外務委員会 第1号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/15
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 一言ごあいさつを申し上げます。今回再び委員長に就任いたしました。生来不敏な者でございますから、皆様方の御理解ある御協力を願わなければ議事の円満な運営はなかなかむずかしいと思います。どうか皆さんの格別の御指導と御協力をひたすらお願いする次第でございます。(拍手) この際、細迫兼光君から発言を求められております。これを許します。細迫兼光君。
○細迫委員 年がしらのゆえをもって委員長にごあいさつを申し上げたいと思います。 御承知のように世界情勢はまことにきびしいものがあります。大きな一つの曲がりかどに臨んでおると言ってもいいのであります。この際日本の置かれておる位置は特殊なものがありまして、これに処する道は一そう困難なものがあると思います。われわれはこれに処しまして間違いない正しい道を進むことに努力をしなければならぬと思います。 委員長には、新進気鋭、かつ老練熟達、この委員会の運営にそのありのまま、生地のままをもって御指導願えれば間違いないと思います。かねてから、その人となりは、まことに公正、幅に富んだお方と見ております。われわれもこの際党派にとらわれたような感じは毛頭持っておりません。社会党は御承知のように積極中立ということをもって大きな政策の柱といたしております。いずれの陣営にもえこひいきの態度を持っておりません。最も公正なる態度をもってその主張を主張していきたいと思っております。どうぞ委員長は忌憚なく生地のままを率直に現わして、公正かつ前向き、進歩的な方向において委員会の御指導に当たられたいと思います。委員長のこの困難な時代に処しての正しいりっぱな御指導ぶりを発揮していただきたいと思います。 一言委員長御就任に対しまして御祝辞を申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○野田委員長 この際理事補欠選任についてお諮りいたします。 北澤直吉君及び古川丈吉君より理事辞任の申し出がございます。これを許可するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 つきましては、現在、私が委員長に就任いたしましたことに伴いまして、理事に都合三名の欠員が生じておりますので、その補欠選挙を行なわなければなりませんが、委員長より指名するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、安藤覺君、菅太郎君及び正示啓次郎君の三名を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○野田委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会といたしましては、国際情勢に関する事項について調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に承認を求めたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 ――――◇―――――
○野田委員長 大平外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。大平外務大臣。
○大平国務大臣 先般の政府人事の更新に伴いまして、不肖私が外務大臣の重職を汚すことになりました。生来不敏の者でございますので、国民の丹精、先人の努力によりまして築き上げました日本の外交の信用を傷つけばしないかとじくじたる感じでおる者でございますが、委員長初め委員各位の格別の御指導、御鞭撻によりまして最善を尽くしたい決意でございますので、院の内外を通じまして終始御鞭撻、御指導を賜わりますようにお願い申し上げます。(拍手)
○野田委員長 次に、飯塚外務政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。飯塚外務政務次官。
○飯塚政府委員 御紹介をいただきました政務次官の飯塚定輔でございます。 このたびの人事異動によって、全くはからざる地位を与えられまして、まことに不敏な者でございまするけれども、熱意と誠意を持って皆様の御期待におこたえしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ――――◇―――――
○野田委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田春夫君。
○岡田(春)委員 きょうは私はコレラの問題を二、三お伺いしたいのですが、どうも厚生省は選挙違反などでお忙しいときでございましょうけれども、しばらく御質問いたします。 コレラの問題で、きょう何か次官通達を出したはずでございます。これは台湾その他からの商品の輸入についての次官通達でございますが、それを一つここで御発表願いたいと思います。
○五十嵐政府委員 コレラの問題につきましては、公衆衛生局の検疫防疫対策と呼応いたしまして、私ども環境衛生局の立場で食品衛生の面からコレラ菌の国内侵入の防遏に努力して参っておるわけでございます。過般新聞でも御承知の通り、また社会労働委員会でも御報告申し上げましたように、台湾からコレラ菌に汚染されたと思われるバナナの船が入港いたしましたので、それにつきまして食品衛生調査会の意向を聞きまして、今後台湾地区からのバナナの輸入を禁止するとともに、その他の食品についても十分検討しろ、また、その当時、現在入荷中のバナナについては汚染されておる危険があるから、適切な処理をしろ、こういう調査会の意見がありました。それに基づきまして、入荷中の四隻のバナナにつきましては、それぞれ消毒の上廃棄措置をとったわけでございますが、その際、その他の食品についてなお十分検討して適切な措置を構ずるようにという調査会の意向がございましたので、その後さらに食品衛生調査会を開きまして、その他の食品についてどう取り扱うべきかを尋ねたわけでございます。その結果、台湾から輸入されますバナナに類する生鮮食品、すなわち、なま野菜でございますとか、あるいは果実とか、あるいは魚介類、こういうものにつきましては、やはり汚染されておる危険が大である、コレラ菌の媒体となっておる危険があるので、これの輸入を禁止すべきである、こういう調査会の意見があったわけであります。また、その他の地域におきましても、たとえばフィリピンとかインドネシアとか、そういうふうに現在コレラが流行いたしております地域から輸入される食品につきましては、やはりそれに準じた措置を構ずべきである、また、汚染されていない地域から生産されたものが汚染されている港等から輸入される、結局どこかでその品物が汚染されておるというようなものについてもやはり適切な措置をとるように、こういうような調査会の意見でございましたので、その意見に基づきまして、台湾から輸入されます先ほど申し上げました三つの種類の食品は今後輸入を禁止する、また、その他フィリピンあるいはインドネシア等におきましてもコレラ患者が多数発生いたしておりますので、そういう地域から、台湾からの輸入を禁止することによりましてそちらの方から肩がわりでまたいろいろなそういった汚染の媒体となる品物が輸入されるということも予想されますので、そういうものの輸入も禁止する、こういう措置をとることを次官の通達で御通知をした、こういう次第でございます。
○岡田(春)委員 私さっきから伺っておるのは、次官通達の概要を伺っておる。外務委員会というのは社労委員会とだいぶ違うので、そう長々といろいろ言わなくともいいのですよ。ですから、ポイント・ポイントを一つお答え下さい。次官通達の内容を一つお答えいただきたい。
○五十嵐政府委員 大へん失礼申し上げました。十四日付で厚生次官から出しました次官通達の内容でございますが、過日バナナにつきましてはその取り扱いを通達したわけでございますが、今般同国から輸入されるバナナ以外の食品及びコレラ菌に汚染されている中華民国以外の地域から輸入される食品について、次の通り取り扱うこととしたので通知をするということで、記といたしまして、「1、中華民国から輸入される同国産バナナのほか次の同国産の食品は、食品衛生法第四条第三号に該当するものとする。生果実、干果実、生野菜、魚介。2、中華民国から輸入される1以外の食品であって、一定期間の保管又は消毒をしたもの以外は、食品衛生法第四条第三号に該当するものとする。3、フィリピン及びインドネシアの地域から輸入される食品については、中華民国からの輸入と同様の取り扱いとする。4、中華民国、フィリピン及びインドネシア(以下「中華民国等」という。)以外の地域から輸入される食品であっても、該品が中華民国、フィリピン又はインドネシアから送られたものであるときは、中華民国等から輸入される食品として取り扱う。5、以上の措置は、本年七月二十九日以降わが国に輸入される食品について適用する。6、海外から来航する船舶又は航空機の乗員又は乗客が携行してくる食品及び海外からの小包郵便物の食品については、前記の輸入食品に準じた取り扱いをすることとする。」、以上でございます。
○岡田(春)委員 そうすると、今の通達を拝聴しますと、結局、適用地域は台湾、フィリピン、インドネシア、この三地域だけ、――その次の項、第四項だったと思うが、ほかの地域のものであってもこの三つの地域を経由するものはその対象になるということですから、この三つの地域から出たもの、またこの三つの地域を経由して来たもの、これ以外には適用がない、こういうように解釈してもよろしいですか。
○五十嵐政府委員 現在の段階ではその通りと考えております。
○岡田(春)委員 それでいいんですね。――訂正するんですか。
○五十嵐政府委員 私のお答えがあるいは言葉が足りなかったかと存じますが、どの段階かで汚染された形で輸入されるということが考えられるものについては、これを輸入しない、四条三号と考える、こういうつもりでございます。
○岡田(春)委員 それは次官通達のどこにありますか。
○五十嵐政府委員 第四番、「中華民国、フィリピン及びインドネシア以外の地域から輸入される食品であっても、該品が中華民国、フィリピン又はインドネシアから送られたものであるときは、中華民国等から輸入される食品として取り扱う。」、こういう意味で、汚染との関係をどこで説明しておるわけです。
○岡田(春)委員 ですから、その四番の解釈は、三つの地域以外の地域から来るものであっても、汚染されているという危険性がある場合には、しかもそれが三つの地域を通った場合にはそれは対象になると書いてあるんで、その三つの地域を通らなければそれは対象にならないと思うのですよ、次官通達の解釈は。そうじゃないですか。そういう以外の説明がどういうようにしてできるのですか。
○五十嵐政府委員 この四番の前段は、御指摘の通り、中華民国、フィリピン及びインドネシア以外の地域から輸入される食品であっても、該品がこの三つの国から送られたものであるときはということでございますから、前段では、たとえばその三つの国以外のある港から輸入された食品であっても、そのもとがこの三つの国から送られたものであるときは、中華民国等から輸入された食品と考える、こういう趣旨でございます。
○岡田(春)委員 だから、三つ以外のところから送られたものであっても、その後段に三つのところを経由する場合にはそれは対象になるということが書いてあるのでしょう。
○五十嵐政府委員 はい。
○岡田(春)委員 だから、三つ以外のところからダイレクトに日本に来たものは対象にならない、こういうことなんでしょう。そういう解釈以外にできないでしょう。
○五十嵐政府委員 御指摘の通りでございます。
○岡田(春)委員 それでは、少し入って参りますが、台湾とフィリピン、インドネシアは対象になる。そのなぜこれを対象にしたかという論拠についても伺いたいのですが、それ以前に問題になりますのは、今までとりあえず緊急措置として香港、中国、北ボルネオ、サラワク、これらの地域を対象にしておったわけですが、これらの今あなたの方の御答弁になりました台湾、フィリピン、インドネシア以外の今申し上げた四つの地域の品物がダイレクトに日本に来る場合には、これは対象にならないのだ、この点をはっきり御答弁を願っておきたいと思います。この点重要ですから。
○五十嵐政府委員 現在の段階では対象にいたしておりません。
○岡田(春)委員 現在の段階ということを先ほどから再三お話しになるが、現在というのはどういうことなんですか。今後において発生したという事実が明らかになった場合には対象にするという意味で、次官通達を、次の日になると、きょうは現在だけれどもあしたから現在でないから変えるのだというのでは話にならないので、そこの点をはっきりしておいてもらいたい。
○五十嵐政府委員 私、申し上げておりますのは、その地域にコレラの患者が多数発生いたしまして、そのことによってそこから輸入される品物が汚染されて日本にコレラ菌の侵入の危険があると認められるような段階になりますれば、その段階では、これは今までの解釈は改めなければならない、今の段階ではそういうところまでは至っていない、こういう意味でございます。
○岡田(春)委員 それでは、この三つの地域だけを指定した根拠というのはどういうところにあるのですか。あるいはその基礎になるべきあなたの方の立場といいますか、そういうものはどういうところにあるのですか。
○五十嵐政府委員 私どもがこの三つの地区を輸入禁止の対象にいたしました直接の理由は、その土地におけるコレラ患者の発生、流行の状況でございます。なお、品目あるいは現地からの輸送の期間等、個々の食品等については若干取り扱い上の問題がございますが、おもなる理由は、その土地におけるコレラの流行状況、こういうことでございます。
○岡田(春)委員 それでは、少し角度を変えて伺いますが、品物の輸入を三つの地域から制限した。これは、先ほどの次官通達にありましたように、バナナ、青果物並びに魚、それから干物ですか、こういう食品類ということになるのですが、コレラの日本に人ってくる経路というのは、こういう品物だけではなくて、実際には人間の問題があるんですね。人間の問題についてはどういう措置をこの三つの地域を対象にして行なわれるか。台湾、フィリピン、インドネシア、これに対してはどういう措置をおとりになるのですか。
○五十嵐政府委員 人間の関係の防疫につきましては、公衆衛生局が主管でございますから、私の存じておりますところを申し上げますれば、昨年南方地域にコレラ発生以来、厳重な防疫、検疫体制を整えたわけです。その後七月末に御影丸等の事件がありまして、一そう検疫並びに国内の防疫体制を強化して、人からのコレラ菌の侵入することに対して対処いたしておるわけであります。
○岡田(春)委員 所管がお違いになるそうでございますけれども、もう一つ伺っておきたいと思うのですが、コレラが実際に入ると日本じゃ困るわけですから、人に対するそういう検査もやられておるのですが、これは外務省にも関係があるのです。アメリカ人がアメリカの軍用船に乗って来た、これがコレラの保菌の危険を持っている場合にはその対象になるのか、こういう点について検査し得るかどうか、との点外務省からも一つお答えいただきたいのですが、行政協定との関係から一つお答えいただきたい。
○五十嵐政府委員 私所管外でございますが、隣の局でございますので、私の聞いているところでは、検疫所と軍側との間で協定を結びまして、この防疫に遺憾のないような措置を講じておるというふうに聞いておるわけでございますが、なお詳細につきましては主管の局からお答え申し上げるのが至当かと思います。
○岡田(春)委員 これは重要なことを今御答弁になったのですが、協定を結んでいるわけでございますか。そういう協定は私はあまり聞いたことはないのだけれども、軍との間にそういう協定があるのですか。あなた所管が違うので悪いのですけれども、私はあまり聞いていないのですがね。
○五十嵐政府委員 これは私所管外のことでまことに不十分で申しわけございませんが、協定という言葉が何か法律上の用語でございますならばお許しを願いまして、事実上話し合いをして防疫に遺憾なきを期しておるというふうに聞いておりますので、詳細は主管局からお聞き取りを願いたいと思います。
○岡田(春)委員 この点は所管の方がおられないのではっきりしませんが、行政協定の第五条においては、合衆国並びに合衆国以外の船舶で、合衆国によって合衆国のために公の目的で運航されるものは、自由に日本国に入出国できるということになっておるわけであります。これは行政協定の第五条です。ですから、これによってわれわれの解釈できることは、アメリカの軍艦あるいは飛行機一切のものが、台湾、インドネシア、フィリピン、これから日本に入る場合においては、何らの検疫措置その他を受けないで自由に出入りすることができる。しかも、アメリカの軍艦という場合には、アメリカの軍人だけではない。アメリカの軍に徴用されている日本人であっても、これは自由に出入りすることができる。また、インドネシア人、フィリピン人、台湾人、これも自由に出入りすることができる。こういうことになっているわけですね。ですから、あなたの所管の方としては、食品関係の措置として万全の措置をおとりになるかもしれないが、抜け穴がここにあるということです。最も危険な抜け穴があって、台湾から飛行機でどんどん入ってくる、船で入ってくるということ。きょうの新聞にはそういう問題で台湾の問題が出ておりますが、名古屋にもこの間事件があったようです。こういうことについて、これはやはり十分の措置をとっていただかなければならないのですが、政務次官がおられますから、こういう抜け穴があるのですから、この点は行政措置としては十分措置をとっていただくようにしなければ、実際問題として台湾からコレラが入ってくるわけです。この点について緊急の措置をとっていただくようにお願いをしたいと思います。
○飯塚政府委員 御説に従ってやりたいと思います。
○岡田(春)委員 この点は、政務次官は就任されたばかりですからあれですが、この次の委員会あたりで、どういう措置をおとりになったかということをやはりはっきりしていただかないと、これはコレラの問題ですから、ただここで実質的に何とかやりましょうというようなことで、あとは忘れたなんて言われたのでは困るので、この次ははっきり御答弁願えるように一つ行政関係を督励していただいて、この次の御答弁を私は期待いたしますが、よろしいでしょうか。
○飯塚政府委員 御説に従うようにいたします。
○岡田(春)委員 それでは、私このあともう少しこの問題ではっきりしておきたい点があるのですが、実は、今月の初めに、コレラの問題が発生をしたというので、私が外務省に対して、伊関アジア局長、それから、経済局長の中山さん、それから塚本さんですか、この三人の方に連絡をしたときに、中華人民共和国は対象になっておりません、こういうことを私にはっきり答弁をなさっておられたのです。ところが、対象になっているらしいのですが、その関係はどういうわけになっておりますか。これは塚本さんが私に直接お話しになったのですから、塚本さんからお話しいただきたい。
○塚本説明員 御質問がございました当時は今から十日前でございまして、御質問の趣旨は、船舶を台湾で入港禁止しているのではないかということが最初でございましたので、そういう事実はないというお答えと、それから、当時中共側に対するコレラ発生の確認が外務省でできておらないのでございます。その当時の段階では中共側はその対象外でございます。こういうふうに御説明申し上げたわけであります。
○岡田(春)委員 私が特に重点として伺ったのは、中国の品物が日本に来る場合に、台湾にコレラが発生したからといって、中国の品物を押えるのは困りますよ、そういうことを私申し上げた。そうしたら、そういうことは全然ございませんと言われた。しかも、あなたはこのときこう言われましたね。香港の総領事館からも、そういうことについてずいぶん本省に問い合わせがございます。しかし、香港からの品物はそういう心配がないから従来通りやれ、こういうように通達もしているのです。従って、香港、中国の関係は心配ございませんと、こういうことをあなたお答えになったと思うのですが、そうじゃございませんか。
○塚本説明員 当時の段階では全くその通りでございます。
○岡田(春)委員 それでは、当時の段階以降この十日間においては、その後幾らかの変更があったのですか。
○塚本説明員 その後厚生省側から再三にわたる要望もございましたので、香港の総領事館を通じ、中共にコレラが現実に発生しているかどうか、マカオにおいては中共よりの輸入貨物につきいかなる取り扱いをしておるかということについて、さらに再三にわたり公電で調べをいたしました。その最近の情報が十一日付で香港小川総領事から参っておりまして、香港政庁の医務衛生局次長のテングという人のお答えだそうでありますが、コレラの中共南西部における発生の確認はできないが、旅行者、難民の話を総合すれば、広東省にコレラの発生している可能性は非常に多い、ペリー・ライタリーだという情報がございます。しかしながら、現在香港からの中共の品物は、先ほどの三地域を経由する以外は日本側に対してこれをとめているというような事実は承知いたしておりません。
○岡田(春)委員 これは、だから外務省と厚生省が非常に食い違うのです。きのう私は厚生省に行って聞いたのです。ところが、厚生省で私が聞いた限り、それから実際を調べている限りでは、現在中国から輸入されている品物が押えられているのでよ。塚本さんが私に答えられた以降、何らの変更がないわけでしょう。それにもかかわらず品物が押えられているのですよ、横浜と東京で。はっきり言いますと、なまエビ五十トン、それから松の実、これらの品物がすでに押えられているのですよ。保税倉庫にまで入れられている。そういう次官通達で対象にならないようなところのものをこういうようにして抑えてしまって、しかも、もっとはっきり言うと、あなたはさっき、中国の南西部においてコレラ発生の危険があるということが香港政庁の情報にあった、こういうお話ですが、これはなまエビの場合には広東から来たのじゃないことは明らかなんですよ。天津からダイレクトに日本に来ているのですよ。その品物を押えているわけです。それから、松の実もそうなんです。天津からダイレクトに来ているのです。これをいまだに押えて解除していないはずですよ。これは一体どういうことになっているのですか。ちょうど岩田さんが来ているから、あなたの方がはっきりしていいだろうと思うのだが、岩田さんでも局長でもどっちでもいいですよ。
○塚本説明員 外務省といたしましては、厚生省側からそういう行政指導をしているというような話はございましたけれども、禁輸措置をしているというような情報はございませんので、それに基づいて対外折衝しているわけでございます。あと行政指導云々の方は厚生省の方の所管になろうかと思います。
○岡田(春)委員 禁輸とかなんとかそんなことを言わなくたって、いまだに入らなければ禁輸ですよ、今の段階では。それは行政指導か何か知らないけれども、品物を入れられない人の側に立ったら、入らないという事実は同じですよ。行政指導でやろうと何でやろうと、次官通達でやろうと。しかも、そういう次官通達を出すということになっている段階で、今まで押えておったものをいまだに解除しないというのはおかしいと私は思うのですよ。しかも、もっとはっきり言いますが、厚生省では外務省の情報に基づいて中国も対象にしていると言っているのですよ。あなたの方が厚生省に言われたというのじゃないのですよ。外務省の方が責任があるのです。だから外務省はほんとうは責任を負わなければならないのです。そんなことを、事を荒ら立ててきょうは言わないけれども、ともかくも、ここで天津、上海からダイレクトに来ているものまでいまだに押えて解除していないのですよ。これは一体どうされるのですか。万全の措置をとるのは私もよくわかりますよ。わかりますけれども、全然被害のないことが明らかな関係にあるのにこれを押えてしまった場合に、あなたの方はその被害を与えた人々にどういう責任を負うのですか。何か話によると、瀬戸内の魚もとらせないようにわれわれは指導したんだから、瀬戸内海の漁民の損害から見ればエビの入らないのくらい大したことないからお前らがまんしろという言葉で厚生省は言ったそうですか、まさかそんなことまで言ったか言わないか知らぬが、しかし、あなた方こういうことを勝手にやって、あと損害を一体どうされるのですか。ともかくも、エビその他を全部押えてしまって、現在保税倉庫に入っている。この点については、経過を含めて、今後どうされるのか、はっきりお答えいただきたい。
○五十嵐政府委員 中共からの品物の食品の輸入の問題でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、十四日付の次官通牒で、食品の種類、地域等についてこの段階で明確にいたしたわけでございます。その前の段階では、八月の六日に食品衛生調査会を開いたわけでございますが、その時期には台湾のその他の食品あるいはその他の地域から来る生鮮食品等につきましてどのような措置をとるかということが、コレラ菌の汚染等との関連で必ずしも明確でなかったわけでございます。従いまして、私どもの措置といたしましては、一応七月二十九日汚染バナナの第一船が入りましてから以降の、西南太平洋地区の各地区から参ります輸入食品を一応検査の対象にいたしまして、これにつきましてその輸入の経路、産地等を調べますとともに、一方食品衛生調査会の意見を徴しましてこれをいかに処理するかということを検討して参ったわけでございます。十四日にその締めくくりの一応の次官通牒を出したのは先ほど申し上げた通りでございます。その途中におきまして、九日に食品衛生調査会の意見がまとまりましたので、事務的に解除すべきものは解除するという形で、中共等から参っておりまして食品衛生法上の検査をやっておりました品物については、その解除の手続をとったわけでございまして、現在はそれはすでに解除されておるものと考えているわけでございます。
○岡田(春)委員 では、もっとはっきり伺いますが、岩田さんからはっきり答えて下さい。きのう私はあなたにお会いしてはっきりしたことなんですから。なまエビ、松の実、干しアンズ、この三つがペンディングになって保税倉庫にあるのですね。これは解除されたのですかされないのですか、どうなんですか。私が聞いた限りではまだしてないという話ですが、してあるのですか。
○岩田説明員 これは、先ほど局長が御説明申し上げましたように、九日に先ほど申しました三地区を除きましての分につきましては全部解除するという指令を出先にいたしたわけでございます。従いまして、手続上多少おくれているものがあるかと存じますけれども、ゆうべ調べましたところでは、全部処理されております。
○岡田(春)委員 事務手続上とおっしゃるが、品物の来ているのは横浜と東京なんですね。郵便を横浜に送るのに一週間もかかるのかどうか知りませんが、事務通達でそんなに時間がかかるのかどうか知らないけれども、私の知っている限りではいまだに解除になってないようだが、この点は間違いございませんか。
○岩田説明員 間違いございません。
○岡田(春)委員 それでは、このあと私の方も調べてみますが、解除になっておらなかったらあなたの方に一つはっきり責任をとってもらいますよ。
○岩田説明員 現在残っておりますものは、台湾から参りましたものが一品、干魚が神戸に約六百キロございます。その一品と存じております。これは昨晩私どもが調査いたしました結果でございます。
○岡田(春)委員 それでは、あなたがそこまではっきり言明されたのですから、これは速記に残るのですから、私が今聞いているのも速記に残っているのですから、だから、今日現在の段階において、なまエビ、松の実、干しアンズ、との三つは解除になっているから自由に出せるのだということだということを確認いたしまして、私次へ進みますが、いいですね。
○岩田説明員 ただし、先生がおっしゃいますように、たまたま倉庫にあるということが、いろいろな都合で置かれておるということに関しましては、これは、私ども一応解除いたしておりますので、その他の理由で――これは保税倉庫にあるという意味に先生おっしゃっておられると思いますが、その点につきましては、たといありましても、ほかの理由であるというようなこともあるかもしれないといろことを念のために申し上げておきます。
○岡田(春)委員 何だかあなたの言うのははっきりしない。私は保税倉庫にあるんじゃないかと聞いているのですよ。それは、川村さんのように魚の専門家もことにいるけれども、倉庫にあるというのは何も役所の責任じゃないですよ。水産業者の倉庫にあるというのは責任じゃない。保税倉庫にあるのかないのかということを聞いているのだ。保税倉庫を解除したのかどうかということを聞いている。それをはっきりしておいてもらわなければ困る。
○岩田説明員 解除いたしました。手続は完了いたしました。
○岡田(春)委員 そこの点はっきりしてもらえばいいのです。 それから、もう一つは、何かゆうべのテレビを聞くと、厚生省の発表では、広東のバナナは規制するということを言っているそうですか、これはどういうことですか。さっきの次官通達には入ってないでしょう。これはどういうことになるのですか。たとえば、広東バナナであっても台湾を通ってくるというなら対象になるでしょう。ダイレクトに来た場合どうするのですか。
○五十嵐政府委員 地域の関係につきましては先ほど次官通牒で申し上げた通りでございますが、中共産のバナナにつきましては、昨十四日付で環境衛生局長から通産省の通商局長あてに文書で御依頼をいたしたわけでございます。その内容といたしましては、バナナ等の生鮮食品とコレラ菌との関連につきまして今までわれわれがとって参りました態度を前提といたしまして、中共におきましてもその一部の地域にコレラが発生しておるというような疑いのある情報等がございますので、もしそれが真実と申しますか、バナナを汚染して、バナナによってコレラ菌が日本に入るような事態に立ち至りますならば、輸入業者の方にもいろいろ御迷惑をかけるということになろうかと思いますので、そういうようなことも伝えられておるから、できるだけ行政的に輸入については注意してやっていただくように指導してほしい、こういう意味の依頼をいたしたわけでございまして、これを禁止するとか制度として押えるとかいう趣旨ではございません。
○岡田(春)委員 それは結局どういうことなんですか。簡単に言うと、香港政庁がコレラが発生しているかもしれないということを言っている、それを論拠にしてそういう制限を加えるのだ、そういうことですか。
○五十嵐政府委員 制限を加えるというのではなくて、そういう事情があるから、それを業界の方が御承知なしに輸入して台湾のようなことを繰り返すということのないように、そういう事情があるから業界の方にもあらかじめよく御指導を願いたい、こういう趣旨でございます。
○岡田(春)委員 通産省の方来ておるでしょうか。通産省の方では知っておるでしょう。北京から電報が来ているでしょう。北京の電報では、「十一日粮油公廠長と話したバナナの件、広東にはコレラ発生していない、ホンコンにもないと聞く、心外であり、何らの理由もないが、八月積みは数量少なく、商社の立場了解して延期を考慮してもよい。」という意味のことが来ているのです。広東にはコレラは発生してないとはっきり言っておるのです。ところが、日本政府では、広東にはコレラが発生しているらしいということで、自粛措置か何かやろうとしておるのですが、コレラは発生してないという北京からの非公式なもの、――政府から言えば公式なものとは言えないと言うかもしれないが、間違いない、そういう電報が来ておるという事実はご存じでございましょう。しかも、こういう事実の上に立ってもなおそれについて制限というか自粛措置を通産省の方でとるということですか。
○伊藤説明員 通商局長きょう御都合が悪いので、私かわって参りました。先ほど御指摘の情報は受けております。われわれ知っております。厚生省にも伝えました。ただ、先ほど局長からお話のありました厚生省側の文書はまだ未着でございまして、それに対する対策はまだ考えておりません。
○岡田(春)委員 だから、厚生省御存じのように、香港から聞かなくてもはっきりこう言っているのですよ。広東には発生してないと言っているのですよ。それなのに、広東のバナナに対して自粛措置をとれというのは次官通達の線からだいぶはずれていると思うのですよ。あなたの方は何を論拠にしてそういうことをおっしゃるのか。発生してないと言っているのに、発生しているのだと言って扱うのはおかしいと思うのだが、これは一体どうなんですか。はっきり言っているのですよ。あなたの方に直接電報が来なかったら信用できないとおっしゃるのかもしれないけれども。
○五十嵐政府委員 中共地区のコレラの情報についての問題であろうと存ずるわけであります。私どもの最近の情報によりますと、一つはUPIの新聞情報でございますが、広東省西南部に多数発生いたしまして死者が出ておる、それから、先ほど外務省の塚本課長からちょっと触れたと思いますが、十三日香港総領事から入電した外務省の情報によりましても、広東省にコレラの発生しておる可能性が非常に多い、こういう情報でございましたので、私どもとしては、問題がコレラという非常に死亡率の高い危険な病気でございますので、また、業界のいろいろな経済上のトラブルというようなことも考えまして、できるだけ事前に予防的に御連絡をして、この御処置を願うのが適切だと考えまして、このような事務的な連絡をいたしたわけでござ います。
○岡田(春)委員 いつまでやっていてもあれですが、あなたの方は、広東バナナに対して業者に対して自粛の措置をとるということをおっしゃる論拠は今言ったことだ。しかし、中華人民共和国自身から来ているものには、広東にはコレラは発生していないということを言っているわけですね。あなたの方は、中国自身の方から言っているものは信用できない、香港からとUPIの記事は信用できる、今のあなたの話を聞いているとこういう結論になるわけでしょう。きょう新聞関係の方もおられるけれども、香港情報というものは当てにならないという話もずいぶんあるのですよ。そしてUPIの記事は当てにならない代表的な一つであるのだから、そういうようなものを論拠にされてあなたの方でこれを制限というか自粛の措置をとるということになるのなら、必要以上の被害を業者自身が受けるということになる場合もあるわけですね。そうでしょう。自粛措置をしてもあとのことはおれら知らないよと言えばそれきりかもしれないが、あなた、そういう危険があるならばなぜ次官通達の中にお書きにならないのですか。自粛の措置については次官通達に何らないじゃないですか。そういう点、中華人民共和国の本国自身がないと言っているのに、まだあるのだとがんばる論拠がないじゃないですか。どういうわけで、ないと言っているのにあるのだとがんばっているのか。あなたの方は、たとえばUPIで北海道で何かあったと言えば、それだけ信用して、道庁がないと言っているのにまだUPIが確実だと言ってがんばる、それと同じようなことなんですよ。なぜこれをはっきりしないのかということです。まさか厚生省が貿易なり取引を妨害するとかディスターブするとかいうことを考えているとは思いませんけれども、結果においてそうなるのですね。だから、ここの点をはっきりしておいていただかないと、必要以上の混乱を招くことになりますから、この点は一つはっきりしておいていただきたい。
○五十嵐政府委員 コレラ情報についての問題でございますが、どこの筋の情報がどの程度に信頼できるかというようなことにつきましては、いろいろ御意見もあろうかと存じます。私どもは、国民の保健衛生の面から、最も確実な信頼すべき情報を得て、その上で的確な措置をとりたいということで、ただいま手を尽くしまして外務省その他から情報を収集いたしている段階でございます。従いまして、十四日の段階では、この地域を指定するというところまで至っていないわけでございます。しかしながら、もしこういった事情をお伝えせずにそのまま推移するならば、お伝えした上で十分お考えの上処置していただくより以上に大きな不測の経済的な損害というものを予想されるやも知れずというように考えたので、私どもとしては、多少保健衛生上の問題とはあるいは離れておるかもしれませんが、その方が親切であるというような考え方から御連絡をしたつもりでございます。
○岡田(春)委員 それでは、この点もう一点だけ伺っておきますが、それでは、自粛の措置をするのであって、輸入を禁止するものではないのだ、たとえば、極端に言うと、業者の方が責任を持って、通産省から自粛のお話があったけれども、これは大丈夫ですということで入れた場合には、これは押えないでしょうね。これは自主的なことで、責任は業者に負わせるということなんだから。業者だって、入れた場合にコレラが入ってきたならば、業者自身が大へんです。責任を負わなければなりませんから、品物を売っただけという、そんな簡単なものじゃないですよ。その品物を入れるという限りにおいては業者は責任を負いますよ。それでは、その品物を、自粛ということのお話がございましたが、われわれの方は大丈夫でございますからと言って入れた場合には、これを輸入を禁止するというようなことはないのでしょうね。これははっきりしておいていただかなければなりません。自粛という責任を業者に負わせるのですから。
○五十嵐政府委員 繰り返し申し上げておることでございますが、その品物がコレラ菌によって汚染されておるか、あるいは汚染されておるおそれが非常に大であって危険であるというもの以外は、食品衛生法上輸入して差しつかえないわけでございます。従いまして、業者のお立場で安全と思って輸入されたものは、私どもの立場で検査をいたしまして安全であるということであれば、決してこれを輸入禁止とか廃棄するとかこういうことは考えないわけでございます。
○岡田(春)委員 それなら、あなた、ことさらこの広東バナナだけについて自粛の通達を出さなくったって、一般食品は全部入港するときに検査をするわけですから、そのときの措置の一部としてやればいいのであって、ことさらこういうことを言うから問題になるわけなんです。自粛という名をかりた実際上の輸入禁止ではないのか、こういうように一般は思うわけです。そうじゃないならばそうではないと、――そこで松本さんがそうじゃないんだと言っているから、そうじゃないのだとはっきり言明しておいていただけば、輸入する者もそのつもりではっきり確信を持って輸入できるのですから、そうじゃないのだと、はっきりここで言明をしておいていただきたい。
○五十嵐政府委員 通牒による指導という形で、制度としての輸入禁止というようなことを考えたわけではございません。あくまでもこれは行政的な指導で業界の自粛をお願いしているわけでございます。
○岡田(春)委員 この点はこの程度にいたしますけれども、最後に、結局中国内の情報がわからないためにはっきりした措置がとれないというわけでしょう。しかし、局長、これは簡単なんですよ、情報を取る方法は幾らもあるのです。それを政府がやらないから取れないだけです。そこで飯塚さんが笑っているように、簡単ですよ、国交を回復すればちゃんと情報は幾らでも取れますよ。国交を回復しないでおいて、おりの中に入れておいて、情報が取れない取れないと言っているからいけないのです。責任は日本政府にあるのですよ。厚生省もそんなに苦労されるなら国交回復の方向に一つ努力して下さい。飯塚さんも笑っていられるが、一つ国交回復の点を最後にお願いして、私の質問を終わっておきます。
○野田委員長 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十四分散会