逓信委員会 第23号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1962/04/24
会議録
○委員長(安部清美君) ただいまより開会いたします。 委員の変更についてお知らせいたします。 四月十九日、野田俊作君が委員を辞任せられまして、その補欠に大川光三君が選任せられました。 四月二十四日、鈴木恭一君が委員を辞任せられまして、その補欠に野田俊作君が選任せられました。 —————————————
○委員長(安部清美君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は、討論中にお述べを願います。
○新谷寅三郎君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております電波法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論をいたしたいと存じます。 本案、海運企業の現状及び最近における無線機器の発達の状況にかんがみまして、また、船舶無線通信士の需給の現状にもかんがみましても、きわめて必要であり、かつ適切なものであると存じます。よって私は次の修正案を提出いたしまして、修正部分を除く原案に賛成の意を表明しようとするものであります。 修正案の内容は、 電波法の一部を改正する法律案 に対する修正案電波法の一部を 改正する法律案の一部を次のよ うに修正す。附則第二項中「昭 和三十六年」を「昭和三十七年」 に改める。 以上でございます。
○永岡光治君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております電波法の一部を改正する法律案に対し反対の意を表明し、討論を行なわんとするものであります。 今回、政府が提案いたしましたこの電波法の一部改正の問題は、すでに十数年以来取り上げられているものでありまして、昭和二十八年から九年にかけて問題の中心をなすオート・アラームの信頼性につきまして実地試験が行なわれ、その結果は、将来さらに調査検討すべきであるとの報告書の結論となっておったものであります。しかるに政府は、今回オート・アラームの性能の向上からして、今日においてはその信頼性は十分となったのでこれにより通信費の節減をはかるという理由で、今回のこの提案となったようでありますが、まず問題のオート・アラームの信頼性についても、私の調査いたしましたところでは、二十八、九年に行なわれた実地試験の後においては、一度の実地試験も行なわれず単に近代科学の進歩発達に伴い、その性能が向上したという抽象論の域を出ていないのでありまして、したがって、さきの実地試験の結論をくつがえすに至る具体的の証明が得られないのであります。 また、当委員会における参考人の陳述によっても明らかなように、現に船に乗っている通信士諸君に聞いてみましても、現実には非常に故障の度合いが多いことを数字的に証明しておりまして、また、誤作動の多いことが明らかにされております。船舶の安全運航に最も重要なこの通信の確保には、単なる抽象論ではなくて、具体的に試験研究の結果十分にその性能に確信が得られた上でなければ、軽々に改正すべきではないと思うのであります。 また、本改正に伴って船舶通信士の数を節減する結果、船舶の無線局の使命とする船舶航行の安全、公衆通信の疎通、気象業務等につき、現状に急激な変化をもたらすことを避けるため、三年間の経過規定を設け、その間に通信秩序の確立、海岸局の整備、裏時間の利用等の対策を講ずることになっているのでありますが、質疑の中において御承知のように、三年間にどのような対策を講ずることによってその混乱を防ぎ、業務運行に支障を来たさないようになるかという確たる具体的計画の裏づけが見当たらないのであります。まず電電公社の海岸局の整備の問題におきましても、割当周波数の問題、海岸局整備拡充の予算的措置等について、具体的な説明が得られないのであります。また、通信秩序の確立の問題にしましても、現在の通信士の担当する仕事を、どのように減らすか。船舶と海岸局との通信をどのように規制するか、また裏時間の利用が、言われるようにスムーズに行なわれて所期の目的を達成することができるものかどうか、全く疑いなきを得ないのであります。 さらに気象業務におきましても、現に気象庁当局は、船舶からの気象観測報告が激減することが予想されるが、これが対策については、気象業務に支障を来たさないよう別途計画するといっておりますが、しかも三年間でその実現には自信がないと言っておりますのに、今回のごとき法改正を行なうのは、全くの暴挙と言わざるを得ないのであります。もっとも、現在船舶無線局が扱っておる気象業務等は、本来船主側の責任において行なわれるべきものではなくして、気象上必要な通報は、気象庁あるいは国の責任において、その負担によって行なわるべきもので、いつまでも船主側が当然のごとく負うべき筋のものでないと言っておられるようでありますが、この理論は一応もっともといたしましても、今日まで長期にわたって、船舶は移動する観測所であるとして果たしてきた機能を、単に通信士の節約だけの理由をもって気象観測に支障を来たすような改正が、はたして国家的に見て経済的な妥当な措置として受け入れらるべきものでありましょうか。その反面において、気象情報を得ないことによって生ずる災害と比較したならば、全く比較にならないところと考えるのであります。もとよりこれがための船主の経済負担については、別途国において考慮すべきであるとは考えます。 また次に、海運業の建て直しのため通信士を削減して国際競争力を強化しようとする意図があるようでありますが、海運業の改善には、もっと大きな根本的な問題がたくさんあるのに、単に微々たる通信士の節減のごとき、害多くして利少なき措置を考えることは、あたかも木を見て森を見ない類でありまして、全くとるに足らないところであります。 これを要するに、本改正案は、改正に踏み切るに足る具体的な証拠による裏づけに乏しく、また、改正に伴う混乱を避けるため三年間の経過規定が設けられていますことは、それ自体がその間に相当の整備を必要とすることを物語っておるにもかかわらず、なおこの三年間の所要の整備に対しましても、何らの具体的裏づけがないことが明瞭なただいまの段階におきましては、本改正は時期尚早であり、わが党のとうてい賛成し得ないところであります。 以上をもちまして私の反対討論を終わります。
○山田節男君 ただいま議題となっております電波法の一部を改正する法律案に対しまして、私は民主社会党を代表し、以下述べます理由によりまして反対の意を表明するものであります。 本法案は、海運企業の現状及び最近における無線機器の性能の向上にかんがみて、一定の船舶の船舶無線電信局の運用義務時間を短縮する等の必要があるとの理由より提案されておりますが、これがはなはだしく現状と背反したものであることをまず申し上げたい。 定員を削減して運用業務時間を短縮させるとすれば、船舶局の執務時間が全部一定の時間になり、その時間に通信が集中することになりますので、混信が増大、通信不可能な場合が頻発することは明らかであります。現在においても異常な混信状態が日本周辺に継続的に起こっております。また、航行中の船舶から毎日一定の時間に気象観測報を無線で知らせることになっておりまして、これらの資料によって気象庁では精密な予報を行なっておるのですが、これが本案のごとくになりますと、回数が減るばかりか、通信の混乱によって事実発信ができない場合も予想されます。このことは、日本のごとく台風によって毎年大災害をこうむっている国にとって、国民の人命あるいは経済上重要な問題であり、現に当委員会において気象庁長官もはっきりと反対の意思を表明していることにおいても瞭然たり得ると考える次第であります。次いで、限定執務になると、直接航海の安全に響いてくるということです。常時無線当直を行ない、緊急な通信に備えることが第一義でありますが、これが緊急遭難、安全通信の聴守漏れを来たし、気象放送の受信等々航海の安全を著しく低下させることになります。 次に、削減された通信士の穴埋めにオート・アラームを採用することを考えられておりますが、いかに優秀だといわれるオート・アラームでも、空電や混信で間違ってベルを鳴らしたり、有効な警急信号を受信しなかったり、最近の使用実例が示すように、その性能は信頼できません。もし通信士にかわってオート・アラームの聴守が増大すれば、助かる人の命も救われないようなことが出てくると思われます。日本近海は特にオート・アラームの誤作動を起こす原因となる空電及び混信の激しい地帯であることは有名であり、まことに重大なことであると考えます。 また、船舶通信士の需給関係の逼迫の問題でありますが、これは本案のごとき改悪によって解消するものでなく、逆にますます逼迫の度を加える作用を及ぼすものと考えられます。それは、絶えず法律的に制約されようとする不安のムードが職場にただよい、かつ待遇条件も陸上に比較して有利ではないこと、試験制度の過酷等々、打つべき手段は数多くあるにもかかわらず、それが放任されていることに原因があります。 最後に、海運企業基盤強化並びに国際競争力の増強のために定員を削減するとありますが、これは全く見当違いであって、外国船のように日本船は無線通信の海外中継基地を持っておらず、日本内地と直接通信を行なう必要があるからであります。そのために、重要な海上無線通信を行なうためには、現行の電波法の改正をする必要があるとは考えません。現行の定員が航行の安全と日本海運の活躍を守るために役立っておることを再認識すべきであります。もちろん海運企業の危機が深刻なことはよくわかるけれども、それは手厚い保護政策を受けている諸外国の船会社のごとく、政府も海運産業の重要性を強く認識して、通信士を減らすための法改正等の意図を捨てて、抜本的な助成策を講ずるより以外に道はありません。私は、本法案の意図及び内容は、ことごとく本末をはき違えたものであるように考えざるを得ません。したがいまして、この法案の意図する理由に対しまして、以上述べまする理由により、反対の意を表明する次第であります。
○奥むめお君 私はこの法案がずいぶん長く今国会でも審議されていますのを聞いていまして、また、そとで第三者の公平なる意見を相当聞いたと思います。何とか自分で意見を、筋を通したいと思いまして聞いてきたと思いますが、国会の委員会の審議は、された割合に、時間はかけましたけれども、乏しかったと思う。それは、やはり与野党の対立した問題として取り扱っているという感じを非常に強く持ちました。こういう重大な問題は、もっと審議をして郵政当局の答弁も、私から言えば非常に不満でございましたが、もっと私どもを納得させる資料をそろえて、そしてだいじょうぶ、こういうふうになるからだいじょうぶだ、あるいはこういう問題はこういうところに手を打っているというふうなことで……。私は不満な点が非常に多かったと思うのです。ですから、今急にこれを採決するということは、こういう重大な問題を考えるのには時期尚早だと幾ら時期を延ばしても、今までどおりの審議しか行なわれないだろうと思えば、これは採決するよりほかないだろうと思っております。で、それにつきましては、やはり日本の事情からいって、郵政大臣もおっしゃっていましたが、海運日本の電波事情から考えて、これは諸外国並みになるのが私も当然だと思います。三年の経過期間を持つということも、その間によくなるに違いないと皆さんも信じていなさると思いますけれども、これは今までの答弁を聞いておりますと、なかなかそうですかと、簡単には受け流せないものがございました。ですから、私から言えば、気象通報に非常に支障を来たして心配だ、これはもう一番大事な問題です。それから混信の増大ということが非常に心配でございます。そのほかいろいろな問題で、日本のようにこの海岸線が長くて、また沿海がよその国よりもいろいろ問題を含んでおりますところでは、慎重にこれをもっと話し合って、どこか歩み寄る案を出すべきだ、私はそのように考えております。ですから、今日採決することに反対でございます。もし、しいて私が意見を言わなければならぬとすれば、私は反対のほうへ手をあげます。これをもって私の討論といたします。
○委員長(安部清美君) 他に御意見もないようでございますが、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認めます。 これより電波法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、討論中にありました新谷寅三郎君提出の修正案を問題に供します。新谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安部清美君) 挙手多数と認めます。よって新谷君提出の修正案は、多数をもって可決せられました。 次に、ただいま可決せられました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(安部清美君) 挙手多数と認めます。よって修正部分を除いた原案は、多数をもって可決せられました。 よって電波法の一部を改正する法律案は、多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(安部清美君) 速記を起こして。 これにて散会いたします。 午前十一時六分散会