内閣委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/06/06
会議録
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 一昨日、松本治一郎君が辞任され、藤田藤太郎君が選任され、本日、藤田藤太郎君、千葉信君が辞任され、安田敏雄君、平林剛君が選任されました。 —————————————
○委員長(河野謙三君) 次に、国の防衛に関する調査を議題とし、国の防衛に関する件、米軍飛行場の返還に関する件等について質疑の御要求がありますので、順次これを許します。 なお、政府側から出席の方は、藤枝防衛庁長官、林調達庁長官、海原防衛局長、麻生参事官、上田経理局長、沼尻不動産部長の方々でございます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○伊藤顕道君 まず、防衛庁長官にお伺いしますが、例のナイキ基地に関連して、特に群馬にも関係ございまする問題を重点的にお伺いいたします。 先般、防衛庁でナイキ基地に関連して、いろいろ決定があったようですが、その新聞発表はたしか二十九日であったと思います。これは最終的決定であるのかどうか。まずこの点からお伺いします。
○国務大臣(藤枝泉介君) ナイキの第一の大隊の配置の陣地につきましては、かねがね国会でお答え申し上げておりましたように、関東周辺の既存の基地に設備をするということでございまして、先般の発表は正式に防衛庁として決定をいたしたものでございます。
○伊藤顕道君 新聞では、大体この基地はとりあえず東京周辺の四県にまたがって四基地というふうに報知しておるわけです。あのとおり了解してよろしいかどうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) そのとおりでございます。
○伊藤顕道君 この計画は、第二次防衛力整備計画、この一環としての計画であるかどうか、それに関連があると思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、第二次防衛計画におきましては、地対空の装備といたしまして、ナイキ二個大隊、ホーク二個大隊を置く計画になっております。その第一の大隊の配置でございます。
○伊藤顕道君 そういたしますと、具体的には本土防衛上バッジ・システムを取り入れてということの、その関連の計画であるのかどうか。
○国務大臣(藤枝泉介君) このナイキ二個大隊、ホーク二個大隊を整備するということは、特にそのバッジとどうということはございませんけれども、第二次防衛計画といたしましても、そうした半自動式警戒管制装置を第二次防衛計画の後年度において整備をするという計画を持っております。したがいまして、ナイキはこのバッジがなければできないというのではございませんけれども、このバッジ・システムが整備されれば、このナイキの運用にも十分また役立つわけでございます。
○伊藤顕道君 結局この基地は要撃基地になると思う。そうなると、一体どこの国の飛行機が飛んでくるのか、そういうことを仮想しないと、整備もできないし、訓練もできないと思うのです。一体どの辺を目標にして計画を進めておられるのか。
○国務大臣(藤枝泉介君) かねがねお答え申し上げておりまするように、われわれは特にいわゆる戦前等に言われたような仮想敵国というものを持っているわけではございません。ただ、日本を取り巻く各般の軍事情勢から考えまして、ここに航空機の性能の向上というようなものを考えて、それに対処すべくこの地対空のミサイル部隊を置くことにいたしたわけでございます。
○伊藤顕道君 お言葉ではございますけれども、やはり仮想の目標なくして整備も、訓練もできないと思う。ただ、これは秘密事項に属するから、わかっているけれども言えない。ないのではなくて、わかっている、あるのだけれども、秘密事項で言えない、それが正しい見方ではないんですか。ここでどこの国を目標にするかということを掘り下げて追及しようとは思わない。秘密事項だろうと思う。ただ、わからないのではなくして、秘密事項で言えない、そういうお答えはできないのですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) お言葉を返すようでございますが、先ほど申しましたように、わが国を取り巻く諸般の情勢を判断し、そうしてそれらから考えまして、わが国がもしも何あかの脅威にさらされるならば、どういう程度のものが来るかというようなことを考えまして、そうしてそれに対する防空体制を完備しようといたしておるわけであります。その一環としてナイキ、ホーク等を整備しようとしておるわけでございます。
○伊藤顕道君 それでは次に、今度入れようとするアジャックス、それからこれはおそらく否定されるでありましょうが、将来おそらく入れるであろうと推定せられるハーキュリーズ、それぞれの性能について、要点だけをひとつ、これは防衛局長でいいです。
○説明員(海原治君) ただいま御質問のございましたナイキのアジャックスとハーキュリーズにつきまして、性能をごくかいつまんで申し上げます。アジャックスのほうは射程が五十六キロ、その弾体の飛びますスピードは一・九マッハ前後、全長が約一〇・六メーター、これに対しまして、ハーキュリーズのほうが射程が約百二十キロ、速力は二・九あるいは三マッハ前後といわれております。全長が一二・六メーター程度でございます。さらに別の資料によりますというと、この射程は先ほど申しましたようなことでございますが、射高——高さでございます、これはアジャックスのほうはこれはフィートで出ておりますが、約六万フィート、これに比較いたしまして、ハーキュリーズのほうは十五万フィートまで到達する、これがこの両者のごく要点の性能についての数字でございます。
○伊藤顕道君 このアジャックスとハーキュリーズの配置になっておる国国は、いわゆるNATO諸国とか、あるいは韓国、台湾等であろうと思うのです。現在のところ、どういう国々になっておるか。
○説明員(海原治君) 私どもの承知しておりますところでは、現在ナイキのハーキュリーズを保有しております国々は、これは順序不同でございますが、イタリア、デンマーク、ノルウェー、フランス、ベルギー、オランダ、西独、トルコ及び台湾、ギリシャ、以上の国が、現在手元の資料ではハーキュリーズをアメリカから供与されておる、こうなっております。このうち数カ国におきましては、たとえば西独等におきましては、アジャックスも併用いたしております。
○伊藤顕道君 今の国の中に入っていなかった韓国とか、あるいは沖縄、——沖縄は入りましたか……、韓国等についても、ハーキュリーズは入っていないにしても、アジャックスなどは入っておるのじゃないですか。で、そこでお伺いしたいのは、今ハーキュリーズについての国を言っていただいたわけですが、アジャックスについても一通りあったら触れていただきたい。
○説明員(海原治君) 最初の韓国の状況でございますが、これも私どもの承知いたしますところでは、現在ナイキの大隊を編成する計画を持っておりまして、現在その要員を米国において訓練中である、こういうように聞いております。これはたしかハーキュリーズを装備するのじゃないかというふうにいわれております。 次は、アジャックスを持っておりますところでございますが、これは米本国におきましても、現在これは「ロケット・アンド・ミサイル」と申しますこの方面の専門的雑誌の伝えるところでございますが、現在米本国におきましては、約百七十個中隊ございます、そのうち、六十八個中隊というものが、ハーキュリーズ中隊に今後変えられるだろう、しかし、差し引きいたしまして、約百個中隊程度のアジャックスは依然としてアメリカの国内防空体制の一環として残る、こういうふうに報道されております。ヨーロッパにつきましては、先ほど申しましたような西独、それからトルコ等におきまして、なお数カ国におきましても、現在これが配備されておるということがございますが、具体的な資料は現在手元に持ち合わせがございません。ヨーロッパにおきましても数カ国においてアジャックスが装備されておる、こういうふうになっております。
○伊藤顕道君 このアジャックスについては、米国でも今生産が打ち切られておる、そうして性能のよいハーキュリーズに逐次置きかえられておるということを聞いておるわけですけれども、このことに関連して。
○説明員(海原治君) 先ほど性能につきまして、概括申し上げましたように、性能そのものはハーキュリーズのほうが数段いいわけであります。しかし、先ほど申し上げましたように、やはり現在百七十個中隊というものがアジャックスを装備いたしております。そこで生産は打ち切られたという報道でございますが、これはアジャックスそのものの生産は打ち切られておりません。現に私どもは、第二次計画において二個大隊の装備をする予定でございますが、第二大隊アジャックスの弾体等はこれから製造するわけであります。生産が打ち切られたと申しますのは、当初アジャックスとハーキュリーズとはそれぞれ別の発射機を持っておりました。しかし、その後研究開発が進みまして、発射機そのものはアジャックスにもハーキュリーズにも使えるいわゆるユニバーサル型というものがその後作られておりますので、この両様のそれぞれ異った発射機を作ることはやめまして、発射機そのものは両方に使えるユニバーサル型を生産しておるというのが実態でございます。これが日本に誤り伝えられたと申しますか、日本におきましてアジャックスそのものの生産が中止になったというふうに報道が一時ございました。これは米軍に問い合わせました結果、ただいま私が申したように、それは発射機のことであるというように私どもは承知いたしております。
○伊藤顕道君 ところが、一九六二年の防衛年鑑にやはりいわゆるアジャックスの生産が打ち切られておるということが明確に出ております。これは間違いであるわけですか、はっきり出ている。四百六十一ページにはっきり出ている。
○説明員(海原治君) まず防衛年鑑の記事でございますが、これはさっそく調査いたしますが、防衛年鑑そのものは防衛庁の責任において出されるものではございません。その発行は防衛年鑑刊行会というところが責任を持っております。あるいはその記事につきまして防衛庁の関係者からそのような報道に基づいた材料の提供があったかもしれませんが、真実のところは、先ほど私がお答えいたしましたように打ち切られておりません。現に第二大隊につきましては先ほど申し上げましたように、これからアメリカでは生産を行なうわけであります。これは四百六十一ページには、「ナイキ・エィジャクス」といたしまして、「現在生産は打切られ、性能のよいナイキ・ハーキュリーズに置換えつつある。」こういう記事でございますが、「現在」という言葉と「打切られ、」という言葉があるいは私は事実と違うのじゃないかと思います。と申しますのは、一時生産を中止したというか、プロダクション・ラインが動いていないという、この事態があったと思います。それは生産を打ち切ったということではないのでありまして、その時点におきましてエィジヤクスは作っていなかった、こういうことじゃないかと思います。 再三同じことを繰り返してはなはだ恐縮でございますが、第二大隊目のアジャックスはこれからアメリカが生産いたしまして日本に供与するわけでございますし、そのほかの国々に対しましても、なおアジャックスとハーキュリーズを併用している国がございますので、その必要のためにもアジャックスそのものの生産は継続される、こういうふうに私どもは米軍のほうから連絡を受けております。
○伊藤顕道君 そういたしますと、防衛年鑑には今あなたが読まれたように、またこちらから指摘したように明確に出ている。現在生産停止ということの意味がはっきりしているわけですね、ただし、その防衛年鑑は防衛庁に関係ないのだ、そういうふうにおっしゃっておるのですけれども、防衛年鑑は参考資料として防衛庁にはたくさん備えられておるわけですね、しかも防衛庁としては常日ごろ国民に親しまれる自衛官というような標語で盛んにPRしておられるわけです。われわれしろうととしては防衛年鑑ということで、防衛庁にはたくさん置いてある防衛年鑑をやはり信用するわけです。これは一つの例ですけれども、ほかにもいろいろそういうような点を前の委員会でも指摘したことがあるわけです、過去の委員会で。ところが、これは防衛庁がおっしゃるお答えは、この防衛年鑑は防衛庁が発行しておるのじゃないのだ、責任はないのだ、そういうふうにいつも答えておられるわけですけれども、防衛年鑑としてやはり防衛庁にも備えられ、市販にもなっている、そういうものについてやはりあやまちのないようやはりこれは監督の必要があるのではないか。正しい防衛知識を普及するというねらいであるならば、やはり正しい記事でなければならないと思います。せっかく研究してみてもこれは間違いである、その間違いであるか正しいかということはわれわれしろうとにはなかなかわからぬ、そういうことで、やはり一通りも二通りも目を通して、その内容についてはやはり相当の責任を持つべきではなかろうか、そういうふうに思うのですが、関連があるので一応お伺いしておきます。 そこでお伺いしますが、そうしますと、結論としては、現在アジャックスはアメリカでも生産続行中である、こういうふうに了解していいわけですか。
○説明員(海原治君) そのとおりでございます。
○伊藤顕道君 それでは次にお伺いいたしますが、現在はアジャックスを東京周辺の四基地、要撃基地として設ける、そういう一応の計画ですが、これはあくまでも一応の計画であって、将来防衛庁としてはハーキュリーズについてもこれを導入する、そういうお考えがあるのではないか。ただ、そうまっこうから聞かれると、いやそういうことはございませんとお答えになるでしょうけれども、こういう点について率直にひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 最初に防衛年鑑のことでございますが、御注意は十分伺いまして、これは防衛庁として責任を持った刊行物ではございませんけれども、ただいま御指摘のあることでございますから、また、以前にもそういうこともございました。十分刊行者に対しましては誤りなきを期するように注意をいたしたいと思います。 それからナイキ・ハーキュリーズを持つ計画があるかどうかということ、実はこの第二次防衛計画におきまして、アジャックスを二個大隊整備をするということを決定するときには、すでにハーキュリーズは開発をされておったわけでございます。しかしながら、いろいろな事情を総合的に勘案をいたしましてアジャックスをあえて採用するということをいたしたわけでございます。現在におきましてハーキュリーズをさらに持とうという考え方はないのでございます。そういう経過であることを御理解いただきたいと思います。
○伊藤顕道君 五月の三十一日にわれわれでナイキ・アジャックスの弾薬倉庫ですか、いわゆる格納庫といいますか、こういうものについて第十二師団司令部とかあるいは吉井弾薬支所、こういうところを訪問したわけです。その際、十二師団司令部の幕僚長とか特科部隊長にお会いしていろいろ伺うと、もうこのアジャックスでは旧式で性能も非常に悪い、だからこんなものはあまり役に立たないのだ。だから将来はハーキュリーズをぜひほしい、そういう強い希望を表明されておったわけです。この意味で、ハーキュリーズは防衛庁としてもぜひほしくてたまらない品物ではなかろうかと思う。ただ、今すぐそれを選挙前に出すと、国民感情上まずいのでという意図もあって、今はそういう段階じゃない、そういうふうにお考えになって、いずれはそういう意図はあろうと思うのです。どうにも諸般のいろいろな資料から推察するとそういうふうに考えられるわけです。この点はどうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 繰り返すようでございますが、第二次防衛計画におきましては、ナイキ・アジャックスの二個大隊を整備するという決定をいたしておるわけでございますが、そうしてその際は、先ほど申し上げましたように、すでにハーキュリーズは開発をされて比較検討をいたしたわけでございます。その結果、わが国の防空上の見地からいたしましても、現在の段階においてアジャックスで適当であるという結論に達してこれを整備することにいたしたわけでございます。
○伊藤顕道君 お言葉ではございますが、今申し上げたのは一端で、やはり現実としては出先機関としては、もうアジ.ヤックスでは旧式で性能が悪くてあまり効果がないと言っておるのですね、はっきり。そこで、そういう性能の悪い効果のないアジャックスをせっかく計画されても防衛がいい悪いは別の問題として考えてもこれは意味ないじゃないですか。そういう性能の非常に悪い、しかも一方にはハーキュリーズという性能のすぐれたものがある、そういう二つを比較した場合、防衛庁はやがてハーキュリーズに移行するということが常識的に考えられる。この点について現地はそういう強い要望を持っておるわけですね。ハーキュリーズでなければだめだ、アジャックスではだめだということをはっきり言っておるわけです。こういうことに対してどういうふうに指導されておるわけですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 第一線におりまする者が新鋭の兵器等を持ちたいという願望は、これはありますることは御理解いただけると思うのであります。ただ、何かアジャックスが非常に旧式で役に立たぬもののようでございますが、現在のわが国に対する空からの脅威というものを考え、そして都市防空というものを考えました場合には、相当すぐれた性能を持っておるわけでございます。十分現段階においてはこのアジャックスで対処できるものとわれわれはそういう観点に立ってアジャックスを採用することにいたしたわけでございます。
○伊藤顕道君 それではさらにお伺いしますが、今度は据えられる予定になっておる発射管ですね、これは発射管に二通りあるであろうと思います。一つのはアジャックス専用の発射管、それから今、日本に来ようとするのはアジャックス、ハーキュリーズどちらでも発射できるいわゆる兼用の発射管であろう。もしそういう前提に立つならば、そしてまた、藤枝長官の先ほど来からのお言葉をそのまま受け取れると、そういうことになると、アジャックスで将来ハーキュリーズは絶対考えないのだ、そういう前提に立てば何も兼用のものでなくて、アジャックス専用の発射管で十分こと足りると思います。この辺おかしいじゃないですか。なぜアジャックスで終始しようとするならばアジャックス専用の発射管を使わないのか。ハーキュリーズも撃てる発射管をということになると、これまたいろいろ揣摩憶測が出てくるわけです。この点をはっきりして下さい。
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど防衛局長からお答え申し上げましたように、実はアジャックス専門のランチャーというものはすでに米国においては生産を中止されたものでございます。現在はいわゆるユニバーサル型一本になっておるわけでございます。したがいまして、アジャックス専用の発射管をさらに生産を開始してやってもらうというのには非常な費用もかかりますし、その他いろいろな問題がございます。したがいまして、ユニバーサル型、併用型を供与を受けるということに相なったわけでございます。何か併用のものを使うから、今まではアジャックスといいながら、そのうちにハーキュリーズに変えるのだろう、そういうふうにはお取り願わないように願いたいと考えるのでございます。
○伊藤顕道君 お言葉ではございますけれども、結局これはハーキュリーズも発射できるのだということについては事実なんですね。これは厳然たる事実である。こういうことの前提に立てば、そういうものが入っておれば国民としてこれは心配せざるを得ないわけです。このことに関連して池田内閣の統一見解は、防衛のためなら小型核兵器は憲法違反でない、ただし、政策上持たない、こういうふうに言っておる。そこで防衛論になるわけですが、関係があるから申し上げる。憲法違反であるということをはっきり打ち出しておればわれわれ心配しない。絶対にハーキュリーズは入れないわけです、憲法改正しない以外は。ところが、防衛上小型核兵器を使うことは憲法違反でない、はっきり統一見解出されておる。小型核兵器を使うことは憲法違反でないとはっきり言われておる。ただ、政策上持たない。憲法に決定しておれば、これは簡単には変更できませんけれども、政策は内閣が変わればいつでも変わるものですね。そうでしょう。一たんきめた政策は絶対不動のものではないわけです、これは人間がきめるものですから。したがって、政策上持たないといったって、だれがこれを保証するのか、そういうことに関連して、やはり防衛庁長官としては、立場上ハーキュリーズは将来持つことはない、今の段階でそう言われておるけれども、しかし、だれがこういうことを保証するのかということになると、相当問題があろうと思う。こういう点を明確にしていただきたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) 最初に申し上げておきたいのは、ハーキュリーズは御承知のように、非核、核併用でございます。そして、現にアメリカその他におきましても、核弾頭をつけない、非核弾頭のハーキュリーズを相当に備えておるという事実がありますことをまず申し上げておきたいと思います。したがいまして、このハーキュリーズを入れるということが、直ちに核武装に結びつくというものではないことは御理解いただけると思うのであります。しかしながら、われわれが常に申しておりまする一貫した方針として、核武装はしない、この方針は、これは少なくとも自由民主党が政府をおあずかりしている限りにおきましては動くものではないと考えておるのでございます。政策だからいつでも変わるだろうとおっしゃいますが、政策の中におきましても、こうした確固たる不動の方針というものは、たとえ首班がかわりましても、変わるものでないということは申し上げられると思うのでございます。
○伊藤顕道君 自由民主党が健在の限り、絶対に核兵器は持ち込まないということの証明があったわけですけれども、これは一体どなたが保証してくれ.るわけですか。これは現職の間はそうおっしゃっておっても、やめてしまったら、一体あとはだれが保証するのかということですね。どなたがこれを保証してくれるのかということをはっきりさせていただきたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) 少なくとも自由民主党といたしましては、そういう不動の方針を立てておるわけでございます。なお、これはよけいなことになるかもしれませんけれども、現在の原子力基本法におきましては、平和の目的にのみ使用できるという規定が厳然としてあるわけで、そういう点からいたしまして、だれが保証するかというお尋ねでございますが、私は、自由民主党がそういう方針を一貫して持っておるということが、最もその保証に相なることと考える次第でございます。
○伊藤顕道君 それでは問題を変えて、このナイキ・アジャックスの格納庫が、その一環として群馬県多野郡吉井町馬庭の弾薬支所に、今計画されておるわけです。このアジャックス格納庫の施設について、要点だけを、一体どういうものになるのか、その概貌をひとつ重点的に御説明いただきたい。
○説明員(海原治君) 吉井の弾薬支所に格納いたしますナイキ関係の弾体及びブースターでございますが、これはアメリカから持って参りますものの一部を吉井の支所に収容したい、こう考えておるわけでございます。それは全部それぞれの格納——いわゆるコンテイナーでございますが、格納する箱に入っておりますので、そのままの形で支所の中に収容する、そのためには若干、弾薬支所に通じます道路を整備するとか、あるいは支所内の施設について、若干の改修及び新設を行なうという程度のものでございまして、特別に新たな施設を設けるということではございません。と申しますのは、このナイキの弾体の危険度ということでございますが、これはまず絶対と言ってもいいくらい安全なものでございます。通常の弾火薬と取り扱いは変わるところはございません。したがって、あの弾薬支所の施設の中に一定の区画を設けまして、そこに持って参りますものの一部を格納しておく、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 吉井町馬庭の弾薬支所にアジャックスの格納庫を設置せられるという報道が一たび伝わって、今この格納庫設置にほうはいとして反対の機運が高まっているわけです。で御承知のように、群馬については、前に妙義基地闘争という激しい反対運動があったわけです。今度のアジャックスの格納庫設置についても、このかつての妙義基地闘争にまさるとも劣らないであろう、そういう構想のもとに着々反対の気勢が上がりつつあるわけです。ただ、何分にも先般、まだ日がないので現在その頂点に達したわけではございません。とにかく日一日とそういう反対機運が盛り上がっているおりから、こういうことに対して、防衛庁として一体どう考えておられますか。
○説明員(海原治君) このナイキの配置等につきまして、いろいろ反対の運動のありますことは、私も承知をいたしております。ただ何分、ナイキ・アジャックスというような耳新しい言葉でございますので、それが何か非常な危険物のような誤解もあるようでございます。したがいまして、われわれといたしましては、十分、ナイキの本体、本質等につきまして、付近の方々、地元の方々の御了解を得るように努めて参っておるわけでございます。まだ説明の不十分な点等もあろうかと思いますが、これからもそうした面におきまして、十分地元の方々の御了解を得られるように努めて参りたいと思います。ことにナイキにつきましては、ただいま防衛局長からもお答え申しましたように、その危険度というようなものから考えますならば、従来の弾薬よりももっと危険度の少ない、もう絶対と言っていいくらい安全なものということは証明済みでございます。そういう点も十分御理解をいただきますならば御了解をしていただけるものと私は信ずるわけでございます。
○伊藤顕道君 これは重ねてお伺いすることになりますが、結局現在のナイキ・アジャックスについては、大体状況はわかっても、発射管が先ほど指摘したように兼用になっておる。将来ハーキュリーズをということに考えを及ぼしたときに、非常に心配の度が高くなるわけです。で、防衛庁としては、立場上、当然、ハーキュリーズは入れないということをしばしば言っておるわけですけれども、その辺に問題があろうと思うわけです。それと、われわれの立場として考えるならば、本土防衛という観点から要撃基地を設けるということのようですが、私自体としては、このミサイル基地を作ること自体が、世界の軍事情勢から見て非常に危険ではなかろうか、かえって危険ではないかという考え方を持つわけです。この点はいかがですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 防衛のためには最も有効な兵器等を備えることが必要であろうと思います。何かミサイルと言うと、核ミサイルを連想されまして、核装備をするのではないか、そうすればさらに緊張を増すのじゃないかというようなことでございますが、このアジャックスのような程度のもの、あるいはそれ以下のでもミサイルというものはあるわけでございまして、そういう点は十分その内容を明らかにいたしますならば、国民の皆様方の御心配もなくなるのではないかということを考える次第でございます。
○伊藤顕道君 今申し上げたように、このミサイルの基地があるために、かえって危険ではなかろうかという一つの例として、事態によっては大陸間弾道弾が飛んでくるかもしらぬ、あるいは飛んでこないかもしらぬ、こういうこともなかなか世界の情勢の動きによって即断できないわけですね。そうだとすると、このナイキ・アジャックスで大陸間弾道弾を防ぎ得るものかどうか、こういう問題も出てくる、この点はどうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 現在のナイキ・アジャックスではいわゆるICBM、IRBM等を防ぐことはできないと思います。
○伊藤顕道君 そうなると、そこにまた問題が出てくるわけです。逆に言うと、このナイキ・アジャックスの基地など、全然そういうもののないところには、大陸間弾道弾も、中距離弾道弾もおそらく飛んでこないと思うのです。ところが、ナイキ・アジャックスにしろ、これは世界の目から見れば、日本にナイキ・アジャックスの基地ができた、これは将来各国の情勢から見ても、初めアジャックスを言っておった国も性能のいいハーキュリーズに置きかえられつつあるという、こういう情勢から推した場合、日本でもいつまたハーキュリーズに置きかえるかもしらぬ、こういうことを考えたとき、そのことの危険のほうが大きいのではないかというふうに考えられるわけです。この点はいかがですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) ナイキはまあアジャックスにせよ、ハーキュリーズにせよ、攻撃的な性格を持ったわけでないことは、御承知のとおりであります。あくまで国内の防空体制の一環としてやられるわけでございます。したがいまして、こういうものに対して、それが大きな攻撃目標になるというようなことは私は考えられない、ということは、第二次大戦時における高射砲陣地の状態等を見ましても、はっきり申し上げられるのではないか、したがって、ナイキ・アジャックスを整備したということが他国を刺激するということは私は考えられないのではないかと思うのでございます。
○伊藤顕道君 最後に一点要望申し上げておきますが、長官も御承知のように、群馬の場合で言うと、その地元を中心に各方面でほうはいとして反対の気勢がわいておる、しかし、防衛庁の日ごろの態度としては、やはりそういう場合は国民を納得さした上、納得の上でやはり事を進めたい、これが防衛庁の基本方針であろうと思う。そういう基本方針の線に沿うて、無理強行しないで、どこまでも納得さして事を進める、そういう点でひとつ特段意をお用いいただきたい、この点について長官のお考えをお伺いしてこの問題については最後にいたして、次の問題に移りたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど申しましたように、ナイキに対するいろいろな憶測その他から反対されるという向きもございます。したがいまして、十分ナイキの本質、あるいはそれの格納の安全性等につきましては、十分地元の方々の御納得をいただくように努力をいたしまして事を進めて参りたいと考えます。
○伊藤顕道君 それでは問題を変えまして、前々から引き続いてお尋ね申し上げておる群馬の太田大泉飛行場返還問題について二、三お伺いしたいと思いますが、その前にお伺いしたいのは、長官は十分御承知のように、今地域開発ということが相当強調されておるわけです。特に群馬の場合は、全国でしりから六番目という、そういう所得の状況です。非常に後進県になっておるわけです。そういうことの一環から首都圏整備法に基づく衛星都市建設、そうして工場誘致、そうして県の発展をはかろうという前提から、群馬県議会においていわゆる決議がなされて、自来県民あげてこの運動へ取り組んできたわけです。しばしば申し上げるように、この問題は三カ年間にわたって四代の防衛庁長官、二代の調達庁長官にまたがって、それぞれの長官からそれぞれ返還の確約があったにもかかわらず、いまだに解決しない。そこで、二月十三日の当内閣委員会で長官にお伺いしたところが、問題であった代替地については米軍も了承した、そこで、今後の問題は、地元の了解を求めることに最大の努力をいたすべきである、こういうことであったわけです。それでは、お伺いいたしますが、二月十三日を起点として一応お伺いするとして、その後具体的にどのような努力をなされてきたか。防衛庁長官として、また調達庁長官としてそれぞれのお立場で、どのような具体的な努力をなさってきたのか、この点について、まずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) まず、ああいう飛行場を設けるということになりますと、いろいろ関係各省の御意見も聞かなければなりません。国有地とか、民有地あるいは農地とか、その他の土地等もあるわけでございます。そういう点におきまして、関係各省といろいろな折衝をあの後いたしているわけでございます。また、その際も申し上げましたように、こうした問題は、やはりいろいろ地元の考え方その他を考えながら、それに対処する措置等も考慮した上で正式な交渉に入らないと、なるものもならなくなるというようなおそれもありますので、そういう点を考えまして、地元の内々どのようなことが現在問題になっているか、あるいは将来問題になるかというような点につきましての、内偵というと言葉は悪いかもしれませんが、そういう方策をやっているわけでございます。それらの点がだんだん固まりつつありますので、そうした点を十分固めた上で正式な地元との交渉に移りたいというふうに考えているわけでございます。
○伊藤顕道君 お言葉のように、やはり地元と十分話し合って無理に強行しないで、話し合いの上で慎重にやりたい、これはもう当然だと思うんです。そうでなければならぬと思う。ところが、この前の長官のお答えとしては、その当時のお言葉として、大体できれば、早ければ年度末までには解決したい、そういうふうに努力したいということであったわけであります。しかし、その三月からもうすでに四カ月も経過しているわけですね。そこで、やり方としては、当然地元民とも十分話し合って、どういう点が一体問題点か、そういうことを慎重検討して、あくまで話し合いの上で解決しよう、それは繰り返し申し上げたように、そうなければならぬわけです。それにしても、もう四カ月を経過して何ら進展していない。しかし、具体的に進展しているのならその点御指摘いただきたいんですが、どうも、お話の工合では、あまり進展していないように見受けられる。ときまさに国会閉会中でもあるし、そう急いだこともあるまい、次の国会までには何とかなるだろうというふうに、のんびりした気持も手伝って、あまり具体的に動いていないんではないかというふうに憶測されるわけですが、何らかのこういう具体的に進展のめどがあってしかるべきだと思う。その点いかがですか。これは防衛.庁長官、調達庁長官、それぞれのお立場でお答えいただきたい。
○説明員(林一夫君) この問題は、先ほど大臣から御説明がありましたとおり、早く地元と折衝を始めまして、円滑に解決したいと、こういうふうに努力をいたしておるのであります。そのためには、どうしても関係するところが多いわけで、関係する各省ともよく意見をかわし、また、先ほど御説明がありましたように、地元の大体の考え方とか、そういう点も大体こちらで事前によくのみ込んで、いろいろの点から考慮しつつ、諸般の調査をいたしまして、また協議もいたしまして、話を進めて参りたい、こういうふうに考えておるのであります。何分にもこのような問題は地元との折衝が円滑に進まなくてはならない。十分御納得を得て解決をしなければならないというような問題でございますので、そのためには十分に関係各省とも協議し、その他いろいろの点についても調査いたしまして、話も進めなくちゃならぬということでございます。まあそういうような点について現在協議を進めつつあるのでございます。当時から比べますと、だんだんと進展はいたしておるのであります。まあ私どもといたしましては、できるだけ早くはっきりさせたい、こういうふうに考えて、努力はいたしておるのであります。
○伊藤顕道君 それでは具体的にお伺いしますが、この現地について防衛庁長官として御視察になったことがおありですか。もしあるとすれば、何回ぐらいおいでになったか。調達庁長官、当然おいでになっておると思いますが、どの程度おいでになっておるのか。まあそういう具体的なことからお伺いしないと、なかなかできるだけ早くとか、あるいは極力努力すると、こういう問題は円満に解決する必要があるからと、そういうお言葉の続きではなかなか納得いきかねるわけです。その点を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私はその具体的な場所につきまして、地形その他十分承知いたしております。今回決定と申しますか、米軍との話し合いがついたときにおいて視察をしたことはございませんけれども、私は十分承知をいたしております。
○説明員(林一夫君) この代替地としての候補地でございますが、最初は数カ所あったのでありますが、まあいろいろの候補地につきまして私は現地を数度視察しております。
○伊藤顕道君 それで前々から申し上げてきたわけですけれども、やはり防衛庁長官なり調達庁長官がおっしゃることはよくわかるのですよ、抽象的なお言葉は。できるだけ早く努力するとか、それから円満に、慎重にということは当然そうなければならぬ問題です。だからそういう前提に立ってものを考えても、やはりまあ防衛庁長官はその最高の責任者だと私は思います。それから調達庁長官はその当面の責任者として、やはり特にしばしば現地をたずねて、いわゆる陣頭指揮するといいますか、やはり熱意と気魄を示さないと、なかなかこういう問題は解決しないわけです。だから、三カ年にわたっていまだに解決を見ないという事態を見ておるわけです。したがって、やはりもうずいぶん長い問題ですから、この辺で解決しても、早く解決し過ぎたというそしりはないと思う。もうずいぶん慎重にやられ、ずいぶん円満に解決するという構想のもとに進めてきたと思うので、もうこの辺であと一ふんばり、陣頭に立って誠意とそして気魂を示してもらって、早急に解決をはかるべきだと思うのですが、この点について御所見を伺います。
○国務大臣(藤枝泉介君) もちろんそういう心がまえでやっております。ただ前々からお答え申してきておりまするように、数カ所の候補地のうち、この米側とある程度合意に達した一カ所でございます。したがいまして、この一カ所がもしも不測のことによりまして円満な解決をしないというようなことになりますと、また、太田の飛行場の返還が遷延されるというようなこともございますので、何とかこの一カ所につきまして、十分円滑にそれがなり得るようにするための各般の方策というものも必要であることは御了解いただけると思うのでございます。そういう意味におきまして、もちろんわれわれ陣頭に立ちまして地元の説得その他に当たるつもりでございます。そういうことで解決をいたしたいと思うのでございますが、今申しましたような不測の事故が起こってこれがこじれることのないような配慮はいたして参りたいと考えておる次第でございます。
○伊藤顕道君 そこでお伺い一たしますが、その代替地が一体どこなのかということをお伺いしても絶対にこれはお答えにならないであろうこともわかっております。それからまた、諸般の方策、こういうことはあまりぱっと出してしまうと非常にやりにくい、こういうことも私どもとしては了解できるわけです。したがって、結論としてどこが一体代替地か、何県のどこかというようなことはお伺いいたしません。それにしても代替地のその後の受け入れ態度といいますか、その状況は一体どうなんですか、非常に強い反対がありそうなのですか、それとも近く大体了解できそうだ、了解の程度が大体八分通りいっているのか、六分通りいっているのか、こういう大体の見当でけっこうですが、そういうことの情勢を要点だけお聞かせいただきたい。これは調達庁長官でけっこうです。
○説明員(林一夫君) このような施設の提供ということは、先ほども申しましたように、非常にむずかしいことでございまして、やはり地元の御協力、御理解を得て提供するということにしなければならない。地元の御理解、御協力を得るためには、十分に地元と円満に折衝するためのいろいろの準備が要るわけでございます。そのようなわけで、現在関係各省とも協議をし、また、その他いろいろの意見を徴して、地元の意向も内々探りつつ現在準備を進めておるわけでございます。今後ともやはり十分にそういうような準備をいたしまして、地元と折衝を進めよう、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 それでは最後に一点だけお伺いいたしますが、防衛庁長官、調達庁長官、特に調達庁長官は当面の責任者として、まあ地元の受け入れ態勢がどうであるのか、どの程度になっておるか、こういうことは十分緻密に御了解だと思う。したがって、そういう点に立って、ものにはめどがないとなかなか仕事が進まないわけです。やはり船も目標がなければ進まない。そういうような立場から一体どの辺にめどを置いて解決しようとするのか、最後にこの点を明らかにしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。したがって、あまり、できるだけ早くとか、できるだけすみやかに、こういうことでは了解できないので、やはりものにはめどがありますから、仕事をやるのにやはりめどがなくては、これはあすの午後一時とか、二時とか、三時とか大体めどをやって、それをその場で、あるいはその目標までにできるものか、それはなかなかむずかしいと思うのですが、大体めどなくして仕事はできないわけです。こういう観点からできるだけ早くという言葉でなくて、具体性を持たせる、そういうお言葉を承れば、即刻私の質問は終わりたいと思うわけですが、ひとつその点を十分頭に置いて御答弁いただきたい。
○説明員(林一夫君) ただいま申しましたように、地元との折衝が円滑に進めるように、いろいろの点について準備調査いたしておるのでございます。地元との折衝が早くいけば、これは早く解決すると思うんです。地元の折衝というものは、今までの経験から申しまして、なかなか非常に骨が折れる。今ここではっきりいつごろというようなめどを申し上げることはできないのでございます。私のほうのめどとしましては、期日は申し上げられないのでございまするが、できるだけ早く、なるべくすみやかに、こういうこと以外には申し上げられないのでございます。そのような努力目標のもとに努力をいたして参りたいと、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 そういうお答えを期待したわけじゃないんで、長官のお言葉を承っておると、仕事が早く進めば早く解決する、これは答弁にならぬと思うんです。早く進めば早く解決する、これは答弁じゃありません。また、できるだけすみやかにとか、できるだけ早くとか、同じことを繰り返しておるわけなんですが、やはり仕事をやるのには一定の目標が必要なわけです。そこで、大よその見当はあってしかるべきだと思う。前に藤枝長官も、十二月お伺いしたときは、できれば年度末、いわゆる本年三月中に解決したいということをおっしゃったわけです。しかし、それはなかなかそれまでに一応解決できないからといって、私はその点、一点も追及してないんです。そのことについては。だから、目標を置いて、その目標までにできなかったからということで激しい追及はしてきておりませんし、この後もそういうことはないわけですから、その点は御安心なさって、伊藤に約束しちゃったから、うっかり言えない、こんりんざい言うもんじゃない、そういう鉄則を固められたのでは事は進まないと思うんです。そういう意味から、ひとつそういうことを顧慮せらるることなく、大体の目標でけっこうです。大体いつごろまで、今六月ですから、大体本月末とか、あるいは七月の初旬、中旬とか、いろいろ目標はあろう。大よその見当、これは言えると思うんです。大よその見当。そういう意味で、できるだけすみやかにとか、できるだけ早くということでなく、それにかえてそういう目標をお聞かせいただきたい。
○説明員(林一夫君) まことに同じようなことを繰り返して恐縮なんでございますが、やはり地元との折衝というものは、従来の経験から申しまして、相当時間がかかるのでございます。うまくいけば早くいく、途中でこじれますと長くかかるというようなことでございまして、私どもとしましては、できるだけ早く円滑にいくように努力は今後いたすつもりでございます。現在もいたしておるのでございます。そういうような事情はよくひとつ御了承いただきまして、期日の点は、これは実際先生の仰せのとおり、先生の追及をおそれて別にはっきり申し上げないというわけではないんでございます。実際問題として、いつごろというようなことも言えないような事情でございます。同じようなことを申し上げて恐縮なんでございまするが、できるだけ早く解決をいたしたいと、こういうふうに考えております。その点は御了承をひとついただきたいのでございます。
○伊藤顕道君 うまくいけば早く済む、そういうことをまたおっしゃっておるわけですが、そこで、もう多くは言いませんが、ひとつ先ほども要望申し上げたように、あくまでも陣頭に立って、誠意と気魂を示して、早急に緊急に解決すべき事項の一つとして取り組んでいただきたいと思うわけです。できるだけすみやかとか、そういう言葉を使わないで、この昭和三十七年の六月六日の伊藤の質問が内閣委員会で最後であった、そうしてこの三カ年にわたった難問題もようやく解決したということになるように、ひとつ強力な取りきめをしてもらいたいということを最後に強く要望申し上げて、きょうの質問は遺憾ながら終わりたいと思います。 —————————————
○委員長(河野謙三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま横川正市君が辞任され、吉田法晴君が選任されました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。 —————————————
○山本伊三郎君 それでは時間が制約されておるようですから、簡潔に私は質問したいと思います。 参議院選挙もあしたから始まります。おそらく当委員会は本日の委員会が最後だと思います。皆さん方の答弁の準備があるから、三つの問題でやりたいと思う。第一は、これはもうすでにわが党は衆参でやっておりますから、重複しない程度に、米海兵隊のタイに派遣された問題、それから次はジョンストン島における米軍の超高空における爆発寸前の破壊の問題、それから北富士の問題、これをやります。前の二つの問題は簡単に終わりますから。 この五月の十二日に米海兵隊空軍が日本の基地からタイに派遣された。この問題については、わが党から衆参においていろいろ論議されておりますから、事前協議がどうこう、そういうことを私はきょうは言いません。しかし、極東における共同防衛の責任にある防衛庁が、そういう派遣される事前になぜそれがわからないか。そういうことで、かりにどこへやられるかということはあとでわかりますけれども、いわゆる共同防衛の責任のある防衛庁が全然そういうことはわからなかったということは私はないと思う。その点について非常に危惧をしておるので、この点はどうなんですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 今回のタイヘのアメリカの派兵に関連いたしまして、最初にお断わり申し上げておきますが、ただいま何か日本の基地から海兵隊その他が行ったようなお尋ねがございましたが、そういう事実ではございません。その際にわれわれの知り得ている情報におきましては、日本におりまする米軍に変わった動きはないという事実を知っており、さらにそれを確認をいたしておりました。ところが、ワシントンの発表によりまして、何か日本におりました、たとえば三沢の四十五部隊の飛行機が日本から行ったというような発表がございました。それでさらにそれを確かめましたところが、これはすでにたびたびお答え申しておりますが、四十五部隊の非常に少数の数機が昨年の後半期において極東の他の地域に行って任務に服しておる。その飛行機が今回タイに行ったということでありまして、今回新たに日本の基地からタイに派遣されたものでないということを確認をいたしたわけでございます。したがいまして、われわれのあの時点において知り得ておりました情報とか、在日米軍の動きというものは、われわれの知っていたことが正しかったということを表明しておるわけでございまして、全然われわれの知らないうちに動いておった、在日米軍が今回を契機といたしまして動いたという事実はないのでございます。
○山本伊三郎君 それは私は、どうも防衛庁長官としては詭弁だと思うんです。私も実は三日の日に三沢へ行って参りました。ほとんど飛行機が一機もおりません。実はなかなかそういうことは言わないのですが、閑散としたものです。あなたの言われることを聞くと、あのケネディ大統領のああいう指令によって向こうから飛んだのではない、こう言われるらしいのですが、その事前に行っておるかわかりません。しかし、遠い時点に行っても三沢から派遣されたということは、これは私は時間的にそういうズレがあっても行っておることは間違いない。防衛庁長官三沢へ行かれましたですか、その点について。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私も三沢は視察いたしております。ただいま申しましたのは決して詭弁でもなんでもないのでございまして、もちろん日本の施設区域を使用する米軍というものは、日本の安全及び極東の安全のためのものでございますから、極東地域の任務に服すことはあろうかと思います。しかしながら、今回の問題につきましては、先ほど申しましたように、昨年の後半期において非常に少数の数機が極東の他の地域に行って任務に服しておる、その少数の機が今回タイに派遣されたということなんでございまして、そのケネディ大統領のああいう処置の前後に、あとでなくても、その前にあらかじめ行っていたというようなことではないのでございます。
○山本伊三郎君 三沢のほんとうの少数機だと言われますが、それじゃ三沢に四十五部隊がどれほど実は常時おったのですか。
○説明員(海原治君) ただいま御質問のございました三沢におります四十五飛行中隊の現有数につきましては、これが現在幾つあるかということを申し上げることは差し控えさしていただきます。ただ一応、通常の通念で申しますと、偵察部隊は十六機ないし十八機程度で編成されておるようでございます。その程度のものがおるというように御承知願いたいと思います。
○山本伊三郎君 その少数機が行ったといいますのは、それはアメリカのほうから防衛庁にそういう情報があったんですか、あなたの推測ですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど申しましたように、あのケネディ大統領の処置が発表されましたときに、私どもの知っておりましたことは、事実は、在日米軍について特別な動きがないということであります。しかもそれはさらに確かめまして、確認をいたしたわけでございます。その後ワシントンにおきまして発表があって、何か日本の基地から派遣されたように受取れるような発表がございましたので、さらにそれについて確認をいたしましたところが、先ほど申し上げたような事実であったわけでございます。
○山本伊三郎君 実は福岡選出の楢崎代議士が板付の米軍司令官に聞くと、やはり板付へ寄った、それから行ったという情報があるのですが、そういうことは全然否定されますか。
○説明員(海原治君) 今お話しになりました事実は、私どもとしては承知いたしておりません。 さらに米軍の発表でございますが、これは英語はエリメントという言葉を使っておりまして、このエリメントというのはいわゆる軍用英語でございまして、これは編隊内の一つの単位機数を表わしまして、それは一機または数機ということでございます。したがいまして、一機の場合もエリメントという言葉も使っております。そして現実に三沢におります第四十五飛行偵察中隊の数機ということになっておりますが、その数機はあるいは一機か二機でなかったかと、こういうふうに私どもは承知いたしております。
○山本伊三郎君 私どうも防衛庁に対しては信頼をできなくなってきたのです。と申しますのは、新安保条約によって、いわゆる共同防衛するのだということであれをやられたのですね。しかし、防衛庁当局が、アメリカ軍のそういう動きが全然わからない、逆に言うと向こうが知らさないということで、アメリカの基地が日本にたくさんあるということは、いつ日本が戦争に巻き込まれるかわからないという憂いが非常に大きくなってきたのですね。まあこれは外交的な問題ですから非常に問題がありますが、私は、防衛庁に関しては共同防衛という立場から、米軍の動きについては言えないなら言えないでよろしいですよ、そういうことは軍機の問題で一声えないというならわかりますけれども、全然知らなかったということについて、私は国民の一人としても、どうも防衛庁自身、共同防衛なんと言うけれども、何かアメリカ軍の一人舞台のような感じがするのですが、その点、私は明快にしたいと思って尋ねておるのです。
○説明員(海原治君) 米軍の移動について防衛庁は全然承知していないか、こういう趣旨のお尋ねでございますが、従来の例といたしましては、私どもの手元に、飛行中隊の場合でございますというと、スコードロン——向こうで言っております中隊でございますが、その大分あるいは半ば程度のものが移動します場合には全部通知を受けております。これは在日米軍司令部から私のほうの統合幕僚会議事務局のほうに連絡がありまして、それが私のところにまで参っております。ただ、一機、二機程度の飛行機の移動ということを通報を受けますことは、非常に事務的に煩瑣でございますので、部隊として意味のある程度の動きということで、従来、通報を受ける程度を制限しておったわけです。さらには、飛行機の移動でございますというと、全部飛行予定計画、いわゆるフライト・フランというものが通報されますと、ジョンソンの航空管制本部には全部情報が入っております。したがいまして、この情報がありましたときに、私どもは直ちにその出ておりますところの飛行通報を全部調べまして、これによりましてこの三沢におります飛行機がどこからどこへ行ったということは全部わかるわけでございます。これから見ましても、御心配になっているような飛び石伝いだということは私どもは確認いたしておりません。
○山本伊三郎君 それじゃ今言われたことについては、アメリカ当局と防衛庁とははっきり確認しているのですね。で、先ほどここでは言えないと言われたけれども、アメリカ軍の基地の、あるいはその他のアメリカ軍の行動については、防衛庁はわかっておるということはこれははっきり言えるのですね。
○国務大臣(藤枝泉介君) 日本の施設区域を使用しております米軍の動静については十分承知をいたしております。ただ、先ほど申しましたように、一機、二機が本来の任務で動いているというのまで一々通報を受けていないということだけでございます。
○山本伊三郎君 その経路も聞いておきましょう。今度の場合は全然知らなかったらしい、今度の場合。あとから知ったということになっております。いわゆる日本の基地から飛び立たないけれども、ああいう事態のあるということはもう外交上の問題だから、防衛庁としては日本の基地から飛んでいないのだから知らなかったということですね、今度の場合、そういうことでしょう。
○説明員(海原治君) 従来の経路についてのお尋ねでございますので、私から申し上げますと、こういう飛行機の部隊でございますと、大体スコードロンあるいは半分程度のものが移動する場合、あるいは陸上部隊、海兵隊等におきましても、大体普通に申しますというと、一個大隊程度あるいはその大部分というものが移動します場合には、在日米軍司令部のほうから、先ほど申しましたように、私のほうの統合幕僚会議事務局の第三幕僚室長、これは編成とか行動とかやります場合、そこに通報が参ります。この第三幕僚室長から、私どもは直接そういう移動につきましての情報をもらいまして長官に御報告申し上げる、こういうことでございます。今度の場合通報がなかったのは、先ほど申し上げましたように、ごく少数の一機、二機、三機程度のものの移動であったということでございますので、従来そういう程度のものに通報は要らないということを私のほうから申しておりましたので通報がなかった。こういうのが真相でございます。
○山本伊三郎君 私らはその点で、一機、二機、三機ぐらいだったら、そういうものがなくてもいいと言われますが、そういう偵察機とか、そういうものであれば問題ないが、飛行機でも、一機でも相当戦闘力のある機があるのですから、そういうことで、ごまかしておらないと思いますけれども、そういうほんの一機、二機の少数機であれば連絡がなくてもいいのだということでは私は困ると思うのですが、その点、防衛庁長官どうですか、今後の問題として。
○国務大臣(藤枝泉介君) 今度の場合の防衛庁が知らなかったというのは、昨年の後半期に、三沢の少数機が本来の目的、いわゆる日本の安全及び極東の安全のための目的を持って極東の他の地域におった。ところが、他の地域におったものが、他の地域の、これはフィリピンにおりまするアメリカ空軍の司令官でございますが、その指揮下に入って、その指揮下に入ったものがタイに移動したということを知らなかったということだけでございます。全体としての動きは、先ほど来申し上げておるように承知をいたしておったわけでございます。また、その一、二機と申しましても、もちろん御指摘のような点もございますから、それらの点について十分今後も連絡は密にいたして参りたいと考えております。
○山本伊三郎君 この問題で、もう一つだけ聞いておきますが、実は第七艦隊の海兵隊がタイに相当、二千ぐらい上陸しているらしいのですが、それが聞くところによると、これは私の推測ですから……。日本の演習場、いわゆる具体的に言うと、北富士または東富士で演習をした人がほとんどだと言われておるのですがね。そういうことは防衛庁としては全然御存じないですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、富士演習場で演習をするものの相当部分というものは沖縄におります海兵隊がこちらに参りまして演習をいたしております。そして演習が終われば、沖縄にまた帰るわけでございます。したがって、沖縄におりまする海兵隊がどういう行動をいたしておるかということにつきましては、われわれは承知をいたさないわけでございます。
○山本伊三郎君 そこでですね、これはわれわれの立場から考えるのですが、大体富士演習場を使用するという海兵隊ですね、そういう目的でやられておったということは、まあこの前の通常国会でも私はこの点を追及したと思うのですが、どうもわれわれの感覚では、日本の演習場で訓練をすることは、いわゆる皆さん方言われる日米安全保障条約による共同防衛に役立つように演習をするのだという受け取り方を国民はしておると思う。おそらく行っていなければそれでいいのですが、海兵隊はおそらくそういうところを目標にやっておられたということをわれわれ聞いておるのです。そうなると、日本の演習場を使用して日本の安全を守るのじゃなくして「いわゆる極東以外の所に配置すると、こういうことであればその地元の人もどうも納得ができない感情になると思うのですが、私はこれは見ておったのではないのだから、ここでやった人がタイヘ、ラオスへ行ったとは言っておらないのです。おそらくそういう目的でやられておったと私は思うのですが、そういう点でどう思われますか。もしそういうことであれば、今後演習場の使用について日本国民は釈然としないと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) この沖縄におります海兵隊は第七艦隊に所属いたしまして、日本の安全と極東の平和と安全のために寄与するという使命を持っておるわけでございます。したがいまして、それらの部隊が日本の施設区域を使用するということは安保条約で認めておるわけでございまして、われわれがこの富士演習場の演習を認める根拠はさようなところにあるわけでございます。
○山本伊三郎君 そうすると、そういう勝手なところに派遣されるということは、演習場使用については防衛庁としては望まないと、こういうことですね。
○国務大臣(藤枝泉介君) われわれが富士演習場等を提供するということは、それらの部隊というものが日本の平和と極東の平和と安全に貢献をするという任務があるということを認めて、これを提供しているわけでございます。
○山本伊三郎君 これはまあそこまで言われたらあまり追及はしません。それで裏を返せば、もしそういう日本の演習場を使用して訓練したものがそういう極東の平和を守る、わが国の安全を守るという、こういう趣旨以外に利用されることは、防衛庁としては望まない、好まない、こういうことだと私は考えていいですね。そのとおりですね。
○国務大臣(藤枝泉介君) まあ繰り返すようでございますが、海兵隊そのものの任務に、極東の平和並びに日本の安全に貢献するという任務を持っているわけでございます。そういうものに対しまして日本の施設区域を提供するということは、条約上の日本の義務だと心得ているわけでございます。
○山本伊三郎君 これはあとの問題に関連するのでもっと追及しておきたいのですが、これはここでやめておきましよう。 次に、これは参考までに聞いておくのですが、このジョンストン島における米軍の超高空核爆発の装備をしたソー・ミサイルですね、核爆発寸前にこれが実は破壊されたと、まあ新聞紙上聞いておるのですが、いろいろこの問題で論議があって、非常に危険だと言われておるのですが、防衛庁としては、まあ科学技術庁ではないからわかりませんが、防衛庁としてはこれは心配ないのだということが調査されて聞いておられるのでありますか。全然そういうこと日本政府で聞いておらないならそれでいいのです。聞いておりますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 私のほうで直接に調査をいたした、あるいはそういうもののいろいろ尋ねて調査をしたという事実はございません。
○山本伊三郎君 これは防衛庁には直接関係ないか知らないけれども、やはり軍事用に利用されるためにやっておるのですから、そういう核兵器は持たないということは、非常に危険だからというので持たないと思うのですが、そういう核爆発前に破壊されたものの危険性というものについて、防衛庁としては何らそういう点については研究もしておらない、こういうことですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 今回のあのアメリカの実験については、ただいまのところそういう調査をいたしていないということでございます。もちろんこうした問題いろいろ関係するところがございますので、関係省庁とも十分今後連絡をして参りたいと考えております。
○山本伊三郎君 それじゃ関係省庁といっても、政府では別にこの問題についてはまだ取り上げておらない、科学技術庁でもそういう問題はない、閣議でもそういう問題は出ない、出ておらないということですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 科学技術庁としてどういう調査をされておりますか、私は、存じません。ただ、閣議にはまだこの問題が提起されたことはございません。
○山本伊三郎君 この問題はまだ初めての事項であるらしいから問題ないと思いますが、非常にやはりその水域におる人は危惧を感じておる。したがって、この点はどういう危険性があるかどうか別として、やはり政府としてはある程度の調査なり、また、アメリカに問い合わせて、そういうことの国会で答弁できるくらいの準備は私はやるべきでなかろうかと思うのです。この点防衛庁長官として、あなたの責任を問うわけではないですが、あなたどう考えられますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) もちろんそういうこともあろうかと思います。すでに、まだ決定したわけではございませんけれども、科学技術庁としては今度の問題に関連したわけではございませんけれども、アメリカの核実験に関連いたしまして、調査船も派遣したいというような御意向も持っておられるようであります。こういう問題につきましては十分政府としても研究を進めるべきものだと考えております。
○山本伊三郎君 これで、私希望しておきます。やはりこれも初めてのことであるだけに、どこまで危険が及ぶかということについては非常に不安があると思うのです。政府としては、国会で報告する必要はありませんから、その危険性については、政府としての調査をされたことを国民に知らすべきであると思うのです。この点私は特に希望しておきたい。その点どうですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) よく関係の閣僚等にも御意思は伝えまして、そういう方向で考えたいと思います。
○山本伊三郎君 時間がないので、次に北富士の問題。調達庁……。 実は、第四十通常国会の幕切れのときに、時間がないので変な終末になっておるのですが、あのときに防衛庁長官も答弁があったと思うのですが、北富士の入会権の補償の問題ですね。学者のいわゆる研究というか、調査を待ってそしてやるということになっておりますが、もうすでに六月に入っているのですが、この問題についてどういう結果になっているか、その点ひとつお伺いいたします。
○国務大臣(藤枝泉介君) 詳細は政府委員のほうからお答えいたしますが、あの際にも申し上げましたように、いろいろ利害関係あるいは学問的にも研究をいたさなければならぬ問題がありますので、学者に調査を依頼いたしまして、それが当時不動産部長からお答えいたしたかと記憶しておりますが、その結論が六月の初めには出るであろう、それによって処置をいたしたいということでございました。今、学者の調査をいたしました結論を急いでもらっている段階でございます。
○山本伊三郎君 大体の、実は私もこれを初めからやっておるので、いろいろ直接学者にも聞いておるのですが、一体学者の結論といいますか、学者の意見というものは、僕らもはっきり知っておるのです。ただ、学者の調査の結論を待ってと言われまずけれども、私はそれはもう時間的にあとにずらす、引き延ばそうということであって、学者の見解というのは、私ははっきりしておると思う。一体学者がどういうことを今まで言っているのか。もうすでに長い期間があるのですよ。これについて防衛庁長官でなければ調達庁長官、もううそを、だまさずに、こちらも知っておるのですから、だからどうなっておるのだということをはっきり言われたほうがいいと思うのですが、その点どうですか。
○説明員(林一夫君) この適正化をはかるためには、やはり客観的に妥当ないろいろの意見を参考資料としまして判断しなければならないのであります。そのような意味をもちまして、学者に調査を依頼したわけでございます。この調査の結果につきましては、先ほどもお話がありましたように、まあ六月の上旬には大体御報告ができると、この報告の集計が終わって六月の下旬には関係者と協議ができるというようなことをこの前の委員会においても申し上げたのでございます。まだ学者の調査は全部まとまっておるのではないのでございます。大体近いうちにはこの学者の報告というものは全般的にまとまりますので、まとまった結果によりましてそのような意見を参考にし、尊重し、関係者と協議をさらに進めたい、こういうふうに考えております。
○山本伊三郎君 東京教育大の滝野博士ですね、皆さん方は御存じだと思いますが、いろいろ御意見があるのです。私も数回会っておりますがね。防衛庁はもっともっと率直になっていいのじゃないかと思うのです。おそらくこれは防衛庁長官は御存じないと思う。どうもどこかで、ごまかしという言葉は使いませんが、いろいろとそこにテクニックをやられるからますます私は解決がおくれてくると思うのです。学者はそういう政治的は解決まで入れないのです。入れない、要するに、学者には良心がありますから。それに学者の大体意向はもうわかっておるのだから、あとは私は政治的の解決以外にないと見ている。学者が出したものを、そのままを調達庁がそれでやるということであれば、これは別問題です。それをどうも調達庁は——長官も十分御存じであるかどうかしれませんが、私は納得できない。これは私も二年間やっておりますから、私もここで発言する以上はそう自信のないことは言いません、この問題に関して私は相当やってもおりますから。だから、やがて学者の結論が出るからと言われますが、一体いつ出るのですか。あなたは六月末まで待ってくれと、こういうはずでしょう。そういうことじゃもうだめですよ。だから、学者がどういう意向であるかということが大体おわかりであれば、こういう方向で解決をしたいのだということをやっぱり具体的に調達庁は持つべきですよ。学者の調査に隠れみののごとく隠れて、そうして日を、時間を延ばしてこれを解決しようと思っても、ますます私はこの問題は混乱してくると思うのですが、その点調達庁長官はどう思いますか。
○説明員(林一夫君) やはり適正化をはかるということになりますと、やはり客観的に妥当な判断の資料を得る必要があるのでございます。そのような意味におきまして学者に調査を依頼したのでございます。この調査報告がまとまりますれば、このような資料を参考といたしまして適正化をはかっていく、地元と協議を進めて参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。この調査の報告でございまするが、これは近いうちに全部まとまることになっております。まとまりましたら、さらにこの地元との協議をその線でさらに進めて参りたい、こういうふうに考えております。
○山本伊三郎君 まとまらなくても、問題点は、このいわゆる現地における堆肥の量が幾らであるか、それから購入するわらのやつの値段を幾らにするか、こういうところで集約されてしまうと思うのですよ、土地、土質の調査とか、そういうものまで依頼していないのですからね。私は、学者としては意見を持っておると、ただ、これをどうとるかというのが調達庁の私は政治的判断だと見ておる。総合的に非常にむずかしいような学者の調査と言われますが、学者としてもそんなに調査をするといっても、この問題についてはある程度の限界があるのです。それをどうも私はこの前言いたかったのですが、国会がああいう状態で終わりましたから、言い尽しておらない。私は調達庁長官の言われた、総合的なそういう調査の結論を得てやるのだということについては、私は納得できない。すでに学者の意見というのはまとまっております。わらの値段でも、もうすでに出ておるはずです。一体何を調査を今後依頼するのか、私にはわからない。そういう点が、私にはっきり答弁できればやってもらいたい。それをまた、きょうの国会では、そういうことで、とにかく六月の末ごろまで待ってもらいたい、そういうことで、そしてまた次にどうこうという答弁をされる。調達庁は一体どういう腹であるか。もし言われるなら、学者が出したいわゆる調査結果というものは、これですぐ出たものずばりでその解決にもっていこう、そういう腹ですか、その点ひとつ聞いておきたい。
○説明員(林一夫君) 学者の報告は、ただいま申し上げましたとおり、まだ全部完成はいたしていないのでございます。この報告が全部まとまりますれば、その報告について、十分資料を整備しまして、これらの学者の資料というものを参考にしまして話し合いを進めたい、こういうふうに考えておるわけであります。学者の調査ずばりというようなことではないのであります。どこまでも学者の意見というものは、やはり客観的妥当な判断をする一つの資料として私どもは求めておるわけでございます。このような資料を十分参考にしまして、地元と話し合いを進めていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。その学者の調査結果も、ごく近いうちにまとまることになっております。その点はひとつ御了承願いたいと思います。
○山本伊三郎君 これは私は時間があれば、決して了承しない、これはもうきょう一日じゆうでもこの問題についてはやはりやらぬといかぬと思って来ておるのですが、防衛庁長官の時間の制限があるから、私は承認しないけれども、一応次に移るけれども、これは調達庁長官が了承してもらいたいと言っても、了承できないのです、前からのずっと経緯を見ると。一体調達庁はどういう解決をするのかという、私はもうすでに考え方すら疑ってきた。また、演習が始まるようになれば問題が起こりますよ。この責任は一体だれがとるか。私はやはり誠意の問題だと思う。誠意があれば、やはり地元の人も聞くと思うのですが、誠意がないから。きょうも私は秋田から飛んできたのですが、新聞を見ると、読売には、そこにおられる不動産部長の何か人事院に対する申請も出ているようです。こういう問題も私初めて聞いたんだが、どうも問題をますますこんがらがしていくと思うのですが、私はもう実際知っておるが、私から答弁するわけにいかないから結局聞いておるのですが、大体学者にも私は二回、三回会っておりますし、意向も聞いておる。別な学者にまた依頼するのであったら別ですよ、これはまた別な結論が出るか知りません。十分われわれもそういう意見を聞いて、そして委員会で発言しておるのですから、それを、もうしばらく待って了解してもらいたいということでは、もう了解できないのです。一体どこが問題であるかということを明らかにして解決に臨まなければだめですよ、実際問題は。−おそらく答弁もできないと思いますから、私はこれでちょっとゆるめますけれども、これは.防衛庁長官も聞いていてもらいたいと思う。おそらくそういうことでは解決できない。いろいろ無理がある、その無理をどういう工合にほぐしていってどう解決するかということ、これは一つそうすればこの問題は他に伝播することは事実です、するのです。それがために私らが一昨年ですか、北富士視察にこの委員会から行きました。そのときに私は報告書に書いておったように、実際受給資格があるかどうかということをはっきり確認しなさい、その上で政治的に解決する分は別にある、そうしなければ解決できないです、そういう報告書を書いておるのです。その当時林長官はおらなかったが、不動産部長はそのときおった。当内閣委員会の視察報告書をあなた読んだと思うのです。あなたどう思いますか。
○説明員(沼尻元一君) 当時の調査団の報告等からいたしましても、この北富士には五つの入会組合がございます.が、それに対して草の補償をしておるわけでございますが、この調達庁の行なっている補償が不公平である、あるいは均衡を欠くというような声がだいぶございました。そういった点から、私たちも従来調達庁が行なってきた補償、そういうものがわれわれの独善になってはいけない、そういう点から、ここで第三者の学識経験者、そういう方々の調査も交えて、私たちの独善性でないような、そういう公平な補償をやっぱりしなければいかぬ、そういう点から学者の意見、調査というものを依頼したわけでございます。私たちこの学者の調査というものを別に隠れみのにしておそくしておるわけでは決してないのでございまして、むしろこの適正化と申しましても、北富士について二つの問題がございます。一つは忍草等からの稲わらとか、そういう点について……。
○委員長(河野謙三君) 御答弁中ですが、長官の時間も非常に限られておりますから、答弁を簡単にしていただきたいことと、もう一つ、今の御質問は、内閣委員会で北富士の調査をされたこの調査の報告書がある、その調査の報告書を読んでどういうふうに受け取っておるか、こういう御質問のように思いましたが、それについて答弁してもらいたい。
○説明員(沼尻元一君) 調査の結果、全体として調達庁の補償のやり方に対して、均衡を欠く、公平を欠くというような点が出ておりますので、そういう点を考えて、学者、学識経験者の意見を聞くということにいたしたわけでございます。
○山本伊三郎君 あなた私の言うことをよく聞いて、それだけで答弁されていいのですよ。問題の焦点は、私はあの解決の根本になるのは、視察した結果、受給資格はあるという、それを明確にしなければだめだというのですよ。そういう報告を、特に、あのときは山梨から出ておった吉江氏が内閣委員長だったのですが、特に話をして、その問題を入れてくれということで、そうだということで入れたのです。それでこの富士吉田でも、あらゆる五つの組合から問題が出ますが、一方がとやかく取ると、おれのところもほしいと、こういう人間感情が出てくるから、その入会権を侵されて、それで、だれがどれだけの損害を受けておるかということをはっきりしなければ確定しないから、したがって、受給資格を明確にするために学者というものを入れてやりなさい。それが調達庁であいまいになっておるのですよ。政治的に解決をしようという考えもあって、あの県有林の一億八千万という問題も出てきたのです。だからあなたのほうで、僕は確固たる一つの補償という場合には政府の腹がなければ解決できませんよ。一つの組合であれば、それはまたある程度妥協もできますが、五つの組合がおのおのいがみ合っているのだから、それをやるためには、どれだけの損害があってどれだけの人が受給資格があるか、これを調査しなさい、それがいつできるのですか、最後にそれを聞いておきます。いつできるかはっきり言って下さい。
○説明員(沼尻元一君) そのような受給資格等も含めて調査を依頼しておるわけでありますが、この前の国会では、六月の上旬までに出してほしいということを学者にお願いしておるわけです。現在まだ集計に手間取っておりますが、私のほうとしては、これはもうしょっちゅう学者のほうに早くお願いしたいということで催促しておるようなわけでございます。
○山本伊三郎君 これは防衛庁、調達庁に聞いておきますが、今不動産部長が督促しておる。しかし、実際は結論が出ておる。あなたのほうからいろいろの注文をつけるから、学者が困っておる。実際は学者もこれはもてあましておると思うのです。というのは、先ほど冒頭に言ったように、学者は学者という良心によって言われたところをまじめにやっておるのだけれども、それをあなた方のほうでいろいろと、圧力とは言わないけれども、注文をつけるから、これは延びておるのです。そんなにこれはむずかしい学究的な調査じゃないのですよ。そういう点をあいまいにしておいてこれを解決しようといったってだめなんです。だから、防衛庁長官も時間がないので、防衛庁長官に私は今度はお願いといいますか、頼んでおきたいのですが、これは西村長官のときも地元の人といろいろお話をして、大平官房長官の仲介で池田総理とも会っておられるのです。それで、あなたが就任されて、まだ地元にも会っておらないのですね。一ぺん、この問題でどうこうするということを言う必要はない、やはり事情をみずから聞いて判断されたほうがいいと思います。何もあなたが調達庁長官を押えたりしろとは言っておりませんよ。事情を、そういうことを聞くという、地元もそういう希望があるようですが、長官はどうですか、時間的に。
○国務大臣(藤枝泉介君) 最初にお断わり申し上げておきますが、なるほど学者の調査の中で、先ほど山本さん御指摘のような、たとえば施肥量がどうであるとか、わらの値段がどうであるとかいうような、断片的な、と申しては恐縮ですが、そういう中間報告を受けておることは私も承知しておりますが、しかし、全体としての最後の報告が出ておらない、それを急いで出してもらうように督促しておるということでございます。そして、それはあくまで学者の良心的な、学術的な結論をいただいて、その上に立って、それを参考としつつ適正な処置をとるという方針でありますことは申し上げておきます。それから地元の事情等につきまして、御要望があれば私も伺ってよろしいのでございますが、いずれにいたしましても、そういう段階になっておりますので、その点につきまして作業を進めるようには私調達庁を大いに督励をいたしたいと考えております。
○山本伊三郎君 本日、長官そういうふうに言われますが、おそらくあなたの部下というとおかしいですが、調達庁の係の人からそういうことを聞いて判断されておると思うのです。私は直接現場に行き、また、学者の意見も直接聞いたりしてあらゆる角度から見ておるのです。これは学者の調査の結果だけでは、私は解決できる問題でないという一つのあれを持っておるのです。最後はやはり防衛庁長官なり、政治的にこれはやらぬとおさまらない問題です。地元に行きますと、おのおの、こう言うとなんだけれども、やはり自己の立場で主張されておるのですから、一方がこう出れば、一方はこうだと、どれが公平であるかという線1いわゆる学者の客観的な調査によって見るとどうであるが、そこまで学者にやらせることは無理な点がある、実際問題として。これは学者の調査の結果を見てみますと、これは出ても、その上で皆さん方がいわゆる政治的な判断によって解決しなければならぬ問題が私は出てくると思うのです。したがって、あまり学者に注文をつけずに学者の良心にまかして、一応依頼した調査事項だけ調査をしてもらって、その上で、どうせ学者の意見を尊重せぬといかないのですから、具体的なわらの単価とか、あるいは施肥量の数量とか、こういうものについては、これは学者が出したやつ、あるいは従来の慣例というものがあるんだから、これでやらぬといかないです。この点はすぐ出ると思うのですが、どうもいかない。しかし、出た上でもし調達庁が判断して、この単価でやると、どうしても国費の上ではまかない切れないという結果が出てくるなら、また別の政治の問題で扱っていいんですから、何か学者の意見をそういうところにずっと持っていこうというようなことのないように、私はあるとは言いませんよ、そういうことのないように、ひとつ学者は学者らしく良心的な調査を依頼して、出て.くる結果によって、判断によってやると、こういうことでやってもらいたい。したがって、できればやはり地元の多くの人の御意見を聞かれたらいいと思いますので、この点だけ希望しておきます。
○安田敏雄君 関連して。今の北富士の入会補償の問題につきましては、私が地元だから、これはもう接収以来十数年間よく知っているわけなんですよ。そこで、江崎長官が三十五年の八月九日、昨年三十六年の九月十二日に地元に約束したわけなんですね。で、そのときのいわば約束は、覚書第三項の対象事項というのは、稲わらに関する問題、それが第一点、それからソダに関する問題が第二点、それから産出額の二割打ち切りですから、八〇%を補償額とする問題、この三つに限定されておることを確認しておるわけです。ところがその後、この交渉を地元の組合とやっておったところ、政府から六月覚書をいただいて以来七十二回交渉しておる。ことしになっても一月十六日から交渉を再開して、三十一回に及んでおるわけです、交渉が。そういうようなことの結果、途中で出てきたものは、この稲わらの単価というものが、庭先渡しの価格が、従来貫当たり十三円五十八銭で計算しておった。ところが、それが二十四円ないしは二十五円という結論が交渉の結果出てきた。そうしたところが、従来の平均年使用量を今までは四百貫ときめておった、接収以来。ところが、単価が倍になって四百倍かけるということで非常に多くなってしまうということで、今度は急に学者に調査を依頼されたということで、今調査の対象にならないような事項をあげて、補償の対象にならぬような事項をあげて、そしてこの二百七十五貫に減らしてきたわけです。ところが、その二百七十五貫の学者の答えだという結論も、これは結局、いろいろ地元から学者と当たってみたり、調達庁と当たってみたところが、全然この数字は撤回しておるわけです。一体そういうような非常に誠意のないことを今日までやってきておるわけです。長官の意を体してやっておらないわけです。ですから、ただいま山本さんがおっしゃるように、問題はもうはつきりわかっておる。過去の林野雑産物の基準によりますというと、第四条第一項で、これは年間使用量四百貫というものはずっと補償の始まり以来きめてきたことです。これをここへきてあえて変更しようという考え方。ですから学者はそういうことは調査できないとはっきり言っておるわけです。それを学者の結論を六月まで待ってくれ待ってくれということはどうも納得がいかないわけですがね。こういう点はどういうふうにお考えになっておるのですか。
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほどもお答えいたしましたように、いろいろな当内閣委員会の調査の御報告等も参考にいたしまして、学識経験者に調査を依頼いたしたわけでございます。そうしてその中間的な報告のあったことは私も承知をいたしております。しかし、最後の報告がまだないのでそれを督促しておるというわけであります。何か調達庁が底意をもっていろいろ地元の不利になるような調査をさせておるような御印象をお受けになっておるかと存じますけれども、そういうふうなことはございません。先ほど山本さんにもお答えいたしましたように、学者には良心的に、学識経験を生かして客観的な調査を出していただき、それを参考にいたしまして適正な地元との交渉をいたしたいということに変わりはないのでございます。
○安田敏雄君 四月二十八日に、その交渉の際に、東京教育大学滝野教授が地元で話し合った。そのとき、横浜調達局課長も立ち会っておって、学者はこう言っておるのですよ。堆肥使用量を二百七十五貫にきめたという数値は、これは調達庁の要請によって取り急ぎ算出したものであるということ、しかもこの数値は横浜調達局長の言うような接収前の堆肥使用量ではなくて、三十五年度、その接収下における特定農家の堆肥使用量であって、それも正確なものではないので、外部に発表しては困る、こういうことを言っておるわけですよ。そういうようなことを調達庁に注意しておった。そして問題の接収前の堆肥使用量については、立証条件がないから調査不可能であると、こう言っております。さらに申し上げまして、一定の限度事項については実態調査の数値が応用できるという話だが、これは明らかに政治的な解釈なんで、学者の手に負えないということを物語っておるわけなんです。ですからもうこれ以上学者に頼んでも平均年使用量というものは、これは学者がきめられないのですよ。それはただもうその林野雑産物の補償規定の第四条一項に従うより仕方がない。それは過去にきちっときまっているはずなんです。それを単価が上がったから、今度補償量を少なくしょうというので、それを引き下げようというその無理なことをあなたの庁の人たちが横浜調達局をしてやっているわけなんです。ですから、あなたが覚書で適正化しようというそういう趣旨とは全然反対なんです。あなたが好意をもって地元にお約束したことは地元は非常に喜んでおった。ですからそれをいたずらに六月下旬まで待ってくれというようなことではならぬ。とにかく三十一回交渉して、一月十六日から一ですから問題の焦点はしぼられてきているわけなんですよ。それは過去の経過を言えばあなたもきっとびっくりするでしょう。渋谷の忠犬ハチ公の前に持ってくれば書類を渡すとか、そういうことまであるわけなんです。そんなことではいつまでたっても解決しようがない。学者はこれ以上調査できないということをはっきり言っておるわけなんですね。ですから六月末日まで待ってくれ待ってくれということは、過去幾度もそうなんでございますが、いや三月には解決つける−昨年でもそうでしょう。覚書では会計年度までに必ず解決つけると言って、昨年の暮れの補償額は、いわばそういう暫定的に年使用量等はもう従来のものを尊重していく、ただ単価がきまらないからということで、昨年は仮払いしたわけですよ。それで問題の焦点を会計年度末には必ずやるということまでも約束しておるわけなんです。これ以上いつまでたって解決するのですか。しかも地元のほうのことをいろいろ勘案するというようなことを言っておりますが、地元の山梨県知事はわれわれが会いますというと、忍野で解決をつけることは少しも差しつかえないのだということを言っておる。あなた、それで最後に、もっと聞きたいのですが、それでつい最近、私きょうも新聞見てびっくりしたわけなんですけれども、そのもう交渉が少しも進まない、誠意がないということで、あなたの不動産部長1それにいる、それから横浜調達局長が、これは憲法の十六条によって罷免の請願をしておるでしょう、あなたに対して。公務員としてあなた恥かしいことじゃないですか、交渉の誠意がないから罷免の請願を受けるなんて。こういう一体ケースがどこにある。こういう罷免の問題についてあなたどういうようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(藤枝泉介君) そういう手続は私はまだ受け取っておりません。重ねて申し上げるようでございますが、学者にこれからさらにその調査を依頼しようというふうなことではございません。今まで調査されたのを取りまとめて早く報告をしてくれということを頼んでおるわけでございます。それでもし今御指摘のようにこういうことは調査が不可能であるなら不可能であるという報告を受ければ、その上に立って判断をいたすわけでございます。いずれにいたしましても、そういう調査を委託いたしました学識経験者の報告を早くもらいまして、そうしてそれを参考として、その上に立って判断をいたしたいと考えておるわけでございまして、決してそれに籍口してこの補償等を遷延いたしておるわけではございませんし、また、一方で単価が上がるから一方で施肥量を何とか減らすのだというような作意を持っておるわけではございません。
○委員長(河野謙三君) 安田君に申し上げます。 防衛庁長官との約束の時間はすでに経過しております上に、質疑の通告をすでに受けております下村委員のまだ質疑に入っておりませんので、次回にひとつ適当な機会に譲っていただくことができれば、この際、防衛庁長官の都合がありますから、下村委員の質疑に入りたいと思います。御了承願います。
○安田敏雄君 委員長、最後にひとつ、時間がないからやむを得ませんから、またするにいたしましても、ちょっと要望事項がありますから……。
○委員長(河野謙三君) それじゃ簡単にお願いいたします。
○安田敏雄君 実は過去の経緯から見て、米軍が演習しているときに、あるいはしようとするときに、あそこの人たちが演習阻止の実力行使をしたわけなんですよ。そういうときに限って政府は非常に誠意を示す。ところが、米軍が来ないで演習しておらぬときには、問題の焦点をいつでむはずしておるわけなんです。これが過去の実績なんです。もし国際情勢が急変して、またあそこに来て演習をするような場合がいつ出るかわかりませんよ。こんなままだったらこれはおそらく演習はできませんよ。そういうような緊急のときばかりいつでも地元に誠意を披瀝したようなことを言って、あとは全然また解決がつかない、これが実態なわけなんです。あそこの過去のもう接収以来のいろいろ経緯を見れば、あんたおわかりのわけなんです。三十二年のときには警察署長が殉死したり何かした問題もあるわけなんです。そういう不測の事態さえも、不慮の事態さえも出るわけなんですよ。ですから早急にこれを解決することに、もはや不動産部長あるいは横浜の調達局長ではこれはもうだめなんです。だからあなたが、長官、あなたが地元から代表を呼んで、そうしてその間の実情をよく聞くということをここで約束してもらいたいということと、それからなお、委員会全体としても、おそらく委員長初めこの問題については関心を持っておるだろうと思う。内閣委員会も前にあそこのことを調査しておるわけでございますから、だからこういう委員会に学者と地元を呼んで見ればよくわかる。そうしてその参考人として委員会で聞けばどこに解決しない点があるかということがよくわかるわけなんです。これは委員長に要望することでございますけれども。それから地元と十分話し合う一ことし三十一回もやっておるわけでございますから、そういうようなどこが煮詰まらないかという問題については、藤枝長官と林長官が地元をもう下にまかしておかないで、十分呼んで、その中で政治的の解決ができるものなら政治的な解決をつけてほしいと思う。地元では補償をたくさん取ろうというのじゃないのです。これがゼロになってもいいということを一番最初約束してあるわけですよ。交渉のときに、一月十六日の交渉再開のときに地元では、われわれは補償が倍になろうがあるいはゼロになろうがそれはかまわない、ですから調達庁はそのように確認してほしいと言ったところが、これについてやはり同意を与えているわけなんです。そういう経過の中から来ているのでございますから、やはりこれは両長官が地元の代表者と十分それを懇談して最終的に妥結点を早急に見つける、こういうことをひとつ確約できますかどうか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(藤枝泉介君) もちろん地元の方々とお会いすることも、決してそれを拒否するものでもなんでもございません。喜んでお会いすることもあります。ただ先ほどから申し上げておるように、これは何か遷延策のために学者の報告をおくらしておるのだという御印象でございますが、決してそうではないのでございまして、そういう学者の報告を待ってその判断の上に立って地元と交渉するということでございまして、その段階におきまして私が必要ならば、あるいは調達庁長官が必要なら調達庁長官がその衝に当たるということは、これは決してこれを拒否するものでもないわけでございます。
○委員長(河野謙三君) 安田君に申し上げます。 ただいま委員長に御要求の北富士の問題を当委員会で再び取り上げて善処すべきである、御意見につきましてはごもっともと思いますから、いずれ理事会に諮りまして、この取り扱いを決定したいと、かように思います。 下村君。
○下村定君 長官はお急ぎのようでございますから、なるべく簡単に、それじゃ一つだけ長官にお伺いいたします。私は先般の参議院の予算委員会におきまして防衛の問題について総理大臣、防衛庁長官、そのほか関係の大臣方に質問をいたしたのです。本日はその点を一歩踏み込みまして長官並びに関係の職員の方からお伺いしたいと思います。 質問の第一点は、現在の国際情勢、ことに盛んに世界の各地で行なわれております冷たい戦争というものに対しまして、日本のとるべき安全保障の計画、これに伴う政策が現在のままでいいかという点でございます。言葉をかえて申しますと、現在東西両陣営の間、ことにソ連、中共が盛んにやっております国際的な闘争手段、たとえば心理戦、経済戦、そのほか直接武力を使用しない政治的な暴力に対しまして、国の安全を保障するためには、単に、目に見えた自衛力の整備ということだけでは私ははなはだ不十分であると思います。広く内政、外交の分野にわたって総合的な計画とこれに伴う施策が進められなければならぬ、こう存じておる次第でございます。この中でも心理戦のごときことは、共産陣営の巨頭でありますところのソ連が最も得意とするところであり、同時に、日本からいいますと、日本はそういう経験がありませんために、非常な弱点を暴露しております。現に日一日とかれらの思うつぼにはまっておると申しても.過言でないと存ずる次第であります。以上の点につきましては、一昨年来、岸前総理、池田現総理から委員会の席上御理解のある御答弁を得ております。また、藤枝長官におかれましても、この点において深い御認識のあることを私はよく承知しております。ところが、現在の制度におきましてこういう問題をどこで研究するかということになりますと、これは当然国防会議だろうと思いますが、その国防会議の活動は他の経済閣僚懇談会等に比べますと、失礼な言葉かもしれませんが、非常に低調である。また、それに対するその議長である総理大臣の御熱意もどうも必ずしも十分でないように感ずるのであります、先般の予算委員会における総理大臣の御答弁、それから国防会議の事務局長代理の御答弁によりましても、この国防会議はどうも十分に活動していないという感じを持つのでございます。たとえて申しますと、昨年第二次防衛整備計画が立てられましてから、国防会議というものは一回も開かれておりません。国防会議懇談会は三回やられておりますが、その内客を聞きましても、先ほど例にあげました心理戦というようなものはあまり議題になっていないようです。こういう状態でありますから、はなはだ差し出がましい申しようではありますが、防衛庁が国家安全保障について最も重大な責任を持っておるところでありますし、また、私の承るところでは、防衛研究所等におきまして相当広い範囲の御研究ができておるようであります。そこで防衛庁がこの際率先して、所要の資料を国防会議に提供せられまして、懇談会なり何なり、それはいろいろやり方はありましょうが、要するに、総合的な国防政策の樹立とその実現を推進せられることが望ましいと存ずる次第でございます。それに対して長官の御意見を伺います。
○国務大臣(藤枝泉介君) 国の防衛が単に自衛隊の整備というようなことだけでございませんで、国の政策全体にわたってこれが考えられなければならないことは御指摘のとおりでございます。ことにいろいろな心理的な問題等につきましてもお話のとおりでございますので、われわれとしては、こうした国の政治、外交、経済、社会文化その他あらゆる面におきまして、国の防衛という問題と関連をいたしていろいろ施策をやっていかなければならない問題であると考えております。端的に申し上げまして、ただいま国防会議をこれに十分活用したらどうかというお話でございます。われわれもいろいろ研究もいたしておりますので、十分資料等は国防会議にもお渡しすることにやぶさかでございません。また、今までも連絡を密にいたしておるわけでございます。各方面にわたりまして、広い意味の国の防衛という問題につきまして、十分あらゆる機関を活用いたしまして、ただいま御指摘のような点につきましては今後さらに一段と努力して参りたいと考えておる次第でございます。
○下村定君 次は、自衛隊の兵器の国産化、それから防衛産業の育成の問題でございます。これに関する長官の御意図は衆参両院における御答弁でよく承知しておりますから、もう全般的なことは質問を差し控えます。主として主任の局長方からこまかい点についてお伺いしたいと思います。 兵器の国産化並びに防衛産業の育成ということは、単に現在の自衛隊の兵器装備が、質におきましても量におきましても、はなはだ心細い状態にあります。しかも、従来はアメリカから提供をされ、あるいは軍事的な援助を受けておったのであります。これもドル防衛その他の関係上だんだんと減少を免れないと存ずるのであります。のみならず、この防衛産業の育成ということは、世間の一部では、何か非常にむだなもののように考えられておるようでありますが、これは政治上から見ましても経済上から見ましても、この兵器の生産を推進することによって、国全般の工業技術の水準を高め、また、経済の伸びを大きくする。さらに軍事技術によって開発されました船舶、航空、光学器械その他精巧な電気器材等のような平和的な資材を輸出して、貿易の拡大をはかるというような点で、これは全般の政策としてもむだでないばかりでなく、日本として大いにやらなければならぬことじゃないかと考えておるのであります。 以上述べました点につきまして、先般の予算委員会では、総理大臣、防衛庁長官並びに通産大臣から、この防衛産業の育成につきまして、実は私が予想しておりました以上の熱心な御態度、積極的な御意図をお示しいただきまして、私といたしましてはまことに心強く感じておる次第でございます。そこで、これは局長方からお伺いしたいのでございますが、今後この施策が進められると思いますが、その出発点でありますところの現状につきまして、次の諸点を伺いたいと存じます。 長官はどうぞ……。
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。 吉田君、長官の時間の都合、御承知のようなわけですから、お約束の時間でぜひひとつ質疑を打ち切ってもらいたいと思います。
○吉田法晴君 第四十国会の終わりのころ、社会党から政府に駐留軍の労働問題、基本的な関係と、それから離職者対策について申し入れをいたしました。このことは衆議院の社労委員会で、これは委員長以下全員一致でもって意見の一致を見て政府に申し入れる形でなされました同じ問題であります。こまかい給与の問題だとか、それから離職者対策のこまかい点についてはあとから調達庁から答弁を願うこととして、基本的な問題、申し入れについて政府としてどのように取り組み、あるいはどのように、あるいは特別国会、あるいは臨時国会に対して御用意になっておるか、その点だけを伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(藤枝泉介君) お尋ねの点は、駐留軍に働く労務者諸君の労働関係のことと存じます。結論的に申しますと、よき労働慣行を作れという御意思であります。いろいろ具体的な問題は別にいたしまして、これに関連いたしまして衆議院の社会労働委員会の御決議もあり、その他われわれとしてもふだんにそういう点は心得ておりまして、従来ややもすればいろいろな行き違い等で駐留軍労務者諸君に迷惑をかけた点もございます。そういう点につきましては、調達庁長官が中心になりまして、在日米軍のそのほうの担当並びに参謀長等と数次にわたって会見をいたし、日本の労働慣行、あるいは駐留軍労務者の状態等を十分に説明をいたし、あるいは給与その他の点につきましてもこの解決への促進をはかっております。あるいはまたよき労働慣行を作るために十分お互いの意思を疎通するための各般の問題につきまして今後さらに密接なる連絡をとるような申し入れもいたしておりまして、漸次その方向に向かって解決するように努力をさせておるのでございます。場合によりましては、私が在日米軍司令官とも会いまして、こういう問題についての促進方について今後も努力をして参りたいと考えております。
○吉田法晴君 問題点は御承知のところでありますけれども、給与一つを取ってみても、米軍が団体交渉には出てこない。調達庁を通じて、間接でありますが、米軍と調達庁との、あるいは使用者の米軍と政府、それから労働者との間に意思の一致をみない。こういうはなはだ隔靴掻痒の関係、いわば調達庁が米軍に対してほんとうに対等に話ができぬのじゃないかという関係もあります。 それから、離職者対策につきましても、炭鉱労働者のみのあるいは雇用奨励金だとか要望が出ておるわけでありますが、問題点はここで繰り返しませんが、それを今接触を密にして解決をしていきたい、こういうお話ですが、その要望点を取りまとめて、こういう工合にしたいということで、閣僚懇談会等にもかけて、あるいは特別国会、あるいは臨時国会にかけなければならぬ問題だと思うのですが、その見通しあるいは決意というものを、申し入れました申し入れに従って政府としてどれだけ取り上げられ、どういう見通しになっているか、このプログラムを伺っておるわけでありますが、それに関連してもう少し詳しくお答え願いたい。
○国務大臣(藤枝泉介君) たとえば離職者対策のような日本政府だけでできるものにつきましては、これは目下各方面と研究を進めております。 また、対米軍の問題につきましては、今申し上げましたようなことでございまして、要するに駐留軍労務者と米軍との十分な意思の疎通のないような点につきましては、これをほぐしていくことが必要でございます。そういう努力をいたしますと同時に、どういう形でやりますか、閣僚懇談会というような形にいたしますかどうかは、なお研究さしていただきたいと思いますが、日本政府として解決をしなければならぬ、それに立法措置を要するようなものにつきましては、そういう方向で研究をして参りたいと考えております。
○下村定君 では、質問を続けます。もっとも、ただいまからお尋ねいたしますことは、突然でもございましょうから、もしここに資料をお持ちにならぬ場合には、別にひとつ書類ででも御提出を願いたいと思います。 第一点は、第二次の防衛力整備計画に伴いまして、長期の一括契約ということがだんだん行なわれておると思います。それにつきまして、現在予定されておるもの、またすでにこれを実施されておるもの、そのおもなる品目をお知らせ願いたい、それが第一点です。
○説明員(伊藤三郎君) 御承知のように、先般陸上自衛隊の主要装備品について長期一括発注方式が採用されることになりました。現在、この品目といたしましては、戦車、装甲車、機関銃等でございます。
○下村定君 海上、航空のほうはいかがですか。
○説明員(伊藤三郎君) 海上のほうにつきましては、従来とも継続費、あるいは国庫債務負担行為、そういうことである程度長期発注の形になっておりますけれども、陸上自衛隊の主要装備品のように、第二次防衛計画の中の相当部分をこういう方式でやるということにはなっておりません。実質的には相当長期の計画になっておる形であります。
○下村定君 次は、調達と申しますか、発注と申しますか、その際に前渡金が渡されるということを聞いておるのでありますが、それはおもにどういう品目に対してやられておりますか、お伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤三郎君) 艦艇関係、航空機等が主要なものでございます。
○下村定君 火砲、弾薬はいかがでありますか。
○説明員(伊藤三郎君) 火砲、弾薬については、前渡金の制度は実施しておりません。
○下村定君 これはいろいろ理由があると思いますけれども、前渡金というものの性質から考えますと、民間の事業と関係の薄いもの、すなわち、わざわざ防衛庁のために作らなければならぬというもののほうが困るのではないかと思うのでありますが、その点はいかがですか。たとえば火砲、弾薬。
○説明員(伊藤三郎君) ただいまお話しのような事情もあろうと存じますが、さらに検討いたしたいと思います。
○下村定君 それから、F104Jの生産が始まるわけであるが、これにつきまして何か金融上の措置をおとりになるのでありますか。
○説明員(伊藤三郎君) F104につきましては前渡金を交付いたしておりますが、さらにそれ以外に金融上の特別の措置が必要であるかどうかという点については検討いたしております。
○下村定君 それから、これは前にも伺ったことがあるのですが、第二次五カ年計画の末期における弾薬の備蓄量、これは一カ月分というふうに承っております。そのトン数、それから陸海空の配分、これを一応お伺いいたします。
○説明員(伊藤三郎君) ただいま手元に資料がございませんので、調べまして後ほど……。
○下村定君 おわかりになったことでけっこうです。この一カ月分でございますが、これはいろいろほかの関係とのつり合い上こうおきめになったことと思うのでございますが、実際問題として、一カ月分といったものは、これは不幸にしていくさが始まったら、私は十日間でなくなってしまうと思う。これはもう従来の例がはっきり示している。そこで、このつなぎをどうするかということ、備蓄量をふやすか、あるいは生産設備を維持するか、その点についてのお考えを伺いたい。
○説明員(海原治君) 長期計画に関連しました方針の問題でございますので、私からお答え申し上げます。 今、先生おっしゃいましたように、一応一カ月分ということで、おおむね一カ月分ということでございますが、それが実際に装備されます場合におきましては、その場合の状況いかんによりまして、あるいは全量が十日でなくなるということも当然起こるかと思います。で、私どもが二次計画で一応一カ月分程度と考えましたのは、これは国内の生産体制とは別個でございまして、防衛庁といたしまして、各自衛隊の部隊でございますと基礎定数、及び補給地でございますと補給定量等を一応この二次計画におきましてはこの程度上げたい、こういうことでございます。もし情勢が非常に険悪ということになりますと、当然国内の生産施設によりましてある程度のものは急速増産ということにもなり得るわけでございますし、さらには米軍の日本及びその周辺における手持ちの弾薬ということも、これは最悪の場合には当てにし得るわけであります。こういうような三段がまえで考えておりますので、一応一カ月分というものは、あくまで二次計画——四十一年度末を目途といたしまして、その程度のものを自衛隊として保有したい、こういうことに御了解願いたいと思います。
○下村定君 この生産設備の維持ということですが、これがただいまのところではどうも手ぬるいように感ずるのであります。一カ月分がかりに一カ月でなくなるとしましても、それでもってあとが続かぬということになったら、これはどんないい大砲を持っていても、どんないい船を持っておっても、むだです。その生産設備の維持ということと並行しまして、備蓄量も私はもう少しお考えになったほうがいいんじゃないかと思います。つまらぬ例で申しましてはなはだ恐縮でございますが、いくさが始まりますと、これは戦争心理と申しますか、とてもたまを乱射乱撃して仕方がない。これは欧州戦争の例を見ましても、あるいはわれわれがやりました大東亜戦争でも、初回はめちゃくちゃに撃つ。ですから、これはよほどその点を余裕を持って考えませんというと、どうもいけませんと思います。一カ月ということでは私は不十分じゃないかと思いますので、御参考までに申し上げておきます。 それから、これも委員会で御調査を願ったと記憶しておりますが、最近、有力な若干の会社が、採算が合わないという点でございましょうか、兵器の生産を中止しているということを聞いたのでございますが、その御調査の結果はいかがでしょうか。
○説明員(伊藤三郎君) その点、私どもただいま承知いたしておりませんが、調査いたしてお答えいたしたいと思います。
○下村定君 私もずっと実地について調べたわけでございませんけれども、先般、ある会社——たまを作っておった会社でございますが、そこに行ってみますと、やはり、理由はわかりませんけれども、中止しております。この点、ひとつお調べを願いたいと思います。 それから、これも私確実なことを知っているわけじゃございませんから、念のためにお伺いするのでございますが、三十五年度の潜水艦の建造計画がおくれているということを聞いたことがございます。そういう事実がございましょうか。
○説明員(伊藤三郎君) 潜水艦の計画につきましては、三十一年度以降三十六年までに六隻の建造計画をいたしておりまして、現在建造中五隻でございます。特におくれているというような事情は承知いたしておりません。
○下村定君 質問を終わります。
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。 他に御発言がなければ、本件はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(河野謙三君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の給与に関する件について質疑の御要求がありますので、これを許します。関係当局からの出席の方は、入江人事院総裁、滝本給与局長でございます。御意見のおありの方は、順次御発言願います。
○山本伊三郎君 それじゃ簡単に質問いたします。本年度の給与の勧告の問題ですが、すでに四月中に民間の給与調査が終わったと思うのです。その事情をちょっと先にお伺いしておきます。
○説明員(入江誠一郎君) 民間の調査は、御存じのとおり、四月現在で調査いたしますのでございますが、これは四月いっぱいの民間の給与を支払う状況につきまして、五月から調査を始めます。現在、御存じのとおり、人事院の本院なり、地方事務所なり、それから地方の人事委員会で調査いたしておりまして、まだ調査の途中でございます。いずれやはり調査いたしまして、その結果を御存じのとおり統計局へ出しまして集計いたしますので、その結果が出ますのは、やはり例年の例によると七月の中旬か下旬かと思います。
○山本伊三郎君 事務手続は大体そうだと思うのですが、長らく入江総裁も人事院におられ、エキスパートの滝本局長もおられますから、大体本年度の一応の見通しというものは私はあると思う。正確な数字は、これはなかなか統計数字によらなければ、それは自信のある答弁はできませんが、いろいろ政府の遊説先の話を聞きますと、たとえば大平官房長官は、教育制度の問題に触れて、教育者の給与について考えなくちゃいけない、こういう発言があり、また科学技術庁の長官は、技術者に対してはこれではいけない、こういう意見は、単にこれは新聞報道陣に対する話ではなくて、国会でもそういうことを正式に言われておるのです、予算委員会において。したがって、人事院としては、調査は調査ですが、これは上がっていることは間違いない、下がっているということはない。その点、総裁なり局長から勧告は出さなくちゃならぬと、私はそう思っている。それも言えないというのでなくして、われわれもこれに対しては院内である程度、協力ということには言えぬかもしれませんが、いろいろと関心を持っておりますから、その点について総裁の御答弁を願います。
○説明員(入江誠一郎君) 例年給与の夏の勧告あるいは報告をいたすことになっております関係上、国会の皆様方はもとより、公務員の皆さんなり、いろいろ御心配になっておられることは十分承知いたしておるわけであります。ただいまお話しのとおり、政府側でもいろいろ旅行先でもって御発言があり、また各職種と申しますか、行管は行管、お医者さんはお医者さん、あるいは公務員の組合からいろいろ御要望もございます。しかし、それと同時に、お話のとおり、人事院の調査は、これはまだ全然わかりませんけれども、毎勤その他では、給与がある程度上昇しておることは認められまずけれども、これを人事院としてどういうふうに結論をつけるかということが、これが非常な問題でございまして、これはやはり人事院の調査が出ましてから、人事官会議を開きまして結論を出しますわけで、現在のところ全く——これは何もわかっているのを申し上げないということではなくて、白紙の状況でございます。
○山本伊三郎君 人事院はそういう科学的な調査によって勧告をするという、これは一応わかるのですが、政府は政府で一応ああいう見解を明らかにするのですね。これは政治家として、また政府として、勝手なことではないかと思いますが、しかし、いろいろ問題はあるけれども、人事院はやはりそういう問題について権威がある機関だと私は思うのです。これは調査を待って、それでやるのだということはわかるが、やはり人事院としては、今の公務員の給与の実態からして、その民間との給与の格差だけを固執するということも、私は今の段階ではそう必要がないのではないかと思う。人事院は、何ですか、やはり今までどおり民間の給与の調査をして、その水準を統計数字で把握して、それと国家公務員の現在の給与水準と比較して、例年やられるような、格差が幾らだ、こういう方法を固執してやっていこうとするのか、そういう方針くらいは明らかになるでしょう。
○説明員(入江誠一郎君) この方針そのものが結論と非常に密接な関係がございますので、政府側でいろいろ——政府側と言うとこれは語弊がありますが、いろいろお話しになりまするけれども、われわれはわれわれとして独自の判断を持って進みたいと思っておりまするし、民間給与との差は、もちろんこれは数字的に出てくる問題でございますから、出て参りまするけれども、これと御存じのとおり公務員法の条項とを勘案しながらどう結論を出しますかということが、これがただいま申し上げましたとおり最終の決定に至るわけでございます。現在、従来のとおりいくと申しまするか、従来もいろいろ、御存じのとおり、その年その時によって一つの方針でやっているわけでございますから、ただいま御質問の御趣旨がどういう御趣旨でございますか、その点は全く現在のところでは結論は申し上げられない段階でございます。
○山本伊三郎君 それではもう少し具体的に申しますが、今までのやり方は、私先ほど言ったように、民間の給与の調査をする抽出方法ですね。二十六万人を対象にするか、それは別として、職種別に出してきて、それで給与水準を出して、それで同種類の同学歴と申しますか、同ポストの人と比較して、そうして格差はどうだ、平均格差は幾らだ、そういうことを考えて、そうして俸給を作ろう、そういうことであったと思うのです。そうすると、国家公務員の水準を対象にせられる。これは自治大臣が来ておられませんが、地方公務員の場合は非常に問題が出てくる。地方公務員でも、なるほど国家公務員よりも高い自治体もありましょう。高いと言うと語弊がありまずけれども、水準が高いところもある。しかし、町村の場合はなべて非常に低いです。これは伝統的に低いのです。それが、私どもたびたび言っているけれども、人事院の勧告がそういう方法で出されると、国家公務員よりも極端に低い。町村の職員につきましては、ますます格差が開いてくる。たとえば、具体的に言うと、昨年は七・一%の給与の改善ということを出されたわけです。そうすると、国家公務員の場合にはそれでいい——いいとは私は言いませんけれども、一応出されている。そうすると、地方の場合は三千円ないし四千円低い。まだ平均給与一万五千円ぐらいにしかなっておりません。そうすると、七・一%ということで、自治省が国家公務員に準じて給与の改善をする、そういう通牒が出る。都道府県の場合は、御存じのとおり、人事委員会があります。したがって、都道府県の職員については、今の慣例によって、あなたの出された人事院勧告を言葉だけ焼き直してまた出しておる。ちょっと変わったものを出したところでは、東京都の人事委員会だけがあなたの意見と若干変わったものを、東京都の実情に合うものを出したと私は記憶しておる。市町村の場合は、五大市を除いて、勧告機関がないのです。公平委員会があっても、勧告機関がないのです。したがって、人事院の勧告をそのまま押しつけられて、要するに七%程度の改善をせよということを、自治省からそういう指導通牒が出る。ここに非常に不合理がある。あなたのほうの責任はないということをたびたび前の浅井総裁が言われた。国家公務員法によって設置をされた人事院だから、地方公務員についてはそういう調査をする権能もないしやっていないというのですが、現実の問題はそういうものが出てきた。だから、そういう点が、今度の勧告が出された場合に、やはりそういう問題が起こるので、そういう点について、人事院としては去年どおりにやはり国家公務員を対象にやるという方針であるかどうか、これをちょっと聞いておきます。
○説明員(入江誠一郎君) 結論から申しますると、やはり人事院としては、国家公務員、いわゆる正確に申しますと一般職国家公務員の給与についての権限がございますだけでございますから、当然これは国家公務員について考えるわけでございます。こういうことはあるいは要らない発言かもしれませんけれども、地方公務員の現状は、大体お話に近いと申しますか、むしろある富裕府県あるいは富裕都市というようなところは国家公務員より非常に高いと私は思っております。と同時に、町村は確かにお話のとおり低い。しかし、これはやはり、その点を自治省でどう考えるか、これはいろいろそこに考え方があると思いますけれども、国家公務員と同様にするのであれば、また一つこれはわかりまするけれども、国家公務員より高いのは高い。低いのは低い。それは人事院としてはいかんともいたしかたがない問題でございまして、これはどうしても自治省で一つの方針で考えていただきませんと方法がないように思います。
○山本伊三郎君 これは私、人事院を責めておるのではないのですがね。そういう矛盾が必然的に出てきておる。これは皆さん方の責任でないけれども、人事院の勧告は即またそれに準じようということで、町村の場合はそういう状態である。だから、言葉をかえて申し上げますと、あなたのほうの勧告というものは、法律上皆さん方に責任はないけれども、道義上から申しますと、慣例からいうと、皆さんがたの勧告というのは非常に力強いウエートがある、これは認められる。法律上は何も責任ないのだから、私知らぬと言われたら、これはわれわれ追及できないけれども、現実の問題としてそういうことに過去十数年間なっている。そういうことになってくると、あなたの出される人事院勧告というものは非常に私は責任があると思う。もちろん、自治省が考えるといったって、自治省は人事院の勧告に基づいてやるのだという、今までの慣例なり法律上からいったって、すべて国家公務員に準ずるということになって大体今までいっておる。すべて地方公務員はそうなっておる。そこに一つ矛盾がある。だから、勧告を出すときにそういうことを考えられないけれども、人事院としては職能外であるけれども、やはり自治省に対していろいろとそれにサゼスチョンができるかどうか。これは全然できない、地方公務員については勝手に、人事院としては国家公務員に対してやるのだから、地方公務員に対しては何ら関係がないのだ、こういうことであれば、また地方公務員は別に考える。人事院勧告があっても、それは国家公務員だけであって、地方公務員は関係ないという人事院の見解であれば、これは団体交渉なり自治省との交渉で勝手に、人事院の勧告がどう出ようと問題ないのだ、こういうことはわれわれ主張できるのですよ。今まではそうなっておらない。この点は私ははっきり言っておく。私どもは地方公務員に全然関係いたしておりません、格差がどうなろうと勝手である、自治省がやるべきことである、こういうことであるかどうか。
○説明員(入江誠一郎君) 実はむしろ、私どもといたしましては、決して責任を回避すると申しますか、今のお話のように、法律上自分たちは国家公務員のことだけやっておるので、地方公務員のほうは全然知らぬのだというふうなことは、むしろ率直に申しますと逆でございまして、私どもはやっぱり、地方公務員が国家公務員に準ずるのでございますから、今は低いほうばかりをおっしゃったようになりますけれども、一体、率直に申しましたら、公務員に準ずると言いながら、特定の県、特定の市が国家公務員よりはるかに高い。そのために、国家公務員としてはいろいろ不平を持つということを、私どもとしてははなはだ、これはひとつの希望にすぎませんけれども、残念に思っておるぐらいでございまして、この問題は、何ら責任回避という問題でございませんで、現在の建前としてはやはり、もちろん人事院は国家公務員のことを何しておる。そして地方公務員のほうは、国家公務員に準ずると申しまするか、国家公務員を基準として考える。これはやっぱり、地方としては、想像いたしまするに、財政上の問題とかいろいろございまして、そこはお話のとおり、地方は人事委員会の勧告あるいは町村それぞれの機関においてやるわけでございますから、まあここまで申すのもいかがかと思いまするけれども、人事院が国家公務員のごとを勧告いたしますだけだからといって、地方に全然そのいわゆる救済の道がないという問題にはいかないのじゃないかと思います。
○山本伊三郎君 その問題は、人事院では無理かと思いますから、これはやめます。 もう一つ聞いておきたいのは、今度は相当——民間給与との格差がどう出ているか、これは調査中だからよくわからないのですが、物価が相当上がっておることは、これは政府も認めております。それから、生計費が相当上がっておるだろうと思う。この点に関して、人事院は生計費のウエートをどう見ようとしておるのか。生計費、物価の上昇したことは、皆さん御存じだと思うのです。そこで、お尋ねする要点は、人事院としては、特に給与の勧告に関して、独自に物価水準とか、上昇の率とか、そういうものの調査は今までもやっておられなかったと思うのです。そういうものは、いわゆる総理府の統計局なりその他のほうにゆだねられて、その資料で大体ことしもやられるということですか。
○説明員(入江誠一郎君) そのとおりでございます。
○山本伊三郎君 その場合に、これは方法論ですが、その上がったものは、自分で調査しないのですから、その資料はあなた方も全く信憑性のあるものとしてとりますね。それは相当、給与のベース・アップと申しますか、勧告には相当のウエートがあることは、これは間違いないですね。
○説明員(入江誠一郎君) 従来の方針どおり、民間給与い生計費その他の条件と申しますか、民間の賃金と生計費、まあ生計費にはもちろん物価も入って参りまするし、それはいわゆる給与でございますから、物価というものを全然無視するわけにはいかぬと思います。その民間賃金、生計費、物価あるいはその他のいわゆる人事院の考える条件というものを総合いたしてどういうふうに考えまするか、これはまあ今後の問題ではないかと思っております。
○山本伊三郎君 これは、地方を一カ月回りまして、国家公務員も各省の職場で聞きましたが、もう非常に公務員に対しての熱意というか、熱意というと非常に語弊がありますが、非常に給与が低いというので困っておる状態です。それが政府の各閣僚にも反映して、大平官房長官が教育者についてというああいう意見も出しておりますが、これは教育者だけではなく、各公務員は今の給与水準ではどうしてもやっていけない。したがって、本年度の卒業生などは公務員になかなか来手がない。こういうことで、各理事者も困っている点も相当ある。これは地方の自治体の問題でございますが、そういうことで、人事院は民間との格差で、とにかく民間追随という観念で今まで勧告しておられます。それでは、私は、人事院の機能というものは全く事務的に見られてしまって、もう勧告の力というものは私はなくなってくると思う。それでは、公務員共闘とか公務員の組合が、人事院に対して依存する必要がない、ほんとうにおざなりの勧告にすぎないという私は感じを持ってくると思う。そういう意味において、今度は人事院は相当思い切った考え方で、私は勧告をすべきであると思う。単に今までの惰性で動いているのではなくて、私は特に政治力を発揮せいとは言いませんが、そういうことの考え方が人事院としてないのかどうか。ただ、今までのように、調査に基づいてやって、格差があるというので、それによって勧告するということでは、もう公務員の給与の問題というものは限定されてくる。このことを人事院総裁にお願いすると同時に、たまたま小平総務長官がおられますから、総理府の長官として、公務員の給与について、あなたはあまり地方でそういう発言はいたしておりませんが、どういう考え方をしておりますか、ありましたらひとつお聞かせしていただきたい。
○説明員(小平久雄君) 公務員の給与につきましては、政府といたしましては、さしあたり人事院の勧告を待ちまして、それを尊重してやる、こういう一貫した建前をとっておりますので、今回においても別段それを変えようという考え方はありません。
○鶴園哲夫君 関連して。せっかく総裁が来まして給与をやるというので、黙っているわけにはいきませんので、ちょっとばかりお尋ねします。人事院勧告の場合、いつでも人事院独自で五十人以上の調査をやれるのです。同時に労働省でやっておられる毎月勤労統計を引用しておられるわけですが、今回の民間の一年間の上がり工合を見ますと、近年にない大きな上がり方をしている。昨年は御存じのように千八百円と勧告した。これは千七百九十七円で、三円足すと千八百円になる。その場合、民間の一年間の上がり方は、毎月勤労統計で修正をして八百九十六円、その前の年は二千六百八十円と勧告を出した。そのときは千七百九円です。今年は二千四百円をはるかに出ます。一月は前年同期に比べて二千六百円を出ている。二月は前年同期に比べて二千六百円を出ている。三月は前年同期に比べて二千四百円くらい。これでいきますと、四月はやはり優に二千四百円を越すと、こう見なければならぬと思います。そうしますと、民間が一年間にどれだけ上がったかということを見て、それを今度は学歴、経験年数とかによって、換算されて数字を出しているのですけれども、これでいきますと、数字的には四千円をはるかにこすと思う。これは割合判断がつくわけです。そこで、先ほど私聞いておったのですけれども、いろいろ判断なさるということですが、私は、選挙が終わりますと、いろいろ景気調整の問題も出て参りましょうし、あるいは十月の貿易自由化、そういう問題もありましょうし、僕はたいへんな圧力がかかるのじゃないかと、こう見ている。特に政府、それからいつも、特に日経連が一昨年人事院勧告に対しては激しい攻撃をやっておりますが、これはたいへんな圧力がかかると思う、こう見ておるわけですよ。そこで、人事院は人事院創設以来のピンチに立っている、こういうふうになるのではないかと思うのですが、四千円こすんですから。数字的には、何と言われても、明らかに四千円こしますね。四千円こした勧告をしなければならぬことになってくる。これはどうにもならぬから、圧力がかかる。だからピンチだと思うのですが、そこで総裁は本年はどうも消費者物価の問題を非常に重視されるんじゃないかと私は思う。従来消費者物価というものは、人事院としてそう重視しておらぬです。長年の、十年間にわたります勧告の経緯からはっきりしております。民間がどれだけ上がったら公務員はどうなるか、この点が一番大きな中心点で、消費者物価の総合指数、それは補助的に説明するにすぎない。今回、御承知のように、消費者物価というものがはっきり出ています。昨年の四月からこの四月にかけて七・八%上がっていますが、一年間に七・八%。したがって、総裁は、あるいは人事院としては、七・八%というところに非常に重点を置かれるのじゃないかという感じがするわけです。貯蓄運動を盛り上げるとか、消費を抑制するということ、いろいろなことを言われておる。その意味で、今年私は一番心配しているのは、人事院が日経連あるいは政府その他のたいへんな圧力を受けて、従来と変わって消費者物価指数というところに極端に重点を置いた考え方を出されるんじゃないか、こういうことを懸念しておるわけです。それでは私はいかんのじゃないかと思う。その点について、調査が出ないからどうだとお感じになるかもしれませんが、労働省の三月の数字が出ておるから、それから推定されるわけです。物価も七・八%と、数字がはっきり出ています。そういう点について、私の心配が杞憂になるかどうか伺っておきたい。政府はそういう圧力をかけるんじゃないかと思う。これは今度は歴然としておりますよ、圧力をかけられるだろう。はっきりしておいてもらいたい、政府も。
○説明員(入江誠一郎君) 毎月勤労統計から、いろいろ御研究の結果、それはそれで、おそらく非常にいつも御研究下さっておるわけでございますから、毎月勤労統計で。そういうふうに近いものじゃないかと思いますけれども、御承知のとおり、人事院の調査でいたしますので、たとえば今年は物価に重点を置くとか、そういうことは今後の問題でございまして、非常に物価に重点を置くんだろうということは、ただいま初めて伺ったわけで、先ほど山本さんにお答えを申し上げましたように、今後の民間の調査を見て、生計費とか物価その他の条件で総合的に考えて参りたいと思っております。しかし、ただ、こういうところでこういうことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、いわゆる政府からの、従来別に、何と申しますか、はたでいろいろお話があるような、特別な圧迫——というとおかしいのですが、そうい.うものはございませんし、いわんや日経連がどうということも、そんなことをこちらから申し上げることはいかがかと思いますけれども、そういうことは御心配は要らないと思います。人事院としては、人事院の判断でひとつ総合的に十分検討して参りたいと思っております。
○説明員(小平久雄君) 人事院勧告につきまして、あらかじめ政府側において圧力を加えるということは、従来もありませんし、もちろん今回におきましてもそういう圧力を加えるというようなことは考えておりません。
○鶴園哲夫君 いや、総裁は、人事院で四月末の調査をやっておられる、その数字を見てというお話ですけれども、しかしこれは、もう御承知のとおり、毎年の人事院の調査というものと、それから労働省が毎月やっております毎月勤労統計というものは密接に関連があるわけです。これは、人事院のほうは五十人以上の事業所だし、一方は三十人以上だ、その差があるだけであって、これは政府機関だ。しかも、対象は日本の労働者だ。この数字は密接な関係があって、労働省の毎月勤労統計にも、人事院のほうのが上がるわけです。私は、ですから、人事院がどう調査をなさっても、二千四百円、あるいは二千五百円、あるいは二千六百円こす、一年間に上ったという数字は、これは狂いっこないというふうに思うのです。どう調査されても狂いっこない。かりに二千四百円こすということになりますと、これはどう見たって簡単に判断つくと思うのです。公務員に直せば、これは四千円こす。四千円はるかにこします。そういう数字は明らかに推定つくわけです。ですから、その場合に私が懸念するのは、従来人事院としてはとっておられなかった消費者物価総合指数というようなところを非常に極端に重要視されるような形で出てくるのじゃないかということを心配しているわけですよ。そのことを逆に一言えば、従来人事院のとってきた方針をうんと変えたということは、これはもう一昨年の人事院に対しまする日経連の攻撃ですね、あるいは昨年の勧告に対する日経連の攻撃、あるいはこれからの貿易自由化、あるいは選挙が終わってあとの景気調整、そういうものとの関係で人事院が強く圧力をかけられるということになるわけですよ。それを私は心配しているわけです。そういうことになりませんですか、断固やりますか。
○説明員(入江誠一郎君) なかなかこの勧告の問題は、一つ一つ事項をあげられましてどうかと、こうおつしゃつていただきますと、これはやはり総合的にそのときに先ほど申し上げましたとおり結論を出しますわけで、ただいまの段階といたしましては、一つの仮定で、どうなるかと、こういうふうにお尋ねがございましても、ちょっとお答えいたしかねるような状況でございます。
○鶴園哲夫君 いや、私は仮定じゃないと言っているんです。物価は七・八%上がっているじゃないか。これははっきりしている、総理府の統計調査で。さらに民間の給与の上がりについては、一年間に二千四百円を突破するということは、人事院が調査されても明らかでしょう。そうすると、おのずから勧告の数字はほぼ推定がつくわけです。従来私どもが主張いたしましたのは、給与法によると生計費、それから民間の給与、その他人事院の考える要素でということになっているわけですね。その場合に、私どもは生計費を中心として考えたらどうかということを再三主張したけれども、いやそうじゃない、民間の給与を中心として考えるのだということが今までの一貫した人事院の主張ですよ、何べん申しましても。この際、民間との給与の比較でもなくて、それから生計費でもなくて、消費者物価の総合指数というところに非常に重点を置いていかれるのじゃないかということを私は心配しているのですよ。今までそういうことがないですから、今回はそういうことになりゃしないかという点を主張しているわけです。そういうことになりませんか。
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。
○説明員(入江誠一郎君) いろいろせっかくお尋ねがございますのに、御期待に沿うようなお答えができませんことは申しわけないのでございますが、やはり勧告をどうするか、ということは、どうしてもそのときにきめませんと、今からどういう方法でとか、あるいはどういう方法はやらぬとかいうことを申し上げることは非常に誤解も招きますし、これだけはまあ事実お答えできませんわけでございますから、できれば、この点この程度でひとつ御了承願いたいと思います。
○鶴園哲夫君 それじゃその点は、先ほど私が申し上げたように、従来の勧告については私どもも詳細に勉強させてもらっているし、その関係からいって、今回基本方針は変わるようなことはあるまいというふうに思っております。 次に、三月末の特別手当という制度を真剣に検討したいというような話が、この間の通常国会での総裁の答弁になっておるわけなんですが、そこで三月末の特別手当を今度の勧告で真剣に御検討なさるだろうと思うのです。あまりくだくだ申し上げませんけれども、お考えになるだろうと思うのです。これはまたいいことでもありますから、政府にとってもいいことですし、来年の三月の支払いになるわけですから、まあ理由はここで申し上げませんが、とにかく三月末の手当の制度をお作りになるだろうということを期待をいたしておるわけです。その点についてのお考えと、それからもう一つは、七月に寒冷地手当の勧告を出されるわけでしょう。その問題と、出されるか出されないかという問題と、それからもう一つは、給与の体系を今回検討なさるという、あるいは根本的に検討をされるという、そういうお考えがあるのかどうか、そういう点について伺っておきたい。
○説明員(入江誠一郎君) まず三月の臨時手当の問題でございますが、これは繰り返して恐縮でございますけれども、民間の事情その他は前回お答え申し上げましたとおりで、現在どう考えておるかということになりますると、よほど慎重に考える必要があると思いますが、なおひとつ今後検討いたします。 寒冷地手当につきましては、前回当委員会において山本さんから御質問がございましたような、例の同一市町村内のあの問題は、御存じのとおり、寒冷地手当は八月末が支給期日になっておりますので、それまでには結論を出したいと思います。 それから給与体系——体系というのがどういう御趣旨でございますか、たとえば、この前のあの十五級を八等級にいたしましたとか、それから職種を非常に大幅に変えましたとか、そういうふうな、現在これは私個人の考えでございますが、そう大きな変化を、この際大きな改正をいたすという考えは持っておりません。しかしいろいろ今公務員各位なりその他から御希望の点もありますし、そういう点はいろいろ検討いたしております。
○鶴園哲夫君 三月末の特別手当につきまして、これは人事院が少しひっかかっておられるのは、三月という民間の臨時給与との関係で、三月末はたいした問題じゃないのだというお感じがいつもあるわけですよ。そうじやなくて、やはりこれは民間の場合におきましても三月末というのは明らかに大きな山になっているわけです。たとえば、これは毎月勤労統計ですけれども、二月が二百一円、三月は二千百六十八円、四月は六百七十八円、こういうふうに三月という月はやはり大きく一つ山になっておるわけです。これは昨年ですが、本年もこれはこうなっております。二月は二百七十八円、しかし三月になりますと千七百十五円ですね。こういう形の山になっておるわけですから、民間の場合には夏季と年末と、もう一つ山があるのです。数字上から出てくるのです。そういう点も御配慮願いたいと思うのですよ。それから四現業との関係もありますけれども。ですから、三月末の特別手当制度については、従来労働政策上出していなかったのですよ、三十一年のとき以来ですけれども。この点はひとつ十分検討してもらって、今回はひとつやってもらいたいと思います。毎年やっているわけですから、めんどくさいですよ、またやらない、またやらないでは。考えてもらいたいという点をひとつ……。
○説明員(入江誠一郎君) なお十分検討いたします。
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(河野謙三君) 次に、農地被買収者問題調査会に関する件について質疑の御要求がありますので、これを許します。政府側から出席の方は、小平総務長官でございます。御質疑のある方は順次発言願います。
○山本伊三郎君 小平総務長官に政府を代表してひとつ答弁をしていただきたい。国務大臣でないからどうこうということは言われないで、前提としてお願いをしておきます。 実は農地被買収者問題調査会は、国会でも相当問題になって成立をいたしました。ようやくまあこの答申も出て、政府もこれに対していろいろと対策を考えられておると思う。ところが、自民党の内部では、いろいろこれに対する論議があるようです。具体的に申しますと、私これは新聞で拝見したのです。全国遊説中で実は知らなかったのですが、新聞を拝見しますと、大野自民党副総裁談として、六月四日の日、熊本でこういうことを言っておられるのです。農地被買収者に対する補償は次の国会で何らかの具体的な措置をとりたい。その末尾には、調査会の答申は参考にするが、必ずしも尊重しないというのですね。これは党の立場で言っておられるのですから、政府の私は責任だとは言いませんが、あれだけ問題になって調査会を作っておいて、全くその調査された答申というものは、このことは裏返しますと、そんなものは参考程度であって、何もそんなものは尊重しないのだという、こういうことを言っておられるのですが、政府としては一体どういうこれに対して考えを持っておられるのか、これだけはっきり聞いておきたいと思うのです。この調査会設置の立法のときには、相当この委員会では問題になりましたが、しかもすでに時の岸総理大臣は、たびたび言明されておりますが、非常にその問題がわれわれとして納得せられないのですが、政府の見解をひとつ聞きたい。
○説明員(小平久雄君) 実は、大野副総裁が態本におきましてお話しになられたということにつきましては、私も実は新聞を直接そのとき見ませんでしたが、今御指摘のような趣旨のお話があった、かように伝え聞きます。ただ、御質問の趣旨は、政府ではどう考えておるのかということでございますが、まあ政府におきましては、御承知のとおり、四月の二十七日に閣議の決定をいたしておりまして、それによりますと、土地買収問題の処理について、政府は農地被買収者問題調査会の答申と党の意向とを検討の上、来たるべき通常国会において措置する、こういう閣議決定をいたしておるわけでございます。したがいまして、今読み上げましたこの閣議決定の線に従いまして、農地調査会の答申と、それから党のほうの意向、これらを検討いたして措置をする、こういう基本的な態度をとっております。
○山本伊三郎君 今言われましたが、政府の閣議決定、いわゆる被買収者問題調査会の答申と、それから党の意向を合わせて、それによって次の通常国会で云々というお話ですが、その点で、まあ政党政治ですから、党の意向というものはこれは無視することはできないと、それは私もそう思います。しかし、どうも最近の自民党の、また政府の動き方は、この調査会設置のときの、岸内閣でありましたが、そういうはっきりしたことがくつがえされるのじゃないかというきらいがあるのです。その当時の岸総理なり、あるいは総務長官あたりの答弁は、さきにも、御存じのように、昭和二十八年十二月二十三日に最高裁の判決がもう出ておるのです。買収された農地の価格については、これはもう妥当なものであるから、補償ということは考えられない、こういうことをはっきり何回も繰り返してわれわれも質問し、また答弁をされておるのですが、何か補償という形に政府は考えておるのじゃないかという気がするのです。その点を私らははっきりしておく必要があると思いますので、特にきょうこの質問をしたのです。いわゆるこの補償というのと、この前の予算委員会で問題になりました二十億の融資というのとは、性格が全然違うのですが、政府は一体補償するという考え方になっておるのかどうか、この点をひとつはっきり聞いておきたい。
○説明員(小平久雄君) 歴代の内閣におきまして、いわゆる補償はしないという方針をとって参ったのでありまして、現内閣におきましても、この面での補償はしないと、こういうことは国会におきましても何回か答弁を申し上げておるのでありますけれども、今その方針を変えるということにはなっておりません。
○山本伊三郎君 もう一ぺん確認しておきますが、農地を買収されたというその価格については、これはもう妥当性があるということは、最高裁が判決で言っておるのだから、その意味におけるいわゆる補償はしない、これはもうできないと思います。いかに政府といえども、判決をくつがえすことは、これはできない。しかし、それ以外の補償というものは、これは考えられますか、この点ちょっとお聞きしたい。
○説明員(小平久雄君) それ以外の、従来言われておりました意味以外での補償ということが考えられるか、こういうことでございますが、先ほどから申し上げますとおり、現在政府としては、党の意向というものと調査会の答申というものを検討して、何らかの措置をきめようと、こういたしたのでございます。その間、党の意向というものも、すでに御承知と思いますが、党では報償という観念を、考え方をとられておるようであります。この間、この報償ということと、従来言われておった補償ということがどういうふうに本質的に違うか、そういう点についても、これから十分検討をいたした上で政府としての処置を決定いたそうと、こういたしておるわけでございます。
○山本伊三郎君 補償と報償という、これは字句の問題でないと思います。小平総務長官、これはもう政府のだれしも考えておることだと思いますが、非常に地方に行きますと、私らに対してでも相当陳情があります。しかし、その人らの陳情というのは、これはもうあの値段はわれわれとしては納得できないのだ、したがって、その損害を.補償してもらわぬといかぬというのが、あの人らの主張なんです。政府も非常に苦慮していると思いますが、そういうことを言っていると時間がございませんから、私は率直に尋ねますが、しからば、補償と報償とどれだけ違うのですか。報償の場合は何を基準にして出すのか、工藤昭四郎会長は言っておられますが、いろいろ生業資金とか、困窮者に対する学業資金なんかは、これは交付でもよいという解釈だと、これは私はおそらく会長の私見だと思いますが、言っておられますが、その点はわれわれとしては非常に問題があると思うのです。一体報償というのはどういう基準で出されるのですか。どういう考え方ですか。
○説明員(小平久雄君) その辺のところを、先ほど申し上げますとおり、われわれとしては、政府としては、今後よく検討をいたした上で政府の方針をきめようと、こういたしておるのであります。まだ政府としてそれを的確に現在きめておるという、こういう段階ではないわけであります。
○山本伊三郎君 これは小平さん、十分考えておいてもらいたいと思うのですが、私理由があるのに出してはいかぬということは言わない。これは政府に対する一つの不信が起こってくると思う。そういう被買収者については、いろいろ希望があるでしょう、これはわかると思う。しかし、国民全体として、政府が言明したことがだんだんとそういうことに変わってくることが、一体国会でどんな責任者が答弁しても、これはまたそのときそのときで変わるのだということになると、われわれとしてはどこを信用してわれわれが国会でいろいろ質問したり、また政府の意向をつかんで今後われわれが行動を起こす上においても、非常に疑問になってくる。したがって、これから検討すると言われますが、政府としては、やはり何らかの形で農地被買収者に対して報償を出そうという考え方が私はあるじゃないかと思う。そうなってくると、非常にこれはたいへんな問題です。補償はしないけれども、報償はかまわない。一体報償というのは何のために報償するかと言うのです。農地を買収されたから、いわゆる報償を出す。そうすれば、戦争によって犠牲になった人は、単に地主だけではございません。郵便貯金とか簡易保険なんかに入っておって、全く貨幣価値が変わって非常に損害を受けておる人、また外地に残してきた財産に対する補償ということも起こってくるし、これは全部敗戦の結果における責任になると思う。それを旧地主だけに対して報償ということは、日本の政治に対して非常に混乱を起こすと思う。一応解決をされたと見るべき戦時の問題が、再びあらゆる角度から起こってくると思う。これに対して政府は、こういう広い立場から考えておるかどうか。騒げばそれだけ出したらよいということではいかぬと思う。もうここまで来たら、はっきり政府としては腹をきめておいてもらいたいと思う。報償を出すということについて非常にわれわれとしては反対である。この根拠です。どういうことで報償を出すのか、それだけちょっと聞かしていただきたい。
○説明員(小平久雄君) 今お話しのような、各種の戦争犠牲、それに対する処置というものも同時に検討さるべきであるかどうか、それらの点も、これはあげて今後の研究に待たなければならぬ点でございます。また、どういう根拠で何らかの措置をとるべきか、こういうことでございますが、その点も、繰り返すようでございますが、やはり今後、さっき申しました閣議決定の線に従いまして、慎重に検討をした上できまる問題でございまして、ただいまこういう根拠でこうするんだといったようなことを何ら決定をいたしておりません。
○山本伊三郎君 それじゃ問題をしぼってもう一点だけ聞いておきますが、閣議決定の場合に、補償はしない、報償は考える、こういう決定だと、私は閣議に列席しておりませんからわかりませんが、そういうことに聞いておるのですが、その場合に、皆さん方有識者の中で、報償というのはどういう考え方で出たんですか、それだけ聞いておきます。これは言えると思います。
○説明員(小平久雄君) 報償という考え方は、党のほうでそういう考え方でやっておられるようであります。政府の考え方として報償という方法を考えたわけではないわけでございまして、したがって、党でお考えになっておられる報償という考え方それ自体も、これは今後はたして適当なのかどうか、そういう点を検討いたした上で政府としては今後措置をしていきたい、かように考えておるわけでありまして、報償の意味を私から御説明申し上げるというのは、いかがなものかと存じます。
○山本伊三郎君 今言われたのは、この調査会の答申と合わして、報償も合わして検討していくということで閣議決定をされた。党自体が、大野副総裁がどう言おうと、これはわれわれ政府の責任ではないと言えるとも思いますが、しかし、今の政党政治から言うと問題があるのですが、きょうはそれは問いませんが、閣議で、調査会の答申以外に、そういう党の意向を入れて報償も合わせて検討していくという決定をされたでしょう。そこに問題があると言っているのです。その調査会の答申に基づいてやっていくというのなら、これはわれわれわかるのですけれども、調査会の答申以外に、党の意向として報償制度というものを考えていこうという閣議決定をされたのですから、これは、そのときはもう党の意向というものではなくして、政府の意向になってしまっている、閣議でそれを受け入れた以上は。したがって、そういうものを合わせてやっていかれるとなれば、当の責任者たる小平総務長官は、それに対して何らかの質問なり、いろいろな御意見があってしかるべきだと思うのです。そういう点が明らかにされていないから、私は非常にこれを心配しておるのです。次の国会でやってもいい問題でございますが、しかし、問題が出たときにやはり追及しておかなければならないので、もうすでに政府の態度は、私は第三十四国会でしたかで、この法律案が成立したときから見ると、政府の態度は大きく変わっております。あのときは、岸総理は、絶対にそういう農地を買収された者に対する補償はやりませんと、こういうことを言われておったのです。しかも、困窮者に対していろいろ問題があるから、そういうものを調査するのだ、こういうことを言われておったのだ。問題が非常に変わってきておりますので、もう一回最後にお尋ねします。私はもう報償ということは全然わかりません。しかし閣議ではそういうものを合わせてやるようになったということであれば、もう一回ひとつ会議録にとっておくために、今の報償というものがどういう意味なのかもまだ閣議で決定しておらないのならおらないと、こういうことをひとつ聞きたい。
○説明員(小平久雄君) 閣議の決定は、調査会の答申と党の意向とを検討の上、来たるべき通常国会において措置する、こうなっておるのでありまして、党のほうの御意向というものももちろん検討の対象にはなりますが、まだそれをそのままとるとか、そういう決定をいたしておるわけではございません。今後のいわば政府に課せられた問題として、十分研究をした上で政府の方針をきめる、かように私ども理解いたしております。
○山本伊三郎君 それでは、その問題は、今度の通常国会に大体政府としては検討の上で出すという、そういう方針でいかれるのですか。
○説明員(小平久雄君) いつ措置するかという問題につきましては、来たるべき通常国会においてと明らかに書いてございますから、通常国会までには政府として何らかの結論を出して国会にお諮りすると、こういうことになっております。
○山本伊三郎君 最後に、私の意見だけちょっと言うておきます。 この問題は、経緯は御存じだと思いますので言いませんが、政府としては、私は十分考えてもらいたいと思うのです。もしこの問題を下手に処理すると、あとからあとからといろいろの問題が出てくることは御存じのとおりですから、最初に政府が言明された——今の池田内閣ではありませんが——された考え方というものは、どこまでも堅持してもらいたいと思うのです。もしその事情が変わったならば、事情の変わった時点において国民にはっきり言うべきだと思う。単に与党の意向だけで、これはこうなったということでは、許せないと思いますので、この点はひとつ小平総務長官は閣議に出られましたら、閣僚でないと言われるかどうか知りませんが、ぜひひとつその点を御配慮願いたいと思います。私は、その意見だけ申しまして、この質問を打ち切りたいと思います。
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時六分散会