運輸委員会 第2号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/14
会議録
○委員長(金丸冨夫君) ただいまより運輸委員会を開会いたします。 初めに、委員会の定例日について御報告いたします。先ほどの委員長及び理事打合会におきまして、今期国会におきましても、従前どおり、毎週火曜日及び木曜日を一応の定例日といたしまして、必要に応じて追加していくことにいたしたいと思いまして、この決定をいたした次第でございますので、御了承願いたいと存じます。 —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、先般就任せられました運輸大臣及び政務次官から発言を求められておりますので、この際これを許します。運輸大臣綾部健太郎君。
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま御紹介にあずかりました綾部であります。このたび運輸大臣を拝命いたしまして、運輸行政を担当することになりました。運輸省に参りましてからいまだ二週間足らずでございまして、陸海空にわたる運輸行政には、現在各方面に重大な問題をかかえておりますことを痛感いたした次第でございます。私は、運輸行政につきましては、まことにふなれでございます。皆様方の深い御同情と御支援、御指導によりまして、これからの重要な問題の解決に当たりたいと念願いたす次第でございます。 この機会に、当面しておりまする運輸行政の重要な事項につきまして私の考えていることを簡単に申し述べて、皆様方の御協力を仰ぎたいと存じます。 まず、わが国経済の安定成長のかぎである国際収支の均衡をはかるため、海運、航空、観光等の貿易外収支の改善に努力するとともに、船舶、鉄道車両等の輸出の振興を強力に推進いたしたいと存じております。 特に海運については、その劣悪な企業基盤を強化して、将来にわたり国民経済における海運の使命を遂行するため、さきに海運企業整備に関する臨時措置法案並びに船舶職員法の一部を改正する法律案を提出した次第でありますが、これがすみやかな御審議をお願いするとともに、海運振興のための有効なる対策を今後とも講じて参りたい所存でございます。 また航空につきましては、世界一周路線、早期開設、国際交通路網の拡充に努力するとともに、外客宿泊施設、その他観光施設の整備を促進いたしたいと存ずるものであります。 次に、輸送力の増強につきましては、港湾、鉄道、道路等の基幹輸送施設の整備の立ちおくれが経済発展の重大な隘路となって現われましたことは、最近の苦い経験によって広く強く認識されているところであります。しかしながら、運輸施設の整備には巨額の資金と長い期間を必要とするものでありますので、合理的かつ計画的な整備を一時的な景気の動向にとらわれず推進して参る必要があると考えております。 このため、港湾につきましては、先年御決定をいただきました港湾整備五カ年計画の推進を、鉄道につきましても、国鉄五カ年計画の内容を慎重検討の上、東海道新幹線の早期完工をはかるとともに、鉄道網の整備を推進する等、輸送の増強に努める所存でございます。 また特に、最近における大都市の交通逼迫が大きく世論の関心を呼んでおり、政府としても、この問題の解決に努力を傾注し、成果を上げておりますが、運輸省といたしましても、今後さらに、地下鉄網の整備、自動車ターミナルの整備等を推進し、国民の期待にこたえるよう努力を続けて参ります所存でございます。 最後に、最近国鉄三河島事故を初め、重大な交通事故が発生しておりますことは、はなはだ遺憾でございます。今後一そう海陸空にわたり交通機関の事故防止対策を強力に推進して参りまして、海上保安業務、防災気象業務につきましても、施設、人員の充実をいたしまして、災害の防止に努めて参りたい所存でございます。 以上、運輸大臣就任にあたり、今後の運輸行政のあり方につきまして簡単に申し述べた次第でございます。何とぞ皆様方の御協力によりまして、ぜひ幾らかでも運輸行政が前進して参りますように念願してやみません。簡単でございますが、これをもってごあいさつといたします。何とぞこの上とも御支援、御協力のほどを切にお願いいたしまして、ごあいさつといたします。(拍手) —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸政務次官大石武一君。
○政府委員(大石武一君) このたび運輸政務次官に就任いたしました大石武一でございます。運輸行政にはふなれでございますので、皆様の御指導をいただきまして、大過なくその責めを果たして参りたいと念願いたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。相澤重明君。
○相澤重明君 運輸大臣に就任されてからわずかの期間であるわけでありますが、この間運輸行政についていろいろと大臣の所感が述べられておるわけでありますが、私はきょうは特に問題点をしぼってひとつお尋ねをしたいわけでありますが、それは、ただいま大臣からもお話のあった三河島駅の事故を初めとして、踏切関係の事故が非常に多い。これに対する抜本的な対策というものをどう処理するのか。こういう点は、きわめて国民の大きな関心事でもあるし、同時にまたわれわれ運輸専門家の立場としては重大視しなければならぬ問題だと思うわけです。そういう点について運輸大臣がいろいろお話をされておるようであるが、この問題についてひとつしぼって大臣の御見解を発表願いたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、さっき申しましたように、まだ就任いたしまして二週間くらいでございまして、実際を把握することがなかなか困難でございまして、責任は私が全部持ちますが、鉄監局長にその間の事情を説明さしていただきたいと思います。
○相澤重明君 それでは、私はまあ、事務的なことについては、鉄監局長の説明もよろしいと思います。しかし、この基本的な問題として、大臣が、これら踏切関係事故が起きた問題について重大な考えを私は出されておるのではないかと思うのです。それは一つには、事故が起きるというと、事故そのものを究明しないうちに、これがよかったか、悪かったかと、こういう問題が比較的議論をされることは、少し早いような気がする。そういう問題について、国鉄のたとえば首脳部が、いいとか悪いとか、国鉄の職員がいいとか悪いとか、こういうようなことが比較的単純に話をされるというようなことは、私は事故の内容というものを追及をした後でなければなかなか明確なことはできないと思うのだが、そういう点について世論におもねて、そうして事の真相というものをともするというと没却してしまう、そういうおそれがありはしないかという点を心配をするわけです。そういう点について、大臣として、やはり所管の最高の責任者でありますから、事務的なことは別にして、立場上の御見解が私はあろうと思います。そういう点を大臣から承っておきたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、根本的な考えについては、相澤君と変わったことはありません。ややともすれば、この事故の原因、これに対する施策等を究明することがおくれて、ただ責任問題ということのみに世論が向くことは、私は遺憾に思っております。私は私なりに考えておるのですが、事のいかんにかかわらず、国民に迷惑をかけたということに対しましては、私は衷心から、国民の代表である皆様方に、この機会を利用して重ねておわびを申す考えでございます。その他の事故の具体的の方途につきましては、ただいま申し上げたように、鉄監局長をして説明いたさせたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○相澤重明君 運輸大臣が基本的な問題を討議をしないで、それで事務的なことについて局長なりあるいは担当の者に話をさせるということについては、私はまず第一に、こういう事故が起きたのに対して、政府が責任を持ってこれからどう対処するのか、こういうことは、当然私は、これだけの大きな問題であるから、政府部内においても議論があったと思う。私は、報道関係だけを聞けば、あなたは池田総理大臣ともお会いになってお話をされたこともあるやに聞いておる。あるいは、閣僚の中でもそういう話が出たとも言われておる。しかし、私はわからぬ。閣議のことは閣僚の皆さんでなければわからない。したがって、国民は、この起きた現実の、人の命がなくなる——何といっても人命を尊ぶのがわれわれの一番の大事な仕事である。したがって、この人権尊重、人命を全うするためには、政府はどうしたらいいか。これは当然、踏切対策の問題を含めて、そういう交通問題について、私は政府の中にそれだけの対策が持たれなければならぬだろうと思う。それをしも持つのか持たないのか。持っておったらどうしたのか。そういうことがお話がなくて、ただいわゆる局長なり関係の担当者に説明をさせるというだけでは、私は池田内閣のいわゆるこの世論に対するほんとうの答えにならぬと思う。だから、その点を、私は国務大臣として、特に運輸関係の最高の責任者としての——それはまあ確かに、就任以来二週間程度のことでありますから、これは時間的なある程度の問題はある。しかし、これは政治家としてのこの内閣の席におる立場では、私はやはりこの点は明らかにしなければいけない、こう思うからお尋ねをしておるわけです。この点はいま一度御答弁をいただきたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 相澤君の重ねての御質問でございますが、相澤君のおっしゃることに少し私は間違いがあると思います。と申しますのは、閣議におきまして責任の帰趨について論議したことはありません。それから、私は池田総理にもこの責任問題について会ったことはありません。それだけははっきりひとつお答えいたしておきます。報道関係の諸君の間において、いろいろその問題について論議があることにつきましては、私は承知いたしております。そして、世論の動向をよく見きわめた上、善処いたしたいと考えております。
○相澤重明君 大臣のせっかくの御答弁をいただいたのだけれども、私の発言に違ったところがあるかないかということは、これは、私が先ほど申し上げたように、閣議のことは知らぬ。だから、それは間違っておったら、間違っておったでいいです。ただ、私が聞きたいのは、これだけの世論に重大な関心を持たれておる事故、特に運輸交通関係の問題について、やはりあなたは最高の責任者であるし、同時に、池田内閣としてこういう重大な問題が議論をされないということ自体が、もしそうだとすれば、これはたいへんなことだと思う。池田内閣は、人がいかに死んでも、そういうことはおれは知らねえ、こういうことに簡単に言えばなってしまう。これは重大な問題です。そうでなくて、今秋が受けた感じでは、この問題だけについてお話をされたかどうか、これは別です。別ですが、少なくとも、運輸交通関係のこれだけの世論が出ているのだから、この問題について、池田内閣として、閣議の中で、あるいは専門家の中でお話があってしかるべきである。それを聞きたい。それがないならないでいいです。池田内閣はそういうことはやらない、こう言うなら、それで私はよろしい。けれども、私としては、そういういろいろな報道を聞いているから、どうもあったように思うがどうだ、最高 責任者いかがですか、こう実はあなたにお尋ねしている。いかがですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) お答えいたします。その事故について、私は閣議で詳細に報告いたしました・その事件について閣議で話し合ったことはあります。がしかし、人事問題について、いわゆる責任の帰趨について論議した——新聞報道等に伝えられているような論議をしたことはありません。
○相澤重明君 まず、あなたが所管大臣として閣議の中でこの事故の報告をされた、これは当然だと私は思う。それに対して、一体内閣はどういうこれから対策をとろうとするのか、それから現実の起きた事故についてどういうふうな処置を講じようとするのか、その点は話はないのですか。あなたの報告を閣議では聞きっぱなし、あなたは言いっぱなし、これだけですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) そうです。そのとおりです。その聞いたまま申し上げております。
○相澤重明君 これは私は、あまりあなたが専門家でないとおっしゃったから、私もしろうととしてお話を聞いているのだけれども、それじゃあまりにも困るのだな。これだけの重大な事故をあなたが責任ある所管大臣として報告をされたならば、閣議で了承を得るためならば、それなら所管大臣としてどうその対策を作っていくかということを、具体的に私はやはり閣議の中で相談されることがあってしかるべきではないか。そうでなければ、池田内閣は、まあ起きたことはしようがねえ、こういうことはあとやってほしくねえ、こういうことだけで、責任は向こうのほうにやっちまって、自分たちは知らぬ顔の半兵衛、こういう形に聞き取れるのです。だから、それであっては、私は池田内閣の重大な責任だと思う。だから、内閣の中に、こういう事故を将来起こさないように、どうする。たとえば踏切対策委員会を内閣の中に設置するとか、あるいは交通事故というものをなくするように、政府では閣僚がどういう人が当たってどうするのか、対策は根本的にどうやるのか、こういうようなことくらいは、私は今日の事態に政府としての当然の処置ではないか。それをやらないとすれば、池田内閣というものは、全く国民の人命というものを無視した内閣である。こう指摘されても仕方がないと思うのです。だから、まさかあなたはそんなことじゃないと思う。あなたは大臣として、今までの経過も十分関係の局長にも次官にも聞いているだろうし、国鉄の総裁、副総裁にも聞いているだろうから、やはりそういうことを将来なくするように、閣議の中でも、また池田内閣全体としても、こういう問題の対策というものを立てられるものだ、こう私は確信を持っているわけです。そういうことを、できれば近いうちに、この衆参運輸委員会に政府の考え方として出されてしかるべきである、こう私は思うのだが、そういう点については全然お考えがないのですか、運輸大臣、いかがです。
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、交通閣僚懇談会というのがございまして、そういうことをいかにすべきかということにつきましては、閣議ではありませんが、交通閣僚懇談会で真剣に検討されて、予算の許す範囲において根本的な対策をそれぞれ当該者に申しつけてあります。そうして、それを順次実行するはずになっております。決して、池田内閣が人命の尊重の念がないというのは、私はさようには思いません。
○大倉精一君 関連して。どうも大臣、あなたは冒頭に、私は就任間がないから何もわからないから、事務当局に説明させる、こういう冒頭の答弁がありましたがね。私はこれを聞いておって、何かどうも割り切れない気持になったんですよ。きょうの相澤君の質問は、前に通告済みのはずなんです。でありますから、あなたは下僚に命ずるか何かで、南武線の事故の実態については、十分やはり事前に準備をされて出てきておられるはずだと思う。それを大臣が、おれは就任早々だからわからぬから、局長かだれかに答弁させる、これでは、少しこの委員会に対しての大臣の態度としては、私どもはどうも了解しにくいのですよ。また、閣僚懇談会とか閣議だとかおっしゃいましたけれども、これはずいぶん事故が起こってから日にちがたっておりますから、しかも、新聞等で見ますというと、大臣は国鉄当局に対しては、まあ前は何かしかりおくようなことだった。大臣は具体的に何か指示されているようですね。こういう問題について、運輸省として、この事故に対して今後どういうことをするか、抜本的なことは検討中としても、これからどうするかということくらいはあってしかるべきだと思うのです。そういう答弁をされずに、おれは就任早々だからわからぬから、事務当局に説明させる、これでは、どうも私は聞いておって、理事として、けしからぬと思う。これはひとつどうかそういう点について、あらためてあなたの答弁を承りたい、お答え願いたい。
○国務大臣(綾部健太郎君) 今の大倉君の質問でございますが、私は具体的に、実際専門的なことで、わからないのです、正直に申しまして。そこで私は、根本の踏切対策、それからいろいろな根本策については、監督局長に指揮して、そして速急に実現するように、新聞にも出たと思うのですが、あるいは高架式にするとか、あるいは無人踏切をなくするとか、これはたいへんな金がかかることで、予算の許す範囲内においてやれということを命じております。しかし、具体的にどこにどう踏切をやって、どうすればいいかということは、私はちょっと答える知識を持たないのです、はなはだ残念ながら。
○大倉精一君 方針はあるでしょう。
○国務大臣(綾部健太郎君) 方針は、すでに申しましたとおり、無人踏切をなるべくなくす。それから、少なくとも六大都市等においては立体交差をやるとか、これはたいへんな金もかかるし、何らか財政当局とも交渉して、今後の問題としてやる、かように考えております。
○相澤重明君 今大臣の、とにかく就任早々だと言われてしまえば、それは全くそうだと思うのですよ。それはよくわかる。しかし、少なくとも所管大臣としては、今、日が浅いから、古いからということだけじゃ済まぬと思う。僕の前に、前の運輸大臣の木暮さんがいるけれども、やはり大臣ともなれば、関係の者をみな呼んで、すぐやはり、そういう事故があった場合に、これを一体どうするか、内閣としてどうするのだ、こういうことはきめなければならぬ。そういうことで、私としては、抜本的な対策というものを政府が当然取り上げて、池田内閣としては、国民の皆さんに今後心配をかけない、どうぞ安心をして、交通問題にもひとつ御理解をいただきたいというくらいのことが私はあってしかるべきだと思う。こういう点をお答えいただきたかったのでありますが、残念ながらそれがない。これは、今の大臣のお話を聞けば、基本方針はわかっているから、今大蔵省なり関係のところと話をして、そして新年度に対する措置をとろうということだろうと思うのですよ。高架線とか、あるいは公団とか、いろいろなことを言っております。しかし、私は、いまひとつ憎まれ口をきけば、たいへん申しわけないが、やはり役人が勝手なことを、いろいろなことを発表して、できもしないことを、夢みたいなことを言われても、私は困る。こういうことは、やはりきちっとして、運輸省の所管としての仕事に精出してもらいたい。そうでないと、いかにも、今あなたのほうから出たから言うけれども、公団を設けて、そうして十年たったらどう、二十年たったらどう、それは将来は国鉄にどうする、私鉄に買い取らせてはどうか——そんなことを言ったって、国民は安心しない。また、池田内閣の短命内閣は、どうせ言いっぱなしで終わってしまう、こういうことになってしまう。それじゃうまくない。国民のやはり生命財産をあずかる内閣、あるいはそれに協力する国会という立場からいけば、私はやはり、真実性のあるものを国民の皆さんに示す、これが大事だと思うから、ひとつそういうのを早急にまとめて、衆参両院の運輸委員会に提示を願いたい。政府としては、交通問題についてはこうするというひとつ大綱を、基本方針がきまっているなら作れると思うから、それを作って出してもらいたい。 それから、その次に私がお尋ねしたいのは、一体現在起きた事故に対する責任体制、それから被害者に対するととろの補償、こういうような問題については、今どうされているのか。これは運輸大臣報告を受けたかどうか知りませんが、もし受けておったらお答えいただきたいし、受けておらなかったら所管局長なり国鉄当局の責任者からお話を伺いたい。
○政府委員(岡本悟君) お答え申し上げます。南武線の事故につきまして、死傷者に対する措置でございますが、死傷者に対する弔慰方につきましては、死亡者に対しましては香典料としておのおの二万円、それから重傷者に対しましてはお見舞金として一万円、それから軽傷者につきましては五千円、この程度の措置を申し上げております。それから負傷者に対する治療費につきましては、ひとまず国鉄において支払っております。 それから死亡者に対する弔慰金でございますけれども、これはまだきめておりませんが、いろいろ前例も調べまして、国鉄のほうにおきまして適切に措置させまして、遺憾なきを期したい、かように考えております。
○相澤重明君 国鉄のほうから何か。
○説明員(吾孫子豊君) 死傷者の方々に対する当面の措置といたしましては、ただいま鉄道監督局長から御説明のありましたとおりでございまして、とりあえずそれぞれお見舞を持って参上いたしますと同時に、おけがをなさって入院していらっしゃる方々に対するさしあたりの手当は、国鉄のほうでお世話を申し上げております。 それから、おなくなりになった方々に対する補償の問題につきましては、これまた、鉄道監督局長から申されたように、前例その他も勘案をいたしまして、しかるべく善処いたしたいと思っておりますが、従来の例等もあることでございますけれども、今回の事故は、少なくとも直接国鉄職員の過失等に起因した事故ではございませんので、私といたしましては、国鉄のお客様であられる方々がおなくなりになったり、あるいはおけがをなさったりしたことでございますので、善後措置については、十分遺憾のないように措置をいたすつもりでおりますけれども、事の筋道から申しますと、こういう場合には、いわば事故の原因を最初に作られたトラックの運転手の方がいわば加害者というような立場にあられると思いますので、賠償の事務の筋道としては、その加害者の人、あるいはまた一方において自動車事故に対する賠償保険の法律の定めもございますし、そういうような方法で賠償その他のことは一応どこまでやっていただけるか御検討を願いますとともに、国鉄といたしましても、それらの状況をあわせ考えまして、お客様に対する取り扱いとして遺漏のないようにいたしたい、このように考えております。
○相澤重明君 今の見舞金なり、あるいは治療費等の点については、お話はわかりました。けれども、なくなった人とか、あるいはこのために重軽傷を負われた人たちは、現実に普通の満足なからだであれば生活ができるわけでありますが、満足なからだでなくなれば生活ができなくなるわけですね。そこで、私は運輸大臣にひとつお尋ねしておきたいと思うのですが、たとえば、今の副総裁の言うように、事故を起こした者は、坂根建設のトラックが加害者であるといたしましても、その支払い能力の問題、あるいは保険をどうするか、こういうような問題について、これは能力があるとかないとかいうことだけで、国鉄は全然関係がありませんと、こう言うだけでは、私はなかなか問題が解決しないと思うのですね。私も実は、この参議院から、あの事故の起きたちょうど一時間ならぬうちに溝ノ口へ飛んでいって現場をすぐ見ました。実に凄惨な姿だった。私が現地に行ったのは午後六時十分ごろでした。それからですよ、ヘリコプターがたくさん飛んできて写真をとったのは。ですから、そのときに行って見ましたけれども、これは非常にあの地域における条件が私はやっぱり事故を大きくしたものだと思うのですよ。また、そうできたものだと思うのです。そういうことからいって、根本的な対策というものは、先ほど大臣にお話しましたように、政府が抜本的に作ってもらいたいと思う。そういう条件もあるのであるから、これは政府としても考えなければならぬことじゃないか。これは実は私は、三十四年の第二京浜国道の火薬事故のことを当委員会で言ったことがある。あれは、その当時のことを言えば、砂利を運搬をしておる人が無理をして、火薬を積んできたトラックにぶつかった。それで、第二京浜国道は大きな穴をあけると同時に、その周囲の二百軒からの家が飛んだり、なくなったり、あるいは死亡した人も出た。これに対しては補償がないのだ。当時池田さんが通産大臣でありました。これはいけないじゃないか、こういう法律の盲点というものを改定していかなくちゃいけないじゃないか、こう言って、運輸省、あるいは通産省、自治省、関係者がみんなして相談して、とにもかくにも事故を少なくするようにしょう、補償もなるべく多くしようと、こういう話もありました。今度の場合は、それとは若干ケースが違いますが、やはり事は人命に関することであるし、生活の問題でもあるし、今後事故を起こさないことは、将来の問題として対策を立てるにしても、起きた問題に対しては、政府の責任はもう全然ない、こういうふうにお考えになるか。それとも、今国鉄の副総裁は若干の味のある言葉を残しておるようだが、そのことはどうかということは最後にはお答えできないだろうけれども、運輸大臣としては、一体こういう問題をどうしようとお考えになりますか、ひとつ大臣どうですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私冒頭申しましたように、原因のいかんにかかわらず、国民に迷惑をかけたことにつきましては、はなはだ残念に思って、国鉄当局にも、その善後処置につきましては、最善を尽くすようにということを指示してあります。それで、国鉄としてもでき得る限りのことはするだろうと期待いたしております。
○相澤重明君 それでは私、今南武線の事故の問題にきょうの話は入っておったんだけれども、前の三河島事故については、かなり日がたっているのだけれども、どうなりました今あなたの言うように、国鉄の所管大臣としましては、指示しました、前の運輸大臣も指示しましたと、こういうことだろうと思う。大臣には変わりはないと思う。こういう点は解決しましたか、大臣は報告はどういうふうに受けていますか、大臣どうです。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、完全に解決したという報告はまだ受けておりません。
○相澤重明君 委員長、説明さして下さい、監督局長や副総裁から。
○説明員(吾孫子豊君) 三河島事故の事後処置といたしましては、何と申しましても、あのような事故を繰り返さないようにするということが一番大切な問題でございますので、人的な面におきましては、関係職員の指導訓練に一そう力を入れる。また、物的な面におきましては、それぞれ運転事故防護のために必要な設備面の改善をはかる。これがためには、保安対策を全体として、現在私どもが考えております五カ年計画の中でも用意はしておりましたけれども、さらに急速に、物によりましては時期を早めて繰り上げて実施しなければならないものもあるというようなことから、ただいま五カ年計画の内容そのものにつきましても、運輸省当局の御意向も伺いつつ、検討を重ねておるような次第でございます。一方、この事故の犠牲となられた方々に対するそれぞれの賠償の処置等につきましては、おけがなさった方々に対する処置は、まだ三十数名の方が病院に不幸にして入っておられますけれども、これらの方々に対しては、もちろん国鉄の責任においてお世話申し上げておりまするし、また病院における看護ということ以外にも、いろいろ生活上の問題その他につきましても、できるだけ御相談に乗れることは乗るようにいたしておるような次第でございます。それから、おなくなりになられました方々に対する賠償のことでございますが、これはかなり長い間いろいろ御遺族の方々の間でも問題がございまして、私どもできるだけ関係の方々の御納得を得た上で問題を処理しなければならないと考えておりましたので、だいぶ時間もかかっておったようなわけでございまするが、先ごろ大体の方向につきましては、御遺族の代表の方々との間においてもある程度お話がまとまりましたので、ただいまその線に沿うて個別に賠償の事務を進めさしていただいておるようなわけでございまして、まだ全部の方々についてそれらの補償の仕事が完了したとは申し上げかねますけれども、大多数の方について現在すでに御了承を得ておりまするし、また残った少数の方々に対しましても引き続きお話を進めておりますので、そう長くないうちに全体の方々に対するお話もまとめることができるのではないかと思っております。ただいまの進行状況は大体そのような次第でございます。
○相澤重明君 少なくとも、まあ今の最後の点から申し上げますならば、なくなった人たちに対する問題が長引くということはいけないことだと思うのです。早急に解決するように、これは国鉄も、それから監督官庁の運輸省も、大臣はやっぱりこれを銘記していただきたいと思うのです。それでないと、やっぱりお役所仕事だ、こういうことになろうと思うんです。こういう点は、ぜひ努力していただきたいと思います。 それから、今のお話を聞いておりますと、第一、第二のお話は、いわゆる保安設備、あるいは職員の訓練、こういうようなお話を聞いておったのですが、たくさんの事故が起きておるわけでありますが、昨年度のいろいろ事故の件数等も、起きたのを見るというと、昨年一カ年間でも、事故件数としては三千百二十三件、死者が九百二十四人、負傷は千四百二十八人、こういうような事故が起きておるということをいわれておるのでありますが、実際にこれが新聞で報道されるような大きいものから小さいものということを言えば、まだ私はたくさんのあると思うんです。特に目立ったものが、三河島事件、あるいは今度の南武線事件、こういうふうに言われるわけですね。 そこで、私は、運輸省なり国鉄は——通じて考えて、一体設備が悪いからこういうふうな事故が起きたのか、職員がたるんでいるからそうなったのか、あるいはこれは不可抗力だったのか、こういうようないろいろなケースがあると思う。そういう点を、私は、もう専門的に皆さんはお考えになって、どうしなければいけないかという結論はもう出ておると思うんです。そこで、今は予算編成の時期でもある。今吾孫子総裁の言うのには、五カ年計画を遂行していくにも、このままではなかなか問題があるという御発言であった。そういう点について、運輸省と国鉄は、そういう事故を起こさないための一体立場で今後の予算編成をしていくのか、それから、とにかく機械とか、あるいは保安とかということをいろいろ言われても、一体この問題の中心になるものは、踏切事故の一番多いのは、無人踏切、人がいない、あるいは警報器がついていない、注意ができない、こういうところにいわゆる事故が一番多いということをいわれておるわけですね。したがって、そういうまず人の命あるいは財産の損害を少なくするために、無人踏切をなくする、とにかく無人踏切をなくする、こういうことに政府は全努力をあげて、そうして特に多いところでは人を置いて、そして国民の生命、財産を守る、こういう基本的なお考えに立っているのかどうか。これだけは、私は、本日も、ただ単に南武線の事故がまだきまっていないからどうということじゃなくて、今までの問題を見ても、抜本的に考えていかなければならぬ、こういう中の一つの重大な私は問題だと思う。こういう点についてはどうお考えになっているか、ひとつお答えをいただきたい。
○政府委員(岡本悟君) 踏切対策につきましては、御承知のように、従来、政府といたしましては、踏切道改良促進法を制定いたしまして、その線に沿って改善を進めて参ったわけでございます。その要点は、すでに御承知のように、大体交通量の非常に多いところは、立体交差にする。それから、それに次いで交通量の多いところ、あるいは列車回数の多いところは、平面交差でありましても、保安設備を取りつける、こういうことで進めて参ったわけでございます。しかし、南武線の事故が起こりまして、さっそく、翌日九日に、大臣初め幹部の間におきまして、対策を考究いたしたのでございますけれども、こういった事故が出て参りますと、重点的に交通量の多いところだけを保安設備を整備するということでは足りない、結局、今仰せのように、無人踏切を、いわゆる警報器その他の保安設備のない踏切を全部なくする。こういうことでないと、こういった事故は防げない、こういった結論に到達しまして、大臣から、無人踏切をなくすること、それから大都市にあってはなるべく高架にしていく、それから二メーター以下の道路は自動車の通行を制限ないし禁止する、そういう方向へ持っていくべきだという大綱についての御指示がありまして、目下のところ、われわれ事務当局におきまして、その具体化を急いでおります。 その大綱を、ごく大ざっぱな案でございますけれども、申し上げてみますと、踏切道改良促進法では、国鉄、私鉄通じまして、約五千九百カ所の平面交差につきまして保安設備を整備する、こういう計画でございましたけれども、南武線の事故にかんがみまして、要するに自動車の通行可能である二メーター以上の踏切を全部保安設備を整備するということに考え直しまして、しかもやはり自動車の側の事故によって起こります事故が結局複線区間で非常に大きな危険をはらむのでございますので、特に二メーター以上の無人踏切で複線の区間に最重点を置いて整備しよう、こういう考え方をとったわけでございます。 そこで、現在踏切道改良促進法に基づきまして計画しております五千九百カ所は、当初は三十六年度から昭和四十年度まで五カ年間に整備するという予定でございましたのを、これを三カ年に繰り上げまして、昭和三十八年度中に全部やってしまう、こういう計画でございます。それから、複線の電車を運転しております区間が、大体国鉄、私鉄を合わせまして八千七百カ所の踏切がございます。ですから、来年度三十八年度から三カ年間に踏切警報器等の設置を完了しよう、こういうことでございます。それから、そのほか約二万カ所に上る、電車区間以外の、あるいは複線区間以外の個所は、昭和四十一年以降五カ年間で全部警報器等を取りつける。こういう計画で具体案を作りまして、さっそく大蔵省に三十八年度の予算要求をいたしまして、これから説明するという段階でございます。 計数的に申し上げてみますと、三十八年度におまきしては、ただいま申し上げましたように、五千九百カ所のうち、あとまだ三千二百カ所残っておりますので、この最初の計画を三十八年度に繰り上げてやるということにいたしますと、国鉄が三十八年度は約二十四億、私鉄は十四億四千万円かかるわけでございます。ここで緊急整備をいたしますので、国の補助率、あるいは地方公共団体の補助率も、若干これを上げまして、しかも補助対象というものを、現在の踏切道改良促進法におきましては、赤字欠損の地方鉄道ないしはこれに準ずるものというふうに限定されておりますものを、この補助対象を全私鉄に拡充するという考え方、それから複線電化区間は、三十八年度、三十九年度、四十年度に、先ほど申し上げましたように、八千七百カ所を全部警報器等を取りつけるという考えにいたすわけでございますが、三十八年度はとりあえず、国鉄は五百カ所、私鉄は二百カ所——七百カ所をやろう、三十九、四十年度にそれぞれ四千カ所程度をやりますと、昭和四十年度までに八千七百カ所を完了いたすのでございますが、この複線電化区間の分につきましては、国鉄が六億円、それから私鉄が五億四千万円、こういうふうにかかるわけでございます。全部八千七百個所をやりますというと、国鉄は六十八億四千万円、私鉄は三十六億円でございます。そのほかの、複線電化区間以外の線区につきましても、先ほども申し上げましたような踏切保安施設を整備いたすということになりますと、総計で約三百八十億近い経費を要することになっております。 そこで、ただいまのところでは、国鉄はみずからの力においてやる、それから私鉄は、国の補助あるいは地方公共団体の補助の率を上げる、あるいは対象を拡充するというふうな方法でもっていきたい、かように考えており ます。 なお、この都市の鉄道の高架化につきましては、すでに新聞紙上でも御承知のように、都市高架化公団というふうな公団組織で、政府から長期、低利の、具体的に申し上げますと六分五厘程度の、三十年くらいの金を借り入れまして、最小必要限度、必要な高架をやっていこう、こういう考え方でございます。場合によっては、この踏切の保安設備の緊急整備も、この補助という問題が片づかなければ、この高架化公団でやはり政府から長期低利の資金を借りて、とりあえず緊急整備をして、それをある程度の長期の年賦で国鉄なりあるいは私鉄に買い取らせる、こういうことに考えております。問題はやはり、二メートル以下の道路につきまして、はたして自動車通行の制限、禁止するというふうな、相当強硬な措置が可能であるかどうかという問題でございますが、これは目下のところ警察当局とも折衝を開始しておりまして、相当好意的な言葉をいただいておりますが、ぜひともそういうふうな措置を近々三年ないし五年のうちに完全に実施いたしまして、国民の皆さんが安心して交通機関を利用できるというふうな態勢に持っていきたいと考えております。 なお、この南部線の事故を起こしました道路は、これは会社の専用の、私道的な踏切でございますので、直ちに国鉄をしてそこに保安設備を会社の負担において作らせるというふうな指令を発しております。
○相澤重明君 これは今の鉄監局長の説明したことは、運輸大臣が指示をしたことを役所でまとめた、つまり運輸省で幹部がまとめた、こういうふうに聞いていいですか。それとも運輸大臣は、その中に参画しているのですか。どうなんですか。あなたが指示をしれで今のそういうことを運輸省て、その幹部が話をまとめた、あなたもその中に入ってまとめた、どっちなんです。
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりです。入っておりません。指示してまとめたのです。
○相澤重明君 そうすると、池田内閣としての基本的な問題というものは、今の運輸省の鉄監局長が説明をしたことというふうに即座にはならぬわけだな。そう理解していいね。
○政府委員(岡本悟君) 一応具体案をまとめて、いずれ先ほど大臣からお答えがありましたように、交通関係閣僚懇談会なり、あるいは内閣の交通対策本部なり、こういったところに具体案を提示いたしまして、関係各省の協力も要望する、内閣としても踏切の事故の防止対策に全力をあげていただくという態勢に持っていただくように配慮したい、かように考えます。
○相澤重明君 これは池田内閣の中でも異例な大臣だといわれて、河野建設大臣がだいぶ評判がいいのだが、やはり今のこの話を聞いていると、これは十カ年計画だ、そうでしょう。この十カ年計画で、とりあえずやることは、三カ年間にやることはそのうちの何%、もうごく一部、そのほかの大多数は、こういう政府はプログラムは持ちますよ。しかしその間は、通る人は損ですよ、あなたは死ねばあなたが損です、こういうことになるということですね。これはできないんだから、プログラムだから。 そうするというと、私はやはり池田内閣の重点施策というものは、どうやるかということを非常に注目をするわけですが、しかし、私どもは、ただ単に言うだけを言っておればいいというものではなくて、やはり専門委員会としては、そういう事故を起こさないように、早くに実際にやってもらわなければならぬ。これが国会と内閣の関係だと思うんですよ。そうすると、せっかく説明をしてもらったのはいいけれども、もし、運輸大臣が中に入っていないらしいからいいけれども、もしあなたが中に入っておって、こういうことになったら、私は、あなたは無能力者だと、こう言わざるを得ない。これではいつまでたったって事故というものは減らない。そこで、河野一郎建設大臣じゃないけれども、ひとつ思い切ってやるというようなことはできないか。そういう点を私は、ひとつあなたに研究してもらいたいこれが一つ。 それから二つ目には、何といっても、これまでは、プログラムだけはできたけれども、現実に踏切に警報器もつかなければ、いわゆる立体交差もできないのだから、そうするというと、何といっても、国民の人たちは、まさかそこに踏切はあるけれども、通っちゃいけないということにはならない、これは通らざるを得ないのだ、その地域条件だから。そこで、その事故を最小限度に食いとめる、事故をなくするというときにはどうするかといえば、人を置く以外にないんじゃないか、人を置くということを考えたことはないんですか、運輸大臣は。当然生命、財産を守るため人も——機械も大事だ、設備もよくしなければならない、これはわかった、わかったけれども、これは十カ年計画ですよ、こういわれている。その間に、今年のうちには、そのうちの何十分の幾つしか、これはできない。そうすると、全然国鉄あるいは私鉄について人を配置をしして、まず事故を防止するというようなことを考えたことはないか、あるか、この点いかがですか。
○政府委員(岡本悟君) これは、もう御承知のように、交通量の非常に多いところには遮断機がありますし、また踏切の職員が専従して、これに当たっているわけでございますが、問題は全踏切道に全部そういった関係職員をつけるかどうかという問題であろうかと思いますけれども、これはやはり現在のところでは、非常に経費が多くかかる問題でございますので、相なるべくなら、この警報器あるいは自動遮断機とか、こういったものでやっていくべきではないか、こういうふうに考えております。もちろん踏切道改良促進法に基づきまして指定する踏切につきましては、人をつけるというような方法で指定しているところも相当ございますけれども、大半はやはり警報器等の自動的な設備でやっていきたい、かように考えております。
○相澤重明君 吾孫子副総裁に聞いておきたいんですが、今の国鉄の踏切関係で、直さなければいけないというのは何個所ですか。——私のほうはデータを持っているんだがね。
○説明員(吾孫子豊君) 直さなければいけない場所というお尋ねでございますけれども、直し方はいろいろあると思うのでございまするが、立体化するところもございましょうし、また警報器をつけるところもございますし、あるいはそれにプラス自動遮断機をつけるというようなところもございまするし、全体について今幾らあるかというお尋ねに対して、ちょっと簡単にお答え申し上げることはむずかしいのでございます。
○相澤重明君 よし、わかった。その次に、今のそれでは国鉄の無人踏切というものは何個所あるか。
○説明員(吾孫子豊君) 無人踏切は、現在概数で申しますと、おおむね三万七千近くございます。
○相澤重明君 運輸大臣、今の副総裁が言う三万七千というのは概数ですが、これはもっとこまかく出ている。そこで、そういうまず警報器があるとか、立体交差ができるとか、こういう個所は、まだある程度の防止はできるわけだ。一番問題なのは、無人踏切というのが一番問題だ。無人踏切としても、三万七千そこそこだというわけだ。どうです。この無人踏切にとりあえず、警報器、自動遮断機ができないというところには、あなたは、さっき言った十カ年計画で待ちますか。それ、とも、さっき一つの例を出しましたけれども、河野建設大臣のように重点的にやれということができますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 重点的にやれと申します。
○相澤重明君 それでは重点的にやるというならば、まず生命、財産を守るという建前なんだから、それを守るためのやはり人を置く。大したことじゃないのですね、これは。そういうような重点的に考えを持っていかれますかどうかです。
○国務大臣(綾部健太郎君) 大したことじゃないことはない。予算、相当金がかかりますから、財政上の見地からも考えまして、財政の許す範囲においてやります。
○相澤重明君 大したことじゃない。昨年一カ年の死亡者幾人です。九百二十四人、九百二十四人の国民の生命を断っておる。千四百二十八人の国民が傷ついている。これはたいへんですよ。これ十カ年間待ったらどうしますか、少しオーバーかもしれない。三カ年間にやる。しかし三十八年度以後じゃなければ、実際はあまりできない、今監督局長が言ったとおりだから。それまでにまだまだ自動車はふえますよ。あなた経済の問題をさっきお話になったけれども、自動車の年間製作だけでも八十万台、これは百万台になりますよ。いいですか。ことしの上半期だけをとっても、これはたいへんなんですよ。四十万台こしているのですよ。こういうことから考えてくれば、この三年間というもの、これから自由化されてくれば、自動車というものはますます盛んになる。そうすれば道路と交通関係というものは、ほうっておくことができない重大なものだ。そのときに二万や、三万の人間のことで、国民の生命、財産がこれで何千人というものが死んでいるということになったらたいへんですよ。どうしてもこれは守らなければならぬ、こういうことに私はなると思う。おそらくあなたも人情大臣だから、そういうことになると思う。 そこで、そういう点を検討して、きょうは全部お答えしろといっても無理ですし、時間もありませんから、私は了解しますが、そういう点を検討してひとつ次に、こうしましょう、池田内閣として、あるいは担当の運輸大臣として、国鉄に対し、私鉄に対し、こういうふうに直したい、またこういうふうにして、最小限度のひとつ生命、財産を守っていきたいという事故対策を続けて私はあなたに作ってもらいたい。ちょうど予算編成期であるし、たとえば先ほどの新幹線の問題の話があったが、よほどの腹をきめてやらない限り、今の交通問題というものは解決しない。そういう点で、きょうはあなたが就任早々の、少し口が悪かったかもしれども、あなたにやってもらいたいから、それで私は申し上げた。 それはひとつあなたに、この次の委員会で出してもらうことをお約束願いたいのですが、どうですか、やりますか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 調査でき次第にやります。
○相澤重明君 それはそれとして、先ほどの南部線の問題について、いま一つ最後に聞いておきたいのは、会社の私有道路であるから、ないからということで放任はできないと思う。先ほどこれに保安設備をさせるとか何とか言っておったが、これは早急にやってもらいたい。どちらが負担するとかしないとかいうことは、それは第三者は関係がない。いわゆる監督官庁とその所有者との関係の問題であって、やはり生命、財産を守るという立場でいえば、これは早くしてもらわなければいかぬ。 それから事故の対策の一つとして、事故によって多くの人がやはり傷をついているわけです。現在なくなった方と重軽傷者は何人になっておりますか。
○説明員(吾孫子豊君) おなくなりになった方は、国鉄職員も含めまして三名でございますが、けがをなさって、ただいま病院に入院して、おいでになる方は六十三名でございます。
○相澤重明君 入院が六十三名、死亡が三名、それからその見舞金をすでに出した人たちがおりますね。傷は負われたけれども帰られた者は何人になっておられますか。
○説明員(吾孫子豊君) 全部合わせますと、けがをなさった方は百九十二名ということになっております。そのうち六十三名という方が現在病院に入っておられます。
○相澤重明君 これらの人たちに対しても、先ほどの三河島問題と同じように、若干内容は違うにしても、早急にこれらの問題について解決するお考えですか。これは運輸大臣に聞きますが、いかがですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 調査済み次第、早急にやるということを指示いたしております。
○相澤重明君 これらの関係者の方は、おそらく大臣のところに遺族の人なりあるいはけがをされた人が、それぞれの団体の方が行くと思いますが、そういう点については、大臣が十分話を聞いて、私は早急に今あなたの答弁されたように、この事故が解決するように努めていただきたいと思います。 それはそれとして・先ほどの抜本的なものがきまったならば、本委員会に御提示をいただきたいと思うわけであります。それはそれで、事故の問題は一応話はわかりました。 そこで、これらの今までの事故の問題について一番先の点に戻るわけですが、何か運輸大臣が、先ほど大倉君からも言ったのだが、国鉄総裁に何か言ったことはありませんか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 警告を発しました。こういう事故を再び起こさざるよう万全を期してもらいたいという警告を発しました。
○相澤重明君 運輸大臣が警告を発したのは、それだけですか。つまり事故をなくするために、自分は責任者としてこれからも一生懸命やるという形で、しかもこの事故というものを今後起こさないようにしろという注意なのか、それとも、お前たちのやっていることはけしからぬという、こういうものの言い方なのか、あなたの趣旨はどうですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は事故をなからしめることが一番大事なことであるから、事故をなからしむるよう責任を持ってやれということを厳重に戒告いたしました。
○相澤重明君 きょうはそこまで答えさせるのも無理かもしれぬし、時間の関係もあるかもしれぬが、これはものは言いようで、まるくもなれば三角にもなるということわざがありますが、やはりものも言いようで与える影響というものはきわめて大きいわけです。とにかく第一線に働いておられる職員は、もう全くの話が非常な努力をしておられる。私は現地をこの事故が起きたとき、すぐ飛んで行って見ている。そこの警察署長なり消防署長なり駅長なり職員が出て、実によく働いておられることを見ている。それがあなたの言葉一つによっては、とにかく萎縮してしまうこともあれば、あるいはほんとうに今後努力して、こういうことは一生懸命なくすようにしなければならないという気持になることもある。その点は、あなたはどういうふうになっているかということをあとで聞いてもらいたい。これはやはり、ただ単に政府が声明を出せばいいとか、警告するということだけではだめだ。やはり人を作らなければならない。池田さんにもそう言っておった。しかし少なくとも国鉄の職員が、ほんとうによく働いておられることは事実なんです。それらの事故が起こらないようにしてもらうと同時に、これらの問題については、もっとあたたか味のある私はあなたの何らかの措置がとられなければいけないと思う。一生懸命に働いておる者についてはそうして、なおかつその事故を起こさぬように、起こさせないように、抜本的な対策を講ずべきだ、こういう点を特に私は注文をしておきたいと思うんです。この点は、あなたがあとで聞いてもらえばわかると思うんですよ。 あなたは、そういうところを先日警告を発したと言うが、下の職員は、何か運輸大臣に怒られっぱなしでもって、それで萎縮してしまうと、こういうことであっては私はならないと思う。むしろ職員には一生懸命働いてもらって、待遇もよくして、そして事故が起きないで、安心して国民の国鉄になると、こういうふうにあなたはやってもらいたいと思う。どうですか。これは運輸大臣の御答弁をひとつ聞きましよう。
○国務大臣(綾部健太郎君) 全く同感でございまして、そうすべく努力するつもりでございます。しかしお考えが願いたいことは、やはり国家財政とにらみ合わさにゃなりませんから、その点は御了承願いたいと思います。
○委員長(金丸冨夫君) 大倉君並びに河野君から発言の申し出がございました。順序によりまして大倉君。
○大倉精一君 きょうは大臣初めての委員会ですから、この交通緩和並びに交通事故の防止の点については、抜本的な問題をいろいろお伺いしたいと思うんですが、これから大臣が、いろいろなこの点についての施策をされる上において、考え方をひとつ聞いておきたい。原則的な問題で、まず先ほどからずっと国鉄の言い分を聞いておりまするというと、事故は国鉄の責任ではないと、こういう工合に言っておられます。トラックの責任であるというふうに言っておられます。しかしながら、なるほどこれは形式的にはそうかもしれませんが、鉄道軌道の上を走るものは優先権がある、これも私は認めます。踏切に出るたびに徐行しておったのでは、これは使命達成はできません。権利はありますけれども、そのかわりに、ただいま汽車が通りますよということを知らせる義務がある。その方法はいろいろあるでしょう。知らせる義務があると思うんですが、そういう点については、大臣のお考えはどうですか。優先に走る権利があると同時に、国民には今ここを走りますよ、来ますよ、通りますよということを知らせる義務があると思うんですが。国務大臣(綾部健太郎君) 私はよくわかりませんので、責任者に答弁させます。
○大倉精一君 これはわかるわからぬじゃなくて、一つの理念の問題なんです。あなたはこれからいろいろな、こういう点について施策をおやりになる上において、なるほど鉄道の軌道の上を走る権利がある。優先権があると同時に、そこを人間なりあるいは車なりが交差する場合においては、今ここを走るぞということを通報する義務がある。通報の方法はいろいろあるでしょう。遮断機もあるでしょう。相澤君の言う人間のもあるでしょう。あるいはチンチンという警報器もあるでしょう。あるい警笛を鳴らす方法もあるでしょう。いろいろな方法がありますけれども、そういう義務もあるということを私は考えなければ——これは決してむずかしい話じゃないんですよ。そんなことを事務当局に答弁させるべきものじゃないですよ。
○国務大臣(綾部健太郎君) それは当然のことのように思います。
○大倉精一君 そこで、これは無人踏切をなくせということをいきなり言いましても、なかなかこれは困難だと思います。特に今三カ年にどれだけのことをやるという計画を聞きましたけれども、相澤君が言うように、なかなかそれはできません。そこで私は三河島のときに特に国鉄に注文しました。踏切なり、あるいは路盤のゆるみなり何なりという危険な場所を早急に調査をして、その危険な場所をとりあえず手当をしなければならぬことを注文しましたら、そうしますということだった。そうなっていない。特に私は踏切の問題については、全部一ぺんにやれということはなかなかたいへんですから、全国何千個所かある踏切の中で、どの踏切が早急にせんならぬかという個所があると思うんですよ。私は相澤君と同じように、南武線の現場へも行ってみました。みましたが、あすこは非常に急なカーブなんです。急なカーブで、私が自分で車に乗っているつもりであすこへ乗ってみましたけれども、かりにあそこで運転手が一たん降りて、左右を見て、よし、何も来ないといって車を乗り出したら安全かというと、そうじゃない。ひょいとカーブの陰から、あの踏切は出て来ます。だからこの踏切りは、助手がおって、ずっと遠くに立って誘導するなら大丈夫です。大丈夫ですが、やっぱり車に乗ってひょっと出てみなければわからぬというふうにこういう踏切りに何も通報措置もせずに、いきなり、通過するとの通知義務もしていなかったということは、われわれとしては、これは検討しなければならぬ。これは相手が私道であるとか何とかいうことと別問題ですよ。私道であるというところに、そういうところに鉄道を敷かした責任はだれだ、そういうことになってくる。大きな抜本的な問題になってきます。 私はそこで、大臣にこの際注文をしたいことは、たくさんの踏切がありますけれども、とりあえず通過の通知をしなければならぬ踏切、警報をしなければならぬ踏切、警報の手段、方法はそ、の踏切によって違うでしょう。そういう手段方法、措置を早急にしなければならぬと思うのですけれども、その点いかです。
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりです。さように考えます。
○大倉精一君 お考えはそうでしょうが、それをやられるという大臣の決意を伺いたいのですがね。
○国務大臣(綾部健太郎君) そういう決意を持ちまして、それぞれの責任者に指示しております。
○大倉精一君 そこで先ほどから聞いておりますというと相沢君の質問に対して、一々ごもっともだけれども、財政の問題がありますからと、こういう答弁がありまして、私は財政の許す限りという答弁は当たらない。そういう危険個所をずっと調べて、早急に必要な場所は万難を排してやる、こういうふうにやらなければ、財政の許す限りにおいてやるということになったら、これは国民は一体どうなる。早急にそういう危険な場所を調べさして万難を排してやるという、そういう決意がなければ、当面の間に合いませんが、いかがですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろんそういう決意は持っておりますけれども、現実の問題として財政の措置がなければできないと思うのですよ。決意はあなたのおっしゃるとおりに持っております。一番大事なことですから。
○大倉精一君 鉄監局長にお伺いしますが、私が今言っていることは、高架線を作れとか、立体交差にせいとか言っていないのですよ。それは大へんな費用がかかりますよ。私の言っているのはああいう南武線のような、いわゆる八千七百個所あるという踏切の数の中に入っているか入っていないのかという問題があるのです。そういう危険な個所を調べてチンチンをつけるということはそんなに金はかかりますまい。これがたいへんな金がかかるということだったら、事故が起きたらたいへんな金がかかりますよ。私は高架線をやれとか、立体交差を今やれと言っているのじゃない。
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろんそういうことは調べ次第にやりますよ。
○大倉精一君 やりますよといって、そういう答弁じゃなくてですよ、私の言っているのは、あえてあなたの足を引きとめて申し上げておるのは、テーブル・プランを立ててもやれないから、そういうとりあえず全国的に組織網を動員すれば、とりあえず危険な個所——一、二を言えば三河島のような場所、それを調べて、これは万難を排してやる。財政の問題じゃありません。いかがですか。
○政府委員(岡本悟君) これは先ほど御説明いたしましたとおりでございまして、今仰せのような措置を早急に調査いたしまして整備いたしたい、そういう考えでございます。つまり、やはり交通量の多いところだけでなしに、どんな交通量が少なくても複線区間におきましては、そういう事故が起こる可能性があるわけでございますので、そういう複線区間から重点的にやっていこう、こういう考え方でございます。もちろんその中でも、先生のおっしゃったような見通しの非常に悪いといったようなところは、最優先に取り上げていくべきものと考えて、おります。
○大倉精一君 それは次回、あるいはその次の機会でもいいんですけれども、そういう早急にやらなければならぬところは何個所あるか、予算はどれだけか、これをひとつ聞かしてもらいたい。
○政府委員(岡本悟君) それは先ほど申し上げましたように、複線の電車区間では約八千七百個所、こういうふうに推定いたしております。
○大倉精一君 その予算がわかっておりますか。
○政府委員(岡本悟君) 八千七百個所やりますのに、大体三百八十億かかる予定でございます。
○大倉精一君 私が言っておるのは、八千七百個所のうちで、さらに優先的にやらなければならぬところがある。何百億もかからずに、やるところがありますよ。そういうところを早急にやれということを言っておるんですから、八千七百個所のその中に、早急にやらなければならぬところ、こいつを調べてみて下さい。簡単なことで事故は防げます。南武線は特に事故の現場は三回です。一回は人身事故、一回はあそこの会社に納めに行ったトラックがやられています。あれはやられるべき運命にあったかもしれません。一ぺんぱっと出ませんと、みんなが言わないんです。ですから、そういう個所をぜひやって下さい。それを怠っておって、連隊長の訓示があっても始まりません。以後を注意をせいと連隊長が訓示をして、一将功成りて万骨枯るで、責任の一切を第一線の者に転嫁して、そして軍司令官が黙っておる。そういうやらなければならぬ個所がある。それでもなおかつ事故がいろいろありましょう。が、やるんですね。 それから、先ほど二メーター以下の交通を禁止するということを、これは関係当局と打ち合せをしておるということですが、けっこうな話ですけれども、これを画一的にやろうとするからややこしいのです。二メーター以下の道路でも、全く通らなければならぬ必要な個所があるのです。そのときには通す手段を講じなければならない。通す手段を考えなければならぬ。お役所仕事で、二メーター以下は絶対通っちゃいかぬということは、ややこしいのです。調査はめんどうかもしれませんほれども、どうしてもやらなければならぬところは通す方法を講ずるのです。安全手段を考えなければなりませんよ。そういうことは、大臣いかがですか。どうですか。無理ですか。
○国務大臣(綾部健太郎君) お説ごもっともです。
○大倉精一君 そういう工合に折衝されれば、当局との折衝もそうむずかしくない。これはぜひとも考えてもらいたい。要するに、きょうはいろいろこの問題、大事な問題でありますから、追ってじっくりやります。 総理大臣の所信表明の中にも、交通混雑の緩和と事故防止のことに関しては触れておりません。非常に遺憾ですよ。社会党の質問の中にもそれがありませんから、遺憾に思っている。日本の一番大きな問題は交通問題です。交通問題を総理大臣の根本問題の中に含んでおらぬということは、私は遺憾と思う。口ではいかように言っても、さような政治力を第一線に押し上げてもらいたい。 以上、要望しておきます。
○委員長(金丸冨夫君) よろしゅうございますね。—— 次には河野謙三君。
○河野謙三君 私は運輸委員会というのは初めてでございまして、したがって全く右も左もわかりませんので、幼稚な質問をいたしまするが、大急ぎで勉強しようと思いますから、委員の各位並びに委員長にも、その点をあらかじめ、今後数回勉強させるつもりでひとつ、ごしんぼういただきたいのです。たとえば、今委員長が「てっかん局長、てっかん局長」と言った。私は「てっかん局長」って何だかわからない。いろいろ隣で聞いてみたら、鉄道監督局長だから鉄監局長だと、そういう言葉は皆さんに通じるけれども、私は通じない。非常に私は幼稚です。これから聞くことも、きわめて皆さんから見れば、そんなことを知らんかと言われるけれどもごしんぼう願いたい。 私がきょう伺いたいのは、例の鉄道弘済会のことですが、弘済会はどういう性格のもので、どのくらいの人間が働いて、一年間の予算はどのくらいのものか、これを大づかみに伺いたいと思います。資料はあとでいただきますが、大づかみにひとつ伺いたいと思います。
○説明員(吾孫子豊君) 鉄道弘済会と申しますのは財団法人でございます。財団法人でございまして、たしか昭和七年だったと思いました。床次鉄通大臣の寄付行為で、五千円の寄付行為でスタートした財団法人でございます。そうして、その財団法人の設立の目的は、事業としては鉄道の構内営業、つまり売店のようなものでございます。そういうようなものでございますとか、あるいはいろいろこまごましたものでございます。たとえば鉄道の貨車に使います、貨物輸送に使いますシート、ロープの修繕の工場でございますとか、あるいは国鉄は非常に公傷者等が多うございまして、機能障害を残したり不具者になる者が多いのです。そういうような職員のための義肢、義足の製作修理の仕事でございますとか、その他いろいろございます。総括的に申しますというと、国鉄の職員の中の殉職者の遺族、家族、それから公傷退職した者、けが人の本人または家族、そういったような者、あるいは国鉄を退職した生活困窮者というような者も相当ございます。そういうような者の救済ということを一方において目的としつつ、それに必要な所要の財源は駅の構内の売店とか、あるいは食堂をやるとか、そういうことによって得た収入で、そういういわゆる社会事業をやるということでスタートしたわけでございます。 で、戦争中、戦争の終りまでは大体そういう目的で通してきたのでございますが、終戦後その救済援護の対象にしておりました鉄道関係者というワクを広げまして、それ以外の一般のいわゆる生活援護を要するような方々をも対象とした社会事業を幅広くやるということで、現在では厚生大臣の所管される社会事業団体という指定を受けておりまして、単なる鉄道の直接、間接の関係者以外の生活困窮者その他の救済事業をやっております。 それで、今その弘済会の収容しております職員の人数は、うろ覚えでございますので、違っておるかもわかりません。後ほどまた正確に申し上げますが、かれこれ二万人に近くなっておりはしないかと思います。 それから一年間の売り上げの額でございますが、今ちょっと手元に……調べればわかると思いますが、金額のほうは、もし間違ったことを申し上げてはいけませんから、調べましてお答えいたしたいと思います。
○河野謙三君 財団法人であるということはわかりましたが、そうすると、監督官庁はどこになりますか。
○政府委員(岡本悟君) 運輸省でございます。私のほうの局で、実際の仕事を担当いたしております。
○河野謙三君 監督の程度ですが、予算の編成の当初から監督指導されるんですか。ただ会計検査院的に決算面についての監査をされるという監督ですか。
○政府委員(岡本悟君) これは公益法人でございますので、御承知のように公益法人は、それぞれ主務大臣で監督いたしておりますが、大ざっぱに申し上げまして、その公益目的を十分達成しておるかどうかということに主眼を置きまして監督いたしております。したがいまして、もちろん予算につきましても、あるいは決算につきましても、一とおりの説明は聞きまして、もし足りないところがあれば指示するというようなことはいたしております。
○河野謙三君 私は、いずれ弘済会全体の……
○委員長(金丸冨夫君) 河野君……
○河野謙三君 五分や十分の時間はあるでしょう。……ここでは簡単にやります。 これは資料をいただきまして、いずれかの機会に時間をいただいて、私は万般についてお尋ねしたいと思いますが、とりあえずきょうここで伺いたいのは、国鉄スワローズの問題です。あれは何か聞くところによりますと、弘済会の機関ですか。そうなっておるのですか。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄スワローズは、あれは弘済会とは別でございまして、球団株式会社、別の会社になっております。
○河野謙三君 あれは当初から全然鉄道の関係機関には、何にも関係なくスタートしたものですか。
○説明員(吾孫子豊君) 性格といたしましては、初めから別会社でございます。ただ、国鉄の現職の職員とか、あるいは国鉄の関係のいろんな事業団体とか、そういう意味では鉄道弘済会、これも入っていますが、そういうようなものがスワローズの後援会というものを作りまして、その後援会に、それぞれに応分の寄付をしておりまして、そういうことで、主体は全然別の会社でございます。
○河野謙三君 そうすると、弘済会そのものは、国鉄スワローズには物的には全然関係ない。寄付行為その他はないのですか。
○説明員(吾孫子豊君) 寄付行為というようなことはございません。ただ関係団体として応分の、何と申しますか、資金の応援をある程度やっております。
○河野謙三君 関係団体というのはどこですか。
○説明員(吾孫子豊君) 一番大きいのは国鉄自身でございますが、これは国鉄の職員が、私どもも給料の中から毎月後援会費というのを納めております。そういうものを拠出しておりまするし、あとはいわゆる外郭団体といえるかどうかいろいろ問題もあるかと思いますけれども、たとえば日本通運株式会社とか交通公社とか、いろんなそういったようなところで、それぞれある程度の応援の意味の資金を供給しております。
○河野謙三君 わかりました。関係団体というのは、いずれも国の直接もしくは国の機関に関係のあるものということはわかりましたが、そういう機関が、今鉄道事故等で見舞金が多いとか少ないとか言っておるときに・それとこれとは財布が違うといいましても、国民感情からいきまして、国鉄スワローズという名前のもとにプロ野球球団を持って、赤字か黒字か知りませんけれども——私は赤字じゃないかと思うのだが、そういうことをやっておることは、過去は私は問いません。これから一体、そういう感覚でいいか悪いか。これは私は運輸大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(綾部健太郎君) 私も河野議員と同様な考えを持って、いかがかと考えております。
○河野謙三君 最後に一つ伺います。私がこの問題を出しましたのは、最近新聞によりますと、国鉄スワローズが産経新聞の何かと合併するとかどうとか、買収するとかいう話が出ておりましたが、今の国鉄の性格からいきますと、いわゆる国鉄スワローズというのは、寄付行為じゃないかもしれませんけれども、後援しているということですが、だんなですね、国鉄スワローズのだんなに相談がありましたか、球団の合併とか何とか。あってしかるべきだと思う。ないはずはないと思う。私は、それは何も意地悪く質問しているのじゃない。そういうチャンスがあれば、この際そういう機会に、きれいさっぱりとこれから足を洗って、産経なら産経に国鉄球団は差し上げて、きれいさっぱりしたらいいじゃないか、いいチャンスじゃないか、こう思うのです、これについて、どう思いますか。
○説明員(吾孫子豊君) ちょっと私も、先ほどの御説明で言葉が足りなかったと思いますが、国鉄自身はスワローズに対しては何も出しておらないのであります。国鉄の職員が、自分たちの給料の中から後援会費というものを出している、こういうことでございまして、国鉄からは何も出しておりません。したがいまして独立の株式会社であります。スワローズの会社自体の問題につきまして、国鉄は別に監督権があるわけでもございませんし、国鉄当局として相談を受けるというようなことはございません。 したがいまして、私が聞いております話は、最近何かスワローズが会社として増資をすることになった。そしてその増資分を産経新聞が引き受けることになったという話を聞いておりますけれども、これは国鉄が相談を受けてどうこうというような性質のものじゃございませんので、別にそういう意味では、相談を受けておりません。
○河野謙三君 それなら私は、国鉄という名前を取ったらいいと思う。誤解しますよ、世間で。これは私どもだけじゃありませんよ。おそらく天下万民、国鉄のおかかえの球団だと思っていますよ、現在だって。そういう誤解を受けるからやっぱり……。鉄道の職員というものは、私はずいぶん給料が多いと思う。職員組合費を払って、そのほかに国鉄スワローズにまた応援費を出す。私は、そういうことがほんとうであるならば、国鉄の職員がみんな国鉄スワローズの応援費を出しているというなら、これはずいぶんおかしなことだと思う。それは幹部が出しているのか、国鉄職員が組合費と同じように千分の一か万分の一か払っているのか。どうなんですか、それは。
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄職員の全員というわけではないと思います。やっぱり後援会に加入した者だけが出しておるのだと思います。したがいまして、やはり国鉄の全組織を通じて見ますというと、地方によっては、あまり出していない所もあります。出している所もある。ただ、スワローズが発足いたしました当時、国鉄の何と申しますか、昔、社会人野球として東鉄とか門鉄とか名鉄とかいうのが出ておりました。そういうような所の選手であったもともと国鉄職員であったような連中が、スワローズのスタートのときにはたくさん入りましたし、そういうようなわけで、国鉄スワローズというものが生まれたわけでございます。名前の点は、確かに先生の御指摘のようにいろんな意味で誤解の種になっておると思いますが、私ども絶対に国鉄という名前をつけておかなければならんとは、何もきめているわけでもございませんのですが、歴史的な関係もございまして、みんなが、そういう親しみを持っておりますので、この国鉄の職員の中に、相当数有志の者がおりまして、これを応援しているという関係でございます。
○河野謙三君 委員長がいいかげんでやめろという顔しているから、私はやめたいと思いますが、いずれにしてもいろいろ今、国鉄を中心にして問題の多いときに、国鉄が進んで……、あなただけが承知して、これは悪いことじゃないと言ったって世間は知りませんよ。世間から誤解の起こるようなことはやめたらいいじゃないですか。国鉄スワローズが産経と合併するということは、大臣初めあなたたちは無関。係、知らないと言いましても、われわれは知らないじゃ済まないと思います、過去の歴史からいきまして、だから、そういうことは一切清算されたらいいと思う。国鉄スワローズがプロ野球の興隆に大いに貢献したことは私は認めますよ。認めますけれども、今、一般は、大洋や大毎や近鉄と同じように、一私企業がプロ野球の球団を持っているのとは違うじゃないですか。その中にたった一つ、性格は今伺いましたけれども、世間からは、国鉄の球団だというふうに認められるようなことは、こういう万般ないろんな困難な問題を控えて国民の批判の的になっているときに、国鉄自体から、池田さんじゃないけれどもまず姿勢を正したらいいと思う。決していいかげんな問題じゃありませんよ、これは。そうじゃないですか。何でそういうことをやっておるか。国鉄という名前は、実際は国鉄に値しないのだと言われましても、じゃ国鉄という名前をむやみに使ってかまいませんが。私が運送屋をやる、国鉄運送株式会社、国鉄土建株式会社でやる——世間は承知しないでしょう。あなたは許さぬでしょう。ただ野球に関してのみは、国鉄球団というものを認めるということは、ほんとうにこの機会にお考えになって、私は意見として押しつけるわけじゃございませんが、産経との合併の問題があるならば、この際、新大臣のもとにおいて、きれいに国民の誤解を解くように清算されるように私は強く要望しておきます。
○委員長(金丸冨夫君) よろしゅうございますか。
○河野謙三君 よろしゅうございます。
○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(金丸冨夫君) 速記を起こして。 他に御質疑はございませんか——。他に御質疑がないようでございますれば、本件につきましては本日はこの程度にいたして、散会いたします。 午後三時五十分散会