文教委員会 第9号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/03/22
会議録
○委員長(大矢正君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動につき御報告いたします。 本日、片岡文重君が委員を辞任され、その補欠として、東隆君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(大矢正君) それでは、学校教育法の一部を改正する法律案(参第七号)及び学校教育法の一部を改正する法律案(参第八号)を便宜一括して議題とし審査を進めます。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○豊瀬禎一君 ただいま議題となりました学校教育法の一部改正、養護教諭の必置と事務職員の設置並びに養護教諭の養成問題につきましては、それぞれ各党から政府に今日まで質疑を続けて参っております。今日までに明らかになりましたのは、養護教諭並びに事務職員を早急に配置する必要性については、文部大臣も認められたように私考えております。ただ、本法律案に意図しておるごとく、昭和三十七年四月一日実施、七年間の養成並びに五年間で完全配置をする。このことについて、たとえば、すし詰め学級の解消のごとく、現段階では明確な青写真を持っていない、こういうことが明らかにされて参ったと存じます。今さらいうまでもなく、養護教諭が配置されないために非常に不自由をしておるというよりも、生徒児童の負傷疾病の際に、いろいろな好ましくない現象が生じておることは事実ですし、また、事務職員が過少なために、直接生徒児童の教育を担当しておる教諭そういうものがその事勝を分担させられる、そのために本務であるところの教育活動のほうに支障を来たしておる、こういう段階であることは大臣も率直に認められておると思います。そこで、まず最初に、いわゆる今日までの審議過程を通じて、養護教諭並びに事務職員を置かなければならないとする学校教育法の二十八条の精神について、現段階までに文部当局で私どもが法案を提出し、審議の過程を通じて前進した検討を加えられたかどうか、前進した検討を加えられたとすれば、どういう段階まで来ておるかどうか、大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 養護教諭を必ず置かねばならない原則が確立されておりますことは、法律上明文として規定されておりますことには一点の疑いもむろんございません。ただ、実際問題として、当分の間ということで具体的な裏づけの完成を猶予されておる状態だと思うわけでございます。この法律ができまして以来、文部省としましては、何とか「当分の間、」というのを、なるべくすみやかに解消するという考え方はずっと続いてあった形跡がございます。ただ、遺憾ながら、実際問題といたしまして、なかなか人が得られない。養成機構も整っていないせいもむろんございますが、こういう方面についての人の需要が急激に高まり、多くなってきたことにも原因があろうとは思いますものの、なかなか実現が困難な姿で今日まできておることは、建前上私は遺憾だと思っております。それで、この前の委員会でお答え申したと記憶いたしますが、せめて明年度からは数カ所の大学に養護教諭の養成断設をいたしまして、幾らかでもこの困難さを緩和するということに踏み切ろうとしておることは御承知いただいていると思います。そこで、今の青写真ということをおっしゃる意味が、今現に具体的なものがすぐごらんに入れるものがあるかとおっしゃいますと、ちょっとむずかしいことではありますが、何とか年次を定めまして、こうもしたらばこの法律の本則に近づき、完成することができようかというふうなことは、当然文部省としても考えねばならぬ課題であったと思います。そのことが、事柄の困難さのゆえではございますけれども、今までになかったことを、これまた恐縮に思っておりますが、いずれにせよ、明年度の予算に幾らかの措置をいたそうとしておりますことでもございまするし、将来を見通した一応の案というものは、なるべくすみやかに一案を持って今後の参考にしつつ前進していかねばならないと考えております。
○豊瀬禎一君 官房長にお尋ねしますが、所管の福田初中局長の出席がないのはどういうわけですか。
○政府委員(宮地茂君) 非常に恐縮でございますが、ただいま衆議院の文教委員会のほうで教科書法案がかかっておりまして、非常に失礼でございますけれども、ちょっと手が抜けませんので、お許しいただきたいと思います。
○豊瀬禎一君 政府提出の法律案ではございませんけれども、午前中からの委員長・理事会では、責任者の出席を求めて回答をしてもらうということですが、向こうは定例の会議でないのに、定例の委員会に出席されないということは穏当でないと思いますので、自後御注意を願いたいと思います。 官房長にお尋ねしますが、前回、課長にも質問をいたして途中で打ち切ったのですが、今、大臣の答弁は、学校教育法二十八条の基本のかまえと、これに対する政府の決意であったのですが、私どもが、当然、政府が企画し提出すべき養護教諭並びに事務職員の必置の法案を議員提案として提出し、すでに数回の審議を経ています。このことに対してもたびたび政府にただしたところですが、この法律案の提出という現実並びに審議の過程を通じて、今月までに初中局におきましては二十八条の精神実現、裏を返すならば、私どもの提出する法案の実施に対する検討がどの程度進められておるか、御答弁をお願いいたします。
○政府委員(宮地茂君) 学校教育法の一部改正で、中身は事務職員についてと養護教諭についてでございますが、先ほど大臣からもお話がございましたように、御指摘の学校教育法二十八条の規定によりますと、特に事務職員のほうは、やむを得ない事情があれば置かないことができる。しかしながら、養護教諭のほうは「置かなければならない。」という必置義務が二十八条に課せられております。ただ、「当分の間、」は附則のほうで「置かないことができる。」というふうにはなっております。そういった意味からいたしまして、社会党から御提案いただきました法案を待つまでもなく、文部省、政府におきまして、十分この学校教育法の趣旨にのっとって検討すべきことはもちろんでございます。まあそうした前提におきまして、遅々とした進め方しかできていないという実態に対しましては、申しわけなく存じております。しかしながら、ただほうっておるということだけではございませんで、事務職員、養護教諭いずれも標準法の改正、あるいは特に養護教諭につきましては、養成の問題等につきましても来年度は五大学で三十名ずつ百五十名の者を養成するといったような少しずつの前進はいたししおります。ただしかし、それでよろしいんだという考えには毛頭立っておりませんで、来年度の予算的な事項としては、養護教諭につきまして五大学に三十名ずつ百五十名とはいたしたものの、さらに再来年度、次の年度等のことも考えまして十分に検討を進めて参っております。ただ、今すぐこういう結論に到達いたしましたというほどのものをお示しできないのは遺憾でございますが、検討いたしました過程のことを、もし必要でございますれば申し上げてもよろしいかと思いますが、一応そういう状況で進んで参っております。
○米田勲君 関連質問。文部大臣に一つお話をしたいのは、先日の文教委員会に、予算委員会との関連があって、どうしても文部大臣の出席を向こうで要求しておるので何とか協力してくれないかという野本理事の話もあったので、僕らとしては、従来そういうことを承知したことはないのであるが、文部大臣が特に予算委員会のほうに行くことを了承して、そうして政務次官と福田初中局長がそこにかわってすわった。そうして、われわれの千葉委員の質問に福田初中局長の答えたことは、少なくとも今、大臣が答えたことは全くその熱意において違う。特に彼の答弁した中で気に食わないのは、この「事務職員を置かなければならない。」というのと、ただし書きとは同一法律の中にある、どちらをどう見てもいいんだ。置かなければならないというほうが原則であって、これを当分の間置かないようにしているのは、その他の事情によってやむを得ずやっておるのだというところの主張に対しても反駁しておる、逆に。しかも、その答弁の中には、教員の定数問題が、すし詰め教室解消の計画からいって三十八年度でないと解決がつかぬので、それまではそんなものは——そんなものという言葉を使わないまでも、われわれの印象としては、そんなものはまだ取り上げる段階ではないと、けんもぼろぼろな答弁をしておるんですよ、大臣。おそらくそのときに大臣が同席しておったら、ああいう答弁と今の大臣の答弁は、ものすごく大きく食い違いがある。官房長の今の答弁とも福田初中局長の答弁は開きがある。これはどうも担当の初中局長が、事務職員や養護職員の配置の問題に対して熱意がない、ほとんど。全く計画性を持っておらぬ。それをできるだけ早く計画を立ててわれわれに示してくれといっても、それは当分そういうことはできそうもないという答弁なんだ。これは一体文部省の中の官僚の連中のものの考え方と、大臣が政治的にここで答弁していることとの間には相当の開きがあるのじゃないか、この問題の処理に対して。私はきわめて遺憾であるので、文部大臣は、特に初中局長が前回の文教委員会で何とわれわれに答弁をしたのか、速記録を後日調べて、そういう官僚の委員会における答弁は大臣の意思とは違うんだということをもう少し明確にしてもらいたい。幾ら大臣がわれわれに積極的なような答弁をしても、それを組み立てて実現の段取りをするのは官僚なんだ。その官僚が全く大臣と違うような熱意のないことを平気で答弁をしておるということについてはきわめて遺憾である。以上申し上げます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと、同席していませんで、ニュアンスが受け取れないんですけれども、米田さんのお話のとおりだとしましても、初中局長はまだ新米だから、ひとつでかんべん願いたいと思うわけですが、現実に段取りがついて、予算措置は必ず大蔵省を説得して見せるという段取りがある場合のせりふと、それがない場合は、少しニュアンスが違うかと思います。しかし、いやしくも法律に一つの理想の姿を打ち出しております以上は、それを実現する努力をすることは政府当局に課せられた課題だと思います。そういう常識はむろん文部省の役人はだれでも持っておりますけれども、米国さんか、千葉さんかにお尋ねされて、あまりすぐでもできそうなことを申せば、さっそくそれが実現できなかったときにしかられそうだというおそれが先に立って、警戒し過ぎた表現が出たんじゃないかとまあ想像するわけですが、政府委員がどう申しましょうとも、法律の条文は明記されておるところでありますからごまかしようがない、当分の間にという規定に便乗して、いつまでもほっとくわけには参らない道理であることは私から申し上げるまでもないと思います。速記録を見るまでもなく、私は法律上、政府に課せられました課題は誠実に実現する努力を続けていく、一挙にできないまでも、漸進的にそれが実現に向かって邁進するということは、これはもう当然しごくの責務と心得ております。
○米田勲君 もう一度だけ。文部大臣は官僚の答弁を聞きもしないでカバーしておるようであるが、われわれはこのときに、千葉委員に対する答弁はあまりにひどいので、関連質問をして私は聞いた。そのときには、もちろんこの事務職員にしても養護教員にしても、これの配置を全体にしていく計画というものは、たとえ文部省が立てても、一気呵成にそれを実現するということはいろいろな事情からいって無理だ、それはわれわれわかるんだと、しかし、それを実現する熱意を文部省自体が持ち、そして、その年次計画を明らかにして、そうして大蔵当局などに対して強力に当たっていくことなしには、いつの日にか実現しないんだと。それを、三十八年まで定員が学級編制の問題、すし詰め解消の問題がかかるので、そんなことは考えている段階でないという答弁をしておっては、それからあと年次計画を立てて一つ一つ実現していくというのに相当期間がかかるということをわれわれが同情して、立場を考えて言っているにもかかわらず、全く不誠意な答弁をしておるんです。大臣と並んできょうもそこにおったら、僕はどなり散らしてやろうかとさえ思う。全く熱意のない答弁をしておる。これは大臣、速記録を見て下さい。そういう、あなたのいない留守にいいかげんな熱意のない答弁をされれば、われわれだって黙っていられない。今後ひとつ十分に検討してもらいたい、こういう政府委員の質問に対する答弁を。
○委員長(大矢正君) 私からも文部大臣に一言申し上げておきたいと思いますが、先日の当文教委員会における初中局長の答弁というのは、第二十八条の「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」と前段にはうたっているが、「但し、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができる。」という、このいわば考え方をどちらにウエートがかかっているんだという質問に対して、それは五分と五分で、置けというのも五分だし、置かなくてもいいというのも五分だという答弁なんです。ですから、それじゃ原則的には置かなければならないということではないのかという質問に対しては、そんなことはないという答弁。同時にあわせて、将来、その小中学校の生徒というものが非常に減少するということから考えると、なかなかこれは養護教員にしても、あるいは事務職員にしても、数をこれから早急にふやすことは考えられないことだと言わぬばかりの答弁があったわけです。そういう答弁とあなたの答弁とは非常に食い違いがあるということで、米田委員がさっきから発言されているんじゃないかと私は思うのでありますが、文部大臣にあらためてひとつ御答弁をお願いしておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっきも申し上げましたように、法律に基づいて行政を担当するのが行政府の責任の限界だと思うわけであります。法律どおりになるべくすみやかに実現する努力をする、それがわれわれの務めだと心得ます。ただ実際問題にしますと、なかなか容易じゃないものもありますし、割合に簡単にいくものもございますけれども、それは現実の問題であって、建前、心がまえとしては、常に将来も見通しながら極力実現をはかる努力をする、そういうことにあると思います。
○豊瀬禎一君 今の末委員長並びに米田委員の応答で、大体、大臣の答弁わかりましたが、なお、私からも要望いたしておきますが、一番当初、審議に入りました際に、私の質問に対しても、今、米田委員が指摘したような趣旨の答弁を福田局長がしたけれども、後段になって、大臣がきょう答弁されたような趣旨を答弁し直された。当初の答弁は、今、大臣が言われたように、なれないとか、あるいは慎重を期したという善意に理解してもよろしいのですが、その後、文部大臣の学校教育法二十八条の精神に対する答弁があった。その後の二十日ですか、二十日の委員会において、文部大臣の答弁後、福田局長がその答弁の精神と異なる答弁をしたというところに問題があると思うんです。これはいずれ私ども、局長がいませんので、両方の速記録を調べまして、あらためて問題にいたしたいと思うんですが、当初、事務当局がそういう慎重な答弁をすることも、あるいはやむを得ないことかもしれませんけれども、大臣答弁後、法律の解釈に対しましては、きちんと一貫した方針で進んでいただかないと、大臣がいなくなると、局長等が大臣の答弁の内容さえもくつがえして勝手な答弁をする、こういうことでは、私どもとしては審議を進めることに非常に支障を来たしますので、あらためて、この点につきましては米田委員指摘のとおり、速記録をお調べ願って、必要な御措置をお願いいたしておきたいと思います。 官房長にお伺いしますが、私は十三日であったかと思いますが、第一回の審議に移った際に、従来、学校教育法二十八条の精神に対する委員会あるいは本会議等で決議が行なわれております。この決議に対して、具体的な検討並びに予算措置に対してどういう経緯をたどってきたかという質問をいたしましたけれども、このことに対しては委員長の注意もありまして答弁に至っておりません。私は二十八条の実現に対して、百五十人程度の養成機関の設置という事実は踏まえております。この事実を踏まえて、私はこれでは不十分であるというので議員提案をしているわけです。したがって、百五十人の養成措置をしたということは、すでに本委員会の討論の素材にならないことである、少なくとも私ども出している法律案の審議に対しては。したがって、そのことではなくして、法律案提出後、百五十人の問題は過去においてどういう前進の検討を今日まで加えてきたかということですね、私が質問しているのは。それと、従前、二十九年ですか、年次は忘れましたけれども、本法が施行された後に、たびたび養護教諭は置くべきである、事務職員は必置すべきであるという趣旨の衆参両院の、特に参議院における決議等に対する措置並びに今申し上げました本法案提出後、本法案の実施可能性についてどの程度の検討を加えてきたか、この二つの御答弁をお願いします。
○政府委員(宮地茂君) 多少冗漫にわたるかもしれませんが、一応御質問でございますので、私のほうで計算等をいたしました実情を御説明いたしまして、結論を申し上げたほうが御理解に容易であろうと思いますので、恐縮ですが、説明さしていただきます。で、現在分校を除きまして、学校の数は小学校が二万二千四百七十八校、中学校が一万一千四百三十七校ございます。学校教育法二十八条の趣旨からいたしますと、養護教諭は一日も早く必置の線に近づけるのが趣旨であろうと思います。したがいまして、この趣旨から申しますれば、今申しました学校に、全部少なくとも一人の養護教員を置くのが、これが趣旨であろうと存じますが、そういう前提に立ちまして、いろいろ養護教員の養成と需要供給の関係も調べてみました。ところがこの数字は非常に、先ほどおっしゃいました百年以上も二百年にもなるような数字になりますので、多少そこにクッションを置いたような格好になりますが、かりに全部の小学校、中学校というのではなくて、小学校でありますれば、一学年は少なくとも一学級持っている小規模の学校といたしますと、小学校は六学級、中学校も各学年に一学級を持っている最低の規模の学校というのでございますれば、三学級の学校であろうと思います。したがいまして、小学校は六学級以上、中学校は三学級以上の学校に養護教員を置くとした場合どのようになるであろうか、申し上げますと、小学校六学級以上の学校は現在一万七千三百四十八校ございます。中学校は三学級以上の学校は一万一千六十八校ございます。これらに対しまして、養護教員を置いていくという場合に、現在の養護教員数は小学校におきまして九千三百九十名、中学校におきまして三千五百四十二名、計一万二千九百三十二名おります。しかしながら、この養護教員の中には、教諭というもののほかに助教諭、養護職員等も含めた数字でございます。しかし、それも一応まあ養護教員というふうに数えまして、そのとおりになります。そうしますと、先ほど申しましたそれぞれの規模の学校から、現在の養護教員数を引きました数字、これが小学校が七千九百五十八名、それから中学校が七千五百二十六名、合計一万五千四百八十四名という数字が出ます。ですから、現在、養護教員がいる職員数から置くべき学校数との比で、要するに差引一万五千名余りの養護教員を養成しなければいけない。これを充足し、供給していかなければ、今申しました前提としての小学校六学級以上、中学校三学級以上の学校に養護教員一人を置くことができないわけであります。それでは現在の供給数はどうだろうか。これは現在養護教員の養成は大学、短期大学、あるいは指定養成機関、こういったようなものからそれぞれ養成されておりますが、いわゆる指定養成機関は養護教員の免許状を持つ者が大体二百名足らず、二百七十九名くらい、これは三十六年六月三十日現在の調べでございますが、二百七十九名免許状をもらって卒業していく、ところで、就職する者はそのうちの約半数弱、百三十七名でございます。それからこの指定養成機関でなくて、一般の大学、短期大学で単位をとれば養護教諭の免許状がとれるようになっている、そういう学校について見ますと、一免許状を持って出る者が二百八十八名、そのうち就職する者が四十三名、したがいまして、大体年間百八十名しか就職していない。それに高等学校を卒業してすぐ養護助教諭のような格好で就職する人が二百名くらい、合計年間四百名足らずの者しか就職いたしておりません。こういうようなことから、先ほど二十九年来の決議とおっしゃいましたがそういう実態でございますので、何とかして養護教員を充足していきたい、そのように年々考えまして、養護教員養成についての予算要求等もいたしておりましたが、あまり実りませんでした。それで、先ほど御指摘の三十七年度は五大学に三十名ずつの合計百五十名の者を養成しようということが初めて予算的に実りまして、二百六十五万余りの予算が計上されておるわけでございます。そういう前提に立ちまして、それではこれから五大学で百五十名のものを養成していく、それに先ほど申しましたような年々今まで養成しておるものを足していきますと、今後六十年ばかりはかかる。それではあまりにも長い。これはただ数字の上だけで、六十年では長いから十年くらいでやれと、そうしますと、それの六倍の養成をすれば簡単に数字は出ますが、先ほど来、大臣も申しておりますように、いろいろ、法律の建前はなるほどそのとおりでございますけれども、養護教員のほかに事務職員もございますし、そのほかすし詰め学級の解消とか、一般教員の充足等いろいろ関連して、均衡のとれた充実をはかる必要のある職員も多々ございますので、先ほどの五大学に百五十人というのはきまったんで、それより前向きにどうだとおっしゃいましても、これは連日のごとく大臣にも申し上げて事務当局で検討いたしておりますが、目下のところ五大学百五十名で六十年、これをもう少し縮めたい。そのためには養護教員の養成の数をふやす必要もございましょう。しかしながら、一方におきまして、これは議員提案で、いまだ出ておりませんが、仄聞するところによりますと、養護教員養成所のようなものを新たに作ったらどうかというようなお考えもあるやに聞いておりますが、そういうこともかねがね検討いたしております。続いて高等学校を卒業しまして、短期大学に相当するような養護教員養成所を作りましても、二級免許状しかやれない。はたしてそういうところへ、最近女性の進出する職場も多い現在、はたしてそれで魅力を持っていい学生さんが来てくれるであろうか、そういう心配もございます。それからまた、いろいろ国で養成するよりも、県等でいろいろやるのも一つの案ではなかろうかといったような、いろいろざっくばらんに申しますと問題点がございまして、日々頭を悩ましつつ、しかも今、先生から御指摘のありました五大学百五十人以上のことを頭に置きつつも、まだそれではこれを二十年でやりますとかといったその結論にまでは到達していないということでございます。
○豊瀬禎一君 今の答弁の趣旨を聞いてみますと、取り方によっては、養成機関はあるところでは免許状を持っておるのが二百七十九、そのうち百三十七名就職した。二百八十八名の卒業者に対して四十三名しか就職しなかった。だから養護教諭になる希望者が少ないから、今日まで当分の間というのが昭和二十二年から三十六年まで放置されてきておったのだと、こういう意味にも取れるような御答弁があったんでなくして、あなたの今の答弁の趣旨は、鋭意努力しておるけれども、結局こういう過小の養成措置では、先ほど大臣が答弁された二十八条の精神充足には不十分である。こういう見解の答弁と承ってよろしいですか。
○政府委員(宮地茂君) 今の養護教諭は、趣旨は置かなければならない。ただ、附則で当分の間置かなくてもいい。このことを別に申し上げておるわけではございませんが、あえて私が説明した中から、そのようにおとりになりましたから、弁解がましいですが、申し上げさせていただきますと、これは養成もなかなか追いつかぬであろうということも一つの原因でもございましょうし、国家財政の折から一躍無理ではなかろうかといったような面、いろいろあろうかと思います。それで、まあ私どもといたしましては、法律の趣旨はなるほど一日も早く実現しなければいけない。しかしながら、実態は今申し上げましたように、なかなか困難な面もあろう。しかし困難だというので拱手傍観すべき問題ではない。だから、むずかしいことではあるけれども、今までよりも前進して、五大学に百五十名というものも考えました。しかし、それでもなおかつ六十年もかかるような計算になりますから、もっと具体的に、五大学百五十名じゃなくって、もっと養成していきたい。いろいろ養成の仕方はあろうかと思います。しかし、それをただ六十年をもっと、十年にするとすれば六倍というふうに機械的に養成所を作るといっても、それはなかなか、免許状を持ってもそのとおり養護教諭になってくれない実態もあるので、検討をしておる段階でございますと、まあ何か要約した言い方になりましたが、そういう言い方で申し上げたわけでございます。
○豊瀬禎一君 大臣にお尋ねしますが、今、官房長が二回にわたって答弁したことは、もしかりに免許状を取得し、あるいは養成機関を出ても希望者が少ない、就職する希望者がなかったということは、いろいろな条件があると思いますが、最も大きな条件の一つは、昭和二十二年に学校教育法が制定されて今日まで、二十八条の精神の実現に対して政府がきわめて遅々たる歩みをしておった。もっと端的な言葉を申し上げると、歴代内閣と申しますか、文部当局は怠慢のそしりを免れない措置をしておった。したがって、当分の間という今までの常識解釈、あるいは特別の事情があるという事務職員に対する規定は、だれが考えても、福田初中局長が答弁したとするならば重要問題ですが、五分々々の関係であるべきでなく、当然の本法の精神が何かきわめて特殊な事情があるというふうに理解すべきである。それが今日までそのことを、政府が誠意をもって具体的な施策の中で二十八条必置の精神を、養護、事務職員ともに進めてこなかったために、養護教諭希望の人、あるいは事務職員になりたい人たちが、この実現に対して政府の誠意を疑うがゆえに少ない、このことの大きな理由である、このように判断すべきだと思いますが、大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 結果的には怠慢と非難されてもやむを得ないと思います。しかし、また反面非常にむずかしいことであったから、結果的に怠慢という結果になっておるともいえると思います。戦前の日本の教育制度の中におきましても、二、三日前に仕入れました常識でございますが、養護訓導という制度があった。しかし、数十年がかりで、ついに当分の間置かないことができるとあったのを解消できなかったことぐらいにむずかしいことだということは、内容はよくわかりませんけれども、むずかしさだけは私はよくわかると思っていますが、なぜむずかしいか、むずかしさの具体性をとらえまして、それをむずかしくないようにするのには、どういうことをどんなふうにすればいいかということも私は知りたいことですけれども、それも必ずしも明確に実情を把握した根拠に立った資料も十分にはないような実情でございます。よかれあしかれ、そういう実情に立って、先ほど来申し上げますような意図を実現するという気持だけはあるんですけれども、官房長が御説明しましたような程度の御説明しか現在のところはできない。しかし、もし豊瀬さんの御説のごとく、昭和二十二年以来、むずかしくはあろうけれども、こうもしたらと、必ずしもそれが実現するということじゃないにしても、青写真を持ったりしておれば、もう少しテンポが早まっていはしなかっただろうかとは思います。だから、そういうことを期待する意味だけでも、今から青写真を一つ考えたらどうだということを事務当局に指示しているところであります。
○野本品吉君 今まで豊瀬委員の質問を通じて私どもも共感する点があるわけです。それは学校教育法二十八条の精神にのっとって、もっと文部省が今まで積極的にやるべきであった、それが足りない。この点についてはわれわれも同感です。そこで、もっと前向きにこの問題に取り組んでもらいたいというのが私どもの希望です。先ほど豊瀬委員の質問に対しまして、大臣はもっと前向きに具体的に検討する考えであるという御答弁があったわけですが、それは間違いありませんでしょうね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 間違いございません。私は養護教諭の問題のみならず、小中学校、大学あるいは社会教育、スポーツ、もうことごとくについて、これは文教行政に限らぬこととは思いますが、いやしくも行政府というのは、計画経済を実施しているのじゃないけれども、行政府としては、こうもあらしめたいという、一つの目標というものを常に持っておるべきものだ。それがそのとおり実現するということじゃないのですけれども、条件が許すならば、こういう見通しのもとにここまでいきたいものだというものはあるべきものだと私は思います。常識的に、そういう角度から見ました場合、義護教諭の問題が一番ウイーク・ポイントだと、文部行政の中でその一つであるというふうに私は発見したのであります。だから、その発見に立って、先刻お答えしたような気持で事務当局にも指示し、今からでもおそくないという言葉があったようですが、そういう考え方で一つやりたいものだ、かように思っております。
○野本品吉君 そこで、先ほどこれも大臣が御答弁なさっておるのですが、近く青写真的なものが発表ができると思うと、こうおっしゃっているのですが、大体それはいつごろできるか、ここでおよそのめどはつきませんですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっといつまでというめども私自身つきかねますが、さっきも申し上げましたように、むづかしいことであるのは確かであります。それはもう数十年来の実績が明らかに証拠立てておる。さりとて、むずかしいということだけで、内容がわからないままじゃ放置できない。どういう条件がそろわないからむずかしいのか、一々それを調べ上げまして、できるだけ根拠のある資料を裏づけまして、青写真を作るとなれば容易のわざではなかろうかと思います。もし、さしあたり今そろえておる、とらえ得ておる条件なり材料に基づいて、希望的観測を含めてでも、かくもしたいというものならば、そう長い時間をかけないで、日数をかけないで、一応の案は作れるのじゃなかろうかと、これは私の常識的な判断にしか過ぎませが、それをスタート・ラインにして、さらに年々歳々、より現実的なものに育て上げをしていく、そのスタート・ラインだけはなるべくすみやかに作ってしかるべきものじゃないかと思います。しからば、いつまでとおっしゃいましても、ちょっと申し上げにくいのですけれども……。
○野本品吉君 これは官房長、事務的に見てどうですか。
○政府委員(宮地茂君) 実は今、大臣からも話しましたように、いろいろむずかしい問題が多うございますので、出します青写真には、やはり政府としても相当の覚悟で臨む必要もありますし、また責任も当然感じますので、大臣のおっしゃいました青写真というものの性格にもよりますが、今いつまでといわれても、にわかに答えがたいと思いますが、ただ誠意をもって至急やるべきことだと思うわけですが、誠意をもって至急やりたいと思います。
○野本品吉君 なるべく早くということでありますが、この問題のこういうふうに論議されておるというのは、社会党の提案されました養護教諭の必置制に関する法律に関連をしての問題でありますから、この法案の審議の途上においてそれが示されるのでなければ、たいした意味はなくなると思うのです。そこで、われわれとすれば、この法案審議の途上において、なるべく近い機会において、たとえ完全無欠なものでないにしても、一応の試案的なものの発表がいただければ非常に都合がよろしい、こう思うのですが、これは官房長、どうですか。
○政府委員(宮地茂君) これは、文部省独自の試案と申しましょうか、まあどうも、とかく私ども事務当局としましては、一応、申し上げたことが直ちに文部省限りでできない、大蔵省のほうとの財源折衝も必要でございますし、そういった意味から断言することができにくくなりがちなわけですが、まあその辺を御了承の上、大蔵省とどうだということは、これはまあ今後の努力に待つんだと、文部省として、いわゆる文部省だけの熱意のある試案ということでありますれば、しかも、まああまり緻密なものでないということでございますれば、今、野本先生のおっしゃいましたような、期間内に早急にある程度のものならお出しできるかと思います。しかし、くどいようですけれども、相当前提を置いた試案であるということに御了承いただきたいと思います。
○野本品吉君 いずれにいたしましても、ただいま私の申し上げましたように、この法案審議の途上において、できるだけ近い機会に、たとえそれが試案的なものであるにしても御発表願いたいという希望を申し添えておきます。
○委員長(大矢正君) 千葉委員にお願いしておきますが、法律案の具体的な内容の質問ではなくして、政府がどういう誠意を具体的に示すつもりかということに集中して御質問願いたいと思 います。
○千葉千代世君 はい、承知しました。大臣に伺いますけれども、先ほど大臣は、必要なことはわかっている、だけれども、むずかしいから「当分の間」云々ということが削除できなかった、こういうふうにお話しであったのですが、これはむずかしくしておったんではないかと考えるわけです。たとえば養護教諭の免状を持った方がたくさんおりながら、各県で採用するときに、年令が少し多ければこれはだめとか、いろいろ給料が多ければだめとか、内規的なことに制約されておったのではないか。具体的には、東京都で教員を採用する場合の選考試験を行ないますが、そのときには年令は三十以下、身長は百五十センチ以上とか、こうきまっているわけです。そうすると、三十二になる人が入りたいといっても、これは年令的にはばまれてしまうわけです。それから、もう一つは、選考の試験の問題でございますけれども、やっぱり養護教諭という特殊な教員の立場でございますために、養護教諭に関する問題、一般教育その他ずっと合わせて行なうわけですけれども、この試験の出題を見ていきますと、これは重点の置かれ方が多少異なっておるのです。そこで、東京都では皆さんと相談して、意見を教育委員会に出して、教育委員会では、それでは養護教諭の選考についての、特に養護に関する分の出題は保健課に一任するとか、こういうふうに、保健課長その他が入って出題の委員になったのです。で、いろいろの面から養護教諭を多く得るための努力がされておるわけなのです。で、非常にそれが効を奏しまして、東京都では全国一の配置率を持っているのです。これが各県にいきますと、なかなかそうはいっていない。ですから、現実には養護教諭の免状を持っていながら、そういうふうな内規的なもの、あるいは申し合わせ事項にはばまれて採用されない。ですからいることは事実ですね。養護教諭の免状を持っていることは事実だ。採用の方法についてもまだ考え方が足りなかったのじゃないかという点が一つと、それから実績主義でありますために、一つの県が養護教諭をもっとほしいと思いましても、その県では、今まではこういうことだからこれ以上の算定基礎の中に入っていない。特に小学校千五百人、中学校二千人とか、こういう基準があります。その上に県の実績主義がありますものですから、これがなかなかこの壁を破れていない、こういう点で困っている。そういうふうなむずかしさというものは、もう人為的にお互いに努力していけば、幾らでも打開できるにかかわらず、教員を採ります場合になりますと、まず一般教員ということが優先していきます。ですから、最後に余ったら採ろう、非常にいけない考えですけれども、教育者としての責任、お仕事については、その性質はほとんどみな同じでありますにかかわらず、ただ教壇に立つ者、その者を優先する、これがいつまでも抜けないために、定員が足りませんと、どうしても食い合っていく、ひどいのになりますというと、養護教諭の名目であって、実際は英語の先生を採っておった、こういう例が二、三件あった。それが裸にされまして、そうして究明されて改革された、こういう県もここ二、三年あるわけです。そういうふうにいきますというと——ですから非常にむずかしいということは、努力のしよういかんによって解決できる問題があったのではないかということが一つ、この件について大臣の答弁を伺いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、千葉さんの指摘されましたことも、一つの普及しない原因だと思います。その他いろいろあろうかと想像されるのであります。もし一応、確信を持てる案でないにしましても、文部省の立場において案を作るとならば、一年かかってできるか、二年かかってできるかわかりませんが、各都道府県、市町村の教育委員会等を通じて実態把握、今おっしゃったような実情も含めての実態把握をして、そうしてそれぞれに応じて処方箋が書かるべきでありまして、その上に立った一つの試案が一応信憑性のある、具体的裏づけのある青写真の一つとなって仕上がると思います。そういうことが今できませんわけですが、したがって、そういう実態把握の具体性を持ったこまかいところにまで注意の行き届いたところの実態把握というものが計画的になされないでおるということのために、たとえば大蔵省と予算折衝をするにしましても、断じて口説き落としてみせるという自信がわいてこない原因でもあったろうと思いますし、言いかえれば制度の上の問題もございましょうし、実情把握が不十分なために切実さが出てこないという、いろいろな意味でのむずかしさが集積されて今日まで思うようにいかない、こういうふうに想像されるわけでございます。そういう前向きの調査等にも着手する、その調査の成果が上がるに従って、青写真はだんだんと現実性を持ってくるというふうな努力をし始めたいと、こう思っておるわけであります。
○千葉千代世君 それから宮地官房長に伺いますけれども、養成計画を立てて募集してもなかなか来手がないのじゃないかという御心配の向きをさっき言われましたですが、三十七年の三月十五日ですから、この間ですね、文部省大学学術局からの資料が出ておりますが、それを見ていきますと、大まかにまあ北海道、岩手、宮城、山形、埼玉、神奈川、新潟、愛知、近畿、大阪、岡山、鹿児島、これらの養成所の大まかなものを見ますと、入学定員が四百名でございますね。それに対して志願者が八百三十五名と、こうなっておるわけです。ですから、その一つを見ましても、志願者が足りないということではないわけです。それから各民間にございます養成所、たとえば蒲田にあります衛生短期大学でございますとか、その他保健婦養成のところでこれを併置しておりますけれども、そこでは非常にやはり志願者が多くて今は困るというのです。ただ就職について、先ほどのように就職者が少なかった点がございます。これはさっき申しましたように、各県のやはり定員にはばまれて、選考試験のときに採る人数が少ないから入らないわけなんです。ですから、たしか昨年か一昨年と思いましたが、北海道では全校にこれを必置すると、こういう案を北海道教育委員会が立てました。ところが、人数がこれは足りませんでした。それから山形、東北の養成所を出た方、あるいは免許状を持っておうちにいらっしゃった方、そういう方を年令に関係なく北海道では採るから、海を渡って来てもらいたい、こういうことがあったわけです。ですから、教育委員会の頭の向けようによっては、そういうふうに採用の範囲を全国的に広げていくという、こういうふうな打開の方法も講じられたわけなんです。で、官房長がさっきおっしゃったように、なり手もなさそうだし、百五十名で六十年、そんなばかげたことをここで論議する必要はないと思います。これはさっき豊瀬委員がおっしゃったように、学校教育法が出ました二十二年、そのときに「当分の間」とございましたが、それ以前に、養護訓導令が発布されました昭和十六年に、やはり「当分の間」というのが載っておったわけです。これはくどいようですけれども、「当分の間」というのは、人を得られないから、これは早期に、少なくとも五年くらいのうちにこれを満たすようにという、こういう話し合いの末に、「当分の間」がしぶしぶながら了解されて載ったと、こういういきさつがございますので、これは養成についてそうのんびりした考えを持たれては困ることと、それから養護教諭の必置ということがうたわれて、これがきまっていきますというと、これはどうしても政府の責任でもって、六十年計画でと、そんなべらぼうなことでなくて、やっぱり民間、それから現在ある制度、これから国立を伸ばしていくとか、多方面にわたって総合的にやはり計画が立られていかなければならないのじゃないかと、こう考えておりますけれども、いかがでしょうか。官房長、あまりのんびりおっしゃられたのでは、何か十里も先でものを言っているようにしか聞こえないのですが、もう少しはっきりとしたやはり内容を出していただきたい。
○政府委員(宮地茂君) 私が先ほど申し上げましたのは、実情において二百名ばかりの就職者がある。それに高等学校を卒業しただけで助教諭におなりになる人が二百名ぐらいある。まあ四百名ぐらいの者が卒業していく、それに来年プラスして五大学の三十名ずつ百五十名の者を養成していく、それを、学校の数と現在の養護教諭とを差し引いた数を、今申した数で割ってみれば六十年になります、ということを申し上げたわけでございまして、前向きの姿勢云々とは一応別の問題で、実態を申し上げたわけでございますが、ただ、先生の御指摘の資料等によりましても、たとえば北海道等は、差し上げた資料でもおわかりになりまするように、北海道札幌女子教員養成所で、入学定員五十名のところ志願者が十五名しかない。入学した人が十三名だといったような実態、これは北海道が特に激しいのでございまして、あとの県に至りますと、北海道ほどではない。したがって、北海道以外の卒業生を北海道に回したらいいじゃないかというようなお話、これはもちろんごもっともで、私どものほうとしましても、そのようにいたしたいと思いますが、多少立ち入りますけれども、どういうものですか、日本人の習性でございましょうか、外国では、特にイギリス等では僻地へ進んで行かれる先生が多い。都会地よりも僻地に就職希望者のほうが需要数よりも多いというふうにさえ聞いておりますが、日本では、どうも僻地には先生方が行きたがらない。まあそういうことで、理由はいろいろございましょうけれども、少なくとも現状においては、そういう実態でございます。そういうようなことから、今、千葉先生の御指摘のように、全国的に、養成所はどこにあろうとも、供給の面では全国的にやるようにというようなお話もございましたし、そのようにいたしたいと思いますけれども、なかなかむずかしい問題であるということでございます。それから養護教諭の免状と看護婦等の保健婦の免状、これを両方とれるようにしてあるところがむしろ多いわけでございます。養護教諭プロパーの養成機関というのは、ごくわずかしかない。そういうようなことで、養護教諭よりも——養護教諭と看護婦では俸給がそう違わないのですが、むしろ、私どもが計画いたしております来年からやろうとする看護婦学校を卒業して看護婦免状を持って養護教諭になってくれれば、看護婦ですぐ就職する人より二号ぐらいよくなるはずで、その面からすれば、看護婦よりも養護教諭のほうに来てくれそうな気がいたしますが、ともかく、両免状を持った人は必ずしも養護教諭になっていないという関係がございますので、そういう実情から養成計画を立てるとしましても、歩どまりというものがなかなかむずかしい。百人卒業させれば、せいぜい歩どまりを九割ぐらいに見たいところですが、なかなかそう参らない。まあ半分ぐらいに見ておかなければいかぬのじゃなかろうかといったような問題もございますし、それからまだ、これはあまりいい例ではございませんが、来年度からやろうとして計画しております五大学につきましても、あるところでは、入学定員三十名に対しまして、締め切ったところ三十名に足りないというような実情もございますので、そういういろいろな点から、なかなか養成はむずかしいということを申し上げた次第でございます。しかし、そういうむずかしさを乗り越えて、そういうことを克服できるような案をもちろん検討しなければならないのは当然でございます。
○千葉千代世君 今の養成計画、民間、国立、公立を問わず、総ざらいして、ひとつ養成計画を立てていくと一緒に、特にこれは国の責任でもって養成していくということを重点で進めてもらいたいということと、それから現在、免状を持っていながら市町村支弁でいらっしゃる方、養護職員でございますが、養護という身分でありますが、そういう方は四千人をこしております。そういう方々を任用していく、こういうような総合的な案でもって必置の方向へ努力していただきたいということを要望して質問を終わります。
○豊瀬禎一君 大臣に、まず質問する前に説明いたしておきますが、今、千葉さんがいろいろの角度にわたって説明したことは、官房長ですから反問しませんが、福田初中局長、初等中等局にはちゃんと資料があるのですよ。定数基準が悪いために、養護教諭と普通の教諭とが競合して、養護教諭をなかなか採用しない状況ができてきたり、あるいは養護教諭必置の具体的プランがないので希望者が少ないのですが、条件については、初中局では調査というものが、るる説明しなくとも資料をお持ちです。そういう点を十分検討されて、根幹は、大臣が冒頭に答弁されたように、二十八条の精神、すなわち養護、事務職員を置かなければならないというこの精神さえ、しっかりふまえていただいて、そして、そのために具体的にどうするかという腹さえきまれば、あとは私どもがあなた方に対して資料を提供しなくとも、当然の責務としてその資料はあるはずです。そこで、野本委員の質問と関連してきますが、私どもとしては、三十七年四月一日をもって本法律案の施行を期待しております。したがって、事務職員並びに養護教諭ともに、本法律の成立は三月三十一日を期待しておるわけです。で、十分、地方教育委員会等の資料をもって調査を待つのに、一年かかるか、二年かかるかということでなくして、少なくとも、三月三十一日以前に法律案を成立させるために、必要な時期に、二十八条の精神、あるいは本法律の精神にのっとって青写真の大綱を策定し、本委員会における法律審議の資料に供してもらいたいと思いますが、そういう作業を大臣として所管局に対して命じ、資料を提出していただけるかどうか、御回答を願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 資料を提出するようにいたしましょう。ただし、先ほど来申し上げましたように、もっとその前にこの養護教諭の問題については、これは内部事情にしかすぎませんけれども、養成の関係は大学局、その配置される学校は初中局、保健体育のことは体育局、三局にまたがっておりまして、そのこともまた青写真作りに事務的にはむずかしい点もあったろうかと私は想像しておりますが、しかし、この三者が一緒になって協力するのでなければなかなかできません。また時間的に制約がございますから、ずさんだとおしかりを受ける部分が多分にあるものしかできないであろうという懸念を私は持っております。ですけれども、作業を命じまして、ひとつ間に合わせたいと思います。
○豊瀬禎一君 当然、大臣が所管されているのですから、各局のアンバランスということは、少なくともこの問題に関する限りアンバランスあるいは非協力ということはあり得ないと思うのです。したがって、何度も念をおしますけれども、私どもが審議の過程を通じて必要とし、法案審議のために最小限度の必要な、しかも二十八条の精神にのっとった資料の提出を強く要求して質問を終わります。
○委員長(大矢正君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) 速記をつけて。
○野本品吉君 私ども与党の立場からすれば、法案の内容についての検討もむろん要り用でありますけれども、同時に、これらの諸法案をかりに実施するという場合における、そういうことに対して財政的な見地からも一応この問題を考えなければなりません。そこで、社会党の御提案によりますというと、事務職員のほうでは三十七年度において七億、以後漸増して四十一年において二十七億、養護教諭に関しましては、三十七年度において六億、四十三年度、つまり平年度になった場合に三十二億と、こういう一応所要経費として案に示されておるわけです。そこで、との財源計算の問題でありますが、文部省は社会党の御提案のこの所要経費について御検討になっておるかどうか、この点をお伺いいたします。
○説明員(岩間英太郎君) 検討いたしております。私どものほうで検討いたしました数字は、社会党御提案の養護教諭につきましては、三十七年度をとりまして計算いたしますと、人数が三千九百四十四名の増でございまして、総額十二億、国庫負担金はその半分の六億という御計算でございますが、私どものほうで計算いたしましたところでは、総額は十七億八千百万、負担金はその二分の一でございまして八億九千百万、事務職員につきましては、御提案の三千九百八十一名について計算いたしますと、社会党の御提案の数字では、総額六億八千七百万、国庫負担金はその二分の一で三億四千四百万、これに対しまして私どもの試算では総額十七億九百万、負担金はその二分の一で八億九千五百万というふうな一応計算をいたしております。
○野本品吉君 そこで、今の事務職員で、社会党の提案が七億、文部省の計算が八億、養護教諭のほうで、さしあたって社会党の提案では六億、文部省の御計算は八億という数字になっておるが、この数字の開きについては、なぜこういう数字の開きがあるかということについてわかりますか。
○説明員(岩間英太郎君) 社会党の御提案の内容を拝見いたしますと、新しく採用するということで、給料の単価を初任級の単価をとっております。私どもの計算は、一応、教諭の平均の単価をとる、あるいは事務職員の平均の単価をとる、そういうふうな計算の方法をいたしておりますので、その点が大きな相違でございます。
○野本品吉君 そうしますと、今の二億の食い違いというものは、社会党の御提案は初任給をとっておる、文部省のほうは平均の給与をとっておる、そういう結果として違いが出てくる。わかりました。それだけです。
○豊瀬禎一君 官房長の答弁にその偏向性が特に見受けられるし、大臣も、とり方によっては誤解されるような答弁があったんですが、私がたびたび二十八条で言っておるのは、事務職員並びに養護職員の両法案についての資料提出ですから、養護教諭だけでなくて、両方のきちんとした資料を出して下さい。
○委員長(大矢正君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) 速記を始めて下さい。 本案に対する審査は、本日のところこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十八分散会