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41回国会衆議院1962/08/28

内閣委員会 第6号

発言数
124
登壇者
12
会派数
3
開催日
1962/08/28

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより会議を開きます。  郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を継続いたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 今度の郵政省設置法改正案のおもな改正点につきまして、簡単な質問を申し上げておきたいと思います。  この前の委員会で、森本委員の質問の中で、私も同様に疑義を感じている点があるわけです。この改正点の一番おもな部分は、人事部を人事局に改めるということだと思います。その人事局の任務の中で、特に「一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員のうち、政令で定めるものの職階」云々ということがあります。この「一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員」、もう一度一つ対象になるものを指摘していただけませんか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 お答えいたします。  ただいま郵政省の職員の中で、一般俸給表の適用を受けますものは、電波関係の職員と、地方郵政局及び監察局の部長以上の職員でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その総数は何名ですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 ただいまのお尋ねは、人事局からはずす職員と存じますので、それは百三十七名でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この人事局の所管からはずすことによって、この少数の人員の取り扱いを官房の方へ残しておくことによって、人事の円滑な運営あるいは能率の向上ということに、一貫的な立場の仕事をする上の支障が起こらないか、お尋ねしたいのです。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 もとより、人事の基本的な方針に関しましては大臣のもとできめまして、それに従って実施いたすわけでございますが、官房に残しますところの人事は高級人事でございまして、これは大臣の手元で直接行なうようにいたしまして、かつまた、一般の職員の分につきましては人事局で取り扱うわけでございますが、先ほど申しました基本方針に従いまして、人事局では全般の要員対策とにらみ合わせまして実施いたすわけでございます。従いまして、その両者において食い違いが起こることはない、こう存じております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうした官房へ残される人事の面を人事局に吸収して統一したとして、どういう支障が起こるわけですか、残しておくことと人事局に一括事務所掌させることの利害得失の点について御答弁願います。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 本来、人事は通常官房で行なうのが、おおむね各省のやっておるところでございますけれども、御案内のように、郵政省は約三十万の職員をかかえておりますので、そういうことからいたしまして、本来官房でやるべきものを上級者のみにごく一部限って残しまして、そして他の方は、職員の需給関係、そういうものとのにらみ合いの上で人事局で運営した方がいい、こういうふうに考えまして、分けた次第でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 分げた次第はよくわかるのですが、それを一本にして人事局の所管事項として集約することで、どういう不便が起こるかということです。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 繰り返して申し上げますように、できれば官房で人事はやるのが妥当でございますけれども、先ほど申しますように、一般の、たとえば郵便局の人事その他とのからみ合いがございますので、そういう大きい部分を人事局の方へ移す、こういうことであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 人事というものは、官房でやるのが都合がいい、しかし、公労法の適用を受ける者、それから給与特例法の対象となる者がたくさんその人数を占める郵政省においては、そういう立場の人々に対する人事局というものを特に設ける、こういう趣旨ですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 さようでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 人事に関して官房でやる、これはちょっと行管の方にお聞きしなければならぬが、官房でやるとすれば、その官房へ残る人事の当面の責任者はだれになるわけですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 お答えいたします。官房長でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、官房長の扱う人事と、それから人事局長の扱う人事と、郵政省の人事系統が二つに分けられるわけですね。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 さようでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 局を設けられるような、非常に大きな改革をされようとする段階で、ほかの省には局はないわけですから、せっかく人事局を設けられる以上は、官房へ一部の職員の職階、給与、任免等の人事を残すよりは、人事局で一括処理するという方が——これはほかの省にないのですから、官房へ残す人事の一部というものは必要ないのじゃないか。人事局という他省に例を見ないような大きな変革をされようという段階では、官房へ人事の一部を残すという必要があるのでございましょうか。これは大臣、あなたは両方へまたがる最高人事の責任者でございますので、あなたの御意思を伺っておきたいと思います。

手島栄自由民主党郵政大臣

○手島国務大臣 すわったままで……。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 すわったままで一つお許し下さい。

受田新吉民主社会党

○受田委員 どうぞ。

手島栄自由民主党郵政大臣

○手島国務大臣 お話しの通り、できれば一本にした方がいいと思いますが、百三十名かの上級の人事は、むしろ、人事の任命とかそういうことが主体になっておりまして、あとの二十数万の人事とはややその重点が異なっておると思います。人事局のやりますのは、人事の任命のほかに、要員関係とか福利施設とか、そういう一括した仕事が非常多にいために、人事局を置いたのでありますから、高級の人事は、適材適所にりっぱな人を任命するということが中心になっておりますので、それだけを分けた方が実際上いいのじゃないか。議論としてはあなたのおっしゃる点も出て参りますが、その方が適当でないかというふうな考えからこういうふうに分けたのであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は、この人事局を設けられることについて、そこに一つの疑義があるわけなんです。高級人事ということでございますが、高級人事の対象となる百三十七名の内訳をさらに一つ御説明願います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 百三十七名は、本省から申しますと、事務次官、局長及びその相当職、それから官房の部長、次長、審議官、課長及びその相当職、地方郵政局、監察局、電波監理局の局長及び次長、それから電波研究所の所長、次長、以上百三十七名を予定しております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 中央でいえば課長以上、地方でいえば部長以上、こういう人事について、人事院との関係もあるわけですね。一応郵政省が人事を行なわれる場合に、人事院とどういう交渉をしてきめておられるか。これは一般職の職員の俸給、人事について人事院がある程度タッチしているはずです。そこのところを一つ御説明願います。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 職務の級とその格づけ等につきまして、人事院の承認を受けております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 その承認事項は官房へ残っている人事だけで、人事局の対象になる人には関係がないわけですね。そういうことでしょう。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 さようであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そういう都合も考慮して官房に残すということが、理由の一つにあるかどうか、これもお聞きしておきたいのです。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 人事局を独立させますいろいろの理由の中の一つには、仰せのようなこともございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私は、行管に聞きたい点もあるわけですが、行管に聞く前に、郵政省として、官房へ高級人事だけは残しておく、それから人事局の取り扱う人事の中で、だんだんと今度官房の人事へ移行する相談などは適当に官房長と人事局長がする、こういう行き方で郵政省の全体的な人事をなさるよりは、人事局長に全責任を持たすという方が、私は筋が通ると思うのです。なぜ官房へ一部の上級人事を残しておかなければならないか。もう官房は官房で、大臣官房としての任務は別の方にあるわけなのですから、人事ははっきりと、少なくとも部を局に昇格するという法律案を出されておる以上は、人事局長に全責任を持たすという方が、その間の連絡調整などしなくても、人事局長によって一括処理されるという妙味があるのではないでしょうか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 御案内のように、官房に置きますと、常に大臣、政務次官、事務次官と緊密に連絡をとりまして、いろいろな方針をきめられますし、そういうような観点から、官房に残した方がいい、こういうふうに考えたわけでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣と連絡をとるのは、人事局長であってもできるので、人事局長もそういう連絡をとるのに都合の悪い局長であるなら、局長の名前をもらっただけで、局長としては意味をなさぬ。やはり局長ということになれば、部から局に昇格した以上は、大臣に連絡するのにも都合のいい地位になっている。そういうところを人事局長にある程度の職権を与えておかないと、人事局長の所管事項の中で高級人事は自分の職権の外だということになってくれたのでは、郵政省内部の人事行政は、まだ大臣の側近の官房長によって一番大事な人事のエキスだけを握られておるのだという一つの問題点が除去できない。他の省にない大きな変革をされようという段階で、ことさらに官房へ高級人事の一部を残される必要があるのかどうか、どうもこの間から疑義を感じているのです。ほかの省にないわけなのです。防衛庁に一つ人事局というのがありますけれども、防衛庁の人事局は人事の全体を、高級人事を含む人事を一括して握っております。そうして各陸海空の幕僚部の人事はそれぞれの部の人事部にさしておるけれども、人事局は総括的に人事を握っております。それと比較しても、官房人事と人事局人事と分離することはどうも適切でないという印象を受けます。もう議論が並行することになれば問題でありますけれども、御考慮の余裕があるならば、この問題は今後他の省に——ちょっと性格が違うから、こういう例はあまり起こらないと思いますけれども、人事局をおつくりになるこの機会に、そうした人事の問題を責任の衝にある人が両方を十分並べて検討しながら人事をさせる方が、どこかに人事面における官房の独裁的な要素があるような形でなくやらせる方が、非常にスムーズな人事ができてけっこうじゃないかと思います。十分御研究された結果であろうと思いますけれども……。  行管の方来られたですか。私は、行管がこれをお認めになった際に、どういう御意思でお認めになったかの関係を明らかにしておけば、人事院勧告を中心の質問に早く入りたいのでございますから、質問を終わらせていただきますが、非常に大事な問題点が一つここに残っております。  管理局長来られたそうで、お尋ねを続けますが、行政管理庁として、今回の郵政省設置法の改正に一応の承認を与えられたその理由についてお尋ねしたい点があるわけです。  他省に例のない人事局をここにお認めになった行管としては、人事局の必要性がどこにあるかということ、それが第一点。  第二点は、人事局の職権というものは、単に一般職の給与の法律の対象になる職員だけであって、給与特例法の対象になる職員は官房へ残されている。郵政省の人事が二本立てになっているが、これはどういう理由で行管はお認めになったのか、その御答弁をお願いします。

山口一夫総理府事務官(行政管理庁行政管理局長)

○山口政府委員 人事局設置の件につきましては、根本的には、最近における郵政事業が非常に量質ともにふえてきておる。しかも、これは今後国力の伸展に伴いましてますますそういう傾向にあるという状況でございますので、この際、それに関係した部局の設置をまず認めたわけであります。さらに、特に郵政省におきましては二十数万に上る現業の職員をかかえておる。これらの職員に対しまして、労働関係その他の事務がかなり膨大になってきております。これらを円滑に、また適正に処理いたしますためには、独立の部局を持ち、その責任者の責任においてある程度事務を処理することが望ましい、かように考えまして、人事局の設置を必要と認め、機構の改正につきまして同意をいたしたわけであります。  なお、職員の人事の問題につきまして、官房と人事局と二本立てになっておる件につきましては、官房の人事は、庁内の一部の局、課長クラスの人事でございます。この範囲の人事につきましては、省全体の統制、また省務全体の運行の責任を持っております官房といたしましては、その程度の人事を掌握することは最小限度必要ではないか、かように考えまして、特にその部分の人事だけを官房に残し、それ以外の全般的の人事、特に現業を中心とした根幹をなす人事につきましては、一括してこれを新設の人事局に移そう、かような考えであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣官房に残される人事について、所管課長というものは残されるのですか。人事部が人事局へ移管すると、あとの人事の担当者はだれになるのですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 官房の秘書課で所管させることにしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、事務処理の責任者は最終的には官房長であり、当面の処理者は秘書課長ということですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 さようでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 ここで秘書課というものが、高級人事について初めて実権を握るわけですね。これは新しい権限が付与されたわけですね。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 新しく所掌になります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうしますと、秘書課は高級人事について立案をし、その実施についてのいろいろな結論を出していくという、非常に重要なポストになるわけですが、新しい人事についての職員を置くわけですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 仕事の量から参りまして、あるいは人事の係を設けて、いろいろと記録の整理、資料の収集等をさせなければならないかと考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、専任の人事係長というようなものを、そういう名称で置くわけですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 はっきり人事係長という名称にいたしますか、詳細まだきめておりませんけれども、大体そういう方向になると思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 勤務評定とか、その他いろいろ大事な仕事があるわけです。そういう関係で、一人ぐらいの人間では、とてもこういう高級人事でありますから、なかなか成案は得られないと思うのです。従って、係をはっきり人事係長なら人事係長というものを置くと同時に、全体として高級人事を見る目がなければいけない。従って、秘書課の一部でそういうことをやるより、やはり人事局が全体をながめていく方が、私はそつがなくていいと思うのですが、どうも危際性を感ずる。人事局が所管をしておる職員の中から、だれを本省の課長にし、地方の部長にするかというような段階になってくると、これはやはり人事局長が全体をにらんで結論を出す方が肯綮に当たっておる。秘書課からお目付でいくよりは、もっと広い範囲で人間を見る目があるわけですから、人事局にそうした全面的な人事を所掌させる方が、筋は通っておる。ただ、これを任免される際は大臣がやられるのですから、そのときは官房長が当然相談にあずかるということは、高級人事ですからいいですけれども、立案をしてその成案をつくる仕事は、人事局長にさせた方がどうも妙味があると思うのですが、管理局長、いかがでしょうか。

山口一夫総理府事務官(行政管理庁行政管理局長)

○山口政府委員 ただいま官房長から人事処理の手続についてお話がございましたが、大体各省とも、名称は多少違いますが、同じような手続で処理いたしておると思います。ただしかし、特に重要な人事につきましては、当然大臣が任命されるものでございますので、秘書課長あるいは官房長はその事務には参画いたしますが、人事自体の内容につきましては、大臣の御意思によりまして終局的にはきまるものでございます。従って、それを扱う部局が決して初めからきめてやっていくものではないと考えております。従って、特に高級人事につきましては、事務は官房でいたしましても、人事そのものは大臣がなさるわけでございますから、私は差しつかえないと考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 手島さん、あなたが最終的な任免権を行使される際に、官房長に高級人事をさせる方が都合がいいか、給与特例法の対象となる職員も一職の対象となる職員もみんな一括した立場で、専門的な検討を加えて人事局長が案を出して、そして官房長にもちょっと意見を聞いて、あなたが決済をするという行き方の方がいいか。給与特例法の対象となる高級人事は、人事局長にはなくて、官房長が全体の各省をにらんでやるという二本立の方が、あなたは便利がいいのですか。大臣の御判断ですが……。

手島栄自由民主党郵政大臣

○手島国務大臣 従来とも郵政省は非常にたくさんの人がおりますので、上級の者は大臣なり次官なりそういうところで実際上はきめておりまして、下の方の人事は一々だれをしなければならぬというところには実際上は手が届かないのであります。今度も上級の者はやはり大臣、次官が中心になってきめまして、その手続を官房長なりあるいは秘書課長なりというものにやらせるというふうな行き方が、実際には合っておるのじゃないか、そういうふうに考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 これ以上は質問しません。人事行政面において人事局を設けられるという立場では、やはり人事局に権威を持たさなければならぬ、労働争議とか、その他いろいろな組合との折衝などをさせておる民間会社の勤労部長とか、労務部長とか、あるいは人事部長とかいう立場の人々は、大体においてそういう高級人事にも当然タッチしておるのですね。そういうことを考えていくと、人事担当者の権限というものにもつと自信と勇気を持たせる必要があると思うのです。高級人事はおれたちの所管じゃない、末端人事だけがおれたちの所管だということで人事局ができたのでは、人事局そのものも、お仕事をなさるのに非常に不満足な立場で、御自身の人事局長そのもののポストも、常に官房長によって支配されるというようなことにもなるわけですから、何か一つ自信と勇気を与える職制というものをはっきりしておく必要がないかと私は思うのです。今度他省に例のないかかる変革をなさろうとする際には、はっきりした権限を局長にお与えになった方がいいという気持を私は強く持っているわけです。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 関連して。受田委員の方から質問されておる、官房長の人事の取り扱う権限と、局長の取り扱う権限とを私検討してみますと、こういう人事管理方式はどこかにあるのかどうかということをまず聞きたいし、私はないと思う。例を申し上げますると、地方の局におられる職員が省の方へ昇格されるような場合には、当然地方の局の人事担当の方と局長が相談されて、そうして本省の担当者と連携をとりつつ、人事の昇格というものはやるわけです。ところが、本省において官房長が高級人事だけつかんでおりて、その他の職員の人事は局長がつかんでおる。こういうことになりますと、省内におけるところの抜擢の場合のようなときを考えてみますと、それは人事院というのは別にありますけれども、なかなか各省をそんなに実際的な面に入ってまでにらんで把握しておることはできないと思う。それで、今のような仕分けをされて担当されるということになりますと、そうした人事をする場合に、最も公平で適切な人事はできないと思うのです。人事の管理方式というのは、どこの国でどういう方式を考えられるかわかりませんけれども、やはり上から下まで一体になった方式をとらなければ人事の管理というものはできないわけなんです。これはいろいろ理屈を言ってみたってできないわけなんです。僕らは直接そういう方面の担当者ではないけれども、組合の中で私らは本社から支店までの人事を一貫して見ておって、公平であるとかないとかというので、賛成、反対という意思表示をしておるので、どこの人事担当に来てもらっても私の会社なら私らはいつでもしこなしていけるわけなんです。そういうように、僕らとしても、この人事管理というのは相当いろいろな面で研究してみたが、今御提案になったような方式でやられた場合には、必ずそこに支障を来たすものができると思うのですが、こういう点に対してどういうように御検討されたのかということ、それからどこかの国にこういう方式をとっておるところがあるかということ、それから私が今申し上げておるような隘路も十分に検討されたのかどうかということを、ここで明確にしていただかないと工合が悪いと思いますので、これだけ関連して質問を申し上げたいと思います。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 お答えいたします  第一点の他の例というお尋ねでございますが、私ども承知しておりますところでは、防衛庁と、それから公社でもたとえば日本電信電話公社というところが、こういった形をとっておるやに承知しております。  それから第二点の運用の面でございますが、先ほど大臣から答弁がありましたように、従来とも今回の官房で予定しておりますところの範囲の人事は、大臣が直接次官等と相談されまして最終的にきめる、こういったような人事でございまして、所管は官房長が責任者になりますけれども、人事の運用そのものは、従来とも大臣、次官あるいは官房長も参画してきめておるわけでございます。  それから、その他一般の関係でございますが、繰り返して申し上げますように、非常に大きな人員を擁しております当省といたしまして、大きな人事政策、また要員対策、それからまたその養成、その福利厚生も含めまして、大きな意味の人事管理をやっていかなければなりませんので、その方はそれで一貫した施策ができると、こう考えております。人事局の所掌いたします人事から官房の所掌します人事に上がります場合は、十分連絡をとりまして、そして人事局から他方面にわたった資料その他も出してもらって、その人材を抜擢できるように、また、大臣が常に正確な人事に関するいろいろな資料を把握できるように、こういったような態勢を整えたい、そしてその間の運用を誤りないようにいたしたい、こういうように考えておる次第でございます。  第三点の外国の例でございますが、正確なことをお答え申し上げます知識を持ち合わせておりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 防衛庁の関係は、これは官房長の権限の範囲というものは各省の官房長とちょっと違った面がある。防衛庁の関係はあまり見習ってはいけないと思うのですが、電電公社の場合は、これを部分的にとられて電電公社にもあると言われるけれども、上から下までの一貫した人事管理の機構というものは、郵政省の実態とは違っておるのです。だから、局を設けるということになれば、やはりずっと地方の局まで関連をしたものが検討されなければならないのではないか。官房長の手元に事務量がふえたから、今までの部を局に昇格するのだといって、局長が権限をふるうということは、これは他の省にならったと言われるけれども、電電公社の場合とは、その部分だけはそれは同じようになるでしょうけれども、一貫したものが違うのですよ。こういう点を十分に検討されたのかどうか。私は、私自身が、人事管理の関係は、まあ通というと非常に恐縮でございますけれども、ある程度そういう方面のなには自信を持っておるつもりですから、私は特に関連して質問してもらっておるのです。電電公社の場合を例にとられましたけれども、これは一貫して全部違いますよ。同じじゃないのだから、そういうことをしこなすにどうかということも十分に検討されたかどうかということなんです。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 今先生仰せの通り、今回人事局を新たに独立させますにつきましては、いろいろと各省、各公社それぞれ違った形をとっておりますので、そういうことも研究いたしまして、当省としては、今のところこれが最善じゃないか、こういうふうに考えて立案した次第でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 人事管理に関する質問はそこでおきましょう。私これ以上追及申し上げることを遠慮します。  いま一つ、どうしてもお尋ねしておきたいことは、今度の改正の問題点の第二の、電波監理局の中に三つの部を設ける、それに関係して改正点の中で、「第十条の二第十四号中」というこの改正点です。「電波の利用に関する研究及び調査を部外の研究機関に委託する」と書いてありますが、現にどういうことがお仕事の中で委託されておるのか、実態をお示し願いたい。

吉灘中郵政事務官(大臣官房文書課長)

○吉灘説明員 これは新たに挿入いたしたわけでございまして、今までのところ、現在までこういう部外に委託ということはやっておらないわけであります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 「調査をし、又はこれを部外の研究機関に委託する」という従来の規定がありますね。従来の規定でやられたことはないわけなのですか。

吉灘中郵政事務官(大臣官房文書課長)

○吉灘説明員 今まで具体的に事例はありません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、せっかく部外委託のこの規定が従来の法規にあるのに、何ら意味をなさぬものであれば、これは実情にそぐわない規定である。むしろ削除された方がいいのじゃないですか。部外に委託するようなことをしないで、郵政省が自信を持ってやるようにすれば、部外に委託しないでもいいのですから、いかがですか。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 この条文は十四と十四の二とにいたしまして、そして新たに調査をし、これを委託すると、こう改めたわけでございますが、従来いろいろ予算の関係その他もございまして、この活用があるいは少なかったうらみもございますけれども、今後はこういう条項は活用していきたい、こう考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 委託するということになりますると、どういうものを委託するのが適切であると郵政省はにらんでおられるのですか。委託の対象になるのはどういうものであるか。——御研究になる問題点を提供しましょう。宇宙開発に関係するのですが、今度のボストークの成功などで、郵政省の電波研究所が非常に功績を上げておる。こういうときに、電波研究所のお仕事、すなわち、電波の利用に関する研究及び調査ですから、電波研究所の所管にもなることだと思うのです。ところが、これが他の、たとえば防衛庁にこういう機関があるならば、その防衛庁にそういう宇宙の電波を傍受するというような仕事を頼むとかいうような具体的な場合が考えられておるのかどうか。郵政省だけの機構ではなくして、電波の利用、調査に関して他のお役所に類似のものがあるならば、それを利用する意味かどうか、そういうことをお尋ねしておるわけです。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 ただいま御指摘の宇宙通信関係につきましては、まだ明確でございませんけれども、今のところ、技術関係の方は、それぞれまた技術分野でもって縦横の連絡もございますし、そういうことも考えられるかと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 郵政省が宇宙開発に非常な貢献をしているわけですけれども、日本の国としては、今各省ともまだ本格的に宇宙開発に取っ組んでいない。科学技術庁でも付属機関としての研究所というのはほとんどないのです。この宇宙開発については、郵政省がただ一つ電波研究所を持っておる。あるいはロケットは東大の研究所があるくらいのものしかないわけなのです。そういう際に、どうも郵政省としてはこの問題を部外に委託するということは、非常にこれは郵政省だけでは過重負担というような場合を予定されておるようです。この条文では。それをわざわざ今度の改正点の中にも一項ほど取り上げてお出しになっているわけです。これはやはり郵政省は責任省として、宇宙開発の問題等と関連した総合的な——これは郵政省のなわ張りのことを考えないで、これはどこの省でやっていただいた方が都合がいいということを大臣から閣議に報告して、宇宙開発の関係で電波利用調査の方は、一つ科学技術に研究所を独立して設けさしたらどうか。なわ張り根性をやめて閣議で発言されて、一つ科学技術庁にしっかり馬力をつけて上げるような、そういう御努力も大臣としてされていいと思います。郵政省の過重負担事項を部外に委託するという規定が、厳として条文の中に出ておるのですから、大臣、あなたの心がまえを一つ伺いたい。

手島栄自由民主党郵政大臣

○手島国務大臣 お話しの通りでありまして、郵政省の管轄で全部ものをやり通すということが困難な場合もありましょうし、新しい問題でありますから、総力をあげて国として研究しなければならぬものが多いと思いますので、決してなわ張り根性で抱きかかえていくというようなことは考えておりません。

受田新吉民主社会党

○受田委員 「部外」とあるのは、郵政省の所管外で他の省という意味かどうか、民間ということも含めた意味かこういうところを一つ。

武田功郵政事務官(大臣官房長)

○武田政府委員 ここで使っております「部外」という意味は、郵政省以外の官民を問わない範囲でございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 せっかく今度の改正点にもこれを取り上げられておる。それを閣議において、部外ではどこを重点に置くか、特に科学技術庁を中心としてしっかりこの点を研究させようという発言、あるいは国立大学の研究所等は非常に大事なところですし、都合によれば防衛庁の施設を平和利用するというような発言、郵政大臣、あなたから元気を出し工、国策としてこれを提案していただきたいのです。よろしゅうございますか。

手島栄自由民主党郵政大臣

○手島国務大臣 わかりました。機会がありましたならば、お話しのような点について発言をしたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 私の質問はこれで終わります。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これにて質疑は終了いたしました。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより郵政省設置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。  討論の申し出がますので、これを許します。山内広君。

山内広日本社会党

○山内委員 私は、ただいま議題となっております郵政省設置法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表いたしまして、これに反対する理由を明らかにいたしたいと存じます。  わが党が本案に反対する理由を端的申し述べますれば、この法律案は、人事局の設置、電波監理局に部制を設けること、臨時放送関係法制調査会の設置及び定員の改正の四つの項目を内容としておるのでありますが、そのうち真に改正の必要の認められますのは、最後の項目である定員の改正のみでありまして、他の三項目は、必ずしも早急に改正の必要が認められないのであります。  まず、人事局の設置でありますが、郵政省の人事行政担当機関としては、現に大臣官房に人事部があり、二百九人という郵務局や経理局よりも多い定員を擁して、その実体は、全く局と何ら変わらない組織を持っておるのでありまして、これをことさらに局とする理由ははなはだ薄弱であるばかでなく、人事局の設置に伴って、一般職員の人事は人事局で、上級職員の人事は官房で別途掌理することとなるのでありますけれども、およそ人事行政の仕事は、上下を通じて脈絡一貫した仕事であり、このように別々の部局で分掌することは、いろいろの面において支障を生ずるものと思われるのであります。従いまして郵政省の人事管理は現在の機構のままでよいのでありまして、人事部を人事局に昇格するということは、しいて言うならば、人事管理の陣容を充実して、郵政職員の労働強化をはからんとする意図に出たものと見るよりほかに解釈のしようがないのであります。  次に、電波監理局に放送部、無線通信部、監視部の三部を設けることも、現在の次長二名及び監視長という制度に比較いたしまして、はたしてどれだけの改善が期待されるのでありましょうか、疑問と言わなければなりません。改正案によりますれば、電波監理局の組織は、この三部のほか、総務課、経理課、技術調査課、法規課、周波数課の五課が局長直属となるのでありますが、次長制がなくなるため、局長は直接この五課と三部を統轄することとなり、局長の負担が従来より過重になるおそれがあります。電波監理局長は諸政策の企画立案に当たるほか、テレビ、ラジオの免許関係の陳情等相当多忙な仕事と思われるのでありますが、これを補佐する次長を欠いて、うまくやっていけるかどうか、疑問と言わなければなりません。  さらに、臨時放送関係法制調査会の設置でありますが、確かに電波法、放送法を通じ、放送関係の法令は再検討を要する時期にきており、これがための調査を行なうことは、郵政省の当然なすべき仕事であることは、疑いのないところであります。また、この調査にあたって官僚の独善に陥らないよう、部外の学識経験者を加え、その意見を反映せしめることも適切な措置でありますけれども、従来のやり方を見ておりますと、このような諮問機関は外見をつくろうための形式的なものとなり、実質は官僚の握るところとなることが多いのであります。調査会をして真に権威あらしめるためには、会自体が改正法案を企画立案し得るくらいの実力を備えなければなりませんけれども、今後考えられている専門委員制くらいでは、はなはだ微力な機関になってしまうのではないかと、この点を危ぶむのであります。この程度の組織で、二年間の歳月、放送法令のような広範な分野にわたる諸問題を処理して完璧なものを作り得られるかどうか、すこぶる疑問とするところであります。  こうしてこの法律案の内容をなす項目を一つずつ検討して参りますと、定員の改正を除いては、改正の理由に乏しいもの、改正の方法が徹底を欠いているもの等、現行制度に比して改正の実益が認められないものばかりでありまして、わが党としては、このような疑問の多い法案に賛意を表することはできないのであります。  よって、日本社会党は本案に反対であることを表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これにて討論は終了いたしました。  郵政省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 起立多数。よって本案は可決いたしました。  なお、本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 次に、公務員の給与問題に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、これを許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 給与担当大臣に御質問いたしたいと思います。  給与の問題につきまして、いろいろこれから実施なさるまでお話し合いをしなければならぬわけですが、大臣が御就任なさったとき、某新聞の紹介欄に、大臣は、かつて戦時中か戦前か、よくそこら辺はわかりませんけれども、給与問題をば取り扱った経験があるというようについていたと思うのです。そういうふうに給与問題を一応やられた経歴をお持ちになっていると、数字の問題なんかも出して話が割合にスムーズに進むだろう。あまり御経験のないところにやたらに数字を出すとお互いに話がこんぐらかって、うまいこといかぬということになる場合もあるわけでございますから、そういう意味で、御自分の経歴を話すというとなんだろうと思いますけれども、給与については私は理解を持っている、経験を持っているというふうなことを申されるのかどうか、そこを一つお聞きしておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 石山さんの御質問にお答えをいたします。前に、給与担当大臣を仰せつかりましたにつきまして、委員会の皆さんにごあいさつを申し上げることをお許しいただきたいと思います。  過般の内閣改造にあたりまして、労働大臣に兼ねまして、給与その他の公務員制度に関する事務を担当することを命ぜられました。給与及び公務員制度の問題は、その内容が広範かつ複雑であるばかりでなく、慎重を要する重要な問題を含んでおりますが、全力をあげて職責を果たし得るよう努力いたす所存でございます。  当委員会の先生方には格別のお世話になることが多いと存じますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどを切にお願い申し上げる次第でございます。(拍手)  ただいま御質問がございましたが、御質問の内容は、過去に給与問題について経験があるかどうかということでございましたが、給与問題といえるかどうかは存じませんが、戦争前に厚生省の労働局の賃金課長を三年ばかり勤めたことがございます。そういう点から、給与並びに賃金問題につきましては、幾らか心得があるかと存じますが、しかし、何と申しましても、当時は労働組合もございませんし、戦争直前のことでもございましたので、現在とは非常に事情が違っております。従いまして、その経験がはたして今日どれほど役に立つか、まことに心もとない次第でございまして、何とぞ一つ格別の御指導をいただきたいと存じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 大臣は私が初めてだと思いましたら、当委員会に対しても初めてで、そうして就任のごあいさつをなされましたが、当委員会としまして、過去に賃金とか給与等に関係のある大臣をお迎えしたことは、ある意味ではお喜び申し上げてもよろしいと思います。しかし、聞きまするところ、大臣のおやりになった過去の問題は、何か賃金統制令のようなことをおやりになったというので、私は、経歴——これは一行しか書いてないのですが、そういう経歴の持ち主でもあるというふうに聞いておりますが、それではちょっと今の賃金問題とはかなり問題点の置き方が違うだろうし、もちろん、それは時代の流れによってそれぞれ違うのですから、よろしいと思いますけれども、くしくも今賃金問題全般を論ずる人は、労働省を主体にして、この前の国会に社会党の反対を押し切って賃金部が設定されたわけですが、そこら辺を中心にして、いわゆる景気の中だるみと申しますか、不景気を前提に控えて、おそらくある種の間接的な賃金の統制を行なうようなもくろみがひそかになされている。最近はひそかになされているのではなくして、新聞等にも発表する段階にまでなってきているようでございますが、そういう点については、私たちは、その問題については、あまりにも一方的に自分たちの立場を擁護する考え方が強いのではないか、日本の給与体系あるいは賃金というものは、まだそういうふうな一方的なものの考え方で、不景気が来るから、賃金が上昇することによって物価高を呼ぶからというふうな、そういう連鎖反応をすぐ呼ぶような体系にないのではないかと思っているわけですが、そういうことを言っておる。そういうふうな流れの中で大臣が労働大臣に就任をされ、しかも、公務員関係給与関係をば担当なされるということについては、何か意味がありそうな気もいたします。ある分野の方々は非常に期待をしているのかもしれません。いずれにしましても、そういう流れの中にあるということだと思って私は見ているのですが、労働大臣としては、こういうふうな見解は的を射ていないというふうにお答えなさるのでございますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 御質問の御趣旨は、何か賃金統制について労働省がもくろみをいたしておるのではないかという点であったと思うのでございますが、なるほど今日賃金の問題につきましては、各方面からいろいろな意見が出ておることは事実でございます。しかしながら、現在の労働関係におきましては、賃金のきまり方は、労使の話し合いによってきまるべきものなのでございまして、これについて政府がかれこれ統制をいたすということは、最低賃金について政府が場合によっては権力的に行動する以外には、考えられないことだと思うのでございます。  御承知のごとく賃金の問題にはベースの問題、それから賃金形態の問題、この二つの方面があると思うのでございますが、賃金ベースの問題は、もとより申すまでもなく、最低賃金法により、まして政府が最低賃金をきめる以外には、全くこれは労使の話し合いにまかせております。また、それが正しいと考えております。次に賃金の形態の問題でございますが、これは御承知の通り、今日経済の切りかえの時期にあたりまして、従来の年功序列型の賃金制度では、労働関係が行き詰まってきておるのではないか、従っていわゆる職能制を加味した賃金制度を採用することが必要ではないかという意向が、各方面から強く叫ばれておるわけであります。しかし、この点につきましても、私は、これはやはり労使の話し合いによって現実にきまるべきものだということを基本的に考えておるわけでございまして、ただ、労使が話し合いをされまして、現行の賃金制度の利害得失、実績等について、何か参考とすべき資料が労働省において得られるようなことがありといたしましたならば、これは労働界のためにそういう資料を発表するということは、これは必要なことかもしれない、こう思うのでございますが、しかし、それはあくまでも労資が話し合いできめられる参考に供していただくという意味での発表でございまして、これによって統制をするという考えは、ただいま毛頭持っておりません。

石山權作日本社会党

○石山委員 今労働省おの考えになっているのは、最低賃金の問題についてはいろいろ考えざるを得ないのだ、あるいは労使間に材料を提供する場合等も、これはサービス省として考えなれけばならない、賃金そのものについての統制的な考え方というものは考えておらぬ、これは労使の間柄で決定すべきことだ、その考え方は大体私たちもよろしいと思います。賃金形態についても、これはいろいろといわれることだけれども、これも考えてみれば、労使双方のそのつどの企業の内容によって、それそれ便宜な方法、妥当と考えられる方法で解決すべき問題ですから、この問題もまた、私は、労働省があえてこの形態が正しいものだろうというふうな投げ出し方は、少しく無理があるのではないかと考えております。  で、きょうは大体十二時半ぐらいで打ち切るというのでございますから、あまりこまかいことは今回は伏せまして、先ごろ十日に人事院が勧告なさった事柄について、政府がどのようにお考えになっているかということを一つ聞きただしておきたいと思います。特に私たちがここに考えられることは、前の池田内閣のときでございましたが、このときには、人事院の勧告に対しては即座に、勧告は尊重するという大平官房長官の発言があったわけでございます。それが、先ほどの人事院勧告についての官房長官黒金さんの御意見は、政府は従来から勧告を尊重するという建前をとっているが、というふうに、ここでまた新しく、かと言って問題を提起しております。その提起の仕方はこういうことなんです。公務員給与の改善は、広く国民経済全般と密接な関連を有する問題であるから——国民経済というふうな言葉を持ち出してきております。ですから、慎重に検討した上で結論を出したい、国民経済という問題を出してきて、広い場面においてこの問題を検討したい、この考え方は、担当大臣である大橋大臣にも伝わってきているのでございましょうが、この一年ばかりたって、公務員の給与の人事院勧告に関して態度が変わってきたということ、これは十分理解されての発言だと思うわけですが、大橋大臣はどういうふうにこれを受け取って今問題を進めていられるか、御説明をいただきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 勧告に際しての黒金官房長官の談話につきましては、私はただいまお述べになりましたような趣旨には受け取っておりません。私の受け取った意味を申し上げさせていただきまするというと、人事院勧告につきましては、政府は、前回、前々回とも、勧告実施の時期はあるいは人事院の勧告の内容から多少ずれておった点はあるといたしましても、内容につきましては極力これを尊重いたしまして、実施いたして参ったことは御承知の通りでございます。今回の人事院勧告につきましても、この考え方は根本的に変わるはずはないのでございまして、これは、人事院が、国家公務員の団体行動権を制限する代償として、国家公務員の利益を保護するという意味で設けられておる趣旨からいいましても、この勧告はどうしても尊重しなければならぬものだ、こう考えるわけなのでございます。ただ、御承知の通り、この人事院の勧告を実施いたしまするための給与の式き上げは、いつもこれが現実には労働組合の賃上げ闘争に利用をされまして、いわゆる春闘の先がけのごとき働きをなしておるように一般に考えられておることは、否定できないと思うのであります。しかしながら、本来人事院の勧告というものは、将来の一般の民間の賃上げの先がけをなすべきものではなくして、これは今年の四月現在におきまする国家公務員の給与ベースというものが、一般の民間の給与ベースに比べておくれておる、それを取り返すためにこれだけ引き上げなければならぬ、こういう趣旨でできておることは、勧告の中にはっきりそううたってあるわけであります。しかし、こういうこまかいことが一般にはあまり十分に理解されずに、ただ人事院の勧告は賃上げの先がけになっては困るのだというような空気を国民の一部に与え、また現実に、一般の賃上げ闘争も、そういうふうにこれを利用するような動きがあるわけでございます。そういう意味で、私は、黒金官房長官が、この勧告の実施は国民経済といろいろ密接な関係があると述べられたものじゃないかと、こう理解いたしました。従って、これは春季闘争の賃上げの先がけになるべきものではなくして、むしろ、今までに行なわれた春季闘争の最後の埋め合わせ、こういう趣旨で人事院が勧告したのでございますから、そういう趣旨をできるだけ国民一般に理解していただくということは、これを実施するにあたっても、やはり政治的な措置として必要ではないかと、こう考えるのでございまして、これを尊重し、実施するにあたりましては、こういう点を一般にはっきりさせるための何らかの有効な具体的な策をも考えた上で決定する、こういうことが為政者としての当然の考え方でございます。こういう意味で私はこのことを理解いたしたわけでございます。従って、前回や前々回におけると同様、政府といたしましては、この勧告の尊重ということには変わりなき熱意を持っておることを申し上げたいと存じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 あなたの率直な、公務員の給与というものは、民間給与よりおくれている、むしろ、一年前の春闘の穴埋めを、今ごろようよう人事院が勧告しているのだという御理解は正しいと思います。このことは忘れていただいては困ります。あらゆる問題がそこから出ていかないと、財界で言っているような不評のようになるだろう。財界ではどういうことを言っているかと申しますと、こういうことを言っているのです。たとえば一般の民間人には恩給がないじゃないか——年金制度とかそういうことを忘れて、恩給がないじゃないか、こういうことを言って、税金で養われている公務員が、サービス機関であるにもかかわらず、生産機関を擁して一生懸命生産能力を上げて生産性向上をやっている一般民間の給与ベースの上に乗っかるのは、性質上から見てもけしからぬじゃないか、人事院の勧告の体系というものを変えなければならぬ、あるいは人事院そのものに対してもいろいろな批判を行なっておるわけですが、こういう見解が行なわれている中で、大臣が今言っているようなことを聞くと、公務員の諸君は非常に喜ぶだろうと私は思うのです。これはより以上に肩を持っていただいた、という言い方でなくして、理解していただいたということに対して、私は喜びを感ずるだろうと思うのです。一般公務員の給与は、われわれは低いというふうにいつもいろいろしゃべっているのですが、大臣は就任されてから間が短いので、こまかい数字は御検討なさっていないのではないかと思うのですが、この財界の言う、公務員の給与というものは、民間の給与に引き比べて高いという、一方的、何ら資料も提供しないで言うこの言い方に対しては、あなたはどういうふうにお考えになりますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 人事院の勧告が、各方面の調査に基づいて結論をいたしたのでございますから、この勧告の内容を尊重いたしたいと思っております。従って、民間と公務員との給与の比較については、同様に考える次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院は、今度の資料の一つとして、民間の給与の上昇率を一応出している。それには一三%と九%という二つの数字を出して、非常に微妙な数字なんです。一般から比べると一三%、しかしわれわれの計算によれば九・三%、こう言っておる。そして最後に、今度の賃上げといいますか、勧告は七・一%、最終的には七・九%というふうな形で、今年度のベースは終了する、こういうふうな言い方をしているわけですが、これに関しては、政府が今とっている金融引き締め政策に歩調を合わせたやり方だというふうに、一般には非難を受けているわけです。人事院の立場というものは、いうところの政府当局から離れた立場で問題を提起しているんだ、勧告をしているんだ、こういうことは、法律の建前からもはっきりしているわけですが、財界では民間よりも高いと言っておる。しかし、給与を受け取る側、あるいは給与に関していろいろ研究している側から見れば、今度の人事院勧告というものは、政治的な圧力が加わっていて、日本のいわゆる不景気というものについて非常に政治的配慮を加えた勧告である、けしからぬ、こういうふうな論が出ているわけでございますが、こういう比較論に対して大臣は今どういうふうにお考えになっておられますか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 ただいま一三%あるいは九・三%ということを仰せになりましたが、私は、この一三%というのは、民間の賃金ベースが、昨年の民間賃金ベースに比べましてことしは一三%高くなっておる、こういうふうに一三%は読んでおります。それから九・三%は、この民間の給与ベースに比べて公務員の給与ベースは、今年四月現在で九・三%安くなっておる、こういうことを言っておるのでございまして、この一三%と九・三%は、ですから違った事柄を示しておるのでございまして、あくまでも民間ベースとの比較においては、公務員の給与ベースは九・三%低い、これが人事院勧告の趣旨であると思います。従って、今回の人事院勧告におきましては、大体この民間ベースよりもおくれておる九・三%を、できるだけ引き上げによってカバーしたいという内容を持っておるわけでございまして、大体今回の勧告を実施し、かつ、昨年の十二月に勧告されました暫定手当の改訂を実施いたしますというと、ほぼ民間とのおくれを取り返す程度になる、こういうふうに理解いたしております。

石山權作日本社会党

○石山委員 途中の議論は省きましょう。そうすると、人事院勧告は、大臣から見ると正当性が強く、承認されるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 人事院勧告の趣旨としては、これは大体平仄の合ったことを述べておられると思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 大臣、趣旨とは何だ。その趣旨はいわく因縁があるのですか。趣旨の内容を解明して下さい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 人事院勧告は、民間ペースに比べて九・三%国家公務員の給与が低い。従って、それをできるだけ埋めたい。そこで、勧告の引き上げ内容といたしましては、まず昨年の十二月の勧告でありまする暫定手当の引き上げ、これが約〇・三%ございます。それから今回の引き上げがさしあたりは七・九%でございますが、今後の昇給の引き上げその他等を考えまして、最後に昇給する人の昇給が数カ月おくれて昇給してくることになりますが、それをも含めますと、大体九%近く上がるわけでございますから、両方を加えますと、大体民間ベースに追いつくというところをねらって、この勧告ができていると思います。だから、そういう趣旨では、この勧告は私は当たっていると思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうすると、さっき、私、一番先に申し上げた、大平官房長官の表現の仕方と黒金官房長官の表現の仕方は少し違うのだ、こう申し上げたけれども、あなたは、いやいや、そうじゃないのだ、人事院勧告を尊重することにおいては変わりはない、こうおっしゃっていただいているわけです。そうすると、今あなたは、趣旨という言葉をいろいろ御解明になっているけれども、人事院勧告の要素というものは正しい、正しいものをば政府はどういう格好でこれを受けとめようとしておられるか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府はできるだけ早くこれを実施したいという考えを持っているわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 できるだけ早くという言葉は、世間では、去年のような格好で、しかもことしは少しくどうもお金の実入りが悪い。だから、去年の十月ということも新聞では敏感に反映して、早くてもおそらく十月かなどという表現を持ったことを言っている新聞社もあるわけでございます。ですから、その意味では、政府も、大ざっぱな意見はどこにあるのか、政府は一体この問題についての最終的な結論を幾日くらいのところに出そうとしていられるか。これは予算との関係もあるのでございますから、めどが立たぬければ公務員給与は実施不可能なわけでございましょう、予備費はきまっておるのでございますから、どうしてもこれは新しく予算に計上されなければならない問題でございますから、担当大臣としては頭の痛い問題でありますけれども、急いで結論を出さなければならないわけでございます。結論を出そうとしているめど、これは一体どこら辺に置いているのでしょう。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 私はできるだけ今国会中にもこの方針を決定いたしまして、公務員諸君にも気持よく仕事をしていただくようにできるだけ努力したい、こう思っておったのでございますが、しかし、いろいろ大蔵当局等の意見を聞いてみますと、昨年の場合におきましては、年度初めからの担税の自然増収が非常に大幅でございまして、大体九月ごろに相当多額の剰余財源を見込むことができた。従って、早くにこの実施を決定することができたようでございます。ところが、本年度は、経済調整その他の影響もございまして、もちろん自然増収は出てはおりますけれども、昨年に比べますと非常に少ないようでございます。ことに最近の財界方面の景気の様子等につきまして、はっきりしためどが立ちかねる。そのために、今年度の剰余財源について的確な見込みをつけるためには、今年の九月の決算期の様子がもう少しわかるまで待ってもらいたい、こういうようなことを大蔵省としては申しておるわけでございます。何としても財源のめどにつきましては、大蔵当局の力を待つほかございませんので、なるべくすみやかに九月決算の様子を見当をつけていただくようにということでただいま待っておる状況でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 大蔵省の給与課長、去年の十二月の十四日でしたか一暫定手当が勧告されたのは。それで、あなたはここに来て盛んに反対みたいなことを言っておられたわけですが、あれから何カ月たつか、約九カ月近く日にちがたっているわけですが、暫定手当の処理方法は十分に研究なさっているはずだ。これは増子さんもおいでになるのですが、あなたは猛烈な反対をなさって、もうとっくに支給されなければならないのを今日まで延ばしたのは、私は大蔵当局だと思う。公務員諸君が恨むなら大蔵当局の会計課長をうんと恨め、こう言っておこうと思ったけれども、まだ言っておりません。九カ月もたってまだ処理ができていないとすれば、恨まざるを得ない。処理方法はどういうふうになさっているのですか。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井政府委員 ただいま御質問の暫定手当の処理方法につきましては、そめ当時からしばしば大臣なり私ども申しておりますように、暫定手当の処理と申しますのは、いわば公務員の給与ベースに関連する問題でございますので、この八月の人事院勧告を待ちまして、その内容とあわせ考えて、同時に暫定手当の処理も実行したい、こういうふうに考えておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 それはどういう格好にするとかいうことは、大蔵省や総理府等はまだきめておらぬのですか。ただ〇・三%を処理するというお考えだけで問題をきめているわけですか。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井政府委員 昨年以来政府も申しておりますように、暫定手当の整理自体につきましては、政府としても異議がないわけでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように、給与べースとも関連する問題であるのでということで、今日まで延びておるわけでございますが、今回の人事院勧告におきまして、九・三%の対民間格差を計算されまして、それを埋める方法として、〇・三%分については暫定手当の処理というような形で出しておられるわけでございますので、当然私どもといたしましては、昨年度の勧告の線に沿いまして、一般のベース・アップの処理とあわせてこの問題を処理いたして参るということになろうかと存じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 この処理の仕方としましては、あなたの方は、処理の仕方そのものについては不賛成ではないというふうに言っておる。給与全体の形において不賛成だということを考える、こういうような申し述べをしているのですが、それではこの給与がきまれば、〇・三というのは、今年の正月から遡及してくれますか。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井政府委員 もちろん、給与ベースについての考え方が政府でまだきまっておりませんので、私ども給与ベースとこのものとを切り離してどうするかということについては、まだ検討はいたしておりません。ただ、常識的に申しますならば、給与ベースの勧告の実施と大体同時的に実施することになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院の今度の勧告を見ると、大橋さん、これは何といっても、かなり財界の動き、政府の腹のうち等を考えた結果の苦心の策と私は見ている。人事院は勧告するたびにかなり苦労をして出しているわけなんですが、今回のように苦心のあと歴然たる勧告の様式というのは最近見たことがないのです。財源がないということを予知している、しかし、公務員諸君の幾らかの希望をかなえないと、能率等、も上がらぬだろうし、汚職も絶え間ないような綱紀紊乱のきざしにもなるだろう、いろいろ心配した結果だろうと思うけれども、今度の勧告は出ているわけです。ですから、今までも大体五月実施するように言ってきているわけですが、今度の場合の実施期日というものは、私は、その意味では、在来よりもずっと重い角度で見てあげなければ気の毒ではないか、こう思っているのですが、新聞論調では、どうも早くても去年実施の十月くらいだろうというふうな予測、観測記事が出ているのですが、大臣は、九月の決算期を迎えなければ何とも言えないというふうなことで逃げているようでございますけれども、この実施時期については、やはりふところ工合を見なければどうにもならぬという段階ですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 相当多額の費用でございますし、今年度の自然増収などから見ますと、これは金額としてはかなり大きなものであるということが予想できると思います。従いまして、財源の問題につきまして、大蔵当局として十分検討を加えたいというのはもっともなことだ、私はこう考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 この問題についてちょっと念を押しておいた方がいいと思うのですが、実施期日等、これは民間の給与を刺激する——刺激するということは、相手方が受け取ることでございますから、これはやむを得ません。大臣は、さっきは、人事院勧告を尊重している、政府のやっていることは大体正しいと信じているとおっしゃっておるわけですが、今回の場合の実施についても、私は、やはり民間の給与に刺激を与えるから、五月にはやれない、七月にはやれない、あるいは去年のように十月にもやれないというふうなものの考え方をなされては困るのではないかということです。これはふところ工合がほんとうに、悪ければ、それは出せないという場合もあり得るわけですが、そうでなくして、どうも民間の給与に刺激を与えるということを念頭に置いて、広く国民経済の問題に関連をするから、消費物価を上げるような形になるからというふうなことをお考えになって、財源とは別個に政治配慮等をなされて、実施期日をおきめになるとするならば、これは、私は大臣が先ほど御答弁なさっていることとは全くうらはらで、むしろ、大臣は私どもにうそを言っているということになりかねないのではないかと思うのですが、その点の、実施期日をきめる心がまえについて、いま一段と御説明をいただきたいと思う。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 民間を刺激する点は、不幸にして過去の人事院勧告の実施が多少そういう結果になっておる点は、これは否定できないのではないか、こういう気がいたしておるのであります。しかしながら、それにつきましては、勧告の実施とあわせて、一般にこの給与の引き上げの趣旨を理解していただくような別個の措置をとることによって、そういう刺激を緩和し、あるいは排除するというのが正しい道だと私は思っております。従いまして、民間の刺激については、実施の時期とかいうようなものをかげんするということでなく、他の、趣旨を一般に徹底させるという方法を講ずることによって避けるべきであり、民間を刺激するという理由で実施の期日をことさらにおくらせるというようなことは、これは間違っておると思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 今の大臣の御答弁を聞きまして、この問題については、大臣はかなり公平に考えようと努力していられる立場は理解できます。それでやっていただきたいと思うわけです。  ちょっと統計調査部長さん、この賃金の政治的配慮を加えざるを得ないような場面がきているというふうに、私はさいきん委員会の初めにも申し上げていたわけですが、それは皆さんの方の省内で、最近コスト・インフレというふうな言葉をお使いになりまして、賃金の値上げが物価高と結ぶ、この物価高と結ぶくさりをば断ち切らなければならない——このコスト・インフレになるというのは、統計から見れば短い期間でしまう。その短い期間の一例左、終戦後から長い賃金闘争の一例左をとらまえて言っていられるのですが、これは傾向として続くという考え方でおっしゃっているわけですか、何年ぐらい続くという考え方でおっしゃっていられるのですか。

大宮五郎労働事務官(大臣官房労働統計調査部長)

○大宮説明員 コスト・インフレという問題は、いろいろ定義もございますが、欧米等でいわれているような意味のコスト・インフレは、今現に日本で必ずしも起こっているとは言えない。しかし、御承知のように、求人難で、中小企業等の賃金が特に上がってきておる、そういうところは、生産性の上昇はあまり実現されないわけでございますから、どうしても価格、料金等の引き上げが起こりてきておるということは事実でございます。ただ、現在欧米流のコスト・インフレとは定義できませんけれども、昨年来の賃金、生産性、物価等の動向を見てみますと、従来生産性向上の非常に著しかった、そうして物価が比較的安定しておりました製造業におきまして、昨年の後半から賃金の上昇の方が生産性を上回ってきておる。それがことしに入ってもなお続いておる。そういったような事実は、いろいろ今後におきまして、生産性、賃金、物価という問題を考えます場合に、非常に注目すべき事柄として考えなければならないのではないか。これがどこまで続くかということは、これからの生産等の動向にもよるわけでございまして、私ども必ずしも独自な見解、見通し等を持っておるわけではございません。仮定として、こういった景気調整のようなことが相当長く続くとすれば、そしてその中で今まで起こってきたような製造業の生産性と賃金のようなことが続くとすれば、それは相当物価の問題が及んでくる。しかし、景気調整が続くかどうかということにつきましては、私たち独自の見通しを持っておるわけではございません。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は賃金部なんかができれば、そんなへ理屈を並べて、労働者だけが責任を負わなければならぬというようなことでものを理解してくるだろうと思って、心配しているわけですが、あなた方のものの考え方もそうなんです。コスト・インフレになるといって、労働者の賃上げだけを問題にしている労働力が過剰な個所と不足な個所がある。不足な個所において、中小企業で賃金の高騰を見たために、より以上のコスト・インフレの傾向を生んだ。ある意味ではいい。賃金構造の格差がなくなってきていいじやないですか。しかし、それを乗り越えていけないネックがあるわけでしょう。製造業なんか、付加価値よりも投資の額が二倍にもふえてきているという現象が起きてきておる。こういうことになぜ目を向けないのです。労働力が過剰な場所と不足な場合だけを力説しておる。賃金が上がったというそのことだけを言っておる。それでは大臣、聞いていただきたい。全体の経済運行から見れば、それでは労働者はかわいそうじゃございませんか。労働者の首はどんどん減らしていきますけれども、会社の数は依然としてふえていっているじゃありませんか。高給者が反面にはたくさんいるということでしょう。金融はどういうふうになっているかというごとも何も考えておらぬ。いろいろな結果によって起きた不幸、その不幸は労働者のあなたたちが負いなさいというものの考え方、それが労働者にサービスする労働省の幹部の御意見ですか。もっとほかのことは言えませんか。いわゆる不景気を迎えんとするこの現実は、労働者の需給関係、賃金のみにおいて負担することはできないはずなんです。それをあなたは、御自分の前の資料があるから、それを言っているかもしらぬが、それではサービス庁の幹部ではない。労働省の幹部としては、もう一ぺん言い直す必要があると思うのだ。

大宮五郎労働事務官(大臣官房労働統計調査部長)

○大宮説明員 言葉が足りなくて申しわけなかったのでございますが、労働省といたしましては、かねがね賃金の二重構造といいますか、非常に大きな規模別の賃金の差が従来ある、そういうものは縮まっていくことが望ましい方向であるというふうに見ておるわけであります。そういう点から申しまして、最近賃金の規模別格差が縮小してきておるということは、大へんけっこうなことだろうと思っております。しかし、全体として国民経済に、それが全般的な物価上昇につながるようないろいろな問題が、ほかの点と一緒になって起こって参りますと、そういうことも結局長続きしないで、かえって逆行するおそれも出てくるわけでございますから、そこで、そういう逆行するような事態が起こらないような、まあ、安定的に、コンスタントにそういう改善の状況が続いていくということが望ましいのではないかという考え方から、先ほどのようなことを申し上げたわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 約束の時間が過ぎましたから、これで質問を終わらざるを得ないと思いますが、国会ももう終わりでございますし、当委員会で正規に大橋大臣をお呼びしてお話しをする機会は、臨時国会中にはもうほとんど不可能なような状態でございます。ですから、これから休会中もお呼びして、いろいろとこの勧告についての研究途上と申しますか、それをお聞きする機会があるだろうと思っておりますが、きょうの大臣は、初めてのごあいさつのせいか、非常にいいことを、おおむねいいことをおっしゃっていただいているわけなんです。初めはみんないいことをやろうとして努力をしておる。だけれども、なかなか——そのうしろに大蔵省の給与課長みたいな者がやはりいるのですよ。そうして以か変なところへこだわって、がんばり続けて問題を紛糾さしている。こういう点は私は非常に残念だと思います。ですから、今大臣が考えていられる点を中心にして、一つ人事院の勧告の問題を、早急に実施方を踏み切るように御努力をしていただきたい、こういうふうに一応お願いを申し上げて、きょうは質問を打ち切りたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 今の石山委員の質問に関連して、一言お尋ねいたします。  大橋さんは給与担当国務大臣でいらっしゃるわけですが、その法的地位というものは別にない。これは閣議における承認事項というような形ですか、ちょっとあなたの御地位について御説明願いたい。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 これは、私は公的なものかどうかよく存じませんが、元来から申しますると、この公務員制度並びに公務員の給与の事務は、これは総理府の公務員制度調査室の仕事になっております。これは総務長官の所掌事項の一つになっております。従って、総務長官がこの問題についてお答え申し上げるのがよろしいのでございますが、現在の制度では、総務長官が国務大臣でないものでございますから、そこで国会の関係は、どうも国務大臣が出ろ、こういう御要求がございますので、そうなりますと、総理大臣が出るのが筋かもしれません。しかし、いろいろな関係上、総理大臣が始終出て御説明申し上げることも困難でございますので、そのことを私に特に総理大臣から命じられた、こういうわけだと思います。従って、私は、総理大臣の責任のもとにこの仕事について国会に出て、公務員の関係について申し上げる、こういう立場だと思っております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 あなたは、総理大臣にかわって、公務員制度、給与等については責任を持った政府の答弁をしていただけるお立場ですね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 総理大臣の、総理府の仕事に関する事務を私の責任で御答弁申し上げる、こういうことだと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 そうすると、あなたのお仕事の中には、総理府総務長官のお仕事以外の問題として、特別職のことは御所管になっていないわけですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 直接の所管事項にはなっていないそうでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それではあまり意味をなしませんね。一般職を対象にした給与担当の国務相、こういうことですね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 まあ、これはもともと法律的な厳格な制度ではございませんので、何か御用がございましたら、また便宜お答えいたしたいと思います。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それでははなはだ心もとないですね。国務大臣ですからね。総務長官は国務大臣をもって充てることができると規定があるわけですから、そうすれば、制度として、国務大臣をもつて充てることができる制度になっているのです。決して国務大臣をもって充てることができない制度ではないのです。制度は、あなたが、おっしゃったのとは違って、国務大臣をもって充てることができる総務長官の地位になっている。今現実に国務大臣になっていないだけで、国務大臣を総務長官にすればいいわけです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 特別職の給与につきましては、直接には大蔵省の所掌事務になっているそうでございます。しかし、総理府といたしましては、やはり一般職の給与と特別職の給与というものは、非常に関係の深い事柄でございますから、総理府の事務としてはやはりこれを調整することが必要であると存じまして、その点につきましては、当然私が責任を負わなければならぬと存じます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 あなたは今、総理大臣にかわって一般職に関係した責任をおとりになるわけですか。いまだに人事院総裁がいつまでもきまっていない。これはあなたに直接関係のあるお仕事になってくると思うのです。人事院総裁を総理大臣がおきめにならなくても、ぼやぼやしておれば、あなたの方から、総裁を早くきめようじゃないかと責任者として申し上げて、そうして国会の承認手続をとって任命されるという、そういう順序を早くお進めにならないと、人事院の機構が、総裁が欠けたままで、人事官が一人欠けたままで長く運営されていくということは非常に不自然ですね。これはどうですか、人事院総裁がいつまでもきまらなないでいいのでございますか。何とか対策をお立てになる御用意があるのかどうか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 人事院総裁の任命手続は、これは総理府ではなくて内閣の仕事になっております。しかし、給与担当国務大臣いたしましては大いに関心を持っているのでございまして、内閣に対してまして、できるだけすみやかに手続を進めていただくようにお願いいたしております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それでは、今手続を進めているわけですね。これは人選等も一応腹案を持って進めているわけですね。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 そうでございます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それでは、人選については、あなたの方でだれかれとお答え願うこともできませんから、これだけで一応質問を終わります。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 この際、暫時休憩をいたします。    午後零時五十分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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