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40回国会参議院1962/03/31

予算委員会 第23号

発言数
345
登壇者
25
会派数
5
開催日
1962/03/31

会議録

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) これより予算委員会を開会いたします。  都合によりまして、午後一時に再開することといたし、暫時休憩をいたします。    午前十一時五十四分休憩   —————————————    午後一時十三分開会

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) これより予算委員会を再開いたします。  委員の変更について御報告をいたします。  本日、下村定君、豊瀬禎一君及び小柳勇君が辞任せられ、その補欠として小林英三君、小酒井義男君及び藤田藤太郎君が選任されました。   —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 昭和三十七年度一般会計予算、昭和三十七年度特別会計予算、昭和三十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続きまして質疑を行ないます。加瀬完君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 委員長、昨日委員長のとられたその措置については、私ども了解しがたいものがあるのでありますが、この点を委員長から明らかにしていただきたいと思います。  それは、昨日間違いがあってもということで、特に書きものにして、委員長には、しかじかの理由によって暫時待ってもらいたい——私どもは出ないとは言っていない。しかも、相馬助治君の質疑が済めば加瀬完君の質疑の番であることは理事会が決定した厳然たる事実である。これをその当該会派の了解もなく進められるという事態を察知いたしましたので、事務局を通じて、委員長におかれては、こういう事態に備えてこそ理事会があるのであるから、理事会を招集して今後の進め方をどうするか、運営について諮るのが慣例であるし、そのために理事会もある。この理事会開会要求をしたにもかかわらず、何らその措置をとらずに、理事会の決定が、当該利害関係を持つ会派の参加なしに委員長においては職権だということで進められたように聞いておる。このようなことでは委員会が円満に進むわけにはいかない。なぜそういう措置をとられたのか。私は委員長におかれても重大な責任と、その結末については納得するものがなければわれわれとしては困る。この点について今後の運営の問題もある。こういうことがもししばしばやられる、あるいは一回でもやられるということがあれば、理事会は何のためにバッターや時間をきめてきたかわかりません。その利害関係のある会派を除いて、適当にそこらで話をして、その線で委員長が進めるということであれば、われわれは今後その方法もとらしていただきます、本日以後。まず委員長としてのその措置、あるいは今後に対する運営の方針等を聞いておきたい。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) ただいまの藤田君の議事進行に関する御発言に対しまして、委員長からお答えを申し上げたいと思います。  一昨日の衆議院の外委の事態からいろいろ問題が起こりまして、昨日は予定の時刻に委員会がなかなか開催できないというような状況でありまするので、社会党の諸君のほうにぜひ御出席を願いたい、まあこういうようなことでいろいろ交渉をいたしまして、社会党の諸君といたしましては、いろいろ党のほうに事柄をきめる時間、手続等があるので待ってもらいたい、まあこういうようなことで午後の一時過ぎまでお待ちをして開会を延ばして参りましたようなわけであります。そういうような事態でございましたところ、今の藤田君のお話のように、書面で国会の正常に復帰する事態まで党と党との間に話し合いもあるというようなことであるから、それまでの間ひとつ委員会の開会は待ってもらいたい、まあこういうような御趣旨のお話がありました。結局どのくらいの時間が御必要であるかと、こういうようなことを重ねてお尋ねをしたのでありますが、これは事態が事態でありまして、社会党だけで決定ができないような事柄でございまするがために、いつまでの時間というふうに時間を切って御返答を得るということができないような事態になっておったのであります。しからば、一体これをどうするかと、こういうようなことになったわけでありますが、この点については参議院といたしましては自主性のあることでもございまするし、一面予算の審議は目睫に迫って年度が開始せられるというような次第でありまするから、この一定の時間を切っての御出席を得るかいなやという御返答がないというような場合において、いかにするかということについて各派の理事の諸君の御意見も承り、その意味においては、参議院の自主性上どうしても社会党の諸君が御出席がないということはまことに遺憾であるけれども、この際予算審議を急速に進行する必要もあるから、すみやかに委員会は開会するほうがよかろう、こういうようなことでございまして、私もその意見に賛成をいたしまして、そうして開会をいたしましたようなことでありますが、開会をいたしましたために、質疑の順序になっておりまする相馬君が質疑を始めまして、それに引き続いて次は加瀬君が質疑をせられる順序になっておりまするから、党の御意見と同時に加瀬君のお立場もあろうと思いまして、加瀬君に対しましては、この次はあなたの順序であるから、出席をして質疑をいたしていただきたい、こういうふうにお願いをいたしたのでありまするが、加瀬君といたしましては、これは党の関係もあるから、この際出席はできない、こういうような状況でございまするので、一面委員会は開会をしており、議事は進行しなければならぬという責任が委員長としてもございまするので、その点からこれはどうするかということで、各会派の理事の諸君の意見も求めまして、ともかく明日になれば加瀬君もまた御出席になるかもしれぬというふうに期待をいたしまして、しからば、明日において加瀬君の御質疑をわずらわすことにしまして、本日のこの委員会の進行については次の順位でありまする千田君にお願いをして、議事の進行をはかっていく。こういうことが委員長としても職責であろうと思いまするし、また、すでに社会党の各位のお考えは出席ができないような状況がわかっておりまするし、理事諸君の意見を聞きましても、ともかく加瀬君の御出席をわずらわすのは本日でありますから、その際において御質疑を願うということで、この際は理事会を開く必要のない事態と委員長としては考えておりまするし、それで加瀬君の質疑は明日にお願いをするということで、こういうことで次の千田君にお願いをいたしまして、質疑を続行していただいたようなわけであります。つまり委員長といたしましては、議事の進行をはかる、すでに委員会が開会いたしておりますから、そういうようなふうな立場において議事進行の促進からそういうような取り計らいをいたしたわけであります。どうかその点御了解をお願いしたい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今、委員長も言うように、一時過ぎまで待ったというようなことを言われるが、委員長からは何らの連絡もなかった。のみならず、与党にも理事会の招集を促した。私どもは本会議並びに委員会の開会をしばらく待ってもらいたいというのであって、他の委員会においては理事会を開いたところもある。なぜその間に理事会等を開かなかったのか。そういう意味できのうのあの状態というものは了承できないのですから、了承できないままで当該質疑者のある会派に何らの相談もなく、理事会も招集しないで、しゃにむに議事進行だけをはかろうという、こういう考えに間違いがある。ことに加瀬質問者については、確かめましたところ、そういう趣旨の、委員長からの連絡はない。本人もここにおられることですから、後ほど意見もあると思います。こういうときにこそ理事会を開くべきであったのじゃないですか。ことに一時まで漫然と待つよりも、理事会を開けば理事会には応ずるという意思表示はしてあった。そうしてその事態の上でどういうふうに進めるかということは、当然委員長とされて理事会招集の手続をとるべきである。他の委員会においてもそうである。議運も理事会を開いておる。農林水産も理事会を開いておる。それには行っている。今まで言われたことはすべて独断ですよ。今後こういうことを委員長としては、今の発言から見れば当然だからやっていくかのように見受ける。まことにけしからぬと思うのです。納得できません。さらに御答弁願います。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 藤田君よりきついおしかりを受けましたが、まあきのうのような事態は、容易に起こらぬことであろうということをわれわれも期待をいたすわけでございます。というのは、つまりこれは参議院の事柄というよりも、もしろ衆議院の事柄ですが、ああいうような事態が起こったがために参議院のほうに波及して参りましたということであって、これは容易に起こってはならぬことでもありまするし、また起こらぬことを期待いたしております。で、私はそういうような立場で、これはまあ私は藤田君ばかりでなく、社会党の会派の諸君もお認め下さっていると思うのでありますが、私はともかく公平に、そうして議事の運営につきましてもできるだけ皆さんの御意見を尊重してやっていきたい、こういう考えを持ちまして、昨日の事態から申しますと、もうすでに理事会を聞きましても必要がないと思い、私は各会派の理事の諸君の意見も伺って、ともかく加瀬君の質問をやめるわけではない。明日になって御出席ができるようになったならば、そのときに御質疑を願いたい。本日の事態はこれは加瀬君としての個人の立場じゃないので、これはやむを得ない事態と考えられますから、そういうふうな意味でともかく順序を変更するのじゃない、加瀬君のつまり御出席をわずらわすまで延ばすわけでありまして、次の千田君の場合は、議事の進行をはかる、こういう職責が委員長としてもございますると思いまするし、その点から委員長といたしましては理事会の必要もないと認め、そうして千田君にお願いをしたわけでございます。どうぞ御了解を願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 議事進行。きのうも私は理事会の開催を要求した発言者として特にただしたいのですが、今後の問題と非常に関係がありますから。今の委員長の答弁によって、各会派ということを盛んに使っておられるのですが、この各会派というのはどことどこなんです。社会党と共産党を除いて各会派というのはどういうところなのです。これが第一点。  第二点に、私は野党第一党の社会党が出席をしていないのに、こういうところで正常な運営をするのはまずい。そうしてこのような運営は全部今まで理事会によって話し合いでお互いの意思を統一してやってきたのだからそうすべきじゃないか、そのことを私が要求したときに、あなたの答弁の中で、はっきり、速記録に載っていると思うのですが、加瀬君には順序を変更することの了解を得ましたからということを、はっきりこの委員会で言っているはずです。そういうことを言っているのです。速記を見ればわかる……。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 断じてそういうことを申しません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことであったのかどうか、速記録を調べればわかります。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 申しません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 明らかに言っている。私はそういうことは明らかだと思う。その二つの点について。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 岩間君の御発言に対してお答えをいたしたいと思いますが、各会派の理事の御意見を承りまして決定をいたしました。各会派の理事でございます。理事ではないのは遺憾でありますが、そういう点では。  それから社会党のことでございますが、これは、社会党は待ってくれと、こう言うのでありまして、委員会を開くなというのであります。これは先ほど御説明を申し上げましたように、委員会はこの際予算の年度が目睫に迫っていることでもありまするから、即刻議事を進行する必要がある、こういう点がありますることと、それから参議院はどこまでも自主性を尊とばなけりゃならぬ、こういうような各会派の理事諸君の御意見もございまするし、私も根本においてその意見には賛成でございます。そういうような意味におきまして、社会党が待ってくれということは、別の言葉で言えば出席しないということでございまするから、これは理事会を開いてことさらに論議する必要もないことでございます。すでに社会党の各位の御意見もわかっておりまするからして、それから各会派の理事の御意見もそういうことでございまするから、委員長といたしましてはその必要を認めず、この際委員会を開会することが必要である、こういうような見解を持ちまして、先ほどお話を申し上げましたように委員会も開会をいたし、また質疑の加瀬君につきましては明日御出席をわずらわした際にお願いをする、こういう心持ちできめました次第でございます。この点はよくひとつ御了解を願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 議事進行。委員長からただいま所信なり御説明をいただきましたが、これはどうしても納得いきません。私は黙っていようと思ってきたわけですが、その説明を聞いておるうちに、こういうことが前例となるといけないと思いまして、発言を求めたわけです。といいますのは、社会党の態度あるいはそれに関連いたしまして質問者の態度、そういうことについていろいろ委員長が想像をたくましゅうされるわけですが、そうしてまた、その想像がほぼ当たっておるというふうな見方もできるでしょうけれども、そういう場合でありましても、やはり今までと違ったことをやる、委員長が職権でそういうことをやるという場合には、だめだと思っても一応理事会を開いてみる、そこで社会党の理事の意見を一ぺん聞いてみる、これは大きな慣例です。議長だってしんぼう強い運営というものをやはり紛糾した場合にやっている。それも三回も四回もやれということを私たちが言うわけじゃない。そういうもんなんです。これは重大なことです。そんなことを委員長として、社会党の声明もあったりいろいろするから、もうこれは大体こうなるんだ、そういう簡単な処理の仕方というものはこれは筋も通らぬし、また慣例にも反する。この点どうなんでしょう。委員長は先ほどの藤田理事の質問に対するお答えの中で、そのことはもう委員長の正しい判断、処置だというふうな意味でお答えになっているようですが、これは私は大へんその点にミスがあると思う。多少そこら辺に問題があるという感じを持っておられて、しかし、やむを得なかったといったような言い方もあるわけでして、普通は大がいそういうものなんです。ところが、そういうふうにも全然おっしゃらない。これは私としてはそんなことをそのまま聞いておくわけにはいかないわけです。野党の諸君はみんなそうだと思う。どうでしょう。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) ただいまの亀田君の御発言に対しましてお答えをいたしますが、私といたしましては、先ほど申し上げましたような事情で、大体各派の御意見はわかっておると、こういうふうに判断したのでございまするが、その判断が非常に間違いだとおっしゃればこれはどうもはなはだ相済みませんけれども、しかし、私はそういうような判断のもとに、これはすみやかに開会をいたし、また質疑の加瀬君は明日お出かけを願ったときにお願いを申し上げる、こういうふうな処置をとりましたので、その点は社会党の諸君もあるいは御不満かもしれません、今のような連続しての御発言でございまするから。しかし、再びこういうことがないように、私はこの事態が非常な国会正常化の上から言いましても容易ならぬ事態でございまするから、そういうようなことが万ないように私も注意をいたしまするし、社会党の諸君としては非常に御不満だったかと思いますが、しかし、結果におきましては、ともかく本日加瀬君も御質問下さるわけでありまするし、その点はひとつ御了解を下さって、ひとつ議事を進行させていただきたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 多少先ほどよりもお答えが緩和されてきましたけれども、これはたとえばです、なるほど社会党の方針はきまっております。きまっておりますが、正式の理事会を開いて、そして各派の方が各派としての意見をおっしゃる、あるいはまた委員長としても、党はそうであっても、予算委員会としてはこうしたい、ほんとうに委員長がそう思っているのであれば、担当の理事にやはりそのことを率直におっしゃってもらって、たとい党がそうきまったにしましても、委員長も各会派の意向もそういうことなら、理事として、それじゃ党自体にさらに諮ってみるということもあるのです。党できまっているからそのとおりだ、国会内のすべてのこまかいことは必ずしもそうではない。きのうの決定にいたしましても、党内でもいろいろやはり私たちも議論をしている。大いに参議院の予算委員会できょうは討論しようじゃないかという発言もあり、私もした一人です。だから、そういう委員長が最初おっしゃったような、まるで何か新聞記事なりいろいろな情報だけで人の腹の中をきめてかかる、これははなはだしくやはり間違いのもとと思うわけです。ともかく正式の理事会を開かなかった、その点だけは、私は間違いであったと思う。その点だけについては、もうちょっと何といいますか、われわれにあたたかい答弁をしてもらいませんと、ちょっと困ると思う。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 亀田君の御発言に対しましてお答えいたします。亀田君御承知のとおり、私は参議院の経験もまことに未熟であり、亀田君のただいまの御発言に対しましては、将来を戒められての御発言と思います。おそらくは、きのうも理事会をさらに開いて、そして皆さんの論議を聞いてからやったならば、こういうこともなかったかもしれません。私は大体各派の御意向もわかっていたつもりになっていたものですから、もう理事会は要らないものと考えたのが、皆さん、ことに社会党の諸君の御不満をきたしたと思います。今後はひとつ亀田君の御注意もありますし、十分注意していきたいと思っております。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 加瀬完君。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 質問に先だちまして、一昨日の衆議院の外務委員会の議事の進め方は、国会正常化のために反省をしていただかなければならない、こう思いまして、私どもはきのうの審議に欠席をいたしました。しかし、昨日の総理の御発言、並びに昨日、本日のきびしい世論の批判から見ましても、当然衆議院の外務委員会は正常化のために強い反省をしてくれるものと認めまして、私どもは本日審議に参加したわけでございます。この点について総理の御所見をまず伺います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御質問がよく受け取れませんでしたが、この点とはどの点ですか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 外務委員会の審議のやり方です。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 昨日総理大臣としてのお答えは一応いたしました。また党の総裁としていうのでございましたので、これは例外的にお答えをします、こういうのであったのであります。私は国会正常化等の点から言って、ああいうことの起こらないことを前から望み、今後もそういう考えであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 関連。総理はきわめて簡単にお答えになったわけですが、昨日のようなことが起こらないことを期待するというのは、これはだれでも期待するわけです。ただ、そういうばく然とした言葉のやりとりではなしに、率直に私たちが大きな不満と疑問を持っておりますのは、衆議院の外務委員会において参考人の意見聴取、それに対する質疑の続行中、そういう状態の中で打ち切った。こういうことはもうすでに新聞等でも書かれておりまするように、全く今までに前例のない打ち切りだ。また参考人に対しても失礼にもなるし、また参考人を呼ぶということは、それによって参考にして審議する、そういう関連性のあることは私から申し上げるまでもないわけであります。で、そういうものであるにかかわらず、一昨日のようなああいう打ち切り方があった。私はこれは他院のことであるから、ほんとうはそうほかの委員会における問題を一々ここで私たち取り上げて論ずるまでもないわけですが、しかし、これは国会全体、あるいは政党として対外的な信用の上からも非常に重大だ。そういう意味で昨日のごときことが再び起こらぬことを期待するといったようなことじゃなしに、その原因は外務委員会におけるあの打ち切り方にあったわけですから、あのこと自体を総理としてはどういうふうにお考えになっているか、あるいはまたそれが不当だ、不当だという考えをお持ちであれば、外務委員長に対して、総裁として何か御注意等もされたのかどうか、そこら辺のところを端的にお聞きをしませんと、ああいう簡単なお答えでは了解はできない、お答えをお願いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 衆議院の外務委員会のことにつきましては、私はこちらにおりまして存じません。また衆議院の外務委員会の運営につきまして、私は総理大臣としてお答えすることはできません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ILOの件につきましては、先般来御答弁の中で、本国会でめどをつけるというお話でございましたが、この取り運びはその後どうなっておりますか。関係大臣に。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) ILO八十七号条約の批准及びこれと関連する案件の取り扱いにつきましては、先般も当委員会にもお答えいたしましたとおり、政府は今国会において仕上げをしたいという考えに変わりはございません。ただ御承知のようないろいろな経過等もございまして、現段階におきまして、私どもといたしましては提出いたしまして、そうして仕上げをいたしたいという強い念願を抱いておるわけであります。そこで、与野党間でただいま本問題につきましての折衝が行なわれ始めております。どういうことになりますかは、にわかに今直ちに申し上げられないのでありますが、話がつけば、あとの処理もすみやかにいくということ等もございます。こういうことに今重大関心を払いつつ、すみやかに仕上げをいたしたいという考え方でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 関連。すみやかに国会に提案するということは、この月の十日の日の私の質問のときにそういう答弁をなさった。それでもう三月も一ぱいになる、会期は五月七日。そういう事態の中で、まだすみやかに提案をしたいのだ、いろいろ準備をしているのだ、これはすみやかということの理屈にならぬと思うのです。ILOの理事会に十回もすみやかに批准をいたしたいと言って、今度は十一回目の理事会に、すみやかに批准の手続をとりたいと思いますと言うのと同じことだ。そういうことですみやかにという言葉が使えるものかどうか私はよくわからぬ。これはどうなんです。すみやかというのはそういう工合に使うのですか、まずそれを聞きたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 従来審議日数が非常にたくさんあるような状況、つまりすみやかに提出しても、なおかつうまくいかなかったという傾向がございましたので、今回の場合、出せば仕上げができるようなめどをつけたいということをいろいろ考えまして、それとの関連においてのすみやかという表現でございます。したがって、提出そのものがおくれていることははなはだ遺憾といたしますが、先ほども申し上げましたように、出したら仕上げができるようにということの関連においての表現であることを御了承いただきたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうしますと、あなたのおっしゃることを聞くと、この国会にこの批准をしたい、すみやかに出したいと言ってからもう三週間たった。そうして手続が云々というお話なんだ。そうすると、めどや手続ができなければこの国会に出さないということになる。この国会でそれじゃ批准はしない。提案をしないし、手続をとらぬから批准はしない、こういうことに結論はなるんじゃないですか、それはどうなんですか。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) いろいろとなさっておられる藤田さんの属せられる社会党さんにおいても、すでに窓口をきめられて本件について話し合う熱意を示しておられる。もとよりわがほうも、野党においてもそういう動き等もございますので、積極的な推進の手配が進んでいる。そういうふうに見まするならば、国会全体の中でのこの案件の取り扱いについての動きは前進しているものと私は見ているわけでございます。今国会においてぜひ、もうここまで参りましたのでございまするから、話し合いがつきまして、先ほどから申し上げているようなことになることを衷心望んでいる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そういう工合になりますと、ILOの条約批准の問題は、あの憲章で明らかなように、その批准をしておいて、あと一年間の間に国内法の整備をするということになっているのです。だからあなたの、政府の言われてきたこの国会で仕上げるというのは、八十七号の条約をまず批准する、そういうことを——手続が終わらなくてもこの国会で仕上げるということはそういうことを意味していると解釈していいんですか。要するに、もう一度言いますと、八十七号条約は批准する、めどや話し合いがつかなくてもこの国会で仕上げるとおっしゃるのですから、この国会で批准する、あとの国内法その他の整備の問題は今後一年間の間にすると、こういうふうに、政府はこの国会で仕上げるというかまえの問題は私はそう理解していいんですか、それをお聞きしたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 政府及び与党で従来正式にきめておりますることは、しばしば申し上げましたように、条約批准の案件そのものと、それから国内法の改正と両方ございますが、今藤田さんがおっしゃるようにというようなことは政府与党で正式にそういうことは何らきめておりません。従来きめておるとおりでございますが、しかし、先ほどから申し上げておりまする与野党の話し合いの中にはどういうことが出ますか、これは政府で申し上げられる限りではございません。そこで、与野党間の話し合いに期待を持ちつつ焦慮いたしておるというのが実際の姿でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そのほかの法案、議案もそうでありますが、政府が提案をいたしまして、その後、各会派あるいは野党も含めて折衝するということが通例であります。出すことのほうが先なんです。出さないで、野党との関係がまとまったら出すということは、これは普通の議案を扱う扱い方ではないのに、なぜ特別にそういう方法をとるか、これが一点。  それから外務大臣に伺いますが、こんなに何回も、今まで批准をした各国勧告を引き延ばしておる実例があるか。あるいはこれによって日本がどういう国際的な批判を受けるのか。何にも関係がないと、平気で、批判は受けないという保証がとれるかどうか、私は非常に問題だと思う。  この点それぞれの大臣から伺いたい。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 第一点は、お話のような方法をとることがむしろ通例だと私も考える。ただし、従来そういうような方法で棚ざらしにしたままでどうにもならなかった例が幾たびかございますので、同じようなことを繰り返してもつまらぬから、今度はそういうことでなくて、何とかうまくやろうというので、ほかの方法にということも、これも行なわれておる次第です。御了承願います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ILOにおきましてエクスプレス・ホープ、希望を表明するということを言われておりましたが、先般エクスプレス・ディスアポイントメントということを言っておる。これは二回そういうことになっておる。今まで結社の自由委員会におきまして、そうしたいろいろな趣旨の勧告を含めまして、たしか二百何件か、そういうケースがあったと思います。一番激しいそういう趣旨の表明がありましたのは、チェコとソ連が、労働者の基本的な権利を剥奪しておるというふうに認めるという決議もあったと思います。もちろんそういういろいろな趣旨の希望表明、あるいは意思表明というものがないにこしたことはないのでございます。そういう意味で、政府としても、この場でいろいろ表明いたしておりまするように、できるだけ早くこの問題について決着をつけたいものと、こう思っておる次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 総理に伺いますが、今国会に提案するということには変更はないと、了解してよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今国会に提案する心組みで進んでおります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 他の質問に移ります。  政府は、重点施策といたしまして、成長の陰に取り残されておる同胞に対するあたたかい配慮をうたっております。そうして特に低所得対策、地域間の格差の是正、こういうものを目標として施策を進めるとおっしゃっている。このたびの税制改正にもこの重点施策は十二分に盛り込まれていると了解してよろしゅうございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今度の減税は、御承知のように、昨年度と三十七年度と引き続いて低所得者中心の減税政策を行なっているわけでございますので、こういう点においては所得格差の是正になると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 では、物品税についても低所得者対策は確立されておると了解してよろしゅうございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 物品税の部面におきましては、ひとり担税力だけの改正というわけにはいきませんので、零細企業対策とか、あるいは輸出振興対策というようなものともからんだ改正も一部中に入っておりますので、一がいには言えませんが、しかし、一般国民の日常生活品として見られる物品の課税を廃止したということ、そのほかのものは免税点を引き上げ、税率を下げるということをしましたので、この点も、やはり低所得者の負担軽減になっておると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは月収一万、三万、五万、七万、十万、これに対する間接税、所得税、住民税の負担率をお示しいただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 資料がございますので、政府委員から。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 松井政府委員。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) お答え申し上げます。住民税のことを含めますと、昭和三十三年の分と、少し資料が古くなりますが、失格者を含めました悉皆調査は、この年度しかございませんので、住民税も含めましたところでお答え申し上げます。  まず所得税から、三十万円以下〇・四三%、三十万円から五十万円まで一・九一%、五十万円超百万円以下四・五〇%、百万円超一二・〇七%。  住民税へ参ります。三十万円以下〇・四九%、三十万円から五十万円まで〇・九八%、五十万円超百万円以下一・五五%、百万円超三・〇八%でございます。  間接税に参ります。三十万円以下九・六〇%、三十万円超五十万円以下五・八七%、五十万円超百万円以下四・四二%でございまして、百万円超三%と相なっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それで見ると、所得税を標準にして見ると、間接税と住民税が低所得層に非常に強く、高額所得者には弱い、こういう結論が出ませんか。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 悉皆調査に基づく資料という御要求でございましたので、今三十三年度分を申し上げました。今回の税制改正に伴いまして、どうなっておるかという数字を次に申し上げます。  減税割合負担率という御要求でしたらまた申し上げますが、減税割合で申し上げますと、所得税の負担額でございます。まず三十万円以下で一六・五%の減税割合、五十万円以下で一五・七%、百万円以下で一五・九%、百万円超で八・五%の減税割合でございます。  間接税に参りまして、酒税、物品税、入場税、各階層別に申し上げますと、三十万円以下で二二・五%の減税割合、五十万円以下で二〇・八%、百万円以下で一八・六%、百万円超で一六・一%、いずれも低所得階層の免税割合がはるかに大きくなっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の質問は、所得税を、もし標準として納めると、間接税の負担率は、所得が低い者に非常に重く、所得の多い者に軽くなってはいないかどうか、こういうことです。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 間接税につきましては、物品税が割合に所得の大きくなるに従って負担が重くなるという形で、おおむねいい形を示しておりますが、その他の間接税につきましては、おおむね逆進的な姿を描いております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 所得税を標準にして見ると、間接税と住民税は非常に下に重い。そこで今数字をあげますと、月収一万円の者は間接税は負担率が一二・五七%、それから三万円の者は六・二%、こういうことになっている。今度の物品税の改正は、広く間接税も含めて低所得階層の負担率を緩和しようという方針がとられておるかどうか。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) ただいま申し上げましたように、間接税一般につきましては、低所得階層が使いますもの、特に酒等につきましては、一般大衆酒の減税の幅を大きくする、物品税等につきましては、生活必需品的なもの、それに近いものは課税を廃止する、ないし免税点の引き上げを行なう、あるいはそういう負担関係のみならず、先ほど大臣がおっしゃいましたように、中小企業が生産いたしますものにつきまして物品税の課税を廃止する等、広く低所得層、中小企業に配慮を加えたつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 企業的には配慮が加わっているかもしれませんが、たとえばマッチ、清涼飲料、学生用ハーモニカ、一般用クリーム、おしろい、こういうものは今度下がっておりませんね、こういうものはむしろ税からはずしていいと思うが、こういうものがワクの中に入らなかったのはどういうわけですか。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 化粧品の話が出て参りましたが、一五%のものを、口紅ですか、それから指のつめをみがくものにつきましては、これを一〇%、その他のものは五%にいずれも減税いたしておりますが、全部廃止すべきではないかという御意見に対しましては、これは諸外国におきましても非常に高級的な商品もございますことでもあり、また、外国の例、その他一般の消費物資に対する国民の負担感という感じから現行をとりまして、低率で保税する物品として考えたわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その問題はあとでもう一回触れますが、課税方式の変更について基本税率の基礎は何か、それから加重軽減率は何によったのか。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) おっしゃいましたとおり、消費税一般につきまして、製造者段階で二割、それから消費者段階で一〇%の負担率をもちまして基本税率とするという大きな柱をこの際打ち立てまして、各間接税におきましてそれが行なわれておるところでございますが、この考え方は世界各国の同種の品物につきましてどういう負担率になっておるか、それから茨木税率を採用いたしております諸外国の例と、それから従来から歴史的にとって参りましたわが国の必需品に対する負担率等をいろいろ勘案いたしまして、製造者段階の基準税率二〇、それから消費者段階におきましては一〇という基本税率を設定するのを適当と考えました。なお、加重いたします一番重いもの四〇%というものがございますが、これは消費の性質とか耐用等から考えまして、何といいますか、きわめて高級品だ、まあ形態や素材等につきましてもその値が高いため消費の対象が一部の高額所得者に限られておるというものにつきまして、加重税率、それから消費の性質から見まして、比較的高度の便益性とか、また、娯楽性を持っておる、しかし、高いけれども、今言いました四〇%のものから見ると、生活感覚の上からいって幾分低いのではないかというものを三〇と見まして、一〇とか五%の軽減税率につきましては、消費の性質とか、娯楽性、嗜好性が非常に低い、あるいはまた、零細企業の製品であるとか、日常生活に非常になじみの深いものであるとかいう、ぜいたく品とおよそ反対の性格に着目いたしまして一〇%、五%といろ軽減税率を持った次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それから消費支出弾力性は、物品税の下限の基準に入っていると了解してよろしゅうございますね。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) すでに税制調査会におきましても、できるだけの資料を集めまして、今おっしゃいました消費支出弾力性、これはぜいたく品であるかないかということを判断いたします非常に重要な資料でございますので、できるだけ資料を集めまして、こういう方面に考慮を払いまして、先ほど大臣からおっしゃいましたとおり、いろいろな中小企業対策、合理化対策、いろいろな諸政策の目的をかみ合わせまして考慮したわけでございますので、結果といたしまして、今おっしゃったとおり、消費支出弾力性にも合っているから、修正しなければならない方向として実を上げておるというふうに言えると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは矛盾するでしょう、たとえば、企業振興ということから、物品に課税を低めて売れ行きをよくしようということで、その物品が消費支出弾力性の高いものだという場合は食い違いますね、そういう場合、消費支出弾力性というものは、重点的に一体物品税の下限に作用しているかどうか、その点です。そうなっていないでしょう。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 個別の物品につきまして、そういう食い違いが起こるかどうか、起こることもございましょうと思いますが、消費支出弾力性でもって表わされます生活必需品的なもの、あるいはそれに近いものの減税を優先するという原則は十分とったつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、具体的に言いますが、減免されたものの中に、高級香水、双眼鏡、ネオン管、小型モーター・ボート、オートバイ、テレビ、冷蔵庫、ストーブ、こういうものが入っておりますね。これは消費支出弾力性からいえば、ひどいのは二・幾らという高いもの、合わないじゃないですか、消費支出弾力性と。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 今おっしゃいました物品の消費支出弾力性の中には、あるいは高いものもございますかもしれませんが、今おっしゃいました製品は、おおむねその製品が中小企業者の製造するものであり、かつまた、課税もそう大きくないという範疇に入るものではないかと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だから、はっきり言って下さい、これは大蔵大臣に伺います。企業振興というものをねらって物品税を考えたのか、低所得対策として、特にぜいたく温みたいなものには課税して、必需品には物品税をゆるめていくと、こういう方針をとったのか、いずれですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 基本的には低所得者層の負担を軽くするという点からやりましたので、セロファンとか調味料というようなものは課税からはずすということをしましたし、そのほかにも、さっき申しましたように、税率の引き下げ、免税点の引き上げというものはやっておりますが、それと同時に、零細企業の製品については、別のそういう角度からこの物品税の調整をやった、両面から行なわれておりますから、基本的にはこの負担を軽減するという方針を貫いたつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは君書画骨董、これは消費支出弾力性は二・一八ですね。それから化粧品中のコンパクトのような高級のものは一・八二、美術陶器は一・二、こういうものが、今度は、書画骨董に至っては無税になっていますね。これでも一体、消費支出弾力性が今度の物品税の改正の中に取り入れられていると言われますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 徴税の技術的な問題と、他の物品間の課税の均衡というような問題からも、これは調節されたものが非常に多いと思います。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 書画骨董でございますが、これはまあ非常に高所得者が購入するものではないかという意味で御質問になったかと思いますが、実はこれは現在転々するたびに三%の軽減課税をやっております。その生産者といいますか、非常に名人芸の人があって、特殊な芸術人が製造する物品、作品が多いということ、それから、骨董品につきましては、もはや再生産ができないものであるというようなことを考えまして、現在のような三%の低額税率を廃止するのが適当と、こう考えた次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは、数年前に、政府が芸者の花代税を二分の一に下げたことがあります。これと、今度書画骨董をゼロにしたことは、同じ方針ではありませんか。  総理に伺いますが、総理は施政方針で、進歩と繁栄が謳歌されている反面、遊情と頽廃の風潮に対する反省と警戒を施政上十分戒めていく所存だと、こう述べられた。書画骨董のみか、高級香水なんかを減税して、それで遊情頽廃の風潮を警戒する施策だと言われますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) この物品税というものは、ほかの税とはよほど性質が違いまして、これは多分北支事変が起きたときにできた税法だと思いますが、いろいろ改廃があったのでございますが、この骨董品につきましては、従来相当高く課税しておるのでございます。これは消費税なりや否やという、骨董については根本的に違った考え方があるのでございます。一般物品税は消費税ですが、骨董に対する売買のつどの課税ということは、物品税なりやという税法上根本的の議論があるところでございます。したがって、従来高いものをだんだんと三%まで下げてきたもので、徴税上なかなかやっかいである。税の本質に疑問があると同時に、徴税上非常にやっかいである、こういうところからはずしたのだと思います。  それから、香水の点も、私はよく存じませんが、ぜいたく品でございますが、香水必ずしも全部がぜいたくというわけでもない。口紅なんかについても、ぜいたくという考え方はありましょうが、またこれは必要なものだという考え方もございましょう。それから、香水につきましても、そうだと思います。ごく高級のもの、あるいはまた課税しなくてもいいような、名前だけ香水のようなものもあります。具体的なものは私正確に存じませんが、今お話のありましたマッチなんかも、これはわれわれ、マッチに課税することについては、いろいろ議論がありました。これは必需品ではないか。しかし、世界の各国がこれに課税している。私は初めマッチの課税には反対したことがございますが、外国の例はそうなっております。まあこれは従量税になっております。だから、物品税というのは、課税の沿革もありますし、それからこれが消費税なりや流通税なりやという問題もありますし、いろいろ技術的にやっかいな問題があることは承知しておりますが、こまかい品目についてはよく存じません。骨董品については、そういう考え方でございます。  また、たとえば食糧について、物品税を課税するか。これが一番問題でございますのは、今度グルタミン酸ソーダをはずした。これはぜいたく品でごさいますが、物品税を——食物に消費税をかけるかという問題がある。それから、グルタミン酸ソーダはぜいたく品でございますが、やはり今の議論のあった食糧はなるべくはずそうという考え方ではずしたのではないか。サイダーについて今出ましたが、サイダーは、これはビール、サイダーとの関係がございまして、昔からこれは物品税の起こる前から課税しておる。こういうことで、沿革とか、性質とか、いろいろなものがありますので、こまかいことは存じませんが、とにかく物品税というものは特殊の税でございますから、普通の所得税や間接税、酒その他の消費税を考えるのとはちょっと違った頭で御批判願わぬと、実際上合わぬ点があると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だから、違った頭でと言われると思いましたから、最初に、今度の総理の施政方針の中の項目は、物品税についても適用されているのかと伺ったのです。そうすると、原則としては適用していると言いますから、今のような質問をしたのです。書画骨董をゼロにして、ほかに書画骨董の税金をとるというのなら、わかるのですよ。芸者の花代を二分の一にして、ほかに税金をかけるというのなら、わかるのですよ。徴税方法がどうとか、書画骨董は物品税としてかけるのは適当でないというのなら、他の税目をかければいい。そうでなくて、こういうものを方法論の上で落としてしまった。そうすれば、低所得対策といっても、低所得層のためのほんとうの物品税の下限というものは出てこないじゃないか。藤山さんに伺いますが、われわれの調査はささやかなものでございますが、外国の諸例は、高級品に物品税は高い。必需品的なものは物品税はほとんどない。消費支出弾力性というものは、物品税をほとんど左右していると思いますが、いかかですか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 税の問題につきましては、はなはだ知識が不足しておりますので、十分なお答えができないと思います。総理大臣のほうがよほど税には詳しいわけでありまして、私どもから今の総理大臣の説明をさらにそれ以上説明するものはないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 通産大臣いかがです。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来物品税のお尋ねが出ております。物品税の軽減は、一つの基準だけではなかなかいかないのでございます。これは、私が申し上げるまでもないところだと思います。先ほど書画骨壷の話が出ておりましたが、これは総理もお答えがございましたが、そのほうは通産省のことでもないようでございますから、これは別にひとつ扱わせていただきたいと思います。  まず、減税あるいは免税をいたしますのに、一つは生活必需品の課税の廃止あるいは軽減というような問題がございます。どの品物がそういうことに該当しているか——トースターやなんかはそういうような意味だろうと思います。それからもう一つは、大衆化しておる品物、あるいはいわゆる生活の向上に役立つような意味の改正、こういうものにはございます。その中には、扇風機などはその代表的なものではないかと思います。また、零細企業が扱っておる——これは企業本位の立場から減税あるいは軽減を考えておる、釣道具とか、あるいはアルバムとか、その他いわゆる中小企業、零細業者が扱っている、そういうものがございます。また、業務用の品物で、そういうものの課税を軽減しよう、こういう考え方もございます。あるいはまた、輸出振興の立場から、国内での消費で輸出を容易にするという、輸出振興の立場から消費をささえる、こういう意味の軽減がございます。これは、カメラ、双眼鏡というようなものがそれに当たると思います。さらにまた、今いろいろ議論しておられますものは、貿易の自由化に対する——国内における課税が非常に高いと外国の品物が入りやすい、これは国内産業にも及ぼす影響が重大だ、こういうような意味から、自由化対策、こういうような立場で、いろいろ軽減などを考えられておるのでございます。その一本の筋だけで物品税を扱うわけにはいかない。これは物品税の特殊性からきておる、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、低所得対策のために物品税が関係があるというような御説明をしなければいい。企業対策の上で物品税をかげんしたというのなら、話はわかる。低所得対策のためにやったと言うから、それなら消費支出弾力性というものにウエートを置かなければおかしいじゃないかと聞いた。もうあなたはいいから、ほかの方に質問いたします。  そこで、酒の減税率は何によったのか。これは事務当局でもけっこうです。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 戦前に比較いたしまして、酒の小売価格が四百十何倍になっておったと思います。一般の物価が大体三百七、八十倍でございますので、酒の小売価格を一割くらい引き下げることをしまして、戦前の物価との比重をとろうというわけでございます。それに見合う税の減税をやったということでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、低所得対策というのは何も含まれておらない。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 今表を持って参りますが、大衆酒——しょうちゅうとか酒の二級酒等につきまして非常に大幅の減税をやり、高級酒には小幅の減税をやったということでもって、考慮をいたしたつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、しょうちゅう、合成酒、ウイスキー、清酒一級ですね、これの消費支出弾力性は幾らでございますか、最も新しいもの。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 酒類の——今おっしゃいました品目につきましての個別の消費支出弾力性はとっておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、大衆酒を引き上げたと言ったって、基準がないでしょう。私の調査によりますと、清酒一級を一〇〇とすると、ウイスキー一五四、合成酒は八六、しょうちゅうは一〇だ。こういう割合でしょうちゅう下がっていませんよ。だから、何を基準にして下げたか、それを聞いておる。大蔵大臣でもいいですよ。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 消費支出弾力性の中に、いろいろ調べましても、そのまま適用できるものと、できないものがございますので、的確に全部適用できるもののみを申し上げるわけに参りませんが、今持っております資料をもって申しますると、三十五年度で、清酒特級が二・一、清酒の二級が〇・三九、合成酒が〇・三三、しょうちゅうが〇・一五、やはり下級と上級酒の消費支出弾力性は、この数字によりますと、相当明瞭に現われております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だから、その数字のとおりの率で大衆酒が下がっていないでしょう、これが一つ。それから、大衆酒を下げても、下がった分が小売価格として確実に下がるかどうか、この保証がありますか。これは大臣だ。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 減税分だけ基準販売価格の引き下げをやりますので、減税分だけ下げるということになっております。

松井直行大蔵大臣官房財務調査官

○政府委員(松井直行君) 消費支出弾力性をどう扱うかというような問題がございますが、やはり各種の酒を飲みます消費者の負担のバランスということを考えまして、大きくは、一番最初に申し上げましたとおりに、大体小売価格平均して一割くらい下げるというめどで減税いたしたわけでございまして、減税率は、しょうちゅうで甲類三二%と、相当傾斜をつけて相互の酒の種類ごとにバランスのある減税をやったつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そのバランスが正確ではないじゃないかというのです。消費支出弾力性という面から見れば、清酒に比べてしょうちゅうはもっと下がっていいはずです。あなたのほうのはじき出した四〇%の減税率というものは、バランスに合わない。それを聞いている。もっと下げろということです。下げられなかったわけはどういうわけか、大蔵大臣に伺いましょう。これはしょうちゅうをもっと下げられなかった理由は何か、バランスから言えば下がるはずです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 大衆酒については、今度の減税をやる以前からもそういう考えの値段の調整が行なわれておりますので、今回の再減税というものについて、これは必ずしもそういうふうに比率が一致していない面があると思いますが、減税率を申しましたら、御承知のように、特級が七・二%の減税率、一級が一八%、二級が二四・五%、合成精酒が二八・七%、しょうちゅう甲類二十五度のものが三一・五%、みりん乙類が三一・三%、ビールが比較的少ないのですが一四・三%というふうに、減税率は高級品に対してより大衆酒の減税率のほうがはるかに多くなっています。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 消費支出弾力性というものを基礎にしたとおっしゃるから、それならその比率に従って下げなければおかしいのじゃないかと伺っているのです。  もう一つ、大蔵大臣が御説明なさるように、世界的に見て日本のたばこの税金というものは高くありませんよ。しかし、もっと高級たばこの税率を上げて、大衆たばこを下げるという操作は、税率そのものを動かさなくてもできると思う。今度こういう方法をおとりにならなかったのは、どういうわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たばこは、たびたび申しましたように、やはり間接税の大衆負担を軽くするという意味から、たばこと、もう一つ問題はやはり砂糖であったと思います。しかし、砂糖は、国内産業保護の立場からむずかしい問題がございましたことと、たばこは、物価倍率から見ましても戦前の価格が上がっていないし、専売益金率も今特に多くなっているわけではないし、ここ何年か据え置きでやっておった。しかも、その間経費はふえますし、葉たばこの収納価格も上がっているというような関係から、このたばこの問題は、もう一年来年度の検討に待とうということで、税制審議会も今年度は見送るということにしたわけでございます。特に、大衆たばこというものにつきまして、私どもは少しは考えたいと、最後までそう思っておりましたが、またこのたばこ消費税の関係も出てきまして、地方の財源との関係、大衆たばこが動かす部分、いろんなそういうものの関係を、あわせて地方税とも関係する問題が出ておりますので、これは来年度の検討に待とうというように、見送ったわけでございますので、まだ今後引き続いてその問題及び砂糖の問題、まだいろいろ検討すべき問題がありますので、これは来年度の問題に私どもは考えたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大蔵大臣にお答えいただきますが、結論するところは、貿易対策、あるいは企業対策、こういうことが主軸であって、低所得対策ということから、物品税の減免というものは、主としては考えられておらない、こう了解してよろしいですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いや、そう了解せられては困りますので、そういう面も考慮しましたが、事実は大衆の負担軽減ということを重んじた。その証拠には、相当日用雑貨品は無税にしてしまったのですから、これはもう端的にそういう方針を現わしていると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 来年度以降——三十八年度以降、大衆酒、それから大衆たばこは減税の方法が考えられると、こう了解して次の質問に移ります。  この重要施策のもう一つに、国、地方を通じての減税を中心とする税制改正を行ない、特に税制の体系的な整備、租税負担の軽減に務めて税源配分を適正化する、こう総理はお述べになっておりますけれでも、ちょっとこれは額面を割っておりませんか、予算の上では。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) やっておると思います。所得税の軽減、そうして住民税の適正化、そうしてまた租税の弾力性の少ない入場税を国税に移管し、そしてこれの補てん財源を出す。相当中央、地方のあれもやはり低所得者の負担の軽減に努めておると私は考えております。  それから、今、了解すると言っても、御勝手に了解されるのは別でございますが、政府としてはたばこ、酒を来年やるということは、まだきまっておりません。それははっきり——これは税のことは常に考慮しなければなりませんが、きめておるわけではありません。  それから今、これは余談になるかもしれませんが、高級たばこを上げて下級たばこを下げるとこう申しましても、必ずしも金持の人が「富士」や「ピース」を吸うわけじゃございません、そうして実際からいって、人の口というものはなかなかな確かなものでございまして、高級たばこと下級たばこの原料代というものは、あまり違いません。どちらかといえば、趣味でございいます。これを上げますと、すぐ下のほうに嗜好が移ってしまうわけです。だから専売収入の関係からいって、われわれしろうとが考えてこの適正化とこう言っても、専売収入のほうからいえばなかなかむずかしい点がございますので、高級たばこを上げて下級たばこを下げるということは、専売収入としては減る場合もあるのでございます。十分検討しなければならぬと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと関連して一つ。大蔵大臣は予算の分科会で、たばこの問題で私が質疑したときの答弁よりは、さっきの答弁は少し後退していると思う。それにもってきて、総理が今、勝手に了承してもらっては困ると言って、大衆酒、大衆たばこの値下げについての今後の方向を打ち消された点は、私は重大だと思うのです。総理は減税の専門家として自他ともに認められている人ですが、一体たばこは六六%から六〇%以上、半分以上税金で年々歳々専売益金に収入源を依存している形というものは、たばこが嗜好品から生活必需品となった現存考慮しなければならぬと思うのです。特に店頭に行ってごらんなさい。日雇い労務者と勤労者大衆は、「バット」のような安いたばこを買おうとしてもないですよ。専売局が出さないのですから。だから、やむを得ず「ピース」のような高いたばこをのまされている。のんでいるわけで、やはり大衆たばこをよけい作って、そして小売店でその希望者に売る。それから、その六五、六%の税率というのは、せめて六〇%を割るように、願わくば半分ぐらいが税金ということにしなければ、六割も、七割近いものが税金だということでは、私は妥当でないと思うのです。しかも大衆が安いたばこを買おうといっても、買うことができないで、高いたばこを無理やりに買わされているという姿は、加瀬委員が勤労者の生活擁護という立場から質問されておるわけですが、そういう方向に努力しましょうぐらいは総理から御答弁いただきたいと思うのですが、重ねて総理の答弁を求めます。水田大蔵大臣でなくて、総理のほうから願います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは国民の租税負担というものを軽くすることは、政治の根本でございますから、常に考えていかなければならぬ。しかし来年は下げることに了解するというところまではまだ行っていない。方向としてはできるだけそういうことをやりたい、こう考えております。  それから、たばこの税金が六割、これはもう大衆化しておる。ビールも私は六割以上じゃないかと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ビールも……、いや、そんなことない。ビールは……。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いや、半分以下になっております。そういうことで、各国の例から申しましても、これは行く行くは引き下げなければならぬことは当然でございます。今のところは、やはり社会保障制度その他たくさん金が要るのでございますから、まあ酒やたばこはなるべく倹約してもらって、まあがまんしてもらって、ほかのほうへ回したいと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 次に、地域格差、それから税源配分が是正されたとおっしゃいますが、そうではないと思いますので、質問を重ねます。  府県民税について伺いますが、所得税減税分を府県民税に移したと言うが、その移し方についての基準はどこですか。大蔵省に聞かなければ。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 地方財源と国の財源との調節は、いわゆる所得税の一部を地方住民税に移したということだけじゃない。御承知のとおりに、総合的に考えまして、やったわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 移し方の基準は何かということです。所得税の減税分を府県民税に移したと言うけれども、その基準は何かと聞いているのです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) これはそれぞれの階層のそれぞれの、税率の額というものがありますから、大体平均して考える以外にしようがないのです。おおむね四分の一程度のものを所得税からなにへ移すという考え方、四分の一ないし三分の一、その間を住民税に移すというような考え方で組まれていると思うのです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それじゃ具体的数字を求めます。給与額十五万、二十万、三十万、五十万、七十万といった給与金額に対する府県民税の増減率を事務当局からお示しいただきたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 事務当局から説明いたさせます。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 御説明申し上げます。給与所得者——独身者は所得何万円で……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 十五万、三十万、五十万、百万とこのくらいでいい。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 給与十五万円の場合、金額で申し上げてよろしゅうございますか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 増減率。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 増減率でございますか。所得税、県民税を通じて増減を分けて申し上げますと……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 県民税へ移した分ですよ。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) それじゃ給与の金額十五万円の場合を申し上げます。所得税におきましては△の五八・三%、県民税におきましては一五〇・四%、合計で△の四二・九%。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 県民税だけでいいです。△は要りません。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 給与金額三十万円の場合におきましては、県民税一二三・四%、七十万円の場合四八・八%、以上でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 夫婦に子供三人の場合は。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 夫婦及び子供三人の場合、給与金額五十万円の者につきましては、県民税八二・二%、七十万円の場合五二・二%、以上でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 二千万円の場合。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 二千万円の場合は△〇・七%。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今読まれたように、所得税を府県民税に移すといっても、それは総体的には減っているように見えるけれども、課税の仕方において大いに問題がある。というのは、幾らふえたかという負担率を見ると、独身者は、十五万の者は一五〇・四%ふえている。それが五十万になれば八二・二。これが、二百万になれば二六・六と負担率が減っている。しかも夫婦子供三人の場合になると、所得二千万の場合は、所得税も減れば、ふえるはずである府県民税が〇・七%減っている。これは矛盾を感じませんか。大蔵大臣に伺います。きめたのはあなたのほうできめたのだから。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私の受けておる説明では、総合してそういうふうにならないと聞いております。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 県民税は、なるほど今おっしゃいましたとおり、給与の独身者で、十五万で一五〇・四%、二十万で一五〇%、三十万で一二三%、こうなっておりますが、所得税におきまして十五万のところで五八%マイナス、それから二十万のところで三一・二%マイナス、国とそれから県民税合わせまして、十五万の階層のところで四二・九%の減、二十万のところ一七・八%の減、三十万のところで九・三%減、両方合わせますと。ここで低所得階層に幅広く減税したという姿が現われてくると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そんなごまかし言ったってだめですよ。これは税制調査会でも——あなたのほうで出した資料を私はもとにして話をしている。所得税が減税になったということを、私は減税にならないと言っているのじゃない。所得税の減税分が一部分地方税に回って、トータルで下がっているということを認めないわけではない。下げ方が、府県民税だけをとって見ると、低額所得者ほど負担率が高い。しかも二千万以上のものになると、所得税も減るし、県民税も減るということになるじゃありませんか。大蔵大臣が所得税を減らして県民税をふやしたと言うけれども、県民税も減っているじゃないか、二千万以上は。これは不合理ではないかということを聞いている。数字はあなた説明しなくていい、あなたと同じものを持っているのです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は税制の改正の、実体のところにはタッチいたしませんでしたが、この税負担というものは国税と地方税とを通じて考えるべきが筋でございます。そうして所得税と住民税とは同じように所得に対しての課税でございますが、所得税のような高率の累進税率のいわゆる直接税と、そして負担分任の性質を持っている住民税とはおのずから税率の盛りようが違うのであります。したがいまして、今回の住民税は、聞くところによりますばれ、大体所得が中心で、しかも軽度の比例税率で行っていると聞いております。従来所得税を対象にするか所得を対象にするか、いろいろな点がありましたが、ある程度ごく弱い累進税率で住民税は行っている。これは負担分任の精神から言って、これは所得税のほうが非常に高度の累進税率になっており、負担としてはこれを合わせて考えていくべきで、負担分任の精神のところは、どうしても下のほうが重くなるのは税の本質でございます。住民税は経度の累進税率を使うので大所得者の分も減るようになるかもしれませんが、反面所得税の減り方が少なうございます。全体としては均衡がとれている。したがって、今度のように、両方、国、地方を通じての所得に対する所得税と、そうして負担分任の住民税、こう通じて考えておりますから、一つだけ取り上げてどうこうと言うことは、これは税制改正の出発点から違っておる理論であると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、私も合わせて考えているのですよ。政府の説明ですよ、所得税を減らして、減らした分を府県民税に加えたというのが。ところが、調べてみると、高額所得者、二千万円以上になると、所得税も減るし、府県民税も減っちゃっておる。片方を減らして片方を加えたことになっておらない。そして低いほうを見ると、一五〇%という負担率の増率を示しておる。これでは不公平ではないか。それは小刻みにしたと言うが、そうではない。二段階で二%と四%の不合理な押しつけ方をしたからこういうことになる。これは合理性がないであろう、こういうことを聞いておる。自治大臣、どうですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 合理性というものは全体を通じて考えております、全体を通じて。それだから、二千万の人の負担の減り方と三十万、二十万の人の負担の減り方と、全体を通じてお考えになったらおわかりと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたのほうは税の専門家であって、はなはだ不見識なことを言うと思う。負担の公平は、これは頭割り——人頭割に住民税を納めておる。それで済んでおる。あとは所得割、資産割でしょう。ですから、自分の自由になる余裕金のたくさんある者は、所得税も納めるのだから、地方税だって納めていいはずだ。ところが高額所得者の地方税だけに、ほかの者は全部増税されておるのに、減税されるのは不合理じゃないか、こういうことを言っているのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 問題はあれかと思います。二%と四%という比例税率をとったために起こっていることでございますが、これは地方税の性質から見て、あまり累進的な税よりも広く薄く比例的に負担を求めたほうがいいという考え方からこういう二%、四%という割り方にしたのです。かりに二%にすると、従来の〇・八%というのがそれだけ低所得層が上がってくるということがございますので、それと高所得層の四%との関係ということで、従来の関係が累進的に行っておったのが、そこに若干不合理ができておるということはわかります。しかし二段階に分けた理由がありますし、またここで負担が上がった者は必ず総合的に所得税のほうでそれだけもっと多く減らされるというふうに調整的な措置を特にこの問題ではとっておりますから、どの階層も、所得税が府県民税に委譲されたことによって負担が増すということにはどの階層もなっていない、その階層間の下げ方について今おっしゃられるような問題はこれはあると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 可処分所得の低い者が負担増が非常に多くて、可処分所得が多い者が負担減になっているというのは不合理じゃないかと言うのです。どうもあなた方、地方税というと、よくわからないらしいので、もっと具体的な例を出しますよ。市町村民税は今次改正で負担増になっていないかどうか。これは自治大臣。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) もう一つ前の、今の段階の二千万円とか三千万円、独身者その他につきまして両方とも下がるというような現象が出ているじゃないか、こういうお話は、これはたしか一部にございます。ございますが、これは要するに、御承知のとおり、所得税と府県民税合わせてこれは全体の減税をやっているわけであります。そこで税率刻みとか、いろいろの条件を調整しました場合に、そこでこれは住民税も若干下がる。所得税も若干下がる。しかし全体の下がった率というものは決して高いものではない。そういう階層が一部に出ている。これは事実でございますが、これは調整上の、技術上の問題で、方針としてそういう処置をとっているということにはなるまい。実際住民税の今の課税方式を変えるという点につきましては、これは御承知のとおり、昭和三十六年度の修正におきまして、課税方式の五つの種類というのを二種類に直して、これが三十七年度から適用される。これは御承知のとおり。その前に第一課税方式をとっておりましたよりか、ごく一部が、これは今度の税制の修正案とは全然関係ないわけですが、この市町村独自の財政上、いろいろの考え方によりまして、ごく一部、三十カ町村かなんかが、いわゆるただし書き方式、第二課税方式のただし書き方式へ移っているという例がございます。これはきわめて異例な例でございますが、方針、趣旨から申し上げますと、私ども、これは御指摘のとおり、好ましくないと思います。したがいまして、こういう例は今度初めて出てきたのでございます。三十カ村ぐらいの、全体から言えば、わずか一%程度のものでございますが、これは私は住民負担がふえるというような形のものは決して好ましくない。しかし、これはこの修正でやったんじゃありませんが、今後の問題としては十分気をつけまして、町村財政の補正をするなりして、通常の形式へ返していきたい、本文方式へ返していきたい、こういう指導を十分にやりたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 具体的に言いますよ。第一課税方式の標準税率を本文方式の標準税率ですかに直した場合、重くなっていませんか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) ただし書き方式を本文方式に直した場合に……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 第一を本文に直した場合。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 第一を今の本文に直した場合は、それはほとんどないと思います。これはないと思いますが、ただし書きの場合に……。もう一ぺんそれじゃ説明員に。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) お答えします。第一を本文に変えました場合には、税率は、前の標準税率がそのまま準拠税率として肯定されておりますので、税率の点では負担が多くなることはございません。さらに今度の改正案におきましても、七十万円以下の税率を下げるようにしております。今後さらに負担が軽減されると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、夫婦子供三人の世帯で四十万、五十万、六十万、七十万、百万の旧第一方式が、所得税三十六年度、市町村民税三十七年度の計算でどうなります。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 所得五十万の例で申し上げますると、三十六年度の市町村民税が四千百八十五円でございますが、三十六年の改正案によりますと三千四百十五円、差引七百七十円の軽減になる見込みでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の言ったとおり言ってもらわなければ困るよ。所得税が幾らで旧第一方式が幾ら、今度は本文方式に直すと幾ら、それを言って下さいと質問しているのです。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 所得五十万円で申し上げますと、所得税が、三十六年度一万四千三百八十五円、市町村民税が先ほど申し上げました四千百八十五円。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 旧第一方式でやると。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) これは第一方式も本文方式も、先ほど申し上げた理由で三十六年度は同じであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 違う。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 何となれば、税率の点で同じでありますから、第一方式から本文方式に変わることによって負担は重くならないという理由でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 関連して。先ほどの所得税の税源を、税源調整ということで地方税の府県民税の方に回したと言われるが、先ほどから加瀬委員が言われておるように、地方税、県民税を比例課税にしたという根拠をいろいろと説明されておりますが、政府部内でいろいろ問題があったと聞いておるのです。これが累進課税にした場合に、いわゆる二%、四%比例課税にした場合には、現在の富有県とそれからいわゆる貧弱県との間の格差が非常に税収入につくので、したがって、比例課税でいいという、こういうことから比例課税にされたということを私は聞いておるのです。そうでなければ、やはり県民税のあの比例課税を累進課税にすべきである。そうでなければ理屈が合わない、その点をはっきりしてもらいたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話のとおりに府県民税を累進から比例に直しましたその根拠の一つの大きなものは、いわゆる地方団体間の格差の是正をしたい、そのほうがいわゆる交付団体、特に貧弱団体に有利になる、こういうような理由からこれをいたしたわけでざいます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それならば、先ほどから総理なり大蔵大臣の言うておることは合わないのですよ、加瀬委員に対して。そうではないのだ。その別な理由で説明されるから問題があるので、あなたがはっきり白状された、そういう点が政府内部に問題があるのです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 言葉が足りませんでしたが、これは先ほど総理もお答えになりました所得税と住民税とおのずから税の性格が違うのである。応益的な性格を持っている地方税につきましては、そういう税制をとることが必ずしもおかしくない、こういう理由は十分あったわけでございます。これは言葉が足りませんでした。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今の問題ですが、地方税に国税の影響を遮断するということで、所得税がどんなに変化しようとも、地方税は昭和三十五年度の所得税というものを基礎に考えていくのでしょう。これはお認めになりますね。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話のとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、所得税三十六年度で市町村民税三十七年度を押えますと、五十万の場合は、所得税は九千三百八十五円でしょう、夫婦に子供三人で。旧第一方式で計算すれば千八百七十七円でしょう。本文方式でやると三千十五円、千百三十八円本文方式のほうが、旧第一方式を適用したと仮定すればふえるのであります。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) お説のような仮定に立てばそういう比較も可能であると思います。しかしながら、住民税におきましては、三十五年度の所得税の課税標準を基礎にする、また、その当時の税率を基礎にして独自の課税をしていくという方式に改めたわけでございまして、その前に比較しますと、住民税自体においては負担がふえるということは起こらないわけでございます。  なお、加えて申し上げますると、三十四年度までは住民税は所得税に自動的に乗っかっている関係上、それまでの年においては、毎年所得税を減税すれば必ず住民税の税率を上げて、その減収を地方団体が起こさないようにするという措置が伴っておったのであります。そういう関係をなくするという改正が昨年行なわれたということを申し上げたわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、国、地方を通じて減税を行なったと言うけれども、地方の住民税にとっては、住民税だけを取り上げた場合は、減税どころか、むしろ増税になっている、これは率直にお認めになる。それならば、国税の影響を遮断するという法律をあなた方お作りになって、それが動いているわけです、そうでしょう。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 国税との影響を遮断するというものを三十六年度から実施する税制改正に入れたわけでございます。したがいまして、親の所得がふえてくれば、それが自然増収になることは事実であります。税率そのものをしいて特別にそのためにやっておるということじゃないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですから、所得四十万の者は八百円、夫婦に子供三人五十万の者は千百三十八円、百万の者は五千百四十七円、旧第一方式で取る場合よりも、本文方式のほうが同じ準拠税率を取ってもたくさん取られるのです。  これはお認めになるでしょう。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 旧第一方式の場合には、所得税額自体にリンクしておりましたので、所得税が下がれば県民税も一応下がるわけでございます。それでは地方財政が持たぬというので、そこで、そういう際にはまた地方税の税率を調整して上げる、こういうふうなことが従来行なわれた実情でございます。したがって、第一方式と新しい本文方式を御比較なさる場合に、そういう法構造の何と申しますか、考え方の変化ということを御参酌願わないと、単に前のをとった場合と今度の場合と違いがあるというふうに単純に御比較下さることもどうかと思います。私どもとしましては、住民税の負担の点から見ますと、改正前後を比べて負担がふえない。という理由は、三十五年度の課税標準のとり方また税率のとり方をそのまま新しい方式に用いておりますので、住民税自身の負担はふえない、さらに、今回の改正によりまして住民税の税率自体が引き下げられますので、今後はさらに軽減がはかられる、こういうことをさっきから申し上げておるのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうなってないですよ。当然、旧第一方式というものが続けば、われわれは千八百円から五千円なり減税になったものが、第一方式というものをやめて国税の影響というものを遮断したら千八百円から五千円というものはよけいとれる。そういう意味では三十七年度は所得税は減っても住民税はふえる、こういうことは認めざるを得ないと思う。それから、これは歩のいいほうと、ふえ方の少ないほうと、ただし書きというものを残してあるでしょう、ほんとうに地方税を減税をしようと思うなら、ただし書きというものを行なうべきじゃない、ただし書きを残しておる、この理由は。なぜ残したのか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 御承知のように、三千数百ある地方団体の長い間の財政事情というものがございまして、これを一挙に一本化してしまうことは非常にまだ実際上の無理があります。したがいまして、三十六年度から五種類の課税方式を二種類にいたした、こういうようなことをやって、さらにそれは将来はもっと一本化という方向に漸次指導していきたいと思っておるのであります。なお、さっきの第一方式をやめることによって、なるほど第一方式ならば所得税額が下がれば自動的に下がるわけでありますから、そういう意味で、なるほどそういう形の恩恵に浴さないという点については御指摘のとおりであります。これはまあ去年の改正の際の問題でありますし、将来それで特別の事情があるものについては、またこれから先それぞれのこの手当も考えていきたいと思っておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 去年の改正ですが、適用は本年度から……。そこでさらに伺いますが、課税方式の著るしい相違による所得割の負担状況を数カ町村あげていただきたい。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 御説明申し上げます。三千有余の市町村のうち、ただし書きを採用している市町村が約八割、二千数百に上るわけであります。ただし書き採用市町村の課税標準のきめ方は、基礎控除をしたあと、一応、税金を計算しまして、あとは扶養親族数に応ずる税額控除というのをいたしておるわけであります。この税額控除の金額が法律上別段定めがなく、地方団体の条例に一任をされておりまする関係上、現状においては非常にまちまちになっております。全国的に調べて見ますと、その額が一人最低五十円の場合も若干ございます。一方、千円という市町村も全国的に見ますると三つ、四つあるというふうな状況でございまして、昨年の中途の調査によりますると、全国で平均いたしまして、その額が三百二十円前後ということになります。それからもう一つ、ただし書きの負担が重くなる原因といたしましては、税率のきめ方でございます。法律は準拠税率として設けてありますが、条例でそれと異なる税率を設けている場合がある。もちろん準拠税率より低い税率を設けている市町村もありますが、概して農村方面においては準拠税率より幾分高目の税率を設けておる市町村が多いわけであります。今の扶養税額控除の金額が一般に低いということと税率が若干高めである、両方結びつきまして負担の重さが本文方式の場合に比べると高い市町村が多いことも実情でございますが、その両者の組み合わせでございますので、どれくらい重いかという点になりますと非常に千差万別でございますので、具体例を一々申し上げることはいかがかと思いますので、概況についてはそういうように御説明申し上げます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 具体例をおっしゃらなくちゃだめですよ。昭和三十五年ですけれども、第一方式の場合、二十五万までの者は所得割はゼロです、給与所得者の場合。ところが徳島県のある市では、千七百六十円かけているでしょう。第一方式でやれば所得割がかからないところに千七百六十円かけている。三十万の所得金額に対しては、比率にして六三四あるいは六二〇、こういう第一方式に比べて高い比率のものをかけている。しかも、このかけ方は、六二〇は三十万、これが百万になると一九五と高額所得者には率が低い、低額所得者にだけたくさんかけて、結局、ただし書き方式というものを許しておりますから、税収を上げるために大衆負担が公然として行なわれておる。これに全然手を触れないというのは一体どういうことですか、これは自治大臣に伺います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 全般といたしましては、今の三十六年度の税制改正の際に、今申し上げましたように課税方式を二つに縮めて、その結果、非常に簡易化されたわけであります。そこで、ただし書き方式につきましては、できるだけこの税額控除の額を今度はふやしまして、そうして今まで二百円ないし三百円の控除であったものを、扶養親族に対して六百円以上といったような定額を設けまして、相当この税額の幅でかげんするようにはいたしたわけであります。ところが、今御指摘のように三千数百団体あるうちのごく一%足らずの団体の中に、このまあわれわれの考えておりました意図より違った本文方式に行かない、ただし書き方式で行ったといったものが、その実情であったことは事実のようでございまして、これは最近、したがいまして、そういう事実も検討しております。これはわれわれが、しかし、初めからこういうことを期待したわけでもありませんし、また、今度の税制改正と直接関係のあるものでもない。しかし、これは好ましいことじゃないということから、私どもも今後よくその事情を検討して、財政収支の点で、交付税等でふやしいいものがあればこれをふやすことによって、漸次減税の方式へ移行させるように強力に指導して行きたいと思う次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 総理大臣は税制の上でも低所得層に対する対策を立てたと、こうおっしゃっておる。それならば、一番税制の上で低所得層が悩んでおるものは何かというと、住民税のただし書き、あなたは一%と言いましたが、そうではないですよ。ただし書きを適用しているのは八〇%、大村さんに聞いてごらんなさい、八〇%。それではこれを野放しにしておくのはあまりにひどいじゃないか。八〇%の市町村がどうにもならない。これは大蔵大臣にも聞いていただきたいのですが、昭和三十五年の財政計画上の市町村民税、それから決算額の市町村民税、これは幾らですか、その差は幾らですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 今資料で事務当局から答弁させますが、今のただし書き方式を適用しておるのは八〇%、これは現在の姿、今私一%と言いましたのは、三十六年の改正のときに移って行って、これが政府の意図に反して、自治体自体で勝手に移ったというのが事実その程度、三十カ町村ばかりある。これについては今後十分に指導してそういうことのないように片づけたい。これは特殊の異例であろうと思っております。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) 三十五年の市町村民税についてお答え申し上げます。三十五年の財政計画上の市町村民税の額は九百七十八億円、決算額は一千百六十五億円、市町村民税総額については以上のとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは大蔵大臣にも総理大臣にもお答えをしていただきたいのですが、お考えいただきたいのですが、計画よりも百八十七億もよけい税金を取らなければやりくりがつかないというのが市町村の状態なんですね。ですから、第二方式ただし書きを幾らとめたって、ないそでは振れませんから、どうしても取れる方法を残しておくのですから、百八十七億も計画よりよけい取る。取りほうだいにさせておくのがただし書きですよ。ただし書きをとめなければ財政計画というのはまるで絵にかいたもちにもなりません。これはお認めになりますか。また、こういう地方財政に対する大蔵大臣の御所見を伺います。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) ただいま申し上げました額は市町村民税全体でございます。そのうち、財政計画に比べて決算がふえておりますのは法人税割でございまして、三十五年度においては法人税割の額は経過額に対しまして決算額が百二十億ふえております。その他のほうは経過額と大差がないわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは違うんです。財政計画には第二方式あるいは第三方式のただし書きというものは計算に入れてない。本文方式で計算、もとならば第一方式で計算してあるわけです。その差額の大部分というものを、自然増よりもむしろただし書きを適用して取った額がここに出ているわけであります。これは当然、財政計画に合わせるためにはもっときびしく準拠税率に従うように指導をしなければならない問題だと思いますが、大臣どうですか、その辺。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話のように、準拠税率を若干上回っておる市町村がただし書きにあることは事実でありまして、これは漸次そういったものは修正していこうと思っております。それから、今の基本の財政収入額にはできるだけ健全に見て、一方で交付税その他の配分を十分に考えるというふうにいたしておりますけれども、何分にも数の多い、そうして貧弱団体が長い間の歴史を持っておるものでありますから、これを一挙に直してしまうということはとうてい不可能であります。これは逐次改善の方向に向けておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 府県税について伺いますが、これは市町村民税も含みますが、たばこ消費税を従価税と従量税の問題に今度切りかえたんですね。この理由は何ですか。また、これが各地方団体に及ぼす影響。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) たばこの消費税の配分方につきまして、今度は相当大幅の改正をやったのは御承知のとおりでありまして、これは税率を二%国から地方の財源に持ってくることによりまして七十数億円の財源を新たに得たわけであります。そこで、従来たばこの消費税の配付については、団体同士間の配合の問題がここ二、三年来非常にやかましくいわれておったわけであります。しかし、これを単に本数制に直すということになりますと、従来持っておったいわゆる不交付団体、こういったものの財源上の非常な支障が大きいものですから、この際二%ふえまして、全体の財源がふえましたのを機会に配分を変えまして、いわゆる交付団体の貧弱町村に有利なような、一言でいえば本数制というものを今度採用したわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一定の金額を傾斜配分するわけですから、今度は有利になったところもあれば不利になったところもありますね。いわゆるBクラスといわれる府県の一部、Aクラスというのは非常にたばこ消費税の収入が減ってくると思いますが、この調節はどうするんです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 二%の財源が新しくふえたわけでありまして、それを基礎に今後配分の方式を変えて、いわゆる交付団体に有利になる、こういう形式をとったのでありまして、したがって、不交付団体にとっては非常な財源上の増収ということに相なりません。まあこの問題だけではございません。今の府県民税、それから事業税の分割課税の割合の問題、こういうものを総合いたしまして、たとえば東京都といったようなものは、税源配分あるいは税率上の改正による減はプラス・マイナス、ゼロ。減税による減はこれはもちろんありますが、ゼロということにスタートさせる。その他の部分が全部貧弱団体が非常に今度は均霑し得る、こういうような仕組みにいたしたわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 地方の税源配分なり地域格差を是正するといってもタコ配ですよね。不交付団体のような、当然財源のある、あるいは財源を期待できるところのものをもって財源の満たないところへ流していっただけで、地方団体の総体では、これはAクラスの団体というのは、やはり需要量も多いわけです、やはり財政に困窮を来たすということになりかねない。これでは地域格差の是正にはならないでしょう。そこで伺いますが、ほんとうに地域格差を是正するというならば、事業税なり、それから住民税なり、こういうものを、もっとこのほかに基礎的財源になるものはないかどうかということを考えなければまずいと思う。法人事業税の場合、昭和三十年と三十四年で、不交付団体とそれからDクラス、Dグループといわれる団体とどういうように変化しておりますか。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) お答え申し上げます。法人事業税の府県別の帰属の割合でございますが、交付団体と不交付団体に分けますると、大体五〇%ずつ分布しております。ここ二、三年の趨勢ではその態勢は変わりませんで、たしか不交付団体の占める割合が五一か二に昨年あたりはなっているように記憶しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたのほうで不交付団体、それからA、B、C、Dというグループをきめて、それで住民税がどうなっておるか、事業税がどうなっておるかをお調べになった表があるでしょう。それで見ると、不交付団体は昭和三十年は四六・七%、Dグループは四・六%、こういう比率であった。それが三十四年になると大きく開いて、不交付団体が五八・九%、Dグループは三・三%、Dグループの収入は減って不交付団体の収入がふえてきておる。この傾向が今度の税制改正でどこか是正されていますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 先ほどから何度も申し上げますように、今度の税源調整によりまして、国の財源であるものを相当額地方のこういう財源に持ってきたわけであります。したがいまして、たとえば百七十億の入場税の譲与税は廃止になりました。それを差し引きましても百五億の税源というものが、改正上財源が地方にふえる、こういうことになっております。しかもその百七十億は漸次これは漸減していくのでありまして、三十七年度にはおそらく七十億とか半分くらいになる性質のものであります。そういう意味からいきますと、百数十億の税源の配分を地方へやりまして、その分はもっぱら不交付団体へいかない、総合的な計算で地方団体へいくと、こういう計算をやっております。しかし、むろんこれによって全部が完全なバランスができたという性質のものでないことは、これはお話のとおりであります。長い間の歴史、そうしてまあ千差万別の団体を持っておるのでありまするから、そういったものに対する不足額は交付税でその差額は全部補給して、全体にバランスするレベルに合わせるというのが御承知のとおり今の制度であります。そのほかにまた税だけで財源配分を全部やろうと思いましても、これはできませんので、その他の方法もいろいろ使っております。三十六年度の低開発府県のいわゆる公共事業費の補助費の特別法案、これによりましても三十七年度は、おそらく全額にいたしますれば百八、九十億の補助費のネット増がある。これも全部地方の交付団体、貧弱団体へ回ることになっております。今度法律を出しております法案によりましても、辺地あるいは離島等にはまた特別の操作もするようにしまして、これは全体としては非常に改善をされていく方向にあります。しかし、これは右から左へぴたっと数字も同じような平均と、これはそういうわけにはいかぬことは御承知のとおりでありますが、漸次改正しておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これが漸次改正になったかどうか数字でお答えいただきたい。三十七年度の地方財政計画の歳入増は三千七百二十四億円、これはいいですね。支出増のおもなものは何ですか。

大村襄治自治大臣官房参事官

○説明員(大村襄治君) ただいまの加瀬委員のお尋ねで、税制改正で団体間の税源帰属の適正化の措置をどういうふうに講じたかという点につきまして大臣から大局的にお答え申し上げましたが、なお参考に具体的に申し上げますると、府県民税の改正によりまして、正前におきましては府県民税総額のう四五%が交付団体に帰属しておったわけでありますが、今回の改正によりまして、その割合が五五%に高まる見込みでございます。今まで累進税率でありましたものを比例税率に改めることによりまして、低いほうに税収を移す、そのかわり低い県に対する所得税のほうのかけ方はぐっと軽減する、そういう影響があるわけであります。  それから、お尋ねの法人事業税につきましては、分割基準の改正によりまして、本社の所在地の従業員は二分の一に割引をする、これによりまして平年度二十億円ほど後進県のほうに事業税は移って参る、そういう改正をやりました。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の聞いているのはそういうことでない。歳入増が三千七百二十四億円だというのはわかったけれども、支出のおもなるものは何に出ているかという……。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 投資的経費が千六百九十七億円、給与関係経費が千二百十三億円、一般行政関係経費が八百二億円でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 法律やその他のひもつきで出る経費が二千六百五十五億円でしょう。いわゆる純然地方団体で使える経費は九百五十七億円でしょう。増加した分ですよ。そのうち寄付等の規制のために百億使うとすれば、八百五十七億円が単独財源の増として自由に使えるものでしょう。ここに不合理はありませんか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 国の補助金の増に伴うものも相当な分量を占めているわけでございます。しかしながら、投資的な経費のうちにおきましても、国庫補助金、負担金を伴いませんものが六百八十三億円の増になっております。なおまた、一般行政費におきましても、国庫補助、負担金を伴わないものが三百七十四億円ということになっておるわけでございます。給与関係経費をどう見るかというような問題もあるわけでございますけれども、これが全部ひもつきのものだと、こういうようには考えていないわけでございます。投資的経費につきましては、御承知のように、国の計画と地方の計画が合致いたしまして開発を進めていっているわけでございますので、国の計画に伴うものが全く国独自の考え方だけで左右されている、こういうようには私たちは考えたくないわけでございまして、地方自身の企画が国の予算に反映されまして、それが地方開発に貢献しているというような部分もございますので、御指摘になりました数字の基礎を承知いたしませんけれども、投資的な経費で国庫負担金を伴うものが地方の意思のいかんにかかわらず中央の意思だけで左右されている、というふうには考えたくないという気持を持っておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 事務的経費が非常に多いということですよ。三千七百何億の増のうち二千六百五十五億というのは事務的経費だ。単独に使えるのは九百億そこそこでしょう。  そこで、厚生大臣に伺いますが、たとえば生活保護、医療扶助、いろいろありますね。これは負担金として当然国のほうから地方団体に流れていきます。地方もそれに対して何%かをもって予算が構成されます。しかし、各府県によって自分の持ち出す金を少なくしようとするために、保護率が一定いたしておりません。千葉と神奈川と東京と、あるいは青森と岩手と、こういうことになりますと、保護率が千差万別です。当然社会保障として行なわれるものならば、都道府県どこに行ったって保護率がひとしくならなければならないのに、経費の一部を地方に持たせるために保護率がばらばらになっていますが、これはお認めになりますか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 地方によりまして保護を受ける人の率が違っておるという事実は、これはそのとおりでございます。府県によりましていろいろ違いがございますから、これにつきましては——と申しますよりも、生活保護といたしましては法のもとに平等無差別な保護をいたしておるわでございます。一定の標準に基づきまして収支の認定をいたしまして保護をいたしておるわけでございますので、要保護者の数が多いとか、あるいはまた財政の都合とかいうことで差等があってはならない性質のものでございます。現在の各府県における保護率の違いというものは、そのような方面から来るのではなくして、やはりその地方々々の住民の生活水準というものが大きく影響しているものと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これはもっと徹底的に論じなければならない問題でありますが、やっぱり政府自身としても、負担金といいますか支出金といいますか、このパーセントをどれぐらい持てばある程度厚生省の要求するような保護率が適用されるかということを、真剣に考えていただきたいと思います。  それからまた、自治省に重ねて伺いますが、昭和三十七年度における岩手県の地方交付税、それから地方税、地方譲与税、こういうものの差引差額はどういう数字になりますか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 三十七年度の地方交付税はまだ配分をいたしておりませんので、どういう数字になるかわからないわけでございます。(「予想」と呼ぶ者あり)ただ、県が予算に計上しておりまする額が、三十七年度におきまして八十三億七千二百万円でございます。三十六年度の当初予算に計上しておりましたのは六十三億六千百万円でございますので、二十億円程度増額を見込んでいるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは自治大臣と大蔵大臣に伺いますが、昭和三十七年度に三十六年度の税法どおり地方税を取れば、税制改正しないとすれば、大体三百二十億の府県税は増収になるわけですね。これが税制改正その他のために減になっている。地方財源を確保するというけれども、当然取れるべきものが減ってきた。この補てんが確実に行なわれておりますか。岩手や青森という貧弱な府県についてもですね。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 今、具体的に岩手県の数字につきましては、お話のように、まだこちらで十分な検討をいたしておりません。しかし、今度の税制改正等によっての財源の影響というものは、今後十分精査いたしまして、そのための交付税制度というものがあるのでありまするから、それでもって十分操作をいたすというつもりでおります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 岩手ではその交付税を昭和三十七年度は八十三億七千二百万円と押えている。三十六年度には八十七億千五百万。結局、三億四千三百万は一応減として予算を組んでいる。各地方は交付税がたくさんふえるとは当てにしていませんよ。今まで当てにしておって全然当てにならなかったわけですから、だから、交付税じゃなくて、もっと確実のかわり財源があるか、それを聞いている。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 今お話しになりました数字は、三十六年度の決算と三十七年度の当初との比較でおっしゃったのだろうと思います。これは決算と決算と対比すれば先ほど当初と当初との比較で申し上げましたような割合になってくるだろうと、こう考えております。岩手県につきましては、租税収入の伸びは富裕団体ほど大きなものを示すことはなかろうと思います。それだけに地方交付税の伸び方ははるかに大きなものを示すだろう、こういうように私たちは想像いたしているわけでございます。  なおまた、先ほど自治大臣からお話しになりましたように、後進地域の開発のための公共事業の国庫負担の特例に基づきまして、国庫負担の補助金額がかなり大きな程度交付されるわけでございまして、おそらく十億前後の額がその意味で交付されるのじゃないか、こう考えておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは結論的に伺いますが、地方財政は、三十六年度から見ればはるかに財源が確保されて、たとえば問題が高校生急増対策というふうな非常に大きな事業量が迫ってきても差しつかえないと、こう大臣はお考えになっておられるのですね。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) この点は検討いたしまして、十分善処をするつもりでおります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 善処じゃなくて、善処されておるかどうかということを聞いている、今。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 三十七年の交付税等につきましては、御承知のように、これから精算をしてきめるわけでございます。これから財政計画全体を通じまして、検討の上で善処いたします。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それはおかしいですよ。地方財政計画というのはもう発表になったんだ。その地方財政計画では、高校生急増対策というふうな大きな事業量が迫って参っても、十二分にこれを財源によってまかなえる、公的な財源によってまかなえる、こういうように了解してよろしいかどうかということです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) これは、お話のとおりに、地方交付税額というものは、もうこの予算できまっておるわけでございます。しかし、交付税額の配分をどういうアイテムによってやるかという問題につきましては、考え方がいろいろあるわけでございまして、たとえば、昭和三十六年度に公債の償還の繰り上げを百七十億やっております。これは、三十七年度は、今の高校等の非常な需要があるからというので、これは取りやめまして、そういった財源を引き当てるというようにいたしますれば、従来のもののほかに高校急増対策といったようなものに対する需要がありましても、これは今のところ全体としては大体まかなえる。まあ土地の問題等につきましては、また別の扱いを要するものがございますが、総体的な見当としては、やり得るという確信を持っておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 高校生急増対策の事業費は百三十三億、地方財政計画では。そう了解してよろしいですか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) これは、百五十四億が三十七年度の計画でありまして、このうちの十三億が国庫補助——工業部門に対する補助金額で、百四十一億がネットに要る地方の費用、こういうことです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 で、地方財政計画並びに政府の方針では、この税外負担の解消ということで百億盛ってありますね。これは、税外負担を解消するというのは、一つの政府の方針として見てよろしゅうございますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 大きな方針として総理大臣から御答弁になると思いますが、税外負担というものはいい傾向じゃありませんので、漸次これをもう縮小して、将来はなくしたい、こういう方針で強く臨んでおります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは大蔵大臣でも総理大臣でも伺いたいのでありますが、税外負担の軽減ということを言っていながら、地方に、国立の高専の敷地というものはほとんど寄付あるいは地方の負担にまかされておる。あるいは今度の公立高等学校の敷地も同様です。これは政府の方針とはなはだ矛盾するわけですが、これはどういうことですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 税外負担の実態がどうなっているかは、二年前の調査では約三百億円くらいというようなことを言われておりますが、正確な数字はつかんでおりません。したがって、当時は九十億の解消策をとり、今回さらに百億の解消措置をとったわけでございますが、このほんとうの実態がつかめませんので、さらにこの実態を調査する調査費も今年度は計上してあるということでございますので、漸次負担も解消する方向で施策していきたいと思います。これは、義務教育費をもっぱら中心として今回は措置をとったわけでございますが、高専の問題は、この前御説明いたしましたように、どこに設置するか、その場合どうするかということにつきましては、地方から自発的な申し出がございまして、県有地を提供してくれるところもございますし、一般民間から寄付を申し出てくれるところもございますので、こういういろいろの要望のございましたものは、計画の中へそれとして入れるということも、これはあながち悪いことではないだろうと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 政府は、この地方負担によってある程度バランスをとろうとする傾向が今までずっと行なわれてきました。特に公共事業なんかは、国の事業を地方にしわ寄せされる傾きが非常にありました。そこでひとつ伺いたいのは、災害対策基本法の審議のとき、大蔵大臣は激甚災国庫負担特例を次の国会に出すとおっしゃった。次の国会というのは、ただいまの国会であります。これはお出しになると了解してよろしゅうございますね、本国会に。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この問題は、今関係省で相談中でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 出すべく相談していると了解していいですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そのつもりで相談しておりますが、まだ各省の意見に相当の食い違いがございまして、調整している最中でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 高校生急増対策で、政府案と地方案の間には相当の開きがあります。自治大臣はどう見られておりますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 予算の要請、折衡当時におきましては、相当な開きがあったやに聞いておりますが、その後文部省が各府県と相談いたしまして、全体計画というものを立て、そうして三十七年度の百五十四億というものにつきましては、これは喰い違いはないように承知しております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 では、第一次政府案と、文部省案といいますか、それから予算面で裏づけになっている政府計画と、それから現在府県が要求している都道府県の計画と、予算面の上に出た計画と、この数字に違いがありませんか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 政府案と申しますのは、総体で五百五十四億円の案でございます。この数字をまとめまするまでにつきましては、いろいろと検討いたしておりましたので、若干数字に違いが出てくるかもしれませんけれども、この内容につきましては、文部省の考え方に基づきまして、政府として一致した数字でございますので、これでやっていける、こういう考え方を持っているわけでございます。  なお、府県の言っている数字との間の食い違いはないか、こういうことでござますが、この点につきましては、三十七年度の府県の予算も大体きまったところでございますので、現在調査をいたしている最中でございます。知事会が、予算がまだ案として進行している過程において、取りまとめた数字がございます。この数字と私が今申し上げました数字との間に、若干の食い違いがあります。どこに食い違いがあるかということでございますが、政府として考えておりますのは、高校生急増対策の経費でございます。したがいまして、従来からも高等学校が老朽化いたしますと改築をいたしていたわけでございまして、こういうものは、従来からも、府県において百億円程度あったわけでございます。決算上もその程度の金額が現われておりますし、また地方交付税の基準財政需要額の中にも百億円程度のものは織り込んでおるわけでございます。これは全然高校生急増対策の財源措置をするからといって減額はしていないわけでございまして、別途に追加して財源措置をいたしますのが、総額で五百五十四億円、本年度において百五十四億円という数字でございます。同時に、この計画をどのようなスピードで進めていくか、要するに年次割の問題があるわけでございまして、単年度において食い違っていることが、総体計画において食い違っているということにはならないわけでございまして、今申し上げましたような、本来の高校生急増対策に属さない部分がどの程度あるか、あるいは、総体計画は同じだが、単年度の部分において、三十七年度の部分においてどれだけ食い違っているか、そういうことをしさいに検討しなければなりませんので、そういう作業を現在やっている最中でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは少し作業を待つことにしましょう。それでは、土地の問題、敷地の問題だけで聞きます。敷地を全然予算ゼロとして府県会に提案している府県が相当ありますけれども、御存じですか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 従来、府県が高等学校を設置いたします場合に、設置いたします市町村に土地等の提供を求めているならわしが相当行なわれておりまして、このことがひいては結局PTA等の負担に転嫁されましたり、御指摘になりましたような税外負担というようなことにもなっておりますので、府県みずからが土地を調達する場合には、府県に地方債をつけるという方針を三十六年度から実施したわけでございまして、三十六年度には二十三億円を許可いたしたわけであります。その結果、市町村に土地を求めようとしておった団体がみずから調達した例がございます。三十七年度におきましても、府県が市町村に土地を求めるというようにしているところが、相当数あることを承知いたしております。これにつきましては、みずから土地を府県が調達する場合には地方債をつけます。その額として四十億程度予定しておりますということを府県に言っておるわけでございますので、自治省といたしましては、府県がそれをみずから購入するような方向に変わっていくことを期待いたしておるわけでございますし、またそうした努力をいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 十七府県が予算案において土地購入の事業費ゼロ、こういう予算を作っているわけです。これを妥当とお認めになりますか、十七府県ですよ。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 穏当ではないと思っております。しかし、だんだんとそういう団体が少なくなってくる、あるいはまた市町村に転嫁される割合が軽減されてくるという傾向が最近顕著に見られて参っております。この傾向を一そう強めて参りたい、こういう考え方を持っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その高校急増対策で、特に財源のやりくりが困難だと思われる府県は、どこという御認定ですか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 私たちは全体として財源の調達ができるように仕組んでおるつもりでございます。したがいまして、高校生急増対策のために、府県の財政が困難に陥るということは、全然予想いたしておりません。ただ、率直に申し上げ得ますことは、従来から府県ごとの高等学校の比率が非常に低かった。高校生急増対策の機会に、急増対策にプラスして府県立の高等学校の比重を特に高めたい。そのために、急増対策だけのためであるならば府県の県立高等学校が従来受け持ってきた割合においてそれを受け持つ。その場合には私たちは何ら困難を生じないと思うのであります。しかし、それを飛躍的に増強したい、こういうような希望を持ちました場合には、かなりの財政圧迫になり得るであろう、こう思われるわけでございます。何十年来努力をいたしまして今日の府県立の高等学校の割合になっているものを、一挙に二、三年の間に二倍、三倍にしようというというような考え方を持つ県があるといたしますならば、事実そういう論議をされておった知事さんたちもあるわけでございますけれども、そういう場合には、その団体の財政はかなり苦しいことになるであろう、こう思うわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうではなくて、三十七年度の府県予算の上で高校急増対策費が組まれておりますね。その全体のバランスから見て、これではひどいじゃないか、やれないじゃないかと思われる府県はございませんか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 私たちはないと考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、次の府県について、財政状況をどう把握されているか報告していただきたい。大分、新潟、和歌山。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) おあげになりました三県のうち、具体の団体につきまして話し合いをいたしました中に、新潟県があります。新潟県は、政府がとっております方針をおおむね妥当なものだ、こういう返事をされております。大分県、和歌山県につきましても、これがために困難を来たすということは全然予想いたしておりません。また、そういうことのないように、私たちとしては努力をいたしていきたいと思います。ただ、予算折衝の過程におきまして、財政当局と教育当局の間が若干のかけ引きでいろいろの論議をされることもあり得るだろうと思います。また、そういうことが新聞紙上に出てくることもあり得るだろうと思います。しかし、それにいたしましても、高校急増対策は非常に大切なことでありますので、これが円滑にいきまするように、地方財政の措置が完璧を期するように、そういう考え方で努力をいたしておるわけでございます。全体の数字はそれを予想してやったつもりでございまして、各府県だけの財政措置につきましても遺憾のないように期したい、また期し得る、こう考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは、財政計画そのものが遺憾なきを期したい、また期しべくねらいをつけておるということはわかる。しかし一般財源の持ち出し分が、今の三県は幾らになっておると予算面で御承知ですか、高校急増対策のために。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 今その数字は承知しておりません。ただ、個別に何人程度収容すべきであるかというような員数は持っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 新潟が十億ですよね。それから大分が六億八千万、和歌山が五億二千万。これだけの財政規模の府県で、純持ち出し分が十億だの六億だのになれば、これは財政破綻を来たさないで、それだけの財源補てんが完全にできると、そういう御想定がつきますか。

奥野誠亮自治省財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 六億八千万あるいは十億といわれる数字が、三十七年度だけの予算でありますか、あるいはまたそれが確定した予算であるか、若干疑問があろうかと思います。総体計算をいたします場合、要するに三年間の主要財源ということになりますと、いずれも十億円をこえるだろうと、こう思っております。三十七年度だけの数字において十億円内外の数字でありますと、かなり大きな数字だ、こう私たちは判断をするわけでございますが、いずれにいたしましても新潟の財政当局者と私直接話をいたしております。その結果、政府のとっておる全体計画というものが大体妥当なものであるとこういう話を聞いておりますので、新潟県当局が高校生急増対策のために財政困難に陥るというふうには、われわれは全然予想しないわけでございます。いずれにいたしましても、それらの数字は個別に自治省といたしましてもしさいに当たっていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございますので、無理のないような財政措置を、地方交付税制度の運用なり地方債制度の運用なりにおいて講じていきたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 災害を受けた公共事業を引き続いてやっておるようなところは、これは自己財源の相当持ち出しが必要なんですね。その上に高校急増対策というものを持ち込まれて、少なくも新潟のように十億、あるいは大分のようなそう大きな県でないのに六億八千万ということでは、どうしても財政破綻を来たすと思う。ここをもっと自治省は徹底的に当たって、無理のない数字かどうかというものを見て、御検討をいただきたい。もしどう考えても、高校急増対策の財政措置は自己財源だけでは無理だという場合は、どういう方法をお考え下さるのでしょうか。これは大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 個々の地方財政計画がどういうふうになるかわかりませんが、まず今年度国の剰余金を三十八年度に持ち越しただけでも、その分から計算しましても、三十八年度においては地方交付金が五百億以上六百億前後ふえるということも考えられますし、また今の趨勢からいきましたら、地方村政はよくなっているときでございますので、そういう点を考えて見ましたら、私はこの三カ年の総額において五百億台のこの高校急増対策というものが、地方の財政及び国の交付金そういうものの全体から見まして、これがまかなえないというような決定的な数字ではございませんので、これがやれない事態というものは、おそらく想像し得ないというふうに考えておるわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 交付税で財源をまかなうというけれども、交付税法をお読みになれば、交付税の性格というものは、ひもをつけて配分するものじゃないと思う。交付税というのは三税の伸び縮みによりまして、広がりもすれば低くもなる。これは財源になりません。今後三年間見通して、大体大丈夫だろうという想像はつくかもしれませんけれども、これは固定した、かたまった財源にはなりません。また、交付税のワクにそういうひもをつけて運用することは、これははなはだ私は妥当な運用の方法ではないと思いますが、大蔵大臣どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) よく、交付税というものは別ものだ。何かするんならそれ以外のというようなお考えがあるようでございますが、地方が自主独立財源で地方をまかなわせようとすれば、財源の偏在によって大きい不均衡を来たして行政水準の格差が生ずるのですから、これを均衡化するための制度として、一ぺん国が全国から税金を取って、これを地方交付金として地方に交付するという制度をとっておるので、そのための交付金でございますから、これは財政需要の計算においてこれを適当に配分するということが交付金の使命でございますから、これは別ものだという考えはもう間違いであって、地方財政は固有の財源とこの交付金と、国の負担金、補助金と、この三つによって地方行政の推進をはかっているわけでございますから、この三つのあり方の調整によって地方行政を推進すればいいので、地方交付金の配分においてそういうことを考えるということは当然だろうと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 交付金というのは、地方の固有の財源ですからね。これは使い方は地方団体で自由に考えていいものです。ただ計算の単位費用です。それは一応法律でいろいろの計画をきめておられますことは当然ですがね。それに一々政府のほうでひもをつけてしまえば、固有財源の性格というものはなくなってくるわけです。  時間がありませんから端的に伺いますがね。入場税は初め地方税だった、それを政府が取り上げて入場譲与税にして、今度はそれを全然なくしてしまった。入場譲与税をなくした補てん財源は、何によってまかなうのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 入場税は、御承知のように、伸長性のない、安定性のないものでございまして、むしろこれをやめて伸長性のある府県民税の移譲、これによるほうが、府県民税は将来さらに安定するということを考えて、一方を廃止するかわりに一方の移譲をやるということにした次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 入場税の減分とそれから府県民税の増分では、もう減分のほうが多いと思うのです。補てんになっておらない。無理に補てんをしようとするならば、さっき言ったように、所得の低いものに税金がかかってくるということになる。地方税を取り上げてだめなら返せばいい、地方に。これをゼロにしてしまうという方法はないと思うのです。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 先ほども申し上げましたように、入場税は百七十億、三十六年度を基準にこれが減るという計算を立っておりますが、実際はこの減税をやりまして半分程度になる性質のものであります。一方では二百億近い所得税の……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 入場譲与税はゼロ……。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 入場譲与税はゼロになりましても、この府県民税だけで百八十億ですか、の移管があるわけであります。そのほかたばこにつきましても七十数億円の移管がある、こういうようなものは、ネット財源はこれはふえるわけで、差引では平年度百五億の財源上の増、こういうことになっておるわけでございます。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 加瀬君の持ち時間は終了いたしました。加瀬君の質疑は終了いたしました。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) この際、委員の変更について報告をいたします。  本日古池信三君が辞任され、その補欠として青田源太郎君が選任されました。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に、小酒井義男君。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 総理にお尋ねをしたいのですが、先ほど加瀬委員の質問に関連をして、先日衆議院の外務委員会で起こった事態というものは、今後は起こさないようにしたいという、こういう御意思を表明されたのでありますが、総理として国会の正常化、話し合いの政治ということを、選挙の際からずっと主張されてこられたのですが、心の中では、私はまずいことをやってくれたというふうに思われているのじゃないかと思うんです。しかし、そういうことは、立場上口に出すわけにはいきませんから、あの事態はまずいことであった、こういう表現をされたものと思いますが、聞くところによりますと、条約の所管の大臣である小坂外務大臣は、森下外務委員長に対してよくやってくれた、殊勲者だと言って大へんほめあげておられる、こういうことを聞いているんです。池田内閣のもとで外務大臣がこういうことを言われたとしたら、総理はどうお考えになりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) だれがどう言ったときには、総理はどう思うかということには、ちょっとお答えしにくいと思います。私は、とにかく質疑が打ち切られたということについて外務大臣が喜んだのではないかと思っております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 私が質問中に外務大臣が出席されると思います。私のあとの質問者の要求大臣でありますから、その際に御本人にも確かめたいと思いますが、私は、総理がせっかくそうおっしゃっておっても、同じ閣僚がああいうことに対して、よくやってくれたとか、殊勲者だというようなことを言っておったのでは、今後ともそういう問題が起こり得るという危険性が非常に強いと思う。そういうことに対して、閣内における国会正常化という問題に対する考え方というものが非常に不統一だ。こういうふうに考えますが、その点については、後刻外務大臣の出席の際まで質問を一部保留をしておきます。委員長、外務大臣の出席を要求しますから、それまで引き続いてほかのことを総理にお尋ねします。  実は、タイの特別円問題については、これはもうすでにいろいろ議論をされておりますし、また、今後も議論のされる問題であると思いますから、内容について私は触れません。触れませんが、国会と政府の立場という点から考えて、たしか昭和三十年の七月であったと記憶しておりますが、参議院においても、タイの特別円の問題につきましては、当時の石黒外務委員長から本会議報告があって、実は全会一致をもって承認をされている案件であります。この国会において全会一致で承認されたような内容のものを、総理が個人的に、個人的といっても総理大臣であることには変わりはありませんが、出先において、非常に著しい内容の変更をするようなことをおやりになっても、国会との関係で問題はないというふうにお考えになっておるのか。そういうことですと、国会でどういう議決をしても、総理大臣が勝手にそれを変更されるということになりますと、国会の議決というものの権威に対して非常に問題があると思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私が出先で思いつきに、勝手にやったというのじゃございません。ずっと他の機会で申し上げたことで、六年間いろいろ折衝しても解決がつきません。いろいろな情勢の変化等から考えまして、閣内の関係閣僚と十分相談し、いろいろな案を作って、そうして最後にきめたのであります。しかし、これを一応署名した後これはあくまで国会で御審議願ってきめる問題であります。これは内閣の外交権というところから、その範囲内での処置をしたわけであります。これをどうするかという最後の決定は国会でなさるのであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 国会できめればいいとおっしゃいますが、しかし、現実に、それなら条約等は、いつも主張されることですが、調印前に国会で承認を受けるという手続をやられることが必要じゃないかと思うのです。そういう点はどうです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 内容がきまってから国会に出して、そうして、そこで決定して文書を交換する、こういうのが順序でございます。内容のきまらない前に、国会で、どうでしょうああでしょうということは、私は、国会でどうこうということは案として出せないのじゃないかと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 関連。タイ特別円の問題については、前に一度国会できまっておるわけです。それを変更する案件でありますから、事前に国会において論議をしてみるべきじゃないか。そういう意味で私たちは考えておるわけなんです。あらゆる外交案件について、きまる前に、憲法では、事前または事後となっておる、その事前のほうをとれということを言っておるわけじゃない。前に一度きまったこういうものを変更するような問題こそ、憲法上の「事前に」という、これを適用してやるのが適当ではないか、こういうわけでして、その点総理は何といいますか、きまってから国会に出すのはあたりまえじゃないか、それは一般論でありまして、この場合にはその点は多少まずいのじゃないか、こういうわけでして、そこを納得のいくように説明して下さい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 三十年にきまったことは私もよく承知をしております。しかし、それが国会できまりました。それでわれわれは有効に成立したと確信を持っております。しかし、その後の情勢において、その条文の動かないところがある。それは二条によってきまり、二条によって九十六億円を供給する。しかして、供給の仕方は、四条で合同委員会を開いてきめる、こうなっておるのでございますが、四条は動きません。この厳然たる事実に基づきまして、すなわち、三十年とは情勢が変わってきた。そこで、政府の外交権をどういうふうにするかというので向こうのほうと話をきめました。そして今度の国会の審議は事前の承認を求める、この手続をとっておるのであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 総理の今の御答弁ではありますが、国会で承認をしなければいいとおっしゃっても、もう現実に衆議院の段階でも、あるいは過去においても、今回の場合でも、多数を持っておれば、十分内容の解明されるまでに至らないでも、それを強行をするということはたびたびやってこられたのです。それを国会という場では、数が多数あればいい、衆議院でさえ四月の七日までに通しておけば、参議院は会期内に自然成立をするのだという、こういう考え方で政府は国会というものを見られるということは、私はたいへん間違いだと思うのです。数で押し切ることはできましても、問題は、これは国民の税金の中から支払われることになるのですから、ですから、そういう問題を——少額じゃないのですよ。百五十億円中の五十四億は支払い済で、九十六億は残っておる、その三分の二は残っておるのですよ。その三分の二のような大きな量を占めておるものを内容を変更するというようなことは、少し私は国民としても理解に苦しむところだと思うのですよ。そういう点について差しつかえないのだというふうにお考えですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国会で十分御審議をいただきまして、そうして通過することをわれわれは心から期待いたしておるのであります。これは自然成立とか何とかいうことを私は一度も言ったことはございません。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 まあこれは短かい時間で議論をしておりますと、ほかの質問に入れませんから、私はやめますけれども、しかし、現在やっておられることはそのとおりなんですよ。とにかく参考人のまだあいさつも済まないうちに質疑の打ち切りをやって、そして採決をしたと言っておる。総理もそういうことはなるたけやらないほうがいいと思っておるという先ほどの御答弁でもある。しかし、時間的に計算をすれば、私は、参議院で自然成立をするということを目標にしてそれを進めておるということは、これは総理はそうおっしゃっておっても、そういうふうに事実進んでおることは否定することができぬと思う。そういう点については、私は非常な不満を持っておりますが、これ以上議論しても平行線ですから、議論はやめます。  それから、これもまたこの前の総選挙のあとに問題になったことでありまして、特に今度の国会では、ほかの問題のために非常に影が薄くなっておりますが、公職選挙法改正の問題であります。これについてはいろいろな経緯がありましたが、今二つの案が出ております。二つの案の中で、特に私は一つだけ総理に考え方をお尋ねをしてみたいのであります。それは政治資金規制の問題です。社会党の出しておりますところの案は、御承知のように、相当具体的に出ておりますが、政治資金の問題だけ取り上げますと、「国、地方団体または公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、政党に対し、その寄付を禁止すること。」二つ目には、「国または公共団体から補助金、負担金、利子補給等の交付または資本金等の出資を受けている会社その他の法人は、一定期間、政党等に対しその寄付を禁止すること。」この二点にしぼってお尋ねをしますが、当然選挙の姿を浄化するということと同時に、国会における道義的な立場からいいましても、これらの問題は規制をすべきものであるというふうに私どもは考えておるのです。総理として、この点に対して、それをしなくてもいいんだというのなら、その弊害がないという理由をひとつお聞かせ願いたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今回の選挙法の改正につきましても、政治資金につきまして、ある程度の制限を加えたと思っております。それは、やはり選挙をできるだけ公明に、金が少なくて済むようにという心がまえから出ておると思っております。ただ、選挙制度調査会の答申はかなり広くなっております。また、調査会におきましても、法人のあれをやめたらどうかというふうな議論もあったようでございまするが、今のところはああいう答申になったと思います。しかし、この問題は、私は、政党法、あるいは政党法に伴いまする政治資金規制法等につきまして、全面的に再検討を今後加えて、そして、そのときにりっぱなものにいたしたい、こういう気持を私は持っておるのであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 それでは、選挙法の改正は、これはこれから審議を進められることになるのですが、この国会で成立させ得るということをお考えになっておるか。社会党からも修正案が出ておるのだからというようなことで、この国会では成立は不可能だと、そういうことになるだろうというようなこともお考えになっておりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) あれだけ問題のあった問題で、そして選挙法は将来相当に改正することの考えられるいろいろな問題がございます。しかし、何分にも、そこまでいくにも、今われわれが出した案は、現状において最善のものと考えておりますので、ぜひ今国会で通したい。通して、参議院の選挙もありますることでございますから、あれによってやっていきたい強い希望を持っております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 選挙法の問題については、この国会でやはり成立をさせるべきだと思うのです。思うのですから、特に審議の過程で、当然野党の案において妥当であるというものは、これは取り入れて、そうして審議し、成立をはかるような政府の方針をひとつ持ってもらいたいということを要望をしておきます。  次に、他の委員からも、相当減税問題については論議をされておりますが、私の立場から二、三点大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。今回の減税が非常に少額であるという声は御承知のとおりでありますし、税制調査会の答申も、非常にぼやけたものになっております。そういう点で、減税というものが、確かに税法上、あるいは部分的には減税になっておりますが、総体的に数字を見ますと、源泉分と申告分とのふえ方、税の増収、法人税のふえ方、こういうものを検討をいたしますときに、源泉と申告の分の増額が非常に率が高いということです。約二〇%に近い増加を見積もっております。ところが、法人税においては一〇%ちょっと上回る程度の増額より見積もっておらぬ。こういう点について、税収の見積りに対しては、どうしてこういう結果が出るようになったのか。もう少し源泉なり、あるいは申告なりの分の大幅な減税を行なうことが——こういう数字の出てこないことに訂正をすることになったのではないかと思うのです。こういう点について、この数字のこういう結果になったことのひとつ内容を御説明願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 見積りの問題は、この前から説明いたしましたように、増収の実績から見て、さらに来年度の経済の伸び率というようなものを考えて、積み上げ計算で推定したものでございますが、三十六年度の当初予算に比べて、三十七年度の収入見積もりが四千八百七億円、それだけ多いといいましても、三十六年度の歳入の実績から比べましたら、わずか千五百億円ぐらいの増しか見込んでないと、こういう計算になります。その場合に、来年度の経済の伸び率を、一応私どもは政府の見込みで五・四%、これがどういうふうになるかはともかくとしまして、こう見ておりますと、今年度よりも伸び率は少なくなっているわけでございますから、そういう点をも考えてみますというと、当然に法人税というようなところの見積もりに、他の一般と比べた傾向が出てくるというふうなことは、これはやむを得ないことだと思います。もし積み上げ計算の各税目の見積りのこまかい資料が御必要でございましたら説明します。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 こまかいことはけっこうです。こまかい点はお尋ねをしませんが、それでは数字の点で二点ほど確認をしたいと思いますが、三十六年度の国民所得と国民の税負担の負担額というものの比率は、率は当初二〇・七であったものが、大体現在想定されるところでは二二・八ぐらいになるという数字は、これは御確認願えますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今のところ、大体そのくらいになる見込みでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 そうしますと、昭和三十一年から昭和三十六年までの当初見込み額と決算額との税負担に対する比率を比較をして見ますと、三十四年には、予定より少し決算の際に下がっておりますが、三十五年の場合には二〇・五であったものが二一・五になり、三十六年には二〇・七であったものが二二・八になる。そうすると、三十七年度の当初見込みの二二・二というものは、これはさらに相当これを上回った結果が出てくるというふうに判断がされると思いますが、そういう点はどうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 伸び率について、見込みは毎年ある程度の狂いを生じておりますが、三十六年度の場合、今まで一応見通されておりましたことは、名目一四%、実質一一%の増というふうに今まで見られておりましたが、どうもそれだけの伸び率だとしますというと、自然増の幅が少し狂い過ぎておるように私は感じまして、そう狂うはずはないという考えでいろいろ検討しましたが、これはまだ最後の計数ができませんが、やはり三十六年度の日本経済の伸び率が、今予想しておった名目一四%よりは、はるかに——はるかというかどうかわかりませんが、相当大きいものだったという実績が近く計算されるのじゃないかと考えております。もしそうだとすれば、当初予算に比べて三千三百億円の自然増ということも合理化されますが、今までいわれている程度の、一一%程度の経済の伸びということにしますと、少し自然増が多過ぎる気がいたしますが、これは今年度の最後の伸び率の計算が出ましたら、私は、大体この程度の狂いがやはり当然だったというふうな結論になるのではないかと思っております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 これだけの高率の、まあ率をいうと諸外国の例がよく出るのですが、私は、やはり国民負担——国民所得と税の負担率を、ただ数字だけで判断することはできぬと思うのです。その税金がどういうところに使われているかということを見ませんと、アメリカがどうだ、イギリスがどうだといっても、これは例に私はならぬと思うのです。特に昨年度のこういう実績等から考えて、あるいは自然増収の予定をされた金額等から考えてみまして、二二・二というような負担は、これはやはり重過ぎるのです。結果的には、おそらくこれは将来の見通しの問題ですから、想定がいろいろありましょうが、従来の感覚からいけば、おそらく三十七年度の決算においては二三%をこすような負担率になるのではないかというふうに私は感じております。そういう点から、財源もあるのですし、実際の、非常にぼやされたとはいいながらも、税制調査会はもっと低い比率であるということがいいという、こういう考え方を持っていることには違いがないのですから、ですから、もっと大幅な減税をやられるべきだ。そこで、これを二二・二というのを、たとえば一%減らすとすると、原資というものはどのくらいになるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 国民所得に対して一%負担率を減らすということにすれば、千四百億円になります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 まあこれは全部増収分を減税に回せというようなことは私も言いませんけれども、とにかくその程度であるならば、大蔵省の当初案の千五百億減税というようなことは簡単にできると思うのです。なぜこれがやられなかったのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 減税は税制調査会の大体答申どおり、平年度において中央地方税千七百億円、これと実質的には少しも違っていない減税を今度はやっております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 確かに一千億程度の減税にはなりますが、しかし金額的にも先ほど私が申し上げておりますように、申告と源泉の税の改正法の収入の見込額によって、補正後の予算の数字と比較をしましても一千九十二億三千六百万円、こういう増収を見込んでおるのです、量においては。そうして国民負担との比率においても、昨年の当初の比率から比べましても、昨年が二〇・七%であったものが二二・二ということになっておりますと、両方の面で減税になったというふうには私は国民は受け取らぬと思うのです、そういう考え方は。これが国民所得がふえて、しかも前年と同率の国民負担であった、その結果若干それが税収の上において増額を見るというならば、これはあり得ると思うのです。これを負担の率までも一・五%昨年よりも上回っておるということでは、ほんとうの意味の減税というようなことはいえない。ほんの申しわけ的な減税に過ぎぬと思う。私は、一体減税をするとしないという場合に、どういう点があるかといえば、とにかく二千億ぐらい……千五百億ですか一%とすると、その程度の減税をしたとしても、国民の購買力が非常に高まって、日本の経済に影響を与えるような大きなものにはならぬと思うのです。その中の相当の部分はやはり貯蓄に回ると思います。減税をやらないで財源を予算のほうにいっぱいに回しますから、そこでどうしても財政が放漫になりむだ使いができてくる。予算をもっと圧縮すればもっと慎重にこの金を使うという効果も出してくると思うのです。そういう点で、もっと大幅な減税ができたのにこれをやった、それがかえって日本の経済の上に、あるいは予算の効率的な使用をする上に、悪い影響を与える点もあると思うのです。こういう考え方は間違っておるでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 減税もしようとすればこれはできると思います。しかし私どもはこの法人税そのほかの税率をいじるというようなことをやめて、この二年間は低所得者層の負担を軽減するということから所得税中心、本年度は間接税に比重を置いた減税、これを二年がかりでそういう方針の減税をやりましたので、そういう意味から見ますと、この二カ年間の減税額は相当今までの規模に比べて大きいものでございますし、この二年間の減税によりまして、御承知のように標準家庭におきましては、課税最低限が八万七千円くらい引き上げられたということになりますし、それによって所得税を納めなくなる人たちが三百万人以上になるということでございますので、そこを中心の減税をやるという方針でやったものでございますから、減税の幅をその他の高所得者そのほかへ広げていない、法人税の問題にまで及ぼしていないということから考えましたら、私はこれは低所得者に対する相当大きい減税政策に実際にはなっていることと考えています。  それともう一つは単に減税すればいいということじゃなくて、必要な財政需要というものは考えなければなりません。で、今、日本の経済は高度成長してきて、このための不均衡ができているということでございますから、おくれた社会投資はもう少しやらなければ経済の不均衡を来たす、ことしはこのために約一千億の予算増となるわけでございますが、これくらいのものはしなければならぬ。さらに所得格差の問題から見ましても社会保障政策は強化すべきでございますし、文教政策も緊急の問題になってくる、こういうものへの施策もことしは千億円くらい少なくともふやすことが必要だ、というようなことを考えてみますと、もうその二、三の項目だけでも必要な財政需要は二千億をこすという状態でございます。  それともう一つは、税収が上がれば上がるほど、これは支出増に当然なるべき部分がございます。ガソリン税が増収になればその分は道路会計に繰り入れなければなりませんし、酒税加算税の自然増が見込まれる場合には、これは地方交付金にしなければなりませんし、こういうものだけでも自然増があるために、一千億円以上の支払われた経費増というものも予想され、こういうものを勘案いたしましたら、三十六年の実績に対して千五百億円しか増収を見ていないときにおいて、そういうものをまかなって、しかも減税を平年度千七百億、千八百億、地方税は税制調査会の答申よりも多くいたしましたから、それだけの減税をやって、初年度千億を越す減税というものは、減税の幅としても、他の施策との均衡から見たら私はそう過少だとは言えないじゃないか、規模は相当今までに比べて大きい規模だというふうに考えています。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 大臣は相当な大きい額だと考えていると言われますが、われわれはこれは大きい額だとは考えられません。これはやはり見解の相違といいますか、意見の違いですからその点はこれ以上言いませんが、しかし予算を見る場合に、同時に財政投融資というのが非常に大きな量を持つことになっておるのですが、財政投融資の中の原資として、総額八千五百九十六億円のうちの郵便貯金、厚生年金、国民年金、簡保資金というものを合計しますと、四千七百七十億円になる、これは相当な、五割以上の額を占めておりますが、反対に使途別分類表によってこれらの層に均潤するであろうというようなものを摘出をしますと、たとえば一から四までの関係がそれに当てはまると思うのですが、そうしますと、その金額というものは二千七百億円をちょっと上回るだけである。こういう点で、財政投融資の使途をもう少し、今私が言っておるような分類のところにウエイトを重く置くということが必要だと思うのです。そういうことはお考えになりませんか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 十分そういうことを考えてこの配分をやっておるつもりでございますが、国民一般の零細な貯蓄から成り立っているものでございますので、この計画のときには、国民生活の向上に直結した分野にこれを重点的に計画配分をするということにしましたので、住宅、上下水道、清掃施設というような生活環境の整備、それから病院、養老施設、厚生福祉施設、文教施設の整備というようなものへの投融資は、大体財政投融資の五〇%以上を占めております。国民生活に直結すると思われる部分に五一%以上の投融資をしておりますし、あとは災害復旧、道路、運輸、通信、国土保全というような国民経済の基盤に関するものに大体三〇%、そのほかは御承知のように開発銀行を通ずる基本産業というようなところにきておりますので、大体もう財政投融資計画はあなたのおっしゃるとおりの線に沿っていると思います。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 私はまだこの配分の仕方が十分だとは思いません。特に住宅というのは非常に不足をしているのですね、御承知のように。しかも過年度から比べますと、建設に対する資材その他も値上がりをしておるはずです。そうすると、金額がふえたことが、すなわちそれだけ建築数にはね返ってくるということにはならぬと思うのです。そういう点からいくともう少しこれらの点に財政投融資を多くみるべき必要がある、そういうふうに私は考えております。  時間がだんだんなくなりますから先へ走りますが、経企長官にお尋ねをしたいのですが、実は私ども経済のことはあまりそう詳しくないのです。ところがしろうとなりに、ケネディ内閣ができてアメリカのドル防衛が始まる当時から、日本の経済が将来どういうふうに移行をするであろうということに対しては、しろうとなりにいろいろ考えてもみておったのですが、まあ政府は、そういう点は問題ないのだ、大丈夫だといっておられた。まあ専門的な立場でそういうことをいっておられるのなら、あまり専門の知識のないわれわれがそれを議論するということも、まあする必要ないであろうと思っておったのですが、一般によくわかるように、この間日曜の毎日新聞で日本経済の国際収支の「やせ細る外貨準備」という記事を出したのですね。これ間違っていましょうか、こういう状態でしょうか。

藤山愛一郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(藤山愛一郎君) 実はまだ私、毎日新聞のその記事を読んでおりませんので内容についてはよく存じません。しかしながら御承知のとおり外貨バランスが昨年悪くなりましたことは申すまでもないのでございまして、したがってそれを平常に戻すというような努力をわれわれはして参らなければならぬのでございまして、ただいまにおきましては、やはり運転資金その他を外国から借り入れるという状況にあることは申すまでもございません。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 ごらんになっておらぬそうですが、これによると、もう最後の一線まできておるというふうに書いております。しかも輸入の抑制、国内消費の根強さ、投資の強さから十分効果が上がるかどうかということには、困難な状態にあると書いておるのですか、まあ昨日ですか、通産大臣がああいう措置をとられたのは、こういうやはり事態になっておるというふうに私は考えてもいいと思うのです。そういう状態になってきたわけですが、そこで大蔵大臣、実は総選挙のあとの特別国会で、まあ私も時間もありませんし、専門の知識もありませんから、きわめて具体性のない内容ではありましたが、ドル防衛と、あるいは今後の設備投資をやっていく、いわゆる経済の高度成長をやっていく過程で、一体日本の貿易収支というものがどういうふうな状態になるであろうかということをいろいろ考えて、そうして質問をした。そのときにあなたはこういう答弁をなさっておるのです。「もちろん昭和三十七年以降は、日本経済にいろいろな影響が現われて来ることを私どもは考えておりますので、この対策は十分するつもりでおりますが、三十五年度の国際収支には影響がないということと、三十六年度の影響も軽微で、経常収支が赤字になるような事態にはならない。資本勘定を入れますと、三十六年度の見通しも相当大幅な国際収支の黒字を予定されるというのでございますから、そういう意味で、私どもはそう心配しなくても済むということを言っておりますし、また、その影響が、私どもの想像以上の影響が出てきたにしましても、今総理の言われたように克服する方法は相当考えられるというのでございますから、政府は真剣にこの問題は考えておって心配ないというのに、心配があるんだあるんだと騒ぎ立てるのは少しどうかと思っておりますので、その点はどうか一つ……。」というのがあなたの答弁なんです。再質問をする時間がなかったから私は質問をしませんでしたが、あなたのこの答弁と現状はどうです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 設備投資が行き過ぎましたために、その見通しが狂って参りまして、国際収支が悪くなってきましたので、昨年来この調整策を政府は真剣にとるという措置をやっておりますので御承知のように毎月一億ドル近い国際収支の赤字幅がもう徐々に狭まってきまして、二月には二百万ドルの赤字でございますが、三月はやや均衡の形をとるでございましょうし、漸次その回復の形が出て参りましたので、狂ってきた場合にはそういう調整策をとってこの回復に努力するということに全力をあげているつもりでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 全力を今おあげになっておりますが、しかしその当時とは相当見込みが違っておったということは否定できませんですね。それでわれわれは決して日本の経済が悪くなることを期待するわけじゃないのです。私はそういう危険があるから、そういう点は慎重に考えなきゃいかぬのじゃないかということを言っている。ところがそういう余分な心配をしなくてもいいというような答弁は少しいただきかねる。こういう答弁というのはどうです、大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあ経済は動いておりますので、あの時点における見通しと、そのあとがああいうふうに狂ったということでございますので、狂ったら狂ったような措置をとるよりほかに仕方がございませんので、ただいま調整策をとっているときでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 非常に私は無責任だと思うのです。とにかく失敗したら失敗したときはまた別の方法を考えるのだというような、そういう安易な考え方で政治をやってもらっちゃ困る。失敗したらやめればいいのだとか、失敗したらあとから手直しするのだというようなことでなしに、はやり相当長期の見通しを立てた上で、こういう政策というものは私は進めるべきものだと思うのです。そういう点に対してこれ以上追及はしませんが、だいぶ狂っております。甘過ぎた、そういうことがはっきり言えると思うのであります。  それから時間がなくなりますから、外務大臣、先ほどちょっと総理の質問に関連して、あなたは非常に衆議院の外務委員長をおほめになったという、あれはどうなんですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 実は私きょう新聞のいわゆる箱を見てびっくりしたのでございますが、そういう賞賛したとか、そんなようなことはございません。たいへんに長い間御苦労さまでございましたということは申し上げたと思いますが、特別にそういう記事のようなことは申したことはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと関連。外務大臣、あなたは非常にお上品な人ですが、外務大臣ともあろう人は、最も僕はゼントルマンでなくちゃならぬと思うのですね。ところがあの日に、うちの予算委員の理事諸君には、参考人の意見を聞きたいので衆議院の外務委員会に行きたいと、与党の理事さんを通じて了承を得て、向こうの委員会に行かれたわけですが、私それを聞いたときに、参考人の意見を聞きたいということは、外務大臣たいしたものだと敬意を表したのですが、実はそうでなくて、ほんとうのところは、ああいうことを十分御承知で行かれたのでしょう。そういう点は、やはり信義の問題で、ゼントルマンたるべき外務大臣が、野党の予算委員をそういうことで煙に巻くということは、いただけないと思うのですね。これが国会の混乱する一番大きな原因だと思うのですが、ひとついかがでございますか、反省なさっては。お答えいただきたいと思うのです。非常にわれわれはしようがないと思ったわけですが……。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 実は外務委員会のほうから、参考人の意見を聴取するようにという話がございまして——これは前日からそういう話があったのでございます。前日は分科会でございましたが、分科会が終わりましたあと、すぐ先方へ参りまして終始承っておりましたが、非常に貴重な御意見でございました。翌日も朝行って承り、またこちらの御質問が終わりましてから向こうへ行き、二日間の参考人の意見は事情の許す限り承りました。こういう事情だけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 関連一つ。まあ私はこのことでいろいろ文句を言いたいことはたくさんあるのですが、一つだけ申し上げますが、外務大臣があちらに出席されまして、今のお話によりますと、参考人の意見を聞きたかった、こういうことでありますから、おそらく外務大臣もあの現場を見ておられまして、せっかく参考人の意見を聞いておる途中にあのような打ち切りの仕方をされた、その点だけでも、はなはだ外務大臣自身もああいうやり方は残念だ、こういうふうに驚いたろうと私は思うのですが、その辺の率直なところをお聞かせ願いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) それは私の答弁の限りでないと存じます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 総理も他院のことだというような理由で、簡単にお答えになって、実際のところお答えにならぬ。外務大臣もああいうふうなお答えをされる。しかし、これは私たち何も他院の運営をことさらにとやかく言うわけでないのです。この条約というものは外務大臣としては責任を持っているわけなんです。たとえ多数によってそれを通すとしても、手続上大きなミスなりそういうことがあったのでは、これはやはり傷がついていくわけですね。外務大臣としてそこら辺のところをどう考えておるか。大いにたくさん傷つけてくれと言うなら、参議院に回ってきたときには傷つけなければならぬことにもなるし、担当の大臣としてもあのようなことで世間の批判を受けながら通っていくということに対しては、おそらく私は内心非常に心外に思っておられると思う。これは決して私たちとしては他院のことを言うんではなくて、外務大臣の考え方というものを承っておく必要があるわけです。大きな問題です。  もう一ぺん率直にああいう事態をどういうふうにお考えになっておるか、総理も外務大臣もそうですが、こういう問題などについて、たとえば千田さんとか、ほかの方がお尋ねになりますと、適当にお答えになるのです。ところが社会党のほうからもう一歩突っ込んで、しからばと、こう聞きますと、答える限りでないと言う。あまり追及されないと思われますと、適当に答える、これはおかしいのです。答えないのなら、どなたが質問されても一切お答えにならぬのならば、また多少筋が通る一わけでもないかもしれませんが、一つの見識です。具体的にそれ自体というものに対して、もう少し突っ込んで私たちは聞きたいと、そこに触れますと、他院のことであるというような理由をつけまして、お答えにならぬ。これははなはだ心外です。外務大臣としてともかく所管の重要な案件につきまして、ああいう前代未聞のことがあなたの面前でやられたわけですから、あなたの所感をぜひこの際お聞きしておきたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 委員会あるいは議事その他の運営につきまして、私は政府の閣僚といたしましては、特に感想を申し上げたり意見を差しはさむべきものではないと、かような考え方であるのであります。さよう御了承願います。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 私はそこで立ち会って聞いているわけではございませんし、水掛論になりますから、この程度でやめますけれども、少なくとも、あの事態をもし賞揚されるというようなことがあれば、これは池田内閣の国会正常化の話し合いの政治なんということは、これは無意味になってしまいます。  総理は率直にああいうことはこれからやってはならないと、しないようにしたいということを言っておられるのですが、新聞が誤って伝えておるのでしたら幸いですが、やはりお互いにあれを賞揚するということにまでなると、将来いろいろ問題になると思う。そういう点をひとつ申し上げておきます。  それから、あまり時間がありませんので質問は簡単にしますが、去る二十七日に港湾関係のストライキがやられたのですが、国内においてはどういう事態であったか、あるいは国外においてはどういう動きがあったかというようなことについて、御調査になっておると思います。そういう点についてひとつ最初に御報告いただきたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(齋藤昇君) 去る二十七日の港湾労働組合の関係のストにつきましては、六大港を含む全国三十余りの港におきまして、在港船二百九十一隻のうち百四十六隻——これは六大港。それから地方港では百九隻のうち五十六隻、これが不荷役船となっております。海外におきましては、インドのマドラス港で二隻が一日中、サンフランシスコで一隻が七時間不荷役となった模様であります。その他のアメリカの諸港、カナダ、シンガポール等におきましては、おおむね平穏であったようでございまして、海外全体といたしましては、大体大きなことはなかったようであります。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 港湾労働者の実態がどういうことであるかということは、運輸大臣も労働大臣も御承知になっていると思うのですが、きわめておくれた、近代的ということにはほど遠い労働条件、環境というものがあるわけです。もう何回か港湾労働法というのが提出されておるのですが、なかなか成立をしないというのが今日までの現状であります。国際的にまでこういう問題が発展をして、日本の貨物の荷役を拒否されるというようなことは、これは経済の上にも非常にマイナスでありますし、また労働関係の面を見ましても、非常に恥かしいことだと思うんです。この港湾労働法をやはり急いで制定をする必要があるというふうに私は考えておりますが、政府においてそれに対する方針というようなものがあれば承りたい。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 小酒井君の持ち時間は終了いたしました。労働大臣。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 昭和三十一年十一月以来、港湾労働協議会が労働省に設置されておりまして、このほうからもいろいろの建議、答申等がございましたのでございますが、今度国会で総理府に置くということになっておりまする港湾労働等対策審議会、これができますれば、当然今御指摘のような港湾労働の安定あるいは確保等に関する問題についても、このほうで御検討を願って、その結果、政府において今御指摘のようなことについても善処いたしたい、かように考えております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 最後に、総理、今質問しておるように、港湾労働者の実態というものは非常にひどいものなんです。これはひとつ御検討いただいて、これは港湾労働委員会というものを重要法案で設置をして、そうしてそこで、問題を扱っていくというような方法も考えられるわけなんですが、ひとつこれの立法を政府としても……。今労働大臣のお答えがあったんですが、ぜひひとつ今の社会党の出しておる法案を中心にして審議を進めるというふうなことにお考えをいただけないだろうか。どうですか、その点は。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 将来十分検討いたしたいと思います。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 時間が切れたそうですから、実は、その他にも二、三質問をしたいと思っておる問題がありましたが、質問は終わりますが、労働大臣に重ねて要望しておきますが、現在の状態はいつまでも放置すべきではないと思いますから、ぜひひとつ真剣に解決に努力をしていただきたい、御要望を申し上げておきます。(拍手)

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 小酒井君の質疑は終了いたしました。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) この際、委員の変更について報告をいたします。  本日、上林忠次君が辞任され、その補欠として野本品吉君が選任されました。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 厚生大臣に伺います。本年度の小児麻痺の予防対策について。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 昨年度の小児麻痺に対するワクチンの緊急投与に引き続きまして、この三月から、昨年やりました人たちに対する特別の投与並びに年令を拡張いたしましたので、それに対する分と合わせまして、現に実施中でございます。引き続いて五月のころにもう一回やるつもりでおります。なおまた、新生児につきましては、秋にワクチンの投与をいたす計画でおります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 本年五月から六月に実施する予定になっておるカナダの生ワクチン・シロップを、昨年の十二月、村山の予防衛生研究分室で実験をしたところが、これはカニクイザルですが、四十五匹中で三匹死亡した、二匹が発病——麻痺を起こした、こういうことをあなたは知っていられますか。こんな不安な状態で、このカナダの生ワクチンを実施する気があるかどうか、この点あわせてお尋ねしたい。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 厚生省といたしましては、品質の最もよろしい、価格の低廉なものをということで、カナダから輸入することにいたしましたわけでございますが、ただいま御指摘になりました事柄につきましては、ポリオとは関係ないというふうに私は承知いたしておる次第であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関係ないと言ったって、こうはっきり、そういうなにが出ているのです、われわれは事情を聞いている。こういうものをこのまま実施するということになると、たいへんなことだから……。あなたはどういうふうにして調べられたのか。こういう疑いのある問題について検討しなければならぬと思うのです。これはあなたの選挙区の広島でも問題が起こっている。私はここで時間の関係があるからやらぬけれども、対策協議会がこれに対して、発熱をしたり下痢をひき起こしたりしたそういうものについて、これは県知事へ陳情書を、もう出しております。あなた御存じですか。この事実も考えて、カナダの生ワクでは、たいへんなことになる、これはいかがです。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 厚生省といたしましては、慎重な検討の結果、カナダからの生ワクチンが最もよろしいということで、これに決定しました次第でございますが、今御指摘になりました事実は、私もよく承知しておりませんので、政府委員から答弁いたさせます。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) ただいまの二型、三型の、五月に使うワクチン輸入品につきましては、同じ原液をあらかじめ検査するということで、この検査中にこれを接種いたしましたサルが、三匹死亡したということは事実でございます。そこでこのサルの死亡原因を詳しく予防衛生研究所で検査した結果、これはワクチンそのものでなくて、サルの飼育管理の不適正のために、ちょうど冬でございましたので、そのために死亡したということが、解剖の結果判明いたしたということで、さらにこれをまた新たな必要数のサルにかけましたところが、今度はもう全然異常なかった、解剖の結果、もう何らこのワクチンからひき起こされた病変ではないということが確定いたしましたので、この検査は立証されて、それから契約をいたしまして、購入した次第でございます。(「了解」と呼ぶ者あり)

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことを言っておりますがね、カナダでも生ワクの不安は大きくなっているんですよ。私は、なぜこんな疑いのある不安なものを採用して、せっかくソ連の優秀なものがあるにもかかわらず、そうでしょう、去年それで助かったんじゃないですか、あなた。去年それで助かったんでしょう。こんな自由陣営一辺倒というような外交政策——こういう反共の外交政策からこういうふうになっていると思うが、池田総理は、この点はどう思う。(笑声)笑いごとじゃない。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 厚生省でいろいろ検討いたしまして、カナダから買うことにきまったのでございます。何も反共とかなんとか、そんな政治的問題ではございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 人命に関する重大な問題だ。慎量に慎量を期さなければならぬ。こういうような不安なものを使うことは、私は反対です。  次に外交問題に移りますが、政府は、ガリオア援助は債務ではなくて、債務と心得てきたのだと言って、憲法、財政法からの違法性を免れようとしております。しかし、阿波丸協定の了解事項では、「占領費並びに日本国の降服のときから米国政府によって日本国に供与された借款及び信用は、日本国が米国政府に対して負っている有効な債務であり」云々となっています。借款及び信用は債権だと明言しているのです。二十四年四月二十七日、参議院の本会議で時の総理吉田首相はこのことを、「これは当り前な話でありまするが、併しこのクレジット、或いはいわゆるガリオア、イロア・ファンド、費用と言いますか、或いは日本に対する棉花その他のクレジットというようなものが、恰かもアメリカ政府から日本が種々常に無償で以て貰っておるような誤解を与えておりまするから、この機会に了解事項として附加えたのであります。」と言い、さらにこの了解事項は、米国代表シーボルトと日本代表吉田外務大臣との間に、GHQマッカーサー元帥承認のもとで行なわれた、こうはっきり答弁しているのです。つまり供与された借款及び信用とは、ガリオア資金をも含めていること、しかも了解事項は、これは債務であることを認めています。これは明らかに憲法、財政法違反であります。この点、わが党は、この当時即座にこのことを志賀義雄氏が衆議院本会議で追及しましたが、政府はこのとき衆議院ではごまかした答弁をしました。しかしさきにも述べたようにアメリカに対しては債務とすでに約束している。そこで今度のような返済協定を結んだと言わなきゃなりません。このような明瞭な二枚舌を池田首相は何とこれは証明するつもりか、お伺いしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 阿波丸の了解事項は全部お読みになっていただくと、そのあとのところがあるのでありまするが、有効な債務であり、かつ米国政府の決定によってのみ減額されるものと了解されると、こう書いてあるのでございます。債務であると了解される、すなわち債務と心得るように書いてあるわけでございます。債務であるとあなたは規定されて、それではなぜ憲法八十五条の規定によって国会の承認を求めないかという御趣旨のようでございまするが、債務であるというふうに確定するには、その内容をきめなければなりません。そこで、その内容をいかにきめて債務を確定するかということで、今回外交交渉によりまして四億九千万ドルというものを確定いたしまして、これを国会の御承認を得たらば債務と確定しよう、こういうことになっていることは繰り返し申し上げているとおりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今のような答弁をしてますが、私はさっきあげたように、シーボルトと吉田外相との間にちゃんと債務だと確認して、マッカーサー元帥が承認している、こういうことを吉田総理は答弁しているんです。だからはっきり言っているんでね……。あなたは今になってそういうことを言われますけれども、違う。  その次に、池田総理は昭和二十四年四月、吉田内閣の大蔵大臣当時のことですが、衆院予算委員会でわが党の野坂参三氏の質問に答えて、ガリオア、エロア資金が債務であるかどうかは未確定である、それは平和会議できまることである、と言っています。一体、サンフランシスコ会議ではどうなったのか。この会議で日本が背負うべき義務についてはすべて取りきめられたはずであります。ガリオア、エロアについてだけなぜ取りきめがなかったのか、その点、国民は非常な疑惑を持っていますから明らかにしていただきたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) サンフランシスコの議題に乗らなかったから、そこで話ができなかったのであります。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 総理からお答えのあったとおりであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全くなめた答弁をしていけません、あなたたちは。乗せられなかったんだ。サンフランシスコ会議であなたは、池田総理はドッジ氏と会ったでしょう。西独方式の返済方法について話し合っていますね。これは事実ですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 西ドイツがガリオア、エロアをアメリカに払うときのその条項については話をいたしません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ここにあなたの秘書——随行員をやった宮沢参議院議員の本があります。これにちゃんと書いてますよ。それで、あなたはそういうことを言っているんですが、それじゃまずいと思わぬですか。——それで私は、こういうことを話し合っていたけれども、どうも出しちゃ工合が悪い、そこで国際会議に公然と持ち出せなかったのだ。なぜかというと、アメリカの本国政府でさえどう使われているかわからないほど、占領軍当局がでたらめにやっていた性格の援助資金だったからこそ、それを債務として持ち出せば、アメリカの日本占領の支配の実態と意図が暴露されて、連合国諸国からたたかれることを恐れたからこそ、だからこれはそっとしておいて日本支配の道具として利用するという、一石二鳥をねらったことは明らかだと思うんですが、いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 宮沢参議院議員がそこに書いていることは、ガリオア・エロアについての私の考え方を言っただけでありまして、それで私の考え方につきまして、それが西独のガリオアの支払いの基準になったということは聞いておりますが、私がドッジ氏と西独のガリオアの支払い方法を商議する権限もありませんし、何もないことであります。この点は誤解のないようにいたしておきたいと思います。  それからサンフランシスコ講和会議のあれにならなかったということは、私はあの当時の日本の状況から申しまして、今直ちにガリオア・エロアを払うというようなことはとうていむずかしいわけでございます、そういう話がありましても、われわれは応ずる気持はございませんです。そうしてまたその後におきましてもいろいろありましたが、まだまだと言ってわれわれは軌道に乗せなかったのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ここにこの本について論議をしているひまはありませんが、これはあなたの秘書で随行員だ。そうしてまあ今当院の議院運営委員長をやっている権威ある人ですね。これを今知らぬ、存ぜぬでは工合が悪いと思います。あなたがちゃんとそういう話をしたということが書いてある。そういう点はやはりはっきりされたほうが私はいいと思うんです。  その次に、政府がガリオア・エロアの債務性を主張する論拠をして出した資料はわずかに三つです。これはいずれも債務性を主張し得るものでは私はないと思います。ことに一九四七年六月十九日の極東委員会決定というものに至っては、話は全く逆だと思います。これは占領に必要な非軍事的輸入——つまり広い意味の占領費を、日本の輸出品の売得金、つまり輸出で得た金から国民の最低生活を確保した後に支払ってもいい、といっているにすぎないのです。今政府がアメリカの圧力のもとに国民の支払った金、産投会計から債務として返済しようとするのは、この極東委員会の指令をひん曲げた筋迷いのものです。このようにガリオア・エロアは政治的にも国際的にもインチキなものであります。その内容、数字的基礎もまたでたらめきわまるものです。  そこで次のことをお聞きしますが、一つは日、米両国政府間の援助物資総額が二億ドル食い違っている。三億ドル近く食い違っています。これはどうですか。  第二に日本の資料とアメリカの資料は同じなのか、違うのか。この二点に  ついてお伺いしたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 政府からは本院に対しまして、債務性の根拠と思われる代表的なものを提出したわけでございまするが、まあ他にそのスキャッピンにしても幾つもあるわけでございます。そのうちの最も代表的なものと思われるものを差し上げましたので、それによって御了解願えると思います。  なおアメリカの資料、これはアメリカが支払いベースでこれこれのものを支払ったということをアメリカは言っているわけでございます。しかしわが国は占領というああいう事態に当面いたしまして、一々このそうした資料を持っていない。そこで占領軍が残置いたしました資料について、わがほうがこれを算出し得るものを全部寄せてみまして、そうしてこれ以外のものはないのだからわれわれの資料によってやってもらいたいということを申し入れまして、アメリカ側はこれに納得をした、こういうことでございます。  もう一つ何ですか。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう一つは日本の資料とアメリカの資料は、これは同じものですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) それは、今のお話でおわかりだと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その食い違い、二億ドルの食い違いは、どうしたのか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 食い違いは、今また御説明したとおりです。つまりアメリカの残置していった資料に基づいて、わがほうが積算をいたしまして、そしてわがほうが持っている資料の中からは十七億九千五百万ドルしか出ない、こういうことを言ったわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんなことはおかしいじゃないですか。同じ資料でやって二億ドル近くの食い違いが出るということです。これはおかしいですよ。そんな今の説明じゃだめです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) おかしくないのであります。アメリカの残していった資料——しかしアメリカは、それ以上出したという資料を向こうは持っております。しかし、日本側はないのだから、これ以上は認められない、こう言ったのでございまして、むしろこれは外交交渉の成果であるとお考え願いたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなた、そんななにを言いますけれども、同じ資料で、その資料の角度とか、それからそういう検査の仕方が違ってくるのですか。そういうことは、これは許されないと思うのです。それを突き合わして見たという、そういうはっきりしたあれがないのです。これは突き合わしたのですか、アメリカと、ほかの資料と。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) アメリカは、まだ日本の持っている資料よりたくさんあるということです。しかし、これを全部出して見せて、日本側にもっと払えというのも、日本側のせっかくこの際清算しようという好意にこたえるゆえんでないということで、先方はおりたわけです。しかし御承知のように、向こうの言う四分の一の金額で合意した。  それで、全部突き合わせるということになりますと、アメリカの膨大な資料が、カンサス州の倉庫にあるそうですが、それを一々持ってきても、全部払ってくれるならば、そうやる価値もあるけれども、四分の一払ってくれるのに、そういうことをやる必要はないのじゃないか、こういうことですから、これはもっともなことだと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 通産大臣に伺います。突き合わせをやらないで、何で一体積算基礎というものがわかるか。どうです。日本側で一番詳しくこれを調べ上げたのは、通産省の元、平岡賠償特需室長だと思うのです。ここに資料があります。これは自由民主党の政務調査会対外経済協力特別委員会、昭和三十六年三月二十四日、「ガリオア・エロア資金について」、「対印借款について」、ここで平岡賠償特需室長が、自民党の政調会に出て話をした。これは私は詳細に読ましていただきました。その中で、こういうことがあります。アメリカも決算した部分もあるが、援助物資の一品々々について、ワシントンでわかっているかどうか疑問だ。当時のGHQの書類の大部分は、日本の私どもが持っている——全然違いますよ、あなたの話と。アメリカに書類が全部そろっているわけではない。だから、アメリカの資料とつき合わせをやらなければならないが、何回日本側が要求しても、また外務省が文書を要求しても、出してこない。そこでさっぱりわからないと。こうはっきり言っているのです。これで事態ははっきりしていると思うが、通産大臣と外務大臣に伺います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 通産大臣からお答えあると思いますけれども、とにかくわがほうで計算したものよりも、結局ふえることはあっても減ることはないという意味で、わからないということは言えると思います。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど外務大臣からお答えしたように、アメリカ側は、アメリカの支出額を基礎にして日本に提示しているわけであります。日本側は、日本国内にあります通産省が持っている資料、それに基づいて計算したということでございます。だから、片一方は支出だし、主として決算といいますか、予算の問題でございますから、それがカンサス・シティにあるわけです。私のほうは、そのものを見ることができませんから、日本政府としては、日本政府が信憑できるその資料に基づいて計算した。だから二通りになるのは仕方がない。こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そう言っておられますが、これは私は有力な証拠だと言わざるを得ないと思う。そうしてその資料が大部分は日本にある。私たちが持っている。これは十五万冊に及ぶものです。そうでしょう。そういうことが、あなたの前言と全然違ってくる。できたら私は平岡室長を証人として喚問したいと思います。そうすればはっきりする。この平岡室長は、またこう言っている。アメリカでガリオア予算が組まれたのは一九四七米会計年度で、それ以前は、米陸軍の臨時軍事費としてぽんぽん使える金で、ガリオアのガの字も出てこない、こう言っています。政府はこの時期の分を積算の基礎に入れていますが、こんなでたらめなことは私はないと思う。さらに、ガリオア、エロアは米予算でわかるに過ぎないので、実際には、日本へはTOG六十二、一本のものとして、区別なしに来ている。当時、通産省と総司令部との往復文書では、ガリオアとか、援助物資という言葉は一切使っていない。つまりガリオアもエロアも込みであり、それが援助か贈与かも区別されていなかったと思われる。しかもこれが横浜港に着いたときは、イーブル、つまり悪漢とか、悪者とかいう、まるで人を馬鹿にしたような符牒がついていたと言っております。また、日本に残っている資料、帳簿、証拠類は総計十五万冊。さっき言ったように十五万冊。とてもこれはわかるものではない。わかるのは、きわめてまれな例でございますと、平岡室長は言っております。この平岡氏にじかに聞けば、ほんとうにこの複雑きわまるでたらめ性、内容が具体的にわかるのです。  ところがどうですか。この平岡氏は、どこにいるのです。政府はどんな魂胆か知らないけれども、平岡氏はじめ通産省、大蔵省のこの問題の担当官を、本年一月どこかにやってしまったではないですか。これはどういうことですか。私は先ほど言いましたように、これらの人をこの国会に呼んで、全貌を明らかにすべきだと思う。この勇気は、総理大臣はじめ外務大臣、通産大臣、ありますか。どうです。こういうことを、このような真相が国民の前にだんだん明らかになり、日一日明らかになる。このいんちき性が明確になる。そうして根拠がなくなってくる。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 岩間君、持ち時間が終了いたしました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これをおそれたから、一昨日のあの質疑打ち切りをやったのですか。あの衆議院の打ち切りは、こういうふうな背景がある。私はこのことをはっきり申して、これに対する各閣僚の意見を聞きたい。重大問題です。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど申したことに間違いはございません。政府が責任をもって資料をまとめたわけでございます。  そこで、平岡室長をどこかにやったといわれますが、ただいま小松製作所に勤務しております。これは本人の希望で、会社へ行きたいというのを一年以上引きとめて、いろいろ通産省で働かせたのでございます。いかにもどこかへ消えさしたような言い方は、たいへん誤解を受けますので、はっきり申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最後に、委員長。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 岩間君の持ち時間は経過しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 最後に、国民がこのような疑惑を持っている問題ですから……。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) ちょっとお待ち下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは平岡室長を喚問すべきです。喚問して……。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) ちょっとお待ち下さい。委員長があなたに申し上げますから、ちょっとおすわり下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長の気持ちはよくわかります。よくわかるけれども、こういう重大な問題です。こういうとき、共産党に二、三分くれたって悪くない。前例もあることですし。  それから委員長、私がさっき言ったように、証人を喚問すべきだと思うのですけれども、あなたどう思いますか。これ理事会で問題にして下さい。証人喚問。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) ちょっとおすわり下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 くさいものにふたをしてはだめですよ。日本の運命に関する問題です。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 岩間君の今お話になっておる点は、よく承っておきます。  それから、岩間君の御質疑は、すでに終了したものと認めます。  以上をもちまして、質疑通告者の発言は、全部終了をいたしました。質疑は終局したものと認めます。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) これより討論に入りたいと思います。藤田進君(拍手)

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和三十七年度予算三案につきまして、反対の立場から以下趣旨を申し述べたいと思います。  池田総理と同じ広島の出身でありますけれども、私情を去りまして、この長い間三案に対しまして審議を進めた結果、いかんともしがたい点は、この予算案は、御承知のように、今わが国の外交、内政、特に経済の問題についても、審議せられたように、大きな池田内閣二カ年にわたる破綻の値がようやく濃くなって参りました。このままこの内閣の政策が続きますれば、実に重大なわが国と国民は立場に立たされると思うのであります。  まず外交の問題でございますが、池田総理は、第三十七国会におきますところの施政方針演説において、およそ外交は一国の運命にかかわるものであって、外交政策の効果的展開には国際情勢の客観的判断に基づく国民の強力なる支援、これが絶対に必要であるということでございます。私はこの基本的な態度に沿って措置されてきたということにつきましては、疑問を持つものであります。そこで国際情勢の客観的な判断でございますが、総理は昨年の一月、東と西の路線が深刻な段階に達したと判断された後も、このように言っておられます。しかし、新兵器の異常なる発達により、全面戦争はほとんど不可能になりつつあり、諸国民の平和に対する願望は日とともに強くなって参りました。したがって、東西双方を引き離すようなことよりは、むしろ双方を結びつける方向に、より多くの関心を払うべきであると考えます、こう言っておられるのであります。しかし、そのあとが私ども、いただけないのでございます。この基本的認識から出てくる当然の結論といたしましては、東西の対立の場から離れて、絶対中立の立場から世界平和のために緊張緩和に渾身の池田内閣としては努力をなさるべきだったというふうに思うのであります。しかるに、池田首相は、日本はあくまで自由主義の陣営に基づくものだということをきめられてみずから渡米されまして、ケネディ大統領との会談を行なわれ、そして日本の大国意識といったようなことになり、そしてアメリカが高調される自由主義擁護と称する外交、これが真に世界の平和にまた幸福をもたらすものであるかどうとかいう、こういう点につきましては、ケネディ外交の実態というものは、遺憾ながら、かつてのアイク・ダレス外交である、その中核であった力の外交でございます。現在のケネディ大統領も結局この力の外交を受け継いで、全く異なるところがございません。世界の世論はこれに対しまして失望しているのであります。現実にキューバとか、あるいはドミニカの事件を想起していただきたいのであります。ラスオや南ベトナムの状況を想起していただきたいのであります。特に同じアジアに国を立てている日本といたしましては、南ベトナムの情勢は、日本自体の安全にさえ関係するほどの重大な今日段階に達していると考えるのであります。そこにおきましては、米軍事顧問団の指導のもとに、再び朝鮮戦争にも匹敵すべきような宣戦のない戦争状態がすでに発展しているのであります。沖繩が米国の前進基地として利用されていることは周知のとおりであります。そうして池田内閣のアジア外交は、このようなアメリカの世界戦略に無批判に追随されまして、またその一環として組み込まれているということはこれは否定できない事実と言わなければなりません。本国会におきまして突如として提案せられました国民の疑惑を招いているタイ特別円協定がその好例であります。これは池田さんがさきに東南アジアに参られまして、そうしてそのおみやげとして、タイ国に対しましては、昭和三十年両国の政府間における合法的な協定の成立があるにかかわりませず、特別円処理協定というのがあるにかかわらず、総理の言を借りますれば、大所高所からの判断だということで、九十六億円を無償供与するということになっているのであります。また、一々例をあげれば切りもございませんが、ガリオア・エロアの今度の協定の問題、その他韓国との交渉を非常に急がれているといったような事柄等を考えてみますれば、今にして政府としては十分なる国民の声、世論の上に立って政策の転換をはかっていただかなければなりません。また、国内におきます諸般の事情を見ましても、特に最近世論を尊重し、あるいは低姿勢でということで出発せられた池田内閣におかれまして、国際的にはILO条約の批准に関するしばしばのわが国に対する批判を、その批准の勧告がございました。この国会におきまして提案し、かつこれが成立をはかることの趣旨ではございましたが、事実問題として今日三月の末現在提案せられる段階に至っておりません。このような国際的な世論は、ここに無視されようとしております。あるいは国内におきましても、憲法調査会そのものは、岸内閣における提案でございまして、憲法成立の事情を調査するということが唯一無二のその法律の目的でございました。しかるにこれが現在憲法をいかにどの点を改正するかという点をむしろ重点にせられて、いわば憲法改正、改憲のムードを作るという作用に重点が置かれつつあることは御承知のとおりであります。また、公職選挙法に比例をとりましても、世論は清浄なる選挙、きれいな選挙ということを重点にして政府が設けられ、各党協力してできました公職選挙法の審議会におきまして答申がありましたが、しばしばの質疑にもかかわりませず、政府としては依然としてこの答申を全面的にこれを受け入れて国会に法案を提出する、あるいは拠出せられたものをさらに修正をするか、姿は与野党といったような形にしろ、そういうことには一切応じないというかまえを持っておられるようにも思います。これら一連のものは要するに世論の、あるいは法制上定められ、審議され、答申された、こういういわば世論の集約されたものを全く無視した党利党略と言わざるを得ないのであります。  時間がございませんから経済関係に参りますが、高度経済の成長ということが先国会以来、その施政方針演説において、あるいはまた予算、その他の政策において強く強調せられました。三カ年間九%ということがその初年度において大きく食い違いを起こしたのであります。そもそも高度の経済成長ということが何を基準にするかということ、これ自体も問題でございますが要するに今政府がとっておられますところのこの経済政策に根本的な矛盾のあることが明らかとなりました。現実に今度のこの国会にも公団、たとえば大阪を中心とする阪神の高速自動車道路を作ります公団並びに先国会においては水資源公団、過去においては住宅公団、道路公団あるいは石油開発、あるいは電源開発といった特殊会社、これらのものがもうすでに今、自由民主党ないし内閣において採用されているところの自由主義、資本主義という考え方から、いな、その考え方に基づく政策というものが蹉跌を来たしているという証拠のようであります。およそこの面に関する限りは、本来の自由主義、資本主義の姿でやっていけなくなっているがゆえにかような国策会社、公団というものが現われてきているというほかはないのであります。世には自由主義、資本主義の中でも、最近特に自由主義的、計画経済という言葉が出て参りました。内容を持って参りました。社会主義的計画経済に移換するまでもなく、自由主義経済の中におきましてももっと計画的な財政なり金融の一連の政策を立てられる必要があるということをこの質疑の中でも強調されて参りましたが、依然として従来の基本的態度を変えないということのようであります。その当然の結果として外貨危機というようなことに対しても、何らこれに対する操作するすべがない。あるいは貿易につきましても、今年度四十七億ドル、四十八億ドル、ことしの秋にかけてはその外貨の均衡を終始保っていきたいということであるようでありますが、これらについても、質疑の中から明確になりましたのは、単なる経済企画庁あるいは総理の希望にすぎない努力目標にすぎないのであって、具体的、数字的根拠に基づくものでないということであります。およそ世界の貿易市場におけるその視野から見ても、急激に今達成目標とされているところの貿易、ことに輸出貿易というものが発展するということはきわめて困難であると言わなければなりません。あるいはまた所得倍増計画、この政策におきましては、すでにことしの国会に冒頭に述べられましたところの施政方針演説の中にすでにその言葉はないのでございますが、先ほど申し上げた基本的自由主義、放任主義の政策は、所得倍増を唱えながらも、現実には物価が上がり、あるいは産業間の、地域間の、個人間のそれぞれの所得の格差を生じて参りました。私は名前をあげませんが、だんだんと高度成長、所得の増加はその格差を解消するという、こういう一本で通されて参りましたけれども、一昨々年ある人は、税務署の発表においても明らかなように、高額所存者ベストテンとか、地方財界高額所得者ベストテンという発表があるわけであります。これを信頼すれば、一昨々年の発表以来考えてみますと、その年間の所得を一年の三百六十五日で別ってみると、日給になりますが、六十万円、一昨年は七十万円、昨年の発表を同様に三百六十五日で割れば、八十万円、年間日給が十万円ずつ上がってきているという人は一人や二人じゃございません。このように全体として、ここにおいてかなりの所得の格差を生じ、かつこれに対する対策というものは全然明らかになって参りませんでした。物価対策について十三項目の発表をせられ、あるいは設備投資に対する抑制について通産大臣から一昨日でございましたか、発表がございましたけれども、これらの成果というものは全然期待できないと言わなければなりません。  さて、それでは具体的に昭和三十七年度の予算の内容についてでございますが、水田大蔵大臣は、今度の予算は健全成長予算で、高度成長に見合う施策費を計上したほうが、戦後最大の減税を行なっていると自画自賛されているところでございます。しかし、経済成長率を五・四%に押えて、国際収支の均衡回復を明年度最大の経済目標とすると、こういうことでございます。その予算編成の上で一般会計歳出規模を前年度とほとんど同様の二四%もふくらませまして、財政投融資計画でも一七%の増額を見込んだということは、これはむしろ健全予算というよりも内閣のその健全性を私は疑いたいのであります。大蔵当局を初め、内閣は初めに景気調整の見地から一千億円以上を資金に積みまして、財源のたな上げを考えたり、歳出に組んでも一部分の実行繰り延べをやり、いわば予約繰り越し方式を望んでおられたようでありますけれども、編成段階に入りまして、与党やその他の圧力団体の強い要請にあいまして、これは一たまりもなく押し切られてしまいました。空前の大膨張予算と化してしまったのであります。昭和三十七年度におきまして、その後半に入りますと、国際収支が悪化いたしまして、金融引き締めをさらに強化しなければならない局面に逢着すると思います。昨年夏と同様、歳出予算並びに財政投融資の削減、繰り越しが必至となりましょう。もしさようなこととなりますれば、実行できない予算案を編成して国会に提出され、また当然のこととして水田大蔵大臣の責任というものは重大だと思うのであります。  明年度国税減税規模は九百八十七億円でありまして、大蔵大臣は大減税だと称されているのでありますけれども、自然増収額が四千八百六十六億円になっております。これと対比いたしますと、二割ちょっとにすぎず、減税後の租税負担率を見ますと、地方税を含め二二・二%でありまして、三十六年度当初の二〇・七%よりかえって重くなっているという結果が出てきているのであります。しかも減税の配分状況を見ますと、所得税減税四百三十八億円に対しまして、酒税、物品税、通行税、入場税の減税五百七十六億円、こうなっております。政府は近年の減税が直接税の軽減に重点を置き、消費税、間接税の引き下げに手が回らない。そこで今回は後者に重点を置いて、そうして減税をしたという説明でありました。ところが、物価などが安定いたしている場合でございますればひと理屈ありましょう。しかし、物価が一年に大体一〇%も上がっているという今日のような場合、勤労者の生活は非常に苦しくなって、消費税は逆進的性格のものでありますから、減税の恩恵は低所行者よりも中大所得者ほど大きく、さらに減税品目の製造業者は、減税による売り上げの増加が期待されるでありましょうが、今度の減税は大所得者と業者のふところをふくらませるという結果にすぎないということを指摘したいのであります。したがって、日本社会党といたしましては政府の減税案に反対をして、減税規模の拡大と減税は所得税を中心とすること、間接税は酒、たばこ、砂糖、入局税、電気ガス税などの国民生活に密着したものに限定すべきだと主張いたしている次第でございます。  歳出は個々の内容に触れる時間の余裕がございませんが、公共投資に偏重していることはこの予算の特徴でございます。公共事業費と住宅環境衛生費を合わせたものが四千七百六十五億円、対前年度当初予算より九百九十六億円の増加で、伸び率は予算全体の伸びを上回っているのであります。経済の高度成長に社会資本が追いつけない、この事実は明白であります。今後当分公共投資に重点を置かねばなりませんが、行き過ぎた民間投資のあとを追いまして、公共投資がふくらんで、それが需要を刺激し、民間投資の拡大となるという悪循環を繰り返すならば結局インフレであります。したがって、三十七年度のごとき景気情勢下におけるそうした公共投資の規模の決定は、きわめて慎重を要するのであります。政府案にはかかる配慮のあとが見えず、総花的に膨張しているにすぎません。社会保障予算は総額二千九百二十六億円、前年度当初より四百六十億円増加しておりますけれども、社会保険費、結核対策費の膨張がその過半を占めていることでわかるように、昨年の医療費改訂や重病者強制入所制の平年度化によるものが多いのでございまして、社会保障の前進として見るべきものがきわめて乏しいと言わなければなりません。この予算で生活保護基準五人世帯が月千五百円、児童の食費一日七千五十八銭、失対労務者の貸金一日三十九円など、若干の引き上げが見られておりますけれども、一〇%に及ぶ物価の急騰、一般収入水準の向上を考えると、この程度の基準引き上げでは、平均国民生活水準との格差、この格差は一そう拡大されるという結果になります。しかも病気になったら国民健保も実際には非常に高くなりまして使えないというありさまであります。高度成長政策をとる場合に、犠牲者である底辺部分の実所得を国民一般平均より二倍や三倍の早さで引き上げる努力をしなければ、社会の安定を期せられないわけであります。この点で政府の配慮は薄く、三十七年度の社会保障は実質的に前年度より後退していくことははなはだ遺憾であります。  文教、科学振興関係予算でございますが、総額三千五十二億円、前年度比四百八十二億円増と相当の増額に見えますが、総額の内訳の大半は人件費の増と建設単価の増であります。新規の施策に乏しいのでありまして、今年の予算で最大の焦点となったものは高校生の急増対策でありますが、これは責任者である文部大臣も、この間いよいよ完敗したんだということで、これは適当な答弁はなかったということでしたが、しかし、そのように嘆いておられたように、高等学校の設置者は府県であるとの建前だけに固執いたしまして、ついに国の直接責任を逃げてしまったのであります。かりに計算上のつじつまが合っているといたしましても、交付税だ、特別起債ワクだ、普通起債だというふうに分かれておりまして、施設者たる地方団体では財源措置の不安定とあいまいなために高校新増設が時間的におくれることは明白であります。高校生徒の急増は三年だけで、これはあとはすっかり落ちるんだ、こういうことで、これらに金をかけることは損だと言わぬばかりの大蔵当局の態度でありますが、これが総理の言われる、青少年こそ祖国の生命力、こういう施政方針でうたっておられる同じ内閣の方針であろうか、こう思うのであります。父兄を高い授業料や寄付金で悩ませ、それでもなお数万人の中学浪人を製造するというやり方は、もはや財政の問題ではございません。政府のあり方の、ことに政府政治のあり方の問題だと思うのであります。  次に、簡単に農業予算に触れますと、一般会計で各省計上分を合わせまして、二千四百五十九億円であります。初めて一般会計歳出の一割を上回った形にはなりますし、また起算されているところであります。この中には、しかし、災害関係費が二百三十三億円、食管赤字補てん分が七百十億円、こういうものが含まれているのであります。今回の農林予算で問題なのは、はたして日本農業の根本的な構造改善のために、農業基本法の掲げております経済規模の拡大、成長農産物の選択的増産、合理的農産物価格の維持、こういったものにどれだけの資金が充当されているかということであります。詳しくは時間がございませんが、日本農業を前進させるような費目にはちょっぴり予算をつけて、従前の米麦偏重、農業の維持拡大という面に大きな予算がついている。これが実情であります。したがって、今度の農業予算は、農業基本法の線に沿ったものではない。あとのほうへ足を引っぱろうとする予算というべきであります。この傾向は、同時に最近の自民党内の旧地主擁護、すなわち解放農地の補償獲得への強い運動とも関係があることを指摘しておきたいのであります。農地法が農地信託や、共同化を認めているから農地解放の当時とは社会事情が変わってきたというのは詭弁であります。農地信託や経営共同化は農業生産力を所有権から解放するという農地解放の精神の上に進められるのであります。今さら旧地主制度の問題が出てくるという筋合いではないのであります。  最後に、防衛関係予算でございます。第二次防衛整備計画を持った防衛庁費が二千五十七億円、これに旧軍人遺族等恩給費が千四十二億円、賠償費二百九十二億円を合わせた再軍備と過去の戦争の負担に属する不生産的な経費の総額が三千三百九十一億円に上り、一般会計予算に対して一三・七%、国民所得に対しましても二・三%に達していることを指摘いたします。しかも第二次防衛力整備計画によりまして、防衛費がだんだんとふくらんで参りまして、三百億円近く逐次増加をしていきますと、昭和四十一年度は三千億円をこえるという説明となっているのであります。わが党の再軍備に対する見解は旧知のことで説明いたしませんが、何のための軍備か、現代戦においてはたしていかなる実戦力のある軍備かは深く検討するまでもなく明らかでありまして、かかる無益な経費に対しまして貴重な税金を使うということに反対するものであります。  以上、池田内閣の実績を検討いたしまして、外交上、内政上、また経済政策の上で数多くの重大な失敗を重ねられました。今日の混迷と国民生活の不安の原因を作り出していると断ぜざるを得ません。  以上をもちまして、予算三案に対して反対の討論を終わるものでございます。(拍手)

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に、平島敏夫君。

平島敏夫自由民主党

○平島敏夫君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予算外二件に対し、賛成の意を表するものであります。  まず、本予算の特色の第一は、健全成長予算であることであります。御承知のごとく、近年わが国経済は世界に類例を見ないほどの急速な発展を遂げておりまして、これに伴い、国民生活水準の苦しい向上と雇用の増大をもたらしたのであります。しかしながら、その成長テンポの急激な伸びのため、反面、内需の旺盛と輸出の停滞による国際収支の悪化を招きました。すなわち、昭和三十六年度は、当初予想していた国民総生産は一五兆六千二百億円の見込みを約一兆円上回わり、十六兆七千七百億円の実質見込みとなっております。これは内需を旺盛にし、したがって輸入の増加をもたらし、ひいては国際収支の一時的な赤字を引き起こしたのであります。この国際収支の悪化と相待って、他面、大港湾における船込み、あるいは交通輸送の不円滑、産業関係を中心とする労働力需給の逼迫、消費物価の上昇等の徴候が見られ、これらが経済の各分野に不均衡を招いたのであります。このような事態に対処するため、政府が、昨年九月に総合的な景気調整の諸施策を講じて、輸出の振興と内需の抑制に努めたことは当を行た施策でありまして、その効果が最近ようやく経済の各分野に滲透して参りまして、卸売物価はやや軟化し、民間の設備投資態度にも慎重さが加わるほか、国際収支の面においても、経営収支は依然として赤字を示してはおりますが、輸出入信用状収支はかなりの黒字を示している現状で、景気鎮静化の予期した効果を上げていることは喜ばしいことであります。しかしながら、わが国経済の規模は年々拡大していることを考えてみますと、輸入水準の大幅な低下を期待することは困難であるのみならず、今後における貿易為替の自由化の影響や設備投資の内需の動向いかんによっては再び憂うべき状態に変わらんとも限りません。そこで政府は今後とも細心の注意をもって万遺憾なきを期せられるよう要望するのであります。  昭和三十七年度予算の編成方針は、右のような経済の上不均衡是正のためと国際収支の早期回復並びに物価の安定を根本の基調として作成するとともに、従来からわが党及び政府が重点を置いてきた政策を積極的に遂行するという健全成長予算としたのであります。この方針によって編成された三十七年度一般会計予算は、歳入、歳出ともに二兆四千二百六十八億円でありまして、前年度当初予算に比較して四千七百四十億円、すでに成立した補正予算を加えた予算額に比較して三千七百四十三億円の増加となっております。  歳入の内容を見ますと、租税及び印紙収入は二兆四二十一億円でありまして、歳入の大部分を占めております。前年度当初予算に比較いたしまして三十七百七十二億円、補正後の予算に比較いたしましても、二千七百七十五億円の増加となっております。  租税以外の収入は、総額二千五百九十六億円でありまして、前年度に比較いたしまして、二百二十九億円の増加となっております。  かくのごとき、収支相均衡しておる本年度予算によって、減税を中心として、社会保障の充実、公共投資の拡充、文教と科学技術の振興、住宅並びに環境衛生対策の充実、貿易の振興、中小企業並びに農林漁業政策の推進等を強力に遂行できるよう、予算を重点的に配分しておりますことは、きわめて適正な措置であると申さねばなりません。  また、本予算について、世評の一部には、あまりに膨張し過ぎるのではないかという意見もありますが、わが国の財政規模の国民所得に対する割合は、明年度一六・九%でありまして、  これを西欧諸国と比較してみますると、わが国のそれより相当高く、フランスのごときは三〇%でありまして、この点から見ましても、そう大型でないということが言えるのであります。  次に、私は、この予算の内容に触れてみたいと思います。  まず第一は、減税についてであります。わが党は、一昨年の総選挙において、国民の圧倒的な支援を受けましたが、その際、今後毎年度、計画的に相当規模の減税を行なう旨の公約を発表いたしました。三十六年度におきましては、国税、地方税を通じて千四百億円以上の大幅減税を着実に実行に移しております。三十七年度においては、わが国経済の高度成長に伴い累増する国民の税負担の軽減、特に大衆負担の軽減を主とし、あわせて中小企業及び農林漁業の振興をはかるため、国税において平年度千五百五十億円、地方税において四百二十億円の減税を行なわんとしておるのでありまして、国民の勤労意欲あるいは企業意欲の増進に大いに寄与するものであると確信いたします。特に今回の減税措置の特色は、間接税の大幅な軽減であります。すなわち、平年度国税千五百五十億円の減税のうち、間接税は千八億円、六円%を占めておりまして、これは、昭和二十五年のシャウプ勧告以来の最大の規模となっております。こうした措置は、わが党税制調査会が、所得税等直接税を納めていない低所行者増にあっても、間接税負担が軽くない現状にかんがみまして、この際、減税の恩恵を広く国民大衆に及ぼそうとする配慮に基づくものであります。  第二は、社会保障についてであります。およそ社会保障の使命は、国の成長、発展に伴う繁栄の果実を広く国民に分かち、生活能力の乏しい者をも明るく豊かに生活することができるようにしようということであります。わが国の社会保障制度は、年々充実の一途をたどっておりまして、三十六年度においては、拠出制国民年金の発足、生活保護基準の改善、結核及び精神御生対策の実施等の拡充をはかったのでありますが、三十七年度においても、引き続きこれらの施策を推進することといたしまして、二千九百七十六億円を計上して、社会福祉の充実を期しているのであります。すなわち、生活保護基準の一二%引き上げ、国民健康保険の国庫負担率の五%引き上げ、国民年金制度の充実改善及び失業対策費の労力費単価の引き上げ等の施策と関連して、住宅、上下水道等の生活環境施設の整備を促進し、国民生活向上のための外的条件の充実に格段の配慮を加えておりまして、これは、わが党がいかに福祉国家の建設に尽力しているかを如実に物語るものであります。  第三は、公共投資についてであります。産業経済開発の基礎的条件は、道路、鉄道、港湾等の輸送施設、電信電話等の通信施設、治山治水、農業生産基盤の整備であります。三十七年度においては、これらの既定の長期計画の推進に必要なる予算を確保しているほか、国土保全施設の強化をはかっております。すなわち、公共事業関係費は、前年度当初予算より九百三十八億円増の四千五百二十二億円が計上されておりましてこれらの社会資本の充実は、現下の要請にこたえるものとして、時宜を得たものであります。  第四は、文教と科学技術の振興についてであります。文教を刷新、充実して、廃業の飛躍的発展に対処し得る人的能力の育成と科学技術の振興は、従来からわが党が最も重要施策の一つとして取り上げておりましたが、三十七年度のこれらの関係費は、前年度当初より四百八十二億円増の三千五十三億円が計上されておりまして、これにより科学技術教育の拡充、同校急増対策、文教施設の整備、私学の振興、学校給食の改善、教育の機会均等の確保等の措置を講ずることになっております。今回の文教予算の特色として掲げられるものは、高等専門学校の設置と義務教育教科書の無償配布であります。高等専門学校については、明年度十二校の新設を行ない、中堅技術者の確保をはかっているほか、教科書の無償配布については、父兄負担の軽減を行なうため、義務教育諸学校の児童生徒の全部に教科書を国が無償で配布する基本方針を確立いたしておりまして、これは、きわめて特筆すべき事柄と思うのであります。  第五は、貿易の振興及び経済協力の促進であります。貿易の振興は、三十七年度における国際収支の均衡回復のための急務でありまして、このため海外市場調査、国際見本市などの事業を一そう拡充するほか、日本輸出入銀行に対する財政資金を増額して、貸付規模を千二百五十億円に拡大しておりますほか、総合政策の遂行と相待って、輸出の増強を期しておるのであります。さらにまた、対外経済協力の面でも、海外経済協力基金に対する追加出資、海外技術協力事業団の設置等の措置を講じまして、長期にわたる輸出市場の確保に努めております。  第六は、農林漁業の振興についてであります。農林漁業につきましては、他産業と均衡のとれた生産性の向上、所得の増大を期することを目標として樹立されました農林漁業基本政策に基づいて、生産の選択的拡大、経営の近代化等の施策を積極的に推進するため、三十七年度においては、二千四百五十九億円が計上されておりまして、これにより畜産、園芸の振興、流通の改善合理化、経営規模の拡大、経営の協業化、機械化、農業構造の改善、農業近代化資金の貸付規模の拡大と金利の引き下げ等の措置を講じようとするものであります。  第七に、中小企業対策につきましては、産業構造の変化に対応して、中小企業の近代化、合理化によって経営基盤の安定強化をはかるため、一般会計においては、前年度当初予算の二倍を計上いたしておりますほか、財政投融資においても、中小金融機関の資金量の増大を行なっておりまして、国家予算のうちで今まで比較的恵まれることの薄かったこの部門の充実を期しておる次第であります。  最後に、地方財政につきましては、近年、国、地方を通ずる財政健全化の努力によりまして、その内容は著しく好転いたしております。三十七年度においては、国と地方との間の税源の再配分を行ない、国から地方に対し大幅な税源委譲を行なうほか、臨時地方特別交付金を廃止する一方、地方財政の健全化を一そう促進するため、地方交付税の率を二八・九%に引き上げることによりまして、地方行政水準の向上と住民福祉の充実をはかろうとしております。  財政投融資計画につきましては、三十七年度の規模は八千五百九十六億円であります。その運用は、中小企業金融の円滑化及び輸出の振興に重点を置きつつ、住宅、上下水道を初めとする生活環境施設の整備、農林漁業の振興、地方開発の促進及び道路、港湾、工業用水等、産業基盤の強化に十分な配慮が払われていることは、けだし当然の措置であると申すことができます。  以上、私は明年度予算の性格並びにわが党の重要施策のすぐれた特色について論及いたしましたごとく、これらは直接国民生活の向上に寄与するものと確信されるものでありまして、この達成のために政府は予算の運用にあたっては経済情勢の推移に応じて弾力的に対処するよう要望するものであります。  最後に、物価問題について一言触れてみたいと存じます。最近の物価の値上がりは、国民の大きな関心事となっております。特に食料品を中心とする諸物価の値上がりは、直接国民生活に及ぼす影響は少なくありません。経済の安定成長を達成するためには、物価の安定が大切であります。本来物価は、経済活動の集約的表明でありますので、その対策は当然経済政策全般と関連するのであります。政府においては、昨年の景気調整策に引き続いて近々中に物価安定の強力なる措置をとるべく準備しておりますが、発表されております「物価安定総合対策十三項目」が決して空文に終わることのなきよう、万難を排して実行に処せられることを強く要望するものであります。  以上をもちまして、三十七年度予算に対する賛成討論を終わります。  (拍手)

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に田上松衞君。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 民主社会党を代表して、政府提出の昭和三十七年度予算三案に対して、反対の趣旨を率直簡潔に申し述べます。  わが党はすでに衆議院予算委員会の採決にあたって、政府案組みかえ要求の動議を提出いたしまして、私どもの意向を明確に表示しております。すなわち、今日の過剰生産と国際収支の悪化は、言うまでもなく、世界に誇り得る経済成長を遂げているにもかかわらず、国民貧富の差を初めとして、もろもろの格差はむしろますます拡大の傾向さえ示していることは、厳然として動かせない事実でありますが、この最大原因が、池田総理の意思に反しようと反しないとにかかわらず、政府の政策失敗に基づくことは否定できません。政府はこのような政策失敗を、すでに二十八年、三十二年、三十六年の三回にわたって繰り返しながら、なおかつ、明年度予算編成にあたって政策欠陥の是正を怠っているところに、私どもが政府案に反対する最大にしてかつ根本的な理由が存在するのであります。わが党はこの現実に立脚して、政府案に対し、第一に、歳入面においては、大衆減税をさらに徹低して行ない、国民の実質所得の向上をはかること、所得特別措置法を大幅に改廃して、この面ではむしろ増税をはかることを要求したのであります。  第二に、歳出面においては、国民の生活と雇用の保障、中小企業、農業、沿岸漁業及び現在苦境に立っている海運業、石炭業に対する直接助成及び沖繩援助の増額等に中心を置いて、政府案よりも一千六百四十六億円の歳出増とすること、ただし、防衛庁費の削減、ガリオア・エロアと日・タイ特別円協定の支払い中止並びに一般行政費の節約と国債償還額の減額によって、政府案よりも一千六百四億円を削減して、差引歳出規模は、政府案よりも四十二億円増額することとして、明年度の歳入歳出予算案の均衡をはかるように政府案の組みかえを要求したのであります。衆議院でのわが党の主張は、少数否決されましたが、本院での政府案審議を重ねるに伴って、私どもは、いよいよますます政府案の欠陥の重大深刻さを痛感し、わが党の組みかえ要求の正しさを再確認せずにはおれないのであります。  以下政府案の欠陥を二、三指摘しつつ私の見解を申し上げます。  第一は、最近における景気中だるみの問題であります。政府は予算編成にあたって、明年度の経済政策は、本年秋までに国際収支の均衡回復を最大の眼目とする、こう言明してここに景気調整の目標を置いたと説明しております。しかるに、この目標を目ざして編成されたはずの明年度予算案は、実に二兆五千億円になんなんとする超大型予算でありながら、世評無性格予算といわれ、かつはまた、コンニャク予算といわれるほどに、どこに政策の柱があるのか、かいもくわからないところに最大の特徴があると考えるのであります。この政府の予算編成を反映いたしまして、昨年九月から続けられてきた金融引き締めは、なるほど中小企業に対してはすこぶるきびしいのであるけれども、大企業に対する市中銀行の貸付は、目に余る水増し金融が跡を断たないという姿は、今日天下周知の事実じゃございませんか。これによって大企業は依然として先行的に設備拡張競争を推進し、またもや輸入増大の原因を作っております。政府は、最近の国際収支が若干好転した事実をもって、国際収支の均衡回復は間近かになってきた。したがって、景気回復も間近いと言わんばかりの口振りを示しておりますけれども、実は現在の輸入は、在庫品の先食いをやっておる関係でさほどふえてはいないけれども、今日のような鉱工業生産の水準が続く限り、遠からずして輸入が再び激増に向かうことは、すでに識者の指摘しておるところであります。むしろ私は時間の問題だと言いたくなってくるのであります。こうした背景を持っております現在の景気の中だるみは、政府の政策貧困、超大型予算の無為無能が生んだ当然の帰結でございまして、この角度からながめるならば、政府の明年度の経済の見通しから、経済成長率を五・四%に押え、かつまた、輸入を四十八億ドルに押えて、明年度末の国際収支じりは、わずか一億ドルの赤字で押えるという政府の見通しは、今日現在すでに大幅な狂いを生じつつあると断定できるのであります。  第二点は、物価政策についてでありますが、昨年の今ごろ池田総理は、少々物価が上がっても、生産がふえ、賃金が上昇しているから、おそれるに足りないと、きわめて高姿勢な言明をされ、今日もなおこれを言い続けておられますが、昨年一月から十二月までの間に、東京における消費者物価が八%も上昇した事実は、総理の自信をもろくも打ち砕いてしまったと思うのであります。なお、政府は明年度の消費者物価の値上がりは二・四%以下に押えると、すこぶる神妙な方針をとっておられますけれども、このことこそ参議院選挙を控えての党利党略にすぎないことが、今や完全に暴露されておると考えるのであります。すなわち、過日の藤山経済企画庁長官が言明された、物価抑制の例外として私鉄運賃の値上げを認めざるを得ないという趣旨の言葉にあるとおり、参議院選挙さえ終われば、いわゆる物価抑制の例外なるものが次から次に続出することは火を見るよりも明らかでありまして、政府の宣伝する総合物価政策をまともに信頼するほど今日の国民は愚鈍でないことを、私は特にこの際申し上げておきたいと考えるのであります。  第三に指摘いたしたい点は、政府のたびたびの言明にもかかわらず、政府も自民党も、本国会においてはついに中小企業基本法を提出する気配が見えません。中小企業に対処する予算額は二兆五千億近い予算の中でわずかに百億円足らずということでもって、一体今日の中小企業の実態を真剣に正確に把握していると公言できるだろうか。さらには、政府案に盛られた石炭産業対策費、海運業対策費等々、今年秋に控えた貿易自由化の大幅な推進を前にいたしまして、わが国の産業政策があまりにも微弱である事柄について、国民は今日失望落胆をしているのが実情であると考えるのであります。また、政府が今国会に提出した石油業法案も、わが国の石油消費の九八%は輸入に依存し、それを輸入する石油業者の大半が外国資本によって支配されているにもかかわらず、政府案の石油業界に対する規制は、まさにざる法の一語に尽きるものでございまして、この内容をすでに知ってしまっている国民は、一体政府は何者に遠慮しているのかに深い疑惑を抱くほどになっているのであります。私どもは、明年度の産業政策として、貿易自由化を迎えるためには、石油業法の制定が絶対に必要事項であると考えるがゆえにこそ、政府案の石油業法については非常に不満と失望を感じ、かくのごとき経済政策を基調とする明年度予算編成に対しては、大きな不安を抱かずにはおれないのであります。今日までの国会審議並びに最近の経済動向を検討するとき、政府案について私どもはなお多くの疑惑と不安を数限りなく持っておるのでありまするけれども、この場では列挙することを省きます。おそらく明年度経済は、参議院選挙終了次第、中小企業の大きな犠牲を伴いつつ、きびしい金融引き締めに向かわざるを得ないと見るべきでありましょうし、かつまた、本年度の秋からの貿易自由化の本格的な展開に伴って、池田総理の意図いかんにかかわらず、事実として大企業本位の強い者勝ちの政策が全面的に繰り広げられることが必至でありましょう。池田総理が唯一の隠れみのとして常に用いられるところの長い目長い目、これぐらい危険なものはないとおそれおののいているのが、今日の識者の実感であることを、この際特に警告申し上げておきたいと存ずるのであります。  わが党は、現在世界一の経済成長を誇る日本経済の背景には、八百万人に及ぶ不完全就労者と低所得階層が犠牲に供せられていることを指摘し、これらの人たちの生活向上と福祉の増進のために、抜本的な対策を行なうべきことを主張するのであります。  さらにまた、国民生活全体を取り巻く環境の中で住宅難、入学難あるいは交通地獄等、これらの諸問題を解決するためには、その場その場の場当たり政策、あるいは泥なわ政策でなくして、長期的かつ計画的見通しの上に立って真剣に計画を実施すべきであることは、もはや議論の余地はないはずでありまして、こうした政策実施の裏づけを持つのが来年度予算の骨格でなければならぬと信ずるのであります。  私どもは、政府が豊富な財源を十分に有効に活用することに誠意と熱意を欠いで、その財政余力を国民福祉予算として編成するの英断を怠っているのを深く遺憾としつつ、政府案に反対を表明するとともに、願わくは、たとえ政府案通過後といえども、しかるべき適当な措置を講じて国民福祉予算の実をあげられる機会を強く期待待望して、私の反対討論を終わりといたします。(拍手)

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に加賀山之雄君。

加賀山之雄参議院同志会

○加賀山之雄君 私は、ただいま議題となっております昭和三十七年度一般会計並びに特別会計予算案及び同じく政府関係機関予算案に対しまして、参議院同志会を代表して、以下の数点に関する政府の善処を強く要望いたしまして、簡単に賛成の討論を行なうものでございます。  率直に申しまして、本予算案が完璧なものであるということは、われわれはどうしても考えられないのでございますが、もともと社会党並びに民主社会党から提出された組みかえ案というものにも、われわれはどうしてもふに落ちないものがございますし、いわば、この案以上に今われわれが日本の現状に照らしていい予算案が見当たらない、率直に申しまして、さような気持がわれわれが賛成を表する第一の理由でございます。  まず第一には、これはたびたびわれわれが指摘をしている点でございますが、予算編成過程の問題でございますが、毎年夏の各省の概算要求に始まりまして、原案が大蔵省で決定され、あるいは復活要求に至るまでのこの経過、状態は、今までと一向改善されたあとがないのでございまして、結局予算ぶんどり。あるいは圧力団体の跳梁にゆだねられている傾向がきわめて強い。この点は政府としても猛反省をされまして、いかにしてこの態勢を改善するかというようなことについて、今回設置されました臨時行政調査会等の答申等も参照されて、根本的に改善をお考えいただきたいものだと考えるのであります。  次に、この予算の内容でございますが、今回の予算案について、一番論議の点となったのは、この経済成長の問題であったろうと思うのでございますが、われわれは、この経済成長は非常にいいことである、決してこれをとがむべきことでないということを確信いたします。ただ、これが少々行き過ぎたために、そこにいろいろのひずみが出て参った。これについての政府の施策はどちらかというと、少しおそかったように思われるのでございます。で、国際収支の悪化、あるいは物価の上昇傾向といったものは、これは今後の日本の経済にとっては非常に大切な問題、今後の経済の消長にかかわる問題でございますので、もちろん鋭意施策をされておることと思うのでございますが、先ほど申しましたように、施策が少しくおそい、また物価対策にいたしましても、まだ抽象的範囲を出ずして国民にこれなら大丈夫という確信を与えるまでに至っていないというように考えられるのでございまして、この点は今後の課題として、この予算が成立された場合には、その執行過程において十分なる配慮をもって当たられたい。これは要望を強く申し上げておきたいところであります。特に、その予算の中における公共投資につきましては、これはいわゆる社会資本の過小ということが非常な問題であり、これらが一般の民間設備投資等とバランスがとれないということが課題になっておりまするわが国におきましては、ある程度公共投資の増加はやむを得ないのではございまするけれども、しかしこれは効果は非常に長期的、つまりあとになってこないと効果が現われない。それに反して、この景気刺激という面から申しますと、非常に端的に現われやすいものでございますので、これもまたこの予算執行上においては、政府としては、特に留意、配意を怠りなくされなければならない点であると私は考えるのでございまして、この面についての配意を強く要望するものであります。  次に、戦後歴年の予算案を通覧いたしまして、その歳出面において、それぞれの法律に基づくいわゆる義務的経費というものが非常にふえて参っておる。したがいまして、これは時の政府としてやろうとする政策的支出というものの余地をそれだけ減らすことに相なる、これは当然の結果だと思うのでございますが、この点は予算編成上特に留意、苦心をされたことは認めますが、たとえて申しますと、総理が施政方針演説でも非常に強調されている青少年問題につきましても、学校教育、あるいは勤労青年に対する予算的配意というものは、非常に貧困と言わなければならない。急増する高校生徒の問題を初めとして、こういう問題について、特に私は、経済成長というものに比較して、精神生活の成長が非常に考えられなければならない今日、その面から申しましても、今回の予算につきましては、多分の不満を持つものでありますが、今後における政府のこれは強い政策の樹立を期待するものであります。その他社会保障における面、さらに今後のエネルギー対策、特にこの国際収支の問題と関連して、貿易外収入の面から見た海運政策、観光政策というようなものにつきましても、今後における政府の措置が期待されているのでございますが、それらにつきまして、強い方策を、今までのこの経済成長の行き過ぎについて反省される面は反省し、推進すべきものは強い決意をもって推進されることを要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 次に、岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和三十七年度一般会計予算、同じく特別会計予算並びに政府関係機関予算、以上三案に絶対反対を表明するものであります。  池田内閣は、新安保条約を強行してから三年目、特に昨年池田・ケネディ会談で義務づけられた、いわば新安保体制の強化をはかる政策を推し進めております。そのために、すでに失敗が明らかとなっている高度成長、所得倍増計画を、人民への一そうの負担、しわ寄せによって強行しようとしております。これが一般会計二兆四千二百六十八億円、財政投融資八千五百九十六億円という膨大な三十七年度予算に端的に現われております。この膨大予算は、約五千億円に上る自然増という名の実質的増税と人民の貯金や年金の掛金を財源としたものであります。およそ自然増というものほど、きわめて政治的性格を持ったものはありません。この自然増を国民に返さずに、それを基礎にして独占のための膨張予算に作り上げたのであります。政府は、自然増収の見積りについてだけは、常に、好況期には低く、景気引き締め期には高くするという方式をとってきておりますが、国際収支の赤字に現われた所得倍増政策の破綻を調整するために作られた本年度予算でも、また例外ではありません。このようなインチキな自然増のからくりを用いた財源は、一体何に使われ、どのような分野に使用されているのでありましょうか。  最も端的に言えることは、第二次防衛計画初年度の軍事予算であります。予算編成過程で大蔵省が優先的に認めたのは、ほかならぬ防衛庁予算であります。これは、前年度対比二百四十九億円増で、初めて二千億円台になったのであります。二次防初年度にして、すでに、兵器中期開発計画など、第三次防衛計画の立案作成を進めております。  新安保条約の骨格である軍事体制の強化は、池田内閣に与えられた至上命令であります。第二次防衛計画は、第一に、全面戦争は抑止されるが、局地戦争は極東で発生する、第二に、国内では間接侵略が起こる危険があるとの判断で作られたものでありますが、特に、私が指摘したとおり、内外情勢の推移等に伴う戦略構想等に基づいて作られていることは、新安保条約下特に重要な点であります。公然と戦略構想を持つと言い切った自衛隊は、今や名実ともに軍隊になってきたのであります。ナイキ、ホーク部隊の創設は、核武装化の第一歩であります。それとともに、二次防がすでに動揺を起こしていることであります。  アメリカの肩がわりの韓国朴政権てこ入れとともに、韓国を日米独占のかきねとする戦略構想にかわり、西日本の航空自衛隊基地拡張などを始めております。アメリカにすれば、韓国も日本も反共のかきねであり、侵略の基地なのであります。また、兵器国産化の拡大計画とあわせて、秘密保護法の制定をねらっております。しかも、基地闘争を初め、労働運動、大衆運動弾圧のための治安行動の強化、広報費の三倍化、すなわち反共軍事イデオロギーの普及など、本年度軍事費の増大はまさに本予算の重要な骨格の一つであります。  これと関連して、直接の治安弾圧関係費、内閣調査室、警察、公安調査庁、海上保安庁などに見られるように、前年度対比一〇%、七百九十一億円増になっております。特に、公安調査庁がここ数年来かつてない百四名の大幅増員ということは、この調査庁が憲法違反のスパイ活動をやっていること、並びに政防法を今日なおねらっている自民党政府の企図と考え合わせて、許しがたいことであります。  さらに、公共事業費など独占強化擁護には、惜しげもなく、産業基盤の充実と国土保全の強化として、財政投融資を含めてつぎ込んでおります。公共専業費のほぼ半分を占める道路千七百七十六億円、港湾三百十三億円は大幅にふくれ上がり、都市計画、工業用水なども合わせて、独占資本のための政府投資を人民の負担で遂行しようとしております。  さらに重要な問題は、ガリオア・エロア、タイ特別円であります。すでに本委員会でも指摘したとおり、アメリカ本国でもどう使われたかわからないようなインチキな日本占領軍当局の占領行政を、政治的、国際的にもひた隠しにして、今までさんざん利用し、日本支配の道具として一石二鳥をねらった複雑怪奇な醜い性格を持ったガリオア・エロアを、債務として返済する。しかも、この金を、南ベトナム、タイ、韓国のファシスト政権のてこ入れにつぎ込もうとしております。くずれゆくSEATOをささえるために、アメリカとともに、血税をつぎ込もうとしております。ガリオア・エロアあるいはタイ特別円に最も典型的に表わされたように、アメリカに従属した極東軍事戦略体制の一環の役割りと独占資本の海外進出のために使われております本年度予算の最も醜悪な面を表わしたもので、国民の強く反対するところのものであります。  さらに、一般会計とともに、大蔵省預金部資金、産投会計を中心とした財政投融資は、一般会計の三分の一強に相当する金額であり、国民の目をごまかす複雑な日本開発銀行、輸出入銀行などを通して電力、海運、石炭、鉄鋼、特定機械、硫安その他につぎ込まれるとともに、船舶、プラント輸出に、経済協力資金に使われております。電源開発、国鉄新幹線、電電五カ年計画にもつぎ込まれております。料金値上げを条件にした電力、国鉄などの外資導入などともあわせ考えれば、経済的危機を人民にのみしわ寄せしようとしております。こうして、政府は、独占資本の強化、自由化、合理化の設備投資、利潤追求は野放し、助長しているのであります。  農業基盤の強化、構造改善、近代化と称して、六割農民切り捨てを進めるための経費をふやし、米審を非公開にするなど、日本農業と農民の生活を全く破壊する道を進めております。のみならず、貧漁民層も切り捨て、大資本漁業に隷属させようとしております。かつまた、選挙対策も含めての旧地主補償などは、二十億の生業資金として、実際には返済されることのない融資を行ない、今後の大幅な地主補償のための突破口にしたのであります。さらに、自民党の政治体制の維持確保のための中小企業対策や、さらに陰謀と自民党ゲリマンダーの選挙制度改悪などを、許すわけにはいかないのであります。  次に、人民の生活に関係のある部面は、ことごとくごまかしと詐術を用いて、人民の必要と要求はすべて事実上押えつけております。シャープ勧告以来という税制改革、減税も、何のことはない。本委員会でも糾弾したごとく、自然増と国、地方を通じて大幅な増税になるものであります。しかも、現行の非民主的な徴税を整備し、一そう強める国税通則法を強行し、おいこら警察的な徴税を行なおうとしております。人民の税負担率がますます増加していることは、政府も認めるところであります。政府がいかなる説明をしようとも、「減税のたびに税金高くなり」という本質は庶民の真理である事実について、政府の猛省を促すものであります。  なかんずく、成長政策の破綻は物価倍増となり、政府の発表した物価抑制十三項目も、肝心な独占物価抑制、独占カルテルの廃止に何らの手も打たないままにしております。国家独占、私的独占の価格が卸売物価、消費者物価に八〇%以上も影響を及ぼしている事実に目をつぶり、物価抑制のキー・ポイントであることを国民に知らせまいとしているのであります。そうして、独占のカルテルをますます強め、独占価格の維持、強化をはかっているのであります。私鉄運賃の値上げのごときは、審議会も無視してまで、また国会には答弁をごまかし、国会で予算案、ガリオア、タイ特別円など重要案件の通過を見定めて実行しようとしております。政府は、このように、一方で物価を上げっぱなしにしながら、他方で賃金を押えようとしております。政府の真のねらいは、生産性向上、コスト引き下げ、労使協調として、春闘目当ての賃金ストップ政策に置いているのであります。公務員の賃金ストップをてこにして民間の賃金引き上げを押えるため、日経連と相ともに低賃金合理化を完遂しようとしているのであります。今や破局に追い込まれた経済政策を、労働者、人民に押しつけて切り抜けようとしていることは、明白であります。特に、低所得者層にとっては、耐え切れぬものであります。  また、一食十九円五十銭の生活保護費、被保険者にしわ寄せした国民健保、国民年金、退職年金など、預金部資金の財源として年金を利用し、出すことは出し渋っております。社会保障が聞いてあきれるようなありさまであります。  文教政策に至っては、日米教育文化会議科学委員会など、対米従属と軍国主義復活イデオロギーの高揚と独占のための技術者養成という目標を掲げて、これにはたっぷり予算をつけております。しかし、人民の要求する高校増設には目もくれず、すし詰め学級は解消せず、教科書の国定化をたくらんでおります。憲法二十六条の無償も、教科書代一四%値上げと取引され、それも年次計画であって、無償実現がしても、結局本年度四月に入学する子供たちが在学中に無償となる保証は何もないのであります。給食費の父兄負担、教育費の税外負担は、一そう重くのしかかるだけであります。文部省は、教育の外的条件の整備をなすべきサービス・ビューローにすぎないものであるにかかわらず、今や反動イデオロギーの牙城になろうとしております。人民のための教育実現のためには、荒木文相とともに、文部省は解体すべきであり、教育委員会は公選制にすべきであります。  このように、本予算案は、安保条約の実施を保証し、所得倍増のぼろをつくろいながら、すべての犠牲を勤労者に転嫁し、わが国をますます危険な道に追いやるものであります。  以上を総括して結論を述べるにあたって、まず第一に指摘しなければならない点は、本予算に織り込まれている政府の経済見通しと基本的経済政策が大きく動揺し、これを急激に変更しなければならないところに追い込まれていることがあります。設備投資の抑制、輸出の振興など、ことごとくしかりであります。「政府の手によって生産の規制をせざるを得ない」という佐藤通産大臣の発言は、このことを最も端的に示しているものであります。予算がまだ成立しないうちに、それに織り込まれた政策を大きく変更せざるを得なくなったというようなことは、いまだかつてその例を見ないのであります。このことだけでも、政府は、本予算を撤回し、やり直すのが当然であります。  本予算がこのような多くの矛盾を待っていることは、これだけではありません。本予算の背景ともいうべき国際経済の動向について、政府部内ですら意思が統一されておらないほど、何の見通しも持たずに予算が組まれているのであります。いわゆる所得倍増計画も、発表の当初、国際経済の新しい変化や発展から全く目をそらしておったのであります。そして、ひたすら苛斂誅求を事とし、独占資本の資本蓄積にだけ重点を置いて強行してきた結果が、今日わが国民に何をもたらしているか、所得倍増計画そのものがどうなっているか、今さら言うまでもないほどであります。結局、本予算も同じ運命をたどらざるを得ないでありましょう。  池田内閣は、ソ連、中国その他の社会主義諸国を敵視し、アメリカに従属しながら、ヨーロッパ共同市場への接近と、東南アジアへの進出に大きな望みをかけております。しかし、ヨーロッパ共同体からは相手にされず、ひたすらアメリカにしがみついて、そのあっせんで何とかヨーロッパに割り込もうとしているだけであります。しかし、当のアメリカまでがヨーロッパ共同市場の動きにあわてているのであります。これが今日の特徴であります。激烈な市場争奪がますます激化する中で、ヨーロッパ共同市場を中心にして、世界資本主義体制には新しい変化が起こりつつあるのであります。政府は、はたしてこれに対する確固たる方針を持っているでありましょうか。ありません。右往左往するだけであります。しかも、アメリカからは、ますます強くドル危機への協力と、貿易、為替の自由化を強要され、それに屈服しているのであります。  また、アジア諸国においては、日本の軍国主義の復活と経済進出に極度に警戒し、それに反対する戦いが激化してきているのであります。しかも、日韓会談にせよ、特別円協定等、タイ国へのてこ入れにせよ、アメリカの手先の役割を果すことによって、極東の情勢を緊張させるとともに、自分で自分の首を絞めているのであります。本予算は、このような傾向を一そう激化させるだけであります。  第二に、本予算は、わが国民に対する収奪を強め、国民の池田内閣に対する反撃をますます強めるものであります。すでに労働者、農民、中小企業者、学者、文化人、青年、婦人等がこぞって戦いに立ち上がり始めているのであります。けさの国鉄労働者の実力行使を何と見るか。続々と上京している炭鉱労働者数万のデモを何と見るか。国税通則法に断固反対して、粘り強く戦っている中小業者の運動、物価値上げに反対する全国民的な規模での戦い、基地撤去を要求する各地の闘争を何と見るか。これこそ池田内閣の足元を掘りくずす送葬曲であります。最近の世論調査の結果は、その一端を如実に示すものであります。  わが党は、このような反国民的な予算と池田内閣に対してまっこうから反対するとともに、人民とともに徹底的に戦うものであります。

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 以上をもちまして、討論通告者の発言は、全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) この際、委員の変更について報告をいたします。本日一松定吉君が辞任せられ、その補欠として谷口慶吉君が選任せられました。     —————————————

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) これより採決を行ないます。昭和三十七年度一般会計予算、昭和三十七年度特別会計予算、昭和三十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して問題に供します。  三案を可決することに賛成の方は、御起立を願います。   〔賛成者起立〕

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 多数でございます。  よって三案は可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

湯澤三千男自由民主党

○委員長(湯澤三千男君) 御異議ないと認めます。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時五十五分散会

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