大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/10/10
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 本委員会の理事でありました細田義安君が、去る九月二十八日逝去されました。まことに哀惜の念にたえません。ここに哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。 御起立を願います。黙祷始め。 〔総員起立、黙祷〕
○臼井委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。 なお三十日の細田君の葬儀に際し、委員長として花輪並びに弔辞を捧呈いたしてございますので、御報告をいたします。 ————◇—————
○臼井委員長 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 現在、理事が一名欠員となっておりますが、その補欠選任につきまして、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。 それでは、委員長において足立篤郎君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○臼井委員長 税制、金融及び証券取引に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。横山利秋君。
○横山委員 冒頭にお願いしておきたいと思うのでありますが、本日は大臣を初め政務次官、それから今お約束を願いました主計局関係等、どなたも所用で欠席でございます。事情は聞いてはおりますけれども、本日はやむを得ないとしたならば、次会には必ず関係者の御出席をお願い申し上げておきます。 そこで、やむを得ませんから、私の質問の中で税制関係にしぼって、当面する問題について二、三の御質問をいたしたいと存じます。 その一番の問題の焦点は、明年度の税制改正及び将来の根本的な税制改正に対する大蔵省の基本的な考え方であります。さしあたり明年度の税制改正で、調査会で議論されると思うのでありますが、従来常に国会側の意見というものが事前に十分反映をしていないといううらみを私どもは禁ずるわけには参りません。特に今日、明年度の減税が例年の例によって行なわれ得るやいなやということは、国民として非常に関心を持っておるところでありますから、率直な御意見を伺いたいと思うのであります。 時間の関係上前置きを抜きにいたしまして、減税をし得るやいなやという点が、自然増収ありやなしや、ありとすれば幾らであるかという点が論争の焦点のごとく見受けられるのであります。これはきわめて角度が違っておる遺憾な意見だと思います。自民党の賀屋政調会長の所見によれば、社会保障よりも減税である、こういう立論は、まだ立場の相違はあっても一つの意見ではありますけれども、しかし自然増収があるかないかとか、自然増収が少ないから減税をするしないという意見は、税制改正の根本からはずれた意見ではなかろうか、こう考えています。しかし百歩下がってかりにその意見を採用いたしたところで、新聞紙上ないしは各方面でちらほらいたしておりますそのものの見方という点について、間違った点があるのではないか。従って主税局長にお伺いをいたしたいのは、一体財源的な角度をどういうふうに考えられておるか。自然増収はどのくらいに今年度及び明年度を考えておられるのか。第二番目に、昨年度の剰余金は三十八年度にどのくらい財源として計上されることになるのか。それから第三番目に伺いたいのは、何か自然増収なり財源があればということであるけれども、税制それ自体の中から財源捻出を考えるべきではないか。私ども社会党がいっておりますような租税特別措置法、これは今日、三十七年度でどのくらいに達し、それらはわれわれの主張のように特別措置を排除することによって相当の財源が生まれるのであるが、それらに関する考え方はどうか。まず財源問題としてこの三つの点について、数字をあげて簡潔に説明をいただきたい。もちろんそのほかに主税局として、財源問題として考えられている点がありましたら、お伺いをいたしたい。
○村山説明員 お答え申し上げます。まず今年度並びに来年度の自然増収の見込みでございますが、端的に申しまして非常に見通しのむずかしい段階でございます。今年度の租税収入で、最近現在でわかっております数字は、八月末の数字でございます。八月末の一般会計の収入額は九千百二十一億に及んでおります。ただこの場合、揮発油につきまして徴収猶予の期間を十五日間延長いたしましたので、もしそれなかりせばそれにさらに百十三億加わり、その数字を足しますと九千二百三十五億と相なるわけでございまして、予算額に対しまして四五・二%でございます。昨年同期の決算額に対する収入歩合を見ますと四〇・六ということになっておりますので、四・六%アップになっております。今後も同じような収入歩合において好調を続けるものと仮定いたしますと、ことしの予算額二兆四百二十一億に四・六%の上昇が見込まれるということになりますので、それをかけてみますと九百三十九億程度と試算されるわけであります。ただ心配いたしておりますのは、この前の委員会でもお話し申し上げましたように、物品税につきましては四、五の二カ月間は旧税率の高い税率で入っております。ビールにつきましては四月と五月の半分が旧税率、高い税率で入っております。また酒につきましても、入場税につきましても、一カ月間、四月分だけは旧税率で入っております。ですから、その点だけはディスカウントする必要があるということでございます。それからもう一つ心配になりますのは、ビールの税金の収入の調子が、四、五は非常によろしいのでございますが、六、七、八の最盛期になりますとだんだん落ちてきておるという状況でございます。四、五で大体対前年二七、八%伸びておりましたのが、この八月くらいになりますと、対前年同期で一三%くらいの伸びである。しょうちゅう、合成清酒の系統が予算額を相当程度割るであろうと予想されるわけでございます。実は酒税全体としてはビールの伸びで十分カバーできると考えておったわけでございますが、この最盛期を迎えてのビールの伸びが悪いことがありまして、酒税がちょっと切るのではなかろうかという懸念が今出てきておるのであります。しかし、何と申しましても一番大きな要素はこの九月の決算がどうなるかというところでございます。九月決算につきましては、巷間伝えるところによりますと、公表決算で大体対三月九五くらいと普通いわれておるわけでございます。これは証券会社なり日経なり、いろいろな観測が行なわれておりますが、それが鉄鋼会社の減配以前の見通しであったわけであります。その後一流メーカーがどんどん減配しております。それでわれわれの心配いたしますのは、公表決算の対前期割合というのと申告所得金額の対前期割合というものは実は違うわけでございます。景気のいいときには、当然でございますが、会社の方といたしましては、たとえば有税償却をやるとか、あるいは期間を少しずらしまして公表決算の面では若干調整をいたすわけであります。そういたしまして次の不況期に対する配当政策なり金融機関に対するいろいろな配慮をあらかじめとっておくのが普通でございます。従いまして、好況期におきましては公表決算よりも税務申告の上昇歩合がいいことはあたりまえなわけでございますが、不況に向かいますと、公表決算では前のリザーブした分を戻しまして直すわけでございます。税務決算ではもちろんそういうことはできないで、堂々と悪いなり出してくるわけであります。それで世間でいっておる対前期九五%という数字はすべて公表決算の上に立っての話でございます。税務決算ではおそらくそれを切るのではなかろうか。しかも一流会社が減配ということに踏み切りますと、ほかの会社の決算態度にも相当なる影響を及ぼすのではないか。一流会社が減配に踏み切れば自分たちとしてもそんなに心配することはない、悪いなら悪いなりに堂々と出せ、こういうような心理が働きやしないだろうか。そのことが税務申告の上に決算態度として微妙な影響を及ぼすのではなかろうかというふうに考えられますので、実はこの九月決算を現在調査中でございますが、集計したところでどの程度になるか、この点が大きく心配されるわけでございます。もし九月決算が非常に悪いということになりますと、当然のことでございますが年末の賞与にも相当影響を及ぼすであろうということでございます。従いまして、先ほど申しました現在の好調歩合四・六%をかけますと九百三十九億出ると申しましたが、実はそれらの不安の幾つかの要素があるわけでございますので、そのまま言えるかどうか、現在会社の九月決算の中に入りましてわれわれも一緒に向こうの見通しを聞いておるわけでございます。申告としては十一月に出て参るわけでございますが、この月じゅうぐらいにおよその見通しをつけた上で来年度の税収見通しの確実なところをつくりたい、かように考えておるわけでございまして、それこれ考えますと、まずことしは、はっきりしたことは今言ったようなことで申し上げられませんが千億ぐらいのものではなかろうかというようなことでございますが、これもあまりはっきり自信を持って申し上げる段階ではございません。 しからば来年度はどうなるかという話でございますが、今年度の税収見通しは、はなはだ幅があり確たることを申し上げられませんので、来年度の経済指標がどういうふうに動くであろうかということがまだわかっておりません。ただいろいろ試行錯誤いたしまして、その方面を預かっておる人の観測、これは公定の観測ではございませんが、それこれあわせて考えますと、ことし千億ぐらいであるとすれば来年度は二千から二千五百億程度になるのじゃなかろうか。これも非常に幅があるわけでございます。ただ、われわれは、来年度が三十五、六年のような好調を示さないであろうということは常識的に考えられますので、ちょうど税収の約三分の一強は法人税でございますが、これの税収を決定いたします経済指標は、ことしの九月から来年の八月ぐらいまでの経済指数、これが実は最も関係するわけでございます。申告でいいますと九月の申告から税収になるわけでございますが、その決算期は二月になります。それから六カ月さかのぼった経済指標、それがいわばその取引をきめ、その利益率をきめて参るわけでございます。そういたしますと、ことしの九月から来年の八月ごろまでの経済指標は法人税の税収をきめる基礎的な指標であると考えますと、経済の波としては一番悪いときにぶつかるのではなかろうかという観測があるわけでございます。ちょうど昭和三十二年から三十三年にかけましては、三十三年が一番税収の面では悪かった時期でございます。このときの法人の所得率は、前期に対しましてたしか八八%くらいに下がったわけであります。一体それほどのダウン・カーブをとるかどうかには問題がございますが、やはり型からいいますと、ちょうど三十三年型のややゆるい型が型としてくるのではなかろうか。そういたしますと、われわれのそれほど多く望めないという観測もまずまず当たっているのではなかろうか。今日所得率が前期に対しまして一%落ちますと、ことしの予算ベースの規模が七千億でございますから、一%で七十億落ちるわけでございます。もし三十三年度のように一二%おっこちるといたしますれば、それだけで八百四十億落ちる計算になるわけであります。そういうことでございまして確たることは申し上げられませんが、来年は税収の面から見ますと非常に下り坂のカーブにぶつかる年である、かように考えております。 次に来三十八年度の一般会計に入れられます剰余金の関係でございますが、これは、三十六年度の剰余金が財源として使用し得るということになります。その数字はすでに確定しておりますので申し上げますが、租税及び印紙収入におきまして千九百八十一億でございます。そのほかに税外収入が四百三十八億ございます。合計いたしまして二千四百十九億、さらにそれに歳出不用額の二百八億が加わりまして二千六百二十七億でございます。対前年度のこれに対応する数字は千二百五十一億ということになっております。 〔委員長退席、足立委員長代理着席〕 従って、そこでは差し引き千三百七十六億増加額が一応対前年度に比べて出るわけでございます。御案内のように、これらの分は主税で出ました自然増収につきましては、これはことし一般会計から地方の方に清算分として出すわけでございますので、それだけ歳出がふえるわけでございます。なおそれからガソリン税で自然増収が出ますれば、その分は自動的に道路整備特別会計に入るわけでございます。その数字を出しますと、地方交付税の清算分が四百八十八億、道路整備費関係で五億でございます。従いまして、二千六百二十七億はございますが、これらを差し引きせねばなりません。そういたしますと、その数字は二千百三十四億、これから財政法第六条によりまして公債等の償還財源に充当する金額、これが半分あることになります。その数字はちょうど半分といたしますと千六十七億、差し引き千六十七億というものが一般財源としてこの剰余金中使い得る金額になります。この金額を、対前年はどれくらい使えたかということになりますと、前年度は四百九十七億でございます。従いまして、対前年度に対しまして今年度一般財源として使い得る増加財源ということになりますと、千六十七億から四百九十七億引きました数字でございまして五百七十億ということになります。一見二千六百二十七億という剰余金は膨大なように考えられますが、一般会計剰余金としてしぼって考えますと五百七十億、かようなことになるわけでございます。 それから第三番目の問題として、来年度税制改正は、可能性はどうか、どういう点が問題かということでございます。御案内のように、前回の三十六年、三十七年を通じまして、税制改正、体系整備を含む減税を実施したわけでございますが、これは前回の税制調査会の三年間の検討の結果をいわばこの二年間でやらしていただいたわけでございまして、そういう意味で、一応各税間のバランスはそれなりにある程度推進できたというふうにわれわれは考えておるわけでございます。今度の税制調査会では、また新たなる視野から、現在の日本の生産構造、消費構造、それから企業の問題、あるいは配分の問題というような広範な角度から、さらにこの三年をかけまして、もう一ぺん検討して参りまして、現段階においてどういう租税体系、租税制度をやるのが最も日本の経済並びに社会活動に貢献する税制であるかということをこれからわれわれは探ろうとしておるわけでございます。まだほんの緒についたばかりでございます。従いましてそういう意味では新しい角度に立ちました体系的な改正と申しますのは、来年度はなかなか結論が出ませんので、とてもやり得ないと思っております。おそらく三十九年度までには、何とかその一部でも結論を出して、その方向に向かいたいとは思いますけれども、三十八年度には遺憾ながら間に合わないと思っております。ただ部分的な問題といたしまして、昨年検討いたしました点と、ことしに入って、並びに来年度の経済指標を考えまして再検討を要すると思われる問題はないわけではございません。何といってもその一番大きな問題は、最近における消費者物価の値上がり、それに伴います個人の課税最低限の検討という問題は、これはこの体系論とは別にして直ちに検討せらるべき問題ではなかろうかということを考えておるわけでございます。現在自民党の税制調査会におきましても、政府はどういう点が問題と考えるかという御諮問がありまして、その問題はどういう答えが出るかわかりませんが、少なくとも検討する必要があるであろうということを申しておるわけでございます。今度の税制調査会も政府の税制調査会も、この十二日にそのための来年度の問題が取り上げられるわけでございまして、政府の税制調査会といたしましては、この十二日以降の総会において来年度の問題は論ぜられるというような進行状況になっているのでございます。そこでもいろいろな問題が調査会を通じて出て参ると思いますが、われわれが考えております消費者物価の値上がりという点からの課税最低限の検討というのも、その問題の一つとして御検討を願いたいと思っておるのであります。消費者物価の値上がりを見てみますと、ことしの一月から六月までの消費者物価の値上がりを各月の対前期割合でとりまして、その平均をとっているわけでございますが、それを見ますと、大体総合指数で八・九%くらい上がっておるわけでございます。そのうち食糧費分だけを見てみますと、たしか九・八くらい上がっていると覚えております。実際の生計費がどうなっているかということを見ますと、これは家族構成によって上がり方が違っております。全部それを足すということは統計上どうかと思いまして、ずっと世帯構成別に見ているわけでございますが、大体の感じでいきますと、生計費指数としては約一四・五%程度上がっておるのではなかろうか、物価に比べまして、その生計費の増があります点は、若干生活内容の向上を意味しておるのかというふうに読んでおるわけでありますが、いずれにしても相当上がっております。 この前の三十七年度の改正で基礎控除及び配偶者控除をそれぞれ一万円ずつ上げていただいたわけであります。三十六年にも扶養控除とかいうものを上げて参ったわけでありますが、去年の課税最低限の検討の際に使いました数字は、実は昨年の六月の消費者物価に基づく理論的な最低生計費、それをもとにいたしまして、課税最低限をはじきまして、まあこれならば大丈夫だということでやっておるわけであります。 ところが先ほどもお話申しましたように、その後消費者物価の総合指数で八・九%上がっておる、こういうことになりますと、これに置き直して理論的な最低生計費というものを計算せざるを得ない、こういう問題が一つございます。もしかりにこの課税最低を動かさないでいくということにいたしますと、来年のたとえば六月の消費者物価指数をもとにして考えるというのがほんとうなのでございましょうが、今までの税制改正の考え方では、大体一年おくれの数字をとっておるわけでございますが、そこまで考えますと、いよいよその点については緻密な計算をする必要があると思います。 それから、なお理論的な課税最低限の計算につきましては、われわれは国立栄養研究所に頼みまして、モデル的な生計費調査から得られたモデル的な家族構成を想定いたしまして、そのときにそれぞれの世帯の所要カロリーが幾らであるか、これについて十分考えた、過剰ではないカロリーを考えまして、市場で求め得る最も安い値段でこれを調達するとして、献立は栄養本位ということで最も簡素な——味については第二として、最も簡素な献立を組むということでやっておるわけであります。実はこれはだいぶ前に頼みまして、その後献立表を毎年変えているわけではございません。そこでだんだん変わって参っておりますので、献立表も変える必要があるであろう、今日の事態に即しまして。それは現在国立栄養研究所に調査をお願いしておるわけでございます。今われわれが計算しておりますのは、前の献立表で単純なる消費者物価指数で伸ばしておって課税最低限と比較しているわけでございますが、献立も今のような現在まで移したところの献立表に直す、そして物価も最近の物価をとってやってみたらどんなことになるであろうかということをこれから検討しようとしているわけでございます。少なくともその点が問題になるのではなかろうかと思うわけでございます。 第三の、可能性があるかどうかということにつきましては、われわれは、それによって改正をする必要があるかどうかという結論にかかるわけでございますが、あるといたしますと、われわれとしては、税制を担当いたす者といたしまして、もし変える必要があるならば、ぜひとも変えていただきたいという方向で今後努力して参りたい、かように考えております。
○横山委員 とめども尽きないお話で、実はいろいろな問題が出てしまったのですが、前半の自然増収及び財源という問題について区切って御質問したいのですが、その中でお答えがなかった租税特別措置によって行なわれている数字は、私の承知しておるところによれば、三十七年度は千六百九十四億円と考えていますが、間違いありませんね。——その租税特別措置法を整理して、それをも財源に充てるべきであるというのが私の言いたい一つであります。その理由をもう少し申し上げて御検討願いたいと思うのですが、話があまり長くなりますから結論だけ申しますが、最近の設備投資の過剰の大きな要因であるものが実は税制上の恩恵である、こういうふうに私どもは考えておるわけです。同時に、不況というものが今後も続くとするならば、まだ設備投資を抑制していくべき継続的段階であるとするならば、よけいにこの租税特別措置法について制限を加うべきであるという考えなのであります。それが質問の第一である。それをもたって財源に充てるべきではないか。 第二番目に、お話がございませんけれども、いりもあなた方の胸にかかっておるものがあるはずだ。これは大蔵大臣にも先般お断わりを受けましたけれども、旧税制調査会で、国民の租税負担の大体の限界というものを置かなければならぬという意味で、昨年国民総所得の二〇%という歯どめを置いた。その歯どめがすぐに破られる。今後も今の状況でいきますと、まことに遺憾なことであるけれども、減税ムードというものが割合に少ない。この歯どめというものをどこかにしっかり持っておらなければならぬ。私がかつて申しました歯どめというのは、一つには国民所得に対するパーセントの歯どめである。もう一つの歯どめは減税を——税制について、ありふれた言葉ではあるけれども、公平という歯どめである。従って、政策減税というものは最小限の必要性に基づかなければならぬ、こういう考えを持っておるわけでありますが、今言いますところの二〇%の問題について、もう過ぎた話として知らぬ顔をしておるつもりか、及び租税特別措置法についてどういう考えを持っておるのか、この点を伺います。
○村山説明員 国税、地方税を含めまして、国民の租税負担率、それを国民所得に対するある一定のパーセンテージで歯どめをすることが適当であるかどうかという点につきましては、これはめどでございましょうが、今後税制調査会においても検討して参りたいと思っておりまして、近く、この次の調査会あたりから負担論一般をやって参りまして、そこで当然政府においての税制調査会においても御検討されることと思っております。昨年、国民所得に対して二〇%という歯どめ——一つのめどとして置きました。理由につきましては、この前中山会長が当委員会に御出席になりまして、その意味と、それからその持つ意味の限界というようなことをお話し申し上げましたので、今さら私からまた繰り返すことはないところでございますが、今度の問題は、おそらくその点については、そういう歯どめを置くことの是非、それから置くとしたらそういう形がいいのか、あるいはもう少し——最近の情勢にかんがみまして、同じ歯どめをするにしても、これこれの場合はこれこれ、これこれの場合はこれこれ、こういうふうに、国民所得の増勢なり、その傾向というようなものを入れながら考えていくかどうか、その置き方——置くかどうか、置くとして一律に二〇%というようなものにすることがいいか、あるいはもう少し、何といいますか状況の変化に応じてそれがある程度妥当するようなものの置き方があるかどうか、こういう問題を検討して参りたいと思うわけでございます。 それから租税特別措置につきましては、ただいま横山先生おっしゃいましたように千六百九十四億円と申しておりますが、そういう現在の減収額になっているわけでございます。この租税特別措置を今後どういうふうに税制上扱っていくかということにつきましても、前回の税制調査会では、抽象的ではありますが、一応結論が出ておるわけでございまして、租税負担の公平からいいますと、これは全体としてはできるだけ整理の方向で検討すべきである、しかしいろいろ検討した結果、特にその措置の持っておる効果を考えて、用を果たしたものについては率直にやめるべきである、それからなお必要のものについてはある程度残すのもやむを得ないであろう、あまり機械的でなく、しかし弾力的に、全体としては整理の方向、こういう方針が打ち出されておるわけでございまして、昨年、一昨年も、われわれはその整理の方向でやって参ったのであります。本年度におきましても同じく、同じような角度で問題になることと思われます。本年度大体三百億ぐらいのものが期限が参るわけでございます。そのうちに、ただいまお話のありました——おそらく合理化機械の特別償却の問題だと思っておりますが、これはその景気の情勢によりまして弾力的に運用すべきことはもちろんでございまして、実は昨年期限が参りました機種につきましては、通産とも十分打ち合わせの上、思い切ってしぼったわけでございます。しぼりましても、経済は拡大しておりますので、そのような数字になってございますが、運用におきましては、その期限の参りました分についてはどんどんしぼっておるわけでございます。これを制度として全廃するかどうかということになりますと、われわれの今までのところの検討では、まだ全廃するだけの結論を持っていないわけでございまして、やはりまだ個々に見ていくべき段階ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○横山委員 私は繰り返し本委員会で言うのですけれども、この二〇%にきめたときの気持及び国民に与えた印象というものを、あなたの方は本委員会においてことさらに、その意義というものを希薄にさせようとしておる努力を感ずるわけであります。私はその点については全く言語道断だと思います。答申が出た直後、この二〇%というものは、議事録を見てもらえば、そんな固いものではないとか、あるいはその後いろいろな大章を見てみますと、二〇%というものはその次元における情勢であって、その後経済が発展に推移をするならば当然変わるものだとか、二〇%が国民に与えた印象というものをなるべく、なるべく薄くしようと努力をなさっておられることは、私は全く遺憾千万だと思います。しかも二〇%が出た直後にもう二二・二%ですか、そういう実績を出しててん然としておって、今後もその数字を守るべき熱意というか努力というか、そういうものを考えないで、発展段階に応じて適時きめる、むしろきめるかきめないかをきめる、こういう考えというものはきわめて不誠実な態度であると私は思う。この点については私は税制調査会の皆さんにも反省を一つうながしたい。どうせそんなことであるならば、こういうことはきめない方がよろしい。きめて、その効果というものが現われたら、あわててそれを取り消そうというふうに回るということは不見識きわまることだ、こう考えるのであります。これは意見でありますから、特に御留意を願いたいと思う。 それからその次に、今お話がございました課税最低限の問題に関連して、所得税の負担分野についていささか考察をいたしたいと思うのです。私は各所得層の公平論、しかも実質的公平論を本委員会で常に主張をしてきたのであります。端的に言うならば、それは勤労者及び中小企業者及び農民の均衡の問題であります。もちろん私どもが取り上げておる真の公平論というものは、大企業と中小企業、金持と貧乏人とが真の公平論ではありますけれども、しかし所得税を議論する場合においてはどうしてもそれを取り上げていただかねばならぬと思うのです。私の調査したととろによりますと、今所得税を負担をしておる人は千四百七十三万、その中で勤労者が千二百九十二万、申告所得が百八十三万だと推定をしておる。そうして二十八年度では千四十六万であったのが三十七年度では千四百七十三万、すなわち四百三十万人の納税者が増加をしておる。地方においては、農業の関係は二十六年度には百四十五万人の納税者であったにかかわらず、三十七年度はわずか十七万人の納税者に激減をしておる。従って、わが国の所得税というものは、圧倒的多数が、千四百七十三万のうち実に千三百九十二万が、勤労所得税を納める階層である。これは各国にもあまり私は例を見ないと思う。どうしてこういうことになるだろうか。税法それ自身も、われわれが検討する限りにおいては決して不公平ではない。要するにそれは所得を把握するその把握の仕方に問題がある。従って、その点についてはあなたの方も私の方も意見の相違がかってなかった。しかしながら、所得の把握が困難であるから、特別な法律において減税をするということはいかがなものであろうか、むしろ所得の把握を完全にすることが必要であろうとおっしゃるから、これは百年河清を待つようなものだというのが私どもの議論の趣旨になっておる。これはもう例年繰り返しておる。あなたの方としても多少は考えられておるのであろうけれども、この数字の実績を見るときに、まさに所得税のこれでいきますと、九〇%ぐらいの圧倒的なものを勤労者が納めておるということは、はたして実質所得において勤労者がかかる負担をするに適当であるかどうか、実態に触れておるかどうかという点については、あらためて科学的な調査なり、名実ともに公平な減税をするためにも、考えるべき最重要な点ではないか、こう考えるのでありますが、いかがでありますか。
○村山説明員 非常にこれはむずかしい問題でございます。今の納税者数が今おっしゃるような数字になった——今資料を持っておりませんが、私もたしかそういうふうに覚えております。その納税者のうち、給与所得者の占める構成比がだんだんふえてきておるということでございます。所得納税者のみならず、所得者全体の所得種類別の人員というものはいろいろな統計がございます。それから推定いたしますと、失格者を含む所得種類別の構成比におきましても、もちろん給与所得者はどんどん伸びておることはうかがえるわけでございます。しかしおっしゃるように、全体の構成比の増加よりも、所得税の納税者中に給与所得者の占める構成比の増加の割合の方が多いということも事実でございます。その問題は、はたして把握の問題であるのか、実際の所得の伸びがそうなっておることであるか、ここに眼目があるだろうと思うわけであります。世界的の傾向を見てみますと、だんだん先進国になると給与所得者がふえることは当然でございまして、この所得種類別の構成比で言いますと、先進国の方がなお日本より勤労所得者の構成比が高いということがわかっております。だんだんその形に近づいていく。問題は、日本もだんだんその形にいくのですが、今所得税の納税者の構成比はそれ以上にふえているところが、所得の伸びによる違いから自動的に出てきたものであるか、あるいは給与の方は源泉でほとんど百パーセントぴしゃっととられておる、それ以外のものは把握が不十分なために税務統計上そういうふうに現われてくるのであろうか。現われてくるその傾向が議論として考えられますが、その数値がどの程度のものであるか、ここをわれわれ一番苦心しているわけでございます。実はこの前の税制調査会におきましても、その点をも焦点の一つに置きまして、三十五年の夏、三十六年の夏の二回実地調査をいたしたわけでございます。現にそれぞれの人のお住居、店を見まして、それで事業所得、農業所得では、こういう仮定で所得計算をやりました。大ぜいの方がおりますので、これはどうだとなかなかあれでございますが、残念ながらそのサンプルから得られたものは、確かに抜けているというはっきりした確証はなかったわけでございます。確かに考え方としてそういうことは考え得ることであります。また現に給与所得の控除の額を、定額控除のほかに四十一万円までは二〇%、七十一万円まで一〇%、最高十二万円というふうにいたします。その二割といういわゆる給与所得の控除率の中には、単に必要経費を引かないというだけでなくて、把握という問題をも含めての話だということになってはございます。しかしそれで十分であるかどうかという点については、ただいま御指摘のような点をより精密に調査いたさねばならぬと思っております。非常にむずかしい問題であり得ることだとは思いますが、従来実地調査いたしましたところでは、確かにそうだという確証はなかったわけであります。なおこの問題は引き続いて検討して参りたい、かように考えております。
○横山委員 この問題につきましては、ぜひ十分な検討を遂げて、所得に相応した課税というものが名実ともにとられるように、税制調査会においても、十分あなたの方から検討の資料を提出され、検討されんことを望むわけであります。 その次の問題は労働の所得と不労所得の均衡の問題であります。これはこの角度から議論をすればすっとどなたにもおわかり願えるものでありますけれども、政策減税の立場から議論をすると、もちろん混迷に陥りやすい問題であります。しかし納税者側から見ると、汗水たらして頭を働かせるとか、からだを使うとか、ほんとうに働いて得た収入と、ぬれ手でアワのつかみ取りをしたといっては失礼でありますけれども、ちょっと感覚を働かせればどさっともうかる収入との均衡というものは、所得があるところ課税ありという原則以上に考慮をしなければならぬ問題が残るのではなかろうか。たとえば最近では株が非常に暴落をしておる、大衆投資家は首つりをする、こういう点については本委員会で先年来かかることがあるであろうと警告をしておるのでありますけれども、こういうことに大衆を走らせたこと、それは私は政府の責任も大いにあると思うのでありますが、走らせたことに対する反省をこの際いろいろな角度からなさしめる必要がある、今後健全な投資というものが行なわれるためにも、労働所得よりも株を買った方がもうかる、こういう感覚を庶民に与え、そして税制面からそれを刺激するようなことはいかがなものであるか。土地を買えばもうかる、ところが土地はこのごろ値上がりがとまっておる、買った土地が売れずに、その借りた金について非常に困っておるという点もある。これもまた土地でぬれ手のあわを考えたものであろう。土地や家屋には交換譲渡の特例がある、強制収用をされたならばそれに対する非常な減税制度がまた行なわれておる。こういう株や土地や家屋やあるいは金利かせぎ、こういうものに対して普通の税制でなくして、特別措置によって非常な減税がなされておる。今、私は明らかな数字を知りませんけれども、家屋の交換譲渡の特例それから銀行に銭を預けて、今どのくらいでございますか、百五十万円ぐらいは金利があっても無税であったと記憶しておりますが、そういうようなことが一体いつまで続くのであろうか。ほんとうに働いて得た収入に対する課税と全くの不労所得というものとの均衡論をまじめに考えるべきときではないか。先ほど租税特別措置法の方において議論をいたしましたけれども、また別な角度において、働いて得た所得より遊んでおって得た所得に対する税金の方が安いという感覚は何としても税制の中から追放をしなければならぬ、こう考えるがいかがでございましょうか。
○村山説明員 この問題は税制の基本体系、特に所得課税の税制の中においてその所得の種類によって担税力の差を認めたごとき税制を設けるかという問題と、それから現在それぞれの所得につきまして他の政策的考慮から租税特別措置をしくかしかぬかという問題は実は区別してわれわれは考えておるわけであります。基本税制の中におきまして所得の種類によって担税力の差を設ける、こういう考え方もないわけではございません。日本もかつて昭和十五年の分類所得税、それから一般所得税をとりましたときに、分類所得税におきましては所得の種類による担税力の差を明らかに認めたものでございます。総合所得税は、所得税の大小によって担税力の差を捕捉しておる、こういうやり方をしたのです。現在でもラテン系の諸国においての所得税制にその片りんが残っておるわけであります。しかし全般的に申しますと、その問題は所得の種類によって担税力の差を設けるというよりも、むしろたとえば、他の補完税を置くことによりまして自動的にその問題を解決していくという方向に向かうのが大体世界の大勢だと考えております。日本でも、たとえば応益課税という名のもとにおきまして固定資産税あり、事業税ありということであります。ただそういう意味におきましては、たとえば百万円の所得は百万円の担税力しかないのだ、所得の種類に色をつけないという方向での税制が——日本の税制も基本的にはそうでございますし、それから各国それぞれその方向に向かっております。最近におきますフランスは、従来の分類所得税とそれから一般所得税が主客転倒いたしまして、従来は分類所得税が基本所得税制であったわけでありますが、たしか昨年の改正でその点は改めまして、思想的には一般所得税を基本税制と考えるということでございます。ただその総合所得税を考えます場合に、一方において収益課税を廃することによって自動的にその点は調整する、それから総合所得税を考えますときに、その所得の対応期間を考えまして、一年間の所得に対するものとして考えられた累進税率をそのまま適用することはどうか、この考慮は当然あるわけでございます。その現われが、退職所得の課税であり、あるいは山林所得の課税であり、あるいは譲渡所得の課税となって現われておるわけでございます。 なお、キャピタル・ゲインが所得として税制上観念さるべきものであるかどうかということにつきましては、これまた世界的に定説がないわけでございまして、日本は、キャピタル・ゲインを課税しておる方におきましては最右翼に属する国だと思っているわけであります。この辺は今後われわれが税制を扱う上におきましてなお詳細に検討を要する問題であると考えております。 ただ、おっしゃるように、租税特別措置は、基本税制がそういう立場にありながらそれとは違う税制をとっているわけでありますので、その基本税制の立場からどう考えるか、その必要があるかどうかという問題は、あらためて検討さるべきことは先ほど申し上げた通りでございます。現在やられております一番顕著なものは、預金利子の分離課税並びに国民貯蓄組合による非課税措置、これが所得の種類を限定しての特別な措置としては最も目につくものの一つであろうというふうに考えるわけでございます。 なお先ほど御指摘のありました有価証券の譲渡所得に対しては、日本は現在非課税にしておきまして、そのかわり——そのかわりと申しましては何ですが、その立法の経過から申しますと、当時有価証券移転税が入ったわけでございます。そういう経緯のあったことは再々申し上げておりますが、しかしその角度は所得の種類によって、税制の考え方というよりもむしろ租税特別措置的な考え方としての、その政策的税制をしく必要があるかどうか、それをいつ、どういう条件のもとに通常の税制に復帰させることができるか、その場合、執行面において確実に所期した目的を達し得るかどうか、こういう点が問題点であろうとわれわれは考えておるわけであります。
○横山委員 われわれの周囲にはいろんな陳情がある。しかしその陳情のほとんどは特別な措置をしてもらいたいという陳情である。業界なりあるいは関連の産業なり、それらはすべてが公平ならざる特別措置を要求して、そのために必至の努力をしてあらゆる努力も惜しまない。われわれのところへ公平な減税をしてもらいたいという声はまとまって来ない。それは、庶民の中に潜在的にすでにあるけれども、形をなし組織をなしてわれわれのところに来ない。従ってわれわれの良心が、時には耳に聞こえるものだけで麻痺をし七、本来的であるべき税制の基本的動向を見失うときがある。私どもはそういう心配を常にいたしておる。従って税制を取り扱うものが忘れてはならぬものは、その公平の原則であり、その良心である。その良心が、大きな声に、鳴く声に、どなる声に負けてしまって、補完のときには常に租税特別措置法が増大し、不公平が増大し、庶民の声がちまたに隠れてしまうというような実態というものをわれわれは何としても解決し、そして適正な、公平な税制のところに戻していかなければならぬ義務があると私は痛感をしておる。その意味においては私は、失礼な話であるけれども、主税局の皆さんがそういう声なき声に耳を傾けて勇敢に突進をしてもらう、そうしてこの基本的な大原則の上に常に正座をして、その方向に邁進をしてもらわない限りは、またわれわれの方においてもその気持が常に確立をしておらなければ、税制は方向を見失う。なるほど特別措置をやれば喜んでくれる、なるほどそれで幾分の効果は上がる、しかしそのために圧倒的な大多数の納税者が納税に対する信頼感を失い、公平の原則が曲がっておることに対して不信感を持つということについては、私どもお互いに真摯に反省をしてその方向を見失わないようにしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。あなた自身だって大蔵省の各局長あるいは各省等から公平にやってもらいたいというお話はなかろうと思う。けれども、その中できぜんたる態度をもって原則的方向、つまり公平の方向、租税特別措置というものは原則的にないのが普通という基本的な態度を堅持しなければいかぬ。今新聞やそのほかの明年度の減税に対するムードというものは、減税という方向は宙に消えそうになっておる。そして経済の発展に伴って税制も変わらなければならぬというような、そういう言い方によってますます特別措置が広がろうとしておる。この状態に対して当面の責任者としての主税局長の信念を伺っておきたい。
○村山説明員 基本的に全く同感でございまして、いろいろお話がございますが、おっしゃるように公平にやれとか一般減税をという具体的な陳情はわれわれはあまり受けたことがございません。税の基本は何と申しましても公平観、これが失われてはどこの国でも税制というものは成り立たぬものであるということは、われわれかねがね考えておるわけでございます。今後もそのつもりで勉強して参りたい、かように考えております。
○横山委員 次は減税と逆の増税の問題であります。財源がない、従って政策ができない、従ってそのためには必要不可欠とあるならば増税をする、この論理はこの限りにおいては私は間違いがあるとは思いません。しかしながら、先ほどからいろいろとお伺いをしておるのでありますけれども、あなたは自然増収が本年約千億、明年は二千ないし二千五百億というて、遠慮しいしい例年のごとくおっしゃっておられるようであるけれども、私どもはもう少しある、明年にしたところでやはり最小限二千五百から三千億くらいはあると私どもは踏んでおる。これは今日数カ年の実績が、いかに景気が金融引き締めの状況であろうとも、毎年の例からいって私どもはそのくらいが適当な数字だと思う。しかも私どもの言うような租税特別措置の問題とかあるいは剰余金だとかということを計算に入れて、そして国家の行なうべき政策について判断をしても減税は可能である、可能ならば増税の必要はないではないかという点になるわけでありますが、伝わるところによりますと、道路特別会計、道路の長期計画の実現上どうしても道路公債を発行するかあるいはガソリン税を増税するか、こういうような話がちまたににおっておる。私は今日の段階としては国民負担の状況からいってもなお高いという判断が、税制調査会でなされたように適切であると思う。よしんばそれが目的税であろうとも、ガソリン税は歴年本委員会の話題になって、常に無理を押して増税をしてきたところであるから、この段階においてはもう問答の以外の問題だと私は思うのでありますが、ガソリン税を増税をするというようなお考えがあり得るのか、またそのほかに増税として検討さるべき問題があるのか、もちろん私どもといたしましても、今日の負担の状況からいってむしろ増税をすべきであるというふうに考えるものは、例示をいたしておりますようにあるわけであります。これは要するに負担率と公平の問題でもある。われわれが主張いたしておりますのは、地価抑制対策のための空閑地税である。われわれが主張しておりますのは、また広告税である。世界一の電気ネオン、ああいうようなテレビ等の広告は、まさに類例がない世界一だとわれわれは考える。どうしてその負担が行なわれているのか、すべてそれは過当広告となりそして消費者に転嫁をされ、そして消費者はコストよりも倍も、その倍もの商品を買っておる。こういうような点についてはさらに抑制さるべきであって、商品は実質価格以上の宣伝がされておる。またわれわれは財産税について考うべきではないかと言っておる。われわれとしても、これら増税をすべき点があるという点についてはちゅうちょ逡巡をするものではないけれども、しかしながらガソリン税等の一連の増税等については安易に過ぎたやり方ではないか、こういうように考えておるのでありますが、増税について今申し上げたような点、そのほか検討になっておる点がありましたら伺いたい。
○村山説明員 まだ具体的には、たとえば来年度の差し迫った問題として具体的に研究しているわけではございません。しかし今先生のおっしゃいましたような問題は、われわれ税制を担当している者といたしましては常日ごろからその部面での調査は怠ってはおりません。前国会でもこの問題がございましたが、ガソリン税につきましてはこの三十六年に税率を引き上げる際に、そのときの大蔵大臣の水田さんが、道路計画の改定がなければ今後引き上げはいたしませんということをはっきり言っておるわけでございます。道路計画の改定があるという話をわれわれは聞いていないわけであります。その際、たしか横山先生からだと覚えておりますが、日本のガソリン税の負担は各国に比べてどうかというお話がございまして、そのときの数字は申し上げたと覚えておりますが、生産地国を除く消費国から見ますと、小売価格の中に占める比率あるいはキロリットル当たりの税率にも、なお少し日本の方が若干低いという点は認められるということだけは申し上げましたが、それ以上のことは申し上げていないわけでございます。 それから広告税ないし広告費の抑制のための損金不算入、これもいろいろ話題が出るものですから一般的に今検討して参りますが、これはかなり政策的な問題になるであろうということでございます。特に広告費の損金不算入という問題は、いわば交際費の損金不算入とかなり似ております。ただ経費の性質から言いますと、交際費が、いわゆる交際費の内容にもよりますが、損金性を持っておるかどうかということについては、所得理論としましても損金性のない部分が相当多いのではないか、こういう考えがございますが、広告費につきましては明らかにこれは損金であるということでございます。そういう所得理論に立っての考え方、それから広告費が過剰であるかどうかという大局的な判断が、政策を決定する問題になりましょう。広告を生命としておる業種もあるわけでございます。その辺のことを慎重に考えていかねばならぬのではないか。その辺、内部的には検討は怠ってはおりませんが、どちらもなかなかむずかしい問題だということで、結論を申し上げられる段階ではございません。 それから空閑地利用税その他の問題でございますが、これも三十六年の税制調査会で問題になりましたが、あの当時の状況として、税が先行してやるということはかえって土地の値上がりを早く実現するのではないだろうかということでございます。そういう意味で否定的な結論が出たわけでございます。そのときただ調査会の方といたしましては総合政策の一環として税制をその何らかの分野を受け持つというのであるならば、その案のいかんによっては考え得る道があるかもしれない、さらにその道について検討するべきであるというようなことになっております。そういう意味で現在われわれは内部的にはいろいろ検討しておりますが、非常にむずかしい問題でございます。これまた今直ちにどうすべきだという結論があるわけではございません。
○横山委員 具体的な問題になりますし、税制調査会の議論の前でありますから慎重なお話であることはわかりますけれども、しかしわれわれのこういう意見は十分に一つ事前に反映するように措置を願いたいと思います。 〔足立委員長代理退席、委員長着席〕 少し問題がこまかくなりますので、時間の関係上取捨選択をいたしまして、中小企業の協同組合の問題について触れたいと思います。特にその中で企業組合であります。企業組合についてはこれは率直に言って、失礼な話でありますけれども大蔵省及び国税庁は歴史的にあまりいい顔をなさらぬのであります。従ってそれが遠因いたしまして企業組合の発展は今膠着状態にあります。ふえもしなければ減りもしない。しかし逆な言葉で言うと、安定をした仕事を全国的にしておるわけであります。政府としては、企業組合は営利を目的とするものである、組合員は組合に加入することによって事業主体としての独立を失う、こういう立場で、一般の協同組合の軽減税率二八%の適用を受けていない。これはいかがなものかというのが私のこれから申し上げる意見であります。 企業組合が今日まで存立した歴史的過程を言うのももちろん大事でありますが、むしろ私は今日各党が中小企業基本法をつくって、中小企業の団結という点について強く主張しておる新たなる角度について主税局や国税庁に反省といいますか、判断を求めたいと考えておるわけであります。われわれが各党すべて中小企業の団結を主張し、より強い団結を求めておる。より強い団結は明らかに協同組合を一歩進めるならばそれは企業組合である、こういうふうに考えておる。なるほど組合員は組合に加入することによって事業主体としての独立性を失うという判断があり得るけれども、それでは株式会社に全く似ておるのか、普通の個人会社、個人企業に似ておるのか、決してそうではない。これは企業組合の実態をよく調査をしていただけばわかるのであるけれども、企業組合でも年一割をこえない限度においてのみ払い込み済み出資額に応ずる剰余金配当が認められ、残余金は組合員の組合の事業に従事した分量に応じて配当されなければならぬこととされ、この点は一般の営利法人と異なっておるわけであります。しかも他方においては農業協同組合法の規定によれば、その規定の中に、農村工業に関する施設を行なうこととなっており、その施設に関する事業はまるっきり独自な一つの企業的形態として行なわれている。これは明らかに企業組合と同様の形態である。他方水産業協同組合の規定では、協同組合のほかに生産組合を認めておる。この生産組合は明らかに農村工業目営の場合と同様である。漁業生産組合ももっぱら漁業及びこれに付帯する事業を営むために認められたものであって、全くこれも企業組合と同様である。従って農村、漁村において企業組合類似のものがあり、それが軽減税率を適用されておるときに、ひとり一般の中小企業のより前進した姿、より団結を強くした姿の企業組合において、これは一般の営利法人と同様であると認めること自身が、歴史的過程は申すに及ばず、今日中小企業の団結をより政府も各党も一生懸命になっておるときに、この企業組合に対する扱いについては新たな角度で検討すべきことではないか、こう考えるのでありますが、おそらく新たな角度で御検討が全然されていない従来のお気持で御答弁をなさっては困るわけですが、御検討される必要があると痛感するのでありますが、いかがですか。
○村山説明員 企業組合につきまして、今の税制上の取り扱いにつきましては、ただいま横山委員のおっしゃった通りでございます。ただその中で漁業生産組合、あるいは森林生産組合、あるいは農事組合法人、これにつきましては、やはり普通の法人税で二八ではなくて三八かかるわけであります。その点は企業組合と全く同一でございまして、普通の完全合同をいたしますと、普通法人になって参るわけでございます。もちろん普通法人でございましても、所得の多寡によって軽減税率の適用のあり得ること、これは当然でございまして、企業組合にいたしましても、ただいま申し上げました生産組合にいたしましても、農事組合法人にいたしましても、所得金額二百万までの部分につきましては三三がかかる。これは普通の会社でもそうであります。税制の考え方は、完全合同体の法人であるか、あるいはいわば組合員の事業が主体であって、それの共同購入あるいは共同販売、そういうものが主体で、その剰余金というのも、よく考えてみますと、その取引の片方におきましては売って買う、あるいは買って売るというわけでございますので、両方組合員からの利益の出た分と、それから第三者から利益の出た分がいわば剰余金の形で残るわけでございます。それを事業分量で配当すれば、もちろんそれは割り戻しでございますので、法人税法上損金に計算してございます。その割り戻さないで出資配当をやろうという分並びに留保につきましては、これは何と申しましても独立の人格でございますので、その剰余金といわざるを得ない。ただその剰余金の発生した原因を考えてみますと、両端から発生しておる。割り戻し分もあるかもしれぬ、それをたまたま一部出資配当に回しておるにすぎないのだ、こういう観点に立ちまして、組合員の事業、それとの経済取引のために存立する協同組合につきましては、今おっしゃるように特に二八%という税率を使っておるわけでございます。それ以外の完全合同体につきましては、その種類のいかんを問わず、業種のいかんを問わず、やはり普通の法人税と同じように適用する。ただし、先ほど申しましたように、所得の大小によりまして軽減税率を設ける。この点は中小企業協同組合法に基づく企業組合も、あるいは森林組合法に基づく森林生産組合、漁業生産組合も同じ規定にしておるわけでございます。
○横山委員 私の勘違いでしょうか。農村協同組合、水産協同組合法の生産組合、それらについては軽減税率が適用されておると私は考えておる。それから公益法人の収益事業から生じた所得について法人税が課されておるのでありますが、それは軽減税率が適用されておると思っておりますが、いかがでございましょうか。
○村山説明員 前段の問題でございますが、ただいまのところは法人税法九条七項で、これこれの生産組合で組合員に給料を支払っておるものを除くということになっております。給料を支払っておるということは、要するに個人たる事業主の立場を失って完全合同しているという何よりの証拠であるわけでございますので、そういう完全合同いたしたものにつきましては、今のように税率も二八の分が適用にならない、同時に割り戻しという形でやってもそれは損金にならない。両方規定しておるわけでございます。それから公益法人の収益事業につきましては、これは戦前の税制で言いますと、こういう制度はなかったわけでございますが、その後、公益法人が経済事業あるいは収益事業をやりまして、普通法人との間の税制上非常な所遇の差があることによって競争するのはいかがなものであろうか、同時にまた、おそらく収益事業をやるということにつきましても、公益事業の財源獲得のためにやるわけでございますので、その点も考えまして税率は二十八、今の寄付金につきましてもその三割までは損金に見る、こういう扱いになっておるわけでございます。
○横山委員 最近の中小企業政策の動向というものは、あなた方は御検討が済んでないと思うのでありますが、自民党も社会党も民社党も一致をして進めております方向は、今言いましたように中小企業の団結をより強化するということである。強化して、しかも近代化、専門化させる。一つの中小企業というものが小僧の給食も奥さんがやってやる、あるいは仕入れもやるというようなことではいかぬから、仕事を単純化して、売るなら売る、つくるならつくる。それ以外の給食も宿舎の設備も全部協同組合でやってもらって、そして専門化をし単純化をして能率を上げていかせるという点が一致をした方向なのであります。 その意味において協同組合は今日まで中小企業がやっておったことを自分がかわってやってやる。そうしてかわってやることによって、共同購入をする、共同販売をする、収益を生むという点においては収益事業の中にどんどん進出をしておるわけであります。その点をあくまで追求するならば、協同組合の税率それ自身もその要素が変貌しておるといっても私は過言ではないと思う。しかも協同組合にはより一そうの団結が一斉に要求をされ、その団結をしたものについてはもっともっと恩典を与えようとする。団結を一歩進めて協同組合が完全に団結をするならばそれは企業組合に類似して企業組合の方に接近をしていく。企業組合は株式会社とそれから今日まである協同組合との中間的存在である。しかしながら企業組合が真に株式会社となり得るか、それはなり得ない。むしろ協同組合から企業組合の方への前進ということが考えられる。もしそれ今日までの企業組合においてそれがいかぬというのであるならば、新しき協同組合からより団結した前進をした姿、たまたま私はそこに企業組合を認識するのであるけれども、そういう姿においてとらえてやるということが必要なことではなかろうか、こう考えるわけです。ですから既存の企業組合の状態を頭に入れないで新しい中小企業の姿を頭に入れて、今日の企業組合の存在についてこういうふうにしてもらわなければ理屈が立たぬということであるならばそれもよし、少なくともまま子扱いにされております企業組合、しかも最も零細な企業者のより強い団結の姿としての企業組合について、これは新たなる角度で検討をしてやって、協同組合と同様の税率を適用する方向にいくべきではないか、こう考えるのであります。いかがですか。
○村山説明員 今後協同組合からより完全に団結した形への企業組合形態に進むかどうか、その場合そのよって立つ組織が株式会社、有限会社でどう違うか、もちろんいろいろあると思います。われわれ専門家でもありませんのでその点はいろいろのことが予測されるわけでございます。現在の法制におきましても、零細の者が寄り集まって資金を出し合う、労力も出し合う、剰余金の分配については制限もあるというようなことは承知しているつもりでございます。ただ、税制といたしましてはそういう形ではなくて、一つの法人企業体であるかどうか、軽減税率を設ける必要があるかどうか、この辺に税制の論理としては集約されるのではなかろうかというふうに考えております。今日、われわれ最近の統計で企業組合の一件あたりの税負担を見てみますと、これは三十五年度の数字でございますが、企業組合数四千九百八十一、所得金額十一億三千万、税額で三億六千五百万ということでございます。これで計算しますと一企業当たり約七万ぐらいの税額になるようであります。そういたしますと、ものによるかもしれませんが、当然、一番軽減税率の適用を受けておるものと考えます。協同組合としての税制の取り扱いというものと、企業組合に限らず完全合同したその意味での法人、こういうものはやはり違えて考えていっていいんじゃないか、税制としてはそういうことになるんじゃないかと考えております。
○横山委員 時間がございませんから希望だけ述べておきますが、理屈を言えば、企業組合は全く零細企業の米屋さんやうどん屋さんや、同種あるいは異種の零細企業が完全合同した姿である。しかし、それならばそれは株式会社なりあるいは個人企業と同一の形であるかというなら絶対そうではない。これはあなたも常識的に御想像なさると思う。それでは一体どういう実態なのか。これは看板はとっちまった、給料をもらって帳面も伝票も本部へ出しておる。けれどもそれがほんとうに自分は一企業組合の従業員に完全になり切った姿であるか。なり切ったかなり切らないかというふうに二つに分けて、どっちかだからどっちの税率だというふうに考えることが少ししゃくし定木ではないか、それは実態に触れていない。どっちかでなければ普通税率だ、どっちかであれば軽減税率だ、こういう割り切り方に従来の既成概念があり過ぎるのではないかと私は言うのです。従って零細企業が、小さな商売であろうと家代々やってきたうどん屋さんが看板をはずしてしまって私は給料取りでございますといって実際問題としてはやっていない。やっていなければそれはおかしいではないかと言わないで、新しい零細企業の団結の姿、しかも各党が推進をしておる中小企業の一つの形、これはもう企業組合や企業連合やいろいろ議論がされて参りましたけれども、そういう零細企業を何とかもっと強く団結させるという意味において進めておる角度を一ぺん考えてもらいたい。実態にも触れてもらって、こちらでなければこちらだ、それでなければおかしいじゃないかという理屈の詰め寄り方をしないで、新しい検討をしてくれることを私は要望をいたしたいのです。この種の問題はまだ枚挙にいとまがございませんが、時間の関係上私の質問はこれで終わることにいたします。
○臼井委員長 藤井勝志君。
○藤井委員 簡単に中小企業年末金融について質問をいたしたいと思うのでありますが、時間的に差し迫っておる問題でございまして、新聞紙上を通じて見ますと、通産省、中小企業庁、そういうところが大蔵省とすでにこの問題については折衝をされておって、大体十月中旬ごろには政府の方針がきまるやに仄聞いたすのでありますが、まあすでに中小企業年末金融の問題は年中行事であるわけでございますけれども、ことしの場合は私は、去年とはいわば質的にいろいろ条件が異なっておるというふうに思うのであります。すなわち去年からことしの春にかけましては、まだ非常に高度に生産が続けられておる。そのもとにおいて、一応金繰りが困ったということで対策がなされておったけれども、今度はいわゆる景気調整というものが下部に浸透いたしまして、同時に自由化という問題が十月一日を期して発足をいたしたわけでございますので、いわゆる中小企業は下請関係というものが相当の部面を占めておりますから、そういった大企業が下請に対していろいろ今後調整、整理していくということになると、中小企業自体の経営という問題が非常に金融とからんできて、体質改善をしなければならぬというような問題もあわせて考えますと、非常にことしの年末金融は重大な問題ではないかというふうに思うのであります。これに対して、大体どのような準備が大蔵当局として関係各省となされておりますか。その点について一つお伺いをいたしたいと思います。
○佐竹説明員 中小企業金融の年末対策の問題につきましては、現在までのところ、中小企業庁なり通産省なりから大蔵省に対して要望を持ち出してくる段階にはまだなっておりません。目下中小企業庁におきましても、鋭意検討中と承っておりまして、近く御要望が出てくるというふうに実は承知をいたしておるわけであります。もとより私どもといたしましても、中小企業庁の要望ももちろんでございますけれども、かねてから中小企業金融の疎通につきましては、特別な配慮が必要であるという観点に立ちまして、かねて六月、九月の危機を乗り切るというために、御承知のようにオペレーションを含めまして三百億の手当てをいたしたわけでございますが、それに引き続きまして、十月以降の問題について、どの程度の財政資金の追加が必要であるかということにつきまして、実はいろいろと検討をいたしておる段階であります。いずれにいたしましても、近く中小企業庁から要求も出て参りましょう、その上で早急に話を詰めたい、かように実は存じておるところであります。
○藤井委員 お話を聞きますと、まだ関係中小企業庁、通産省あたりから具体的な折衝がなされておらないということでございますけれども、しかし時間的に考えまして、私はある税度腹案が大蔵省としてもおありではないかというふうに思います。ちなみに去年の事情を振り返って考えてみますと、去年の九月末、それから十一月でありますか、いろいろすでに具体的な手当てをされまして、政府系の中小企業金融三機関に対しては、大体四百五十億の追加が十一月にははっきり数字が出されておりますし、また資金運用部資金による中小企業向け特別買いオペがこれまた三百五十億、合計八百億というのがこの年末にははっきり数字が出たと記憶いたすわけでございますけれども、今度は私は量的な問題ということよりも、内容的に先ほど申しましたような事情があるので、よほど段取りを事前に関係方面とおとりになって、時期を失しない金融対策ということをお考えをいただきたい。先ほどの中小企業基本法制定の必要性が現在政治的にも大きな日本の課題に相なっております事情を考えますと、私は問題については一つ検討を非常に早急にやっていただきたい。そして従来この政府系の中小企業金融三機関である国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、こういったものに対する融資の手配と、同時にまた特別買いオペの手配、こういったことについては、私はある程度、この場で数字をはっきり求めるということは立場上困難かと思うのでありますけれども、大体の方針、考え方、こういうことについて一つ佐竹調査官のもう一度御答弁を願えればと思うのであります。
○佐竹説明員 藤井先生の御指摘、まことにごもっともでございまして、昨年はただいまお話にございましたように、実は七月、九月ということで金融引き締めに入ったわけでございますから、その引き締めの影響が中小企業に及ばないよう、できるだけその影響を緩和するという趣旨から、実は非常に早目に手が打たれたんでございまして、この点まさに御指摘の通りでございます。例年でございますと、年末金融は何と申しましてもやはり十一月、十二月にかけて資金需要が集中をいたします。従いまして、例年でございますと、大体十月の末から十一月の初めごろに年末対策というものが決定を見るのが例でございますけれども、しかし本年度は昨年度の引き締めに入ったときとはまた若干様子は違いますけれども、しかし先生の御指摘のように、いわゆる例年の情勢ともまた違うわけでございまして、大企業等がこの六月から夏にかけまして非常な生産調整をいたしまして減産態勢に入って参りましたので、おのずからそこに下請等に対する注文が落ちている。つまり大企業の生産調整の影響と申しますか、こういうものが若干の時期をおくれて中小企業に波及をいたしております。そういう意味で今年度はやはり中小企業金融の疎通については、特別に考えていかねばならぬ時期である、かように考えまして、例年よりも年末対策決定の時期を早めようではないか、現に通産大臣も、できるだけ早くきめたい、十月中旬くらいまでにめどをつけて、できれば十一月から金が出るようにしたいというような御意向と承っておりますが、私ども全く同感でございまして、できるだけそういう線に沿って早くきめて参りたい、かように実は考えておる次第でございます。 これは時期の問題でございますけれども、次にお尋ねの大体の構想はどうかという点でございます。これにつきましては先ほど来申し上げておりますように、金融引き締めによる景気調整の効果というものが、今日ようやく各部門に波及いたしまして、調整効果もほぼ達成されつつあるというふうにいわれておる時期でありますので、これらが順調に進みますならば、やがてこの第三・四半期の財政の大幅散超期とも相待って、全体としての市中金融というものはかなり緩和の方向に向かうものというふうに見られておるわけでございます。しかしながらこれは何と申しましても一般的な情勢でございまして、その間にあっての中小企業の置かれた地位というもの、これは景気調整が一巡したからもう特別な追加というものはそれほど考えなくてもいいんじゃないかというような考え方も一部には散見いたすようでございますけれども、私どもはそれに対しては、いやそうじゃないんだ、やはりこれは調整効果の浸透というものが中小企業の方に漸次おくれて、いわばずれて出てくるというようなこともございますので、それはやはり十分に考えて参らなければならぬ。さればといって、昨年、先ほどお話に出ましたように、年末までに八百億円、一−三も加えますと、千六十億円という非常に巨額な財政資金の追加投入があったわけでございますが、それに比べてはたしてどういうふうに考えていくべきかということが一つの山だと思うわけでございます。で、昨年とことしのいろいろ中小企業の置かれております環境の比較検討というようなものを現在鋭意やっておるわけでございますけれども、それらの事情を十分に考えまして、できるだけこの際生産調整効果の波及もしくは影響というものが中小企業金融を阻害することのないように円滑に年の瀬が越せるという方向に持っていくべく実は考えておるわけでございますが、おおよその考え方としてはそういうようなことでございまして、具体的な金額ということになりますと、これはいましばらく私どもも検討させていただきませんと、おおよそのめどもまだ今日のところでは申し上げにくいわけでございますけれども、ただいま申しましたように、気持といたしましては調整効果が進んだんだからもう相当ことしは減らしてもいいんじゃないかという考え方については、私どもとしてはそういうものではない、やはり実情を見れば、決してまだまだそういうことで手を抜いていいような時期でないということを痛感をいたしておるわけでございます。その線に沿っていろいろと実情に沿った数字を策定をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
○藤井委員 後段の御説明で全く同感であり、安堵いたしておるわけでございまして、どうかその気持を具体的に施策に一つ遂行していただくことをお願いを申し上げる次第でありまして、特にこの景気調整の浸透とともに、先ほどお話のごとく、国際収支の改善が見られるという明るい面がもちろんあるわけでございますけれども、一方中小企業の金詰まりということは深刻になっておることはわれわれ現場の声を最近もよく聞いておるわけでございます。特にまた最近の統計の数字を調べてみますと、全国銀行の中小企業に占める融資のパーセンテージは大体五〇%でありますが、その全国銀行自体の貸出総額のうち中小企業向けの貸出額というものが大体三〇%、それが昨今低下しておるというふうな傾向をわれわれは現実に見るわけでございまして、この事情はむしろ中小企業に対して積極的に手を打たなければならぬ政治的要請があるにかかわらず、現実の数字はそのように下がっておるということに対して、これは一つこれから先今お話しになったような配慮の上に立って一つ今後全国銀行の中小企業向け貸し出しの増大、市中金融機関保有の金融債の買い上げであるとか、あるいは先ほど申しました政府系中小企業金融三機関に対して一つ政府出資の追加ということに対して積極的な手配をしていただくように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○臼井委員長 堀昌雄君。
○堀委員 実は九月の上旬以来甲類しょうちゅうが、たしか宝酒造が最初であったと思いますけれども、三十円ずつの値上げを実施をいたしております。この甲類しょうちゅうの値上げの経過について国税庁の方で事実関係を一つお話をいただきたいと思います。
○谷川説明員 お答え申し上げます。 甲類しょうちゅうの販売価格につきまして製造業者並びに卸売業者また小売業者それぞれの団体から基準価格の改定の要請があったわけでございます。その時期は減税が四月に行なわれまして、七月ごろ基準価格を改定してほしいといろ要請があったわけでございますが、基準価格自体を改定するということにつきましては全体としての甲類しょうちゅうの値上げということになるわけでございまするので慎重を期する必要があったわけでございまして、私どもいろいろ検討いたしますと、全体としての値上げということは適当ではない。そこでその旨それぞれの組合に対してお話ししたわけでございますが、しかるところ、その後個々の業者から今お話がありましたように、製造業者といたしましては宝酒造あるいは三楽、あるいは協和醗酵あるいは合同酒精という会社からそれぞれ現在の製造原価を見ますると原料代の値上がりあるいは人件費あるいは運賃その他経費の値上がりによりまして、現在認められておりまする製造原価ではなかなかやっていけないからなんとかしてほしいという要請があったわけであります。と同時に卸売業者あるいは小売業者からも卸、小売のマージンの中に入っておりまする人件費あるいは運賃が最近相当上がっておるからなんとかしてほしいという要請があったわけでございます。そこで国税庁といたしましては、それらの個々の会社の経営の内容を検討し、その説明にありまするところの原価高の要素をしさいに検討したわけでございます。その結果私どもといたしましてはすべての企業を一律に値上げするということは適当ではないわけでございますが、申し出がありました会社につきましていろいろ検討いたしますると、製造原価、卸、小売のマージンを含めまして、甲類しょうちゅうにつきましては二十八円程度の値上がりは合理的な根拠あるものとして、その程度の値上げをするということであればやむを得ないのではなかろうかということを申したわけでございます。そこで個々の会社におきましては、たとえば宝酒造の場合におきましては九月八日に値上げを発表いたしまして、十月一日から卸売業者に売り渡す価格を三十円上げにしたいということを発表したわけでございます。それからさらに協和醗酵、三楽におきましては九月十日に同じような値上げを発表いたしまして、これも十月一日から新しい値段で卸売業者に売り渡すという発表を行ないました。越えて九月十五日以降いろいろな会社におきまして値上げの発表を行なったわけでございますが、個々の、それ以外の合同酒精以下の会社につきましては、地域によって新しい値段の取引実施の期日が違っておりまして、あるいは十月一日から、あるいは五日、あるいは十日というようなことでございまして、現在のところ値上げの発表をいたしました会社は全体の約七割程度になっておりますが、生産者が卸売業者に対して値上げをするということを発表すると同時に、小売業界に対してもその旨を話し合いをしたわけでございまして、現実に小売業者が消費者に販売する価格の引き上げの時期につきましては、それぞれの会社におきまして話し合いをし、またそれぞれの地方における小売業者が独自の立場で値上げを実施するという状況になっております。
○堀委員 そうすると、今のお話を伺うと、甲類しょうちゅうの値上げは国税庁は承認をした、三十円幅で値上げをすることを承認をしたということですか。
○谷川説明員 お答え申し上げます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、製造原価、卸、小売のマージンの増加分を含めまして、甲類しょうちゅうにつきましては、昨年の六月以降ことしの六月までの一年間におきまして、二十八円程度の値上がりのいろいろな原因がありますので、その程度であればやむを得ないものであろうということを会社の方々にお話しをしたわけでございます。そこで個個の会社といたしましては、独自の立場でそれぞれの企業の採算の面を考慮いたしまして、その程度の値上げに個々的に踏み切ったという状況でございます。
○堀委員 それはわかりましたが、承認したかしないのか、黙認しておるのか関知しないのか、取り扱いはこの三つのうちのどれか一つになると思うのですね。だから承認をしたのならば、これは二十八円は承認したけれども三十円としては承認しなかったということもあるかもしれない。私よくわからない点は、個々の会社ですから、会社の経理の内容はみんな違うと思うのです。それがみな二十八円とか三十円ということで一律になっているということは、基準として全体としては適当ではないと思ったという今のお話です。 それから七割は値上げをした。大体しょうちゅうメーカーの場合は、上位二十社で大体シェアが八〇%ぐらいあるわけですから、全体の七割が値上げをしたということは、シェアとしてみたら一体幾らになっているのか。今個々にということを非常に強調されましたけれども、各会社の経理内容が同一に三十円の値上がりということは私はいかようにも個々とは理解ができないということでありますので、前段の承認したのか、黙認したのか、関知しないのか、この三つのうちのいずれに該当するのか。
○谷川説明員 形式的文書による承認の申請があったわけではございません。国税庁といたしましては、値上げの要請があった場合におきまして、基準価格を変えるということであれば、法律的な手続があるわけでございますが、基準価格のもとにおきまして、たとえば三十円値上げをしたいという話があった場合におきまして、今仰せの通り、個々の企業について見ますれば、私どもの方に言って参りました値段につきましても、三十円以上のコスト・アップになるという企業もあったわけでございますが、それらの会社につきましては、合理化をいたしまして、できるだけ経費を切り詰めてもらうというようなこと等を行なってもらうように要請し、国税庁といたしましては一本当たり二十八円程度の値上げであればまあやむを得ない、実施してもそれほど不適当ではなかろうということを申し上げたわけでございます。 それから次に、今仰せの通り十九社で八三%程度のシェアになっておりますが、あとの残りの業者は非常に小さい生産量でございまするので、七割程度の業者が実施した場合におきまする全体の数量の割合は、約九割程度になろうかと思います。
○堀委員 肝心なところがどうもはっきりしないのです。これは公正取引委員会に来ていただいていますから、あなたの方の答えがはっきりしないと次に進めないわけです。だから、あなたの方が承認したんです。認めたんですということになれば、また角度が変わってくると思いますから、そこでちょっとそこをしつこく聞いているわけです。積極的に認めないけれども消極的に認めたというふうになりますね。
○谷川説明員 たびたび同じことを申し上げて恐縮なんでございますが、(堀委員「イエスかノーかだけ言ってもらえばけっこうです」と呼ぶ)その承認を正式にしたということでもないのでございますが、値上げの要請がありましたのでいろいろ検討した結果、消費者の立場を考え、また企業の経営の内容等を検討した結果、まあ二十八円程度であればやむを得ないのではなかろうかということを、値上げの要請の相談を受けましたその企業に対して申し上げたというわけでございます。
○堀委員 非常にあいまいな答弁で、率直にいって私は非常に問題があると思います。あと公取の方お急ぎだと思いますから、先にちょっとそれをやります。 今お聞きになったような経緯で、甲類しょうちゅうの値上げが行なわれております。私は今の話は明らかに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反をするものだと考えますが、公取の委員長は、今の事実関係をもとにして、どういうふうにお考えになるか。
○佐藤説明員 公取といたしましては、独占禁止法にいういわゆるカルテルに当たるか当たらぬかという問題であります。そこで、今のお話を伺っていると、値上げの実態は、二十八円程度なら大体いいだろう——二十八円程度というのが三十円を含むかどうか、問題がありますけれども、大体においてやむを得ないものと酒税当局は認めておられるようであります。しかも、この値上げというものの実態が、個々の業者が——特に強調しておられますが、個々の業者が酒税当局に値上げしたいということを申し出ている。しかもその業者は、たとえば宝しょうちゅうにしても、三楽にしても、接近はしていますけれども、別々な時期に上げておる。そういう事情でありますので、私の方といたしましては、まだ独禁法違反の疑いがあるものとして調べるという程度には達しておりません。
○堀委員 ではお伺いいたしますけれども、個々の業者が多少時間さえ違えればこういうことをやっても差しつかえがない。要するに価格は三十円なんですね。三十円に実は中身があるのです。私が聞いておりますところでは、三十円の中身は、製造業者が幾らとり、卸売業者は幾らとり、小売業者が幾らとりということがはっきり出ております。これは間税部長の方でお答えいただけばけっこうですが、きちんと同じ三十円の配分がきまっておるものが、宝酒造が初めて、あとは協和醗酵、三楽、合同酒精以下、シェアの九〇%に至る、製造業者中の七割のものが同一の形で同一の利益配分をしながら、多少の日にちだけずらせれば、この法律には全然かからないと考えられますか。事実関係としてはこれにひっかかるまいという意図を持って行なわれておる場合に、そういうような多少の時間的な誤差や取り扱い上の問題だけをもって形式的にこの法律を処理するような仕組みになっておるのかどうか、伺います。
○佐藤説明員 お話の通りカルテルかどうかということは、共同にやっておるかどうかということであって、その共同の内容は、同一値段で同一日にちでなければならぬということは法律上はないわけであります。従って、カルテルをやって、お前は何日だ、おれは何日にやるというふうに別々にしたからといってカルテルでないということは当然言えないわけです。実態が業者間の協定かどうかという問題、それはお話の通りで、日にちが違えばカルテルでないということには当然なりません。 なお、メーカーと卸と小売の利益の配分の問題でありますが、これは現在におきましても基準価格というものがありまして、その基準価格で大体配分がきまっておるものと思っております。卸は幾らで小売りは幾らで、さらにメーカーは幾らで売っている、それに準じてやったのじゃないかとも思っております。
○堀委員 今公取委員長がああいうふうに何か基準価格の配分に準じてやったのじゃないかというお話がありますが、あわせてそこの事実関係を間税部長の方からお答えをいただきたいと思います。
○谷川説明員 しょうちゅう甲類の二十五度のものの基準価格の数字を申し上げますと、小売価格が三百円でございまして、生産者価格が二百二十九円八十銭、卸マージンが二十五円四十銭、それから小売マージンが四十四円八十銭、かように基準価格はなっておるわけでございますが、今回の値上げ以前におきまして、今回値上げをいたしました全体のうちの七〇%の企業におきましては、昨年の七月ごろ、これも一斉ではございませんでしたが、ある程度の時期を置きまして十五円の引き上げをやっておるわけでございます。その結果三百十五円が小売価格になっておりますが、その内訳といたしましては、生産者が二百四十円、卸マージンが二十七円二十銭、小売マージンが四十七円八十銭、合計三百十五円になっておるわけでございますが、今回の値上げにおきましては、私どもといたしましては個々の会社の数字を検討いたしまして、そうしてあるものはさらに合理的な経営をやることによってコスト・ダウンをはかってもらいたいという要請をも考慮いたしまして、結論といたしまして生産者価格におきましては十二円八十八銭、卸のマージンについては四円九銭、小売マージンについては十円七十銭、合計二十七円六十七銭、これを切り上げまして二十八円程度であればまあやむを得ないのではなかろうか、それ以上に値上げを必要とする向きにおきましては、さらに合理的な経営をやっていただきまして、その程度で押えていただくということを申したわけでございますが、その後生産者個々に特約店あるいは小売の代表の方と話をされまして、二十八円ということは売り値としては端数がつきますので、これを三十円に持っていく、その内訳につきましては、大体今国税庁として適正な内訳として考えておりますところの数字に基準いたしまして、内訳をそれぞれ個々の生産者が個々の特約店と話をいたしまして値段をきめていったというのが実情でございます。
○堀委員 「東京酒類公報」というのが出ておるんですが、「九月の上旬を期して主力蒸溜酒メーカーは値上げを実行し、本組合では、理事、監事、支部長合同会議にはかり、通知のあった銘柄に限りそれぞれ値上げする旨決定、」こういうふうにあります。そこで、今のお話だと、個々に製造業者が卸、小売に話をしたとおっしゃいますが、事実はそうなっていないのです。これはこちらが間違っておるのかどうか知りませんが、「東京酒類公報」では、小売酒販組合としては、そういうあれがあったからといって上からおろしておる。だから事実関係はいろいろ問題があると思うのですが、私は今のこの問題は、前回も七割しか上げていない、今度も七割だ、じゃあもう今回と前回と合わせると四十五円の値幅が実際あるのかどうかという問題が一つ出てくる。実際には九州では製造業者が上げないのに小売業者が上げた例も出ておるような話もあるのです。今までのお話の中で私は公正取引の問題にどうも引っかかる感じがしてならない点があるわけです。なぜかというと、今あなたの方で実はいろいろ調べてみたら生産者は十二円八十八銭上げるべきだ、こういうお話でしたね。個々の業者について調べたということですから、最初に出たのは宝酒造ですね、宝酒造は御承知のように日本における唯一の総合酒類メーカーだ、ビールあり、清酒あり、合成酒あり、しょうちゅうあり、アルコールあり、みりんあり、一番大きな、そういう多品種メーカーである。そうすると、その多品種メーカーがしょうちゅう部門についてだけこれだけ値上げをしなければならぬということが起こるならば、その中に経費の内訳としてみたら、その基準価格等で調べる場合のその他の経費の按分というものについては一体どういう処理がされておるのか、しょうちゅう部門というものが完全に独立をしておるということではないと私は思う。おそらく私はここが最初になっておるところをみると、宝で十二円八十八銭なのか、一体どこが十二円八十八銭なのか、これをお答え願いたい。八十八銭まで出ておりますから……。
○谷川説明員 これは個々の大手業者から個々的な値上げの要請書が出たわけでございますが、それと同時に、私どもといたしましては、しょうちゅう組合を通しましてそれ以外の業者ことに中小の業者の原価計算書を全部ではございませんけれども相当数出していただきまして、大手メーカーの個々の原価要素をそれぞれ検討すると同時に中小メーカーのそれぞれの原価計算書も検討いたしまして、たとえば原料代——イモの値上がりは、個々の会社によって、大体は同じでございますけれども、昨年の六月以降今年の六月まで農林省の数字あるいは主計局の数字等を吟味いたしまして、それから個々の会社から出されたもの、あるいは中小メーカーのものをそれぞれ検討いたしまして、全体として適正なところはどのくらいかということを検討をしたわけでございます。その結果が、今申したように生産者の原価におきましては、原料代、人件費、運賃その他の経費を含めまして十二円八十八銭になったわけでございますので、これ以上の値上がりを必要とせざるを得ない業者に対しましては、企業の合理化をはかりましてこの程度までコストを下げていただくよう行政指導を行なったわけでございます。 今宝のお話でございますが、宝におきましても部門別の計算をやっております。その他の経費の振りかけの問題でございますが、これにつきましても会社側から資料もとりまして、ビール部門あるいは合成酒部門、その他の部門と分けまして、間接費の振りかけをある程度検討したわけでございます。
○堀委員 問題を少し前に進めることにいたしますが、公正取引委員長にはお帰りいただきたいと思うので、最後にもう一回伺っておきますけれども、今までの経過は、要するに九〇%の製品が大体三十円ということで、一率に値上げをしておりまして、酒類業者の店頭には、今般甲類しょうちゅう二十五度ものは三十円値上げすることになりましたので、御了承願います。店主、と印刷をしてありまして、一斉に張ってあるわけです。この銘柄が幾らになりましたとは書いてないのです。甲類しょうちゅう二十五度ものは幾らになりました、三十円値上げになりましたということが印刷して張ってあります。私、実際に見ました。そうすると、今間税部長の言われる会社の個々の関係で処理されておるかどうか。すでに酒類小売業者の新聞は、そういう値上げがあったので、そこで組合として処理をして、それを下へおろしたということになっておるわけです。今ここで私がこういう論議をしますのは、大体、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律では、再販売価格等については、大蔵大臣の承認を得てあなたの方との間で話をすれば、それについてはカルデル行為とみなさないという条項が明らかにあるわけです。そういう事実があるのだから、それに該当するものなら問題はないわけですけれども、それには該当しない。それに該当しないのなら、今の実情を見ると、やはりカルテル行為と見ざるを得ないのではないか。形はいろいろな工夫がされておりますけれども、現実にはやはり一種のそういう価格カルテルである。で、その四十五条によれば「何人も、この法律の規定に違反する事実があると思料するときは、公正取引委員会に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」こうあるわけです。だから事実関係としては、私が申し出れば、皆さんの方では取り上げて、一応処置はなさることになると私は思いますが、私はそれをしてくれとは言いませんけれども、やはりこの経緯の中では、あなた方としては何らかとるべき処置があったのではないか、現在あるかどうか、この二つについて最後にお答え願いたいと思います。
○佐藤説明員 しょうちゅう等酒類の価格につきましては、国税当局において、他の物資と異なりまして非常に強い行政指導をやっているわけであります。そういう関係もありまして、私の方といたしましては、しょっちゅう国税当局とも連絡をとっておりますので、ただいまのところでは独禁法違反というふうには考えておりませんが、必要によっては調べることもあり得る、こういうふうに思っております。
○臼井委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。 午後一時三十四分休憩 ————◇————— 午後二時十三分開議
○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。堀昌雄君。
○堀委員 ただいままで伺った中で、私今度の問題で問題がありますのは、基準価格というものが現在法律で定められておりますけれども、この基準価格は一昨年のたしか十月ごろにきまって以来、すべての酒類について動いていないように思うわけであります。そこで、一体この基準価格というものは動かないものと考えてつくられたのか、動くものと考えてつくられたのか、基準価格の性格を一つお答えをいただきたいと思います。これは主税局でも国税庁でも、どちらでもけっこうです。
○川村説明員 御承知のように、基準価格は二十八年に、それまでの物価統制令にかわりまして酒団法ができました。その際に物価統制令の統制価格に対応するものとして、何らかの価格が必要であろうということもあっただろうと思います。ただ、あくまでもこの基準価格は基準としての意味でございまして、ガイド・ポストと申しますか、それを中心にして一定限度の価格の動きが望ましいというような性質のものと考えられます。従いまして、短期的な価格を動かす要素、たとえば人件費とかあるいは運送費とか、そういった基準価格の内容を占めます原価項目が短期的な動きを示しましたときに、そのつどこれを改定するというような性質のものではなくて、一定のと申しますか、ある程度の大きな長期的な見通しのもとに動くというような予測がなされます場合に、これを変えれば足りるといったような性格のものではないかと思います。
○堀委員 長期的な価格の構成要素の変動を考慮した場合には動くものと考える。そうすると、長期的な価格の要素ということになりますと、現在の人件費というのは経済成長政策につれて次第に上がりつつありますが、これは知期的な要素か、長期的な要素か、いずれに属しますか。
○川村説明員 お話のように、確かに人件費はかなり継続的な上昇を示しているように思います。しかしながら、一方でそのほかの生産費につきましては、数量の増加に伴います低下も考えられます。従いまして、価格全体といたしましては、ある原価面が上がりましても、それを相殺するようなマイナス面を努力するということによりまして、基準価格は必ずしも上げる必然性はないと考えられる次第であります。
○堀委員 給料、賃金は今その通りですが、原料価格の値上がりはどうなりますか。
○川村説明員 原料価格につきましても同じことが言えると思います。私、今人件費だけについて申しましたが、人件費あるいは原料費、そういった必然的に上がる傾向が看取されるものもございます。しかしながら、一方に生産の合理化によりまして低下に向かって努力するという可能性も原価面の中には含まれておるのではないか。従いまして、比例費部分につきましては、現実の価格の構成の動きによりまして価格は動かされると思いますけれども、固定費部分につきましては、数量の増加等を通じまして低下をするという面もあるかと思います。
○堀委員 国税庁にお伺いをいたします。今原則的なことを主税局がお答えになったのですが、そうすると、公定価格のときは五円動けば動いた。今見ると、清酒は基準価格がきまってからすでに五十円値上げがされております。それから今度のしょうちゅうを見ると、四十五円これが上がりました。これは一体幾らになったら基準価格は動くのでしょうか。百円になったら動くのですか、二百円差がついたら動くのですか、五百円差がついたら動くのですか。大体ポスト・ガイドといえども、どこか幅がないと、無限にガイドをきめておいて片一方動くわけにいかないと思いますが、大体その値幅についての適当な動かさなければならない限度というものはどこらにあるのですか。
○谷川説明員 基準価格設定時における基準価格についての考え方、経済社会全体の中における基準価格の持つ意味というものがその後の情勢の変化すなわち現在のような経済情勢のもとにおきましては、消費者物価はできるだけ下げて、国民生活の安定をはかる一助にするという立場にある場合における基準価格の意味、あるいは基準価格をどういう形でとらえるかということは、だんだん変わってくるものだと思うわけでございますが、現在におきましては、基準価格は一応法律にも規定されておりますように、適正な原価に適正な利潤を加えたものを基準価格とする。それによりまして、清酒、蒸留酒を含めまして、すべての酒屋さんがつくる酒の売値をその基準価格に大体近づけると申しますか、基準価格を目標にして企業内部において合理的な経営をはかって、コストの引き下げをやってもらうというように指導をしているわけでございまして、基準価格設定時におきましては平均的なコスト、平均的な利潤ということを中心に基準価格の価格自体を算定したわけでございますが、現在それではどういろ角度から基準価格というものを設定すべきかということを考えます場合におきまして、すべての酒屋さんがやっていける価格ということになりますと、相当コストの高い企業がございますので、基準価格を相当上げなければならない。それでは中くらいのコストの企業が成り立つような基準価格にするということであれば、その金額はどのくらいが適当か、コストの低いところから数えましてどのくらいのところまでの企業が成り立つような目安で基準価格を考えるか。いろいろ基準価格についてのきめ方、きめる算定の過程におきましてはいろいろな角度から検討しなければならないと思うわけでございます。 ところで今御指摘のように、清酒につきましては大部分は、ことに清酒の二級でございますが、二十円上げのものが多いわけでございますが、中には銘柄の強さあるいは品質が非常によろしい。消費者も非常に歓迎しておるというものにつきましては四十円上げ、特級酒の場合におきましては五十円上げというものがございますけれども、四十円上げあるいは五十円上げのものは全体の中で制限されておるわけでございます。 そこで原価の値上がり要素がどのくらいまでになったら基準価格を改定するかということでございますが、以上申し上げましたような、基準価格というのは目安の価格である。それを内容としてはどの程度の企業のコストを中心に考えるかということによって、その数字もいろいろ変わって参るわけでございますので、私どもといたしましては基準価格を中心にしてできるだけ企業の経営の合理化をはかりまして、先ほど税制二課長も申されたように販売数量、製造数量がふえますれば、それだけ生産性の向上によるコスト・ダウンということも期待されますので、それらのことも考えながら、今のところは基準価格は現在のままにしておきまして、基準価格をどの程度こえて売ることが適当かどうかという点につきましては、個々の企業の内容を検討しまして、行政指導をいたしまして、そして消費者の購入値段が一斉に上がらないように何としても行政指導をいたして参りたい、こう考えております。
○堀委員 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第八十六条には基準販売価格として「大蔵大臣は、酒税の保全のため必要があると認める場合においては、酒類の取引の円滑な運行に資するため、政令で定めるところにより、酒類製造業又は酒類販売業についての酒類の標準的な原価及び適正な利潤を基礎として、酒類製造業者又は酒類販売業者の酒類の販売価格の基準額を定めることができる。」こうありますね。ですから標準的な原価ということですね。標準的な原価というと、さっきあなたのおっしゃった十二円八十八銭しょうちゅうで上がったというのは、標準的な原価とどういう関係になりますか。
○谷川説明員 この標準的な原価と申しますと、全体の、たとえばしょうちゅう甲類について申しますと、しょうちゅう甲類の全部の生産者のコストを全体としてながめまして、標準的な原価が幾らであるかということを判断するわけでございます。今回二十八円の値上げやむを得なかろうと私どもが考えました内訳としての生産者のコスト・アップの十二円八十八銭につきましては、全部の生産者の平均的な原価の値上がりではなくて、大手数社の個々の企業の原価計算書を中心に個々に検討し、またさらに中小の数十社の企業の原価計算をとりまして、それらを個別的に検討しまして十二円八十八銭程度であればやむを得ないのではなかろうかというふうに判断したわけでございます。八十六条にいいます標準的な原価と申しますと、しょうちゅう甲類全体の生産者の原価を調べて、その中で標準的なものが幾らになるかということであろうと考えております。
○堀委員 国税庁に伺いますけれども、谷川さんはそのときいらっしゃらなかったのですけれども、それじゃこの前の基準価格ができたときはそういう全数調査による資料に基づいたかどうか。これは資料があるはずだが、あなたは御在職でなかったが、おわかりかどうか。これは今の答弁と非常に重要な関係があります。もし全数調査でなかったらこの答弁は取り消してもらわなければなりません。私は清酒の標準価格についてはサンプル調査だと思います。全数調査でないという確信を持っておりますから……。
○谷川説明員 しょうちゅう甲類につきましては全企業のコストを調査いたしまして計算したわけでございます。
○堀委員 そうすると、さっき七十社くらいが上げているというのですが、あなたの方で調べられた企業は今大手数社とあと中小数十社という答弁だったのです。その調べた部分だけ今度上げたのなら私は話はわかるのです。しかしそれが外へはみ出ているとするならば、そのはみ出た部分は標準原価的なものを基礎にして上げたということになりますね、論理的には。あなたの今おっしゃったのは大手数社を調べ、また中小数十社を調べ、そして一つの価格を出した。しかしこれはしょうちゅう全体の標準原価ではありません。全数調査でないから標準原価じゃないと思います。しかしシェアを見れば、あなたはさっき九〇%と言われたが、私はもう少しつめてみれば下の方はシェアは小さいから九五%くらいいきそうだ。一体標準原価というものは全数調査でなければ標準原価にはならない。大体九〇%なり九五%なりのシェアのある部分を調べれば、これはそれじゃ何になるか。そういうあれで今度の動きがあるということになると、どうも私はその標準原価というものの理解の仕方が今度少し問題になるのではないか。たしか清酒は四千業者がありますから、そうすると、四千業者全部調べなければ、標準原価が出ないのじゃないか。私は原価計算はそんなものだと思っておりません。そこのところはどうなのですか。
○谷川説明員 今回のしょうちゅう甲類の値上げにつきましては、私どもといたしましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、大手数社、それから中小の若干の会社から原価計算をとりまして、詳細に検討して、適正であろうと認められる金額を算定したわけでございますが、それ以外の業者に関しましては、私ども国税庁から国税局に通達を出しまして、その国税局管内のしょうちゅう甲類生産者から値上げの申し出があった場合におきましては、国税庁において算定をした資料を参考にいたしまして、個々の企業からそれぞれ個別的に原価計算の提出を求めて、個別的に検討して、やむを得ないと認められる金額を示すようにということで指導して参っておるわけでございます。
○堀委員 そうすると、一つ国税庁がものさしをつくって下へおろして、今度は一応そのものさしではかってみる。そうすると、偶然にみな大体ものさしに合いました。それでみな三十円ずつ上げてきましたという偶然の一致なのですか。そうではなくて、統計的にあなたの方の算出した二十八円幾らというものが、しょうちゅう全体の標準価格に科学的に近い数値が出たというのか、偶然に一致したのか、いずれかの二つしかない。どちらでしょうか。
○谷川説明員 私どもが算定いたしましたしょうちゅう甲類の値上げやむを得なかろうという金額は二十八円弱でございますが、個々の企業について見ますと、それ以上の値上げを要望しておるものがあるわけでございまして、それ以下の値上がりしか認められないものについては、もちろんその二十八円以下のところで押えるべきでございますが、二十八円以上の値上がりが実際起こっておる企業につきましても、この際は二十八円程度で押えてもらいまして、それ以外の部分につきましては、企業経営の合理化によってこれを吸収せしめるよう強く個々の企業に対して行政指導をして参ったわけでございますので、率直に申し上げますならば、たまたま値上げをした企業については大体二十八円から三十円程度の値上げの要因があった、かように考えております。
○堀委員 どうも大へん非科学的な話で、たまたま偶然一致したということですが、お話の中に、バルクがあってこういうふうなあれがあるのだ。下の方もあったし、上の方もあった。上の方は合理化して押えるようにした、こういうお話ですから、それはやはり偶然じゃなくて、そのある一つの幅のあるものの平均値をあなたはおとりになったから、それで指導する気になったのだろうと私は思うのです。だからそのことはともかく、あなた方今基準価格なんか動かしたくないという気分があるものだから、そのことと、——いや、私は動かしたくないというなら、それはこういう理由ですと言ってもらった方がいいのだ。そういうことを避けるために、今のお話の標準的な原価は、あなたの言われた十二円八十八銭、これを足したものが標準的な原価だと思うのです。標準的原価でないのなら、公正取引委員会がやらなければならない問題になってくるのだ。だから公正取引委員会がひっかけるか、そうでなければこれは標準的な原価なのか、そのいずれかとして見なければほかに見ようがないということで少し詰めた議論をしておるわけですがね。だから私は卒直にいうと、この前酒団法の改正案の論議をずっと全部速記録を読みました。その中に流れておるものは、当時の不安というのは、基準価格より下に下がって乱売が起きるのではないかという不安の方だけが強くて、ばんばん上がるという予想はされていないのです。昭和三十四年当時の論議の中で見ると。そこで再販売価格などというものが強く論議の対象になっておるけれども、ふたをあけて見ると、社会党の議員はおおむね上がるだろう、消費者の立場に立っておるものだから上がるのではないかという心配をしておりますが、国税庁は下がる方の心配をしておった。事実は全然違った格好に出てきておるわけです。そこで私はあなたがさっき触れられたけれども、基準販売価格というものが、この法律が改正された時点における性格と、現時点における性格が、表現は一つであっても内容が少し変わってきておるというふうに私は理解しておるわけです。そうすると、この基準販売価格を動かすかどうかという問題は、やはりまた別の角度から見ていただかなければならないのではないか。 それと同時に、私はここでも私の意見を述べておきますが、基準販売価格は私は動かすべきである。それは皆さんが主税局と一緒にルールをつくって、サンプル調査でもいいし、小さいものは全数調査でもいいから、全数調査をときどきやって見て、これは間違いない、あなたのいうやむを得ない部分については——私鉄だってやむを得ない部分については上げるといっておるのです。われわれは反対であるけれども上げる、バスも上げる、東北電力でも上げる。これは原価が上がればやはりしょうがないのです。われわれ幾ら反対しても、そういうように上がらないような政策をしてもらいたいけれども、それは池田さんたちは上がる方の賛成で大いにやっておられるから仕方がないのですが、そうすると全体の政策の流れの方をとめずに置いて、末端の方だけでとめようと思えば、それは摩擦が起こるのはきまっております。当該業者はそれは摩擦の犠牲にならざるを得ないということになるわけですから、やはり私は全体の中で正確な原価計算がガラス張りの中で行なわれて、国民すべてがやむを得ない、国税庁の間税部長がやむを得ないと思われるだけではわれわれ納得しませんが、国民全体が見てこれは仕方ないというガラス張りの処理をしてもらうようになったら、私は基準価格を上げるべきだと思うのです。その方が公明正大に価格がはっきりする。ただ、しかし、そのことと基準価格を置きたいということについては、価格の自由化というものを目ざしておったにかかわらず、現実には価格の自由化ということは末端では全然行なわれていないということになるのならば、自由なる価格が形成されやすい条件というものを流通の中で考えなければならない。同時に今度のようなことがありますから、やはりその中については、上下にある程度の制限価格のようなものが、当分の間はいい措置とは思いませんけれども、流通の現状の段階としてはやむを得ざる措置として置かざるを得ないのではないか。それは各酒類の性格なり、要するに生産と流通のいろんな関係によって基準価格の上下の値幅については相違があっていいと思います。そういう何らかのルールをもうここで私は大蔵当局としては考える時期にきておるのではないか、こういうふうに考えるわけです。さっきから長官横にすわっておいでになるから、今申し上げた基本原則ですね、あなたと主税局長と、これは根本的に一ぺん事務当局としては検討してもらわなければならない段階だと思いますが、どうですか。
○木村説明員 先ほどから間税部長が御説明申し上げました通り、現在基準価格を、たとえば合成清酒なりしょうちゅうについて動かすということが、ほかに及ぼす影響を考えまして、できるだけこの合成清酒、しょうちゅうのように、最近販売数量が減ってきて、企業内でもって経費のやりくりのつかないもの、そういうものに局限をして、問題を広く他に波及させたくないという気持で基準価格に手を触れなかった。先ほど御指摘がございましたように、なるほど標準原価に近いものであるということは、これは事実であろうと思います。しかしながらそういう政策的な感触を含めまして、今回基準価格は動かさないで、単なる行政指導で処置をしたということでございます。しかし、将来の問題といたしましては、基準価格制度そのもの、あるいは上限、下限の幅を認めて、そして動かす一定のルールをつくるかどうかということにつきましては、主税局とも相談をいたしまして十分研究をいたしたいと思います。
○堀委員 今の政策的な意図ということはわかりました。 そこで、個々の基準価格を定める定め方が「酒類の標準的な原価及び適正な利潤を基礎として、」とあるわけですから、そこで原価計算をして出してみれば、人件費や原料費の値上がりと生産性の向上で相殺する分とは計算すれば出てくると思うのです。計算して出てきたところでものを考えるというのが科学的なのであって、計算をせずにおいて、何となく次から次に上がってきては困るではないかという行政のあり方というのは、私は非科学的だと思うのです。国民が納得するかしないかということは——たとえばおそらくビールだって値上げをしてもらいたいという考えはあるだろうと思う。それはあなた方の方で、ビールなんかは四社しかないんだから、詳しい原価計算をして、これはどうしても上げなければならぬというのが出ているにもかかわらず、上げないんだということになれば、私はそれなら東北電力であろうと、バスであろうと、私鉄であろうと上げるべきじゃないと思うのですよ。こっちは上げてやるけれども、これは上げてやっちゃいけないということではなくて、やはりガラス張りの原価計算の中で生産性を見、いろいろなものを計算した結果上げざるを得ないなら上げるし、上げる必要がなければ、こうなっているから上げませんと言えば、私はその政策的配慮なんて要らないと思うのです。行政というものは、やはり私はそういうふうに科学的にならないと、国民としてはいろいろな疑問を抱くし、業者自身にしたところで、やはりいろいろと疑問を抱くであろうと思うのです。それは納得できることをしないからであって、もっと前向きに勇気を持って、全部調べたらどうですか。実際には調べておられるだろうと思うけれども、最近の各酒類については原価計算は調べてあるのかないのか。
○谷川説明員 仰せの通り、原価計算をとりまして、常時検討を加えております。ただし、私どもの方も陣容の制約もございますので、それを取りまとめするに相当の時間を要するわけでございます。その間に、一方また物価その他の経費が上がって参るというような状況でございますので、私どもとしては業界から要望があるなしにかかわらず調べておるわけでございますが、集計の段階になりますと、たまたま業界方面の要望があったときにまあ締めくくりができるというような事情に相なっておるわけでございます。ビール等につきましても、個々の会社から資料をとりまして、兼業部門との関係もあわせ考えまして、現在のコストがどうなっているかということを今後とも調べる努力を続けたいと思います。ただ電力等と違いまして、ビールは相当近代化されておりますけれども、清酒にいたしましても蒸留酒にいたしましても合理化がまだ緒についたばかりといってもいいくらいでございますので、企業によってコストの差が非常にあることと、それから先生方の御指導によりましていろいろな金融関係その他いろいろ近代的経営への道に着々と歩を進めておるわけでございますけれども、現時点における各企業のコストと、近代化、合理化を進めた場合の——進めつつある企業が相当多いわけでありますが、それがある程度完成した場合のコストをどう組み合わせて考えるかということも総合的に考えたいと私ども考えております。今ここで基準価格をすぐしょうちゅう甲類について上げることに踏み切るには機が熟さなかったというのが実情でございます。
○堀委員 ですから私も済んだことについてはそう触れることもありませんけれども、これも最後にしてもらいたいと思うのです。基準価格を動かさないままで、勝手に、まさに独占禁止法に触れるようなやり方で、それもいろいろと細工をしたりごまかしを使いながら上げるようなことは、行政としてやはり筋が通っていないと思うのです。だから今後は一つ正攻法であなた方が試算をされた中でランクが出ると思うのです。一番今上げなければならぬもの、二番目、三番目、大したものでないということが出れば、一番上げなければならないものを集中的にやっていただいて、今言うように物価はどんどん動いているから、全部完全な姿でとらえることはできないと思うのですけれども、やはりどこかの時点で区切って集計をして、その間にタイム・ラグが出ますけれども、それは仕方がないと思います。きょうぱっとくくったらきょう全部出るというのは、電子計算機でやれば出るかもしれませんが、そんなようなわけにはいかないと思いますからタイム・ラグは仕方ない。しかしいろいろ計算をしておられる中で、ここまでの値幅になったらやむを得ないというところがあると思うのです。そのときは今のようなあり方ではなくてやはり基準価格を動かすというかまえをとってもらいたい。時期等についてはあなた方の作業の関係もありましょうから、そういうところまでは申しませんけれども、かまえとしては一つ精密な作業をして、万人の納得する価格に至るならば、それは基準価格として処理をして、上限、下限の幅を考えるというような基本的な問題を含めて、今後一つ検討を進めてもらいたいということを特に要望いたします。 その中で今度の値上げ幅の中で非常に残念だと思いますのは、しょうちゅうというものは特別に所得の少ない人、比較的肉体労働に従事しておる人たちがもっぱら飲んでおる酒類です。四十五円減税をしたのですが、四十五円なぜ減税したのかということは、この前いろいろな論議があったのですが、一応それは別に触れないにしても、四十五円せっかく減税したものが三十円値上げで取り戻されてしまった。その中には五円ばかりの卸売マージンと十二円何がしの小売マージンが入っておる。しかし製造業者の場合は、特にしょうちゅうだけをつくっておれば仕方がないでしょうけれども、卸売業者も小売業者もしょうちゅうの占める取り扱い量の中のシェアなんというものはごくわずかなものになっておると思うのです。現状では地域的には大きいところもあるでしょうけれども、全体として平均してみれば割に小さいもので、しょうちゅうでどうしてもこれだけのマージンをとらなければならないという根拠は一体どこにあったのか。卸売マージンをしょうちゅうの場合に五円近く上げなければならないという根拠——しょうちゅうというものは低所得が飲んでおるからここはもうちょっと押えてもらいたい。将来何か上げる場合はその分はこっちで見ましょうというような政策的配慮があったっていいのではないかという感じがするのですが、卸、小売マージンについてどうしてこんなことになったのか、この点についてちょっと伺いたいと思います。
○谷川説明員 卸、小売のマージンにつきましては、卸売業者及び小売業者の人件費の値上がり要素、また運賃、これは運賃単価が上がったばかりではなしに、交通事情が悪化したために配達、運搬する場合におきまして配達の回数あるいは時間がよけいかかるというようなことからいたしまして、運賃全体が相当上がっておるという事情があったわけでございますが、なお今御指摘のように私どもは小売業界あるいは卸売業界に対しまして先生おっしゃるようなこともたびたび申しまして、低所得層が飲む酒でございますから、何とかがまんして販売できないかということも申したわけでございます。しかし先ほど来御説明申し上げておりますように、しょうちゅうにつきましては去年よりもことしと販売の数量が年々減って参っておるわけでございます。これは一つには嗜好の変化、また一つは個々の消費者の所得がふえたことにより上位の酒を飲むということになったことも原因していると思いますが、いずれにいたしましてもしょうちゅう小売の販売数量がだいぶ減って参っておるという点につきまして、今後しょうちゅう甲類を飲みたい消費者に対するサービスをできるだけよくするということが必要と考えられるわけでございます。この点につきまして卸業界、小売業界にも私ども行政指導で十分お話し合いを申し上げたわけでございますが、また生産者の立場からいたしましても何とか消費をふやしていくことについていろいろ検討したわけでございます。 そこで、清酒二級と合成酒あるいはしょうちゅう甲類が代替性があるかどうかという点につきましては問題があるところであろうと思いますけれども、現実の問題としまして清酒の二級のマージンに比べましてしょうちゅう甲類の卸、小売のマージンは相当低くなっておるということが事実でございますので、小売業界としては、できるだけサービスに努めるとはいいながら、商売人の人情としてマージンが少ないものに対する販売促進ということについてはとかく怠りがちになるのではなかろうかということもございまして、それらのこともあわせ考えて、今後しょうちゅう甲類がほんとうにそれを必要とする消費者に対して十分に供給ができるような配慮をもちまして、先ほど申し上げましたような値上げもやむを得ないと考えたわけでございます。
○堀委員 事情はわからないわけでもありませんけれども、値段が高くなって売れますかね。ほかのものはあなた方が今政策的に押えていますが、しょうちゅうと合成酒だけ上げて売れるでしょうか、見通しとしてどうでしょうね。値段が高くなったら、そんなに高いぐらいなら次はいっそのこともう清酒を飲めとか、ほかにまた変わりはしないかという気が私するのですが、その点はどうお考えになりますか。
○谷川説明員 御指摘のように今後の売れ行きにつきましてはいろいろ問題があろうと思いますが、私ども、業界の方々、すなわち生産者あるいは卸、小売の三層の業界の方々からいろいろ事情を聞き、また国税局、税務署を通しまして各地の様子を聞いたところによりますと、当初は、御指摘のように値上げをしたならば、ことに農村地帯におきましては売れ行きが減るのではなかろうかという心配もあったわけでございますが、その後いろいろ調べましたところ、現在のところでは値上げをしたことによって売れ行きが落ちたということもございませんし、また今回の値上げによりまして卸業界、小売業界両方がしょうちゅう、合成酒の販売について、今まで以上の熱意を持ってきたという情勢でございますので、今後は努力いかんによっては相当販売が伸び、また消費者の需要にこたえることができるものと考えております。
○堀委員 値段が上がって消費が伸びるというのは資本主義経済の原則ではありませんね。値段が上がったら消費が減るというのが資本主義的な原則だと思うのです。だから値段が上がって消費がふえるというものなら、別に小売屋さんにいやみを言うわけではないけれども、これは手控えていたやつがちょっとマージンがふえたから、まあやってやろうということになる。そうするとそういうものの流通と価格というのは、そういう末端の人たちのマージンその他によって、相当恣意的に消費が動き得る条件というものが出てくるというふうに理解をせざるを得ないことになるように思うのです。原則的に資本主義的原則でないことが起こるわけですからね。何らか他の要素がそこに介入してこなければならないと思うのですが、その他の要素は一体どういうものだと理解されますか。
○谷川説明員 今御指摘のようなことがあってはならないわけでございまして、小売業界あるいは卸業界におきままして、いかなる酒であっても消費者の需要に十分に合うように販売を行なわなければならないわけでございます。この問題につきましては、小売業界あるいは卸業界の幹部の方はその点についても非常に心配しまして、今後卸、小売の業界全体を指導する場合におきまして、しょうちゅう甲類を希望する者に対してサービスに欠けるところがあってはいけないという方向におきまして、販売上遺憾のないように、業界全体として十分に励んでもらいたい、そういう行政指導を私どもやっておりますが、なお販売免許場数——小売店が少ないのではないかという問題もあるわけでございますが、この問題につきましても消費者の需要に対しまして十分にサービスができますよう、個々地域々々に応じて合理的な販売場が設置されますように、私ども免許の方針等につきまして十分に検討してやって参りたいと思います。
○堀委員 今流通の話が出ましたが、農林省がおいでになっていて、あまり長くお待ちいただくのもどうかと思いますので、流通の問題はあとに回しまして、今のしょうちゅう及び合成酒の値上げ問題は一応ここで打ち切りまして、次に昭和三十七酒造年度の酒造原料米政府売り渡し価格の問題について少しお伺いをいたしたいと思います。 食糧庁にお伺いをいたしますけれども、三十六BYの価格決定の経緯をちょっと簡単に承りたいと思います。
○大澤説明員 三十六年の酒米の価格決定ですか。それは従来酒米の価格をきめます場合に、単にコストというようなことでなくて、相手方の負担能力というようなものを考えて、比較的高目にきめられていたというようなことがございます。そういう点について、ここ数年いろいろ御議論があって、その結果、昨年はたしか運賃だったと思います。コストに近いものを計算するというようなことで、必ずしもコストでないということですが、コストに近いようなものを計算して、酒米の価格を決定しているというようないきさつになっておると思います。
○堀委員 少し技術的な問題になりますから、長官でなくてお答えいただいてもけっこうでありますけれども、ちょっとお伺いをいたしたいのは、昨年の食糧庁の当初案としまして、実は時期別格差については三十六年産米政府買い入れ価格の一等から四等の平均の二百五十五円をそのまま食糧庁当初案としておつくりになって、主計局と御協議になったように資料では見受けておるわけでありますが、そこのところは事実関係はどうだったのでしょうか。
○松元説明員 途中の過程の案でございますが、当時一つの考え方といたしまして、コストというものをとらえます場合に、食糧庁ではいろいろなものを扱っているわけでございます。そこで物ごとにそれを区分することもいろいろ問題もございますし、かたがた当初時期別格差につきましては、たしか最初は第一期に相当する八百円というものをその以前の段階におきましてはきめております。それにつきまして、幾ら酒米が早く売るからといって、第一期のものだけではどうかという御批判もございまして、たしか三十五年ではそれを六百円と二百円下げた、こういった経緯もあったわけであります。そこで当初は先ほど長官が申しました通り、いわば食糧庁はいろんな全体のコストを扱っているという問題と、それと同時に相手方の負担能力ということも考えました関係で、時期別格差につきましては、第一期というような一番高いものをつけたということがあったのですが、それについての御批判もあった関係上、そこで全体として見れば、平均的なコストで考えたらいかがかというような考え方をとりまして、そこで時期別格差もたしか平均を一つの手がかりにしたというように記憶しております。
○堀委員 そうだろうと思います。そこで、しかし結果としては、一等米については四百円という時期別格差が決定をいたしました。そこであなた方の方は、一体この四百円というのは、どういう性格のものとして決定をされたのか、それをお伺いいたします。
○松元説明員 そこで四百円というものでございますが、これは直接的に酒米に充当されます原料米の買い入れ時期を個別に把握したものではございません。これは個別には把握しがたいわけでございます。ただ酒米と申しますのは、一般的に早く売るものもあるわけであります。たとえば早期に十月当初に売るものもございます。そこでそういった事情も考慮し、かたがた売り方についても、その他のものも早く出る面もございますので、そこで一般的に早く売る関係上、早く買ったものを充当するというふうに見るのが筋であろう。しかし物ごとにそれは追及はできない。そこで一番当初は、第一期ということをもっていって、そこで酒米の数量と買い入れ時期とを見合わせますと、物理的にはすべて第一期のものを充てることは不可能ではございませんが、それは誤りではなかろうかと思って二百円下げたので、そこで三十四年から五年は二百円下げた。そうしますと、三十五年六百円で二百円下げるということは、平均もたしか当時二百五十何円でありますから、平均ともそう大きな隔たりはない。そこで従来二百円ずつ下げた経緯もあるというようなことで、四百円ときめたと記憶いたしております。
○堀委員 そうするとこの四百円というのは、特に根拠がないわけですね。
○松元説明員 計数的において根拠とおっしゃれば、そういう根拠はございません。
○堀委員 大体この価格のいろいろな資料を見ておりますと、おおむね何らか根拠のあるものが全部並んでおるわけですね。そうするとここだけが根拠がなくて、何となく四百円がよさそうだということになったわけでしょうか。
○松元説明員 今私根拠と申しましたが、確かに個別に酒米に充当される原料の買い入れ時期をとらえたものでない、そういう意味では確かに計数的根拠はないわけでございます。そういう意味からいたしますと、何となくというお言葉でございますが、一つには売り渡し時期の早いということと見合わせますと、少なくとも当初の第一期分は九月中に買ったものを充当するという推定はほぼ立つであろう。問題はそれ以外のものであろう。それ以外のものにつきましても、これはあるいは一期のものもあるかもしれぬ、二期のものもあるかもしれぬ。しかしそこはわからないということで、たとえばそこにつきましては、今度は逆に一番コストの低いものという観点で時期別格差をゼロというふうに仮定いたしますと、両者を勘案すると四百円に近い数字になる、そういったことも一つの手がかりではございます。
○堀委員 そうすると、どういう形でもいいのです。ただ行政というものは、さっきから申し上げておるように、近代社会においては科学的でなければならぬということが私の強く希望しておることなんです。だから科学的であるということは、では現実に今の非常にむずかしい酒米のとり方の中で、現実と同じにならなければならぬということはないと思うのですよ。それは一番望ましいですけれども、非常に困難な作業ですから……。そうすると今おっしゃるように八百円があってゼロがある、だから半分は一期でとったんだ、あとの半分は十一月以降でとったんだということで見れば、これは四百円になりますね。これも一つの方法だと思うのですよ。それはやはりものの考え方としては科学的だと思うのです。何となく去年が六百円でことしは二百円がよかろうということには、行政としますと私はならぬだろうと思うのです。そこであなた方の考えとしては、今おっしゃる八百円とゼロでも四百円になりますね。ほかにいろいろ四百円になるあり方というものは、四期あるわけですからあるだろうと思いますけれども、それはあなた方としてはどういう理解をされたのか。つまり八百円とゼロならそれでもいいのですが、大体どういう理解の仕方だったかをもうちょっと詰めてもらいたいと思います。
○松元説明員 ただいま私が申しましたのは、一つの手がかりとして、片や八百円、片やゼロということを申し上げたわけでございますが、しからばそれで今後酒米の時期別格差をきめるというふうにルールとしてきめたわけでは必ずしもございません。これはどうしても一種の想定計算になるものでございますから、たとえば別の計算方法をやって、そこからも四百円というものが出たということも記憶いたしております。そこで問題は、これは想定でございますから、しからばこういう見方が最後まで正しいかということになりますと、これは必ずしもそうは参らないで、逆の見方も私は成立し得ると思います。片や八百円、片やゼロと申し上げましたが、逆にゼロの方につきましては、あるいは一期は別としまして、二期、三期、四期というものに充当し得るということになりますので、そこのところを今後恒久的なルールとして特定し得るかどうかは、若干疑問には思っております。
○堀委員 そこで私は、やはり何かルールをつくるべきだと思うのです。私は、この酒米の価格をやりますのは、もう三年目です。それは何を言っているかといったら、ルールをきちんとしてもらいたいということだけを言っておるわけなんです。安くしろということは、私は、一回も実際言ったことがないのです。ところが毎年々々、やるたびにルールがくずれるわけです。率直に言いますと、前年のルールとことしのルールとまた違うのです。ルールというのは、しょっちゅう動かしたのではゲームできないのですから、ルールは一つきちんとしたものを一ぺん考えてもらいたいということが、私の一番大きな希望なんです。この酒米問題について。 そこで、今いろいろお話があったのですが、昨年の四百円というのは、そうすると、いろいろな考えは聞いたけれども、結論としては何となく四百円ということになりませんか、今のお話の程度では。
○大澤説明員 まあいろいろ今企画課長から御説明申し上げましたが、酒米の価格のきめ方、先ほど私申し上げましたように、従来は相手方の負担能力というようなことを考えまして、かなり高いいわばコスト以上の価格をふりかけるというようなことがあったわけです。それはおそらく経済事情、需給関係というようなことが価格に反映しておったんだと思いますけれども、そういうことが徐々に変わってきた。従いまして昨年、一昨年来のような経過を通ってこのようなきめ方になったのだと思います。そういう意味で必ずしもルールは確立してないと思います。あるいは考え方としては食糧管理全体の米を扱っているのと同じようなコストで計算するというようなことも一つの考え方になりましょうし、ルールを確立するということは必要だと思いますけれども、まあいわば過去のいろんないきさつがあって、部分的に多少改善あるいは変更がなされておるというようなこともありますし、私どもとしてはルールを確立したいと思いますけれども、なかなか一挙に参りません。時期別格差のふりかけの問題にいたしましても、考え方としては八百円全部あるいは二期の四百円もということで、もっと六百円というような考え方もあり得ると思います。いろいろないきさつを通してそういうことになったのだと思いますので、ルールを確立せよというお話、その通りだと思いますが、なかなか一挙には参らないと思います。
○堀委員 おっしゃるように、一挙にいかなくて三年がかりできたわけですね。もうそろそろ、しかし三年もたっていれば終点にきていいんじゃないかという感じが実は私はいたしておりますし、もう六百円、四百円時期別格差があって、四百円を二百五十円にしなさいとは言わないですから、四百円は四百円としてもよろしい、しかし四百円とは何ぞやということだけははっきりしてもらいたいということは、これは私本年度は国税庁もそうですか、食糧庁としてはこの点一つはっきりしてもらいたいと思うのです。それで私は終わりだと思うのです。率直に言うと。この四百円が何かということがきまれば、時期別格差というものの性格から当然これに付帯して起こるところの倉敷料と金利の問題というのは、これは表裏一体の関係にルールとしてはならなければならないものですね。ところが時期別格差は四百円にしたけれども、倉敷と金利は、これは全然触れないんだというのはロジックが私は合わないと思うのです。それが、近代的な行政としては非科学的でないかということを私は言いたいわけでありますから、今年度は、これ以上昨年のことはもう申し上げませんが、それは今度は四百円をまた主計局が六百円だ、八百円だと言うかもしれません、言うかもしれませんが、私はそんなことはあり得ないと思うし、そんなことが出れば、またもう一ぺんここでやらなければならないだけで、時間の浪費だと思うので、主計局長にきょうちょっと言っておきました。あまり筋が通らないことはやめてくれと言っておきましたのですが、何とかことしはここで一つルールを確立してもらえば終わりですから、あとは私の考えではもうそれ以上の複雑な処理をしてもらいたいという意向はないので、何とか一つ時間別格差が四百円というのは何かということを基準に一つルールを立てていただきたい。これでもう私はこの問題は終わりになると思います。 ちょっと私、この間いろいろ話を聞いている中で、一つ不思議なことを聞きましたのは、お菓子屋さんだとかいろんなところに米が工業用に払い下げがされておるようですね。そういうその他に払い下げをされておる工業用米の価格というものは、この酒造米の原価がそのままいっておるように聞いたのですが、これは事実に相違があるかないかちょっと聞いておきたいと思います。
○大澤説明員 価格はそういうことでございます。
○堀委員 これは私またちょっと今の科学的な価格決定のメカニズムとしてはわからなくなるのですね。これはいろいろな計算がされておるのは、私大体酒米を中心として計算ができていると思うのですね。そうすると、酒米のとり方とかいろいろなものとほかの工業米というものが同じようにとっているのかどうかという点が私はやはりものが違うので違うのじゃないだろうか。だからそれを私は安くしろとか、高くしろとかそんなことを言うのじゃないのですよ。やはり何か工業用原料米を払い下げるについてはそれに見合う何らかの内容を持ったルールをやはり一つつくられて、こういうルールで一つあなた方の方で工業用原料米は払い下げますということにならないと、たしか米の価格というのはそのときの何か条件によってきめるとかなんとかという項目がありますね、それだけであって、ほかの方はきめてないのですね。本来酒米の価格というものは食糧管理法で予想しなかったものだと思っておりますから、そこのところ工業用原料米の払い下げ価格というものは、行政に筋を通すとすれば、別建で考えてみる必要があるのじゃないかと思うのです。
○松元説明員 若干補足して御答弁申し上げますが、当初は米の売り渡し価格をきめます場合に、大づかみに二つに分けまして、主食甲といわゆるその他の原材料に分けたわけでございます。その場合に原材料の一番数量的に見ましても代表的なものは酒米であった関係上、酒米価格をまずきめまして、それと同額というふうに決定をして参ったわけでございます。当時は御承知の通り今申しました酒米の価格決定についても必ずしもルールが確立をしておらなかったわけでございます。そこできまりました価格を便宜上同額というふうに置いたわけでございます。ところがここ一、二年来ただいま先生も御指摘になった通り、いわば酒米についてのルールということが非常に厳密に追及されるようになって参りますと、たとえばその中に特に酒米についての特殊性ということに注目いたしてコストをとらえようということになりますと、今後はそれをそのままその他の工業用に持って参るわけには参らないだろう、そういうふうに考えております。そこで、いわば酒米価格のきめ方いかんとの関連によりまして、今後はその他の価格は変えてきめなければならないようになるかと目下考えております。
○堀委員 時間的には、それは皆さん今後御検討になって急にはいかないと思いますが、やはり先ほど伺ったときに、ロジックの問題としては、何かひっかかるものがありますので、そういう点は検討していただきたいと思います。それからそれで大体原則的なことは御了承いただきましたから、あとちょっと二、三関連のある問題でありますが、本年度のもち米の生産数量なんか少し減っているというふうに聞いておりますが、その結果として何か酒造用にはほとんどもち米が回らないのではないかというようなことをちょっと聞きました。何だかかきもち屋さんの方にほとんど行っちまう。原料米に割り当てられるもち米はいくのじゃないかということを聞いたわけでありますが、この点は事実はどういうふうになりそうなのですか、ちょっと承っておきたい。
○大澤説明員 もち米の生産は、ことしは私はっきりした数字を覚えておりませんが、多少減っていると思います。元来もち米というのは、これは農家の自家保有が非常に多い。そこでいろいろ手を尽くしまして、かきもちの需要もございますし、自家保有に相当余裕がありますので、そういうものまでも一つ出してもらうということで、農業団体、集荷団体等もいろいろ力を入れております。そういうことで、まだ酒米にどれだけということはきめておりませんけれども、お差しつかえのないような割当ができるのじゃないかと思っておりますが、今後まだ検討しなければならないと思っております。
○堀委員 私もそんなにこまかいことはわかりませんが、何か酒類の生産者は、もち米がやはり甘味をつける等のために必要だということを申しておりますので、その点については国税庁が事情がよくおわかりでしょうから、やはりかきもちも必要ですけれども、片や酒税を担保する重要な資源ですから、その点は国税庁としても一つ配慮をしていただきたいと思います。 それからこの問題の中で、私いろいろな話をしておりますうちに、いろいろな問題があるものだなと思って気がつきましたのは、時期別格差で早く米をとる場合に、各府県の農業協同組合とかあるいは経済連ですか、いろいろなところが倉庫を持っておられて、そこで引き取るときに、早いのを引き取ろうとすると、早くとられるとあと倉があいてしまって、倉敷料がとれなくなるから、少し倉敷料をおいていけ、ちょうど端境で十三日に入って十六日にとるということになっておれば二期分がとれるけれども、実際には一期分しかとれないということになると、六十円おけとかあるいは百円おけとかいうことが現実に地方で行なわれておるようです。食糧庁ではそんなものは払う必要はない、こう言われるけれども、払わないと倉から出してくれない、引き取れない、こういう事実があるようです。これはちょっと私どうかと思うのです。正規な倉敷料が国から払われておるわけでしょうから、それ以外に早くとるのなら今度は別にそういう業者から金をとるということは私はいかがかと思います。その府県等の名前もわかっておりますけれども特に申し上げませんが、一つこれは国税庁におきまして全国的に調査をしていただいて、倉敷料の費用は国がお払いになることであって、個々の業者が払ってもいないのに、あと何期分かを払っていかなければ米を出さないというようなことは、これはちょっと穏当でないと思いますので、その点については一つ御調査を願って、そういうことのないような御配慮をいただきたいと思います。 食糧庁の方はこれでけっこうでございます。今申し上げた原則をできるだけすみやかに確立をしていただきたいと思います。 次に、さっき話が出ました酒類流通の関係の問題でございます。お手元に資料をつくって少しお配りしてみました。私なりに資料にしてみたわけでございますけれども、「酒類小売業者一販売場当販売数量」「酒類小売業者一販売場当二十才以上人口(都道府県別)」という資料を皆さんのお手元にお配りをしましたが、まず販売場数でありますけれども、この販売場数は国税庁の資料のようでありますが、中には臨時のものとかいろいろなものが総合的に販売場数に出ておるようでありまして、小売の数とは必ずしも一致をしないようであります。そこで、これをごらんいただきますと、一販売場当たりの販売数量というのが、鹿児島県が最底で九キロリットル、最高が東京で四二・八八キロリットルと、こうなっておりますが、この販売場数ということでなくて小売業者数というので見ますと、東京の場合は販売数量としましてはさらに多くなりまして、これは小売の業者数が六千七十二人になっておりますから、一小売業者当たりは六十五キロリットルになっております。価格としては千五百七十六万一千円というのが一場当たりの価格で、鹿児島の場合は一〇・二キロリットルで小売価格は二百四十七万一千円、こういうふうな上から下までの格差が小売業者数の場合には出ておりますが、それはとり方ですから、こちらの方だけで見てみますと、ごらんいただけばわかりますように、販売数量として下の方に集中的に非常にふえておりまして、神奈川県、大阪、東京というのは、広島県とかその他の中位のものの約二倍半ぐらいの売上数量になっております。 それから人口比の方を二枚目で見ていただきますと、やはり鹿児島が最低で一販売場当たり二百九十七人となっております。これは二十才以上人口でありますが、東京の場合には六百六十七人で、このことは、やはり最近の人口移動が都市に集中をしておりますから、東京、大阪、神奈川等では、人口の関係で見ても、いずれも六百人をこえておりますし、それから販売数量の面で見ましても、三四キロリットル、三四・八七キロリットル、東京が四二・八八キロリットルで、非常に高い状態を示しております。 流通の問題というのは、私はこの酒類の問題を取り上げまして最初から何とか少しでも価格というものが自由な競争の中で成り立つようなふうにあるべきではないかという考えのもとに、酒類、特に清酒については生産の自由化ということを強く要望して参りまして、おおむね私の希望いたしておりました線に参りつつあるわけでありますが、生産の方が自由化をしてきて、いろいろとそこで競争が起きても、実際に私ども消費者が小売店で買いますときには、何らそういう中における自由化による価格の差異というものは、消費者のところへは届いていないというのが現実の姿であります。これはもちろんまるまる消費者のところに届くというようなことはなかなか困難な現状だと思いますけれども、やはり多少のそういう差というものが消費者段階で起きない限りは、ものの選別をするという手段がないわけですから、価格という問題については、やはり小売段階における一方的な判断で価格がきまってくるということが起きやすく、それは片面では免許ということで販売場数が制限をされておる形では、なかなかこの問題の解決はむずかしいのではないかと思う。そこで、前の上田間税部長のときから、流通段階においても少し自由化を考えていただきたいということを申し上げて参りました。国税庁でもいろいろ御検討をいただいて、通達等を出して現在指導されておるようでありますけれども、やはり私は、これらの資料を見ても、少なくとも東京、大阪、神奈川等については。もう少し合理的な処理がされないことには、これは少し問題が行き過ぎではないだろうかというふうな感じがいたします。そこで合理的にアンバランスを是正するということについてはいろいろお考えがあろうと思いますが、基本的には大体どういう考えで今後進めていかれるのか、お答えいただきたい。
○谷川説明員 今先生の御指摘の点はきわめてごもっともなことでございまして、私どももそういう線に沿いまして酒の流通機構の合理化を進めて参りたいと考えております。ことしに入りましてからでも、六月に各国税局、税務署に通達を出しまして、免許の更新について従来とかく免許しないという感覚で処理をして参りましたきらいがございまするので、御指摘のように消費のあり方が年々変わって参っておりますので、たとえば団地ができた場合に近所に酒の小売屋がないということでは、消費者にはなはだ相済まないわけでございますので、人口動態を十分に検討しながら適正な卸、小売の配置が可能なように、免許をする基準等につきまして従来不合理であった面をできる限り合理的にしていくということで、ことしの六月第一回の通達を出したわけでございますが、さらに目下検討を進めておりますので、できるだけ早くさらにそれを促進する意味における免許の合理化をする場合の心がまえ、また具体的な処理の基準等を明らかに規定して参りたいと考えております。 ただいまお示しの数字に関連いたしまして、私どもといたしましてもこういった点について検討を加えているわけでございますが、問題は酒の卸、小売の全体の適正配置というものがほかの消費財、たとえば薬屋とか食料品等に比べればなかなかむずかしい問題があると私は思うわけでございます。と申しますのは、全国的に見ましても、全酒類のうちで半分近くのものが飲食店あるいはホテルあるいはまた社用消費というふうに考えられますし、特に大都市におきましてはその傾向がさらに著しいわけでございまするので、鹿児島の一小売店当たりの販売数量と、それから大都会における一小売店の販売数量を比較いたします場合におきましては、どういう人が消費しているかということについても十分具体的に実証的に検討を加えて、そしてその結果消費者にも十分な満足を得られるし、また小売店なり卸が適正な合理的な経営をして参って共存共栄が可能になるように、乱立をして共倒れにならないようにという配慮もまた同時に必要であろうと思うわけでございます。ただ何と申しましても消費者に対するサービスという点が一番重要な点でございますので、消費人口の動きにつれて小売店なり卸の免許もそれに適合させるという考え方のもとに個別的にいろいろな物事を検討して参りたいと思うわけでございます。また小売店一店当たりが受け持つ人口の問題でございますが、これにつきましても小売店が受け持つ人口と同時に地域の問題があるわけでございまして、人口密集地帯におきましては、ほかの人口が非常に少ない地域における小売店の受け持つ人口と同じでいいのかどうか、消費者に対するサービスの面から考えましても、また小売店の適正経営規模という点から考えましても、地域の問題もあわせて考える必要があろうと考えるわけでございます。そのようにいたしましていろいろ酒屋の問題について複雑な要素がございますが、私どもは過去の因縁とか過去のいろいろな物事にとらわれないで、消費者に対して完全なサービスをすると同時に、酒屋さんにおきましても合理的な経営をやっていって、そうして消費税の転嫁が完全に果たされるようにということで、今後の免許の更新その他できるだけ合理化を進めて参りたいと考えております。
○堀委員 いろいろと御検討になることだと思います。私もこの資料を出していきなり東京を鹿児島並みにしろとは申しません。ただ実態はこうである、非常に差があるし、モードになっておるのはまん中ごろに大体相当幅の広いものがありまして両わきというものが非常に落ちておるわけですから、そういう点では、やはりこういうことも一つの目安としては役に立つのではないか。だからといって数だけをふやせばいいという問題ではありませんから、その点は今おっしゃる通りだと思います。 そこで、今の流通の合理化を進めていく中で、やはり私は前向きの問題の処理をしてもらいたいと思いますのは、今おっしゃるようにいろいろと酒類というものの中には、過去における歴史的な経緯があってなかなかむずかしい問題が私たくさんあると思うのです。ただ私はこの前生産についても勇気をふるって自由化を進めてもらいたいと当時の原さんにお願いをしたわけですが、これは木村長官も原さんにかわって今度なられて、こういう行政については前向きで一つある程度勇気をもってやっていただかないと、なかなか問題が解決しないと私は思う。いろいろな入り組んだ過去の経緯、そしていろいろな事情がありますから、それを一々参酌していては前向きには進まない、勇気をふるって前向きにやっていただきたいけれども、それによってやはりある程度の摩擦が起きますから、その摩擦は摩擦として別途に考慮をしてもらいたい。初めから摩擦ばかりを考慮すれば合理化できないと私は思うのです。 そこでその摩擦の問題について二、三の例をあげて一つ今後御検討いただきたいと思うのですが、この流通段階の中で、これは最近あったことだとちょっと伺ったのですが、あるメーカーがある地域へ持っていっていきなり直売を大量にやるというようなことが、起きそうになったのか起きたのか知りませんが、起きそうになった。行なわれたところはどうも別府らしいのですが、そういうことがあったというようなことを聞きます。それはなるほど今自由化をやってメーカーが苦しいものですから、そこで一つ何とかそういうことで販路を開きたいという、これは私、気持として非常にわかりますけれども、やはりそういう地元で多少直売をするというのは小さいメーカーの方なら私、当然だと思いますが、船に積んでよそまで行って直売をするのだということになれば、これはやはり流通機構を混乱させますから、そういうような生産者の直売という問題は、少しきちんとするところはきちんとしていかないと、小売の人にしてみれば、そういうところはほったらかして小売だけを合理化してくるのかということになると思いますので、直売問題というものを一つ根本的に一ぺん検討していただきたい。それは今の生産者自由化との関係で、そういうふうにしなければ成り立たない地域的な条件としてあることを私は認めるわけですから、直売をさせるなというのではないのです。直売をしなければならない地域はある、しかしその地域で直売をすることは、今の私どもが考えておるそういう地域の流通の問題とは別個の問題として考えられるんだということでございます。それが一つですね。それからこの流通問題を考える場合に、これはさっきに戻るのですが、やはり基準価格の問題が私不可分だと思うのです。やはりある程度のマージンが小売の人たちにもある程度確保をされていくということですね。しかしそのマージンはガラス張りにしてもらいたい。現在のような各種の値引き等によって、あたかも不労所得的マージンが入るのは困りますから、それについてはさっき私が触れましたように、ある程度安く入ったものは安く売るという指導もしていただかなければなりませんが、しかしそうだからといって、マージンも合理化の中ではある程度はやはり配慮をしなければ、これは合理化に対する抵抗になると思いますので、その点やはりマージンの問題等については、さっき申し上げた基準価格等の問題の中でガラス張りで一つ検討をしていただいて、その中で合理化を進めていただきたい。 その最後は金融の問題だと思うのです。やはり競争が激しくなってくれば、勢い金融というものがある程度配慮をされないと、これはわれわれつぶれてもいいのかということになり得るのではないかと思うのです。ですから、合理化は合理化で進めて、その間に起こる摩擦としての金融の問題については、やはり銀行局その他とよく相談をされて、少なくとも無理のない形でそういう合理化を進めて、摩擦面を何らか補完をしていく処置を金融の面でも一つ配慮をしていただきたい。聞くところによりますと、何か業者の人たちが金を借りるのに、個人保証にしろと言われて、個人保証で役員が連帯をして金を借りたら、何かそのあれが全部個人にかぶってきたというようなことがあるというようなお話を聞きました。これでは役員の人たちも、役員といっても何も好きでやっているというよりも、みなのために犠牲を払ってやっておられる人が、さらにその上に個人的な犠牲をかぶるようなことはいかがかと思いますから、そういう面については何らかやはり金融の処置というものを考えていただきたい。一足飛びに酒類金融公庫というようなところまではいかないと思いますが、しかし、必要に応じた範囲で各生販三層の金融問題については少し積極的に一つ配慮をしていただいて、銀行局等とも協議をしていただく、そういうふうな背景をつくりながら、勇気を持って一つ合理化は進めていただきたい。それが私は現在の酒類行政の中における消費者の利益を守る正しい方向ではないかというふうに考えますので、以上流通についてはそういう希望を申し述べて、一つ今後の御検討をお願いいたします。 最後に、三十七酒造年度の清酒の生産方針はまだおきめになっていないと思いますけれども、大体のものの考え方について、プリンシプルでもけっこうですから伺いたい。
○谷川説明員 三十七酒造年度の清酒に限って御説明申し上げます。 まず三十七酒造年度におきまして、清酒の生産量をどの程度に見積もり、それに応じた原料米を割当するかという問題でございます。この問題につきましては、四月以降の清酒消費の前年度に対する伸びの割合を第一に検討し、次に来年度におきまする国民経済の見通しの中における国民消費支出金の金額がことしに比べてどの程度ふえるか、この点につきましては経済企画庁において目下検討を進めておりますので、その検討の途中におきましても大体の数字を聞きまして、先ほどの最近の清酒の消費の伸びと、来年度の国民経済全体の中における個人消費支出金の伸びの割合等を勘案いたしまして、さらにことしは清酒が企業によりましてはだいぶ在庫がはけないで困っているという地域あるいは個々の企業もございますので、清酒業者全体の最近の在庫の量、今後の販売の見通し等につきましても細心の注意を払いまして、来年度の清酒に対する需要をできる限り合理的に算定いたしまして、その需要に見合った生産の量をきめ、それに応じた米の割当をして参りたい、こう考えております。 次に、清酒につきましては毎年製造方法について各企業から税務署長に承認の申請が出るわけでございますが、この問題につきましては清酒業界と過去数カ月いろいろ相談をしたわけでございますが、今後さらに検討を加えるべき問題等もございますので、とりあえず三十七酒造年度につきましては昨年度と同じやり方で製造してもらうよう、そういう申請があった場合に承認をするということにしております。従いまして、来年度におきましてはできるだけいい質の酒が適正な量つくられて、それができるだけ安く消費者の手元に渡るように、こういう方針のもとにすべての計画を進めて参りたいと思っております。
○堀委員 抽象的には今の話の通りだろうと思うのですが、実はこの前ちょっと見せていただいた資料で見ますと、ごく近いものではありませんけれども、三十六BYの後半期の状態を少し見せていただいておると、かなりこの消費に格差がありますね。各国税局段階で見ても、前年比で、これは三十五年と三十六年のFYの十月−三月の比較になっておるようでありますが、一番伸びておるのは関東信越局で一六・四%というのが最高の伸びであって、伸びていないのは広島国税局が六・六%、熊本が七・九%、福岡が八・七%、高松が九・四%、ですから各国税局管内における消費の伸び方というものはきわめて不均等な状態である。こういう不均等な状態にあるならば、生産者としても消費が伸びないのに生産をするわけにいかないと思いますから、おそらくこれらの九州、四国、中国地域では、もうあまり量をふやしてもらいたくないという意見が出てくるのではないか、当然だと思います。それからまたよく伸びておる地域、大阪局なんかもよく伸びておる方です。北海道も比較的伸びておりますが、そういう地域はやはりもっとつくらしてもらいたい、こういうことになるだろうと思います。ですから、そういう地域的ないろいろなアンバランスの問題がようやく自由化の中で大きな問題になろうとしてきておるわけでありますけれども、そこで私はアローアンスの処理の仕方等で、なるべくそういうものの実態に沿うよりに——アローアンスの制度もだいぶ前から同じようなルールでずっときていると思いますが、あれはスタートのときの条件と現在の条件が客観的な条件の中でだいぶ違ってきていると思います。自由化をここまで進めてきた中では条件が変わっておりますから、アローアンス等についても少し工夫が要る段階にきておるのではないか。それから基準が三百五十万石という形になっておりますが、そういう問題等をも含めて、一回ちょっとアローアンス等の問題を過去の経緯にとらわれることなく、現在点における配分として最も合理的なものはどういうものになるかという検討をやっていただく必要がそろそろあるのではないか、こういう感じがいたします。そこらは皆さん方の方でさらに近い資料をもとにされて現状を把握される中で、やはり自由化を進めるについては、何が何でも自由化をすればいいということではないわけでして、その中には合理的な処理というものがその裏側にくっついて初めて自由化が適正に行なわれるわけでありますから、そういう配慮についても一応する必要がある段階にきておる。しかし必要なものは渡してもらいたいし、あまり必要でない人が無理をしないような何らかの処置方法というものは当然やはり考えなければならぬところだと思いますので、その点について、三十七酒造年度における清酒の生産方針については少し根本的な検討をこの際加えていただきたいということを要望いたしておきます。 それとあわせて、金融当局がおりませんから国税庁の方にちょっとお願いしておきますと、最近大手メーカーはいろいろな形で、四季造その他大型な設備投資に踏み切ってきておるものが相当あるわけですが、この諸君が、将来の生産計画が立たないものですから、非常に不安を持っておるようです。これは企業としてのリスクをある程度考える必要があると思いますけれども、ただ問題は、一般の製造会社と違って、やはり酒税を保全するための一つの企業でありますから、やはりその設備投資については少し長期的な資金の借り入れが行なわれないと無理がいくようになるのではないか。そこで、銀行局に対しても、長期信用銀行その他長期的な設備投資資金の融資ができる態勢を国税庁としては配慮してもらうような努力を少ししていただきたいということをあわせて申し添えておきます。 以上、本日は相当長時間にわたりまして最近の段階における酒類の問題についていろいろと意見を申し述べましたけれども、やはりいろいろな面でここらで一ぺん再検討をするところへきているのではないかということを集約して申し上げたいわけです。そこで、国税庁長官、間税部長もおかわりになった時点でもありますから、現状分析その他を十分——さっきの基準価格等についての計数も科学的に把握していただいて、勇気をもって現状に適応した新しい酒類行政を考えて検討していただきたいと要望いたしまして質問を終わります。 最近株が大へん下落しまして、旧ダウは昨年の最低価格を下回るような事態が起きているようでありますが、なぜこんなに株が下がるのでしょうか、一つ株の下がっている理由を伺いたいと思います。
○有吉説明員 すでにこの委員会におきましても、私から株価の形成のことにつきましてしばしば申し上げたことでございます。一般的に申すならば、経済の動勢に対して投資層がいかなる判断を下して参るか、あるいは市場の内部要因がいかなる形によって現われるかというようなことに尽きるかと思うのであります。最近におきます下落につきましては、やはり何と申しましても企業の業績悪が現われて参っているということに対する投資層の先の見方というものが中心に相なっておると思うのであります。しかも最近におきましては、特に金融の引き締めの関係から法人筋等の機関投資家が換金売りをするというのもここにあわせて考えられることでございます。なおまた、新規に投資をする側からいたしますならば、年初来株価のおもしろくない情勢に基づきまして、特に投資信託等の伸びがなかなか思わしくないというようなことから、新たに株式界に入って参る金の量が非常に制約されているというような事情もございます。さらに内部原因、この十月に入ってからの原因といたしましては、やはり七月の若干高いときの買い要因がここにおいて売りに回っているというようなことも多分に基因していると思うのであります。こういったようないろいろな原因がからみ合わさって現在のような株価の低迷という事態に相なっておる、かように私どもは見ておる次第であります。
○堀委員 いろいろと今承りましたけれども、その中で、さっきから酒類の問題でも少し話をしておりましたが、物の価格形成というものは、資本主義的にはやはり需要と供給との関係できまると思うのですが、この需給関係というのは、現在における、今おっしゃった金融引き締めなりそういう客観的な経済情勢の中でノーマルでないんじゃないか、需給というより、供給といいますか株が市場に出てくる数ですね、この問題に相当大きな原因があるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○有吉説明員 先生御指摘の点につきまして私ども株価の形成そのものについて内容的に見ますと、いわゆる世に言われている大型株、それから中小の株の価格形成が昨年来どういうことに相なっているかというところにも端的に現われる次第でございますが、大型株、一口に資本金百億以上のものをとって考えてみますと、やはり旧ダウの動きよりも以上に下落をしておる次第でございます。中型株は若干ダウよりも下落の幅が少ない。小型株になりますとむしろ値上がりしているものもあるというような状況でございます。これ、まさに堀委員の御指摘の通り需給の関係から見ての大型株の供給過多と申しますか、最近におけるところの増資が相当加えられまして供給が相当多くなっておるということを端的に現わしているのではないか、かように考えられます。その点につきましては先生の御指摘の通りではなかろうか、かように思います。
○堀委員 そこで、この間だんだん下がって参りましたら、田中大蔵大臣が池田さんと協議なさったのでしょうが、株価対策らしきものが行なわれましたね。私はあえて株価対策といっておるわけですが、一体こういうときにそういう——これは政治的な問題でありますから、あなたに御答弁いただくことになるかならないかわかりませんが、事務当局としてはやれといわれたからやったということでありましょうけれども、客観的に見てそういう株価対策、たとえば六十億の公社債担保金融、あるいは証拠金率の引き下げというようなことが行なわれたわけです。それによってダウはちょっと上がったわけですけれども、昨日からまた下がりかけておる。きょうは知りません。という、そういうものをどの程度に評価しておられるか、それを一ぺん伺いたいと思います。
○有吉説明員 先生が今おっしゃいました株価対策という言葉におきましては、私なかなか御答弁しにくいのでございますが、別に株価対策をやっておるから今先生が御例示になりました二つの事柄を行ないましたわけでございませんので、そういう意味でいかような効果があるかということにつきましてはこれまた端的にお答えしにくい点でございます。私どもがいたしました点につきましてはそれぞれに相当の理由があるからいたしたわけでございます。これはまた別途の見地からお話申し上げた方がよかろう、かように存じます。
○堀委員 それでは一つその別途の見地から、いろいろな理由のあるところを一つ伺いたいと思います。
○有吉説明員 まず先に先生が御指摘になりました公社債担保金融の点でございます。特に今回行なわれました公社債担保金融の点でございます。これにつきましては私どもこの七月から公社債担保金融としまして野村、山一、日興、大和の四証券会社に対しまして、金融界との話し合いによりましてある額の公社債担保金融が行なわれた次第でございます。これが行なわれました動機につきましては、しばしばこの委員会においてもお話しております通り、公社債の流動化の問題から端を発したのでございます。今回におきましてまたこれが六十億行なわれたのでございます。その趣旨といたしますところは、まさに先般行なわれました公社債担保金融の趣旨と変わりないのでありまして、公社債流動化の意味において行なわれたのでございます。と申しますのは、証券会社は御承知のように、特に今申しました証券会社につきましては昨年来公社債投資信託等の設定を見まして、この設定の当初におきまして相当過当競争的に多量な募集が行なわれ、それがはね返ってきたことにつきましては、私どもも十分に戒心し、証券会社においても反省を加えておるところでございます。しかしいずれにいたしましても、金融情勢の引き締めと相待ちまして、相当多量の公社債が証券会社の手持ちに相なった次第でございます。ここら辺が証券会社の資金繰りを相当圧迫しておるのでございます。従いまして、はたしてこの証券会社がこの株価が下がりました現在におきまして、証券会社としての活動が十分に果たせるかどうかという点につきまして相当疑問の余地なきにしもあらずというような状況に相なった次第でございます。十月に至りまして、証券会社の方から特に金融界に対して担保融資の増額を要請して参ったのでございます。大蔵省におきましてもその趣旨の申し合わせがございまして関係当局、端的に申しますならば銀行局でございますが、関係金融機関に対してその趣旨のことを連絡いたしまして、その後におきまして金融機関と証券会社の間の話し合いによりまして金額、実施の時期等がきまった次第でございます。かかる趣旨によって公社債担保金融が行なわれたわけでございます。 次に、証拠金率の引き下げの問題でございます。これは本来法律的に申しますならば三〇%の限度に相なっておるのでございます。ここ数年来におきまして、株価の相当な高騰がございまして、そういったようなことから株式市場に流入して参る資金の量と申しますか、信用取引の量と申しますか、そういったものが相当過熱化しているような事態のときもあったわけでございます。そういった信用取引の過熱化のとき、投機化のときにおきましては、これに対してある程度信用取引、証拠金率を引き上げるという措置が講じられてきたのでございます。御承知のように、昨年来これが鎮静して参りましたので、逐次その率を引き下げて参ったのでありまして、先般来四〇%に相なっておったのでございます。私どもといたしましては、現在信用取引の状態がどうであるかということを常に関心を持って見守って参ったのであります。最近十月に入りまして日証金の融資残等につきましても落ちつきを取り戻し、また回転日数等につきましてもこれを引き下げてもしかるべき時期に達した、かように判断いたしましたので、四〇%を三〇%に引き下げた次第でございます。
○堀委員 どうも株の値段が下がったからそういう措置をしたのではないというふうにおっしゃりたいから今のようなお話になったんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか、そこは。
○有吉説明員 私どもといたしましては、当然それは株価の問題ということがからめてこういったような事態に相なっておることは承知しておるのであります。しかし株価がどの程度が適正なものであるかというようなことを判断していたしておるわけではございません。すべてはそういったそれぞれにつきましての以上申し上げた点から判断を下してやっておるわけでございます。
○堀委員 そうすると、証拠金率を三〇%に下げたというのは、日証金の残高が適正になったから下げたのだ。そうすると、適正だったらまだまだ下がるのですか。要するにいろいろな条件が落ちついてきたから下げたとおっしゃるが、それなら落ちついて、ますます落ちついたらまだまだ下がるということになりますか。
○有吉説明員 先ほども申しましたように、本来法律におきまして三〇%ということがきまっておりまして、先般来特別の省令をつくって四〇%にいたしておったのでございます。特例と申しますと、ふだんの状態と違うような事態を予想したのでございます。それを平生の状態に引き戻した、かように私どもとしては解釈しておる次第であります。
○堀委員 それからさっき公社債担保全融の問題として、そういうことをやることによって証券会社としての活動を少し助けたいというような言葉をお使いになったのですが、担保金融をした金が証券会社としての活動を助けるということは、その証券会社の活動というのはどういう活動ですか。要するにディーラーとしての活動を助ける、こういうことになるわけですか。
○有吉説明員 担保金融は先ほど申しましたように公社債の流動化のためでございます。なぜそういったようなことを行なうかといえば、やはり、証券会社が公社債を買い上げますと、それによりますところの資金の円滑化が期せられないということに相なるわけであります。従って、その点で担保金融を行ないまして資金に余裕が出るということに相なりますならば、証券会社としての本来の活動ができるのじゃないか。お話しのディーラー業務ということにつきましても、その一端が現われてくる、かように考えます。
○堀委員 そうすると、私どもちょっとこだわるようですが、公社債担保金融というのは、これまでも、この間も公社債の流通のために行なわれた、こういうふうにはっきり割り切っていいですか。
○有吉説明員 先ほど申しましたように、趣旨といたしましては公社債流動化のために行なったわけであります。
○堀委員 趣旨としては行なった、何かあとに残っているような感じがするのですが、趣旨としてはそうやったということは、あと何かあるのですか、ないのですか。
○有吉説明員 そういう、かかる趣旨によって行なったということでございますが、先ほど申しましたように公社債の担保金融——証券会社の資金ぐりを圧迫している、それは公社債である。従ってその公社債を資金化するということが趣旨であるということでございます。
○堀委員 そこで実はけさの新聞なんですけれども、これは事実かどうかわかりませんから伺いますが、大蔵省は九日、瀬川野村証券社長、大神山一証券社長、吉野日興証券社長、福田大和証券社長を招き、利回りを無視した販売政策を改めるなど、大衆投資家の信頼を回復するため、経営態度を正すよう厳重な警告を行なった。新聞ですからまあ何ともいえませんが、その中で、今回の公社債担保金融は最近の証券市場の金融事情を特に考慮してとられた措置である。従ってこの資金の使途については仕手株や品薄株の買いあおりに使用しないよう厳に慎しんでほしい。こういうように書いてあるわけですね。私も大へんけっこうなあれを言っていただいたと思うのですけれども、こういうふうに言わなければならないところにちょっと問題があるのじゃないかという感じがするものですから、今の、単にあなたのおっしゃった、趣旨として行なわれておるものなら額面通りにそれなら問題がないにもかかわらず、やはりこういうふうにちょっと注意しておかなければならぬ実態が証券会社の中にあるという点については、やはりちょっと問題だと私は感じますが、その点について伺いたい。
○有吉説明員 新聞紙上の報道、まさに事実の通りでございます。昨日四社の社長を理財局長のところに呼びまして、こういうような趣旨の話をいたしたわけでございます。その際に、今回の公社債担保金融につきましても厳重なる注意を申したのであります。この話全体につきまして四社の社長の言葉は、私ども大蔵省が申しておる言葉と全く同意見である、現にその通り私どもはやっておるし、また今後もやっていきたいと思うということを明確に述べたのであります。この公社債担保金融の使途につきましても、やはり私どもとしましてはそのようなことがいやしくもあってはならないという気持を表明した次第でございます。そういったようなおそれがあるから、わざわざ書いたものであるというようにおとりになることは、その必要はなかろうかと、かように思うのであります。
○堀委員 そこで、株価の問題、いろいろ問題がありますが、そういう株が下がっておるときに、何というか非常に複雑怪奇なものがどんどん出てきておる。新聞で見たわけでありますけれども、新三菱重工の合併問題が、どこで出たのか、三社合併問題が出て、株価が下がりかけたら、突然として何か大阪屋証券に二千万株の買いの注文が出ている。ところがそれは買うのかと思ったら買わなかったという事件があったようですけれども、この経緯をちょっと簡単にお話を願いたい。
○有吉説明員 ただいまのお話は、実は三重工の合併がありました日の翌日のことでございます。日にちは、はっきり申しますならば九月の二十日でございます。午後三時の大引けまぎわに起こったことでございますが、横浜在住の大阪屋証券の一顧客が、大阪屋証券を通じまして新三菱重工の株を二千万買い付けたのであります。ところが、結果におきましてこの一顧客が支払い代金を大阪屋証券に提供することができなかったという事実でございます。この顧客は、実は大阪屋証券の取り扱い外務員と、かねてから取引の関係があったのであります。しかし、かかる二千万株に及ぶような株の取り扱いをしたことはございません。せいぜい、やりまして三、四百万円の売買の委託ということがあったのでありますが、このときにおきましては、新三菱重工の株二千万株というものの委託注文があったのであります。この場合におきまして、大阪屋証券の内部の事情といたしましては、たまたま幹部の職員が不在であったというようなこともあります。また、おりました職員が最近赴任して参ったというような、ふなれな点もあったのでございます。そのまま場に流れ、取引が成立したという事態でございます。しかし、その後において、先ほど申しましたように買付代金の支払いがないため、これは大阪屋証券が委託契約準則に基づきまして一応始末をしたということに相なっております。
○堀委員 一人の顧客が一ぺんに二千万株買うというようなことは、おそらくあまり証券史上でもないことではないかと思いますが、こんなことは、たまにあるのでしょうか。
○有吉説明員 珍しいことだと思います。
○堀委員 そしてその二千万株というのは大阪屋証券を通して買ったのでしょうが、これを売ったところに、私はやはり少し問題があるのではないかという感じがします。野村証券というのは、たしか新三菱重工の転換社債の幹事証券会社だったと思うのですが、その二千万株という株が一ぺんに、それも今のお話では大引けの終わりごろに一挙にさっと出てきて、それがぱっと売り買いが成立する条件というのは、これはやはりちょっと常識的に考えにくいと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
○有吉説明員 当時、新三菱重工の売買につきましては、前日新聞紙上にそういった記事が発表せられておりましたので、翌日のことでもありましたが、なかなかに売り買いともに活発な気配があったのであります。しかもこの横浜在住の一顧客は、大阪屋証券のこの取り扱い外務員に対しまして、かねがね自分は相当多量の売買を最近の機会に行なうというようなことをほのめかしておったのであります。従いまして、この取り扱い外務員がある程度暗示と申しますか、そういったものにかかりまして、その場の取引が進んで参ったこともございます。先ほど申しましたように、内部の処理というような問題もあったのでございます。と同時に、この大引けの前に大量の売りの連絡がある程度ありまして、その後また電話によりまして、逐次相当の株が場に流されて、そうして終局的に二千万株に相なったのであります。先ほど申しましたように、その当日におきましては相当新三菱重工に対しての売り買いの気配があったのでございますので、こういったような買いがありましても、それに相応するところの売りというものも相当にあったのでありまして、終局的に二千万株の売買の成立に相なったのであります。しかしその間におきまして、この取引の間の所要時間は二十数分を要している次第でござ います。
○堀委員 そこで、私一々証券会社の名前までは伺おうと思いませんけれども、二千万株を売った証券会社というのは、一体何社くらいで二千万株売ったのでしょうか。
○有吉説明員 二千万株を売りました証券会社の数は七社でございます。
○堀委員 御承知のように、今証券会社は四大証券に何らかの形で、系列とまではいかないでしょうけれども、影響下にあるものが多いのだと思うのですが、おそらく私は、この七社というのはみな野村証券の響影のある証券会社ではないかと、こう推測をするのですけれども、その確率といいますか、七社がみなそうなのか、どの程度野村証券の影響のある会社なのか、おわかりになっている範囲で……。
○有吉説明員 先ほど申しました七社というのは、二千万株それ自身の問題ではございませんで、その間におきまして二千万株のほかにも売買の扱いがございますので、それら全部ひっくるめないとちょっと申し上げにくいので、ひっくるめまして七社ということに相なっております。しかしながらその中で特に売りの多かったのは三社でございます。その三社はいわゆる資本の関係と申しますか役員の関係と申しますか、そういったようなことで系列というような言葉を使わしていただくとするならば、おっしゃるように野村の系列でございます。
○堀委員 私がこの問題について非常に世にも不思議な物語だと思いますのは、これらの一連の問題がそういうすべて野村の関係のあるところの中だけで起こっておる。売った方も主として野村に関係のあるところが売り、買った大阪屋証券も、もとをただせば野村の前身なんですね。大阪屋証券から野村証券ができておるという歴史的な経緯もあるわけですから、そうなるとまさに野村証券が内部的な処理として——それは私の推測ですからわかりませんよ、わかりませんけれども、やはり何らかの株価操縦対策の一つの手段としてこういう処理が行なわれたのではないかという感じが生まれてくるのも、これは私やむを得ないのじゃないかと思う。売った方も野村の方、買った方も野村の方、そうして野村自身は転換社債をアメリカで発行していて、株価の急激な値下がりを防止したいという段階にあった。たまたまその中に横浜に在住する顧客がそういう一役を買ったということになるとすると、これはこの前証券部設置の際に内閣委員会で申し上げましたけれども、適正な株価構成の原則に非常に違反する望ましくないことではないかという感じがするわけです。おまけに新三菱重工の株は、その後は何か大阪屋証券の関係会社である今橋産業に受け継がれておるそうですか、昨日の新聞を見るとこれは五十八円まで下がってきておるわけですね。こういうような経緯を見ると、それらの値下がりによる損害というのは一体どういうことになるのか、実に複雑怪奇な感じがするわけですが、そちらの方の調査では、そういうふうな何か株価操作としてこの問題が行なわれたのではないかという疑惑が生じると思いますが、何らかの調査はされたかどうか。
○有吉説明員 今、堀委員のお話がございましたように、この問題につきましてはいわゆる野村なり野村の系列の会社が関係をいたしておるわけでございます。まあしかし大阪屋証券は、かつては野村の本流と申しますか、そういった関係にございましたが、現在系列的な関係はございません。それはここにおいてお断わり申し上げておきたいと思うのですが、しかしいずれにしましても大阪屋につきましてもかつては野村の関係があるじゃないかというお話でございますが、そういったようなことから、あるいはその前日におきまして新三菱重工の相当多量の売買があって、その影響がさらにその日においても流れておった、こういったような時期の問題、あるいは売買の数量の問題等を考えまして、そこに相当疑いがあるじゃないかというお話でございます。私どもも取引所とともどもにやはり相当この点につきましては関心を払ったのでございまして、さっそく関係者を特に招致いたしまして詳細に事情を聴取したのでございます。関係者の申し述べるところによりますれば、さような事実は全くございません。先ほど申しました横浜の一顧客と大阪屋証券との間に発生した問題にとどまることが判明した次第でございます。 それから次に、結局この大阪屋の引き取りました新三菱重工の二千万株は、今橋産業に移ったのであります。しかし今橋産業はこれを——やはり大阪屋証券の関連的な機関ではございますが、しかし一つの機関としてそれを引き受けたのであります。その後において、なるほど新三菱重工は値段が下がっております。しかし当時におきましてそういったようなことを予測したわけではございません。下がるべきものを当然引き受けたというようなことに相なったのではございません。当時の価格において引き受けたのであります。これに関する大阪屋証券と今橋産業との間の損害の補てんというような問題は、その点からは出てこないのではないか、かように思うのであります。
○堀委員 そうすると、今の場合は今橋産業というのが自発的に二千万株を今度は買いましょう、そういうことになったと理解をするわけですか。やはりこの経緯を見ていると、何か大阪屋証券自身が二千万株持っておるということは、どうも必ずしもノーマルな状態ではない、だからどこかにそれをはかさなければならないけれども、そう簡単に売れないから、仕方がないから一時今橋産業に買ってもらいたいということで、関連産業に言うならば無理に買わせたという格好ではないかと私は理解をするのですが、そういうふうなことで無理に買わせたということになると、これはその場合における緊急避難のような格好で買わされたものが、わずか数日のうちに七十四円から五十八円まで下がってきて、これはあるいはまだ下げるかもわかりませんけれども、多額の金を金融機関から借り入れておって、さらにこれが値下がりをしてきたという場合においては、これは今橋産業だけがその場合においてそういう損害をしなければならないものかどうか。今度のこの一連の中を見るとどうもまことに不思議なことばかりなんですが、ルールとしてあなたのおっしゃったように、買った方が安くなったら損するのはあたりまえだということはいいでしょうが、自発的に買う場合と無理に買わす場合とがあるでしょうし、そこらの問題を少し整理をして考えてみた場合における損失の問題、特に金融の問題については十五億近い金が動いておって、それがそう長期のサイトではないということになれば、なかなかこれは金利等を含めても大へんな問題になるのではないかという感じがするのですが、跡始末の問題の処理の仕方も一体これでいいのかどうか、そういう点についてあわせて一つ承りたい。
○有吉説明員 大阪屋証券と今橋産業との間の株の動きというものにつきましては、やはりこれは個別的な問題でございます。私ども大量の株の取引というものにつきまして関心は持つのでございます。しかしそれに対していかようにあるべきかという判断を下す立場にはないのでございます。今橋産業におきますところのこの新三菱重工の株が今後どのようにはけていくかということにつきましても、もちろん当然関心は持つのでございます。しかしこれは株価形成という意味におきまして関心は抱くのでございますが、全体的に個々具体的な私企業間の関係につきまして、どうすればいいかという判断を下す立場にはないと私は思います。
○堀委員 証券会社を指導する立場としてはどうですか。こういう大阪屋証券が今度とった取り扱いというものは法律には引っかからないかもしれません。しかし証券会社としての道義的な問題として問題が残るんじゃないかと思いますが、その点は監督行政としてどうなりますか。
○有吉説明員 大阪屋証券が今回かかる問題を起こしましたにつきましては、私どもといたしまして、証券界の信用の失墜ということにかんがみまして非常に遺憾なものに存じておる次第でございます。特に大阪屋証券の関係者を招致いたしまして、その間につきましての念書と申しますか、今後の対策につきまして明確なる路線を打ち出して、今後再びかかるようなことのないように十分に関心を深めて、なおかつ証券会社全体に対しましても、従来からかかることのないように特に内部牽制組織等の確立につきまして私ども指導いたしておる次第でございます。先ほど申しましたように、たまたま今回のこの事件につきましては相当偶然が重なったというようなこともございまして、まことに遺憾なことになったわけでございます。今後証券会社の内部牽制組織の確立あるいは外部に対するお客との間の適正なる事務の処理ということにつきましては、従来よりも一そう意を用いまして監督に努めたい、かように思っております。
○堀委員 一番目の大阪屋証券についてはこれで終わりますけれども、やはり私この問題は行方を少し監視をしていただきたいと思うのです。一体どういうことになっていくのか。それは私企業に対してどうということがありましょうから、それの判断とかどうとかはいいですけれども、十五億円近い株を、いうなれば無理やりに買わされた今橋産業がどういう処置をしてどういうことになっていくのか、やはり私どもとしても関心があるので、これは証券の監督行政上、どうせ売るとすれば、どこかの証券会社を通じて売られることになるでしょうし、その場合には大阪屋を通じて売られることになるのは私は常識的だろうと思いますので、そういう面を含めて今後これについては少し注意をしておいていただきたい。 その次に、時を同じうして一昨日ですか警視庁が手入れをいたしておりますけれども、南旺観光という会社のダブル株事件というのが出ております。新聞に一部伝えられておるので、皆さんも御承知と思いますけれども、一体こういうことが起きてくる原因といいますか、なぜこういうことが起きたのかという点についてちょっとあなたの御見解を伺いたい。
○有吉説明員 南旺観光株式会社のダブル株事件につきましては、実は私どもも非常に驚いている次第でございます。従来店頭株と申しますか上場されていない会社につきましてダブル株事件が起こったことは事実ございます。しかし第二部とは申しながら上場会社につきましてかかるダブル株事件が起こりましたことはまことに遺憾とするととろでございまして、その原因とおっしゃられますと私ども非常にお答えに苦しむのでございます。日本の企業家においてこの点のモラルがどうなっておるかという点について、まことに情ないと思うのであります。全体的に企業なり会社なりの今後の経営について、やはり企業家というものは相当の責任を持って、社会的な責任を持ってはっきりした態度でやっていただきたいということを切望する以外にないのでございますが、しかし私どもとしまして、かかる会社が現われました以上、やはり会社の増資と申しますかそういったものについてもっとチェックする制度というものを考えていかなければならぬじゃないかという気がするのでございます。従いまして現在取引所に至急に連絡をいたしまして、今後において上場会社については少なくとも名義書換代理人とかあるいは登録機関の制度というようなものを導入いたしまして、そういったところの第三者によるチェックということをはかっていかなければならぬ、かように考えてその研究を慫慂している次第でございます。ただ申しますのは、そういったことまでしなければ日本の会社の株主というものが信用できないのかということは私非常に遺憾に思うのでございます。しかし二部に上場されるような会社につきましては、あるいはモラルの点は別としまして、事務手続のふなれからかかる事件をまた引き起こすということがなきにしもあらずということからいたしましても、やはり何か一つの第三者によるところのチェックの方法というものを考えてもらいたい、かように思っております。
○堀委員 方向としてそういう処置をしていただくのは大へんけっこうなんですが、この南旺観光の場合、約二百四十万株か何か株が出たようですが、そういう株を買った人はどうなるのですか。実際は存在しない株券を買わされたという格好になりますね。十一月七日までは株券はないはずなんですが、それが何か予備株券が出て買わされたということになると、その株を買った人は善意で買っているわけですが、結果としてこれはどういうことになりますか。
○有吉説明員 この南旺観光の非合法株を取得しました顧客につきましては、現在のところ取引所におきまして全体の調査を急いでおりますので、その結論が出ませんとはっきりしたことを申し上げかねるのでございますが、現在一応これを事故株として処理する場合におきましてはやはり売り主に対して追及して参るということに相なっております。最後にはやはり南旺観光の社長というものにすべての追及が集中するということに相なるわけでございます。現在南旺観光の社長はある程度の土地を提供してこれに充当しようということを言っておるのでございます。しかし全体の始末と申しますことは、さらに取引所におきましてどのように株がばらまかれているか、非常にむずかしい作業でございますが、現在探求中であります。全貌が明らかになりましたならば、取引所において、相当多量の株の事件でございますので、これが的確迅速に処置できますように方向を検討いたしたい、かように思っております。
○堀委員 どちらにしても善意なる大衆がこういうことによって思わざる損害を受けるようなことのないようにやはり監督行政としては十分配慮をしてもらいたいし、今後のこともありますからこの事件についてはやはりあとの問題の処理を十分監視をしていただいて、そういう善意なる投資家が思わざる被害を招かないような処置を一つ考えていただきたいと思います。 最後に、こういうようなことが株価が下がっておるときに起これば、これは私は投資家というものはますます株がこわいものだということになるだろうと思うのです。ですからその点で昨日四大証券にいろいろと意見を述べられたことは私は非常に時期的に見ても適切だと思うのですが、四大証券だけでなく、今の株価の問題についてはたとえば鉄鋼各社が本来配当を現金で行なうべきにもかかわらず再評価積み立てを取りくずして、小刻み無償の配当に変えるなどということをどんどん行なうわけですが、こう株が下がっておるときにそんなことをすればますます下がるのが当然なので、そういう意味では発行会社側も少し自覚をすべき段階ではないのかという感じがしてなりません。証券部として単に証券会社にそういうことの注意を喚起するだけではなくして、発行会社側で少なくともこういう時期にそういう株式に対する不信感をいろいろな形で持たせるような処理はできるだけ避けるような指導も必要ではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○有吉説明員 先生御指摘の通り現在のこの株価の低迷の際におきましては、証券会社はもとよりのこと、当然私ども行政官庁におります者、また先生のお話のございました発行会社につきましても十分に反省をしてみる時期であろうと、かように考えておるのであります。戦後におきまして相当急速に証券の投資の層の拡大、いわゆるピープルズ・キャピタリズムが逐次実現されておるのであります。しかしこれが現在の低迷のときにおきまして、さらに振り返ってみまして、はたして投資層に対する保護が十分に行なわれておるかどうか、私どもといたしましても、戒心のいるところでございます。さらに発行会社等につきましても、現在行なわれました鉄鋼の無償株の交付というようなことはやむを得ない点があったかとも思いますが、しかし今後におきましては十分に反省して投資層の保護、株主層のことを考えて会社の経営をしていただきたいと私どもは考えておる次第でございます。
○堀委員 最後に、さっきから株価対策ということをおっしゃりたくないようなのでありますけれども、私は株価というのは一体何かといったら、われわれの体温みたいなもので、要するに健康であれば体温は適当なところにあるし、病気になれば上がるし、なおれば下がるというので、これは結果なんですね。一つの現象の結果であって、それ自体として独立にあるものではないと私は思っております。ですから、その体温を、熱が出ているときにともかくアスピリンだけ飲ませばそれがいいとはならないので、アスピリンがきいておる間は下がっておるけれども、その薬が切れたらまた上がる、というのは、私は医者だからそういうことを言うわけですが、やはり問題には原因があって結果があるわけで、原因について処理をしないで結果だけについて小手先の対症療法をやることは病気をこじらせるし、同時にそれによって全体の判断を誤らしめる条件をつくるだけであって、決して私は基本的な対策ではないと思います。ですから、政治的な要因としてあなた方の立場上やむを得ない点もあろうかと思いますが、行政官庁の責任者としてはそういうオーソドックスな前向きの姿勢の中で勇気を持ってそういう政策に対しても述べるところは述べていただくことが国民に対してあなた方が責任を果たされる道ではないか、こういうふうに考えますので、一つ今後こういうような際にあまり小手先でやることによって、結果としては病気をこじらす場合もあり得るわけですから、その点を十分配慮して一つ前向きの姿勢で証券対策を考えていただきたいということを要望いたします。
○臼井委員長 次会は追って公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会