逓信委員会 第13号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/03/15
会議録
○委員長(安部清美君) ただいまより開会いたします。 委員の変更についてお知らせいたします。本日、永岡光治君が委員を辞任せられまして、その補欠に光村甚助君が選任せられました。 —————————————
○委員長(安部清美君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。前回に引き続いて質疑を行ないます。質疑の通告がございますので順次これを許します。
○野上元君 先般の委員会では二、三、予算に直接関係のない問題について聞きましたが、きょうは予算に直接関係のある問題について質問をしてみたいと思います。 三十七年度の予算を編成するにあたりまして、NHKとしては第二次六カ年計画を基礎にして三十七年度の予算を作られたものと思います。したがいまして、第二次六カ年計画がその基礎をなすものだというふうに考えられますから、その点について質問をいたしますが、この第二次六カ年計画はおおむねこの大きな計画としては最後のものであるかどうか。あるいは第三次長期計画がすでに構想の中にあるのかどうか。その点についてますお聞きしておきたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) お答え申し上げます。御質問の点につきましては、この第二次六カ年計画は、NHKが現在並びに将来の情勢にかんがみまして進めなければならないおよそのものはもうここに入っております。ではこれで一切の計画がもう完了で、自後は現状維持のみにとどまるかと申しますと、そうではなくいずれは第三次の計画も必要であろうかと思いますが、その規模は第二次六カ年計画の規模に比較いたしますと非常に小さいものになるのではないか。特に建設関係の問題につきましては、大きなものは第二次六カ年計画中に済みまして、残余のさらにこれをきめをこまかくやっていくような面が、第三次計画として残ろうかというふうに考えます。
○野上元君 そういたしますと、第二次六カ年計画におきまして最終的にラジオ及びテレビのカバレージが出ておりますし、かつまた普及率も最終的には一応の見通しが出ておるわけです。そのカバレージは最終年度である四十二年に実現できるものが大体最終的なカバレージだと、こう見てよろしいですか。
○参考人(小野吉郎君) 大体はそのようにお考えいただいていいと思いますが、この資料にございますようにラジオの第一放送につきましては九九・九%、もうほとんど一〇〇%と見てけっこうかと思います。テレビの関係につきましては総合、教育いずれも九五%のカバレージを得られるということでございまして、まだあと五%の残りはございますが、これは第三次のチャンネル・プランによりましていろいろ措置を要すべき地点も明確になって参ると考えます。
○野上元君 第二次六カ年計画においてもほんの小部分ではありますが、なおかつカバーできない地域が残るわけですね。これはもう現在の技術からして一〇〇%にすることは不可能なのか、それともそのわずかの地域のカバーをするために金がかかり過ぎてやれないのか。その点はどういうふうにお考えなんですか。
○参考人(田辺義敏君) 御指摘のように四十二年度末におきまして一応九五%という数を出しておりますが、これはその後のいろいろな措置によりまして、もっと一〇〇%に近い数字に持っていけようかと思っております。
○野上元君 第二次六カ年計画によって四十二年度末においては、カバレージの点においては第一放送が九九・九%、第二放送が九七・八%までカバーできる、こういう構想が明らかになっておりますが、これによってもなおかつほんの少しですが、カバーできない地域が残る、しかしそれはもう今日の技術の点から見て最大限のものであるかどうか、あるいは〇・一%をカバーするために費用がかかり過ぎるからその点はできないと考えておられるのか、それはどういうふうにお考えですか。
○参考人(田辺義敏君) 先ほどちょっと言葉が足りませんのでございましたのですが、テレビジョンのほうにつきましてちょっと最初に補足させていただきますと、九五%とかあるいは九〇何%という数字が出ておりますが、テレビジョンにつきましては現在きめられております法定電界強度が割合に高いものでございますから、実質的にはこの電界より弱いところでもアンテナを若干高くするとか、あるいは共同受信をするとかいろいろ技術的な措置によりまして、法定電界強度の中におきましては九五でございますが、技術的にはテレビジョンのほうはこれより実際は上回った数字の地域で受信できるかと思っております。 それからラジオにつきましてはそれとちょうど逆でございまして、九九・七、あるいは九七・五などという数字が出ておりますが、これは現在におきましては、法定電界強度の最低が比較的現状におきましては小さ過ぎるというような気がいたします。したがいまして数字ここに九九・七というものが出ておりましても、もっと実際は御承知のように受信状態が悪いというような状況でございまして、受からないことはないのでございますが、非常に状態が悪い、そういうところが非常にたくさん出ております。特にこの法定電界強度はテレビジョンにおきましては昼間も夜間も同じでございますが、ラジオにおきましてはこの数字は昼間の値でございまして、夜間におきましてはこの値が変わっております。現在におきましてもあるいは将来におきましても、外国電波の混信とかあるいは雑音等によりまして、夜間のカバレージというものは相当低下しております。さような状況でございますので、実際は九九・七とかあるいは九九・九というような数字というものは、夜間におきましては、おそらく四十二年末におきましてもこれを下回るのではないか、そう考えられます。そこでこれを救済いたしますためには第二次六カ年計画におきまして、ラジオにおきましてはたとえば超大電力増力でありますとか、あるいは今後開発されるFMの波に頼る、そういうようなことも考えあわせまして、全国あまねくという線を合理的に、かつむだな金を使わないでやっていきたい、こう考えております。
○野上元君 ただいまの御説明わかりましたが、そうしますと、九九・九%あるいは九七・八%のカバレージというのは理論的な結論ですね。一応理論的にはこれだけカバーできる。しかし現実の姿としては混信やらあるいは聞きにくいとかいう点を考慮に入れると、九九・九%にはならないのでそれを埋めるためにはFM等が必要である、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○参考人(田辺義敏君) さよう解釈していただいていいと思います。
○野上元君 そういたしますと、九九・九%のカバレージを実現するためにはどうしてもFMの実施が必要である、そう認識してよろしいですか。
○参考人(田辺義敏君) そう考えております。
○野上元君 この六カ年間においてラジオの受信機の改良といいますか、それはどの程度進む見込みですか。今日の状態では難聴地域においては相当混信だとか雑音が入って聞きにくいという点があるのですが、それは送信のほうも問題があろうかと思いますが、受信機の改良という点については、NHKとしては特段に手を打たれるような計画がありますか。
○参考人(田辺義敏君) ただいまの御質問はラジオの受信機と考えてよろしゅうございますか。
○野上元君 ええ。
○参考人(田辺義敏君) ラジオの受信機につきましては、現在におきましてはトランジスタが大へん普及しておりますが、これの非常な格段の進歩はあまり期待できないのではないか、すでに相当改良あるいは進歩した姿になっておるかと思います。しかしながらFMをあわせ考えますと、FMの受信機につきましては現在はきわめてまだ未開発の段階にございまして、おそらく将来の姿といたしましてはトランジスタ・ラジオの二ハンド、あるいは三バンドというものができまして、その中にFMも受けられるようになってくる、そういうような形におきましては今後大いに進歩が期待できますが、中波放送だけのトランジスタ・ラジオというものにつきましては、現在かなりの段階まで進歩がきておる、さよう考えております。
○野上元君 現在時点において相当改良されたということはわかるのですが、なおかつその受信機をもってしては混信であるとか雑音であるとかいうことが除去できない。そのために現実のカバレージはぐっと下がってくる、こういうことで一〇〇%にするためには、あなたのほうの設備を十分に整えなければならぬが、受ける機械もますます改良しなければ一〇〇%にならないんじゃないか。こう考えるのですが、その受信機の改良等についてあなたのほうの研究所では別に計画はされておらないのですか。
○参考人(田辺義敏君) いろいろの基礎的な研究はやっておりまして、若干のいろいろの研究開発は期待できますが、中波のトランジスタ、特に現在はトランジスタ・ラジオが大へん普及しておりまして、トランジスタ・ラジオに関します限りはある程度の段階にきているかと思いますが、それから一方トランジスタを使いません、少し大きな型の受信機につきましては、これの改良によりまして、あるいはいろいろな雑音の排除とかあるいは混信を避けるということがあるいは可能と思いますが、すでに現在ラジオ等は大体トランジスタがほとんどその中心を占めているというような姿でございますので、これに関しましては、先ほど申し上げましたように今後非常に大きな期待はできない、さように考えております。ただしこれは研究という点から考えますと、当然この改良発達に貢献すべき義務を持っておりますので、研究は大いにやっていきたいと思っております。
○野上元君 ラジオの問題についてその点を質問をいたしましたが、テレビジョンのカバレージについては第二次六カ年計画の終末において九五%、これは総合、教育ともそこまでカバーできるということになっておりますが、これはもう大体最高のものですか。
○参考人(田辺義敏君) 先ほど申し上げましたように、この中で九五%といっておりますのは法定電界強度でございまして、実際は法定電界強度に満たない地域でも、いろいろな受信側のほうの工夫によりまして受信できる点もかなりございますので、実際カバレージというものはこれよりも上回った数になるかと思います。それからこの中には第一次チャンネル・プラン、第二次チャンネル・プランというものが今まできまっておりまして、その線に沿って建設をやっておりますが、この中にはそれ以後に起こりましたいわば第三次チャンネル・プランというものを一応予想して、仮定のもとに置局を考えております。したがいまして、第三次チャンネル・プランの決定いかんによりましては、あるいはこの計画も若干変更いたしまして、もっと数をたくさん割当てるようなことになりますと、この期間内にもう少したくさんの局を置きまして、あるいは九五%を増す数字になり得る可能性もあるものと思っております。
○野上元君 三十六年度末においては、ラジオのカバレージは第一放送が九九・七、それが四十二年度末には九九・九、〇・二%の向上になるわけですね。第二放送については三十六年度末が九七・五、四十二年度末が九七・八、これまた〇・三%の向上になるわけですが、これが六カ年間にわたって行なわれるのですが、それに要する費用というものは概括してどれくらいなんですか。
○参考人(小野吉郎君) ラジオ放送の六カ年間のこの計画で必要な額は、大体八十八億円程度でございます。
○野上元君 その八十八億円というのは主として建設費に要する費用ですか。
○参考人(小野吉郎君) 建設費でございます。
○野上元君 そうしますと、〇・二%、そうしてもう一つは〇・三%のカバレージを上げるために八十八億円の金か必要である、こういう結論になるのですが、そう考えてよろしいか。
○参考人(田辺義敏君) 若干補足説明させていただきますが、この先ほどから申し上げております九九・七とかあるいは九七・五と申します数字は、昼間の電界から出しましたカバレージでございまして、夜間におきましてはこれが変化いたします。現状は先ほど申しましたように、実際よりもはるかに夜間になりますとその状態が悪化するということで、問題は夜間の救済でございまして、このために今度の六カ年計画におきましては、超大電力増力ということを考えております。これは昼間におきましてはさしたるカバレージの増加を期待できないが、夜間におきまして第二次サービス・エリアと申しますか、それが非常に広がりますために夜間の状態の悪化を防ぐ、そういうふうな目的のために超大電力放送を考えておりますが、その建設費のおもなる部分は超大電力放送のお金でございます。
○野上元君 よくわかりました。それで私ちょっとこの表だけを見ますと、このカバレージは昼間のものであるということであるとするならば、あまりめに莫大な経費がかかり過ぎるのじゃないか。企業経営から見てちょっとまずいのじゃないかという考えをしたのですが、今のお話を聞いて夜間は相当カバレージが落ちる、質的にも落ちるということでありますと、その話よくわかりますが、現実に直してみて、昼間のカバレージの九九・九%というのは夜間に直しますとどのくらいになりますか。
○参考人(田辺義敏君) 先ほどちょっと一つ申し落としましたが、それを先に申し上げますが、先ほど小野専務から申しましたお金の中にはFMの建設費も入っております。それをちょっと落としましたので申し添えておきます。 夜間のカバレージにつきましては現在三十六年度末におきまして、一応第一放送の昼間のカバレージは九九・七となっておりますが、夜間におきましては七〇%でございます。それから第二放送の九七・五%のほうは七〇%若干下回った数字になっております。六七・八%かと思っております。それは夜間におきましては外国電波の混信、その他を全部考慮に入れまして、実際にほんとうにサービスできておると考えられます数値をとったものでございます。
○野上元君 三十六年度末の状態はそれでわかりましたが、四十二年度末ににおいては、御承知のように長期計画としてFMとの併用が考えられておるということになりますと、四十二年度末におけるカバレージは九九・九%になっておりますが、これは昼と夜は非常に接近したものと考えてよろしいのですか。
○参考人(田辺義敏君) その数字が非常に申し上げにくいわけでございますが、と申しますのは、外国電波のほうはだんだんまたふえて参りまして、現在と同じ状態がもし続くと仮定いたしますと、昼の状態に近づくと思いますが、またその段階におきまして外国電波がふえたり、あるいは強力になっておりますと、若干のカバレージの上昇は期待できますが、昼間と同じまでそれがいくかどうかはちょっと断言できないかと思います。
○野上元君 もちろん若干の差はあるでしょうが、三十六年度末におけるような大きな差が四十二年度末においてあるとするならば、何ら改善されておらないと私は判断せざるを得ない。にもかかわらず八十八億円の金を使うということになると、どういうふうにあなたのほうで改善せられるのか、あるいはどういうふうに計画を立てられておるのかという点について若干の疑義が出る、こう私は考える。
○参考人(田辺義敏君) そのときの時点を考えますと、FMがもし私どもの考えておりますような希望どおりの置局が許されるならば、FMを考え合わせますと一〇〇%に近いカバレージが得られるかと思います。昼間の状態に近い値いを期待できるかと思います。
○野上元君 私が聞きたかったのは、最初に小野専務理事にお伺いした第三次長期計画があるのかないのかという点に若干その問題が関連しておったわけです。もしもこの表だけで見ますると、第三次長期計画というのは数字の上からはもうほとんど考えられないところまできておる、こう考えたのですが、現実にやはり夜間の問題が解消できないとするならば、再びこの問題が起きてくるのじゃないか、実はそう考えたのでお聞きしておいたわけですが、今の田辺さんの御回答で大体了解できました。 テレビのほうはこの表で見ますると三十六年度末においては八二%のカバレージであったのが、四十二年度末においては九五%と非常に飛躍するわけです、総合において。さらにまた教育においては五一%から九五%に非常に大きな飛躍を遂げるわけです。したがってこの長期計画に必要な費用の大部分はここにとられておるものであると考えてよろしいのですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございます。
○野上元君 さらにもう一つ聞きたいのですが、ラジオの難聴地域の解消とテレビの難視地域の解消の困難さといいますか、それはどちらが困難ですか。
○参考人(田辺義敏君) FMを考えに入れませんで、中波だけに頼るといたしますと、ラジオのほうが困難だと思います。
○野上元君 わかりました。 次に長期計画にからんで企業経営上必要な点をお聞きしたいのですが、普及率は四十二年度末で何パーセントになりますか。
○参考人(小野吉郎君) テレビのほうで申しますと四十二年度末推定の全世帯数に対して七七%ぐらいになる見通しを立てております。ラジオのほうにつきましては、同じく四十二年度末におきまして全世帯の八三%まで普及するというように見通しております。
○野上元君 この普及率の限界を決定するのは非常にむずかしいことだと思いますが、しかし一応事業を計画される上においてはどうしてもつかまなければならぬ数字だと思います。これは大体これくらいが最高だというふうに見ておられますか。さらにまだ伸びていくというふうに見ておられますか。
○参考人(小野吉郎君) もう大体最高に近いところではないか、こう見ておりますが、これは六カ年計画に合わせました六カ年先の状態でありますので、その後におきましても若干の伸びはあろうかと思いますが、これが天井の率ではないのでありまして、かりに六カ年を先に延ばした十年先を見ますと、テレビのほうで八〇%、ラジオのほうで九〇%ぐらいになるのじゃないか、しかもそれは大体今考えられる最高のところのものではあるまいかと見ております。
○野上元君 この長期計画説明書にあるテレビ・プラス・ラジオの普及率は七七%となっているわけですが、この点は普及率と受信料の何といいますか、人口といいますか大体一致するわけですか。
○参考人(小野吉郎君) 大体一致するものと考えております。
○野上元君 その下のラジオの部類の八三%というのは、これはどんどん上がってはいくけれども、現実の受信料は逆に下がっていく、こういうことになるのじゃないでしょうか。
○参考人(小野吉郎君) 八三%の中にはラジオだけしか持たない世帯と、いまひとつはテレビを合わせ持っておられる世帯を合算したものでございます。しかもその比率はテレビとラジオを合わせた世帯のほうが多いのでありまして、ラジオだけという世帯はテレビの普及につれまして漸次数は少なくなっております。件数で申しますと、三十七年度末におきましては四百四十万と見ておりますが、漸次これはテレビとラジオ両方持つほうに変わって参りまして、ラジオだけの姿で残りますものは百二十七万と、こういうように見ますので、この面からの収入はだんだん非常に少なくなって参るわけでございます。
○野上元君 ここにいう普及率というのは、受信料を基礎にして作られたものであるか、そうではなくしてラジオを持っておりながら、実際には受信料を払っておらない人も相当おるはずなんですが、それも含めた普及率なのか、どちらなんですか。
○参考人(小野吉郎君) 大体におきましては、実際の普及とNHKの契約をいたします数との一致点を見る基本的な考え方でいっておりますが、これは直ちに六カ年計画の財政を持っていきます基本となるわけでございますので、契約を獲得し得る、こういうような面に重点を置きまして計算をしております。その意味におきまして、現実に四十二年度末にラジオ、テレビを持っておられる向きが、この数と完全に一致するかと申しますと、多少のギャップはあろうかと思います。これは在来の例から申しましても、テレビのほうにつきましても、現在時をとって見ますと、NHKが契約をいただいております数と、実際に普及しておるであろうと思われます数との間には、多少の、ギャップがございます。これはテレビをつけられて契約をいたしますまでに多少の時日があるような面もあるわけでございまして、二、三カ月たてばそういうのはだんだん契約の数の中に入って参りますので、そのギャップは埋まるわけでございますけれども、テレビの総体の数がふえる過程におきましては、多少実際の普及と契約獲得の数の間に差が出てくるというようなこともあろうかと思います。そんな面も考慮に入れましての上の見込みでございます。
○野上元君 ラジオだけ持っている人で、直接NHKと契約しておらないのはそうたくさんない、そうじゃなくてテレビと両方持っている人のほうがラジオの契約のほうだけはやらない、こういう傾向が強いと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり、ラジオを持っておられる向きでテレビを持っておられないいわゆるラジオだけという向きにつきましては、一〇〇%とは申しませんが、およそは契約をしていただいておるつもりでございます。ただテレビを持たれておって何時にラジオはあるのが大多数でございますけれど、ラジオは持っておらない、こういうことでその方面の契約のない数が相当ございます。それがまあ今日までの状況で、非常に料金負担の公正の面を害しておるというような実情にもなっております。
○野上元君 これは長期計画上必要なことであろうと思ったので二、三お尋ねをしてみたわけですが、この表によりますと、三十五年度から三十六年度までがNHK始まって以来の普及率の伸びを示しておるのですが、その後漸次落ちていくという情勢で、あなたのほうでは計画を立てられておるようですが、この状態が大体予想どおりにいくというお考えでしょうか。
○参考人(小野吉郎君) そのように考えておるわけでございますが、実際のピーク時は野上先生のただいま御指摘のそれよりも一年ずれておりまして、テレビの伸びが三十五年度から六年度へかけましての増加は二百七十万でございます。三十六年度からと申しますと、まあ三十五年中でございます。三十六年度中にふえますものは、多少まだこれから月末までの見込みの数がございますが、二百九十万でございまして、今までにない大きな数でございます。来年度、三十七年度におきましては、この計画では二百三十万という数字でございます。漸次これは各年次を経ますに従って逓減をいたしましていくような計画にいたしておるわけでございます。
○野上元君 そしてこの一番大切なことは、四十二年度においては八十三万の増になるわけですが、これがどこまで落ちて、そしてその数字が安定するときはいつごろかという見通しについてはどうですか。
○参考人(小野吉郎君) この辺は非常にむずかしいところだと思いますが、日本の世帯の増加の傾向が一体どうなるかということでございまして、この六カ年を経ましても世帯の増加数はかなりあろうかと思います。それに対する八三%見当の普及率を考えますと多少の増加はあるわけでございますが、四十二年度のただいま御指摘の八十三万、これよりはだんだん少なくなって横ばいになっていくような傾向をたどるというように考えております。
○野上元君 最近急に普及率が伸びてきておるのは、いろんな現象があると思います。今あなたのほうのいろいろな施設の完備だとか、経済の成長だとか、所得の倍増だとか、いわゆる機械のメーカーの宣伝であるとか、いろんな方法によってぐんぐん伸びておるだろうと私たちも考えているわけですが、いつまでもこういう状態が続かないし、必ずどこかで安定的な状態になってくるだろう、それはいつであって大体どれくらいの数であるかということが、将来NHKの企業経営にとって非常に重要なポイントになるんじゃないか。その上に立って料金というものが決定されないと、またまた重大な危機に直面するということになろうかと考えるので、実は執拗にその辺を聞いておるわけです。七七%が大体普及率の最高であり、あるいはまだ八〇ぐらいまでが最高であるとするならば、あとはほとんどもう大きな伸びは望めない、したがって自然増的な伸びしか認められない、こういうことになるわけです。したがって、その数はおおむねはじけると思うのですね、逆算していけば。ですからその点を早くつかんでもらって、安定的な企業経営を計画していただくようにひとつお願いしておきたいと思うのです。
○参考人(小野吉郎君) ただいま御指摘の点は非常に経営の根幹をなします重要な問題でございますし、さらに受信料を最も適正に、可及的低いところに決定いたします目安になる重要な問題であろうと思います。そういう面で六カ年までの姿はここの資料に入っておりますので、これから先の関係は先ほどちょっと御答弁も申し上げたのでございますが、四十五年度、ちょうどこれから十年先に大体パーセンテージで八〇%、数にいたしますと千九百五十五万件ぐらいの契約にはなると、こういう見通しを持っております。それからあとは御指摘のとおりにもうほとんど天井に近いので——もっともそれには前提がございまして、最高八〇%になるものが八五%になり、九〇%まで期待できるような情勢になりますと、まだ余地があるのでございますが、そうでないといたしますと、ほとんど自後の増加はございません、そういたしますと、収入の額といたしましては自然増以上のものもあまりございませんし、前年程度の規模の収入しか期待できないというようなことになるわけでございますけれども、その辺のところにはかなり先長い期間でございますので、的確にこれを予測することも困難でございます。ひとまず今回の受信料の額をどのくらいにしたらいいだろうかの算定の目安は、将来に向かっての安定し得る料金をきめますと同時に、可及的諸般の使命遂行に必要な建設、運営面の改善をはかりながら、できるだけ低い料金で、しかも将来安定をした料金をねらったわけでございますが、その期間の目安は、大体ここにあります六カ年の間は特殊の事情が起こりません限り、今回きめます料額を動かす必要はないであろう、これでいけるというふうにまあ算定をいたしておるわけでございます。
○野上元君 その点はわかりました。 ラジオのみの契約者はこの表を見ますると、三十七年度四百四十万あったものが、四十二年度末には百二十七万に激減するわけです。この激減はまだ続きますか、四十二年度以後においても。
○参考人(小野吉郎君) このやはり減少の傾向は、他面においてテレビの増勢が鈍化するとは申しましても、伸びる限りにおきましては、傾向としてこの数がまだ低目になっていくことが予想されるわけでございます。
○委員長(安部清美君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(安部清美君) 速記を起こして。
○野上元君 この計画を見ますと、三十七年度がこの第二次六カ年計画の中で最も大きなウエートを占めておるんじゃないかというふうに考えるわけです。で、この六カ年のうち三十七年度の占める比率はおおよそどのくらいになるのですか。
○参考人(小野吉郎君) ウエートと申しましても、漸次前年、すなわち三十六年度と比較いたしますと、在来にない大きな差があるわけでございますけれども、自後は将来年々増収の幅は少なくはなって参りますが、特にあととの比較におきまして、三十七年度以降を見ますと、飛び抜けるわけでもございませんので、たとえば建設の関係等の事情を見ましても、この六カ年の計画で現在考えております規模は百三十億ございます。三十七年度が百三十億でございます。三十八年度におきましても同郷の百三十億を見込んでおりますし、あとは漸次多少規模を引き下げておりますが、四十二年度あたりでも百二十億と、こういうところで、規模といたしましては大体これはそう大きな差はないというような状況で計画いたしております。
○野上元君 料金に関連したことを一、二聞きたいのですが、つい最近の新聞にNHKは今回料金の値下げをした、で今回の料金の値下げによって二十億ばかりの減収になる、こういうことをいっておるけれども、三十七年度の予算を見ると三十六年度に比較して百億ぐらいの増収になる、これはまことに不思議な料金値下げである、こういうことを新聞で二、三散見したのですが、そのひとつ、からくりはあなたのほうで十分にPRする必要があると思うので、この機会に公の席上で明らかにしておいてもらいたい。
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり料金の関係につきましては将来の必要なる計画を支え、将来六カ年間はまた手直しをしなければ困るような事態にならないように、安定料金を作りますと同時に、受信者の方々には可能な最も低い限界で、きめていきたいということで、算定をいたしたわけでございます。これを現在のままで、料金改定に全然手を触れませんで比較をいたしてみますと、三十七年度に限って申しますと、このまま手を加えないで現状のままでいったほうが二十億よけい金が入るということでございます。それにいたしましても、三十六年度と三十七年度の予算を比較いたしますと、そこに事業収入の面では百億の増収があるというような記事は、なるほどこの間私どもも見たわけでございます。したがってまだ下げる余地があるのじゃないかというようなまあ論調であったように思うわけでございますが、ただ三十七年度に焦点を合わせまして料金をきめましても、これは将来にわたっての安定料金をここで作るという要請から申しますと、直ちに計画上蹉跌を来たしまして、次の年度、あるいは次の次ぐらいになりますと、この額ではやっていけないというようなことで、直ちにまた料金を改定しなければならないということにもなろうかとも思いますので、そういう必要のないようにいたしておりますし、また今の百億の増収の関係につきましても、予算と予算を比較しますとなるほど百億の差があるわけでございますが、そのうち三十億はすでに三十六年度の予算執行の過程において増収が出ております。これは予算総則に定められました条項に従いまして、たとえば建設関係の面につきましても、年度当初の予算ではいろいろ将来の財政の安定をはかりまして、借入金と減価償却引当金等自己資金のほかに、三十六年度予算で予想される収入の中から九億三千万円の経費を建設関係に当初予定しておったわけでございますが、そのような三十億の増収もございましたので、将来の建設に関する外部資金の関係から見て、元利払いの負担をできるだけ軽減いたしまして、将来にわたっての今後の財政の安定をはかります意味合いから申しまして、さらに三十億の増収のうち十億は建設関係の経費に振り当ててございますし、また増収を得ます直接の原因といたしまして、加入関係事務等につきましては、当然に件数のなにに従い必要な経費がございます。そのような面に充当いたしますとか、あるいは待遇改善の関係につきましても、予算の増加に従って、そのような場合にはその中の一部を待遇改善に回すことが可能でございまして、またやるべきことでございますので、そのような増収の使い方をいたしております。今日の状況で、三十七年度の予想される収入と比較いたしますと、七十億の差があるわけでございますが、その中には三十六年度から当然にすでに手をつけた、これを維持するだけで経費増を来たすものが三十六億ばかりございます。そうして見ますと、新規に経費を割り当て得ますもの、特に将来六カ年計画の初年度といたしまして、いろいろ拡充の規模が、非常に建設面についても事業運営についても大きいわけでございますが、そういう在来のやっておりますところの拡充並びに新規な事柄に充て得ます経費は、四十一億円だということになるわけでございます。そういうようなことで、それと同時に将来の収入、対前年の増収の幅の伸び、その他の事情を考慮いたしまして、ああいった料金算定をいたしたようなわけでございます。
○野上元君 そうすると、新聞でいっておりました二十億の減収ですね、これはあなたのほうで言われているわけなんだが、その減収ということは、現行料金で三十七年度を実施した場合と、新料金で実施した場合との差が二十億だと、そういう意味ですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございまして、かりにそれが今度の料金の改定によりまして二十億の減収ということは、三十六年度の収入よりも二十億減ることになりますと、これは事業のいろいろな新しいことをやることはもちろん、在来のものを維持することもできないことになるわけでありまして、これではとても将来の六カ年計画を支えるどころか、当面の事業の維持もできないことになるわけでありまして、その辺に多少の誤解があるのではないかと思いますが、料金を改定いたしませんで、今のままでいろいろな各方面からの不備欠陥を指摘されてはおりますが、これにほおかぶりをしまして、それでやれば三十七年度については、今回の改定案よりもさらに二十億ふえる。そうなりますと、百二十億三十六年度の当初予算から見ますと増収があるということになるわけでございます。
○野上元君 ただいまの質疑で明らかになりましたように、NHKがつかさどっておる放送事業の内容というのは、逐年その伸びが落ちてくるということは明らかになったわけです。ということは、料金を今決定しておって、ことしは非常に収入があっても、毎年その収入が落ちていくということは、これは数字上明らかなんです。したがって、あなたのほうで六カ年計画をさらに促進されて、最初の三年で大半をやってしまうというようなことをかりにやられるとするならば、あなたのほうは経営上から見れば、みずからの首をみずからが締めるという結果になるのじゃないかということが心配されるのだが、その点はどのように考えておられますか。
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のような状態が参りますといたしますと、この計画の一部、あるものを投げるとか、いろいろな措置をしなければなりません。そういうことを避けようということで、できるだけこの計画を百パーセントあるいはそれに近く実施いたしますためには、毎年のことでございますけれども、受信料ばかりで運営並びに建設所要の経費をまかなっておるわけでございませんで、法律で許されます放送債券の発行、あるいは借入金の措置等もいたしております。そういうような面を考えますと、将来のいろいろな事情は考慮いたさなければなりませんが、これの対応策といたしましては、現在予定をいたしております額よりも越えて借入資本に依存する、こういうようなことも一面あろうかと思います。またこの中には収入が、先ほど御指摘のとおり、三十七年度は六年度に対しまして百億と増がございますが、四十二年度になりますと、これは四十一年の前年に対しまして三十一億しかございません。これがさらに四十三年以降になりますと、だんだん幅がずっと縮まってくるような趨勢は明らかでございます。そういうような面を見まして、将来の財政の安定とさらには借入金の各年次別の残高等を見まして、これの元利払いの関係について蹉跌を来たさないようにというような意味合いで、いろいろ昨年も問題にはなったのでございますが、法定の減価償却の積立金等で保有いたしております自己資本のほかに、当該年度の受信料、これは割に対前年の増収の多いときに、それを建設資金に充当するというような措置をとりまして、この予算書では、三十七年度は三十億円を建設の所要資金に充てることにいたしております。長期の計画といたしましては、三十八年度、三十九年度は大体二十億円を充当するような計画にいたしておりますし、四十年度以降、四十二年度までの三カ年間は、十五億の受信料収入充当を考えて、財政の安定の一つの方策といたしておるわけでありますが、場合によりますと、これの全部あるいは一部をそういった対応策に使いまして、予定の建設を進めていくというようなことも考えなければならないのではないかと思うわけです。
○野上元君 自己資金の建設資金に投ずる比率が年々落ちていくということは、企業から見れば同じ建設をやるためにはどこからか借りてこなければならぬ。あるいはまた債券を発行しなければならぬということになるわけで、経営としてはだんだん不健全なものになってくるんじゃないか、こう考えますが、その点はどのように考えますか。
○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおりそのようでございまして、これには一定の、どの辺のところが、適正な限界であるかはいろいろな問題があろうかと思いますが、現在NHKとして考えておりますそれは、そういった自己資金の投入分は一〇%前後くらいのところを標準にいたしておりまして、三十七年度の関係につきましては、三十億を充当いたしますので、その他の自己資金もあるのでございますが、それを合算いたしましてのいわゆる充当率は、これは一般にいろいろな企業に使われておるようでございますが、一一%見当になっております。これは四十二年度くらいになりましても、大体その率を維持いたしまして、一〇%くらいになっておるわけでございます。自己資金の関係の中でも、当該年度の受信料収入そのものについて見ますと、その比率は今の比率よりも少ないのでございまして、三十七年度で六%弱でございますし、これも年々先ほど申し上げましたように、投入の額が非常に減少をいたしますとともに、全体の規模はふくらみますので、最近の年度あたりになりますと、三%余といったようなことでございますが、これはその他の一般の営利事業は別といたしまして、電電公社あるいはガスとか水道とか電気事業、こういったような面を見ますとかなりその率は高いようでございます。もちろん、自己資金の比率を高くして借入資本の比率を低くしますことは、経営の健全化に役立つことでございまして、非常にけっこうでございますが、NHKとしてはそこまでの充当をいたす余力はございませんし、大体今の見通しでは一〇%前後ぐらいのところなら可能でありますし、またその比率をやや多少の変化はありましても維持できるというように考えております。
○野上元君 これは見ればわかることだと思いますが、ちょっとお聞きしますが、三十七年度における建設に投ずる費用の中で、借入金と放送債券ですかをプラスしたものと自己資金との関係を明らかにしてもらいたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) 三十七年度で申しますと、建設関係の規模は先ほど申しましたような百三十億でございます。このうちで自己資金は七十一億ございますし、外部資金が五十八億でございます。その自己資金の中には、減価償却の引当金で保有をいたしております法定保有額が四十一億ございます。このほかは三十七年度中に上げます受信料収入から投入するわけでございまして、その額が三十億でございます。ずっと六カ年を通計をいたしますと、建設関係に所要な経費総額は七百七十億でございます。この七百七十億のうち自己資金と外部資金に分けますと、自己資金が五百十七億、外部資金に依存いたします額は二百五十二億でございます。その自己資金の五百十七億の中には、減価償却の引当金で充当可能でございます額が三百九十五億ございまして、受信料収入、年々の収入から建設資金に充当いたしますものが百二十億と、こういうようなことにいたしております。
○野上元君 三十七年度における自己資金と借入金との比率と、四十二年度におけるこの比率の変動というのはどういうふうになりますか。
○参考人(小野吉郎君) 三十七年度におきましては、大体を申しますと自己資金六に対して外部資金が四と、こういうような見当でございますが、四十二年度になりますと自己資金七五に対して外部資金が二五、こういうような比率になろうかと思います。
○野上元君 それはだいぶ自己資金の比率がふえておりますが、それは減価償却引当金がたまってくるからという意味ですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりでございまして、資産の保有がだんだんふえて参りまして、これの減価償却費として保有いたします資金が、年々ふえて参ります。その点が今のような比率に表われておるわけであります。
○野上元君 NHKの放送料をきめる場合の基本的な考え方というのは、総原価それに料金を考えるのですか。それとも総原価プラス設備投資、設備資金の一部が総原価になるのか、その点の考え方はどういうふうにお考えになっておりますか。
○参考人(小野吉郎君) これはなかなかむずかしいところでございまして、NHKといたしましては、別段利益をあげる機関でもございませんし、実費主義でけっこうなわけでございます。その実費の中には、その年度の中で運営に必要な経費は、まあその年度のものとしてすぐ算定できるわけでございますが、今の建設を非常にやっております現状、しかもそれを大規模にやらなければなりません現状から申しますと、この経費を一体どういう期間にどのように見たらいいだろうかと、御承知のとおり、NHKといたしましては、受信料収入以外の収入は皆無といってもいいようなことでございますので、完全に実費主義となりますと、運営上の経費はもちろんでございますし、建設に所要な経費の負担も受信料の中に算定をしなければならないのでございますけれども、この建設のそれ 〔委員長退席、理事手島栄君着席〕 は、大体将来の六カ年は規模といたしましてもそう大きな開きはございません、平均しておるわけでございますが、三十六年度以前から比べますとかなり飛躍的な規模の増大になっております。また四十三年度以降、第二次六カ年計画の完了時以降から申しますと、これはまた規模を現在のところでは縮小するであろうと予想されるわけでございます。そういうような面でいろいろ申しますと、資本の関係の支出といたしましても、当然にその年度の収入から法定上積み立てなければなりません減価償却の所要経費とか、あるいは借金をいたしましたそれに対して、法律の命じますところによりまして一定の償却のための積み立てをしなければならないものは、当然にこれは算定をいたしておるわけでございます。その他運営の経費、こういうものも入れて大体やっておりますのが現在のそれでございまして、ではこれだけで十分かと申しますと、かなり大きな借金をかかえております。三十六年度末におきまして、外部資金は百八十億ぐらいの残高になる見込みでございますが、四十二年度になりますと、二百五十億余の外部負債を持つわけでございます。これは今の受信料の中で、ほんとうにこれだけの運営をやりながらこれだけの負債を、元利を完全に払えるかと申しますと、これはなかなかそうは参らないのでございまして、外部の負債も長期借入金と放送債券になっておりますが、長期借入金のほうも額はかなり大きい額でございますが、これについては法定の積み立ての要請はございません。これは企業のいろいろな事情で積み立てれば積み立てるべきものでございましょうが、現在のところは、当該年度の収入でその期限のものまでの返済には何とかなるということでいろいろいたしておるわけでございます。放送債券につきましては、毎年度最近の放送債券発行の未償還額の一割ずつは、績み立てるという法定の建前になっておりまして、それだけは積み立てておるわけでございますが、実はこの積み立てだけで十分に将来元利が払えるかと申しますと、放送債券は七年間に償却をしなければなりません。そういうことでその利息等をもあわせ考えますと、とうていこの積立金だけでは元利を返済できないわけでございます。 〔理事手島栄君退席、委員長着席〕 その今の積立金のほかに、個々の年度の受信料収入を一部充てなければ返済できない、こういうようなことになりますので、これを今の積立金のほかに返済可能な一つの額を受信料の算定の基礎に入れるとなりますと、今回きめております三百三十円、五十円では完全にはいかないというようなことになりますが、しかし今のようなものを全部入れますと非常に安定した料金であると同時に、できるだけ低廉に、しかも各受信者の間に不公平がなく、公平にいけるような基本的なねらいを持って作業いたしたわけでございますが、三百三十円、五十円よりも高いものになりまして、そういうことでその辺の問題はございますが、一応借入金に対するそれは法定の義務として積み立てなければならぬものに限っておりまして、あとは実際はこの原価の中には入れておらないわけでございます。
○野上元君 普通の場合、総原価といえばいわゆる広い意味の営業費、それと減価償却引当金あるいは社債の利子等含んで言われておるだろうと思うのですね。したがってあなたが今言われたようなものは、すべて営業費とみなして総原価の中に入れておけばいいと思うのですが、ただ問題は、将来の設備資金の問題は全然別個だと思うのですね、この営業費とは。したがってこの設備資金の一部が放送料金の中に入っておるかどうかが、あなたのほうの企業経営にとってはきわめて重要な問題になってくると思うのですが、その点今はそういう原則論は別として、当分の間今提案されておる料金によってそういうものもまかなっていけるであろうと、こういうふうに認識してよろしいですか。
○参考人(小野吉郎君) さようにお考えいただいてよろしいかと思います。
○野上元君 変なことを聞くようですけど、飛び飛びになって恐縮なんですが、現実にテレビのカバレージはまだ八〇何%ですが、そうすると、そのカバレージというのは一応コンパス引けば出てくると思うのです。そのコンパスの範囲以外のところにたとえばテレビ受像機を備えつけたといったような場合、あなたのほうはやはり料金は徴収されるのですか。
○参考人(小野吉郎君) NHKの放送が受信できます限りにおきまして、これは料金をいただくことにいたしてあります。
○野上元君 そうすると、現実に映らなければテレビを備えつけてもあるいはラジオをつけても料金は徴収しない、こういう具体的な事実の上に立って決定をすると、こう解釈してよろしいですか。
○参考人(小野吉郎君) まあそのようなことになるわけでございますが、コンパスで引きましても完全に電界強度の外にあり、また結局そういうところは一応は放送の受信が不可能だろうと思われるところでございますが、いろいろそこの点はコンパスで引いたそのままのわけにも参らないので、現実には放送がやはり聞ける、テレビとしての機能を果たし得るというようなところにつきましては料金をいただくことにいたしてありますし、どのような電界強度内におきましてもいろいろな事情で、全然用をなさない、見えないというようなところにつきましては、これは料金の徴収は不可能である、このように考えます。
○野上元君 これも少し飛び飛びになりますが、この六カ年計画を見ますと、国際放送の拡充強化というのが一つのやはり大きなプログラムの一つになっておりますが、今日においても国際放送は、放送法、三十五条によってきめられておるわけですが、これは国家があなたのほうに命じてやらすことができるとなっておるわけですが、したがってあなたのほうとしては、現実の問題としては国家があなたのほうに命じて、そうしてその費用は国が負担するということに法律できまっておりますから、その法律の範囲内でやられればNHKとしては任務を全うしたということになると思う。しかし現実には三十七年の予算書にもあるように、相当あなたのほうは持ち出しをして放送をやっておられるわけです。この考え方についてはこの前のときにもあなたに質問したことがあるのですが、現実の立場からNHKとしてはやらざるを得ないということになったわけですが、その点は私どもとして常識的にわかるので一応承認したわけです。しかしこれは限度があろうと思う。今日三億数千万円の持ち出しをされておるわけです。これは明らかに全く受益の機会のない受信者の料金によってまかなわれておるという点が若干問題になろうと思う。しかし今日の段階においてはまだその比率が小さいのでおそらく承認されると思うが、しかしこれがだんだん太っていくと問題になると思う。国際放送の拡充強化はけっこうなことですが、どの限度まであなたのほうではやり得るのか、またやることが妥当なのか、という考え方をお聞きしておきたい。
○参考人(小野吉郎君) 具体的に申しまして現在方向といたしましては、十八方向に、時間といたしましては三十二時間の放送をいたしております。これが将来の拡充の計画といたしましては、三十七年度のこの予算の中には今、方向は十八方向でございますが、時間はさらに二時間ふやしまして三十四時間にいたしたい。さらに将来の関係につきましては、オリンピックの開催時にはこれを三十六時間までに拡充をしたい、その先はいろいろな客観情勢を見まして、いろいろ検討をいたしたいと思いますから、具体的な目安を持っているのはそのような計画でございます。もちろんこれは年次別に経費の増をはかって参らなければならないわけでございますが、先ほど放送法の規定の関係で引用されました三十五条は政府の命令を受けまして、命令があれば政府が交付金を出す、現在はその命令の部分と命令を受けない部分があるわけでございます。そういう部分もございますが、できるだけ政府命令をふやしてそれで交付金の増額をはかっていくようなことを、われわれも希望、念願いたしております。郵政省にも非常に御努力いただいておるわけでございます。予算のいろいろな事情もございまして、今年度から見ますと、三十七年度は政府交付金の五百万円は増加を見ましたが、一応八百万円ございまして、総体の国際放送にかけます経費全体といたしましては、とてもこれで十分ではないと思いますが、政府の命令はこの限度でいいというようなことになっております。かたがた世界の各国が国際放送に力を入れております現状におきまして、しかも日本のいろんな親善、繁栄のためにNHKも大いに協力しなければならぬと思います。一面には、国内の受信者との関係においては、かねがね本委員会でも何回か御指摘を受けたわけでございまして、そのような状況で、拡充は考えておりますが、これも無際限にとはなかなか申せないと思います。一面には十八方向で三十二時間と申しましても、各国も非常に国際放送に力を入れておりますのは、一方向に対しても一波だけでなくして数波をもって万全の策をとっております。日本におきましても、在来は一方向一波と、こういうような運営をしておったわけでございますが、これは一国の電波権益にもつながる問題でございますが、周波数を日本に十分に保有いたしますためには、実際に一方向に一波だけでは非常に足らないわけでございますが、そういう周波数、時間も考えなければなりませんので、この辺は大幅の拡張をいたしまして、同じ一方向に対しましても数波使うというようなことも計画をいたしております。それと、いろいろ地域別にはまだ国際放送にも聴取上の難点もございまして、現在の欠陥を補って参らなければなりません。その意味から申しますと、かなりの電力の増大化をはかって参らなければならぬわけでございますが、そういうようなことを考慮いたしまして、三十七年度におきましては、総体の経費といたしまして、六億四千七百万円を予定いたしておるような次第でございます。
○野上元君 そうしますと、六億五千万円余りの経費をかけて、国庫が負担してくれるのは一億八百万円。そうすると、ますますこの差が開いてくるんですが、今あなたの言われたようなことはよくわかるんです。これはしかし、NHKがやるべき仕事なのか、国家がやらなきゃならない仕事なのか、NHKがどんどんそういうことをやっていくと、これはやっぱり問題になると思うので、この機会に政府の意見を聞いておきたいんですが、郵政省は、この三十七年度予算案に対する意見を聞かれた場合に、どういう意見を付しておられるのか、その点をお聞きしておきたい。
○政府委員(大高康君) ただいまの御質問で、筋としては野上先生のおっしゃる方向に考えられるのでございますが、NHKが現在世界放送をやっておりますので、そういう点から考えてみまするというと、NHKがおやりになることが、まあ妥当といいますか、ちょっと言葉に窮するのでございますが、まあ妥当ではないかというように考えております。
○野上元君 NHKという放送機関を通じて海外放送をやられることが妥当であるということはわかるんです。そのことは十分わかる。それならば、国家はNHKにやらせたものに対する費用はすべて国庫が負担すべきではないか。NHKがみずから国のPRを義務づけられておるとは、この法難を見ても解釈できないわけです。国家の海外に対するPRは国家みずからがやらなきゃならぬ。そのためにNHKという機関を通じてやられることはけっこうだが、その費用は全部国庫で負担すべきでないか。三十七年度においてすでに五億近くのNHKは持ち出しをしなきゃならぬ。しかも、その持ち出しが、財源は受信料によってやるわけなんですから、これが大きくなっていくと問題になるのだが、その点について郵政省当局としてはどういうふうに考えておられるか。
○政府委員(大高康君) 監理局長をもって答弁させます。
○政府委員(西崎太郎君) 確かに今、先生がおっしゃるように、国際放送、これの運営としては、政府が直接やるよりもNHKが、やったほうがいいということは、これはあまり異論はないのであります。ただ、その内容、放送の性質からいいまして、一体この負担をどこが負うべきかという問題があると思います。確かに今、先生がおっしゃったように、そういった財政的な負担は国が負うべきである、こういう考え方もあるわけでありますが、御承知のように、先般の放送法の改正でNHK自体の固有の業務ということにもなっております。それから政府は政府で最小限のこのための命令放送を実施してもらうということもできるようになっておりまして、そういう意味では、現在負担という面では両建になっておるわけであります。まあそのことがいいかどうかという点につきましては、またもう一回再検討する必要もあるかと思いますが、現在そういうふうな両建の状況になっておるわけであります。そういう意味で政府としましては——もちろんわれわれ今回の一億八百万円ですか、これをもって十分だとは考えておりません。常に相当これ以上の予算要求をしておるわけでございますが、なかなか微力で通りません。しかし、年々多少なりとも増加の方向には向かっておるわけであります。そういう意味で、今後とも政府としましては、できるだけこの国際放送に対する予算というものをふやして参りたい、こういうふうに考えております。
○野上元君 小さいことを聞くようですがね、両建になっておると言われる。ということになると、一億八百万円の分については、政府が命ずる放送である、そうして残りはNHK固有の事業としてNHKみずからがやる、こういうことになるわけですが、その一億八百万円分の放送も、原稿は国家がNHKに提出するんですか、それともNHKみずからが放送の番組や編成をして、内容も検討してやっておるのか、その点はどうですか。
○政府委員(西崎太郎君) 放送の内容につきましては、NHKが放送法の線に沿いまして独自に編成するという線で参っておるわけであります。政府といたしましては、別にそれ以外の注文はつけておりませんし、NHKが独自の立場で番組の編成をやっておるわけでございます。
○野上元君 そうすると、NHKが放送しておる海外放送の中には、国家が負担する分とNHKが負担する分と二つ含まれておる、こういうことになるわけですがいずれにしても、先ほども申し上げましたようにあまりそのギャップが深まっていきますと、やはり問題になろうかと思うんです。おのずから限度があると思いますので、その点については十分な検討を加えて、よそから指摘されないようにしておいてもらいたいということを要望しておきます。
○森中守義君 ちょっと関連。今の国際放送の問題ですがね、これは二年ぐらい前にこの委員会で法制局に一度来てもらって国際放送、いわゆる命令放送とNHKの固有放送の分限を明らかにしてもらったことがあるんです。そのことが、今、西崎局長が答弁されたことだったと私は記憶します。会議録を持っていないので正確に覚えていませんが、大体そういうことだったと思う。そこで実際問題としましてそういう両建ではあるけれども、今、野上君からも話がありましたように、受信料からそれを出していくということになれば、一体国内における契約者というものは、契約のときに国際放送までも負担させられるんだというようなことで契約がされておるのかどうか、こういうことになれば、明らかに私は契約上の意味合いからいくならば、国際放送の負担までも国内における受信者ないしは視聴者が了承して料金を出しているとは思わない。この辺がやっぱり問題があるでしょうね。そうかといって、これはやはり国際放送をやるべき機関といえばNHK以外にないんだから、これはとめるわけにはいかぬ。しかし、それも今お話があったように限度の問題だと私は思う。だから、この辺ももう少し研究される余地があるんじゃないでしょうか。同時に、むしろこれは協会の責任というよりも政府の責任だと思う。先ほど質問の中にも出ましたように、放送命令を出す、その場合に特殊な事項等を放送をやれという、そういうことはないようですね。やはりNHKの自主番組によって今日一億八百万円出しておられるようだが、それは放送に干渉されぬという立場から非常にけっこうだと思うのですが、ただ予算が、郵政省だけで少し無理してやっているという気がして私はしようがない。何となれば、これはやはりある意味では国民外交という、こういう分野にも入ってくると思う。そうなれば、外務省予算の一部であるとか、あるいは総理府予算の一部であるとか、そういうふうなことで、閣内で郵政省が総理府とか、あるいは外務省あたりに、少しこの種予算の提供を求めるわけにいかぬのですか。何回もこの協会予算を審議するたびごとに、これはもう必ず問題になる。で、私どもも気持の上では、これは国内の受信者は国際放送までの分担をしているつもりはないんだから、やるべきでないという気持もあれば、他面また、公共機関であるNHKが正当に国際放送をやるのは当然だという二様の気持がありましてね、非常に複雑な気持なんです。だからこの際、やはりその辺をもう少し明白にしてもらって、郵政省だけが予算に苦労しないで、外務省からも、あるいは総理府からも、もう少し国際放送に対する予算をめんどう見てくれるような、こういう話し合いができないものでしょうか。どうですか、政務次官。
○政府委員(大高康君) 大臣がおれば正確なお話ができると思うのでございますが、大臣が欠席しておるものですから、大臣にこのことを申し上げまして、先生のただいまおっしゃることはまことに筋の通ったごもっともなことでございまして、閣議でもって強調をしてもらって、そうして外務省なり大蔵省なりの了解を取り付けるというようなことに努力してみたいと存じます。
○森中守義君 当局はどうですか。西崎さん、こういう外務省とか総理府あたりに予算の一部を提供してもらうという一つの意見については。
○政府委員(西崎太郎君) 確かにそういった考え方もあると思います。実は国会の御承認が得られれば、今度放送関係法制調査会というのができまして、ここで現在の放送関係の法制をいろいろ洗い直し、再検討してみるというようなことも考えておりますので、そういった場、あるいはそれが間に合わなければ、また来年度の予算の編成の前に、今、先生のおっしゃったこともひとつ十分考慮に入れまして善処さしていただきたいと思います。
○野上元君 いずれにいたしましても、今の問題は将来とも十分に考慮してもらいたいと思う。そのことは、後ほど質問いたしますが、職員の待遇だとか、あるいはその他の問題にもからんでくるわけです。これがどんどんふえていくと、必ず職員の中からも、そういう金があるならばこちらに回せという意見も、私は当然出てくると思う。あるいはまた、受信者のほうからも、料金が荷過ぎる、そんなことまでおれたちは契約なんかしなかったのだというような問題が出てきますから、十分に検討をして、その限度を見きわめてもらってやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思いますが……。
○参考人(小野吉郎君) 先ほどのにちょっと追加いたしまして御答弁申し上げたいと思いますが、三十七年度のこれは協会負担分だけについて申しますと、当該年度のそれぞれ受信料収入に対する比率は、三十七年度では一・六%くらいになっておりますが、この計画では、一方国際放送の拡充は計画をいたしておりますが、年度の受信料収入に対する比率は三十七年度がピークでございまして、漸次下がりまして最終年度は一・四%弱くらいになっております。そういうことで、いろいろその辺の限界はさほど乱るような姿にはなっておらないと考えております。
○野上元君 私は、予算の規模と国際放送に要する費用との比率も、これは経営上から見て重要な問題だと思うのですが、現実に絶対額が上がって参りますと、必ず問題になってくるのです。これは私も郵政省との交渉でしばしば問題になったので、一億や二億の間はそう大して問題になりませんが、これが十億、十五億となって参りますと、これは非常に大きな問題になると思うから、その点は十分に考慮しておいてもらいたいと思うのです。 それから先ほどの、協会との間の質疑応答によって明らかになったごとく、将来NHKの最も重要な任務の一つは、カバレージを拡大することはもちろんのことでしょう。と同時に難視聴区域を解消するということが非常に大きな将来は問題になってくると思うのですが、そのために田辺さんのほうから、どうしてもFMが必要である、これを併用しないとなかなかむずかしいということが言われておりますし、特に夜間においてはこのカバレージのパーセンテージが非常に落ちてくる、これを解消しなければならぬということになれば、どうしてもFMを併用しなければならぬということになっておるわけであります。しかも三十七年度からすでにその準備を整えて、四十二年を目ざして完成しようとしておるわけなんだが、政府は、いつFMの本免許をやろうという考えなんですか。この計画と非常に密着しておるので、この機会にお聞きしておきたいと思う。
○政府委員(西崎太郎君) 先生も御承知のように、このFM放送というものは、ラジオとしては最後の媒体だということで、日本におけるFM放送のあり力という問題につきましては、現在省内に設けられましたFM放送調査会、こういった機関で慎重に審議いたしておるわけでありますので、おそらくその結果一つの案ができますれば、そういったものをもとにしまして、またいろいろと関係各方面の御意向も伺って、最終的なあり方というものができ上がる、こういうふうに思っておりまして、その線に沿ってNHKも、あるいはまた民間放送も、FM放送を始めるということになると思います。まあわれわれとしましては、今先生も御指摘のように、現に外国からの混信その他の雑音によりまして、夜間において現在ある放送が相当支障を受けておるという現実を十分重視しまして、できるだけ早い機会にFM放送が実施に移されるということを期待しておるわけであります。ただ、これがそれじゃいつごろ免許に移れるかという点につきましては、さっき申し上げましたいろいろ基本的な問題もありますので、ここで、はっきりは申し上げかねますけれども、やはりできるだけ早い機会にスタートすべきだと、こういうふうに考えております。
○野上元君 その点については、後ほどまた山田委員あたりから質問があると思いますので、一応その点はこれできょうは打ち切っておきますが、もう一つ聞きたいのは、三十九年にはオリンピックがあるわけです。それで、どうしてもオリンピックの国際放送はNHKはやりたいのだという希望を強く持っておられるし、その予備的準備もすでに三十七年度の予算の中に見えてきておるわけなんですが、問題は、三十九年度においてアメリカが打ち上げる通信衛星からその電波を買わなければならぬわけです。その費用は一体どれくらいの費用なんですか。おおよその見当はわかりませんか。
○政府委員(西崎太郎君) 通信衛星を利用しました、まあ大きい言葉で言えば世界通信網の問題につきましては、実は現在ワシントンにおきましてその関係の専門家の国際的な会議が開かれておりまして、日本からも二条次長以下全部で十名ほど出席いたしております。それで、その機会にアメリカにおける準備の状況、各国の態勢といったものを十分把握してくるように依頼してありますので、おそらくその連中が帰ってきました暁は、相当この全貌がはっきりするの、じゃないかと思いますので、具体的にこのオリンピックに間に合うかという問題、それからまた、一体これにどれだけの経費が要るのかといったような点につきましては、もう少しお時間をいただければ幸いだと思います。ただ、われわれといたしましては、何とか実験放送ででもそのオリンピックの機会に、通信衛星を使ったテレビ中継ができるようになることを熱望いたしておりますし、また、それの国内における受け入れ態勢というものの整備につきましては、最大限の努力をいたしておるつもりではおります。
○野上元君 NHKにもこの際聞いておきたいのですが、私がお問いしている真意は、オリンピックの国際放送をやるために、NHKがどれくらいの費用がかかるかということは、三十七年度の予算編成には重要な問題だし、この長期計画にとっても一つの大きな問題だと考えるので聞いておるのですが、まだはっきり固まっておらないという情勢でございますが、基本的な考え方としては、NHKとして、かりに米国が通信衛星を打ち上げた場合、それを常時その波を買うのか、また、あるいはビッグ・イベントといいますか、そういう問題が国内に起きて、それを国際的に放送しなければならぬという場合にのみ一時的に買うのか、その計画はどういうふうな計画ですか。
○参考人(前田義徳君) オリンピックを中心とするテレビの世界中継につきましては、現在のところ、まだテレビ中継そのものの基本問題が解決しておりませんので、具体的な計画は立てておりません。しかし、方針といたしましては、もし国際的なテレビ中継が通信衛星によって実行できる場合には、これに応ずる態勢は作らなければいけないということで、技術的に、あるいは放送番組的に、あるいは施設的に検討を加えております。オリンピックの中継の方法としては、今後の技術革新がどの程度まで衛星リレーを可能にするかは、もちろん予測は許しませんが、オリンピックの各種目、それから競技時間、それから各国の放送の実情を考えますと、衛星中継だけによってオリンピックの国際的な放送の供給が可能だとは思っておりません。大体三つくらいの方法を考えておりますが、この衛星リレーのほかに、やはりキネレコあるいはビデオテープによる空中輸送、それからテレビでない短波を利用する、NHKがローマ・オリンピックでとった方法あるいはイギリスが先年カナダに女王が行かれた場合にカナダからイギリスヘの中継を考えた海底ケ−ブルによる方法、その他幾つかの方法を考えなければいけないと思っております。したがいまして、国内の各国との関係、これは各国との交渉の過程にございますが、その要求に基づきまして、今のところは国内施設を拡充強化するという方向に主眼を注いでおりまして、通信衛星による中継については、現在のところ、各種研究委員会の予算以外には予算を計上いたしておりません。
○野上元君 その問題はまだコンクリートされておらないようで、問題自体がコンクリートされておらないようですから、また後ほどお伺いすることにいたします。 次にはカラー・テレビの放送時間の延長を考えておられますか。今日の段階において、カラー・テレビの放送時間の延長ということは必要でしょうか。
○参考人(前田義徳君) 私どもが現在考えておりますのは、御検討をいただいております六カ年計画の最終段階におきましては、一日三時間のカラー放送を考えており、御審議いただいております三十七年度予算におきましては、年度中に、できれば三十分間の放送時間の延長をいたしたいと考えております。その理由は、カラー・テレビジョンそのものが全国普及の時期が近づいたという意味ではございませんが、二つ大体理由がございます。それは現在のカラー番組の内容の研究を引き続いて行なわなければいけないだろうという点と、少なくともカラー放送が本放送になっている今日、受信機の開発、あるいはまたカラー番組のただいま申し上げた内容的な開発のためにも、最小限度の放送時間は延長すべきである、こういう考え方でただいま御説明申し上げたような方針をとっております。
○新谷寅三郎君 関連して。今、前田専務理事言われましたがね、これは前のテレビの問題にも関連するのですけれどもね、カラー・テレビについてはいろいろ議論がありましたが、しかし、時間を延長しようとか、これを白黒の放送並みに早くもっていくようにしよう、こういう方向で考えておられると思うのですけれども、それには、郵政省もそうですが、NHKもいろいろ考えるべき問題があると思うのです。さっきの難視聴地域の問題もありますが、それは別としまして、今日カラー・テレビがあまり発展しないという原因は、やはり経済的に見ましても、国民生活の水準から見ると受像機が高過ぎるということもありますし、それから絵の質があまりよくないということもありましょうし、それから今おっしゃったように時間があまり短くて、買ってもあまり利用価値がないという点もありましょう。そういったものを総合してきめられていくのだと思いますけれども、そこでNHKの努力せられる一つの大きな問題は、このごろどうもNHKはテレビに関しては努力が足りないと思うのです。白黒のテレビにしましても、特にカラー・テレビなんかについてはもう数年前をお考えになるとわかるのだけれども、ちょうど昭和二十五、六年のころはラジオの普及率が非常に悪かった。そのときにこの国会でやかましく言って、スーパーをうんと作れ、国民に普及するような安いスーパーをNHKも研究所で考案しろということをやいやい言ったことがあるのです。それにこたえて、これは市販されなかったと思いますが、NHKが研究所の中で三球スーパーを、これは溝上君がまだ研究所におられたころじゃないかと思います。三球のスーパーを考えて、こうなれば値段は三千何百円でできるじゃないかということで、メーカーに対して非常にこれは刺激を与えられたことがあるのです。同様だと私は思うのです。カラー・テレビなんかについては、いろいろ問題があるけれども、やはり国民が買い得るような値段で、もっと安い値段でもって手に入るようにしないと絶対に普及はしない。だから時間を延ばすのもいいし、番組をよくするのもいい。しかしそれと並行してNHKは公共機関なんだから、もっと手軽な、安い、質のいいテレビの受像機を研究をして、メーカーとタイアップして、それを国民に提供するというようなことをなぜやらぬかと思うのです。それについての努力がちっとも払われてないと私は思うのです。さっき野上委員から言われた難視聴地域の問題についても、テレビに関して申し上げますと、それはカバレージを高めるためには、マイクロウエーブが伸びて——当然伸びることは伸びますよ、自然に広がっていく。それを待っていくという格好にしか見えない。しかし幾ら伸びましても、やはり国民の中には今の五万円のテレビはまだ買えない。もう少し安くなればというような国民がまだたくさんいるわけです。それには、やはりどうしても、どこまでも、最終段階まで私は経済的な問題も考えてもらわなければ困ると思うのです。それには、この上ともにもっと安い質のいいテレビの受像機を考案して、国民に提供するという努力を一日も怠ってはいかぬと思うのです。難視聴地域の解消と並んで、経済的な問題ではあるが、技術的な研究を進めて、そこに目標を置いていかなければならぬと思うのです。ところが、それについて予算を見ましても、それから今の御説明を聞いておりましても、あまり真剣な努力が払われてないというような感じがするのです。その点はどうなんですか。
○参考人(田辺義敏君) ただいまの新谷先生の御意見はまことにごもっともでございます。多少弁解させて、あるいは私どもの考え方を述べさしていただきますと、白黒の受像機につきましては、おっしゃるとおり、最近におきまして非常に普及いたしまして、相当いい品が出たために、また値段の安いものができましたために、若干手を抜いておるということをお感じになりました点は、否定できないと思うのであります。カラー・テレビの受像機につきましては、これを安くしようということを、研究所の研究の重点の一つに昨年の暮れに十四インチのカラーの受像機が安く出まして、二十万円を割った値段で売り出されまして、今、先生がお述べになったようにいっております。これの基礎になりましたのは、その前にアメリカになかった十七インチの受像機をNHKの研究所が非常に力を入れて開発をいたしまして、この受像機が開発されましたために、十七インチのアメリカにない型のカラー受像機が開発されて発売されました。これを基本にいたしまして、さらにまた新しい型として十四インチの日本向きの安い値段のカラーのブラウン管ができ上がりまして、これが今市場に出かかっている状態であります。カラーにつきましては、今後もおっしゃるとおり努力していきたいと思います。 白黒につきましてもまだ問題が残されていると思いますので、御趣旨に沿いまして最大の努力をしていきたいと思います。また予算につきましても、研究所の予算の中にその経費は計上してございます。 それから難視聴地域の解消の問題にちょっと触れられましたが、現在やっておりますのは第二チャンネルプランの基礎を急いでいるのであります。マイクロウエーブにほとんど関係ありません。したがいまして、これも最重点といたしまして難視聴地域の解消、これはNHKの力でできることでありまして、電電公社のマイクロウエーブの問題とは関係なしに、総合テレビに関しましてはやれるわけでございますので、やっております。 それらもう一つ、これに関連いたしまして、共同施設というものの助成に非常に力を入れて参りまして、今までに千二、三百件の助成をして参りました、三十五年、三十六年におきまして。三十七年におきましてもやはり八百施設ぐらいの助成をするつもりで、これも積極的にやって参りまして、難視聴地域の解消をできるだけはかりたいと考えております。
○新谷寅三郎君 よくわかりましたが、私も全然努力しないというふうに言ったつもりではないのですけれども、多少の努力はされておったものと思います。さっき申し上げたように、全体としては、難視聴地域の解消と並んで、これはもっと経済的にも日本の国民がそういう受像機を持ち得るような、そういう程度までNHKが研究をし、サービスをしていかなければならない、それがほんとうのカバレージを高められる目標だろうという意味で申し上げているのです。今、田辺君のお述べになったことで、カラー・テレビについてそういうふうに研究もし、おそらくメーカーと共同研究をしておられるのだろうと思いますが、そういう事柄も、ただ研究所の中だけでなしに、もっと、何といいますか、テレビの業界といいますか、それの全体に研究の結果が現われるような方法をおとりにならないと、たとえばある社と共同研究をした、それがたまたまある会社とおやりになっても、今度はその研究の結果というものが、関係のメーカー全部に活用されるような仕組みでいかないと、NHKはいけないと思います。どうもその点から申しますと、またこれはNHKが、何といいますか、公共機関としてもっと技術を開放し、もっと全国民にそれを利用してもらうというような方向へ考え方を変えていかなければならぬ。もう少しその辺のやり方も変える必要がある、だから極端にいえば、ある会社とある部分を、たとえばブラウン管の共同研究をされて、ある結果までいきますね、それが全部のメーカーにすぐに利用されるようになればいいけれども、なかなか実際にはそういうことにならないで、共同研究をしたメーカーが、その部分については何か特許を持っているような格好で利用していることだとすると、これは私はNHKが公共機関としての研究所の使命を十分に果たすことになっていないのじゃないかという気がするのですよ。これは私の思い過ごしであれば非常にけっこうだと思うのですが、あちらこちらの話を耳にするところによると、どうもそういった点がまだ努力が足りないのじゃないかという気がするのが一つと、それからさっきおっしゃった難視聴地域の解消に関連して私の申し上げたのは、あなたの御答弁になったのとちょっと違うのですよ。つまりマイクロウエーブでどんどん伸びていく、またそれにNHKがいろいろとこの難視聴地域の解消のためにできるだけの施設もし、努力もしているのだというその点は私もよく知っているのですけれども、ところがさっきちょっとお触れになった共同アンテナの問題なんかは、極端にいうと今ほかにこれにまさるような適切な方法はあまり発見されないと思うのですね。つまり現在もう電波はすでに出ているんですよ。ただそれを受信者のほうでは、山があったり谷があったりしまして、その電波をキャッチできないのだ。だから何かそこに一つの共同アンテナのような施設さえすれば、何もNHKのほうでは施設を新しくする必要なくその電波がキャッチできるわけでしょう。そういう意味でそれはもう本来なら難視聴地域というべきところじゃないですね。その場所は山の間にあってもそれは難視聴の地域じゃないのですね。ただちょっとそこに施設すれば、もう電波はそこに行っているのだから、そこのところがラジオとよほど考え方が違うし、程度も違うと思うのですよ。そういう意味で私が申し上げたのは、NHKが単にマイクロウエーブが伸びたことに伴ってNHKがいろいろ施設して、だんだんテレビの見える視聴の地域を広めていくということは当然のことではあるけれども、それにしても全国的にたとえば電電公社マイクロウエーブ網を完成してみたところで、なおそれから、はずれたところというものは見えないのです。見えないところがたくさんあります。そこに一々NHKが無人の中継所を作っていけるかというと、いけないのですよ。これに対応して一方では今おっしゃったような、共同アンテナのような非常に簡単な施設をすれば、電波がいっているのだからそれで見ることができるじゃないか。同時に白黒のテレビにつきましてもやはり受像機というものについて少し研究をされて、そこまでくれば経済的にも国民が買えるような受像機を早く提供せられるように、これはメーカーの方面と十分共同研究をされて、そういうものの大量生産をしてもらったら、両方合わせて難視聴地域の解消にもなるし、国民全体に対する公共機関としてのサービスを完全に果たせるのじゃないか、そういうことを申し上げたのです。ですから御意見があれば伺ってもいいけれども、私の意見ですから、聞いておいて、できるだけそれに従った方向で努力していただくということでもけっこうです。
○参考人(田辺義敏君) 御趣旨まことにごもっともで、特に前者につきましては在来もその点を過去ずっと心がけて参ったわけでございますが、いろいろ御批判を受けましたような点につきましてはいろいろ反省いたす点もございますし、また実際問題といたしましては特許その他の問題で広くメーカーに、一つのメーカーが開発したものを開放することが非常に困難な場合もございますが、できるだけ努力いたしまして御趣旨の方向へ進めていきたいと思います。 第二段の問題につきましても御趣旨のとおりでございまして、世帯数が多いところには置局いたしていきたいと思いますし、世帯数の比較的少ないところには共同受信をいたしまして、両方進めて参りまして難視聴地域の解消に今後とも全力をあげていきたいと思っております。
○山田節男君 関連質問にもなりますし、あわせてNHKの三十七年度の会計予算に盛られた計画について若干の質問をしたいと思います。 今ちょうどカラー・テレビジョンの問題が提起されておりましたが、今田辺さんの言われたこと、また委員諸君の質問されたこと、もう一つ前の次元において特にNHKはカラー・テレビジョンにおいて考える必要があるのじゃないか。と申しますのは、田辺さんいろいろ言われたが、カラー・テレビジョンは御承知のようにCBS方式でやっておる。それから今度、今やっているRCA式がいわゆるコンパティブルだということで、これがいわゆるRCA、FCCがCBSのかわりに今度はRCA式をオーソライズしたわけですね。ところが、これはあなたくろうとだからよく御存じだろうと思うけれども、このコンパティブルでくる、今、日本で採用しているアメリカ方式のやつは、どうしてもカラーのやつを白黒に直したときは画質が貧弱である、プアである。いろいろ技術改良はやったけれども一つの宿命的じゃないか、したがって、カラー・テレビジョンはカラー・テレビジョンだけの、ああいうコンパティブルでないカラー・テレビジョンプロパーのものがいいのじゃないか。こういうことがいわれておるし、今ヨーロッパにおきましては特にその点を研究し、また発表しておるのですね。だから、今NHKやまたNTVでもやっておるアメリカ方式のそういうコンパティブルのカラー・テレビでいいのかどうか、ということろに問題があるのじゃないか、まず、この点どうでしょう。
○参考人(田辺義敏君) ただいまの問題は、カラー・テレビジョンの標準方式をきめます際に非常に論議されまして、いろいろ過去に意見のあった点でございまして、山田先生のおっしゃいましたのはそのときの御意見と思いますが、私どもといたしましては当時主張いたしましたように、やはりカラー・テレビジョンは、白黒がこれだけ普及した状態におきましては、コンパティブルということが重要な要件であると今でも思っております。
○山田節男君 もっと質問が逆になりますが、このカラー・テレビジョンで三十六年度カラー・テレビジョン・プロパーとしてどのくらい金をお使いになっておりますか。調査費あるいは通常、それからオペレーションですね。それから三十七年度に三十分ふやして総額どのくらいお使いになるのか、具体的数字ですね、金額。
○参考人(前田義徳君) 今年度のカラー・テレビジョンの総費用は二億五千七百七十六万六千円でございます。そのうち番組関係が一億二千二百九十一万六千円、技術関係が一億三千四百八十五万となっております。三十七年度中に三十分放送時間を延長する建前での予算の見通しは、御審議をいただいておりますが、総額三億九百三十五万七千円でございまして、そのうちの番組関係費は一億二千六百六十五万七千円、技術関係費が一億八千二百七十万円を予定いたしております。
○山田節男君 これは寺尾前郵政大臣もおられますが、カラー・テレビジョンの免許については国会でもかなり問題になったのですが、さっき申し上げましたように、少なくともカラー・テレビジョンがアメリカ方式でいいならば、またヨーロッパあたりもこれは普及しなければいかぬと思います。BBCにしてもその他ドイツ、フランスにしても、カラー・テレビジョンをあくまでも実験段階、テストの段階において、なぜ一般の放送をやらないか、これは私は考えるべきだと思うのです。これは経済的の余裕があるとかないとかいう問題ではなくて、ことに電子工学が発達してくるテンポがほんとうに早いのですから、BBCあたりのとっている態度は非常に謙虚であり、また経済的に考えて賢明じゃないかと思う。今NHKの研究所がこれに数億の金をお使いになることは、私は非常にいいと思う。ところが実験放送じゃなくて、正式放送されておる。さっき新谷君の言われたようにまだ受信機は安いというけれども、二十万内外する、安くても十五、六万円、こういうことになりますと、公共放送の立場からこういったような三億何がしかの金を使って一般放送して、一体どれだけの受信者がこれの恵沢を受けているかという問題、現在の時限でカラー・テレビジョンの受信者が一体何人あるのか、把握は困難だろうと思うけれども、メーカーあたりの販売額なんかどのくらいあるか、わかっていればお示し願いたい。
○参考人(田辺義敏君) 受像機の数の御質問でございますか。カラー・テレビジョンの受信者の数だと思いますが、これは実際の台数は非常に困難なことでございますが、大体私どものほうで推定ないしは調査いたしました数が約五千台だと思います、東京と大阪並びに大阪周辺地区におきまして。
○山田節男君 三億何ぼの金を使って、私の言うのは、おそらくメーカーの何を見ても、今あなたのおっしゃってるのが最大限度の数じゃないかと思う。そしてカラー・テレビジョンを受信している者はその半分もないのじゃないかと思うのです。このカラー・テレビジョンの正式放送というのは、特に公共放送としたらもう一ぺん実験段階に移しちゃって、もしやりたければNTV何がやっているから、NTVにやらしていればいいのです。公共放送はさっきの国際放送で問題になったように、とにかく千二百万に近いテレビジョンの視聴者があるというけれども、この中で二千台か二千五百台しかカラー・テレビジョンを見ていないことになる。ですから、国際放送等に対する受信者の受信料がむだに使われているのじゃないかという以上に、現段階においてはカラー・テレビジョンというのは、きわめて限られた階層が恩恵を受けるだけなんですね。ですから、私はこれは次にまた言いますが、NHKとしてはもうやはり根本的な研究をする、この三億何がしの金でわずか数千の人にだけ見せるということは、いかに十四インチの受信機がたとえ十万円になっても、そこに日本の今日の経済状態に限度があると思う。ですから、また正式免許になっているのを引っ込めろということはおかしいように見えるけれども、カラー・テレビジョンが最終段階まで発達したものでないということですよ。アメリカ方式よりもコンパティブルでもっとベターのものができるのじゃないか。そこをヨーロッパの諸君は非常に慎重にやっているのじゃないか。それは公共放送がいち早く正式の放送に手をつけるということは軽卒じゃなかったかと思うのですが、今でもおそくないと思う。これが三十七年度においてカラー・テレビの受信者が一万になることは絶対に私はないと思うのです。これはひとつ最高のポリシィとして、幸い副会長も、専務理事もおられるのだから、ここでもうやりませんということは言えないでしょうけれども、しかし公共放送としてはもっと慎重でありたい。そこに何のかんの、NHKがつばをつけるのだという日本人の悪い国民性がそこに現われているのじゃないかと思うのです。この点についての副会長、専務理事の御意見はどうですか。
○参考人(溝上けい君) カラー・テレビをコンパティブルで始めましたときには相当いろいろ議論いたしまして、結論がやはりコンパティブルのがいいということでスタートしたわけです。なお、ヨーロッパのほうの実情もおそらく現在もそうだと思いますが、いずれもやはり方式としてコンパティブルがよろしい、ただそれを始めるのは慎重にしたいけれども、こういうことでコンパティブル以外の方式がいいということにはなっていないように思います。したがってヨーロッパにおける各国がまだカラー・テレビジョンをスタートしておらない事情は、あるいは中には慎重を期しているところもございましょうし、中には事業としてまだ早過ぎるというところもございましょう。現実に白黒のテレビの場合でも、日本におけるようなこんな大発展はヨーロッパでは見ておりませんので、その点は各国の事情によるものだと思います。なお、一ぺん始めたけれどもどうもあまり伸びがよくないから一ぺんもとへ返って実験の形にしたらどうかという御意見のように伺いましたが、これはよほど仰せのとおり慎重を期さなければならないので、ただ私の考えとしまして、現実にやはりかなり気をつけて見ておりますが、本放送を始めましてから実際に出る放送の画の質は非常にやはりよくなっております。これはやはり研究所で実験をしているのと、実際の電波を出しまして責任をもって毎日の放送に当たっているのとでは、やはり改善の度合が違うのじゃないかと思います。 それからもう一つは、実は先ほどマイクロウエーブのお話がございましたが、今われわれのほうとして、放送機自体は割合に簡単にカラー化できますが、マイクロウエーブのほうがむずかしい点がありまして経費もかかるので、今東京と大阪でさえもリンクしないで独立放送しております。しかしながらもしマイクロウエーブが完成いたしますれば、その間の放送局は全部カラーで出せるようになるわけでございます。そうしますと。受信機の使える範囲もずっと広がりますので、そういった点も見きわめたいと考えております。しかし、それにいたしましてもいろいろな点を全部総合して結論的にどうしても見込みがないのだ、というような実態がはっきりわかれば、これはおのずからまた問題は別だと思います。今のところはもう少しこのままで事態を見ていきたいと思います。
○山田節男君 それでは今のカラー・テレビジョンは、私は予言するわけではないのですけれども、傾向としてもう少しやはり公共放送は国民放送であるからには国民に普及しなくちゃならぬ。急速なテンポでいき得ない現実において、あるいは将来の見通しにおいて、やはりこの実験段階で商業放送をやっているのですから、それでより完全なものをNHKが研究すべきだと、こういう私、警告の意味で、この質問ではありません。 それからその次にFMの問題ですが、どうも今回のNHKのFMによる放送あるいはラジオの難聴地区、混信地区、こういうものを防止するために使うという、六カ年計画でかなり具体的な、もう設置局の数まで明示されておるのですが、これは迫水郵政大臣が昨年の末までにはFM放送に対する根本的な基準と申しますか、方針をきめると、こう言っておられたのであるけれども、ことしになってとうとう予想以上に非常に複雑なのできめかねる、幸い民間放送のFM調査団が外国へ行って三月の下旬に帰ってくるから、帰ってきて民間放送調査団のつかんできた問題点、これを聞いた上で郵政省からFMの調査団を海外に派遣してその実情を調査して、それからFM方針をきめるのだ、こういうことをこの間言われたばかりなんです。それは先ほど西崎電波監理局長の話がそれと同じようにやはり言われているのにかかわらず、NHKのほうではもうちゃんと難聴地区の解消、あるいは標準放送の、ラジオ放送の中にも今度はFM放送を入れるんだ、しかも、この六カ年計画の最終年度においては、百五十三のFM放送局を持つんだ、こういうような政府のFM方策に対する発言と、NHKの計画とは全く逆になっているんですね。具体的に出ているんですね。この間はどうなんですか。これは政府に聞くんですけれども政務次官でもいいし、西崎局長でもいいですけれども、われわれにはちょっとおかしい。もうちゃんとNHKに内諾を与えてこういうことをしているのか。しかし、われわれに向かってはFM方針は全然きまっていないのだという、そごしている点は一体どういう理由でこうなっているのか。
○政府委員(西崎太郎君) FM放送に対する考え方は、これは先ほどお答えしたとおりであります。ただ、今御指摘の六カ年計画の中に百五十三局もこれだけ組まれているではないかということでございますが、われわれのほうといたしましては、実はこの六カ年計画というものは事業の規模としては妥当じゃないかというふうに考えている程度で、その事業の規模というものは、FM放送というだけの意味ではなくて、全体の事業の規模としては妥当ではないかというふうに考えている程度でございます。個々の計画内容につきましてはこれを承認しているわけではございません。そういうわけで、いずれにしましてもできるだけ早い機会にFM放送のあり方というものをきめて、早く出発したほうが、いいんじゃないかということで、このうちの三十七年度の分だけに限って実験局として承認した、こういうことになっているわけでございます。
○山田節男君 これは御承知のように、政府から報告があったようにFM放送の申請が、民間放送、新聞、通信社、それから超短波放送株式会社、これを入れまして、先月の郵政省の報告によると、たしか申請数が五百を出ているように聞いている。それにプラス今度NHKのFM放送、これは最終的にいいますと、NHKだけでも百五十三という数になっている。一体、今日のFM放送の周波数のスペクトラムで、そういったアロケーションができるのかという技術的な問題。ですからこれはもう公共放送、国民放送であるNHKに対して、FM放送は優先的にやるべきなんですね、ところが、今日まで民間放送は五百十四局というようなFM放送の申請を政府は受けておりながら、私どもにはまだ方針かきまらぬのだ、そうしてNHKについては、今年度においても名古屋その他七局のFMの実験放送を許すんだ、こういうことになりますと、私は非常に混乱してくると思うんですよ。第一、こういうNHKが国内放送で第一、第二の標準放送プラスFM放送をやるんだ、しかも今度混信、難聴地区についてもFM放送でやるんだ、こういうことを打ち出しておりますと、これはNHKが公共放送である限り優先的にやるべきだ。そうすると、一体あとのアロケーションはどうするんだ、こういう今日非常に混乱が起こると私は思う。すでに政府がNHKに対する方針というか、NHKの予算の計画を見ますと、これを承認しているならば、もうFM放送の方針は具体的にここに現われてきているんじゃないかと私は思うんですね。この点はどうなんですか。私は非常におかしいと思う。政府はまだきまっておりませんといって、NHKのほうではこういう具体的な、もう今年度からさっそくふやしてやるんだ、FM放送を。こういうものを出されている。政府の言うことと非常に矛盾しているんじゃないかと思うのです。これを認めるなら、この方針でいくんだということを、基本としては、これなんだということ、これはあなた、大臣よりもよく御存じなんだから、技術的にひとつほんとうにやらすのだ、という政府は腹なのかどうか、はっきり伺いたい。
○政府委員(西崎太郎君) 先ほど申し上げましたように、郵政省としましては、来年度に計上されている七局分だけほかの計画と切り離して、実験局として、認めていく、こういうことをきめているだけでして、あとその後年度の分をどうするかということにつきましては、まだ全然白紙でございます。それで要するに七局作ることによりまして、いろいろ技術的な実験もありますし、またいろいろの意味の実験の効果を期待しているわけであります。
○山田節男君 今のその運営計画の中に、国内放送の計画の中で、いわゆる標準放送では第一放送、第二放送、今度FM放送で専門的かつ高度の内容の番組を中心にしてやる、こういう計画になっている。ちゃんと出ているのですね。ですから今あなたのおっしゃるNHK放送ではちゃんと腹をきめて、こういうことをやりますよと、われわれに示している。政府はまだきまっておりません、今七局だけ実験を許すのです。しかしその七局はどういう目的で許すのか。単なる実験というけれども、混信、その他難聴解消なのか、あるいは本来のFM放送でいくのか、今ここにいうような専門的な、高度な内容を持つ番組であるのか、いわゆるラジオの第三放送式のものをFMによってやるのだ、ということを妥当なものと認めて郵政大臣は許したのですか。
○政府委員(西崎太郎君) 確かにこのNHKの予算案を見ますと、NHKはラジオにつきまして、今日の第一放送、第二放送以外に、第三放送というか、そういったものを企図しているのじゃないか、こういう印象を持たれるかもしれませんが、われわれのほうとしましては、これはあくまでも、実験的な番組だ、こういうふうに見ているわけであります。
○山田節男君 これはしろうとである私がこんな口幅ったいことをいうようだけれども、一体FM放送というものはどういうことをするのか。超短波放送は非常にカバレージが狭い。しかし音質がいい。それでヨーロッパでは御承知のように混信地区の解消のために、やむを得ずFMを行なっているけれども、アメリカの場合はどうなんですか——いわゆるアメリカにおける民間放送の標準放送においてのFM放送というのは、やはり究極におきましては音質がいいところでカバーする。それによって使命を生かす。本来ニュース、音楽、ことにステレオフォニックなんかできちゃって、しかもこれは有料でやるレストランであるとか劇場に音楽を送る。そしてFM放送というものは普通の標準放送とは違った音質を生かすのだ、カバレージが小さいという欠点はあるけれども、音質はいいんだ、これだけなんですね。カバレージは小さいということについては、これはNHK全体がFM放送でカバーするということになりますと、これで見ますとFM放送一日に十八時間、カバレージの七〇%いく、こういうことの計画になりますと、かりに民間放送なんか無視しても、あるいは新聞社を無視しても、他にFMというか短波放送必要な面はあるわけです、他の産業にも。そうなってくると、せっかくNHKがこういう膨大なFM放送計画を、政府の承認を得てやっているのかどうかわかりませんが、NHKが根本であるから、NHKがやるなら、政府はもうあとはそれに従っていくというような、そういう行き方ならこれはわかりますよ。しかし郵政大臣が言うてることと、NHKの計画と非常にわれわれが見ると、片方具体的に出ている、政府は知りません、まだきまりません、こう言うのです。その間隙はどうなんですか、事前にNHKと政府との、このプランを立てるについてはもう了承あったのですか。
○政府委員(西崎太郎君) FM放送の長期的な計画については、事前に相談がありません。
○山田節男君 これは溝上副会長にお聞きするのですが、政府は知りません、こう言うわけです。NHKはこういうものを具体的に作って既成事実を作るべく案が出ているのですね。これはどうですか、特殊法人として、少なくとも政府の承認、了解なくしてこういう案を立てるということですね。
○参考人(溝上けい君) この今回の正式に御承認を得るのは来年度の予算になるわけでございますが、その予算を作ります基盤といたしまして、先ほど来小野専務から御説明いたしましたように、六カ年計画を立てまして、これを全部見通した上で来年度の予算といいますか、あるいは受信料といいますか、そういったものも御検討願う、こういう考で将来の六カ年の長期計画を立てた。この長期計画の全体の経営規模につきましては、郵政省のほうでも一応目を通していただいて、この程度のものは必要だろうという御了承を得ておると思いますけれども、中に含まれます電波の問題につきましては、これは個々にあらためてまた免許を受けなければならない。したがいまして、それが具体化する場合までは中波は何波、FMが何彼ということをはっきり御了承を得た上で載せてあるものではございません。しかしながら、来年度以降六カ年計画を立てます場合に、われわれといたしまして、FMというものを全然除外いたしまして、きまってないから入れないのだということは、若干今日の状態では不適当だと思います。したがいまして、現在までのところで、われわれが今日の段階で考えております程度の規模をNHKの考え方として一応載せている。これが先ほど先生のお話のありましたように、FMにつきましては、音質のいいことと混信の少ないという両方の特徴がございますから、それを今後どういうふうに使い分けるかということは、いずれ政府の御当局で、今後おきめいただき方針が確定すれば、われわれのほうといたしましても、大体の規模の中でそれに沿うようなふうに持っていきたい、かように考えております。
○山田節男君 そうすると、FM放送の建設計画に関する限りにおいては政府の免許に依存するのだ、ですからここに具体的に一九六七年までに百五十三局にFM放送局を増加するということは、一応のプラスですから、少なくとも来年度は七局という実験局、これは政府もそういうので予算は組めるけれども、それ以後におきましては、いわゆる第三次五ヵ年計画の初年度、三十八年度においては変るかもしらぬという、そういう条件付の計画ですか。
○参考人(溝上けい君) 六カ年計画の内容は、ほぼ大体の規模を示すものでございますから、三十七年度に七局、三十八年度以降何局をどこに置くかということにつきましては、そのときにまた具体的に一応予算としてあげまして、さらに政府のほうに免許を申請したいというふうに考えます。しかしながら、これについてわれわれ自身の希望といたしましては、ぜひともこの程度のFMを実現したいというふうに考えております。
○山田節男君 これは田辺専務理事にちょっとお伺いしますが、政府の関係もありましょうが、ラジオ、いわゆる標準放送は現在第一放送、第二放送があるわけです。商業放送がこれほど隆盛になってきた今日、公共放送としてのNHKの中波放送は、番組の点でどうあるべきか、これは申すまでもなく、一般の商業放送とは違って、娯楽も入れなくちゃならぬけれども、より教養とかあるいは教育とか、あるいは報道とか、そういうものに重点をおかなければならぬ。これは私は当然の分業的なNHKの特性だろうと思います。そうなってきた場合に、現存においても第二放送がBBCの第三放送的な一般放送、第一放送も教育的であるが、第二放送においても今度は一そう教育教養番組を中心にして、そういう受信者、聴取者の特定の階級、かなり高度なインテリをねらってやるのだ、私はもうこれは今の状態からいえば、BBCのラジオの第三放送式のものは要らない。中波の方式による第三放送式のものは要らないと思う。それで、今度プラスFM放送をやる場合に、一体分業的にどうするか、このあなたのほうで作られた計画によると、専門的かつ高度の内容の番組を中心にして編成するとおっしゃっている。これは到達距離が非常に短い。ただし音質がよくて混信がない、この特性を化かしてFM放送をもってカバーしていく、どのくらいの聴取者があるか、あるいはそれだけの金を使って国民の放送としての価値判断において、私は軽重を計るべきではないかと思うのです。この点についてはどうですか、標準放送の第二放送とプラス今度はFM放送でやる場合に、番組の重複という意味から非常に私はむだな点が出てくるのじゃないかと思うのですが、この点どうですか。
○参考人(前田義徳君) 御質問の焦点は、もしFMを第三放送として使用を考えた場合に、現在の第二放送との間に重複する問題が出てきはしないかという御質問だと解しますが私どもの考え方は、御審議を願っておりますように、現在の段階ではFMの実験放送は、各種類のより高度の、FMの性格、音質に適した番組を組んで参りたい、このように考えているわけでございます。その根拠とするところは、先年改正されました放送法の九条の四項に、やはりFM放送を全国あまねく普及できるように研究をしていくこと、あるいはまたFM放送の問題が国策として決定された場合には、それに応じて全国普及を行なうべき義務を私たちは持っております。この関係も考慮いたしまして、現在の段階におきましては、実験放送としてFM番組の内容を編成して参りたい。御審議をいただいておりますこの予算の中には、明年度は置局の前進と即応いたしまして、一日十八時間の実験放送を行ないたいと考えておりまして、そのうち、五時間はレコードを使用しまして、他の五時間は一部中波放送を入中放送をする計画を持っており、残りの八時間は、純粋の現在の段階における第三放送としてのFM放送の内容を盛った番組を作って参りたい、こういう考え方を持っております。おそらく問題となる点は、御審議いただいている中波からの入中放送の問題だと考えますけれども、この点につきましては、明年度御承認をいただければ、名古屋ほか七カ所に実験局を置きたいという考え方を持っている。同時に、中波からの入中をやるという根拠は、地域的にみて、たとえば北海道であるとか、あるいは九州の南部、北部、そういう地域においては、この現在の外国からの混信あるいは国内的な混信、あるいは地域的な難聴が、このFM放送とどういう関係を持ってくるかということを研究するためにも、その程度の、中波と同様番組の同時放送は、三十七年度においては必要であるという考え方を持っているわけでございます。
○山田節男君 これは西崎局長にちょっと技術的にお伺いしますが、このFM放送を政府が許すという場合に、このFM放送には二通りあるわけですわ。いわゆるシンプレックスと、マルティプレックスですか、多重送信方式。これはアメリカの例を見ますと、FCCでは初めシンプレックスで許しておったけれども、これはFM放送は多重送信方式にすべきだ、と申しますのは、多重送信方式にすると、何といいますか、サブ・チャンネルが使えるわけですね。多重送信方式を使用するとサブ・チャンネルが使える。それを民間放送では、現に有料だとか、特殊の放送に使っているわけです。で、政府としてこのFM放送の方針をきめる場合に、やはり多重送信方式のFM放送でいくという方向に指向していくのか、あるいはシンプレックスも併用していくのか、こういう方針はまだきめておりませんか。この点ひとつお伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) 現在の時点においては、まだその点、はっきりした線は出ておりません。ただ、いずれにしましても、FM放送を実施する以上は、少なくともステレオはできるように、今すぐにという意味じゃないにしても、ステレオはできるようにしておかなければいけないんじゃないか。さらに、それにプラスSCAといいますか、そのための今後サブ・チャネルを考えるかどうかといったような点は、まだその先の問題であると、こういうように考えております。
○山田節男君 その一般のFM放送と同時に、今のいわゆるステレオ・フォニックのFM放送ですね。これは、何といいますか、まだ今日日本でハイ・ファイと称していろいろな立体レコードのなにをやっていますけれども、これもやはりFM放送をきめる場合には、メーカーと、ことに電子工業的なメーカーと協力して——FM放送の方針をきめられるにはやはり当然これはステレオ・フォニックの問題も出てくるわけです。今私申し上げたのは、このFM放送というのは今の多重送信方式でいけば、サブシディアリー・サービスといいますか、副次的なサービスができる。サブ・チャンネルが使えるんですからして、そこに重点を置いて、やはりこの多重送信方式をやるんだということをきめるべきじゃないかと私は思うんです。これは、私はしろうとですけれども、アメリカの例を見まして、FM放送の方針をきめるには、やっぱりはっきり方針をきめてやらぬといけないと思うんですね。これはその周波数の経済的な使用ということもありましょうし……。ですからその点は、これはもう、今きめてないと言われるんですけれども、ひとつ私は、ぜひこの点は考慮に入れてもらいたい。 それからもう一つ、これは溝上副会長でも、それから田辺さんでもいいですが、かりにNHKがFM放送で国内放送をやるという場合に、今申し上げたように多重送信方式でやる場合、民間放送——アメリカでは非常にこれを経済的に使って、むしろ財政を補う有料の特殊の放送をやっておる。いわゆるバック・グラウンド・ミュージック、こういう特殊な放送をレストランとか劇場でやって、それでもうける。かりにNHKがそれをやる場合には、金を取るわけにいかない。そういう場合に、NHK放送で多重送信方式をとった場合、単なるFM一本の放送でなくて、いわゆる副次的サービスができるんじゃないか。サブ・チャンネルが使える。また使うべきだと思うのですが、そういう場合に、何かもうすでに心がまえとして、こういうことをやろうというようなお考えがあるのかどうか、具体的におありでしたら、ひとつお示し願いたい。
○参考人(田辺義敏君) ただいま御指摘のステレオ並びにSCAにつきましてお答え申し上げたいと思いますが、実はこれはまだNHKの内部におきましても、最終結論を得たわけじゃございませんが、やや、私個人の見解的なものも含めましてお答え申したいと思うのですが、実は御承知のように、FM放送をやります場合に、まずやはり必要なことは、ステレオ放送のことだと思うのです。ところが、ステレオ放送をできるだけ完全にやりますためには、SCA業務ができなくなります。つまりバンド幅をきめました場合に、その中にステレオだけを入れるか、あるいはSCAを入れるか、つまり、一つでいくか、二つでいくか、三つでいくか、そういう問題があります。この一つの最初の元の波に関しては、あまり問題はないと思いますが、ステレオをやります場合には、ステレオ・サービスと、ふだんのモノラルのサービスとを、できるだけサービス・エリアを近づけるためには、SCA業務ができなくなります。現在アメリカのSCAできめております標準方式は、ステレオを犠牲にいたしまして、SCAをとっております。したがって、ステレオで放送をいたしました場合と、普通のステレオでない放送をした場合のサービス・エリアが非常に違っております。そのかわり、非常に狭い、三分の一程度のサービス・エリアでございますが、SCAという業務ができる。これをたとえば関東地方に例をとりますと、関東一円を対象にしましても、SCAのサービス・エリアは東京都内ぐらいに限られております。そういう違いがありまして、SCAをとること自体が、ステレオのほうを犠牲にしてとるか、ステレオのほうを、ヨーロッパのほうでとられておりますような方式で十分とりまして、ステレオと普通のモノラルとをあまり違わないサービス・エリアにしたほうがいいのか、そういうことにつきましては、非常に議論の余地がございます。アメリカでもこれはたいへん議論がありまして、FCCはSCAを含む、ステレオを犠牲にした方式をとったわけでございますが、日本におきましてNHKがかりにやるといたしますと、やはりステレオというものを犠牲にしてまでもSCAをとるかどうかということについては、私個人としては相当の疑問を持っております。
○山田節男君 あまり時間がありませんから、その次に、さっきも問題になった、オリンピックの中継ですがね。私の意見では、NHKは少なくとも世界でもって有数な大放送組織だが、一九六四年のオリンピックは人工衛星の中継で世界に電波を伝えるのだというようなキャッチ・フレーズは、私は慎しむべきべきだと思うのです。これは私は決して専門家じゃありませんがね。ことに忙しいし、外国からくるなにを、そうそう目を通すわけにいかぬが、しかし、私は御承知のとおりちょうど一昨年アメリカに行ったときに、たまたまエコーの打ち上げをやっている。さらにまた、クーリエのIBというようなやつは、これは現にサンフランシスコとワシントンの間のテレビの中継に成功しているのを私見ました。これは御承知のように、まだいわゆる低高度といいますか、いわゆるクーリエにしても、エコーにしても、いわゆる低高度なんです。で、これは必ずしもコンクリートなものじゃないのですね。で、御承知のとおり、おそらくことしの春——五月じゃないかと思いますが、アメリカの海軍が今度はアトヴェント号というのを、打ち上げることになっている。それはいわゆる高高度の衛星ですね。で、これは今まで技術的にRCAとATTと意見が対立している。ATTはいわゆる将来三千マイルのいわゆる低高度の人工衛星、それを二十六個世界に打ち上げれば、それで中継できる。ところが、RCAでは、それはいかぬ、片一方では二万二千三百マイルの高度の衛星を三個打ち上げる、そうすれば解決できる、こういう二つの論争があるわけです。現にアメリカの、ベル研究所のピアース教授のごときは、これはRCAのやろうとしている二万二千三百万マイルの高度の衛星を中継したのでは、能動衛星を中継にしたのでは、第一、声が届かぬので非常にいかぬ、これはテレビの放送なんかとても中継がむずかしいのだということで、現在でもそういう論争をしている。ですから、はたして人工衛星で、オリンピックの中継が再来年までにできるかどうかということは、実際これはまだ良心的に言えば不可能じゃないかということなんですね。これは私はこういう電子工学ですから非常に進歩して、そういうことが可能性があるかもしれない。しかし、今のところではとても実験段階で、放送などできぬというのが常識のように私は思うのですね。しからば、太平洋ケーブル、海底ケーブルが完成するからそれで中継できるかと、これはできません。ああいう海底ケーブルでは六メガでないとできません。ところがそういった海底ケーブルに六メガというものを入れることができません。これはちょうどカナダが一昨年エリザベス女王がおいでになったとき、大西洋の海底ケ−ブル、あれを使ってやってみたわけですが、非常に不成功だった。ましてや太平洋ケーブルかできても、六メガというものがなければできないわけです。そうすると、この海底ケーブルによるいわゆるオリンピックの情景をないか。じゃマイクロウエーブがある、が、少なくとも太平洋に関する限り今日のマイクロウエーブの技術では不可能である。しかしこれもどう進歩するかもしれませんが、要は、私はオリンピックの中継はテレビで世界にやるのだというキャッチフレーズは、これは慎んでもらいたい。同時に、慎んでもらいたいが一生懸命やってもらいたいという意味で、これは結局国際電電、郵政省の電波研究所、それからNHKこれが三者一体になって、この資金の乏しい日本ですが、少なくともこの三者が、あるいはまた協力できる団体があればそれも総合して、メーカーも総合して、私は政府、NHKあたりが中心になってこの解決をするべく最大の努力をすべきものじゃないかと思うのです。これは西崎君ないし田辺専務理事あたりそういうアイデアを持っておられるかどうか。それからキャッチフレーズ、これは僕はあまり世界にああいうことを言いふらすことはいけないと思うのですよ。どうですか、その点自信がありますか。
○参考人(田辺義敏君) オリンピックの中継につきましては、先ほど野上先生の御質問のときに前田専務からお答え申し上げましたようなことを繰り返すことになると思いますけれども、私どもそれまでに確実に人工衛星による国際中継ができるとは思っておりません。それから、かりにまたできましても、時差の問題、あるいは競技場のいろいろな競技の時間、あるいは人工衛星の数によって、その中継し得る可能な時間も制限されて参りますので、確実なものとは期待しておりません。したがいまして、その他の方法、たとえばビデオテープにとりましてジェット機で送るとか、そういったような現在の技術でできます方法などもいろいろ考えて——できるだけ国際中継をやりたいと思っておりますが、人工衛星だけに頼るという考えは、今のところ持っておりません。いろいろ先生のほうがお詳しいようでございますが、私どものほうでもアメリカのほうでいろいろまたこの打ち上げについては、たとえばテレスターの打ち上げにつきましても二、三カ月おくれておるという事情も知っております。しかしながら、これは将来の方向といたしましては、研究に大いに力を入れるべきである。御指摘のように郵政省の電波研究所あるいは国際電電など協力いたしまして、われわれのほうの分担しております点につきましては、たとえば送信機に使います大型の送信真空管の研究でありますとか、あるいは受信機に使います高感度の受信機の研究でありますとかは、最も私ども大事だと思います。NHKが当然やるべき仕事だと思っております。先ほどおっしゃいました六メガの、これは実際テレビジョンの画のほうは六メガはございませんけれども、このバンドをいかにコンプレッスして有効に電送するか、バンド・コンプレッションの課題は非常に大きな問題でございますので、これらの問題につきましては、研究所の必要なものとして研究を続けております。なおバンド・コンプレッションにつきましては、たとえばこれは太平洋ケ−ブルでやります場合でも、あるいはローマでやりましたように短波の波に乗せて中継する場合には、バンド・コンプレッションが非常に有効でございますので、これにつきましては特に重点を置いて研究を続けていきたいと思っております。
○山田節男君 もう時間がありませんが、もう二つばかり。 その一つはラジオの受信者が非常にふえるということは 今度受信契約を甲乙に分けているが、これは当然だと思いますが、しかし地理的、経済的その他の事情でラジオしか受信しないという、ここに減少の数がずっと出ておりますけれども、かりに今年度の時限で、ラジオが百四十四万減る——百四十四万でしたか、幾らでしたか、ラジオの三十七年度の聴取者は……。これを見ますと、ラジオだけの聴取者が三十七年度四百四十万、第六カ年計画の最終年度において百二十七万という数字が出ておるのですね。かりに昭和三十七年度に四百四十万というラジオだけの聴取契約といいますか、これの階層、こういうものの何か分析がありますか。
○参考人(小野吉郎君) この面のみにつきましてこういう階層だとはっきり言うことはなかなか困難だと思います。ただ、テレビの増加につれましてラジオの受信者は、減るのではなく漸次ふえて参るわけでございます。テレビと同時にラジオを利用する方と、テレビは持っておらぬけれども、ラジオだけを持っているという方があるとしますと、テレビは、だんだん伸びてきます。テレビとラジオを合わせた方の数がここにありますように、だんだんふえて参ります。残りは、テレビをいずれは持つことになりましょうけれども、まだ各年度の末あたりではそれを持たないで、ラジオだけしか契約されないと予想される数が三十七年度末においては、四百四十万でございます。かりに四十二年度になりますと、御指摘のとおりに、百二十七万件になるだろうと、こういうように推定しているわけでございます。 この内容分析と申しますと、まだ結局テレビを持つに至らない階層ということでございまして、地域的にもどういう方面に片寄るということもなかなか申しにくいと思います。概して言えますことは、経済的な事情その他によりまして、まだテレビを持つに至らない方々がいるように考えております。
○山田節男君 このNHKの受信契約を甲乙に分けた、テレビとラジオ、それからラジオだけと、こういうように分けている。これがヨーロッパにおいて現にフランスでもイギリスでもそういうふうになっておるが、これは日本のような国情からいうと、日本の国情というか、実際テレビを持っておるとラジオの必要はない、あっても聞かない。ところが、この甲乙の分け方によると、テレビを持っているものは、ラジオの聴取料を出さなければならないということになるわけです。ですから、かりに三十七年度にテレビジョンの契約者が千二百四万ということになれば、プラス四百四十万で千六百四十四万になる。ところが、もしほんとうに、この実際の聴取者あるいは視聴者の方の利益を考えれば、甲乙丙とあって丙だけでやっていく、ラジオを聞かないのだと。それからラジオとテレビ、それからラジオ、こういう私は、そのほうが公平じゃないかと思うのです。 それでなぜイギリスやフランスが、ああいったように、最初にテレビジョンだけをやっておったけれども、ラジオと合わしてやるというシステムにしたか、それは歴史的な、何か、今私が申し上げるように、もうテレビを見ておるものはラジオはやらないのだ、その当時はそうだったろうと思う。しかし今日は、テレビが民間と公共放送で、ニュースもほとんど同時刻にやらないように、重複を避けるようにしていますから、そういうことになってくると、実際このテレビを持っておる者は、ラジオを備えているけれども、ラジオはニュースしか聞かない、これはまあ、FM放送が開始されたら開くかもしらぬが、しかし商業放送に関しましては、もうほとんど——ほとんどと言っては語弊があるが、テレビだけで済ましておる人も多いわけですね、そういうときに、受信機をやはり、むしろ甲乙丙と分けたほうが国民のためにやはりいい、それから経済的に考えても、いわゆるNHKの受信料の収入で考えても、むしろ甲乙といくよりも、強制的に、テレビはラジオよりも金がかかるんだ……。なるほど百円のそこに増収があると言いますけれども、NHKの受信料関係の法的根拠でやるという例の三十二条でいくならば、私は甲乙内と三つあるのが妥当じゃないかと思うのですが、これは死児の齢を数えるようだけれども、最初にそういうことは考えなかったのですか。
○参考人(小野吉郎君) この辺のところ非常な慎重な検討を加えて参ったわけでございますが、また今回受信料の制度全般にわたりまして、これを合理化いたさなければならない必要を痛感いたしましたのも、過去現実に、現在のそれは甲乙丙と、そのようには分けておりませんが、テレビの料金とラジオの料金、これは二本建でございますけれども、しかしこれは、実際のそれとしては、三本建の御要請のようなものになっておるのが、現在の建前でございます。一応テレビの料金、ラジオの料金をきめまして、テレビとラジオ両方があれば三百八十五円、テレビだけなら三百円、ラジオだけなら八十五円、これは現在の料金の立て方でございます。 諸外国では御指摘のとおり、イギリス、イタリー、西独等におきましては、もうテレビ放送を開始いたしましたときに、同時にテレビとラジオとを合わした料金と、ラジオだけの料金、今回私どもが改定いたそうとするような建前をとっております。フランスのみは、ちょうど日本と同じような歩みを続けまして、テレビとラジオ、あとは両方持てば両者を合掌した額、片ほうだけならそれだけというふうなことをやっておったのですが、日本で今私どもが歩んで参りましたと同じような現象が起きまして、テレビ放送開始後の時期におきまして、イギリス、西独、イタリー並みに変えたわけでございます。理屈から申しますと、そのようなものが対象がないと、こうは断定はできないと思います。 現在、改正といたしましては、いろいろな角度から検討いたしました結果、テレビがあればおおむねほとんどラジオも同時に持っておられるということは、これははっきり推定できるわけでございますが、理論的にもまた現実の問題としましても、御指摘のような、いわゆる丙になりますか、乙になりますか、それに該当するような事例が皆無だと言い切れないと思います。そういう現象があります。実態があります限りは、それに見合うような体系をとるのが最も合理的ではないかということは、お説のとおりだと思うわけでございますが、そんなような状況をとりますと、悲しいかな、いろいろ現実の問題といたしましては、もっと大きな受信料全体の不合理を露呈をいたしまして、受信者の方々からも、制度に対する非常な不信の声が出て参っておるわけでございます。 この辺が非常に悩みに感じておったわけでございまして、結局ある時点におきましては、現実に、そういうようなこともあろうかとも思うのでございますが、相当の期間についてみますと、一たん持たれなかったラジオを、さらに複派して持って、両方持たれるというようなことにもなりますし、将来また、放送分野も現在の状態にとどまるわけではございませんで、FM放送も開始される時期が間近であろうと思います。というような状況をあわせ考えますと、放送の実際の事情、並びにこれを受けていただく、利用していただく現状、並びにいろいろの事情を考慮いたしまして、NHKのあらゆる一切の放送を受信していただく対象と、そのうちの一部ラジオだけを受信されることに大別をいたしまして、制度の立て方を、そういうふうにとりましたことのほうが、全体的にみましても合理的であり、また個々の場合に当てはめましても、およそこれで、そう不合理、だという面は、ごくわずかしかないというようなことであれば、大勢としては、現在かなりひんぴんに多くの受信者の方々から、非常に料金負担の不公平が現在の建前では現状として起きておる、そういう面を早急に是正してもらいたい、こういう非常な切実な要望がございます。これにこたえたことにもなりますし、そういうような意味合いにおいて、可能な最大限におきまして、普遍妥当性を実現していこうというのが、今回の改正の趣旨でございます。
○山田節男君 さっき野上委員からも質問がありましたけれども、来年度からの六カ年計画の最終年度において、テレビジョンの普及率が七七%、視聴者数が千七百九十五万、こういう数を出しておられるのですけれども、今小野専務理事が言われるように、今日の放送法の受信料に関する法律を改正して、いわゆる強制徴収、あるいは何といいますか、免許料徴収、免許料、視聴免許料、あるいは受信機税という形で、これを強制徴収するという法的根拠がない限り、はたして一九六七年度において千七百五十万という、七〇%のカバレージですね。これが必ず出るという数字が、これが非常な私は甘い考えではないかと思う。 かりに今日の日本の経済成長率が九%ないし一二%でいっているとすれば、これは六十七年ですか、これは決して私は経済的に見ても七七%、約千八百万という視聴者数は、これは私は決して不自然ではないと思う。ところが、今日の、もうすでに池田内閣が露呈しているような、この資本主義の経済というものは、私はやはり景気、不景気の循環というものはまぬがれない、そういうことと、それはすなわち日本の経済成長率が一九六七年まで現在のテンポで成長していくのだという仮定がどうかという問題、それからもう一つは、今の放送法の三十二条に関する限りにおいては——三十二条ですか、受信契約に関する限りにおいては、かりに三十九年の、昭和三十九年の、千四百二十九万をピークとして、民間放送だけ開いておって、NHKは聞いてないのだと、こういうことになって、不払いをする、ラジオと同じようなことがあるということを、あなたたちは心しておられると思う。そのピークを一体どこにみるかという点ですね。そうすると、今の収支予算から、三十七年度を基準としての事業計画と収支予想を立てられる上において、一九六七年ですね、この約千八百万というものは、少し僕は危険率が高いじゃないか、非常にリスキーな推測じゃないかと思うのですが、この点はどうですか。何か根拠があって、こういう最終年度の数字を出されたのか。
○参考人(小野吉郎君) この辺につきましては、いろいろな見解が分かれるところだと思います。山田先年御指摘のような見方も、これは十分にあると思います。何しろ将来のことでございますので、的確に、これを予想いたしましたとおりに、進んで参るとは考えられません。これは過去の例を見ましても、毎年このくらい伸びる、だろうと思っておりましたそれが、そのとおりに行ったためしがないわけでありまして、幸いに今日までにおきましては、大幅に予想をこえる普及を示して参ったわけでございますが、少なくとも、もう一千万をこえるような契約数になって参りますと、このような見方で、はたして伸びていくかどうかということにつきましては、いろいろな懸念も生まれてくるわけでございますが、私どもが一応、このような推定をいたしましたことは、日本経済の将来の伸び、これにもいろいろな時期的には問題点もございましょうが、そういう傾向、国民消費の傾向、こういったような面をば、いろいろと総合的に見まして、そうして過去における一つのカーブというふうなものを見ながら、一応天井は七七%に見得るんじゃないか、こういうようなことまで見ておるわけでございますが、一応こういった想定を立てませんと、ここ一、二年の問題は、割に実際の結果に近く予想はできると思うのでございますけれども、そういうような割に確実に見通せる事情のみを考慮いたしまして受信料額を決定をいたしますと、もう一たんきめた、それがまた、間もなく手入れをしなければならないというようなことにもなりますし、かたがた計画の概要といたしましては、将来六カ年間については、やるべき仕事の範囲が、割に具体的に想定をできるものでございますから、そういうような使命を果たしていく上に、一体どれだけ金が要るか。 しかも、それでいく中で、いろいろな勉強をいたしまして、受信者の方々には、必要な最小限度の額はどこであろうか、しかもそれをきめれば、将来、まあ長期計画の進行過程、これの終了時における六カ年間は、今きめた料額を経済情勢の非常な予測し得ないような変動のない限り、また、この件数の推移がはなはだしくこれとかけ離れたことにならない限り、料金に手入れをしなくても済むという安定料金を一つにはねらい、かたがた、そこに料金負担の公正を貫いていくと同時に、いうところに趣旨を置いて参ったわけでございますが、何しろここ六年の先と申しましても、近いようでございますけれども、なかなかそう正確には算定できないと思いますが、まあ諸般の関係から七七%というのは、相当に勢力は要ると思いますが、この程度の——これがさらに、その予想をこえてふえてくれば問題はないのでございますけれども、減少の意味において、大きな蹉跌を来たすことは、現在の時点から考えまして、まあないのではないか、このように考えたわけでございます。
○山田節男君 今の小野専務理事の御意見もわかりますけれども、しかし今日の日本の国民の冨の程度からいって、テレビに関する限り、少なくとも年間三千六百円という基本料を取られるわけですね。そうしますと、ラジオの場合とは違って、テレビジョンのピークは、この視聴者のピークというものは、こういうように伸びるかどうか。これは今あなたのおっしゃるように伸びるかもしれない。伸びないかもしれない。しかし、理事者としては伸びない場合にどうするかという計画がないといけない。ですから、現行放送法でいく限りにおいては、ラジオと違って、かなり高額な支障が起こり得るということになれば、あるいは経済が不況ということになれば、あるいは不況でなくても、民間放送だけ見ているのだから、NHKのほうはもう払わない、ラジオのような例が出てくると、にっちもさっちもいかなくなる。したがって、今回来年度の予算から、ことも一つの進歩だと思う。 さらに私の言いたいことは、もう一歩飛躍して、私の持論であるけれども、やはりNHKの放送を、経済的にも財政的にも確固たる基盤に置くためには、結局はやはり何だかんだと言っているけれども、強制徴収の方式でいかないと、これはもうあなたがどう弁解されようと、これは私は真理だと思うのですね、だから徐々に、やはりそういう方面に志向するというやはり理事者の頭に考えがないといけないと思う。ですから私は、決してNHKが官僚化しているというわけではないけれども、今日の官僚機構の続く限りは、その憂いもありますけれども、しかしNHKというものは、少なくともこれは倒してはいかぬと思うのです、つまづいちゃいかんのです。となれば、少なくともひとつ、この次にはどうするかという心がまえは、徐々に作っていかなければいかぬ。この今の放送法、すなわち受信料の改正をして、強制徴収へ持っていって守るのだという、もう一つの心がまえはぜひ持っていただきたいと、こう思うのですね。 これは私のたびたび言う意見ですから、要望ですから、別に答弁求めませんが、ことにそういう膨大な予算になってくると、NHK当局としては財政を健全的な基礎に置くということは、どうしたって第一義ですから、この点はひとつ、なおこの上とも大局的な立場で研究し、また腹をもきめ、またそういうふうに志向するように御努力願いたいということを申し上げ、私の質問を終わります。
○参考人(小野吉郎君) 要望だから答弁は要らないと、こういうことでございますけれども、山田先生かねがね、もう何回も、そのような将来の安定を見越しての方策につきましては、お教えを賜わっております。今回の検討にあたりましても、そういう御示教の点は、十分に検討を加えたわけでございますが、現在の段階におきましては、今の放送法三十二条の受信料の建前で、しかも将来の経済の伸び、消費生活の傾向等を考えますと、こういった推計で、まあやっていける、このように考えておりますし、かりにそれが大きな蹉跌を来たすというようなことになりますれば、それに対する対策を講じて参らなければならぬのでございますが、法律三十二条のあの規定にかかわらず、これが受信機を持って、しかもこれがNHKの放送が受信可能である状態であれば、料金をいただくことにしてございますが、受信機はある、しかもNHKの放送を聞く性能は持っているけれども、商業放送を聞くので、NHKの放送は聞かないということで、料金を払わないような現象が随所に出て、これを防ぐようなことが不可能になって参りますと、万策尽きて、いろいろな御示教の線に沿うようなことも考えざるを得ないかとも考えられますが、そういうようなことも考慮に入れながら、現段階におきましては、やっていくべきだし、またやっていけると、このように考えるわけでございますが、なお将来、いろいろ貴重なお教えの点につきましては、十分にこれを検討の貴重な資料として、後日考えたいと思います。
○森中守義君 時間もありませんし、ただ私は、この次の委員会に機会がないようですから、二、三問ほど簡単にお尋ねしておきます。 その一つは、共同視聴の問題ですがね、どうでございましょう、昭和三十六年度の実行額——申請件数に対して、おおむね何件ぐらい助成金をお出しになっておりますか。
○参考人(小野吉郎君) お答え申し上げます。実際に実施いたしました数は、六百七十件余でございます。当初予算には、そうまで見ておらなかったのでございまして、三百五十件くらいしか見ておらなかったのでございますが、その後、やっぱり非常に申請の数が多く上って参りました。これは、NHKの現在の務めから申しましても、そういった御要望に対しましては、これは極力、いろいろな手を尽くして応じなければならぬと、こう考えましたので、ほとんど全部やろうと、こういうことであっつたわけでございますから、新たに、どうしても所定の基準——多少加減は大いにするわけでございますが、どう加減をいたしましても、これでは困るというのが三十件ばかりございまして、これだけは、実は手をつけなかったわけでございます。三十六年度の状況は、大体そのようなことになっております。
○森中守義君 それをずっと実績として見る場合に、テレビの契約件数はふえていますか。
○参考人(小野吉郎君) これは、ふえております。
○森中守義君 これは私の郷里の話でございますがね。天草あたりの、まあ御承知かどうか知りませんが、天草という離島がある。これは最近、離島振興の適用を受けて、かなり開発はされておりますが、相当高い山があって、熊本のNHKを見たいんだけれども、どうも長崎放送が入るとか、あるいは佐世保放送が入っているというので、非常にみんな迷っているようですよ。それで、もしうまくとれるならば、ぜひひとつテレビを買いたい、こういう人が一部落に七、八十軒ありますね。さらにまた、その他二、三のところに行っても、同様な意見を聞くのです。 そこで、お尋ねしたいのは、大体、一件あたりの交付金を出した場合に、どの得度の伸びがあるのか、そういうことを考えていくと、まあもちろん中継所を作るんだという、そういう計画もあるようですが、できるだけ早く、そういう山間僻地にテレビを普及するという面からいくならば、ある程度犠牲を払っても、この視聴共同アンテナの問題は力点を置かれてもいいんじゃないですか。
○参考人(小野吉郎君) 現在こういった施設に対しまして、希望はいろいろ大小ございますが、金額にいたしますと、最高二百五十万円、最低のところで五十万円程度の助成になっておるようでございます。あらかじめこの助成をいたします世帯数がなんぼあって、何人の組合でやるんだということが出ておりますので、あらましそういった施設に助成をいたしますと、多いところではほとんど百パーセントに近いといってもいい契約の数になります。中には、それをちょっと下回るところもございますが、大体は、そういうようなわけで、非常な切なる要望によっての施設でございますし、そういう助成でございますので、大体契約の獲得率と申しますか、こういった面は非常によろしいようでございます。 そういった事柄もございまして、三十七年度におきましては、かなりこれを拡充いたす予定にいたしておりまして、この予算の中で予定をしております施設の対象件数は、八百件を今予定をいたしております。金額にいたしますと、三十六年度当初御承認をいただきました予算では二億二千万円、こうしておったわけでございますが、先ほど申し上げましたように三十六年度の当初の規模をかなり拡大をいたしておりますので、全体では四億ばかり使ってあります。三十七年度は、すでに当初の二億二千万円に約四億円ぐらいを追加いたしまして、六億余の経費で八百施設くらいを対象にやっていきたいのであります。もっとも、これは三十五年以来、毎年要望の線に即しまして、できるだけやりくりをして多く満足をしていただこうと、こういうようなことをやっておりますので、三十七年度予算実行の過程におきまして、八百では少な過ぎたというようなことになりますと、三十五年以来続けて参りましたそういった予算の施行の過程におけるような勉強をいたさなければならないと思います。
○森中守義君 こういうことは、当初予算を作りますときに、きちんと資料が出そろって、年間においては、これこれやるのだ、もちろん分担金の問題等もあるようですから、中には申請をして取り下げたという例も聞いておりますけれども、どういう費目から、当初予算を上回ったものを出されたのか知らないけれども、できるだけきちんとした予算を組んでもらうことと、それと三十七年度の場合にも、同様に実行上としては相当上回ったサービスができる、こういうように理解していいですか。
○参考人(小野吉郎君) 現在までのところは、幸いにいたしまして、これは決して最初から到達できる限界を低目にしたわけではございませんが、年々予想外の増収がございました。この増収の振り当てといたしまして、予算総則の運用上許された設置によって、実行増をいたしておるわけでございます。三十七年度におきましても、そういうような事態があれば、当然に予算総則上の措置としてやれるわけでございますが、かりに、もうぎりぎりの線で、今予定しております収入に対する増収がないような場合におきましても、何とか経費の流用もし、禁止の項目にされた金でもございませんので そういった流用の可能な範囲においては、御要望にはできるだけ沿って参りたいと思います。
○森中守義君 それから沖繩へのマイクロがもうすぐ開通するようでして、そろそろ民間放送あたりでは対沖繩放送の計画ができているようです。ことに沖繩放送と琉球放送と二社あるようですが、協会では、これは一体、どういうことをおやりになるつもりですか。それから郵政省の場合には、沖繩に対する放送は、国際放送という規定の仕方なのか、あるいは国内放送という規定の仕方なのか、この辺で、だいぶ将来の問題が変わってきますので、ひとつ御両者から、このお答えをいただいておきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 沖繩のテレビ中継につきましては、NHKは現在のところ、沖繩の政治的地位、あるいは法律上の地位を考えまして、沖繩自体にNHKの放送局を作ることは、将来は大きな希望を抱いておりますけれども、現在のところは非常に困難だと考えております。 したがって沖繩にある二つの商業放送局に、要望に応じて番組を流す方針でおります。それは放送法に規定された、一般放送事業者からの要望にこたえる条項にその根拠がございます。 さらに現在におきましても、マイクウエローブは開通しておりませんけれども、沖繩の両商業放送局からの要望によりまして、ただいま申し上げた規定を根拠として、NHKは番組を提供いたしております。奄美大島につきましては、これは明年度NHKの中継所が開局されることになっております。
○政府委員(西崎太郎君) 今、NHKの御説明があったのですが、沖繩の場合は、これは国内放送でも、国際放送でもないわけでして、番組の提供、結局放送をやるわけではないわけで——国内において放送をやるわけではないわけでして、マイクロウエーブを通じて番組を提供するということになるわけでありまして、それはまあ、先ほども話がありました放送法第九条第二項の七号によるものである、こういうふうに考えております。
○森中守義君 この問題は多少私も意見をもっておりまして、ただ、そういうことをここでやりとりするには、あまり時間もありませんから、大体御両者の御意見が、そういうことであるということで一応承っておきましょう。 それからいま一つは、オリンピックの記録映画の問題ですが、これは前田専務あたり、よく御承知でございましょうが、開催国がオリンピック憲章によりまして加盟各国に記録映画を五本であったか十本であったか、その数を記憶しませんが、提供しなければならぬのです。それで今夜だ、そこまでオリンピックの組織委員会のほうでも論議が進んでいないようですけれども、まあ私の見解からいくならば、民間の映画機関等もあります。しかし、やはりこの際は、日本の場合には公機関であるNHKによって記録映画を作られて当然であろうという見解を私は持つんですが、お考えになったことありますか。
○参考人(前田義徳君) 私どもといたしましても、ただいまの森中先生のお考えのように、根本的にはそういうことを期待いたしております。ただ、従来、各国の、ローマ・オリンピックをも含めて、各国の記録映画の製作の仕方は、必ずしも、ローマの場合も公共放送が一本でございましたが、公共放送に委任したという先例はございません。
○森中守義君 私はこの問題は、世界オリンピック委員会の規定づけるものじゃないと聞いているんです。開催国が憲章によって提供するわけですから、だから、もちろん今、前田専務の言われるように、国際的な先例があるかないかということも大きな一つの決定される過程におけるファクターになりましょうけれども、やはりわが国ではわが国の方法によって、きめられていくだろうというふうに思うんです。 それで、まだ話がその段階までいっていないということは十分承知しておりますが、できれば一度組織委員会と、これをお話になってみたらどうですか。
○参考人(前田義徳君) そのような措置をとってみたいと思います。
○森中守義君 それからいま一つ、四十二年に至る第二次六カ年計画ですね。この計画は、先ほど副会長の御答弁でしたか、あるいは小野専務の答弁だったか、ちょっと記憶しておりませんが、どちらからか、まあ言葉は多少違ったようですが、あくまでも期待計画である——まあ、あくまでという表現はされなかったようですがね、私はそういうように受け取ったんです。この計画というのは、一体、実行計画なんですか期待計画なんですか。
○参考人(小野吉郎君) この中には、先ほどFMの問題を通じまして、郵政省のほうでは、NHKがこのような構想を持っておることは承知をしておる、しかし郵政省としては、百五十一局のこの期間中におけるFM局の充実の関係については了承をしておるわけではないと、こういう御答弁があったわけでございます。計画全体の——FMだけでなしに、この計画全体としてはおおむね了承し、妥当だろうと、こういうように承知はしておるが、個々具体的には、特にFMについてもそうでございますが、これだけは電波の割当の関係も、約束をしたという筋合いのものではない……、ごもっともと思います。そういうような郵政省とは関係にございますが、NHKといたしましては、この中には、今のような対郵政省との関係におきまして、いろいろ御配慮願わなきゃならぬ問題もございますので、これを実行計画とはなかなか言いかねる部分もございますが、大よその点について、あるいは大部分の計画につきましては——まだ具体的に置局の関係等におきまして、総合テレビあたりが、三百局の第三次チャンネル・プランで入るでありましょうところを予定をして個数を計算しておりますが、具体的にどことどことどこというふうには未定のものがございます。いずれはこの計画期間中に、郵政省当局におきましても、第三次のチャンネル・プランを御策定になると思いますので、それによって具体化してくると思いますが、規模、構想としては、これはただ単なる期待ではなく、ぜひやり遂げたいというものが大部分でございます。 ただ、今の波の配分を受けないと手がつけられないようなものもございますので、そういうものは、NHKの要望計画だというようにお受け取りいただいてもけっこうだと思います。
○森中守義君 これは何でございますね。その技術的に、あるいは経営的に拡大をしていくべき将来を持っている事業ですから、だから、あまり下手な予言的なことを、だれしも言うのは多少危険でしょうけれどもね。私は現行年度に至る第一次計画の中でですね、ずいぶんいろいろ変わってきたんですね。ことにその料金の問題が、まだ変えられて何年もたっていないのです。しかも今日公共料金の問題が、もう少しきちんとした一つの方程式を作ったらどうなのか、こういう意見もあります。 そこで公共料金の部類に入る協会の受信料の問題も、事業がだんだん拡大されていくから、また、その次は予算がこれこれ必要なんで、こう変えるというようないき方は、契約者からいくならば適当でないと思うわけです。 そこで一体、この計画というものは期待なのか、実行なのかということで、意味合いがずいぶん変わってくるのじゃないかと思うんです。そういう意味で一応伺ったわけですが、大体協会のお考えになっている、その内容からいきますとね、確かに小野専務は、いやこれは郵政省との関係もあるから、その限りにおいては、多少期待的なものになるかわりませんけれども、協会自体としてはあくまでも実行したい、こういう御意思である限り、大体六カ年計画を出されるときに、どれだけどのくらい資金が要るのかというような年次ごとの資金計画というものはできないのですか。その辺どうなんです。
○参考人(小野吉郎君) 本案につきましては、一応そういうように策定をいたしております。総体的に大約を申しますと、この長期計画を百パーセント完全に実行いたすといたしますと、総体で建設関係もひっくるめまして約三千九百億近い経費が必要でございます。その中に、いろいろ放送債券の発行でございますとか、あるいは長期の借入金を建設資金に充当いたしますとかというようなことも可能でございますので、そういうような面をいろいろ検討いたしました結果、受信料で収入を上げる限度に属するものがこれくらいというものが出ているわけでございますが、これは三千六百二十五億円でございます。そういうような目安で、これも各年度の計画の実施配分を予定いたしまして、各年度別にも、そういうような計算をいたしたわけでございますが、そういう面から参りますと、現在の三百三十円、五十円の料金をもっていたしましては、料金だけでこれだけは必要だと思われる額には多少のまだ開きがございまして、三千六百二十五億円の所要収入はこの料金では、あげ得ないような状況になっております。その額は三千五百八十億ぐらいが、この案で得られるわけでございますが、まだ四、五十億の開きがございます。 この点につきましては、いろいろな措置を尽くして参らなければならないわけでございますが、一応長期の計画としましては、そのように実施する場合の所要原資をはじきまして、その中で建設関係については将来の返済可能な限界等も見まして、これくらいは大幅に見て、最大限度借入金に依存しても危険ではないというような目安を立てて、しからば、その関係から、料金を一体どの程度にきめられるかというような検討をいたしておるようなわけでございます。
○森中守義君 そうしますと、今回出されている料金の問題は、一応第二次計画をこの料金体系、契約体系で乗り切れるということなんですか。もうこの限りにおいては変える必要はない。ただ、その際に、今の御説明からいけば、約二百七十五億くらい足りませんね。この分は放送価券をぎりぎり法定事項だけ出していく、あるいは若干の工事計画をコントロールする、そういうことでまかなっていこう、つまり料金体系、契約体系は変えない、こういうように理解していいのですか。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりに御承知をいただきましてけっこうでございます。したがいまして、この期間中におきましては、もう非常に予測もしない大きな変動でも起これば別でございますが、料金の関係につきましては、体系についても料額についても変更を加えない、少なくとも値上げするようなことは考えないというようなことで考えております。
○森中守義君 受信料調査会というのは解体したんですか。今後も継続されますか。
○参考人(小野吉郎君) これはひとまず、この結論を出しまして、ちょうど、この案とはちょっと違うのでありますが、体系は同じでございます。その体系別の料額におきまして三百三十円のほうは、そのような答申を出されたわけでございますが、ラジオだけのそれについては六十円くらいがいいだろう、こういうような答申をいただいたわけでございます。その結論を出されました時期において解散をしたというようなことになっております。
○森中守義君 先ほど、私はちょっと申し上げたように、公共料金の、もう少しきちんとした方程式を作ろう、こういうことが今一つの論議の焦点になっておりますしね、ただ、それが来年度なのか、あるいは三十八年度なのか、まあそこまで読んでいくには、少々資料が足りませんけれども、いずれそういう一つの方程式はできてくると思うのです。で、そういう際に、これと非常に誤差を生じたような場合、どうします。
○参考人(小野吉郎君) 大体、現在やっておりますそれは、公共料金のきめ方といたしましては、いろいろな面もございます。今御指摘のように、これから検討もされましょう。結論がどうなるかということも、むろん的確にはわかりません。非常な隔たったことになりますと、しかも、それが強制力を持つというようなものになって参りまして、その適用を受けて、即刻そのような調整をしなければならぬようなことになりますと、そのような作業もいたさざるを得ないと思いますが、おそらくそういう面につきましては、現在きめますこの内容のものにつきましては、かなりのこの方面の経験のある経験者に集まっていただきまして、慎重に度数を重ねて検討をいただきましたので、公共料金の策定のいろいろな考慮すべきはファクター、その他については、ほとんど漏れなく検討を遂げていただきましたので、万これをそういう線で変更しなければならぬようなことはないじゃないか、このように予想いたすようなわけであります。
○森中守義君 私のこれは感じですから、別にどうという資料を持ってものを言うわけじゃないんですがね。昨年、それから一昨年あたり協会予算をいろいろ委員会で審議をしました際に、滞納、未納分については、今後極力努力する、こういう御答弁が野村会長からも、それから副会長からも、小野専務からもありました。 そこで、どういう措置をお取りになったのかわかりませんけれども、何か私は、こういうような感じがしてしようがない。きちんときまっているテレビや、あるいは……、今までテレビやラジオの収益を一応根拠にして予算をお作りになった。未納分については、特段に何か措置がとられていないんじゃないかという気がしてしようがないんですが、たとえて申し上げますならば、各行政機関あたりの車にラジオがついていますね。札を張ってあるのと、ないのがだいぶんあるようです。それでまあ現行法上、いろいろ制約がありますしね、これをどうするかというのは、大きな問題になりましょうけれども、これら国家機関とか、あるいは公機関あたりに対しては、もう少し郵政省の協力をお求めになるとか、あるいは協会自体でお話になるような必要があるのじゃないですか。やっておいでになれば、やっているとおっしゃればそれでいいのですが、どうなんでしょうか。
○参考人(小野吉郎君) お示しの点につきましては努力をいたしておりますが、効果は百パーセントあがってはおりません。いろいろ今後におきましても、できるだけそのような努力を尽さなければなりませんし、先ほど御指摘の、受信料調査会で、この案の検討をしていただきました調査会の答申の中にも、大きな一つの、将来努力しなければならぬ問題点として課題を授かっております。 今の自動車の関係等につきましては、まあ運輸省の登録の帳簿、その点なんかも、いろいろ見せてもらって、精密にやっぱり調べて、いろいろやっておるわけでございますが、なかなか登録のカードも多うございまして、これをたんねんに一々点検するようなことも不可能でございます。 そういうことで、いろいろ各官庁あるいは自動車会社等の協力も得てやってはおるわけでございますが、今日の状況では、率直に申しまして、やるべきことを百パーセントやっておるとは申し得ないと思います。今後大いに努力をいたして参りたいと思っております。
○森中守義君 蛇足になりますけれども、個人々々の契約者には、非常にむずかしい問題が出てくると思うのです。ただし国家機関とか、あるいは公機関に対しては、もっと積極的に協会も出られていいという気もしますしね。ことに行政機関である郵政省、放送事業を所管する閣僚もおられるわけですから、そういう筋を通して、もっとぴしぴしやられたらどうですか。だいぶん盗聴がありますよ。そういう意味で、私はただきまったものを受け入れて予算を組むというのでなくて、漏れている分を、もう少し取り上げていくというようなことを、ぜひひとつお考えいただきたいと思います。 それからいま一つ、多少この話は旧聞になるようですが、外国のフィルムですね。これを買われるときに映画業者、興行関係から非常にむずかしい話が出たということを聞いたことがある。もちろん私のところにも、その種関係の人が二、三回見えたことがありますがね。それも、そういう皆さん方の御意見を聞いてみると、元来窓口がどこか一本ある。テレビ映画を買う場合ですね。ジェネバかどっかに、そういうものを扱うところがあるけれども、民間放送もNHKも、勝手にどこかと契約して買っているので困るのだ、こういう話があって、ずいぶん協会を攻撃されたことを私は聞いたことがあるのですが、この種問題は今ありませんか。
○参考人(前田義徳君) そういう今先生が御指摘のような問題は、現在はありません。
○森中守義君 これは、これを最後に終わりますが、郵政省にお聞きしたいのですけれども、今米軍へのチャンネルの提供、あるいは中波等の提供の状態は、どうなっていますか。
○政府委員(西崎太郎君) 放送だけに限定して申しますと、ラジオでは、現在標準放送ですが、いわゆるFEN、駐留軍放送ということで五波使用を認めております。それからテレビでは現在UHFチャンネルで一チャンネルだけ認めております。それだけでございます。
○森中守義君 だんだん米軍も少なくなってきましたしね。少しラジオの五波というのは返還をしてもらう必要があるのじゃないですか。合同委員会あたりで、この話を出されたことがありますか。
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、この六月には放送のチャンネル・プランの再編成の時期でもありますので、何とか、さらに減らしてもらうよう努力するつもりであります。
○森中守義君 ぜひそれをやってほしいのですが、すでにどの波を返してもらいたいという腹案でもありますか。また、合同委員会等には、そういう意見の開陳をされたことがありますか。
○政府委員(西崎太郎君) この問題は、合同委員会の下部機関であります周波数分科会というのがございまして、そこで検討いたしておるわけであります。目下折衝いたしております。その結果につきましては、まだ御報告申し上げる段階までは至っておりません。
○委員長(安部清美君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめておきます。 これにて散会いたします。 午後五時四十分散会