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41回国会衆議院1962/09/12

オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第4号

発言数
72
登壇者
10
会派数
2
開催日
1962/09/12

会議録

島村一郎自由民主党

○島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を行ないます。  本日御出席の参考人は、お手元に配付いたしてあります参考人名簿の各位でございます。  まず、津島参考人から、先般のジャカルタにおけるアジア競技大会の諸問題について、その経過を御説明願います。津島参考人。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 委員長の御指名によりまして、私から今回のアジア大会における現地の事情、また、そこで起こった重要な問題、特にこれが東京オリンピック大会との関連において考えらるべき点といったような諸点について、きわめて概略を御報告申し上げます。御質問によってこれを補足するというようなことにいたしたいと存じます。  まず第一は、あの大会において日本選手がIAAFの警告があった後においてこれに参加したという点でございます。この点につきましては、まず第一に、AGF、すなわちアジア競技連盟のカウンシル、総会の事情を御報告することがまず適当であろうと思うのでございます。このAGFカウンシルは、すでに御承知のように、二十三日、四日午前にわたって、この問題について非常に論議したのでございます。両国の入国を拒否したという事実を認めつつ、なおさらに一段と両国の入国の手続を促進すべしという最後的の要請を政府に迫ったのでございます。この要請がどういう結果になるかというその暫行的、中間的な期間においては、従来きめたプログラムによってこの大会をやるということを認めるという決議をいたしたのでございます。概略すれば、AGFの二十四日の朝の決議は、諸国の選手がプログラム通り参加するということは、その場合の措置としてこれを認めるということに決定いたしたのでございます。そういった事情のもとにおいて、もう数時間後に開会式が迫り、また第一日、二十五日の競技が好まるというような事態になったのでございます。現地におけるJOC、日本オリンピック委員会の会議を開きまして、慎重に検討いたした結果、この決議は、他日AGFが何らかの措置をとるということを前提としておる決議でありますので、一応これに従う。とともに、もし参加しなかった場合の非常に重大な影響、事態、これは現地における特殊の事態でございます。日本選手が参加しないということは、この大会を挫折し、崩壊するというような結果になるとは、何人も認めておったところでございますので、われわれ日本選手団は、このAGFの今後の措置を多大に期待するということで、これにまず参加したのでございます。しかしながら、一面において、とにかく、この入国拒否という問題は憲章違反であると認められたそのAGFの決議もわれわれは胸に置かなければなりません。そういった意味におきまして、二十五日の初日に私はJOCの現地の委員会を開きまして、これはどうしても違反の疑いがある大会に日本選手が参加するということは、スポーツ精神から見てもどうも好ましくないことであるという見地から、私は、総員の引き揚げ——そういった意味においては、単に陸上問題ではございません。そのことをJOC委員にはかったのでございます。これが二十五日、初日の日でございます。しかるところ、この問題は大体において総員の認めるところの方向に参ったのでございますが、翌二十六日、すなわち二日目におきまして、事態が変わったのでございます。すなわち、はたして脱退引き揚げが事実上行なえるかどうかという問題に逢着したのでございます。そこにはおのずから大きな障害があるのでございます。と同時に、一方、IAAF、国際陸上連盟からの第二報、電報がペインから浅野代表に来たのを二十六日に見たのでございます。その電報によりますと、もし正式のアジア大会ということでなしに、これが国際競技であるということであれば、許可もし、また選手に対して何らの制裁を加えないという考えである、こういう電報、これはロンドンを二十四日に発した電報の第二報でございます。もし国際競技大会式のものであれば何ら差しつかえないのであるというような、ロンドンの国際陸上連盟からの第二報を受け取って、われわれは何とかしてこの線でこの大会の合法性を確保したいという観念になったのでございます。従いまして、高島文雄君が日本側の委員でございますが、即夜二十六日にAGFの実行委員会を開いたのでございます。この会議には不幸にも議長並びに事務総長、名誉主事、これはインドネシア側の方でございますが、出席しないのでございます。実行委員五人が寄って相談した結果は、ここに一つ第四回アジア競技大会の名前を変更すべしという決議をしたのでございます。しかし、これは議長、副議長、事務総長が参加しない会でございますから、正式の実行委員会の決議とはなるに至らなかったのでございます。この決議が翌二十七日に公表されまして、そうしてインドネシア側にそれを追って、至急評議員会を開催すべしということになりまして、やっと二十八日の夜から、最高機関である評議員会が開会されたのでございます。二十八日から二十九日の午前にわたっての審議におきまして、副会長であるインドのソンディ氏から会名変更の提案がなされ、私自身三回にわたって発言してこの動議に賛成の意を表し、また諸外国の評議員諸公も、会名、すなわち第四回アジア競技大会という正式の名前を変えるという案に賛成者が非常に多かったのでございます。一、二の国はこれに反対して、現状でいくべしという議論もあったのでございます。そこで、これの一つの提案としては、これは後刻でございますが、一つ違反の事実がありやいなやということを十分調査すべし、こういう調査委員会の設置案が出されたのでございます。これには賛成者は多くないというのが会議の情勢でございました。そこで、評議員各氏はこれをすぐさま採決に付すべしという提議をして、私もそれに賛成の発言をいたしたのでございます。ところが、実際の状況は、これを即時採決すれば多数通過はもう大体情勢が判明しておったのでございます。そこで、インドネシア側の委員または事務総長側からの発言で、もしアジア大会の進行の途上においてこの決議をすれば、名前変更という非常に重大な問題が起こる、その結果はおそるべきものがあるといったような発言があったのでございます。休憩の後いろいろ懇談がありましたが、結果においては、即時採決をよしまして、そうして閉会式後一時間以内に会議を開いて、討論を用いず即刻採決、賛否をきめる、もしそれが否決になったならば、調査会案もあとで採決をするという二段がまえの決議がなされて、二十九日の評議員会は終了したのでございます。要するに、インド初め多数の国、またわれわれも同様、十分これは懇談した結果でございます。その採決がなされなかったために、閉会式までこの問題が持ち越されたという実情であって、アジア競技大会としての形で一応進行した。決議の上は遡及的にこれが適用する、そうしたならばこれは憲章違反の大会ではないという形になる、同時にIAAFの期待に沿う、希望に沿うということでございます。そういった手続をとりましたが、その後は政治上の問題になったのであります。それらのいきさつは、私はこの席上で申し上げることをはばかります。  そういったいきさつで、閉会式後の採決が一日繰り上がりまして、閉会式前日の二十三時、議長の招集がありまして評議員会を開いて、そこで慎重審議の結果、ソンディ氏は、身辺の危険を考えましてジャカルタを去って帰ったという事実がありまして、提案者であるソンディは、自分の提案、会名変更の動議を手紙によって撤回したのでございます。そこで、調査会案というものがここに浮き上がって、審議の結果、調査会を設置しようということになったわけでございます。この調査会の内容は、新聞等で報道があったかもわかりませんが、二人の委員をもって調査をやる、一人は韓国の方、比較的中立的な人、また一人は、ビルマのチョー・ミンという方でございます。その二人の委員で六カ月以内に調査報告を出す、議長は——これは新しく今度の会議の最終に決定したタイランドの議長が今度はやるわけでございます。閉会式直後にそれが発効しているわけです。それがいわゆるスーパーヴァイズする、采配を振うということで、六カ月以内に調査報告をする、その結果を実行委員会に移して検討した上で、その結果をカウンシルの各メンバーに報告して、郵便投票によって決定しよう、これが大体の決定でございます。そういった意味において、まことに残念なことでございましたが、会期中に会名を変更して性格を変更するということが、やむを得ざる事情で実現できなかったのでございまして、今日は、この大会がどういう性格のものであるかということについて事実の調査をして、その報告を受け、それによって決定しようということになったのでございます。これが大体の経過でございます。  そういった意味におきまして、わが方が大会に参加したその初日から、私どもはどうもそういう疑いのある大会に参加すること自体に非常な問題があるということで、私は、これはいっそ全部引き揚げて帰ろうということを申し出て、協議してその方に傾きつつあったときに、先ほど申しましたような対案を示した電報が陸上競技連盟から来て、これによって問題を処理しよう、こういうことになった次第でございます。  以上が、大体参加したことに関連して最終日までの経緯でございます。その間いろいろな事項がございますが、私はこれは御質問に応じて補足いたしたいと存ずるのでございます。  次に、IAAF、すなわち国際陸上競技連盟の警告でございます。これは十九日に浅野代表が現地で受け取ったということを聞きました。私が到着前でございますが、この内容は、御承知のように、両国に対してあらためて招請を出し、入国の手続をすべしということをうたい、次に、もしこれが入国できないようなことであるならば、この陸上の競技はキャンセルするであろう、許可を取り消すであろう、なお、これに参加した陸上のチームというか、アスリート、選手はディスコリファイドされるであろうという、二つの警告でございます。従いまして、この内容は、終始一貫して、日本の陸上連盟を処理するとか——インドネシア協会の場合は、これは主催者でございますから、別でございましょう。参加選手だけの問題であったということは、これははっきり書面で書いてあるところでございます。しかしながら、これはオリンピックの実行の上においても重大な事項であることは当然でございまして、われわれはあくまでもこれらの方々に何らのきずがつかないようにしたいという観点から、その後全力を尽くして合法化をはかった、こういう実情でございます。先ほど申し上げましたように、これが会期中にできなかったことは、はなはだ微力で申しわけないところでございますが、現地の事情をこれ以上申し上げることは私は差し控えたいと思うのでございます。  また、これと関連して一つの問題がございました。非常に関連性があるから御報告するわけでございます。ウエートリフティングの問題でございます。ウエートリフティングについては、競技の開始が八月三十一日、後半でございます。しかして二十八日、九日、三十日にわたって、ウエートリフティング国際協会の会長ジョンソン、またゼネラル・セクレタリー、名誉主事と申しましょうか、オスカー・ステート両氏が現地に向かいまして実情を調べ、そうしてウエートリフティングの競技はやらすべきでないという結論で、二十八日にステートメントを出したのは、もしこの競技に参加した選手、すなわちウエートリフタースはサスペンド——ディスコリファイドと同じでございますが、そういう警告の文書を出したわけでございます。その結果、各国のウエートリフティング協会の首脳を、日本側も含めて全部集めて、どうするかという会議をいたしました。ジョンソン、オスカー両氏を交えて、またインドネシア協会の当事者も来ました。そのときに、インドネシア協会の主催者であるウエートリフティングの担当者は、すでに出たパミットをそこで突っ返したわけでございます。そこで、ジョンソンははっきりとこれを繰り返し、もし諸君が明日出場すれば直ちにディスコリファイドするということを宣言したのでございます。そういった意味において、三十日、われわれは慎重に考慮した結果、三十一日からのウエートリフティングはそこでそのままもう失格の状態が起こることは会長の宣言したところでございますので、そういった事態にわれわれは選手を参加させることはできませんので、JOCといたしましては、この参加をしないという決意をしてインドネシア側に申し出た、こういう経過でございます。これは陸上の場合と非常に違っておるということを比較するために申し上げた付言でございます。陸上の場合はここであげつらう必要もないことかと思いますが、そういった警告を受けたが、さて陸上競技施行のパミットを取り消したという事実を、インドネシア主催者側から、何ら各国の代表団というか、チームには報告がなかったという事情もあったのでございます。きわめて微細なことでありますけれども、両方の違いを申し添えるわけでございます。なお、ウエートリフティングの協会のステートメントにも、四回アジア競技大会という名前でなければやってもよろしいんだ、たとえばジャカルタ・インターナショナル・ウエートリフティング・ゲームスとかいう名前をお使いになれば、どうぞ御自由にやって下さいということも書いてあるわけでございます。これができれば問題はないという見解を示したのでございます。この考え方は、国際陸上競技連盟においても同様の見解を示しておるわけでございますから、私は、この問題は将来にわたって大きく問題であり、AGFがその措置をとれなかったということはまことに遺憾であったと思うのでございます。そうしましてこれらの問題を通じてわれわれは非常に努力いたしましたが、所期の結果を見るに至らず、また非常に心配をかけ、はなはだ不敏であったことを非常に自責している次第でございまするが、一応事情だけ御報告申し上げます。  さて、そこで最終に問題として申し添えておきたいことは、これは観測の部分が多いものでございまするから、いろいろまた皆さんに御疑念があるかとも思いますが、われわれの特に考えたことは、東京のオリンピック大会に何とかして影響のないようにというような観点、そういう考えで努力したわけでございます。ただいまその問題の一つが、ベオグラードで、昨日あたり陸上の関係の代表が集まって、この善後措置について研究をいたしております。まだどういう結果になるかはわかりませんが、要は、AGFの措置というものは大きな欠陥があったということを私は認めざるを得ないものでございます。最終的の決定はまだ出ませんから、これについては、そういう問題が善後措置の一つとして今進行中であるということを申し添えるわけでございます。  それから全体としての空気、これは私のみならず、一般の方もそうであったと思いますが、アジア諸国は、ジャカルタの大会にかかわらず、その時を同じうして私もたびたび向こうでお目にかかりましていろいろ話しまして、東京オリンピック大会に対しては非常に熱意をもって援助していただくというほんとうのお心持をあらゆる機会に表明されたのでございます。  なおまた、IOCとの関係もここに問題があるかとも思いますが、これは東都知事さんが、IOC——また現地におるソンディ、バルガスその他の方もよく現地の事情を了承し、私はこれらの方々が十分に説明していただけば、IOC、国際オリンピック委員会の関係においては十分の了承を得ることでないかと思う次第でございます。  なお、その他私の非常に遺憾に思いますることは、日本国内において今度の大会に対していろいろな御不満があった点でございます。これは私どもとしては不敏で申しわけないと思います。それによって将来の東京のオリンピック大会の実行上に支障があるということであれば、これはわれわれとしては非常に残念なことであり、また、われわれの足らざるところを私は反省しなければならぬと思います。こういったような、まことに遺憾でございますが、いろいろな事情から申しまして実はやむを得なかったということを、もう少しいろいろ経過を御説明申し上げるべきでありまするが、概略にとどめます。  結論といたしましては、今のベオグラードの決議と、それがどういうように出ますか、それらに善処しつつ、東京オリンピック大会の成功に支障のないよう全力を尽くしたい、こう思っておる次第でございます。選手の方々も同様な気持を持ってやったわけでございますので、どうぞ皆様御了承を願いたいと思います。  簡単でございますが、一応の御報告を申し上げます。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。福永健司君。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 今、津島さんから、簡単とは言われたが、相当詳細な経過の報告をいただきました。しかし、私は、まず川島国務大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。  本委員会は、申すまでもなく、オリンピック東京大会の準備促進のためのものであり、そういう使命を達成する意味において若干お尋ねをいたしたいと思います。今度のいわゆるアジア競技大会のときに、川島さんはインドネシアにいらっしゃったのであります。川島さんは川島さんの特別の使命で行かれたでありますが、国民の中には、川島さんが行かれておるから、ああいうようなめんどうな問題が起こったが、うまくやるであろうというような声もございます。これは川島さんの力を信頼しての意味もあるかもしれぬが、一部では、川島さんが行かれたのが、大会に直接役員とか、あるいは選手団に関係する立場で行かれたかのごとく勘違いをしての言葉であります。また、政府筋のスポークスマン等からも、川島さんから連絡があったとか、なかったとか、それでどうとか云々の言葉等もありましたので、これはあたかも川島さんが、こういう問題について、大会の直接の役員か何かであられるとの勘違いを生ぜしめるようなこともあったのであります。そこで私は、今後のこともございますしいたしますので、まず川島さんに、今度川島さんがあちらへ行かれた目的あるいはその使命といったようなことについて、もう一度この機会に明らかにしておいていただく方がよろしかろう、この点について御本人から承りたいと思います。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 私が今度参りましたのは、インドネシア政府の招待によるのでありまして、実はこの招待の話が出ましたのは、オリンピック担当大臣になる以前のことでありました。インドネシアの賠償問題は、私が自民党の幹事長時代に妥結をいたしました。その賠償に基づいて、あすこに十四階建のインドネシア・ホテルができたのだから、一つアジア競技大会の機会にこれを見てくれないかということが発端でありまして、私も行く気になったのでありますが、その後オリンピック担当大臣になりまして、私は一そう行くという考えを強めまして、招待を受諾いたしたのであります。従いまして、今度私がインドネシアへ参りました目的は、インドネシア政府の招待によりまして、日本の賠償を引き当て借款でつくったインドネシア・ホテルその他競技場、道路などの施設を見、かたがた競技も視察したいということなのでありまして、体育協会関係の諸君がおいでになって直接現地で日本の問題を処理する立場とは全く違っております。私のインドネシア内におけるスケジュールも一切向こうの政府にまかせまして、政府のスケジュールによって、ジャカルタ以外の土地も若干視察して参った、こういう関係でございます。従いまして、今度の問題につきましても、私は政府の立場として、東京大会が開けないのは困るからして、それに支障のないことを前提として処理してもらいたいということを強く申し上げておるのでありますが、それ以上の内容に立ち入っては一切政府の一員として発言しておりません。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 今最後のところで言われた、オリンピック東京大会に悪影響のないようにというような意味のことを体協の幹部諸君等に言われたということは、当時国内の方にも伝わってきておりまして、私どもも政治が不当にスポーツに干渉するというようなことは極力避けなければならないという見地から、これは川島さん、今度の場合としては、当然今おっしゃったような態度であられることがよろしいのだというように私は理解をいたしておったのであります。  そこで、今度の問題が多くスポーツに対する政治の不介入というような観点から取り上げられて、いろいろなことが論じられておりますので、私は念のために川島さんに特に申し上げておきたいと思います。なるほど、政治がスポーツに不当に干渉してはならぬ、これは当然のことでありますが、こういうことを言うあまりに、政府がスポーツを助成する、ことにオリンピックを前にして、わが日本民族の自信を大いにつけなければならない歴史的な機会に、日本の選手が世界の各民族に大いに威力を発揮するというようなことは、これはもう政府としても大いに関心を持って協力、助成しなければならない当然のことであります。干渉しないということと、スポーツを大いに育成助成するという、このことについては、私が申し上げるまでもなく、よく御理解とは思うのでございます。この際、一つ国民全体にも、オリンピックを担当される大臣として所信を明らかにしておいていただきたい、こう思います。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 オリンピックをりっぱに仕上げるために、政府といたしましては、組織委員会、並びに選手強化を行なっております日本体育協会等に対する資金的の援助をいたします。同時に、オリンピックにつきましては、それ以外にいろいろな問題を解決しなければならぬのであります。何としても、最近の東京都の状態は、交通といい、水といい、住宅といい、ホテルといい、不足でもあるし、悪化もいたしておりますので、こういう事柄を全部解決いたしまして、受け入れ態勢を完全にしてオリンピックを迎えたい、こういう考えで、政府としてやるべき道路その他のことは政府がやりますが、しかし、競技自体は組織委員会がやることでありまして、政府の干渉することでありませんから、政府の立場はこれを財政的に援助する、しかし、財政的に援助する以上は、政府としても、だらしのないことでは困るのだから、しっかりやってくれ、そういうことは言わなければならぬと思うので、私はそういう意味でいろいろ注文は出しています。注文は出していますが、深く内容に立ち入ってどうしろこうしろということは、これはいわゆるスポーツに政治が介入するということに誤解されやすいので、一切そういうことは慎んでいるわけであります。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 そこで、少し具体的にお伺いをいたしますが、今度ジャカルタでいろいろなものをごらんになって、これは競技それ自体もそうですし、施設面でもそうです。いろいろございましょうが、東京オリンピック大会をうまくやるということと関連して、特に今度のアジア競技大会で感じられたこと、これについて少しお述べいただきたいと思います。私どもの感じからいたしますと、競技なんかで申しますと、確かにあの大会では日本はずば抜けている。これはあたりまえでありますが、単にあそこでとった金メダルの数なんかで、圧倒的に強かったというようなことを言っていてはならぬのであります。東京で開かれるオリンピック大会のスケールというものは大へん違う、レベルも大へん違う、こういうことですから、あそこであれだけの成績であったということで足れりということであっては断じてならぬ。ことに、日本が当然勝つと思われた種目でも、みじめな負け方をしているものもかなりあります。こういうことにかんがみまして、今度の大会を通じてオリンピック担当大臣たる川島さんはどういうようなことをお考えになっているか、これをお伺いしたい。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 大会以前の問題でありますが、私はオリンピック担当大臣になりまして、各方面の意見など率直に聞いて第一に感じたことは、二年ちょっとしかないあとに迫ったオリンピック大会としては、準備その他がきわめて不十分である。はたして二年余りでもって完全なオリンピックを執行することができるのかどうかという心配であります。たとえば競技場にしても、まだ決定していないところがありますし、それから報道関係、内外人を迎える報道関係のプレス・センター、プレス・ハウス等にいたしましても、いろいろ心配をしているらしいけれども、少しもその緒についておりません。これではたして二年間でできるのかどうか。その他幾多問題がありまして、私としては、これでほんとうにうまくいくのかどうかということを非常に関心を持っておったわけであります。ことに、私はオリンピック担当大臣になってから、体協関係の方々、組織委員会の関係の方々からいろいろお話を聞くのですが、それが個々ばらばらにお話がありまして、一体だれの話を聞いたらいいのかわからぬというような、率直な私の感じであります。そこで、福永さんが閣僚時代の第二回目の閣僚懇談会において、私が特に発言をいたしまして、一つ特に組織委員会と選手強化の体育協会と責任をはっきりしてもらいたい、金はできるだけ政府が出そうじゃないか、しかし、それが有効適切に使われる金でなければあれなんだからして、責任をはっきりしてもらいたいということを言ったわけでありまして、そうした感じを持って今度ジャカルタへ参って考えたのでありますが、日本としては、ジャカルタのような施設はとうていできません。また、あれほどやる必要もない。これはまたスカルノ大統領が別の意図を持ってやったのだと思いますけれども、膨大な競技場、りっぱなホテル、日本にはちょっとできないようなすばらしい道路などはなかなかできませんけれども、施設等におきましても十分一つ万全を期さなければならぬということをあらためて痛感いたしました。それから、日本の選手諸君は非常によくやって、向こうでも非常に評判がいい、しかし、福永さんが言われるように、金メダルをたくさんとったけれども、必ずしもいい記録でもないしするので、何としても今度の東京大会には相当多数の金メダルを日本でとらなければならぬ、また、とることを国民がみな要望しているのですからして、選手強化には特に一つこれから努力をしていただきまして、日本体育協会の方方に、どういう方法で選手強化するかという具体案をお示し願えますれば、それに要する金は、たとい幾十億でも私はとってくるつもりでおりますが、まだ私は大蔵大臣に確信を持って予算の要求をするほど考えが固まっておりません。これから体育協会側の方と十分相談して、この点努力するつもりでおります。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 大へんいいお話でございますが、本委員会も、このオリンピックに関しましては、与党とか野党とかいう立場はないので、ひたすらに今川島さんが言われたような気持で、わが日本がりっぱにオリンピックをやり、かつまた、日本選手が日本国民の前で大いなる成果を上げるように持っていきたい、こう考えております。ちょっと一部大蔵省との関連等について、川島さんに似合わず、やさしい言葉等もございましたが、ぜひ一つ強い決意を持って、十分に目的が達せられるように御努力いただきたいと思います。ことにアジア競技大会を見られて、東京オリンピックへの準備促進をますます強化しなければならないというようにお感じになってこられたことを、私は意義深くお聞きいたしました。ただ、スカルノが特別の意図でいろいろなことをやったという部分もあるので、あれだけのことはできない云云という言葉がありましたが、あれだけという言葉の部分はごく少なかろうと思う。大部分は、あれだけのことと言わずに、あれ以上のことになるように、ぜひ一つ政府においても御努力いただきたいと思います。  そこで、もう一つお伺いをいたします。今もちょっとお触れになりましたが、オリンピックをうまくやるという意味において、組織委員会その他いろいろな機関、これについて川島さんは、責任体制の確立というような言葉で、こうあってもらいたいというお考えの一部をすでに明らかにされております。これがまたいろいろに取りざたされておるのでありますが、私は、川島さんの言われるように、まさにこういうような大事なときに、大事な機関は、お説のごとく体制を確立しなければならぬことは当然であると思います。と同時にまた、一面こういうような体制ができたからには、なるべく政府もこういう機関の決定などは尊重する、これに協力する、こういうことであっていただきたいと思うのであります。せっかくできましても、何もかもとは申しませんが、かなりいろいろなことが、政府の方に話が回っていくと一向に政府の方ではうまく取り上げないというようなことになりますと、どういうような組織委員会をつくりましても、結局これが権威なきもののごとくになるのであります。この辺は非常に微妙なところでありまして、もとより、りっぱなものをつくり、りっぱな責任体制の確立をしなければならないが、同時にまた、政府その他でも、そういう使命をりっぱにやっていけるようにできるだけの協力もしなければならぬ、まあこのあたりは持ちつ持たれつ、こういうことになろうかと思うのでございます。具体的問題は申しませんけれども、せっかく組織委員会等できまっているようなことでも、ひょいと閣議等でいろいろな話が出ていろいろ大きく伝わって、一体どうなるのであろうかというような問題等も、最近も生じているようでありますが、こういうことについては、ぜひ政府も、それから先ほど申します組織委員会その他の諸機関も、緊密な連携のもとに協力態勢を保っていかなければならない。責任体制の確立ということは、もとよりいろいろな分業関係もございましょうが、同時に、今申しましたような緊密な連携のもとにおける協力態勢がなければならない、こういうように思うわけでございます。この際、川島国務大臣のこれについての御所信を明らかにしていただきたいと思います。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 政府としては、従来もオリンピック機構につきましては相当強力に援助しておったことと思うのですが、オリンピック関係の省庁がいろいろ分かれておりまして、その間の連絡統一がないということと、予算要求等になりますと、自然本省のほかの方に重点を置いて、オリンピックの方はあと回しになって、思うようにとれなかったということもあるのじゃないか、こう考えられたのであります。そこで、最近になりまして閣内にオリンピック関係閣僚懇談会もつくりますし、担当大臣も置いて私がなったということは、政府部内の各オリンピック関係の省庁の連絡を緊密にいたしまして、閣僚懇談会を中心にして、責任を持ってオリンピックを支持しよう、その体制を政府としてはつくったわけなんでありますからして、従来とは違った態度でもって臨んでいるわけであります。従いまして、これに対応して、組織委員会なり体協も同じように体制をとってもらわなければならぬと考えております。政府の方では責任体制をつくったのでありますから、従来のようにばらばらでなしに、一本になったのでありますからして、受け入れる方の組織委員会、体協等も十分御留意願いまして、オリンピックをうまくやる、選手強化をするというようなことについて少し考えてもらいたい、こういうことを私はしばしば申し上げておるわけでありまして、福永さんの御意見は私はよく了承しておりますから、これからできるだけ閣内を取りまとめましてオリンピックを援助するようにいたしたい、こう考えております。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 以上のような御答弁もいただきましたので、私は川島さんにはこれでけっこうでございます。  津島さんその他の参考人各位に、あまり長くお尋ねをしませんが、要点を一、二お聞きいたしたいと思います。申すまでもなく、国会でこの種のことを明らかにしておくことが、今後のオリンピック準備促進のために必要であろうかと思うからであります。  先ほどの経過報告を伺いますと、津島さんもずいぶん苦労されたり迷われたりしたこともあったようでありますし、役員諸君も同様であったようであります。しかし、迷われたこともあったし、現地の異常な雰囲気の中で、わかっちゃいるけどやめられないというような、そういうような行動もあったように私は見るのであります。そこで、私は過去の経過を今いろいろ取り上げてどうこう言うのではなくて、ああした事態があったことについて今後いかに賢明にこれを収拾するか、要するに今後の善処ということに重点を置いて、ごく簡単に聞いてみたいと思うのであります。  まず第一に、どうするかということで、現地や国内であの当時いろいろな議論があった、これはある程度当然だと私は思うのでありますが、しかし、済んだあとになって関係の人々の中でいろいろな議論がある、人によって言うことが違う、人によって言うことが違うだけならまだよろしいが、同じ人が時によっていろいろなことを言う、こういうことでは、いささか精神分裂的な印象を与えるのであります。この点を私は深く遺憾とするのであります。なおまた私は強く感ずるのであります。こういうような問題の処理に当たっては、責任者というものは場合によっては熱い湯の中に入ってじっとがまんするような態度でいなければならぬこともある。かくのごとくにして、ある程度の時の経過とともに問題が解決される場合がある。そういうようなときに、ひょいひょいと思いつきや、その段階では言わずもがなのことを言うというようなことが、非常な悪影響を及ぼすと思うのであります。この点について、あえて津島さんとは限らず、関係者の皆さん御一同に、今後のことも大事でございますから、強く警告を発するとともに、この点について、どなたと指名しては工合が悪いのでありますが、関係者各位の御決意のほどをまず伺いたいと思います。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 ただいまの福永委員の御叱責と申しますか、今後の対策が一番大事だということには全然同感でございます。従いまして、その第一着手といたしましては、十日、十一日、またきょうに引き続いておるようでございますが、ベオグラードにおける国際陸連の評議員会、これがさしあたりの問題でございます。この点につきましては、当方の陸連の理事長、これはカウンシルのメンバーでございますが、その他、専門的な方を一緒にして今ベオグラードに行っております。それ以外に、ジャカルタ現地においてAGFの問題が非常に重大であるという見地から、AGFの新副会長、当時は実行委員である高島文雄君をかの地に派遣いたしております。この会が相当重大と思われるのは、ジャカルタ大会に参加した各国の陸上選手の地位に関係があるのでございます。この会の結末を、われわれ、アジア諸国の方々のために公正に、適切に、将来に累が残らぬように最善を尽くしておる、こういう事態でございます。この事実はまだ会議の経過の報道が十分にきておりません。これが第一点でございます。  その他、アジア競技大会なるものを続けていくとした場合に、今後のAGFの組織なり制度の運用をどうするか、この問題についても、われわれは今回の経験によって適当な対策を立てなければならぬと考えております。これは次の問題でありますが、そう考えております。  第三には、各国に対して、オリンピックに影響のないように、先ほど申しました現実の事態——はなはだ不満な事態でございますが、その実情を十分に知ってもらって理解を得るようにその策を講じなければならぬ。さらに、国内的にはもちろんのことでございましょう。それには、先ほど川島大臣から仰せられたように、組織委、体協の体制を確立する。これは文書で書いたものでは目的を達しないと思います。文書で書いたものはすでに用意を持っておりますが、実行が問題だと思います。これは早く実行したいと思います。  なお、御質問の中で触れられました、われわれが帰りました後のいろいろな発言と申しますか、対外発表において、いろいろそごがあったということ、これはまことに遺憾でございますが、私は、これは会議で決定し、いわゆるJOCならJOCで決定し、体協で決定し、組織委員会で決定したところを正当に外部に発表することは、これは当然なことだと思います。しかし、それ以外の段階においていろいろまぎらわしい意見が外部に出るということは、私は、百害あって一利なし、こう思うのであります。これは私の責任として、今後そういうことのないようにいたしたいと思っております。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 私は、その最後のところだけを言っていただけばそれでよかったのでありますが、その点が非常に大事であると思うのであります。今後事態収拾のために、また善処のために、一段と言動を慎んでいただきたい、これを私は御注文申し上げておきたいと思います。どうも関係者の中には勇み足が多いような気がするのであります。この種の勇み足をぜひ戒めていただきたいと考えます。  そこでちょっと伺いますが、今度の事態でもし責任ありとするならば、これは責任の問題は日本国内にもあろうし、またAGFその他国際的なものもあるのでありますが、それらはともかくといたしまして、おおよそ私は、責任が選手にありというようなことはほとんどない、こう考えております。また、そうあらしめてはならぬのであります。あくまでも役員において責任は負って問題を解決する、処理する、こういうことでなければならぬ、こう考えておりますが、いかがでございましょうか。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 御説の通りでございます。これは選手には全然責任ございません。われわれJOCの幹部、また、特にこの選手の上に立っておる人々の間では十分に協議してやっておる、従いまして、選手には全然責任ない、こういうことを私ははっきり申し上げます。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 今ベオグラードでの国際陸連のお話が出たのでありますが、これが一つの目途になろうかと私も考えるのでありますけれども、第四回——これはいわゆると申します。いわゆる第四回アジア競技大会の決着というものがいつごろつくか、また、どのようなプロセスを経てその決着がつくか、さらに、オリンピック東京大会に対する影響についてわれわれは大きな関心を持つのでありますが、こういうようなことが明確になるのはどういう時点においてであろうか、この点についてちょっとお答えをいただきたいと思います。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 ベオグラードの国際陸連の総会と申しますか——評議員会と総会と二つございます。現在開かれておるのは、その評議員会でございます。これは加盟国の中で十一人の評議員というものがあって、その会議を今やっておるわけであります。この会議の経過は、今までわれわれの承知しておるところによりますと、この陸連で、東京オリンピック大会の陸上競技に関する施設、方法、準備その他の説明をして了承を得るということが一点、第二は、ジャカルタ大会に関係した例の警告問題から生じたあとの収拾問題、処理問題というのでございます。この問題は十一日に討議されるという予定でございました。しかるところ、今朝のニュースはまだ得ておりませんが、ある情報によると、ジャカルタの陸連の代表がそこへ呼ばれておるが、到着が延びたというので、昨日はこの問題に入らなかったということだけは聞いておる。この問題はおそらくきょう引き続きやっておるのだろうと思いますが、その結果をわれわれは非常に重視しておるわけでございます。いつ結末がつくかということは、その会議の経過によりますが、この評議員会のあとで総会があるわけでございます。総会の日取りは多分十七日と予定されております。その間にヨーロッパの陸上競技大会が行なわれて、最後に総会がある、そういうことになっております。その総会に持ち込めば、その総会が決定するのでありますから、その日にちがおくれるという結果になります。しかし、決定いかんによっては、あとの措置がそのまま決定し得るか、ある条件を付してあとに何らかの措置が必要になるか、ここらは陸連評議員会、総会の決定を見なければ申し上げられないのでございます。そういう事態でございます。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 いずれにしても、一つ懸命の努力をされて、なるほどという結論になるようにやっていただきたい、これを特に申し上げておきたいと思います。いずれにいたしましても、ルールを厳守することを生命とするスポーツ関係のことで今度のような事態が生じたことを、私たちは非常に遺憾とする次第であります。幸いにいたしまして、何とか東京オリンピック大会との関連においてはさしたる悪影響もなくて済むというようなことになれば、これもけっこうでありますが、なお一点私は気がかりになりますので申し上げておきたいと思いますが、アジア大会創設者の一人であるインドのソンディ長老、先ほども津島さんがその名前を出されたのでありますが、この人が、初め自分を支持してくれた人々にあとでは足を引っぱられたというような意味のことを語っているのが伝わっております。日本のスポーツ界の幹部各位の挙措が世界のスポーツ界に不信の念を抱かしめるというようなことになっては、これは私は大へんなことと思うのであります。オリンピックにどう影響するかということももとよりでございますが、こういうようなことについては、わが日本のスポーツ界が、世界の多くの部分ないし一部分から、そういうような意味において不信を買うようなことのないことが私は望ましいと思うのであります。こういう点についても、一つぜひ今後の努力によって遺憾のないように、これをお願い申し上げておく次第でございます。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 今の御質疑というか、御希望だったと思いますが、ソンディさんとは最終まで十分連絡しました。ソンディさんの意見にわれわれはむしろ聴従して、出発までわれわれは会っておるわけであります。何か記事で、今おっしゃったような記事がある、これは全然われわれの関するところではございませんから、その点は御懸念ないようにお願いいたしたいと存じます。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 柳田秀一君。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 あとで同僚の阪上安太郎君が、かつてベルリンあるいはロスアンゼルスに日本選手団の輝ける一員として参加した立場からも、さらに今日この委員会の理事の立場からも質問されますので、私はごく簡単に川島担当大臣にお尋ねしますが、今アジア大会の結果が問題になっておるのも、私は、政治が、特にインドネシアの政治がスポーツを支配し、あるいはもっと強い言葉で言うならば、スポイルしたというところに問題があると思うのであります。今日、政治がスポーツを支配するというようなのは、よく全体主義の国家において見られるところであり、同時に、それは後進国の一つの——そういうことをすれば後進国のレッテルをはられるということにもなりかねないので、少なくとも先進国をもって自負し、民主主義国家をもって自負する日本としては、インドネシアの轍を踏まないように、また、みずから踏まぬつもりでも、他から見るならばその中に入り込んでおるような印象を与えないように、十分警戒しなければならない、そういう意味で私はお尋ねするわけであります。  そこで、先ほど来福永君も言われましたが、政治とスポーツとの関係で、あるいは介入という言葉を使われ、あるいは干渉という言葉を使われる、そういうものを排すべきだ、しかしながら、援助するのはよろしかろう、これは当然なことで、川島大臣もそうであります。われわれのこの委員会でも、やはり政治の場でありますが、東京大会を準備促進する委員会で、そういうことは当然だ。問題は、政治がスポーツを支配してはいかぬ。限界が非常にむずかしいと思うのです。援助するのですから、援助する以上は、正直言うて、多少の介入がなかったら援助はないのです。全然介入がなくして援助するということはあり得ないのです。結局、政治がスポーツを支配したらいかぬ、こういうふうにはっきり割り切っておく必要がある。そうでないと、極端に、政府とスポーツの関係で、政治はスポーツに入っちゃいけないのだ、入っちゃいけないのだということで、援助も促進もできない。だから、いかなる場合であっても、政治というものはスポーツを支配してはならない。そういう意味から見ると、今回のインドネシアの場合は、政治がスポーツを支配した最も極端な例だと思う。そこで、きのうからけさの朝刊報道を見ると、日本の閣議もいささかスポーツを支配するかのごとき印象が受けられる。しかし、その点は私は川島国務大臣を毛頭疑うわけじゃない。川島国務大臣がここでおっしゃっていることは、実に明確に自分がオリンピック担当大臣としての立場を堅持されながらスポーツを政治が支配しない立場で述べられておることを、私は非常に多としておるのです。しかし、どうも新聞の伝うるところによると、川島さんの御意図に反したように国民が受け取るかもしれない。川島さん自身の、スポーツと政治の関係、えりを正した考え方に私は敬意を払うのですが、そういうふうになってくると、あなたの意思に反するそういう例を一つ申してみますと、今日国民のだれしもが、体協の幹部というものは何とだらしがないやつだ、これは国民全体の観念だと思うのです。体協というものはだらしがないものだ。体協の総務主事というものが、その前にオリンピックの組織委員の懇談会にも何も発表しない、それから政府との会合にも何も発表しない、珍説か新説か知らぬが、珍説を日本体協の役員会で発表したと思ったら、あくる日はそれを取り消す、一体何のことか。あるいは体協の幹部が——津島会長以下体協の総員でありますが、確かに現地で困難な事情があったにせよ、インドネシアで朝令暮改の印象を国民に与えておる。体協の首脳というものはだらしがないという印象を国民に与えたと思う。同時に、私は組織委員の一人で、自縄自縛のようなことを申しますけれども、組織委員会が発足して三年くらいになりますが、組織委員会そのものが私は決して運営がよろしかったとは思わないというのです。たとえて言うならば、日本のオリンピックをああいうように市中のどまん中でやろうとしてみたり、東京から遠いところの朝霞にオリンピック村を持っていって、それが一転してワシントン・ハイツにひっくり返ってきたり、あるいはボートの例を見ても、組織委員会自体がもたもたもたもたしておる。体協というものは国民から信頼を受けておらないと思うのです。それだから、閣議の中で、組織委員会というものは一体何をしておるのだ、体協というものは何をしておるのだということが雑談の中で出てくるというのは、当然の話だと思う。政府が多額な金を出すからには、効率的な運営をしなければならぬ。どぶの中に捨てるような金じゃない、国民の血税です。だから、そういうことが雑談の中に出るということは当然だと思うのですが、しかし、どうも閣議の決定が何らか——体協首脳部の人事を政府が動かす力はないけれども、あるいはそれに対して圧力がましい印象を与えておることは事実だと思う。そういうものは確かにだらしがない。体協自体の問題であると同時に、組織委員会自体としてやるべきであって、そういうものは当然閣議で出てしかるべきであり、また出たならば、それぞれしかるべきちゃんとした当事者がおるわけです。自民党からも組織委員は出ておられます。また、体協の中にもそれぞれ人がおるわけですから、それを非公式にお伝えになるのはけっこうでありますが、きょうの新聞記事を見ると、閣議でやった。その閣議は重大なことがなかったので、それがトップになったのかもしれませんが、閣議の席で大きな決定のごとくぽかっと出ると、こういうようにトップ記事になって出ておりますと、いかにも何かこういうようなスポーツ団体の人事面まで政府が干渉しておるがごとき、あるいは支配しておるがごとき印象を国民は受ける。この点非常に残念だと思う。川島さんにそういうことがないのは十分知っておりますが、この辺、スポークスマンの官房の方の発表の方法が悪かったのじゃないかと思います。そういうような御決定はなさっておらぬことは承知しておりますけれども、今後は発表の方法等についてもう少し慎重な態度をとることが好ましいと思いますが、その点を……

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 柳田さんお話の通り、政府がスポーツを支配するということは当然やるべきことじゃありません。私もそういう考えは毛頭持っておりません。ただ、柳田さんおっしゃる通り、ある程度は、介入といいますか、監視をしなければならない。お話の通り、税金から出してやらせるのに、その金がむだに使われるというのでは政府としては責任がとれませんから、そういう意味で多少の発言をしておるわけであります。仕事の内容個々について私ども言うつもりはないのですけれども、少なくとも責任体制だけははっきりしてもらいたい。一体だれが責任を持って選手強化をやるのか、組織委員会はだれが全責任を持って運営するのかというところが、まだ国民にぴんときていない。これはきのうの閣議で初めて出た話ではなくて、先ほども触れましたように、改造前、福永さんが閣僚時代に、みずから提案しまして、当時御出席の組織委員会の関係の方にも大体御了承願いまして、何とかしよう、こう言っておられて、そのままずるずるになっておるというのが今日の現況でありまして、私どもはスポーツを支配するとか何とかということは一向に考えておりません。従いまして、新聞に一ぺん何か誤報されたのですが、総理大臣が組織委員会の総裁になるとかなんとかというようなことは、もう考えたこともない。これは総理も私も考えたことはない。これは誤報でありまして、きのうの閣議の話が少し大きく取り上げられておりますが、これは今の事情があれを取り上げるような状況になっておるんじゃないか。私も読んで、実は発言以上にいろいろ書いてあるので、ちょっと驚いたのですが、やはり国民が歓迎しておるから新聞がああいうことを書く、新聞編集の傾向ですから、もっともだと思うのです。必ずしもああいうふうに閣議で発言したわけじゃないのですけれども、そうかといって、あれは違ってはおりません。あの気持はその通りです。表現の仕方が少し強かったと思うのです。国民全体が考えておるところに、きのうの閣議の決定が出たので、どうも少し大きく取り扱ったのじゃないかというふうに考えております。まあ御注意よくわかりましたから、スポーツを支配しないというような観点でこれからは運営いたします。御了承願います。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 川島さんはかつて新聞界に席を置かれたので、なかなか御理解のある発言でありましたが、確かにその通りなんです。今、国民全体は、体協の幹部はだらしがない、総入れかえをしろ、これは国民の世論だと思うのですね。だから、やはりこういうようにトップになるのだろう、またその通りです。しかし、インドネシアの次が東京のオリンピックですから、インドネシアという後進国は確かに政治はスポーツを支配した、日本は先進国の一部だが、やはりインドネシアとあまり違わないなという印象を、新聞がこれまた外電で伝わると、受けますから、特に日本は一九六四年という大事なときを控えておるわけですし、しかも国民もそういう感じを持っておりますから、その点一つ慎重に——特に総理大臣を組織委員会の会長にするとか、あるいは岸さんというちょっと大物を持ってくるとかいうような声があるのです。そこで、岸さんの名前、総理大臣の名前が出ましたが、ここで私は、政治がスポーツを支配してはいかぬという、その意味でもう少しそこをはっきりしておくと、たとえば政治家がスポーツ団体に関係するときは、非常に慎重にやらなければいかぬと思うのです。そういう意味で、津島さんを前に置いてなんですが、率直に言うと、体協の会長に自民党の国会議員がなっておるということは、決して私はよいことではないと思うのです。それから、横におられて悪いですけれども、地方のそれぞれの体協の幹部にも国会議員がなっておることは、私はよいことではないと思うのです。頼まれれば、相談役か顧問程度で援助する程度であって、少なくとも会長とか支配者の地位に立つことはよろしくない。そういう意味で、かりに今度、組織委員会の首脳部がまことにだらしない、それでは一つ岸さんを持ってこようか、こういう人事は、はっきり申し上げますが、反対です。そういう意味で、スポーツというものを政治が支配しないというならば、その辺のところをもう少しえりを正す必要があると思うのです。率直に申しておきます。  そこで、実はきょうの記事で驚いたのは、だらしないといわれる組織委員会でも、一応、ボートの会場に関しては戸田コースを当てるということは決定しております。閣議でもそれは決定されておる。ところが、きょうの新聞、きのうの夕刊を見ると、何かそれに対してまた異論が出ておる。さすがに川島さんはその点は非常に慎重な答弁をされておりまして、ある新聞は、これは組織委員会できまっていることだから、むずかしい、そういうような見解を発表しておられる。ある新聞はまた、組織委員会に相模湖に変更する考えがないかどうか打診するという、これは必ずしもあなたの意思を正確に伝えてはおらぬと思うのですが、こういう点もどうも私は感心しない。昨年のちょうど今ごろ、ボートのコースがきまらぬときに、組織委員会としては戸田はきまっている、ところが、大蔵省の一官僚が戸田と相模湖の優劣比較論を出してきて、そこでやっている。そういうことになってくると、大蔵省の一官僚が組織委員会の決定をくつがえす権限があるのかということを私はここで質問したことがあるのです。そういうふうに、どうも政治というものがスポーツを支配しているきらいがある。新聞には正確に報道されておらぬかもしれないが、これは火のないところに煙は立たぬのであって、こういうことはあくまでも組織委員会にまかすべきであって、雑談の間に出たことは、雑談でやってけっこうであるが、これを発表する当事者がその点の理解が足らなかったから、そういう不用意な発表をしたと思うのですが、こういう点も十分御注意願いたい。それに対してきのう出た真意はどういうところにあったか、川島さんから一つお聞かせ願いたい。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 戸田コースの問題につきましては、すでに組織委員会で決定して、川幅を広げる予算、たしか一億七千万円だと思いますが、三十七年度に計上されております。ところが、ただいままでこれがたな上げになって実行していない。ということは、埼玉県と国との負担割合その他について話がまとまっていない。言いかえますならば、環境をよくするという問題、それからモーターボート・レースの賠償はどうするかという問題いろいろ問題がありまして、それがまだ決定しないでもってたな上げになっておったのを、せんだって、これはぜひやれというので私が強く主張しまして、とりあえず工事にかかることにしてあるのです。ありますが、まだ工事にかかっておりません。しかし、そういうふうには命令してあるのです。しかし、依然としてほかの問題が解決していない。これが早く解決すれば、既成事実になって動かないのですが、解決しないところに、いろいろやはり他から、相模湖にしてもらいたいという希望が出るわけなんですから、これをどう解決するかということは一日も早くやってもらいたいのです。それから、発言者は河野君なんですが、河野君は埼玉の関係には話してある、こう言っていました。これはどういう話になっているか知りませんが、話してあるのだ、こう言っていました。この問題は一つ早急に、あとくされのないように、どっちになっても解決したいと思いますから、よろしく御了承願います。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 河野大臣はかつて学連の選手でもあり、今日学連の関係者でもあるので、スポーツに一番理解のある人だと思いますが、今日どうも自分の実力を過信するというか、そういう発言があって、まことに遺憾にたえない。  そこで、もう二度、体協と組織委員会の責任体制の分離ということを川島さんは言った。これははなはだ俗耳に入りやすい議論だと思う。俗耳というと失礼ですけれども、しかし、これはほんとうによく考えてみると、少しおかしいと思う。これは私は川島さんに議論をふっかけるわけじゃないが、とにかく、東京オリンピックは国際オリンピック委員会が主催する。国際オリンピック委員会は、日本のオリンピック委員会すなわち日本の体協に委任する。体協というのは、財団法人で純スポーツ団体であるから、こういうオリンピックのような総合的なものを純体育団体として主催することは不適当であるから、そこで日本の体育協会はさらに組織委員会に再委任したという形になって、その組織委員は、体協を中心とし、それに予算を出す政府からも、また議決する国会からも、あるい  は同様な意味で都からも都議会からも、学識経験者からも、援助をされる財界からも入っておるわけです。そこで、そういう形が組織委員会と体協との関係ですが、しかし、実際にオリンピックをやって、陸上なら陸上、水泳なら水泳、柔道なら柔道、ボートならボートをやるのは、組織委員会がやるというか、それぞれ体協の傘下の日本陸上競技連盟なり、水泳連盟なり、それぞれの競技団体がスケジュールを組み、審判もやり、要員を出してやっていくわけです。だから、結局において、実際のオリンピックそのものの各種競技は、やはり日本体協の傘下に入っておるところの各競技団体がやっていくということになってくると、これはまさに体協が主になってやっていくのであって、従って、私は体協と組織委員会というものは不即不離だと思う。ただ、体協は純スポーツ団体でありますから、そこにやはり政治、経済の分野からも援助するという形が組織委員会だと思う。そういうことからいくと、ほんとうの形は、体協の首脳部は即組織委員会の首脳部であってしかるべきじゃないか。それが今日川島さんが非常に心配されるように、選手強化はどうなっておるのか、その方は一体だれがやっておるのか、体協の方の首脳部の言動がどう、組織委員会の首脳部が同じ人間で、一体その間の関係はどうなっておるのかさっぱりわからぬということは、これはなるほど組織の問題でなしに、体協の首脳部と組織委員会の人事がだらしないということに帰結してくると思うのです。というのは、制度の問題よりも、人事よろしきを得てない結果ではないか。人事の方が落第だから、制度の方までうまくいかぬ。人事の方がよろしければ、むしろ一人が二役した方が、一人が一役するよりもかえって円満に、円滑に、迅速にいくのじゃないか。問題は、りっぱな人間を体協の首脳部、組織委員会の首脳部に得ることの方がより先決じゃないかと思うのです。その点の御意見を聞きたいのですが、さらに進んで、そうしたらどうすればいいかということは、それを私が言うのは、政治がスポーツを支配することですから、それは言いません。それはやはりスポーツ団体が自主的にきめるべき問題でありますが、そういう意味で、川島さんの言う責任体制の分離ということは、一面、確かに、今日の弊害を救う道からいうならば、私は当を得た考え方だと思いますが、実質的にオリンピックをやっていくとなると、逆な面も出てくるのじゃないか、問題は、やはり組織の問題より人じゃないか、こういうふうに考えるのですが、これはどうですか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 組織であり、人であり、両方だと思っております。なるほど、体協と組織委員会と不可分の関係にあるということはよくわかります。けれども、首脳者を絶対に分けてはいかぬという理屈もないかと思う。ことに現在の組織委員会は、常勤の人は、会長も事務総長も体協の人であり、あとの組織の人はみな非常勤である。柳田さんにしても、福永さんにしても、みな入っておる人は非常勤役員であり、常勤者は体協の人が占めておる。そこに体協だけの組織委員会という感じを国民に与えているので、いやしくも組織委員会である以上は、国民のものでなければならない。体協と不離不可分のことはいいのですけれども、組織自体は国民のものですから、体協だけで占領しているところに、やはりオリンピック・ムードが盛り上がらぬ一つの理由があるのじゃないか、こう思うのです。ですから、それをどうするかということについては、私はそれ以上は言わないけれども、とにかく一つ完全にオリンピックができるためには責任体制をはっきりやらなければだめだ、こういうことを言っているので、責任体制をどうするかということについては、体協自体並びに組織委員会自体が考えることで、そうでないと、繰り返して申し上げていることですけれども、政府が多額の金を出すのですから、だらしがないのでは、それは国民に対しても相済まぬと思う。これでどうでしょう。(笑声)

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 私はもうこれでやめておきます。

福永健司自由民主党

○福永(健)委員 今の柳田君の発言に関連してちょっと私申し上げたいと思います。と申しますことは、政治家が体協の会長になることがどうかというような、ことに自民党云々ということで言われ、それからさらには私もやや関連するような発言をされましたので、私はその点についての考え方を明らかにしておきたいと思うのであります。  一般論として、政治家なるがゆえにそういうことになるということについては、私は柳田君と考え方を同じくするものであります。しかし、中には、政治家たる前にスポーツマンであるという人も相当にある。私のごときは、それをもって任じておる一人であります。また、後刻質問される阪上君等も、往年のオリンピック選手として、ある程度そういうことが言える。彼が市長をやっているときには、スポーツ市長といわれた。これでいいと思うのであります。そういうことでありますから、今の話を黙っておりますと、国会の考え方がそういうことであるというようにこれまた誤り伝わってはいろいろ影響もありますので、政治家であっても、今申しましたような意味においてほんとうのスポーツマンであるものは、大いに体協の幹部たるべし。今日、民主政治が成長すればするほど、政治に関係する者、政党に関係する者等は多い、また、これがあたりまえなんです。それからはずれているという人がむしろ例外であるというのが、民主政治のほんとうの姿である、こういうふうに思いますので、柳田君の了承を得つつ、この点をつけ加えておきたいと思います。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私はアジア大会問題にしぼりまして質問いたしたいと思います。先ほどからいろいろと津島会長の方からも説明があり、川島担当大臣からもいろいろと見解が発表されました。しかし、この第四回アジア大会が反則大会であるということは、いろいろお話の中から十二分に確認されていることであります。それにもかかわらず、選手と加盟国とを日本が指導的立場に立って誘導して無理無体にこの参加を強行してしまった。しかも最近では、現地にいらしておった方々が帰って参りまして、いろいろと帰朝談を発表されておるのでありますけれども、その内容を見ますると、そういった失態をやっておるにもかかわらず、その責任の所在を全く他に転嫁してしまって、たとえば現地の状態が非常に不穏であったとか、あるいはまた、そういった問題についてはAGFが責任をとるべきであるとか、そこには何ら自主的な日本のスポーツの代表団として責任をちっとも感じていない。こういうことは、次の東京オリンピック大会に影響がないと言ったって、そういう精神でもって次のオリンピック大会を運営していこうということであるなら、これは大きな影響があると私は思う。単に国際陸連の態度が、日本の参加については、これは除名しないというような態度が出たから、それですべてのことが一切おさまってしまうのだという考え方は、これはまことに驚くべき考え方だと思う。これはもう明らかに国際スポーツ憲章への挑戦だ、かように考えても差しつかえないと思う。また、国際信用もとみにがた落ちじゃないですか。私はそういう観点に立って考えるときに、つくづく、現在日本はもっとスポーツの姿勢をこの際正すべきであろう、こういう考え方を持つわけなんであります。そういう意味合いにおいて、四、五点御質問申し上げてみたいと思います。  第一問といたしましては、先ほどからいろいろとやりとりがございましたが、どうもまだ大会に参加した理由がはっきりしない、確信を持っておられないように思うのであります。ことに現地におけるわが代表団の解釈というものは、きわめて不統一です。ことに、国際陸連にたよるとするならば、国際陸連がその警告の中で、あの大会をオープン競技としてならば認めるということを言っておるのでありまして、今でもその態度を変えていない。そういった段階において、田畑事務総長は、最初、帰ってくるなり、いきなりこれに対して、あれはオープン競技だったと言い、それから翌日、先ほどもお話がありましたように、いや、あれは私の誤解だ。現地の選手の監督である田島直人君の新聞報道によるところの発言を聞いてみると、私たちはあくまでもあれは第四回アジア大会として参加したのだ、こう言っている。全く現地における不統一きわまるわが代表団だったと私は思うのです。そうしてまた、津島さんが大会に参加する直前に、非常に御苦労なさったでしょうが、声明文を発表されている。ところが、新聞の報ずるところによると、その声明文を発表する直前に、あの大会が反則大会であるということをやはりはっきりと確認した声明文であったにもかかわらず、あなた方の役員の中のだれがそれに対して猛烈な反対をした、こういうことになっている。ここに帰ってきて先ほどおっしゃっている言葉を聞くと、何か現地の解釈としては、あれは反則の大会だということを言っておる。しかし、役員の中には、あれは反則の大会じゃないのだ、だから声明文にはそういうことは削るべきだ、こういうふうに聞いている。また、帰ってきた田畑さんの発言が、一番大きなポイントになるべきオープン競技であったかなかったかという問題について、それは全く現地の者も知らないという。これは何事ですか。この点について津島さんからさらに詳しい事情を一つ聞きたいと思います。詳しい事情ですけれども、一つ端的にお答え願いたい。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 はっきり申し上げます。われわれ陸上選手その他の選手が参加したジャカルタの大会は、第四回アジア競技大会でございます。これには何ら変更はございません。もしこれに反したことを言う場合は、あるいは個人の意見であるか、あるいは希望であったということでございます。従いまして、いろいろな手続を踏んだのは、アジア大会をどう変えるかということの努力が二十六日から最終段階まで続けられた、これによっても、私は、はっきりと第四回アジア競技大会である、これを何とか変名しようというのがわれわれの努力であったのですから、この点には全く変更はございません。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 ちょっと関連質問をいたします。  その件に関して、九月八日の毎日、朝日あるいは読売、日本の全新聞は、田畑総務主事と青木陸連理事長とがわざわざ新聞記者会見を求めて、一つの声明をしているわけです。陸上競技はオープンの国際競技として開かれたということをはっきりと説明して、新聞記者が重ねていろいろのことを言っておるけれども、しかもそれは国際陸連の浅野氏に意見を求めたところ、浅野氏がそう言ったからそうして参加した、こういうように、責任の所在がちゃんと浅野氏にあって、しかも浅野氏からそういう報告があったので、オリンピック委員会としてはそうきめた、そういう新聞記者発表があるわけですが、その間の事情を一つ会長並びに田畑さんの方からも御説明を願いたいと思います。国民はこのことに非常に疑惑を持っているのですよ。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 田畑参考人がおりますから、直接にお答えした方がいいと思いますが、八日出ました新聞の記事を見て私は実は驚いたのであります。組織委員会において、これはオープンの競技であるということを認めたこともございません。従いまして、ただいま阪上委員に答えた通りでございます。すなわち、これはアジア大会としてわれわれは終始したんだ、こういう結果になっておる。いい悪いは別でございますが、そうでございます。

田畑政治オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○田畑参考人 これは私の非常に言葉の足りないと申しますか、願望し過ぎてしまって、非常に混乱を起こしたことは相済まぬと思っておりますが、決してあれは発表でもないし、声明でもないのです。その点は新聞記者諸君に、君たちから聞かれるから僕は説明するんだということをはっきり言っております。あのときにはずいぶんたくさん新聞記者の人がいましたから、その点は間違いないと思います。それが私の声明書であるとか、発表したとかいうことではありません。ただ問題は、私の言い方と申しますか、悪かった点は、今度の問題については大体二段階あると思います。一番初めは、台湾とイスラエルはインドネシアに入れないだろうというむずかしい事態になっている。しかしながら、これは現地の情勢、各国の情勢その他から見て、試合は不可能に近い問題だが、何とかこれを合法化せよということが第一段階でありました。従って、私たちが着いたのは二十日ですが、二十一日に実行委員会があるというので、高島君が——僕は実行委員会に出る資格がありませんので、高島君が出るまでに、私も一緒になって、各方面の有力者、すなわちソンディとか、香港のサラスとか、あるいはフィリピンのアラスといった諸君に、何としてでもこれを合法化するようにしなければならぬ、それにはオープン競技にするということでなければならぬ、そこで両方の国に対して、間に合っても問に合わぬでも、招待状だけは開会までには出してもらわなければならぬ、この努力をしようということで、それで私と高島さんはソンディやサラスやアラスと連絡をとりまして、二十二日の実行委員会では、両国を至急呼ぶということを、AGF、アジア競技連盟としてジャカルタの外務大臣へ申し入れるということをきめたのであります。それから翌日の二十三日の総会でもその点がはっきりしまして、これはこのままでは憲章違反である、従って、どうしても両国を呼ばなければいかぬから呼べ、その間は今の競技会のプログラムは進行するというふうにきめましたので、私たちもその線に沿いましてアジア大会として出て参加したのでありますけれども、二十六日ごろになって、陸上がすでに始まってからも、どうしても許可証を出しそうもないということになりましたので、それからはもっぱら今の大会の名称変更ないしはこれをオープン競技にするという方に努力が集中されたのです。これについても日本が連絡して、ソンディとか、サラスとか、アラスという連中が中心になりまして、あれを国際競技にするのでなければ、名前を変えろという線で進んだのであります。そういうことで、二十六日夜半の総会においても、結局名前を変えてアジア競技大会ということでないことにするためには、第四回という名前をとろうというようなお話があったわけです。そして、これは二、三の国以外はほとんど全部そういうことになりましたが、最後の瞬間にむずかしくなりまして、この決議は済んだあとに延ばそうということになったのでございます。そのときに、これは私が決して書いたのではなしに、国際陸上競技連盟の理事から、今の大会をこちらからどうしても国際競技にしろといっても、向こうから国際競技としての認可をしてくれという申入書がきてないから、これを国際競技だというふうに断定するわけにはいかぬけれども、実態は国際競技会と認めざるを得ないという公式の発言があったのであります。それは僕だけではなしに、日本の青木君、野津団長のいるときにそういう返事があって、これを現地のJOCにおいてもそういう態度の発表があって、このことについては、今度は同じことをジャカルタにおいて自分は発表した上で国へ帰るということであったのであります。向こうから申入書がきていないから、国際競技だというふうに認めるわけにはいかぬけれども、参加してはいかぬのだということは言えぬ、従って、自分が行った場合には、国際陸上競技連盟の理事として、実害がないように努力するのだということを声明しているわけです。それは決して私の話ではなしに、はっきりした公開の席での話で、ジャカルタを出たらさらに具体的なはっきりした発表をするということなんです。それで私たちは、そうなれば問題はこれを切りかえるということで、オフィシャルに向こうが申し出てくれば、すぐに自分は認可する——今の場合もえらいことになっておりますが、これは私たちはもう国際間の競技だという気持が強過ぎたのでありまして、実際問題としますと、これは国際競技に切りかえることが最後に間に合わなくなってしまった。  それではあそこにどういう競技会があったかというと、これは法律的に言いますと、アジア競技会以外の競技会はないわけです。国際陸上競技大会というものは正式に成り立っていないわけです。従って、何をしたかというと、あるものはやはり第四回アジア大会ということでございますから、それに立った前半の話をしたので、あとのことについてのあれがなかったので非常に混乱して、相済まぬと思っておりますが、あの点については、決してひそめられた話ではなしに、現地において新聞記者にもそこで話しておりますし、浅野君はそれを公表していいと言っておりますので、だから私はそれは秘密の話でないというふうに思ってもいたわけですが、何かこちらと向こうの観念が非常にずれておりまして、おそらく皆さん方が一番御心配になるのは、陸上の除名によることの影響でオリンピックに支障があるのではあるまいかというふうな、非常なずれた考えを持っておりましたから、そこで新聞記者諸君が非常に言うものだから、これは問題がないのだということを言い、これは発表ではないのだが、君たちが聞くから言うのだということで念を押したのですが、そういうことで、私の方もこちらと感覚が非常にずれておりましたので、その点非常に失敗したことをここでおわびしたいと思います。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 津島さんの話を聞けば、アジア大会として参加した、だんだん問題が進んでいくうちに、オープン・ゲームになりそうだから、そういうようにきめた、それはそれで僕はよろしいと思う。しかし、あなたの発言が世間に与える誤解というものがいかにもひど過ぎるのです。ひどいからこそ、日本の新聞は、五輪をまかせるのが不安だとか、目に余るJOCのよろめきだとかなんとかいって、オリンピックに対する大へんな不安があるわけです。そうすると、そういうものを発表するときには、あなたはどういうつもりで発表したか知らぬけれども、新聞記者とのやりとりは別として、はっきり文書か何かに書いて、会長なりあるいは事務局長が発表してくれないと、大へん国民を悲しませるわけなんです。そういうことは今後もあり得るだろうと思いますので、これは統一見解であるという見地に立って、責任ある人から発表して——あなたは今ここに来て、聞かれたから言ったのだ、おれの見解じゃないのだ、こういう無責任なことでは困るわけですから、これは十二分に注意してほしいと思います。  なお会長に聞きますけれども、一体このアジア大会というか、オープン・ゲームの性格というものは、AGFにまかせるということですか。日本の当事者としては、どういうような性格の大会であるということを——実際は憲章にのっとって期待しているのでしょう。これは来年までただまかせっぱなしですか。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 AGFにまかせるということは言っておるわけではございません。これに参加する直前に、AGFが両国に対してあらためて招待状を出し、また選手が来れば、特殊の電報でもって到達地点でビザ、アイデンティティ・カードを渡すように、さらに一そう努力すべしということをAGFは決議し、しかもそれまでの期間においてはプログラムを実行することは認めようということがAGFの決議であったということなんです。従いまして、この決議に基づいて、JOCはその参加前にいろいろ議論を重ねて、これに沿うのがいいか悪いかということは自主的に決定すべきことでございます。その自主的に決定したのが、いろいろな事情によって、これは申し上げぬ方がいいと思いまするが、参加しようということに決定したわけで、そこにわれわれは非常に責任を感じております。その後の経過は先ほどから申し上げましたから、AGFの決定があった直後に、大会を開始するという段階において、われわれはJOCとして緊急の会議を開いて態度を自主的に決定した、こういう次第でございます。その是非善悪はいろいろ意見のあるところで、われわれとしても、こういった違反と認められる大会に参加することは非常に残念なことであったと思って、非常に責任を感じておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 先ほどから津島さんの御答弁、それから田畑さんの御答弁をいただいたわけでありますが、二十七日のAGFの実行委員会で、アジア大会の名称は変えて、インドネシア・ビクトリー・ゲームというのですか、こういうものに持っていこうという提案が行なわれた、これは事実でありますね。そうして日本は現地ではどういう態度をとったかというと、二十六日の午後一時から翌朝にかけて、あなた方は暑い中相当御苦労なさって、いろいろと小田原評定をなさったそうでありますが、午前三時に、陸上の参加は、アジア大会の一部としてでなく、国際親善大会として参加している旨の声明書を出された、その後反対が出て、そしてまた取り消し声明を出された、こういう経過になっておるわけです。そういたしますと、そんなことを田畑さんは知らぬはずはないじゃないですか。これはやはりはっきりと名称を変更しないで参加したということを、日本みずから声明書で訂正して出しておる。それを帰ってきて東京に着いたら、いきなり、あれはオープン・ゲームだったというように発言すること自体おかしい。その発言は公式の声明であったとか何であったとかいう、そんなことはどうでもいいのです。少なくとも日本のスポーツの統一団体であるところの事務局長がそういうふうな発言をするということは、私はどうかしていると思う。もしそれが自分の言ったことでなければ、翌日取り消す必要はないじゃないか。なぜ取り消したのか。聞くところによると、新聞等でも聞いておりますが、これはきわめて重大な発言であるから、間違いありませんかと言ったら、間違いないから発表してくれと言ったというじゃありませんか。現地で不統一であったばかりでなく、東京に帰ってきてまでまだそういう不統一な状態が続いているということは、一体どうしたことか、これについて田畑さんから一つ簡単に御説明を願いたい。

田畑政治オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○田畑参考人 これは今申し上げましたように、僕の言い方が悪かったのであって、法律的な会はアジア大会しかなかったわけですから、日本が参加したのはアジア大会ということで間違いないのであります。僕の発言の仕方が非常に悪かったために非常な混乱を来たしたということは、非常に相済まぬと思っております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 僕の先輩である田畑さんつらく当たるのはどうかと思いますが、しかし田畑さん、これはどうも発言の方法じゃないですよ。何かそこに私は割り切れないものがあるのです。たとえば津島会長の名で現地で声明を出されたときでも、これは新聞記事の報ずるところでありますから、私は真実だと思う。その中の文章に、日本陸連が国際陸連から除名処分をされるような記事、それからこの大会は大会憲章にそぐわない、こういうことが原案にあったはずなんです。これに対して八田君かだれかが猛烈な反対をしておる。だから、アジア大会が反則であるということを認めたというけれども、それ自体代表団としてははっきりと割り切っていない。割り切っていないばかりか、今度は内地に帰ってきて言うことが、肝心のポイントであるオープン・ゲームだというような問題についてまた意見が分かれてしまう。これはまことに相済まなかったでは、こういう問題は済まないのですよ。  そこで、私はそれらの問題を全部ひっくるめまして、この際、日本のスポーツの最高責任者が、国の内外に対して、やはり統一見解を発表する必要があるのではないかというふうに思うのであります。ところが、先ほどから伺っておりますと、統一見解自体が、実にもう不道徳的な考え方に立っておると私は思うのであります。たとえば国際陸連から抗議があった、だから私たちはこれに対していろいろと配慮したのだ、だから国際陸連がわれわれの態度というものを認めてくれたならば、私たちはこれで責任は解除されたのだ、こういうきわめて単純な考え方に立っておられるわけです。そうしてまた、こういった大会を行なった直接の原因はやはりAGFの問題である、AGFにも責任があるのだ、こういうことを言っておられる。日本はAGFの一員じゃないですか。自主的な立場に立って、大会憲章の違反であるということであるならば、なぜきぜんたる態度をとれなかったか。そこで、そういった点と、それに関連して、先ほど田畑さんは、ただ単に、これは私の発表の仕方がまずかったというようなことを言っておられるが、そんなことは仕方も何もないでしょう、あれだけはっきり言っておられるのだから。仕方の問題じゃないですよ。あなたの頭の中の考え方の問題なんです。何でもないようなことを言っておられるけれども、決してこれは何でもない問題ではなしに、大へんな問題ですよ。こんなことのために国際信用を落としたばかりでなく、国内の信用もがた落ちで、オリンピックに対する国民の熱情なんというものは、こんなことをしてはさめていく方向にありますよ。もう一度一つその点を確認しておきたいと思います。

田畑政治オリンピック東京大会組織委員会事務総長

○田畑参考人 今の現地の声明書というものは、新聞に出たのかどうかわかりませんが、そういうものは私の方ではないと思います。ただ、こういうことはあったのです。一ぺん、憲章改正は憲章改正として努力するのだ、しかし、当面の問題とすれば、陸上の方についてはオープン競技だというふうに了承して出るのだという声明は書いたことがあるのです。しかし、それについては、今言ったように、どうもこちらが一方的に声明してみても、思ってみても、国際陸連の言うことをただここで認定するということだけなんだから、そういうことを言ってもおかしいじゃないか、あるものはアジア競技大会なんだから、憲章問題に関しては、これを合法化するように、陸上競技に関しては、国際陸連が支持するように国際競技にするということをAGFをして努力させるのだという声明を書いた事実はありますけれども、それ以外に声明を出したこともないし、書いたこともないのです。だから、その前の阪上委員の話は、新聞の誤報だと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 あなたは新聞の誤報だと簡単に片づけられますが、それではこの真相はまたいずれ追及することにいたしましょう。  そこで、津島会長にお伺いいたしますが、先ほども福永委員からもお話がありましたし、柳田委員からもあったのですが、ただ国際陸連あるいは各種の国際競技連盟から警告があったからどうの、なかったからどうのという考え方で、警告がなかったから他の競技には参加したのだ、警告があったものについてはいろいろと問題を起こしたのだ、こういう考え方自体が間違っているのじゃないかと私は思う。そうじゃなくして、もっと自主的に——オリンピック憲章の中に、オリンピック委員というものはどういう態度をとるべきかということはちゃんと教科書ができておるでしょう。政治的な関与を排除し、そうしてみずから自主的に判断をしていくのだ、オリンピック委員というものは、日本の代表でもなければ、インドネシアの代表でもないのだ、国際オリンピック委員会を代表しているのです。そしてそれぞれの自分の担当国を示しているにすぎないのだということまではっきりと憲章に書いてある。それがなければその資格がないんだと書いてある。あなた方が現地におられて、なぜもっと自主的にものを考えなかったかということなのであります。御承知のように、オリンピック憲章の第一条にしても、アジア憲章の第一条にしても、同じことをうたっているわけなのであります。それを踏みにじって、こうして警告があったから問題にしたんだ、警告がなかったから問題にしなかったんだというようなものの考え方それ自体が、私はオリンピックをあなた方の手によって東京で開く資格なしと思うんですよ。その点どうなんですか。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 ただいまの、御所見を含めてのお尋ねでございますが、オリンピック憲章並びにアジア競技大会の憲章、これはもう厳粛なものでございます。従いまして、私どもはこれに沿うべく努力して参った。その結果においてそういったことができなかった事情があったということについては、非常に申しわけないと思うのでございます。私は決して、陸連からこう言ってきたから、これさえやめれば、ほかの競技は全然関係ないからやってもいいという考え方じゃないんです。いやしくも憲章違反と認められるその競技自体に、そういった制裁がないものを加えて、日本選手としては全部参加しない方がいいという私の所信であったのです。従いまして、初日二十五日の午後、日本のJOCを開きまして、私は、そういう競技会に出るということは、非常なあやまちを犯すことになるから、一同総引き揚げ、単に陸上競技だけの問題じゃないのであるという意味において、総引き掲げの案を出したわけです。そういったことが支障なく実行できるかどうかということについて、現地で深更に及んでいろいろ協議し、手配もいたしたのでございまするが、はなはだ残念、微力でございますが、これには非常な障害があるということがわかってきたのです。これは申し上げることを差し控えた方がいいのでございますが、そういった意味においてこの引き揚げは中止せぜるを得なかったというのは、まことに私の微力であったと、おわび申し上げます。しかし、精神においては、私はおっしゃる通りのことを強く考えたのでございます。そういった意味において、それから生じた結果がこれに伴わなかったことについては深くおわび申し上げまして、その責任は、現在の私の責任だと考えておる次第でございます。自主的に判断をしたわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 津島さんのとられた態度は新聞にも報道が出ております。現地の会議は津島会長の反対を押して、という表現までした記事が二、三出ております。しかしながら、私はこの点については、津島会長にはまことにお気の毒だけれども、やはり十分な責任をとっていただかぬと、ほんとうに世界の東京大会に対するところの信頼というものは回復できないんじゃないかという気がするわけです。そこで、先ほどから、くどいようでありますけれども、国際陸上競技連盟の出方いかんによってどうのこうのという言葉は、もうこの際慎しまれて、率直大胆、直明に、やはり間違いだったという態度をとってもらいたい。それにもかかわらず、現地の事情としてはあれはもう最善の措置だったというようなことをいつまでも言っておられるようなことではいけないと私は思います。この際特にお願いしておきたいのは、そういう意味で一つ統一見解というものを国民の前に、そうして世界に発表される必要があるんじゃないか、そのことは非常に大事なことだと私は思いますので、ぜひともそういう措置をとっていただきたい、かように考えるわけであります。  次に、第二問としまして、責任の所在が非常に不明確であるということであります。この点につきましては、先刻来質疑応答がなされておりますので、もうこれ以上私は触れません。どうぞそういった責任体制を明らかにしていただくことが必要だと思います。先刻来、組織委員である福永委員だとか柳田委員が御質問なさっておりますが、みずから組織委員であるがために、なかなか思い切った発言はしておられません。その事情もよく一つお考えいただかなければならぬ。それから川島大臣がやはりそれらの質問に答えておられますけれども、これまた、非常にその点を配慮されております。そうしてスポーツへの不当な関与を、ことに人事等には及ぼすべきものではないという答弁をされております。しかし、その中に含まれておる言葉というものを十二分に一つ考えていただいて、やはり責任体制を明らかにしていただくということでなければならぬと思うわけであります。  次に、先ほど福永委員から、選手には責任がないのではないかと言われた。まことにこれは選手を思ういい言葉だと思いますが、私はもう一つ手きびしく、ほんとうに選手にも責任があったんじゃないかという考え方を持つわけなんであります。御承知のように、スポーツマンというものは、だれよりもスポーツ精神を順奉しなければならないのでありまして、いろいろなことを心配させてはいけないという考え方はわからぬでもありませんけれども、事こういうような基本的な大会に参加するかしないかというような問題が露呈された場合に、これを不問に付しておいて、全くつんぼさじきに選手を置いておいて、何らの判断する材料も与えずして、ただ競技に参加したい参加したいという選手の情熱がほとばしって、その結果選手団の強い参加希望が出てきたということも、参加に踏み切った理由だということを言っておられるのでありますが、そこのところなんであります。これくらいの判断もできないような選手ではだめだ。この肝心なことを選手みずからが判断できないようで一体どうするか。あなた方が考えられる国際陸連の大体の決定というものは、陸上競技連盟を除名するようなことはない、しかし、あるいは選手はディスコリファイされるかもしれない、こう簡単に言い切っておられますけれども、これは大へんな問題ですよ。日本代表団と通常言いますけれども、別に日本国を代表して出場したんじゃないでしょう。出場したのは個々の選手じゃないですか。オリンピックの場合でも同様なことが言えるんじゃありませんか。その場合に選手はディスコリファイされて、それは大したことはないんだ、陸上競技連盟が除名されない限りにおいては東京大会に支障を来たさない、もっと言うならば、アジア大会に参加したのは二流の選手だから、大したことはない、こう言われるかもしれませんけれども、もしそうだとすれば、これは大へんな誤りをあなた方は犯していることになりますよ。どうですか。ここで問題になるのは、あくまでも選手をつんぼさじきに置いて、そうして彼らが自主的な正しい判断を下す機会を与えなかったということについて、もしそれが真実であったとするならば、そのことが正しかったかどうか、こういうことについて一つ伺っておきたいと思います。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 ただいまの参加するかどうかという問題について、私は直接に選手にその事態を説明し、またその意向をただした事実はございません。これは選手村におりまして、われわれと離れたところであり、団長、監督その他の方々が代表してわれわれの会議に参加したわけでございます。選手村で会議をした場合においても、これらの責任者が来たわけでございます。従いまして、的確にそれらの監督がどういうように選手に当たったか、接触したかということは、まあ当たった者もあるかもしれません、自分で責任を持ってやった監督なりはおるかもわかりません、その事実は事実の問題でございますので、これはしばらく私は答弁を留保したいと思います。しかしながら、お説の通り、選手に全然責任がないかというような問題になってきますと、これは新聞等にも出、うわさにも出ておりますから、非常に重大な関係があるという地位にあると思います。ただ、構成の関係で責任者にまかすという態度であったと私は了承いたします。  それからもう一つお触れになりましたが、選手がディスコリファイされるというだけのことであるという意味は、往々にして一般に、日本の陸上連盟がすっかり除名されるのじゃないかというような考えをする人があるかもわからぬと思いまして、私は、先ほどIAAFからの警告というか、その文書の内容を言ったわけでございます。何らこれが重大な問題でないという趣旨ではなかったのでございまして、その間の内容の誤解を避けるために申し上げただけのことでございます。  なお繰り返して申しますが、私どもは決してこれはよくやったとか、最善にいったということは申したことはございません。私はその責任を非常に感じておるわけでございまして、このあとの事態をどうしようかという今の段階でございますので、どうかその点は誤解のないように一つ御了承を願いたいと思う次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私たちは誤解しようと思って言っているのではない。できるだけ誤解を避けようと思って実は質問を申し上げている。ところが、新聞等を見ますと、帰朝談で、これが最善の策だと思うと盛んに言いふらしているじゃありませんか。津島さんはそういうことを言っておりません。あなたは言っていないけれども、田畑さんなんか盛んに言っていたですよ。ここに私は記事を持っております。何ぼでも言っている。僕はそれがいけないと言うのです。それから選手の問題等につきましても、いかにも国際陸連さえ除名されなければ東京大会に支障がないのだ、こういうように導いた考え方が端的に出ております。これは何ぼ津島さんがそうじゃないとおっしゃっても、そう出ております。こういうことは不見識きわまる、こういうことは慎んでもらわなければなりません。きまり切ったことです。それと同時に、最近になりましてから、選手の根性が昔と違って非常になくなってきたといわれているやさきに、こういう問題が起こっております。私は、ここで、かわいい選手ですから、しかりつけようという気持はないのですけれども、少なくとも指導の任に当たられるあなた方は、もっと選手に対して、こういった場合こそ、はっきりした態度をとられるようなりっぱな選手を養成してもらわなければいかぬ。ただ競技に参加すればいいのだというだけでは済まないのじゃないですか。もっと土根性をしっかりときめた選手をつくって下さい。こういうときこそ、はっきりと、おれたちは競技には参加したいのだけれども、この大前提であるスポーツ精神を踏みにじってしまっては、われわれとしては選手の資格はないのだ、一塊の肉体にすぎないのだというぐらいの考え方を持つような選手でなければ、東京オリンピック大会だって金メダルは取れませんよ。そういった重大な問題を現地では全くこれが選手に——私が聞くところによると、籍口令がしかれ、現地の事情もあったでありましょう、どうして選手に正しい判断ができたか。韓国の例を出すわけじゃありませんけれども、韓国は、選手がかわいいから引き揚げたと言っておりますよ。日本は、選手がかわいいから参加した、こう言うのですか。そこらの根本的なものの考え方がやはり欠けておったのではないかという感じがいたします。  それと同時に、この際特につけ加えておきますけれども、そういう意味で選手はかなりスポイルされているのではないか、スポーツ精神を踏みにじり、世論を無視したところの金メダルというものは全く無価値だという考え方に彼らは今導かれておると思います。一生懸命努力して取った金メダルですが、かわいそうな立場に置かれている。考え方によれば、これはあなた方役員の責任だと思う。みずから責任をとることすらも許されないというような、このスポイルされた選手に対して今後どういう措置をとられますか、このことを一つ伺っておきたいと思います。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 ただいまの御所見に全然同感でございます。今後御所見に沿ってさらに一段と努力するということを申し上げておきます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今まで申し上げましたような質問とからみまして、この際、時間がありませんので、端的に一つ伺っておきたい問題は、オリンピック憲章ないしアジア大会憲章を踏みにじった、考え方によれば、宗教と人種と政治上の差別待遇を、やむを得ずとは言いながら認めたという結果になっておるのでありますが、東京オリンピック大会に日本は敢然としてあの憲章を守るだけの覚悟はございますか。いかなる人種の差別もしない、いかなる宗教上の差別もしない、政治上の差別もしないという確然たる態度をもって東京大会に臨む決意がありますかどうか。いろいろな情報によりますと、ああいうことをやってしまったのだから、日本の東京オリンピック組織委員会等は厳然たる態度はとれないのじゃないかという心配すら今出ておるのですが、どうですか。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 これは申し上げるまでもなく、東京大会の招致のときに、憲章に準拠してやる、のみならず、いろいろな手続上のアシュアランスといいますか、保証を出して、これを誓約して初めてミュンヘン総会は東京大会を認めたということになっておるわけであります。われわれは過去の歴史または伝統から見まして、日本は憲章その他の規定を最も忠実に実行してきた一つの伝統を持っておるわけであります。こういった誓約と伝統に沿うて、東京大会において今回のような事故が起こるということは考えられもしませんし、それは私ははっきり申し上げていいことだと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで、この問題について、たとえばインドネシアの場合を考えてみますと、ああいう体たらくであります。なるほど、アジア競技連盟はそういった保証を取りつけようと事前に努力したかしなかったか、はなはだ問題なのでありますが、少なくとも規約の二十四条の二項か何かにちゃんと書いてあります。確かめた。それで、政府はそんなことは関知しないのだと言っております。こういう点について、この際、津島さんがいつまでもそこにおられるかどうかわかりませんが、少なくともそういう態度でおられるとしても、政府自体は一体どうなのか、わかり切ったことかもしれませんけれども、川島さん、これははっきり政府が保証するということでなくてはいけないと思いますが、どうですか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 東京大会につきましては、今津会長から言った通りだと思いますが、きびしい国際情勢、ことに変転きわまりない国際情勢下におきまして国際競技を開く場合においては、こうした問題が絶対に起こらないとは考えられません。これは日本の場合だけではありません。世界的に考えて、すでに幾つか起こっておりますし、今後も、オリンピックというような大きなものでなしに、それぞれの単位の競技大会においてそういうものが起こり得ることもあるのでありまして、少なくとも日本でやります場合においては、事前に十分調整をいたしまして、問題を解決してからでなければ競技に入るということはないと考えております。この点では、今度のアジア大会は少し不用意な点があったのではないか、事前の考慮が足りなかったのではないかということを私は感じております。今後は事前に全部解決して競技に入るというように、政府として協力いたしたい、こう考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 僕は、アジア大会というのは、何といっても、インドネシアの政治的な圧力というものがうんとあったのだろうと思うのです。だからこそ、体協の中でも、あるいはオリンピック委員会の中でも、意見が分かれておるのだろうと思いますが、そういう一国の運動に対する政治的圧力に対して、たとえば今度のアジア大会のような場合には、川島さんなら川島さんが相談に乗ってあげるとか、あるいはこうしたらいいだろうという態度を示せば、現地の人たちも、それではそうしようということになったのだろうと思います。ところが、その川島さん自身が、なるべくオリンピックに関係ないようにうまく計らえというようなことだから、まだ紛争が何とかしているのだろうと思いますが、その辺のところの、政治の運動に対する介入とか、今度のアジア大会だけを見て、政府の責任というものはどういうようにお考えになっておるのですか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 私は、そういうことに介入しないことがいいのじゃないか、すでに政治がスポーツに介入したので問題が起こったのですから、また日本の政府がそれに介入すれば、さらにそれに輪をかけることになるのでありまして、なるべく介入しないで自主的に解決して参りたい、こう考えておます。しかし、今度の問題の解決ということには非常に関心を持っております。関心を持っておりますが、解決の衝に当たるのはあくまでもスポーツ団体であり、スポーツ団体として解決するのがスポーツ精神であろう、こう考えております。

大柴滋夫日本社会党

○大柴委員 それでは、今度のアジア大会がオープンの大会であるか、あるいはアジア大会であるかということに対して、政府としては全然黙っておる、こういうことでありますか。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 私は関係の諸君が適当に解決するものと期待して、成り行きを見ております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 東さんにちょっと伺いますが、東さんは、たしかこの前のモスクワで開かれた委員会にお出になっておりますね。そのときだと思いますが、その基本的な根本原則、規約の中に脚注が加えられておる。そうして、オリンピックは非政治的運動であるから、これらの規約の中に使用されておるカントリーあるいはネーション等の言葉は、IOCから認められた一オリンピック委員会が活動しておる地理的な、たとえば一地方といいますか、ディストリクトあるいはテリトリとしても用いられるという脚注を特に加えておる一この脚注を加えられた精神は、あなたは出ておられるのだから、御存じだと思います。たとえば今回の台湾の参加の場合等には、よく世間では二つの中国などという言い方をして、新聞等に出てくるいろいろな論説なんかを見ておりましても、そういうふうにとられておる向きが非常に多いのであります。しかしながら、この脚注にはっきりしておるように、ディストリクトとかテリトリとかいうことで表現されており、国家主権としての参加とかいうようなものは考えていない。従って、これは二つの中国と何ら関係のない問題である。今度の場合は台湾として参加しておるはずであります。中国としては参加していないし、参加しようとしなかったわけであります。こういう点について、東さんもIOCの一委員としてこういう点をはっきりと認識してかかる必要があるのじゃないかと思います。  そこで、東さんとしては、何といっても、東京の知事さんで東京大会の大責任者でありますから、こういう先ほどからの問題については、あなたもやはりはっきりした考え方を持っていただかなければ困ると思います。どうですか、この際、大オリンピック憲章をほんとうに守り抜いていくという決意を披瀝していただくことが、国民の安心することだと思いますので、一つお伺いしたいと思います。

東龍太郎東京都知事

○東参考人 ただいまの御質問の前段の部分でありますが、これは先般のモスクワ総会ではなく、もっともっと以前の総会で何回かディスカッションがあった結果、加えた脚注であります。今おっしゃる通り、オリンピックの競技は、決していわゆる国家主権を背景としたそのような団体を集めてやるのではないのであります。従って、ナショナル・コミッティという言葉を使っておりますが、そのナショナルという意味は、国家という意味ではないのだ、今のような一つのオリンピック委員会としてその委員会がスポーツ的に支配しておる一つの地域であっても、そのコミッティは、ナショナル・オリンピック・コミッティである、そういう話がありまして、それではいっそのこと、そのナショナルをとってしまって、IOCとOCとの二つにしようと決定したことがございます。そうして約一年間この規約がそのように改正せられました。しかし、またその次の総会で、やはりナショナル・オリンピック・コミッティ、NOCとすることがよろしいということになり、そうしてその内容は、今のような脚注で示すことによって、誤解と申しますか、それが避けられるし、そうしてオリンピック大会が、国家の権威を発揚するというような行き過ぎた国家主義のものではないのだということをよく守っていけるからということで入った脚注であります。  それから東京大会の問題でありますが、先ほど津島会長、川島大臣からもお話がありましたが、なおそれに敷衍して申し上げますと、東京大会の正式の招請状を国際オリンピック委員会の会長に提出いたしましたのは、この前の第三回アジア競技大会のあったあの年でございます。そうしてこの招請状には——やはりオリンピックの規定によりまして、呼びますのは御承知の通り都市でございますから、東京都でございます。東京都が都議会の議決を経まして、東京都民の総意として、当時の知事の安井知事がサインをして招待状ができたわけであります。しかしながら、やはりこの規約の規定によりまして、その招請状には裏書きが二つ要ります。一つは、東京において催される大会であるが、国が全面的に支持、支援する、つまり国の承諾と申しますか、国がやってよろしい、大いに力を入れようという意味で総理大臣の裏書きが要りますので、当時の岸総理大臣がサインをしておられます。もう一つは、スポーツの大会でありますから、日本のオリンピック委員会がこの大会をスポーツ的に完全に行なうということの誓約として、JOC、日本オリンピック委員会会長の裏書きが要ります。当時私がJOCの会長でございました。で、あの招請状には、安井、岸、東の名前でそれぞれの公の立場を代表したサインが入ってございます。その招請状には、当時オリンピック大会を開くために都市として守るべき条項が十三項ございまして、それが質問の形になっております。その中の第七番目に、今の御質問に関連のあることが含まれておりまして、もちろん憲章には明記してありますが、なおその上に、つまり大会の開催に支障になるような法律とか規則とか習慣というものがあるか、それからIOCが承認をしておるすべてのNOCからチームが参加する場合に、自由に入国をさせなければならない、その二項目に分けたのが入っております。それに対して日本からはイエスという答えを明記してその招請状につけておりますから、公に、東京都ももちろんでありますが、政府もあるいは体協も全部がこれにははっきりとそれを公表といいますか、公言いたしておるものでございます。従って、その通り守らなければ、オリンピック大会は変則といわれ、あるいはまた、憲章違反だという結果になるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 アジア大会もやはり当然に事前にそういう措置がとらるべきであったと思うのであります。これまた、相手のあることでありますので、わが国の態度がはっきりしておりましても、相手の出方が非常に複雑怪奇になってくるということも、国際情勢のいかんによっては考えられる。どうか一つそういう点についてはきぜんたる態度で臨んでいただきたいと思います。  そこで、最後に一つ政府に御質問申し上げたいと思います。なるほど、オリンピック憲章には、宗教、人種、政治上の差別待遇は許されません。同時に、これはもう国際通念として、あるいは社会通念として、不当な政治の介入も許されない。もちろん憲章には、政治の介入は悪いとは書いてありませんけれども、これは国際通念、社会通念として当然のことでございます。しかしながら、そうなって参りますと、政治がスポーツに不当に介入することは許されぬということでありますが、不当な介入を阻止するためには、高度な政治的配慮というものが必要になってくる。ことに文部省等は、スポーツを擁護する、あるいは育成していくために、やはり政治的な措置というものは当然とられなければいけないものだ、こういうふうにわれわれは考えるわけであります。そこで、今回の場合に対しましては、このスポーツを擁護する、保護する、アマチュア・スポーツを徹頭徹尾守っていく、守らす、そういうことについて外務省あたりは一体現地でどういう態度をとったか、あるいは本国においてどういう措置をとったか。ただ単に、政治が介入してはいけないんだ、いけないんだというような単純なものの考え方で、高度な政治的配慮というものを忘れておったのじゃないかという気がするのであります。また、新聞の報ずるところによると、外務省筋では、黄田大使の現地報告が非常に不十分であった。これは二十七日の夕刊に各紙が報じております。そこで外務省は判断と措置に困っておる、こういうことを報じております。そこで、一体外務省は、この場合、紛争の原因というものをどういうふうに判断したのか、そうして今言ったようなスポーツ保護の建前に立ってどういうような措置をしたか、この点について一つ伺っておきたいと思います。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 お答え申し上げます。  今回のいわゆるアジア競技大会の問題につきまして、先ほど川島国務大臣からもお話がありましたように、われわれとしましては、政治はスポーツに介入すべきではないという見地に立っておりましたので、このスポーツの問題に全然無関心であったように受け取られておりますが、実は先ほどから阪上委員おっしゃいましたように、これはやはり国際信用に関連する問題でもございますので、非常な関心を持って見守っておりました。ただ、スポーツ団体に対して、こうせよああせよということは言うべきでない立場にございますので、われわれといたしましては、日本国内の世論というものは詳細大使の方に電報いたしまして——当時の状況としましては、なかなか民間の方の推進もうまくいかぬような状況でございましたので、私の方も電報しまして、日本の新聞その他に現われました論調を正確に、相当詳しく大使の方に電報いたしまして、そうしてそれを日本の代表の方々の参考にしてもらったという措置はとりました。しかし、それ以上の、どうせよああせよという措置は、これはとるべきでないという考え方で私たちは対処しておりました。それがはたしてどの程度参考になったか存じませんけれども、私たちとしましては、新聞なんかで現地のいろいろな議論を見ておりまして、これではとても日本の世論には満足してもらえないだろうという心配を持ちましたので、相当詳しく情報は打っておりました。  それから、今の御質問にございました、大使の方からなかなか詳しい報告が来ないということでありますが、これは先ほども申しましたように、政治とスポーツは分離して考えるべきだ、特にオリンピックを控えて、そういう態度を堅持すべきだという観点から、初めは何も情報を要求いたしませんでした。ところが、新聞を見ておりましても、何かいろいろつじつまが合わぬというような、これはやはりわれわれとしては情報だけは正確に知っておきたいということで、訓令いたしたのでありますが、何しろ御承知のように、ああいうふうに情勢が非常に目まぐるしく変わるものですから、新聞よりも早く、あるいは詳細に情報をとることは、大使館としてもなかなかできなかったでございましょうし、また、大使が表面に立ってあまりやることは、これまた非常に誤解を招くことでありますので、大使館としても非常に慎重な態度をとったものと思います。それからまた、電報が予想外におくれまして、私の方に来た電報も、二日ぐらいおくれて来たものもあります。そういうふうな関係で、あの段階におきましては、新聞に書かれた場合に、大した新しいことも来ていないということを言わざるを得なかったことも事実ございます。そういうふうな状況でございまして、われわれとしては十分なる関心を持ちまして見守っておりましたが、建前としては、直接の干渉はいたさない、すべきでないという考え方で処理いたしました。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 スポーツ団体に対して、あるいは出先の代表団に対して、直接の干渉はすべきでないということはわかります。しかし、外務省としてはほかに打つべき手があったのじゃないかと私は思うのです。少なくとも高度な政治的な配慮の上に立つ、そういった介入はあっても差しつかえないと私は思います。だから、代表団に対しては言わなくても、インドネシア政府に対して、堂々と、アマチュア・スポーツを守れ、アジア憲章を守れと言うことは、しかもそれが、政治的な原因が紛争の原因になっておるのだから、堂々と言えるのじゃないですか。情報は十分に集めたけれども黙って見ておったでは、役に立たない。堂々と、この際は自主的な外交の力を発揮して、この国際スポーツを守るための態度というものを外務省は出すべきじゃなかったですか。  それから外務省の大きな役割の一つは、現地における在留邦人の生命と財産を守る義務があるでしょう。聞くところによると、当事者は非常に口を緘して語られない、国際問題だというので、非常に言いたいことを、のどまできても、よう言わないという状態にあるのですよ。それがまた一つの大きな原因であったかもしれない。こういう方向をたどったのは、そういった責任がある外務省がなぜぼんやりしておったか、なぜ堂々とインドネシア政府に対して言わなかったのですか。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 今の御質問の問題、その具体的なことはこの席ではちょっと申し上げにくいような手を打っておるのですが、これは外国との関係もございますので、ここではちょっと——全然何もしておらなかったということではないのでございます。これは外国との関係がございますので、具体的なことはちょっと申し上げかねます。しかし、われわれとしては、初期の段階において十分な努力はいたしたつもりでおります。  それから現地の在留邦人のことでございますが、これはたとえば若干の新聞社の特派員の方が、何か少し東京の本社で心配するような連絡をしてきた場合がございます。そういうときには、直ちに現地の在外公館に対して実情調査をいたしました。しかし、日本で伝えられていたほどの緊急の危険はないという報告を現地の大使から受けております。具体的なケースにつきましては、その処置はとっております。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 関連して。今の外務当局の答弁は少し不満足です。確かに阪上委員の言われるように、日本の方から訓令はともかくとして、現地の黄田大使以下出先の方からの日本に対する情報供給は、私は不足だったと思うのです。川島大臣も言われましたように、確かに事前の調査は不行き届きであったということは、別の言葉で言えば、やはり現地が怠慢であったということです。それで、現地の黄田大使がスカルノ大統領に多少の働きを示した、何らかのアクションをしたということは、この公開の席では言えないということですから、それならば、インドネシア政府の招きを受けて川島大臣が行かれたわけですね、そうすると、川島大臣が行かれるためには、少なくとも現地の大使館は、今度は川島大臣がインドネシア政府の招きを受けて来られれるが、現地の情勢はかくかくであります。こういう情報で、われわれインドネシア大使館当局としては、スカルノ政権にこういう話し合いをしておりますというようなことは、参考までにやはり川島大臣にお伝えするのが、現地の大使館の誤らざるやり方だ、そういう意味において、現地の黄田大使以下現地の外務当局が、川島大臣に何らかのそういうような連絡をされたかどうか、その点、あなたにお尋ねします。  それからもう一つは、川島大臣に、インドネシア当局に実はこういうような申し入れなり話し合いをしておるけれども、こういうことをお含みの上でお越し願いたいというような、外務省からの何か御連絡を受けられましたかどうか、その点を関連してお尋ねします。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 川島大臣は競技の始まるだいぶ前にお立ちになりました。その当時の私たちの聞きました関係者の状況判断では、最後の段階では問題があった二つの国も入国を認められるであろうというような見通しを聞いておりました。川島大臣はそういうことを頭に置いてお立ちになったと思います。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 外務省のミス・ジャッジだったのだろう。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 これは問題があることは承知しておりましたけれども、ここまで……。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 ミス・ジャッジなんでしょう。何もあなたが悪いのではないのですから、あっさり言ったらいいんだ。それを、ああでもない、こうでもないと言うから……。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 これほど問題が大きくなるのなら、もう少し情報を精密に集めるべきであった、こういうふうに考えております。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官・首都圏整備委員会委員長

○川島国務大臣 競技の開会式は二十四日に行なわれたのですが、インドネシア政府の要請によりまして、前々日の二十一日に来てくれというので、二十日に立って、その日にジャカルタに着いておりまして、二十三日はスカルノ大統領と会見しましたけれども、その問題は私は全然触れておりません。また大統領からも何も発言がありませんでした。東京を立つ前、この問題は全然承知しなかったというのが事実でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 くどいようですが、スポーツに介入しないという考え方を、スポーツを保護しないというところまで持っていくというのでは困る。そういう場合こそ、大いに介入してやってもらわなければ、外務省としての責任を果たせないと思うのです。ことに聞くところによると、あなた方は触れるのを非常にこわがっておられるのですが、私は何とも思っていないのですけれども、何か現地でも人のうわさによると、ということにしておきましょう、生命に危険を感ずるような状態に置かれた。現地の大使は打つべき手を打っていない。しかもあの国は、ジャカルタは戒厳令下に置かれておるのでしょう。そんなことは外務省はとっくに知っておるはずです。それに対して外務省はもう少し親切な態度があってよかったのではないですか。それからもっと警戒心があってよかったのではないですか。そんな配慮は全然しておったか、しておらなかったかについては言えないのだというような言い方のようですが、そんなことを国民の前で言うようでは困るのです。

曾野明外務事務官(情報文化局長)

○曾野説明員 現地の大使からは、新聞に伝えられるような、日本代表団及び選手団の生命に危険があるというような報告は全然参っておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 しかし、何か言いたいことはあるけれども、言えない、こういうことなんですね。  そこで、これはごく最後の問題でありますけれども、これもはっきりしておかなければならぬと思いますが、どうなんですか、アジア大会に対して今後日本はどういう態度をとるのですか。少なくとも生命の危険にさらされたということであって、そんなところで競技をしたということ自体がすでに間違っているのだ、インドネシアのとった態度に対して、あるいはインドネシア代表のとった態度に対して、今後のアジア大会というものを日本としてどういうふうに持っていこうとしておられるのか、その考え方についてちょっと伺っておきたいと思います。それは今とても言えぬということであるならば、かまいません。

津島壽一オリンピック東京大会組織委員会会長

○津島参考人 アジア競技連盟が、インドネシアに対して、今回の事柄からどういう措置をとるかということは、現地では何らの話し合いがございませんでした。今後の問題だろうと思います。特に冒頭に述べました調査会というものがございまして、これが報告する、その報告を受けた上でおそらく具体的な措置がとられるのではないか、これは私の想像でございますが、それだけのことは申し上げていいだろうと思います。

島村一郎自由民主党

○島村委員長 本日はこの程度にとどめます。  参考人各位には、御多用中のところ御苦労さまでした。  これで散会いたします。    午後一時二十分散会

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