外務委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/11/26
会議録
○理事(井上清一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 岡崎委員長が海外旅行中でございますので、私が委員長の職務を行ないます。 本日は、国際情勢等に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
○羽生三七君 きょうは、私の質問は、主として日米経済委員会の開会を前にして、日本側の見解を承りたいと思うのでありますが、今度の会議は、まあ私たちの想像では、特別の想像をしなくとも、建前上、そうでしょうが、特別の取りきめを行なうという性質のものではなく、むしろ、全般的な日米間の経済上の諸問題について十分な意見の交換をする機会と、こういうふうに考えておりますけれども、昨秋の箱根会議では、米国のドル防衛に基づく諸政策というものが、自由世界の中心である米国のドル防衛体制というものをやむを得ざるものとして承認をするという形で、むしろアメリカ側に押し切られた、そういう印象を強くしておるわけであります。今回の日米経済委員会の主要な討議の目標というものがどこに置かれるのか、これをきょうは主としてお尋ねしてみたいと思うのでありますが、特にこの日米間の最近の貿易の趨勢を見ると、相当程度改善の跡は見られるけれども、依然として片貿易である。この傾向は顕著であります。それから、一方また米国のドル防衛の体制は緩和の方向をさらに示しておりません。こういう情勢のもとで、今回の日米経済会議に、日本側としては基本的にはどういう方針、態度をもって臨もうとしておるのか。まず、大局的に最初に外務大臣からこの点をお聞かせいただいて、それから若干具体的に質問をいたしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 羽生委員も御指摘のように、この会議は具体的な取りきめをやる、こういう性質のものではございません。日米間共通の問題を取り上げまして、相互にきわめてフランクな討議をいたしまして理解を深めていくということでございます。そうしてその理解が深まれば深まるほど、具体的な個々の問題が外交チャンネルを通じまして解決されるに役立つ、そういう素地を作るということになろうと思うのでございます。 去年の秋、箱根でございましたが、今度は第二回目でございまして、私はこういう会議は、今一回、二回やったところで、すぐ即効的な効果を云々するというのは少し早いのじゃないかと思うのでございまして、もっともっと続けてやることが大事だと思います。したがって、途中でこれがうまくいかぬから来年からやめにしようじゃないか、ということにならぬようにやって参らなければならぬと考えております。ドル防衛政策で押し切られたとかなんとかいうような、そういうように一回だけやってその結果で御判断いただかずに、もう少し長い目でこれは見ていただきたいと思っているわけでございまして、これをこうしてやろう、ああしてやろうというより前に、もっとありのままの現実をとらえて、もっと突っ込んだ議論をきわめてフランクにやることそれ自体が、非常に大事だと思っているわけでございまして、去年とことしと別に態度を変えているわけじゃございません。
○羽生三七君 アメリカのほうでは、最近の日米間の貿易の趨勢を見て、相当改善の跡があるということを指摘して、さらに一そうの対米協力を要請するのではないかと思いますが、しかしわれわれ考えなければならぬことは、数字上で見ると、確かに最近若干日米間の貿易関係は改善されておりますが、そのおもな原因は、これは特に対米輸出の伸びの場合ですが、昨年の下期以来の景気調整策、特に金融引き締め等に基因していることを考えますと、これは引き締め政策の手直し等の結果、再び日米貿易の構造的な入超傾向になると思います。構造的な入超傾向になると思う。したがって、この表面上の改善という現象形態だけにとらわれることなく、あくまでこの日米貿易構造の不均衡を、基本的なもの、基調的なものと見て、強く是正を迫るのが今回の会議の主要な目的でなければならぬと思います。そういう点について十分の御用意があるのかどうか、この点を伺いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 今の世界の貿易の趨勢は、御案内のように、自由化を進めて参る、そして自由化を通じまして貿易の拡大をはかり、それを通じまして経済の高度化をもくろんでいこうという方向にありますことは御案内のとおりでございまして、したがって、こういう世界的な潮流にさおさして、日米間の経済協力のあり方がどうかというところに問題があり、どうすべきかという問題を討議して参るのが姿勢であろうかと思うのでありまして、アメリカ側がこういう意図をもって押しつけてきた場合に日本はどうはね返すかというより、もっと問題は高い次元で取り上げなければならないし、アメリカも日本も、そういう意味で、きわめて謙虚に対処しなければならぬと思うわけでございます。経済協力の問題につきましては、世界全体がまだ手を染めたばかりでございまして、これという青写真がりっぱにできておるわけじゃございませんし、そういう問題は自由化とはまた別な原理にささえられたものであろうと思うのでございまして、こういう問題も、日本、アメリカばかりでなく、世界全体がまだしろうとなんだから、一体どういうところから始めていくかということを、これも謙虚にフランクに話し合うことが大事だと私は考えています。
○羽生三七君 このドル防衛、バイ・アメリカン政策の結果として日本が影響を受けるものは、チェンバレン修正案による日本製トラックの調達の禁止を初め、ブラウス、ズボン、肥料、セメント、通信機と、その影響は相当大きいと思います。こういう問題について日米間の事務レベルで処理できる、この問題は事務的な折衝で片づけれるような性質のものではないと思います。結局、日米経済会議というような政治的な高いレベルでの会議にその打開の道を見つけなければならぬと思いますが、そういうものとして今度の会議に本格的に取り組むのかどうか。そういうことは事務的な折衝で片づけて、あまり突っ込んだ話が今度の会議ではないということになれば、今度の会議の性質そのものが問題になってくるわけですけれども、したがって、事務的な調整では片づかないからこそ、今度の会議で日本が主張すべきことを徹底的に主張せなければならぬと思うのですが、そういうことでよろしいのですか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり心得ております。
○羽生三七君 そこで、それで臨むだけならよろしいのですが、もしそれがうまくいかぬとすると、私は日米会議にたいした意義というものを見出すことができなくなると思う。中には、さっき外務大臣が一言ちょっと触れられておりましたが、日米会議も本年あたりでまあ打ち切りになるのではないかという説も少しは出ておるというように聞いております。ですから、そういうことにならぬようにする。まあ、ならぬようにと言っても、それは何も日米経済会議そのものが唯一至上なものではないけれども、事務的な形で片づかぬとすれば、今申し上げたように、最大限度日米経済会議というものを生かして日本側の主張というものを積極的に述べなければならぬと思う。だから、一部にあるように、そうした政治的な高いレベルでの会議としてもどれだけの価値があるか疑問だという説もぼつぼつ出て、そういうところから一部打ち切り説も出ておるんですが、そういうことはありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、年を重ねるごとに理解が深まってゆくと思います。またそれは当然そうならなければならないわけでございますが、会議を開くのは三日間でございますが、この会議に備えまして、両政府レベルにおきましていろいろな問題を整理して、政府の考え方なるものをまとめまして、トーキング・ペーパーの形でもって前もって交換し合って、今アメリカはおそらく私どものほうのトーキング・ペーパーを検討しておられると思いまするし、私どもも先方のそれを検討いたしておるわけでございまして、そういうことが非常に大事だと私は思うのでございます。で、これは日本に対する理解、アメリカに対する理解、そういったものを深めてゆくのに非常に役立っておると思うのでございまして、両国政府ともこの会議に対してリラクタントであるというように私は考えておりません。相当熱意を傾けて御用意を願っておるように私も感じますし、日本政府としてもそういう気持で対処いたしておる次第でございます。
○羽生三七君 昨日でしたか、ライシャワー大使の見解をもってしても、今度の会議の主要なテーマが国際貿易問題に集中するというように見受けられるわけでありますが、米国が通商拡大法によって関税一律引き下げをやる場合に、日本が最恵国待遇に均霑するということはほぼ間違いないと思います。そういう相互主義の原則から、しかし他面日本に対して大幅な関税引き下げを要求してくるのではないか、また貿易自由化についても残る一二%についてもその早急な実現を求めてくるのではないか、こういうことも起こるだろうと思います。で、一説によると、関税の一律引き下げに日本側の同調を求めて、そうして米国が明春二月に提案しているガット閣僚会議への日本の参加の保証を取りつける、これが今度のアメリカ側としての日米経済会議に臨む最大の——アメリカ側としてはそれを最大のねらいとしておるというように言われておるようであります。それから、これもまた私の想像ですが、日本側としてはそういう要請があった場合、ガット閣僚会議への参加は異存はないが、しかしその前提条件として、日本の現在受けておる差別待遇を解消してもらうことが必要だ、こういう建前で臨まれるというようにも言われておるけれども、とにかく関税引き下げ問題は必ず今度の日米会議で出ると思います。また一説によると、そういう立場から、アメリカとしてはドル防衛を強化してゆくという立場から、むしろ今度の会議で逆に関税引き下げに関連さして、通商面での協力または低開発国に対する援助を日本側に要請する、そういうことにむしろ会議の重点を置いておるのではないか。したがって、相互主義の原則ですから、日米それぞれの利害得失はあるわけですが、アメリカとしてはアメリカのドル防衛という立場から積極的に、今私が申し上げたような諸問題に取り組んでくるのではないか、こういう点が想像されるんですが、その点はどうでありましょうか。まあ、会議に出発される前にあまりこまかいことを外務大臣としても答弁されるのはいかがかと思いますが、しかしもう少し何か、そこに臨まれる一番の最高責任者になられるんじゃないかと思いますから、少し実のある御見解を承らせていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(大平正芳君) 関税一律引き下げのガット閣僚会議というものが今問題になっておりますことは御案内のとおりでございます。しかし、これに参加するかしないか、これは日本の問題でございまして、他国の干渉を受ける筋合いのものではないと思います。関税引き下げというようなことになりますと、どこの国も同じように国内の抵抗があるわけでございまして、これはひとり日本ばかりでなく、アメリカもそうなんでございまして、それぞれの国がこれをどう受けとめるかということはその国できめることであると思うのでございまして、日本が、冒頭に申しましたように、世界経済の新しい潮流にさおさしてどういう姿勢をとるかということは、これは日本がきめることでございまして、今度の会議で向こう様の御注文を承って云々という性質のものでは私はないと心得ております。日本の経済の将来を考えまして、日本がどう対処するかという百パーセント日本の問題であると考えておるわけでございます。ただしその場合に、日本が姿勢をきめる場合に、今先生が御指摘されたようないろいろな問題が私どもを取り巻いておることはよく承知いたしておりまして、これはむしろ対米関係よりも、主として私ども国内的な配慮の問題になると思っております。
○羽生三七君 それで、国内的にはまあ出席閣僚の間でいろいろ御検討なさっておると思うし、また今後引き続いて具体的に問題がなればなるほど現実的な処理を迫られると思いますが、もっと根本的な問題として、やはり私のきょうの質問は主として純粋に経済的な立場からだけ質問して、政治的な問題はあまりからませないわけですが、そういう純経済的な立場から見ても、アメリカの最近のこのドル防衛策から来る日米間の貿易の不均衡、これはアメリカのドル保有が必ずしも所期の目的を達していないというようなところからも想像されるわけですが、そういう点から、この日米間の貿易のアンバランス是正という日本の要求が、また再び、この自由世界の中心勢力たるアメリカのドル価に影響するようなことでは困るということで、かなりまたきびしい私は向こうの要求に接することになるのじゃないかと思うのです。特に日本経済が最近も成長しておるというようなことから、いろいろな注文をつけられると思いますが、しかし何といっても、経済は成長したといっても、アメリカに比べればなおかつ脆弱な日本経済が、自由世界の中心勢力たるアメリカへの協力という形で、それだけのことで、いろいろな不均衡をそのまま今後とも持続するというようなことは適切ではないと思うのです。だから、そういう意味で、今度の会議を日本側の立場からも実り多きものにするためには、もっと積極的な立場というものが必要じゃないか。必ずしも昨年の箱根会議、私内容に必ずしも詳しくありませんから、下手な判断もいかがかと思いますが、しかし何といっても、今申し上げました、自由世界の中心勢力たるアメリカのドル価維持と、そういうことを中心にずいぶん日本側が受け身の姿勢に、いろいろな主張を日本側もされたようですが、終局的に押し切られておるのじゃないかという気がするわけです。したがって、今回もそういう意味からいって、まあ具体的に何らかの取りきめをする会議ではないにしても、基本的には、今私が申し上げたような線をもっと強く堅持していただくことを要望したいのですが、重ねてもう一度その点御見解を承っておきます。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり心得て参りたいと思います。問題は、われわれの主張をささえておる日本経済の事情というものをよく理解願うことが第一だと思うのでございます。また先方の御見解ももう虚心に公正に私どもも評価しなけりゃならないと思いまして、問題をできるだけ深く理解し合う。その理解の上に立って可能な方程式を出すべきだと思うのでございまして、私の見るところでは、双方とも相当ディテールにわたって理解が進んできているという感じがいたしますので、今度の機会もぜひそういう、もっと前進したものにしたいと考えております。
○羽生三七君 先日、日米財界人の会議が行なわれたようでありますが、日本側では、まあ相当日本側の財界人は非常に不満であったようですが、ただ一つ共通する点は、対共産圏貿易について非常に消極的というか、これと積極的に取り組むのは間違いであるというような意味の点では、むしろ日米間財界人が共通した意見を述べておられるように受け取っておるわけです。そういう立場で、今度そういう問題が提起されたときに、日本の今度の出席閣僚としてはどういう立場でもって臨まれるのか、この点もひとつ承っておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 共産圏貿易についての考え方、評価、そういったものにつきましては、伝えられるように、日米間にある種の考えの違いがございます。しかし、それは違ってもいいと思うのでございまして、私どもはこういう考えで進めて参るんだということはよく先方に理解をしていただくように努力をいたしたいと思います。また先方の共産圏貿易に対する評価を伺うことができれば、十分先方の意見も私は聞いて差しつかえないと思うのでございますが、私どもは、今私どもが考えておることを十分先方にまず納得をさせるように努力する必要があると思います。
○羽生三七君 私の考えておることを先方に納得させるということ、その私の考えておることは何であるかということを承りたいわけです。
○国務大臣(大平正芳君) それはたびたび議場を通じても申し上げておりますように、可能な限り共産圏といえども貿易の機会を拡大して参るということは政府の方針でございまして、それはどういうしからば進め方をするかという場合に、私どもは世界的に見まして公正であるようにやりたい。貿易の条件というようなものを考える場合に、日本だけが飛びはねたフェイバーをもって共産圏に臨むというようなことは慎しまなければならないと思いますけれども、日本だけが不当に御遠慮申し上げるという性質のものでもなかろう。何がしからば世界並みかというようなことは、個々の具体的な判断になるわけでございますが、大まかに考えまして、そういう態度で臨む限りにおきましては、私は日本の態度というものは、アメリカばかりでなく、十分理解していただけるのじゃないかと思っております。
○羽生三七君 具体的なことは実は通産大臣に少し承りたかったのでありますが、御出席ないそうでありますので、この辺でやめておきますが、今度の討議は、先ほど来私が申し上げておるような経済問題、特に国際貿易問題が中心で、その他の政治的あるいは外交的な問題は主要な問題には全然ならないのかどうか、そういうことについても何らか意見の交換ということもあるのかどうか、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(大平正芳君) 発表いたしました議題に沿ってやるわけでございまして、政治、外交というような問題につきましては、この会議で触れるということにはなりません。
○羽生三七君 じゃ、ほかの問題にちょっと……。ほかの方もおいでになるようですから、私は簡単にやめますが、これは日米経済委員会と全然別の問題になりますが、先日、ちょっと外電で、インドネシアのスバンドリオ外相が、日本はインドネシアの開発援助のために賠償担保借款四億ドルを申し出た、こう言っているのでありますが、この真偽はどうでありますか。
○国務大臣(大平正芳君) この間スバンドリオ外相にお目にかかったときの話はそういうことではないのでございまして、今、御案内のように、インドネシアに対しまして賠償支払未済の残高は一億二千万ドルございます。そのうち賠償担保の借款という形で七千万ドル余をすでにお貸しいたしておるわけでございます。もっともこれは賠償担保でございまするが、先方は、お約束した期限内に、期限どおりちゃんと払っていくということを言っておりまするし、現に期限が来たものは一部支払いを受けております。したがって、賠償は賠償として進んでいくわけでございますが、それを担保にいたしました借款が今そういう状況にあるので、賠償担保の借款を与えられる限度というもの、そういうことは先方もよく承知いたしておるわけでございます。で、先方の主張は、賠償協定を作りましたときに四億ドルの範囲で経済協力をやろうじゃないかということがうたわれておる。それを今後、その問題を取り上げて検討をお願いする段階に来たのではないかということでございます。で、私どもも経済協力は可能な限りやって参らねばいかぬというので、賠償協定でうたわれました経済協力問題というものをどのように今から考えていくか、そのプリンシプルをどうするか、それに伴う円資金その他の手当はどうするかというようなことを検討すべき段階に来たということは、先方にも答えてあるわけでございます。したがって、新聞に伝えられているように、賠償担保で四億ドル云々というのは、ちょっと新聞のほうの書き方がおかしいのじゃないかと思うのでございまして、いうところの賠償以外の四億ドルの経済協力について検討を始めよう、そういうことをお約束申し上げたということでございます。
○羽生三七君 ビルマ賠償も最終的に——最終的でもないでしょうが、ほぼ額の点もだんだん煮詰まってきたということも伝えられておるが、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(大平正芳君) 外交ルートを通じまして常時接触を持って検討を進めておることは事実でございまして、どのような段階で、政治折衝と申しますか、高いレベルにおいて検討をしていただくか、目下考慮中でございます。
○羽生三七君 今度は全然経済問題と違ったことになるのですが、先日の沖繩選挙で革新派を三名ですか追放——追放といいますか、資格を喪失させたあのアメリカの処置を見ておると、どうもケネディ大統領の最初の沖繩問題に関する声明から見て、非常に大きな前進どころか、たいへんな後退のように思われて、一体これでいいのかどうかという疑問を私は非常に持ったのでありますが、外務大臣としてはどうお考えになりますか。これは沖繩領土返還ということはともかくとして、経済上あるいは民生上大幅な前進を期待しておったのに、ああいうやり方というものは、どうも前進どころか非常な後退と理解せざるを得ないのですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) もっと事情をつまびらかにしまして、日本政府としてコメントをいたすについては十分の用意をしなければいかぬと思って、非常に恐縮でございますが、今私はこの問題について十分実相を実はまだ究明いたしておりませんので、ここで政府の考えを申し上げるのは少し待っていただきたいと思います。
○羽生三七君 だれか政府委員で事情のわかった方いませんか。
○説明員(後宮虎郎君) 今羽生委員からお話がございました追放の点については、大臣も申し上げましたとおり、詳細な情報がまだ入っておりませんので、検討中でございますが、先般ライシャワー大使が参りまして、甘木と沖繩、それからあそこの米国側との間に常時の協調体制を作りますために、二つの委員会を設けるということにつきまして、向こうから提案がございまして、それについては常時事務レベルを通じて具体化を検討中でございまして、特にアメリカの態度が沖繩問題について後退したというような印象は、事務レベルでは受けておらないのであります。
○羽生三七君 特に問題点は、選挙の最中に、投票を前にしてああいうことをやるということですね。いい悪いは別として、そういうことがあるのなら事前にわからなければならないのに、投票を前にしてああいうやり方をするということは、私は少なくともどう考えても合理的ではないと思う。非常にやり方が拙劣だし、ちょっと卑怯だとすら思うわけですね。だから、研究中なんということでなしに、もう少しそういう点については、少なくともわれわれがわかっておる範囲でも相当なことがわかっておるのですから、敏速にもっと抗議をするなり適当な処置をとらるべきではないか、こう思うわけですが、まあお答えがなければ問題点だけ指摘しておきます。
○大和与一君 箱根会談が済んだときに、私は当委員会で、どうもアメリカの日本に対する経済あるいは貿易に関連したことを約束どおり、安保条約の第一条でしたか、やってないのじゃないか、うまくいってないのじゃないか、こういうお尋ねをしたら大臣は、いや、そうでもない、だいぶこのごろは調子よくなった、こういう話をされたことを記憶しておるのですが、たとえば今度のキューバ問題などについてはケネディの放送二十分前にライシャワー大使が池田総理のところに飛んできて、そして領空侵犯なり、あるいは第三国艦船の臨検などはいかぬことにきまっているのに、そういうことをやらすという話をしにきたということが経済雑誌に書いてある。そんなに親切にしておるのに、例のチェンバレンの修正ですね、このときにはさっぱりこちら側がわからなくて、そしてあそこまで行っちゃったということになっているわけですが、一つは、駐米大使はそのチェンバレン修正が可決されるまで何も政府に対して経過報告がなかったのか。 それから二つには、大臣は当時ワシントンにおられたんですが、あとの祭りだけを一生懸命わめいて文句を言ってきたのか。 第三には、アメリカの政府は、それよりもこういうことこそ日本の国民全体の経済に影響があるんですから、もっと連絡がアメリカ政府からも、当然これは友好的な立場からもある程度連絡がなければならない、日米間にそういう関係がなければならなかったと思うんですが、その三点についてどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(大平正芳君) あれは国会修正でございます。ケネディ政府として、自分のほうでイニシアチブをとってやるというようなことについて日本にいろいろ影響があることについては、事前にいろいろ情報をちょうだいいたしておるわけでございますが、コングレスの問題でございまして、したがって、政府としても、こちらが要請をいたしましたら、自分たちもできるだけすぐコングレスに対する対策は今最善を尽くしておるということでございまして、問題は国会の問題である、アメリカ国会の問題であるということでございます。
○大和与一君 アメリカのことだからあまりおせっかいする必要はないけれども、しかし、非常に日本として重大な結果を招くわけですから、それをおわかりになっておって、向こうの政府が政党にいろいろと働きかけて努力してくれていると、それをそのまま受け取って、それ以上のことは政府としては何もしなかったと、こういうふうになりますか。向こうの政府でなくて、向こうの政党なり議会に働きかける余地はまるっきりなかったのか、しなかったのかですね。
○国務大臣(大平正芳君) 政府としても十分の努力を重ねてくれたものと思いますが、しかし、どういうことをどういう場面でやられたか、そういうところまで私は承知いたしておりません。しかし、国会でおきめになった、きまってしまいますと、問題は、それを実施するのは政府の責任でございますから、で、えてして議員立法というのは、どこの国でも同じでございましょうけれども、まあ用語その他そいつをワーカブルなものにするためには、日本でいうと政令みたいなものを、実施細目を作らなければいかぬわけでございまして、そういう段階におきましても、ケース・バイ・ケースで日本の車両工業というようなものがオフショア・プロキュアメントというものを土台に、それ相当の勘定に入れて経営の規模もきめて投資もいたしておるわけでございまして、そういったことに急激な衝撃がないようにできるだけ配慮をしてもらうということで努力をいたしておるわけでございます。
○大和与一君 その現状において、私の考えでは、箱根会談以後、特別に認めるべき、日米間の経済、貿易関係はそう前進をしていなくて、逆にその箱根会談以前のような状態だというふうにも私はある程度考えられるのではないかと思うのです。これは詳細な言い方は別として、今度日本の大臣なんかおいでになって、そういう点がもしあれば、これは排除しなければならぬのですが、そういう現実をお認めになるか。あるいはその現実に幅があるとしても、とにかくアメリカとの間が正常でなく、日本側から言って、いかれている、こういう立場はこれは認めざるを得ないと思うが、それを認めるかどうか。それを一体土台にした立場で日本側としてはアメリカにどういう態度で臨むか。しかも、それに臨む場合に、一番大きな問題を一つか二つか、これだけはどうしても解決をしていきたい、こういうことがあれば、それもあわせてお答えいただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) こっちに事情があるように、向こうにも事情があるわけです。それで、向こうの政府でもどうにもならないむずかしい問題をかかえておられるわけでございまして、日本側がしてやられておるということをいろいろあげると、向こうはまた日本側にしてやられていることでこういうことがあるのだということでございまして、これはお互いさまだと思うのです。問題は、その提起された問題をささえている基盤という事実というものを双方が虚心に究明することが大事なのでございまして、そこで、双方国内経済をかかえているわけでございますから、可能な限り手を打っていかなければいかぬわけでございまして、日米の経済関係というのは悠久の関係でございますから、去年からことしにかけて急激に進展するとか、そういうようなことを考えることはやや観念的になるのではないか。しかし、これはひいき目で見るわけでないけれども、去年の今ごろと今日の状態と比べまして、当時大和さんなんかからも非常に片貿易是正論を私どもは聞かされたわけでございまして、この一年間にはかなりの改善を見たと私どもは思っているわけでございます、十分ではございませんけれども。そういう努力を無限に重ねていかなければならぬと思っておるわけでございます。もちろん私どもはこの問題は何とか解決のきっかけをつかまえなければならないのではないかというふうにわれわれはわれわれなりに考えているわけでございまして、そういうものに対する先方の見解というものをもっと深く究明しなければならぬし、また先方がその問題をどう見ておるかについても十分こっちも公正な気持で聞いて、そうして先ほど申しましたように、現実において可能な方程式を編み出すよりほかに道がないように思います。
○羽生三七君 私はこの前の臨時国会のときに、外務大臣に御要請をして、日本経済会議に臨む場合には、出席の関係各閣僚が十分な討議をして、日本側の見解を統一して臨まれるべきだという要請をして、外務大臣も了承して、すみやかにやりたいというお話があったわけですが、その過去のことはとにかくとして、今度もたとえば具体的に個々の一つ一つの品目については全然言いませんが、具体的にこの経済、特に国際経済問題なんかで、関税引き下げ等の問題、これはアメリカから言えば、通商拡大からEECとの関係、日本を含めて第三国通商関係で日本の貿易上の不均衡をカバーすればいいじゃないか、アメリカ側だけに求めるのはどうかということで来ると思いますが、その場合に、関税引き下げの問題も、先ほど国内問題だとおっしゃったが、それに臨む日本側の関係各閣僚間の十分な討議はできておるのかどうか。各閣僚はそれぞれ関係の省のそれぞれの考えを持っておって、出たとこ勝負の討議をするのか。根本的に、たとえば関税引き下げの要求があったときには、当然これに応じてガット閣僚会議参加もするし、たとえばその前提条件である差別待遇をアメリカが撤廃すれば日本もその関税引き下げ交渉に参加するとか、何かそういう基本的な態度というものは検討されて固まっておるのかどうか、その辺はいかがでありますか。
○国務大臣(大平正芳君) 何回かお打ち合わせをいたしまして、関係閣僚間おきまして大筋で一致した意見を持っております。ちょうど総理大臣も帰られましたので、明日、最終的な打ち合わせをいたして総理の了承を求めておこうと思っております。
○大和与一君 もう一つ、日韓会談ですが、私ども、さっき大臣が言われたアメリカ——まあ相手の立場を十分尊重するということは非常に賛成なんですけれども、従来の大臣の中で、やっぱりあなたが気魄とまでいかぬにしても、気骨ぐらいあるような気がするんです。決してアメリカなんかにとやかく言われたからっておれは負けぬぞ、こういうことがときどき片言に出ているわけですね。その点割合頼もしいと思っているんですが……。で、日韓会談ですが、新聞なんかによると、大臣が今それが一番悩みの種でなかなか寝れぬというようなこと——ほんとは寝てるんでしょうけれども——最終的には、今すべての総理大臣以外の相談はまず十二分に尽くして、いよいよ総理大臣だけの決裁と、こういう段階に来ておるというふうに書いてありますが、それは間違いないのか。それに対して外務大臣は、それをいつまでにというか、いつごろといいますか、まああなたのほうでは早いほうがいいと言うでしょうが、いつごろまでにぜひ総理大臣に腹をきめてもらいたいと、こういうふうに相談をされるのか、そこのところちょっと聞かしてもらいたい。
○国務大臣(大平正芳君) あれは大和先生も御承知のように、請求権という問題を主として私どもがまあ何か打開の道がないかと思って考えておったわけです。それで、そのほかの懸案は予備折衝の場面でやりたいという、また、やるべきであるということで、ずいぶんせっついておったわけでございますが、いろいろな懸案を同じ平面においてそれぞれの委員会に分けて進めて参るというのが正常な姿でございますけれども、請求権問題というものの目安がつかぬとなかなか進みにくいという事情がございますので、何とかこの問題の大綱につきまして一応の考え方を持たなければならないと思いまして、先方との会談もやったわけです。そこで今、帰国いたしました総理とはその点について、大綱につきましてお考えを聞きたいと思っておるわけです。しかし問題は、ほかにも懸案がたくさんございまするし、その懸案の中にはなかなか重要な懸案もございますので、私ども、甲乙を別につけておるわけじゃなくて、折衝の都合上、そういった問題を先に私の手元で打開の道を考えておるというのが現状でございまして、問題は、それではまずそれを片づけてからというわけにいかないわけで・全部一緒に片づけなければいかぬわけでございますから、ただこれを消化する技術上、そういう請求権問題のほうを少し目鼻をつけてみようということでやっておりまして、その問題について帰国した総理にひとつ御相談しようというのが今の段階でございます。で、ほかの問題につきましても一々やらなければいかぬわけでございますけれども、今の段階はそういうところを、ひとつ大綱を御相談申し上げようということでございます。
○大和与一君 なかなか大臣答弁うまいから、聞こうとするところをあまり言わぬのですけれども、各種委員会及び全体を含めて今のところ撃ち方待てという格好だったわけですね。ここで、今お話があったほんとうの大筋について総理の腹がまえを聞いたら、全体と各委員会もやはりガラス張りじゃない。まるで暗室の中でやっているようなもので困るけれども、それがずっと並行して行なわれていくんだ、したがって結論が今すぐ出るとか、あなたがアメリカへ行っているうちに出るとか、そう簡単なものでもないのだ.このくらいまではいいのですか。その総理の腹がまえというものは、財産権請求の問題について、名分か実質か、こうなれば、やはり実質を主として考えなければまとまらぬから、まあ実質的にまとめる、こういう腹がまえを総理にぜひ聞いておきたい、こういうことですか。
○国務大臣(大平正芳君) 御質問の趣旨がなにでございますが、私としては、まあ請求権問題につきまして総理と御相談申し上げれば全体の会談が促進していくと思います。しかし、具体的な問題、各懸案につきまして微細な点まで煮詰めていくということは相当時間がかかることだろうと思いまして、今まあ大綱といいますか、大筋というか、まあ相当かんなをかけて彫刻をせなければならぬ前の前の素彫りのものはできるだけ早くやりたいという手順で進めているわけです。で、今度総理の判断を求めていけば、そういう素彫りのものを作り上げることにつきましては相当促進するのじゃないかと思います。
○大和与一君 そうすると、まだ素彫りの時代ですね。あまり荒くやるとあとでできたものはもっと悪くなるのですからね、素彫りよりも。その辺は、では今のところは素彫りの段階だ、こういうことですね。それもまだほんとうに固まっていない、こういうわけなんでございますね。
○羽生三七君 時間もないようですから一つ。先日国連で岡崎大使が核非武装地帯の問題で演説された。あれは外務当局と十分打ち合わせの上でされたのかどうか。 もう一つは、日本を含めるアジアの問題については一体どういう見解を持っているのか。南米の地域については具体的に見解を述べたようですが、それ以外には非常に抽象的なもので、したがって、あの問題について、日本としては日本を含めるアジア地帯については何らかの見解を持っているのかどうか。そういう点をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 岡崎大使の演説は、もちろん政府と相談いたした上でやっております。 それから核停問題、核武装の問題等につきましては、従来から総理の施政方針演説その他で申し上げておりますように、日本といたしましては、政府ばかりじゃなく、各政党、各団体相当精力的にアピールを続けて参ったわけでございます。そういったたび重なるアピールにもかかわりませず、一向核保有国に影響力を与え得ないという隔靴掻痒の感を免れない事情であったことは御案内のとおりでございます。そこで政府は、本格的にこの問題をやるには、核保有国を有効にしばるような協定ができなければいかぬのじゃないか、そこに力点を置こうじゃないかということが一つの立場でございます。したがって、今御質問のアジア地帯におきまして核保有国が基地を持ったり、いろいろ施設を持っておるわけでございまして、したがって、そういうことを抜きにしてアピールだけやったんではたいして効果ないので、やっぱり核保有国が従わなければならぬような協定というものを作らない限り口頭禅に終わる危険があるんじゃないかということでございます。幸いに核停問題につきましては、いろいろな科学技術の発達もございまして、だんだんと問題が凝結しつつございまして、もうここを打ち破れば国際協定ができるんじゃないかという一縷の希望を私ども持つことができるような段階にだんだん来ておるわけでございまして、こういった問題と取っ組んでいくというのが政府の今の立場、姿勢でございます。つまりアピールだけでは、もうずいぶんやったけれども、たいして影響力がなかったじゃないかという反省の上に立ちまして、国際協定、しかもそれは核保有国全部をしばり得る国際協定、そこに介在する問題は何かという、その問題のケルンをつかまえて、それをどう砕いていくかということに今焦点を置いて努力いたしておるわけでございまして、岡崎演説もその範疇の中で御理解をいただきたいと思います。
○大和与一君 最後に、大臣そういうふうに言われましたけれども、新聞によると、池田総理は日韓問題はちゃんとおれがやるんだ、こういうふうに逆に外国からも放送をしておったような格好だから、あんまり個人独断にならぬようにしてもらわなければ困る。 もう一つ、せっかくアメリカへおいでになるので、またもう一つ池田さんがヨーロッパで、日本の労働者の賃金はもうちっとも低くない、えらくこう言って吹きまくってきましたがね、これはアメリカへおいでになってもお話し願いたいのですけれども、ルーサーも来ましたけれども、日本の組織された労働者の中のちゃんとした組合ですね、これはなるほどある程度安定してきたと思うのです。だから、その意味においては、いわゆるソシャル・ダンピングのおそれが少なくなった、そのことを言いたいために、少し池田さんも言い過ぎていると思うのだけれども、しかしそれよりも、第一には欧米のように社会保障制度が、日本はまだまだ非常にこれは政府の政策の貧困で低いから、これは実質賃金はうんと低いということが一つ。 第二には、未組織労働者が五百万以上もいる。こんなものは入っていませんよ。 第三には、臨時工、特殊工がたくさんおって、これは一人前の人間として労働者として生きる賃金をもらっていない。 その次には農村、山間の労働者は、食うことだけは自分のうちへ帰れば米があるんだから食える。これもまたいいかげんな賃金で雇われている。こういう実態があるわけですからね。その点やっぱりそのままおっしゃっていただかぬと……。何か日本の労働者がみんなえらい相当賃金がいいと、こういうことにはならぬと思うのですよ。そういう日本の潜在失業者が、あるいは潜在労働者というか、言葉はおかしいけれども、そういう実態をそのままおっしゃっていただいてやってもらわぬと困るから、これは一つ要望ですけれども、ぜひそういうことを十分理解をした上でひとつやってもらいたいと思う。
○国務大臣(大平正芳君) それは大和先生おっしゃるとおりでございまして、私は日本の賃金問題を賃金問題として取り上げるにはちょっと複雑過ぎると思うのです。やはりこれは経済の構造の問題なので、日本の一部の組織労働者の賃金は相当高い水準にあることも承知いたしておりますけれども、今御指摘のように、未組織、ないし組織されておりましても、大企業組織労働者との格差というものは無視できないような状況にあることは御指摘のとおりでございまして、したがって、これは経済の成長の問題、経済の構造の問題、近代化の問題につながるわけでございます。したがって、日米経済会議におきましても労働大臣が御参加いただいておりますゆえんのものも、そういう経済全体の構造面から十分先方にも理解を求めなければならないと思うわけでございまして、今御要望されましたことは、そのままそういう考えでおるということを申し上げます。
○杉原荒太君 ごく簡単に一つだけお尋ねいたします。 キューバにおけるミサイル基地の撤去に関連して、ソ連側は、一時新聞報道に伝えられたような、トルコ等におけるIRBM基地の撤去を要求しておるのかどうかということ。すなわち、初めからトルコ等におけるIRBM基地の撤去はキューバにおけるMRBM基地の撤去に牽連せしめて要求したのではなかったかどうか。あるいは、また初めはそのような要求をしたけれども、その後その要求はすっかりドロップされたのかどうか。あるいは、またその要求は今日でも要求として維持されておるかどうかという問題についてであります。それに関連して、キューバ問題に関するケネディとフルシチョフの往復書簡の内容、これは書簡だけでなく、交渉の内容は公にされていない部分が相当あるやに想像されるのであるが、その点政府はどういうふうに見ておられるか。また、ここで説明できるかどうかは別といたしまして、政府はキューバ問題処理に関することで、しかも、その中で今後全般的に国際情勢、国際関係全般に大きな影響があるような事柄についてアメリカ政府側から相当、あるいは十分とはいかぬでも、相当にインフォームされておられるかどうか。ことに、今指摘した点、すなわち、トルコ等の基地撤去についてのソ連側の要求の問題についてインフォームされておるかどうか。またアメリカ政府側からのインフォーメーションでなくとも、今言った問題についての判定の資料、あるいは確実な判定の資料というものを何らか持っておられるかどうか、またそういった今言った問題についての判定の根拠とともにお答え願いたいのですが、実はこの問題は、このキューバ問題に関連して米ソ関係を中心とする今後の国際情勢の発展をどう見るか、その情勢判断をする上の一つのポイントであると思うからお尋ねする次第であります。
○国務大臣(大平正芳君) トルコ基地撤去の問題は、キューバ問題初期の段階で御案内のように、一時出たことはございますけれども、その後しかしそれは立ち消えになりまして、キューバにおけるミサイル施設の撤去と牽連があると思っておりません。 第二点の、アメリカ政府とソ連政府との間の書簡の往復はずいぶん精力的に行なわれたように聞いておりますけれども、その内容はどちらからも伺っておりません。われわれ窺知できないことだと思います。 第三の、しかしながら世界の世論は、政府筋におきましても、また民間におきましても、どのように見ておるかということにつきましては、各大使館を動員いたしまして、ずいぶんあらゆる層からの判断の資料は収集いたしております。ほとんど読み切れないくらい、ずいぶん取っておるわけでございまして、しかし、これが定説であるというふうに私どもが確信を持って申し上げるというところまでは参っておりません。
○杉原荒太君 私の質問に対して今のでほとんどわかりましたが、ただ一つ、そのキューバにおける基地の撤去とトルコ等における基地の撤去というのとの関係について、これはもう関係づけ方の程度というものがあると思うのです。とにかくキューバに作っておった基地は、トルコの問題が解決しなければしないという、そういう意味でじゃなくして、これは解決する。しかし、それは解決するが、その解決後にトルコの問題を問題として残しておくというようなふうになっておるのか、全然ドロップされておるのか、それは正確にはわからぬにしても、その辺のところの推測程度、どういうふうに見ておられるか。まあしいて私そうしつこく質問しませんけれども、その辺のところどういうふうに見ておられますか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は、今先生が言われた後段のほう、つまり時限爆弾を置いておいたというふうには見ていないのです。問題はむしろ全体の軍縮問題という場面の問題になっておるのじゃないかと考えます。トルコの基地だけを取り上げて云々ということではないと思っております。
○理事(井上清一君) ほかに御発言もございませんようですから、本件につきましては、本日はこの程度で終わりたいと思います。 これにて散会いたします。 午後零時十四分散会