大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/12/05
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 税制、証券取引、外国為替及び専売事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 最近、証券界は幾分か活気を呈したわけでありますが、政府が四大証券に警告を九日に発しておるようでありますが、何かそれに対して政府としては特別な事情が出てきたのか、その点を局長にお伺いしたいと思います。
○稻益説明員 御承知のようにこの数カ月以前から、株価が停迷状態を続けておりました。この問題で私ども一番懸念いたしておりますのは、いわゆる大衆投資家が証券市場から離れると申しますか、健全な証券市場の育成のためにはどうしても大衆投資家がこういう株式市場に対する信頼感を持つということが基本であろうと思うわけです。こういう観点に立ちまして、一体最近の四大証券に限らず証券業界が大衆のいわゆるこういった投資に対する信頼感を維持していくにふさわしい営業が行なわれているかどうか、こういう問題を検討いたしました結果、若干そういう面におきまして四大証券に限らず、証券業界全般といたしまして過振りがあるのじゃないか。私どもの考える基本といたしましては、先ほど申し上げましたようないわゆる大衆投資家の信頼をこの際どうしても回復する、これを維持していく、これが証券業界、証券市場の健全な育成に一番重要な問題じゃないか。基本的にはそういう観点から警告と申しますか、いろいろ投資の勧誘態度なりあるいは営業のあり方なり、そういう面につきまして一応警告と申しますか注意を発した、かような次第でございます。
○佐藤(觀)委員 先日、日銀の総裁を呼んでいろいろ話を聞いたのですが、やはり四大証券は全体の取引の七割五分程度の大勢を制するだけのものを持っておりますが、しかし最近は中小の中にもいろいろの危険なような状態のある証券業者があると思います。そういうものに対してはどういうような方法をとっておられるのか、それも合わせてお伺いいたしたいと思います。
○稻益説明員 先ほど申し上げましたように、四大証券に限らないと思います。中小証券につきましても常時こういった観点からいろいろ報告を求めておりまするし、検査も行なっておりまするし、同じような態度で中小証券につきましても投資家保護の観点から注意を与え、指導すべき点は指導いたしておる、こういう次第でございます。
○佐藤(觀)委員 最近、証券界で問題になっております店頭取引の問題について少しお伺いしたいと思います。昨年の十月に第二部の市場が設置されまして、第二部は順調にいっておりますけれども、最近正規外の商取引の行為がいろいろ行なわれております。証券業界の方からも問題がありますが、店頭取引問題についていろんな案があるとも聞いております。政府はどういう方法でこの処理をされていくのか、今日は店頭取引の数量が非常にふえたと聞いておりますが、その点についてどういうような処置をするお考えがあるのか、これを当局にお聞きしたいと思います。
○有吉説明員 昨年市場第二部が発足いたしましたに際しまして、私どもといたしまして、いわゆる店頭取引と投資家との間の関係というものにつきまして検討いたしました結果、私どもの考えといたしましては、投資家がその公正な価格の形成によりまして株を取得しこれを売却するということは、できる限り市場の中においてこれが行ない得るように、しかも中堅の会社の増資等が促進され得るように市場第二部を設けた次第でございます。従いましてその後におきましてはできる限り投資家としての株の売買は当然市場上場株に限られるべきである、かように考えておったのであります。特に店頭において市場上場外の株が取り扱われるということは、たとえばその会社の縁故者であるとかあるいは従業員であるとか特殊の者に限られるというべき性質のものであろう、かように考えて参ったのであります。従いまして市場上場額は五千万円と相当低く定められておったのであります。従いまして、その後においては集団的に店頭取引が行なわれるということはごく一部の例外を除きましては消滅したのであります。問題といたしまして、やはり店頭の株というものが投資家の間に売買されるということがある程度ございます。この点につきましては一応ある程度の価格のよりどころを発表する、つまり取引高が、売買の中の最高価格、最低価格というものが、大体どのようなものになっているかということが発表されるというような機会がございますならば、わざわざ集まってまで取引をする必要もございませんし、またそのよりどころによりまして、投資家に対して特に高値をつかませるというようなこともなかろう、かような見地も考えられたのであります。従いまして、そういったような趣旨のものが私どもの考えのみならず東京証券業協会の中においても当然議題としてわき上がってきたのであります。この夏から鋭意その面の検討が進められてきたのであります。現在協会案として私どもが承知いたしておりますところは、一応幾つかの種類の株につきましてこれを登録にいたしまして、そうしてその登録されたものの仲間の間の取引につきましてはその最高値、最低値を発表するという形をとるのであります。しかしその協会案といたしましての趣旨が一貫しておりますのは、あくまでも出来値の発表ということが中心であります。別にこれによって、協会によって店頭取引を管理するということではないのであります。出来値を発表し、そして先ほど申しましたように、投資家に価格のよりどころを与えるということがねらいでございます。ただ、すべての店頭株につきまして出来値を発表するということは物理的にも限りがございますので、一応登録ということにいたしまして、数を限り、そしてその数を限られた際におきましては、その管理会社が責任を持ちまして協会の登録の手続をし、必要がなくなればその登録を抹消する、かような案の内容に聞いております。さらに協会といたしまして理事会を開きまして、この案の決定に持ち込むというような段階にきておるのであります。
○佐藤(觀)委員 最近証券業協会がこの弊害を認めまして、管理案というものをつくって、店頭株に対する制約をしようというような動きがあるわけでありますが、そういう点について政府当局はどういうように考えておられるか、これを伺います。
○有吉説明員 先ほど御披露いたしました協会の案でございますが、私どもとしましても、最初から店頭株を管理するいわゆる現在の市場第二部というものの管理、あるいはかつて行ないましたような集団店頭売買の管理ということの方向とは違いまして、価格を公表して参るという事実行為が中心になっております。そういうことによりまして、もう少し価格のよりどころを与えることが一つの方向として検討されることではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○佐藤(觀)委員 かりに証券業協会が店頭取引の機運を盛り立てるということは正式の取引市場のいろいろな危険を冒すことになりはせぬか、一般投資家が店頭取引で今いろいろな問題があるわけですが、そういう事故の起きるような場合にも、一体政府はそういうことについてどういうような方法を考えてこれを善処していくのか、大衆投資家としてはいろいろ問題があって、最近証券界の方に興味を持たなくなったという原因もある。そういう点で第三市場に似たような店頭取引というものに非常に弊害が起きるように考えておりますので、そういう点について有吉さんはどういうようにお考えになっておるのか、これを伺います。
○有吉説明員 私先ほど申しました通り、いわゆる一般の大衆投資家が安心して株の売買をするということにつきましては、できる限り取引所におきまして上場された株の範囲に限っていただきたい。いわゆる店頭株の取引と申しますものは特殊な方で、一般大衆投資家というものには縁の遠い特殊な階層の方に限られるということを私どもは念願しており、また取引の形態としてはそうあるべきものである、かように考えておるのであります。従いまして、私どもとしましては取引の安全、取引の管理というところは取引所内部における取引に限られるべきである。店頭取引にまでその管理を及ぼして、大衆投資家の保護をはかるということはいささか問題が出過ぎておるのではなかろうか、かように考えるのであります。ただ、店頭取引をそのまま値段の高値、低値もわからずに放置しておくという事態については、やはり反省する必要があろう。かような意味におきまして、特殊な銘柄につきましては、一応値段の高値、安値ぐらいのところは発表して、価格のよりどころを与え、その取引に関与しておる者に不測の損害を与えることがないように、またそういう価格が発表されるところにはやはり幹事会社が相当責任を持って内容も審査し、あるいは公認会計士の監査もつけまして、そういう内容のものであるということをある程度その取引をなさる方にわかるような格好にしていきたい、かような検討はしてしかるべきものである、かように考えておるものであります。
○佐藤(觀)委員 いろいろ証券業界の中にも社員が預託された証券を横取りしたという問題がひんぴんとして起こって、大衆投資家に非常な不安を与えておるということが問題になっておる。これは御承知だろうと思うのです。そこで政府は、生命保険の外務員でさえ保険募集の取り締まりに関する法律をつくって、こういうような抑制をしておるけれども、そういうことについて大衆投資家が安心して証券業者に委託をするというような場合、そういうようなことについての何らかの具体的な方法を考えておられるのか、このままで大丈夫と思っておられるのか、この点を伺いたい。
○有吉説明員 御承知のように証券会社の発展と申しますか、証券取引の旺盛になりましたのはここ数年来のことであります。また外務員の制度等がだんだんと整備されて参りましたのもここ数年来のことでございます。従いまして、いまだ至らない点が多々あり、それが一般大衆投資家に非常な御迷惑をかけるというようなこともあるのでございます。私どもとしましては、これを非常に深く遺憾に思い、今後証券会社に対してこの方面の指導を強力にやって参りたい、かように思っているのでございます。実は、昨年来掲げて参りましたことの中心もその点が多くあるのでございます。実は全国的に事故防止のためのアンケートをとりまして、各証券会社にどういうような事故がどういうような形態で発生し、これをどういうように防止したら最もよろしいかというようないろいろな報告を求めたのであります。それを集大成いたしまして、それを統計的にも整理いたしまして、また一番やりやすい方法はどういう方法であるかということを検討いたしまして、その上におきまして東京、大阪等におきましては、事故防止対策の委員会を協会の内部に設けまして、ここにかけまして一応の成案を得、そしてそれを規則化できるものは逐次規則化いたしますし、また勧告等証券会社に対しまして、よりどころになるようなものにつきましては、逐次勧告的な文書にいたしまして、そして東京、大阪等大きな都市を中心にして、漸次各地方にも推し進めて、事故防止の対策に乗り出しておるのでございます。また最近におきましては、この事故を起こした職員の始末ということにつきましても、厳重な注意を払うということに、特に各証券業協会に対して警告を発し、また注意を促しておるところでございます。また協会内におきまして、こういった事故を起こした者に対するところのいわゆる制裁と申しますか、それにつきましても厳重なる注意を発しておるところでございます。今後こういった自主的な措置をもちろん中心にし、私どもの検査等におきましても側面的に厳重なる監視をいたしまして、事故防止に万全をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
○佐藤(觀)委員 一昨年の証券ブームのために、四大証券を初め各会社がたくさんの新規採用をいたしまして、その数が三千人ともいわれあるいは四千人といわれておりますが、それがために人件費が非常にかさまって、それがかえって証券界に不安を増しておるような、そういう事態を持っておるわけです。そこでこういうような大衆投資家に非常に大きな影響のあるような、こういう業態に対して、やはり銀行と同じような許可制度にしたらどうだという話もあるし、またこういう危険な仕事をやらせるには、政府の監督がゆるやかに過ぎやしないか、こういう非難があるのです。こういう点についてどういうようにお考えになっておるか。過当競争のために、非常に不安な業者があるのではないかということがいわれておりますが、そういう点について政府はどんなふうに考えておられるか。
○有吉説明員 証券業者の現在の制度は登録制度に相なっております。これを金融機関、銀行と同じような免許制度にしたらどうかという御質問と拝察いたすのであります。私どもといたしましても、最近の証券業界の趨勢に伴いまして、この方面の検討も重ねてきておる次第でございます。先般大臣が当委員会におきまして、この問題に関する御質問に対しまして、政府としても慎重かつ決意をもって検討するということをお答え申し上げておる通りでございます。私どもといたしましても、この問題につきましては十分なる指導、推進等に努め、また現在の情勢の推移も見きわめて、慎重に検討して参りたいと考えております。
○佐藤(觀)委員 それから、これは主税局とも関係のある問題でありますが、最近証券業界の不振のために、証券の売買が非常に減った。これは証券を買う場合に課税があるためで、戦前と同じように課税をしないようにしたらどうかという一部の意見があるらしいのですが、そういう点について証券部長はどのようにお考えになっているのか、これは将来の問題でありますからわれわれも検討しておりますが、どういうような御意見か伺っておきたいと思います。
○稻益説明員 これは非常にむずかしい問題でございますが、当面私どもとして申し上げられます点は、先般来例の証券取引審議会でこの問題が取り上げられましていろいろ審議が行なわれたわけでございます。一応の答申と申しますか要望、これはすでに一部が実現されております。いわゆる配当を支払う側の企業でございますね、これの配当の、突き詰めて申しますれば損金算入、これが一部軽減の姿で実現しておるわけです。これを進めていくのが企業の自己資本の充実という大きな問題を解決するには一番本筋の問題であろう、ただこれが何分にもいろいろ大きな財源を要する問題でもありまするし、基本的な大きな問題だということから、当面する問題といたしまして配当を受け取る側の配当課税をどうするかという問題がやはり同じく議論されておるわけでございます。答申に要望として出ましたところは、要するに利子との均衡の問題だということでありまして、利子との均衡に十分考慮を払いまして、かりに利子につきまして現行の課税方式、いわゆる分離課税でありますが、これが存続する場合には、配当につきましても高額所得者を除きまして、源泉分離ないしは源泉選択の方式を採用してほしいというのが一応審議会での結論ということになっておるわけなのです。何分にも税全般の公平の見地からの問題があろうかと存じますし、大蔵省内部としましても、まだ一本の姿で大蔵省としての結論が出ておるというわけではございません。ただその際の議論の中心は、どこまでも基本は配当の損金算入を推し進めていく、それから配当の受け取り側につきましては利子との均衡をはかってほしい、これが重点であった。現在の段階では、この問題はそういうことであるということを申し上げておきたいと思います。
○佐藤(觀)委員 その点はもちろんわれわれもいろいろ検討しなければならぬ問題だと思っているのですが、大体利子の課税の問題と関連して、大衆投資家が安心をして——公社債の利子の免税というような問題にからんできて、利子の課税に対して問題にしていると同じようにこれは非常に重要な問題だと思うのですが、そういう点について、今あなたのお話ではまだ大蔵省には結論がないと言われますけれども、一体証券業界からそういうような陳情、意向はどの程度まで進んできておるのか、もう一点伺っておきたいと思います。
○稻益説明員 業界の要望は、大体答申に盛られておりますような中で、なかんずく配当の分離課税、源泉分離の問題を強く要望しておるわけであります。利子との均衡という問題でも、利子がすでにそうなっておるのじゃないかという観点から、配当についても同じような扱いをしてほしい、こういう趣旨の要望でございます。
○堀委員 ちょっと関連。理財局長に伺いますが、今の問題は、分離課税にする、所得のあり方によっては現在は税額控除がありますから、所得の低いところについては分離をした場合にはかえって損をする場合も私は起こるのじゃないかと思うのですが、現在の税制の中で所得金額は一体どこまで税額控除が有効に働いて、どこから先が分離になった方が有利になるのか分岐点があると思うのです。ちょっとそれを伺っておきたいと思います。
○稻益説明員 ちょっと今ここに的確にお答えする数字を持ってきておりませんので、後刻また……。
○堀委員 今の話がはっきりしないと、抽象論としては私は意味がないと思うのです。ということは、今佐藤委員は大衆のそういう投資家の負担をなるたけ軽減をしたい、こういう御趣旨で発言がされておるわけですね。そうすると、その大衆のあり方が、大衆は一億円の所得のある人も大衆の一人には相違ないけれども、われわれの概念からいう大衆というのは、比較的所得がそんなに多くない人のことをわれわれは大衆だと見ておりますから、そこのところをはっきりさせておかないとちょっと問題が、わけがわからないような感じがしますので、委員会終了までの間に、あなたの方で計算ができないのなら主税と連絡をとっていただいてはっきり出していただきたいと思います。
○佐藤(觀)委員 理財局長にお伺いしたいのですが、今までこういう問題は省内に起きていると思うのですが、そういう話はあなたの方からむしろ意見を言われる立場にあると思うのですが、そういう交渉というものはないのですか。これはわれわれ社会党では今まで反対をしているのですが、こういう問題について今後相当問題が出てくると思うのです。そういう点で理財局でも問題にならなかったかどうか、これは有吉さんに聞きたい。
○有吉説明員 この配当に対します課税の問題を専用的にやっておりますのは経済課の所掌でございまして、証券部ではございません。証券部といたしましては証券会社からそういったような話も私ども十分に聞いておるのでございます。先ほどの問題で、要するに源泉分離をした場合に、所得の低い者に対して影響がどうなるかということにつきましては、取引審議会の中におきましても十分議論のあったところでございまして、要望書の中におきましても特にまずもって高額所得者を除くということが第一、これは要望書の中にもはっきり書いてあるところでございます。それから同時に所得の低い方の階層の者につきましては、源泉分離ないし源泉選択の方式の併用ということをまず考えておるわけであります。かくいたしまして所得の低い方の方々が、源泉分離になるならば不利であるという場合には、むしろ総合の方を選択することができるというようなことによってそれが救われるのじゃなかろうかという議論もあるのでございます。そういったようなことから、何と申しますか、所得の低い階層の方に対して特に酷になるような要望ではない、かように私どもは考えております。
○佐藤(觀)委員 私は将来これは問題になると思うのですが、あなた個人としてはどういう意見を持っておられるのですか。これはそれをたてにして有吉部長がそう言ったからということで追及はしません。あなたの意見としてはそういう点についてどういうような意見を持っておられるのか、これは追及する意味ではなく聞いておきたいと思う。
○有吉説明員 私ども理財局、特に証券業者の監督、特にまた投資層の保護というような立場におります者といたしましては、かねてからこの配当課税の問題ということを相当重要視して考えてきておるのが実情でございます。現在もちろん経済課においてもこの事務を進めておるのでございますが、側面的にいろいろ私どもの考えも申し述べておるのであります。私どもの考えとしましては、先ほども局長が申し述べましたように、一番大事なことは利子とのバランスをはかってもらいたいということにあるかと思うのであります。今回の要望書の中にもその点が述べられておるのであります。私個人の考えを申し述べろとおっしゃるならば、やはり配当と利子との間のバランスということが堅持さるべきものであろう、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 どうせ絶えず問題になると思いますから、それ以上お尋ねいたしませんが、最近金利の二度の引き下げによってどうにか年末は大波乱もなくして進むだろうというふうに言われております。しかし各地に倒産者が出ておる。私の愛知県では繊維業者に非常に倒産者が多いのですが、そういうこととは別に、私は大蔵省が大衆投資家のためにやっておられると思うのですが、株が上がるときにはいろいろな警告を発する、しかし下がってくるときにはそのまま見ておるという傾向があるのじゃないか。こういう点について、これは池田さんが高度成長政策を発表されてからはいろいろな点であらゆる方面に、石炭のような斜陽産業は別といたしましても、鉄鋼問題、繊維問題その他表に出ている以上に不況の積み重ねが出ておるわけです。これは田中大蔵大臣がおられませんから、あまり問題にしませんが、最近では大型株を買えとかそういったいろいろなサジェストもあるように聞いております。しかしそういう点について政府当局として、少なくとも大蔵省当局としては証券業界の監督権を持っておられる立場からどういうような指導をしていかれるのか。今のところはどうにかダウ平均が幾分もとに戻りましたけれども、千二百円を割るような非常に悪い状態にまで追い込まれたことは、原則的には日本の産業の萎靡衰退ということの一つの現われだと思います。そういう点では池田さんの十年所得倍増ということが全くでたらめであったという非難を受けてもやむを得をいと思うのです。私は先日も日銀の総裁にいろいろ承ったのでありますけれども、政府の政策として高度成長計画とか倍増計画というものがその後一体どうなっておるかという問題が出て参りますが、これは大臣おられませんから、これ以上申し上げませんが、そういう点を除いて、大蔵省当局は証券業者に対して一体どういうようなサジェストをしておられるのか、最近の実情を伺っておきたいと思います。
○稻益説明員 私どもの基本的な考えといたしましては、株価と申しますか、そういったものに直接介入するという態度はどこまでもとるべきではない、これを基本的な態度といたしておるわけでございます。御承知のように、非常に過熱状態になってきた場合には、いろいろ対応する手段もございます。そういうものを時によって発動する。また、せんだってのような千二百十六円といった非常に低い相場、これの原因が何であるかということは、いろいろいわれておりまするし、それについて、その根本が直らない限りは、なかなか相場自体は直るものじゃないと思います。この間に処しまして、証券業者に私どもがどういう態度で臨んでおるかという点につきましては、やはり何と申しましても基本的には品薄株あるいは小型株、ただ、業者がそういう面にばかり取引の重点を置くというようなことでは、健全な市場の形成ができないのじゃないか、そういった観点から、こういう面については厳重な注意を発しております。先般発しました四社あるいは証券業者全般に対する警告におきましても、そういった投資態度につきまして注意を喚起しておるわけであります。私どもはどういう株を買えとか、そういうことは申し上げる立場ではないわけでありますが、ただ最近の結果を見ますと、九月一日を基準といたしまして十月二十九日が一番下がった時期でありますが、その後十二月一日までの回復の足取りを見ますと、おおむね大型株が下落の幅を上回って上昇しておる。最近の証券業界、投資信託なりあるいは本業なりの動きというものはそういった株の足取りに現われておるのじゃなかろうか、かように観測いたしております。
○佐藤(觀)委員 この間日銀総裁が来られたときにもいろいろお伺いしたのですが、金利の引き下げ問題とからんで幾分上昇したというような傾向も見られます。これは日証金の問題などもありますが、しかしただ無方針な金利引き下げといったことだけで一体証券業者が立ち上がっていけるだろうかという問題があるだろうと思いますが、そういう点で金利の引き下げの問題とからんで証券の行く末の問題をどんなふうに考えておられるか。それは直接的にそんなに簡単には左右されないと思いますが、そういうものとからんでいろいろな問題がひそんでいるわけですが、そういう点についてどういうようにお考えですか。また何かそれと関連した現象が出てきているか、それを一つ有吉さんに伺いたいと思います。
○有吉説明員 先ほど局長がお答えいたしましたように、最近におけるところの株価の上昇というものの原因を考えてみますと、やはり経済環境の証券界に対する好転ということがあるのであります。金融引き締めの措置が緩和されてくる、あるいは国際収支の見通しの好転ということが中心になってくるのであります。そのほかにも現在業績悪が相当株価を押えることに影響があったのでありますが、大体これの業績悪の先行きの見通しということについても一応の見通しが立っているというようなこともございます。あるいは法人の換金売りが非常に異常であったのでありますが、これもだんだんと少なくなってきている。あるいは特に影響としましては、増資の影響でありますが、この増資につきましては最近は非常に減りぎみになっている。従来まで月五百億、六百億をこえておった月が多かったのでありますが、第四・四半期には全体として七百十億くらいの増資しか見込まないといったような状況であります。これまた株価の好転のためには非常に大きな影響をもたらすのではなかろうか、かように考えておるのであります。 ただ、こういったような問題は、側面的な環境の良好策というものでございますが、本質的に立ち直りますのには、やはり今後としましても証券界なり財政投資家にどのような信頼を回復させるかということにあろうかと思うのであります。かかる観点からいたしまして、私どもとしましては常に投資勧誘態度なりあるいは証券業者が手持ちの株の不適当な額まで持つということを極力抑制させる、あるいは先ほど佐藤委員もお触れになりましたように、従業員を過剰にとるということがあってはならぬ、あるいは投資の行き方が今後としても健全なものであるように、特にそういった長期的な観点から健全経営が行なわれるように、そういったような点を中心にしまして極力指導して参りたい、かように考えておるのであります。 他方特に投資信託のことにつきましても、これが受益者の保護に十分なるように、受益者のためになるような運営なり方針をはかるように極力指導していきたい、かように考えている次第でございます。
○佐藤(觀)委員 先ほど四大証券の警告についていろいろお伺いしたのですが、先期までは大体一割見当の配当をしておった四大証券が、今期になって、野村が約九分、それから山一、大和が八分、それから日興が大体六分といったように、だいぶ配当を低くしたのですが、最近の傾向としては非常に珍しい現象だと思いますが、一体今期の配当のように低い配当をした例が最近あるのか、あるいはそういう点について政府はどういう方針をとっておるのか、あるいはそういうものと関連があるのかということもあらためて承っておきたいと思います。
○有吉説明員 この三十七年の九月の証券会社の決算につきましては、まだ全国的に数字が集まっておりませんが、中間的な報告によりますと、非常な減少を示しておるのであります。御承知のように株価の低迷に従いまして取引量も少なくなってきております。また売買金も相当減少している。大体収入が二、三%減でございますのに反して、支出が三%増というふうなことで、最近は損益の点から申しますと、前年三十六年九月期に比べまして四割の減少になっておるのでございます。そこでこういったような減収の状況につきましては、過去におきましては、三十年の不況期におきまして相当減収になり、また配当ができなかったというような事態があったのであります。最近二、三年来の株価の好況にささえられまして、証券会社としての収益なり配当の状況は相当好転して参っておるのであります。昨今のような証券界の株価の低迷の時代におきましては、やはり証券会社としても相当収益の減、配当ができないというようなときもあるわけであります。
○佐藤(觀)委員 これは理財局長だけの責任とは思いませんけれども、大蔵省には株式相場の問題についてカバーされたりするような場合の対策には一貫性がないというようないろいろな批判を聞くわけですが、これは大衆投資家の保護の立場から考えて、非常に暴騰したり暴落したりというのは、これは資本主義の、自由主義経済の原則でありますから、これはわれわれがどうこうということは言いませんけれども、少なくとも大蔵省が監督している以上は、そういうことに関して一貫性がないと、いろいろな批判を受けると思うのですが、そういう点について当局はそういう点で一貫をしておるかという一貫性のことについてこの際一応伺っておきたいと思います。
○稻益説明員 一貫性というお話でございますが、先ほど申し上げましたように、相場自体はいろいろな原因から起こってくる結果でありますので、この一々について私どもの方で対処するというわけにはなかなか参らないわけであります。問題は、大衆投資家の保護という関点から、たとえば証券業者のいろいろな株の操作なり、売買の仕方なり、投資勧誘の仕方なり、そういった面で私どもの証券行政の対象となります面で、異常事態があるとか、そういった問題がありますれば、これをふだんから是正して参るというのが基本的な問題であろうと思うのであります。先ほど申し上げましたような大衆に対する投資の勧誘態度なりあるいは証券業界でもいろいろな売買の仕方なり営業方針なり、そういったもので行き過ぎがあるとか、不当な点があるとかいった点については、これを私ども是正して参る。それからまた、先般来問題になりましたように、たとえば異常な、昨年初めでありますか、公社債投信の行き過ぎがありまして、これの解約が非常な資金的な圧迫になっておるといったような面がありますと、こういう社債の流動化と申しますか、そのために担保全融の道を講ずるとか、そういった面でできるだけそういった大きな相場の変動がないようにと申しますか、大衆に不当な損害を与えない、健全な足取りでやる、そういった態度で私どもは臨んでおるわけであります。ただ相場を結果としてながめますると、非常な浮動がある。これは別個の原因から参ります場合には、私ども指示、監督しがたい面があるわけでありますし、また直接そこに介入するということは行き過ぎであろう、かような態度で臨んでおるわけでございます。あるいは御指摘のような点があろうかと思うのでありますが、私どもとしてはそういう態度で臨んでおるわけであります。
○佐藤(觀)委員 最後に、先ほど配当分離課税のことについて少しお伺いしたのでありますが、税制調査会の関係がありまして、どういう形が出てくるかわかりませんけれども、しかしこれは将来重要な問題だと思うし、わが党でもいろいろ問題になっておりますが、そういう点についてきょう答弁が求められなければ、この次の大蔵委員会でもいいけれども、一体どういうような過程をたどっているのか、あるいはこういう問題はほかの同じような利子の課税の問題と関連してどういうようなあれがあるかということをこの次の大蔵委員会——臨時国会も始まりますから、そのときまでに経過と成り行きまた見通しのことについてお伺いしたいと思います。 これをもって私の質問を終わります。
○臼井委員長 先刻の堀委員の質問に対し、政府より答弁を求めます。塚本経済課長。
○塚本説明員 配当、取引の税負担の権衡の問題はいろいろな観点から考えられるわけでありまして、計算の方法も、理論計算と実績計算とあります。 実績から申し上げますと、昭和三十五年の所得の内容を実績にとりまして計算をいたしますと、二百万円以下の階層のものまでは、配当の方は大体有利である。二百万円以下の階層を簡単に申しますと、三十五年の平均の課税所得が百八万七千円、そのうち配当所得が十四万七千円。これでいきますと、配当控除率が、十五%として計算いたしますと、税負担率は一六%。同じ額だけ利子所得があった場合の税率が同じく一六%でございます。 それから理論計算でいきますと、大体八十万円未満五十万円以上、この階層までは配当所得の方は有利になります。ただその他の所得がなくて、全額配当所得であると仮定した場合には、利子と配当との比較は、大体百八十万から百九十万くらいまでのところは、配当の方が有利ではないかと思っております。これはまだ現密には計算をいたしておりませんが、大体三つの方法によって計算はできると思いますから、その点を御説明申し上げます。
○堀委員 今のは利子所得と配当控除との関係でございますか。
○塚本説明員 はい。
○堀委員 私が伺ったのは、配当控除と今佐藤委員が話をされている配当分離課税との関係を伺っておるんです。だから今の形でいけば、配当は、要するに税額控除になりますね。
○塚本説明員 それは同じでございまして、分離課税という場合は、一〇%の分離課税になれば、現在の利子課税と全く同じことになるのでございます。従って、計算上は今申し上げたのと同じことになります。
○堀委員 今の意味わかりました。 それからさっき佐藤委員がお尋ねになった、今度の証券会社の配当率にいろいろな格差がありますね。野村、大和、日興各社の格差がある。これは一体どこから出ているのか。各証券会社は大体同じスケールで同じようなことをやっておると思いますから、ここに差ができるというのは、ブローカー業務に基因してそういう差が出ているのか、ディーラー業務によってそういう差が出ているのか。私が聞いている範囲では、ある中型証券会社には一割をこえる配当が可能なような証券会社があったようにちょっと聞いております。ここはブローカー業務に徹しておったために、今回のような価格の変動に際しても決算内容は決して悪くなかった。ブローカー業務は大きければ大きいほどこういう場合における決算の内容は安定性が高いのであって、ディーラー業務が多くなればなるほど内容はこういうふうな株価変動の際に、特に下落の際には決算内容が悪くなるのじゃないか、だから今佐藤委員がお尋ねになった一貫性の問題の中には、要するに四大証券のような大きな証券会社は、ブローカー業務に徹すべきではないかという一つの考え方を私は持っておるわけです。これぐらいの大きな証券会社がディーラー業務に従事することによって、はたして株価が公正な形で維持されておるかどうかという点については、前回証券取引審議会法の改正のときに、私は内閣委員会で申し上げた記憶があるわけですけれども、そこでちょっと伺いたいのは、今四社の配当の関係、配当というのは決算からくるわけですが、それに関連をして、野村の場合は一体ブローカーによる部分がどのくらいでディーラーがどのくらいだ、そういう比率が出てくれば、おのずからさっきの配当の、要するに決算内容とその間における関係というものが明らかになるのではないか。だから単にいいとか悪いとかの問題の中には、そういう内容的な、要するに証券業務のあり方の問題を含めてその形が、ただ好況不況という問題以上の大きな幅となって現われておるのではないか、そういう感じが私はするのですが、その点についてもう一点だけ関連ですけれども、お伺いいたします。
○有吉説明員 先生のおっしゃいますように、ブローカー業務とディーラー業務の影響によるところの決算の影響と申しますのは、確かに事実その通りでございます。三十七年の九月期におきまして決算内容を悪化させておるのは、なるほど取引量の減退ということがございますが、しかし取引量は三十六年の取引量と三十七年を比べてみますと、一割程度の減であると大体お考えになっていただければけっこうだと思います。従いまして、この方面の影響というより、むしろ売買益の影響ということから受ける部分がかなりあることは事実でございます。そこで私どもとして、証券会社の安定的な経営のあり方ということは、やはりブローカー業務というものを中心として考えていくということ、これがやはり相当重点的に考えておることでございます。特に四社が手持ちの株を持って売買益をもらうということにつきましては、今後におきましても、先ほども警告の点に触れましたように、一応手持ちの株の数量というものに限界があり、適正な株の数量を持つべきであるということをやはり私ども考えておるのであります。今後この方面の指導も強化して参りたい。特に毎月におきまして、私どもはやはり自己売買等のケース等も十分にとりまして、この方面の趨勢等もにらみ合わせて、今後の指導をやって参りたい、かように考える次第でございます。
○臼井委員長 武藤山治君。
○武藤委員 私は主として昭和三十七年度の予算の執行状況を中心に、特に今日日本の経済で一番大きな問題になっております貿易の振興という立場から、二、三の大きな問題を取り上げてお尋ねしてみたいと思うのであります。まだ通産省の輸出振興部長がお見えになっておらないようでありますから、お見えになるまで主として海外経済協力基金の問題について、現在までの執行状況、それの効果などについてお尋ねをしてみたいと思います。 御承知のように、政府は今日の国際収支の改善策として一番力を入れたのは、貿易振興及び経済協力費の問題があろうと思います。特に本年度の予算では百三十九億円という前年に比して三十億円の増額をはかるという非常に思い切った貿易振興策を講じたつもりだろうと思います。特に税制面でも特別減税措置で百九十二億という大幅な輸出関係減税というものを認めたわけでありますが、その中で特に国会にあまり詳細報告されない海外経済協力基金の問題についてただしたいと思います。 この制度は、昭和三十六年三月十六日から発足したばかりですから、まだ二年になっておりません。しかしそれ以前から日銀の輸出入銀行からの承継分もありますから、かなりの基金になっておると思いますが、現在海外経済協力基金の総額はどのくらいになっておりますか。運用益との区別をして発表願いたい。
○羽柴説明員 現在総額といたしまして本年度末には百六十九億でございます。最初昭和三十六年の三月にできまして百四億という金額が計上されたのでありますが、その後昭和三十七年度に六十五億追加せられまして合計百六十九億という数字になっております。それから運用益でございますが、これは概算で十億程度出ております。
○武藤委員 運用益十億を入れますと百七十九億円の総額になりますが、それの用途は主として出資金あるいは貸付金という二つの項目で使用されるようでありますが、その出資金額と貸付金額の分類はどのようになっておりますか、お聞かせ願いたい。
○羽柴説明員 まず出資金額でございますが、出資金額は大体二つに分かれております。 第一は、北スマトラの石油開発の協力関係の出資でございまして、これは総額で七億五千万円、そのうち三十六年度に払い込みましたのが四億円でございますので、三十七年度といたしましては三億五千万円の払い込み、こういうことに相なっております。 第二番目といたしまして、海外鉱物資源開発株式会社に対する出資でございますが、これは三十七年度の払い込みで二億五千万円ございます。 次に貸付でございますが、貸付は大体三つに分かれまして、第一が、スエズ運河の改修協力着工準備資金といたしまして三十六年度に承諾を得ましたのが三億三千万円ございまして、それは全部実行されておるわけでございます。 第二番目は、ボリビアの銅鉱山の探鉱費が三十六年度の承認といたしまして四億二千万円でございましたが、実行は二億円でございました。さらに三十七年度に実行といたしまして一億四千万円の実行をいたしまして、合わせて三億四千万円。 それから三番目といたしましては、チリーの銅鉱山の探鉱費でありまして、これは三十七年度の承諾額といたしまして五千万円ございますが、そのうち実行額は二千万円でございます。それでこれを合計いたしますと、出資の合計が全部で十億ということに相なります。北スマトラが七億五千万円、それから海外鉱物資源の開発が二億五千万円でありますので、合計十億ということに相なります。貸付は合計いたしまして承諾額は八億でございますが、実行額をトータルいたしますと六億九千万円ということに相なりまして、合計十六億九千万円の実行を行なったわけでございます。
○武藤委員 百七十九億の基金の中から実際に使っておるのが十六億九千万円というのは、あまりにも少な過ぎるのではないですか、その点いかがですか。
○羽柴説明員 この金額をごらん願いますと、非常に少な過ぎる感じがいたすのでございますが、それには理由があるわけでございまして、その理由について申し上げますと、第一点といたしましては、まだ三十六年の三月にできたばかりでございまして、何分早々のことでございますので、なかなか初めのうちは軌道に乗りにくかったという点があげられるかと思うのであります。しかしながら、一番大きな問題といたしましては、第二点といたしまして、実行の困難性という問題があるわけでございます。すなわち海外経済協力基金のこういういろいろな案件につきましては、これは相当な日時がかかるわけでございまして、一例を申し上げますと、セレベスのたとえばニッケル鉱につきまして申し上げますと、実は当初から今までかかっておるわけでございます。と申しますのは、その価格等の点につきまして、できるだけ安い価格でこちらへ入れるというようなことをいろいろ努力いたしますと、あまり短時日にこれを実行するということはきわめて困難でございまして、やはり相当な日時をかけて、できるだけ日本に有利にこれを持っていかなければならない。これは一例でございますが、そういうような根本的な基金の案件の性格上からくるところの理由が第二点としてあげられるのじゃないかと思います。 それからそのほかに、これは理由になるかどうかわかりませんが、今後の問題といたしまして相当な案件が今ペンディングでございまして、近く実行が行なわれるという案件も相当な数に上りつつあるわけでございまして、これは今までの実績から申し上げますと、割合少ない金額ではございますが、今後総合いたしまして、長い目で見ていただきまするならば、大体この金額は必ずしも妥当を欠くということは言いにくいのじゃないか、かように考えております。
○武藤委員 そういたしますと、百七十億のうち十六億しか貸していないということになりますと、あとの百五十億以上の金の保管の仕方は一体どのように——輸出入銀行へでも預けておくのですか、それはどうなっておりますか。
○羽柴説明員 大体二つの方法をとっておりまして、大部分は国債でございますが、そのほか預金部へ預託しておる分もございます。
○武藤委員 預金部へ預託しておくということになりますと、一般会計の中から五十億、さらに六十億というように協力基金に支出をしておるのが、需要が少なくて、あるいは調査が困難で適当な使用ができないという場合に、こんなにもオーバーな金を遊ばしておくということは、私は効率の上から見ても非常に不経済だと思うのです。もっと予算を要求するときには、本年はこのくらいしかできそうもない、このくらいしか需要がない、そういう見込みがずさんだからこんなにも余るのですか。それとも何かほかに原因があって百七十億の予算のうちこんなわずかしか貸付をしていないのですか。どういうところに原因があるのですか。
○羽柴説明員 実は本年度中の貸付の見込みといたしまして、大体百億近くの貸付の見込みを立てておりますし、また来年度におきましても、私の方のいろいろ積み上げました見込みといたしましては、二百七十億程度の見込み、合わせまして三百六十億をこえるところの出資貸付を行なう予定でございまして、そういうことから見ますると、今までにつきましては割合小さな金額でございますが、今後の計画といたしましては逐次かような金額を具体化していく、こういう計画でございます。
○武藤委員 そういたしますと、発足間もないからまだ的確な需要がつかめない、本年はこれから百億円を貸付対象に予定しておる、来年は二百七十億予定しておると申すならば、まず本年の貸付先あるいは事業内容、そういうものの構想を一つお聞かせ願いたいと思います。
○羽柴説明員 本年度の予定といたしまして、具体的に申し上げますると、まず今第一に問題になっておりまするのは中国、台湾でございますが、台湾のウルシ開発の事業でございます。これに対しましては、本年度におきまして計上を考えておるわけでございます。それから第二点といたしましては、これはまだ必ずしも結論まで至っておりませんが、ウルシ以外に台北市のガスの拡張工事もあるわけでございます。そのほか大きな問題といたしましては、ラオスにおきますところのビエンチャンの上水道の開発があるわけでございますが、これは本年度の予定といたしまして二億以上の数字が考えられておるわけでございます。そのほかマレーの錫の製錬でございまするが、これが大体三億以上の金額を必要とするのではないかと考えております。そのほかこれはおもな点だけを申し上げておりまするが、インドネシアにおきまするところの北スマトラの石油開発の問題の続き、それからカリマンタンの森林開発、これはだいぶ前から問題が起こっておるのでございますが、手続上まだいろいろ根本的な問題がございまして、おくれておりまするが、これも本年度三億近く金を考えておるわけでございます。そのほかインドネシアにおきましては、ジャワ島の開発の問題がございまして、特にこれは漁業基地を中心といたしまするところの経済協力でございますが、これが約五億円ということに考えております。そのほかアラブ三国におきますところの鉄道の問題であるとかペルーにおきますところの開発の問題等ございまして、こういうものを合わせますると以上申し上げましたような金額になるわけでございます。
○武藤委員 この点は要望いたしておきますが、本年百億の計画、来年二百七十億円の計画を、もし外部に出されては困るというのでしたら委員にだけでも書類に印刷をして、どういう計画になっておるかを具体的に——きょう一々この内容を計算をするということになりますると大へん時間がかかりますから、今のあなたの答弁では百億にはなかなかならぬ数字ですから、どうも納得がいきませんので、文書で一つ、百億になるような計画を出してもらいたいと思います。 それから先ほどから説明を受けた、たとえば北スマトラの石油開発、海外鉱物資源開発株式会社への出資あるいはスエズ運河の改修などの授受の形式あるいは契約の形式は、相手の国と日本の基金との契約なのですか、日本政府との契約になるのですか。それとも日本の会社に金を貸して、その日本の民間会社が開発に乗り出すのですか。そこの形態はどのような組織形態で行なわれるわけですか。
○羽柴説明員 この契約の形態につきましては、法律上は根拠はございませんが、実行面におきましては、日本におきましては業界、業者でございます。また外国の方はいろいろ形態がまちまちでございますが、政府ベースではございませんで、日本では民間ベースということに相なっております。 それから先ほどの御質問につきまして、まだ百億にならないというお話でございまするが、今ここで百億読み上げてもけっこうでございますが、全部の内訳をトータルいたしますると、先ほど申し上げましたような数字になるということでございますので、後ほど資料といたしまして御提出いたすことにいたします。
○武藤委員 あなたの方で貸し付ける場合の業種を選定する場合に、こういう業種なら貸しても確実に回収がつくとか、見込みがあるとかいうような、何か一定のワクをきめて貸付をしておるのですか。
○羽柴説明員 これは経済協力基金の法律に根拠があるわけでございますが、概して言いますると、産業の開発に寄与いたしまして、そうしてその事業の達成が確実であると認められるものにつきまして貸付、出資を行なっておるわけでございまして、これは海外経済協力基金法の第二十条の一項でございますが、簡単でございますから読み上げてみますると、「東南アジア等の地域の産業の開発に寄与し、かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業のために必要な資金を貸し付けること。」以下書いてございますが、大体以上申し上げました趣旨の貸付を行なっておるわけであります。
○武藤委員 今の条文を読まれたように、主として東南アジアのおくれた地域の開発、これが一つ、もう一つは日本との経済交流を一そう活発化するという貿易の観点からのねらいから基金というものができておるわけです。そうすると、ただいまの計画でいきますと、東南アジアがどのくらい、あるいはチリーとかそれ以外の国がどのくらいになるか、その比率はどのようになりますか。
○羽柴説明員 ただいまの条文には東南アジア等としてございますが、これはもちろん南米とかそういうところも全部含むわけでございまして、日本との経済協力地域は全部含むので、これは例示的な規定でございます。それで私の方では必ずしも何%が東南アジアで、何%がどこということではなくて、むしろ本質的に必要な部面に対して貸付を行なっておるわけでございます。
○武藤委員 私はそういう本質的に必要な部面に貸しておるということを聞いておるのではない。パーセントの数字を聞いておるのだから、東南アジアはどのくらいで、その以外の地域をたとえば二つくらい分けられるならスエズ運河関係はどのくらい、あるいは南アメリカはこのくらいと、できるだけブロック的に分けた配分はどのくらいになるかということを一つ数字で答えていただきたい。
○羽柴説明員 ただいま御説明いたしましたところを今計算をいたすわけでございますが、大体アジア地域、北スマトラもそうでございますが、それから海外鉱物資源開発、それからボリビア等を総合いたしますと、チリーの銅鉱山はこれは南米でございますが、今までのところでは大部分アジア地域ということになっております。厳密な計算をいたしますと、九割程度になるかと思うのでございますが、しかしこれは今までの実績はたまたまこういう実績が出ただけでございまして、今後の貸付等につきましては全く数字は今までの実績とは食い違って参るわけでございます。
○武藤委員 海外経済協力基金法に基づきますと、輸出入銀行から借り入れのできないもの、あるいは他の金融機関から借り入れが困難なもの、しかもそれで返済が確実で経済効果の上がるもの、そういう一つのワクがあるわけです。そういうワクからいきますと、ただいま説明されたような融資先というものはほかの輸出入銀行や何かから借りることのできないという具体的な何かそういう基準で選考した一、二の会社の例をあけますと、たとえばボリビアの銅鉱山でもいいでしょう。あるいはチリーの銅鉱山でもいいでしょう。日本は今銅山などは非常に困ってこれから閉山をするとか、あるいは失業者がたくさん出るといわれておるときに、こういうところに多額の金を注ぎ込んで銅山を開発するということが日本経済にどういう影響を与えるか、そういうようなことも私たちはいささか心配になるわけです。そこでこういうものに出資をする何か銅山関係ですね。特にここは開発しなければならぬのだという積極的理由というものは何でしょう。
○羽柴説明員 ただいまの御質問につきまして、今まで出資または貸付いたしましたのを例にとりましてお答え申し上げますが、この輸銀と経済協力基金との関連につきましてはまず輸銀に持ち込みまして、輸銀ではなかなか困難であって、しかも相当必要性が認められるものにつきまして経済協力基金で貸すわけでありますが、北スマトラの例は、これは輸銀でも貸付ができないわけではございませんけれども、協議の結果経済協力基金で出資を行なった、こういう例でございます。ところがあとに出て参りますところのスエズ運河の着工準備資金につきましては、これは輸銀では困難でございます。何となればこういう必要な準備資金というものは輸銀では非常に貸しにくいのでございまして、経済協力基金においてこそ貸し得る。その次のボリビアの銅鉱山探鉱費、それからチリー銅鉱山の探鉱費、これらはむしろ調査費というものに属するものでございまして、これは輸銀においての貸付はできないのでございまして、経済協力基金の調査ということにおいて初めて貸付ができる、こういうことになっておりますが、一般的な案件につきましてはほかの金融機関でも困難であって、そうして輸銀ベースでもむずかしいものについてこちらで貸す、しかもその場合に調査費は協力基金から貸す、こういう建前になっておるわけでございます。
○武藤委員 しつこいようですが、全くわからないので聞いているのですから一つ御了承を願いたいと思いますが、ボリビア、チリーの、たとえばボリビアの鉱山の探鉱費四億二千万円、特に実行費の二億円、これは日本の会社で調査しているのですか、それとも外国の政府なり向こうの機関なりに金を貸しておるのですか、どちらですか。
○羽柴説明員 経済協力基金の運用の仕方は全部日本の会社が参りまして、そうしていろいろ探鉱等をやるわけでございます。
○武藤委員 日本の会社で主としてあなたの方の基金を使っておる代表的な会社というとどんな会社がありますか、またその代表的な社長の名前、どんな人がやっておるか、一つ将来の債権を確実に確保するという立場から尋ねておきたいのですが、これはいかがですか。
○羽柴説明員 北スマトラと海外鉱物資源開発、これは新しい会社でございまして、特に海外鉱物資源開発のごときは最近できたばかりでございますが、スエズ運河につきましては水野組というところでございます。それからチリーの開発は住友と記憶しております。ボリビアの方が三菱と記憶いたしております。
○有馬(輝)委員 関連して。今の武藤君の質問に関連いたしましてお伺いしたいと思いますことは、一点は今お話に出ましたボリビアなんかは政治情勢が不安定なところであることは御承知の通りであります。それから港を持っておりません。しかも高度が四千メートルくらいのところに首府のラパスがあるというようなことで、率直にいいまして私が見た限りにおきましては労働意欲も、労働生産性というか、それは平地に比べまして非常に低いところであります。そういった点についてあなた方は三菱なり何なりの報告をどのように見ておられるか、経済的な視野からどのように見ておられるかということが一点。 それからいま一つは、これは直接は関係はありませんけれども、移民政策その他にいたしましても、外務省なり何なりがわずか一周間くらい調査して移住させるということの結果が、この前みたいなとんでもないことになる。私たちはそういった体験を持っているわけです。そういう意味で現地に長い間おる人たちの活用といいますか、そういった点についてどのように考えておられるのか。この二点についてお伺いをいたしたいわけです。といいますのは、あれは千九百何年でしたか、五年前に私がボリビアに参りましたときに、あそこの鉱山大臣が、無償で十年間くらい山を提供したいと思いますが掘ってくれませんかというような話をいたしておりまして、私たち貧乏なんでございますから、金、銀、銅、えらい出る所ならと思ってついその話に乗りそうになった経緯があるのですが、今申し上げました労働条件なりあるいは港の問題、輸送の問題労働生産性の問題そういった問題を考えました場合に、てんで話にならないわけです。そういう点についてやはり開銀なり何なりの融資をする際にはよほど慎重にかからなければ私は問題が残るのじゃないかと思う。そういった意味で武藤君の質問ほんとうにポイントを得た質問でありますので、関連してそこら辺についてお聞かせをいただきたいわけです。
○羽柴説明員 ただいまの御質問のまず第一点でございますが、ボリビアの政情その他が必ずしも安定していない、こういうところに貸付するとはどうだろうか、こういう御質問だろうと思いますが、これにつきましては、実はボリビアの銅鉱山の探鉱は確かにお説の通りだと思います。従いましてこれは直接その鉱山の開発を行なうのではなくて、まず第一着手といたしましてその調査、いわゆる鉱山を探るというところに主眼を置きまして、そうして政情が安定かどうかを見きわめるわけでございまして、これが完全に政治的に安定がついたということを見きわめました場合には、別途経済協力基金から実質的な金を貸していく、こういう段取りになるわけでございます。従いまして、これが経済協力基金のなかなか進捗しない一つの理由にもなっておるわけでございまするが、一つの例を申し上げますると、先般ラオスの水道の問題が出たのでございまするが、これにつきましても中ではいろいろ議論をいたしまして、まだ必ずしも安定してないじゃないか、いやもう今逐次安定に向かっているじゃないか、こういういろいろな議論が出たのでございまするが、いろいろ勘案いたしまして、もう今後はよかろうというようなことで踏み切ったわけでございまして、こういう問題につきましてはまず必要な調査につきましては、これがはたしてものになるかどうかということの調査につきましては、多少の不安がございましても行なっておるわけでございますが、本質的にこれをやるかどうかということはまた別個の問題が存するわけでございます。 それから御説の第二点でございまするが、現地の技術者あるいは労働者等の活用の問題でございますが、いわゆるスタッフと申しますか、高級な技術者は全部日本から送り込んでおります。しかしながら現地におきまして実際労働に従事いたしまする者は、これは現地人を使う場合もございまするけれども、労働生産性の問題もございまするが、大体首脳部と申しますか、高級な技術者は日本から送り込んでおるというのが原則でございます。
○有馬(輝)委員 第二点の高級なスタッフは日本から送り込むということでありますけれども、実際に仕事に従事する諸君は現地の諸君、その諸君の労働生産性がどうかというような問題についても慎重に検討してもらわないと問題が残るのじゃないかと思うのです。 これは笑い話でありますから、ちょっと不謹慎な発言になるかもしれませんけれども、物事をはっきりさせるためにあえて申し上げたいと思いますが、ちょうど私がチリーからボリビアに飛ぶときに、当時のあそこの矢口大使の奥さんが、有馬さん、ボリビアのラパスに行ったらお酒やいろいろなことを慎しんだ方がいいですよという話でした。どうしてですかと聞いたら、行けばわかるわよということで、さてボリビアに行ってみまして、とにかく階段を上るのにも息が切れちゃうんです。インカ帝国の流れをくむアイマラとかケチアとかいう土人の種族がいますが、その諸君は昼間から道ばたに寝そべっておる。それくらいからだには非常にこたえるところなのです。ですから高級な技術者の方々がこれくらいの生産を上げるべきだと計算をしましても、実際に従事する諸君がはたしてそれにこたえ得るかいなか。これは良心の問題を抜きにいたしまして、やはり気候の条件なり何なりというものをよほど慎重に検討してもらわないと、せっかくの企図が期待倒れに終わるのじゃないか、これを考えるわけなんです。それと同時に私、第二点に関連して要望しておきたいと思いますことは、たとえばずっと前の大統領の奥さん、これは日本人でした。その兄さんに藤原さんという人がいらっしゃいます。やはりそういった現地の人たちを十二分に活用して、ただこっちから行った諸君がこっちの視野でものを見るというのではなくて、その人たちの意見を十二分に聞いてやるということがいろいろな企業をコンクリートなものにするのじゃないか、僕はそのように考えます。 あとで私はラテン・アメリカの諸国の問題につきまして、アルゼンチンの延べ払いの問題なりあるいはペルーの電源開発の問題なりお伺いしたいと思いますが、関連質問でありますから、今の点だけを要望いたしましてあとに譲りたいと思います。
○武藤委員 私は今の答弁を聞くと、チリーが住友、ボリビアが三菱、それ以外には個々に会社の名前を全部出してもらえば、あとでいろいろと注文をつけるのにも具体的な事実に立って質問ができるのでありますが、今発表された住友と三菱系の会社の場合ということになりますと、こういう会社だったら民間投資で、自分の会社で——日本の代表的財閥なんですからね。こういう安い、長期だからあるいはへまにいっても、国のやることだ、そう大したことはないだろうというような安易な気持からこういう金を引き出して海外に出ようという財閥の意図、そういうものに役人が乗ったとしたら、これはまさに国費の乱費にひとしい形が生まれてくると思うのです。そういう点で住友系なりあるいは三菱系なりが借りるという場合に、保証というものは三菱の本社なりあるいは住友の一番大きな企業形態なりが保証しているのか、そういう貸付をする場合の保証というものはどの程度に取り扱っておるのですか。何かいいかげんな人が海外開発などといって、そういう会社のネームを借りてけっこう最後にはごちゃごちゃになってしまって何の効果もなかった、こういう心配も出てくるわけですね。そこでそういう保証というのはだれがやっておるのですか。
○羽柴説明員 これは全部物的保証をとっておりまして、海外経済協力基金が一流の株式をとっておるわけでございます。
○武藤委員 そうしますと国内にある住友なり三菱なりの大きな会社が保証しているという具体的な例はないですか。
○羽柴説明員 具体的にはどこが保証しておるかというのは、私、一々記憶しておりませんが、一流の株式をとっておるということは間違いございません。
○武藤委員 会計検査院はこういう基金の貸付先まで検査する権限はありますか。あるいは検査した事実はありますか。
○羽柴説明員 海外経済協力基金について検査する権限はあると思いまするが、その貸付先その他について今まで調査した例はございません。おそらくそこまでは調査してないじゃないかと思います。むしろ海外経済協力基金自身がそういうものを監査する、こういうととはやっておるわけでございます。
○武藤委員 たとえばこれから本年度中に、来年三月までにあなたが計画しておる台湾のウルシの開発ということを申しましたが、これの開発はたとえばどういう形態で、どういう会社がやるのですか。それとも台湾の会社に貸すのですか。
○羽柴説明員 ウルシ開発の御質問でございますが、これをもしやる場合におきましては、新しい会社が設立されまして、ウルシ開発計画株式会社というものを新設しなければならないと思っております。このウルシにつきましては、まず台北の肥料工場、これは台北の郊外でございますが、肥料工場から石炭ガスを買いまして、そうしてこれを市内に供給する計画をやりまして、そうして建設していくという過程をとるわけでございまするが、趣旨は中共のウルシが輸入量が不安定でございまして、また価格が非常に高い、こういうことに対抗いたしますために、日本の国のウルシをつくる業者が、台湾の政府でございますが、これと合併を考えまして、そうしてその栽培によるところのウルシを日本の国で買っていく、こういうような構想になろうかと思うのでございます。
○武藤委員 あなたの計画では、台湾のウルシ開発にどのくらい融資をする予定ですか。
○羽柴説明員 これはまだ計画を幾らというところまでは決定いたしておりません。しかしながら向こうの希望といたしましては、大体七千五百万円の希望額というものを持ってきております。これに対して、こちらの方でどの程度が妥当であるかということを今後検討いたしたいと思っております。
○武藤委員 台湾のガス開発にはどうですか。
○羽柴説明員 台湾のガス開発につきましては、大体台湾の政府資金を除きまして向こうの希望額は三億六千万円ということになっております。もちろんこれは本年度の希望額でございまして、来年もさらにそれ以上の金額を必要とするということになっております。従いまして、これはむしろ長期的な希望を持っておりまして、三十七年度三億六千万円を希望するが、三十八年度、三十九年度以降もさらにそれ以上の金額を必要とする、合わせて十五億円程度の借款を必要とする、かような希望が参っております。
○武藤委員 あなたは外交官じゃないからあるいは別でございますが、台湾と中国の問題が国連でどうなるかという、非常に今日の国際情勢から見た場合に、台湾の地位というものが不安定であるということは御承知だろうと思うのです。そういう場合に、ここ二、三年のうちに国連加入が認められ、中国と台湾の問題が解決されるというような場面が出た場合に、二十年間という長期貸付金でありますから、こういうようなものがあるいは中国、台湾の関係でほごになるような危険性というものもないではないのですね、そういう不安定な今日の国際環境に置かれておる台湾に対して、こういう膨大な金を融資するということが予算を大切に使うとか、将来の確実性というものを考えた場合に全く心配はないでしょうか、あなたの見解はいかがですか。
○羽柴説明員 この問題につきましてはお説の通りでございますが、二十年ということは必ずしもきまっておりませんので、向こうからは三十七年度以後毎年ということを言っておるわけでございまして、はたしてこれが何年まで続くかということについては何らのコメントもないわけでございます。ただ問題は御承知のごとく中共と台湾との関係もございまして、実はこのウルシ開発並びに台北市ガスの拡張工事につきましては、三十七年度以後にやりたいというように計画はいたしておるのでございまするが、非常にいろいろな問題がからんでおりまして、私自身の考え方といたしましては非常に困難な問題が多くて、あるいはまたずれ込むのじゃないかというように考えております。
○武藤委員 そういたしますと台湾の問題はまだそう確実なものでないと受け取ってよろしいですか。先ほどあなたは三十七年度の計画の中の百億円の中に台湾が含まれておると言ったが、今の答弁でいくとどうも台湾と中国の関係からあまりかんばしくないということですか、どちらですか。三十七年度でやるというのならもっと具体的に契約を結ぶ段階までいかぬと、三月はもうすぐきてしまいますよ、これはどうですか。
○羽柴説明員 ただいま御説明いたしました金額の中にはこの台湾の問題も実は私ども含めておりますが、この中で特に緊急なものそれから実行可能なものを拾って参りますと、この台湾の問題は優先順位といたしましてはあとになってくるわけでございます。ただこれが見通しの問題といたしまして中共と台湾との関係が早期に落着するとか、またいろいろな状況が変わってくればこれは割合簡単に参るわけでございますが、今の見通しといたしましては優先順位があとである、こういうことを申し上げたいわけであります。
○武藤委員 そこで輸出関係に関連をして土屋輸出振興部長にちょっとお尋ねいたしますが、この海外経済協力基金というものは、日本との経済交流というものを促進するのだ、そのために緊要と認められる地域を開発していく、こういう大前提があるのですね。そこでお尋ねしますが、三十六年度と三十七年度のボリビア、チリーとの貿易状況は概要どのようになっておりますか。
○土屋説明員 ただいま御質問のございましたチリーでございますが、三十六年度の輸出の実績は二千万ドル、三十七年度は四月——九月の実績でございますが六百五十万ドル、かような状況になっております。ボリビアの資料をただいま持っておりませんが、非常に数字的に小さいのではないか、かように考えております。
○武藤委員 それで、あなたのこれからの推測で、こういうボリビアとかチリー方面に海外開発基金を回して大いに力を入れるということが日本の経済交流というものを相当高める効率を示すのか、それとももっと近い、しかも同一人種のような東南アジアに向けて全力を注ぐ方が日本の輸出輸入の関係を改善する上では効果があるのか、あなたの見解ではどのように考えますか。
○土屋説明員 輸出面からながめまして、各地の市場、地区別にそれぞれ重要性をもちろん持っておるわけでございますが、私どもといたしますと、東南アジアの開発と経済交流ということを念頭に置いてはおりますが、しかしながら最近における中南米の経済の発展というものに着目いたしまして、今後におきましては東南アジアと並びまして中南米方面の市場開拓に努力していきたい、かように考えている次第でございます。
○武藤委員 市場開拓を努力していくと申しますが、私はそう並列な次元で考えるのじゃなくて、どちらが効果があるか、同じ金をつぎ込むならば、東南アジアにつぎ込むのとあるいは中南米につぎ込むのとどちらが効果があるとあなたは判断しておるか、こういう質問です。
○土屋説明員 もちろん投資効果の問題につきましてはそれぞれの投資対象によってもおのずから異なってくるかと思いますが、先ほど来御意見のございましたような鉱山関係の投資につきましては、東南アジア方面に特に非鉄金属関係では目ぼしいものがない、勢い中南米方面に進出せざるを得ないというふうなことで、鉱山関係につきましては今後中南米に重点を置くようにならうかと思います。そのほかのものにつきましては、それぞれのケースに応じましてケース・バイ・ケースで具体的に投資効果を判断いたしていくよりほかないかと思っております。
○武藤委員 それではきょうは議論はしないつもりの質問でありますからやめます。 先ほどの続きでありますが、羽柴さん、今まであなたの方でこの百七十億円の基金を操作することによって産業の開発に寄与したと顕著に認められる具体的な事実、そういうものがありましたら一つお示しを願いたい。 第二には、経済交流の促進に役立てるというねらいでできた基金でありますから、経済交流で、具体的にここへの融資、ここへの出資はこういう形で日本経済にはね返ってきたのだ、あるいは国際収支の改善にこのように稗益しておる、そういうあなたが仕事をやって誇り得るような、この法律の精神になるほどかなった業績が出てきた、そう思われるような何か具体的な点を一つ示していただきたい。
○羽柴説明員 総括的に申し上げまして、昨年の三月にできたばかりでございまして、具体的に開発に寄与し、そしてまたこれが国際収支の改善に寄与するということは逐次々々浸透しつつございまするが、むしろ将来に期待すべきではないかと考えております。 これを具体的に申し上げますると、北スマトラ石油開発の協力でございまするが、これは北スマトラで石油を掘りましてこちらへ持ってくるわけでございますので、今までも具体的に逐次ございまするし、また今後に大きな期待が持てるということを確信するわけでございます。それからスエズ運河でございますが、このスエズ運河の改修協力着工準備資金、これもやはりスエズ運河の開発ということに大きく期待ができるわけでございますので、これも産業開発には大いに寄与できる、かように考えております。それからあとの問題につきましては、ボリビア、チリー等もあとの国際収支というものに必ず寄与してくると私は考えるのでございますが、今までのところは何分探鉱の調査でございますので、調査自身はまだ具体的な効果は期待できないわけでございまして、むしろ示威的な効果というようなことでございます。従いましてこれがあと一年、二年たつにつれて、次第にその効果は増してくるわけでございますが、今までのところはまだ大した効果はない、これが加速度的に効果が増してくる、かようにお考え願いたいと思います。
○武藤委員 あなたとしてはそのくらいしか今の段階では答弁できぬと思いますが、さて北スマトラ石油開発で日本に相当持ってきていると申しますが、その北スマトラ石油にあなたの方で基金を出しておる会社から、年間どのくらい日本に石油が入ってきておるのですか。アメリカの石油資本との競合の関係でいろいろ制約があるやに聞いておるのですが、その点はどうですか。 第二は、この北スマトラ石油開発の会社は、大日本石油がやっておるのですか。あるいは元大蔵省の理財局におった橋本正次郎さんなどもこの会社の役員に入っておりますか。この二つの点を一つ伺いたい。
○羽柴説明員 手元に全然資料がございませんけれども、第一点の御質問につきましては、後ほど資料で実績並びに今後の見通しにつきまして御提出いたしたいと思います。 それから第二点の問題につきましては、たしか私は入っておられないと思っております。
○武藤委員 数字の点はあとでお聞かせ願いますが、政務次官に最後に、きょうは大蔵大臣の代理ということで御意見を伺っておきたいのでありますが、百七十九億円の基金の中で、二年間に十六億しか使っていない。あまりにも比率がわずかなのです。一般財政の中からこれだけの金を基金に回す効果というものをわれわれは勘案をして考えた際に、緊急必要でないこれだけの金を寝かしておいて、貿易振興及び経済協力だと言って鳴りもの入りで施政演説の中にも入れるほどの大きなウエートをかけた総理大臣の意向というものが、さっぱり実行されておらぬ、こういううらみがあるような気がするのですが、その点あなたはどう考えますか。百七十九億円のうち二十億足らずしか使っておらぬ、こういう予算の執行の仕方で、大臣や政務次官が輸出を盛んに振興するんだといって予算をせっかく計上しても、どうも意味が半減されているような気がします。あなたの御見解はいかがでありますか。
○原田説明員 海外経済協力基金というものを法律化してやっていこうということは、ただいままでの武藤委員からの御質問、これに対する羽柴参事官との質疑応答によって明らかな通りでありますが、これを大きく政治的にながめますと、世界の中で貧乏な国と金持の国がある。これでは世界の繁栄というものは求められない。すなわち未開発国を金持にすることによって、世界が繁栄する。そのためには日本も未開発国の経済の発展のために力を尽くそうという大きな政治的な観点から出発されておると私は思います。従いましてこれが今種をまいてあくる日実るというような経済効果ということを期待する方が少々無理であろうと考えます。従いまして、せっかく金を出したが実らなかった。御指摘の中にある点で首肯しなければならない点が多々あると私は考えます。そういうようなことを考慮いたしまして、効果が上がりお互いの国々の経済的なあるいは政治的な面までともに繁栄するように配慮して考えていきたいと考えております。今お話がございました百七十億の金を寝かせておくことはもったいないじゃないかというお話でございますが、これに要するところの個々の問題につきましては、予算の際にこれまた大蔵省といたしましてはつぶさに査定いたすところでございますから、十分注意を払っていきたいと考える次第でございます。
○武藤委員 配慮をしなければならぬ問題ですが、今回の日米経済協力会議においても、特にアメリカは、日本を自由主義陣営のチャンピオンとして強く要望しておるわけですね。低開発国の援助に対しては、日本が大いに努力してくれ、特に東南アジアの方に関しては日本がやってくれということをケネディが言っておるわけですね。そういうような自由主義陣営の一環として、日本の自由民主党は大いに貿易振興及び経済協力費という名で、本年度予算をふやしたわけですね。それが実際の効果が上がっていないというこの姿を見たときに、まことにこの基金の使い方はおざなりですね。もっとレベルの高いところで総合的に判断をしてこの金を使わぬからこういうことになるのです。基金を預けっぱなしで、検査もしない、どの国でどのようにしておるかということもおそらく政務次官はきょうの質疑応答を通じて初めてわかったようなことだろうと思うのです。こういうようなことでは選挙のために人気をとるための単なる予算項目であって、具体的には効果がないときめつけられても私は弁解の余地はなかろうと思うのです。こういうようなことが予算の使い方の中身には各所にあると思うのです。われわれ委員の責任もありますが、従来委員会というのは、過去のそういう予算執行の状況や明年度の予算について具体的にここで質疑応答をするという習慣が非常に薄かったためにも、そういうことが欠陥として私は出ておると思うのですが、今後は一つきめた予算がどう使われておるかということに対しても、われわれは十分検討する必要があると思いますので、きょうのこの質疑応答の内容を見て、どうも金の貸し方がずさんでしかも開発の基本的な構想もなくて、ほんとうに行き当たりばったりで、その金を抱えてどうしようかということに苦慮しておるのが今の姿のような気がいたします。この問題に対しては、国民の血のにじむような血税なんですから、私はこの基金が大切にしかも十分効果の上がるように使用されることを強く要望しておき、その後の結果についてはまた羽柴さんに使用状況等をじっくりまたお尋ねをいたしますから、こういうことについては一つ十分気を配って最善の努力をしてもらいたいと思います。 最後に、政務次官にお尋ねいたしますが、自由主義陣営の強化ということだけにあせって、非常に不安定な国国、しかも開発をするにしてもとてもできない、先ほど有馬委員がおっしゃいましたような非常な危険性の伴っておるところまで膨大な調査費を計上してやるというような乱暴な金の支出は慎んでもらいたい。もし自由主義陣営を強化するというねらいでやるのだということで、がむしゃらに不安定な国に出すがごときことは、日本の将来に大きな禍根を残すと思うのです。ですから低開発国を援助するという場合には、できるだけ国連にプールして、国連の窓口を通じて低開発国の援助をするという責任分担をやはり国連を通じてやるべきだと私は思うのです。だから、基金は基金として、別ワクとして日本の政府が持っておるのはいいです。いいけれども、どこの国へどのようにやっていこうかということは、できるだけ国連の場を通じて、国連の大きな計画にマッチした日本の開発協力というものを考えなければならぬと思うのです。そういう点でも、羽柴さんあるいはこれを担当しておる方々にそういう点を強く要望して、この問題については一応ピリオドを打っておきたいと思いますが、政務次官、それに対するあなたの御意見だけでもお聞かせしておいていただければ、次に進みたいと思います。
○原田説明員 こういう性質の海外協力基金というようなものは、国連にプールしておいて使っていったらどうかという高邁な御意見は承っておきたいと思います。ただ、これらの問題につきましては、今武藤さんから、あなたの御質問によって知っただろうというお話がございましたが、私ども国会でこの法律を審議いたしました一員でございますので、海外経済協力基金の内容等につきましては大体承知をいたしております。ゆえに、先ほども、御質問に対しまして、十分配慮しなければならない問題があるということを申し上げましたのはそこからでございます。しかし、大きな目的というものを考えますときに、やはり海外経済協力基金制度というものをほんとうに生かしていくことによって世界の経済的な繁栄がもたらし得るというこの大きな観点を見失ってはならないと考えるものであります。ただ単に自由主義陣営だけの繁栄ということだけでは世界の平和と繁栄はないのでありまして、世界の人類の繁栄ということからものを考えていかなければならない。しかしその中で、こちらが考えておっても向こうではどうだというような問題がございまして、なかなか今の世界がうまくいかないということは御案内の通りでございまして、私どもは、今ワシントンにおきまして六大臣がアメリカ側ともいろいろ話をしておりますが、こちらの態度も勇敢に申し述べるようにということを、大臣に意見を具申いたしたような次第でございます。
○武藤委員 政務次官、知っておっただけでは意味をなさないのです。知っておって、あなた大蔵政務次官に就任してから、直ちに、海外協力基金について、いつ大蔵委員会で質問されてもあげ足をとられぬように万全な態勢で、早く開発の計画をつくれというようなことを命令したことがありますか。ただ三十六年の三月にこういうものができたというのは、国会議員みんな知っていますよ。問題は、あなたはそれを執行する政府の立場におるのですから、そういう努力をしなければだめです。意識の中で何を考えたって、それは前進にならないのです。われわれ野党とあなたの立場は違うのです。力を持っているのですから、どんどんそれを命令して、こういうずさんな、二十億くらいしか使ってないというような予算があったら、どういうわけだとどんどん督促して、計画を出させて、きょうまでにもっと万全なものにしておかなければならない。そういう点で、あなたの答弁は、その場限りの言いのがれにすぎませんから、了承できません。それにしても大臣がいないことですから、一応この程度にしておきます。 次に輸出の問題について、部長さんいらっしゃいますから、ちょっとお尋ねしておきます。 十一月の貿易概要というのは大体どんな数字になっておるか。九、十はございますから、十一月はどのくらいになっておって、九、十、十一月の趨勢から勘案をしていった場合にどんな状況になるだろうかという輸出入の問題について、ちょっと数字を示してもらいたいと思います。
○土屋説明員 十一月の輸出統計でございますが、まだ私の方は、集計できておりませんが、十二月の二十日過ぎころになろうかと思います。いずれにいたしましても、大蔵当局の方でもそのころになろうかと思いますが、ただいままで手元に持ちましたものは、十月までの認証統計、信用状統計、通関実績、その程度でございます。ただ、最近の輸出の傾向から推しまして、本年度の見通しがどうかというふうな御質問かと思いますので、簡単に今後の見通しを申し述べますと、上期の輸出実績は、御案内の通り非常に予想外に好調であったわけでございます。大体輸出会議の目標を、商品別にいたしますと、為替ベースで五一%を突破いたした次第でございますが、例年の例から申しますと、上期より下期の方が輸出が伸びるというふうな統計が出ておりまして、大体上期が、この三、四年来の統計で見ますと四八%くらい、下期が五二%くらいというふうな傾向でございます。それから推しますと、今後もなお、ものによっていろいろ状況も違うかと思いますが、この上期の趨勢がずっと下期までも引き続いていくのじゃなかろうか、かように考えておりまして、四十七億ドルの輸出目標を突破いたしまして四十八億ドルもかたいというふうに私ども考えております。
○武藤委員 従来は上期の方が輸出のパーセンテージが低くて、下期の方が多かった。そういう例からいくと、過般新聞で発表された品目別の輸出達成率を見ますと、全体では五二%完遂をしておる、下期の方が多いとなると、輸出はずっとふえるという見通しが立つというのですが、私は本年は特に事情の違う要素があると思う。というのは、昨年から国際収支の改善という至上命令から、非常に輸入を押えてきた、従って本年の上期は輸入が非常に押えられたためにそれの方の要素がかなりのウエートを占めておる。政府は五分々々だと言っておる、輸入と輸出の関係は五分々々で改善をされてきたと言っておるけれども、この輸入を押えておったしわ寄せが今度の下期、一、二、三月の輸入がかなり増大をする、従来の上期よりは増大をする傾向があるのではないか、その傾向についてはあなたはどう認識されておりますか。
○土屋説明員 御指摘の通り本年度の輸出の傾向につきましては、いろいろの事情もあろうかと思います。また過去の平均通りいくかいかないか問題もあろうかと思います。輸入の趨勢でございますが、私直接担当はいたしておりませんが、確かに二、三月いろいろ繊維関係の品物その他の購入の時期には相なるわけでございますが、ただ国内的に申しましても、設備投資というふうなものが、政府が押えるというわけではなくて、産業界の方でも自粛いたしておるというふうなことから、機械輸入というふうなものがそう大きくふえないのじゃなかろうか、かように私自身は考えております。ただ本年度の上期の輸出の中には、たとえば鉄鋼のような非常に伸びたものもございますけれども、下期に鉄鋼のようなものがこの趨勢で伸びるかどうか疑問の点もあろうかと思います。しかしながら、いずれにせよ過去のように下期五二%という数字を達成しないでも、少なくとも五〇%は達成できるのじゃないかというふうに考えまして、大体目標の一〇一%はかたい数字だ、こういうふうに私ども考えております。
○武藤委員 輸出がそのように伸びるということを実際に実現してもらいたいと期待はしておりますが、私どもの調べた資料によりますと、下期の輸入がふえて国際収支がかなりまた悪化の状態になるのじゃなかろうか、特にアメリカからの債務の返済期限が到来しておりまするから、これをずっと返済をしていきますと、どうもの年度内の経常で黒字ということはちょっとむずかしくなってくるんじゃないか、そういうような懸念を持っておるので、十分これから輸出振興についての体制を検討してもらわなければならぬと思うわけですが、過般の最高輸出会議で決定されました項目で、来年度新たに一つ施策として実行したい、そういう新たな項目というものはどんなものがあるか、あなたの知り得る範囲内で政府に要望しておる項目があろうと思うので、どういう点が来年の新たな要求項目であるかお聞かせ願いたい。
○土屋説明員 輸出振興につきまして大へんありがたい御鞭撻の言葉をいただきありがとうございました。私どもも国際環境がますます容易でないということを信じておりますし、一そう努力をいたしたいと思っております。 なお、過般の最高輸出会議の席上、各業界からいろいろ要望事項も出たわけでございますが、大きく分けまして第一が輸出秩序の問題、輸出責任制の問題、第二番目が経済外交の強化、第三番目がいわゆる政府に対する施策でございますが、輸出振興体制の強化、四番目といたしまして後進国の開発促進、このような議題が取り上げられたわけでございます。 第一の問題につきましては、今後の国際競争にやはり日本が責任を持って安定的に輸出を伸ばしていくためには、業界サイドにおいても輸出の秩序を確立しなければいけない。同時に政府におきましても独禁法の改正とか、あるいは取引法の弾力的な運営というふうな国内の価格安定政策を強く推し出してもらいた。それによりまして、単に輸出のみならず、日本の産業の強化をはかってもらいたい、こういう御議論が第一点出たわけでございます。 第二の経済外交の問題につきましては、ヨーロッパの問題、あるいはアメリカの問題につきまして、それぞれ輸入制限を漸次解消していくようにうまざる努力をしてもらいたいというふうな御要望が出ました。 第三の輸出振興体制の整備でございますが、第一点といたしますと、輸出金融延べ払いの問題につきまして西欧諸国が非常に長期の延べ払いを最近やり出しているんじゃないか、日本もそれに負けないような条件を出さない限り、今後重機械方面の輸出がなかなか困難じゃないだろうか、そういう点から延べ払い条件の緩和という要望が出たわけでございます。第二点といたしましては、延べ払い条件の緩和と並んでやはり輸出するための金融、この金融をふんだんにつけてもらいたい。特にその金融につきましても、相なるべくは金利を安くしてもらいたい。そして国際競争に勝てるような裏打ちをしてもらいたいという要望がございました。第三は税金の問題でございます。ただいまございます輸出所得控除制は再来年の三月廃止の予定でございます。しかし業界といたしますと、輸出意欲を一そう振興するためにいろいろの制度を政府としても考えてもらいたいというふうな御要望があったわけでございます。 最後の後進地域の開発の問題につきましては、先ほど来先生方から御議論のありましたような基金の活用の問題、あるいは一次産品の買付の問題というふうなものが御要望として出たわけでございます。私どもこうした最高輸出会議の御要望事項につきまして、ただいま事務的に検討いたしまして、大臣がお帰りになりましてからまたそれぞれ関係方面と相談いたしまして、すみやかに措置できるものは措置いたしたい、かように考えている次第でございます。
○武藤委員 事務的検討はまだ大臣が帰ってこないとわからぬと申しますからあまりしつこくはお尋ねいたしませんが、輸出入銀行のワクを本年は千二百五十億円広げて非常に輸出増強に対応できる体制はつくったわけですね。この輸出入銀行の千二百五十億のワクというのでは具体的に足らないのですか。現在これの消化の率というものはどの程度と見ておるのですか。
○土屋説明員 輸銀の直接の監督は大蔵省でございますが、私の方で聞いておるところによりますと、ただいま御指摘のような数字で本年度は計画通り実施できるんじゃないか。不足もしないし余りもしないというふうな状況と聞いております。
○武藤委員 それは日銀がおらないから余るか足りないかよくわからぬでありましょうが、業者とすればいつも口をそろえて、金融を長期で低利で量をふやせと言うのですが、さっきの協力基金ではありませんが、みだりにふやしてもさっき言ったように寝ておるような資金をつくってもむだですから、そういう点の計画というものはやはりもっと地についた、しかも実際と一致するような計画というものを今から一つ十分検討してつくっていただきたいということを要望しておきます。 それと貿易、国際収支のその後の経過ですが、私どもの手元にはことしの六月までの各ブロック別の輸出輸入の状況というものが示されておるのでありますが、その後の趨勢としては、アジア、欧州、北米と分けた場合に、輸出が大いに伸びる傾向にある地帯というのは一体どの方面ですか。
○土屋説明員 お答えいたします前に、先ほどの輸銀の問題でございますが、私の方もでき得る限り業界が輸出できるようにその裏打ちになる資金量については十分見ていただきたいということを大蔵当局の方にお願いいたしておるわけでありますが、今後も具体的な計画その他につきまして、慎重に取り計らって参りたいと思います。 なお、最近における地域別の市場別の輸出の状況でございますが、これから見ますと多少具体的な数字になって恐縮でございますが、上期の四月−九月の実績を大体三十六年度と比較いたしてみますと、アメリカが一三六というふうに非常に伸びたわけでございます。その次にヨーロッパ、これは西欧でございますが、これが一三二。ところが中近東でございますが、これが昨年度に比しまして九四というふうに落ちております。またアフリカもわずかでございますが九八というふうに落ちております。豪州その他大洋州関係でございますが、これは一四四と急速に上がっておるわけでございます。いろいろ豪州の輸入制限その他の問題というふうなもの、あるいは貿易交渉の関係というようなものでそうなっておるということでございます。 なお中南米でございますが、これは大体一一三という工合で、一〇〇%をとしております。次の東南アジアでございますが、これもいろいろ輸入制限の関係、国際収支の関係で伸び悩んでおりますが、一〇八%という上昇でございます。最後に共産圏でございますが、これが本年度いろいろの関係で一八〇%と、金額的には、量は少なうございますが、パーセントをとりますとふえてきておる。そして全地域の平均が一二二、こういうふうな状況でございます。 ただ貿易の総額から見ました各市場別のウエートでございますが、やはり何と申しましても北アメリカが一番多うございまして、特に上期は貿易総額の中で三六%弱を占めております。ヨーロッパが一三・五%程度というふうなわけでございます。また東南アジアでございますが、二七%というふうな状況で、共産圏関係はわずかに三・二%というふうな、貿易総額から見た各市場別の構成比でございます。これから推しましても、やはりアメリカなり東南アジアの市場というふうなものが日本にとって大事であろうかと思いますが、来年度あたりから西欧の貿易が逐次軌道に乗りますと、西欧諸国に対する貿易額もふえ、また貿易の構成比も増加して参るのじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○武藤委員 東南アジアが前に私どもの調査した際には三〇%台に乗っておったのでありますが、これが二七%に減ってきたという最大の原因は、ヨーロッパのEECの力とか、それでなくて日本の国内の嗜好品関係の変化とか何か大きな原因というものがあるのですか。どのようにこのダウンした原因を感知しておりますか。
○土屋説明員 東南アジアの輸出が多少上期ふるわなかった理由でございますが、国内的とかあるいは西欧諸国の攻撃という以上に、それぞれ相手国におきます外貨不足と申しますか、そういう面からの輸入制限がとられてきておると同時に、最近の傾向といたしまして、軽工業品をそれぞれ現地で製造するようになってきた。そのためにある種のものにつきましては、相当の高い禁止的な関税をかけておるものもございます。そういうことから本年上期の東南アジアの輸出というものが不振を続けたものと考えております。
○武藤委員 それから輸出を盛んにするにはいろいろな手を打たなければならぬと思いますが、私ども地域に住んでおる者の直感的に感ずる点は、中小企業が設備を改善しよう、輸出競争に耐え得る良品を作ろうといたしましても、なかなか資金が枯渇しておって機械が入れかえられない、あるいは工場が拡大できない、こういう壁にぶつかっておって、中小企業金融公庫に申し込んでも輸出が三割以上なくてはだめだ、こういう形でなかなか設備の更新ができない状況にあるわけです。今までは輸出が五〇%、今度改正をして三〇%にしたけれども、実際は一五%、二〇%という輸出をしておる中小企業の繊維下請業者、こういう者がこの恩恵にあずかれる改善をしないことには、私はやはり中小企業の問題というものが輸出に関係をして伸びていくということにならぬと思うのです。そこらを今度の改正では、三〇%輸出をされた企業に優先をする。しかしそれも第一下請会社まで、その次の加工屋とか染色屋とかそういうところまでは輸出産業としての体制の中には組み入れない。こういうことでは、私はほんとうに輸出に業者が熱を入れるということにならぬと思うのです。そこらの見解は、あなたはどう考えておりますか。
○土屋説明員 ただいま御指摘の通り、中小企業関係の輸出振興資金の貸し出しの問題でございますが、申し落としましたが、最高輸出会議のときも実は中小企業の代表の方からそのお話が出たわけでございます。私ども新聞に発表いたしました通り、今までの貸付条件五〇%というものをまず三〇%まで引き下げてみよう。それから同時に、中小企業関係の御要望が非常に高かった下請企業にもその制度の恩典を与えるようにしたいということで、このたび大蔵当局と御相談をして結論を得たわけでございますが、今度の改正で一体どのくらい中小企業の方々が借りられるようになるか、ひとまず今回の改正の運用状況を見ましてから、また悪い点がございましたら将来再検討するというふうにいたしたいと思います。
○武藤委員 直接貿易商社から契約はとれないその下の下請業者、そこまでも一つ中小企業の輸出関係資金というもののワクの中で借りられるように——現在資金が余っておって、公庫ではせっかく設定をしたけれども借り手が来ない、こういう状況なんですね。それは今言った制限があまりにもきついから来ないので、その制限をある程度緩和するならば、今の公庫の資金ぐらいではどうにも足りぬわけなのです。そういう点の実情をもっと公庫の方とも相談をし、実情調査の上ぜひ一つ、そういうものは明年からできるぐらいの果敢な迅速な事務折衝をして、万全の策を一つ立ててもらいたい、こういう要望をいたしておきます。 時間も大へん経過しておりますから、輸出関係の問題についてはその程度にして、次の専売関係の問題について少しくお尋ねしておきたいと思います。昨年の十二月十日に、たばこ耕作審議会が答申をいたしましたその中で、建議という異例な条項が付せられまして公社の方へ出されたわけでありますが、その建議の中に生産費及び所得補償方式によってたばこ収納代金を算定をする、そういう方法についてしかるべき機関にかけて根本的に研究をされることが望ましい、こういう建議に基づいて過去一カ年間、ちょうどあと四、五日で満一カ年になるわけですが、その間、専売公社としてどのような努力をしてきたか、また生産費及び所得補償方式について統一見解なり、どのような見解を今日まとめておるか、その辺の経過から一つ御努力のあとを伺いたいと思うのであります。
○阪田説明員 昨年のたばこ耕作審議会の建議に基づきまして、葉たばこの収納価格につきまして、所得補償方式をとるかどうかということにつきましては、大体建議の御趣旨をそんたくいたしまして、農政審議会の方に御審議方を依頼してございますわけでございます。その後事務局の方にその後の状況を督促と申しますか、いろいろ伺っておりまして、審議会の方といたしましては、これは農政全般に関連する、あるいは農産物価格のきめ方といいますか、考え方全般に関連する問題でありますので、そういう全体の問題の一環として御研究願っているというふうに伺っておりますが、もちろんまだ具体的な結論といいますか、結果は出ておらないようでありまして、私どもの方でもまだお話は伺っていないわけでございます。
○武藤委員 まだ具体的な検討の結果を聞いていないと申しますが、しかしあなたの方にとっては耕作者に対する立場から非常に大きな問題なんですから、農政審議会に出ていって、専売としてはこう考えておるとか、あるいは現在の状況はどうだとかというのを審議会から聞かれたことはありますか。預けっぱなしですか。
○阪田説明員 まだ審議会の方からそういうことで専売公社の意見を聞くといったような機会はないわけでございます。
○武藤委員 総裁は、農政審議会というのは本年いつといつ開かれたか、承知しておるのですか。
○阪田説明員 承知しておりません。
○武藤委員 承知していないような農政審議会に、生産費及び所得補償方式の問題を検討してくれとかけっぱなしでおいて、あなたの方は一応検討した結果を知らしてくれとか、中間の意見はどうだとかいうことも全然審議会に尋ねようとしないのですか。尋ねておりますか。
○阪田説明員 経過につきましてはときどき伺っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、まだ具体的なことを申し上げるようなことは伺っていない、こういう趣旨で申し上げたわけであります。
○武藤委員 経過についてお尋ねをしておるというのでしたら、その経過の内容——検討の中身じゃなくて経過は大体どのようになっておるのですか、審議会の方では。
○新田目説明員 私からで失礼かもしれませんが、お答えをいたします。 農政審議会の正式の会議は夏に持たれたように記憶しておりますが、これは正確ではございません。私ども事務当局といたしましては、農政審議会の事務局の方にこの問題についての検討をお願いしたわけでございます。審議会の中にはいわゆる正式の審議会のほかにそれぞれの問題と申しますか、たとえば価格政策であるとかそういったような専門部会、小委員会、そういったようなものがございまして、その中で検討がされるだろうというようにわれわれは期待をしておったわけでございます。最終的にはもちろん本審議会の方にかかるのじゃないか。この八月以降二度ほど農林省の方に出向きまして、公社の方の価格の変化をお知らせして材料を提供もしております。 それからごく最近におきましては、事務局の方において過去の価格の問題を検討する準備が開始されたように伺っております。と申しますのは、主要な農産物についていろいろ検討が行なわれるにあたりまして、たばこというものについてどういうような事業の移り変わりがあるか、あるいはそれぞれの場合にどのような価格が立てられておるかというような材料を公社の方に提供方依頼をされております。私どもとしましては検討をお願いした立場でございますので、積極的に農林省の方の御調査に乗り出して参りまして、検討が早く進むようにと念願しておるわけでございます。
○武藤委員 部会にはかけられていないのですね。そこで農政審議会の事務局にいろいろ資料を提出しておると申しますが、同時に農林省の方にも価格決定の状況なども知らせておる。農林省はだれで、審議会の事務局はだれに具体的にそういうものを出していますか。
○新田目説明員 先ほど申し上げました点で性格が二様におとりになったように存じますが、農政審議会の事務局は農林省の企画室にございます。私が農林省にと申しましたのは、その事務局である農林省の企画室と連絡をとっておりますということでございます。これは企画室の室長、それから調査官、それぞれの係の方と会合を持ちましてお打ち合わせをいたしておるわけでございます。
○武藤委員 そういたしますと、公社としては生産費及び所得補償方式はあまり採用されたくないから非常に消極的にしか動いておらぬという印象なんで、私の印象が間違いであれば別として……。ところが農民はもう生産費及び所得補償方式を非常に強く望んでおるのです。そういうものに対してもっと積極的な取り組みが私たちは必要だろうと思うのです。しかしそれはあなたたちの意識があまりそういう方式をとりたくないという意識があるからそう積極的でなかろうと思うのですが、そこでいよいよ来年度の収納価格をきめる段階が来たのですが、総裁としては来年度の葉たばこの収納価格というものを決定するにあたっては、どういう方式を採用されますか。
○阪田説明員 御質問のように明年度の葉たばこの収納価格は大体この十二月にきめるようにしております。ただいまの予定ではこの十日、十一日にたばこ耕作審議会を開催いたしまして、そこに公社の原案を提出いたしまして、御審議を願う予定でおります。ただいまその御審議を願います原案を鋭意検討作成中でありまして、それがどういうやり方でできておるかということにつきましては、まだ検討段階でありまして、具体的なことはちょっとまだ申し上げかねるわけでございますが、ただ葉たばこの価格の算定の基準といいますかやり方といたしましては、御承知のように昨年から従来以上に生産費に重点を置くといった算定の方式を採用いたしまして、昨年十二月にそういう方式でやりましたが、なおそういう方式のままを適用いたしまして、ことしの九月にも最近の数字を使って改定いたしたわけであります。その九月の改定以後まだあまり時期もないことでありますから、そういった過去にやりました方式と非常に違った算定方式をとるということは、現状ではございません。いろいろと今の価格算定方式、所得補償方式をとるかといったような非常に大きな問題もあるわけですが、その他にも個々細部におきましていろいろ問題があるわけでありますが、従来の線から非常に離れた方針をとるということは考えておるわけではございません。
○武藤委員 その葉たばこの収納価格をきめる際の一番問題になるのは生産費調査でありますが、その生産費調査のデータ、基礎資料、そういうようなものについて従来と非常に変わるものではないと今総裁申しましたが、幾らか変わるものというのは何かおありですか。
○阪田説明員 その生産費調査をいたしまして、これも価格算定の資料にいたしておるわけでありますが、大体過去三カ年の調査、これを使ってやっておるわけであります。昨年十二月にきめましたときには、三十六年度の生産費の調査ができておりませんでしたので、三十五、三十四、三十三、その三カ年の生産費調査が基礎になっております。ことしの九月の改定のときには、三十六年度の生産費の調査ができて参りましたので、四、五、六とこの三カ年のものを基礎にして改定いたしたわけであります。それが最新の資料になっておりますので、そういうふうにしまして、今度これから明年度の価格を算定いたしますときも、当然この前改定のときに使いましたものと同じ調査が基礎になるということに相なると思います。
○武藤委員 政府が選択的拡大とかあるいは構造改善事業とかいって、農村を今大きく変貌させようという意識的な農政が行なわれておるわけですね。そういう段階にマッチするような収納価格というものをきめなければならぬと思うのです。ところが全く採算のとれない大麦や裸麦やそういうものまでも生産費調査の中に入れて、従来は非常に安い価格で収納価格が決定される要因まで含まれているわけです。来年度はそういう大麦、裸麦というものは全然はずしちゃって、選択的拡大の中に政府が奨励するようなものだけを入れるような変更というものは全然考えていないのですか、それはどうでしょう。
○阪田説明員 今の大麦、小麦の生産費の御質問の点ですが、私ちょっとよくわかりかねるのですが、先ほど御説明申し上げました生産費調査と申しますのは、これは公社がたばこ耕作農家を選定いたしまして、たばこの生産費を調査いたしておるのでございまして、大麦、小麦その他の農産物の生産費というものは入ってないわけであります。
○武藤委員 その収納価格決定にあたって一番大きなウエートを占めるのは、何といっても家族労働費の評価の問題だと思うのですが、この場合の評価の仕方というのは従来と同じような方法でやるのですか、それともわれわれが多年要望してきた全都市五人規模以上の製造業で、しかも常用で働く労働者の賃金、こういうものを基準にして労働費というものを評価するのか、その点来年は幾らか前進しそうですかどうですか。
○新田目説明員 その点につきましては、現在の生産費と申しますのは家族労働を雇用の姿に移しかえておるわけでございまして、どういう労賃で移しかえるかと申しますと、調査農家の近傍における雇用賃金をとっておるわけでございます。そういう姿で生産費がつくられて参りまして、この生産費をもとにして価格の決定が行なわれるであろう。その際に、そのままやっていくかどうかという問題は、先ほど総裁から説明がありましたようなことで、この生産費をもとにしてやっていくのだという考え方でやっておるわけでございます。
○武藤委員 耕作者の近傍の雇用賃金を基礎にすることと、全都市五人規模以上の製造業の賃金を基礎にするのとでは、大へんな違いが出てくるわけですね。あなたそういう計算をしてみて、どのくらいの違いがあるとお考えですか。それとも全然そういう調査はしたことがない、そういう状態ですか。その辺はどんな状況になっていますか。
○新田目説明員 そのような数字を当たってみたことがございますが、今手元に数字そのものを持っておりません。かなり都市労賃の方が高いということを認識いたしております。
○武藤委員 その五人規模以上の製造業の労働者賃金というものを基礎にすることによって、公社の考えておる増反計画も遂行されるし、農民も喜んでたばこをつくることができるのですから、そういう点は農政審議会の結論が出なくてもすぐ公益がやろうと思えばできることなんですから、その点については三十八年度のたばこ収納にあたって、ぜひ一つ実現をさしてもらいたいと思うのですが、その点の御見解はいかがでしょうか。
○阪田説明員 ただいまお話の、公社で行なっておりまする葉たばこの生産費の調査、その中に入っておりまする農業労賃というものを都市の工場労働者の賃金に置きかえる、こういうことになりますれば、これは実体的には所得補償方式を採用した、こういうことになると思います。それが非常に全般に関連する大きな問題でありますので、先ほど来いろいろ御質問ございましたが、農政審議会の方にお願いしておるわけでありますから、こういう段階におきましてそういった方式を直ちに採用するという考えはございません。
○武藤委員 それはどうしてそういう考えになれないのですか、何が障害なんですか。
○阪田説明員 葉たばこの収納価格をどういう基準できめていくか、これが一番問題の中心だろうと思います。いろいろと従来から、必ずしも方針がきまっておるといいますか、同じ方針でやったわけではありません。そのときの経済情勢なりいろいろの需要に応じまして、価格決定の基準というものをやって参っておるわけでございます。現状におきましてもいろいろ検討いたしました結果、昨年来今のような方式、生産費を補償するといった点に非常に重点を置きました方式に変わってきておるわけであります。現状におきましていろいろ、これだけでは問題があるじゃないかということも考えられます。たとえば生産性の向上に伴って、生産費を基礎に考えていきますと、生産が向上すれば価格が下がっていくのじゃないか、そういったような問題もございます。あるいは葉たばこの問題につきましては、ことに輸出向きの葉たばこにつきましては国際価格といったような問題もございます。なお葉たばこのようなたばこの原料になりますものにつきましては生産費のみならず、たばこの使用価値、それを使った場合の価値、品質といったようなものも非常に大きな要素になって参るわけであります。いろいろそういったような問題がありまして全体の経済情勢、農村事情といったようなものももちろん入って参ります。そのときどきに応じて適切な基準というものを立てていかなければならないと思っておりますが、現状におきましては先ほど来申し上げましたように、昨年来とって参っておりまする算定の方式、こういうものでやることが一番適切であろうと考えてやっておるわけでございます。
○武藤委員 そうすると従来やっておったことが一番適切だろうと思うという公社の見解は、五人以上の製造業の労働者の賃金を基準にすることが何かほかからの積極的な障害になる事柄があって、どうしてもできないのだという、そういう説明はないですね。ただ国際価格との比較だとかあるいは商品として葉たばこというものは特別な性格があるからとか、それでは五人以上の常用労働者を使っておる会社の平均賃金にすることが障害だという積極的な説明にはならぬですね。どうして五人以上の雇用労働者を使っておる人たちの平均賃金を採用できないのかという理由、これがどうも私どもの納得のいくような何か理由がないと、やはり農民の要望というものを満たしてやるという方が、今後の増反の問題にしてもあるいは耕作者の補償の問題にしても、他の米づくりあるいは野菜、畜産、こういう選択的拡大に移行しようとする農民の心理からいっても、私は公社の施策がよろしいといって支持されると思うので、どうもそういう制度をとれないのだという積極的な理由が明らかでない。これをもう少しはっきりと、一つそのものずばり一条でいいから答弁できないですか。
○阪田説明員 先ほど来申し上げましたことと同じようなことになるかと思いますが、葉たばこの収納価格というものは、これは専売法にもその趣旨が規定してございます。たばこ耕作者に適正な収益を得させるようにしなければならないということが書いてございます。そういう方針に合致した算定の仕方といたしまして、現状といたしましては昨年来とっておりますような算定方式が一番適切だ、これが絶対、未来永劫こういう方式であるべきだとは考えておりませんが、しかし現状におきましてはこのやり方が一番適切だ、耕作者に対しましても適正な収納価格を与えるということになるのだ、こう考えてやっておるわけであります。
○武藤委員 ここで総裁と議論しておっても平行線ですが、どうも公社は農民に少しでも安い価格で押えて公社の専売益金を一銭でもよけい上げようという考え方でこり固まっておりますから、なかなか五人以上の労働者の賃金を基礎にしようという考え方にならぬようですが、一つ農政審議会にもっと積極的に働きかけて、生産費所得補償方式というものが最も議論の余地のない一番妥当な算定方法なんだ、こういうことをあなたの方も早く農政審議会の方に働きかけてもらいたい。われわれの方も農政審議会何をしておるかということで積極的にもっと督励をしなければならぬと思いますから、この問題については十分一つ、今後の誠意を見たいと思いますから、努力してもらいたいと思うのです。 それから総裁に一つお尋ねいたしますが、たばこ小売価格をできるだけ下げて減税の恩恵が一般大衆に及ぶような減税をしてほしいということを私どもは昨年も一昨年も主張し続けてきたわけです。物価がどんどん上がってそれに比例してあらゆる諸物価が上がってしまって非常に苦しいのですから、政府みずからが政府が操作のできる品物の価格を下げる、そしてこういう値上がりムードというものに終止符を打つような、そういう大きな見地からたばこの値段を下げてもらいたい、たばこ減税をしなければならぬという強い主張をわれわれは持っておるのでありますが、明年度たばこ減税についての総裁の御見解はいかがですか。
○阪田説明員 たばこの価格の問題につきましては、いろいろそういうたばこの値を下げたらどうかといったようなお話を前にも伺ったことがございます。この問題につきましては、専売公社といたしましては、専売事業というものが、もちろん消費者に製造たばこを供給するサービスという面もありますが、財政収入を上げるという面も持っておるわけでありまして、財政全体の見地からいたしまして、税収入その他の関係あるいは財政需要との関係もございますでしょう、あるいは税制、政府財政収入全体の構成というようないろいろの問題があると思いますが、そういう面からいたしまして、益金を減らす、たばこの定価を値下げいたしまして実質的な減税という効果にするというような御方針がありますれば、公社としてはそういう御方針に従って実施するということになると思いますが、私どもの方だけでたばこの販売価格は安ければ安いほどいいといって値下げするわけには参らないわけであります。私どもの方でそういうことにつきまして意見とか結論めいたことを申し上げるのは適当ではないのじゃなかろうかと考えております。
○武藤委員 それでは総裁のところへはまだ総理大臣からも大蔵大臣からもたばこの減税についてやりたいのなら君一つどんなところがよかろうかというような相談も全くないわけですか。
○阪田説明員 まあ、内部のことでございますが、ないと申し上げてよろしいと思います。
○武藤委員 ないと申し上げていいだろうというのはどういう意味ですか。ないならないとはっきり言ったらいいじゃないですか。そういう点、どうでしょう。
○阪田説明員 もちろんそういうことを正式に申し入れを受けたことは全くございません。
○武藤委員 耕作審議会を十日、十一日に開く場所はきまりましたか。
○阪田説明員 きまっております。ホテル・ニュージャパン、あそこの部屋を借りましてやることになっております。
○武藤委員 だいぶ理事の方から時間をせかれておりますので、質問項目もまだ二つくらい残っておりますが、やめます。専売の方はよろしゅうございます。 最後に大蔵大臣代理ということで政務次官にお答えを願いたいのでありますが、今減税が国民から非常に要望されておるわけですが、来年度の減税をどの程度政府では考えておるか、あなたの見解を一つお聞かせ願いたいと思います。
○原田説明員 今税の問題について来年度いかほど減税を考えておるかという御質問でございますが、この点についてはまだ正確な数字は明らかにいたしておりません。御案内のように、税の問題につきましては、先般政府の税制調査会におきまして中間報告の形で、税制調査会としてはこのような減税をやるべきじゃなかろうかという中間報告がなされておる段階でございます。その減税の中でも一般減税あるいは政策減税いずれにウエートを置いてやるのかというようなところでございまして、ただいま来年度の減税に対して幾らということを残念ながら申し上げる段階ではございません。
○武藤委員 財務官、いらっしゃるようですが、所得税の基礎控除、さらに配偶者控除というようなもの三点を基本にして減税をしようというような小委員会の意見のようでありますが、この三点の減税をすると減税額はどのくらいになりますか。
○松井説明員 まだ試算の段階でございますが、所得税におきまして基礎控除の引き上げを、十万円から十一万円というふうに、一万円といたしますと、平年度で百八十億、初年度で百五十五億、配偶者控除の引き上げ、これも一万円と仮定して計算いたしますと、平年度九十二億、初年度七十九億、扶養控除の引き上げ、これは十五才未満の三万円を四万円と、これも一万円上げると仮定いたしまして計算いたしますと、平年度百七十八億、初年度百五十億というふうになっております。
○武藤委員 調査会の中間報告を見ると、非常に不公平な減税の内容のような気がいたすわけです。もちろん調査会の責任者に来てもらってお尋ねをしないと、おれの責任じゃないとして政務次官はお逃げになると思いますが、たとえば租税特別措置の取り扱いなどについて、利子所得に対する分離課税はそのまま残しておく、あるいは配当所得に対する源泉課税の特例を残しておく、こういうようなものは残して、農民に対する事前売り渡し米に対する減税ははずす、あるいは不公平な点で言うならば、航空会社の使うガソリンに対しては税金をかけない、農民の使う自動耕耘機のガソリンには税金をかける、どうも税そのものの公平化ということから見ると非常に遺憾な点があるような気がするのですが、この事前売り渡し米の減税に対する措置を取りはずすということは、すでに自民党から出されておる。政府の皆さん方は賛成をしておるのですか、この点についてはいかがでしょう。
○原田説明員 いろいろな点で、今おっしゃったようなことは一つの例示でありますが、その他についても、税というものは権衡を保たなければいかぬ、公平でなければいかぬという建前から、この税金はやめるべきじゃないかというような問題はほかにもあると思うのでありますが、これらについて、党からもそれらの点については要望があることは存じておりますが、これをどうするかということについては、まだ決定をいたしておりません。
○武藤委員 小委員会の中間報告というものは、自民党の方にはすでに提示されて、いろいろ検討はされておると思うのです。その中で、今のような不公平な取り扱いに対して、一応自民党の意見としては一体どのような意見が多いのですか。まあ農民の場合の事前売り渡しははずしてもよかろうという見解が多いようですが、あなたの知られる範囲ではどうですか。
○原田説明員 自由民主党の税制調査会の方も、いまだ決定を見ておらない段階で、この小委員会も、政府の方の税制調査会の中間報告をいたしておりますが、自由民主党の方からは、政府の方に対していまだ申し出はない段階でございます。
○武藤委員 とにかく主税局長、大蔵大臣がおらないことには、減税の規模あるいは中身についてのはっきりした答弁はいただけないと思いまするから、そうしつこくは申し上げませんが、来年度の自然増収というものが二千億円もしくは二千五百億あるということを大ざっぱな見込みとして、主税局長も再三答弁をいたしておるわけです。そういう状況の中で、ただいまの扶養家族、配偶者、基礎控除、この三点だけが、ある程度国民大衆の減税に回される。あとの租税特別措置の一千六百九十四億円という膨大な免税に対してはあまり手をつけない。こういうようなことでは、私は、減税をしたと言えるほどの減税にならぬと思うのです。少なくとも二千億から二千五百億円の自然増収が見込めるならば、一千五百億円くらいは、思い切って大衆の負担を軽くするという立場からの減税を断行すべきだと思うのですが、その点についての次官の考えはいかがですか。
○原田説明員 個人でも国でも、根本は、私は違いはないと思うのですが、金が入ってくるものは、自分に収入が幾らあるか、それから幾ら使っていくか、こういうことでものにしゃくしをあてるということが根本であろうと思いますけれども、現在のように非常に国家社会が複雑化してきたと言いますか、近代化してきたと言いますか、それのために、非常に今度は国民のまたいわゆる財政需要という面で非常な要望が強い。この財政需要にも応じていかなければならないということを勘案いたしますときに、国家の政治をやっていく面から、財政当局として減税をやるべきか、その需要に応ずべきかという問題に突き当たってくると思うのであります。従いまして、自由民主党といたしましては、池田さんが総理、総裁になられてから、三つの柱として、一つには減税、一つには社会保障、一つには公共投資ということを看板にいたしておるのでございますが、それに加えて文教というものも加えて四つの柱にしていくということに相なりますと、今お話のありますように、二千五百億の増収があるのならば、減税をもっとすべきじゃないかというお話に対しましては、そういう面から勘案しながらおのずから措置をしなければならないと考える次第でございます。
○武藤委員 最後に、もう時間通告を受けておりますから要望だけしておきますが、主税局長が答弁をしておる中や、あるいは新聞などに発表されている中では、課税最低限度の問題を中心に減税をしよう。その課税最低限度をどの線に引くかということが非常に問題だと思う。最近の都市家計支出を見ますと、ウナギ登りにとにかく家計費はかさんでおるわけです。非常に苦しい状態になっておることは明らかです。諸物価はどんどん上がっておりますから、そういう関係で大蔵省が考えておる課税最低限あるいは家計支出の平均というか、そういうものはいつを時点にして四十三万何がしという数字を握っておるのか。その点正確な一つ基準月日あるいは金額、それをちょっとお知らせ願いたいと思うのです。
○松井説明員 お答え申し上げます。御案内のように、この課税最低限の基礎控除、扶養控除、相当の控除の積み重ねの結果出てきます課税の最低限度、ある種の生計費をモデルといたしまして、これの基準において考えるという方法をとっておるわけでありますが、この生計費は栄養研究所等に調査を依頼いたしまして、最も質素な献立という形をとっていただいた資料、エンゲル係数で換算したものでございまして、マーケット・バスケットによる食糧費を基準において生計費という従来からの税制調査会の資料にございます通り、算定方法は変わっておりません。本年、結局三十七年の三月に終わりました国会のときにおきます審議のときに用いられました資料は、三十六年の六月現在の資料を用いてやっております。
○武藤委員 そうしますと三十八年度の課税最低限度をどの線に引くかという算定方法の基礎数字は、やはり本年の六月ごろを基準にするのですか。
○松井説明員 最低生計費という言葉は非常に誤解がある言葉で、われわれ訂正したいと思うのでございますが、課税最低限をはじくに用いたモデル的な限界生計費と申しますか、そう申し上げた方がいいんじゃないかと思いますが、三十七年度が三十六年度の六月を用いておりますので、三十八年度につきましても例年の例によりますと、最も近いところで確実な資料の得られるところというものを基準にとっておりますので、おっしゃるように大体それぐらいの月日の資料を使う以外に方法がないのじゃないか、こう思っております。
○武藤委員 どうもそういうことになりますと半年以上のずれがあって、今の物価指数の動きからいきますと非常に生計費はかさんでおるわけです。おそらく三十七年の六月基準が三万八千九百六円ということになっておりますが、この企画庁の発行しておる日本経済指標に基づいてもそういう数字になって、その後私鉄運賃の値上げあるいは消費者米価の値上げ、そういう点でかなりこれがまた急ピッチに上がっておるわけです。従って、基礎控除あるいは扶養控除、こういうものを一万円程度の引き上げをやったところで、とても今の諸物価の値上がりと比較した場合には追いつけない。私どもこういう資料に基づいて計算をいたしましても約四十六万円、ことしの六月基準でいっても四十六万円というものが平均の家計支出になっておる。今度三万円引き上げましても四十三万円でしょう。そうしますと、まだ三万円という開きがある。だからこれは基礎控除も扶養控除も一万円なんというけちなことを言わないで、思い切って二万円ずつ引き上げる、その程度の思い切ったことをやらぬことには、今の物価値上がりに応じた減税の恩恵というものは全然受けられない、こうわれわれは認識するので、課税最低限をきめる際に十分一つ税制調査会の中にも反映をして、個人勤労者の所得税というものが特に高い現在においては、これにもっともっと思い切った減税の方向を打ち出すべきだ、われわれはこういう考え方を持っておりますので、政務次官も自民党の調査会にも、あるいは総理大臣にも、大蔵大臣にもあなたからそれぞれ二万円ずつぐらいの引き上げは現状においても可能だ、こういう強い主張をすべきだと私は考えるのでありますが、その点一つあなたのお考えを聞かしていただいて、私の質問を終わるつもりでありますが、答弁がへまな答弁をしますとさらにやりたいと思います。
○原田説明員 ただいま減税の面で所得税の減税をもっと大幅に思い切ってやれということを総理大臣あるいは大蔵大臣に進言をしろ、こういうことでございますが、先ほども言いましたように、国の財政需要——国といいますより国民でありますが、財政需要というものはこういう非常に近代化、複雑化されてきた国家社会においては多くなっていく。そのために金が要るということになってくる。そこで、それに税金というものを充て、国民の要望をそのまま満たすということをいたしますと、御案内のように幾らになるかはかり知れないので、およそ各省からの概算要求というもので当てはめましても、五割増しでまず出してきてもらって大蔵省で査定をしなければならぬ、こういうのが今日の状態でございますので、減税ということもおのずからそこを勘案しながら実施すべき問題であろうと考える次第であります。今度の場合、政策減税をやる場合に所得税の減税を大いにやらなければならぬじゃないか、こういう御意見と、あるいは経済の全般的な伸びというものを考えて、将来の繁栄ということを勘案しながらやるにはいわゆる政策減税ということにウエートを置いてやるべきじゃないかという議論が起こっておるわけでございます。その点につきまして、大臣が来年度の減税政策について、政策減税というもののウエートを重く置いて考えなければならぬじゃないかということを参議院の委員会でございましたか、この委員会においても相当強く述べられております。また総理もそのような意図があるということを私は直接伺っておりませんが、新聞紙上でも拝見をいたしておりますが、それでは所得税をやらなくてもいいかということにつきましては、私は所得税の減税をなすべしという私見を持っております。従いまして、今の御要望の通りいくかいかぬかということはわかりませんけれども、一般減税だけで減税をやって、いわゆる物価の値上がりによって税金が減税になっていない、かえって形の上で増税になっているということは是正しなければならぬじゃないか、こういうように考えておる次第であります。従いまして、私の意見は私の意見として強く申し述べるつもりでおります。
○武藤委員 大へん時間をとりまして恐縮でございましたが、先ほどの質問の際に、いろいろ資料も出してほしいということで海外経済協力基金の方にも申し上げておきましたので、正式に一つ委員会で資料提出をお願いしたいと思います。 同時に減税の問題については、勤労所得者が、シャウプ勧告時代には一千万人くらいの納税者が今日は一千三百万あるいは一千四百万の納税人員に増大をいたしております。この一事を見ても、勤労者に対する課税最低限というものが非常に高いということが言えるわけです。アメリカやイタリアやドイツと比較いたしましても諸物価の高さを勘案して考えても、日本の所得税というものはかなり高い状況にありまするので、一つ減税については真剣に検討をしていただいて、われわれの要望というものを十分生かして下さいますよう強く要望をして質問を終わりたいと思います。
○堀委員 関連して、大蔵省の方にお願いしたいのですが、今武藤君からいろいろと質疑があった中でお話が出ておると思いますが、私ども今度の減税の問題について資料がきわめて不十分なわけです。そこで当面一つ問題になっておる政策減税の中心は、利子所得の分離課税をさらに強化をしたいといいますか、そういう問題もあるようだし、あるいは先ほど当委員会でちょっと論議をいたしましたが、配当所得の問題を分離課税にしようという問題もあるようです。そこで、さっき配当控除の利子所得とのクロスする地点は金額で伺ったのですが、金額の問題でなくて、今の所得階層別の人員で見て、要するに、今所得税を払っておる階層があるわけですから、そこで今の利子分離課税が上積みの形になっておりますから、それがきいてくる階層というのは所得最低限のところからずっと積み上がってきて一体何百万何千万くらいのところか、今の上積み課税の税率でくるところは……。そこから上の人には分離課税がこういうふうに非常に有効にきいてくるという層が人数の上であるだろうと思うのです。それからもう一つは、さっきの配当控除の問題でありますけれども、さっきの話では二百万円くらいのところまでは配当控除の方が有利で、それから先は利子所得の分離課税の方が有利だというふうに理財局の経済課長は答えましたが、しかし主税局の方が本職だろうと思いますから、そこで今の配当控除を受けておる者は八十万円と五十万円の間はきわめて有利だとかなんとか、そういう答弁もあったのですが、そこらのところがよくわかりませんので、そういう所得階層別に見た今の有利な問題ですね。低所得の人は、これはどうなってもほとんど影響がないような状態のものが下にずっとあるわけですから、今度の政策減税というものが比較的上積みの方に影響するというふうに判断をしておりますから、その境界線で切った納税者の世帯数といいますか、皆さんの方では所得階層別の世帯数を出しておられますから、きっちりは出ないと思いますが、二十万円、三十万円、四十万円、五十万円という十万円単位のラウンド・ナンバーかなにかで資料をいただいたことがありますが、一番最近の資料に基づいた所得階層別の資料——過去にある資料はおそらく三十六年でしょうね。七年はまだないでしょうから、三十六年だと思います。だからそれを推計の基礎として、主税局としては三十八年度に予想されておる所得階層別の世帯人員というものは、推計としては私はあると思うのです。それでまずそれを出していただいて、そして今の上積みの課税で有利になる層は、その中の下から何割まではあまりきかないけれども、そこから上は非常に有利になるとか、そういうところの世帯の数を資料として出していただけないかと思うのですが、どうでしょうか。
○松井説明員 御要望の趣旨はおおむね理解できましたが、おっしゃるところは、おそらく配当所得につきましては、源泉税のほかに給与で源泉を払っておる部分まで返る階層のところとか、あるいは配当の源泉だけが返るところとか、それから配当の源泉の一部が返るとか、そういう階層がございますが、それはよく御存じの通り、上積み実効税率がどれ以上のところということで限界を区切る以外に方法はございません。このときにいろいろ仮定が要るわけでございまして、われわれ今持っておりますいろいろな資料によりますと、たとえば給与所得者であって、そのほかにもう一〇%が配当だ、こういう仮定を置きませんと、なかなかこういう階層がつかみにくい。従いまして、上積み実効税率とか、あるいは平均実効税率がどうなっておるかという理論的階層はできますが、それに相応する人間が何人ずつかというととは、ちょっとそれに対応した数字がすぐには出ない、あるいは出すのも無理じゃないか。しかしその実効税率の限界がどれかということになりますと、おおむね別の観点からまた照応はできるということに相なりますので、今おっしゃいました線で、それに照応した世帯なりあるいは納税人員を入れろとおっしゃっても、これは御無理かと存じますが、今おっしゃいました線に沿いまして、資料はできると存じます。
○臼井委員長 有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 委員長とそれから毛利理事からのお話もありますので、二時までに終わってほしいということであります。そういたしますと、私三問ありますので、三問を分けますと、九分しか残っておりませんから、一分半ずつ質問をいたしまして一分半ずつ答弁を願います。ですから、私も要点をつかんで質問をするつもりでありますが、政府側の方でも要領よく答弁を願いたいと存じます。 第一問は内閣の責任についてであります。憲法の第五章の内閣、この責任について第三項で「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」ということになっておりますが、前の内閣あるいは前々の内閣が各委員会なり本会議におきまして答弁されたことについて、どのように実施しておられるか、また責任を持っておられるかという点については、これはきわめて不分明であります。 一つの例で申し上げたいと存じますが、昭和三十一年におきまして、私は本委員会において、日本軽金属がアルミニウム業界におきまして、中小企業に対する圧迫の点について取り上げました。当時の一萬田大蔵大臣並びに石橋通産大臣、これは前の大蔵大臣であった池田現総理の取りきめに対して、はっきりとした答弁をいたしませんでした。石橋さんはなかなか大物でありますから、われわれ小わっぱが質問しても、非常に政治的な答弁をされまして、濁されました。しかし、私は、委員会の審査というものは厳正であるべきであるし、また内閣は次の内閣に対しても、その次の内閣に対しても責任を持つべきである、こういう観点に立って見守って参りました。私が予想いたしましたことがすでに歴然となっておりまして、本年の九月決算期におきましては、日軽金は無配を決定いたしました。また、私今度十月にカナダに参りまして、日軽金との提携会社であるアルキャンの実体についても調べて参りました。そういった観点から、これは本日は時間がありませんから、具体的な問題についてはいずれ通産大臣なり大蔵大臣からお伺いしたいと思いますが、今申し上げましたような角度から、内閣の責任というものについて、政務次官のお考えをこの際お聞かせおきを願いたいと思います。これは今後の大蔵委員会の審査にとりましてきわめて重大な問題でありますので、そういった角度から御答弁をいただきたいと思います。
○原田説明員 内閣の責任についての御質問でございますが、内閣の連帯性の反面、また総理大臣に対する憲法の取りきめといたしまして、総理大臣は各閣僚を罷免する権限を与えられております。これは相互に関連する問題でございまして、内閣の一人の閣僚がやめた場合に、憲法の条項によって当然その内閣は連帯して責任を負うのであるから、総辞職をすべきであるという議論が一方からなし得ると思うのでありますが、一方においては、総理大臣に与えられた権限として、総理大臣の言うことをきかない閣僚は罷免をすることができる。こういう事例は今日までございました。そういう問題でございますから、このどちらが重いのだということについては、私は法律の専門家ではございませんから、法律的な表現をもって申し上げることはできませんが、おのおの関連して考えなければならぬ問題であろうと考えます。 今御質問の中にありました前閣僚が取りきめたことを後任の閣僚が守っていかなければならぬじゃないかという問題に関係いたしましては、私はそうであろうと思います。そのために事務引き継ぎをいたしまして、前閣僚がきめました政府の方針にのっとるところの施策につきましては、責任を持って対処していくということに相なると考えております。しかしながら、閣僚がかわりまして施策の面におきましてこういうことをやりたいということを考えましたときには、おのずから関係閣僚との間に話し合いがあり、また国会に対してもそれぞれの見地から了解を求めるというか、国会に対するところの責任を明らかにしなければならないと考える次第であります。 今具体的に日本軽金属の話が出たのでございますが、この話は、私といたしましては残念ながら承知をいたしておりませんので、どういうことかお伺いいたしまして、また処置をしたいと思いますが、大体そういうところであろうと思う次第であります。
○有馬(輝)委員 その問題については、後日当委員会でお伺いをしたいと思います。 次に第二問でありますが、先ほど武藤委員の質問に答えられまして、輸出の伸びあるいは経済協力、そういった面で鋭意努力する、また十一月の二日の閣議決定によりまして、延べ払いの問題等について配慮する旨が決定されておりますけれども、たとえば、アルゼンチンにおきまして、前の債権債務に応ずるところの問題が残っておりまして、今、年間二百万ドルずつアルゼンチンから取り立てをいたしております。それで、私がお伺いしたいのは、今後の輸出の伸びというものを考えました場合に、これはアルゼンチンが一例でありますけれども、あそこの津田大使も、私が今度参りましたときに話しておりましたが、機械的な考え方をするのじゃなくて、政治的に考えなければ、両国の貿易の伸びというものはなかなか期待できないのじゃないか、たとえば二百万ドルずつ取り立てておるものを百万ドルずつにして、それに見合う貿易の伸びというようなものを考えるべきじゃないか、こういう意見があったのでありますけれども、これについて政府次官はどのようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
○原田説明員 今のアルゼンチンの問題に関しましては、私ちょっとわからないので、事務当局からまたお答えいたしますが、心がまえといいますか、態度について申し上げたいと思いますけれども、今のような話が各所にあると思うのです。たとえばアフリカ方面で、これから大いに貿易を伸長していく必要があるのじゃないか。そういうことに対して、商社の方が先に行っておる。国の方は、外務省あるいは通産省あるいは大蔵省に至るまで、どうもあとから行っておるというような問題もからみまして、いろいろな今のような御意見も出て参ります。これを具体的に調べてみますと、それぞれまた問題がございまして、たとえばナイジェリアという国は、日本が非常に出超になっておる。向こうは、日本に輸出しておるのはわずかなものである。これは大きな日本のいいお得意さんだ。向こうの言うことを聞いてやらないから、三十五条の援用をすると言う。その向こうの言うことは何かといいますと、石炭を買ってくれ。石炭を買えということは、日本にとってはこれは非常に少量でありましても問題があるために、向こうの要求を聞くことができない。そのために話がもつれてくる。こういうような問題もございまして、貿易関係については、個々に当たって参りますと、いろいろな問題で衝突いたしまして、先ほど武藤委員からお話がございましたが、一方では大いにやろうと言うが、よく調べてみると、これはあぶないというような問題に突き当たって参ることがあるわけでございます。従いまして、そのようなことを財政当局といたしましては、先ほどおしかりをこうむったのでありますが、やはり慎重の上にも慎重さをもって、事が間違いがないように、おしかりを受けないようにということを態度として参っておりますので、あるいは今有馬さんから御指摘のような問題があろうかと思いますが、その事々に処していきたい、こう考えております。
○有馬(輝)委員 お約束に従いまして、もう一問でやめますが、十一月二日の閣議で、延べ払いの条件緩和等については決定されて、国際収支の改善にも寄与していきたい。また先ほどからの武藤委員の質問に対しても、そういった角度から答弁がありました。私は質問の方から先に申し上げますが、その条件の緩和について、具体的にどのように考えておられるのか、これをお伺いしたいのであります。たとえば今度参りましたメキシコにおきましては、あそこのインフェルニーヨの発電計画にあたりまして、国際入札ではフランス、ドイツを押えながらも、延べ払いの条件でもってフランスに持っていかれた。あそこの大統領が、これは現在の日本に比べましたら、電源開発その他においてもきわめておくれておりますが、二百五十万キロワットをあと二年間で五百万キロワットにしたい、こういう熱意を持ってやっておりまして、しかも日本に対しましても、広く門戸が開放されておるにもかかわらず、かたくなといいますか、柔軟性のない、そういった考え方から、常にフランスなりドイツなりにしてやられているというような状況があるわけであります。また一面、ブラジルにおきましては日伯合弁のミナス製鉄所が、着々と工事も進んでおります。ところが五年前私たちが参りましたときには、一ドルが七十クルゼーロぐらい、ところが今度参りますと、六百五十クルゼーロから七百クルゼーロくらいになりまして、十分の一以下に貨幣価値が落ちております。そういった条件の中で工事はどんどん進む。ところが、はたしてそれに見合う資金の調達ということができるかどうか。あそこの湯川副社長なんか、私たちに対してはきわめて明るい態度で話をしておられましたけれども、私が見るところでは、困難をきわめるのじゃないか。特に向こうの連中というものは、たとえば日本とブラジルとの航空協定が六年前に結ばれまして、日本ではすぐその年の国会で批准されているにもかかわらず、現在まで、ただ単なる事務的な手続でもってまだ手続が完了していない。こういった、とにかくスタンザの合わない考え方のあるところで、今ミナスの問題を一例として申し上げましたけれども、いろいろ慎重に、しかも積極的な意欲を持って考えていかないと、常に後手々々となるのじゃないか。このような考えがありますので、答弁は簡単でけっこうでありますが、延べ払いの条件について、どの程度その緩和する方向として考えておられるか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○原田説明員 今お尋ねのありましたことについてお答え申し上げますと、延べ払いの許可に関しましては、通産省と大蔵省で協議をいたしておりまして、毎週一回くらいやっております。そこで大体付議された件数は、昨年以来二百八十件ありまして、百八十件が承認されておりまして円滑に実施されている、このように判断をいたしております。しかも一定の条件を満たすものは、すべて通産省段階できめてやってよろしいということでやっておるわけでございまして、延べ払い制度について、通産省はいいと言うが、大蔵省で反対するというようなことはないと承知いたしております。ただいまお話のありましたように、その国その国の国情によりまして——国の名前をあげると差しさわりがあるので申し上げませんが、こういう国でもってえらいことをしているじゃないか、しかるにこっちの国は、こういう大事なことがあるのに、延べ払いをすればいいのにまだやっておらないじゃないか、こういうような問題があることを御指摘になっておると思うのでございますが、延べ払い制度というものは、私はちょっとしろうとでございますから、お答えにならぬかと思いますけれども、やはり延べ払いというものは一つの商行為でございますから、これを公開の場で審議をして、どこの国と何ぼの取引をするのだというようなことをやることは、商売としてはこれは間違っておると私は思います。日本が国会で、今度はどこと取引をするのに、延べ払いを五年を七年にしたというようにいたしましたときには、必ずほかの国は、向こうが七年になるならおれのところは八年だ、こういうことになりまして、延べ払いの期間その他につきましては、いずこの国も公開でそういうことをやっておるとは承知いたしておりません。従いまして、十一月の二日に御指摘のような、輸出振興をかねて延べ払い制度というものを今までよりもゆるくして、そうして貿易を伸長していこうという考えを、これは政府といたしましても、輸出振興のためにもとる姿勢でいくことは間違いないと存じますが、どこの国にどういう条件でやろうということは、あまり公開して言わない方がいいじゃないか。これを引き締めるというようなときには、問題が多々起こってくると思いますが、商売上のことでございますから、態度をきめて、それを幾らにするかということは、それぞれの部門でやるべきじゃなかろうか、このように私は承知する次第でございます。
○有馬(輝)委員 以上三点で終わりますが、最後の延べ払いの問題等につきましても政務次官がおっしゃる通りでありまして、公開の席でどうこうという問題ではありませんで、私は基本的な態度についてお伺いをいたしたわけであります。あとまた四、五年私はじっと見ておりますから、ベテランの方がそろっていらっしゃるのですから、あとで一九六二年十二月五日の大蔵委員会で言ったにもかかわらずというようなことがないように、一つ御努力をいただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○臼井委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十一分散会