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40回国会参議院1962/05/02

決算委員会 第12号

発言数
129
登壇者
15
会派数
2
開催日
1962/05/02

会議録

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) これより決算委員会を開会いたします。  委員長の委託により、本日の委員会は、私が委員長の職務を行ないます。  委員の変更について御報告いたします。  本日武内五郎君が辞任され、その補欠として清澤俊英君が選任されました。   ―――――――――――――

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 昭和三十四年度決算を議題といたします。  本日は、午前は通商産業省、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行関係の質疑を行ない、午後労働省関係の質疑を行ないます。なお、昭和三十四年度決算において会計検査院より指摘された事項は、通商産業省関係においては検査報告七十ページ以下の補助金関係六件であり、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行関係ではございません。  それではこれより、順次説明を求めることにいたします。  まず、通商産業省関係について説明を求めます。佐藤通商産業大臣。

佐藤榮作自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 通商産業省所管経費決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計歳出決算につきまして御説明いたします。昭和三十四年度歳出予算現額は百四十二億二千五百万円余でありまして、これを歳出予算額百二十九億六千三百万円余と比較いたしますと、十二億六千二百万円余の増加となっておりますが、これは総理府所管よりの移しかえ額三億一千七百万円余、予備費使用額一億一千六百万円余、前年度よりの繰越額八億二千八百万円余による増加であります。歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額は百三十二億七千八百万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は七億一千百万円余、不用となりました金額は二億三千五百万円余となっております。三十四年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもな事項の大要を御説明いたします。  第一に、貿易振興及び経済協力費でありますが、歳出予算額は、二十億二千五百万円余でありまして、これと前年度よりの繰越額一億九千四百万円余及び予備費支出額七千百万円余を加えまして、歳出予算税額は二十二億九千百万円余となっております。これに対しまして支出済歳出額は十八億八千三百万円余、翌年度繰越額は三億四千五百万円余、不用となりました額は六千百万円余となっております。貿易の振興につきましては、世界貿易における輸出競争激化の情勢に対処いたしまして、わが国輸出の恒常的伸長をはかりますために、日本貿易振興会を初めとする輸出振興諸機関の活動の強化充実を行ないまして、市場の調査、商品の宣伝、取引のあっせん等の事業を推進いたしましたほか、輸出品の意匠の向上、輸出検査の整備等を積極的に促進いたしました。  また経済協力につきましては、長期の輸出市場の培養と輸入原材料の安定的確保をはかりますために、経済協力の前提となります調査事業を充実いたしますとともに、わが国技術者の海外派遣のあっせん、海外の技術者研修のための受け入れ等、各種の経済協力事業を推進いたしました。  第二に、中小企業対策費でありますが、歳出予算額は二十一億九千五百万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額三億一千万円余を加えまして、歳出予算現額は二十五億六百万円余となっております。これに対しまして、支出済歳出額は二十四億一千七百万円余、翌年度繰越額は百万円余、不用額は八千八百万円余となっております。そのおもな支出につきまして、御説明いたします。  まず、中小企業設備近代化等、補助金の三十四年度における支出は、十億九千五百万円となっておりますが、これによりまして、中小企業設備近代化のために、二十五億二千三百万円の貸付が三千五百企業に対して行なわれましたほか、中小企業等協同組合の共同施設につきましても、三億八千万円余が三百二十五組合に対して貸し付けられまして、中小企業の近代化合理化に大きく効果を上げたのであります。次に中小企業団体中央会補助金でございますが、三十四年度におきましては、五千万円の支出を行ないまして、中小企業の組織化を推進いたしました。また中小企業診断指導費補助金を九千三百万円余支出しまして、各種診断事業の実施を促進し、中小企業経営の合理化と技術の向上等に寄与いたしました。次に中小繊維工業設備調整補助金は、前年度の繰越金三億一千万円余を加えまして、合計十億一千万円余の予算をもちまして、広巾換算二万三千台の過剰綿スフ及び絹人絹織機の処理をいたしまして、繊維不況の打開に大きな効果を上げたのであります。次に中小企業等災害復旧資金利子補給金及び共同施設災害復旧事業費補助金でありますが、これらの経費は、昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けました中小企業者に対しまして、商工組合中央金庫が低利の融資を行なうために必要な利子補給金及び風水害を受けました事業協同組合等の施設の復旧事業に対する補助金でありまして、利子補給は対象中小企業者数一千四百八十八件、復旧事業費補助金は交付組合数百十五組合の実績となっております。  第三に科学技術振興費関係でありますが、歳出予算額は三十七億二千八百万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額二億円余及び総理府所管よりの移しかえ額二億九千八百万円余を加えまして、歳出予算現額は四十二億二千五百万円余となっております。これに対しまして支出済歳出額は三十九億八千三百万円余、翌年度への繰越額は一億八千六百万円余、不用額は五千五百万円余となっております。  科学技術振興費関係の経費といたしましては、まず通商産業省所管の試験研究機関に対しまして、電子技術、オートメーション技術、生産加工技術等鉱工業技術開発上特に緊急重要な項目に関する研究を推進いたしますための特別研究費を支出いたしましたほかに、各試験研究機関の設備を準備しまして、世界的な技術革新の趨勢に即応するよう努めて参りました。また、わが国の鉱工業技術の向上に寄与すると認められる民間の応用研究、工業化試験を助成いたしますために、これら試験研究百十件に対しまして、鉱工業技術研究費補助金四億八千四百万円余を交付いたしました。  第四に公共事業関係費でありますが、通商産業省関係の公共事業費としましては、工業用水道事業費と鉱害復旧事業費がございますので、その御説明をいたします。  まず、工業用水道事業費でございますが、この経費は工業用水道の事業費の一部を補助するためのものでありまして、歳出予算額は八億四千二百万円余でありまして、これに前年度よりの繰越額一億二百万円余を加えまして、歳出予算現額は九億四千五百万円余となっております。これに対しまして支出済歳出額は七億七千九百万円余、翌年度への繰越額は一億六千四百万円余となっております。  三十四年の事業実績といたしましては、横浜、北九州、仙塩、磐城、愛知、北伊勢及び徳山南陽地区の七ヵ所の継続事業と、川崎、市原、尼ヶ崎、大阪市、大阪府及び松山、松前の六ヵ所の新規事業を実施いたしました。  次に鉱害復旧事業費でございますが、通商産業省所管となっております公用公共用建物と家屋の復旧費といたしまして、三十四年度に一億一千六百万円余の支出を行ないまして、九百六十八戸の家屋と二十件の公用公共用処物を復旧いたしました。  以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計歳出決算に関する御説明を終わりまして、次に当商所管の各特別会計の決算について、御説明申し上げます。  第一に、アルコール専売事業特別会計でございます。この会計はアルコール専売法に基づいてアルコールの製造、収納、販売等の事業を運営するために設けられたものでありまして、三十四年度収納済歳入額は三十五億九千三百万円余、支出済歳出額は二十六億七千五百万円余であります。この会計の損益計算上の利益は八億六千七百万円余でありますが、このほかに、資産の減少に伴います納付額一億二千二百万円余を加えました九億九千万円余を一般会計に納付いたしました。  第二に、輸出保険特別会計でございますが、この会計は輸出保険法に基づいて政府の行ないます輸出保険事業の経理を明らかにするために設置されたものでありまして、三十四年度収納済歳入額は六十六億六千百万円余、支出済歳出額は四億円余であります。三十四年度における保険引き受け件数は二十三万三千件で、保険金額は千七百二十四億円であります。  第三に、特定物資納入金処理特別会計でございますが、この会計は特定物資輸入臨時措置法に基づいて、国庫に納入されます特別輸入利益金の受け入れ等に閲する経理を明らかにするため設けられたものでありまして、三十四年度収納済歳入額は二十八億六千三百万円余、支出済歳出額は二十八億二百万円余でありまして、この支出額のうち産業投資特別会計への繰入額は二十八億円であります。  以上をもちまして、通商産業省所管の特別会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。  最後に、三十四年度の通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院より不当事項として六件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。今回、会計検査院より不当事項として指摘を受けましたものは、貿易振興費と鉱工業技術振興費より支出いたしました国庫補助金二件、国庫補助金相当額で合計百四十万円と、中小企業設備近代化補助金四件、国庫補助金相当上額で合計二百四十万円余であります。指摘金額は返還を命じまして、そのうち四件は全額収納済みであります。今後、この種事案の発生を未然に防止するため、一そう事前事後の審査及び関係係官の訓練に努めまして、予算の執行の適正を期する所存であります。  以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして、詳細に御説明申し上げたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、中小企業金融公庫関係について説明を求めます。森永中小企業金融公庫総裁。

森永貞一郎中小企業金融公庫総裁

○参考人(森永貞一郎君) 中小企業金融公庫の昭和三十四年度の業務の実施概要は、会計検査院の決算検査報告百三十一ページのとおりでございますが、御参考までに若干補足説明を申し上げたいと存じます。  まず、三十四年度におきましては、経済の順調な拡大発展に伴いまして、中小企業も総じて堅調に推移し、その設備投資も、企業の合理化、近代化の必要から活発に行われたのでございまして、これに伴いまして、当公庫に対する資金需要もきわめて旺盛でございました。当公庫といたしましては、当初貸付規模を六百四十五億円と定めて発足いたしたのでございましたが、ただいま申し上げましたような中小企業の生産活動の活発化に伴う資金需要に加えて、九月末に東海地区に伊勢湾台風の大被害がございました。その災害復旧のために、中小企業者の当公庫に対する資金需要は多額に上ったのでございます。こういうふうな情勢に対処いたしますために、年末金融資金として二十億円、災害復旧融資金として六十三億円の追加借入が認められました。これらの追加額を合わせまして、年間といたしましては七百三十二億円、前年度の実績に対比しまして一五・一%のの増加、の貸付を実行し、貸付残高は千三百二十億円、前年度末に対比しまして一九・五%増の金額に達したような事情でございます。なお、三十五年度は年間七百六十五億円、三十六年度は九百八十九億円の資金の貸付を行なって参っております。  貸付の方法には直接貸付と代理貸付がございますが、まず直接貸付について申し上げますと、特に定員の直接貸付部門への重点的配置を行ないました。さらに審査要員の養成と審査能率の向上に努力をいたした次第でございまして、その結果、三十四年度は前年度に比較して三十五億円増加の千三百六十三件、百二十一億円の貸付を実行いたしました。  なお、三十五年度は千七百六十八件、百八十二億円、三十六年度は二千三百二十四件、二百八十一億円の直接貸付を行なっております。  代理貸付につきましては、伊勢湾台風災害復旧融資が七十億円でございましたが、それを含めまして前年度に対して五十九億円の増、一〇・九%の増加でございます。五十九億円増の六百一億円の貸付を行ないました。その後も三十五年度は五百八十三億円、三十六年度は七百八億円と、逐年貸付を増加いたして参っております。  次に、日本開発銀行から、当公庫が承継いたしました復金承継債務権につきましては、鋭意回収促進に努力いたしました結果、三十四年度は回収三億一千三百万円、償却一億一千二百万円を行ないました。年度末の残高は七億円余となりました。三十五年度以降におきましても、引き続き回収整理をはかりましたのでございまして、その結果、三十七年三月末現在におきましては、四百六十五件、三億二千五百万円と減少いたしております。開発銀行から承継いたしました金額七千五百五十九件、百十九億八千二百万円の九七・五%の回収整理を終わったというような実情に相なっております。  最後に、三十四年度の損益計算でございますが、一応十三億九千二百万円の利益金をあげましたが、固定資産減価償却引当金繰入額八百万円余を差し引きました残額十三億八千三百万円は、三十四年度末における貸付金残高の千分の一〇・四八に相当する金額でございまして、大蔵大臣から滞貸償却引当金への繰入額として承認されております千分の十五以内の金額であり、かつ、これを繰り入れました場合の残高は五十九億八千万円でございましてこれは積立額として承認されておりまする額、当初は千分の四・五でございましたが、その額以内でございますので、国に納入すべき利益金はなかった。そういうような実情に相なっております。  以上簡単に補足説明を申し上げます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、中小企業信用保険公庫関係の説明を求めます。山本中小企業信用保険公庫総裁。

山本茂中小企業信用保険公庫総裁

○参考人(山本茂君) 中小企業信用保険公庫の昭和三十四年度決算の概要について御説明申し上げます。  当公庫は昭和三十三年に制定されました中小企業信用保険公庫法に基づき、中小企業者の信用力を補完することにより、中小企業金融の円滑化を促進することを目的として、中小企業者の債務の保証等について保険を行なう保険事業と、全国五十二の信用保証協会に対してその業務に必要な資金を融通する融資事業を行なう機関として、同年七月に発足いたしました。したがいまして、本三十四年度決算は第二事業年度の決算でございます。  まず、事業の概要について申し上げます。当公庫の事業のうち、保険事業におきましては、契約済額は、一千二百九十三億円でありまして、この契約に基づきまして当公庫が保険引き受けをいたしました額は、九百十四億円となっており、差引三百七十九億円の減となっております。これは包括保証第一種保険の利用が契約額に比べて少なかったこと等によるものであります。また、融資事業におきましては、本年度において産業投資特別会計から新たに出資されました二十億円と既貸付金にかかわる回収金十一億円との合計額三十一億円を原資として、全国五十二の信用保証協会に対して同額の資金の貸付を行ない、これに伴う三十四年度末における貸付残高は約五十億円となっております。  次に、本年度の決算の概要について御説明申し上げます。本年度の収入額は十五億一千四百万円余であり、支出済額は十五億一千三百万円余でありまして、おおむね収支均衡いたしましたが、わずかに四十四万円余の収入超過となっております。この収入、支出額について、予算額と対比いたしますと、収入につきましては、予算額十四億四千四百万円余りに対しまして、収入済額は、十九億一千四百万円余でありますので、差引六千九百万円余の増加となりました。これは、主として債権の回収による納付額が見込額より多かったこと等によるものであります。  一方、支出につきましては、予算額十七億二千一百万円余に対しまして、支出済額は、十五億一千三百万円余でありますので、差引二億八百万円余の減少となりました。これは、主として保険金の支払いが予算上の支払い、予定に比べて少なかったこと等によるものであります。  次に、本年度の損益計算についてみますと、総利益は二十億八千三百万円余で、総損失は二十一億二千一百万円余でありますので、差引四千八百万円余の純損失を生ずることとなりました。これは回収金等の増収もありましたが、損失の面においてそれ以上保険金の請求が多かったことによるものであります。なお、当公庫の保険事業は、中小企業者に対する政策的保険でありますので、保険事業収支におきまして生じました損失は基金の運用益をもってこれを補てんとする建前となっているものであります。  終わりに、当公庫の経理に関しましては、公庫の予算及び決算に関する法律の定めるところにより、政府の監督規制のもとに、常に予算の効率的な使用並びに経理の適正な運営につきまして極力意を用いているところでございまして、会計検査院からまだ指摘を受けるような事案は出ておりませんが、今後とも一そう経理の適正な運営に努力する所存でございます。  以上はなはだ簡単でございますが、昭和三十四年度決算についてその概要を御説明申し上げた次第でございます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、日本開発銀行関係の説明を求めます。平田日本開発銀行副総裁。

平田敬一郎日本開発銀行副総裁

○参考人(平田敬一郎君) 総裁がやむを得ない事情のために参っておりませんので、私がかわりまして御説明申し上げます。  昭和三十四年度の業務につきましては、別途業務報告書をお手元に差し上げまして御参考にいたすことにいたしておりますが、若干概要を申し上げたいと存ずる次第でございます。  三十四年度のわが国の経済がきわめて順調な成長発展を遂げましたことは御承知のとおりでございます。このような経済情勢を背景といたしまして、三十四年度の財政投融資計画は、全体としても千二百億円程度増加いたしておる次第でございまするが、開発銀行の貸付規模も約六百八十億円程度と、前年度の六百三十億円に対しまして約五十億円の増加となったのでございます。その内訳は、電力が二百五十億円、海運が百八十億円、その他が二百五十億円と相なっております。なお検査報告にございまする九百六十一億一千二百万円余の貸付実行額は、右の国内資金のほか開発銀行が国際復興開発銀行から借り入れまして転貸いたしまする外貨貸付約二百七十四億を含むものでございます。  次に三十四年度の貸付運営の特徴を申し上げますと、まず第一に、電力、海運、石炭、鉄鋼の四重点産業以外の一般産業に対する貸付が増加したことでございます。  第二番目といたしましては、産業基盤の強化充実の観点から、港湾施設、建設機械等を中心にいたしました産業関連施設に対する貸付が増加したことでございます。  第三番目といたしましては、最近の技術革新の急速な進展に伴いまして、合成ゴム、石油化学等の合成化学向けの貸付が著しくふえたことでございます。  第四番目といたしましては、中小型鋼船造船業合理化臨時措置法の施行に伴いまして、中小型鋼船造船業の合理化を新たに対象として取り上げたことでございます。  第五番目といたしましては、後進地域開発の観点から、地方開発融資を新たに取り上げたことでございます。以上が大体その以前に対しまする貸付運営のおもたる特徴点かと存じます。  次に昭和三十四年度におきまする既往貸付金の回収は、開発資金が百五十二億一千四百万円、見返り承継債権が五十五億一千六百万円、復金承継債権が二十五億五千二百万円、合計いたしまして二百三十二億八千二百万円でございます。そのほか外貨資金貸付の回収が九億五千九百万円、全部含めまして、検査報告のとおり二百四十二億四千百万円と相なったのでございます。  次に決算の該要について申し述べますると、検査報告にございまするように、三十四年度は百六十六億二千三百万円余の純益金を計上いたしまして、法令の定めるところに従いまして、期末の貸付金残高五千八百二十七億二千五百万円の千分の七を法定準備金として積み立て、残額の百二十五億四千五百万円を国庫に納付いたした次第でございます。  また、年度末における貸付残高は、各資金合わせまして五千八百二十七億二千五百万円となり、このうち六十六億四千三百万円余が延滞となっております。前年度末に比較しまして二十三億九千百万円余の増加でございまするが、これは海運のうち見返り資金で融資しました改造並びに買船肩がわり資金分十四億九千九百余万円が昭和三十四年度中に最終期限が到来したのでございまするが、内入猶予措置を行なわず延滞に入ったことでございます。いまひとつは石炭業界は、一般業界の好況にもかかわらず不況でございまして、石炭の延滞が十二億五千三百万円ほど増加したことが主因でございます。  最後に、御参考までに三十五年度以後の業務の概況につきまして簡単に補足しまして御説明申し上げます。三十五年度の貸付規模は、総額六百六十億円で、その内訳は電力が二百五億円、海運が百四十五億円、その他三百十億円になりまして、その特色といたしましては、三十四年度に比べまして電力、海運向け資金が減額され、基幹炭業部門からその他の部門へ重点が移る傾向を示したことでございます。  第二番目といたしましては、外航船の建造は原則といたしまして企業の償却前利益の範囲内で行なうということを原則とすることになり、また新たに外航船の主機転換を取り上げたことでございます。三番目といたしましては、港湾等産業関連施設の充実強化、都市交通の整備など、生活環境施設に関連した民間企業の施設の充実をはかる部門を対象としたことでございます。四番目は三十四年度以降開発促進法の成立いたしました九州、四国を中心としまして、地方開発融資をさらに積極的に推進したことでございます。  三十五年度末の貸付残高は六千四百十五億円でございまして、そのうち九百七十五億円が国際復興開発銀行からの借入金による外貨貸付金となっております。  最後に三十六年度につきましては、貸付規模は八百二十五億円になり、内訳は電力二百五億円、海運百五十億円、地方開発百七十億円、地方開発を別ワクとしまして計上して融資いたすことにしたのでございますが、百七十億円、その他三百億円と相なっております。前年度に比べまして百六十五億円増加いたしましたが、これは先ほど申し上げましたように、九州、四国に次いで新たに中国、北陸の二地域を加えました地方開発融資が前年度から百七十億円というふうに増加した等によるものでございます。  三十六年度末の貸付残高は、七千六十億円でございまして、このうち千四十六億円が国際復興開発銀行からの借入金による外貨貸付金と相なっております。  以上簡単でございましたが、本行業務の概要の説明と申し上げた次第でございます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、日本輸出入銀行関係の説明を求めます。古沢日本輸出入銀行総裁。

古澤潤一日本輸出入銀行総裁

○参考人(古澤潤一君) 日本輸出入銀行の昭和三十四年度の決算の概要を御説明申し上げます。  三十四年度の融資承諾額は六百九十七億六千一百万円で、前年度の四百三十七億円に対し約六割の増加を示しております。これは開行以来の最高の記録でございます。これは主として東南アジア向けプラント輸出が伸長したことによるものでございます。一方貸付実行額のほうは六百四十七億八千四百万円で、前年度実績の四百七十億八千八百万円に対し大幅に増加いたしました。約三割七分の増加でありますが、これは主として一般プラントが前年度に比べまして百十六億六千二百万円の著増を示したこと、及び円借款が前年度に比べまして三十三億四千五百万円の増加を示したことによるものでございます。  回収額は三百六十四億九千四百万円で、前年度実績に対しまして、八十四億五千三百万円の減少となり、貸付額に対する比率も前年度に比して低下いたし、資金の回転率がやや鈍化したのでありますが、これは主として延べ払い条件の長期化、並びに円借款は海外投資のごとき年度内回収のない新規貸付が増加したことによるものであります。  以上の結果、年度中の貸付純増額は二百八十二億八千九百万円となり、貸付残高も九百四十二億七千七百万円と開行以来の最高残高を示すことになりました。  三十四年度の当初の資金計画では、貸付総額は八百億円、これに政府に対する借入金返済として三十六億円、合計八百三十六億円の所要資金に対しまして、原資面では政府出資金七十億円、政府借入金二百九十億円、回収金等自己資金四百七十六億円を予定したのでございますが、貸付実績が計画より百五十二億千六百万円も少なかったこと、また回収金も予想より下回りまして、自己資金が四百四億三百万円と計画より減少したことにより、政府借入金は二百二十億円、政府出資六十億円にとどまりました。この結果、結局年度末現在の運用資金量は、払込み済資本金四百四十八億円、借入金四百六十四億四千七百万円、準備金五十三億千百万円、合計九百六十五億五千八百万円となり、したがいまして、原資総額の構成割合は自己資本が五二%、借り入れ資本が四八%と相なりました。  次に決算について御説明申し上げますと、一般勘定におきましては、収入額は貸付金利息や債務保証料等合計三十億四千二百万円で、支出額は業務諸費、諸給与等の経費、その他借入金利息等を合わせまして合計二十三億六千九百万円であります。したがって、収入額と支出額との差額六億七千三百万円から動産不動産価額償却額四百五十万円を差し引いた貸し倒れ準備金繰り入れ前の利益金は六億六千九百万円となったのでありますが、この金額は日本輸出入銀行の国庫納付金に関する政令第一条第三項の規定により、大蔵大臣の定める貸し倒れ準備金繰入率の限度に達しませんでしたので、その金額を貸し倒れ準備金に繰り入れ、三十四年度は利益金を計上するに至りませんでした。  東南アジア開発協力基金勘定につきましては、収入額は基金と基金に属する積立金を資金運用部に預託したことにより生じた利息二億三百万円があり、一方支出額はありませんでしたので、その全額をそのまま三十四年度利益金として計上いたした次第でございます。  以上をもって説明を終わります。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 会計検査院より、検査報告について説明を求めます。宇ノ沢会計検査院第四局長。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局第四局長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 昭和三十四年度の通商産業省所管の経理決算につきましては、書画並びに実地検査をいたしました結果、本院の指摘いたしました事項は、先ほど委員長から御指摘のありました検査報告の七十一ページから七十三ページまでに書いてございまして、指摘事項の二〇二号と二〇三号は、東京、福岡両通商産業局で、鉱工業に関する技術の研究、それから新規試作品の試作奨励のために国庫補助金を交付いたしたものでございますが、交付時または精算時の審査が十分でなかったために、補助金の対象とは認められないものに対して補助金を交付した結果となっているものでございます。  それから二〇四号から二〇七号は、中小企業設備近代化等の補助金を財源といたしまする府県の貸付金の運営が当を得ないというものでございまして、いずれもその使用状況を調査いたしましたところ、貸付の対象とならない企業または対象設備を購入していない者に貸し付けているものでございまして、資金の使用が当を得ず、国庫補助金が所期の目的に使われていないというものでございます。  以上でございます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、白木会計検査院第五局長。

白木康進会計検査院事務総局第五局長

○説明員(白木康進君) 中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行につきましては、三十四年度の決算の概要をそれぞれ検査報告に付しております。検査の結果、不当と認められたものはございません。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私は、ただいま問題になっております新潟県と福島県、電源開発会社をからめました開発分水の現状について若干お伺いしたいと思います。  まず、お伺いしますが、本日電源開発の関係者が参考人として見えませんね。非常に審議経過において不便を感じておりますから、したがいまして、通商産業省の公益事業局長から、わかる範囲において丁寧な御教示を願いたいと思います。あらかじめ申し上げておきますが、私はあまり電気事業等には深い造詣を持ちませんで、したがいまして、無理なお伺いをするかもしれませんので、その点はお含み願いたいと思います。  まずお伺いしたいのは、電源開発促進法によって電源開発会社ができまして、当時の法案によりますと、電源開発会社は総株式一億そのうち第一期五百万株の募集券面額千円、こうなっていると思いますが、その後総株数や、あるいは株数が違えば資本額が違ってくると思いますので、その点現在は株数が幾株になって、同時に総株式、資本額は幾らになっておりますか。それをまずお伺いしたい。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) ただいまの電源開発の払い込み資本金は六百一億でございまして、六百億が政府出資、一億円が九電力会社の出資となっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 六百一億あって、その株式の持株数は国はどのくらい持っているのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 六百億が国でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 一億はだれが持っているのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 一億円は九つの電力会社がそれぞれ少しずつ分けて持っているわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで、局長も御承知でしょうが、只見川の本流案と分流案が争われまして、福島県と新潟県を中心にし、同時に東北電力と東京電力の利権的な争いも加味しまして、これが決定までには約八ヵ年だと思いますが、八ヵ年にわたる年数を経て、波乱万丈の中で、最終決定をしましたのが、昭和二十八年の九月二十八日、政府案が決定するまでの長い間の争いであった、これは御承知のとおりであります。その間政府といたしましても両関係者といたしましても、あらゆるスタッフを動員して、そうしておのおのの主張を中心にした試験研究、調査が続けられましたことも御承知だろうと思うのです。そうした結果でこの政府案がきまりますまでには、初めは公益事業局を中心にした公益事業委員会ですか、これが中心になってやっておりましたが、電源開発促進法が昭和二十七年に自民党の議員提案となってそれが法案として通りましたのは二十七年の八月かと思います。そうして二十七年の九月には会社が発足しまして、そうして高碕さんが総裁になられた。それから促進法による電源開発が始まったわけで、そういう争いの中あるいは本名、田子倉ダムの問題で問題を起こして、そうして騒ぎをした、いろいろの問題が出ましたが、その後経過の筋をたどってみますと、そういう形がありますので、したがいまして、本案の政府決定に対しましては、電源開発促進法によるところの電源開発調整審議会が両回開かれまして、そうして昭和二十八年の七月の二十八日に調査会の答申も政府に出されて、そこで政府案というものが決定して発表せられたのが、翌八月の何日かに発表せられたと思うのであります。この新議会は御承知のとおりもう私が申し上げぬでもよくわかりますとおり、これは促進法にきめられた審議会でありまして、したがいまして、関係省庁の大臣は全部これに参加している。こういうような形できめられて、そうしてきめられました第一案を見ますと、結局私は本流案について、いわゆる田子倉の開発に対しては本日は何もお伺いしません。お伺いするのは只見川関係だけをお伺いしたい、こう思います。同時にその第一案によりますと、奥只見のダムの建設と黒又川の第一発電所の工事を一緒にやる、そうしておのおの定められた期限までにこれを完成する、こういうふうになると同時に、只見川の問題になりました分水問題については、これを第一期工事が終わるまでの間にこれを六キロですか、六キロの水路と隧道をあけて完成する、こうなっている。これが第一期の基本計画として発表せられた内容だと、こう思っております。その際に審議会に諮られました問題としては、当然水の問題が新潟の灌漑用水の問題として一応取り上げられたと思っている。その点はどうなんでしょうか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) ただいま先生の御指摘のとおりに、大体信濃川下流の灌漑関係というようなことが問題になりまして、当時奥只見の側から黒又川に分水するという決定がなされたというふうに承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 農林省はどうです。そのとき新潟県からどういう要求が出ておって、それに対してどういうお考えがあったのですか。どういう態度をとったのですか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 私のほうにもその際には下流の農業用水として必要である、その農業用水の使用計画は、すでにございます水田の補給水あるいは新しく開田いたしますもの、それから畑地の灌漑を行なうものというような、それぞれの使用計画があったと承知しております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、それの詳細な計画書は出ているのですか。これだけの水がどうしても要るのだという計画書が出ておりますか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 概要計画程度でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 これは通産省にお伺いしますが、この際関係省としては通産省、自治省、経企、農林、大蔵と、こうなっておりますが、どうも厚生が入っておらぬのはおかしいと思いますが、通産関係で工業用水等に対する問題は当時出ておりませんでしたか。あるいは自治省、厚生省を中心とする衛生用水というのですか、いわゆる水道等の利用上の水の問題等はその際出ておりませんでしたか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 工業用水につきましては、当時はこの分水問題のときにはこれだけの水が要るといったようなことは話題に上らなかったというふうに承知いたしております。ただ、農業関係の水だけが金澤農地局あたりのいろいろな御意見がありまして、どうしてもある程度の分水がほしいのだというようなことから分水が問題になった、そういう事情であったと承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 これは電源開発調整審議会とはずれてのお伺いですが、今現在新潟県でも特別なガス資源が出ている。そうして各産業の一大伸展を見ようとしておりますとき、工業用水というものが当然これから先問題になると考えれらるか考えられぬか。またこれはあなたの所管だから、同時に今までは農村等におきましては、流れてくる用水等を利用して非常な不衛生的な用水の採取をやっておりました。大体が。それが最近の傾向は、そういう非衛生的な農村生活というものが、終戦後の民主化と農村の幾らかの伸展から、そういうふうに漸次改善していこう、新しい観点に立ったやはり用水、簡易水道や、いろいろの水道計画というものが、小都市等を中心にして浦然として今起きておる。こういうものも当然起きるであろうということに考えられると思うが、その点どうですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 工業用水の問題は、これは当然今後産業発展等につきまして、非常なる重大な問題でございますが、ただ、この問題の、信濃川の流域地方というものにつきましては、われわれは今まで新潟から承知いたしております限りにおきましては、特に、このために分水をしなければいかぬ、こういった問題にはなっておらないというふうな一応の説明を受けております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私の聞いているのは、だから、電源開発調整審議会をはずれて、常識的にこれからそういう問題が出てくるであろうことは、通産省としてはお考えになっているか、おらないか、こういうことなんです。これをはずれてです、これからの問題としてそういうことが考えられるかどうか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 相当水量の大きな信濃川のことでございますので、少なくとも、この前分水するかしないかといった程度の水の問題というのは、工業用水等にとっても、あまり大きな量にはならない程度のものと考えておりますし、さしあたりは、あの地方で工業用水が非常に困るということは当面は起こらないのじゃないか。ただ、今後のいろいろな長期的な問題等につきましては、これはさらに通産省といたしましても、もう少し長期的な観点に立って水の問題は慎重に考えてみたいと思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 農林省はどうです。農村等がだんだんと文化的な生活をするようになって、あの広い範囲にある県下の町村、小都市が全部水道にする、水道の用水を大体信濃川や各小河川の流水にたよっておる。こういうことを考えたとき、ただ単なる農耕の灌漑用水だけでなく、どう考えておられるか。こういうものは当然考えてやらなければならない段階じゃないかと思いますが、どうですか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 清澤先生のお言葉ではございますが、私どもで調査いたしております用水量は、農業の灌漑用水だけのみをやっておりまして、ただいま御指摘の水道、特に農村におきまする簡易水道かと存じますが、そういう上水道ということにつきましては調査をいたしておりませんので、何とも申し上げられないのであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 いや、調査しておらないでも、常識としてそういうことが農村の振興として考えられるかどうか、こういうことです。考えられないと、こう言われるわけですか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 所管は厚生省かと思いますが、農村でそれぞれ将来におきまして、簡易水道その他そういった水道の計画というものは当然起こってくるだろうと考えます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そこで、農林省にお伺いしますが、大体三十五年の一月から、信濃川筋の農業用水利用対策協議会というものができている。これは二十一団体です。小千谷から北のほう、これがもう現在でも水が足らない、こういうので、小千谷から信濃川を中心にして、信濃傍系の魚野川を除いて、信濃川だけで、小千谷上流で約三十万トンの水がどうしてもほしい、それから只見川を中心にして二十万トンの水がほしい、同時に合わせて五十万トンの水を何とかして獲得しようという運動が起きていることは御承知ですか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 御存じですか。――そこでお伺いしますのは、当然水の問題が中心になって、只見でたまりました水を、それを隧道を割って、六キロですか、六キロの水路を作って、そして黒又川へ落とそう、そして、これが題一期工事の計画である。これは間違いない、ちゃんと出ておるのですから、そうなっておる。これがたまたま最近になりまして、急にその事業が変更せられて、只見川から水を取らない、そのほうは要らないのだ、したがいまして、第二ダムの構造を改正して貯水量をふやす、そういうことを条件にして、新潟県と電源会社の間に話し合いができておりますことを通産省御存じですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 新潟県と電源開発会社の間に、そういうことを骨子とする覚書が取りかわされたということは承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この覚書の取りかわしについて、最も監督的立場に立たれる通産大臣としては、どうお考えになっておりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) この覚書を見ますと、題四項でございましたか、それぞれ関係各省の了承を得るように措置するものとするということで、一応関係各省のそれに対する所要の認可等があって初めてこれが発効するという形をとっておるようでございます。実は、この県と電源開発会社とがこの覚書を取りかわすということにつきましては、ちょっと監督不行き届きというおしかりを受けるかもわかりませんが、これは昨年の十一月にそういう覚書を取りかわしたのでございますが、実は、役所のほうにそれを正式に言って参りましたのは、今年の二月でございます。それで、われわれといたしましては、ただいま先生がお触れになっておりましたようないろいろの分水関係、これは申し上げるまでもなく、電源開発調整審議会において決定せられました電源開発基本計画にはっきりと定められておるものでございますので、この基本計画の変更がない限りは、勝手に分水をやめるとかやめぬとかいうことは言い得ないものでございます。われわれといたしましては、この点、会社がただいままでにいろいろやっておりますものを、電源開発基本計画を直す前に、自分のほうで勝手に県とだけの話し合いで基本計画を変更するというところまではいっていない。ただ、当然それに非常に密接な関連を持ってくると思われるようなことを直接の監督官庁に十分な連絡をしないでどんどん話を進めておるということにつきましては、これは非常に不適当であるということを厳重に注意は与えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで、そうしますと、昭和三十六年七月二十五日ですか、これの第二期工事が始まっていまして着工したと、こうなっておる。現にダム建設のための道路建設を現在やっております。そうすると、これらに対しまする、基本的な事業計画等は通産省に申請してありますか。まだないのですか、あるのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 黒又第二発電所のものは、これは申請いたしております。当然それで電源開発調整審議会で決定いたしまして、それに基づいて工事を現在進めておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この第二発電の設計は、第一ダムを、発電を作りますとき、黒又川の発電を作りますときの計画には入っていないんですな。入っていないけれども、大体の総合計画としてのプランはできておる。それとどうなっておりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 第十回の電源開発調整審議会で只見川の開発に対する全体的な計画がきまりましたときの黒又関係は、先生の御指摘のように、第一と、それから一番上の分水を受けるところの第四と、この二つだけで、この途中の第二関係ということはなかったわけでございますが、これはその後、黒又川の水を最も合理的に開発するということのためには、さらに第一の上に第二を作りまた第三を作るということ一番水の有効利用上いいということでそしてあらためて電源開発調整審議会で、この第二を作るということで検討して、各省協議の上認可したわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だから、その第二の計画の審議会はいつごろ開かれましたか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 一昨年、三十五年の十二月でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その計画はどんなふうになりましたか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 大体……。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 あまりこまかしいものだけお伺いしても、私先ほど言うとおりわかりませんから、それはあとで資料として出していただくことにして、私のお伺いする点だけをひとつお答え願ったほうが便利だと、こう思います。まず、その第一期の計画を発表せられるとき、黒又川系の開発計画というものをせられるときには、概要的に、第二発電所は有効貯水量を一千万トンですか、それからダムの高さが、大体六十メートル、あとはまあいろいろありますけれども、私らはあまりよくわかりませんから、これ二つでいいと思いますが、これがどう変更せられましたか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) ダムの高さが、六十メートルから八十一メートル五十センチというふうに上がりました。それから有効貯水量は、一応千万トンから三千七百万トンに上がっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 これを決定せられて、通知せられますのはいつごろになるんですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げました、三十五年の十二月の電源開発調整審議会で決定せられて、それで正式のものとなったわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで、現在第一期工事のあとを受けまして、只見の分水隧道を約三分の一今掘っている。これはいつからかかったんです。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 三十五年の八月からだったと記憶いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、大体これを見ますと、その当時はこれによってなお隧道をあけて、そして所期の計画の十万トンの水は流すと、こういう計画だったんですな。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) そのとおりでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それであなたのほうは、このたびの変更について、二月に覚書による申請があった。これについては、この工事もまた変更の申請が附帯してついて出ておりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど私は二月に知ったと申しますのは、この覚書の締結があったということの報告があったわけでございまして、分水に関する水利権の使用変更の許可とか、あるいは供給施設概要の変更の許可といったような、分水計画をやめて、そして新しく分水によらないで水を使うというようなことについての申請は、まだ全然出ておらないのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ところが、この覚書を作る前提として、第二ダムに五千トンの水を集めると、こういうのです。五千トンの水を集める。そして第一ダムの水とで調和して水を流してやるから、何も要らないというのです。分水隧道は要らないというのです。こういうことでとめておるのです。そういうことなら、事業計画変更は、そうしますとありませんですな。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) まだ出ておりません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 出ておらんということは、それはまあわかりますがね、こういう重大な問題をきめますときに、関係各省の了解はもちろんですが、通産省としても、毎月事業報告を受け取られる建前になっておるのに、事業計画の変更をやる。そして、分水隧道三分の一の工事は第一次計画と一緒に仕事を始めているのだ。三分の一で大体六億得円かかったと、こう称せられる。これも間違いありませんか、六億円かかったということは。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 今水トンネルの関係で、今まで一億六千万円の工事費が投ぜられております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 三分の一でですか、現在で……。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 大体総計約二千九百四十八メートルですから、約三千メートルの隧道でございますか、そのうち、上のほうから三百七十二、下のほうから五百四十四と、約九百ばかり、三分の一弱進んでおります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 大体こういうことは勝手にできるのですか。さっきあなたが言われるとおり、そういう勝手なことはできないわけなんですがね。今度ははっきりして下さい。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げましたように、基本計画の変更ということは、電源開発調整審議会の決定がないとできないわけでございます。したがいまして、会社の側の現在の三十七年度の計画という中にも、分水工事は一応まだやるという格好で残っているわけでございます。で、われわれといたしましては、農林省を初め関係各省が経済企画庁を中心にいたしましていろいろな面から検討いたしまして、この十年前に決定した分水工事というものをやめるということのほうが、国の総合的な立場から見ていいかどうかという観点で、この分水工事をやめるかやめないかということを今後検討して決定したいと思っているわけでございまして、一にこれから各省の間折衝によって結論を出したい。したがって、それまでは分水工事というものは――事実上現在やめております。事実上やめておりますが、計画としては残っておる。これをずっと今事実上やめているのを、そのまま今後もやめるという格好で残しておくか、それともやめるのが不適当だから計画どおりどんどん進められるかというようなことにつきましては、これは電源開発調整審議会において、関係各省が相談した上で結論を出して、それに従って各会社に実施させたい、こう考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 どうもそれは、まあそう言われるともっともな話のようにも聞かれますがね、大体電源開発^会社とあなたのほうの監督権の関係で、そう勝手なことがもうがんがんできるのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) まあ勝手なことと――お言葉を返すようでございますが、おっしゃいますが、基本計画そのものはわれわれは変更はまだ何も認めてはおらないわけでございます。ただ、この工事は電気側から申しますと、当初から分水はむしろ電気の面から見るとあまり有利じゃない。ただ、信濃川の下流の灌漑用水との関係等から、電気的に見ては相当不利であっても、下流の灌漑用水を確保するために、この程度の分水をしなけりゃいかぬということから、始めたものでございますが、昨年新潟県から強い要請で、むしろこの分水をやめるということについて新潟県のほうから申し入れがあったということでございまして、電源開発会社といたしましてはそれを受けて、かねて自分のほうであまりやりたくない工事でもありましたので、そこで一応もし将来やめるということになれば、またむだ金を投ずるようなことになりますので、今工事をやめて、そしていろいろデータをそろえた上で、電源開発調整審議会で、もし変更するとすれば、この変更のための御審議を各省に願うため、そのデータを集めて出してくるという準備をしておるのだと、こういうふうに承知いたしておりまして、まだやめるとかきまったとかいうことではございません。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 ただいまの清澤委員の発言に関連いたしまして、局長さんにちょっと伺っておきたいと思いますが、基本方針を変えるというためには審議会の議を経なければならない、かように御弁明になったのは当然のことと思うのでありますが、しかるに電源開発会社だけが関係者と相談の上で、そうしてこれの変更を企て、すでに金銭の授受まで行なわれておるといたしましたならば、一体通産省はどうお考えになりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 今佐藤先生の御指摘のようなことがございますれば、これはもう非常に不都合なことであるとそう考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今の佐藤さんの問題もあとでお伺いしますが、そこで農林省はどうお考えになっておりますか、今の問題。ただいまも申し上げますとおり、二十万トンほしいのだ、まだ。何とかしてもらいたいという水利組合団体、二十一団体かそういう決議をしておるのだから、これを促進していこうと、それは実際に新潟県の渇水時の信濃川の減水水位の様相を見られればすぐわかるのです。しかも基本法によって新しく土地改良を行なって、新しい観点に立って二毛作を振興しょうというのです。発電放水ができたら必ず水がどんどんいくことがわかっているのです。そういう時期にこういう案にし、むちゃくちゃなことがほんの一部で行なわれている。しかも新潟県から申し入れたと言われるが、きょうは電源開発の方がおられないのでまことに困るのです。ということは、それは新潟県の知事が言ったわけでもない、県会の決議を持っていったのでもない。これは電源開発促進委員会という特別委員会の、これは一とつの只見川水系の電源開発を早目に進めてもらいたいという促進のなんです。それが単なる理屈をつけまして、そうして勝手にこういうことをきめている。聞きますれば、第二次計画として今現在行なおうしておるのは八十一メートル五十、それで三千七百万トンの水を第二ダムへためるということです。この報告を見ますと、五千万トンの水をためると、こういっている。五千万トンの水をためるとなりましたならば、大体どれくらいダムの容量を大きくするか、どれくらいの設置を要する場所が湛水によって被害をこうむるか、こういう非常な重大な問題があると思うのですが、ただ聞きますると、第一ダムを作るために十九億かかると、十九億かかるからそれはやめたいと、それから電源開発のほうからしますれば、十九億をかけまして、そうして分水して発電をしてみましたところが、キロワット二百二十四円かかるというのです。こういう高いものは使われないので、何とかして廃止してもらいたい、こういう問題ですね、それが出発点です。私がきょうお伺いしたい主要点はそこなんです。いやしくも八年間も争った上に、権威ある人が、これだけの人が寄っていろいろ試験研究に金をかけて、そうして第一次案というものを出し、概要案というものを出してきた、分水するともとに第四ダムを作るというのです。それは三者協定において、福島県、新潟県、同時に電源会社もこの第一次政府案に対して協議協定して決定した。ただ問題になったのは、多分ここが問題になったんではないかと思いますが、これは、第一次案による計画案を見ますと、第一次ダムに黒又川ダムの建設完成とともに隧道もくることになっている、このように基本計画にはありますが、新潟県と福島県の命令書を見ますと、この条項はちょっとはずしてある格好になっている、完了期限をちょっとはずしてある。これは確かにそういうものがこの経過書を見ますと残っている。これはただ単に、いやしくもいわゆる知能を集めてそうしてこのめんどうなことをやって、いまさらになってキロワット二百二十四円かかるからという、大体こういうめんどうな話はあり得る道理はないと思っている。何かそのうしろに問題があるんじゃないかと私は思う。すべて電源開発はこれなずさんなことをやっているのですか。ずさん千万じゃないですか。それと同時に、約一億六千万円もかけて三分の一掘った、今それをここでやめます。かりにこれから申請いたしまして、五千万トンのダムにこれから再変更する、これはできるかもしれません。しかしそれにしても、今の株式の出資数から見ましても、政府が六百億持っている。政府の持っているということは、国民の税金じゃないですか、これは国民の血税です。こんなずさんな、あまりにでたらめもはなはだしいと思うが、この点はどうお考えですか。大臣がいたら大臣に食ってかかろうと思ったが、あなたにはお気の毒だが……。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 先ほど申し上げたと思いますが、こういうことを新潟県と電発との間でやるという場合に、関係各省に正式に相談も申請も何もしないという格好であったということは、これは会社の態度も非常に軽率であったと、私どもはかように存じておりますが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、分水計画というものを勝手にやめるとかということは、これは会社だけではできないわけでございまして、これは当然総理大臣を会長とする電源開発調整審議会で基本計画の変更がなければこれは公式に認められないわけでございます。われわれといたしましては、今後電源開発調整審議会にこの分水を中止したいというようなことについて会社のほうからいろいろのデータを出してきて、そうして申し出があれば、それを各省それぞれの立場から検討いたしまして、そうしてそのおり中止したほうが国全体の立場からいいかどうか、分水は継続するという当初の方針がいいのかどうかというようなことを全部ひっくるめまして、慎重に検討したい、その上で通産省の態度というものを、結論を出したいと考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そこで問題になるの  は、佐藤さんの関連質問でお聞きになった点ですが、大体どういう経緯で支払われたか知りませんけれども、これからいろいろなものをやりますと、覚書にもあるが、  (イ)奥只見発電所注分水計画廃止に関する手続き及び行政処分  (ロ)黒又用第四発電所水利権放棄に関する手続及び行政処分。  (ハ)黒又川筋三発電所有効貯水量変更に関する手続及び行政処分。  第二条 甲は乙が現在施行している黒又川分水路工事を本覚書交換後直ちに中止することを承認する。  これで中止してしまったのですね。このことは、あなたのほうは二月に初めてこういう覚書があるということを申請があってしったと、こう言われる。そうしますと、もちろん電源開発会社の業務規則ですか、こういうものによりますれば、あらかじめ事業変更等があれば、 いろいろの手続を新たにここにしなければならない、年度内に。それから毎月また事業報告とともに事務報告もしなければならない。こういうことになっているのですよ。大体金を二億八千万円ですか、関係町村に支払われた、こういうことは全然御存じないのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 新潟県との間に、この覚書の締結に対して二億八千五百万円ですかの金を電発から出すといったことが項目に入っていることは、これは覚書を見て承知いたしております。ただ、このうちすでに払われたものは二億三千万あるわけでございますか、この二値三千万は一応分水を継続するかやめるかといったこととは関係なしに、いずれにしましても黒又川は第一から第三までは、これはやらざるを得ない。分水をやめてもやるということで会社当局も考えておりましたし、新潟県も考えておるようでございますが、その第一にいたしましても、あるいは現在やっております第二、さらに将来手を着けるであろう第三ということにいたしましても、いろいろな公共補償の問題等が非常にからみ合っておりますが、この黒又川水利の公共補償問題については、この二億三千万で一切手をきれいに打ちたい。しかも、その二億三千万の中には一億七千五百万が――そのうちで手を打ちたい。残りの五千五百万は、現存奥只見の工事に使っております電源開発の工事用道路の固定資産税を地元の村として取らないということの意味合いで、一回五千五百万出せば、それで将来は一年約四千万と計算される固定貸席税を取らないといったようないろいろな意味合いで、黒又川工事の関係及び奥只見の工専用道路の関係ということで払われた。それで分水をかりにやめるということになったら、いろいろそれで下流の方々に対してその分水廃止に伴う何らかの支払いを、対策費というものを払わなければならないというものにつきましては、それは新潟県に電発が払うという約束を一応しておるわけでありますが、これは分水がいよいよだめになり、分水をしないというふうにきまったら払うということで、現在、まだ金は払われてたくて留保されておる。ただ、そういう約束だけなされておるという、そういうふうに私は報告を受けております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私どもの承知しておるところでは、全部払われたと、 こうなっておる。全部払われた……。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) これは、二億三千万は関係の町村に、黒又川水利の公共補償問題は、これで一切もう今後は新しい要求をしたりしないということ、及び固定資産税をこの電源開発用道路から取らないということを確約して現金を払ったというふうに報告を受けておりますが、残りの五千五百万円が、分水をするかしないかということに伴う新潟県の対策費という格好で、県のほうから電発のほうに要求した金額でございますが、これはまだ電源開発調整審議会で、分水廃止ということがきまれば払うということで、まだ払っていなくて、約束だけして、電発の中にとどめられている、そういうふうになっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 二億八千五百万円は、われわれの知っている限りにおいては払われた、県のほうへも五千五百万は払っている、こういうふうにわれわれは受けているのです。この協議書からいうと払ったということになっている。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 重ねて申しますが、五千五百万円は払われておりません。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 それでは関連してまた私から伺いますが、ただいまの御答弁では、五千何がしを除くものは払われた、その払われた趣旨は、分水をする、しないにかかわらずということだ、こういうふうにおっしゃったのでありますが、はっきりとさように承って差しつかえございませんか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 分水とは関係ございません。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 そういたしますと、電源開発株式会社と県議会のほうで話し合った内容と、ただいまの御答弁が食い違っておるという場合にはどうお考えになりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 基本計画の変更なしに、基本計画を勝手に変更して、その変更をする事実と申しましょうか、ことを前提にして金を払うということは、これは許されないことでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ところが、この委員長等や電源開発特別委員会の人たちの報告を見ますると、審議の内容等を見ますと、大体電源開発会社に対して関係町村が、まあ林道を修復してくれと、こういうような要求をしているのですね。そこでそれはまあできない、電源開発会社は拒否せられている。拒否せられておられたので、そのすりかえに分水をやめて、そうして地方の開発ができるような建前で、名前はあなたの言われるような名前になっているでしょうけれども、それを開発会社から地元へ払われた。だから水は五千万トンに第二ダムで増量せられるのだし、開発分水は要らないじゃないか。その上地方の林道等の開発に非常に便利を得られるならば、ひとつやってやろうじゃないか、こういう趣旨でやっているのです。趣旨はそこにあるのですよ。だから補償や、あるいはこれをとりませんと言いましても、大体関係のない所に払われているのです。小出なんという所は何もそんな所は関係はないが、千五百万円払われている。その他の町村でも調べれば関係のない所があると思う。そういう所へみんな払われている。実際そういうことは簡単にしないで、いま少し現地を調査ぐらいして、詳しくやっていただかないと工合悪いだろうと思う。小出にはすでに問題が起きているのです。町会がまっ二つに分かれて問題を起こしているのです。さっきも電源開発の方が見えましたから、私はその事情を言うたのです。このたびのこの取りきめについて、千五百万円小出へ払うという金の中に、かつて郷組ですか、下請負がこの小出の町に非常に迷惑をかけている。八百五十万円くらいの迷惑をかけている。その際私は町の人に頼まれて行って、ひとつどこの例にもあることだが、こういう分子がどんどん入って来て、地方開発だということで入って来て、町の商人を破産に導くようなことはどうもおかしいから、ひとつ何とか方法を考えてもらえないか、こういう話をしたことがあるのです。しましたところが大体、大きいところは片づきましたが、小出にはなかなか払われない。私もよほどしゃくにさわりましたから、委員会に来てもらって委員会の問題としてひとつやろうと思ったけれども、まあ楠本さんがだいぶ骨を折って、その上左遷のような形で本社へ来て、三十三年だかに第一ダムが建設完了すると一緒に来ておられる姿を見まして、まああまり気の毒にもなるものですから、まあやかましいことはやめようと思ってやめておったのですか、それが今度その中に入っておる。入ったものが来て、小出の町に行った。町へ行きまして、どういう払い方をしたかといいますと、大きいところだけ払って小さいものをほっぽらかしてしまった、こういう分配をしている。払われるものなら、なんで私が行ったときに払わないのか。一方の自分の一番痛いところの分水をやめましたから、勝手に金を出してくる、名目かあったら何でも出す。こんなまあ、これは公金でしょうな。そんなばかなことで勝手気ままに使っていていいのですか悪いのですか。監督官庁として、あなた方それでいいのですか。必ず報告があるでしょうが、こういう金かこういうふうに使われたと。だからよく御存じなんだ。だから今、小出は大騒ぎです。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 黒又川筋の公共補償――先ほど林道施設、一般道路、あるいは消防施設、あるいは屎尿処理施設、簡易水道あるいは火葬場といったようないろいろな関係の公共施設に関連しまして、これはどこの地点でもそうでございますが、電源開発をやるという際に、地元でもできるだけ協力するかわりに、それらのものについてひとつ水没する地点、あるいは道路工事のために迷惑をかける地点といったものに対する公共補償といったものが非常に強く要請されるわけでございますが、今回はこれらの関係の市町村に関する限り、公共補償は今後は一切もう要求いたしませんと。で、またその配分等についてはそれは県がそれぞれの市町村と相談してきめる、またそれぞれの市町村はその内部において最もうまくやる、合理的にいくようにということをそれぞれの村長さんなりあるいは町長さんがその責任を持ってやられるということで、電源開発会社といたしましては、全体で二億三千万円というものを県を通じてお払いし、それをどういうふうに分けるかということは、一に県のほうにおまかせしてございますので、われわれといたしましては、公共補償の関係の今まで未解決だった部分の締めくくりとして二億三千万が払われた。したがって、それが地元でどういうふうに配分されたかというところまでは、私ども一々報告は受けておりません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それでは、念のためにひとつ聞いておきますが、今はダムは高さが八十一メートル五十、三千七百万トンの設計で第二工事を進めている。これが再申請によりまして五千万トンに水をふやすとしまするならば、これはダムの高さも違ってくるだろうと思う。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 三千七百万トンというのは、これはそれだけの水を利用するという、非常に利用水深を低く見まして、二十二メートルだけの水深を利用するということで、それに対応するものか三千七百万、ところが実際にはもう少し水を深くまでとっても差しつかえないということで、五千万トンというのは、その利用水深を少し深めるということによって、ダムの高さそのものは従来と同じ高さ、ただ、今までは上から二十二メータしかとらなかった、一番とるときが。それをもう少し下までとっても、大丈夫いろいろな面に支障がないという見きわめをつけましたので、高さそのものは変更せずに、利用水深を深めることによって利用水深をふやしたいと、こういうものであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ところが、委員長はこういう報告をしているのです、この報告の中に。これが非常に問題になるのではないかと思います。ということは、ちょっと一言だけ言うておきますが、こういうことです。第二ダムが五千万トンの水をためる。そうしますと、当初計画によると、七、八、九、十ですか、の四カ月において七千三百万トンの水がこちらへ来る。そうしてその設計変更によって水量が増すことによって三千万トン返すのですね。第一計画によると、只見返還分三千万トン。七千三百万トンから三千万トン引きますと四千三百万トンじゃないか、それだけあれば間に合うのじゃないか、こういう説明をしているのです。この三千七百万トンの水をためることによって、それの使用効果から、かりに五千万トンの分が出ると、こうしまして、必要期において七千三百万トンが保証できるのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 真に需要の量が確保されるかどうかということにつきましては、これはただ物理的には、今先生がおっしゃいましたように、とにかく差し引き五千万トンの水は一応ためる。そのほかに自然流量というようなもの等もございますので、これは全然発電のほうを無視して、必要なときにはいつでも流すのだということをやれば、それは物理的には可能でございます。ただそういうような、せっかくダムを作って発電するといっておきながら、発電の効果のほうは全然犠牲にして、とにかく水を流すほうがいいとか、あるいは先ほど一番先にお話がございました分水という格好で、大きな貯水池から細々と水を流すいう格好で、一年中所要量が確保できるという格好がいいのかというようなことは、これは全体の水の使用計画というようなものともにらみ合わせまして、各省がそれぞれの立場から今後検討してきめたいというふうに考えているところでございます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 午前中の委員会はこの程度にいたし、午後一時三十分から再開することにし、それまで休憩いたします。  昭和三十四年度決算中、中小企業信用保険公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行関係の質疑はこれをもって終了いたしますが、午後から清澤委員の電源開発関係の質疑並びに通商産業省、中小企業金融公庫については質疑が保留されておりますので、午後から御出席をいただきたいと思います。  これより休憩いたします。    午後零時四十分休憩    ――――・――――    午後二時五分開会   〔理事大森創造君委員長席に着く〕

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) これより決算委員を再開いたします。  休憩前に引き続き、通産省並びに中小企業金融公庫関係の質疑を続行いたします。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 決算委員会のおじゃまをしてまことに相済まぬと思っておりますが、なるべく縮めて早く質問を終わりたいと思いますか、そのつもりでひとつなるべく簡単にお答え願いたいと思います。  それで、何かこれを変更するについては、第四ダムを作って放水路をあける、その経費が十九億かかる。こういうことを本委員会には報告になっている。ところが第一回の全体の事業計画を発表せられたときの予算を見ますと、通水路が四億円、これはもう基本計画に入っております。それから、これまた第四の総経費が、これは不定期になって、確定ではないのですけれども一億二千九百万、こう出ておると思うのです。両方まぜましても五億二千九百万円、十九億というのはどこから大体出たことになりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 今お話のように、一億二千九百万というお話でございますが、十二億九千万でございます。で、大体当初は十六億一千万かかると思っておりましたが、この当初のきには今お話がございましたように、必ずしも計画そのものもそうコンクリートなものじゃなかったわけでございますが、その後実際にこれをやるということを具体的な計画に織り込んで計算いたしますと十二億九千万、約十三億が十九億という、三分の一ほど値上がりせざるを得なかったということでございまして、当初五億ではございませんで、当初は十六億でございます。   〔理事大森創造君退席、理事佐藤芳雄君着席〕

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、これは私の読み方が悪いのですね。それはそれでいいです。それで、第二ダムの計画が二十一億三百万円ですね、これが設計変更によってどれくらいに変わりましたか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 三十二億五千万でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうしますと、実際の経費がかりに十九億かかるとしますと、十六億が当初計画としますとそれでは三億ふえた。一方はこれをするために十九億だというのですから、約三億経費としては増額になる、こう了解していいわけですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 当初の計画は、御承知のように豊水期に三千万トンの揚水を黒又のほらからする。それ以外に七千三百万トン流すというのが一番最初の計画だったのであります。それが三十四年に一度水利権の申請の変更が出まして、揚水は取りやめまして黒又の第四のふちに集水路を作りまして、そうして水をトンネルを通じて奥只見のダムのほうに返してやるということで、途中で計画が変更になったわけでありますが、この計画の変更が正式に電源開発調整審議会の義を経たわけでありまして、この正式に議を経た集水のほうが黒又第四が十九億、それからその前の二十八年にきまりましたそもそものものが約十三億、そのほかにトンネルを掘る費用は、これは当初もその後も大体変わりませんで、三億一千九百万ということになっております。それでございますから、それだけの金がかかるわけでございますが、一応それを、そういう工事をやる場合と全然やらない場合というものとの経済比較というものが別途なされるわけでございます。そういたしますと、結局けさ、午前中も申し上げましたが、これは電気的に見ますと好ましくない、むしろ農業用の水のために分水したり、いろいろなことを計画するわけでございますが、本流沿いで水がそれだけ減るからこの本流では損する。しかし黒又系統では水がふえるので発電がそれだけふえるといったようなものを全部賞本還元いたしまして、そして一体これだけのものをやるというのには本来合理的にいわば幾らの投資をしたらいいかということから逆算いたしますと、初めの揚分水計画のときには大体三億一千万程度の投資しかできない。ところが中央分水で、三十四年の計画変更のときには大体十億程度の投資をしても大丈夫だといったような一応の計算ができるわけでございます。それに対しまして、当初の案では十六億の金がかかるので三億一千万しか投ずることかできないというのに対して、十六億というと、差引きして約十三億程度の一応経済的には損が出る。それから三十四年に変更になりました計画では、そういう差引いたしますと、十二億三千万程度――六千万円程度は経費が一応安くて済む、大体同じ経済効果が上がる、そういうふうに考えられましたので、こういう途中で計画変更になったわけでございますが、この今変更について、決定されました電源開発基本計画によりましても、これは何にもしない、とにかく本流沿いにその水を流してもっぱら電気に使うというのに比べると、大体八億七千万ぐらいの一応損になるような計算になっておるわけでございます。このあたりが、はたして八億になるか六億になるかというあたりはもう少し詳細に検討する心要があるかと思いますが、いずれにいたしましても、農業用の水を確保するために分水するということでございますので、電気の面から申しますれば、分水しない場合に比べて、いかなる分水計画も常に相当経費的には大きなマイナスになる。これをマイナスかなくて、しかも農業関係のほうの水が御満足いただけるならそういう方向で解決するというのが一番望ましいわけでございます。それが解決できるかできないかということは、午前中から再三申し上げておりますように、これから関係各省の間で、どうやれば一番信濃川の下流の方々の灌漑用水あるいはその他の川水等の確保に支障なしに、しかも電気のほうの経済損失も少なくて済むかという方法を各省で検討した上で、電源開発審議会にかけたいと考えておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今おっしゃったその集水分水ですね、その前には揚水分水が一つ変更になっておる。全部でこれは四回目ですね、分水中止するまでに分水案が変わったのは、第一は、第一次、二十八年の分水計画は四億円で六キロの通水路をつけて農業用水を分けてやる。それがだんだん変わって金がかかるようになった。それでも分けると、こういう計画になっておる。第一回に変更になりましたのは、揚水計画をやめて今おっしゃる注水計画にした。少なくともそれは発電ということでなく農業用水だけのことを考えたとしましても、あらゆる権威者が寄って協議してそうしてきめるのに、今になってそれは農業用水だけの問題なんで、電気のことは経済的じゃないとかあるとか幾ら言ってもらっても、これはしろうとのわれわれはわからない。第一回の計画書を見まするならば、確かに十六億ならそれで済んでおる。それでやったらいいじゃないか、こういう考えが出る。ところが、いろいろ金がかかるからこうだと。私がこんなめんどうなことをお伺いするのは、当初から、この問題は政治的に解決するために新潟県の面目を立てるんだ、だからひとつ通水だけはするということにしておこうじゃないか、ぐらいのことでやらしたんではないかと、こう思うんです。それならそれではっきりしてもらえばそれでいいんですよ。何かしらぬ、第一期計画がちゃんときまって出ておりまして、第一回に揚水、第二回に今度は注水、第三回には分水に十九億かかるんだから、一キロワットが二百二十四円かかる、そんな高い発電では間に合わないなんという言葉が出てきて、あまり権威がなさ過ぎるじゃないか。あなた、事業局長として、こういうのをきめるのに、そんな不確定な、先の見えないのに何かほったらかしておるんです。私は全く電源開発調査会とか何とか、調査審議会か、これはでくのほうじゃないかと思う。いやしくも日本の最高の関係者が全部寄って、そこには全部のスタッフか寄っているんです。代表はわからぬかもしれぬけれども、全部のスタッフが寄ってだね、そうして第一回の変更をやり、第二回の変更をやり、何が何だかさっぱりわからぬじゃないかというんです。私はそれが問題なんです。私はこの案ができましたとき正直に言いますと、分水案にするというときから疑問を持っていた。案のいい悪いは別として、もし分水案がきまったら新潟県がまつ二つに割れますよ。ここにいる佐藤さんなんか先頭だ、渡辺良夫さんも先頭になる、石田君だって先頭です。中蒲原、北蒲原が承知するものじゃないんです。だから当時の様子を聞いてみますと、せつかくああやって知事が一生懸命やって、きまるかきまらないかわからないから、われわれが足を引っ張るようなことはいかぬといって、みんながまんしていた。と同時に、あの案がきまったとき、われわれしろうとでもわかりますよ。相当の金をかけて使うのはたった三カ月か四カ月、あとは使わないんですよ。発電コストが高くなることはわかり切っておる。そんなものをプールせられたら国全体から見たらたいへんな話じゃないか。なんであんなものをきめたんだろうと思っていた。私はあまり問題にしたくないんですけれども、それががしゃがしゃと――私ががしゃがしゃというのは、なぜそういうことを言うかといいますと、あなたのほうは何も知らさないということです。大体橋本案というのが三十五年二月に出ておる。これは今の設計変更と同じ。これは分水をやらないということを前提にして今の企画と同じものが出ておる。それで三十五年の二月分よりはずっと黒又第二発電所の着工促進についてとか。あるいは三十五年の十月、それから三十五年の十二月、それから三十六年の六月までここへ出ているんですね。黒又川筋三、第四、妙見、各発電所の電源開発の早期着工をまだこのときは捨てていないんです。ところが、すぐ飛んで三十六年の七月五日には委員において黒又川第二発電所の設計計画変更及び奥只見貯水池よりの黒又分水路の開さくは必要ないという全員一致の決議をした、こうなっておる。きのうまで早目に第四をこしらえてくれと言っておって――この間何日でしょう、三十六年六月十二日から七月の五日、一カ月ないです。その間にぺろっと変わっておる。われわれには全くそれがわからないのですね、そういう経路が。これはあなたのほうでもわからぬでしょうけれども、一体だれがきめたのか。県会における審議の中を見ますと、総務部長も知らない。まあ行って判をついてこいと言われたから、行って判をついてきました。ちょうどそのときは副知事になっている。知事は辞めております。その副知事は病気で入院しているのだから、すべてのことば、総務部長に現副知事はまかしたといっている。そういう事情の間で雲尾君一人相手にして何かきまったらしいのだ、全く不可解なんです。こういうものができ上がって、こういうものに対して、あなた方はさっきから見ていると、どうもそのほうかいいような局長の考え方なんですね。どうもそういうふうに私は受け取れてはならない。何か、みな、ぐるじゃないですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 新潟県の中でどういう意見がその経過にあったか、あるいはまた、一度だめだと言ったものが一月たたぬうちに特別委員会で全会一致でよろしいというふうになったかということの経緯は、それはわれわれ、今先生のお話にございましたように、新潟県の中の問題ということで、ただ全会一致で分水はやめてもらってもいいということになったという報告を、ことしの二月に正式に受けただけでございまして、その経緯は存じません。ただ、その前にございましたいろいろ経過がくるくる変わるということでございますが、揚水計画というものはこれは一番最初からあったわけでございます。揚水計画というものは一番最初分水するときから揚水計画がございまして、それからその途中で、揚水するかわりに集水路を作って黒又川の各支流あたりから水を集めて、そうして奥只見のダムと、それらの集水する水の水路と大体同じようにしようということでやろうというので、そっちの変更は途中で一回あったわけでございます。揚水をやめて注水ということになったわけであります。変更は一回でございます。  それから二十八年当時、必ずしもはっきりしておらなかった第二が三十五年の十二月にきまったというのは、これはできるだけ水を有効に利用しょうということできまったわけでございまして、その分水等に関する限りにおきましては当初の揚水を、途中で支流の水を集めて只見の湖に注ぎ込むという注水計画に変わったという変更に引き続きまして、今度さらにそれも全部やめて、分水というものを全部やめるかどうかということが、ただいまの問題になっているわけでございまして、これは私どもといたしましては再三申し上げておりますように、まだその分水をやめるというところに政府としては全然踏み切ったとかという問題じゃございません。これは、あくまでも信濃川下流の水の問題いうことから、そもそも問題が起こったというふうに承知いたしております。これは関係各省がそれぞれの立場で十分御検討いただいて、その上で結論を出すべき問題だ。こう思っておりますので、三十七年度の電源開発会社の計画の中におきましても、これはさしあたり、事業はいろいろなものがあって、もしむだになるといかぬからということで、工事を中止しているということは、事実問題としてこれを認めざるを得ないわけであります。しかし、それでもうやめたのだということを役所がオーソライズしたというものではないということは、これははっきり会社のほうにも言っております。これを今後どうするかということは、これから各省が相談してきめようというものでございますので、全体的な見地から一番いいという方向に結論を持っていきたいと考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この議論はやめまして、それならば、それは、そのあなたの考え方は、覚書からいきますと、徹頭徹尾分水を中止するというのが前提になっておる。前提になって、第二ダムを増強して水を確保することが前提になっておる。この覚書からいきますと各所に出てきておる。これはもう何といったって分水が中止になっておる。そうして、これにははっきり五千万トン云々ということは書いておりませんが、報告を見ますと、五千万トンということが方々に出ておる、五千万トンの貯水を行なう。あなたのように、三千二百五十万トンですか、この貯水世で五モカトン分の貯水ができるんだ、こういうようなことも一つも言ってないんです。全部が上九千上月トン一あれが出ている、こういうことを言っているんです。かりにこれができるとしましても、非常に問題になるのが、こういうなにの報告になるんじゃないかと思います。雲尾君の報告は、渇水期に常時七千三百万トン落とし、豊水期には三千万トンを返すという当時の政府決定案をやめて、その差四千三百万トンを落とし、また、第二発電所の貯水量を一千万トンから五千万トンに増加する。そのかわりとして、発電単価の高くなる第四発電所の工事は取りやめたいという申し入れが非公式になされ、目下検討中であるという報告がありましたが、本委員会としてはどうだということで賛成されている。  そこで農林省にお伺いします。非常に間違った私は解釈じゃないかと思う。新潟県のほしいというのは、七、八、九、十の三、四ヶ月間において七千三百万トンがほしいと、こういうことなのであります。差引四千三百万トンだったら、必要量から見れば三千万トンを差し引きして四千三百万トンを流すということになりますから、この期間の必要量から、三千万トン足らぬことはわかり切っておる。それで揚水が間に合うと思いますか、どうですか。

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) ただいま御指摘の点は、新潟県のほうからまだ詳細な数字説明がございません。したがって、私どもは、当初の計画と、今回変更しようとする計画が、水の需給調整上どういうふうになるかという詳細な資料を新潟県に求めております。そういう段階でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 さっきも、あなたに一番先聞いたのです。現実において新潟県の水の事情が、信濃川においては、信濃川の各地の発電によって全くの渇水だ。また、こちらのほうで二つも、こういう大きいものができれば相当の渇水をすることはわかり切っておる。そこで、五千万トンの水がどうしてもほしいんだ、二十一団体がこういうことをやっておるが、ということについて、あなたは知っていると、こうおっしゃった。そういう中で、私は報告があろうとあるまいと、県会に報告せられた差引四千三百万トンという水で、これでいいのかどうか、こういうことなんです。あなた方が、少なくとも農林省として、第一回の電源調整審議会において同意なさったことは、七、八、九、十の三カ月か四カ月間において、渇水量をまかなうために七千三百万トンを落としてもらいたい、これが中心だったろうと思うんです。常識的に考えても、これじゃ足らぬということをおっしゃるのがあたりまえじゃないか。なかなか私らとしても納得ができません。事情を聞く聞かぬじゃない、こういう現実の問題が出ておるのに、これに対してどうお考えになるか、こう聞いておる。こんなだらしない返答ではだめです。   〔理事佐藤芳男君退席、理事大森創造君着席〕

富谷彰介農林省農地局参事官

○説明員(富谷彰介君) 計算上は、先生のおっしゃるとおりにつじつまが合いません。したがって、県がそういう数字を持ってくる以上は、おそらく何らかのバックになる、何といいますか、計算のあれがあるんじゃなかろうかということで、県のほうに照会しておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 あとはやめます。大体要点をお伺いしますが、そこで、この覚書を見ますと、関係地元町村は会社に対して、黒又川筋における電源開発計画の実施に際し、公共補償、対策費、協力費またはそれに類するものを今後要求しない。固定資産税はかけないものとする。これは県がそういうふうに指導して、こうなっておる。そこで問題になりますのは、第二期工事をやります際に貯水池が大きくなっているでしょう。第一期の工事の際に貯水池に対する個人補償は済んでいるのですか。貯水池に対する埋没個人所有物に対する個人補償は済んでいるのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 第一期の分は済んでおるというように承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 第一期の分は、もちろん済んでいるが、第二期の分は全部済んでおりますか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) この二期の分については、これは完全には済んでいないという面があって、交渉続行中じゃないかと思いますが、正確なことは……

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ここで私がはっきりしておきたいのは、電源開発の方がおられないのでちょっと困りますが、私は解釈として、公共補償費、対策、協力費、こういうものを今後何も要求しないという、この文書の中には、当然埋没する個人なり――農民の所有権の損害、これは含んでおらない、こう解釈してよろしいのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 私も当然そう解釈すべきだと思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それと、もう一つお伺いをしておくのは、こういう場合に、まだ未確定のものを中心にして、電源開発が先のそれが二千三百億ですかにいたしましても、そういうものを払っていいのか悪いのかということですね。それはあなたのほうの許可を受けなければ払えぬでしょう。一応のそれは計画の中に入れて、こういうふうにやるからこれを払うのだという、何も許可を受けなければそういうことは――払っていいのですか。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 補償につきましては、御承知のように当初大体計画を立てましても、その後火際の具体的な事例にあたりました場合に、いろいろと動く要素等もございますので、これにつきましてはある程度の変更ということは、これは工業を円滑に進める上に当然附随するというふうに考えております。大体黒一、黒二で工事費が百三十五億ぐらいかかるというふうに想定しておりますが、そういう場合、補償関係は最近御承知のように非常に公共補償がどんどんふえつつあるわけでございますが、その問題を解決するということで、この際二億三千万払うという程度のものは、これは特に本件を主務官庁に届けて、そして許可を受けなければならないということでなくて、この程度のものはその工事の施行者に今までも大体自由裁量で認めておるというケースでございますので、二億三千万を公共補償関係でけりをつけるために払うということについて、あらかじめ通産省に許可の申請がなかったということにつきましては、これは違法だということはできないわけであります。やはりやむを得なかった、こう考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 実際問題として、あなたはまだ関係各省庁が、同時に通産省を中心にして分水はやめていない、こうおっしゃる。ところが実際それはやめさせるのですか、これから。これは確かに不可能じゃないかと思う。ただ、水はどんどんふえていますよ、おそらく。私が昨年の十一日に行ったときには、まだ穴がわずかと見えたのですが、もうこの雪のあとで雪解け水がかかったら満水だろうと思います。相当量払ってどういう施設をしているか。どうも私は船でもってちょっと見たのですが、まさか隧道口が完全にふさいであるとも見えなかった、ふさいでないだろうと思う、隧道の中にも水は入っているだろうと思う。そうすると、その水がたまったら中は崩壊もしているだろうし、いろいろいたんでもいるだろうが、そういうことがはたして今後やれるのですか、現実において。

樋詰誠明通商産業省公益事業局長

○政府委員(樋詰誠明君) 今の隧道は、これは一応ゲートでしめるということになれば、それ以後、水は入らぬようになっていますし、なお人間が入る横穴というのは今後も工事を続行するという場合には、そこから入れるという設計になっておりますので、かりに分水をやめるということがいかぬ、予定どおり分水をやれということになりました場合にも、もう奥只見に水が入ったために工事ができないということはない、大体今後もそういうふうになれば当然工事は続行できるというだけの態勢は整えて、今後どうするかということをやっているところでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 どうも電発が来ておられないので、もっと詳しく聞きたいこともたくさんありますけれども、大体これくらいで私は終わります。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 私はまず、通産省に対しましてお答えを願いたいのであります。私どもの決算委員会におきましては、決算を熱心に精査いたしまするそのねらいの一つといたしましては、決算の批判から生ずるところの――翌年度予算に貢献をいたしたいということでございます。したがって、各省の重要施策と見られるべきものが実行できなかったということに対しましては、特に私どもは関心を持たざるを得ないのであります。三十四年度予算提出の際に述べられた重要施策について予定計画事業が遂行し得たかった。言いかえれば、予定計画事業と実績とに差が相当あるのでございますが、その遂行し得なかった理由について、おもなものだけでけっこうでございますが、一応御説明を願いたいと存ずるのであります。

赤沢璋一通商産業大臣官房会計課長

○政府委員(赤沢璋一君) お答え申し上げます。けさほど大臣から御説明申し上げましたように、三十四年度決算におきまして翌年度へ繰り越しました金額は約七億円余でございます。これが今御指摘のいわゆる事業計画といたしまして来年度にずれ込んだものであろうかと存ずるのでございます。この七億円余の中で、おもなものと申しますると、まず第一に貿易振興及び経済協力費の関係でございますが、これが三億四千五百万円余であるのでございます。この三億ばかりの経済協力、貿易振興関係の中のおもなるものを申し上げますと、まず第一は海外の技術センター事業の委託費でございます。これは当時インド及びマラヤに技術センターを作るということで計画が進んでおったものでございまして、インドの技術センターにつきましては、昭和三十四年の十――月にインド政府との間に仮調印が行なわれております。このものにつきましては、計画の内容といたしまして、建物につきましてはインド側が負担をし、中身になりますところの設備につきましては日本側がこれを負担するという協定の内容でございましたが、その後インド側の建物関係その他の施行がおくれましたために、総額約三億円の事業費の中で一億八千二百万円あまりのものを来年度に繰り越さざるを得なかった、かようなことでございます。マラヤの技術センターにつきましては、マラヤ政府との間にその後も引き続き交渉いたしておりますが、三十四年度におきましてはまだ交渉妥結に至らず、四千三百万円という金額を三十五年度に繰り越したものでございます。この合計が二億三千万円弱でございまして、先ほど申し上げました貿易振興、経済協力関係のおもなものでございます。なお、このインドの技術センターにつきましては、その後着々と工事が進行いたしまして、当初二十名派遣予定の人員も現在までに十二名派遣済みでございます。本年度中には当初の計画がほぼ完了する予定の運びに相なっております。  次に、繰越額としてやや大きなものといたしましては工業用水道事業がございます。これは御承知のように、工業用水道事業法に基づきまして名府県等の工業用水道組合等に対します補助金でございまして、総額九億五千万円弱の予算でございましたが、そのうち一億六千四百万円程度を繰り越しております。これは全体で十三カ地点の工業用水道の建設計画でございましたが、用地の選定あるいは土地の補償、設計の変更等の事情がございましたのに加えまして、当時伊勢湾台風によりますところの影響等も加わりましたために、全体十三の中の九カ地点におきまして工事が遅延をいたしました。ために一億六千四百万円程度の事業の繰り述べが行なわれた、かようなものでございます。おもなるものにつきまして概略御説明申し上げました。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 ただいまの御答弁で一応満足をいたしておきますが、できる限り予定事業計画と実績との差を縮めるように御配脈にあずかりたいと思うのであります。  なお、きわめて言いにくいことではございますが、お役所仕事というものは大体スロー・モーション。特に許可認可につきましての問題は相当民間におきましてもこれを迷惑といたしておるのであります。この許可認可のスロー・モーションぶりにつきましては、通産省は一流のクラスにあげられておることは、きわめて私は遺憾に存ずるのでありますか、ことに外国為替管理法、貿易為替管理法、輸出取引法にまつわる許可申請のごときは年間大体七十万件に達しておる。ところが、そうしたものの許可認可がスロモーのために、商機を逸しておるというような例も少なくないのであります。ここにかんがみられて、行政管理庁におかれましても、たしか三十四年の四月と記憶をするのでありますが、通産省に対して勧告をされておる。手続の簡素化を初めとして、数項目にわたって勧告をされておることを、私は承知をいたしておるのでありますが、現在一体どんな格好に許可認可の促進についてお考えでございますか。また、最近とみにその成績が上っておるとお考えでございますか。一応承っておきたいのであります。

赤沢璋一通商産業大臣官房会計課長

○政府委員(赤沢璋一君) ただいま御指摘の許認可事務でございますが、御指摘のとおり通商産業省関係におきましては、貿易為替管理法の関係その他多数の許認可事務を持っております。また、ただいま御指摘のとおり行政管理庁当局からも、これの迅速化改善につきまして勧告が出されたことも御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、特に貿易関係の事務につきましては、お示しのように商売の関係でございますので、きわめてこれを迅速に処理することが官庁事務として一般国民に対する重要な任務であるというふうに考えておりまして、貿易関係につきましてはおもに次の二点、すなわちまず第一は、権限を極力地方の通産局その他に委譲をいたしまして、現地において迅速なる処理がはかられるような措置をとったのでございます。第二点は、ただいま御指摘のような事務処理の迅速化をはかります意味から、昨年当初から処理の標準日数というものを通産省内部において定めまして、輸出のライセンス発給等につきましては原則として一日以内、あるいは輸入の関係のものにつきましては三週間以内というふうな事務の処理基準を設けまして、その基準に合致しないものにつきましては、上司の関係におきましてこれを十分監督し、早急なる事務の迅速化をはかるというような処理態勢を固めまして現存実施中でございます。なお一般の民間に関係のありまする、たとえばJISの表示許可等の関係につきましても非常に件数が多く、かつまた民間の中小企業等のものが相当多数ございます。これ等につきましても従前から処理期間が相当長期にわたりますので、いずれも処理の標準期間というものをここに定めまして、その期間中にどういう進行状態になっておるかということを、中間の段階においてもチェックをいたしまして、その促進をはかるように取りはからっておる次第でございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 官庁の許可、認可がはなはだしくおくれておる。通産省はそのトップ・クラスである。しかし施策もだいぶただいまご発表のように講ぜられておるようでございますが、一段と御労力を賜りたいと思うのであります。  なお、官庁事務のおくれるということで思いついたのでございますが、この際、中小企業金融公庫の森永総裁にも簡単におただしをしておきたいと思うのであります。私は本店関係――これは関東地方関係は本店関係だと思うわけでありますが、お役所のシステムの中に審査部とそれから融資部と、こういう部がございまして、私の承るところによりますれば、審査部において十分なる調査をいたされて、そうしてその結果が融資部に報告をされて、そうして融資部が融資を行なう、こういうようなシステムだと、かように承っておったのであります。ところが事実はこれに反して、具体的の事例はあげませんが、調査部において現地調査までされて、そうして綿密なる調査を行なわれて、そうしてこれならばよかろう、かようにおっしゃっておいでのものが融資部へ回される。融資部がまた現地調査を始めて、調査部のおやりになったことと同じことをさらにやられる、こういう事例があるのであります。まさかセクショナリズムでおやりになっているのではないと思いますけれども、かくては非常にひまを食うことに相なります。中小企業金融公庫の持つ使命はきわめて重大でございまして、私が野党の立場にありました衆議院時代において吉田政府に対して強く制定の運動をいたして、でき上がったりっぱな制度であります。しかも先ほど会計検査院の御報告にありましたように、きわめて成績は優秀である、もっとも中小企業金融公庫の仕事を一から十まで全部御精査に会計検査院はなっていないと思うのでありまして、必ずしもそうした意味からいたしますれば、成績良好と断定するのは、あるいはちょっと早計かもしれませんけれども、とにかく調査に現われた点から申しますれば、成績きわめて優秀で、指摘事項は一つもない、こういうことでございます。しかも非常に関係名は熱心に仕事をやっていると承っておるのでありますが、こうした機構の趣意に従わずして、混乱いたしておりまするので、結果は、おそらく中小企業者が借り入れをせんといたしましても相当長く時日の経過を見なければならぬというような結果に相なるのであります。私どもは、中小企業者に対しまして公庫は確実に、正確に、迅速に貸し出しをしていただきたいということを念願をいたしているのでありますが、ものによりましては簡単なものでありましても一年近くも時日を費やさぬと、イエスかノーかの返事を承ることができないということがわれわれの耳に相当ひんぴんとして入るのであります。また、中小企業金融公庫が商売の実情をよく把握されていない結果か、保証人をつけろ、その保証人は、たとえば工場でありまするならばその製品を買って下さる、いわゆるお客様筋、そのほうの保証でなければならぬという――これは商売には最も禁物のことであります。こういうような御要求もしばしばなされるようであります。そんな、商売の妨げになるような保証でなしに、その友人とか親戚とか、有力なる――たとえば三百万なら三百万、五百万なら五百万の貸し出しに対して保証能力が十分ある、余って返るというような、そうした、保証人を選択をされ、要求されることが必要であると思うのであります。あるいはまた担保は、もう少し担保を出しなさいというように要求されてもけっこうだと思いますが、客筋のほうからの保証でなければ相ならぬということは、商売の実際をご存知じない方がおられるのじゃなかろうかというように想像いたすのでありますが、おそらく総裁の御方針ではないと思いますけれども、総裁の卓見が、御方針が下まで及んでいないという結果じゃなかろうかと思うのでございます。具体的のことは申し上げませんが、これらの点については十分ひとつ御研究と御考慮をお願いしなきゃならぬ。さらにまた、大事な限られたる資金でございますが、これを地方の市中銀行が大体代理店をいたしております。この代理店が取り扱いをいたすにつきまして、私の知っておりますはなはだしい例は、御承知のように代理店と本店との危険負担の割合は大体、公庫のほうが二割で代理業のほうが八割。そうすると、今まさに傾かんとしておるところの工場なり商店に対して代理店のほうで、これはひとつあなたは中小企業金融公庫へ申し込みなさい、私のほうが手続もして上げますよ、と言って、その代理店は二割を助けようという、こうした悪性な代理店も決してないではない。こういう点が第一点です。もう一つは、中小企業金融公庫のほうでたとえば一千万円なら一千万円オーケーだとおっしゃる、その資金はその代理店に回されるのであります。ところが、それを申請者に貸し出しますときに、半分の五百万円だけは現金で渡す。残りの五百万円は定期預金になさい、金の必要なことはわかっておりますから、それは手形貸し出しでいたしましょうと、そこで利ざやをかせこうという――政府の方針といたしましては、歩積みすらもこれは粛正をしなきゃならぬというようにお考えであることを聞いておりまするのに、中小企業の金が、半分は現金で渡されるが、半分は定期預金で、必要にきまってるんだから手形で貸し出しましょう、というようなことが行なわれているといたしまするならば、これは全く総裁の聡明をおおうところの糾弾さるべき態度と言わなければならぬのでありますが、そうした事例も、具体的には申しませんけれども相当あるやに承っております。なおまた、私が聞き及ばざる、そうした好ましからざる取り扱いというものがないとは断言できないのでございまして、これらにつきましては、これまた一つ統制をおとりを願わなければならぬ、かように思うのであります。一応これは私は強く希望を申し上げるのでありまして、ただこの際、御所見を承ることができますればしあわせに思うところでございます。

森永貞一郎中小企業金融公庫総裁

○参考人(森永貞一郎君) 直接貸付事務の迅速なる処理につきましては、私、一昨年就任以来、最も心を砕いておる点の一つでございまして、それがために人員の充実をはかり、あるいは支店の増設をはかり、あるいは部内職員の能率向上をはかり、終始激励を加えて参ったところでございますが、まま御指摘のように、半年内外を要するというような案件もございまして、皆様に御迷惑をおかけしておる点につきましては、まことに遺憾に存じておる次第でございます。ことに昨年九月から、いわゆる金融梗塞、金詰まりに際しまして、私どもに対する資金需要がそれまでの二倍以上も殺到いたしまして――払い出し資金量の一カ月の予定の何カ月分もの需要が殺到し、そのために、資金的にも時間がかからざるを得なかった面もございます。また、処理能力の面でも時間がかからざるを得なかったというような状態が続きまして、特に昨年の秋以後時間のかかりましたものがままございますことにつきましては、私ども、まことに遺憾に存じておる次第でございます。それの対策といたしましては、月下鋭意古いものを残さないように、できるだけ手っ取り早く処理するように、私の手元にも毎週くらい古い案件からの処理状況の一覧表をとりまして、鋭意その一掃に努力をいたしておる次第でございまして、二、三カ月いたしますればごく正常な処理に移れるのではないかというふうに期待をいたしておる次第でございます。なお、今後とも処理期間の短縮につきましては一そうの努力をいたすつもりでございます。  ただいま御指摘のございました融資部と審査部の関係でございますが、融資部はいわば窓口であると同時に、融資の最終決定の機構でございます。その間、専門家的な立場で企業診断をいたしますのが審査部でございます。したがいまして、審査部で審査いたしましたなまの資料を、もう一度融資部が判断をすると、そういう仕組みになっておりますので、融資部のほうでもいろいと、またお問い合わせなどをするということはあるわけでございます。しかし、おそらく実地調査をそこで再びやるようなことはないはずでございます。もし、そういうことがございまして、御迷惑をおかけしておるとするならば、こまかく具体的の案件につきまして、御注意をいただきますれば善処いたしたいと存じます。  さようなわけで、融資部が最終判断をするわけでございますが、その場合の判断の内容は、審査部の審査いたしましたなまの材料についての融資の適否の判断のほかに、ただいまお話もございましたが、担保として何をいただくか、これが非常に重要な仕事になるわけでございまして、まま、そういった担保関係の事務で時間を費やす、まあやむを得ず費やすという場合もあるわけでございます。担保がない場合には、融資をいたしましてそれで作る設備を担保にいただくわけでございます。その間のつなぎ担保に有価証券を出していただくというようなこともございましょうし、その交渉に手間取るということもございましょう。あるいはまた、保証人をお立て願う。しかしその場合に、必ず取引先の相手方の保証でなければならぬということじゃもちろんございません。りっぱな保証能力のある方でございますればよろしいわけでございます。しかしこれは、むしろ私たちがそうお顔いしなくても、よくその系列の親会社的な立場の会社、あるいはその製品を買っていただいておる会社が積極的に保証をしてやろうと言われる事例は実はよくあるのでございまして、ただいま御指摘のございましたような場合に、非常にお困りになるのに、相手方から無理に保証をいただくというようなことを申し上げておるとするならば、それはまた、われわれのほうでも考え直さなければならぬ点もあるわけでございます。それらの点につきましても具体的な案件につきましてお示しがございますれば、とくと検討をいたしたいと存じます。いずれにいたしましても今後とも直接貸付事務が迅速に参りますように、不断の努力を重ねて参る所存でございますので、御了承いただきたいと存じます。  なお代理貸付につきまして、自分の不良貸しの肩がわりにそれを利用しておる。これはまたとんでもないことでございまして、もしそういう事案が見つかりますれば即刻繰り上げ償還を命じ、それも多くはその代理店の肩がわりというようなことで処理いたしております。そういうこがないように不断の指導をいたしているのでございますが、残念ながら皆無ではございません。三十五年中に約二万四、五千件の監査をいたしましたが、その中に十件くらいそういうものがございまして、それはその場で、ただいま申し上げましたような厳重な処断をいたしております。今後とも、そういうことがないように、絶無を期せられるように代理店の監督に万全を期して参りたいと思っております。  また、公庫の貸付を直接間接に利用して、代理店が自己の預金の伸長に利用する。これまた、公庫資金の貸付の本来の趣旨を逸脱、乱用しているわけでございまして、断じて許し得ないところでございます。私ども監査の際には、そういう点につきましても厳重に注意を与え、目を光らしているわけでございますが、これまた全国七万五、六千の店舗の代理貸しの中には、ままそういう事例がございまして、まことに遺憾でございます。これにつきましても、即刻預金の解除を命ずると同時に、事後の処置といたしまして、かかる不良な成績の代理店に対しましては、代理店としての資金ワクの配分を停止するというような処置まで強行いたしまして、監督に万全を期している次第でございます。今後ともそういった面につきましては、十二分の注意を払って参りたいと存じます。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 他に御質疑もございませんようですから、昭和三十四年度決算中、通商産業省、小小企業金融公庫関係の質疑は、これをもって終了いたします。  引き続いて、労働省関係の審査を行ないます。  なお、労働省関係で検査院より指摘された事項は、検査報告八十三ページ以下の不当事項として、保険一件、補助金三十一件であり、不正行為は二件、是正事項二件でございます。  まず、労働省関係決算について、労働大臣の説明を求めます。福永労働大臣。

福永健司自由民主党労働大臣

○国務大臣(福永健司君) 昭和三十四年度労働省所管決算のうち、一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  歳出予算現額は、四百十四億五千百三十五万円でありまして、支出済歳出額は四百十億七千四百四十万三千円、翌年度繰越額は、一億六千四百五十九万六千円、不用額は、二億一千二百二十五万円であります。  歳出予定減額の内訳は、歳出予定額四百九億七千六百九十三万二千円、前年度繰越額二百三十万円、予備費使用額四億七千二百二十一万八千円でありまして、前年度から繰り越した額は、一般職業訓練所の施設設置費にかかるものであり、予備費使用額は、労働本省、職業訓練費、政府職員等失業者退職手当、職業訓練所施設災害復旧費及び職業官署に要した経費であります。  支出済歳出額のおもなものは、失業対策費でありまして、緊急失業対策法に基づく失業対策事業費補助、特別失業対策事業費及び炭鉱離職者臨時措置法に基づく緊急就労対策事業費補助、炭鉱離職者援護会補助等並びに失業保険法に基づく失業保険費負担金及び国家公務員退職手当法に基づく政府職員等失業者退職手当に要した経費であります。  失業対策事業費補助の事業実績は、事業主体数一千百七十四、事業種目別の事業数二千八百二十、失業者の吸収人員一日平均二十一万四千五百七十八人であります。  炭鉱離職者に対する援護対策につきましては、昭和三十四年十二月十八日に炭鉱離職君臨時措置法が公布施行され、これに伴いまして実施いたしました炭鉱離職者の緊急就労対策事業につきましは、事業数百八十四、吸収人員一日平均五千六百九十一人であり、職業訓練につきましては、三カ所三百二十人を訓練し、昭和三十五年二月発足いたしました炭鉱離職者援護会においては、移住資金の支給八十七人、職業講習一回四十人、就業、生活相談及び生業資金あつ旋等八百五十件を実施いたしました。  政府職員等失業者退職手当の支給人員は、十八万五千人であります。  翌年度繰越額は、炭鉱離職者援護会補助金及び年少労働者福祉施設設置費補助金であり、不用額のおもなものは、失業対策事業費補助、炭鉱離職者対策事業費補助等に属する経費でありまして、失業対策事業費補助につきましては、伊勢湾台風等の被害地域内の事業実績が予定より少なかったためであり、炭鉱離職者対策事業費補助につきましては、炭鉱離職者臨時措置法の施行がおくれたため、炭鉱離職者緊急就労対策業費補助金を要することが少なかったためであります。  以上等省所管一般会計歳出決算について、その概要を説明申し上げました。  次に労働者災害補償保険特例会計の決算について御説明いたします。  昭和三十四年度の歳入予算額は、三百六十一億六千四百七十五万一千円でありまして、収納済歳入額は、三百八十五億一千六百四十四万円であり、差引二十三億五千百六十八九九千円の増収となっております。そのおもな理由は、土木建築事業の工事量が増加したこと等により、保険料収入が増加したため、及び前年度からの支払い備金受け入れが多かったためであります。  歳出予算現額は、三百六十一億六千四百七十五万一千円でもありまして、このうち予備費使用額は、二百二十六万三千円で、これは、伊勢湾台風等による災害復旧のための業務取扱費に要した経費であります。  支出済歳出額は、二百九十三億四百九十九万一千円でありまして、そのおもなものは、保険費であります。  昭和三十四年度末における労災保険の適用事業場数は、七十五万一千で、労働者数は、一千四百万五千人であり、昭和三十三年度に比較してそれぞれ七・三%、七・六%の増加を示しております。また、炭害補償の実績は、総件数二百四十六万六千件、支給金額二百四十四億二千三百三十五万七千円であり、昭和三十四年度において新しく災害補償費の支払いを受けたものは七十八万一千人であります。不用額は、六十九億五千九百七十五万九千円でありまして、これは、予備費を使用すること等が少なかったためであります。  次いで、失業保険特別会計について下御説明いたします。  昭和三十四年度の歳入子弟額は、四百八十八億三千六百四十五万三千円でありまして、収納済み歳入額は、五百八十七億五千四十四万五千円であり、差引九十九億一千三百九十九万二千円の増収となっております。そのおもな理由は、被保険者の増加率及び賃金の上昇率が当初の見込みより上廻ったため保険料収入が増加したこと及び前年度国庫負担金の受入不足額が本年度において一般会計から補てんされたこと等のためであります。  歳出予算現額は、四百八十八億一上千六百四十五万三千円でありまして、このうち予備費の使用額は、二十億五千四百九十二万二千円で、そのおもなものは、給付件数の増加等に伴う保険金の支出及び炭鉱離職者の再就職を容易にするための総合職業訓練所の施設等の拡充に要した経費であります。支出済歳出額は、四百五億八千六百六十三万三千円でありまして、そのおもなものは保険金であります。  昭和三十四年度末における失業保険の適用事業所数は三十四万一千で、前年度に比較して一一%の増加であります。被保険者数は、一般失業保険一千百六十六万八千人、日雇失業保険五十九万一千人でありまして、それぞれ前年度に比べ一二%、一〇%の増加を示しております。失業保険金の給付状況は三百六十六億二千九百九十万九千円であって、月平均の受給者実人員は、一般失業保険三十九万人、日雇失業保険十四万三千人であります。翌年度繰越額は七千二百五十万三千円でありまして、そのおもなものは、庁舎等新常費であり、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越にかかるものであります。不用額は八十一億七千七百三十一万六千円でありまして、これは予備費を使用すること等が少なかったためであります。  以上をもちまして、労働省所管の昭和三十四年度決算の説明を終わります。  なお、昭和三十四年度の決算検査報告において掲記されました事項につきましては、会計検査院のご指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存ずる次第であります。指摘事項につきましては、鋭意改善に勤めるとともに、かかる御指摘を受けることのないよう努力いたす所存であります。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 次に、会計検査院より検査報告について説明を求めます。中島会計検査院第三局長。

中島尚文会計検査院事務総局第三局長

○説明員(中島尚文君) 昭和三十四年度決算検査報告に、労働省所管で掲記されました事項は、保険給付の適正を欠いたもの、失業対策卒業費補助金の経理当を得ないもの、失業対策国庫補助事業の施行が当を得ないもの、職員の不正行為により国に損害を与えたもの、労働者災害補償保険保険料等の徴収不足を是正させたもの、それから失業保険保険料等の徴収不足を是正させたもの、この六つの項目にわたっておるのでありますが、以下これらにつきましてその概要を御説明申し上げます。  第一の「保険給付の適性を欠いたもの」は、失業保険事業において見られた事例でありまして、全国六百八十カ所の公共職業安定所等のうち百七十二カ所で失業保険金受給者九万三千二百九人について実地調査をいたしましたところ、再就職している者に支給した事例が百三十カ所で八百十人あり、保険金で一千四十九万九千四十二円が不当に支給されていたのであります。これらを都道府県ごとに集計いたしました表が八十四ページに掲げてあります。  第二の「失業対策事業費補助金の経理当を得ないもの」は、全国一千二百三事業主体の二六%に相当する三百十九事業主体について実地検査をいたしました結果、八十五ページ以下の表に示しましたように、一事項二十万円以上のものが三十事業主体に見られ、返納を要する補助金は一千百九十八万四千二百七十一円に上っております。これらの事項の大部分は、就労していない者に支払った賃金を事業費に算入いたしまして、補助対象にしていたものあります。  第三の「失業対策国庫補助事業の施行が当を得ないもの」は、めずらしい事例でありまして、千葉県千倉町が町道旧七浦十三号線新設工事を施行するにあたりまして、路側石垣延長三百二十メートルの工事について、労働大臣の承認を受けて国庫補助の対象となる失業対策事業として実施したのでありますが、施行にあたりまして、現地採取の不ぞろいな雑石を使用したり、胴込めコンクリートを全く施行していなかったため、この石垣工事完了後わずか一カ月たったばかりで、その半分以上の百七十メートルが波浪のために崩壊をして、路面も流失をし、使用不可能の状態になったものであります。事業効果がほとんどあがらなかった事例でございます。  第四の「職員の不正行為により国に損害を与えたもの」は、長野県社会部失業保険保で事業主から領収した失業保険の保険料等を、その収納事務に従事していた職員二名がこれを国庫に払い込まないで、領収した四百六十三万二千八百一円と、尼崎公共職業安定所で失望保険金支払いに要する前渡資金を、その出納保管事務に従事していた職員二名が領得した四百十八万円と、この二件でありまして、合計八百八十一万二千八百一円となっております。  第五の「労働者災補償保険保険料等の徴収不足を是正させたものは、二十七労働基準局で、管内三十一万二千九百十八事業場の三・一%に相当する九千六百七十一事業場について調査いたしました結果、調査いたしました事業場の五・九%に相当する五百七十五事業場において一千五百二十二万四千三百三十四円ありましたが、その詳細は九十一ページ以下に表において示してございます。  第六の「失業保険保険料等の徴収不足を是正させたもの」は、三十二都道府県で、管内二十七万八百六十六事業所の四・一%に当たります一万一千百八十六事業所について調査いたしました結果、調査事業所の一一・三%に当たる一千二百六十九事業所で、二千三百七十九万一千百二十二円ありました。これも九十三ページ以下の表に掲記してございます。  以上をもちまして説明を終わります。

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) 暫時休憩いたします。    午後三時二十一分休憩    ――――・――――    午後三時三十五分開会

大森創造日本社会党

○理事(大森創造君) これより委員会を再開いたします。  別に御質疑もございませんようですから、昭和三十四年度決算中、労働省関係の質疑は、これをもって終了いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十七分散会

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