農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/11/15
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件及び農林水産物に関する件について調査を行ないます。 農業構造改善事業促進対策に関する件について足鹿覺君より発言を求められております。これを許します。足鹿君。
○足鹿委員 この際、農業構造改善事業促進対策に関する決議を本委員会において行ない、政府の善処を求めんとする次第であります。 決議案をまず朗読いたします。 農業構造改善事業促進対策に関する件 政府は、農業構造改善事業の本来の目的を達成するため、左記事項の実現を期し、その推進をはかるべきである。 記 一、現行の事業費の規模は実情に応じ、拡大をはかること。 二、補助事業については、地元負担の軽減を図るため、国の補助率の引上げを行なうほか、都道府県費による補助率の引上げが可能となるよう地方交付税の基準財政需要額算定へその財源を織込むこと。なお、この場合、後進地域ないし山村地域についてはその負担力を勘案して特別に配慮すること。 三、市町村が事業主体となる事業については、農業構造改善事業のための起債を認めるほか市町村財源の強化に必要な各般の措置を講ずること。 四、国の助成の対象となる事業の実施基準については、それぞれの地域の実態に応じた弾力的運用を行ない、いやしくも画一行政の弊に堕さないよう厳に注意すること。 五、農業構造改善事業に要する資金需要を充足するため、現行農業金融制度に思い切った改正を加えるとともに、この際、速やかに国の原資による長期低利の農業構造改善資金制度の実現をはかること。 六、畜産基盤の整備、集団樹園地の造成等、農業経営規模の拡大のため国有林野の払下げ等の措置を講ずること。 七、事業の計画地域の指定に当って立地条件、経済事情等を同じくする地帯に位置する数ケ市町村が共同して同時に事業を実施できるよう配意すること。 八、農業生産の選択的拡大、主産地の形成の前提条件として、基幹作目について適切な価格安定と流通機構の近代化等、農家所得の確保増大を図るための措置を講ずること。 九、本対策に関する末端市町村並びに農民への趣旨滲透、事前調査その他事業実施のための諸準備農民呼応態勢の確立等をはかり、実施態勢の整った地区又は地域から逐次速やかに実施に移すよう配慮すること。 十、農業構造改善事業の指導体制の確立のために都道府県の指導官の増員、農業改良普及員の再教育、市町村における担当職員の拡充を行なうは勿論、中央にコンサルタントを設ける等、中央、地方を通ずる事業の指導普及及び執行体制を整備強化すること。 十一、事業計画が承認された優良なパイロット地区は、特に展示的、拠点的、公益的性格が強いので、濃密指導、財政的援助等を強化するとともに事業の早期完成を期すること。 十二、本事業に係る事務手続、融資手続、登記事務等を極力、簡素化すること。 十三、農業構造改善事業の推進に当っては、関係各省間の緊密な連繋に遺憾なきを期すること。 十四、農業構造改善事業の長期性、重要性にかんがみ行政庁の責任態勢を明確にするため、法制化の措置を検討すること。 右決議する。 昭和三十七年十一月十五日 衆議院農林水産委員会 以上でありますが、本案は自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党の共同提案にかかるものでございまして、本委員会が特に三日間の長きにわたって農業構造改善事業対策を中心に検討を進め、また第二日目には特に参考人を招致いたしまして熱心な現地の声あるいは学界あるいは指導の立場に立つ方々の声をよく聴取いたしまして、これらの共通した意見を集約いたしまして、でき得る限り調整をはかり、かつ農林当局等の意向につきましても昨日来意見を聴取し、十分万全を期しまして三党間において完全な意見の一致を見た次第であります。従って政府は、この対策、この決議の趣旨を尊重せられまして、でき得る限りすみやかに本趣旨が実現できますように御善処せられんことをこの際特に要望を加えて提案趣旨の説明にかえ、委細につきましては三日間の会議を通じて意を尽くしておると思いますので、詳細は省略いたすことといたしますので御了承願いたいと存じます。
○長谷川委員長 ただいま足鹿君から提案のありました案文の通り決議するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、ただいまの決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次にただいまの決議に対する政府の所見を求めます。政務次官津島君。
○津島説明員 農業構造改善の促進に関しまして、ただいま御決議があったのでございます。この御決議は一項から第十四項まででございまして、非常に詳細を尽くしておる御決議でございます。また内容も一々これから推進をいたします上においてほんとうに重要なものであると思うのであります。これにつきましては今後皆様方の御決議の線に沿いまして検討を加え、善処を申し上げたいと存ずるのであります。 なおまた、この決議の中には自治省等に特に関係の深い点もあるのでございまして、これらの点につきましてはよくまた自治省とも連絡をいたし、その協力を求めて善処を申したい、かように考える次第であります。 ————◇—————
○長谷川委員長 次に消費者米価問題について大澤食糧庁長官から発言を求められております。これを許します。大澤食糧庁長官。
○大澤説明員 消費者米価の改定につきましてはすでに御存じのところでございますけれども、先月末消費者米価の改定をしたいのだけれども、その際どういう点に留意して改定をすべきかという諮問を米価審議会にいたしました。約三日間熱心な御討議を見まして、その結果、諮問に対しましては、家計の向上あるいは食糧管理の実情等から見て消費者米価の改定はやむを得ないという見解、もう一つは家計を圧迫して一般物価の上昇を誘発する消費者米価の値上げは適当でないという見解、もう一つは食糧管理特別会計の実情というものを理由にして諮問する諮問の仕方は適当ではない、こういう三通りの見解がございましたけれども、第一の、改定はやむを得ないという見解の方々は、値上げの幅について努めて圧縮する、また低所得者に対しての社会保障その他各般の対策を並行して実施するということ、さらに配給制度の改善、消費者の地域米価についての再検討というような点について留意をして改定すべきであるという御答申を得たわけでございます。 これに基づきまして、政府としては十一月二日の閣議で、消費者米価は昭和三十七年の十二月一日から、現在十キロ当たり八百五十円でございますけれども、これを九百五十五円に改定する、さらにこの九百五十五円の米のほかに、消費者の、量よりはむしろ質に対する要望というようなことも考えまして、値段は高いのだけれどもよい米ということで特選米を新たに設けるという二つのことを決定いたしました。ただいま私ども事務的にこれの細目について検討をいたしておるところでございます。十二月一日からこういう趣旨で改定をし、さらに新しい特選米の制度を設けるということにいたしたいと思って目下作業中でございます。
○長谷川委員長 次に消費者米価問題等について質疑の通告があります。順次これを許します。石田宥全君。
○石田(宥)委員 私は、日本社会党の立場で、消費者米価値上げ反対の立場で大臣に御質問を申し上げたいと思います。 消費者米価の値上げは社会的な影響がきわめて甚大でございまして、直接国民の家計費を圧迫するだけでなく、最近東北電力株式会社の電気料金値上げ、私鉄運賃の値上げ、あるいは新聞紙代の値上げなど、一般物価の値上げ傾向を一そう強めることになり、国民生活に大きな打撃を与えることは明らかであります。現在の消費者米価が物価抑制のために果たしている役割はきわめて大きいのでございます。 政府はエンゲル係数が低下したことを理由に家計費への影響をきわめて過小に評価しております。また多くの資料が提出されておりますが、いずれも消費者米価の値上げが家計に及ぼす影響はきわめて少ないことを強調されておるようでございまするけれども、しかしその影響は決して少ないものではないと思うのであります。特に低所得層の米の需要は最近ようやく増加したばかりでありまして、ここで消費者米価を値上げすれば、この層は再び米を十分に食べられなくなるおそれがある。同時に米の需要を減退させるであろうことは、かつて小麦粉の値上げの際に、パンやうどんの消費が減退した事実に見ても明らかであります。 また食管制度の目的を遂行するためには、消費者米価の値上げを行なうべきではないと私どもは信じておるのであります。すなわち米は国民の主食であり、生活必需品であります。これに対し生産は季節性、地域性が強く、投機の対象となりやすく、もし自由融通にすれば買い占め、買いたたき等の不当行為が生じまして社会不安を招き、従って国が米の需給を管理し、国民の主食を安定して供給していくというのが食管制度の目的でございます。かかる目的を持つ食管制度に対し、必要な費用を国が負担するのは当然でございまして、食管会計を独立採算制にして、財政支出分を赤字として見る論拠は誤りであると考えるのであります。 これらの点については後ほど項目別に御質問を申し上げたいと思うのでありますが、ここでまずお尋ねをいたしたいことは、十一月の二日の閣議決定として、配給米の価格に品質差を取り入れて、これより高い価格の特選米を設けるということを御決定になったのでありますが、この特選米というものはどういう構想でこれをお考えになっておるのか。かつて池田さんは、貧乏者は麦を食えと言ったことがございますが、もし米に等級をつけて低額所得者は安い米を、高額所得者はよい、うまい米をというならば、貧乏者は麦を食えという思想と一致するものがあると考えるのであります。同時にまた米の品質というものにつきましては、これは玄米の買い上げをする場合におきましては整粒歩合であるとかあるいは水分含有量であるとか等々の標準がございまして、ここに規格というものができるのでありまするけれども、うまい米という意味の品質格差はいかようにお考えになっておるのか、まずその点をお伺い申し上げたいと思います。
○重政国務大臣 現在の国民の米に対する御要求が、少々高くてもよろしいから良質な米を食べたいという欲求が相当にあると私は考えておるわけでございます。すなわち量から質へ需要が移っておるというふうに言っても差しつかえないと思うのであります。そこで私は、現行食管法の制度の範囲内においてそういうような消費者の御要求に応ずることができれば応じたい、こういう考えをもちまして特選米という制度をつくることを決意いたしたのであります。貧乏人は麦を食えという思想と同じではないかという御説でありますが、これはそうではないのでありまして、消費者の自由選択によって特選米を食べたいと思われる方には特選米を提供するし、そうでない方には従来のような配給米を提供する、これはいずれも消費者の自由選択でありまして、決して強制をいたしておるわけではございません。でありますから、ただいま石田委員のお述べになりましたような思想でないことを一つはっきりお断わりしておきたいと思うのであります。 なおどういうふうな規格でやるかという御質問があったかと思うのでありますが、これは目下検討をいたしておりますけれども、お話の通りに良質米であることはもちろんでありますが、これに食味を加味してのいい米、こういうことになりますとなかなかその規格を一定することは現在のところ私は簡単でないと考えております。そこで規格の面におきましては良質米ということにいたしまして、運用の面において食味を加える、こういうことでいったらどうか、こういうような大体考え方でおるわけであります。
○石田(宥)委員 規格の点ですが、今、大臣は量と質の問題を並べてお話しになりました。ところが、米の場合に、なるほど漸次食生活が向上して参りまして、量よりも質ということが当然問題になりますが、ただ私が申し上げたいことは、玄米の場合においては先ほど申し上げましたような検査等級の規格がございまして、一、二等級はどう、三、四等級はどうという一定の規格がございます。しかしうまい米というものといわゆる等級の上位の米というものは一致するものではないことは大臣御承知の通りなんです。従ってやはり玄米の規格と違った規格を一体どうやっておつくりになるのか、きわめて困難であるから運用の妙を得てやろうというお話でございますけれども、そこに何か私はやはり一定の標準、基準がなければならないと思うのです。新潟の米などはいわゆる水分が非常に多いので等級としては落ちるのでありますけれども、これは食味からいえばむしろ硬質米よりは食味の方は非常によろしいので、米屋さんに自由に操作させれば、新潟のような軟質米のさじかげんがかなり味というものに影響するということは御承知の通りなんです。そういたしますと、簡単でないから運用でいくとおっしゃるが、これは小売関係の米屋さんにまかせるという以外に方法がないのではないか、こう思うのです。それ以外に一体うまい米という、品質の加味された米というものはできないのではないだろうか。ところがそれを商人にまかせるということになれば、事実上これは政府の方でどうすることもできないのではないか、その点はどういうふうにお考えになっておるか。 それからもう一つ。従来も実はうまい米とまずい米があった、なぜそういうふうになっておったかと申しますと、上位等級の玄米は多くは米屋さんがやみに流しておった。だからやみ米はうまいということがよくいわれた。これは比較をすれば、上位等級の玄米はうまいということになりましょう、けれどもそれは比較論の話であって、上位等級と下位等級を比較した場合の話である。従来私どもがしばしば主張して参りましたことは、玄米の、上位等級の米も下位等級の米も同じ価格で卸人におろしておったということはきわめて不合理だったのではないか、だから米屋さんの方で上位等級の米はやみ流しに多く使う、そうして下位等級のものは配給に充てる。そうするとやはり比較すれば若干上位等級の米はいいということになる。だからやみ米はうまいという議論が生まれる。そこで今度の特選米をおつくりになるにあたって、上位等級の米は高く卸商人におろすということについてはどうお考えになっておるのか。この点とあわせて一つ御答弁を願いたい。
○重政国務大臣 石田さんも先刻御承知の通り、食味の問題はなかなかむずかしい問題であります。ただいまお述べになりました上位等級すなわち一、二等の米は品質だけがよくて味は全然関係がない、こういうふうに言われたように受け取れたのでありますが、これは御承知の通り必ずしもそういうわけのものでもあるまいと思うのであります。同じ新潟の軟質米でもその中に実入りの充実してない米がたくさんまじっておればこれはうまくないにきまっておるのです。でありますから、一等、二等といえばそういう十分に実っておらない米がまざっておるのは少ない。従ってうまいということになるわけです。でありますから、そういう点を考慮いたしますと、やはり上位の米でしかもそれを精選をしてやるということになれば、やはりうまい米ができると私は思う。それ以上にさらに、たとえば特定の地方にできる、いわゆる一般のうまいと思っておるような米も、配給をいたします際に、できる限りこれを操作をしていけば、同じ二等米でも新潟の米がよければ新潟の米もあわせて配給をしていく、こういうことにいたしますと、食味の点も公平なところで考えていくことができるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。それから上位等級のものは高く売るかどうかということでございますが、これは高く売るつもりでおるのであります。
○石田(宥)委員 私も同一地域、同一品種であって高位等級のものは、これはうまいと思います。けれどもそれはそう簡単に割り切れる問題でないということを言っておるのです。そこで、精選をすれば可能であるとおっしゃるけれども、これは精選という意味が私はっきりのみ込めないのでありますけれども、考え方によっては搗精度を上げたり下げたりするということでは、これは区別することはできると思うのです。要するに七分づきの米をつくってこれは一つ安く売るんだ、こういうことなら話はわかると思うんですね。しかしそれ以外にうまい米、いい米の品質、格差というものは、つけようがないのではないか。だからきょうのある新聞が書いておりますように、一般の米にくず米を入れて、それだけは安い米に売るということなら、消費者米価にちゃんと格差をつけることができるということでありますが、私もなるほどと思っておるのです。そこで等級をつけた場合に、一体特選米というものは全国的に売り出す方針かどうか、これはどうなんでしょうか。
○重政国務大臣 搗精度について考えることも、もちろんでございます。それから先ほど申しましたように、十分に熟しておらない米を、できればまぜない。まぜるといえば語弊がありますが、そういうものがまざっておるものは精選をする、こういうようにあらゆる面において精選をいたしまして、特選米というものをつくりたい、こういうふうに考えておるわけであります。 それから全国的に売り出すかどうかということでありますが、私はおそらくこれの御要求の強いところは、六大都市並びにこれに準ずる地方の大きな都市が一番これを要求せられるのであろうと思います。しかしこれはやはり公平の原則に従いまして、全国的にそういう御要求があれば、そういう方面には出さなければならぬ、こう考えておりますので、一応現在考えておりますのは全国的に消費者の御要求に応じてやっていく、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 そうなりますと、たとえば北海道などでは、北海道内では米は余っておるわけですが、札幌、旭川等で特選米がほしいという場合には、内地から持っていってお売りになる、やはりこういうことになると思うのですが、そうなりますと中間経費が多くなって、いたずらに消費者米価を上げざるを得ないような結果になり、また食管の赤字が大きくなるということになると思うのですが、そういう点についてはどうお考えになりますか。
○重政国務大臣 これは石田さんの御指摘の通り、中間経費が若干多くなります。多くなりますが、これはやはり消費者の御要求に応じて現行食管制度を運用して参りたい、こういう考えでありますから、若干の中間経費がかさむことはやむを得ない、こういうふうに覚悟いたしております。
○石田(宥)委員 その次に、そういうことになりますと、実際問題として特選米というものの規格、そういうものの標準というものが事実上できないのではないか、大臣はできるという自信がおありですか。
○重政国務大臣 これは今のところでは、私は一応つくるつもりでおります。これはできると思っておるのですが、それが非常に理想的なものであるかどうかというと、これはもちろん理想的なものであるというわけには参りません。これはやはり年を追って、従来からの産地、銘柄というようなものがはっきりして参れば初めて理想的な食味も十分に加えて、規格をつくるということができることになると思うのでありますが、現状におきましては、ただいま申し上げましたような要素を取り入れましてその規格をつくる、こういうふうにいくよりほか処置しようがない。しかしそれにいたしましても、やはり消費者の御要求は相当程度満たすことができるものである、こういうふうに私は考えております。
○石田(宥)委員 先ほど玄米の卸売価格については高位等級のものは高く売るつもりだ、こういうことですが、そうなりますと高位等級の米、いわゆる一、二等級の玄米は卸の段階で高くお売りになるということになると、その値上がり分はやはり消費者価格としての十キロ八百五十円を九百五十五円にするという、いわゆる一二%値上げの分に入るのか入らぬのか、その点を一つ伺いたい。
○重政国務大臣 それは一二%に入りません。その外です。
○石田(宥)委員 そこで伺いますが、特選米というものが、一般の消費者米価のほかに一つできるだけと理解してよろしいかどうか。それからもう一つは従来の生産地における甲地、乙地、丙地というような各階層の価格がありますね。その売り渡しの価格は一体どういうふうにお考えになりますか。今まで通りやはり甲乙丙特というようなものは存置される方針であるのか、この際それはおやめになる方針であるのか、この点を明らかにしていただきたい。
○重政国務大臣 特選米は一つだけです。それから各地域の甲地、乙地の価格の問題でございますが、その分は今検討いたしておりますけれども、なかなかこれも——一応現在何年か行なって参っておりますし、よほどのことがない限りは現状でいくよりほかは仕方がないのではないかというような心持をいたしております。
○石田(宥)委員 甲乙等の生産県における格差をつけた売り渡しというものについては、これは食管制度との関係がございまして、できる限り従来のその制度を存置すべきであると私どもは考えておるわけで、大臣もそのようにお考えのようでありますから、この点はできる限り一つ堅持していただきたいと思います。 そこで、政府は一二%上げということにおきめになったわけでありますが、それは、特選米の価格を幾らに踏んで、幾らくらいの量になれば、大体平均して一二%という価格になるのか。十キロ平均九百五十五円という価格になるか。これは、特選米というものが非常に高くて、そうしてそれが非常に量が多くなれば、一二%にとどまらないで、これは二二%にも一四%にもあるいは一五%になるかもしれない。また特選米というものが、やり方によって、あまり相違がないのだということで、ほとんど出ないということになると、一般の配給価格をあまり下げられないということになってくると思うのです。一体一二%というものは、一般の消費者価格でお考えになっておるのか、全体のトータルでお考えになっておるのか、ここを明らかにされませんと、消費者は今非常に不安に襲われておるわけでありますので、これらの点を、一つ考えを明らかにしていただきたい。
○重政国務大臣 先ほども申し上げました通りに、特選米というのは一二%上げの外でありますから、一般の配給米が一二%上げということになるのです。そうして特選米はその一二%以上になるわけです。どれだけの量でどれだけの値段に特選米を売るかということは、目下検討をいたしておる最中でございます。いずれにいたしましても、特選米の量というのは、そんな大した量にはならぬと思うのであります。そうしてまたその値段もそう高い値段にするわけには参らぬ、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 構想よくわかりました。そういたしますと、一般の米は九百五十五円、これは動かさない。それで特選米はその上積みだ、外ワクだ、こういうことですね。 そこでもう一度確認しておきたいことは、十キロ九百五十五円の一般の消費価格というものが動かないとすれば、その内容でありますが、その内容を、さっき私がちょっと申し上げたように、品質を落とす、あるいは搗精度をずっと下げるというようなことがあってはならないと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
○重政国務大臣 ただいま御指摘の通りでありまして、これは従来通り、搗精度も従来通り、何も悪い米をまぜるというような、そんな考えは毛頭持っておりません。
○石田(宥)委員 消費者米価に対する取り扱いはまだ検討中だということでありますので、私もこれ以上あまり深入りをいたしましても、大臣非常に苦境に陥られるであろうと思うので、消費者米価については、だたいま私が申し上げたような点を中心にして、これをくずさないという配慮で、一つ特選米等もお考えを願いたいと思います。 次に私は、今度の消費者米価の値上げというものは、食管特別会計の赤字という問題が一番大きな要素であったと考えるのであります。また世論もそのようであったと思うのであります。そこで、赤字処理のために消費者米価を上げるということであったと私どもは判断しているわけでありますが、そういたしますと、せっかく今度は一二%の消費者価格の値上げになって五百何十億かの赤字が少なくなる。ところが今のような食管制度のあり方でいきますと、来年度の生産者米価は当然また引き上げざるを得ないということになる。そういたしますと、再び食管の赤字が膨張いたしまして、また最近と同じような情勢が出てきて、食管赤字解消のために消費者米価をまたもや上げなければならないという悪循環になるおそれがあると思うのでありますが、この点についてはどのようにお考えになっておりますか。
○重政国務大臣 三十八年度産米の生産者米価がまた上がるかどうかということでありますが、これは賃金が上がっていき、あるいは物価も著しく上がるということになりますと、これらの影響を受けて生産者米価は上がらざるを得ないと思います。従って、消費者米価の関係でありますが、私の考えておりますような考え方で参りますと、食管制度を運用する上において当然政府が負担すべき部分、すなわち今年におきましては約三百五十億前後のものであろうと思うのでありますが、これは当然に政府が負担すべきものである。その他の部分は消費者に負担を願わなければならぬ。ただし、その場合に家計の安定を旨として消費者米価をきめろということの食管法の規定がございますので、それが家計の安定を害するような値段であった場合には、これは引き下げる、その部分は政府が負担をする、私は大体こういう考え方で今回の消費者米価の決定をいたしたわけであります。でありますから、生産者米価が上がるから、当然最終的に消費者米価が上がるということも言い切れないわけでありますが、最後の結論を得ますまでの過程としては、私がただいま申し述べましたような考え方でいきますと、一応生産者米価が上がれば消費者米価に影響があるということは申し上げられると思うのでありますが、最後の結論は、やはり食管法第四条の規定によって政府が考えて決定すべきものである、こう考えております。
○石田(宥)委員 大臣よく承知の、食管法第四条に基づいて消費者米価を決定することになっておるから、今回の消費者米価の値上げはどうも当を得ないというのが私どもの見解でありますが、その点については、もう今決定されたことでありますので、その不当性をここでこれ以上難詰してみましても仕方のないことで、私は難詰しようと思いませんが、そこで、大臣は、前の河野農林大臣もそうなんですが、赤字が大きくなったから消費者米価を上げるということではないのだ、また生産者米価を上げないということではないのだということをしばしば言明されておる。にもかかわらず、今度は相当大幅な値上げになったわけであります。 そこでお尋ねしたいことは、今も大臣が触れられたのでありますが、農林省の「消費者米価の算定(試算)」という資料の中でその点を指摘してあります。要するに、食管特別会計の中で、集荷経費、運送費、保管料、金利、事務人件費等からなっておるが、そのうち運送費と保管料は消費者負担が妥当であるが、その他のものについては政府負担が適当であると考えられる、と書いておる。そこで私はお尋ねしたいのでありますが、私どもはこの中で、集荷経費はもちろんでありますが、保管料、金利、事務人件費というものはやはり行政費として負担すべきものであろう、こう考えるのです。行政費として負担すべき性質のものを食管特別会計の中にとどめておくということが、今後の食管制度自体に及ぼす影響がきわめて大きいと考えますので、当然政府は——それは判断がごさいましょう。政府のこの資料によれば、保管料というものも消費者が負担すべきものであると書いてありますけれども、その判断がいかようにありましょうとも、一つの項目をどっちへつけるかは別といたしましても、少なくとも農林省が行政費として負担すべきものであろうと考えられるものを、来年度予算の中で食管特別会計からはずして、これは農林省が行政費に組むべきであると考えるのでありますが、すでに予算は大蔵省に回っております。農林省はその点についてはどのようにお取り扱いになったでございましょうか。
○重政国務大臣 理論的にはまさに石田さんの御意見に私は賛成であります。でございますが、実際の問題といたしますと、一応その資料にあげておりますのは大づかみのところであげておるわけです。そうして私どもの心持といたしましては、できるだけ政府の負担部分をふやそう、実はこういう意図もあってそういうふうなきめ方をしたわけです。それはどういうことであるかと申しますと、事務人件費と申しましても、食糧庁の人件費——人は米ばかりをやっておるのではないのです。麦もやっておれば、あるいは食安法の規定に従ったいろいろの物資をやっておる。そういうものも全部つっくるめて、これは米に全部関係のあるものであるという前提に立ってそういうふうにやっておるわけです。その結論を出しますまでにはいろいろ詳細な調査をやりまして一応の仕分けはやったわけですが、そういうこまかいことを一々言ってみてもこれはなかなかわかりにくいことでありますから、大づかみにそういうふうにして、少しでも政府の負担部分をよけいにしようという意図も働いてそういうふうな結論といたしたわけであります。そこでこれを理論的に仕分けをするということになりますと、いろいろのこまかい問題で論議があると思うのでございます。従って今直ちにその結論の通りのものを一般会計に計上して食糧管理特別会計に繰り入れるというふうな措置を講ずべきかどうかということは、これは一応考えてみなければならぬことである、こういうふうに考えておるのでありまして、これはなお検討いたしまして、行く行くははっきりできるものなら、私は予算編成上においてもはっきりいたしたい、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 原則的に私の意見に賛成だということでありますが、ただ農安法関係それから飼料関係、いずれも三十億くらいずつあるわけですね。これは私は大臣の考えとむしろ逆の考えを持っておる。むしろ飼料のごときは御案内のように本年度四百万トン以上も輸入によっておるわけでありまして、それからまた農家の購入部分も肥料を上回るような状態になっておる。畜産を奨励する上においては、この飼料の価格を引き下げるための措置を大胆に講ずることが必要であろうと思うので、飼料の経費を食管特別会計の中から出すなどということはむしろ邪道であって、そういう農安法関係と飼料関係というようなものは別のものによるべきであって、これを食管法の中に入れておくなどということが世間に誤解を与えるもとになるから、そういうものはもちろん切り離すべきであるが、やはり原則的に行政費で見るべきものは行政費の中に根本的に繰り入れてしまうことが私は非常に重要なことだと思うのでありますが、これについてはすでに大蔵省が検討を始めておる段階ではございましょうけれども、やはり特選米の決定ともあわせて大蔵省当局とこれから交渉なさるでございましょうから、さらにこれは一つ再検討を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○重政国務大臣 一例として事務人件費の話をしたのでありますが、金利になってきますと、また非常にこれはむずかしいことになるのです。また運賃及び保管料にも同様なことが言えるわけなんです。そこでそれらの仕分けを理論的に何かの標準をつくってやるというようなことがはっきりして参りませんと、なかなか今の御主張のような御趣旨には——私も十分理解をいたします。私も御意見まことにごもっともであると思っておるのでありますが、この実効上の問題につきましては、もっと一つ研究を要すべき点が多々ある、こういうふうに考えておりますので、どうか一つさらに研究を続けて参りますのでしばらく時間をおかしいただきたい、こう思います。
○石田(宥)委員 その点はそれでは一つ御検討を願うことにいたしまして、次に問題になるのは、先ほど大臣もちょっと触れられたのでありますけれども、来年の生産者米価の問題でございます。同時にまた今年度にも関係をすることでありますが、先般農林大臣は私の質問に対して、予約減税は本年度から取りやめたいということをはっきりおっしゃったわけであります。これは事実上の米価そのものなのでございまして、私ははなはだ遺憾に存じておったのでありますが、その後農林省の機関であります時期別格差研究会ですか、小倉武一君が座長をやっておるようでありますが、あの機関が、予約減税についてはことしは存続をするが、来年から取りやめたいということを決定したようであります。これは新聞で拝見をしたので真偽のほどはわかりませんから、その点はここで大臣御承知ならば明らかにしていただきたいのでありますが、前回の委員会における私の質問に対しての農林大臣の、予約減税は本年度から取りやめをいたしたいというその考えは、その後大蔵省その他の関係、あるいは与党の政調等との関係において最終的にはどういう御処理をなされる方針であるか、ここで明らかにしていただきたいと思います。
○重政国務大臣 前段の小倉委員長の答申に予約減税の問題の答申があったような御発言でありましたが、これは全然その問題に関してはございません。 それから予約減税を廃止するかどうかという問題でありますが、これは私が石田委員の御質問に答えて、これは廃止をするべきであるというようなことを述べたことはあると思いますが、しかしこれはまだ大蔵省の方と正式の相談はいたしておりません。従って政府としても、どうするかということはきまっておりません。
○石田(宥)委員 そうすると、前回の発言はお取り消しになって、今後さらに折衝の上で決定されるであろうというふうに理解してけっこうですか。
○重政国務大臣 この問題もまた論議をいたしますと、いろいろな観点から私は論議が尽きないと思うのであります。ただ、今までのこの問題についての論議なり、大きくいえば歴史的な過程とでも申しますか、そういうことから考えますと、もうここら辺で一つ結論をつけたのがいいのではないか、こういうふうに私は考えておるのでありまして、もちろんこれは最後的にどうするという方針を決定しておるわけではございませんから、今後の問題でございます。
○石田(宥)委員 ここらあたりで結論をつけたいというお話でありますから、私も、結論的な、前向きの姿勢で一つざっくばらんに申し上げたいと思うのでありますが、この問題は税制調査会等からもかなりやかましく言われておる問題でありますから、私どもも永久にこれが存続すべきであるとは実は考えておらない。資本家階級に対しては租税特別措置法などで二千八百億も減免税をするような態度をとりながら、農民にだけ予約減税を廃止するということは、これは私は片手落ちになると思うのであります。しかしそれはそれの問題として、この問題について、大臣、どうでしょうか、一つ相談ですが、今までの予約減税というものを廃止するにあたって、そのものを切りっぱなしにするという手はないと思うのですね。これは経過がございまして、昭和三十年に河野農林大臣と私が米価審議委員をやっておりましたときに、実はいろいろ苦心惨たんしてこういう制度を設けたのです。それは明らかに米価そのものなんで、当時大蔵大臣は一萬田さんですか、どうも大蔵省の省議として米価をこれ以上上げるわけにいかないから、これで一つがまんをしてくれろと、これは米価の部分そのものだということで、われわれは了解をしておるわけでありますから、もしこれを廃止するというならば、そのものは基本米価に繰り入れるという措置をとられる方が妥当な処理の仕方ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○重政国務大臣 この問題の弱点と申しますか、私もざっくばらんに申し上げますが、これはやはり大農には都合がいいが、一般の農民諸君には関係のないことであるというところが、私はこの問題の一つの弱点であると思うのでありますが、ただいまお述べになりましたようなお考えで参りますれば、それを一般の米作農民諸君に均霑をさせるのだ、こういうことになるのでありますから、これをどうするか。かりにこれを廃止するというような場合には、ただいまお述べになりましたような趣旨で、これは一般の米作農民に均霑をさせる、こういう方向に、私もできることならば持っていきたい、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 大へん共鳴をしていただいてありがたいわけですが、これはぜひそういうふうな方向でお考えを願いたい。 それからもう一つ、これは小倉委員会で結論の出た問題でありますが、時期別格差の問題です。これもやはり歴史的な問題でございまして、なかなか簡単に処理のできない問題でありますが、これは昭和三十四年までは時期別格差というものは米価の外ワクで扱われておったわけです。外ワクに扱われておりますと、一般の関係のない地域の農民にもあんまり苦情が出ない。ところが、三十五年以来これは内ワクに入っておりますから、一万二千百七十七円の中に入っておるものでありますから、その恩恵に浴しない地域の諸君がこれが廃止を叫んでおられる。しかし早場地域というものはやはりそれだけの理由があって廃止をするということにはなかなか同意しがたい問題であります。それに対して小倉委員会は昭和四十年までに一応のケリをつけて、そうして八百円、六百円、四百円、二百円のうち、二百円のものだけはその後も存置するというような結論を出したようでありますが、私どもはあの決定にはどうも賛成をいたしがたいのでございまして、これはやはりさっき申し上げましたように生産者米価の外ワクでつくること、そうしてそういつまでもわれわれはこれを固執するものではございませんが、最近農協の中央会で結論を出しましたような六百円、四百円というようなものは外ワクとして四十年以後も存置すべきではないか。やはり積雪寒冷単作地帯等に対する配慮として、これは重政大臣が今度消費者米価の値上げ等を行なわれた機会に、これを明らかにされたいと思いますが、いかがでしょうか。
○重政国務大臣 私は小倉委員会の答申は大体妥当なものであると実は思っておるのでありますが、しかしまあ三十九年、四十年をどうするかということを私がただいまきめるわけにも参りませんので、さしあたりは三十八年度産米についての時期別格差について、小倉委員会の決定をしました分を取り上げまして、先般閣議の決定をしたようなわけであります。そこで、これを外ワクにするか内ワクにするかという問題でありますが、現在のところではやはり従来通りに、時期別格差というものは内ワクになっておりますから、そこでこれはやはり内ワクでいくのが適当ではないだろうか、こういうふうに私は考えておるのであります。これは考え方を全然別にいたしまして、本質的な早場米についての格差をどうするか、つまり自由時代にありましたあの格差を維持していかなければならぬということに考えるとするならば、これはそのときにまた考えるべきものである、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 この点はどうも大臣と所見を異にいたしますが、しかし積寒地帯の農民にとってはきわめて痛切な問題でございますので、一応全体的には閣議の了解事項となったようでありますけれども、これは一つ十分御検討を願いたいと思います。 次に来年度の生産者米価の問題でありますが、この機会にやはり明らかにしたい点が二、三ございますのでお尋ねをいたします。 大臣は米審の際に、昭和三十八年度の生産者米価も生産費及び所得補償方式をとる、こう御答弁になっておられます。これは当然だと思うのです。ところが、米価審議委員のかなり有力な委員の中に、生産費及び所得補償方式には賛成だけれども、その方式の中におけるバルクラインの取り扱いについては異論があるようであります。それは今日政府がとっておるのは、平均バルクに標準偏差というものを加えて計算をいたしておるのでありますが、標準偏差を加算するということは適当でない、平均バルクが至当であるという意見を述べておる人たちがあるのであります。そうなりますと、これはかなり大幅な生産者米価の引き下げになることになるわけでありますが、大臣はまさかそんなことをお考えになっておるとは考えませんけれども、これはこの機会に、やはり米全体についての問題でございまするから、明らかにしていただきたいと思います。
○重政国務大臣 算定方式につきましては、御承知の通りに、米審におきましても消費者価格を算定する方式を検討しろというような御決定もあるわけであります。これは適当な機会にまた専門家の御意見も拝聴いたしたいと考えておりますが、同時に生産者米価の算定方式と申しますか、生産費及び所得補償方式はとるが、その内容についてもう少し検討をすべきではないかという御意見もあることを承知いたしております。従って、これは適当の機会がありますれば、より合理的なものにすることはけっこうであります。しかし、ただいまお述べになりましたような標準偏差をとらずに計算するのが適当であるかどうかというのは、よほどの問題であろうと思うのでありまして、従って、これは今直ちに私がどうあるべきであるということをこの際はっきり申し上げることはできないわけでありますが、私自身も実はどうがいいということははっきりしておりませんので、そういうことは申し上げかねますけれども、そういう再検討すべきであるという御意見はあると承知しております。
○石田(宥)委員 その点は大臣もきわめて重大な問題だと御指摘になりました通りで、なかなか全農民の重大な関心事でございまするから、慎重に御検討を願いたいと思います。 なおこの機会に、先ほどもちょっと大臣も触れられたのでありますが、労働賃金がどんどん上がって参りまするし、さらに公共料金等も逐次上昇の一途をたどっておりますから、従って生産者米価はおのずから上げざるを得ない、また上げるのが妥当であるということになると思うのです。私は元来こういう主張をしておるのでありますが、生産者米価を上げなくとも、生産費と所得が補償されるような政治的な措置をとるべきである、こういう持論です。だから生産者米価を高くしさえすればいいと私は言ったことはない。ところが最近かなり、来年度の生産者米価がまた上がって、また食管の赤字が多くなるということを各方面で——いろいろな新聞や雑誌等が筆をそろえて書き立てておるのであります。私はここで意見を申し述べて大臣の所見をただしておきたいのでありますが、まず第一に生産者米価を上げなくとも農民が満足できるような政治的な措置とは何かというと、一つは米の生産性を高めるための措置をとる。たとえば土地改良費についてこれを全額国庫負担に踏み切って、そうして早期に土地改良を完成する。それから大型の農業機械等は国並びに地方公共団体の施設としてこれを共同に利用せしめる。もうこれらの点についてはすでに新潟県等もトラクターなどは相当入れておりまするし、長野県ほか相当な県が若干は入れておる。おとといの構造改善事業の参考人の中には、町でそれらの機械を全部負担をして施設をする、こういう参考人もございましたが、私は町でこれを持つというようなことは困難であろうかと思うのでありますけれども、国並びに地方公共団体、つまり国と県が中心になりまして、多少のものは市町村に負担をさせるとしても、これを一つ施設をつくって、その利用は農民にこれをまかせるというような施策がとれれば、これはいろいろな意味で非常に適切な措置であろうと考えるし、それからもう一つは、生産費を低下させるための施策でありますが、これにはたとえば肥料の問題を取り上げてみましても、今日農民が非常に矛盾を感じておりますることは、日本の肥料会社は先般朝鮮に十六万五千トンの流安を輸出契約をいたしまして、目下引き渡しをいたしておるようでありますけれども、これが船載せ価格でトン二十七ドルです。そういたしますと一表五百円で船載せ価格ということになっておる。ところが内地の農民は七百六、七十円で買わされておる。これは肥料はいろいろ別の問題がありますから、私はきょうそれに触れようとは思いませんけれども、そこで肥料会社は赤字だと称しております。しかしこれは日本だけの問題ではございませんので、イギリスなどでは三〇数%、四〇%近くの肥料補助金というものを農民に出しておるわけです。ですからそういう点で、私は日本も必ずしも四〇%近くもの肥料補助金を農民に出しなさいとは言わないけれども、やはり応分の肥料補助という形で政府がこれを政策の中に織り込んで行なわれるならば、必ずしもわれわれはその生産者米価の引き上げを強く主張しなくともよろしいことになる。それから農薬の問題でありますが、社会党はこれは国家管理に移すべしということを主張いたしております。大臣御承知のようにPCPという農薬のごときは、これは漁民に対して非常な打撃を与えて、いろいろ問題を起こしておる。そういう点もありまするし、少なくとも今の一般の農民の使用しておる農薬というものは、実は高過ぎるということが言い得る。われわれも若干工場の内容も調べておりまするが、これは国がこれを管理して、そうして低廉に農民に使用せしめるということになりますれば、これはやはり相当大きな問題になる。そこでさらに前段の農機具の問題、それから動力費その他の資材の農民負担の軽減になるような諸施策が講じられるならば、私は生産者米価を必ずしも上げなければならないということにはならないと思うので、やはりそういう配慮がなければ米の問題というものはいつまでもこれは悪循環が行なわれるのではないか。私はこの辺で、重政農林大臣は農政のベテランでありますし、ぜひ一つ相当な決意を持って、大臣の任期中にこれらの問題を処理されるべきではないかと考えるのでありますが、この生産性を高め、生産費を低下せしめる施策というものについての所見を伺っておきたいと思います。
○重政国務大臣 何と申しましても、最も必要なことは生産費のダウンであります。コスト・ダウンをする政策をとるということが一番の問題であります。いろいろだだいまお述べになりましたが、これも重要な御意見として私は拝聴いたしたわけであります。生産費の高いところでは、できる限り一つ、米をつくっていただかずに、もっと適当な有利な作物をつくってもらう、これが私は一番の問題ではないかと思うのであります。生産費の調査をいたしまして、いろいろやっておりますけれども、生産費の安いところといいますか、地力のいいところでは五、六千もあれば生産費がつぐなえるところがあるのでありますが、みなみながそうだというわけには参りませんけれども、非常に無理をして従来から米をつくっておられるところはなるべく他の有利な作物に転換をしていただくという方針でいくのが一番いいのじゃないかと思うのですが、無理なことはできませんから、これはなかなかそう簡単に参りません。同時に土地改良をやって生産力の拡大をするとかいろいろな方法があるだろうと思いますが、そういう面につきましては、できるだけ一つ努力をいたしまして、要するにコストのダウンをはかる、こういう方向に持っていきたいと考えております。
○石田(宥)委員 いろいろございますが、きょうは大体消費者米価を中心にして御質問を申し上げたわけであります。 最後に一言申し上げておきたいことは、最初にも申し上げましたように、消費者米価の引き上げというものは、政府がお考えになっておられるように、政府がお出しになった資料のように、家計に対する影響の少ないものではない。きわめて低所得の国民が相当数ございます。ここに数字をあげる必要はないと思います。そこで、自分たちの毎日の食事については、一食について二円か三円高くつくか安くつくかでいろいろそろばんをはじいて算術をして、米にしようか、パンにしようか、うどんにしようかということに頭を痛めておる主婦の人たちが非常に多いのだということをやはりお忘れになってはならないと思います。それから消費者米価の値上げの影響というものが現実に各方面に起こっておる。これは先般私、新潟で聞いたのでありますが、やみ米の買いあさりが非常に激しくなっておるということを承ったのであります。ところが私、業界紙のけさ配達になりましたのを見まして驚いたのでありますが、トラックその他で大量の買いあさりが行なわれておる。これは栃木県のことでございますけれども、大臣も御承知だと思いますが、それほど米の値上げというようなものの人心に及ぼす影響というものは深刻であるということだと思うのです。それから同時にまた、さっきもちょっと触れたのでありますが、最近ようやく日本の国民全体が米というものをまあ腹一ぱい食えるようになってきた。そこへ消費者米価が上げられるということになると、米の消費に異常を来たすのではないか。またやはりパンやうどんに転向したり、消費構造にもいろいろ影響を及ぼすのではないであろうかということも考えられるのであります。一般の農民はまだそこまで気がついていないようでありますけれども、配給業者も一致した意見でありますが、消費者米価が上げられれば、当然やみ米が非常に多くなるであろう、そうすると結局特選米の制度と相待って、統制がくずれるところの端緒になりはしないかということを心配いたしておるのであります。そういう心配がすでに一部には出て、いろいろな動きになっており、それが杞憂に終われば幸いでありますけれども、私はかなり影響があるのではないかと実は考えております。従って先ほど大臣がお述べになりました、卸売価格の一、二等米を高く売り渡すという問題の処理の問題、特選米の設定の問題等については、目下検討中ということでありますから、私もこれ以上追及しなかったわけでありますが、十分それらの点を御配慮の上で御決定を願いたいということを一つ御要望を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。御意見があれば一つ伺っておきます。
○重政国務大臣 消費者米価の値上げが家計に影響を持つか持たぬか、これはもちろん影響することは申すまでもないことでありますが、しかし昭和三十二年以来今日まで、家計費の膨張と申しますか、向上というものは、御承知の通りに三割以上もあるわけであります。でありますから一二%程度の消費者米価の値上げは、大局的には私はさしたる影響のあるものとは考えておらないのであります。しかしながら、先ほどお述べになりましたように、いわゆる低所得階層というものに対しては、それはその階層のいかんによりまして、相当な影響を及ぼすであろうということは、私も想像をいたしております。でありますからそれらの階層につきましては、あるいは母子福祉年金の充実をはかりますとか、あるいは生活補助金の増額をはかるとか、いろいろそれに対する社会保障の対策というものは講じなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。政府といたしましてはそれらの点も十分に考えまして、そういういわゆる低所得階層に強い影響が及ばないように、できるだけのことはいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○長谷川委員長 安井吉典君。——大臣がほかに用がありますから、大臣に対する御質問を先にやって下さい。
○安井委員 私、主として最近告示になりました農安法並びに大豆なたね交付金暫定措置法によるイモ澱粉価格、さらに大豆価格の問題につきましてお尋ねをしたいと思うわけでございますが、一応決定に至る経緯、計算基礎等を先に伺ってからにしたいと思うのですが、一つ簡単にでも御説明いただきたいと思います。
○大澤説明員 お手元にカンショそれから大豆の基準価格の設定についての資料をお届けしてございますので、それをごらんいただくといいと思います。 まず三十七年産カンショ及びバレイショの原料基準価格、あるいは澱粉の政府買い入れ基準価格、その資料の方でございますが、農安法の規定に基づきまして、御承知の通り政令の附録算式があるわけでございます。あれによって価格を決定しているわけですが、その際、二ページの2というところに「カンショの原料基準価格算出基礎」というのがございます。前三カ年平均の生産者価格二百六十円五十銭、これにパリティでありますとか、あるいは三十七年の商品化するイモの数量でありますとか、さらに澱粉の需要を考慮いたしまして政府の持っております澱粉を供給に立てる、その数量とかいうものが載っておりますが、そういうものを附録算式に当てはめて計算をいたしますと、ここにありますように二百七十五円となるわけです。それをとりまして二二・五%のものを三七・五キロ当たり二百七十五円とするというふうな決定をしたわけでございます。三ページの下にバレイショ、これも同じような計算をしております。附録算式によって算定いたしました額は、三ページの終わりの方にありますように二百五円、こういうことになるのでありますが、ことしの北海道のイモの状況その他を考えまして、あるいはまた澱粉の需要と価格との関係、あるいはこれの関連産業の方がどのくらいならば需要できるかというようなことを考えて、澱粉の価格から、逆になるべく農家のイモの手取り価格は高くなる方がいいということも考慮いたしまして、附録算式からは二百五円というような数字が出て参りますが、今のようなことをいろいろ勘案いたしまして二百十五円ということで決定をしたわけでございます。歩どまりにつきましては昨年通り、カンショの方は歩どまりを多少上げておりますけれども、バレイショの方はことしの凶作というようなことも考慮に入れまして昨年通りの歩どまりということでございます。さらに、これを基準にして五ページの上から書いてございますようにカンショ澱粉の政府の買い入れの基準価格あるいはバレイショの澱粉の価格を算定したのであります。 それから次に大豆の基準価格でありますが、これは例の交付金法に基づきまして、交付金の額を算定する基準としての基準価格、これの決定が十月の末日までの決定ということになっておりますのできめたわけでございますが、これは新しい制度でもございますので、いろいろ問題がございます。 菜種等についても御指摘があるわけですが、ただいま全販連と共同研究をいたしましてどういうものについてきめるべきか、あるいはどういうきめ方をしたらいいのだというようないろいろな研究をしておる過程でございますが、今年はとりあえず大豆の価格はここにお配りしたようなことを勘案してきめたわけです。昨年きめました場合は、あるいは一昨年法律によらないで行政措置としてきめました場合は、三十一年——三十三年の基準年次にパリティの上昇分を見てそれを生産性の向上で割引をするというような形できめておりますが、そういう算式でやりますと二ページに書いてあるような額になります。三千三百九十六円ということでございますが、御承知のようにこの法律の趣旨は、基準年次の所得を自由化によって大きく影響されないように、徐々に農家への影響を緩和していくという形、そういうことをねらいとして急激な変化を与えない、その間に生産性を増して外国のものに対抗し得るようにしていこうという趣旨の法律でございます。いわば年々価格が下がっていくことがむしろ望ましい、基準価格が下がっていく、しかもそれで農家の所得は基準年次とそう変わらないことが望ましいということを背景にした制度だと思うのであります。今年の場合は、さらに今までやりましたものの方式のほか、菜種ですとかいうようなものと違って大豆の商品化は非常に地域性があるわけで、北海道の方は商品化率が高いが、しかし都府県の方はむしろ商品化の率が少ないというような事情がございますので、そういうような事情も考えて、それぞれについての事情も考え、さらにまた昨年来の実績あるいはまた今年の調整販売計画数量というようなものから商品化の率というようなものを勘案して、基準年次と本年度のバランスをとるということを考えますと、この3に書いてあるようなことになるわけであります。むしろこういうことを考えて価格をきめるということの方が本筋じゃないだろうかというようなことも強く議論をし、あるいは考えまして、今年は昨年と同じような——むしろ下げてしかるべきだというような数字も出るのでありますけれども、昨年と同じ三千二百円に最終的に決定した、こういう事情でございます。
○安井委員 一応御説明を今承ったわけでございますが、まず初めに、この結論が下されてから、十一月一日付のウナ電が生産者の方から私の方へきていますので読みますと、「本年産澱粉価格並びに大豆基準価格の決定につき、本日生産者代表協議の結果、法の精神を骨抜きにしたものとして絶対承服でき得ないものであり、重ねて要請の実現方につき御配慮を賜わりたく要望いたします。全道生産者代表者会議」という電報がきております。生産者の今回の農林省の告示に対する受け取り方は大体このウナ電一本で説明がつくと思うわけであります。今度の幕切れの段階におきまして、農林大臣が御存じないうちに先に決定の公報が出てしまったり、いろいろぶざまな状態が出たということもお聞きするわけでありますが、農林省というところは事が済んで大臣が決裁をされるのか、そういうふうなしきたりになっているのかどうか知りませんけれども、そういうふうな問題を含んで、あまり上等な決定ではなかったというふうに、私も生産者と同意見であります。 ところで、これまでの段階においていろいろ論争がなされてきたわけでありますが、この委員会でもこの問題について要望の決議をすでにいたしていたわけでありますし、それらの点につきまして、まず大臣から、一般的な要望や決議に十分に沿うような結論に至ったかどうか、御見解を伺いたいと思うわけです。
○重政国務大臣 当委員会の御決議につきましても、十分慎重に検討いたした上でああいう決定をいたした次第であります。その当委員会の御決議とは若干違う結論にならざるを得なかったことはまことに遺憾でありますが、この農安法による支持価格というのは一つの標準価格でございますから、そこで市場の情勢によりましては、あるいは高くあるいは低くなることは当然のことであり、生産者諸君の御要求が、農安法の支持価格というものが標準価格であるという性質を十分考えられないで、高く価格を決定するように御要望になる向きもあるのではないかと思いますが、私はあくまでも忠実に農安法の制度を運用するという面においてああいう結論を出した次第でありますので、御了承賜わりたいと思います。
○安井委員 若干算定の数字等につきまして事務当局に伺いたいのがあるのですが、大臣お急ぎだそうですから、それは一つあと回しにいたしたいと思います。 北海道の災害にからんで、バレイショの実収調査が問題になったり、あるいはまた澱粉原料としての供給見込み数量、そういったようなことが論議の対象になったりして参ったわけでありますが、いつものことですと、北海道では今ごろはなお澱粉工場の再盛期です。しかしことしはほとんどの工場が終わりました。イモがないのです。ですから市場価格も相当高く上がっているというふうな実情があるわけです。ですから私は今回政府が御決定になった前提的な調査にもずいぶん欠けるところがあったのではないか、そういうふうな印象をぬぐうことはできません。さらにまた今度の決定のその前提に、澱粉を使用する産業資本家の立場というようなものを相当強く重視され、あるいはまた十二万トンのストックを農安勘定でかかえておる大蔵官僚の側の意見というものが相当強く出て、むしろ農民の側の利害というものがあと回しにされたような形で結論が出たのではないか、大臣の御説明でありますが、そういうような印象をぬぐうことはできないわけです。それらの全体的な利害関係をどういうふうに大臣は調整されたわけですか。
○重政国務大臣 私が農民諸君の所得の面を強く考えていることは、この問題についてだけではないのでありまして、すべて農産物につきましては、強く農民諸君の立場というものは考えて行政を行なっておるつもりであります。しかし北海道の農民諸君の考え方と申しますか、そういうものと私の考えとの間に若干の差があるのではないかというふうに私も感じておるのでありますが、それは農安法で処理をいたしております農産物というものは、商品であるという性質を忘れてはならぬということを私は考えておるのであります。値段が高ければ、農家の所得が高くなるから幾らでも高くなればいい、そうしてそのしりは政府がぬぐうべし、極端にいえばそういう考え方をいたしておる人々もあるのではないかと思うのでありますが、私はそれはとらない。商品である、商品であるものは、消費をせられなければならない、こういうふうに考えておるのであります。そこで、この需給の問題というものを私はやはり相当重要に考えてやっておる次第であります。そこらの辺が若干食い違っておるかもわかりませんが、しかしできるだけ農家の所得を多くするために私は努力をいたしてきておるつもりであります。
○安井委員 大豆につきましても、大体私が今申し上げたと同じようなことが通ずるわけで、去年が三千二百円、ことしもまた三千二百円、大臣は農家の所得を増すようにというふうなお気持でおられるそうでありますけれども、去年よりも大豆でもバレイショでも農家の所得が減ることは明らかです。去年と同額で、生産費は上がるし物価はどんどん上がる。ですから、結局農家の所得は、基準価格だけから見れば減るという格好が明らかに出てきておるという事実があるわけです。 もう四時を回って参りましたので、大豆につきましても、こまかな算定についての問題点を一つあとから伺いたいと思いますけれども、もう一つ、今度の大豆及びバレイショ両方につきまして問題になるところは、生産者の団体の意見を農林省は十分お聞きになったかどうか。これはそれぞれの法律にはっきり定められておることでありますけれども、どうもそれが十分に行なわれていないというふうに私は聞いておるわけでありますが、いかがでありますか。
○大澤説明員 イモにつきましても、大豆につきましても、生産者団体その他の御意見は十分拝聴してやっております。
○安井委員 大臣、いかがですか。
○重政国務大臣 ただいま食糧庁長官から述べました通りであります。
○安井委員 私どもの聞いている範囲では決してそうではないわけです。これも大臣はあまり御存じなくて、ただオウム返しのお答えのようでありますからあと回しにいたしますが、私は今度のこういうふうな経過をたどって結論に至ったその中から感じますことは、米麦あるいは畜産等につきましては、審議会の組織がはっきりあるわけです。それがないものだから、農安法や交付金法案にはそのかわりとして生産者団体の意見を聞くというふうな規定が設けられているわけですが、しかし実際上十分な運用ができていないというふうな今日までの経過の中から農安法や交付金法を改正をして、この中に価格審議の機関を設けていく、今のようないいかげんな聞き方じゃなしに、もっとオーソライズされた形の機関を設けていく、こういうような考え方が今後重要ではないかということを今度の全体的な経過の中から私は感ずるわけでありますが、大臣いかがですか。
○重政国務大臣 その点につきましては十分に検討いたします。
○安井委員 最後に——大臣に対しては最後に、バレイショの問題は北海道の畑作農業できわめて重要だということは大臣よく御承知の通りであります。今回のこういうふうな価格の決定の問題にも関連をするわけでありますが、私はただ価格さえ上げればいいというふうな考えは持っておりません。やはり生産が合理化されていかなければならぬという点は、これは大臣もよく強調されます通り、同意見です。そういうような立場で今後の農政の中にそういうような面をやはり十分に織り込んでお進みをいただく必要があるのではないかと思うわけです。非常に澱粉含有量の高い、たとえばエニワというような品種も現在養成されつつあるわけですけれども、その生産の改善に対する予算というものが現在非常に少ないわけです。特に研究機関に対する予算というものが今日まで非常に少ないという事実があるわけでありますが、それらの品種の更新やあるいはまた労働力を節約するためのいろいろな機械の購入に対する助成、たとえばポテト・プランターとかポテト・ハーベスターとか、そういうような新しい機械のセットを貸し出すとか、こういうふうな考え方が現にあるわけでありますけれども、それらについてのお考えをこの際一つ伺っておきたいのであります。
○重政国務大臣 ただいまお述べになりました含有率の高いバレイショの普及をはかるとか、あるいは労力を省くための機械の利用を促進するというようなそういう点につきましては、御意見の通りできるだけ予算を計上いたしまして、その奨励をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 試験研究機関の問題で特に重大な問題は、北海道農業の試験研究の中心であります北海道農業試験場の月寒集中の問題、これも大臣お聞きのことと思いますが、今の月寒の試験場がすっかり年数がきておりますし、琴似の本場の方も今後の北海道の農業前進のために十分な施設あるいはまた場所からいってもそういうふうになっていないわけで、全体的な集中が必要だということは、私どもも、北海道のことしの農林水産委員会の調査の際にも、強調された意見を聞いてきたわけでありますが、それについては明年度の予算その他におきまして御措置されるお気持がおありなんですか。
○重政国務大臣 月寒の試験場の問題につきましては私も承知をいたしております。本場の方をそちらの方に移すのが適当ではないか、こういうふうに私は存じておるのでありまして、三十八年度からその措置をとるように予算的に要求をいたしております。
○足鹿委員 関連して。大臣がお急ぎのようでありますので、私はあとで詳しく食糧庁長官に伺いますから一点だけお尋ねをいたしますが、昨日私が要求をいたしました内地米の最近の需給状況の資料をいただきました。私まだ十分検討いたしておりませんが、いただきました資料から見た場合に、特に最近は新米の出回り率も高まっておりますが、端境期においては需給は逼迫しておったように見受けられるのであります。政府が昨日私どもへよこしました資料と本日いただいた八月末現在の資料とは若干食い違っているようでありますが、総数において内地米は八十万一千八百三十九トンあった、それに主食と工業用とで五十三万三千二百二十二トン売却しておる。差し引きますとごく少数になるのですね、二十数万ということになる。これは私どもの知っておる範囲内においてはきわめて珍しい事態だ。こういう事態で、新米の九月の食い込みが五万六千九百トン、約五万七千トンの食い込みをやっておりますからいいようでありますが、そのうち東京には六千数百トン送っておりますし、北陸、関東方面その他は新米の食いつなぎが相当役立っておるようであります。こういう需給の逼迫状態から見ましても、その原因はいろいろあると思いますが、安い米の需要が、ほかのものに比べて増大しておるということはいなめないと思うのです。もしこれが政府がかねてから言っておりますように、食管制度のあり方に変更を加えて、かりにこれを自由化した場合、私は重大な事態が起きておると思うのです。早食いによって食いつないでおるような地帯においては、売り惜しみ等の品隠しが出てくる、非常に重大事態ができておったと思うのでありますが、それが幸いにして何のこともなしに、人心も安定し、一般消費者も何ら不安を感じなかった。そして米に対する心配がなかったということは、つまり現在の食管制度というものがいろいろな矛盾をかりに持っておるにいたしましても、非常に貢献をしておる。もしこれが自由経済の場合においては私は重大な事態が起きておったと思うのです。これらの点から見ても、食管制度というものの改正に政府が手をつけようといたし、重政農林大臣は御就任と同時に松村食管懇談会長に結論の早期提出を求められておるといわれておりますが、このような重大な、本年端境期における食糧需給の逼迫の事態等から見ても、いやしくも食管制度というようなことについては、間接統制に移すとかいろいろの議論があり、相当煮詰まってきたように考えておるのでありますが、はたしてこのような事態をごらんになって、農林大臣としては食管制度についてどのような方針を今後とられようとしておりますか、松村委員会の構想等とにらみ合わせ、今私が指摘をいたしました事態等も勘案をされまして、いかように基本的に考えておられますか、この点が一つであります。 いま一つは、あとで食糧庁長官にもこれは伺いますが、三十年以来据え置かれております食糧集荷業者の手数料及び保管料の問題であります。これは政府がこの集荷業者に委託をして集荷し、管理をしてもらっておるのでありますから、いわば政府の身がわりにやっておることであります。ところが、公務員のベースも上がり、物価は上がり、労賃は七割、物価は一割三分というふうに上がっておりますが、これに対して、農協系統あるいは食糧取扱業者関係等から悲痛な要請が出ておるのであります。これに対して、食糧庁は、過般来種々検討をされ、さる農林関係の参議院筋でありますか、与党関係でありますかの委員にお示しになりました資料によりますと、米の手数料、麦の代行手数料あるいは保管料等に若干の手直し程度を考えておられるように聞いております数字も知っておりますが、あとでこれは食糧庁長官に伺うとしまして、しかし両者の開きがあまりにも大きいのであります。これは事務的な処理だけではなしに、大所高所に立って均衡のとれた、いわゆる農林大臣として政治的な判断を下されて、関係省とも慎重な打ち合わせをされる必要があると思うのでありますが、いかがでありましょうか。 私は一例を大臣に申し上げますと、この間ある低温倉庫の現地に行きました。もう米は一俵もございません。暑いうちに米が出てしまった。私の行きましたところは鳥取県の鳥取市周辺でありますが、ある町へ特定に米を送らなければなりませんので、その山奥の町は五日分くらいしか米がない。はなはだしいときには三日分くらいしかないという状態で、周囲の倉庫という倉庫はそこに集中して出したというようなことでありまして、実際相当の電力を使い設備をいたしました低温倉庫が、相当長期に貯蔵できると思っておったのが短期に出荷されておる。そうして現在のところは常温倉庫も低温倉庫も保管料に変わりがないというようなことで悲鳴を上げておりました。これらも、いかに政府のやっておられる味のいい米を食わせるのだ、特選米を出すのだと言われても、低温倉庫の米が味がいいことはわかり切っておる。実際のあなたの構想は宙に浮いて、こういった具体的なものに対しては何らの手が加えられておらないという状態、これらもいかにも観念的な特選米構想の矛盾の一端ではないかと私は思うのであります。 いま一つは、その方面の組合長が一斉に嘆いておりますことは、二、三年前までは女、子供が荷車に積んだり、いろいろ農民車に積んで米を倉庫に持ってきた。しかしそのときには若干壮年者もおったので、よしおれがかついで運んでやるというのも出てきたが、今はそういうことをする人もない。みんな年寄り、女子供である。従って車に積んできたものを動かすことすらもできない。従って農業協同組合が自腹で一俵二円ないしそれよりも上回るものを操作しておる、こういう現状であります。それほどいわゆる壮年者や男の元気な者はみんな兼業収入にうき身をやつしておるという状態であります。そういう中にあって常温倉庫といえども、今政府が考えておられるような手直し程度では、この米の貯蔵上遺憾な点が出てきはしないかという気もいたすのであります。 多くを申し上げる必要はありませんが、最初の一点と今の第二点の保管料の問題、米麦の手段料の問題等について、そういう私が指摘をしたような具体的な事態をも考慮されて、農林大臣としては大所高所に立って、事務的な立場ではなくて、ほんとうに実情に即するようにしてもらいたい。そう幾つも幾つも改正ということはできないことでありますし、この際、十二月一日から米価の値上げを意図されておるようでありますが、これは石田委員の質問に答えてそのような御意向が明らかになったそうでありますが、そういうことに対して私どもは反対の意向を持っておるものであります。もし政府がそれを強行されるというような場合には、やはりそうしたことに関連をされて、この問題等も、少なくとも現地の政府の委託によって集荷し、貯蔵保管の任務をやっていく者の要請にこたえるべきではないか、かように思うのであります。これを何ぼにするということではなくて、大体の農林大臣の御構想、お気持を伺いたい。 以上、二点を特に農林大臣から伺っておきたいと思います。
○重政国務大臣 第一の御質問の点、それは食管制度の改善の問題でありますが、これは慎重に取り扱うつもりでおります。ただ、ただいまおあげになりました端境期の問題でありますが、これは御承知の通り、現在はもう端境期というようなものはなくなっております。その点が一つ。 それから、率直に申しますれば、消費者米価と申しますか、それが他の物資、他の農産物に比較いたしまして比較的安いために、その消費が増大したというようなこともありはしないかと私は思っておるのであります。それはことごとくみんな国民の食糧になっておればよいのでありますが、そうではない部面もあるのではないかとさえ、私は疑うといえばなんでありますが、そういう節もあるのではないかとさえ思っておるのであります。この問題は一つ十分に検討いたしまして、いやしくも制度の変更をするというような場合は、十分に一つ検討し、慎重に扱って参りたい、こういうふうに考えております。 それから第二の御質問の集荷手数料、保管料の問題でありますが、これは実はまだどうするという意見はきめておりません。私は事務当局がどういう案を持っておるか、今日まで承知いたしておりません。おりませんが、どうも従来のような計算の仕方では、あるいは現下の情勢では適切ではないのではないかというふうに感じておるわけでありますが、いずれにしましても、これは私は団体側からの要望の次第もよく承っておりますので、十分にこれは検討をいたしまして、大蔵当局とも協議をいたしてきめたい、こういうふうに考えております。
○足鹿委員 これは、今御答弁をいただいた二つの問題ですが、この委員会や国会で農林大臣がお話になりますことと、どうも私ども一般に記者会見や、あるいは地方において見解を表明されることとちょっと違うので、あえてお尋ねするのですが、食管制度の改正ということについては、慎重を期するということでありますからけっこうでありますけれども、松村委員会の結論を急げということが農林大臣の指示によって行なわれ、農林大臣みずからも松村さんに御面会になって、要請をしておられるということは新聞で報道されておる。従って、数日前の各新聞紙は、松村委員会は米を間接統制への方向へ持っていくことが委員会の大勢を占めておるかのような新聞報道もなされておるのであります。つまり、これは政府が河野さん時代に自由米構想というもので火をつけて、それで松村委員会に預けたという形になっておる。さすがの河野さんも手を引いたという格好になっておる。そこへ持ってきて、あなたが河野さんの方針を一分一厘も負けないで、あなたはそれを実現するのが自分の任務だということを就任の弁に述べておられるが、松村委員会に預けたその結論が、いつごろ出るお見込みでございますか。また出させられるお見込みでありますか。そうした場合に、慎重を期するということは、少なくともこの近き将来においては、食管法の改正というようなことについては手をつけないのだ、松村委員会の答申は答申で検討するんだということであるが、しかし今までの経過から見ると、松村委員会の答申が出れば、あなたは踏み切るのじゃないか。これは党議がある程度きまるということになれば、農林大臣としては河野さん時代に預けたもの——もともと河野さんはやりたいんだ。あなたもやりたい。そういたしますと、慎重を期するということでありますけれども、何か一つの時期が、新しい段階を迎えたかのような感じを私は持っておるのでありますが、これは私の杞憂でございましょうか。杞憂なら杞憂としてはっきり一つ御答弁を願いたい。 それから大臣は、保管料、手数料のことは事務当局の段階だということでございますが、大臣決裁までいっていない、それはけっこうです。あなたがどんぴしゃりできめられて、実情に沿わないものができると困りますから、それはよろしいといたしまして、相当作業を進められた形跡のものが、食糧庁からは農林関係議員の集まりました席上へ提示されているのです。われわれが知っている資料はこれしかないのです。これによりますと、大体において農協やその他の要求の点で、賃金と物価の値上がりは若干見る、また国会の論議等の経過から見て少し考える、給与ベースは大体考えている、超過勤務手当を見るというようなことです。人夫賃は賄料を見るというようなこと、それから人夫の数は、通じて若干ふやすというような要素をだんだん積み上げて、大体手数料は八十五円程度、麦が七十一円程度、倉庫料についても若干これを引き上げるということにしまして、低温倉庫については運営でもって若干色をつけてやろうというようなことをわれわれは聞いているのです。私はここでこれ以上大臣に、それでいいのだとか悪いのだとかいうことを聞いておるのではありませんが、少なくとも今伝えられているような、この程度のことでは納得かいかない先ほど述べたような点も勘案をされまして、あなたの政治的な手腕によって、これはもっと実情に即応せしめられることが期待され、またこの管理制度を続けられる以上は責任があると私は思う。政府にかわって一生懸命やっている者が身銭を切るというような状態を続けたんじゃいかぬと思う。それは配給、集荷の点にはいろいろな不都合を来たし、ひいては制度運営にも大きな支障を来たすのじゃないかと思いますが、そういうようなことは全く別に、自分はまだそういうことも、一応は風のたよりに聞いているが、白紙で今後大いにやるんだ、こういうことでございますか。あまりこまかいことは、食糧庁長官が見えておりますからあとで聞きますが、しつこいようですけれども、その点もう二点だけ御答弁を願いたい。
○重政国務大臣 第一の点は、お述べになったように、これはいきさつがある問題であります。私としては松村委員会の御答申を、実は待っているわけであります。どういうことが答申をせられますかは、私もはっきり承知はいたしておりませんが、何でも意見がまとまらない。そこで、まとまらないままに二、三の意見を並行して答申をしようというようなお話もあるやに聞いております。私はそれならそれでよろしい、こう思っているのであります。一本にまとめていただければまことにけっこうでありますが、そうでなければ、意見のあるままに二、三にまとめて、並立的に出していただいてもけっこうだ。その答申をいただきまして、私は私として一つ慎重に検討をいたし、そうして善処いたしたい、こう考えておるのでありまして、今からどういうふうにやろうという考えをきめておるわけでは、これも断じてございません。これははっきり申し上げておくわけでございます。そういう経過でございますから、今ここでどうするこうするというお約束はちょっとこの段階ではできないわけでありますから、御了承を賜わりたいと思います。 それから第二の点は、まだ私も終局的に事務当局の意見も十分に聞いておりません。従って、私自身がどれだけ上げるか、どうしようかということは、まだきめておらないようなわけでありますから、これは十分に検討をいたしまして、むろん御満足はその集荷団体等にも得られないと思いますが、しかし、まあまあというところでできるだけ合理的なことにきめていきたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 食糧庁長官にあと数点伺って終わりたいと思いますが、初めにバレイショ及びそれを原料とする澱粉の価格の問題ですけれども、今度の告示ではイモの価格は少し上げて澱粉の価格は据え置き、結局上げたようなふりだけして、実際上は加工賃その他は、加工賃を減らしたような格好で澱粉価格を押えてしまった。これはだれが見ても何かのごまかしがただここであっただけじゃないかというふうな印象だけしかありません。さっきの御説明でも、原料イモの価格はお話がありましたけれども、澱粉の加工費については御説明が十分にない、こういうふうな問題があるわけでありますが、きょうは算式のこまかい点は時間もありませんので申し上げませんけれども、この点いかがですか。
○大澤説明員 数字は別といたしまして、昨年よりは加工費を少なく見ておるという点ですが、これは安井先生も御承知のように、作業の過程では上げるべきかあるいは据え置きにすべきかというような議論がいろいろありましたけれども、私ども最終的に見てやはり工場は相当能率化されている、あるいはまた工場の数も一ころに比べて非常に減っておるわけです。あるいは澱粉の生産量は非常にふえておるわけです。そういう点を見ますと、能率は上がっていますし、あるいはまた操業度というようなものが非常に大きくふえておる、それからまた私ども澱粉工場の経費の調査をしておるわけですが、そういうものを見ましても徐々に下がってきて、現在といいますか、今までの織り込みの経費よりはかなり下がっておるというような点、そういう点を見ましてむしろこの辺は削ってまたバレイショの澱粉の価格、先ほど申し上げたように、需要側から見てそう上げるわけにはいかないというような点も見まして、澱粉工場のさらに一段の合理化等を期待いたしまして、経費は思い切って少な目に見るということに踏み切ったわけでございます。
○安井委員 私が申し上げているのはただバレイショの上がっただけ加工費がきれいに減っているわけです。みごとなぴたりとした算術が出ている。そういうふうなことはだれが見たってこれはごまかしで、ただ澱粉の価格を上げまいという細工だけにしか過ぎない、こういう印象をだれにも与えるという点を私は指摘しておるわけです。やはり加工費が下がったんなら下がったで、はっきりした資料の中から御決定になる、そういうようなことでなくてはならないと思うわけです。 それからもう一つ、団体の意見を聞いたかと言ったら、聞きました、大臣もその通りですと、そういうことでありますが、何か文書で意見を聞いたら最後の決定段階で、こういうようなところできまる、これについて意見はどうかというふうな具体的な措置をおとりになっていますか。
○大澤説明員 文書で特にお集まりを願って御意見拝聴したということはもちろんやっております。それだけでなくて、絶えず最後的な結論を得るまでの作業の過程において、生産者団体の方々のいろいろな方面からの御意見を十分拝聴しているわけであります。
○安井委員 正式に決定をされましてから意見を聞いたのはいつなんですか。
○大澤説明員 正式に決定と申しますか、最終的な案を示したのは十月の末だったと思いますが、それだけじゃなくて、それまでに至ります過程ではいろいろ御意見を拝聴しているわけでございます。
○安井委員 三十一日だそうですね。告示が三十一日、実際は二十九日ごろから原稿ができていて、三十日にはもう原稿がおりていた。もう官報の告示がきまってから生産者団体に三十一日にお聞きになったという、形式的な経過をとっておられるようです。きょうは時間がありませんのでもうやりとりはしませんけれども、私はこういうふうな形では農安法の規定が泣くと思うわけです。さっきは審議会的なものを設けて、そういうものにしてはっきりした体制をつくるべきではないかと私は大臣にも申し上げたわけでありますけれども、これは大豆についても同様なことが言えると思いますが、もう少しこの規定を実質的に生かす方法について、将来において工夫が必要ではないか、そう思うのですが、いかがですか。
○大澤説明員 先ほど大臣からのお話もありましたように、私どもも、ことに大豆あるいはイモの価格決定の作業をやっておりまして、何か単に生産者団体ということじゃなく、もっと第三者を交えて御意見を拝聴して、最も公正なところに結論を得るというようなやり方が、将来は必要じゃないのだろうかというようなことを感じておりますが、なおどういうものをそれに充てたらいいかというようなことは今後研究をしてみたい、こう思っております。
○安井委員 その点そういうふうな制度的なものの設置について、やはり一そうの御検討が必要だし、たといそうでなくても法の精神を生かすような方向でぜひ御努力を願いたいと思うわけです。 次に、大豆の問題につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。バレイショはその事前の段階でずいぶん算定資料の論議があったからもうやる必要はないのですが、実は大豆については先ほど御説明をいただいた資料の中ではずいぶん問題があるように私は思うわけであります。だからこれは突っ込んだお話をすればあと三十分ぐらいかかると思いますが、きょうはもう委員長も早くやめてもらいたそうな顔をしておりますから、一つ短くまとめてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 先ほどの長官の御説明ですと、今度は新法になってからの初めての算定なのでいろいろ苦労をしたというふうなお話をされましたり、さらにまた今後の大豆の価格見通しなどを織り込んでだんだん引き下げていくというふうな方向できめる、そういう方針で作業をやったのだというふうな御説明であります。そのお話を聞きますと、初めから上げたくないという御意思で計算が始まっているのですから、上げる気持は全然ない。ただここにいろいろと資料を並べてありますけれども、三千二百円という昨年の価格より絶対に上にしないという至上命令に立って針算がなされておる。だからこんなものは幾らおやりになっても私はむだだと思うわけです。最初からそういう御意図でやるのなら、もうそれであの交付金法案の算式もへったくれも要らないし、前年通りあるいは前年より低くする、そんなことでいいのではないかと思うのです。あまりにもその前提が明らかにされて、ただもっともらしくするためにこんな資料をおつくりになったというふうな感じ方を、先ほどの御説明の中から私は受けるわけでありますが、いかがですか。
○大澤説明員 決してそういうことではないのでございます。先ほど私が申し上げましたのは、この交付金法自体のねらっておりますことは、大豆が自由化する、それによって大豆なりあるいは菜種をつくっておる農家の所得に大きく影響する、大きくひびが入るようなことがあってはならないということを防止するための制度でございます。従いまして、大豆作あるいは菜種作をやる側からいいますならば、とにかく自由化による影響を防止してもらうのだ、その間に大いに生産性を上げて外国のものとも対抗し得るところまで持っていくのだということが、一方農家の努力あるいは国家の支援ということで行なわれるわけで、そういう方向で物事を考えれば、内地の大豆作あるいは菜種作をやっておる農家の所得が自由化以前と変わらないでも価格は下がっていって大丈夫だというようなことに持っていくための法律でございますから、そういう趣旨で私は申し上げたので、何が何でも下げるという方向で検討したということではございません。
○安井委員 それもおかしいと思うのです。それは生産性の上がる農家はいいですよ。幾ら努力しても生産性を上げることのできない農家は、物価がどんどん上がって、生産コストが上がって、だから毎年所得は減っていく。去年よりもことしは当然減っていくわけです。特にことしは凶作で生産も落ちているから、減っていくものはしようがないからぶん投げておけ、こういうような方針にしか受け取ることができないわけです。これは交付金法案の関係もありますけれども、農安法の関係も大豆、菜種については、当然あるわけですが、それでは一体農家の所得を補償するのはだれなんです。農家自身の努力しかない。それは自由化もしてしまうし、農安法は去年よりも上げてくれないじゃ、その所得を守ることに協力したり努力したりする責任はもちろん農家自体でございますけれども、それ以外は国は何にも知らぬというようなことに、今の論議からいえばなってしまうのじゃないですか。
○大澤説明員 決してそういうことではございませんで、農業基本法にありますように、農業基本法の目的を達するためには農家自体が自主的な努力をする、それを農業団体なり国が諸般のことをやりまして助長していくということでありまして、国がもちろん責任があるわけです。
○安井委員 責任があるようなことをやっておれば、これはもう話はわかりますけれども、何もやってないわけです。わずか大豆、菜種に予算を組んでおることは私も知っておりますけれども、それが農家の生産性を大きく上げるような成果を生んでおるとは決して思えないわけです。私はそこに問題があると思います。 さらになお、たとえば反収を修正をしておるとか、あるいはまた商品化反収ですか、奇妙な言葉を今回聞くわけです。商品化率という方向はわかるけれども、商品化のための反別だとか、商品化の反収だというようなものは観念的にはあるいはあるかもしれませんけれども、実際上はそんなものは地上に存在する道理はないわけです。そういうようなものをこの資料の中に並べておる点、あるいはまた今度は北海道と内地とを分けて計上して、そういうような中から何とかして三千二百円よりも安い数字をはじき出そうという努力を盛んにされておるような点、あるいはまた調整販売計画というふうな数字もどうも何だかぴんとこないような感じでありますが、そういうようなものも資料としてあげて、三千二百円よりもこれで少なくなるのだということの証明にきゅうきゅうとしておるというふうな感じ方を受けるわけです。大豆については菜種と違って生産費が比較的低いわけですが、しかしその生産費も三十六年は千七百八十九円、三十七年の推定は二千百五円、三百十六円去年よりも生産費が上がっておるという統計調査事務所の数字も私調べてみると出てくるわけでありますけれども、そういうような事実も、今度の計上の中に算定基礎として少しも考えられていない、こういうような事情を私指摘することができると思うわけです。こういうふうに昨年の算定方式とことしはまた変わってしまって、毎年算定方式がぐらぐらしておるということでは、大豆や菜種の——今回は大豆でありますけれども、生産農家は非常な不安にさらされたままになるということではないかと思うわけです。これらの算式を固定させてこれなら安心だというふうな方向をやはり出すべきだと私は思うのでありますが、それらの点について一つ総括的に伺いたいと思います。
○大澤説明員 先ほども申し上げましたように、農安法の方ですとああいう附録算式ということで算式がきまっておりますが、交付金法の方は必ずしも今まできまっておりません。毎年変わるというようなことでは農民の側にとっても非常に困ることだと思います。何らかの方法で今後は算式を確定していかなければならない。新しい制度でございますので、いろいろ問題もございますけれども、新しい制度のもとで算式をしっかりしたものを確立していかなければならぬ、こういうことは私どもも深く感じております。またそういう努力をしたいと思っております。
○安井委員 これで一応終わります。
○長谷川委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十八分散会