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41回国会衆議院1962/11/10

内閣委員会 第14号

発言数
90
登壇者
8
会派数
2
開催日
1962/11/10

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 それではこれから会議を開きます。  国の防衛に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 きょうは長官がお見えになりませんので、次官が大臣のつもりくらいではない、その責任で一つ御答弁をお願いしたいと思います。  日野の射撃場の問題についての質問でございまするが、この点につきましては、教育局長その他といろいろお打ち合わせになって把握されておられると思いまするので、端的にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、何分にもこの問題が問題化しましてから、大臣が三人おかわりになりましたし、相当日にち的にもズレがありまするので、若干の把握を次官にもしておいていただかなくては、問題に対する回答の焦点がぼやけてくるのではないか、かように考えておりますので、簡単に日野射撃場をめぐる紛争についての内容を申し上げて、あとから質問に入りたいと思います。  この日野射撃場というのは、明治四十年に六十八連隊が岐阜県にありました当時に、岐阜市の郊外に射撃場を持っておったわけでございますが、その後終戦になりましてからは米軍に接収をされて、そして米軍が撤退をいたしましてから、三十四年、五月二十八日には国有財産地方審議会にかけられまして、そして大蔵省の財産ということに登記されたわけでございます。   〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕 そうして三十五年二月九日には自衛隊に正式に登記をされておるというのが実態であるわけでございます。  そこで、申し上げたいことは、国有財産を処理する場合には、国有財産法に基づいてやらなければならないのでございまするが、その内容を見ますると、九条の一項、二項、三項によって地方公共団体の代表を入れて審議をするということになっておりまするけれども、この審議会には全然市長なり県知事を加えて審議されておりません。この九条の一項、二項、三項というものは全く無視されておるということです。それから三十五年五月二十九日には、今度は国有財産東海地方審議会で審議されておりまするが、このときには地方審議会から答申のあったものをそのまま審議いたしましたので、おおむねこれを自衛隊に登記することが妥当であるという簡単な結論のもとにこの審議会が終わっております。それで、まだ地方自治体から訴訟その他というようなものは起こしてはおりませんけれども、実際に自衛隊の手に移るまでの経過についてはまだまだ大きな疑点が残されておるので、この点を一つ把握をしておいていただきたいと思います。  それからこの日野射撃場というのは、明治四十年ごろには岐阜市というものが全く小さな町でありまして、この射撃場は岐阜市からずっと離れた郊外に設置されておったのでございまするが、今日三十五万の市民を有する岐阜市といたしましては、岐阜市の中心地になろうといたしておるわけであります。それで、御承知の通り、岐阜市は、長良川のウ飼いをめぐって、内地では天皇を初め、外国の大公使も、それぞれ外務省なり宮内庁からお客さんを回してよこしておりますように、国際的な観光地になっておりますので、この観光地の地点がすなわち金華山、それから長良川をめぐる周辺であるわけでございます。それで、この日野射撃場というのは、金華山の峰伝いであります。しかも、この金華山というのは、渡り鳥の休息をするには非常に適したところであって、鳥の繁殖地としては折り紙をつけられて、比叡山の次に農林省の方では重要視しておるわけでございます。従って、二十九年十月四日に鳥獣保護区域に相なっておるわけございます。従って、この問題が起きました三十六年二月二十八日の質問のときには、農林省の方の御答弁を聞きますると、射撃場は鳥獣が恐怖心を起こして悪影響があるのが通常であるという結論を与えております。それからなお問題は、この日野射撃場から、防衛庁の方では千百メートルと言っておりますが、私どもは千メートルでございますが、千メートルの地点に精神病院があります。それから千百メートルのところに国立の結核療養所がございます。従って、こういう精神的に大きな、神経を過激にとがらかすような射撃訓練をすることはやはり好ましくないということは、厚生省の方でも言っておるわけでございまして、地元といたしましては、人権の問題と鳥獣保護区域、それから岐阜市の観光、それからその山一帯が観光地帯としての山の開発がなされておりますので、そういう総合開発の中にこの射撃場の地点があるということから、これは自衛隊に反対云々というよりも、地元の方では、とにかく今のところでは岐阜市のまん中に射撃場を持つというようなことは、観光岐阜市としてはこれは許されないのだから、今日の時点ではぜひとも返してもらいたいというのが要望であるわけです。それから病院の方では、騒音のフォンの多い少ないにかかわらず、目と鼻の先で射撃をされるということになりますと、非常に神経に及ぼす影響が大きいのだから、これはフォンのいかんにかかわらずこの射撃場をどこかへ持っていってもらいたい、あそこを払い下げしてもらいたいこれが病院側の主張であるわけでございます。こういうような争点のもとに今日まで約二カ年間いろいろと話し合いをつけてきたわけでございますが、三十六年二月二十八日に、当時の西村防衛庁長官とこの委員会の質疑応答の中で確認をいたしましたことは、とにかく不祥事を起こすような問題をかもし出すようなことはやらないようにしたい、そうして円満に解決したい、そして円満に解決する方法としては、やはり地元の、特に患者自治会等と話し合いをして、これらの人々の了解を得なければ射撃訓練の開始は行なわないという内容のことが確約されまして、それから何回も西村防衛庁長官の場合でも藤枝長官の場合でも、防衛庁へ行きまして、この問題で話し合いを進めておったわけでございます。  たまたま九月二十日になりまして、守山の部隊から岐阜の県政記者クラブへ来まして、今年じゅうに射撃訓練を行なう、しかも、それには各方面の了解が得られたから、射撃訓練を行なうという声明を出したわけでございます。そこで、私は、二十五日に訪中することになっておりましたので、非常にこの点を心配いたしまして、二十四日の日には防衛庁へ二回おじゃまをいたしましたけれども、長官も教育局長もお見えにならなかった。それで、やむを得ないから、長官と教育局長に書面でお願いをして、訪中の旅に立ったわけでございます。  私の書面の内容というのは、今日までの経過と、それからもしこれを強行するということになりますと、二年前に問題の起こりましたときのように、結核病院の病人で、手術をしてまだ日にちもたたないような、ほんとうによろよろしているような病人まで現地にかけつけて阻止を行なった。それで、私どもは非常にそういう点を心配して、まずそういう重病人にはさっそく車で帰ってもらったというような場面もありましたので、そういうことが再び繰り返されるということになりますと、非常に遺憾であるから、地元と十分に話し合いをして、それからこの問題は処理してもらいたいというお願いの書面を出して行ったわけでございます。従って、地元の共闘会議にも、万が一守山の部隊が強硬に射撃訓練を行なうというようなことがありましても、不祥事を起こさない程度の行動にとどめておいてくれということを地元の共闘会議に私は頼んで、訪中をいたしたわけでございます。  そこで、そういう中におきまして、十月の六日になりまして、突然朝の七時ごろ、新聞社とそれから病院へ、これから射撃をやるからという通告文を出しまして、八時から射撃訓練を行なった。それを聞きつけた共闘会議は現地へかけつけましたけれども、この点につきましては、私からお願いしたことを全く守ってくれまして、バリケードを破って中に入るとかどうとかいうことなくして、整然とそのバリケードの外で坑議を行なったという、非常に紳士的な態度をもって共闘会議は反対の表明をいたしておったわけでございます。その後になりましても二、三回訓練に来ておりますが、全くどろぼうネコのように朝早く来まして、そうして射撃場まで自動車で行かずに、長良の堤防に車を置いて、農道を通って射撃場へ行って訓練をする。そしてわずか三十分か一時間パンパンとやって、何かいやがらせのような格好で訓練を開始しておるのが実態であるわけでございます。  従って、私は、国会において西村防衛庁長官とやはり約束もし、また地元の共闘会議も、直接当時の西村防衛庁長官も面会をして事情を話して、とにかく共闘会議の中でも患者自治会との話し合いをつけなければ不祥事が起きるんだから、そういう点については慎重を期してこの話を進めて問題を処理していきたい、こういうような回答を受けておりますし、その後、教育局長、また藤枝長官等にも直接私が防衛庁に行きまして、この問題について話し合いをいたしましたが、やはり誠意ある回答であったわけでございます。従って、こういう経過のもとに、十師団の守山部隊は関係方面の了解がついたから射撃訓練を開始するということを言って、射撃訓練の開始を行なったわけでございまして、戦後十七年目に初めてあの日野射撃場で砲の騒音を聞くというようなことができたわけでございまして、戦っておる共闘会議はもちろんでありますが、平和を願っており、岐阜市の観光都市としての発展を願っておる市民たちは、この守山部隊の一方的な行動に対して非常な憤激をいたしておるというのが実態であるわけでございます。そういう経過から今度の射撃訓練に入ったわけでございますが、しかし・防衛庁の方へはそれぞれ現地から報告が行っておると思いますが、私の今申し上げましたことに対して食い違いがあれば、一つその点を明確にしてもらいたいと思うのです。特に食い違いとは、各方面の了解を得たからということなんですが、各方面というのは、精神病院の院長、それから結核療養所の荘長、市長、県猟友会、医師会——患者自治会の方は完全に無視されております。こういうところに了解がなされておったのかどうかということをまずお答えをいただきたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 田口先生の御質問につきましては、防衛庁といたしましても、かねて真剣に心配をしておる問題でございまして、関係方面の御同意を得ましてすみやかに射撃訓練を実施いたしたいというので努力をして参りました。たまたま田口先生は中共の方へ御旅行中でございましたけれども、関係方面には大体の御了解を得た次第でございます。   〔内藤委員長代理退席、委員長着席〕 特に県庁なり、あるいは東海、北陸医務出張所等の関係方面には御あっせんの労を願いまして、関係方面の御了解を得たと存じましたので、それぞれの方へも、いつからこのようにして射撃を開始いたしたい、特に射撃の条件といたしましては、拳銃、小銃、機関銃までの小火器といたしまするし、射撃距離は短い三百メートルまでといたします、また、射撃場の使用の結果特に医療上の支障がございます場合は、誠意を持ってこれに対する処置をいたします、こういう三条件を防衛庁といたしましては十分に御説明、御了解を願いまして、関係方面には御了解を得た次第でございまして、また、実施をいたします場合には、実施の日取りを前日、前々日、またそれ以前におきましても御了解を取りつけましていたしたようなわけであります。ただ、田口先生のおっしゃいますように、患者の方に強い反対があるとかいうお話でございましたが、この点につきましては、実施いたしました結果は、ほかの高山でいたしました試験射撃の程度でございましたから、病院側においては御納得下さっておるようでございます。あるいは患者の方には田口先生から、あまり大きく問題化しないようにという御配慮があったのかも存じませんが患者側におきましても強い御不満の色も見えなかったのではないか、このように私たち承知いたしておるわけでございます。ただし、防衛庁といたしましては、長年の問題でもございますし、訓練はぜひ必要でございますので、できるだけのことをいたしまして、関係方面の御理解と御協力を得たいというので、この点につきましては十分に努力いたしたつもりでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 抽象的にお答えをいただいたのですが、今一番私が明確にしておきたいと思いますることは、問題が起きまして以来約二年間にわたって話し合いを進めて参りましたことは、この射撃訓練に対して一番反対もしており、そして影響を受ける病院の患者自治会の人たちの了解を得て、この問題は処理してもらいたい、やはりそういうようにしたい、これがまず約束であるわけなんです。これは国会の場においても約束し、そして直接私が防衛庁に行って約束をし、また共闘会議の人たちも長官に会って約束をされた内容であるわけなんです。ところが、今度の射撃訓練を開始した理由の中には、あらゆる関係方面との了解を得たから実施をする、こういうことであったわけでありますが、もちろんこれは共闘会議の方は除かれております。ところが、共闘会議以外の岐阜市長とか、それから両方の病院の院長とか、こういう方面に完全に了解がなされておるというように連絡を受けておられるかどうかということを明確にしてもらいたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 お答えをいたしますが、病院側につきましては、八月十八日に第十師団長あての文書を病院の理事長からちょうだいをいたしまして、私が前に御答弁をいたしました三つの条件によって射撃を行なうことに了解をしましたというお手紙をいただいておるわけでございます。それからまた、日野荘の方でございますが、それは九月十一日に日野荘の方から御回答を得まして、そしてこれまた御了解を得た次第でございます。それから関係の公共団体の方には、県当局を通じまして、それぞれ御了解を得ておる、こういうように存じておる次第であります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 今の病院の関係は、両病院長に書面を出されて、そして書面でよろしいという回答を受けられておるというように確認してよろしいのですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 お答えの方が少し御説明が足りなかったようでございます。病院側の方は、病院の理事長からお手紙をいただきました。それから日野荘の方から十師団長あてに陳情書が参っております。その陳情書の御趣旨に沿うようなお答えを十師団長の方からいたしたわけであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 精神病院の院長は了解をしておる、日野荘の荘長の方は条件を出しておるという。そしてその条件を了解したから実施に移した、こういうことなんですね。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 今の政務次官の御答弁で尽きていると思いますが、八月十八日に、精神病院の理事長から、これは第十師団長あてに、先ほど政務次官のお述べになりました三つの条件でよろしいという回答をいただいておるわけであります。それから日野荘の方は、前に陳情書が出ておったのでございますが、この陳情書に対しまして、九月十一日に第十師団長から回答文を出しまして、この回答文で円満な解決を見た、こういうふうに承知をしておるわけであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 日野荘の方の回答文で了解をしたという、ちょっとその内容を発表していただけませんか。——その点、答弁を手ち合わせるなら打ち合わしておいて下さい。  それからただいま御答弁のありました、精神病院の理事長さんから了解の手紙をいただいておるということでございますが、理事会とか理事長とかというのはこれはどちらかというと、外部の、岐阜の信用金庫の理事長であったり、そういう人たちであるわけです。これは今まで直接に関係をしておらなかったわけです。直接関係をしておったのは、病院の患者とか、あるいは病院の先生たちであったわけでございますが、その理事長があえて了解をしたということにつきましては、これは非常に守山の部隊から働きかけをして、そして理事会を開いて、共闘会議の意向も患者の意向も聞かずに、ただ一方的に理事会は横の方から了解をしたという、こういう内容であるわけでございまして、理事長の了解の手紙というのは、これは全くどこか遠いところの人がながめておって、それはやむを得ないじゃないか、自衛隊のある限りは射撃場もあるし、射撃場を持っておれば、そこで射撃されることも、それは好ましくなくてもやられるかもしれぬので、これを拒むわけにはいかないという考え方で、抽象的な了解がなされておるわけです。ところが、こういうようなことにつきましては、精神病院の院長に対しても患者に対しても、了解は全然なされておりません。それから精神病院の院長は御承知の通り公務員でございますから、もう二年間圧力がかかってくると、この段階でそれを拒否するということになりますと、自分がやはり病院を去らなければならないというような現存の官僚機でございますので、そういうような点から、賛成はしないが静観をするという、まことに奇妙な言葉でございますけれども、静観をする。静観をするということは、抽象的に反対するということであって、了解をしたということでは絶対にありません。それから結核療養所の荘長の方は了解をしておりません。共闘会議が行って直接対決いたしましたけれども、了解はしておりません。それから、岐阜の市長の場合は共闘会議もその他の関係も了解をしたんだから、市長さんの方も了解してくれという話があったので、市長は、あの戦っておった共闘会議まで了解をしたのなら、市長としてはあの土地を早く返還してもらいたいんだけれども、ここで横やりを押すということもなかなかむずかしいので、全部が了解しておるのなら、私としてもこれ以上の異議は申すことはできません、こういう了解であって、すなわち、共闘会議も了解はしておるんだ、全部が了解しておるから市長さんも了解して下さいということは、これはうそなことを市長に申して、そして巧みに市長に了解を求めてあるのであって、この了解をさせたということは、でっち上げの了解であるわけです。私は、今日の自衛隊がでっち上げの行動を行なって目的を達成しようとするというようなことは、これはもってのほかであると思うのです。従って、いつも先輩の石橋委員や石山委員から心配して指摘されておるところのシヴィリアン・コントロールの面については、もう日に日に薄れていっておるということなんです。防衛庁の命令が現地の部隊には通じておらないということなんです。そして現地から報告されておることは、ただいま申しましたように、でっち上げの内容が報告されておるように、私は中国から婦ってきて聞いておるわけで、この点を非常に遺憾に思っておるわけなんですが、今後調査されて、ただいま私の申し上げたようなことがもし事実とするなれば、これはやはり現地の責任者を処分するに値あると私は思うわけです。この点について一つ明確な答弁をいただきたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 私たち防衛庁といたしましては、現地に対して指示はいたしますけれども、現地からの要望をうのみにのむというようなことはいたさないつもりでございます。それから現地といたしましては、防衛庁の方でわれわれの了解しておる範囲内でやっておるものと思っておりますので、いろいろ調査すれば、田口先生の御心配のような点があるかないかという点については、私はないであろうと思っておりますし、また、その責任は私たちににあることでございますので、防衛庁といたしましては、現地の要望をうのみにのむというようなことはいたさないつもりでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまの答弁については、私はそういう考え方については了解をいたしますが、実際において現地で各方面が了解しておる、これは各方面といっても、今争点になっておることは、共闘会議は別な扱いがされておりますので、私は、共闘会議というものは別な扱いにして考えてみても、完全に了解をされておらないということなんです。了解をしたという言質をとったのは、これは巧みな持ち込み方をして了解をとってきておるのであって、腹を割った中において、そして実情を把握した中においての了解では絶対ないということなんです。会議  従って、私がここでお伺いしたいことは、私がただいま申したような内容であれば、これは昭和三十六年二月二十八日、それ前に、この問題が起きました当時の起点にさかのぼって、そしてこの問題を解決するために努力をされる用意があるかどうか、この点を一つお伺いしておきたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 この問題につきましては、患者側あるいは共闘会議など、反対の御意向のあることもよく承知しておりますが、また防衛庁といたしましては、日野射撃演習場が、現下の情勢におきましては絶対に必要であるという考えに立っておりますので、そこを何とか双方の妥結によって問題を解決したいということを考えておるわけでございます。この射撃につきましては、防衛庁が提示いたしました三条件で、はたして実害が患者の上にあるのであろうかないのであろうか、これが一番問題のあるところではないかと思うのでございます。その点につきましては、ただいまの射撃場におきましても、射撃の試験もいたしましたし、また射撃をいたしました場合におきましても、岐阜県における関係者、特に報道関係者などに親しくその射撃の実情も見てもらいまして、どの程度に実害があるかということを確かめつつ射撃もいたしたような次第でございます。それで私は、患者、共闘会議、あるいは病院側、あるいは地元の公共団体の考え方、また防衛庁の考え方等が、一番の争点は患者に実害があるかないかということにあろうかと存じますので、その辺にしぼってものを解決いたしたならば、御了解が得られるのではないか、このようにも思っておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そうしますと、患者自治会がやや了解をしておるという認識を防衛庁の方ではお持ちになっておるようでございまするが、実際に患者自治会が絶対反対ということなら、これはやはり患者自治会との話し合いのつくまで、この射撃訓練を行なわずに交渉を進めていく、やはり問題解決のために努力をしていく、こういうことなんですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 共闘会議の皆さんには、防衛庁といたしましては、射撃をいたしまする前に、十月の三日に、全日本国立医療労働組合の議長、書記長等の方々七人に防衛庁においでを願いまして、了解を得るようにお願いをいたしておきました。その翌日の十月四日には、岐阜の地方連絡部に共闘会議の代表の方々においでをいただいて、射撃について御説明をいたしまして、御了解を願うようにお話をいたしておきました。そうして十月の六日に射撃をやってみますと、それも私のさきに御答弁をいたしましたように、きわめて音の小さい近距離の小火器でとにかくやってみますと、その結果患者に及す影響などは、大体高山における試験射撃の結果、著しい影響を与えることはないと思いますので、御了承願いたいということをお話しをいたしておきました。だれしも好むものと好まざるものとは、それはおのおの意見がございますので、射撃に対して絶対反対、こういう御意見もあるかもしれません。しかし、はたして患者に対して実害があるかどうかということに焦点をしぼって考えてみますならば、実害がないじゃないか、この程度ならばしんぼうができるのじゃないかという程度でございましたならば、共闘会議の方々におかれましても、また患者の方々でも、御了解は願えるはずのものでございます。そこらの点につきましては、防衛庁は十分な配慮をいたしているわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 四日の日に、共闘会議と守山の下田幕僚との会談をやっております。これは今御答弁にありましたようですが、そのときに部隊の方からは、とにかくこれから話し合いをするということではなかった。説明をするから、説明を聞いてもらいたい、こういう申し入れであったのです。それで共闘会議の方では、説明をするということは、これは単なる意思表示ということになるのであって、そういうやり方は困るのだ、あくまでもこの場で話し合いをして、そして両者の意見の一致を見るように双方が努力をしたい、こういう意見を出しましたら、部隊の方ではこれを拒否したということなんです。これは何ともならないのです。もう高姿勢なんです。自分の土地で自分たちが行動をするのに何が悪いかというのが、現地の部隊の考え方であるわけなんです。それで、これで迷惑をするものは、これは射撃場の山が迷惑をするのでもなければ、病院が迷惑をするのでもない、岐阜市が迷患するのでもないわけなんです。迷惑をするものは、岐阜市の平和を願い、そして観光都市としての岐阜市の発展を願っている岐阜市民が迷惑をすることであり、病院に寝ている患者が迷惑をすることであり、山を床としているところの鳥獣が迷惑をするのであって、そういうようなことを全然考えずして、とにかく説明をさしてくれ。説明をするということは、意思表示になるのだから、それでは私の方は困るから、あくまでもやはりこの問題解決のために話し合いをして、両者の意見の一致を見るまで双方が努力しようじゃないかと言って、最も常識的な発言をしておりますにもかかわらず、部隊の方ではそれを拒否しておるということです。大体話にならないわけです。防衛庁の方へ連絡の来ているものと大きく相違があると私は思うのです。従って、そういうような実情でありますから、先ほど来御答弁のありましたように、患者の自治会がそんなに反対をしているのではないという御認識のようでございまするので、事実絶対反対であるということなれば、これは話し合いのつくまで射撃訓練はやらないとか——あるいは市長が了解をしておるということは、共闘会議も含めてその他の機関がみんな了解をしてもらったんだから、市長さんも了解をしてくれということであったから、了解をしたのであって、紛争をますます大きくしていくというような状態の中なら、市長は了解をしなかったであろうと思うのです。これは市長としての意見でありますけれども、岐阜市の議会ではやはり陳情書が出ておるわけです。これはまだ生きております。こういう中におきまして、あらゆる方面の了解を得たから射撃訓練を行なうのだと言って、県政記者クラブへ来て発表していって、しかも、六日の朝には、まだ宿直しかおらない七時に両病院へ通告をし、そして各新聞社へ連絡をして、八時から射撃訓練に入っておるということなんです。こういうようなことは、私はあり得べきことでないと思います。そうして、ちょっと頭がどうかしておると思うのは、自民党の岐阜県連へ、やりますという通告というか、申し入れをしておるわけです。何がために自民党の岐阜県連へそういう申し入れをしなければならないのか、通告をしなければならないのか、私は、これが事実とすれば、ちょっとおかしいじゃないかと思うのです。こういうように、現地の方ではどうも幕僚の方々は頭がどうかしておると思うのです。私はほかの方から聞きましたけれども、共闘会議がバリバリやっておることは、病人の代表でやっておるのでも、岐阜市民の代表でもないのだ、これは特定の政党に動かされておるのだという認識が、現地の幕僚の人たちにあるわけです。従って、特定の政党と幕僚とは相反しておるから、ますます気が立ってくると私は思うのです。そういう考え方でこの問題を処理されるということになりますと、実際とは大きく違っておりますので、この点につきましても、防衛庁の方では十分に御認識を変えてもらいたいと思うのです。あくまでも共闘会議は各種民主団体——民主団体の中には婦人団体も入っておれば、教育を守る会も入っておれば、あらゆる民主団体が入っております。地元の人たちも入っております。病院の患者連中も入っておるわけなんです。従って、そういう岐阜市民の各層からできておる共闘会議でありますから、共闘会議の意見を全然無視して事をやろうとするかまえは、これは戦いをほんとうにするということになれば、全く好ましくない状態になるのではないかという考え方をもっておるわけです。従って、私は、訪中前にどうしても長官やら教育局長にお会いできなかったので、書面をもってお伝えをして、共闘会議の方へは、おそらく私の訪中の留守中にこの射撃訓練がなされるかもわからぬが、何分にも病人が共闘会議に入っておって、病人が気が立っておるのだから、必ずこの前以上の不祥事件が起きるということが考えられるから、反対の戦いをされることは自主的でもよろしいけれども、あまり過激な、隊と対決して血を流し合うようなことはやらないように、そういう場合には十分に注意して戦いを指導してもらいたいということを、懇々と私は中国へ行くときに共闘会議にお願いをしておるわけなんです。従って、先ほど私が申しましたように、共闘会議の態度というものは全くりっぱです。堂々としておるのです。堂々としておるということは、少なくとも国会の場において、共闘会議が直接長官に対して、また代議士が長官に対して、教育局長に対して、話し合いをして円満に解決してから射撃訓練の実施をしたいという確認をとっておるからこそ、これが一番優先をするものである、これを無視して現地の部隊が行動するようなことは常識的に考えられない、また、もし行動しても世論から批判を受けるであろうということで、堂々たる態度で全く紳士的な行動で、この反対の抗議を行なっておるわけですから、この点についてはもう一度防衛庁としては指導のし直しをしてもらいたいし、せっかくきょうお忙しいところを次官に御出席いただいたのでありますから、この場で、何かこうした状態の中でこの問題を解決していく方途を見出していきたい、お約束をしていきたい、このように考えておるわけなんです。  繰り返し申し上げまするが、岐阜市の市長は、これは把握違いで、やむを得ずオーケーをしておるのだから、言葉をかえて言いますると、巧みな表現をして市長の了解を求めておるということなんです。それというのは、病院の院長やら、日野荘の荘長も了解をしておるし、共闘会議も猟友会も医師会もみんな了解をしておるというような形で、市長のところに持ち込んだから、市長は金華山の開発からほんとうにのどから手の出るほど早く返してもらいたい、あの土地がほしいのは山々であるけれども、そういう中において一人孤立して反対をするということはでき得ない状態にあるから、了解をしたのであって、真実を知って了解をしたのではないのだから、もしこの私の申し上げたことが事実であるとするならば、話し合いのつくまで行動は行なわず、問題解決のための話し合いを進めていくお考えであるかどうか、この点を一つ明確にしておいていただきたいと思います。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 大へん御配慮のあるような御質問でございましたが、防衛庁としましては、患者なり共闘会議の方で絶対反対をするのであるという御意見が強く出ておったようでございます。しかし、それからといって、あの日野の射撃場をぜひ必要なんであるという防衛庁の立場も明確でございますので、両者の間の妥結を見るというのは、これはやはり患者に対して実害がどの程度に及ぶかということをきわめて、この程度ならばよかろう、この程度ならば困るということが基礎になって、妥結点が見出されねばならぬと思っておるわけでございます。それで、そういう方面で努力をいたしておるのでございますが、現地の者といたしましても、また防衛庁といたしましても、抜き打ちに射撃をばっとやるというようなことはやりません。いたしますような場合には、必ず御了解が得られるというところまではいかなくとも、やはり事前に御連絡を申し上げなければならぬというのはこれは当然でございます。また、お互いに射撃がはたしてどの程度患者に実害が及ぶかということもきわめずして、ただ対立しておりましたのでは、物事の解決というわけにいきませんので、この辺のところで一つ試験射撃もしてみたら、その結果によってはこういう結論も出てくるという、そういう処置もとりまして、そして射撃を開始するということで、各方面にできるだけ御了解を取りつけていたしたわけでございます。試験射撃をいたしました結果、いろいろ調べてみましたが、三百メートル以内で小火器でやってみますると、患者の方で——非常に神経の高ぶった患者も病気によってはあろうと思いますが、音響自体そのものはそう高くはないのではないかということが、試験の結果出てきておりますので、なおその点について、もう少し音響を下げる方法があるかどうかということについては、私どもの方でも研究をいたしておりますし、ある種の対案も持っておるわけあります。しかし、一番心配なことは、患者にどの程度の影響を与えるかということを、実害をきわめて、できるだけそれを低くして、通常の音響と異ならぬ程度にまで引き下げていくことが、われわれとしては重要なことだと考えておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 この問題は机上プランだけでは割り切れないものがあると思いますことは、これは終戦後に岐阜市に実際あったことでございまするが、花火がぽんと上がったら、あの戦争の恐怖心がまだ去っていない未亡人の方が発狂された例があるのです。そのくらい戦争とか射撃とか、こういうことは、医学的にはどういうことになるかわかりませんが、非常に恐怖心を持っておるのです。それが六十フォン、七十フォン以下であれば病人には影響がないという机上プランがもし立ったといたしましても、すぐ目と鼻の先の千メーター、千百メーター先で射撃訓練をやっておるのだ、あのおそろしい戦争のまねごとをやっておるのだということは、病人には大きな支障を来たすのであって、私は、フォンが高いから、これが低くなったらこの問題が完全に解消するという問題ではないということを、病院の場合にはやはり考えていただかなくてはならないと思うのです。  それからもう一つは、防衛庁ではあそこの射撃場は必要だと言われるが、これは必要だといえば必要だと思いますがが、私が考えてみれば、愛知県の守山からわざわざ岐阜県に来て、いやがる岐阜市の日野の射撃場で盗人ネコのように、トラックを堤防に置いて、農道を通って隠れてきて、三十分や四十分ぽんぽんとやっていかなければならぬようなところで射撃をしなくても、愛知県の中でも射撃場はありまするし、隣の三重県の久居にも射撃場があるわけなんです。何も反対はしておらぬわけです。私ちょっと度忘れをいたしましたが、愛知県にも昔から射撃場はありましたけれども、この射撃場は廃止になっておりますね。こういう例もございまするし、これは年度は何年か忘れましたけれども、ジェット機を飛び立たせるために各方面で飛行場の拡張をやりましたときに、新潟は知事以下拡張反対を幅えて戦いましたが、やはりそういう関係から、新潟市のある近くにそうしたジェット機の軍の飛行場を置くということは好ましくないというので、放棄をして、そうして今民間の飛行場として使用しておるということもあり得るのです。それから特に長官も含めてでございまするが、毎日新聞の八月二十七日に出ておりまするが、自衛隊の用地を宅地に、志賀長官、演習場などの解放を検討というので、河野建設大臣と話し合いをして、やはり町の発展から見て適当でないと思うところは変更をするのだ、廃止をすることもあるのだということを話し合いされておる事実もあるわけなんです。  それで、今申しましたように、岐阜市の日野の射撃場の場合は、明治四十年のころは軍はなやかな当時であるから、反対であろうが賛成であろうが、これはつくるといえばつくったのですし、その当時は岐阜市の人口も全く少なかったけれども、今日は三十五万という人口を擁しており、しかも、その山を中心に開発されて、長良川のウ飼いを含めて観光都市として発展をしつつあるわけなんで、市当局としても県当局としても、ぜひともこれは願い下げにしてもらって、どこかへこの射撃場を持っていってもらうか廃止をしてもらいたいというのが、やはり岐阜市民全体の願いであるわけなんです。こういうようなところに射撃場を置いていつまでもやっていくということは、だんだんと発展をしつつある岐阜市の実態からいって、私はもう今日は許されない土地であると思うのです。従来はあそこでよかったかもしれませんけれども、今日ではもう地理的に許されないと思う。こういうようなことの配慮は少しもなされないのか。志賀長官と河野建設大臣が協議をなさったその内容から、賢明な次官は岐阜県の場合どういうようにお考えになりますか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 自衛隊の持っております財産は、この射撃場のみならず、たくさん都市の中にあるわけでございます。その問題につきましては、なかなか複雑な条件がございまして、画一的に取り扱うわけにも参らぬわけでございますが、しかし、この日町の射撃場につきましては、さしあたって、自衛隊としてはこの射撃場を使用するという考え方を変える考えは実は持っておらないわけでございます。そういうことでございますので、当面の問題として、この問題は地元の御了解を得まして円満に解決いたしますように希望いたしておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ちょっとおかしいと思うのは、厚生省も病院の近くに射撃場はない方がいいと言っておる。農林省は、日本で二番目に鳥の繁殖しやすい金華山の峰伝いに射撃場を持つことは、やはり恐怖心を起こしてこれは好ましくないと言っておる。長良川のウ飼い、これには天皇から外国の大公使、そういうお客さんが見える都市としても、岐阜市があの山を開発計画の中に入れて開発しておる実態からいっても、これは好ましくないことはわかっておるはずなんです。それでもあそこでやらなければならぬという理由が私にはわからぬのです。なぜ日野の射撃場に来てやらなければならないのか。愛知県にも射撃場があるのだから、自分の県の射撃場でやったらよさそうに思う。久居の射撃場に行ってやれると思うのです。だれも反対しておりません。それを反対しておるところにわざわざ来てやらなければならないということが、私はおかしいと思いまするし、岐阜県の県民としましても、今防衛庁の施設を一から十まで反対をしておるのではないわけです。それは今愛知県の高蔵寺に火薬庫がございますが、この火薬庫も岐阜県の多治見の市内へ移転するという話が着々進んでおるということなんです。それからもう一つは、美濃加茂にやはり演習場を期限をきめて借りるという話も成立したわけなんで、場所によっては、いかに自衛隊の火薬庫であろうが演習場であろうが、話し合いがついていっておるのではないですか。話し合いがつかぬということは言えないじゃないですか。幾らでも努力をすれば話し合いでどこでもつくところがあるにもかかわらず、いやがるところへなぜ来てやらなければならないかということなんです。愛知県なら愛知県の守山の部隊が、自分の県にあるのを放棄して、なぜいやがる岐阜市へ来て盗人ネコのような行動をやらなければならないのですか。その点を冷静な頭で一つ考えて答弁願いたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 田口先生の重ねての御質問でございますが、防衛庁といたしましては、現在の時点におきましては、あれを射撃の演習場として使用いたしたい、その方針を持っておるわけでございます。現時点においてはそれをぜひ必要だと考えておるわけであります。その点はどうぞ御承知を賜わりたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 現時点では変える必要はないという御答弁でございますが、私が今幾つか理由を申しました内容からいって、好ましくない地点であるということはおわかりでしょう。どうですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 田口先生の御意見につきましては、一面そのような見方もあろうかと存じます。しかも、これはやはり相対的な理由あるいは必要度によるものでございますので、防衛庁としては、これを射撃場にぜひ使用いたしたい、そういうように希望いたしておるわけであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 一面も二面もありません。近くに病院があって、その上、山が鳥獣保護区域になって、農林省では好ましくないと言っておる。厚生省も何とかどこかへ移動してもらえれば移動してもらいたいという気持は持っておる。岐阜市の発展からも、岐阜市のまん中に射撃場はごめんだという考え方を持っておるのです。地理的な状態から見て——一面からではありません、これは完全に好ましくない地点にあるということなんです。好ましくない地点にあるのなら、あれを廃止して、ほかに設けなければならぬというなら、そのように努力をするのが防衛庁の正しい考え方じゃありませんですか。現地の部隊と市民とがますます遊離されるような行動を防衛庁は好ましいと考えておられるかどうか、この点も伺っておきたいと思うのです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 防衛庁といたしましては、地元の皆さんにも誠意を尽くして御了解を願いまして、そして射撃場として使用ができますように、各方面の御理解と御協力をお願いいたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 今了解を得ておる段階ということには部隊ではなっておらぬですよ。部隊の方では、言葉を悪く言えば、でっち上げて、そして了解を得たのだということにして射撃訓練をやっておるのであって、正常なものではないわけなんですよ。今次官の言われるように、どうしてもあそこに射撃場を置きたいから、各方面の了解を得るために努力をしたい、それまでは射撃を中止しておって努力をしたいということなら、話がわかると思いますけれども、今のところでは、もうそれを通り越しておるのですよ。そういう努力はもうやる必要はないので、了解を得ておるのだということなんです。了解を得ておるそのことは、でっち上げの了解なんですよ。これがわからぬですか。あなた、私の言うことよりも、現地の部隊からの報告の方をまともに受けられるのか、どうなんですか、私の言うことはうそだと思われるのか、その点明確にしてもらいたい。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 これは双方で争いがあって、お互いに意見が衝突をいたしておることでございますから、なかなか十二分といいますか、一二〇%の——百パーセントにいたしましても、なかなかそうこういう問題については御理解がいきにくいのが常識だと思います。ただし、私たちが考えておりますのは、争点は、何といたしましても、患者にどれほどの実害を与えるかということが、今日の問題としては一番大きな問題でございますので、それで、その点については十分に調査もいたしましたし、また、お示しのように、静寂を破って射撃の音が聞こえることが恐怖心的な連想がある、こういうことでございましたならば、それらのことはできるだけ取り除くように私どもの方では努力をいたすつもりでございます。また、お示しにもありました厚生省とか農林省の御意見というものも、これは御意見があろうかと存じますが、これらは防衛庁といたしましても、農林省側なり厚生省に了解を取り付けまして、そしてできるだけ実害の及ばないような処置をしていきたい、こう考えております。現地の部隊といたしましても、そのことは十分に存じておるはずでございまして、その点につきましては、防衛庁としては誠意をもって当たるつもりでございますので、十分に現地の御了解を得るつもりでございます。射撃場使用ということにつきましては、これはどうしても必要だと考えておりますので、そのように現地の皆さんに運ばしていただくようにお願いして今日に至っておるような次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 了解をいただいて今日の状態に至っておるということはうそなんですよ。それはうそなんですから、だから、前にさかのぼって考えていただきたいと思うのです。それなら区別してお聞きしたいと思いまするが、共闘会議は反対しておるので、これは了解はむずかしいとしても、その他の方面が完全に了解をしたということは、これは先ほど申しましたような、話に食い違いがあって、言葉を悪く言えば、巧みに話を持っていってでっち上げておるということなんです。そういう事実があるならば、これはもとへ戻すかどうかということなんですよ。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 でっち上げというお言葉でございますけれども、こういう反対の強い問題の起きた案件でございますから、その間に人によってはとりようの違うようなこともあろうかと思います。これでいいと考えております場合もありますれば、それでは不十分ではないかと一方の方は考える場合もあろうかと思います。しかし、それはあくまでも現地におけるやり方も、自衛隊の人としては善意に出た措置であって、決してでっち上げをしたとかしていないとかいう、そういうような悪意に満ちたことでやっておるとは思いません。ただしかし、見方によりますれば、普通に考えられるところもあります。また見方によりますれば、努力しておるととれるわけでもございますので、そういう点は、私としては、弾力的な考え方で当たれば、大体大よそのところはあやまちなく処置ができるものではないか、こういうように思っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私は、この間やった行為そのものは、これはやはり防衛庁の指導のもと現地でやったことが、防衛庁のやる考え方と完全に一致したことかどうかということを明確にしておきたいと思うのです。これは私はその他にもあろうと思うのです。今後あろうと思うので、明確にしておきたいと思う。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 防衛庁の考え方と現地の考え方とは食い違っていないはずでございます。ただし、防衛庁の考え方あるいは現地の考え方が、皆さんに誤解を与えるような点がありますならば、これは誤解を解くように努力いたすつもりでありますが、しかし、あくまでも私たちは、でっち上げとか悪意に満ちたものではなくて、善意に発足した処置をいたしておるわけでありますから、その点につきましては、もし誤解を招くようなことがありましたならば、私たちは責任を持って誤解を解くつもりであります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 善意に満ちたものということでございますが、たとえば岐阜の市長に了解を求める場合に、あらゆる方面の了解を得たから了解をしてくれということなんです。この中には日野荘の荘長の了解もあり、それから精神病院の院長の了解もあり、猟友会の了解もあり、医師会の了解もあり、共闘会議の了解もあり、こういうようなものの了解がなされたから、一つ岐阜市の日野で射撃訓練を開始することを了解してくれ、こういうことなんです。こういうことを言ってきたんですよ。そうすれば、市長は、いかにのどから手が出るほど早く返還してもらいたくても、そうした全部の者が了解したというのに、市長が孤立して反対をしておるということはできぬから、皆さんがそうして了解をされたなら、よろしいでしょう、まあやむを得ないでしょう——そこの表現はどうだったかわかりませんけれども、いずれにしても了解を与えたという形になっておるのです。ところが、了解を与えた形になっておるんですが、事実は、了解も得ておらないものまで了解を得たといって市長を強談したわけなんです、端的に申し上げるならば。それが正しい為だと思われるのですか。防衛庁の指導はそういうように指導されておるのですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 大体、対談をいたしますときには、お互いに希望を持って対談いたします。また、その人その人の立場もございまして、対談がどういう内容であったかいなかということは、実は私は、この問題に触れますとお互いに迷惑をすると思いますので、触れた御答弁はいたしておらないのでございますが、しかしながら、防衛庁の私たちにいたしましても、自衛隊の現地の者といたしましても、お示しのごとく内容と用語がどうであったかということは、人の対談でございますから、これを明らかにすることはなかなかむずかしいかと思いますけれども、しかし、自衛隊の諸君が悪意に出たでっち上げをして人をろうらくするということはいたすまじきもの、いたしておらぬものと私たちは考えておるわけでございます。しかしながら、もし不用意な用語がありまして、人に誤解をかもしたということがございましたならば、これはむしろ私たちの責任でございます。現地の者は善意に出たものと信じておるわけでありますので、御了承願いたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 きわめてこれは重大なことだと思うのです。反対しておる。それから了解を求めていくときに、この人をくどき落とそうとするときに、事実に反したことを言って、そうしてくどき落とすというこのやり方は、私はきわめて悪質だと思うのです。従って、そういうようなことで、防衛庁の責任であるということなら、実際にそういうような食言をしたということに対する責任というものは、具体的にどういうようにおとりになるのですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 これは対人関係のことでございますので、今私の方も事実をそういうものは持っておりません。それでお答の限りでございませんが、しかしながら、私は、あくまでも防衛庁の諸君は善意に出た行動をしておると確信をいたします。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 次官はちっと気がよ過ぎるですよ。よく考えてみなさいよ。岐阜市の市長に了解を得るときに、あらゆる方面の了解を得たから市長さん了解をしてくれといって、了解を求めに行った。市長は、全部の者が了解をしたと思って了解をした。さてその内容を洗ってみたら、日野荘の荘長は、これはやはり了解したということは明確には言っておらぬということ、それから共闘会議も了解したと市長は思っておったけれども、共闘会議は絶対反対をしておるということ、それから精神病院の院長は、やはりあの人たちの立場も私は気の毒だと思うのです。二年間上の方から責められて、それから病人を守る立場にあって反対をしてきたけれども、これ以上ここで反対をすれば自分がそこに勤めることもできないようになるんじゃないかというような状態の中で、これは反対だと言い切れなかったので、静観をするという、こういうことなんですよ。だから、こういうように外部の方が絶対に了解をしておらぬのに、了解をしたから了解をしてくれといった、この行為は、私はまさしくでっち上げだと思うのですが、それはどうなんですか。もしそれが事実だとすれば、それはでっち上げじゃありませんか。でっち上げとは、どういうときにでっち上げとあなたはお考えなんですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 私のお答えは、先ほどのお答えで尽きておると思いますので、そのように……。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 あなたの答えは、あくまでも現地の部隊は良心的な行動をして、そうしてうそを言ったり巧みな言葉でくどき落とすような行為はやっておらぬ、誠心誠意にやっておるんだ、こういうことを信じての答弁であるわけなんです。あなたの答弁は、終始一貫そういう答弁をしておられる。ところが、私は事実をあげて、それとは違いますと、こう言っておるのですよ。それであなたは、国会で質問をする私のことを全然信じないのか、部隊のことだけ信じて、国会で議員が質問して内容を申し上げることは信じないのか、一体どうなんですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 人と人との対談で、すでに相当過去のものでございますので、そういうものをどれがどういうような用語を使って、どういう話をしたかということは、確かめることはほとんどこれは不可能でございます。事実問題として。そうしてまた、一方聞いた方からいいましても、こう聞いたというが、言った方からいえば、こう言ったという、記憶違いあるいは言い違い、聞き違いがありまして、実はそういう問題については、えてしてなかなか真相はつかみにくいものでございます。しかし、私は、そういう問題をここで議論をいたしますことは、決してお互いに、その関係者にいたしましても、また私にいたしましても——物事は正確にきわめねばなりませんけれども、正確にきわめる資料の不足をいたしておりますときに、決定的な意見を申し上げるということは、これはできないことでございます。ただ、現在の私といたしましては、自衛隊の諸君がそういうでっち上げるというようなことはいたすまい、こう信じておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 正確なことを見きわめしなければならない、この問題は、当然そこまでいかなければ私は了解がいかぬと思うのです。だから、言葉のニュアンスとかいろいろなものは、それは人間の話し合いのときにはあります。ありますが、はっきりしておることは、了解をしておらぬのを、みんなが了解をしたからあなたも了解をして下さいと言う、これは明確なんですよ。うそを言っておるということなのです。私がうそを言っておるということを言っても、あなたの方ではうそを言っておらぬのだということをこの場で言い切れますか。どうなんです。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 この問題について私お尋ねを受けましても、これ以上私はお答えするわけにはいきません。田口先生のお尋ねの内容につきましては、私はただいま承りまして、そういう事実があったかどうかということを私が今お聞きをいたしましても、それをにわかにいずれとも確定することは不可能でございます。私は善意に満ちてやっておると思っておりますので、この問題は、今ここで私に答えろと言われましても、これ以上お答えはできないか思うのでございます。ただし、田口委と員の御質問でございまするから、十分に拝聴いたして、よく調べてみたいと思っております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 聞いていますと、なんだか私の言うことも違っておるように言われるから、私は明確に申し上げますよ。二十日の日に、あらゆる方面の了解を得たから、十月一日から年末まで射撃訓練を行なうということを、県政記者クラブへ何かプリントを持っていって、声明のようなものを発表しておりました。私がたまたまそこへ行ったときに、今婦ったところだったということなのです。それで、私は非常に心配をして、こちらへ来ていろいろ話し合いをしようと思ったら、なかなかおいでになれなくて、そのチャンスを失ってしまった。最後は書面を出してきた。それで、現地の共闘会議には、戦いはしてもいいけれども、不祥事を起こさないように注意をして戦いをせよ、ということを言ったわけです。ところが、共闘会議は、あらゆる方面の了解を得たということだったから、一つ一つ日野荘の荘長、精神病院の院長、それから市長、こういうところへ確認しに行ったわけなんです。確認しに行ったら、その確認の内容は、ただいま私の申しましたような内容のことであったわけなのです。ここまで言えば、私の言うことが信じていただけるだろうと思うし、そういうような食言を使ってまでこの問題を強硬しようとする、こういう軍の態度というものは、今後悪い影響をその他にも及ぼしてくるであろうと私は思うのです。よく口には長官なんかはいつの長官でも、愛される自衛隊と言っておられるが、岐阜市へ行ってみますれば、そういう食言を使って了解を求め、一方的な射撃訓練を行なって、しかも、正常な形で行って射撃訓練を行なっておらないということはおかしいじゃないですか。朝早く行って車を堤防の上に置いて、車で堂々と行けるのに農道を歩いて、そうして三十分なり一時間なりというものをやって、それから愛知県の守山まで婦っていくという大へんなお骨折なんですよ。こんなことをやらなければ射撃訓練ができないような実態では、ますます国民と自衛隊というものが離れていくのじゃないか、自衛隊に対するところの不信がますます大きくなっていくのじゃないか、こういうように私は考えておるのです。従って、少なくとも自衛隊の総元締めである防衛庁は、こういうところにこそ心を置いて、そうしてこういうような内容であれば、それを明確にして、そうしてこの問題を解決されることが、私は正しいあり方であろうと思うのです。どうですか、そういうようにおやりになるのですか。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 後段の話でございますと、私も田口先生の趣旨に沿うように努力してみたいと思います。ただし、私たちの考えとしまして、この日野の問題は、彼らにどれほど実害を与えたかということが一番争点でございます。これを医学的に、また科学的に、実害を与えないというところまでわれわれは射撃の影響を避けて、そうして御理解を願うということが基本的な考え方でございます。その間にいろいろと識者の誤解を招くような点がございましたならば、それは私たちといたしましては善処してこれを解かしていただきたい、こう思っておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 あとまた石山委員の方からの質問が残っておりますので、私は中座をして、またあとから継続さしてもらいたいと思うのです。  ただいまの、あとの方の私の話はわかるけれども、前の方はということですが、私は、前の方が明確であって、前段と後段は不離密接なものであるわけなんです。だから、それを切り離してものを考えるところに間違いが起きるのであって、私は、あくまでもこういう点はやはりすっきりとしてやらなければならないと思うのです。従って、私の質問は全く中途半端になっておるので、あとで石山委員の質問が終わってから、当然昼食後になろうと思いますけれども、土曜日でまことにお気の毒でございますけれども、問題が問題でありますので、私は、もう少しこの問題を明確にしてきょうの質問は終わりたいと思いますので、保留いたしておきます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 きょう政務次官がおいでになったから、あと回しにしようと思ったけれども、ほんとうはこれが一番大切な問題なものだから、お聞きしておきたいと思います。  それは、十月二十二日のキューバ問題に端を発して、自衛隊がそれに反応した態勢の手続等から承っておきたいと思うのです。あれは新聞紙の報ずるところによれば、在日米軍の渉外担当者から電話があって、至急に首脳部会議を開いて、そうして全面戦争に対応するために——ためにというような言葉を使っておるのですが、警戒態勢をした、こんな格好で新聞紙を要訳してもよろしいと私思う。  第一にお聞きしたいことは、たとえばちょっとアメリカの渉外関係の方からお電話があれば、それをすぐ真実かどうかを確めない前でも首脳部会議をおやりになるのか、まず第一に、事実問題として、確め方はどういう方法をとって確かめていられるのか。こういう手続問題は、あるいは政務次官でなくても、官房でよろしいです。官房の方からお答えを願いたい。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 石山先生御存じのように、在日米軍と自衛隊とは常に緊密な連絡をとっておるわけでございます。この前のときは、新聞でも御承知と思いますが、ライシャワー大使を通じて池田総理に、ケネディの書簡が、米国における発表の前に届けられた。それから自衛隊に対しましては、在日米軍司令部の方から統轄議長の方に連絡がございました。私どもといたしましては、絶えず、日本の防衛という見地から、国際情勢の推移には注意をしておるわけでございます。大体ああいうふうな大きな事件になりますと、慎重に注意をしておるりますので、不用意に動くというようなことは万ないと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 首脳部会議を一時間くらい開いたということを私の見た新聞には書いているのですが、首脳部というのは、防衛庁の場合はどこら辺までをさして首脳部といっているのですか。その日のメンバーの大体は発表してもいいでしょう。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 首脳部と申しますと、長官が一番のかしらでございまして、両次官、統幕議長、その他あるわけでございますが、防衛庁のやり方としましては、その審議しようという事柄によりまして、招集するメンバーが変わります。場合によりましては内閣の参事官だけ長官が招集をされることもございますし、場合によっては統幕議長を入れる、あるいは陸海空の幕僚長を入れる、あるいは陸空の幕僚長を入る、さらに広い場合におきましては、各付属機関の長等も場合によりましては入れて会議をする、審議される問題によりましていろいろあるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 その日は……。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 キューバ事件の日、正確には覚えておりませんが、長官、両次官、統幕議長、私も出ましたが、あと渉外の参事官もおりましたか、ちょっとその辺を調べておりませんが、大体そういうことであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 警戒態勢を示達したというのですが、その文書をあとでここへ出していただきたい。それからこの警戒態勢を示達するという事項は、法律上からいえば、どういうよりどころがあってこういう発令をしているのか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 警戒態勢と申しましても、いろいろ内部できめております種類があるわけであります。その事柄によりましては、ごく軽易なものは、航空総隊司令官あるいは航空幕僚長その他に訓令で委任をしておるのでございます。権限は全部長官にあるわけでございます。この前のときは、航空幕僚長から話がございまして、航空幕僚長をして示達をさせられた、文書のような形では残っておらないというふうに記憶しております。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますと、空軍だけでございますか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 そのときの措置は、航空自衛隊だけでございます。しかも、航空自衛隊の航空警戒情報、レーダー・サイトを中心とした情報機能について示達がされた、こういうことでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私たち、せんだって徳島の第三航空群を見てきたわけですが、そのとき、キューバ問題について特別の示達があったかと私が聞いたら、現地では、特別の示達はございませんと言っているのだが、これはどこら辺まで切られているのですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 石山さんがごらんになりました第三航空群は、海上自衛隊所属でございまして、ただいま申し上げましたように、航空自衛隊の部だけでございますので、海上自衛隊は関係ございませんでした。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますと、航空自衛隊だけということは、戦争はそんなに大きくならないだろうという想定のもとにそういうことをおやりになったわけですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 戦争になるかならないか、どの規模になるかということは、当時の状況はだれも判断しにくい状況でございました。ただ、とにかく国際情勢が相当緊張しておることは確かでございますから、情報の機能は強化しなければならないという判断だったわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 こういう示達を出す場合に、特に米軍からの連絡によっておもにこの問題が起きたと思う。あなたの答弁を聞きましても、米大使からの池田首相に対しての話、あるいは米軍渉外担当者からの連絡、そういうことによって、アメリカを主体にしておったわけだろうと思うのですが、印象からいたしますと、遠い中南米の海の中で起きた問題が、こんなに敏感にわが国の防衛に反応する、この反応する原因は一体どこかというふうに国民としては考えざる得ない。特にこの場合、防衛庁の中でも慎重論があったけれども、これは少数で、ついにこの示達というような形で出されたというふうに聞いておる。防衛庁の中で、そのものを担当しておる中でさえも、この際は冷静にすべきだ、こういう意見があった、ましてや国民としては、戦略上というような立場から考えてみても、どうも反応の仕方があまりにも積極性があり過ぎやしなかったか。この積極性を持ったということは、私は、日本の自衛隊の主体性というふうな問題にも関する、日本の軍隊というものは、一体どういう場合に動くだろうかということにもつながってくるように思うのです。当時の皆さんの観測としては、日本の自衛隊がそういうような態勢をしがなければならぬというふうな要素、これは国民に発表できませんか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 防衛庁においてどういうような意見があったということを申し上げることは適当でないと思います。ただ、結論といたしましては、国際情勢が緊張した、今のような武器その他の発達等から考えますると、非常に世界は狭くなった、やはり自衛隊といたしましても、この程度の措置をとることは適当であろうという御決裁になったわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 それは戦略とか戦術といろいろな問題になれば、これは議論の存するところでしょう。ただ、私の言いたいとは、ずっと遠いところのこと、しかも日本の自衛隊が関与できないような場所、そういうところの問題に対して、なぜ敏感に反感態勢というものを示さなければならぬか、いたずらに国民の不安を大きくするのではないか、こう思っているのです。たとえば今度の問題にしても、つまり、攻撃的武器をアメリカの近所に持たれるのは困るのだ、こういう形が強くて、経済封鎖、海上封鎖をする。最初経済封鎖をしましたね。きき目がないから、今度直接的に海上封鎖をやるということになった。攻撃的武器というような問題になりますと、日本の自衛隊は、攻撃的武器というものを一体持っているのか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 日本の自衛隊は、法律にきめられております通り、日本の防衛に当たるものでございます。全体といたしましては、防衛の用に供する武器しか持っておらない。ことに戦略的な攻撃武器などは持っておりません。ただ、おっしゃる攻撃という意味が相手を殺傷するという意味なら、これは持っておると言い得だろうと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 日本ではそういうふうな武器を持っていない。日米安保条約も、極東という言葉でせんだって議論があったけれども、範囲が限定されているわけなんだ。そういう限定の中で、攻撃武器を持たない日本の自衛隊の持つ性格、あるいは日米安保条約等による外交、条約等の問題からしても、今度の示達は航空自衛隊だけだ、航空自衛隊だから、同じ飛行機であっても海軍の場合は動かない、示達もなかったという、非常に範囲が限定されていることは確かだ。しかも、 レーダー部門に特に主力を注いだ。それはわかるのですが、何か私は積極性があり過ぎると思う。いやみを言っているのじゃないのですよ。この積極性ということは、自衛隊の持つ一つの本能なんだけれども、実際から言うと、非常に危険な本能なんですよ。つまり、予防戦争ということにもなる。予防戦争が本物に展開する。いつの場合にもそうなる。今回の措置は、予防戦争から出発しているということが考えられていますね。予防戦争だと言っているけれども、予防戦争はいつまでも予防戦争に終わるのではなくて、守備する武器がいつまでも守備する立場でなく、やはり相手を攻撃されるわけでしょう。だから、こういう点で、極東の端っこの方に問題が起きたというなら話はわかるのですよ。今度はベルリンの問題がちょっと起きたら、そのたびごとにあなたの方でやり始めなければならぬでしょう。ベルリン問題が起きる、ゴアで問題が起きる——これはアジアに入るかな。アフリカに問題が起きる、これは入らないと思うのだけれども、あなたの意見でいくと、これも警戒態勢をとらなければならぬ。そうすると、年がら年じゅう自国を守り、条約的には極東の平和を維持するというような条約を結んでいる日本が、世界じゅうの動きに対して、無感応でおれとは言いませんけれども、そのたびごとに戦争だ戦争だというふうな気持で外部に発表し、内部で強化政策をとるとすれば、これはあまり好ましいことではない。積極性があり過ぎると思う。今回の場合、特に私はこういう点では誤解を招くのではないかというふうな気持を持ちます。安保条約の持つ性格をあまりに普遍的に広げて、極東アジアの平和の範囲を逸脱するような気がしてならぬです。ですから、このことはいい工合に、まだきまらぬけれども、平和裏に問題が解決される方向ですから、私たちはこれ以上問題にする必要はないと思いますけれども、このことはやっぱり厳重に一つの問題として、今後自分たちが行動する場合には考えてしかるべき問題ではなかったかと思われてならぬです。この場合こそ自衛隊はもっと沈着であるべし、条約の内容をもっと検討すべきような立場なんです。自己の持てる力、性格というものをもっと認識してやる必要があるのではないかというふうに考えております。それからわれわれは、攻撃的な武器の問題については、日本の内地にあるとかないとかでときどきやり合っているわけですが、今度の事件に徴しても、自衛隊はもちろんのこと、アメリカのいわゆる攻撃的武器を持った船舶、艦船その他のものが日本に寄るということは、これは道徳的にも私は拒否していいと思う。厳重に拒否していいと思う。今度のキューバ問題はそれを意味しているものだと考える。戦争に負けてやむを得ずアメリカに基地を貸したのですが、今度の事件によって、日本の軍事基地というものは、自主性を回復する一つの時期に来ていると私は思っているのです。だから自衛隊は、そういう点は遠慮なく、共同作戦等望まれた場合でも、今回の事件を範疇にして考えていただかないといけないのではないかと思います。この問題はこれだけにしておいて、また大臣でもおられたとき、別な方面から少しくお話ししてみたいと思っておりますので、これで打ち切りにします。  今度は、予算編成期が参りました。臨時国会には皆さんの方から特別なものが出るようには新聞等に出ておりませんけれども、定例国会等において自衛隊法その他何か改正の法律案件等を今出そうという腹案を持っておりますか。たとえば一ころ新聞に出たように、省に昇格する設置法の一部改正、あるいは停年延長のような問題等も出ているわけですが、今用意されている法律はどんな内容のものでしょう。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 省に昇格の問題は、やはり私からお答えはできないのでありまして、私どもは命ぜられれば用意をして出すということになります。予算に関連をいたしまして考えられますのは、一つは定員の増でございます。これは予算が認められますれば、やはり法律の改正ということになろうかと思います。停年延長の問題は、御承知だろうと思いますが、法律自身には停年がきめられておりません。政令に譲られておりますが、これは予算の方の了解がつけば、政令改正ということで処置できるだろうと思います。

生田宏一自由民主党防衛政務次官

○生田説明員 省に昇格の問題は、大臣の御決意の問題でございますので、正しくは大臣からお答えをすべきものでないかと思うのです。防衛庁としましては、今それ以上にお答えする段階には来ておらないようでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 予算要求は増額二百億をこえるというふうに出ておるが、航空母艦をつくるのもけっこうだし、原子力研究費をお出しになるのもいいでしょう。それはあなたたちの任務だからいいだろうけれども、せんだって僕ら調査に回ってみますると、善通寺の場合には、これは官房もお知りのように、私は三年くらい前に回ったときに、その報告をしながら皆さんに要求をしております。うまやを改造してその中に入っている。それから昔の建物ですから、みんな窓が小さくて換気が悪いですね。昔の建物をそのまま使っておる。兵隊さんだから、あまりきれいで楽をさせるということは、一つの訓練の仕方としてまずいというお考えがあるいはあるかもしれません。しかし、初年兵で訓練を受けるような若い人たちに、最初からきたないところへ入れて、いつ病気が出るかわからぬような兵舎に入れておくということは考えものだと思う。もう少しそういう点では留意していいのではないか。あまり環境が不衛生的です。暗いです。そういう中にいろんな問題が起こるのは当然だと思っているのです。たとえば大分県の、例の百五十人か何人かを片っ端からなぐったというふうな問題も出てくる。皆さんが武器をおつくりになる、早いジェット機をおつくりになる、いいでしょう。しかし、そういうお金を捻出する折衝と同時にいわゆる生活環境を直してあげるというふうな気持が、もっと出てこなければ私はうそだと思うのですよ。生活環境が悪くて、優秀な精神を持てといってもいかぬ。世の経験者は言うわけです。社会が乱れていて道徳が確立されるわけがないとよく言う。あなたは折衝の過程の一番の中心になってやっていると思うのだが、こういう兵舎改築、あるいは彼らに対して福祉施設として書籍なんぞをそろえてあげる、こういうふうなこと、それから聞きますると、これは人事課長の方がよくおわかりだろうと思うんだが、例の赴任旅費等の問題につきましても、これは前の既得権がとられている、そういうふうに聞いております。これは普通一般の公務員であれば、これっぽっちの既得権でもとられるときは、世間がごうごうとなるほど彼らは示威運動をするわけでしょう。兵隊さんの場合は、残念ながら一本の命令でいや応なしに——異議申し立てを許さぬでしょう、許さぬですね。赴任しなければならぬ。その兵隊さんの実態を見ますると、四国、九州が多いじゃございませんか。九州の人が千歳へ行っている。こういう点。こんなささいなことをカットさせておくというような体制、これはいかぬです。それから子供を持った人たちの赴任の場、高校転入なんかの場合ではかなりな支障を受けていると言っているのです。こういうようなことを見てやっているのですか、見てやらぬでしょう、あなたの方では。そういういわゆる生活条件をよくしないで、いろいろなきついことを言っても私はいかぬと思う。私の方で調査してもらった中で、世帯持ちの方々で住宅を持っていないのを、普通の地方公務員あるいは公務員の出先の方々と比較した表をちょっともらっているのですが、それを見ても、まことに貧弱な、役所は新しい役所ですから、無理はきかないわだけと思うのだが、それにしてもどうも施策が貧し過ぎるじゃないか、こういうことをもう少し皆さんの方で検討して見て、予算をつくるという必要があるのでないか。中共は原子爆弾をつくりそうだから、おれの方でもつくられなければならぬというふうな、そういうところだけの思いつきは、日本の今の立場からすればほめたことではないと思う。今度の予算折衝——予算折衝というよりも、省議として大体固まっているわけでしょうが、こういう福祉施設、給料等の問題について、前年度よりは進歩していますか。

上田克郎防衛庁参事官(経理局長)

○上田説明員 経理局長からお答えいたします。  まず、隊舎の問題でございますが、先生御指摘のように、あれじゃいけないのだ、もっと改善してやらなければならぬというところは多いようでございます。ただ、予算の使い方といたしまして、なかなかそこまで手が回らないというのが実情でございまして、極力それに努力いたしております。たとえば今年度は約七億とちょっとを隊舎の改築に使ったわけでありますが、三十八年度の予算要求といたしましては、九億三千七百万円という二割以上の増加を一応考えております。人数といたしましても、今年度が四千四百二十人分の予算を得たのでありますが、来年度は六千二百六十人、そういうふうな予定をいたしております。隊舎の老朽度につきましては、建設本部——現在施設庁に変わりますか、建設本部を通じまして三十七年度に全体の検討をして、どの程度まで悪くなっているか、どの程度から手をつけるべきかということをもっとよく調査しようということで、現存調査実施中でございます。三十七年度末に至りますれば、さらに現状の把握がはっきりとするだろう、そう思っております。私たちの気持といたしましては、二次防の終了いたします四十一年度までに約三万人分の新隊舎を建設いたしたい、そのような考え方をして現在行っておりす。われわれとしましても、できるだけ士気の高揚をはかるためには、ここで申し上げますいろいろな施策もそうでございますが、施設環境を整備してやるということは、きわめて大事なことだというふうに考えておる次第でございます。  それから旅費の問題でございますが、先ほど御指摘になりました帰省旅費の既得権の問題につきましては、実際上三十二年度以降の方には募集の条件としてそういうことを言っておりませんので、この方の既得権問題はなかろうかと思うのでございますが、それ以前の方については、考え方によっては既得権ということになろうかと思います。われわれとしましては、予算をやりくりいたしましてできるだけの努力をいたしますと同時に、予算要求といたしましては、その三十二年以前にお入りになった方で、既得権と申すのはどうかと思いますが、期待されておられますそういう旅費につきましては、できるだけ予算をいただきたいと思いまして、その要求をいたしております。今年度に比べすと、今年度は約二千七百万円くらいをいただいたのでありますが、今度は六千二百万円くらいを要求する、約二倍の要求をするというような形で、大蔵当局に要求している次第でございます。  なお、赴任旅費につきましては、三十七年度は五億五千五百万円でございますが、来年度はさらに増加いたしまして八億五千万円ほどの要望をいたしております。その中には、先ほどちょっと御指摘になりました、従来旅費が不足いたしますので、なかなかめんどうを見られなかった、営内居住の士以下の方が奥様あるいは子供様と一緒に赴任される場合に、できるだけその旅費も見たいということで、新たにそういった赴任旅費の増額を折衝しているような次第でございます。  なお、官舎でございますが、これも御指摘のように、実はなかなか官舎の充足も意にまかせないのでございますが、本年度は六百戸を予定しておりましたのを、三十八年度には千三百戸を要望いたしております。これによりましても決して十分とは申しませんけれども、われわれとしましては、できるだけこういったいわゆる兵隊さんたちの生活環境を整備して差し上げるということに努力しておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私も大阪の部隊の方をちょっと聞いてきましたのですが、ここでは住宅の権利金等は十万円くらいかかかるのです。妻帯する、営外居住したいとうのは人情でしょう。そうしますと、お金がない、お金がないからせんだってここの委員会で問題になったように、北海道の千歳みたいなところでは、無理を言って権限獲得運動をするという傾向になるわけですね。ですから、私は、質素に生活をして守られる限度というものはやっぱりあると思う。それ以上の限度を押えると、それは変な形で潜行し、たとえば自衛隊の連中は横暴だというような言葉にもなるでしょうし、そういうことのないように、やっぱり新予算獲得の折衝をする場合には、愛されるという言葉があるとするなら、そこら辺から改めていかなければならないのじゃないか。人の権利を横取りするなんということではしようがない。そういうことのないように、これはあたりまえのことなんだけれども、やった方がいいという考え方です。  それから武器の価格等を最近調べてみますると、これはインフレからデフレに変わってきているといいながらも、武器は特殊過程を経ているものですから、どうしても割当にならざるを得ない。まだ量産に乗せ得ないから高い。ですから、武器を一つ買うと三億、四億、船で七十億というふうに、巨大な額になるわけなんで、これは戦略、戦術上どうしても今年度も用意しなければならぬというものもきまっている。だからといって、そこだけが中心的なものじゃないと思っているのです。乗り組む人、それを動かす人、性能を発揮さす人というのは、自衛隊の人々それぞれの個性が発揮されなければできない問題です。それが環境がよくなくて、危険な住居だというふうになれば、これはやっぱり考えざるを得ないのではないか。特に普通寺の場合は、私がこの前見て、今回行ってみてもあまりかわりばえがしておらぬ。あまりけっこうなことじゃないと思います。委員会で一生懸命発言して教育しておるのだけれども、変わらないところを見ると、結局だめだということなんだ。そういう点ではやはりわれわれの意見も尊重してもらわなければ困る。官房、私の言わんとしているところはわかりましたか。今年度はなんぼ超過か、去年より二百なんぼですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 前々から石山先生のそういう点についての御意見は、私は全く同感でございまして、われわれはほんとうに二十数万の若い子弟を親や兄弟から預かっているという気持で管理をしていかなければならないと思います。隊舎の問題など非常に大事な問題であると思います。ただ、今もおっしゃった通り、武器等も必要なのでございまして、そことどう調整さしてやっていくかということが非常にむずかしいのでございまして、ほんとうはどっちもやりたいのです。なかなかそうもいかないものでございますから、今また御意見をいただくようなことになりまして、はなはだ恐縮に存じておるわけでございますが、とにかく努力はしております。ことに官舎の問題につきましては、今も経理局長が申しました通り、あとからできました役所でございますから、なかなかほかの役所ほどいかないのでございます。何とかこれを馬力をかけてやりたいということで、今までは毎年六百戸という予算のワクをもらって追いついていっておったのですが、それでもいかないというので、三十八年度は新しい考え方を立てまして、千三百戸の予算要求をしようということでございますので、はなはだ実らない点は申しわけないのでございますが、努力をしておることは御了解願いたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 これで終わりにしますが、教育、訓練、これは若い世代には必要なことと思いますが、規律を尊重する、訓練を強化したいというためになぐるというふうなことでは、やはり昔と同じになっちゃうのです。考える兵隊でなくなっちゃうのです。自己の能力を発揮する兵隊でなくなる。なぐられるから、おっかないから、命令一下やる。これでは天皇の兵隊の昔と何も変わりないと思います。これは、処分したというふうに新聞では報じておりますけれども、この二尉が処分されただけで問題は解決しないと思います。私はそれぞれの視察した部隊に行って聞いておりますけれども、今の若い者はうまくないかと聞いたら、いやそうじゃないと言っておるのです。納得させるには少しく時間がかかるけれども、納得すればわれわれの世代よりももっと能力を発揮すると言っておるのです。そうすると、はたくということは、逆に言うと、教育上から見れば、非常にいかぬということになる。それに対してどういうふうに示達をしておるか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 この問題につきましても、前々から御意見をいただいており、私どもお答えを申し上げておるわけでございますが、おっしゃった通り、私も、旧年の兵隊を訓練して、今また新しく自衛隊の訓練に当たっておる君たちの話を聞きましても、納骨をすればよくやるというのです。ただ、納得に時間がかかる、いろいろ意見を主張しますから。これはまたいいところでありますけれども、納得するには時間がかかる。一ぺん納得すればほんとうによくやる。決して前より悪いということはないというふうに経験者が申しております。私もそうであろうと思うのです。今まで十二年間、その点につきましては特別に注意をいたしまして、あくまでもなぐったりするようなことがないようにということで指導はして参っており、また昨年六月には、御承知だと思いますが、「自衛官の心がまえ」というものが制定されまして、その「自衛官の心がまえ」を基本にいたしまして隊員の教育をやっておるわけであります。私は十二年間予備隊以来おりますけれども、今度の別府の事件のようなことは、前に創設の当初一問舞鶴かどこかであったように思いますけれども、全然なくて、しかも、先ほど御披露しましたような経験者の話もあり、うまいこといっておると内心は喜んでおったのに、今度のこういうふうな事件が起こりまして、非常に残念に思っておるわけでございます。これを機会といたしまして、さらにそういう点の心配のないように、自衛隊全体を督励をしていくようにしなければいけないと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 これは大臣等が来たときにほんとうは質問した方かいいと思いますが、手続上質問しますが、たとえば日韓会談が差し迫って、だんだん進展する方向だというふうに世間では言っておるわけですが、そうすると、前にも問題があったように、自衛隊が韓国軍の指導というふうな問題がまたぞろ出てくるのではないか。指導というのでなく、観察調査という名前で、駐在武官を置くという心組みが皆さんの中にあるわけですね。そういう場合には、国会の了解を得るというふうな立場をとる場合があり得るわけですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 これも御承知かと思いますが、現在防衛駐在官をたしか七カ国に出しております。これは外務省の職員の身分で行っておるわけでございます。兼ねて自衛官を兼務さしておりますから、本来の身分は外務省の職員でございます。従いまして、新しく防衛駐在官を置く場合には、外務省の方の職員の要求となって国会の御審議をいただくわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 その場合には、出向という形をとって、自衛官ではなくなるわけですね。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 外務省に出向させまして、大使館の一等書記官、二等書記官というふうになり、兼ねて一等陸佐あるいは一等海佐というふうな形にいたしております。

石山權作日本社会党

○石山委員 そこへ出す数はどのくらい想定しておるのですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 現在の防衛駐在官は、御承知だと思いますが、アメリカに三名、ロンドンに一名、パリに一名、ボンに一名、ソ連に二名、トルコに一名、タイに一名、これだけでございます。新しい要求は、今申し上げました通り、外務省職員の要求となって現われるわけでございますので、外務省の方にわれわれの方から申し出て、向こうで決定されるということになるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 そういう場合の予算措置は外務省の負担になるわけですか。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 その通りでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 問題にならない前に問題になったような言い方をすればまずいと思いますけれども、われわれが、たとえば日韓問題をそんなに急いじゃいかぬ、もう少し待てとか、いろいろなことを言っているのは、日本の自衛隊等を通じて、たとえば韓国、フィリピン、台湾、日本、そういうふうな軍事同盗みたいな格好ができることをおそれているわけなんです。ですから、駐在武官というのは、そういう意味で一つのコースをたどるという現われを示すものだ、こういうふうに思っております。ですから、こういう点に関しましても、今後とも問題が明らかになってくれば、われわれもどうにもしますけれども、さっき申し上げたように、遠いところに起こった問題でも非常に反応性が早いし、戦時体制をしくに非常に積極性を見せている現状を見ますと、海外に駐在武官を出す、特に韓国などに出す場合は、われわれとしては、そうかというふうに簡単に見のがすような事柄でないというふうに考えております。お出しになる場合につきましても、十分に考慮をしていただいてやらなければならない問題ではないか。私は、海外に自衛隊を動かす場合はもっと沈着であれ、戦時体制をしく場合にはもっと冷静であれということを、この際強く、キューバ等の問題を見て感ぜざるを得ないわけなんです。きょうは大臣がおりませんから、そういう政治論みたいなことはお互いに困るだろうと思うので、あまり話しませんけれども、皆さんが話し合う場合には、私などはそういう意見を持っておるということを一つ脳裏に入れながら、こういう問題を処理していただきたい、こう思っております。

緒方孝男日本社会党

○緒方委員 今の問題に関連してお伺いいたしますが、これはちまたの単なる風評であるか、またはうがった見方であるならばけっこうなんですが、日韓会談を進める上において、今年中には防衛庁としては日韓会談が締結されるであろう、その締結の上に立って日韓の軍事協調を強めていかなければならない、その一環として、防衛庁としては、韓国に日本自衛隊の何名を出すかは別として、駐留武官を派遣するような方向に動いておるし、そのために、韓国の兵舎の一部を借り受けて、それを修築するための予算をあなた方は今要求しておるというふうな話が、何かの形で私は聞いておるが、そういうことは全然なくて、単なる外交官の資格でもって一、二名の人間を出すという程度のものなんですか、その点をはっきりとしておきたいと思います。

加藤陽三防衛庁参事官(長官官房長)

○加藤説明員 ただいまお話しになりましたように兵舎を修築する予算を出すとかということは全然ございません。

緒方孝男日本社会党

○緒方委員 ないとすればけっこうです。それはそれでいいのですが、さっきの別府事件、あれはまことに不幸な事件であって、他にはそういう例はない、こういうふうに強調される。一つ心配があるのです。別府の事件もけが人が出て、もみ消しをしながらも、病院に行って診断を受けたために、とうとうこれはもみ消しができなかったという経緯が私たちは察知される。私は、単に不幸な事件が表に出たから該当者を処分したというだけのものであって、表に出ないものが各所にありはしないかという一つの不安を持ちますが、そういうことはありませんか。

小野裕防衛庁参事官(人事局長)

○小野説明員 ただいまの別府の事件でございますが、ほんとうに遺憾なことでございまして、もみ消しというようなお言葉もございましたが、そのようなことはなかったと思うのでございます。土曜日の晩のことでございまして、月曜日にはっきりしたわけでありますが、百五十人も関係しておりますことがもみ消せるものではございません。しかも、日曜日は外出もございますし、また、近所、隣の小隊の者も多少はその気配は知っておったであろうと思うのであります。もみ消すつもりはなかったのでございますが、ただ、あの状態がそれほど凶悪な、残忍な状態ではなかった。そういうことで、その責任者である小隊長、区隊長でございますか、本人がそこで済んでから、さあ、しまった、これは悪いことをした、済まぬと言ってあやまりました。また君たちもおれの言ったことはわかっただろう、気をつけろ、そういうことで、非常に円満と申してはおかしいのですか、そういうことがあったあととは言いながら、あとはスムーズに解散をした、解決をした。そういうことは、それほど悪い状態でなかったということであろうと思うのでございますが、しかし、それにしても、そういうことが聞こえないはずはない、もみ消すということはあの場合なかったと思います。ただ、そのほかに、わからないで済むようなケースがあるのではないか、この点につきましては、あるいはそういうことがあってはならぬということは考えます。最近数年間の統計でございますが、一応少なくとも表に出て正式の処分を受けております件数は、年々五件ないし十件ぐらいございます。ただし、これは一対一の関係で直接制裁を加えるというようなわけでございますが、こうしたものは十件足らずのところここ数年続いておりまして、これは厳に戒めておるのでございますが、これはけがをしたというような場合でないものもやはり措置されておりますので、隠すということはまずないだろうと思うのでございます。ただ、全然わからないで済むものは絶無である、そこまでは申し上げかねますけれども、こういうことについては厳重に戒飾を加えている、教育を加えているということについては御了承をいただきたいと思います。

緒方孝男日本社会党

○緒方委員 これは追及するつもりで言っているわけじゃないから、簡単に切り上げますがあの事件を見ても、たしか兵の一人が笑ったということにかんしゃくを起こして、みんなを並ばしてたたき合わせた、こういうことになっておる。笑ったくらいな、感情の一つでそういうことが行なわれていいものかどうかということが、非常に問題なんですよ。それは隊員が命令に従わなかったとか、あるいは規定の時刻におくれて、既定の何ができなかったという場合に、多少何かあったという何らかの理由があっても問題にすべきであるにもかかわらず、一人の隊員が笑ったから全員集めてなぐり合うというようなことをやっていいものかどうか。そういう現象から見ると、この隊内にそういうことがまだ日常茶飯事のごとく行なわれておる節があるのではないか。ただ、これが鼓膜を破って病院に行って診断を受けなければならなくなったから、やむなく処分をしなければならぬという事態になったというふうに世間は見ている。こういうことは全然ないというふうにわれわれが信頼していいものかどうか、もう一ぺんその辺を聞かしておいてもらいたい。

小野裕防衛庁参事官(人事局長)

○小野説明員 そのようなことは、一般的、全体的にはもうないというふうに御安心をいただきたいと思います。ただ、こうしたことが起こっておるのでありますから、絶無である、絶対にない、そこまでは申し上げられませんけれども、全体としてはまずない、起こればまことに遺憾なる例外的な事案である、このように御信頼いただければありがたいと思います。

緒方孝男日本社会党

○緒方委員 最後ですが、私、名前も忘れましたが、その責任者はどういう処分をなさっているのですか。

小野裕防衛庁参事官(人事局長)

○小野説明員 その区隊長は若い二尉でございますが、名前は控えさせていただきますが、停職二十日という処分をいたしまして、転勤を命じました。なお、監督者として、第三教育団団長以下直系の監督者四名に対しまして、減給または戒告の処分をいたしました。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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