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41回国会衆議院1962/08/31

地方行政委員会 第7号

発言数
117
登壇者
16
会派数
2
開催日
1962/08/31

会議録

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより会議を開きます。  警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私は、相模川ダム放流により多数の死傷者を出しました件につきまして、最初、河川局の次長さんが御出席になっておりますので、お尋ねをいたしたいと思います。  河川法から見ますと、ダムの水を台風等の異常洪水のあります場合などに放流する、この際の手続はどのようになっておるでしょうか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまダムの放流については河川法上どういう手続になっているかというお尋ねでございますが、ダムにつきましては、御承知のように、治水上の目的を果すために河川管理者がやるダムと、利水を目的とするダムがございまして、電気あるいは工業水道用水などのために主として利用されるダムがその後者に当るわけでございますが、今お尋ねの点は、後者の方に該当する問題でございます。この利水を主とするダムの放流について、河川法の立場からどういうふうになっておるかという点についてお答えを申し上げたいと思います。  河川法ではそういうダムは河川工作物ということになっておるわけでございまして、河川管理者の許可を受けて築造することになっておるわけでございます。その放流その他いろいろ管理に関する問題につきましては、ダムの操作規程というものを工作物の設置者がっくりまして、これを届け出るようになっておるわけでございます。これは河川法基づく河川堰堤規則というのがございまして、この規定によって操作規程を河川管理者の方に届け出る、こういう建前になっておるわけでございます。この操作規程によってダムの操作を実施しておるというのがただいまの制度上の手続の内容でございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それは、たとえば電力会社が発電用のダムをつくります場合も、農林省等が農業用水ダムをつくります場合も、建設省の多目的ダムの場合も、すべて同じでありますか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 先ほど申し上げましたように、洪水調節を含みますダムは、洪水調節をやること自体が目的でございますので、利水専用のダムと構造上また内容的にも違っているわけでございまして、利水を目的とするダムにつきましてま、発電の場合は発電のための操作が主になっておりますが、それに河川管理上必要な操作をやるようなことをあわせ考えられているわけでございまして、中身としては二通りに分けて考えられるということでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 洪水調節のダムは別だ、こういうことになりますれば、利水ということになれば農業用ダムは利水ですね。従って、これは堰堤規則によってダム操作規程をつくって届け出なければならない。それから発電用のダムもまた同じく利水でありますから、堰堤規則によって操作規程をつくって届け出なければならぬ、こういうことでございますね。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 その通りでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それではちょっとお尋ねをします。発電用のダムをつくる、これは管理者がほとんど道府県知事だと思いますから、道府県知事の方にそのダム操作規程というものをつくって届け出ておけばよろしい。それから、農林省の農業用ダム、これもまた操作規程というものを都道府県知事に届け出ておけば手続上よろしい、こういうことになりますか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 原則としてはその通りでございますが、普通の場合は、発電刑のダムと農業灌漑用のダムとをあわせてつくっている場合が多いわけでございまして、それが一緒になって操作規程をつくっておるというのが現状は多いわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 それでは操作観相というものが、今後のダムの洪水調節——調節というとおかしいですが、洪水の際におけるところのダムの操作というものの基本規程である。だからその堰堤操作規程というものについて、これは建設省は相当何か基準的に、こういうことはその中に盛らなければいけないというお示しがあっただろうと思うのですが、そういうことに対するあなた方の何か基準はございますか。堰堤操作規程をつくるについて、これはぜひきめておかなければならないというような……。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 利水を主とするダムの操作規程につきましては、先ほどから申し上げておりますように、届け出になっておるわけでございまして、特にこれについて内容的な基準その他についてはまだ明確にはいたしていないわけでございますが、しかしながら内容的な問題につきましては必要があれば変更を命ずるというようなこともあるわけでございまして、内容的に申しますと実際上の指導をやっておるわけでございます。このダムの操作につきましては昨年米、また数年前からもそうでございますが、災害の際にいろいろと問題が発生いたしておりまして、これがダムによるのか、あるいは自然災害によるのか、いろいろな点にむずかしい問題があるわけでございますが、特にこの操作規程について、私どもはできるだけ操作によって事故を少なからしめるようにというような建前から、実は先般来ダム防災のための連絡会議を設けまして、これは関係の通産省や科学技術庁その他運輸省等の関係省と共同いたしまして、ダム操作に関するいろいろな問題を検討しているわけでございます。この検討の中身は、主としてただいま御指摘になりましたような操作規程の問題に触れる点が相当あるわけでございまして、このダムの防災会議においてある結論が出ました際には、私どもはそれを一つの基準として、今後はそういう面の関係者に対する指導面に実際に使って参りたいというふうに考えておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 従って、建設省としては、ダム操作規程については相当重大な関心を持って御指導なさっていらっしゃったと思う。  そこであと水防法について続けてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、水防法の十条の四、十条の五には水防警報という取りきめ、あるいは水防団や消防機関の出動という取りきめがあります。この水防警報であるとか水防団等の出動という規定は、ダムの放水が非常に危害を及ぼすおそれがあるという点からおきめになったと思うのでありますが、堰堤規則以外に、この水防法に基づいてあなたの方はさらに詳細なる被害防止並びにダムの機能を全うせしめるという方策は何かお考えになっていらっしゃいますか。水防法上の処置、対策というものをお尋ねしておきたい。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 水防法の水防活動とダム操作との関係でありますが、水防法は御承知のように、異常な気象的な条件によりまして水防活動をする必要が出て参った場合に水防活動が開始されるわけでありますが、水防活動の前提となる条件と申しますか、問題を申し上げますと、たとえば河川について申し上げますと、河川の水位が警戒水位以上に上がる、こういうような場合から洪水予報に従い、さらに水防警報が発せられまして、水防活動に移るわけであります。しかしこのたび相模川で起きましたような場合は、一般的な警戒水位まで達しないというような場合におきましては、まだ水防活動にまで至っていないという場合もあるわけでございまして、いわゆる一般的な水防活動が行なわれます段階においては、水防活動が全面的に動いてくるわけでありますが、まだその段階に至らない場合には、これはダムの操作規程に基づいてダムの操作をやる、こういうことになっておるわけであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 水防活動に移るか移らないかということは、これは認識の問題がありますが、制度としては堰堤操作規程というものが、すべて安全というものを目的にしてつくられておるべきはずである、こういう主管省としての建設省の御回答であると思いますが、堰堤操作規程というのは、従って建設省ではそれぞれ目を通していらっしゃる。神奈川相模えん堤操作規程によりますと、第十一条に洪水警戒体制というのがあって、「主任者は、気象特報が発せられたとき又はえん堤の上流に降雨があったとき出水の恐れがあると認める場合には、こう水警戒の体制を編成しなければならない。」、それから第十二条に洪水警戒体制を命じたときの処置というのがありまして、その五号に「有線電話その他の方法により相模川水系各水防機関、津久井警察署長、津久井えん堤主任者等との連絡を計ること。」、これは主任者の任務になっておるのでありますが、また緊急の場合の処置というのが十三条にある。「主任者は、非常事態に遭遇したときは、適宜の処置をとらなければならない。但し、事後すみやかに電話、無線その他の方法により管理者に報告し、その後の処置について指示をうけなければならない。」とある。この内容は、あなたの方でごらんになった場合、あなたの方の規則その他通達に違反したものは別にないのでありますね。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまお読み上げになりました点ですが、今回の事故にかんがみまして私どもも操作規程全般について、十分ではございませんが、一応検討いたしたわけでありますが、これは昭和二十八年にできたわけでありまして、現在各ダムでやっておりますのと比べまして、必ずしもこれが十分といえないと思いますが、まず私どもはこの操作規程はほぼある程度の内容を満たしておるもの、かように考えておるものであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで、これはどなたにお尋ねをしたらよろしいでしょう、いろいろお調べになった方からお答えをいただけばよろしいのでありますが、神奈川県企業庁電気局津久井事務所、ここには無線の装置はあるのでございますか。

伊藤道夫建設技官(河川局開発課長)

○伊藤説明員 津久井事務所から近くの津久井土木出張所に電話しまして、そこから無線で各土木出張所その他に連絡するというふうになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 この津久井の土木出張所にあります無線は、どことどことどこが受ける能力を持っておるのですか。

伊藤道夫建設技官(河川局開発課長)

○伊藤説明員 津久井、厚木、平塚各土木出張所、それから砂利管理事務所、それから、砂利を採取している砂利船、そういうところには通ずる。砂利船は自主的に無線を受ける機械を持っておることになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 無線によって管理者に報告するとあるのだから、管理者というのはこの際知事じゃありませんか。知事が、いわゆる県庁が受けなければならないわけでしょうね。この操作規程によりますと、そこのダムの主任者が無線を使って管理者に報告するというように、無線を使う場合を昭和二十八年のときにきめておる。ところがその無線というのは土木出張所にしかないということになると、ダムの事務所にはないのですね。

伊藤道夫建設技官(河川局開発課長)

○伊藤説明員 はい、そうであります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 三輪局長にお尋ねをしますが、警察庁の方からごらんになって、神奈川県相模えん堤操作規程というのを御承知になったと思いますけれども、普通の洪水警戒体制のときの処置としては、津久井の警察署長のところへ有線電話あるいは他の方法で連絡をすればいいということになりますと、きのうのお話ではお電話があったというのであって、まあ電話だけはどうやらつながっておる。しかし電話が不通になった場合には、これはその他の方法ですから伝令、駅伝方法ですか、伝令による連絡——手旗信号では届かぬでしょうから、何があるでしょう。電話が不通になると、無線その他の方法によって通達を受けられる設備があるのですか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 電話がありません場合には、今のように無線の設備が両方の間にございませんので、県庁なり土木出張所なりに御連絡があったら、その系統から連絡がくるわけです。もちろん警察と、県庁にございます県の警察本部との間には、これはもう無線があるわけでございますから、そういう系統で流れてくるということになると思うのでございますが、本件の場合は有線電話がございまして、有線電話で連絡を受けるということになっておるのでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 消防庁の方にお尋ねをします。水防法十条の五による水防団及び消防機関の出動という点があるのですが、こういう台風等の洪水時におけるダムの多量の放水に際しては、消防団もまた非常警戒体制に入らなければならないだろうと思うのでございますが、そういうことになっておるのですか、それともおらないのでしょうか。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 お話の通り、警戒体制に入ることになっております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 警戒体制の内容を一つ御説明いただきたい。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 水防法に基づきまして、水防管理者に出動を命ぜられて出動いたします場合と、消防団自体がその市町村長の指揮のもとにおいて警戒に入ります場合と一通りございますが、いずれにいたしましてもお話のようなときには、河川防護並びに災害の防御に当たるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 川合さん、消防庁として、一たん水がくるときには足もとをすくわれて濁流にのみ込まれるという例がしばしばあると思うのです。これは鉄砲水のおそろしさというのでありまして、そのために思いがけない事故が起きるのですが、ダムの放流をするから河川の流域全体にわたって消防団を出動せしめるというようなことが、かつてあったことを聞いておりません。あなたの方の警戒体制というのは何をやるのですか。ただそれは電話機の前で、電話がかかってくるのを待っている、いわゆる水難事故が発生するのを待っておるのでございますか。水難事故が発生するのを待っておるというのが、あなたのおっしゃる警戒体制の内容ですか。その辺はどうでしょうか。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 お尋ねの点でございますが、水防、消防機関は、御承知のように消防団員はほとんどが水防団員であるわけでございますので、消防団員としてお目にはとまらない場合もあるかもしれませんが水防団といたしましては、災害の場合でございますけれども、お尋ねの場合に河川の警戒に当たっておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 私の言うのは災害の場合に河川の警戒に当たるという、この災害ということを、ダムの水を放流する場合を考えてみて、ダムの水が堰堤を離れたとたん、それが災害とみなされるのか。ある一定の、今度の場合なら六人なら六人を完全にのんでしまった後から災害であるか、のまない直前か、のんだ直後か、どこから災害ということになるのですか。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 この相模川の場合におきますと、私どもの活動は、災厄が越きてから、こういうことになると思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そこで河川局の次長さんにお尋ねしますが、今のようにあなたの方のダムの操作規程というものをつくればよろしいということに河川法並びに堰堤規程でなっておるわけですね。ところが操作規程というものは、連絡をすればよろしいということになっておる。連絡を受けた方というのは、まずもってそれぞれのところに、警察の方は駐在所まで行きまして、駐在所から駐在員が釣船だとかあるいは砂利業者とかあるいは釣人たちに対して、一応口頭連絡か何かで緊急事態を告げればそれでよろしい、いわゆる水防団、消防団の活動は、災害が起きなければ、水難事故が起きなければ出動しないのだということになっておる。そうすると相模川の六人が生命を奪われたというこの事件は、起こるべくして起きたということですね。堰堤操作規程をつくろうが、無線機を備えつけておろうが、消防団、水防団の組織があろうが、あなたの方から想像された結果というのは、ああいう場合には当然水死者は出るんだ、今の組織と規程ではどうしようもない、こういうことになりますが、そういう御予想でいらっししゃるのですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいま御指摘の点、水防法上の関係からまず申し上げますと、先ほども申し上げました通り、水防活動が始まります。水防団や消防団が出動の体制をとりますのは、水防法の十条の五にもありますように、河川の水が警戒水位に達したときにそういうことになるわけでございまして、それに至ります前は水防団の活動がないわけでございます。しかしながら、ダムによって放流いたします場合には、そういう警戒水位に達しない場合もあるわけでございまして、そういう場合にはダム操作規程の定めるところに従って、できるだけの万全の措置をして、事故が起きないように関係方面に連絡をして、河川の関係による被害がないように万全を尽くすべきである、そういうふうに考えるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 今おっしゃったことは、言葉の上ではその精神というものがあるのだろうということと私、理解できますよ。万全の措置が講ぜられておると思う、講ずるつもりでおる、事故が起こらぬように連絡すべきであると思うと、これは無事故を念願をしていらっしゃるということだけはわかる。けれども、消防庁の方のお考えでは水難事故が起きなければ災害にならないのだ、今のあなたがおっしゃったが、警戒水位に達しなければ消防団や水防団の出動がないとおっしゃったが、「その他水防上必要があると認めるとき」という「その他」というのもあるのです。この「水防上必要がある」というのは人間の命には関係ないのですか。ただ堤防に穴があいたり、堤防がこわれたり、橋が流れたりすることだけだというならば、この字句は直してもらわなければならぬ。その辺どうですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 お話のように「警戒水位に達したときその他水防上必要があると認めるときは、」とございますので、特に消防団あるいは水防団の活動が必要な場合と諸般の情勢から判定されたならば、そういう出動をさせまして、水防体制をしくべきであったかと存じますが、今回の場合には、河川における水の最からいけば、まだそういう事態に至っておらなかった。私どもといたしましてはさらに通信連絡等を整備いたしまして、関係者及びその河川の付近にいる人についても、もう少し徹底した措置をさらに今後も検討していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 三輪警備局長さん、昨日お尋ねいたしました過去の例において水難者、死亡者を出したという点、何かお調べ願ったでしょうか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 ここ二年ほどということでございましたので、手元にありますものの中から調べたのでございますけれでも、死亡者が出、もしくはきわめてそれに危険があったという事例として三例ございまして、きのうお言葉の中にありました愛知というのはこれからと思いますが、愛知県豊田市におきまして三十五年八月十一日、台風十一号の例で、これは砂利採取作業中の二名のうち一名が流失、行方不明になったという事故でございます。そのほか三十六年十月二十七日、岡山県の旭川第一堰堤の放水によるものでございますけれども、これは砂利船が危険に瀕したというので、これを予防しようとした四名が非常な危険な状態になりましたが、警察が必死に救助いたしまして、これはどうやら無事に救助し得たという事例でございます。それから三十七年の七月二十七日、台風七号の通過時に三重県度会郡小俣町で、宮川ダムの放水でございますが、これは幸いにして人身事故は避けることができましたけれども、これもダムの放水によりまして汁谷川というのが著しくはんらんをいたしまして建物が床上浸水まで受けたという状態、これはその住民をようやく救助して事なきを得たということでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 河川局次長さん、今、三輪警備局長さんがおっしゃったように、この二年ほどの間にも数件のいろいろな災害が起きておるわけです。治水、利水の必要上、ダムというものがますます必要になってくる今日、このダムの操作規程というものがなおざりになっておりますと、生命、財産、その被害というものはおそるべきものがあるということが想像されるのです。ただ通報したけれども、あの長い川幅、を全部漏れなく通知をしたり、あとからその川の中に入る人をとめることができないような今制度になっておる。よほどこの操作規程そのものの内容に検討を加えて万全を期するものがなかったら、予防ができないわけですね。災害の予防ができない。防災上の配慮というものがさらに一そう必要じゃないかと思うのですが、今後こういう事故の再度発生することを避けるために、根本的に防災上の配慮を加えるということが、法制上あるいは実際上、技術上において必要だと思いますが、その点いかがでしょう。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまお話がございましたように、治水の面からしましても、利水の面からしましても、ダムの建設が増加していくことは御指摘の通りでございます。また先ほどお話がありましたように、最近、昨年の災害、あるいは今年の災害におきましても、ダムに関係があるといわれる災害が随所に起こっておるわけでございまして、これに対しまして根本的な考え方、対策といたしましては、先ほども申し上げましたように、まず特に治水上の、いわゆる洪水調節を主とするダムはそれが本来の使命でございますから、これは十分、もちろんやるわけでございますが、洪水調節以外の利水を主とするダム、この操作によっていろいろの問題が発生するわけでございまして、特にこの点につきましては、先ほど申し上げましたように、特に発電ダム等における事故も若干あるわけでございますので、そういう発電ダム等の操作規程を今後どうしたらいいかということにつきまして、いろいろ検討を進めておるわけでございます。天竜川筋などで申し上げますと、各電力会社のダムが各所につくられておる。しかしその間の相互連絡も必ずしも現在の制度では十分ではない、こういう点もいろいろあるわけでございますので、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、建設省と通産省、科学技術庁、気象庁その他関係省が、総理府が主宰いたしましてダム防災対策の連絡会議をつくりまして、これは三月のころだったと思いますが、そういう連絡会議を内閣に設けることにいたしております。そして、その中の、ただいま検討いたしておる内容と申し上げますと、ダムの操作によって事故をどうして防止したらいいかという点を主として検討いたしておるわけでございます。そのほかにも、ダムの構造の問題、その他いろいろな基本的な問題もありますが、特にダム操作による事故を少なくするために、まず通信連絡施設等の整備その他を含めまして、ただいま検討を進め、すでに幹事会等を開きまして、逐次その内容の整備をはかっておるわけでございます。いずれ、この内容が完成いたしますと、関係のところには、それぞれその基準に即したダム操作規程を今後つくるように、私どもも考えて参りたいというふうに今のところ準備いたしておるわけでございます。なお、出水町におきましては、特にこういうダムによる事故が繰り返されないように、私どもといたしまして、出水対策として、各都道府県及び建設省の地方建設局等を通じまして、ダム操作に対しては特にいろいろな点から留意をするようにということを、再々これは注意をいたしておるわけでございます。  なお最後に、今回の事故につきまして、ただいまとりあえずの対策として考えている点を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、今度の場合は警戒水位まで達していない、こういう状況でなお事故があったわけでございますので、今後とりあえずの対策としては、二つの点を考えておるわけでございます。  まず第一は、警報、サイレンの問題でございます。警報、サイレンは現在ダムの約二十キロ近くのところまでに六カ所設けてあるわけでございますが、今後はサイレン車をつくりまして、ダムの放流に際しましてはこのサイレン車を河川沿いに走らして、放流に際して関係者に注意を喚起する措置を考えたらどうかということを考えておるわけでございまして、これは至急に具体化したいと考えておるわけでございます。  第二点は、現在約百カ所くらい掲示場ををつくっておるわけでありますけれども、さらにこれを区域等を拡張いたしまして、それ以上の区域に掲示場を増設して、できるだけ関係者にそのダムのあることとまた放流等による場合の考え方等について掲示をする、こういうことをただいま応急的にとにかくやりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 建設省としては河川法並びにダム法の主管省として、大いにダムの放流の事故を防止する対策を一つ考えていただきたいと思う。  今までのお話を承りまして、三輪さんに人命を預かる警察庁としての御所見を承りたいと思うのでありますが、連絡とか通知ということはなるほど一応やりますが、周知徹底ということは言うべくして実際不可能なことなんです。だから科学的な方法によって、たとえばサイレンを間断なしにといっては何ですが、何分置きに吹鳴するとか、何か必ずこれはあぶないという危険感を人間の心の中に植えつける方法があろうと思うのです。少々予算の支出をしてでも、交通事故と同時に、こういう水の事故を防ぐような方策を、警察庁としても力を入れていただきたいと思いますが、どうでございますか。何かこれから絶滅をするということについて御用意がおありでしょうか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 昨日もお答えいたしましたように、今警備実施計画によりますと、お言葉にございましたような関係者に漏れなく通知をし、その関係者はさらに自分の責任のもとにあります通知先に対して通知をするということで、むしろ常時そこで仕事をいたします方々あるいは地元の方々への周知は、割合に容易であり、確実であると思うのでございますけれども、今の釣のようによそから来て、その危険性の理解が少ない、あるいはまた警告をしたそのあとに知らずに入ってくるというようなこともあり得る、そういう人にまで徹底をする警告の問題につきましては、これは実にむずかしいことだと思うのでございます。そこで今御指摘の、サイレンを川沿いにつくり、ある瞬間を置いて吹鳴するという措置もいい方法かと思います。さしむき神奈川県におきましては、相当の音が出ます電気メガホンというようなものを河川に沿います駐在等に備えて、自身もしくはその依頼によります水防団員等が堤の上から警告いたしますことが有効であるというような措置をさっそく講ずるということでございます。これも一つの方法かと思います。ただサイレンというようなものを設置いたしますということは、——まあ人命の救助、そういう危険の予防ということについて、警察の責任はもちろん第一次的にあるわけでございますけれども、河川の堤防にそういう設備をするということになりますと、これは警察側の仕事ということにはなるまいかと思いますので、現地でその他形に応じていろいろ検討いたしました上、できるだけすみやかに河川管理者の方あるいはダム管理者の方にそういう要望をいたしまして、そういう設備をできるだけすみやかにやってもらうような努力を警察としてもいたしたいと思っているところでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 三輪さん、責任論というよりは将来の対策として、人命を尊重する、人命を守るという観点から、警察当局としても大いに建設省並びに消防庁などに対して御助言をいただきたいと思う。特に電話等によって次から次へと伝言するということがいかにあぶないかということは、戦時中にわれわれは十分体験をしておりますね。西へ向いて行進しろという伝令が、最後には東へ向いて行進せよというようになっているというようなことがしばしばあるのです。だから五十トンの放流というのが実は八百トンですか、八百トンの放流になったとかどうとかいうような間違い——間違いであったかどうか知りませんけれども、しばしば、口から口へ伝える、あるいは電話から電話へという方法をとれば、それぐらいのことが起こりがちです。あぶないということが安全ということにもなる。もっと科学的に、科学的警察の本領を発揮して、そんなところでもたもたせずにアユ釣の釣人であろうが、子供が来ようが、それは絶対にさせないぞというようなかまえで建設省に対して意見をおっしゃって、消防庁に対してこうだということをおっしゃっていただくぐらいの決意をお願いしたい。  それから消防庁にお尋ねしたいのは、川合さん、あなたの方も水害が起きてから出るというような難儀屋さんにならずに、もっと早くやりなさいよ。警戒警報が出た、あぶないというときには、あなた方は出勤するかまえを見せていく、サイレンが鳴るでよかろうとか、それではあぶないですよ。三輪さんはおっしゃったけれども、なかなか連絡がうまくいかないから昭和三十五年の八月の台風十一号の際における豊田署管内の砂利採取業者のトラックが流れ、運転手が死亡したということもあった。これは釣に来た人ではない。常時来る人がやられた。口から口というような、神武天皇の時代のようなやり方というのはやめてしまったらいい。そして川合さんもぜひ一つ、水害が起きてからだ、水防するのは災害が起きてからだというようなことにかまわず、もうちょっと前進してもらいたい。特に今回地方防災会議というようなものが構成されましたから、この地方防災会議などにおいてそういう点は大いに討議してもらいたいと思うのですが、その点どうですか。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 どうも私の答え方がうまくございませんで、先生から葬儀屋みたいなお話を受けましたが、決してそうではございませんで、相模川の場合は、管理規則によりますと私どもの方の連絡はないということに、——ないというとおかしいのでございますが、連絡網の中に入っておりませんので、相模川の場合は警察からの連絡によりまして、消防機関が協力したわけでございます。お話のように前進的にものを考えて参りたいことは私どもの常々考えておりますところで、災厄が起きましてからと申し上げましたのは言葉が不正確でございまして、この場合のダム放流の場合に、放流するときに私どもが出動をするということにはなっていないということを申しましたが、そのような危険な状態になりましてからは、私どもも決して事故が終ってからというのでなく、事故が起きんとするときには出動をいたしているわけでございます。  なお、お尋ねがございましたように、ただいま地方防災会議ができかかっておりまして防災計画をいろいろつくっているわけでございますが、そのときに、ことに市町村の段階におきまして私どもへいろいろ地方から意見も出て参りますし、私どもも指導と申しますか、助言をいたしておりますが、その場合私どもは、この連絡網と申しますか、いろいろ災害の起きますときにあたりましての通信連絡の問題が一番大事であるから、この点につきまして、まず防災計画の第一歩としてこれに十分心を配ってもらいたい。ことに市町村長の旗本と申しますか、消防機関は市町村長をよく助けて、かかる問題につきまして市町村長が人命のあるいは財産の問題につきまして重大な関心と責任を持たなければならないことでございますから、災害の防御の意味におきまして、通信連絡につきまして十分間違いのないように、また実情的でありますように、また科学的でありますように、消防機関がその点について十分努力をしろ、かようなことも言っております。御注意にもありましたように、今後災害の問題につきまして、私どもはできるだけ、事の起きてからでなく十分に努力いたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 だから、消防精神にのっとって、あるいは警察なら警察の精神にのっとって、基本的な精神にのっとってこういう問題を見てもらいたいと思うのです。何も今までおやりになったことが、必ずしも手続その他において誤りがあって、重大な過失があるとは私も思いません。思いませんけれども、ずっとやっていくと、現在の水のおそろしさというものと、この諸般の制度というものがマッチしてないということだけは明らかですから、十分一つ人命だけは守ってもらいたい。昨日ちょうど話をしております直後に二人ほどあの世から帰ってきまして、きのうの夕刊かけさの新聞に出ておるじゃないですか。二人死体となって現われたでしょう。これはほんとうに死んだのだから、行方不明というのはどこかに生きているというものではない。あと四名はどうなるか。これは一ぺん川合さん消防庁長官によく伝えて下さいよ。あなたの方がぼんやりしていらっしゃると、あとの四名は、これはまだ上がりませんかどうか知りませんが、魂魄この世にとどまって、消防庁や警察庁を恨むということがあっては、地方行政委員会といたしましても残念ですから、ぜひ一つ十二分なる対策を講じていただくようお願いをいたします。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 関連。昨日からの質疑の段階で問題になりますことは、相模川の場合には予報されたところのトン数以上の水が放水をされておるということに問題があろうかと思うのですが、これは三輪局長もそれがあれば問題である、こういうような答弁を昨日されたわけですが、河川局次長の方でその後の調査によって、一体予告をされた水よりも、これは私はきのうの答弁ではちょっと常識はずれの放水量であるというように考えるわけですが、危険水位にまだ達していないからと甘く見て、非常な多くの水を放水したのではないかという疑いが一つ持たれる。その点についての調査の結果は、把握されておる実態はどうですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまのお尋ねは、予報した内容よりも実際に出た水が多いではないかというようなお尋ねかと存じますが、最初に予定いたしましたときには、相模ダムにおきまして——これは相模ダムのほかに道志ダムというのもございますが、相模ダムの場合について申しますと、午前十時から五十トンないし百トンの放流を予定する、なお今後の降雨により放流量を増加いたします。こういうような通報をいたしておるわけでございます。このような比較的わずかな数量で通報した。ところが実際の出た水はもっと多かったではないか、この点でございますけれども、この時刻までの雨量、そのときのダムの管理者の立場における予想というのは、この程度しかできなかったのではないかというふうに考えられるわけでございまして、水の量がどんどんふえて参りますと、自然放流量もふえて参るわけでございまして、実際に最大のピークに達しましたときには、六百二十トン程度の水が相模ダムから出ておるわけでございます。しかしこれは流入量以上の水ではなくて、流入量以下の水になっておるわけでございます。従いまして、ダムの操作の原則といたしましては流入量以上に出してはならない、こういう建前になっておるわけでございますが、まず流入量以下であるということ。ただ放流の通知をもう少しこまかく刻んで、今から何トンあるいは今から何トンということをもっと明確にすれば、あるいはその点については完璧であったかと思いますけれども、その当時の状況では、放流の最初にあたりましては、五十トンないし百トンの水を放流する、しかし午後の降雨状況によっては増加するというのはやむを得なかったのではないかというふうに考えるわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 これは警察の答弁にも通ずることなんですけれども、ちょうどたまたま日曜日であった、台風十四号が近づいておったという事実、どの辺に雨量計があってどういう雨量が測定されておったかということは、はっきりわかりませんけれども、新聞の報道によりますと、六時間に四十九ミリ程度であったということも報ぜられておるようであります。しかし私は、そういうような雨量計の問題ということよりも、流域面積とその河川に影響するところの流量、それから河床と堤防との相関関係、こういうような問題、それから先ほど申し上げました日曜日であり、相当に釣をする人が来ておるであろう、あるいは台風の襲来がはっきり予報されておるのでございますから、そういうようなものを総合されまして、朝わずかに五十ないし再トン程度のものしか放水をしないという予報をすることは当然であったというようなことではなくて、いま少し科学的、総合的な問題としてこれを考えていかなければ、ダムをつくることによって今後とも非常に災害がふえていくであろうということが心配をされるわけなんです。流す量が流入するところの流量というものの以内であったからいいのだ、こういう解釈は、これはまた川が非常に海に近い場合には千満の状況というようなものも十分考慮しなければ、私は放水の問題はそう簡単に踏み切るわけには参らないので、そういうことが総合されて非常に被害を及ぼしてくるというのが川の実態ではないかというふうに見ているわけです。ただ問題は、とにかく六倍ないし七、八倍という予報とは違った放水をしたというところに、操作規程にもとやかくの問題はあろうと思いますけれども、事故を起こした大きな原因があると思う。それにはさっき申しましたようないろいろなプラスの悪条件が重なっているというふうに考えるわけでありますけれども、今回は六人というとうとい犠牲者を出したわけでございますし、もしヘリコプターその他がなければ、なお数多くの者が生命を失っておるのではないかと思われるような状態があったわけでございます。従ってこれらの指導については、当然神奈川県が責任を持つべき問題でございましょうけれども、行政指導の面については、一つ十分に御留意をいただきたいというふうに考えるわけであります。  三輪警備局長にお尋ねいたしますが、神奈川県においては、警察官の奥さんといいますか、留守を守っている人に対する手当というものは出しておりますか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 これは警察官と申しましても一般ではございませんが、駐在所勤務の警察官の夫人には、たしか月額千円かと思いますが、手当を出しております。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 従って、奥さんとしても主人のいない間に起こったいろいろな緊急事態については、これは事務的に処理するということについては相当になれてきておるであろうと私は思うのです。ただ問題は、その通報をしたということだけですべてが終わったというふうに考えるところに、問題を事前に救うことができなかった原因があるのではないか。  そこで具体的にお尋ねしますが、その通告があって、知らすべきところに知らした、それから後にパトロールで出ておるところの警戒をしなければならない警察官本人に対して、どのような連絡をしておるかということ、あるいは河川以外にこの地域における何らかの台風による災害が起こったのかどうなのか。これは多少結果論的になる傾向があるのですけれども、私は何と申しましても、六人の人を死なせたということについては、警察なりあるいは建設省なりあるいは神奈川県なり、責任を相当強く感じてもらわなければならぬ。昨日からの答弁を聞いておりますと、通告するだけは通告したのだから、その後において入ったのだ、地元の人ではなくて、言うことを聞いてくれない人がそこから入ってきたんだからやむを得ない、こういうような印象を受けるような答弁というものはけしからぬ、そういうものではなくて、どの地域であろうとも、どこから来ようとも、それはそれぞれ分担をしておる警察管区の問題であっても、私は総合的に責任を持たなければいかぬと思う。  そこでそういうような事情を聞いて、そして今申し上げましたようないろいろな客観情勢というものは私は科学的に甘く見ておった傾向があるのではないかと思われるのですけれども、実際に警戒に当たらなければならない警察官に対する連絡をどのようにやったのか。その人がパトロール中であったということでございますけれども、その人が事実どのようにこういう災害を予防するために努力したかということが問題になろうかと思うのです。これは人的の問題もあろうし、あるいは施設の問題等も加味されて困難な問題があるということは十分想像はできますし、局長としては部下を援護したいという気持は私はわかる。しかしまたそういうことで再びこういう事故を繰り返すということがあってはならないと思う。従ってそういうような本来警戒をすべき責任にある者に対して、どのような連絡をとられ、そしてそれがどのような予防措置をやったか、ただ単に警告を発したということだけで済むのではない。その後に起こった事態の進行状況によって、非常事態として私は処理しなければならない問題が相当あるのじゃないかと思うのですが、そういう具体的な状況はどうですか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 今の、駐在所の夫人が受けた方の駐在所は、麻溝駐在所というところでございますが、これは相模原警察署から十時二十五分に電話を受けまして、昨日申し上げましたように、駐在巡査が不在でございましたので、夫人が受けてそれぞれきのう申し上げましたような砂利業者、釣の家、そういうところ六カ所に、これはきめられた個所でございますので連絡をいたしております。当時駐在巡査は何をしておったかということでございますが、午前九時ごろ、おりから十四号台風の影響で相当の強い雨もあることでございまして、相模川の水位を見ながら相模川の堤防、それから管内の下当麻の水田、水路、低いところでございますが、そこらを警戒しつつ歩いておるのでございますけれども、その当時相模川の堤防警らをいたしております際には、昨日申し上げましたように砂利業者も全然出おりませんし、それから釣の姿も全然見られておらなかったのでございます。そうしてそういう警らをいたしまして、相模川の水位は昨日申し上げましたように、当時はまだ水位そのものとしては危険な状態ではございません。そういうことを確認をいたしまして、午後零時三十分に駐在所に帰っておるのでございます。  その駐在が警らしておる際に、それにどういう連絡をしたかというお尋ねであります。これは実は警らの路線というものはある場合には定線、ある場合には乱線警らということをするわけでございますけれども、その際にはそういった川ないし水路の危険を見て回るということで回っておりますので、特にそれに対しては駐在の方から連絡をつけるという努力をしたということは聞いておりません。これは駐在の方といたしましては次々に参りますおそれのある電話を受けなければなりませんので、その夫人が駐在を離れて知らせに行くということはできないわけでございます。そういうことでお尋ねの駐在にどういう連絡をしたかということにつきましては、帰所するまで連絡はとられておらないのでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 最後に一点だけ、こういう問題について総合的に総理府が中心になって今後の防災についての会議を持とう、こういうことでございますが、この日にたまたまいま一つ多摩川の上流におけるダムの放水について、九時三十分に放水するものが九時二十五分に予告をされておる。その予告をされたものが通知すべき事務所関係に、日曜日だったために、当直がいなかったために、電話の連絡が途中でとだえたという事実が新聞で報道されておるわけでありますけれども、これに至ってはまことにけしからぬ話であると思うのです。わずかに五分前に放水するぞという予告をやって、しかもその途中でもって人がいないために、その予報が五分ですからわずかの間でございましょうけれども、ダムの位置から流れる下の川の位置というものの秒速等から測定いたしますと、ある程度の余裕があろうかと思いますけれども、九時半に出すのを九時二十五分に予報をやった。しかもその途中でその連絡がとだえてしまっておるというような事実があるとするならば、これは今後ダム建設に伴うところの災害というものは非常に大きな惨害を起こしてくるおそれが多分にある、こういうふうに私は考える。この事実については御調査をしていただいて、そういうような問題について、あまりにも時間が短か過ぎる、予報と放水との間に時間の余裕がないようなときに、わずかに義務的に予報するというようなことでは、下流におる人々というものはたまったものではない。こういうような問題については私も事実経験しているわけですけれども、非常なひどい水が出てくる。それがために出たのではないというけれども、下流の人々は非常な豪雨にあっているところにピラスダムの放水というようなことを考えますと、これはダムの放水のためにやられたという印象が強いのであります。これは科学的に究明してくると、そうではないという議論もあるいは成り立つかもしれませんけれども、やはりこういうような予報は切迫した時間においてされるというような状態で、私は今後の災害予防というものは非常に心配になるわけであります。一つ今後行なわれる総合機関におけるダムの放水による災害防除、こういうものについては十分に御注意をいただきたいというように考えます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ちょっと関連して。今までの質疑応答を伺っておりまして、一つだけはっきりと確かめておきたいと思うのでございますが、警察当局に伺いたいのですが、今までダムの放水でいろいろ問題が起き、災害が起きた例があるわけでありますが、その管理不十分のために刑法上の処罰を受けたという例はありますか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 先ほど申しました最近二カ年間に起きました三つの事件につきましては、それぞれその過失の有無、管理の適、不適ということについて、一応の捜査をいたしましたけれども、これらは事件として検察庁に送るに至っておりません。そういう例といたしまして三十三年の八月二十五日に、これは関西電力の和歌山県殿山ダムというところで放水をいたしましたが、これは実は今回のものに比べるとまだまだ大へんの量の放水をいたしまして、四千トンという放水をしたのでございます。その結果下流におきまして七十五才の老婦人がなくなり、二十二名の人々が負傷したということでございまして、これは業務上の過失傷害致死ということで警察として捜査をし送りましたけれども、これは結果として検察庁の調べの結果、起訴猶予になったということを承知いたしております。それ以外古いことを私はここではちょっと申せませんけれども、ここしばらくの間は刑事事件として取り扱ったことはございません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 すべての災害は天災というより実のところ人災だという大局論はあることはありますが、しかしそのような言い方は別といたしまして、水による災害というのは大体自然的な要素が非常に多かったと思います。ですから従来の河川法などの考え方もダムがこんなに一ぱいできるというふうなことまでは予想してなかったのではないかというふうな気がするわけです。一般の河川と違って、ダムはその自然的要素の上に、人為的要素というものが一つプラスされているわけです。それだけに今の段階に参りますと、河川法の今の規定が、先ほど来の御説明では、管理規程をつくらせる義務を負わせている程度で終っているというふうなことでありますが、私は、これはやはりこの段階までくれば、管理規定で命ずべき重要な事項は当然法律の中にはっきり書くべきだ、そしてまたこの法律に基づく政令で一癖をもっと詳しく規定すべきだし、それに基づく管理規程についても、もっともっときめのこまかさを要求すべきだ、ともあれ当面そういうふうな法制的な措置を強化すべきだ、そういうふうな気がするわけです。これについても、罰則なんかももっと強化すべきだし、今の警察御当局の御説明によりましても、こういうような事件の取り扱いは非常にめんどうだと思います。それはよくわかりますが、しかし法律の中で、ダムの管理という問題につきまして、国民がこれだけ関心を強く持っているのだということを強く規定することだけでも予防的な効果はあるのではないか、私はそういうふうな気がするわけです。全学連のデモよりも、それから自動車事故もずいぶん起きますが、それよりもダムの問題は、まかり間違えば大量殺人、大量な国民の人身の損害という事態にも陥る問題でございますので、私はその法制化を早急に進むべきだというふうな感じが先ほど来の問答の中から強くいたしたわけでございます。この間、災害対策特別委員会で若干私もこの問題に触れましたときに、河川局長は、この法制化の問題についても検討する、こういうふうな御答弁がございましたが、次長いかがですか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいま御指摘のように、ダムの数がたくさんふえて参りまして、これに伴っていろいろな問題が発生しておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもは、このダム操作に関連しましては、通信連絡施設の問題、あるいはダムの操作そのものの問題、あるいはダムの設置に伴って、河川の自然の流量がどういう程度に変化を受けるか、そういういろいろな点に技術士の問題あるいは科学的な問題の解明も進めて参らなければならないわけでございまして、こういう点を進めておることは先ほども申し上げた通りでございます。   〔委員長退席、纐纈委員長代理着席〕  なお、その結論といたしまして、ダムの操作上こういうことを義務づける必要があるのではないか、あるいは現在の法制上不足な点があったらこうすべきではないか、こういう点がそれと関連して連絡会議の調査検討の結果出て参りましたならば、法制的にもいろいろな点が整備されなければならないというように考えておるわけでございます。ただいまのダムの操作につきましては、先ほどから申し上げますように、届出だけになっておるわけでございまして、またこれについて必要な場合は変更を命ずることもできるようになっておりますけれども、必ずしもこれが十分の措置であるということも言えないわけでございますので、私どもは、先ほど申し上げましたようないろいろな検討を進めまして、結論が出次第、内容的な問題につきましても、また法制的な問題につきましても十分検討いたしまして、今後出た結論に基づいて法制の整備等も考えて参りたいというふうに考えておる次第でございます。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 それでは引き続いて地方自治及び地方財政に関する件について調査を速めます。安井君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 時間がだいぶ過ぎておりますので、ごく簡単に農業構造改善事業と地方自治法との関係につきまして自治省に伺いたいと思います。  農林省は、昭和三十七年六月八日の閣議了解をもちまして、農業構造改善促進対策を進めつつあります。この事業内容は、「国は、」「農業生産の選択的拡大、主産地形成を図りつつ、自立経営の育成と協業の助長に資するため、農業生産基盤の整備及び開発、農業経営の近代化のための施設の導入、環境の整備等農業構造の改善に関し必要な事業が市町村の自主的な計画のもとに実施されるように都道府県と協力して指導、助成するものとする。」とこの閣議了解事項の中にはございます。  これに対しまして、これよりも日付はさかのぼっているわけでございますが、昭和三十七年五月二十五日付で農林事務次官通達が出まして、「農業構造改善事業促進対策実施要領およびパイロット地区農業構造改善事業促進対策実施要領について」という通達を都道府県知事にいたしております。今お手元に資料がないわけでございますので、この内容について若干申し上げますと、その対策の目標とか方針については、先ほど触れた通り国の農業施策ということが明らかに書かれております。そしてここで措置として掲げられている面は、たとえば計画地域の指定について、市町村は計画地域の指定を受けようとするときは都道府県知事に申請するものとする、また都道府県知事はその申請に基づきまして指定の措置を講じていく、あるいはまたそのために農林大臣との協議を進めていかなくてはならない、資料の提出を進めていかなければならない、こういうふうに都道府県知事にも義務づけているわけであります。さらに指定ができますと、あと計画の樹立という段階に入るわけでありますが、それについても、市町村長に対して資料の収集、基礎調査の実施等を命じているわけであります。計画の変更等についても同様であります。それからいよいよ実施の段階に入りましても、市町村が農業構造改善事業協議会等を設け、都道府県の段階でも都道府県農業構造改善事業促進対策協議会を設けていく。特に都道府県には若干人の農業構造改善事業推進専任職員を設置しなくてはいけないと義務づけております。最後に助成の問題につきましても、国はこの計画に関する経費、対策の普及浸透に関する経費等の五割を助成するというような問題、また実際事業にあたりましては、補助対象事業については五割補助、融資対象事業につきましては農林漁業金融公庫資金融資ないし農業近代化資金融資、こういうようなことが規定されております。  パイロット地区の要綱も大体似たような体系になっているわけであります。  これと地方自治法第二条第二項以下の地方公共団体のその事務に関する規定、これとにらみ合わせてみますると、地方公共団体の固有の事務のほかに、さらに法律またはこれに基づく政令により普通地方公共団体に属するものがその事務の内容とされているわけです。特にその法律またはこれに基づく政令の定めるところにより都道府県が処理しなければならないもの、あるいはまた市町村が処理しなければならないものについては、自治法の別表で明らかに一つ一つを掲げているわけであります。こういう点を考えて参りますと、今農林省が進めているこの農業構造改善事業は、このままの姿では地方自治法違反ということになりはしないか、かような印象を受けるわけでございますが、これにつきまして自治省の御当局で、今日までどういうふうな検討がなされてきたか、まずこれを一つ伺いたいと思います。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 農業基本法に基づきまして農業構造改善事業が進められておりますことは、御指摘の通りでございます。これにつきまして御指摘のございましたように、都道府県あるいは市町村に相当の仕事をやらせる計画を立てておるわけでございます。ただ手元に詳細な資料を持っておりませんので、あるいは正確を欠く点があろうかと思いますが、いろいろ農林省の通達で響いてございますことは、地方公共団体がこれを実施をいたします場合の補助の条件を主として中心に誓いてあるわけでございまして、この要綱に書いてあります通りを地方公共団体に義務づけておるという性質のものではないのじゃなかろうかと、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その義務づけか義務づけでないかという考え方でありますけれども、実際のところはこの要綱の中にも明らかにされているように、農林省は全国の市町村のうち、工業化が予定されている地域を除きまして、三千百の全市町村にわたってこの構造改善事業を進めようということを明らかにしているわけです。ですから好むと好まざるとにかかわらず、当然この仕事が全部の市町村にかぶさってくるわけであります。ですから私は、政府の段階では義務でないというふうなことであるいはお逃げになるかもしれないけれども、実際のところはもう当然やる仕事だというふうな前提に立って現実には進めておられるのではないか、このような印象を受けるわけであります。農林省と具体的な話し合いはなされたわけですか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 農林省から御相談も受けまして、農林省の指導いたします通達につきまして、先ほど御指摘のございましたように、地方公共団体にこういう組織をつくれとか、あるいはこういう職員を置けとかいうような事柄につきましては、これは地方公共団体の自主的な判断によってまかせてやるべきことであるから、そういうことは困るという意見も申したわけでございまして、なおその後、私の記憶いたしておりますところでは、地方団体から農林省の通達で、これこれの専門職員を置かなければならぬということがきておるが、これは必ず置かなければいかぬものかどうかという照会があったことがございます。こちらから農林省に問いただしましたところが、これは必ず置かなければならぬという趣旨ではない。もちろんどういう職員を置いたらいいかということは、地方公共団体が自主的に決定すべきところなんだ、こういう文書でもって回答もいただいております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 先ほど私あげました別表の中には、たとえば急傾斜地帯農業振興臨時措置法、畑地農業改良促進法、特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法、こういうふうな農業関係にもいろいろ特殊立法があるわけです。これに基づく事業の実施につきましては、これはもう法律にはっきり規定があるわけですから、別表の中にもはっきりきめられているわけであります。ですから、特別に特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法というような、こういうもう特殊中の特殊の事項まで、こんなきめがなされているのに対して、全国のすべての市町村を網羅しようとするような、この農業構造改善事業というようなものに対して、これについての法令がない。法令なしに市町村あるいは都道府県に仕事を押しつけているということ自体、このことに問題があると考えるのですが、この点いかがですか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 法令に明確な根拠を持ちませんで、指導でもって地方公共団体にお話のような事業をやらせておるということにつきましては、私どもといたしましてもなお検討しなければならない問題があるのじゃなかろうか、そのように存じております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ぜひ御検討を願いたいということがきょうの結論になりそうでございますけれども、しかし、私は特にこの際申し上げておきたいことは、憲法の番人が最高裁判所だと言われますけれども、地方自治法、地方自治のやはり番人という形で自治省がしっかりやっていただかなければいかぬのじゃないか、こういうふうに思うわけです。現在の段階におきまして、各省はまちまちな姿で次官通牒や単なる要綱、要領程度の刷りものを渡して、それで都道府県知事や市町村長を指導したり、国が当然やらなくてはならない仕事を押しつけたりしているという事態が幾つもあるわけです。この構造改善事業も市町村の自主的な計画だとは言っておりますけれども、はっきりこの閣議決定の「農業構造改善事業促進対策について」という件名の文書も、「国は」ということで国が主語になっております。それから「農業構造改善事業促進対策実施要領」についても事業の全体的な主体は国だということで、明らかに方向づけは国が全部やるわけです。そうしておきながら、の計画について、それは自主的のもので拘束力がないのだ、あるいはそういうふうな強弁をされるかもしれないが、実質的にはこういうような形で都道府県と市町村を国の隷属のもとに置こうとする、こういうような意図が、うっかりしていると、どこでも始めるのではないか。現に私はこれだけ気がつきましたけれども、これ以外にもずいぶんあるのではないか。この農業構造改善事業の前身である新農村建設事業についても同様に言えるわけでありますが、この農業構造改善事業は、新農村よりもずっと地方公共団体に対するつながりというものが強いわけです。そういうような性格を持っておりますので、この点十分御留意をいただきまして、一つ根本的な御検討を私は願いたいというふうに思うわけです。  なお私は、単にこれが法令違反だからだめだという、それを指摘するということだけを目的として言うのじゃなしに、また農業構造改善事業がだめだからやめちまえという趣旨で言うのじゃなしに、日本の農業をより近代化する道というものは、これはだれが政府をとろうと進めなくちゃならない道なんですが、本式にやるなら本式にやるように腹を固めて、がっちりした法制のもとに事業を進むべきだ、そういうふうな考え方が裏にあることも御了承を願いながら一つ御検討を願いたいと思います。  時間がございませんので、そのことだけを一つお願いをしておきたいと思うわけでございますが、現在すでに三百地域の指定が二、三日前に終わったようですね。だから事態はどんどん進行しているようでありますが、結論をお出しになるにはどれくらい日数が必要なのか、いつごろお出しになるお見込みか、それを一つ伺っておきたいと思います。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 所管ではございませんので、はっきりしたことは申し上げかねますが、もちろんこの事業そのものは、先生も御指摘のように、けっこうなことであろうと思うわけでございます。ただ、その進め方が、地方公共団体の組織及び運営に関する事項について、地方自治法で定めておりますような制度的な措置が整備されていないのではないかというようなところに、私どもも問題点があるように思うわけでございまして、その点につきまして至急に農林省と連絡をとりまして、意見の調整をはかって参りたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 これについての地方財政計画上の措置がどうされておるかというので、私は何もないんじゃないかと実は思っていたわけでありますが、さっきちょっと調べていたら、三十七年度の地方財政計画の中にこれは乗っているわけです。今の法制化の問題とその地方財政計画あるいはまた特に地方交付税との関係について一つ財政局長に伺いたいと思います。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 御承知のように、地方財政計画の上にも国庫補助金なり地方負担額なりを計上しているわけでございます。同時にまた地方交付税を計算いたします場合の農業行政の単位費用にその部分も織り込んでいるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私、いろいろな必要から、実際指定をされた地区を二、三歩いてみました。その地域で特に感じましたことは、この計画の費用がとても農林省の補助対象になるような額どころではなしに、とにかく農業の構造を改めようということなんですから、これは大へんなことであり、大へんな経費がかかるという実情を見てきたわけであります。日本の農業はわらぶきで、昔ながらの建物だから、わらぶきをトタンぶきくらいにかえるという話ならこれはわかりますけれども、構造を改めるということですから、今までのうちをぶっこわして新しく鉄筋コンクリートのうちに直すのかどうかわかりませんが、いずれにしても大仕事なわけです。とても今までの補助対象額ぐらいではやれっこないし、都道府県におきましてもすごく事務分量がふえて、県によりましては、そのために一つの課を設けたりしているようです。専任職員の若干どころじゃなしに、これはもう大へんな仕事だというようなことのようであります。だから地方交付税の中で、あるいは地方財政計画の中で、一応対象額くらいは見たというふうなお答えでありますけれども、この農林省の新しい施策が、非常に大きな農政負担を地方公共団体にしいているという実態があります。ですからその点、ことしのはもう時期がおくれておりますが、明年度等におきまして、十分な考慮が当然払われなくてはならないのではないかと思うわけでありますが、いかがですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 一般住民を対象とする事業ではなしに、特定の農家を対象にする事業でありますだけに、従来の考え方からいきますと、相当の分は受益者である農家が負担すべきではないか、こういう考え方もとれるかと思います。しかし現在の国民経済の中に占めております農業の地位等からいたしまして、農家に負担を求める程度というものはだんだん少なくなってくる、またそうならざるを得ないような姿であります。その結果、地方団体の負担が急激にふえてきている。これも実情のようでございます。同時に、また従来でありますと、農家だけにまかせておった、それをむしろ積極的に市町村が取り上げて施設を講じていかなければならない、またそういたしませんと、農家の生活を高めていくことが困難だというような事態もあるわけでございまして、そういうことからも地方団体の負担が相当に多くなってきている。御指摘になったように、地方団体はそれらの財源措置に苦慮して参っているようでございます。従いまして地方財政が全体としてよくなるにつれまして、そういう意味の産業経済貨の財源措置を高く見ていかなければならないのではないか、こういう考え方をわれわれとしては持っているわけでございまして、漸次そういう方向に努力して参りたい、こう思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ぜひ今のお気持をお続けいただいて、それは言葉だけではなしに、特に農村と都市との地域的な格差が開いてきている実態もございますので、明年度の地方交付税等において特段の御配慮を願いたいと思うわけであります。  それからなお時間があればもっといろいろ問題があるのですが、端折りまして、この問いろいろあちこち歩いているうちに、こういう事例にぶつかりました。交付税の関係ですが、北海道の北部の村です。そこに渡船場が今でも六カ所ある。今度の北海道の水害で——私もあちこち歩いてみて、たとえば町村費支弁の三百六十メートルもある橋が二本流れた、百六十メートルの橋も流れた、こういうことでこれは地方財政についての大きな負担であろうと思うのでありますが、——この渡船場の問題ですが、これは天塩川ですから、三百六十メートルくらいかそこらの橋をかけなければいけないはずですが、人口が、これは合併で残された町で八百二十世帯くらいしかない町ですから、とてもかけられない。それで渡船場が六カ所もあるそうです。船は一隻四年間くらいしか持たなくて、馬船、馬を乗せて運ぶのが三十五万円、人船が二十五万円くらいかかるそうです。二十年ころまではこの渡船場の船に対して何か補助金があったようですが、今はないそうです。その渡し守等の人件費も村が持っておるし、非常に負担です。もう財政は、この町村は地方交付税についても段階補正の制限されている金額が非常に多く、二百万以上に上っているようです。そういうような財政的な苦しさのもとにあるわけでありますが、このような渡船場という問題についても地方交付税の対象になるべきではないかという話を聞いたわけですが、いかがですか。

奥野誠亮自治事務官(財政局長)

○奥野政府委員 橋梁でありますと、橋梁の面積でありますとか、延長でありますとかいうものを測定単位といたしまして、単位費用を定めておるわけでございます。渡船場の渡船、これは一つの道路の役割をなしておるのだと思うのでございますが、そういう意味では地方団体の財政需要として測定していくべきものだと思います。しかしどのような形で測定していくか、そのまま基準財政需要額に織り込むことは困難でありますので、やむを得ず特別交付税を計算いたします場合に、渡船場の個所数を基礎といたしまして計算をいたして参っておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もうこれは技術的には非常にめんどうなことであることは確かでありますが、山の奥の非常に不便なところにあって財政的にも動きのとれないというような町村の問題であるだけに、都会のまん中で話をするとちょっと妙な問題のように聞こえるわけでありますけれども、この地域にしたら大問題なわけです。普通交付税の対象にするには技術的にめんどうだというお話もありますけれども、これはやはりもう少し地域の都道府県等とも御相談をされて、もっと有効な方法があれば、たとえばさっきの渡し守の人件費などという問題もあるでしょうし、それから船の建造といったような問題もあるだろうと思いますが、さらに御検討をお願いしておきたいと思います。  それから税務局長においでを願っておりますので、ちょっとだけ住民税の問題についてお伺いをしておきたいと思います。  ことしの地方税法の改正で、特に都道府県民税が変わった問題について非常に評判が悪いわけです。これはすでにお聞きと思いますが、自治省としてどういうふうにお考えになっておられますか。

柴田護自治事務官(税務局長)

○柴田政府委員 私どもといたしましては、さきの国会で、本委員会で慎重に御審議を願った結果であったのでありますが、結果的にはああいう措置は基本的な方向におきまして間違っておるとは思っておりません。十分準備期間もございましたし、いろいろ準備は進めて参ってきたのでありますし、地方庁におきましてもそのつもりで以後やってきたのでありますが、改正が実は二つ重なった格好になってしまって、去年の改正の結果、つまり従来の府県民税の課税の形式を本文方式——従来の所得税額に対する課税でなくして所得に課税する、こういう形に変えましたことについて地方側は準備を進めて参った、それが今度の改正で比例税率にまた変わったわけでございます。その関係の準備につきまして若干欠くるところがあったのではないかと実は考えております。私どもといたしましては、指導に万全を尽くしたつもりでおりますが、結果的にはその間にいろい問題が若干あったのじゃなかろうか、こういう感じがいたしております。実際に課税にあたりましていろいろ問題が出て参りまして、その結果そのつどそのつどにおきまして、それぞれ地方庁ではしかるべき措置をとって参っております。一時は非常に問題がごさいましたけれども、最近では大体その間の事情は住民にだんだんわかってもらってきておるのではないか、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 特に給与所得者からの不満が非常に大きいようですね。今度の改正で実際やってみると若干給与のベース・アップがある、そういうものが今度の改正でものすごく大きく増税という形で響いてきておるようです。給与が若干ふえたという程度なら従来の法制でありますとそれほど伸びないのが、今度はただでさえも伸びるのが、少しのベース・アップでそれがものすごく大きくふくれ上がったような形になっている、こういうような例があるようであります。私はこの問題につきまして、きょうはもう時間がありませんので多くを申し上げないでこれでやめますけれども、朝令暮改ということがありますが、これは実は昨年地方税法の改正で、道府県民税について改正が行なわれた。ところがその改正は、実はことしから実施されるということで改正されたわけですね。それがことしになってから、去年の改正は実施される前にすでに破棄されて、全く新しい仕組がことしまたつくられたわけです。一たん法律できめた制度が何ら実行に移されないうちに、新しい制度ができてしまったという例は、私は日本の税制の上でも実に珍しいケースではないかという気がするわけです。そういう点から問題があるし、いろいろ不平不満がたくさんあるわけでありますから、社会党はとりあえず当面の事態の救済のために——将来は将来で恒久的な措置を講ずることにして、当面の救済のために特例措置に関する法律案を本国会に提出しておるのは御承知の通りです。そこでこのような背景のもとに政府は年度内にあるいは新年度において今の仕組みを改善する御意思がおありかどうか、それを一つ伺っておきます。

柴田護自治事務官(税務局長)

○柴田政府委員 府県民税の改正につきまして、御指摘のような、従来例を見ないような結果に相なった、つまり二つの制度改正が一緒に重なってあったような形であるということは、御指摘の通りです。これは結果的にそうなったのでございますが、これは税制調査会等におきます税源配分の審議の状況等にも一つの経過的なものがあるわけでありますが、結果的には、今度の道府県民税を、前の改正を実施せずにさらに追っかけてやったということは、結局地方団体を税源配分を通じて増強しようという気持からあえて踏み切ったわけであります。結果的にはいろいろ御指摘のように問題がございますが、ただこの問題につきましては、実は現実の住民税の課税状態につきまして、若干誤解されておる向きがあるように思うのでございます。それは道府県民税の改正と所得税との関係につきまして、総合負担においては必要な調整措置をとっておるのでございますが、所得税につきましては、正直に申し上げまして来年の三月になりませんと、本年度の所得に対します所得税というものはわかりません。そこで、来年の三月になりまして初めてそこに総合負担がどうなるということが具体的に明らかになる、こういうことが一つございます。ただ、それにもかかわらず住民税がふえているということは、所得が非常にふえていることも一つの事実でございますが、そういう関係でそれが非常に開いておるのであります。市町村民税の課税方式で本文方式とただし書き方式があることは御承知の通りでありますが、これも従来の五つの方式をことしから二つの本文方式とただし書き方式に変更したわけであります。この課税方式は、所得が上がって参りますとそれによるところの税負担というものが非常に開いてくる、つまり開きが大きくなってくるわけでございます。そこに、府県民税の改正によって非常に税負担が多くなっておるように言われますけれども、実は問題は、むしろ本文方式とただし書き方式の問題にあるのじゃないか、私たちはさように考えておるのでございます。従いまして、住民税の問題は、押し詰めて参りますと本文方式とただし書き方式の問題をどうするかということになるわけでございます。その場合に、準拠税率とこれによらない団体、この問題が一つあるわけでございます。この点は従来から指導をいたしておりまして、財政的な措置と並行して逐次準拠税率をとる団体がふえて参っておりますし、またただし書き方式から本文方式を採用する団体がふえて参っておりますけれども、それはまだ満足する状態では必ずしもない。そこで私どもといたしましては、市町村財政の現状の改善を通じてまず準拠税率をとらない、準拠税率を非常に越えた団体、これを準拠税率に近づけるという指導がまず第一じゃないか。それからこの二つの方式をどう統合するか。こういう段階に入るわけであります。従いまして、そう簡単にこの問題は片づかないのでありまして、市町村の財政問題と並行して慎重に考えていかなければならぬ。しかしこれについては検討する意思はある、こういうことでございます。ただ、明年度やるかやらぬかという問題は、財政事情等もございますし、税制は実は私どもといたしましてはあまりひんぱんに改正いたしますと、かえって一線の徴税吏員は困るわけであります。税務行政上はあまり軽々な改正はやるべきでないと思いますけれども、この問題につきましては、そういうことで今後とも慎重に検討を進めていきたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 住民税負担の総合的な問題について、技術的に今いろいろ解明されたわけでありますが、そういうような面については、私もわからないではありませんけれども、しかし今度の改正そのものが、先ほども指摘いたしましたような事情もございますし、さらにまた累進税率が比例税率になったというふうなこともだいぶいろいろな形で影響が出ているようでありますし、私は当面の問題は当面の問題として、社会党が主張しておりますような方向で一つ解決をすべきだということ。  さらに明年度の地方税制をどう持っていくかということにつきましては、税制調査会の審議の中に自治省もお持ち込みになるのだろうと思うのですが、地方公共団体の目主財源の充実ということは私どももいろいろな角度から言って参りましたけれども、ある程度の限度があるのであり、しかも近代政治の要請が負担の均衡化というふうな面に強く現われてきていることからいえば、もうただし書き方式を打ち切って本文方式一本でいくとか、それに要する財源の穴埋め措置についても、思い切った国税からの移譲措置を考えるとか、何か抜本的な対策がもうそろそろ出てもいいころじゃないかと思うのです。毎年、いろいろ現状維持的な考え方を基礎にしていじくり回してきたというふうな印象を受けるわけでありますが、もうそろそろ思い切った対策が出てもいいのじゃないか、そういうような印象を受けるわけであります。  現状の問題の解決をまず考えていただきたいこと、さらに恒久対策について一つ思い切った対策をやっていただきたい、この二点だけを一つ最後に強く要望いたしまして、予定時間が切れてしまいましたので、これで終わります。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 野口君。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 町村合併問題に伴う境界変更に関する紛争問題についてお尋ねしたいと思います。このことは、第三十八国会のときに新市町村建設促進法の一部改正に対する修正案が出されました。境界変更に関する紛争処理については、関係規定の有効期間を延長する、紛争解決の処理のためには政府及び当事者が努力せよ、こういうような延長の修正をした。それに対して三党提案で附帯決議がありまして、政府は全力をあげて紛争の解決に当たり、可及的短期間に事態の円満な収拾をはかる、こういうような附帯決議がつけられておるわけです。この問題は大体もう終わっているわけでありますけれども、まだ各所に残っておると思うわけです。結局、全体の空気の中では、何となく捨てられていきそうな感じがする局部的な問題であろうと思いますが、こうした附帯決議の趣旨に従って、可及的すみやかにというふうなことでつけられた修正案に対して、町村合併に伴う紛争処理に政府当局として当たってきた今までの努力、これはどんなふうに今なっているのでございましょうか、その個所はどの辺になっているか、これに対してどのような処置をしてきたというようなことをちょっとお尋ねしておきたい。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 お尋ねになりました、昨年の法律改正の際に、紛争の解決のために一部の規定の期限を延長いたしました関係でございますが、その関係で当時この改正がなされます際に、念頭に置かれておりました具体的なケースといたしましては、岡山県と兵庫県との間に福浦地区の問題が一つございます。それから栃木県と茨城県との間に桑絹地区の問題がございます。この両県につきましては、一応手続上は内閣総理大臣が住民投票を命ずる権限が与えられておるわけでございますが、なおその際、新市町村合併促進審議会の附帯意見といたしまして、住民投票は一番最後の手段であるから、その前にできるだけ円満解決のための努力はすべきである、こういうようなことでございました。そこでこの両県につきましては、伝家の宝刀といたしましては住民投票ということはございますけれども、なおしばらく冷却期間を置いて、関係者の話し合いによる円満な解決を進めたいということで努力をいたして参っておるわけでございます。特に福浦地区の問題につきましては、前大臣、政務次官のときに先月でございますが、両県知事を呼びまして、さらに積極的な話し合いの努力をするようにということを強く要請いたしまして、自治省といたしましてはその結果を見守っておる、こういう状況でございます。  そのほかの地区で、ただいま先生のおっしゃいました附帯決議の趣旨の関係でございますが、これらにつきましては全国の地方課長会議の際に、私どもの方からどういうケースが現在残っており、それらについて今後どういうふうな解決の方針を県として持っておるかということを聴取いたしまして、なお県によりましては、もうしばらくこれらの点については情勢を見守っていきたいという意見のものもあったわけでございます。なるべく早く円満な解決をはかりたいと念願はいたしておるわけでございますが、現在残っておりますものにつきましては、相当従来からの経緯がございまして、いろいろこじれ合っておるものでございますので、それぞれのケースにつきまして、それの実態に即した解決の方法を講じて参りたいということで、せっかく努力をいたしておるわけでございます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 両県境の問題については、一応そういう具体的なことがあったようですけれども、その他のいわば全国的に見れば小さなところ、しかしそこに起こっておる問題は、まことにこれは深刻な問題が住民の問題として起こっておるわけでありますが、そういうふうな地方の問題については、今お答えのように、地方課長会議を開いた、あるいは具体的な事態を見守っておる、こういうふうな形の中で、ケースごとに従ってやっておるというのですけれども、可及的すみやかにというこの附帯決議の趣旨は、昭和三十六年の五月につけられておるわけです。現在までの間、一年半近くにこれがなっておるのですね。ここにある町村の混乱の問題というのは、いわば地方自治体自体の中では容易に解決しない問題の中でこれは残っているのだと私は思うわけですから、それを地方課長を集めて中央でこれを見守るだけの態度では、やはり政府に対して要求した可及的すみやかに、これを処理しようという自治省に対する私どもの考え方というものは、課長会議を開いただけでは私はだめじゃないか、こういうように思うのです。私の方の福島県にも一つあるのでございますけれども、これは深刻なものです。相手側の家の子供が池の中に入っておったという場合にも、おれは知らぬ。向こう側の家が火事になりそうになった場合も、向こう側だからおれは知らぬで、全くそこに起こってきている問題は、地方自治行政におけるところの恥部だと思うのですね。表面的には大へんいいけれども、そういうものが民衆の自治の精神の中にまだ自由主義の中におっても浸透していない。そこにある混乱の原因というものは、全く幼稚であり、感情的である。あるいはまた一つの政治的なにおいさえこの自治行政の中に入ってきて、いたずらに住民がそういう立場で苦しめられておるわけです。先ほどは農業改善事業の話がありまして、新しい農村を建設していこうというような状態になっておるのだけれども、これを受けておる自治体の形ができていない。その中では朝な夕なそのことだけで、これがよく解決していきませんと、やがてはその中から自殺者が出たり、村八分的な行為が起こってきたりするような問題にまでなっているわけでございます。そういうものを一年有半お前らの方ではどうするのだということを聞く態度だけでおったのでは、これは解決しない。福島県の場合などもよく見ると三者三様にすくんでおるような状態です。ここに私どもの附帯決議の精神があるし、これを延長した精神があるのだと私たちは思うわけです。その意味ではもう少し具体的に自治省自体がこれを指導し、やっていくような方向がほしいと思うのですけれども、こういうことについて今後どのように一体やっていこうとなさっているのですか。なるべく可及的すみやかに解決するためにも自治省に具体的な方策をお聞きしたい。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 先ほど申し上げましたように、地方課長会議は一般的に自治省の方針をお話しいたし、また各府県の事情を聴取いたすわけでございますが、その結果いろいろお話があり、こちらにも御相談がありまして、現に一年前未解決でありました問題が、県によりましては相当解決している県もあるわけでございます。  なお、先生の御指摘になりました福島県の事情につきましては、私どももいろいろ関係者から事情を伺っており、御指摘のようにこのまま放置したのではまことに憂慮すべき事態になるということを、私どももひそかに心配をいたしておるわけでございます。これにつきましては県当局にも再三こちらから連絡もいたしておりますが、いましばらく一つ県当局を見守ってほしい、こういうことでございますので、見守っておるわけでありますが、その後また県の方から自治省に対しまして、いろいろ助言、指導を求めて参りましたならば、それに積極的に協力して参るつもりでございます。合併はなかなかこれは一作に参りませんし、それぞれ具体的な特殊な事情がございますので、さらに適当な機会を見まして、それぞれの県で解決に困っておられるような事例につきましては、積極的にこちらから事情を聴取いたしまして、私どもも適当な指導をした方がいいものにつきましては指導して参る、こういうことを心がけて参りたいと思います。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 事情聴取はわかるのですが、こういう三者三すくみというような中では、県の行政的な面に対してのメスを現地の中で指摘してみたり、あるいは両当事者間における、地方公共団体の間における問題の中に問題が出たりして、先ほど申し上げましたように三者三すくみというような状態になるわけですから、積極的に現地調査というようなことを自治省は取り行なって、公平にそういう意見をみな聞き当たってみる。そうではないと調停を出しても、あっせんを出しても、それが公平に見られていかないのです。そういうものに従っていけば、ある町の方はだんだん小さくなっていってしまう。現に二つの町が一つの村を分散してできたわけですけれども、一方は人口にして倍、土地にして倍です。一方は人口は半分で土地も半分くらいこういうような適正規模というものが、自治省の町村合併促進法の精神からいって、片方はこんなになってしまう、片方はこんなになってしまう。こういうことが起こってきたというような事実についてもやはり納得のできない面などもあって、当事者間には一つの問題が残っているだろうと思われますので、そういう問題を自治省自体が現地調査というようなことを早急に行なってみる、こういうお考えはございませんでしょうか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 自治省が直接現地調査をいたしまして、中に入ってあっせんをした方が問題の解決にプラスになるというような判断をいたしましたならば、関係団体の御了承をいただいた上でそういうことも考えてみてよろしいと思いますが、状況によりますと、かえって自治省が飛び出していったことが問題を一そうこじらせるというようなことになるケースもございますので、その辺はまずその前によく現地の状況を聴取いたしました上で判断をして参りたいと思っております。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 最後に一つ自治省の見解ですけれども、二十七条関係の最終的な解決の方法というものは調停あっせんというようなことが行なわれますけれども、最終的に調停あっせんが成功しなかったような場合は、これは最終的には住民の意思に従うということがあの法の基本の精神であろうと思うのですが、これについてはどうですか。

佐久間彊自治事務官(行政局長)

○佐久間政府委員 趣旨といたしましては、お話しの通り住民の多数の意思に従って処理をするというのがその趣旨でございます。

野口忠夫日本社会党

○野口委員 自治省の立場も、御努力なさっているのですから私はわからないわけではございませんが、各地における町村合併によって起こってきた紛争が、案外低い感情と民度の中から生まれておるということを高い立場で御指導をするという、その中からやはり自治の精神というようなものを涵養していく、こういう立場の上からもあえて附帯決議をいうのではなくて、自治省自体が可及的すみやかに、こうした自治行政の恥部を解消していくんだという方向に、何か具体的に、また直接的に触れていただきたいということを要望申し上げて質問を終わります。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 官房長官がおいでになりましたので、時間もありませんから簡略にいたしますが、先ほどの社会党の国会対策委員会で、三宅島の爆発以来すでに一週間にもなっておる。それぞれ手を尽くして救助策をやっておりますが、島民の動揺もはなはだしい、そういうこともありますが、何よりも今後もっと大きい噴火なら噴火というものが起こらないという保証はどこにもないので、そういう場合に、あすこの島民をどう救出をするのか、それに政府は責任を持って今対策を立てておるかどうかという問題、これが話し合いになりまして、当委員においてその点をただしていかなければならぬ、かような工合になったわけなんであります。それで、その点に対なる政府の方針について一つ述べてもらいたいと思います。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 御承知の通り、二十五日の未明以来、各関係者からお話ししたかと思いまするが、海上保安庁なり自衛隊の艦艇が救援物資を搭載しまして現地におもむき、いろいろと情報収集や住民の保護に当たっておるのでございます。東京都庁とも十分密接に連絡をして仕事をいたしまして、必要な措置に遺憾ないものと実は考えておるのでございますが、しかし、今お話がありましたように、なかなか災害が完全に終息したとはいえず、民心の不安もかなり多いやに聞いておりますので、この安定の上、また同時に、この災害の復旧計画その他を立てて万全を期さなければなりませんから、国会が終わりましたならば、できるだけ早い機会に関係の閣僚にも現地へ行っていただいて、親しく実情を見ていただき、そうして抜本的な計画を立てていきたい、このように今手はずをいたしております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 現在の対策の責任は一体どこにとらしておるのか。現在、現地の対策本部もあるでしょうし、この責任をとるところはどこか。普通いえば、これは東京都だということになると思うのですが、東京都だとすれば、政府側からこの東京都に対しまして指示を出したことがあるかどうか、その点について一つ……。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 指示というといかがでございますか、今お話のあります通りに、直接には東京都が中心、それと関係各省が十分に打ち合わせて仕事を進めておる、このような状態であります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そこで警察庁の方にお尋ねしますが、現在の対策について、警察庁は警察庁側として万全の対策をとろうとしていらっしゃると思うのですが、その体制なりそれから問題点なり、また警察庁としてきめられたこの対策の基本方針、こういうことは一体どうなっておるか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 警察といたしましても、東京都に呼応いたしまする警視庁が警察としての警備に当たるわけでございまして、実は、島の警察には、離島に一人おりますほかに十七名がおるだけでございます。これはまあいささか自慢のようにお聞き取りいただいては工合が悪いのでございますけれども、午後十時ごろに爆発があったのでございますけれども、午後四時ごろから実は鳴動が始まっておりまして、三宅島署長といたしましては測候所に問い合わせたりいたし、それから各駐在所にその鳴動の震度、度合いなどを調べさせたりいたしております。実は爆発の前に非常召集をかけておりまして、爆発と同時に、実は地元の警察署としては車が二台しかございませんで、隣の支庁に五台ございますがございますその全部をお借りして、非常召集しておりました十七名の全署員が警備に当たり、つまり災害の地域から住民の避難誘導をいたしまして、災害後ほぼ三時間、四時間たちましたところで、危険地域の住民二千人を小中学校あるいは公会堂等に誘導いたしたのでございます。それから直ちに、その十七名ではこれはもう休むひまもなく、交代もございませんので、機動隊を新島から二十名すぐに派遣するように、これは海上保安庁にお願いをいたしまして、船を持っていってこれを運んでおりますが、これは二十五日の午後六時ごろに現地へ到着いたしておりますので、本庁から参りました三名を含めまして、ただいま四十名の警察官をもって警備に当たっております。自後、これは他の方からも御報告があるかと思いますけれども、実はもう噴火がちょっと終息したかと思いますとまた起こるというような状態でございまして、ほとんど不眠不休で立ち入り禁止個所を定める、それから危険個所から住民を立ちのかせる、あるいはそういう際にえてしてありますところの、立ちのいたあとの盗難等の問題もありますので、そういう警戒も含めまして現在やっておるところでございます。  あと、実は、二十九日にやや下火になったと思われたものが、ゆうべから今朝にかけてまた相当に、数分置きの震度二ないし三の鳴動がございます。この前の昭和十五年の爆発の際にも、一ぺんおさまったかと思ったのが再爆発をいたしておりますので、警察といたしましては、そうなっては大へんですけれども、もう一度大きな爆発があるのではないかというようなことを考えまして、全員今不眠不休で、そのときの誘導について準備をいたしております。  そういうことでございまして、あともし全島避難するというようなことになりますれば別でございますけれども、そうでなければ、早々にこちらから新手を送りまして、交代要員、増強要員の派遣をいたしたいというふうに考えておるところであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 機敏に対処せられたことはまことにけっこうだと思うのですが、今新聞を見ますに、島民の動揺というものはどういう状況になっておるか、それは警察として考慮に入れなければならぬ状況であるのかどうか。どんな状況であるか伺いたい。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 先ほど申しましたように、ちょっと休みかけますとまた実は鳴動があるというようなことで、住民の間の不安は相当大きいもののようでございまして、島外に自発的に船で避難をされる方が次第にふえているのでございます。ただいままで島外に避難をされた方は、二十七日の七十四名から始まりまして、連日百名をこえ、昨日のごときは三百七十九名、それから今朝の船で百八十三名、九百七十四名がすでに島外に出ておられるわけであります。なお、現地の方としては五千八百ほどの方がおられるわけでございました、昨日も現地では、村長、支庁長並びに東京都の民生局等の幹部、東大の地震研究所の水上博士等と御相談して、これを全島避難をさせるというようなときの手はずなどを警察も含めてやっているわけでございます。同時に、地元警察といたしましては、そういう避難民の方の中を、安心せよと申すわけにいきませんけれども、できるだけ警らを行なって、民心が不必要に動揺することのないように努力をいたしておるところでございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 ところで、地震課長にお尋ねいたしますが、今後の予測というものはなかなか困難だろうと思うのですが、しかしこれはやはり離れ島でもありますし、風が強ければ船が接岸もできない、こういうところであります。ですから、もし予測されない大きな不測の事態が出た場合を考えると、人命上においても相当の被害を予想しなければならぬと思うのです。ですから、やはり学問的に決断することもなかなか諸般の関係上むずかしいでしょうけれども、やはり全島避難という結論を下すということは、これは相当勇断を持って行なわなければならぬときもあるのじゃないか。またそういう可能性は大きくあるのじゃないかと思うのです。そういう点に関して気象台の地震課としてどういう工合に考えるか、もちろん専門家が行って調査をして、いち早く結論を出そうとしていらっしゃると思うのですが、一体爆発の現状からいって、どういう可能性が考えられるか。全島避難だというような結論を下す段階はどういうふうなときかというようなことを、一つあなたの方からお答え願いたい。

広野卓蔵運輸技官(気象庁観測部地震課長)

○広野説明員 今お尋ねの件でございますけれども、大体私どもが三宅島に対してどういうふうに見ているか、あるいは見ておる根拠はどういうふうなところにあるかと申しますと、何と言いましても過去に数回あるいはもっとたくさんでございますが、いろいろな噴火がございまして、それは参考にしながら予測しておるわけなのでございます。今回の噴火は大体昭和十五年に起こりました噴火と似ておるというので、それを基準にしていろいろ考えておる次第でございます。ところが十五年とだいぶ様子が違っております。まず似ておるところを申し上げますと、島の中央に雄山という中央火口がありますが、そこの東側のところが今回噴火したわけでございます。昭和十五年の噴火は大体似たような場所で起こりました。それから大体中腹付近から噴火が始まりまして、溶岩が噴出し、それがだんだん流れて赤場暁というところがございますが、ここに流れ込みまして、噴火の地点もだんだん海岸に近つきまして、しまいには赤場暁の湾内で噴火したというようなことと、それから大体一日くらいで今言いました溶岩を噴出する噴火は終わっております。これは昭和十五年のときです。そうして中一日ないし二日おきまして中央の雄山が噴火し始めたわけです。そのときには溶岩はそんなに出しておりません。今回はやはり一日半ばかり溶岩が噴出して終わっておるわけであります。ところが一日、二日おきましても雄山はまだ噴火しない。ところがそのかわり地震がどんどん起こるようになりまして、地震の起こり工合は、現在も起こっておりまして、これはちょうど二十五日から始まっておりますが二十四日の十二時から噴火が始まりまして、大体二十五日だけでも二百回以上ありました。一応ずっと静かになるかに見えましたけれども、二十八日にまたかなり噴火がございました。このうち大きなものが一、二ございますが、それは宇都密でも感ずるほど大きな地震でございます。それは十五年のときには起こりませんでした。ですから地震が頻発しておるということは、十五年と全く違う様相を呈しておるわけでございます。ところが十五年よりも前に、三宅島でやはり地震の頻発した例もございます。そういうものを勘案してあれこれと考えておるわけでございますが、いろいろ可能性があるわけです。第一に地震が頻発しておる原因は、溶岩が噴出しまして溶岩の圧力が減りましたから、下の溶岩が動いておるわけです。その動いて道筋の岩を割るときに震動を起こす。要するに動いておることは確かでございます。しかしその動きがその結果どういうふうになるかといいますと、それでだんだん静まって終わってしまうかあるいはその勢いが余ってまた新しい噴火が始まるか、あるいはもう一つ別のところで地震が起こるかというようないろいろなケースが考えられます。常識的には今まで最初に溶岩を噴出しましたので、だいぶエネルギーを消耗しておりますから、今後雄山あたりが噴火しても、それ以上の噴火はないような気はするわけですけれども、ただそれは臆測でございまして、現在のところ何とも言えないわけでございます。ただ地震動のある間はできるだけ警戒を厳にする必要がございます。  先ほどお尋ねの、全島避難をする時期はいっかというような問題でございますが、これは東京におきまして判断するということは、いろいろほかのデータなども十分に入りませんので、やはりみな現地との相談、あるいは現地が主になって判断していただく。もちろん相談するということになるのですが、そこら辺は私どもその時期がいつであるかということははっきり申し上げられないわけでございます。もちろん今申しましたこの地震の変化、異常が出ましたらまたそのときに考えるということで、今考えておりません。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 官房長官にお尋ねしますが、これはやっぱり予測されないですから、おさまるかもしれないし、またえらい大きい爆発になるかもしらぬということでありますので、そういう大きい爆発に至ったときに、その後の災害救助対策ではすでにおそいということになる。ですからやっぱり最悪の事態を考えたときには、全島避難ということを政府は支持するくらいのことをやらなければならないと思うのです。そのとき何を基礎にしてどう判断するかというようなことは、まあ気象庁の方は学者としての立場からそう簡単なことも言えない、社会的な影響もありますし、学問的な立場もありましょうし、そうすると政府側としては、そういうような決断をしなければならぬというときに、一体どうやって決断するか、私たちは何もなくて避難させたのでは、ちょっと行き過ぎであったという程度であっても、やっぱり災害というのは未然に防ぐ——今度の災害は大きくなれば非常に大きくなるということも考えられますから、そういう立場をとってもらいたいと思うのです。しかしいずれにしても、何かの根拠がなければならぬということになるわけですが、一体全島避難なら全島避難という場合に、指示、指令するようなときにはどういうことを根拠としてされるか。そんなことを国会が終わってから現地視察をしてきめるということなのですが、しかし毎日々々新聞を見ますると、私たちはそういう地震にあったことがないし、火山噴火にもあったことがないからわからないのですけれども、それは深刻な問題じゃないかと思うんですよ。それで政府側も一人も殺さないという工合にしてもらわなければいかぬ。過去の例からいって、降灰で市街地が全部埋まって、今の世代になって掘っているという例もありますし、あの近くには明神礁が海底から浮き上がって暗礁をつくったというような問題もありますし、どうなるか、それは判断の予測ができぬだろうと思いますが、しかしそうだからといって、出てしまってからではすでにおそいということになる。一人も殺さないということになると、政府として相当の判断を立てなければならぬ時期にきておるのじゃないかと思うのです。その点、一体どうしようとしていらっしゃるのか。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 今の御注意、はなはだ適切でもあり、確かにその通りなんですが、今気象庁からお話がありますように、どうもほんとうのところ、一体どういうことになるのか、非常にむずかしい問題でございますし、いま少しよく各方面と打ち合わせまして、検討して、ただ、今西村さんからお話がありましたように、少しあわててとい、う非難があっても、このために手おくれになったと言われないような結果にしたい、こういう気持でもってよく検討いたします。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 警察庁にお尋ねしますが、島民が二万人をこすのじゃないかと思いますが、今まで何人くらい自発的な避難をしておるか、残留はどのくらいか、どうなっていますか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 地元のもどもとの方々はほぼ六千八百人くらいでございます。その中でけさまでに島外に避難をされた方が、先ほど申しましたように九百七十四人、ほぼ千人、しかし逆にこちらから警察の応援その他都庁の人たち等も百人ほど行っておるわけであります。なお順序が逆になりましたが、島内で危険個所から避難をして、小学校、中学校節に今収容されております方は、本日現在で一千八百六十人で、東の方の危険地域、その付近の方々でございます。ですから、現在島民の方としては、外に出られた方を除いて、収容された方も含めて約五千八百人、それからこちらから参りました者が約百名、五千九百ないし六千人の者が、いざ避難をするということになれば、運ばなければならない人たちでございます。これにつきまして、地元の方では、先ほど申した顔ぶれが、老幼を先にする、次に一般の方をする、最後に警戒要員をするというような、ごく事務的でございましょうけれども、一応段取りで、必要な船は、防衛庁並びに海上保安庁の船を使わしてもらうというようなことで寄り寄り相談をしておるのでございまして、地震、再度噴火の危険ということは、先ほど来お話しのように、そう的確にわかりませんけれども、地元の方の不安もだんだん高じてくるということになりますれば、そういうことも大きな要素でございますので、そういうことで、地元としては、今のようなお顔ぶれが、この際全島避難が必要ではなかろうかということが都の方に具申をされまして、ここでおきめになるというふうになるのではなかろうかと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 地震課長にお尋ねしますが、大体見通しの立つのは、こういうケースからいいますと、今後どのくらい期間が過ぎれば、これはおさまった、再爆発はないというような判定ができるものなんでしょうか。

広野卓蔵運輸技官(気象庁観測部地震課長)

○広野説明員 先ほどの昭和十五年の噴火のときには、約一カ月続いております。最初に溶岩が一日くらい、その次に雄山が活動しまして、ぶすぶすくすぶるというようなことが大体一カ月くらいで終息しております。私ども最初に概報など出しましたときには、数十日はくすぶる、あるいはこういう不安な状態が続くのではないか、そういう見通しを申し上げましたが、現在でもそういうふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 官房長官にお尋ねしますが、全島避難とまではいかないにしても、現実に次々と避難しておるのですから、そういうのをしやすいようにしてやる、そういう措置を呼び水的といいますか、呼び水というと語弊がありますが、そういう工合にして、なるべくよけいに近くの島あるいは東京に暫時移動させる、こういうことを慫慂的にとられてはどうか。それをやりながら、最後的な段階に近いというときには、決断をもって全島避難の指令を出す、こういう工合にしていくのが一番いいのではないかと思います。六千人近くの人を——自衛艦は何人乗れるか知りませんけれども、船をやっても簡単に着くものではないし、これを運び出すというのは大へんなことじゃないか。近距離の島だって、新島だって相当あるはずでございますし、新島だって接岸するのは大へんなことだ。海が荒れたら接岸できませんし、そのほかあそこら辺の島は、ほとんど全部接岸が不可能な島が多いのです。ですから、これを避難させることは、何ばいかの船を一挙に持っていくようにしなければ大へんなことになるのではないか。海の途中まで避難させれば、それで危険区域は避けることはできるかもしれませんけれども、しかし一ぺんおろしてまた戻ってくる、そういう手間ではとても間に合わないのではないかと思うのです。ですから政府の方としては、自発的な避難というものを慫慂する対策をとって、非常事態における負担を軽くする、そういう方法をとっていかれてはどうか。そして最終的に決断されるときには全島避難を決断される、こういう工合にされたらどうかと思う。もちろん復帰したあとの島民の生活上の問題やいろいろの問題はあるだろうと思うのですが、さしあたって、今後のそういう予測される不測の事態、不幸な事態が起きた場合には島民は一人も殺さないという基本方針を貫ぬく、そういう場合のためにあらゆる措置をとってもらわなければならぬと思うのですが、その点政府としての見解はどうでしょう。

黒金泰美自由民主党内閣官房長官

○黒金政府委員 今の西村さんのお話、われわれが慫慂というと少しまた強いのではないかという感じもいたしますが、島民の御要望に沿えるようにぜひ努力して参る、こういうことでさっそく検討いたします。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 慫慂というと誤弊がありますけれども、しかし学童なんかも集団疎開したいということを校長会できめたとかいうことになっておりますし、島民はどっちにしようかということで相当迷っている。さしあたって婦女子、学童ということになっているようですから、そういうものは気安く一刻も早くどんどん出たいという気持が満たされるような措置を早急に立ててもらいたい。そのあと大臣が行かれるなら行ってけっこうでございますけれども、こういうことは火急のことでございますから、急いでそういうことにしていただいた方がいいのではないかと思うのです。私たち、きょう党の方でそういうことをいろいろ話し合いまして、やはりこの際政府に全島避難という決断をさせて、それが行き過ぎの措置であったということになっても、それでけっこうじゃないか。他の地域と違いまして離れ島でございますから、そのくらいのことをやった方がいいんじゃないか、こういう意見もございましたが、各方面の意見を聞いてみて、そして党としての考え方をきめ、また政府側に対してもそれに対する激励、鞭撻をしよう、こういう話になったわけです。ですから、私たちはそういう立場でお尋ねをし、また政府のこれからのやり方に対しましては、私たち十分にそれを見ておりまして協力し、また事によっては強い鞭撻もしなければならぬのじゃないか、かように考えておるわけです。まず一つ基本方針は、再度の不幸なる事態に対して一人も島民に犠牲を出さない、こういう基本方針、早急な対策を一つ講ずる、警察庁の方も御苦労でございますが、一つお願いいたします。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 これより請願の審査に入ります。  本委員会に付託されました請願は十八件であります。請願日程第一より第一八までを一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。各請願の内容につきましては、文書表で御承知のことでもありますし、また先ほどの理事会におきまして、理事各位に御検討を願ったところでもありますので、この際、各請願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中、第七ないし第一〇及び第一二ないし第一四の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決したいと存じます。以上につきまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、お諮りいたします。ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 なお、お手元に配付いたしてあります通り、当委員会に参考のため送付されました陳情書は、地方道路譲与税を市町村に譲与に関する陳情書外四十八件であります。以上、念のため御報告いたします。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  地方税法の一部を改正する法律案、川村継義君外二名提出の地方自治法の一部を改正する法律案、滝井義高君外二十一名提出の地方自治法の一部を改正する法律案、太田一夫君外九名提出の昭和三十七年度分の都道府県民税等の減額に関する臨時特例法案、地方自治に関する件、地方財政に関する件、警察に関する件、消防に関する件、以上の各案件につきまして、閉会中もなお審査を行なうことができますよう、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 次に、委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。  閉会中審査にあたり現地調査の必要がありました場合には、委員長において適宜、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の選定等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 なお、この際お諮りいたします。  閉会中の理事辞任の件並びに欠員を生じました際の補欠選任につきましても、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十五分散会      ————◇—————

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