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41回国会衆議院1962/08/22

文教委員会 第2号

発言数
70
登壇者
7
会派数
2
開催日
1962/08/22

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  公立学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 本案の趣旨説明は前国会におきまして聴取いたしておりますので、これを省略し、質疑に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  質疑の通告がありますのでこれを許します。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 前に伊勢湾台風等がありました場合に法律の百七十六号並びに百八十九号の特例措置法が出されておりましたが、その場合の国庫の補助率は四分の三という率になっておったわけであります。ところがこれは激甚災害特別財政法との関係があるわけでございますけれども、今度の場合には、法案を見てみますると、これはただ改良復旧をすることができる道を開いたのみでありますが、その激甚災害の特別財政法との関係でもやはり三分の二というふうになっているようであります。基準税収入を基礎にいたしまして、特別財政援助額を加えたものと、従来の国庫補助率の四分の三とのどちらの方が有利になるかということを、数字を上げて一応説明を願いたいと思うわけでございます。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 激甚災害に対する場合の特別財政援助等に対する法律案が別に審議されておるのでございます。が、その四条に特別財政援助額に関する規定がございます。そこに率が規定されておりますが、これによって従来の取り扱いと比較してどうなるかという問題は、厳密には災害の態様によって異なることでありまして、正確なことは言い得ないのでありますけれども、しかし法律の建前から従来の国の措置を下回らないような配慮が行なわれておるわけでありまして、総体的に従来の国の措置を下回ることはないものと考えておりますが、試みに具体的に申し上げますと、三十四年度災害の県工事分についてその比較をいたしますと、前の特例法に基づく増分は、今度の案のかさ上げ高に比較いたします。と、今度の方が各県ともいずれも増加するのであります。数字を申し上げますと、特例法による増、すなわち十分の一に相当するわけでありますが、それは一千四百六十七万二千円と計算されるのでありますが、この災害は今度の率によって計算いたしますと非常にふえるのでありまして、六千九十万六千円になるのであります。差引増分が四千六百二十三万四千円になります。このように具体的に計算いたしまして増加になるのでありまして、大体において公立学校分については大観してマイナスになることはないと私どもは考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 激甚災害の特別財政法との関係から考えていくならば、そちらの方が有利だという説明でございましたが、その激甚災害であるという指定をする場合において、過去の分を見てみますと、学校数の十分の一以上が被害を受けた場合には指定をする、一学校において非常に大きな壊滅的な損害を受けた場合には激甚災害の対象にはしないんだ、こういうような区分が確かにあるようでございますが、今度は、学校のそういうような激甚災害といいますか、災害全体の額をまず政令によって規制をして、二百億なら二百億という基準を設定をするだろうと思うのでありますが、その場合において、学校の十分の一以上がとにかくこわされなければ学校の場合には指定から除かれるんじゃないだろうかというような話があるようでありますけれども、その政令の指定をめぐりましてどういうような話し合いがなされているのかということをお伺いしたいと思います。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 今度の法律の根本的な考え方は、従来公共土木事業はそれだけで計算し、それからまた公立学校については公立学校だけで計算して措置しておったわけでございます。それを今度はプールいたしまして、そして地方公共団体の負担額を計算し、それが標準税収入と比較して、その地方公共団体の負担が著しく大であると認めるものについて、これを激甚災害と指定し、特別の措置を講ずるわけであります。今までは学校はそれだけで計算をしたものがプールされて計算する、そういうことになりますから、従って出入りはどうしても生じてくるわけであります。出入りは生じてくるわけでありますが、激甚災害と指定された分については、これは相当厚く国としての措置を講じよう、こういうことになるわけであります。この点についても、実は過去の実例、ことに三十四年度災害の例を見ましても、この差引計算——これは市町村別の計算をいたしておるのでありますが、不利になるということは私どもは一応ないものと考えております。ただ、まだこの政令は目下検討中でございまして、正確なことは今後の政令段階にゆだねられることになると思いますが、私ども従来の措置に比べて、これに劣らないような措置をできるだけ要望し、実現するように努力したいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、従来のものは、学校は学校ごとに学校数の十分の一以上が災害を受けた場合に特例措置法の適用を受けておったけれども、今回激甚災害の特別財政法の第二条によりまして、公共事業等のほかのものとプールした上で、財政措置を激甚災害としての指定を政令でした上で財政措置の積み重ねをやるのだということになっているようでございます。が、その場合に、激甚災害として金額が三百億なら三百億、こういうような線で押えられる場合と、二百億円なり百億円なりという線で、これが国民経済に著しい影響をもたらす線だという一つの限界線が示されるだろうと思うのですが、その金額の押え方いかんでは、適用をされるところの地方公共団体の数と金額の差によって、今度金額が上回っていけばいくほど、激甚災害の指定からはずされるという可能性が出て参ります場合においては、従来は四分の三の補助だった、今度は三分の二プラス歩積みがあるわけであります。が、その場合における数——金額の面はわかりましたけれども、その適用された市町村別の学校数ですか、そういうような場合の数は増加しますか、減りますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 まず原則といたしまして、その災害の実態を見て、その被害額から計算して国の措置額をきめる建前になっておるわけであります。まずその全体のワクをきめて実態にそれを適用するという建前ではないわけです。もちろん実際問題としては、予算折衝の問題になり、そういうふうな面も起こらないとは言えませんけれども、建前としては被害額を下から積み上げてくるという考え方をとっておるわけであります。そういうふうな建前になっておるということが一つと、それから実際に学校の校数等でどうなるかということは、先ほど申し上げましたように、これは災害の発生の態様によって違うものであり、一がいに言い得ないのであります。しかし私どもが今政令で一応考えられております率によって試算してみますと、その点は必ずしも不利にならない、こういうふうに考えるのです。

村山喜一日本社会党

○村山委員 確かに金額は、三十四災を例にとって考えれば四千六百万円程度増額するという点はわかるわけです。が、政令によって、被害額、特に国民経済に著しい影響を及ぼすというその基準設定の金額のいかんによっては、適用数はかえって減ってくる可能性というものも考えられるのではなかろうかと私は思うのです。三十四災の場合にはほとんど同じようにお伺いをしているわけですが、その金額の設定いかんによってはそこにはバランスがくずれてくる点がある。これは技術的な問題でありますけれども、そこら辺に一つ留意していただいて、政令によるところの基準設定にあたりましては、その事業個所が減らないように御注意を願いたいと思うわけであります。  次に、公立学校の施設災害につきましては、今回の改正案によりまして、三分の二の改良工事ができる、こういうふうに積極的に法律が改められました点はまことに喜ばしい点でございますが、それと同時に、従来から百七十六号あるは百八十九号の法律の制定を受けまして、今回の激甚災害の特別財政法案の中に見られますように、公立の社会教育施設、さらにまた私立学校の災害復旧、こういうようなものが内容的に規定がされているわけであります。そこでこれをよく検討してみますと公立学校の施設災害は三分の二の改良工事ができる、公立の社会教育施設は予算の範囲内で三分の二の原形復旧だ、そうして私立の場合には建物だけの適用で、しかも予算の範囲内で二分の一だ、こういうふうになっているようであります。そこには公立学校の施設災害というものが一番大きくなって、それから社会教育施設、それに私立学校、こういうようなふうにいろいろな適用段階が考えられているようでありますが、こういうようなふうに差をつけてやるのだという考え方に立っている。その根拠というものがあれば、この際お示しを願いたいと思います。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 私立学校及び社会教育施設についても、今後の努力目標としてやはり改良復旧で考うべきだと考えます。ただ今回の措置は激甚災害の統一立法ができるに際して、その法律の建前から、これを捨てておきます。と、公立学校の改良復旧の点がはずれてしまう。従来の立法にはこの公立学校の改良復旧の点がその災害ごとに規定されておったものが、このような統一立法になりますと、そういった部分を個々に規定することが非常にむずかしくなる。そういう意味において、これを別に措置する際に、従来の母法を改正して、この改良復旧を、公立学校については一般化していく。公立学校についてはそういうふうな特別の事情があるために、その分だけ母法改正によって改良復旧を一般化するという措置をとったわけであります。社会教育施設及び私立学校施設については、これは母法がないのであります。従って今のような関連において、すぐ母法をこの際直すというのは、今回の法律の建前、筋道からいいましてやや無理であると考え、今後努力すべき事柄と考えておるわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 その点は了承いたします。が、次に、これは財政との関係が出てくると思うのでありますが、激甚災害の場合、地方公共団体の小災害に対する起債の特別措置の問題でございます。学校は、県、市町村とも、一学校当たり十万円以上をこえるものについては地方債の元利償還を政令によって定めるとなっておりますが、従来は三八・二%だったと思いますが、そういうような政令のきめ方によりましては、地方債——小災害の場合には、国の方の補助をもらうよりも、政令の内容いかんによっては、あとで元利償還のなにをしてやるということになりますと、起債でいった方がかえって有利になるという点も考えられるわけなんです。が、それらの政令で予定されておりますものが、大体どういうようなところのものが予定をされているのかという点を承りたいわけであります。それと同時に、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の施行令の第七条を見てみますると、市町村は十万円をこえたものに対してこれを補助の対象にする、こういうことになっておりますが、その関係から参りますと、激甚災害の特別財政法案の中における学校は、一学校当たり十万円以上ということになっておりますけれども、都道府県の場合、十五万円以上の場合には補助ができるということになっております関係から、市町村の場合には十万円をこえたら補助対象になるのでありますから、その分については、ここに小災害に対するところの元利償還の特別措置としての規定がつけ加えられておりますけれども、実質的には都道府県のみが対象になるのではなかろうか、こういうふうに考えられるわけであります。そういうような点から考えて参りますと、施行令の第七条を改正する必要が出てくるのではないか、こういうようなことの関連はどういうふうにお考えになっておいでになるのかを承っておきたいと思います。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 その点は、正確を期するために課長から説明さしていただきます。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 ただいま公立学校の災害復旧につきましての小災害の点をお尋ねになりましたが、現行制度は、都道府県の場合に十五万円以上、市町村の場合に十万円以上のものが国庫負担の対象となることになっております。ただしその場合、十五万円または十万円を計算いたします単位は、一学校ごとに建物、工作物、土地、設備、それぞれ一つ一つにつきまして十五万円以上のまたは十万円以上の被害がなければ、国庫負担の対象にならないわけでございます。  このような制限によりまして、国庫負担の対象とならない小災害が出て参るわけでございますが、そういった小災害につきまして、従来激甚災害の場合に元利補給の対象となりましたものは、今度は一学校ごとに建物、工作物、土地、設備、それぞれの被害を全部足し算をいたしまして、足し算をいたしましたものが十万円以上となっており、かつ起債許可の対象となりましたものにつきまして、その元利補給金といたしまして元利の百分の三十八・二を交付する。先ほど御意見がございましたように、元利補給金といたしまして三八・二%を補給し、それに基準財政需要額に算入いたします二八・五%をプラスいたしますと六六・七%でございますから、大体三分の二の国庫負担があったと同じような措置を交付税算入と元利補給でいたす、こういうことで現行参っておるわけでございます。激甚災害の統一立法が成立いたしました暁、その政令におきまして小災害元利補給の率等がいろいろ検討されて参るわけでございますが、ただいままでの関係各省との話の際には、この率を動かすか、あるいは動かすとすればどのように動かすか、その点まだ話が具体的に進行いたしておりませんが、ただいま御指摘ございましたように、現在の元利補給金と、それから基準財政需要額に算入いたしますものを足しましたパーセンテージが、母法における三分の二の負担とほぼ同じような率になっておるというのも、一つの制度として今後も直ちにこれを変えなければならぬということにはならないのではないか、この辺関係各省の御意見も伺いまして今後検討を続けて参りたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そこで井内助成課長にお尋ねをいたしますが、ことしの災害、これは各地で出ておるわけでありますけれども、小災害が文教関係の場合には非常に多いのではないか、こういうふうにとられるわけでありますが、その被害の実態報告が、まだ詳細なところまではわかっていないかもしれませんけれども、大体なされているだろうと思うのですが、その状況がわかっておりましたら、この際御説明を願いたい。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 ただいまの小災害の金額の把握は、事務的に非常にむずかしい点があるのでございますが、私の方で現実にやっておりますやり方は、災害がございました際に、可及的すみやかに被害報告を徴するわけでございます。被害報告を徴しました後におきまして、今後は現行の負担法によります。負担申請を徴します。そうしますと、被害報告額と負担申請額との間に、必ず一定金額のずれが生ずるわけでございます。このずれが、結局、被害はあったけれども負担申請が出てこない部分でございまして、その部分が大体小災害に当たる部分ではないであろうか、こういう考え方をとって自治省その他と連絡いたしておるわけでございます。この数値につきましては、被害報告の際に報告から漏れております小災害も中にはあるだろうと思うのです。けれども、その点は私の方としては、ちょっと実態を把握いたしかねておるわけであります。  最近の例で申しますと、宮城北部地震が四月三十日にございましたが、宮城北部地震の例で申しますと、当初報告がありました額が二億七千八百万円でございます。それに対しまして国庫負担の申請がありましたのが二億七千百万円でございまして、ズレがこの場合は七百万円しかございません。宮城北部地震のような地震によりまする災害、しかも一回だけでなくて、相当日数連続して地震がありましたような際におきましては、先ほど申し上げました十万円以下の市町村立学校につきましての足切りに該当して陥没する部分が非常に少なかったわけであります。宮城北部地震につきましては、今申し上げました二億七千八百万円と二億七千百万円の差ぐらいが小災害部分ではないだろうか、これはそのつどそのつどの災害の態様によりまして異なるであろうと思います。宮城のときには一定地域の地震でやられましたので、大体全部の学校が国庫負担の対象になるような災害を受けた、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 これはどういうように取り扱いがされているのか承っておきたいと思うわけですが、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の対象の中に、スクール・バス、スクール・ボートというのが入っているかどうか、この点は法律の制定当時と、その後においてスクール・バス、スクール・ボートの予算がその後からつき始めましたので、学校の建物以外の工作物というその概念の中に、スクール・バス、スクール・ボートは入れてあるのかないのかお答えを願いたいと思います。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 今のスクール・バス、スクール・ボートというたぐいは、設備という概念で処理しておりますが、従来スクール・バスにつきましては、具体例はまだございません。スクール・ボートにつきましては従来処理し先実例がございます。考え方といたしましては、設備ということで処理いたしたいと思っております。この点は高等学校等の水産実習船等につきましても同様な扱いでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、設備については施行例によってそれぞれ計算の方式が違っているようであります。が、この学校の建物等の場合には三分の二の改良工事ができる、こういうことができる、こういうことになっておりますけれども、スクール・ボートの場合等はどういうふうな一体取り扱いで、実質的にはどれくらいの補助率になってくるのかを承りたい。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 ただいま村山先生のお尋ねでございますが、三分の二の改良復旧というふうなお尋ねでございましたが、これは改良復旧を何%予算で認め、何%改良復旧をするかという問題と、負担率が三分の二という問題は一応別の問題でございます。設備につきまして被害を受けましたときに、やはり適正な金を一応査定いたして出して参ります。そうしていわゆる母法による場合は、負担率は同じように三分の二でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 実際災害が出ました場合に、激甚災害にひっかかった場合には一応いいといたしまして、普通の災害の場合、起債の対象の面から考えまして災害の実情から申して参りますと、たとえば小災害が非常に多いわけでございますが、激甚災害は先ほども実質的に三分の二になるような程度において措置がされた場合において、普通災害の場合は一体どうなるのかということを考えて参りますと、起債承認の条件というのが確かにあるようであります。市町村においては百万円以上でなければ起債の承認が行なわれない。そうなって参りますと、たとえば三百万円の学校災害がある、それに対して今度のこの法律の母法の中におきまして、三分の二の国庫補助がなされるわけでありますが、残りについては起債においてこれを充当をしていかなければ学校が復旧をしない、こういうことになるかと思うのであります。その場合において財政指数が非常に低いところの市町村、特に離島の村あたりにおきましては、百万円という起債の制限ワクがあるので非常に困る、もっとワクをゆるめてもらわなければやってゆけないというようなことをよく聞くのであります。その場合におけるところの離島等の場合を特に考慮いたしまして、起債の制限額については、百万円というのを五十万円程度に離島の場合には特に考慮してやるというようなお考えはないのかを、この際承っておきたい。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 起債額はただいま御指摘ございましたように、事業ごとに一定の制限が設けられておりまして、その金額に充たなければ、原則として起債許可が行なわれないわけでございます。それは都道府県及び五大市につきましては一千万円、それから人口三十万人以上の市が五百万、人口五万人以上の市が二百万、その他の一般の市町村が百万円、ただいま御指摘の通りの起債許可を行ないますための限度額が定められておるわけでございます。ただし現在も自治省の方におかれまして、人口十万人未満の市町村につきましては、当該事業以外の事業の起債額も合算いたしまして許可を行なうというやり方で、実質的に人口十万人未満の市町村につきまして、基準を下げたと同様な工夫をいたしていただいております。ただいまの御指摘の点につきましては、たとえば学校の復旧ということを考えます文部省の立場といたしましては、起債の運用等につきまして、今後一そう自治省等に現実にいろいろな具体例を持って参りまして、特に離島なり僻地なり等におきます学校復旧等が起債を至たる財源としてやります場合に、実情にうまく合って執行されます。ように一そうの努力を私の方もいたしてみたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 実際の離島、僻地といわれるところは、きわめて基準財政収入額も少ないし、標準税収も少ないわけですが、そういうようなところは、一たん災害に見舞われますと、公共施設があまりない、住民の被害、民生上の被害というものが大きくて、公共上の被害が少ない、そういうような災害の場合もあり得るわけですが、そのようなところにおいて学校が半壊をした、ここでつくり直さなければならないというようなときに、補助金をもらった、ところがあとの一般財源で充当すべきものが、起債がつかなければやっていけないというような財政指数にある村もあるようなわけであります。そういうなところから、この際やはり百万円という制限額を五十万円程度にしてもらわなければ、どうにもやっていけませんというようなことも従来聞いておりますので、今後そういうような災害が出た場合におけるところの予算の執行において、せっかく改良工事までワクを広げてやろうというような考え方に立っておられますので、ぜひ実情に即するように、その許可基準等につきましては、自治省の方とよく折衝をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  それと全壊、半壊の場合、これを考えてみますると、全壊の場合には今度の法律の改正によりまして、改良工事を促進することができると思うのでありますが、半壊の場合の残存坪数が出ておりました場合に、改良工事を今後行なうということになりますと、どの程度まで認められることになるのか、現在の法律のままでいった場合と、この一部改正の法律が通過した場合におきましては、どういうような差が半壊の場合には出て参るのかということが明らかであれば説明を願いたい。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 残存家屋を半壊の場合に差し引いて計算するという方式が従来とられたのでありますが、実は今度の宮城県の地震災害にあたりましてこの点は特に大蔵省にお願いいたしまして、その残存家屋を差し引かずに計算するという措置をすでにとっております。今後ともそのような方式でお願いできるものと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 それは法律の改正によらなくとも、現在のままでも努力によってやっていけておるということになるわけですね。だけれども、この法律が改正されるとよりそういうようなのがやりやすくなるということが言えますか、どうですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 その点はやりやすくはなると思いますが、特に今度のこの法律自体は、そのことを直接にはいっておらないわけです。

村山喜一日本社会党

○村山委員 予算の執行にあたって、この法律の改正によりまして従来の場合よりも改良工事ができるように積極的な姿勢で規定づけられておるわけでありますが、そうなって参りますと、それに伴うところの本年度の場合の事業量といいますか、増加する部分が当然出てくると思う。原形復旧、たとえば木造であったものをまた木造にするよりも、今度はそれを積極的に鉄筋コンクリートに改良をするわけでありますから、それの単価並びに坪数の増加によりまして当然国庫負担というものがふえて参る。その増加するものは一体どの程度になるのかという見通しがついておりましたら、三十七年災害について状況を説明願いたい。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 三十七年度災につきましては、ただいままでに特に公立学校の関係で発生をいたしておりますのは、四月三十日の宮城県北部地震、それから七月中に九州地方を襲いました梅雨前線の集中豪雨、その他七月二十七日、八月四日、和歌山、北海道等を襲いました災害でございます。ただいま宮城県の北部地震につきましては先般予備費を決定いたしまして執行の段階に入っておりますが、九州に起こりました集中豪雨等の災害につきましては、ただいま大蔵省との現地立会査定を実施中でございまして、その結果を見ませんと全半壊について改良復旧を希望するものが大体何坪くらいになるか確定しかねる状況でございます。宮城北部地震につきましても改良復旧を希望する学校がございましたが、これらの学校につきましては、予備費の予算措置によりまして、大体改良復旧を希望する学校の全部につきまして改良復旧を認め得る状況にただいまなっておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 原形復旧と改良復旧の場合、宮城県の場合はどのくらいの差が出ているのですか。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 宮城北部地震の金額を申し上げますと、大蔵省との現地立会査定の結果、国庫負担の対象と一応確定し得るものが金額にいたしまして大体二億の査定工事費になります。二億の査定工事費につきまして負担率三分の二という母法によります国庫負担を行ないますので、補助金はおおむね一億三千九百万、約一億四千万というのが宮城北部地震にただいままでのところ予定いたしております国庫負担金でございます。そのうち全半壊によりまして新築復旧をいたしますのに要します経費が、大体一億一千万でございます。残りが建物、土地、耕作物、設備等の補修費でございます。一億一千五百万の新築復旧のうち、大体改良復旧を七〇%程度見込むということでただいま予算措置をし、執行いたしているわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 宮城の場合には文部省の努力によって七〇%までは現在の法律のもとにおいても改良復旧をやる、こういうことになるわけでありますが、この法律改正がなされますと、原形復旧もやるわけでありましょうけれども、さらに改良復旧をやる割合いというものをどの程度まで高めようとお考えになっているか、それをお確かめしたい。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 改良復旧の実績は、過去大きな災害に対しまして、伊勢湾台風、第二室戸台風がございます。伊勢湾台風のときにおきましては、全壊の坪数に対しまして六〇%、半壊の坪数に対しまして三〇%が予算上措置されたのでございます。第二室戸台風の際はそれがそれぞれ一〇%上昇いたしまして、全壊の場合が七〇%、半壊の場合が四〇%でございます。今回の母法改正が成立をいたしました後におきます改良復旧の率がどうなるかということにつきましては、全壊坪数、半壊坪数のうち改良復旧を希望いたします希望率というのが一つあるわけでございますが、これがたとえば全壊坪数が千坪といたしますときに、渡り廊下部分でありますとか、物置部分であります。とか、改良復旧を設置者も一応考えないという坪数が必ず出て参ります。従来の状況で申しますと、改良復旧の希望申請率は、災害の態様によっても異なりますけれども、大体九〇%から八〇%前後ではなかろうかと考えております。今後災害が起こりましたときに、原則的には全半壊坪数を持っている市町村で、改良復旧を希望いたしますものにつきましては、改良復旧の予算上の措置を考える、こういうことになろうかと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 改良復旧の希望率は九〇%だ。それを改良工事をやる場合には、今の課長の話では、一〇〇%になるように努力したいということで、そういうふうに努力願いたいと思うのでありますが、この際お尋ねをしておきたいのは、実際現有している保有坪数というものが、そういうような地震とか台風、豪雨等によって消滅した場合において、今後それを基準坪数をもとにしまして計算をして参ります場合においては、従来持っていた保有坪数よりも、新しくつくりますところの学校建坪数が減少してくる、こういうような場合が予想されるわけであります。宮城の場合にはそういうようなことはなかったわけなんですか。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 ただいまの問題は、災害復旧の場合におきましても、一般整備の場合と同様な小学校補正付〇・九坪、中学校補正付一・〇八坪の基準を国庫負担の限度といたしております。それで特に小学校の子供の数が減少し始めておりますので、災害を受けました際、国庫負担の対象坪数を今の補正付〇・九坪で計算いたしますと、大体現在の保有よりも下回るようなところまでしか国庫負担の対象の坪数が出てこないというような問題が現に起こります。宮城北部地震の場合にもそういった問題が若干ございましたが、その点につきましては実際に学級数が何学級である、実際に必要といたしまする学校の坪数が何坪になるかとかあるいは来年、再来年以降の生徒数の減がどう立つかというような、そういう個個の学校の実情を精査いたしまして、必要があるものにつきましては二割増し特例計算の範囲内におきましてできるだけの措置をとっておる次第でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そこでそういうような特例措置をとっていただいて、実情に合うようにやっていただいたことに対してはいいわけでありますが、問題はこの坪当たりの単価あるいは基準坪数の押え方、こういうようなものによりまして、実質的に三分の二の国庫補助率だということにはなっているけれども、実際は設置者の負担増というものが三分の一以上にあるのではないかという点が考えられるわけであります。が、特にこの中学校の技術家庭科の特別教室並びに理科教育振興上の特別教室、こういうようなものが本年度から予算の要求の基礎にも入って参りましたし、これは従来施行令等で押えられておりました小学校〇・九坪、中学校一・〇八坪のワク外にプラスアルファとして示された数字ではなかろうかと思うのです。そうなって参りますと、将来中学校の技術家庭科あるいは小、中学校の理科教育の振興上の特別教室、こういうようなものを入れ込んだ理科の特別教室はこの各学校に必ず必要なんだ、そういうような点から積算をしていった場合においては、基準坪数というものの数字を改訂しなければならない段階にきているのではないかと思うのですが、その改訂の見通しというものと、現行の単価というものがこれは木造にいたしましても鉄筋にいたしましても実情にそぐわない建設単価というもので押えられている。これでは幾ら高率の補助率を作ろうといたしましても、実質的には三分の二が二分の一に低下するというような現状が出てくるわけであります。そういうような単価改正に対するところの見通し、これを来年度の予算要求の中でどういうふうに実現をしていくお考えであるのか、この際お示しを願いたい。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 基準の問題、単価の問題、いずれも御指摘のように改正すべき段階になってきております。それで私どもの考えとしては、明年度予算においてそれらの実現をはかりたいと考えております。基準については、これはなかなかむずかしい問題があり、十分慎重に考うべきことでありますので、現に私どもいろんな調査をいたし、基準改訂案も実は用意しているのでございますが、これはなおよく研究いたしまして、できるだけ早い機会に改めたいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 大蔵省の次長がお見えになっているそうでありますが、大蔵省の考え方をこの際承っておきたいと思います。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 考え方と申しますか、ただいまの基準の問題並びに単価の問題であろうと思いますが、いずれも来年度予算の問題として検討して参りたいと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 来年度予算の問題として検討して参るということは、これは当然予算の査定をやるのだから検討するのはあたりまえの仕事であって、どういうふうに検討するかという問題なので、あなた方は実質三分の二国庫補助という負担の制度を名実ともに確立をして、地方財政に負担をしわ寄せをきたさせないような方向において考えているのか、それを名目的なものとして——現状は名目上の問題になっている。そういうような実情を無視してやる考え方なのか、その考え方の基本的な方向をやはり示してもらわなければ答弁になりません。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 単価の問題等地方財政全般を通じまして文教のみならずいろんな点で検討しなければならない問題がございます。さような点につきましてはもちろん実情と適当に、あるいは不合理に遊離しないように是正すべきものは是正すべきであろうと思いますが、どの程度が不合理である、どの程度が適当であるかということについて、その他一般もろもろの問題と合わせて検討いたしたい、こういうわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 現段階においては主計局次長はその程度しかものが言えないだろうと思う。とにかく現実に学校をつくる場合等において単価の問題なりあるいは設置基準、基準坪数の問題が実情に合わない。今日、日進月歩の状況にあります教育水準の向上という面から考えましても、さきに教育課程の改正を文部省は強行したわけであります。が、それに見合うところの実質的な内容というものは教職員の面においても、施設設備の面においても、十分にまだなされていない。そういうようなものが国の教育行政上の必要な措置としてなされる以上は当然そういうような要素を取り上げなければただ名目的にやるだけのことであって、実質上はそれが即応しないということになると、教育を、人づくりというようなものが生きてこないということになるわけであります。そういうような点から考えて参りますならば、当然中学校の理科教育の振興あるいは中学校の技術家庭科というような新しい教科の新設に伴う特別教室等は基準坪数の中に入れ込まなければおかしいと思う。そういうような点を十分に考えていただいて、建設単価は実情と非常に差がありますので、実情に即応するように訂正をお願いしておきたいと思う。  最後に大臣に考え方をお尋ねをしておきたいと思いますが、きのう都道府県の教育長協議会の方から三十八年度の文教関係立法予算措置要望というのが、私たちの方にも要望書が参って、その中を見ますと、来年度予算に関係のあります分は一応別にいたします。が、災害に関連をして次のような要望がなされているようであります。大災害発生時におけるところの教育に対する救済措置が不十分であるので、次の事項に留意され、災害救助法を中心とする関係法令の改正措置を講ずるとともに、これに伴う再建措置をはかられたい。その内容は、教科書その他学用品の無償給与のワクを拡大をしてもらいたい。第二点は、災害救助法の適用のない避難地に学童の集団疎開が行なわれた場合においては、受け入れ側市町村に対しても特別交付税その他の財源措置を講じてもらいたい。第三点は、特に児童生徒を対象とした保健衛生上の救助措置をとってもらいたい。第四点は、災害時におけるところの奨学救済制度を確立をしてもらいたい。以上もっともな要望点が並べられておるのでありますが、こういうようなものはやはり災害対策の閣議等において、大臣の方からその災害救助法等はこれは厚生大臣の主管でありましょうけれども、文部省の関係の分については、災害発生の対策という点から考えて十分な措置を講じていかなければ、ただ建物だけについてこういうような改良工事をするというだけでは十分な対策は講ぜられないと思うので、そういうような点から考えまして、これらの要望、陳情の内容につきましては十分に検討をした上で善処されるであろうと思うのでありますが、大臣はその災害時に対するところの教育の救済措置という問題をめぐってどういうような対策をお持ちかを、この際承っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今教育長協議会等からの申し出を中心に指摘されましたことは、私はまだ具体的に直接聞いておりませんが、一両日中に教育長会議、教育委員長会議に私も出向きまして、直接お話も聞き、御相談もする機会がありますので、もっと直接的な要望も聞いてみたいと思いますが、しかし、今指摘されました事柄それ自体、まさしく要望の線に沿って国としては対処する必要がある事柄だと思います。文部省だけで現行諸制度のもとになし得る部分の努力不足もあるいはあろうかと思いますが、多くは各省にまたがる関係からして、十分に注意が行き届かなかった点もあろうかと思います。さらには、現在の法律制度等を改善しなければできないという部分もあろうかと、ちょっと想像するわけでありますが、いずれにいたしましても、かような場合に手落ちのないようにするということは当然なことでありますから、努力をいたしたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私の質問はこれで終わりますが、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正する法律は、内容的に見ましてわれわれとしては賛成する点が多いわけであります。  以上申し上げまして、質問を終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 簡単に二点だけお聞きしておきたいと思います。  一つは、今村山委員から話がありましたが、単価の問題ですけれども、これは大臣にお聞きします。たとえば法律で二分の一を補助するという明示があって、単価を非常に低くして実質上三分の一の補助にしか該当しないということは行政上の問題であって、これは明らかに法律違反だ、そういう解釈をしなければならぬと思うのですが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 いきなり法律違反ときめてかかる点かどうか、ちょっと私もわかりませんが、これはなかなかデリケートな、むずかしい、つかまえどころのないような本質を持っておるように思います。一体、予算に積算基礎として取り上げましたものの値段、単価というものが、予算成立後執行完了のときに至るまでそのまま微動だもしないでおってくれれば一番いいのですけれども、国内事情ないしは国際事情等にも関連を持ってしょっちゅう変動してやまない、その時々の需給関係で定まるものでもあるわけでしょうから、きちっと具体的にびた一文も違わないように請負契約と予算とが一致するはずのものじゃないと思います。その許容さるべき範囲がどの程度であるか私もわかりません。しかしおおむね常識的に予算単価と実行単価がなるべく近づいておる状態が望ましいとは思います。そのことは一般物価政策の確立とも関連いたしましょうが、要するにむずかしいことだと思うのですけれども、予算をきめます場合に、一年間の将来を見通して予想し得るいろいろな諸条件を勘案してきめるように政府としては努力すべきもの、かように思います。法律違反だというお説にいきなり賛成するのもどうかと思います。私もよくわからないわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 結局わからない御答弁のようですが、現実には、たとえば来年度の予算編成の場合については、現在の物価が、建築資材その他が非常に上がっておることは客観的事実であります。従って単価をとにかく昨年度と同じ単価ではいけないということだけは、法律の規定から明らかだと思う。だから予算の編成の仕方の中に、従来の単価のままで文部大臣が予算編成するということは、みずから法律を少なくとも軽視するものだと私は思う。ですからその点について、厳格にいえば私は法律違反だという論議もできると思うのですが、そういうことはあまり言わないにしても、昨年と本年との関係からいっても、単価を引き上げてそうして大蔵省に要求するということは当然だと思うのですが、その点はいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 つかまえどころのない課題だと申し上げましたが、それでも室戸台風のときでございましたか、災害復旧に関連をいたしまして、現実単価に非常に近いところで大蔵省と話がまとまりまして、単価の引き上げをいたしました。そのことが三十七年度予算にも採用されて、それを基本に実施段階に入っておりますが、それよりも現実にはある程度上回りまして、鉄筋、鉄骨、木造平均おしなべての単価にいたしましても、実行と予算の単価とは高校急造に関連して承知しましたことは、一万五、六千円の開きがあるということを承知しております。その状態が今後も持続するであろうかどうかという将来の見通しいかんにもよりますが、坪当たり一万六千円も開きがあること、それ自体は、予算の執行不可能であると常識的にも考え得る開きかと思います。ですから極力開きがないようにする努力をするのが、私どもの立場上当然であります。その点の見通し等について、大蔵省ないしは自治省等と十分に相談をいたしまして、執行不可能にならぬように努力せねばならぬと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 高校急造の場合には単価を引き上げたのは、たしか工業関係だけですね。政策的に必要な部分だけを引き上げて、その他を引き上げないということは、法律規定からいっておかしい。その点を大臣よく検討していただきたいと思います。  大蔵省にお聞きいたしますが、先ほどの御答弁によって、いろいろのことを勘案しての問題ではなくて、やはり基準単価というものは三分の二補助とある限りについては、少なくともそれに近い、少なくとも三分の二という概念に入る程度の基準単価を法律的基準として認められなければならない。大蔵省は査定するときにいつも押えていくので、自由裁量の問題ではなくて、法律規定と密着した査定の仕方をしなければならぬと思うので、その点は明確にお答え願っておかなければならぬと思うのです。ところが法律に三分の二と書いてあるからといって、三分の二以内ということは、これは私は受け取れない。それは一般の立法技術上の問題だと思います。その点は明確にお答え願いたいと思います。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 予算の問題といたしましては、単価ということは、大はただいまおっしゃいました建築単価のようなものから、小は消耗品、備品の単価に至るまで、すべて単価が中心をなすわけでありますから、仰せの通りその単価をいかに適正なものとして把握するかということは、単に文部行政のみならず、その他一般の国の施策の予算をつけます際に大きな問題になるわけでございます。建築単価のことで考えてみますと、文部省所管のことで見れば、ただに公立文教のみならず大きな国立文教の施設もあるわけでありまして、たまたま地方財政との関係におきましては、地方が持ち出しになるとか持ち出しにならぬとかいうそういう話になって参りますけれども、国立文教になって参りますと、これはできるかできぬかという自前だけの話でありますから、非常に大きな問題でございます。そこで予算の立場といたしましては、建築単価の中身を詳細に分析いたしまして、建築関係の物価指数その他も見まして、工法の変化その他技術的な内容にまで立ち入りまして、できるだけ各省各庁にまたがって統一のとれた単価を見ていこう、こういう気持でやっておるわけでございまして、それが具体的にある地方、ある県、ある市町村の具体的なある工事とどういうふうに関係するか、場合によってはその県の具体的な工事、その町の具体的な工事の単価が、これはもういろいろでございましようけれども、予算の建前といたしましては、大体標準的なあるいは基準的な、適正と考えられる単価をとって見ていく、こういうことをいたすつもりでございます。現実にある県の、ある町村の単価と食い違うことは、これは当然あり得ることとして御了承いただけることと存じますが、単価それ自身予算にどう組むかということは、ただいま抑せの通り実情を十分調べました上で適切なものにしていくべきであるということは、私どもといたしましても異論のないところでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 今のお考えの中に一つの矛盾があると思いますのは、国立の場合は補助何分の一といろ問題ではなくて、国が直接建てるわけですから、単価が少なければ貧弱な建築しかできない。そしてこれは政治的な責任を問われるだけの話なんです。今言うのは、補助を明確に三分の一なら三分の一と明示した、そういう場合についての単価は三分の一補助に相当する単価を計上するということが法律的義務だ、自分で建てる場合とは違うのです。三分の一補助するという義務を国が法律的に背負っておる場合についても、単価を国立大学と一緒の単価というふうなお考えで査定されるのは間違いじゃないか。その点は概念の混乱をしていると思います。どうですか。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 ちょっとその点私どもと立場が違うようでございます。非常につまらぬ例を申し上げて恐縮でございますが、単に文教のみならず、たとえば社会保障その他につきましても、地方に対して建物、施設等の補助をいたしておりますが、かりに——仮の例でございます。非常にデラックスなものを地方でお建てになったとしまして、デラックスな老人ホームか何かできました場合に、三分の一補助とありますから三分の一をよこせ、こういうわけには参らないわけでございまして、おのずからこの程度のものが適当だろうと思われるところで補助をする。それが現実にはデラックスなものであろうと、あるいは多少はみ出ておろうと、およそ適当かと認められるところが補助の単価として適当であろう、これがやはり法律で予算の範囲内においてと書いていただいた気持でございます。それがないと、やはり出したもの、かかったものだけは全部三分の一補助しろという話になっても困るわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう実質主義と教員給与の場合と法律基準は違うのだから、そういうことは考えていない。ただやはり国立の場合に単価はこれだから、補助を規定した法律事項に基づいて算出する場合の基準単価を引き下げるというような思想は違うんじゃないか、間違いじゃないかと私は言っておるわけです。現実に東北とかあるいは東京、関東とか、地域々々によって建築費は違ってくるかもしれません。しかし常識的に言って、三分の一補助が四分の一補助に実質上なるというようなことは、やはり法律問題として論議しなければならぬ問題であるから、その点は十分に——今のように単純に画一的に考えるのが当然だ、そういう考えは、やはりもう少し深めて査定をされる必要があると思うので、それを要望しておきたいと思うのです。  それからあと一点だけお聞きしたいのですが、原形に復旧するという思想について、先ほど村山委員からもお話があったのですが、現在の基準坪数よりも、三十年前に建てた校舎——村が補助金をもらわないで、村の教育のために建てた校舎が、その後六・三制のときに作った基準坪数より二教室多い、三教室多い、特別教室を一つ多くつくってある。それが火災になったときに、原形復旧という場合には、その実績に応じてもとの坪数だけを建てようとする村の思想に応じて、私は補助対象にすべきであると思うのですが、前に十教室あったものを、基準坪数に計算をして八教室に削って補助対象にするということを建前とする考え方については疑問がある。少なくとも過去において実績を持って建てておる小学校、中学校の校舎については、その分だけは無条件で原形復旧すべきであり、そのあとに鉄筋その他の改良を原則とするかどうかという論議がさるべきであるのに、現在の焼けた校舎を下回って補助対象にして、それ以上はやらないという考え方は間違いだと思うが、その点についてはいかがですか、これは大臣にお聞きします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 詳細はわかりかねますけれども、基準坪数につきましては再検討すべき時期に来ておると思います。さっき局長からお答え申したのですが、さりとて、そう右から左に簡単に割り出せるものでもないようでありまして、今盛んに資料を取り集めまして、一応の素案はできておるようです。が、かりにもうちょっと詰めまして、基準坪数というものの将来にわたっての合理性を——ことに生徒がだんだん減ってくる。それとの関連においてどう受け取るべきかということも考えあわせまして、基準坪数が今お話しの一番の基本の問題と思います。単価も、今のやり取りのように、現実には影響はありましょうとも、その基本はまず基準坪数にある、そういう考え方で対処せねばならぬと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 答弁が少しずれてしまったが、局長にいま一つ聞きます。が、原形復旧というものは、現在ある校舎をもとに戻してやる思想だ、端的に言って。従って十教室建っている校舎が焼けた場合に、十教室までは無条件に原形復旧として補助対象にするという思想だと思うのですが、いかがですか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 国がどの程度措置すべきか、負担すべきか、こういう問題になりましたときには、やはり基本的な考え方は基準までを見るということが筋だろうと思います。もちろん基準そのものの問題もありますから、それはそれとして検討すべき問題なんです。けれども、国が措置する限度をきめる原則的な意味においては、やはり基準までという思想が出て参ると思います。ただし現在の規定におきましても、そういうふうな考え方を画一的にとることは、現実非常に障害の生ずる場合もあるわけでありまして、そのことを予定いたしまして、この負担法の第五条にも特に特認規定があるわけでありまして、だからそのような基準までで揮えることが実情に即して非常に不合理だというような場合には、その実情に即して、この特認規定に基づいて措置する場合もあるわけでございますが、基本的な考え方として基準までという考え方をとることは、私は国の立場としてはやむを得ない措置と考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この法律の文章には「当該建物の従前の効用を復旧することを目的とする」これが原形復旧だ。この通りすなおに受ければ、そんな変な、実情に即してという思想は入っていない。その村の校舎の焼けた分を復旧してやるということが従前の建物の効用を復旧するという意味で、全部に該当するのが当然立法の精神だ。それで実際に三十年、四十年前に村が一生懸命に建てて、不幸にして火事になったときに、学校の建物を少なくしか建てられなくなった、補助をくれない——それは行政的にいっても教育に対して非常に冷たいものだし、災害復旧の場合についてはやはりそのままずばりと——原形復旧というものはそういう変な基準坪数で減らすというようなことはしないで出すべきだ。実際の教育振興という立場からいっても、そういう理屈を抜きにすべきだと思うのです。これはまた実際の教育行政の立場からいっても私は切実な中央、地方の問題だと思うのです。その点については、現行法の文章からいっても、従来の建物の効用をそのまま復旧するというその文字通り当然に補助対象にすべきであり、できるのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょう。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 この法律も、「政令で定める基準による」、こういうふうになっておりまして、今のことをそのまま読むことに必ずしもならないわけでありますが、いずれにいたしましても実際問題としては、できるだけこの特認規定を活用してやはり教育の質の低下を来たさないように努力すべきだ、こういう御趣旨には私は賛成でございます。ただ建前として、実情を見るということが全面的にそのままということではどんなものか。国の建前としてやはり基準までという考え方が出るのはやむを得ない、かように考えておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 原形という言葉を書いて、これは別に政令の基準によりというのだから、単価だとかあるいはその他の構造ということに名をかりて建物全部を縮小するというのは、原形復旧という中には入らないですよ。そういう財政的に節約するために法律を曲げて教育を後退せしめるような解釈を文部省自身がするからいかぬ。教育の充実なんという概念がない。その点についてまた大蔵省に聞かないといかぬのですが、またへんな理屈を言うかもしれませんが、原形復旧という思想からいって、建てたものをそのままもとに復活してやるということでずっときたんだというふうに私はすなおに立法精神として解釈できると思うのです。が、どういうふうに考えていますか。

谷村裕大蔵事務官(主計局次長)

○谷村政府委員 文部省政府委員のお答えになった通りであると思います。要するに教育の内容なり効用なりというものが、その建物なり学校の施設なりによって十分確保されるという基準に該当すれば、それで十分原形を復旧するという目的は達成されるものだというふうに私どもとしては考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういうようにお互いにぐるになって妙なことを言われるのでは納得するわけにいかぬのです。が、そうすると、その村の生徒が将来減るからというふうなことを考慮して基準を定めるとするならば、ある橋梁がつぶれたときに、将来交通が非常に少なくなるということになるならば、今まで四間の橋を三間にするという理屈も原形復旧に入るでしょう。そんなばかな思想がどこから巣くってきているのか。ほかの災害復旧の場合にはそういう概念は少しも適用されていませんよ。学校だけですよ。そこで当然のように局長と次長が言われておるけれども、そうでなくて、やはり教育の方面については一般の圧力が少ないから、そういうふうな便宜解釈を下して常識化している。ほかの行政部門ではそういうことはありません。お調べになったらわかる。少なくともこういうことぐらいは、村がどうしてももと通りの建物を建てたい、特別教室を作っていたのを作りたいということであれば、私は補助対象にすべきだと思う。行政的にも私はできるのじゃないかと思う。この点について、大臣一つ改善すべきだというようなことをお考えにならないと教育の充実になりませんよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 原形ということは今までの話で大体はっきりしていると思いますが、現在の基準が間違っているという点を御指摘になるとするならば、それはそれ自身で問題があると思います。しかし現にある基準が正しいものとすれば、その基準に従って建てられた学校が原形であって、町村の財政的余力もしくはPTAの熱望によって基準プラス・アルファのものが現在すでにある、それが災害を受けたから原形復旧するんだという場合に、プラス・アルファの部分まで原形なりとして補助対象にするかいなかが今の問題だろうと想像されますが、それは少し行き過ぎた補助対象だ。それをその行き過ぎた部分までやりたければ、建てたときと同じように自己財源等でまかなって、そして基準に基づいた補助と一緒にして、いうところの原形、もとの形にするというのが常識的な判断だろうと思います。ですから、そういうことも当然どこにでもあり得ることだから、基準そのものをどうかしようという言い方になってくるだろうと思います。そこで基準そのものど今後に向かって改善するという課題としては残りましょうから、その努力はしなければならぬ。生徒が減るから減らさなければならぬと思っているわけじゃございません。それは今の橋の幅を水の量を勝手に想定して短くするなんということが非常識だとおっしゃるのと同じ意味で、生徒数が減るからそれだけ減らさなければならぬという課題じゃないと思います。教育効果を上げる意味においてさらにふやさなければならぬという結論が出るかもしれません。それは将来の検討問題でありましょうが、やはり政府委員から申し上げましたように、国としてお約束しておる基準に基づいた原形、それがほんとうの解釈だろうと私も思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣の考えは、もとの形の建物通り復旧すれば原形プラス・アルファになるということだ。そうじゃなくて、基準坪数によって補助を減らせば原形マイナス・アルファじゃないか。あなたの論理は逆です。だから原形マイナス・アルファになるような基準坪数であるからそこに問題が出るので、災害復旧の場合については、文字通り従来の建物の効用を復旧するという明文まであるのですから、そういう方向に努力すべきが少なくとも行政上の正しい立場だと私は思う。  そこで先ほど課長が、そういう場合には二割くらいというなにを話したことは違うのですか。

井内慶次郎文部事務官(管理局教育施設部助成課長)

○井内説明員 先ほど、基準によりまして、国庫負担の対象限度を限度として、そこで負担の対象をちょん切ることになるわけですが、それに対する特例措置として二割増と申し上げましたけれども、その点はただいま訂正いたします。先ほど申し上げまして、現行法の公立学校施設災害復旧費国庫負担法施行令第一条第二項におきまして、特別の事情があります場合には被災時の坪数まで特認できる一般責任の場合と説明を間違えましたので、訂正いたします。  なおただいまいろいろ基準に関します考え方が出たわけですが、激甚災害の特例立法例では、伊勢湾のとき、第二室戸のときには基準を撤廃した特例措置を置いたわけでございまして、激甚災害地につきましてそういう措置を従来講じて参ったわけです。今回激甚災害につきまして統一立法が別途できるわけですが、そうしますと、従来公立学校につきまして特別立法をいたしておりましたもののうち、負担率の関係は統一立法の方にいく。それから改良復旧は、母法を改正して一般災害のところまで改良復旧を広げる基準の問題につきまして、従来激甚災害について実績として出ておりました基準を考えないという思想を一般災害にまで広げるかどうかというところが実は論議として問題になったわけでございます。この点につきまして、先ほどから大臣、局長がお話になっておられますように、基準そのものを今日改訂しなければならないという時期にもありますし、かつただいま申し上げました政令の第一条第二項の規定を適用することによりまして、少なくとも従来の激甚災害地において実績として確保されておった部分は執行上確保する、これ以上広げるかどうかはまた今後の問題として検討を続けよう、こういうことにいたしておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 課長の答弁でだいぶ真相が明らかになってきたわけです。が、そうすると激甚災害の場合には、すでに原形復旧を実績通りに補助対象にしてやったという実績が出ておるのですね。そうしますと、 こういう問題は、激甚地とそれ以外と差別すべき性格のものではないと私は思うのです。たとえば今度の一部改正についても、改良については激甚災害の場合には云云と書いてあるが、こういうものと差別すべきでない。それは各村々の教育的熱情にこたえる趣旨なのであって、激甚であろうがなかろうが同じである。一般災害に限っては、激甚にかかわらず、当然に実績において原形復旧をさすべきだと思うので、そういう方向に拡張すべきだと私は思う。すでにそういう過去の激甚に適用されておるということ自体が、私の言うことが正しいことが証明されておると思うのですが、大臣、来年度くらいは少し実現するように、特別に教育行政の考え方にもう少し積極性を出して、何らかの前進をしてもらいたいと思うので、その点、大臣に要望しておきたいと思うのです。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 少し食い違いがあるような話ですけれども、しかしものの考え方としては基準の問題だろうと思います。偶発的に起こりましたことに依存していくべきじゃない。基準として確立さるべきものであり、基準そのものの再検討課題であろうと思います。それはさっき申し上げましたような気持で、いろんな問題もありますが、含めまして、合理的な線を出したい、その努力をしたいと思います。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 他に質疑もないようでありますから、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 引き続き討論に入るのでありますが、討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は来たる二十四日金曜日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会      ————◇—————

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