建設委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1962/06/01
会議録
○理事(武内五郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。 本日は、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を行ないます。 本日、田中一委員より全国総合開発計画に関する調査の要求がございますので、これを許可することにいたしたいと存じます。 本日、企画庁より吉田参事官、玉置参事官、大来総合開発局長、建設省国土地理院長奥田豊三君の出席を求めて、この総合計画に関する説明を聞くことにしたいと存じます。
○説明員(大来佐武郎君) 実は国土総合開発法に基づきまして、この全国総合開発計画を作る建前になっておりましたのですが、従来いろいろな事情がございましてこの計画の策定を見るに至りませんでおりましたが、昨年の七月に草案が一応まとまりまして、各方面この草案について御検討をお願いしておりましたが、だんだんとこの草案をもとにいたしまして本計画の取りまとめということになって参ったわけでございます。実は本日も午後から国土総合開発審議会の全国部会がございまして、原案を審議する予定になっておるわけでございます。さらに来週には国土総合開発の審議会をお願いいたすことになっておりますが、目下のところまだそういうこの審議の過程、中間段階でございまして、後ほど、今資料を取り寄せておりますので、お手もとにお届けいたしますが、まだ最後的に全部仕上がったという段階ではございません。大体各省との間の協議もほぼ終了いたしたというようなところでございます。 この計画の考え方は、大体において昨年七月の草案に現われました趣旨をくんでおるわけでございますが、一つはこの国土総合開発の法律ができましたころの事情が、食糧不足、それから治山治水、あるいは水力電源開発と、今から十二年前でございますので、そういう点が非常に重点になっておったわけでございますが、その後御承知のように経済情勢も相当大きく変わって参りました。 その次の段階といたしましては、とりあえずこの生産復興に対する隘路の打開、ある程度つぎはぎでございますが、とりあえずのそういう公共的な基礎施設の隘路の打開という段階がございました。 最近ではこの過大都市の過度集中の弊害を是正するという問題、それから地域格差の是正、こういうところが非常に注目されるようになって参りました。今回の計画案もそういう点に重点のねらいを置いておるわけでございます。 この地域格差の問題なり、過度集中の問題を扱います場合に、どうしてもその所得の違いを生み出す一番大きな原因が、工業の配置にある。で、大体この府県別の所得等を見ましても、総体的に工業に従事する人間の割合の低い県は所得も大体低い。工業に属する割合の多いところは所得が比較的高いというような事情もございますので、やはり工業の配置という問題を、地域格差を直していくという場合には、第一に考える必要があるということでございます。 〔理事武内五郎君退席、委員長着席〕 ただその工業の配置を考えます場合に、漫然と工業を全国にばらまくという形でございますと、一方において工業はほとんど全部が私企業、民間企業でやられておることでありまして、民間企業の採算として成り立つことでございませんと、事実上実行が行なわれないということにもなるわけでございまして、企業が地方にある程度分散すると同時に、その分散した企業が採算が成り立つと、こういう二つの面から考えていく必要があるわけでございます。そういう趣旨でこの計画では拠点方式という考え方を採用いたしております。結局工業というものが成り立つためには、いろいろな関連産業あるいはマーケットの関係、そういうものの集まりがある程度必要でございまして、ぽつんと孤立した形で工業はなかなか成り立たない、なるべくそういうある集積、集まりを作りながら連鎖反応的に地方の工業化を促進していくというような考え方、いわゆる拠点方式というものがこの計画でとられておるわけでございます。さらにこの拠点を考えて参ります場合に、既存の大経済中心というようなものとの関係を考慮いたしますと、たとえば東京、名古屋、大阪地区というようなものとの関連も考慮しつつ拠点を考えていく。で、大きく申しまして、この計画では日本全国を三つの地域に分けております。 第一がこの計画で過密調整地域と申しておる地域でございまして、これはまあ東京方面、中京方面、それから関西阪神方面、それから北九州というようなところを中心にいたしまして、すでに過度密集の状況になっておる、いろいろな産業や仕事が集まり過ぎて弊害がいろいろ生じておるというような地域でございます。こういう地域を過密調整地域というふうに呼んでおります。 第二は中央部整備地域。整備という言葉は、たとえば首都圏整備というような意味と通ずるものでございまして、大体において本州中央部、それが現在の既存の大経済中心、京浜方面、中京、阪神、こういうものと距離的にそれほど遠くない、こういう大経済中心と関連を持ちながら、中央部整備地域に工業を分散させていく、そういう可能性のある地域でございまして、これをまあ中央部整備地域というふうに呼んでおります。 それから第三の地域といたしましては地方開発地域でございまして、これは北海道、東北、中国、九州、そういうような今までの大きな、産業経済の中心地よりある程度離れておる、こういう地域においては意識的にその地方の経済活動の中心になるような目を作っていく必要がある、すでに歴史的にも大体目になっておるという場合がいろいろあるわけでございますが、まあ政府のいろいろな施策を通じまして、意識的にそういう目を育てていってそれを拠点として、先ほど申しました連鎖反応的にその地方の経済発展、あるいは工業の発展を促進していくというような考え方をとっておるわけでございます。こういう地方開発地域につきましては、必ずしも工業の中心ということだけではございませんで、教育、文化、あるいは行政というようなものの中心という見方も成り立つわけでございます。工業の大拠点及びそういう地方開発の大拠点というものと、両者を考えておるわけでございます。それから、全般的にこの中拠点あるいは小拠点といいますか、こういうものもそれぞれの地域の特性に応じて考えて参るという建前をとっておるわけでございます。 大体そういう考え方でございますが、一体それをいかなる手段によって実現していくのかという問題になりますが、これにつきましては、政府の持っております手段は幾つかあるわけでございますが、一つは公共事業費、つまり基盤整備的な仕事を大体において政府がやるわけでございます。交通、通信、用地、用水、電力あるいは港湾とか、そういうようなものがございますが、こういう仕事に政府が投資をして参ります場合に、今の全国的な国土開発の構想に従って進めていく、ということが第一の手段になるかと思います。 それから、このほか住居とか、下水道、文教施設、観光施設というような生活環境施設、あるいは治水、利水というような面、国土保全関係の施設、こういうようなつまり倍増計画のほうで行政投資と申しておりますような仕事を通じまして、全国総合開発の構想の実現の重要な手段として役立てていく。 それから第二は、財政上の助成措置ということで、この政府の金融機関による長期融資、たとえば開発銀行に地方開発の融資ワクというのがございますが、そういうものの融資の方針を、全国総合開発の構想に沿ってやっていただくというような問題。あるいは立法的措置といたしまして、現在新産業都市建設の法案が通過をいたしておりますし、低開発地域の工業開発の法律もございますが、そういうものの指定を通じまして、あるいはそれに伴いまして税制上の優遇措置もあるわけでございますから、こういう手段を通じて構想を実現をしていくというような、幾つかの方法が考えられるわけでございます。 それから全般といたしましては、この計画は、一昨年にできました国民所得倍増計画の経済の全体の循環なり、ワク組みに従っておるわけでございます。まあその後の経済成長が非常に急速でございましたので、倍増計画の数字そのものにもいろいろの問題が出ておるわけでございますけれども、しかし倍増というものは十年ないしそれ以内に経済規模を倍増ずるという建前になっておりまして、初めの出発点のスピードは相当早かったわけでございますけれども、しかし、まあその早いスピードがそのまま続くわけではございませんで、ことしのようなある程度停滞的な時期もあるわけでございます。また倍増計画自体が十年ないしそれ以内で倍増、という弾力的な目標になっておるわけでございますので、まあそういう趣旨でこの総合開発計画のワクが用いられておるわけでございます。 それからこの開発拠点というものが、先ほど申しましたようにこの構想の一つの中心になっておるわけでございますが、それを選びます考え方といたしましては、立地条件とか、ある程度すでに経済的な集積といいますか集中の力を持っているというような問題、あるいは既存の大経済中心とある距離を置いて結びつくという関係、それから地方におきましては、やはり歴史的にある程度中心的な重要性を持ち、しかも将来もそういう中心的な性格が発展し得るような条件を持っておる、というようなところを考えていくということになるかと思うのでございます。 それからこの全国総合開発計画というものが国土総合開発法に従いましてでき上がりますと、これが一つのものさしになりまして、地方計画あるいは府県計画というようなものが、このものさしに照らして作られるというような格好になって参るかと思います。したがって、そういうさらにこれをブレーク・ダウンしたといいますか、各地域に具体的に置いて参りました計画に対して、この今回の全国総合開発が一つの基準を与える。そういう意味ではこの計画自体に個々の地点の問題を具体的に扱っておらないわけでございますが、これは今のような地方開発計画なり府県の計画なりに下がっていくという段階、及び先ほど申しました法律上の地域指定というような手段を通じまして、より具体的な姿になっていくものと考えております。 以上、大体この計画の考え方の骨子でございますが、この程度で御説明を終わりたいと思います。
○委員長(大河原一次君) ただいまの説明に対して、御質疑の方は順次御発言を願いたいと思います。
○田中一君 二十五年に国土総合開発法ができて以来、今日までもう十年以上たっているわけですが、いろいろな問題があって今までおくれておったことは私も了承できますが、私はいつも言っているのは、計画は立てろと言うんです。たとえばどういう時代にどういう修正があろうとも、少なくとも国土経営の基本的な計画を立てなければならない。それはむろん修正されるべきであろうと思う。日本の民族のあるいは経済の発展の上においていろいろある。しかしながら一応計画を立ててそれを国民に明らかに提示をしろ、ということを主張してきておったんですが、幸いこうして一応の案ができたということはけっこうなことだと思いますけれども、ここで第一に伺いたいのは、池田内閣の一枚看板である所得倍増計画、これが藤山発言等によってまたいろいろな工合に取りざたされ、またわれわれ国民も、所得倍増計画による国土総合開発の全国計画が出されるものだ、というように考えておりますけれども、これは何かその所得倍増計画による修正が行なわれた場合には、これは変わるのだというようなことになるのですか。細かい数字の問題等も、ここまでの計画を出すには積み上げられてきているものだと思います。その場合そういう変わるのだという前提に立っているのか、一応現在の段階ではこれでいくのだということになっておるのか、その点をまず最初に伺っておきたいと思います。
○説明員(大来佐武郎君) ただいまの点は、実はこの計画で数字に出ておりますところは、大体全国に対する地域別の比率、パーセンテージで大体出ておりまして、倍増計画につきましてもこの二、三年経済の走り過ぎがございまして、現在調整段階に入っておるわけでございますから、長い目で見ますれば、十年倍増というよりも、これが一、二年短縮した格好であの計画の目標がほぼ実現されるのじゃなかろうか、と私ども一応判断しておるわけでございますが、そういった場合には計画の全体の絶体量といいますかそういうものは、ある程度動いて参りますけれども、地域別の配分といいますか比率というものは、それほど動かないでよろしいのではなかろうか。つまり十年という先の目標を、一応八年先の目標に置きかえて考えてみるということで、大体よろしいのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
○田中一君 内容の大きな問題がたくさんあることですから、こうしたときの委員会ではなかなか詳細な質問はできませんから、大体伺っておきますが、たとえばこの新聞にあるように新産業都市ということを考える。岡山県の岡山市ならびに臨海地方を中心として百万都市を考えているという場合を想定すると、やはりこれによってそういうような工場誘致なり設備投資なりが行なわれてそうした形になるんだ、というような国民に印象づけがされるわけなんです。しかし一方、設備投資に対しては金融措置によって大乗的な、大乗的というよりも総括的な問題でとられるのじゃなくて、まあ小じゅうとが嫁いびりをするような形でもって、一応私企業として一つの計画を立っているものを、うしろのほうから針でつつくようなことをして、痛みに耐えかねてやめるというようなことをしている。あるいはうしろ髪を引っ張って、行っちゃいかんぞということにしているというようなことは、これはもう困るんです。だから岡山周辺の一つの新産業都市という考え方を持てば、ここに今すぐにでも一つのものが出てくるのじゃないかという印象を受ける。私もこれが決して与党の選挙対策だと思っておりません。これは懸案です。私どもは長い間要求していた問題でありますからそうは思いません、思いませんが国民に与える誤解というものがあっちゃならんと思う。そういう点も明らかにするというつもりでおりますか、それが一つ。 それから私企業に対する指導といいますか大体の考え方としては、新産業都市建設促進法による指定というもの、それから低開発地域工業開発促進法による指定というものがいろいろあると思います。これらのものによって相当各府県とも地方自治団体は招致の運動をしておる。どこに決まるにしてもそこに、もはやというものが急速に建設されるんだというような印象を持つ。そうすると、私企業に対する全体の生産面における調整というか指導というものをどうするんだ、私企業というものは、もうければ、売れれば作るんです。売れる見通しのもとに作る。売れてくればますます作る。そうすると過剰生産になることは当然なんです、私企業の営利追求という面からくる場合にはですね。そこに競争も行なわれる。そうしてまたある面は倒れていく、だれかが残るというような形でもって発展してきているわけです。私はそうした意味の統制をやれというのじゃございません。しかし、指導としてはどういう産業をどの地域に求むべきかということは、私企業そのものが考えるのじゃなくて、やはり総合開発としての国が考えるべきものじゃなかろうか、考えそして指導すべきものじゃなかろうか。この点が第二の問題。 それから時間がないから一括的に申しますがね。大体において臨海工業都市というところに重点を置いているわけですが、臨海地域に置くということが重点なのか。あるいは日本でも内陸がございます、内陸は山岳地帯が多くてそれはなかなか仕事をするにも困難でしょう、また費用もかかるでしょう。しかしただ単に臨海地域にだけそれを求めているということも、これは将来の計画については問題があろうかと思うのです。私企業の自由経済のもとに、一番便利で一番もうけがよくてということを考えるならば、まあ臨海地域が一番いいと思うのです、ことに原料等の運搬等を考えても。しかし御承知のように国土開発縦貫道という計画もございます。ことしも相当大幅な予算がつけられて一歩々々その計画が進みつつある。そういう場合には、もう場合によれば臨海地帯に持たないで内陸に持つという考え方もあると思う。しかし今までの計画を見ると、みんなこれが臨海工業地帯にあるということが第二の問題。 それから第三の問題はやはり太平洋面に重点が置かれているということなのです。これはもう否定できない姿です。私ども、やはり日本海方面にもそうした低開発地域の解消、格差をなくするということならば、あり得ると思うのです。原料等も、日本の国際的な立場、隣接する大陸との貿易とか、大陸との関連を持つところの日本の産業というものを考えておらないのかどうか——おるのかおらないのかということです。平和な日本の国という建前からするならば現在でも敵はないはずなんです。正常な国交の回復を持たない国はあります。しかしこれも民族としてはどこまでも正常な形の国交回復を行なって、そしてそれらとの資源的な交流をすべきである。ところがこれが全部太平洋向けになっておる、という点に対してはどういうお考えを持っておるのか。ただ単に日本が孤立したところのモンロー主義で日本の経済は成り立つものではございません。もはや地球というものは狭くなっている。国際的な連帯の上に立つところの日本の民族の自立、国土の開発が行なわれなければならぬと思う。あるいはアラスカでパルプを作っているが、シベリアでその事業を行なうならば、われわれ民族にはもっと安くていいパルプ等が供給されるかもわかりません。そういう点も考慮に入れてあるのかどうかという点です。 それからもう一つ申し上げたいのは窓口の問題です。これはまあ経済企画庁はただ各省各庁が計画されるものを総合的に調整して、一つの計画を立てるのだ、ということじゃならないと思うのです。かつての安本と同じようにせめてこの計画だけは、地方的な地域開発は別としても、全国的な開発計画に対しては、やはりもう少し強力な推進力というのがどこかになくちゃならぬわけです。昭和二十五年にでき上がったこの総合開発法が、今日まで足踏みしているということは、そこにあるのです。地方計画あるいは公共投資、あるいは私企業等々の孤高的な配置とかというものが、今日困難ならしめているのはこれは当然であります。もうそうなっているものでありますけれども、少なくとも全国計画というものを調整しながら、五百年千年後の民族のために計画されるものでなくちゃならぬと思うのです。これはどうお考えになっているか。そして現在では各省間にどういうような話し合いで進められているか。従来どおりこの総合計画というものがこま切れに各省各庁の主権に分割される、そしてそれはおのおのまた地方におきましては、公共投資の補助とかなんとかという形でもって地方にまた分散する、というようなことではならないと思うのです。その点をひとつ伺っておきたいと思います。できるならば自治省としての措置をとっていただきたい。 それからもう一つ、資金関係については、先ほども大来さんから説明があったように、いろいろ助成とか補助とかという形でやっていこうといいますけれども、これに要するところの総合的な資金計画というものができていると思うのですが、これをひとつ大まかなところでいいから、何年計画でどのくらいの資金があればその目的が達せられるのだ、ということをお示し願いたいと思う。 それからもう一つ。時間がないからどんどん言ってしまいます。最後に、この仕事を遂行するのには、私はこれに先行するものは何かといいますと、国土調査だと思う。一体日本の民族は、日本の国土がどういう形になって、どういうものになっているのか知っておらないと思う。かつては陸軍というものが国防的に日本の領土というもの国防の面から掌握しておりました。今はそういうものはございません。これも二十七年にできたところの国土調査法によって、一応年間一億五千万か二億程度の補助金で、特定地域の調査をやらしておりますけれども、それではあきたらなくなってきて、御承知の前国会で国土調査促進特別措置法というものが成立しました。これに示しているものは十カ年ということです。ことにかつての陸軍の陸地測量部がやっておったようなことでない、非常に科学的な、機械的な、機動力を持ったところの調査が可能なんです。地積その他の面については、これはむろん従来どおりの方法でやらなければならぬと思うのですけれども、この国土調査促進特別措置法とからみ合わせて、いつごろまでにこれを完成しようとするのか、完成しなければわからぬ問題です。これはいつの時点の国土というものの姿を想定されて考えているか、あるいは一定地域に臨海工業地帯を指定されて、施設を持つ場合には、その地下の地盤はどうなっているのか、あるいは工業用水等の問題もどうなるかというような、多角的なそれを形成すべき各要素というものは現在はむろんのこと将来にわたって検討された後に、指定されなければならぬということは明らかです。これに関連する国土保全の問題がまず第一。災害に対する防衛の立場から、現在の一つの水域にしても、それが現在のままの形であり得ないということを考えなければならぬと思うのです。現在のままの形で水資源があり得るか、あり得ないと考えなければならない。それを変えなければならぬのだということもあり得るのです。そういうこれに関連するこのような国土調査はだれがするか。基本的な国土調査、地形なり地盤なりを調べないで、計画だけ立てたのではだめなんです。経済的な、そろばんの上ではじくところのもの、だけであってはならぬということです。やはり科学的な調査が並行しなければ、ものの決定はなし得るものではないのです。地盤沈下は臨海工業地帯にはどうしてもあり得ることです。工業地帯に供給する水資源にいたしましても、台風待ちなんていうようなことでは非科学的です。それではほんとうの意味で生産が向上するものではないと思うのです。その点についてひとつ、これは大来さん、時間がないから、あまり詳しく言わぬでもいいから、一応の考え方だけでいいです。
○説明員(大来佐武郎君) まず第一の点でございますが、今、時たまたまちょうど金融引き締めの時期にございまして、いろいろな設備投資に大きくブレーキがかかっておる時代でございます。ただいま御指摘ございましたように、そういう意味では地方の開発についても資金面の制約が相当あるということだと存じておりますが、実はこの倍増計画の中でも、うたっておるわけでございますけれども、日本の経済を将来伸ばしていく上にいろいろなアンバランスを是正していかなければならない。そのアンバランスの一つは、民間の仕事が相当進んでおるのに対して公共的な、基礎的な仕事がおくれておる。これをまあ社会資本の充実という形でいっておるわけでございまして、従来そういう公共的な投資が一に対して民間設備投資が三である。これを一対二ぐらいの比重に持っていくべきであるということが計画の中に書いてございます。そういうことをもとにして全体の投資額が計算されておったのでございますが、現実には昨年、三十六年度になりますと、大体公共的な投資一に対して民間設備投資は四というような形で、逆にアンバランスが拡大するような傾向になって参りました。で、そのほかいろいろなアンバランスも出て参ったわけでございます。設備投資が経済全体の成長、これはまあ消費なり公共投資なり輸出なり、そういうものと比べて度はずれてバランスを失してきたということがございまして、結局設備投資を中心とする引き締め措置がとられるようになったわけでございますが、これはむしろ景気変動に対応する短期政策という性格が強いと思うのでございまして、やがてある時期にバランスがだんだん戻って参りますれば、また民間設備投資も増大する時期を迎えるであろうかと思うのでございます。そういう意味でただいまとられておりますような引き締めというのは、景気変動の調整のために短期的対策としてとられているというふうに私ども解釈いたしておるわけでございます。 民間の企業の調整指導ということでございますが、これはやはり各国等の経済政策の傾向から見ましても、できるだけ民間企業が自由に活動できるように持っていく。ただ政府が大きなワクを定める、あるいは大きく誘導する政策を立てていく。あまり個々の活動についてこまかくは立ち入らない、というような方向が中心になっておるかと思うのでございます。産業の立地、あるいは工場の配置等につきましても、個々の企業にそれぞれお前はどこにいけというようなことを指定することはなかなか問題がございますし、かえって必ずしも合理的な産業の発展に役立つと申されないと思うのでございまして、この点は地域立法等によるいろいろな誘導手段、税制あるいは政府資金の開銀等を通ずる融資、先ほど来申しましたような、公共投資の方向づけというような形で私企業を誘導して参りますと同時に、過密集中地区からはある程度締め出す、というと弊害がございますが、なるべくそういう地域に集まらないように、逆にこういう面については外へ出てもらうことを誘導するような措置を講じていくということが、一応この計画では中心になっておるかと思うのでございます。 それから第二の臨海、内陸の問題でございますが、これはまあ私ども工業を臨海性工業とその他の工業というふうに分けて考えておるわけでございまして、たとえば石油精製とか火力発電所とか製鉄所とか海外から多量の原料燃料等を運びまして、大きな船で運搬しなければならないというものは、これはまあその仕事の性質上どうしても臨海地域に置かざるを得ないということになるわけでございます。しかし機械工業とかその他いろいろな雑貨工業とか、それほど大量な原料を必要としない、主として労働力や技術によるような仕事につきましては、何も海岸地帯にある必要がないわけでございます。この中央部集密地域という考え方には、この既存の港湾に近い過度集中の地域から、もっと内陸部に分散していく、そのために道路とか交通の手段を内陸部に分散しやすいように考えていく、という構想が入っているわけでございまして、その意味では、この御指摘のございました内陸部の発展というものが、実は日本は島国でございまして、それほど大きな面積でございませんので、将来道路その他の発展によって相当内陸部まで広がっていくのではないか。なお、臨海部を過度に埋め立てその他でただ広げるということはいろいろな弊害もございますし、コストの面からいっても内陸部のほうがずっと安いということが多々にあると思うのでございまして、そろいう意味では、この計画でもすでに過度密集になっております経済中心地、その周辺に近いところにあまり埋め立てをたくさんやるというようなことは望ましくない、というような趣旨のことも一応触れているわけでございます。 第三の、太平洋の面に重点があるのではないかという御指摘でございますが、これは戦後の経済発展がややそういう格好になっておりまして、長い目で見てそういう方向だけでいっていいかどうか、問題が御指摘のようにございます。この具体的な地域指定をこの計画ではやっておりませんのですけれども、日本海岸についても相当な拠点を考えていくということは、将来この計画の実現の面で当然考慮されるべきであると私どもは考えているわけでございます。 次に、第四のこれを実行していくための推進力、特に企画庁がしっかりおやりなさいという御注意でございます。これは実行の面は各省がそれぞれの受け持ちをいたしております。しかしだんだんと大都市集中の問題だとか地域格差の問題が世間にも強く意識される。政府の政策としても強力に進めなければならないという世論と申しますか、そういう考え方が強まって参りまして、政府部内も単なるなわ張りということでなくて、やはり計画を総合的に調整してやっていかなければならないという気分がだんだん強まってきておるように存じますので、企画庁といたしましても、これは確かに文字どおり国家百年の計と申しますか将来長期にわたる問題でございますので、できる限り各方面の御支援を得て推進して参りたいというふうに考えておるわけでございます。 それから第五の御質問の資金計画でございますが、これは一応お手元に参りましたものの中に、六十七ページに第四の二表というのがございまして、これが地方別投資額構成比をごく大まかに示しているわけでございますが、この行政投資、つまり道路、港湾その他の公共的な施設に対する投資の総額として、一応倍増計画の十六兆円というものを考えたわけでございますが、これは十年先か九年先か八年先か、その点はある程度弾力的に考えられると思います。それから融資の面につきましては、実は御質問のようなところまでも内訳は用意いたしておりません。 それから最後に、国土調査の点についての御指摘でございますが、この点は確かにいろいろな開発事業の基礎になるわけでございます。私どものほうも、この国土調査を二十七年に法律が通りまして以来いろいろやって参りました実績を考え、さらに建設省の地理院のほうで相当精密な地図作成の仕事をやっておるように聞いておりますので、私どものほうの国土調査、それから地理院のほうの仕事、そういうものとかみ合わせて、できるだけそういう基礎的な仕事を合理的な形で進めていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○田中一君 設備投資の抑制に対しては短期のものだというお考えですが、それがいつごろどうなる、また現在の経済の成長率がどの辺まで下がったならばこうするのだ、という一つのめどを持っておるのですか、経済企画庁としては。
○説明員(大来佐武郎君) その判断は非常にむずかしい問題でございまして、これはやはり専門家の間でもいろいろ見方が分かれるわけでございます。私ども、今回のこの調整過程は従来の過程よりもやや長引くのではないか、それはまあこの三年間に非常に設備投資がふえまして、御承知のように昭和三十年には民間設備投資の総額というものは七千七百億円ぐらいでございましたが、三十六年度、昨年度は四兆になった、六年間に七千七百億から四兆円に設備投資額がふえるというような急激な膨張がございまして、それに伴いまして相当供給能力がふえて参り、その供給能力を消費、輸出あるいは財政支出等で消化して参りますまでに、ある程度期間がかかるように考えるわけでございます。いつまでということは、いろいろな国際的な経済情勢、輸出の動向等に関連いたしますので、はっきりは見当がつきませんのですけれども、まあしょっちゅう企画庁の中ではいろんな検討はやっておりますけれども、従来のケースよりも幾分長引くのじゃないかという程度の判断でございます。
○田中一君 この計画は、どこまでも日本が今後ますます平和で、戦争というものがない、いわゆる防衛力、国防力といいますか、何といいますか、自衛隊ですか、あるいは自衛隊に従属するところの数々の国防的な出費というものがないんだという前提か。日本はどこまでも平和な国である、世界と常に友好的な平和な国際関係を持つんだという前提で、どこまでも日本の現行憲法の精神にのっとった計画であるというように理解してよろしゅうございますか。
○説明員(大来佐武郎君) 私どもそのとおりだろうと考えておるわけでございます。
○田中一君 したがって、北鮮、中共、ソ同盟等とも正常な国交関係が完成されるという前提のもとに立てられたものでありましょうね。そのように理解してよろしゅうございますか。
○説明員(大来佐武郎君) まあ今の御質問になりますと、大臣にお聞き願いませんと、私ども事務当局として少し答弁がむずかしいわけでございますが、国土の総合開発ということで、世界の諸地域からいろいろな原料その他が円滑に入ってくるという一応の想定に立っておるわけでございます。
○田中一君 しかし大来さん、あなたの手元では、何か仮想敵国があって、それに対する防衛的な意味も含まれた計画を立てたわけじゃないと思うんです。その点をひとつ、大臣などに聞くよりも、今日まで作業を続けたあなた方がどういう立場でそれを企画したか、むろん今日の憲法の精神というものをもとにして、この完全実施ということを目的にして立てられた総合計画であるというように理解するのが、そのとおりだというならば、そこにあると思うのですよ。あなたは政府委員でしょう、言ったっていいですよ。
○説明員(大来佐武郎君) 今国際関係につきましては、この全国総合開発計画の前提と申しますか、ワクになっております国民所得倍増計画策定の場合に、一応考えておるわけでございますけれども、これはもうもちろん戦争はない、世界各地から必要な原料等は入手できる、それから共産圏諸国との貿易を漸次拡大していくという想定を置いておりますので、全体のワクが倍増計画に基づいて全国総合計画が作られておりますので、その点も、この計画も同様な前提と解釈してよろしいと存じております。
○田中一君 そこであなたはまだ国土調査促進特別措置法に対しての態度を——まあ今その場限りの答弁をしているようですけれども、この十カ年というのが切ってあるのです。むろんこれにはこうしなければならないということよりも、まだもう少し余裕がある法律ですけれども、これはほんとうにやるつもりですか。とにかく目の前の経済効果なんかを考えられて立てられたものでないならば、やっぱり十カ年でしなければならぬと思う。これがなくて、ただ私企業には自由競争でやらせるのだということ、そうして一面それぞれがそれぞれの思惑——思惑なんですよ、みんな。私企業というのは思惑です。しかし他方、国土開発縦貫自動車道法は建設省ですか。
○説明員(鬼丸勝之君) 総理府です。
○田中一君 というものもありますが、そういうものも考えながら、いつどこでどういうものを完成するかという前提がなければ、この新産業都市の問題とか、低開発地の問題とかというものは考えられないことなんですよ。したがって、公共投資というものが先行をするか、私企業の設備が先行するかということになると、これはやっぱり公共投資が先行しなければならぬと思うのです。そういうものと見合わなければならぬと思うのです。その先駆者である国土調査、いわゆる測量、地下の調査、あらゆるものがあります。地形とか、地盤とか、地下の資源というものも考えながら計画を立てなければならぬと思うのです。だから、そういう点はどういう工合か、この事業を実施するにあたっての心がまえというものをお伺いしたい。国土調査促進特別措置法が通過しているのですから、これは何年間かということはこの資料を見てみませんけれども、この三十八年からでも実施しなければならぬ問題なんですから、それはどういう心がまえか。
○説明員(大来佐武郎君) 法律の趣旨に基づいて私ども行政府として進めていく考えでございまして、ただいま各県のほうに照会中でございます。三十七年度中に十年の計画を立てるという予定にいたしております。まあ国土の調査という問題につきましては、目的に応じて、調査の精度と申しますか、誤差の程度等についていろいろ変わって参りますので、農地の場合でも、市街地の場合等につきましても、相当精度の要求の点で違いもあるかと思うのでございます。私どもといたしましては、先ほど申しましたように、建設省のほうの国土地理院ともよく御相談いたしまして、開発なり国土調査を、使う目的に応じた調査のやり方というものにのっとって、国土の調査のほうで受け持つものについては、さらにこの法律の御趣意に基づいて進める、同時に、建設省の国土地理院のほうでも、この地域開発の基礎になります調査でございますから、これを進めていただくというような格好で参ったらよろしいかと考えております。
○田中一君 官房長、今、大来局長からも説明がありましたが、今、国土地理院は国土調査法による調査なんかやってやしませんよ。これはみんな補助事業として、三分の一だったか補助してやらせているにすぎないのであって、国土地理院はちっとも参画してないのですよ。将来こういう大きな事業なんですから、国土調査という問題は短期にしなきゃ何にも意味がないものなんです。でありますから、その点は今後とも建設省としては、経済企画庁でおそらく三十八年には相当大幅な事業費をとるであろうということを考えて、国土地理院を相当使うというつもりでいますか、官房長、建設省としては。
○説明員(鬼丸勝之君) 企画庁で所管されております国土調査の仕事のうち、一部でございますが、基準点の測量につきましては、年間今年度五千万円程度だったと思いますが、国土地理院が支出委任を受けて実施いたしております。そこで今後、先ほどからお話のように、この国土調査促進特別措置法の運営によりまして、国土調査事業を大いに伸ばしておやりになるという場合におきまして、国土地理院は先生御承知のように、土地の測量につきましては世界的な水準の能力を持っておりますから、地理院としましてはできるだけこの事業に御協力を申し上げたいと、かように考えておる次第でございます。
○田中一君 じゃ経済企画庁はいいです、ちょっとこっちに質問しますから。
○委員長(大河原一次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大河原一次君) 速記をつけて。
○田中一君 官房長に聞きますが、国土地理院の仕事は基準点とか三角点なんかのものをやっておりますけれども、もう少し積極的な活動をさせなきやならぬと思うのです。最近は自衛隊の仕事なんかあまりしなくなったようですけれども、何といっても地図の要求は国民、どこからも出ています。おそらく現在相当の売り上げを持っていると思うのです。これは奥田さんに聞いてもいいけれども、どれくらい出ていますか、要求がありますか。
○説明員(奥田豊三君) 大体年間七百万枚近く地理院の地図が出ております。金額にして一億六千から七千ぐらいであります。
○田中一君 この調製に対する費用はどのくらい見ておりますか、大体地図の調製という面だけを別ワクにしてみると。
○説明員(奥田豊三君) 五千万円程度の予算を見ておるわけでございます。
○田中一君 そうすると一億一千万円ぐらいもうけているわけですね、国が。
○説明員(奥田豊三君) そうでございます。地図を調製します経費は、今御説明申し上げましたように五千万円程度の予算、売り上げが大体一億五、六千程度になっておりますから、国のほうでは今おっしゃったような利益ということになっておるわけでございます。で、この際少し私この委員会で申し上げたいのは、地図は今、田中先生御指摘になりましたように最近非常に出ます、これはいろいろの国の計画面とかそういったようなことで。ところが御承知のように地理院のほらでは今申したような、調製しますのに予算の制限とかいろいろございまして、なかなか一般の需要に全部応ずるような体制が実は困難になって、多少地図の発行については要望に応じられない面もあって、非常にわれわれ苦慮しております。しかしこの問題につきましては、私どもも経費の要求とか予算の問題とか、今後大いに努力していくつもりでございます。そういう考えでございます。
○田中一君 これは官房長、あなたメモして下さい、速記録に残りますからね。私たまに行ってみるのです、地方を歩きまして測量部に行ってみるのです。そうすると、あんなような形ではもう仕事ができなくなりますよ。第一に機動力がないということです、作業に。昔のように、てくてく、てくてくポールをかついだり測量機をかついで歩いていくようなことじゃ仕事はできるものじゃないですよ。経費の問題よりも事業の促進ということを考えた場合には、これはとても問題にならないですよ。だから第一の問題は機動力の問題ということです。 それからPW今度上がりましたけれども、単純労務という形になっているでしょう、ボール持ったり荷物かついだり何かするのは。これじゃ人がいないですよ、見てみればわかる。今日、中学を出た少女も八千五百円取っているのです。それが三百五十円か四百円じゃ人がありっこない。聞いてみると、今までは周期的に、農閑期のある時期になると、固定した補助員が就職に来たものだそうです、今は全然ないそうです。これも考えなければならぬことですね。 それから最近非常に非協力になったということですね、地元民が。これはなぜかというと、すべての物価が上がっているにかかわらず、たとえば伐木補償というものも全然旧態依然たるものです。それから建標の借地料というものもこれは全然問題にならないくらい安いです。電柱でも今値上がりになっていますよ。それから借地料なんかというものもそのまま押し切っているということですね。どうしても、伐木補償とか建標の借地料とかその他一般の借地料、こんなものの値上げは相当認めなければならないと思うのです。これは私は奥田さんにも責任があると思うのです。しかし院長のほうで要求しているにかかわらず、官房のほうで承知しないということもあり得ますが、これはあなた方、政治的な動きをなさらない方で、なさらないところにいいところがあるのですが、官房長が大きな政治力を発揮してしなければ仕事は進みませんよ。ことにこうして今度の国土調査というものが十カ年で完成するのだ、というような衆参両院の意思でもって政府に要求しているという形ですから、これに対してはそういうところの認識を新たにしなければならぬと思うのですが、これに対しては官房長どう考えますか。
○説明員(鬼丸勝之君) ただいま田中委員からいろいろ御指摘がございましたように、地理院の業務を遂行する上におきましては、予算上なお不十分な点があることは私もよく承知いたしております。特に従来からの慣行で地元に協力を求めておった点、あるいは借地料の補償というような問題、これらにつきましても、この二、三年来地理院といろいろ検討し相談をいたしておるところでございます。長い間の慣行でやっておりますものですから、大蔵省と折衝いたしましても、なかなか大蔵省のほうにこれを理解させ予算を獲得することが困難であった、というような事情にございます。しかしながら、先ほどお話の機動力を充実するために、いろいろな機材を整備することとあわせまして、今後地理院の測量業務の遂行にあたりまして、何とか予算上必要なものは確保するようにひとつ努力をいたして参りたいと思っております。 それから地図の調整印刷等につきましても、現在の体制のままではなかなか一般の国民の方々の需要に応じきれないというような点も考えられますので、私どもとしましては、何か新しい体制をひとつ検討してみたらどらかということも、地理院と今御相談をしておるような状況でございます。
○田中一君 民間の下請を使うことも一つの方法だと思うのですが、しかし責任を持つということになるとこれは問題です。それから地図というやつは固定しているようで固定していない、災害があれば必ずそこへ一ぺん飛行機を飛ばして地形を見るでしょうから。最近でもずいぶん不十分な地図のために大ぜい山登りの諸君が死んでおります、谷川なんかことにそうです、変化が多いということです。そういう意味で、民間に委託しようという考えでやるのか、あるいは機械の整備、それから機動化等によって、地理院そのものをほんとうにもっと大きくしてやって、いくという方向にもっていくのが、その辺はどういう方向に三十八年度考えられておりますか。今のようなことじゃできません。まだ国土調査促進法による仕事は、現在補助工事として地方で特定地域の地籍調査をやっておりますけれども、この程度じゃだめです。そうすれば相当大きな規模にしなければだめです。そしてこの全国計画というものが緒につくには——今絵を書いたわけですから、実際にあてはめてみるには、どうしても地図調製ということが必要になってくるのです。地形図、地番というものがどうしても必要です。この点どういう考えを持っておりますか。必要なものは人員もふやす。かわいそうなんですよ。地理院なんかに入ったって、これは一生そのままなんです。もっと幅の広い奥行きのあるところに就職すれば、若い者も希望を持てますが、何といったって地理院じゃ、それきりのことなんです。気の毒です。総務部長のように、あっちにもこっちにも人事交流できるというのでなくて、そういう技術を持っている人は、大体農林省へ行くか建設省に来るか、地理院に来るか限定されているのです、口というものは。そういうやはり技術家は、仕事がふえればふえるだけに優遇しなければならぬと思うのです。その意味で、地理院の拡充をはかろうとするのか。あるいは民間にまかして間違いないという保証が得られるかどうかということですね。
○説明員(奥田豊三君) 今、田中先生の御指摘のありました点は、地理院としましてもかねがね非常に大事なことだと考えておるわけでございます。特に先ほどからお話のありました国土の総合開発という基盤には、やはり国土の実態把握が一番大事なことで、私たちもこの線に沿って大いにやらなければいけないということでやっておるわけでございますが、何しろこれは一つの例でございまするが、イギリスの本国は、御承知のように二十二万方キロで、私どものようなところにちょうど該当する局が、四千五百人くらいの人員で国土の実態把握というものをやっておる。地理院は、御承知のように、日本は三十三万方キロで現在千人そこそこ、そういった意味で、これはなかなか国土のちゃんとした実態把握がむずかしいということで非常に隘路を感じております。しかしながら地理院としましてはどうしても国の機関としてやらなければならぬ仕事だけは、大いに地理院も必要な限界で、やはり大きくしてやっていかなければならぬ、地理院が要するに一番かなめなところを押さえれば、それ以外の、民間にゆだねて十分やっていかれるところは、大いに民間も使ってやるべきだという、そういう大きな考え方で私どもおるわけであります。
○田中一君 今、奥田院長の話、ひとつ官房のほうとよく打ち合わせて、これから仕事を伸ばさなければいけないのです。ことに総合開発計画が一応出れば、国民が非常に期待するわけです。それだけにあいまいな地点の指定なんかをされても困るわけです。先ほど大来局長から、やたらにどうも臨海工業地帯ばかりを発展させても、何といいますか、過密地域がますますひどくなるわけですから、分散させなければならぬということになると、なおさらのこと、私企業に対しても何にも指導するわけじゃない、 〔委員長退席、理事武内五郎君着席〕 私企業は自由計画をもってやらせるのだということになりますと、これはやっぱり国の責任ですよ。単に臨海工業地帯の、四階を建てるのにも、それこそ四十尺、五十尺という基礎を打たなければならぬというような、一つの建築物の場合でも、そういうものを考えた場合には、よほど早く手を打たなければならぬと思うのです。これは非常に気になっておるものですから、こうして同僚の委員の諸君にも御迷惑をかけたわけでございます。この問題は、三十八年度の予算の要求は、おそらく参議院選挙の済んでから後になると思いますけれども、それにしても心がまえだけはがっちり持ってしていただきたいという意味で、今まで質問を続けたわけでありますけれども、官店長ひとつよく大臣にも——大臣はかわるかもしれませんけれども、大臣にもよく話して——あなたはかわらないから大丈夫だ。国民の期待にこたえるような早い計画を——閣議決定すれば計画はできるのですから、これを裏づけるところの科学的なものは、やっぱり一番最初にくるところのものは国土地理院、建設省のほうにかかってくるわけです。これをひとつやっていただきたいとこう思います。質問はこれでやめます。
○説明員(鬼丸勝之君) ただいまるる田中先生からのお話ありました、国土地理院の業務を、今後国民一般の期待に沿うべく伸ばしていくためには、先ほどからお話の点を改善し、予算上の措置に万全を期する点におきまして、私ども今後一そう努力をいたしたいと思っております。ただ、人員にしろ、予算にしろ、これを最も効率的に必要なものを確保するという考え方でやっていかなければならぬので、地理院長からも申し上げましたように、個個の業務につきましては、民間の測量業者等を育成いたしまして、これらの業者にできるだけやらしていくということが、国の予算の執行上も効率的ではないかと考えておりまして、さっそく来年度の予算編成に間に合うように具体的に案を検討し、まとめて参りたいと考えております。よろしく御支援を願います。
○田中一君 それでね、民間に頼んでもやはり順調に事業が伸びるわけですから、それはむろんオーバーワークにならないような手当はするのでしょうね。
○説明員(鬼丸勝之君) お話のとおりでございます。よろしくお願いします。
○理事(武内五郎君) ほかに御質問ございませんか——御質問なければ本日はこの程度にて終了することにいたします。 これにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会