社会労働委員会 第13号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/12/07
会議録
○小沢(辰)委員長代理 これより会議を開きます。 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 厚生大臣にお伺いいたしたいのでありますが、大臣いらっしゃいませんか。
○小沢(辰)委員長代理 小林君に申し上げますが、大臣はちょっと急用でおりませんので、政務次官をもって代行をお許し願いたいと思います。
○渡海説明員 本日ちょうど閣議の日になっておりまして、まだ参っておりませんので、私政務次官でございますが、どうぞよろしく御了承願いたいと思います。
○小林(進)委員 私は、今回は盲人あんまに対する政府側の見解を承っておきたいと思うのでございますが、労働省はお見えになっておりますか。
○小沢(辰)委員長代理 間もなく来ますから……。
○小林(進)委員 身体障害者雇用促進法の実施の状況については一つ労働省にお伺いいたしたいのでございますが、それについて、最近国立病院等において盲人のあんまが晴眼者と入れかわっておるというふうな情報をわれわれは得ているのでございます。せっかくこういう身障法までつくって盲人の唯一の職場をつくり上げてあげたにもかかわらず、何か労働省と厚生省との話し合いの上で、これを晴眼者に入れかえておいでになるというふうなことがあるのでございますか。こういう事実が一体あるのかないのか、厚生省側にまずお伺いをいたしておきたいわけでございます。
○尾崎説明員 身体障害者雇用促進法におきまして、国とか公共団体の医療機関におきまして特定職種の身体障害者、特に問題になりますのはあんま、マッサージの関係のようでありますが、その方の両眼の視力の和が〇・〇八以下の方を七〇%雇わなければならないという政令になっておりますが、その中に主として労働大臣が指定する業務に従事する者を除くというふうな規定がありまして、それに基づきまして、七〇%以上雇わなければならないということの除外例になっておりますのが労働省の告示に載っておりますが、病院または診療所におきまして、医師の指示のもとに局所とか全身の状態を識別して、及びこれに対する施術の反応を観察、判断しながら行なうことを必要とする業務、こういうふうになっております。病院におきまして、あんま、マッサージをやる方々の関係はこれに大部分該当するわけでございますが、それが除外例になっております。しかし、今お話しのように、身体障害者雇用促進法の立場から、できるだけ目の見えない方、また視力の少ない方でも使えるところにおいては使ってもらうようにと考えて、そのように指導しておりまして、決して今おられる方を排除していこうということは指導しておるわけではございません。 〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
○小林(進)委員 最近、東京は東京なり、地方は地方なりに、至るところでこういう盲人あんまの方々の切実な要望やら陳情やらに接して、私も涙なきを得ないものでありますから、本日も、いろいろの問題の審議に先だってこの問題を取り上げさせていただいたのでございますが、それにいたしましても、このたびの国会においても、盲人あんまの問題で療術師臨時雇用の問題やマッサージのそういう審議の過程において、われわれは盲人あんまを特にいかに保護し、優先し、その職場を守るかということが、これは国会の場における共通した今までのものの考え方である。また、それを守って下さる一番の中心的なお役所はと言えば、それは厚生省でなくちゃならぬわけだ。その厚生省が、今おっしゃった除外例、こういう規定をおきめになって、そしてせっかく与えられた職場からこれを追い出すようなことをされるのは、雇用促進法をむしろ弱体化させている。薬を変じて毒となす、そういうような考え方ではないかと思うのでありますが、一体厚生大臣の除外例というのはいつお出しになったのでございますか。これは政令ですか規則ですか、通達ですか。厚生大臣がこういうふうな除外例をお出しになって、そしていじめるようなことをおやりになるのは……。
○尾崎説明員 詳しい日取りは覚えておりませんが、たしか一昨年でしたと思います。身体障害者雇用促進法が出ましたときに、これは労働省所管の法律でございますが、その施行にあたりまして、政令として出ておったと思います。大体時期も昨年か一昨年だろうと思いますが、法律の施行のときにこれが出たと記憶しております。
○小林(進)委員 時間もありませんから、あとでもよろしゅうございますが、その法文の根拠を一つ資料としてお届け願いたいと思います。お届け願った上でまた私も研究させてもらって、それに対する質問は後日やりたいと思います。どこの職場へ行ったって、それはめくらより目あきを使った方が便利にきまっているのです。そういうふうな原則にとらわれたら、それは何もやれません。そのために促進法をつくって、お互いに若干の不便は耐え忍びながらも、同じ日本人同士なんだからお互いに保護し合っていこう、助け合っていこうという、こういう考え方なのを、そういう政令で、せっかく国会におけるこの法律の精神が幾らかでもゆがめられているということは、私はどうしても了承できません。これはあとで研究させてもらってやりたいと思います。 次にお伺いいたしますけれども、現在あんま業に携わっている全国の総数は一体どれくらいあるか。その中で盲人と晴眼者の実数比率はどうなっているか、お知らせ願いたいと思います。
○尾崎説明員 三十六年末におきましての数字といたしまして、あんまさんの晴眼者の数が二万二百名、それから盲人のあんまが三万一千百四十名でございます。こういうふうな統計になっております。
○小林(進)委員 東京都内における実数と比率はどうなっておりますか。
○尾崎説明員 東京都の統計は、晴眼者が四千六百九十一名、盲人が二千三百四十名、こういうふうになっております。
○小林(進)委員 今のその数字にも見られる通り、全国的には、まだそれでも盲人の方が五割方晴眼よりは多いようでございますけれども、東京都のごときは、ほとんどもう盲人が半分であります。晴眼者が倍です。これくらいふえているわけでございますが、一体こういうような数字のあり方が正しいのかどうか。私は最近農村県の方へ参りますと、どうも盲人が何かその土地に沿わない言葉でしゃべっている。あるいは山形とか福島とか新潟あたり、どうしたんだと言うと、都会地を追われた、商売にならない、晴眼者がばっこしてわれわれの職場を全部奪ってしまった、だからわれわれの働く職場がないから、こうやって落ち延びて、追われ追われてこういう辺境の地に来たのである、こういう実例に、私は一つならず、二回も三回もあっているわけです。今までは、あんまといえば盲人というわれわれの常識であったものが、それが唯一の職場を追われて都会にはおれなくなって、そういう辺境の地に流れていくということは、私は実に重大な問題じゃないかと考えているのであります。そこで今の医療行政と同じように、全国的にはどうか知りませんが、都会地においては、あんまというものは、地域的な格差は別にしても飽和状態に陥っているのではないか。ぴんぴんした若い丈夫な者は、あんまなんて商売にいかぬでも、求人難の世の中だから、よそへ働きに行くような行政的指導があってしかるべきものと思うのでありますが、あんま業の分布状態あるいは過不足の問題等について、一つ厚生省当局の御所見を承っておきたいと思うのであります。
○尾崎説明員 今のお話の、めくらのあんまさんが東京とか都会地からいなかの方に追われていくのではないかという御指摘、御注意をほかでも受けたことがあるのでございますが、三十六年末の統計では、東京におきましては今のような数字になっておりますが、神奈川とか千葉などにおきましては盲人が圧倒的に多いとか、また山形、福島におきましては盲人の方が多うございますが、青森などにおきましては目のあいている方が多いとか、三十六年末の断面だけでは、地域的にいなかの方がということは必ずしも言えないような状態でございます。しかし、三十六年末の断面だけではわからない。比率がどういうふうに変わっていくか、変動として見ていかなければならぬ、こういうことで研究しなければならないと思います。ただ、東京とか都会では需要供給のバランスがとれておるのではないかというお話でございますが、この需要の実態がちょっとつかめないわけでございまして、一部の業界の方々からは、これではまだ足らないから養成所をふやせという意見もあったりしまして、この点では実態調査がちょっと困難でもありますし、十分な実態調査もできていないので、はなはだ申しわけないと思いますが、東京都内においてもこれでいいのじゃないかということに対して、明確な御答弁はできないことを遺憾に思います。
○小林(進)委員 一部の業者から、あんまがまだ足りないからふやせというのですが、そういう要求をお出しになった業者というのはどういう業者なのか、参考までにお聞きしておきたいと思うのであります。どうも最近、あんま業に名をかりていろんなあんまがばっこいたしておりますので、一体どういう業者が足りないといって要望しているのか、御参考までにお教え願いたいのであります。
○尾崎説明員 これは養成所をやっております方々の方でございますが、養成所をやっております方々が、定員の少ないのをふやせという立場から言っておるのが一つと、それから新たに養成所を開設したいというような方々が言っておるのだとわれわれは解釈しております。
○小林(進)委員 私は、その要望はわかりましたが、順を追うてお尋ねしますけれども、それが養成所の要望だというところに一つの新たな危険と、実に営利を目的とした正当ならざる要望があると私は思うのであります。これはあとで私は質問いたしますけれども、そういうものの要望であるならば、厚生省当局もまともに受けておやりにならないで、少し慎重にかまえて、裏と表を聞き分けていただかなければならないと思うのであります。 次に、私は、ここで結論めくのでありますけれども、あんまという職業は盲人にとっての唯一の職業だと思います。労働省にもあとでお伺いしますけれども、総合職業訓練所なんというものをおつくりになっておりますが、一体その中で盲人に対してどういう職業をお与えになり、訓練をなすっているのか、御参考までにお伺いいたしたいのでございます。盲人に対する職業訓練はどんな形で今進んでおりますか、政務次官がおいでになりますので、大まかでいいですからお聞かせ願いたいと思います。
○田村説明員 あまり詳しくございませんので、今担当局長がすぐ参りますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。
○小林(進)委員 そういうわけで、職業訓練の問題は労働省にお願いするとして、現在は、ともかくめくらの方々には、あんまというのはほんとうに残された、生存権確保のぎりぎりの職業なんです。追い詰められてこれ以上行くところのない職業なんです。その職業を今奪われているなどということは、私は大へんな問題だと思うので、国会における私どもの附帯決議もあることでありますから、早急にこれを生かしてもらわなくてはいけない。一体作業はどんな工合に進んでいるのか。私がここで申し上げたいことは、もう盲人優先法などということではなしに、あんまは盲人の専業である、これだけは盲人で、目あきの入れない特殊の職業だというくらいの強力な、盲人専業法というくらいの法律をつくってもらえないか、そういう考えがあるかどうか、お聞かせを願いたい。
○尾崎説明員 目の見えない方々に対しまして、あんまという職業が昔から大きな職場であったということは歴史的にもその通りでございますが、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法という法律ができまして、その法律におきましては目の見えない方々ばかりでなく、晴眼者も同じにこの業に携われるようになっておりまして、それの運営上におきまして漸次目の見える方が多くなってきておる。それに対して、昨年の秋の臨時国会でこの改正の際に附帯決議がなされまして、盲人の方々をできるだけ、職域を確保し、優先するように考えろという御趣旨がございましたので、その御趣旨に沿いましていろいろと研究いたしておるわけでございます。現在、中央審議会をつくりまして、毎月一回定期的に関係業界の方々にお集まり願いまして、どういうふうに将来これを改正し、運用していったらいいかということを考えておるところでございます。それでまた、現在の時点におきましては、この問題は職業選択の自由を制限するというふうな微妙な、重大な問題を含んでおりますために、最終的な結論にはまだ至っておりませんが、ただいまの中間的と申しますか、その考え方を申し上げますと、現在のこの法律の姿が、国民医療に関係する分野に対しましての職業に対する規制立法と申しますか、そういうものでありますので、盲人が晴眼者よりも医療上により適格性があるというような前提がない限り、優先してその職業につかす、また遂行させるということを義務づけることが、ちょっと困難ではないかというふうに考えておるのであります。しかしながら、今お話がございますように、盲人の福祉保護という立場、また国会の附帯決議の御趣旨の点もございまして、たとえば現在のこの法律の運用上におきましても、施術の場所を何とか制限するというふうなことで晴眼者の仕事を少ししにくくする、ということは、盲人の方々が楽になるということでありますが、そういうようなことができないかということを研究してみるとか、さらに、根本的に考えまして、あんまの仕事につきまして、医療あんまと申しますか、患者等に対して相当医学的な立場で注意をしてやらねば危険があるというようなときには制限立法ができるわけでありましょうが、そういう意味の医療あんまと申しますか、それと保健あんま、そういうふうに二つに分けて、その後者につきまして盲人の方々の優先権を確保するというようなことも検討してみてはどうかというような大体考え方が今出ておりまして、鋭意研究中でございます。現状といたしましては、そういうような段階でございます。
○小林(進)委員 だいぶ長々と御答弁いただきましたが、その中で、私、一つお伺いしておきたいことは、医療審議会のメンバーと、それが一体どういう工合に定期的に審議をせられて、何回くらい回数をやって、どういうふうな形で進んでおるのかということをお聞かせ願いたい。 それから、時間の制限がありますから続けて言いますが、次に、あなたのおっしゃった職業選択の自由という観点から問題があるということ、これは私は反対です。ほんとうに職業選択の自由があるというならば、環境衛生法なんか、てんからおやめになればよろしいのであって、そういう環境衛生法があって、それぞれの職業をもはや制限しておるときに、事あんま業に関することだけ、やはり職業選択の自由の建前から、これを統制するということは困難だという主張は矛盾だと思うのです。これはあとでまた言いますが、特に憲法第二十五条の問題をどう生かすのです。そういうようなことでこの人たちを野放しにして、飢餓の戦線や食えないちまたまで追い込んでいいなどという理屈は、私は了承できません。反対であります。 それから、あなたのおっしゃった第三番目の施術の場所を制限する、この考え方は大いに伸ばしてやってもらったらよろしいのではないか。どういう意味でこれを言われておるのか知りませんが、私の解釈によれば、やはりあんま業も、治療室といいますか、施術の場所をやはり持って、そこへお客様に来てもらってそこで治療をする、あんまをする、こういう形がいいのではないか。何といっても、御承知のように交通がひんぱんになって、昔のように笛を吹いて道路を自由に歩いて商売をするということが困難になった。これがまた、都会におけるもろもろの障害はありますけれども、盲人あんまが都会において職業を奪われているその理由の一つには、やはりこの交通の激しさがあるわけだ。われわれだって、こんな健全なからだでも道を歩けないのですから、これは政府の政治が悪いのです。何しろ池田さんあたりの政治が間違っているから、人間がまともに道を歩けない、こんなばかな世の中にして下さったので、(発言する者あり)いやいや、私ども第三議員会館から本館に入るのに、全く命がけで入らなくちゃならないという状態ですから、こんな中で盲人のあんまさんに職業をやれということは困難であります。その意味において、規格を設けて一定の施療室をつくることを条件にしてもらう。床屋さんは床屋さんの店を持っている。ふろ屋はふろ屋の店を持っている。お医者さんはお医者さんの診療室を持っているのだから——往診もやるが、原則として治療室を設ける、こういう考え方が私はいいのではないかと思いますので、今あなたのおっしゃった施術の場所を制限するということが、どういう内容を意味しているのかということを説明していただきたい。これが三点です。 それから三番目におっしゃった中で、医療あんまと保健あんまとを区別するということを考慮中であると言われたが、これは私は反対です。やっぱりあんまはあんまでいいのです。マッサージはマッサージでいい、療術師は療術師でいい、きゅう術師はきゅう術師でいいし、柔道の整復は整復でいいのでありまして、できればあんまはもう盲人に限る。あとは療術やらマッサージやら、若干あんまと区別がしづらくても、医療あんま、保健あんまと言わないで、何とか別の名前をつけて、これはマッサージ師か、療術師か、整復師か何かの中に入れて、そしてこういうのは養成期間を少なくとも四年、あんまは二年、そういう修業年限もきめて、あんまの分野だけはきちっと他のこういう類似のものとは区別をして、あんまといえばもう盲人だ、盲人といえばもうあんまだ。こういうような形にして、そしてその職業を守るという、きちっとした形にしてもらわなければならないと思いますが、今の私の質問に対して、具体的に一つお答えを願いたいと思うのであります。
○尾崎説明員 中央審議会の名前は、実は医療制度調査会ではなくて、あん摩、はり、きゆう、柔道整復中央審議会というのでございます。それであんま師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法の問題についてのみ審議しておるものであります。その数は十三名で、業界の代表者、医師などの学識経験者十三名が出ておるわけでありまして、毎月一回審議をやっております。従いまして、この中には盲人関係の方々も入っておられます。 第二の職業選択の自由の問題につきまして、環衛法との関係のお話もございましたが、今私の申し上げましたのは、晴眼者に対してするなり、一般の方に対して特定の医療関係の一部をやらすことを、あんまという立場で制限するということにつきまして個々の取り扱いによる問題がある、こういうようなことを申し上げたわけでありまして、確かに目の見えない方を保護するという立場でそこに差をつけるということは可能であろうと思うのでありますが、しかし別に、今度は医療上の立場で、医師法といたしまして、危険な医療上の仕事をいたしますのに、医者とか何かで、一般人には制限をしておるものを、制限を解除して医者等に医療行為を行なわすと同じような考え方で、このあんまさんの仕事の営業を認めていくというような立場であります場合に、あんまさんの目の見えない方だけを優先的に取り扱うということは、理論的に構成上むずかしい、こういうように申し上げておったわけであります。しかし、そこら辺を何とか努力をいたしたいと思いまして、あまり賛成はできないというお話でございましたが、医療あんま、保健あんまという区別をつけ、保健あんまの方におきまして、保護法的の立場から一体として何とか運営していったらどうか、こういうような立法措置を研究してみるようにというところでございまして、しかし、それにはなかなか賛成できかねるというお話でございますが、これは名前とか仕事のお互いの分け方というふうな問題にからんでくる点だと思いますので、御意見も十分聞かせていただきまして、われわれの方もさらに勉強を続けていきたい、こういうふうに思います。 それから施術の場所の制限でございますが、これも先生のお話のような大体考え方でいろいろ研究しております。しかし、これにつきましても、現在かなり自由に方々に出かけて施術をしておるのを、一定の場所だけで原則的に治療さすというように新たに制限するのに対しましては、またいろいろ問題もありますので、ただいま研究中という線でございます。
○小林(進)委員 私の申し上げたのは、その施術の場所だけでやれと言うのではないのでありまして、やはり往診も兼ね、施術の場所も持つ。なお、加えて言うならば、その施術の場所をつくるために、生業資金の貸し出し資金のワクなんかも一つ特別なワクを設けて、三十万円か五十万円くらいの貸付のできるような便宜をはかるという、きめのこまかいことを法文化してもらいたいというのが、われわれの要望の趣旨であります。あなたのおっしゃった場所の施療室の制限ということは、賛成であります。どうぞその方に一つ大いに善政を早急にやってもらわなければならないと思うのでありますが、特にここで私が耳にして寒心にたえないと思っていることは、女の盲人のあんまさんが出張先で暴力で強姦をされるというようなケースが非常に多いことなんです。これは厚生省も御存じか知りませんが、警察庁来ていらっしゃいますか。——今法務委員会へ行っていて、いなければあとにしますが、こういうようなことは、私は罪刑法定主義者、いわゆる主観主義刑法を学んできたのでありまして、なるべく罪は軽きをもってよしとする考え方ですけれども、こういう盲人にして出張先で逃げる場所もなければ、のがれることもできないような者をつかまえて、そうしてその獣欲を満たすなどというような者は、これは天人ともに許さざる行為だと思う。こういうようなことは、警察庁なんかも厳罰に処して、禍根を芟除しなければならぬかもしれませんけれども、警察庁があとでおいでになったらお伺いすることにして、厚生省、こういうケースを一体お気づきになったことはございませんか。これは一、二の例じゃないのであります。ひんぱんに起こっておるのでありますけれども、あなた方はこういうことをお知りになっていて、なおかつそれに対する手だてをされなかったとするならば、これは責任重かつ大であるといわなければならぬのでありますけれども、いかがでありますか。
○尾崎説明員 そういうようなことも一応想像せられないことはございませんが、府県等からの報告では、あまり聞いていないのでございます。現在、具体的な事例として聞いたことがございません。
○小林(進)委員 報告がないなどと言ったって、これは足元の東京都内で起こっている問題です。しかも一人じゃない。三人がかりで獣欲を満たしたなどという、そういう問題があるのです。だからこれらも含めて、やはり真剣に考えていかなければ——これは、私は先ほども申し上げましたけれども、憲法の精神は一体どうなんです。憲法第二十五条に何とありますか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」この「健康で文化的な生活を営む権利を有する。」、この権利を持っている者は、めくらであろうと、気違いであろうと、あるいは両手両足がなかろうと、身体薄弱者であろうと、重症の障害者であろうと、日本国民である限りは全部この権利があるはずなんです。それなのに、どうも厚生行政を見ていると、これは資本主義の悪なんです。大体資本主義制度などというものは、労働の再生産だ、自分たちの資本の蓄積や搾取に役立つものに対しては金をどんどん出すけれども、自分たちの資本の搾取に役立たない、例を申し上げますと、身体障害者だとか、あるいは盲人だとか、あるいは気違いだとか、あるいは重症患者とか、こういうものに出す金というものを実に惜しむのだ。けちんぼうで、こんなものに出したところで何も資本主義の発展や成長のために得だと思わぬから、出さない。これが資本主義の本質であり、冷酷むざんな本性なんですよ。それを所得の再分配でその欠点を補っていくのが厚生行政なんです。しかし、どうも最近の厚生省も、いつも自民党や政府の方にばかりひっかき回されているものだから、そういう憲法第二十五条の精神をみんな忘れているのだ。そうして・同じ厚生行政の中でも日の当たる場所の諸君ばかりに焦点を当てて、こういう人生の底にともすれば沈澱していこうというぎりぎりの方々に対しては、いつまでたっても満足な行政をやろうとしない。私の言うことはうそですか。うそでなかったら、あなた方の社会福祉行政が、一体日本の自民党の政治の面にどれだけ重視されておりますか。私の言うことはうそですか。政務次官、憲法第二十五条の解釈で、一体あなた方の政治が、そういう日の当たらぬ場所にいる人たちに対して、憲法の精神を生かしているかどうかという問題に対して答えて下さい。私の言うことがうそかどうか言って下さい。
○渡海説明員 小林委員の御発言がうそだとか、うそでないとかいう問題は別にいたしまして、憲法二十五条の線に沿うべく努力すべきは当然でございます。政府におきましても、いわゆる社会保障というものを重大なる施策の一環として実行し、現にその方向に進めたい、私たち鋭意努力している状態でございます。御協力を賜わりたいと思います。
○小林(進)委員 政務次官個人としてはまことに嵩高な精神を持っておいででございましょうけれども、党自体の方向がみんな間違っておるのです。私どもが国会の中でなんぼ附帯決議をつけても、その附帯決議が行なわれたことがない。あの附帯決議が正しく行なわれておるならば、今ごろ盲人が都会を追われたり、職場を追われたり、強姦されたり姦通されたり、これくらい人生の悲惨な事実が出てこようはずはないじゃないですか。私は何もないことを言っておるのじゃない。現実の世界を言っておる。われわれはここでなぜ附帯決議をつけたか、療術師法の三年延期のときに、かんでふくめるようにこういう事態に至らないようにやって下さいと言ったじゃないですか。事態は一つも進んでいないじゃないですか。進んでいないのはだれの責任です。まさか野党の責任とは言わないでしょう。だれが悪いか、責任をはっきり言って下さい。
○渡海説明員 衆参両院でいただきました決議の線につきましては、鋭意中央審議会等におきましても御研究していただいております。その結論の出ない点につきましてはまことに遺憾でございますけれども、ただいま小林委員の御質問に対して当局より答えました通りの状態でございまして、私どもといたしましても早急に結論を出すべく審議を進めております。事実私も、この中央審議会の委員の方に会いまして、その審議の状況等を聞いて、促進方をお願いしたような状態でございますので、御了承いただきたいと思います。 なお、先ほどお話しの不法な件につきましては、私も具体的な例としての報告は聞いておりませんが、あんま業というものを利用しての、別途な趣旨を持った、いわゆるまがいの業種がはびこっておるというようなことを聞いております。これがややもすればそういうようなものを誘発するのではないかと思います。この方面につきましては、警察当局にも連絡いたしまして、鋭意取り締まりを厳にしていただくようにお願いもし、現実に一斉取り締まり等をつい最近も行なっていただいたような状態でございまして、私たちといたしましては、そういうふうなまぎらわしい業種によって、正規のあんまがそういったような違法なことに犯されないように、この方面からも努力さしていただきたいと思い、警察庁とも連絡しておるような状態でございます。
○小林(進)委員 類似の無免許業者についてはまたあとで質問をいたします。次官の御努力も多といたしますが、その前に局長の言ったように、昨年の秋にわれわれは附帯決議をつけて、そして法律をつくらした。その期間は三十九年の末です。もう三十八年がくる。その三十八年の九月までに療術師の医療類似の行為の定義もでき上がって、その身分や職業の分野まで明確にする法律をつくらなければならぬ責任があなた方にある。その法律をつくる前に、盲人あんまを優先せしめようという附帯決議の第一条がありますから、その療術師の身分や職業の分野をきめる前に、いわゆる盲人あんまの優先法、私をして言わせるならば専業法をつくってもらわなくてはならないのに、今聞けば、中央審議会が原案を作成中と言いながら一年もたっておるにもかかわらず、月一回の会合だ。毎月やったところで十二回、その中にはこういう問題も出た、ああいう問題も出たということになりますけれども、そんな作業ののろのろ、スローの状況では、一体三十九年の末まで、いわゆる附帯決議の精神を生かしたそういう法律の作業は完成しますか、できる自信がありますか。また延ばしてくれというのじゃないですか。延ばされておるうちに、盲人はみんな脱落していきますよ。できますか、局長御答弁願います。あなたはやめていけばいいだろうが、そうはいかないですよ。局長なんかはやめたっていいだろうけれども、残された者は大へんだ。どうです。一つ……。
○尾崎説明員 あん摩、はり、きゆう、柔道整復中央審議会では毎月一回の審議をお願いしておりますが、その審議の順序といたしまして、今お話のように盲人あんまの問題も一番最初に取り上げてもらって、 いろいろ御研究、御討議を願っておる状態でございます。その中間報告と申しますか、それが先ほど申し上げましたような見解で、今皆さんのお話では結論というところまでいっておりませんが、雰囲気としてそういうことを考えられておりますようなところでございまして、それに対してわれわれ事務当局の方でも、いろいろその御見解を参照しながら自分たちでも独自にこれは判断し、考えていかなければならない、こういうふうに思っておるわけであります。三十九年末までにこの療術行為の関係の問題も解決しなければいかぬのでありまして、そのときまでに必ずできるかというお話でございますが、できるようにわれわれは努力いたしていかなればいかぬ、こういうように考えております。
○八木(一)委員 関連して。ちょっと簡単に中心点を申し上げますので、お返事をいただきたいと思います。 今、局長の御答弁の中に憲法のお話がありましたけれども、職業の選択の自由というようなことだけで、もう一つの憲法の条文を忘れておいでにならないか。それは学者の方の論議だと言っておられますけれども、やはりそういうことを、この問題に関係のある官庁では頭に入れていただかなければいけないと思うのです。そのもう一つの条文は、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」という二十七条の条文であります。すべての国民は勤労の権利を持っておる。ところが、目の悪い方とか、その他身体に障害のある人が、勤労の権利を持ちながら、なかなか普通の状態では勤労することができない状態にある。そういう条文をたてにするならば、職業の自由という方には頭に「公共の福祉」という言葉がついておるわけですが、国民の基本的の権利である勤労の権利を実施することができない人がある。そのできないというのは、ほかの目あきの連中が盲人の特別な職業に侵入するからできないということになっている。これはほんとうの国民の憲法上の権利を侵害しているのですから、公共の福祉に反する最大なことになる。ですから、片一方の職業の自由ということは公共の福祉に反しない限りでありますから、その点においては、目のあいている人が目のあいていない人の職業に職業の自由の権利を主張して入るということは、別の憲法上の論点から許されないことになるのではないか。そのような意味で憲法論を戦わすならば、そのような一方的な戦わし方でなしに、全文を読んで、特に片一方では「公共の福祉に反しない限り、」ということがついておる、片一方ではそのような制限がついておらないという点を考えて、この問題を進めてもらわなければならないと思う。その点において、局長の御説明ではそれほど考えておられるかどうかわからないけれども、それが述べられなかった点において、この問題についてほんとうに真剣に考えておられるかどうか非常に疑問がございます。そういう点について、局長と上司である厚生政務次官の決意のほどを伺いたいと思います。
○渡海説明員 今、八木委員の述べられましたことは当然のことでありまして、局長が引用いたしましたそれも、今の職業選択の自由の問題も、法案をつくる上においてそういった条文のある点について十分考慮を払わなければならないということで答弁したものと私は解釈いたしておりますが、今言われました八木委員の御趣旨の線に沿うてやるべきは当然です。ただ、今の審議会の過程の状態では、私も報告を受けた程度でございまして詳しい実情は存じないのでございますが、ただ現在のあんま、はり師、きゅう師及び柔道整復師というものが、もっぱら医事関係という目的で出されております。医事関係という点だけで盲人を優先さすかどうかということになりましたら、これはそれと離れたむしろ社会福祉的な観点から盲人優先ということを取り上げなければいけない。法律のそういった趣旨からいったなれば、この職業、医事的な面を加えた法律の中でそういうものをすべきか、別途な法律でやるべきであるかということの法律的な、技術的な問題で研究も重ねなくてはならない。そういった点におきまして、その目的と合わした点において、憲法の職業選択の自由の制限というものに対してどういうふうに憲法と抵触せずにいけるかということを研究しておる過程なものですから、局長が特に取り上げてそういうふうに答えた、こう解釈しておりますので、御趣旨の線は十分尊重してやるべきである、かように考えております。
○八木(一)委員 局長がそういう意を体しておられればよし、また説明にその点で抜けた点があっても、それは直していただければいいと思います。そういう観点で、すべてのもののてっぺんには憲法がある、憲法の条章のほんとうの解釈に従ったやり方ですべての法律は立案をしていただかなければなりません、運用していただかなければなりません。その点で国民の勤労の権利、特に身体に障害のある人が勤労の権利をほんとうに自分のものとするためには、ただいま小林委員の力説されたように、こういうことが絶対に必要なことであるということを一つ腹を据えてこの問題を進めていただきたいと思います。 労働政務次官にお伺いをしたいと思いまするが、今御質問を申し上げたのはむしろ労働省の方にお伺いをしなければならない。国民の勤労権が、その方の不運な身体的な条件のために権利が実行されない。また権利のあとに義務があります。その国民としての義務を、その方々は勤労して生活するということで果たしたいのに、身体の障害を受けて、それに対する公的な医事の法律その他の処置がないためにその義務も果たせない、権利も確保されなければ義務も果たせないという点がある。これは政府全体の問題でありまするが、特に勤労の問題でございますから、労働省が真剣に考えていただかなければならない問題であります。その点についての労働省側の決意のほどを伺いたいと思います。
○田村説明員 身体障害者は申すに及びませんが、すべて国民が平等に勤労に従事する権利義務がある、これは言うまでもございませんけれども、特に身体障害者の場合は、身体障害者そのものに特別の雇用促進法まであるわけでございます。まだまだ法律による保護というものが十分ではございませんけれども、おっしゃる通りでありまして、労働省としては、今先生が申された通り、そのような思想で身体障害者を守っていきたい、かように考えておる次第であります。
○八木(一)委員 小林委員の質問の続き並びに田村次官の都合がありますから、端的に御質問申し上げます。 今の問題に重大な関係があるわけでありますが、身体障害者雇用促進法がここで審議されたときに、その法律が非常にしり抜けである、目的はいいけれども、そこに実際にいくだけの裏づけの条文がない、罰則がなかったり、そういうことがないということが審議されたわけでございまするが、しかし、そういう条文がなくてもやってみせるということで政府が確信をもってやられたわけです。当時の労働大臣は、最初、官公庁関係でこの法律によって二万六千人の雇用を三年間でしてみせると言われた。すでに相当の時間がたって日限が迫っておりまするけれども、ほとんど実効が上がってない。いろいろ精査されて、少なくとも最初の計画だっだら一年間に一万人ずつの雇用がなければならない。それが、身体障害者ではできない経過その他のものがあるというような説明があって幾分その目標数字が減りましたけれども、それにしても相当の人数が雇用されなければならないのに、ことしに至っては縮小された目標が七百七十七人、実際に雇用されたものが三百九十三人、三年間で二万六千人を雇用すると政府が自信のほどを示されたのに、三年間の数字は今全部持っておりませんけれども、ことしの数字は三百九十三人、三年間の数字は推して知るべし。そんなことでは、今労働省が決意を示され、前に身体障害者雇用促進法のときに示された決意が実際に全然進んでおらないということになるわけです。その意味で、身体障害者雇用促進法は実効のあるように改正する必要があると思う。その点についての労働政務次官の御意見をお伺いしたい。
○田村説明員 実は私は当時の事情はあまり存じませんけれども、現実に、目標に相当食い違いがある現実の結果になっておるということを聞いております。これは何としても当初の目標を達成すべくがんばらなければならぬわけでございますが、もしかりに——これは私の私見でございますけれども、もしかりに法の不備という点が大きな支障となっておるならば、場合によって法改正もやる必要が起こるかもしれないだろう、これは全く私の私見でございますが、さように考えております。
○八木(一)委員 大橋さんがアメリカにおられるということで、政務次官が非常に遠慮がちに言っておられるけれども、ちょっと遠慮がちに過ぎると思う。とにかく今憲法上の条文ではっきり決意が示されたように、身体障害者が働く場を持たなければならない、持つように政府がしなければならぬ基本的な考え方は、完全に私どもの考え方と田村さんの考え方は一致しておるわけです。おいでにならないけれども大橋さんの考え方も、また東京においでになるけれども来ていただければ池田さんの考え方も、あの人が政治家として不適格でない限りにおいては同じ考え方になるはずです。ところで、その同じ考え方でやったはずのものが実効が上がらなければ——そのときにも、これでは実効が上がらないじゃないかということがどんどん論議されて、しかしこれは行政的に上げてみせます。上げなければそのときには法律を改正しなければならないと思うけれども、やってみてその後のことは考えたいと言われてからすでに相当の時日がたっておる。今数字をあげましたように、実効が上がっていなければ——目的については、完全に正しいものであって一致しておる。実行させるという法律の条文が、しり抜けである点が問題である。それを直すのは当然であります。だから私見ということではなしに——今は私見でしょうがないけれども、あるいは直さなくてはならないかもしれませんというような弱気のことではなしに、非常に将来性のある、非常にダイナミックな政治家である田村さんが、このくらいなことは、大橋労働大臣がまだ知らなくとも大臣に説明をして、池田さんが知らなくともそれを説得して、直ちに法律改正を提出するように責任を持って努力するというくらいの前向きの御答弁がいただきたいと思う。どうかそのような決意で、この問題について直ちに急速に、数日間くらいで調査をせられて、そうして出すことにきまった、その内容は野党に相談してこのような内容で出したいというような返事が、臨時国会中にできるように一つ御努力を願いたいと思いますが、御決意を伺いたいと思います。
○田村説明員 私は率直に申してしろうとでございますけれども、しろうとなりに今の御意見まことにごもっともであると思います。さような次第で、こういう問題は役人ばかりに作業をさせるべきものではありませんから、労働大臣が帰国いたしましたら今の御意見をよく伝えまして、また同時に私の今受けた印象も話しまして、政治家同士の相談をいたしたいと思います。
○八木(一)委員 一つ強力な御努力を期待いたします。 焦点の盲人の問題について、あと一点だけ申し上げたいと思います。このような身体障害者雇用促進法で、視力障害の方を含めたすべての障害者の方の職業を確保する努力が払われなければならないし、払われているわけであります。ところが、視力障害の方は、昔から、江戸時代からこのあんまということが視力障害の人の専門の職業になっている。これがうまく——うまくというわけではないけれども、あのような封建時代で、勤労の権利を正式に認めるとか、あるいはまた国民の健康で文化的な生活を認めるというような法律体制のない時代ですらそのようなことが行なわれて、そのような状態にあったわけです。ところが、今、勤労の権利を認められ、健康で文化的な生活がすべての国民に保障されている時代において、このような視力障害の方の本来の職業が、目のあいている人によってどんどん侵害をされている。これは時代の逆行であります。侵害されている点を食いとめるだけではなしに、今ずいぶん侵害をされているのですから、もとに戻さなければならないと思う。もとに戻すということについて、同僚の小林委員が力説されたようなことにもっと勇敢に厚生省は取り組まなければならないし、労働省は関係の官庁として、雇用の立場から、今言ったような医療の立場というようなこと以上に、雇用の立場からこれを考えてもらわなければならないということを側面的におっしゃっていただかなければならない。今の当面の法律の問題でありまするが、医療の立場から立法されたと言われているけれども、この問題が実際に職業上の問題になって関係者の生活上の問題になっていることは、この法律の内容の影響は、一万のうち九千九百九十九までは職業と生活の問題である。今立法で行なわれたとしても、この内容がそれである以上は、この観点から考えていただかなければならない。また、医療上ということを専門家は言われたそうであります。しかしながら、不幸にして私は、医療上それで非常な障害を来たしたという事例をあまり伺っておりません。専門家は御存じであるのかどうか知りませんけれども、ほとんど問題化されていない問題であります。その問題を特に一つの大きな論点として、職業上の問題、雇用上の問題を強く完全に進めることを時間的に遷延するようなことは、許されないことだと思うわけであります。もう一つ、医療上の問題に何かの事情がありましても、それは、視力障害の人はそれができないということは断じてないわけであります。技術は非常に熟練しておりまするから、もし視力がない人に医療上の問題ができないということがあるならば、これは視力のある同質の技術のことをしている人も同じだと思う。医師の立ち合いの上でこのような施術をすることによって、これがほんとうに医療上の少数の例でやるときにはそういうことが起こり得ると思いまするけれども、それも視力の障害があるからできないということは断じてない。目があいていても目があいていなくてもそれは同じであります。それ以外の問題、これを分けることは小林先生は反対であり、私も非常に重大な問題を含んでいるわけでありまするから賛成はできにくいわけでありまするが、保健あんま、医療あんまとかりに呼ばれた、その大部分を占める保健あんまという方の部分については、視力障害のある人が断じてこれを全部やっていいことだと思うわけであります。そういうことをいたずらに観念的な医事立法であるから、医療立法であるから、あるいは万が一、一億に一つくらい医療上の障害があるかもしれないから、しかもそれがあったとしても、視力障害者がやっても、医療上の教育をし、立ち会いをしたならば一切間違いがあるわけがない。それをほとんどないような少ない事例をたてにして、この盲人優先、あるいはさらに進めて盲人専業の方に進めるために時間を遷延するというようなことは許さないと思うわけであります。その点についてどうか雇用、生活という点を重視して、この法律の問題を今小林先生の言われたような方向に前進させるために、厚生省としては全力をあげていただかなければならないと思いまするが、厚生政務次官の前向きの強力な発言を期待いたしまして、御答弁によっては再度いたしますけれども、満足がいきましたらこれで関連質問を終わります。
○渡海説明員 ただいまの御趣旨ごもっともでございまして、私も田村政務次官が言われましたようにほんとうにしろうとでございますが、早急に結論を出すために、私は今審議会の委員にお会いしまして、具体的な論拠その他を聞きまして、今あなたがおっしゃられましたようなことを私の私見として述べまして、強力な、早急なる意見の結論を急いでいただきますようにお願いしたような状態でございます。今後とも一そうその方向に向かって進みたいと思いますので、御了承願います。
○小林(進)委員 労働省は、先ほどの質問のその職業訓練で、具体的に盲人をどのように今訓練をせられておるか。時間も差し迫っておりまするので、一つ要領よくお答えをいただきたいと思います。
○田村説明員 それでは簡単にお答えいたします。 現在の職業訓練法は、第一条に「この法律は、労働者に対して、必要な技能を習得させ、及び向上させるために、職業訓練及び技能検定を行うことにより、工業その他の産業に必要な技能労働者を養成し、」という言葉がございます。さような次第で、公共職業訓練所においてあんまの職業訓練を行なうということは、いささかその趣旨に異なっておる面がございますので——ございますのでと言うよりも、あるとも思われますのでこれを省いておりますけれども、しかしながら、事業内訓練所という姿で、業者間における職業訓練所で職業訓練をする場合においては助成し得るのではなかろうか、かように考えております。
○小林(進)委員 私はその総合職業訓練所で、国立の訓練所で、あんまを教えているかどうかと聞いておるんじゃないのだ。盲人に対してどういう職業の訓練をおやりになっておるかということを聞いておるのであります。
○田村説明員 御説明します。 盲人に対する職業訓練は、現在公共訓練所におきましては行なっておりません。
○小林(進)委員 雇用促進法に基づいて完全な——労働省の方で、やっぱり職業訓練から盲人を追い出しているということじゃありませんか。私はそれが気に入らないと言っているのです。時間がありませんから、これはまたあらためて労働省にお伺いをしますけれども、私はあなた方のやっている総合職業訓練所のあり方に対してはたくさん意見があります。三十八年度の予算に対しても私はあなた方に言うことがたくさんありますが、きょうはこれでやめますけれども、そんなことではいけませんよ。 次に、きょうは盲人あんまの問題ですから、盲人あんま問題にいきますが、一体無免許のあんまのばっこに対してどういう処置をしていられるのか、まずそいつを一つお伺いしておきたい。厚生省から出された二百六十六号、その次に雇用主との連携の犯罪も取り締まるというような通達も出ておりましたけれども、現在その通達が生きておりますか。効果を上げていますか、実績はどうなっておりますか、一つお伺いいたしたいわけであります。
○尾崎説明員 三十七年十一月に、医事課長名で、警察と密接に協力して違反を取り締まり、また処分をするようにというような通達を出し、それから三十七年の一月及び六月の衛生部長会議とか医務課長会議におきましても指示をしておる。最近におきまして、十二月三日、四日ですか、全国の医事関係の担当者の会議におきましても、この法律の適正な運用を指示しておる状態でございまして、そのほか、警察の関係との協議等も具体的にはやっておるわけであります。 それでは最近効果はどうかというお話でございますが、効果必ずしも十分ではございませんが、最近におきまして私の方で報告を受けましたのは、警察の方のお仕事でございますが、吉原で相当大規模な取り締まりが行なわれ、違反の摘出があった、こういうふうに事例を聞いております。
○小林(進)委員 四年前ですか三年前ですか、この法律の延長に関する法案の審議をしたときに、時の政府側は一体何と答えましたか。免許を持たない者にはあんまはやらせません、明確にあなたはここで言明されておるじゃありませんか。速記録をいま一回出しましょうか。この法律を延長するときに、先ほどの話じゃありませんけれども、この盲人は、ともかく三年間で二万六千人雇いますと大きく言明をしておる。今度この法律を延長してももらえば、無免許のあんまなんかというものの営業をさせません。あなた方の言うことはみんなうそじゃないか、人をだましてばっかりおるじゃないか。だましたらだめですよ。そういうようなことを言っておきながら、その実際は、無免許のあんまというものが免許者よりも多いんですよ。自動車やトラックの運転手の中にはまれに無免許者もいるけれども、ああやって警視庁は目の色を変えているけれども、その中にはたまにいる。たまにいるからまだかわいいところがあるけれども、あんまに至っては、無免許者が免許者の二倍も三倍もいるんですよ。この前吉原で取り締まったとか、医務課長会議に訓示を与えたなんという問題ではないんですよ。大手を振って免許者よりも無免許者が大道を闊歩しておるんですよ。あなた方はあんまを買うでしょう。その買ったときに免許証を見ましたか。われわれも買うけれども、大体免許者より非常に無免許者が多いのだ。そういうように法治国も名ばかりで、厚生省も名ばかりで、国会に来て大段平をかざして、免許者が一人もいませんというような大きなことを言わないでもいいから、こういう問題で一つ具体的に実習をおやりになったらどうですか。小林というのはどうも攻撃が激しいから、あいつが委員会で質問をするときには何とかお手やわらかくやってもらおうというような、そんな私が声が大きいとか、お手やわらかにとかいう問題じゃないですよ。こういうでたらめな現実をあなた方は真剣に考えなければいけないですよ。どう一体処置されますか。これはやはりあなたがおっしゃるように、たまに吉原かなんか押えた、医務課長会議のときに訓示を与えた、それでいいとおっしゃるのですか。あなたはどうですか。
○尾崎説明員 無免許あんまの取り締まりが実効が上がってないという点でおしかりをこうむりまして、まことに申しわけなく思っておりますが、この取り締まりに関しましては、今もお話しの通り昨秋の附帯決議にもありますことでございますし、われわれの方といたしましても府県に命じ、また保健所に命じてやるというようなこと、また警察の方にもお願いしておるということでございますが、なかなか警察の方も忙しいのか、保健所の方の力も足りませんので今のような状態でございますが、法律でこういうふうに規定しておりまして、それが無視せられておるということは決していいわけではございませんので、できるだけこれは実効を上げるように努力していかねばならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小林(進)委員 私は、だからさっきから言うんですよ。さっき言われた憲法の二十五条、二十七条、みなそれを言っているんですよ。こういう身体障害者とか盲人とかいうものの、あんまさんというのは唯一の職業じゃないかというのです。それを免許を持たないやつが奪って歩いているのだから、これは考えようによっては人道上一番切実な問題なんだ。ほかのことはちょっとぐらい手抜きをしてもいいけれども、これはまっ先にやらなければならぬのじゃないか。われわれに政権を渡してごらんなさい、社会党に政権を担当させてごらんなさい。そんなおかしいことをやらなくたってよろしい。やみの米の一升や二升やらなくても、生存権ぎりぎりのところにいる人間の生活のためには、警察力を動員してやりますよ。厚生省の全能力を動員してわれわれはやりますよ。それをあなた方は独占資本の利益を考えたり、それの都合のいいところにたんと予算を組んだり、力を入れたりするけれども、そういう独占の関係には縁もゆかりもないこういう盲人とか身体障害者とか、あるいは精薄児だとかいうときになってくると、今も言うように警察が手抜きしてしまえば、厚生省も手抜きして、一年に一回か二回の訓示で能事終われりとしているその基本的な考え方が間違いだというのです。われわれだったらそんなことはしませんよ。何をおいても、盲人の生活を守るために全警察力を動員しますよ。全厚生省の力を動員しますよ。私がさっきから言ったのは、その考え方がいけないというのです。あなた方のやり方が、いかに資本主義的であるか言いましょうか。一体あんまの養成所が全国で幾つ、東京で幾つありますか、その生徒が幾らで、どういう教育をしているか、一つそれをお聞かせ願いたい。
○尾崎説明員 申しわけありませんが、今定員数だけのものしかございませんが、全国といたしまして、厚生省関係の養成施設では晴眼者が千五百三十五名で、盲人が三百三十五名、それから文部省関係で盲人が千三百三十八名、結局合計いたしますと約三千二、三百ということになっておりますが、大体盲人、晴眼者同じくらいの数じゃないか、こういうふうに思っております。
○小林(進)委員 東京で言いますと、晴眼のあんまさんの学校が八つあるのです。盲人が五つです。その晴眼が、昼夜でやっている学校が五つありますから、合計すると晴眼のあんま学校が十三です。盲人の方が五つですか、そういう格好で晴眼の養成所がべらぼうに多いのです。ところが、その養成所が何をやっているか。いいですか局長、政務次官も聞いて下さい。その養成所は二年間で入学金が一万二千円だ、そして授業料を月に二千五百円か三千円取っているのです。ちょっと回ってごらんなさい、生徒がいますか、ほとんどいませんよ。それは今も言うようにあんま診療所がある、別で言えばあんま屋だ、免許を持っているあんま屋がその生徒を二十人、三十人とみなかかえて、授業料と入学金だけ払っておいて、学校に行かないでみなもみに行くのですが、全部無免許者だ。雇い主は授業料だけ払って、学校は教室も何も——あるかもしれませんけれども、生徒なんというのは定員通り来たことはない。入学金持って、授業料持って、二年間たったら免状をくれていればいい。生徒は無免許のままで一生懸命もんで歩いている。みんながあんまさんにもんでもらっているのは、無免許者にもんでもらって、しかもうら若い女の子が来るからすっかりいい気持になっているが、免状なんか要らない、これがあんま養成所の実態です。私の言うことがうそだと思うならば、東京の約十三の養成学校を見てごらんなさい。これが独占に奉仕していると私は言うのです。経営者は生徒が来てくれない方がいい、生徒も行かない方がいい。昼夜兼行でもんで、大体無免許者が免状を取らない前に歩いて、公定料金か組合料金か知りませんけれども、三百円なり五百円なり取ること自体が正当なやり方ですか、こういう学校の運営は正しい運営のあり方ですか、一体だれが監督するのですか。こういう養成施設の監督はだれがやっているのか。こういう学校は無免許者を養成するカムフラージュだ、これは無免許者を養成している。厚生省は、言いかえれば、先ほども養成所の方であんまが少ないから、もっとふやせといわれたと局長はいみじくも言われた。その問題についてはあとで私は言いたいことがあると言ったのはこれだ。これぐらい、いい金もうけはない。私もやるならあしたからやりたい、小林進あんま養成所をつくって、若い女の子を集めて、授業料を取って、そしてやらしておけばそれでいい。そんなことで要求があるからといってどんどん許可していって、唯一の盲人の職場を奪っておるようなこの行政が一体正当な行政ですか、正当なあり方ですか。だれが一体これを監督しておるか。内容をあなたは一体見られたかどうか、私は厚生省に一つお聞きしたい。私の言うことがうそならうそだと言って下さい。こういうことをやられてはたまったものではない。
○尾崎説明員 今、養成関係の種類は文部省関係のものと厚生省関係のものと二通りございまして、お話しの方のものはおそらく養成所関係のものだと思います。文部省関係は大体盲人関係のもので、この養成所の方は都道府県知事が監督をし、最終的には厚生省が監督することになっております。ただ、あとで都道府県知事の行ないます試験がありますので、それほど全然授業が行なわれないというふうな状態ではないと思いますが、しかし御指摘のような点があれば、これは十分指導し、取り締まっていかねばならない、こういうふうに考えております。
○小林(進)委員 このあとに河野さんの質問が残っておるので、私もかけ足で言います。どうも切れ目がなくて弱っておりますが、いま二つほど質問して、問題を後日に残します。 次に言っておきたいことは、無免許者のあんまとその養成所が、まだ無免許の養成ならばいいけれども、これが転じてパンマまで発展しておるという懸念があるということだ、むしろ多いというのが実情だが、私は養成所や学校の名誉のためにそれは言わぬけれども、そこまで問題が出てきて、売春の巣くつになる懸念があると言っておるのですよ。そういうようなところまできているものを放任しているのみならず、まだあんまが足りないからといって、晴眼の学校をつくらなければならないというような感覚でいられるから困るというのだよ。 この問題はこれでやめて、次の一点はトルコぶろだ。これもまるでトルコぶろが雨後のタケノコのようにでき上がっておるが、ふろへ入るのが目的なのかもんでもらうのか知らぬけれども、ふろへ十分ぐらい入ったら次はあんまですよ。ぱんぱん背中をはたいて、政務次官なんかおいでになったかどうか知りませんけれども、私は行ったことがないが、世上伝えるところでは、一生懸命もんで、三十分から一時間もむんですよ。三十分から一時間もむやつを、これが一体何ですか、女の三助ですかあんまですか。私に言わしめれば、これはあんまじゃないか。今まで病院なんかで正式のあんまを雇って、医者が指導してやるのが五分か十分、私もけがをしてやってもらいましたよ。五分か十分ぐらいちゃかちゃかとやって、これが正式のあんまですよ。ところが、ああいうところへ行ったら三十分から一時間、長いのは二時間ぐらいやっておる。二時間ぐらいもんでいるものが、免許状が要らないでこういう営業をしておる。これは私は矛盾じゃないかと思う。今後、トルコぶろなんかで特に裸でマッサージをやるとかあんま業をやるなんというのは、正式な免状を必要とするくらいな法的規制が行なわるべきものではないかと私は思うのですが、この問題はどうですか、重大問題ですよ。(「実地調査をやろうじゃないか」と呼ぶ者あり)
○渡海説明員 ただいま、いろいろ実情に即しまして、詳しい御説明に基づいての御要望がございました。私も小林さんほど正確には存じ上げておりませんが、おぼろげながら、そういう実情が、現在のわれわれのほんとうに守るべき盲人あんまの職業を奪いつつあるという事実はわかっております。そのために、第一点としてあげられました盲人あんまの雇用優先という問題を考えるときに、そういった問題もあわせてぜひとも雇用優先がいくように立法措置が必要なればやりたいと思いまして、中央審議会に対しましても早急結論を出していただくように、ただ問題は、しかしながら、わかっておりながらこれらの取り締まりがいかに困難であるかということは、世情によくお通じの小林さんにも御了解賜わることであると思いますが、私たちも世論の喚起とともに、これらの取り締まりに対しまして十分の実をあげていきたい、かように考えておる次第であります。何とぞ御了承賜わりたいと思います。
○小林(進)委員 このトルコぶろの問題は、今も澁谷委員、小沢委員から実情調査の上考えようという意見がございましたから、与党の諸君の協力も得て、これは現地調査の上でやるといたしましても、これは事実上の問題のみならず風紀上の問題、あるいは盲人あんまの職業を奪うという点もありますけれども、もろもろの観点からいって、これはやはりあんまか三助かという区別ははっきりつけるように法案をやってもらわなければならぬと思いますから、これは後日に問題を残します。 次のいま一つの問題は、これは特に労働省に私は申し上げたいのでありますけれども、最近旅館組合が——これは結局、先ほど需要供給の関係をお伺いしたのに、局長は、実際わからぬけれども、まだ不足しているというようなあいまいなお話がございましたが、今、旅館業組合があんまに対して五十円ぐらい、はなはだしいのは百五十円ものいわゆるピンはねをしているんですよ。これはあんまがやはり過剰だからです。やはり旅館に入るということは、特にあんま業にとっては一番重要な客筋でございますから……。ところが、余っているからつい旅館側は強くなって、そういうわずかな勤労の所産から一人について五十円から百五十円のピンはねですよ。こういうことをやっている。一番いい具体的な例は長野県あたりの旅館組合です。これは旅館組合の決定に基づいて、旅館に入ったあんまさんから一割料金を取る。理由は、あんまさんを呼ぶために電話をかけた電話料とか手数料とか、あるいはお客さんのところに行くとふとんを延べてもむから、ふとんがいたむとか敷布がいたむとか、そのために、旅館は料金を取ってサービス料も取っておきながら、そういう名目であんまのピンはねをやっている。最も極端な例は熱海ですよ。それは名誉のために言いませんけれども、熱海の某旅館のごときは、あんまが乱立しているものだから、私のうちにお前を独占的に入れる権利金として五百万円をよこせと言っているのです。あんまがその旅館に入る権利金として、五百万円取っているところもありますよ。とても、しがないあんまさんが、パンマに至る者まで五十人や六十人置いたところで、五百万円の権利金が払えるものじゃないですよ。仕方がないから十軒ぐらいの同業者が寄って、その五百万円の権利金を払った。だから十軒で出したから一軒が独占できないから、だんだんそのうちは、権利金を出し出しさびれていった。そういうような聞くも涙の物語があるんですよ。ぼくは労働省に聞きたいのですが、いわゆる社外工とか臨時工をなくすとか、あるいは職業紹介をしてピンはねをするのは、職業安定法の違反だというようないろいろの問題が労働行政の上に出てくるけれども、いかにあんま業が自由業とはいいながら、こういう人たちの勤労の所産なんです。労働の所産なんです。こういうものから五十円も百円もピンはねをするのは、あなた方は一体これを黙って見ているのですか、だれでもいいから答えて下さい。部長もおいでになっているし、局長もおいでになっておるじゃありませんか、こういう残酷な話がありますか。
○堀説明員 いろいろ、この問題につきましては労働基準局、職業安定局双方の所管に相なるわけでございますが、ただいまお話しのような問題について、かりに雇用関係にある者の間に介在して中間搾取を行なうというような場合には基準法違反の問題も生じましょうし、あるいは営利職業紹介ということで職業紹介の許可を得て業を行なっておるというような場合には、その許可条件の問題もあろうと思うのでございます。いずれにいたしましても非常にこの点は大きな問題でございますので、基準局、職業安定局共同いたしまして、今後、ただいまの御指摘のような弊害が起こらないように努力するようにいたして参りたいと思います。
○田村説明員 これは私から特にお答えします。 全然初耳で、こういうお話を聞いて全くそれはあんまりだという感じですが、これは私から、労働基準局長がアメリカからあと二、三日で帰りますから、厳重に命じまして調査をいたさせます。これはお約束いたしておきます。
○小林(進)委員 まだ問題がたくさん残っておりますけれども、次に質問者がまだおりますので、私は用意した質問を半分にしてこれで終わりますが、特に今言われた職業安定行政上といいますか、基準行政の上からいって、何といってもあんまさん、そういう方々の料金のピンはねをするようなことは、これはどんなに法律を拡張解釈していただいてどうやってもよろしいですから、私は今の田村政務次官のお答えに非常に信頼を置きますから、早急に調査の上——調査ばかりではいけません、早急にこういうことを禁止して下さい。これは早急に御措置を願いたいと思います。 以上私が申し上げた点は、これは私は思いつきで言っておるのではありません。どうか厚生省においても早急に御措置を願いたいと思います。また、その御措置のやり方によりましては、あらためて何回でも——人間がくどい方でございますから、何回でも同じことを質問させていただきますことを申し上げまして、一応本日はこれで終わりたいと思います。
○秋田委員長 河野正君。
○河野(正)委員 本日は、政府機関に所属いたします公社、公団、公庫、こういう機関の労使関係につきまして、若干お尋ねを申し上げてみたいと考えております。 御案内のように、この機関は建設省、農林省、あるいはまた文部省、厚生省、各機関にまたがります公社、公団、公庫でございまして、従って従業員の数は三万程度でございますけれども、しかし、行政上及ぼします役割というものは、私は非常に甚大なものがあろうかと考えております。ところが、まことに残念なことでございますけれども、そういうような公社、公団、公庫等におきます労使関係というものは、必ずしも明確に確立されておらない。そのために、実はいたずらに労使間に不必要な混乱が派生的に起こってくるという事態が繰り返されて参りました。あるいはまた、そのために理事者側が平気で不当労働行為を次から次へ重ねてくる。そういう実例は各省各般にわたりますから、私は具体的な問題につきましては、時間もございませんからいずれ別な機会に取り上げるといたしまして、きょうはそういう一般的な問題につきまして若干お伺いを申し上げたい、かように考えるわけです。 と申し上げますのは、いろいろ今日まで起こって参っております。特に今度は人事院のベース・アップに対しまする勧告等があって、この臨時国会でも論議されるわけでございますが、そういう問題が起こって参りましても、今私が御指摘申し上げましたように、どうも交渉権というものが明確でない。そのために、いたずらに労使間の紛争が起こって参っておる。この交渉権なり団交権というものは労働者に与えられた権利でございますから、当然明確にされなければならぬ。ところが、労使間で交渉いたしましても、大蔵省がそれに了承を与えぬということになりますと、勢いその労使間の交渉というものが全部御破算になってしまう。そういう結果から、理事者側がどうも権限がないということで、この労使間の問題に対して非常に無責任な態度をとっている、こういうことが今日許されていいものかどうか。私どもは、個々の例につきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの所管がございますから、それぞれの所管で取り上げるにしましても、そういう一般的な点から、そういう状態というものがはたして許されてよいのかどうか、こういう点について一つ労働省当局の御見解をお聞かせいただきたい、かように考えます。
○堀説明員 各種公団、事業団等の政府関係機関の労使関係につきましてはこれは三公社五現業の労使関係と異なりまして、労働組合法、労働関係調整法が全面的に適用されるのでありまして、従いまして、給与、勤務条件等の労働条件については、労使間の団体交渉によって労働協約を締結する、この建前になっておるわけでございます。ただ、これらの諸機関は、先生御承知のように、その業務の公共性、特殊性にかんがみまして、政府あるいは地方公共団体の出資等によって設立されておりまして、また業務の運営につきましても、政府から交付金あるいは補助金というようなものが出されておるものが大部分でございます。そのような点から、給与の基準等を定める、あるいはこれを変更するというような場合には、それぞれ主務大臣の許可が要る、こういう建前になっておるわけでございます。従いまして、労組法あるいは労調法等の適用はあるのでございまするが、ただいまあとから申し上げましたようなその事業の特殊性、公共性というようなものの関連におきまして、使用者側がやはり制約を受けるということは、これはその仕事の性質上やむを得ない点もあると思うのでございます。しかし、いずれにいたしましても、私どもが初め申しましたように、労働条件の決定については団交によって行なう、こういうことになっております以上、私どもといたしましては、労使その他の関係者が事業の特殊性を十分認識された上で、自主的に、かつ平和裏に事態を解決されることを希望しておるわけでございます。
○河野(正)委員 一般論でございますから、今労政局長の御説明になりました通りだと思います。ところが、その際に、最終局には主務大臣の許可が必要だということでございます。しかし、公共性のない特殊性というものは、これは労使間が当然考慮に入れて団体交渉を行なうわけでありますから、従いまして、そういう自主性というものは当然尊重されなければならぬ。そういう自主性というものが尊重されますならば私どもも了承することにやぶさかでございませんけれども、現実には、そういう自主性というものが全然尊重されない。具体的には後ほどいろいろと申し上げてもけっこうでございますけれども、尊重されておらぬというところに非常に大きな問題がございますし、それがひいては理事者側が、どうせ自主性が尊重されぬのなら、この際いろいろと団交をやらぬでもいいじゃないかというようなことで、労組法なり調整法で定められておるけれども、実質的にはそういう法の適用というものが無視されておるというのが私は現実だと思うのです。そういうことのために、今日までしばしば紛争というものが積み重ねられてきたということでございますから、問題は、今労政局長は、これは国の労政という立場から御答弁をいただいておりますが、そういう精神が現実にこの労使間の中で適用されていくかどうか、運用の中で生かされていくかどうかということが重要な問題になると考えるわけでございます。ところが、今申し上げましたように、残念でございますけれども、団体交渉というよりも、むしろ自主交渉後の主務大臣の許可というものが非常に大きなウエートを持つ。そこで極端に言いますと、理事者側は、主務大臣の許可を受けられるような案を持ってこい、こういうことになりますと、初めからワクをはめられておりますから、もう自主性もへったくれもありはしない。私どもは、少なくとも労組法なり調整法で明示されています以上は、やはり団体交渉の実というものはあげさしてもらわなければならぬ。ところが、どうもあがっておらぬというところに非常に大きな問題があるわけでございますけれども、そういう点について大蔵省はどういうふうにお考えでございますか、一つ御見解を承りたい。
○平井説明員 政府関係機関の給与その他の問題につきまして、基本的な原則は、先ほど労政局長からお話しのあった通りでございます。ただ、私ども、政府関係機関の給与ベース等の問題を考えます場合に、なるほど労働関係法諸法規の適用によって、当事者間で団体交渉できめるという建前は尊重して参るわけでございますが、実質的に見て、それでは無制限な範囲で交渉が行なわれるかという点につきましては、必ずしもそうは考えていないわけでございます。と申しますのは、先ほどお話しもございましたように、これらの機関は直接間接国民の税金に依存して運営されているわけでございますし、また、その行なっております仕事も、国にかわって、あるいは特殊の公共的な仕事をなさっているというような性質のものでございます。従いまして、これらの機関の給与については、基本的には公務員に準ずるものとして扱われていくことは、実態的に申しましてやむを得ないことではないかというふうに考えております。その意味におきまして、基本的な考え方としては、たとえばベース・アップ等の行なわれます場合におきましては、公務員のベース・アップに準じて考えられてしかるべきではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○河野(正)委員 そうしますと、労政局長の御答弁とはやや表現が違ってきておると思うのですよ。というのは、労政局長の御答弁によりますと、政労協の場合は、三公社五現業と違って交渉権というものは当然認められる。その際に、若干、主務大臣の許可という問題が補足的にその後段においてついてくるということでございますけれども、今大蔵省の答弁によりますと、国家公務員にも準ずべきだということが前面に出てきているわけですね。そうしますと、労組法なり調整法というものがじゅうりんされてしまう。法の建前というものがじゅうりんされる。この辺は、ちょっと表現は似ておるようですけれども、本質的には非常に違うと思うのですよ、労政局長とあなたの答弁とは。労働省の見解は、三公社五現業とは違うんだという建前が前提になっておると思うのです。あなたの方は、初めから公務員並みだ。ですから、公共性があるんだから調整する必要があるんだという点までは似ておるようですけれども、本質的には非常に意味が違うと思う。あなたのおっしゃることだったら、やはり団体交渉権というものは、それは全部とは言いませんけれども、大部分が否認されておる。それだから私は困ると思う。そこで私はこの問題を取り上げておるわけでありますから、そういう認識では困ると思うのです。それはやはりこの政労協の場合でも、機関の特殊性なり公共性というものを理事者側が十分念頭に入れて、そうして自主的に団体交渉がやられる、その結果がどうも公共性と反するのだということで大蔵省で全部否認されてしまうということなら、それはそれぞれの機関の理事者が公共性というものを念頭に入れずに団体交渉したということでございますから、むしろ機関の理事者側が責めらるべきであって、私どもは、今の大蔵省の見解については納得することができません。 そこで、時間もございませんからここで明確にしていただきたいと思いますのは、主務大臣の許可、承認と申しますか、そういうものをどういうふうに御認識いただいておるのか。自主交渉をして妥結いたしましても、大蔵省がそれはいかぬと言えば、自主交渉をして妥結したことが全部御破算になってしまうというのが現状なんです。そういうような最終的な主務大臣の承認というものがどういう制度のものか、自主交渉をして妥結して調印をしても、大蔵省は認めぬということであれば全く団体交渉権がないようなものです。これは具体的事実があるわけですね。この点はいかがですか。
○平井説明員 主務大臣の認可権というものがどういう性質のものであるかということは、それぞれの法律の解釈の問題でございますが、私どもの理解しております範囲におきましては、先ほど申し上げましたように政府関係機関の企業の性質、企業の本質という点から考えて妥当なものかどうかという判断から、認可するかいなかがきめらるべきであろうかと考えます。
○河野(正)委員 妥当であるかどうかということは、自主性が認められておるわけでありますから、そこでそれは労使間で、そういうふうな公共性、特殊性というような十分な認識の上に立って妥結するわけですから、もしそれが不当だとすれば理事者側がその無能を責めらるべきであって、そういう調印したものを——たとえば具体的に申し上げますと、本年の八月には、農地開発機械公団においては労使双方が妥結調印をした。ところが大蔵省がそれを認めないということで、妥結交渉し、調印をした事実が大蔵省によって全部破棄されてしまった。そういうことでありますと、結果的には団体交渉権はないということに通ずると思うのですが、そういう点、労政局長はいかがでしょうか。
○堀説明員 ただいまお話しの事例、私ちょっと承知いたしておりませんけれども、一般論として申し上げます。 先ほど申し上げましたように、団交権が認められておる。その関係上、団体交渉をする者は、当事者がそれぞれ自主的な立場で交渉をするということは当然であろうと思います。ただ、その場合に、政労協関係の事業と申しますのは、先ほど申し上げましたように、その事業の公共性、特殊性という点の一つの制約があるわけでございますから、労使関係者におかれまして、そういうような自分の事業の特殊性、公共性というものを十分に一つ認識された上で団交を行なっていただきたいと思うわけでございます。その場合に、主務大臣の許可、認可という問題が出てくるわけでございますが、これは御承知のように、各それぞれの事業団法その他によりまして、主務大臣の認可が要ると法律できめられてあるわけでございます。そこで結局問題は、大蔵省の言っておられることと私どもの言っておることはそれぞれ大蔵、労働という立場の相違上、それぞれの表現方法があると思うわけでございますが、要するに、事業の特殊性、公共性という問題、それから団体交渉が認められておるという問題、この調整の問題であろうと思うのでございます。大蔵の言っておりますことも私どもの言っておりますことも、それぞれやや違った角度から物事を申しておるわけでございます。決して食い違いがあるわけではございません。ただ、私どもといたしましては、団交を進める場合に、あくまでも十分に団交を尽くしてもらいたい。その際に、事業の特殊性というものを労使双方において十分に理解しつつ交渉を進めていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○河野(正)委員 問題は、今局長の言われた調整の点が非常に問題であると思うのです。その場合に、私は、どちらに重く比重を置くかということが問題のように思うのです。というのは、今までの経緯を見ておりますと、どういうケースを見て参りましても、最終的には主務大臣の許可が必要ですけれども、それが非常に大きなウエートを持っているのです。それが非常に大きなウエートを持ちますと団交権が、全面的に否認されぬでも否認されたのと同じに影が薄くなる。私はやはり、団交権が法律で認められている以上は、こっちに多くの比重というものがかけられなければならぬ、その団交権で定められました結論というものを主務大臣が十分尊重して、最終的な許可、認可を与えるということにならなければならないと思うのですが、最初から主務大臣が、おれの方針に乗らなければということで大きなワクをはめてしまう、そううい事態が今日まで続いてきている。そこで管理者側の方は、どうせ団交をやっても大蔵省が勝手にやるのだから、もうそこで全く権限ないのでというような形で無責任な行動なり言論をとる、こういう経緯のもとに、いたずらに労使間の紛争が起こってくる。そこで、私どもはこういう紛争は好まぬわけですから、なるだけそういう紛争というものは起こらぬようにする。起こらぬようにするためには、やはり団交権なら団交権を確立してもらう。もちろん団交権を確立してもらっても、やはり企業の特殊性なり公共性というものは当然ある。組合だって、良識があるわけです。これでそういうものは尊重しながら団体交渉をするわけですから、きめられたものについては十分に大蔵省は尊重して許可を与えるということにならぬと、今のままの経緯でいきますと、大蔵省もそうですか、主務大臣の許可というものが非常に重要なウエートを持っている。そのために、団交権というものは影が薄くなってしまって、実質的な団交権は否認されている。そういうことから管理者側が非常に無責任な行動をとるというような結果になって、いたずらに紛争が繰り返される。そこで、もう時間がございませんから、具体的な例はたくさんあるのですが、一例だけ申し上げますが、そういうことから不当労働行為というような一方的な弾圧というようなことが繰り返される。たとえば、今度中小企業金融公庫の一時金の交渉の中で、給与担当の理事の方が、もしストライキを打つならば——この一時金も二・九という要求が最終的には通ったというか、認められたわけですけれども、その際に、もしストライキを打つようなことをやるならば、一時金は二・二で打ち切るぞ、というようなどうかつ的な言動をやっている。そういう圧力によってストライキをやめさせる。そうしてこの団体交渉を当局側の一方的な方向に引きずっていった。こういう具体的な一例があるわけです。私はここで明確にそういうことをおっしゃった理事の方の氏名を申し上げても差しつかえございませんけれども、きょうはその人の人格を尊重して申し上げませんが、給与担当の理事がそういうことを明言して、そうして組合に圧力をかけている。これは私は明らかに不当労働行為だと思うのです。そういう事実は、労政局長は御存じないと思いますけれども、もしそういう事実があったとしたならば、労働省の労働行政を担当されます責任者としてどういうふうにお考えになりますか。それも私は、やはり交渉権が確立されておらないものですから、どうせ交渉権が確立されておらないからというので、当局側が、どうもそういう一方的な、組合を押えることばかりに専念するという結果になってきておると思うのです。ある程度権限がありますと、幾らか出してやっても一つここで何とか労使間をうまく取りまとめようと努力されますけれども、その権限がないものですから、押えよう押えようとかかっておる。そういう傾向が非常に強いと思う。それはひいては理事者側の責任でもあるけれども、団体交渉権というものが明確でないというところに端を発していると思うのです。そこで、そういう事実があるとするならば——これはあるのですけれども、労政局長にはたとえで申し上げますが、そういう事実があるとするならば、労働行政を担当する、労働省としてはどういうふうにお考えになりますか、一つお答えをいただきたい。
○堀説明員 これは、よくこういうことが問題になります際に、私はいつも申し上げておることでありますが、ある事案が不当労働行為になるかならぬかという問題は、その前後の事情、環境その他具体的な実情を詳細に分析した上でないと、結果だけでそれが不当労働行為になるかどうかという点は非常に判定しにくい問題でございます。また、そのために、不当労働行為なりやいなやという点につきましては、専門の方々を集めたところの労働委員会というものがありまして、そこで不当労働行為の審査をする、こういうことになっておるのもそのためであろうと思います。従いまして、労働省といたしまして、ある結論だけを伺った上で、これがなるとかならないとかいうようなお答えはいたさない、差し控えさしていただきたいというふうにいつも申し上げておるわけでございます。ただいまのお話も同様な問題であろうと思うわけでございますが、団交の過程におきまして、これは率直に申しまして、使用者側の方はストライキをなるべくやらないでもらって、ある点で妥結したいというのが使用者の立場でございまして、労働側といたしましては、ストライキ権が認められている以上、ストライキにかけるぞということを一つの武器、作戦といたしまして、使用者側に労働条件の改善をさらに要求する、こういうことになろうと思う。団交の過程におきまして、双方間にいろいろなやりとりもあろうと思うわけでございます。従って、そういうただいまお話しのような点が不当労働行為であるかどうかという点につきましては、率直に申しまして、私ども、団交の過程でそういうような形がありました場合にどうであるかということはお答えできないと思います。なお問題がありましたならば、さらに労働委員会等におきまして調査した上で判定をしていく問題ではなかろうか、このように思います。
○河野(正)委員 時間がございませんから、端折って申し上げますが、物事によりましては、前後の事情から判断しなければならぬ場合もございます。ところが、今私が申し上げました一例は、ストライキをやるならば二・二だぞ、やらなければ二・九を認めよう、こういう具体的な事例が給与担当の理事から明言されたということは、これは私は前後の事情も何もないと思う。そのことだけで威力を加えておるわけですから、当然不当労働行為である。それを断定することは、それぞれの労働委員会その他がありますから、そこで判定を下すことでしょうけれども、私の見解としては、今申し上げますように、これは断定すべき性格のものである。政労協の場合は、各般にわたっておるたくさんな企業体でございますから、今一例だけを申し上げたわけでございますけれども、先ほど申し上げますように団体交渉権というものが明確でないというところから、そういう不当労働行為、あるいはまた不当労働行為に近いような言動が行なわれておる、そういうふうに考える。それから、今局長もおっしゃったように、私どもも労使間に紛争が起こることは好ましくないことはわかるわけでありますから、そういう労使間の紛争を今後防止していかなければならぬ、そのために一体どうしたらいいのかということになりますと、私が今まで指摘いたしましたように、団交権というものを明確にしていただくことが非常に望ましいと思うし、また大蔵省は、法律で規定された団体交渉権があるということは、労働行政の最高責任者である労政局長から明言されたわけでございますから、そこで、そういう団体交渉権できめられた結論に対しては、当然尊重すべき法律的な義務がある。ところが、それを自分が財布の口を握っておるからといって、すぐ公共性とか特殊性とかいうようなことに事寄せて、そういう団体交渉権まで否認しようという態度は、私はとにかく了承できないと思う。ですから、そういう点について今後十分御検討願う必要があると思いますが、そういう点についてはいかがでございますか。これは後ほど、いずれ機会をあらためて大蔵大臣にも御出席願って御見解を承りたいと思いますけれども、一応事務当局に御見解を承っておきたいと思います。
○平井説明員 先ほど来、労政局長なり私どもの方から申し上げておりますように、基本的には団体交渉権はわれわれは尊重しておるつもりでございます。ただ、これまた先ほど来申し上げておりますように、主務大臣の認可権なり、あるいはこれに対する大蔵大臣の承認というような制度が設けられております趣旨は、そのそれぞれの政府関係機関の公共性なり特殊性なりを勘案して、その範囲内で調整をするという考え方が基本にあるのでございまして、その限りにおきましては、私どもはできるだけ団体交渉権は尊重して参りたいとは考えておりますけれども、同時に、その問題も考慮していただく必要があるのではないかと思います。
○河野(正)委員 どうも御答弁を聞いておりますと、最初は火をつけるような格好で、あとは水をかけるような御答弁だと思うのですよ。前段においては私の言うことを認めるけれども、後段においては私の言うことを否認するというふうな、きわめて巧妙な答弁だと思うのですが、そういうことでは了承できない。それは、あなたの方で調整のためにいろいろ御検討願うことはけっこうです。それは私ども否認しておるわけではないのです。ないけれども、法律で団体交渉権が認められておるわけだから、それは尊重しなければならぬ。尊重するということは、即そのままやれということではないですよ。ですから、尊重するということを御答弁下さればそれでけっこうだと思うのです。ところが、前段では尊重するとおっしゃるけれども、後段では主務大臣の許可権があるのだからとおっしゃる、そうすると、尊重するということを後段では否認されておる、そういう答弁では納得できない。委員長も、きょうは党葬があるから大ていにしてやめてくれという顔つきのようでありますけれども、その点だけは明確にしてくれないと、やめるわけにはいかないのです。団体交渉権は十分尊重いたします。こういうふうに御答弁いただけば私はこれでやめます。いかがですか。
○平井説明員 先ほど来申し上げているように、団体交渉権は基本的には私ども尊重を申し上げておりますし、無用に主務大臣の認可権なりあるいは承認権というものを使っておるわけではございません。ただ、基本的にはそういうことのないことが望ましいということを私どもも考えておりますけれども、場合によりましては、そういう認可なりあるいは承認の問題も起こって参るということでございます。
○河野(正)委員 そこで、尊重するということは、今あなたが後段で触れられたようなことも含めてのことなんで、それが含まれていない尊重ということなら、即時一〇〇%実行するということでしょう。あなた方も最高学府を出られて、尊重という言葉の意義ぐらい十分御承知だと思う。私からわざわざそのことを御説明する必要はないけれども、尊重ということは、私の言うことで尽きておると思うのです。それですから、団体交渉権は尊重いたしますということだけを言っていただけば、私は即刻やめます。
○平井説明員 たびたび繰り返すようで恐縮でございますけれども、私どもの立場は、先ほど来申し上げておることに尽きると思います。
○河野(正)委員 すると、尊重できぬのでしょうかな。
○平井説明員 先ほど来申し上げておりますように、尊重することにおいては、私どもは別に先生のおっしゃっておることに対しては反対しておるわけではございません。ただ、場合によりましてそういうことも起こり得るということを、念のために申し上げておるわけでございます。
○河野(正)委員 尊重するということは、先ほどから言いますように、言葉の解釈についてここでする必要はないと思う、あなたも十分御承知だと思うのですが、尊重するということは、一〇〇%実行するということではないわけです。ですから、あなたがわざわざおっしゃられぬでも、そういうことは尊重という言葉の中には含まれておるわけですよ。それをあえておっしゃるから、どうも尊重すると言いながら後段では否認しておるのではなかろうか、こういうふうな疑惑を持つわけです。それですから、私の言うようなそういう意味においての尊重ということがここで明言できるかできませんか、一言でけっこうです。
○平井説明員 先生が先ほど来申されておりますように、主務大臣の認可権なりあるいは大蔵大臣の承認権というものを含めた意味での尊重でございますならば、私どもも尊重いたします。
○河野(正)委員 ことさらあなたがそういうことをおっしゃるから、どうも一方では認めながら一方では否認されるのではないかという印象を受けるわけです。なぜ私がそれを言うかというと、やはり今までそういう経過できたわけですから、団体交渉権を尊重しなければならぬことは当然のことだ。それが結局守られぬから、今日まで労使間の紛争というものがたびたび起こってきた。そこで、ほんとうの尊重をこの際一つ確立してほしいというのが私どもの願いなんです。それですから、私が今まで述べて参りました尊重という言葉の意義は十分おわかりだと思うのです。そういう意味での尊重ということをここでお約束できるかどうか、できるならできる、できないならできない、それだけでけっこうです。あとでいろいろ補足されるから、どうもぼかされるのじゃないかという印象を受ける。そういう意味で尊重できるかできないか、イエスかノーか、一言だけお答えいただきたい。
○平井説明員 どうもたびたび同じようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、先生のおっしゃるような意味で政府関係機関の方々、労使ともにみな御了解いただいているとすれば、私どもも尊重申し上げますということを申し上げていいのでございますけれども、ただ言葉として尊重申し上げますということだけでございますと、労使間の関係においてはきわめて誤解を生ずる場合も多うございますので、いろいろと補足的に申し上げておるわけであります。
○河野(正)委員 先ほど労政局長がおっしゃった団交権というものは法律で認められておる、その団交権を尊重されますかと言っておるのですよ。三公社五現業と違うのだ。団交権を認められております。その団交権について御尊重願えるかどうか。最後ですから、一つ尊重します。しませんだけ言って下さい。
○平井説明員 先ほど来申し上げておりますように、先生が先ほどから言われておるような意味において私どもは尊重いたしますと申し上げておるわけです。ただ、言葉として簡単でありますと、いろいろ団体交渉の場等においては言葉の端だけで議論されてしまって、先生が申されておったような精神が、また両者の間でぼけてしまうこともあり得る。そういうことを考慮いたしまして私どもとしては、はっきり申し上げた方がいいという意味で申し上げておるわけでございます。
○河野(正)委員 結局、労政局長も労働行政を担当する最高の責任者として、政労協については団体交渉権を法律で認められておりますとおっしゃっておるわけですから、私の言葉よりも法律が一番いいと思うので、法律の趣旨を尊重願えますかどうか。
○平井説明員 その限りにおいては私ども尊重を申し上げておるわけでございます。ただ同時に、同じ法律の中に主務大臣の認可権があることもお忌れないようにしていただきたいということです。
○河野(正)委員 こういう問答を繰り返してもほかの方に迷惑をかけますから……。私は、そういう法律で定められた団交権というものは当然尊重すべきだと思います。そこで、法律の建前で尊重すべきであるというふうに労政局長は先ほど答弁になったと思いますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○堀説明員 団交権は法律で認められておるわけでございます。それを尊重するのは当然のことだろうと思います。
○秋田委員長 本閉会中、各地に委員を派遣し、医療、社会福祉施設、雇用対策及び国立公園等の実情を調査したのでありますが、その報告書が各派遣委員より提出されております。これを本日の会議録に参考として掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四分散会 ————◇—————