運輸委員会 第1号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/08/15
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 このたび私、はからずも当委員会の委員長に選任されました。当委員会には従来も引き続きその末席を汚しておったのでございますが、委員会の運営につきましては、まことに不案内でございます。加うるに、当委員会におきまして審議されます案件は、近来わが国の産業、経済上にも、また社会、文化の面におきましても、さらに一段と重要性を加えつつある現状でございますので、当委員会に課せられました責務は、いよいよ重かつ大であることを痛感するものであります。幸い当委員会におられます練達たんのうの皆様方の適切な御指導によりまして、大過なく期間中委員長の職責を遂行させていただきたいと思います。どうか一そうの御指導と御協力をお願い申し上げまして、皆様に対するごあいさつにかえる次第でございます。(拍手) この際、前委員長でございました簡牛凡夫君より発言を求められております。簡牛凡夫君。
○簡牛委員 私、運輸委員長在任中は、諸事ふなれ、ふつつかなものでございましたにかかわりませず、皆様の非常な御協力、御支援をいただきまして、無事にその責めを果たさせていただきました。心から感謝を申し上げます。今後とも当委員会になお籍を置かしていただきたいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手) ————◇—————
○木村委員長 この際お諮りいたします。 理事關谷勝利君及び福家俊一君が理事を辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、理事塚原俊郎君は委員を辞任されております結果、三名の理事が欠員になっておりますので、これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、 佐々木義武君 鈴木 仙八君 細田 吉藏君 以上三名を理事に指名いたします。 ただいまの選任によりまして、運輸委員会の理事は八名、すなわち、佐々木義武君、鈴木仙八君、高橋清一郎君、山田彌一君、細田吉藏君、井岡大治君、久保三郎君、肥田次郎君であります。 ————◇—————
○木村委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 衆議院規則第九十四条により、委員会は、会期中に限り、議長の承認を得て、その所管に属する事項について調査ができることになっております。つきましては、今国会におきましても、陸運に関する事項、海運に関する事項、航空に関する事項、日本国有鉄道の経営に関する事項、港湾に関する事項、海上保安に関する事項、観光に関する事項、気象に関する事項、以上の各事項につきまして、調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 この際暫時休憩いたします。 午前十時五十三分休憩 ————◇————— 午前十一時十八分開議
○木村委員長 これより運輸委員会を再開いたします。 この際、運輸大臣及び政務次官よりそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。綾部運輸大臣。
○綾部国務大臣 私は、今回運輸大臣を拝命いたしました。非常に野放図な男でございまして、はたしてこの大任を遂行し得るやいなや、心中ひそかに危ぶんでおる次第でございます。しかし、任につきました以上は、私は、皆様方の御協力を得て、渾身の勇気を振ってその責務を果たしたいと思う次第でございます。どうぞ何分ともよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。 簡単でございますが、これをもってごあいさつといたします。(拍手)
○木村委員長 続いて大石運輸政務次官。
○大石(武)政府委員 このたび運輸政務次官に就任いたしました大石武一でございます。 運輸行政につきましては全く未熟でございますが、皆様の御指導を得まして、大臣と協力して、大過なくその責めを果たしたいと念願しております。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)
○木村委員長 中垣法務大臣。
○中垣国務大臣 このたびの内閣の改造によりまして、新しく法務大臣に就任をいたしました中垣國男でございます。 ふなれなために何かと御迷惑をかけるかと存ずるのでございますが、皆様の御協力並びに御指導をいただきまして、職責を果たして参りたいと存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。(拍手) ————◇—————
○木村委員長 次に、海運及び海上保安に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。福家俊一君。
○福家委員 最近の新聞は、一人の日本青年が太平洋をわずか一トンのヨットで単身乗り切ったという壮挙を報道していることは、御承知の通りでございます。私は、最近の世相に明るい面を投げたこの問題に関連して、運輸行政を従来と違った観点と角度から政府当局に質問したいと思います。 過日、池田総理大臣は、その所信表明演説において最も強く訴えたいと思われた点は、特に施政の大綱と題して、今後は国づくりの根本である人づくりに全力を尽くしたいという決意の表明であったと思われるのであります。しかしながら、この人づくりの内容については具体性がないというのが、一般の世評であるようでもあります。今日、青少年に対する人づくりの政治ほど将来の国の大本を決定し、民族の繁栄の上からいって、重要なものはほかにないでありましょう。過般法務省が発表した犯罪白書におきましても、青少年の犯罪の増加を分析し、寒心にたえないととを訴えておられます。青少年に対する人づくりは、単に文部省の教育行政のみに限定さるべきものではなくして、関係あるあらゆる行政が、総合的にこの点に結集されなければならないと思うのであります。これを運輸行政にとって考えてみましても、青少年の目をもっと海に、空に向けなければならない。四面海に囲まれたわが国の地理的、経済的条件を考えると、日本は海なくしては生きていけない本質を持っているのであります。青少年が、海を知り、海に親しみ、海を開発していく進取の気性と開拓の精神を養ってこそ、初めてわが国の海運や水産振興がもたらされるのであります。また、海洋資源が開発されていくのであります。英国におきましても、御承知の通り、わが国と同じ地理的、経済的な条件を持っております。そして名実ともに海運国としてその国民経済をささえておるのであります。その背後には、国民、特に青少年の間に海運と経済を教え、進取の気性を植えつけ、海上で働く船員に感謝するという海運立国が、知らず知らずの間に国民の間にも培養されておるのは、御承知の通りであります。これに反して、同じ条件と環境にあるにかかわらず、わが日本は、真の海運国となってはいないのではなかろうか、海運政策が一般の理解を得られず、伸び悩んでおる状態ではなかろうか。一つの大きな理由がここにあると思うのであります。人づくりの最も重要な青少年に夢を持たせる上からも、また、次代を背負うこれらの人々に自国の置かれている条件を認識させる上からいいましても、また、これらの人々が科学技術を身につけることからいっても、海事思想の普及ということは重要な急務であると思うのであります。この意味から、海事思想の普及は、運輸省においていかなる部局で、いかなる方法でいたしておられるか、まず最初にお伺いしたいと思うのであります。
○辻政府委員 お答えいたします。 海事思想の普及につきましては、運輸省では海運局で担当いたしておりまして、課は調査課でいたしております。その方法でございますが、これは海事振興会でございますとか海洋少年団、その他のいろいろな団体がございますが、一番大きな行事といたしましては、海の記念日に、一般の青年に対しまして、日本における海の重要性を認識していただく意味でいろいろな行事を行なっております。また、海洋少年団を通じまして、若い人たちに海に対する関心を集めております。それから役所自体といたしましては、大体海の記念日を目標にいたしまして、毎年海運に関する白書を発表いたしまして、海運の現状を認識願い、これの関心を深めていただくというふうな措置をとっておる次第であります。
○福家委員 私の本日の質問の最も要点は、第二にこれから申し上げることにあるのでございます。先ほど申し上げましたように、堀江謙一君なる二十三才の青年が、いまだかつてない画期的な、太平洋を単独横断をしたというこの事実でございます。新聞報道などによりますと、アメリカにおきましては、これを密入国者として扱わず、非常に国民的な、あるいは市長なども公的にこれを歓迎し、心あたたまる処遇をして下さっておるようでございまして、私ども日本の国会の選良として、まことに感謝にたえない次第でございます。それに引きかえまして、もちろん法律上は当然でございましょうが、海上保安庁の大阪管区におきましては、法を無視して出国したことは責任を問わねばならない、送還を待って出入国管理令違反で調べる、こういう、新聞紙上でございますが、声明が出ております。私は、きょう法務大臣も御出席でございますが、法にも涙あり、すなわち、法の運営はその精神の置きどころにあると思うのであります。特に私どもが最も人格的に尊敬いたしております中垣法務大臣でございますので……。しかも、これは私がつたなき努力において調べました調査によりますと、日本開国以来、国家的な保護もなく、あるいはまた社会的な援助もなくして、単独で計画的にこれだけの大壮挙を敢行し、成功したという例は、歴史の上にないように思うのであります。たとえば、かつてリンドバーグが大西洋横断に成功した、あるいはまた今日ボストーク三号、四号が打ち上げられて世界の注目を集めておるのでございますが、これらはすべて国家的な、あるいは社会的な権威と保護と援助のもとに行なわれたものでありますが、この堀江謙一君のごとき、真に海国日本の青年の意気を発揚した。われわれは国民的立場からいっても、これをほめたたえてやらねばならないのではないかと思うのであります。特に相手国でありまするアメリカ当局におきましては、先ほど私が感謝の意を申し上げましたように、非常な国民的大歓迎をもって迎えているにかかわらず、その祖国であるところの日本側が、帰ってくれば直ちに罪人として取り扱うというようなことでは、青少年の意気高揚というような総理の所信の表明の本旨にももとるものではないか、私はこう考えるのでございまして、法務大臣の温情ある、率直なる、処置をどうされるかという意見を伺いたいと思 います。
○中垣国務大臣 ただいまの福家さんのお尋ねの党でございますが、私も、新聞で見まして、ただいまのお説のようなことを承知いたしております。特にアメリカ側が密入国者としての取り扱いをしていない、三十日間の保護在留期間をば認めるといったような報道がなされておりまして、本人はただいま日本のサンフランシスコ領事の家に同居保護の形で保護されておるのであります。そういうことでございますし、また、アメリカの新聞、テレビ等が、彼の行為を非常に英雄的な行為としてたたえておるということも承知いたしております。従いまして、帰ってきたとたんに罪人として取り調べをするといったような考え方ではないのでありまして 国内法によりますと これは不法出国者としてのそういう疑いがあるのでありますから、その原因とかあるいは目的とか、そういうことを一応よく確かめまして、なおまた外務省を通じまして、日本の外交機関を通じて調査いたしておりますので、そういうことがよく明白になりまして、また、諸般の事情をよく考慮いたしまして、あなたの御意見のようなあたたかい気持で、この問題は処置をしていかなければならない、こういうふうに考えておりまして、ただいまこれをどう処分するかということについて、この席で、たとえば起訴するとか起訴しないとか、そういうことを申し上げる段階ではないと思いますので、御了承をお願いします。
○福家委員 法務大臣のただいまのお言葉で、私は、血もあり涙もある処置をとっていただけるものと信じて疑わないものでございます。 外務大臣に一つお聞きしたいのでございますが、今、アメリカにおいて、新聞紙上でわれわれは堀江謙一君の扱いを知る以外に道はないのでありますが、総領事館において保護しておるようでございますが、今までに入っておるしさいなる実情を御報告願いたいと思います。
○西堀説明員 外務大臣はただいま外交団の関係で当委員会に御出席になっていないのでありますから、大へん僣越でありますが、私からお答え申し上げます。 山中総領事から逐次電報が入っております。それによりますと、諸新聞で報道されておりますところと、大体同じようなことになっております。 まず第一番に参りました電報によりますと、五月十二日に、堀江謙一君がヨットで太平洋を横断して、九十三日目に無事サンフランシスコに入った。それで、その旨がサンフランシスコにあります連邦政府の移民局から通報がありましたので、一領事を派しまして、これを引き取って、そしてただいまはその領事のうちに保護滞留せしめておる、こういうことでございます。 これを規則で申しますと、その後山中総領事からも電報で報告して参ったのでございますが、連邦の移民局、それの説明によりますと、移民法の二百十二条のDの第五項というところにございます。ここで、アメリカの法務総裁と申しますか、検事総長、アトニー・ゼネラル、これは自己の判断によりまして、緊急の理由がある場合には、法務総裁の規定するところの一定の条件を付し、一時外国人に対しパロールを与える。何と申しますか、官憲の監視のもとに、かりに入国を一定期間認めてやることができる、こういう規定がございます。その規定に従いまして、この堀江謙一君の場合も、アメリカ人の気質に合致したと申しますか、非常な勇気をもって渡ってきたということに免じて、この際とりあえず三十日の期間をもってパロールを与えてやるというような決定があったそうでありまして、現在その規定のもとに、一領事の宅に在留している次第でございます。しかし、これはこの規定の中にも、すぐその次の文章にあるのでございますが、このパロールは決してアメリカへの一外人の入国を認めたものではないのだ、そのパロールの期間が過ぎたならば、また再び正規の規定のところに書いてある官憲の保護にかえらなければならない、こういう点がございますので、先ほど申しました二百十二条の五項のこの規定によりまして、一時パロールの形で、とにかく三十日間はサンフランシスコと申しますか、アメリカにおってもよろしい、こういう決定があったようでございます。従いまして、今まで諸新聞に報道されておりますところのインフォーメーションと、大体山中総領事から入っております報告とは一致しておるようでございます。
○福家委員 私の聞き及んでおります限りでは、本人の堀江君は、この壮途をはかる前に再三再四旅券の申請を外務省にしておるということでございますが、いかがでございますか。
○西堀説明員 そのような報道は、新聞で私も拝見いたしましたので、さっそく関係方面全部に当たってみたのでございますが、われわれのところに入りました報告によりますと、本人から旅券の申請はいずれの官庁にもなされていない。ただ、沖繩に渡航のための申請がなされておりまして、そのもとで発行されました身分証明書を三月二十九日付で発給されておりまして、それを本人は持っていたようであります。ただ、アメリカヘの渡航のためのパスポートの申請、おそらくこれは本人が何か言っておるのではないと思いますが、報道では、本人はパスポートを申請したけれども与えられなかったというようなことが伝わってきてはおりますが、事実どこにも申請は出されていないということになっております。
○福家委員 出入国管理令の第七十一条の罰則に、「一年以下の懲役若しくは禁こ又は十万円以下の罰金」、こういうことでございますが、もちろん法律は当然でございましょうけれど、冒険というものは法律的にばかりしばったのでは出てこないと思う。私ども日本人として、法務大臣も運輸大臣も、監督の立場を離れて、一国民としてお考え願えるならば、これは非常に快哉といいますか、賞賛に値するものとお考え願っておるものと思いますので、どうか先ほども申しましたように、法にも涙ありで、こういう処罰のないように、アメリカ側を通じて歓迎されている堀江謙一君を、あたたかい国民的気持で迎えるような御措置を願いたいと思います。 本日、わが運輸委員会におきましては、この問題にいたく各委員諸公が御同情されまして、ここに全員超党的に、七万五千円を、堀江君が罪にならないように帰る旅費として募金されたわけであります。このことは、アメリカの国民的処置に対して日本の国会の運輸委員会が非常に感謝しているという趣旨と、こういう募金において彼の帰国を心あたたかく迎えたいという動きのあることを、外務大臣は朝海大使及び総領事を通じてアメリカ国民にもお伝え願いたいと思うのであります。 以上をもって私の質問を終わりますが、この七万五千円は、一つ外務大臣を通じてさっそく送金の何らかの措置をとっていただきたい、御協力を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○西堀説明員 ただいまの基金の問題でございますが、大へんありがたく思っております。実はわれわれ、報告が参りまして、直ちに帰還の方途を考えたわけでございます。それで本人の父親にもすぐ電報で照会いたしましたところ、本人の父親も、帰還旅費が必要とあれば喜んでいつでも全額支弁するということを言ってきておりますし、多々ますます弁ずるでありますから、さっそく現地の方にも、父親の方にも、報告いたしたいと存じます。
○福家委員 官房長官にお尋ねをしたいのでございますが、もちろん今の立場から言うと、表向きには違法——法律を犯したという建前でございますが、総理大臣のおっしゃるような青年の意気高揚という建前から考えますならば、これは大いに国家的に表彰してやっても当然のものではないかと思うのでございます。何かそういう彼をたたえるところの表彰というようなことの道はありますか。
○吉田(威)説明員 ただいまの御質問でございますが、今回の青年の表彰に つきましては、先ほどからお話がありましたように、法律上の問題もございますので、まず前提としましてこの問題が解決いたしましたならば、また各関係庁からのお申し出もあると思います。その際、総理府といたしましても慎重に審議の上で、善処いたしたい、かように考えております。
○福家委員 私は、今法務大臣も御出席で、血もあり涙もある処置をするとおっしゃったのでございますから、その手続はもちろんわれわれの期待に沿うものと思うのであります。さすれば、関係官庁から表彰するような意向があるならば、内閣としては表彰いたしますね。こういう問題は、アメリカが取り上げたように、慎重審議なんかする必要はない。即座に表彰するならすると決断すべき問題だと思う。特に運輸大臣からの御申請をお願いしたいと思う。運輸大臣一つ……。
○綾部国務大臣 私、ただいま法務大臣が申されたように、法の処置がつきましたる上に、海事思想の普及に非常に役立つものものと思いまして、堀江君の壮挙に対しては、個人といたしましては満腔の敬意を払うが、しかし、ただいま申しましたように、罪になるとかならぬとかいうことがきまらぬ先に表彰するということは、それは私は申しかねます。どうぞ御了承願いたいと思います。
○福家委員 よくわかりましたが、罪にならない場合には、表彰していただけますか。
○綾部国務大臣 この種の問題は、世論その他の状況によりまして、私は善処いたしたいと思います。
○福家委員 これで質問を終わります。 ————◇—————
○木村委員長 この際、過日の海難事故について、防衛庁小幡教育局長より説明を求めます。小幡教育局長。
○小幡説明員 では、私から、過日瀬戸内海で起こりました自衛艦と関西汽船の商船との衝突事故の概要について、御報告申し上げます。 八月十四日の午前零時十分に呉から横須賀へ回航中の護衛艦の「けやき」が、淡路島と本土との中間を通って夜下って参ったのであります。そのときに、神戸発高松行きの商船舞子丸と出会いまして、約三千メートルの距離から視野に入ったのでありますが、千五百メートル近くになりましても相手の船が方向を変えないので、応急に処置をしたのでありますが、ついに不幸にも接触をしまして、舞子丸の右舷に若干の損害を与え、人といたしましては、重傷一名、軽傷若干名というような損害を与えたことは、まことに遺憾でございます。その後、海上幕僚監部より早急に関係者を現地に派遣いたしまして、十分お見舞も申し上げ、関係方面と折衝もして参りました。また、艦長あるいは船長等の責任、あるいは原因追及等につきましては、詳細は、現在神戸の海上保安部及び海難審判所等で昨日来調査が進められております。その判明を待ってからいろいろな点は善処したいと考えております。
○木村委員長 質疑の通告がありますから、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 十四日のただいま御報告がありました自衛艦が一般商船に衝突した事故でありますが、新聞報道によりますと、衝突直後においてその自衛艦は姿を消した、こういうことである。私は、その衝突した場合においてそれぞれの船がとるべき処置についてはよく存じておりませんが、少なくとも常識的に考えれば、衝突をしたという場合には、お互いの船がそれぞれ助け合うというのがまず第一だと思う。その措置をとらぬで自衛艦が姿を消したということは、どうしても納得いかない。さらに、との際でありますから、衝突したときの措置というのは、海上法規上どうなっておるのか。艦長のとるべき処置というものは、それぞれどうなっておるか。さらにもう一つは、瀬戸内海のあの航路について、航行の原則を守ってそうなったのか。三千メートルで何か発見し、千五百でどうとか言っておりますが、そういう措置が正しかったのかどうか。あるいは自衛艦あるいは汽船双方にそごがあったのか。あるいはどちらに責任があったのか。もちろん、これから海難審判所においてそれぞれ取り調べはすると思うのでありますが、こういう点についてどうなっておるのか。一つかいつまんで御説明いただきたい。
○小幡説明員 ただいまの御質問は、二点あったかと思います。第一点は衝突した際に艦長のとるべき処置、あるいは逃げたような報道があるが、どうしてそうなったのかという点。第二点は、航路を確実にとっておったかという点であります。 第一点につきましては、一部新聞には、自衛艦が衝突したあと二、三時間行方をくらましたというふうに書いてありますが、これは誤報でございます。自衛艦は、衝突後直ちに救難したいがどうかという信号を発しておりますし、ボートをおろしております。ところが、舞子丸の方で発火信号を出されまして、負傷者があるからすぐ神戸へ帰るというふうに判断をされております。従いまして、自衛艦もおろしたボートを再び引き上げまして、五海里おくれまして再び神戸へついていっております。すぐ舞子丸と接触しようと思ったのでありますが、舞子丸は川崎重工の桟橋に着いております。夜中でありますので、そこで相当距離がありました。時間は約二時間あまりたったかと思っておりますが、決して行方をくらますはずのものでもありませんし、またそういうことはしておりません。 また、航路が適切であったかどうかという点でございますが、これは御承知のように、チャートで大体あの航路は海流が激しく船も輻湊しておりますので、推薦航路というものがございます。それを忠実に下ってきております。従いまして、海流の激しい夜中に、非常に短い出会い場所で、こまかい状況がどうであったかということは目下調査中でございますが、大筋におきましては、適切な航路を歩んで参ったものと考えております。
○久保委員 ただいまのお話を聞くと、自衛艦はそれぞれきめられた適切な処置をとったというお話になりますね。そうですか。いかがですか。
○小幡説明員 先ほど申しましたように、衝突直前から衝突に至る間のこまかいことは、これは現在審理中でございまして、この点は私からどうこう申し上げる資料はございませんが、大体適切な航路を通っておったかどうか、あるいは衝突後に適切な処置をしたかどうかということの二点は、大筋におきましては過誤はなかったというふうに考えております。
○久保委員 そういう処置をとりながら、相手の舞子丸はどういう船に衝突されたかわからぬ。そこで衝突した相手側の船を海上保安庁を通じて探した。そうしたところが、報道によれば、その直後海上自衛隊の方から「けやき」が衝突して神戸沖に停泊しておった、こういう報道があったということでありますが、それはその通りでありますか。そうだとするならば、海上自衛艦の「けやき」であるというようなことも舞子丸の船長は知らなかった、神戸へ行ってから初めてわかったということになって、私はどうも適切な措置がその辺でとられておらなかったのじゃなかろうか、こういうように思うわけであります。 もう一つは、航行の原則は間違っておらなかったようだというのでありますが、海上保安庁、来ておられますか。——来ておられますからお尋ねしますが、舞子丸自体は、今までの報告では、大体規定の航路をとっていたのかどうか。いかがでしょう。
○吉田(善)説明員 ただいま現地におきまして厳重また慎重に調査中でございますから、明確なことを申し上げる材料はただいま手持ちいたしておりませんが、一応目的港に向かった所定の航路を進んでおったというようように伺います。
○久保委員 これはこれからの審理、調査の段階ではっきりすると思うのですが、いずれにしても、両船の運航が正しくないということがはっきりしている。正しければこれは衝突しないのでありますから。そこで、ともすれば、この狭い瀬戸内海の、しかも輻湊する航路の中で、海上自衛艦が一般の汽船に衝突したというのでは、どうも聞こえが悪いし、しかも夜中の衝突でありますから、そうでなくても海上の衝突というのは大きな事故が多いのであります。ついては、自衛艦そのもの、自衛隊に、防衛庁としてこういう問題について今までどういう方針で指示をされて指導しているか、いかがですか。
○小幡説明員 お話の通り、海上自衛隊の船が商船に衝突したことは、非常に重大なことであります。また、自衛艦同士の衝突がこの前に津軽海峡でありましたが、われわれは、この点は非常に重要視しております。たとえば先年呉付近の海峡で、自衛艦が通りまして、非常に波が出まして、現地でいろいろ漁村等の船を破損したというような例がございました際にも、非常に神経を使いまして、学者を動員しまして、海流と自衛艦の波はどういう影響を沿岸に与えるかということを、詳細なデータをとりましてやりまして、以後その結果に基づきまして科学的な基準を設けまして、全自衛艦に指示をいたしておりますように、非常に神経を使っております。今度のような場合も、かりに責任がどちらにあるにいたしましても、このような事故に立ち至る前に、普通の海上法規が要求する以上に注意するようにしたいと思っております。
○久保委員 いずれにしても、まだ衝突したあとの調査ができていないのでありますから、ここで調査完了と同時に、防衛庁並びに海上保安庁が当委員会に詳細な報告をいたすように要求して終わります。
○木村委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会