文教委員会 第5号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/08/31
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 請願の審査に入ります。 本日の請願日程第一、高等学校教職員待遇改善のための校種別給与体系確立に関する請願より日程第二九二、学生の自治活動の自由に関する請願を一括して審査いたします。 各請願の趣旨は、すでに請願文書表により御承知のことと思いますので、委員会における紹介議員の説明並びに政府の所見聴取等を省略し、理事会の協議に従い、直ちにその採否を決したいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 それでは本日の請願日程中、第二、第五ないし第二八九の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○床次委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、ただいままでに三十七件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○床次委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会といたしましては、閉会中もなお、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案、学校教育に関する件、社会教育に関する件、体育に関する件、学術研究及び宗教に関する件、国際文化交流に関する件、文化財保護に関する件、につきまして、継続して審査いたしたい旨議長に対し申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○床次委員長 次にただいま議長に申し出ることといたしました各案件が付託されました場合、本委員会といたしまして、閉会中委員を派遣して調査をする必要が生じましたならば、議長に対しその承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○床次委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になりました場合、今会期中調査のため設置いたしました文化財保護に関する小委員会を、閉会中もなお引き続き存置したいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異諸なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長につきましては従前通りとし、委員の異動等に伴う小委員の補欠選任等、並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○床次委員長 次に、学校教育に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、この際これを許します。小林信一君。
○小林(信)委員 この国会は、たまたま政府の予算編成の時期でありますので、他にも重要な問題はございますが、われわれとしては来年度の予算を要求するについて、政府にいろいろと申し入れをしたい、こう思っておったんですが、国会も終わることになるし、しかもきょうの新聞を見ますと、文部省の重点施策きまるという見出しで、要求する予算の内容等が出ているわけですが、できるだけこの際われわれの意向というものを文部省としても聞いてもらいたく、実はきょう申し上げようと思ったのですが、大臣もお留守のようでございますが、そういう意味で二、三、特に一般の人たちが希望する問題を申し上げたいと思います。 まず最初に、文化財の問題でございますが、かつて文部大臣は、私は文化財保護委員会には関係がないのだ、建物を貸しておくだけだ、こういうふうな放言をされておるのですが、しかし文教予算の中には、一応文教予算要求として文化財の問題も組込んであるが、一体文部大臣は、この問題についても真剣に取り組む考えがあるのかどうか、やはり一応形としてこの中に入れてあるが、一切それは文化財保護委員会の責任でやるのか、この点を実は明白にしたいわけですが、大臣がおられぬので、その中の経緯というようなものを、事務局長でもけっこうですが、文部省の方の責任ある御答弁ができたら、お伺いしたいと思います。
○宮地(茂)政府委員 文化財につきましては、文部大臣は委員等の任免権を持っておりますし、また予算につきましては、文部大臣が文化財の予算も同時に大蔵省に要求し、政府といたしましては、文部大臣が予算の編成は最終の責任を持って当たることになっております。従いまして来年度の所要の予算につきましては文化財保護委員会とも十分相談をいたしまして、文部大臣としても積極的に、熱意のある予算要求を来年来いたすべく、準備しておる次第でございます。 詳細につきましては文化財保護委員会事務局長からお答えいたします。
○清水説明員 ただいま官房長からお答え申し上げたのですけれども、財政法上、国有財産法上、各省各庁の長は、文化財保護委員会の委員長ではなくて、大臣でございますので、毎年度概算要求につきましても文部省と連絡協議をしまして、文部大臣の指示によりまして、文化財保護委員会における予算につきましても、来年度相当の決意を持っていろいろな事項を要求いたしたいと準備いたしておる次第でございます。
○小林(信)委員 当然そうあるべきだと私たちも考えておったのですが、大臣はまことに無責任で、責任を回避するためにどういう条項をとったのか知りませんが、かつてはそういう答弁をしたことがあるわけですが、大臣が言ういろいろな教育の問題を考えても、文化財行政というものを無視することは大臣としてできないし、また法的にも相当な責任がある、私はこう考えるわけでございますので、今の御答弁のような筋合いを大臣がもっと確認されて、この際特に文化財予算の要求というものには全力を注いでもらいたい。と申しますのは、過日も新聞に出たのですが、奈良の平城宮址の土地の買い上げの問題が相当望みがあるというようなことが出、しかもきょうの新聞によりますと、文部省要求として相当な額が考えられておるようである。従ってこの中には平城宮址の土地の買い上げというものも考慮されておるのではないか。しかし額とすれば多少私たちが不安な点があるのですが、この点も希望が持てるような気がするのですが、望みがあるとかないとかいうことよりも、文化財並びに文部大臣としてこの問題を強力に——今、各所に要望の声が起きておるし、学者諸君も非常に熱心にこの問題と取り組んでおるわけです。学者諸君の意向を聞けば、埋蔵文化というふうなことを考えておる人たちは、平城宮址の問題いかんによって、前途にも希望をなくすことすら考えられる、従って何とかしてこの問題を善処してもらいたい、こういう要望があるわけなんですが、この点について文部大臣もほんとうにほぞを固めて立ち上がっておるかどうか、あるいは文化財保護委員会においては、当然のことだと思うのですが、決意を持って臨んでおられるかどうか、一言承りたいと思います。
○清水説明員 ただいま御指摘の平城宮跡を中心といたしまして、埋蔵文化財を包蔵いたしております土地が、経済の発展に伴いまして破壊されるおそれがある、しかも平城旧跡がことしの春以来問題になって、学界を初め一般国民からもこれを保存しなければならぬという強い要望がございます。私どもといたしましても、祖先の文化遺産をどういうふうに保存して参ったらよろしいかということにつきましていろいろ検討して参ったのでございますが、まず私有ではいかぬ。公有か国有。しかし現在あそこを国が掘っておりますし、同じ遺跡でも平城宮跡は特別史蹟でもあり、土地も広大である。これがやはり、日本の埋蔵文化財の遺跡の中でも最高のものに位するというようなことを勘案の上、国でもってできるだけ早い機会にこれを買い取り、そうして発掘もし、今後いろいろ教育等に活用して保存して参りたいという決意で、ほぞを固めておるわけでございまして、私ども微力ではありますけれども、最大の努力を払ってやって参りたいと思います。財政関係もございますので、今後大蔵省との折衝もあるわけでありますが、とにかく最善の努力を払って参りたいと思います。
○宮地(茂)政府委員 ただいま文化財保護委員会事務局長が答えました通り、平城宮址につきましては、文化財保護委員会も、これが買い上げにつきましては非常な御熱意を持っておられますし、その話を文部大臣とも相談いたしまして、文部省といたしましても全面的に文化財保護委員会事務局の予算要求に賛意を表し、文部大臣として大蔵省へ予算要求をするつもりでおります。
○小林(信)委員 時間がないことでございますので、それ以上申しませんが、ぜひ一つ努力してもらいたいと思うのですが、学者諸君の切実な訴えを聞けば、こう言っております。私たちはあるテーマを持って研究をしようとしておる。ところが今はそのテーマに取っ組むというふうなことが許されない。至るところで、経済の成長政策のためにいろいろな遺跡というものがこわされる。あそこでもこわされる、ここでもこわされるということを聞いて、その破壊される遺跡を追いかけているのが私たちの現状だ。しかも今度は、それを何とか政治的に解決してもらう以外にないということで、陳情をやる。そうしたら、私たちのほんとうの仕事は全部放棄されている状態なんだ、こういうようなこの人たちの声というものをよく聞いていただきたいと思うのです。しかもこれは単にそういう道に入った学者の一つの趣味だとか使命だとかというような問題でないと思うのです。文部大臣も、特に最近総理大臣すらも、盛んに愛国心とかあるいは民族精神とかいうふうなことを言われるのですが、これは今後、その根本の問題を聞かなけりゃなりませんが、しかしわれわれとしても、今までそういうことを否定したことはないわけなんです。教育がどういう形で行なわれようとも、やはり教育をするその内容というものは、お互いが日本の文化あるいは歴史、こういうふうなものにのっとって、その根拠の上に立って教育はしているわけなんです。そういう点から考えれば、特にこういうふうなものは、こういう学者だけにまかしておるのでなくて、もっと教育の重大な問題として考えていかなければならぬと思うのです。考古学者が自分の使命を捨てて、そうして今破壊される遺跡を追って歩き回っているとか、あるいは陳情をして、自分たちが一切の責任を負うというふうな姿を見るときに、もっとそういう問題から解決して、そうして教育の方針とか方策というものを立てなければならぬ、こう考えるわけでございまして、ぜひともこの問題は、ただ平城宮址の問題だけではございませんが、これをりっぱに解決することによって、今破壊されつつあるいろいろな埋蔵文化というものがもっと一般人に尊重されるようになり、そこに日本のあるべき教育というものが生まれてくる、こうも考えるわけでございますので、一つ御努力を願いたいと思います。 そこで次に——もうほんとうに時間がありませんので、一つ一つ拾って参るような形になりますが、きょうの新聞で一番関心を持ったのは、全国の先生方が心配することは、小中学校の生徒が来年度から減っていく、それによって先生が減らされやしないか、従来の文部省のやり方でも、先生の首を切るというようなことが最も簡易な方法としてとられた。しかし今先生の首を切られるというおそれよりも、かえって、世界的な水準というふうなものを目ざして学級の生徒数を減らす、一学級の編制基準を少なくしていくということが一番重大である、それが科学技術教育を振興するもとでもあるし、学力テストをするというふうなことよりももっと重大な仕事だ、こういうふうにいわれておるのですが、大体そういうような方向にのっとって文部省としても、先生の数を減らすことなく、一学級の生徒数を減らすことによって教育の効果を上げていく、こういうふうな方針を立てられたようでございます。一応五十名ということが書いてあるのですが、これは暫定的に私たちも一応方向としていいと思いますが、もっとこれを減らすことはできないものか。そして六百九十一名ふやすというふうなことが新聞に出ておりますが、一面文部省としては、一般の要望に沿いまして専科教員を置くというお話がありましたので、これらが含められて六百九十一名の増になるのか、そこら辺の内容をできたらちょっとお漏らし願いたいと思います。
○福田政府委員 小中学校の教職員の定数の問題でございますが、これは従来から五カ年計画でもって、一学級の定員を引き下げて終局には五十人に下げるという計画でもって進めて参りましたことは、御承知の通りでございます。従って来年はこれが最終年度にあたるわけでございます。まだ世界的な水準まで一挙に引き下げるというところまではとうていいかないと思います。さしあたり来年度といたしましては、五十人に下げて学級編制の改善を行ない、同時に児童、生徒数の減少によって余って参ります先生の吸収をはかっていきたい、こういうような計画をいたしているわけでございます。いろいろそれらに関連しまして充実をはからなければならない面もございます。たとえば養護教諭だとかあるいは事務職員というような問題もございます。そういう点から申しまして差し引きいたしますと、今御指摘になりましたように、大体七百人程度の純増加をはからなければならぬというのが結論でございます。ただ専科教員の問題でございますが、これは従来御承知のように、六学級以上の学校については今置いているわけでございます。将来これをさらにふやしていきたいという希望は持っておりますけれども、三十八年において直ちにこれを大幅に増員するということは今のところ考えておりません。これは将来の問題でございます。
○小林(信)委員 そうすると、この七百名増員という中には専科の問題は考えられておらない、しかしそのかわり事務職員とか養護教諭が含められておる、こういうお考えですか。
○福田政府委員 その通りでございます。
○小林(信)委員 そうすると、今までいろいろな機会に文部省の方では、養護教諭五千名、事務職員六千名、これだけは来年度は必ずふやすというふうなお話だったのですが、結局これでは先生の方が一万人ぐらい減らされることになるという勘定になるのですが、この点はどうですか。
○福田政府委員 そういう勘定にはならないのでして、私ども養護教諭あるいは事務職員を漸次ふやしたい、三十八年から五カ年くらいで、大体養護教諭につきましては五千人程度、それから事務職員につきましては六千人程度をふやしていきたい、こういう計画を持っておりまして、そういうことを申し上げたつもりでございますが、来年直ちに六千人と五千人をふやすということではございません。従って、初年度として必要な数を増員するという考え方でございます。
○小林(信)委員 この養護教諭、それから事務職員の問題は、これは教育に関係する者の声ではなくて、養護教諭というふうなものは子供のからだのことを心配する母親の切なる要望であり、それから事務職員というようなものは、現在の先生たちの能率を上げる意味からして当然強化しなければならぬ、これは法律もそういうふうに考えておるわけです。ただし暫定的に当分の間置かなくてもよろしいというふうなことをつけ加えて、そして漸次これが完全実施になるように運ぶというのが制度の建前でもあるわけなんです。それがここ五、六年の間に五千人、六千人ふやしていくというようなことであれば、これはただ今までの方針でそのまま進んでいくというだけのことであって、何ら画期的な宣伝をするような意図にはならないと思うのです。それは五、六年というのは非常に残念でございまして、もっと善処していただきたい、こう思うのです。しかしそれを含めて七百人というふうなことになれば、やはり先生方に犠牲が出なければならぬようにも考えるのですが、そういうようなことのないようにしていただきたいと思います。五十名が最終の目標だということをおっしゃるのですが、それはその通りですか。
○福田政府委員 従来整備をして参りました五カ年計画の目標は五十人でございます。そういった意味でございます。将来の問題はこれはまた別の問題でございます。
○小林(信)委員 初中局長のお考えでよろしゅうございますので、将来のこの問題をこの際お聞かせ願いたいと思います。
○福田政府委員 三十九年以降はさらに生徒が漸減して参ります。従ってそれらのにらみ合わせで、あるいはまた従来から学校教育の面につきまして要望されている各種の事項がございます。それらを勘案しながら現在検討していることでございます。従ってまだ何人にするというところまで申し上げる段階でございませんが、できる限り引き下げていって教育効果を上げていくという考え方で進んでいることには間違いはございません。
○小林(信)委員 学力テストをして、そうしてそれに対するいろいろな措置はしていかなければならぬのですが、その一番考えなければならぬことはここへ帰着すると思うのですけれども、今のような考えでおいでになるのではまことにたよりがないわけなんです。学力テストなんかやるなら、その結果こういうところにこうしなければならぬという文部省の反省がもっとなければならぬと思いますが、そういう点は、もしまじめに学力テストをやるというならば、個別指導ができる範囲、さらに最近の科学技術教育を進展させなければならぬという重大な使命に立つならば、少なくとも四十名には減らしていかなければならぬ。そういうようなものを私は聞きたかったわけですが、今のような御答弁であれば、何のために学力テストをやるかということもまた言いたくなるわけですが、どうか初中局長もその点を十分御考慮願って善処していただきたいと思うのです。 それから専科教員の問題です。これは来年は考えられないというのですが、これもやはり学力テスト等の問題をああやって強力に推し進めていかれる政府としては、こういうところに来年度あたり何らか具体的な案を持たなければならぬと思うのです。ことに専科教員を置くというような場合にはどういう条件で置くか。英語なんかの先生がないような山間僻地の学校があるわけなんですが、そういうところが学力テストをやられることに非常に反対しておるのは、専門の先生がおらない、それにもかかわらず全国平等の形で学力テストが行なわれる、そういう点から拒否される傾向が多いわけなんですが、こういうふうなものを多少でも文部省が来年度予算で見ていくというならば、私たちはまた考えるわけですが、そういう点が全然考慮されておらないのを非常に遺憾に思うわけです。 その次に学校の施設の問題でございます。いろいろございますが、私は一般父兄あるいは地方自治体の要望としてこの際希望し、またいかように考えておるかという点をお聞きしたいのは、小学校の屋体が補助対象にいつなるか、また来年度はどうかという問題でございます。
○杉江政府委員 小学校の屋内運動場につきましては、今までは戦災復旧事業としてのみ国の負担の対象とされておったのでございますが、来年度からはこれを一般整備事業としまして、国の負担の対象とするよう予算要求してございます。
○小林(信)委員 それはどれくらいですか。
○杉江政府委員 金額にいたしまして五億六千万を要求しております。ことしの予算額は六千万少しでありますが、相当ことしの予算に比べまして大幅な増額をいたしたわけでございます。
○小林(信)委員 見通しはどうですか。
○杉江政府委員 最善の努力をいたしたいと考えております。
○小林(信)委員 私がそんなことを聞くのは、これは非常に一般の方たちが要望しておる問題でございます。そうして、文部省としても、もう何回か来年度あたりは小学校の方もというふうに、これもやはり宣伝をされておったのです。ことしくらいはぜひ一つ実現してもらいたい、こう考えるところなんです。さらにこれにつけ加えて、もっと文部省が本腰を入れなければいかぬということは、最近経済事情がよくなってきたということもあるかもしれませんが、一般の教育に対する理解というものが高まって参りまして、文部省からもらう補助金を当てごとにして仕事をするということがもう不可能になってきたということ、一つの市の中で文部省からもらう補助金というようなものを目当てにしておれば、やはり全県的な割当もありますから、一市町村でもって毎年々々もらうということができない。ことしもらったらまた二、三年おいてということになれば、建てられるところの学校は一応いいのでしょうが、そうでない学校は、おれたちは二年三年後しか屋体がつくれないのだ、これは自然的に、別に教育基本法をたてにとったわけではなくて、教育の不均衡、不平等ということで、今度は父兄が承知しないわけなんですよ。従って、苦しい財政の中からも補助金があろうがなかろうが、屋体を一度に建てていくというふうな傾向を確かに文部省としても把握されておるところだと思うのですよ。私たちもそういう事実をたくさんに見ておるわけなんです。だから、昔のような予算を待って、補助金を待って、施設を整備していくだろうというふうな甘い考えでなくて、最も一般の積極性というものが高まってきておる、それにこたえるためには、国家財政のいろんな事情もあるかもしらぬけれども、やはりできるだけ早い期間の中に、全国のこういう要望というもの、施設というものを整備していくという方向をとっていかなければいけないと思うのです。従って、小学校のそういう対策が考えられるようになったならば、わずかな予算を護得するのでなくて、一挙に予算というものをとって、そうして解決していかなければ、市町村の中で非常に問題が多いし、そうしてしいてやろうとすれば、苦しい財政をその方へ傾注しなければならぬ。私の県の事例を申し上げれば、助成課長がおいでになるのでよくおわかりになっておると思うのですが、これはおとといも初中局長にお話ししましたように、貧乏県であれば何とかして子供だけはということで、かえってそういうところの方が教育に一生懸命にならざるを得ない。山中委員からも話がありましたように、佐渡というような教育に熱心なところは財政的に豊かであるということはない。そういうところの父兄というものは辺境にある子供であるために、何とかして世間に出して一人前にするためにはもう教育以外にはない、こういう考えでもってやっておるわけなんですよ。だから私の隣の市ですが、これは屋体の問題もありますが、これも同じような傾向をとりましたが、あとでお聞きしようと思ったのですが、水泳プール、こんなのを県の方でも補助金を出しておるわけなんです。国の方にも補助金の道はあるわけですが、そんなのを待っておったら父兄が承知をしない。従って一気に前の旧町村一カ所ずつ全部つくって、国の補助金なんか当てごとにしておったら父兄が承知をしないということで、全部整備した事実がございます。こういうふうなものに沿っていくためには、文部省はよほど英断をもっていかなければ、実際補助金制度というものは生きてこないわけです。そういう意味で一つあらゆる面に御善処願いたい。甲府市なんか助成課長御存じと思うのですが、屋体を建てる場合に、やはり課じ傾向があったと思うのです。 それから続いて小学校、中学校の水泳プールの問題ですが、今のように天井から目薬を落とすような形でもってはたしていいかどうか、もっとこの際考えなければならぬ点があると思うのですが、来年度に対する文部省のお考えというものをできたらお聞きしたいと思うのです。
○前田政府委員 プールにつきましては体育局で所管いたしておる次第でございます。おっしゃる通り実は今年度八十五カ所分を一億二百万円の予算で配付をいたしておるのでございますが、希望が大へん多くて私どもも、県の方といたしましても、どれにするか弱っておるような状況でございます。かような意味から申しまして、来年度はともかく、今年度よりは数倍のものを要求をいたしたいと思っておる次第でございます。
○小林(信)委員 それは要望がただ多いからというふうな簡単なお考えですか。もっと何かこの際国民にアッピールするものはありませんか。
○前田政府委員 理由で申し上げますと、要望が多いという言葉を申したのでございますが、産業の発達によりまして、海岸におきましても毒薬が流れてきて泳げないような状況になってきておることもございます。それから山の方にいきますと、川には農薬が流れ込む関係で泳げない。従来泳いでいたところも泳げなくなってきておる。さらにオリンピックを二年後に控えまして、スポーツ熱というものは全国民ことに青少年の間に非常に振興して参っておる現状でございます。これには何と申しましても施設というものが一番大切な問題だろうと思います。そのような意味を考えまして補助金を増額いたしたい、かように思っておる次第でございます。
○小林(信)委員 大へんにいいと思います。しかし最近の世界的な傾向として、水泳選手というものは中学生をも対象にしておるような状況でございます。もっとこういう点を強く大蔵省に主張して、そしてその数倍などというものでなく、この際もっと相当な予算を獲得するようにすることが私は大切じゃないかと思うのですが、前段の汚水あるいはいろいろな農薬等から受ける問題で一般の河川が使われない。これは相当前から一般の父兄が声を大にしておるところでありまして、両者相待ってこれの問題については、深い関心が持たれておるわけでございますので、従来のようなほんとうに天井から目薬のようなものでないことを私は願っておるわけなんです。そういうような方法は予算獲得というようなことでもって政治的にはなかなか意義があるところですが、とにかくこういう問題についてはオリンピックの前でもございますので、次官おいでになりますが、次官にも一つ恥かにお願いしたいと思います。 それからその次には学校給食の問題ですが、来年度予算で学校給食が何か前進するものがあるかどうかお聞きしたい。
○前田政府委員 学校給食につきましては、昨年度御承知の通り学校給食制度調査会というものが持たれまして、そしてその御答申があったわけでございます。これによりますと、小学校は五カ年計画、中学校においては十カ年計画で全国の学校に完全給食を行なうように、こういう御答申がありました。すでに大臣は前国会におきましてもこの線に沿っておやりになるということを何回もお話しになっておりますが、それに沿いまして私どもといたしまてしも来年度相当多額に要求いたしたいと考えております。内容は学校給食の施設設備の整備という問題がまず第一でございますが、普及をいたしますためには何としても調理場がなければならぬわけでございます。そういう意味から申しまして、まず調理場の補助、これを学校数におきましても昨年よりもっと増額いたしました要求をいたしたいと思っております。 次に、パンの材料である小麦粉の補助でございますが、これにつきましては昨年同様要求をいたしたいと思っております。 なお、一番問題は脱脂粉乳でございますが、学校給食におきまして脱脂粉乳は全く離すことができない、最も安くて最も栄養価値のある食物と申しますと、まず脱脂粉乳ということが考えられるのでございます。かような意味から申しまして脱脂粉乳に何とか補助するように努力をいたしたいと思っております。 なお、学校管理職員の設置についても要求をいたしたいと思っております。学校管理職員は、安い給食費で効果のある食べものを食べさせるにはやはり調理の栄養管理ということが非常に大切だと思うのでございまして、そういう意味におきまして、これについても要求をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○田中政府委員 私からもお答えいたします。 まず水泳プールのことでございますが、三十八年度予算に対する文部省の態度と申しますか、行き方は、今事務当局から御説明を申し上げたところでございます。しかし小林さんの御指摘の通り、これはスポーツと考えましてもその他のスポーツと違いまして、水泳というものは相当幼年、少年からやっても害はないと思われますし、また上達をするのにもその時期が非常に大事なものだと考えられます。従ってオリンピックを控えて、ますますそういった点の設備を充実して、そしてほとんど全国民という基盤から選手が出てくるように配慮をするということが、おそらく日本の水泳飛躍の第一重要事であろうと思われます。そういう意味も一つ大いに強調をいたしたいというように思っております。 それからまた、できれば国民というものはみんな泳げる、水に浮かべるということには将来なりたいものであります。どう旅行しましても、やはり海を直接なり渡らなければならぬ。そういう際に救命具など渡されますけれども、いかに救命具をつけても、自分が水に浮けるという感覚があるのと、浮いたことがないのとでは、大へんな違い方であるというふうに思いますので、そういった広い、深い意味を強調して、また環境が非常に悪くなってきたということも、これまた御指摘の通りでございます。それらを強調して、水泳プールには大いに力を入れたいというように考えております。 それからなお学校給食につきましては、三十八年度予算というのは従来から特に痛切に要望されておりましたところを少しでも拡充していくというような行き方で参っておりますが、これも私は何とか一つ、国民全体の人づくりという問題で、やはりからだをつくるには栄養でございますから、食でございますから、生活の一つの礼儀とでも申しますか、そういうことともあわせまして、給食問題を幼稚園、保育所あたりから大学まで根本的にこうあるべきだ、財政の許す限りこう進んでいくのだというようなものを立てたいというようなことを、実は考えておるのでございます。いわば学校給食法というものがございますが、こういうものをもっと明確、拡充したものにしたいというようなことでございますが、なかなかすぐ成案が得られるとは思っておりませんが、できるだけそういうふうに努力をいたしたいというように考えております。
○小林(信)委員 新しい次官から御決意をお漏らし願って非常にうれしく思うわけでございますが、この水泳プールなんかの問題は、——中には日本的なスポーツというと先ごろの国会でも決議をしたのですが、柔道とかあるいは剣道だとかいうようなことがあげられるのですが、やはり新しい日本の国技としたいようなものは、私は水泳だと思うのです。青少年の不良化防止というようなものも声は盛んにあげられるけれども、こういう具体的な問題からやっていくことがとかく忘れられておるわけなんです。そういう意味でも一つ次官に御努力願いたいと思います。 しかし給食の問題は、一般の要望と反してまことに前進性のない御答弁で、従来のまま押し進められるような気がするのですが、ことに小麦粉なんかの問題も前年通りというお話ですが、前年のは一昨年よりも少なくなっているわけなんです。そんな態度でいればなおこれは少なくなっていくのではないか。もちろん使用量がどうも少ないから大蔵省から削られるという話も聞くのですが、これは指導が悪いということにもなるわけですね。一個一円のものが八十五銭になったというようなことすら言われているわけなんです。実際上はそうじゃないのでしょうが。予算の額が少なくなっているということは非常に一般に憂慮されるものでございます。それから脱脂粉乳の問題も確かに要望されておりますが、しかし子供自体の要望を聞きますと、それよりも副食を心配をしてもらいたい、この方に子供の好みは向いているわけです。ところがその副食の問題は相当に困っておる。ことに野菜が高いために確保できない。それは買えば買えるかもしれませんが、それじゃ単価が非常に高くなってくる。そこで私は副食の材料確保の方法をここで考えなければいけないのじゃないかと思うもっと全国的な組織をつくって、供給するものと買うものとの間に特別な関係をつくって、その点をもう少し合理的に処理したら、もっと安いもので——供給者の方も一般農村なんかも、ほんとうに市価は高いけれども農村部から出されるときにはきわめて安い値段で出されておるわけです。それが同じ値段で子供の給食に使われるならば、まだあきらめやすいというような声も聞くわけなんですよ。こういうところまで、全国的なものでございますので、何か方法を考えられないものかどうか。こんな点に何かお考えがありましたらお聞きしたいと思います。
○田中政府委員 あとから事務当局から補足的に申し上げさせたいと思いますが、実は私が多少そういった農産物に対する流通等に関して知識を持っておりますので、今御指摘のような野菜等は給食団体の方と農業団体ともっと結びつけるようにいろいろ工夫いたしまして、もっといい野菜を安く手に入れるような道を工夫できないものかということはかねがね考えておりましたことなんで、これは必ずしも予算を待ってやらぬでもよろしいと思います。予算は先ほど御説明申しましたものを駆使していくほかありませんが、その面にはむしろ努力次第で何とか実現の道が開けるのじゃなかろうかということを考えまして一つ努力いたしたいと思っております。 なおこれに関連いたしましてなま牛乳の問題がございます。例の需要が減って供給がオーバーしたような場合だけ学童給食にしているというようなことで、とかく学校給食本来の立場と牛乳の需給関係からくる調節の行政がうまく調和しておらないように思いますので、何とかもう少し強く給食の立場を出して、そしてできるだけなま牛乳を多く飲んでいくという趣旨でこれも実は努力をいたしたいというように思っておるわけでございます。 なお足りませんところは体育局長から御答弁いたさせます。
○前田政府委員 今政務次官からお話がございましたのですが、府県には学校給食会というものがつくられておりまして、それがいわゆるミルク以外のものについてもやっておるのが現状でございますが、実際問題といたしまして、野菜というのは、きょうは大へん天気がよくて出るけれどもあした大雨が降るとまたあやしくなるというように、非常に不定性といいますか、言葉はよくわかりませんが、そういうことがあるわけでございます。それからなおお話の中にもございましたのですが、農家において自分で作った野菜が学校の子供に食べてもらえるのならば大へんうれしいというような気持も確かにあるわけでございます。しかしそれを全般的な何か団体を作ってその団体がお世話をするということになりますと、またその日その日に合わないような実態も起こり得る可能性がございます。そういう意味におきまして相当大きい範囲で統轄するということになりますとむずかしい問題もあるのではないかと思います。そのような意味から申しまして十分検討させていただきたいと思います。現在としてはそう簡単にこれに手をつけてはかえって逆な効果があることも考られますので、十分検討いたしたいと思います。
○小林(信)委員 この問題はわれわれとしても実は何か方法はないかということで考えておるわけなんですが、確かに非常に困難な問題で、給食会というものは名ばかりで何もしていないというようなきらいがあると思うのです。これをほんとうに生かすためには相当農民を指導するということも私は必要だと思うのです。安く処理されておりながらも市場に対して一か八かの勝負をやるというようなことで、投機的な気持も農村には非常に多いのですが、指導によっては価格の安定という面からもっと合理化される手段があると思うのです。そういうところまでいくためには、幸い農林行政には明かるい次官がおいでになったこの機会に一つ私は御尽力願いたいと思うのですが、それは今のような局長の御答弁なんか聞いていればできませんよ。やはり高度の政策というものを単に文部省だけでなくて、全国の給食の問題、しかも完全実施を一応その念願としておるという態勢であるならば、そこまで問題を持っていかなければならぬと思います。今なま牛乳の問題が出ましたが、これと同時に最近畜産がいわゆる選択何とかということで奨励されておるわけなのでしょう。ところが一般農家は非常な不安をいつも感じながら畜産をやっているわけなのです。しかし子供が完全給食の形になって、全国の子供が肉も使うということになったら何か方法はあると思うのです。あまり自由経済、自由経済ということを標榜しておるから、その点だけに頭が向いておるが、こういう点はもっと計画的にしても差しつかえないと思うわけなのです。そういう高度の政策をお立てになったならば、私は学校給食というものはただ子供だけが満足するのでなくて、そういうものを生産する人たちももっと仕事に精が出てくると思うのです。そういう多角的な考え方でもって学校給食を考えていくべきである。その第一歩としては、単に施設だけに補助金を出すということでなく、これ以降前年通りに予算を獲得するなんという小成に甘んずることでなくて、もっと施設以外の補助金を獲得することじゃないか。一般の父兄も、せめてパンとミルク、バターぐらいはくれるような時期は来ないのか、でなければ学校給食とは言えないというふうに言っている時期だと思うのです。 その次に、最近定時制に勉強しておる人たちが非常に就職の問題で悩んでおるのです。これも新聞等で社会問題になっておるわけですが、こういう声に対して文部省としてはどういうふうにこの問題を処理するか。
○福田政府委員 御承知のように、従来定時制の卒業生に対して、就職等の場合に会社の方で差別的な扱いをするということがいろいろ問題として出ておりますが、私どもといたしましても従来から、定時制の卒業生でございましょうともあるいは全日制の卒業生でありましても、高等学校の卒業生という点において何ら差別は設けるべきじゃないという点から、再々財界等に対しましてもそういう扱いをしないようにという申し入れをやっておったわけでございます。しかし現実の問題としてはなかなかやはりそういうことが全完に行なわれませんで、現在におきましてもある程度、会社の方で採用試験をいたします際に、定時制の卒業生はお断わりだというようなことをやっておる会社が相当ありますことは、これは非常に遺憾な点でございます。私どもとしてさらに今後こういう点のないように、日経連その他の関係方面にも再々申し入れをいたしました。本年私も大阪の財界の人たちとこういう問題につきましていろいろ話し合ったのでございますが、いろいろ聞いてみまして理由はございます。理由はございますけれども、少なくとも定時制の卒業生に対して就職の機会を与えるべきであるということについては私ども強く要望いたして参った次第でございます。ことしは、日経連の調べたところによりますと、昨年よりやや同じように機会を与えるという会社がふえて参っております。これはまだ全体の調査ではございませんが、今わかっております会社だけでも、今年度から初めて定時制の卒業生に対しても機会を与えたというのが四十一社ばかり出ております。こういうことが少しでも向上されることは非常に望ましいわけでありまして、将来とも私どもとしてはそういう方向で各方面に要望し、取り扱いとしてはあくまで差別的な扱いがないようにしていきたい、こういうように考えているわけでございます。
○小林(信)委員 それは単に日経連に対して要望するというふうな、採用する方に対して考え方を改めさせるというふうなこと、それも大事でございますが、そればかりじゃないと思うのです。やはり定時制教育そのものにもつと力を入れなければならぬじゃないかと思います。定時制へ通っておる者が十分に時間に間に合うように雇用主が理解をして出してくれるか、あるいは勉強する着たちが腹が減らずに勉強できるか、またあるいは教師陣というようなものを確保するためにはたして十分であるかどうか。これは単に定時制ばかりでなくて青年学級の問題だとかあるいは通信教育の問題だとか——通信教育に対して何か特別な方法が今度は考えられておるようでありますが、こういうふうに働きながら勉強する人たちに対する一般の理解を高めたい、あるいはそれに対する教育政策としても考える点が十分残されておると思うのです。こういう点をあわせて考えていただかなければならぬと思います。 それから最後でございますが、施設の問題で一般が非常に熱意を持っておることでお尋ねしたいことがたくさんあるのですが、今回は文部省としてもかなり積極的な意図を持って臨んでおられるようでございます。たとえば屋体等は一〇〇%鉄筋でもってやるというような方針に出られておりますが、これはどこで屋体を木造でもってやるのかというくらいに思いまして、当然のことでございますが、ここまで踏み切ったということは非常にいいことだと思います。 さらにこれは小さいことですが、最近教員の住宅の問題で、僻地等でこれを確保することはなかなか困難だ。それから先生たちとしても、僻地とはいっても、ある拠点があって、その拠点から自動車等でもって通学できる僻地勤務の先生方があるわけなんです。そういうような先生方を、その拠点に一カ所にアパート式のものを建てて、教員の住宅というものを確保したらいいじゃないかというような現場の方たちの希望があるわけなんですが、これは文部省に今予算要求する場合には不可能だということで、共済組合等に働きかけておるのですが、共済組合の方でも多少これに動いておるような傾向もございます。こんなふうな方法をとれば、僻地の先生方が必ずしもその僻地の学校のそばに教員住宅を持たなくてもいいわけです。そういうふうな拠点があって、その拠点から出ていくというような形になれば、先生たちも文化とも接する機会が多いし、あるいは先生たち自身の交流ということも行なわれるというような意図から考えられておるのですが、こういう共済組合との提携というふうなものが考えられないものだろうか。
○杉江政府委員 僻地の教員住宅の問題につきましては、僻地教育の振興の上にきわめて重要だと考えて、私ども明年度予算におきましても補助対象事業として相当大幅な要求をいたしておりますが、そのほかに、ただいまお話しの組合資金を活用してこの教員住宅を建てるということは、これは僻地のみならず一般に広くそのことを進めたいと実は考えておるわけでございます。御承知の通り、公立学校共済組合が今度の新しい法律の成立に伴って、新しく発足するわけでございますが、その資金は相当膨大なものになって参るのでありまして、その資金の活用によりまして、全国の教職員の住宅を全般的に整備する相当大きな構想をただいま研究しておりまして、その構想を新組合によって実施いたしたいというふうに私どもは考えております。
○小林(信)委員 それは非常に先生方が希望するところでございまして、ただ建物だけでなくて、娯楽施設もほしいというようなことが多いわけですが、それを町村が貧弱な財政の中で施設をするような場合には、ほんとうに建物だけなんです。今のような形式で持っていくならば、いろいろな意味で、僻地に行くことがそれほどきらわれないような形になると思うのですが、そういうあいておる金というか、そういうものを活用するような形において御協力願って、この際画期的な住宅問題を解決するような方法をとっていただきたいとお願いいたしまして、終わります。
○床次委員長 この際関連質問がありますから、お許しをいたしますが、次の通告者がありますから、きわめて簡潔に一つお願いしたいと思います。三木喜夫君。
○三木(喜)委員 時間がありませんから、要点だけお尋ねをしたいと思います。学校給食のことが話に出まして、党としてもこの問題は、非常に重要視しておりますので、後日あらためまして政府当局の御見解をお聞きしたいと思いますが、きょうは四点に要約してお聞きしたいと思います。 その第一点は、学校給食管理運営委員会が五月ごろ発足する予定であるということを伺いましたが、それが発足したかどうか。それから第二には、同管理委員会と従来からあるところの学校給食制度調査会の関係、これを言っていただきたい。それから両者がどのような結論を出しておるか、あるいは出しつつあるかということをお聞かせ願いたい。それから今次官の方から農作物と学校給食の関連がありまして、過般、国会の審議にはなかったようですけれども、政府当局の方から米食と給食の関係を述べておられたようですが、これは一体どうなったか。単なる思いつきであったのか。それとも発展しておるのか。この四点を伺っておきたい。
○前田(充)政府委員 学校給食管理委員会と申しますのは、学校給食をどういうふうにしてやるかということについての諮問といたしまして、それで運営の方法を結論を出していただいて、それを手引書というものにつくっていく。そういう観点でただいま審議をいたしております。 制度調査会との関係につきましては、学校給食制度調査会が一応済んだわけでございます。管理運営委員会の方は、その線に沿っての審議をいたすことにいたしております。 それから米の問題でございます。米の問題は、学校給食においてパンの入手困難な場所においては、米を使うのも差しつかえない、そういう通牒を出しまして、現にそういう地方においては実施しておりますが、どの程度やっておるかということにつきましては、いまだ正確な報告はとれておりませんので、お答えをすることはできませんが、ともかくかかっておるということは事実でございます。
○三木(喜)委員 給食制度調査会の結論はこちらの方にいただけますか。
○前田(充)政府委員 差し上げます。
○三木(喜)委員 よろしゅうございます。
○床次委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 私は、東洋文庫を中心にしてやっております現代中国研究センター、それから京都大学の学者が中心になってやっております東南アジア研究センター、この二つの研究センターの問題について簡単に御質問を申し上げようと思うのでありますが、初めにこの二つのセンターの内容を大体お知らせ願えないでしょうか。だれが中心で、どういう計画で、また事業内容はどうで、資金計画はどうだというような点をお話し願ったらけっこうだと思います。
○小林政府委員 最初に京都大学の東南アジアの研究計画について申し上げますが、これは御承知のようにわが国と東南アジアとのいろいろな政治的な、あるいは経済的な関係が非常に密接である、そうして国際経済上、あるいは国際政治上、東南アジアの重要性が非常に高まってきておる、そういう情勢を踏まえまして、昭和三十四年に京都大学に東南アジア研究グループというものをこしらえたようでございます。これは京都大学の学長である平沢氏が委員長になりまして、東南アジアのいろいろな問題を総合的、基礎的に研究する、従って学問的に研究するということで、東南アジア研究委員会というものをつくった。京都大学各学部の関係の教官、それから一部大学院の学生がその関係の研究に従事しておるのでございまして、先ほど申しましたように、委員長は平沢学長でございますし、副委員長は文学部の白井教授、それからなお委員長の代理には文学部の田村教授が当たっております。なお、それ以外にも経済学部の教授、法学部の教授、農学部の教授、教育学部の教授等が関係者として参加しておるようでございます。 先ほど申しましたように、東南アジア地域の各方面のことを研究するということでありまして、いわゆる地域研究の一環として研究計画を策定する、それからいろいろな総合研究、各個研究をやるという予定になっておるようでございます。 なお研究の経費につきましては、三十六年度に、アメリカのフォード財団から援助を受けまして、教官三名が現地に調査のために派遣されております。そしてこの調査の結果報告に基づいて、現在研究計画を策定中であるというふうに承っております。 なお東洋文庫の方のことでございますが、これは御承知のように、わが国ばかりでなく、国際的にも認められた東洋学に関する研究センターでございまして、民間の研究機関でございます。この東洋文庫が中心になりまして関係の研究者の集団を組織しまして、そのいろいろな意見を総合しました結果、近代中国の研究をしようということで、これもアメリカのロックフェラー財団から、昭和二十八年から三十四年度までの間に約三千二百万ばかりの助成金を受けて研究を行なってきたというふうに伺っております。なお今後におきましても、こういった財団から援助金を受けて近代中国に関する研究を行ないたいという計画のようでございます。 以上でございます。
○谷口委員 大体の様子はわかるわけでございますが、東南アジア研究センターへのフォード財団の援助資金というものは、私どもの知った限りでは、大体五カ年計画のようでございまして、約二十五万五千八百ドル——一億円に近い金でございます。それから東洋文庫の現代中国研究センターに対しては、これはフォード財団とアジア財団の両方から援助しているようで、両方合わせますとどうなりますか、約一億二千万円——フォードから十七万三千ドル、アジア財団から十五万四千ドル、こういう援助資金を受けて、新しく計画がされて、今あなたがおっしゃったように、地域研究——若干ニュアンスが違っておりますが、東南アジア研究センターでは地域研究、個人研究、それからその研究をさらに進めるために、大学内部に、大学院生や各部学生を網羅した講座を設けるというようなことまで含まれておるようであります。その研究の対象の地域について何か限定があるようでありますが、そういう点はどういうことになっておりますか。 それから現代中国研究センターは、単に東洋文庫に集まっている学者たちだけでなくて、アメリカの方の計画では、台湾の中央研究院、それからアメリカの社会科学研究会議——この中央研究院の方では中国の外交関係の研究、それからアメリカの社会科学研究会議では共産中国の経済、それから東洋文庫の現代中国研究センターでは主として現代中国、新しい中国、つまりいわゆる中共、ここの一切のことを研究するというように、この三者が分けて協力してやる、それが条件になっているというように伺っているのですが、その点もあわせてはっきりしていただきたい。
○小林政府委員 京都大学の東南アジア研究委員会で研究いたします東南アジアという地域でございますが、これはその研究委員会の言っております言葉によりますと、中国から南、それからオーストラリアから北、パキスタンから東、こういった範囲内の東南アジア一体の地域だということであります。 なお東洋文庫の方つきましては、お話にございました台湾の方が入る、あるいはアメリカの方が入る、そして三者で研究テーマを分けて協力してやる、これが条件だということでございますが、私どもはそういうふうには、その辺のこまかいところは聞いておりません。そういうことがはっきりした条件になっているというふうには伺っておりません。
○谷口委員 皆さんが聞いていらっしゃらないということは、御存じないということですか、それとも公式には聞いてないということですか。このフォード財団の東洋文庫の援助が決定されましたことについて、昨年の十二月にフォード財団のステートメントが出ておりますが、その中にはっきり援助する条件が書いてあるわけであります。それは御存じないという意味ですか、それとも公式には聞いていないということですか。
○小林政府委員 私ども詳細にその辺まで調査したわけでございませんけれども、東洋文庫の方から私どもそういう報告をまだ受けておりません。
○谷口委員 報告を受けていないから知らないとおっしゃるわけでありますが、そうするとこの財団が援助するということをきめましたこの計画の当初に発表しました、昨年十二月のステートメントは御承知ないのですか。
○小林政府委員 私ども詳細には聞いておりませんで、その辺については存じません。
○谷口委員 正式にお聞きできないということと、御存じないということは別でございますが、全然知らぬということですか。
○小林政府委員 私どもといたしましては、これは先ほど申しましたように、その辺については報告も受けておりませんし、存じません。
○谷口委員 それじゃそれはあとにいたします。 京大の東南アジア研究センター、これはいわゆる東南アジア研究センターですから、地域としてはそうなっておるのですが、しかしその地域については、計画書を見ますとかなりいろいろな論議がありまして、たとえばインドネシアへは入りにくかろう、あるいは現在紛争をしておるベトナムへはちょっと入りにくかろう、タイはアメリカの研究機関が入って十分にカバーされているから、われわれはそこへ行かないで別なところに行こうというようなことを研究いたしまして、結局ビルマとマラヤをやる、こういうようにきめております。つまり現代中国研究センターでいいますと、台湾それからアメリカ、これらと協力しましてテーマを分担して研究するということをやっております。それから京大の東南アジア研究センターも、そういう意味ではアメリカのそういう機関が入り込んでいるところ、もしくはアメリカが直接に軍事干渉をやっておるベトナム等々へは入らなくてもいい。むしろアメリカの手の及ばない、あるいはそういう研究調査活動の進んでいないビルマ、マラヤ、これをわれわれは負担するのだということを計画書に書いてある。これは京都大学でありますから皆さんの管轄内でございますから、民間でないのだから、よく御承知だと思いますが、その点もう少し詳しく内容を御説明願えませんか。 〔委員長退席、上村委員長代理着席〕
○小林政府委員 東南アジアの地域といっても広いわけでございまして、その中でどの部分から手をつけるかということでございますが、それはいろいろな事由があって、研究の結果そういうふうになったのだと私どもは思っております。これは大学の中の研究組織がいろいろ御検討の上でおきめになったことでございまして、ビルマあるいはマラヤ、そういうものを先に手をつけるというふうには聞いておりますが、それがどういういきさつであったかということにつきましては、私ども存じておりません。
○谷口委員 そうすると、この計画書というものを文部省は御承知でないのですか。これは英文で、フォード財団の方へ出したものらしいですが、もちろん日本文に直されてわれわれでも持っているわけですから、文部省が知らぬわけはないでしょう。この計画書を御承知ないのですか。
○小林政府委員 文部省としては、そういう計画書の報告も受けておりません。
○谷口委員 これはとんでもない話でありますけれども、しかしそのことをやっていると時間がなくなるから先に進みます。これはいずれもう少し詳しく通常国会ででも聞きたいと思うのでありますが、知らぬというようなことはとんでもない話でありまして、私は知らぬと言ったら谷口善太郎の質問くらいは大体のがれられるだろうというような考えかしれぬが、それはいかぬのです。それは大いに問題がありますが、先に進みます。 これは、計画者は日本側の方は、たとえば東洋文庫の場合、お茶の水大学の市古宙三教授、名古屋大学、神戸大学等の各大学教授等々、日本側の中心の方々もおられるように一応伺っているわけなんです。また京大の方は、今おっしゃった通り平沢学長——平沢学長というのは看板らしいですね。ほんとうにやっているのは相良教授と岩村教授と悪名の高い猪木正道教授、この諸君が中心である。それは大体わかっている。しかしこれを計画しましたアメリカ側のこういう計画の組織者はだれですか。私どもの言葉でいうとオルグがあるわけです。これは文部省御承知ですか。
○小林政府委員 私どもその辺については全然承知をいたしておりません。
○谷口委員 あなたが知らないとおっしゃれば私は言いますけれども、これはこの前箱根で行なわれました日米文化教育合同会議ですか、それの推進者といわれ、またフォード財団の政策担当の責任者になっておった方で、現在ビルマ大使になっているジョン・スコット・エバートンという博士です。エバートンさんを文部省は御承知ですか。
○小林政府委員 私どもそのお名前を伺うのも実は初めてでございます。
○谷口委員 知らない知らないとおっしゃるとあとであなたがちょっと困ることになりますが、エバートンという博士は現在ビルマの大使です。こういうふうに特に日本の人文科学の分野に今日まで相当いろいろ活動されて、フォード、アジアあるいはその他のアメリカの財団の援助資金をつぎ込んできて、いろいろ学者を組織してきた人ですが、この人がやっているということは、文献その他いろいろなデータから見まして明らかなようでありますが、それはいいですよ。しかしエバートン博士が中心になって、これらの諸君が非常に大がかりな研究センターを、一つは日本の国立大学の内部、一つは日本の国立大学をほとんど網羅するような形で学者たちを集めた、あなたは民間とおっしゃいますが、東洋文庫の中に組織するというやり方で、台湾、アメリカ、日本、これらが協力して今日の人民中国に対する各面の調査をやる、こういうことになっておる。それから東南アジア・センターでは今申しましたようにビルマ及びマラヤに対する地域研究をやり、そのための若い研究者を養成する講座を持つというようなことまできめているわけです。こういうことをやらして、それに一億円とか一億二千万円という金を出しておるフォード財団もしくはアジア財団、その内容は一体どういうものですか。これについて文部省は何かはっきりデータを持っていらっしゃるかどうか。持っていらっしゃったら、その点ここではっきりお漏らし願いたい、こう思います。
○小林政府委員 お答え申し上げます。 フォード財団、これは実はあまり詳細なデータでございませんが、要するにフォード財団はロックフェラー財団と同じように、アメリカの学術研究助成団体ということで一九三六年に設立されたというふうに聞いております。主として教育関係とそれから自然科学、特に理工学の分野の研究に広く助成するということを目標としておるように聞いております。大体現在におきましては、一会計年度で二億六千万円程度の資金をこういった研究助成に使っておるというふうに承知いたしております。
○谷口委員 アジア財団及びフォード財団、この両財団が、今おっしゃったような国でその国の学者を集めたり、あるいはその国へ直接アメリカの活動家が入ってきて、今おっしゃったような活動をやっているのでありますが、ビルマではこのフォード及びアジア財団の活動を禁止することに政府として公式にしたのは御承知でしょうか。
○小林政府委員 私どもまだその点は承知いたしておりません。
○谷口委員 一九六二年、ことしの四月十九日のビルマの新聞のザ・ネーションの記事を見ますと、そこではっきりこの両財団の活動に対してビルマ政府がその活動を拒否し、国外追放をやったということを報道しておる。その内容は、慈善とか援助とかあるいは文化交流とかいう名前でもってやっている活動が、ビルマ政府の政策及びいろいろな点につきまして非常に悪い影響を与えるということを政府として認めまして、これの活動を禁止し、海外追放を命じたということであります。これは向こうの新聞記事でありますから、新聞記事ではあまり信用しないというのが、従来の政府筋のお考えのようでありますが、その他、その後のいろいろなこれに対する評論なんかを集めてみますと、相当大問題になって、アメリカのこういう援助もしくは援助による活動というものの内容は、ビルマならビルマという国の政府の施策あるいは国のいろいろな問題について有害だということの判断があることだけは間違いないようです。こういう点はこれは外務省にでもお聞きになればわかると思いますが、非常に私どもは重大なことだと思います。この問題は全然御承知ないですか。
○小林政府委員 私ども今のようなビルマでの情勢については初耳でありまして、これはお尋ねもございますので、外務省等に報告を求めてみたいと思っております。
○谷口委員 アジア財団がビルマでやっておりました仕事の内容は、そのときのネーションの報道によりますと、ちょうど現代中国研究センターもしくは東南アジア研究センターが計画しようというような仕事と同様に、もう一つ直接ビルマのいろいろな分野へ入り込んでいって援助をする、あるいは慈善運動、そういう仕事を主としてやってきたのであります。ここにそのやっている仕事のリストが書いてございますが、たとえばラングーン大学の娯楽センターの計画、これに援助する、あるいは学生のためのいろいろなガイダンスに援助する、あるいは大学の印刷所をつくってやる、あるいはラングーンの衛星都市の学校その他の公共施設の建設に援助する、あるいは大学の図書館を建設するのに援助する、成人教育に援助する、ビルマ研究協会の研究費を出している、ビルマ教員同盟の事務費を出しているというような仕事をやっている。これは詳しいことは実はわかりませんので、私どものデータはそういう点不十分だと思いますが、これらの活動が、ビルマは御承知の通り戦後独立して民族解放闘争の先頭に立って国内の建設をやっておりますが、そういうビルマの国の平和的民主的な発展にとってアメリカ帝国主義の支配を強化するという役割を果たしているという見地から、政府としてこれを禁止しているわけです。こういうところへ京都大学の先生方が、その禁止された財団から金をもらって、ここでアメリカの仕事ができなくなったから、われわれが肩がわりしてやろう、そういう役割を持つわけでありますが、こういうことになりますと、日本とビルマとの外交関係の上におきましても、大へん重大な問題が起こりはしないかということが一つ問題になります。そういう点について、きょうは大臣はおいでになりませんので、賢明なる田中政務次官に、一つそういう点はどんなにお考えになるか、文部省の見解を伺っておきたいと思います。
○田中政府委員 実は大学局長も、今谷口さんのお話の点は、ほとんど初耳のことであったようでありますが、私も文部省に参りまして、ことに学界方面のことは、従来ほとんど知識がございませんために、これはもう全く初耳の話で、今まで知らぬでおったわけであります。しかしそういったビルマ政府が態度をとっておるということになりますと、これはなかなか知らぬで済まない問題になりますので、よく外務省を通じてそれらの事情等も調査をいたしまして、善処をいたしたいと存じます。
○谷口委員 なかなか話がわかりますな。けっこうだと私は思うのだが、そうでなければいかぬ。そういうアメリカの財団活動が禁止された、それをこっちが肩がわりするということになりますと、意図はそうでないかもしれませんが、客観的にはそういうことになりますと、これは日本とビルマの外交上の問題にも関係するということになるのですから、御存じないというのは少し無責任な話でありますが、これは外務省に聞きなさい。みんな知っておりますよ。知らぬのは亭主ばかりであって、これは早く調べるべきだと思う。非常に重大なことが行なわれておる。それだけではありません。これは財団がかわりますが、同じ仕事をやっておりますロックフェラー財団の活動に対して、インドなどではこれをスパイ活動として検挙されておる。それからロックフェラー財団のあれは、これは皆さん御承知の通り、前にインドネシアの独立と民族闘争に対して破壊活動をやって大問題を起こしたあれでありまして、だから名前を変えておるわけであります。そして慈善団体だとか援助団体とか文化団体とか、そういうおくれた国々への援助だということでやっておりますけれども、破壊活動をやっておるということは明らかになっております。そういう財団から金をもらって、そういう財団がやっておった活動ができなくなったので、その肩がわりをするというようなことを日本の学者が、われわれの税金でつくっておる大学の中でそういうセンターをつくるということになりますと、これはほっておけぬことでしょう、そういう問題だと思うのです。だから文部省は知らなければ知らないで仕方がないから、これは調べて明らかにしてもらいたいと思いますが、しかし知らなくてもこういう状態であるとすると、ああだとかこうだとか御所見がおありだと思う。そういう点ではこういう事実についてどういう御所見をお持ちになるか、あるいはこういうことについてどのようにお考えになるか伺いたいと思います。
○小林政府委員 一般的に申しますと、外国のそういった研究援助の財団等から援助を受けて研究を行なうということは、これは特に国として奨励すべきことではないかもしれませんけれども、そうだからといって、望ましくないということで、大学等にこれを禁止するというようなように考えなくてもいいのではないかと私は思います。ただ、ただいまお話のございましたように具体的な場合に、たとえばそのために外交関係に大きな影響を及ぼすというようなことになりますと、問題が出てくると思いますので、そういった点は十分調査をして、そういうことのないように慎重にするように、大学当局等にも私どもとして助言をするというようなことはしなければならぬと思っております。
○谷口委員 事実を御存じないということは、一つの皆さん流のお立場でいろいろな御意見を出せないということも言えるのじゃないかと思いますけれども、さっきのステートメントの中ではっきりアジア財団が、たとえば東京の現代中国研究センターへのステートメントの中で先ほど申しました内容も書いておりますが、その意味も書いております。こういうことを言っております。こういうセンターを作って援助し、研究させるのは、アメリカの現代中国の研究をより進めるためと、アメリカの政策決定のために、その事業の基礎を提供させることだ、アメリカの対中国政策の具体的な政策を立てるためのその基礎になるような事実を研究、調査させて、それを提供させることだということをはっきりステートメントに書いております。だから、外交関係で議論すれば大いに問題があると思いますけれども、それ以上にこういうアメリカの政策決定のために基礎になるような事実の調査をさせることを目的にするということを声明に書いておるとしますと、これは大へんなことであります。だから外交関係の問題だけではなくて、日本のあり方の問題として重要になってくる。知らぬから私は何とも答えられぬとおっしゃいますけれども、ステートメントは事実あるのだから、皆さん見せてほしいとおっしゃるなら見せてもよろしいが、こんなものは皆さん持っていられる。その中に書いてある。そうしますと、アメリカの現在の中国、つまり人民中国に対する態度というのは、もうお互いにみんな知っている。自民党政府はアメリカの政策は賛成かもしれませんが、賛成か反対かは別としまして、その内容ははっきりしている。これは中国を敵視して中国に対する侵略をそそのかし、台湾と二つに分裂させてやってきている。アメリカは日本を基地としてそういうことをやっておるのが基本でありますが、そういう政策をやっているのが、国連におきましても、公式の席におきましても、台湾を占領しているという事実におきましてもはっきりしている。この政策をより具体的に決定するために、現代中国のいろいろな各面を研究させて、基礎になる事実を提供させることを目的とすると言っている。こういうことについて、知らぬからではなくて、ステートメントは公式に実在するものとして発表されているのですから、こういうことについて政務次官の御見解、御所見はどうでしょう。
○田中政府委員 実は本日初耳の話で、どう思うと言われましても、思うという所見までとうてい成熟したものを持ち合わさないわけでございますから、これは一つそういった問題もよく検討いたしまして、文部省としてはいろいろ態度をきめていかなければならぬことであうろと思っておるのでございます。今京都大学等にできました学者グループも決して秘密にやっておるのではないだろうと思いますから、そちらの方面からも、またどのような意味であるかという説明も聞けることであろうと思いますし、また、それぞれこういった財団と学者グループの関係というようなことにつきましても、もちろん説明は求められることと思いますので、これは一つ十分に研究をさせていただきたいと思う次第でございます。
○谷口委員 ちょっと伺いますが、文部省の方へ人民日報だとかあるいは大公報などの新中国の新聞は入っておりますか。
○小林政府委員 全部洗ったわけではございませんが、おそらくはそういうものは入ってないのじゃなかろうかと思います。
○谷口委員 驚き入ったことでありますな。あなた方の管轄下の学者諸君、つまり東洋文庫は民間団体とおっしゃればおれは知らぬということにもなるかもしれませんが、参加しているのは国立大学の先生方です。教授です。京都大学の東南アジア研究センターに至っては、これははっきり皆さんの支配下といいますか、管理下にある。責任の中にある。この人たちがやろうとしているのは中国の研究であり、東南アジアのビルマその他の研究であるということになってくれば、当然これに対するその地元の国々のいろいろな問題が起きます。これは一つの問題でありますが、この問題一つだけ言いましてもそういう関係がつくのでありますから、そこの新聞やいろいろなものが文部省に全然入ってないということになりますと、これはまことにびっくりせざるを得ないわけであります。そういうことについては外務省などとの関係は全くないのですか。
○小林政府委員 国際的な学術関係の協力事業等につきましては、外務省が窓口になっていろいろ交渉等に当りますので、外務省と文部省との関係は相当密接な関係はございますが、ただいま問題になっております東南アジア研究委員会でありますか、そういったものについては具体的に私ども聞いておりませんし、また外務省等もこの問題については積極的な関与はしておらぬと思います。
○谷口委員 いや、なぜこういうことを私が申しますかというと、ことしの四月幾日かの中国の人民日報あるいは大公報などに、この問題が大々的に取り上げられておる。東洋文庫に現代中国研究センターができる、その事業計画が発表された、それに対して援助する場合、フォード、アジア両財団がステートメントを発表して、その中にこうこうこうだといって、彼らの中国政策の基礎をになうようなそういう事実を調べさせるのだということで、大問題になっておる。それでこういつておる。この研究センターは中国の中央学院、アメリカのさっき申しました委員会、会議、それらと結んだ日本、それから台湾、これを結んだ科学、文化における侵略のためのネガティブな組織だと書いておる。これは何でもないことだとおっしゃる。これも同じことでありまして、中国との外交問題は日本の政府としましては、依然として非常に否定的な、あるいは敵対的な態度をとっておられるからいいのだとおっしゃるなら、これはここではっきりおっしゃっていただいていいのでありますけれども、日本人民はそういう考えを持っておりません。中国に対しましては日本は歴史的に侵略から来た大きな被害を与えておる責任があるので、それだけに一そうお隣の中国と仲よくやっていこうというので、国民の要求として、貿易にしろ、文化にしろ、いろいろな面で、そういう日本と中国と仲よくなっていこうという面で国民が運動をやっておるわけです。ところが学者たちがこういうことをやりますと、これは大へんなことになるので、その点を人民日報も大公報も全く憂うべきこととして、また驚くべき日本の学者の態度、あるいはそれを放置しておる文部省の態度について論評を加えておる。これはやはり文部省として、外交のことは知らぬのだという立場でなくて、非常に重大なこととしてこの問題に対処しなければならぬように私は思うのですが、この点どうでしょう。
○小林政府委員 先ほど申しましたように、お尋ねの点についてもちろん調査はするつもりでございますが、ただ、たとえば京都大学の東南アジア研究センターにいたしましても、大学がそういった研究者のグループを作って学問的に研究をするということのように私どもは聞いております。特にいわゆるひもつきのそういった援助金をもらって、ひもつきの研究をするというふうには聞いておりませんし、学問研究につきましては、これはもちろん大学自体でおきめになることでありまして、文部省が本来の筋から申しまして、とやかく言うべきことでございませんで、十分調査をした結果、憂うべき事態がもしありとすれば、そういうことは大学の方に御連絡して助言はするようにしたいと思います。
○谷口委員 そうすると、あなた方は、この問題については聞いていらっしゃるわけですね。ひもつきの研究ではないというふうに聞いているんだとおっしゃるのは、聞いているというわけですね。
○小林政府委員 谷口先生がお尋ねの中でおっしゃったような、たとえば中国関係でアメリカの具体的な政策を決定するための資料をつくるというふうにおっしゃられましたので、そういうような条件がついているというふうには私どもは考えていないわけであります。
○谷口委員 つまり、ステートメントは知らぬとさっきおっしゃったが、従って、そういう内容は知らぬ、こういうことになるわけですな。しかし、皆さんも御承知でしょうけれども、アメリカのこういう民間の財団、大財閥が金を出して、そして宣教師を送ったり、医者を送ったり、あるいはそこの人間を教育するための教育機関をつくるというやり方は、これは一九〇〇年の例の北清事変でアメリカが中国から取りました賠償金、これをどうするかということをアメリカの国会で問題になったときに、この金で中国への特別な工作をするということを国会は決議した、その中でこう言っているわけです。こんなことは皆さん御承知だと思います。私はこの間勉強してやっとわかったのでありますが、中国の発展を支配するために一番円満な、一番巧みなやり方は、知識と精神面から中国の指導者を養成し支配する方式である、こういうことをきめまして、その政策実行のためにロックフェラー財団ができている。これは中国と戦争して中国から賠償金を取った、その金を使ってそこを支配する一番いい、巧みなやり方は、そこへ行って教育をやったり、病院をつくったり、宣教師を入れたりして、そこの人民の中から指導者を養成していく、そういうやり方が一番いいんだということを国会がきめている。今度のわれわれのガリオア・エロアの資金も同じであります。二重払いをやって、日本国から金を取って、その金が今度は米日文化交流とかなんとかいうことで使われることになります。その内容もあとで聞きたいと思いますが、時間がありませんからきょうは割愛しますが、それと同じことをずっと前に、六十年も前にやっているわけです。それが出発になって今のいろいろな財団ができている。これは一つの歴史です。これは歴史的事実をいえばもっとたくさんあります。アメリカがロックフェラーで何をやったか。これは中国を侵略して、あそこにみんなやっておりますから知っております。病院をつくっている、宣教師を配置して学校をつくっている。そして慈善事業をやらして、そうして中国を支配することをやったわけであります。こういうアメリカの侵略に対して、中国人民としては大きな抗争をやっておりますからよく知っております。これはいまだに生きている。いまだにその政策をとっている。これは去年の二月二十七日に、ホワイト・ハウスでケネディ大統領がこの問題について重大会議をやっている。これは皆さんも御存じでしょう。(「外務委員会の問題だよ」と呼ぶ者あり)いや、外勝委員会の問題ではないのです。——ここでケネディ大統領は何と言っているかといいますと、こう言っている。ラテンアメリカやアフリカ、アジアの諸国に対する場合、われわれの手で彼らを援助し、教育を通じて人材を養成するのが最もよい方法である、こう言っておる。そして大統領はなお続けて、このような活動の中でこれらの民間の諸機間の果たす役割の重大さを指摘して、こう言っている。アメリカのこれらの財団は、アメリカの国家の力の基礎であり、アメリカの対外関係の面で大きな役割を果たすことができるであろう、そうしてラスク国務長官をこの面の責任者に任命しているわけです。これに基づいてやっているとしかわれわれには思えぬのです。アメリカのこういう問題についての根本的態度、大統領の会議での発言と、国務長官をこういう運動に対する責任者に任命した、アジア・フォード財団のステートメントの中に書いてある。これははっきり彼ら自身がやってきたんだが、もはやそれでは足りないから、日本の学者や研究者——学者や研究者だけでなく、若い学部の学生や大学生までそういう学者に仕立てるためのカリキュラムを組織すると言っているのですが、そういうことで日本の学者を動員しようという計画をやっているということをいわざるを得ない。こういうことに対して文部省は知らぬ、存じませんでやっておりますと、これは日本の学者自身がアメリカの戦争政策に協力するということになって、あの天皇制時代における学者諸君のやったことと、あるいは満鉄の中の調査部がやったことと同じことをわれわれの学者がやり出す、そういう計画じゃないですか、どうです。 〔上村委員長代理退席、床次委員長着席〕
○小林政府委員 お尋ねの、昨年の二月の声明書も、実は私どもあまりよく存じておりません。先ほど来申しましたように、京都大学自体はあるいはそういうことも十分のみ込んだ上でやっておるのかも存じません。その辺のこともわかりませんが、先ほど来申しましたように、大学が学問研究の立場からそういった研究者のグループをつくって組織的に研究しようということは、本筋として私は間違ったことではないと思います。ただいろいろ外交関係等に問題がある場合には、やはり慎重に事を運ぶ必要があると思いますので、そういったことについては大学の方に助言をしたいと思います。
○谷口委員 これは皆さん知らぬとおっしゃっているのですから、これはまたさっき申しましたように、次の国会でもっと明らかにしたいと思いますが、先生方も実は知らなかったらしい。この東洋文庫の中心になっていられる先生方も、実は三つの国の、台湾——台湾は国じゃありませんが、台湾、日本そしてアメリカ、これが一緒になって新中国に対してアメリカの国策のためにやるんだ、そういう三角同盟だということを知らなかったらしいのです。それから京都大学の先生諸君は、ビルマやインドあるいはインドネシア、これらの財団に対してあるいは検挙が行なわれ、あるいはこれの告発を命ずるということを知らなかったらしい。ところが大学の先生の諸君や若い学者諸君その他進歩的な学者の諸君がこの問題を研究した結果、大へんなことだという問題をその先生方に提起したら、中には抜ける人が出てきますね。これは御承知の通り、これは名前は言いません。こういう状態になっている。つまり計画はある、金はもらった、そしてその先生方は集まってやっているんですけれども、これに対する反対運動がどんどん出ている。これは当然だと私どもは思う。つまり大学の中でこういう研究をやることは、先生方はそういう事実も知らず、また私どもも先生方の良心を疑わない。決してひものつかない、ほんとうに自分の良心を満足させるような学者としての仕事をやりたい——文部省はちっとも金を出さぬで、研究費なんというのは全然ないのですから、これはお粗末であることは私は統計を持ってきておりますが、これも時間がないから省きます。だから今度は大いに予算を出そうということを文部大臣は決意したらしいのですけれども、しかしあれぐらいでは少なくてしようがないのですが、従って大学の中で研究することはなかなかやりにくいので、金を出してくれればだれでもいいじゃないか、わしらは学者としてりっぱな研究をやるんだという気持でやられることには、私ども疑いません。だけれども、何千万円、一億とか二億とか金を出す方は、ただで出しゃしません。何で出すかというと、先ほどから申しました通り、そういう目的を持って出している。そうしますと、先生方の良心がどこにあろうと、研究の内容や態度がどこにいこうと、その先生が研究の結果どういう結論を出そうと、そういうことは問題になりません。全部向こうに、東洋における緊張と戦争政策、侵略政策、この政策決定の具体的な基礎を与える材料になるのです。そういう仕事をなさざるを得ないことになるのであって、先生方の気持いかん、意図いかんにかかわらず、客観的にはおそろしい役割を果たすという内容を、この問題が含んでいる。ですから若い学者たちが、こういう問題について批判を加え、反対運動を起こしている。私は思うのですが、おそらく通常国会で大学管理制度の問題が出てくるでしょう。文部省の考え方は、文部大臣に大きな権限を持たせ、学長に権限を持たせ、教授会に権限を持たせて、そして大学の自主性を守るという名前でもって、一系列の、かつての天皇制と同じような、そういう権力支配の制度をつくり上げていかれると思うのでありますが、これに対して反対し、またこういう研究センターに対して反対する若い学者たちを、大学管理制度という上では、たとい教授会を開いても入れぬという、そういう内容を持っている。言いかえれば、こういう反動的な文教政策や、あるいはアメリカ帝国主義の直接の支配、こういうことが大学の中にまで入ってくるということに対して、若い学者、良心的な学者、国を愛する学者は戦っている。これがじゃまになってしようがないから、こいつらの首を切ろうという、そういう体制を作ろうというところに、今度の大学管理制度の問題が出てきている。ほとんど日雇いのような仕事をさせておいて、金を出さないで、そして良心を満足させるためにやろうとすれば、わなにひっかかることになるという状態に置いているのですが、むしろ自民党政府としては、そういうことを望んでおられるのじゃないか。今ここで同僚の委員が、大いにいいことじゃないか、共産党も賛成しろ、そう言いましたが、賛成できますか。こういうことになっている。だから、私は大学管理制度の問題は、この面からだけ言い得るものじゃないと思いますけれども、こういう面から言っても、意図ははっきりすると思いますが、この問題は、ケネディも言っている通り、アメリカのアジア、アフリカ、ラテン・アメリカ、これらの国々を、最も巧妙な手段で支配するということの、その手先として活動することになる。アメリカ自体がやってきたけれども、あそこでも追い出され、ここでも反対運動にあい、ここでも検挙されたりするので、日本の学者を金でつってやらせる、こういうことが含まれているという事実には変わりはありません。われわれはこういう問題に対しては、大学の中の学者諸君、研究者諸君と一緒になって、また国民全体の運動として反対をやります。文部省はこういうことに対してはっきりした態度、賛成なら賛成、やらせているならやらせているのだという態度をはっきりすべきだと思います。 私の質問を終わります。 ————◇—————
○床次委員長 この際お諮りいたします。 先ほど議長に対し、閉会中審査いたしたい旨申し出ることに決定いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案は、提出者の御要望もあり、理事各位と協議の結果、議長に対して申し出ないことといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会 ————◇—————