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40回国会参議院1962/02/20

社会労働委員会 第8号

発言数
124
登壇者
12
会派数
3
開催日
1962/02/20

会議録

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について報告いたします。二月十五日付をもって永岡光治君が辞任され、森中守義君が選任されました。   —————————————

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 社会保障制度に関する調査の一環として、厚生行政の基本方針に関する件並びに昭和三十七年度予算に関する件を議題といたします。  質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

横山フク自由民主党

○横山フク君 保険局長おられませんね、次長ですね。  組合管掌のほうの健保連のほうに入っております被保険者はどのくらいありますか。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 大体家族も含めまして九百万くらいあります。

横山フク自由民主党

○横山フク君 それは被保険者だけで、家族を合わせたらば保険者は……。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 含めてございます。被保険者だけにしますと五百八十万でございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 全部で九千万……。  妊婦ドックというのを病院協会と健保連とで話し合いをつけてなさいましたね。あのことについて保険局長はどういうふうな立場でどういうふうになさったのでしょうか。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 妊婦ドックの、ただいま横山先生の御質問の件につきましては、そういう取り扱いを、いわゆる健康保険組合のほうで、保険施設として妊婦ドックという形のものをやるというような話は承っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっと今のに関連して。  政府管掌の健保が九百万ある……。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 組合管掌でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 組合管掌が九百万……。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 組合管掌被保険者だけで五百八十万でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 家族も含めて……。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 家族を含めますと、九百万と言いましたのは間違いでございます。もう少しふえると思います、千万ちょっとでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 千三百万ほどになっているのだが。

横山フク自由民主党

○横山フク君 今、次長は、そういう話を聞いているということですけれども、これは健保連と病院協会とで話し合いをして、そうして十二月九日に全国の病院協会の加盟病院ですね、そういう人たちと健保連との最終的な打ち合わせといいますか、発表会をしたときに厚生省の保険局の人が来ているのですね。その前の会合のときにも入っているのですね。ですから、局長知らないということはないわけなんですがね、御存じないすか。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 全然知らぬというふうに申し上げているわけではございませんので、そういうことをやるという計画があるということは私ども承知しておりますし、現実に医療課のほうからもそういう報告は承っております。

横山フク自由民主党

○横山フク君 病院協会とそれから健保連とは仲がいいのですが、病院協会と医師会とが仲が悪いのは保険局次長御存じなんでしょうね、どうでしょう。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 仲がいいか悪いか、その辺は今までの経過もございますので、今までの経過につきましては私はよく承知いたしております。

横山フク自由民主党

○横山フク君 この妊婦ドックをするときには、病院協会でもって許可した病院でなければこの妊婦ドックは扱えないということになっているわけですね。それも御存じだと思うのです。そうすると、病院協会の許可した病院でなければできない、医師会といえどもそれに参加しない。そうすると、病院協会に入っているのは病院ですから、診療所は入れないわけですね。そうすると妊婦ドックから、一切のといいますか、診療所は締め出され、病院だけが将来妊娠、分べんということを中心に主導権を持つという形になるという趨勢をここから出しているということに対してどうお考えになりますか。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 私ども承っております妊婦ドックにつきましては、これはいわゆる組合管掌の健康保険におきまして、保健指導としてやるということでございまして、特定の事業につきまして、保険施設のワク内でどういうことをやるかということで、これは一応厚生省としましては、組合管掌の事業計画の中に、一定のワクでもってこういうことをやるということを認めておるわけでございまして、その中身につきましてどういうふうなことをやるかということは、これはそれぞれ各組合の事業計画として、たとえば妊婦ドック以外に健康診断をやるとか、いろいろな事業をやっておりますが、それと同じような一環の仕事としてそういう仕事をやるということを認められておるわけでございます。したがいまして、その現われる結果が、今、横山先生のおっしゃるように、全国的にこういうやり方が風靡されていくかどうかということにつきまして、私どもは必ずしもそのようにはならないのじゃないか、特定の組合においてそういうふうなことがテスト的に行なわれるのじゃないかというふうに私どもは判断いたしておるわけでございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 大臣に伺いたいのですけれども、これは全国的にならないのじゃないかという次長の答弁なんです。しかし、これは一昨年から五つばかりの病院でテスト的にやってたのです。そうして今度はこれを全面的に全国的にやるという形になったのが今度のこの妊婦ドックなんです。ですから、全国的にならないのじゃないかということは言えないわけなんです。  それからもう一つは、この病院協会に入っているのは、診療所は入ってない。しかも、この妊婦ドックには内科の専門医がいなかったら病院であろうと、産科の単科病院であったらこれはできない形になっている。そういう形でもって病院協会と健保連とでやって、そうして医師会のほうもそれに参加しないという形になったらば、医師会と病院との間も決しておもしろい問題でなくなるし、また診療所と病院との関係もよくならぬし、また、内科と産科との関係も決してよくなるものじゃない、これが一つ言えると思うのですけれども、大臣はどうお考えになりましようか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまの問題は、何といいますか、健康保険組合としていわば任意にやっておる仕事でございます。全般的にさような施設が義務的に行なわれておるのじゃないということは横山さんの御承知のとおりです。任意にやっておることでございますので、これがどこと相談してどういうふうにやるかというところまで今政府でかれこれ言うべきことではないと思うのであります。この施設につきましては、きわめて意義のある施設かと考えるわけでございますが、今健康保険全体の問題として、そこまではなかなかいかないという状態にあろうかと思いますが、これを将来どういうふうに考えるかという問題は、今後のさらに推移に待ち、また、成績によって考えなければならない問題だろうと思うわけであります。  医師会と病院協会の話が出ましたが、どうも従来いろいろないきさつで、あまりうまい関係には立っておらないように承知いたすのでありますが、これはわれわれといたしましても、ひとしく医療を担当する方でありますので、できるだけ良好な関係において今後やってほしいという希望を持っておりますけれども、現実の状態は御推察のとおり、あまり良好な関係とは言いがたいと思います。私といたしましては、そういう健康保険の医療担当者の側であります病院といい診療所といい、いずれも妙な対立をする、抗争をするという関係でなくして、円満な関係であってほしいという念願のもとに、これから将来はそういう方向に向かって及ばずながら微力を尽くしてみたいと思います。かような考え方をいたしておるわけであります。

横山フク自由民主党

○横山フク君 健保連と病院協会とは任意でやっておる、だから政府としてはというお話はごもっともです。しかし、任意でやっていても、事、厚生省の保険局の人が入っているのです。その団体の連絡会議のときにも保険局の人たちがみな入っていて、それに参画しているのです。任意という言葉は逃げ言葉です。私はそう思うのです。もし任意であったとしても、参画するのだったならば、その趨勢を、プラスになるかマイナスになるかを考えて、もしマイナスになるのなら相当の助言をする、それなら私はわかるのです。知らなかったなら別です。知っていたら、それをいい方向に向かって助言をするのが私はあたりまえだと思うのです。だけれども、聞いていたけれども、任意だから、やっていい、やりたいほうだいということでは役所は要らないのです。指導行政はないと私は思う。診療所が抜けて、病院だけが、しかも、日本全体の健康保険で扱う病院と診療所のその扱い数から見たならば、病院で扱う数から見たならば、全部の診療所で扱う数のほうがまだ妊娠に関する限り多いと思うのです。しかも、この妊婦ドッグの場合には、内科の人がいなかったらできないのです、内科の人を置けなかったら。たとえば東京でいったならば、日赤産院じゃこれは扱えない、浜田病院、あの有名な産科の病院であっても、ここでも扱えない、そういう形に置いて妊婦ドックがはたして妥当なものか。診療所であったら扱えない。しかも、被保険者がなったならば、せっかく妊婦ドックで四千円の金をくれるというのならば、その機会に自分も健康診断を受けたいのです。それで受けたかったらどこへ行くのかというと、浜田病院にも行けなくなったのです。日赤の産院でもこれができないからというので、ほかの病院に行くのです。診療所ではなしに、病院に行くのです。病院集中主義であり、総合病院中心主義であり過ぎる形をとっているのです。それがムードですよ。これがそういう形になるのが、今の全体の人たちのバランスをとって、特定のところだけでできる施設があって、みんなそのようにしてもらえればいいのじゃないか。あなた方それができないなら、それについていけばいいじゃないかという形になる前に、全体のレベルを足並みをそろえるような形にするのが私は指導行政だと思う。ずば抜けていいところはいいですよ。それが実際使えないじゃないですか。総合病院は幾つあるのですか。それをほうっておいて、しかも、病院協会の指定するという形でやるという形でそこに持っていくのはどうかと思う。保険局の人たちが、任意ですから、自由行動でやるのですから、それは私たちは存じませんというのは、私は役人の逃げ言葉だと思う。指導行政というものはそんなものではないと思う。私はそう思います。大臣に私はその点は、考えて、ことにこういう事態になり病院協会と医師会と仲が悪いのだ、それなのに、それだけに、なおさらこの問題に対しては慎重にやってもらいたかったと思う。これが一つです。大臣そうはお思いになりませんか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 指導行政というお言葉でございますが、もちろんできるだけ指導はしていかなければならんと存じますが、さりとて、また指導行政の名のもとに、任意にやることをかれこれ干渉することもどうであろうかというふうにも思うのであります。この問題については、今後の推移というようなものをよく検討いたしまして、厚生省として何か方針を立てる必要があれば方針を立てなければならぬと思いますが、ただいまのところ、健康保険組合全部がどういうことになっているか存じませんけれども、これをこうしろああしろというような、あまり干渉がましいことを言うこともどうか、かように考える次第であります。この点はひとつ今後の問題として、十分検討さしていただきたいと思います。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) ちょっと大臣の言葉に敷衍して申し上げたいと思いますが、病院だけというふうに厚生省のほうでそういうことを言っているわけでもございませんので、実は今医療課長から聞いてみますと、やはり病院だけでは妊婦の場合に遠方であったり、利用できない場合もあるということで、診療所も入れなければならぬというようなことは、その会合の席上において厚生省のほうから強く意思表示をしておいたという事実もございますが、その辺は横山先生のおっしゃるとおり、片寄らないような形で今後とも十分運営をして参りたい、こういうふうに指導して参りたいと思っております。

横山フク自由民主党

○横山フク君 それでは私は今の言葉を信じます。実を言うと、病院協会から出ているすべてのものに、決してそう書いてないのです。病院であることもあるし、内科の医者がいなければならぬということになっているのです。診療所であって、内科の医師がないところの総合診療所というものは聞かないのです。また、総合病院という形にならなければいけぬと言っております。しかし、私は今の言葉を信じて、そういう方向に今後向くであろうということの希望的観測で終わります。  次に伺いたいと思うのですが、今国保で、今度分べん料に二千円補助を出すことになったのですね。これは分べん料なんですね。ところが、この妊婦ドックですというと、妊娠中の健康診断、妊婦ドックといいますから、いかにも成人ドックのような感じを受けますけれども、これは妊婦ドックという名前も妥当であるかどうか疑問なんですが、いわゆる血液検査、あるいは血圧の測定とか、レントゲンの撮影をするという程度のものなんですが、これは四千円出るのです。分べんの前提であるところの、あるいは妊娠した機会に健康診断するのに四千円出る、私はこれに任意であるし、健保連が豊かなんだから、組合管掌が豊かなんだから、ここまでいくのは好ましい姿だと思います。しかし、一面において国保のほうでも二千円の分べん料がやっと出たところです。非常にここに開きがあると思うのです。しかも、妊婦の死亡率を階層に見た場合に、あるいはこれは疑問がある。あるいは乳児の死亡率を見た場合に、健保連の対象になるところの妊婦の死亡率が多いか、新生児の死亡率が高いか、国保の対象になるところの乳児の死亡率が高いかということを見たらば、当然国保の対象になるところのものが高いわけです。しかも分べん料がやっと今度国保は二千円出る、片一方は健康診断に対して四千円も出る、非常に幅があると思うのですね。むしろ私は国保のほうにウエイトを置いたものがなければならぬ。そのウエイトがなさすぎる。その点について厚生大臣として、将来この国保のほうにももう少し——今は悪いので、もっと線を強く出そうとか、あるいはどういうお考えをお持ちになるのか、伺わしていただきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お尋ねになりました問題が、実は今後の大きな課題の一つであろうと思うのでありまして、御承知のように、いわゆる国民皆保険というような形にはなりましたけれども、各種の保険の間にいろいろ内容的にもアンバランスがあるというようなことが大きな問題でございます。将来だんだんとこれを均衡のとれたものにしていくという目標のもとに今後の施策を進めて参らなければならぬと思っております。国保の現状をもっていたしますれば、今お話になりましたようなことを直ちに採用するのには、困難な状況に概して私はあるだろうと思うのです。今後の問題は、そういうふうな問題として、いわゆる両保険の総合調整と申しますか、そういう方向に向かって努力するつもりでございますので、さように御了承願いたいと思うのでございます。  なお、また妊産婦の保健指導の問題につきましては、ただ単に保険のほうだけの問題でなくて、現在厚生省としてもいろいろ施策を進めて参りたいと存じておる次第でございますから、あわせまして、できるだけ早く横山さんの御期待に沿うような事態にまで持って参りたいと、かように存じておる次第でございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 医務局長にこの問題について伺いたいと思うのですが、医務局長は今度病院指導課というようなものをお作りになったのですね。それで病院指導面に乗り出していらっしゃるようだし、私は、保険のあらゆる機構、施策を進めていくときに、その基本になるのは医務局のほうの病院指導課なり、あるいは医務局なりからある施策というものは出て、そうしてそれが保険局のほうの事務的ベースに乗っていくのが私は本筋だと思うのです。この妊婦ドックというものは、私はいいことだと思う。いいことであるけれども、ある意味においては行き過ぎのところがあると思うのです。しかし、この問題に対して、医務局のほうでは、せっかく病院指導課をお作りになったり、医務局としてせっかくいろいろおやりになっていらっしゃるけれども、何か初めにお話がありましたか。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 妊婦ドックのお話でございますか。

横山フク自由民主党

○横山フク君 はい、そうです。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) いえ、うちのほうは相談を受けておりません。

横山フク自由民主党

○横山フク君 お聞きになっていらっしゃらないの。病院協会も医師会も、直接間接医務局でもっていろいろとお話し合いをされるし、御相談になるし、御指導になるのは医務局というところじゃないんですか。局長、どうでしょう。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 妊娠ドックの問題につきましては、直接相談を受けておりません。人間ドックについては、これは健保の組合が日本病院協会と御相談になって、日本病院協会のほうでそういう面を担当しておられるという話は聞いております。

横山フク自由民主党

○横山フク君 昔は——昔はというのはたいへん恐縮な言い方ですけれども、まあお産といったら助産婦にきたわけですね。ところが、衛生思想が普及したといいますか、医療知識が向上したといいますか、産婦人科の先生のところに行く。これはいいです。私は、これば助産婦だけれども、いいと思います。しかし、この妊婦ドックになるというと、今度は産婦人科の先生から、さらに内科の先生のほうにいったわけなんですね。内科の先生が指導権を持つ、これは言い回しは違っていますけれども、しかし、だからこそ産婦人科学会で今問題になっているわけです。内科の先生のほうにいくのです。しかし、あなたもお医者様で御存じのように、一般のいわゆる妊娠年令期のご婦人の病気というものは、産科を度外視してはその病気の判断ができないというくらいなんです。産科が中心というか、婦人科が中心になっているのが私は本態だと思う。ところが、それが内科のほうにいっている。結核というものはそれは内科ですけれども、しかし、そのほかの出産の場合、たとえば血圧を測定するということにしても、産科というものを無視して血圧だけを測定しても意味をなさぬということが言える。ところが、今度の妊婦ドックなんかは、産科でなくて内科のほうがやる。そうして、それを一緒にからめていく。ただ、産科というものの分野はあなたは御存じないらしいから、あとでお届けしますから、よく御研究になって下さい。そして、こういう問題は、私は、保険局のほうでもって何でも濃厚診療でもって、お金があるから——実を言うと健保連はお金が余っていて使い道がないから、いいことをやればみんな喜ぶというのでどんどんやっているのです。一般の妊婦の人は、何でも丁寧にやればいいだろうということで、喜んで受けるでしょう。しかし、それが妥当であるかどうかは疑問がある。やはりお産は産婦人科の先生を主体に置いてやるのがほんとうだと思う。ところが、これは内科のほうに行く。内科の医者でなければできない形になっている。こういうことは、将来の妊婦を預る、あるいは産婦のことを預る医療行政の上の大きな変革です。これが新聞にぱっと出てごらんなさい。岡山の新聞に出ました、あるいは静岡の新聞に出ましたということになると、妊娠したら妊婦ドックに入らなければいけないという気持を抱くでしょう。ところが、妊婦ドックがどこにあるかというと、大病院にしかない。しかも、健保連でなければできない。一般の人はできない、国保の人はできないということになる。そこまで行かなければいけないのか、行くことがプラスなのかマイナスなのかということは大きな問題です。これは当然医務局は相談にあずからなければならない。医務局がふだんから勉強して、そういう問題が出たら、あれはどうだぐらいなことで積極的に乗り出して、保険局に、それはこうすべきじゃないかということを言うぐらいのファイト、仕事に対する熱情を医務局長さん、医務局全体に持ってほしい。これは厚生大臣お聞きいただいたとおりだと思う。将来の医療行政を正しくするためには、お金の問題で、濃厚診療したらお金が足りないからというので、適当な理屈をつけて簡単にやっつけるというような形をとらないで、あるべき医療はどうあるべきかということを主体にして、そのために保険ではどうするかということを考えるのが基本だと思うのです。こういうふうに私は考えるのですが、厚生大臣はどうお考えになりますか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お考えの御趣旨はよくわかるわけでございます。国民がひとしく、医療にいたしましても、今お話になりましたような問題につきましても、同じような処遇と申しますか、そういうふうな形になるのが望ましいと思います。行く行くの問題としては、そういうところまで持って参りたいというのが政府の考え方でございますけれども、現実問題としては、なかなかそこまでは到達できないしたがって、現在は一部の組合で任意の形においてそういうことをやっている状態だと思います。それをとめる必要はもちろんないと思っております。いわば劣っているところを引き上げていくという方向で努力はいたしたいと思っておりますけれども、何さま保険経済等、御承知のとおりでございますので、急速にそこまで持っていくということはよほど困難だろうと思います。できるだけそういう方向に向かって検討を重ねていきまして、御期待に沿うようにいたしたいというのが私どもの念願でございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 児童局長おられますか。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 見えておりません。

横山フク自由民主党

○横山フク君 おられなければ、またいずれ委員会がありますので、そのときに児童局長に出ていただくようにお願いして、きょうはこれで私の質問を終わらせていただきます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 最初に機構改革のことについてお伺いしたいのですが、事務当局から御説明いただきたい。先般の厚生大臣の所信表明の中にも、懸案の社会保険行政に関する経営と監督分離の問題について、社会保険庁を外局として設置する、この問題について二、三点お伺いしたいと思います。  第一点は、どういうふうな機構で中央において作られるかということ。そうして、また、具体的に経営と監督とをそれによってどういうふうに分離されていくかということの御説明。  それから次は、地方における関係、中央の社会保険庁の改革によって、地方の社会保険行政、こういうものはどういうふうになっていくかという問題。  それからその次は、三十七年度の予算の中に、何か特別なものが出てきておるのか、あるいはこの機構の改革と特別会計との関係はどういうふうになっていくか。それから人員の問題、まあ大体そういったことについて御説明いただきたい。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) ただいまの御質問でございますが、今回厚生省の保険局、年金局の業務を、現業面と企画監督面とに分離いしたまして社会保険庁を作る、こういう構想で設置法の改正案を提案いたしておるのでございます。これはどういうような仕組になっているかという点でございますが、御承知のように、現在保険局におきましても年金局におきましても、いわゆる制度の整備、あるいは改革、あるいは新しい制度の創設といったような企画的な業務、並びに保険におきましては、たとえば国民健康保険、あるいは健康保険組合等に対する監督といったような業務と、そして現実に健康保険法、年金保険法その他の社会保険法を適用し、そうして保険料を徴収し、あるいは給付を行なうといった純然たる現業業務とが一つの機構の中で行なわれておるのであります。そのために、時の情勢によりまして重点がいろいろ変じてくるという、したがって、企画面で十分力を発揮できない、あるいはまた現業面におきまして、新しい機構の近代化とか、あるいは機械化とか、あるいは能率化といった面というようなことが非常に進んで参っておりますが、その辺にどうも十分手が届かないという面もありまして、万般の事情を勘案いたしまして、現業関係は一本にまとめたほうが、その能率化の面においても要請に即応するのじゃないかという考え方から社会保険庁設置法という構想を実現いたしたいと考えておるのであります。そこで、社会保険庁は外局といたしまして、現業関係の実務をやる、こういう構想でございます。先ほど申しましたように、現実に各保険法規を適用して、そうして保険料徴収、各般の給付、あるいは被保険者、事業主その他のための利便をはかるような業務の能率化といったような面を積極的に整備していきたいという考え方でございます。これを突き詰めて申しますと、御承知のように、社会保険の業務は、中央、地方にわたりまして実施されておりまして、地方には県の保険課、あるいは年金課、あるいはまたその下部といたしまして社会保険出張所等があるわけでありまして、これを一本にして、現業を完全に切り離すということも一つの考え方でございますが、さしあたって今日の段階におきましては、中央機構を現業関係、社会保険庁その他企画並びに監督面を内局の保険局、年金局に分離いたしまして、地方機構をどうしたほうがいいかという問題は、今日の段階におきましてはそれを見送りまして、なお将来十分検討いたしまして地方庁の今日の態勢をどう持っていくかという成案を得たいという考え方でおるわけでございます。そこで、今回の機構改革は、さような意味におきまして、中央における現業の分離でございまして、それに伴いまして人員の若干のやりくりはありますがそのための人員増加はいたしておりません。  それから、本来内局として残ります保険局、年金局は一般会計予算でまかなうという建前になるわけでありまして、そして現業部門は特別会計でまかなっていくというような建前にいく構想でございますが、三十七年度予算におきましてはそれを明確にはしてないので、予算総則によってその間のやりくりができるというふうに相なっておる次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今度は社会保険庁の内容、庁の中にどういうふうな課ができ、大体どういう人員でやっていかれるか、そのもう少し具体的な内容を……。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) 社会保険庁といたしましては、頭に社会保険庁長官がおりまして、その下に大体二部制になっております。医療保険部と年金保険部の二部制を考えておりまして、その下に課がつくわけでございます。まだ課以下の形におきましては確定的なものには相なっておりませんが、大体人員といたしましては……、失礼いたしました、その前に、少し詳細に申し上げますと、現在保険局に七課一室ございます。それから年金局が三課一室あるわけでございますが、改正後の機構といたしましては、保険局は五課、年金局は四課、そして社会保険庁はさき申しました二部長のほか、課といたしましては八課を予定いたしております。人員はあとで……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、年金局などは三課が四課にふえておるわけですね。今行政管理の問題も相当出ていますが、今のところは人員はそんなにふやさないでこういうふうにやっていかれると、実際それができるかどうかということと、それから経営と監督の分離がこれで十分にやり得るかどうか、その辺ちょっとまだはっきりわからぬのですがね、ちょっと説明してくれませんか。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) ちょっと先ほど申し上げましたことで訂正を一カ所さしていただきますが、年金局は現在三課一室一参事官と、いわゆる課長の補佐として五課に相当する機構になっておりまして、それを四課にするということになるわけでございます。これを訂正申し上げておきます。  そこで、今の御質問は、これで現業と監督の分離になるかという御趣旨のようでございますが、繰り返し申し上げますと、保険局を例にとって申し上げますと、御承知のように、現在の保険局におきましては健康保険法、それから日雇健康保険、国民健康保険、厚生年金保険、船員保険、これだけ所管いたしておりまして、そして今日のといいますか、ここ数年来、保険局の業務は医療問題に追われておるというのが実は現状でございまして、ただ、御承知のように、医療保険を例にとってみましても、制度の総合調整、あるいはまた健康保険法の適用関係におきましても大きな問題をかかえておるわけでございます。また、厚生年金におきましても、経済の成長に伴いまして、厚生年金をどういうふうに改正していくかいとうことは、非常に大きな問題として今日浮かんでおるのでございますが、現在のままで現業も含み、かつまた、医療問題が非常に手がかかるというような現状におきまして、一つの局でこれを処理していくということには、非常に能率の上がらない面があるわけでございます。そこで、今回の機構改革に伴いまして、保険局として内局に残る局からは厚生年金の仕事を年金局のほうに移しまして、そうして長期保険は一本の内局で、今申しましたような、現在の経済情勢に即応した年金の基本的な問題に取り組んでいく、こういう形にいたしたい所存でございます。   〔委員長退席、理事鹿島俊雄君着   席〕  先ほど課の数がどうこうという御意見もございましたが、実は現在の保険局から厚生年金の仕事を年金局に移す、こういう内容も入っておるのでございます。なお、国民年金等、その他の長期保険との総合調整といいますか、通算その他の仕事も残っておるわけでございまして、そういうふうな長期保険のプラニングの面は、すべて内局としての年金局で行なう。それから疾病保険を中心といたしまして、この医療問題、あるいはまた疾病保険の総合調整といったような企画面、並びに健康保険組合に対する監督、国民健康保険に対する監督助成といったようなことを保険局で行なっていく、こういうような構想になっておるのでございまして、そうして社会保険庁といたしましては、さっき申しましたように、業務の適用におきましても、御承知のように、たとえば被用者保険という健康保険になっておりますが、これをたとえば五人未満の問題をどう処理していくかということには事務的に非常に厄介な問題がございまして、そういう事務の面におけるいろいろの新しいアイデアを出し、かつ、これを具体化していかなければならない。また、保険料の徴収にいたしましても、いろいろ合理化し、あるいはまた能率化していかなきゃいけない面があるわけでございまして、そういうような現業の本部としてやらなければならない仕事がたくさんあるわけでございまして、それを今回分離いたします社会保険庁において担当し、そうして実施していく、これで現業分離のいわば第一段階ということはできるというふうに確信いたしておるのでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の厚生年金保険課を年金局へ移すというのは、これはもう当然非常にけっこうなことだと思うのです。もう少し保険局の内局が五課になる、何と何の課になるか、それから年金局の場合の四課も内容がどうなっているか。それから庁のほうも八課というけれども、それも実はこの問題は社会労働委員会ではあまり議論することなくして、内閣委員会で済まされてしまうのですよ。ところが、内閣委員会の人たちは、あまりほんと言ったら悪いけれども、医療保障の問題については詳しくないのですね。だからあなたたちがこっちには内容のことを言わないで、向こうで法律を通すということをされると困るので、もう少し内容の納得できるような説明をしておいていただきたい。そういう点と、もし今の課の詳しい資料があってこっちへ回してやろうというなら、回していただいてもいいのです。そのことをちょっともう少し詳しく説明していただきたいと思います。  それから、庁になる場合、これは今まで庁というのはほかの省にはありますけれども、厚生省の場合は庁というのはないでしょう。ですから、われわれ行政的に、また法律的に、庁というのは何かぴんとこないのですよ。特に庁の長官となると、何か偉くなったようにも見えるし、何だかよくわからない。だから、そういう本質的な経営と監督が分離されるということが、今の庁になった場合にどう分離されていくか、公社ということになると、これはまだわかるのですが、その辺少しわかりやすく説明して下さい。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) 今御質問の第一点でございますが、現在私どもが考えております案につきまして、一応申し上げておきます。内局の保険局といたしましては五課と申し上げましたが、一応の考えでは企画課、健康保険課、国民健康保険課、医療課、調査課と、こういう五課を考えておりまして、大ざっぱに申し上げまして、企画課におきましては医療保険制度の関係、これを主としてやっていきたいということでございます。それから各種の社会保険審査官とか審査会あるいはその他の審議会等を所管する。それから健康保険課におきましては、健康保険法と日雇労働者健康保険法の企画、立案並びに健康保険組合に対する指導監督、支払基金の監督といったようなことを考えておるのでございます。国民健康保険課は現在どおりでございまして、国民健康保険の保険者たる市町村その他組合等に対する指導、監督、助成ということでございます。それから医療課は現在のとおり、社会保険の診療報酬、あるいは保険医療の指導、監督といったような業務を行なうというのであります。調査課は、主として統計数理の関係を担当する、こういう構想でございます。  それから年金局におきまして現在考えております課の案は、企画課と年金課と資金課と数理課でございまして、企画課におきましては、厚生年金、国民年金に関する制度の調整、あるいは制度の研究、企画、立案、こういうようなことを担当する予定でございます。年金課におきましては、厚生年金と国民年金に関する企画、立案。それから資金課におきましては、厚生年金、国民年金の還元融資、それから年金福祉事業団の指導監督ということを担当いたしたい。数理課におきましては年金福祉の関係を担当していきたいというような構想でございます。  それから社会保険庁におきましては、これが地方の現業関係を全部統轄するわけでございまして、今日の考え方では、長官官房といたしまして総務課と監督課を置く、そうして総務課におきましては会計、人事といったようなものを担当し、監督課におきましては、主として所掌事務の監察を行なう。  それから医療保険部におきましては、健康保険課と船員保険課を置きまして、それぞれの健康保険課につきましては、健康保険と日雇労働者健康保険の業務を担当する。船員保険課におきましては、御承知のように、船員保険が一本の総合社会保険法でございますので、この法律の実施に当る。  それから年金保険部におきましては、国民年金課と福祉年金課と厚生年金課と業務課というものを考えておりまして、国民年金課におきましては、国民年金の業務を実施する。それから福祉年金課におきましては、福祉年金の業務の実施を担当する。厚生年金保険課におきましては、厚生年金保険の業務の実施を担当する。業務課と申しますのは、現在保険局の業務の実施ということで、相当な人員をかかえまして広く業務を行なっておりますが、これを一つの課にしていくというような構想を持っておるのでございます。大体それでおわかりかと存ずるのでございます。社会保険庁ということになりますと、御承知のように、厚生省にも実は引揚援護庁というのがかってあったわけでございますが、これを今度は一般的に外局と申しておるのでございますが、現在の各局というものを内局、そうして社会保険庁、これが外局と考えておるのでございますが、法律的には本省と並立的に大臣のもとにあるというような行政機関と相なるわけでございます。法律上、行政官庁といいます場合に、社会保険庁というものが一つの行政官庁として考えられる、それから厚生本省といいますか、厚生省が一つの行政官庁と考えられると同じような意味におきまして行政機関になるわけでございます。そうして内部部局は、御承知のように、何といいますか、主管大臣の補助機関になっておるのでございますが、内局の局長といたしましては補助といいますか、補佐するという形になるわけでございますが、外局の長官には、たとえば政令の制定請求権とか、あるいはまた告示とか、訓令の自分で制定する権限とかいうようなものが付与されることになるわけでございまして、また、国家公務員法でも外局の庁内の職員に対する任免権というものが長官に付与されるわけでございます。かような意味におきまして、まあ本省と並立した行政機関というふうに私どもは考えておるのでございます。   〔理事鹿島俊雄君退席、委員長着   席〕

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、経営と監督の分離の問題についてこういうことになったのですが、何か矛盾的な問題があった場合の責任ですね、そういう場合の責任の所在は最終的には厚生大臣になる、しかし、その前には社会保険庁の長官の責任として扱われる問題が当然出てくるし、それから政務次官や事務次官との関係はどうなってきますか。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) 社会保険庁長官は、これは大臣が任命するわけでございますが、そこで大臣の権限というものは、今御指摘のように、外局長官に及ぶわけでございます。その事務次官と外局の長官との関係ということになりますと、内局に対する関係とは若干変わってくるわけでございますが、いわゆる大臣を事務次官が助けて、そうして省務を整理、監督していくという意味におきましては、事務次官の権限も各局長に対する関係とは違うわけでございますが、及ぶもの、こういうふうに解していいんじゃないかと思っているのでございます。そうしていろいろの今御指摘の責任問題というような点を取り上げて考えてみますと、外局の長官が各現業関係の実施業務については責任を負うという形に相なるかと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 この問題は、まだ私も研究不十分ですから、もう少し研究してまたお尋ねしたいのですが、ただ一つ、これは多年の懸案になっておった例の医療費算定のいろいろの問題の中で、前々から保険局の中に医療課がある、これはむしろ医務局の中に移したらどうかという話も、これは多年の懸案で出ておったのですが、今度の中には、そういう点においては、依然として同じ事務的な機構に残っているのですが、これについては十分の検討というものが加えられたのですか。また今回の内局の保険局の医療課というものは、従来と今の説明では全く同じよですが、これについてはどういうふうな考えを持っておられますか。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) 今御指摘のいわゆる社会保険医療といいますか、そういう社会保険医療というものがあるわけじゃございませんけれども、社会保険各法規によります医療関係の業務というものをどこで扱ったら一番いいかということは、数年来私どものいろいろ検討いたしました課題でございまして、ただいま御指摘のように、これを厚生省としては医務局の行政としてやっていったらどうかというような考え方もあるわけでございます。ただ、これは現在の厚生省の医務局の所管行政というものを考えてみますと、今日の段階におきまして社会保険に関する各部分の医療行政を医務局の所管にするということは適当かどうかということにつきましては、いろいろ議論のあるところでございまして、一つの考え方ではもちろんあるわけでございますが、厚生省の現在の各機構というものを根本的に全部端的に言いますと、白紙に返して、新しい機構の作り方をするというようなことに考えますれば、そのことも一つの可能な案となるかと思いますが、そういうようなこともなかなかできにくい段階でございまして、やはり従来どおり、特に厚生大臣が、かつて保険者という立場と監督の立場と同じであったというところに、いろいろの欠陥といいますか、問題が指摘されておりますので、この際、保険者の立場を切り離すというような構想でありますので、内局の保険局で従来どおり所管したほうがいいのではないかという結論に達したわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 この際、大臣にちょっと伺っておきたいのですが、今の保険庁の機構改革を伺っていると、非常に形式的なことにすぎない印象を受けるのですね。今日医療保障制度が非常な発展をみて、内容的にはまだまだ不十分な点が多いのですが、非常に重大な段階にきておる。かつ、今も医療課の所在のことについて官房長から説明がありましたが、古い日本の医療制度というものは、医師法と医療法によって日本の医療というものが行なわれてきた。ところが、その後は健康保険、あるいは国民健康保険、こうした保険医療制度という形に全部移ってきた。したがって、日本の医療をささえているものは医師法や医療法ではなくて、今日は保険立法が日本の医療をささえている。この点は、私は医療の実態からいって、必ずしもいいとは思えないのです。医療制度というものがこういうふうに進歩してくることについては、諸外国の例を見ましても私はこれを肯定しますけれども、いつまでもつまり保険医療であるということは、正しい医療制度の基礎となるものではない。また、健康保険法でも国民健康保険法でも、その作られた時期に応じて内容が違うのです。健康保険法では何を保障するかというと、医療費を保障することであって、その点は国民健康保険法のほうは国民の健康を保障する。やはり国保のほうが、特にあれは昭和三十一年の終わりですか、あの法律改正のときには、比較的新しい医療の立法ができていると思うのですね。こういう点を考えていくと、もう今日では保険医療という時期からもう一歩進む段階がこれは福祉国家としては必要ではないか。そういうものが今回の外局の保険庁の問題に十分出てきているとはまだ思えないし、もう少しこの点については立法的にも行政的にも検討を加えていきたいと思いますが、まずそういう点で、一体これが新しい福祉国家、医療保障制度の目的に沿っているかという点についての私は疑問を持つので、その点大臣の御見解も承りたいし、特に、これはとりあえず中央における改革だ、地方における問題はしばらくおきたいということで、何か年次的な、初年度はこうして、二年目にはこうする、将来はこうする、そういう考え方もあるかのようにも見受けられるし、あるいはまた去年以来問題になった経営と監督の分離の問題、ただこれだけをしょうことなしに、せっぱ詰まってこういうふうにただ分けたということでは私は感心できない。もうただ分けるだけの時期ではなくて、もう一歩進んだ意味もあるのではないか。そういう点で、この際大臣が、この機構改革を契機としてどういう御方針を持っておられるか、また、将来にわたってこの保険庁を中心として、どういうふうにしていかれるか、ひとつその説明を承っておきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 今回の御審議をお願いすることにいたしておりまする社会保険庁の設置の問題でございますが、これにつきましては、実は先ほど官房長からも御説明を申し上げましたが、私は、今度の案というものが必ずしも十全だとは実は思っておりません。今後なおこの機構についてさらに詳細な検討を加え、ことに、また地方をどうするかというような問題につきましても検討を加えて参りたいと思うのですが、ただ私就任以来、厚生省に様子を見ておりまして、ことに保険局が非常に仕事がむずかしいのでありまして、大きな検討を要する問題をたくさん控えておりながら、いわゆる現業の仕事とごっちゃになっておりまして、そこにどうも能率的に勉強を進めてもらう上から申しますというと不都合がある。しかも、保険局といたしましては、医療保険の問題、あるいは年金の問題を今後どういうふうに改善していったらよろしいかというような大きな問題をかかえておりますだけに、このごちゃごちゃしたような状態を一度整理してみるということが必要ではないかというので、とりあえずと申してはなはだ恐縮でございますが、一応分けるということを考えてみよう、その上に立って、また今後整備すべきものは整備して参りたい、こういう考え方のもとに、今回国会のほうに機構改革案を御提案申し上げましたわけでございます。坂本さんのお考えでは、社会保険という形においてこのまま進んでいっていいものかどうかというような点についての将来の大きなお考えがおありになるようですが、そういう点につきましても、今後の課題として、もちろん厚生省としては勉強していかなければならない問題でございますが、ともかく現在社会保険そのものがごらんのとおりの状況でございまして、皆保険とはいいながら、内容的に見ますというと、前々から申し上げておりますが、このままで過ごしていくべきものでもないと思う。そういうふうな社会保険の整備、あるいは調整とか、こういうふうな問題につきまして、ほんとうに積極的に取り組んでいきたいというのが、ただいまの考え方といたしまして経営と企画の分離というふうなことを考えましたようなわけでございます。私は、この案が、先ほど申しましたように、決してすべてを尽くした案だとも実は考えておりませんけれども、とりあえず、こういう形で出発いたしまして、まただんだん御批判も受け、われわれのほうも検討いたしまして、将来の必要な点につきましては、将来さらに整備を重ねて参りたい、こういう考え方をいたしておるわけでございます。この際、すべての社会保険につきまして、考え方を一新してどうするかというところまで実は至っておりませんけれども、これは今後のお互いに勉強しなければならぬ大きな問題だとは私ども考えますけれども、さしあたり、今の社会保険の内容の改善をはかり、あるいはまた総合調整をするというふうな問題について、もっと私どもが心おきなく勉強できるような態勢を築き上げたい、こういうつもりで、とりあえずこういうふうな案をもちまして出発さしていただきたい。かように考えている次第であります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の大臣の御説明は、説明として承って、私たちもまだ研究の不十分な点がありますので、もう少し伺っておきたい点は、これは事務当局から御答弁いただきたいのですが、この設置法が成立した場合、大体成立の時期をいつごろに見ておられるか、まずその点。成立した場合、いつから保険庁としての業務を開始していかれる大体事務的な方針であるか。

山本正淑厚生大臣官房長

○政府委員(山本正淑君) この法律をすみやかに通していただきたいという念願でございますが、大体法律が通過いたしましてから二カ月あるいは三カ月程度の準備期間が要ると思われるのでございまして、一応三月一ぱいに通るといたしますと、七月一日ぐらいに発足していってはどうか、そういうふうな感覚でございまして、その時期によりまして若干のズレが出てくると、かように考えているのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 まだ幾つかお尋ねしたい点がありますので、次に質問を進めたいと思いますが、今の経営と監督の分離の問題は、これは社会保障制度審議会でも多年研究課題になっており、また、昨年の中央医療協議会の改組の問題、あのときにもたしか、文書の中に出ておったと思います。だから、その限りでは、一応こういう保険庁方式をもって分離をやった、それがいいか悪いかは、もう少し検討さしていただくとして、次の問題は、例の中央医療協議会の問題になりますが、あの審議会からの答申にもあったとおり、臨時医療報酬調査会の臨時医療報酬調査会法案、あの内容について、巷間いろいろと説明がありまして、どうも私たち納得のできない点がありますから、現在まだ法案が出ていませんが、法案を事務的にいつごろ出されるか、さらに、その内容はどうなっているかを、この際御説明いただきたい。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 臨時医療報酬調査会法案につきましては、これは厚生省の所管ではございませんので、実は総理府の所管になっているわけですが、実態的に非常に保険行政と関連も深いので、厚生省のほうで総理府と一緒になりまして政府部内の意見をまとめているわけでございますが、本日の閣議でもって、国会上程を決定をいたしました。すみやかに国会のほうに上程するようになっております。その中身につきましては、社会保障制度審議会の答申にありました内容をそのままにいたしておりまして、前の通常国会に提出いたしました中身と若干変わっておりますのは、前の通常国会のときに提案いたしました法律案には事務局というものがございませんでした。それを、新たに事務局を置くということと、それから、前回は一年という期間になっておりましたが、今回はこれを二年に改めております。その他は前回の通常国会の場合と内容は全く同一でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは社会保障制度審議会の審議の過程では、大事な点はとにかく厚生省に置いてはいかぬ、厚生省に置いたら、この医師会の言うように、厚生官僚が壟断をするというので、厚生省に置いてはいかぬというのがこれが、第一の問題点である。その次には、やはり事務局の構成をしっかりしなくちゃいかぬということが相当議論されたのです。したがって、そういう点でこの事務局の構成ができたことはいいんですが、実は、これは率直なひとつ保険局の今までの作業の内容も伺いたいのですが、どうも外から見ていると、何か全部これは厚生省がやっておって、厚生省所管の臨時医療報酬調査会という印象を受けざるを得ない。これは実際総理府はちゃんと作業に加わっているのか。本来なら、こういう質問をしたら、あなたのほうではわかりませんといって断わられたら困るので、ちゃんと総理府の人を連れて来て、それで説明させるという行き方が、私はこれが大体常則はないかと思うのです。そういう点では、われわれとしてははなはだ遺憾だと思うのですがね。今までのこの扱い方、それから、特にこの事務局を構成する場合に、またこれ厚生省の外局みたいな形になってこれをやっていきはせぬか、その辺について、せっかくこの法律案を作ってくる場合には、具体的な人事問題なども検討されているはずなので、実は私個人としては、社会保障制度審議会でこの法案を作ることに積極的に支援を与えてきました。前の古井厚生大臣の考えを支持し、われわれとしても、これが正しい行き方として、審議会の委員の一人としてやってきたのですね。ところが、今非常に多数の意見書並びに意見が舞い込んできます。舞い込んでくるところを見ると、どうも理解の不十分な点もある。そういう点で、まず今の扱い上の点について事務当局の御説明をひとついただきたい。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) まあいろいろと新聞報道その他を見まして、非常に坂本先生のおっしゃるような印象を持たれている向きもあるかと思いますが、政府部内におきましての取り扱いは、今までも総理府所管でございまして、立法の過程におきましても、法制局の法律審議、それから次官会議の議にかける、あるいは閣議、そういったものは全部総理府の所管としてやっておりまして、事務局の設置につきましても、厚生省と総理府と一体としまして、行政管理庁その他との折衝も、全部両方で一緒になってやる、こういうことでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これは臨時医療報酬調査会法案の扱いは、衆議院では、前は内閣委員会だったんです。それから参議院では当社会労働委員会所管というふうに議運において決定されたのですね。だから次の場合も、賢明なる委員長のお計らいによって、おそらくは同じ扱いに参議院段階においてはなるであろう、そういうふうに今までの経過からみれば考えられるのです。まあこれはこの際別に社労の委員長に御意見を伺うことでもありませんが、そういう点で、今まで厚生省の扱い方については、きわめて何か厚生省がイニシアをとってやっているように見受けられることは、はなだ遺憾だと思うのですね。また、一つ大臣に伺っておきたいことがあるんです。それは医師会から私たちいろいろ質問、要請としてきておるものを見ると、今回の臨時医療報酬調査会法案は、イギリスの王立委員会、いわゆるピルキントン委員会の流れをくむものであると考える、こういう行き方は、医師会は、はなはだ不満である。で、今日の自由経済のもとにおける医療に反するものである。したがって、イギリス流の王立委員会方式をとろうとするならば、そのことは、同時にイギリス式な医療制度の方式をとろうとすることになる可能性があるので、医師会としては反対であるというふうな言葉をあげておられるのですが、これは私の見るところでは、はなはだどうも理解ができないのですね。それはイギリスという国は、やはり自由経済の国だと思うのですね。だから、自由諸国という場合には、アメリカ、イギリスと、これは筆頭に入ってこなくちゃいかぬにもかかわらず、医師会の態度は、あたかもこれが自由主義諸国でないかのごとき印象をもって、王立委員会の考えというものはよろしくないというふうな、そういう批判をし、したがって、臨時医療報酬調査会法案というものは、これはよろしくない、そういう態度をもって私たちには書類がきております。この点について、厚生大臣とされてはどういう見解を持っておられるか。また、行き悩んでおります中央医療協議会との関連について承ると、きょう閣議決定された。された以上は、政府としてはこの法律案の成立を期しておられると思うんですね。その中で医師会との関係をどうされるか。それから今のイギリスのピルキントン委員会の問題についてどういうお考えを持っておられるか、そのことを承っておきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 医師会のほうで、政府の提案いたしたいと考えております臨時医療報酬調査会についていろいろの御意見があるようでございます。まあ私どもから申せば、必ずしもそれに納得ができないような御意見が多いと思うのであります。お話のように、イギリスの王立委員会について言及をしておられるわけでございますが、私は、日本とイギリスとは状態が違うんじゃなかろうか。また、イギリスの王立委員会の性格というものと、私どもの考えておる医療報酬調査会というものとも性格が違うんじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。イギリスの例にならったとか何とかいうつもりは実はないのでありまして、御承知のように、いきさつは坂本さん御承知のとおりであります。厚生大臣が医療報酬を決定するというような立場に日本の法制ではあるわけであります。それが間違いのないように、適正な医療報酬を決定するために、厚生省から離れたところでしっかり研究していただいて、それを参考にして厚生大臣が今後の行政をやっていく、こういうような建前になっておると思いますので、その点はだいぶ違うように思っておりますので、それによってかれこれ言われることは当たらないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。いろいろ医師会のほうでも御意見があるようでございますが、私どもとしましては、この調査会の趣旨をよく御理解をいただいて御賛成も得たい、かように考えておりますが、この点については、まだそこまでは至っていないという状況でございます。決して私ども御理解を得るための努力を怠ろうとも思っておりませんけれども、われわれとしましては、社会保障制度審議会のその答申を尊重いたしまして、これに従ってやっていく、それで、国会でいろいろ御論議もあると思うのでありますが、国会の御質問なり御論議を通じまして、われわれの考えもはっきり申し上げるというようなことを通じまして、だんだんとまた御理解を得る道もあるのじゃなかろうか、かように考えておるような次第でございまして、提案いたしまする以上、もちろん、私どもとしましては、御協力を得て、ぜひ成立させていただきたい、かように考えておる次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今、ローヤル・コミッティの問題が出ましたのですが、私は何も日本はイギリスのまねしなくたって、アメリカのまねしなくたってソ連のまねしなくたって、それはいいんですが、しかし、いい点はまねしたっていいので、こっちのオリジナリティのある考え方が、たまたまよその外国のいいほうと一致したって、それはちっともかまわないと思います。ただ、イギリスの場合を見てみますと、三年ほど前に、やはりイギリスの保険医のストライキの事件で、それに対処するために、臨時の委員会ができ、そして、さらにそれをもととしてイギリスにおける医師のいわゆるゼネラル・プラクショナル、あるいはスペシアリストに対する診療報酬の決定のため、こういう王立委員会というものができたわけです。ですから、そのこと自体はどの国にも問題が起こっているわけです。その問題解決のためにこういうコミッティができて、そしてそのコミッティは、これは中立の人、医師とかそういう専門家を入れないで、むしろ経済的な人、経済学の専門家などを入れて、そして医師の診療報酬、医師の経済生活というものはどうあるべきがよろしい。それによって医師の生活の保障ができたら、十分な医療活動を通して国民が仕合せになるという観点のもとにこのピルキントン委員会はできたと私は思います。したがって、私は、日本の現段階を見ると、もうそこへきていると私たちは思ったんです。そこで、直接に医師なり保険医なり、厚生省のいわゆる保険官僚がタッチしないで、もっと国民的立場に立って、しかも計数にくわしい、かつ、経済の実態にくわしい人が、たくさん出なくて、数人出て医師の報酬のルールをきめる。そういうことでは何もローヤル・コミッティにこだわる必要はないんですが、歴史的な流れから見ると、私はイギリスがせっぱ詰まって非常に難儀をして、イギリスの場合はローヤル・コミッテイが三年間かかって調査をして、そうして最後に医師の報酬が少なかった。たしかあれは一人平均五百ポンドでしたか、返せという最終決定が出ている。そこで、たしか一昨年の暮れには、そのうちの一年度分を返したはずです。非常に変わったやり方です、私は、むしろ日本の場合も、過去に基づいて、非常に悪かったら、思い切って過去にさかのぼって点数をふやし返すということがあっても私はかまわないと思う。それによってほんとうに国民の医療が完全に保障されるならそれでいいと思います。ですから、何も王立委員会に医師会も変にとらわれているし、また、厚生省のほうでも、大臣も変にお考えになる必要はちっともないと思う。だから、その点はもっと御研究いただきたいと思います。あるいは私のピルキントン委員会に対する認識が誤っているかもしれない。ですから、やはりこれは保険局に所管されていると思われますので、イギリスのピルキントン委員会の内容、それからまとめた成果——膨大なものと思いますので、これはひとつ大臣もこの委員会で研究をしていただき、同時に、当委員会にそのピルキントン委員会の資料を配っていただきたい。これは社会保障制度審議会ではたしか配付になったと思います。あるいは一部であったかもしれませんが、少なくとも社労の委員会が、今問題になっているイギリスの王立委員会とは何ぞや、何をしたか、そういう点で大臣の御研究を促しますとともに、資料を配っていただくことをお願いしたいんですが、いかがですか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 資料の点につきましては、厚生省で可能な限り取りまとめましてお配りいたしたいと思っております。  それから、私も別に何も拘泥しておるわけでも何でもないわけでございますが、この調査会は、厚生省がこういう方向に振り向けるとか、ああいう方向に振り向けるという性質のものじゃなかろう、りっぱな学識のある方に少数お願いをいたしまして、ほんとうに公正な中立的な立場で、科学的に物事を見ていただき、そうして、そこからわれわれの参考になるものが出れば幸いだと私も思っている次第でございます。

相馬助治民主社会党

○相馬助治君 ただいま坂本委員が触れられた臨時医療報酬調査会法案の取り扱いについてお尋ねします。前国会の中央医療協法案については、議運からお仕着せの形で、衆議院と取り扱いを別にして、社労委員会で取り扱いました。今回は、本院においては、制度上内閣委員会が取り扱うという公式的な方式を排して、内容を熟知している社労委員会が扱うのが至当であるという理由によって、社労委員会において取り扱うべきだと思うのです。この問題の取り扱いに対して、社労委員長が何か御見解をお持ちでしたら述べていただき、委員間に非常に見解が違うようなことがあったならば、委員長理事打合会その他において、調節をしておいてほしいと思います。私の意見は、これは社労委員会がやるべきであると思っているのですが、この際、委員長からそれに関し御見解を御発表願いたいと思います。  それから、この法案について、厚生大臣に簡単に聞きたいことがあるので、一点だけあとで質問することをお許し願いたいと思います。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) それじゃ私から申し上げますが、筋道としては内閣委員会にかけらるべきものであると考えます。しかし、お話のごとく、問題の性質、経過から考えまして、当委員会で調査会法案を審議することが最も適当じゃなかろうかと考えております。しかし、いずれこれは議運できめてもらわなければならぬことでございますから、ただ私の考えだけ申し上げておきます。

相馬助治民主社会党

○相馬助治君 委員長の御発言を了解いたし、協力したいと思っております。  この際、厚生大臣に承っておきたいと思います。今度提案が予想されておる臨時医療報酬調査会法案この法律案を、衆議院、参議院の審議の過程において研究し、修正を加える点があれば修正を加え、そうしてこれを通しいくという柔軟な厚生省の御意見と承って、基本的な考え方としてはそうあるべきだと、一応賛意を表します。しかし、問題なのは、医師会が今日一つの明確な資料と見解を持ってこれに反対している事実です。これを無視してはなりません。この事態を楽観視して、この法案を厚生省が一方的に出して押し切ろうとするならば、かって紛争があった時代にまで逆行することがあり得ると想像されます。また、医師会が明確にそう申しています、この国民医療の立場に立って、国会として、またわれわれとしては重大だと思うし、また、私自身、一人の患者としての感覚からいっても、きわめて重大だと思いますので、慎重に取り扱ってほしいのです。筋を立てて物事を進められるということに定評のある灘尾厚生大臣は、医師会側とも十分可能な範囲内において話し合いをされて進んでいくことを要望しておきます。えてしてこの種法案は、国会であれだのこれだのと議論していても決論が出ない。そのうちに一方では最終的に医師会と政党の三役というようなところでぼこぼこきまってしまって、ここの委員会でもって議論していたことが一体何のことが、あとで考えると狐につままれたようなことが再三ありました。この種の責任は、大体厚生省側の無能無策にあったようです。そういう意味で、この医療報酬の問題は、前歴がそうですから、どうかこれらの点を勘案されて、賢明な、しかも実力をこの問題についてお持ちの厚生大臣が、政治的な高い視野に立って、両医師会初め、関係団体と十分話し合いをされながら国会に説明者として臨んでほしいということをお願いしておきたいと思います。この際、御見解を承っておきます。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 御発言の御趣旨は何の異存もございません。願わくは、関係団体の御理解と御協力を得たいと、かように考えている次第でありますが、ただ、この案を今度の国会で提案するにつきましては、私どもこれまで伺っておりますところによれば、われわれの考え方を訂正する理由はないのではなかろうか、かようにも考えておるわけでございますので、できるだけわれわれの考え方をひとつ御理解願いたいと思っておる次第であります。そして、この案につきましては、別に含みも何もございません。私はといいますか、政府といたしましては、社会保障制度審議会の答申の線に沿ってこれを国会に提案し、同時に、ぜひ原案をお通しを願いたいということを皆さんにお願いを申し上げたいと思っておるわけでございます。極力案の内容等につきましては、またその際御説明を申し上げたいと思いますが、御協力をぜひいただきたいと思っておる次第でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは次に、今流行し、かつ、少し下降してきたといわれますインフルエンザの問題について、流行の状況、それからワクチンの製造、特に触れていただきたいのは、専門家の間に、インフルエンザのワクチンについては定期的な接種をすべきではないかという意見が出ておりますので、そのことをひとつインフルエンザ問題について御答弁をいただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 現在流行の状況は、遺憾ながら広さは全国に及びまして、東京に一月半ばに発生いたしまして、約二週間ほどはほぼ東京中心で、現在のところ東京がピークに達したという測定にはなっておりますけれども、これは届出伝染病にはなっておりますが、現実に医者にかかりませんとなかなか届出が行なわれませんので、実際の数としては的確に把握したという結果ではございませんので、ほぼ学校で校医並びに校長が学級閉鎖ないし休校措置というのの深さと広さで大体都民の流行状況を測定していると、こういう形でございますので、的確でございませんが、ほぼ六割程度の家庭に及ぶという形になっております。東京中心に、神奈川、埼玉、千葉が濃厚に広がりまして、さらに北のほうでは、もちろん青森、北海道にまでその後及んでおる。それから西のほうでは、大阪、兵庫を中心に、近畿の密集地帯に、東京よりほぼ二週間ほどおくれてあとを追っておる。福岡、熊本地区がやはり同様な状況でございまして、全般に大体及びまして、ただ学級閉鎖を具体的に出しておらない県がまだ六県ほどございまして、それは高知県、香川県というような四国、それから岡山、鳥取というような中国の一部と長崎、鹿児島という九州の沿岸地方、この六県からは学級閉鎖以上の集団流行という形はないのでございますが、それぞれの保健所に問い合わしてみますと、やはり家庭には散発的にはこれらしいものが出ているということでございますので、全土に及んでおるということでございます。しかし、スピードは、今回のA2が、かつて大流行いたしました三十二年、三年の二つの波があって、約四千万という推定で、死亡者七千七百人を出しましたときと比べますと、著しくこれでもおそいということでございまして、三十五年にもう一度中くらいのA2の流行がございました。これと比べても、スピードと、それから重症化の程度ははるかに少ないということでございますので、まあ最近の流行では三番目に位する、こういうことでございます。ただ、今後の見通しといたしましては、さような形で東京はこれでピークで、大体来週から新発生等はなくなる。ただ、老人等ですでにかかりまして、なおり切らないでおる者の肺炎の合併症等の犠牲者が若干ふえる、現在全国で八十四名が報告されておりますが、これが増加しては困るという形で、予後治療につきまして相当関心を持たなまけばいかぬと考えております。その他の地区も、割合と東京の例にかんがみまして、こういうような治療態勢等は余裕がございましたので、東京よりもまだ犠牲者の被害は発生がおそいという形でございますので、ひどい被害でなしに、この三月下旬ないしは四月の上旬までには流行という形はおさまるであろう、こういう見通しを立てておりますが、これは行政府のみならず、伝染病予防調査委員の会議を何べんも催しておりますが、大体そういう測定を行なっております。ただ問題は、さらに今年の秋につながる問題でございます。この流行については、三十二年が五月、六月、七月に猛烈に出まして、流行がおさまったところが、十一月からまた三カ月間第二波がものすごいものが起こりまして、両方合わせまして七千名以上の死亡者を出した。今年のA2のものが流行はおさまりましても、農村等に若干散発の形で目に見えず残って、また秋の悪い時期にこの前のように再発するか、ないしは日本よりも今もっとしょうけつをきわめておりますアメリカ、イギリス、これはB型で現在大流行しております。アメリカはすでにアラスカ、ハワイを除いて、四十八州十一月以来猛烈なしょうけつ状況、英本土も同様でございまして、これが交差いたしまして、今度はB型がまた冬にくるだろうという点も十分考慮しておかなければならぬという形でございますので、本年はさような形で国際的な交互の交錯という問題を含めまして、流行については厳重な措置が要る、こう考えておるわけでございます。  ワクチンにつきましては、製造は、薬務局長がおられますから、こちらから御説明願いたいと思いますが、すでに一月の上旬までに約四千リットル、これはおとなにいたしまして一cmでございますので、四百万人分、子供はほぼ半量ないし七割でございますので、子供と半々入れますと約六百万人分、これだけが全国に生産配給されておりまして、これは三十二年、三年のときの約千リットルと比べまして、すでに四倍以上、それから昨年の春のときの千五百リットルと比べますと、三倍以上、これが流行前に配付をみておった。現在検定中並びに数日前に配給いたしたものを入れますと、千五百リットルぐらいがさらに追加されるわけでございます。相当な量は出たわけでございますが、それがある程度流行の被害の深さ、あるいは蔓延のスピードをこの前よりもはるかにおくらしておるのにあるいは関係するかもしれません。これは今後検討いたしまして、次の流行予防に十分役立てていただきたい、こう思うわけでございます。  それから定期接種の問題でございますが、これは従来毎年繰り返しておりましたことから、予防液の増産と配給は、今申し上げましたように、非常に増大はいたしておりますが、ただ、せっかくこのワクチンが流行予防に一番能率的に、また重点的に使われるということが先決問題でございますので、定期的に一番必要な階層にこれがよく使われるという形では、やはり定期予防接種式のものをぜひ考えなければいかぬということの意見の答申も専門家の方々からもらっておりますので、この方式等をさらに考えまして、できるものならばことしからいろいろな方式でその趣旨に沿いたい、こう考えておるわけでございます。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) インフルエンザ・ワクチンの製造状況は、ただいま公衆衛生局長がお話を申し上げたとおりでありますが、詳細な数字を申し上げますと、昨年中すでに三千八百四十五リットル、それから一月から二月現在までに約一千リットルすでに検定合格して配給しております。現在なお検定中のものが九百五十八リットルでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますとね。公衆衛生局長のほうからは定期接種の考えも専門家の答申を受けている、だから、それに応じて薬務局のほうでこれを増量したりする問題、それとコストの問題、それから特に前のポリオのときに問題になったのですが、一体、これはどこでだれが作っているのか、輸入の問題はどうなるか、ちょっとその辺のところを御説明いただきたい。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 過去におきまして現在までの生産状況は、毎年、インフルエンザのその次の冬季の流行予測というものを専門家の方々でやっていただいておりまして、その予測に基づきまして、私どもが次の冬季に要する所要量というものを計算いたします、予測いたします。それをワクチン・メーカしのほうに生産を指導するわけでございます。ワクチンのメーカーは、ポリオのワクチンのメーカーと同じ六社でございます。したがいまして、ただいまの公衆衛生局長のお話のように、将来これを定期接種というような格好になりますならば、これは需要がきわめて一定してくるわけでございまして、今までのように非常によけい生産をしても、その年流行がないと返品される、それがメーカーにしわ寄せされるというような、そういう事態もございまして、私どもも非常にその点が困っておったわけでございますが、定期的に毎年の需要量が確定いたしますならば、これはコストにおきましても相当のコスト・ダウンをすることができるのじゃないか。  それから輸入については、これは考えておりません。全部国産でまかない得ると思いますし、生産の準備さえ十分でありますならば、毎年の需要には国内生産だけで十分まかない得るというふうに考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の輸入問題は、どうも十分とかどうとか、これはちょっとまだ私は当てにならぬと思うのですね。実は、国会で、いつもインフルエンザがはやってくるときには、私がよくこれは直接薬務局長に頼んで、あなたのところから特に出してもらって議員さんは注射してもらっておったのです。いつもなかなかないのですよ。ですから、われわれは国会議員だから無理をお願いできたのですけれども、一般大衆の場合はそれができていないので、やはりこれは定期接種の問題が専門家から出てきていますから、これは早急に検討していただきたいということと、それから今コストのこまかいことについて御答弁がなかったのですが、これは小、中学校あたり学校でインフルエンザの注射をやっていますが、各学校、各市町村でばらばらなんです。これは厚生大臣の所管のことではないかもしれません、これは文部省の所管のことになってきますが、非常にコストがばらばらだということ、私はこれについて非常に疑問を持っているのですがね。薬務局長としては原価どの程度で、市販どの程度で、それに手間料を加えて幾らくらいでいけるかという一つの標準を示していただきたいのですがね。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 大体、東京都の例を申し上げますと、東京都で接種いたします場合は、大人が百五十円で接種をしております。これは一ccの値段で、それに接種の料金を加えて百九十円という値段でやっております。子供は、それよりも量が少ないわけでございますので、それだけ安くなるわけでございますが、ただいまのお話の中で、各学校が非常に値段がまちまちだということは、PTAその他学校で差額の補助をやっているのが相当ございますので、学校のそういうふうな別の経費の支出の仕方によって、値段が非常にまちまちになっているのじゃないかというふうに私ども考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは時間の関係で、もう一つポリオのほうですね、ワクチンの問題についてお尋ねしたいのですが、一つは相変わらずソーク方式で、ソークのワクチンが使われている。もちろん価格は昨年の春の価格の、私の知っている範囲では二分の一以上でやられている。私はことしの現在においてもやはりソーク方式を使っておられることについて、非常な疑問を感ずる。これは公衆衛生局の所管の問題だと思う。それから、そういうふうなやり方は東京都でも行なわれているのか、あるいはこういう注射の問題にうといところのいなかにおいて行なわれているのか、その辺の行政的な指導はどうかということ。  それからもう一つ。私が、もうそんな注射よりも飲む方がずっときくぞというと、一部の担当している人あたりから、あんまりそんなことを言ってもらっては困る。せっかく市町村で買ったのに、使ってくれないというともとがとれぬという問題が出てくるのは、やはり今の六つのメーカーが作っているという現実から、やはりこれは償還しなければならない。したがって、その問題は一体、薬務局としてどう整理するつもりか。われわれはこの委員会ではおととし以来、今日の時代においては資本家が作っているから、みだりに損をさせるのはかわいそうだから、ある程度補償してやろう。だからちゃんと補償するかわりに、最も科学的な信頼のおけるもので子供の健康を守れないかということを、当委員会では何度も繰り返して主張してきたが、これは薬務局としては今の補償問題、さらに、作られたものを一体どこまで使っていくか、そのことについて、これは両局から御説明いただきたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 現在ソークをも使っておりますことに対する問題点というお話でございますが、これは現在の生後六カ月から三才までの予防接種法にありますのは、まだ改正いたしませんでやっておりますので、幼若年令の者にはソークを法定としてことしも今やっております。このほかに緊急措置といたしまして、十三才未満の者千七百万人に、今月末から来月一ぱいにかけまして1型を全部一斉投与する。さらに約八週間置きましてから、五月に2型、3型の混合を一斉投与する、こういう形で、したがって、日本の形は緊急投与による大量生ワク免疫方式と、それから一番かかりやすい年令である三才までの者に対するソークの併用、こういう方式で現在は進んでおるわけでございます。これにつきましては、やはり決してソーク・ワクチンがたまっているから、それを片づけるためにこの併用をあえてやっているのではなくて、現在までのところは、まだ日本の現状では、昨夏以来の生ワクチンの非常な効果ということは十分認めて、協議会でも十分認めた上で、しかし、なおソークを併用するのが適当である、こういうような見解を基礎にして両方やっているわけでございます。と申しますのは、昨年は確かに夏のセービン生ワクの投与と、それから一月以来やりましたソーク効果ということで、その後の発生は非常に激減いたしまして、一昨年の年間通じまして、夏までは上回っておったにかかわらず、年を通じますと、三十五年に対しまして三十六年は四四%の発生、二千四百六十名の発生ということで、半数以下でございます。現在谷になっておりますこの冬の状況を見ますと、一月以来現在の平均発生数が一週間三名でございます。現在まで、五週まででほぼ十五名、昨年の現在ごろはほぼこの十倍でございまして、週間発生がほぼ三十名ということで、これは昨年の夏以前のセービンをやらなかった時期と比べまして、ソークとセービンが行なわれた効果の結果と思いますが、それでもなお十分の一という現在の状況でございますので、これをもし昨年と同じ傾向でありますと、やはり一昨年の何にもやらなかった年の五千六百名の十分の一の五、六百名はまだ出るという可能性があるのでございます。それで、これの原因が、ソークにもある程度免疫ができない体質の者、あるいはソークを受け付けなかった地域から出ているか、それからセービンでもやはり九割の免疫度とされておりますので、その一割がどういう形で残っているかという心配はまだ現に研究終わっておらぬのでございます。さような意味で、こういう五、六百名でも出るのは非常に困るわけでございます。できればことしはゼロにしたいということでございますので、考えられ得るこの両者をことしはやるという形で、かたがた一方の色ワクの方の医薬品として取り扱う研究と、それから諸制度の改正が現在進行中でございますが、了しておりませんので、ちょうどこれと機を一にいたしまして、もう生ワク一本でもいいのだというような結論が出れば、これをあわせて法律も改正する。ただし、やはり幾つかの先進国の例を見ますと、やはり長年令の、高年令層の者は自然免疫が従来もあった、それからセービンをやりますならば、いわゆる伝播免疫——二次免疫が相当できるという形で大体いいとされております。ただ、現在の発生を見ましても、ぽつんぽつんと高年令の者が出る。しかもそれが同じ家族の、弟なり妹が飲んでおるにかかわらず、出るということになりますと、これがあるいは生ワクに対する免疫のできない、体質ソークにはできるが、できない体質かもわからない。それからソークにはできないが、生ワクには免疫が腸の中でできると、こういう者がある数あるのじゃないかと思われますので、長年令の者は、できるだけいずれも将来任意選択ではやり得るようにしておいたほうがいいのではないか、かような形に考えておるのでございます。そうなりますと、一切ソークはやっちゃいかぬとか、生ワクオンリーだということも、これは必ずしもよくない。ただし、弊害は考えていかなければいけませんので、弊害が考えられる限り、将来この両者を十分にできるだけ使っていくということですみやかになくしてしまう、日本からなくす。こういうのが望ましいと、大体こういう方向になっております。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) ソーク・ワクチンの需要につきましては、ただいま公衆衛生局長から申し上げましたように、現在完全に生ワクに切りかわったということもできないのでございまして、私どもといたしましては、需要がある限り、生産なり供給の面を担当するわけでございますので、実は昨年の十月、第二回の生ワク投与が決定いたしました。そのときに、将来のソーク・ワクチンの生産について私どものほうで実情を調査いたしまして、このままの、今までは非常に生産を督励をして、夜を日に継いで、とにかく生産しろということをいって相当の仕込みがあったわけでございます。しかし、少なくとも第二回の生ワク投与が省の方針としても決定いたしましたし、さらに三十七年度におきましては、それの第二回分としての投与もございますので、その当時の時点といたしまして、今まで奨励したような仕方でソーク・ワクチンの生産を指導するわけにはいきませんので、全部将来の需要というものを一応目安を立てまして、生産のストップを業界に勧奨したわけであります。今正確な数字は忘れましたけれども、大体五千リッター前後のものが仕込み中として当時あったかと思います。それから十一月なり十二月以降本年に至るまでの将来の需要というものが、大高三千リッター以下で間に合うというような数字が一応予想されましたので、仕込みを全部セービンにしまして国家検定にするということはむだではないかと思いまして、そのままで生産をストップする。そして現在もうすでにできかかったもの、あるいは検定に出すまでに至ったようなものだけを検定にして使用に付する。そういうふうなことで、各製造メーカーとも話をしまして、現在生産はやっておりません。これに対しまして、私どもはこの前国会でも、当委員会でもそういう補償の問題の御意見もございましたし、この使用量を、大体これからの使用で将来の生ワクに切りかわる時点までを一つ考えまして、今生産ストップしているその仕込中のもの及びこれに要するいろいろな設備投資の転用の問題、そういうようなものを総合して補償の問題を考えていきたいという方針で、現在はそのままの時点で検定されたものだけの民間の投与に対する供給だけを担当する。そういうふうな方向で指導をやっているわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、この生産のストップされた時期はいつからかとということ。それから価格は今二百六十円あるいは二百七十円くらいになっておりますが、一体そういうふうに価格が下がってきている根拠はどこにあるかということ。それからソークのほうは三百リッター以下で間に合う。今のところは生ワクの緊急投与方式をもって進めておられるが、それが法の改正になるについてはまだもうちょっと時間があるようですね。あるようですが、そんなに長い時間はないと私は思うのです。まあ、今度の国会には出てきていませんが、あるいは次の通常国会あたりに私は出さなくちゃいかぬのじゃないか。そうした場合には、今度は今のソークの生産ストップと、それからセービンの生産、そうすれば三十七年度の予算あたりにセービンの生産についての補助なり、何らかの予算的措置というものもとられてこなければならぬと思う。その辺の計画はどうなっているのか。これは両局から伺いたい。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 法改正はお話のとおり今国会には間に合わぬと思いますが、三月末まで、先般外国も調査いたしました、生ワク協議会の結論が、三月末日までの研究結果をまとめることになっております。これは昨年投与しました中から七千名ほど選びまして、ずっと免疫の持続状況を検査しているものでありますが、そうしますと、もしあるとすれば、次の通常国会にいろいろなものと総合して出し得るものなら出したい、こういうことになるかと思います。ただ、その間の予算措置でございますが、これは国産であろうと、現在やっております輸入品でありましても、検定という国家業務では同様でございまして、来年も施設の拡充と検定費はもう所要を見越しまして十分組んでございます。本年度はまた予備費も組んだわけでございますから、そうなりますと、残りはもし国産を転用していくというような、国産セービンワクチンの製造の予算とかというようなものが中心ではないかと思いますが、その点は薬務局長のほうだろうと思います。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 生ワクへの切りかえというものが時間的にはもう間もないと思いますけれども、現在生ワクそのものの検定基準なり生産基準というものはできておらないわけでございまして、生ワクを医薬品として正式に許可するということも、その製造基準なり、検定基準とうらはらになる問題でございまして、ただいま薬事審議会の専門の部会でそういうものを専門の先生方に検討していただいている段階でございます。したがいまして、製造の準備を、国内製造の準備がどうなっているかということが次の問題でございますが、これは現在のソーク・ワクチンのメーカーはそれぞれ製造を希望しております。しかし、六社が生ワクに切りかわった場合には、これは非常に生産が国内の消費に比べて過剰になることはもう当然でございますので、私どもとしては、それぞれの希望はあるかもしれないけれども、なるべく一社ないし二社に制限、限定するようにということで、今行政上そういう指導をやっておるわけでございますが、大体、そういう方向で近く結論が出るかと思います。したがいまして、一方におきましは生ワクの医薬品としての許可というものが製造基準なり検定基準との関係で、まだ多少時間がかかるわけでございますが、その間に製造側のほうは一応現在の施設なりそういうふうなものを土台にして話し合いがついたあるメーカーが製造の準備をするという段階に入るわけでございまして、そういうことは、近くそういう実施の段階に移っていくんじゃないかというふうに私どもは見通しを立てておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 コストのほう……。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) それらソーク・ワクチンの現在のコストは、これは私どもはもうソークの行政指導による配給許可制ということを一応とったわけでございますので、各メーカーの責任において安く売るということは別に私どもして、それに対して何らの指導もやっていないわけでございますので、各メーカーの責任において値段をきめているというふうに考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ちょっとこの際、大臣に伺っておきたいのですが、この生ワクの問題は非常にデリケートな、またある意味では複雑怪奇な要素がありまして、前の古井大臣はずいぶん悩まされただけにまたいろいろと勉強させられたと思うのですね。まあ、灘尾大臣がどの程度まで御承知かわかりませんが、非常に大事な問題が多いと思うのです。特に今、生ワクの緊急投与で進んでおる。したがって、これは予防接種法できめられたやり方ではないが、しかし、これによって非常に成果が上がったことは間違いない。したがって、これが、今の局長はおそらく次の通常国会でもって法律改正が出るだろうということは、もうあと一年以内には、これはもう法律の基本的なものを変えなければならぬところまで医学の進歩というものが進んでいる。さらに私はこれに関連して、例の結核のほうはBCGが非常に普及したために、弱小年の結核死亡というものはほとんどなくなってきたわけです。もう高年令者の結核死亡だけになりました。そういう点で、このBCGの注射方式、これもソークのように注射するわけですね。注射してうんだりつぶれたりするわけですね。これもイギリスあたりは飲ましているのです。小さい子供ののときに飲ましているのです。これは、外国の場合は牛乳を飲むことによって牛型菌による結核の感染が多いということにも基づくのですけれども、しかし、日本の場合もだんだん牛乳を飲むようになりましたし、それから農林省では牛乳の学校給飲を勧めたりやっていますし、そんな点からもBCGの接種方式じゃなくて、口から飲ます方式も、これは学者の間で検討されていると思うのですがね。そうしますと、小さい生まれたて、あるいは哺乳のある時期に、六カ月以内ぐらい——これはまあ学者にきめていただかなくちゃいけませんが、ある時期にBCGを飲む。それから生ワクチンを飲む。そういうふうな非常に近代的な接種法の改正ということが私は当然出てくると思うのです。それについて大臣に自然科学の進歩に基づく国民福祉の基本理念に基づいてひとつ法律改正をやっていただきたい。それについての御意見と、実はもうひとつうらはらの問題は、やはり今日は全部メーカーに作らしているわけですよ。これが非常に進歩を阻害している。また正しい科学的な応用を阻害している。特にこの国産メーカーを一社ないし二社にしぼる。これは私は普通の企業ではしぼれぬと思います。第一、みんな自由企業だ。その中に、お前はやっちゃいかぬということはいわば職業選択でもないのですが、企業の制限をさせることが大臣としてできるかと思うのですね。その制限をさせることについて、いろいろと国民が損になるようなことはしてもらっては困る。これはおととしから当委員会で学者の参考人を呼んでいろいろな意見を聞きました。そのときに、とにかく六つは要らないと言っている。一つか二つでいい。天変地異で東京が何か地震でつぶれたときは京都がいい、まあそういうことを考慮したら二つ程度でいい。二カ所程度でいいという意見を聞いている。ことにまたさらに今後いい方法が発見されるかもしれません。あるいはこれはずっとセービングのワクチンが普及しますと、日本国内にはもうポリオのビールスがおらなくなるかもしれない。そうすると、作るのをやめてもいいことになる。そういう点で、国民の福祉に基づく、特に予防接種などは、私はこういうメーカーに企業としてさせることは非常に疑問があると思う。むしろ、こういう予防接種みたいな、はやればうんと使う、はやらなければほうっておく。石けんだとか、電気洗たく機とは違います。これはむしろわずか一社か二社でいいということになれば、国でやっていったらどうか。そのほうがいろいろな点で金の負担も少なくなるし、第一、予防接種というものは無料にすべきだ。無料にしてやる。そういう建前からいっても国でやったらどうか。おととし来の議論を通じて、おそらくこの委員会の各位はそういう見解に私は近づきつつあるのではないかと思うのですね。何も私はこれが社会主義というようなことで言うのではない。社会党はこういう方針だという意味で言っているのではない。少なくとも現段階を見ると、むだが多くて、その金でほかの薬を作ったほうがいい。今の法改正についての大臣の見解、特にポリオのこの問題の会社をしるぼ問題、さらに製造所の個数の問題、さらに予防接種ということの基本的な問題から、国でやったらどうか、わずか一カ所や二カ所でいいのだから、国立の大学を動員してもいい。そういうことについての大臣の御意見をこの際承っておきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ポリオの問題、続いてまた今度のインフルエンザの問題等で、全くのしろうとでありますけれども、私としましても、予防接種という問題はよほど考えなければいけないのではないかという気持がいたしているわけであります。しろうとでありますので、また、しろうとなりにわけのわからないことを言うということになるかもしれませんけれども、私は現在の日本のそういう面における学問的進歩といいますか、あるいはそれを実際化する方式と申しますか、そういうふうな点においてまだおくれをとっていることがありはしないかというような心配もいたしているわけでございますが、いずれにいたしましても、学問が進歩いたしまして、予防接種というような方法を通じて病気の蔓延が防止されるということが非常に大事なことだと思う。したがって、学問の成果というものをやはり行政の上において取り上げていくということにおいて、ちゅうちょしてはならないという心持をいたしているわけであります。実際問題として、今後どうするかということについて、両局長にもいろいろ御検討を願っているようなわけでございます。できるだけ積極的に物事を考えていかなければならないというのであります。しろうとで、初めて今度聞いたのでありますが、今度のワクチンにいたしましても、値段につきましても相当するという問題もございますし、また製造にもからんで時間がかかる、あるいは有効期間があまり長くないということもございますけれども、これはもっともっと進歩してもらいたいという心持はいたしております。そういうふうな学問、技術の進歩を助長いたしますと同時に、これを行政面に活用していくということにおいては、厚生省はもっと積極的にいかなければならない。かような考え方を一般的にいたしているわけでございます。今のポリオの問題につきましては、これを法制上に取り上げるべく、いろいろ検討いたしておるところであります。したがってその結論が是なりということになりますれば、これで大丈夫ということになりますれば、もちろん法律で取り上げる、法律の改正をお願いするということにもなろうかと思いますが、そういう際におきましても御注意の点につきましては十分検討さしていただきたいと思います。メーカーの問題等につきまして、今具体的にかれこれ申し上げることもどうかと存じますけれども、やはり現実に即応した考え方でもって厚生省としましては考えていかなくちゃなるまいと思います。国でやるのがよろしいのか、あるいは民間でやるのがよろしいのかというふうな点につきましては、なお検討をさしていただきたいと存じますが、きわめて有益な御意見として拝聴いたしました。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 公衆衛生局長も薬務局長もそうですが、私はこの急性灰白髄炎の議論は昨年非常にやったのです。そして生ワクが今の公衆衛生局長の話を聞くと、九〇%の効果があるというお話ですけれども、いずれにしたってソークより非常に効果がある。そしてまた注射じゃないので、これは飲むのですから、特に小さい子たちにとっては最もいい治療の方法だとわれわれも喜んでおるわけです。問題は、昨年千三百万人分輸入した。今年もこの予算を見ると二千七百万人分です。これを輸入して、十三歳以下の子たちにやる、こういうわけです。ところが、ソークワクチンが二百十七万二千人という、いろいろお話はお聞きました。お話は聞きましたけれども、昨年千三百万人、ことし二千七百万人分の生ワクを外国から輸入してやる。これは行政は生きているわけですから、ですからそれだけのものを国が施策として国民の生命を守るためにやろうと踏み切っておりながら、公衆衛生局長も学者の皆さんと一緒に外国に行かれて研究を昨年されてきたわけです。それでいて、ことしの三月一ぱいになって研究の結果が出る、今のソークの六社もそのまま、生ワクの生産についてはまだこれから会社をどう指定するか、その上で考えるというようなことを国民が聞いたらどういう感じを持つですか。いかにその仕事が緩慢なといいますか、実際に二年も続けてやっておって、まだことしの三月になってから結論が出たら云々と。それからその会社の指定や製造所の指定なんかが入っていけば、これまた一年も二年もかかる。その間外国から輸入している。必要の限界で踏み切っているのですから、輸入して対策を立てているというようなやり方、私はそんな緩慢なことでいいのかどうか、私自身はむずかしい専門的なことはわかりませんけれども、私はそんな緩慢なことで、国家的な立場に立ってもそんなことでいいのかどうかという感じを持つのです。どうなんですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) セービン・ワクチンの現在やっておりますものが非常に有効であるという結論はもう出ておるのでございます。調査団も中間報告では、十二月末に、これは日本としてもこれをも取り上げるということは結論が出ておるわけです。ただいま法改正、次の通常国会になりますという意味は、法改正によりますと強制がこの中に入ってくるわけです。今の緊急措置でなくて、正規に、この年令に達しましたならば強制するということが入るわけでございますけれども、その強制のやり方等については、ほんとうの意味でまだ学界としての結論が出てこない。といいますのは、夏やりましたのが三種混合でああいう形でやりました。今回は、そのときの、1型の免疫が、ほかの2型のほうに比べて、少し上がりが悪いという結論が出ましたので、今度は、1型だけを分離して今度の緊急投与ではやってみる、こういうことになりましたので、決定的なところを規制する、法律に入れるには、投与方式、それから強制の対象年令という点については、ほんとうの意味のまだ法律に入れ得る結論が、全部の意見が一致しておらないという形で、これが今の続行中の研究が役に立つわけでございます。これによって当初の予定どおりやるということ、それから製造基準につきましては、昨年の九月に最終の国際基準の資料がWHOから発布されました。最初のは五月に発布されまして、これが四カ国で経験した国が修正いたしまして、九月にようやく到達いたしました。これは世界中そうでございますが、これをもとにいたしまして、日本の研究成果も入れて、今薬事審議会でやっているという形で、製造基準と検定基準が、おそらく非常に早くできると思いますが、まだ続行中、こういうことでございます。これもやはり法の規制で、日本で作る場合にはこうということでございますので、これがそうぐるぐる変わったり、あるいはいいかげんなものではいかんものでございますので、それを十分徹底的に審議している、こういうことでございまして、現に千七百万人今月末までに始まりますが、決してこれに対して効果がまだあやふやで、ためしにやってみるというようなものではなくして、効果があるということはすでに確定いたしましてやっているわけでございます。今の法的な取り扱いとか、基準的な取り扱いがまだ整っておらない。それは極力急いでもらう。こういう状況でございます。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 公衆衛生局長から申し上げましたように、日本で国産いたします生ワクの基準がきまりましたならば、これは国内生産にすぐ態勢を切りかえるべきでありまして、とにかく作るべき場所は六カ所ございまして、そのいずれにしても施設は早急に整備できるわけでございますので、一昨年のポリオの流行から比べると、すでに二年たったわけでございますが、製造基準が決定したのが九月、その英文を今度日本文に直しまして、そうして学者の間で、薬事審議会の専門委員で現在検討をされている段階でございますので、その結論を得次第、私どもとしては特定のメーカーを指定いたします、あるいは先ほどの坂本先生の御意見もあって、そういう点も勘案いたしまして、作るべきメーカーがきまりましたならば、早急に施設の整備をはかっていただく、こういうふうに指導としてやっていきたいわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、たとえばどの会社にされるか、新しいものになるかともかくとして、指定したらどれくらいで製品化することができるのですか。ソークには相当な時間がかかったわけでしょう。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 私専門家でありませんので、正確なことはわかりませんが、一年以内には生産ができるということでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ソークのときには相当年月かかっていますね。どれくらいかかっていますか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) ソークは、施設をして、製造を始めてからは非常に早くいっています。大体一年ぐらいで正式な市販さるべきものができております。それで、長期間かかったといいますのは、その前に予研が中心になって、試験的に製造をやる段階が一、二年かかったのでございますが、そういうものまで通算しますと、三年ぐらいの歳月を要しているのではないかというふうに考えます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それでは年金の問題について、御承知のとおりまだ二百万の対象の人が拒否を続けています。この二百万人の人の取り扱いの方針、それから免除の基準が、昨年の国会の審議を通じて引き上げられてきております。その引き上げられてきていることについて、各市町村にどういうふうに周知徹底されておるか、この二つのことを年金局から御答弁いただきたい。  それから次は、年金福祉事業団の問題について、第一点は、政令もできましたし、それから昭和三十六年度の方針も全部できておりますが、局としては実際に融資をさせて、各種の施設を着工させる、その着工させる時期は一体いつにめどを置いて作業を進めておられるか。この事業団は不幸にしていろいろな国会の事情のために法律案の制定がおくれました。したがって、三十六年度について、どういう方針で進めておられるか。それからまた三十七年度の計画について、特にこれはこの法律案のできるときに、事業の問題についていろいろと質問も出されたのですが、三十七年度の計画について三十六年度と違った点、どういう点を変えていくつもりだという、この二点をお聞きいたしたい。  それから医務局については、実はきのうの夕刊に、神奈川療養所が看護婦不足のために病棟を閉鎖する、そのために患者さんが大会を開いたりしてやっておられますが、この看護婦不足に基づく、国立療養所の病棟を閉鎖するという問題について、この事態と、これに対処して一体どういうふうに進めていかれるおつもりか、医務局長から御答弁を伺いたい。以上三点でございます。

小山進次郎厚生省年金局長

○政府委員(小山進次郎君) 現在までに、まだ登録をしてない人が約三万人くらいいると推定しております。ただし、これは拒否ではありません、適用漏れでございます。今後とも説得を続けて、適用いたしたいと思います。それから免除は、方針は、十分市町村まで浸透していると思います。ただ地域によって免除の手続をとり終えたものの割合はかなり違っておりまして、全国で一番たくさん手続をとり終えているものが高知県でございまして、これが被保険者の二四・七%、四分の一でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の免除の基準の、どういうふうにあれしておるか、何か通牒の原案があったら、簡単なものなら説明していただくし、なかったら資料として下さい。どうも高知県がなかなかやっているということだけれども、歩いてみると、知らんところがだいぶまだあるので、その点、ひとつ今の内容ですね、簡単ならば御説明いただきたい。

小山進次郎厚生省年金局長

○政府委員(小山進次郎君) これは簡単に申し上げると、またわからないということで、御質問を誘発いたしますので、資料でお届けすることにいたします。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 緊急に下さい。

熊崎正夫厚生省保険局次長

○説明員(熊崎正夫君) 年金福祉事業団のことでございますが、福祉事業団は二月二十日ごろまでに全部申請を受け付けまして、大体一カ月くらいかかって審査を完了する予定にいたしております。したがいまして、着工は大体三月中にはできるというふうな見込みにいたしております。それから、来年度の福祉事業団の貸付対象その他本年度と変わった点につきましては、対象については大きく変わりましたのは住宅分が新たに加わることになります。第二点は、資金量でございまして、資金量の内訳につきましては、総額百五十億円、本年は五十億円でございますから、大体三倍にふえております。それで百五十億円の内訳といたしましては、住宅分が七十億円、病院及び診療所分が三十五億円、厚生福祉施設関係四十五億円、こういうふうに予定をいたしております。

川上六馬厚生省医務局長

○政府委員(川上六馬君) 神奈川療養所の問題でございますが、神奈川療養所は現在病床が七百四十で、入院患者が五百八十四、看護婦定員百十四名、現員九十七名でございますから、欠員が十七名ということになっておるわけでございますが、それでこの三月末までに十八人退職したいというような申し出がございましたので、現在極力慰留をいたしまして、あるいは新採用に今努力をいたしておりまして、なるべくその補充をいたすようにいたしておるわけでございますが、実は混合病棟がございまして、そこで患者をして重症は重症患者の病棟、軽症は軽症患者の病棟に集約していこう。そういうようなことも考えまして、看護の能率を上げていきたい。こういうことを考えておりましたところが、その病棟に移るのは反対だというような患者の申し入れも現在あるわけであります。そこで現在、関東医務出張所でよく実情を調査いたしまして、そういうことのないようにできるだけ善処するように私のほうから指示をいたしておるわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 この際大臣に、今の神奈川療養所の問題、それはきのうの夕刊に出ておったんですが、看護婦の不足の問題と保母さんの不足の問題、こうした所得倍増十カ年計画、この高度経済成長政策の中で、婦人労働の中に看護婦と保母の問題が非常に強く出てきておるんですよ。そうして厚生省の政策をもってしてはもう間に合わないところに来ておるんですね。そういうものが国立あたりにもちょうどたまたま出てきておる。ほかの私立のところでは何とかかんとかでごまかされておるんでしょうが、国立のところでは、それは大臣の所管の責任のある機関として特に検討いただきたいんです。実は検討ではおそいんですね。というのは、一昨年の病院ストのときからわれわれとしては看護婦については、労働条件が悪過ぎる。それに勤務の時間、それから賃金ですね。勤務の時間については、国立は四十八時間労働制というものをとっておる。これを四四制というので去年変わったんです。これは大臣も御承知だと思うのですがね。ところが、病院ストを契機としてわれわれがわかったことは、とにかく看護婦の労働条件や賃金やそういったことを行政当局がつかんでないんですよ。たとえば労働基準局というものがあって、基準法もあるけれども、労働行政ではつかんでないということで、労働省のほうも去年以来各診療所、病院さらに保育所の労働の実態をかなり一生懸命に今つかんでおります。でありますから、あっちこっち行くと、診療所や保育所で、その問題がだいぶ労働行政の中につかまれておることもわかるのですが、何といってもこれは厚生省が所管なんですよ。そうして特に看護の問題は国民皆医療の中で一番大事なんですね。ところが、実はもう去年でさえも数万の欠員なんです。現在の医療法においても欠員、そうしてしかもこういう事態が起こってくる。おととし以来、何も行政的にどうしたら急によくなるというものではありませんけれども、少なくともそのために看護課というものをもう一ぺん復活しろ。前はかなりの数をもって看護行政を見ておった、それが途中で中止になった。何も看護課ができたから急によくなるとはいわぬけれども、看護婦の実態をもっと行政的につかむ、それから予算的にも、たとえば看護婦の養成に准看の養成その他あります、進学コースの問題もあります。これらについて予算的に一つの考えでやっぱり握ってもらいたい。国立病院、療養所にも准看、正看の養成所があります。ありますが、それぞれのところに入っておる、それでそういったものを全部引き抜くし、あるいは日赤などは年間二億ぐらい、日本赤十字社法という法律によって救急要員として看護婦の養成をしなければならない義務があるのですね。こういうものに対しても実は看護の面で予算を組まれておらない。したがって、これは今のたまたま出た神奈川療養所の問題を契機として、行政的に大臣としておととし以来の問題ですから、何とか積極的な手を、打っていただきたい。これは別に予算的なそういう特別なものは要らぬのです、一応人事的にはさらに必要なのは、何か補正予算でも予備費でもいいですから、とにかく看護婦をたくさん養成する、これを確保する、そういう緊急措置をやっていただけるかどうか、この際、伺っておきたい。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) どうも厚生省の仕事に頭の痛い問題がたくさんあるわけでありますが、今の不足はあちこちに出ておりまして、初めてではございませんが、ほんとうに看護婦の不足のことについても非常に重要な問題だと私は思うのでございます。どうも最近は看護婦なり、あるいは保母さんなり、そういう方面の仕事に魅力が少ないと申しますか、志望する人の数も減っておるのじゃなかろうかと思うのでございますが、看護婦を確保する、あるいは保母を確保するということは、厚生行政を進めていく上におきまして、きわめて私は重要な問題だと思うのでございます。細々ながら若干ずつ改善をいたしておるのでございますが、まだ現在の不足を解消するといところまで至っておりません。したがいまして、私も医務局その他の諸君にも看護婦対策をもっとはっきり確立することをお互いに研究しようじゃないかということを申しておるようなわけであります。すぐ急場の間には合わないかと思いますが、積極的にこの問題についてもっとはっきりした施策というものを厚生省として持たなければならない、かようにも思っておりますので、しばらく検討させていただきたいと思うのでございますが、何かまた名案でもございましたらぜひ御教示をいただきたいと思います。決しておろそかにはいたさないつもりで厚生省としても看護婦強化対策というふうなものをぜひこしらえ上げてもらいたいということで話をいたしておるわけでありますので、この程度で御了承願いたいと思います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 看護課は作りませんか。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) そういう問題につきましては、なかなか役所の機構をふやすということにつきましては、またいろいろ議論もございまして、厚生省としてはそういうふうなものをもちろん希望しておるわけでございますけれども、思うようには参りませんけれども、十分ひとつ今後とも気をつけて検討して参りたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、きょうは時間がないものですから、大臣に少しお尋ねしたいことがあるのですけれども、次の機会に譲りたいと思います。ただ、ここで大臣にお願いしておきたいことは、ごあいさつの冒頭に述べられておるわけでございますけれども、経済の成長ができて、これに取り残されないような社会保障制度を作りたい、こういう工合におっしゃっておるわけでございますから、ぜひそういう立場からいろいろの問題をひとつ出していただきたいと思うのです。たとえば一、二の例を申し上げておきたいのですが、一つの例として、最近の物価値上げの問題でございます。これは企画庁の出しております統計、統計局の統計を見ましても、消費者物価は一〇%上がっております。しかし、これをもう一つ分析をしてみますと、所得の多い人の対象物価の上がりがむしろ少なくて、そして低所得者対象物価が上がって、これは平均して一〇%になっているわけですから、そういう面から見ますと、私は生活保護基準というような問題が、一三%引き上げになりましたけれども、内容的にはどれだけよくなっているのかどうかというような問題をきょうはここで即答は求めませんけれども、そういう問題はぜひ厚生省は国民生活を守る行政庁でございますから、これはぜひ出していただいて、次の機会に詳しくひとつわれわれに知らしていただきたいと思うのです。全体の平均数字は一〇%ですけれども、低所得者の対象物価も上がり、それから生活圧迫というのは非常にはなはだしいと私は思うわけでありますから、これはぜひお考えおきを願いたいと思うのです。  それからもう一つの問題は、福祉施設の職員の問題でございます。今度一二%上げていただいたと思うのですが、しかし、最も私は公共福祉、社会に尽くされているのがこの保母さん方ではないかと思うのです。まあ大臣は公務員給与の並みにしようというかまえをおっしゃっておるわけですから、私は非常に喜んでいるわけですけれども、その期末手当の問題だけは三・四カ月の予算が組まれました。しかし、肝心の給与が低いのでありますから、これはやはり形だけで中身がまだまだ薄いという状態でございますから、これらの点もこの次ひとつ御意見を承りたいと思うのであります。  もう一つの問題は、国保の問題でございます。今度五分上げていただいて少し前進をしたわけであります。しかし、いろいろと医療制度の問題については意見が出ているわけですね。私たちから申し上げますれば、国民が医療制度の中で上下があっていいとは考えてない。できるだけ早い機会に、国民が平等な医療制度の中で健康を守り、病気の治療という格好にならなければいかぬと思うのです。しかし、これは一度に、一ぺんにやるわけにはいかないのであります。ですが、すべからく平等によりよい医療制度の中で国民生活が維持できるというところに持っていくのには、厚生省としてはどういう考えをもって進もうとしておられるか、これはぜひひとつこの次の機会にお願いをしておきたいと思うわけでございます。  それから、まあきょうは時間がありませんから一つだけお尋ねしたいことは、いろいろ問題を起こして、この前薬事法ができまして、薬価の問題を中心に非常に各所で混乱が起きているわけであります。ですから、この問題に関して私はきょうは質疑がしたいのでございます。それでこの前の薬事法が成立いたしましたときに、附帯決議として、それで厚生省としては適正な薬価をきめて、あのような乱売が起きないようにという監督指導ということになりますが、もう一つの面からいって、今の製造業者と小売商との関係、要するに薬局並びにその他の薬品販売商がありまするが、この関係において、メーカーが勝手な値段を、勝手な競争をして、そしてその裏側で、表はいいんですけれども、裏側では乱売があって、小売商が、要するに薬局を中心として薬品小売商が非常に困っておるという状態、これはもう国会でもたびたび議論になっております。この前の委員会のときにも大阪の二十三チェーンの問題が出て参りまして、私は関西に住んでいるわけですが、その乱売といいますか、安売の店、そうでない店という工合にいろいろあるわけです。値段がちゃんときめてありながら、国民の立場から見て、安いところと高いところとある。値段表がちゃんとありながらそういう事態が行なわれている。もっと申し上げれば、同じような、類似的な薬品が洪水のように出てきて、これが乱売されるということも今非常に問題になっているわけであります。これは厚生省として、製薬メーカーと卸売、小売との関係をどういう工合に規制をしていくか。そして、一番困るのはやっぱり小売商でございます。小売商の生活権を脅かすようなところまできているわけです。たとえば、今度薬事法によって、許可基準——三十六年以前の登録と新しい登録との場合においても、一定の零細薬局の規格が新しい規格に合わなければ認可がおりないような問題まで出てきて非常に混乱をしている、こういう問題まで出てきております。それはやはり根を洗ってみますと、メーカーと卸、小売ですね、ここらあたりに、乱売その他について弱肉強食といいますか、人間の生命を守らなければならぬ薬品販売商ですら非常に困難な状態が起きている。これは、厚生省薬務局としては、どういう工合にこの規律をしていこうとされておるのか、それをお伺いしたいと思うのです。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 医薬品の安売りの現象ということは、数年前から相当騒がれているわけでございますが、たまたま一昨年池袋で、ある薬局が設置されまして、それが大きな乱売をした。そういうことから、東京都におきましても大きな問題になり、当委員会におきましても、薬事法の審議の経過において御質疑が行なわれたわけであります。私どもといたしましては、一応現在の医薬品の価格というものは、これは自由価格でございまして、別に公定をした価格というものがあるわけではないわけでございます。それで、医薬品の価格がどういう形式で形成されてくるかといいますと、各メーカーが卸に対して一つの価格を示して卸すわけでございます。その卸が、一次卸からその次の卸、あるいは薬局というようにして小売の段階に流通されてくる。それが正当な流通過程において行なわれますならば、大体ノルマルな価格というものがここで存在するわけでございますけれども、最近の乱売というものは、いろんなそこの流通が乱されておる。そういうことから議論が相当やかましくなって、その問題を何とか解決していきたいということで、しかし第一次的には、これは各業界の問題ではないかということで、メーカーと卸売、それから小売の三者によって三者協議会というものを設置しまして、それにこの問題の適当な解決をゆだねたわけであります。これはもう二、三年前のことでありますけれども、しかし、そういうメーカーなり卸なり小売の三者の各業界の代表によった話し合いということになりますと、それぞれの言い分なり立場がございまして、なかなか問題が具体的に解決しないということで、最近、しかし、実態的には、大阪なり近畿に発生しました乱売現象というものが、東京なり、あるいは中国、九州にまで波及するというように、ますますこの傾向が全国的にびまんするというようなことでございまして、私どもも、これを単に業界のそれぞれの話し合いにゆだねておく性質のものではないということを考えまして、これに対する対策としてどういうことを考えたらいいかということを研究しておるわけでございますが、しかし、これを根本的に、たとえばヨーロッパの数国でやっておりますように、価格を公定いたしまして、そしてその公定価格でしか売っていけないというふうにするのも一つの解決方法でございます。しかし、これはいろいろとまたその価格の決定に対して問題がございますし、そういうことよりも、今のようなことでもっと適正な価格形成というものを醸成していったほうがいいのではないか、それにはどうしても小売段階において各小売の規制ということが第一次的に必要になってくると思います。  そこで、中小企業団体の組織に関する法律が現在存在するわけでございまして、この中小企業団体組織法に基づく商業組合の形成、それに基づく調整事業ということを私ども第一次的に考えておるわけでございます。それによって小売業が自主的に商業組合を設置いたしまして、そうしてそれがその地方なら地方、各府県ごとに調整事業を行なう、そういうことをまず助成していく、勧奨していくということが最も基本的な問題じゃないかということで、私どもその設立を勧奨して参ったわけでございます。現在すでに二十数府県にそういう商業組合というものが設置されております。それによって、まあ広告の規制なり、あるいは価格の表示、そういう調整事業がそこで持たれていく。そういう調整事業によってそれを確保していく。しかし、調整事業は、あくまで第一次的には商業組合の組合員だけにしか適用されないわけでございまして、そうしますと、商業組合の組合に加入することは自由でございますから、どうしてもそこへ員外者というものがあるわけでございます。この員外者規制というところまでこの施行を徹底いたしませんと、この問題はなかなか終息しない。そういうことで、現在昨年の五月ごろからそういうことを私どもとして必要を感じまして、八月に近畿の大阪、兵庫、京都、それから東海の岐阜、愛知、この五府県に対しまして、そういう不況状況の調査をいたしまして、それの調査の結果——員外規制の命令を出すには、そういうことが前提として必要でございますので、調査に乗り出しまして、そうして現在調査資料というものが私どもの省の統計調査部で現在集計中でございます。間もなくその結果が出てくるわけでございます。それに基づきまして、中小企業庁なりあるいは公取と連絡いたしまして、調整事業に基づく規制命令を出していきたいというように考えております。これによって商業組合の組合員のみならず、員外者にまで調整事業の適用を及ぼしていく、そういうことで乱売が一応解決する一つのきっかけを作るということができるのではないかということで、現在それを第一の目標としてやっておるわけでございます。しかし、問題はどうしても卸なりあるいはメーカーの協力がありませんと、この問題は根本的には解決しないと思いますので、卸の組合あるいはメーカーに対しまして、流通のそういう秩序の回復に協力をするように、私ども現在それぞれ別個に、その具体的な方法について話し合いを進めている段階でございまして、これは医薬品の流通の全過程において適正なルートを通って小売の段階にまでいくということがどうしても必要になってくるわけでございます。そうすると、まあ先ほど藤田先生がおっしゃいましたように、非常に今生産が、相当設備投資も行なわれて、生産が相当伸びております。これに対しましては、一方におきまして輸出の奨励をして、もっと海外に医薬品を輸出する方向でそういう過剰生産の医薬品の処置を考えていくということも考えていかなければならぬ。そういう総合的な面で私どもとしてはこの際、単にこの問題が小売の段階だけの問題じゃなくって、卸なりあるいはメーカーを通じた医薬品業界の全体の問題として解決していく方向を見出したいということで現在進んでいるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この前、この問題を議論をいたしましたときに、今のメーカーの問題からいいますと、配給ルートに乗っている医薬品が七十億、やみルートに乗っている医薬品が四十億ある、こういう話をここで聞いたと思っています。で、その四十億というやみルートに乗っている医薬品が今のようないろいろの問題を起こしているんではないかと思う。今日の現状はどうなっていますか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 今現在の医薬品の年間の生産が、三十五年で一千八百億でございますので、そのうちで、社会保険その他によって病院なり診療所なりというものに直接配給されるものもございます。それから薬局、一般販売業、役所等の各医薬品販売業を通じて一般に市販されているものもございますので、その数字も、そのやみというのがちょっと私にはよく理解しかねますが、メーカーから卸並びに卸を通じて薬局にいく医薬品の数ということでございますか。それともメーカーから直接消費者にいくようなものをやみというふうにおっしゃっているか、その辺ちょっと質問の要旨が少しわかりかねますので……。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 配給ルートですね、正式な形の配給ルートに乗っている薬品が七十億と、配給ルートに乗らない薬品が四十億だとこの委員会で聞いたと私は記憶しておりますから、それを聞いておるわけです。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) ただいまの御質問の趣旨は、卸を通じて薬局にいく金額、医薬品の総量というように理解いたしますと、これは現在薬局で販売しているものが——ちょっと今正確な数字は忘れましたけれども、五、六百億ぐらいじゃないかと思います。その他のものは直接病院、診療所なり、そういうところにいっているものと、それからいわゆる事業場売りその他によって、あるいは購買組合というような形で各工場、事業場の——これはしかし、正式に販売の許可をとってはおりますけれども、そういうところからいわゆる町の薬局以外のところへいっているものがその他のものに相当あると、その金額は私ちょっとはっきりした数字は把握しにくいと思いますので、明確にお答えできないのでございますが……。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、薬局に卸を通じていっているのが六百億、あと千二百億病院、診療所、工場、事業場等へ流れていると、こういうことですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) それもまあちょっとその辺の数字が、筋道が非常にダブっている面がございますから……。病院、診療所には薬局を通じて販売されている面もございますし、それから卸の段階で病院、診療所に直接販売されるものもございます。しかし、薬局で六百億としましても、それが全部一般の国民に直接販売されていると限りませんので、その辺の筋道が非常に入り組んでいるわけでございますから、正確にあとの、千八百億としても、千二百億が、病院、診療所並びに事業場なんかの直売という計算もちょっとできかねると思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ輸出はどうですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 輸出は大体まあ三十五年で六十五億ぐらいでございます。全数量の三%ちょっとぐらいでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 薬務局長は商工組合を作って、その中で調整をしながら、メーカー、卸売業との協力を得てやりたいということでありますけれども、今それが二十五、六府県できている。メーカーの実情を見てみますと、一つの会社がAならAという薬を作る、そうするとあらゆるメーカーがそれに集中して類似品を作ってやり出すというような格好のものが今の薬の販売の事情です。膨大な広告費を使って、そうしてやっていく。そうして余ったのが下がってくるというのか、初めから予定して一定のものは配給にやって、あとはもう投売りをやって安売販売所へ流すという計画にできているのか、そこらのことがよくわからないのですけれども、定価の二割も三割も四割も引いて売っている。千円の定価のものが五百幾らで売っている薬品がたくさんありますね。そういうことになりますと、皆そこへ流れていくから商店は参ってしまう。ですから、これはやはり買うほうにしてみれば安いほうがいいには違いないけれども、実際のメーカーがそういう方法をとるか、卸屋がそういう方法をとるかしらぬけれども、肝心な国民の保健に貢献してきた薬局その他の薬品店が青息吐息というのが、今の問題になっている中心ではなかろうか、こう思うのです。だから、できるだけ国民の立場からは安い薬でよくきく薬というものを求められる。しかし、それを地域的に、あそこへ行けばかぜの薬にしたって何にしたって薬がそろっているということで貢献しているという、その貢献している店をつぶすような方法があるとすれば、私はやはり助成しなければならぬと思うのです。メーカーの段階で助成するとか、卸の段階で助成するとか、それを相手に商工組合を作って助成するとか、いずれにしてももっと積極的な方法をとらない限りはいけないのではないかという気がする。これは薬事法をやったときに非常に議論したところなんで、私はあまり振り返りたくないわけですけれども、したがってその点について、商工組合、これを唯一だとは申しませんけれども、これに期待しているのだという考えですけれども、もっともっと需要と供給、貿易、輸出の関係もありますけれども、今のようなメーカーの過当競争について、それから薬価の適正価格について、私は厚生省が微に入り細に入りできないかわかりませんけれども、一つのやっぱり基準を出して、おのずから過当競争のないように指導されなければいかぬのじゃないか。これをやらない限り、結局問題は、いずれかに出てくるということになると思う。ですから、私は京都ですけれども、この三十六年以前の薬局その他は登録になったのですけれども、その許可基準に、店舗の広さが規格に合わないから、新しい認可の——要するに基準許可更新ですね、これのときには、何か六坪以下は不適格だということで、許可を与えないという現象が出ている。そういうことになってきたらどうなるのか。今のような状態の中で苦しめられていて、店も十分にできない。ほんとうに零細な販売業にあって、そしてその十分な改善ができないから、お前の薬局の販売の許可は取り消しなんだということじゃ少し行政のうまみも何もないのじゃないか、私はそう思うのです。これはどうするつもりですか。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 新しい薬事法の施行に際しまして、薬局の構造、設備を規定したり、今仰せのように、その薬局の広さは、原則として最小限六坪とするということで、一応基準を省令で作って、これに対しましては、今年一ぱい二年間の猶予期間が作ってございまして、ことしの十二月に、登録は一年目ごとでございますから、十二月の登録許可更新の時期までに、その基準に合致しておりましたならば、それは一応登録許可を更新するということになるわけでございます。これが現在、六坪の坪数に満たないものも相当ございます、御指摘のように。これに対しましては、これは薬局のレベル・アップという見地から、そういうことをやったわけでございまして、しかし、これはあくまで原則でございますから、必ず、絶対的に六坪なくちゃならぬというふうに構造、設備の基準はなっておりません。したがって、一応私どもの目安としては、本年の年末許可更新の時期までに、構造、設備に合致しない場合は、一応合致するような指導をやるつもりで、現在各府県におきましては、たとえば大阪とか、その他の一、二の府県におきましては、設備の改造の資金も府県が融資してくれて、そういうものの改造に奨励をするというような措置もとっておられるわけでございます。しかし、それは現実の問題として、都市におきましては、どうしても拡張しようとしても、隣が一っぱい一っぱいで拡張できないようなところもございます。それから、今のような小売業の経営の状態から見まして、資金的にも非常に困難な点があるような事情もあるわけでございます。それは、私どもは具体的にその問題をよく勘案いたしまして、更新の時期までに、どうしても更新、改造が不可能に近い困雑があるとすれば、それについてまた猶予期間を置くなり、あるいはその他の措置を講ずるなり考慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それは原則であるから、だからやむを得ない事情のときには認めていくと、こういうことですね。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) そのとおりでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それからもう一つの問題は、医師が指示しなくては売れないような薬品が、そういう許可や手続を経ずに宣伝をどんどんやって売られているということがあるそうですね。そういうことは、私は専門的でよくわからないけれども、そういうことを私は聞いているのですが、どうですか、実情は。

牛丸義留厚生省薬務局長

○政府委員(牛丸義留君) 要指示薬品というのは、御存じのように、新しい薬事法の中にも規定されているわけでございますが、これは医師の処方なり指示に基づいてしか薬局が売っていけないというものでございます。しかし、これは別に広告を制限しているわけではございません。その旨の広告をしなければならない、広告をする場台はその旨をはっきりとさせろということを私どものほうで指導しているわけでございます。これに対しまして、薬局の中では一部そういう不心得の者があると思いますけれども、それは私どもとして薬事監視の面で適正な指導、あるいは悪質の者に対しましてはそれ相当の行政処分をする考えでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それじゃ、もう私は時間がきたからやめますけれども、今の薬事法からいくと、この間二十三チェーン薬局というようなものができるようなそれを適切に指示監督する、そういうことのないようにということを、行政面で排除していくわけですけれども、排除されているか、または排除がされないで問題を起こしているということですか。こういうことのできないように、どんぴしゃりこういうことができないような方法というものを考えるべきではなかろうかと私は思うのですがね。  それから、やっぱりメーカーと卸とそれから小売と、おのずから産業分野とは言い過ぎかもしれませんけれども、おのおのの分担があるわけですから、分担のクラスによっておのおのの限界というものを、やはり厚生行政できちっとしていくということが今必要じゃないかと私は思うのです。ですから、そういう点の処理が十分にできていないから問題が起きる。それはあなた、よい店を作って、そしてよい条件の中で薬を販売したいというのはだれでも願うことである。しかし、それができないという現状に今はもう関西の薬局なんかみんな追い込まれているのではないかと私は思うので、そういう点、何も薬剤師だけが他の人より特別に優遇がされなければならぬという主張は私はしているわけではありませんけれども、今の現状ではほんとうにあまりにもひどいではないかという感じを持っておりますので、これは私は意見を申し上げたわけですから、ぜひ薬事法の足らない面は運営で、今のような明確なところでみんなが社会に貢献する立場に、メーカーと卸と小売があって、これを通じて社会に貢献しているのですから、これがどこかが——今は小売が犠牲になって、上のほうで、二つの段階で勝手なことをやられているということでは、私は医薬という医療関係の一つの中で薬剤だけがくずれるということは私は重大な問題ではなかろうかと、こういう工合に思いますので、ぜひ特別な配慮をお願いしたい。大臣の御意見があったらお願いしたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来の藤田委員の御質疑なり、また御意見の御趣旨はよくわかりました。仰せのとおりに薬業界が混乱することは最も望ましからざることであります。また、国民保健衛生の上から申しましても、秩序ある発展を遂げてもらいたいと存じますので、御趣旨につきましては十分私ども頭に置きまして、今後ともに指導監督なり、あるいはまた必要があれば厚生の問題につきましても十分検討させていただきたいと思います。

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) よろしゅうございますか。  それでは、本件に関する本日の質疑は、この程度にいたしたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野一夫自由民主党

○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。  以上をもって本日の質疑は終了しました。次回は明後日午前十時から開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時五十分散会   —————————————

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