石炭対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/29
会議録
○上林山委員長 これより会議を開きます。 岡田利春君。
○岡田(利)委員 この際若干資料の要求をいたしたいと思いますが、現在の九社、並びに電発を含めて十社になるわけですが、現有火力発電所、特に石炭火力の問題なんですが、最近新鋭火力ができて、石炭と油の比率というものが、その場合々々で実は変動があるわけです。従って、現有の石炭専焼火力において石炭をマキシマムにたいた場合に、どれだけ一体容量があるのか、これを一つ各社別に資料を御提出願いたいのが第一点であります。 それから第二点は、現有の石炭専焼火力でマキシマムにぎりぎりまで石炭をたいた場合に、それが各社別の電力コストに一体どういう影響があるのかということが第二点の資料です。 それから第三番目の資料は、現在の石油並びに石炭の引取価格の問題ですが、これは中小並びに大手、それぞれによって価格が異なっているわけです。あるいはまた、重油の場合には一応六千四百円といわれておりますけれども、各社別によってこれまた平均価格に変動があるのではないかという工合に判断されますので、重油並びに石炭の各社別の今日の平均引取価格はどうなっておるのか。この三点の資料について、実は通産省の事務当局にいろいろ連絡をとったのですが、なかなか資料が出て参りませんので、一つ委員長の認可を得て資料の提出を求めたいと思います。
○上林山委員長 ただいまの岡田委員の資料要求に対しては、通産省においてしかるべく御処置を願いたいと思います。 ————◇—————
○上林山委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。 大臣の所信表明に対して質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
○井手委員 大臣にボタ山の崩壊防止の問題について二、三点お伺いをいたしたいと思います。 この間の、七月初めの集中豪雨によって、江迎のあの大災害を初め、佐賀県においても二カ所のボタ山の崩壊がございました。かつてない特異な災害現象でございまして、お互いにその対策に苦慮いたしておるわけであります。ところが福岡の鉱山保安監督局長の話によりますと佐賀、長崎両県下だけで、この台風期までに何とか緊急に措置しなくてはならない危険なボタ山が、六十五に上っておるという話が当時あったのであります。非常に危険だと現地では叫んでおりますし、また地元からも、緊急に何らかの対策をとって緊急工事をやってもらいたい、こういう強い国土保全、民生安定のきわめて大事な問題に触れた熱望がございますが、実態はどういう状態であるか、一つ簡単でけっこうですけれども、説明していただきたいと思います。
○八谷政府委員 ボタ山の、特に佐賀、長崎の地すべり地域におきます問題でございますが、現在佐賀、長崎には五百十六のボタ山がございまして、そのうちに私どもが何らかの対策を必要とするのではないかと思えるものが約六十五あるわけでございます。これはさらに綿密な調査をしていきますと、若干の増減が出て参るとは思いますけれども、一応私どもも六十五という数字が要対策ボタ山だというふうに考えておるわけでございまして、ただいまのさしあたっての問題につきましては、この八月末までに、この六十五も含めまして筑豊方面の各ボタ山につきましても応急対策を施すべきものにつきましては調査を進め、鉱業権者にそれぞれ危害を他に及ぼさないような応急対策を講ぜしめるように進めているわけでございますが、さらに抜本的な対策につきましては今後綿密な精密調査が必要であろうかと思うわけでございます。六十五のボタ山でございますが、これは六十一炭鉱にまたがっておるわけでございまして、佐賀が二十六、長崎が三十九と、やや長崎に多い。この六十五のボタ山はほとんどが山腹斜面にあるわけでございまして、今回の江迎の炭鉱のような地すべりによる災害というものを考えた場合には、さらに抜本的な対策を要するのではないか、かように考えております。
○井手委員 大臣にお伺いいたします。 今御説明があった通り、何らかの対策を緊急にしなくてはならぬボタ山が六十五であるというのであります。あるいは御存じであるかもしれませんが、昔のボタ山は四十五度ぐらいの傾斜であった。最近はそれは危険だというので、ふもとの人家から逆に二十三度の線までの高さに押えております。これならばまあまあです。ところが昭和三十年ごろまでの山は四十五度の急坂で、また、ボタがある一定の期間をこしますと、風化作用ですか何ですか、非常にもろくなるということがいわれております。それがちょうど今の時期に当たっておるでしょう。鉱山保安局長の話もございましたが、地元各方面の権威者の話によりますと、今おっしゃった六十五のほとんどが四十五度あるいはそれ以上の高い山です。いつ崩壊するかわからない。中腹からぼろぼろ、ぼろぼろくずれてふもとの水田を荒らし、埋めて、ずっと被害を及ぼしておるのです。この対策を講ずるには、この四十五度の山を、どの程度かわかりませんが、簡単にはいきませんが、切り取って、傾斜をゆるやかにして、その上にコンクリートの防災工事を施すということであれば、大体まあまあ家屋移転もせぬでもよかろうという意見に一致しておるわけであります。すなわち緊急にこの六十五のボタ山を、一々個別に当たらなければ詳細には言えませんけれども、概括的には高いボタ山を切りくずして、斜面をゆるやかにして防災工事を施すという工事をしなくてはならぬと思う。非常にこれは差し迫った問題であると考えます。それに対して、まあそんなものはゆるゆるというお考えなのか、いや、それは予備費でも獲得しておやりになろうというお考えなのか、その点を第一にお伺いいたします。 〔委員長退席、始関委員長代理着席〕 第二点は、鉱業権者にその対策を要請しておるという今局長からのお話でございましたが、なるほどそれは鉱業権者の責任でありましょう。しかしそれがはたして今日できるかどうか。私はこの点についていろいろ申し上げたいことがございますが、時間の都合がございますから多くは申し上げません。今の鉱山保安法は資源開発を目的として坑内保安を建前にしておる法律でありますから、これによってそういう鉱害防止をはかろうということはなかなか困難であります。ずいぶん長い条文を読んで参りましても、鉱業権者の義務なんというのは、最後のところにぼけたものが載っておるだけであります。しかも、鉱業権者を守っていこうという今日の鉱業法ないし鉱山保安法で、これが対策を講じようということはとてもできない。そしてまた一方においては、今までもできなかったものが、今日御承知のような石炭事情でございますから、これを国土保全のためにやれといかに大臣が命令したところが、今の鉱業権者がやろうとはいたしませんし、また、やれるものでもないと思うのです。いかに命令してもそれはやれない。無理をすれば、ほとんどの炭鉱が破産せざるを得ない状態であると思います。しかし一面においては国土保全、民生安定という一番高い目的がございますから、いわゆる鉱業権者の責任に待つというわけには参らないのであります。理論上はこれは鉱業権者だと、われわれも言いたいのです。言いたいけれども、それは十年待っても百年待っても、芝居の文句じゃございませんが、同じで、できないのです。やろうと思えば、やらせようとすれば、それはもう破産以外にはないわけです。しかし今日この緊急な事態でございますから、やはり国が前面に立って国土保全のためにこの緊急対策をやらねばならぬと私は考えております。 そこで第一にお伺いいたしたいのは、先刻申し上げたように、こういう緊急事態にどう対処されようとするのか。また第二番目には、こういう緊急事態でございますから、国が前面に立って国土保全のために対策を立て、立法措置を講じねばならぬとお考えになるのか、その二点をお伺いいたしたいと思います。
○福田国務大臣 ボタ山の問題が今度の災害から非常に大きくクローズ・アップされまして、お説の通り、長崎とか佐賀とかいう地域においては、特にこの問題はある意味で社会問題としても取り上げていかなければならぬというふうになっておりまして、これについては、通産省といたしましては、一応今までの法律の建前によってこの問題の措置をはかっていくようにしたい。その区域の人たちに非常な不便といいますか、苦労をかけないようにもちろんしなければならないのでありますが、今までのところでは、現在の法律で大体やっていけるという考えで今日措置を考えておるところでございまして、お説のように非常に危険なボタ山もたくさんあるようで——危険といいますか、そういう急角度のものもございます。しかし今日まではどうやら、四十五度の線であってもそれで持ってきております。しかしそれが非常に危険になったというものももちろんないわけではないと思いますので、何といっても対策というものは、実態を把握してその実態に対応して処置をしていくということになりますので、さしあたりといたしましてはどの程度に危険度があるかということを、一つ一つのボタ山について深く研究をしてみる、こういう意味合いで、予算におきましても必要があれば予備費から出してもいたし方ないと思いますが、そういうようなわけで調査をする、こういうようなことを考えておるわけでございます。そしてある程度の調査をしました上で、いわゆるボタ山をつくるやり方といいますか、基準というものもあるわけでありまして、どうもその基準が間違っているというような結論が出てきましたら、早急にその基準は直す。また、それを直すと同時に、その基準に合わないものは緊急に予防措置をとる、こういうふうに処置をしていきたいという考えで、今いろいろと手を打っておるわけでございます。
○井手委員 局長は大臣にいま少し事情を話しておかぬとだめですよ。私は人がいいから怒りはしませんけれども、今のような答弁をだれが聞くのですか。そんなばかげた話、まるで小学生に言うようなことを言ったってだめですよ。今度だってやったじゃございませんか。今の鉱山保安法には何と書いてあるのですか。鉱業権者の義務として十何項かずっと並べてあって、最後に鉱害の防止に関する事項と書いてある。そして、これらについては政令に委任すると書いてある。その政令に何と書いてあるのですか。今の法律で大丈夫ですか。予防工事ができますか。ボタ山の工事は今の法律で大丈夫だとおっしゃいますけれども、何をしたのですか。何がやれますか。そして今の炭鉱業者が青息吐息でふうふう言っておるのに、何で炭鉱でやれますか。今にも崩壊しそうだというのに——六十五あぶないというのですよ。大臣、今から調査せぬでもあぶないのはわかっている。この山についてはこういう防災工事をやったらよかろう、こういう切り取り工事をやったらよかろうという、そういう設計上の調査は必要です。しかし、あぶないかあぶなくないかはもうわかっているのです。これはどうもあぶないなと思っているのがやられた。しかも江迎はずっと雑木が立っておったから、あれがボタ山だと思っていた人は少ないくらいに大丈夫だと思われた。ボタ山でもああいう惨害を起こしたのです。私もう、今の答弁では質問する気がなくなった。今の法律で大丈夫なんと言ったって、今まで幾らボタ山の防災工事の仕事をしたのですか。私も先刻言ったように、風化作用か何か知りませんけれども、最近の集中豪雨と相待って、また地ずべり地帯であるということも加わって、非常に危険な状態に陥っておりますから、今の鉱山保安法という、いわゆる鉱業権者を守る、開発を目的とした、その意味の坑内保安を建前とした鉱山保安法でやっていけないことはだれが見てもわかっているのです。炭鉱業者がやらなければ、どうしますか。私の方はそういう力はございません、今私の方はつぶれるほかにございませんと言えば、そのままですよ。それを引っぱって懲役なんというわけにはいきませんよ。どんな悪いことをしても、あなた方炭鉱を閉鎖したためしがありますか。最近になって保安関係からつぶすということができましたから、その点はありますけれども、今まで炭鉱がどんな違反行為をやったって、つぶしたためしはございません。何のゆかりもない、罪とがのない地元の住民がボタ山崩壊に戦々きょうきょうとしておるときに、今の法律で何とかしますということでは、私も元気が抜けましたね。私申し上げたいと思うことがずいぶんあるのですけれども、あとの機会に譲ってもようございます。
○八谷政府委員 ボタ山の対策、特に地すべり地域の先ほど申しました六十五のボタ山につきましては、このやり方といたしましては、四つの段階で進んでいくのじゃないか。現在検討中でございますが、第一番目はボタ山の調査でございます。先ほどの危険性というものについてのおおむねのことは過去におきます調査によってもある程度わかっておりますけれども、さて膨大な工事を施すためには、どういう切り取り工事をやり、何をどうすればいいか、こういう精密調査をやりますにはどうしてもボーリングを突きまして、科学的な検査方法をあわせまして土質の安全率というものを詳しく調べていかないと、個別の対策が出てこないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。この対策につきまして至急に、本年度直ちにこの調査にかかりたいと考えておるわけでございます。この調査の結果によりまして、個別の改善事項と、それから新規のボタ山、ボタ捨てを禁止した場合なんかの用地の調査というようなことも、あわせてこれを行なわなければならぬわけでございますが、改善事項といたしましてはおおむね五つに分かれてくるのではないか。一つは、土質を安定させる方法でございます。それからのり面の修正、ただいま二十三年度まで建設基準で許すということになっておりますが、さらにこういう地すべりというものを想定した場合に、二十三度でいいかどうかというようなのり面の問題、この修正と、それから高さの制限、こういうことが出て参ります。さらに抜本的な対策といたしましては、将来も考え合わせますと、相当カッティングを考えていかなければならぬのじゃないか、これがより根本的な問題でございます。さらにできますならば近接物件の移設、話し合い、仲介によりましてこういう近接物件が移転できて、切りくずしまたは砂防工事よりも安く上がるというような場合には、当然この移設手段も考慮していかなければならぬのじゃないか。しかしこれはあわせまして、さらにそういう切り取り工事をすることは禁止をしていく、こういう五つの対策が現われてくるわけでございまして、私どもといたしましては単に鉱山保安の関係だけでなくて、学識経験者並びに建設省、農林省、あるいは佐賀、長崎の地元の関係の方々からなります委員会みたいなものを設置いたしまして、そこで各個別に早急にこの調査を進めていきたい、こういうふうに考えております。その結果建設基準の改正ということが現われてくるわけでございまして、特に、地すべり地域についての現在の建設基準はきわめて抽象的な文章で書かれている点もございますので、これをなるべく明確に、計数的にやっていく、こういうことが建設基準の、特に地すべり地域につきましての根本的な改正と考えるわけでございます。それから全体といたしまして、筑豊その他も含めまして、さらに修正する必要があればこの建設基準を修正していく、しかし、ただいま大臣から現行の保安法規ということを申し上げたのでございますが、これは現行の保安法規を捨てるということではなくて、その中にさらにこの建設基準のうち普遍的なものが出てくれば修正して入れていく、こういうことは当然考えていかなければならぬと考えております。こういう建設基準を主体としました改正を考えるわけでございます。 第三番目は、こういう建設基準のボタ山の調査が完了いたしますと、保安法に基づきまして改善命令を出すわけでございます。改善命令は具体的に調査に基づきました事項でございますが、この改善命令を出しまして、最後にそれではどうやってこの改善命令を実施していくか、この問題が、井出先生がただいま御指摘のように、現在の石炭鉱業の状態からすると、はたして守られるだろうかどうか、こういう問題が出てくると思います。六十五のボ夕山と申しましても、この堆積量は六千万トンあるわけでございまして、ちょうど年間の出炭量を若干オーバーするような量でございます。かりに山腹斜面なるがゆえに全部これを切り取ってしまうということで、この六千万トンというボタの量を立米に直しますと三千万立米でございますが、一ボタ山当たり二十台のトラックで、十キロ程度運んでどこかへ埋め立てていくというようなことを考えますと、二十台では四十年かかるボタ量でございます。これは緊急対策であり、かつ基本的な根本対策、抜本対策でございますので、そういう長年月をかけて、その間に災害が起きるということは、これは当然防止しなければならぬわけでございまして、切り取りにあわせまして、先ほど申しましたような、砂防工事あるいは排水の完備というようなものによります土質安定ということがあわせ行なわれていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、ただいま申し上げましたのは、非常にこれが膨大な作業量であるということでございます。従いまして、ボタに集積禁止ということだけでも鉱業権者側は、新しい用地を探す、あるいは海岸を埋め立てるにしましても漁業権の補償等で相当な経費がかかるということになりますと、現在ありますボタ山の予防工事だけではなくて、単にボタ捨て場所を変えるということでも相当な打撃になってくるんじゃないか。大体十キロ程度運ぶということになりますと、約二百四、五十円くらいの運搬費がかかってくると思いますけれども、現在のボタ捨て費は、全部の集計でございませんが、おおむね五十円程度じゃないかと思います。古賀山のように新しい施設をしているところは償却費が高くなっておりますので、現在高く出ておりますけれども、非常に安い、すぐ坑口のそばでボタを捨てているというのが今までの特色であったわけでございまして、これをさらに運んでいくということになりますと、私ども保安当局といたしましては、何らか国の援助というものを考えていかなければ、保安法で命令しましても、単に刑罰の適用に終わる、こういうことで命令が真の命令になっていかない、こういうことを心配するものでございます。従いまして、こういう関係の予算につきまして、関係方面との予算折衝をもちまして、この補助金をかりに出すとした場合には、いかなる形のものが一番妥当であろうかということで、今検討を進めています。一つの案としましては、鉱害審議会が前年度におきまして答申しました中に、ボタ山あるいは浅所陥没等の鉱害につきまして、事前予防措置を講ずる方がいいんじゃないか、こういう答申があるわけでございまして、この答申に基づきまして、ただいま臨鉱法を改正していくというような点につきまして検討を進めておるわけでございます。こういう検討も、ボタ山の基本調査が終わりまして——これは全部が終わるわけではございません、危険ということになれば、一日も早く改善命令をやっていかなければならないわけでありまして、また工事も長引きますので、できるだけ早い機会に臨鉱法の改正をするとすれば、その方の改正、あるいはさらに無権者ボタ山等につきましては、関係省ともさらに話を進めまして、そういった関係の方の整備もやってもらう、こういうことで進めていきたい、かように考えておる次第であります。
○井手委員 大臣、今のお話お聞きになったでしょう。大体見当がついただろうと思うのです。局長もまた、そのくらいのことは大臣にかねて教えておかなくちゃだめですよ。見てごらんなさい。臨鉱法の改正もやりたい、それも検討中だとおっしゃる。 〔始関委員長代理退席、委員長着席〕 何とか立法措置をとらねばならぬ事態になっておるのです。今炭鉱業者が赤字の場合に、当然炭鉱業者の責任です。こう私は主張したいのですが、しかし今そんなことを言って、向うはつぶれてしまうのです。そうかといって待つわけには参りません。私が先刻来申し上げておりますのは、何も私がボタ山の近くにおるから思いつきで申し上げたのじゃない。炭鉱業者のことも考え、地元住民の民生安定も考え、各方面の意見を聞いた上に、別途私どもはぼた山崩壊防止法案を提案いたしておりますが、それに関連して質問を申し上げておるのです。もうここに至っては、危険なボタ山の崩壊を防止するには、何らかの立法措置をとらなければならぬし、またそれには、国が全面的に国土保全という立場から出ていかなければならぬということになっておるのです。臨鉱法を考えてごらんなさい。農地については半額くらいは国が出さなくてはならぬ。今の鉱山保安法では絶対にできません。この問題についてはいろいろ申し上げたいことはございますが、結論的に申し上げたいのは、事態がここまで緊迫しております。そこでこの効果的なボタ山崩壊の防止をはかろうとするには、何らかの立法措置をとらねばならぬというお考えであるかどうか、あるいは単独の立法によるのか、あるいは臨時鉱害復旧措置法の改正によるのか、あるいは何によるのか。いずれにしても、立法措置によって国がその中に入って、緊急対策を講じたいという御意思がおありになるのか。これは結論的なお尋ねです。
○福田国務大臣 実は認識の問題で大へんおしかりをいただいて恐縮をいたしておるのでありますが、私は、その問題が軽々しく扱われるべきものでないということについては、あなたと同じ考え方に立っておるつもりであります。ただ先ほど局長からも説明いたしましたように、具体的にこの問題を措置していくことになると、技術的の問題やらあるいは予算的な問題やら、いろいろのことを含んでおります。ただ単に法律を改正したとか、新しい法律ができたというだけでこの問題は解決されるのではないのでありまして、その法律自体を具体化して、ちゃんとやれるような仕組みに持っていかなければなりません。ということになれば、予算の措置等についてもやはりいろいろ研究をしてみる必要はあるということになりますので、さしあたりの考え方としては、先ほど申し上げたようなことでいきますけれども、いろいろ調査をし研究をした上で、どういう措置によってこれをやっていったらいいか、新しい法律をつくるがいいか、あるいは法改正によってやるがいいかというような点、その他予算上の問題等をにらみ合わせまして態度をきめるということでありまして、ボタ山対策の重要性につきましては、あなたと認識を同じうしておるわけでございますから御了承願いたいと思います。
○井手委員 認識が高まったことで、これでというわけには参らぬ問題ですけれども、あとにたくさん所信表明に対する質疑者もあるようですから、多くを私は申し上げません。この次には場合によっては現地の責任者も呼んでもいいと思いますが、一つ大臣は現地の責任者を呼んで、どうしたらいいのか——あなたは今技術的な問題があると言うけれども、今福田さんに与えられた任務というものは、地元が非常に不安にかられておる、ボタ山の崩壊しそうなこの事態に対して、政府はどういう決意を持っておるか、そこがあなたの一番の任務だと思うのです。予算を幾ら取るとか、ここの山をどうするという問題じゃありません。これは国土保全上重大であるから、政府も緊急に対策を講じたい、立法措置もとりたい、そういうあなた方の決意を述べられて、そして急いで対策を講ぜられることが、私はあなたの答弁の内容ではないかと思うのですが、まあいろいろあなたのお考えもありましょう。 もう一つ私が申し上げておきたいのは、鉱害に関連してよく大学の先生が調査にいらっしゃるのです。これはぜひあなたの耳に入れておきたいと思う。鉱害問題は今私ども国会議員の活動でずいぶん多くの部分を占めておるのです。大学の先生が必ず通産省または業者の依頼を受けて調査をなさる。その結果はどうかといえば、地元は大学の先生だというので非常に信頼をいたしておりますけれども、その結果というのは、鉱害のようにも考えられるが、鉱害とは言い得ないというのがほとんどの結論なんです。これに対して炭鉱業者は何と言うか。そら、お前たちは文句を言うけれども、大学の先生は、鉱害であるとは言い得ない、こう言っているじゃないか、君たちには最近まで見舞金を出しておったけれども、もうこれでおしまいだ、出さぬぞと、結果においてはいつも会社側に利用されておる現状なんです。私の近辺で大きな山がずっと亀裂を生じました。山の中腹が半分ばかり落ちました。これはもう鉱害に間違いございません。現にそこを掘っている炭鉱の鉱員が言うのですから。ところが九大の先生に調査をしてもらうと、いや、掘ってはいないようであるから鉱害とは言い得ない、こういう結論でした。局長、よく聞いて下さい。立川は私の町内です。最近になっては鉱害の補償金を出している。いや、あそこは実はずっと掘っておりまして、もう山のすその川を越えてあなたの方の部落の中心まで行っております。だから灌漑用水の費用も私の方で出しましょうと言ってきておる。炭鉱がそう言うから、鉱害じゃないと言った大学の先生は、はっきり言って私は背信行為だと思う。もう一つ武雄の近辺では何と言ったか。北方から高橋までの鉄道が一尺近くずっと陥没いたしました。特鉱でこれを復旧いたしたのですが、その鉄道線路の周辺がずっと沈下したのです。鉱害の補償金をくれと言ったところが、私の方はそれは掘っておりませんから出せませんと言う。それは、鉱害というのを行政区画で切って、北方町の方は、掘っておりますからといって鉱害の補償金を出した。打ち切り補償をした。今までの減収補償も出しました。しかし次の武雄市は、私の方は関係ございませんといって、一文も出さなかった。そこの武雄市の鉄道が一尺近く沈下をしたから、特鉱工事でこれを復申したのです。その周辺の沈下した部落に特別鉱害補償をくれと言ってもなかなかくれないのです。この委員会でも、この問題はもうこれで三回目です。そのときに九大の先生は何と言ったか。炭鉱ではそこは掘っていないと言うから鉱害ではありませんという返事を出した。炭鉱がそう言うから鉱害ではありません、こういう大学の先生の判定なんです。この問題は最近いろいろお骨折りをいただいて炭鉱も出すようになりつつありますが、今度の江辺でもそうなんですよ。ある先生が行って、もうこれは大丈夫ですと言ったから、みんな安心しておったが、今度はがあっと崩壊してしまった。幸い閉鎖その他の適宜の処置がよかったから一人の死傷者もおりませんでした。二百戸も埋まり、二百九十戸の人たちが避難しましたけれども、死傷者はなかった。私が視察に行ったときに、佐世保の記者団に何と言われたか、どうですか、その炭鉱があれは鉱害ではないと盛んに言っておる、災害のときに少しひどいですねとみんなから言われた。九大の先生はもう当てになりませんよと言われた。私は九大の中にもいい先生がいらっしゃることも知っております。しかし定評があるのです。名前は、私は言いたいけれども申し上げません。こういうこともやはり通産省は考えておいてもらいたい。大学の先生もいう信頼度に便乗した、そういう会社側の動き、会社の言っていることと、大学の先生の言うこととその結果はぴったり合うのです。私はこの問題は別途取り上げる機会もあると思いますので、これで終わりますけれども、鉱害について、地すべりと鉱害の問題、いや地すべりだ、鉱害だ、いろいろ問題があります。何とかしてくれと地元は言っておる。片一方はあれは地すべりだと言う。片一方は鉱害だと言う。その点についても十分通産省は考えておいてもらいたいことを私は強く要望いたしておきます。もう答弁は要りません。また機会がありましょうから。
○上林山委員長 滝井義高君。
○滝井委員 石炭の基本的な問題については、いずれ有沢団長の結論が出てから少し質問をさしていただきたいと思いますが、きょうはこの前の国会を通りました石炭鉱業の合理化臨時措置法のいろいろの実施上の問題点、そういうものについて質問をして、政府の見解をお伺いしたいと思うのです。今後ニュー・スクラップ政策というものが順調に進んでいくためには、そういう事務的な問題というのがうまくいかないと、なかなか合理化政策が進まないと思います。実はその私の質問の要旨を前もって御通知申し上げておけばよかったのですけれども、時間がありませんでしたから言い出し得なかったのです。 そこで、この前私一応資料を石炭局長に出していただくようにお願いをしておいたのですが、それは現在ニュー・スクラップの申請をしておる炭鉱の鉱区で鉱業権が差し押えをされておる実態、あるいは抵当権を設定されておる実態、そういう資料を出していただきたいというお願いをしておいたのですが、何かそういうのはできておりますか。
○中野説明員 この前の委員会におきまして資料要求がございましたので、さっそく現地に指令をいたしまして調査をさしております。ただ御承知のように、これは業者の方の申請のありましたものにつきまして鉱業権の原簿を一々当たらなければなりませんので、相当時間がかかる、時間がかかってもぜひやれということで、今やらしておりまして、もうちょっと時間がかかると思いますが、急がして今調査をやらしておりますので、でき次第提出をいたしたいと考えております。
○滝井委員 あれは鉱区の登録簿を見ると全部、この鉱区は何月何日差し押えされた、何月何日抵当権を設定したということが出ているわけでしょう。だから鉱区原簿をずっと繰ってみたら、その点はすぐわかるんじゃないですか。鉱区の原簿に差し押え登録は全部登録されてきているはずですがね。
○中野説明員 御指摘の通りなんですが、ただ、今四百五十万トン申請がありまして、それを一々その原簿と照らし合わせまして調べなければいけませんので、相当時間がかかる、相当人を動員しましても、原簿が一つしかございませんし、至急やらしておりますが、幾ら急いでも一カ月はかかるというそのときの現地からの報告で、それは事業団の方へいって通産局の人にやはり調査させないといけませんので、そういう関係もございまして、ちょっと時間をかしていただきたい。
○滝井委員 実はなぜ私がこういう問題を出すかというと、これが一番重要なところなんです。今までこの問題はニュー・スクラップ方式を論議するときに、私たちは論議してなかった。今度の新方式は前の買い上げのときとは違うわけです。前は、買って下さいと申し出て、そしてあとで鉱業権を抹消すればよかった。ところが今度は先に鉱業権を抹消していかないと、交付金がもらえないのです。違ってきているわけです。そこで今後あなたの方で四百四、五十万トン以上の申し出のある炭鉱を非常に合理的に、雇用対策もひっくるめておやりになろうとすれば、まずこの第一の関門を通らなければならない。第一の関門を通るためには、お金が必要になってくる。抵当権あるいは差し押えをされているその差し押え権者と話をつけて、そうして鉱区の抹消をするためにはお金を持っていかなければならない。このお金は一体どこからつくってくるかというと、鉱業権者がつくってこなければいけない。ところが退職金も労働者に払えない、賃金も払えないような状態になりつつあるこの四百万トンをこえる申し出の炭鉱というものは、そう右から左に、差し押えを解除し、抵当権を解除するだけの金をつくれるはずがない。ここを一体政府はどうするつもりかということです。こういう差し押えや抵当権の設定をしている山は、私は相当あると思う。今のような金詰まりですから、もはや銀行は、炭鉱というのはコマーシャル・ベースに乗らないのだ、資本主義の金融ベースに乗らないのだから金は貸せない、こう言っている。だから貯炭融資その他についても、政府が出てこなければだめだ。いわんや今度は差し押えされている鉱区を抹消しようとする場合には、そこに現金を持っていかなければだめなんです。こういうものの金の措置を一体通産省としては何かお考えになっているのかどうかということです。
○中野説明員 買い上げなら政府の交付金を申請をして、今先生御指摘になりましたように、一般の債権者とは話をつけて鉱業権を抹消する、そういう形において初めて金が出る。もちろん平均トン当たり千百円でございますが、七割は原則として賃金の未払いなり鉱害の賠償という方に充てまして、残りの三割で一般の債権者に対する債務を処理する、こういうことになるわけであります。そういう金が出るということになれば、鉱業権者の方としても債権者と話がうまくつく場合が——今までのところは相当うまくいっている例もあるわけでありますし、その金を政府の方でどうこうするというのはちょっと筋違いというか、そこまではめんどうを見る仕組みに現在なっておりません。
○滝井委員 従ってめんどうを見ないので、鉱業権者が一般債権者なりあるいは差し押えをしている債権者と話をつけなければならぬわけです。つけるためには金が要るわけです。ところがその金は交付金のうちの三割、一億なら三千万円の金で話をつけなければならぬわけです。そうしますと、かりに鉱区の差し押えをしている権者が、まず第一に国税だといたします。二番目は開発銀行が押えている、三番目は中小企業金融公庫が押えている、四番目はそれぞれの県なり市役所なり町が押えている、ずっとみな押えておるわけです。そうしますと、今局長さんが言われるように、一億と仮定をして、三千万円で片づけようとしたときに、国税が一体納得するか。国税がもし五千万円で差し押えをしておったらどうしますか。国税にいって、まけてくれ、こう言ったって国税はきかないですよ。従って、これはまずできない。今までならば私の山を買い上げて下さいということだったのだけれども、今度は自分で死んでいかなければならぬ。死んでいくためには、金がなければ死なれないのです。今度のニュー・スクラップはこういう形になったのでしょう。そこでまず第一の隘路の、差し押えなり抵当権を設定している金を、だれかがつくってやらなければいかぬ。もし政府が何にも助成をしないというならば、これは銀行から金を借りなければ鉱業権者一人ではとてもつくれない。銀行から金を借りてつくるには、最優先の差し押えをしてくれなければ、国税に先んじなければ銀行は金を貸さないということになる。どうしてそういうように大事をとるかというと、今度は鉱区を抹消してしまうんですからね。抹消してしまったらもうあとは何にもなくなってしまうのです。抵当権も差し押えの権利も消えてしまうのです。だから、ここにむずかしさが出てきているわけです。これは今後の事務処理における一つの大きな問題点です。政府がたとえば暫定的に、三割のその債権を基礎にして金を何とかするということでなければ、話にならぬことになるわけです。こういう問題が出てきたのです。これは一つの問題点として方針を出してもらわぬと、なかなかうまくいかぬですよ。 ————◇—————
○上林山委員長 次に、去る八月二十七日付託になりました井手以誠君外四十九名提出、鉱山保安法の一部を改正する法律案及びぼた山崩壊防止法案を議題といたします。 —————————————
○上林山委員長 まず、提出者に提案理由の説明を求めます。井手以誠君。
○井手委員 ただいま議題になりましたぼた山崩壊防止法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 本年七月八日の集中豪雨によりまして、長崎県江迎炭鉱のボタ山が崩壊し、江迎町の中心部住宅二百戸以上、国鉄、国道を埋没するという大惨害を起こしたほか、佐賀県伊万里市でもボタ山二カ所が崩壊して水田、県道が埋没する被害が起こっております。このように崩壊の危険があり、緊急措置しなければならないボタ山は、唐津、北松炭田だけでも六十五に上っております。 従来、鉱業権者等のないボタ山は地すべり等防止法によって崩壊防止工事を行なうことになっておりますが、今日まで対策はほとんど講じられていないのが実情であります。しかし今回崩壊したボタ山は現に採堀し、または鉱業権者等が現存しているものでありますが、鉱物資源開発を目的として坑内保安を建前とする現行鉱山保安法の運用実態をもってしては、鉱害防止の実効を期することはとうてい困難であり、特に今日の石炭危機の事情において、鉱業権者等の責任に期待することは不可能に近いものと考えられます。すなわち、事きわめて緊急を要しますので、国土保全と民生安定のためこの特別立法によって、ボタ山の崩壊を防止しようとするものであります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、建設大臣または農林大臣は、ボタ山のある区域で公共の利害に密接な関連のあるものを、ボタ山崩壊防止区域に指定することにいたしました。第二に、都道府県知事は、その防止区域を管理するとともに防止計画を作成して、ボタ山の切り取りその他防止工事及び付帯工事を行なうことを規定いたしました。第三に、建設大臣または農林大臣は、その規模が著しく大であるとき等、国土保全上重要と認めるときに直轄工事を行なうことといたしました。第四に、防止区域内で立木竹の伐採、のり切り、切土、土石、鉱物の掘採または集積を行なうとき等は、知事の許可を受けねばならないことにいたしました。第五に、都道府県知事は、ボタ山崩壊の危険があるときは、居住者に立ちのきを指示し、家屋等の移転または除却を勧告することといたしました。第六は、都道府県知事の行なう工事または直轄工事の費用は、国が五分の四、都道府県が五分の一を負担することといたしました。第七に、鉱業権者または租鉱権者は、崩壊防止工事及び防止区域の管理に要する費用の四分の一を納付することといたしました。第八に、都道府県は、家屋等を移転または除却した費用の三分の一(畜舎、収納舎等は二分の一)、国はその三分の二を補助することといたしました。第九に、家屋の移転者等には住宅金融公庫から資金の貸付を行なうこととし、また農業用の家屋その他施設の資金は都道府県が無利子の貸付を行ない、国は補助金を交付することといたしました。 最後に、崩壊防止区域内にある鉱業権者または租鉱権者のボタ山については、本法は鉱山保安法に優先して適用を受けることといたしました。 なお、ぼた山崩壊防止法案と関連して提出いたしております鉱山保安法の一部を改正する法律案は、ボタ山が今後崩壊のおそれのないよう規制を強化し、鉱業権者等の義務として、捨石集積場の位置並びにその高さ及び傾斜度の措置を行なうことを加えて、鉱害防止を期待することといたしたのであります。 以上がぼた山崩壊防止法案及び鉱山保安法の一部を改正する法律案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
○上林山委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○上林山委員長 次に、石炭対策に関する件についての質疑を続けます。滝井義高君。
○滝井委員 今のニュー・スクラップをかける場合に、その鉱業権が差し押えをされ、あるいは抵当権が設定をされておる場合には、これを解除しなければ交付金がもらえない。そこでその解除するためのお金を一体どうするか。今のように、炭鉱業者がその金を順当につくり得るという見通しはない。これは一つの問題点である。だから政府はこの問題点に対して、申し出ておる炭鉱を順当に処理していくためには、処置の方法を考えてもらわなければいかぬと思います。具体的なそこまでは政府はやれないとおっしゃるが、やれなければ、自分で死んで申し出るわけですから、なかなか死ねないということになるわけです。そういう問題が一つある。これは十分検討していただいて、何らか対策をぜひ一つ立ててもらいたいと思うのです。 もう一つ、今度はそれに関連して問題が出てくる。ニュー・スクラップにかけようとするときには、今までの買い上げのときも同じですが、二十円の納付金を納めていなければだめなんです。納付金を全部納めてしまわなければ買い上げをしない。一昨年の四月くらいに、政府は業務方法書を変えたと思うのです。それまでは、納付金を納めていなくても買い上げていた。買い上げた代金の中から、納付金を差し引いていた。ところが一昨年の多分四月ごろだったと記憶しますが、そのころから全部納付金を納めたものでなければ買い上げないことになった。そこでまず、現在納付金の未納はどのくらいあるかお伺いしたい。
○廣瀬(正)政府委員 整理交付金制度につきましては、御指摘のようないろいろの問題があろうかと思いますので、政府におきまして十分検討いたしたいと思っております。
○中野説明員 合理化事業団に対する石炭業者の納付金の未納額は、約五億円でございます。
○滝井委員 その五億円の中で、これも調べてもらわなければならぬことになるのですが、今度申し込んでおる炭鉱の未納額は幾らになるかということです。
○中野説明員 今手元にはっきりした資料がございませんので、至急調べまして御連絡いたしたいと思います。
○滝井委員 おそらくその五億円の相当の部分は、今ニュー・スクラップを申し出ておる炭鉱の未納金ではないかという感じがするのです。それは、申し込みをするくらいの炭鉱ですから、トン当たり二十円以内の納付金をなかなか納め得ないという形があると思うのです。そうしますと、差し押え、抵当権を解除するためにすぐ現金が要るということです。それから今度は、自殺をするためにはとにかく納付金を納めておかなければならぬという、こういうことがあるわけです。そこで納付金を一体どう処理してくれるかということなんですね。これに対する金融の道を講じておかぬと、もう門口を入れぬです。極楽にいこうと思ってもいけないわけです。
○中野説明員 数字は後ほどまたよく調査いたしまして御連絡しますが、私がちょっと前に聞いたのでは、今四百五十万トンの申し込みのうちで、先生御指摘になったように、相当部分がそれにひっかかっておるということはないと思います。相当部分のものは納めております。私が聞いたのでも二、三そういう問題がございましたが、これはどうしても納めてもらわなければ、納付金を納めない者に交付金をやるわけにはいかない。これは当然石炭業者の義務として、国も金を出すが、業界全体もトン二十円の納付金を納めて、そうして千百円の交付金のうちで八割は国が補助してあげましょう、二割は石炭業者全体がお持ちなさいという建前で出発しておりますから、その建前はくずすわけには参らないのではないか。その金は自分で調達をして納めて、交付金をもらう、こういう段取りになると考えます。
○滝井委員 局長さん御存じの通り、電力料金の値上がりやら賃金の値上がりやら、坑木、火薬の値上がり等の措置をする場合に、特に運賃については合理化事業団が保証にまで立っておるわけですね。こんなものは、保証するというなら貸してくれたまえと同じです。今の石炭業界からいうと、現実に石炭を送って金にしなければならない国鉄の運賃さえも値上がりして払えないから、合理化事業団がみてやっておる、こういうのが実態でしょう。そういう中で今度は自殺をしようというときに、その自殺をするカルモチンを買う金がないというのが実態でしょう、納付金というのは。これがなければ死ねない。死のうと意思決定したといっても死ねない、カルモチンを買う金がないのですから。変な言い方だけれどもそういう状態でしょう。そうすると、政府は合理化を進める方針は決定をされたけれども、現実に五億の未納がある。五億のうちの五分の一だって一億円ですよ。一億円の金をすぐにつくってこなければだめだということになると、なかなかなのです。だからこういう場合には、ニュー・スクラップにかかれば金は確実に入ってくるわけですから、そうしますと、何かそこにこれは弁法を講じなければならないわけです。考えなければここで事務はストップしてしまう。金をつくるまでにじんぜん日がかかる。ニュー・スクラップに出るような炭鉱は担保力がない。担保になるものはもう入ってしまって何もない。従って、納付金が今一億でも二億でも滞納しているということになれば、非常に問題になってくる。だからこの納付金の問題は、何らかの解決の道をとらなければならぬと思うのです。もとは十億をこすくらいの未納があったと思うのです。だから、そういう未納があるので大へんだというので、一昨年の四月だったと記憶しておりますが、納めなければだめだということにしたと思うのです。ところが現実になお五億の未納があるということになりますと、これはまずその入口から一つ問題が出てきておるわけです。これは局長さんの言われた通り、事業団は絶対にこれを納めてくれなければ買い上げませんと、こうなっておる。その金を一体順当につくる見通しがあるかどうかということになれば、疑問です。これも一つぜひ考えておいていただかなければならぬ大きな問題点です。そこで何かちょっとてこ入れしてやると、これはすっと門口を入れる、こういう形になるわけです。私はニュー・スクラップにおける問題点だけを指摘していきます。必ず出てきます。これは数多い炭鉱ですから、必ず出てくる。 次は、納付金を納めた。同時に、今度は差し押えも解除した。さて差し押えを解除したといっても、解除する段階でまず第一に問題になってくるのは国税です。多く国税が差し押えしています。そこで保安の臨時措置のときには国税がどういう通牒を出しているかというと、こういう通牒を出しているわけです。税金の延滞利子もつけて、たとえば一億円の税金の未納があったとします。そうしますと国税は、保安の臨時措置のときには、半分はおりてよろしい、五千万円は負けてやってよろしい、五千万円はとれという口頭通達みたいなものを出しております。そうすると、今度のニュー・スクラップのときには、一体どういう措置をするように大蔵当局と通産当局は話し合いをしておるか。
○中野説明員 ニュー・スクラップ方式の場合におきましての国税の取り扱い方につきまして、国税庁の方から特別の通達等は出ていないように聞いておりますが、これは、要するにやはり債権者の一人でございますから、両方の話し合いによってきまりをつけていくという方法をとる以外に方法はないのじゃないか、こう思います。
○滝井委員 いいですか。そう簡単に、そっけない返事ではどうにもならぬ。なぜならば、国が石炭山をつぶすために、いわばできるだけ能率の悪い炭鉱をやめていただくために、あなたの今御説明のように八割の金を、国費を出して山をやめてもらおうというわけでしょう。そうすると、その前に立ちふさがるのは国税です。一億差し押えしておる、一億の金を持ってこなければ合理化まかりならぬ、こういうことです。国はなけなしのわれわれの税金を出して山をつぶそうと言っておるのに、国税は待ったという形になっているわけです。そこでこの国税を納得させるには、だれが一番納得させることができるか。政府内部で通産大臣と大蔵大臣が話し合ってもらわぬことは、どうにもならぬ。保安の臨時措置のときに、国税が税額の二分の一までは負けてもよろしいというのは、保安局長の方と国税と話し合ってできたわけですか。それとも国税が自主的におやりになったことですか、そこはどうです。
○八谷政府委員 通産省と大蔵省との話し合いによりまして、そういうふうな運びにいたしております。
○滝井委員 そうしますと、通産省と大蔵省と話し合った、こういうことなのですが、今度のニュー・スクラップの場合には、今話し合っておらぬ、それは業界と税金をとる方の国税と話し合えということはおかしいと思います。ここらあたりをきちっとしておかぬと、どうしていいかわからないのです。そこできょうは国税庁長官を呼ぶわけですけれども、非常にここが問題なところなのです。そうして、私は知りませんでしたが、昨年から参加差し押えという制度ができた。まず昭和三十年なら三十年の税金をぽっと国庫が差し押える。そうして今度は三十六年の税金の未納があると、参加差し押えでいくわけです。従って、三十年のものを片づけても、今度は三十六年のやつが新しく差し押えにあがってくる。無限にあがってくるのです。そういう炭鉱は労働者の給料の源泉徴収の滞納とか、いろいろ滞納がありますから、次から次へ参加差し押えがあがってくる。そういう制度が去年の四月にできておるそうです。従って、そういう参加差し押えというものをひっくるめて大蔵当局と通産当局との話し合いがついていないと、なかなかむずかしいですよ。そうしますと、さいぜん私が指摘したように、まず第一に国税との話がついても、国税が全部金を持っていったら、そのあとに、たとえば開発銀行、中小企業金融公庫、県あるいは市町村、こういうように幾らでも差し押えが次から次へついておるから、従って国税と話がついても、今度は開発銀行と話をつけなければならない。やはり金が要る。開発銀行と話がつくと、中小企業金融公庫がある。やはり金が要る。地獄のさたも金次第で、炭鉱が死のうと思っても、地獄と同じですよ、金をつくっていかなければ、その前に公的な政府と関連の機関が立ちふさがっておる。こういう形になっておる。従ってこれをきちっと整理をして、系統的に方針を出してもらっておかぬとどうにもならぬ。これは業務は八月四日以来進んでおりますが、これは検討していないですか。
○中野説明員 今の御指摘の国税との関係等につきましては、債務処理要領というようなものをつくりまして、今関係方面とも相談したいというふうに考えております。至急検討して取り進めたいと考えております。
○滝井委員 今言ったように非常に複雑な問題がからみますから、簡単に事務的にいくと思ったら大間違いです。今の日本の炭鉱は傷だらけですからね。いわば、お前の山はガンだからといって腹をあけてみると、胃のガンたけじゃなくて、頭の先から足の爪先までガンが転移して、どうにもならぬという状態になって買い上げにいっておるのですから、縦って手術をして死ぬるにしても、やっぱり楽に死なしてもらわぬと、もう死ぬ段階になっても金づくりにあっちこっちうろつかなければならぬという状態では困るんですね。それなら、どうせ出てくるのですから、そこらあたりをもう少し合理的にいくようにしていただきたいと思います。 それから政令の段階で、未払い賃金と鉱害が非常に多い場合には債権者に支払う百分の三十は払わなくてもよろしい、百分の百全部を未払い賃金と鉱害に充ててもよろしいという言質を、私佐藤通産大臣からいただいておるわけです。そして、それは政令に載っています。たくさんの債権者がおります。今言ったように国税から開発銀行からおりますが、このときに、百分の三十の債権者にいく分をやらずに、全部未払い賃金と鉱害に充てた場合に、一体通産省としては債権者にどういう形で納得させるか。まず第一に、国税に一体どういう形で納得させるか。一文の金なしに、開発銀行や国税や中小企業金融公庫に鉱区抹消の判を押してもらわなければならぬことになる。この手段、方法ですね。その場合に、いかに通産大臣と大蔵大臣がそれを協議し、処分するかということです。
○中野説明員 ただいまの御指摘の点は、百分の三十で一般の債権者がどうしても納得しないという場合には、これはもうやむを得ないと思いますが、その場合には通産省も必要があれば個々のケースについて中に入りまして処理することも考えられますが、どうしても債権者の方で聞かなければ、百分の三十の範囲内でやっていただく、こういうことになると思います。
○滝井委員 百分の三十の中でしか配分できないわけですから、それは当然なんです。ところが、その百分の三十もやらなくてもいい場合がある。鉱害と未払い賃金が非常に多くて、この鉱害と未払い賃金の処理が著しく困難であると認めたときには、通産大臣は、その三十を債権者に回さずに、未払い賃金と鉱害に回して、未払い賃金と鉱害とに百分の百をやることができる、政令はこういう規定になっているんですよ。そのときに一体債権者をどう納得させますか。たとえば典型的なものは国税ですが、国税を一体どう通産省は納得さしてくれますかということです。大蔵大臣と通産大臣と話し合いができていなければ、国税はがんとして鉱区の抹消をしない。抹消しなければ、この山は買い上げにならないのですから、抹消に持っていかなければならぬ。一文の金なくして抹消するわけです。どういう方法でしますかということを言っておる。これは政令にお書きになっていただいたのですから、話し合っておらなければならぬ。
○中野説明員 百分の三十は当然でございますけれども、未払い賃金なり鉱害の方が百分の七十をこえて払わなければいかぬという場合に、たとえば百分の八十をそっちへ向けて、百分の二十で国税庁なり関係の債権者と話し合いがつけば、それはそれでいいわけです。つかない場合は、これは仕方がない。しかし必要がある場合には、個々のケースについて通産省が乗り出してもいいと思いますけれども、一般論でどうかということは言えない。それぞれ個々のケースによってみんな事情が違うわけですから、それぞれのケースに従って処理するという以外にはないだろうと思います。
○滝井委員 それはわかっております。だから、百分の三十を債権者に割り当てます。残りの百分の七十を未払い賃金と鉱害に割り当てます。そうして百分の二十を賃金が先取りします。残り百分の五十については、鉱害と未払い賃金で按分します。しかしその場合に未払い賃金と鉱害が非常に多い場合には、債権者にやる百分の三十は全然やらなくてもよろしいということになっておる。今のあなたの御説明のように、これは三十の中から十を削って二十やるとか、十五を削って十五やるという場合には話がつくと思うのです。ところが全然やらずにゼロの場合には、通産省と大蔵省が基本的な話し合いをしておかないと、百分の百の場合にはこうしなさいということを末端の国税局等に言っておいてもらわぬと、末端はどうにもならぬ。そのためには通産大臣と大蔵大臣が協議して、きちっとしたものを業務方法書に出しておいてもらわなければならぬ。あなたのさいぜんおっしゃった債務の処理要綱の中に、百分の百を未払い賃金と鉱害に充てる場合にはどうするかということを出してもらっておかなければいかぬわけです。そうしないと、とても事務段階ではどうにもならぬですね。その場合に一体通産省と大蔵省とはどういう協議をして、どういうことになっておるかということをお尋ねしておるわけです。これはここで石炭鉱業合理化促進法を通過させるときに、ストップして、佐藤通産大臣が了承して政令に書くことになったものですからね。それをお尋ねしておるわけです。
○中野説明員 今そういう方面、関係の事項につきまして、先ほど申し上げました債務処理要領というようなものにつきまして、関係のところで相談しておりますので、今御指摘になった点もそういうものの一環として検討いたしたい、こういうことであります。
○滝井委員 ぜひ速急に一つやっていただきたいと思うのです。私ずっと問題点だけ出していきます。 それから、多分この法律に出ておると思いますが、差し押えあるいは抵当権を解除しますね。そうして交付金をいただきます。そうすると、いただいた交付金の百分の七十を留保するわけです。この留保した百分の七十については、差し押えを禁止しておるわけです。ところが債権者にいく三十については、差し押えを禁止していないのです。そこで、百分の三十について差し押えがくる可能性が出てきたわけです。どういう工合にくるかというと、こういう工合にくるわけです。まず、きょう鉱区の抹消を債権者の許可を得てやって、事業団に出すわけですね。そうすると事業団は、お前の交付金は一億円だという決定をしてくれて、その一億円のうちの三千万円は一般債権に充てるのだという通知をくれるわけです。そうすると、そのときには、国税も中小企業金融公庫も開発銀行も、全部鉱区を抹消しておるから、その鉱区については、あるいはその人の持っておった債権については、いわばもう全部済んだ形になっておるわけですね。抹消してしまったのだから、話はついたわけです。ところが済んでいない一般の債権者、たとえば杭木代として一千万円の貸しを持っておる滝井義高が来て、その百分の三十を間髪を入れず差し押えてしまう。これを防ぐ方法はない。そうしますと、同意をした国税や開発銀行は泣かなければならぬ。一文も取れぬ場合が出てくる。これを一体どう防止するかということです。この防止法がない。そこで私は、その防止法は、百分の七十の留保分は差し押えを禁止しておるのだから、この三十についても、これはたとえば委任状その他で話のついたときには差し押えすることができないという規定を入れないと、根本がくつがえってくるということです。こういう場合が出てきたわけです。これに対する有力なきちっとした案文の対抗措置というものを考えなければいかぬということです。これは何かいい案がおありならば、御説明を願いたい。
○中野説明員 これはなかなかむずかしい問題でございますので、私どもから言えば、名案もないのですか、要するに債権者の話し合いをつけて鉱業権を抹消するわけで、その抹消と引きかえに金を渡すわけですから、その話し合いの線に沿って即刻金を払っていただく。ほかから茶々が出ないように上手に立ち回っていっていただくより仕方がないのじゃないかと思います。
○滝井委員 上手に立ち回るというわけにはいかないのです。たとえば、これは世間が知らなければいいですが、これは公告しなければならないわけです。公告をするのですよ。それで困るのです。そこで滝井義高という債権者が、中野炭鉱というのは九月一日には大体交付金がおりるらしい、こういうことをかぎつけたとします。そうして九月一日に交付金がほんとうにおりるというときに、八月三十一日にぼっと差し押えの手続をとっておったらどうしますか。そうしますと今度は国税は、私が国税だったら、やめた、こうなります。もうあの取り消しはやめた、金をもらえないかもしれない、こうくるわけです。そうするとこれはニュー・スクラップ化はできないことになる。従って一番安全な方法は、その鉱業権者と債権者との間に債権の確定をきちっと初めからしておけばいいのかもしれませんが、こういうこともまためんどうなことなんですね。今委任状の形式でやっています。何々にこれだけのあれを事業団からもらうことを委任しますという委任の方式をとっております。しかしこれは委任ですから、前もって差し押えをしておったらどうにもならない。これはもう鉱区を全部抹消してしまっておるのですから、抹消した債権者、抵当権者というものは何もあれがないのです。だからそういうことを聞いたら、前の抹消を取り消す以外にないわけですね。鉱区の抹消を取り消す、あれはだめです。やめた、と言う以外にない。やめたと言えば、炭鉱はニュー・スクラップにかからないのですから、私考え得るいい方法は、百分の七十については差し押えを禁止しているでしょう、三十についても禁止する以外にないのです。話し合いのついたものでやるという、しかもそれは抵当権か何かついておるものだけだということにしないと困るのじゃないかと思うのです。だから、これは法律論としては非常にむずかしいのです。しかし、非常にむずかしいけれども、これを解決しておかぬと安心して協力しないですよ。みんな債権者や差し押え権者が協力しないです。だから私の経験では、全くこれは毎日のように鉱害課長さんなりあるいは事業団と連絡をとりながら、できるだけ秘密にしてこれを処理していかざるを得ない。ところが債権者は、坑木業者だって火薬業者だって、ウの目タカの目で、この炭鉱の運命はどうなるかということを今見ておるわけですね。だから、それには異常な苦心が要る。一つの山を処理するのにそれだけの異常な苦心をしておったら、これから四百万トンも五百万トンもやるのには、鉱害課長さんは五人くらいかわらなければ命が持てぬですよ。それだけ神経を使う。だからここらあたりをやはり何か、その三割については、安全に、話し合いのついた債権者にきちっといって、死ねる体制をつくってもらわなければいかぬと思うのですがね。
○中野説明員 通産省の方でもいろいろ研究してみたいと思います。
○滝井委員 私の出す問題はなかなかひねくれておるけれども、事務処理の上でこれは一番大事な点ですから、自分がやって苦心惨たんしているものですから、あなた方にきちっとしたものを早くつくってもらうために質問しているのです。ほんとうは前もって通告してやりたかったのですが、時間の関係できょうやった方がいいというものですから、急に出てきたのです。 次に、無資力になった場合です。普通の炭鉱では鉱害復旧事業団というものに、御存じの通り、賦課金を納めなければならぬわけです。ところが無資力になった場合に、この賦課金の納めようがないわけです。この賦課金というのは、いわば事務費ですよ。これは建前は鉱害復旧額の七%納めなければならぬ。七%というから少ない額だと思うけれども、鉱害復旧というのは何千万円ですから、一万や二万の金じゃないわけです。百万単位になってくるわけです。そうしますとこの金を、無資力の場合は納める人がいない。納める人がいないので、復旧事業団はそんなものは引き受けられぬ、こういうことになるわけです。これを一体どうするかということです。これは今事務的な一つの隘路になっているわけです。そうするとこれからだんだん炭鉱がニュー・スクラップその他よけい申し出てくると、無資力になるものは相当出てくると思うのです。そうすると、無資力になった場合に、この事務費というものをどうしてもどこからか出してやらなければならぬ。私は無資力になった場合は事務費は、賦課金は国が当然出すべきだと思うのです。今までは健全なものは、無資力にならないものは、鉱区権者が出すでしょう。しかし無資力になった場合は出せない。出せないから、復旧事業団は事務がやれないわけです。これはぜひ一つ大蔵省と折衝して、賦課金つまり事務費を復旧事業団にとるようにしてもらわなければならぬと思うのですが、これはどうですか。
○矢野説明員 お答えいたします。 滝井先生の今の御質問、まことにごもっともだと思いますが、現在国からのいわゆる復旧事業団に対します補助金は、一応国が支出いたしましたいわゆる各物件ごとの補助金の一%というものが出ております。しかしおっしゃる通り、無資力が今後ふえますと、非常に事業団の事務経費上は問題点がありますので、私どもの方としてはこういう無資力鉱害に対する配意というものを、来年度予算問題としていろいろ検討しております。そういう御趣旨に沿った形で考えて参りたい、事務費の増という問題で考えて参りたいと思います。
○滝井委員 一億の鉱害復旧をやるとすれば、七%、実質的には最低市町村当たり三%、普通四・八%とるでしょう、そうすると四百八十万円、一億の鉱害復旧をやるとすれば出すわけですね。全然政府がやらずに無資力を復旧事業団にやらせるとすれば、復旧事業団は四百八十万円をどこからか捻出してこなければならぬ。とてもそんなものを復旧事業団は引き受けない。だから、私の方は技術屋がおりません、事務員が足りませんといって、だんだん無資力のものは復旧があと回しあと回しになってくる。そういう形にならざるを得ない。出すものを出していないのですから、ぜひこれは考えていただかなければならぬ問題だと思うのです。これは大蔵省にもぜひ一つ最小限三%は出していただかなければならぬと思うのです。 今までA、B、Cという三つの炭鉱があったとします。そしてその三つの炭鉱の共通の脱水陥落によって田面が乾燥する、従ってその三つの炭鉱が共同の施設として灌漑のポンプをやった。これは臨鉱あるいは特鉱でやっておった。ところが今やそのABC三つの炭鉱は閉山をして跡形もなくなってしまった。そうすると、この三山でやっておったポンプ・アップをする灌漑水の施設というものは、一体だれが運営管理をするのかという問題です。今これは何町歩という田を灌漑しているポンプですから、だれかやらざるを得ないというので、その炭鉱のあった一番関連の深い市町村がそれを維持管理しているわけです。ところが灌漑期に全部にわたって大きなポンプを連営するわけですから、一万二万の電気代じゃないわけです。ポンプを維持管理する人も二人や三人置かなければならぬ。こうなりますと、その維持管理の経費というものを、炭鉱が持たなければならない金を、炭鉱が跡形もなくなったということから市町村が持っておるのだが、これを永久に市町村に持たせるつもりなのかどうかということです。これは農林省にも関係が出てくるわけです。当然これは国が持たなければならぬものじゃないかと私は思うのです。その三つの鉱業権者が臨鉱あるいは特鉱でつくったものだ、だから維持管理費は三つの山が健在の間は三つの山で出しておったのだが、今や跡形もなくなってしまったので、これを町に維持管理を永久にさせるのかということです。この場合、問題が二つ出てくるわけです。維持管理を永久に町がやらなければならないのかという問題が一つ。いま一つは、ポンプというものは人間がつくったのだから十年、二十年たつうちに役に立たなくなるわけです。もう一ぺん新しくつくりかえなければならないという問題が出てくるわけです。このときには一体その町がつくりかえることになるのか。この二点について明確な御答弁をいただきたい。もう現実に火をふいている問題ですから……。
○矢野説明員 ただいま御質問のございました特に特鉱ポンプの維持管理費の問題でございますが、これは鉱害対策審議会におきましても問題点として出されておりまして、答申といたしましては、鉱害復旧事業団が管理すべきではないかということでございます。 それから最近の石炭調査団におきましても、これは非常に大きく閉山対策として現在取り上げられておりますので、いわゆる維持管理基金と申しますか、そういった形で、何らか将来の減価償却ということも含めまして、いわゆる国庫補助ということで私どもとしては現在検討しております。
○任田説明員 ただいまの問題につきましては、鉱害復旧の本質からいいまして、維持管理も含めての復旧というものでやるべきだと考えております。
○滝井委員 復旧事業団が管理をするのが当然だという御答弁があったわけです。ところがさいぜん申しますように、無資力の山の鉱害復旧をする金、すなわち事業費さえないといって復旧事業団はお手上げをしているわけです。いわんやポンプの維持管理、さらにそれが悪くなった場合の更新まで、あるいは大きな補修までその復旧事業団にやらせるとするならば、復旧事業団によほどの金をつけておいてやらないと、それはできないです。今の復旧事業団にはそんな金は全然ない。哀れなものです。だからこの点、もう少しきちっとしておかないと大変なんです。これは農林省の農地にも直接関係があるので、農林省の方もがんばって、きちっとしてもらわなければならぬ問題だと思うのです。農林省も幾分言ってはおりますけれども、通産省との間にきちっと意思統一して、政府の統一見解としてこうするのだということを言ってもらわなければならぬと思うのですが、これは一つ大蔵省もしておいてもらわぬと、金の問題ですからね。現実に今ある問題を言っているのです。これからつくる問題ではなくて、今まで炭鉱が維持管理しておったものを、今度は炭鉱がなくなってしまって、その炭鉱の事業主はどこにいるかわからぬという場合に、今町がやっておるが、その町がやっているものについて、一体その経費というものを、今の御答弁のように、それではあすから復旧事業団に、天日さんのところで取って下さいと言っても絶対に取らぬでしょう、そんなものをわしのところに持ってきたら大へんだといって、天日さんは絶対に取らぬ、拒否してしまう。だから泣く泣く市町村が運営しているわけです。今立てかえて金を出してやっておるわけです。だからこの問題は政府の、農林省、通産省、大蔵省の統一的な見解として、こうしますという方針をきょうは一つ出してもらいたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 ただいま御指摘の問題につきましては、鉱害課長から御答弁申し上げました線に沿って十分検討いたして、関係の各省と打ち合わせて対処いたしたいと思っております。
○滝井委員 そうしますと、その維持管理あるいは更新をする場合に、復旧事業団が全部その経費を持つという方向で政府は予算措置等を講ずる、こう理解して差しつかえありませんか。
○廣瀬(正)政府委員 そういうようなことで検討してみたいと思っております。
○滝井委員 これはもうここ三、四年私が繰り返している問題です。この問題をまたきょう繰り返すわけですが、検討々々でまだ片づいていないのですね。それで私、きょうは特に大蔵省に来てもらってということなんですが、きょう結論が出なければ、井出さんもこの国会でやってくれと言っている、佐賀県にも問題があるので、ある程度の時間を与えてもけっこうですが大蔵、農林、通産三省の間で十分意思統一をしたその統一見解を次回の委員会ぐらいまでに言っていただけますか。
○上林山委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○上林山委員長 速記を始めて。
○滝井委員 今のはすでにできておったものが炭鉱主がいなくなって町に流れ込んできたものです。今度は無資力で新しくつくる分が出てくるわけです。新しくつくりますと、一体だれがこの維持管理をやるか、だれもやり手がいないのです。今まであったもので流れ込んだものは、やむなく町がやっておるわけです。ところが今日新しくやるについては、町はやらない。それは見通しがつかないからです。それでは町で引き受けましょうということにはならないのです。たんぼの灌漑というものは、引き受けたら永久ですからだれも引き受けない。引き受けないで、どういう形をとったかというと、今度は農民が水利組合をつくって、反当たり一俵とか一俵半出し合って、そうしてその米をやみで売って、それで電力料金を納めるということになる。灌漑の施設は、無資力ですから国と県が金をし出て、国が八割か九割、県が少しの金を出してつくってくれる。ところがつくったポンプの維持管理のやり手がないから農民がやることになる。そうすると今までは町が泣き寝入りをしておったのが、今度は農民になるわけです。これも今どういう形で処理しておるか。私率直に申します。どういう形で処理をしておるかというと、今までそういう施設が実際はあったわけです。それは今まで炭鉱が細々ながら灌漑水をやっておった。ところが炭鉱がやめてしまったのです。坑内水で灌漑をやっていたわけですが、炭鉱をやめたから水が出てこないわけです。そこで川あるいは灌漑水路からポンプ・アップをして天水池、あるいは鉱害のために地殻が変動して水がこなくなった田んぼにやるということになる。そうすると、その経費は農民が持つということになる。市は持たない。そこで今まであったことにしてやるわけです。あったことにすれば、復旧事業団が責任を免れるわけです。復旧事業団はそういうものがありました、私たちがやっておりましたから、どうか一つ無資力でやって下さいという形になる。今まであったものを復旧するから農民が自分でやる、こういう形をとっていったわけです。こういうものは暫定的に、とりあえずことしの形はそれでいいんです。ところが来年も再来年も、農民に一俵とか一俵半の米を出さして電灯会社に電力料金を納めさせる、あるいは維持管理を専門のポンプ屋を置いて灌漑水の必要な期間だけやるということはできない。この問題が出てきておるわけです。町ならばまあもうちょっと待て、相談するまで待てと言えるけれども、農民の場合はそうはいかぬのです。これは一体通産省はどうするつもりか。一番関係のある農林省はどうするつもりかということです。これを農民にずっと持たせておくことを農林省はだまって見ておるはずはないと思う。これはもうちょっと検討するまで時間を与えてくれというわけにはいかないわけです。今度新しくできて農民がやるという段階を加えてくると、やはりあなた方はそこで相談をしてすぐ返事をしなければならぬということになるわけです。御答弁はきょうでなくても、あとでもいいですが、こんなものは何億という金はかからないのです。これは福岡、佐賀、長崎に多いでしょうが、こういう場合はそうどこもここも水が出るというわけではない。しかし相当かかるでしょう。一億くらいの金はかかるかもしれません。毎年そのくらいの予算はとってやって復旧事業団にやらなければならないかもしれない。そこでこれは今言うように、農民が自分で出すという段階になってきているのですから、この点農林省なり通産省でもう一ぺんこの段階について見解を伺いたい。
○矢野説明員 ただいまの問題、力における灌漑排水施設の問題でございますが、先ほど無資力鉱害についての水道がないとかいろいろお話がございました。これは全部いわゆる無資力の鉱害措置ということで、私どもとしては今後の法律改正という問題、あるいは予算問題ということで、そういうものに対する救済措置と申しますか、考えて参りたいというふうに現在は考えております。
○滝井委員 無資力に対する措置ですが、有資力の場合も起こってくるわけです。土屋さんが朝日ジャーナルに発表しているように、千万トンも千二百万トンもの山をつぶすといったら筑豊はなくなってしまうのですから、有資力で灌漑水をやったといっても全部同じになる。市が引き受けなければ、農民がやることになる。これは無限、永遠に金をとるというわけにいかぬですから、今のようにニュー・スクラップになっていった場合に基金でも積んでもらえるかといえば、そんなこともできないわけです。これは地殻の変動によって地下水の水道が変わったのです。そのためにどうしてもこういう問題というものは、これは私は今後の合理化が進めば進むほど起こってくると思う。この点はやはり農林省ももっと積極的に考えていただかなければならぬと思うのですが、どうですか。一番これは緊急なんです。稲という生きものを扱っているのですから。それから時期的に適時に水がいかなければだめですからね。その答弁はあとでけっこうです。鳴くまで時とうホトトギスでは工合が悪いので、鳴かしてみしょうホトトギス、豊臣秀吉くらいのところで待ちますから、ぜひ一つ農林省はこれを研究しておいていただきたいと思います。 それから、国税庁がいらっしゃったからもう一ぺん前に帰ります。ニュー・スクラップで炭鉱を処分する場合に、炭鉱の鉱区、いわゆる鉱業権を多く差し押えをしておるわけです。特に国税がしておる場合が多いのです。その場合に横にいらっしゃる八谷さんの方の担当の保安の臨時措置のときには国税は、口頭の通達だったらしいのですが、私は文書で通達しておると思ったら現地では口頭だというのですが、口頭で、国税が差し押えしておる債権額の半分はおりてもよろしい、五千万円で延滞利子その他を含めて差し押えしておるとすれば、二千五百万円おりて、二千五百万円だけもらったら差し押えを解除してもよろしい、こういうことになっておるのだそうですか、今回のニュー・スクラップの場合はどういう方針をおとりになるつもりかということです。
○泉説明員 ただいま滝井委員のお話しになりましたニュー・スクラップの場合につきましてどういうふうに措置するかということにつきましては、これから通産省とお打ち合わせする予定になっております。お話しのように、鉱業権につきましては、国税が差し押えいたしておる場合がかなりあるようでございます。今後の措置によりましてそれが閉山というようなことになります際に、差し押え解除しなければ交付金が受けられないという事態が生じますので、それをどういう基準で差し押え解除を行なうかということにつきまして打ち合わせいたしたいと思っておる次第でございます。お話しのように以前は、差し押え債権の半額程度までならば解除してもよろしいということ、これはとりあえずこの前の保安臨時措置法の場合にそういう通達を出しておるのでございます。今度の場合どういうふうに行なうかということにつきましては、お打ち合わせした結果によってきめたい、かように考えておる次第でございます。
○滝井委員 実はそこらあたり、きょうは前もって私は言っておいてきちっとした答弁を聞きたかったんですが、私の方の質問も急だったからなんですが、やり方としては、今までちょっと私検討さしてもらったんですが、事務当局のいろいろな意見も聞いてみたんですが、四つ、五つやり方があるように思います。まず、国税が差し押えをしておる場合に、その国税が差し押えをしておる全額を持っていけば問題はないわけですが、全額の場合でもたとえば、百分の三十を債権者に充てるわけですから、その百分の三十を全部国税に持っていけば問題はないわけです。国税の差し押え額に満たなくても、これは国税は言うところはないと思う。そういう場合が一つある。それから今の保安の臨時措置法で御通牒になっておる二分の一ですね、差し押え額の二分の一を持っていけばいい、こういう場合があるわけです。もう一つは国税徴収法の優先順位ですが、その順位でとっていく、そうすると、国税が大がい最優先になっている場合が多いのですが、それでおとりになる場合は多いことになるわけです。それからもう一ついいことを習ったわけです。というのは、Aという鉱区がありますと、その鉱区は大がい国税が評価しているわけです。この国税の評価は、普通の鉱業権を売買するよりかずっと安く評価しているのです。たとえば普通の鉱区で三千万、五千万で売れるものだったら、大体その十分の一ぐらいしか評価していないのです。従って、評価額だけをぽっと国税に納めればいいわけですね。これは競売したと同じになるわけです。評価額で競売するわけですね。それから同時に、その鉱区にたくさんな債権者が一、二、三、四、五とおれば、その差し押えした債権額に応じてきちっと按分をしてもらえば、国税は顔が立つわけです。いろいろ検討してみると、そういうような方法があるのですよ。一体このどれをとったら一番債権者は得をするかというと、鉱区の評価額にしてもらったら一番いいわけです。その評価額だけを必ず合理化事業団が国税に納める、納めたそのものについては差し押えを禁止する、こういうことならこれはうまくいくわけです。その差し押えを禁止してもらっておけばいいわけです。これは私のちっとの考え方ですけれども、それがいいかどうかわかりませんが、これならば非常に安くいくわけです。今までの通達は二分の一です。二分の一ということになると、へますると三割全部とってしまうことがあるわけです。国税が三割全部とってしまうと、あと開発銀行や中小企業金融公庫はだめなんです。だから、国税が全部とらない制度を確立することが大事なんです。全部とらない制度といえば、鉱区の評価額で話をつけるということが一番合理的で安上がりのような感じがするのです。これならば通牒を出さなくても、現地の国税局の局長の権限でできるらしいのです。これは競売するのですからね。しかし競売をしたという形をとると他人にいってしまう、他人にいったらだめなんですから、他人にいかないように何らかの方法をとったらいいのですが、この方法をおとりになったらどうか。この方針でおやりになれるかどうかということです。これが一番安上がりでしょう。あなたの方で、とにかくわれわれが差し押えをするのだからその差し押え分をとるのだということになると、なかなかうまくいかない。それから、これはそこにいる課長補佐さんから習ったのですけれども、参加差し押えというのがあるのです。僕は知らなかったけれども、今度はこれが出てきますと、普通の前の差し押えだけで片がつくと思ったところが、去年とことしも参加差し押えがついてくるのです。こうなると、もうお手上げですよ。そういう制度が今度は出てきている。付録がついてきたわけです。石炭鉱業の合理化を順当に進めようとすれば、ここらあたりは、国の一つの機関である国税庁というものの全面的な協力がなければ、とても鉱区の鉱業権の抹消なんということはできないです。その点を一つもっと税務行政が目ざされないということになれば、今のような方法以外にないような感じがする。私いろいろ当たってみましたけれども、それの方が一番安上がりのような感じがするのです。そうしますと他の債権者との話がうまくいくということです。 それからもう一つは、開発銀行や国税が鉱区を競売にするわけです。これをやってもらってはいかぬということです。これを始めたらもう大混乱です。なぜならば、私が莫大な未払い賃金と莫大な鉱害を持っているとします。そうして山を細々とやっておる。そして差し押えを国税から受けておる。そこで中野さんなら中野さんと話し合うわけです。この鉱区の価値は時価ならば七千万円である、しかし国税の評価は五百万円だ、だから中野さん、あなたに売る、私は未払い賃金の負債や鉱害の負債をうんと持っているが、あなたに売ってしまえば、これは競売であなたが買うのだから、あなたが新しい鉱業権者になって、幾ら鉱害の被害者や未払い賃金の被害者が押しかけても私は知りません、競売で売ったのだから鉱害や未払い賃金は知りません、こう逃げられるわけです。そうすると鉱害や労働者の債権者が来たって、国税が競売したのだから私は知りませんよ、国税に行きなさい、国税が勝手に売ったんだ、私は売りたくなかったのだが国税が私の差し押えのために売ったのだ、こうなるともはや損をするのは労働者と鉱害の被害者だ。こういうところが損をしてしまう。そうして国税だけは、鉱区の価値だけのものをとったのだから、それで涼しい顔ができるかもしれぬが、石炭行政はめちゃくちゃです。すでに開発銀行が福岡県山田市のある炭鉱をそうやってやったのです。開発銀行がわずかの金をとるためにやったのです。それだけは一つ絶対にやらせないように、通産局と国税局と協議をしてやってもらわなければならぬと思うのですが、その二点はどうですか。
○泉説明員 お話のように、鉱業権を国税の方で差し押えいたしております場合に、これを廃鉱にするということで鉱業権の差し押えの抹消登記をするということにつきましては、いろいろな方法があるわけでございます。私どもとしましても、そのいろいろな方法のうち、石炭合理化ということが国の大きな政策になっておりますので、その点と国税の徴収という税務行政面とどういうふうに調整をしてうまくやっていったらいいかということを検討いたしたいと考えておるわけでございます。ただお話のような場合に、国税の評価額が実際の価値の十分の一であるかどうか、どうも私も疑わしく思っておるのでございまして、はたしてそういう額でいいかどうかということにつきましては、相当検討しなければならぬと思っております。それと、お話のように国税が債権の差し押えをしております場合には、他の債権との優先順位の問題もございます。これらの点をからみ合わせて、私どもももちろん税の徴収だけのことを考えて事を処理すべきではなくて、石炭合理化ということとの調和をうまくはかっていきたいという気持で具体的な措置を検討したいのでございます。お話の点につきましては、評価額はどうなっているか、あるいは優先順位がどうなっているかというようなことに応じまして、必ずしも画一的な取り扱いはできないのではないかというふうにも考えられます。これらの点を十分検討いたしまして早急に対策を立てたいと思う次第でございます。
○滝井委員 ぜひ一つ、石炭鉱業合理化が順調にいくように、国税の利己的な面を出さないように、税務行政も全面的な御協力をお願いしたいと思うのです。 それからもう一つはさいぜん御質問した点ですが、話が国税に参りましたからもう一ぺん繰り返しますが、未払い賃金と鉱害が異常に多い場合には、通産大臣の認定によって、百分の三十のいわば国税等の債権者に回す金を回さなくてもいい場合があるわけです。この場合には従って、国税には一文も入らぬことになるわけです。これは国税ばかりじゃなくて、一切の債権者に一文も入らぬわけです。そのときには国税は快く通産大臣の要請によって鉱業権の差し押えの抹消ができるかどうかということです。
○泉説明員 お話の点は今度の法律に規定されている事柄でございますので、お話のような趣旨によって法律の規定通りやるということになるわけでございますが、その場合にもやはり差し押え登記の抹消という問題がございますので、その抹消の点につきましてやはり国税との調整の問題はございますが、それらの点につきましては法律の趣旨もあることでございますので、十分その趣旨を生かしていくようにいたしたいと思っております。
○滝井委員 従って、こういうことは、事務的に十分末端の国税局と出先通産局が意思の疎通ができるような形で、まず中央で十分国税庁の方と通産省の方と意思統一をしていただいて、そういう場合はこういうように事務的に取り扱うということをぴちっと速急に出していただきたいと思います。それで国税関係は大体私はいいと思います。 次は石炭局ですが、今までの買い上げの方式においても、あるいは今度のニュー・スクラップの場合においても、石炭鉱業合理化事業団というものは、鉱業権者の金を相当留保するわけですね。金を預かるわけです。ところがこれは一万円や二万円の金を預かるわけではないのです。何千万円という金を預かるわけです。たとえば滝井義高が山を売ってしまう。そうするとその売った金を、まだ不安定鉱害がある限りにおいては、その不安定鉱害分を復旧する金に幾分、一、二割水増ししたものを預かってしまうわけです。そうしますと、その不安定鉱害がだんだん安定するにつれて、これを処理していくわけですね。処理が済めば金を引き出してもらう、こういう形になるわけです。そうすると復旧事業団が複雑な鉱害を片づけようとすると、二年、三年、四年かかるわけです。その間何千万円という金、はなはだしきは億以上の金を復旧事業団に預けたままで、これは利子がつかないわけです。鉱業権者にしてみれば、何千万円、何億という金を預けているのに一文も利子がつかぬということではかなわぬ、何とか一つ利子をつけてくれないかという要望があるわけです。これは考えてみると普通の銀行利子はつけなくても、普通預金と定期預金の間ぐらいの利子をつけることは必要ではないかという感じがするわけです。これは私は適当な利子はつけてやる必要があると思うのですが、どうでしょうか。
○中野説明員 その点はよく検討したいと思いますが、今までのところでは、利子はつけない。結局その金は鉱害の被害者なりそちらの方に支出されるものでございますので、鉱業権者の手は離れておる、こういう解釈で、旧方式であればもちろん事業団の責任になりますから、鉱業権者の金というふうには考えていないわけでございますが、その意味合いで利子はつけておりませんが、さらに検討さしていただきたいと思います。
○滝井委員 旧方式の場合は、不安定鉱害分を留保しておるわけですから、どうも利子をつけてやってもいいような感じがするのです。そうして旧方式では鉱業権者が同意をしなければ絶対に合理化事業団は金を出さないのですから、一々鉱業権者の同意を必要とするわけです。鉱業権者の同意を必要とするということは、預っておってもやはり鉱業権者の金だということです。これはやはり利子をつければその分だけお金がふえまして、いろいろやるのに便利がいいわけです。そうしてその金をどこかへ預けておるから、利子がついておる。ついておるものは合理化事業団の事務費か何かにしているのではないかと思います。それは、われわれ医者の方にも健康保険の支払い基金というものがありますが、医者に払うまでに二カ月ぐらいかかるわけですから、ここだって三千万、四千万の利子がついておると思います。そしてそれは事務費か何かになっておるのではないかと思います。だから今のも、事務費になっておるのではないかと思うのだが、これを鉱業権者に回してやれば、その分だけ金にゆとりができてうまくいく。それからニュー・スクラップの場合は、これは未払い賃金と鉱業権者に七割分はいくのだ、こういうことになれば、全部の話がついてしまわなければニュー・スクラップは今後は出さないのですから、全部の話がつくまでには一年かかるか半年かかるかわからない。そうすると、これは何千万円の金ですから、従ってそこに五分くらいの利子がつけば相当なものになるわけです。そういう点は、これは何も国の機関に準ずるような合理化事業団が、わずかの利子をかせいで事務費を出さなくても、今の貧しい、困っている炭鉱業者に利子をつけてやれば、それだけ喜ぶわけです。ですから、これも検討して下さい。この要求は無理じゃないと思います。鉱業権者からも、何千万円という金を何年間か押えられていて利子が一文もつかない、そうして自分がやるときには銀行から高い利子の金を借りてやるのだからたまらない、ぜひ利子をつけてもらいたい、こう言っておるわけですが、これは公平に言ってやらなければならぬ問題だと思いますが、どうですか。
○中野説明員 よく検討いたしたいと思います。
○滝井委員 それから、農林省の方がいらっしゃっておられますので、もう一ぺんここでこの前の宿題ですが、聞いておきたいと思います。この問題はこれで四回目です。それは無資力になりますと、農地は復申してくれるわけです。復旧をしてくれるけれども、困ったことには休耕補償、暫定補償というものはできないわけです。そうすると、農民は無資力ですから、国が復申してくれても、たんぼができるまで稲をつくるわけにいかぬから、その間休まなければならぬ。それからたんぼができても、初めのうちは地力が劣るから暫定補償が必要になってくる。無資力でやる場合は、何も補償がないわけでしょう。そこで農民から不満が出る。ところが国土保全の意味で、無資力の場合、土盛りをすればいいのだ、農地を復旧すればいいのだという思想になっておるわけです。そうして、農民の土地を復旧するために農民は飢えなければならぬという形になるわけです。そこで最小限の休耕補償なり暫定補償というものを出す必要があるわけです。これは私は再々にわたって言っておるので、農林省も研究をしましょうというので、これできょうが四回目です。知らないような顔をしておられるので、事務の連絡がないらしいのですが、これも何とかしてもらわなければならぬと思うのです。これは当然のことです。幾ら国が農地を復旧するのだからといって、お前たちは飢えておれというわけにいかぬと思うのです。これは一体どうするのかということです。
○任田説明員 ただいまの問題は、まだ十分検討を遂げていないのでございますが、一般災害との関連もございますので、さらに検討し、通産省とも打ち合わせたいと思います。
○滝井委員 実は農林省にとっても非常に重要な点です。これで四回目です。検討々々と言いながら、ちっとも検討が進んでいない。できるまで私はやります。半年ぐらいおいたらまたやりますけれども、今後筑豊炭田で農地の復旧をやろうとする場合には、相当の無資力、無権者というものが出てくるわけです。ですからこの問題は早急に検討して下さい。 それから、それと同じ例で、これもやはり四回目です。農地は復旧する、ところがナシ畑、ブドウ畑という果樹については、いかにでこぼこができても——、あるいは下を掘りますと脱水陥落が起こる、脱水しますと、農林省の専門家は御存じの通り、水分を下に引き落してしまうのですから、ナシやブドウの木の最盛期というのが非常に早くきてしまう、寿命が短くなる。そうしてナシやブドウの質がうんと落ちる。ところが食ってみなければ、ナシの味はよくなったか悪くなったかわからない。質が落ちたということはわからない。ブドウもナシも、あんなものはなっているのですからね。従ってこれの補償が何もない。毎年切り倒す米のなる木の農地については補償がある。年々歳々同じような状態のナシやブドウやカキというようなものについては補償がない。これは私は不公平だと思う。このことは畑についても同じです。普通の畑については、でこぼこがあっても土を置けば、ことしハクサイを植えたら、また来年もハクサイを植えればできるわけだから、それはあまり大きな問題ではないけれども、果樹園芸については相当な問題がある。これは何も救済がない。だからこの救済を、今申しましたような田の復旧をやる場合に、復旧する田に対する休耕補償なり暫定補償の問題と、それからくだものに対する補償というものを、無資力の場合にはどうしても考えてもらわなければならぬということ、これも四回目です。農林省はいつも、研究します研究しますと言って帰るだけです。人がいつも違ってくるからいけない。こういうことでは、農林省はどうも河野さんがおらなくなったらだれたと言われてもしようがない。河野大臣が建設省にいったら、建設省の役人はぴりぴりしているけれども、農林省はこれでよかったといって息をついたと言われてもしようがない。われわれ議員が言うたことも、河野さんの言うたことと同じように、さっとやるようにならなければだめですよ。きょうできなければ、これはあしたでけっこうです。今の問題、もう一ぺんお帰りになって、そうしてあなたの方の方針をまとめて、通産省ときちっとしてきて下さい。四回目ですよ。仏の顔も三度というけれども、滝井義高、寛容と忍耐をもって黙って四回目まであれしますから、やって下さい。いいですか。
○任田説明員 ただいまの問題につきましては、一般の水田にはえております水稲というものと、それから永年作物といいますか、永年性の果樹であるということとの違いもありまして、作物そのものが地盤の変動等によりまして被害を受けておるというような問題でもあろうかと思いますので、必ずしも農林省で扱いますところの鉱害の範疇に属するかどうか疑問がございます。しかしながら、御指摘の問題は確かに重要なことでございますので、明日とまでいくかどうかはわかりませんが、部内でよく相談をいたしてみたいと思います。
○滝井委員 今度は炭住の問題に移ります。今後合理化が進行して参りますと、ニュー・スクラップでは炭住は買い上げないわけです。そうしますと、買い上げない炭住には、やはり今まで住んでおった炭鉱労働者が定着してくるわけです。そこで、この炭住の家賃の問題が出てくるわけです。旧方式では、設備を買ったと同時に、炭住も買い上げたわけです。ところが今度は坑道と鉱区の抹消ですから、こういうことになるわけですね。評価は坑道と鉱区しか評価しない。炭住は買い上げない。従って炭鉱は、鉱業権は抹消したけれども、炭住は残る形になるわけです。しかもこれは鉱業権者が持つ炭住になるわけです。しかもその炭住は、国税その他の差し押えをしている炭住です。鉱業権者が自由に動かすことのできない炭住です。こういう形になるわけです。そこに旧鉱業権者に使われておった労働者が住んでおるわけです。今後この炭住をどうするかという方針を確立しなければならないわけです。そうしますと、その炭住にはおそらく鉱業用の水道がいっておる、炭鉱の鉱業権者がやっておった水道がいっておる、ところが鉱業権者がやめた炭住は水がなくなる、この水の問題を一体どうするかという問題が出てくる。そうすると、新しく市が住民に水道をすぐにしける情勢が出るかどうかということです。従って今後は水の問題もございますが、炭住の取り扱いですね。これは買い上げられないのですから、鉱業権者がこの炭住から家賃をとるということになりますと、どういうことになるかというと、ニュー・スクラップにかかるような山では、半年ぐらいで急激に、炭住に住んでおる者は生活保護者に転落してしまう。そうすると、生活保護者に転落するとどういうことになるかというと、生活保護者が家賃をもらうためには認定を受けなければならない。そうすると、鉱業権者の所有しておる炭住に住んでおるその者に、一体家賃の認定がすぐに厚生省からできるかというと、できない。集団的ですから、なかなか簡単にいかない。個別々々のテストをやって認定をやるから、なかなか簡単にいかなくなる。炭住が買い上げられて合理化事業団にいってしまえば、合理化事業団というところと通産局の話し合いで事が運びますけれども、これは置いてきぼりを食うわけです。その置いてきぼりを食った炭住というものを今後一体どうするかという方針、家賃をとるならば、家賃をどういう形でとる、生活保護者はどうするということを、厚生省その他と話し合っておかぬと、非常に大きな問題になってくるのです。現在の炭鉱では、たとえば大手の炭鉱では、希望退職その他でやめた鉱員がおります。ほとんど全部炭住に残留しておる。しかし、これは家賃をとっておりません。そういう大手にも波及をしてくる大問題になるわけです。従ってこれは、石炭の合理化政策を推進しようとすれば——この問題もきょうは討議できないと思いますが、ぜひ一つ基本方針を討議せられて、そしてこれは労働省とも関係あるのですが、そういうものを安く市町村に払い下げて、市町村の責任にするとか、水道の問題も関連してきますから、何か基本的な指導方針というものをお立てにならないと、大へんな混乱が起こるということです。そういう点、何か御検討になったことがありますか。
○中野説明員 今、終閉山になりました炭住に残留しております方々の生活の問題なり、またこれをどのようにやっていくか、それからまた、特に御指摘のありました水道の問題ですね、こういうようなことは、調査団としても問題点として反り上げておられます。ただ、この間からわれわれの方は、厚生省に対して、そういう簡易水道を引くことだとか、あるいは今の炭住の施設の問題等含めまして、いろいろ問題がありますので、通産省でこれをどうかせいといわれましても、うちでどうこうするといっても、特別手もございませんので、関係省にもお願いをし、もちろんこちらも関係あるわけでありますので、今後さらに検討を十分進めていきたいと思います。
○滝井委員 終閉山に伴う炭住の問題は、やはり総合的な検討を次官会議か何かにあなたの方からイニシアチブをとって出さないと、こういうことはほかのところは知らぬ。常磐とか九州の筑豊、長崎、佐賀というような局地的な問題ですから、各省にこういう問題が出てこないわけです。ほかの省には生活保護の形とか、あるいは生活保護、低所得階層の求職の問題で炭鉱の問題が出てくる。やはり総合的な観点から、あなたの方で次官会議に差し出して、そして討議を巻き起こして、総合的な炭住対策をどうするということにぜひ一つしていただきたいと思うのです。 それからもう一つ、未払い賃金と退職金の問題です。いろいろお願いをして未払い賃金と退職金については、まず交付金額の三割を優先的にとる、あとは鉱害と按分比例だ、こういうことになっておるわけです。その場合に、これから未払い賃金と退職金とを一体どこで押えるかということです。たとえば、そういう例は私は少ないと思いますけれども、少ないところをやはりよく注意をしておかぬと、それが一つの風習をなしたら困るのですから。私が、きょう私の山を閉山しようとして申し出ます。申し出ましても、これがいよいよ閉山するまでには、へますると半年ぐらいすぐかかってしまう。そうすると、もうニュー・スクラップにかけようと決意して申し出たからには、経営意欲は喪失しておるわけです。そうすると、もう賃金の金を銀行その他に行って足を棒にして借りてきて、どんどん払う状態が出てこない。そういう形になると、必ず未払い賃金その他が、だんだんたまってき始めるわけです。そうして交付金を受けた。ところが莫大な未払い賃金と莫大な退職金があったということになりかねない。そこでこういう対策はよほど慎重にやっておかぬと、いくべきところに金がいかないということになる。ほんとうに払わなければならぬ労働者には金がいかなかったということになっては、大へんなことになる。特に保安の場合はそうです。保安の場合は、最近はある山のごとき、私を保安にかけて下さいといってお願いする山が出てきたそうですけれども、保安の山はやはり何回か見にいくわけですから、見に行くと、待て待ておれのところは保安にかかるかもしれぬぞ、こういうことになる。こういうことになると、もう経営意欲を失って、未払い賃金をつくり、退職金をつり上げたらいいのです。そうすると、小さい山だったら一族郎党です。奥さんが重役であり、むすこが重役であり、娘が重役であるということになると、娘の退職金が百万円だ、むすこの退職金が二百万円だということになったら、退職金にみなとられてしまう。こういうところはめったにないと思いますけれども、しかし貧すれば鈍する、法律にそういう盲点があれば、これは利用されないとも限らないわけです。こういう点については、ちょうど離職金を与える場合に、やはり一定の期限を切っているわけですね、申し込みの前三カ月、後二カ月というように区切っているというような、何かきちっとした線を引いておかないと、ずるずると申し込みと同時に未払い賃金なり退職金がふえるようなことでは困ると思うのです。こういう点に対する十分な一つ配慮をしてもらわなければならぬ。この問題は、労働基準局その他とも石炭局長の方で連絡をとっていただくということです。 あと地方財政の問題がありますけれども、これは問題点として、いずれまた機会を改めて自治省にやりたいと思うのですが、ただ無資力でやった場合に、県なり市町村が莫大な負担をするわけです。たとえば水道でいうならば、三七・五%は地元の市町村が負担をし、六二・五を国が持つわけです。三七・五については、われわれが主張しまして幾分起債、特別交付税で見てもらうことになりましたけれども、なおやはり急激に閉山が起こって参りますと、その自治体は鉱産税も入らなければ、それから住民税もぐっと入らぬ。生活保護と失対事業が急激にふえていくのですから、だから財政的な非常な不均衡が出てくるわけです。その上に無資力の山でもその市町村にあれば、その分の財政支出をしなければならぬ。生活保護費は出す、失対の金は三分の一出す、しかもその上に今言った鉱害復旧の金も出さなければならぬといったら、火の車の上にさらに火の車になってしまう。こういう問題はやはり自治省はなかなか積極的にやらないのです。これは金を出す方ですから。やはりもとをつくった石炭局、通産省の方で積極的にイニシアチブをとってオリエンティールンク、指導力を発揮してもらわなければ、うまくいかないところが出てくるのですね。炭住の問題と同じです。こういう未払い賃金の問題や、今の自治体が無資力で復旧をする公共的な施設の地方自治体負担分に対する財政措置というものは、一つ十分配慮していただきたいと思うのですが、その二点について何かあなた方のお考えがあれば承りたいのです。
○中野説明員 今御指摘になりました点につきましては、十分関係省とも相談をして処置をして参りたいと思います。ただ調査団には自治省の担当者も入って一緒に現地を全部視察してもらっていますし、やはり自治省の方が相当本気になってくれませんと、われわれの方は何度もやかましく言っておるわけですが、そういう点は十分考慮して処置して参りたいと思います。
○上林山委員長 中村重光君から関連質問の申し出があります。これを許します。中村君。
○中村(重)委員 予定の質問は明日に譲りますが、今滝井委員から、終閉山に伴っての住宅の問題について質問があったわけです。このことに対してはいつかの委員会でも質問をいたしましたし、また長崎県から陳情に上京して参りました県の石炭対策委員会その他の関係者の皆さんからも、何とか一つ処置してもらいたいという強い陳情がされておったわけです。終閉山に伴って金融業者等が、人が住んでいる炭住をじゃんじゃん解いていく。そういうことで追い立てられて、どうすることもできない。労働省に行ってみると、これは労働省の所管じゃないという。通産省では、今あなたが答弁されたようなことで、これは対策というものがない。こういった深刻な問題を何とかしなければならぬと思う。厚生省の所管だ、こうお考えになるかもしれません。しかしいずれにしても、石炭産業の実態ということをお考えになると、通産省はもっと何とかこのことに対しての対策ということをお考えになる必要があると思う。従いまして、このことに対しましては何とかもっとはっきりした対策を立てて、どういったような取り扱いをするということを一つ委員会等において御報告を願いたい。九州の志佐では、ゴリラ部落という名称のついた部落があります。追い立てられて行くところがないので、山の中に入っております。実に深刻な状態であるということを一つ再認識をしていただきたい、このように強く要望いたしておきます。 それから、きょうはあるいは御答弁ができないかと思いますが、長崎県の北松浦郡樽川内災害について、その内容を石炭局長御存じですか。
○中野説明員 その地区につきましては、地すべり地帯ということで非常に問題がございますので、ただいま通産省で委嘱しておりまする鉱害科学認定調査員というものに調査をお願いをしておるわけでございます。
○中村(重)委員 それでしたら、大体の内容は御存じだろうと思うのです。これをいろいろ質疑いたしますと時間がかかりますから省略をいたしますが、これは昭和三十年来陥没いたしまして、鉱害というので、このたんぼに対してはあぜ一メートルに対して幾らということで、農民と鉱業権者との間に話がついて、ずっと補償金が払われておった。ところが昭和三十四年二月二十一日に発生した地すべりで、先ほど井手委員から、九州大学の教授の調査に対してはとかくの批判があるということに対しての御指摘がございましたが、野口という九州大学の教授が、これは炭鉱側の要請によってやったと思うのですが、調査をやって、これは鉱害でないということを報告をした。これは私は資料を持って申し上げているのですが、とたんに鉱業権者は、このとき以来、すっぱりとその補償金を打ち切ってしまった。こういうことで、農民と鉱業権者との間に、県もこれに関係をしてくると思うのですが、非常に不信感が高まって、混乱という形に発展をいたしております。おそらくこれは長崎県の県議会におきましても、政治問題として議論されたと思うわけです。先ほど来、井手委員からもいろいろ申し上げた通りです。この九州大学の教授が何か調査をやった、それが鉱害じゃないのだというような調査報告をやった、それでそのまま補償は打ち切りになるといったような問題は、簡単に処理のできない問題じゃなかろうかと思います。従いまして、このことに対しましての詳細の報告なり、また報告に基づきましての私の質問はあとでいたしたいと思いますが、どうぞ一つ調査をして、さらに農林省の方にこのことに対しては何か連絡があっておるのじゃないかと思いますが、一つその結果の報告をしてもらいたい。 きょうは一応これで打ち切ります。
○上林山委員長 次会は明三十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十一分散会