予算委員会 第11号
- 発言数
- 441 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1962/03/12
会議録
○委員長(湯澤三千男君) これより予算委員会を開会いたします。 委員の変更について報告をいたします。 本日東隆君及び村山道雄君が辞任せられ、その補欠として赤松常子君、井川伊平君が選任せられました。 —————————————
○委員長(湯澤三千男君) 昭和三十七年度一般会計予算、昭和三十七年度特別会計予算、昭和三十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 奥むめお君。
○奥むめお君 私、池田総理にお伺いしたいと思います。総理は、好んで政治の姿勢を正すと言われますが、政治の姿勢を正すとは、国民大衆を基盤として、大衆の願う政治を行なうことではないでしょうか。総理となってから初めて打ち出されたキャッチ・フレーズ「所得倍増」は大当たりしました。しかるに、一年を出ずして所得倍増から物価倍増になりました。小数大企業家の幾百倍、幾千倍になったものもありましょうが、大衆の得たものは物価倍増で、所得のふえた者も、ふえた以上の諸物価値上がりで、暮しはつらくなったんです。総理は、これは高度成長のひずみだと言われます。ひずみであっても何でも、物価倍増のつらさをじかにかぶって苦しんでいるのが国民の六割、七割を占める大衆です。池田内閣発足当初、これまでの政治は生産者のための政治である。これからは消費者のための政治を行なうと発表していられます。これは、日本としては全く新しい政治の方向を示されたものであります。しかるに、諸物価値上げの先導役として、国鉄、郵便、電話、電気など公共料金値上げをしたものですから、次々と値上がりが早足になって、三十五年の九月三十日に、閣僚による消費者物価対策連絡協議会をお作りになりました。皮肉なことに、このころからいよいよ物価騰勢の勢いは早まったのであります。この消費者物価対策についての閣議了解事項を見ますと、最近の一連の諸物価値上がりは、業者の価格協定によるものが多いが独禁法の適正な運用によって安定をはかる。需給関係の逼迫による値上げに対しては、所要の輸入措置をとる等の行政措置を講ずる。公共料金の値上げ等は、これを極力押える。消費者物価に関する各省間の緊密な連絡をとるため、情報の交換及び施策の総合調整を云々と、それから、これは一般対策で、個別対策として、住居、食料が書いてございます。ところが、それから一年半たちました。物価はますます上がるばかりなのに、政府は何にもしておりませんでした。また、最近の三月九日、ことしのことですが、物価安定総合対策について、閣議了解とあるものを見ると、物価、特に消費者物価を安定させることがぜひとも必要であると書いてあります。これまで自信過剰な発言をしていられた池田首相が、きっと思い当たられることもあるであろうとお察しするのでありますが、国民もまた政府の施策のいかんが、生活に及ぼす影響のいかにきびしく大なるかを、今度のことで痛感したと思うのであります。今、家族の多い者、給与の安い者ほど生活費の高騰で苦しんでいます。ここで春季闘争の拠点として、生計費指数の文字が中心になって、生計費指数を幾らに見るかということ、これを何割に勘定するかということで、労使が火花を散らしています。労働組合という組織の中にある者はしあわせです。政治のひずみから来た物価高でも、戦えばかちとることができる収入増となるのです。彼らを雇っている人たちも、例外はあるとしても、吐き出せないほど金をたくさん出すはずはない。株主の配当も自分たちの分け前も、好不況にかかわらず第一番に取り除いておくものです。このごろはやりの設備合理化近代化を、日本銀行が困るほど金を借り出してやっても、合理化によるコスト値下げをしようとしていません。 私は、生産性向上の成果は、労働者と経営者が受けるだけでなくて、消費者にこそ最初に分け与えられるべきものだと思っておりますだけに、消費者あっての生産であり、販売であるのに、長い間消費者は彼ら両者からのけものにされて、両者が争うときは、その飛ばっちりは消費者が受け、ときにはアベック闘争さえやって、あとの帳じりはみんな消費者に転嫁して顧みなかったのであります。今度の政治のひずみから来た物価値上げの重圧も、かくて消費者にだけ負わされているのですが、これでよいものでしょうか。 総理に伺いたいのであります。労働者の陣列にいず、資本家の陣列にもいない一般善良なる消費者が、長い間にはストライキになって汽車も電車も動かない日もあったし、医者が見てくれない日もあったし、年賀郵便が二月二十六日に着いたのは去年のことでございます。また、所得倍増のかねが打ち出されましてから急にざわめき出した繁栄の影響がマスコミをあおって、商業主義の高度化からいろんな新製品が次々と売り出されて、どれがよいか悪いか見分けることもできないぐらいで、また、体裁だけよくした有毒、有害な食品も薬品もあるわけでございます。絹とも毛ともナイロンとも見分けのつかぬ織物が、また、あわ立つのがいいのだ、あわたつのが悪いのだというふうに争っている洗剤を使ってきれや食器や野菜を洗っていますが、放射能の心配もこれに伴っているのでございます。おととし、にせカン詰をつかまされました。こういうことを言えば切りがございませんが、アメリカやスイス、イスラエルでは、消費者行政というのは、食品衛生から始まっていると聞いております。未開な消費者行政の混乱の中で今右往左往しているこの消費者を、私はかりに第三階級と言います。消費者行政を打ち出しなさった総理あなたは、この顧みられない第三階級ともいうべき消費者を、資本家や労働者対策に身を入れていられるように、また、消費者階級の利益のために、しっかり働いて下さる意思がおありになるかどうか、これを伺いたい。 私は国会に議席を持って十五年になりますが、これは外国の人には聞かせたくないことではありますけれども、国会議員の中には利権を求めたがる人があります。自分に不利益なものはあくまで反対して、法案を骨抜きにしたり、あるいは気に食わないものには通せんぼをしたりして時間をかせいで、物価高に困る国民のことを審議する時間がないくらいです。もっといけないことは、各省の間にきついなわ張り争いがありまして、通産省なら工業界、農林省なら農漁業界、厚生省なら医薬界というふうにして、自分の指導監督、助成しているものを偏愛して国民全体の立場を考えてくれないのです。政治の姿勢を正すと、こういう身近なところがら始めて、総理が改善の方向に向かって下さることを希望してやまないのであります。各種業界をうしろだてにし、また、背負って立っている各官庁は、今のままでは消費者行政の推進役にはなれません。消費者を守るただ一つの役所といわれている公正取引委員会には、各省からの圧力が加わって微力だし、結局、各省と対等に話のできる消費者のための生活省とでもいうものを置くよりほかないと思うのでございます。行政簡素化をうたい出している今、役所の新設が無理だとしたならばやむを得ません。文化財保護委員会や原子力委員会のようなすっきりした消費者問題委員会を作って対策を急いだらどうでしょう。イギリスでは、去年消費者保護法が両院を通過しました。池田内閣は、三十五年九月に、消費者物価対策について、閣議了解事項として、次のように……、さっき読みました。しかし、今日まであまり緊急を要するものをどれ一つとしてなすことなく、最近また物価総合政策として、閣議了解事項になっている十三項目をあげていられますが、なわ張り争いや利害背反のある官庁が歩調を合わせて消費者行政を推進するというのは相当困難だと思いますが、ぜひこれはしてもらいたいと思うのでございます。 総理に、以上四点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) お話のとおり、高度成長政策の結果として、私は国民の生活水準は全般的に相当上がったと思います。そうして、国民の生活水準が全般的に上がって参りますと、そこには当然サービス料の上がりというものがくるのでございます。したがいまして、急速な高度成長によりましてひずみが起こっていることは、従来申し上げたとおりでございます。しこうして、私は、この高度成長の結果として、そうしてまた消費者の生活水準が上がる結果としてひずみが起きてくる、そのひずみを直さなきゃいかぬというので、先般来いろいろ考慮しておるのであります。御承知のとおり、生産が伸びれば、いわゆる生産性が向上すれば、賃金の上昇が伴いますことは当然でございますが、ただ、それだけではいけないのでございます。やはり将来の生産の増強のもとを作ると同時に、消費者への分け前を取ることはぜひ必要でございます。ただ、その点が、何と申しますか、高度成長のもとを作ることに急であって、消費者のあれに利益になることが少ない点もございます。ただ、ごらんのとおり、テレビとか、ラジオとか、いろいろな近代的な耐久物資は、相当生産性の向上に伴って下がってきておりますけれども、鉄とかほかのものにつきましては、それが下がっていない。今後力を入れるところはそういうところであろうと考えるのでございます。政府では先般閣議決定いたしましたように、十三項目につきまして基本をきめました。そして具体的措置につきましては、今月末までに持ち寄って、具体的な施策に入ることにいたしておるのであります。で、消費者物価の引き下げ、これにつきましては、私は今後全力を尽くしていきたいと考えております。
○奥むめお君 総理並びに通産大臣、企画庁長官に伺いたいと思うのですが、独禁法の運用にあたって、違法な価格協定取り締まりを厳重に行なうと同時に、行政指導による監督指導についても、消費者の利益がそこなわれないようにするというのが、閣議了解事項になっておりますが、今度三月一日に発表されたものでは、公正取引関係の文字がちっともないばかりか、通産省関係の項に、独禁法の運用をむしろ緩和すべき場合があると書いてあります。これは、通産大臣が、産業拡大のためにはそういうことが必要だということをときどきおっしゃっているのと方針が違うのじゃないかと思う。内閣の中に全く相反する意見のものが、消費者行政を推進するということができるかどうか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今回きめました総合対策の中で、独禁法の運用につきまして十分厳重にこれをとり行なっていくということを定めたわけであります。その点につきましては、通産大臣も異論はないわけでございまして、そういう意味におきまして、今後業者間の協定その他については十分な厳重な監督をして参る。また、公正取引委員会としてもその方針を堅持していくと、こういうことに進めて参る所存でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま企画庁長官がお答えいたしましたように、私どもとして別に意見の相違はございません。で、しばしば言われることでありますが、通産行政は生産者保護の仕事をしているのではないかということを言われますが、しかし、これはその一面だけをごらんになっての批判だと思うのです。だれのために生産しているかということをお考え願えれば、生産を増強する、あるいはコストを下げるということは、とりもなおさず、消費者の利益のためであります。私ども絶対に意見が閣内で違うということはございません。
○奥むめお君 企画庁長官にお伺いしたいと思いますが、先ほど総理から御答弁いただきました、消費者行政の役所の問題、なわ張り争いの中で、すっきりとできませんか。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のように、日本経済の発展して参る上におきまして、消費者の利益のためにも、ある程度生産が拡大していくということは、これは必要でございまして、その点に相当重点が閣議等において置かれることも、これはやむを得なかったことだと思います。しかしながら、こういうふうに回復して参りまして、さらに成長を進めて参る場合に、当然消費者の立場は考えて参らなければならぬのでございまして、その意味において、消費者行政というものが、御指摘のように非常に重要になって参ったわけでございます。したがって、経済企画庁が経済全般を見ております上からいって、消費者行政が非常に大事になってきたということを、私としては痛感をいたしておるのでございます。したがって、現在の経済企画庁のやり得る範囲内におきましても、相当力を入れてやることにいたしております。ただ将来、お話のような国民生活省、そういうような問題、あるいはそれが厚生省の発展的なものになりますのか、新しいものになりますのか、何かそういう構想も考慮の余地はあると思います。ただいま、御承知のとおり、行政全般に対する一つの大きな改革をして、そうして日本の行政を簡素化すると同時に、新しい時代に適応するような行政配分をしていこうという審議会ができて、川島長官が熱心にこれを推進しておられますので、そういう機会にこの問題を検討をしていただくのが適当ではないか、こう存じております。
○奥むめお君 法制局長官にちょっと伺いたいのですが、中小企業団体法で価格協定ができるものですか、できないものですか。これは、このごろの物価値上がりの相当部分が価格協定によるものだと思う。それについて伺いたいと思います。
○政府委員(林修三君) 中小企業団体の組織に関する法律におきましては、一定要件のもとに商工組合の設立を認めております。で、その商工組合が価格協定をすることも、一定の——これも一定の要件がみな書いてございますが、一定の要件のもとに価格協定をすることも認めております。
○奥むめお君 一定の要件というのは何ですか。
○政府委員(林修三君) 現在の中小企業団体法で申しますと、商工組合の設立要件は、不況要件と申しますか、いわゆる不況化カルテル的なものになっているわけでございます。そういう要件がある場合に、商工組合の設立ができまして、商工組合が設立された場合に、その組合員である業種のいわゆる調整規程というものが作られることになっております。生産、販売あるいは価格等に関して、この調整事業がやれるようになっております。もちろん、その調整規程は、主務大臣の認可を得てやるようになっておるわけでございます。で、いろいろ生産要件あるいは購買の要件等についてのまずカルテルをやったあとで、なおかつ、それだけでは足りないという場合に、価格協定ができるようになっております。御承知のように、今度の国会に、この中小企業団体法の一部を改正案が提出されております。これは御承知のように、商工組合の設立要件を、現在のいわゆる不況化カルテルと申しますか、その以外に、いわゆる合理化カルテルと申しますか、合理化事業のためにも設立できるようにいたそうとしております。ただし、この合理化のほうでは、直接の価格協定の問題はうたっておらないわけでございますが、不況化防止と、いわゆる業者間の不況防止については、今申しましたような価格協定というものも、ある範囲において、主務大臣の認可を受けた調整規程によってやられるようになっておるわけであります。それから、さらにその組合できめました調整規程だけでどうしても足りないという場合には、主務大臣がいわゆる規制命令ということを出すこともできるようになっております。 それから、これも御承知のことと思いますが、中小企業団体法以外に、環境衛生関係の、いわゆる通称環衛法といわれておりますが、このほうの環境衛生同業組合も、ある程度いわゆる価格カルテル、料金のカルテルと申しますか、こういうことができるようになっております。
○奥むめお君 通産大臣と厚生大臣に伺いたいと思いますが、今環衛法の話が出ましたが、このごろ価格協定が——今までは独禁法で非常にきびしくワクをはめられていましたけれども、今度の改正法案の中身を見ましても、価格協定を緩めるおそれがあると思うのでございます。で、環衛法も、初めはこれは衛生立法だといわれたのが、経済立法である……。まあ先に通産大臣の御答弁をいただきましょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま協同組合の行為によって価格がつり上げられるのじゃないか、こういう点についての御意見でございますが……。
○奥むめお君 価格協定が行なわれる……。
○国務大臣(佐藤榮作君) ええ。それで、先ほど法制局長官から申しましたように、ただいままではいわゆる不況カルテルというものは認められていた、しかし、今度は少し範囲を拡大したじゃないか、それがこういう際に、価格協定の名のもとにつり上げられるのじゃないかというような御心配であります。もちろん私ども通産省といたしましても、そういう不都合があっては相ならないのであります。行政上の指導はもちろんいたしますが、なぜそういうことを考えるのかというような点であります。一つは、この自由競争のよさというものがあり、それによって価格が安くなるということをいわれますが、同時に、過当競争、いわゆる適正な競争以上に出ておるもの、これについては、やはりこれを防止するという立場が望ましい。御承知のようにただいままでは、価格は統一にはするけれども、あるいは量目を減らすとか、あるいは品質を悪くするとか、実質的に価格低下の方法をとること、これは消費者の保護にならないことでありますし、あるいは工業製品等にしても、規格がやはり統一され、信用のおけるような品質であれば、消費者を真に保護することになりまするが、そういう点に触れないで、ただ価格の面だけで取り締まるということは、実態から申して、必ずしも真に消費者を保護することに実はならないわけであります。そういう意味から、いわゆるいろいろ通産省でやっております工業基準法案であるとか、あるいは家庭用品品質表示法案であるとか、今御審議をいただくことになっておりますが、そういうような法律を作って、同時に消費者に対して品質も信用ができる、こういうように指導しておるわけであります。そういう場合に、やはり中小企業のメーカーなどは、同業組合を作って、その組合の内部において、ただいま申すような基本的政策の方向に協力するということが実は望ましい、かように思って、団体法なども、ただいま改正案を提案いたしておるわけであります。これは十分消費者の方にも御理解をいただかなければならないのでありまして、私ども、値段が安くなることはもちろん必要なことでありますが、それは、品質相応といいますか、品質に相応する適正な価格であると同時に、またそれが非常に動揺しない、ある程度の安定度が必要である、実はかように考えておるわけであります。しかしながら、御指摘になりますように、協同組合ができた結果、これを悪用して、消費者のためにならない、自分たちの、事業者の立場だけから行動するというようなことがあっては相ならない。いわゆる便乗行為は、十分にこれは取り締まる、制度の悪用はできるだけ取り締まって、真の目的を達成するようにしたい、かように考えておるわけであります。
○奥むめお君 通産大臣に重ねてお尋ねいたしますが、独禁法という一つの宝刀がありまして、今まで不況要件がなければ価格協定ができない。これをあなたのほうの団体法で拡大して、そして、いろいろなものが今すでに二万以上あるのでございましょうが、それをもっと拡大してやらせようという、その考えの奥には、もう価格カルテル、これを認めたいという動きがあるように思われてならないのですが……。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお答えいたしましたように、不当競争を防止したいということであります。いわゆる独禁法自身、私的独占ということが一面に言われておるから、このほうは競争しろということで、私どものほうのねらいは、いわゆる不当競争をして業界の撹乱をさせないで業界を撹乱することは、同時に消費者のためにならない、こういうわけであります。これは非常に実際問題としてむずかしいことでございます。いわゆる競争のよさを生かし、競争の悪い点を除いていこうというのでありますから、現実には非常にむずかしいことだと思いますが、別に矛盾しておる考えではないつもりでございます。
○奥むめお君 厚生大臣にお尋ねいたしますが、先ほど環衛法の話が出ましたが、環衛法は、あれは審議会で最低価格をきめるということになっておりますけれども、どの組合も、きめられた基準価格よりもはるかに高い料金で実行してしまっておる。これは非常に環衛法の悪用だと思うのでございますが、これに対して行政指導とか何かなさる意思はございませんか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 環衛法は、御承知のように、不当競争を行なった結果保健衛生上有害なことにならないようにという趣旨でもってできておるわけでございます。これにつきまして、適正化基準というものを定めてやっていくことになっておりますが、適正化基準のきまりましたものはまだ比較的少ないのでございます。今日、御承知のように、環衛法関係のサービス料金がいろいろ上がっているような傾向になっております。これもある程度やむを得ないかと思うのでございまして、御承知のように、いわゆる生産性の向上というふうなことで経費の節約をする、こういうふうなことの困難な業種が多いのでございます。一般の国民経済水準の向上に伴いまして、環衛関係のサービス業につきましては、ある程度の値上がりということもやむを得ないかと思うのでございます。ことに、環衛法では、御承知のように、人件費でありますとか、あるいは電灯、水道というような各種の料金が上がっております。そういう関係上、料金が若干引き上げられているという事情にございますが、環衛法の直接の関係よりも、むしろそういった関係で上げざるを得ないというようなものも少なくないように思いますので、従来そういうふうに上がっているかと思います。しかし、これがまた、あまり急激に上がって参りますと、国民生活に影響するところも多いことでございますので、私どもといたしましては、急激な上昇によりまして一般の消費者に迷惑をかけることのないようにと、かような考えをもちまして、関係当局ないしは関係団体に対しまして、指導をいたしているような状況でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどのお尋ねで、ちょっと誤解があるといけませんから、あるいは私の聞き方が悪かったかとも思いますので、お答えをもう少し補足しておきます。 ただいま団体法の改正を提案いたしておりますが、これは事新しいことでは実はございませんで、商工組合による価格協定の問題について、輸出向け貨物に限って、不況カルテルの一環として今日までやってきたと思うのですが、最初から価格統制ができるように実は変えたのでございまして、その他の輸出貨物組合については、在来どおり実はやっているわけであります。今回こういう措置をとりましたのは、輸出向けの貨物は、価格が安定しないと輸出がなかなか伸びないのでございます。日本国内の値段がだんだん下がるとなりますと、買手も一番安いところで買おうといたしますために、輸出が思うようにいかない。だから、輸出貨物については、特に価格が安定することが必要だ。それで、今回団体法を改正して、商工組合による協定価格を作ろうというのであります。しかし、もちろん、この場合におきましても、公取の承認を得ること、これは当然でありまして、いわゆる団体法の改正が、先ほど御意見がありましたような、めちゃくちゃな生産者保護、こういう立場に向かうものではないのであります。この点は、誤解のないように、補足さしていただきます。
○奥むめお君 今の問題に関連いたしまして、このごろ価格協定による値上がりが非常に多い。環衛法関係のものも、これは一つの協定値段で、全国的に、小さい組合も、大きい組合も、価格協定をしています。公取委員長、それに対して何とお考えになっていらっしゃいますか。また、対策はどういうふうにとっていらっしゃいますか。
○政府委員(佐藤基君) ただいまお話しの環衛法関係におきましては、御承知のとおり、料金の基準をきめるわけなんでありますが、実際上の問題といたしましては、この料金基準をきめるのに、審議会等がありまして、なかなか時間がかかるようであります。そこで、私どものほうから見ますというと、その審議会の料金基準がきまる前に、環衛法で、たとえば理髪屋さんとか、美容業をやっている人とかいうものが、協定をして値段を上げている例が若干見つかっているわけであります。そういうものにつきましては、独禁法違反の問題でありますので、十分注意しております。ことに、厚生省とも連絡をとりまして、そういうあやまちを犯さないようにということをやっているわけでありまして、現在におきまして若干まだ問題が——解決したものもありますが、大部分は環衛法を十分理解しないでやったような節もありまして、すぐそういうことはよしております。 なお、環衛法施行後におきまして、料金が相当上がっているのでありますから、私どもといたしましては、その裏に協定があるかどうかということは特別に注意をして監視している次第であります。
○奥むめお君 それに対して、どういうことをなさいましたか。公取として、幾つ違反を取り上げなさいましたか。 それから、もう一つ続けて伺いますが、今町にはガソリンの一リットル三円値上げということを堂々と印刷したビラが張られております。また、森永牛乳という名前で、一合について二円値上げのビラが各家庭に配られております。市販化粧品でも、いろいろ形を変えて、あるいは中身は同じだけれども包み方をきれいにしたりして、三割くらい高くしている。こういうものもあなたのほうの管轄であろうと思いますが、この二つ伺いたい。
○政府委員(佐藤基君) ガソリンなり牛乳なんかにつきましては、これは日用品あるいは生活必需品でありますので、私のほうでも特に注目しているのでありますが、これらの値上げがいわゆる協同組合としてやる場合には法律上認められている。今まで私のほうで調査したところでは、その関係で行なわれているように思うのであります。
○奥むめお君 ちょっともう一つ、公正取引委員長、不当顧客誘引行為防止法案はどうなっておりますか。
○政府委員(佐藤基君) 不当顧客誘引行為防止法案につきましては、最近におけるところの過当な懸賞販売等がありますので、何とかしてこれを規制すべきものだということで、われわれのほうで研究いたしまして、独禁法だけでは十分ではないので、新たなる法律を作るべきものだと考えまして、実は立案している次第であります。現在におきまして、法制局の御審議を願っておりまして、その結果によりまして、内閣から御提出になることを望んでいる次第であります。
○奥むめお君 ちょっともう一つ伺います。その内容はどういうふうなものを含んでいますか。
○政府委員(佐藤基君) 私のほうで考えておりますのは、懸賞販売、景品付販売、それから不在広告と申しますか——私とものほうは欺瞞広告という名前を使っておりますが、それからもう一つは、公正表示規約と申しまして、業者が規約をきめて公取の承認を受ける健全なる取引慣行を助長しようという趣旨のものであります。その四点であります。
○奥むめお君 もう一つ。それは通せそうでございますか。国会の関係もありますけれども、法案としてまとまりそうでございますか。何か反対の横やりが入っていると聞いたのですが。
○政府委員(佐藤基君) 民間でいろいろ御意見もあるようでありますが、私どものほうといたしましては、ただいまのところ大体その線に沿っていけるものと思っております。
○奥むめお君 あなたは、それを通すために一生懸命やっていらっしゃいますか。そうして、ぜひ通していこうという御意思がおありですか。
○政府委員(佐藤基君) 法案の、社会生活の面から考えて、消費生活の面から考えて、重要性にかんがみまして、ぜひやりたいと思っております。
○奥むめお君 私ここで厚生大臣に伺いたいのでございます。今、国民栄養の問題を一番考えなければならぬときだと思います。と申しますのは、物価値上がりで、家計簿には出ていましても、今度は表われない面として、栄養の低下——肉を買ってたのがイワシになれば、これはともかくとして、イワシを半分に減らす。野菜が、ネギ一木十円もいたしますと、なかなか買えるものじゃない。こういう問題が、栄養低下非常なものだと思いますが、仲間が調べたものによりましても、牛乳——これは非常に動物性蛋白質として完全な栄養だと教えられていますが、政府はお米のことに一生懸命で、牛乳のことにはなかなかおろそかなものでございます。で、牛乳をもっと飲みたいという国民の声は強いのですけれども、高くて飲めません。そうして、全乳はないと申しまして、ビタとかゴールドとかいう加工牛乳、ちょっと変わった高い牛乳を押しつけられております。で、だれが牛乳を一番飲んでいるかという調べを仲間がしましたのを見ましても、お父さんが一番多い、それから子供、お母さんはそれの十分の一、八分の一しか飲んでない、これが一般の家庭の現状でございます。また、子供がたくさん飲んでいるとしても、お父さんが今度は半分に減らして、そうしてお母さんはもっと少ない、こういう統計がございます。牛乳というものは、一番過労なお母さんにこそ一番飲ませたいし、発育盛りの子供にこそ飲ませたい。厚生省は、去年から国民の栄養所要量をおふやしになりまして、体が大きくなったんだからと。しかし、所要量だけふやして、どうしてそれをとらせるのだ、これについてどうお考えですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国民の栄養の問題がきわめて重要であるということは、もうお話のとおりでございます。最近、飲食物費がややもすると高騰する傾向にある。この点は、私ども非常に心配をいたしておるわけでございます。昨年の国民栄養調査の結果によりましても、国民の栄養状態は漸次改善せられつつあるとは思いますけれども、しかしその栄養のとり方等につきましてやはり完全でない向きがあるようでございます。ことに、農村でありますとか、あるいは都市の低所得階層等におきまして、栄養のとり方が万全とは申しがたい点があるようでございます。厚生省としましては、栄養調査の結果に基づきまして、保健所を中心にいたしまして、栄養の指導に努めておるわけでございます。御承知のように、保健所だけではもちろん効果を上げるということも十分でないと思います。地域的ないろいろ組織もございます。保健福祉関係の組織活動もございますし、あるいは公民館活動というものもございます。そういうふうなところと協力いたしまして、栄養の改善に努めておるようなわけでございます。今申しましたように、私どもといたしましては、申すまでもなく、できるだけ——特に飲食物の価格の値上がりが一番苦手でございます、低所得者階層、あるいは年金受給者、こういうふうな方面に一番響く問題でございますので、さような方面の値上がりは極力抑制いたしたいと考えておりますが、これもある程度やむを得ないといたしまするならば、与えられた経費の中でできるだけ合理的な栄養をとり得るように、多少ものは安くても栄養価のあるものもございますし、またその食べもの等の配分によりまして栄養効果を上げるということもできるかと思いますので、そういう趣旨において保健所その他の活動を促しましてやって参りたい、かように考えておる次第であります。 牛乳等についても、できるだけお母さん方も飲むようにすることが希望でございますけれども、なかなか思うにまかせない点もあるかと思いますが、今後ともにこの点については十分注意いたしまして指導に努めたいと思います。
○奥むめお君 総理にお伺いしたいのでありますが、牛乳がまた値上げになりました。牛乳を国民に飲ませるということは、よその国では、文明国ではこれは安定価格、国民に無理のない価格を保障する政策が行なわれておりますけれども、日本では全然野放しで、酪農民は牛乳をしぼりながら安きに泣いている、国民は高きに泣いて飲めない。その間に暴利をむさぼる者があると考えられますが、この牛乳を、たとえばお米では、米関係の穀類では七百億円も政府は支出しておる。これだけの金を出す太っ腹の政府が、国民の栄養確保という責任をとって牛乳の問題にもっと予算をとって働かしたらいかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) 最近の状況は、昔のように米ということよりも、畜産品あるいは野菜というものに非常に傾いて参りました。畜産の農業生産における地位もだんだん高くなりました。したがいまして、今後におきましては畜産に対し特に力を入れていきたい。それにはやはり飼料の問題、そうして畜産業の各地における適正の問題等々考えていきたいと思っております。
○矢嶋三義君 関連して一つ……。今日本の政治では一番大きな問題は物価問題で、国民の関心事であると同時に、今奥先生のほうから適切なる御質問がされておりますが、大臣諸公の御答弁では現在のこの重大問題である物価問題は解決できないと思うんですね。したがって関連してお伺いいたしますが、まず厚生大臣ですが、御承知のごとくエンゲル係数は日本においては高いのですからね。だから食料品の物価指数の動きというものに対しては最も敏感でなくちゃならぬ。ところが経済指標を見ても食料品の指数の伸びが一番大きいわけです。今もお話が出ているが、牛乳に限らず、食料品の生産場における生産価格は決して高くなっていないのに、消費者に渡るときには価格が急激に高くなる。ひどい場合には魚介類のごときは三倍、四倍にもなる。こういう問題がある。これは政治の貧困からきている。したがって、農林大臣がきょうおいでになっていないのですが、関心を持たれているようですが、食料品の値上がりという点については、厚生大臣としては、エンゲル係数との関係からいって特に私は関心を持って善処されなくちゃならぬと思うのです。 で、総理にやはり関連して伺いますが、今奥委員も質問されている一番重要な問題は、物価上昇のムードを作ったのは、どうしても火つけ役をされたあなたの責任が大きいと私は思うんですよ。この段階ではこのムードの火消し役をされるということがあなたに課せられた大きな責任だと思うんです。ところが、最近いろいろ経企長官を中心にやられておりますけれども、ああいうやり方ではとてもムードを消せないと思うのですよ。先ほどちょっと出ましたが、重要施設等公共料金の値上げを特例として認める、こういう方針ではムードというのは決して消せないと思う、火消しを務め得ないと思う。大体今も予算の問題がちょっと出ておりましたが、あわせて大蔵大臣にお伺いいたすのですが、この段階で物価問題にブレーキをかける、火消し役を務めるということになれば、やはり予算を伴う、裏づけにした対策をしなければ、お説教だけではとても——私は関連質問だからデータは述べませんが、ブレーキはかけられない、火消し役は務められないと思うのですね。どうしてもその点が伴ってこなければ、お説教だけではだめだと思います。この点について三大臣のお答えをいただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 一応の物価対策は、根本的な考え方だけきめましたので、これによって各省が具体的な措置をとることになりましたが、この措置とにらみ合わせて、これが有効であるという限りにおいては、予算の使い方についても私どもはその線に沿った使い方をするつもりでおります。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 物価の値上がりは特に厚生省関係におきまして一番頭の痛い問題であります。ことに飲食物費の関係の値上がりというものが最も苦慮するところでございます。決して関心を払わない問題ではございません、最も関心を払っておる問題でございます。農林省と連絡いたしまして、なるべく飲食物費等の値下げについて努力をいたしたい。またしてもらいたい、かように考えておる次第であります。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど奥さんの御質問に答えたとおり、先般きめました十三項目の具体化を早急にやっていきたいと考えております。
○奥むめお君 厚生大臣にもっと伺いたいことがございます。それは衛生の立場から厚生省がしっかりしてくれないと困る。このごろ新しい食品がずいぶんできましても表示が十分してございません。これは通産省の関係ですが、表示がなかなか行なわれない。また厚生省も農林省もそれをやるべきなんですが、新しいものやら、あるいは何が入っておるものやら、見ばはたいへんよろしいけれども、添加物あるいは増量品物あるいはその内容につきまして、保護されていない消費者の立場を非常に心配するものでございます。厚生大臣はその問題で、たとえば農林大臣の関係でありますけれども、ホルマリンが腹から出てきた、一時発売禁止しましたが、いやあれは禁止せぬでもよかったということになったようでございますが、それから遠洋漁業の魚が氷の中へ薬を入れて、そして防腐剤として帰ってくる。これを陸揚げのときにきびしい検査が行なわれているか。またこれは食べるときにいろいろの助言が与えられているかということになると、とても不安な問題があります。そういう問題がいろいろあると思いますが、国際ガン協会でも勧告をして、ズルチンあるいは色素などをやめるように言うてきていますね。日本はそのままにしておる。こういう問題を考えてみたらきりがないと思うのですが、厚生大臣はもっとしっかりなさる意思はないか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) だんだんと新しい薬剤と申しますか、さようなものが製造せられまして、これが食品その他に使われておると、これは事実でございます。その結果非常にいい成績をあげている面もございますが、またそれによって人体に危険があっては相ならぬ問題でございますので、厚生省といたしましては、食品衛生法に基づきまして、これらの指導あるいは取り締まりをやっておるわけでございます。食品衛生法によりまして指導及び取り締まりにつきまして十分やっておるつもりではございますけれども、なおときどき問題を起こしておりますので、一そうの注意をしてやって参りたいと考えます。
○奥むめお君 ちょっと厚生大臣お待ち下さい。食品衛生法とおっしゃいますけれども、食品衛生法というのはどういうことを書いてございますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は食品衛生法に基づきまする指導及び取り締まりの内容を……。
○奥むめお君 私が読みましょう。その一部に、「有毒な、又は有害な物質が含まれ、」、含まれているものですね、「但し人の健康を害う虞がない場合として厚生大臣が定める場合においては、この限りでない。」、食品衛生法がこういうこわいただし書きをしております。これでみんな逃げられてしまいます。人のからだに害があるものであるけれども、厚生大臣が認めればそれはよろしい。こういうことは、われわれがいろいろ不良な食品を持っていきまして、そして逃げられる問題でございます。いかがでございましょう。私はこれは改めるべきだと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 食品衛生法は申すまでもなく、食品によって人の健康に害がないようにしたいという趣旨のものでございますから、人の健康をそこなうおそれのない化学的合成品を指定しまして、これ以外の化学的合成品を食品に使用することを禁止しておる。こういうふうに相なっております。
○奥むめお君 私は厚生行政が、食品の保健衛生上の問題から十分考え直していただきたいと思うものでございます。で、たとえて申しますと、先ほど申しましたようなホルマリンの問題、あるいはCTCの問題、あるいは漂白剤の問題、いろいろなことが例外規定を設けては悪用される道が開かれている。しかもそれを十分な監督、検査、指導をしていない。これが今日の厚生省の行政だと思うのでございます。で、たとえば牛や鶏のえさにCTCを入れ、これは二十五日は牛乳を出してはいけないと牛ならば言いますけれども、それをどの程度検査しているか、いろいろこわいことが多いのでございます。中性洗剤にいたしましても、これが食器についたり野菜について人間のからだに入る。微量なものでありますから大目に見逃がされますけれども、毎日々々微量なものがからだに入る。これはこわい結果が必ずできると、厚生省としてはそのくらいの良心のもとに対策を考究してもらいたいと思うのでございます。で、青森でリンゴ園の道を通る子供が防毒マスクをかぶって学校へ行く。ああいう問題についても厚生大臣はいかがお考えでございます。どういう対策をおとりになりますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 中性洗剤のお話が出たのでございますが、この中性洗剤も一面においては非常に役に立つものである、非常に効果のあるものでございますから、これがお互いの健康に危害を及ぼさない限りにおきましてはこれを認めてしかるべきものだと思うのです。中性洗剤につきましてはいろいろ議論のあるところでございますけれども、今日までの私どもの検討の結果といたしますれば、取り扱いに注意をするということによりまして、格別の人体に対する害はないものと考えてやっておるわけでございますが、最近またこの問題につきまして一部の学者の間に議論がございます。私どもといたしましても、この問題については、さらにまた検討を重ねていきたいと思うのでございます。ただ、かようなものは急性のものでございませんので、なかなかそれがはたして人体に危害があるものかないものかというような結論を導き出すのには相当の期間もかかると思いますけれども、少なくとも現在までのわれわれの検討の結果といたしましては、その取り扱いに十分な指導をし注意をすれば格別の危害はない、こういう考え方をいたしておりますけれども、さらに検討を重ねていきたいと思います。 また農薬等につきましても、いろいろな非常に激しい毒物あるいは劇物がございますので、この取り扱いにつきましては万全の注意を払っておるわけでございます。いろいろな方面からその注意をいたしておりますが、今学童のお話が出ておりますけれども、学校教育等を通じましても、この辺の注意は十分徹底させたいと思います。
○奥むめお君 厚生大臣に重ねてお伺いいたしますが、この物価値上げの今日、生活協同組合が利益を求めないで流通と生産との橋渡しをしております仕事は御存じだと思うのでございますが、これをあなたはどう育成するお気持でいらっしゃいますか、お伺いいたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 生活協同組合がお互いの生活の上におきまして、相当効果的な役割をしておるということは私も十分認めるところでございます。これが堅実な発展を希望いたしておる次第でございます。 厚生省といたしましても、予算面におきましても共同利用施設等に対する貸付金の予算を設けまして、あるいはまた今回できました年金福祉事業団等の融資の対象にもいたしております。それが堅実な発展を希望いたしておる次第でございます。
○奥むめお君 予算を厚生大臣は出しているとおっしゃるが、出してはいます、非常に乏しい予算を。まるでこの事業は今まで長い間政府からのけものにされておりましたくらいでございますが、物価値上げの今日にこれを育てる、育てるためにこういうふうに推進するというような何か対策をお持ちでございますか。デパートなりあるいは市場なりは、堅実な生活協同組合のあるところは、値段を目安にして毎朝見にくるくらいなんです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 生活協同組合がお互いの消費生活をやっていきます上において効果的な役割を果たしておるという点は今申し上げましたとおりでございます。これが堅実な発展をいたしますためには予算面におきましても、また年金福祉事業団等の融資の面におきましても十分考慮して参りたいと思います。今日までのところ必ずしも十分とは申しにくいと思いますけれども、お話にもございましたわけでございますので、さらに一そうの注意を払いまして、この方面に努力いたしたいと思います。
○奥むめお君 建設大臣、大蔵大臣にお伺いするのですが、住宅難という問題は、これは政府も企画庁の案で、閣議了解事項で書いておりますくらいでございますが、全くひどいものでございます。この予算は金額にしてみれば大きく見えますけれども、個々の家庭に合わせてみればきわめて少ない。第一国家の目標の六割は、国民の自力による建設でございます。六割も国民に建てさせておいて、あとの四割さえもなかなかできていない、もっと予算をたくさんとるということで総理はお考えございませんでしたか。
○国務大臣(池田勇人君) 敗戦後の重要な問題といたしまして、住宅問題を取り上げ、だんだん是正されつつあることは御承知のとおりでございます。ただいまも十年計画のもとに十年後には住宅難を解消しようというので、さしむき五カ年計画を立てて政府としてやっております。しかし全体の三分の一か四割程度でございますが、それにいたしましても千数百億見ているのではないかと思います。私は徐々にこの住宅問題の解決をみていこう、しかし三十七年度も従来より相当ふやしておるものと心得ております。
○奥むめお君 大蔵大臣には私もう一つ聞きたいことがございますので、重ねて申し上げます。とにかく、住宅の予算をたくさんにしたいということが国民の願いだと思います。次に六割以上国民が建てておりますにもかかわらず、この国民が建てるのは金をためたからであろう、政府はこう見ているらしい、金があるから建てるのじゃございません。公団やいろいろのものに当たらないから、しようがないから金を借りてでも建てる、こういう国民の実情を考えましたならば、住宅を建てる国民の建設費用あるいは土地を買った費用、家を買った費用というのは、これは税金のほかに勘定しなければならないものだと思いますが、いかがでございますか。私は税金から控除して課税してもらうように特にお願いしたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 家を建てる金を課税所得から控除するということは、税制の建前からこれは立てられない、所得の均衡からみてもわかりますとおり、これは公平の原則から無理であろうと思います。したがって、家を建てる場合に税制上どういう恩恵を与えるかということについては別の考慮をいたしております。たとえば、貸家住宅を作ったものは特別償却の制度をこしらえておりますし、貸家を建てたりあるいは自分の家を建てた場合の取得保存の登録税は特にこれは減らしておりますし、また、固定資産税、不動産取得税というようなものも特にこれを軽減するというようなことで家を建てた人に優遇を与えておりますが、これを課税所得から控除するということは税制上できないと思います。
○奥むめお君 建設大臣に伺いたいと思います。私は住宅問題で建設大臣の御所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。住宅の重要性は申すまでもないところでございまして、先ほど総理からもお答え申し上げましたように、われわれといたしましては、極力政府施策住宅を増強して参りたいという考え方で進めております。三十七年度におきましても、他の経費に比較しますと相当の伸び率で実は増加いたしておるわけでございます。今後とも民間自力建設のふえていくことも期待いたしますが、同時に政府の施策住宅も大いに拡充して参りたい、この方面に向かいまして極力努力いたしたいと思います。
○奥むめお君 建設大臣に伺いたいと思うのですが、国民年金融資の十二億ほどの予算がありましたのが、非常にたくさん余らしておりますが、これはどういうわけですか。農村改良住宅の問題。
○国務大臣(中村梅吉君) 厚生省の方から年金の還元融資といたしまして農村住宅の改良資金三十六年度十億ほど計上していただいた。初めてのことでございますので趣旨が徹底していなかった向きもあろうと思います。申し込みがその半額の五億ぐらいでございまして、なおそのうちから適格条件にはずれたものが落とされておりますから、予定の金額に達しなかったことは非常に残念でございますが、さらに厚生省と私ども相協力いたしまして、この趣旨の徹底には努力をいたしまして、さらに今後農村で住宅の改良にこれらの資金が十分活用されるように努力していきたいと思っております。
○奥むめお君 もう一つ建設大臣に。そういうふうなときに厚生省の年金と建設省の予算とは話し合いはなされないのですか。住宅で因っていることはどこも同じです。緊密な連絡はできておりますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 御承知のとおり厚生省の還元融資と労働省の保険資金の住宅に投資する分と、建設省の政府施策の住宅と、ほかにこの二つがあるわけでございます。それで私どもとしましては、資金がどこから出ようとも住宅が多く建つということは望ましいことでございます。ただその住宅政策というものができるだけ一元化されて連絡を密にしてやることが望ましい。その点はそのとおりでございまして、われわれとしましては、厚生省及び労働省と予算編成のときから、最初から打ち合わせをいたしまして十分その事前の連絡はいたしておるのでございます。それで今後ともこの辺は密接にいたしましてやっていきたいと思います。よく住宅の一元化ということをおっしゃられるので、私どもも望ましいこととは思いますが、元手の出場所が全然違うものですから、一がいにこれを一元的に建設省にまかしてくれということも言い切れない事情もございます。したがいまして、内容としては少なくとも一元化のできるように関係省と打ち合わせて現在もやっておりますが、今後不十分の点もあるかもしれませんから、一そうこの点は注意をして参りたいと思います。
○奥むめお君 建設大臣。建設省の中でも非常に人のそろったところもあるし、中で住宅局は上の方の政治的な折衝をする人がいない。こういうふうな、いないというと語弊がありますけれども、そういう問題で少し手薄になっているし、技術者も非常に少ない。これは建設大臣が住宅政策に冷淡なしるしじゃないかと、われわれそういうふうに思っているわけでございますが、いかがでございますか。 それから、いま一つ住宅土地の問題で国民が非常にインチキに悩まされておる。今は衣食は足りましたけれども、私ども住宅相談ということを十三年ほどやっておりまして、いろんなケースを持っておりますが、おそるべきものがございます。どうして政府として中央相談所なり、あるいは取引あっせん所なりというふうなものを建てて、この際国民の困っているものを助言して、助けてあげるという気持をお持ちにならないか、その御意思を伺いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 住宅関係の予算編成につきましては、実は確かに道路や河川の建設省の所管の経費は、政治関係のほうがなかなか熱心に声をかけて、御声援いただきますのでございますが、そういう面から見ますと、何かさみしいような感じがいたしますが、所管大臣である私としましては、三十六年度の場合も七年度の場合も、住宅予算の確保ということにつきましては非常に力を入れてやっておるわけでございます。建設省の住宅局に、人手の問題御指摘がございましたが、御承知のとおり住宅公団及び住宅金融公庫を管理して、これの行政指導を十分にやっていくということが本省の主たる任務でございまして、最近では公団及び公庫とも相当に軌道に乗ってきておりますから、これの指導の全きを得てやっていくことに実は努めているわけでございます。 それから宅地の問題にお触れでございましたが、これも実は宅地造成資金というものは、三十七年度はたぶん五割くらい非常に大幅に資金をふやしております。結局住宅金融公庫が地方公共団体等に貸し付けまして、利潤の伴わない公正な堅実な宅地造成を大幅にやる、あるいは住宅公団に同じようなことをやっていただくという方法によりまして、宅地の充足なりあるいは地価つり上げの牽制なり、こういうことをやっていきたいというので、極力その方面にも力を注いでいるわけでございます。ただ御指摘の相談所のような仕組みをひとつ考えないかということでございまして、そういう機構は今ございませんが、私どもといたしましても、これについてひとつ善処方を研究をしてみたいと思います。
○奥むめお君 科学技術庁長官の三木先生いらっしゃいますか——。 放射能ちりの問題でございますが、これはまたアメリカが今実験をするかもしれないというときに、国民の間には非常な不安が起こっております。またその不安をよいことにしておそろしいことを話して歩く人もある。放射能ちりというものは、日本の場合、政府がこれに対して国民のよるべきところを示すべきなのに、だんまりのほおかぶりできておる。長官として、こわいものなのか、こわくないものなのか、予防する道があるものなのか、どうなのか、こういう問題について国民に表明していただきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 去年の九月でありましたか、ソ連が核実験を再開し放射能被害を日本も受けるわけでありますので、放射能対策本部を内閣に作りまして、専門家の顧問らとも相談をいたしまして、全国各地に放射能の調査、この機構を強化したわけでございます。現在のところは、ソ連の核実験以来ストロンチウムとかセシウムとかいう半減期の長い核子、これがだんだん累積されている傾向がある。しかし現在のところは非常に悪影響を及ぼすというような段階ではないのであります。しかし、アメリカ等もまた核爆発なり核実験をやるような形勢でもありますので、したがってわれわれとしては、今後の放射能の累積というものに対して、非常に注意深く検討を加えているわけでございます。現在のところでは、世界各国などもどのようにしてこの問題をやっておるかということで、担当官を派遣して欧米各国の模様なども見さしたのでございます。昨年派遣したのでございますが、どうも各国とも調査機能というものを強化して、ミルクというものに対してストロンチウムやヨードなどを取り除く方法はないかということで研究をしておるようであります。しかし行政的な措置というものをとっている国はないのであります。われわれとしては今後、日本には天水を利用しておる人も相当にございますし、それから人工乳幼児、こういう天水の飲用者、人工乳幼児に対しては、今後放射能の累積いかんによっては対策も講じなければならぬ時期もくるかもしれぬということで、今検討を加えておるわけでございます。現在のところは、そんなにおそれる必要はないのであります。今後この放射能の累積がいたされてくるならば対策を講じなければならぬ時期も来る、そのときには政府は万遺憾なきを期したい。しかし完全にこの放射能の被害を取り除くという方法はないのであります。やはり核爆発実験のようなものが世界的な協定によって、一日も早くこういうものが停止されるということが根本的な対策で、次善の策にすぎないのであります。しかしこれをこのまま放置することはできませんから、次善の策であっても現在の科学でできるだけのことは政府としていたしまして、国民の被害を少なくするために今後努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○奥むめお君 三木長官にもう一つ重ねて刀国民が非常に不安がっている、原子力、核爆発ということになったら知らない人はない、政府は黙っていてよろしいものですか。
○国務大臣(三木武夫君) 政府は黙ってはいないのであります。毎月一回、対策本部が各地でちりとかあるいは雨とか、こういうものをもう全国各地に網を張っておるわけであります。それで調査分析をして、大体毎月一回公表しているわけであります。ただ、新聞などに出ないのは、今放射能があまり強くないわけですから、ニュースにならないから新聞に出ないわけであります。しかし、これが高くなってくれば、新聞などもこれは取り扱うわけでありますが、新聞に出ないけれども、こちらはどんなに放射能の程度が低かろうが高かろうが、あらゆる場合を考えまして、そうしてその調査機能というものは休みなくやっておるわけであります。政府は、必要があれば国民に対して注意をいたしますが、あまり今のところは警戒する必要がないというときに、政府が不必要な不安を国民に与えることは、それはかえって不親切ではないかということで黙っておる次第でございます。
○奥むめお君 そんなに安心で親切な心から国民に言わないとおっしゃるあなたの科学技術庁の中から、水をこの機械でこせばちりは除かれるという、広告にちゃんとこういう刷りものを作ってそうして機械を売っている。七百円のものです。こういうことはどうですか。石けん会社が放射能のちりがとれるといって宣伝したり、いろいろ業界のマスコミが利用していますが、私は少なくとも技術者がこういうことを利用するのは不届きなことであると思います。
○国務大臣(三木武夫君) 野菜類などは、最初核爆発実験が再開されましたときに、野菜類などを洗ってもらいたい、それから天水などは濾過して飲んでもらいたいという注意を一般にいたしまして、これはやはりそういうふうにしていただくことが好ましいわけであります。しかしいろいろそのことが営業と結びついてするというようなことになりましては、これは本意でないわけで、何か科学技術庁と共同研究などといって広告をしておったような例もあるのであります。これは不穏当であるというので警告を発しまして、そういうことはありません。科学技術庁は商売の片棒をかつごうという意思はないのでありますから、警告を発しまして以後は、そういうことは広告などに使ってないようであります。国民に対してこうしてほしいということは、適時適切な御注意は申し上げたいと思いますが、特定の業者を推薦するということは、今後もいたさない考えでございます。
○奥むめお君 安井自治大臣にちょっとお伺いしたいのですが、先ほど大蔵大臣、建設大臣にお伺いしましたが、住宅難を各地方税においても税の控除という点で、ぜひめんどうを見ることが必要だと、私はこう思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(安井謙君) 御説のとおりでございまして、大衆の庶民住宅につきましては、できるだけそういった税制の面からもめんどうを見るべきものだと思います。大蔵大臣も、先ほどお話がありましたように、いろいろな方面から免税、減税措置をやっております。地方税のほうでは例の不動産取得税は、新しい住宅を取得する場合、建てた場合、百万円以下のものについては、これは免税する。土地については、さらに六十万以内のものについても免税する、あるいは固定資産税につきましては、二十坪くらいが標準でございますので、それ以内のものであれば、十五坪の半分に当たる分はこれも固定資産税を免税する、こういった措置をやっておるわけであります。
○奥むめお君 建設大臣に重ねてお尋ねいたします。住宅の貸付金でございますが、公庫住宅の三万七千円、しかもそれは七割五分幾らになるか、勘定すればわかりますが、もっとこれは国民に住宅を建てさせる以上は、現状に合わせて値上げをなさるべきだと思いますが、いかがですか、またその意思で一生懸命やっていただけますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘のとおり、確かに標準単価が少ないことは私も承知いたしております。ただ、まあ住宅金融公庫の資金によって、できるだけ数多くの家を建てたいということで、まあ現在としては、それで完全に家を建て終わるというわけには参りませんので、一種の強力なる呼び水という意味になっておりますので、できるだけ数多く建てていただきたいという、数のほうにも考慮を払わなければならぬので、現状のようになっておりますが、だんだんこの建設単価も大工の手間代その他によりまして上昇しておることも事実でございますから、われわれとしては今後財政当局と相談いたしまして、できるだけ標準単価を引き上げるように今後とも努力はしていきたいと思いますが、現状としましては、そんなようなことになっておるわけでございます。今後できるだけ骨を折りたいと思います。
○奥むめお君 今度の消費者物価の問題で、きょうの新聞にも出ておりますが、物価値上げということが池田内閣の不信の大きな材料になっておる。これは政府は、するすると言いながら、閣議了解事項を発表されましても何にも——今度月末からするというお話ですけれども、こういういわば、またことし選挙がありますが、第一回の発表をなさったときは衆議院の選挙の前だったじゃないかと思いますが、どうも選挙対策のにおいがしないでもない。から念仏に終わりやしないか。物価値上げを食いとめる、値下げをするという——協定価格をいろいろする、これをさせないようにするということは困難な仕事だと思いますが、政府がほんとうにする気がなければこれはできない。私はこう思いますので、各役所にもいろいろな利害がありまして、足を引っぱる人もあるだろうし、手を引っぱる人もあるだろう。こういう中で、ほんとうにやる意思があると私は見ておりますが、どういうようにおやりになるつもりでございますか、それを伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) あなたのごらんのとおりにやるつもりでございます。十三項目の具体化をはかる、それには私は先般も大蔵大臣に言ったのですが、とにかく政治をよくすることがわれわれの責務である。予算のつじつまが合うとか何とかということは、二の次なんだ、方便なんだということははっきり言っております。何と申しましても、一応の予算は今御審議願っておりますから、これはこのワク内でいかなければならない。私どもはこのワク内で相当なことができると考えております。問題はやはり議論になっております共販化などにつきましても再検討を要しましょうが、消費者物価のおもなる点はやはり流通機構でございます。こういう問題には、そう大して金もかかりませんし、私はいろいろなことを積み重ねまして、いわゆる値上がりムードというものを押えよう、こういう気持でおります。
○羽生三七君 ちょっと関連して。
○委員長(湯澤三千男君) 奥君、いいですか。
○奥むめお君 どうぞ。
○羽生三七君 ちょっと関連して。物価対策十三項目を具体化する場合に、予算の点で何か新聞を見ると、大蔵大臣と農林大臣と竹馬経済論争があったようでございますが、それは別として、具体的な予算という場合には、それは事務的経費なんでしょうか、何か個々のほんとうの物価の動きを抑制したり、あるいはチェックするような、実際的な予算措置のことを言っているのでしょうか、その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) これは具体策ができまして、そうして、それをどういうところからやっていくかという問題でございます。御審議願いました予算によらなければならないことは当然でございます。今のような共販化とか、その他の問題等につきましては予算を要しません。しかしながら、流通機構をよくするため、たとえば冷凍自動車を幾ら作るとか、あるいは冷凍貨車をどうするとか、冷凍船舶をどうするとか、こういうものは現在の行政指導でもできます。そういう具体的な問題で私は考えていきたいと思います。そうしてまた、流通機構で東京都内における中央卸売市場、これは東京都でも考えておるようでございますが、ああいう特定の二、三個所じゃなしに、各区に設けるとか、都のほうでやるべきこともたくさんあると思います。そういう具体的な問題も早急に持ち寄って、この順序と予算というものを考えながらいかなければいけないと思います。
○木村禧八郎君 簡単にちょっと関連。
○委員長(湯澤三千男君) 簡単に願います。
○木村禧八郎君 今度物価対策として十三項目を新聞で拝見しましたが、これは今度だけではなく、やはり将来にもわたって、こういう個々別々ではなく、総合的に何か、法律だけで物価安定ができるわけじゃないけれども、総合的な物価安定法とか、何かそういうもっと秩序だったものを——将来のことも考えて、そういうお考えはないでしょうか、総理に一つ伺いたい。しかし、あるいは企画庁長官でもけっこうです。
○国務大臣(藤山愛一郎君) 物価問題というものは非常に重要でございますので、企画庁としても、昨年末以来問題にいたすことにして参ったわけでございます。無論物価問題というものは、御承知のとおり貿易のバランスと同じように経済成長にあたりまして、物価が安定しておらなければならぬのでありまして、これは単に短期間の問題ではございません。したがって、長期と短期と合わせて措置をして参らなければならぬ。木村委員から先般価格政策というお話もございましたが、短期の場合には主として価格政策になるかと思います。長期にわたっては、いわゆる物価の総合政策にならざるを得ないと思うのであります。そういう意味において、われわれはこの問題を扱っていかなければならぬ。したがって、そういうような将来何か総合的に一つの問題をまとめるものが必要であるかどうかということにつきましては、当面の対策を出しながら、われわれは検討して参りたい、こう思っております。
○高田なほ子君 関連。
○委員長(湯澤三千男君) たくさん関連が出て参りましたが、要旨だけを簡単にお述べ下さい。
○高田なほ子君 物価対策の十三項目を新聞で拝見いたしましたが、それについて、乳幼児用の製品は非常に価格が高い。防貧対策の意味からも、乳幼児に対する物価問題というものはきわめて重要だと思う。月に四、五千円かかる。こんな小っちゃなおむつカバーが千円もする。あらゆるものが高い。諸外国ではこの対策に非常に熱心です。なぜ十三項目の中に乳幼児に対する物価対策を入れられなかったか、この点についてお尋ねをします。
○国務大臣(藤山愛一郎君) むろん乳幼児でございますとか、あるいは生活の面接基本になります必需品の価格というようなものは安いことが必要であります。また安定することが必要だと思います。諸外国の例を見ましても、卵であるとか、先ほど御指摘のとおり牛乳であるとか、そういったような基本的なものが安いというような、そういうことはわれわれとしてもむろん今後の物価対策の上に考えて参りたいと思います。特に、ただ乳幼児だけということをうたわなかったのでございまして、全般的にそういう考え方で進めて参りたいと思います。
○奥むめお君 大臣の答弁はなかなか巧妙でございまして、いつもするするとウナギのように逃げなさるけれども、国民は真剣に苦労しております。そして今まで資本家政党といわれ、またひもつき政党といわれていて、その資金は経済再建懇談会から来ている。こういうふうな一連の問題から自民党内閣に疑惑を持っている。ほんとうにやってくれるのか。また、圧力も一番よけいかかるのが自民党でございます。これは実力を持っているからだけじゃない。経済再建懇談会あたりが背景になって圧力をかけてくる。私、非常にむずかしい問題があると思うのでございます。しかし事態が変わったんです。せっかく総理が消費者行政を打ち出しなさった、今までは生産者のためにやってきたのですが、今度は消費者のためにやるのだとおっしゃっている。私はこの精神を、何としても個々の党の近代化のためにも、日本の政治の新しく生まれかわるためにも、消費者行政を本気で打ち出してもらって、先ほど申し上げましたように、生産者と労働者と消費者というものを三本の柱にしたかなえの上に、日本の国の繁栄を立ててもらいたい。消費者としての国民が不平、不満、泣きの涙で、池田内閣不信というようなことでは、不良少年が出るのももっともでございます。また親子心中が毎日新聞に出ていますが、みんなこれは経済のつらさ、政治の悪さから来ています。どうぞ、この面を総理大臣並びに関係各大臣がしっかりやってもらいたい。これを要望して、私の質問を終わりたいと思います。失礼いたしました。
○委員長(湯澤三千男君) 奥君の質疑は終了いたしました。 一時に再開することといたしまして、休憩をいたします。 午後零時十四分休憩 ————・———— 午後一時二十五分開会
○委員長(湯澤三千男君) これより予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。高田なほ子君。
○高田なほ子君 総理大臣に対しまして、まず敬意を表したいと思います。青少年の問題について、今次の施政演説の冒頭にこれを掲げられ、その熱意を示されたことについて、私は心から敬意を表したいと思うわけです。 きょうの私の質問は、青少年対策一本にしぼりたいと思うわけです。質問に先だって、委員長にも与野党の皆さんにも御了解いただきたいことは、青少年問題は、単に与野党の区別をつけるのではなく、また立法府、行政府という対立の中にあるものではない、あげて一本になってこれを真剣に討議しなければ、その抜本的な改正が望み得ない、こういう特殊的な内容を持つものと考えるわけであります。与党の議員の皆さんは、予算委員会の審議上関連質問を御遠慮されているやに伺っておりますが、青少年対策については、与野党の別なくどうか関連質問をせられまして、十分な意見開陳の機会を与えて下さいますように、まずもって委員長にこの点を御了解いただけるようにお願いを申し上げたいと思います。 首相にお伺いいたしたいことは、今申し上げましたとおりに、冒頭に青少年対策の重要性について述べられておられます。冒頭に述べられましたということの重要性の内容について、若干抽象的なきらいがあるようであります。重点的な施策を、これをどこに置くのか、特に本年度どこに置くのか、こういうような理由についてまずお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 今まで施政演説で、文教問題、青少年問題に触れた場合は多いのでございます。で、私は、現下の情勢から申しまして、これは先に述べたから非常に重要だというのじゃないのでございますが、自分としてまず申し述べたいという気持で言ったのでございます。内容につきましては、これは所管の各大臣がいろいろ考えてくれると思います。私があそこに申し上げました国の将来の根本問題だという気持は、あそこに表われております。そうして所管大臣がこれに向かって進んでもらう、そうしてまた皆様方にもお教え願う、こういう意味でございます。
○高田なほ子君 従来どおりその決意は変わらないと述べられておられますけれども、とかく今日まで、青少年対策というものは、一部の角度からきりながめられておらなかった。総理大臣は、具体的に青少年対策というのは内容的にどのようなものをさすのであるか、この点をひとつ明確にしていただきたい。
○国務大臣(池田勇人君) まず、学校教育、社会教育でございます。学校ばかりではない、社会教育も必要であります。そうして片方においては、やはり生活水準、そうしていろいろな一般教養、社会的視野に立たせるといういろいろな問題があると思います。
○高田なほ子君 首相は、抱負として、青少年に夢を持たせる、こういうように先般先輩議員の質問に答えておられるようであります。夢を持たせるためにはどうしたらいいのか、政治家としてどういうふうにしたら夢を持たせることができるか、これが問題だろうと思う。この点についてお尋ねいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 学校、社会教育、その他万般の施策を行なって、そうして持ち得るような雰囲気を作ることでございます。
○高田なほ子君 きわめて抽象的なお答えでございます。青少年の対策については、関係閣僚が約十人並ばなければこの対策ができない。すなわち、総理府、文部省、厚生省、労働省、農林省、建設省、運輸省、法務省、警察庁、自治省、そして最高裁、あわせて大蔵大臣、そしてその根本的な行政の責任を持つものは総理大臣であります。したがいまして、ただいまの首相の答弁では十分に納得することができかねますので、昭和三十七年度における各省にまたがる青少年対策について、どこに力点を置かれたのか、また今後その力点をどのように発展させるのか、この二問について、以下関係閣僚から御答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 私どもの所管いたしますことは、主として年少労働者の保護ということが重点でございます。成長期にある、ことに過渡期にある若き人々が、産業人としてすこやかに成長していくために、いろいろの配慮を行なわなければならないわけでございます。そういう意味から、技術的にもいろいろ革新が行なわれております今日において、そういうものを身につけられるようなこともしなければならぬし、また家庭を離れ、友人と離れて、田舎から都会へ出てくるというような若い産業人に対しまして、気持の上であたたかいものを与えていかなきゃならない、こういうこと等もあるわけでございます。そこで、この福祉の増進というようなことから、勤労青少年ホームを作ったり、その他いろいろなことをやっておりますが、予算的にも、私どもの関係といたしましては、昨年よりはだいぶふやすことはふやしました。必ずしも十分とは言えませんけれども、これを大いに活用して、趣旨の徹底に努めて参りたいと思います。
○委員長(湯澤三千男君) 高田さん、御指名を願ったほうが順序はいいと思いますが。
○高田なほ子君 それでは、文部大臣に御答弁をわずらわしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 青少年問題の重点は、学校教育と社会教育、両面に分かれることは、総理からお答え申したとおりでありますが、学校教育、小中学校の教育がほんとうにりっぱに行なわれておるならば、大半の青少年問題は解決するんじゃないかと私は期待をいたします。義務教育のことは一応おきまして、年令的に見まして、やはり高等学校の年令の者がいわゆる青少年問題として懸念される年令層かと思います。そういう人々を対象として、文部省としても特に留意せねばならないと考えておるのであります。 制度上、学校教育を通じて正規の高等学校の生徒である者は一応おくとしますれば、中学を出て社会人となっておる者、そういう者が主たる対象になると思うわけですが、そういう者に対しまして三十七年度の予算で具体的な関連のあることを申し上げれば、第一に、育英奨学の問題も、定時制にも関連はあるという意味において対策の一つかと考えます。これに対しましても、しかるべき金額を予定いたしておるのであります。それからさらに、定時制及び通信教育の振興も一つの関連課題だと存じます。夜間定時制の学校給食は、今度パンを支給することにいたしましたこともその一端でございます。青年学級の充実振興、あるいは社会通信教育の振興、青年の家の拡充、地域青年活動の奨励援助、そのほか青少年団体の助成、スポーツ教室、体育施設の拡充等に対しまして、それぞれ予算措置をいたしている次第であります。
○高田なほ子君 次に、厚生大臣からお伺いをいたします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お尋ねの青少年対策でございますが、厚生省の関係から申しますというと、いわゆる健全育成対策、かような言葉でもって呼ばれているものが大体それに該当するかと思うのであります。この健全育成対策としましては、高田さんもよく御承知のとおり、児童相談所の施設でありますとか、あるいは児童遊園地を拡充いたしますとか、あるいは子供会とか母親クラブ等の組織を作りまして、その組織を通じての活動でありますとか、あるいは一つのモデル的な施設でございますけれども、中央児童厚生施設を整備するとか、かような各般の仕事を講じているわけでございます。特に、私どもといたしましては、子供会とか母親クラブというふうな組織活動にも大いに期待をいたしております。また、同時に、児童相談所の活動を促進いたしたいと存じまして、特に巡回相談というふうなことにつきましても一そう力こぶを入れて参りたいと存じます。なおまた、児童館というような施設もだんだん各地で行なわれるようになって参っているが、これはまだ補助を出すというところまで参っておりませんけれども、年金の還元融資等を通じましてその施設の整備を促進して参りたいと。まだまだ十分とは考えませんけれども、できるだけこの面については今後とも努力をして参りたいと思っております。
○高田なほ子君 次に、農林大臣から御説明をいただきたいと思います。
○委員長(湯澤三千男君) 高田さん、農林大臣のかわりに政務次官が出ておりますが、よろしゅうございますか。
○高田なほ子君 けっこうでございます、やむを得ず。
○政府委員(中野文門君) 農林大臣の都合によりまして、私から簡単に御答弁申し上げたいと存じます。 従来の農村の青少年問題として重点を置いて心配されました問題は、御承知のように、農村の次、三男対策ということが相当以上に心配されて対策を練られたのでございますが、最近の現状から申しますと、次、三男はもとより、いわゆる跡取りと称せられている長男すらも農村に居つかないというような現状でございまして、結局学校を出た若い者が自分の生まれた農村である故郷に落ちつかず、それぞれみな村を離れていくという一つの現実を直視いたしまして、それに相関連していろいろな、特に農林省といたしましてはこの農村の青少年問題対策を考えなければならぬと存じているのでございまして、御承知と思いますが、参考に申し上げますというと、昭和二十七年度には、中学校、高等学校、大学を卒業した者で農村にとどまった者が四十三万二千二百四十九人ございました。ところが、昨年度、昭和三十六年度には、今申し上げましたそれぞれの学校を出た者で農村にとどまって農業に従事した者が七万六千七十人という数字に相なっているのでございまして、二十七年度が四十三万、三十六年度が七万六千というこの中で、特に中学だけを出まして、中学校卒業者のみをとらえて数字的に申し上げてみますというと、昭和二十七年度中学校卒業者で農業に従事した者が三十九万一千百九十名ございました。それが三十六年度には四万三千五百五十人という中学校を出た者が農業に従事した。実にこのおそろしいような数字が出ておるのでございます。そこで、正規の農業教育を受ける機会に恵まれてないところの農家の子弟等につきまして、農業教育の場である経営伝習農場というものが全国に五十三カ所ございますが、この五十三カ所ありますところの経営伝習農場の教育施設を、規模の面で、あるいは内容の面で刷新強化いたしまして、特にそのための新規の予算を三千百八万円、三十七年度の予算でお願いをいたしておるような次第でございまして、そういう伝習農場の規模なり、内容を刷新強化することによりまして、機会に恵まれてない農家の子弟に、これからの新しい農業のにない手としての必要な教育を進めていきたいということに、まず第一の希望を私どもは持っておるような次第でございます。 さらに、青少年対策のこの事業内容でございますが、従来農村青年建設隊、青年建設班、先進地農家留学、ラジオ農業学校、農村教育青年会議等、在村青少年を対象として、一連の青年対策事業を進めて参っておりますることは、御案内のとおりだろうと思います。しこうしてこれらは、かつては農家の二、三男対策にねらいを置いて実施して参りましたが、昭和三十七年度からはこれに修正を加えまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、農家の事実上の後継者対策として進めて参ることにいたしておるような次第でございます。すなわち従来は前記各種事業や、あるいは土木建設機械の運転操作、測量等、国土開発の第一線において必要な事柄の教育訓練に主眼を置いておりましたが、三十七年度からは農地の集団化、耕作用大型機械化の運転、農道の整備等、農業構造改善事業を進めていく上に必要な技術の教育訓練を行ない、これからの新しい農業のにない手としての素養を高めていくことに努力いたしました。 一日に重ねて申し上げますというと、農村の青少年がみずからのふるさとに愛着を感じ、そして自分の家の仕事である農業に楽しんでとどまり得るような前提のもとに、農村の子弟を十分に指導教育をいたさなければならぬ、こういうふうに考えております。はなはだ簡単でございますが……。
○高田なほ子君 次に法務大臣に。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。 法務省所管といたしましては、御承知のとおり罪を犯してしまった青少年の対策を主として扱っておるところでございます。したがいまして、私たちの場面におきましては、検察の面と、保護更生の面、この両面から主としていろいろの対策を研究もし、今回の予算においても、でき得る限りの措置を講じているわけであります。簡単に要点だけ申し上げますと、検察の面におきましては、われわれの場面におきましては、できるだけ検察の科学性を一つ導入して、青少年のいろいろな犯罪調査、あるいはその事跡の調査に当たりまして、科学的調査をどんどん組み入れたい。これについては、部内で不足の面もありますから、そうした面については、鑑定人等をどんどんお願いをして、そうしてその青少年の犯罪を犯すに至った経過の問題について、十分検討していこうというような点を考えております。あるいは昨年の九月以降全国的に実施することにいたしました、例の青少年の調査票、この調査票制度を全国的に引き続き実行いたしまして、この調査に十分力を入れて、そうして将来の取り締まり、検察等の参考に資したい、かように考えております。もちろん、他の関係機関との連絡協調が大事でございますから、この点についても従来以上に力を尽くしてやって参ろう、こう考えております。 保護更生の面におきましては、主として青少年犯罪を犯した者で保護に付したる者、あるいは不問処分に付してある者等につきまして、保護司に託してある者がございますが、一番青少年犯罪で再犯等の心配の多いのは、住所が変わった場合に、その住所の変わったことを十分役所がわからずにおる。これが非常に保護上も工合が悪い点が多うございますので、特にこうした点につきまして、保護司関係の予算を充実させまして、そうしてその非行青少年、犯罪を犯した青少年の行方を常にキャッチしておいて、そうしてできるだけそれに対して平素から保護観察を加えて参りたい。こういう点に特に力を尽くそうと考えております。
○高田なほ子君 次に最高裁判所からお願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(石田和外君) お答え申し上げます。 裁判所関係におきましては、すでに犯罪を犯した少年、また犯すおそれのある少年を調査、審判する、これは家庭裁判所でございますが、したがいまして、お尋ねの点につきましては、家庭裁判所の充実、特に家庭裁判所調査官の充実ということに力を入れまして、いわゆる問題少年の補導保護ということにつきまして万全を期していきたいと思っております。
○高田なほ子君 建設大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中村梅吉君) 私どもの所管としましては、いわゆる環境整備の一環としまして、スラム街の住宅改良、もちろん現在十分とは申せませんが、極力努力をいたしまして、住宅改良の面を通しまして、そういう環境の整備に力を注いでいきたいと思っております。 なお青年に関係しましたこととしましては、御承知のとおり建設青年隊という制度を作りまして、だんだんとこの建設事業が機械化されてきておりますので、建設機械の操作をいたしますオペレーターの実習訓練をいたしております。非常にこれは訓練を積みました人は百パーセント就職ができますし、建設方面に貢献をしていただいておりますので、努力をいたしておる次第でございますが、すでに五千人から養成をされておりますが、この点は一般の周知と理解をはかりまして応募者をふやしまして、今後とも力を注いで青年の生計をりっぱに立てていく方向に、われわれとしましてはその一環として努力をしていきたいと考えております。
○高田なほ子君 間接的でお答えにくいかと思いますが、自治省から青少年対策に対する地方財政の点について若干触れていただきたいと思います。御説明いただけますか。
○国務大臣(安井謙君) 青少年対策は、お話しのとおり各省、各般の方面からこれを遂行されておるわけで、自治省といたしましては、そういった政府のあらゆる方面からの施策を十分自治体がこれを受け入れまして、その方針にあやまちなからしめるように行政指導もいたし、財政上の措置も交付税等でやっておるわけでございます。 さらにつけ加えますと、警察方面からいたしますと、これも、まあこれは法務省と裁判所等との関係も密接でございますが、一般の犯罪とは区別いたしまして、青少年に対する扱いというものに特別の要領というものを作りまして、別の係りを設けてもっぱら当たっているという次第でございます。
○高田なほ子君 大体三十七年度の力点について御説明を賜わりました。私はこの力点についてとやかくの批判をするわけではございませんけれども、総理大臣としてこの力点を十分に三十七年度に遂行されるような政治的な責任というものは持たなければならないと私考えます。したがいまして、この力点は、あとで具体的にお尋ねいたしますけれども、総理大臣として青少年に対して、国としてどういう行政措置に責任を持たなければならないのか。私は国としての理念についてこの際お尋ねをしたい。あわせて大蔵大臣についても同様の質問を、あなたにしたいと思うわけであります。
○国務大臣(池田勇人君) 国として考えることは、施政演説で申し上げたとおりでございます。
○国務大臣(水田三喜男君) 今各省大臣から言われましたように、青少年についてのいろいろな行政の予算は、それぞれ各省にございますが、特に総理府において青少年問題協議会を設け、ここでいろいろ青少年施策を考えておられますから、そこの系統に属する、いわゆる青少年対策費と称するものは、総理府、農林省、文部省、運輸省、建設省、労働省、こういうものを通じて、昨年より二割ばかり予算を増加しまして、十四億五千万円予算を計上しております。そのほかの、今申しましたような青少年の犯罪防止とか、あるいは補導とか、社会教育というような青少年に関係のある経費は、この今年度の予算に二十億円計上されておると思っております。
○高田なほ子君 私の質問がまずかったので、総理大臣に的確な御答弁をいただけなかったと思いますから、具体的にお尋ねをして御答弁をわずらわしたい。 三十七年度に、青少年対策の力点はほぼお尋ねいたしましたが、これは中央青少年問題協議会に出された資料で、今の大臣の御説明とほぼ合致する予算を計上してあるわけです。これによりますと、三十七年度の青少年に対する予算のおもなる施策の総額が二百二十四億となっております。前年度に比べまして、五十九億の増となっておるわけであります。二百二十四億というのは、きわめて多い額のように考えられますけれども、この額は陸上自衛隊本年度分の維持費七百九十五億に比較いたしますと、その三分の一に満たない。全日本の青少年の健全育成と保護と保育と矯正と、全般のものを含めてわずかにそれくらいのようにしかすぎない。これは国において青少年の対策に対する国家的な理念というものの喪失を私は憂えざるを得ないのであります。一体、総理大臣はこの予算を三十七年度としてはぎりぎりいっぱいの予算であるというふうにお考えになっておられるのか。もう一度ひとつ国としてのその理念、そしてこれが最上のものであるかどうか。こういう点について大蔵大臣から再度御答弁をわずらわしたいのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 予算費目につきましては、いろいろの考え方がございましょうが、従来に比較いたしてみますと、私は今年は青少年問題に力を入れたということを御了解いただけると思っております。
○国務大臣(水田三喜男君) 先ほど青年に夢を持たせなければならぬということのお話がございましたが、私はこの夢が結局祖国を愛するという祖国愛に結びついた夢でなければ、これは青年を未来の国力発展の源泉として期待するということはできない。そうなりますというと、結局愛するに値する祖国の将来の設計図というものを青年に与えることが私は一番必要ではないか。そういう意味で、今後十年なり十五年先の日本というものがどういうものになるか。国民の生活水準はどこまでいき、国際的な地位はどこまでいくというような設計図をやはり青年に示すということが大切だろうと思いますので、そういう意味で今政府のやっている、いろいろ御批判はございましても、この高度成長政策、十年計画を示すというようなことは重大だろうと思っております。そういう設計図を与えながら、現実に青年がその夢を持ちながらどうよく育っていくかということの施策は、国として非常に大事なことでございますので、それにはやはりもう少し青少年対策というものが、今後ばらばらでなくて統一した形でいろいろ考慮さるべきだと思います。そういう意味から申しますと、昔はいろいろ青年が訓練される場所がございました。青年学校において、あるいは徴兵制度というものも、青年が訓練される一つの場所であったと思いますが、こういう場所がございませんので、ただ青年の家を建って、そこでいろいろやらせるとかいうような方法じゃなくて、やはりそういう集団的な訓練と青年の慰労というようなものがかね合わさって、全国青年が学校を出てから社会人となってどういうやはり教習といいますか、修習のいろいろの機会が持てるかというようなことについて、今後政治として私は考えなければならぬのじゃないか。そう考えますというと、この青年対策費は、まだ予算的には私は自分で編成しておって少しばらばらな感じがしますので、将来これをもう少し統一的な政策をもって予算の強化をはかることが望ましいと、私自身は考えております。
○高田なほ子君 御親切な答弁をいただいてありがたいと思いますが、総理にかわってのお答えのようであります。本年度の予算は、そうすると青少年に示す将来の設計図の一ページというふうにとりましてよろしゅうございますか。また総理大臣にお尋ねいたしますが、この将来の夢を持たせる、いわゆる総合対策について何か青年に憲章を出したい、こういうような一部新聞報道に見られているわけでありますが、これは青年対策の一つの夢を持たせる第一ページのその設計図であるというふうに受け取られる節もありますが、この点いかがでしょうか。両大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(池田勇人君) この表彰制度によりまして、激励鼓舞するということがひとつの考えでございますが、この青年の表彰ということにつきましてまだ具体案は聞いておりません。とにかく私は非常に重要な問題だと考え、また今までも内閣に中央青少年問題協議会がございますが、こういうものにつきましても、もっと活発に活動してもらいまして、いろいろな人からいろいろな知識を借りて施策の上に表わしていきたいと考えております。
○国務大臣(水田三喜男君) そういうような方向でこれから考えたいと思います。
○矢嶋三義君 委員長。
○委員長(湯澤三千男君) 矢嶋さん、ちょっとお待ち下さい。非常に御熱心で私も敬意を表するのですが、たいていの問題について御発言なさるのですが、きわめて簡単にひとつ願いたい。どうぞお話し下さい。
○矢嶋三義君 これは非常に大きな問題ですから伺いますが、自分の家あるいは親戚からは非行少年は出ないというような認識でこういう問題に取り組んでいくことが大ごとだと考えます。わが子供からも、孫からも非行少年が出る可能性があるというような角度から真剣に取り組まなければならぬ問題だと思います。高田委員との間に質疑応答があり、各大臣から御説明があっておりますが、私は総理に一言伺いたい点は、この一番大きな原因をどういうふうにつかんでおられるか、これが一番重要だと思います。各省庁でいろいろやられておる対症療法、末梢的な問題の把握の仕方では日本の非行少年の問題は解決しない。文部大臣は、学校教育がうまくいけば解決できると思うと言われましたが、これは確かに一つのファクターです。しかし、それが全部とも思いません。貧困も一つの理由です。しかし、経済がよくなって貧困が解決したからといって、日本の非行少年の問題は解決できない。一つの大きな要素でしょう。貧困から父兄が無関心である。また戦後、制度とか、習慣が変わって父兄が子供の指導をどういうふうに指導したらいいかという自信を喪失した、こういう面もあると思いますが——それが一つあると思います。私が総理に伺いたい点はこういう点であります。私は一番大きな原因は大人の世界が悪いことだと思います。私たちが小さいときは、政治家とか、総理とか、あるいは軍人とか、あるいは華族様、こういう方々は別の次元と考えて許しておった。ところが今の子供は、父なるがゆえに、母なるがゆえに、総理大臣なるがゆえに大人の言動というものを許さない。この点がわれわれが育った時代と現代の子供は非常に違うと思いますが、こういう子供を育てたことは間違いだとお考えになっておられるのかどうか。したがって、私は根本としては大人の世界がよくならぬ限りは、学校教育がよくなり、貧困がある程度解決しても解決できない根本的な問題が私はあると思います。ここで終わりますが、だから、私たち小さいときは、汚職事件が起こっても、子供に大人を何とも思わなかった。ところが、今は変わっている。汚職事件があっても、あるいは選挙があっても、選挙費用の届出を、大部分の人は届出をしない。市川さんあたりは正確に届け出るが、大部分の人はしない。
○委員長(湯澤三千男君) 要旨をお願いします。
○矢嶋三義君 こういう点を直さなければ今の子供は許さない。これが今の時代の非行少年が出る根本的な問題だと思います。この点について、どういうふうに認識され、どういう対策を講じられようとしているのか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 学校教育、社会教育の問題もありますが、今お話ありましたように、環境というものがよほど違う。環境のもとはやはり家庭だと思います。そういう点からいって、矢嶋さんのお考えは共感するところが多いと思います。
○高田なほ子君 今青年憲章の問題で若干触れたわけでありますが、青年憲章の制定について自民党がいろいろ踏み切られたような新聞報道がございますが、総理大臣はこれはまだ御存じございませんか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は前聞き違えまして、憲章というものを表彰というように聞いておったのであります。青年憲章問題は党のほうでいろいろ考えておるということも聞いておりますが、具体的内容はまだ未定であります。
○高田なほ子君 表彰とお間違えになるほどのしろもののような気がしますが、一体青年憲章というものを一党だけで制定しようというお考えについて、どうお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) これは一党とか全会派という問題じゃなく、一党でも研究し、そうしてそれが他のほうにも共鳴される。こういうことは初めからこうならなければならぬと考えるべきじゃない。いいことはみんなそれは一致すればいいと思う。
○高田なほ子君 国民的な問題としてお取り上げになるおつもりでございますか。
○国務大臣(池田勇人君) まだ内容も何も聞いておりませんので、今お答えできません。
○高田なほ子君 ごもっともだと思いますが、要望しておきたいことは、国民的な問題としてこれを取り上げなければならないということ、このことをひとつ要望しておきます。 さらに、大蔵大臣に先ほどの御答弁に続いてお尋ねをしておくわけですが、青少年対策の地図の一ページと見てもよいというお考えのようでしたが、どうも青少年対策の国としての理念については、いまだに総理大臣からお答えがなく残念であります。一九五九年の国連の決議、児童権利宣言には、青少年に対して、人類は児童に対してそれが持っておる最良のものを与えなければならない。こういうふうに、最良のものを与えなければならないというふうに国としての義務、児童の権利に対する義務の根本が明記せられておるわけであります。また児童憲章においてもそのとおりであります。こうした国としての理念はどこまで確立し得るかということが、これが青少年対策の根本的な私は考え方じゃないかと思う。首相はこれについて、どのようにお考えになられましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 施政演説で申し上げましたように、青少年が国の力の源泉でございます。これに対しましてできるだけの努力をしなければいかぬと思います。
○高田なほ子君 大蔵大臣、まあ首相はああ言われますけれども、どうも財政的な面から見て最上のものを与えていないのじゃないかという気がする。たとえば青少年対策に先ほどあげました二百二十四億の中で、文部省、厚生省の主たる青少年対策費は二百三億になります。青少年対策費全体から二百三億を引き去りますと、残りは二十一億、その二十一億で非行青少年の保護更生あるいは農山漁村における青年の研修、就学前の幼児の保護育成の問題、こういう広範な費用が約二十一億しか重点施策としてあげておらない。このことは一体何を物語っておるのか。実に私ははだ寒い思いがするわけであります。重ねて大蔵大臣に尋ねますが、あまりにも青少年に対する費用に対してけちんぼ過ぎないか、けちに過ぎるのじゃないという気がするのですが、あなたの感想をひとつお述べいただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) やはり行政の施策の筋というものがさっき言われましたように統合的にできましたら、その上に予算をのせるということは可能だと思いますが、さっき申しましたように各省別にばらばらにその予算づけをやっておるにすぎませんので、そういたしますというと、昨年に比べて今までやっておった事業内容というものは相当今度の予算でも強化されておるということにはなっておりますが、問題はその予算強化の問題ではなくて、今後の青年対策をどういう形でやっていくか、やはりこの大筋の施策の検討がもとであろうと考えます。
○高田なほ子君 私もこの席をいただいて十二年間一筋に青少年問題に生きてきたつもりです。昨年総理大臣に対して、以上のような観点から児童省の設置を提案いたしました。それについて検討する旨の御答弁がございました。あらためて青少年に対する総合施策を充実する意味において、政府は早急にこの総合対策を再検討せられるべきではないかという観点に立つものであります。首相の見解をあらためてお伺いをしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 重要な問題でございますので、今設けておりまする臨時行政調査会の一つの議題ともいたしたいとも思っております。
○高田なほ子君 御答弁いただいてありがとうございました。さらに、三十六年度において閣僚懇談会等で青少年の問題を議題にせられたことはどのくらいございますか。はなはだ失礼な質問かもしれませんが、お尋ねをしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 青少年問題につきましては、閣議の題目としても、やはり非行の問題とかいろいろ出ておりますが、議題にならなくとも、常にこういう問題につきましては発言して、対策等を考えておるのであります。
○高田なほ子君 この総合対策について、先ほど総理大臣は中央青少年問題協議会のことを取り上げておられます。この予算は本年度わずかに一億二千四百八十九万、実に微々たるものです。これは自衛隊の食糧費一カ月分七億七千万に比べると、実にお話にならないほどの低額でございます。これでは強化できないと思う。ぜひ再検討を賜わりたく、この総合対策が一日も早く立てられることを希望するわけでありますが、次に質問を移してみたいと思います。 大蔵大臣にお尋ねをいたします。あなたは青少年の予算が、総合対策が十分でないからとれない、こういうふうに言っておられますが、今日までも総合対策ができないからとれなかったとは私は考えられない。問題は政府の熱意にあるというふうに考えています。ことしはふやしたふやしたと言われますけれども、あまりにそのふやし方が少な過ぎる。二十九億ふやした。これは自衛隊の弾薬の一週間分にしか当たらない、実に少ない予算のふえ方であります。もっと重点的に財政措置をおとりにならなければならないと思うが、総合対策ができなければ従来のままで移行していく、こういうふうにとられないでもない。ここらにあなたの決意を私は要請したい、いかがですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 総理の施政演説にもございましたように、冒頭にこれを取り上げているということは、私どもとして青少年対策というものを今後政策として一番重要視しておるということでございますので、その線に沿ったことを考えております。
○高田なほ子君 首相はしばしば家庭の重要性について述べられております。全く私も同感であります。そして、また、ここに重点を置かなければならない、これは緊急の問題だろうと思うんです。しかし、消極的にはこの家庭教育という問題がやはり教育の面で重視されなければなりませんけれども、文部大臣の家庭教育に対する御説明をひとつお伺いしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。学校教育と、いわゆる社会教育のほかに家庭教育が青少年の将来を規定する重要な要素であることは私も同感でございます。先ほど矢嶋さんもおっしゃったのですが、どうも大人が戦争に負けて以来、自信喪失してしまって、新しい憲法の趣旨を理解しようとしない。何か、早く生まれて、人生の経験を積んでいるがゆえに、ああも言い、こうも教えようと思っても、うかつなことを言えば保守反動呼ばわりされそうなものだから、それに押されておるというような気分に私は欠陥が相当あると思います。私は、人間というものは、一年でも先に生まれた者はより以上の体験を積んでいるはずだから、よかれあしかれその体験を通じて、いわば遺言のつもりで知っていることを教えてから死にたいというくらいの真剣さを持つべきであると思うのであります。その意味において、子供の親たる者、見当違いじゃ困りますが、自分も勉強して、子供によきことを教え、リードするだけの情熱と努力をすべきものと思います。
○高田なほ子君 修身のお話を伺うような思いで……。家庭教育の振興は文部行政にとってきわめて重要な問題であります。そうしてこのことは、今だんだんとあなたが力説せられました。だが、本年度の家庭教育振興の予算はわずかに二百万である。これはどういうわけか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。まことに少のうございます。今後ふやしたいと思います。
○高田なほ子君 ナンセンスであります。さらに、家庭教育の実施計画については非常にこれは私は方針が間違っていると思う。ヨーロッパ諸国では、子供のしつけは零才から五才までに行なわれる。人間の基礎のしつけは零才から五才までなんだ、こういうことなんです。そうだとすると、この家庭科の教育というのは、低学年にこそ必要でありますが、今そういうふうになっておりますか、この点どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 家庭教育のことは社会教育の一端としてあるべきだと思っております。制度的に、あるいはものの考え方として画一的にどうするということはないと存じております。
○高田なほ子君 それでは、家庭科教育の根本方針はどうか。最近の家庭科教育は人間の、いわゆる家庭の人間のつながりというものを教育する、そのことに重点を置かないで、技術偏重になっておる。私は前者が大事だと思う。後者に今文部省は力点を置いているが、これは本末転倒しているのではないか。この点はどうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。仰せのとおりだろうと思います。
○高田なほ子君 どういうふうに御検討なさいますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。教育のやり方そのものは、私もふつつかでございまして、よくわかりませんが、専門家に十分検討していただきまして、万全を期したいと思います。
○高田なほ子君 今のとおり、家庭教育というものは、ほとんどこれは無視されている。総理大臣、ひとつこの点十分御認識いただきたいと思う。家庭教育だけではありませんが、貧困家庭に対する、貧困家庭の児童の育成の保障、これは一体だれが持つべきものであるか。第一義的にはそれはもちろん親でありますが、しかし、成長の保障のない者に対してはだれが責任を負うのか。この責任の所在を明確にしていただきたい、総理大臣に。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の点がはっきりしないのですが、やはり子供が学校に行く前でございますと、それはやはりその家庭の者が責任を負うべきものでございます。それは、子供は、みな国民でございますから、最終の責任は国家が負うことは当然でございます。今、これは責任論でなく建前論だと思う。
○高田なほ子君 ちょっと御答弁は——それでいいです。だが、私は別に就学前とか後の問題を言っているのではなくて、一般の貧困家庭の中で、成長が阻害されている子供がございますね。そういう者に対する国の保障というものについて伺ったのです。それは、御答弁はそれでけっこうであります。こまごましい問題はまたさらに伺っていきたいと思いますが、ただ、この中で、貧困児童に対する教育扶助の問題は最近政府としても力こぶを入れられておるようです。御同慶の至りだと思います。この教育扶助の額について、文部大臣並びに厚生大臣はどういう御所見をお持ちになっていられますか、この点をお尋ねしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算上の金額でございましょうか。
○高田なほ子君 そうです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答えさしていただきます。
○政府委員(福田繁君) 三十七年度予算は二十四億一千万円でございます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 生活保護を受けております世帯に対しましては、義務教育の児童に対しましては教育扶助をいたしております。
○高田なほ子君 大切な閣僚が、この問題について質問をなにしておいたのですが、十分お答えいただけなくて残念です。 文部大臣にお考えいただきたいと思ったことは、厚生大臣にも御同様でありますけれども、たいへん最近教育費の負担が大きい。平均して小学校は一万二千円、中学校が一万九千円、これに対する教育扶助は総額二十四億と言われますけれども、これは必ずしも十分でない。そこでこの単価を、私どもの考えでは、六割から七割に、普通一般に使われる小学校、中学校の子供の教育費の六割、七割くらいまで引き上げていかなければならないのじゃないか、こういう考えなんです。これについての御所見、御決意、これをお尋ねしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。小、中学校ないしは高等学校等、学校教育に関連しての父兄負担がかなり大きいということは承知いたしております。小、中学校で概略二百億見当、高等学校におきまして百六十億くらいの見当だと推定されております。 ただ問題は、この父兄負担なるものは何だ。どこまでが、父兄負担で余儀なくされるか。人によりましては、普通のピアノでいいものをグランドピアノにしたいという割当がくるために負担が大きくなるというがごとき、類似の例が相当多かろうかと思います。おしなべて父兄負担とは何ぞやという点は、不明確な点がございますが、一応推定いたしまして、以上申し上げましたようなことがありますことは好ましい姿ではないと思います。年々歳々それを解消する努力を文部省としては続けておりますが、国の財政及び地方財政を通じまして、三十七年度におきましても戸数十億円を解消するめどで御審議を願っておるつもりでございます。なるべくすみやかにこれをゼロにする方向に努力したいと思っております。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私のほうの関係から申しますというと、生活保護世帯の問題となってくるわけです。生活保護世帯における教育扶助の金額も、来年度は若干増額することになっておりますが、これは漸次生活保護の基準を引き上げるに伴いまして、この方面のことも引き上げて参りたいと存じております。
○高田なほ子君 大蔵大臣にお尋ねをいたします。 青少年対策に、家庭そのものが非常に大事なことは、これは申し上げるまでもない。児童を囲む家庭の貧困対策、これはきわめて重要な問題だと思いますが、非常に総合的な質問になるかもしれませんが、貧困家庭対策について、特に貧困児童である青少年のよい保障のために、本年度の予算はかなり高度の進展を示したとお考えになられますか。この点いかがですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 今、厚生大臣が言われましたような予算のほかに、今度の予算で私どもが計上しましたものが、養護施設、精神薄弱児童の施設、肢体不自由児の施設、非行児に対する施設、保育所、そのほかのそういう施設について、特に補助金を五億円以上計上しているということでございまして、一般の貧困家庭に対するいろいろなものとは別に、こういう面にまで政府の手がだんだん届いてきたということは、大きい進展だと思っております。
○高田なほ子君 お説明のとおり、わずかそれらのものは五億円余であります。これは、最上のものを最も恵まれない不遇な子供に与えなければならない、こうした政治理念とは、はなはだ縁の遠い問題であるように私ども考えます。特に貧困家庭の成長を阻害される児童対策について、特段のこれは施策が必要だと考えますが、これについて総理大臣並びに大蔵大臣の御決意の御表明をいただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 最近、こういう方面への施策は、十分ではもちろんございませんが、非常に急速に拡大しているのであります。われわれはこの拡大をもっともっと進めていきたいと考えております。
○国務大臣(水田三喜男君) さっき申しましたように、施策の方向がきまって、こういう施設を作ることによって、そういう対策にするのだという方向がきまりました以上は、これらの仕事についての予算強化ということは、だんだんにやって参るつもりであります。
○高田なほ子君 例年、私どもはそうした御答弁に夢を抱いてくるわけですが、十二年間、私はその夢を破られ続けてきたように思います。 具体的に一つ文部大臣にお尋ねしたいのですが、夜間中学の存在について、どう考えられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。夜間中学ということは、学校教育法上許されないやみの存在だと思います。
○高田なほ子君 働きながら中学に行かなければならない長期欠席児童は、今日約九万に及んでいますが、大部分は貧困がゆえである。そうしてこれは学校に行けないから、夜間中学に行っている。これは現下の貧困児童対策並びに不良化対策、青年の健全育成対策の盲点であると私は考えます。これは許さないという御方針ですか。もう一ぺんお尋ねしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。現に存在しているわけでございますが、許すか許さんかと、こうひらきなおってお尋ねになりますと、実は弱るのでございます。やむを得ざる必要悪として存在していると受け取っております。しかも、現実にその夜間中学で教えている先生たちは、昼も教えて夜も教える。一種の使命感の連続として教えている苦労を、私も直接見聞しまして知っております。その根源は、あるいは家庭的な貧困のゆえに、義務教育として出さねばならんことは知っているけれども、せがれや娘を何かしらん働かせなければ食っていけないというようなことから、やむを得ざる家庭の事情のゆえに、そうなっている向きもあるやに聞きますが、中には、余裕がありながら、家庭的にふしだらであるがゆえに、せっかくの大事な子供は義務教育に出さないで、こき使っているというむきもあるやに聞いております。 いろいろ原因があるようなことを承知いたしますが、何とかしてこれを解消する努力をしなければならんと思って、私どもの責任として、せっかく努力中でございます。
○高田なほ子君 東京墨田地区の例にとりますと、曳舟中学校に約三百名の長欠児童がある。この児童たちは、昼間働いている、そして夜間進んで中学に通う、学校も受け入れ態勢に大わらわであります。これは法にないからといって、これを見て見ぬふりをするというのは、消極策だろうと思います、いかがでしょう大蔵大臣。こういう特例に対して、国は若干の手を伸ばすべきではないか、そうでなければ、これを何らかの法制的な措置によって予算化すべきではないか、私はこのように考えますがいかがでしょう。両大臣からお答えいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。予算化するということは、夜間中学としての制度を認めるという前提に立って初めて成り立ち得るととでございますが、文部省の立場においては、夜間中学を制度として認めるという結論にはちょっと到達しかねると思います。
○国務大臣(水田三喜男君) こういう問題は、文部大臣と相談でなければ勝手にはできませんので、そのときはそのときに申し上げます。
○高田なほ子君 ただいまの御答弁は、まことにどうも悲しいことであります。これは立法的な措置を講じられておりませんし、また文部大臣のおっしゃることも正しいと思うのです。これは一つの保護行政としてやはり厚生省、文部省、大蔵省三者によって、これらの子どもたちに対する国の手が伸べられなければならない、保護行政としてやらなければならない、こういう観点に立つものであります。厚生大臣並びにただいまの大蔵大臣の再答弁を要求したい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 夜間中学に対する建前は、文部大臣がお答え申し上げましたとおりだと私は思っております。 ただ問題は、さような家庭が多くある、貧困家庭、あるいは父兄の無理解に基づくというものもあろうかと思います。その貧困家庭に対する援助、こういう方面を遺憾なくやっていくということが厚生省としては大事なことじゃないかと存ずる次第であります。同時にまた、経済的にはそうでもなくても、父兄の無理解のために、子供を昼の学校に通わしてくれないというふうなものに対しましては、やはり父兄教育を徹底する以外には道はなかろう、結局文部省を中心といたしまして、われわれも協力いたしまして、この問題の解消に努力する、これが私どものとる建前ではなかろうかと思います。
○高田なほ子君 総理大臣にお尋ねをいたしますが、ケネディ大統領は、一月十二日に一般教書の冒頭に、青少年に対する対策を次のように述べております。 今日、この世に生をうける最も幼い子が成人したころ、世界におけるわれわれの立場は、まず第一に、今日われわれが彼の教育と健康のために、またよい家庭と職業と生活を得る機会を与えるために、どんな措置を講ずるかによってきまると、実に具体的なことを述べておられるわけです。これは、就学前の最も幼い者に対する強い考え方でありますが、日本の政治の中では、最も幼い者に対する政策というものが忘れられがちでありまして、ここで私は若干幼児の問題に触れてみたいと思いますけれども、就学前の幼児の問題について、これは非常にむずかしい問題ですけれども、相当お考えにならなければならない点があると思う。 つまり具体的にお尋ねしますが、文部、厚生両大臣に対し、今日の幼児就学前の幼児、これの保育、そして生活指導の面、これは文教と厚生行政と二本に分かれている、できればこれの一本化がはかられなければならないと思いますが、この点いかがでございましょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。具体的に申し上げれば、文部省で担当しておりますのは、幼稚園教育だと思います。厚生省の保育所との関係において、二元的であるように見えておると思います。制度論から申し上げればすでに御案内のとおり、一方は幼稚園のほうは、学校教育法の系統であり、一方は児童福祉法の系統であり、それぞれ本来の制度上の目的、性格を異にしておることは申し上げるまでもございませんが、現実の問題としましては、幼稚園で教えておることと保育所で教えておることと同じようなことじゃないかと、幼稚園の近所に保育所ができれば商売がさびれるというがごとき相関関係から、いろいろと陳情等も私も直接間接承っております。ですけれども、それは運用の面でございましょうと思います。建前としてはやはり教育的立場の目的を幼稚園を通じて徹底する。重複しておるところもしありせば、運用上の厚生省との協議相談によって、善処できる範囲が多分にあるのではないか。部分的に同じことをやっておるから一元でなければならないと、いきなり結論を出すことはいかがかと存じております。
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまお尋ねの問題は、私どもしばしば伺うところでございます。 申すまでもなく保育所は、その設置の建前が主として勤労階級の母親の方方にかわりまして保育を行なうという趣旨でできておると思う。したがって取り扱います子供の年令にいたしましても、ずいぶん低いところからお預りをしてお世話をしておる。同時にまたお世話をする時間も普通の幼稚園よりは長い場合が多い。そういうふうなことで、その特質に従って保育をいたしておるわけでございますが、今文部大臣の仰せになりましたように、少し上のほうの年令になって参りますと、幼稚園と内容的にはほとんど選ぶところのない保育をいたしておる。 こういうことでございますので、その間の調整をなんとかしなければならんじゃないか。という御意見、しばしば伺うところであり、私ども、その問題につきましては、ひとつ十分検討してみたい。文部省ともよく連絡いたしまして調整をはかって参りたい。かように考える次第でございます。
○高田なほ子君 幼児教育について、先般私見として文部大臣の御意見を、大谷委員の御質問だったと思いますが、私見として、方向についてお述べになったようですけれども、これは、この幼児教育についての行政面の一本化という問題、それから就学前の幼児教育を義務制にまで伸ばすかという問題は、非常に幼児教育行政の面の大切な面だと思いますが、この前の私見は——私見でございましょうか、それとも政府の御方針でございましょうか。幼稚園の義務設置。義務教育の方針。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。私見と申しますか、未熟な考え方でございます。政府の方針として義務制にするんだというコースを歩いておるという意味じゃございません。 まあ伝え聞きますれば、外国の例等も聞かされまして、義務制にして、小中学校の教育の前段階の過程として取り上げる値打のある課題だということは聞かされておりますが、必ず何年後にはそうするんだという方針を定めて、どうしておるという意味合いでございません。
○高田なほ子君 文部大臣の私見は、傾聴に価する私見で、これは諸外国の例にならって就学前の、学校教育法に定める幼稚園の教育は、これはにわかに義務制にできないにしても、そういう方向に持っていかなければならぬ。私は、あなたの私見に満腔の敬意を捧げておる。総理大臣は文部大臣のこの主張を、これをどういうふうにおとりになられましょうか、この点について総理大臣に承りたい。
○国務大臣(池田勇人君) 文部大臣の個人的意見で検討しておるということにつきまして、すぐ裏打ちをするわけには参りません。私もそういうことを聞いてはおりますが、今、総理大臣として意見を申し述べることは早いと思います。
○高田なほ子君 幼児教育に対する実情は、総理大臣は御存じにならないので、かなりのんきにお考えになっておられるようです。文部大臣から今日の幼稚園教育の実情はどういう欠陥があるか、こういう点についてお述べいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 的確に数字的に申し上げかねますけれども、公私立合わせまして約七千ぐらい幼稚園があると承知いたしておりますが、その施設、設備はもちろん十分ではございません。中にわずか整っているところがあると承知しますけれども、全般的にいいまして、施設、設備にまだ力こぶを入れべき余地がある。ことにいたいけな子供たちがおるのにかかわらず、火災でもあったらどうするかというくらいの危険な状態にあるということも承知いたしております。そういう面でも努力せなければならないたくさんのことがあろうと思います。さらに、幼稚園の先生のことですが、数も質もむろん十分でございません。給与の点につきましてもいろいろ問題もあるようでございます。そういうことを痛感いたしておりますが、にわかにすべてを整備できないことを、もどかしく思っておる状態でございます。
○高田なほ子君 幼稚園の危険校舎は早急にこれは解消しなければならない、私はこう思いますが、現在の危険校舎というものは放置されておりますが、これをどういうふうに処置するおつもりか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。七千ばかりある幼稚園のうちの二割近くが危険校舎だと聞かされておりますが、これに対する計画的な措置はございません。三十七年度予算に前年度より五百万円増と記憶しますが、千五百万円ばかりの予算措置をいたしておりますが、これも特に幼稚園の危険校舎を解消する目的のものではなくて、増改築の対策費として、それも金額的には千五百万円くらい。ですから、端的に申しますれば、危険校舎を計画的に解消し、要すれば鉄筋化するなどということは遠く及ばない状態でありまして、努力の不足を痛感いたしております。
○高田なほ子君 そこが問題だろうと思う。五十年以上を経過したものは、数字をあげれば実に多いのであります。市町村立の場合には二八%という数字を示しております。子供の生命の危険に対して、国が手が伸べられないという理由はない。総理大臣は、過般の高等学校の危険校舎の対策について、国が当然これはやらなきゃならないというたいへんけっこうな御答弁を承っております。幼稚園の場合には、危険校舎に限って国が責任を持って早急に措置するという方策をお立てになることはできないものか、総理大臣にお尋ねします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 総理大臣が答えます前に、ちょっと申し上げることがあると思います。それは、幼稚園は申すまでもなく学校教育法上の学校施設であることは間違いございませんけれども、義務制でないものでございますから、自治団体の自主的な設置、保守管理にまかせてある、ようやく今御披露申し上げた程度の増改築の助成金が予算上盛られることになりましたのは、最近のことだと記憶しますが、そういう状態でございますために、さっき申し上げたように、計画的に何年後には必ずこうするんだという国の立場だけで言い得る段階にはまだございませんので、そういう意味でももっと検討する課題が残されておるというふうに存じておるのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 文部大臣が答えたとおりでございます。ただいまは私立は別でございますが、地方公共団体の施設しておるものにつきましては、まず地方公共団体でお考え願い、そしてまた、先ほど来言っておるように、幼稚園教育というものに対しての重要性は増してきておるのでございますから、この問題は今後の問題だと思っております。
○高田なほ子君 自治大臣に、幼稚園のことなんですが、これはやっぱりあなたの責任のような御答弁になったのですが、幼稚園だけは木造にきり補助できない制度なんですが、市町村が幼稚園を建てる場合に、木造の場合には補助するけれども、鉄筋の場合には補助しないという建前になっておる。いろいろ危険校舎がある、国ができないというならば、これは地方公共団体でどうするかという問題、対策ありますか。
○国務大臣(安井謙君) 幼稚園につきましては、大部分が町村立というより私立が多いのでありまして、町村立になっております部分につきましては、自治省、政府としては交付税の算入基準に入れまして、一定の額の交付税を配付いたしておるわけであります。補助のほうは文部省の関係で、私ども直接扱っておりません。
○高田なほ子君 危険校舎はどうするかということなんです。子供があぶない。
○国務大臣(安井謙君) 危険校舎その他の修理につきましては、これが公立であります限り、公立のその自治団体が処理をいたすということでありまして、それの財政的処理につきましては交付税でこれをめんどうを見ておるという建前にいたしております。
○高田なほ子君 本年度に手がつけられますか、この危険校舎についてのみ。
○国務大臣(安井謙君) これは市町村が自分が責任を持って経営をいたしておるわけであります。もしそれが危険でありますれば、その市町村の公立部分につきましては当然市町村がこれは責任を持ってやる予定にしております。また、人口比率によって相当な交付税額は——その分に対してでは全体の財政に対して支出の計算をいたしておるわけでありますから、当然市町村がそれを責任を持ってやることだろうと思います。
○高田なほ子君 文部大臣は、この危険校舎をどういうふうにするかということについて、地方公共団体に対して何らかの御措置をおとりになったことがありますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。御承知のとおり小中学校の施設の整備ないしは危険校舎の鉄筋化等に追われておりまして、幼稚園までは手が届かない状態で今日にきておるというのが実情でございまして、予算としましては三十七年度今申し上げる程度しか組んでおりませんから、国の予算でどうするという課題は、三十七年度以降の問題として残さざるを得ない。しかし、努力したいと思っております。
○高田なほ子君 幼稚園の教員の給与についてどういうふうにお考えになりますか。一つの例を取ると、非常に低いのですね。三十七年勤務した者が一万九千三百円、三十四年七カ月勤務で、これは短大卒業者ですけれども、これが六千六百円というように、想像以上に総体的に低い。地域的にアンバランスがある。これは市町村負担でございますから、大臣だけに責任を負わせるわけにはいきませんが、これについてどうなさるか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 市町村立の幼稚園の教職員の給与は、御指摘のとおり小中学校の教職員に比べれば低いと思います。建前は小中学校の教職員の例にならうことになっておると承知いたしますが、しかし、市町村みずからの財源でまかなうわけでございますから、市町村長ないしは市町村内における他の類似の職員との給与の横のにらみ合わせで、実際は小中学校の先生より下回っておると記憶いたします。これは根本的にどうするかという課題にもつながろうかと思いますが、当面、都道府県を通じて市町村に対しましても本来の建前のようにいくように努力をしてもらいたいという要請をしておる状態でございます。
○高田なほ子君 自治大臣、今の給与の問題はどういうふうに指導しておられますか。
○国務大臣(安井謙君) 義務教育である小中学校に比べまして若干安いということは、確かに実体上あると思います。だんだんとしかしこれは今お話もございますように、修正をしていきたいというので、三十七年度の交付税の配分計算におきましては、園長等につきましても若干の昇給というようなものを基準に見ておるわけでございます。
○高田なほ子君 文部大臣、園児の健康管理の面はどういうふうになっておりますか。ほとんどこれはやられておらない。どういうふうに御措置なさいますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。園児の健康管理につきましては、年一回定期検診をするという建前になっております。これは、学校保健法の建前を実践することが幼稚園につきましても要請されておりまして、これまた当該幼稚園ないしは市町村当局の指導にまかしておりますが、具体的に今日まで実体を直接つかんではおりません。おりませんが、毎年の指定統計に表われている状態から見ますると、定期健康検査というのは九〇%以上行なわれておるようであります。そのほかの、たとえばエキス線による検査とか、あるいはその他の検査等は、必ずしも法律の要求するとおりにはいっていない。それにしましても、半分以上は実施しておるようでございます。できれば百パーセント学校保健法の建前が貫かれるように指導せねばならないと思っております。
○高田なほ子君 法律によれば、養護教諭を置く建前になっておる。養護教諭が置かれているところはほとんどないにひとしい。幼児教育に対する現状は実に冷たい。この点についてどうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。養護教諭の問題は、義務教育すらもまだ思うにまかせない状態でございまして、幼稚園についてはほとんどりょうりょうたるものと承知いたします。これまた今後の懸案として残っておりますから、努力いたしたいと思います。
○高田なほ子君 問題が詳細にわたりましたが、以上危険校舎を含めて実にりょうりょうたるものだ。これだけのりっぱな大臣がおそろいになっておって、危険校舎一つ直すこともできない。何ということだ。総理大臣は、幼児教育に対しては、義務制でないからといって——もう少しこれは力こぶを入れていただきたい。学校教育法に基づくこれはやっぱり教育でございますから、この点、幼児教育に対する御見解を承りたい。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げましたように、幼児教育というのはだんだん重要性を加えてきて、そして今まで施策が十分でなかったものですから、これからそういう方面を努力してみたい、こうお答えしたとおりであります。
○高田なほ子君 続いて保育面について厚生大臣に。今後改善すべき点について先ほど若干触れられましたが、もう少し詳しくお述べいただきたい。特に保育所の増設計画、今後どういうふうにしていくのか、五カ年計画でもあればお示し願いたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 保育所の設置の数も、おかげさまで漸次ふえて参っております。一般の保育所は現在約一万カ所くらいあるわけであります。そのほかに、季節的な保育所あるいは僻地の保育所等につきまして、その設置を助成いたしておるわけであります。ただいま五カ年計画というふうなものもございませんけれども、ますますこれが増強に努めて参りたいと存じております。 なお、保育所の内容につきましても、時勢とともに進んで参らなければなりませんので、保母の教育でありますとか、あるいは保育所の管理等につきましても、さらに努力を重ねて参りたいと存じます。 なおまた、先ほどの問題にちょっと触れるわけでございますが、幼稚園との関係でございますけれども、幼稚園の関係は、御質問にもございましたが、義務教育の関係がどう変わってくるかというところで、保育所との関係が出てくるのじゃないかと考える次第であります。それに即応いたしまして、保育所の特質を生かしつつやって参りたいと存じておる次第であります。
○高田なほ子君 総括的に大蔵大臣にこの際お尋ねしておきますけれども、養護施設のおやつの問題は、昭和の残酷物語として有名なことでありますが、就学前の子供に対する国の施策は、一、二の例をとってみても、きわめて冷たい。児童の福祉施設も、これもまた冷たい。あまりにも冷たい。あまり財布のひもを締め過ぎるんじゃないか。幼児対策こそ青少年対策の根幹をなす問題であります。私は、日本の政治が幼児対策に力点を置いたときにあすの夢を持つ日が来るのだと思う。もう少し財布のひもをゆるめてはくれないか、これが私の素朴な質問です、大蔵大臣。
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように保育所の職員の待遇ということが近年問題になってきましたので、昨年とことしにかけて、まず待遇問題を私どもが重要視して、若干の強化をいたしましたし、それに伴って一連のいろいろな予算を計上いたしておりますが、今後もその線で進みたいと思います。 今問題は、生まれた子供の育児問題よりも、もう少し話が進んで参りまして、それ以前の、妊娠中の問題からやらなければいかぬということで、妊娠中毒の問題にまでようやく政府も手を伸ばしているということで、ことし新しい予算を盛りましたが、やはりそこらから一貫したやり方で考慮していかなければならぬと思いますので、重々今後はそういうふうに努力したいと思っております。
○高田なほ子君 けっこうな御答弁ですが、そのことのために母子健康センターの費用などが削られてはいないのか。私はこういうところに問題があると思う。ひとつこの点についても御研究いただいて、そらさないように御答弁いただきたい。 時間も迫ってきておりますので、小児麻痺対策について、これは重要な一つの緊急問題としてお尋ねをしておきたいのでありますが、一応三十七年度の小児麻痺対策について、政府はどのような積極性を持たれているのか。私の質問は、積極性を持たれているか、この点の質問であります。お答えいただきます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 小児麻痺の対策といたしましては、御承知のように三十六年度に千三百万人分でございましたか、緊急投与を行ないまして、相当な実績をおさめたと存じております。さらに引き続きまして、昨年投与いたしました者たちに対しまして、実はすでに開始いたしておるわけでございますが、この二、三月並びに五、六月第二回目の投与を行ないまして、だめ押しをしたいと思っておるわけであります。なお、昨年は千三百万人でございましたが、今回の投与から人数をふやしまして、小学校の子供、十二才以下ということになりますが、そこまで及ぼすことにいたしました。約千七百万人に投与するというような計画でございます。来年度はなお今回に新たに投与することになりました方々に対しまして、さらに秋にもう一ぺんやる、こういうような計画をいたしておる次第でございます。昨年に比べますというと、人数の点において相当範囲が広がってきたというふうに御承知を願いたいと思います。
○高田なほ子君 その方針はけっこうだと思いますが、数学的にいかがでしょうか。十三歳まで延ばすわけですが、将来これを高年層まで延ばしていくという方向にいくべきだと考えますが、この点についていかがでございましょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 小児麻痺の問題は将来ともに十分留意して参らなければならぬわけであります。ただ何と申しますか、非常に大きな流行を阻止する。いわゆる行政府として流行を阻止していく対策、かような観点から考えますというと、私、専門家ではございませんけれども、専門家の申すところによりますれば、小児麻痺患者の九〇%を占める年令層に投与をすればそれで大体十分である、こういうふうに聞いておるのであります。日本の現状から申しますと、大体十才未満が九〇%に該当するのであります。しかしだんだんと年令が上のほうに上がってくる傾向がないとも申しがたいので、今回は十三才以下、こういうことにいたしました次第であります。今申しましたことでございますので、患者の数、それに年令層、そういうようなものを勘案いたしまして、今後の問題を考えて参りたいと思います。
○高田なほ子君 重ねて伺いますが、そうすると、政府は当分十三才くらいのところにめどを置いて内容を充実していく、こういうような御方針に承るのですが、そうでございますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 昨年の緊急投与、並びに引き続いてことしの特別に投与いたします結果といたしまして、日本の小児麻痺というものは相当少なくなるものと、私どもは期待いたしておるわけであります。したがって再来年引き続いて去年あるいはことし行ないますようなことをやるかどうかということになりますと、まだ結論は出ておりません。その必要はおそらくないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。必要な向きに対しましては、もちろんワクチンの調達に事欠かないような用意はいたして参りたいと思います。後年度の問題につきましてはまだ具体的な計画はできておりません。
○高田なほ子君 世界をあげてこのポリオ対策に大わらわになって、そしてその実績を上げておる。日本のポリオ対策で欠けておる点はどういう点か、この点を具体的にお答えいただきたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 遺憾ながら日本のポリオ対策といたしまして、ワクチンに対する研究ないし製造がおくれておる。このおくれを取り返すべく来年度の予算にも相当な予算を計上していただいておるわけでございますが、せいぜい研究を進め、日本の国内においてこのワクチンを製造し、またこれを使用することができるようにいたしたいと考えております。
○高田なほ子君 御意見はそのとおりでけっこうだと思いますが、本年度の小児麻痺を防ぐために政府の施策が述べられましたが、なぜカナダ・ワクチンだけを輸入せられたのか。ソビエトは子供のために日本の状況に合う幾つかの要求に応じても協力をしたいと、非常にソビエト政府は熱意を持っているように一部聞いておるのであります。ポリオ対策は国境を問わないで推進していかなければならない。本年度なぜソ連製のワクチンを輸入しないで、カナダ・ワクチン一本にしたのであるか、この点について。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 残念ながら外国から輸入しなければならない状態にあることは、今申し上げましたとおりであります。将来はなるべくひとつ日本で間に合わせたい、かように考えておる次第であります。 外国から輸入するのにつきまして、別にどの国がどうということは考えておりません。昨年の秋、今回の計画を立てましたわけであります。その際に、このワクチン製造をしておる主要なる国からそれぞれ資料を集めまして、十分検討いたしました結果、その質において、またその価格において最も妥当と考えられるところを選びまして輸入いたしました次第であります。
○高田なほ子君 承るところによると、ソ連製のワクチン、このワクチンについて厚生当局はほとんど御研究にならなかった模様だ。最近のソ連製のワクチンは相当進んでいるように聞いておりますが、厚生当局はなぜこういう方面の研究を怠っているのか。これは赤十字の問題だ。国境を問わないのだ。いいものを安く日本に入れたい、こう考えている国の薬をどんどん入れるということは当然のことではないのですか。この間の経緯、御方針等をもう一度お尋ねしたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) その御趣旨は私どもも全く同様に考えております。いいもので安いものを輸入したいと考えている。その趣旨に基づきまして、昨年の秋の材料に基づきまして決定いたした次第であります。将来また輸入する場合におきましては、ただいまお話のような趣旨で取り扱っていきたいと考えております。
○高田なほ子君 ソ連製のワクチンはカナダ・ワクチンより三〇%安いと聞いておりますが、この点はどうして安いものをお入れにならなかったのか疑問が持たれている、御研究になられましたか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今度の輸入を決定いたします時期において、私どもが取り寄せました材料によりますれば、今回のような結論になったわけであります。これは専門家の十分な研究の結果決定いたしたのであります。内容が専門的なことになりますので、不十分なところがあるかもしれませんが、政府委員をして答弁させます。
○政府委員(尾村偉久君) お答え申し上げます。昨年の私のものにつきまして、先ほど大臣が御説明申し上げましたように、これは一定の質的な基準をきめまして、それに合うものということで、各国からその詳しいデータを要請いたしまして、これを条件にそれぞれ照らし合わせましてきめましたので、したがって価格がソ連のほうがカナダより安いというような事実は昨年の選び方のときにはまだわかっておりません。結局、質におきましてまず二国が通過いたしました。さらにその二国で最終的に効果を、こういうことで、そのときに値段もきまった、こういうことであります。
○坂本昭君 関連。非常に専門的な問題でございますし、また全国民の非常に関心を持っている問題でございますし、また委員長の議事進行に御協力する意味合いにおきましても、簡単にこの際五つ伺っておきたいと思います。ばらばらにいたしますとそのつど関連になりますので……。 どういうことかということを申しますと、第一が去年の六月の緊急事態の問題、それから第二点が生ワクの価格的な内容についての今の答弁をめぐっての点、第三番目に研究者の交流の問題、第四番目が社会主義諸国との貿易と生ワクの問題、最後に日本における生ワクの製造。これはみな関連がありますし、時間の関係がありますから、一括して簡単に申し上げたいと思います。 第一点は、昨年六月二十二日に千三百万人分の生ワク使用の決定が行われて、六月三十日に発注いたしました。そのときに七月十二日までに到着するということで発注が行なわれ、ということは、七月十日にはソビエトは送り出さなければならなかった。したがって、この輸入信用状、いわゆるLCをとるのに三日ほどかかりますから、結局七日間の間に千三百万人分を全部こしらえなければならない。そういう状態を理解する必要があると思います。したがって、ソ連のほうでは超勤だとか、残業とか、休日返上が行なわれたと聞いております。さらに、全ソ連邦医薬品輸出入公団から二人特別にこの作業を監督に行き、またフィルモノフという副総裁も現地へ鞭撻に行ったのであります。当時チュマコフという有名な研究所の所長は、一日おくれると日本の子供が三十人から四十人小児麻痺にかかるから一日も早く作るべきだと、不可能と思われる十日間でとにかくやれというので、研究室の人を全部動員し、工場の労働者を督励して、千三百万人分わずか一週間で結局こしらえて、日本へ仕向けてきたのであります。私はこういう緊急製造についてどういう苦労を外国が——これはたまたまソビエトでありますが、ソ連がやったかということについて、十分な理解が一体政府にも厚生当局にもあったかどうか、私はこの点はひとつ総理に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) そういう事情は私は存じません。
○坂本昭君 が、そういう事情があったとするならば、そういうことについてはどういうふうにお考えになるか、まあ御所見を聞きたい。
○国務大臣(池田勇人君) 片一方の事情ばかりで意見は言えません。カナダはどうだとか、ほかの国はどうだとか、それを聞かなければ言えません。
○坂本昭君 私はそういうことを聞いておったんじゃないんですね。私は、とにかく苦労は苦労として、一方これはやはりビジネス、商売ですから、それはかまわないと思うんです。私はそういう点はかまわないと思うので、今は別にカナダとソ連との比較をやっておるのではないので、総理が何か感情的にお答えになったのはちょっと的はずれなので、つまり、チュマコフという研究所の所長は、とにかく全力をあげて千三百万人分の必要な緊急事態のために努力してくれたということを、われわれとしてもやはり理解すべきではないかと、そう思って実は申し上げているんです。しかし、この点は別に問題の重要な点でありませんから、次に私移りますが、問題は、商売は商売で、忙しいときはそれは相互いに忙しいのは当然ですが、問題はその科学的な内容であります。そこで、先ほど厚生大臣は答弁を避けられて、局長から答弁されましたが、五つの点はこの際はぶきまして、予算委員会として重要な四つの点だけ聞いておきたい。それはいわゆるシミアン・バイラスという問題が非常に検討され、この四十番というのはガンを起こす。したがって、子供に小児麻痺の予防に使ったが、あとでガンができたのでは困るというので、これをのけようということになっていますが、実はこのシミアン・バイラスが一から二百まである。これがソ連のものと、カナダのとでどういうふうに配慮されているか、これが一つ。 それから一番大事なのは、飲んでからのきき方であります。つまり予防の力、免疫力のつき方、むずかしくいうと抗体の産出モールこれは一体カナダとソ連では実験の結果はどうかということ。 それから三番目は保管温度、保管温度が非常に変わってきている。そういう点から、一体効力をどういうふうに判断されるか。 それから最後はコストの点であります。コストの点についても、どうも今の局長の答弁では少し違うのではないかと思われるくらい。前の製品ならば、たしかソビエトはマイナス三〇%、三割安く入れてやると、そういうふうに私は聞いておったのだが、そうではなかったか。一つ科学的な内容についてお答えいただきたい。
○政府委員(尾村偉久君) シミアン・バイラスにつきましては、これは日本で今度採用しようという基準のときに、当初から培養をするサルがシミアン・バイラスを持っておらないという条件を最初から入れたものが最もこれは安全でございます。その点で各国のデータをとりましたときに、ソ連においては昨年入れますときの提出のデータでは、最初からサルを除外しておるということでなくて、最終的に作りました製品にこのバイラスがないというような証明方法をしておる、こういうことでございます。これに対しまして、今度採用いたしましたカナダ製品は、最初からサルにこういうバイラスがないということをきめまして、これのないサルを使ってのみ培養に当たった、こういうことでございますので、より安全の確率の高いほうのものをとった、こういう一番重要な点でございます。一から二百までの問題でございますが、これは昨年調査団を日本で派遣いたしまして、当時シミアン・バイラスにつきましては、一応わかっておるもの、こういう条件でこれを採用したわけでございます。 それから第二点の力価の差、免疫力を作る差でございますが、これは日本として使う場合のやり方の場合に、一定の力価濃度を検査の結果あるという条件を前提にいたしておりますので、それが一人にやる場合の一人の分量に入っておれば、これはどれでもいいわけでございます。入れたものを、そのまま、何といいますか、検査せずに飲みますと——あるいは与える場合にはこの差が要るわけでございますが、日本としては必ず一定量以上の力価を一人分としてやる、こういうことでございましたので、これはもういずれもこの条件に当てはまる、すなわち一〇の五・三乗倍の以上の量があること、こういうことにいたしまして、これで選んだわけでございます。これにはデータには差はございません。 それから第三番目の保管温度でございますが、これは実際には昨年の夏の時期には双方とも同じようなやり方におきまして、三百万人分のシロップ状と、それから千万人分のボンボン状と、いずれもこれはうまくいきまして、差はなかったわけでございますので、このやり方につきましては差はないと思いますが、最近のいずれの国も保管条件は非常に好転をいたしておりまして、これは製造の技術の進め方でございますが、これはもう日本でこの冬やりますには十分あまりある好条件を持ったものがいずれも摘出されました。 それから四番目のコストでございますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、マイナス三〇%という点は、私これは少なくとも知らないのでございますけれども、現実に昨年の夏の場合申し上げますと、ソ連のボンボンは三種混合で七・八セントで最終的にボンボンがきまり、カナダのはこれは形が違いますが、液状で同様一人分がちょうど八セントできまったということでございまして、三〇%というような差ではございませんでした。それから今回は三つの型を最初三月のころに一型だけを投与し、五月のころに二と三をまぜたものを投与する、これを全部合わせまして原価は十八円九十四銭でございます。三つとも。これを国産化いたしました希釈液は、これは、国内で作りますので、別個に二円ぐらい加わると思いますが、合計量で約二十円で今回の二度のものは終わるわけでございます。ほぼ五セントということになるわけでございます。
○坂本昭君 今の科学的な説明や、コストの点については非常にまだ問題が多いのですが、時間の関係もあります、関連質問ですから、これは別の機会に譲りまして、次の点は、昨年NHKではアメリカからセービン博士を招きまして、これは総理大臣もよく聞いていただきたいのですが、大体アメリカでこの生ワクチンというものは初めて作ったのであります。セービン博士が作り、それを実際上の予防的な措置としてソビエトのチュマコフ博士がこれを完成したのです。いわばこれほどりっぱな米ソ共同平和作業はほかにない。そうしてこのセービン博士をNHKが呼んだのですが、さらに去年千三百万人も実験をしたのですから、ソ連では現在二十五才まで全部飲ましています、さらに五十五才まで引き上げようとしておりますので、こういう学者を文化交流の意味におきましても呼んだらどうか。NHKが呼ぶというようなことじゃなくて、ひとつ政府でも呼んではどうか。この点は総理に御方針を伺っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 関係閣僚と相談してきめたいと思います。
○坂本昭君 どうもあまり積極的じゃないようですけれども、最後の点はこれは、最初から私お断わりしてあったのです。社会主義諸国と生ワクの問題、これで実は明確な御答弁をいただくために、ちょっとこちらから御説明しなきゃならない点があるのですが、それは中国との貿易、あるいは北ベトナム、あるいは北朝鮮との貿易、こうした中でたとえばベトナムについて申しますと、南ベトナムの昭和三十一年から三十五年のこの五年間に、日本からの輸出は八百六十億、輸入はわずかに三十六億、二十四分の一程度。しかも輸出の九割以上はICAの買い付けで、御承知のとおり一昨年の十二月十五日から域外調達停止で大打撃を受けるに至りました。ところが、同じ時期の北ベトナムの貿易は五年間に輸出が七十三億三千万円、輸入が七十三億千八百万円で、北の場合は計画的でかつバランスがとれ、かつ拡大しつつあるということです。ところで、ここでお聞きしたいのは、北ベトナムとの貿易の伸展に対して第三者の介入がなされつつある。私は、そういうことのために社会主義諸国との貿易が阻止されるということを、非常に遺憾なことだと思うのであります。したがって、その点について、この生ワクチンの問題も貿易の問題であります。私はこの際総理のお考えをひとつ承っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) ソ連との貿易は今まで日本が輸入超過でございましたが、来年度はもっとよくなってくると思います。
○坂本昭君 これは生ワクチンとの貿易の問題でございますから、もう少し誠意のある答弁をしていただかなきゃならぬと思うんです。(「関連じゃないか、長い」と呼ぶ者あり)ですから、あとこまかいことは申し上げませんが、ソ連との貿易については先般もスパンダリオ氏が来て、この日ソ間の国際間の協定が妥結……
○委員長(湯澤三千男君) 坂本君、ちょっと待って下さい。
○坂本昭君 私は先ほど五つだけ質問すると申し上げたのです。
○委員長(湯澤三千男君) 貿易の問題でないように思うんですが。
○坂本昭君 そうじゃないんです。生ワクチンの問題は、これは貿易の問題だから聞いているんですよ。ですから、もうちょっと聞いていただきたい。 それは、この間ソ連からは輸入を一億、ソ連への輸出は四億ということをきめておるわけです。(「委員長が発言を許可していない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(湯澤三千男君) それじゃ坂本君、きわめて簡単に願います。
○坂本昭君 ですから、簡単です。もうあと一点しか聞きません。 だから、そういうふうにきめておる。この段階において、さらにごく最近全ソ連邦医薬品輸出入公団が、さらに計画的な輸出入の計画をやり、特に医薬品について具体的に言うと、百万ドル、三億六千万という計画を立てて、しかも結核のパスとかヒドラジドとかビタミンB1とかB2だとか、あるいは強心剤カンフルといったもの、こういうものを日本から多量に入れる。日本からは二の割り合いに入れて、ソ連からは一の割合で輸出する。今総理が答えられたとおり日本の今度は輸出がどんどんふえる。そういうふうな態勢の中で、特に医薬品についてそういう計画的のプログラムが進められつつある。だから、こういう際に特に生ワクの問題についてもこれが単なる商売ではなくて、科学的にいいものであるならば、何も赤い国だからどうだからということにとらわれないで積極的におやりになるべきではないか。これはだから、小児マヒの生ワクの輸入の問題に直接関連があるから、総理大臣に御方針を伺っておるわけなんです。これについては総理と厚生大臣からひとつ御意見を伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 貿易の拡大と、特殊品目をどこから買い入れるかということとは別問題でございます。小児マヒの薬なんかたいへん大事なものでございます。これとバランスの問題はやはり品質から判断すべきだと考えます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、先ほどもお答えいたしたとおり、厚生省といたしましては、品質、価格の点で最も有利なものを選びたいと存じておりまして、国によって別に差別づけようとは思っておりません。
○坂本昭君 それでは最後に一つだけ。
○委員長(湯澤三千男君) 坂本君、それは何ですか。
○坂本昭君 さっきお断わりした最後の点です。それはつまり、国産がいつから始まるかということについてですが、これは先ほど厚生大臣もお答えになりました。しかし、今日一番大事な点は、注射のソーク・ワクチンのこの製造は、現在六つの会社が作っておる。しかし、予防の薬というものは、もうかるときもあれば損をするときもある。大体そうもうからぬときが多いのであります。したがって、この新しい生ワクを作るについては、新しいやり方で、現在でも国立予防衛生研究所という組織がある、大学でもやっておる。したがって、そういう点で、日本全国に一カ所か二カ所かあればいいんです。したがって、それは国でやればどうです。何もこれは社会主義になる第一歩ではありません。ただ国民が一番関心を持って、生ワクの製造について一般のメーカではなくて国が責任を持ってやったならば、損得を度外視してやることができるのではないか、この点だけです。総理大臣に伺っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) たいへん技術的な問題でございます。そうして国がやるときにそれだけの施設を新たに設けると、いろいろな問題がございますので、これは関係省で研究すべき問題だと思います。
○委員長(湯澤三千男君) もういいんじゃないですか。——高田君。
○高田なほ子君 ポリオの問題について、関連質問で御熱心に討論されましたが、私は最後にもう一度首相に伺いたいのですが、小児マヒの問題では、ほんとうに頭にくるという言葉が当たっていると思うのです。薬品の輸入については、これは赤十字精神をもって考えられなければならない。ソ連製が安い、優秀だ、こういうような実績がわかったなら、現にわかっているわけですけれども、これは進んでこうした道を開かれるのがあたりまえじゃないかと思う。たいへん御答弁がそっけなかったので、重ねてこの点について念を押しておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 小児マヒ対策につきましては、一昨年の八月、私は予備金を二億余り出して早急にやったことを記憶しております。それだけ重要な問題でございます。したがいまして、日本でこういうものを作りたいということを念願しておりますが、今までの経験やその他施設が十分でありませんから、よそから入れているのであります。入れる場合は、やはりいい品物を安くという原則によることは当然でございます。こういうものを思想のどうこうということで区別をすべきものでは絶対にございません。したがいまして、厚生省はその方針で処置しておると思います。
○高田なほ子君 厚生大臣、今度非常に予算拡充せられましたが、本年度の罹病率というのは昨年よりもぐっと下回ると、そういう計算の上に立って予算をお組みになったものか、もしそういう基礎があれば、ここでもってお示しいただきたい。私たちは心配している。非常に心配している。そこでこういう質問をしておるわけです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今年度の第二回の投与を引き続き来年度も投与いたします。この問題は先ほど申しましたように、昨年投与いたしました千三百万人、この人たちに対して、さらにもう一回やろう、それからまた、新しく生まれた子供さんもありますし、それから年令を少し広げました。そういう方面に対してやろうというわけでありますので、罹病率いかんにかかわらず、これはやろうということでやっておるわけでございますから、昨年の緊急投与の結果といたしまして、小児麻痺の発生率は非常に減っておるのが現在の状況のようであります。
○高田なほ子君 小児麻痺後遺症に対して、ガランタミンの費用が健保に適用されておらないようであります。なぜガランタミンの費用が健保に適用されないのか、小児麻痺後遺症の対策について承りたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) ガランタミンは御承知のように輸入の許可をいたしておりますが、まだこのガランタミンの後遺症に対する効果につきましては、学界に一つの定説というものがまだ出ていないのであります。いろいろ議論があるのであります。なお慎重に検討いたしました上で、健康保険における採否を決定いたしたいと思っております。
○高田なほ子君 続いて、不幸にしてこの病気のために生まれもつかない不具者になってしまう、こういう子供たちに対して、今日の政治は、あまりあたたかくない、特に学校教育における特殊教育の面において、また肢体不自由児、盲ろう児、精薄児童に対する保護対策については、必ずしもよい対策が行なわれているとは考えられないのであります。したがって文部大臣並びに厚生大臣は、この特殊児の取り扱いというものの現状に、どういう欠陥があるのか、そして今後、どういうふうにこれを是正しようとしているのか、この点について両大臣とも御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。特殊教育につきましては、先刻来お尋ねの幼稚園よりも幾らか計画性をもって、相当あたたかい考え方のもとに進んで参り、努力されておるといささか自負いたしております。ただ盲学校、ろう学校は、御案内のごとく義務制になりましたが、肢体不自由児ないしは精薄児につきましては、まだ義務制まではいっておりません。満々義務制の方向に足取りを確実に、前進の方向に持っていかねばならないという考え方で今日まで参っておりますし、三十七年度予算におきましても、その一歩を前進させるつもりでやってはおりますが、今後、そういう意味で残された課題はあろうかと思います。さらに高等部、専攻科等の科につきましては、施設はございますけれども、まだ十分ではない点があろうかと思います。せっかくの特殊教育が効果を奏しましても、肢体不自由その他の欠陥のある子供たちが自分で一人立ちができるような、いわば自分で口をのりするような道が開かれれば、より望ましいという意味において、高等部ないしは専攻科等の教育面につきましては、もっと努力せねばならない点があると思っております。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御承知のように三才児につきまして全体的に健康診断を行なうことにいたしております。その結果といたしまして、肢体不自由児等について、必要な早期発見でありますとか、あるいは早期治療ということに非常に努力をすることになったと思うのであります。こういうような一斉の健康診査のほかに、もちろん随時に子供の健康診断等はやって参りたいと望んでおりますが、これを通じまして、身体障害児の教育の相談等を実施いたしたいと思っております。 また、治療等に必要な費用につきましては、専門の医療機関による一斉医療の給付を行ないますとか、あるいは補装具の交付をいたしますとか、肢体不自由児施設に収容を行なっておるのでございますが、特に肢体不自由児施設につきましては、その拡充に努めまして、来年度からは、肢体不自由児施設の通園部門と申しますか、——通っていくような通園部門の整備を行ないまして、児童の養育に遺憾なきを期したいと思うのでありますが、ただ、残念ながら、何と申しましてもこの方面の施設はおくれておりまして、ますます努力をいたしまして整備をいたしたいと存じております。
○高田なほ子君 両大臣のお話にもあるとおり、全くこれは盲点であります。総理大臣にも、よくお聞きいただきたいと思いますが、百二十万に及ぶこの肢体不自由児、これに対しての特殊教育は、まだ義務になっておりませんか、しかし特殊学級振興のために、これはあげて国が努力するというこの目標のために、ことし三億四千九百万円の予算が組まれておるようであります。三億四千九百万円の予算というのは、これは非常に私は少ないと思うのです。今、百人に対して八人の精薄児童がいる。実に少ない。この予算は、自衛隊の使う弾薬費の二十日分にしか過ぎない。また厚生大臣からお話がありましたが、身体障害児の対策として一生懸命努力しているというけれども、この予算は二億五千五百万円であります。自衛隊の食糧費の十日分の費用であります。これが日本の最も谷間にある子供に対する国の予算であります。中身については、時間を節約する関係上、これは省きたいと思いますけれども、これでいいのか。総理大臣に結論的な御答弁をいただきたいのは、社会主義諸国では、不遇児優先の定則が打ち立てられておるようであります。また、アメリカ等においても、不遇児に対する処遇は優先して行なうという建前から、白亜館会議という、アメリカ一流のたいへんうまい方法をとっておられるようです。こういう特殊児童に対する、恵まれない子供に対する教育、恵まれない子供に対する保護等については、それぞれの関係当局から担当大臣が十分に意見を聞き、ここで取り上げられた結論というものは、政府が実行しなければならない、こういうような建前に立っておるようですが、それは当然だと思う。 今日の日本の特殊児対策は、すべて一番谷間に追いやっている。実際にそうです。不遇児を優先して取り扱う不遇児教育優先の原則というものは、ここらで立てられなければならない。幾ら口でうまいことを言っても、三億や二億の予算で、この全日本の不幸を救うことはできないと思う。これについて、総理大臣の御決意のほどを承りたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) 精薄児童その他不自由な子供さんなんかに対しての施策はおくれております。追いやっているのじゃない、こういうところがら、早くのがれさせて、そういう苦痛を早く脱却させる措置が足りないので、政府が何も積極的に追いやるというのでは決してない。こういう学問的な研究は非常に進んでいるのです。アメリカでは、ケネディ大統領が一番これに熱心であります。自分でお金を出して……。先般も、昨年の十一月ですか、人を特定されまして——埼玉県の学園でありましたが——よこしてくれという私信が私にありまして、私も敬服したのでありますが、先進国では、ことにアメリカでは、お話のとおり非常に熱心に大統領が理解されております。われわれもおくればせではございますが、追いやるのでなしに、そういう不遇な児童を一日も早く浮び上がらせるように努力して参りたいと思います。
○高田なほ子君 総理大臣の御答弁に強く期待するものでありますが、一そう文部大臣並びに厚生大臣の、本問題についての御検討をお願いしておきたいと思います。 次に、青少年の健全育成対策という問題について触れたいと思いますが、厚生大臣から、本年度の重点施策として健全育成対策を述べておられるようでありますが、これは今年は健全育成対策は十分ではないようでありますが、これはなぜ十分に行なわれないのであるか、私はその原因をまず厚生大臣から伺いたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 厚生省として、いわゆる健全育成対策としてとっております施設の内容につきましては、先ほど申し上げましたとおり、もっと拾えば幾らも関係づけられるものはあると思いますが、一応先ほど狭い意味の健全育成対策を申し上げたわけでございます。別に理由があって予算が少ないというわけではございません。厚生省といたしましては、前年度に引き続きましてこの施策を推進すべく努力をいたしておるところでございます。
○高田なほ子君 理由があって少ないのではないと言われますが、健全育成のために本年度の予算は四千二百四十万です。その内容は、これは児童遊園地二千三百万、これが多く占めておるようですが、児童遊園地の二千三百万の予算は、前年度から比べると七十五万削っている。理由がなければ、こういうばかなことはできないと思う。今全国の母親は、子供の事故死、これを含んで非常に児童遊園地を作ってほしいという要望なんです。しかるにもかかわらず、スズメの涙のような二千三百万円、これは自衛隊の食糧費の一日分に該当するものですよ。それを七十五万も削っている。これはどういう理由があるのか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。予算が多少減額になっておりますが、これは三%の節約ということで減額になっておる次第でございます。お述べになりました児童遊園地につきましては、現在の個所数は六百五十一でございます。三十六年度新設が百三十六カ所、かような次第になっております。
○高田なほ子君 健全育成予算の補助も六十万削られておりますが、これはどういうわけですか。ちっとも重点になっていない。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この種の予算につきまして一律三%の節約をいたしておりまする関係上、予算が減額になっておる次第でございますが、実行にあたりましては、十分昨年に負けないようにやらせたいと存じます。
○高田なほ子君 文部省の健全育成対策はどういうふうに行なわれていますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お尋ねの趣旨が、私にわかりまねますが……。
○高田なほ子君 少年の非行化問題が今起こっていますが、それに対応して対症療法ですが、健全育成対策というものは持たなければならない。単に六三制の整備だけではない。特に文部省としては健全育成のためにどういう対策をお持ちになっているかというのです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はなはだ申しわけありませんが、健全育成対策という概念が私の頭の中にないのでございます。
○高田なほ子君 この文部省の予算を見ると、たとえば青年の巡回文庫とか、あるいは健康な映画の作成とか、それからテレビの放送についてとか、あるいは教育映画をどういうふうにしていくとか、音楽や演劇をどういうふうにやっていくか、いわゆる健康な文化をそういう視聴覚教育の面からやっぱり進めていかねばならない。その現状は非常に貧弱、これは恥ずかしくてあなたのほうでもよう言わぬと思うのですが、これは対策が悪いと思うのです。それでお尋ねしているわけです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 まあおっしゃる意味がようやくわかりましたが、社会教育の面で御指摘のようなことを及ばずながら努力はしておりますが、一々の項目をあげて予算金額を申し上げるにはちょっと恥ずかしいような状態であることも承知いたしております。しかし努力すべき値打のある、やらねばならない事柄であることは了解いたしております。努力いたします。
○高田なほ子君 農村の青年のために先ほど次官からたいへん熱心ななにがあったのですが、実際は農村の青年活動費と研修館設置費等はこれは減額になっている。あなたのおっしゃったこととはたいへん違うのです、予算の中に。なぜこういう羊頭狗肉のようなことをおっしゃるのか。もっと予算をよくごらんいただきたい。どうです。 農林大臣お見えになりまして御苦労さまです。(「農林大臣答弁」と呼ぶ者あり)
○委員長(湯澤三千男君) 農林政務次官、先ほどのお話のお尋ねですから、あなたのほうからひとつ。
○政府委員(中野文門君) ただいまのお話でございますが、予算が減っておるということでございますけれども、先ほど私が申し上げましたのは、その全体の農村青年活動促進費が少ないということですか。
○高田なほ子君 そうです。
○政府委員(中野文門君) それは三十六年度の農村青年活動促進費補助金というのが一億五百十八万円ほどでございますが、三十七年度は九千七百万円になって、現実に予算額の上では少なくなっていますが、この点は三十六年度で予算の不実行の金額が九千万円以上ありました。いろいろと実際の運営の面から、三十七年度予算で若干予算の総額が落ちておることには間違いはございません。
○高田なほ子君 どうも確信のない御答弁です。 最後に、時間がなくなっておりますので、失礼ですが一般質問に移させていただきます。 児童をめぐる事故死の問題ですが、法務大臣にお尋ねいたします。 最近の児童の交通事故による事故死というものはきわめて憂慮すべき現状である。この現状について詳細御説明いただくとともに、これが当局の対策、これに対する対策、これを御説明いただきたい。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。 少年や幼児が自動車にひき殺されたというような事故の問題、この問題については最近における姿はどうも増加の傾向にあるのでございますが、その原因につきましては、もちろん運転者そのものについてもいろいろと不注意な場合があったり、間違いを起こしたりすることがあったことは言うまでもありませんが、一面におきましては、何と申しましても年少のことでございますから、危険に対する予察が十分にできない、不注意の場合が多いというようなことで、その少年そのものにもどうかと思われる点があります。しかしそれは少年よりも、当該少年の管理者と申しますか、保護者と申します者がもっともっと注意を与えるべきものを怠っている場合が少なくないのでございまして、こうした問題については、それぞれの部門におきまして関係の者たちから十分注意をして参る必要があると考えます。 最近のその数字等につきましては、別途御必要でありますれば後ほどまた申し上げてけっこうでございますが、われわれといたしましては、所管の問題としては、当該事故を起こしました運転者のその前後の状況について厳正な調査をいたしまして、それぞれその場合における適切な、処罰すべきものは処罰するという手続をとろうということで考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 厳正な処罰はけっこうでありますが、その厳正な処罰をする裁判所はどうなっていますか、現状は。交通事故を起こしたそれらの違反者に対して、それを処理する能力が今の裁判所にはないようであります。原因はどこにあるのか。
○最高裁判所長官代理者(石田和外君) 少年の交通事件が非常に激増しておりまして、いわゆる担当調査官の数が必ずしも多くございませんので、調査官の負担が相当過重になっているということは事実でございます。以上でございます。
○高田なほ子君 東京家庭裁判所本庁においての三十六年度中に受理した交通違反は十一万四千二百九十六件、その中での業務上の過失致死傷害事件は約二千件、これを処理する調査官の数はわずかに十五人、だから一人で年間に七千六百二十件を処理しなきゃならない。一日に六百二十五件処理しなきゃならない。一件の処理に対して四十秒の時間きりかかれない。どうしてこれで公正な裁判ができるか。私は裁判の批判をしたくはないけれども、あまりにもこれでは過酷過ぎやしないか。それに対して予算はわずかに本年度六十一万きりプラスしてない。墨田簡裁における昨年度の受理した交通違反の成人の事件数が三十六万件。これを裁判官が七名で処理している。どうして公正な裁判ができるか。裁判所は調査官の増員と裁判官の増員に対してどういうようなお考えをお持ちになっておるのか、この点を明らかにせられたい。
○最高裁判所長官代理者(石田和外君) まず、調査官の点について御説明申し上げますが、調査官につきましてもっと増強をはかりたいわけでございますけれども、調査官につきましては、その給源上にいろいろな隘路がございますので、一挙にあまり大幅の増員をすることは困難な状況にございます。しかし、三十五年度において二十名、三十六会計年度におきまして三十名、本年度もまた三十名増強いたしまして、今後も着々増強をはかっていきたいと考えております。 また裁判官につきましては、これはかなり大きな問題でございまして、家庭裁判所の事件のみならず、その他普通の裁判の面におきまして、今日相当訴訟の遅延を来たしていることは皆様御承知のとおりでございまして、この状況を打開いたしますためには、裁判官の絶対数の飛躍的増強を必要とする次第でございます。裁判の遅延は裁判の拒否にひとしく、このような事態が民主的法治国家の健全な発展のために重大な支障をもたらすことは申すまでもないところでありまして、裁判所にあるわれわれといたしましても、これが打開のため鋭意努力を重ねてきたところでありまして、昭和三十三年度以来訴訟促進のための予算として裁判官については判事、判事補合計八十八名の増員を見ましたことはお認め願っていいところでございます。ただ、この際残念に思いますことは、現在の司法制度がいわゆる法曹一元を理想に掲げながら弁護士から裁判官への任用ということがきわめて困難であるという事実でございますが、裁判官の待遇、地位と在野法曹の収入等の間に大きな開きがありますために裁判官の充員が意にまかせず、裁判官増員のための予算要求も勢い定員充足の見通しのつく限度にとどめざるを得ない現状でありまして、昭和三十七年度予定経費要求におきましては、判事増員わずかに十五名をもって打ち切らざるを得なかったことであります。かかる窮状の打開については、ただいま設置について御審議中の臨時司法制度調査会が発足を見ました暁には十分な御検討をいただけるものと、その成果にわれわれは大きな期待を寄せている次第であります。 以上であります。
○亀田得治君 関連して一つ。
○委員長(湯澤三千男君) 高田君、よろしゅうございますか。
○高田なほ子君 どうぞ。
○亀田得治君 一点、簡単に関連してお伺いいたします。 で、交通事件がたいへん激増いたしまして、その司法的な跡始末、処理というものがたいへんな負担になっておるわけです。そこで、有力な意見として、チケット制でやったらどうか交通違反の現場で警察官がチケットを違反者に渡して、そうして罰金をその場で徴収していく。もちろん、それに対する異議の申し立てなり正式裁判の要求等の制度はくっつけられるわけでしょうが、そういう考え方というものが相当出てきておる。これは、交通事件が激増して、それに対して検察庁なり警察なり裁判所側の処理する能力というものがだんだん限界がきておる、こういう実際面からも私は生まれておる議論だと思います。しかし、なるほどその点では便利なような点もありますが、しかし、これを実行するということになりますと、現在の交通事件の裁判という性格そのものが非常に変わってくるわけですね。裁判らしくない性格というものがそこに一そうまた出てくるわけなんです。現在のようなやり方ですら、どうも裁判とはかけ離れているじゃないか、こういう批判等がすでに出ているわけです。そういうわけで、なかなか実際面、理論面に問題があるわけですが、この問題につきまして、法務大臣なり、あるいは最高裁の事務総長はどういう考え方を持っておるか、結論的なものは持っておられないかもしれませんが、しかしこれは警察なり関係者からは相当出ておる議論でございます。私も結論を持ってお尋ねしているわけじゃございませんが、ひとつ率直な考え方をこの際両方からお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。簡易なる交通事犯に対しまして、いわゆるチケット制度というようなものを取り入れてみたらばどうか、こういうような意見に対して、どう考えているかという御質問であります。実は、その問題については、新聞紙上に報道されておりますから、もうすでに御承知のことと思いますが、警察当局において一つの案を持っておられます。その案は、いわゆる軽微な事犯については、警告手数料というような性質のものを徴することにしてはどうか、そしてその警告手数料は、第一線の違反を摘発した警察官が申し渡して、そして、今仰せになりましたように、それに服する者は適当な方法でその手数料を納付する、そしてそれに服し得ない者は訴え出て正式な裁判を仰ぐ、こういう考え方のようであります。それに対しまして、われわれ法務省当局といたしましては、いろいろ研究をいたしておりますが、その警告手数料なるものが、いわゆるほんとうの意味の手数料か、あるいはやはり刑罰の意味を含んだ制裁金であるのか、そこにどうも性質上にいろいろ疑問があるように思うのであります。その意味におきまして、もしそれが、法律上詳しく論じた場合に、やはり一種の制裁金である、過料、罰金であるというようなことになりますと、現在の司法制度そのものに対して根本的な大きな例外制度をこしらえることになりますので、それではいかがなものだろうかというふうに考えております。われわれ法務当局としても、現行の交通事犯の事務処理には、全く追われ抜いております。裁判所当局も同様であります。そこで、現在の制度を生かして、そしていわゆる別に簡略化したる手続が考えられぬものだろうかというので、われわれ当局といたしましても、やはりこれも一種のチケット制度と言える方式でありますが、そういう方式を今せっかく研究中でありまして、われわれの考えているところの方式と、警察当局の考えておられる方式と、比較研究をいたしまして、なるべく早く結論を得て、そうして進んで参りたいと、かように考えておる次第でございます。裁判所のほうは、当局のほうからお聞き願いたいと思いますが、どうもわれわれは、その点について簡単に申しますと——一言にして考え方を述べますと、警察当局の考えておられるのは、西ドイツにおけるチケット制度を非常に考えておられるんじゃないか、われわれ法務当局が考えておりますチケット制度というものは、これはアメリカ式のチケット制度に近いものかと、かように考えておる次第でございます。
○最高裁判所長官代理者(石田和外君) 裁判所のほうの立場から申しますと、裁判所は、結局、与えられました現行の制度のもとに裁判をやっておるだけでございまして、これに対して、改正等の問題につきまして、直接の責任者ではございませんが、しかし、現在すでに、皆様も御承知のように、墨田交通簡易裁判所、その他大阪、名古屋等大都市におきまして、交通事犯の処理が非常に輻湊しておりますことは、そのとおりでございまして、現在の制度を維持します限りは、人的にも物的にも早急にこれを整備する必要があろうかと思います。われわれ門外漢でございますが、承るようなチケット制の採用というふうな問題につきましても、いろいろ意見は意見として研究はしておりますが、結局、すべてのこまかい事柄にまで裁判官が一々担当しなければならぬかどうかという問題と、それからまた一面貴重な人権の保障というふうな問題も裁判所側といたしましては十分考慮に入れなければならない問題でございまして、ただいま法務大臣から御説明のありました件につきまして、いずれがいいか、また裁判所独自でいろいろ考えていくこともないではございませんが、まだ研究中でございますので、この程度でごかんべん願いたいと思います。
○高田なほ子君 最高裁判所の御説明でも明らかなように、裁判の能力が麻痺している。これは裁判の予算が年次的に低下しているからである。一説によると、ぶんどり競争予算の中で裁判権を確立するということは非常にむずかしいらしい。これは、司法権確立のために、大蔵大臣が特段の御勉強を願わなければならん。せめて国の予算の一%くらいは裁判にとるべきです。なぜこの司法権の確立のために財布のひもをゆるめられないのか、あなたの御所信と御決意を承りたい。
○委員長(湯澤三千男君) 高田君に御注意を申し上げますが、持ち時間を経過いたしました。
○高田なほ子君 今きたばかりです。
○国務大臣(水田三喜男君) 先ほど事務総長から御説明がありましたように、定員の問題その他には、実際には欠員が非常に多いという状態でございますが、しかし、その欠員は補充して、さらに年々これだけの定員増はすべきであるという折り合ったところの定員増も毎年見ておるというのが実情でございまして、裁判所の費用を私どもは特にこれを削っているということはございません。比較的裁判所との予算折衝が一番円満にいっているものじゃないかと私は考えております。
○高田なほ子君 終わります。また分科会でやります。御苦労さまでした。
○委員長(湯澤三千男君) 高田君の質疑はこれをもちまして終了いたしました。 —————————————
○委員長(湯澤三千男君) 次に、山本伊三郎君。
○山本伊三郎君 私は、まず最初に、本日開かれました日韓会談につきまして、総理並びに外務大臣にちょっと聞いておきたいと思います。 もちろん、この問題については、わが党の態度は決定しておりますが、本日はそれは一応別といたしまして、一般国民は、今度の会談について、非常にあわてて早期にやられておるという感じを持っておるのです。ペ義煥韓国すでに会っておられるようでございますが、そういう早期にやらなければならないという日本国政府の事情をひとつ国民に親切に知らす意味において、総理大臣からちょっと聞きたい、かように思います。
○国務大臣(池田勇人君) 韓国との国交正常化は、私ばかりじゃございません、戦後歴代のわが党内閣で、これを正常化しようという方針で進んでおるのであります。向こうの都合で今日のような状態に相なったのであります。したがいまして、従来の方針どおりやっていく。向こうでもわれわれと同じような気持になってやろうというので、具体化しておるのであります。で、なぜ韓国との正常化をしなければならないかということは、これはもう日本と韓国との、歴史的、文化的、また経済的、各般の点から申しまして、私は、隣国の韓国と国交を早く正常化するということは、国民大多数の望んでおられるところだと思います。
○山本伊三郎君 国民の一般の感じといたしましては、現在、御存じのように、韓国は軍政下にある、こういう、事情、また今度の場合は、どうも聞くと、請求権を中心に話がされるような感じを持っておるのですね。したがって、私、時間がないから、率直に外務大臣に聞きますが、本日からの会談で、いわゆる李ライン、竹島の問題もやはり出て、国民が非常にこれについては関心を持っております。韓国側が請求権について相当関心があることは当然だと思いますが、わが国民としては非常にこれに関心を持っておりますが、向こうが相当早期にやりたいという感じを持っておるならば、こちらのほうもそういう問題を一挙に解決するという外交方針のほうが、国民は納得するのじゃないかと思うのですが、この点いかがですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもは、総理からも御答弁になりましたように、いわゆる平和ライン——李ラインを撤廃して、漁業協定を作る問題、それから請求権の問題、また在日韓国人の法的の地位、この三つの問題を日韓会談で取り上げまして、同時に解決したい、こういう考え方でおります次第でございます。したがいまして、その問題について、政治会談といいますか、より高いレベルで、外相級で話し合うという際にも、当然この解決をその時期に行なう、こういう考え方でおるわけでございます。竹島の問題につきましても、外相級で会うのでございますから、これは当然話をいたすべきものと考えております。
○山本伊三郎君 それでは、具体的にお聞きしますが、本日第一日目にやられましたが、今、外務大臣が言われたように、そういう問題もあわせてきょうは出たかどうか、きょうは出なくてもこの会談の期間中にやられるのかどうか、これをはっきり聞いておきたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 会談の内容は、双方で約束しまして、会談が一段落して発表してよろしいというときまで申し上げない、こういう約束をしておりますわけでございます。したがいまして、共同発表をいたしまして、きょうは請求権の問題についてさらに詳しく両方で話をした、さらに日韓会談の議題となっておる問題についていろいろと話をした、こういうことにいっております。会談は、九時から始めまして、十二時少し過ぎまでいたしました。
○山本伊三郎君 会談の内容は、外交上これは発表できない、これは了といたしますが、先ほど外務大臣が、いわゆる外相級で李ラインの問題、竹島問題までやはり一挙に解決すべきであるという日本政府の方針は明らかにされましたから、会談の内容は別に言ってもらいたくないのですが、政府としては、この会期中には、李ラインなりあるいは竹島の問題もあわせて政治折衝をやる、この方針であるかどうかということを聞いておる。
○国務大臣(小坂善太郎君) 内容については申し上げないことは、御了解いただきましたわけでございますが、私どもの基本方針は、今申し上げましたようなことでございますことを、御了解願いたいとい思ます。
○山本伊三郎君 外務大臣、ちょっとそれがおかしいのです。先ほどあなたは、本日は請求権についていろいろとちょっと話したということを触れられた。しかし李ラインや竹島については一切口を緘して言わないということは——先ほどの方針のとおりということは、やはり五日か一週間のこの会談の期間中に、やはり李ラインの問題や竹島問題も出すのだということで、了解していいのですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私はさように御了解いただいてけっこうでございます。
○山本伊三郎君 それじゃ、時間の関係で……。
○藤田進君 関連して。一点だけお伺いしますが、南朝鮮——韓国の現在来日されておる代表は、出発のときにも言われておるように、北朝鮮の領域に関してもその請求権その他関連する事項を解決するのだ、北朝鮮も含むのだという態度のようでございます。わがほうの外務大臣とされましては、この点をどのように、態度として、今後進行をはかられるのか、この際お伺いをしておきます。
○国務大臣(小坂善太郎君) この問題については、国会でもしばしば申し上げておりますように、現在の韓国の支配が三十八度から北に及んでいないという事実を頭に入れて折衝するということになろうと思います。国会で申し上げておる範囲でいたしたいと思います。
○山本伊三郎君 それじゃ次に、この前十二月の十四日に私がお尋ねした旧地主に対する問題です。現在農地被買収者調査会でいろいろ御検討されておるように新聞で拝見しておりますが、この前の十二月十四日の総理大臣の御答弁では、私は岸内閣当時の閣僚であったから、もちろんその岸内閣当時からの方針は変わっておらないという答弁があったと思うのですが、しからば、これは念のために、これに対する方針について、ここでひとつもう一回池田総理から御説明願いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 農地問題につきましては、農地被買収者に対する調査会ができまして、そうして今せっかく調査会で審議されておるのであります。われわれはその結果を見まして考えたいと思っております。
○山本伊三郎君 簡単ですが、まあ大体それで納得する答弁ですが、実はこの前の農林大臣の答弁は、私はどうも納得できない。食い違いがあると思う。 そこで、この七日の日、大谷委員に対して、農林大臣は実は答弁されておるのですが、時間がないのですが、簡単に読みますが、「御承知のように」——これは河野農林大臣が言われたことですが、「御承知のように、答申のほうは、現在旧地主の中で生活に非常に因っておられる人がおりやせぬか、あるいは社会的に非常に困窮しておられる人がおりやせぬか、そういう人」を調査しておるのだ、したがって、今度の二十億の国民金融公庫に対する融資、これについては別問題だと、こういう答弁をされておるのですが、池田総理は、この前の農地被買収者問題調査会の決定したとおりの方針は変わらないと言うのですが、どうも食い違いがあるように思うのですが、その点、農林大臣、間違いないですか。
○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。われわれといたしましては、国民金融公庫法に基づきまして、融資の対象になり、融資できるということにしたいと思っておるのでありますが、主として生業資金という意味合いで融資をして参ろう、こういうつもりでございます。
○山本伊三郎君 私はそういう質問をしておらない。農地被買収者問題調査会、これの調査の対象が、あなたの答弁から聞くと、生活に困っておる人を対象にしておるんだ。それに限定された答弁ですから、それを確認しておるのです。それと、もう一ぺん私は言っておきますがね、これが第三十二、第三十三国会で流れて、しかも、第三十四回国会でやった難物なんです。それで、相当討議は尽くされておるのですが、河野さんは、そのときは残念ながら閣僚でなかった。自民党の有力者であることも知っておりまするが、したがって、この答弁はあなた独自の考えであるか、あるいは農林官僚から聞いて答弁されておるのか、この点もあわせて聞いておきたいと思う、念のため。
○国務大臣(河野一郎君) 御承知かもしれませんが、実は、ただいま御発言の調査会に対する政府の諮問といたしましては、「社会的な問題及びこれに対する方策の要否」ということになっておるわけでございます。そこで、この社会的問題とはどういうことかということを受けて、諮問案の説明の際に、さらに旧地主の現在における困窮その他の生活上の問題、さらに生業上の問題ということになっております。そこで、私としましては、この調査会を今申しましたように、地主の現在における困窮の状態、生活上の問題を主として調査をするということになろうということをお答え申し上げたのであります。
○山本伊三郎君 そうすると、この前のあなたの答弁と若干変わってきておる。そうすれば、あなたのほうの答弁からみると、今度の二十億の国民金融公庫に対する投資も、旧地主に対するいろいろの生活の状態、そういうものによってこれが措置される。そうすれば、同調査会の結論を待たずして政府がそういう決定をすることは、私は、同調査会を設置した精神でなく、違法である——違法であるとは言い過ぎかもしれませんが、妥当でない、こう見ておるのですが、それについてどうですか。
○国務大臣(河野一郎君) この資金を創設いたしましたのは、生業資金を得るのに困難をいたしておる者に臨時融資の道を開こうじゃないか、こういう党の方針によってこの道を開いたのでございまして、詳細に申し上げますと、政治的配慮によってこういうことをやったのだということで御了承いただけばいいのじゃないかと思うのです。
○山本伊三郎君 それは重大なことですね。それじゃこの当時、この法案審議のときに、われわれが当時の岸総理に質問をしたときの——時間がないから、一節重要なところを読みますが、違うのです。こう言っておる。「国務大臣(岸信介君)」——これは委員長が指名したのですが、「先ほどから申し上げたように、旧地主の団体においてもいろいろな要望をされております。また、その要望もある程度の変化もされて、今日まで最初と変化しておるものもございます。私どもは先ほど来言ったような心がまえでこの問題を考えてみますると、問題はただ地主団体の陳情によってこれを取捨選択して適当に政府がきめるという問題でもなければ、また一党だけでこれをきめるという」ものでもない、公正なる第三者の意見を聞いて結論を得た上で措置するのだ、こういう答弁をされているのですよ。こういう今の答弁から見ると、自民党の方針によってそういうことをやるということは、同調査会を冒涜するのみならず、当時これを設置された、この法律が審議された当時の岸内閣における答弁と大きく矛盾しておるじゃないですか。この点どうなんですか。
○国務大臣(河野一郎君) そこで、先ほど申し上げましたとおりに、内閣といたしましてこの調査会に対しまして諮問いたしました際に、今お読みいたしましたとおりに、「社会的な問題及びこれに対する方策の要否」ということを諮問いたしたわけであります。諮問の要旨はこれで、で、これは社会的な問題とは何かということを受けまして、その調査会に説明を加えまして、その説明が旧地主の現在における困窮その他の生活上の問題ということにしておりまして、末尾に「生業上の問題」と加えてあるのです。そこで、この調査会の結果を待ちますことはもちろんでございます。待って基本的に解決することは当然でございますけれども、しかし、そこに至りまする過程におきまして、非常に問題があるという政治的配慮をいたしましてこの二十億の予算を組んだ、こういうことでございます。
○山本伊三郎君 今の答弁を聞いておりますと、調査会を作ったということは、そういうもろもろの措置をとるについては、政府としても、これはもう公正にやらなくちゃいかぬというので調査会を作ったのでしょう。その結論が出る前にそういう措置をすることがいいのかどうかという、しかも、この法律が審議されておる過程で、当時の岸総理が言ったことと相反しておるじゃないか、こういう点を私は追及しておるのです。この打った措置についての問題はまた別でありますけれども、こういうものを、調査会の結論の出る前にそういう措置をなぜとられたか。調査会でも、おそらくこれは問題になると思う。全く調査会の権能と申しますか、そういう人格を無視された、こういうことになると思うのです。その点も政府に追及しておるのです。それをはっきりしてもらいたい。なぜその結論を待たずして出したかということです。
○国務大臣(水田三喜男君) お答えします。 調査会は調査会として今のような調査をしておることは事実でございますが、今回の処置は、もう調査会の結論とは全く無関係な措置でございまして、御承知のように、旧地主問題が一つの政治問題になっておりますために、いろいろ調査会でその検討を願うことにしましたが、この結論は、まだいつ結論が出るかということもわかっておりません。さしあたり、旧地主の中には転業したいと思う人もありますし、新しい仕事をして、それでやっていきたいという希望者もございますので、生業資金を欲していながら、お金を金融機関から借りられないというような人に対しては、とりあえず小口の営業資金を貸し付ける道だけを開くことが妥当であろうという政治的配慮で、調査会とは別個の措置をとったということでございます。これは必ずしもこういう措置をとることが、調査会の結論を待たなければいかんというものではございません。調査会は調査会として、別ないろいろな結論を出してくると思いますが、私どもは、当面旧地主のそういう実情に応じた措置をとることは、きわめて妥当だろう、こういう判断でこういう道を開いたということでございます。
○亀田得治君 関連。先ほど農林大臣がお答えになった中にも明らかであったわけですが、この諮問事項の中に、旧地主の生活上の問題だけじゃなしに、生業上の問題も入っておるわけですね。入っておるのであれば、その面からいっても、当然この調査会の結論を待つのが至当ではないか。調査会に対する諮問事項が、単に生活上の問題だけしか入ってないんだということであれば、この生業上の問題につきまして、それと切り離してとりあえず措置をした、まあこれも問題でありますが、多少の理屈はそこにつけられるかもしれませんが、調査会の諮問事項自体の中に、農林大臣みずから説明があったように、生業上の問題が入っているわけなのです。入っていれば当然その結論を待って、そうしていかに処理するか、たとい一時的な処理にしろ、その結論を待ってやる、これは私当然だと思う。農林大臣はどういうふうにそこをお考えですか。
○国務大臣(河野一郎君) でございますから、私は、政治的配慮によって、この答申の出る前に、生業の資金を非常に必要としていらっしゃる方には、生業資金というものをすみやかに融通してあげることが当然だと私は思うのであります。これを補償するとか賠償するとか、それからこれを与えるとかということでありますればともかくといたしまして、資金の融通をしてあげて生業をお助けするということは、なるべく早いことが政治的判断からいって当然だという意味合いから、暫定的にこの措置をとった、こういうことでございます。
○亀田得治君 ちょっともう一度お伺いします。つまり諮問事項の中に「生業上の問題」というのが入っているわけでしょう。入っておれば、これは生業上の問題ですから、当然この融資という問題が出てくるわけなんです、調査会自体の中に。もし調査会が生業上の問題を取り扱う部分におきまして、実態を調査して、それに対する対策の面で、補償はもちろん、融資なども必要でない、こういったような結論が出た場合に一体どうするのです、これは。そういう可能性もあるわけなのです。そうでしょう。「生業上の問題」ということを諮問しているのですから、生業といえば、当然補償というよりも、むしろ融資というような角度での政策という問題が検討される、これは、常識上。それをあらかじめ政府がこういう結論を出してしまうということは、はなはだ行き過ぎです。全般の社会的な批判から見ましても、これはほとんどこういう二十億の融資というものは行き過ぎだ。当然だなんという御意見の方が自民党の中には相当おありのようですが、ゆうべのラジオの何でしたか、特別番組等で旧地主の問題をやっておりました。あれを見たって、決して政府の今のやっておるやり方に対して好感を持っておらない。どの新聞を見たってそうなんです。多少理論的には無理はあるけれども、しかし、政治的配慮で何とかしてやるべきだという世論が、単に一部の地主だけじゃなしに、全体的に盛り上がっているなら、私は理論的なギャップがあっても、多少そこはこちらの批判も遠慮しなければならぬかもしれぬ。ところが世論はそうじゃない。そうでないのに、諮問事項と矛盾するようなそういう措置をおやりになるということは、これは間違いです。これは総理大臣の見解もひとつお聞きしたい。そういう諮問事項がそういうふうになっておるのに、生業上の問題だから、二十億はちっとも調査会の設けられた趣旨と相反しないのだ、そんなことはとても筋が通らぬと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(河野一郎君) ちょっと諮問事項にはそういうことが書いてないのです。私は明瞭に申し上げたのですが、諮問には社会的な問題を調査すると書いてあります。そのうちで、その社会的問題を調査する、それを説明して、さらに加えまして書いてありますことは、この説明要旨の中に「旧地主の現在における困窮」、これを主にしてあるのです。そして、その困窮をさらに説明して、さらにその他の生活上の問題を加えております。さらに、そのあとに末尾に付け加えて、「生業上の問題」についても加えております。というのであって、これは私は、判断においてわれわれがこういうふうに判断することは差しつかえない、政治的な判断によって差しつかえないと思います。
○亀田得治君 資料要求。ただいまの農林大臣のお読みになった文書ですね、これを至急ひとつ資料として出してもらいたいと思います。諾問事項並びに諮問事項の説明書。
○委員長(湯澤三千男君) 出せるそうですから、どうぞ。
○山本伊三郎君 河野さん、あなたは議案の説明について見ておられるからそう言われる。審議の過程では、内閣委員会の中に自民党の委員がたくさんいると思うのですが、岸総理はたびたびそういう点を触れておられるのです。一切はやはり調査会の結論を待たぬとできないのだ。政治的配慮では、これは混乱を起こすのだ——起きるのです、これは。そういうことをたびたび言われておるのに、今日になってこれが政治的配慮だということは、逆の効果があるということも考えておりませんか、その点どうですか。
○国務大臣(河野一郎君) われわれといたしましては、農村における旧地主の立場、地位等を十分調査いたしまして、党の方針を尊重いたしましてこの措置をとったのであります。
○山本伊三郎君 それじゃ総理に聞きます。あなたは、先ほど岸内閣の当時のそういう方針は変わりなく持っておる。岸総理は、私がさっき読んだように、一つの政府なり、あるいは党なりによってそういうことをやることは間違いを起こすから、調査会を作って調査する、こういう説明であったのです。今聞くと、融資の問題は別だ、おそらく同調査会のメンバーも、そういう理解をしておらなかったと思う。その点総理いかがです。
○国務大臣(池田勇人君) 旧地主の問題につきましては、いろいろ重要な問題がございます。われわれはそういう観点から調査会を設けまして、そうしてあらゆる方面から御審議願いたい、こういって総括的に諮問しておるのであります。あるいは現状はどうだとか、将来はどういうふうにすべきだとか、いろいろな点があると思います。それはそれでございます。しかし、今の情勢から申しまして、せめて非常にお困りの方々には、調査会とは別の考えのもとに特別の融資二十億円の融資、特別の生業資金を出すかということは、調査会の全般的に考えたお考え以外の問題として政治的に措置することが現状からいってどうかということを判断した上で私は、調査会で審議される全般の問題、それはそれとして特殊の措置として、あとで一緒になることはあるかもしれません。これは別の考えで政治的に私はやるべきと判断してこういう措置をいたしたのであります。
○山本伊三郎君 これは今、総理が非常に力を入れて答弁されましたが、この問題については、もうすでに三十五年ですから二年間の期間ですから、まもなく結論が出るのです。もうこれはまだ一年もあり一年半もあるというそういうときであれば、そういう困窮した人に対する措置ということも、政治上考えられないこともございませんけれども、もうすでに結論を出さんとしておるその最中に、そういう措置をとることは私はやはり政治を混乱さすと思うのです。その点どうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 法律には社会的問題を調査すると、こう二条になっております。で、この問題は先ほど申し上げましたように、非常に重要な問題でございまして、融資とか何とかという問題で片づくか片づかぬか、あるいは何もせずにいけという答申が出るかもわかりませんが、しかしこういう大きな問題を、そうして答申が出ましても、政府がなかなか頭を悩ます問題が多かろうと思います。これは答申によってからきまるものだ、しかしそれ以前におきましても、非常に生活あるいは生業でお因りの方々に特別の、軽い重いは別でございます。特別の措置を臨時的に別の観点から、政治的立場からやるということが、私は今の状態であたたかい政治であると考えます。で、別個に調査会の案が出ましたら、全体的な大きい問題でございますから、政府としてはこの問題とは別個にまた考えなければならぬ問題が出てくると思います。
○山本伊三郎君 これは池田さんとしては筋が通っておらないと思うのですよ。そういうことをやること自体が問題があるから調査会を作るという説明で、これが国会で成立したのですよ。それを今となって、それは別だ、それならば別にこの調査会を作らぬでも、いろいろ地主の人の要望私自身も聞いております。融資ということを考えておる人はほんのわずかですよ。もっと目的は別にあるのです。そういうものを押えるために、政府はこそくな方法でそういうことをやらぬでも、調査会の結論を出して天下に公論の上でやったらどうかというのが私の主張なんです。それを別だから親心でやった、親心でやる国民の大衆はたくさんありますよ。地主だけではありませんよ。それをなぜ旧地主に対してだけせっかく作った調査会の結論を待たずして二十億の融資をやられるかというその理由の説明には、私は総理大臣の言葉としては聞き取れない。それをはっきり言ってもらいたい。
○国務大臣(池田勇人君) 前申し上げたとおりでございまして、旧地主に対しましては、万般のことが考えられましょう。どういう結論が出るか、万般のことが考えられまするが、今の状態からいって、お気の毒だから調査会のあれとは別個に臨時的な措置としてこういうことをする状態であると考えたのであります。
○山本伊三郎君 僕は臨時的とかそういうのがれ言を言ってこれを通すことによって、将来政府部内に大きな問題を残すと思う。せっかく調査会を作って問題解決のために有識者の意見を聞いて、一党一派でやったらいかないということでこの法律を成立したのでしょう。それを無視して、臨時だから融資していいのだというようなことを言われると、今後、どういう団体でも皆さん方は、せっかく調査会を作って今研究しているのだということで、それが政府の方針として通りますか。私は一つの、党を離れた立場からでも、皆さん方に、特に農林大臣がこれについては非常に熱心だということですが、特に私は究明したい。あなたは議案の説明書だけ見ておるけれども、審議の内容というものは一つも御存じない。その上でそういうものをかりに強引にやられだとすると、国会がどういう審議をしても、総理大臣がどういう答弁をしても、そんなものは一年か二年たてばほごになってしまうのだ、こういうことすら国民に与えるもとになるのじゃないですか。ここのところを私は追及しているのです。
○国務大臣(河野一郎君) 私はそういうことはも頭考えておりません。調査会の設置、これによって根本的に、基本的に問題処理の結論を出した、これは総理大臣がお答えになったとおりであります。ただ、この過程におきまして、中小のかつての旧地主といわれる地所を持っていたこれらの諸君が、生業資金に非常に事欠いておって、金を借りられない人もあるから、せめてこれらの人に資金が出るならば、こういうことにもなる、ああいうことにもなるから、この点の措置を講じてくれという要望が非常に強く起こってきた。そのときに、これに対して、適当な措置をとるということは、今、総理大臣のお答えになりましたような意味において私は、政治的配慮によってやるということは、局にある者としては当然考えるべきことだと思います。
○山本伊三郎君 その問題につきましては、今度、大蔵大臣に今これは言っておっても、おそらく、そうでないと、総理大臣の言葉を返さぬと思う、腹の中ではわかっていても言わぬと思う。大蔵大臣、この二十億の融資について、はたしてどれだけの対象にどうなるのか、具体的に言ってほんとうに困っておる人にはいかないのですよ。国民金融公庫法をどう変えるか私は聞いておりませんが、国民金融公庫法のあれからいくと、そうほんとうに困っている人にはこれは一銭もいかないのですよ。差しあたり救わなければならぬ人がいるから、そういう措置を打ったと首相は言いますけれども、ほんとうに困っている人にいきますか、一ぺん説明して下さい。
○国務大臣(水田三喜男君) この措置は、今あなたのおっしゃられるように、救貧措置であって、生活資金に困る人に生活資金を貸すという措置ではございません。生業資金を借りたいとして借りられないという地主に対する金融措置でございます。ですから、この道を開いても、どれだけの借り手があるかどうかということも、そういう点ではまだはっきり私どもは数字をつかめておりませんが、問題は、これはさっき一党一派ということがございましたが、一党一派の考えでこれをやったわけではございませんで、調査会の結論を待たずに、また与党としてはいろいろな希望がございましたが、政府としては与党のそういう希望にこれは沿ったわけではございません。金額においても、やり方においても、地主に対して生業資金の道を開くことだけは政府はやる。しかし、やり方については一切政府にまかしてもらうという、予算の折衝の最後の段階で私どもはきめた次第でございます。ですから、やはり、この段階としては、こういう措置くらいはしなけりゃならぬと思う、するのが妥当だろうという政治的判断から、政府は道を開くということを承知してこの措置をとろうとしておるものでございますので、したがって私どもは、これについては、まだまだいろいろ問題が出てくるだろうと思います。金利の問題にいたしましても、貸し付けの対象にいたしましても、いろいろあると思いますが、いずれにしましても純金融ベースで営業資金の小口貸し付けの道を開くということは、これは少しも悪いことではございません。これらの措置はとるべきであるという判断から今考えているわけでございまして、その結果、この金額ではとてもどうにもならぬということになるのか。あるいは割合にこの道を開いても希望者が少ないという結果になるか、これは私はまだわからないと思っております。
○山本伊三郎君 これは大蔵大臣、あんたは大事なことを言われたのです。大蔵大臣が自信のない、どうなるかわからぬという、二十億円にしろそういう予算措置がただ与党のほうのいろいろの圧力というか、意向があったからといって、そういうものを大蔵大臣は予算に組んでいいんですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 圧力でやったわけではございませんで、私どもはそういう道を開くとすれば、やはり金融の筋というものは従来政府にございますので、生活資金の貸付ということを国民金融公庫にやらせることはこれはできません。そうかといって、生業資金であっても現在の旧地主の立場から見ましたら、この金利は安いほうがいいと思います。これは安ければ安いほうがいいと思いますが、しかし、一般の生業資金のあり方から見ましても、やはりぎりぎり安くしても六分五厘以下の金利にすることはやはり筋として無理だというような、そういう方面から私どもは考えておりますので、これがはたして現在の旧地主の実態に適合して、この金利だったら、それではといってみんな借りることを希望するかどうかというようなことについても、私どもはまだいろんな考えを持っておりますが、これは実際にその道を 開いてみないとはっきり私はわからないのじゃないかと思っております。
○山本伊三郎君 あなたの答弁を聞いておると、私はますます矛盾を感ずるのです。政府自体もこの二十億円を国民金融公庫に投資しても実際どうなるかわからぬというようなものであれば、なおさら同調査会はそういうものを調査研究しておるのだから、その結論を待って出すのがそれが妥当でないですか。政府は確たる、この二十億円はこうこうこういう工合に旧地主に対する救済と申しましょうか、そういうことができるというある程度のめどがあれば別ですよ。そういうものもないばく然としておるものを、同調査会の結論を経ずにそういうものを政府自身が出すことは、たとえ二十億円の投資であろうとも、三十七年度の予算全般に対してもわれわれは危惧を持たざるを得ないと思う。そういう編成の仕方であれば、われわれはその問題についても問題があるのですが、もっとはっきり言って下さい。
○国務大臣(水田三喜男君) 一般の見方ではもう少し大きい金融のワクでなければいかぬ、要望は非常に強いという見方もございますが、しかし、私どもは国民金融公庫の資金量千幾らの中で、とりあえず二十億円のワクを作ってその道を開こう、その道を開くことに私どもは意義を感じておりましたので、一応そういう措置をとったのでございますが、これは貸付額の限度を多くするということになったら、要望が多くなるのか、そうじゃなくて、貸付限度が小さくても非常に要望があるかという問題と、また金利の問題というものもございますので、みんなこの希望者は全部これを貸してやるという立場をとりまするならば、これはまた方法もいろいろありますが、そうじゃなくて、私どもはとりあえず政治的の配慮としてこの貸付の道を開こうということに主眼を置いたものでございますから、やはりそう大きいワクを作るわけには参りません。一般国民金融の中で、千何百億円に対して二十億円くらいのワク、少ないといえば少ないかもしれませんが、まずその辺から道を開いておこうということで始めたのでございますから、これがどういうふうになるかということをそうはっきりここで見通すわけには私はいかぬだろうと思います。しかし、よそからいわれることによりますと、ワクは少ない、要望者はもっと多いといわれておるのが実情でございます。
○加瀬完君 関連。ただいままでの御説明を承っておりますと、困窮した地主を救済するための生業資金だ、こういう御説明であった。それならば、困窮している地主、すなわち融資の対象とする地主は大体何名なのか、一口一体どれくらいの金額を見積もるのか、こういう積算の基礎がなければ、二十億円という金ははじき出せないはずです。積算の基礎をもう少し明確にしていただきたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 私どものつけためどは、大体貸付の金額は、一口二十万円くらい、一万人前後の要望にこたえるというところがめどでございました。これは全くさっきから説明しておりますとおり、めどでございます。
○山本伊三郎君 大蔵大臣、僕は今まで池田総理初め、各——予算委員会を衆議院でも傍聴いたしましたが、まあ経済成長の問題でも何とか一応筋を立てたような答弁をされたが、これだけはどの角度から見ても私は無理であると思うのですね。あなたはまた要望があったからやったと言ったでしょう。前は政府が勝手にやった、要望があったからやった、だんだん答弁の中であなた狂ってくるのですよ。狂うはずなんです、もともと間違ったことをやっているから。その点が、要望というのは一体だれが要望したのですか。先ほどは政府自体がやった、要望は一体だれが要望したのですか。
○国務大臣(水田三喜男君) これは当然、政府の施策に与党の政策要望というものは取り入れるのが政党政治の原則でございます。したがって、この予算の編成について、最終的に与党からの、この問題に対する善処方の要望がございました。しかし、与党の考え方というものは、これとは違ったものでございましたが、その点につきましては、私どもは、調査会もあることであるし、そこらの結論に触れるような、そういう大きい問題は、一切政府は見切りをつけない。これとは全く別個に、純金融ベースにおける、今言ったような道を開く程度なら、政府は考えるということで、政府としては今のような方針をきめた、こういうわけでございます。
○山本伊三郎君 大蔵大臣、僕は秩序正しく、時間がないからはっきりしておきますが、この立法するときの当時の岸総理大臣が、今言ったように、いろいろの要望が、これはもう党内にもある、一般にもある。しかし、そういうものが一つの政府なり一党でやったのでは問題をあとに残すから、この調査会を作って、調査をしてもらって、結論を待ってやれば、非常に公正にいくということで、こういう説明のもとにこの調査会が作られたのですよ。わかりましたね。ところが、今総理なり、あなたの意見を聞いていると、もうすでに半年もせぬうちに、ごちゃごちゃしておったら結論が出るというそのときに、二十億円のやつを見切りをつけるために要望があってやったということは、私はだれが聞いてもこれは筋が通らぬと思うのですよ。これはまだ二年も三年も調査の結果がかかるというなら別ですよ。もう二年の期間過ぎてしまうのですよ。あした総会をやるといっておる。そういうときに、こういう二十億円の融資をして、これは別だ、臨時的なものだといって、だれが納得しますか。私はこれを尋ねている。私は金利がどうか、商業ベースがどうかという、そういう経済上の問題を言っておらない。それを私は言っているのですが、どうなんです。
○国務大臣(水田三喜男君) だから私が説明していますように、そういういきさつがあるから、政府が独自できめたということでございまして、今の調査会をどうして設置したかの事情もわかっています。その結論がいつ出るかは、これはわかっておりませんが、それとは一切無関係な措置であると申し上げているわけでございまして、これと無関係に、政府が当面金融措置をとるというくらいのことは、少しもこの調査会の問題と衝突することじゃございませんし、これは政府の判断として少しもかまわない。いいことなら私は早くやっていいことであるし、これは別に調査会の結論を待たなければやってならぬ措置だとは考えておりません。
○山本伊三郎君 それはね、あなた、追い詰められて、そういう暴言みたいなことを言われますが、これをやるときに、岸総理は何回も言っておるのですよ。そういうことがあるんならば、そういうときに、そういうこともあるということをわれわれ了解しておらぬと、これから各種調査会なり審議会が作られますよ、国会で。審議会や調査会を作っても、こんなものは答申が出ない前にいいことなら勝手にやっていいということになりますか。そういうことが前例になって、国会においてきめたことが、将来政府がいいことなら勝手にやっていいということになるのですか。今やられたことは、この調査会設置のときには、そういうことをやるのは一切困るから調査会を作ると言われた。そういうことを、いいことだったら、調査会の結論をどうしようと差しつかえないのだ、こういうことで理解していいんですか、将来。
○国務大臣(水田三喜男君) それはさっき総理からも申しましたように、この問題はそう単純な問題ではございませんで、もっと大きい、いろいろの問題を含んでおります。したがって、私どもはその問題と離れて、この準金融ベースにおける貸付の道を開くという措置は、それと別個にとったわけでございまして、この調査会のできている事情というようなことも、あなたはおわかりだと思いますが、そういう単純なものではなくて、旧地主についてのもっと広範ないろいろな問題がございますので、これは慎重を期して、一党一派が勝手にやるべきことじゃないということも私どもは同感でございますし、ですから、それとは全く関係のない、離れた措置として考慮したということでございます。
○木村禧八郎君 関連して。大蔵大臣は声を大きくして、別個の、離れたと言ったって、声を大きくしたって、別個にならぬと思うのです。そうすると、この問題の起こってきたそもそもの原因は、地主の補償の問題からこの問題が起こってきているのでしょう。みんな関連しているのですよ。幾ら口で別個だ別個だと言いましても、別個じゃないのですよ。これはもう密接に関連しているのです。今大蔵大臣が言われましたように、いろいろの問題があって、いろいろの問題と関連しているのです。ですから、これを切り離して考えることはできないのですよ。ただ大蔵大臣は口だけで別個だ別個だと言われましても、決して実質的には切り離すことはできないのです。 そこで、私が伺いたいのは、大蔵大臣は、もしこれをやることによって補償の問題は全然打ち切っちゃうのか、賠償補償の問題は別個だと言われておりますが、別個にまた考えるのかどうか、これ以外に。これは私は問題だと思うのです。ですから、私はおそらく補償の問題が起きると、非常に金額が大きい。もし旧地主の補償をすれば、ほかの政治的補償にも関係が出てきますよ。これは膨大な額になります。朝鮮に残してきた財産に対する補償も、すぐ問題になりますよ。補償と関連さしてこれを考える。ですから、補償の問題は全然打ち切るのだ、そのかわりにこれを政治的に考慮して考えたというのかどうかですね。(「それは別個の問題だ」と呼ぶ者あり)別個にまた補償を考えるということになれば、これはまた非常に重大な問題です。この点をはっきり伺っておきたいのです。
○国務大臣(水田三喜男君) これは調査会でどういう結論を出すか、私どもにはまだわかりませんが、そういう問題と一切つながりのない措置という考えで、今度の措置をやったということでございます。
○山本伊三郎君 僕は、この問題については、大蔵大臣も、それはそういうことを強引に答弁しておりますが、腹の中ではやはり一応考えていると思います。旧地主の問題は、これは私自身もいろいろ直接に聞かされている。しかし、今度のとった措置については、もう理論的にも実際的にも、私としては納得できない。国民金融公庫というものに二十億やったというこの措置も、きわめて私としては妥当でないと思うのですよ。国民金融公庫が一部のグループの、範囲を限ってこういうものをやるということは、国民金融公庫の将来に対して大きい問題を起こしますよ。その点、どうなんです。
○国務大臣(水田三喜男君) 大きい問題を起こさないように、国民金融公庫の性格から、生業資金の小口貸付、この範囲を出ない措置をとったわけでございます。
○山本伊三郎君 あなたはさっき、私が尋ねもしない金利の問題に触れましたが、この問題について、そういう特別な国民金融公庫としての金利のべース以外に考えておるということはないですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 他のいろいろな諸施策の金利との均衡、それから農業近代化維持資金については、国と公共団体が一定の補助をして、個人の貸付を近代化資金で六分五厘までの措置をとるというようなことを今度の施策でやっておりますから、それらとの均衡から見て六分五厘が至当で、それ以下にはこれは融通できないものというふうに考えて、今のところはその程度の予想をしております。
○山本伊三郎君 そうすると、一般国民金融公庫の現在の金利以下に安くするという、そういうことですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 大体そうするつもりでおります。
○山本伊三郎君 それ自体も大きい問題を起こします。国民金融公庫を利用するという人は、この第一条で、普通銀行では借れないというきわめて困難な中小企業とか、そういう人々が借りるのだ。それを、旧地主ということだけで金利まで変えるということについては、これは大きい政治問題ですよ。自民党内部にそれに対して推進する人がたくさんおると聞いておるけれども、戦争にあって犠牲を負ったのは、単に旧地主だけじゃないですよ。そういう点を十分考えてやらなければ……。私はもう時間がないから終わりますけれども、池田総理も、それから水田大蔵大臣も、河野農林大臣も、自分の所管だからといって気まま勝手にやっては、国政が乱れますよ。そういう点は十分考えてもらいたいと思うのですが、池田総理、最後にひとつ所見を述べてもらいたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私はどこの所管ということもないので、内閣所管でございますけれども、全般のことから考えまして、納得のいく政治をいたしたい、こういうのでやっておるのでございます。
○国務大臣(水田三喜男君) 私も同様でございます。
○山本伊三郎君 そういう意見は聞きたくない。それじゃ、今の答弁、先ほどの答弁から見ると、金利の問題その他もあるから、国民金融公庫法を、これはもう改正するということですね。
○国務大臣(水田三喜男君) この貸付の道を開くことによって、国民金融公庫法を改正する必要はなくて、これはやれる問題でございます。ただ、こういう道を開いたために、一般国民への貸し出しの金利負担が多くなるというようなことは困りますので、こういう問題を避けるために、公庫の資金コストを下げる意味において、国が二十億の出資をしようということを考えておるだけでございまして、この二十億出資についての法律案は近く国会へ出すつもりでございます。
○山本伊三郎君 そういう点はわかっておる。そうすると、金利の問題については、先ほど言われたそういう方針はきめておるのですか。
○国務大臣(水田三喜男君) まだ全然きまってはおりません。具体案はきまっておりません。
○山本伊三郎君 それじゃ、最後に。この問題についてはわれわれも反対をしてきました。しかし、そのやり方によって、何もわが社会党といえども、困窮している人を救うということには反対しておらない。しかし、今度の措置は、現実に今後これが運用されて参りしょう。二十億のものがどこへ行くかという行方を、はっきりわれわれはつかまなくちゃいかぬと思う。ほんとうに困っている人が救われるならば、われわれも今日質問したことを取り消してもいいと思うのです。現実はそうはいかない。その事実ははっきりしていると思うのです。その点を十分大蔵大臣考えて、あまり一つのグループだけに片寄った恩恵的な措置というものは、国民全般から見れば大きな不満が逆に起こるということを肝に銘じてもらいたいと思う。私の質問を終わります。
○委員長(湯澤三千男君) 山本君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(湯澤三千男君) 次に、市川房枝君。
○市川房枝君 おそくなりまして、皆さんお疲れだろうと思いますが、しばらくごしんぼうをお願いします。 私は、公職選挙法の改正の問題を中心に、まず総理大臣及び自治大臣にお伺いしたいと思いますが、まず最初に、岩手二区の選出で前通産大臣をしておられました椎名悦三郎氏の奥様が、選挙違反で、つい四、五日前の三月八日に懲役八カ月の求刑がございました。それについて総理の御感想を伺いたいと思うのですが、椎名さんの奥さんが、新聞にございましたとおり、総括主宰者夫婦を三年五カ月生活費を出してかくまわれたことに対する違反でありますが、椎名さん御自身がこれを御存じなかったということは、私はあり得ないと思うのです。それを奥さんに押っつけちゃって、そして奥さんが罪に問われておいでになるわけでありまして、私はまことにお気の毒だと思います。まあ、それだけに、知らぬ顔をしておっちゃ悪いかもしれませんが、その椎名さんに対して許せない気持を持つわけでございます。総理は絶対に、奥様にそういう目にあわせるようなことはなさらないと思うのでありますが、ひとつこの事件についての御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 実は寡聞にして、椎名君の奥さんが懲役八カ月の判決をお受けになっているということを実際聞いていないのであります。求刑でございますかというような状態でございまして、まことに事情を知りませんで申しわけございませんが、椎名君と椎名君の奥さんとの関係等につきましては、私がとやかく申し上げる段階でない。ただ、椎名君の奥さんは、私はよく存じあげている方でございまして、非常にりっぱな男気のある方であるとは存じております。この点は、法務大臣からかわってお答えすることにいたします。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。 今不在でございましたので、また別の御質問でしたらあらためてお答え申し上げますが、椎名衆議院議員の選挙違反に関連いたしまして、その夫人が取り調べを受けて、そうして犯人蔵匿という容疑のもとに取り調べを受け、起訴されておるのであります。その間におきまして、はたして御主人であるところの椎名議員と、そうして夫人の間に、選挙違反そのものについて何らかの連絡があったのかどうかということにつきましては、検察当局といたしましては、調べを十分いたしたのでございますが、これについては、その違反には直接関係はなかったやに事務当局から報告を受けております。ただ、違反者が出まして、その違反者を隠した、東京あるいは名古屋方面に蔵匿しておったということが、主として奥様がそういうことをやられた結果であるということで、犯人蔵匿の容疑がかかって取り調べられた次第でございます。
○市川房枝君 今、総理は、椎名さんの奥さんは非常に男気のあるりっぱな方だという御意見でございました。私、直接存じ上げないものですから、よくわかりませんが、椎名さんの奥さんの今度の身がわりといいますかにおなりになったということは、昔でいえば山内一豊の妻と同じで、妻のかがみとして表彰されてもよいか知れませんが、しかし、現在の時代、民主主義政治のもとにおいては、ほんとうの政治家の妻としては、私はどうもそうであっては困る、実はそう考えるわけでありますが、総理はいつか、選挙は奥様におまかせ切りで、一昨年の衆議院の選挙のときなんか一度も選挙区に帰らなかったとおっしゃっておられました。総理の奥様ほどでなくとも、私は、立候補者の奥様方は皆さん、選挙で苦労をしておいでになるようで、宮中に年賀の際に参りますが、そのときに奥様方にお目にかかって、実は御同情を申し上げておるわけでありますが、私、御主人様方と申しますか、議員の方々にお願いしたいのは、どうか奥さんをそういう目にあわせないようにしていただきたい、違反を妻にさせないようにということをお願いを申し上げたいわけでありますし、それから奥様方は、さっき申しましたように、私は、もしそういう場合、選挙違反になるようなことがありましたら、やはりそれをいさめるといいますか、あるいはそれをしないようにしていただくことが、ほんとうの政治家の賢い妻である、こういうふうに実は思うわけであります。 今度の選挙法の改正で、いわゆる連座、ことに家族、配偶者あるいは親子なんかの連座制の規定が、審議会では相当きつくきめられたのでありまするが、政府案としては、いわゆる骨抜きになっておる。引っかからないようになっておるのでありますが、これなんか、ほんとうは、私はやはりもっときつくしておくほうがいいのじゃないか、そうすれば選挙違反に引っかからないようにすることになるのであって、一般の世間から申しましても、結局、骨抜きにしたのは、奥さんあるいは家族、そういう人たちに選挙違反をさせたいからだ。させても引っかからないようにしたいために、そういうふうにしたのだ、こういうふうに私は思われておるのではないか。そういう点について、総理はどういうふうにお考えになっておりましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 連座制の問題で議論がありますことは、連座拡大は、総括責任者の範囲を広げ、また、出納責任者の範囲を広げ、そうして親子、夫婦、こういうこの範囲を広げる三つでございます。そのうち総括責任者あるいは出納責任者は原案のとおり、調査会の報告のとおりでございます。ただ、夫婦、親子というときに、これに兄弟を入れたという点を広げました。ただ問題は、親子、兄弟、夫婦が選挙違反を起こしたならば、直ちに連座にかかるという問題、やはり親族と申しますか、簡単に親族ということで表現いたしますれば、その間におきましてやはり同居が必要じゃないか。兄弟とか親子はやはり同居であって、意思を通じて、ごく悪質なものでいいんじゃないか、この点が違うことでございます。 もう一つは、直ちに候補者が罪を負うのではなしに、検察庁の提訴を待って、もう一ぺん裁判の機会を与えるか与えないか、この二つが問題だと思います。 私は親子、兄弟、夫婦だからといって、意思も何も通じないのに、少し行き過ぎじゃないか、したがって、この際といたしましては、あの程度でしぼってはどうかという考えを持っているのであります。それはよくございませんから、悪い者は厳罰にと申しましても、やはり国民感情もございますし、そうして強くするものも程度が、やはり段階があると私は考えておるのでございます。そうしてまた、連座が直ちに候補者が責めを負うかという問題につきましては、法律上いろいろな問題があると思います。調査会におきましても小委員会で議論があったようでございます。私は、やはりこの点は検察官の提訴で問題を早く片づけることが必要である。この際としては、この程度の拡大強化でひとつやっていって、そうしてその後の結果、公明選挙を国民全部、津々浦々までひとつ宣伝し、浄化をはかって、そうして進むべきじゃないか、こういう少しあなたから見るとなまぬるいとおっしゃるかもわかりませんが、罪を起こさないようにすることであって、罪を起こした場合にひどくやるというようなことは、私は刑法の点、刑罰の点からいって、少し除々にいくべきじゃないかという気持を持っておるのであります。
○市川房枝君 今の総理の御意見、私はどうも賛成できないのでありまするが、罪を犯さないようにしておけばきつくしておいても一向平気じゃないか、やはり犯すという心配があるからお困りになるということになる。それから、だんだんしぼったとおっしゃいますけれども、しぼってとうとうひっかからないようになっているといいますか、禁錮以上で、しかも執行猶予以上の場合はひっかからないで、実刑になるのは一%しかならない。こういう事実からいいましても、何だかどうも、もう少し納得ができませんが、その問題は、また別の機会に譲りまして、次の問題に移りたいと思います。 選挙資金の寄付を禁止することに今度の案でなっております。それは百九十九条に二項、三項、四項というものを新たに追加して、国からの補助金、負担金、利子補給金その他の給付金、資本金、基本金、融資を受けている会社その他の法人は、衆参議員の選挙に関し寄付をしてはならないということに規定をせられておりますが、三十四年の十一月の衆議院の選挙の際に、自民党について申しますと、七億九千六百万円の選挙に関する収入のうち、会社とか会社連合会、協会等からの寄付が七億四千六百万円ありました。同じように寄付が社会党には一億一千八百六万円、民社党には一億五百六十万円とあったのですが、今度の禁止の規定でこれがどの程度の影響を受けるか、どの程度少なくなるか、といいますか、そのお見通しを伺いたいのですが、これは自治大臣に伺います。
○国務大臣(安井謙君) 御承知のとおりに、従来の選挙法でございますと、会社等で請負をやっている、あるいは直接大きな利害関係を持っている団体から選挙に関する寄付を禁止しておったのでありますが、今度はその幅が利子補給とかあるいは補助金であるとか、相当大きな幅に広がっているのでありまして、相当そういったような選挙に関する寄付を集めるという点については影響があると思いますが、金額的にはまだ私どものほうとしてもちょっと算定いたしかねております。
○市川房枝君 ただ、相当な影響というだけではちょっとわからないのですが、今の百九十九条の二項、三項、四項に該当する会社その他の法人というものは、一体どういうものがあるか、それのお調べができておりましょうか。
○国務大臣(安井謙君) 実は、これはありていに申しまして、私どもで今度この選挙法に関するそういった団体の寄付を禁止する際に、いろいろ調べたのでございます。非常に内容的に複雑なものがございまして、同じ補給金のようなものでも、単なる通り抜け勘定になっているといったようなものもあって、これは補給金であるかどうかといったようなものがありますし、今後一般の政党の活動に対する寄付金を禁止するときには、そういうものを十分仕分けをして考えるのでなければいけまい。せっかく御答申があったのでありますから、その精神を少なくとも選挙に関してはこれを生かしたいということでやっておりまして、今、目下その内容、あるいはその企画といったものを鋭意整理中でございます。
○市川房枝君 実は、自治省のほうへ私その表を見せていただきたいとお願いしたのですけれども、今大臣のお話のように、まだできてないと申しますか、関係各省に補助金なら補助金がまたがっている、そうするとどこがもらっているかという、これは私ここに持っているのは大蔵省のお出しになった三十六年度予算補助金、負担金、交付金、補給金及び委託金に関する調べといって、こんなにたくさんあるのですが、そういう中で、たとえば運輸省をひとつ見ますと、運輸省の三国間輸送助成費というのが三十六年度で四億六千万円あるのですが、一体どこへ出しているのか、三国間輸送事業者と書いてあるだけなんであります。会社なんて一つも名前が出ていないのであります。これは自治省のほうでなかなか運輸省なら運輸省へ行っても、ちょっとなかなかこれが調べにくいのだ、そんなお話も私ちょっと聞いたのですけれども、これは私は選挙法で選挙に関し、国からそういう特殊な扱いを受けている会社、法人から禁止するというのであれば、やはりどの会社がどうかというはっきりした表がなくちゃならぬ、なかったら私委員部のほうにでも手伝ってもらって、全部調べてみようかと思っているわけですが、そういう表がないと、一体これは法文作ったって何もならないのじゃないか、どういうことになりますか、寄付をしてはならないと、こうあるのですが、受けるほうはかまわないのですね。寄付するほうが禁止されているのだけれども、そうしてそれは違反は何もついてないのですね。そうして出されてもだれが一体調べるのかというようなことをちょっと自治大臣に伺います。
○国務大臣(安井謙君) 寄付をしてはならないということと同時に、これを受けてはならないという建前になっております。それから今おっしゃるように、非常に関連のある会社というものは複雑多岐になっていることは間違いございません。そこで私どもは、これは政党全部の寄付に適用するという場合には、相当これを厳重に調べてみる必要がある。これには相当時間がかかるものでありますから、現在のところ、これは答申の趣旨がそうでありますから、とにかく大きな網をかぶせて、ひとまず選挙に関してはこういうものを出してはいかぬ、こういうふうに取りきめたわけです。
○市川房枝君 選挙資金を御検討になっておるのですが、その選挙資金と政治資金とどういうふうに違いますか。その選挙資金は、政治資金の中の一部でございますね。さっき申し上げました各党への選挙資金の寄付、これはまあ選挙管理委員会に届ける、同時に、一方自治省に対して、政治資金として、またその選挙費用を含んだ届け出でをするわけですが、それはどういうふうになりますか。その選挙の届け出でをしないで、そうして政治資金のほうに届け出れば一向に差しつかえない——これは選挙なのか何だか区別ができておりませんね。だから、一体これはどうして区別をなさいますか、それを伺いたい。
○国務大臣(安井謙君) 選挙に関する費用は、政党の活動におきましても、その前後を通じまして、それそれ党の演説会であるとか、いろいろなポスターの費用であるとか、その他労務費であるとか、これは相当計上できますし、またそういったものに引き当てるための寄付をそういう団体から受けない、こういうことにいたしておるわけであります。
○市川房枝君 どうも今の自治相のお話よくわからないのですが、私は、一応選挙への寄付金は禁止するというともっともらしく聞こえるのでありますけれども、実際は同じことなんであって、これは一種の、何といいますか、結局、言葉はよくないかもしれませんが、国民をだましているような格好になっている。今の政治資金、選挙資金の規制とほとんど違わない。文句だけは法律に麗々しくたくさん並んでおりますけれども、実質的にはこれはできない、こういうふうに私考えるし、世間もそう考えておりますが、これは総理大臣どうですか、一体そんな区別というものはできますか。
○国務大臣(池田勇人君) お話しのとおり、政治資金の中に選挙資金も入りましょう。しかし、観念は全然違うわけでございます。私は、選挙資金あるいは政治資金、これも規制しなければならぬという気持を持っておりますが、しかし、片一方で政治活動ということは、民主主義政治においては必要なことである。ことに、政党活動を強くしようとするときに、政党は政治資金は要らぬかということになりますと、これはぜひ必要なんでございますね。だから、そこが今ジレンマだ。政治資金というものをはっきりし、そうして公正にするために、やっぱり政党法ということ、そうしてまた政治資金規正法につきましてももっとやっぱり掘り下げて考えるべきだ。したがいまして、一番弊害のあると思われる選挙に関しての部分をまずとめて、そうして一般の政治活動に関する政治資金というものは、政治資金規正法とか、政党法の制定等を待って、そうしてやるのが、まず——あまりぐずぐずしていると言われるかもしれませんが、今申し上げたように、いいほうに徐々に進めていく段階といたしまして、今回はこの程度でいいのじゃないか。そしてまた、政党法、政治資金規正法についての御検討をお願いして、それと関連して次の段階に移るという方法をとるべきと考えた次第でございます。
○市川房枝君 選挙の金だけとめてとおっしゃるのだけれども、とまらないのですけれども、それは押し問答になりますから、それは省きましょう。 次は、今選挙制度審議会の政治資金に関する答申は、これは御承知のとおりに、会社、労働組合その他の団体が政治活動に関し寄付することは禁止すべきものであるとはっきりこう言っておるのです。ただまあ経過的には、特定の国家と利益の深い会社、あるいはその他の法人のを一応政治資金も選挙資金も禁止する。それは経過規定としてそれを答申したわけなんですが、それを政府のほうはまた政治資金のほうを抜いて選挙だけにしておしまいになって、骨抜きどころか野放しになっちゃった、こういうふうに私はまあ解釈して非常に残念に思いますが、いわゆる基本の選挙制度審議会の答申の、会社、団体等からのは禁止するということ、これは私前から主張し、何べんも総理にお願いしておるのですが、この段階でも同じようなお考えでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) これはやはり政治資金、選挙資金だけを論じても私はどうかと思います。したがいまして、先ほど申し上げましたような選挙制度全般、あるいは政党、あるいは政治資金、こういう全体の問題から、そうしてまた選挙の公営等々から帰納的に私は完全なものができ上がるのじゃないか。で、今選挙資金、あるいは政治資金に弊害があるからというので、もとを改めずに現象ばかりをやっていくと、実際は動かないようになるのじゃないか。だから、理想といたしまして、会社とか、法人、あるいは組合等の分は、これはえてして金額が多くなり過ぎますから、これはそういうものをやめようという理想論はわかります。しかし、現実の問題としては、選挙という、政党政治活動、公営選挙、選挙区制等、全般の問題からひとつ帰納的にやるべきじゃないかという考えを持っておるのであります。
○市川房枝君 つまり選挙なり、政治なりに金が莫大に要るという、その金のもとを私はとめるということが必要じゃないか。金がどんどん来ているから使うという、こういうふうに私は思うのでありまするが、まあその財界からの金を扱っておいでになった経済再建懇談会は解散して、そのかわりに自民党に資金を提供することをおもな目的として組織された国民協会ができておりますが、そこの機関紙がちょっと参りまして、拝見しましたら、なかなかいいことが書いてあるのですが、その「正しい資金を広く集め、きれいな政治を行なう」、これはまあこのとおりなら私はたいへんけっこうだと思います。まあそこに説明がちょっと書いてあるのです。「会員の皆様が“分に応じて”出された会費で保守党の経済費を賄い、政党が無理な金集めをせず、全機能をあげて政治活動に専念できるようにします。これは金を中心とした派閥の解消にも大いに役立ちます。」これが実際に実現できればたいへんけっこうですが、この国民協会のほうはどんなふうになっておりましょうか、私はその心配をしている一人として伺うわけです。
○国務大臣(池田勇人君) そこに書いてあることは私はまだ読んでおりませんが、そこに書いてあるような精神で着々拡大強化の道をたどっておると信じております。
○市川房枝君 まあさっき私は銀行、会社等の財界からの選挙及び政治資金を禁止するように申し上げましたのですが、この問題に関連して、私はいわゆる銀行、会社には所得税法で税金のかからない、寄付してもよい金が相当額ある。で、これが政治献金に回っておるのでありますので、単に片方の資金の禁止をしても、この問題との関連があるのではないかと、こう思います。外国では、銀行、会社の寄付したのを損金に算入するということはほとんどない。ことに政治献金を損金として認めるというのはないんですが、日本でどうしてこういう規定があるのでありましょうか。そしてその規定の内容、まあ私は存じておりまするが、国民のために大蔵大臣からひとつそれの御説明を願いたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 今の法人税法におきまして、資本金の千分の二・五と、それから一年間の事業所得の百分の二・五、この二つの金額を寄せて二で割った金額の範囲内で各企業が一般の寄付金として支出するものは損金と認めると、こういうような制度をとっておるのでございますが、これは政党へ出そうとどこへ出そうと無差別で、一切、その範囲内においていろんな寄付を行なうなら損金にみなすという措置をとっているのでございますが、そのうちのどれだけの部分が政治資金の献金になっているかという統計はございません。
○市川房枝君 今お話しの率で計算してみますと、八幡製鉄は、三十五年は資本金が五百八十億、再評価の積立金が百九十五億円、所得金額が百三十八億円、そこで、その寄付してもよい、税金のかからない金は二億六千六百万円あることになります。これは国税庁で計算してもらいましたから正しいと思いますが、こういう金が各会社にあるわけなんですが、それは一体どのくらいあるものか。一ぺん、表を拝見したいと申し上げましたら、大蔵大臣がちゃんとあるから見せるとおっしゃって下さったのですが、あとで、いやなかった、ないのだということで、実はいただけないでいるんですが、それは当然私大蔵省としてはといいますか、国税庁としてはおありになるはずだと思いますが、そういう数字いただけませんでございましょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) 理論的にはこの限度というものは会社別にあるわけでございますが、国税庁がこの決定をするときになりますというと、各社が今実際において限度額までいっておりません。それぞれ会社が違いますから、社別にそれだけを抜き出した統計というものは全然持っていないそうでございます。
○市川房枝君 それはつまり損金に入るのですから、計算がなかったら税金にそれは取られますわね。だから、おありになるはずだと思うんですが、これはまあもう一度適当な機会に伺いますから、ひとつお調べを願いたいと思います。 それからその金の中で、いわゆる政治献金にどれだけ回っているかということは、これはなかなかわからないということかもしれませんが、この自治省への届出を見れば、政治献金ですが、そうすると、どの会社は六体どれくらい政治献金をお使いになっているということは、これは自治省ではおわかりになると思うんですが、自治大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(安井謙君) まあ御承知のように、期を分け、そうしてそのつど非常に複雑な体系になっていることはもう市川先生御承知のとおりであろうと思います。ですから、あれからどういう程度までに拾えますか、これは私はまだ調べておりませんので、はっきりした御返事はできませんが、一応数字は御説のように出ていると思います。
○市川房枝君 それはやはり自治省でひとつ計算をしておいていただきたい。これは非常に重要なことだと思います。 それから次に、私は会社、団体等の政治献金をするかわりに、個人の寄付に便宜をはかって免税の措置を講じていただけないものかということを、これは前にも申し上げたことがありますが、今度大学連盟等の熱心な主張に、初めて個人が教育または科学の振興等に寄付した場合に控除するような、いわゆる所得税法の改正案が提出になっておりますが、これはまあ初めてそういうあれができたそうであります。で、これはまあたいして、しかし実際には減税になってないという不満もあるようであります。個人の政治献金に対してこの制度といいますか、新しく道が開かれたのでありますから、何かそういう計画といいますか、ないでしょうか。大蔵大臣いかがですか。
○国務大臣(水田三喜男君) 個人の特定寄付金をそういうふうに優遇する道は開かれておりますが、今のところ、教育、研究、文化、社会事業というものについては認められておりますが、思想、宗教、政党というものについてはまだその道は開かれておりません。と申しますのは、各国とも全部そうでございますが、思想、宗教、政党というものは、これは自由を保障されておるものでございまして、特定の宗教団体にどんどん寄付をしてもいいというようなことをすることは、これは問題でございますので、各国とも今のところ、そういう問題についての特定寄付金の優遇措置というものはとっていないというところでございます。
○市川房枝君 今度の改正案では、選挙公営の範囲が相当拡大されております。一昨年の衆議院の選挙では、公営費、事務費あるいは公明選挙費を含めて、国費が十九億九千四十五万六千円かかっております。約二十億かかっておりますが、今度の案によりますと、次に行なわれる衆議院選挙あるいは近く行なわれます参議院選挙では、前と比べてどれくらい国費が多くなりますか。
○国務大臣(安井謙君) 大体参議院同士比べたほうが早いと思いますが、参議院の今回の選挙に要する費用、二十四億三千七百万円公営費を計上しておりまして、大体七億二千五百万円程度前回の参議院のに比べると多くなっております。それの半分以上は大体管理事務に従事する人の人件費、それから約半数足らずが公営のために要する費用、こういうふうになっております。
○市川房枝君 それは今のあれですか、予算案に入っているわけですか。まだ選挙制度審議会の答申はなかったわけですが、答申の案に沿って……。
○国務大臣(安井謙君) これは答申を予定いたしまして、大体選挙が行なわれます参議院選挙に対する公然費というものは別個にいつも見積もることになっております。
○市川房枝君 候補者の法定選挙費用もほぼ倍額になるようなんですが、その根拠といいますか、それからその内訳を伺いたいと思います。今までの衆議院選挙の際有権者一人七円という計算であったのですが、その場合にはいわゆるモデル地区というので選挙費用をずっと実際に要るのを計算をして、そこから割り出したのが七円ということになったのだということを聞いておりましたが、今度もそういうふうな計算の仕方をなさいましたかどうか、ちょっと伺っておきたい。
○国務大臣(安井謙君) 具体的な数字につきましては、もし何でしたら事務当局からお答え申し上げますが、大体二倍以上に法定費用が相なるような計算でございます。これは答申のほうにおきましても実費弁償の費用、あるいはその他の費用について合理的にふやす、こういう答申もあるのでございますから、これは計算中でございますが、大体選挙の前に演説会をやる費用等も今度は加算されますし、また、はがき、ポスター等のふえる費用、あるいはこの労務者的な人への実費弁償、その他の諸雑費に要する費用、昭和二十九年以来これは改正しておりませんので、今度これを合理的に直したい、こう考えております。なお、その算定の基準は、従来一人七円幾らに人数をかけるということでなくて、大体広さや人数が多くてもそれに比例してはふえないように一定の基礎額を計算いたしまして、さらに人員に応じてなんぼかそれにふえていく、こういう計算方法をとっております。
○市川房枝君 今まで簡単に、私その選挙法改正と金の問題を主として伺ってきたんですが、この法律が成立し、参議院選挙から適用された場合に、内容において多少今までよりよくなっている点ももちろんあると思いますけれども、金に関する限りは公営の問題で国費はよけいに要るし、法定選挙費用倍増で、費用もかかる。そこにもってきて、さっき私が申し上げました、どうも選挙だけの禁止はほとんど名目だけで実際はない。そこで今度の参議院選挙には、やはり金はどんどん流れてくる。したがって、この前の衆議院の選挙のときに非常に金が要ったと言われて、一番悪い選挙だと言われたのですが、どうもあのときよりももっとよけい金が要ることになるのではないか。まあ暗い選挙になるのではないかということを私は心配するのでありまするが、総理、そんなことは杞憂でございますか。いかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) そういうことのないように、できるだけ努力いたしたいと考えております。
○市川房枝君 まあ総理は、公明選挙運動には御熱心で、この間の国会の施政方針の演説でも、公明選挙運動を一そう推進しとおっしゃっておりましたけれども、その現在のこの選挙界の状態は公明選挙運動で幾らかでもよくなるとお考えでございますか。
○国務大臣(池田勇人君) よくなると思いますし、また、よくしなきゃいかぬというので努力しておるのであります。
○市川房枝君 まあよくしなきゃならぬということは御同様なんですけれども、どうもよくなるという希望が私には少ないのですが、今度三十七年度の法定選挙費用は去年よりは増加しておりますし、運動はますます盛んになるようでありますけれども、一方からいいますと、公明選挙運動が盛んになった、それに対して金をよけい出すということは、それだけ選挙が悪いということになる。この間西独の選挙を、国会議員その他の方が見においでになりました報告を伺ったのですが、ドイツにおいでになって、そして公明選挙のことを聞いたけれども、よくわからないのだ、だんだん話して、そんな運動はないと言われたという御報告を伺ったのですが、実際公明選挙運動というのは一流国にはないのでありまして、これは日本の名物で、全く不名誉な限りだと思いますが、ほんとうはだからあまり盛んになることは歓迎できないとも言えるのですけれども、総理、どうでございましょう。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、外国の事情をよく知りませんが、現実に不明朗な点があるのであります。これはやはり直していく努力はしなければいかぬ。で、現実の問題をよりよくするために金がたくさんかかるということは、これはやむを得ぬことじゃないか。金がたくさんかかるからだんだん悪くなるのだという論法もいかがかと思います。
○市川房枝君 自治省の公明選挙運動の内容を見ますと、対象は全く有権者の自覚を呼び起こすということばかりに向けられているのですけれども、前に総理は私の質問に対して、候補者及びまあ議員といいますか、議員の側の反省も必要なんだ、こうおっしゃって下すったのですが、一体そっち側の反省ということになりますと、どういうことになりますか。実は今度の選挙制度の答申案を自民党のほうで、選挙の経験のない評論家に何がわかるか、選挙のくろうとであるわれわれが訂正するのはあたりまえだというようなことで、肝心な点が骨抜きにされ、違反してもひっかからないように、金は幾らでも使えるようにといいますか、まあなったみたいで、そこには公明選挙にしようという努力といいますか、反省といいますか、そういうものが認められないんだ、こういって国民の側は憤慨をしております。この点はいかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) 私は公明選挙で金のかからない選挙をしたいということは、やはり候補者が一番ではございますまいか。一番これが負担するわけでございます。だから私は候補者が一番それを考える。そしてその周囲の者も考えなければならぬ。しかし、公明選挙自体は民主主義のもとでございます。有権者ばかりではない。もう国民全部がその気持にならなければならない。しかし、まず第一になるのは候補者がなるのが一番先であります。そして金がかかって困るのは候補者でございます。そういう意味で、私は今後お互いに自粛自戒しなければならぬ問題であると考えております。
○市川房枝君 総理は自民党の総裁でおいでになりますから、ひとつその立場から国民からそういう信頼を受けますようにひとつ御善処を願いたいと思います。 時間がありませんので、少し省きまして、ことしの七月には自民党の総裁の選挙がおありになるはずであります。自民党の総裁だから、これは党内の行事だ、こう言えるかもしれませんけれども、一般の国民から申しますと、自民党の総裁が総理におなりになるので——少なくとも現状ではおなりになるわけでありますから、これは無関心ではいられない、こういうふうに考えて非常に関心を持っておるわけでありますけれども、党内とお考えになりますか、どうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 総裁の選挙は衆参両院議員、そうして代議員でやっておるのであります。しかし、党内の問題でございますが、大政党の総裁でございますから、これはやはり国民全部が関心を持っておることであり、したがって、公明でなければならないと考えております。
○市川房枝君 選挙制度審議会の第二委員会で、自民党のある特別委員の方が、一昨年の総理の総裁におなりになりましたときの選挙のことのお話があったそうであります。それで、非常にそのときに金がたくさんばらまかれたのだ、二、三十万なんというのとはけたが違って、百万円程度のものだというお話があったということを私は漏れ聞いたのです。このときのことはタイムでありますか、ニュース・ウィークにも詳しく出ておりましたが、総理もごらんになったと思いますが、買収はなかったのだ、きれいな公明選挙だったということがおっしゃられますかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は立候補を宣言しただけでございまして、自分で頼みに歩いたり、演説をしに歩いたりしたことは一切ありません。
○市川房枝君 それは総理御自身はそうかもしれませんけれども、総理を支持している方といいますか、は、間にそういうことがあったわけなんで、あったとすれば、総理はそれは私は知らないのだ、私は何もしていないのだということでは、私はやはり通らないので、やはり総理はそういう人たちに公明選挙をさせるように、私はお骨折りを願わなければならないのじゃないか。総理の選挙には公職選挙法は適用されませんから、買収があっても一向差しつかえないのだということは言えますけれども、しかし、国民の側から見れば、金のある候補者が買収によって総裁になる、そうして総理になるという印象を受けるのでは非常に残念だと思いますので、総理がこの次立候補なさるかどうかは別といたしまして、この次の自民党の総裁の選挙はそういう疑いを世間に与えないような、ほんとうに公明な選挙をするのだというふうに総理が踏み切ってそうして指導をとって下さるといいのですが、いかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) 当然のことと考えております。
○市川房枝君 当然のこととおっしゃって下さいましたから、私ども国民は一生懸命この次の総裁選挙をよく見守って、そしてそういうことのないようにしていただくようにしたいと思います。 次は、売春の問題でちょっと伺いますが、この間、二月の五日に、内閣の売春対策審議会が会合を開きまして、政府に対する要望書を提案をいたしましたが、総理はそれをごらん下さいましたか。あるいはその要望書の内容について適当な措置をおとり下さったかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 二月の五日でございますか。
○市川房枝君 はい。
○国務大臣(池田勇人君) まだ拝見しておりません。何分にもこういう状況でございますので、国会でやるのが精一ぱいでございます。
○市川房枝君 これは選挙制度審議会は、尊重しなければならないということが書いてありますけれども、売春対策はそんなことは書いてないでしょうから、まあ知らないとおっしゃっても仕方がないのですが、しかし、それだけその問題についてあまり熱意を持って下さらない。お忙しいことは重々わかりますけれども、私は非常に重大な問題だと思いますが、これは関係官庁のほうには行っていると思いますが、警察庁長官、このごろの売春状況がどんな工合か、ちょっとおっしゃって下さい。
○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。 最近の売春の状況、増加しておるかどうかというような点につきましては、確たる資料は持ち合わせておりませんが、昭和三十六年中におきます売春関係事犯の検挙は、一万八千余件になっておりまして、このうち売春婦によります勧誘等の事犯が一万余件、その他が悪質な売春をさせるような行為でございます。大体悪質な者については、検挙の実数は、前年よりも増加しているという状況でございます。 以上、その程度のことを申し上げたいと思います。
○市川房枝君 警察庁長官は、何か調査がないとおっしゃったのですが、朝日新聞で、暴力団のヒモが昨年よりも四〇%もふえている。それで、それを検挙するのには重点的にする——これは警視庁のことかもしれませんけれども——というのがあったわけですが、そうしてその中に、オリンピックに対して、少なくとも宿舎の周囲からそういう女を追放するということに努力するということを言っておりましたが、それは警察の方針としておやりになっているのですか。
○政府委員(柏村信雄君) ただいま概数を申し上げたのでございまして、売春婦によります勧誘等の事犯が一万余件、これが全体の六〇%を占めているわけでございますが、ポン引き等によります周旋等の事犯が二千八百余件、旅館業者等によります場所提供の事犯が二千百余件、暴力団関係者等によります売春をさせる経営あるいは売春をさせる業などの事犯が千二百件近くでございます。その他の事犯が千七百件、こうなっておりまして、あとで申しましたような悪質事犯についての検挙はふえているという状況でございます。 それから朝日新聞に出ておりました四〇%と申しますのは、売春犯で検挙した者で、暴力団に関係した者がその程度ということでございまして、これはむしろ全国的に見ますと、さらにパーセンテージは上がっているようでございます。また、いわゆるヒモつきという売春婦が相当いるわけでございますが、実態調査をいたしました千六百余名につきまして、そのうちひものついているのが七百二十余名、約四五%という状況でございます。われわれとしましては、売春防止法違反の者は十分に取り締まりをしていくつもりでございまするが、特に悪質な売春をさせるような者についての取り締まりを厳重にいたして参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。ただいま、またオリンピック等に関連しましての御注意でございまするが、これにつきましてもオリンピックは国際的な行事であり、また、東京において行なわれるということから日本の責任というものもきわめて重大でございます。このオリンピックには運動関係者または観光客等が相当多数入って参りますので、これをめぐりまして各種の犯罪あるいは事故等が起こる可能性は考えなければなりません。したがいまして、総合的な対策を立てまして、事故は起こさず、また、これらに対する犯罪行為をできるだけ排除するということに目下鋭意検討を進めているところでございまして、その一環といたしまして、宿舎周辺その他につきまして、売春行為等に出るようなこと、これはさらに忌むべきことでございますので、十分に注意するようにいたしたい、その方針は警察全体として堅持いたしている方針でございます。
○市川房枝君 総理に、今のオリンピックに際して、きれいにするといいますか、来た青年たちに悪い影響を与えてはいかぬということが売春対策審議会の実は要望書の中に入っているわけなんです。ですからその点はやはり私は国として道路をこしらえたり、いろいろずいぶん金をたくさん使ってやっているわけですけれども、しかし、日本の国としてはその問題も考えていただかなければならぬと思うのですが、その点いかがでしよう。
○国務大臣(池田勇人君) オリンピックのあるなしにかかわらず、売春防止につきましては努力しなければなりません。しかし、国際的のこういう行事のときには特にやはり細心の注意を持ってこれが対策を講じなければならぬと考えております。
○市川房枝君 今の状態をよくするには、やはり法律を変える必要があると思うのですが、法務大臣その後いかがですか。法律改正を前に一度お約束下さったんですが、調査が進んでおりますかどうですか。
○委員長(湯澤三千男君) 市川君の持ち時間は終了いたしました。
○国務大臣(植木庚子郎君) 売春防止に関する法律の改正の問題につきましては、われわれといたしましてもいろいろと詳細な調査を続けております。しかし、今日までの段階におきましては、いわゆる最も注目しておりますところのひもつき売春、こうした問題についていろいろの問題点がございます。こうした問題点の究明に当たりますと同時に、だんだん調べ出して参りますと、現行法の範囲内においても相当その運用によって取り締まり得る範囲がまだあるようにだんだんと研究の結果なっておりますので、ただいまの段階におきましてはまだこれは直ちに改正をすべきだというだけの結論に至っておりません。しかしながら、議員提出でお出しになっております法案の趣旨につきましては、十二分に研究をし、われわれもまたそれを参考にして善処するつもりでおります。
○委員長(湯澤三千男君) 市川君の質疑は終了いたしました。 本日総括質疑が終了する予定でございましたが、戸叶委員の質疑は明日に行なうことに相成りました。 明日は午前十時に開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後六時九分散会