農林水産委員会農産物価格対策に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/10/04
会議録
○田口小委員長 これより農産物価格対策に関する小委員会を開会いたします。 農産物価格に関する件について調査を進めます。 昭和三十七年産カンショ及びバレイショの原料基準価格並びに澱粉及びカンショなま切りぼしの政府買い入れ価格に関し質疑の通告があります。順次これを許します。安井吉典君。
○安井小委員 先月の二十八日にこの小委員会が開かれまして、農産物価格安定法によるカンショ、バレイショ原料価格、澱粉価格等の問題につきまして審議が行なわれて、きょう引き続いて開かれたわけでありますが、先日の会議の段階では、農林省の御当局における算定の作業は、全く進んでいないというふうな状態を伺っていたわけであります。そこで、それはそれとしても、早急に進めてもらいたいという要望があり、引き続いてまたきょうある程度進んだというふうな予想のもとに第二回目の会合が持たれたというふうなことになっているわけでございますが、前会以後の作業の進捗の状況につきまして、長官から一つ御説明を願いたいと思います。
○大澤説明員 その後大体資料的にはそろってきたと思いますが、その資料によりまして試算をして、ただいま財政当局等との事務的な相談をしておる段階でございます。まだいろいろ詰まったところがございませんので、きょう大体こういう考えでいくんだというようなことをお話しするまでに至っておりません。そういう段階でございます。
○安井小委員 いろいろ試算をされているという事実だけは今御説明があったわけであります。それに基づいていろいろ折衝をしているということでありまして、方針というようなものは今話すことはできないということでありますが、それでは試算の内容とかいう面についてもきょうお話を願えませんか。
○大澤説明員 試算と申しますと、政令の附録の算式がありますが、ああいう算式によって試算をしたものがございます。まだほんとうに試算でありますので、しゃべれということなら申し上げますけれども、申し上げてもそう御参考にならないような気もいたしますが、いかがいたしますか。
○安井小委員 つまりその試算というのは、この政令附録による試算というわけですか。そのほかいろいろこういう場合はどう、ああいう場合はどうというふうに、おそらくこれは毎年のことだろうと思いますが、いろいろな場合を想定して計算が行なわれていると思うのですが、その点はいかがですか。
○大澤説明員 いろいろ計算しております。大体こんなことではないかという試算を申し上げてもよいと思います。
○安井小委員 それでは一応それが決定したとかなんとかいう段階ではなしに、今一つの試みとしてそういうようなものも行なわれているという状態を知りたいというふうに私ども考えます。
○大澤説明員 申し上げますと、算式にございますように前三カ年の平均価格、これは計算いたしますと十貫目当たり二百六十円五十銭になります。従いましてそれに農業パリティをかける、上がりをかけるということにいたしますと、パリティが三十四年の九月から三十七年の八月、これが一三〇・九八、これに対しまして三十七年の八月現在のパリティが一三八・八二であります。 それから出回り量ですが、これは三十五年、三十六年の平均商品化率をとります。そしてさらに、先般もお話し申し上げましたように、たとえば水あめですとかあるいはブドウ糖というような需要者側から見るならば、千七百円くらいが適当だというようなことも申しましたが、来年は需要と供給の見込みを立ててみますとことにカン澱、澱粉全部としてはかなり不足をいたしますが、幸いにと申しますか、バレイショ澱粉のストックが十二万トンばかりあるわけであります。この前も甘・馬一体というようなことを申し上げましたが、そんなような思想も入れて、それをブドウ糖その他のために放出して需給関係のつじつまを合わせるということで、約八万四、五千トンのものを供給に充てるというようなことで出回り量を見ます。 さらに供給の価格弾性値、これは従来使った〇・九六そのままをとります。そういたしますと歩どまり、昨年は二二%というふうに見ておりますけれども、これも私どもの方の調査で相当歩どまりが上がっておりますので、二三・五%というふうに見ますと、イモの値段が三七・五キロ、十貫目当たり二百七十円ということになります。 それから加工費等を考慮して澱粉の価格を計算するわけですが、加工費はこの間お話し申し上げましたように、あの中で占める労賃部分というものがかなり上がっておりますけれども、逆に資本財、生産財というようなものについては日銀の卸売物価指数を見ますと下がっております。それと同時に工場の合理化ということも考慮いたしますと、大体加工賃を据え置きにしていいのではないかという考えも成り立ちますので、据え置きということで考えますと、澱粉の価格は千五百五十円という試算が出て参ります。 もう一方バレイショの方は、前三カ年の平均価格が百九十三円三十銭、これに対してパリティは先ほどもカンショで申し上げたのと同じことになります。商品化率も三十五年、三十六年の平均をとると六八・九%ということになります。さらにカンショの生産量ですが、これは八月十五日現在の予想収穫高がございますが、それ以後、この前もいろいろお話がございましたように、九、十、あるいは湿潤というようなことで相当の減収がある。そういう減収が十五万三千トンという数字がございますが、それを考慮するということにいたしますと、澱粉の生産としては昨年が十七、八万トンの出回りがあったわけですが、そこで二万五千トンほど買っておるわけですけれども、今のような予想収穫から参りますと、澱粉の生産量というものは相当減るのじゃないか。十五万トン程度になる。さらに農家が自家用として食べる分を引きますと、十四万トン足らずになる。実際の需要は去年も十五万トン。そうしますと、政府の手に持っているものを一万五千トンくらいは出していかなければいけないというようなことにもなろうと思います。そういう供給量を見まして、さらに供給の価格弾力性ということで、これはずっと使っている〇・七二二、それでやりますと、歩どまりは昨年一五・五%でありましたが、昨年の一五・五%はむしろ実際よりは少し低いような感じがしたのであります。ことしはいろいろな関係、災害というようなことを考えますと、歩どまりが年々上がってくるということにも必ずしも取り扱えないので、一五・五%というようなことで計算いたしますと、三七・五キロ当たり二百五円という数字が出て参ります。さらにこれを先ほど申し上げたように、カンショ澱粉の場合と同じような加工賃の考え方でやりますと、米粉で千九百八十円、精粉で二千十円という一応の試算が出て参ります。これはもちろん四十五キロでございますが、そういうことでございます。
○安井小委員 今一応の試算というようなことでお話があったわけであります。いろいろ問題があると思いますが。反収の見込みをどういうふうに押えられたのですか。
○中西説明員 カンショでございますが、九月二十日公表の九月一日現在の調査でございますけれども、反収は五百三貫、一・八八五トンということになっております。バレイショは、九月一日公表八月十日現在の予想収穫高でありますが、反収五百二十六貫、トンにしまして一・九七になっております。
○安井小委員 この場合、平年反収に対する指数はどうなりますか。
○中西説明員 若干去年より落ちたと思うのですが、今数字を持っておりません。
○田口小委員長 ちょっとお諮りしますが、大臣は午後米の方のやむを得ない用事があるということで、十二時ちょっと過ぎぐらいまでおられるそうでございますが、大臣に対する質問をこの際先にやって下さい。
○安井小委員 今大臣が御出席でございますので、初めに試算の問題につきまして質疑をいたしていたわけでございますが、方向を変えまして、大臣に対しまして若干のお尋ねをいたしたいと思います。 今新しく農産物価格安定法による澱粉価格あるいは原料価格等の決定に迫られているわけでありますが、これまでの澱粉に対する原料価格や、あるいはまた澱粉価格等の推移をずっとながめてみますと、三十二年以来実質的にはずっと据え置きというふうな形になっているわけであります。ところが、農産物の中でもたとえば米価などの方は物価やあるいはまた賃金の上昇、そういうようなものに伴いましてどんどん上昇の方向をたどって今日にきている。特に近年、物価や賃金の大幅な値上げ、そういうようなものが米価の中にはずいぶん反映をしているように思うわけでありますが、イモ類やあるいはまた澱粉の価格等については、そういうようなものが全く考慮されていないのではないかとさえ思われるような方向で今日まできているわけであります。そういう実態について、価格体系全体の中から矛盾や撞着を政府はお感じになっていないのかどうか。その点から一つ伺いたいと思います。
○重政国務大臣 御承知の通りに、農産物の価格体系といたしましては、食管法の方式というものがあるわけであります。それから第二の方式は、ただいま御指摘になりました農安法の方式であろうと思うのであります。よく農安法の価格方式も食管法のような方式に右へならえしたらどうかという御議論もあるのでありますが、これは私の考えは少し違っておるわけであります。食管法で扱っております農産物は、特に重要なものであるからああいう方式がとられておるのだろうと思うのであります。農産物価格安定法で取り扱っておる農産物の価格の方式というものも、実は原則的にはあれでやっていってよろしいのである。こういうふうに考えておるわけであります。 それから今のイモ及び澱粉についてのお話でありますが、これも賃金の上昇その他の経済事情というものが反映をしないというお話でありましたが、これは物価が上がるのでありますから、反映をすると私は思うのであります。澱粉につきましては、澱粉工場と申しますか、澱粉の生産の合理化を大いにはからなければならぬと私は考えておるものであります。昔ながらの小さな澱粉工場で、昔ながらの澱粉の生産のやり方で、それが当然であるという前提のもとに澱粉の値段を算定をしてきめていくということは、よほど考えものだと私は思うのであります。澱粉はあくまでも原料でありますから、原料はできるだけ値段が上がらないことが望ましいことは言うまでもないことであります。しかしこれは希望でありまして、やはり農安法に定める方式によって算定をいたさなければならないわけでありますから、イモの値段を上げるから澱粉の値段は当然にそれと同じように上げなければならぬというわけには参らない。これはあくまでも工場生産でありますから、工場の合理化をはかる、そうしてコストの低下をはかって、できるだけ澱粉の価格が安くなるような方策を講じなければならぬ、こう考えております。
○安井小委員 農産物それぞれによって価格のきめ方も違う、今のものには矛盾はないというふうに言われるわけでありますが、その基本的な問題につきましてはまたあとで触れることにいたしますけれでも、この農産物価格安定法の第五条の第一項の第一号の規定によりますと、これらのイモ類あるいはまた澱粉の価格については、「政令の定めるところにより、農業パリテイ指数に基き算出した価格、生産費及び需給事情その他の経済事情を参しやくして農林大臣が定める」というふうなことになっているわけであります。つまり、今のこのような規定からいいますと、私は今までのこの決定の段階において、大臣が今の御答弁の中でも触れられておりますけれども、どうやら経済事情や需給事情、そういったようなものがお考えの基礎に強く出てしまって、生産費だとかあるいは物価の動き等に見合う計算のあり方、そういうような要素が——幾つも要素として定められているうちのあとの方の経済要素の方が強く出てしまって、本来の生産費だとか、あるいはまたパリティ指数だとか、そういったような面がおろそかにされた計算の行き方で現実にきめられているところに農民の不満があるのではないか、そういうような気がするのですが、いかがですか。
○重政国務大臣 そういうことはないつもりでありますが、忠実にこの法律の規定に基づいて執行いたしておるつもりであります。
○安井小委員 それでは、この農産物価格安定法の第一条に目的が書いてあるわけですが、「この法律は、米麦に次いで重要な農産物の価格が正常な水準から低落することを防止し、もって農業生産及び農家経済の安定に資することを目的とする。」結局この法律の目的は、計算の段階ではいろいろな要素を入れて計算をされるのですが、最後的には農業生産と農家経済の安定に資する、そこにあるわけです。どうでしょう、現実に今カンショ、バレイショの生産——特に私、バレイショの場合が問題だと思うのでありますが、生産やあるいは生産農家の安定に十分今日までの価格構成で資してきたというふうにお考えになっておりますか。
○重政国務大臣 私はそう考えておるわけであります。バレイショについてはカンショよりもむしろ今お述べになりましたような点について十分考慮を払ってやっておると考えております。
○安井小委員 この間、農林水産委員会が北海道の国政調査に参りました。私も同行して主要な農作地帯を歩いたわけでありますが、ことしは台風水害あるいはまた長雨災害、こういったような新しい要素が加わって、生産体系は混乱はいたしておりますが、しかしどう見ても水田の方が畑に比べますとずっと安定をしている、畑作の農業は全く置き忘れられているというふうな姿を如実に目の前に見るわけです。特に災害などの影響は畑作において大きい。水害には一番弱いのがバレイショでありますし、そういった事情を目の前に見、そこに住んでいる、そして経営している畑作農家が非常に苦しんでいるという実態を見ますとき、大臣は非常に楽観的に、自信を持って、今までも農安法で十分やっているというふうにおっしゃるわけでありますけれども、決してそうとは思えないわけです。どこへ行きましても不平や不満が、畑作農作物の安定が十分にできてないということ、最近は特にバレイショのことが問題になっているわけですから、この問題につきましてずいぶん強く意見が出るわけです。どうでしょう。
○重政国務大臣 これはただそこにバレイショをつくって、バレイショだけの値段を高くして、それで農家の経済か向上をするというふうな考え方でこの価格を考えるということは、私はとらないのであります。やはりこれは土地の生産力を増大するための措置を講じて増収をはかって、収入を多くするなり、あるいはまたバレイショがどうも割安だというならば——おそらくそうでないと私は思うのでありますが、あるいはこれをビートにかえるなりなんなり、やはり農家自身も一つ御努力を賜わらないと、昔ながらにそこにつくっておるので、それでずっといかなる場合においてもやるのだという考え方ではいけないのじゃないか。バレイショといえども一つの商品であります。商品である以上は、澱粉にするならば、澱粉はカンショ澱粉とバレイショ澱粉というものが品質的にもちろん違うところはあるでありましょうが、品質で違うならばそれだけの格差があるということ以上にはバレイショ澱粉を優遇するというわけには参らぬのじゃないか、こう私は考えるわけであります。そういうわけでありますから、やはりこの農安法の執行につきましては、今日まで決してバレイショ及びバレイショ澱粉について優遇をしておらぬというわけにはいかぬ、これは私の感じでは非常に優遇をしておる、こう考えるわけであります。
○安井小委員 基本問題ばかりが話題になって、本論になかなか入らないような気がいたしますけれども、もう少し私は問題があると思うのです。今そういうふうなお答えをされるわけでありますが、お米の方は生産費所得補償方式で、水田農家は経営安定のために強くてこ入れをしておく、畑作農家の方はまあ適当なところで価格をきめておけばそれでいいだろう、水田と畑について、そのような差別待遇という言葉がいいかどうかわかりませんが、そういうようなやり方について矛盾はお感じになりませんか。
○重政国務大臣 この米の価格算定の方式でも、昨年の例を申しますというと、ここにありますような農安法でとっております農業パリティ指数方式でいった方が、今の生産費所得補償方式よりあのころは有利であったのです。これは生産費所得補償方式というものは、いついかなる場合においても有利とは限らない。実際そろばんをはじいてみるとそうなんです。でありますが、考え方が、米は非常に重大である、こういう農産物の要するに大宗であり、農業経営のこれは中心の問題でありますから、政府としてはこれはあらゆる優遇をいたしまして、ああいうふうな算定方式をとったわけであります。しかし昨年は、従前通りの生産費所得補償方式の内容でいくならば、パリティ方式の方がそろばんがよかったということを私は申し上げられると思うのであります。そこで、価格の算定の方式について食管法と安定法というものは違っておることは先ほど来申される通りであります。私は、これはやはり農業経営における米の地位あるいは畑作物の、こういうバレイショとかあるいはカンショとかいうようなものの地位によってその考え方が違ってくるのは不思議なことではない、こういうふうに考えております。
○安井小委員 それはつくられた作物についてそういうふうなことがいわれると思いますけれども、つくる農民は同じ農林省の農政の対象になっている農民であるということには変わりがないわけです。つまり、品物だけに片寄った考え方で物事を処理しようというところに根本的な誤りがあるのじゃないか。だから、つくっている農民が、たとい水田であろうと畑であろうと、みんながその仕事の上で安定した生活ができるようなそういう仕組みにやる、これがほんとうの農政じゃないか、私はそういうふうに思うわけです。そういうふうな意味で、今の農産物価格安定法なるものは一つの行き詰まりに今きているのではないか、特に法の方の目的だとかなんかには大へんいいことが書いてありますけれども、具体的な算出の方法等になってきたら、これはもうなかなか米価などと違って農民の満足できるような数字が出ないような仕組みに実はなっているわけです。どうでしょう、農産物価格安定法そのものについてもう少しお考え直しになる必要はないでしょうか。
○重政国務大臣 まことに違った御意見を申し上げて恐縮なんですが、私は現在のところ、この農安法の方式を変える考えは持っておらないのであります。現在のところではこれを変える考えは持っておりません。食管法は御承知の通りにこれはいろいろの問題がございますが、現行食管法では強度の統制を行なっておるこれは物資であります。こちらの方は統制は全然行なっておらぬ、自由取引であります。これが原則になっております。ただし、その価格が一定の価格以下になると、これは農家の経済に非常に悪い影響を及ぼすから、ある場合には政府がこれを買い上げる、その価格より下がれば政府がこれを買い上げるとかなんとかいうような方法でやっておるのでありますから、これはどうも同じようにやるというわけには、実際問題としてもなかなか困難であろう、こう私は考えております。
○安井小委員 政府において、私どもは今の全体的な価格政策はでたらめなあり方で、米麦だとか、それからその他の農産物、あるいは大豆、菜種については交付金制度がありますが、そういったような仕組みの全体的な体系がでたらめだということに対しまして、今、全体的な価格体系を整えるための総合的な対策を立てつつあるというふうなお答えが前にあったと記憶するわけでありますが、それはどうなんですか。
○重政国務大臣 これはやはり、経済の状態なりあるいは社会情勢が移り変わって参りますれば、その制度ももちろん手直しをする必要が出てくれば手直しをするにやぶさかなものではありませんが、現在のところでは、今直ちにこの農安法の価格体系と申しますか、価格安定の方式を変えようという考えは持っておりません。
○安井小委員 それではとにかくことしの場合は今の農安方式でやるのだというふうなお考えのようでありますけれども——これは法律でそういうふうにできておりますから、そういうお考えのようでありますけれども、しかし私は、一番最初に申し上げましたように、同じ価格決定要素の中でも、経済事情あるいは需給事情というようなものの要素を多くして、そういうようなものに引きずられて、本来の生産費や農家生活の安定という要素をないがしろにするような、そのような決定であってはならないと思うわけです。その点一つはっきりしたお答えをいただきたい。
○重政国務大臣 それは決して、経済事情だけにとらわれて価格の決定をいたすつもりはございません。農安法に定めておるこの条項を忠実に守ってやっていくつもりでおります。
○永井小委員 関連。今、安井君の質問に対して大臣はいろいろ御答弁になったのですが、食管法と農安法の農産物価格安定に対して、行き詰まってはいない、従って考慮する段階ではない、こういうふうな御答弁であったと思います。今だれが見ても、概括的に見て、水田農家は安定しておる。しかし、畑作関係についてはほとんどほったらかしになっている。いろいろな面においてほったらかしになっている。非常に不利な状態の中で、現実に畑作農家と水稲農家との経済的な格差というものがますます拡大していっていることは大臣御承知の通りだと思います。そこで、この二つの価格安定が事実において農産物の価格の安定に効果を上げて、そうして将来この方法によって農家経済が安定していくのだ、向上していくのだ、こういう明るい見通しがあるならばこれはけっこうなんですが、こういうことが続いていく限り畑作農家はますますひどくなっていく。そうして農産物価格安定の効果を少しも上げていない。こういう事実が明白であるならば、これは大臣がどうお考えになろうと、農家の経済的な安定という立場から再検討する必要がある、こう思うのです。たとえば私は自由主義経済の中で、生産計画を伴わないで、そういうものを並行しないで、結果として現われた農産物価格だけを安定する方法はないだろうと思うのです。たとえば農安法によって有利な価格安定をすればどんと出てくる、不利な価格をなにすれば少しより出ない。従って政府は、財政的な関係もあって、生産を刺激するような形にならないような、農家にとっては非常に不利な価格を常にやって、そうしてその価格によって生産を刺激しないように刺激しないように、この価格がある以上はやむを得ないからつくるという程度の数量より出てこないように、こう操作しているとわれわれは思うのです。たとえば大臣は先ほど、生産を合理化して、そうして増産して、そこで価格を安定させていくといいますが、それならば乳価はどうですか、豚はどうですか、増産したら値段が下がるのです。そうして下がった場合に、それじゃこの安定の効果を上げているかというと上げていない。澱粉だって何だって、農産物関係は水稲を除いてはほとんどそうです。でありますから、こういう関係について、安井君はるる御質問があったのだと思うのでありますが、一体自由主義経済の中で、生産計画を伴わないで農家に有利な形において農産物の価格を安定するというような、そんなうまい手品が使えるのかどうか。そういうものがあるのかどうかということが一点。そして、あるとすれば、具体的に生産から消費まで、それを段階的にこういうふうな効果があるのだということを明示していただきたい。それから、増産すれば農家が安定するんだという具体的な事実を、たとえば乳価の場合、豚の場合、あるいは大小豆の場合、これを実例的に示していただきたい。私はやはり現在の自由主義経済の上に立って、農産物をもっと農民の立場に立って安定する方法が必要だ、そういうことは安井君の言うように、農民の方のための政治は少しも行なわれていない、こういうふうに断定せざるを得ないと思うのです。いろいろございますが、関連しまして一言だけお尋ねいたします。
○重政国務大臣 これは永井さんにお言葉を返すわけじゃないのですが、やはり考え方の根本が私は多少違っておるのじゃないかと思うのです。永井さんの御主張でいきますと、生産計画を強力に実行をしていかなければ価格安定なり農家の経済の安定はないという前提に立っておられるというように私は拝聴いたしたのでありますが、もちろん生産の大体のめどというものは、これは必要であろうと思うのです。その点におきまして、今まで政府のやり方に欠くる点もないとは申されない。しかしながら農産物のことでありますから、これは何と申しましても天候が非常に支配をいたすのでありますから、生産計画を立ててみたところで、その通りになかなかいくものじゃない。私はしばしば申すのでありますが、アイゼンハワーの大統領の期間八年間、その間にアメリカでは農場なりあるいは就業労力の減ったのが一割八分とかあるいは二割とかいわれておる。逆に農産物は二割ふえておるのですから、面積によって生産計画を立ててもなかなかそうはいかない。いろいろむずかしい点がございまして、工場生産のようなわけにはいかないことは御承知の通りであります。そこで、しからば価格安定の方策は絶対ないかといえば、私はあると思うのです。現に農安法の成立後、この施行によりまして、澱粉は御承知の通りに、この支持価格を下回った場合に政府は買い上げております。現に今問題にせられましたバレイショのごときは、十二万五千トンというものを政府は持っておる。これは高くて売れない。そういうものを持っております。これは何ら農家経済に貢献するところがなかったとは私は申されないと思うのであります。今お話しになりましたような畜産物にいたしましても、豚についてはやっておりますが、あるいは生乳についてはどうか。生乳については、御承知の通り、生乳を原料乳にいたしました場合の乳製品については事業団がこれを取り扱うことになっておる。だから生乳の問題は、今後やはり考えなければならぬ、私も今検討せしめておるわけであります。その他青果物にいたしましても、できるだけその品物々々に適合したような価格安定の政策というものは漸次これで拡充をして参らなければならぬ、こう私は考えておるのであります。その方向で現在事務当局に検討を命じておるようなわけであります。
○安井小委員 あとまだずいぶん大臣に質問をされる分が残っておるそうですから、私簡単に終わりたいと思いますけれども、基本問題についてずいぶんお尋ねし、もう少し大臣の考えを改めていただきたい点がたくさんあるのですが、これはあと回しにいたします。 ことしのイモ類やあるいはまた澱粉価格についての決定に関する具体的な大臣の御方針、これを一つ伺っておきたいと思います。
○重政国務大臣 これは先ほども申しました通り、忠実に農安法の条章を実行する、こう申し上げるよりほかはないです。その内容につきましては、正直なところ、まだ事務当局から私のところへ出てきておらないのです。急いでやれということを言っておるのですが……。だからこまかい問題についていろいろ御質問がありましても、まだ私がはっきりと御答弁を申し上げる段階になっておらないことを御了承いただきたいと思うのであります。いろいろ御意見がございますれば、一つお聞かせをいただきまして、事務当局から案が出て参りました際に、十分にそれらの御意見も体して価格決定に当たりたい、こういうふうに考えております。
○安井小委員 ずいぶん意見がたくさんあるのですが、あと芳賀さんもお話があると思いますから、それも一つあわせてお聞きを願いたいと思いますが、バレイショの場合は、何といいましても、今日まで価格が実質的なストップ状態にきているということ、一方、他の物価やあるいはまた賃金等の値上がりが最近特に著しいということ、こういうような事態がやはりことしの算定の中に強く織り込まれなくてはならないということが重大な問題だと思います。さらにまた、さっきもちょっと触れましたように、台風だとか長雨災害、特に台風の被害というのは割合はなやかで結果も簡単に出るわけですが、北海道のことしの長雨災害というのは、私どもずっと回ってみますと、思いのほかに深刻であって、しかもその状態をつかむのに骨か折れるということに気がつくわけです。北海道は、何といったって九州と四国を合わせたくらいの広さがあるものですから、地域によって違いがあります。地域によってはできがいいところもあるのです。歩どまりもいいというようなところもあります。しかし地域によってはもう全滅みたいなことで、歩どまりの面においても全く期待ができないというふうな悲観的な話を聞く地帯もあります。そういう、全体的に非常に複雑な情勢の中にあります。ですから、私はことしの場合には、そういう反収の把握といいますか、そういうような面に非常な慎重な態度が必要ではないか、そういうようなことを特に一つお願いをいたしておかなくてはならないと思うわけです。 そのほか問題として取り上げなくてはならない点は山のようにあるのですが、そういうような問題は、たとえば北海道の農業団体あるいはまた全国の農業団体等から農林省の方にいろいろ資料も出ていると思いますし、それから道庁の資料もあると思いますから、そんな点を一つ十分に御検討の中に入れていただきたいわけですが、中でも一番大切な点は——私は今根本問題として、農安法の問題として取り上げたわけですが、今の農安法の方式は、これは実は貿易の自由化などということを予想していない時期にできたものだし、また畑作農家と水田農家とのバランスなどという点にはあんまり考慮がなくて、貿易の自由化がない一つの囲みの中で、まあこれぐらいでいいんじゃないかというようなところできめられたものではないかと思うのですが、それだけに米価の場合と違って、私が今二点だけをちょっと申し上げましたけれども、そういうようなものがうまく反映して農民の期待するような価格が算定できるようなそういう仕組みになってないということです。ところが附録算式には、どうしてもその仕組みで計算しなければいけないという算式が私はきめられているような気がするわけです。だから私はこの農安法は今根本的な改定の時期にきていると思うのです。今すぐにそれが間に合わないにしても、これから結論を得られるその考え方の基礎の問題ですね、精神的な持ち方といいますか、メンタル・アティチュードの問題だと思うのです。それはやはり需給関係やそういったようなものだけに力点を置いた考え方ではなしに——需給関係はもちろん大事ですよ。そういうことなしに問題の結論を出すわけにはいきませんが、やはりあくまでも生産農家の安定をはかるという第一条の目的の趣旨に沿ったそういうような気がまえ、心がまえでぜひやっていただかなくてはならないと思うわけです。物価がどんどん上がって澱粉の価格やイモの価格が去年と同じであったりあるいは去年より下がったりするようなみっともないようなことは、私はこれは絶対起きないと思うのですが、やはり私が今幾度も申し上げましたようなそういうお気持で計算に当たっていただきたい、そういうところから結論を出していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○重政国務大臣 バレイショと長雨の問題につきましては、すでにもう両三回にわたって今安井さんのお述べになりました以上に松浦周太郎先生から詳細拝聴いたしております。十分承知をいたしております。 それから根本問題につきましては、もちろん農安法を執行いたします以上この第一条の目的をはずれてはならぬということはただいまお述べになりました通りでございます。しかしこの価格決定の方式は、私はやはり現行法のこれにのっとってやらなければならぬと思っておるのであります。これは当然のことであります。将来田と畑の農産物を、同じようなことで価格についての方式は考えるべきものであるというお話のようでありますが、これは私は大いに検討の必要があると思うのです。田は田であり、畑は畑なんですから、たんぼは米をつくるよりほかないのです。ところが畑はいろいろの作物もつくれるのであり、いろいろ畑の特性もあることでありますから、従って自由時代におきましては、その土地の価格なるものもずいぶん変わっておった。このごろは価格を統制しておりますからわかりませんが、そういうことでありますから、これを何でもかんでも同じようにしなければならぬというような考え方は、私はとらないのであります。しかも統制ということがいいことであるかどうかということを考えてみますと、米についてはやむを得ずやっておる。その他のものについて米と同じような統制をするなどということは全然考えておらないのです。従ってそういたしますというとその面からも食管法の価格の算定方式に右へならえをしろといってやりようがないと私は思うのであります。しかし、これはせっかくの御意見でもありますから、農安法は農安法なりに一つ十分将来検討をいたしまして、できるだけ完璧を期していくようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○田口小委員長 松田鐵藏君。
○松田小委員 大臣は私ども自民党の中の農産物価格対策委員長をされて、もうほとんど農産物の価格というものは一手にやられて、でき上がっているものでありまして、私は今ここで価格をどうしようとかこうしようとかいう考え方をもって質問をするものではありません。また大臣の御答弁も要らないと思います。ただ私の考えておる点を率直に一つ申し述べて、今後の問題に御尽力を願いたい、こういう趣旨で自分の意見を申し上げてみたいと思います。 先日の委員会において当局からお話がありましたのは、澱粉は現在日本において十万トン不足しておる。どうしてもそれを需要に充てるために輸入しなければならない、こういう御意見もあったのでございます。しかし、自由化に備えて私どもが、たとえばバ澱においても、カンショ澱粉や海外から入る澱粉に太刀打ちできるだけの安いコストにつくり上げて、そうして農民の経済の安定をはからなければならないことであろう、それには増産する以外に方法はないのだ、そこで、御答弁がこの前ありましたが、品種の改良というものに対して政府も非常に熱意を示していただいておる。より以上の品種の改良、つまり澱粉質の向上のために御考慮を願いたいという点もこれ一点であります。それよりも大事なのは北海道の現在であります。北海道の現在というものは、畑は畑であるということからいきましても、何といっても、開拓者といえども帰農者といえども、北海道というのはあの寒いところにおいて農民が一番大事な農作物として何をやろうとしても一番先にやらなければならないのはジャガイモの栽培であります。この点は大臣はもうよく承知されているのであります。そこでジャガイモを増産して安いコストによってカンショや外国からの澱粉に対して太刀打ちをするということは、今述べたように品種の改良が一点とあと増産ということ以外にないのであります。ところが、増産をするについても幸いにして支持価格がありますから、価格が安定しておるわけであります。この点は非常に感謝をしなければならない。しかし、その増産をするということからいっても現在の土地改良の進行状態であってはなかなか増産ということもおぼつかないのであります。いま一方、この前も松浦委員からお話があったのですが、北海道におけるビートが非常に伸び悩んでおる、この点であります。ビートをつくる、つまり反三トンもできるようなビートをつくることによって、今のイモがたとえば四十俵とれるところが、無肥料でもって、翌年イモをつくったときには六十俵とれます。五割増産ができます。千八百円のものが、数字からいけば、五割増産されて千二百円で売ってもいいわけです。ところが支持価格がありますから、もっと高く売れるわけですね。そうなりますと、農家の経済というものが非常に安定するわけです。ところが食糧庁においていろいろ苦心されておりますけれども、私ども北海道選出の衆参の国会議員は約束があるのであります。これはかってわが党の総裁であり、総理大臣であった岸さんも、また鳩山先生も、選挙に際して、北海道においてビートを三十万トンつくるんだ、こういうことを札幌で演説されまして、そこでわが党は大勝利をしたのであります。ところがその後において、それをやりますと、十四カ工場をつくらなければならない計算になるのです。現在の食糧庁の計算からいきますと、そういうことになるのであります。ところがこれが残念ながら、十四カ工場をつくらなければならぬのに、ことし九工場の操業でありまして、みんなもうお手上げでございます。それはビートの栽培が伸びないことです。栽培が伸びないという原因はどこにあるかというと、手間がかかるし、いま一つは土地改良もできていないということもありまするけれども、一番大事な面は、価格が安いということです。よそのものをつくるよりも、ビートをつくった場合においては、価格が合わないということであります。この点に対しましては、これは御答弁は必要ありません。私は意見だけ述べておきます。私どもはかってこのビートの振興をするために、大野木秀次郎君が主体となりまして、ビート振興法を作ったのであります。ところが十年間の時限立法だった。その時限立法の切れないうちに、渡部食糧庁長官が、あまりに不当に利益があるんだからということで、日甜から吸い上げをしようということで、五十一円というものにきめたわけでございます。これがビートの栽培の振興を阻止したものであります。それでありますから、一つよく事務当局も長官も御考慮下さいまして、まずビートの振興に、前につくったものと同様なてん菜振興法をつくっていただかなければならないんじゃないか。それによってビートをつくる者に恩恵を与え、安定を与えて、しかもまたりっぱな生産工場でありますから、この工場をも保護して北海道のてん菜振興をはかってもらいたい。それにはいろいろの点があると思います。あるけれども、北海道農民として今一番考えておる点は、この点ではなかろうか。つまり畜産を奨励するのにも必要なことである。ほんとうにビートの振興こそは、北海道畑作農民としての一番大事な点がここにある。そうなりますと、つまり土地改良をすれすれと言うて国がしょうとしても、これはなかなか借金ができますからできかねるのです。価格がいいものであれば、土地改良の費用をやらなくても農民は先になって土地改良をしようという気持になるのであります。これが増産の意欲を増すということになり、しかもイモが増産されて、今の支持価格よりもあえて言うならば安くとも、カンショ澱粉と同じ価格であっても、コストが安くなりますから私はできると思うのであります。大臣は何もかにも御承知でありますから、こういう点を一つ御英断をもってお考えおきを願いたいと思うのであります。これがまず第一点。 それから、松浦君からよくお聞きになって御承知下さっていると思いますが、実際面からいきまして、農安法からいってもいろいろな問題があるだろうと思います。ほんとうにことしの北海道のイモというものは、長雨のために澱粉質はずっと落ちております。また作も非常に悪いのです。それはもう道南よりも道北の方がひどい、こういうようなことでありまして、もしでき得ることでありましたならば、農安法の許す範囲内において、価格をいま少し御考慮願えれば農民も非常に喜ぶことだろうと思うのでございます。これは希望でございますが、そういうようにお考えおきを願えれば大へんいいと思うのであります。 それから十二万五千トンという在庫に対しても、この前もいろいろと芳賀君から適切な議論がありました。今これを放置することは誤りと思います。しかしとにかくあのときは幸いにして食糧庁としても甘味資源の確保、奨励ということでブドウ糖の奨励をするために、そこに口実ができて、国が損してあれを売ることができたのですけれども、今それがないのです。もうブドウ糖というものは売れませんから……。なかなかそういうことで都合の悪い場面になっておると思います。やはり金利と倉敷だけでも大へんですから、ある程度そこを見越して、いい時期に放出していただくことによって——バ澱というものも科学は進歩しておりますから、カンショ澱粉もバ澱も同じ製品ができるのでありますから、こういう点で現物を不足させるというあり方も国とすれば必要なことでなかろうか、こういうことを私は常日ごろ考えておるのでありまして、増産をするためにはビートの振興法をいま一度御考慮に入れてやっていただくことによってりっぱなものになるのじゃないか、こういうことを私の意見として申し述べて、大臣の御答弁は必要ありません。どうかそういう程度で御了承を願いたいと思います。
○重政国務大臣 答弁は要らないと言われるのでありますけれども、この機会に私の考えを簡単に申し述べます。 第一のビートの振興の問題でありますが、これは詳しいことはまた後の機会に具体的に申し上げたいと思いますが、実はおおむねただいま松田さんのおっしゃる通りと私も考えます。そこで国内甘味資源の開発は私は徹底的にやりたい。当委員会において私が初めて出てきましていろいろ述べましたときにも、特にこの問題は一項目をあげて皆様方に私の所見を申し述べたのであります。何と申しましても、ビート糖の採算が悪い、従ってビートの値段も悪い、こういうことでありますから、このビート糖の工場の経営ができますように、この際私は思い切った処置をとりたい。従ってこのビートにつきましても、価格問題についても、これは合理的な処置がとれるような方向に持っていきたい。なお増産の点につきましても、あるいは労力を省くためにペーパーポットの普及をはかるとか、あるいは土地改良を徹底的に行なうとか、あらゆる手段を講じましてビート原料の増産をはかる、そうして今の均衡上はもとよりのことでありますが、さらに生産計画によって原料が増産できますならば、その限度において工場の拡張ないしは増設というようなことも一応考慮に入れて検討して参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。 それから第二のバレイショ澱粉の問題でありますが、十二万五千トンの政府の手持ちは適当の機会に私は処分いたしたい、こう考えております。なお実はこの澱粉の値段とバレイショの値段、これが北海道とされては非常に問題だろうと思いますが、私は先ほど申しました通りに、澱粉生産の施設というものは多くは旧態依然たるものである。これをとにかく近代化して、そうしてそのコストを低下して、澱粉の値段は下げなければならぬ、そうして原料につきましては、いろいろの農家の事情もあることでありますから、これは農安法の示すところに従いまして、ただい古松田先生の御要望がありましたように、私といたしましては、できるだけその御要望に沿って参りたい、ただし澱粉は設備の合理化をやり、コストの低下をはかってブドウ糖や、あるいはあめその他の味の素とか、いろんな澱粉工業の原料はできるだけ安いものを提供する、こういうことにならないと、日本は世界的の今急速な伸展をいたしております澱粉工業におくれをとることになりますので、そういうふうな方針でやりたいと考えております。
○田口小委員長 芳賀貢君。
○芳賀小委員 農林大臣にお尋ねしますが、第一の点は三十七年度のカンショ、バレイショ澱粉の需給推算を一体どういうふうにあなたは頭の中で考えておるか。
○重政国務大臣 これはまだ、私先ほども申しました通りに、しさいに検討はいたしておりませんが、澱粉は足らないということだけは確かであります。澱粉の値段が二千円をこすというような現状でありますから、澱粉は足らない。はたしてそれがどれだけ足らないかということは、私自身としてはもう少し検討をいたさないと自信を持って御答弁するわけに参りませんが、先ほども申されました通り、事務当局は三十八年度は十万トンは足らないであろうという推算をいたしておるようであります。その詳細につきましては、まだ私自身は検討しておりませんが、事務当局は十万トンは足らない、こういうふうな結論を出しておるようであります。いずれにいたしましても澱粉は足らない。急速な澱粉工業の発展によってその原料が不足をいたして参ったというのが現状であろうと思います。
○芳賀小委員 明年度の一年間、これからたとえば三十七年度産のカンショ、バレイショ澱粉の需給推算はまだ勉強の余地がある。それでは現在今年度の需給関係がどういうふうな推移をたどっておったか、それを基礎にして来年度は十万トン足らぬとか、あるいは一説には三十万トン足らぬという説もある。現在進行中の当年度のやつはあなたはわかるでしょう。
○重政国務大臣 これは当年度は先ほど申しました通りに足らないから二千百円以上も値段がしておるのであります。これは輸入を考えなければいけないのではないかとさえ私は考えておるのでありますが、しかしもう澱粉の生産の時期に直面をいたしておりますので、その澱粉を輸入してそのために内地の澱粉の値段が非常に下がるというようなことがあっては、農家に悪い影響を与えるということを考えまして、今直ちにそれをやろうという措置もとっておらないわけであります。
○芳賀小委員 今年度の場合需給関係については、政府手持ちのカンショ澱粉についてはこれは特に育成ブドウ糖用を中心にして全量放出してしまった。だから明年度の需給関係ということになると、カンショ澱粉については政府のストック分の放出というものは、これは供給の総量に全然入らないわけですね。ですからこの点だけを考えてみても明年度は十万トン足らぬということではないと思うのです。三十六年度の場合にはカンショ澱粉の生産が大体五十一万トン程度ですね。バレイショ澱粉については十九万程度ということになると思う。それには前年度の繰り越しとか、カンショ並びにバレイショの政府の保有があるということで需給計画というものは立っておるわけです。ですから、そういう点から考えると、特に価格問題を取り上げる場合も、国内における澱粉であれば澱粉の年間の需給の趨勢というものは一体どうなるか。それに立脚して、たとえばカンショあるいはバレイショ等については、これは生産を拡大する必要があるかどうか、あるいはこれは過剰傾向であるから生産縮小の方向に施策を進めるかという、そういう判断というものはやはり国民経済的に見た年間の需給の趨勢がどうであるかということから具体的な施策というものは進むわけであって、その大事な点が農林大臣は何も頭にないということになると、これは事務当局まかせということになるのですか、結局長官まかせということになるのですか。
○重政国務大臣 決して長官まかせにはいたしません。需給の問題はきわめて大切なことでありますから、十分に検討をいたすつもりでおります。 なお、澱粉は私は国内でできるだけこれは増産をしてもらいたい、こういうふうに考えておるのであります。従ってこのカンショ及びバレイショにつきましても澱粉の含有率の多い品種を急速に普及をするように事務当局に私は要求をいたしておるわけであります。三十八年度の予算におきましてもこれらのものは計上をいたす所存でおるわけであります。
○芳賀小委員 私はあなたがしろうと大臣であればそういう需給関係とかなにかむずかしいことは聞かぬが、かって農林省の事務次官をやられた経歴がある、これは古い時代ですが。最近はずっと自民党の中の政調の農産物価格特別委員長をやられたわけですね。一名重政委員会といって、われわれは相当権威があると思っておったわけです。そういう委員長もやられたし、農政担当の経歴もあるということになれば、相当頭の中は緻密なものであるということを信頼しておったわけですが、ただ、今の答弁によると、とにかく足りないことは明らかになっておるわけですね。国内において増産をしなければならぬということも今明らかにされたわけです。そうなると、澱粉は不足である、増産しなければならぬということになると、現況はどうかというと、今年度のカンショ、バレイショの作付面積についても三十六年度よりも反別が減少しておるわけです。特にバレイショについては、北海道の地域において、前年度よりも実に七千町歩、作付が減少しておるわけです。これに関連してたとえば大豆、菜種等についても、三十六年度よりも数万町歩作付面積が減っておる。麦類についても減っておるということになけば、減る理由というものは一体どこに基因しておるか。農家が経営採算上、これは収益性が高いから有利であるという場合においては、やはり畑作物の場合等においては、北海道等においてはバレイショの耕作等はビートに比較して能率が上がるから、作付がふえなければならぬにもかかわらず、一万町歩近い減反を示しておるということになれば、ここ数年間の政府の、特に価格政策上の大きな欠陥というのは、農家の採算とか利益というものを度外視したような低い価格決定が行なわれておって採算性が低いからして、これでは作付してもしようがないというような敏感な農家の採算上の一つの打算から、だんだん作付が減少しておるということは、これは一つの大きな理由をなしておるわけです。だから減った方がいいということであれば別ですが、大いに増産してもらわなければならぬということになれば、ことしの価格決定の場合には従来のように五カ年間据え置き、据え置きでやるというような、そういうことでは増産の実を上げるということは絶対にできないと思うのです。その点についてはやはり角度を改めて、国内において澱粉の需給度を高めて、そうして外国に依存するようなことはしない、それに見合う生産というものは急速にあらゆる施策を講じて農家に努力してもらう、そういうことに当然いくわけですね。ここに今年度のカン澱並びにバ澱の価格決定の重要なポイントがあると思うわけですが、そういうことは十分念頭に置かれて、大臣としても食糧庁長官としても、そういう高度な政策的な問題は頭の中へ入れて作業を進められると思いますが、その点はいかがでしょうか。
○重政国務大臣 どうも拝聴いたしておりますと、値段を上げて作付面積をふやすというようなことによって増産をするというようなところに非常に力点を置いておられるように思うのでありますが、御承知の通りに、耕地というものは一応畑なら畑は三百万町歩、それで大体開拓その他いろいろやっておりますが、大ざっぱに言って一応きまっておる。その中で北海道で言えば、あるいはビートもつくってもらわなければならぬ、あるいはバレイショもつくってもらわなければならぬというのでありますから、今七千町歩減っておると言われますが、これはあるいはビートをつくり、あるいは大豆をつくる。農家自身としても考えて選択をして、バレイショより、より有利なる作物を見つけて、それを栽培をしておるのではないかとも考えられるのであります。従ってただ値段を上げて増産をするという考え方、それ一本でいくということは私どもとしては考えられない。やはり澱粉の含有率の高いバレイショをつくるとかあるいは増収をはかるための他の方法を同時に行なっていくということで、増産をはからなければならぬと私は思うのであります。それから現在のごとく急速に発展をいたして参ります澱粉工業というものの原料を国内で全部まかなわなければならぬという原則もないと私は思う。相なるべくはできるだけそうしたい、そうしてまたさらに言うならば、相なるべくは農家がつくったところのカンショ及びバレイショを原料とした澱粉でまかないたいということはもちろんでありますが、しかしこれにもおのずから限界がある。片一方の方の需要は急速に増大をして参るということになりますれば、他の方法によって澱粉を内地で製造をするということも考えなければならぬと私は思うのであります。何も澱粉そのものを、足らぬものはそのまま輸入をしようとも私は考えておらないのであります。相なるべくは内地において供給をいたしたい、こう考えておるものであります。
○芳賀小委員 ビートも作付がふえていないでしょう。大体一千町歩ぐらいふえておりますが、これはことし二工場北海道へ新設するわけですが、誘致された地域が中心になって、これは誘致の義理を果たすために無理やり作付をしておるのであって、北海道全体から見ると、大部分は現状維持ないし地域によっては作付減少ということになっておる。大豆についても全国で二万町歩減っておるでしょう。バレイショも減っておる。一体何がふえておるかというと、何もふえていないという結果になるのです。これは今の政府の農業政策のすべてといっても差しつかえないですが、そこに大きな誤りがあるからして、自然農家の生産の意欲というものが減退して、将来は農業を放棄するような、そういう傾向が生まれるわけです。政府のつくった農業基本法というものは、それを期待して進めておるから結果はそういうことになるが、一体農家の所得を向上させる、他産業と均衡のあるような所得水準に上げるという場合、価格政策を度外視して、それ以外の点だけで所得の向上ができるという、そういう具体的な策があれば示してもらいたい。これは簡単に言うて下さい。
○重政国務大臣 決して価格政策を度外視しておるのではありません。しかしながら農産物も商品である、これを考えていただきたい。バレイショにしても、カンショにいても、大豆にいたしましても、基本は自由取引であります。ただ自由取引にいたしておって暴落があった場合に、農家に不測の損害を与えてはいけないから、そこで政府は価格安定の政策を漸次拡充をし、拡張をして参りたい、こういう方向でいっておるのであります。従って値段さえ上げればそれで農家の得得はふえる、それでいいというわけにはこれは参らない。商品であります。従って商品である以上、おのずからその商品の価値というものがある。でありますから農安法によってもそういうことを加味して、ここに規定をせられておるわけでありますから、私どもといたしましては、この農安法の条章を忠実に実行をいたして参る。さらにこれが経済情勢あるいは社会情勢によって手直しをすることがあればこれは手直しをするにやぶさかでないのでありますが、根本の方針としましては、ただいま申し述べた通りであります。御了承を賜わりたいと考えます。
○芳賀小委員 今の農安法は、生産を高めれば値段が下がるという、そういう需給均衡方式でいっておるわけです。だからあなたの言うように農家が生産意欲を高めて、一生懸命努力して生産がふえれば、値段ががた落ちというのが農安法の規定なんです。こういうことは、議論する必要はありませんが、第二点は、自由化の問題です。自由化の問題と非常に大事な関連があるわけでありまして、大臣の今の答弁の中にも、やはり澱粉関係の自由化構想というものが包蔵されておるわけです。特に来年の四月から砂糖の自由化を行なうという閣議の方針、あるいはまた大豆油を中心とした食用油についても、今回の自由化を延ばして来年の四月から実施する、そういう一連の残された農業関係の影響の大きいものに対する自由化がだんだん進められていくわけです。大豆等については、これは別の機会に議論しますが、油脂業者を擁護するために、自由化実施と引きかえに大豆関税を全面的に廃止する、そうして四社ないし五社の独占的な油脂業者を擁護するという方針も大体明らかになっておる。たとえば現在関税率二二・五%を適用しておるわけですが、これでいくと年間四十億の大豆に対する輸入関税が上がっておるわけですね。四十億の関税を全部放棄して、一部の油脂業者の利益擁護に奉仕するということになれば、それと同じ度合いにおいて、たとえば大豆であるとか菜種に対する交付金制度の十分なる配慮であるとか、あるいは澱粉等に対する安定法によるところの保護政策を強硬に進めるということは、当然進められていかなければならぬわけでありますが、これが全然行なわれていないわけです。だから、どうもわれわれが考えると、業界に対しては、圧力に屈してか、非常に手厚い政策を政府並びに自民党においては講ぜられておるようでございます。しかし一方生産農民に対しては全く冷酷むざんな態度で行政をやられておる。これは弁明の余地がないと思う。それで、砂糖の自由化に関連して影響を受けるのは当然国内の砂糖であります。国産のビート糖あるいは育成途中の結晶ブドウ糖に対しては、当然自由化の影響は甚大なことになるが、これに対しても何らかのお考えはあるでしょうが、その中でも、本日議論しておる澱粉とブドウ糖産業の今後の育成の問題についてはどういうようなお考えで今後進むのか。たとえばここ数年間結晶ブドウ糖の保護措置として、政府は手持ちのカンショ澱粉を三七・五キロ当たり百円の安売り——特別売却を今日まで行なってきておる。これは相当の効果が上がったと思うわけです。しかしすでに在庫はない。来年度においても供給不足ということになれば、カンショ澱粉については買い上げ措置の必要は、農安法の制度上は発動の必要がないという見通しの上に立つわけです。そうして一方ブドウ糖の生産を持続するためには、原料の入手については現在のカンショ澱粉の市況が千九百円以上二千円台に達しようとしておるわけです。この市況が今後一年間そういう水準で続くかどうかは断定できませんが、とにかく従来の政府の基準価格よりも相当高い水準で一般の市場取引が行なわれておる。そういう市場における価格水準において、今後結晶ブドウ糖の原料としてそれを入手してブドウ糖の生産を行なう、一方においては四月から砂糖の自由化が行なわれることになれば、このブドウ糖産業と砂糖の自由化との関係は一体どうなるか。これは当然ブドウ糖の原料である澱粉の問題と非常に関係が深いわけです。ですからこれについて大臣の見解を述べてもらいたい。
○重政国務大臣 どうも穏やかならぬ言葉を使われてまことに不満であります。生産農家についても全然考えずに油脂業者を保護するというようなことを申されましたが、はなはだどうも私は不満であります。私は、何も油の自由化をするために油脂業者を保護するという考えを持っておるのではありません。このままで自由化すれば、アメリカの油がたくさん日本にきて日本の市場は荒らされて、日本の油脂業というものは壊滅するということが明らかであるから、そこで関税の撤廃をはかったらどうか、こういうことを考えておるわけでありまして、それは少し逆な曲がったお考えのようだから、特に私はこの点を政府のためにも、また自民党のためにも強く申し上げます。 それから第二の、砂糖を四月から自由化する方針のもとに検討しておることは事実でありますが、まだ四月からこれを自由化するということを最後の決定をいたしておるわけではございません。かりに四月から自由化をいたしますとして、国内の甘味資源に影響を及ぼすことは当然のことであります。それはビート糖にも国内のカンショ糖にも影響を及ぼします。あるいは御指摘のブドウ糖にも重大な影響があります。私はこれらの国内の甘味資源工業というものが自立ができるような方策を講じた後でなければ砂糖の自由化はいたしません。これだけは私はここで言明をいたしておきます。でありますから、そう御心配を今からおやりにならぬでもいいのじゃないか。一つ政府のお手並みを見て、しかる後に御判断をいただきたいと思うのであります。これは私は信念を持って、国内甘味資源の開発ということを第一にして、それに悪影響を及ぼさないような措置をとって、しかる後でなければ砂糖の自由化はいたさないつもりでありますから、どうぞその点御了承を賜わりたいと思います。 なお、澱粉及びブドウ糖についてどういう方法でやるかというような御質問でありますが、これは目下検討いたしております。十分検討いたしまして適切な措置をとりたいと考えております。御了承を願いたいと存じます。
○芳賀小委員 私の指摘した発言の当否は、来年のその時期になればわかるわけです。そこで判断すればいいのですが、どうかお手並みといっても生産農民を殺すようなお手並みだけは発揮しないようにしてもらいたい。それだけ厳重に申し上げておきます。 そこで、当委員会としては、昨年の委員会の決議の中で、バレイショ澱粉の政府手持ち分についても——カンショ澱粉の手持ちが全部特別売却でなくなりますから、今度は政府手持ちのバレイショ澱粉についても特別売却の道を開くべきであるということが、ちょうど今から一年前に、去年の十月十七日の農林水産委員会の決議として行なわれておるわけです。その後一年間全然政府はこれらの施策を進めておらぬわけですが、この点については、先日来食糧庁長官も、明年度は政府手持ちのバレイショ澱粉についても売却の道を講じたい、こういうことが説明されておるわけですが、これについても従来のような一般払い下げ入札方式では、これは価格の面からバレイショ澱粉を直ちにブドウ糖原料にするということはできないと思うのです。そうすると、バレイショ澱粉の場合は従来のカンショ澱粉よりもある程度安売りの度合いを——カン澱の場合は十貫匁百円ですが、バ澱の場合にはそれ以上の価格の安売りをしなければ直ちにこれはブドウ糖原料にはなかなか適合しないかもしれませんが、先日の長官の説明によりましても、政府の手持ち澱粉四十五キロ一袋について一年間の金利、倉敷の諸経費が大体二百円ということになっておるわけです。従来ほとんどバ澱は放出が行なわれておりませんから、早いものは三年以上の手持ちということになっておるわけです。十二万トンですから、ことしが二万五千トン、去年が二万一千トン、大体ここ数年二万トン程度の買い上げを行なっておるからして平均すると十二万五千トンということになると、大体三年くらい平均手持ちということになっておるわけです。三年にしますと、これは年二百円で六百円、二年にしても四百円、だから、ただ抱いておるだけの形で何らの策がないということであれば、これは政府の手持ち澱粉に対する経費が非常にかさむわけです。ですから、みだりに安売りはできないとしても、たとえば二年間これを持っておれば四百円の経費がかかるということであれば、そういう政府が支弁しておるこの保管上の経費等、あるいはこれを有効に政策的に使用した場合のたとえばブドウ糖育成の効果であるとか、全体の政策上の効果というものをねらった場合において、やはりこれは払い下げの時期等も大事でありますけれども、政府としても速急に具体的な方針を立ててこれを処理するべきであると思いますが、この点に対しては大臣はどのように考えておりますか。
○重政国務大臣 バレイショ澱粉が事実上なかなか売れないというのは、結局値段が高いからなんです。そして二千円も澱粉がするから、それではバレイショ澱粉を売ろうとすれば時価でなければ売れないということに法令上なっておりますから、そんな高いものは買わぬということになるから、自然今のように十二万五千トンもそのまま抱いておらなければならぬという状態になったことをまず御了承を願わなければいかぬと思うのです。そこで、そうはいっておれないから、この際これは方針を改めて政府が手持ちして外国から輸入するという手もないのであるから、莫大な損はするかもしらぬけれども、これは出さなければいかぬということで政府部内を取りまとめようというのが私の考えでありますから、この点一つよく御理解を願っておきたいと思います。
○田口小委員長 大臣との約束の時間がありますから、もう五分くらいで……。
○芳賀小委員 もう一、二問です。私の言っておるのは、政府手持ちを一般売却の形で払い下げする場合は買い入れ価格に加算される経費というものは払い下げの価格になるから、そういうことでなくて、これはそういうふうに売らなければならぬということは農安法に示してあるが、たとえばカンショ澱粉の育成ブドウ糖用の払い下げというのはこれは政策的に、農安法にはそういうことがはっきり書いてないが、実験に供するとか、いろいろな新しい産業の開発等についてはこれは法律でも特別売却ができるということになっておるが、これは国会においても認めて育成ブドウ糖用にカン澱の安売りをやるべきであるということでこれは行なわれておるわけです。ですから、今私の指摘しておる十二万トンの処理についてももうすでに原料確保の面で育成ブドウ糖に対する特別の保護の必要がないというのであればこれは何よりけっこうなことです。われわれは何も業者擁護に考えておるのじゃないですから……。これは従来継続したものがもう政府においては材料がなくなった。ですから、バ澱の処理にも困窮しておるときであるから、さらにこれを若干の期日継続する必要があるとすれば一袋百円以上の安売りになるかもしれないけれども、政府の保管上の経費等を考えた場合にはやはり思い切った方針を立てて、これらの面に対する処理の方針を早期にきめられたらどうかということを私は申し上げているわけですが、これに対して食糧庁長官は来年からやるということは言っておるが、あなたはなかなか慎重を期して言わぬわけです。長官が言っておるくらいだから、あなたの方が位が上ですから、これは政策的にやるとか、委員会の去年の決議の意向を尊重すべきであるくらいのことは簡単に言えそうなものだが、これはいかがですか。
○重政国務大臣 それはもう言ったんです。今回は処分をいたしますということを。この委員会での御決議もあることであり、また情勢上やらなければならぬことでありますから、これは相当の損失が出ますが、処分いたします。ブドウ糖育成のためにこれは使わなければならぬ。ブドウ糖は御承知の通りに今育成をやめるわけに参りません関係もございますので、これは処分いたすことに考えております。ただその時期につきましては、処分するといっても買い値が高いですから、今比較的にバレイショ澱粉より安いカンショ澱粉が出るときにこれを売ろうといっても、なかなかその簡単にはいかぬ面もあろうかと思いますが、時期については十分に考慮してできるだけ御意見に沿うて処分をいたしたい、こういうふうに考えております。
○芳賀小委員 小委員長の御指摘もあったので、あと問題を並べて申し上げますから、それに対してそれぞれお答えを願いたいと思うわけであります。 従来から問題になっておる問題の一つに輸入澱粉、コーンスターチ、これは関税率が二五%ですからまだそれほど大量に入ってはきておらぬが、もう一つ澱粉原料ではトウモロコシ、トウモロコシの輸入、これは政府が自由化してしまったので、今さらこれを規制するということはなかなか困難だと思うが、この点についても昨年の当委員会で明確に指摘しておる点です。ところがこれに対しても政府は一年間何もやっておらぬ。やっておらぬところに便乗してトウモロコシ原料の輸入がどんどん進んで、国内において輸入トウモロコシを原料にしたコーンスターチの生産が毎年倍々にふえているような状態です。ことしはおそらく七万トンをオーバーするくらいになったので、設備能力は十万トン、あるいはそれ以上になっておると思うが、そうなると、一番競合するのはバレイショ澱粉。バレイショ澱粉は、先ほどの長官の説明によると、三十七年度産は災害とか雨害の関係もあって大体出回り量が十万トンそこそこの量だろうということになると、早晩コーンスターチの国内における生産が十万トンにもなるということになれば、これは非常に脅威になるわけです。ですから、この点については、今では一年間ぼんやりしておったのだから時期がおそいくらいですが、もう少し真剣に国内の自給度を高めるということであれば、それに対応する措置というものは速急に講ぜらるべきだと思いますが、この点に対する対策というものを速急に固めて明らかにしてもらいたい、これが一点です。 その次は、ことしの価格算定上の問題については、特にバレイショの場合には御承知の通り九号台風、十号台風による被害、あるいは一カ月以上降雨が連続しておった、その湿潤による腐敗等が起きて、先日の統計調査部長の中間的な報告によりましても平年作に対して五%作況が落ちておる。大体平年に対して九五%程度の作柄、昨年度に比べるとこれは十何%の減収ということになるわけです。面積についても先ほど言った通り、七千町歩も面積が減っておる。それから一方において、需給関係においては需要がどんどん伸びて供給が足らない。十万トンなんという不足じゃないのです。これは大澤さんの話では三十万トンくらい足らぬかもしれぬということを、これは長官放送でどっかで言ったでしょう。とにかくだれに聞いても最低十万トン、最高三十万トン、これは需給関係では不足があるということは必至だろうと思うのです。ですから、そういう要件と農業パリティの上昇の割合、あるいは労賃の上昇とか加工賃の面についても合理化が進めばコストが下がるなどということは、これは学問上の一つの推定であって、とにかく二カ月間くらいの操業の澱粉工場に対して、二億円、三億円、四億円というような設備の投資をした場合、一体、今までのような半ば原始的な工場のコストと近代的な工場のコストにおいて、急激にコストが低下するものであるかどうかということは、これは食糧庁においても判断済みなわけです。コストは下がらないのです。しかし、優秀な製品が出るから、それを販売する場合には、四十五キロで百円くらい、これは市場で高く売れるという利点があって、それを相殺するとある程度コスト上もこれは進めるべきであるということになるかもしれぬが、そういう現況であります。特に加工経費の場合においても、先日事務当局が、日銀の物賃調査によると卸売指数は上がっていないから、加工経費は据え置くというようなことを言っておりますが、そういう日銀の統計なんかを持ち出さぬでも、農林省の中に、やはり物価、賃金の統計というものは金をかけてやっておるわけで、その方が農業に関する統計については詳しいデータが出ておるのです。加工賃ということになると、当然その中に占める労賃の値上がり部分というものは否定することができないと思うのです。私は材料費の面についても、きょうの委員会まで、それぞれの品目についてその資料を出してもらいたい、ここ数年間の加工に要する材料費、いろんな袋であるとか、その経費についての品目別の価格推移というものを資料として出してもらいたいと言ったが、これは出してないのです。そういうものが出れば、私の指摘した通り、材料費の面においてもこれは値上がりということになっておるわけです。材料費も上がっておる、賃金も上がっておるということになれば、ことしに限ってまた加工賃は据え置くというようなばかなことはできないのです。歩どまりが高くなれば加工賃は下がるなどということは、去年からそれは通用しないわけです。今度スライド制で、歩どまりのいいものについては、それに対応して製造業者は原料を高く買わなければならぬということになっておるから、これは歩どまりがいいということがその工場に対するコストの引き下げということには即座にはならぬということになるわけです。ですから、こういうものをずっと列挙すると、大臣初め長官においても、ことしはどうしたならば値段を下げることができるか、あるいは前年同様据え置くことができるかということで頭が一ぱいで、それ以上前進した政策は研究するひまがないと思うのですが、ことしはそういうでたらめなやり方は絶対これは認めない。今までも認めてはいないのですけれども、留守の間にこそどろ的にきめて告示して告示したものはいたし方ありませんということで、泣き寝入りみたいなことで生産者はがまんしたが、ことしはそういうことは絶対許さぬという考えで当委員会もおりますから、この点に対しては十分な御配慮を願いたいと思うわけです。 それから最後に、これは別な問題でありますが、時間の関係でここで申しておきます。九月三日の農林水産委員会において、三十六年産の大豆の政府の基準価格の告示、三十七年産の菜種の基準価格の政府告示の内容をわれわれが検討した場合、これは全く不当な算定を土台にして決定された告示であるので不当である。これは直ちに現在の重政農林大臣の手元において再検討を行なって、誤りを直すということはやぶさかであってはいけないわけだから、すみやかにこの告示は改訂さるべきであるということを、あなたが出席しておりまんので、これは津島農林政務次官を通じて厳重に農林大臣に伝えてもらいたいということを言ってあるわけです。もしそれができないようであれば、そういう間違った、生産農民を苦しめるようなやり方をした事務担当者、これは長官以下をさすわけですが、そういう人物は適格者でない、大蔵省あたりにいくのであればいいかもしれぬが、少なくとも農林行政を担当するには妥当でないと認めるからして、告示を直すか、人事の面で十分なる配慮をするか、いずれかの検討をしてもらいたい、すべきである、こういうことを津島さんを通じて言っておるわけです。これについても聞かれたと思いますが、ここですぐどうこうということを言えなければ、この次の十日の委員会でもいいわけですが、以上の点だけを私は申し上げて、この三点について大臣の明快な答弁を聞かしてもらいたい。
○重政国務大臣 第一点のコーンスターチの問題でありますが、これはやはり澱粉の需給の問題、将来の見通しの問題、すなわち澱粉工業の発展によって需要が年々急速に増大する、こういうようなことも十分に検討いたしまして、需給の関係、見通しを立てて、足らないということになればこれはもちろん増産とかなんとかいうことは当然のことでありますが、そういうことをいろいろやってみまして、どうも足らないということであれば、これは外国澱粉の輸入をするか、あるいはただいまお述べになりましたコーンスターチ工業を日本でやるかということになるだろうと思うのであります。これはよく検討した上で、なるべく外国澱粉の輸入を避けて、どうしても足らぬということであれば、コーンスターチの製造をある限度においてこれはやっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。 それからバレイショの被害の問題につきましては、これは皆さんからお聞かせをいただいておりますからよく了承いたしております。 加工費その他の問題につきましては、冒頭に申しました通り、私は正直に申しまして実は検討しておらないのです。私のところに出てきておりません。近々出てくると思いますから、十分にこれは検討をいたします。据え置きを前提にして考えておるというようなお言葉でありますが、事務当局だって決してそういうことではないと思います。忠実にやはり農安法の条章を執行いたすつもりでおると思うのであります。 それから大豆と菜種の告示の問題であります。これも参議院の方でもせんだってそういうお言葉がありましたが、それが非常に誤りであるかどうか、一つ検討いたします。
○田口小委員長 大臣、約束の時間がきましたが、五分だけ……。 松浦周太郎君。
○松浦(周)小委員 大臣のお疲れのところをおそれ入ります。 先ほど来の松田君の質問、今の芳賀君の質問で、手持ち澱粉を全部売り払うとおっしゃったことは、これは非常な好影響を受けると思いますが、反面に食管会計の赤字その他ますますかさばりますので、大蔵省その他の抵抗もあると思いますが、御発言になりました以上は強く早期にやっていただきたいと思います。 その次に、これはもうこの間じゅうから私も申し上げておることでありますし、本委員会でもただいままでもいろいろ御議論がございまして、誠意のある御答弁を承ったのでありますが、大体価格を上げてくれという要望でございます。これにはやはり二つの面があると思うのです。一つは恒久的に安定させなければならぬ、一つは暫定的に、すでに作付を終わって収穫に入っておるのでございますから、これらの安定をさせるということが先決でなければならぬと思います。恒久的な問題についてはこの間も大澤長官にしばしば申し上げましたので、それを引用いたしますが、もちろん耕種肥培の技術の向上をせしめる、特に品種の改良については非常にバレイショがおくれているので、これには行政上からも試験研究の経費を増大していただきまして、お米のごときは終戦後二倍以上の増産がなされておるが、澱粉は十年一日のごとくほとんど上がっておりません、そこにまたコストの高くなる原因もありますから、この点について特に御配慮願いたい。 また、つくったイモの生産性向上の合理化に対しましても、先ほど大臣からもいろいろ御答弁がありましたが、全く原始時代そのものの方が多いのです。多少は合理化されましたけれども……。これには一段の今後の御努力をお願いいたしたいというのでございますが、暫定的な問題として、先ほど申しましたように、今年作付をしてしまって収穫に入っておりますから、それが不作だといって大騒ぎをしておる今日でありますから、農安法を適用しても満足な希望に達しられないような状況でございますが、これは、農安法もずっと以前にできまして、その後に農業基本法ができております。農業基本法の精神から言うならば農安法も変えていかなければならぬといような時期に迫っておりますから、それを今この目先にどうのこうのというわけではございませんが、そういう性格を持っておる農安法でございますから、この際一つ行政上のあたたかみのある御査定を願いまして暫定的な価格をきめてもらいたい、それには、先日来、農政研究会といって御承知のように朝野一丸になった研究会がございますが、そこでも長時間にわたって議論をいたしまして一つのめどを打ち合わせいたしまして、それはいずれ井出君や森君から大臣のお手元に届いておるかと思いますが、それらは最小限度の希望でございますから、暫定的にきめていただきますのには、どうかこの研究会の申し出を重視していただきましてそういう方向に一つあたたかみのある御決定をお願いいたしたい。この二点を申し上げて御答弁をいただきたいと思います。
○重政国務大臣 御意見の点は十分了承いたしております。できるだけ一つ考えて御趣旨を体してやっていきたい、こういうふうに考えます。農政研究会の方からも今お述べになりました御意見は先般申し出がございました。拝聴いたしております。
○田口小委員長 暫時休憩し、午後は一時三十分から再開いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後二時五十八分開議
○田口小委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りいたします。 昭和三十七年産甘しよ及び馬鈴しよの原料基準価格並びにでん粉及び甘しよ生切干の政府買入価格等に関する件(案) 一、甘しよ及び馬鈴しよの原料基準価格については、畑作農家の所得を確保するため、最近における農業パリティ指数の上昇、労賃の値上り、米麦価の値上り等に見合つた値上げを行なうこと。この際、甘しよ並びに馬鈴しよの基準でん粉歩どまりについては昨年通り(甘しよ二二%、馬鈴しよ一五・五%)とする。 二、基準価格の決定は買いたたき等を防止するため、出来る限り速やかに行ない、かつ、農家手取が保証されるよう適切な措置を講ずること。 三、でん粉及び甘しよ生切干の政府買入価格については、原料基準価格並びに労賃等の加工経費が上昇している現況を考慮し、適正な値上げをすること。 四、でん粉需給が好転し、政府手持でん粉のうち、甘しよでん粉の在庫は減少しているので、馬鈴しよてん粉についても甘しよでん粉と同様、育成ぶどう糖用への特売措置等を講ずること。 五、コーン・スターチ、その原料としてのとうもろこし及びまいろ等の輸入については国産のでん粉及び甘しよ生切干と競合しないようその輸入方式及び関税率の改訂に関し慎重を期すること。 六、糖みつの輸入にあたっては、特に甘しよ生切干の消費促進をはかるため、生切干の使用実績を基準とした外貨割当方式を検討すること。 七、甘しよ、馬鈴しよについて、優良品種の育成と普及を図るとともにでん粉工場及び育成ぶどう糖工場の合理化について、さらに積極的な助成策を講ずること。 右決議する。 昭和三十七年十月 日 衆議院農林水産委員会 以上を小委員会の結論とすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお本件につきましては、これを小委員長から農林水産委員会に報告するとともに、委員会において決議せられるよう提案することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 本件について政府の所見を求めます。
○津島説明員 ただいまの御趣旨は十分承ったのでございますが、大臣にもよろしく申し伝えまして慎重に善処いたしたいと思います。
○田口小委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会