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41回国会衆議院1962/10/10

地方行政委員会 第9号

発言数
82
登壇者
12
会派数
3
開催日
1962/10/10

会議録

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 これより会議を開きます。  永田委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  去る九月二十四日、本件に関し、地方自治及び地方財政の実情調査のため、委員を二班に分けて、第一班は兵庫県、岡山県、第二班は佐賀県、長崎県、熊本県に派遣いたしました。  この際、第二班の派遣委員より、その報告をいたしたい旨の申し出がありますので、これを聴取いたします。伊藤幟君。

伊藤幟自由民主党

○伊藤(幟)委員 私は、第二班の国政調査の結果の概要を御報告申し上げます。  第二班は、太田一夫理事、久保田円次委員と私が、直江調査員を伴いまして、八月二十四日から五日間、佐賀、長崎、熊本の三県を調査して参ったのであります。  今回の調査は、本国会で審議成立せしめました激甚災特別財政援助法並びに前国会で成立せしめました辺地整備法の適用関係を調査することを目的といたし、たまたま本年七月の集中豪雨によって多大の被害をこうむっておるこの三県を対象とし、その財政事情と災害によって受ける財政上の影響等を調べ、また辺地整備法の適用地域の比較的多いこれらの地域における公共的施設整備の必要事情と、法の適用関係の問題点等について調査することを主眼としたのであります。  非常に限られた日数でありましたため、各地の事情等について十分調査を尽くす余裕がありませんでしたが、現地関係各位が経過地または宿舎等に参集せられて、御説明や陳情を行なわれるなど、熱心な御協力をいただきましたことにより、ほぼ所期の調査目的を達して帰院することができました。また、佐賀県におきましては三池信委員、長崎県では金子岩三理事、熊本県では川村継義委員がそれぞれ御参加され、調査の上に多大の御便宜を賜わりました。この際あわせて厚く感謝の意を表したいと思います。  次に、簡単に調査の日程について申し上げますと、八月二十四日に、佐賀県庁において、県、市町村の被災状況、辺地の整備計画並びに県警察本部長の保安、交通警察の概況の説明を聴取した後、県南西部の太良町、鹿島市、塩田町、嬉野町の被災地を視察し、翌二十五日には、長崎県北松浦郡江迎町、佐世保市、東彼杵町、大村市と東彼杵郡内の被災地を視察し、陳情を受けた後、長崎市内の交通状況を視察いたしました。さらに二十六日には、長崎県庁において、たまたま当日未明大火に見舞われました同県福江市の被害状況について、とりあえず警察本部長より説明を聞きました。次いで佐賀県同様、県当局及び警察当局の説明を聴取した後、北高来郡高来町を訪問いたしました。さらに二十七日には、南高来郡国見町役場において、郡内各被災町村長より陳情を受け、多比良港より航送船にて熊本県長洲港に渡り、岱明村において、熊本県漁業協同組合連合会より除草剤PCPの被害状況の説明を受けた後、荒尾市の被災地を経て、三名市役所に至り、同市及び郡内被災町村長より陳情を受けた後、被災地を視察いたしました。翌二十八日には山鹿市を訪問、同市及び鹿本郡内被災町村長より陳情を受けた後、熊本県庁に至り、両県と同様に災害及び辺地対策、交通警察の実情等について調査を行なったのであります。  調査の結果は、広範にわたりますので、ここでは、現地の御要望とわれわれの率直な印象に基づき、今後の問題として検討を要すると思われます点を拾い上げて申し上げ、委員各位の御参考に供したいと思います。  第一に、被災地方団体の財政事情と災害によって受ける財政上の影響について申し述べます。  最初に佐賀県について申し上げます。  本県では、県南西地方の被害が最も大きく、山くずれ、中小河川の決壊によって、死者は太良町の四十四名を初め計六十二名、重軽傷者三百三十七名に上り、住家の流失二十四戸、全壊九十八戸、公共土木、農林水産等の被害も甚大で、被害総額は百十億円の巨額に上っております。  県の財政規模は、三十七年度予算で百六十億円でありますが、二十九年度末に十億円余の赤字を生じたための、財政再建団体の指定を受けて以来、着実にその成果を上げ、三十六年度において、再建債の一部繰り上げ償還、再建期間の一年短縮をはかってもなお五億六千万円余の実質黒字を生じ、ようやくにして財政健全化の曙光を見出す状態にあったのでありますが、今次の災害により県分の復旧事業費として四十六億円、三十七年度施行分として十三億円に及ぶ多額を必要とし、激甚災財政援助法による高率補助、国の許可基準に基づく起債充当後においてもなお三十七年度一億六千万円の一般財源が必要であり、県税収入十七億円の九%を災害分に充当しなければならない状況となっております。  被災市町村につきましては、いずれも貧弱団体であり、三十一億円に上る復旧事業費を必要とすることは、従来の後進性を脱却すべく推進されていた積極的な諸施策が一応頓挫するとともに、現在向上しつつある行政水準を維持することすら困難となることが予想され、たとえば太良町のごときは、財政規模一億二千万円、税収二千五百万円に対し、被害額十八億円という莫大な額に上り、国の財政援助に全面的に依存せざるを得ない現状であります。  県下市町村の財政事情は、三十六年度決算で四億四千万円の黒字となっておりますものの、三十七年度においては、経済界の悪化に伴い、県下法人が中小企業であるため、直ちにその影響があること、今般の災害、産炭地域の不振のため、赤字団体への転落が相当出てくることが予想されます。  次に、長崎県について申し上げます。  本県の被害は、幸いにして死者はなく、重軽傷着十四名、住家の全壊二百四十一戸、公共土木及び農林関係の被害が大きく、被害総額百十四億に上り、特に北松浦郡江迎町の日窒江迎鉱業所のボタ山の崩壊は、商店街の二百一世帯のほか、鉄道、駅などを押しつぶし、われわれの視察当日ようやく列車の試運転が行なわれているところでありました。  本県の財政規模は、三十七年度予算で二百七十三億円でありますが、二十九年度末に六億五千万円の赤字をかかえ、財政再建団体の指定を受け、三十六年度をもってようやく再建期間を終了したところであります。今次の災害にかかる復旧事業費は約四十五億円、うち県の負担額は約八億円と見込まれ、せっかく立ち直ったばかりの県財政が再び窮地に陥ることが憂慮されております。  一方、被災市町村のうち、十二市町村が災害救助法の適用を受け、そのほとんどが第一次産業を主体とした貧弱団体であり、さらに九市町村は、昭和三十二年の大水害の被災市町村で、ようやく災害復旧を完了したところであります。また被災市町村のうち三市町が再建団体であり、そのうち江迎町は、歳入総額一億二千六百万円の財政規模で、三十六年度末で一億五千万円の赤字を有し、その解消に努めていたのでありますが、今回の災害によって十四億円余の被害をこうむり、特にボタ山崩壊が天災によるものか、鉱害によるものか、いまだに結論が出ていない事情にあるため、行財政面におけるその影響は、はかり知れないものがあります。  かように被災市町村全体として見ますと、今次の災害による公共被害だけで地方負担十四億円が見込まれ、そのほか災害対策費、税の減収等を考慮すれば、さらにその財政負担は増大し、今後の財政運営が極度に憂慮されております。  また熊本県について申し上げますと、本県の被害は、主として県北部でありますが、死者十八名、住家の被害二百十一戸、公共土木、農林水産等の被害総額六十億円に達しております。  本県の財政規模は、三十七年度予算で二百八十億円でありますが、両県同様財政再建団体であり、三十五年度をもってようやく再建期間を終了したところであります。県としては、県財政の健全化のため、また後進性からの脱却をはかるため、産業開発の意図を押し進めていたやさき、今次災害により公共災害関係の復旧事業費だけでも六億三百万円の負担増となり、開発事業計画にも大きく支障を来たさんとしている状況であります。  県下市町村の財政状況は、三十六年度実質収支四億四千万円の黒字となっておりますが、被災市町村においては、公共災害復旧事業費十四億一千万円のうち、地元負担額六億八千万円の多額を必要とし、被災市町村の財政困難は察するにあまりあるものと存じます。  三県を通じまして、いずれも二十八年災、三十二年災を受けており、さらに相次いで今次の災害を受けたのでありますが、ようやく原形に復旧した河川、堤防、農地、農業用施設が、わずかに改良工事を施した諫早市域内の直轄河川本明川下流を除いてほとんどが今次災害によって壊滅しており、特に中小河川は、再決壊個所が圧倒的であるということであります。今後中小河川対策を再検討し、再災害を受け、またはそのおそれのある河川堤防、農業用施設の災害復旧は、改良工事を原則とする必要があるということを痛感したのであります。  以下、現地で要望されたおもな点を申し上げます。  その一は、今次災害を激甚災特別財政援助法による激甚災害として早急に指定し、法三条の指定基準は、県にあっては一五%に、市町村にあっては五%に定めるよう切に望んでいることであります。  たとえば、佐賀県は二〇%をこえると思いますが、長崎県は一三%、熊本県は一六%と推計され、市町村の場合、相当数が激甚市町村に該当するやに思われますが、伝えられている政令内容案が実情に合致しない点もうかがわれ、三十七年度の予算執行も、その見通しが立たない状況であります。  その二は、災害復旧事業費等の地方負担額の算定は、その年の一月一日から十二月三十一日までに発生した災害にかかる額をすべて合算することとされたいということであります。  そのほか、小災害の補助基準を引き上げること、復旧年限を短縮すること、道路の路面、水道施設、有線放送施設等についても、補助または起債の対象とすること、地すべり危険地域の家屋移転に対する補助、個人被災者に対する復旧費の補助及び生活資金、経営資金の低利かつ高額融資についての特別措置、つなぎ資金に対する起債の許可、除草剤PCPの使用規制と農薬の無毒化などが強く要望されておりました。  第二に、三県の辺地における公共的施設の整備を必要とする状況及び辺地整備法の運用に対する要望事項について簡単に申し上げます。  佐賀県の辺地は、唐津市太良地区外三十三カ所、医療機関、飲料水供給施設がほとんどなく、無点灯地区も二カ所あり、これらの整備に必要とされる事業費は三億五千万円に上るとのことでありました。  長崎県の辺地は、離島をもって代表され、その面積において四五%を占めており、整備計画では総事業費六十九億一千万円、うち一般財源によるもの五十二億一千万円という巨額を要するとのことでありました。  熊本県の辺地は、阿蘇を初めとする九州山脈の山岳地帯及び天草を中心とする離島に点在し、総計四十八市町村、百四十二地域にわたり、総事業費十八億円、うち一般財源所要額十三億円で、道路と飲料水供給施設が中心となっております。  これらの辺地市町村は、全国市町村の財政力指数七一・二一%に対して、たとえば長崎県の離島市町村は二二・八三%、人口一人当たり市町村民税は全国市町村二千八百八十九円に対して、一千五百六円と財政力は極度に低いのであります。  言うまでもなく、富と人口の都市集中による地域間格差、さらには高度経済成長政策の進展による格差増大により取り残された辺地住民に対しては、最低限の行政水準を維持すべく対処する必要があり、しかも経済的観点からの投資効果は、ほとんど期待できないのが辺地市町村の実態であり、さきの国会において成立いたしました辺地整備法は、何といっても辺地関係地方団体にとっては福音であり、期待するところきわめて大であります。  三県における辺地整備法関係の要望のうち、主なものを申しますと次の通りであります。一、辺地整備のワクを大幅に拡大してもらいたい。二、公共施設整備後の維持管理費、施設の更新費等、将来に向かっての財政負担については何ら考慮されていない。従って建設費のみならず、その後の維持運営費についても、辺地整備債の対象とするか、あるいは地方交付税において特定補正係数を用いる等の財源措置を講じてもらいたい。三、辺地の連絡道路は、純粋の市町村道に限らず、林道、農道等の産業道路についても公共的施設の対象とすること。また教職員等の住宅建設や、ある程度の精神的な環境整備の意味から、僻地集会室をぜひとも公共的施設の対象としてもらいたい。四、離島で、僻地学校の指定を受けながら、辺地度点数の算定要素である役場、小中学校までの距離が短く、辺地度点数が百点をこえないため、辺地整備法の適用が受けられないような町村を救えるよう、算定要素の中に僻地小学校による点数加算方式でも加えるようにしてほしい。五、辺地総合整備計画に計上されている事業のうち、補助事業については、必ず補助金がつくよう措置するとともに、道路施設については、継続事業として認定し、翌年度以降年次割に辺地整備債を充当されたいなどの切なる要望がありました。  第三に、当面する行財政一般に関する要望のおもなるものを申し上げます。一、人事院勧告による給与改定に伴う所要財源は、その全額を地方交付税によって措置されたい。二、高校生徒急増対策については、国庫補助、地方債により完全に実施できるよう措置されたい。三、県財政のマイナス要因である特別な財政需要としての災害対策費、PCP農薬被害対策費、産炭地対策及び振興費等について特別交付税の交付にあたり、格段の援助措置を講ぜられたい。四、地方公営企業のうち、特に病院事業について、建設費の償還等に苦慮していることにかんがみ、低利資金債を認めるよう措置されたい。五、固定資産評価制度改正に伴う県及び市町村の準備完遂のため、所要経費について国の助成措置を講じてもらいたい。六、特に熊本県では、火山灰土壌のため、道路がきわめて悪いのでありますが、このような特殊性によって生ずる道路行政費に対して、交付税で財源措置を講じ、制度的に恒久化されたいというのであります。  第四に、警察活動について若干触れたいと思います。今次の災害におきましても、自衛隊、地元消防団とともに警察の活躍はめざましく、各県警察においては、県本部と県下各署と緊密な連絡のもとに、災害情報の収集及び警戒警備を行ない、適切な避難勧告及び誘導、決死的な人命救助を行なっているのであります。中でも、佐賀県太良町の山くずれに対する鹿島警察署、長崎県江迎町のボタ山崩壊に対する江迎警察署、東彼杵町における川棚警察署、あるいは熊本県における荒尾署、玉名署を初め、各県下において警察の適切な避難措置、あるいは人命救助、または留守家屋の警備等について、罹災者からは警察に対する信頼感と、あわせて人心の不安もやわらげ、復旧意欲の推進に大いに役立っているのであります。これら警察活動に対して、政府におかれましてもその労に報いられんことをわれわれ調査班として切に要望する次第であります。  最後に、警察当局より要望のありましたおもな点を申し上げます。  まず、交通警察官の増員を切に望んでいることであります。また各都市の必要個所についての交通信号機の設置、白バイの増強、あるいは公営駐車場の設置、道路を車庫がわりとすることの全面的禁止、学童向け交通娯楽センターの設置を望んでいることであります。そのほか警察官の待遇改善はもとより、僻地における各駐在所の機動力の充実、通信機械の常時配置、僻地の勤務体制強化のための警察官の増員を切望しておりました。  簡単でありますが、以上をもちまして御報告を終わりたいと思いますが、終わりに、被災団体におかれましては、災害施設がすみやかに復旧の緒につき、並びに罹災者各位が一日も早く災害の痛手から立ち直られんことを祈って御報告を終わります。(拍手)

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 これにて第二班の派遣報告を終わります。  なお第一班の派遣報告は次会に聴取することにしたいと思います。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 次に質疑の通告がありますから、これを許します。阪上委員。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私は、今各所で問題になっております地方議員の定数を減少しようとする問題につきまして、質問いたしたいと思います。  御案内のように、今大阪等を中心といたしまして、各都市において全国的に議員の定数条例を制定しようとする運動が展開されております。もちろん地方自治法によりまして、地方公共団体の議員の定数をふやすことができるようになっております。従ってこういった運動が直接請求の形において行なわれるということにつきましては、法的には問題はないのでありますけれども、しかしながら、これはよく考えてみますと、考え方によりますと、地方自治の根底をくつがえすような大きな問題をはらんでおると私は思うのであります。こういった議員の定数の問題は、過去昭和二十八年ごろから起こっておるものとわれわれは考えますが、その理由を考えてみますと、一つは、議員の定数が多いことによって経費が非常に増高する、こういう理由が一つあることであります。いま一つの理由といたしましては、議員の素質を向上せしめるために、やはり議員の定数を減らした方がいいのだという考え方があるのであります。それからいま一つは、どうも地方議員の議会の行動を見ておると、どうやら常任委員会に偏重し過ぎておる、こういうような理由があるようであります。いま一つは、議員の数が多いために、議会の運営が非常に困難だ、こういうような考え方をしておるのであります。大体こういった四つくらいが議員の定数を減らそうとする理由のように思います。そしてこのことについては、大体大かた住民の支持を得ておるようにも考えられるのであります。しかしながら、これは一歩誤りますると、地方自治の根底をくつがえすような問題になってくるのじゃないか、かように考えますので、以上順を追いまして質問をいたしたいと思うのであります。  まず最初に、行政局長がおられますから、こまかい問題を一つ聞いてみたいと思います。現在までに直接請求の行なわれておる都市の数はどのくらいあるか、過去においてそういった実例はあるのかどうか、こういうことについてちょっと伺ってみたいと思います。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 現在直接請求が何カ所で行なわれておるかということにつきましては、私どもも新聞紙等を通じまして承知しておるだけでございまして、大阪周辺の一、二の都市の名前を伺っておるわけでございます。過去におきましてはそういう事例も若干あったようでございます。  直接請求によりますか、あるいは直接請求ではなくていたしましたか、その理由は別といたしまして、議員定数を条例によって減少いたしました事例といたしましては、三十三年十二月の調査によりますと府県が二、市が九十、町村が七百九十三、特別区が七という数字を承知いたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今自治省の方で最近のものは十二分に把握していない、こういうことでございますが、態度としては私はいいと思います。あまり地方自治に干渉しない方が私はいいと思うのでありますが、そういう意味で別に勉強不足だと私はしかるわけにはいかない、かように思うのであります。今言われた過去におけるもの、これはほとんどが直接請求ではないと私は思うのですが、どうでしょうか。おそらく理事者提案ないし議会の提案によって減らしたのではないか、かように考えますが、それにいたしましても、減員の効果というものをあなた方は一体どういうふうに判断されておりますか。効果がありましたか。どうでしょう。あったとすればどういう効果があったか、その点を聞かしていただきたい。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 過去におきまして直接請求によりまして減員をいたしましたものは、先ほど申しました数字の中で十件内外くらい、ごく少数だろうと思っております。  それから減員をいたしました結果の効果でございますが、これも特に効果ということで調査をいたしたこともございませんが、この結果相当スムーズに行っておるところもあるように伺っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 大した効果がないという結論だと思うのであります。  そこで自治省は、過去におけるそういったもの、それから現在行なわれておるととろの面接請求、こういうもの等から判断して、議員の定数減は好ましいものであるとお考えになるのか、それとも好ましくないとお考えになるのか、どうでしょうか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 好ましいか好ましくないか。これは一がいには判断いたしかねると思うのでございます。地方自治法で条例で減少する道を開きました趣旨も、その地方々々の自主的な判断によりまして減少した方がいいという場合には減少する道を開いたわけでございまして、個々の団体の議会運営の実態、あるいはそれに対する住民の判断等々を考慮いたしまして、これは地方公共団体が自主的に決定すべきものである、かように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 地方団体が自主的に考えればいいことであるということは私は正しいと思います。ほんとう言えば、そういう態度がすべて財政面にもどこにも出てくると非常にいいと思うのですが、それは出てこないで、こういう問題についてのみ自主的に判断すればいい、こう言われる。そこらに私は問題があろうと思うのであります。  それならば私伺いたいと思いますが、そういう問題が起こっておるということは、これは自治省の方で把握しておられるわけですね。先ほど私が四つばかり例をあげましたけれども、こういった減員問題が出てくる原因、理由、そういうものについて自治省はどういうふうに把握しておられますか、藤田さんの方から一つ。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 地方議員の定数減少の傾向、その原因等に関しましては、私も大体阪上委員の御指摘の通りと考えております。これによりまして自治省の財政措置等に特に便宜をはかるとか、あるいは不利を来たすというようなことがあっては絶対相ならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 佐久間行政局長にちょっとお伺いしますが、過去において自治省は定数の減を奨励指導されたことがありますか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 自治省といたしまして契励いたしましたことはございません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今藤田政務次官から、大体先ほど私が述べたような四つぐらいの理由が今定数を減らせという理由になっている、こういうように確認されておるようであります。  そこで一つ一つ伺っていきますが、まず第一番に、財政支出の節約という面から、経費が増高するというので反対している、こういうことですが、私今直接請求について新聞等で意見が出ておりますのをちょっと拾ってみますと、地方財政の現状は常に不十分だ。そして住民の諸要求にこたえることができないような地方財政の現状にある。そこでどうしてもその財源が付与されないので、やむを得ず地方自治体としては経費の節減に踏み切っていかなければならない原因が出てきた。この際議員の定数を減らして経費を減らすべきである。こういうふろに、堺市あたりの公務員がそういうことまで言っている。非常に大きな飛躍をしておると思うのであります。公務員は、自分の給与を減らせとここには言っていない。いきなり議会の議員の定数を減らして経費を節減していこう、こういう考え方に立っている。これは私は一つの大きな問題であり、これは必ずしも議員がそのことのために犠牲にならなければならないという理由にはなっていないと私は思う。むしろそういう面については、何らかの国家的な地方財政全体を通じたところの問題がはしなくもここに芽を出してきた、こういうことになるのではないかと思います。こういう点について、財政支出の節約のために、そのことのために議員の定数を減らすことがいいことであるかどうかということについての判断を伺いたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 御指摘の堺市の問題、実は私は初めてお聞きしましたが、執行機関、理事者と議決機関を強化させることによりまして地方自治というものを強化する、これが民主主義の一番大事な基盤であると考えております。財政上の必要から議員の定数等に経費の節減を求めることはあくまで邪道である。むしろほかの方面で考えるべきでありまして、自治省としましても、現実にそういう問題が出ました際は慎重に検討して参りたいと思いますが、もし財政上の事情から全国的にそういう風潮を来たすということになりますと、これは捨てておけない大問題でありまして、私たちといたしましては、議決機関をやはりうんと強化することが地方自治を強くする一番大事な道である、こういうふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 関連して。今藤田次官のおっしゃった意見というのは私どもには実によくわかるんですが、そういう意見が自治省なら自治省の見解として地方団体にある程度流されておるとするならば私はいいんですが、逆にある県の地方課長などは、こういうことも言っておるのですよ。減員が必ずしも地方政治にプラスするとは言えないが——ここまでのことは別として、プラスするとは言えないが、財政に見合った数まで減少することは好ましい行き方ということが言える、これは相当りっぱな県の地方課長の話であり、そこの県では相当減員ムードというものが盛り上がっておるのです。財政規模に見合った減員をすることは好ましい傾向と言えるなどという肯定した立場を地方課長などが言うということは、重大問題だと思うのです。その点あなたの方としては、地方にあなたの方の見解をどのように浸透させていらっしゃるか。ある程度浸透させる機会もおありになっただろうと思いますが、それは今日初めて発表されたものであるか、その見解というものはすでに流されておるものであるか、伺いたいと思うのです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 具体的に通牒等によって流しておることはないと思いますが、御指摘の点はわれわれが自治省に入りましてからも特に考えておる点でございまして、来月町村議長大会その他の大会が東京で行なわれますので、その前に本委員会でこういう有力な発言がありましたので、直ちに大臣とも相談いたしまして、この大会の問題に取り上げてみたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 次に、議員の質の向上、議員の質が悪いのだ、こういう考え方になっておりますが、その内容を見ますると、これは敦賀市のある無職の人が言っておるのであります。視察旅行が多い、これは国外といわず国内といわずすべてを含んでいるのではないかと思います。それからその反面議会活動というものは全くおろそかにされている、それから飲み食いが非常に多い、飲んだり食ったり議員だという言葉を使っております。従って、議員の数を減らすということは決していいということではないと思うけれども、この際やはり少数精鋭主義で抜本的に一つやってみる必要があるのだという意味のことを切々と訴えておるのです。これはグレシャムの法則かなにかを引っぱられて——これはグレシャムの法則の反対だと思うのですが、悪貨良貨を駆逐するのではなくて良貨悪貨を駆逐する結果を望んでおる、こういうことを言っておる。われわれとしてもこういった点ではうなずけないことはないと思うのであります。自治省がつい最近において神奈川県その他において、海外旅行について警告を発したということも私は知っております。しかしながらこういった問題についてそれじゃ少数精鋭で現在の数を半数にしたならばこういった弊害がなくなるかということになってくると、必ずしもそうではない。現在地方議会におけるところの最高点あるいは高点をとっている人々を考えていくと、むしろボスが金にあかしてきわめて選挙違反すれすれの行為をやっておる。特に私はこういう言い方をするのですが、もう少し突っ込んでもいいと思うのです。それからまた宗教組織であるとか、労働組合組織であるとか、その他いろんな組織の統一行動と称するものが、やはり数少なくこれを出しておるということによって高点を占めるというようなことが間々あるわけなのであります。従って、数を減らすということは、逆に、現状の選挙の結果を見ても、特定の者にそれがしぼられていくということは明々白々たる事実です。にもかかわらず、やはり少数精鋭主義でやるべきだという声が出ておる。こういうことだと私は思うのです。これは考え方によれば非常に誤った考え方だということは言えますけれども、そういうことはしかも承知の上で、この際やはり少数精鋭主義に踏み切らなければならぬ、こういうふうに住民は考えておる。これらの点について自治省はどういうようにお考えになるのですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 地方議会の議員の定数というものが、どの線が一番合理的で、一番地方自治法の第一条にうたっているような民主的で能率的な行政の確保ができるかということになりますと、非常にむずかしい問題でございますが、いずれにしましてもこういう法律が運営されております以上は、大体この線を確保することが妥当な線であるという結論を出さざるを得ないわけでございまして、必ずしも議員の定数を減らしたから精鋭になるというふうには私は考えておりません。むしろある程度の数を確保いたしまして民主的な能率的な行政の運営が強くなるのではないかと考えております。  それから、地方議員の海外旅行等に関しましては、御指摘の通り国会議員の海外旅行等に比較いたしましておびただしい数に上っております。これはいろいろな面から自治省としましては、なるべく必要以上の海外旅行を差し控えてほしいという行政指導をしたことはございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 これなどもやはり問題があると私は思うのです。海外旅行云々の問題もありますけれども、国会議員の数と比例してと言われますが、その点はなかなか問題だと私は思う。しかしながらほんとうによく考えてみますと、あなた方も御経験があると思うのです。私なども市長をやっておった当時の経験を持っておるんです。市長なんというのは全く廊下トンビと言われておる。ぞろぞろ自治省や大蔵省の廊下を歩いて陳情これ努めなければなかなか思うように財政的措置が講じられないというような例がある。いわゆる陳情政治。この陳情政治に便乗されて地方議会の議員がぞろぞろと上京してくるという例は今なお跡を断たないのです。これなどにいたしましても、考え方によると政府の責任じゃないか、そういった例も一つこの際よく考える必要があると私は思います。  時間がありませんので先を急ぎますが、次に議事審議の能率化という問題が出て、特に議会の運営がよくない理由を見ますと、これは岡山ですか、井原市の教職員がそういうことを言っている。船頭が多くして船が山に登ってしまうんだ、そうして地方議会でも——でもということは国会でもということだと私は思うのです。地方議会でも派閥抗争がある、そんなことばかりに終始しておる、肝心かなめの大事な審議というものはほとんどやらないんだ、ことに役員の争いのごときに至っては血道を上げて徹夜でやっているというようなことを言っているんですが、これは全くよくつかんでおると私は思う。こんなことをやっているような状態では、数が少なくてもりっぱな成果が上がるんだ、こういうようにして減員の理由をやはりそこに見出しているということであります。こういった問題についても、これはあなた方の意見を聞くまでもなく私はやはり大きな反省を要する点じゃないかと思います。  次に、これはかなり高度なものの見方になっておりますが、委員会偏重主義を是正しなければならぬという考え方が一つあるようであります。これはきょうも出ておりますが、東京都政調査会ですか、それから地方制度調査会等が最近首都圏に関するところの答申案を出しております。その中で区会の議員の数を二十名程度にまで持っていく、多いところは八十三名くらいおる、そしてそういうことによって常任委員会というものを作らぬでもいいような状態に持っていく、こういうことになっております。こういう内容を見ましても、大体において今までの地方議会においては法で定められたところの常任委員会というものはあまり開かぬで、議会の議決によらないところのものを閉会中随時常任委員会と称してこれを開いておる、これは国会と組織が違います。国会のまねみたいなことをして、そして閉会中にやたらに常任委員会を開いて、それが法的に効力のある常任委員会であるというようなものの考え方に立ってしまって、政治を壟断しているという姿が出てきておる。このことは非常に問題になるのじゃないかと思うのであります。そしてそこできめた結論を、いかにも正当な結論である、あるいはこれは正当な委員会であるというような考え方に立って、そして本会議ではほとんど論議することなくこれを通過させてしまう、こういう状態が地方自治体の常任委員会の運営の中に出てきておる。そしてしかも地方においては、常任委員会というものはほとんど公開しない、非公開のままでやっておる。それはそうでありましょう。法に基づかないところの委員会でありますので、公開する必要はないでありましょう。しかしながら、重大な事項はその中でもってほとんどが律せられておる。要するに、住民というものは、何らそれに対して監視することもできなければ、承知することもできないというような状態のままで行なわれておる。こういうような問題が出てきておるわけでありますが、この点については自治省はどういうふうにお考えになっておりますか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間説明員 常任委員会の運営の問題についてでございますが、この点につきましては、御指摘のような事例が相当あるように私どもも伺っております。常任委員会は、制度といたしましては、地方自治法の中に規定をされておるわけでございますが、先生のおっしゃいましたような、いろいろな弊害もございましたし、かつ、従来常任委員会は各行政部門ごとに設ける建前になっておりました関係で、常任委員会が割拠主義と申しますか、執行部の各部門と結びついて、セクショナリズム的な運営がなされるような弊害もございましたので、御承知の通り、昭和三十一年の地方自治法の改正で、常任委員会を各部門ごとに設けるという規定を削除いたしまして、常任委員会の運営については、いわゆる縦割りでも横割りでもいい、しかも常任委員会偏重にならないようにということで、その数も地方自治法で制限をいたしたわけでございます。そういう法の改正の趣旨からいたしますと、常任委員会の運営につきまして、ただいま御指摘のような運営は、私どもも適当じゃない、かように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今までの自治省の御答弁を承りますと、大体私などが考えております方向と同じような考え方に立っておられると思うのであります。そういたしますと、財政支出の節約であるとか、議員の質の向上であるとか、あるいはまた議事審議の能率化であるとか、あるいは委員会偏重主義の是正であるとか、こういうような減員の理由というものは、これは率直に言って、本末を転倒したところの考え方である、議会の任務というものは、決してさようなものではなくして、明らかにこれはやはり住民の意思というものを、十二分に議会の中に反映するという大きな役割を持っているのです。地方自治の本旨から言っても、地方自治の本旨はいろいろな考え方がありますけれども、これはやはり一つは住民自治であるということであります。そしてその上に立って、住民から選ばれたところのいろいろな機関によって、これが運営されていくのだという考え方であります。そしていま一つは、地方自治体には地方自治体固有の事務というものがなければならぬ、この三つがそろって初めて地方自治の本旨というものが明確になるわけです。その中の一つである代議制を基調としているところのわが国の地方自治が、代議制の本義を忘れて、先ほど言ったような四つの本末を転倒した考え方で議員の定数を減らしていこうという考え方、それは非常な危険な考え方なんです。百人を代表する者と千人を代表する者とが、どちらが緻密に住民に直結するか。従って議員の数というものは多々ますます弁ずであって、極端にいえば、選挙権を持つ者が少なくとも一同に会して政治を議すれば、それが一番理想的だ。しかし、そういう形がとれないために、この代議制を持ってきている。そういう観点に立つとき、今単にこの四つの問題を問題として、そのことのためにこの地方自治の本旨そのものを踏みにじってしまうような、そういう議員定数減論というものは非常におそろしいことだと私は思うのであります。しかしながら、地方自治は住民自治でありますので、自治省として監督官庁といえども、これに対してやたらな関与はできないだろうと思う。私は、ここにこの問題のむずかしさが出てくるのではないか、かように考えるわけであります。  そこで私は端的に伺いたいが、一体こういう問題をどうしたらいいか。あるいはこの反対を唱える人々の中にも、そういうことは万々承知の上だ、承知の上だけれども、現在の地方議会のあり方を見ておったならば、運営の状態を見ておったならば、これを黙視することができないんだ、だからこの際思い切ってばっさりやってしまったらいいじゃないかという考え方が出ておる。しかもまた一面、必ずしもそういう議会の反省すべき点をついているばかりではなくて、その背後には来年四月に行なわれるところの統一地方選挙にいろんな思惑を持ってこの運動が展開されているということを十二分に警戒しなければならぬ、こういうように思うのです。こういった場合には、一体自治省としてはどういった態度でこれに臨んでいくか、こういうことだと私は思うのでありますが、そういった点で何かお考えになっていることがあれば伺いたいと思うのです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 全く御指摘の通りでございまして、地方自治の本質問題と、財政事情等の便宜的な、過渡的な都合とを混同しまして、議決機関の本質的な存在理由を忘れたような定員減等が行なわれておる現実は、私もちょいちょいお聞きいたしております。その問題に対して自治省としてどういう腹で臨むかというお尋ねでございますが、幸い地方制度調査会が十月一日に結論を出しましたので、地方自治法の改正ということが当然最近の機会に国会で御論議願うと思うのです。その際に、自治省としましても、今御指摘の問題は一つ十分慎重に考えまして何らかの線を出したいということだけをきょうはお答え申し上げておきたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 関連。今議員定数の問題についていろいろ論議されておりますが、これは自治省としてはよほど考えていただかなければならぬ大きな問題じゃないかと私思うのであります。そこで私は、一つ二つ、今のに関連してちょっと見解をお聞きしておきたいと思います。政務次官から御答弁願いたいと思います。  先ほどの話を聞いておりますと、この地方議会の議員定数の削減問題について、局長は、よいか悪いか、自治省としては判断がなかなかむずかしい、こういう答弁であります。それはその通りだと思います。ところが近ごろ各地方の議会において、それが一つじゃない、ある特定の地方議会でなくて、次から次にこういうことが行なわれてきておるということは一体何だ、何かあるんじゃないか、ただ単に表面的にいわれる財政節約というようなことだけで、このように次から次に行なわれてくるということがあり得るだろうか。われわれは、自治省があるいは正式に指導しなくても、そういう面に指導しているのではないかという疑いが出てくるわけです。ところが、先ほどのお答えでは、指導などはしていない。指導していないということになりますと、ただ単に財政的理由でこういうようにあちこちの議会が定員削減をやっているのは一体何だろう、こう深刻に疑わざるを得ないのであります。まずその点のお答えを私ぜひいただきたいと思うのですが、次官、いかがでございますか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 自治省としましては、定員増減の問題に関しましては全く介入いたしておりませんが、ただ阪上委員から御指摘のようないろいろな事情によりまして定員減が現実に各地に行なわれているようであります。ただ、その際においてわれわれが注目しなくてはならぬ点は、地方住民の中から、議員が多過ぎるのではないかというような声も点々見受けられておるようでございますが、しかし現実にこういう動きが全国に相当出て参りますと、先ほどもお答え申し上げましたように、自治省としましても地方自治法を守る責任がございますので、何らかの措置をとらざるを得ない。ついては地方制度調査会の答申も出ましたので、それに関連させ、また来月全国町村長大会あるいは議長大会等もございますので、その前に大臣とも相談いたしまして、十分この点を研究してみたい、こういう気持でございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 その点につきましては次官の方もなかなか捕捉ができていないようでありますが、われわれが疑問を持った点が自治省の方になかったとなれば私も大へんしあわせだと思っております。自治省が指導しておるのではなかろうかと疑うような形で次から次に出てきておる。住民の直接的な要求によってある特定の自治団体が議員を減らしたという特例であれば、そういう疑いを持ち得ないのではないかと私は思う。ところが、かりに指導がなくても、自治省はやはりそういうように地方の議会の定数が減るということは大いに歓迎だ、こういうような態度でも見せられるということになると、私は事は簡単に済まない問題ではないかと思うのであります。ということは、今阪上委員もいろいろと論及いたしておりますように、民主政治というものはどうなければならないかということになりますと、これは一口に申し上げますならば、やはり私たちは民意を十分代表する政治でなければならない、こう考えるわけです。そうなりますと、やはり議会の定数というのはこれは相当重大な関係を持ってくる。やたらめっぽうに議員を減したからといって、財政的にどれだけのプラスがあるかわかりませんが、そういう形でやったからといって、必ずしても民主政治というものは育つものではない。ここにやはり大きなポイントというものが考えられなければならないと私は思うのであります。そこで、私たちがこういう問題にぶつかって知り得ておるいわゆる裏の理由というもの、これが十分とらえられておらなければ、やはり問題は簡単に済まないのではないかと思います。  そこで、今日定数削減、定数を減少させるという動きの内面的な問題として、第一にわれわれが忘れてならないことは、理事者が、市町村長が、議員の少数なることをよしとして、議会の運営をみずからの意図のままに動かし得るような体制をつくりたい、こういう理由が一つひそんでおるということをわれわれは見抜いていかねばならぬと思います。  いま一つの理由は、新しい議員の追分を押えていく、既成の勢力、既成の地盤を今までの議員があくまでも保持していこうという、新人の進出を押えるという意図が、これまた既成議員相互の中にあるということ、これが私は一つの問題だと見ておるわけであります。つまり、そうなるということは、りっぱな代表を選べないということでありまして、民主政治の建前からすると、事はなかなか簡単でありません。  なおいま一つの見のがしてはならない問題は、共済年金の成立によって、議員にいわゆる年金法が施行され、地方議会において一体どれくらいの年金がそれぞれの議員に与えられるか、そう大した期待はないと思いますけれども、今までやってきた議員が、この年金の適用を目ざして次の当選をはかるというようなことが一つ内面的に介在をしておる、この理由を見のがしてはならないと思います。  そこで次のような例が考えられるわけであります。というのは、ある町村で、これは私は非常によくない方法だと思いますけれども、町内の一地域、一部落が、今度の任期はあなたがわれわれの地域代表として町会に出てもらいたい、次の任期のときにはだれさんにその席を譲ってもらいたい、こういうような、実際望ましくない形でありますが、そういう形で議員が地域代表として議席を占めておるおくれた地域の状態がございます。ところがいよいよこの年金等の問題が出て参りますと、今出ておる議員が、つまり、かわる約束をしておるんだけれども、今度議員が減るから、どうしてももう一ぺんおれが出なければ地域代表となり得ない、こういう理由づけで、議員を削減するところの一つの動きとして、次にさらに自分の当選をかち得ていく、こういうような動きが現実的にあるわけであります。表面に出ていないようなこのような動きが、私は一つの理由として議員定数削減に結びついているということも見のがしてはいかぬと思います。  それらを考えて参りますと、民主政治の基盤といわれる地方自治の大事な問題が、根底からくつがえっていくようなおそろしさを感ずるわけであります。従って、この点は、自治省としては、やはりよほどその責任の重大さを考えていただいて指導をしていただかなければ、先ほど次官が自治法の改正等について善処したいというような御意見もありましたけれども、自治法の改正は、あり得てもおそらく次の通常国会であります。選挙はもう間もなく、来年の四月であります。そういうことになりますと、自治法の改正でおやりになっても、この減少問題というのはおそらく片づかない。その前にこれが行なわれるということになりますと、私が申し上げているように、ほんとうの民主政治は一体いずこに行くかというようなおそろしさを感ずるわけであります。そういう点を、一つ阪上君が申し上げましたようないろいろの基本的な問題と同時にあわせて、自治省は一つ十分なる配慮と指導をしていただかなければならぬのではないかと私は考えるわけであります。この点についていま一度政務次官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 議員定数を減らすに関しましては今御指摘のようないろいろな問題があるだろうと思います。ただ、私は阪上委員も御指摘になりましたように、地方の議員制度というものは全住民の参加ということがやはり理想の形式であるが、代議制度によって議員制度を採用しておる、こういう観点から、住民の立場からこの問題を処理すべきでありまして、自治省が条例制定権を認めております自治体に対しまして、必要以上の介入ということはなるべく避けたいと思っております。ただ、御心配の点もいろいろございますので、住民全員参加の形が地方自治のほんとうの姿である、こういう本質的な観点を忘れないように、一つ十分慎重にこの問題には善処したいと考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 すべて問題は出し尽くされたようでありますけれども、私はもう少し具体的な例をあげて、何らかの解決というような弱腰でなくて、いわゆる憲法で保障された地方自治というものをもう少し明確にする必要があると思うので、つけ加えて要望しておきたいと思うのです。  それは一つの県の例をとって申し上げますが、百二十万程度の県では議員定数というのは大体四十七、八名ないし九名程度でございます。そして委員会は六委員会になっておる。そうしますと、一人の委員は他の委員を兼ねないという条例になっておるところが非常に多いのです。そうしますと、その議員が六つの委員会に所属をいたしますので、大体八名でもって構成をされる。八名で構成した委員会は過半数で成立をする。そうすると、五名で成立するということになるわけです。その五名で成立したものが決定をする場合にはこれまた過半数で決定をする。そうしますと、三名で決定するということになるわけであります。百二十万の県民のいわゆる行政に対する最後的な議決をやる場合に、よりすぐられた委員の中からわずか三名でもって決定するということになると、重要な問題が起こってくると思うのであります。これは国と地方との行政事務の配分並びに財政の配分という問題が前提になるのでございますけれども、今のような状態で人員削減をすることによって財政が節約できるのだ、これは地方民の声である、先ほど課長が耳打ちしておったように地方民の声であるというものの考え方でもしやるとするならば、私は非常な間違いをしでかすのじゃないかと思うのです。わずか三名の声でもって百二十万の声を代表する。これは通常の議会の審議の状態では、その委員会で決定をいたしますと委員長の報告を本会議で了承するというのが普通のあり方なんです。特別の問題は別といたしまして、そのようにして議事がスムーズに運行されるのが通常のあり方でございます。そうしますと、一つの県の行政の大事な問題を、わずか三名が賛成をすればできるのだ、こういうようなことになるような地方行政のあり方というのは非常に危険を生ずると思うのです。こういうことを十分一つ勘案されまして——私けさ来て見たのですけれども、地方財政に関する当面の措置に関する地方制度調査会の結論が出ておりまするけれども、私はいま少し憲法八章に基づく地方自治というものを重視しなければいけないと思うのです。これをもし今言ったような、皆さんがおっしゃったような、あなたが答弁されたような言い方で人員を削減するということは、私は非常な危険を招来するということを申し添えておきたいと思うのです。従って、財政の問題だから云々というようなことでなくて、そういう弱腰でなくて、自治省は地方自治を守るという立場から、ほんとうに強い態度でこの問題は考えていってもらいたい。そうしなければあやまちを犯すおそれがあるというように私は考える。中央集権を全く具体的に現わす結果になるであろうというように考えるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私が質問しようと思っておりましたことが川村委員、二宮委員からも相当質問があったようでありますので、できるだけ省略してさらに質問を進めたいと思いますけれども、その前に一つだけさらに伺っておきたいと思いますことは、地方自治法の九十条、それから九十一条であります。その二項におのおの「前項の議員の定数は、条例で特にこれを減少することができる。」こういうように規定されております。「特にこれを減少する」というこの「特に」という言葉、これの解釈は一体どういうことなんでしょうか。これに法文の上の通例としてこういうように書くのだ、こういうことであるのか、それともこの言葉は特別に意味を持っておるのか、これを一つ伺っておきたいと思います。

岸昌自治事務官(行政局行政課長)

○岸説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、特別の必要がある場合にという程度の意味でございまして、あくまでもそれが例外である、こういう趣旨を表わす意味であろうと解釈しております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 特別の理由というのはどういう理由が予想されますか。

岸昌自治事務官(行政局行政課長)

○岸説明員 それはそれぞれの地方公共団体における特殊事情、こういうような意味でございまして、一般的にはきめられないと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 この場合減少できる最小限度の人員は何名です。

岸昌自治事務官(行政局行政課長)

○岸説明員 これは法律上は特に規定はございませんけれども、極端な例を考えますならば、合議体としての成立の最小限度は三名でございますので、三名までは理論的には減少できるわけでございますが、それは常識を信頼いたしまして、そういうようなところはあり得ないと思いますし、また現実にも起こっていないわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこでこの善後策なんですが、一つはこの自治法の九十条、九十一条にあるところのこの定数そのものにやはり問題があるということを一応考える必要があるのじゃないか。それが多いとか少ないとか今私は軽々に判断すべきではないと思いますが、例をとって考えてみると、先はどお話もありましたように、議員の定数問題等につきまして国会等に対してはあまりその声がない。それから府県等におきましても直接請求に訴えていくというような例が少ない、これも事実であります。大都市においてもそれがあまり出てこない。出てくるのは中小都市、町村というようなところでこれが直接請求というような形にまで発展してくる。この事実をじっと考えてみると、何かそこに問題点が一つあるのじゃなかろうか、こういう点を考えてそれに対して善処する必要があるのじゃないか、私はかように思うのです。これはあとで一括して藤田さんに御意見を伺いたいと思います。  いま一つは、従って自治法の九十条ないし九十一条に対して改正の問題がやはり一つある。それから常任委員会偏重の考え方なんであります。これも先ほど——住民が言っておりますように、ざっと見ておりますと非常に問題が多いということなんです。これらにつきましても何らかの法的措置というものが考えられてしかるべきではなかろうか、それが必ずしも地方自治に干渉するという立場では私はないと思います。そういう配慮の仕方というものは。やはり住民の声を聞いて、その中に訴えているものはすべて真実でありますから、ただ本末を転倒しておるというところに問題点があるだけであって、訴えておることは私は切実な住民の声だと思います。委員会をやたらに開いて、そして議会でもって別に付託も何もされていない問題を国会と同じように心得る。国会は委員会でこれを審議する、これは与えられておるところの国会の制度ですから、自治体の議会の制度とは違う。そこに大きな誤謬を犯している。そういったものをやはり考えなければならぬ。あわせて特別委員会の方も考えていく必要がある。競輪、競馬であるとかいうような、一部事務組合等の議会の議員というようなものについても相当問題点があります。地方自治体を預っておりますとしょっちゅうその問題が目にちらつくのであります。そういった特別委員会等の設置ないし定数等についてもよほど考えなければならぬ。  それから、いま一つは議員の質の悪いのは、私はこれは選挙に問題があると思います。この点はほとんどの住民が減員を主張されますけれども、みずから振り返ってこの点を反省する向きが少ない。そうして地域の広い選挙ほど選挙の弊害が少ないのであります。ことに中小都市並びに町村の選挙の実態を見ておりますと、これは全くひどいものです。相手の選挙人の数が少ないものですから、実に言語道断だというような行為が行なわれる。従って、幾ら人を減らしてみたところで、あの選挙の形をとっている限り、議員の質がよくなるとは断じて言えない。このことについて、特に選挙法についてメスを入れなければならぬのじゃないか。それは国会議員も、参議院の全国区は別といたしまして、府県も、五大都市も、何もかも一緒くたに一つの同じような形をとっておるというこの選挙法に問題がある。きわめて少ない選挙人の中で選挙を行なうところの町村や市というものに対して——私は公職選挙法というものは少なくとも国会と都道府県、五大市、市町村というようなものについて別個の選挙法というものを考えていかなければ、議員の質をよくするなんということはとうていできはしない、この点をよほど検討される必要があるのじゃないか、こういうように思うのであります。盛んに減員を言っております。その心情はまことによくわかるけれども、振り返って自分たちを考えてみて、一体だれが選挙したのだといった場合、はたと行き詰まるところは選挙法の問題だと私は思うのであります。こういう点で、この問題はやはり公職選挙法に相当根本的な原因を持っているということがいえますので、こういった点についてはやはり考える必要がある。  それから、先ほど川村先生からも全く首長の態度がよろしくないといってお話がありましたように、住民が指摘するような議会の運営をやらしているのは、私は半分は当該都道府県、市町村の首長の責任だと思う。行政がうまくいっているところ、そうしてしっかりしたプレシデンシャル・システムに基づいて議会と正しく対決しているところの地方行政、地方政治の中にはこういう問題は起こってこない。そういう点を考えると、首長の態度が非常に問題だと思う。そうして言いなりほうだいに飲み食いをやらし、旅行をやらし、ひどいのになると金の小判なんかをまいて議会の歓心を買っているというようなばかげたやつがおる。あのような態度が今日住民が指摘するような議会の腐敗と惰落をもたらしているのじゃないか。従って、こういった問題についても、法的に何らかの措置がないのかということを考える必要があるのじゃないかと思うのであります。  それから首長の任期だとか議員の任期だとかいうような問題についても相当深く考える必要がある。諸外国の例を引いてみましても、西独あたり、これはまちまちでありますけれども、最初当選してくる議員は、これは二年だ、その者が非常に市民の信頼を買い、住民の信頼を買ってさらに次に当選した場合にはその任期を四年にするんだ、さらにそれが三選するような場合にはさらに倍に持っていくというような、きわめて納得のできるような任期を採用しておる。そうして四期以上は許さないんだというようなことで押える。来年の四月の統一選挙を目の前にいたしまして、知事の立候補のうわさが各方面にちらほら出てきております。なかなか問題があるようでございますが、ひどいところは五選までやろうという者が二人ほど出てきた。そうして権力の座に十六年も二十年もすわっておろうという者が出てくる。こういった問題を考えてみるときに、私は議員においても同様そういった問題についてもう少し合理的な考え方というものを持っていいのではないかと思うのです。私自身特段の案を持っておりませんけれども、やはりそういった問題が大きくこの背後に横たわっている。要するに議員の質の悪いというのは、いろいろなものが重なり合って、そこに質の悪さをもたらしているのだ、こういうことを考えなければならないのでありまして、今住民が一部考えているような単純なものの考え方ではいかないのだということを私は指摘しておきたいと思います。従って、そういう点も一つ考えていただきたい。  それから最後に一つ、先ほども御指摘がありましたが、大体住民に地方自治に対する考え方というものがほんとうにしっかり了解されていないのではないか。従ってこういう欠点がある、こういう欠点があるということを指摘して言っている、そのこと自体は正しい。しかしそれが直ちに減員しなければならないというところに飛んでしまうところに私は問題があると思う。大体住民が地方自治法に対しても理解が乏しいという原因の一つは、私は中央政府の地方自治に対する考え方が、自治省にしても大蔵省にしても、間違っているからではないかと思う。これから政党の側にも私は率直に言って問題があると思う。自民党にしても社会党にしても私はそうだと思うのです。どうも地方自治の尊重とか、地方自治法を守っていくという考え方にそれぞれみな乏しい。そういうことのために、地方住民ですらまっ正面から地方自治というものの理解を深めようという努力も欠けてしまう、こういうことになるのではないかと思うのです。これは具体的な例をあげれば山ほどあります。財政法一つ持ってきたって、自治法一つ持ってきたって、たとえば自治法二十五条あたりがいまだに起債などについてただし書きでもってこれを抑えている、こういうことまでやはり考えて、総合的にもっともっと地方自治というものを住民が正しく理解する、そのことのためにはまず範を中央がたれなければいけないということを深くこの際反省する必要があるのではないかと私は思うのであります。  以上のようなことが考えられるのでありますが、自治省としてはこういったことについて、まじめにこれを検討していくという腹がまえがあるかどうか、また私が今申し上げたようなポイントについて、それはそうじゃないのだという考え方がありますれば、この際一つ承っておきたい、こういうふうに思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 敗戦後昭和二十二年に新しい地方自治法が実施されまして以来、途中でシャウプ勧告等のこともありましたが、一応曲がりなりにも地方自治が軌道に乗ってきたという功績は、われわれは率直に認めていただきたいと思います。ただ、今御指摘の九十条、九十一条の定数の問題、これは非常にむずかしい問題でございまして、シャウプ勧告に基づきまして定数を減らせという神戸委員会の勧告等もあったこともございますが、一応施行後すでに十五、六年になりまして、実績ができているものをここで変更するということに関しましては相当むずかしい問題が介在するだろうと思います。しかしやはり検討に値する問題であるということは私も率直に認めます。  それから選挙の問題で、公職選挙法で国会議員と同列に末端の町村議員、市長選挙が行なわれる、何か別個に考えるべきではないかというような声は相当識者の間にあるところでございます。特に自治省としましても、来年の地方選挙を施行するにあたりましては、総理と自治大臣が相談いたしまして、国会議員の選挙になりますと、相当言論機関等の批判、検討を受けるのでありますが、地方選挙に対する違反等の問題に関しましては、ややもすれば批判の対象にあまりならない、こういう点もありますが、選挙の粛正の実を上げるためには、末端の選挙から粛正すべきであるという方針で、相当思い切って予備費も支出することにいたしました。その方面のPRも徹底的にやろうという方針を内定いたしております。ただ別個の公職選挙法を考えるべきではないだろうかということになりますと、近く選挙制度審議会の顔ぶれも更新されますので、新しい委員の方に地方行政委員会でこういう発言があったという事実だけはそのままお伝えいたしまして参考に供したいと思っております。そのほかいろいろ御指摘がございまして、何か異論があったら言ってくれということでございますが、私も政党の立場を離れまして、また政府の立場であるということを離れまして全く同感であります。速記録ができましたならば大臣にも十分お伝えいたしまして、これらの問題をやはり順次——昭和二十二年前に比べて地方自治というものは軌道には乗っておるが、まだまだ欠点が多いという点を私も率直に反省いたしまして、順次改善の方向に対しまして努力は続けたい、こういうことをお約束申し上げておきたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 蛇足ですが、大阪の守口というところで直接請求が成立したように聞いております。これの代表者が、ちょっと名前は忘れましたが、この直接請求によって条例が議会に上程されて、もし成立しなかったならば、それを反対したところの市会議員に対してリコールをやる。議会が全体これを否決したときには議会に対してリコールをやる、こういう圧力を加えておる。これじゃ議員はたまったものではない。来年の選挙に当選したいばかりに、心ならずも賛成していくという状態が出てくる。こういうことを考えてくるときに、直接請求はほんとうに住民の唯一の権利ですから、これに対してそのようにメスを加えるということは私は許されないと思います。しかし一面において今言ったようなことがある。ところが直接請求の条文を見ましても、詐欺とか恐喝とかいうようなことによって署名をすることに対してのあれがあった場合においては、この直接請求はあるいは無効となることもある、こういうことがあるのでありますが、今言ったようにそのことをもって地方議会に対して、議員にも圧力を加える、本人はしごくまじめに言っておるのだと思いますが、私はそういう例を考えても、やはり地方自治がわかっていない。その原因はいろいろあります。さっき言ったような問題がありますが、特に繰り返すのでありますが、国の中央集権化、この考え方がついに住民にこういった不徹底な状態にまで持ち込んでしまった、こういう反省をやはりこの際十分しておく必要がある、こういったことをつけ加えまして、私の質問を終わりたいと思います。

門司亮民主社会党

○門司委員 関連して。きょうは発言をしないつもりでございましたが、地方議員の身分のことに関しましていろいろな問題が出ましたので、一つだけ聞いておきたいと思います。  それは来年の選挙ですが、自治省が地方議会の議長の問題についてどう考えておるかということです。ところがこの地方行政の中で一番忌まわしい問題を、行政上の問題からくる処置で何とかなりはしないかということで問題を起こしているのはこの問題です。かって東京都の区も議長選挙のときに疑獄があったということで裁判ざたになった。立川市では御承知のように議長選挙にからむ収賄事件で、ついに住民のリコールによって議会を解散して新しい選挙をこの間やったばかりです。四国のある県は御承知のように議長さんが二人できて、これも議会が開けないで、危うく二人のリコールに行こうとした前に話し合いがついて結末がついた。同時にまたどこの自治体に行っても議長選挙にからむそういう醜聞というものはあとを断たない。これは法律の解釈上からいけば、四年間当然議長としておるべきであるということは一応規定してある。しかし人間のことだから話し合いでこれがやられておって、議長に就任すると同時に辞表を次の者に預けるというようなことが平気で行なわれておる。それをリコールするかしないかというようなことで問題を起こしておる。私は地方議会に対して、こういう議員の身分に対して、これほど不愉快な問題はないと思う。これに対して自治省は一体どう考えておるか。今日までどういうように指導されたか、これは何とか直さぬと、地方議会の破壊になってしまう。議長のいすというものが金で売買されておる。実に見にくいといいますか、何とも形容のしがたいことが起こっておることは事実である。だれも知っておる。ところがこれが一向あとを断たない。私は自治省に聞いておきたいのは、そういう問題に対して自治省はどういうふうに指導し、さらに来年は議会が全部改選になりますので、改選になれば議長選挙が当然行なわれる。そのときにまたそういう約束がされてまた問題を引き起こすというようなこともあります。だからこの選挙前に自治省の態度というものを明確にしてもらって、そういう状態が起こらぬように措置していくということは、地方議会の品位のために一つの大きな問題だと思う。もしお考えがあるならば出していただきたい。私はこの機会に念のためにそういうことを聞きますので、私の参考資料として念のために聞いておきたいのですが、全国の都道府県市町村の議会で、議長の任期を四年間途中で変更しないで続けられている自治体が一体幾つあるか、私はこの数はきわめてわずかだと思う。私も一、二知らぬわけではない。四年間ずっと議長さんのいすが変わらないところがあります。しかし全国を比例してどうなっておるか、法律は四年間在職することになっておる。ところがこの法律は一向守られないで一年置き、はなはだしいのは半年ぐらいで交代するというようなことがそういう忌まわしい事態を引き起こしておる。だからそういうことを参考資料として自治省に要求しておきたいのは、これは委員長からも要求していただきたいと思いますが、そういう表を出していただきたい。できますか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 きわめて重大な問題であろうかと思います。実はその問題に関しましては、地方自治法の改正で議長の交代等が頻繁に行なわれておりますので、現在法律措置を検討中であります。これはこの席で切めて御質問がありましたから申し上げておきますが、御指摘の通り全国に非常に頻繁に行なわれておりますから、現在法律的に検討中であります。自治法改正のときに当然これは何らかの形式で具体化したいと考えております。  それから今御請求のありました資料はすぐできるそうでありますから、次の機会にお手元に差し上げることをお約束しておきます。

門司亮民主社会党

○門司委員 私は今の次官の答弁はきわめて政治的な答弁のように聞こえるれけども、非常に大きな問題を含んでおると思う。自治法には四年間任期が務まるように書いてある、議員の任期は大体四年とすることになっておる。私はこれでいいと思うのです。ただ問題は運営の問題だと思うのです。議長は一ぺん当選したら四年間ならなければならないという規定をすることは行き過ぎであると思う。議員の任期と議長の任期、委員会委員の任期を一致させておくということは、今日法律の措置としては私はそれでいいと思う。法律の点は私は考えておりません。私はここで次官と法律上の争いをしようとは思いません。ただ、行政上の指導によってそういうものをどうするかということが問題であると思う。おのおの自治体にそういう点についてはやはり問題もございましょうし、そういう法律をつくるなら除外例を設けなければなりますまい。病気で耐えられなくなったときとか精神がどうにかなって工合が悪いとかいうときはかえることができると書かなければならぬ。あまりいい法律にならぬと思う。そういう点は私は理行法でもできると思う。指導の問題だと思う。指導をどういうふうにされておるかということを聞いておきたいと思う。単に法律で逃げられてはなかなかむずかしい問題が出てくると思う。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 議長選挙等は純然たる議会内の問題でありまして、自治省としましては指導その他のことをいたしたことはございません。ただ、各地でそういう事態が非常に多くなっておりますので、法律改正に当たってはいろいろな場合を考えて検討すべきであるというので検討を開始いたしております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 二宮武夫君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 公務員課長にちょっとお伺いします。国家公務員に対する人事院の勧告が出たわけですが、五月一日現在において——これは法できめられましたように、国家公務員に準じて地方公務員の給与は改定をしなければならないということがはっきりしておるわけですが、地方公務員の給与の平均あるいは暫定手当の平均、それを計数的に御発表いただきたい。

松浦功自治事務官(行政局公務員課長)

○松浦説明員 昨年度の大蔵省に対します予算要求にあたりまして——昭和三十三年度に給与の実態調査を行なったわけでございますが、ぜひ三十七年度に実態調査をやりたいということで予算要求をいたしましたが、いろいろ統計局におきます国勢調査等の関係もございまして、予算としては認められなかったわけでございます。従って、正確な大規模な調査は経費の点でできません。ただ、それでは工合が悪いということで、現在県市町村を通じまして、大規模ではございませんが、大まかな給与の実態調査を求めております。それがもう二カ月くらいすれば集まって集計にかかれるかと思います。それまでは、五月一日現在の実態はどうかというふうにお尋ねをいただきましても、残念ながら非常にたくさんな職員の問題でございますので、正確な数字を持ち合わせておらないわけであります。御了承いただきたい。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 行政局長がおりませんので行政課長にお尋ねいたします。地方に人事委員会あるいは公平委員会というものを法により設けられているのですが、実態は、国の人事院が給与の勧告をいたしました際に、それと同じようなものを形式的に知事あるいは首長並びに議会の議長に対して勧告する、こういうのが従来の例になっているのです。その地域の民間給与というものを参考資料として出されなければならぬわけですからいろいろと問題があろうと思うのですけれども、従来の経験からしますと、一律な形式的勧告をされるおそれがあるように心配するわけですが、その点、公務員課長でもけっこうですからどうぞ。

松浦功自治事務官(行政局公務員課長)

○松浦説明員 今までの実態を見ておりますと、ただいま二宮委員からも御発言がございましたように、そういう結果になっておるところが多いようであります。もちろん、全部が全部国家公務員の内容通りの勧告をしているわけではございません。一例を申し上げますれば、去年の東京都の人事委員会の勧告は、内容においても数字においても明確な違いを見せております。そういう事例もございますが、一般的に今までの例からのみ見ますればそういう結果になっておりますが、法律の建前といたしましては必ずしもそういうことではない。ただ、実際問題といたしまして、人事院は全国につきまして大規模にそれぞれ民間給与との格差を織り込んだ調査をしているわけであります。その調査自体ほとんど人事委員会等とも関連をとりましてとる資料でございますので、そういった民間給与の実態が人事院の勧告に織り込まれているということを前提に考えました場合に、大きく違って都道府県の人事委員会の勧告が出るということは理論的にもあまりあり得ないではないか。なお、公平委員会につきましては、勧告権がございませんので、その点は御了承願いたい。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 ただいまお聞きいたしますと、三十七年五月における抽出調査といいますか、そういうのはまだ完全にでき上がっておらない、こういうことなんですが、国家公務員の場合には、他のそれぞれの団体あるいは民間給与等を平均いたしまして人事院の勧告が出るのですけれども、地方自治体の場合にはじくざくがあってよろしいと思うのです。そうなければならないと思うのです。ところが、どうかしますと、従来人事委員会というのは、中央のどこからどういう指令がくるのかわかりませんけれども、ほんの形式的に、どの府県も全く同じようなものを出すという形で勧告がなされたというまことにばからしい組織であり、形式的なものである、こう痛感しているわけです。こういうようなあり方では、しかも今あなたがお答えになったように、五月一日現在の市町村の給与なり暫定手当というようなものはまだはっきりしたものがつかめない、こういう段階にあるということでありまして、これは非常に問題だと思うのです。内容は別といたしまして、人事院の勧告は実施が五月一日からですから、地方自治体においても同じような実施期日の勧告がなされるのではないかと思うのですけれども、その実態がとらえられないというような状況では、給与改定という問題に非常に大きな支障があるのではないかと思うのです。この点、私の思い違いかもしれませんが、もう一ぺん御答弁願いたい。

松浦功自治事務官(行政局公務員課長)

○松浦説明員 私が初めにお答え申し上げましたのは言葉が足らなかったかもしれませんが、先生からお尋ねがございました都道府県の職員の給与の平均が、全体で幾らになっているか、市町村が幾らになっているか、こういうお尋ねだと思いましたので——これは各都道府県には当然能力がないわけであります。私の方でただいま簡易な悉皆調査をやっております。それがまとまったら数字をお出しできるだろう、しかし、現在はまだ手元に集まっておりませんので、その数字を申し上げられないと申し上げたわけであります。各団体におきまして、五月一日現在の給与実態がどうなっているかということは、もちろんわかっておるわけであります。従って、その点は御了解をいただけるのではないかと思います。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 時間がございませんから簡単に政務次官にお尋ねいたしますが、昨年もある地方においては中央の自治省からこのような給与改定をやってはならないというような意味の一つの圧力的な勧告、圧力的な通達というものが出されておるという事実がある。そしてこれはこの委員会で取り上げられて、それは地方の実態に即してやるべきである、こういうようになったと私は理解をしたのでございますけれども、人事委員会そのものが——地方公務員法の第八条の人事並びに給与の問題の第二十四条に明確にありますように、そういうような財政的な問題にいろいろ圧力をかけて、地方自治体独自の給与改定をやれば、あとで財政的に見てやらぬというような問題を含めたような、率直に申し上げますけれども、そういう勧告をやってみたり、あるいはそういうような一つの圧力をかけてみたり、その自治体の自主性というものをなくするような中央統制をやるようなことが従来あったわけであります。これは私は非常に心配になるわけなんでございます。そういうことがあってはならないと思うのでありますが、その点どうですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 具体的な事実はまだよく存じておりませんが、自治省としましては、地方財政全般に関してお手伝いをしている立場上、時に応じまして御注意を申し上げたり助言をいたしたりすることはあると思いますが、これも程度の問題であろうと思います。あまり極端な事例があれば十分われわれも反省しなくてはならぬと思いますし、今後はまたそのようなことがないように注意して参りたいと思っております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 目の前に国家公務員の給与改定という事実の問題があるわけなんですが、それについては昨年のような財政的な問題について圧力を加えるというような勧告、通告というものはやらない、このように理解してよろしいですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 自治省といたしましては、先ほども申し上げました通り地方財政全般のごめんどうを見ておりますから、何らかの意思表示はしたいと思っておりますが、その意思表示の内容、限度に関しましては、圧力と感ぜられるようなことがないように十分注意をいたしたいと考えております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 何らかのという大へん含みのあるお言葉ですが、そういうような言葉でごまかされたのじゃちょっと明確にならないのですが、今までずっとお尋ねいたしました自治体のあり方なり給与の状態なり、あるいは給与改定の問題なり、具体的な問題から考えますと、何らかの通達をするということはどういうことですか。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 まだ現在のところは考えておりません。もう少し予算措置その他の作業が進みまして考える際において、御意見の趣旨を体して十分一つ注意して参りたい、こういうふうに考えておるわけです。まだ通達とかなんとか、そういう内容の問題は検討いたしておりませんが、従来の例もありますので、何らかの措置はとらざるを得ないだろうというふうに考えておるわけです。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 地方公務員法の二十四条で、地方公務員の給与のあり方というものは明確に法律的に示されておるわけですね。従って、それらの通知というものはする必要はないわけです。それによって地方で具体的に措置すればいいのであって、また人事委員会におきましても、中央の指令に基づいて勧告するようなことはあり得ないはずなんです。従って、それらの問題に、従来の例もあるから何らかの措置をしたい——これは去年実際問題として誤ったことをやっているのです。それをやってはならないということを、私はここで今強調しているのです。ただ単に独断的に地方自治に対して圧力的に中央で統制する、こういうような姿でやることは、私は地方自治の破壊であると思うのです。従って、そういうことはやってはならない、そういうことをやる意思があるかどうかということを聞いているのです。それを、従来の例もあるから何らかの形でやりたいというようになると、前の例を知っているのですから、おかしい結論が出てくるわけなんです。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 実は、普通の堅実な運営をやっておる自治体に対しまして、自治省として何ら介入する必要はないわけでございますが、何分にも四千近くの市町村がありますし、四十六の都道府県がありまして、その中には、自治省から見ましてこれは監督上どうしても黙っておれないというような極端な例等が出る可能性がある場合においては、何らかの措置をせざるを得ないだろう、こういう意味でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 もう少し具体的にお尋ねしますが、その場合には、そういう自主的な団体があるわけなのですから、たとえば一つの団体で、中央で見ておってどうも見かねるというような問題が起こった、こういう場合には、そういう団体と一ぺん相談をしてみて、あるいは意見の交換をやってみて、その結果で一つ措置する、そういうような意味であれば了解はできるのですけれども、何らか中央は中央、地方は地方だということで、一つの階層的なものの考え方で言われたのでは、今の答弁では納得できない。そこで、給与の問題は大事な問題ですから、これを一つはっきりしておいていただきたい。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 二宮委員の御発言のように十分注意して、まず具体的な例がありました場合に十分関係者で打ち合わせまして、それから善処したい、かように考えます。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 川村君。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ごく簡単にお尋ねをいたします。  先ほど伊藤委員から災害地の調査、地方財政にどのような影響を及ぼしておるかというような点について非常に詳しく御報告がありました。私はきょうは、その御報告に基づいてこれをどうするか、あれをどうするか、そういうことをお尋ねしようと思いません。時間もございません。十分一つ伊藤委員の御報告をお読みいただいて、適切なる施策を樹立していただくことをまずお願いをいたします。ただ一つお尋ねいたしますことは、例の問題になっておりました激甚災害の援助法に関する三条の規定でありますが、あの指定基準はもうきまりましたですね。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 御承知の通り激甚災害に対する特別の財政援助に関する法律では、具体的な災害はそのつど政令で指定をいたすことになっております。何年何月の災害を激甚災害として指定するという政令が出ますと、その際同時にその政令をもって、激甚災害法のどの条文とどの条文をその災害に適用するかということをあわせて指定をいたします。そういう指定がございますと、それぞれの条文がその災害について適用されていくわけでございます。ところが、その適用されて参ります場合に、各条文ごとにまた一定の適用されるべき条件が定められております。特に第三条でございますが、公共団体の管理します公共施設等の災害復旧につきましての条文が発動されました場合の基準を、政令で標準税収入に対する地方負担の割合を一定額以上でもって指定することになっておりますが、この部分は府県にあっては標準税収入の二〇%、市町村にあっては一〇%、こういうことに政令がなっております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 標準税収に対して地方負担が、県にあっては二〇%、町村にあっては一〇%、そのようにもう決定したわけですね。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 そうでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 それは委員会の審議を通じて考えてみた場合に、あの附帯決議に盛られた委員会の精神はそれでよかったのですかね。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 委員会の御決議は、府県にあっては一五%ないし二〇%、市町村にあっては五%ないし一〇%という幅をもって御決議になられているので、政府といたしましてはいろいろ検討いたしましたところ、さしあたっては二〇%、一〇%で一応この際は事態を進めよう、こういうことで政令が制定されております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 論議はいたしません。結論は、委員会の意思を尊重した政令ができておるとは判断いたしかねるわけでありますが、次官にお尋ねいたします。これはことしに始まったことではありませんが、自治省の皆さん方も非常に苦労しておられます。これはわかります。またすべてこの地方自治行政を担当している委員の諸君ももちろん真剣に地方自治団体の諸問題については取り組んでいただいておる。この中で今日問題になっておりますのは、いかにして行政水準を向上させるかという問題、あるいは後進地域の開発をいかにして進めるかという問題、あるいは地域格差の是正をいかにしてはかるかというような問題、このような当面の非常なる課題が自治行政の上には課せられているわけであります。これをはかるにはいろいろ大きな施策が必要でございまして、国、地方自治団体ともに取り組まなければならぬ各種の問題があることはもう言うまでもありません。ただ、その根本をなすものはどうしても地方財政の確立と申しましょうか、地方財政の充実、こういうものがないと、これはできないわけでございまして、私が指摘するまでもないと私は思うのであります。  ところが、先ほど伊藤委員からも御報告がありましたように、この災害が及ぼす影響というものはまことに大きく、積んではくずれ、積んではくずれる、いうところのさいの河原の石みたいで、せっかく努力して少しでも地方自治団体の行政が伸びていこうとすると災害でやられる。これはもうまことに残念なことであります。従って、災害の復旧ということについて十分なる施策を打っていかなければ大へんな事態に陥っていくことは申し上げるまでもないわけであります。そういう点から考えると、今の、せっかく委員会の非常な熱心な討議のもとに指定基準等の適正なる方途を附帯決議に示してあったのを、一〇%、二〇%という最高のと申しましょうか、従来の特例措置の最高をいったような形では、私は、地方の要望に完全にこたえていないのじゃないかというふうに思うわけであります。  そこで次官にお尋ねいたしますが、地方財政の充実には当面全力をあげて取り組まなければならぬと思います。地方制度調査会もここにいろいろ答申を出して何項目かの答申をまとめておりますけれども、次官、あなたのお考えの中に具体的に一体どういう問題が今構想されておられますか。地方財政を充実するためにこういう手を打っていきたい、こういう手を打っていきたい、その具体的なものがありましたら、ちょっと示しておいていただけませんか。私は、こういう問題は一つ皆さん方と一緒になって次の委員会の機会等に十分あらゆる角度から意見交換をやったらいいのじゃないかと思っておりますから、きょうはごく一部の問題についてお聞きをいたしておきたいと思います。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 非常にむずかしい問題でありますが、当面私としましては、明年度の予算査定にあたりまして、いかに地方財政の面から有利な地歩を確保するか、これに全力をあげて参りたいと考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 なかなかばくとしてわからぬですけれども、たとえばあなたの方の大臣は、来年度は地方交付税の税率一つを取り上げても、交付税率の引き上げは考えておられないというお話をあちこちでよくしておられる。ところが御承知の通り低開発地域工業開発促進法が通っておる。これらにいろいろと減税措置をやった場合には交付税を見ると言っておられる。新産業都市の法律にしてもしかり。そうなりますと、これについて一体どれくらい交付税というものを考えなければならぬか。もうほぼお考えいただかなければ予算要求もできないと思うのです。これらについて、今持っておる二八・九%のこの交付税のワクの中からそういうものを配分していこうという考えなのか。この辺のところの自治省の考え方はどうなんですか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 ただいま御指摘のございました低開発地域工業開発促進法に基づきます交付税上の措置、あるいは新産業の関係の交付税上の措置、これはいずれも、法律の規定に従いまして誘致されました工場についての固定資産税あるいは不動産取得税の減免を交付税をもって補てんをするという考え方に立つものでございます。これは現実にそういう事態が起きました場合になるものでございまして、今の段階においてどの程度の工場がどの地域にどのくらいできるかという問題は、なかなか予測しがたい問題でございます。ただ、従来の例から申しますと、そう一挙に巨額な金額になるものとは考えておりません。従来各市町村あるいは府県におきまして工場誘致条例というようなものを作って類似のことをいたしておりますけれども、その実績等を調べてみましても、そう大きな金額ではございませんので、このために特別交付税の税率を上げなければならないかどうかという問題は、必ずしも結びつくものではないというふうに考えております。  なお、新産業都市の建設を促進するという問題は、単に交付税だけの問題で片づく問題ではございません。その地域の都市計画なり、あるいはいろいろな環境施設の整備でありますとか、あるいは公共施設の整備でありますとかいう問題になるわけでございますので、それらのものにつきましては、現行制度の上において国庫補助金の制度もございます。また建設事業でございますので、起債という問題も当然考えて参らなければならないと思います。そういう面を総合的に考えて問題を処理していく、こういう考え方で進んで参りたいと考えておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 何でもそのように考えておられるから、いつでも後手々々といくんじゃありませんか。もちろん低開発工業地域の問題につきましても、実際あなたがおっしゃる通りです。そこでもっと極端にいうならば、せっかく七十幾つかの低開発地域工業開発促進法の指定をしたが、一切工場なんか行ってくれるなよ。そうするとそういう財政措置をしなくて済む。これが一番簡単です。そうなると、地域間の格差の是正であるとか、後進地域の開発であるとか、これはお念仏に終わるわけでしょう。そこがやはり自治省の考え方として私は消極的だと思うのです。実際はあなたのおっしゃるような形になっていくと思う。また企業が簡単にこういうところに行こうと私は思っておりません。思っておりませんけれども、これくらいの交付税措置を用意するというアドバルーンでも上げてごらんなさい。そうすると、それを受け入れるところの指定地域の諸君は条例の制定もしやすいでしょうし、非常に工場を誘致する促進剤になりかねないということも言えるわけですね。そういうところに私はやはり一つの問題があるのじゃないかと思います。  きょうは時間がありませんから、もうこれ以上申し上げませんけれども、こういう点を十分私たちは考えていかなければ、どんなに地域間の格差の是正だとか、あるいは後進地域を開発するだとか言っても、旧態依然たるものであって、どこかの先進地域だけが相変わらずふくらんでいく。都市集中を防ぐと皆さんがおっしゃってもだめなんです。こういうようなことが言えるわけですね。いつか委員会で与野党の皆さん方一緒になって、こういう問題は一つ真剣に論議する必要があるのではないかと思います。十分一つ御検討願いたい。最後にこのことをお願いして私の質問を終わります。

藤田義光自由民主党自治政務次官

○藤田説明員 非常に自治省にとりまして力強い御発言がありましたので、私から最後に一言お答え申し上げておきます。  実は人と産業と地域の格差を是正するための行政という面が非常に複雑多岐にわたって参りましたので、現在自治省におきましては財政投融資計画を立案中でございますが、その財政資金の面におきましても、ただいま御指摘の低開発地域あるいは新産業都市等に関しましては別個の地方債のワクを確保したい、あるいはまた国庫負担金の是正、たとえば学校建築単価の引き上げという問題あるいは一般交付税の来年度予算要求に対しましても、従来の実績を相当上回るものを要求しようということで準備をいたしておることだけは御報告申し上げておきます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 松島参事官、あなたが先ほどおっしゃった激甚災の指定基準の問題ですね。これは県の場合二〇%、市町村一〇%というのはもう確定したのですか。政令として出たのですか。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 政令が公布になっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 その過程を少し聞いておきたい。あれはその適用については二〇%ぴたっといく場合、たとえば県の場合、藤田さんは熊本県出身だが、熊本県はその中に入るか入らないか、それは松島さんどうなんです。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 今の段階で入るか入らないかというお尋ねでございますけれども、災害につきましてはあの法律にございますように査定をいたしまして、査定の結果現在の激甚法以外の法律を適用いたしましてその上で地方負担を一応出してみるわけでございます。その地方負担が本年度でございますと昭和三十七年度の標準税収入に対してどういう割合になっておるかという割合を出すわけでございます。まだ査定の進行中でございますので入るか入らないかということを確言いたすことはちょっと困難でございます。なおもう一つ、先ほども最初に御説明申し上げましたように、災害が発生いたしました場合に、まずその災害自体が激甚災害であるかどうかということを別個に政令で指定することになっております。この政令はまだ公布になっておりませんので、本年度の災害のどの災害が激甚災害になるかということはまだきまっておりません。それがきまりましてから、今申し上げましたような手続を経てさらにきまっていくわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そのことはそうなんです。それはその手順の御説明であって、何も政令の性格、内容の御説明じゃないのだ。私の言うのは、そういう手順をもって各県なら各県が、市町村がそれぞれ計算してもうそんなことはわかっておる。数字が出ておるはずなんです。今の二〇%にきめる、一〇%にきめるというときに議論になったのは、九州の災害は佐賀県がどうやら入る程度であとは入らぬであろう。ここで県の問題が問題になったでしょう。だから二〇%に一応きめたといったって、委員会の附帯決議の無視して一番最悪の状態できめておいて、熊本県、長崎はどうなるのだ、こんなことをあなたの方は計算の上できめた。残念ながら熊本県も入らないことになりましたと、あなたそれをおっしゃってもいいじゃないですか。政令がきまっておれば、非情であろうが非人情であろうが、きまったことの性格ははっきり言っていただかなければ、あのときの政令の内容というものは、われわれはそのことを中心にしてずいぶん紆余曲折を経た後の表現ではなかったか。それを無視されたということに対してはわれわれは納得できない。たとえばいろいら検討したけれども、残念ながら熊本県などは今回は入らないことになりました、法律適用はできないことになりました、その政令の内容はこういうことでございますとおっしゃって下さるならいい。一ぺん言って下さい。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 今申し上げましたように私ども事務屋でございますので、計算前においてこうなりましたと申し上げるわけには参りませんが、おそらくは今先生御指摘の通り、熊本の場合は該当しないこととなるであろうという推定はいたしております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 あなた方きょう政令がきまったとおっしゃるから、私はその政令に対して当委員会としては非常に不満だということを申し上げておるのでありまして、熊本県は次官がいらっしゃるから次官に敬意を表してこの際富裕県の扱いをした、この次には災害の起きる場合にはその基準を下げて、あらゆる他の後進県に対しては迷惑をかけないようにする所存である、こういうことであろうと思うのですけれども、この結論というのは非常にけしからぬ結論なんですよ。もうちょっと委員会の経過というものも考えて、たとえばその二〇%には上下の幅あり、一〇%には上下の幅あるんだということならばこれはわかる。それは幅はないのでしょうね。あるんですか。あるならばわかりますがね。

松島五郎自治事務官(大臣官房参事官)

○松島説明員 ございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 今後さらによく検討してほしいと思う。あだやおろそかであんな激烈な議論をして政令の内容をきめたわけじゃないのですよ。それは二〇%、一〇%にきまったということは不本意千万な話です。今後十分にさらに推敲をしていただきたいと思います。きまったことですから今それをどうするというわけにはいかないでしょうが、特に松島参事官はその方面には何しろ相当理解があったはずなんだからしっかりしてもらいたい。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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