建設委員会 第6号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/11/30
会議録
○福永委員長 これより会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。石川次夫君。
○石川委員 大臣が大へんお忙しいようですし、私も別に会議がありますものですから、非常に簡単に二、三の問題点だけを御質問をして、責めを果たしたいと思います。 まず第一に、今度の臨時国会が始まりますときに、何といいましても石炭対策の問題と、それから公務員の給与の問題というのを取り上げるということが、第一次補正予算の対象として浮かび上がっておったのですが、わが党といたしましては、災害対策の予算をぜひ第一次補正予算の中に組み入れてもらいたいということで、政府の方にも申し入れをしておったわけであります。最近の新聞によりますと、第一次補正の中に災害対策も入れようということが新たに追加されたように仄聞をするわけでございますけれども、これはどうしてもわれわれとしては第一次補正の中に災害対策の予算を入れてもらいたいという切なる要望を前から出しておった関係もございまして、これが現在閣議その他でどういうふうに取り扱われる見込みになっておるかという点が一つであります。 それから、それに大体関連をすることになりますけれども、治水計画というものは変えなければならぬだろうということが前から取りざたをされておるわけです。この委員会におきましても、それが先日の決議となって治水計画というものをもっと伸ばして、しかも時期を短縮をしなければならぬ。具体的にいえば十カ年計画があと七年残っておるわけでございますが、これを大体五年に縮めなければならぬだろう。今までの予算の組み方からいいましても、この前期の五カ年計画というものは、しりつぼみになってしまうというような状態になっているわけであります。これを来年度から新たに五カ年計画をつくって、治水計画の万全を期さなければならぬということが言われておったわけでございます。 従って質問の第一点は、今申し上げましたように第一次補正予算の中で災害予算というものが組まれるということを聞いておるけれども、それがはたしてそうなっておるかどうか、その規模は一体どのくらいになっておるかという点と、第二点といたしましては、治水五カ年計画というものは三十八年度からどうしても大体一兆円くらいになると思うのです。七年を五カ年に詰めて計画を組み直さなければならぬ、こう考えておりますが、それが政府の方でどういうふうに進められておるか、この二点をお伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 最初にお尋ねになりました補正予算に入れるかどうかということでございますが、災害に関する問題は、復旧を遅滞なくいたさなければなりませんことは申すまでもありません。従ってできるだけ、事業の方は進んでおるわけでございまして、その事業に支障のないように予算は裏づけをしなければならぬという建前で政府は今日まで進んで参りました。 そこで補正の関係から申しますと、これは第一次の補正に入れるか、第二次の補正で金の点が間に合うかというようなことについて多少の議論がなかったことはございません。しかし、金は早くきめておいた方が仕事の段取りをするのによかろうという関係で第一次補正予算にこれを計上することにいたしたわけであります。その金額につきましては、これもわが党といたしましては仕事ができるだけ金の方では糸目はくれぬ、金が入り用なだけは補正をする、と申しましてももうあと数ケ月しか期日がございません。従いまして、金額は百億幾らということに相なる予定でございます。従って、よほど馬力をかけて使っても金の面では十分だろうという程度の補正予算を組んでおるわけでございます。 それから第二の治水の問題でございますが、これもお話の通り、われわれといたしましても、つとに治水計画をもう少し早く万全を期してやらなければいかぬという建前から、本年予算の編成の当初におきまして新治水五カ年計画という意味におきまして残余の七カ年を五カ年に短縮すると同時に、新しい研究視野に基づいて予算を計上いたしまして、それを明年度予算に要求するということにいたしておるわけでございます。
○木村(守)委員 関連して。昨日、閣議におきまして石炭対策大綱をきめられたようであります。あの石炭対策大綱を見てみまずと、大体において石炭対策は石炭鉱業と石炭従業員のことが重点でありまして、産炭地域の問題につきましてはあまり重点を置かれていないような感じがいたすのであります。このことにつきましては特に大臣が産炭地の農業並びに商工業のためには特段の意を用いなければいけないというような発言をなされたかのごとく仄聞しておりまするが、まことにわれわれ御同感の次第であります。これに関しましてお尋ねを申し上げたいのですが、産炭地振興をするために産炭地域にあるいは道路をつくり、あるいは港湾をつくり、あるいはダム、用水等の施設をするということが明記されておりますが、この道路をつくり、あるいは港湾並びに用水、ダム等を建設するにつきましては、産炭地域の振興計画は一体どこできめられたのか、まずこのことをお聞きしたい。それからこの事業をなすにあたりましては一体どこでこれをやるのか、しかもこの産炭地域の事業は、私どもにとりましては産炭地域の離職者、いわゆる炭鉱離職者をもって充てるべきだと考えられますが、一面今まで公共事業にあの失業者を加味したために事業の進捗が非常に遅延をした、また支障を来たしたというような観点から考えますれば、これと変わった形において離職者を使うような方法を考えなければならないのではないかということが第二点。 第三の問題といたしましては、御承知のように産炭地にあるいは道路、用水、ダム等を建設いたしまするが、この建設にあたりましては、特に産炭地におきましては国庫負担率の引き上げとかあるいは特別交付金の交付とかあるいは起債の問題とかいろいろの問題が起こって参りまして、これらの問題を解決しなければ、あの石炭対策の大綱に示された事柄は成立しないのではないかというような心配をいたしておるのであります。これは私だけではなく、産炭地に居をかまえるわれわれの同志が非常に心配しておる問題でありまして、この問題をどうしても——これは石炭対策の一環として、石炭対策は単に炭鉱鉱業者あるいは従業員のみではなく、あの毎日、けさも歩いておりましたが、鉄帽をかぶって国会の周辺を歩いておるああいうような圧力によって、その従業員、鉱業者のみのことを考えるべきではないというような声がしきりにあるのであります。これに対しまして一体大臣はどういうお考えを持っておられますか。並びに政府としてきのう石炭対策の大綱をきめられました以上は、政府はどういうような考え方をもってこれを実施される考えでありまするか、この三点につきましてお尋ねをいたす次第であります。
○河野国務大臣 基本的に申し上げますと、問題の取り上げは産炭地振興ということになっておりまして、ただ単に石炭直接の関係者ということに考えておりません。従って産炭地振興という観点から、今お示しになりました産炭地の中小企業、関係農村の問題も同時に解決して参るということが基本の精神であることは申すまでもございません。ただ昨日閣議決定いたしましたものは、その中で直ちに起こって参ります直接の表面に出ておりまする炭鉱主もしくは炭鉱従業員の問題が主として取り上げてある、こういうことに御理解いただいていいのではなかろうかと思います。従って引き続き関係の中小企業者もしくはこの地域の農村の問題をどういうふうに構造改善して参るかということについては、これから順次起こってくる問題であって、政府としては遅滞なくこれに対しての対策を講じて参るということに御了承願ってよいのではないかと思います。 そこで、具体的にこれらの地方に振興計画としてダムをつくりもしくは道路をつくり、いろいろの建設事業を興すのだが、これについてのお尋ねがございましたが、今この法律もしくはこの施策が議会の御賛成を得ますれば、その上で具体的な計画を立てることになって参ると思います。しかし、これらはいずれも御案内の通りに建設省としてすでに考えておりまする道路のことについて、これを他に優先して早急に実施いたしますとか、もしくはこの方面が石炭地帯を離れて工業地帯としてりっぱに発展して参りますように工業用水の問題をどう解決するかというような問題、さらに道路網を完備して、今申し上げますようにこの方面の産業の開発に資するとかという問題でございますので、これらはいずれも建設省においてすでにそれぞれの調査もある程度できておりますし、または水利の関係等について地元の各方面の御意見も承り、その上で調整をいたさなければならぬ問題等も残っておるわけであります。いずれにしても、これらを順次解決して参ることによってできる問題で、あらためてどこにどういう計画をだれが立てるかということではなかろうと思います。従って直接石炭関係のことは通産省において解決なさるでございましょうし、今申し上げますダムとか道路とか港湾とかという問題につきましては、それぞれ従来の所管の省においてこれをやって参るということでいくのじゃなかろうか。ただし、地元には連絡本部を置きまして、地元の方々の御意見を十分承って、それぞれの所管省との間の連絡を緊密にして参るということの配意はいたしておるわけであります。 そこで、失業者の諸君とこれらの事業の労務の関係についてお尋ねでございましたが、申し上げるまでもなく、直接の炭鉱の失業者の方々には、それぞれ離職者対策はできておるわけであります。従って、これと建設事業の、つまり従来の失業者を使って公共事業をやるというような感覚にはならないということで、建設省が大幅にこれらの産炭地の失業者の諸君をお引き受けして建設事業にこれを回すというようなことにはあまり深く考えていない、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○木村(守)委員 ただいま炭鉱離職者の問題を公共事業の中には取り入れないようなことでありますが、そうしますと、産炭地におきましていろいろ仕事をしますが、労働省の方では明年度大体二十九億ほど緊急失対事業の労務費としてとっておるわけであります。そしてその産炭地の道路、用水、その他土地造成、こういうものに使わないことになりますと、私は二重の投資のような格好になるのじゃないかという考え方を持ちまして、この労働省の緊急失業対策事業に対する予算というものを建設省の仕事の方に持ってきまして、そして消化していくような方法が最も国家的に得策じゃないかというような考え方を持っておるのでありますが、大臣はどうお考えでございますか。 もう一つ、先ほど申し上げました道路計画や何かの問題ですが、あの石炭対策の大綱の中には、産炭地の振興計画を新たに樹立すると書いてあるわけですね。今まで建設省で計画した道路、そういう問題はただいま大臣の答弁された通りでありますが、新しく振興計画を樹立する、この振興計画の中には新しい道路の問題、新しい用水の問題、農業構造改善による用水の問題、いろいろなものがありましょう。そういうものを一体だれがやるのか、通産省ではたしてそういうような計画ができるのかどうかというようなことでありまして、その点をお伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 離職者の諸君が建設関係の事業においでになるものを拒否するという考えは持っておりません。がしかし、重点はたとえて申し上げますれば、ボタ山の処理であるとかいうようなことには相当に計数は入っておるようでありますけれども、それが直接建設事業の中にはまだ計数的に考えていない、こういう意味で申し上げたわけであります。私はその方が国家的にも従来仕事がとかくおくれがちになります、なれない人にお手伝い願うというようなことよりも、かえって道路、港湾等の処置にはいいのじゃなかろうか、こういうふうに考えまして、積極的にこの方の労務を私の方でお引き受けするということには考えていないのでございます。 それから計画につきましては、むろん建設省でいたすのでございまして、たとえば都市計画をするなり産業道路を考えるなりということは建設省において考えることであります。通産省でやる仕事じゃないということは、当然そのように考えております。
○石川委員 産炭地のことに関連をして実は質問を申し上げたいことがありますが、この点はあらためて機会を持って御質問したいと思いますが、特に住宅問題というのは離職者に対しましてはあたたかい気持で万全の策を講じてもらいたいということを御要望するにとどめまして、さて次に、新聞で散見されている問題二、三の点について伺いたいと思うのです。 住宅局長の関係じゃないかと思いますけれども、実は日本の住宅事情というものは諸外国に比べて、特に都会においては困難を来たしておることは言うまでもないわけであります。そこでいろいろな案が考えられておるわけでありますが、その中で住宅貯蓄奨励というものに関して今度の国会でもって何か法案が出るんではなかろうかという期待が持たれておる。もちろんこの住宅貯蓄奨励制度というものは、宅地を取得したり住宅を建設しようとする人が積み立て貯蓄を行なって優遇措置を講ずるということでもって、宅地分譲、住宅融資について優先的な取り扱いをするという趣旨で設けられるというふうに理解をしておるわけでありますけれども、これは債券の方がいいんじゃないかという考え方、あるいは非常に需要が多いというふうなことから見て、自分の希望するところに土地が求めがたいという難点があるのではなかろうかという批判は一応ございます。しかしながら、このように困っている住宅の事情というものを緩和するためには、あらゆる面で総合的に緩和するという方策を考えなければならぬという意味で、住宅貯蓄奨励というものに関する法案が出ることが望ましいとわれわれは考えております。もちろん法案が出て参りますと、中身についていろいろ御質問をしたいことが出て参りますけれども、これに対しまして大蔵省で非常に難色を示しておるというようなことが報道されておるわけであります。従って現在までのところ大蔵省との折衝の過程が一体どうなっているのか、そしてこれに関する法案というものが通常国会に出される見通しがあるかどうかという点について、簡単でけっこうでございますから、現状について一つ、大臣でなくても住宅局長でもけっこうでございますから御答弁を願いたい。
○河野国務大臣 お話の通りに住宅問題、宅地問題の解決には一つの特効薬は私はないと思う。あらゆる角度から各方面の御協力を得てこれが解決をいたさなければならぬことでございまして、その中の一つに貯蓄奨励を加えて考えておりますことについて、大体考え方はよろしいということでございますが、私も大蔵省がこれについて、新聞を拝見いたしますと、いろんなことを言うたように出ておりますが、これは役人でございますからいろんなこまかなことを言うでありましょうけれども、そういうことは歯牙にかけておらぬ、大体いいという見当で、大蔵省の注意は注意として承って、是正すべき点は是正する。そうして、結論としてはこの方向で進むということにきめておりますからさよう御了承いただきますと同時に、内容につきましてはまだ大蔵省と話し合い中でございます。いずれ今週から来週にかけてまとめていこう、こういうふうにして今話し合い中でございますから、結論のないものを、政府の方針のきまらぬものを御説明いたしますとかえって混淆いたしますし、この程度で一つ御了承いただきたいと思う次第であります。
○石川委員 現在の時点ではその程度の御答弁になろうかと思います。ぜひ一つ実現をさせるように推進をはかっていただきたい。法案が出れば出たで、その中身については私はいろいろ申し上げたいことがございますけれども、大体方向としてはぜひ実現をはかってもらいたい、こういうことで御要望申し上げておきます。 それから、そのほかにもいろいろ河野構想なるものが出ておりまして、地価の暴騰を抑制する観点から不動産鑑定人制度というものを設ける、これもわれわれとしてはぜひそれがなければならぬという考え方を前から堅持しておるわけであります。ところでこの問題は宅地審議会でいろいろ検討を加えられておりましょうけれども、なかなか建設省だけの問題ではありませんで、問題の内容は非常に広範にまたがることでございますから、非常に困難ではないか、こう思われます。われわれも実は不動産鑑定というものの法案を作るということになれば、どうなるのだろうかということで、いろいろ関係者を集めて討議をしたことがございますが、これはなかなか簡単にはいかない性質のものだということは身にしみてよく承知をしております。しかしながら、何としてもこれが必要であろうということについても全く同感であります。それを勇気を持って何とか実現をさせようという熱意を持たれておることに対しましては、敬意を払うのにやぶさかではございません。ところでこれはまだはっきりと結論が立っておるのではなかろうと思うのでございますけれども、これもぜひとも早期に、住宅難緩和あるいは地価暴騰というものを抑制するという意味で実現を見たいものだというふうに考えておるわけでございますが、現在のところ宅地審議会での結論がまだ出ておらないのではないか、こう思います。しかしながら早期にこれを出してもらう、そうして曲がりなりでもという言い方はまずいのでございますけれども、鑑定制度というものを確立するということを早期にはかることを通じて、政府がとにもかくにも地価暴騰というものを押えるのだというふうな決意の一端をこれを通じて見せてもらいたい、こう考えておるわけでございます。従って、宅地審議会の審議の結果、あるいはこれが通常国会に出される見通しがあるかどうか、これをぜひとも出すように、一つ勇気を持って対処してもらいたいというふうに考えておりますけれども、計画局長あるいは建設大臣のこれに対する御答弁を願いたいと思います。
○河野国務大臣 実は今もお話のありました通りに、建設行政も終戦以来復興的な、復元的な仕事はまあまあというところまで実は私は来たと思うのでございます。そこでこの段階になりましてすべての問題、たとえば河川につきましては河川法、住宅につきましても宅地につきましても今のような土地の問題、それから建築につきましては建築基準法、すべての問題を一ぺん総ざらいにやり変えてみる段階が来ているのではないか、こう思いまして、鋭意部下を督励しておるわけでございます。そこで私としては、基本的に、時に役人的になるかもしれませんが、一番政府が行政をして参るのに都合のよろしい案を作りまして、それを各省の関係におきましても多少未熟であってもぜひ国会に提案する、そうして国会で皆様方の御意見を十分承って、一つ十分に直していただく、そうしてほんとうに民主的な法案をつくり上げてこれを実現するようにしていきたいということで、従来のように政府が出した原案をあくまでも支持するという立場でなくて、今申し上げたような建前で、一つ皆さんに御協力をいただくことはどうだろうかということで今やっておるわけであります。しかし、だんだんやっておりますうちに与党の方からまずお小言をちょうだいするでございましょう。それから関係各省からもやかましく文句が出るでございましょう。ことに地方庁関係の方もなかなかうるさいのでございます。従って相当の紆余曲折はあると思います。会期の終わりごろに出すようなことになってもかまわぬから、とにかく国会まではこぎつけて、出すものを出しておいて、そうして時によれば継続審議でも一つやっていただくようにして、これらの法案について国民各方面の認識を新たにしていただいて、そしてこれらに関心を持っていただいてりっぱな法案をでかし上げるようにしたい、こういう考えで鋭意督励をいたしておるのでございまして、ただいまお話の問題につきましても建設省としてはある方向は持っておりますが、これから関係各省等とも順次打ち合わせをして参らなければならぬという段階でございます。お話のようにぜひ国会提出までこぎつけたいという所存でやっておるわけでございますから、速記があるところで、正式の席でやりとりいたしますとどうも工合が悪うございますから、御注意等いただくことがありましたら、しかるべき機会に一つ御注意いただければけっこうと存じます。
○正示委員 ちょっと大臣、御迷惑でございましょうが、今の石川委員の御発言に関連いたしまして、私も一、二お願いを申し上げたい。 御案内のように、今日の日本の経済、それから経済だけではございません、いろいろの社会全体の問題の一番大きな要素は、土地の価格の問題であろう、こういうふうに思われるのであります。その点について、今大臣のお述べになったことは、大へん示唆に富んでおりまして、特に私は、仰せの通りに、この機会は、もはや勇気を持って一ついろいろ盤根錯節の問題をとにかく打開する方向に進むべき時期じゃないか、かように思うのであります。幸い、総理も先般ヨーロッパを訪問して参られまして、非常に認識を深められたと言っております。たとえば、日本の経済が表向き非常に華やかに伸びておりますが、その経済の裏面をずっと考えまして、日本における地価問題、これがヨーロッパ先進国あるいは米国等と比較して、私は非常な大きなアンバランスになっておるということは、識者の一致してこれは認めておるところだと思います。にもかかわらず、今日まで不幸にして、英断を持ってこの問題に対処するという機運が見られなかったのでありますが、今日われわれは、建設大臣に、われわれの政界において最も勇気を持たれ、また実力を持たれた大臣を持っておるということは、私は、まさにこれは時期最もよいときだ、こういうように思うのであります。また、オリンピックを間近に控えております東京のマンモス化、これを何とかしなければならぬということも、これはもう異論のないところであろうと思うのでありますが、これらの問題も、やはり土地の問題が根本にあろうかと思うのであります。それからまた、物価の問題というふうなことを考えましても、これはどうしても地価問題にメスを入れなければほんとうの解決ははかれない。いろいろわれわれも党内におきまして関係の局長さん方においでをいただいてやっておりますが、しかし要は、これらのいろいろの意見がありますが、なかなか自信を持って、それじゃこれはいわゆる万全の策であるということが打ち出しにくいのが、この問題の特殊性かと思うのでありますが、おっしゃられましたように、そういう複雑にしてしかも根の深い問題でございますから、ある程度未熟、言葉はあるいは適当ではないかもしれませんが、万全の策でないにしても、とにかく一応打開の方向を見つけて、この際案を打ち出そうというお気持は、私は非常に時宜を得たものと思います。ぜひともそういうお考えで、大臣が関係の局長その他のうしろだてをしていただきまして、これは私はやはり時期を失してはいかぬと思いますから、来たるべき通常国会におきまして、河野建設行政の大きな柱として、地価対策というものを打ち出していただきまするように、私も石川委員とともにまたお願いをして、大臣のこれに関する御感想がございましたら、一言お伺いしたい、こう思います。
○河野国務大臣 お話の通り、私は言葉が過ぎるかもしれませんが、日本の経済が非常に高度に発達して、あげてみれば株が高いのと土地が上がったという二つであります。その株の方が下がってみれば、あと地価が非常に高騰しておることが、何とはなしに国民生活全体がゆるやかになったというようなことが残るような気持がいたします。しかしこれもそれでいいのかということになれば、必ずしもそうでない。しかも総理帰られまして、イタリア問題についても相当勉強して帰られたようですが、なかなか欧米の諸国を見ましても、これらの問題について適当なものを持っておられないようであります。御案内の通り、ドイツにおきましては、ヒットラー時代から都市の地価は上がらないように法制で縛っておるようであります。従って、日本におきましても何らかの問題、処置、方策をとらなければならぬ、これ以上どうにも動きがとれぬ。このまま放置すれば、国際競争に地価の問題で非常に大きなおくれをとるということに相なるだろうと思うのでございまして、何とか解決をはかりたいいうことで苦慮いたしておるわけでございます。従って、各方面の御協力を得ましてやっておるうちに何らかのものが生まてくれるだろうというふうに考えております。いかんせんガソリン税で道路をつくる、道路をつくれば地価が高騰するというようなことでございまして、どうも何か一つ割り切れない問題がある。といって、道路にいたしましても、今の程度の道路行政でやって参ったのでは、とうてい交通難に追いつきません。道路のできるころにはもう次の交通難がそこに待ちかまえておるというようなことでございますし、さればといって予算の点から考えてみれば、これを打開するだけの予算が一体考えられるだろうかということになりますと、簡単に今の道路を欧米水準にするとすれば、少なくとも日本の全予算を十年くらい使わなければ、欧米の道路にはならぬだろう、それだけ投資がおくれておるということでございますから、よほどの勇気を持ってこの問題に対処するのでなければ、とうてい道路問題の解決はできない。道路問題の解決のないところにこれ以上の産業の発展は私はないんじゃなかろうかと思うのでございまして、その点から考えましても、道路問題一つ考えましても、さらに河川、下水等に至りましては、もう処置ないというふうに考えるのでございます。これ一つ考えましても、今の道路行政を根本からやりかえる必要があるのじゃなかろうかというので、これにつきましても、実はこういうととろで申し上げるのは少し不謹慎かもしれませんが、一級国道、二級国道、主要県道、主要産業道、県道というふうに従来行政がきております。国自身がやっておるのは一級国道だけであって、他は府県にまかしてある。この点になりますと、私は他の問題についても考えられますことは、戦前の内務省、府県の関係がすべてそのままで、法制的にもそのままであって、行政的には知事さんは御承知のように民選の知事になっておる。これらの行政関係におきましても、中央と地方との関係においては、戦前のつながりはない。従いまして、地方を旅行いたしましても、この道路は一体何道路だということが、道路を歩いただけではわからない。二級国道、しいて申せば主要県道が、一級国道よりももう少し幅が広く、りっぱな舗装にしてあるものを見聞する。一級、二級の国道に至りましては全然区別がない。どういうわけでこれは一級国道という名前がついておるのか、どういうわけで二級国道かということになりますと、全然説明が——たまたま十万以上の都市と都市をつなぐものは一級国道であって、そうでないものは二級国道だ、これは理屈になりません。ところが道路そのものは、今申し上げるように二級の方が一級よりも上等の道路であって、りっぱに舗装されたものがある。これらは全く、道路行政として、私ははなはだ遺憾に思うのであります。これも、こういうところで例に出しては恐縮ですが、欧米のある国のごとく、もう走っておるうちに、今度は二級になったな、今度は地方道になったなということは、舗装でも拡幅でもはっきり出てくるようになっておるのが通例であります。これらはとりもなおさず、一級は国でやるけれども、あとは府県の行政になっておる。金を補助するだけであって、設計等は地方にまかす。監督はしておるけれども、建設省も悪ければ小言を言うけれども、りっぱならば小言は言わぬから今のようなことになっておると思うのです。これらのことについても、一つ抜本的に、国道と名のつくものは一級であろうが二級であろうがこれは国でやるのだ、県道と名のつくものは県でやったらよろしい、補助負担について考えさえ変えれば、その行政の面において、立法の面において一つ大幅に今あるような姿は直すべきじゃなかろうか。そこまでしていきませんとこれ以上非常に多額の金を道路にかけて参りましても、今の混淆しております状態がどうも割り切れないのじゃなかろうか。河川の行政についても同様のことが言えるのではなかろうかというふうに考えられます。これらはいずれも戦前戦後の行政が根本的に変わりながら、法制の面においては戦前の法制をそのまま踏襲しておるところに問題があるというふうに考えられますので、できればこういう機会に一つ抜本的に直したい、こう考えております。
○石川委員 地価抑制の問題は正示委員の申されることと全く同感であります。私がきょう具体的にお伺いしておるのもその関連において御質問をしておるつもりでございます。この間大臣にも地価対策の問題については申し上げてありますからきょうは繰り返しませんけれども、基本的条件である住宅取得難にかかわる問題、あるいは地方開発のガンになっておる点、給与インフレを通じての物価問題の基本になっておるということが地価の問題である。また地価だけがいたずらに高騰するという面は、日本民族の道義の退廃にもつながるのではないかというようなきわめて重要な点を含んでおるのが地価の問題ではないかということをかねがね痛感しておるのであります。それで今大臣が申されましたように、一応勇断をふるって法案を出して、袋だたきにあっても、それを練り直しながらもとにかく思い切ったものを、根本的な対策を立てていこうという考え方については全く私も同感であります。それでその一つの現われといたしまして、住宅地の開発に関する法案を、実は自民党の方で出さなければ、わが党でもきわめて粗末な案でも出して、超党派的に一つまとめていこうではないかということをこの前提案をしたことがございますが、われわれの方でなかなかこれを作ろうと思っても困難が伴います。容易でないと思っておったところに、河野大臣が今おっしゃられたような精神から、住宅地の開発法というものを出そうという気がまえを示しておられますことに対しては、われわれとしては敬意を払います。この点はわれわれの方とは、内容について報ぜられた関係についていいますと、若干物足りない点があるわけであります。と申しますのは、悪質ブローカーが相当暗躍をしているということが地価の高騰に非常に拍車をかけている。これを根本的に芟除するためにはどうするかという点では、実は需給がバランスをするという時点までは、土地の売買は許可制がいいんじゃないかというようなところまでわれわれとしては考えざるを得ない。そういう点については何ら触れておられないということがございます。それからさらに、土地の問題というのは、基本的には土地は国土だという観念が国民に周知徹底されないと、問題の根本的な対策にはならないのではないか。これはこの前も申し上げたと思いますけれども、イギリスでは皇室の土地だというような考え方で土地というものを考えておる。日本では三千七百万町歩の国土の中で二千五百万町歩というのは山林でございます。従って、平地というものは非常に少ない。そこにたくさんな人口というものがひしめき合っているというようなことを前提として考えてみますと、この住宅地というものはほんとうに貴重なものであります。従って、これはただ単に自分の私有財産であるという観念だけで割り切るということは、国の将来の発展のためにも非常なガンである、こう考えざるを得ないわけであります。従って、この住宅地の開発法というものが住宅地を確保する、あるいは地価抑制対策の一環として出されるということに対しましては、われわれとしては非常に歓迎せざるを得ないわけでございます。いろいろ不満の点もございますけれども、とにもかくにもこれを勇断をふるって通常国会に提案していただきたいということを心からお願いしてやまないわけでございます。その中で先買い権というものを含めて、あるいは収用権の強化というような問題も含めてこれが出されるということを、一応新聞を通じて伺っておるわけでございますけれども、これは現在どのように進められて通常国会に出すのだというような態勢にまで至っておるのかどうかという点について一つお伺いをしたいと思います。
○河野国務大臣 先ほど申し上げました通りに、問題は非常にむずかしい問題でございますし、また複雑をきわめる問題でございますので、関係方面との連絡、もしくは調整にも非常に慎重を期さなければならぬ問題でございます。従って私としては、先ほど申し上げましたような決意のもとに問題を取り扱っておるのでございますが、今ここでそれを小出しにいたしますとかえって問題を複雑にするだけであって、結論を生むのに支障があるということを御了承いただきたいと思いまして、きょうのところは一つ御説明を御猶予願いまして、いずれ御意見がございましたならば、別の機会に一つお話をいただくということで御了承いただきたいと思います。
○石川委員 大臣も時間がないようでございますし、私もちょっと所用がございまして質問する時間が残されておりませんが、今の住宅地開発法というものに関連してこれはぜひとも断行をする。これはもちろん建設省だけの問題ではないと思うのであります。これは内閣全体として取り組んでぜひ実現をはかるという方向で行かなければ国民に対して申しわけないというような気持で対処していただきたい。こういうことでぜひ一つ強く要望申し上げておきたいと思います。 それからあと一つ、これは非常に簡単な質問でございますけれども、河川法の一部を改正する法案が出るかもしれないということを聞いております。これは二つ以上の県にまたがって防災ダムというものを通じて非常に悶着が出る可能性がある。従って中央でもって一元化する、必要があれば管理をするというような権威を付与せんがための一つの法案であるということを伺っておりますけれども、これについての意見を私はこの場で申し上げたいとは思わない、これはなかなか重要なことでまた非常に大きな問題になる可能性が含まれておるのではないかというふうに考えるわけでございまして、これは一体どういうふうに進んでおりますか、その点だけを結論的に伺いたい。
○河野国務大臣 河川法の改正もぜひ提案したいという所存で調査研究を進めております。相当に進んでおりまして、だんだん結論に達するようなことで、この方はなるべく早目に提案したいと考えております。 ————◇—————
○福永委員長 次に参考人招致の件についてお諮りいたします。 来たる十二月七日、道路に関する件、住宅に関する件について参考人を招致し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。 なお参考人の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福永委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 次会は来たる十二月七日午前十時より開会することといたします。 午前十一時五十七分散会