逓信委員会 第3号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/02/08
会議録
○委員長(安部清美君) ただいまより開会いたします。 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 まず、先般当委員会の行ないました委員派遣について派遣委員からの報告を願います。 第一班、近畿班。
○野上元君 私は白井委員とともに去る一月九日より五日間近畿地方における逓信関係業務の運営状況を視察して参りましたが、詳細は委員長のお許しを得て速記録にとどめたいと思いますので、御了承をお願いいたします。 右、簡単でありまするが御報告いたします。
○委員長(安部清美君) 第二班、中国四国班。鈴木恭一君。
○鈴木恭一君 私は光村委員、奥委員とともに、去る一月十日より五日間、中国及び四国地方における逓信関係業務の運営状況を視察して参りましたが、その詳細は委員長のお許しを得て、速記録にとどめたいと思いますので、御了承をお願いいたします。 以上簡単でありますが、御報告いたします。
○委員長(安部清美君) ただいま各班より派遣委員の概況報告があった次第ですが、その詳細な内容につきましては、報告書を会議録に掲載することにいたしまして、そのほうでごらんいただくということにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(安部清美君) 次に、前回の郵政省所管行政の現況等についての郵政大臣の説明に対する質疑に引き続いての御質疑の通告がございますので、これを許します。山田節男君。
○山田節男君 前回の委員会で郵政大臣から所管事項についての説明がありましたことに関して、特に電波行政に関する二、三の御質問をいたしたいと存じます。 第一は、今年の六月が、テレビ放送並びに標準放送の免許の更新する時期になっておるというふうに私了承するのでありますが、日本の放送法の中には、もちろん放送の表現の自由、それから番組編成の自由ということ、これははっきり明記してあるのでございますけれども、ことに民間放送のテレビ、それからラジオ放送等を見ますと、過般放送法の一部改正によって、番組の粛正、番組編成の自粛ということにつきまして、ある程度の規制を加えたのでありますが、今日まで政府が取り上げた、たとえば標準放送の、関東あるいは関西にも一つずつあったやに私伺うのでありますが、今回予備免許——免許制度ということは、要するに、周波数帯が国民の共有物であって、それを政府が免許によって、しかも期限を切ってこれを使用せしめるという立場から見ても、この放送事業に対する政府の監督ないし監査ということは、私は、ある程度まで政府が積極的にやるべきじゃないかと思うのですが、この点に関する郵政大臣の御所見をひとつ伺いたい。
○国務大臣(迫水久常君) 現在の放送法は、一ぺん免許を出してしまいますと、具体的に役所が監督するような施設にはなっていないようでございます。そういうような関係で、いわゆる三年間に一ぺんずつの再免許という問題が考えられているのだと思いますが、したがいまして、番組の内容につきましても、具体的に政府としては指示しあるいは監督をするという方法はございません。また、そういうような道が開けてないことのほうが、かえっていいのかもしれないとも思う節もあるのでありますが、ただ私は、機会のあるたびに、電波法、放送法の電波、放送は、社会公共の福祉のために使われなければならないというあの趣旨についての注意を喚起することに努めておる次第でございます。
○山田節男君 申すまでもなく、放送免許に関するものは、三年という期間を限っての免許である、政府として放送行政を正しく行なうというためには、免許更新の機会において、少なくとも過去三カ年間、放送法に基づき、あるいは公共の福祉増進のために放送をしたかどうかという、いわば一つの勤評をして、それによって、あるいはある期間の放送の停止あるいは免許の取り消し、こういうような制裁をする唯一の機会である、また、放送法の建前から申しまして、放送の自由、編成の自由ということは確保してあっても、放送の目的はやはり公共の福祉の増進であるということにあるならば、私はこの免許の更新期におきましても、政府は過去におけるこういう一種の勤評をなして、業者に対する一つの制裁といえば語弊がありますが、自粛の要望だとか、あるいはどうしてもこれはしなくちゃならぬというものは、これはある種の、法律上許される制裁でありますから、免許の停止あるいは取り消し、こういうことは効果的に大臣として使えるのではないか、今日までこれが一度も行使されてないということは、私は、放送行政の立場からいって、どうも政府は少し憶病なんじゃないか、こういうように思うのですが、それに対する御見解を伺いたい。
○国務大臣(迫水久常君) 再免許を番組の内容が適当でないからという理由だけでこれを拒否し得ることになるのかどうか、私は法律的に考えると若干疑問が実はございます。けれども再免許の機会には、非常に厳粛にその点についての調査を行ないまして、そうして先方から、何と申しますか、十分、番組の編成については注意をするというような言質をとることに努力もするし、可能なる限界における最大の処置をとっているつもりでございます。最近三年間の免許が満了して、再免許の時期が参りますが、すべて大臣室で直接に大臣、次官、幹部立ち会いで、その点についての十分な審査をいたしておりますので、効果は相当に上がっているように思います。
○山田節男君 私、具体的に名前は申しませんけれども、昨年純教育放送としての免許を受けたものが、実際執行しておる番組の編成等を見ますると、ほとんど教育放送としての使命を達しているかどうかということが疑わしいような、きわめて非教育的な放送をあえてしている、こういうことに対して郵政大臣が、ある種の警告といいますか、というものを与えられたというように伺うのですが、その警告を与えられた以後において、その教育放送としての番組の編成上においても、あるいは放送の効果においても、はたして大臣の警告をそのとおり実施しているようにあなたはお考えになっているかどうか、この点、お伺いいたします。
○国務大臣(迫水久常君) 教育専門のチャンネルを使わしております放送局が、番組の編成上その申請したとおりの比率というものが守られておるかどうか。これは見方によりまして、なかなかむずかしいと思うのでございますが、従来はずいぶん無理をした解釈をしなければ、その比率は守られてないといったほうが早道のような状況であったことも事実でありますが、再免許後におきましては、相当改善されたように私たちは考えております。具体的に、たとえばこういうような番組というものは、少なくとも教育にプラスにならないで、逆にマイナスになるようなことが多いのじゃないかということを指摘しました番組は、当該局において自発的にこれを取りやめたりしておる事例もございますので、相当の効果が出ているように私たち考えております。
○山田節男君 過去十年間、民間のラジオ放送あるいはテレビ放送が開始されて以来の経過、実施の状況を見ますと、私はやはり商業放送は過度な競争あるいはスポンサーの要求等があって、番組の編成ということにつきましては、法制上の番組審議会がありましても、どうしてもやはり何といいますか、いわゆる過度な、すなわちエクセッシブなことになって、教育的にもよくない。それから何と申しますか、視聴者の神経あるいは視覚的に考えても非常に不健康な状況になるのであります。この先例は欧米諸国、ことにアメリカのような商業放送だけやっておる国におきましては、この弊害にたえかねておる、その結果、御承知のとおり一昨年ですかアメリカ連邦通信委員会の委員長のミノー氏が、もうアメリカにおけるあらゆる商業放送の放送番組は、非教育的のレッテルを打たれてもしようがない、次の免許更新の場合においては厳重にこの点を考慮しなければならぬという非常に重大な声明を発して、その結果、相当な効果を上げたということは聞いておるのでございますが、幸いこの三年に一回の商業放送によるテレビ並びに標準放送の免許の更新の機会がくるということがわかっておりますから——私はこの場合、民間放送事業者を特に対象として申し上げておるのでございますが——政府として一種の、何といいますか、監査といいますか、単に放送業者からの報告によって企業の勤評をやるのじゃなくいたしまして、実際の監査といいますか、名目上はどうあろうとも、一種の監察的なものを行なうということは、これは政府として当然やるべきことじゃないかと思う。この点に関して、法規上あるいは法規によらなくとも、実際問題として、そういうことが私はやれるのじゃないかと思うのですが、この点に対して大臣はどういうようにお考えですか。
○国務大臣(迫水久常君) 現在の法律におきましては、そういうことの検閲といっちゃ語弊があるのかもしれませんが、検閲的なにおいがあるといわれるようなことは、できないというような建前をとっております。それで、まあ私は今、山田先生のおっしゃる何らかの形において、検閲というようなことでなしに、何かそこにやはり公共の福祉というものを代表する立場において、何と申しますか、監視するような仕組というものが必要じゃないかという感じも実はしないわけではありません。したがって、そういうような問題については、今度できまする放送法等の法律の改正に関する調査会——二年間の時限立法で国会にお願いしておりますが——こういうようなところで一ぺん取り上げてみるべき問題の一つだとは思っております。
○山田節男君 まあ大臣がそういう御見解ならば、私は希望ないし意見として申し上げますが、今日までこれほど普及した商業放送の番組に対しましては、法規上はそういう権限はない、もちろんないかもしれませんが、しかしながら、政府の一種の監察行為は、これはそう規制されなくともできると思う。これはひとつぜひやっていただきたい。それが今のこの免許更新の少なくとも前において、今日の法規上許される範囲内において、私はできぬことはないと思う。前回にわれわれにこの審議を付託された放送法の一部改正案、政府案の最初の案におきましては、やはり立ち入り調査あるいは検閲、こういうような文句もあったように私、記憶するのでありますが、こういうような政府の提案の放送法の改正案において、立ち入り調査というきわめて干渉がましいものを入れたということ、その背後には、私はその必要が……。やはり今申し上げたとおり番組に対する一つの規制とは申しませんが、一つの監察というものは、政府の責任においてやるのがやはり放送を公共企業として、より効果あらしめるのじゃないか、こういう私は意図があったからじゃないかと思います。もちろんこの改正案の文句は、放送法の精神から反対が多いので、政府はこれをさらに変えましたけれども、こういう字句が入れられたということは、政府は実際問題としてこれを必要としてきているのじゃないかということを憶測するから私は先ほど申し上げたのです。何かの形で、許される範囲内において更新の時期に達しているものについては、一斉に一種の監察をしていただきたいということをお願い申し上げておきます。 それから次には、現行の放送局の開設の基準規則、これはもう本委員会でたびたび言われたように、規則といいますけれども、むしろこれは放送法あるいは電波法の中に挿入さるべきものが、ああいう放送局の開設根本規則になっているわけですが、この中に私はやはりいろいろ修正すべき部面があると思うのですが、特に最近これは視聴者側におきまして民間放送に対する苦情といいますか、不満というものは、あの画面に出てくるところのいわゆるCM——コマーシャル・メッセージ、いわゆる広告ですね、広告が非常にしつこいということです。それで、その画面の全体の空気といいますか、そういうものをこわす、それから視覚的な面から見ましても非常に不愉快であるということです。これはもうわれわれ見る者として非常に感じているところでありますが、そこで放送局の開設の根本基準規則等に、私は当時予想しなかったと思うのでありますが、こうした放送のはんらんは、今日少なくとも商業放送のCMに対する一つの規制を加える必要があるのじゃないか。私は数字は今忘れましたけれども、アメリカの商業放送に対しましては、何分間の放送に対してその中に何個の、あるいは合計何分のCMを入れるというように、これは視聴者の健康上あるいは放送のいい点をこわさないために、そういう規制を加えた、ところがまだ今日、日本においてはそういうことについて何らこれは規制が加えられていない、その結果、最近の状況を見ますと、商業放送におけるCMは非常に過剰であるということ、これは目にあまるものがあるのじゃないかと思う。この点に対して郵政省として何か調査をして、あるいはこれに対するある一つの規制を加えなければならぬというような、こういう御意向があるかどうか、この点ひとつ大臣あるいは所管の責任者からお伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) 今、先生のお説にありましたように、アメリカでエクセッシブなCMを制限するという法的な手段がとられているということは、われわれも聞いております。ただ日本といたしましては、先生もよく御存じのように、まだ歴史も浅いわけでありますので、法的にそれをどうこうというところまでいっておりませんけれども、確かに先生のおっしゃったような傾向もあるわけであります。先ほど大臣が言われました調査会のほうで十分そういった点を御審議願いたい、こういうふうにわれわれとしては考えておるわけでありまけ。できれば事前の調査といったようなものも進めてみたい、こういうふうに思っております。
○山田節男君 次に、総合的に希望になると思いますが、放送業者から政府が取る免許料ですが、これは今日のいわゆる貨幣価値からいい、それから放送業者の資力の度合い等から見ますと、私は低きに失するのじゃないかと思うのですが、この点に関して政府は何かの研究をしたことがあるのか、あるいは免許料の引き上げということも考慮しておるかどうか、この点ひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 一つの波を一つの放送局に免許をいたしますのに、一種の権利の設定だから、そのときに権利金のようなものを取ったらいいのじゃないかとか、あるいは税金はどうするとかと、いろんな問題、いろいろ議論があることを知っておりますが、やはりそういうような問題も——何でもかんでもみんな例の放送調査会のほうに逃げ込むような答弁をして相済みませんけれども——すべてこの調査会に研究をしてもらうことにしたらどうか。私個人は、免許料を取って権利を設定するようなことにすることは必ずしも賛成ではありません。今のお話、手数料と申しますか、それが安過ぎるかどうかということについては、さらに研究をいたします。
○山田節男君 今御質問申し上げた免許更新の機会に、やはり一種の放送番組の向上、あるいは経営の合理化を、こういう一つの機会をとらえて、政府の監督を有効ならしめる。それから先ほどお話しました商業放送におけるCMの過剰の問題、並びに最後の免許料の問題でありますが、放送法調査会ですか、改正調査会ですか、それは今できておるのかどうか、私よく存じませんが、先ほど申し上げたように、免許の更新期を六月に迎えるということになれば、これはもう多年の問題になっておる点でもありますから、外国の例等もあるのですから、結論を出すのにそう何カ月もかかる必要がないと思うのです。ですから、根本的な電波法、放送法の改正が早急に望めない限りにおいては、やはり一歩々々そういうものを改善する意味において、ことにこの三点に関してはひとつ早急に効果的な結論の出るような、具体的な結論の出るような調査会の活動をお願いしたいのですけれども、一体、放送法に関する調査会というのは現存しておるのか、あるいは現に動いておるのか、この点をひとつ。
○国務大臣(迫水久常君) 現在内閣委員会に郵政省設置法の改正をお願いしておる。その中にこの調査会を設置するということ、四月から設置されるということになっております。
○山田節男君 これはどろなわ式になりますから、それから結論を五月までに出すということは無理じゃないかと思うのですが、今申し上げたように、調査会にかけなくても、政府が少なくとも過去十年間商業放送の経験を持っておるのですから、これに対する私は実際的な具体的な対策はあってもいいのじゃないかと思うのですが、この点はひとつ大臣の責任において、できるだけの今申し上げた三点に対する具体的な処置をお願い申し上げたいと思います。 それから次にはFMの問題について若干お伺い申し上げたいと思うのです。この配付されましたFM放送調査会の中間報告を受け取ってみますと、九月十六日に設置された調査会も年末において問題の所在点を明らかにしただけに終わっておる。しかし、これまた放送業者あるいは新聞社、通信社、あるいは放送会社ですか、超短波放送のための会社を入れますと、実に三百局以上の今FM放送の申請を政府は受けておるわけです。これに対しまして政府は一体今中間報告に示されておるような問題の所在点、これはもう明らかになっておりますけれども、これを一体いつの日までに具体的な方策を立てられるお見込みなのか、この点を承っておきたい。
○国務大臣(迫水久常君) 実は昨年の臨時国会におきまして、私はFMの問題については一応の基準の草案になるようなものを昭和三十六年の末までに作り上げてほしいということを事務当局に希望して、鋭意努力してもらうということを国会でも御答弁をいたしました。それからあと、この省内にありますFM放送調査会というところでずっと勉強いたしまして、それについて私もいろいろ知識がふえるのに従いまして、私が昨年の末までにそういうような草案を作ってほしいということを希望し、そういうことを国会等でも御答弁したことが、いかにもこれは軽率であったということを私は後悔をいたした。ことほどさようにFMの問題というのはむずかしい問題であるということの再認識をしたわけであります。そこで、一応中間報告の形にFM放送調査会の報告会をまとめてもらいまして、これを一般に発表をいたして、その後、問題点が明らかにされた中間報告書に関して、いろいろ各方面からの意見が寄せられて参っておりまして、論評もございまして、そういうものを参考にして、とにかく今事務当局を督励いたしておりまするのは、この三月末すなわち本年度中には一応FMという問題をどう処理するかという基準を作るようにということを今頼んでおる最中であります。事務当局としても鋭意努力しておってくれるのでありまして、私としては年度末までにはまあ何らかの形が出てくるように期待をいたしておりますけれども、その間、若干の時間のズレというものもあり得ることは当然だと思いますけれども、できるだけそういう心組みで一つの基準の草案、さようなものを作ってもらいたいと思っております。
○山田節男君 この中間報告書の中に表われている参考の4のところにある「FM放送局の申請状況」、これは現在もっとふえているそうですが、これでは百三社二百八十二局となっておりますが、この資料を見ますと、FM放送の申請の中には公共放送であるNHKのFM放送の申請が含まれていないように思いますが、NHKとしてはFM放送に対する何ら今日以上の要望を持たないのか、あるいは政府としては公共放送としては、別個のFMの割り当てを考えておられるのでしょうか、この点はどうですか。
○政府委員(西崎太郎君) 御指摘の申請者の一覧表の中にはNHKの分は入っておらないわけです。と申しますのは、これは非常に形式的にまとめたわけでありまして、実はNHKのほうからはまだ申請が具体的に出ていないということのために、ここに載せていないのであります。当然実際の免許という場合には、NHKの問題を重視して考えなければならない、こういうふうに考えております。
○山田節男君 申すまでもなくNHKは国民の公共放送をするという建前になっているのですが、たとえば混信対策の問題、その他FMを使用することによって公共放送としての使命を全うし得るということになれば、FMの免許の方針とか、送信方式、あるいは技術基準というものを、これをまとめる前に、やはりまず公共放送の難聴地区、あるいは混信による難聴地区、こういったようなものをまず優先的に考えて、そうしてNHKに対して具体的な案を出していく、そのあとで、残りといっては語弊がありますけれども、その他一般放送、あるいは新聞、通信、あるいは超短波の放送会社の申請に対して割当をどのようにするかということを私は考えるべきじゃないかと思う。この点について何かいきさつがあるかどうかお伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) 日本におけるFM放送のあり方というものをきめる場合に、まずNHKに対してはどう考えたらいいかというのは、今先生が御指摘のように、非常に重要な問題で、そうあるべきである、こう思います。そういう意味で、この報告書の中にもNHKとしてのFM放送のあり方をどう考えるかということも、当然今後検討を進めていく場合に、取り上げなければならない問題点として掲げてあるわけであります。そういうわけで、NHKとしても現在その問題を真剣に研究しておるように聞いております。したがいまして、今後この調査会の進行につれましてNHKの方からもよく意向を聞きまして、大臣が先ほど言われました調査会としての結論を出す場合に、十分そういった点を配慮していきたい、こう思う次第であります。
○山田節男君 この中間報告書を見ますと、問題の所在点を明らかにしているのが大部分でありますけれども、しかしその中で、FM放送は、超短波帯、すなわちVHF帯を使用することが含まれる、それから周波数は八〇から九〇メガサイクルを妥当とするという二つだけは具体的にここに載せられている。私はしろうとですが、私の考え方を申し上げますと、とにかく今日公共放送を除いても三百局に余る放送局のFM放送の申請がある。そういたしますと、こういう中間報告の唯一の結論としてVHF帯を使うこととして、周波数は八〇ないし九〇メガサイクルが適当だ、こういう具体的な結論を出して中間報告をされておるのですが、これは私はむしろ性急に失するのじゃないか。大体国としては、放送関係、これは放送業者、公共放送、それからさらにそれ以外の、たとえばVHF帯でもって八〇ないし九〇メガサイクルを使用しなくちゃならないその他のFMの周波数帯の必要な方面がたくさんあるのじゃないか。そういうことになりますと、中間報告書において、こういうVHF帯が適当なんだということは、これは極超短波を拒否されておるわけではないけれども、こういう一つの規制を加えるような中間報告書の結論を出すのは、私は少し早過ぎるのじゃないか。もっと大局地に、需要を一体どういうふうにして満たすか。そうして放送以外のFMの周波数帯を使用する業者がどのくらいかということを、これは日本じゃまだ未知数ですけれども、外国の例を見れば大体わかるわけですけれども、ちゃんと一つのチャンネル・プランというものを作っておきませんと、テレビのチャンネル・プラン——第二次修正においてはVHFだけじゃ足りないで、UHFを使わなくちゃならぬという。既設のものになってくると、このVHFをUHFにすると、非常に一般の国民に対して迷惑をかけるということになるのですよ。ですから、まだこれは処女地と思っているけれども、FM放送の開拓については、私はそういう見地から、一つの政府の対策を立てるべきじゃないか。これは何か自信があって周波数帯に対する具体的なことを示されたのか、何かこれに対する理由があるのか、その辺を、あればひとつ伺いたい。
○政府委員(西崎太郎君) 今御指摘の周波数帯の問題でございますが、この点ばかり相当断定的な結論が出ているというおしかりでございます。確かにこれを見ますと、そういったにおいが強く感じられると思いますが、まあ必ずしもこれは断定的に書いたつもりではありません。もちろんそういうわけで、これについての御批判があれば中間報告でありますから、十分お伺いしたいと、こう思う次第であります。ただ、一つ申し上げられることは、このVHF帯を使うということになりますと、ほかのバンドは全部ほかの業務にもうフルに使われておる現状でありますので、この七六から九〇メガサイクル、この間しか残されておらないということ、それからもう一つ、現在世界で多数の国がすでにFM放送を実施しておるわけであります。この模様を見ますと、全部VHFでやっている、VHF帯で実施している、こういったことから、やはり国際的に考えた場合にも、まあ日本だけみずからの道を切り開いていくということですと別でありますが、大体こういった電波関係の業務は、世界的な傾向に沿っていくのが従来からの考え方でもありますし、まあ国際的な考え方でありますので、一応こういった結論めいた——まあ結論といいますか——ものが中間報告として出たというわけでございます。
○山田節男君 もう一つは、FM、FM放送という言葉をしきりに使っておるのですが、この資料として出されているFM放送の申請者数、このグループを見ますと、もちろん専門の放送会社、それから新聞社、通信社、それから一般の放送業者となっていますが、これは私何も理屈を言うわけじゃありませんけれども、われわれのいういわゆる放送というのは、いわゆる公衆によって直接受信をされることを目的とする無線通信の送信をいうのであります。そういう放送の法的な解釈からいけば、こういう大体三つのグループに分けられる申請者の中で、たとえば新聞社とかあるいは通信社とかいうのは、このFM放送というものを法律的にわれわれが解釈した場合に、はたしてこれが適確な放送業者として申請し得るかどうか、この点について政府は現在FM放送を申請しているこの三つないし四つのグループを、今のわれわれが法的に解釈する放送業者であるとして、この申請を受理しておられるのかどうか、この点についてひとつ承っておきたいと思います。
○政府委員(西崎太郎君) 放送という定義は、ただいま先生が言われたように、一般大衆によって受信される送信ということになっておるわけであります。現在FM放送の申請者でそれに該当しないものが出ているんじゃないかということでございますが、結局われわれの見解としては受信の態様という面でとらえておるわけなんで、そういう面からいえば放送業者として適当であるかどうかという問題はあるにしましても、一応形式上は差しつかえないんじゃないか、こういうわけで受理いたしておるわけでございます。
○山田節男君 今、西崎局長のお話ですが、これはもう少し私は外国の事例をよく調べてもらいたいと思います。ことに新聞社あるいは通信社等のFM放送というものは、ほんとうにこれが今申し上げた、法的にいって厳密な放送であるかどうかという疑問を残す業態を呈している事例が多いのですね。ですからこれは表向きにおいてFM放送であるということを政府に申請をしても、実際の運営において一種の公衆通信法に違反するようなことにこれを使う、という事例が非常にふえまして困っておるような面もあるのですから、そういう申請を受ける場合については、一つのそういう条件を付する何かの処置をしませんと、この放送ということの免許を受けながらそういうことが混用されるということは、厳密にいえば放送法の違反であるということが言えるわけです。現にそれがために外国ではトラブルを起こしている、一方においては公衆通信の違反ということになるのですから、法的には。ですからこの点をひとつ私は十分御研究を願いたい、これは希望になりますが、申し上げておきます。 それからもう一つはこの送信方式問題、これは私ももちろん技術専門でないからばかげた質問になるかもしれませんが、これまたヨーロッパやアメリカの実際を見ましたけれども、文献上のなにを見ますと、大体FM放送の許可をする場合において、ことに民間放送業者に対してのFM放送の許可について、私は政府として慎重に考えなくちゃならぬと思うことは、従来標準放送をやっておりながらさらにFM放送をやる場合と、それから難聴地区を解消するためにFM放送を使用する場合と、二つの私はカテゴリーに置く必要があると思う。難聴地区解消のためにFM放送を行なうのは、放送の目的に合致して国民のために非常にいいことと思うのですが、第一の何と申しますか、標準放送にさらに補助的にFM放送をやるということ、もちろん業者としては経費がかかるのです。ですから早い話がアメリカの例を見ますと、そういうFM放送をかりに民間放送業者に許す場合においては、別個のやはり法的措置が必要である、すなわち今の標準放送の免許を受けるけれども、さらにFM放送をなし得るという一つの認可と申しますか、アメリカではいわゆるサブシディアリ・コミュニケーションズ・オーソリティですか、何かそういったような場合に特別の認可を与えてやる、そうすることによって民間放送の第二次放送といっては語弊がありますけれども、一般放送に含まれない特殊な放送をやる、ただ音楽とかニュースとかそういうものでなくて、アメリカにおいては民間商業放送でこの場合には有料の放送をする、たとえばレストランであるとか、ホテルであるとか、あるいは芝居小屋であるとか、特殊の音楽を放送して有料でやる、あるいは株式のその日の状況をやはり有料で聴取する人にこれを放送する、これを有料でやるということによって民間商業放送の収入をふやす、こういう方面に実際に使われておるわけです。そうなって参りますと、これは日本においてもそうだろうと思うのですけれども、そういった場合に、単なる今日の一般の放送の免許として、FM放送の場合に同じように許していいかどうかというと、法的にも疑問があるのじゃないか。この点についての解明を私はこの中間報告書を見たのでは見出し得ないのですけれども、この点について触れられたことがあるのかどうか、討議の過程においてそういうことが論議されたかどうかお伺いしたい。
○政府委員(西崎太郎君) ただいま先生が御指摘になりましたSCA——日本では補助通信業務と呼ばれておるようですが、これの導入の経緯という点は、先生が今お話のように結局放送だけではFM放送は非常に経営が苦しかった、それを救済するためにこういったSCAというものの特典を与えたということだと聞いております。そういう意味で日本が今後FM放送を導入する場合に、そのSCAをどういうふうに日本では考えるべきか、これを導入すべきか、すべきでないか、これはまた放送のカテゴリーに入るか入らないかというような問題があるわけでありまして、この点は今後調査会で十分検討して参りたい、こういうふうに考えておるわけで、今までも調査会の審議の過程におきまして、この問題はいろいろ論議の対象になっております。
○山田節男君 これも私しろうとが言うのですからあるいは誤りがあったら訂正していただきたいのですが、FM放送の送信方式、承りますといわゆるシンプレックスとマルティプレックスと二通りあるように思うのですが、アメリカの例を見ますと、シンプレックスの場合は、期限を付けまして、おそらく私ははっきりわかりませんが、一九五六年かにこのシンプレックスのFM放送はやめるということを告示いたしましたところが、これが訴訟問題になって、ある会社がこれに勝って今日なおその放送会社はシンプレックスのFM放送をやっておる。しかしもう九八%ないし九九%のものは多重送信方式になっておる。その原因はどこにあるかといえば、やはり多重送信方式によれば、そのサブチャンネルと申しますか、それを使用して元来の放送を妨げずして、先ほど申し上げました補助業務といいますか、株式の状況であるとかあるいは医者を呼び出すとか、あるいはレストラン、劇場、ホテル等へ音楽を放送するとか、そういうことが技術的に可能であるがために、同時にFMのチャンネルをきわめて広く多目的に使えるから多重送信方式にきめたんだ、こういうのを私、文献的にそういうことがわかったんですけれども、この点に対して政府がこれから手をつけんとするFM放送の開拓に対して、そういう技術的の方針についてどの程度まで自信を持っておられるか。ここに書いてありますけれどもこの送信方式の技術基準と申しますか、これはどの程度まで確信を持ってこれをお書きになっているか、この点をひとつ伺いたい。
○政府委員(西崎太郎君) さっきのシンプレックス、マルティプレックスの問題は、われわれも先生が今おっしゃったように了解をいたしております。日本としましてそういう方面の研究調査、どういうふうに進んでいるかというお話でございますが、この点につきましては実は今、電波技術審議会に諮問をいたしておりまして、いろいろなNHKの研究所とか、あるいはその他の現在やっている実験放送といったものをもとにしまして、今審議会のほうで結論をまとめているように聞いております。おそらく不日その結果が郵政大臣に答申される、こういうふうに思います。
○山田節男君 それじゃ私、時間もたちましたからまだ一、二ありますけれども、一件になりますから……。私は最後にそれでは郵政大臣に強くお願い申し上げたいと思うのは、こういうように政府のFM放送に対する根本方針もきまっていない、すでに数年前からここに申請しておるような百数十社のものがFM放送、FM放送といって騒いでおる、そうしてまだ政府のほうにおいてはFM放送に対する根本的な方針も、まだようやく報告ができて、問題の所在点がわかってきたのだということでは、私は怠慢とは申しませんけれども、政府として少しスローモーション過ぎないか。と申しますのは、元来日本にこういう無理な公共放送、商業放送共存の方式をとった、これはわれわれも民間放送の一般放送業者が開始されるときにこの点非常に憂えたのです。はたせるかな、今日のしかも標準放送なりテレビの民間放送が各県に一つずつくらいできておる。たとえばアメリカのような放送局のたくさんあるところでも、東京に来て驚くことは日本の放送局が六局もあるということ、人口一千万人というのに六局のテレビのダイヤルがあるということ、これは向うじゃ驚異に感ずるわけです。ということは裏から申せば、今まで政府のとった放送行政というものについて、もう少し国民の建前を考えて、もっと私は消極的とは申しませんが、厳重な監督をして放送行政というものを真剣に考えるべきだと思うのです。それをさらにこういったようなまるでFM放送の声でやかましいほど騒ぎ立てるということは、悪く解しますと、日本の放送というものをFM放送の増加によって一そう混乱に陥れて、むしろ国民のためになるんじゃなくて、電波のいわゆる浪費になるのではないかということすら私は考える。そこで今日は政府としてむしろ受身の態勢になっているということ、これはいけないと思う。と申しますのは過日民間放送業者の一部がFM放送の実況調査に外国に行った、もちろんこれは私いいことだと思うのです。しかし政府としてはこういったような外部からの需要に責め立てられて方策をこれから立てるということでは、私はすでにおそきに失すると思うのです。しかし現実の問題として今ぐちを言ってもしようがありませんから、これはなるほど本省において文書によって、机上によっても調査できるだろうと思いますけれども、郵政省のしかるべきやはり専門の技術官あるいは行政官等をひとつ選んで、ヨーロッパ並びにアメリカに派遣して、アメリカてにおいてはFMの商業放送あるいは非商業的な放送はヨーロッパとは違うのですから、そういう実際の電波行政を、ことに政府がやっている行政の一番最近のものをよく視察研究さして、そうして政府が少なくとも速急に対策を立てておかないと、このFM放送というものはいたずらに混乱を来たす。それからいかに郵政大臣がしっかりしておりましても、今日の電波行政というものは何と申しますか、一種の利権あさりのようにされてしまっては政府も困る場合が多いと思うのです。ですから、事前に少なくとも政府がはっきりしたプランを持って、もうこれ以外はだめだということであればいい。こういうものがないと一そうFM放送によって電波行政の混乱を来たす。ことにFM放送というこれから開拓するものに対して、従来のようなまことに遺憾な、こういう無政府主義的な状態を繰り返ずことはまことにたまらないと思うのです。私は国民代表としても、こうやれと指図することはできない。政府としては速急にこういう現在の各国の放送行政、FM放送をひとつ見ていただきたい。そうして政府が具体的プランを立てるということも一つの方向じゃないかと思うのです。まあ三十六年度の予算があるとかないとかいう問題は別としましても、予備金を支出してでも技術並びに行政の専門家を派遣して大体の一つの方針をきめる。あるいはもしきめておられれば、これを裏づける何かの具体的な事実をつかんで帰られることが必要じゃないかと思うのです、この点はどうですか。
○国務大臣(迫水久常君) 御趣旨きわめてごもっともだと思いまして、政府のほうからも欧米の実情をそれぞれの専門の担当者に視察をさして参りたいと考えております。できれば三月中にそういう派遣をしたいと計画いたしているところでございます。
○山田節男君 それからもう一つ政府にお願いでありますが、これまで本委員会でも何度も問題になっていることですけれども、今日、日本の中波によるいわゆる標準放送が、外国電波による混信妨害というものによりまして、公共放送と一般放送の視聴者が非常に困っている。この事実を救済するものとしては、先ほど申し上げましたようにFM周波数帯を使うということも一つの方法でありますが、それと同時に今日の温情の大きな源は、ソ連、北鮮、中共、それから沖繩、大体私はこのくらい列挙できるのじゃないかと思うのです。もちろんこの中共、北鮮、あるいは琉球はまだアメリカの施政下にあるのでありますから、これはアメリカのものとしまして、少なくとも北鮮、中共は国際電気通信連盟ですか、これに加盟していないのです。それがためにいかに強力な電波を発射しても文句をいわれないという状況にある、法的に、国際的にいえばですね。それがために少なくとも日本海岸あるいは北九州の西部というものは、全く国内放送が十分聞えないという状態にある。これを救済するということについて、このFM放送に関連して私、政府が速急に何かの措置をとるべきだと思う。措置をとるということになりますれば、ソ連はもちろん国際電気通信連盟に入っておりますから、その会員としていろいろ交渉ができるかと思いますが、中共、北鮮は何ら国際条約上の制約を受けていないわけです。しかしこれは私は中共と北鮮を日本が承認するとか承認しないとかいう問題でなく、実際問題として日本の受信者を保護するというために、政府でなくていいから、何か民間団体で、たとえばNHKあるいは民間の放送業者の団体を通じてか何かの形で、今の少なくとも商業放送に対する混信による妨害については、協定を結ばなくても一つの話し合いができるんじゃないかと思うのです。政府ができない今日におきましては、そういうものを通じて、またFM放送でこれをカバーする前に、私はそういうような方法手段というものを講ずるほうがいいんじゃないかと思うのです。この点に対して、これは大臣の即答は政府の方針になると思いますが、しかし私はこれも一つの道じゃないかと思うのです。それに対しての大臣の何かお考えがあれば承りたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 非常な示唆に富むお話でございまして、十分ひとつ研究させていただきます。
○山田節男君 そういう目的を達するための一つの手段を講ずる前提として、今日すでに三回私、開催したと思いますが、NHKの主催でアジア放送会議というものを東京で行なっておるわけです。これは私非常にいいことだと思うのです。しかし今日の世界の放送業界においても共産圏と自由国家群との二つの国際団体がある。で、アジアの放送会議におきましても、やはりソ連、中共というものはこれに出席をさせないのか、しないのかわかりませんけれども、入っていないですね。しかし私はこれはもちろん宣伝その他の政治的な意味のもちろん大きい問題があると思いますけれども、放送業者としては、私はこのアジア会議において、最も今申し上げたような密接な関係がある北鮮、ソ連、中共、こういうものを、これは政治的な会議じゃないのですから、単に技術的それから文化の交流あるいは文化の向上、こういう意味からくれば、ソ連とか中共とか北鮮も加えるべきじゃないか。私はこの点を再三NHKに注意しましたが、NHKとしては、やはり政府がこれに対して中共あるいは北鮮をこの会議に加盟させるということをきらわれるのじゃないか、いやがるのじゃないだろうかということをおもんぱかって、これに加盟をさせていない。そのことはアジア放送会議の目的を達する上において完全でないということになるのです。これはもう私は政府がこのことは政治問題とは別問題として、先ほど申し上げました直接間接日本の聴取者を保護する立場からきている、そういうものを私はだれも持っていると思うのです。この点に対して郵政大臣としてはどういうお考えがあるのでしょうか。
○国務大臣(迫水久常君) 山田先生御承知のように、こういうような会議は、要するに共産圏と自由主義圏の間のすべての問題と共通の問題がここにあるのだろうと思います。簡単に中共及び北鮮、あるいはソ連というようなものをこの会議に加盟せしめることがいいのか悪いのか、よく私どももう少し研究しなければちょっとお答えできません。
○山田節男君 私はFM放送に関しては、これ以上質問することは理論になり意見になりますから、意見の開陳を差し控えたいと思います。 次に、大臣の所管事項の説明にもあったのですが、この有線放送の問題ですけれども、過日来、私、これは他の委員も御同様だと思いますけれども、有線放送電話のいわゆる補助金の問題についてたくさん陳情を受けておるわけです。それは今回の三十七年度予算を見ましても、郵政省としても有線放送事業の補助金の予算を、たいした金ではありませんけれどもここに計上されておるわけです。電電公社の人はここにおりませんけれども、こうして自然発生的というよりも、むしろ農村地帯、特に僻陬の農村地帯において電話がなかなか普及しない、架設されないためにいわゆる必要は発明の母となって、ここに百五十万の加入者を持つ有線放送ができておる。しかしながら、これは早くからこういうものができたものにおきましては、資材あるいは技術的基準においてきわめて粗雑のものが多いわけです。しかしながら最近農林省、自治省あるいは建設省等において、補助金を受けて架設した有線放送電話はかなり高度な技術基準を持った施設を使用しておるわけですね。で、一方電電公社が電話の架設と申しましても、非常な努力をいたしまして、三十七年度においては六十万を目途として増加架設を計画してやっておるわけです。私はこの際、政府が補助金をやるということは非常にいいことでありますけれども、一面において、年々六十万ないし七十万の電話の数をふやしても、今月の電話の需要には、少なくとも公社がいうように、昭和四十七年度までには実現できないわけです。そこで昨年から電電公社が開始しました優秀な施設の有線放送電話を、公衆電話で、電電公社の電話との接続のテストをやっておるということです。これを機会に、ちょうどアメリカがああいう広大な土地で電話がなかなかそのところにおいては架設されぬというので、自主的に電話会社を作って、そしてその地域の電話の通話を開始した。しかし一方において、今日ほとんど全国の少なくとも七割五分ないし八割を占めておるベル電話会社が全国の電話網を持っておる。これに次第に吸収してきて、そして同じ一つの経営下において、いわゆる吸収合併というものをやっているでしょう。ですから日本は今日電話が数百万側をこえたといいますけれども、まだまだ正式の電話というものの日本の需要が満たされておらぬわけです。ですから政府がこうして有線放送電話という補助金まで与えて、そうしてもう少しよりよい質の施設をさせていく、この御抱負は非常にいいと思う。同時に一方におきまして、電電公社もこれに対しましては地域加入の電話の架設の便もあるから、そういう両面から有線放送の優秀なものはむしろ電電公社が合併して、そうして電電公社直轄といいますか、同じ経営下における電話というものにしていくほうが電電公社にもいいし、あるいは今日の有線放送電話で、きわめて限られた使用目的のために使われている人々からいっても、非常に私はいいのではないかと思うのですが、この点に関して私はまだ電電公社の正式な答弁を求めておりませんから、大臣としてはどういうようにお考えになるか。すなわちこの一般公衆電話の急速な拡張を処理する一つの方法として、その点について大臣のお考えはどうでしょう。
○国務大臣(迫水久常君) 有線放送電話を、電話の補助的というか補完的といいますか、そういうようなものとして日本国内の電話通信に活用するということは、一つの方向としてそうありたいと考えております。ただその場合に、地域的な一つの有線放送電話のそういう組織を、すべてあげて電電公社に逐次合併していくといいますか、電電公社の施設にしていくとか、あるいはその地域々々に特別な一つのそういう事業体を置いて、それを電電公社の電話に接続していくようにするとか、そういうようなことについてもう少し研究しなければ答えが私は出ないように思います。したがいまして、率直にいいますと、ことしにもそういうような法律案を考えておるわけでございますけれども、まあもう一年ひとつ勉強してから答えを出したほうがよさそうに思いますので、しばらく研究を進めさせていただきたいと思います。
○山田節男君 ちょっと西崎監理局長にお伺いしますが、最近FM放送の場合、電電公社に現在そういう計画があるかどうか知りませんが、VHF帯で七六メガサイクルから九〇メガサイクルのものを使う。公衆通信といいますか、海岸局の送受信等は波数の比較的長いのを使っている状況から、このFM周波数を認める場合に考慮する必要があるのではないか。電電公社としては三千メガサイクル以上のもの、ないし一万メガサイクルのもの、このFM放送の波を削り当てる場合に、電電公社側としては何らこれについて要求が出ておりませんか。
○政府委員(西崎太郎君) 先ほどちょっと申し落としたのですけれども、一昨年ジュネーブで開かれました無線主管庁会議におきまして、日本としましてはこういったFM放送ということも一応考えまして、七六メガから九〇メガの間は放送に日本としては使えるように国際的な承認を取ってあるわけでございます。それからもう一つ七六から九〇のうち、八〇から九〇メガの間につきましては、かつて米軍がこの間を使っておったわけであります。それで逐次あけてもらいまして、現在は米軍用の電波が多少残っておる、そういう程度であります。
○山田節男君 その今申し上げているのは、電電公社に公衆通信用としてFM、今あなたの言われたVHF帯の七六メガから九〇メガサイクルのものを使用するような何はないですか、計画とか申請は、そういう要求はない、まだ政府にいってないですか。
○政府委員(西崎太郎君) 出ておりません。
○山田節男君 それでは委員長、私の質問はこれで終わります。
○野上元君 大臣がいないとちょっと質問しにくいのだが、その前に技術的な問題について、今、山田委員から質問されたFM放送について二、三監理局長の意見を聞いておきたいと思うのだが、FMの放送を開始しようとする目的は何ですか。
○政府委員(西崎太郎君) その目的をどこに求めるかということは、この中間報告書にございますように、日本におけるFM放送のあり方をきめるための一番大きい点であるということで、問題点として投げかけておるわけでありますが、ただ先ほど山田先生からもお話がありましたように、世界的に見た場合、すなわちアメリカとか欧州がFM放送を導入したいきさつとしましてはいわゆる混信対策、アメリカにおきましては国内に中波の放送局がたくさんできましたために、夜になると国内相互の混信が非常にひどくなりまして、放送の受信区域というものが非常に縮小される、それで用をなさなくなる、なさなくなるというのはちょっと言い過ぎですが、非常に価値が減殺される、また一方欧州におきましては御承知のように多数の国が存在しております関係で、やはり夜間になりますと、国際的に協定は結んでおるにしましても、国際的な混信というものが非常にひどい、そういった主として夜間における混信対策ということでFM放送が導入された、これが世界的な現象のように承知いたしております。
○野上元君 その問題が根本問題であって、その問題が解決をしないとこの根本方針がきまらない、こういうふうに受け取れるのです。あなたの御説明を聞いていると。そういう根本方針が郵政当局ではっきりしているならば、いつまでももたもたと調査を続ける必要はないじゃないですか、そういう意味合いでどんどんと事業を進めていったらどうですか、なぜ進められないか。 〔委員長退席、理事鈴木恭一君着席〕
○政府委員(西崎太郎君) 先ほど少し言葉が足らなかったのではないかと思いますが、とにかくFM放送の導入の契機というのは混信対策、言いかえれば難聴対策ということにもなるわけです。しかしそのほかに最近になりますとFM放送というのは非常に音質がいいという魅力もありますし、それから中波によってはまかなえない新しい需要、たとえば教育放送であるとか、その他の特殊放送、従来中波でまかなえなかった分野ということになりますと、やはり新しい媒体を使わざるを得ないということで、そういった新しい放送媒体としての利用面という需要も非常に多くなって参っております。そういった点も、あわせて将来の放送政策という立場から、総合的に考えていく必要があるということが、この問題のやはり一つの決定にあたって慎重に考えなければならない点ではないかというわけでございます。 〔理事鈴木恭一君退席、委員長着席〕
○野上元君 私もこの問題が、今日の技術陣営から見て最終的な放送媒体であるという認識の上に立って研究を進められておるということについても、まあ聞いておるわけです。したがって慎重なことはけっこうなのだが、しかし慎重も度が過ぎると弊害を生む。必ず免許と関係してくるのだから、非常に大きな弊害を生むのではないかということを心配しているわけです。 そこで、私はさらに技術的なことを質問したいのだが、かりにそういう重要なものである、——当初はやはり夜間の混信を防止する、あるいはまた難聴地域の救済のために新しい電波を送りたいといったような気持があったのだが、最近に至っては、もっとその需要の範囲が広がって来つつあるということについてもわからないことはない。しかし現実において、わが国内において、すでに何年ですか、昭和三十二年にはNHKで実験放送を開始しておるわけです。もう四年間たっているわけです。そして、これがどういうものであるかということは、もうあなた方は技術者だから、よくわかっていると思うのです。また国内においてもそうなんだが、外国においても、アメリカあたりは一九四〇年代の初頭から本放送を開始しておるわけです。そして実際に二十年にわたって経験をしておるわけです。それをいつまでも研究だ、研究だといって、じんぜんとして時を過ごすということは、どうしても私は了解できないのだが、この点についてのあなたの考え方はどうですか。まだ何を研究しようというのです。
○政府委員(西崎太郎君) その点は、大臣からお答えいただいたほうが権威があると思うのですけれども、そういうわけで、私の意見としてお聞き願いたいと思いますが……。
○野上元君 ちょっと待って。大臣に聞けと言われるなら、あなたの意見は言わないでもいい、ほかのことを聞きますから……。
○政府委員(西崎太郎君) ただ、その技術的な問題といたしましても、先ほど来お話がありましたようにマルティフレックスと申しますか、多重放送の問題もありますし、あるいはステレオ方式の問題もありますし、まだどういう標準方式を使ったらいいかという結論の出ていない面もありますので、せっかくFM放送を始めるならば、そういう方面の見通しもある程度ついたところで、実施に移したほうがいいのではないか、こういう要素も相当強いわけでございます。
○野上元君 これも大臣の考え方になるかと思うのだが、そのこともわからないことはないのだけれども、慎重慎重といっても、アメリカでは二十年もやっているのだし、日本でも四年もやっているのでしょう。それで三つぐらい仮免許をしている。そして実験放送を開始しておる。それをさらに何年間研究しようというのですか。一ヵ月すれば間に合うのか、二カ月時間がほしいというのか、この点がさっぱりはっきりしないじゃないですか。二十年も経験があるものを、今日において結論が出ない、さらに慎重に研究するということになると、あと何十年研究するのですか。そういう点について僕はどうも不思議に思っているのですけれども、技術者としてどうですか、技術者として、まだ研究の余地があるというのですか。
○政府委員(西崎太郎君) たしかにテレビあるいは中波の放送では、日本は先進国と言えると思います。ところが、残念なことにFM放送については、むしろ後進国ではないか。この原因は、先ほど申し上げましたように、日本は地勢的な関係で、外国混信というものには従来比較的恵まれておった、外国混信が少なかったといったような事情が、FM放送の導入を遅らした一つの大きな理由であったと私は思います。ただそのほかに、結局、先ほど申し上げました同じ始めるならば、多重放送であるとか、あるいは今日特に問題になっておりますステレオの標準方式というものもきめてから、またきまらないまでも、ある程度そこの見通しがついたところで実施に移したほうがいいんじゃないか。それがまた、将来に悔いを残さない行き方ではないか、こういうふうに考えております。
○野上元君 まあ何べん聞いても同じことを、あなた答弁しているのだが、さっき山田さんの質問に答えて、NHK等の意見も聞いてみたいということを言われているのだが、今ごろそんなことを言っているのでは話にならないのじゃないですかね。あなたの省内にFM放送調査会というものを作られて、それで次官が長になって、すでに調査をされているが、これはいつ発足して、どういうメンバーで行ない、何回ぐらい会を開いているか教えてもらいたい。
○政府委員(西崎太郎君) FM放送調査会でございますが、これは今お話のように次官を会長としまして、省内における関連の各局課長を構成員として、昨年の九月に発足したものでございます。そして、この報告書にも書いてありますように、前後八回会合を開きまして、その中間報告書をまとめたというわけでございまして、その後、ことしになりましてからも鋭意審議は進めているわけであります。
○野上元君 その調査会は、大臣の諮問にこたえて何か勧告でも出すのか。そして、その勧告は権威があるのかどうか。最終的勧告を、いつごろ出すのか。それを聞かして下さい。
○政府委員(西崎太郎君) この報告書にも書いてありますように、調査会は、具体的に申しますと免許の基準あるいはFM放送の免許の基準であるとか、あるいは技術基準であるとか、チャンネル・プランの案であるとか、こういったものをまとめまして、そして正式な諮問機関というわけではございませんが、郵政大臣に報告書を、先ほど大臣からもお話がありましたように、できればこの年度内に提出したい、こういうふうに考えております。
○野上元君 大臣に御質問しますが、FMについて、あなた昨年の十一月に鹿児島に行かれて記者会見をやった節に、はっきりとあなたの見解を述べられている。FM放送についての根本方針は必ず年内に草案を作ります、こういう記者発表をしているわけですが、なぜできないのですか。
○国務大臣(迫水久常君) さっき山田先生の御質問のときに御答弁いたしましたとおり、その当時FMという問題についての知識が少なくて、割合簡単にものを考えておったことが大間違いのもとでございまして、やり始めてみましたところが、とてもこれは簡単に出せないということがわかって、十二月一杯にそういうものを出すということを言ったことを非常に後悔しました。はなはだ不明の至りであったことをお詑びいたします。
○野上元君 それでわかりましたが、そのむずかしいむずかしいと先ほどから言われておるが、むずかしいのは、技術的にむずかしいのか、その他の理由によってむずかしいのか、その点はどうですか。
○国務大臣(迫水久常君) 要するにFMという一つの波の組織というのですか、構成をどういうふうに使うのか、中波の補完的な媒体として使うのかそれともFMという一つの電波それ自身の独立の効用を効用として使うのかということについての問題と、それから何か私は非常に安易に考えておったのは、FMという問題は、電波の一種ですから、それがありさえすれば、必ず経営は成り立つのだというふうに簡単に考えておったところが、なかなかFMだけでは経営が成り立たないのじゃないかという一つの材料がたくさん出てきたわけです。そうした場合には、一体どういうふうに考えていけばいいのか、そういうようなことで、ちょっと判断がなかなか困難である、そういう点にむずかしい点があるのが一つと、さっき言いましたような多重的なものとかシンプル何とかというのと、その技術的な問題が一つある、こういうようなことで、両方でございます。
○野上元君 今の西崎監理局長にも、その点については質問したのですが、技術的にも非常にむずかしい問題がある。電波の利用範囲についても非常に問題があるということになると、国内においては、もうすでに昭和三十二年にこの実験放送を開始しておるのです。したがって技術的な問題については、私はもう四年間も実験放送をして、なおかつわからぬというのはおかしいと思うし、かつまた電波の利用といいますか、範囲についても、アメリカにおいては一九四一年に放送を開始して、現実には商業ルートに乗せておるわけでありますね。もちろん教育放送のほうもやっておるようでありますが、もう二十年もやっておるのですね。それを研究すれば簡単にわかることであって、なぜこれからの日本でいつまでも研究が実らないのか、その点が非常に不可解だし、あなたの言う草案を作るつもりだと言われたのは、その草案を作るというのは、その調査会が作るということですか。その二つを、ひとつお願いしたいのですが、いつごろそれでは結論が出るのか。
○国務大臣(迫水久常君) これはちょっと、言っていいのかどうかわからないのですが、野上先生の御質問ですから率直に申し上げますが、申請書を私たち大体検討してみますというと、既存の民放と、それから新聞社が主体です。そこでFMという問題に対して出す結論の一つの要点というのは、一体この免許をどういう人に向かって出すのかということが、やはり一つの結論の大きな要点になってくる。そうすると民放のほうの系統なのか、それとも新聞社のほうの系統なのか、それは同じものなのか、効用が同じものであるのかそうでないのかということについて、よく判断してみると、非常にそこにむずかしい点がありまして、結末、その一つの方式、原則を立てて、その原則を適用することによって、こういうものが免許を受けられる資格があるのだという答え、そういう原則が立てられなければ、実際問題として、このFMの処理というものはできないわけなんであります。その原則をどこへどう立てていくかということが、私としては政治的と言いますか、行政的と言いますか、最大の問題でありまして、そこで、それはどういうことからくるのかというと、経営上の問題、あるいはFMというものを、さっき言いました補完的な問題として考えるか、独立の問題として考えるか、そういうような問題、そういうことについて、ずっと検討して答えを出していかなければ、結局そういう答えが、結論が出ないわけです。それをこのFM調査会にことしの年度末までの間に、とにかく原則を、草案でいいから——それはもう一ぺん発表したら、もう政府の方針としてどうしても動かないものだというふうに固く考えないで、一応草案という形でいいから、年度末までにひとつ、今度こそ出してほしいと言って、今頼んでいる最中です。
○野上元君 そうすると、技術的な問題については、もうおおむね解決している。その他の問題について重要な関係があるということですか。
○国務大臣(迫水久常君) 私、よくわかりませんけれども、たとえば民放にこれを付設したような場合には、シンプル何とかという方向でもいいんじゃないか。独立の一つのFMだけの営業体でやった場合には、マルティ何とかというほうをやらないと、経営が成り立たないんじゃないか、そういう点で、技術の問題も、したがってそれに関連はしてくるわけです。それから今度機械のほうだと、受信の機械のほうだって、だいぶ違ってくるのじゃないか。技術の面の、出し方というのですか、よくわかりませんけれども……。ですから、簡単じゃないんですね。ですから、もうちょっと中間報告に、またもう一つ敷衍したものを今作って、勉強している最中です。
○野上元君 監理局長にちょっと聞きたいのですが、アメリカでは一九四一年に開始していますね。現在私の調べたところによると、商業放送局が八百六十局、教育放送局が百七十局に免許が行なわれている。そうして現実に電波を乗せているわけです。その商業局のほうの財産状況は、どういうふうになっておりますか。
○政府委員(西崎太郎君) ただいま先生のおっしゃった数は、大体そのように了解しております。それで教育局、これは御承知のように非営利機関が運営しているわけでございます。寄付金その他によって運営している、こういうふうに聞いております。それからそのほかの商業放送局、このほうはたしか八割、今御指摘の数字のうちの約八割が中波の放送局、これによって兼営されている、こういうふうに承知いたしております。 それで問題は、そうすると独立局、これが幾らあって、これの経営状態がどうだということだと思いますが、まあ実はこの点につきましては、あまり正確な調査はいたしておりませんが、経営は非常に困難と言いますか、楽ではない、こういうふうに承知いたしております。先ほど来お話の出ております補助通信業務というものを導入したそもそものいきさつも、そういうFM独立局、これの経営を助けようということが、その一つの大きな原因である、こういうふうに承知いたしております。
○野上元君 私はもう六月に、大臣がこの免許の問題は最終的な結論を出すと言っている時期に、先進国のアメリカの状態もわからない、西欧の状態もわからない、ただ閉じこもって何を研究するのか、僕は不思議でしようがないのですが、直ちに技官を派遣して、世界各国の状況を調べさして、結論を出したらどうですかね。そういうことをやらないで、これでは、いつまでやっておってもこれは結論が出ませんよ。
○国務大臣(迫水久常君) 私も、その点まことに申しわけないと思っています。昨年中郵便の遅配の問題で頭が一ぱいになっておって、ちょっとFMのほうに手が回らなかったということは、まことに申しわけないと思って、これから大いに馬力をかけますが、先ほど申しましたように、まあひとつ、あちらのほうにも行って実情を見てもらいたい、金の問題がなかなかあるのですから、その金の算段をしなければなりませんが。大体民放から派遣された連中が、三月の初めに帰って参ります。一応この連中の報告を聞いて、そういうようなものを聞いて、そういうこともひとつ何といいますか、問題の種にして、三月中に派遣して三月中に帰って来るような状態でやりたいというのが今の目算でございます。
○野上元君 私は、一月に大阪、京都の放送状況を視察して来たのですよ。そのときに、民放の諸君は、とにかく今すぐでも開始をしてくれといっておるのですよ。猛烈な陳情を受けておるのです。私たちは、その民放が検討してきたやつを、あなたのほうでは参考にするというのは、非常に私は不見識だと思うのです。そうでなくてあなたのほう自身が、実際にこれをやってどうなるのかということを、十分に検討して帰らなければ、民放というのは、もうあすでもやれと言いますよ。これはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(迫水久常君) いや民放の視察団のやつを参考にするというのじゃなくて、どうせ民放——少し言いにくいけれども、民放の連中は、民放に都合のいいような結論を出してくるだろうと私は思うのです——そういっちゃ悪いですけれども。そこで、必ず自分のほうの調査は、こういうところである、ああいうところであると言うでしょうから、それに対して厳正に批判を加え得るように、ちゃんとこちらはスケジュールを組んで、そういうことのテーマもちゃんと頭に入れてやらないと、見る観点が違うからというようなことにならないようにしようというので、先に民放が帰ってきてから出す、こう言ったのでございまして決して民放の連中の言うことを参考にしてやろう、こういうのではございません。
○野上元君 そうすると、みずから郵政省は独自の見解のもとに、あるいは計画のもとに、海外に派遣して、これを調査するという意欲はないのですか。
○国務大臣(迫水久常君) いや、それがあるからやろうというのです。それですけれども、ものは何から何まで予見できる、全知全能でないのですから、いろいろなところが問題があろうと思う。民放の連中が行って、民放的見地から見てきて、こうだった、ああだった、こちらのほうから行って、それはちょっと見てこなかったなということがないように、向こうの手口をちゃんと拝見して行ったほうが万事いろいろなことが、そつなくわかるたろう、まあ打ちあけ話です。そういうことで、三月中にと考えております。
○野上元君 三月中にあなたのほうで派遣する、その報告を待って結論を出す、こういうことですか。
○国務大臣(迫水久常君) まあそのころまでになれば、大体調査会のほうも、ほぼ結論に近づいてきますから、ですから、あるいはその調査団というものは、結論を裏づけるための資料を集めに行くような結果になるかもしれません。しかしそのときの前後というのは、どっちが原因でどっちが結果ということでなしに、渾然一体、埣啄同時で考えたい、こういうことです。
○野上元君 納得しないけれども、あまり時間がないから、次に質問を進めますがね。採算も、このFM放送を許可した場合には——免許した場合には、必ずこれは、やはり採算も考えてやらなければ、免許のしっぱなしというわけにいかないと思うのだね、これは公共の電波を利用するのですからね、そのことを考えると、単独FM放送局で今日の状態で採算がとれますか。
○国務大臣(迫水久常君) これは郵政大臣が予断を持っておると言われると非常に迷惑なんですけれども、機械がまだ普及していないし、それからエリアはおのずから狭いし、ですからFM単独の局というものの経営が成り立つかどうかということについて、私は相当の疑問を率直に言うと持ちます。アメリカの例なんかでも、そうであるということも承知しております。FM単独の局をかりに免許した場合に、それが経営的に成り立つか、広告によって、収入を得ることによって経営が成り立つかということは、相当の疑問を私は持っております。
○野上元君 ただ、ばく然と成り立たないだろうというような状況では、私はこれは免許するにあたっては非常に問題を残すのじゃないかと思うのです。今日、なぜ成り立たないかと言えば、日本全体の広告費総額といいますかの問題だろうと思うのです。今日一体、どれくらいの広告費が出されて、それがどういうふうに分配されて、将来、どれくらいの広告費になれば独立できるのか、そういう見当はつけてますか。
○政府委員(西崎太郎君) 現在、日本の広告費の支出が全体でどれくらいで、そのうちテレビ、それからラジオ、それから今度のFM放送にどれくらいさき得るだろうということでございますが、日本の広告費は、現在大体二千億程度だといわれております。ただ、その内訳は、実は今ここに詳細な資料を持っておりませんので、後刻資料としてでも提出させていただきたいと思います。またFM放送に、どの程度さき得るかということも、まだこれはほんの予想でございまして、自信のある数字は出しかねると思います。
○野上元君 これは私は人に聞いた話ですが、電通のほうで計算した推計によりますと、現在の総広告費は、大体千七百五十億程度とこういうのです。しかしこの広告費の程度ではラジオとテレビで、もう大体満配である。中波でさえ、標準液で放送している放送局でさえ成り立たないのが出てきた、単独では。いわんやFMでは困難と、こういう一応の結論が出たのです。しかし所得倍増計画がスムーズに実行されるならば、やがて五、六千億の広告費になる、その節には、十分にFMも中に割り込んでいく余地ができるだろう、こういうを彼らはすでに研究しているのですね。ちゃんと堂々と発表しておる。そういう程度のことを、しかしあなた方が知らないというのは困るのじゃないか。私のようなしろうとでさえ、それくらいのことを知っているのです。それで、どうして計画を立てようというのですか。今直ちにFMをやれば、免許すれば、単独局は全部赤字です、おそらく。そういうことが許されるかどうか。もしも単独局で赤字だという結論が出るならば、全部抱き合わせでやらなければならない。抱き合わせでやれば、御承知のようにテレビもラジオもFMも、全部独占してしまうというような形が必ず出てきます。 この問題は、あなた方がどういうふうに考えられているか、そういう形でもやむを得ぬから、とにかくしゃにむに免許するのだ、こういう方針なのかどうか聞きたい。
○国務大臣(迫水久常君) だんだん御質問が、今後われわれが出す結論のところはどういうことかということ、どういう結論を出すかということと、同じ質問で非常にうまい技法でもって野上さんされるわけでありまして、なかなかお答えは困難なわけですけれども、これは私は、実際相当悩んでおるのです。FM放送というものが一般的に行なわれれば、受信機もだんだん普及してきましょうし、そうしてFMのよさというものもわかってきて、FMに耳を傾ける人も出てくる。しかしFMというものを当面やれば、今当然赤字であるということも、これもきわめて明らかなことです。そうかといって、今申しましたように、やらなければ、いつまでたってもだめなわけです。 そこで、所得倍増の計画において六千億なりに広告料が上がるまで待っているのかというと、そうもいかないのじゃないか、そうするというと、一体、何年間か食いつなぎ得る媒体というものは、経営体というものは、どういうものかということも考える。そうするというと、さしあたりは兼営を許可しておいて、しばらく留保していて、そうして今度は独立にやるものも留保しておくということを考えなければならぬという、そういうところが、これから先出す結論の内容なんで、そういうところで苦心している最中でございます。
○野上元君 苦心するのはよいけれども、結論が出ますか。
○国務大臣(迫水久常君) とにかく曲がりなりにも結論を出さなければならぬ立場ですから出します。
○野上元君 あなたが大臣の任期中に免許をやるという気持でおやりになっていますか。
○国務大臣(迫水久常君) 私の大臣の任期中とおっしゃっても、私の大臣の任期が、いつまでであるかということをお示し下されば答えは出せますけれども、私は任期がいつまでということがわかりませんから、ちょっとそのお答えはできないのですけれども、なかなか免許第一号が出るのは先だろうと思います。実際問題として、やはり免許第一号が出るようになるのは、今年上半期には無理であろうと私は思っています。
○野上元君 もう一つ技術的なことを聞きたいのですが、今日のフジオ放送局の免許状態は、郵政当局としては妥当なものと考えておられますか。
○政府委員(西崎太郎君) ほぼ妥当であったと思います。
○野上元君 全国で幾つあるのですか。
○政府委員(西崎太郎君) たしか四十一社であったと思います。
○野上元君 放送局は幾つあります。
○政府委員(西崎太郎君) 中継局を除きますと結局四十一局ということです。これは民放でございますから、そのほかに、当然NHK、これは全国に二百五十局中継局も含めてあります。
○野上元君 中波で、それだけ必要だということになると、FMの免許をするときには、どういう関係になりますか、免許の対象の数は。
○政府委員(西崎太郎君) その点は、この免許方針と不可分の関係になっておりまして、ちょっと現在何局ぐらい民放として全国的に免許できるかということは申し上げかねるわけであります。
○野上元君 できるだろうかということを聞いておるのでなくて、技術的に見て、どのくらい必要かということです。同じことかね。
○政府委員(西崎太郎君) ちょっとその点は、御容赦願いたい。
○野上元君 どうも核心の質問についてはお答えがないようなので、まことに残念なんですが、私は世界各国の資料を持っているのですよ。それを見ると、非常に多いのですね。結局波が短いのだから多く必要だということになるわけですか、技術的に見て。
○政府委員(西崎太郎君) さようでございます。
○野上元君 この問題については、きょうはこれくらいにしておきます。またあとでお聞きすることにします。 それから次は、実はこれも郵政大臣が民放関係に関してとられた措置について、ちょっと質問したいのですが、郵政大臣は、これはいつでしたか、私日にちを忘れましたが、教育テレビですか、ネットの大川社長を呼ばれて、何か注文されたということを聞いておるのですが、まあいろいろとうわさされておるわけで、いろいろな解釈ができるということで、その真相を聞きたいのですが。
○国務大臣(迫水久常君) いろいろなことを実は懇談をいたしました、これはやっぱり会社の内部の問題についても言いました。それから番組の問題についても、若干の希望を言いました。それは……。
○野上元君 番組のことでいいです。
○国務大臣(迫水久常君) 番組につきましては、ペトリ・セブン・ショーというちょっと教育上少なくともプラスにはならないのみか、マイナスになるのじゃなかろうかというような電波の審議会の委員の先生の御意見があったということを紹介しまして、少なくともそういうようなもの、あるいはアンタッチャブル……まだやっておるということですが、あれも批判の対象になっておるという話をしました。それから全体的に教育、いわゆる教育番組のパーセンテージというものを、もう少し気をつけて上げるようにという話もしました。
○野上元君 で、私が問題にしたいのは、そういう放送番組の内容について大臣が、いわゆる行政機関の長が民放に対して、そういうことを申し入れることができるのかどうかですね。好ましいことなのかどうか。その点を、どういうふうに考えておられるか。
○国務大臣(迫水久常君) 先ほど山田先生の御質問のときにも、私はその含みをもって答弁をいたしました。したがって大川社長に申し入れたのも、大臣が、大臣の立場において、何といいますか、公の立場において命令といいますか、指示といいますか、そういうようなことをするという趣旨で申したのではありませんで、再免許の懇談をするときに、電波審議会の委員の中では、こういうような話もある、世間ではこういうようなことも言っている、で、私個人としても、それは一応もっとものような気持である、こういうようなところまでは言いましたけれども、要するにそういう懇談といいますかをしたのでありまして、大臣として指示をする気持はありません。また私は、そういうことを大臣として指示をするというのは、法律上の根拠もありませんし、すべきではないと考えております。
○野上元君 そうすると、ラジオの放送、あるいはテレビの放送の内容についての問題については、番組審議会がきめる、それをそれぞれの各社が放送するということだけであって、放送されたあとの監督といいますか、内容の検閲といいますか、悪い言葉で言えば、そういう権能のある構関というものはないのですか。
○国務大臣(迫水久常君) 御説のとおりであります。
○野上元君 そこで、私は山田さんと意見が異なるかもしれません。異なるかもしれませんが、少なくとも大臣が一局の社長を呼んで、そういう注意を与えるということは、新聞から見れば、やはり大臣が、そういう苦情を申し入れたというふうに新聞は書いております。そうして再免許の際に考慮するぞというようなこともいわれて、非常にろうばいしておるというようなことも書かれておるわけで、私はその点は気持はわかっても、行き過ぎがないようにしなくちゃならぬのじゃないか、こう実は考えておるわけです。 で、その点に関して、ちょっと質問をしたいのですが、教育テレビを免許をする際に、一つの条件をつけておりますね。教育番組が五三%、教養番組が三〇%、報道番組が一七%だと、こういうふうにつけていますね。これは、教育テレビ特有なものですか。その他の民放と比べて、きつくなっていますか。
○国務大臣(迫水久常君) 教育テレビというのは十チャンネルを使っているわけですが、十チャンネルというのは、教育専用という注がついているわけです。一方、根本基準というのは、省令がございまして、それに教育専門というのは、教育が五〇%以上、教養が三〇%以上、こういうように書いてある。そこで今おっしゃいましたパーセンテージは、こちらがつけた条件にあらずして、会社が、自分のほうは、こういうことで放送をいたしますと申請書に書いているのを、そのまま申し出のとおりなら、根本的に合いますから認可しておる。条件は、こちらがつけた条件ではないのです。向こうが申し出た放送申請内容です。
○野上元君 そのことはわかりますが、そうすると、一般の十チャンネル以外の民放の放送番組の内容についてはやむを得ない、こういうふうにお考えですか。あるいはまた審議会等において、その問題は、問題になっていないのですか。特に教育局だけが悪いのですか。
○国務大臣(迫水久常君) 電波審議会の雑談の席等でありますけれども、しばしばいろいろな、あの局のあれはどうもひどいという話はもちろん出ます。出たような場合には、参考としてその局に、こういうような話があったぞということを言うことは、参考として申しておることはもちろんございます。全体に番組はバランスがよくとれたものでなきゃならぬという一般規定がありまして、それの規定に、各局ごとに番組審議会によって自粛しているというのが現実の状態であります。
○野上元君 郵政当局としては教育テレビとほかのテレビとは、やはり別個に考えておられるのですか。経営はしかし、あくまでも商業ベースによってやっておるわけでしょう。ただ、その条件がちょっと違うというだけであって、そういう免許の仕方というのは正しいのですか、根本的にさかのぼってみて。商業ベースの経営方針を認めておきながら、片一方だけには、教養番組あるいは教育番組をたくさんつける。片一方の方はワクをゆるめてやるということになれば、おのずからこの競争場裏においては脱落していくのは当然じゃありませんか。もともと免許の方法がまずいんじゃありませんか。
○国務大臣(迫水久常君) それは一つのチャンネルを教育専用ときめることが妥当であるかどうかという問題と関連してくるし、それから商業ベース放送が、教育専門というチャンネルを使って放送する、放送業務を営むことが妥当かどうかという問題になっておるわけですけれども、現在のところは、NETは自分で自発的に教育専用と書いてある十チャンネルを使って、それで根本基準に書いてあるパーセンテージにちゃんと合うような申請をしてきておるのですから、やれる立場でおやりになるのだからおやりなさいと、こういう認可をしておるわけです。決してほかと差別待遇をしているわけではありません。
○野上元君 そうすると、新聞紙上に言われているように、六月の再免許のときにおいては、教育局という名前をはずしてもらいたい、そして準教育局あるいはまた一般の民間並みにしてもらいたいという申請があった場合には、当然向こうの申請ですから、あなたの方は押しつける意思はないのだから、これは許すと、こういうことになるわけですか。
○国務大臣(迫水久常君) 十チャンネルというのを、今チャンネルフランに教育専用と書いてある注を私のほうで消さない限りは、どうにもならぬと思います。チャンネルプランを変更して、第十チャンネルは教育専用であるときめてあるのですが、それをきめてあるやつを、取り消すか訂正しない限りは、幾ら三〇%しか教育番組をやりませんといっても、根本基準に合いませんから、十チャンネルは少なくとも使わさせられないということになるわけです。
○野上元君 そうすると、問題は非常にむずかしくなると思うが、十チャンネルが放送している内容は、教育テレビの名に価するかどうか。ほかの民放と、どういうところが違っているか。教育とは何ぞや、教養とは何ぞや、こういうところまでさかのぼらなければならぬと思うのだが、その場合に、あなたが、免許のときに向こうが示してきた条件というものを満たさないということになると、それは再免許取り消しということもあり得る。こういうことですか。
○国務大臣(迫水久常君) まあ私、ここに再免許を取り消すことがあり得ると言えば、すぐ新聞社の諸君がおって、再免許を取り消すことがあり得るという見出しで書かれると非常なセンセーショナル過ぎると思いますが、野上さんの御質問が仮定の質問で、事実上許可を受けた申請の内容に違反する放送をしているということが明らかである場合には、これは再免許を取り消されても、向こうは文句を言えた立場ではない。こう思います。
○野上元君 そのことはわかりましたが、逆に政府が、商業ベースでその放送は許しておるということであるならば、その局がやはり成り立っていくように考えてやらなければいかぬ。こう私は考えるのですよ、基本的には。もしもあなたのほうで、どうしても教育番組だ、教育放送だという看板をおろさないとすれば、それをやらせるならば、それに若干のあなたのほうでめんどうを見てやるというような措置がとられて、はじめて公平な扱いになるのじゃないか。それをやらないで、とにかくこれに違反したら再免許を取り消すぞといっても、経営は、同じような方針で経営しているものであるならば、それは成り立っていかないだろう。その点はどうなんですか。
○国務大臣(迫水久常君) 向こうでもって、ちゃんとそれでやりますと言ってきておるんですから、それをやれないじゃないかと考える必要はないので、やれるかやれないか——自分がやると言っているんですから、それでいいんじゃないかと思うのですが……。
○野上元君 それから、これはあなたの発言にあるのだが、放送業者は再免許を当然のことと考えて、番組内容向上のための研究心が足りない。今の電波行政は混乱気味だから、この辺で筋を通したい。こう言っておられるのですが、これは新聞記事です。これは、ほんとうかどうか知りませんよ。——田中発言の例もありますから。——全く反対のことを言われたやつを、新聞がこういうふうにいったのか、それは知りませんが、私は一応そう考えて、この記事を見たので質問したのですが、あなたの考えておられる、この番組向上ということは、どういうことなんですか。
○国務大臣(迫水久常君) 再免許は当然のことと考えているということは、再免許というものは、免許と同じなんだ。ほんとうに内容的に審査して免許するかしないかということは、こちらの自由なんだという立場が第一段です。それと自由と、再免許というものは簡単なものと考えて、番組の向上に資していないということを、私の頭の中では、必ずしもそれは密着して因果関係ありというようなことで言ったのではないのでして、一面再免許ということを簡単には考えるな、これは重大なことだということを業界に警告すると同時に、それとは必ずしも関係なしに、番組の内容向上ということについては、ひとつよく研究し、ちょうどアメリカのミノー委員長の発言もあった直後でありまして、私もそういうような印象を持ったものですから、そういうことを言ったことは事実です。しかし再免許とひっかけて、番組の内容にわれわれは干渉しようとは決して思いません。
○野上元君 その中に、最近の電波行政は混乱しているので筋を通したいと言っておるのだが、どういうふうに混乱し、どういうふうに筋を通すのですか。あなたがやっている電波行政は混乱している、だから筋を通したい……。
○国務大臣(迫水久常君) さあ混乱て、どういうことですかな。私は、役所がやっている電波行政が、はなはだ不当であってめちゃくちゃ——混乱というのは、めちゃくちゃということでしょうけれども、——めちゃくちゃと言ったような記憶はありません、そういう感じは持っていないから。一応、電波行政は電波行政としての筋道は立っていると思いますから、どうも、ちょっと違うのじゃないかと思います。
○野上元君 そうすると、新聞が間違っておるということですね、それははっきり書いてあるんです。新聞をお見せしてもいいです。最近の電波行政は混乱しておるので、この際筋を通したいと、こう発言しておられる。だからどういう混乱をし、どういう筋を通すのか、言われた以上、何かあるのだろう、こう私は考えたわけです。
○国務大臣(迫水久常君) 私は現在電波行政が——混乱というのはめちゃくちゃということだろうと思いますが——めちゃくちゃであるとは思いません。筋を通したいと……いつごろそれを言っておりますか。
○野上元君 九月七日です。
○国務大臣(迫水久常君) 就任早々で、やや気負った当時であるかもしれませんで、新聞記者諸君が私の言葉を、そういうふうなニュアンスでとって書かれたかもしれませんけれども、それを根拠にして、どう混乱しているか、どう筋を通すかと究明されるほど的確な気持で私は言ったんではありません。(「最近じゃないの、それは」と呼ぶ者あり)
○野上元君 それは昨年の暮の鹿児島発言のとき、これは、さっきあなたは陳謝されたから、これはしようがないです。あなたの発言は、不勉強なことばかり発言されている、あとで陳謝しなければならない発言は困るのです。郵政大臣として今後ひとつ、そういう発言は慎重にしてもらいたい。まだたくさん問題はあるのですが、あなたのほうが何か省議を開くというので、どうも私の質問はいつもしり切れトンボになってしまうのですが、この次に譲ることにして、本日はこの程度に。
○委員長(安部清美君) 他に御発言もなければ本件につきましては、本日のところ、この程度にとどめておきたいと存じます。これにて散会いたします。 午後三時五十二分散会 ————・————