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41回国会衆議院1962/08/23

地方行政委員会災害対策特別委員会連合審査会 第1号

発言数
231
登壇者
27
会派数
3
開催日
1962/08/23

会議録

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより地方行政委員会災害対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。徳安総理府総務長官。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 ただいま議題となりました激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げたいと存じます。  政府は、第三十九国会において成立いたしました災害対策基本法を本年七月十日から施行いたしたのでありますが、同法第七章におきまして、著しく激甚である災害が発生した場合における復旧事業等が適切に実施されるための地方公共団体に対する国の財政援助及び被災者に対する特別の助成措置について別に法律を制定すべきこととされております。また、この法律は、できる限り激甚災害発生のつど特例法を制定することを避け、災害に対する国の負担制度の合理化をはかり、激甚災害に対する施策が円滑に講ぜられるようにすべきこととされております。  本法律案は、この災害対策基本法の規定の趣旨にのっとりまして、従来激甚災害のつど個別に立法されて参りました各棟の国の負担、補助等に関する特例法を総合的に考慮し、合理的かつ恒久的な制度をつくることを目的としたものであります。  すなわち、まず国民経済に著しい影響を及ぼす災害であって、その災害による地方財政の負担を緩和し、または被災者に対する特別の助成を行なう必要があるようなものが発生した場合には、政府は、中央防災会議に諮って、これを激甚災害として指定し、以下に述べる措置のうち、その激甚災害に対して適用すべき措置を指定することといたしております。  この特別措置の内容といたしましては、第一に、公共土木施設、公立文教施設、社会福祉施設の災害復旧事業費等、地方公共団体の負担額を計算し、この地方負担額を当該団体の標準税収入と比較して一定基準に該当するものにつきまして、超過累進的に負担を軽減するよう特別の財政援助を行なうこととしております。  第二に、農林水産業関係につきましては、農地、農業用施設及び林道の災害復旧事業及び災害関連事業の地元負担を軽減するため、通常の補助のほか、負担が増大するに伴い超過累進的に補助ができることとするとともに、農林水産業共同利用施設に対する補助の特例、開拓地の施設等に対する補助、天災融資法の特例、森林組合等の行なう排土事業に対する補助、土地改良区等の行なう排水事業の補助及び共同利用小型漁船建造費の補助につきまして、それぞれ、従来の災害特例立法に準じた措置を定めております。  第三に、中小企業につきましては、中小企業信用保険法による災害関係保証の特例、中小企業振興資金等助成法による貸付金の償還期間の特例、事業協同組合等の施設の災害復旧事業に対する補助及び中小企業者に対する資金の融通に関する特例につきまして、それぞれ従来の災害特例立法と同様の措置を規定いたしております。  最後に、以上の各種の措置のほか、公立社会教育施設及び私立学校施設の災害復旧事業に対する補助、私立学校振興会の業務の特例、市町村の施行する伝染病予防事業に関する負担の特例、母子福祉資金に対する国の貸付の特例、水防資材費補助の特例、罹災者公営住宅建設事業に対する補助の特例、産業労働者住宅資金融通の特例並びに公共土木施設、公立学校施設及び農地、農業用施設等の小災害に関する起債の元利補給の特例を定めております。  以上がこの法律案の概要でございますが、この法律が施行されることによりまして、将来著しく激甚である災害が発生した場合におきましても、別に立法を要することなく以上の諸措置が発動されることとなり、災害復旧事業等の迅速かつ適切な執行が行なわれ、また災害を受けた地方公共団体等の経費の負担を適正ならしめるとともに、被災者の災害復興の意欲を振作することができるものと確信いたしております。  なお、本年すでに発生している集中豪雨及び台風による災害をも考慮して、本法律案の附則において、昭和三十七年四月一日以後に発生した災害についてこの法律を適用することといたしております。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。  なおこのプリントをお配りしておるそうでありますが、その最後の方に、三十八年四月一日と誤り記入いたしましたものをお配りしている方も一あるようでありますが、これはミス・プリントでございまして、三十七年四月一日と御訂正をいただきたいと存じます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。     ―――――――――――――

永田亮一自由民主党

○永田委員長 次に質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 災害基本法が制定されまして、それに伴うところの激甚地の指定基準あるいはまたそれに対する補助の内容等については法律で規定がされ、今度はいよいよそれが日の目を見るということでございますので、まことに御同慶にたえないところでございますけれども、今度の法律案を見てみますと、非常に政令にゆだねられている点が多いのでございまして、きわめて内容が不明確なところが多いと思うのであります。従って、それらの点についてお尋ねをして参りたいと思います。  まず第一に、この法律は一応公共土木の災害と、それから農林水産に対する補助、同時にまた中小企業あるいはその他というふうな四本立てに組まれておりますが、そのそれぞれについて、激甚なる災害と政令で指定するところのという言葉が用いられておるのでございますが、それらについては共通ではなく、個々別々のものであろうというふうに理解されるのでございますが、そうでございますか、あるいは共通な考え方で指定しているのですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 ただいまの御質問の点は、法律の第二条の規定にございますが、結局あとの構成からもわかりますように、激甚災害という態様が、それぞれの公共施設の災害であるとか、あるいは個人の災害であるとかいうことによりまして違っておりますので、激甚災害指定も、そういった各態様に応じて別々に行なわれるということになろうかと思います。従いまして、激甚災害としてはこれは一つでございますが、その災害が起こりました場合にどの条項を発動するかということが政令で指定されることになるわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それでは、その被害の状態に応じてそれぞれ違ったところの法的な援助の道が講じられる、こういうふうに理解されるのですが、そういうことですね。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 その通りでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それでは、この第三条の公共土木の場合におけるところの「激甚(じん)災害に係る次の各号に掲げる有業で、政令で定める基準に該当する都道府県又は市町村」とございますが、この政令で定める基準というのはどういうことなのでしょうか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 この場合は、すでに資料等で説明をいたしておると思いますが、公共団体の負担にかかわる災害につきましては、ここに法律に列挙してございますような各事業につきましての地方負担を合計いたしまして、その地方負担額が当該団体の標準税収入の二〇%をこえる場合、そういう団体が指定されるということになるわけでございます。それが政令で二〇%ということが書かれるわけでございます。市町村につきましては、それが一〇%でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それでは、自治省にお伺いいたしますけれども、一般に都道府県または市町村の事業費とか人件費とか、そういうふうなものを省いたいろいろな事業に使っていくところの費用というものは、地方財政の中で平均して大体どれくらいのパーセンテージになるのか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 三十七年度の地方財政計画で、公共事業、単独事業、災害復旧事業等のいわゆる投資的経費の全財政計画上の歳出規模に占めます割合は、三五%となっております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それは中央からくるところの補助、そういうようなものを差し引いたものですか、そういうものを含めたものですか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 財政規模全体のうちに占める割合でございますので、国から交付されます負担金を加えたものでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういたしますと、実質的に市町村の基準財政収入額の中で何パーセントが事業費に回っておるのか、そういう点を私はお聞きしているのです。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 どうも私、御質問の御趣旨をのみ込みかねて、見当違いのお答えになるかもわかりませんか、今申し上げましたのは、地方財政計画の歳出規模、この歳出は国庫支出金、地方交付税、地方債あるいは地方税というような収入によってまかなわれるものでございますが、その総歳出規模のうちの三五%が投資的経費であるということを申し上げたわけでございます。なおこの投資的経費のうちには、一般の公共事業、国の直轄事業に対する負担金あるいは失業対策事業、それから府県市町村の行ないます単独事業、それから今問題になっております災害復旧事業等も、いずれも含まれております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 私が知りたいのは、今都道府県では基準財政収入額の二〇%、それから市町村では基準財政収入額の一〇%、ところが今あなたの仰せによりますと、地方財政の全体の規模の中で三五%そういたしますと、国の補助とか、そういうふうなものを引きまして、各地方団体の基準村政収入額の中において、そういうようなトンネルで出ていくところの金以外に、事業費として年々使われていく金というものは一〇%か、あるいはそれをこえるのじゃないか、こういうように私は思うのであります。従って、そういうふうな基準財政収入額の中において占めるところの事業費のパーセンテージと、それから今災害復旧費として地方が負担しなければならないものが一〇%をこえる場合というふうなものとの比較においては、地方の負担が災害復旧という仕事に対して非常に重いのじゃないかというふうなことを懸念するのでございますが、そういう点の比率を、もう少し比較においてわかりやすく御説明願いたいのです。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 ただいまお尋ねのございました、三十七年度で申しますと、公共事業として行なわれます災害復旧事業の総額が八百九十三億円の予定になっております。これに対しまして国庫負担金が七百二億円交付いたされますので、公共事業としての災害復旧事業に対します地方負担は百九十一億でございます。そのほかに地方が単独で行ないます災害復旧事業がございますので、それを加えますと約四百億円でございます。それに対して昭和三十七年度の地方税の収入見込み額は九千三百億になっておりますので、大体四%程度であろうかと考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それは、国全体の地方財政規模と、それから災害復旧費とを比較されるからそのように低いものが出てくるのです。しかしながら、災害を受けておる当該府県というものの中において考えていかなければ、その財政的な影響というものは考えられないわけであります。だから、今のあなたの比較されるところは、片一方では災害を受けていない、全然災害の影響のないところのものを含めたところの全体の財政規模というものを片一方にとって、片一方では災害復旧費というものをおとりになるから、そんなに少ないパーセンテージが出てくるのです。だから、各当該府県ですね、たとえば特定の。今度北海道へ行って参りましたが、北海道の砂川町なら砂川町というところの財政規模というもの、基準財政収入額、その基準財政収入額の中で、年々砂川町は一体何ぼの事業費を使っておるのか、事業費として使える金というものは、人件費とかその他いろいろな、どうしても行政に必要なものを差し引けば、市町村はわずかより持っておらない。そのわずかより持っておらない市町村が、災害が起これば一〇%まではまるまるかぶっていかなければならない、こういうふうな考え方でこの法律が立てられておるというところに、災害によるところの地方財政への非常なしわ寄せといいますか、負担過重が起こるのではないかということを私は心配いたしますので、そういうふうな比較においてわかりやすく御説明願いたい、こういうふうに申しておるのです。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 ただいま一〇%とありますのは、総体の事業費に対します。通常の災害復旧事業費に対しまして国庫負担が行なわれた後におきます市町村の負担が、当該団体の税収入に対して一〇%以上、こういうことでございます。従いまして、これは災害復旧事業は一年で復旧することが望ましいわけでございますが、実際は三年ないし四年かかっておりますので、これを考えますと、一〇%というのは、かりに三年とすれば三・三%、四年とすれば二・五%という程度になるわけであります。なお残りました地方負担がかりに一〇%といたしましても、その団体が全部当該年度の一般財源から支弁をしなければならないというわけではございません。それに対しましては、起債によって処理をするという方途もとっておるわけでありますので、必ずしもそのことが非常に大きな財政負担になるというふうには私ども思っておりません。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういたしますと、三年間とすれば平均して三・三%、あるいはそうかもしれません。しかしながらこれがそういうふうにならない範囲において、災害常襲地帯、年々災害がやってくる、そういうところで一〇%未満のものが三年間続いてきたというふうな場合には、平均しては一〇%ということになってくる。そういうことになってくると、相当財政負担は苦しいんじゃないかと思えるのですが、そういう場合には、連年災害の中にもそれは入ってこないと思うのです。連年災害の場合には、三年間の合計が基準財政収入額の三倍にならなければいかぬわけですから、だから連年災害にも入ってこないと思うのですが、そういうようなこともなきにしもあらずで、北海道では現実に二年間続いてやって参っております。それからまた九州であるとか、あるいはまた近畿でも、そういうような災害常襲地帯というのはございますので、そういう地域におけるところの財政的な影響というものはどうなるのですか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 現在町村の人口八千ないし一万二、三千のところをとってみまして、大体その辺の平均の税収入がどの程度になるかということでございますが、これは三十七年度では標準税収入で千五百万円ないしそれを若干上回る程度ではなかろうかと考えております。従ってその一〇%ということになりますと、百五十万円でございます。これを三年ないし四年で仕事をやるという場合の地方負担を考えますと、年年の地方負担は四、五十万円程度にとどまるのではないか。もちろんこれも町村の財政にとっては大きな問題ではございますけれども、その程度のものでございますならば、一方においては起債によってつないでいくという方法も講ぜられておりますので、必ずしも当該団体の財政に決定的な影響を及ぼすものとは考えなくてもいいのじゃないかと考えております。なお連年災害の場合には、御指摘のように累積いたして参りますので、必ずしも一〇%を三年に割っていくというわけに参りませんけれども、そういう場合には起債の充当率を高めることによって、地方負担を軽減していくというような方途もさしあたって考えて参りたいと考えておりますので、全体としては適正に財政運営が確保されるもの、こういうふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 この災害の発生の場合でございますけれども、河川の改修がどんどん行なわれますと、だんだん上流地域が安全になればなるに従って、下流地域は全部負担をかぶるような傾向が近年出て参っておる。だから災害というものがある特定の地域にだんだん集約されていくという傾向があるわけです。そういう場合に宿命的な、たとえば伊賀の上野の盆地であるとか、あるいは京都でありますと亀岡であるとか、そういうふうな、宿命的に上流の影響を受けて災害を連年起こしてくるというふうな地域にあっては、それが単に三年にとどまらないで、たとえば十カ年の間に六回も七回も見舞われるというふうなことは、これは現実にあるのです。そういたしますと、そういうところの市町村の財政負担に対しては、一〇%まではノー・コメントだというふうな考え方は、これは相当地方の財政負担を圧迫するというふうななにがありますので、これはやはり連年災害の規定の考え方をこの中へも入れていって、何か特定の方途を講じなければ、私は地方財政への影響というものを無視するわけにいかないと思うのでございます。しかし、たとえば平均で千五百万の財政収入に対して、一〇%なら百五十万じゃないか、それを三年でなにしていくとすれば、年に五十万消化すればいいじゃないかということでございますけれども、しかしながら、千五百万程度の財政収入額の地方団体の中で、その中から人件費だとかその他大きないろいろなものを引いていけば、事業費としてわずかなものしか見積もられておらないと思う。ところが、またその中からそのような一〇%に相当する金額というものは、これは無視できないと思いますから、私らの方もこういう問題について、この法案について修正を考えていきたいと思っておりますから、政令の方でも一つそういう点考慮を願いたいと思います。  それから次に移っていきます。第五条でございますが、激甚災害を受けたと政令で定める地域というこの考え方は、合併前の市町村の区域をもさすものなのか、あるいは現在の行政区域をさすものなのか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 この法律としては規定してございませんが、町村合併促進法の附則が生きておりますから、当然旧市町村の区域で計算いたした方が有利であるという場合には、旧市町村の区域によって計算をいたすことになります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それから農地の災害復旧に対する考え方ですが、農地はいいのですが、農林水産業全体について考えてみるとき、これは個人災害に対するところの助成でございますが、この農家の個人災害に対する助成の考え方の中に、復旧費だけを基準にしたのでは少し無理じゃないかと思うのです。各所に政令で定めるというのがたくさん出ておりますが、これらについての、たとえば天災融資法の場合なんかの激甚地指定というものは、農地の復旧の場合とは別の形のものなのですか。それとも大体同じ考え方ではめていくのですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 この条文の規定で分けておりますように、やはり農地の施設というような、施設関係の災害の負担というものは、第五条の規定でやって参るわけであります。天災融資法のような、いわゆる営農資金につきましては、これは農家の負担として見ますと、同じように考えて合算していくということも一つの考え方でありましょうが、いろいろ農林省当局とも議論のありました末に、やはりこれは別にした方が実情に合うということで、天災融資法の関係は第八条に別に規定したような次第でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうしますと、第五条の場合には、復旧費の地元負担額が一戸当たり二万円以上になる場合というふうな資料をいただいておりまするが、第八条のこの激甚地の指定基準というものはどういうふうになっておりますか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 この第八条を発動させるのは、これはいわゆる激甚災害の指定でございます。その指定をどういう基準でやるかということは、御説明があったと思いますが、中央防災会議できめてやっていく、こういうことになっておるわけでございます。従いまして、どういう基準で第八条の規定を適用させるかということは、一般的にできていないわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 大体災害基本法ができたのは、そのつど法律できめたり、そのつどいろいろ協議しなくても、災害に対するところのいろいろな手当が自動的に発動していくようにというふうな市が強かったのが、災害基本法が成立した根本的な理由だと思うのです。この第五条の場合の農地の復旧などについては、激甚地域の指定基準というものができている。しかし、第八条の発動については地準も何もなくて、そのつど相談するのだというふうなことでは、どうも理解しにくいのですが、どういう場合にこの天災融資法の激甚地指定をやるのだというふうな、考え方くらいはあるのじゃないでしょうか、それを御説明願いたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 最初にこの法律の構成を提案理由で御説明いたしてございますが、要するに全体を通じまして、この激甚災害というものの指定が行なわれなければ発動されない。第五条の規定も同様でありまして、やはり激甚災害としての指定がなければ発動がないわけでございます。同様に、第八条もそういうことになるわけであります。それについては、そのつどそのつど議論していっては、これは非常に不公平にもなりましょうし、従来と同じじゃないかという御指摘もございますので、中央防災会議という最高の会議をつくりまして、その最高の会議においてきめていくということになっておるわけでございます。この法律が通りますれば、すでに防災会議の構成もできておりますから、その方でだんだん進められると思っております。考え方ということになれば、たとえば天災融資法の問題であれば、やはりこの法律の第二条にございますように、それが国民経済的に見て非常に大きな災害であるというようなものが指定されることになるわけでございますが、それはどの程度でやるか。これは従来の実績もございましょうし、またいろいろな考え方もございましょう。それを防災会議という高いところで議論していく、こういうことになるわけでございます。従いまして、ある程度そういった実績が積み重なって参りますれば、それでもって大体運営ができていく、こういうふうになることと考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 農地の災害復旧費が、その地方の農家の一戸当たり平均二万円以上というふうな場合に、激甚災害として指定する。ところが災害復旧費を伴わないような災害というものは、これもだんだん増加しつつある。それは、御承知のように長期湛水でなく、逆水によるところの農林災害につきましては、稲がただつかるたけで、泥もあまりかぶりませんから、従って復旧費はあまり要らない。だから個人災害だけにとどまるわけです。しかしながら、それが長期湛水いたしますと、すっかり稲が腐って、収穫がほとんどないに等しいというふうな事態がやってくる。ところがその湛水地帯というものは、これは地域がすでにきまっておりまして、全国至るところにそういうのがどんどんふえつつあるわけですが、つまり護岸が強化され、上流の河川が改修されれば、そのしわ寄せは全部下流の、たとえば川の合流地点というようなところへ集まって参りまして、そういうところでは長期湛水の常襲地帯ということになってきます。そうすると、その地帯は、別に他の条件を仮定しない限りにおいては、その泥も砂利もかぶりませんから、災害復旧費というものは伴いません。水が引けばそれまでなんです。しかしながら、その地帯の農家というものは収入皆無になるわけです。だから、その場合にはやはり天災融資法であるとか、あるいは自創資金の貸付であるとか、あるいはその他の政府の援助にたよるよりほか、これは生きる道はないわけでありますが、そういう地域についての農民の個人災害に対するところの救済、これは救済というより本、むしろ補償という考え方でいかなければならないのではないか。また現地農民は、そういう点については政府によるところの補償ということをはっきり打ち出して、補償要求というものを今日叫んでおるわけです。そういうようなものに対する施策をどうされるか。これは事務的にはまた事務当局からお答え願いたいが、次官の方から、そういう点についての基本的な政府の考え方をお示し願いたい。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 長期湛水の問題でありますが、激甚災の指定があった場合の長期湛水につきましては、第十条に規定がしてございます。「土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する補助」ということで、政令で定める区域において土地改良区が湛水の排除事業を施行する場合には、県に十分の九の補助をする、こういうことになっております。この大体の規模は三十六年災と同じで、大体一区域三十ヘクタール以上で、一週間以上湛水した場合をこの対象にしていきたい、こういうふうに考えております。  それから今御指摘になりましたように、こういう激甚災でなくとも、長期湛水の区域が最近ふえている、こういうふうなお話でございますが、そういうものに対しましては、農地局といたしまして、三十七年度から新規事業として滞水防除の事業をただいまやっております。これはいわゆる防災措置という考え方で、長期湛水の過去における経験なり、今後おそれのあるところにつきましては、防災事業といたしましてポンプの増強、あるいは排水樋門の改良、そういう面に対しまして、国の助成事業として本年から開始して、逐次これの計画的な解消を進めたい、こういうふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 排水問題については後ほどお尋ねをいたしたいと思うのでありますけれども、その前に、災害復旧費を伴わなければ激甚地指定にならない、そうすると、復旧費を伴わないような個人災害がだんだんふえてきておるのに対して、この法律は何も手が打たれておらないのじゃないか。だから、その点を私はお尋ねしておるのでございまして、年々歳々湛水常襲地帯で収穫が落ちていく。たとえば私は昨晩帰ってきたのですが、先日北海道へ参りましても、石狩川と千歳川ですか、合流地点の近くあたりの開拓農民などは、去年も収穫皆無、今年も収穫皆無だった。今は二週間ほど避難しておったのを、家へ帰ってきて、おつゆにイモを浮かべて食べておる、そういうふうなことを訴えておりました。私も非常に悲壮な状態に同情の念を禁じ得なかったのです。そのような地帯にありましては、もう去年も長期湛水で相当やられて収穫がなかった。しかし去年はあとでまた穂が出てきて、三割くらいの収穫があったので、飯米を少々は確保できた。ところがことしは、全く収穫皆無という状態であります。去年は、ことしの営農のために、借りられるだけの融資を受けておる。そしてまた自創資金も借りておる。しかし、ことし引き続いてもう一度それを借りようとしても、もう返すめども自信もないから、借りることすらためらわざるを得ない。また貸す側の農協の方でも、全部預金を引き出されてしまっておる。だから、資金が枯渇しておるところに、また今度貸して、はたして返し得られるだろうかということを案じるから、貸すことにも足踏みをしておる。こういうふうな連年、二年にわたったところの湛水のために、非常に悲惨な境遇に追い込まれておる農民にとりましては、こういうふうな農民の個人災害に対するところの救済ないしは補償の道というものは、非常な重大な関心のあるところです。それに対して今度の災害で本、また天災融資法の場合でも、私は何か特例の道があるのかと思ってお尋ねをいたしましたところ、どうも特例の道はないようでございます。その点、政府としてどうお考えになりますのか、どのような形でそういう窮迫した農民を救済されようとしますのか、その辺の御方針を承りたい。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 今先生のおっしゃいましたように、何年も続けて災害を受けた場合におきまして、これは非常に気の毒な問題でございます。現在は共済保険の制度が農作物、蚕繭、家畜についてございます。農作物につきましては、直ちに共済保険で仮渡しをいたすことにいたしておりまして、単位組合の金が足りないという場合には、中央の方から概算払いをするとかいうことをやっておる次第でございます。そのほかに、今おっしゃいましたように、天災融資法とか、あるいは自創資金とか、あるいは公庫資金とか、いろいろ融資の制度がございます。また二年も三年も続けて災害を受けたような場合につきましては、その融資の返還の場合に、いろいろ考慮を行なうということをやっておる次第であります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 共済保険と申しましても、それは、収穫が平年作に対する六〇%か、それ以下のものであるように私は聞いております。従って共済保険だけでは足りないから、一応そのようないろんな道が講ぜられておる。ところがその講ぜられておるのに対して、そういう連年やられていった地帯に対して、特別に何か考慮していくということがなければならぬ。一年だけなら耐えられると思う。それが二年、三年となって参りますと、これは非常な深い痛手になってくる。だから、そういうものについては、特に格別の配慮がなければならない。たとえば京都府にありましても、由良川筋で、去年は稲架にかけたまま稲を流されております。これは桂川筋においても同様であります。ところがことしは、また麦をすっかり流されている。去年稲を流されて、ことしは麦を流されて、二年にわたってそのようなことが続いて、さらにまた今度もどうなるかわからない。またその前年、前々年は流されておらないけれども、やはり湛水のために相当な減収になっておる。こういうふうな地域に対する救済は、あえて私は、身近にそういう例を見ておるし、また今度北海道に参りまして、農民のそういう問題についての悲痛な話を聞きましたので、特にこの点、政府の方としても格別の配慮をしていただかなければならない、こういうふうに思ったものでありますからお尋ねをしておるのでありまして、この問題は、いずれまたほかの委員からも意見が出るであろうと思いますし、さらにまた、お尋ねしておりましても、どうも満足のできるような御答弁がございませんので、この程度で打ち切っておきたいと思います。  次に、今の湛水の問題でございますけれども、この湛水の場合、三十ヘクタール、一週間というなにでございますが、この湛水の期間を一週間ときめられておるということ、これについては、私は問題があると思うのです。というのは、今庄野さんからお話がございましたように、湛水防除事業というものを今後やっていきたいというふうなお考えでございますし、あるいはまた、そうでなくても、各町村においては農業団体に補助をいたしまして、どんどん湛水をできるだけ早く排除してしまう施設の強化をやっております。金をかけて施設の強化をやって、早く排除してしまえば、もう激甚地帯として扱われない。こういうことになって参りますと、施設は強化して金は入れた、しかもそのためにやはり事業費も相当要ります。電力その他の油であるとか、そういうふうなものが相当要ります。金をかけて早く排除してしまえば、それに対する費用は全然めんどうを見てもらえない、そういうふうな施設を行なうことに努力をしなかったために長期湛水しておったところは、十分の九の補助が受けられるということでは、非常に不公平があるのではないか。これは、そうなるまでには政府が相当金を入れてやったから、助かっただけいいじゃないか、しんぼうしろというようなお考えかもしれませんけれども、そこには、やはり地方の努力というものが無視されておるという点において、私は長期湛水の三十ヘクタールはいいといたしまして、一週間というのは少し長過ぎやしないか、また、努力すれば、その努力が報いられるような道が講じられておらなければならないと思いますけれども、この辺についてお考えを承りたいと思います。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 御指摘の通り、湛水地区につきましては、被害が起こればこの激甚災法によりましし、また被害が起こりそうなところは、先ほど申しました湛水防除、それから一般の土地改良といたしましても、国営、県営、団体営というような補助体系によりまして、排水改良ということを実施して参っておるわけでございまして、ただいまの土地改良の建前として、施設についての負担につきましては、国がこれを助成して農民負担の軽減をはかる、こういうことに相なっておりまして、管理につきましては、特殊の場合のみについてこれを直轄管理するか、県に補助をして管理するか、こういった道が開けつつありますが、一般的に申しまして、施設管理は農民の負担でやるという建前でやっておるわけでございます。それで、御指摘のような一部の矛盾が起こる場合もあろうかと思いますけれども、やはり、施設ができました以上は、それを農民が常に管理いたしまして被害を最小にとどめるというのは、やはり農民において最善の努力をしてもらう、こういうふうに考えております。そういう限度を越えました激甚災の場合に国がこれを補助する、こういう建前に考えておるわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 どうももう一つふに落ちないのですが、この湛水地帯につきまして従来から問題になっておりますのは、必ずしも、農地の水だけではなく、他の林野からも、その他都市等からの水も全部加わって、それが低いところの農地へ湛水する。だから、それを農業施設だけでもって排水していく、しかもそれが土地改良組合の負担に全部なっておるというようなことは、非常に矛盾しておるということから、府県でも相当排水事案費については援助しております。従ってその援助した額について、長期湛水のものについては十分の九くらいはめんどうを見てもよろしい、この十条を裏返せば、十分の九までは土地改良区がやっておる排水聖業でも、府県は電力料その他金を出してやってよろしい、そして、それが長期湛水の激甚地指定になる場合については、全額国がそれを補償します。従って、府県はトンネルになるわけですね。だから、もしそれが三十ヘクタール、六日間であったとしたならば、これは府県が持たなければならぬ、こういうふうなことになっていくわけです。そうすると、六日、五日というような――農民とすれば、一日も早く水を排除してほしいでありましょうし、また当然それはやるべきであります。そういうような努力を、その府県が補助して、土地改良区に金を出してやってどんどん早く排除してやったら、結局府県の方が全部かぶっていかなければならぬということでは、私は矛盾があると思う。これは、政務次官の方から、そういう点についてどうするかということを、もう少し、事務的なものの考え方でなしに、お答えを願いたいと思います。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 農林省の問題でございますので、私からお答えさしていただきます。  御指摘の通り、そういう点はごもっともだと思っております。排水の問題につきましては、御指摘のように、全面的に、農業の水ばかりじゃない、市街地の水もあり、あるいは山間地から落ちてくる水もあるわけでございまして、そういう意味におきまして、この激甚災の場合は、十分の九が国の補助でありまして、十分の一が地元負担、こういうことになるわけでございますので、この地元負担の中において、県、市町村、農民がどういうふうに分けるのか、こういうのが地元の話し合いになろうかと思います。それから一般の、土地改良の激甚災にならないような場合におきまする排水の問題といたしましても、御指摘のような農業外の水が入っておるわけでございまして、そういう点については、県なり市町村で持つように指導いたしておりますが、制度的な問題としては、今後十分検討して制度的に考えていきたい、こういうふうに思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 政務次官にお答え願おうと思っておったのですが、どうも話をよく聞いていただいておらぬようだが、今局長からの御答弁で、今後考えていきたいというようななにでございますから、政務次官の方も、この問題は一つ真剣に御検討願いたいと思います。  もう一つ、二十一条、水防資材費の補助についてお伺いしたいと思うのでございますけれども、この「激甚災害であって政令で定める地域」というのはいかなる地域をさすのでございましょうか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内政府委員 これは、二十四災と同じような政令の指定をしたいと思っております。従って、都道府県につきましては百万円をこえるようなところ、それから水防団体においては二十万円をこえるところ、そういうところを指定する予定でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 今の御答弁でよくわかりました。では私は、私に割り当てられた時間をこえておりますので、この程度で質問を打ち切りたいと思いますが、この政令の内容には、それぞれある程度の、というよりも相当不備な点があると思いますので、われわれの方でも修正をしたり、あるいは政令内容をはっきり法文に出してもらいたいというふうな形で自民党の方へ申し入れるはずでございますから、政府の方でも御考慮願いまして、もっとはっきりした法律で、しかも内容のもっと行き届いたものに、被災者の身になって十分御考慮を願うことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 総務長官にまずお聞きいたしますが、ただいま岡本委員からいろいろ指摘がございましたように、この法律は前向きの法律であると言えるわけでございます。しかし、どうも全般を見通してみますと、政令にゆだねておる事項が非常に多い。しかも激甚災害の指定の基準であるとか、あるいは市町村の負担額に対する算定の方法、これは都道府県に準ずるという形で政令にゆだねておる。そういった問題を中心といたしまして、相当重要な点を政令にゆだねておるのは適当でないと思います。やはりもっとはっきり法の上に明文化していく必要があるのじゃないか、こう思うわけです。特に政令にゆだねた思想的な考えといいますか、その点を一つ伺っておきたいと思います。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 先ほどから岡本委員の御質問等もございますし、ただいま中村委員からも御質問がございますが、お聞きしておりますと、私どももごもっともだと思うような点もたくさんございます。何しろこの法律は、御承知のように各省にまたがっておりまして、ようやく総理府が世話役をしたという程度でございますが、非常に大きく問題を取り扱い、しかも各省にまたがっておりまして、その調整が非常に困難でございましたために、現段階におきましては、不満足ながらまずこの程度で一応ごしんぼうを願いまして、そして災害ということにつきましては、与野党を問わず同じ考え方でございますから、次の通常国会までに一つの課題として御研究を願って、改正すべきものは改正して一向政府の方としても差しつかえないと思います。ただ、今までここまでまとめて参りました関係から、早く防災会議を開きませんと、もし災害等が起きましたときには処置がとれないことになりますので、早くこの法律を通していただいた上で、さらに再検討すべきものがあれば与野党でよく御相談願う、政府でももう一ぺん考える。私ども説明を聞いておりましても、もう一ぺん検討したらどうかなと思うものもございますけれども、しかし何しろ日が迫っておりまして、この法案を早く通していただきませんと、防災会議を開きましても仕事ができないという関係がございますので、不満足ながらこの法案を出しておるようなわけであります。そういうわけでありますから、どうぞ一つ……。いろいろかゆいところに手の届くような点につきましては、先ほど岡本先生からお話がありまして、私ども非常に傾聴すべき点があると思います。そこまで手が届くような法案にすべきだったと思うのですけれども、その点にはまだ行き届かなかった点が多いようでございます。何しろほとんどの役所に関係しておる法案でございまして、その折衝なり過去のいろんな関係等を勘案し、あるいは伊勢湾台風等の実績等にもかんがみまして、いろいろ研究の結果、現段階ではこれよりいたし方なかろうということでまとめ上げたものでございますから、いろいろのお説は次の課題として御検討いただきたい。政府も決してこの法案が万全だ、これ以上一切改正はまかりなりませんという考え方は持っておりませんから、さよう御了承いただきたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 先ほどの岡本委員の御質問に答弁もいたしませんし、今の総務長官の答弁に補足して私からお答えいたします。  この法律は、御指摘の通り三十幾つの政令が必要でございます。立法技術として妥当でないことは、十分われわれも承知しておりますが、何分にも初めての総合立法でございます。今後この法律を実施いたしまして、いろいろな経験を積んだ上で順次立法化していく、こういう方針をわれわれとっておることだけを御了承願いたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 お気持はよくわかったわけです。しかし拙速主義必ずしも好ましいことではありません。また悪いものは直さなければなりませんけれども、朝令暮改ということも、必ずしもこれはいいことではない。そこで、激甚災害の財政援助を受けるための指定というものは、これは指定の基準をつくるということが非常に重要な点だろうと思う。地方自治体の関心というものは、ここに集中しておると申し上げてもいいのじゃないかと思います。この点は、先ほどの御答弁、あるいはいろいろないただきました資料から見ましても、都道府県が二〇%、市町村が一〇%以上、こういうことになっておるようであります。今度北海道並びに九州各県の水害があったわけであります。これらの水害の府県、市町村は相当大きな被害を受けておる。ところがこの政令で定めようとする基準でいきます場合、はたして適用を受けるのか、こういったようなことで相当頭を痛めておる。指定を受けないのは、激甚じゃないから仕方がないじゃないか、こう簡単にはなかなか片づけられるものではないと思う。そういったような点からいたしまして、この点は相当総務長官並びに政務次官も頭を悩ましている。ここは当然法ですべきものだし、また政令で定めようとしておる都道府県二〇%、市町村一〇%、これはどういった基準でやるか。漏れ承るところによりますと、伊勢湾台風のたまたま二三%、従ってこれを二〇%にしたのだというようなことを言っておる。しかし伊勢湾台風というものは相当大きな激甚災害であった。しかし、その後の災害で特別措置というものが発動しておるわけであります。それらの伊勢湾台風以外の災害は、一応特別措置というような形で取り扱われたのであるけれども、それら伊勢湾台風以外の特別措置によって処理された地域が、その程度の災害がはたしてこの激甚地災害の指定都道府県並びに市町村という形になりますのか、この点は非常に問題であるし、重点であるわけであります。そこで、この二〇%、一〇%という根拠、この点はどうお考えになっておるのか、もっとこの点に対してははっきりした根拠というものが私はなければならぬと思う。その点を一つ伺ってみたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 基準につきましては、中村委員の御指摘の通りであります。過去の実績を参考にして基準をきめた、この基準が万全であるとはわれわれも考えておりません。従いまして、先ほど岡本委員の御質問にもありました通り、この引き下げという問題も将来必ず出てくると思います。われわれも真剣に検討したいと思います。ただこの基準、パーセントまで達せざる都道府県、市町村の問題に関しましては、先ほど松島参事官から、起債で特別めんどうを見るという答弁をいたしておりますが、そのほか特別交付税の算定基準その他の事項等がありまして、その点でも相当程度考慮できるのじゃないか、かように考えておりますから、とりあえずはこの法律を実施いたしまして、連年災害等で一〇%、二〇%に到達せざる都道府県、市町村の財政状況等も今後十分見ながら、将来のパーセント変更ということも考えて参りたい、かように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 御意見のような点は、激甚災害の指定を受けた場合、そういうことが当然考えられるわけです。もちろん激甚災害の指定を受けなくてもいろいろ方法があるのだ、こういうことでありますが、それはそれに対しての母法がある。母法に準拠していく以外にはございません。御意見のようなことによって緩和する余地はきわめて狭い、やはりこの激甚災害の指定を受けるかどうかというこの基準が問題だと思う。そこで、この中には一応出ておりませんで、政令で定めようということで都道府県二〇%、市町村一〇%、こういうことで議論されておりますが、この点はあくまでこの二〇%、一〇%で押し通そうというお考えでおられるのか。いろいろ意見をお聞きになって、二〇%、一〇%ということは無理があるのじゃないか、この法が制定されて、政令を出すのだから、その際にこれを引き下げるということ等は将来の問題でありますが、今考えていることを改めていく、こういったようなお気持はお持ちになっていらっしゃらないのかどうか、その点をお伺いしておきたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 われわれといたしましては、一〇%、二〇%でこの臨時国会は一つ御了承願いたい。これは政府、自民党、あるいは野党の皆さんとの今後の折衝もあろうかと存じますが、われわれとしましてはとりあえずこれで一つお認め願いたい。将来の問題としては、これは真剣に考えてパーセントの引き下げを考究すべきであると考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先ほど総務長官の御説明の中に、従来の特別措置を総合的に考慮して制定をしたとの御説明があった。従来の特別措置というのは、御承知の通りに伊勢湾台風だけでなく、二十八年災、その後各年の災害においてほとんど特別措置が実は発動しておるわけです。従いまして、総合的に考慮したということは、単に伊勢湾台風だけではない、その他の各年において実施された特別措置という点も、当然これは考慮されたのだろうと思うわけであります。そういったことからいたしまして、今度北海道並びに九州各県に起こりました災害、これは標準税収入は明らかなところであります。また建設省、農林省等の査定もすでに済んでおるのではないかと思うのでありますが、これらの府県というのは、ほとんど指定を受け得る、こういったようなことをお考えになっていらっしゃるかどうか、まず大体がおわかりでしたらお聞かせ願いたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 ただいまの中村委員の御質問、ごもっともだと思いますが、これらに対する基本的な考え方は、一つ大蔵省の方から御説明していただきますから、そちらの方からよくお聞き取りいただきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 先ほど申し上げるべきであったかもしれませんが、二〇%、一〇%の根拠をまず申し上げておきます。  ただいまの御質問にもございましたように、また政務次官からのお話もございましたように、この公共災害の政令で定める基準につきましては、既往の災害を基礎にいたしまして基準をきめていこうということで、いろいろの考え方がとられたわけでございます。従来の考え方は、御承知の通り三十四年の伊勢湾台風、三十六年にもこれを同様に使いましたけれども、この伊勢湾台風の場合でありますと、公共団体の指定にあたりましては、いわゆる被害激甚団体の指定ということを行ないました。これはどういうことをやったかといいますと、公共土木施設につきましては、その団体の行ないます災害復旧卒業費の標準税収に対する割合が一倍をこえるというところで、これに激甚団体の指定が行なわれたわけであります。なお、これはいわゆる混合方式によりまして、町村の区域でさらにこまかく見ていくというような見方もありますけれども、根本は、事業費が一に対して標準税収入一、その場合に激甚団体になる、こういうことであります。事業費が標準税収入の一倍ということは、今回の基準になります地方団体の負担額で見ますとどのくらいになるかといいますと、大体現在の公共土木国庫負担法の規定によります国庫負担率を適用しますと二五%になるわけであります。つまり従来の激甚の際の基準というのは大かた三五%であった、こういうことがいえるかと思います。これ以外に、今回の場合には、いろいろの公共団体の実施します施設の負担額を合計いたしますと、さらに地方の負担がふえなければおかしいという議論も出るわけでございます。しかし、実際にそのときに適用になりました実例について詳しく調べて参りますと、やはり二三%というふうなものも出て参る。これはその負担すべき事業の取り合わせによりまして若干変わって参ります。従いまして、そういった点をいろいろ考えて二〇%という線が妥当ではなかろうか、こういうことで関係者の間できまった、これが実情でございます。  市町村につきましても、公共土木施設だけでありますと、これは府県と同様でありますから、二〇%という案も考えられるわけでありますけれども、市町村の場合は、御承知のようにその負担になります災害復旧事業費のうちで特に大きいのは学校であるとか、あるいは公共福祉関係の施設であるとかいうことでありまして、公共土木施設の占めるウエートが割合小さいわけであります。そういった実情をいろいろ考えますと、やはり既往の実績等で見て参りますと、府県よりは若干基準を下げた方がよかろうということであったわけであります。それが一五%程度がいいか一八%程度がいいか、いろいろ議論があったわけでありますが、市町村の財政の大きさが非常に小さいということも考えまして、これは一〇%ということに相当下げられておるわけであります。そういうことでありますから、絶対的にここがいいという基準は、こういうものについてはないことは当然であります。しかし従来のいろいろの災害の態様から見て、この辺の基準であれば非常に実情に合うのではないか、これがこのきめられた基準の基礎であります。また一方からいきますと、これがあまりに広くなってしまって乱に流れるということでは、せっかくの特例という措置が特例でなくなってしまうということもあるわけでありますから、この辺のところが一番妥当ではなかろうか、こういうことになっているわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろ御説明があったのですが、おそらく伊勢湾台風の場合であろうと思いますが、二三%、最も大きい災害、それを基準にとられたというところに私は問題があるのではないか、こう思うわけであります。ただいまの答弁では、どうしてもこの点は納得がいきませんが、時間の関係もありますので、また適当な機会にこれに対しては質疑をいたしたいと思います。  そこで、年度内に災害が続いて発生するということがあり得る。その場合にこれを通算するのかどうか、その点、伺っておきたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 これは中央防災会議できめる問題となりますが、従来のこういった特例措置の場合の考え方が通算方式でございます。従いまして、通算になるのが大体常識的ではないか、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そこで、先ほどの御答弁で明らかになったのでありますが、またこの法案をずっと見て参りますとわかるわけでありますが、第三章その他の章で、第三章の場合は農地、農業施設の災害、これは激甚災害の指定の基準ではない、激甚災害の指定を受けると、この章あるいはその他の天災融資の関係等が発動される、こういうことです。農地、農業施設等は受益者団体が農民であるといったような考え方から、これは公共性がきわめて薄いのだという思想の上におそらくお立ちになっておる、こう私は思うのでありますが、今日の状況からいたしますと、漁礁でさえも水産関係の公共施設として当然考えなければいかぬということが言えると思うのです。今日の農業施設というものの公共性というものは、公共土木に劣らないウエートがあるのじゃないか。この点から考えてみますと、農業施設等の損失、被害というものを従的に取り扱うべきじゃないのではないか。やはり指定を受けるべき算定基準というものも、公共施設と同等に取り扱っていくということでなければならない。これを別にされた根拠、並びに当の農林省では、こういった取り扱いでよろしいとお考えになっていらっしゃるのか。相当農地、農業施設その他の関係の面では被害が大きかった、しかしたまたま公共施設の被害は少なかった、そこで標準税収入の関係によって指定からはずれた、こういうことになって参りますと、この法律は発動しない、いわゆる算定基準の中に加わらない、この点は問題があると私は思う。まずそれらの点に対しての考え方を聞かせていただきたい。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 農業に関しまする農地及び農業施設につきましての災害復旧費の問題でございますが、農地関係の災害の公共性の問題は、いわゆる土木事業等と多少ニュアンスが違うわけでございます。土地改良等、公共事業として予算上は措置しておるわけでございますが、やはり特定の受益者があるわけでございます。一般の土木につきましては、不特定の受益者ということになっております。そういう関係から、一般の土木と農業関係は多少の差異がある。そういう基礎の上に立ちまして、農業災害につきましては、御承知のように従来は暫定措置法というもので――公共負担法と別に農業施設災害等の復旧卒業についての暫定措置法というものでやっておるわけでございます。それが激甚災におきましては、農民の一定の負担限度を超過します場合には激甚災としてかさ上げをやっていく、こういう仕組みになっております。それで、激甚災であるかどうかという指定は防災会議において決定されるわけでありますが、激甚災害に指定されますと、地域の指定というものは暫定法で計算いたしまして、農民の補助残の負担が一戸当たり二万円をこす場合に激甚災としてかさ上げの方法をとっておる、こういう仕組みになっておることで御了承願いたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 第四条に関してお尋ねいたしますが、この特別財政援助の算定区分でございます。これは標準税収入の百分の十をこえ百分の五十までに相当する額については百分の五十だ、それからずっと区分を定めてありますが、特別措置によって今まで定められておった点は三段階に区分されておる。標準税収入の二分の一までは十分の八、標準税収入の二分の一をこえると十分の九、標準税収入をこえる額は十分の十、こういったようなことであります。従来は公共土木関係だけであった、今度は総合負担方式をとっておるということで、この点は変わってくるということはわかります。しかし先ほど岡本委員からこの点を強く指摘されましたように、一番災害が大きい――大体従来の災害というものを検討してみますと、伊勢湾台風というような非常に大きい災害は別といたしまして、標準税収入の二分の一あるいは標準税収入と同額程度の災害負担というものが非常に大きいのじゃないかと思うわけでありますが、これに対して二分の一の補助、あるいは六〇%あるいは七〇%といったような補助で、特別措置と比較をいたしますと非常に額が少なくなってくる、こう考えるわけであります。総合負担方式ということを申しましても、この第三条に掲げておりますところの災害が軒並みに適用されるということは、私はそう例がないのじゃないかと思うわけであります。総合負担方式という陰に隠れて、非常に新味のある案をお出しになったけれども、現実に当てはめてみるとこれは案外中身は何もなかった、ほとんど指定を受けないのじゃないか、こういった結果が私は起こってくるのではないかということを心配するわけであります。従来の災害というものを、いろいろと先ほど来御答弁がありましたようにはじき出しまして、この案をお出しになったとは思いますけれども、それにしても算定区分というものが比較にならないほどあまりに落ちておる、こう考えるわけでありますが、これらに対してどのようにお考えになっておるか、伺っておきたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 資料をもっていろいろ御説明があったかと思いますので、若干重複いたしますが、ごかんべん願いたいと思います。  この第四条の規定によります標準税収入と、当該団体の地方負担額の比率によりまするいわゆる補助率区分でございますが、これはこの規定にございますように、現在の法律によりますと、それぞれ負担または補助が行なわれ、その補助が行なわれた残りの地方負担額を、こういった標準税収入と比較してさらにそれに追加補助をしようという考え方であります。従いまして、五〇%というといかにも補助率が低いようにちょっと考えられますが、そうではないのでありまして、たとえば公共土木施設であれば、現在最低の補助率は三分の二であります。この三分の二の残りの三分の一の分について、五〇%をさらにこれに加えようという形になるわけであります。ほかのものも同様であります。従いまして、この超過補助率を全部適用した形での総体の国家負担率ということになりますと、これは相当高いものになるわけであります。たとえば最高の九十でございますが、この場合が適用されるようなことになりますと、国の負担というものはもう率として見ますと九十七、八とか、そういった高い率になるのが普通でございます。現実にこういった区分によります累進補助率をきめるやり方は、既往の三十四年の災害その他につきましていろいろ実際に計算をいたした結果でございますが、御承知の通りこういった大災害といいましても、実際に激甚災として指定されるものは、先ほど申しましたような基準でありますから、必ずしもその団体だけで見れば非常に大きい場合でない場合もあります。そういう比較的軽微なところから負担の大きい、たとえば三十四年災の三重県のごとく、非常に負担が大きい場合、その間いろいろな態様がございます。そういった負担の重さによりまして、国の措置が手厚くなっていく。その手厚くなっていく程度を、従来の実績によっていろいろカーブを引いてみて、その率がきまってきたわけであります。全体として見ますと、従来の形よりは非常に負担の重い方がより手厚く、比較的軽微の方が若干薄いという形にカーブはなっております。しかし形としては、従来の三十四年なり三十六年にとられました措置と非常に近い措置になっておる。こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 標準税収入の百分の四百、百分の六百、こういったような災害、これは災害の総額でございますけれども、当然その問題はあるのですが、これは今御説明がありましたように、普通の補助というものを引きまして、その残りに対していわゆる都道府県、あるいは市町村の負担額というものがこの数字にならなければいけないわけであります。百分の四百、あるいは百分の六百という災害は、今あなた方これをそろばんをおはじきになった場合に、今まで特別措置が講ぜられた地域というものに対していろいろとはじき出しておられる。今まで特別措置が講ぜられた地域で、どの特別地域が百分の四百とか百分の六百とか、従来の区分で九〇%あるいは八〇%、一〇〇%という補助が実はあったわけであります。その程度は百分の四百とか百分の六百、そうならなければこの補助というものがない。いろいろ御説明はございましたように、総合負担方式だ、従来のは個別でやったのだからその点は違うのだ、そういうことは泣きどころではありません。しかし現実に、この三条にありますような災害が軒並みにあるということは、よほど超異常の災害でない限りないのじゃないか。案外公共土木関係等の、あるいは農地、農業施設で、この基準の中には入って参りませんが、そういったような災害が考えられる。それらの現実の問題等からずっとはじき出して参りますと、非常に補助率が少なくなっている。こういうことで、こういう法律をお出しになっていろいろ算定基礎をおつくりになった大蔵省は、案外金が少なくなったというのでえびす顔、肝心の地方団体はふくれ顔、文句を言われるのは国会議員、こういう形になったと私は考えるのであります。  そこで現実の問題として、今までのいろいろな例を一つお考えになって、あそこがこういうことになっている、百分の四百あるいは百分の六百というのは、こういうところの災害がこれに当てはまるのだということをお示し願いたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 きょうの実績でもちろん検討いたします場合に、今回の総合負担方式と全く同様のやり方の計算をいたすわけであります。従って従来のやり方で個別に措置した場合と、今回の総合負担方式を従来の災害がきたと仮定して当てはめた場合、これがどうなるか、こういうような算定をいたしておるわけであります。その資料はすでに差し上げて御説明をいたしてあると思いますが、現実にそういった総合負担方式をかりにとったとした場合に、四百というような非常に高い負担になるのはなぜかということでございますが、三十四年の災害の場合には、県では三重県が三百八十一ということになります。これは非常に高いものが出ております。それが最高であろうと思います。市町村になりますと、それはさらに高いものが出て参りまして、四百をこえたものもあったかと思います。今具体的にその村がどこというのを手元に資料を持っておりませんが、もしなんでございましたら、後ほど差し上げることにいたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 今の御説明から考えてみましても、なるほど計算をすると――計算方法は従来の特別措置と同じだ、こういうことになる。ところが現実に災害の場合にこれを当てはめてみると、今私が申し上げましたように、八〇%であるとか、あるいは九〇%である、そういった高率の国庫負担というものは案外私はなくなると思う。国庫負担がなくなるということは、地方自治体がそれだけ従来と比較すると負担が大きい、こういったような結果が起こってくると私は思います。しかし、このことを何ぼ議論をいたしましても、これだけで相当の時間をとりますので、いずれまた適当な機会にこの点に対しても質問をいたしたいと思いますが、先ほど私が、従来のが計算の基礎にはなったんだけれども、今私たちはここでいろいろと法律案に対する審議をし、議論をしておる。そこで、今起こっているところの北海道あるいは九州の災害、こういうことをなまなましい問題として一応審議の対象とする場合は、今見て参ったそういうことから一番参考になるわけでありますが、この法律が制定されて適用される場合に、鹿児島や北海道、九州各県の災害というのは指定を受けるかどうか、そう私ははじいているが、現実の問題としてこの点を御説明願いたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 私は適当かどうか存じませんが、御承知のようにこの方式によりますと、査定が行なわれました事業につきましての現行の国庫負担を除いた地方負担、これを査定することになるわけです。御承知のように災害が終わりまして、これから査定が行なわれるという段階でございますので、まだそういった数字がどうなるかということはしておりませんので、従いまして、この方式によって該当するであろうかどうかということの計算が行なわれるということはございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 財政当局である大蔵省がこういった金を出すようなことを計画する場合に、辛くそろばんをはじきたいという気持になることはよくわかります。しかし災害という実に悲惨な状態、先ほど指摘もございましたが、市町村はまさしく災害出張所という役割を行政面に果たしておるということも、これは極端でありますけれども、そういった感じを私どもは受けるのです。先ほど自治省の御答弁の中に、いろいろと従来の負担に加えて高率補助の適用もするのだし、あるいは起債も見るのだから、あるいは元利、利子補給というようなことも考えるのだから、地方負担というものはそう大してないのだと、きわめてこう軽く考えていらっしゃるようでありますけれども、現地の事情は、私はそんななまやさしいものではない、こう思うのです。実際は目に見えない負担というものを地方自治体がやっておるのだということをお考えにならなければならぬと思う。先日の委員会におきましても指摘をいたしましたが、たとえば災害救助法の一週間、これはもっと延長することができるのだとか、あるいは七十円というものもそれにこだわることなく、これは伊勢湾台風のとき九十円を出したのだから、これをそこまで出すことができるのだ。ところが一週間の期限が来てまた一週間延ばすということはなかなかむずかしい。ところが地方自治体は地方住民と接触をしておる。そう国のような不人情の態度というものはとれないという面が出てくると思う。そういうことでお考えになっていらっしゃらないようないろいろな負担があるということをお考えになってみると、もう少しあたたかい、温情のある気持をもって一つ市町村を守って、これを災害から立ち上がらせる、こういう気持がなければならないのである。実際現実に仕事をやる建設、農林その他各省におきましても、あまりきびしく、あまり辛くおやりになりますと、非常にやりにくくなる、こういう結果が起こってくるということを十分お考えになって、この後の政令を制定する。いろいろと政令にゆだねている事項が非常に多いわけでありますから、これから先政令をお定めになるという場合には、十分その点を肝に銘じて取り組んでいただきたいということを大蔵当局に強く要望しておきたいと私は思うのです。  中小企業の問題に対してお尋ねいたします。中小企業者に対する資金の融通に関する特例というのがあるわけでありますが、この十五条の対象が商工中金ということになっておりまして、相互銀行であるとか信用金離であるとか、中小企業の民間金融機関というものはこの対象からはずされております。これは適当でないというようにお考えになっておられるのかどうか、まずこの点を伺っておきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 中小企業金融に関する問題でございますが、この災害に関する融資は、従来もやはり政府が中心になってやるべきだということで、御承知の通り国民、中小の両公庫がこれについて相当多くやっております。それにさらに商工中金、これは政府が出資をいたしております特別の機関でございますから、これがやはり災害の融資をすべきだということで、従来この三機関でもってそういう措置をとっていく、こういう建前でやってきておりますので、商工中金に関する規定をここに掲げておるわけでございます。これ以外に災害に関して特別の融資を行なわせるということは、政府としては問題があるのだろうと思います。従来やっておりませんので、こういう形になったわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 二十八年災の場合は相互銀行、信用金庫は入っておったわけです。その後三十二年災、三十四年災になると、いつの間にか相互銀行とか信用金庫ははずされている。またこの中に融資の問題等がありますが、これは必ずしも政府関係三機関でなければならぬということにならぬと私は思う。現実には農村の中小企業というものは、これは相互銀行とか信用金庫というものに依存するところが非常に大きいわけです。それらの現実の問題をお考えになって、これらの点に対しては十分配慮される必要がある、こう思いますので、その点は検討をしていただきたいと思います。  なお、激甚災害を受けた中小企業の主要な事業資産はというのがあるわけですが、この主要な事業資産というのは、設備とかあるいは商品というものが対象になるかどうか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 ちょっと担当の者がおりませんでわかりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あとでお答えを願います場合には、中小企業の「事業の再建に必要な資金」というのもあります。これに対しては、設備資金あるいは運転資金というものも対象になるのかどうか、あわせてお答えを願いたいと思うわけです。この中小企業というものは、時間の関係もありますので多く私はここで語りませんが、建物が倒壊をしたとか半壊をしたとか、あるいは流失をしたとか、こういうことで中小企業に対するところの融資の特例をお考えになっているが、こういうことになってくると私は現実に合わないと思う。設備あるいは商品というようなものが流出をした、あるいは長い床上浸水ということでほとんどねきものになってしまった。こういう場合には特別の措置をとらなければ、中小企業は立ち上がることができない、こう私は思いますので、その点に対しては、今担当者がいないというのは通産省関係のことでありましょうが、何と言ったって財布のひもを握っているのは大蔵省でありますから、大蔵省が渋ったのではどうにもなりません。その点を、この後の折衝の中におきましては、現実に即するように十分御配慮をされる必要があるということを申し上げ、強くその点を要望いたしておきます。いろいろ質疑をいたしたいのでございますけれども、委員長の御注意もありますから、この辺で終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 この際私から一言お願いを申し上げます。  質疑者が多数ございますのと、本会議もございますので、委員の各位はできるだけ重複を避けて、質疑を重点的に要約され簡潔にお願いいたしたいと存じます。何とぞ御協力をお願いいたします。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 初めにちょっと松島参事官にお尋ねいたしますが、先ほどたしかあなたの方からだったと思いますけれども、八千人から一万人の人口規模の町村の標準税収が千五百万円程度だ、こういうふうにお話になったようでありますが、これはいつの資料に基づいてそういうふうにお話になったのですか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 昭和三十四年度の決算を基礎にいたしておりますので、多少古い数字でございますが、その後税収もふえてきておりますので、それより若干上がっているかと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 財政規模は、大体その人口のところでどれくらいに押えておりますか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 正確な資料を持っておりませんが、大体一億前後であろうと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、歳入の構成面から見て標準税収の割合というのが四二・八%ぐらいになっているのじゃないだろうか。そういう点から、またわれわれが知っている実情から考えまして、この標準税収はちょっと低過ぎる数字が押えてあるのではないかと思うのですが、後ほどまた資料を出していただきたいと思います。  そこで、端的に藤田政務次官にお尋ねいたしますが、今度この法律が制定をされまして、適用をするということになりますと、今までに発生をいたしました北九州のあの豪雨の被害並びに北海道の災害、これがこの法律によって救済できますか。その点をはっきりと、適用されるかどうか、特に都道府県の場合を明らかにしていただきたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 現在関係各省で査定中でありまして、正確な見通しは立ちませんが、市町村の場合におきましては、大体政令の指定を受けられる見通しでありますが、都道府県に関しましては非常に困難じゃないか。これは見通しであります。これから査定の結果を持ち寄って計算するわけでございますので、正確ではございませんが、見通しとしては、市町村の場合は大体大丈夫じゃないかと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 市町村でもだいぶ適用されないというようなこともわれわれは聞いているわけです。府県は、北海道はもちろん、財政指数の高い長崎ももちろんですが、財政指数からいえばEクラスになっているところの佐賀も適用を受けない、こういうふうにわれわれは聞いているわけです。そういたしますと、一体何のために法律をつくるのかということになって参りまして、これに対して自治省の方は、これでは困るんだ、この政令規模で考えているところの二〇%、一〇%という限定は、これを一〇%、五%にすべきだというような意見が自治省ではあって、それを大蔵省に持っていったところが、大蔵省からけられたのだ、こういうような話を聞くのですが、その点はどうなんですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 基準、パーセントに関しましては、この法案提案までにいろんないきさつがあったようであります。私たちが就任前のことでございますが、しかし結論としては一〇%、二〇%というようなことに決定したわけでございます。ただ将来の方向としては、自治省としましては、ぜひともこのパーセントは再検討したい。これはほんとうに真剣に考える。ただ今回の臨時国会は、御存じの通り目睫に閉会が迫っておりますので、いろんな点で政府として及ばざる――国会対策等の面から、なかなか御期待に沿うまでの結論を出すことが困難ではないか、かように考えております。各省査定の結果によりまして激甚災の政令の指定をする場合におきましては、自治省の立場を強くいろんな面で主張したいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 従来あったところの特例法を総合的に考慮して、合理的かつ恒久的な制度をつくることが目的でお出しになった。ところが先ほどからあなたの説明を聞いておりますと、この臨時国会だけはこれでいって、そして将来この問題の改善をやるのだ、こういうことになりますと、それは恒久的なものじゃないじゃないですか、それはおかしいと思うのです。そしてまた、恒久的なものであれば、当然、政令にゆだねないで法律の上に明記すべきじゃないですか、その点の食い違いはどうなんですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 これは御指摘の通りであります。しかしながら、このような法律は最初の試みでございまして、関連政令を三十幾つもつくるということは、先ほども中村委員の御質問に答えました通り、立法技術上も妥当ではない。しかし新しい試みでありますので、今後も経験を生かしまして、順次法律の上で明文化していきたい、こういう方向を持っております。理想的な案を最初から実施することが当然ではございますが、初めての試みで、その点は御不満の点もあろうかと存じますが、まあ一歩二歩前進であるという点で御了承願いたい。

村山喜一日本社会党

○村山委員 一歩三歩前進になっているのかどうかは、内容を十分に検討しないと言えない。形の上においてまとめたということにおいて、それは前進かもしれませんが、負担の率その他でもって適用ができないような法律をつくってみても、実際法律だけはできて適用ができなければ、災害の救助にならないわけなんですから、これは意味ないと思うのです。この点については、政令で定めるところの二〇%、一〇%という基準につきましても、今までいろいろ聞きましたけれども、どうも納得できないのです。町村の財政規模というものも、標準税収を相当上回っている今日ですから、これをやはり五%程度まで引きおろさなければならないのではないかと思うのですが、それに対して自治省としては、そういうような主張は今までされたことはなかったのかどうか、その点をもっと明らかにしていただきたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 五%の問題だけじゃなしに、いろんな問題につきまして、関係各省の間に始終意見を戦わせて参ってきておるわけでございまして、ただその部分だけを取り出しての考え方を自治省として主張しているわけじゃございませんで、いろんな形を工夫しながら議論をして参ったわけでございます。しかしながら現在におきましては、総合的にいろいろ検討いたしまして、こういう方法でいきたいというふうに完全に合意に達しておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 この問題については、また修正案等が出て参りますので、それに対して、自治省並びに大蔵省の方でぜひ検討していただいて、法律が実際生きるような方法を考えてもらいたい、このことだけを要望しておきたいと思います。  次に、簡単に質問をいたしますが、社会資本の中で例をずっとあげられまして、十三の対象事業がそこに掲げられております。この中に、公共施設でありますところの公民館等をなぜ含めなかったのか、社会教育法にいうところの公民館、図書館、こういうようなものが入っていないわけであります。あとの方の一般的な援助措置の中に入っておる。他の十三の種類をこうしてながめてみまして、当然公民館というのは、町村が設置しなければならないところの施設であります。ところが今日まで、御承知のように公民館等に対する補助はきわめて少ない。一公民館をつくるのに百万円程度の補助しか出ていない。しからば起債においてそれが十分見られているかというと、起債もその程度しか見られない。だから普通の財政規模の町村においては、一千五百万円くらいの公民館をつくるのに、ほとんど大部分を一般財源から充当しなければならないという形において、町村は財政負担に苦しんでいるというのが実情であります。そういうふうにして苦心してつくりました建物が災害を受けたときには、これは公共の施設でありますから、当然この十三の対象事業の中に入れ込んでいって救済していかなければ、さらに町村の財政負担を増加させる、こういう結果になると思う。しかも社会教育の中において青年学級等を設置しなければならない。そういうものに公民館が使われるという点から考えて参りますと、農村地帯における公民館の今後における重要性というものは、非常に大きなものがあると思うのであります。そういう点から、これを積極的に入れ込むように文部省の社会教育局長は努力されたのか、されなかったのか、大蔵省と話し合いをされた中において、どういうことでこれを引っ込められたのか、そのいきさつを説明願いたい。

齋藤正文部事務官(社会教育局長)

○齋藤(正)政府委員 社会教育施設の災害につきまして、従前、一般災害の復旧事業の補助は、法律上の規定もございませんでした。また予算上も実際には措置されなかったのでございますが、二十八年災以来、特別の激甚災害につきましては、幾つかの既往の前例がございまして、今回激甚災害につきまして案をまとめます際に、経緯といたしましては、どういう方法をとるかということについて、私どももいろいろ折衝いたしましたけれども、現在そのような構成になっておりますので、むしろ成案を得ましたような定率の補助をすることが、従来の実績を下回らないようにするのではないかということで、こういうふうにきめたわけでございます。ただ私どもといたしまして、公民館の任務の重要性にかんがみまして、将来一般の災害に対します手当につきましても、今後十分に検討して参りたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 どうも納得できない。これを入れるように努力されたのですか、されなかったのですか、十三の事業種目がありますが、この中に入れ込むように持っていかれたのか、持っていかれなかったのかということを聞いている。

齋藤正文部事務官(社会教育局長)

○齋藤(正)政府委員 その点は、一般災害に対しまして、災害の母法が今までなかったわけであります。そのことを考究いたしませんと、形といたしまして、今おあげになりました体裁にするのがいいのか、それとも現在の成案のようなふうにするのがいいのかということにつきましては、実際想定されます場合のことを考えまして、これはできますまでにはいろいろな検討もしたのでございますが、結論といたしまして先ほど申し上げましたような結果になったわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 どうやら話を聞いていると、持っていかなかったようですね。災害の母法がない。普通災害に対する災害復旧の母法がないということで遠慮をして持っていかなかった、こういうようなふうに聞き取れるわけであります。ところがこの十三の事業種目の中において、災害復旧の母法がないようなものがありますよ。そういうようなものとの関係において、あなた方は社会教育の重要性というものを主張をして、この中に入れ込むように努力をする責任があるのじゃないですか。それをサボっておったということは、今日その文部省の弱腰というものが、こういうような面においても現われているのじゃないですか。そして、それは結局わずかばかりのスズメの涙のような補助金をやって、起債の裏づけも十分にいかないで、地元の財政力の低い市町村に負担を大きくさしている、こういうようなのを激甚災害の際にはぜひ復活するというような方向に持っていかなければ、いつまでたってもよくならないと思う。もっと勇気を出してもらいたいと思うのです。  そこで、私、大蔵省にお尋ねをいたしますが、この都道府県のいわゆる超過税収といいますか、これの内容やあるいは市町村の超過税収の割合というものが最近においてまた増加しつつある、こういうような事情が地方財政の状況という総理大臣からの報告書の中に出ているわけでありますが、そういうようなものを、この激甚災害の場合において財政力指数といいますか、そういうようなものの上に勘案をして、この一〇%あるいは二〇%というような割合をきめる場合にお考えになったものか、ならないものかをまずお尋ねいたしたいと思います。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 ただいま御指摘になりました問題でございますが、標準税収入といいますのは、地方交付税を算定いたします場合、地方税法に定めてあります標準税率によって算定をいたすものでございますので、超過課税をやっておるから、その実績を基礎にして、その一〇%を指定の基準にするという筋のものではございません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 あなたに尋ねているのじゃないですよ。大蔵省の方に尋ねているのであって、あなた方の方の資料によると、昨年よりも五億円ふえて、都道府県の超過税収が十四億ですか、そして市町村の場合には百七十七億円、こういうようなふうに標準税収よりも上回っているわけでしょう。標準税率よりも高い税率をかけたりしてよけいに税金をとって、そうして事業をやらなければならないという今日の町村、特に地方公共団体の中では町村がひどいようでありますが、そういうような実情というものを勘案をして、この標準税収の押え方というものも考えていかなければならぬ。これは、災害に対応するところの財政力というものが弱いのだということをもって知る一つの証拠になると私は思うのです。そういうような点から、大蔵省はこういうような実情、地方財政の実情というものも勘案をした上で、これらの率の決定にあたってはお考えになっておったのかどうかということなんです。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 今回の標準税収入を採用するにあたっては、財政力を勘案するのに、やはり標準の法定税の収入を基礎にするのが法の建前からいっても妥当であるというところから、また普通法定外の税収入が、その税収入分の相当部分が当該団体の特殊な事情に充てられておるという実情は承知いたしております。しかし、このような立法の場合には、そういう分までを取り込んで財政力をはかるということは、かえって当該団体に不利になる場合があるわけでございますので、それは考えておりません。ただそういう法定外の税収入の是正措置というのは、これは災害のみならず、一般の地方財政の問題といたしまして、普通交付税なり税法の改正なりで是正に努力しておるところでありますので、一応この災害の激甚特別立法とは別個の考え方をとっておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 法定外税収まで含めて、そして標準税収を加えて、その財政負担能力というものによってやれということを私は覆っているのじゃない。その逆です。そういうような法定外普通税をとって、こういうようなところで都道府県あるいは市町村の住民というものは余分に税金を払っている。それだけやらなければ財政規模を維持できないのだというような実情があるから、この標準税収の税率をもっと低くしなければいけないじゃないかということを言おうとしているわけです。  その問題は後に譲りますが、第三点として最後にお尋ねいたしたいのは、農民、漁民、中小商工業者、これに対しましては特別助成の道が、それらの人々の持っております生産手段、資本財に対しましては今度の災害立法の中においても開かれておるわけであります。ところが全就業者の五三・七%を占めておりますところの労働者に対しては、そういうような措置は全然講じられていない。ただ産業住宅が若干あるわけでございますが、そういうような場合において、過去の災害の場合、私は鹿児島の例を引きたいと思いますが、鹿児島で大火がございまして、三十六災の中で救済措置をとってもらったわけであります。そのときに日雇い労働者の諸君が、労金が行ないますところの共済事業、建物共済、これに大へんたくさんの人たちが加盟をした、一人で二口も三口も加盟をしておるという実情もございました、平均二口くらい入っていたようであります。そのために、労金が行ないますところの共済事業が、その単年度をもってしては支払いの方が収入の大体三倍くらいにまでふくれて参りました。それによって、今後三年間は火災その他の建物の災害がなくとも支払うところの能力がないというような実情も出てくるわけであります。そういうようないわゆる労働金庫等が労働者のために行なっております共済事業、これらに対して、こういうような激甚災害の場合におきましては何らかの対策を講じていかなければならないのではないか。それに対しましては低利の資金を融資するとか、あるいはそのほか援助の方法は幾らでもあるわけでございますが、そういうようなものを積極的にこの法律の中に入れ込んでいくように、労働省の方では労働者福祉の立場の上に立ってお考えになったものかどうか。労働省の方から見えておると思いますが、お示しを願いたいと思う。

坂本一衛労働事務官(労政局福祉共済課長)

○坂本説明員 労働金庫につきましては、これは御承知かと存じますけれども、労働省と大蔵省が共同して所管いたしておるわけでございまして、従って、私ども一存でお答え申し上げかねるので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。なお労働金庫が、災害等につきまして過去におきましては、たとえば水害等の場合にやはり政府から低利の資金を融通したことはございます。そのつど労働金庫の資金量を見まして、資金量が不足するような場合には、大蔵省と御相談の上そういう措置をとることに従来はいたしております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 あなたは責任を持って答弁ができるということでここへおいでになったはずなんだから、責任を持って答弁をしてもなわなければ困る。それで、あなたはそういうような立場から御返答願いたいと思いますが、労働金庫が行なっておる建物共済であるとか、生命共済、まあ生命の方は別ですが、そういうような共済事業等も、激甚災害を受けた場合等においては過去に例があるのです。例がなければ私は申し上げません。そういうような実情がおわかりになっておれば、当然労働者の福祉という立場から考えて、激甚災害の場合にはその中に織り込むように努力をされるのが、労働省としての務めではないか。労働者福祉という立場から考えて、その努力をあなた方はされたのかされなかったのか。何にもされていないようですが、されたのかされていないのかお尋ねしたい。

坂本一衛労働事務官(労政局福祉共済課長)

○坂本説明員 労働金庫は、実際問題といたしまして、これはお断わりいたしておきますけれども、火災共済、生命共済等につきましては、生活協同組合法の根拠でもってやっておるわけでございまして、実は私どもの所管ではございません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 どこですか。

坂本一衛労働事務官(労政局福祉共済課長)

○坂本説明員 厚生省です。

村山喜一日本社会党

○村山委員 生活協同組合がやるのだったら厚生省でやるのだ、われわれの方は労働者福祉という面においては考えないのだ、こうですか。しかし、あなたの所管内容から考えて、福祉共済課長であれば、当然そういう問題についてはそういうところと連絡をとらなければならない責任がある。だから、そういうような問題について知らぬ存ぜぬでは私は意味がないと思う。これについて、そういうような努力の跡が法律案の中に全然入っていない。入っていないということは、努力されてだめだったのであれば仕方がないけれども、やりもしないでおって、初めからそういうようなことを考えていないのであれば問題です。だからこの問題については、また後ほどほかの方からも、厚生省の生活協同組合の係の局長あたりに出てきてもらってこの問題を追及をしてみたいと思いますが、私の質問はこれで終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、それまで休憩いたします。    午後零時四十四分休憩      ――――◇―――――    午後三時三十二分開議

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより再開いたします。  休憩前の質疑を続けます。  午前中の中村重光君の質疑中、中小企業庁関係の答弁が残っておりますので、この際政府当局よりお答え願います。加藤中小企業庁振興部長。

加藤悌次通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○加藤説明員 中村先生の御質問は、法律の第十五条に規定されております「その事業の再建に必要な資金」の範囲についての御質問だと存じますが、さようでございますか。――「その事業の再建に必要な資金」と申しますのは、災害を受けました事業を復旧いたしまして、災害を受ける前の状態で事業を継続するために必要な資金というふうに解釈いたしておりまして、具体的には、災害を受けました工場の建屋、事務所、機械設備、そういうものの復旧のための資金はもちろんでございますが、そのほかに、たとえば製材業者の貯木場だとか、あるいは運送業者の運送用具である船舶であるとか、自動車であるとか、こういうものも当然含まれますし、さらにいろいろの事業用の原材料あるいは商品、こういったものが被害を受けました場合に、それをさらに新しく買いまして穴埋めするというための資金も当然含まれているわけであります。従いまして、設備資金だけでなしに、当然運転資金もこの中に含まれる、そういうふうに今までも運用いたしておりますし、今後もそういうふうにしていきたいという考えでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 総理府総務長官にお尋ねしますが、災害対策基本法との関係です。午前の提案理由の説明がありました際、災害基本法に基づく、たとえば中央防災会議の設置ができたというような説明がありましたが、会長が総理大臣で事務局長が総務長官であるということはわかっていますが、中央防災会議のたとえば事務局長二名、委員は十七名ということになっておるわけでありますが、それらのメンバーについてこの際明らかにしてもらいたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 大へんこの問題はおくれて恐縮いたしておりますが、この基本法が七月の十日に公布施行されまして、即日防災会議の委員が内閣総理大臣から指名されました。会長は、御承知の通りに内閣総理大臣であります。委員としまして、大蔵大臣、文部大臣、厚生大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣、郵政大臣、労働大臣、建設大臣、自治大臣、国家公安委員長、北海道開発庁長官、防衛庁長官、経済企画庁長官、科学技術庁長官、日本銀行総裁、日本赤十字社社長、以上の方々を委員に委嘱いたしたわけでございます。さらに政令によりまして、防災会議の局長は総務長官がなることになっておりますが、そのほかの次長以下の職員につきましては、いろいろな関係もございまして、いまだ任命はいたしておりませんが、少なくも今週、できますれば明後日には、大体内定しておりますので、局員、主事等を初めといたしまして全部発表いたしまして、総理大臣名で委嘱することになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 事務局長は総務長官ということはわかっておりますが、聞くところによると、あなたも健康がすぐれぬということですから、そうなると事務局次長を速急に選定する必要があると思う。そういうものがそろわぬと開店できないでしょう。どういうわけで二名の次長が未決定であるか、事情があれば聞かしてもらいたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 二名ということに政令できまっておりまして、すでに人選等も大体内々で終わっておったのでありますが、この防災会議の性格にかんがみまして、最近、もし東京都内等に伊勢湾台風のような大きな災害が来た場合に、東京はどうなるかとか、あるいはまた関東大震災のような震災が起きました時分には東京、大阪はどうなるかというようないろんな学者等の考え方も非公式に御発表になることがございまして、こうした問題をこの防災会議でも今後取り上げまして、そうして十二分に防災計画も樹立したいというような観点から、むしろ次長は三名が妥当ではないか、言葉をかえて申しますと、みんなこれは専任でございませんで、兼務のような形になっておりますために、もし何か大きな災害がありますと、局長はもちろんくぎづけになるでございましょうが、外部の第一線に次長で対処していただかなければならぬこともございましょうし、しかも防災会議の仕事、それから災害復旧等の関係につきましては、各省間非常に関係の深い仕事でありまして、これを調整いたしまして円満迅速に仕事をいたしますためには、やはりその方を担当する者も一人必要ではなかろうかというような意見が有力に出て参りましたので、そうした観点から、一つ三名にしたいという御意見が非常に有力に閣内でも出ました。たまたま私もちょっとしたことでつい病の床につくことになりまして、十四、五日間休みましたものですから、その人選等について、あるいはまたその法規的な政令等の改正等について少し手間取りまして今日に至っておるわけであります。本日大体そうした成案もできまして、明日の閣議ではこれを決定を願いまして、即日公布して準備にかかるつもりでございますから、少しおくれましたことはまことに申しわけございませんが、どうぞ一つ御了承いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの御説明によると、政令によると事務局次長二名ということになっておりますが、三名にするということになると、さらに政令を改めなければならぬということになるのですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 これはもう明日に迫っておることでございますから、包み隠さずに申し上げた方がいいと思いますが、明日閣議でこれを御決定願いまして、そうして政令を改正したいという考え方でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政令の第五条には、二項に「中央防災会議の事務局に、事務局次長二人を置き、指定行政機関の職員(指定行政機関の長を含む。)のうちから、内閣総理大臣が任命する。」ということになれば、当然三名置いても四名置いても結局指定行政機関の職員のうちから置くということになるわけです。そうすると、何も手間をかけて二人にしてみたり、また政令を改正して三名にする、たかが次長ぐらいきめるのに今までひまをかけたということは、われわれの考えからいうと、やはり政府部内におけるなわ張り争いからこういうことになっているのじゃないか。そうでしょう。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 決してさようではございませんので、今申し上げましたような事由によって考慮されておったわけでありますが、御承知のように激甚災害に対処するための今回の、ただいまかかっております法律案も会期末に提出したきりで、実は私の方もいろいろと手落ちもあったかと思いますが、とうとう前国会では御審議に至らずして今国会に残されてしまった。これがほんとうに通りまして、いろいろな政令等もこれによる整備ができまして、そして事務局も整備されてほんとうに軌道に乗る。しかしそのほかこれに関係のない、いわゆる予防的な、もしこういうことが起きたときにはどうなるかという防災計画はもちろん別途にございますが、さしあたって一番今緊急を要しますものはこれが基本になるわけでございまして、そうしたことから、多少内閣改造もありましたり、国会開会の準備等もございましておくれて参ったわけでありまして、この点は一つあしからず御了承いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に基本法の三十四条には、防災計画を立てるということになっておるが、まだ事務局次長もきまらぬのですからして、おそらく基本計画の策定等については何ら手を触れておらないと思いますが、せっかく基本法ができた以上は――七月十日からこれは施行になっておるわけですから、防災基本計画等の策定を急いで、法律に定められた計画の公表をやる必要があるわけですが、それらは今後どういう目安で、いつごろ策定が終わって公表する見通しになるか、その辺はいかがでしょう。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 御指摘の通りでございまして、一日もすみやかにそれを実行することが必要でございますが、先ほど申し上げましたようにおくれておりまして、申しわけございませんでしたが、明日閣議等の決定を見ましたら、即刻人事の面におきましても整備をいたしまして、今週中には全部完全な機構を整えまして、総理の御都合も聞かなければなりませんが、できるだけすみやかに第一回の防災会議を開いていただきまして、正式の御指示を総理からいただいて、仕事にかかりたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、ただいま審議中の法案についてお尋ねいたしますが、この第二条の第三項によりますと、重要なる政令の制定または改正の立案をする場合は、総理大臣はあらかじめ中央防災会議の意見を聞かなければいけない。結局、午前中の質疑の中にもありましたように、災害の指定あるいは激甚地の指定等についても中央防災会議の意見を聞くというような答弁もありましたが、一体これらの諮問なるものは、基本法の第十一条の三項には中央防災会議に諮問をする事項がそれぞれ列挙されておるが、はたして激甚地の財政援助法に基づく政令の決定、あるいは指定をやる場合、中央防災会議に諮問しなければならぬかどうかということは、これはわれわれとしては疑問があるわけです。一体何を根拠にしてこの防災会議に諮問しなければならぬか。これは総務長官直接答えてもらいたい。徳安さん、あなた事務局長だから、そういう大事なことはあなたが答えて下さい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。  防災会議は、ただいま申し上げましたように、まだ第一回の総会を開いておりませんので、総理大臣からそれに対する意見を求められるようなこと、あるいは会議にかけるようなことはまだ出ておりませんが、いずれにいたしましても、この会議ができましたならば、今お話しのような点は即刻総理大臣から防災会議にかけていただくことになると思いますから、なるべく早くそうした順序に運ぶようにいたしたいと思いますが、それらの事務的な手続等については、私もまだ不案内でございますので、事務当局から御説明を申し上げたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いているのは、なぜこの法案だけに限って、中央防災会議にこの政令事項等についても事前に諮問しなければならぬか、意見を聞かなければならぬか。政令というのは、法律に基づいた当然行政事務に属するものでしょう。政令は閣議できまればいいじゃないですか。それをなぜわざわざ中央会議を招集して、一々立案を行なう場合においても中央会議の意見を聞かなければならぬか、これは全く変じゃないですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 お説の通りでございますが、この内容はきわめて重要でございまして、一般の国民に対する非常に大きな影響があり、しかも激甚災害等について、罹災者の方々から申しますと全く命がけの問題でもございますので、きわめて慎重に取り扱うことが必要だということから、特にこうした問題は防災会議にかけるというようになったのだそうでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いや、こういう例が一つ開かれると、それ以外の法律等についても、それぞれの政令等を決定する場合は、やはり何らかの機関を設けて、その意見を聞かなければならぬということにもなりかねないのです。あくまでも法律の精神を尊重して、それに基づいて、行政機関の責任において法律の精神を十分生かせる政令、あるいは省令をきめるのが当然であって、何もわざわざ中央防災会議。意見を聞かなければならぬということは必要ないと思うのです。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 お話もごもっともだと思います。ただおそらく――私もこの法案ができまして提案される当時は、この職におらなかったのでございますので、そのいきさつ等は詳しくは存じませんけれども、慎重の上にも慎重を重ねるというこの行き方は、おそらくは党の方針、野党の方の皆さんの強い一つのそうした御要請でもあり、御意見等もございましてかように決定したのじゃなかろうかと想像をするわけでございますけれども、しかし、これは私が当時立案の当事者ではなかったものでありますから、詳しいことはわかりませんから、一つ事務当局から、その当時の経過等がございますれば御説明させますから、お聞き取りをいただきたいと思います。

江守堅太郎総理府事務官(内閣総理大臣官房審議室長)

○江守政府委員 中央防災会議では、内閣総理大臣の諮問に応じて防災に関する重要事項を審議するということに基本法ではなっております。それで、この激甚災害の御審議を今願っておるわけでございますが、いろいろ御審議の過程にもございましたように、この法律を早急につくらなければならなかったこと、またその内容は、従来の防災の特例その他の関係がございまして、非常に複雑であり、また各省にも関係の深い事項がたくさんございましたために、非常に重要な点を政令に委任してございます。従いまして、この法律の実体を生かすものは、ほとんど政令がどのように定まるかということにかかっておるわけでございます。一方中央防災会議は、こういった防災問題について重要問題を審議する、防災に関する非常に重要な施策の決定は中央防災会議に諮ってきめるという基本法の建前になっておりますので、このような重要な政令は、中央防災会議にお諮りをしてきめた方がよかろう、このように考えておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 従来国会に、たとえば内閣が法案を提案して審議を求める、そういう場合には、当然これは法律に付帯して政令案、あるいは省令案というものを同時に提示して、そうしてそれらを総括的に検討して、この法案の適否を審議するというのがあたりまえであって、法律だけを国会で通しまして、あとの政令については、今度は中央防災会議の意見を聞かなければ政令をきめることができない。そういうことになると、全く法律と政令というものは遊離するような場合も出てくると思うのです。これは本来ならば、この法律にうたってある、随所にこれは政令に定めるところに従いということになっておって、そういうものは、全部この際政府から用意された政令案をここへお出しになるのが当然じゃないですか。

江守堅太郎総理府事務官(内閣総理大臣官房審議室長)

○江守政府委員 仰せの通り、この法律の内容は、非常に大きな部分を政令にゆだねておりますので、当然この法律の御審議には、政令について重要な点を御説明しなければならないと思うわけであります。それで、きのうの地方行政委員会には、政令の要綱案という形でお配りするまでの準備が整いませんでしたので、非常に重要な根本問題につきましては、政府としてこのようなことを考えておるという資料をお配りをいたしました。この合同審査の委員会にもお配りしてあると思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政令案の資料が配付してあるということですから、一応その案についての説明を聴取したいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 お手元に激甚災害特例における超過累進方式という資料がございますので、この資料について御説明申します。  この法律の最も重要な内容をなしまするのは、公共災害に対する特別の財政援助のやり方、それから農地、農業用施設等の施設に対しまする特別の財政援助のやり方、その他いろいろございまするが、特に従来の特例法との関係で見まして、今回相当大きく考え方が変わっておりますのは、この二つの部分でございます。それ以外の各種の措置につきましては、大体従来の伊勢湾台風等におきましてとりました方式がほぼそのまま踏襲されて法律の条文になってございますので、それぞれについて御質問がございましたらまた申し上げますが、まず公共災害と農地、農業施設の関係について御説明申し上げます。  まず第一に公共災害の関係でございますが、法律の第三条からございますが、そこにございますように、対象の事業としましては、地方公共団体の負担になる各種の事業を、十三事業になりますが、ここに羅列してございます。公共土木施設災害復旧事業、以下湛水排除事業までございますが、こういった事業を対象にする。それで政令の内容となりますのは、この法第三条でございますが、政令で定める基準に該当する地方公共団体ということになっております。いわゆるこの特例が適用になります基準でございます。それがこの(2)でございまして、「当該地方公共団体の上記事業別地方負担額の合計額が当該団体の標準税収入の県にあっては二〇%を、市町村にあっては一〇%を超える団体を激甚県、市町村として指定する。」これが政令の内容になるわけでございます。  それから次に、地方負担に対する超過累進の方式でございますが、このうち県につきましての方式は、法第四条に規定してございます。ただ市町村の方が政令に譲ってございます。その政令に譲りました市町村の方も、府県に準じてこれを行なうということになっておりまして、それがこの表の右側の方に書いてございます。標準税収入に対する地方負担の割合が五%までは措置なし、五%から一〇%までのところが補助率六〇%、以下こういった超過累進方式によってやります。これが政令の内容になるわけでございます。  次のページは、今度は各十三の事業が公共災害として合併されておるわけでございますが、上のページに書いてありましたようなことで、国の特別の財政援助額の総額がきまりました場合に、これを各事業区分ごとにどのように配分をいたすかということで、これも政令の内容になりまするが、その形を一つの例によりましてここに示してあるわけでございます。考え方は、要するに地方負担の額に応じてそれぞれ今の特別財政援助額を配る、こういうことでございまして、注にそれぞれその計算の方法なども書いてございますが、くだくだしくなりますからここは省略をいたします。大体そういうことでございます。ずっと二ページから書いてあります。地方の負担の程度において配っていく、こういうことでございます。  それから四枚目に、公共災害嵩上額試算表というのがございますが、これは三十四年の伊勢湾台風の場合の実例につきまして、今回の方式によって特例かさ上げ額を計算いたした場合にどうなるか、こういう実際の計算でございます。問題は、県の方で参りますと、ここに六県あがっておりますが、今回案というのが今度の総合負担法で、三十四年災嵩上額というのは、三十四年のときに実際に行なわれた実績であります。ここにありますように、総体で見ますと、今回の方が若干国庫の負担額が大きくなる、こういうことでございます。市町村の分につきましても、二百八十三の市町村について同様な計算が示してございます。  次に、一枚めくっていただきますと、農地及び農業用施設に関する特別の財政援助の方法がございますが、これはあげて政令に譲ってございます。その内容としましてはどういうふうにいたすかというと、まず被害の激甚地指定ということがございますが、これは従来ですと、農地、農業用施設だけについて一農家当たり五万円をこえれば激甚地だ、こういうような指定の方式をとっておりましたが、今回は、災害関連事業なども合算することになりましたので、そういった農地、農業用施設の災害復旧事業、災害関連事業の地元負担額の合計額をとりまして、被害農家戸数でこれを割ったものが二万円をこえたものは激甚地として指定する、こういう考え方にまとまっております。  そういったものにつきましての超過累進補助率でありますが、これは(ロ)に書いてございますように、一戸当たりの地元負担額が一万円をこえたものにつきまして、一万円から二万円のものは七〇%、二万円から六万円が八〇%、六万円をこえたものは九〇%、こういった超過累進率を適用することにいたしております。  それから林道につきましては、従来とも農地、農業施設を別途に扱っておりますので、これについても同様の考え方を認めておりまして、まず激甚地の指定については、市町村の区域について、林道の被害の延長が一メートル当たり百八十円をこえる地域を指定する、そうして超過累進につきましては、(ロ)に書いてございますように、一メートル当たりの地元負担額が百十円をこえて二百円までが七〇%、二百円をこえて五百円までが八〇%、五百円をこえれば九〇%、こういったようなことできめております。  なお、その基礎になりました考え方は、次の参考というところに若干説明的に書いてございます。農地、農業施設で見ていただきますと、一番左に一戸当たり事業費というのが出ておりますが、これが従来の場合ですと、復旧事業だけについて五万円という基準を、さっき申し上げました災害関連事業が入る関係で、事業費でいけば五万三千円くらいになるようでありますが、そういったものからだんだんに被害の程度が大きくなるに応じて、現行法による地元負担額、これがA欄、それから従来の特例法の場合の地元負担額、これがB欄で、たとえば五万三千円の場合ですと、一万二千五百六十五円ということになるわけであります。今回の特例法によりますと、地元負担がどうなるかというと、D欄にありますが、このDとBを比較していただきますとわかりますように、比較的被害の程度の低い場合には、現行より今回の措置の方が若干負担が多くなるわけでございますが、七万円をこえますと、今回の措置の方が地元の方に対して有利になる、こういう形になる。  林道についても同様の計算がしてございますが、省略さしていただきます。  大体、この部門の中で特に重要な部分として問題になっております公共災害、農地農業用施設についての特例方式というものの考え方、内容を述べたのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいま政令案の説明がございましたが、そうすると、この種の政令の中央防災会議に対して意見を聞く必要はないということですか。あるということですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 もちろん中央防災会議にお諮りをしなければなりませんけれども、中央防災会議には、御承知のように関係各省機関が協議して付されるわけであります。問題の性質から見ましても、この法律を御審議願うにあたりまして、関係各省間の意見がまとまっておらなければこれは問題になりません。関係各省として全部話のついたところが今申し上げたようなところでございます。従いまして、この法律が通りますれば、また防災会議の方がもうできておるわけでありますから、御審議を願って政令になる、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうなると、中央防災会議というものは形式的なものですね。事前に各省が話し合いをして、たとえば次官会議等でこれでいくということになって政令案が合意されれば、形式は中央防災会議に出すが、それはメンバーがみな役人だから、別にそこで意見は出ない、異論は出ない、トンネル機関のようなもので、ただ法律に中央防災会議の意見を聞かなければならぬということを形式上うたってあるだけにすぎない、そういうふうに理解してもいいわけですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 まことに申しわけございません。ただいま、ちょっと私答弁を間違えました。ただいま御説明いたしました公共災害あるいは農地、農業用施設の特例方式というものの政令の内容は、これは防災会議におかけする事項ではございません。防災会議として解きほぐしておきめ願わなければなりませんのは、この激甚災害をどうするか、基準と申しますか、をどうきめるのか、それからこの激甚災害を各条文のどれに適用するかということをおきめ願う、その点が防災会議に付さなければならない事項でございまして、ただいま御説明申し上げました点につきましては、防災会議にもう一ぺんお諮りする必要はないわけでございます。間違えましたので……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、結局中央防災会議の意見を聞かなければならぬ事項ということになれば、当然この法案の第二条に記されておる、たとえば台風九号とか十号の災害が一体国民経済上著しい影響を持つ災害であるかどうか、この種の災害対策を講ずることによって地元の公共団体が非常に負担が過重になる、あるいはこの災害による被災者は国の責任で救済しなければならない度合いのものである、そういうものを激甚災害として認定する認定の基準等については、その種の政令は中央防災会議に意見を聞かなければならぬということになるわけでしょう。そうじゃないですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 御指摘の通りでございまして、そういった具体的な規定あるいは基準、そういったものは、中央防災会議にお諮りしてきめる、こういうことになるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは総務長官にお尋ねしますが、一体この法案にうたってある国民経済に著しい影響を及ぼす災害ということになれば、これは従来いろいろな災害がありますが、今次の台風九号、あるいは十号、それからまた先日襲来しました十三号とか、ひんぱんに襲来しておるわけですが、これらの規模の台風災害というものは、一体法案でいうところの国民経済に影響を及ぼす被害として認められるべきものであるかどうか、これはどうお考えですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 この文字は非常に重大な文字になっておるわけですが、あげて防災会議の良識によってきめていただくという以外には今のところないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう無定見な態度で政府は仕事をやるのですか、何もわかりません、どうか中央防災会議で考えて下さい。政府として全くそれは無責任な態度ではないですか。防災会議の意見を聞く場合も、やはり災害を激甚災害と認定する基準の案とか、草案というものを一応政府がつくって、そうしてこれでどうでしょうかといって中央防災会議にかけるならば話はわかるが、非常にむずかしくて、重大な問題ですから、どうか白紙でおまかせしますから研究して下さい、こういうことなら、政府というものは要らぬじゃないですか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 これは防災会議で決定する事項になっておりますから、字句の上においてはいろいろ御意見はございますけれども、あげて防災会議によって、この第二条の精神を体して御決定を願うことになると思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 ちょっと関連して。政令についての御説明をいただきましたが、なかなかふなれでございましてよくわかりませんので、端的にお伺いいたします。今度の災害で、都道府県の中で二〇%以上に該当するいわゆる激甚地と認められる都道府県はございますか。まだ査定が全部済んでおらぬことはよく承知しておりますが、大体の見当はついておると思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 午前中にも御質疑があった点でございまするが、御承知のように、各省で査定実施中のものでございまして、査定額が確定いたしませんと、この方式による負担額の数字というものも出て参りませんので、現在としてはわかりかねます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そんな答弁はもう初めからわかっておるのです。そんなことを聞こうと思って私は関連で立ったわけではございません。政務次官、どうなんです。せっかく答弁いただきますならば、大体見込みというものはわかるはずです。また査定の率というものも長い間の体験がございますから率をかけていけばわかるはずですから、そこで府県のものをお示しいただきたい、続いて市町村のものもお示しをいただきたい、場合によっては全国にわたってお尋ねいたします。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 先ほど宮崎調査官からお話がありましたような事情でございます。しかしながら、一応府県から、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、それに該当するような被害額の報告がございました。この報告のうち査定になるのがかりに八〇%と推定する、さらに府県分がそのうちの八五%と推定する、こういう推定をいたしたわけであります。そして三十七年度の標準税収入との割合で見ていったわけであります。そうしますと、私たちのその計算では佐賀は二〇%をこえておるわけであります。その他の団体はこえて参りません。しかしながら今度の方式では、単に災害土木費国庫負担法の対象になる事業だけではございませんで、災害関連事業その他もみんな合算するわけでございますので、正確な推定ということは困難だと思います。今申し上げましたような方式をとって計算をいたしますと、佐賀は二〇%をこえて、その他はこえない。しかし実際やってみた結果では、ほかの団体でも二〇%をこえてくる団体が出てくるかもしれません。佐賀はあるいは二〇%をこえないという事態もある、こういうことになろうと思います。市町村につきましては、相当多くの団体が、その災害を激甚災害として指定されますならば、その適用を受けることになると思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 市町村も大体わかっておると思います。ずいぶん私は意見を持っておりますが、関連ですから簡単に終わりますが、熊本県の三名市、福岡県の高田町、佐賀県の嬉野町、長崎県の高来町あたりはどうなりますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 ちょっとその団体の数字は承知しておりませんので、できる限り調べさせていただきたいと思います。もしその団体が推定しております被害額がわかりますならば、収入はこちらで承知しておりますので、すぐはじいてみたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 これで終りますが、それでは北海道その他を含めまして、大体激甚市町村として指定を受けそうな市町村の数はどの程度でございますか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 私が申し上げることが適当かどうかわかりませんが、かりに北海道の今回の災害を激甚災害として指定されますならば、相当多くの市町村がこの特別財政援助を受けることになると思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 総務長官に繰り返してお尋ねしますが、激甚災害の認定、これが一番大事なことであって、とにかく発生した災害を認定するかしないかによって、これは激甚災害であるとかないとかいうことになるから、県や市町村が指定されるかどうかということはそのあとの問題なんですよ。たとえば九号台風とか十号台風の災害というものは、この法律によるところの激甚災害であるかどうかという認定を下さなければならぬわけでしょう。それにはその基準というものが要るわけですね。基準については、中央防災会議の意見を聞くというのでありますが、決定は防災会議がするわけではないのです。参考に意見は聞くが、決定は政府みずからがきめることになるわけです。ですからわざわざ今国会において災害対策特別委員会までも設置してわれわれが苦労しておる中において、この九号台風、十号台風が、法律案にもし照らした場合に、一体これがいわゆる激甚災害になるかならぬか、そのくらいのことがわからなければ、何も法律の審議なんかできないじゃないですか。その尺度があるかないか、そういうものをこれに照らした場合、なるとかならぬとかいうことになるが、今用意はしておられるのかどうか、そういう点を明確にしてもらいたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 先ほど実は私がお答えしましたことにも少し間違いがございまして、これは芳賀先生の誘導尋問に陥ったような気がするのですが、あるいは私の考え違いだったかもしれませんが、政令をきめる場合には中央防災会議の意見を聞かなければならないというのは、第二条一項、二項の該当を政令できめる場合にのみ意見を聞くだけでありまして、一般の政令は聞くわけではありません。これはちょっと私が考え違いをしておりましたので訂正しておきます。  また今の、激甚災害として認めるか認めないかは白紙のままできめられてはという御意見があるようでございますが、それは先ほど宮崎君が説明いたしましたように、本法に基づきます幾多の政令が用意されておりまして、これが出ますれば、先ほど百分の二十とか百分の十とかいう問題がすでに論議の中心になっておりますように、そうしたものの基本によって大体荒筋がきまりまして、そうしてただここに問題に出ておりますのは、国民経済に著しい影響を及ぼすという、この文字が一体どの程度に参酌さるべきかという問題が残るのみでございますが、これは防災会議の委員諸君の良識による以外にはないと私どもは考えておりますので、全然白紙であるわけではございません。政令はたくさんできるわけでございまして、ただいま各省間でその政令の立案に一生懸命になっておりまして、近くこれはお示しできると思います。そうしたら一つの基準によって防災会議でも意見が出るわけでございますから、決して白紙であるわけではないのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 総務長官は医者に行くそうですから退席されていいです。  それでは藤田さん、あなたは政務次官ですが、今私が徳安さんにお尋ねしたような点については、自治省の政務次官としても無関心ではないと思う。とにかく県や市町村の地元負担と、それから標準税収とのかね合いによってこれは指定するとかしないとかいう問題は出てきますが、災害を、一体この災害は激甚災害であるかないかということをまず選定して認定しなければならぬわけですね。その場合の尺度というものは、政府としてすでに用意してあるのか、徳安さんが言うように、これから防災会議ができたらそこに尋ねてみる、そういう程度のものか、一体どうですか。これは津島さんも農林政務次官で出ていますが、どうですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 大体において総務長官の答弁と同じでございますが、われわれの立場としましては、特に地方自治体は災害の場合の負担がしわ寄せをされまして、それが地方自治体の赤字を生む原因になってきておるという過去の実例に徴しまして、できるだけ政令の指定を、幅を広くしてもらうということを、現実の防災会議の運営においては強く発言して参りたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 どうも私の質問が拙劣かもしれませんが、この災害が激甚災害になるかならぬかということをまず認定する必要がある。その場合には必要な政令で基準を定めるということになっているのですよ。だから、なければないでもいいですが、その尺度というものは用意されてあるかどうかということを聞いておるのです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 その点に関しましては午前中も質問があったのでございますが、都道府県の場合、市町村の場合に分けまして、政令で標準税収に対するパーセントをきめてやっていくということであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは違う。指定県になるか指定市町村になるかという場合の政令案というものは、宮崎さんが説明したから大体わかるが、一体どの災害に対して指定するかしないかということがわからなければ、たとえば三十七年一年中に出たあらゆる災害を激甚災害というつもりですか。その中のこれこれの基準に適合する災害だけというつもりですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 私、恐縮でございますが、どの程度までやっておるかということの御質問でございますので、少し御説明申し上げます。  この二条に規定します国民経済に著しい影響を及ぼす災害、これがいわゆる激甚災害となるわけでございますが、御承知の通り、今までの御説明でもいろいろ申し上げておりますように、従来いろいろな特例法が実際に行なわれました。それを土台にしてこの法律ができておるわけでございますので、そういった意味で、従来の特例法が出た場合とはどういうことかというのを、各条文ごとにそれぞれの所管省でいろいろと検討してございます。先ほどからいろいろお話が出ておりますように、たとえば天災融資法ではどうだ、あるいは湛水特例ではどうだというようなことは、それぞれ従来の実績できまったといいますか、実際に行なわれた事例というものが幾つもございます。そういったものを中心にいたしまして、そしてこの防災会議であらためて検討していただく、こういうことになるものと思います。公共土木施設等につきましても、従来の実績というものはあるわけでございますから、そういうものを中心にして、防災会議で当然きまって参る、こういう考え方で検討が進められておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は従来は、たとえば伊勢湾の災害が起きた際には、伊勢湾台風を中心とした特別の立法措置、あるいはチリ地震の場合にはチリ地震に対する災害立法とか、その災害ごとに、これは国民経済上甚大な影響があると認めて、立法措置というものを講じて災害対策を講じてきたわけですね。今度は、事前に一応の尺度というものをつくっておいて、それに照らして、今度の災害は当然激甚災害になるとかどうとかいうことで処理するわけであって、発生した災害ごとの立法措置というものは、従来よりも必要性がずっと少なくなるというところに、この法相の特色があると思うわけです。ですからそういう場合、たとえば九号台風の場合には、九号台風の全国的な被官総額が、公共土木とか、あるいは施設関係であるとか、農作物関係であるとか、総体の被害額というものが判明するわけであって、そういう被害総額がおよそどの程度以上とか、あるいはその被災者の数がどの程度であるとか、あるいは実際に被害を受けた農業とか漁業とか、それらの波及した被害の面積とか、規模というものはどういうものであるか、そういうものが、やはりそれぞれ政令で基準を定める場合には、一つの要素になると思うわけです。われわれとしては当然九号台風、十号台風等は、この法律でいうところの激甚災害になる。そういうものがならなければ、これは立法措置の必要がないわけですから、それらの被害の基準というものをつくる場合の用意というものは、ただ抽象的に判断することではいけないと思うのです。だから、合理的にどういうような要素を総合して判断して、この激甚災害と認定するかどうかということは、これは非常に大事なことなんです。国民経済上から見ても、これは重大なことだと思うわけです。そういうものがまだ具体的に用意されていなければ、未熟なものであればやむを得ないとしても、法律を前国会から、審議しているわけですから、そういうものはもうすでに用意されておって、防災会議が設置された場合には、直ちに意見を聞いて決定するというところにいっていなければいけないと思うのですが、大体あるような話も言われたが、それはないのですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 とりあえずとしましては、従来特例法を実施したような災害の前例を基準にいたしまして、今回の災害に関しましては、現地の調査査定の結果を待ってきめていくということ以外にないと思いますが、今芳賀委員のお示しのような具体的な基準をも、法律か政令できめておいて、そして間髪を入れず指定をするということが理想であろうかと存じますので、今後三十幾つの政令の制定にあたりましては、そういう方向で研究しなくてはいけない、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もう少し端的に答弁してもらいたい。九号台風や十号台風は激甚災害になるかならぬか。ならないと言ったら、これは国会でわれわれが九号台風及び十号台風に対する被害の立法措置を講ずることができるのですよ。皆さんがなると言うのであれば、一応どういうことをやるかおまかせしてみてもいいが、ならないと言うのであれば、今ちょうど国会の会期中ですから、われわれ立法府ですから、ああいう大きな災害がならないのだということになれば、当然われわれは立法措置をやりますからね。そこらのけじめをつけてもらわなければならぬが、どうなんです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 九号、十号に関しましては、これは問題なく激甚災になると思います。十三号等に関しましては、まだ被害状況も詳細でありませんし、今後の検討を要する問題だろうと思います。自治省としましては、なるべくこの指定の範囲が広くなることを期待いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 こういうことは政府の責任で明らかにしなければ、災害基本法にも、国の責任というものは、従来と違って明確になっているでしょう。都道府県知事の報告の義務等も、災害基本法にうたわれておるのですからね。でたらめな、予算獲得だけのそういう陳情的な報告だけではだめですから、地方公共団体の長の行なう報告というものは、だから相当権威のある災害の調査とか、数字の収集というものは、これは当然できるはずですよ。それは、たとえば一つ一つの災害の規模があるいは小さくとも、連続に九号、十号、十三号というふうにくる場合は、九号、十号台風ないし十三号台風に対する何々というような、そういう立法措置の前例というものは幾多あるわけですから、もし十三号が小さいとすれば、これは九号、十号に合わせて措置を講ずるということは、当然いいことなんですよ。これは無能ならできないが、頭を働かせれば、やはりそういうものを合わせて、国民経済上に影響がありという判断を正しくする場合においては、頻発する災害というものは、それをある時限においてまとめて措置するということは、当然可能じゃないですか。不可能だという考えでいるのですか。一つ一つの災害ごとに、これは激甚災になるかならないかという、そういう判断でいくのか、ある一定の期間連続して、しかも同じ地域が連続して見舞われるような災害に対しては、やはり数個の災害、これを一体のものとして激甚災害と認めることは、これは可能と思うのですよ。そういうことは一体どうするつもりですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 技術的な問題でありますので、私からお答えいたしますが、災害の指定にあたりましては、これは今のお話にも出ておりますように、たとえば九号であるとか、あるいは第二室戸台風であるとか、そういった一つの災害に基づく地帯を、激甚災害地として指定して参る、こういう考え方でできておるわけでございます。ただ実際の適用にあたりまして、それではそういうものが一年度の間に幾つもきたときにどうするかという問題でございます。午前中にもお話がございましたが、常識的に、そういう場合には通算をしていくというのが従来の実例でございますので、今度もそういうふうになるだろうということを申し上げているわけであります。これは政令になります。そういうことでございまして、今御指摘の点まことにごもっともでございますが、結局この法律そのものを、いわゆる個々の災害にあたっての、今後恒久的な制度にしようということでできておるわけでございます。それで起こった直後の九号、十号はどうなるかということになりますと、先ほどからお話が出ておりますように、いろいろの点がまだ未調査の問題でございますから、これが該当するとかしないということを申し上げることは、非常に困難だと思います。ただ、従来こういった特例法が出て、そのものの実績を基礎にしたということを申し上げておるわけでございますから、その辺の判断はおのずからおつきになるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございますが、ボーダー・ラインになりますと、これはやはり相当問題があろうかと思います。従いまして、防災会議というようなもので、やはり個々の実情といった点を考えてきめていく、こういうのが実情になっておるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 激甚災害の認定については藤田政務次官からも答弁がありましたので、政府としてはその程度のことは考えておるということがわかりますが、ただ問題は、たとえば九号台風は激甚災害に指定をされたとしても、その災害の中においてこれを都道府県ごと、市町村ごとに被害地域を今度は政令の別の基準で照らした場合、どこも対象にならなかった。こういうこともあり得るのですよ。さっきも宮崎さんでしたか、奥野さんでしたか、九号台風は佐賀県しか対象にならぬというような、そういう発言もあったわけですが、災害だけは激甚災害に指定してもらったが、今度は実際被害を受けた被災者あるいは災害復旧にあたった県、あるいは市町村が一つも激甚地の指定を受けることができなかったという場合も絶対ないとは言えぬでしょう。そういうばかげたことがあってしかるべきと思うかどうか。災害だけ激甚災害に指定しておいて、あとはお前らのところは激甚災害地でないと指定しない。そういうことになると、災害に位をつけただけで終わって、国は何ら激甚災害の財政援助法を適用しないで終わるという場合も出てくるのじゃないですか。百のうち一つくらいあるなんというのはあるうちに入らないですよ。これは具体的な問題ですよ。被害地の皆さんは心配しているのですからね。今から指定になるかならぬかということが頭に来ておるわけでして、災害だけに激甚災の位を預けて実際の施策が購じられない、こういうことだとこの法律の必要性というものはないわけですね。ですからこの法律の精神に適合する政令というものをつくればそういうばかなことが起きないで済むのであって、そこに問題の重大性があると思いますが、これは両政務次官の御意見を聞いておきたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 ただいま御指摘の場合はあり得ると思うのです。あり得ますが、そういうことはきわめて例外的なことではないかと思います。従いまして私は午前中も答弁いたしましたように、都道府県、市町村のパーセントをやっぱり将来はとりあえずこれでまず適用してみまして、実績を積み上げて順次改善していくというような場合、必然そういうきわめて例外の場合も考慮した態勢を検討しなくてはならぬ、そういうふうに考えております。

津島文治自由民主党農林政務次官

○津島政府委員 理屈の上からは芳賀先生の言うようなことがあり得るとも思われますが、どうも私は考えますと実際においてはそういう不一致のことはないと考えられます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうじゃないでしょう。災害の規模は非常に大きくても、それはやはり具体的に被害地域の県、あるいは市町村長にこれをあてはめていけば先ほど説明のあった政令等によると大部分が県段階においてはほとんどこれはふるい落とされてしまう。市町村段階においてもこれでいけば、大体全体の二割くらいのものです。そういうことになればもう府県はこれはだめだ。市町村については二割程度で八割はだめだ。そうなるとただ激甚災害という災害の横綱の位だけ与えて、あとは何にもやらぬ、こういうことになるのです。政令をつくるのは事務当局の仕事ですから、そこらは長年の災害の経験とか、購じた措置等を土台にして、そうしてその政令の基準というものは当然つくるべきである。そうならぬですか。やってみてまずかったら直すというのはこれは下の下ですよ。十分これは検討する余地があると思うが、一体どう考えているのですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 従来特例法を講じましたような災害が発生する、それを激甚災害として指定する、そうした場合でもこの法律の適用を受けるような、特に第四条の適用を受けるような団体が全然ないというようなことは考えられないのじゃないか、こういうことを言っておるわけでございます。ただ府県になりますと、地方負担額を総合いたしまして、標準税収入の二割をこえなければこの特例措置の適用を受けませんので、先ほど御説明いたしましたような状態が起こってくると思います。ただ現在のところは地域的にかなり激甚な災害を受けておるわけでございますけれども、この総額から見て参りますと、三十四災とか、あるいは二十八災というようなものと比べますと、ずっと規模は今のところは少ないわけでございます。今までの災害報告額を基礎として府県についてこれを適用すればどうなるかということで、先ほど御説明申し上げたわけでございますので、実は従来特例措置を講じてきた、そういうような災害を激甚災害として指定した。しかも四条の適用を受ける団体が全然ない、こういうことはまず考えられないのではないかと思っております。しかしながら今後運営の過程におきまして、いろいろと改善すべき点が見出されてくるだろうと思うのでありますけれども、積み重ね方式で順次見て合算をしていくべき問題が出てくる、だろうと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に具体的なお尋ねをしますが、今度の場合は事業別の地方公共団体の負担の合計、総合方式でいくわけですが、これにもやはり利点はあると思う。しかし従来の事業別のたとえば公共土木施設とか、農業施設の災害とか、事業別の集中的な被害の激甚なものについては高率の補助適用の方式が今まではとられているわけです。これにも利点というものはあるわけです。だからやはり総合方式と事業別方式の高率補助の適用につきましても、やはり比較すれば長短はおのずからあると思う。これは皆さんも御検討になったと思うが、こういう合算方式だけが必ずしも有利だということにはならぬと私は思うが、その辺のところは一体どういうような見当か。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 先ほど資料で御説明いたしました通り、従来の個別方式と申しますか、個々に措置しておりましたときと、今回の合算方式とで比較して参りますと、かりに三十四年の災害がもう一ぺん同じように起こったとして、仮定の計算でございますが、その際に県ごとにプラスになるものもあればマイナスになるものもあるということは申し上げた通りであります。全体といたしましては若干今回の措置の方が手厚くなるようにつくってあります。県別に見ましても従来の措置よりも薄くなるといいますか、そういったものは非常に例外的でございまして、大体において手厚くなる方が多い、こういう形になって参ります。しかしこれはもちろんこういった災害の態様に対する一つの仮定計算でございますから、従来の方が有利になる場合もあり得るということは当然あると思います。それではなぜそういったことをやるのかということだと思いますが、やはりこういった特例法の重要な点は、全体を通じて合理的に災害の被害の程度というものをなるべく合理的、客観的にきめるということになりませんと、その場その場でいろいろとまた問題が起こって参ります。そういう意味ではたとえば地方の財政に関係する地方公共団体の問題であればやはり地方公共団体が負担する。小災害に関する特殊の負担というものを合計したものを問題にした方が合理的ではないか、こういうことが一つございます。農業関係であればやはり農家の負担になる。そういう各種の施設を合算していく、こういったことが合理的ではないか、もちろんこれで理論的にぴんと割り切れたというほどのものではございませんけれども、従来のものと比べればだいぶ合理的なものになっているのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 時間の関係で次に移ります。  非常に私が疑問に考えておりますのは、たとえばこの法律の中に天災融資法の適用の問題がありますが、これは何のために天災融資法の特例措置をこの法律にうたったか、その真意がちょっと解しかねるわけです。これは津高政務次官から、わざわざ天災融資法関係をここへ持ってきた理由、根拠を明らかにしていただきたい。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 天災融資法をここへ持ってきました理由につきましては、天災融資法には従来限度があったわけでございます。その貸付限度を激甚災害の場合におきましては引き上げるということをいたしておりますので、持って参った次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それがおかしいんじゃないですか。天災融資法に不備な点があれば、天災融資法自身を根本的に再検討すべきであって、ここにだけ突然と持ってきて、激甚災害についてはこれこれというようなやり方はおかしいじゃないですか。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 やはり激甚災害になりますと、たとえば従来天災融資法で金を借りるというような場合もあるわけでございます。そういうふうに、午前中にも問題になりましたように、連年災害で非常に激甚な災害があったというような場合には借りかえも行なわれた。そうしますと、そういう激甚の災害の場合には、限度額を引き上げないと困るわけでございまして、激甚災害として一般的にここにすべての事項が規定してあるわけでございますから、特に天災法を改正するというのでなくて、激甚災害の場合には、激甚災害の法律によって天災法をもっと被害者のために有利に規定しておくということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 天災融資法の根拠は林田さんが知っている通りであって、天災融資法の場合には、被害農林漁業者の被害の深さというものに尺度があるわけです。その被害の幅とか、それが激甚災であるかないかよりも、農業、農作物とかあるいは漁業、林業に与えた被害の深度というものによってこれを特別被害者にするかしないかという判断が行なわれると思うのです。だから、たとえば台風災害でなくても、冷害であるとか凍霜害であるとか、そういうような被害、冷害なんかの場合はほとんど農作物災害だけに局限されるわけであって、施設の被害も公共土木も何も被害を受けない、農作物だけが甚大な被害を受けるというような場合にこれが最も強く発動されなければなわけであって、その場合天災法による国民経済に与える影響というものと激甚災の国民経済に与える影響とは違うと思うのです。全然異質ではないけれども、その判断の基礎というものはおのずから違うと思うのです。こういう激甚災だけに最高たとえば十五万円を二十万円にするとか、北海道の二十万を二十五万にするとか、いろいろうたっておりますが、この激甚災の方で最高を二十万とか二十五万に抑えてしまうと、今度は天災融資法自身の発動の場合にこれは非常に拘束されるということになるのじゃないですか。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 天災法によります貸付対象でございますが、これは、仰せのように作物災害がその対象でございます。たとえば凍霜害とかそういうことによりまして作物だけが被害を受けたほかに一般的な天災はなかったという場合には、もちろんこの天災法そのものでいくわけでございますが、これはやはり激甚災害として指定されまして、作物のみならずいろいろな災害を受けた、こういう激甚災害につきましては、限度を広げて個人に対しても貸付を行なう必要があるわけでございまして、そういうふうな見地から、天災法の場合も一般の場合よりは限度を拡大していく必要がございますのでこういう規定を置いたのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は、天災融資法関係はこういう法律の中へ持ち込むべきでないという考え方の上に立っております。しかし、たとえば災害基本法によっても、冷害とかあるいは凍霜害とかいうものは災害の中に入るでしょう。その点は、どうですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 災害対策基本法で御説明があったと思いますが、激甚災害は対象として入ります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、天災融資法関係の、たとえば、これは国家融資ではない、資金源を国の融資機関から流しておるのではないのですから……。ただささやかな利子補給と損失補償だけを国が行ない地方公共団体が行なっているということであって、こういう災害に対して、国並びに地方公共団体が災害対策の一環として激甚災害に対する国の負担を強化するということであるならば、むしろその利子補給であるとか損失補償の面についてこの援助法を発動するというのであれば話がわかるが、貸付限度だけ特別引き上げますというようなことでは何も意味がないじゃないですか。激甚災害の場合、この適用を受けで貸し出した資金に対する利子補給、損失補償については別途の措置を講ずるという考えでここへ持ち出したのですか。そうであれば説明していただきたい。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 限度を上げますと、利子補給につきましても、あるいは補償の額につきましてもそれだけふえるわけでございます。ここでは利子補給の率を上げるということは規定してないわけでございますが、額の限度をふやしております。従いまして、利子補給とか補償の総額としてはふえている、こういうことになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはあたりまえのことである。それは利子補給もふえるが、被害者の借りた方の利子もよけい借りればふえるでしょう。同じじゃないですか。激甚災害の場合、天災融資法においてはこうであるけれども、特例措置として利子補給率を引き上げるとか、あるいは被害指定を受けた地方公共団体の利子負担は免除するとか、政府が全部肩がわりするとか、あるいはまた損失補償についてもこうやるとか、そういう措置が並行的に講ぜられておればなるほどとわれわれも同意する点があるが、単純にただ貸付限度をこれだけ上げますという程度では、わざわざこんなところへ持ち込む必要はないのではないですか。しかも政府の資金じゃないでしょう。国家資金を大幅に貸し出すためにこの法律に強調するというのであればまだ話はわかるが、公庫融資にしても、あるいは自創資金等についても、災害関係の融資は行なわれることになっておるにもかかわらず、政府機関の融資というものはこの法律に何ら現われていないじゃないですか。そういうところに問題があると思う。この程度のことであれば、何もわざわざおこがましく天災融資法がどうでございますなんということは、これはやめられた方がいいと思う。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 おっしゃいますことはまことにごもっともなんでございますが、これは従来も天災融資法の特例法を激甚な災害の場合には作っておるわけでございます。それで、もしここへ入れておかないと、そのつどやはり激甚災害の場合には特例法を作らなければいかぬという問題がございまするので、このようにほかの施策をすべて一括しました激甚災害の財政援助に関する法律ができました機会に、それをこの天災融資法の中へ入れておきまして、そのつど特例法を設けるという必要がないようにしたいというような見地から特に入れたような次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはあとで農林大臣にも出席を求めて、非常に重要な点ですからただしたいと思っておりますが、これは保留しておきます。ただここでお尋ねしたい点は、それではこの公共団体の負担の中には天災融資法に基づく県並びに市町村の利子補給、あるいは行なった損失補償等は合算されるかどうか、その点はどうなんですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 合算いたしますのは十三条ですかに規定してある事項だけでございまして、合算はされません。従来と同じように特別交付税で処理していきたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 合算されなければ、この天災融資法の場合は、たとえば五年償還とか、いろいろな条件がありますが、毎年度行なう公共団体の利子補給については毎年度やはり特別交付金でこれは処理していく、そういうことに変わりないわけですね。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 その通りであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、小災害に対する起債の特例の問題ですが、これについても非常に消極的な措置しかできないようなことになっておるわけです。この激甚災について地方債の問題ですが、法律にはうたってありますけれども、二十四条の関係についてもう少し詳しくここで説明してもらいたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 御承知のように一カ所当たりの災害の規模が一定の限度をこえませんと国庫負担の対象にされないわけでございます。それ以下のものも拾い上げまして、国庫負担を受けたと同じ程度の援助を当該地方団体に与えるようにしたいという建前でございます。従いまして、国庫負担の対象とならない規模の小さい災害につきましても、これを集めまして相当の金額になります場合には、地方団体の復旧責任に帰属しますものにつきましては、全額について地方債を認める、そうして国庫負担相当額につきまして、一部は地方交付税の基準財政需要額にその元利償還額の一定部分を算入していく、一部は面接元利の補給を国庫から行なう、しかし、合わせれば国庫負担と同じ程度の援助を当該団体に与えることにしようという建前でございます。一項の方は地方団体の責任に帰属する災害復旧事業費でございまして、二項の方は農地、農林水産業施設にかかるものでございまして、この部分は国庫負担額に相当する部分を地方債として認めるわけでございまして、その全額につきまして、地方交付税と元利補給金と合わせまして国庫負担額に相当する額になるということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後にもう一点。これは農地局長に伺いたい。第十条の土地改良区等の行なう湛水排除事業に対する国庫補助の問題ですが、これはたとえば北海道における昨年、本年度の災害によっても、この湛水排除の問題が非常に強く叫ばれておるわけですが、これは大体堤内地において湛水が長時間にわたるようなことがあって、水稲とか農作物が非常に大きな被害を受けるわけですけれども、この排水ポンプの施設ですね。これについては、従来非常に消極的な態度で臨んでおったわけですが、この法律を適用した場合に、この内水排除のポンプ施設等については、具体的にどういうことで国が助成しているのですか。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 堤内地の、農地を主とする場合の滞水期間が、大規模、長期にわたる場合に、土地改良区で応急的に排水事業をやる、こういった場合にもちろん十条が適用されます。公共団体である市町村がやる場合には、第三条十四号の公共負担でやる、こういうことになりますが、土地改良区が主体になります場合には十条、その場合に、応急的な施設というものについて、十条によりまして十分の国庫補助をやる、こういうことになります。恒久的の施設はどうかということになりますと、恒久的な施設は、先ほど午前中にも御説明申し上げましたが、排水防災事業としてこれをやる、こういうことなんでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは毎年災害が起きて、たとえば本流からの逆流によるとか、あるいは堤防から溢水したというようなことで、堤内地に湛水地が起きるわけですね。これはは堤内ですよ。堤外は水が流れているのだから、これは洪水のときにはしようがないが、その場合毎年同じような形の災害が起きるわけですね。そうなれば、これは恒久的に、半恒久的に、たとえば町村であっても土地改良区であっても内水排除の施設を講じておかなければ、そのときになって間に合わないわけですね。だから、それらの法律には書いてあっても、実際土地改良区がそれでは北海道の千歳川流域ですね、この内水排除の施設をするとか、あるいは空知川、石狩川合流点においてそういう施設を土地改良区が行なうというような場合には、これは土地改良区と書いてあるのだから農林省の所管ですが、農林省が積極的にそういう排除施設に対して助成する。今まではあまりやっていないのですがね。今後は、この法律が成立すれば、内水排除の施設等に対してもほんとうに積極的に助成をするのであるかどうか、その点はどうなんですか。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 この十条は応急的なものでございます。それで、恒久的な施設として、常に大雨が降ると滞水するといった地帯につきましては、今申し上げましたように滞水防除、防災事業といたしまして、三十七年度の新規からそういったところの恒久施設を増強して、堤内地の滞水排除をはかる、こういうふうに考えております。それは防災事業として取り上げたい。それから一般の土地改良においても、排水事業として取り上げられる場合もあろうかと思いますが、従来の滞水排除の特例法等の適用されました地域等について、優先的に防災事業として、三十七年度から恒久的な施設として取り上げる、こういうふうな計画で進めております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではこの法律では応急施設だけが対象になる。私の言ったのは恒久的な治水が完全にできて下流も心配がない、逆水もこないということになれば、何も心配はないが、北海道等においては、今の政府のやり方だとここ十年や十五年は心配があるわけですね。そうするとその結果十年とか十五年の期間は、やはりちゃんとした排水施設もポンプ設備も設けなければ、毎年同じような被害が累積するということになるわけです。それは局長が言われた後段の措置で、来年度から予算を大幅にとってやるということですね。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 後段とおっしゃいますが、本条によりましては、災害が起こりましたそのつど応急的に排水をやった応急的な施設あるいはそれに要しました費用、そういうものについて十分の国の補助をするということになります。それでそういった常時滞水するところの恒久的な対策はいかんということに相なりますが、それは先ほど申し上げましたように、治水計画とも当然マッチしなければなりませんが、それと並行いたしまして、排水ポンプあるいは排水路の掘さく、そういった面も恒久的な施設として防災事業として取り上げる、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だからそれは一体建設省の防災事業でやるということか、農林省としてそれを農業保護の立場からやるのか、その辺がはっきりしないと、一体どこへ行ってやりたいからと言って相談していいかわからぬ。肝心なところだけはっきり言ってくれればいいのです。

庄野五一郎農林事務官(農地局長)

○庄野政府委員 私は農林省の立場で御答弁申し上げておりますので、私が申し上げていることは農林省所管としてそういった排水防除の措置をする、こういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 天災融資法の関係だけは、重政農林大臣の出席を得たときに質問することにして、きょうはこれで終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 五島虎雄君。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 ずいぶん時間もたっておりますし、あと二人質問があるそうですから、できるだけ簡単にしておきたいと思うのですが、この提案理由の説明を読んでみますと、午前中からずいぶんだび重ねて各委員から質問をされておるわけですけれども、この法律を提案したときには、総理府長官から説明されたように、これは現在までの災害の特例をより総合的に考慮し、そうして合理的であって、しかも恒久的な制度を作ることを目的としたものである、こういう立場に立って災害基本法を土台にして今回の援助法ができたということでございます。  ところが私は、まず具体的な質問に入ります前に、拡大鏡的にはなりますけれども、たとえば東京の大震災が再び発生したというようなことを想定すれば、この法律で処理ができるのかどうか、そういうことは法律を作られる際に検討されたのかどうかということに一点触れて聞いておきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 正直に申しまして、この具体的な措置についての過去の実績の取り扱い、いわば検討でございますが、これは主して二十八年災以降について検討が行なわれております。ただ東京大震災という事例がございますけれども、災害対策基本法そのものにおきまして、そういう異常な大災害とか、これについての規定もありまするので、お話の通りいろいろ検討いたしております。ここにあります特別財政援助という観点から見ますると、たとえば公共団体であれば被害の程度もほとんど今までに例のないくらい、六百倍というようなところまで検討してございまするし、それぞれ被害の程度が大きいほど、措置は従来よりも手厚くやってございますので、これでもって相当程度対処し得るのじゃないかと考えております。もちろんそういった非常災害の場合には、予測しないような問題も起こるかと思いますが、そういった問題について、十分検討しておるということまでは申し上げかねると思います。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、三百万人目の当時の東京大震災は、日本の経済を破壊しそうになって、国民総決起ということが行なわれたのですが、今や一千百万になんなんとする人口の中に、もしもあのような種類の災害が起きた場合は、いまだこの法律の検討の余地外であるということを認識していいですね。そのときはそのときのことである、こういうように考えていいですか。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 先ほど申しましたように、この具体的な措置の検討につきまして、どういう検討が行なわれたかということを申し上げたわけでございます。東京大震災というようなものについての具体的な措置が当時とられたのはいろいろ検討を行なっておりますが、そういったものの中心をなしますものにつきましては、これはむしろ戦後の各種の災害立法の方がずっと手厚く、しかも広範にできておりますので、そういう意味では大体そういった具体的な措置については、災害復旧を中心とする措置であれば、まず考えられておると言っていいかと思います。ただ問題は、そういう非常災害になりますと、人命の大量の損失とか、災害後の復旧というような問題ではなくして、災害直後のいろんな緊急的な措置、経済問題も含めました非常に大きな問題になろうかと思います。そういった点につきましては、正直に申し上げまして、ただいまあります財政援助等に関する法律案の内容としては対象外である、こう考えていいかと思います。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると極端に大きい災害に対しては、いろいろの問題が付随するから、これでは処理ができなかろう、この法律の提案の基本的態度を私はそういうように受け取っておきたいと思います。そこで  個々について問題なのは、多くの委員から言われましたように、これが総合的に考慮されたことである、それから合理的であった、そうしてこれが恒久的な制度を作るということだから私はここで、時間はちょっとおそいけれども質問しておかなければならないと思うのです。恒久的と言われますると、ここに入らないものは計算の基礎外になりますから、そこで問題だと思うのです。特に私は質問をしぼりまして、厚生関係について質問をしておきたいと思うのですけれども、なるほど十四項目に対しての計算の基礎が羅列してあります。その中に、厚生関係は七項目あげられております。公共土木関係の施設に関してあげられておりますけれども、なおこれに足らざるものがたくさんあるのじゃないかということです。その足らざるものをここに入れておかなければ、恒久化されてそれらが配慮されないということになりますると、おそらく地方自治体の方でも非常に困られる面が出てくるのじゃないか。まあ藤田政務次官もここにおられますから、地方財政の逼迫、災害を受けてなおかつ逼塞する、こういうようなことですから、私は特に聞いておきたい。厚生省関係も来ておられますけれども、医療の問題は非常に重要であります。ところがそういうような災害の非常時の場合に、医療機関がやられてしまうということは想定しておかなければならないと思うのです。そこでこれは公立、私立の問題もあろうと思うのですけれども、これらの問題に対してなぜこの中に入れなかったかというようなことについて、どなたからでもいいから御説明願いたいと思うのです。

鈴村信吾厚生事務官(医務局次長)

○鈴村説明員 私から御答弁申し上げます。  病院等につきましては、従来も災害のつど、私的な医療機関については医療金融公庫の融資を行なう。それから公的なものにつきましては、そのつど予算措置を購じて補助等を出しております。今後もこういうものにつきましては、その損害等に応じまして具体的に措置をとりたいということから、そのつど予算措置等を行ないまして、補助金等を出して参りたいというふうに考えております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そのつど具体的な措置をとりたいというのは、私はそのままそのように信用はしない。もちろん政府当局として、厚生省当局として、公的な病院あるいは私的な病院がやられてしまったとき、何にもされないということには私は考えていない。十分手を尽くされるだろうということは信用しているわけです。しかしさいぜんも申しましたように、この基本の問題が恒久立法になるから、こういうようなものについては特に配慮する必要はなかったか、こういうようなことです。配憲しないのと、特別の具体的な措置を購ずるということは差はないのかどうか。十分の手当ができて、そして医療機関として十分な役割を果たせ得るだろうかという疑念が生ずるから、ここに特別質問をしておるわけですが、どうですか。

鈴村信吾厚生事務官(医務局次長)

○鈴村説明員 ごもっともな御懸念でございますが、やはり病院等につきましては、具体的な災害につきまして個個に措置した方が適当であるということで、むしろ具体的な妥当性を得る意味におきまして、今われわれが申し上げたような措置をとることにいたしております。従いまして、その方がむしろ適当であるという判断からいたしておるのでありまして、われわれも将来遺憾のないように財政的配慮をして参る。また財政当局もその点について十分な配慮をしてくれるもの、こういうふうに確信いたしております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 私は社会労働の立場からも、特に同僚諸君も心配しておられるから、代表して質問をしておるわけですけれども、こういうような病院等の被災については、十分具体的な措置によって安心して復興ができるというようにわれわれはここで確認しておいていいですね。

鈴村信吾厚生事務官(医務局次長)

○鈴村説明員 従来もそのようにして参りましたが、今後ともこれに劣らない措置を十分して参りたいというふうに考えております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 次に、水道関係について質問をいたします。  水道、いわゆる上水道、下水道の施設がこの中になぜ入らなかったか。それから生活環境に非常に重大な関係があります簡易水道が被災した場合に――今まで若干の補助金でやっと住民諸君が簡易水道によって公衆衛生の保持、向上をしてきた。いろいろな面でこの簡易水道の施設というものは重要です。ところが、その上水道、下水道などが災害にあったときに――上水道、下水道の建設資金というものは非常に多くの起債のワクをとって建設し、しかも、厚生省関係としては、環境衛生を拡充強化するということが厚生行政の一つの大きな眼目であろうと思うのです。しかも簡易水道等は全国的に何カ年計画かをもってこれを拡充するというような厚生省の新発表もありました。しかしそれが遅々として進まないのは資金が足りないからです。資金が足りないのに、災害を受けた、また起債だ、また融資だ、こういうようなことが一体地方の住民あるいは地方自治体としてできることであろうかというように思います。なるほど水道の施設とか下水道の施設は堅牢ではございましょうけれども、この点については一大災害をわれわれは想定いたしましてこの法律を作らなければならないと思いますが、上水道、下水道の問題について、あるいは簡易水道の問題について、今まで多くのところでやられてきた。これから先も災害を防止することはできませんから、多くの災害を受ける立場になるのじゃないかということですから、この十四項目の中になぜこういう重要な問題が入らなかったのだろうか、こういうように疑念を生じましたから、特に質問をいたしておきます。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 環境衛生施設の問題に関してのお尋ねでございますが、御指摘のように上水道、簡易水道、また清掃施設、下水道、終末処理を含めました屎尿処理関係の施設、ごみ処理の施設等につきましては、私どもの環境衛生の行政上の非常に重要な問題でございまして、またそれが立ちおくれておりますことも御指摘の通りでございます。またそれに要する経費についても巨額の費用を要するということも事実でございますが、これらの災害の復旧の場合に、この法律で取り扱うかどうかということにつきましては、私どももいろいろと検討して参ったのでございますが、従来の実績によりますと、一般の災害並びに激しい災害の場合には、特例法に基づく予算措置等によりまして、二分の一ないし三分の二の補助をして従来復旧をいたして参ったわけでございまして、この実績によりまして、これらの環境衛生の施設につきましては、十分今後とも災害の復旧をしていけるという見通しを立てまして、予算措置でこれをやっていきたいという観点からこういう措置をとった次第でございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 予算措置と、二分の一と言いますけれども、激甚地指定の援助の場合の計算の基礎になるわけですから、私は特に質問をしております。環境衛生施設の問題については、従来そういうような措置がとられてきたということは十分知っておる。ですから、さっき芳賀委員が言われたように、天災融資法をなぜここに持ってくるのか、そこでやったらいいじゃないかというならば、こういう問題を作らないで、各法律をばらばらにして、これを統合する必要はなくなる、それぞれの法律によってそれぞれ改正をする。そうすると、今までのように災害に応じてこの問題はどうしよう、あの問題はどうしよう、そして一般の国民が安心するように、喜ぶようにそれぞれいい措置をすれば可能だということになります。しかし私は、これが地方財政の援助の問題を根本的に合理的に恒久立法化しようということで、さいぜんから言っておりますように、そういうように重大である、そうして多くの資金を要するのならば、ここの項目の中に入れて、何か基準をきめて、そして地方財政を圧迫しないようにやる方が、援助に関する明朗な措置じゃないかと思うのです。それを一般でいいというのならば、何もこの十四項目以外は一般項目でそのつどそのつどいっておれば何でもない。私は、その気持というものは、さいぜんも申しましたように質問しない前からよくわかっておるのです。あなたたちは決して国民を困らせようなんて思ってはいない、安心させるようにするのだという自信は各省にあると思うのです。各省にあっても、災害のたびごとに問題になるから、これを一括統合してこうするのだというようなことで――これは基準に関係しますから問題なんです。そこで一般の平常のそのつどの具体的な措置によって、十分まかない得ることかどうか、非常に大きな災害が発生した場合、やられてしまった。またそういうようなことは――終末処理場の問題が長野県の飯田市あたりでもありました。飯田市だけだから、まだ問題が多くは出てこなかったのですけれども、これが東京とか大阪とか京都とか六大都市などに現われて、住民が便所することもできないというように、文明の利器が一躍非文明の原始に帰る、こういうようなことになったときは、国民の世論はもっと強いだろうと思うのです。それをイージー・ゴーイングに、今までやってあるから十分だといいましても、そのときの費用というものは非常にかさが高くなってくる。従ってこういうような重要な問題を将来に向かって論ずる場合は、明らかに立法の中に合理化しなければならぬ、これが合理化じゃなかろうかと思うのです。総理府が合理化と言われますけれども、何を合理化されたのですか。何も合理化されてないじゃないですか。僕はそう思うのですが、これを、どうですかと言ったって、そうですと言われたらおしまいだから、やめましょう。  そこで、私は上水道、下水道の問題、それから簡易水道の問題について質問をいたしましたが、局長は、汚物処理、終末処理場の問題を言われたわけです。特に私の同僚議員から終末処理場の問題について聞いてくれといって頼まれました。終末処理場の位置というのはどこへつくられるか、これは常識的に考えましても、終末を処理しなければなりませんから、海岸とかいわゆる低地帯に建設されるわけです。それで、たとえば高波が来たりあるいは大水が出たり、その他予期せざる災害が起こった場合はここに集約されるということは、これは想像にかたくないわけでございます。そこで、こういう問題について、さいぜんの質問ではございますけれども、はなはだ遺憾だ。そうすると、私が質問をしてあなたが答弁をされて、今後具体的な問題で処理していく、十分実行はできますと言われましても、この法律案を審議し、間もなく通るというようになると、国民に対するところの法律になるから、これは重大である、私はこういうように思うのです。私は、この終末処理場の問題について、清掃法の問題について質問をしても、あなたは今後十分処置するというような説明があるだろうということを想像すると、おなかが減っておりますから、どうですかという質問をする気力はもうなくなる。そこでこういうようなことは、基本的に審議するところに保留をしなければならないということに相なります。そこで、今までの説明、病院の問題とかあるいは上水道、下水道、簡易水道、終末処理場の施設の問題をこれに取り上げなかったということの説明は一応聞くとしても、私はここに態度を保留せざるを得ない。  それでは次の問題で、同じく清掃の問題でちょっと具体例を引いて――自治省あるいは大蔵省もいいでしょう。それから厚生省関係について、それぞれ質問をしておきたいと思うのです。  ことしの災害に対しまして、災害特別委員会でも、委員長の席におられる永田委員から質問をされておるわけですけれども、これから質問するような問題についてどう処理をしていかれるのかということについて質問をしたい。というのは、兵庫県の淡路島が大水害に見舞われました。そしてそこのタマネギが、これは淡路島の特産物ですが、水に見舞われて冠水したものだから、みんな腐れてしまった。腐れたら大へんだ、タマネギが腐れたら、天災融資法をもって激甚地指定が行なわれたら、また激甚地指定の措置が行なわれると思いますけれども、タマネギは腐れたらべしゃんべしゃんになるのであります。そして畑で発酵してしまうのです。今度お百姓さんたちは、災害に襲われながら、災害の復興をしなければならぬ、タマネギの腐れることを防止しなければならぬ、そしてそれを排除しなければ大へんなことになる、こういうことで非常に困られた問題があります。それは農林省関係では、天災融資法でこういう問題の処理ができるとお思いになっておりますか。芳賀委員の説明に対して、これでこういう問題の排除までできるのでしょうか、ちょっと聞いておきます。

石田朗農林事務官(大臣官房総務課長)

○石田説明員 お答え申し上げます。  天災融資法におきましては、災害を受けられました方の農業経営資金――農業ばかりじゃございません。林業、漁業もございますが、農業について申しますと、農業経営資金がお困りであろうということで、その経営資金につきまして低利な貸し出しをいたすという制度としてできておるわけでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、そういう処理まではできないということなんです。金を貸して処理せよといったって、災害を受けて収穫はないわ、お百姓さんたちは大へん困っておる。こういう場合大へんだ。とにかくタマネギが出るときは、荷車で道もふさがるような状態です。そういう地域的な特異状況があります。  私はここでなぜ兵庫県の淡路島のタマネギの被害の問題を取り上げなければならないかというと、今後想定されるところの大きな災害々々に対処しなければなりませんから、そこで淡路勘のタマネギが災害を受けてお百姓さんたちが困った、これをいかに処理するかという問題は、淡路島のみならず全国至るところに類例が発生するだろうという想定のもとに、私は淡路島のことを聞いておるわけです。これは、あいつは兵庫県選出だから淡路島のことばかり聞くわいと思ってもらったら困るのです。  そこで実際問題としては、淡路島のお百姓さんたちが困ったので、各市町村自治体がお百姓さんたちにかわって、そのタマネギを排除するためにトラックを借りたり労務溝を雇ったり、そしてどこにも捨てようがないから山の中に穴を掘ってタマネギを埋めなければならなかった。それは大へんなる労作であり、莫大な経費がかかった。これを放置しておけば肥料になるなら――これは農林省にお尋ねしたいのですが、肥料になるのだったら、また次の米の耕作にもプラス・アルファするのですからいいけれども、私は農業じゃないんでよくわかりませんけれども、タマネギは腐れたら肥料にならないということを聞いておるのです。そうすると、あのまま発酵させてよかろうか。そして農民が立ち上がるためには重大な支障になる。従って市町村団体ではその金を現在立てかえて排除し、山の中に穴を掘って捨てたという。そのお金が何と四千万円から五千万円かかったという。事実は知りません。そういうような情報を聞きました。しからば、その四千万円は一体どこから出てくるのか、四千万円はお百姓さんたちが払わなければならないのだろうかどうだろうか、こういう疑念が生じてくるわけです。ですから、藤田政務次官をかねて私尊敬しておりますけれども、地方自治体ではその宙に浮いたところの四、五千万円をどこからもとりようがない、お百姓さんから取り立てることができないということで、財政の中に穴があきはせぬかと思って心配をしておられる。そういうような場合に、交付金制度の考慮等々は行なわれないのか、そして地域的に激甚災害の指定があった場合に、こういうような種類の問題をその基準の中に入れる必要はなかろうかということです。それについて自治省の考え方を聞いておきたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 今回立法しようといたしておりますのは、原則として天然災害に対する対策であると考えております。今のような特異な事例、それまで全部包括して規定するということまで考えていない。従来特別立法したような問題につきまして恒久立法化していこう、こういう趣旨で考えております。御指摘になりました淡路島の問題、私も承知いたしておるのであります。私が承知いたしておりますのは、清掃事業法か何かで厚生省がめんどうを見たい、だから自治省の方でもさらにめんどうを見るようにしよう、こういうお話でございまして、市町村が積極的にそれについて作業をしていかなければならない性格のものでございますならば、当然市町村の負担に属するものでございますので、市町村が負担に耐えられるように善後措置をしていかなければならない、こういうふうな考え方を持っているわけでございます。具体的に厚生省の方の措置がどうなったかは聞いておりませんけれども、そういうような話し合いをした過去の経緯はございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 これは特異な例であるしというようなことで、厚生省が清掃法関係によってこれを処理されることがあたりまえであろうというような奥野さんのお話で、御説明によると大蔵省もそれを認めたようなにおいがするわけでありますけれども、はたしてそうであるかどうかということです。確かに私は、タマネギとして畑に存在するときは農業関係である、そしてそれが腐敗して住民が困って地方財政を一時流用しなければならなくなったら、その面に限っては地方自治省の問題である、こう解釈しておる。しかしタマネギがくされて発酵して、住民の衛生上とかあるいは非常に景観がよくないとかいうような場合には、国民的視野からこれを排除し、健康を保持するという役割になると、厚生省ではなかろうかと思うのです。そうすると建設省関係で堆積土砂の排除の法律もここにあります。ところがタマネギは植物ですし、発酵すると液体化し気体化するでしょうから、どう考えても土砂とか砂利とかには読みかえられない。そうすると堆積土砂の場合は農地に土砂とか泥土、砂礫が入ったらこれを排除するのに補助してやろうという法律がある。それから今度は各住宅に堆積土砂、砂なんかが入ってきた場合、住まわなければなりませんから住民はバケツでも何でも――名古屋のあのとき見ましたけれども、一生懸命一週間も十日もかかって黒い泥土を出しておられた。ところがそれを道に置いた。道まで運んでおけばそれを排除するためには厚生省が何とか見てやろう、こう言う。それならタマネギが腐敗して畑に置いては困るから道に出した。そうすると交通に差しつかえるし、それからまた環境衛生にも差しつかえるということになると厚生省でなければならぬ。そういうふうな考え方をするならば、清掃法の十八条で限定はあるけれども、こういうふうな特異な事情といいましても、私は特異な事情とは判断しません。タマネギは淡路ばかりではないのですから、これからは全国にこういう問題が起こり得るのではないか。そこで厚生省関係として環境衛生局長はこの問題を――これは自治省かそう言われるのですから、厚生省ではずいぶん検討されたように受け取れるわけですけれども、この問題についてどう解釈しておられますか。

五十嵐義明厚生技官(環境衛生局長)

○五十嵐政府委員 淡路のタマネギの災害の問題でございますが、これは私も前に御陳情も受けあるいは写真あるいは一部の書類等でも事情を拝見しあるいは拝聴いたしたわけでございます。この問題は御指摘にございましたように、腐敗したあと肥料になるということではないようでございまして、その成分から見まして、環境衛生上もいろいろ障害になる点があるというふうに了解いたしておるわけでございます。それを排除するために多額の費用を要したということも承知いたしておりますが、その関係から清掃法の適用によりまして災害時の清掃事業として何がしかの財政的な援助ができないかという御趣旨の御陳情を受けたわけでございます。私どももこの点につきましては、従来災害時の清掃につきましては、先ほども申し上げましたように、清掃事業に対して予算措置で二分の一あるいは三分の二の補助をいたして参ったわけでございますが、この問題につきましては各省からいろいろとお話があったわけでございますが、清掃法の適用ということもなかなかむずかしい問題がございまして、これははたして清掃法にいうゴミであるかどうか。基本的にさかのぼりますと、家庭の台所から出てくるゴミあるいはその他の雑芥というようなものであるかどうかというような基本論まで出て参るわけでございます。その他今までの予算措置等の例を見ますと、災害救助法の適用というような関係も考慮に入れております。また市町村の義務として、特別清掃地域であるかないかというようなことも予算措置の項目として考えられて参ったわけでございまして、これを簡単に清掃法の適用で補助ができるというふうには、なかなか解釈がむずかしいわけでございまして、この問題の取り扱いは、私どもの検討の段階でも非常に難航いたしておるわけでございますが、しかし先生からの御質問、御要望を含めた御質問と承りますので、私どもさらに検討してみたいと存じておるわけでございます。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 実は私は初めてお聞きした問題でございまして、きわめて興味があると同時に重大な問題であると思います。実は私のことを申し上げて恐縮でありますが、淡路島のある村長を私の大学の同級生がずっとやっておりまして、個人的にも非常に同情をいたしております。ただいま環境衛生局長から答弁がありましたように、厚生省として補助の態度が決定すれば自治省としましては直ちに起債の面あるいは年度末の特別交付税でできるだけごめんどうを見る、こういう方針であります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 淡路のタマネギのことでずいぶん飛躍してしまって、ずいぶん広がってしまったわけですが、今の藤田政務次官の答弁は期待できると思うのです。それからまた環境衛生局長の説明は、今までの経過はそうである。そうして何らか措置をしようというような積極的な態度であるようには受け取れるけれども、清掃法の十八条で指定外の地域になるので、清掃法ではなかなかむずかしいとこう言う。しからば何をもって環境衛生を保持しようとしておるのかということを質問すると妙なふうになって、できないということになったら大へん困る。そこでさいぜん肥料になるのかどうなんだ、あるいは水になるとか空気になるとかいろいろ言っておられますけれども、これについては自治省にも聞きましたし、厚生省にも聞きましたが、農林省関係としてはこれについて何らかの手が打たれたのかどうかということについて……。もうあまり質問しませんからね。

津島文治自由民主党農林政務次官

○津島政府委員 農業関係においては、やはり先ほどもお答え申したと思いますが、天災融資法で救済に当たる、それ以外にはどうもないようであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 今の農林政務次官の説明で、天災融資法で……。あれは少額の融資であって、そういうところまでは救済できない、私はそういうように解釈しておるわけです。従って、この問題が天災融資法で処理する問題なら、ここで特別、時間もおそいのに質問はいたしません。そうすると、農林省は天災融資法で救済し得べからざるところの一部を天災融資法だけでやりたいと言う。自治省は、厚生省でいろいろ対策がきまったら特別交付税でやりたい。厚生省は、なかなかむずかしいのだ、清掃法を適用することもむずかしいのだけれども、しかし住民の困ったことも、地方自治体の困ったこともよくわかるので努力したい。大蔵省は一体どう考えておられるのか。そこでこういうように各省関係で処理のできない問題だから災害になるわけです。非常に大きな災害になるわけです。これはさいぜんも申しましたが、私はくどいものだから二へんも三べんも申しますけれども、これは全国的に、タマネギばかりでなくほかの農作物でも、環境衛生法とかなんとかいうものに関係してきて、自治省の財政に関係をしてきたときどうなるのだ、こういうようなことになるのですから、安易な態度でこの法律を審議すべきではないと私は思ってここに来たんです。そうしたらやはりちょっと困る。それで各省は、それぞれ寄り寄り頭を悩まし協議をしておられることはわかるけれども、しかしどうしようということは、もう何カ月にもなってまだ結論がつかない。その間財政が、想像するにあれは多分せっぱ詰まって立てかえたのでしょう。そうすると無理に取り立てることもできない。大へんなことになる。国民の被災を何とか処理しなければならぬのがこういう災害立法ではなかろうかと思うのです。  そうすると、今まで説明されたのは、各省庁とも、農林省は天災融資法だけでやりたいと思っておる。百姓さんの問題ですよ。百姓さんが直接困っておるのに、農林省が何とかしてやろうというような気持を何も持っていない。天災融資法で何とか処理しますというようなことでは、絶対に立ち上がることはできないと私は思う。津島政務次官は農林省のオーソリティだと思っていたのですが……。  大蔵省は来ておられますか。こういうようなことですが、この点についてどういうような態度をもって臨みますか。私が希望したいのは、こういう問題はすぱすぱっと解決してやって、地元が非常に困らないように早くやってもらいたいと思うのです。いかがでしょう。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 大蔵省といたしましては、ただいま関係省からお話し申し上げたようないろいろむずかしい問題がありますので、その結論を待って処置いたしたいと思っております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 結論が出たら、われわれが満足するように――委員の方でも、今初めて聞いた、そういうようなことがあったのかということを言っておられるわけですけれども、善処してもらえるように大蔵省に要望しておく。何といってもきんちゃくのひもを締めているのは大蔵省でございますから。そこで各担当の方たちは、十分すみやかにこれらの対策を講ずるように協議をしていただきたいと思うのです。  それから午前中に労働金庫の問題が出ました。そうして労働者住宅の建設の問題で、こういうようなところがたとえば災害にあった場合には援助しないのか、なぜこれに入れなかったのかというようなことになりました。あるいは災害共済とかその他の事業が労働金庫で付属的に行なわれておるわけです。それからまた一般の国民の生活を豊かにするための生活協同組合等々もございます。ところがその件については、たとえば中小企業関係としては共同利用の施設とか、あるいは農業関係では農業協同組合の施設の災害の補助の融資等々がうたわれております。なるほど研究しましたら、かねて生活協同組合などについては援助が非常に手薄いということです。そこで今まで補助の対象になっていない。ところが各都道府県は、生活協同組合やらあるいは労働金庫が行なうところの厚生関係の事業については、いろいろ協力されておる。ところが鹿児島の事例があるのですけれども、大火によってみんな全焼してしまった。それを復旧するためには四年間かかったけれども、まだなお立ち上がることができないというような事例があります。ささやかな金をもってそういう施設がつくられている、そうして災害によってぺしゃんこになる、こういうような事例に対するに、ただ単に若干の資金を融資するというようなことでは、なかなか立ち上がることは困難であろうというようにわれわれは考えるわけです。そこでずっと原案を見ましたけれども、生活協同組合等々の項目が見えません。そこで社会局長はどういうように考えておられるでしょうか、こういうようなことを質問したい。

大山正厚生事務官(社会局長)

○大山政府委員 消費生活協同組合に関しましては、厚生省におきまして設備等の貸付金の予算ワクを予算に計上しておるわけでございまして、従来の激甚災害の例によりますと、伊勢湾台風の際におきまして、その年度の貸付金のワクが八百万円でございましたが、特に災害にかんがみまして、四百万円を増額して貸付を行なったというような例があるわけでございまして、今後の激甚災害に際しましては、そのような例にかんがみまして、同様の措置を購じて参りたい、さように考えております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 それではまだほかにありますけれども、時間がありませんからこれで終わりますが、さいぜん申し上げましたように、いろいろな考え方を保留せざるを得ない。それからタマネギの問題は早く結論を出すように要望いたしまして、質問を終わります。またの機会にいたします。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 時間の関係もございますので、二、三問簡単に質疑をいたしておきたいと思います。あるいはダブっておるかもわかりませんので、ダブっておりましたら簡単にお答えしていただいてけっこうだと思います。  一つ目は、政府は従来激甚災害のつど国会を召集されまして、特別立法を制定しておいでになったのでありますが、先国会で災害基本法ができましたので、その趣旨に従ってこれを整備し合理化して、そのつどそういうわずらわしいことをしなくてもいいようにしようということと、地方の災害を受けられたところが初めから指針がわかっておって、すみやかに災害復旧に着手し得るような形に持っていこうというわけでこの法案をまとめられたわけでありますが、そこでお伺いしたい第一点は、一番初めの第二条の「国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害」と、こうなっておりますが、近ごろひんぱんに起こっております局地的な集中豪雨を受けた場合に、その地方にとっては非常な災害である。けれども、それが幸か不幸かあまり広範囲に起こってないというような災害が起こる事例があるわけであります。私が、また先ほどの話で笑われるかわかりませんが、事例をとりますと、京都府で三年前に亀岡並びにその上の船井郡というところだけが実におびただしい災害を受けたのでありますが、ほんとうの局地的な集中豪雨を受けてそれが全般の被害にならない場合に、ここにいう「国民経済に著しい影響を及ぼし、」というような事例に入るのかどうか。一つは何と申しますか、地方の財政負担の公平ということをお考えなすっておいでになる点から考えれば、そういうものも当然入れてやっていただきたいと思うのでありますが、これについてのお答えを一つお願いしたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田政府委員 今回の法律は、御存じの通り過去の、戦後の累次の激甚災害特例法にかんがみて成案を得ておりますので、過去の特例法の実績等を勘案して個々の場合決定することになろうかと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 今のお答えでありますが、ここ一、二年の様子を見ておりますと、局地的な地震が起こりましたり局地的なやつがありましても、その前後に大きなやつがありますと、固めて突っ込むという形が行なわれておるのです。変な言い方でありますが。ぽこんと一つだけありましてその前後にない場合は、遺憾ながらそれを見のがさざるを得ないような場合を私も知っております。そういうような場合のことを考えまして、そこの局地的な市町村にすれば重大な被害なんでありますが、そういう場合のものを漏らさずに、この法案を提案されました柱の一つはそれじゃないかと思いますので、一つ十分御配慮をいただきたい、かように思います。  それから二つ目でありますが、二つ目は、第三条におきまして十四項目にわたりまして事例が載っておるわけでありますが、これがきょうまでの特別立法の件数で四十くらい、立法数で三十五、六ですかございますうちで、十ほど除外されておる。除外されておるものはどういうものであって、それはどういう意味で除外され、どういうような措置でもってそれをカバーしていくかということでありますが、これについて、どこからお答えいただくのか、一つお答えを願います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 従来の例と申しますと、三十四年、三十六年、二十教件の特例法が出ております。今回のこの財政援助に関する法律案につきましては、そういった過去のものを原則としてすべてこれを取り込むということになっておりますので、これに従来法律があって今回規定がないというようなものはほとんどないと言っていいかと思います。ただ従来特例法はつくりましたけれども、最近になりますと、事態が変わっておりまして、そういう必要はないというようなものであるとか、あるいは恒久法そのものが改正になって、もうその措置が行なわれておるというようなものもございます。そういうものについては今回のものから除かれておりまするが、原則としては大体従来特例法として法律に規定が置かれたものは、今回ほとんど全部触れておるということになっておるかと思います。  では、どういうものが一体抜けておるのかというお尋ねでありますが、たとえば従来米の安売りに関する特例法というものがございます。御承知のように最近では生産者価格の方が消費者価格より高くなってしまいまして、今従来のようにやりますと、米の高売りになりますので、こういうものは事態が変わったのでやめる。そういったものはほかにもございますが、事態の変化がありましたものは例外的に数件ございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 今の宮崎さんのお答えでありますが、私はそのうちで特に簡易水道、上水道に関しましては、先ほどの委員から御質疑がありましたので省略いたしますが、簡易水道、上水道のごときは当然これは入れるべきじゃないか。これがはずされておるということは私は不満に思うわけであります。  もう一つ、同じ第三条でありますが、公平な財政負担ということでありますが、大体どういうように公平な財政負担になり、前の法令と三十四災、三十六災に比べてどの程度のものになるのか、宮崎さんから一つお答えをいただきたい。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 まず前段の水道関係につきましては、先ほど環境衛生局長からお話があったことでございますが、私ども伺っておりますのは、これは企業会計として行なわれておりまして、普通の負担というものと若干性格を異にいたしております。従来のように予算補助という形でこれだけとしての措置をした方が適当である、こういうようなことであったように伺っております。全体として総合負担方式をとりました場合に、従来の場合と比較してどの程度の財政援助が行なわれるかということは、先ほどこの激甚災害特例に関する超過累進方式という資料で御説明いたしました。県についての実例などは先ほど申し上げましたが、要するに三十四年の伊勢湾台風、あの災害特例法としては、最も最近では完備したといいますか、広範に行なわれたわけでございますが、あの場合の措置と比較して参りますと、全般として見ればあの場合よりも若干手厚いという程度でございます。個々の府県あるいは市町村ということになりますと、これはこういうふうに方式が変わっておりますので、プラスもマイナスもございますが、全体として見れば団体数においても総体の負担額におきましても若干手厚くなる、こういうふうになっております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 今の企業会計だから法域が別だというお話ですが、私はこの法律が法体系から言えば第三章の農林の個人負担というのですか、個人補助というようなものは若干法域が別じゃないだろうかというようなことになれば、企業会計だからといって別に除外する意味があまりないじゃないかというような感じもするのですが、それにつきましてはこの程度にとどめておきたい、こう思うのです。  そこで三つ目でありますが、市町村にかかる特別財政援助額の算定方式、こういう大事なものを政令に委任されておる。ほかのいろいろな事項が政令に委任されておりますが、手続の問題はそれでいいと思いますが、この問題だけは当然ここに法律の上で法定されなければならないんじゃないか、かように思うのですが、これを政令にゆだねた理由を一つお聞かせいただきたい。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 率直に申し上げますと、数多い市町村のことでございますので、どういうようなきざみで特別援助額をきめることがよろしいか、なかなか研究が進まなかったわけであります。最近ようやく、大体こういうようなきざみでいけば、従来の例から見て、いくことができるというようなことで、一応政令案を政府各省で合意に達したということでございます。しかしこれもさらに今後の推移を見まして、あるいは手直しをする必要が生じてぐるかもしれない。そうであれば、今日においてもなおかつ政令に委任しておいた方がよろしいのじゃないか、こう思っておるわけでございます。しかし将来それが安定してきました場合には、やはり法律に規定した方が、それぞれの市町村がはっきり援助額を推定できるわけでございますので、その方がよろしいのじゃないか、こう思っておるわけであります。現在の段階は今申し上げたような事情でございます。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 私の方は、本日この紙の端に参考に先ほど善いていただいたものが、今度の政令案として提示されたものだというように解釈してこの問題の審議に当たっていきたい、かように思っております。  以上で私は終わりたいのですが、この際一問ずつ簡単なことを関連して伺っておきたいと思いますのは、特例法がまとまっていった、それでやれやれというのでここでしばらく災害の問題は片がついたというようなお気持になられたら非常に困るんじゃないか、まだまだ片づけなければいかぬいろいろな矛盾があちこちにあると思うのです。そういう関係で、ごく簡単に一つこれに関連して心がまえなりいろいろなことを、母法についての問題をちょっと触れさしていただきたいと思うのです。一つは、大蔵省にお伺いしたいのは、会計年度の問題であります。どこの災害地に参りましてもやかましく言われるのは三・五・二ですか、二・五・三でしたか、ああいう速度を切り上げてやってもらいたい。あるいは少なくとも二カ年でやってもらいたい。でないと、連年災害、再災害を受けて、実際問題としては非常に困るのだということを強く要望されるわけでありますが、少なくとも会計を特別に起こすことによって、工事の進捗の度合いによりまして、かなり自由にそこへ金をつぎ込むというような方式をすみやかに一つ考えてもらえるかどうか、この点につきましてお答えをいただきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○宮崎説明員 このいわゆる三・五・二の方式といいますのは、従来こういった災害復旧工事の進捗の程度につきまして、技術的に見てどの程度が最も合理的かということできまったように伺っております。そういうことで実施してきておりますので、大体この方式が行なわれれば普通の場合は問題はないと思いますが、ただ御指摘のように若干繰り上げた方がいいだろうというような場合も現に起こっております。たとえば三十六年の災害などにつきましては、三十六年における措置額を通常の率よりも引き上げております。そういう措置が個々の場合には必要に応じて出て参ります。今後の問題として考えてみますと、災害復旧をできるだけ早くやってしまった方がいいということは、財政的な面から見れば当然のことであります。ただそれが技術的な面、あるいはその土地における建設業者の能力とか労務の面、そういった点から見て無理がないかどうかということも十分あわせ考えまして、今後の問題として検討して参りたいと思っております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 重ねてお願いしておくのは、このごろ河川の破堤が多うございます。河川の破堤をやりますのに府県知事なり市町村長としては、一本ずつ片づけていけば一番いいのはわかっておりますが、そうはいかぬから、やはりどの川もいらわなければならぬ。そうすると三年ずついらいますから、非常に不合理な工法しかできないということになるわけです。全国を見まして、三・五・二というのは工事の進捗度合い、労務の問題その他があると思いますけれども、非常に早目に起こったその年度の災害と、非常におそく起こりました災害とでずいぶん違ってくるのではないか、それをやはり一律に近いような形で予算の配分をされますと、そういう問題が起こってくるように思いますので、この点につきましては会計年度の問題だけではなくて、予算の運用につきましても、十分な御配意をいただきたい、かように思います。  二番目に建設省の局長さんにお伺いしたいのですが、関連事業をこの問題の二項に取り上げていただきまして、この方式に入ったということは、このごろの災害にかんがみまして非常に喜ばしいことだと思いますが、そこで関連事業というのは一体どうなんだ、山の奥から集中豪雨によりまして、がけくずれをして河川が破堤をします。その破堤をしたところだけが原形復旧の対象であって、残りは関連だという考え方はもうはやらぬのではないかという感じがするのです。そこだけは破堤をしましたけれども、全部がこれらの水量には耐えられないのです。どういうところでもって関連ときめ、どういうところで関連ときめないかというような問題がかなり出てくるのではないか、だからほとんど関連と考えずにやらなければならないような状況もしばしば見受けられるのではないかと思いますが、これについての御所見をいただきたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 災害個所を復旧いたします場合に、災害復旧、それから災害関連事業、それからさらに治水の根本的な改良事業の三本立てで現在やっているわけでございます。災害個所が一カ所だけ単独に起きた場合、それの前後の弱いところはできるだけ災害関連事業で拾って参りたいと思いますが、それ以上に全般的に堤防が低いような場合、これはやはり治水事業でやる、こういう方針で現在やっております。せっかく第二号に災害関連事業が入りましたので、災害関連事業としてできるだけとりまして、御趣旨のような線に沿ってやって参りたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 そういう意味でかねて関連事業には今の四分の三ではなくて、もう少し高率にやってもらいたいということをお願いしておったのが、ここに一緒に合算になることになりましたから、幾分地方財政の負担を軽減することになると思いますが、一つ十分な御配意をいただきたい、かように思います。  その次に、まことに恐縮ですが、文部省の学校の災害のことですが、これはかねてからお願いをしておるのでありますが、坪数計算がございますので、災害が起こりましても、健全坪数、生徒数にかけずに坪数の計算で残っているのがそっちにひっかからないと、いたずらに地方財政だけでこれを復旧せざるを得ないというのが現状だと思いますが、その町村としては、それはそれでむだでなくて使っておったのです。現在の坪数計算が非常に窮屈であるというような意味で、すでに建っておるものがこわれたのですから、それだけは少なくともあの坪数計算の新設をする場合とは別にして、これは認めるというような方向に一つ改正をしていただきたいということをかねてお願いをしておるわけでありますが、今後の御所見、御決意というものを、お聞かせいただきたいと思います。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 現在の法律の原形に復旧するというのは、施行令で補助対象坪数として、被災坪数を基準で打ち切る建前がとられております。このことは一応国の措置すべき基礎数字としてそのような考え方をとることはやむを得ないことだと考えますが、しかし現在の政令におきましても、そのような原則を画一的に適用することの不合理を認めまして、特に教育上著しく不適当であると認められる場合においては、被災坪数まで補助対象坪数とすることができる、こういう規定がございます。今までもこの規定の援用によりまして、かなりの程度にこの被災坪数までを見ております。今後一そうこの規定の援用によりまして、そのような措置をとりたいと考えておるわけでございます。  なお基本的には基準の問題がございます。現在の基準は確かに私ども低過ぎると考えて、これを改正するように努力したいと考えております。そのような措置によりましても、一そう実情に即し、合理的な措置ができることになろう、こう考えております。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 同様なことを農林省にお願いしたいのですが、共同施設の補助の件でございますが、農家は激甚地でこのくらいの補助をもらえるというので、やれやれと思っておりまして現実になりますと、二十四年分のなんぼというやつで、結局ゼロに近い結果、あるいは古い建物では一割に満たないということになりまして、まるっきりだまされたような感じがするわけです。詳しく法律を知っておればいいのでしょうけれども、非常にわかりやすい法律にしておかなければいけない。言ってみれば法律というものはそういうものじゃないでしょうか。二十四年経過しておるものはだめなんだ、十二年で半額だ、半額補助を受けて半分ですから二割五分ということになりやすいと思うのですが、こういうことも一つぜひとも御考慮をいただきたい、かように思います。  それから最後に二つでありますが、先ほど岡本先生からもお話がありましたが、災害常襲地帯の問題は、連年災害だけでなくて、建設省その他の工事をやりますにつきましても、常に冠水する地帯は一朝一夕でこれが片づきません。毎年二回、三回にわたって災害を受けておるやつを、連年災害ということだけでこいつを糊塗するということは無理じゃないか、これにつきましても、抜本的なお考えで一つ立法をしていただきたい、かように思います。  なお最後に、災害救助法でありますが、現在まで災害救助法にかかりますと、非常に町村で喜んでおりました。今度は災害救助法をかけてもらいたいというので、みんな町村長さんは府県知事のところに走ったものです。ところが災害救助法がきまったといってもたかだかろうそく数本、握り飯約一週間分、毛布、金だらい三人に一つというところが落ちなんです。災害を受けた者は、災害救助法を受けてどのようにしてもらえるものかと喜んでおったら、こんなものかというのが実情なんです。当時は災害の激甚地を指定する場合、よく救助法発動地域によったものですが、今度はこの法律ができたらそのことはほとんど意味がなくなるわけです。救助法そのものを根本的に考え直さなければ、この間若干の改正はございましたけれども、あれではほんとうの救助には大した役には立たないのじゃないか、こういうことにつきまして格段の御配慮をいただきたい、かように思います。  非常におそくなりまして勝手なことをお願いをいたしましてまことに恐縮に存じます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 本連合審査会はこれにて終了いたします。長い間御苦労さんでした。   午後六時二十四分散会

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