地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/08/24
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案を議題といたします。質疑を許します。二宮武夫君。
○二宮委員 昨日までの質疑の中で、私どもが非常に疑問に思っておりますることは、今度の法案が、従来とられて参りましたところの臨時措置法の高率国庫援助というものを集大成した法律である、こういう理解をしておったわけでございますけれども、必ずしもそうではない。中にはあるいは低率になったり、あるいは削除されたり、そういう問題が相当あるということが明瞭になって参ったわけでございます。特に、昨日の総理府総務長官の言を借りまするというと、この法案そのものには非常に不備な点がある。しかしながらとりあえず通しておいて、これから後に漸次これを修正していきたい、こういう意見であったように思うわけでございます。 そこで、まず問題になりますることは、前の災害対策基本法を通します際に、第八章を抜いて、この問題についてのその後の各政党間におけるいわゆる六者会談において意見の一致を見て、こういう問題については必ず次に立法化をするのであるということを一つの条件として、前の法案というものが通っておるという経緯を私は承知しておるわけでございますが、まず第一にお尋ねいたしたいのは、これはその罹災者の立場に立ちますと、あるいは県市町村というものが、この法律の対象になるところの激甚地に指定をされるものであるかどうであるかという問題が非常に心配になろうかと思うのです。従って、私ども先般申しましたように、北九州の災害地域を自分自身で皆さんと一緒に視察して参りました。まことに悲惨なものでございます。局部的にはなお遺体が地下に二つも埋もっておるというその土地の上で、その地域の人が復旧に懸命に努力しておる。あるいは歩いて回るというと、もう地もとがぐらぐらゆれるように家屋が埋没してしまっておる、こういうような地域があるわけでございますけれども、一番心配になります問題は、この地域の人を県並びに市町村というのはこの高額の国庫援助の対象になるところの激甚地として指定をされるのであるかどうであるかということが、これは非常に問題になろうかと考えるわけでございます。そういうような重要な部面については、不備な点があるということを認めて、やがてこれは修正をする、あるいは政令事項にゆだねていくというようなことになりますと、災害がありましたら直ちに目の前で災害の復旧に十分努力をしなければならない。その地域の人々が直ちに上京して参りまして、いわゆる陳情的な行動をやらなければ、災害の激甚地に入れないのではないかというような、こういう問題を惹起するおそれのある法案ではないかという心配があるわけでございます。 そこで、第一にお尋ねいたしたいことは、激甚地に指定をするというところの基準について、これはおそらく腹案が、この法案をつくります際にはあると思うのですが、どのような地域を激甚地として指定をするのであるか。この法案の表現を見ますと、まことに抽象的でございまして、これを見て地方の人は、よしおれのところは災害にあって非常に不幸だけれども、これは激甚地として国が特別の財政援助をしてくれる災害である。こういうような納得のいくような法案にはなっておらない。特に第二条を見て参りましても、激甚災害として政令で指定するというその政令の内容そのものについては、これから後に決定をする事項でございますから、局部的には非常に甚大な被害を受けておりますけれども、全体的に見てあまりそうでない、財政的な援助を要しない、こういうような査定をされるおそれも政令の決定の仕方においてはあるのではないかというように考えるわけでございますが、激甚地として指定をするというこの内容について、政令事項にゆだねておるわけでございますけれども、それをいま少し明瞭に、今お考えになっているところをお示しをいただいて、この法律が通りましても不安のないように、そしてまた地方の自治体が中央に対して陳情戦術ばかりとろうとするようなこうしたよろしくない行政の姿を正す意味からも、この際はっきりここでお示しをいただきたいと思うわけです。
○江守政府委員 激甚災害を受けた地域であるかどうかということは、その地域の地方財政が激甚災害を受けたことによってその負担が非常に苦しい、あるいは災害をお受けになった方々に対して特別の助成をしなければ、その復興を促進することができない。かたがたこういった災害は、国民経済全体から見ても非常に大きな問題である、こういった事実上の問題でございます。従いまして、個々の災害が発生いたしましたときに、それが激甚災害であるかどうかという事実の認定の問題でございますので、これを形式的な基準で規定することが非常にむずかしいのみならず、そう規定することによってかえって非常に固定的なものになって、実態に合わなくなる心配があろうかと存ずる次第であります。それでこの法律によりましても、こういった激甚災害の指定は、今度できまする中央防災会議の意見を聞きまして、政令で指定するということになっておるわけでございます。中央防災会議は御承知の通り各国務大臣と日本銀行総裁、それか赤十一字の社長から構成されているわけであります。この中央防災会議の意見をお伺いをしてきめる、しかもそれが激甚災害であるかどうかという判定の基礎をなすものは、法律に書いてございます通り国民経済に非常に大きな影響がある、かつそれは地方財政にとっても非常に大きな負担である。それから被災者も非常に多くの援助をほかに期待しなければ復興もできない、このような災害である。いわばこの三つの柱は非常に融通無碍に相関連するものでございます。この融通無碍に相関連するそういった激甚災害として指定する一つの条件、これを高度の政治的御判断を有し得る中央防災会議で御認定になって、そして政令で指定するということでございますので、従来発生いたしまして特別の法律で規定して参りましたようなもろもろの災害につきましては、当然本法によりましても激甚災害の指定を受けるということになると考えております。
○二宮委員 法文的にある一つの基準を設けることは、非常に固定化をいたしまして法の運用上おもしろくない、こういう意見のようでございますけれども、そのような言い方で激甚災害というものの規定をぼかす、と言えばおかしいけれども、不明確にしておくということについては、これはあなたが一つ県知事になったつもりになってお聞きいただきたいのですが、その地域のことは一つの基準を設けておいてその基準に、最後に双方に多少の幅を持たせるというような、そういうことをやれば固定化を防げると思うのです。この法文では、これは大体あなたの方では頭の中にあるのかもしれぬけれども、中央防災会議に諮ってきめるのだからかまわぬじゃないか、大体従来のものはほとんど激甚地に入るじゃないか、こういうような御意見であろうと思うのでありますけれども、少なくとも法文をはっきり国民の前に示してこれを制定するという場合には、そういう不明確なもので法律を制定するということ自体が私はあまりりっぱなものじゃないのじゃないかと思うのです。そこで具体的にお尋ねいたしますが、たとえば今回八月上旬に参りましたところの北九州の集中豪雨による災害、これの状況は、今のあなたのお考えでは、良識ある防災会議の立場から考えまして、これはほんとうにこの法でいうところの激甚地というものに指定をされるという可能性があるのかどうなのか。あなたの方で今お考えになっている考え方では入りますか、入りませんか。
○江守政府委員 きのうの合同委員会でも自治省の方から御答弁があったと存じますが、今回の七、八月の豪雨のようなものにつきましては、おそらくはこの法律によりましても激甚災害として指定され得る程度の災害を伴ったものであろうと考えます。ただ、きのうのいろいろのお話の中で、私伺っておりまして、この点はもう少しはっきりしていただかなければならないと思いましたことは、そのように非常に激甚の災害であるという指定を受けましても、本法の根本精神は、その激甚災害を受けた地域にあるところの府県あるいは市町村、そういうものがそれぞれ非常に財政的にあるいは経済的に違った程度のものがたくさんある。それを激甚災害と指定されたならば一律に国あるいは地方団体その他が財政上の援助をするということではなくて、激甚災害と指定されたものの中に入るものであっても、市町村の財政のいろいろの状況に応じては普通程度の財政援助にとどまるものと、それ以上の高率の財政援助を受けるものと、この二つに分かれるということでございます。ただ、従来の実例に似通ったような大きな災害が起こりましたときには、本法によっても激甚災害と指定される、従いまして、おそらくは七、八月ごろの豪雨に伴うところの災害につきましても、こういった激甚災害の指定を受ける運びになるであろうということを私どもとしては考えております。
○二宮委員 具体的な例としまして、北九州の問題が一応激甚災害としての指定を受けるだろうという御判断でございますが、今御答弁なさった言葉の中に、激甚災害として指定をされるけれども、国の援助の場合においては、普通の金額の災害援助しかやらないというような市町村の財政状況もあるという。そういうことになりますと、その判定というのは一体どういうところから出てくるのですか。それなら、激甚災害になったとしても、何ら特別の財政援助をやるということにはならない、普通災害としての援助しかやらないということになる地域も出てくるという今の御答弁のようでございますけれども、これは私はちょっと理解に苦しむのですが、激甚災害と指定されても、国の財政援助の場合には普通の災害と大して変わらないところの援助をやるのだ、この判定はどういうところから出てくるのですか。
○江守政府委員 従来の特例の場合におきましては、一定の地域を指定いたしまして特例を適用いたしたわけでございます。従いまして、その一定の地域の中にある限りにおいては――一定の地域と申しましても、通常相当広い地域でございますために、非常に大きな災害を受けました市町村、あるいはほとんど災害を受けないような――ほとんどと申すとあれかもしれませんが、非常に軽微な程度の災害しか受けない市町村もある。これが激甚災害地域と指定をされますと同じ扱いを受けるというのが従来の例でございます。またその逆に、それに隣接しておりまして非常に大きな災害を受けた市町村が、たまたまその地域の指定の中に入らなかったためにそういった特例を受けないといった例があったのでございますが、今回の法案によりますと、そういった地域の指定はいたしませんで、災害、たとえば一つの伊勢湾台風なら伊勢湾台風、第二室戸台風なら第二室戸台風、これにあったものが激甚災害であるというふうに指定をいたすわけでございますので、そういった伊勢湾台風でほんとうに大きな被害を受けたという場所はすべて国の特別の財政援助を受ける。ただし、伊勢湾台風の被害は受けたけれどもその被害が非常に軽微であったというような市町村もあり得るわけでありますが、そういう市町村についてはこの特別の高額の国その他の財政援助は行なわれない、こういう意味でございます。
○二宮委員 第二条を読みますと、「国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害が発生した場合には、当該災害を激甚(じん)災害として政令で指定するものとする。」ということになっているわけですが、たとえば第七号の台風というものが出ますと、第七号の台風は激甚災害である、しかしながらそれを受けた特定の地域の地方自治団体というものは、国の財政援助の面から除外される、そういうことの指定は受けておるけれども地域としては除外されるものが出てくる、こういう意味ですか。
○宮崎説明員 だいぶ技術的なことになりますので、補足的に御説明申し上げます。 今、審議室長の方から御説明申し上げた通りでございますが、要するに法律の建前としましては、第二条において激甚災害の指定が行なわれる、これは今いろいろ議論になっている通りでございます。そこで激甚災害の指定というのがどういうふうに行なわれるかということでありますが、これはこの二項にありますように、「次章以下に定める措置のうち、当該激甚(じん)災害に対して適用すべき措置を当該政令で指定しなければならない。」ということになっております。従いまして、第二章以下ずっとございます各条項のうち、どの条項から働かすかということを政令で指定するわけであります。従って、今問題になっているところでありますと市町村の公共災害のようでございますから、第三条になります。第三条による指定を発動する、こうなった場合でございますが、第三条を見ていただきますと、その中に書いてございますように、「政令で定める基準に該当する都道府県又は市町村」について負担の軽減をやると書いてございます。この「政令で定める基準に該当する市町村」というのがただいま御質問の問題だと思います。これは昨日の委員会におきましても資料をもって御説明いたしました通りでありまして、要するに、その市町村の場合であれば、市町村の十四にわたる各種の事業の地方の負担額が市町村の標準税収入に対して一定の基準を越えた場合にこの基準に該当する、こういうように規定しておるわけであります。その率というのが一応今百分の十ということで関係各省間で一致しているということを申し上げたわけであります。こういうようなことをいたしますのは、激甚災害というのはおっしゃる通り何号台風というようなものでございまして、これに対してその台風の状況によって、たとえば公共土木等の公共災害が非常にひどいという場合は、この条項を発動する。公共土木の災害がひどいとしても、何もそれを受けた全市町村、全府県をやることにはならないわけでございまして、いろいろな従来の特例法でも全く同様でありますが、さらにそこに激甚地指定ということが従来は政令で行なわれていたわけです。従来行なわれていたその激甚地指定と同様のものが、ここにある政令で定める基準になるわけであります。今回はこれについて総合負担方式という方式をとっておりますので、従来と違って相当合理的な方法できめられるという点が違うだけでございます。従って市町村であれば、百分の十という率をこえる地方負担額になる場合に激甚地の指定になる、こういうふうになっております。ですから二段に指定が行なわれる形になります。
○二宮委員 それは第三条によってこの問題を局限して解釈した場合にあなたのおっしゃるような問題になるのですが、今の第二章の解釈ではいま少し総合的な問題だと思うのです。たとえば八月上旬の北九州の集中豪雨というそのものは、これは激甚災害であるけれども、しかしながら地域としてはあるいは災害を受けた種類によっては第三条以下によって指定をしていく、こういうようなことになりますと、どうですか宮崎さん、今のお話で、たとえば北九州の問題で、あの八月上旬の集中豪雨は激甚災害だけれども、その地域によってはあるいは市町村によっては、国からの特別な財政援助を受けない地域も出てくる、こういう問題になるわけですが、そういうことですね。
○宮崎説明員 おっしゃる通りでございまして、災害の指定といいますのは、先ほども申し上げましたように、何号台風というような指定をいたします。それは御承知の通りで、たとえばチリ地震津波のようなものであれば、津波対策が非常に問題である、あるいは風台風であれば住宅災害が問題であるというように、災害のそれぞれの特殊性がございます。従いまして激甚災害といいましても、ここに書いてあります第二章以下の各条項全部発動しなければならぬというような問題ではないわけであります。普通の場合は、このうちのどの部分が出てくる、従来の形で申し上げますと、伊勢湾台風のときには二十六の法律ができましたけれども、チリ地震津波なら一つで済んだ、こういうようなことがございます。それと全く同様の考えであります。それで第三条というのが発動するという場合におきましても、全部災害を受けた市町村のものを特別の財政援助にするということではこれは非常に不公平であります。むしろその市町村の負担分が相当重いというときに、初めて働く方が特例法としても公平になるわけであります。これは従来伊勢湾台風の場合であれば、市町村について混合方式によって一対一越える市町村というものが激甚地として指定されたのと同様な考え方でございまして、当然そこに一定の基準を越えたものが対象になる、そういうことで、その内容等については資料によって申し上げた通りであります。
○二宮委員 第三条以下の資料に基づいての問題は了承いたしますが、そういたしますと、第二条というのは非常にぬか喜びになるおそれが地方自治団体としては起こってくるのではないですか。
○宮崎説明員 第二条は先ほど審議室長からお話がございました通りでございまして、やはり第二章以下にあります実際の措置に全然該当しないようなものが第二条で指定されるようなことは当然常識的に予想されないわけでございます。やはり相当の財政援助なりなんなりが行なわれるというようなものが指定が行なわれる、こういうふうにわれわれは考えております。
○二宮委員 第二条の激甚災害の指定というのは、あなたの御説明ではたとえば第七号台風、これは激甚災害であると、こう指定をするのだ、しかしながら、地方自治団体の特殊の状態を見るというと、その災害を受けた事業別によって高額の援助をやるものもあれば、低い援助をやるものもあれば、全然やらないものも出てくる。そうすると、第二条というものはどういうことですか。法律の構成上どういう意味になるのですか。一つの災害を伴う台風なら台風、集中豪雨なら集中豪雨、あるいは地震なら地震、それだけはこれは国民経済に非常に大きな影響を及ぼす問題であるから、これは激甚災害として指定をするのだ、中央防災会議でそろいう指定をする、そうしておいて、その中から特殊な事業別に、これはこうだ、これはこうだといって問題をより分けていく、こういろ方向になるのですか、この第二条というのは。
○宮崎説明員 おっしゃる通りでありまして、従来の災害関係の特例法というものを思い出していただくといいと思いますが、伊勢湾台風が来た、これは非常に大災害だから、たくさんの災害特例法をつくらなければならぬ、こういう議論になって参ります。そうすると、この災害特例法というものをどれだけつくるかということになりますと、たとえば公共土木災害がひどいからこれをつくろう、あるいは住宅がひどいからこれをつくろうということについて、その内容によって特例の法律をつくるかつくらぬかということをやっておったのであります。今回はこれを包括的かつ恒久的制度としてつくろうということでありますから、その内容としては、大体従来特例法として出たようなものは全部網羅してございますので、それを第二条でもって激甚災害として指定いたします場合には、そういった全規定が働かなければならぬような非常に大きなかつ網羅的な災害の場合、これは全部働く。しかし非常に片寄った災害というような場合には一部が働く、こういうことになるわけであります。そういう場合でも、それはやはり一部についての激甚災害でございますから、第二条によって、激甚災害としての指定は行なわれる、ただしそれは一部について規定が発動されるような災害である、こういうふうにお考え願えれば御理解願えるのではないか、こういうふうに思っております。
○二宮委員 それでは先ほどの御説明の中で、もう少し具体的にお尋ねいたしますが、北九州を襲った八月上旬の集中豪雨というものは、第二条によって激甚災害であるというように大かたなるという見通しですが、その場合に地域的に考えてみますと、地域的にはどうなんですか。大体地方で心配しておるような地域で、この条文の中から選択されて災害からのけられるという地域があるというような状況になるのではないのですか、その点はどうですか。
○宮崎説明員 きのう実はこの点につきましては、自治省の財政局長さんからも御説明があったわけでありますが、今御承知のように、北九州の問題については査定が行なわれている段階でございますから、いずれにしても断定的なことは言えないわけであります。またこの第二条の規定を働かすかどうかということも、この法律が通りまして、中央防災会議で方針がきまるわけでございますから、それからの問題ということになりますが、現在被害報告が行なわれておるものを一応基礎にして推定したところでは、市町村については相当程度この第三条の方でいういわゆる政令で定める基準に該当するものがあるようであるというお話でございます。それがどの程度であるかということはまだはっきりいたしておらないようですが、相当数あるようだということになっております。
○二宮委員 建設省の方にお尋ねをいたしますが、農林省が見えておらないですね。建設省の方は河川局ですか、道路局ですか、これはもう少し具体的に見て参りました点で心配になる点をお尋ねをしたいのですが、適当な方がおいででないようでございますけれども、たとえば何百万立米というような大々的な地すべりが徐々に進行しておるというような状況の中で、これを事前に食いとめる技術的な策がはたしてあるのであろうかということを実は私見て参りまして心配をしておるのですが、これはだれか関係の方いらっしゃいますか。地下水を抜いてみたりいろいろ弥縫策を講じておるというような傾向が強いのですが、非常に大きな土砂が地すべりを始めてその下におるところの人家はもうそこの中では生活をすることができないというような状況にあるものに対して、日本の今の技術では根本的に食いとめ得ないのじゃないかという心配を私はしておるわけでありますけれども、関係者がおりましたら一つ御答弁願いたい。なければまたあとから来ていただきます。
○鮎川説明員 ただいま地すべりに対して科学的にそれをとめる方策があるかというお話でございました。私は科学的な点については十分お答えできかねますが、現在制度的にどういうふうになっておるかということについて申し上げますと、御承知のように現在地すべり等防止法というのがございまして、そういう地すべりが発生いたしまして、人家あるいは田畑その他の地域につきまして地すべりのおそれがあるという地域につきましては、地すべりの防止のための区域を設定いたしまして、その区域について地すべり防止の基本的な計画をつくる。こういう計画をつくりまして、それぞれ所要の対策を講ずることができるような制度がつくられておるわけでございます。従いまして、この制度によって今各地においてやっているものもありますが、その制度に即して科学的には現在できる範囲の措置で、いろいろな点の地すべり対策地域における地すべりの状況を検討して対策を講じておるというような状況でございます。
○二宮委員 制度的な問題は今の御答弁で了解いたしますが、現地を見て参りますと、そういう制度そのものはわかりますけれども、技術的に大きな地すべりというものがはたして食いとめられるのかどうかということについては今の答弁では納得しかねるし、また専門外でもあるようでありますから、この問題は保留して、後ほどまたそういう関係の方が見えましたときにお伺いいたしたいと思います。 これは総理府の方にお尋ねいたしますが、今度の法案を見ても私ども非常に心配になりますことは、前々から論議をされておりましたところの個人災害というものに対して、これをどのように救済するかということについては全然触れておらない。農地は農地として、それはどういうパーセンテージのものに対してはどのような補助をするんだというようなことはありますけれども、たとえば家屋が流失をしたとか、あるいはいろいろな個人的な財産、生命というようなものの災害に対する国の補助というものは全然考えておらないように思うのです。これらに対する審議の経過、それからこれらに対するものの考え方、これを一つぜひお聞かせ願いたいと思うのです。
○江守政府委員 仰せの通り、この法案には個人災害に対する規定が盛られておりません。この点私どもといたしましても、この法案を作成いたします際に、災害のうちでそういう面に対する措置は十分にしなければならないということで、こういった一本の法律をつくる以上は、そういった面も十分考慮したものをつくらなければならないということは考えたのでございます。ただ御承知の通りでございますが、この激甚災害に関する財政の特別措置、あれをつくりましたのは、政府部内におきましては非常に急につくったということでございます。災害基本法との関連におきましてもっと早く用意をいたさなければならない問題でございましたけれども、何分各省の間にいろいろの問題を持ち、かつ従来非常にたくさんの経緯を持つ問題でございましたために、なかなか政府間の思想がまとまらなかったのでございます。それを災害基本法の審議との関連におきまして、第三十九国会に急速上程をいたすということで、いわば大急ぎでつくった形であったのでございます。そのために個人に対する災害につきましては、これを将来どのような法律的な体系で措置をするか、あるいはそれを離れた予算的な問題として取り上げるかということは、自後の検討に譲ったわけでございます。従って、それらの問題につきましては、政府といたしましても十分重要な問題であり、激甚災害という問題を取り上げる際に、決して落としてはならない問題であるということを十分承知いたしておりますけれども、今申しましたような事情で、今回この国会に御提案いたします法律の中には盛り込む時間的な余裕がなかったということでございます。
○二宮委員 国としても、これに対して援助しなければならないという気持を持っていることはわかりました。これをまた次の機会に法文化して修正をして、この条文の中に挿入をしていこう、こういろ意図のあることも今の答弁でわかったわけでありますが、私はやはり、局部的な問題になるかもしれませんけれども、現実を見て参りました問題として、たとえば熊本県の長洲町というところで、これは特殊なケースでございますけれども、金魚の養殖をやっている地域がある。ところが残念なことに、この地域に行政的な指導が足りないために、漁業協同組合というものを組織しておらない。従って農水産のための施設、飼育のための設備というようなものに該当しない。個人個人が全部別個に一人々々で個人でやっている。ところがそれに対して異常な洪水が出ましたためにほとんど全部が流されてしまっている。こうなりますと、これは天災融資かなにかで多少お命を借りるかどうかする以外にはない。これはほとんど全町あげて被害を受けているのであるけれども、実は分析をして参りますと、それはこの法案に出ておりますような農水産飼育施設というようなものには該当しない。個人の問題である、一人々々の災害の集積であるというようなことになるわけでございまして、これはやはり地方の自治体の行政指導のまずさということもあろうかと思いますけれども、この災害の及ぼすところ、地域としては非常に大きな問題があろうかと思うのです。従って、今のような個人災害というものに対して、これは特別な例であろうかと思いますけれども、今後とも一つ十分検討してもらわないと、個人であるということのためにこの問題から削除して、これに国が助成しないという方向に参りますと、地域としては大へん大きな打撃を受ける。このような問題があるいはこれとは別個のケースで起こってくるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。これは私が実際見て参りまして、その地域で感じました問題でありますから、個人災害に関連をいたしまして、今後国が熱意をもって個人災害に対して一つ十分考えていただきたいという参考の事例としてお聞きをいただきたいというように考えるわけでございます。 それから河川局の関係にお尋ねいたしますけれども、前に災害対策特別委員会で論議の出ました問題ですが、永久橋をかけて、ほとんど河川の河床がずっと上がってしまって、上流の方面は堤防の改修が行なわれた。ところが、ちょうどのどを締めるような形で永久橋が一本あって、その取りつけの道路はコンクリートでやっていない。これはやがて災害が起これば、非常な出水があれば、必ずはんらんをして堤防が決壊をする。そうして人畜に被害を及ぼすであろうということがはっきりしておるが、どうだろうかという問題が上石狩川の例でもあげられておったのですけれども、今回は実際問題として予言したごとくに全く同じ事実が出てきておる状況なのであります。従来私どもが考えますのは、河川の上流部分について災害があったために、改良復旧などやりまして上流はよろしい。ところが下流の方についてはのどをしめるような姿で、河川の形態というものが、水の流れる姿において非常に異常な格好になっておる河川が全国的に非常にあるのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、その際に、今後もしそれによって災害が起こった場合には、河川局長が責任をとるのかどうかという問題まで、実はそのときに、災害対策の特別委員の方から出て参ったことがあるのでございます。そのような状況の今回の石狩川のはんらんではないかというふうに私は考えるわけなのですが、こういう問題について、これは従来の災害復旧の姿というものが、川全体の姿として見なくて、ただ災害復旧というところにばかり重点を重いているためにその川が異常な姿で存在をしているというような河川が相当に全国的にあるのじゃないか。従ってこれが将来とも、今回は北海道に限りましたけれども、これは諫早においても同じような形態の河川がございまして、異常な出水をしておる場所もあるわけでございます。これは今災害が起こらぬから、そのままでいいんだというようなことにはならないと思うのですが、こういうような河川に対する河川局としての対策をお尋ねしたいと思います。
○鮎川説明員 ただいま河川の災害復旧に際しまして、災害復旧のみにとどまって、改良復旧あるいは河川全体の治水の事業が十分でないために再度災害が起こる例があるじゃないか、こういう御指摘でございますが、御承知のように、災害復旧事業につきましては、原形復旧ということを原則といたしておるわけでございますが、なお原形復旧のみにとどまらず、再度の災害を防止するために、必要な災害関連事業等を施しまして、その地域における災害復旧については万全の措置を講じたいというふうに考えて、それぞれの事業をやっているわけでございます。しかし河川全体につきましては、むしろ災害を受けました場合に全部の治水事業が完成できるということはなかなかむずかしい問題でございまして、河川全体の治水計画ということにつきましては、計画的な河川改修事業というものを行ないまして、漸次その河川の災害を防止するような措置を講じておるわけでございます。 御承知のように、河川の全体の治水計画につきましては、現在治水十カ年計に基づきまして事業を進めて参っておるわけでございますけれども、現在計画に基づく事業の執行は、三カ年を経過いたしておるわけでございまして、まだまだ未改修地域が相当多いわけでございます。なお、昨年及び今年におきまして相当な災害を各地に受けましたので、従来の河川改修計画につきましては、いろいろの点から再検討をする必要があるということが発生して参りましたので、河川局といたしましては、そういう災害の実情にかんがみまして、いろいろな河川につきまして検討を加えておる最中でございまして、その治水十カ年計画について根本的な検討を加えて、まず事業を繰り上げて実施したい、あるいは今までの不十分なところを十分に整備していきたい、こういうふうな考えで治水計画を進めておるという状況でございます。
○二宮委員 農林省関係の方が見えておりませんので、これは私も実は解釈に苦しむ問題ですが、建設省の河川関係の方にお尋ねいたしますけれども、集中豪雨というような場合には、おとして国が直轄をしておる河川に起こる災害というものは比較的少なくて、市町村が管理しておる河川であるかあるいは灌漑水路であるかと思われるような、非常に小さい河川に異常な災害が起こって、農地を埋没し、流失しておるというような状態が多いわけなんです。そこでこの点について特にこれは島原半島で私は見たのですけれども、河川の上流において、これは河川であるか、灌漑水路であるかという解釈の問題が非常に微妙な問題になるのじゃないだろうか。ほとんど河川そのものを灌漑水路として利用しておる。しかしながら実際の所管としては、これは河川として復旧の面そのほかについては財政措置をやらなければならぬ、こういうような問題がこういう地域に非常に多発しておるというような状況を実際問題として見て参ったわけですけれども、農林省と建設省における最も小さな上流における河川の取り扱い、これに対する対策、こういうものについて、これは非常に具体的な問題になりますけれども、どのように協議をし、どのように管理をするような行政指導をしておるのか、この点を一つ小さな問題ですけれどもお尋ねをしたいと思います。
○鮎川説明員 河川の管理について建設省と農林省関係がどういうふうな話し合いでやっておるかというお尋ねでございますが、今お話しになりました河川について、建設省関係がどういうふうになっておるかという点からまず申し上げますと、建設省の管理いたしておりますこういう河川は河川法が適用される河川、それから河川法が準用される河川、河川法と同様な規定が働く河川でございますが、そういう中小河川、いわゆる河川法で処理する河川を建設省関係が所管いたしておるわけでございます。なおそのほかにいわゆる小規模な河川といたしまして、市町村が管理する普通河川というものもあるわけでございまして、これは普通河川としてそれぞれの地方公共団体が処理をいたしておるわけでございます。 なお、農林関係で排水的な用水路というものは、それぞれの目的に従った排水路に属するものをやっておるわけでございまして、利用の目的に即した水路として農林省関係は、それぞれ所管をしておるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 私ども建設省といたしましては、そういうような建設省の所管に属するものにつきまして、河川の改修事業あるいは災害復旧事業をやっていく、また上流地帯におきます治山治水の関係につきましては、それぞれ個所ごとに農林省と協議をして実施いたしておるというような状況でございます。
○二宮委員 最後に、学校関係の災害でございますすれども、たとえば、これは政令事項でございますが、同じ行政区域の中における罹災校の数が十分の一でなければそれに対して二分の一の補助あるいは三分の二の補助がやれない、こういう政令で定められておる事項が実は今まであったおけでございます。改良復旧の問題については、昨日の本会議で文教委員会から上がって可決をされましたので、これはいいのですけれども、激甚地として指定をする場合に、これはすべての総合的な面でいくわけですけれども、たとえば昨年の十月における九州の集中豪雨の際に問題になったのですが、一つの学校が土砂くずれのために全く埋没してしまった。全然学校の経営がやれない。ところがその行政区域の中に同種類の学校が十三校ばかりある。そうすると十分の一以上の罹災校がなければ激甚地の指定を受けられないということになりますと、これはどうしても二校以上なければならないということになるわけです。そうなりますと、どうしても一つの学校の災害はまことに激甚災であるけれども、国からの財政援助という問題からははずされてしまうという実例が実はあったわけでございます。これは現在まで復旧しておらない状況でございますけれども、同じ行政区域、しかも町村合併が行なわれました後の行政区域の中における校数によって、あるいは一つの学校の平均被害金額によって、それを激甚地であるかどうかということの査定をするというような行き方は、私は非常に矛盾があるのではないか、そういう行き方では罹災を受けた学校としては非常にかわいそうな立場に立つのじゃなかろうかというふうに考えるのでございますが、今回の法律ではそういうことにはならずに、いろいろ修正をされているとは思いますけれども、やはり私立学校にしましても、公立学校にしましても、政令事項という問題がこの中に残っておるわけでございます。私が今心配をしているような問題は、今回の法令、この法案の中には懸念をする必要はないかどうか。こういう点を一つ助成課長さんおいででございますからお尋ねします。
○井内説明員 ただいま学校の災害復旧につきましてのお尋ねがございましたが、公立学校の場合と私立学校の場合に分けましてお答えいたします。 公立学校につきましては、現有公立学校の災害復旧の負担法がございまして、この負担法の発動によりまして一般災害につきましては措置いたしておるわけでございます。激甚災害の場合におきまする措置の仕方等につきましては、ただいま提案されております激甚災害の統一立法によって措置することとなるわけでございますが、ただいまお話のございました公立学校で災害を受けましたもののうち、どの部分を国庫負担の対象とするかという対象の問題につきましては、他の災害の場合と同様に、都道府県工事の場合に十五万円、市町村分につきまして十万円という、一学校ごとの建物、工作物、土地、設備ごとの被害額が、ただいまの金額以上のものにつきましてはすべて国庫負担の対象となる建前になっておるわけでございます。 ただいまお尋ねのございました学校数が、当該市町村内の学校数の十分の一以上とか、そういった学校数の問題は、私立の学校の災害復旧に関しての問題であろうかと存じます。この点につきましては、私立の学校につきまして国庫補助を出しますのは一般災害の場合は従来出しておりませんで、激甚災害の場合に私立学校につきまして、従来の実績と同様な措置をとろうというのがただいまの法案の趣旨でございます。私立の学校で激甚災害の場合に、国庫補助の対象にいたしまする対象を、どういうふうな規定の仕方をするかということは、この激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の施行令の問題になって参るわけでございますが、ただいまのところ文部省といたしまして関係各省と御相談中でございますが、私立学校の押え方がなかなかむずかしいのでございまして、ただいまのところ大体従来の実績を確保するという線で政令案を考えて参りたい、かように考えております。
○二宮委員 そうしますと、やはり私立学校については一校がどのように大きい被害を受けましても、たとえばその学校が建っている地域が土砂くずれの地域であって、ほかの地域は浸水個所にも何にもならない、こういう場合には従来のワクを確保するという段階になりますと、一つの学校がどのように激甚で全く壊滅の被害を受けても、それに対して国から二分の一の助成はできない、こういうことになるわけですか。
○井内説明員 ただいま先生から御指摘になっておりますような具体的な例が、昨年でございましたか大分県等におきましても生じたわけでございます。その際、国からの補助金と私学振興会からの融資ということで、二本立てで私学につきましては措置をいたしておるわけでございます。ただいま御指摘の私立の学校が一校だけ非常に大きな災害を受けたという場合に、しかもその災害が激甚災害に指定されたという場合に、激甚災害による国庫補助を発動したいという気持を持っておるわけでございますけれども、その辺、従来の私立学校に対しまする国庫補助の諸制度、実績との関連もございますし、文部省といたしましてはその辺どういう案で参るか、先ほども申し上げましたように、関係各省と協議中でございますが、ただいまのところ従来のやり方で大体いくようになるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 ただその際、先ほど申し上げましたように、私立学校振興会の融資をどこまでも厚くしていった場合に、その私学の経営に実情がマッチするか、その辺を勘案しながら引き続き検討さしていただきたい、このように考えております。
○永田委員長 門司亮君。
○門司委員 どなたからでもいいですが、お答えのできる人からでいいのですが、この法律を出されますには、この法律が基本法の九十八条関係の法律だと思いますが、この法案の百三条関係の法律は出されますか、出されませんか。
○奥野政府委員 百三条関係の規定は、今御審議いただいております法律案の二十四条に規定いたしております。
○門司委員 私が聞いておりますのは、二十四条だけでこれは足りるというふうにお考えになっておるとすれば、基本法をこしらえたときの考え方と違うのではないですか。基本法にはこう書いてありますよ。百三条は「国及び地方公共団体は、激甚災害の復旧事業費のうち、国の補助を伴わないものについての当該地方公共団体等の負担が著しく過重であると認めるときは、別に法律で定めるところにより、当該復旧事業費の財源に充てるため特別の措置を講ずることができる。」こう書いてある。基本法には「別に法律で」と明らかに書いてある。だから私は聞いておる。
○奥野政府委員 災害対策基本法で「別に法律で定めるところにより、」、こう規定しておるわけでございまして、それを受けまして政府は激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律を提案しておるつもりでおるわけでございます。
○門司委員 そうだとすると、この二十六条と二十四条はもう少し具体的に書かれていなければならないのではないかというような考え方が考えられる。二十四条をずっと読んでごらんなさい。これでよろしいかどうかということについては、かなり大きな疑問があると私は思う。この基本法の百三条というのは、こういう形で小災害あるいはその他国の負担にかからないもの、いわゆる小さな地方の災害等について累積されたものというようなものについての考え方、それから今お話がありましたような国の対象にならない個人の災害、幾つかの問題があると思う。そういうものを予期した一つの政府に対する法律であった、私はあのときにはこう考えておった。ところが今度の二十四条だけで足りるとは考えられない。具体的にそれではどういうことをこの二十四条でやるのです。
○奥野政府委員 基本法の百三条を規定いたしましたときには、従来大災害の際、特別措置を立法しておった、そういう部分につきまして、別個恒久的に法律を作っていこう、こう考えておったわけでございます。そういう内容のものが二十四条に規定されている事項でございます。あるいは将来これだけで不十分だという問題が起こってくるかもしれませんが、従来大災害のつど特別立法いたしておりました基本法の第三条に書いてあります性格のものは、この事項であったわけでございます。 なおもう一つ、基本法の百二条に規定してございます。これも同趣旨の立法であったと思います。第二十四条の一項の方は地方公共団体が復旧の責任を負っているもの、それがたまたま一カ所当たりの災害復旧事業費が少ないために、国庫負担の対象から漏れてくるものを拾っておるわけであります。二項の方は農地その他の農林水産業施設で、やはり一カ所の災害復旧事業費が少ないために国庫負担の対象から漏れるものを救っておるわけでございます。
○門司委員 今百二条の関係を話されたわけですが、もう一つ伺いたい。百二条の関係では、大体利息の定率、償還の方法、あるいは地方債のようなものについてそれを政令で定めるというように書いてある。この場合は政令で定めると百二条に書いてある。法律にゆだねるとは書いてないのですが、百三条は法律と書いてある。この辺はどうです。この法律をそのまま読んでごらんなさい。「政府資金で引き受けた場合における当該地方債の利息の定率、償還の方法その他地方債に関し必要な事項は、政令で定める。」、こう書いてある。それから百三条はやはり法律に基づいてと書いてあるのですね。だから、きょうここでその問題を押し問答しようとは考えておりませんが、私は将来この問題はやはり法律ではっきりと規定し、別途の法律を出してもらわぬと、将来の災害では個人の負担というものが地方自治体にどうしても出てくると思う。私がこういうことを聞いておりますのは、今お話のありましたような個人災害その他について、特別の立法をして万全を期せられればいいが、幸い法律で定めよと書いてあるから、その中に別の法律で、やはり政府の対象にならないものをさらに地方の自治体限りで何とかしなければならないということが、私は必ず出てくると考える。また地方条例その他でそういうものがないわけじゃないのですから、地方団体の負担において補助あるいは援助しているものが必ずあるわけです。そういう問題についても、次の機会まで出せないというあなた方の考え方ならばそれでよろしいし、出すという考え方なら出してもよい、どちらでも私はよろしいと思うのだが、政府の考え方で、今のようにこれで事が足りるというなら、一応私はそういう考え方を持った別の法律を、せっかく基本法にそう書いてあるから出すべきだ。百二条は政令でよろしいと書いてあるから、それは政令でよろしい。だからこの法律が基本法の九十八条に基づいてできたとするなら、基本法はやはり忠実に政府でこれを取り上げていただいて万全を期すべきではないか。そうしないと基本法自身を何で一体審議したのかわからなくなる。だからそれ以上私はきょうここで無理に質問しようと思いません。そういうことで一つぜひ万全なものを、二十四条でよろしいというようなことでなくて、ほかに一つ法律を考えてもらう必要がありはしないかということを申し上げておきます。 それから最も重要な問題は、この法律できめております災害に対する政府の援助の仕方でありますが、これについて基本の税収入を一応めどにしてやられております。これはそれ以外におそらくなかろうかと考えますが、この場合に勘案しなければならないのは単に復旧だけをそれでやればよろしいというのではなくして、町村あるいは府県の財政は、住民の負担能力が非常に大きな影響をしてくる、財政の少なくとも何倍というような大きな被害を受けたときに、その後の住民の負担能力は著しく減退すると思う。従って町村が立も上がろうとするには、復旧だけはそれで足りるかもしれない。しかし町村は生々発展をしておることは皆さん御承知の通りでありますから、非常に被害を受けてただこの程度の処置ではほんとうに町村が立ち上がることは困難ではないか。そうして近接あるいは隣接の町村の行政の中で、非常にたくさん差ができるようなことが私は現在でもあると思う。非常に大きな災害を受けて立ちおくれておって、どうにもならないところがある、そのために五年も十年も住民が苦しんでおる。そういうものに対する配慮は、この法律だけでは私は足りないと思うが、何か特別に考えられておりますか。
○奥野政府委員 御指摘のような問題がまさしくあると考えておるわけであります。そういう趣旨をもちまして、あるいは連年災害の場合の特別の助成措置でありますとかあるいは災害常襲地帯に対する特別の国の措置も生まれていると思うのでありまして、災害復旧を助けるだけでなしに、さらにそれ以上に回復を容易ならしめるような措置を講じていかなければならぬと思うわけでございますけれども、現在のところそういう意味での法律はないと思います。ただ、いろいろな公共事業等を施行します場合には、災害関連事業だけでなしに、ある程度そういう点も留意して行われるべきであろうと思うのであります。将来も研究問題として、私たちよく考えて参りたいと思います。
○門司委員 研究問題だと言っておりますが、それならこれから一つ少し研究をしてもらいたいと思うのですが、具体的に少しお話をしたい。 私がなぜそういう質問をしておるかと申しますと、この法律できめられた最も重要なもの、補助の基本になる数字が明らかにされておりません。たとえば自治省の方、さらに政府の方はよく知っていると思うのだが、おのおのの所管でそういうことをしないという答弁がもしできるなら、この際この法律ではっきりしてもらいたい。 たとえば三十六年度の決算から見た数字をごく概略的に申し上げてみましても、厚生省関係で、たとえば保健所の運営等についても、地方の自治体から出ておりまする三十六年度の決算で、実績見積りが大体九十億八千五百万円という数字が出ておる。ところが国庫負担の基本額というのは、五十八億七千百万円であって、地方の負担は五五%になっておる。これは今後ともこういうものが基準になって、どんな災害について何十パーセント、あるいはこれに幾ら出す言っても実際問題では追っつかないのです。それを私は心配する。一体こういうことでどうしてよろしいかどうか。農林省関係においても、農業改良事業についても大体同じことが言える。これは職員の問題もそうでありますが、事業費も同じことであります。職員給与の問題にしても、実績は大体事業費と同じような形で、地方負担が五二%になっておる。これは実績に対してはきわめて明らかだ差だと思う。さらに同じように建設省の住宅関係は一体どうなっておるか。地方の自治体のほんとうの負担額は大体坪当たりが四万三千四百二円という数字が出ておる、ところが国のこれに対する基本額は三万二千五百四円であって、三四%の負担になっておる。これはさらに一戸割りに引き当てて参りますと、さらにその負担は大きくなり、六一%地方自治体の負担になっておる。用地の関係等に至っては、坪当たりが大体二千百八十一円というのが地方自治体の実績であって、政府の見積もりは七百二十八円になっておる。これなどは百分の三百三十七、こういうものが基本でしょう。そしてこういう法律を幾らこしらえても一体どうなるのですか。その次に、同じように建設省の力の関係にいたしましても、中層の耐火建築のごときは、全国平均で大体二七%の負担をしている。一戸当たりにこれを引き直してくると四二%、用地の関係においては全国平均一七五%という数字が出ておる。労働省の関係においてもこれと同じようである。失対事業については、地方の負担というものが全国平均で一一・六%という数字を地方の自治体は負担しておる。ことに事務費のごときは七四・七%出しておる。資材費が一四・一%というような形で、今申し上げましたような全国平均いたしましても一一・六%、これは労働省関係で負担しておる。文部省の関係になってきますと、義務教育の施設費を一つ見ても、これについての建物の坪数の場合に、新築で実績が六万八百四十七円という数字に、国の基本の額というのは四万八千七百十八円である。これは二五%の増になっている。難物の坪数あるいは工事費というようなものにこれをずっと引き伸ばして参りますと、建物の坪数というのが地方では大体三万五十五坪という数字が出ておるのに、国の基本負担は二万二千百九十五坪で、これは三一%の増、総工費の増は大体六三%という数字である。増築その他におきましても同じようなことであって、増築については大体単価からくる、あるいは坪数というようなものと同時に、建築費のすべてを引き伸ばして参りますると、百分の百九十九という数字が出ておる。危険校舎に至りましてもやはり同じような数字であって、六五%という数字が出ておる。こういうことが私は実態ではないかと思う。この法律で定められる、たとえば標準税率の六倍なら六倍を九〇%保障する、こう書いておるんだが、単価は一体どうなっているのですか。実質の単価を見るのかあるいはこういう、今申し上げたような事実上出ておる――材料があるから各省にわたって詳しい話をしてもいいんだが、そういうことでこういう法律をこしらえて、ほんとうに激甚の災害を受けた自治体が立ち上がることができるかどうか、そういう点を一体どういうふうにお考えになっておるのか、この点を明らかにしてもらいたい。どなたからでもよろしいです。
○奥野政府委員 一応私からお答えをさせていただきたいと思います。 門司さんの御心配になっていること、まことにごもっともなことだと存じます。実は先ごろ地方制度調査会の方からの要求を受けまして、国庫負担の対象となっているものについて、その国庫負担の金額がはたして適正であるかどうか、こういうことを調べたわけでございます。その結果あまりにも超過負担が多過ぎるという現状に驚いているようなわけでございまして、ぜひ三十八年度の国庫予算の編成にあたりましてはそれらの単価の是正をやって参りたいということを強くお願いをして参りたい、かように考えておるわけでございまして、自治大臣もその点につきましては強い考え方を持っておられるようでございます。最近建築費の単価が上がってきたとかいろいろな事情がございまして、国庫負担に計上されております負担金の基礎というものがかなりずれてきているようでございます。御指摘になった通りでございます。建築関係、それから土地の関係、給与費の関係、この三点に一番大きなずれがあるようでございます。ぜひそれらの点については三十八年度において国庫予算の計上額について是正をやっていただくようにお願いして参りたい、こう思っておるわけでございます。
○門司委員 今のような答弁でこの法律を通すわけにいかぬでしょう。ことに激甚災害の方は、さっき申し上げましたように住民の負担力が非常に落ちている。国の補助にたよる以外にないのです。その場合にこういう単価で国がもし押しつけてくるとするなら、一体地方の自治体はどうすればいいかということになる。その規定のものはできません、三つ壊れたものを二つだけしかできないということにならざるを得ない。きょうは自治省の財政局長はそういう答弁しかできないと言うけれども、大蔵大臣はどうです。これから各省の大臣に出てもらって、ほんとうにやる気があるのかないのか、われわれこういう法律をつくっても地方自治体では迷惑をする。そして原形復旧も完全にできない。それをしようとすれば非常に大きな負債をしなければならないということが出てくる。この点を一つこの委員会で、この法案の上がるまでに一つ明らかにしてもらいたいと思う。 私は別に無理を言うわけじゃない。地方の自治体においては、たとえば校舎の問題にしても、国が規定したより以上のりっぱなものを建てようというような考え方を持っている人がいないわけではない、そういう学校がないわけではない。ですからそのままの実績をここに引き当ててそれでよろしいかどうかということについては多少の疑問があるかもしれない。しかし百分の三百幾つというようなばかばかしい数字が出るというような、あるいは百分の百七十五というようなばかばかしい数字が出るようなことで法律というものがもしできて、それが押しつけられるとするならば、法律の権威も非常に大きな支障を来たしはしないか。ただ体裁だけをつくったって実質的には何もならない。こういう意味で、これは委員長にお願いをするんだが、今自治省政務次官だけおいでになっておりますが、特に重要なのは大蔵省です。大蔵省の財務官もおいでになっておらない、局長も来てないし大臣も来ておらない。こういうことで、今の奥野局長の答弁で納得するわけにはいかない、言質だけははっきりしておきたい。 百歩譲って、普通の場合でもこれについては文句があることは、今自治省からのお話の通りでありますが、ことに激甚災を受けてどうにもならないというようなところに、こういう基準でもし国がやられるということになれば、大問題だと思う。従ってこの際、この法律をこしらえる場合には、補助の単価を一つ数字にして明確に出してもらいたい。その上でこの法律を審議することが私は正しいと思う。一番基本になるものを忘れて、幾ら審議してもどうにもならない。その点について委員長からお取り計らいを願いたいと思います。
○藤田政府委員 門司委員の御発言、私も全く同感でございます。基準単価が現実と遊離しておるために、地方財政に非常なしわ寄せが集まっているという現実は、われわれもよく承知いたしております。篠田大臣就任以来私も協力いたしまして、現在主として奥野財政局長が中心になりまして、関係各省と特に建築単価の問題を中心に是正の打合会を真剣に続けております。現状のままで推移しようという気持は毛頭ございません。ただ問題は、ほかの関係各省の認識いかんでございますが、順次自治省の方針に同調の傾向は強くなって参っております。御想像の通り大蔵省が相当強硬でありますが、少なくとも明年度予算が大体輪郭を示す前にはこの問題はぜひとも解決したい。それと並行して、今回の激甚災害法律の実施にあたりましても、改正されたる単価でやっていきたいとわれわれは強く希望いたしております。ただいま門司委員の御発言の趣旨は政府全体に私からも十分反映するように伝達いたすことだけをお約束申し上げておきます。
○門司委員 せっかくの次官からの御答弁ですけれども、そういう程度で一体済まされるかどうか。年々これは繰り返されておるのです。ことに建設省の住宅の敷地のごときは、今の時代に坪当たり七百幾らで費えるなんということは一体だれが考えるのですか。しかも住宅に必要な土地は、おそらく都市近郊であって、元来は高いところだと思う。今七百幾らで東京近郊に土地があるなら国で買ってもらいたい。国が土地を全部あっせんして、その上に建てろというなら別な話ですが、これはばかばかしい話なんです。こういうことを国が平気でやっておいて、こういう法律を出して、法律を出したからそれでいいんだというのはきわめて無責任だと思うのです。だから、この法律の中にぜひそういうものを書き込むか、あるいはそれができないとするならば、ここへ大蔵大臣なり自治省の大臣、その他各省の大臣に出てもらって、そういうことはしません、あるいは実際の単価を出す、そういうようなことをきめてもらいたい。大よそ世間の納得する範囲というものがあるはずです。そういう大よその見当のついたものにしなければならぬ。宅地が七百円で手に入るんだというようなことを考えて予算を組まれるならば、一体地方の自治体の激甚災害があったところはどうするのですか。こういう基本的なものが忘れられておりますので、これを一つ、さっきから申し上げておりますように、委員長にお願いをして、この法案の通るまでに政府としてははっきりした答弁をしてもらいたい。ここにおいでになっている諸君を責めたところでいかんともしがたいと思う。国全体の一つの方針だと思います。地方の自治体が今日いじめられているのはこのことでしょう。ほとんど全部といってもいいほど税外負担がここにかかっておる。だから、国がほんとうにこういう法律をこしらえて地方の住民に迷惑をかけないというなら、この問題をこの際明らかにしてもらいたい。さっき申しましたように、ここへ今おいでを願っております諸君にこれを答弁してもらいたいといっても無理だと私は思います。一つ委員長において取り計らいを願いたいと思います。 その次に、もう一つこの問題でお聞きをしておきたいと思いますことは、この法律は主として復旧という文字をずっと使っておるようでありますが、最近の情勢ではやはり復旧だけではいけないのであって、結局これに改良事業というものがどうしても加わらなければならない。政府の方針としては、学校のごときはできるだけ木造を廃止して鉄筋コンクリートにしようという方針をとられておる。ことに被害の激甚あるいは被害の常襲地帯の公共建築物は大体鉄骨か鉄筋でなければならない、永久の建物でなければならないと私は考えておる。だから、単にこれは復旧だけでよろしいのかということについては、われわれもやはり考えなければならぬ。今までの災害を私どもずっと見て参りましても、ことに伊勢湾台風のような場合はそうでありますが、知多半島のずっと奥の方から揖斐川の近所あたりの非常に大きな激甚地でも、もしかりに学校の校舎が鉄筋コンクリートであったら、あるいは役場のような公共建物がああいう災害に侵されないだけの建物であったならば、私は、あれだけの死傷者を出さなかったのではないか、避難場所が十分あったのではないかと考える。そういうことを加味した考え方というものが、災害の常襲地帯あるいは激甚災害地等に対しては考慮されなければならぬと思う。そろいうことはこの法律では一体どの程度考慮されておるのか、その辺も一つ明らかにしていただきたいと思います。
○宮崎説明員 文部省からお答え願った方が適当かと思いますが、今御指摘の学校の災害復旧につきましての永久化といいますか、鉄筋コンクリートづくりにするという問題でございますが、こういった問題は最近非常にその重要性を認められておりまして、そういう方向でずっと進んできておると思いますが、今回のこの法律をつくるにあたりまして、そのようなものは現行法そのものを直して、むしろ改良復旧すべきだということになっておりまして、別途提案をいたしましてすでにその方の案は衆議院を通ったというふうに伺っております。現在の公立学校施設災害復旧国庫負担法の改正によりまして、そういった改良復旧をやっておるということになっております。そのほか土木関係とか農地等につきましても同種の問題が生じます。これにつきましては、現在の法律でも改良復旧ができるんだということになっておりまして、その具体的な基準については関係省でいろいろつくっておられるわけでありますが、その改善をこと二、三年のうちにいろいろとやって参りまして、たとえば木橋を永久橋に復旧するというような問題は、非常に広範に行なえるようになると考えております。まだ不十分な点もいろいろあるかと思いますが、建設省や農林省の方でいろいろ検討して、今後も改善していくということになっております。
○門司委員 今のお話は大体わかっております。私が心配いたしますのは、法律自身の中にそういうあいまいな点といいますか、他の法律でやるなら、こうなってくるんだからと、いろいろな言いわけはできようかと思いますが、私どもが最もおそれておりますのは、今日の地方行政の中で最大の弊害は、陳情制度です。陳情をたくさんすることによって問題の解決をはかろうとする空気の多いことは御承知の通りであります。後って、法律をつくります場合には、どういう形でそういう間違った行政のあり方を正していくかということについて、非常に真剣に政府は考えるべきだ。できるだけ陳情政治を押えていくという、そういう必要のなくなるような方向に立法の形をつくるべきではないか。従って、今のような質問を申し上げたのです。そういう点についても今の答弁だけで私はよろしいとは考えられない。激甚地の問題については、いろいろ問題があろうかと思います。たとえば技術上の問題にしても教育の問題にしても、鉄筋コンクリートに直すということで建てかえるのなら、二年ないし三年くらいなら児童もほかに移してスムーズにやれる。しかし、激甚の被害を受けたところでは子供を収容する場所もない。お手もなければそんな大きな建物もない。子供の教育をどうするかということで、とりあえず子供の教育はバラックの中でやるということもよろしいかと思う。しかし、やはり基本の問題は、そういう地帯では鉄筋に直すというようなことは明確に書かるべきだと思う。 今、お話がございましたが、重ねて質問しておきますが、激甚地におけるこういろ災害を受けたところの建物は、大体鉄骨ないし鉄筋の建物にするということを、ここではっきりお答えができるならお答えしていただきたい。
○宮崎説明員 三十六年の災害特例法、三十四年の特例法等におきまして、公立学校施設の災害復旧について御指摘のような特例法ができたのであります。内容は、要するに、木造とか、そういったものを鉄筋というように格を上げる、いわゆる改良と、それから復旧坪数につきまして一定の基準で制約されておりますのを引き上げるという、二つの内容であったと記憶しておりますが、そういうことが行なわれております。今回のこの法律をつくるにあたりまして、そういった特例法で行なわれておる実態をこの法律の中へ規定してはどうかという御意見もあったわけであります。文部省の方としていろいろ検討された結果、そういう問題はむしろ激甚のときだけ問題になるのではないということになりまして、現行法そのものを直していこう、こういうことで現行法の改正をする、これと同時にやるということになりまして、提案されたわけでございます。従いまして、内容としては、必要があればということは、自然条件あるいはいろいろな条件があるかと思いますが、必要があれば鉄筋に改良復旧するということが法律上は可能である、それから坪数等につきましても従来の制約以上に引き上げることはできる。具体的内容については私あまり承知しておりませんけれども、そういう改正が行なわれたのであります。
○門司委員 今の御答弁だけで私ども必ずしも承服するわけに参りませんので、坪数等についても言い分があるわけです。文部省で考えてもらわなければならぬ。さっき申し上げましたように、実際の建築坪数と政府の坪数とは非常に大きな開きがあるのです。これは政府は教室だけしか見ていない。廊下とか昇降口とかはいいかげんに見ているから、こういう食い違いが出てくる。私はやはりそういう点等も、法律を出ざれるからには安心のできるような法律に一つ直してもらいませんと、さっき申し上げましたような陳情政治というよりも、むしろ最近の情勢は、何といいますか、国と地方との間の運営については大きな疑問を持っている。私はきょうここで申し上げることはいいか悪いかわかりませんが、これを言えば一番困るのは自治省だろうと思うのですが、私も十分に調査しておりませんから、まだきょうの段階ではっきりこういう事実があるということを指摘するわけに参りませんが、最近ある役所で起こっております問題で、部課長が役所にいない。昼間、非常に空席が多いということを調べてみたら、ゴルフに行っておる。そのゴルフを調べてみたら、上級の役人が一緒に行っている。しかも当局の答弁も、私もまだ実際確かめておりませんが、私のところに来ておる書類だけで見れば、どうもこのごろのえらい人は宴会や何かだけではなかなか承知しないで、ゴルフが一番いいと書いてある。ここまで来てはどうにもならぬ。せっかくこういう法律をこしらえても、ほんとうの基礎の数字おがはっきりしておらない。そこでどうしてもその数字をたくさんとろうとすれば、調査は十分にされるということが大事でありましょうが、地方の自治体は水増しをしたりあるいは陳情を盛んにするということで、やはりできるだけ交付金をよけいもらおうということが人情だろうと思う。同時にそういう弊害が次々に起こってくる。だから、私はきょうはこれ以上質問いたしませんが、一つ再度委員長にお願いしておきますが、大臣なり責任のある当局者から、単価については十分に見る、こういう三十六年度の実績からくるようなことはしないという言質をこの際どうしてもとっておかないと、法律だけはできたが、実際にはどうもならぬというものができたのでは、地方の自治体は困ると思います。そういう点を委員長にお願いしておきます。
○永田委員長 太田一夫君。
○太田委員 前回に続いた質問になるのでありますが、この際お尋ねをしておきたいことが大蔵省にあるのですが、それは特にきのうの合同審査などにおきましても、なかなか大蔵省の方はすべてに配慮をしていらっしゃって、まず大蔵省でないとこの法案の答弁があまりはっきりしない形にあったと思うのです。きのうの答弁というのは、どう考えてみても、災害対策特別委員の方々に失礼なことが実は多かったのじゃないか。なるほどぴたりとした答弁があったなと思うのは、あまりないのですね。今何も、門司委員のおっしゃったように、常日ごろいろいろなことがあって、こちらの方に手抜かりがあったということを申し上げるつもりではありませんけれども、もう少し実際というものをつかんでいただかないと困るのじゃないかと思うのですがね。宮崎さんですか、大蔵省の、この本案を御立案なさいましたのは宮崎さんでございましたか、きのうもいろいろ活躍していらっしゃいましたが、宮崎さん、これをおつくりになって地方財政に与える激甚災の影響というのをどのようにお考えになりましたですか、この所見をこの際承っておきたいと思います。
○宮崎説明員 最初にお断わり申し上げておきますが、この法律は、もちろん政府部内として内閣審議室を中心に関係各省において十分審議してきめられたものでございまして、決して大蔵省だけがやったわけではございません。ただ法案の条文を響きます作業を私の方で引き受けました関係で、いろいろこまかい点の技術的な問題についてお答えをしておるわけでございます。 今御質問の点でございますが、昨日来いろいろと議論が出ておりますように、災害にあたりましてこの復旧の主体になります地方公共団体の財政の問題がどうなるかということは、このうちで一番重要な問題でございますので、この点につきましては、従来の災害特例法の各種の事例等について、いろいろの計算をいたしましたり、そういった検討をしたわけでございます。その従来の実績等から見て、この点の線を引けば合理的にいけるんじゃないかということできめられたのが、ただいま提案されておりますこの法律の内容でございまして、ここに至りますまでには関係省間でいろいろの議論があった末になった、そういうのが実態でございます。
○太田委員 重大な問題であり、各省間にいろいろ意見があったというととは、それはその通りでありまし二うけれども、この災害立法というのは地方財政というものを見て、地方財政の中からどれくらい地方団体に負担せしめるか、どれくらい国家が負担せしめるかを推定をして、この第四条ですか、第四条のかさ上げの計算方式がきまったと思うのです。従って、地方財政はこの負担に耐えられるという結論がなければ、これは腰だめであって、実はとりあえず出したものであって、未定稿だということになるわけです。その点はどうかということを私はお尋ねをいたしておるわけです。
○宮崎説明員 地方財政の問題につきましては、そういうことでありますから、三十四年のたとえば伊勢湾台風、これは災害特例の議論がされます場合には、最も広範にかつ手厚く措置が行なわれたというようなことでございますので、この伊勢湾台風特例などが最も有力な根拠といいますか、ということになったわけであります。そういうものを土台にして今回の制度がつくられたわけでありますので、あの当時に比べて地方財政の状況というものが悪くなってないということであるとすれば、これによりましてあの伊勢湾台風の場合より若干手厚いような措置が今回行なわれるわけであります。大体対比し得ると考えていいんじゃないか、私どもはこう考えております。
○太田委員 これは三十七年一月十九日の日に、当時の大蔵大臣がおっしゃった言葉です。地方財政の内容は著しく改善されつつあります。地方財政の内容は著しく改善されております。こういうことをおっしゃっていらっしゃるのですね。この地方財政の内容が著しく改善されておりますということを、ことしの初めに大蔵大臣がおっしゃった。この考え方。三十六年の一月三十日にも同じく水田蔵相は、地方財政については近時著しい改善を見ておる、税は増収となる、こういうようなことをおっしゃっていらっしゃいましたが、毎年蔵相は地方財政というのは著しく改善されているんだ――著しくということは顕著だということでしょうね、目に見えてということなんです。そういうふうにあなたたちも考えていらっしゃったのでしょうか、この点をもう一回はっきりおっしゃって下さい。
○宮崎説明員 地方財政の問題については、私担当外でございますので、しっかり勉強いたしておりませんから、意見の発表を差し控えさせていただきますが、相当好転しているというふうに、そういった方面の方から伺っております。
○太田委員 好転しているというのは、そういった方面の方というのはだれですか。
○宮崎説明員 私の方の地方財政の担当の主計官、そういう担当の方であります。
○太田委員 それはきょう出ていらっしゃいますか。出ていらっしゃったら一つ答弁をしていただきたい。
○宮崎説明員 ただいまおりませんが、午後の委員会に出るということでありますから、何でしたら呼びます。
○太田委員 そうすると、宮崎調査官が中心になってお答えになっていらっしゃるところを見ると、本法に対するところの財政的な面におけるいろいろな画策は、あなたがおやりになったと思っているわけですが、あなたじゃない、ほのかの人が、地方財政は十分よくなっているから、そのつもりで立案しろというのでこれが出た。そうなると、これは大へんなことであって、自治大臣はきょうはいらっしゃっていませんが、藤田次官いかがですか。好転しているというようなことを、大蔵省の某氏が言っておる。某氏はだれだか知りませんが、某氏が言っているということに対して、自治省としてはどうお考えになりますか。
○藤田政府委員 表面上は、赤字団体等の数は減ってきておりますが、経済の複雑、伸展化に伴いまして、かえって地方財政は非常に苦しい面が出て参っております。著しく好転しておるという認識は、われわれは持っていません。
○太田委員 財政局長、地方財政を握っておるあなたとして、地方財政が著しく好転しておらないと、私と同じように考えていらっしゃると思うのでありますけれども、地方財政が著しく好転しているならば、この激甚災をめぐって、つい最近、七月の二十七日の全国知事会議におきまして、激甚災に対して、公共土木施設災害復旧事業に対する適用の基準である標準税収に対して、百分の二十以上というようなことは、これは非常に実情に沿わないから、もっと下げるべきだというような意見などは出てこぬはずです。百分の二十を下げなさいと全国知事会は決議して、これを国会方面に配布しておる。著しく好転しておるのにそんなことを言うのは、大蔵省をなめておると思うのです。知事会で、著しく好転しているのに、百分の二十というような伊勢湾台風当時のものさしではかるのはけしからぬと言うのは、盗人たけだけしい。これがほんとうなら、大蔵省の言うことがけしからぬ。まるで日本の国を連邦と見ておる。日本はユナイテッド・ステーツじゃないのです。一本その辺はどうですか。あなたは財政局長として、一番数理に詳しい人として、あるお考えを一つ聞きたいのです。
○奥野政府委員 災害を受けた団体は、単に復旧事業だけにとどまりませんで、住民の立ち直りその他につきましても、非常な苦慮をいたしておるわけでございます。その面からの財政需要もまた莫大なものに上がっておるのであります。従いまして、そういう団体は、少しでも国からの援助を強くしてもらいたい、そして自分たちの立ち直りを容易にしてもらいたいという気持は絶大なものがございます。そういう点から考えますと、一応この法によって国からの援助を受けた後の負担でありましても、その地方負担額が標準税収入の二〇%をこえなければ、さらにかさ上げの補助を受けられないということでは物足りないという気持を持っておるのだろうと思います。そういうことから、そういうような意見も出て参ったのではなかろうかという推定をいたすわけでございます。ただ今回のこのかさ上げを受けるにあたりましては、三十四年災害の際にとりました国の援助をもとにしてきめておるわけでありますので、自然二〇%をこえる団体からかさ上げをしていこう、こういうような態度をとったわけであります。地方団体の規模、国の財政負担、両方からみ合わせてこういう点に落ち着いたわけでございます。今後さらにそれらの点につきましては検討を加えて参りたい、かように考えておるわけでございます。
○太田委員 どっちつかずのお話を聞きますと、ちょっと私も、財政局長はどちらに立っているかわからなくなるが、何も大蔵省に遠慮することはない。この法案を今後運用するにあたって一番中心となるのは、やはり自治省でなくちゃならぬと思う。自治省が中心となって、たとえば事業費の査定について、今までいろいろな非難があったけれども、これからの事業費の査定については、もっと抜本的に、合理的に、完全復旧という目的を果たされるように事業費の査定をしなければならない。学校であろうと、あるいはその他の公共七木であろうと、みな事業費の査定は三分の二だというようなことになっては大へんです。だから地方自治体の財政を改善して、地方自治の本分を発掘させるように指導しなければならぬのが、財政当局の任務だと思います。そこで私は、地方財政が著しく好転しておるというような認識のもとにこれがなされたり、あるいはまた、何かよけいもらった方が少ないよりよろしいというような考え方で、地方団体なり全国知事会がいろいろと要望してくるということになるなら、これまたけしからぬ話だと思う。その辺のところを聞きますが、伊勢湾台風のときに、地方負担額というものの合計は、被災県において一体何年分の――標準税収入ということを言われているが、標準税収入を基礎にして、何年分くらいに当たったのですか。
○松島説明員 伊勢湾台風のとき特例を受けました十九県の標準税収入が、四百八十三億円でございます。それに対しまして通常の国庫負担を除きました、すなわち特例措置のない場合の地方負担が三百七十三億でございます。約七割であります。そのほかに三十四年災のときには、百七十四億の特別の国庫負担が行なわれておりますので、差引をいたしますと、約二百億の地方負担でございますので、大体標準税収入の四割くらいに当たると考えております。
○太田委員 大蔵省にお尋ねをします。今標準税収入の四割くらいが地方負担だというお話です。それであなたの方は、地方財政はとにかく黒字になっているということを盛んに言われるから黒字であろう。そこで災害が起きても、四割程度のものならば、これは大して苦労をしなくても、何とか地方団体は切り抜けているだろう、こう考えていらっしゃいますか、それは四割もあったら、大へんだと考えていらっしゃるでしょうか、その点はいかがですか。
○宮崎説明員 私は、地方財政の問題について十分勉強しておらないのでありますけれども、少なくとも三十四年のときは、特例法ということによりまして、あの伊勢湾台風による災害の復旧を行なってきたわけでありますが、これらの県についてその後の状況を見ておりますと、災害を受けたために非常に財政的に困窮してしまった、その傷あとが今も残っているというようには考えられないわけであります。従いまして、あのときの特例法の措置というものは、適当な措置が行なわれておったというふうに見ていいじゃないか、これが私どもの基本的な認識でございます。それによって今後――といいますか、三十六年の災害の際にも、やはり伊勢湾台風並みの措置をしようということが、大体各方面の要求の中心であった、こういうふうに理解しております。そういうことから考えまして、今回の法律の規定にあたりましても、既往の災害に対する特例としては、一応最も手厚いといえる伊勢湾台風の数字を基礎にするということが最も妥当であり、それによって大体対処し得る、こう考えておるわけであります。
○太田委員 ちょっとお尋ねをしますが、大蔵省の宮崎さん、地方団体、特に市町村中心にとっていいましょう。地方税と住民税というのは本文方式とただし書き方式の二方式になりました。ただし書き方式の方は、本文方式よりはるかに多い課税をする方式ですね。あなたが地方団体の財政力をはかるものさし――そのただし書き方式をとるのは半分よりも上だと思うか、少ないと思うか、これはおわかりになっていらっしゃいますか。
○宮崎説明員 ただし書き方式をとっているものが相当多いというふうに理解いたします。
○太田委員 日本の国民はすべて法のもとに平等に扱われ、かつまた日本国民として、あなたたちのおっしゃるようにできるだけしあわせな生活を得せしめることができるように法上、行政上のいろいろな措置を実情に即してやっていかなければならぬことは御承知の通りであります。ただし書き方式を多くとるということが本来の方針ではなかった。本文方式が主として採用されまして、ただし書き方式というのは例外であってほしいという願望が当時の立案の過程にあった。ところが、例外が基準になりまして、基準になるべきものが例外になっておるということは日本の国の地方の財政がアンバランスになっておる証拠であります。その証拠というものに目をおおったならば地方自治は伸びません。将来ただし書き方式を何とか征伐をして、何千の団体であろうとも、同じ日本の国民である限りは、住民税にそんなに差等をつけられないような国にしなければならないと思いますが、その考え方については宮崎さんどうですか。御同感ですか。
○宮崎説明員 同感でございます。
○太田委員 そうなりますと、そこまで御理解があれば、地方財政に対する今度の援助法というものがどれくらいの影響を及ぼすかという点につきまして、逐次いろいろ議論があった中で、ああいうのは除いてある、こういうものは形を変えたとかいろいろありました。ありましたけれども、本案は不十分である、また十分実情に即したものじゃないという結論になろうと思う。先回のあなたの方の試算である公共災害嵩上額試算表が六つの県をとって試算をしながら、その中の三分の一の二つの大幅に減る岐阜県とCという県があることが明らかになった。これは県の場合で、町村の場合は総合でやっておりますから何とも言えない。アンバランスができるでしょう。少なくとも激甚災を指定する地域の基準が二〇%であるとかあるいは一〇%であるということが妥当であるとはこの結果から見て言えない、こういうことを思うのですよ。このBの岐阜県は今回のこの援助法によるものが七億一千七百万円で、先回に比べまして約九千万円の減少であり、Cという県は四千万円の減少であるということについて、やはりその県の実情からいうて何とかしてあげなければならない。法制上どこかに何か間違いがあるためにこういう結果ができるだろう、思いつかない点があるためにこういう結果ができるだろうということをあなたは心の中で感じていらっしゃると思うのです。このCという県はどこでしょうね。もしわかりましたら、Cという県の実情も述べて下さい。四千万円も少なくなるということはCという県にとってみれば大へんなことだろうと思うのですよ。そういう点について思いやりは今持っていらっしゃいますか。
○宮崎説明員 Cというのは石川県でございます。資料についてすでに御説明をいたしておると思いますが、要するに、今回総合負担方式をとろうということになった理由は、何かということをお考え願いますとおわかりと思いますが、従来の個々につくりました特例法による措置というのが、地方の負担という点から見ると必ずしも公平でなかった点があったというふうに言ってよいかと思います。今回の総合負担方式のような形、つまり標準税収入に対する地方負担という考え方で見る考え方が妥当だといたしますれば、その程度に応じて地方負担が逐次軽減されるという方式になるのが最も理想的かと思います。そういう方式をとりました結果、過去の実績と照らし合わしてみますと、総体としては国庫の負担が若干増大いたします。個々の県では、たとえば今御指摘の岐阜県の例のようにマイナスになる県もあるということになったわけであります。これが、たとえば三十四年の特例法を今回の方式に改めてその差額を徴収するなんということは大問題でありますが、同じ災害が同じようなところに起きるということではございませんので、そういったプラス・マイナスがあるのはこういう新方式をとる場合にはやむを得ないことと思います。その差も非常にわずかでありまして、従来のものと比べて著しく相違したものではない。しかもその内容は被害の程度に応じてなだらかで、国庫負担増、地方負担の軽減という形でできておりますから、さしたる問題はないのじゃないか、こういうふうに私どもは考えております。
○太田委員 あなたはさしたることはないとおっしゃるが、なぜ伊勢湾の場合の例なら例をとって試算をして一〇二・何%であったからこれは前よりもよくなっていると言わなければならないのか。私の言っているのは、全体の金額のこともさることながら、地方のアンバランスというのがずいぶんある。ただ標準税収入額だけをもって見るというのは私はいかがなものであろうかと思う。これは若干非科学的な点があるということを申し上げているわけです。従って、全体がふえれば個々にでこぼこが起きても仕方がないという思想は、少々画一的であって冷たいと思う。残る負担というのがなかなかあるのだから、地方の負担というのが多いのだから、さらにこれを大幅に引き上げるというように原資の点においてもう少し大幅なことをお考えになれば、いかなる地方団体といえども減るということはなくて済んだと思うのです。ふえるところばかりだったらみんな喜びまして、大蔵省様々と言うでありましょうけれども、減るということになったら大蔵省なんてない方がよいということになる。大蔵省が財政に対して支配権があるとするならば、この支配権は悪代官的なものである。だからこれはいけないと思うのですね。なぜ各地方の財政力にでこぼこがあるというこの実情にもう少し目を向けなかったのか。町村の場合においては総合的な予算の金額以外にこまかい説明がない。資料がない。わずかに一市町村の資料だけが出ておりますけれども、そういうことだ。もうちょっと出してもいいじゃないか。どうですか、宮崎さん。一〇二・九%に県がなって、市町村が一〇五というように、四%か二%かさを上げるだけの金額が大きくなりましたということだけでは、いいということの説明にならぬと思うのです。これを一つあなたの方から、どうしていいかということを説明して下さい。悪くなったところはしんぼうしなければならぬという理由を一つ説明して下さい。
○宮崎説明員 同じようなことの繰り返しになりますので簡単に申し上げますが、市町村については対象五県、山梨、三重、滋賀、愛知、鳥取の二百八十三市町村、つまりこの五県の全市町村について新方式を適用したならばどうなるか、こういうことをいたしたものが、この資料として差し上げたものでございます。統計的に見まして、この五県を全部取り入れるということでございますから、十分これは有意義でございまして、別にこれでもって私は資料として不十分だというふうには考えられないと思います。そこで、個々にやった場合に、従来の方式よりも下がるのは困るじゃないかという御指摘はわかるわけでございまするが、それでは従来のまま新方式を取り入れるかというのも、これは一つの方法として議論になるわけです。たしかにこの立案の過程においては、そういった羅列方式と言っておりますが、個別の方式でいくか、それとも総合した方がいいかということで、いろいろ議論があったわけでございます。しかしやはりこの制度が合理的な制度であるということであるならば、少なくとも従来の方式でもって個々にやった場合に、どうも合理的とは必ずしも考えられないという点があるならばこれは改める方が適当だろう、こういう見地で総合負担方式がとられたわけでございます。その場合に、それはいかなる団体についても従来よりもマイナスにならない線というのは、これはもう非常に国庫負担を増加すれば別でございましょうけれども、とり得ないのでございます。むしろ従来の線ということを中心に考えるとすれば、ここに示されているような線でいくことが一応最大限といいますか、のものではないか、こういうふうに考えていいかと思います。地方財政の好転ということとからんでのお話でございますけれども、決してこれは地方財政が著しく好転したからこうしたんだというのではございませんで、三十四年災と同程度であれば、この方式でやれば従来よりも手厚くなる、こういうことになっているわけでございますから、こういう形でやらしていただくことが当面としては最善の方法ではないか、こう考えておるわけでございます。
○太田委員 これは宮崎さん、今私は第四条のことを大体中心にしておるわけですが、四条の標準税収入の百分の二百をこえて百分の四百までが、いわゆる四倍までが七〇%で、四百以上六百までについては八〇%というんですが、大体百分の四百をこえて百分の六百までに相当する額というものを適用できるような例は今までありましたか。
○宮崎説明員 市町村については、若干例外的になりますが、あるようであります。
○太田委員 これはあなた市町村じゃないですよ、県じゃありませんか。第四条を市町村に適用するんですか。
○宮崎説明員 どうも失礼をいたしました。県については、二十八年以降の分について検討いたしておりますが、県については四百をこえたものは二十八年以降三十四年までの実例にはございません。長岡は三十四災の場合の三重県が三八〇何%ということであります。 〔委員長退席、丹羽委員長代理着席〕
○太田委員 そういうことになるのなら、どうしても地方負担の半分が、最高のところで六割くらいしかかさ上げがないことになる。従って、今までの三重県のごときところでも四割くらいのものが残るわけですけれども、全くこのかさ上げの率では、地方団体が満足するところは一つもない。同時に地方住民というものは、災害が起きた場合に、大へんだ、自分のうちはこわれてしまうわ、それに対する大蔵省の見舞金はないわ、大蔵省の出し分が少ないからこちらの方が出さなければならない、よけいなものを負担しなければならないというような恐怖の念にかられることは火を見るより明らかである。なぜこんな小さなけちくさいものをつくったんでしょうね。あなたの方が地方財政を知らないからこういうことになったのです。地方財政と地方住民の負担に対する認識がないからこういうことになったのです。これもほんとうにやるなら大蔵大臣の施政方針の中に入れなさい。国の予算の割合で言うならば、予算の規模から言うならば、地方財政と国家財政とは大体一対一でしょう。こういう関係になっておるなら、もう少し地方財政というものに対する言及がどこかになければならない。ところが大蔵大臣は、たまたま地方財政は著しく好転した。著しく好転したと言えばみんなが喜ぶかと思って、催眠術ばかりかけている。催眠術ばかりかけている大蔵省にわれわれは依存して、この援助法をつくって下さいというわけにはいかない。宮崎さんは御苦労様でした。宮崎さんはからだが悪くなるほど努力されたと巷間伝えられておりますから、あなたに対しては私はとやかく言う気持はないが、大蔵省そのものの認識に大きな間違いがあるのではないかということを言っているのです。しかもこの間の話から言うと、一たんかさ上げ額がきまった、激甚災指定基準がきまったとして、いざとなったときに十四項目にわたる各項目にわたるいろいろな地方負担額を出しておる。標準税収入を出して、そうして一つ一つこまかい計算をしなければならないのに、地方財政を知らない人が標準税収入と言ったってわかりますか。わからないでしょう。それは計算できませんよ。代数を知らない人に代数をやらせるようなもので、数字は一、二、三だと思ったらA、Bが出てきたら困るじゃないか。だから私は、大蔵省が本法案ができ上がった後の世話をなさるようなことをおっしゃったけれども、少々そういう点はいかがなものかと思うのです。そうでしょう。総理府の審議室長の江守さん、あなたこれを生みっぱなしではいけません。今のような大蔵省の忙しいようなときに、またこんな計算をやらせるのですか、そのつもりで御立案なさったのですか。
○江守政府委員 財政に関しますことにつきましては大蔵省が所管をいたしております。従いまして、各省で災害に対するいろいろな措置をいたしまして、最後の相談は大蔵省としていただく、これが今の役所の立て方から申しまして当然のことと思いますし、総理府としてはそういうことをいたす権限は何ら持っておらないということであります。
○太田委員 財政のことだから大蔵省がやると言ったら、地方税法の改正案も大蔵省がつくりますか。地方税をいかにするかということを大蔵省の方から発議がなされるべきであるとお考えになっていらっしゃいますか。
○江守政府委員 国の補助金その他国が関係しておる命のことを申しておるのであります。
○太田委員 しからば交付税の計算も大蔵省がなさいますね。
○江守政府委員 交付税の計算は従来から自治省でやっております。
○太田委員 しからば、交付税が自治省なら、財政のかさ上げ額の計算だって、自治省がやればいいじゃないですか。何で大蔵省がやるのですか。そんなことをやれば、すぐに地方財政は著しく好転したという先入観のあるままに計算されて、しかも地方財政に対する研究は不十分じゃないですか。
○江守政府委員 かさ上げ額の計算ということにつきましては、これは総理府が中心になりまして、各省それぞれの所管に従いまして十分検討をいたします。そうしてこういう超過累進額でやることが、現在の激甚災害に対する特別の財政援助の方法としては最も適当であるというふうに考えた次第でございまして、大蔵省が独自で考えたわけでもございません。各省それぞれ自分の所管の災害に対する財政援助の方法として考えて、こういう結論に達したということでございます。
○太田委員 それでは、農林水産業に対する特別の助成金として、第五条関係の農地等の災害復旧事業に対する補助金も大蔵省が計算するのですか。
○江守政府委員 これはもちろん農林省が従来の仕方の通りやる。農林災害に対しまして、従来仕事をやっておりました通り、今回の法律においてもその通りの仕事のやり方をやって参るということだろうと思います。
○太田委員 今の結論は、農地等に対するかさ上げ計算は農林省、そういうことですか。
○江守政府委員 御質問の趣旨は、災害が起こりましたときに、現実に災害額を査定をし、これに対して国家の補助金あるいはその他の財政援助の計算をするのはどこであるのかということでありますれば、それは現在農林省でやる。ただこの法案を出しますにつきまして、こういったかさ上げ率が適当であるというような問題になりますと、これは先ほど申しました通り各省いろいろ相談をいたしまして、こういう結論に達したということでございます。
○太田委員 もうちょっとはっきり言っていただきたいのです。あなたの方がこれを生みっぱなしにしておいて、適当に各省各自が持っておればよろしいでは困る。地方団体は地方団体の実情から、この問題についてはたくさん不満があるのです。私の言っているのは、政令に移譲されているものもあれば、解釈三幅の広いものもある。従ってみんな大蔵省へ行かねばならない。県知事も市町村長も全部大蔵省へ行くのだ、大蔵省へ追いやるというようなことにあなたの説明ではこの法案はなりますね。農地の関係はこれは農林省でよろしいのだと言うが、そうじゃないですよ。やはり市町村とかあるいは県というような、地方自治団体の財政のことは自治省でやる、農林省に関する限りは農林省、厚地省に関することは厚生省、そういうことじゃありませんか。
○江守政府委員 そういった現実の災害額の査定並びに補助金の交付その他の事務につきましては、現在の仕事の仕組みを変える考え方は全然持っておりません。
○太田委員 だからいわゆるかさ上げ額の地方団体の負担額を幾ら軽減するかといういろいろな措置というのは、これは自治省が計算するのでしょう。また自治省がいろいろな説明を地方団体から受けるのでしょう。大蔵省へみんな地方の村長さんも行ってくれというような法案じゃないでしょう。私は、この法案はその点を心配するのです。
○江守政府委員 いわゆるプールにいたしましたもののかさ上げ率の計算、これは各省の所管のものを一つにまとめてやるわけでございます。従いまして技術的に非常に困難な問題がございます。しかも非常に早くやらなければ災害の実情に適応しないという問題がございます。従いまして、これをどういう仕組みでやるかということにつきましては、実はまだきまっておりません。今後十分検討してやって参りたいということでございます。
○太田委員 それでいいと思うのです。私が少々不満、心配なのは、宮崎さんばかり責めては悪いし、高柳さんもきのうからものわかりのいい答弁になっているから、あまりとやかく言いたくないし、財政援助に対する御協力、御理解はあると思うのでありますけれども、地方自治体の財政力とか、あるいは現状というものに対する理解というものは、やはり自治省が専門家だと思うし、厚生省の関係は厚生省だと思うのです。農地のことはやはり農林省だと思うから、その方面の窓口を全然抜きにして、大蔵省が全部引き受けたという形では私ども不安がある。市町村長にこれはやはり大蔵省へ行きなさい、高柳さんのところへ行きなさい、宮崎さんのところへ行きなさいと言っておったのでは、なかなからちがあかない。そんな気がしてならぬのです。あなたの方は一から研究しなければならぬでしょう、基準財政需要の問題や、収入額の問題や、標準税収入の問題もあれば、起債の元利補給の問題もあれば、特交の問題もあるということで、あなたの方が一々勉強するということは大蔵省も大へんだ、基準ができれば、それぞれ所管省へ一任するというのがほんとうだと思うのです。その点ちょっと念を押しただけの話です。ただ心配なのは、大蔵省の地方団体の財政に対する観念が、著しく財政が好転しておる、好転しておるという観念があるということが心配なんです。これはちょっと考え直してもらわなければいけません。こういうことを言っているわけです。
○江守政府委員 ちょっとほかの話をいたしておりまして、はなはだ失礼でございますが、よく伺っておりませんでしたが、お話の点は、大体先ほど私の申しました通りでございます。
○太田委員 それでは江守さん、よく関係省とも聞かれると同時に、あなたの方は指導的な立場をとってこの際まとめるために、あなたの方から大蔵省には注意をしてもらいたいと思います。地方財政著しく好転というのは、今後公式の場合使うべからず。それが今後この財政援助法をさらにりっぱなものにするでありましょう。著しく好転をしたというような言葉をお使いになる限り、財政援助に対する国民の疑惑もまた非常に起きてきて、その点誤解が起きますよ。美辞麗句もときによりけりということをよくおっしゃっておいていただきたいと思います。
○丹羽(喬)委員長代理 この際、暫時休憩をいたします。 午後零時四十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時一分開議
○永田委員長 これより再開いたします。 激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案を議題といたします。 この際お諮りいたします。 本案についての質疑はこれにて終了するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ―――――――――――――
○永田委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。 これより採決いたします。 激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○永田委員長 この際纐纈彌三君、太田一夫君及び門司亮君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、提出者よりその趣旨の説明を聴取いたします。太田一夫君。
○太田委員 附帯決議案を朗読いたしますので、御賛成をいただきたいと思います。 激甚(じん)災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律案に対する附帯決議 政府は、本法の施行並びに運用にあたり、本法制定の趣旨と本法によせる国民の期待にそうべく、特に、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、本法第三条に規定する「特定地方公共団体」の指定基準については、過去の災害の特例措置を下廻らないよう定めるものとし、都道府県にあってはおおむね一五%ないし二〇%、市町村にあってはおおむね五%ないし一〇%を目途とすること。 一、災害復旧事業費等の査定については、当該施設の完全な復旧が達成され、充分その機能が発揮できるよう措置すること。 右決議する。 以上が案文であります。説明は申すまでもなく簡単でありますので、以上朗読をもってかえさせていただきます。
○永田委員長 本動議について採決いたします。 本動議の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認め、附帯決議を付するに決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
○徳安政府委員 ただいまの附帯決議につきましては、政府におきまして、決議の御趣旨を十二分に尊重いたしまして善処いたす所存でございます。
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四分散会