内閣委員会 第7号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/29
会議録
○岡崎委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、委員長の指名により、暫時委員長の職を勤めます。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審議に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山内君。
○山内委員 あるいは大臣の方からごあいさつがあるかもしれませんが、初めて大臣とお目にかかりますので、御就任に敬意を表したいと思います。 さて、ただいま議題となっております農林省設置法の改正案は、前回の国会におきまして御提案のおくれたことと、その他の議案の審議のからみ合わせで、とうとう審議に入らないままに今日に至ったわけであります。この内容は非常に多岐にわたるものでありまして、こういう会期の短い臨時国会においては、実は扱うにふさわしくない、通常国会の十分な会期のある間において深く検討されなければならないものだ、こう思うのでありますが、その点においては、私はなはだ遺憾に思うわけであります。そこで、今申し上げましたような理由で、どうしてもこの御提案の基本的な考え方からお尋ねしておく必要があるわけであります。 この提案理由を拝見いたしますと、冒頭から、内部部局として園芸局を新設するということから始まりまして、今回の設置法を改正する基本的な考え方においては一言も触れておられないわけであります。この点をぜひお伺いしたいと思います。特に焦点を合わせて御回答をいただきたい点は、大臣もちろん御存じの通り、今臨時行政調査会において、これら各機構について手を染めておるわけであります。川島長官は非常に精力的に仕事を進めておるようにお見受けしますし、かつ、こういう部局の廃合、新設、課の新設あるいは定員の増、そういうものについては、この調査会の答申を待ってやる、それまでは押えるという方針で臨まれておる。ところが、この農林省設置法だけがどうしてこういうきびしい行管の了解を得て、こういう広範な改正を提案できたか。また、それだけに理由があるならば、その点を明らかにしていただきたい。この点について、もし行管の政府委員がおいでになりましたら、あわせて行管の考え方もお答えいただきたいと思います。
○重政国務大臣 今回の農林省設置法の改正案の趣旨は、御承知の通りに、日本は北は北海道から南は鹿児島までございまして、各地域々々の経済条件、立地条件というものが非常に異なっておるのであります。これを東京で一律に行政をやっていくということは——従来からもちろん各地方の実情というものを十分に調査もいたし、また、それを考えてやっておるのでありますけれども、何と申しましても、細長い北海道から鹿児島までの間のことを十分に調査をいたしまして、適切な農林行政の実行運営を期することは、もう先刻御承知のように、必ずしも十分でないという点があるわけであります。そこで、ことに今回農業基本法が制定せられまして、その線に沿って農林行政を実行いたしていくということになりますと、どうしても各地域の実情に即した農林行政を実行いたさなければならぬと考えまして、この地方農林局の設置ということが考えられたのであります。園芸局と本省の機構も変えることになっておりますが、これらは御承知の通りに、成長部門に属します園芸につきましては特に重視をいたさなければならぬ関係もございまして、これを新設いたすことにいたしたのであります。その他、局の廃合整備というようなものも、いずれも農業基本法に沿った農林行政を実行する上におきまして、きわめて必要なことである。たとえば課の設置にいたしましても、出産資材、必需資材である農業用機械器具については、まだ課の設置がなかったのでありますが、すでに農芸についてはあり、肥料もあり、飼料もあるというふうで、農業用機械だけがなかったので、これを新設いたしまして遺憾なきを期する、こういう建前でこの農林省設置法の改正案を今回出したような次第であります。 それから、行管との関係についてのお話でありますが、これはまた行政管理庁の方から御答弁をしていただく方が適切かとも思いますが、一面には、あの行管においていろいろ検討しておられるのは、二、三年後にその結論が得られるというようなことにもなっております。従って、これはずっと先の話になりますので、私どもの方は一日もすみやかにこういう改正をしていただいて、実情に合う農林行政をやってしきたい、こういうように考えておる次第であります。 なお、これは人員の増加等は一切いたしておりません。現員を調整配置がえをいたしましてその目的を達しよう、こういうつもりでおるわけでございます。
○山内委員 行管の御回答はまた向こうが見えたときにしてもらうことにします。 ただいまの大臣の御説明によると、いろいろ地域には特殊の事情があるのだ、南北長い日本でありますから、それは私どもわかります。そこで、そういう地域の特殊性に即応するような体制をおとりになる、このことが地方農林局を設置する理由だ、こういう御回答なんですが、これは私逆じゃないかと思う。もう一度あとで地方の都道府県との関連において、そういう地方自治体と地方農林局との関係については、あらためて深い議論を進めてみたいと思います。 ここで今大臣から重大な御回答があったわけですが、農業基本法に基いて、その実現のためにこういういろいろな機構改革をやるということなんですが、私どもは実はあの農業基本法には反対いたしました。その反対の理由が、今回の機構改革というこの形に、私ども心配した点に落ちてきたという、この点が非常に重大だ。この点もあらためて後ほど質問いたしたいと思います。 そこで、園芸局をまず提案理由の最初にうたっておるわけですが、なるほど高度の技術も必要であり、管理も必要なこういう園芸というものを、今までの普通の蔬菜だけに依存しないで、こういうところに指導をされるという思いつきは、私は大へんいいと思う。ただ、園芸局を作るということが、はたしてどれだけ農民の生活を向上させ、そして安定した経営ができるか、そのことを考えますと、私は非常に心配な点があるわけです。これは理屈で言うよりも、実例で私申し上げておきたい。実はきょう質問しようと思って、ゆうべ新聞を見ておりましたら、きのうの毎日新聞の経済欄から拾った記事なんですが、最近リンゴが一箱で四百五十円も下落した。平均は千百円、それが四百五十円もこの二十日ごろから値下がりになってしまった。千円そこそこのもので四百五十円と言えば、もう大暴落です。実は私の知っている者も、もうリンゴの経営は成り立たぬと言って、この仕事を放棄した親戚の者もあるので、若干事情を承知しております。そういうことで、すでに振興局が手をかけているこういう果樹の価格すらも安定ができない。今度園芸局ができまして、こういう消流対策について大臣はどういう考え方で指導され、そしてこの園芸局を維持し、これを消費者の側からも生産者の側からも喜ばれるような安定した指導をされるつもりか、特にこの四百五十円の暴落について理由も書いておるわけです。ところが、この理由に至っては、実に私憤慨にたえない。その理由を見ますると、二十二、三日と果物小売店の休業日が二日続いたので暴落したと書いてある。それからあのとき台風が吹いてきたので、客足が渋ってあまり売れなくなったとか、こんなことです。こういう価格が不安定な形において、どうして高等の果樹の価格の安定ができるか。この点については、農林省は今までどういう努力をされておるかわかりませんけれども、結果的には何ら手をかけていないと私に言われてもしょうがないのじゃないか。今度の新しい園芸局に対しては、大臣はどういう御指導をお考えになっておられるかを聞いておきたいと思います。
○重政国務大臣 実はその新聞記事は私まだ見ておりませんが、今お述べになりましたような理由で暴落したものであるとすれば、これは間もなく回復するものと私は思いますが、そうでなしに、非常に生産が過剰になって、そのために暴落をするというようなことでありますれば、これはそう簡単には参らぬと思うのであります。しかし、非常にリンゴが生産過剰になって産地で暴落をしておるということは、私まだ耳にいたしておりません。問題は、園芸局を設置いたしまして、果樹につきましては、専門に一つ生産から販売に至るまでの間を合理化をはかっていく、ことにただいま御指摘の点は、価格安定の問題だろうと思うのであります。リンゴについてはまだいたしておりませんが、本年から始めましたのが、御承知のタマネギについての価格安定の対策でございます。これらの実績を見まして、漸次果樹につきましても、価格の安定の対策を推し進めていきたい、こう考えておる次第であります。園芸局ができますと、果樹について、ろむん品目別でありますが、供給の状況、さらには需要の伸びの程度等も詳細に専門的に検討ができて、そうしてそれらのことを産地にも通報ができる、こう思うのであります。さらにまた、市場の流通機構の合理化は漸次いたしつつあるのでありますが、それと同時に、出荷の調整ということも、専門的に各市場の出荷の状況を見て、これを産地側に伝えていく、通報するというような制度も採用をいたします。そうして価格の安定をはかっていきたい、こういうように考えておるわけであります。
○山内委員 将来の価格安定の問題などは、大事なことではありますけれども、一応直接設置法の改正には関係のある部分も薄いようですから、これについての議論を深入りしょうとは思っていません。ただ、今大臣の御答弁の中から大事なことは、生産過剰の問題を言われておるわけです。現在の日本の果樹の需給関係は一体どうなっておるのか。特に私こういう考え方を持っておるわけです。常に作物が非常に豊作であると、もういつまでも価格がたたかれる。ところが、大臣もあるいは御承知かと思いますけれども、すぐ日本海をはさんだ向かい側の共産圏の方では、果物とかバレイショとかタマネギとかいう価格の不安定な物資の購入を非常に欲しているわけです。今度ソ連に行かれた河合団長以下どういう御報告があるか知りませんけれども、おそらくこれも考慮して、シベリア開発というものの結びつきの中で果たすこれらの農作物というものが、相当重視された報告が出るのではないかと私の想像しておる点であります。そういう意味で、ちょっとこれは質問からそれるかもしれませんが、共産圏と果樹関係農作物の交流関係をどうお考えになっておるのか。国内消費だけの果樹であったらもうすでに飽和点に私は達しているのではないかと思う。従って、貿易というもの、特に共産圏との交易を考えずには、この日本の園芸も成り立たない、私はこう思うのですが、いかがでございますか。
○重政国務大臣 私は、果樹については、実はこういうふうに考えておるのであります。日本人の果樹消費量というものは、御承知の通り、まだ欧米諸国に比べますと半分にも満たないのであります。三分の一ないしは半分以下の消費であるのであります。われわれ国民の消費の面から申しましても、私どもが荒っぽい推算をいたしましても、まだまだここ十年やそこらの間は、現在のような果樹の増産の趨勢で参りまして、生産過剰になるとは私は考えないのであります。 貿易につきましては、これは非常に大切なことでございます。現にミカンでありますとか、ミカンカン詰というようなものは、相当海外に輸出せられておるのでありますが、御承知のように、本年はミカンの値段が非常に高いので、そこでカン詰の原料にすることができないというので、カン詰の輸出数量も激減したというような実情もあります。でありますから、私は、この果樹はできるだけ生産のコストを下げて値段を安くして、その消費を大いに国内においても増進する、また輸出におきましても、できるだけ生産の合理化をはかって値段を安くするということが第一である。そうして消費を増大し、輸出を増加するということが、将来向かうべき方向であろうと私は考えるのであります。ソ連貿易についてただいまの御指摘でありますが、もとは御指摘の通りに、日本のミカン、リンゴその他のものが、あの朝鮮を通ってソ連には相当出ておったわけでありますが、今日は御承知のような状況で、そういうふうになかなかなっておらないというのが実情でありまして、日ソの貿易が漸次拡大する機運になりますと、御指摘の通り、リンゴ、ミカンというような果樹というものの対ソ連の輸出というものは、私は相当に期待をいたしていいものである、こういうふうに考えております。
○山内委員 これは事務的なことですから、官房長からの答弁でいいのですが、今度の園芸局の人的構成はどういうふうに配置されるのか、その点を明らかにして下さい。
○林田政府委員 現在振興局におきまして園芸関係の事務を所掌しておるわけでございますが、特に今回の園芸局にあたりましては、技術者を専門分化いたしまして、できるだけふやしていきたいというふうな考え方を持っておりまして、現状におきましては、技術職員が二十八人でございますが、それを三十九人相度にふやしていきたい。それから現在種苗の検査をいたしておりまして、これが三十六人でございますが、これはそのままにいたしまして、三十六人でやっていく。そのほかに、流通問題とかあるいは加工の問題を十分意を用いていきたいというふうな考え方から、事務職員も、流通問題を果樹、蔬菜、そういう場面に相当置いていくというような考え方を持っておりまして、全体といたしましては、百三人ぐらいの定員にしていきたいということを考えております。
○山内委員 先ほど大臣は、一名の増員もないというふうに言明をされたのですが、これは全部今度の機構改革をならしてあるいはそうなるのかもしれませんけれども、どうもいただいた資料だけではかってみますると、かなりの増員になるように私は計算をしたのですが、この点は間違いありませんですか。今の園芸局だけ考えましても、二十七人か二十八人ぐらいの増になるわけです。その点を……。
○重政国務大臣 これは配置転換をいたします関係上、ある部局では減る、園芸局のようなものはふえる、こういうことになるわけであります。全体といたしますと、例の常雇いを定員化するという問題がございますので、その分が九百十人ふえることになっております。でありますから、全体といたしましては、その分を除けば、配置転換によってまかないをつける、こういう方針でおるわけであります。
○山内委員 そういうことだろうと私も想像はできますが、今の常勤の定員化については、またあとでお尋ねいたします。 そうしますと、結局この園芸局というのは、現在の振興局の持つ課のほかに総務と経済の二課がふえる、こう理解していいわけですね。それで二十八名ふえるわけですね。
○林田政府委員 そういうことであります。
○山内委員 それでは次に、農政局の問題で若干お尋ねしておきますが、この振興局から、さらに農林経済局の企画あるいは農業協同組合の指導行政の仕事が移管されて、今度農政局と名前も変わったわけですが、これは名前を変えなければならない理由はどこにあるのですか。
○重政国務大臣 農政局と名前を変えた方がいいというふうに考えましたのは、農林省の分化の全体をごらんいただきますと、ただいま御指摘になりました園芸局がある、あるいは畜産局があるとかいうふうに、農林省の分化は縦割が多くなっておるのであります。それを総合的に農政局において調整をするといいますか、そういう仕事も農政局にやらすという建前から考えますと、農政局という名前の方が、農政全般についての調整というような意味もありまして、その方が妥当であるかとも考えます。
○山内委員 どうも全般的に見回して、無理に、あとからお話の出る地方農林局を置くために、仕事の同じ内容のものを入れかえを相当にやった、そのために業務のアンバランスが相当出てきたのではないか、そういう点もちょっと危倶される点があるわけです。けれども、そのことはあまりこまかくなりますし、私も見ただけでは、あまりに大きな部と課を持っておりますので見当がつかないのですが、この振興局を農政局に変えたということは、今の大臣の御答弁では、縦割りで業務をやっているので、名前がふさわしいからという御答弁ですが、単にそれだけでわざわざ名称を変えたというふうにもちょっと受け取れないのですが、これは事務的な方の御回答でけっこうだと思うのでありますが、いかがですか。
○林田政府委員 ただいま大臣から答弁されましたように、今回の設置法改正にあたりまして、中央におきましては、やはり消費構造の変化に対応いたしまして、できるだけ専門分化していきたいということを一方において考えまして、従って、園芸局を新たにつくる。従って、園芸局とかあるいは蚕糸局、畜産局というように、専門分化されました農業生産の各局があるわけでございます。そういう各局の専門分化された事務を、もう一度農業経営を行なうものというような見地、農業経営の見地から把握いたしまして、そうして農業の構造改善を進めていくという必要がございますので、従来振興局というように単に振興という名称を用いておりましたのを、農業全体として農政局に把握していくというような考え方をもちまして、農政局という名称が適当であろうというようなことから、変えるように考えた次第でございます。
○山内委員 名称の問題に今こだわりません。 では次に、農林経済局なんですが、この中に大臣官房から移管されておるところの仕事で、国際協力関係の事務というのがありますが、これは具体的にどういうものか、その内容をできたら詳しくお示しをいただきたいと思います。
○林田政府委員 現在大臣官房におきましては、コロンボ・プランとかあるいはFAOの関係とかいうように、特に後進地域の開発のような場合におきまして技術援助をして参る、あるいは国際諸国における協調の問題とか、あるいは賠償関係の問題とか、そういうことを、大臣官房の参事官室をつくりまして、そこで所掌をしておるわけでございます。ところが、今後においては、技術援助が相当大規模になって参りまするし、また国際協調の事務がいよいよ多くなってくる、そういうことから、今度農林経済局におきましては、農林経済局を従来の考え方から——国際経済とかあるいは農林と他の産業との接触とか、そういうふうな面から、農林経済局を構成しようというようなことを考えました。従いまして、大臣官房の国際協力の事務を農林経済局に一元化して、そこでなお拡大して行なっていきたいというような見地から、移すようにしたわけでございます。
○山内委員 こまかいことは抜きにいたしまして、それでは次に、地方農林局についてお尋ねしておきたいと思います。この地方農林局の考え方は、先ほど大臣の大答弁にもありましたが、これは行政全般に及ぼす影響が非常に大きい。特に都道府県あるいは市町村、こういう地方自治体との関係というものは、非常に私は影響が大きいと思うのです。この地方農林局の設置というものが、地方自治法との関係で、違法の問題が起こらないかどうか。地方自治体の権限を侵害するとか、あるいは地方自治の確立を保障されている憲法下において、政府のこういう出先機関の権限拡充というものは、これは逆行ではないか。そういう点を非常に心配するわけです。この点について十分これから議論してみたいと思うのですが、まず、この点で大臣及び官房長から御答弁いただきたい。
○重政国務大臣 ただいまの御指摘の点は、実はそういうふうにならないのであります。今回の地方農林局を設置いたしますことは、先ほどその理由は申し述べた通りでありますが、地方自治団体との関係は、従来と何ら変わるところはないのでありまして、地方農林局には大幅に法律上及び予算上の農林大臣の権限を移譲をいたしまして、その地方的、地域的な行政の執行を地方農林局でやれそうというのであります。国の事務を県及び町村に移譲をいたしておるというような問題は、もう全然これは手をつけないわけであります。農林大臣が法令上持っております権限を大幅に地方に移して、そうして地域的の行政の執行をやらす。大体本省と地方農林局との関係は、本省におきましては政策の企画立案及び予算、法律というような全般的なものをやることにいたしまして、執行面におきましてはできる限り地方農林局に移譲をいたすつもりでおるのであります。しかし、それはあくまでも農林大臣の現在の権限の範囲内においてこれを移譲するというのでありますから、これは都道府県及び町村には影響はないと思うのであります。それに反してむしろ、府県等は非常に便益を有することになると思うのであります。と申しまするのは、果樹にいたしましても、主席地形成というようなことをやる場合におきましても十分でないということが私は多かろうと思います。地方農林局がありますと、地方農林局が専門的にその管轄府県の生産の事情等を十分に常時から調査をいたしておりますので、そういうような報告であるとか、あるいは統計その他についても、府県は非常に便宜をされることと思うのであります。
○林田政府委員 ただいま大臣から仰せの通りでございますが、なお、若干補足させていただきますと、大体中央と地方の権限配分の原則といたしましては、企画的な事務は中央にいたしまして、実質的な事務は地方農林局にするというような考え方を基準にしております。それで、中央に留保される事務としましては、食糧管理あるいは国有林、そういう事務がございまするが、その他の専務につきましては、できるだけ地方に大幅に権限を移譲するという見地で考えておる次第でございます。
○山内委員 これは、私、遺憾ながら大臣と非常に見解を異にいたします。むしろ府県が喜ぶ、こういうお話なんですけれども、確かに企画、立案というものは本庁で押えて、実施面は地方にやるということは、これは何も農林に限ったことばかりではない。どこの部局もそういう考え方に立たなければならない。こういう地方農林局を新設するよりも——しかも、この地方農林局として今後やっていく仕事の内容を見ますると、政府の方針さえきまれば、ほとんど全部が都道府県に移譲してしかるべきものであります。何のためにこの地方農林局という中間のものを設けて、ことさらに機構を複雑にして、そうして都道府県に移譲すべきものをここで押えておくかということに、私は非常に不満がある。私、このいただきました資料によって今度の地方農林局の内容を見ますが、ほんとうにさっき申しました通り、地方の都道府県知事に移譲してしかるべきものがたくさんにあります。できないものが何かありますか。これは官房長事務的にお答えになってほしいと思うのですが、やる気ならば、地方農林局というものをつくらぬで、地方自治体に、公共団体に移管した方がいい。そのことがかえって地方自治の確立であり、日本の民主主義の政治のあり方はそうあるべきだ。かえってこういう中間のものを設けたために、非常に業務は複雑になる。多少それは、東京まで来て陳情、請願する市町村長さんの労力は、今度は地方農林局の所在地に行けばいいんですから、その点では便利で、近くなって喜ぶかもしれませんけれども、それ以外においては、それほど大臣が勇断をふるってお考えならば、私は、むしろ思い切って、この際都道府県に移譲すべきものだと思いますが、この点いかがですか。
○重政国務大臣 山内先生のお考え、一応聞かれる話であると思うのでありますが、しかし、たとえば現に地方に農地局がございますが、この農地局の仕事を各府県に移譲するといっても、私は移譲のしようがないと思うのであります。各府県におきましては、それぞれみんな必要なことを要求してこられる。それを一つの農地局のブロックにおいて事情を聞いて、必要なものから先にやる、こういう行き方に現在なっておるのでありまして、地方各府県に現在農林大臣の権限のある中で移譲するものがあるかどうかという問題と、今回の農林局の設置とは別問題でありまして、移譲する力がいいものがあれば、私は移譲するにやぶさかでないのでありますが、今回の地方農林局の設置の意義は、そういうのでなしに、農林大臣があくまでもその権限を持っておる方がよろしいというものの中で、地方の実情に即応して行政を執行いたしたい、そうして地域的な問題で解決のつくものを東京でやる必要はないではないか、これは地域的にそこで解決をせしめていい、その方が地方のためにもなり、また、適正に農林行政を執行するゆえんである、こう考えて、地方農林局の設置を考えておる次第であります。
○山内委員 この問題は、大臣と私と完全に考え方が食い違っておるわけであります。この地方農林局というものを新設しないで、かりにそういうものを設けないで、現地の作業を都道府県に移譲しょうと考えた場合、それではどの部分が障害になるのか、私はほとんどならないと思う。ただ、それは法を改正しなければならぬ点もありますよ。このままでは急に政令一本ではできないことも、私は承知しております。特にこういう地方農林局というものを都道府県と政府との中間に設ける、これは、今行管の管理局長さんもお見えになったそうですか、一つ御回答もいただきたいと思う。これは私はこれから議論いたしますけれども、こういうものを設けることは、かえって行政の繁雑、いろいろな問題を将来に残す。今こそは定員を行管がやかましくいっているから、内部でもってからくりしておりますけれども、こういう七つのブロックに分けたこれだけのものを地方農林局でやろうとすれば、将来必ず定員増の問題が出て参ります。これは定員増をしないで押し切れるという自信を大臣は将来ともお持ちになっておられるのか、見通しておるのか、これをお聞きしておきたい。
○重政国務大臣 全般的に公務員の数が多いということは、私ども痛感をいたしております。従いまして、公務員の増員というのはもう最低限、むしろ、もうふやさないという方向でいくべきであるというふうに考えておるのであります。でありますから、地方農林局を設置いたしまして実際実行いたしてみますと、地方によりましてはもちろん必要なものを出てこようと思うのでありますが、そういうものも、できるだけ現在の人員で配置転換その他をやりましてまかないをつけていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○山内委員 今の後回答の中で、公務員が絶対多いという確信を持っておられるようですが、これはまた私どもと非常に考えが違うわけです。これは臨時行政調査会の結論を待ってまた議論の機会もあろうと思いますが、今のところはふやさないでやっていく、そういうことで行管の話し合いを取りつけた、そう思うわけです。 そこで、行政管理局長にお尋ねいたしますけれども、実は質問の蒸し返しになりますし、皆さんも十分聞いてこられたと思いますから、簡単にお尋ねいたしますと、この大きな農林省の機構改革を行管はどうしてお認めになったのか。臨時行政調査会でも当然結論を出すべき問題だと思うが、それほどの緊急性を認められたかどうか。どの点でそういう緊急性を納得されたか。その点を御説明いただきたい。
○山口政府委員 お話しの通り、ただいま臨時行政調査会におきまして、国の行政機構全体を通ずる拘本的な対策につきまして検討していただいておるわけであります。いずれその答申に基づきまして、将来の機構改革を実施いたす運びになると思うのであります。従って、私どもといたしましては、答申が出て、いよいよ機構の改革に全面的に着手するという時期におきましては、むろん全部それに統合して、それまで待てるものは待っていただくつもりであります。三十八年度以降の査定等にあたりましても、大体その方針で進んで参りたいと考えております。しかし、農林省の場合は、すでに前国会において提案をされ、従って、その前に否定をいたしたものでございます。さらに、臨時行政調査会の答申もむろんございますが、同時に、行政というものは、時々刻々に動いておるのであります。半年、一年という時間が非常に貴重なものでありまして、この間に機構が円滑に行なわれて、それによって農林行政がさらに数歩前進するということでありますれば、われわれといたしましては、機構の改革につきましても御同意をせざるを得ないわけでございます。さらに、改革の内容自体が、いずれも緊急なものであり、あるいは臨時行政調査会においても検討しておられますような方向に沿って権限の移譲等が行なわれておりますので、これらの点にからみまして、このたびの農林省の機構改革は適切であると判断いたしまして、御同意を申し上げた次第でございます。
○山内委員 そういう御回答だろうとは思うのですが、ただ、先ほどから大臣と議論しておるのですが、地方自治体との権限移譲の問題、いろいろなことをからみまして、まだ全般的な結論の出ない前に、わずか一年か二年前にこれだけの機構改革をして、かえってそのことが将来基本的なものが出たときにお困りになりはせぬか、その点も多少は心配される点があるわけです。その点については御検討されましたか。
○山内政府委員 その点につきましては、農林省の権限と府県の権限の関係、あるいは農林省全体の各局の権限と地方局との関係、さらには、農林省を含めました政府機構全体の権限をいかなる方法で移譲するかというような問題が、むろん背後にあるわけでございます。しかし、方向といたしましては、なるべく中央の権限を地方に移して、中央は企画官庁としての企画的の機能を強化し、地方は実施的の機能を強化していくということが一つの大きな流れであり、この流れに沿ったものであります以上は、むろんほかとの関係もございますが、それを一部分実施に移すということによりまして、将来混乱を起こすということはないと考えております。将来、この流れに沿いまして、さらにそれがふくれていくとか、あるいはさらに大幅に権限が移っていくというような問題もむろんあると思いますが、しかし、この方向だけは間違いない、かように考えております。
○山内委員 ただいまのお返事は聞き及んでおきます。好来どういうことになりますか、そのときになって議論の対象になるかもしれません。今度地方農林局を七つのブロックに分けて、北海道だけが除外されておる。この七つのブロックの考え方と、北海道を除外した理由をお聞きしたい。
○林田政府委員 まず、北海道を除外した理由でございますが、北海道には、先生御承知のように、中央には北海道開発庁がありまして、また、北海道には北海道開発局がありまして、北海道開発局で国のいろいろな仕事は所掌をしておるわけであります。それから北海道は、県として見ました場合は、北海道庁単一でやっておるという特殊の事情があるのであります。それから、たとえば農林関係の仕事を北海道開発局から分離いたしまして、そこに農林局を設けてやるかどうかということを考えてみますと、それよりむしろ、他の残業との関係もございますし、開発局があるわけでありますから、開発局として考えていった方がいいという見地から、あるいは北海道庁が道庁として北海道全体をやっておるというようなこともございますので、農林局は置かないということにいたしたわけであります。内地の府県につきましては、七ブロックに分けまして、このブロックは従来から農地事務局で所掌をしておるブロックでございますが、とりあえずはこの七ブロックに分けまして、その地域に応じた地域的な行政を進めていくという見地から、分けておくということにいたしたわけでございます。
○山内委員 これはどうしてももう一ぺん大臣に念を押しておかなければならぬと思うのですが、それは地方自治体と国の関係なんですが、今回は農林省が持つ権限をそのまま都道府県には移せないから、中岡のものを設けて、それに大幅に移譲した。ところが、このことは、大臨は、農林省という中央の権限の立場から見れば、それは当然だとお考えになる。しかし、地方の住民にすれば、都道府県の強化拡充、自治の確立ということは、非常に要望されておる点です。ところが、今度ブロックでそういう地方農林局ができて、政府の出先ができた。都道府県の知事は、全部住民の直接選挙によって民主的に選ばれた人がなる。ところが、これだけの権限を持つ地方農林局というものは、大臣が任命する官僚が行ってやる。これは非常に行政上に大きな相違が起こるわけです。こういう点で、地方自治の立場から見れば、このことは決してプラスだとはいえないと思う。むしろ、地方自治体に権限を移譲するものは全部やって、ある程度中央が握らなければならぬものは握っておいてもいいのですが、中間に今そういうものをつくり上げるということは、時代逆行と言わなければならぬと私は思う。この点については、自治省の方の御見解も必要だと思うのですが、委員長、できましたら御出席を願いたい。——それまでにちょっと。北海道を地方の農林局から除外した理由はわかります。けれども、今の開発局と今度でき上がるものとは、全然仕事の内容が変わってきているわけです。ですから、開発局の設置法ですか、その方は全面改正をしなければ均衡がとれなくなると思いますけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
○林田政府委員 地方農林局は、県と農林省の中間にございまして、地域的な行政をやるということを考えておるわけであります。北海道につきましては、北海道庁が北海道全体の行政をやっておりまするので、その地域的な行政を特に農林局を設けてやるということは、三重にもなりますので、そういう見地から、置かないということを考えたのであります。
○山内委員 それからこの際、ちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、先ほどお話の出ました、今度はこの改革に伴う定員の増は一名もやらない、これは時の問題で、すぐくずれると私は思っておりますけれども、一応そのことは信頼してもよろしいですが、ただ、いただきました資料の中で、国有林野事業に従事する職員の雇用形態別一覧表という表を見ますると、臨時日雇い作業員が四万八千八百六十二名、それから臨時の月雇いの作業員が一万四千八百六十九名、こういう非常に多数の臨時作業員を持っているわけです。どこの省でも大小ないところはないと思いますけれども、まあおそらく、この国有林野くらい多数のこういう職員を持っているところはない。一体この内容は、たとえば男と女と分けてどれくらいになるのか、そしてこの臨時雇用というのは、年間何カ月くらい働いて、何カ月くらい休ましておるのか、これに対する失業保険の問題はどうなっておるのか、また、この日給はどれくらいを現在支給しておるのか、それから必要な、要求する作業員をこれでもって満たしておるのか、また不足なのか、余っておるのか、その点を一つ概括的に御説明いただきたい。
○重政国務大臣 林野庁長官から御答弁いたさせます。
○吉村政府委員 国有林野事業に従事します臨時職員でございますが、仰せのように、非常に多数の臨時職員を使用いたしまして、事業を遂行いたしておるのでございます。この事業は、最も大きなものは直営生産事業、直営生産聖業と申しますのは伐採事業でございます。それと造林事業、それからそれに関連いたしますそれぞれのこまかい事業がたくさんあります。この業種を申し上げますと、非常に多岐にわたっております。百種以上になっております。一年以上雇用、年々雇用しております者、それから六カ月以上毎年繰り返しておる苦、これは定期作業員と申します。それから月雇い臨時作業員、それから日雇いの臨時作業員、こういう種類があります。男女別の数字はちょっと今手元にございませんが、なぜこういうことになるかということでございます。御承知のように、この林業、森林の作業というものは、季節に非常に左右をされるのでございます。一つの仕事を一年間続けてやれるというようなことが非常に少ない。たとえば造林にいたしますと、適期というものがございまして、ほんの一、二カ月の間に植栽などは済ませてしまわなければならないというような事業が非常に多いのでございます。しかも屋外作業でございます。そういうようなことでございまして、この臨時の作業員というものが非常に多くなっておるのでございます。
○山内委員 賃金関係をちょっと…。
○吉村政府委員 この賃金は、団体交渉によりまして、労働組合と当局との団体交渉の協約によってきめておるのでございますが、ごく低い者は四百円くらいから、高い者は千円ということになります。
○山内委員 そうしますと、この臨時の人たちは、おそらく臨時雇用ですから、組合結成の資格はないと思うのですが、そうしますと、この人たちの利益を、国が認めておる組合との団交でやってやる、こういうことなんですか、その点はどうですか。
○吉村政府委員 臨時作業員も、雇用時期は組合に入っておる者があります。
○山内委員 実は私これをお尋ねする理由は、最近民間の賃金が非常によくなってきておるのです。ところが、これに伴って、この林野庁関係の賃金は、私は低いのではないかということを想像しておる。そのために雇用を得られない。せっかく今まで熟練して何年もおった者も、給料が安いから、みないい賃金で一般のところへ行ってしまう。そういうことが林野事業の業務遂行に非常に障害になっておるという実例を私は聞いておりますから、そこで心配して聞いておるわけなんですが、その点についてはどういう関係になっておりますか。
○吉村政府委員 この臨時作業員の賃金につきましては、その地方別の民間賃金を調査いたしまして、交渉をいたして決定しておるのでございますが、お言葉のように、地域によりましては、比較的部会地に近いようなところでは、そういうような現象が確かに見られております。ただ、この賃金の決定は、新賃金がこの四月に公労委の裁定によりまして妥当な賃金にきまったところでございます。そういうあれに準拠いたしまして実施をいたしておる次第でございます。
○山内委員 ちょっとくどいようですけれども、その決定が、どういう賃金、幾らできまったかよくわかりませんけれども、国のこういう決定が全部右へならえしまして、造林事業をやって、それに補助金をもらう。それでも、こういう単価が安ければ、それが基礎になって何分の一ということになりますと、なかなか地方では人を得られない。その人たちはまたその上に上置きして、そういう作業員を雇わなけれればならぬ、こういう現実があると思う。そういう点で、私この賃金問題を特にお聞きしておる。このことが一点。 それから最近、これは労働関係の方ですけれども、よく問題になりますのは、臨時工の問題、特に常用化して身分を安定化さしてやれるにもかかわらず、それをやらないで、いつでも臨時の形で置く。そうしてもう雪が降ってきて、作業が要らぬから、お前たちはもう休め、こういうことで臨時雇用の形をずっと続けておる。このことはやはり労働基準法の違反だという考え方から、できるものは全部定員化せいということは、何年も前から私は労働省にも迫っております。行管もその線で、かなり多数のものをもうほとんど残らぬくらい一般定員に繰り入れをやっておるわけです。この中で、特に林野庁がこういう多数の人を、しかも同じ作業に季節によって臨時雇いみたいに更新して使っていく。こういうことが、必ずこのはね返りは、作業の上に適当な人も得られない、将来のガンになる、こう判断をしておるわけです。この点について、一つもう一ぺん信念のあるところを言っていただきたい。
○吉村政府委員 補助金の関係は民有林の関係でございまして、その中の賃金の算定と、国有林の作業員の賃金とは、ちょっと別個になっております。公共事業の補助金の中の賃金の算定はまた別になっておりまして、これは別途に予算の要求に努力をしておるところでございます。また、雇用安定の問題でございますが、私どもも、この雇用を安定しなければならないということは、まことにその通りでございまして、林業の季節性ということを克服いたしますために、いろいろと検討をいたし、努力もいたしております。たとえば造林季節というものも、なるべく短くしないで、長く造林の季節ができるようにいろいろ研究をしておりますが、造林作業とたとえば伐採の作業と比較いたしますと、非常に性質が違うのであります。一人の人が必ずしもそのいろいろな仕事を通じてやれるというものでもないのでございます。と同時にまた、定員化の問題になりますと、この中の半分以上というものは、能率給と申しますか、出来高制の賃金の支払い方をいたしておるのでございます。これは伐採を中心としておるのでございまして、この作業員の雇用の安定ということにつきまして、常用化ということには大いに努力して参っておるのでございますが、定員化という問題にはかなり問題が残されておるというように私どもは考えておるのでございます。
○山内委員 地方農林局の問題については、まだ私虚心坦懐に受け取れないのですけれども、自治省の方の政府委員もまだお見えになっておりませんので、またあらためてお尋ねすることにして、きょうはこれで終わります。
○岡崎委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、明二十日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時三分散会