大蔵委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1962/06/01
会議録
○委員長(永末英一君) ただいまから委員会を開会いたします。 暫時休憩いたします。 午前十時三十三分休憩 ————・———— 午前十時五十九分開会
○委員長(永末英一君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
○野溝勝君 この際、銀行当局にお伺いするのですが、最近新聞やその他世論等によりますると、非常に中小商工業が、これはいずこも同じですが、金融が逼迫して、特にそのしわ寄せが中小企業に来ているのでございます。その点についてお伺いしたいと思うのです。 大体、大蔵省としては、三十日に中小企業庁から申し入れを受けたようでございますが、そのときの申し入れはどんな申し入れでございますか。
○説明員(佐竹浩君) 中小企業庁側の要望といたしましては、この六月から七、八、九月ごろにかけまして、やはり景気の調整過程がだんだんと進行することが見込まれますので、それに伴って中小企業にいろいろとしわ寄せが起るのではないかというようなことを懸念いたしまして、それに対する万全の備えをいたしたい。具体的には、おおよそこの六月から九月ごろまでの間にかけまして、約三百億円の財政資金の動員ができないか。その内容といたしましては、いわゆる中小企業向けの政府三機関でございますが、国民金融公庫、中小企業金融公庫、さらには商工組合中央金庫といったような三機関に対する貸し出しワクの増加という問題と、もう一つは、いわゆる市中の中小金融を促進するという意味で、市中の金融機関に対する買いオペレーションと申しますか、まあそういうもの、この両者を併用することによりまして、おおむね三百億円程度の財政資金の動員ができないか、まあこういうような希望があるわけでございます。
○野溝勝君 要請は、今お話にもありましたように、金詰まりというのは、いわば上部メーカー等のしわ寄せが中小企業に影響してくると思うのですが、もちろん私は、抽象的に中小企業とかということは、これは少しく誤りもあると思うのです。まあ中小企業の中にも、よい中小企業もあります。だから、一般的におしなべて言うことは当たらぬと思うのですが、しかし、大体多くは、私の聞いたり、調査した範囲におきましては、ほとんどしわ寄せのために影響を受けておるわけなのです。たとえば、三百億の融資申し入れがあるといたしましても、おそらく三百億の融資というだけでは解決しないのでございまして、それ以外に、たとえば下請をするようなメーカーに対しまして、いわば勘定の支払い延期と申しまししょうか、そういう点が非常に中小企業を痛めつけておるのでございまして、この間の事情などは企業庁との間に意見の交換なり、あるいはその間の事情なりを十分調査したというようなことはございますか。
○説明員(佐竹浩君) これにつきましては、実は私どもといたしましても常に実情の把握に努めておるわけでございまして、いわゆる国民金融公庫、中小企業公庫、商中の窓口を通じて見た実際の、たとえば支払い条件がどういうふうに動いており、大企業との関係がどうなっておるといったような面、それから市中銀行との、あるいは市中の相互銀行、信用金庫等からの金の出方がどうかといったような面からして、いろいろな角度から、実は中小企業金融の実態については、実は実情の調査に努めておるわけでございまして、中小企業庁におきましても、いろいろと実情の把握に努めておられるわけでございます。その間についていろいろと相互に情報交換はいたしております。
○野溝勝君 具体的に申しますが、私の調査した代表的なものを申しますと、まあ長野県岡谷の造機会社というのがあるのですが、それが三菱あるいは日本鋼管という大手本社、その鋳物、パイプを作っておる会社ですが、それが八百四十万の売掛に対して五十万しか支払ってもらわない。あとは電話一本で、まあ手形……。その手形もまた出さないらしいです。そういう扱いを受けては、小さい工場としては非常に困る。金融を受けようとしても、なかなか金融が受けられないというような事情に現実にあるわけです。それからまた、松本の塚原製作所などは、これは精工舎に物品を納めているのですが、手形期日が三カ月延びる。そうなると、結局銀行のほうとの関係も円滑にいかないので非常に弱っている。これは一つの例ですが、こういう点が各所にあるわけなんですね。そういう点について、むしろ私は、融資することも必要でございますが、こういう点に対して当局は中小企業庁とともに親心をもって手を打つべきものであると思うのですが、特に国会でも問題になっておるわけですが、勘定の延べ払い的なやり方をしないようにということは、すでに幾たびか政府でも言明しているのですが、それが今日激しいのでございますが、これは私、調査々々と言うだけでは済まないと思うのですがね。こういう点などについて、一体どういうふうにしようとするのですか。
○説明員(佐竹浩君) ただいま野溝先生御指摘のように、だんだんと支払い条件が悪化しておることは事案でございまして、私どものほうでいろいろ調べましたところによりましても、手形期間がだんだんに延びる。たとえば九十日が百二十日になるとかいうこともございますが、ただ、これにつきましては、先生も先刻御承知のように、公正取引委員会において大企業の下請に対する代金の支払いが遅延をいたさないようにということで厳重に実は警告が発せられておるわけでございます。非常に目に余るものは個別的にひとつ摘発するというようなかまえも公取がとっておりますし、中小企業庁といたしましても、実態を見まして、どうも問題が大きいようなものはこれを取り上げてひとつ公取の問題とするということで、いろいろ指導を行なっておられるわけでございます。そういう意味から、業界のほうでも、表向きの手形期間を著しく延ばすということは、やはりこれは問題になることでございますから、そういう意味で、どうも手形期間の延長という点は、私申しましたように、百二十日とか、長くて百五十日ぐらいでとまっておるようでございますけれども、実際には品物の検収の時期をおくらせるとか、あるいは検収を月に二回やっていたのを一回にしてしまうとかということで、現実に支払い時期をずらすような傾向が間々見られるようでございます。そういう点についても、中小企業庁が公取と密接な連絡をとりながら、そういうことがないように極力指導に当たるということでやっておられるように中小企業庁からは承っておるわけでございます。
○野溝勝君 こうした動きは、これは全産業界に現われておる事実だと思うのですが、それで買いオペの施策を用いるといいましても、この買いオペも限界が来ると思うのです。なかなか制度を恒常的に使っていくというわけにはいかないので、まあ一時的の便法であると思うのです。ですから、これが習い性となるというようなことはできないのであって、そういう点からも、この融資に対する一つの方法として、一応それをとられることはやむを得ないのでございますが、今申しましたようなそういう矛盾の事情をやはり解決するためにも努力しなければならぬと思うのです。ですから、今後一そうこういう点に対しては、大手会社に厳重なる警告をするなりあるいは注意するなりして、その誤りなきを期するように、行政当局はやってもらいたいと思う。今至るところそうですよ。どうしようもならぬですよ。 次に、私がお聞きしたいことは、庶民金融機関としてその機能を出すべき金融機関——信用金庫ですね、信用金庫が最近至るところで問題ばかり起こしている。これに対して当局は耳に入っておられますか。これはよろしくないですよ。
○説明員(佐竹浩君) ただいま御指摘のその信用金庫の問題と申しますと、具体的にどういう問題でございましょうか。まあいろいろなことがあると思うのですが。
○野溝勝君 長野県のごときでも、三つも四つも問題を起こしているじゃないですか。松本信用金庫の不当貸し出し事件、伊那信用金庫の不当貸し出し事件、至るところに問題を起こしているのですよ。これがもし調査ができておらぬとするならば、私はここで具体的に話をするけれども、そんなことが調査できていないというようなばかなことはない。もし実際佐竹財務調査官のほうで知らぬのか、うすうす知ってるのか、あるいはそういうようなことも大体聞いておるというようなことであるならば、私はこれ以上言わないのですが。
○説明員(佐竹浩君) はなはだ申しわけないのでございますが、今の松本、伊那の話というのは、私、実は聞いておりません。今問い合わせをさしておりますから。
○野溝勝君 それならば、それはあとで……。まあ松本の信用金庫の事件は、もう長い間問題になっておるのです。これはもうすでに十二人の逮捕者まで出しておるわけです、この関係した事件で。それで、もう起訴は五人されておるわけです。監督官庁がこういう具体的な事件を知らないということは、まことに私は遺憾であると思います。だから、今調べ中だというのですから、これは私はその後にいたしたいと思います。伊那のほうも同様です。そこで、その問題は調べたあとにします。 次に私がお聞きしておきたいのは、一体信用金庫というものはどういう性格のものですか。私が信用金庫法に基づいて調べた範囲内では、庶民の金融機関だということになっておるのだが、この金融機関は現在庶民金融機関としての体裁なりあるいは運営なりをしておると思いますか。少し直さなければならぬという点をお感づきになっておったら、それも参考に話して下さい。
○説明員(佐竹浩君) 信用金庫は、ただいま野溝先生が御指摘下さいましたように国民大衆のために、まあいわば零細な金融を円滑に疎通させる、まあ共同組織ということもございますし、中小企業金融のいわば専門機関というようなことが、そもそもの設立の趣旨と存じます。で、それに対して、現在これが目的どおり運営されておるかどうかというお話でございますが、私どもの見るところでは、おおむね、この制度の趣旨に沿って運営はいたされておると思うのでございますが、一部に若干、今の制度の本来の趣旨から見て好ましくないと思われるような節もございます。そういう点につきましては、常時、矯正のための指導監督を実は続けておるわけでございます。
○野溝勝君 今お答えのとおり、大衆、すなわち庶民金融機関としての専門機関である。私はそれを承知している。であるからこそ、私は相互銀行なりあるいは信用金庫なりには、非常な理解を持っておるつもりだったのです、今までは。ところが、最も大衆に根をおろしているというこの信用金庫が、高利貸し以上のことを最近やっておるので、承知ならぬと私は思っておるのだ。であるから、この閉会中における委員会に、特に財務、銀行局の関係をお招きして、私はこの委員会で質問するのであります。特に中小企業が困っておる際であるだけに、私は間髪を入れず当局が手を入れてもらわなければならぬと思うから、かようなことを高らかに言うのです。今申しました買いオペまでも通して三百億融資しようとか、中小企業に対するあらゆる対策をしようという際に、高利貸のようなまねをして、せっかく政府が融資した金も、それを今までの負債の償還に全部振り向けるような格好といいますか、処置をするので、泣いておる。 一つの具体的な例をあげますると、私はきょうは会社の名前は旨いませんが、工場や家を担保に入れて金を借りている。その担保を入れて借りた金も、今度はよそから融資を受けてその金を返済して一その担保には三百五十万の担保以上の物を持っておるのですから、そういう高い金利で借りるよりは、その負債を償還しておいて、そうしてそれを最も有効に生かして金融の道をつけていこう。それで、借入金を払おうとして担保を解いてもらおうとする。それをその信用金庫は解かないというのです。大体において、信用金庫というものは、大衆の機関だといいながら、高利貸しのようなことをしているのではないか。大体親戚関係を集めた連中が多い。家族会社、同族会社だ。それが庶民の名に隠れて金融のことをやっておるというのは、実際どうかと思う。たとえば、私は具体的に言いませんが、城南、城東方面や滝野川方面でその事実がある。よく調べてごらんなさい。きょうは私はあまり具体的なことは言いませんが、次回はこの名前を出して堂々と私は申し上げるつもりですが、それまでの間に当局が手を打てばよろしいし、手を打たぬということならば……。中小企業の諸君は、先生が政府と委員会において話をされて、それでも信用金庫が反省しない場合には私たちの名前を出しますから、それまではひとつ名前を発表することをお差し控え願いたい、こう言うから、きょうは私は伏せておくのです。そういう状態なのです。 ある信用金庫では、その金庫からの借入金返済後その担保の解除を頼むと、会社に向かってこういうことを言っておる。担保は別の貸付金返済が済むまで解くことができない。君が五百万円必要だというなら、ひとつ融通をしてやる。だから、担保を持ってこい。その上定期預金をせよと、百万円の歩積み両建預金をさせている。私は信用金庫の法律から見てもそういうことは違法だと思うのでございますけれども、そういうことをやって差しつかえないのですか。そういうことをやって差しつかえないというならば、法のどの条文にありますか、ひとつお示しを願いたいと思います。
○説明員(佐竹浩君) これはいわゆる歩積み両建というものの中にいろんな段階がございまして、いわゆる通常の商取引の慣行と申しますか、一種の債権保全のための手段としてある程度預金にとっておるというようなことは、これは信用金庫に限らず全般的に一種の習慣として認められておる、昔からやっておる部分はあると思います。しかし、問題は、そういう程度にとどまっておればいいわけでございましょうが、それを越えて、今先生のおっしゃったような行き過ぎのケースが出てくる。これはまことに好ましからざることでありまして、債務者に対して非常に負担をかけることになります。こういうことは極力是正しなければなりません。私どもとしては、最もそういうことは好ましからぬこととして、検査のつど判明すればそういうものの矯正を指摘するということで、実は指導をしておるわけでございます。
○野溝勝君 それでなくちゃならぬと思っております。それならば、私は法の精神はわかりました。そこで、先ほど来私が申し上げましたように、名前はここで私は避けておりますが、あとで調査官のほうにその事情を私は言いますから。金融機関でございますから、私はただ暴露や糾弾ばかりして事足れりという気持はありません。影響するところが大きいから、そういう点は慎重を期しておるつもりでございますが、露骨にそういうことをやっておるのですから、それで非常に迷惑して、業者はそれがために弱っておるわけなんです。その点は、あとであなたのほうへ資料を出しますから、誤りなきようにひとつ警告なり反省なりしてもらいたい。 そこで、話は戻るのですが、調査官に同行されておる人が、何か松本、伊那の信用金庫に対する事件のあらましを先ほど問い合わせに行ったらしいのですけれども、そういう情報が入っておりませんか。
○説明員(佐竹浩君) ちょっと連絡に行っておりまして、担当者が間もなくこちらへ参るはずなのでございます。
○野溝勝君 だれですか。銀行課長ですか。
○説明員(佐竹浩君) これは中小金融課の所管事項でございますので、中小金融課の職員が参るはずでございます。
○野溝勝君 まあきょうは私は、庶民金融機関として、相互銀行のほうは非常に大衆にも信頼されてきておるのですが、一番庶民金融であるところの信用金庫の最近の醜態は容易ならぬことである。一つの株式会社の体裁をなしておらぬ。実際をいうと、まことに同族会社的なものが多いのである。これは銀行当局並びに財務官としては、大月君とよく相談をされて、ただ庶民金融という名前にとらわれないで、内容をもっと私は深く掘り下げて指導する必要がありはしませんか。そういう点について、あなたから、十分信用金庫の性格並びに運用については調査する、もし、あやまちがあるとするならば、先ほど申したような、中小企業者が成り立っていかぬような過酷な取り扱いをするとかまあ法の精神から見て運営がおもしろからざることがあるとか、こういう場合に対して銀行当局と相談をして善処するというお答えがあれば、私はきょうはこの程度で、次回にいたしたいと思います。
○説明員(佐竹浩君) 先生から御指摘のとおり、信用金庫というものは非常に大事なものでございますから、ことに庶民金融として非常に大事な制度でございます。その制度が万一そういう趣旨に反した運営が行なわれておるということになっては、まことに申しわけない次第でございますので、そういうような制度の設立の趣旨に反するような事例が認められました場合には、これはやはりどんどん矯正をさしていく、そういう意味で極力是正に努めて参りたい、かように考えております。
○野溝勝君 きょうはこの程度でけっこうですが、さらにもう一つ、信用組合なども、金融機関でありながら県の段階で許可、不許可のことができるのですね。ですから、こういうのも合わせて、やはり信用金融機関ですね、これも総合的に再検討し、特に同族会社的な内容を持っているものは、この際私は一応営業禁止期間を置いて、それまでにはひとつ体裁を——体裁といいましょうか、当局の示した方針に改組するか、改組しない場合は停止するというくらいの方針を打ち出さぬと、こういう同族会社の高利貸し的なやり方をやっているものはなかなか改まらぬですが、そういう点をひとつ強く希望いたしたい。特に最近の信用金庫の利潤といいますか、ふくれ方というものは相当大きいのですから、それが大衆の基盤の上に立っての機関として大きくなったのならいいけれども、そうじゃないのです。どうかそういう点を厳重にひとつあなたのほうでも調査して、指示を出してもらいたい。
○説明員(佐竹浩君) 実は信用組合につきましては、ただいま先生も御指摘のように、実は都道府県知事に全面的に権限が移譲されておるわけでございまして、大蔵省は直接タッチをいたしておりません。そのこと自体についていろいろ問題もあると思います。本来大蔵大臣みずから監督すべきじゃないかという問題もあろうかと思いますが、現状では、ただいま申し上げましたようなことで、直接都道府県知事がやっておりますものでございますので、現在直ちに私どものほうで直接手をつけるというわけにも参りません。その点御了承いただきたいと思います。
○野溝勝君 それだから、それは今調査官の言われたとおりわかっておりますが、一応庶民金融の機関として再検討していただきたいということなんであって、今すぐはやはり直接指導下にある信用金庫の、それから次はそういうものを総合的に検討してもらいたい、こういうことなんです。
○説明員(佐竹浩君) 先年の御趣旨、とくと了承いたしました。極力制度の正しい運営に持って参るように努力いたしたい、かように考えております。
○委員長(永末英一君) 本日の委員会は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会