係について意見聴取を行なったのでございますが、県財政に占める交付税の比重が大きく、その交付は制度上からおそくなり、県における予算措置は九月ころになる現状である。したがって、土木工事等において年度内に工事施行が困難となることがあり、無理をして厳冬期施行をするとコンクリートの凍結等の事態を招くこととなり、また農業施設等を田植え時期に合わせて工事すれば、積雪時に施行せねばならず、結果的に不良工事となって、会計検査院の指摘を受けることが多くなるという実情であります。これは寒冷地における特殊事情であるので、会計制度について十分の考慮をされたいとの要望がありました。 また、人材及び人件費の不足から、技術者の雇用が困難であり、工事の監督にも人を欠く実情にあるので、国としては建設省採用の技術者を地方に配置する等の措置を講ぜられるとともに、地元の大学に農業土木科を新設する等技術者養成の措置を講ぜられたいとの要望がありました。 次に、秋田県の財政状況について申し上げます。 秋田県財政は、三十一年度より財政再建計画を樹立し、県財政の健全化に努めた結果、逐年累積赤字の解消を行なうとともに、発行債の繰り上げ償還、再建期間の一カ年短縮を行なう等、きわめて堅実な村政運営を紡げております。 三十七年度におきましては、県民生活における所得較差の解消を主眼とし、さきに策定した長期経済構想に基づく農林漁業基本対策の推進と、第二次産業の振興を枢軸として、前年度に引き続き、僻地の振興、福祉対策の充実に配慮し、高等学校生徒急増対策を中心とする教育施設の拡充をはかった結果、財政規模は八月現計において約二百二十七億円となり、積極的な予算内容となっております。他方、歳入面では、県民税個人分にかかる超過課税を廃止するとともに、八千六百万円に及ぶ税外負担の軽減を実施しているのであります。しかしながら、給与改定の平年度化、本年度人事院勧告によるベース改定、新退職金制度への切りかえに伴う人件費の飛躍的な増、高校急増対策の校舎整備費等の増、公共投資の一そうの拡大に対応する地方負担の増等が顕著となり、さらに国の減税施策の影響も少なからず受けることが予想され、今後の財政運営は容易ならざるものがあると思われるのであります。 秋田県財政は、従来国の財政改善措置によりささえられていることであり、未開発後進県として、行政水準の引き上げ等較差解消には今後多額の公共投資を必要とする現状からして、もっぱら国の制度改善等に期待せざるを得ないのが実情であります。 以上のごとき県財政状況より、 一、人事院勧告に準ずる給与改定にあたっては、国においてこれが財源措置をはかられたい。 二、地方交付税の配分については、財政基盤強化の見地から、財政力の貧弱な団体に対しては重点的に増額配分をはかられたい。 三、三十七年度の公共事業費の配分は昨年度の伸び率に比し著しく鈍化しており、これは先進地域との較差拡大を招くのみならず、民間投資との間にも著しいおくれをとることとなるので、ぜひ公共事業費の重点的な配分をはかられたい。 四、国庫補助事業等に対する超過負担は三十五年度において一億七千万円に及んでおりますが、これは地方財政法の趣旨にももとることとなるので、経費負担の正常化にはなお一そうの努力をされたい。との要望がありました。 次に、八郎潟干拓工事視察について申し上げます。 総工費二百九十一億円を投入、三十二年度から始まった八郎潟中央、周辺合計約一万七千町歩を干拓する工事は六年目に入り、その進捗状況は全体の七割に達しております。現在、中央干拓のための堤防五十二粁、周辺干拓のための堤防五十二キロの約九割五分ができ上っており、来年十二月より中央の干陸を始める予定で、このため三十八年度の事業費として六十億円の予算要求がなされております。 八郎潟干拓事業の今日の課題は、中央干拓地にいかなる形態の農業を建設するかの点に移ってきているのでありますが、このため、将来の日本農業におけるモデル農村を建設することを目標として、農林省内に各界の権威者により構成された八郎潟干拓企画研究が設置せられ、入植営農方針、新農村建設計画、行財政制度のあり方等について検討が進められているのであります。また、三十八年度には、南部干拓第二工区において六十ヘクタールのテスト農場を設置し、中央干拓地における大型機械による営農を予備実験する運びとなっております。 最後に、青森営林局管内の土地の売り渡し価格が低廉と認められたもの、立木を不法に伐採されたもの、日本電信電話公社東北電気通信局管内の塩釜電報電話局基礎くい打ち工事等三十五年度決算検査報告指摘事項数件の視察調査につきましては、その原因が職員不足による監督の不行き届き、技術的知識の不足及び手落ち等によるものでありましたが、手直し工事の実施、請負業者から差額の徴収、請負業者の指名停止及び職員の研修指導等善後措置が講じられておりました。 以上をもちまして東北班の報告を終わります。
○委員長(鈴木壽君) 次に中部班の御報告を願います。相澤重明君。
○相澤重明君 中部班の報告をいたします。 中部班は、田中、鈴木の両委員と私が参加いたしまして、去る九月二十五日から三十日までの日程で、新三菱重工株式会社大江、小牧両工場におけるロッキードF104J次期主力戦闘機及びYS−11国産中型輸送機の製作状況並びに愛知用水公団の牧尾ダム、兼山取水口、幹線水路、各種サイホン、浄水場等と愛知用水の水源から末端に至る諸施設を視察し、さらに伊勢湾高潮対策事業関係としまして、名古屋港高潮防波堤建設工事現場、南陽、海部、鍋田の各海岸堤防及び鍋田干拓地と、三十五年夏の検査報告で会計検査院から指摘されています常滑港高潮対策工事、木曾川下流改修工事関係の調査をして参りました。 以下各事項につきまして、今後の委員会審査の御参考になる点を簡単に御報告いたします。 まず、航空機の製作関係でありますが、F104J次期戦闘機につきましては、現在本格的な生産体制に入り、各種の精密作業が能率的に行なわれておりました。製造価格についてのわれわれの質問に対し、会社側から、諸物価の値上がり、諸経費の増加の影響を受けており、予定価格内で納入できるかどうか現在の段階では明確な御返事はできない旨の説明がありましたが、今後極力経費の節減に努め、予定価格内で完成するよう一段の努力を会社側に要望して参りました。 YS−11国産輸送機につきましては、試作機の製造を終わり、各種の精密テストが行なわれておりました。無事テストを終わり、量産体制に入って、国産航空機が大空を飛び回る日が 一日も早く来ることを強く希望します。 その他各種ヘリコプターの製作状況も視察いたしましたが、莫大な設備投資や研究開発費を必要とする航空機工業は、いたずらに軍需にたよることなく、軍用機、民間機の生産に各種ヘリコプターの生産を適当に組み合わせ、長期的に安定した生産体制を確立すべきであり、そのためには、政府みずからが今まで別々かつ無計画に行なっていた各省政府機関の発注を、航空機工業育成の立場から総合調整し、計画的かつ継続的な発注に切りかえるべきであります。 次に愛知用水事業関係でありますが、本事業につきましては、かねてから本委員会はその事業の進捗状況に重大な関心を持ち、その工事の過程において、三十三年、三十五年と二回にわたり現地調査を行ない、工事の早期完成を強く要望してきたのでありますが、今回、公団関係者の努力が実って、予定工期内に全工事が完成し、通水による事業効果が現われてきたのを機会に、水源の牧尾ダムから兼山取水口、入鹿水路橋、高蔵寺サイホン、東郷調整ダム、上野浄水場と、りっぱに完成した近代的な主要施設を、さらに本用水を利用して実際に果樹栽培等の畑地灌漑を実施しているところを視察して参りました。 今後の問題点を一、二点述べますと、 まず第一点は施設の維持管理についてであります。公団側は、愛知用水管理事業を設置し、主要施設を直接管理するとともに、末端施設を関係土地改良区に委託管理させる方法をとり、その万全を期しておりますが、幹線水路だけでも延長百十二キロメートルという長区間に諸施設が散在しており、子供のいたずら等による事故が多いとのことでありました。公共施設に対する正しい認識の啓発と関係地元民の公徳心の高揚が強く要望されます。政府は、これらの公共施設の管理については、その一部につき助成の道を講じておりますが、建設後の管理については必ずしも十分とは言えませんので、公物管理法の制定を急ぎ、その維持管理の法律関係、責任体制、予算的裏づけ等を明確にすべきであります。 第二点は、工業用水との調整についてであります。現在、名古屋南部臨海工業地帯の建設が大規模に進められ、またその背後丘陵地帯の住宅地化が急速に進められておりますが、いずれも本用水の利用を期待しており、現在三対一の割合で行なわれている農業用水対工業用水の配水比率の変更が必ず問題となってきますが、本用水本来の目的である農業優先の原則をあくまでくずすことなく、年間通水の実施によって農業経営の構造改善に資すべきであると考えます。 次に、伊勢湾高潮対策事業について述べます。高潮対策の河川及び海岸堤防は、現在ほとんど完成しておりますが、高潮対策事業のかなめになる名古屋港高潮防波堤の建設は、漁業補償の解決がつかず、工事の進捗が非常におくれており、現在海底の基礎地盤に砂まきが行なわれている状態でありました。ここで問題になるのは、運輸、農林、建設の三省協定によって、防波堤の内側の海岸堤防の設計を、この防波堤による減波効果を前提として、その高さを七・五メートルから六・三メートルに変更している点であります。幸い本年は台風が上陸しなかったため無事でありましたが、もし大型台風が上陸しておれば、巨額の国費を使って建設された海岸堤防も、その弱点をさらけ出すところでした。伊勢湾港湾建設部では、来年の台風シーズンにはある程度防潮効果が発揮できるよう工事の促進をはかりたいとのことでありました。いずれにしても、伊勢湾高潮対策事業のかなめとも言える高潮防波堤の工事がおくれ、高潮対策工事全体の効果を著しく減少させている点は、国費の効率的使用の面からもきわめて遺憾であり、その工事の促進方を強く要望いたします。 鍋田干拓地では、現在百三十六戸の開拓農家がその再建に励んでおり、ようやく新しい家屋が完成したところでしたが、一戸当たり九十万円近くかかった建築費の償還等の問題をかかえており、政府の積極的な営農指導が望まれています。 最後に、三十五年度検査報告二三二号、二七二号関係について述べます。 二三二号は、常滑港高潮対策工事の施行にあたり、工事途中で一方的に設計変更を行ない、余ったセメント等を関連工事に回していたものでありますが、設計変更等については、正式の承認を得た上で、遅滞なく変更手続をとるべきであります。 二七二号は、木曾川の改修工事の施行にあたり、浚渫土砂の運搬計画を誤ったため、不経済な結果になっていると指摘されたものでありますが、改修予定地住民の用地補償のため、土地造成を急ぐ必要があった点は認められ、ある程度やむを得なかったかとも考えられますが、さらに慎重を期して、この種指摘を受けないよう努力すべきであります。 以上で報告を終わります。
○委員長(鈴木壽君) 次に、九州班の御報告を願います。仲原善一君。
○仲原善一君 九州班の御報告を申し上げます。 本班は、九月二十八日から十月四日までの七日間、久保委員、中尾委員、林委員と私が参加いたしまして、福岡県と長崎県方面に参りました。また、福岡県下では、小柳勇議員も現地参加をされまして、私どもの調査に御協力いただいたのであります。 私どもの調査いたしました事項は、三十余件の多岐にわたるのでありますが、以下簡単に経過と要点について御報告申し上げたいと存じます。 まず、北九州の産炭地の問題であります。これは、御承知のように、ただいま北九州産炭地域に深刻な影を投じている問題でありますが、私どもは、この問題の調査に二日間を費し、まず福岡県庁で県当局、福岡通産局、国鉄西部支社、下関工事局の当事者より説明を受けた後、国鉄油須原線現場、福岡県田川職業訓練所、門司港、洞海港、若戸橋、若松火力発電所などの現場について調査をいたしました。 ここで特に御報告申し上げておきたいと存じますのは、国鉄油須原線の問題であります。この線は、三十一年から着工し、八億七千万円ばかりすでに投資して、全線二十三キロばかりの七割程度の路盤工事など施行しておりますが、残った区間六キロばかりは、炭鉱の鉱業権者に対する採掘制限の補償問題が解決せず、工事の施行が中絶していたのであります。地元関係者の説明も聞きましたが、とにかく、通産省、国鉄がすみやかに協議を行なって、できるだけ早くこの問題の打開をはかり、建設工事を再開して、これら産炭地域の振興対策の一環としてもこの新線の開通を促進すべきであると思われたのであります。 次に、福岡県下の建設省関係の公共投資の状況を調査いたしました。これらの公共投資の大きな障害となっているのは、用地の取得難でありまして、公営住宅の建設費では、そのために三十五、三十六年度と、費用の繰り越しが増加しておる傾向にある状況でありました。 次に、長崎県下では、佐世保市におきまして、旧軍用財産の処理状況、基地交付金の問題、米軍から返還を受けた崎辺地区の処理の問題、佐世保国立工業専門学校の設置に伴う地元負担の問題など、また諌早地区では、長崎干拓、諌早干拓の問題など、最後に、長崎県庁におきましては、社会福祉施策を中心とした県財政問題、為石漁港の補助工事問題、検査報告二〇八号の問題、江迎地区等の豪雨災害と福江の大火災の問題などにつきまして調査をいたしました。 以上の調査におきまして、各種の参考事項も見出されたのでありますが、それらは別途委員長に提出しております文書で十分にごらん願いたいと存じまして、簡単ではありますが報告を終わりたいと存じます。以上であります。
○委員長(鈴木壽君) これをもって各班よりの報告を聴取いたしたわけでございますが、本報告に関する審議は後日適当な機会に譲ることとします。 —————————————
○委員長(鈴木壽君) 本日は、これより日程に従いまして、運輸省の決算審査を進めることにいたします。 それでは、まず運輸大臣より説明を聴取いたします。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私、第三次池田内閣の運輸大臣を拝命いたしました綾部でございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 昭和三十五年度の運輸省における決算の大要について御説明申し上げます。 まず、各会計の支出済歳出額の総額を申し上げますと、一般会計は、四百五十四億一千四百七万二千円、木船再保険特別会計は一億四千三百四十五万五千円、自動車損害賠償責任再保険特別会計は三十二億四千四百七十八万一千円、特定港湾施設工事特別会計は八十四億四千三百二万九千円であります。 以下、重要施策について順次御説明申し上げます。 まず、輸送力の整備増強施策でありますが、 第一に、特定港湾施設等の整備をはかるため、特定港湾施設工事特別会計において八十四億四千三百二万九千円を支出いたしまして、輸出港湾施設工事関係として横浜港外六港、石油港湾施設工事関係として千葉港外二港、鉄鋼港湾施設工事関係として室蘭港外九港、石炭港湾施設工事関係として苫小牧港外八港、伊勢湾高潮対策事業として名古屋港、四日市港及びこれらに関連のある受託工事を施行し、貿易の伸長、工業生産の拡大に対応する港湾施設の整備をはかりました。 第二に、一般会計において港湾の整備をはかるため二百七億五千五百九十二万一千円を支出いたしまして、うち三十九億八千七百十一万円を特定港湾施設工事特別会計へ繰り入れるとともに、直轄港湾改修事業として特定重要港湾の清水港外四十四港、港湾改修補助事業として東京港外四百二十八港、港湾施設災害復旧事業として、過年災分八百八カ所、当年災分二百十三カ所を実施したほか、海岸事業、特別失業対策事業、離島振興事業、国土総合開発事業、奄美群島復興事業、港湾施設災害関連事業、チリ地震津波災害地域津波対策事業、伊勢湾高潮対策事業及び作業船整備事業を施行いたしました。これにより、工業原材料輸送及び沿岸輸送のための輸送力の整備増強とともに、国土海岸保全の強化、失業対策による労働力の吸収、災害の復旧及び再発防止等をはかりました。 第三に、地方鉄道軌道の整備をはかるため、地方鉄道軌道整備法に基づき、重要な新線鉄道筑豊電気鉄道株式会社外二社に対する補助として一千十万五千円、赤字鉄道寿都鉄道株式会社外一社に対する欠損補助として五百二万二千円を支出いたしました。 第四に、離島航路整備法に基づき、二十九航路の事業者に対し離島航路整備補助として三千四十一万円を交付するとともに、離島航路用船舶の建造及び改造資金貸付に対する利子補給として既契約七隻分に対し三百六万五千円を支出いたしまして、離島航路の輸送力を整備し、民生の安定と向上に寄与いたしました。 第五に、国内ローカル空港の整備増強をはかるため五億七千二百八十一万円を支出いたしまして、昭和三十五年度に新たに着手しました秋田、富山及び岡山三空港を含めて十六空港の整備促進をはかりました結果、同年度中に函館空港外二空港の完成を見、各地方の開発に寄与いたしました。 次に、貿易外輸出の振興施策でありますが、 第一に、わが国海運の国際競争力を強化するため、外航船舶建造融資利子補給金として、日本郵船株式会社外三十八社に対し八億一千百五十九万五千円を支出いたしました。なお、外航船腹の整備増強につきましては、開発銀行よりの融資により十五社十六隻十九万一千七百四十トンの建造を見ました。 第二に、三国間輸送による日本海運の外貨獲得と三国間輸送の地盤を強化してわが国海運の発展をはかるため、三国間輸送助成金として、大阪商船株式会社外二十社に対し六億八千九百九十万九千円を交付するとともに、わが国の移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかるため、移住船の運航による欠損補助として、大阪商船株式会社に対し、七千七百八十一万六千円を支出いたしました。 第三に、外航海運の進展に対応し、海外における船員の福利厚生施設を整備するため、三千八百七万四千円を支出いたしまして、ニューヨーク日本船員倶楽部、カルカッタ日本船員ハウス及びシンガポール日本船員案内所を建設いたしました。 第四に、国際空港の整備をはかるため、東京国際空港における新滑走路等建設のための埋立護岸工事費、現滑走路補強工事費、用地買収費等として、十三億五千四十一万六千円を支出いたしました。また、大阪国際空港については、一億八千六百三十八万七千円を支出いたしまして、現滑走路の補強及び延長工事を実施いたしました。 第五に、海外観光客の積極的誘致を推進するため、特殊法人日本観光協会の海外観光宣伝事業に対する補助として二億一千三百四十万円を支出いたしました。これにより、海外宣伝が強化され、昭和三十五年中にわが国に来訪した外客数は前年に比較して一七パーセント増の約二十一万二千人となり、その消費額も前年に比較して二三パーセント増の約四百十八億円に達し、わが国の国際収支の改善に大いに貢献いたしました。 また、内外青少年の健全旅行のための宿泊施設であるユースホステルの整備を促進するため、ユースホステル整備補助金として七千三百五十万円を支出いたしました。これにより、東京都を初め、全国で十三の地方公共団体においてユースホステルが建設されました。 さらに、ユースホステルの適正な運営に関する調査研究のための機関として、大津市に国立ユースホステルセンターを建設するため、一千六百七十三万一千円を支出いたしました。 次に、交通の安全確保、災害の防除及び海上治安の確保をはかるための施策でありますが、 第一に、航路標識を整備するため、六億五百七十一万九千円を支出いたしまして、灯台六十六基、霧信号一カ所、浮標十三基、電波標識七局の新営等を行ないました。 第二に、海上警備救難体制の整備をはかるため、三億五千五百四十六万九千円を支出いたしまして、老朽巡視船の代替として、三百五十トン型巡視船二隻、十五メートル型巡視艇一隻の建造を行なうとともに、航空機一機を整備いたしました。 なお、昭和三十五年度において海上保安庁が行なった海難救助は、一千三百十七隻、九千五百三十四人であり、海上犯罪事件は一万四千三百八十二件を送致いたしました。 第三に、自動車事故防止対策の一環として、自動車の車両検査登録機能の充実をはかるため、二億二千七百七十四万五千円を支出いたしました。これにより、最近における自動車数の著しい増加に対処し、北九州地区に車検場一カ所を新設したのを初め、既設車検場八カ所の増強整備を行なう等、自動車検査登録機能の合理化及び能率化を推進いたしました。 第四に、航空路組織及び施設の整備強化のため、一億二百三十九万四千円を支出いたしまして、航空保安施設の飛行検査用としてダグラス三型航空機一機を購入し、また名古屋VOR施設等を設置して、航空機の航行の安全確保をはかりました。 また、航空安全対策の一環として、航空機乗員訓練費の一部を補助するため、全日本空輸株式会社外一社に対し二千万円を交付いたしました。 第五に、基礎的気象業務の整備をはかるため、三億四千二百十六万七千円を支出いたしまして、前年度に引き続き、無線模写放送を初めとする気象通信の整備拡充を行なうとともに、名古屋の気象用レーダーの新設、前年度より継続した気象観測船の完成並びに高性能地震計の設置等を実施いたしました。なお、これとともに、気象業務の国際性にかんがみ、北半球気象資料の国際交換施設を整備いたしました。また、防災気象業務の整備をはかるため、三億五千四十五万円を支出いたしまして、前年度に引き続き、只見川流域及び北海道十勝支庁の未整備地域全域に水理水害関係の観測通報施設を整備いたしました。 農業気象業務については、前年度に引き続き、福島県の残部及び山形県の一部に観測施設を整備するとともに、空港整備の進捗状況に対応して航空気象業務の整備を行ないました。 なお、人員については、新規に防災気象官制度を設置し、防災気象業務の実施体制を強化いたしました。 次に、運輸関係科学技術の振興をはかるため、運輸技術研究所及び気象研究所の研究費として、二億二千六百七十七万二千円を支出し、また気象庁において、国際観測事業として、上高層、オゾン、輻射、空中電気、地震、地磁気及び夜光の観測並びに国際地球観測年期間中の資料整理を実施し、これに要する経費として三千八百六十四万七千円を支出いたしました。 また、原子力関係として八千八百九十三万四千円を支出いたしまして、原子力船の開発に関する研究と、その他原子力に関連する各種試験研究を実施いたしました。 民間における科学技術の試験研究に対する補助金として四千五百七十八万九千円を支出いたしまして、超高速優秀商船の系統的模型試験等三十二件の試験研究を行ない、運輸関係科学技術の推進に貢献いたしました。 最後に、昭和三十五年度決算の不当事項について御説明申し上げます。 当運輸省の所管事項につきましては、査定の適正化、検査官制度の活用による中間検査の励行等、指導監督の強化により、不当事項は漸次減少の傾向にありますが、なお若干の事例がありましたことは、まことに遺憾とするところであります。 御指摘のありました査定の適正を欠く事項につきましては設計変更により、出来高不足の事項につきましては手直し工事により是正いたしました。今後なお一そうの注意と監督の徹底をはかり、これが絶滅を期する所存であります。 以上が昭和三十五年度運輸省関係の決算の大要でございます。 何とぞ御審議下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(鈴木壽君) 次に、会計検査院より検査報告を求めます。
○説明員(中島尚文君) 昭和三十五年度の運輸省関係の決算につきまして、書面並びに実地の検査を実施いたしました結果、なお不当と認めました事項を決算検査報告に掲記いたしております。これにつきまして、以下御説明を申し上げます。 地方公共団体等が施行いたしました港湾工事につきまして、全国の工事現場は千八百七十五カ所ございますが、この中で、青森、新潟、香川、石川、愛知、三重、和歌山、宮崎の八県におきまして四百十一カ所を検査をいたしたのでございます。その結果、国庫補助金を除外すべきことが判明いたしまして、その金額一工事当たり十万円以上のものが四件ございまして、なお、一件当たり二十万円以上のもの三件を個別に掲載いたしております。 その一つは、新潟県の佐渡の両津市両津港改修工事におきまして、浚渫工事の出来高不足がございました。これは離島振興事業費でございますので、一〇〇%補助になっておりまして、二十九万四千円が要返還という結果になっております。 次に、愛知県の常滑市の常滑港伊勢湾高潮対策工事におきまして、防潮堤の止水壁の実施にあたりまして、上部厚三十センチメートル、下部厚八十センチメートル、高さ二・五メートルでコンクリート総量八百九十六立米を実施するとともに、基礎コンクリートパイル五百五十本を施行する設計になっておりましたが、実施にあたりまして、下部厚を八十八センチメートルに変更し、高さを二・一メートルに改め、そしてコンクリート総量を七百七十六立米で施行をいたしました。なお、コンクリートパイルは全く施行しなかったのでございます。このように工事を変更いたしたのでございますが、支払いにあたっては、当初設計どおりに支払ったということで、工事費百八十六万一千七百二十四円が過大に支払われた結果になっております。なお、支給セメントにおきまして十三万五千八百四十九円が、本件に使われてないのに、使われたように精算をされておったのでございます。 第三点は、同じように、愛知県の渥美郡渥美町の福江港の改修工事におきまして、鋼矢板の施行におきまして、打ち込みが非常に悪くて、鋼矢板の腹起こし及び鋼矢板を緊張しているタイロッドの効果を減殺することとなり、設計に比べて強度が非常に低下をしているという問題がございました。 次に、査定について申し上げます。災害復旧事業の査定につきましては、三十五年発生災害におきまして、特に査定額の大きかった岩手、宮城、静岡、岡山、香川、徳島の六県におきまして、総工事数二百二十一カ所のうち、百三十五工事を実地に検査をいたしました。その結果は、七十一ページの表にございますように、岩手県、岡山県、香川県におきまして、査定額を減額するのを至当と認められるものがございまして、岩手県と香川県の例はいずれも積算過大でございまして、岡山県の例は災害のなかった個所まで災害復旧工事に取り入れておったということであります。簡単でございますが、これで終わります。
○委員長(鈴木壽君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のおありの方は順次御発言願います。
○小柳勇君 私は、さっき調査報告で述べられた福岡県における油須原線の建設状況について質問いたします。 なお、この問題は、決算委員会でも、予算委員会でも、再三質問しておった問題でありますが、調査に参りまして、現在すでに七割程度できている路盤、隧道などが、そのままくされかかっている。こういうものを、今こそ産炭地振興計画の一環として完成して、北九州における産業開発をしなければならぬと思うのですが、毎年一億円足らずのものを少しずつ投資して、これが完成はいつになるかわからぬという実情でありますが、運輸大臣は油須原線の建設についてどのような決意を持っておられるか、お聞きいたします。
○国務大臣(綾部健太郎君) 小柳委員の御指摘のとおり、たいへん重要な線路でございますから、できる限り迅速に施行するように国鉄へ指示いたします。
○小柳勇君 鉄監局長からもう少し具体的に詳しく説明を願います。
○国務大臣(綾部健太郎君) 事務当局に実情を説明させます。
○説明員(岡本悟君) 油須原線は、御承知のように、北九州におきます失業対策の観点と、それから石炭輸送の合理化、つまり阪神あるいは京阪神方面への石炭輸送の経路を短縮するというような使命から、昭和三十一年から着工に相なった線でございます。 御指摘のように、線路の大部分はでき上がっておりますが、川崎を中心としますごくわずかの部分が残っておりまして、これも、先ほどの九州班の報告書の中でお話がありましたように、主として石炭業者との関係でおくれておるのでございます。つまり、採掘制限というものが当然起こって参りますので、それに対する補償を石炭業者が国鉄当局に要求いたしております。もともとこの線は、石炭地帯における失業救済という意味もあるし、あるいは石炭事業の主として輸送経費の圧縮と申しますか、軽減と申しますか、そういうこともございまして、国鉄側としては最大限の協力をしておるというふうな気持もございまして、ただいま申し上げました石炭業者の要求しておる補償につきましては、当初は全然予期していなかったというようなこともございまして、われわれ運輸省なりあるいは通産省が中に入りまして、この問題の調整に努めて参っております。 とりあえず、本年度におきましては、まず川崎までの建設ということを早急に考えまして、全線をすみやかに完成させたい、こういう方針で、ただいま大臣が申し上げましたように、できるだけの努力をいたしておりますけれども、もう少しお待ちいただきたいと、かように考えております。
○小柳勇君 大臣にこの際ひとつはっきり決意をしていただくように、重ねて要請いたしておきますが、調査してみまして、もう早くできたところは草がぼうぼうとはえまして、村人の通路になっております。隧道になりますと、上のほうはりっぱにコンクリートができておるのに、下のほうは水がたまってくずれかかっている。予算の効率的な運用の面におきましても、まことに不経済なことでありますし、予算の効率的な運用からも、今地元民が熱望いたしております産炭地振興計画からも、一日も早く完成いたしまして、石炭は輸送できないにいたしましても、ベッド・タウンなどに、あるいは工場誘致などに非常に大きく役立ちますから、閣議でも発言されまして、通産大臣その他の関係大臣とも御協議あって、この建設に十分に力を尽くしていただくように要請いたしたいと存じます。この問題に対する質問は、要請をいたしまして終わります。
○大森創造君 国鉄の新幹線の用地買収の問題についてお尋ねをいたしますが、その前に綾部運輸大臣にまずお答えいただきたいと思いますが、当初二千億円の予定で発足した東海道新幹線の建設工事、その用地買収費が当初計画では約百五十億円。現在までに幾らかかって、完成するまで用地買収の費用は幾らくらいかかるお見通しでございますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄当局者に説明させます。
○説明員(大石重成君) ただいまの御質問の中の新幹線の用地買収の問題でございますが、当初工事費、これは利子を抜きまして、純工事費千七百二十五億と算定をいたしました。これは昭和三十一年度の単価をもちまして査定をいたしました。その中の用地費は百四十六億。ただいまお話のございました総額が、純工事費が二千五百八十三億。最初の千七百二十五億に対しまして、工事費は八百五十八億の増ということに相なっておりまして、この二千五百八十三億の中に用地費は五百十億含んでおります。でございますので、最初百四十六億と算定いたしました用地費が、結果といたしまして、三百六十四億増加をいたした結果に相なっております。
○大森創造君 その問題については、この質問のあとのほうからまた詳しくお聞きしたいと思いますが、汚職か汚職でないかまだ判明いたしませんが、私はおそらく汚職になっているだろうと思うのでありますが、横浜と、それから名古屋、それから大阪の新幹線のうち用地買収をめぐる問題について、以下お尋ねをしていきたいと思いますが、この問題はなかなか複雑微妙で、非常に広範囲にわたると思いますから、私の質問も、きょうの委員会のみならず、自今二、三回続けるつもりでございますので、ひとつお含みおきを願いたいと思います。 まず、ざっくばらんにお聞きいたしますが、横浜のほうに限ってきょうは御質問いたします。用地買収のプロセスですね、どういうプロセスで用地を買収なされるのか、それから測量というものはどういう順序でやられるのか、そういうことをしろうとの私にもわかるようにひとつお答えいただきたい。
○説明員(大石重成君) 順序といたしまして、測量を開始いたします順序から御説明いたします。測量を開始いたしますにあたりましては、最初にどの地区を——測量と申しましても、いろいろ測量がございますが、第一回にやります測量は、地形測量と申しまして、市販しております五万分の一のような地図をもっと精確に、国鉄で使っておりますのは二千五百分の一の精度の図面を作るのでありますが、この地図を作ります測量が第一回の測量でございます。この場合に、関係の沿線の市町村に、この地区を鉄道が通る予定でございますので測量をさせていただきたいという通知をいたします。この範囲は、およそ大体五万分の一の地図に、線路がここを通りますという予定をいたしまして、その範囲に測量のために立ち入りをいたしますので——私たちは立ち入り通知と言っておりますが、その御通知をいたします。次に、その地図ができますと、その地図によりまして一段と精確な計画をいたしまして、再びその地図に基づきまして、今度は線路がこの点を通るという計画を室内においてやりまして、地元の方々と協議をいたします。新幹線の場合でございますと、その場合に、ほとんど今までの例といたしましては、測量反対、立ち入り反対という声を承りました。したがって、測量をいたしますとぎには、事前に相当の御了解を得ませんと、まず立ち入りができませんでした。で、そのようなことをいたしまして、今度はここに線路が通るというような図面ができますと、再び詳細な測量をやりますという立ち入りの通知をもう一度やります。そのときには、地元の方々に御了解を得るために、事前に十分御説明もし、お話し合いもいたしまして、御了解を得た後に測量立ち入りの通知をいたします。そうして、線路が直接ここを通るという点が出て参りますと、次にやります測量は、そのきまりました——私たち中心線と言っておりますが、その中心線に沿いまして、鉄道用地にかかります幅につきまして、一筆々々、何と言いますか、丈量という言葉を使いますが、これはたんぼであり、これは畑である、これはどなたの所有地であるというようなことまで詳細なものを書いた用地図を作ります。測量といたしましては、今申し上げましたように、最初に地形図を作りまして、その次に中心を置きます測量をやりまして、その次に用地の詳しい明細がわかりますような用地図を作る、こういう三回の測量をいたす段取りに相なっております。 それから、用地の買収方法、これはどういうふうにするかというお話でございますが、この点につきましては、ただいま申し上げました詳細な用地図ができますと、今度はそれに基づきまして、たとえばどこに土管が入り、どこに橋ができ、どこに道路ができ、どこに石垣ができる、こういうようなこまかいものをその図面の上に書き上げますことによりまして、どなたの地面にはどういうどぶがつぶれて土管ができるとか、どこにはどういう道路がこちらに曲るというような詳細なものができて参りまして、これに基づきまして地元の方々と設計協議というものを始めます。お宅の道路はこういうふうに曲りますというふうに。また、国道に関しましては、国 建設省とその話をやります。また、県道関係のものにつきましては県庁、さらに林道その他につきましては農林省、それぞれ大きいものは所管官庁と設計の協議をやります。個人の私道、また私有地につきましては、各地主さん方と設計協議を始めるのであります。 ところが、今回の幹線の場合には、先ほどもちょっと申し上げましたように、ほとんどのところが、建設、立ち入り反対、用地を売ることも反対というようなことに相なりましたので、地元の方といたしましては対策協議会——初めのときは大体これが反対同盟会というようなものができて参りまして、それといろいろお話をしておりますうちに、その反対同盟会が対策協議会というようなことに看板が変わって参りまして、その対策協議会というのは、ほとんど地元の有志の方々が入りましたものができまして、これが各町村の部落といいますか、ブロックごとにそういうような協議会ができまして、その協議会と設計の協議をする。同時に、横浜でございますと、横浜市の方もそれに参画いたしまして設計の協議をいたします。 かようなことをいたしまして、設計の御了解と申しますか、われわれの考えておりますることと地元の方の御要求というものが合致いたしますと、今度はこれが用地の買収の協議会に変わって参ります。そうなって参りますと、その対策協議会におきまして、一般の場合でございますと、一筆ずつ、各人と交渉をしないで、協議会において、その範囲におきましてまず土地に等級をつける。たとえば一等地から十等地までの等級をつける。その等級のおのおのについての価格をオープンのところできめてくれる。そうして、それがきまりましたならば、その地区につきまして、国鉄もお話し合いをいたしますし、また、協議会の会長さんも、責任を持ってその土地をまとめていく、こういうようなことが荒筋でございます。
○大森創造君 大石常務理事は、警察のほうに参考人か何かで出られましたか。
○説明員(大石重成君) 私は警察に、まだ参考人として呼ばれたこともございません。
○大森創造君 今のプロセスは大体わかりましたけれども、この事件について、測量とか、それから用地買収について、重大な段階があったと思うのですが、仮測量をいつ始めて、それがいつ終わって、それが本測量と申しますか、そういうものがいつ始まって、いつ終わって、それからいわゆるセンター・ラインというものの測量はいつ始まり、それから用地買収の手続は、昭和何年の何月ごろ始まって、いつ終わったということについて、そういう時間に焦点を合わせて、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○説明員(大石重成君) 横浜駅付近の今までの作業につきまして、時間と申しますか、いつどういうことをやったかということを簡単に御報告申し上げます。最初申し上げました一番最初の大きな図面を、これは飛行機で航空測量をやったのでありますが、この幅の所を航空写真でとりますという御通知を申し上げましたのが三十三年八月でございます。それから中心測量の立ち入りの通知をいたしましたのが——今度は線路がここを通りますという中心をきめます測量の通知をいたしましたのが三十四年十月でございます。それから、三十四年十月九日に通知をいたしまして、測量開始をいたしましたのが十月十五日でございます。一週間おくれて直ちに測量を開始いたしました。それから、用地がここにきまり、これだけの幅の鉄道の用地がかかりますという用地の測量をいたしましたのが三十五年九月、それから、その用地の幅につきまして一筆々々、所有者を調べて参ります測量をいたしましたのが三十五年十月、こういうことでござ います。 そして、この場合につきますと、ここで先ほど申し上げました設計協議なり、用地買収をいたそうといたしましたところが、設計協議がきまるまでは用地の買収は待ってくれというようなお話がございましたので、まず設計協議に重点をおきまして設計の協議をしたのであります。 それから、この用地の買収の状況は、ただいまも、まだ買収が完了したというところに参りませんで、買収の協議をしておる段階でございます。ですから、買収がただいま進行中でございます。 この場合に、買収が進行しないでなぜ工事をやったかという御質問があるかと思いますが、この場合は、起工承諾というものを地元の方々は出しております。工事はやってもよろしい、単価をきめるのは待ってくれ、土地の値段をきめるのはあとにしてもらいたい、工事はやってよろしいというような話し合いになって、ただいま工事はやっておりますが、買収は全部終わったという段階ではございません。
○大森創造君 そうすると、中心測量の通知をしたのが三十四年十月九日、開始したのが十月十五日ということでございますが、買収の進行中であって、まだ未完了であると私は了解いたしますが、買収を始められたのはいつですか。
○説明員(大石重成君) 一番初めに買収いたしましたのが三十六年四月であります。
○大森創造君 そうすると、三十四年の十月ごろ中心測量を始められたということでありますが、三十六年四月に実際用地の買収を始めたということでありますが、これは普通中心測量を始めると、ほとんど同時くらいに、あるいはそれが完了した——その中心測量が完了したのはいつごろでございますか。中心測量を始めたのが、通知したのが三十四年十月九日、始めたのが十月十五日、その終わったのはいつですか。
○説明員(大石重成君) 終わった日は、確認をしてございませんので、調べて参りますが、測量して参りまして、設計がある程度まとまりまして本社に、こういうふうにもつていきたいといって書類の出て参りましたのが三十五年七月でございます。ですから、三十四年の十月から開始いたしまして七月に書類が完成しておりますから、期間は、この間だと思いますが、日にちが確といたしませんので、後刻調べて参ります。
○大森創造君 用地買収を始めたのは、さっきお話がありました三十六年四月に間違いございませんか。
○説明員(大石重成君) 最初の用地買収をいたしましたのが三十六年四月に間違いございません。
○大森創造君 それではお尋ねしますけれども中心測量を始める——これは終わった日時がわからないということでございますが、これが、まず中心測量をずっと始めていくというと、大体それとほとんど時を同じくして、そのあとを追って用地買収が始められるのが、よその地区については通例でございますね、どうですか。
○説明員(大石重成君) 新幹線の場合におきましては、中心測量をやりまして、直ちに用地買収をしたいのはもちろんでございますが、全線にわたりまして、一カ所もそういう場所はございません。直ちに設計協議ということで、各所において相当時間がかかっております。
○大森創造君 これはひとつ、あとで私も調べてみますが、三十四年十月九日に中心測量の通知をされて、始めたのが十月十五日だと。そして実際に用地の買収を始めたのは三十六年、二年近く日時がかかって用地買収を始めているということは、おそ過ぎはしませんか。
○説明員(大石重成君) これは決して早いとはいえないのでありますけれども、非常に今回の新幹線の建設につきましては、沿線の方が測量をいたしまして、用地買収までの間に時間をかけられますので、その程度のものがほとんどでございます。
○大森創造君 これは用地買収の時期を決定するのは、一体だれですか。
○説明員(大石重成君) これは現地の工事局長、中心点の本社の認可がございますと、現地の工事局長が権限におきまして、可及的すみやかに交渉するということに相なっております。
○大森創造君 国鉄本社の新幹線総局用地部次長橋本巌さんは一これは警察の方、おいでになっておりますか——出頭を求めて、いろいろ事情を聞かれたと思いますが、私の調べでは、この次長の下にいる人が、この問題の新幹線の横浜新駅ができるところの用地の買収については、あれはもう話が済んでいるのだから、買収の話はそっとしておけということを、しきりに当時言うていたという事実が私の調べではあるのだけれども、これは事実でございますか。
○説明員(宮地直邦君) まだ、目下捜査中でございますので、具体的な事実まで私どものほうに入っておりません。
○大森創造君 この新幹線の工事局用地課長というのは当時だれだったですか。大石さん御存じございませんか。
○説明員(大石重成君) 名字を知っておりますが、名前まで存じません。石原という者でございます。
○大森創造君 私の調べでは、石原という用地課長が、あの辺はすでに話がついているからと言うて、部下の買収工作を押えたということを私の調べでは出ている。警察の関係はどうなんですか。
○説明員(宮地直邦君) 本人の個々の言動までは入っておりませんけれども、今申されました用地課長の石原につきましては、私のほうも調べておるところでございます。
○大森創造君 調べた結果はどうなんですか。
○説明員(宮地直邦君) 今鉄道のほうで申されましたように、昭和三十六年の五月ごろ東京新幹線の工事局が、横浜市の港北区の土地の買収に関しまして、国鉄の内部規定でございますが、用地購入価格等評定要綱、その他内部の諸規定に反しまして、土地の中間ブローカー的なものが介在いたした、そのために土地が非常に高価に購入せられておるという事実を私のほうはつかみまして、石原用地課長その他関係者を中心といたしまして調べておるのでございます。
○大森創造君 この中心測量というものが始まるとほとんど前後して、問題の中地社長というのが、八百万円の資本金のブローカー会社でございますが、それが問題の所を他人名義で買収し始めた。これについて警察の方にお伺いいたしますが、銀行は三和銀行だと思いますが、一体その三和銀行支店から用地買収費として日本開発株式会社中地新吾氏、そっちのほうに融通した金額はお調べになっておりますか。
○説明員(宮地直邦君) 本件につきましては、今名前をあげられました日本開発株式会社を中心といたしまして、本月の十一日と記憶いたしますが、兵庫県、大阪、東京、神奈川等十二カ所にわたりまして捜索をいたしまして、関係資料を押収いたしておりまして、これらの証拠に基づきまして、目下捜査中でございますので、捜査の途中の問題といたしまして、どういうふうな状況になっておるかということにつきましては、しばらく御猶予願いたいと思います。
○大森創造君 大石さんにお伺いしますけれども、用地買収、それから中心地の測量、私どもは国鉄の技術屋でないからわかりませんけれども、相当時間のズレがあると思う。警察のほうは、今捜査中だからはっきりこうだということをおっしゃられませんけれども、どうも私は、ほかの地点に比べて、この地点の用地買収並びに中心測量の、時期のズレが相当あると思う。そういうことについて私の調べた限りでは、その石原用地課長が、あの辺はすでに話がついているから、しばらく待てということを言うて、そうして地価が暴騰してくる。これはごたぶんに漏れず相当ここの地価が暴騰してくるから、結局早く買収しないと困るんだ。私は、とにかく測量の技術がどうのこうの、いろいろなプロセスはございましょうけれども、冒頭にお尋ねしたように、百五十億の予算が、やがてこの用地買収、全部完了するためには四百億を突破するというふうなことが見込まれる場合には、これはどうしても、用地をいち早く押えなければいかぬ、買収を始めなければいかぬということが良心的な国鉄としての立場だろうと思うし、用地費がかさむということは、国民にとっても国鉄にとっても望ましくないところで、一体よその地区に比べて非常におくれているのはどういうことだと、大石さんのほうは督促をされたり、あるいは大石さんのさらに上のほうの人から、新幹線の新駅の用地買収については、どういうふうに話が進捗しているんだということを、再三督促になったと思う。これは推測にかたくない。その辺の事情はどうですか。
○説明員(大石重成君) 本社におきまして、特に横浜地区がおくれているということを考えてはおりませんでした。全般的に非常に設計協議がもつれておって、実はまだ話がつかないところもあるわけでございます。そういうようなことで早く話をつけろというようなことは、抽象的といってはあれでございますけれども、各工事局に、本社としては早く話をつけろというようなことは、業務として言っておりますが、特に横浜がおくれておったということでなくて、むしろ私といたしまして心配しておりましたのは、そのほかのところもあるのでありまして、全体的に早くということは言っておりますけれども、横浜だけ早くというようなことは言っておりませんでした。
○大森創造君 それではお尋ねしますけれども、用地買収、まだ夫完了だそうでありますけれども、この横浜の問題について、用地の買収費を幾らお支払いになりましたか。だれにお払いになりましたか。
○説明員(大石重成君) これは用地の買収費は各地主に払っておるものだと私は思っておりますが、こまかい事務は現地でやっておりますが、今の御質問は、だれに払ったかという御質問でございますが、これは所有者に金を払っております。
○大森創造君 日本開発の中地社長のほうに払ったのですか。それとも個々の、そうでない名義を代理している人に払ったのですか。おわかりになりませんか。
○説明員(大石重成君) その点、こまかいところまでちょっと私、ただいま資料を持っておりませんが、もし御必要であれば調べて参ります。ただいま、だれに払ったというところまでは承知しておりません。
○委員長(鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木壽君) 速記を起こして。
○大森創造君 警察の方にお伺いいたしますが、この問題について、警察ではどういうところに主点をおいて調査をされましたか、捜査の基本方針をひとつ……。どういう端緒で捜査を開始しましたか。
○説明員(宮地直邦君) これ、先ほど申しましたように、国鉄の用地購入関係者が、それぞれの国鉄の内部規定に違反して土地の測量の間に中間ブローカー等の介在をせしめて、それらの者を、ここでは背任と私のほうは考えておりますが、任務に反して用地を高く結果的に国鉄に買わしめた背任容疑をもって、そういう事実の立証に今努力をいたしておるのであります。
○大森創造君 この問題は、だんだんに質問をして参りますが、大石さんのほうにお伺いしますが、警察のほうでは、背任横領ということにねらいをつけて捜査を始めておられる。で、私もこの周囲の状況を見るというと、非常に背任横領があったであろうというふうに推測をされる。警察のほうでも、まだ捜査途中でありまするし、国鉄のほうでも背任横領でないという見解を出しているのでありましょうが、どういうところに、これは問題があったというふうにあなたお考えになりますか。 私の調べた限りでは、この問題の横浜市の郊外の東横線菊名駅周辺のこの用地の買収三万坪というものを日本開発の中地社長、またこの人と、どういう関係があるかを私は警察の方にお伺いしたいと思いますが、京浜建設という地元の土地会社の遠藤勇という人、大胆に買いまくっているのですね、土地を。当時千五百円か二千円、せいぜい三千円ぐらいの農地、たんぼの農地というものを、実に大胆不敵にばんばん買いまくっている。この当時の地元の人たちは、ここを東海道の新幹線が通るということは、全然夢にも思っていない、こんな畠の真中に横浜駅が作られるということは夢にも思わなかった。で、国鉄側が最終的に測量を開始したのは、この土地がすっかり売られてしまってからであった。問題の中地氏、社長なる人は測量が始まってからでも、その地点の周辺を確実に買い足していった。地主の中には、国鉄が買い上げに来ても、きっと国鉄なんだから、公共性があるのだから買い上げに来ても、きっと市価よりは割り安で交渉してくるだろうということで、中地氏のほうに、あるいは遠藤氏のほうに、みずから進んで売っていったという事実がある。一方銀行のほうではこの八百万円のブローカー会社に、これを警察の方に、この点をお聞きしますが、相当まとまった金額をどさっと貸し与えた、この金額は幾らになりますか。 それから、あなたのほうの調べでは、この銀行が、三和銀行がどういうわけで、こういう中地社長に何億という用地買収資金を貸したか、ここらに当然疑問が出てきます。大阪の場合もそうです。今度の横浜の場合もそうです。期せずしてぴったり、国鉄が中心測量を始めるその前、三十四年の十月ごろ、確実に大胆に買収を開始しているという事実がある。これは、あまりにも符合が一致し過ぎている。この点について、国鉄はこれは形式的に見るというと、いかにもやるべき事務を正しく取り行なったというふうにとれますけれども、これは国民から見るというと、膨大な金額です。算術計算すると十何億か、二十億近くの金がころがり込んでくることになる、中地社長のほうに……。商売としては、こんなうまい商売はない。これは税金なんですから……。国鉄は今から反省してみて、この測量、用地買収が、何か今から考えてみても、これ以外の方法はなかったのですか。おそろしいわれわれから見るというと不経済な感じがする。これは二十億くらいの金が不経済になる。片方はもうけている。こういう方法しか取り得なかったのか、別な方法はあり得なかったか、これをひとつ、大石さんにお伺いします。
○説明員(大石重成君) まず最初に、これは私たち警察でございませんので、裏の裏はわかりませんが、私たちの国鉄が中地さんの会社から買いました坪数は二万五千平米と申しますから、坪にいたしますと、これの三分の一でございます。約八千坪ぐらいを二億買いまして、その総計は二億三千百万円あまりでございます。でございますので、今のお金が相当大きいとか非常に広い面積というお話がございましたが、国鉄といたしましては、先方から買いましたのが二万五千平米、金額にいたしまして二億三千一百万円あまりでございます。 それからもう一つ、別の方法はなかったかと申しますが、別の方法と申しましても、先ほど申し上げましたように、ここは横浜市並びに対策委員会におきまして、設計協議が終わるまでは一切土地は売らぬし、立ち入りも困るということでございましたので、私たちといたしましては、用地を買う方法がございませんので、設計協議に全力を注いでおりました。まあ私も、裏の裏はわかりませんが、国鉄でわかっておりますのは、この間に中地さんの会社だけは、おれは対策委員会の中に入っていないから、自分のものだけは買ってくれ、こういうことで買収を始めたというふうに事務的に報告を受けております。 それから、買いましたものも、中地さんの会社から買いました土地の平均が、さっき総額が二億三千一百万円あまりと申しましたが、二万五千平米で平均単価が九千二百三十三円ということになっております。これは平米当たりでございます。国鉄でただいま用地を買いますときに平方メートル当たりでやっておりますので、平方メートル当たりを申し上げております。坪でありますと、これを三・三倍いたしますと坪になります。そのほかの一般の地主さんから買っておりますのは、時間が設計協議のためにズレておりまして、今年三十七年になってから買収を開始いたしておりますが、平米当たり二万七千円というような値段に相なっております。ですから、もっとうまい方法がなかったかというと、これはほかに全然ございませんと申し上げるほど完璧であったかどうかはわかりませんが、結果的に申し上げますと、ただいまいろいろな問題が出ておりますが、私といたしましては現地におきます従事員が、必ずしも違反をし、また国鉄に対して非常な損害を与えたというふうにきめつける私たちといたしましては資料を持ち合わせておりません。
○説明員(宮地直邦君) 今警察が捜査の対象といたしておりまして、国鉄職員以外においてやっておりますのは、今申し上げました日本開発株式会社の中地氏及びその取締役の中氏及び今これも御発言がございました株式会社京浜建設商事の取締役遠藤氏等を任意の取調べの対象にいたしておるのでございます。この間に、いろいろとうわさその他につきましては、われわれ耳にいたしておるところでございますが、何分、警察がこれを捜査するということになりますと、疑うに足る相当の資料なり、証拠に基づかなければできませんので、うわさはうわさといたしまして、われわれのほうでは、まだ御質問のような点についてお答えするような段階に達していないのでございます。
○大森創造君 警察も、新たなことをここで発表しないようでございますから、私のほうでひとつ要求いたしますが、私はどうも、まあ国鉄が背任横領の事実がなければ、これは幸いなことであるし、しかし、どうも疑問が持たれる点がございますので、ひとつ後ほど委員長理事打合会でおきめいただきたいと思うのでございますが、問題の中地社長、それから、三和銀行の当時の支店長と、それから三和銀行の頭取の上枝さんですか、それと問題の新横浜駅についての、これにまつわる地主の代表の方、これは次回の委員会に参考人としてひとつ、本委員会に出席されるようにお願いしたい。もう一回申し上げますというと、関係地主の代表の人と、それから日本開発の社長の中地社長と、それから八百万円の資本金の小さな会社に三和銀行の支店が七億から十億の資金を回してやったということでございますから、こういう大まかな貸し方のできる銀行というのは、これはどうも顔を見たい、何なら私も借りてみたい。この銀行の上枝頭取と、それから当時の支店長、これは本委員会に参考人として出席してもらうように要求をいたします。そうして、そのあとさらに、この問題について掘り下げて質問をいたしたいと思います。きょうは、私に限っては、この問題については質問を終わります。
○委員長(鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木壽君) 速記を起こして。 午前の審査はこの程度にとどめ、午後は二時から委員会を開会いたします。 暫時休憩をいたします。 午後零時十四分休憩 ————・———— 午後二時三十四分開会
○委員長(鈴木壽君) ただいまより決算委員会を再開いたします。 午前に引き続いて昭和三十五年度決算外三件を議題とし、運輸省に関する審査を進めます。 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○相澤重明君 運輸大臣にお尋ねする項目が若干多いようですが、こまかい点まで触れませんから、大体のところを私から申し上げますと、国鉄の今の東海道新幹線の問題と私鉄運賃の値上げ問題、港湾対策、造船計画それから国鉄関係の運輸大臣の所管、こういう問題について大体御質問いたします。 そこでまず第一に、先ほど、午前中に大森委員から、東海道新幹線の汚職とも言うべきものの問題に触れたわけですが、こまかい点は、いずれの機会に譲って、きょうは、運輸大臣は一体国鉄監督について、どういうふうに考えておるのか、基本的なあなたの考え方をここでひとつ述べていただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄の新幹線その他国鉄に対する問題につきましては、常に私は綱紀を粛正しまして、そうして予算のとおり——もうずいぶん予算は超過しましたが——考えといたしましては予算のとおり、予算の予定のとおり改定いたしまして、もって東海道幹線の輸送力の増強に寄与すべく国鉄に対して監督をいたしておるつもりでございます。何分にも大きな組織でございまして、諸君の意に満たない点も多々あるかと思いますが、私は鋭意、国鉄当局に向いまして、事故防止をし、安全運転をして、公正適切なる賃金で、そして国民が国鉄というものの信頼を増すように努力いたしておるつもりでございます。
○相澤重明君 そうしますというと、国鉄については、責任ある立場でもって監督行政というものは、国民にいわゆる国鉄というものが信頼をされる立場であなたは行政を行なっておる、こういうことが端的に言われたと思う。 そこで国鉄の第二次五ヵ年計画なり、あるいは新幹線の事業について、あなたは国鉄に何か検討を命じた、いわゆる運輸大臣として、現在までのこの計画に対して、どうやったらいいのかという改定を事務当局に命じて、それを運輸省が目下検討しておるというような話をわれわれは聞いておるのだけれども、そのような事実があるのかないのか、その点をお答えをいただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 御承知のように新幹線は、始めたときには、大体二千億円前後で、オリンピックに間に合わすように計画して参ったのでありますが、だんだん、さきも午前中、皆さんから御質問のあったように、用地費がまず非常にふえました。それから労銀が非常に高くなりました。資材その他の面において、国民の所得倍増計画に伴いまして、諸資材が非常に高くなり、ことに労銀が非常に高くなりましたので、やむを得ず予算の超過を認めざるを得ないようになりまして、新たに新五ヵ年計画を立てまして、そうしてその予算が増加した点については、厳重なる監督を付して、局長以下監督の責任にある者に、しばしば国鉄に対して、予算どおりに施工して、予定の期日どおり、いわゆる東海道新幹線の完成するように努力いたして参っておるのであります。遺憾ながらそのわれわれが念願しておるようなわけに世間の情勢が、国民一般は——経済が非常な世界に有数な膨脹率を示したために、したがって物価騰貴を招引し、ひいて予算の膨大、増加を来たしたということは残念なことではございますが、現実は、そういうような問題で、予算超過約三割であったかと思いますが、二千六百億円くらいになるのじゃないかと、かように考えて、鋭意、それでもまだ超過しやしないかという心配があるので、それで、何とか押えたいというように努力いたしておるつもりでございます。
○相澤重明君 大臣の今の御答弁を聞いておると、非常に重大な問題が含まれておる。それは用地費、それに労務費、それに諸資材費、こういうことを言われておる。私は、最後の、たとえば資材費の問題を一つ考えてみても、それでは日本の一体、鉄鋼産業の現状はどうか、鉄の価格はどうなのか。こういう点を考えてみると、必ずしもそういう点について、私は当たっていないと思う。今むしろ鉄鋼産業において国内産業は操業短縮をしなければならぬ、こういうような事態になっておるのに、なぜ国鉄が高くその資材を購入しなければならぬのか。これは私は高いか安いか知りません、今あなたが言ったことを、私は今聞いて質問するのだから。そこで、もしいわゆるこの資材費が値上がりをするとすれば、いわゆる鉄道の一番大きいものは鉄やセメント等の問題であるでしょう。そういうものは、従来の計画とどういうふうに違っておるのか。これは国内生産で決して足りないということじゃない。むしろ鉄鋼界等においては、先ほど申し上げたように操業短縮までしなければならぬということで、むしろ不況に陥っている。こういう現状の中で、資材費が高いなどというようなことは、私はこれは少し理屈に合わないと思う。 そこで、どういうふうに当初の計画から今日改定をしなければならぬということがあるのか。これは今、あなたに数字をこまかく出せと言っても、それは無理でしょうから、これは事務当局に言って、ひとつ、まだこの第二次五ヵ年計画の修正を、ここであなたが検討を命ずるということ自体が、第二次五ヵ年計画はいつやったか、たった一年半前だ、そういう本来ならば、三十二年から五ヵ年計画を始めて、それで三十七年にそれを改定すべきものが、一年早く三十六年から、これは四カ年をもって第二次を策定をしたわけだ。それがわずか一年半そこそこにならざるうちに、また第三次改定をしなければならぬ、どこにその根本原因があるか。 それからいま一つ、これは用地費の問題をとっても、先ほど午前中の大森委員の質問に、的確に一つも答えていない。用地費が値上がりをしたというのは何だ、先ほど大石常務理事の答弁を聞いておると、約三倍くらいになっておる。最初からそういうことは計画がなかったのか、計画がないとすれば、これほどずさんなものはないじゃないか。これはまああなたは第三次池田内閣の運輸大臣になったばかりだから、あなたを責めるということじゃないけれども、しかし、まあ責任ある運輸大臣、監督行政の立場であるあなたですから、やはり私ども決算委員としては、あなたを追及せざるを得ないわけだ。それで、あなたが、今度は監督上どうするかということは、あなたが結論を出さなきゃならんわけだ。そういう意味で、用地の問題をとっても、何も、三倍にふくれ上がりました、四倍にふくれ上がりましたと言ったら、幾らあったら一体足りる、幾らあったら足りるかという、無計画とも等しいようないわゆる問題を出されて、それで一体、この予算の補正をするという、第二次計画を改定しなきゃならん、あるいは東海道新幹線にさらに注ぎ込まなきゃならん、こういうことで、一体国民が納得しますか。しかも、あなたの前の運輸大臣なり、ずっと続いておってなかなかあなたの言うことも聞こうとしないような十河総裁は、必ずやって見せますと言って、大見得を切ったのだよ、大見得を。これはもう議事録を明らかにすればはっきりする。必ずやりますと言った。必ずやりますと言ったって、できなかったらどうするのだ。その責任はだれがとるか。国の最も大事な、いわゆる国家財政の投融資なり、あるいはそういう税金の使い方というものは、私ども決算委員会が、これは指摘をしなければ、指摘をするところがない。そこで私ども決算委員会というものは、非常に重要視しておるわけだ。政府がただ予算を組んだから、それを使ってしまえば、あとはどうなったっていいというような考えでは、国民のために相済まない。 そこでわれわれとしては、いわゆる政党政治でありますから、当然その政策を議論をして、その政策の立案のもとに行なわれることでありますから、その執行は、政府の責任に任しておるわけであります。国民のためになるということは、政治家として皆同じだと思います。しかし、わずか一年半かそこいらの問題で第三次改定をする。もう今度は間違いありませんと言って開き直ってまで、質問をした者に対しても、こう言って、そしてこの第二次五ヵ年計画なり、新幹線をやりますと言った、その責任は、一体だれがとるか。一兆円の予算の上に、いわゆる二千六百億なり、三千億というと、まさに三分の一だな、あなたの言った三割だ。一年半のうちに三割も予算を改定をしなきゃならんという責任はどこにある。それほど見通しのきかない政治情勢でしょうか。私は、そんなことないと思う。経済政策といえども、決してそんなものじゃないと思う。だから、そういう点についてのあなたの監督行政というものは、運輸行政というものは、一体どう行なわれているかというところが、私は根本の問題だと思う。あなたは、十河総裁にどうします、これは、十河総裁に対して。これは国会において十河総裁は、私は国鉄のこの五カ年計画なり、新幹線について、責任を持って必ずこれをやりますと、こういうことで大見得を切った。その大見得を切った責任を、どうあなたはとりますか、とらせますか。そのことから大臣の答弁を願いたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、十河総裁がいかなる言明をいたしましたか、速記録を読んでつまびらかにいたしておりませんから、それについて十河総裁に対する責任をどうこうと言うことは、今差し控えたいと思います。相澤委員の言うように、国鉄総裁が、さようなることを言うて、そしてこれが改定予算でできんというようなことになりますならば、おそらくは十河総裁は、責任をとるものと私は思っております。そういうことのないように、私は今後指導して、そして何と言ってもオリンピック以前、すなわち予定の期日に改定予算によって、そうして完成することに努力いたしたいと、かように考えて、それぞれ担当の者に指示して、厳重に監督していきたいと考えております。
○相澤重明君 少なくともあなたは池田内閣の国務大臣である。第一次であろうと第二次であろうと第三次であろうと、池田内閣の方針に変わりはない。その時期的の若干の修正、あるいは政策の新しいものは、これはあるでしょう。しかし国鉄のように、いわゆる鉄道行政の中で最も大きい問題については、大筋としてそう変わりは私はないと思う。したがって、私が今質問をあなたにしているのは、何も第二次五ヵ年計画の改定をやめろとか、東海道新幹線の建設をやめちまえと言っているのではない。それはやらなければならない。今の国鉄が、国民に対する産業上、あるいは交通上の見地から考えたら、これはいかに大きな使命を持っているかということは、私は十分わかる。それはやらなければならない。ただ、第二次改定をしてですよ、わずか一年か一年半のうちに、これだけの大きな改定をしなければならない、三分の一にもなろうとする予算改定をしなければならぬというのは、一体どこにそういう隘路があるのか、どうしてそういうような積算を、いわゆる全く専門家にあらざるようなものを作ってきたのか、その責任は一体どうするのか、こういうことなんです、私の言っているのは。そういうところに私は、もしこのままの形で、十河総裁がこの形のままで今後も国鉄の最高スタッフとして仕事をやっていくということになったら、一体これから何が起きます。 今私はあなたに、いまひとつの面で、日本国有鉄道法について決算委員会の中でまだもっとこまかくやりたいと思うけれども、一つ聞いておきたいのは、たとえば新幹線の電車が走る、その電車をこれから発注しようとしておる、十二月ごろにやろうとしておる、これに対して、外国の商社が非常にたくさんのこの入札希望をしておるということを聞いておる。どこからそういう情報を流して、そうしてだれにそういうようなものをやらせようとしているのか。少なくとも国内産業の発展に政府としては力を入れなければならないことは、これはもうあなたも御承知のとおりだと思う。しかし今や、たとえば新幹線の電車を一つ入れようと思っても、それにもう国際メーカーというものがたくさん国鉄のほうに入っておると聞いておる。内情はよく知らぬが、あなたがそういうような場合、一体この国鉄というものはどういうようにやったらいいのか、そういうことをあなた自身、少なくともそういう点を、新聞社なり外国の通信社なり、そういう人たちから耳に入らないはずはないと思うのです。私は実は、外国の十余に上る会社がすでにそういう国際競争をして、日本のメーカーをけとばして、いわゆるこの東海道新幹線に高い車を売りつけたい、こういうような希望を持っておるということを知っておる。運輸大臣どうします。これは直接は十河総裁、国鉄が直接やるのですと、こう言ってあなたが答弁すればそれで済むかもしれません。しかし私は、この東海道新幹線の用地の買収額が三倍から四倍になる、こういうようなことから考えて、さらに機材等、あるいは一番金のかかるといわれる車両がもしそういうようなことになったら一体だれが責任を負うのか、それで済みますか。あなたが二千六百億の改定をしてもそれで済みますか、済まぬでしょう。 そうして、その次にくるのは何ですか、その次にくるのは運賃値上げでしょう。私は、きょうは運賃の値上げはしないということをあなたに答弁をしてもらいたいと思う。私はそう思う。同時に、運賃値上げをしないで、そうして現在のこれだけの負債を持つということになったらどうするか。こういう問題もからんでくるから、私はあなたの姿勢を聞いている。国鉄監督行政に対する運輸大臣の姿勢はどこにポイントを置いているのか。私は新車両の入札メーカーの問題についても触れておきながら、これもひとつ答弁願いたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄で車両を外国メーカーから買うというような話も私は若干聞かぬではありません。御承知のように、国鉄新幹線につきましては外債も入れているので、そういうような声が起こるのはもっともと思いますが、そういうことのないように国鉄を指導して、国内産業がもう世界水準に行っておるのですから、もう造船といい、その他人絹といい、国際水準以上行っておるものがあるのですから、私はさようなことを期待し、またさようせしめないように努力いたすつもりでございます。
○相澤重明君 では、今の大臣の答弁を私も十分拝聴いたしました。今後のいわゆる国鉄の運営の中で、たとえば今の新車両についてもどうなっていくかということは経過が明らかにすることでありますから、その点は聞いておきます。 そこで、新幹線の用地買収の問題については、明日理事会で大森委員の発言について私どもも相談をしたいと思っております。しかし、あなたはどう思いますか。あなたに端的に聞いておきたい。私はこまかい点に触れる必要はないと思います。あなたの所信を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) ちょっと御質問の趣旨がよくわからないのですが、用地問題について、どういうことについて私に所信を聞かれるのか、ちょっと今わかりかねるのですが。
○相澤重明君 私のあなたにお尋ねをしておきたいのは、午前中大森委員からあなたと大石常務理事に質問があった。しかし私は、細部にわたっての責任あるこまかい点を聞こうとしているのではありません。時間がないので。そこで、大臣に、この用地の取得について、従来の予算よりは三倍かにはね上がっている。しかし、それが適切であるないということは今後の問題として残ることであって、今軽々に私どもが云々すべき問題ではないと私は思う。私は思うが、事世間に対するところの国鉄の不正というようなことが言われるようなこと自体がよくないと思う。私はだから、そういうような問題に関係をして、国鉄総裁に対するあなたの立場として、こういうふうな問題は困るではないかということが当然起きなければならぬと私は思うんですよ。だから、あなたは一体これらの問題について、どういうふうに監督上の立場として十河総裁に対する態度を出したのか、それとも何も言わなかったのか、あるいは言おうとしているのか、この点を聞いているわけです。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん私は常に十河総裁に対して綱紀の粛正、すなわち汚職等のなからしむるように努力をいたして、しばしば警告をいたしております。午前中質問されたような問題は、目下検察当局において調べ中でございますから、その結果を待たなければ、国鉄は関係したが、国鉄社員にさような関係者が出たか出ないかを見なければ……。したがって十河総裁に対する態度は変わってくると思います。十河総裁はしばしばさようなことのないように努力をいたしていると言うておりますからして、努力してもこんなことが出るようなことがあったのでは、総裁の努力が足らぬのではないかということについて、強く私は警告もいたし、場合によっては総裁の責任も追及いたしたいと、かように考えております。
○相澤重明君 それでは大臣、私は、きょうのところはそのこまかい点を質問しないととは先ほど申し上げたとおりですから触れませんが、少なくとも、こういうことに対する世間の評判というのは非常に悪い。国鉄というのは一体何をやっているのか、運輸大臣は一体何を監督しているのか、こういうことなんです。 そこで、当決算委員会としても、いろいろ疑惑の点もあるだろうし、また今途中であるからということもあるだろう。だから、そういう点については、ひとつ国鉄の十河総裁からどういう事情であったか、そのことをあなたは聴取して、そのてんまつを報告してもらいたい。私は、国鉄のこの新幹線の用地問題については、今こまかいことを私どもがとやかく言うべき筋ではないわけで、私は、そういう幹線工事そのものについて、全体の問題についてむしろ監督上の姿勢をあなたに聞いておるんだから、そういう点のてんまつを報告してもらいたい。これは後日でけっこうです。 そこで、いま一つ、やはり同じようなことが言えるのは、鉄道営業法に基づく問題で、どうもやっぱりすっきりしない。運輸大臣の監督上の問題がよくないんじゃないかという気がする。で、国鉄は現在、いわゆる兵器というものを取り扱っておりますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) ちょっと、兵器という意味がよくわかりませんから、事務当局からひとつ……。
○委員長(鈴木壽君) わからなかったらもう一度、相澤君。
○相澤重明君 アメリカからナイキ・アジャックスを横浜に陸揚げしたときに、鉄道が輸送をしたわけです。ところが、国鉄の運送法なり、あるいは営業法なり、あるいは品目を見ても、兵器というものはない。けれども、ナイキ・アジャックスは確かに輸送されていることは事実。これはどういうことで輸送されたのか。これは運輸省が知らぬはずは私はないと思う。国鉄監督の責任者なんだから。法律にないものをどういうふうに扱うのか。いま一度、まあ当局者でもけっこうだが、これはしかし、私は全般としては、運輸大臣の何かサゼッションなり、そういうふうな施行令なりというものをあなたが改定をしたんじゃないかと思うんだけれども、そういうことはありませんか。
○国務大臣(綾部健太郎君) さようなことはありません。その問題につきましては、鉄監局長より説明いたします。
○説明員(岡本悟君) 仰せのように、鉄道営業法なり、あるいはそれに基づきます運輸規程なり、あるいは国鉄の運送関係の規程の上におきまして、自衛隊の持っておるそういった兵器を輸送してはならないという禁止規定はございません。これは当然輸送すべき責任があると考えております。ただ、先般問題になりましたのは、私の記憶いたしますところでは、当然こういった取り扱いで輸送すべきものを、自衛隊のほうで申告する上において若干の手落ちがあったんではないかというふうなことで、多少の見解の相違があったように聞いておりますが、そういった程度でございまして、根本的に鉄道営業法なりで兵器輸送を禁止しておるということはないのでございます。
○相澤重明君 そこで、禁止をしていないから輸送はできる、こういうふうに判断をした場合に、一体、品目類としていわゆる一級品、二級品等のこの査定というものはだれがするか、国鉄がするのでしょう、当事者が。けれども、それを根本にきめておるのは、いわゆる政府が国会に提案をしたそれぞれの案件の中で明らかになっておるわけですね、これは。私は、今、鉄監局長が答弁をしたように、実はこの問題についてちょっと調査をしてみた。調査をしてみると、八月三十一日に、自衛隊はアメリカからナイキ・アジャックスの部品を受け取っておる。そうして横浜のノース・ピアに、倉庫にしまった。そうして鉄道において、古河と荒川沖にそれぞれ輸送をしておる。 ところが、ナイキ・アジャックスというものは兵器であるかないか、こういう判断について、これはサギをカラスと言えばそれで済むかもしれぬ。カラスをサギと言えばそれで済んでしまうかもしれません。しかし、だれが考えても、ナイキ・アジャックスは兵器の重要部門であるというように考える。考えるのだけれども、これは運輸省としては、鉄道のそういう輸送の監督上の立場にあるものが、これだけ国内でいろいろ議論の分かれたものを、品名詐称をしてまで送らせる、いわゆる鉄道に輸送賃の大きな欠損を与えておる、こういうことを考えたら、これはだれが責任をしょいますか。今あなたの言うのは、国鉄当局と自衛隊の間で荷物の取り扱い、発送についての若干の手違いがあったと言うが、手違いじゃ済まされない。こういう点については、監督局長はどう考えますか。
○説明員(岡本悟君) 先ほど申し上げましたように、自衛隊の所有しておりますいろいろな物品を輸送してはならないという禁止規定はございませんで、むしろ、これは当然輸送を引き受けるべき責任があると存じます。したがいまして、鉄道営業法とか、そういう法律に基づくいろいろな手続上の問題はございませんで、むしろ個々の取り扱いにつきましては、仰せのように、国鉄と自衛隊の間でいろいろ協議をいたしまして、協定を作りまして、それに基づいて輸送を行なっておるように承っております。したがいまして、御指摘の案件につきましては、やはり両者が十分話し合いをすべき性質のものでございまして、その点につきましては、遺憾のないよう、国鉄を監督していきたいと、かように考えております。
○相澤重明君 鉄監局長の答弁は、それは全く、国鉄は国鉄だから、国鉄当事者かやるのだという答弁だけにすきない。運輸省というものは、とにかく監督上の立場であって、具体的には当事者だけだ、こういう答弁だ。これはあたりまえの普通のときならそれでいい。私は、少なくとも、このナイキ・アジャックスを陸揚げをして搬送をした国鉄の立場において、世間的にもあれだけ大きく、新聞でたくさん出ておることです。運輸省自体が知らないはずはない。しかも、私どもが現地を調べてみると、品名を発動機として輸送されておるのです。ナイキ・アジャックスが発動機として輸送されておる。これは英文の解釈ですよ。アメリカから送付された、これをどう翻訳をするかという翻訳の仕方なんです。翻訳の仕方ということで、いわゆる兵器というものが発動機ということで輸送されておって、それを、しかも発動機ならば、これは運賃は安くて済むのだ。兵器類はそうはいかないですよ。等級表を見れば明らかです。これは明らかに国鉄に対して損害を与えておる。その場合には、これは追徴しますか。あなたの言うように、もし当事者同士で話をして、それが誤りであったということになったならば、追徴しますか。どうです。 私はこの点、横浜の陸上自衛隊京浜港湾処理隊長という一等陸佐の福頼悦夫という人に会って聞いてみた。そうしたら、これについては解釈のしょうがない、つまり、翻訳のしょうがない、翻訳の中で一部そういうものが出てきたから、これはナイキ・アジャックスであるけれども、とにかく発動機というものに品名をつけた——国鉄がそれでいいといえばそれで済むんだね。しかし、国鉄がそれでいいということで済むかどうか、あなたの言うとおり。兵器というものが、普通の発動機と同じような品名として、そういうふうな等級表で輸送をしていいのかどうか、こういうことになると、私は非常に問題があるのじゃないか。国鉄というものは、そんなでたらめなのか。大衆の運賃というものは、遠慮なく足りなくなれば上げると言いながら、そういうような問題になると全くほおかぶりして、あるいは、それに触れたくないような答弁をする。こういうところが、私は、国鉄が伏魔殿といわれるようなところじゃないかという疑惑を持たれても仕方がないと思う。 こういうことについて、もしこれがいわゆる今の国鉄の輸送品目の中でいわゆる兵器というように、あなたの言うとおり解釈をして兵器を輸送しますと、こういった場合に、兵器というのは二類、三類というように分類してある場合に安くなりますか。これはもうたいへんな料金が違ってくると思う、計算すればですよ。そういう場合に、もし国鉄の判断が誤っておったと、こうした場合には、これは当然自衛隊に追徴を要求することができると私は思う、しかし、その監督行政の立場では、事実そういうことがあったか、なかったかという調査も大事でしょう。今私が言っただけではこれはわかりませんからね。だから、あなたのほうでは調査をさしてみて、もしこれに明らかに違うということになれば、私は鉄道営業法に基づいていわゆるそれだけの追徴金を取るべきだと、こう思うのだが、局長はどうお考えになっていますか。これは自衛隊が国鉄と話し合ってやったことだからもう間違いないというあなた答弁になりますか、いかがですか。
○説明員(岡本悟君) これは確かに新しい種類の部品でございますので、おそらく私の推測では、自衛隊と国鉄との間におきまして、新しい物の取り扱いにつきまして事前に協議をして、その上に輸送をすべきであったというふうに存じておりますが、なお詳しくは詳細取り調べをいたしまして、はたして先生のおっしゃるようにすべきかどうか慎重に検討してみたいと存じます。
○相澤重明君 それでは、それは次の日本国有鉄道の決算の際に、もう決算上の金銭の問題ですから、そういうことをひとつ調査をしてもらいたい。 そこで、運輸大臣、そういうようないろいろな例を私は申し上げたんです。こういうふうに国鉄の輸送の問題についても、私どもが専門的な立場から見ると疑問を持つ問題がある。しかも、先ほどの新幹線、あるいは第二次五ヵ年計画、こういうものからいって、十河総裁のあの態度というものは必ずしも適切でないと思われる。そこであなたに今後の問題として姿勢を聞いたわけでありますが、どうか私は国鉄がやはり国民に信頼される国鉄となってほしい、そう思うのです。そして、今御承知のように、昨年の十月からダイヤ改正を行なったあとはどうなっておるかというと、ローカル線というものは、全く上級の列車の数がふえたために途中駅に停車するのが多くなって、通勤、通学というものは非常な困難を来たしているのが現状なんです。しかもそういう人たちが一番多くの金を払っておるわけですね。だから、勤労者階級が払っておる金が一番多いのにもかかわらず、実は、急行列車が通ります、特急が通ります、ということで、普通列車というものはたくさん時間をかけられておる、こういう怨嗟の声というものは、地方に行けば行くほど私は大きいと思う。こういう点について、どういうふうに改善をするかということを私は次の機会にひとつ報告してもらいたい。 そこで、先ほどの問題もありましたから、その次に、同じ国鉄の関係で報告をしてもらいたいと思うのは、踏切道について、三河島事件、あるいは川崎の南武線の問題等について、非常に運輸行政に対する批判が強いのだが、運輸省自体としては、この踏切道——どういう名称をつけるか知りませんが、こういう問題について、いつ具体的に成案を得て国会に提案をするのか。これは私は、少なくとも本来ならば、私ども社会党としては、臨時国会を予想をしておったんだから、池田総理が来月訪欧しなければ当然この十月か十一月臨時国会が開かれる。そこで、そういう国民の多くの人が関心を持っておるものはそこで議論をされて、当然国民に心配がございませんという態度をとるのが国会の立場でもあるし、政府の立場でもあると、こう思っておりましたが、残念ながら池田総理が訪欧するので十二月になるわけですね、臨時国会なり通常国会が。そこで、現在のままでいくと、またお役所仕事でもって、そうしてこれはそのままになってしまうのじゃないか、こういう心配をみなしているわけであります。そこで現在踏切道に関する法律というものが、もう成案ができたのかどうか、できたとすれば、建設省や自治省、運輸省との関係というものはどうなったのか。それから成案ができたならば、それを通常国会に出すのか、臨時国会にも提案をしようとする意思があるのか、こういう点の概略だけ説明願って、先ほど申し上げた次の国鉄関係の委員会に資料として提出をしてもらいたい、こう思うのであります。こまかい点を言ってったらきりがないから、そこで今の大ざっぱな点で、一般にこれほど多くの関心を持たれている法案が、いつまでたっても提案をされないということではいけないと思うから、おそらく準備をされていると思うわけです。そこで、そういう点についてどうなっておるか、その経過をひとつ説明をしてもらいたい。
○説明員(岡本悟君) 踏切道改良促進法の改正について、今後の予定はどうかというふうなお尋ねでございますが、その前に、南武線の事故が起こりましたときに、すぐ大臣から御指示がございまして、踏切の事故防止につきまして根本的に再検討せよということでございまして、そこで、すでにこれは参議院の運輸委員会におきましても申し上げたことがございますが、昨年十月の臨時国会で御審議いただきまして成立いたしました踏切道改良促進法に対する構想は、まず交通量を中心にして考えまして、交通量のきわめて多い所は立体交差にする。もちろんこれにつきましては、基準を建設省といろいろ相談しましてきめまして、この基準量以上に達するところは立体交差にする、それからそのほかのところは、やはり交通量のきわめて多いところから、これももちろん基準を作りまして、それに合致するもの以上は、踏切の保安施設を整備しなければならない、こういう義務を負わせるという構想で、改良促進法に基づく対策を実施に移して参ったわけでございます。 ところが、南武線の事故は、御承知のように、そう必ずしも交通量が多いという所ではないのでございまして、ああいう特に複線の区間におきましては、かりに一日一台のトラックが通りましても、もしそのトラックが一たん停止の義務を怠りまして電車にぶつかり、電車が脱線する、対向列車——つまり行き違いの電車が来るということになりますと、ああいう二重衝突の危険が起こる可能性があるわけでございます。そこで、今までの考え方を全然変えまして、交通量本位ではいけないのだ、要するに自動車通行可能のような所は、すべてこれは交通量のいかんにかかわらず、踏切の保安施設の整備をしなければならないということに考え方を変えたわけでございます。ただし、御案内のように、全国にまだいわゆる無人踏切というものが六万以上ございます。そこで、この六万に全部短い期間のうちに保安設備を整備するということは、まずこれは資金の面から申しましても、信号機のメーカーのほうから申しましても、まあ必ずしもそこまでは要求されないだろう、だから二メートルという大体の目途をもちまして、二メートル以上は自動車通行は可能である、それ以下はまず通れない、それはむしろ警察庁の協力を得まして閉鎖する。ただし、二メートル以上の所は全部保安施設を整備するということで、新しい計画を作り直しまして、目下この関係予算につきまして大蔵省と折衝いたしておるわけでございます。 そこで、踏切道改良促進法はそのままでよいかということになりますが、この踏切道改良促進法は、道路法の道路を対象にいたしておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、自動車通行可能の所すべて対象にするということになりますと、林道が入って参ります。あるいは公園道が入って参りますし、あるいはその他の私道が入って参りますので、そういったものを全部この踏切道改良の対象に取り入れる必要があるのでございまして、その観点からの改正を考えております。おそらく通常国会になるのではないかというふうに考えております。と申しますのは、やはり予算のある程度の裏づけができませんというと、さらに緊急に整備しようという計画が必ずしもスムーズにいかない面もございますので、大体通常国会にお願いするということになるのではないかと目下のところは考えております。
○相澤重明君 それで、案がそれではできたのですね。案はできた。それで、できれば通常国会に提案をしたい。当然これは予算が伴う問題もあろうと思う。したがって、それらについては、きょうは、先ほど申し上げたように時間がありませんから、そういう成案ができたならば成案を示してもらいたい。それで、できるだけ私はやはり国民が安心をして鉄道を利用できるというようなことを一日も早くやはり示してもらいたい、こう思うわけです。 そこで、その次に私がなお運輸大臣にお伺いしておきたいのは、国鉄の駅の改良について、民衆駅がたいへん近ごろあちこちできておる。国鉄の中には民衆駅等運営委員会が持たれ、またそこで答申がたびたび出るわけでありますが、これは、国鉄というものはできるだけ民間資本を吸収して、そして国鉄の資金をできるだけ少なくしていく、こういう考えで今後も民衆駅というものをやる考えなのか。それとも、民衆駅というものがその地方々々によっていろいろなケースがあるかもしらんが、とにかく地元の要望にこたえてやはりやったほうがいいと、こういうことで今後もそういう方針をとるのか。民衆駅の現状について、あるいは将来の構想について、一体運輸大臣としては、あれは国鉄が勝手にやればいいのだ、こういうことに放任をしておくのか。それともやはり国鉄に対する監督行政の上でそういうこともあなたは総裁からお聞きになっておるのか。この点をひとつやはり施政上の問題ですから聞いておきたいと思う。
○国務大臣(綾部健太郎君) 民衆駅につきましては、民間から非常な要望もありますので、徹底した決定的な善悪についてはまだ批判する時期に至ってないと私は思っております。そのうち、計画が非常に民主的であって地方がそれを要望するならば、それを進めていきたい、かように考えております。
○相澤重明君 それでは、国鉄の大石常務理事も出席しておりますから、鉄監局長のほうから、現在まで、国鉄の民衆駅ができたのはいつできたのか、それから現在建設中のものは幾つか、将来この審議会で答申をされて、それでこれからやろうとするものは幾つなのか、こういう点の資料を提出してもらいたい。これは私はなぜかというと、国鉄のこの第二次五ヵ年計画なりあるいは東海道新幹線の問題を考える場合に、民衆駅等運営委員会の問題と、さらに高架下使用等の問題はこれからきわめて大きな問題になってくるだろう。また資金の需要関係にも出てくるだろう、こう思いますから、そのために参考資料として私どももよく審査をしたいと思いますから、それらの点をひとつ資料として提出してもらいたい。よろしいですね。 私は以上で国鉄の次の委員会に出してもらう資料の要請だけをしておきましたが、次に私は、綾部運輸大臣が大臣に就任以来非常な熱意をもって進めて参りました私鉄運賃の値上げ問題についてお尋ねをしておきたいと思う。それで、すでに私鉄の十一社の値上げを認可されたようでありますが、さらに大手の十四社について十一月一日ですか、値上げを実施する、こういうふうに大臣が行なわれるように聞いておるのでありますが、そのことは事実ですか、どうですか、いかがでしょう。
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりであります。
○相澤重明君 それからその私鉄の大手十四社の値上げ率というものはすでに決定をしたんですか、いかがでしょう。
○国務大臣(綾部健太郎君) 運輸審議会の議を経、経済閣僚懇談会の議を経、交通閣僚懇談会の議を経、それぞれ政府の所定の手続をとりまして、実は決定して、すでに十九日と思いますが、認可して、運輸審議会の答申どおり認可いたしました。
○相澤重明君 これは十四社同じですか、それとも幅がありますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 最低と最高だけは今記憶いたしておりますが、詳細の各社の率は事務当局からいたさせます。すなわち、平均一割、最低七分七厘、東京急行電鉄、最高西日本鉄道一割三分四厘だったと思います。それから申請は、御承知のように、昨年八月十五日に、平均一割五分六厘、それを運輸省は一割二分四厘に査定をしたのでありますが、それをさらにまた削りまして、平均一割、十四社のうち一番低い率で引き上げたのが東京急行電鉄の七分七厘、最高は西日本鉄道の一割三分四、五厘だったと思います。外十二社につきましては一々覚えておりませんが、必要とあらば事務当局から御報告いたさせます。
○説明員(岡本悟君) 東武鉄道から申し上げますと、東武鉄道は九・六%、それから西武鉄道が八・〇%、それから京成電鉄が一〇・八%、それから京王帝都電鉄が一〇・七%、それから小田急が八・三%、東京急行が七・七%、それから京浜急行が一〇%、それから名古屋鉄道が一一%、それから近畿日本鉄道が一一%、南海が一〇%、京阪が一〇%、それから京阪神急行電鉄が九・八%、それから阪神電鉄が一〇・五%、西日本鉄道が一三・七%、以上でございます。
○相澤重明君 運輸大臣は、この審議会の答申なり、今の値上げの幅を見ますというと、それぞれ各社の要請に基づいて検討をされたと思うんですね。この場合はこれはレールだけ——いわゆる私鉄の問題だけに限って御検討をされたと思うんですね。したがって、私鉄経営全体の問題ということではないと私は思うんですが、たとえば私鉄はそれぞれが傍系のたくさんの会社を持っておるわけです。そういう毛のについては全然触れずに、単にレール関係、私鉄関係についてのみ検討をされた、こう理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん鉄道部門だけでございます。
○相澤重明君 そうしますと、鉄道部門だけということになりますと、それぞれの今値上げを決定をされた会社が、他に傍系の会社なり出資をしておるものがありますね。そういうことに対して、会社としては、このそれぞれの出資者に対するところのいわゆる還元、配当を行なっておりますね、それぞれ。そういう問題については検討をされたことがありませんか。もう私鉄関係だけで、ほかのことは一切考えない、こういうふうにお考えですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) この改定のおもなる趣旨と申しますのは、鉄道の何と申しますか、効率をよくして、安全にして、そして交通の緩和に役立 つようなことを主にして考えたのでございますからして、鉄道だけについて考えたのであります。
○相澤重明君 そうしますと、交通の安全あるいはサービスということも考えてこの運賃の値上げを認めたと、こういうことになりますと、先ほど鉄監局長が説明をされた中で、たとえば踏切道、こういうものについては具体的にどういうふうな計画がその中にあるかということは、当然これは出ておりますね。そういうことですね。
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりです。こまかく何鉄道に幾ら何ということは鉄監局長から説明させますが、御趣旨のとおりの趣旨でやっております。
○相澤重明君 そうしましたら、その運賃値上げをきめ、しかも運輸大臣として、これこれのいわゆる改善なり安全輸送のためにはかられたいということで出されたと思うのです。もしそれが実行されない場合には、どうします。運輸大臣は、改善命令を出しますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん、この申請しておるとおりをやらない場合には、それをやらすために認可したのですから、やらない場合には警告を発し、また改善命令を出すつもりでございます。
○相澤重明君 わかりました。それでは、それをひとつ資料を配付してもらいたいと思うのです。もうきまっておるでしょうからね。私はしかし、この資料を配付するからそれで運賃値上げが妥当だということを言っておるのじゃない。運賃値上げというものは、私はあまり好まない。それはもう勤労者階級の生活に非常な大きな問題ですから。むしろそれは上げることはよくない。こういうふうに思うのだが、しかし数字上のことですから、検討しないと一がいにただどうということも言えないと思う。まあ資料を提出してもらいたい。 そこで私はいま一つ、これはまあ大臣は特によく会社の中を知っておるから、たとえば東急の七・七%、最低のこれは値上げ率だと思うのですね、全体の中で、大手の中では。
○国務大臣(綾部健太郎君) そうです。
○相澤重明君 ところが、たとえば東急にしては、たくさんの仕事を、経営を他にやっておるわけですね。たとえば日本航空にも出資もしておる。あるいは東急不動産も経営をしておる。こういうことで、私どもが思うと、ずいぶんもうかっていやしないか、それで次から次と出資をしておりはしないか、こう思うわけです。そういう一般の国民の感情が、たとえば渋谷へ来てみれば、渋谷の駅は東急王国だと、こういうふうにまでいわれておるわけですね。どうしてまた運賃値上げしなきゃいけないのだろうと、そういう疑問を持つわけです。 そこで私は、たとえば東急の系統一つでけっこうですが、傍系会社をひとつあげてもらいたいと思うのです、どのくらいあるか。それで配当をどのくらい出しておるか。そういうのもひとつ参考に聞かしてもらいたいと思う。なぜかというと、どうしても一般の国民にはそういう点を明らかにしないというと、なかなか割り切れない。たとえばですね、レールのほうで、先ほどあなたの御説明になったように、私鉄が採算がとれないから改善をするためにこういう値上げをする。しかし今度はバスのほうはどうなのか。必ずそういう問題が出てくると思う。で、この私鉄の沿線には団地を作りますから、不動産部があって、そうして土地を買収をして、そこにいわゆる団地を作って、そのお客さんを乗せて輸送する。こういうふうになっておりますから、不動産会社といえども必ずしも全然この私鉄会社と関係がないとはいえないわけです。そういう面で非常に多くの団地族といわれる人たちから実は運賃値上げ反対という意見が出ておるわけです、現実に。ですから、それを解明するには、今申し上げたようなことをある程度理解をしてもらわぬと、私は政府のいうその運賃値上げをしたことが適切であったと拍手を送るということはなかなかむずかしいのじゃないか。ですから、それはまあ賛成反対の意見はあっても、多くの人になるべく理解をしてもらって協力をしてもらうのが私どもの立場だと、そういう意味で、私はまあ東急が七・七の最低でされたということは非常に喜ぶべきことだと思うが、そういう点で、関連の問題についても、この東急の配当を初めとして、運輸省でつかんでおる資料でけっこうですから、ひとつ提出をしてもらいたい、こう思うわけです。いかがでしょう。
○国務大臣(綾部健太郎君) ほかの鉄道会社の内容はつまびらかにいたしませんが、私は東急に関係をしておりました関係上、東急に関しては二十年近くやっておりますが、経験を持っておりますが、東急は必ずしも相澤委員のおっしゃるようにもうけておる仕事ばかりではありません。ちょっと記憶が間違っておるかもわかりませんが、六十七、八関係会社があると思います。そのうち最もひどいのは、ついこの間会社更生法を適用したような「東急くろがね」なんというのは百二十億損しております。そういうのもあります。まあ大体無配当の会社が四十以上でしょうね。それから二割見当配当をしておるものが一社か二社でしょう。一割配当をしておるものが十幾つと思います。御承知のように、資金を集めますのに、どうしても一割の配当をしなければ、今日の金融情勢におきましては金は借りられません。社債は八分というておりますが、手数料を入れ、割り戻しをなにすると、どうしても九分三厘ぐらいになります。それでなければ資本は集まりません。 そこで、私どもは大体公共事業は、適正・公正なるサービスをして、そうして安全に民衆に利益を与えるためには、やはり乗る人も対価を出してもらわにゃいけない。その対価は利回わりを計算して一割ぐらいになるのが適当であると、私はかように考えて一割二分と査定したのを、いろいろ社会的考慮から考えまして、平均一割にいたしたような次第でございます。すなわち、公共事業で、ことに電鉄であるとかバスであるとか、というものは大体一割でなければ資本が得られない。だから今度もそれに踏み切って、そうしてサービスをよくして国民に理解してもらいたいと思っております。いわんや、最近の統計による家計調査によりまして、交通費の占める家計の工合は〇・四%と記憶いたしておりますが、そんな程度でございますから、それを上げたがために家計に著しく影響をするということはないと私は確信して、ただいま申しましたような理由から一割にするのが妥当であるというので、平均一割の値上げをした次第でございます。どうぞひとつ、決して、何といいますか、国民の感情を無視して、国民大衆の理解が得られないようなことは私はしていないつもりでございます。さようどうぞ御了承願いたいと思います。
○相澤重明君 あと二つだけ簡単に質問して、次の方にバトン・タッチしますから……。 次は計画造船の問題ですが、十八次計画造船についてはいろいろと批判が出ておるわけでありますが、政府自身としては、一体この計画造船についてはどういうふうなお考えを持っておるのか、この際明らかにしていただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 日本が戦争によって非常な物心両面の被害を受けたことは御承知のとおりでございます。一番被害を受けたものは一番大事な人命を失った、すなわち遺族に対すること。それからその次は、いろいろな問題がありましょうが、やはり農地を、非常な、今日でいえば何十分の一、何百分の一で強制的に取り上げられたという被害がある。その次は私は船であろうと思うのです。その船は、今日の金に直せば、ちょっと計算がつきませんが、戦前六百五十万トンばかりあった船が、今日はトン数こそふえておれ、有馬山丸とかの五千トンくらいが一つ残って、あとは全部撃沈された。それに加うるに、今日一人前の船員を養成するのには大体二百万円金がかかります。そういうような船員をやはり、数千名とは申しませんが、まあ、とにかく何千かの人が死んでおる。これが国民が敗戦の結果こうむりました損害の大きなおもなものだと考えます。大小にかかわらず、みんな敗戦したのですから、これはわれわれ戦前国政に携わったものとしてまことにざんきにたえぬが、実際はそうなんです。 そこで、私どもは戦前の状態に海運界を帰すべく、すなわち戦前は貿易じりに赤が出たのを海運の運賃と海外の保険料でまかなっておったのです。御承知のように、日本国民は世界で有数な勤勉家です。しかし、幾ら勤勉をしても日本にできぬものがあります。これはもう釈迦に説法のようですが、油といい、綿花といい、鉄鋼といい、羊毛といい、これは日本人が幾ら勤勉をしても日本人が文化生活をするに足るだけのものはできないのです。それは貿易によって海外から輸入して、そうしてこっちの労働力を加えて輸出して、その差額で……。その輸出は何によってやるかといえば、船によってやる以外に方法がありません。もちろん飛行機等多少はありますが。ゆえに、われわれはこの海運界をして、戦前と同じように、さらにまた、より進んで国民生活を豊かにするために、海運によって外貨を獲得するということに専念すべきことは非常な大きな国策と考えて、それに合うように、私どもは少なくとも戦前の状態までに帰すべく努力いたしておるのが海運界に対する全体の私どもの考え方でございます。それに従って今日までやってきまして、この間十八次造船として五十万トンやろう、こういうことを考えた次第でございます。
○相澤重明君 私が大臣にお尋ねしておるのは、もちろん十八次計画造船五十万総トンですね、これを計画したということはわかった。しかしまあ実際に廃案になっておるわけです。ですから具体的に、これから臨時国会なり通常国会にあなた方のほうでは提案をしようとしておるのでしょう。それで、現在のままでやろうとするのか。それとも、若干新しい考えを持って今度の国会に臨もうとしておるのか。とにかく民間の船台は、このままでいくというと相当私は空いてしまうのじゃないかという心配を持つわけです。そういう点について、この前の国会で廃案になったそのままを提出をするということなんですか、いかがですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 十八次造船五十万トンはもうすでに三十七年度の予算において決定しておるのです。これをいつ発注と申しますか、建造に出すかということは、金融業者の協力を得なければ……今までの過去の非常な累積しておる負債のためになかなか普通の銀行が金を貸しません。そこで、それじゃ全部政府でやったらいいかと申しますれば、財政上の余裕は御承知のようにそうありません。そこで、本年は、三十七年度の予算で通過しておる第十八次計画造船の五十万トンのうち、トン数は少し減るが、融資率を上げて、すなわち、定期船については七割を八割に上げ、その他の船については五割を七割に上げまして、そうしてその足らぬ分を市中銀行から借りて、そうしてやるように目下交渉中でございます。船台が空いて、年末を控えて、関連工業を初め、造船会社が非常に困るという実情は、ひいて日本財界が年末に際して非常に混乱しやせんかということを憂いまして、閣議でもこれを極力強力に推進いたしまして、ほぼ年内に、五十万トンはただいま申しましたような理由で融資率が高くなるからトン数はどうしても減りますから三十万トン——四十万と三十五万トンの間くらいは発注できるような手続を運んで、鋭意それに努力いたしておりまして、金融界ともしばしば懇談をいたしましてやっております。決して船台がはなはだしく空いて、それに関連する中小企業の人が因るようなことはいたさないつもりで着々と進めておるということを御了承願いたいと思います。
○相澤重明君 わかりました。そこで、市中金融はそれではもう融資の状況はほぼ見通しがついたと、こういうことですね。
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりであります。
○相澤重明君 そこで私は、やはりこの問題については、少なくとも港に関係する、しかも日本の貿易促進のために非常に大きな役割を果たす問題でありますから、いま一度私どもとしては造船そのものについても再検討をする必要があるのじゃないか、それから現在のままでいいのかどうか、という点についても私どもは実は私どもの立場でいろいろ検討を進めておるのでありますけれども、私は、政府においても、ただこの計画造船だけでいいということではないと思うのです。そういう点の全体についていま少し、いわゆる造船あるいは今後の荷主関係、先ほど午前中に説明いただきました、いわゆる三国間積み取りの問題等も含んで、私は全般の海運行政について検討すべき時期ではないかと思うのです。きょうは時間がないので、そういうこまかい点について触れませんが、私は少なくとも日本の海運行政を抜本的に再検討する時期が来ているのではないかというふうに思うのです。こういう点について、何か運輸省ではそういう点を総合的にお考えになっておるかどうか、いま一度大臣のひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
○国務大臣(綾部健太郎君) お説のとおりでございまして、私どもは、それに一番運輸省として頭を悩ましています。相澤委員等も御研究になっておいでになるならば、名案があるならばお教え願いたいというぐらいに私どもは真剣に考えております。いずれ三十八年度の四十二議会には、私どもは、一歩々々全体に関してそれの抜本策に近づくような法案を提出いたしたいと考えております。抜本策をやれというのは、もう金さえあれば簡単なんですが、財政がなかなか許さないので、われわれは苦心いたしまして、そうして日夜もうこれだけはほんとうに頭を悩まします。どうかいいお知恵があるならば皆様方からお申し出が願いたいぐらいに思っております。さよう御了承願いたいと思います。
○相澤重明君 それでは、最後にひとつ港湾行政についてでありますが、先ほども御報告いただきましたが、私は今お尋ねしたいと思うのは、特に行政管理庁の監察結果の報告があるわけですが、どうも港の関係の役所関係というものは非常に数が多い。いま少し、いわゆる利用する国民の立場に立ってこの行政というものが一元化できないものかと、こういう点は強い要望になっておるわけです。それと、一番近道としては、まずひとつ庁舎の合同ぐらいはどうなんだ、そしてもっと事務の簡素化というものもできないものか、ひいては諸外国の例をいろいろと出して、もっと専門的にこの港の行政というものはできないものかと、そういう熱意というものは政府にないのかと、こういうことをよく言われるわけでありますが、港の行政についてどうお考えになっておるか、行政管理庁の監察結果に基づいてひとつ政府の考え方を発表していただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 御承知のように事務所が非常に多いとか、いろいろななにをおっしゃいますが、もう日本は全部海に囲まれているのですから、どうしたって多くならざるを得ないのです。その間に統一をして合理化したらいいじゃないかとおっしゃいますが、それも合理化を一生懸命でやっているのですが、何と申しましても、海域が広いので、なかなか一朝一夕に参りかねておるので、その点は相澤委員の御趣旨に従って鋭意国民の希望に沿うように、また海運界発展のために、幾ら船ができましても港がなければ着けられぬのですから、この港湾行政は海運行政とともにやはり運輸省の当面する緊急、緊要な問題と考えて、これについては真剣に取り組んでおるつもりでございます。
○小柳勇君 今の問題に関連して私も質問いたしますが、先般決算委員として関門地方の港を見て参りましたが、港を管理する方式が各港まちまちでございます。門司地区では門司港管理組合ができて、それから若松、戸畑、八幡では管理の委員会ができておる。しかも、これには県なり市がタッチしておりますけれども、半官半民的なもので、地方行政からは独立している。こういうことで、しかも、港湾の整備をやるには非常に金が要る。しかし、その使用料はわずかであります。非常に前現代的な、たとえば八幡は、ああいうような大きな八幡製鉄所を持っているのに、年間百五十万の使用料しか払っていない。大正年代にきめたままで、調査に参りました久保委員なども驚きまして、長崎では、長崎港を三菱が使用して一億数千万円の使用料を取っている。八幡では、あれだけ大きな製鉄所があるのに、わずか洞海湾における使用料が年間百五十万円とは何事かと驚いたわけでありますが、市及び県には委員が出ておりますが、その委員会というものは、民主的な合同委員会でありまして、大正年代にきまりました使用料を飛躍的に上げるようなことはほとんどできないような情勢、悪く言えばひもがついている、あるいは圧力がある、こういうことであります。したがって、私が言わんとすることは、北九州五市が合併して一市として誕生するわけでありますから、港湾行政も、そういう半官半民的なものでなくて、地方公共団体がはっきり行政の指導権を持つべきでないか。そうして一体となって、今、相澤委員が言いましたような合同庁舎の問題もありますけれども、それよりももっと根本的に港湾整備までの権限を持つようなことにならなければならないのではないか。こういうのが調査した私ども及び調査員の一致した意見でありますが、こういう問題について、具体的にそういう点について指導方針がとられておればお聞かせ願いたいし、具体的にまだそれがないとするならば、今後どういうふうにしようとされるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいまの問題は、いろいろな伝統がございまして、一朝一夕にはなかなか参りかねます。われわれの知り得る範囲においては、一番うまくいっているのは名古屋の名古屋港の港湾整備委員会だと思っております。県会議員と市会議員が同数で、そうして知事と副知事と助役も入っている。そうして専務理事を置いて最も理想的にやっているように見て参りました。と同時に、名古屋が割合にうまくいっているから、ああいう方法も一つの方法じゃないかと思います。ただいま小柳委員の御指摘されたことは、実際にこれは非常に歴史と伝統がありまして、一朝一夕にいかないので、私どもは今どうすればいいかということを鋭意研究して、順次改善して理想案に近いように持っていきたいと考えております。
○小柳勇君 事務当局からお聞きしておきたいのですが、具体的に来年の二月は北九州市が発足いたしますが、港湾行政の一元化についての具体策があるかどうか。ただいま言いました洞海湾における八幡製鉄の使用料が年間わずか百五十万円といわれておるが、このようなことについては指導する必要がありはせぬか、むしろ監督機関として、その委員会に対して指導助言をする必要がありはせぬかと思いますが、この二点について意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) 事務当局より説明いたさせます。
○説明員(坂本信雄君) 港湾の管理主体は港湾法で定められておりまして、いろいろな主体がございまして、洞海湾でやっておりますような委員会の方針もありますし、今、大臣から御説明いたしました名古屋でやっておりますような一部事務組合のような方式もございます。また、地方公共団体が単独で管理をしております横浜港、神戸港というような形態もございます。どういう形態をとるかということは、法律で関係する地方公共団体が協議して定めることになっておりまして、特にあの法律の制定当時のいきさつから、政府がこういうふうにやれということは指示できないような形になっておるわけでございます。しかし、だんだん法律制定当時に比較しますと、港の発展も非常に大きくなって参りまして、やはりその港の形態に応じたような管理体制をとらざるを得ないということで、われわれの意見としては、できるだけ関係する地方公共団体がたくさん集まってやっていただきたい。これは財政の面もございますし、利害関係者としての発言の問題もございますし、そういう意見は持っておるわけでございます。このたび北九州市というものが近く発足いたすことになりまして、当然今洞海湾でやっております管理形態と、小倉港でやっております管理形態と、門司港でやっております管理形態が一つのものにまとまらなければならないわけでございますが、地元でもいろいろな議論が活発に行なわれておるということは聞いておりますが、まだ最終的にどうこうするというところまではいっていないようでございます。しかし、われわれといたしましては、北九州市が発足いたしましてからブランクの状態で港湾行政がおかれるということは非常に困りますので、できるだけ早く管理の形態をきめていただきたいということを申し上げますと同時に、今度できます新しい市と、それから洞海湾と小倉港には福岡県がやはり関与しておるわけでございますが、県も、できればそれに関与していけるような形でもって新しい管理形態を作ってもらいたいという意見は申し述べておりますが、しかし、先ほど申し上げましたように、国がこれをどうこうしろと言う立場にございませんので、そういう意見を申し述べながら、地元の意見がまとまるのを待っておる状態でございます。 次に、洞海湾の料金の問題でございますが、現在二つ問題がございます。一つは、入港料の問題でございまして、これは洞海湾が相当港域が広うございますし、浅い部分がたくさんございますので、せっかく掘りました航路だとか泊地が埋まるということがございます。その埋まった土砂を浚渫するための費用に充てるために入港料というものを徴収しておるわけでございますが、これが非常に古くきまった規定でございますので、現在におきましては、その入港料ではとても維持ができないということになって参りまして、先般洞海港務局のほうから入港料の値上げ問題を持って参っております。大体地元のほうの御関係の方々とも御了解がついておりますので、われわれはその申請を受理して、そのように値上げを認めるつもりでございます。 もう一つは、岸壁及び係船ブイの使用料の問題がございます。これは洞海湾に限ったことではございませんので、全国的の問題でございまして、これも実は相当長期間昔のままの料金で置いてございますので、岸壁自体の維持、修繕あるいは管理の費用にも及ばないような今料金制度になっておるわけでございます。これにつきましても、港湾法でもって経常の要する費用は使用料でまかなえというようなこともございますし、できるだけ一般の予算から支出しないで、そういう管理維持ができるような費用をとるべきであるというふうに私どもは考えておりますが、何分にもそれを負担する側のほうに相当の影響を与えることでございますし、目下関係方面と折衝をすることにいたしております。ただ港湾の費用と申しますと、今料金を取っておりますのはほんの一部でございまして、ただいま申し上げました使用料は岸壁、ブイの使用料でございますが、そのほかに防波堤の金だとか、一般の浚渫の金だとかいうのがございまして、こういうものは現在料金の対象になっておりませんので、多少岸壁、ブイの使用料を上げましても、全体としての建設費の償却を見込むというところまではとても参らないと思いますけれども、しかし、これは料金の立て方をどうするかという問題にもつながっておりますし、今のところはその二つだけを対象として検討しているところでございます。
○小柳勇君 今の問題は急を要する問題と私どもは見て参りました。それに港湾労働者の問題もあります。したがって、港湾労働法の問題などもありましょうが、港湾整備についても積極的に五ヵ年計画の推進などをやられまして、法の不備があれば直す方向に善処していただきたいと思います。 それから第二は、造船計画の問題でありましたが、相澤委員が質問しましたし、時間もありませんから省略いたしまして、最後に、航空航路の問題でありますが、これは各委員とも感じておられると思いますが、ローカル線の航空が時間的にもまちまちであるし、まだ十分活用するという、公務あるいは商務のために活用する段階にいっていないように感ずるのです。汽車におくれたから飛行機を利用しようといたしましても、もちろん回数も少ないし、時間的にも汽車の時間などとはほとんどむとんちゃくに、無関係に作っているように思いますから、採算の問題もありましょうし、そのローカルのいろいろな事情もありましょうが、若干費用も運輸省から出して育成しているし、指導しているようでありますから、ローカル航空あるいは日本航空、こういう航路についてもう少し整備して、汽車の時間、船の時間などと体系づけるような指導ができないものであろうか、そういう点を痛切に感ずるのでありますが、そういう指導をしておられるかどうか、航空局にお尋ねしたいと思います。
○説明員(今井栄文君) ただいまの御質問、まことにごもっともだとは存じます。しかしながら、先生も御指摘のように、日本の航空はまだ民間航空としては国内的には初歩の段階でございまして、特に数字的に申し上げますれば、昭和三十五年度、三十六年度というふうに、急激に旅客需要が伸びて参りまして、これからいよいよ本格的にローカル空港を整備し、あるいはまたローカル路線を整備する、こういう段階になっておるわけでございます。今御指摘がございました航空路網をもう少し整備するようにというお話でございますが、現在民間航空が利用いたしております全国の空港の数は約三十数カ港でございまして、これが昭和三十七年度中には約四十の空港がローカルでは整備されます。それに対しまして私どもといたしましては、日本航空、全日本空輸等が現在並立して運営いたしております幹線はもとより、地方の主要都市間を結ぶローカル線につきましても、今後路線網の充実化を十分検討して実現していきたいと思っております。ただ問題は、機材の関係と、それから定期用操縦士の確保という問題がございますが、これにつきましても、機材につきましては、相澤先生が名古屋でごらんになりました国産中型旅客機であるYS−11が昭和三十九年度から量産に入るわけでございまして、これがわずか千二百メートルの滑走路を約六十人の旅客を乗せて全備重量で十分に離着陸できる、こういう性能の航空機でございます。それからまた操縦士の養成につきましては、現在航空大学あるいは防衛庁への民間操縦士の委託養成あるいは自家養成に対する補助金というふうな制度で現在その量産に努力をいたしておる状況でございまして、いずれ、この航空機の発達は、御承知のように、きわめて年を追うて飛躍的に進んでおる状況でございますので、先生がおっしゃるようなことの実現するのもそれほど遠い将来ではないと思います。 なお、そういうふうになりました場合、現在国鉄との関係につきましては、その輸送量もきわめて微々たるものでございます。ございますが、その旅客の内容につきましては、七割が商用あるいは公用というふうな実際の用事で乗る方々でございます。二割が大体観光客、それから一割が私用の緊急に御利用される方々というふうなことでございまして、航空機がようやく実用的輸送手段の段階に入ってきたというのが現状でございます。で、将来はもちろん、御指摘のように鉄道その他との間も、これは当然運輸省の内部の問題でございますので、十分に関係の向きとよく連絡をとりまして、海陸空の連絡等につきましても、でき得る限り適切に措置をとっていきたいと思います。
○相澤重明君 今航空問題に入りましたから、一つだけ聞いておきたいのですが、東京国際空港は、あれは民間だけですか。それとも外国のいわゆる戦闘機といいますか、米軍機、そういうものがやはり発着をするのですか。その点はどういうふうに区分けがなっておるか、お尋ねしておきたい。
○説明員(今井栄文君) 羽田国際空港は主として民間機が利用いたしております。ただ公共用飛行場でありますために、軍の連絡機であるとか、あるいはまた飛行場が使用できない場合の輸送機であるとかいうものが、きわめて低い率でありますが、利用しておるのが現状でございます。
○相澤重明君 先ほど大臣が御報告をされた中で、東京国際空港についての非常な政府の努力の跡が見られるのでありますが、私はこの東京国際空港にまあ十三億五千四十一万六千円も支出をして、滑走路等の補強ができたということはたいへん喜ぶべきだとするのですが、しかし、私どもが聞くところによると、どうも米軍の飛行機の発着があるために、民間航空機がときによるとおりることができない、こういうようなことがたびたびあるということを聞いておるわけなんです。そこで一体、運輸省としてどういうふうにこの現状を把握しておるかという認識の問題になるのですが、今の答弁を聞いておるというと、公共的施設であるから、場合によれば離着陸することもあると、こういう点であるが、これは統計上明らかになっていますか。どのくらいに、まあごく少数だということであれば統計がおそらくできておると思うのですが、その点わかったら御報告願いたい。
○説明員(今井栄文君) 羽田に離着陸する飛行機は、現在一日に約二百五十機ないし三百機でございます。その中で軍に関係のあるもの、たとえば米軍の輸送機であるとか、あるいは自衛隊の連絡機であるとかいうふうなものは、大体数にして一割内外程度ではないかと思います。しかし、その点は詳細な統計資料につきまして後ほど御提出したいと、かように考えております。
○相澤重明君 それでは、今の局長の言うように、あとで資料を出してもらいたいのだが、私は運輸大臣に要望したいのは、やはり軍の飛行機のために民間のせっかく着陸しようとする飛行機が空の上で回っていなきゃいけない、こういうようなことは私は国際航空基地としてまことに遺憾だと思うのですよ。ですから、もしどうしても軍の飛行機を発着させる、米軍機を羽田国際空港に使わなければいけない、こういうことになれば、私はやはり滑走路等を別にすべきだと思う。民間航空機が二百五十機とか三百機も利用する中に、その中にいわゆる軍の飛行機だということで民間のものが空でもって回っているというのは、私は全く危険きわまりないと思う。こういう点について、私はせっかく三十五年度の中に十三億五千余の投資をしていただいたのだから、将来計画として、そういう航空事故を起こさないために、未然に今の空港の整備というものを行なう考えがあるかどうか。これは大臣の認識の問題だと思うが、今の局長の言うのは、一割前後だと二十四、五機か三十機だと、こういう御答弁だが、私はなかなかこれは大事なことだと思う。その点で大臣のひとつ御見解を承りたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私どももさように考えております。ただ米軍が使ったり、自衛隊が使うということは、おそらくは避難するとか、そういうようなことが多いのであって、それが民間の航空のじゃまをするというようなことは希有の場合と考えております。それで結論的に申しますならば、相澤委員のおっしゃるとおり、軍用機は別な所を使ってもらいたい、かように考えております。
○相澤重明君 大臣の率直な答弁で私も了承します。ぜひ資料を調査されて局長から私どものほうにも出してもらいたいし、運輸大臣も調査をされて、そしてやはりこういう問題は、これから何といっても速度が早くなるわけですから、それに伴う事故というものは、一朝間違えば大きな事故になるわけですから、そういう面で、私は国際空港なるがゆえにということだけで問題を片づけてはいけないと思う。したがって、もしどうしても使わなければいけないというものならば、私は当然そういうものは別に作るべきものだ、こういう主張をするわけです。したがって、そういう点の御検討をいただきたいと、こう思うわけです。 それから先ほど私は港の行政についてのお話をしたわけですが、実際に港関係には政府関係機関が多いわけですね。ですから、はなはだしいのは船の出入について、まあ百一通もの書類に判をもらわなければいけない。しかも、私どもが知らされているところによると、三十五通というのは全く重複した書類を取っている、こういうことが言われているわけです。これはいかに港を利用する人たちに大きな負担と、そして行政上のむだを出しているか、いい証拠だと思うのですよ。ですから行政管理庁が勧告をしているわけですが、港の一番行政の中心は何と言っても運輸省ですから、そこで、その運輸大臣は関係省と話し合って、これらの窓口業務というものを、先ほど小柳委員も指摘されたように、一元化する方向にやはり努力すべきだ。もちろん大臣の言うように、日本の国は四面海に囲まれているわけですから、なかなかたいへんなことは事実ですが、だからといって放任をしておいてよい、こういうわけのものでは私はないと思う。そこで、行政管理庁の勧告についてどう考えるか。それから当面の一番大きな行政を持っている運輸大臣としての考え方をひとつ聞かせていただきたい、こう思う。
○国務大臣(綾部健太郎君) 相澤君のおっしゃるとおりでございまして、われわれといたしましても、さような事実がありとすれば極力ひとつ簡素化して、しかも、安全にして迅速にいくように努力いたす所存でございます。
○相澤重明君 それから港の関係の中でさらにひとつ私は横浜の港の例を出してみたいと思うのですが、船員局長あたりはどういうふうに把握、認識しておるかわかりませんが、運輸大臣が官房長なりそれぞれに相談して御答弁いただきたいのですが、やみ通船が非常に多い。これは横浜港には運輸省から免許されておる通船が大体六十二隻くらいあるわけです。そのほかに、同じくらいの、五十隻か六十隻くらいの、免許されていないいわゆるやみ通船というのがある。これが港と本船の間を往復するわけです。はなはだしいのになりますと、外国人がこの船を使うわけです。そうすると、よく話がわからないし、港の中に船がたくさんおりますから、ぐるぐる回ってまた元に返してしまう。運賃だけ取ってしまう。中には、沖に行くと波が高い、それにとてもこれじゃしけてたいへんだから、もっと料金をよけいもらわなければいかぬというようなことをやっておるというのだ。こういうのがひんぴんと市の人たちなり、あるいは私ども国会議員なんかには投書が来るわけです。これは私はやっぱり運輸省の行政指導上の問題だと思うのですね。つまり、船の免許をして、そういう通船に対して、港の中でどういうことが行なわれているかという監督行政というものが実際に行なわれておらない、その証拠だと思うのです。六十隻なり六十二隻の免許された船があって、片っ方には同じくらいの全然免許されていない船がある。それが自由に……いわゆる観光客が来るような時期に特にそういうものが多い。中には品物を持っていって売る。こういうふうにして、実は観光行政も関係をするのですが、非常に日本人の品位を汚す。こういうことも出ておるわけです。こういう問題について、一体港の行政監督というものについて、運輸省はどういうふうに把握しておるのか。こういう点について、やみ通船の問題について、私は三年ほど前にもちょっと当決算委員会でも話したことがあるのだけれども、運輸省はどういうふうに把握しておるか。大臣は聞いておりますか、そういうことを。
○国務大臣(綾部健太郎君) そういうことがあるということを聞かぬでもありませんが、御承知のように、荷役のなには非常に旧式な、横浜港なら横浜港に一つのボスがあって、それの了解を得なければ、たとえなにを持っている船といえども動かせないような状態があるやに聞いておって、非常に遺憾に存じているのです。それは何とかいたしたいと思って、ちょうど、幾ら法律をこしらえてもどろぼうが絶えないのと同じように、なかなか理想的には参りかねますが、今後さらにさらにひとつ努力して、さようなことのないようにいたしたいと考えております。
○相澤重明君 こういう問題は比較的どうも大きい問題でないから見送られがちになるし、あるいはまた、なおざりになりがちなんです。ところが、大臣も御承知のように、国会でも麻薬の問題でずいぶんいろいろ審議をされ、また心配をされておるわけであります。ところが、案外にそういう問題が実は出てくる可能性もあるわけであります。ですから、海上取り締まりという問題は、もう何でも国民を法律で縛ればいいという、そういう考えではもちろんありません。そうでないけれども、少なくとも許認可の事項をつかさどる運輸行政の中で港の関係は、これらの問題が一つの事犯の関係になったり、あるいはまた、それがひいては老朽船が一たん間違えば、これは大きな事故になるわけですから、そういうようなことを未然に防ぐのがやっぱり監督行政の面だと思うのです。そういう点で、麻薬をはたしてその船で運んでおるかどうかということは、私は警官じゃありませんし、Gメンじゃありませんから知りませんが、とにかくそういうことは国際港として、神戸なり横浜でよく言われるわけです。そういう中に無免許の通船が横行して、しかも、先ほど申し上げたように、いろいろな苦情を持ち込まれる、こういうことは少し運輸省の力の入れ方が少ないのじゃないか、こう思うのであります。こういう点について実情を調査をされて、そしてやはり監督行政上の問題として処理のできるものはして、明朗な港を私は作って行くべきである、こういうように思うのです。こういう点についてちょっと大臣の善処方を要望したいのですが、いかがですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん仰せられるまでもなく、たびたびそういうことをやっておるのですが、なかなかそれがうまくいかないのです。それで、今後とも十分注意いたします。
○相澤重明君 大体時間が来てしまいましたので私も終わりますが、最後に、大臣が先ほど御報告されました中の第三に、自動車事故防止策の一環として自動車の車両検査登録機能の充実をはかるため、二億二千有余の支出をいたしましたと、たいへん今自動車が多いので、車両検査登録事務というものは私はたいへんだと思うのです。そこで、前回私は大臣にお話ししたことがありますが、京浜間の輻湊をした中で、横浜の陸運事務所だけではなかなかこれはたいへんだ、こういうことで、できれば六郷なり、あるいは川崎あたりに検査場を設けて、そして迅速な処理ができるようにしてもらいたい、こういう話をしましたけれども、三十八年度の中でそういうふうなお考えを今後持つかどうか、ひとつこの点もお尋ねしておきたいと思うのです。
○国務大臣(綾部健太郎君) 今ちょっと予算を調べております、多分入っていると思いますが……。
○二木謙吾君 時代はスピード時代になっておりまして、今お話のとおり、航空機を利用する人がだんだんとふえるのであります。外国ではすでに、日本で自家用自動車を持っておるように、自家用の航空機を持ってやっておると、こういう時代になっておるのであります。わが国におきましても、各地に飛行場ができさえすれば、どんどん私はローカルの飛行機を利用する人がふえると思いますが、これに対しまして、国際的のことはよいのでございますが、ローカルの航空行政に対する政府のお考えをひとつ承りたいと、かように考えております。
○国務大臣(綾部健太郎君) 航空局長がさっき御答弁申しましたように、何と申しましても、これはようやくここ二、三年の間に起こって参ったものでございまして、機材も、それから操縦士も非常な払底でございまして、なかなか、これがまた一たん事故を起こしますというとたいへんなことになるから慎重にやりまして、そういうことのないようにして、しかも、便利をはかれるようなふうに指導して参りたいと思いまして、これから非常に航空局としてはそれに力を入れて参りたいと思っておるところで御了承願いたい。
○二木謙吾君 航空行政に対して非常に大臣も力を入れるとおっしゃる、私も非常に賛成するものでございますが、いろいろローカルの会社、弱い会社がたくさんできるということは、私は非常な危険があると思いますので、ローカル線の会社は強力な会社で、よい機材で、また優秀な人をパイロットに持つということが大事であると思います。その点のお考えはどうですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) お説のとおりでございまして、航空審議会の答申もさようなふうになっておりまして、全日空、日航を除く既設六社を強化していくような方針にいたしまして、なるべくあぶなげのあるようなものは、よく確かめない限り、今後は免許もいたさなければ、運航を許すということはいたさぬつもりで、まず、その既存六社を強化して、そうしてローカル線に力を入れさすということに専念いたしたいと考えております。
○二木謙吾君 最近ローカル航空会社から航空路線の免許の申請がたくさん出されておるということを承っておりますが、それにはいろいろ過当の競争もあると思いますが、政府としては今の六社を育成する意味で、その六社に対してひとつ強化しよう、こういう御方針でございますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) さようでございます。仰せのとおりその方針で参りたいと思っております。
○説明員(広瀬真一君) 先ほど相澤先生からお尋ねになりました車検場の増設でございますが、全国にわたりまして必要個所に増備をする予算を計画しておりますが、神奈川県の分につきましては第二車検場を相模原に新しく増設したいということで予算要求をいたしております。
○委員長(鈴木壽君) 運輸省に対する審査は、本日のところこの程度とし、これにて散会をいたします。 午後四時三十一分散会