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40回国会参議院1962/03/31

決算委員会 第5号

発言数
240
登壇者
19
会派数
4
開催日
1962/03/31

会議録

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) これより決算委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。  三月二十七日、温水三郎君が辞任され、その補欠として高橋進太郎君が、三月二十九日、森八三一君が辞任され、その補欠として奥むめお君が、本日、藤原道子君、小林英三君、塩見俊二君、西田隆男君が辞任され、その補欠として小柳勇君、下村定君、野田俊作君、大泉寛三君が、それぞれ選任されました。     —————————————

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 参考人の出席要求についてお諮りいたします。  昭和三十五年度決算審査のため、政府関係機関の役職員の随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認めます。  なお、参考人出席の日時、人選、その他の手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) この際、理事の補欠互選に関する件についてお諮りいたします。  大森君が一時委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となっております。したがって、理事の補欠互選を行なう必要がありますが、これについては、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認めます。よって、委員長は、大森創造君を理事に指名いたします。     —————————————

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 次に、昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件を一括議題といたします。  さらに、本日の運営について先にお諮りをいたしておきます。  先ほど、理事会におきまして、本日の運営については、予備費を審議をしていただくわけでありますが、まず最初に、政府の提案説明を受け、質疑を行なって、そのあと討論、採決に入るのでありますが、討論採決に入る場合には、各会派の御意思を表明していただくわけでありますから、その間一時中断をいたしまして、昭和三十五年度の一般総括質疑を続けます。その各会派の意見がまとまりましたならば、一般総括質疑を、ある程度の時期を計らっていただきまして、終了して、また予備費の審議に入り、討論採決に入る、目標は大体四時過ぎくらいに終わるように一応御考慮をいただきたい、こういうことで理事会は御相談をいただいておりますので、その線に沿って御了承いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) では、まず政府より提案理由の説明を聴取いたします。堀本大蔵政務次官。

堀本宜実自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(堀本宜実君) ただいま議題となりました昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件の事後承諾を求める件につきまして、御説明申し上げます。  昭和三十五年度一般会計予備費の予算額は百億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十五年四月十二日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました七十六億七千三百万円余につきましては、第三十八回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十六年一月十四日から同年三月三十日までの間におきまして、二十三億二千二百万円余につき使用決定いたしました。  そのおもな事項は、国連警察軍コンゴ派遣費負担金に必要な経費、租税還付加算金に必要な経費、国庫預託金利子支払いに必要な経費、伊勢湾高潮対策事業に必要な経費等であります。  次に、昭和三十五年度各特別会計の予備費の予算総額は一千四百三十八億一千百万円余でありまして、このうち、昭和三十五年八月十二日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました六百五億四千五百万円余につきましては、第三十八回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十六年二月十七日から同年三月二十九日までの間におきまして八十二億三千九百万円余の使用を決定いたしました。  そのおもな事項は、厚生保険特別会計健康勘定における健康保険給付費の不足を補うために必要な経費、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における昭和三十五年産麦の売却の減少及び買い入れの増加に伴う管理に必要な経費、漁船再保険特別会計普通保険勘定における再保険金支払いに必要な経費、国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における災害復旧事業及び仲裁裁定の実施等に必要な経費、失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等であります。  次に、昭和三十五年度特別会計予算総則第十一条及び第十二条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたのは、第三十八回国会においてすでに御承諾を得ましたものを除き、交付税及び譲与税配付金、食糧管理、郵政事業の三特別会計でありまして、その内訳は、交付税及び譲与税配付金特別会計において支出しました地方譲与税譲与金に必要な経費四十四億一千万円余、食糧管理特別会計国内麦管理勘定において支出しました昭和三十五年度産麦の買い入れ増加に伴う管理に必要な経費二億八千五百万円、郵政事業特別会計において支出しました業務量の増加等に必要な経費三十七億八千七百万円であります。  次に、昭和三十六年度一般会計予備費の予算額は二百二十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十六年五月二日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました金額は、百三十八億八千万円余であります。  そのおもな事項は、文教施設その他災害復旧に必要な経費、急性灰白髄炎緊急対策に必要な経費、災害救助に必要な経費、愛知用水施設の災害復旧に必要な経費、農業施設災害復旧事業に必要な経費、山林施設災害復旧事業等に必要な経費、漁港施設災害復旧事業に必要な経費、炭鉱保安緊急対策に必要な経費、滞船滞貨緊急対策に必要な経費、河川等災害復旧事業に必要な経費、住宅施設災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和三十六年度各特別会計の予備費の予算総額は一千百九十一億八千万円余でありまして、このうち、昭和三十六年五月二日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました金額は六十二億二千万円余であります。  そのおもな事項は、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における昭和三十六年産麦の買い入れ増加に伴い必要な経費、国有林野事業特別会計治山勘定における緊急治山事業等に必要な経費、中小漁業融資保証保険特別会計における保険金支払いに必要な経費、港湾整備特別会計港湾整備勘定における滞船滞貨緊急対策に必要な経費、治水特別会計治水勘定における緊急砂防事業等に必要な経費等であります。  次に昭和三十六年度特別会計予算総則第十一条及び第十二条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、造幣局、国有林野事業及び郵政事業の三特別会計でありまして、その内訳は、造幣局特別会計において支出しました補助貨幣製造数量の増加等に必要な経費七千六百万円余、国有林野事業特別会計国有林野事業勘定において支出しました作業量等の増加に必要な経費三十九億七千万円余、郵政事業特別会計において支出しました業績賞与支給に必要な経費二十五億二千百万円余であります。  以上が、昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)ほか七件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ、御審議の上、御承諾下さいますようお願い申し上げます。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 大蔵省の方おられますか。予備費使用総調書の事後承諾を求めるの件についてでございますが、これは決算と同様に、現行法規上、国会が不承諾とした場合の効果が明示されておりません。でありますから、国会が不承諾とした場合でも、すでになされた予備費の支出効果は変わらないとされている。いろいろ学説もございまするし、実際の運用上、国会の事後承諾の有無によってすでになされた予備費支出の効果は変わらないとされておりますので、国会の事後承諾は内閣の政治責任の解除になるかどうか、その点については、国会の判断にすぎないように考えられております。したがって、もしこの予備費総調書が不承諾と国会の意思決定がなされた場合でも、内閣が国会に対し、政治的責任を追及されるにすぎません。したがって、政府が国会の事後承諾を軽視するようになることも、当然だと思うのです。こういうあり方を再検討してはどうか。もちろん、国会自体の問題でございますが、それについて大蔵当局のお考えをお聞きいたします。

谷村裕大蔵省主計局次長

○政府委員(谷村裕君) ただいまの御質問のとおり、国会における予備費の使用の事後承諾は、効果といたしましては、御承諾を得られれば内閣としての政治的責任が解除される、しかるざる場合においてはそれが問題になる性質のものであると存じます。御質問の趣旨がさようなことであるとすれば、政府は国会に対して予備費使用の責任についてやや軽々しく扱うおそれはないかというふうなことであったと存じますが、現在憲法上、御承知のとおり、財政を処理する権限は、国会の議決に基づいてこれを行使する第八十三条の規定がございますし、またそれの例外といたしまして、予備費の、すなわち第八十七条、内閣の責任においてこれを支出することができると、かような憲法の規定の建前上、行政府でありますところの内閣が責任を持ってこれの処理に当たるわけでございますが、さような財政処理の原則のいわば例外的な扱いとなっております本件の扱い方につきましては、十分その負託にそむかないように、責任を持って慎重に扱うべき態度をとるものと存じます。御指摘のような、これを軽々しく扱うような態度があっては絶対ならないと存じますし、またさようにしておるつもりはございません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 次にお伺いしますが、予算と決算の中間段階にある予備費の使用総調書が決算の国会提出後に行なわれておるのは、財政法第三十六条の「内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」という規定を受けております。したがって、年度予備費使用総調書(その一)、(その2)に、二つに分けまして、常会開会前に使用決定したものを(その一)として、年度中の国会開会中に使用決定したものを(その2)として、次年度の常会に提出している結果、たとえば三十五年度予備費使用総調書(その2)は、三十五年度決算が提出される三十六年十二月から三十七年の五月にわたる今回国会に提出されることとなっております。現に、予備費が現実に支出され決算となった決算書よりさらにおくれて国会に提出されて、国会の承諾を求めることとなって、国会の事後承諾の制度を一そう無意味なものにさせております。これは財政法の三十六条の規定が現実の運用に適合しない結果でありますし、この規定を改正するか、実際の運用を改めるか、どちらかが必要であろうと考えておりますが、その方策としては、私どもの考えは、まず三十五年度予備費使用総調書(その2)、すなわち三十六年一月十四日から三十六年三月三十日までの間に使用を決定されたものについては、国会の常会が三十五年十二月過ぎから三十六年五月中旬まで開会されているのでありますから、そのときの常会に直ちに提出すれば、十分事後承諾を得られる時間的余裕があると考えられます。衆議院の決算委員会でも、この問題が追及されまして、このように改むべきではないかと私は考えているのですが、このように改めて、初めて、会計検査院法の第二十九条で、予備費の支出で国会の承諾を受ける手続をとらなかったものの有無を決算検査報告の必要的記載事項として記載させて、年度決算を可決するに際し、年度予備費で国会の承諾漏れのものはないかどうかを会計検査院に検討させ、国会の承諾漏れのできるのを防止するという法の精神が生かされると考えますが、あなたの考えはいかがでございますか。

谷村裕大蔵省主計局次長

○政府委員(谷村裕君) ただいまの問題は、たとえば三十五年度なら三十五年度という一年度の予備費の使用実績が二回に分かれて出るし、しかもその二回目におくれて出るものは、たとえば三十五年度の決算書国会提出よりもおくれて出ておる、したがって、審議上も、また会計検査院の決算検査報告と合わせて見る場合にも、不便であるという問題についての御意見であると存じます。予備費使用の調書をいついかなるときに国会に出すのがよいかということにつきましては、旧憲法時代からいろいろな沿革がございまして、かつては、決算と同じように、かなりおくれて、三十五年のものがすっかり一まとめになって、そのあとの国会に出てくるというような形もあったそうでございますが、それでは、緊急に処理された事案についての国会の審査が必要であるから、せめてそのうちの一部のものは早く繰り上げて出すようにしたらどうかというふうな意見がありまして、ちょっと記憶いたしませんが、大正十年の改定後でありましたか、いつの時代でありましたか、少くとも予備費を早くわかったものはわかったものだけ分けて先に出せというふうなお話があって、そのころさようなふうに改めたというふうな経緯もあるようでございます。ただいまは、財政法の規定によりまして、とにかく十二月までにわかったものをとりあえず出しておる。それから一月——三月の分はその次の国会にお出しするということをやっておるわけでございますが、それでは審議の上でいろいろ不便がもしできるならば、わずかな会期しか残っていない場合でも、とにかく国会に取りまとめて早く出したほうがいいのではないかという御意見が出て、そのほうがもし国会の扱いとしてもよろしいし、またわれわれのほうとしても、ほとんど審議期間が残っていないようなときでもお出しすることがさしつかえないということであれば、ひとつこれは検討させていただこうと思っておりまして、決してこれを、今技術的に非常にやりにくい問題であるとか、そういうことは筋としてできないことであるということは、申し上げるつもりはございません。十分私どもとしても御趣旨に沿って検討するつもりではありますが、ただ、そういうふうに考えて参りますと、たとえば、「常会」と書いてございますが、すぐ次に臨時国会が開かれたら、その至近の臨時国会でも出せばいいかとか、いろいろな問題が出て参ると思いますので、もう少し研究させていただきたいと思いますが、その御趣旨の方向は、ひとつ十分考慮させていただきたいと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 国会開会中は、予備費支出というのは最小限度にしなければならないということが原則であります。三十五年度の一般会計予備費百億円についても、その四分の一弱に当たる二十三億余万円が国会開会中使用決定されておりますが、これは補正予算を組んで国会の予算審議を経ることが常道だろうと思いますが、こういう問題について、今度提案をされたこの予備費の問題については、開会中としては金額が多過ぎるとはお考えになりませんか。

谷村裕大蔵省主計局次長

○政府委員(谷村裕君) 仰せのとおり、予備費の使用は国会中には原則としていたさない、それからまた、事柄の内容によりましては、補正を組む機会があれば補正によってやっていくという建前をとるほうがよろしいが、そういう方向については私ども全然同様に考えております。しかしながら、予備費の設けられました趣旨からかんがみまして、緊急に処理を要する、あるいは予算を補正して使用するよりも、むしろ予算の執行の状況を見た上で、最後に予備費をもって整理していく、そのほうが予算の使用の仕方としても効率的であると考えられますような場合には、さような原則には必ずしも従っていないわけでありまして、御承知のごとく、昭和二十九年の四月に閣議で考え方をきめているわけであります。たとえば裁判費でありますとか、いわば義務的に数量がふえて補充していかなければならないような経費でありますとか、あるいは比較的軽微と認められるような経費でありますとか、そういうようなものは国会開会中でもこれを支出する、しかしそれは決して国会に対する政府の責任として不十分なあり方ではない、こういう考え方をもって、そのほうがかえって財政処理としてはよろしい、かように考えてやっているわけであります。御指摘の、三十五年度においてその数量が多いのではないかと言われますものにつきましては、預託金利子であるとか、あるいは租税還付加算金であるとか、きわめて技術的な義務的な経費を最後的に処理しておりまして、多くなっているのではないかと存じますが、決して国会の御負託にそむいて処理をしているとは私ども思っておりません。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この国会開会中の予備費使用の取り扱い制限がだんだんにゆるめられているような傾向もございます、全体の趨勢としては。そこで、話は別ですが、決算委員会のあり方というものを再検討しようということで、本委員会では小委員会を持って、近く結論が出されようとしています。予算に対する決算のあり方という姿にひとつしようということで、超党的に研究しております。で、この機会に、予備費の問題についても、前段申し上げましたような意味で、政府側もやりやすいように、しかしある程度のワクをきめてやったらどうか、これもひとつ本委員会でもって順次検討しようと思いますので、政府側におかれても、そういう線に沿ってひとつ研究をされるように要望いたしまして、まず第一の質問を終わります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまの大森君の質問に関連いたしまして、具体的に質問をいたしたいと思います。  第一は、外務省に質問いたしますが、ドミニカ移民の問題について、衆議院の決算委員会でも先般問題になりましたが、私はなおあれだけの問題の解明では納得できませんので、少し具体的に質問をいたしたいと思います。  まず第一は、今予備費の使用を承認を求められるようとする、この外務本省の費用の中で、二つの項が今あがっておりますが、この内容について具体的に説明をまず求めたいと思います。この参考資料の八十一ページを御説明願います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) お答え申します。お尋ねの点は、移住者の送還に必要な経費四千百二十七万六千円の内容と、移住者の送還及び援護に必要な経費四千九百六十五万二千円、これの内容についての説明と存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうです。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 四千百二十七万六千円の内容につきましては、ドミニカからの引揚者四十七家族二百四十五名分といたしまして、三千三百五十五万九千四百五十二円、そのほかにペルーからの帰国、ブラジル・サンパウロからの帰国、パラグァイ、ボリビア、キューバからの帰国、これらを合わせまして、合計で四千百二十七万六千円、こういうことになる次第でございます。なお、四千九百六十五万二千円に関しましては、もっぱらドミニカからの引き揚げの関係でございまして、六十家族二百七十八名分、四千八十四万一千百九十円及びこれらの移住者百二十家族が横浜に上陸いたしましてから郷里へ着きますまでの援護の費用といたしまして八百九十何万、これを合わせまして四千九百六十五万二千円という数字になるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この金は、海外移住者が向こうから帰る場合に貸しつけた金でありますが、これは貸付ですか、支給ですか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 貸付でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 取り立てる方法について御説明願います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) ちょっとただいま申しましたのは訂正いたしたいと思います。横浜に着きましてから郷里に着かれるまでの八百何十万円というのは、これは支給でございます。それ以外のドミニカから日本までの船賃、あるいはその他の諸国からの引き揚げに要する船賃、これらは貸付でございまして、上陸いたしましてから払うという建前になっております。ただ、実際上、強制執行をして無理に取るという建前ではございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 このような種類の金を、今まで外務省が貸し付けまして、これを回収した金額と、残っておる金額と、御説明願います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) これは、戦前戦後を通じまして、ずっと続けてやっておるのですが、在外で救済を要する邦人、あるいは強制送還を命じられて資力のない人を帰すという場合に、貸付をやりまして、全部の正確な数字は、今ちょっと即席では出せませんが、回収率は非常に少ないということを申し上げます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今まで回収率は少ないということも聞いておりまするが、概算でもわかりませんか、どのぐらい残っておるのか、回収率が何%ぐらいあるのか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) ちょっと今持ち合わせませんので、あとで提出させていただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、金額も問題でありますが、金額よりも、生活困窮で国に帰ろうとする場合に、向こうのほうで金を借りてくる。そうして、帰りまして完全に仕事があればいいが、なかなか海外から帰りまして仕事にありつけないでしょうが。そういう人から年々取り立てるということになっておる、そのようなシステムについて、あなたはどのようにお考えですか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 海外において、自分で金の払える人もございまして、帰る場合もございます。あるいはまた、強制送還の場合。しかし、どうしても金のない人……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 早急に金額を調べて下さい。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) そういう場合に、この国援法による援助はやむを得ないことと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一回正確に聞きます。取れない場合は、これを補助なりあるいは支給というここで、取れなくても仕方がない、こういうことでございますか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) いろいろ場合がございますが、たとえば、海外に長くおって、非常に年寄りになられて、身寄りもなく、返さなければならぬというような場合には、なかなか取れないと思います。しかし、そうでない場合には、帰りまして、将来資力ができたときには返してもらえるというものもございますから、初めから支給するという建前をとる必要はないのじゃないかと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 移住局長は、自分で海外で生活ができない人が帰ってくる。それが出先機関から金を借りて帰ってきて、そうして今から生活していくが、その人の生活のめんどうをみるというような気持があなたにはあるのですか。あるとするならば、私は、ただいま言われたような冷い、取らなければならぬ、取るべきであるというようなあいまいな態度で、このような政府の貸付金額についてあなたは扱っておるのかどうか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) この国援法を適用いたします場合は、ドミニカの場合のみではございません。現地で強制送還になる場合もあります。また、若くてぴちぴちしておられますが、在留邦人の中で一緒にやっていけないというような人で、強制的に帰す場合もございます。あるいは、自分から帰りたいということで、将来自分は返すのだということで、お帰りになる人もあるわけであります。ですから、それを一律に全部支給するという必要はないのじゃないか、こう申した次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その金額並びに今までの回収率については、なるべくこの私の質問中にお調べ願って、その数字について若干質問いたしますが、ただいまの局長の答弁によりますと、帰ってきて適当な仕事があって、隆々として仕事をやる場合には、これはもうお返しになるのが当然であるから、これは取りますということのようであります。したがって、政府の役人として、そのような態度について、局長として私は今承っておきますが、根本的にどうでしょうか、この国の援護法というのが今の実態から見て妥当だと思っておられるのかどうか、あるいはこれは国の補助その他によってもう少しあたたかく迎え入れて再生していただこう、再起していただこうというような思いやりのある対策が考えられておるのかどうか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) ちょっと国援法によって帰国する場合をもう少し御説明申したいと思うのですが、その援助の対象になるのは、外務省におきましては、移住局だけではございませんで、全世界、ヨーロッパを含めての各地における日本人で、帰さなければいかぬ場合を考えまして、欧亜局、アメリカ局、各局でそれぞれこの国援法を適用する場合の予算を組んでおるわけであります。たまたまこのたび、ドミニカの移民の引き揚げで、大きな国援法による援助が必要になりましたので、予備費の解除をお願いした次第であります。そういう意味におきまして、われわれといたしましては、原則といたしましては、海外へ移住、ことに戦後移住した人が、こういうふうに帰ってくることのないように心配するほうが先決である、こういうふうに思っておるわけであります。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ちょっと関連して一言お尋ねしますけれども、国援法というものは、今の御説明によりますと、外地で生活に困窮を来たし、それから帰国を希望する個人や、在留国の官憲から強制退去の処分を受けた者を、領事館が本国へ送還するに際して、その処分を規定した法律ということになっております。そこで、今回のような集団的な移民の帰国者、こういう者に国援法を適用して、そしてただいま小柳さんが質問されたような意味での支給をする、そうしてやがて返してもらうというものに、必ずしもぴったり該当しないのと違いますか。こういう場合には、国援法以外の法律を制定するなりして、そして国援法でない扱いをしてこれを支給して国費の支弁にするような方途を別途講ずるというのが、本来の建前ではないかと思うのです。法というものがちょうどあったから、今度の場合も適用してしまおうというところに、若干の無理があったのと違いますか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 緊急のために、これを適用した次第でございます。そういう意味において、あるいはそういうお考えになるのも無理もないかと思います。その点、非常にむずかしい点がございまして、引き揚げてこられる方々の事情、在留邦人の事情、その他広く海外におかれる移住者の事情というものも考慮に入れまして、簡単に国の費用を支給して帰すということがいいか悪いか、簡単に結論が出ない問題だと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 これは、緊急のことであるし、適用する法律もさしあたってないままに、国援法というものでこういう救済措置をとったということでございますが、これはこの際特殊な扱いをする——衆議院段階でもずいぶん論議されたと思いますが、この問題については特殊な扱いをするというお考えはございませんか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 現在のところはございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、この八百八十一万円を補助しておる日本海外協会連合会というのは、どういう組織ですか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 民間財団法人でございますが、そのほとんど全額国が補助している移住推進及び移住者援護のための団体でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その役員なり職員には、主としてどういう人が現在就任しておられますか。それから、簡単に経歴を説明願います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 今日までこの協会は、会長がございまして、それから副会長数名及び理事長、理事——理事が三名、それから職員——職員が本部、つまり東京のほうが五十六名、それから在外支部が九十一名、ちょっと正確に覚えておりませんが、そういう人数でございまして、会長、副会長は、俸給制ではございませんで、謝金を出しておるわけでございます。これも、従来はほとんど十分出せませんでしたが、最近は月に二、三万円の謝金を支給、それから理事長以下は俸給制で、理事長は月俸約九万円、部長たる理事は約七万円ということでございます。三十七年からベース・アップをお願いいたしまして、もう少し俸給を上げてもらおうということになりました。そうして会長は、最初から今日まで、元タイ国の駐剳大使をしておられ、拓務次官もせられたと思いますが、坪上貞二氏でございます。最近、御病気のためにやめられることになりまして、四月一日から元駐米大使及び駐中国大使の堀内謙介氏が坪上会長の跡を継ぐこととなっています。同氏は、現在カリフォルニアに短期農業青年を生かしている派米協議会の会長をしておられましたので、海外協会連合会の会長に就任していただくことになっております。それから副会長は、二名ございます。元代議士をしておられました熊本県の石坂繁氏で、その他もう一名今欠員になっております。それから理事長は、元拓務省の局長であった森重干夫氏、それからその下に理事が三名ございますが、一名欠員になりまして、総務部長及び業務部長を兼ねて勤めております理事二名、この総務部長の鈴木氏は、元拓務省課長、後大東亜省を経て外務省に移られた方です。もう一人は業務部長、これは農林省の役人をしておられました。それ以下は、農林省とか、外務省、その両省から行かれた方がございますが、それ以外の民間から来られた方、それから在外では、従来の海外協会連合会支部ではなくて、在外の団体でありましたのを、在外支部として海協連に統合したという実情でございます。したがって、在外の邦人がかなり多いのですが、最近になりまして本部からも人が行くということになりまして、相当本部のほうから人が行っているという実情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大体の組織並びに経歴などはわかりましたが、その御説明の中で、活動はほとんど謝金をもってやっておられる、給料とか年俸とかいうことでなくて、謝金をもって活動しておられるように承ったが、そうでございますか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 私の説明が正確でなかったと思います。会長だけが謝金でございまして、理事長、理事以下職員は俸給で、これは結局百パーセント国の補助による予算からの俸給でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 内外の海外移住協会なり、これに関連する、あるいはこれに似たような協会組織の活動し得る人たちの人数は、大体何人くらいですか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 海外協会連合会以外の組織としては、地方海外協会というのが各県にございます。これは財団法人であったり、あるいは社団法人であったり、あるいは単なる事業団体というのも若干ございます。これは現在のところ、国が三分の二補助し、県が三分の一補助するという建前でやっておりまして、これの予算が年全部で六千万円であったと思います。各県、大体六名くらいの職員でございます。ところによりまして、県のお役人が相当兼職されているというのもあるというのが実情でございます。これ以外には、これは移住金融を担当いたします組織として、御承知かと思いますが、日本海外移住振興株式会社というのがございます。それから、それ以外に、海外協会連合会あるいは地方海協に似たような団体といたしましては、農業協同組合を基礎といたしましたいわゆる全拓連、県拓連——県拓殖農業協同組合連合会というのがございます。この人数は正確に覚えておりません。それから、同じく移住に協力している団体といたしましては、力行会がございます。これが海協連と連絡して募集をやっております。それ以外に、純然たる民間の旅行あっせん業者が、海外の組織と連絡しながら呼び寄せ事業をする。これの適格者に対しては、海外協会から国の渡航費を貸付をするということをやっている。大体これくらいあると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまのものでは、人数についてはまだ不明確でありますが、純然たる民間のものについては、私はここでは論及いたしません。先刻のお話の、政府の補助によって、ほとんど政府の役人のようなことで仕事をしておられる人について、質問いたしております。  そこで、そのような人が活動して調査したけれども、これが不十分であった、それがためにドミニカ移民が失敗であったということが報道されている。決算委員会でも、それが明らかになったようですが、莫大な国の費用を補助金として支給して、日本海外協会連合会というものを組織しておられるが、その組織のあり方について、活動状況について、現在局長はどのように把握しておられますか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 海外協会連合会は、昭和二十九年に発足いたしました。それから、海外移住振興株式会社が昭和三十一年に発足しております。発足以来まだ十年にならないのでありますが、われわれとしては、これが徐々に発達しつつあり、補助金も、最初はごくわずかでございましたが、最近では、海外協会連合会に対する補助が四億、三十七年度は五億にまで達する。これは海外支部の費用も合わせてであり、また移住地に対するいろいろの機械その他の施設の援助も含めてでございますが、そこまでなったわけであります。問題は、金の問題よりも、われわれの一番感じますことは、移住を推進するための人の養成拡充ということが一番大事なことでありまして、これがなかなか思うようにいっておらないという点は、われわれも痛切に感じております。  それから、移住地の調査につきまして、大体年に四百万円余の適地調査費というものをいただいて、南米各地の調査をしているわけであります。御承知のとおり、ブラジル一国でも日本の二十三倍もあるようなところでございます。なかなか思うようにいかないという点で、われわれとしては、毎年大蔵省にはできる限り大きな予算をもらって、適地調査をやりたいと思って、努力しておりますが、金の面でも制約があり、また、実際膨大な金をもらっても、それだけの人を集めることにもなかなか困難を感じる。たとえばアマゾンの調査なんかでは、オランダがやりました調査を見ますと、三カ月にわたって、百数十名の人が膨大な金を使って調査して、膨大な報告が出ているというのに対しまして、われわれのほうは、ごくわずかの、ほんとうに大海の一滴のような費用をもらって調査しているという実情でございまして、まだまだ足らないということを痛切に感じているのですが、これも一挙にできないということで、だんだん拡充していきたいということで、がんばっている次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 三十七年度の予算だけで五億円もかけて、五億円の予算が計上されている。それで調査については、もちろんいろいろ不十分ではありましょうけれども、この一つの例であるドミニカの移民につきましても、事前調査のミスということが調査官の話で出ている。今移住局長は、少ない予算ということを言われましたけれども、目的地がはっきりしているのだから、どこどこに何家族移住したいというときに、重点的に調査するならば、その五億の中の半分使っても二億五千万、そういうようなものを重点的にやるとするならば、予算が少ないから十分の調査ができなかった——行ってみたところが、もう行ったら直ちに生活ができると思っておったところが、行ったら石ころの畑であったというような事態、そういうのがこれほどたくさん報道されている、写真も報道されている、それが調査費が少なかったからわかりませんでしたでは、私はこの決算委員会の答弁にはならぬと思うのです。もう一回ひとつよく事情を説明願いたいと思います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 四億円の補助金と申しますのは、南米各地に約十八カ所——もちろん南米でございますが、十八カ所に支部があり、そしてパラグァイなり、ボリビアなり、ブラジルなり、アマゾン各地、非常に広範な地域でございますが、これらの移住地で、特に僻地のところには、トラックを置いたり、ジープを置いたり、あるいはグレーダー、こういうものを備え付ける費用が相当大きな部分を占めております。また、学校、病院の費用を全部含めて四億円でございまして、そのうちの適地調査費というのは、大体五百万円前後であるという実情でございます。ドミニカにもっと金をかければということでございましたが、ドミニカの移住につきまして話が出ましたのは、昭和二十九年に先方から話があった次第であります。そのときは、ちょうど昭和二十八年に初めてアマゾンに日本から十七家族五十何名の移住者が参っておりまして、すでにアマゾンに入っている日本人のところへ呼び寄せられて行ったのですが、これが、行かれた移住者が、行ってみると、日本での想像とまるきり違う、非常にひどい労働である。受けられた先住の移住者は、日本の移住者はまるきり働かないで楽ができるというような調子で来て、一向働かないで文句ばかり言っているといって困られて、とうとう入ったところから全部出たというようなところに始まっているのでありまして、当時は南米でもなかなか行くところがなかった時代であります。各地の移住地を必死になって探していたような時代でございます。そうして、昭和二十九年からドミニカ政府と交渉し、移住地の調査につきましては、昭和三十年に外務省及び農林省から調査団が行きまして、ドミニカ全体につきまして実情を見、それからさらにドミニカ政府が集めておりますFAO等の資料、あるいはドミニカ政府の技師の調べました調査等を参考にして、十分検討した上で、農林省の中田技官が現地に参ってまた現地を見るというようなことをやってみた次第でございまして、結果的には、調査が十分でなかったという点は、われわれも認めますが、しかし、当時といたしましては、ベストを尽くしたというように考えます。  それからもう一つ、移住地が調査不十分であったから今日の結果になった、それだけと言い切れない実情でございます。それは、最初に入られたのが昭和三十一年でありますが、三十四年の夏ころまでは、むしろ入られた移住者から日本のほうに送っておられる便りでは、ドミニカはいいところであるということを盛んに手紙を出しておられるようであります。また、当時の実情を放送会社が現地へ行って放送した記録なんかもございます。これなんかも、ドミニカがまるで夢のような国であるような放送をしております。新聞その他も、同じような実情でございました。  しかるに、昭和三十四年の六月に、ドミニカでは、隣の島のキューバからカストロの侵入軍が入ってきたということで、移住者がまず動揺した。それから、三十四年の十一月終わりになりまして、キューバとベネズエラから、ドミニカが独裁国であるということで、ドミニカに寄った国はキューバとベネズエラへは寄せないということが起こりまして、経済的に相当打撃をこうむった。翌三十五年八月になりましては、このドミニカに差別待遇をいたしますベネズエラの大統領のベタンコウルトの暗殺事件がございまして、これにドミニカのトルヒーヨ大統領が関係していたということが言われて、他の中南米諸国から国交断絶を受け、それから経済断交までせられたのであります。そういう関係で——従来ドミニカは、カリビア海の避暑地として、あそこの一ペソはアメリカの一ドルである、非常に繁華なところでございましたが、一挙にして非常にさびれたところになった。そうして、国内で作りましたバナナも、つい目と鼻の先にあるアメリカ領のプエルトリコに輸出していたのが出せなくなったというような状態で、農産物の価格は、三分の一になり、四分の一になり、もっとひどくなったというような実情なんかもございまして、こういうものが重なり合って今度の一部の方々の帰国になったという実情でございますので、われわれとして、決して十分であったとは申しませんですけれども、ざっくばらんに申せば、戦後の海外移住の弱さが全部重なったところへ、こういう国際情勢で爆発したというふうに私たちは考えております。そうして、今の状態においては、三百家族入っている日本人の半分くらいは過剰入植というふうに心配いたしまして、日本へ帰す、あるいは南米転住を協力するという態度をとっているような次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あなたの答弁を聞いていると、納得できないのです。今予備費の支出を承認を求めている金額は、約一億円ですよ。約一億円の金額をこの国会に予備費支出の承認を求めようとしている。それには、題目は「移住者の送還及び援護に必要な経費」と書いてある。移住者が向こうへ行く——これは行って帰った人です。帰った人が帰るについての旅費と今後の貸付金です。その支出承認を求めている。約一億円近くの国損です。これは貸付ですから返りましょうが、その予備費の承認を求めようとする、その答弁の中で——しかも、今まで衆議院決算委員会でも論議されておって、事前調査が十分でなくて、ドミニカの移民は失敗であったというのが大方の意見である。あなたの今の答弁では、私どもは十分やりました、海外協会についても十分やったものと思う、いわば戦後の天災であった、そういうように受け取れるような答弁を私は今ここで聞いて、そうでございましたかということでは、この問題の処理はできないと思うのですよ。何かそこには、不十分な点、あるいは努力の足らなかった点、あるいは研究の足らなかった点、そういうものがあったからこそ、それだけの家族が、わざわざ希望を持って行って、また帰ってきているでしょう。その原因を追及しなければ、意味がないのですよ。金額は出した、承認して下さい、そういうことでは、この決算委員会の意味がないと思う。したがって、私が聞いておるのは、あなたが局長でもし答弁できないとするならば、外務大臣に来ていただきましょう。そうして、今の協会組織で一体これからの海外移民が十分であるかどうか、あるいは、これだけの、年間五億の経費で、しかもこれを補助金としてやってよろしいかどうか、そういう根本的な問題もある。それからもう一つは、帰ってきたドミニカの人たちがこれから生活しなければならぬという生活権の問題がある。そういう根本的な問題を考えないで、私どものやってきた措置は十分であったと思う、ぜひこの予備費一億円支出をひとつ承認してくれ、これではあまりにも話がつじつまが合いません。したがって、今私はあなたの言葉じりをとって質問いたしませんが、私が今言いました、この海外協会連合会というものが、こういう人たちに海外移民の調査なりを委託することの是非、いいか悪いか、もしそれがよくないとするならば、どういう点でよくないか。外務省の定員をふやしてもよかろう。農林省のそういう調査官を置くのもよかろう。炭鉱離職者もどんどんふえますから、今後海外移民についてはもっと積極的にやらなければならぬ段階ですよ。そういう段階でありますから、こういう現在の組織でいいか悪いか、予算が足るか足らぬか、帰った人については一体どうしようとするか、そういうことをもう少し答弁願って、その上で、私は具体的にもう二、三点質問したいと思います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 今の組織で十分ではないと、われわれも考えております。海外協会連合会というものをもっと強化しなければいけないと思います。そうして、これからの移住の推進の仕事は、役所の行政よりも、むしろ行政はできるだけ簡素にして、海外移住の実務機関である海外協会連合会に仕事の重点を置いていくということが、一番実際的ではないかと思います。移住の仕事は、外に関係する関係上、外務省にも関係がありますが、農業移住者、工業移住者その他非常に範囲の広いものでございます。そういう関係で、各省との関係も非常にむずかしい点がございますが、関係各省の行政をなるべく簡素にし、移住実務機関と役所の仕事の重複を避けながら、現在ではまだまだ十分でございませんので、海外協会連合会を強化していく。それから、移住振興株式会社につきましては、移住金融としての面にもっと研究をし、掘り下げ、さらに広げていかなければいかぬ面があると思っております。それから、去年からことしにかけましては、国内のほうはむしろ労働力不足でございまして、海外に移住する人が少ないときでございます。こういう場合における移住というものは、一体どういうところに頭を向け、どういうふうに把握しなければいけないかというような点も、十分掘り下げていかなければいけない。そういう意味において、われわれといたしましては、移住というものは、第一義的には、海外に発展していく人たち、移住者の努力を国が側面から援助するという立場において、できる限り優秀な移住者、技術を持った移住者、さらには資本力を持った移住者が海外へ行って経済発展をし、相手の国にも経済的に寄与し、これらの人の地盤強化によって、日本のほうにも政治的、経済的に利益を上げるようにする、こういう意味においては、日本の労働力が不足でも、できるだけ割愛して、移住者が出るように努力するのが必要である、こう思っております。そういう点で、移住者の厳重な選考、それから出る前のいろいろな訓練、こういう面ではまだまだ足らないのでございます。こういう点も、もっと強化していきたい。それから、入りましてからの移住者も、さっき申しましたように、トラクターとか、トラックとか、ジープその他道路の建設に一部国が補助したりしておりますが、まだまだ十分でございません。原始林を伐採したりする場合に、かなり原始的なものがまだ残っております。こういう点は、もっと資本力を国が援助する——補助するなりあるいは融資をするという態勢をもっと強化していかなければいかぬというふうに思って、移住も現在こそ曲がり角にきておるのではなかろうか。ドミニカ移住の失敗を繰り返さないためには、そういうような点で、移住の考え方、やり方について、そうして機構についても、しっかりした基礎を作ることが、この問題に対する前向きの解決方策である。帰られた移住者自身に関しましては、あるいは補償金を出してくれというような話もございます。それよりも、お帰りになって、積極的に立ち上がっていただくための就職あっせん、あるいは住宅のお世話、あるいは仕事をやられる場合の金融上のお世話、こういうことをお世話することのほうが必要であるというように考えまして、東京では、外務省が中心になりまして、窓口といいますか、関係各省と相談し、そうして各県及び地方におきます海外協会連合会が、それぞれ帰国者の郷里における指導の手足となって導いていく、そういう態勢で今せっかく努力をしておるのであります。まだ決して十分ではございませんし、就職の点も、帰られた方が職を得られたというようなところまではいっておりませんけれども、これは一つには、帰った方々の心も十分落ちついておらないで、われわれのほうから推薦をいたしまする職についても、まだそれを右から左にとるような気持になっておらない方もございますので、時間をかけて根気よく協力するより仕方がないと思って、努力をしておる次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 海外協会連合会の活動状況その他については、あとで資料をもって提出願います。資料要請をあとでいたしますが……。そこで、国援法の適用についての概数わかりましたか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 昭和二十八年から三十六年までで、六千二百五十二万八千円でございます。うち回収金は、非常に少のうございますが、約十八万円でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今承認を求めておる予算だけでも、送還に必要な経費が四千百二十七万と、援護に必要な経費四千九百六十五万円ですよ。それから、二十八年から三十六年までの計が六千二百万円、あまりに少のうございませんか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) この六千二百五十二万八千円と申しましたのは、今お願い申しております八千万円余りの予備費勘定以外のものの数字の合計でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、ドミニカ移民ではたくさん帰られたけれども、それ以前の二十八年から三十六年までの移住者については、あまり帰っていないということでございますか。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) そういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 六千二百万円の中で、十三万円ですが、返還されたものは。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 十八万円でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ドミニカ移民がお帰りになったために、今回については特別であるということは了承いたします。わかりましたが、六千二百万円の中で十八万円しか返らないというところに問題があるようです。したがって、この国援の是非の問題については、外務省としても一回御検討を願いたいと思います。これは要請であります。  それから、具体的に、今後、ドミニカから帰られた人たちに対して、どのような援護態勢がなされるか。あるいは、外務省の手を離れたとおっしゃるかもわかりませんが、移住局長としては、もう帰ったあとは知りませんでは、私は責任があまりにもなさ過ぎると思いますから、今後の処遇ですね、あるいは対策、そういうものについて御説明願います。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) 帰られた方のお世話は、今始まったと、言ったほうがいいくらいに、今一生懸命になってやっている次第でございます。援助の実情を申しますと、帰国後——横浜へ帰国せられた際に、見舞金、あるいは宿泊費、あるいは汽車賃、それから車中のお小づかいと、こういうものを現金で、一家族平均いたしますと五万三千円ぐらい、全部で——事務費を入れまして、その他救出物資を入れまして、大体七万三千円余りの援護をいたしております。そうして、県へ帰られましてからは、これは各県がそれぞれお世話願っているのですが、大体平均一家族五万円から十万円を援護してもらっております。それ以外の援助といたしましては、農林省関係といたしましては、国内開拓地への入植のあっせん、これも現在若干の申し込みがございます。申し込みというか、われわれのほうからいろいろ指導して御相談をしているわけでありますが、それがための国庫補助、開拓者資金融通法に基づく営農資金の融資農業拓殖基金による融資、農業拓殖基金の融資に対する保証がございますが、今度の帰られた方に対する融資についても、保証は、これは三十万円まで保証するということでございます。それから、建設省関係といたしましては、三十七年度建設予定の第二種公営住宅の中から、ドミニカ帰国者のために、百戸の割当を建設省からしていただまして、これを各県に連絡しまして、建設省からも県に連絡しております。そうして、定着をせられる移住者と連絡の上で、これの実現をはかり、なお三十六年度でも、余裕のあるものについてできるだけやってもらう。それから、これまでにも、まだ時間がかかりますので、県営あるいは市営住宅であいている場合には、臨時に入れていただくというお世話も願っております。それから、厚生省関係といたしましては、生活保護法の活用、世帯更正資金の活用、三万から五万まで保証できる融資、それから労働省の就職あっせん、これが一番積極的にやっていただいていると思うのですが、横浜におきまして就職についての希望を聴取し、あるいはあっせん、または郷里に帰られてからの職安における指導をやっております。それから雇用促進事業団の活用、それから大蔵省関係におきまして、国民金融公庫資金の活用につきましては、銀行局長から金融公庫総裁に、また総裁から地方支所に指示していただいておりまして、これの法律によりますれば、百万円まで借りられることになるのですが、実際上われわれが聞いておりますので、炭鉱離職者並みの融資が大体行なわれるように聞いておりますが、それは大体二十七、八万円程度である。しかし、これも、計画がよくても、どうしても保証する人がなくて困るという話がございますので、これはケース・バイ・ケースで当たっていきたいと思いますのですが、大蔵省とも協議の結果、大蔵省は、ドミニカ帰国者に対する金融の円滑化をはかるために、信用保証協会の保証について便宜をはかってもらうというようなこと、こういうようなこともやっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういうことのほうは、社会労働委員を私がやっておりますから、よくわかっております。それは国民全部に平等に与えられている特権です。そういうことを聞いているわけじなゃいのです。私が今言っているのは、ドミニカから帰った人は、みんなが窓口を求めているわけです。その窓口は一体どこにあって、たとえば、今おっしゃったようなものも、それは各省ではやりますけれども、私は、移住局なりその他窓口があって、まず数年の間は帰られた人のめんどうをみて再起をしてもらうという態勢が政府として必要ではないかと思うので、その態勢をお聞きしているわけです。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) そういう意味におきまして、外務省が中心になりまして、中央におきましては関係各省が相談し、海外協会連合会におきましても、ドミニカ移住者の救済の対策本部を作っております。そうして、これらの事情を県のほうにお願いし、また地方海協にも協力していただきまして、実際上、移住者自身がいろいろ計画したり、希望を申し出られることは、なかなかむずかしいので、県及び地方海協が移住者に働きかけて、就職その他を勧めていただくということになっておりまして、ちょっと、住宅、就職及び生活保護法の適用の状況を申しますと、ことしの二月二十六日には、生活保護法の適用中が二十七、申請が十二、これの適用のないのが十八世帯、適用がないというのは、非常に金持ちのお坊ちゃんとか何とかいう方もおられます。あるいは就職した場合。それから三月二十二日には、生活保護法の適用が三十六、申請中が七、なしが十四、三月二十八日、これは最も新しいものですが、適用が四十八、申請中が二というようなことになっています。住宅関係は、自分の家または借家及び寮に入っておられる方が、二月二十六日には十一世帯でございましたが、二十二日には十四世帯、二十八日には二十八世帯になっております。なお社会福祉会館に入っておられるのが三世帯、これはずっと入っておられます。それから、まだ親戚などに同居しておられるのが四十九という実情でございます。この中で、今の第二種公営住宅に入ることについての申し入れもすでにございまして、県から建設省にきておるのが、かなり前の話でございましたが、二十一ケースあるという話を伺いました、それから就職につきましては、二月二十六日就職済みが十八、二十八日には二十七というような状態になっております。就職につきましても、なかなか御希望にぴったり合う職業が見つかるということもむずかしゅうございまして、一例を申しますと、長崎で二万一千円の職がございましたが、これでは自分は不満足であるということで、東京に出てこられたということで、県ではがっかりしておられるような事情もございましたが、しんぼうしてできるだけお世話願いたいということをお願いしております。私、二十八日には、神戸で、西日本地区の移住関係県当局者に全部お集まり願いまして、ドミニカについての御相談をし、各地の事情も相談いたしました。たとえば鹿児島では、相当の数帰りましたが、就職の問題では、鹿児島ではなかなかむずかしい問題があるというお話があり、逆に兵庫県では、自分のほうは移住担当者としておかしいようだが、労働力不足で人手が足らぬで困るのだ、こういう場合にはわれわれのほうもお手伝いするというようなこともやりたいということを相談しておりまして、われわれといたしましては、これらのお世話は今進行中であると御報告いたします。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 資料提出を求めます。  海外協会連合会の役職員の概数と、それから経歴、それと、最近数年間の活動状況。  それから第二点は、現地に行って委託されて調査した人の復命書、これを外務省が把握しておられるならば、その把握の実態。  第三点は、今御説明のありました帰還者の現在の生活状態。  この三点について、次の外務省の決算委員会までに資料を御提出願いたいと思います。  ただいまのドミニカ移民の問題については、なお問題が残っておりますが、資料を出していただきましたあとで、もう一回質問いたしますが、もう一つ、これは一九六〇年の十一月に出ました行政監察月報であります。行政管理庁行政監察局から出ている月報でありますが、これに、海外移住行政監察の概要及び勧告が出ております。この勧告に対してとられた外務省の処置、これについての報告を求めます。次の決算委員会で質問を続行いたします。

大森創造日本社会党

○大森創造君 さらに、今の小柳さんの資料に加えて、私のほうからも要求しますが、このドミニカ移住の問題の失敗は、外務省ばかりでもないし、農林省にもあるし、あるいは海外協会連合会やその他のほうにもあることです。お話を聞いてみますというと、海外協会連合会というものが主たる業務をやっているように思われますので、それについて、さっきの御答弁によると、今後の対策としては、これを拡充強化するというふうに御答弁がございました。何億かの補助を出しているほどの海外協会連合会でございますから、これに対して強化するということになると、さらに多額の補助を出すという方向になるのかどうか。私は責任が全部海外協会連合会にあるとは思いません、先ほど申し上げたとおり、だけれども、単に強化するということだけでは済まされない。これは小柳委員からも資料要求がございましたが、私はさらに突っ込んで、今後海外協会連合会というものを一つの大きなパイプにしてこの行政を進めていくということになると思いますから、これを一つのよすがにして、どうあるべきか、どうあったらいいかということを——これは民間団体ですから、外務省のほうで差し出がましいこともできないと思いますが、当然今までのあり方が再検討されなければならないと思います。そういうものについて、指導機関である外務省のあなた方のほうで、具体的に、要望というか、新しいあり方を示し、具体的な方策を、資料としてなり、あるいは意見としてなり、ひとつ御提出願うようにお願いしたいと思います。それから、指導の面が今のままでよろしいかどうか、そういうことも一緒にお願いしたいと思います。それできますか。必ずしも資料ではございません。

高木広一外務省移住局長

○政府委員(高木広一君) そういうものにつきまして、実は関係各省とも相談中でございます。また、今度新しいメンバーで審議を開始いたします海外移住審議会にもお諮りをして、十分検討をしたいと思っておるのですが、われわれの私見というものでもよろしゅうございましたならば、そういうものを出したいと思います。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) それでは、ただいまの小柳、大森両委員の資料要求については、すみやかに御提出願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 では、次に、厚生省に質問いたします。  厚生省に質問いたしますのは、小児麻痺の対策並びに予防ワクチンの問題であります。この承認を求めている予備費支出の中で、八十八ページの厚生省の分で、必要な経費四億九千七十万及び九十一ページに七億一千二百二十五万円、この経費が必要であることを認めますが、現在の輸入ワクチンの量並びに、日本で国産を研究されておるが、その国産ワクチンの現状、この二つの点をまず御説明願います。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) 会計課長でございますが、今二つ御質問がございましたが、最初に輸入ワクチンの量の点を私のほうから申し上げます。例の八十八ページの四億九千七十一万四千円というものにつきましては、これは千三百万人分ということで、これは三種混合——一、二、三型の三種混合を一千万人分をソ連から輸入した。それから、カナダのコンノート社というところから、液状の三種混合のワクチンでございますが、三百万人分というので、合計千三百万人分を外国から輸入さしていただいたわけでございます。これは昨年の七月から八月にかけて飲ましたわけでございます。それから、九十一ページの七億一千二百万というものにつきましては、昨年七月の三種混合一ぺんだけでは、諸外国の例に徴しても、完全に防疫対策としては終わりだというわけにいかないというので、もう一ぺん飲ませなければいかぬというので、この前の千三百万人、三種混合を一ぺんに飲ました者に、さらに四百万人追加して、千七百万人分でございますが、千七百万人分を国が買い上げさしていただきまして、これを三十七年の二月、三月に一型のものを一ぺん飲ました。それからさらに、一カ月ないし一カ月半置きまして、三十七年度になりますが、来年度の四月、五月にもう一ぺん二型、三型の混合液体を飲ませるということで、千七百万人分輸入してございます。そういう予備費をちょうだいしておるわけでございます。  今後の生ワクチンの国内生産の問題につきましては、公衆衛生局長のほうから申し上げます。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 生ワクチンの国内の生産でございますけれども、現在はまだ生産いたしておりませんです。で、生産をいたしたいというところはございます。それは少し数が多いのでございますので、この生産をいたします量と、国内使用の量ということから考えまして、そうたくさんのメーカーは必要ないであろうという判断のもとに、大体今わが国におきましては、一カ所ないし二カ所あれば十分であるという判断のもとにおきまして、その方面の製造をしたいというところを調整をしておるところでございます。調整がつきまして、現在、生ワクチンにつきましては、これを正式に製造いたします前に、国のいわゆる基準というものを作らなければなりませんので、今基準を薬事審議会に諮問いたしております。いずれこれも近くでき上がると思います。そういたしますと、メーカーもおそらくきまって参りまして、生産に入るという建前になると思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国産ができ始めるのは、いつごろの見込みですか。

中原竜之助厚生省薬務局細菌製剤課長(技)

○説明員(中原竜之助君) 大体製造を開始いたしましてからまあ一年くらいは見なくちゃならぬだろうと考える次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 緊念に必要な経費に六千二百二十四万八千円を使っておるようでありますが、これくらいの経費で国産をするまでの研究委託費は十分ですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) この生ワクの研究は、予備費と、それから当初予算と、両方になっておりまして、普通の予算措置でほぼ同額が計上されております。この両者で昨年の夏の緊急対策をまかないまして、現在その成績が出つつありまして、近く総合的なリポートができる。これに基づきまして、三十八年度以降、基本的な量といいますか、対象数、これらも日本の実際の経験に基づいたもので決定ができる、こういう段階になっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今年度は千七百万人分の輸入のワクチンによって予防する。来年についても、まだはっきりした見込みがないようでありますが、国産でできるといたしまして、でき始めました当初、年間大体何人分くらいの予防ワクチンができるものでございましょうか。

中原竜之助厚生省薬務局細菌製剤課長(技)

○説明員(中原竜之助君) この生産の量でございますけれども、いわゆる生ワクチンは、前のソーク・ワクチンと違いまして、生産をいたしましたものにつきまして——これは生産をいたしますと、そのまま使えぬ、そのように力価が高いわけでございます。実際に使用いたします場合に、これを相当量薄めていく。したがって、一匹から取れる量も、量といたしますと、それの三百倍ないし五百倍の量が使えるという形で、非常に使用可能量がふえてくるわけでございます。したがいまして、大体どのくらいの人間に使い得るということを計算いたしまして生産をするならば、その生産量の相当量がすぐに間に合う、そういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年七月から八月にかけて、急に小児麻痺が爆発的に蔓延いたしましたが、本年度の予防対象、それから来年の予防ワクチンを投与するところの年令引き上げについて、どういうふうな措置をしておるか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 本年は、現在千七百万人に対しまして、これは年令につきましては十三才未満生後三カ月以上、こういう者に一斉投与のちょうど最中でございまして、これによりまして、昨年のごとく年度当初に一昨年の大流行と同様な傾向で増加することは絶対にない、これによりまして十分防遏ができる、こういう計画で今進めておる次第でございます。なおこれは、秋になりまして、秋の終わりから冬にかけまして——さらに今回初めて飲みます小学校の学童は、ほぼ千万人がさらに第二回目の投与を次の秋から冬の間にいたします。これも、もうすでに三十七年度の予算にも計上しております。それから、本年一年間に新たに生まれます百五十万人の新生児、これも生後三カ月までは、母親の免疫がございますので、また人工免疫が非常にできにくい時期でございますので、これをはずしまして、三カ月以上の者は逐次これらの新生児にも飲ます。これも十分計画に入れて、これはさしあたりは、本年中は輸入に待つということで、これも計画中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今論議しておるこの予備費の四億九千万ですか。三十七年度の今言われた予防のための予算は八千七十三万一千円計上してあります。このようなわずかな予算で、ただいま言われたような年令の引き上げ、かつ学童への投与など、予防態勢については十分ですか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。  来年度の予算につきましては、八千七十三万一千円と申しますのは、これはさっき申し上げましたように、千七百万人分を今やっております。二回目が来年度の四月ないし五月に飲ませるその事務経費、これは都道府県の二分の一国の負担でありますが、それと、先ほど公衆衛生局長から御答弁申し上げました、去年の夏三種混合を飲みまして、千三百万人分飲んだのですが、さらに追っかけて今度千七百万人飲ませるわけでありますけれども、まだその二回の飲み残りがあるわけであります。これが七百万人分、それから新生児が百五十万人の二回分というので、合計延べ一千万人分というもの、これはことしの暮れぐらいから始めるわけでありますけれども、それの都道府県の、いわゆる飲ませ代といいますか、事務経費でございます。それの二分の一国庫負担分が八千万、それでことしの四月、五月に飲ませます千七百万人分につきましては、この九十一ページの七億一千二百万の中に、これは連続して行なうものでありますので、ことしの二月、三月分の一型分と、それから来年度買います、四月、五月やります二型、三型分合わせて、検定の関係もありまして、物はすでに買ってあるわけであります。七億円の内訳で、二回に分けてやる。それから秋の一千万人分につきましては、八千七十三万一千円のほかに、医薬品買上費といたしまして、延べ一千万人分で一億九千五百三十一万一千円というのを、八千万のワクと別個に三十七年度予算でお願いしているのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の質問ですが、この予備費の使途については、各委員にいろいろ意見はございましょうが、私は承認いたしますが、この予備費並びに新年度の予算で、今年は小児麻痺については絶対起こさせないという自信がございますか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 日本からゼロにしたいということでございますが、一月以来現在までに四十三名出ております。これは昨年のちょうど同期の三百二十名に対しまして、四十三名でございますが、著しく、十分の一近くには減っておりますが、出ております。したがいまして、ことしじゅうに発出をゼロにするということは申されませんが、今回のさらに追加いたしまして大量に投与いたしましたことによりまして、この生ワクの非常に優秀な性格、すなわち、本人だけが免疫になるのじゃなくて、その周辺にかなりすみやかに、飲んだなまのビールスが、さらに三次感染、三次感染を起こしまして、次々と免疫とするという性質から見まして、今一週間に三名ないし四名出ておるようなことも、さらに減少して、昨年十一月に起こりましたように、二週間連続発生ゼロというような時期が、今後一そう期待されますので、ことしじゅうに皆無にはなりませんが、ほとんど皆無に近い状況、こういう形で、昨年、一昨年と比較いたしますならば、推移できる、こう確信いたしておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 関連。生ワクチンによるポリオの絶滅、これは全くわれわれ期待するところでありまするが、昨年新潟県で調査いたしましたところによると、新潟市で対象該当者が一万三千五百九十三人ある。その未接種者が七千人をこえておる。いろいろまだ宣伝をいたしまして、締め切りを延長いたして、三百四十三人の増加をみて、五二%だけ接種しておる、こういうようなことであります。これはしかも、新潟市でこういう成績なのですが、特に農村地帯等に入りますると、さらに接種率が悪くなるのじゃないかと思うのですが、何かこれに原因はないですか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 昨年の夏のあの非常な流行のまっ最中の三種混合投与のああいう状況下でございますので、現在まで私どものほうで全国の各府県から報告を集めた結果では、実施率は全国平均九〇%でございます。したがいまして、ただいまの五二%という新潟市というところの実情はこまかく把握しておりませんが、これはもうぜひ再調査を要すると思います。今までは、新潟県もほぼ九〇%に近い全県の報告が出ておりますので、あるいは何か地元におきます計算の基礎が別な形でやっておるのではないかとも想像されます。これは再調査をいたします。  それから、今のお話の、農村のほうが非常に接種率が低いじゃないかというお話がございました。これは、私どもも非常に憂慮しておるわけでございます。といいますのが、夏は、あまり農村と非農村との差はなくて、よく徹底いたしますのですが、全小学校を会場にいたすように全部事務的にも講じておりますし、それから冬におきましても、分校まで会場にするということで、すべての手当をいたしておりまするので、大丈夫と思いまするが、ただ、雪の地帯とか、あるいはちょうどこちらできめております時期が農繁期等がかかったところは、一時非常に率が落ちるようでございますが、それはそのためにまたその後の一カ月間の間に追加の措置を必ず講じて飲ませるようにする、こういうことをやっておりますので、特別に心配は要らぬと思います。むしろ、現在の状況では、東京都のような大都市が、流行のさなかでないために、まあ自発的な知識といいますか、こういうようなものが低いせいか、予定よりもどうしても実施率がおくれているということで、これは二回、三回追加の補充投与をいたして、結局予定どおりの九〇%に近いものに持っていく、こういうふうにしておりますので、著しくは差はない、かように感じております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 たとえば、熊本、福岡、大分、山口、鹿児島、宮崎、北海道、群馬、三重、大阪等は、これは去年——三十五年度より三十六年度が患者数が多くなっている。ことに、秋田、群馬、岩手になりますると、秋田で四倍をこえております。群馬で三倍をこえておる。岩手県で二倍半、こういうふうに文化水準の低いところ、こういうところはかえって患者数が多く出ておるということは、これは厚生施策の上で十分考えなければならぬではないか。これからとる方法はどういうふうになさるか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) 一昨年の北海道で全国発生数五千六百人のうちの三分の一を出したという例、それから昨年の、ただいまの御指摘のように、熊本、福岡を初め、幾つかの農村県を中心に非常に倍率が多いというのは、昨年は事実でございます。これはやはり、都会にも菌はあるのでございますが、都会地よりも、いわゆる処女県と申しますか、その住民の自然感染による免疫発生がおそい、そういうところに集中して入りますと、一挙に爆発流行する、こういうような例でございます。かような点で、一番危険な地帯として心配されたのでございますが、昨年の一斉投与によりまして、非常に濃厚であったところも、それからわずかのところも、一斉に、急速になくなりまして、先ほど申し上げましたように、十一月中には全然全国的に一人も出ないというところが出て参りました。こういうことでございまして、ことしの発生状況も、特別に地帯別の濃厚発生ということは全然一月から見られませんで、今度の措置によりまして、農村、都会を問わず、同じ方法で同じように投与が行なわれれば十分に防遏は成功をする、こういうように存じておりますが、御指摘のように、もし農村等がいろいろな事情で一般に予想したほど実施が進まぬという気の毒な状況がありますれば、それはそれに応じた対策によりまして、人並みの実施ができるように、こういうふうに十分援助したいと、こう存じております。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 それで、そういう地域の発出率が高いということは、特に私が今指摘した県等においては、地方財政のきわめて貧困な地方である。それで、まずワクチンの無料投与がこれは本旨じゃないかと思うんですが、今無料投与を本旨として、各町村に、たとえば冷蔵庫設置、あるいは保存用の施設等の、これに対する国の助成、補助というのはみておるのかどうか。

尾村偉久厚生省公衆衛生局長

○政府委員(尾村偉久君) これは、投与に要します設備、施設は全部県でやることにいたしまして、県がこれを備えるという形で、全部国から補助を出しまして、県で昨年以来——昨年で相当できました。さらに、今度は分校にまで会場を広げましたので、それを対象にいたすための国庫補助による、県費負担による設備、施設、こういうものをそろえましたので、この保存あるいは実施に必要な配給等は、これは市町村の負担はかからぬようにいたしておるわけでございます。  それから、今の御指摘のは、多分本人が無料で投与を受ける、こういう問題かと思いますが、薬品代でございますが、これは一応、今回は平常時でございますので、しかも二回受けて一人分二十円ということで、これは一応有料にいたします。ただし、援護率をかげまして、非常に気の毒な者については、ほぼ全体の四割でございますが、これは無料または非常な七割五分引きの低減をする、こういうことで、公費と国費でこれをみる、こういうことにいたしておりますので、額も非常に一人頭少ない額でございますが、それにいたしましても、万一二十円さえ払えないということがあってはいかぬということで、さような措置もいたしておるわけでございます。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 どれくらいの額で今日本で輸入しておりますか。たとえばソ連から入るのはどれくらい、カナダから入るのはどれくらい、そうしてそれが三十円で一般に投与されているということですが、どれくらいですか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) 昨年の七月にソ連、カナダから千三百万入れました。このときは三種混合で、ソ連のやつはこのぐらいのボンボンの格好になっております。これは一個三十円、八セントちょっと。カナダのシロップ、これは液体でありますが、これが三十円七十七銭、大体三十円という計算でやっております。それから、今年の今やっております千七百万人分につきましては、これはいろいろ競争入札をやったのでありますけれども、落ちましたのが、諸掛りを入れまして約十九円——十八円九十四銭幾らということで、価格は逐時下がってきております。これは二回分です。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 その輸入は商社を通じてやるのでしょうが、どのくらいのマージンが商社に入るのですか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) ちょっと手元に資料を持って参りませんが、私の記憶によりますと、輸入諸掛りとしましては、普通の物品購入と同じようでありまして、一般管理、販売費は四、五%じゃなかったかと思いますが、ちょっとそこのところ、特にこれは特殊な物品であるから、二割、三割というようなことはございません。これは、追って調べまして、お手元に差し上げたいと思います。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 それはひとつ調べていただきたいと思います。  これは私、自信を持って聞くのじゃないのですが、日本渡し一個が三円六十銭ぐらいにつく、それが二十円の価格で出ているとすれば、それはだいぶそこに開きがあるのですが、これは何か間違いですか。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) 日本渡し三円六十銭というのは、全然見当もつきませんですが。

武内五郎日本社会党

○武内五郎君 とにかくそれじゃ正確な……。

今村譲厚生大臣官房会計課長

○政府委員(今村譲君) これは、思い出しましたが、去年の夏、七月に千三百万人に飲ませますときに、ソ連のほうで最初一セントでいいという話で、見本品なんかをくれたわけです。実は、それじゃ一セントで買えるのだと思って、大蔵省へ金を要求しておりましたところが、いざ正式の商談になりましたら、実は三十円である、一セントじゃ売らない、こういう話になりました、それで大蔵省に三拝九拝しまして金をふやしてもらいました。見本品が一個一セント、こういうことであったのであります。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) それでは、ただいまの武内君の資料要求については、できるだけすみやかに御提出をいただきたいと思います。  それから、委員長から局長に特に申し上げておきたいことは、前の小児麻痺の多発対策については、きわめて重大な問題でありますが、地域条件とか、あるいは施設条件等によりますと、父母がきわめて長時間立っておらなければならない。実は長蛇の列でえんえんと待っておるというようなことが見受けられるということの非難めいたことが、私どものほうに陳情されておるわけです。こういうことが将来ないように、ひとつぜひ御努力をいただきたい。このことをひとつお願いしておきたいと思います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 警察関係ですが、ミコヤンソビエトの副首相が来日されました、それに伴う警備活動の経費は総額で幾らになりますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 総額で幾らかと申されますと、直ちにお答えはいたしにくいのでございますが、予備費といたしまして、ここに承認をいただくように提出してございますように、千九百九十万四千円をお願いしている次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうしますと、予備費は千九百九十万四千円ですね。それとプラス警察本来の機能が発動されたと思うのですが、そういう解釈ですか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) さようでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ミコヤン副首相は、たしか九日間滞日されたわけでございます。すると、最近各国のおえらい人が日本に来られた場合に、それぞれ警備活動に必要な経費があっただろうと思います。これは最近では一番でしょうね、ミコヤン氏の警備費は。最近のを三つ、四つ言うてくれませんか、その経費の高を。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) われわれのほうの経費といたしましては、最近重要な方々の来訪というものが多くなりましたのを含めまして、既定予算で要求いたしておるのでございますが、ソビエトのミコヤン氏の来訪というものにつきましては、きわめて憂慮すべき状態が予想され、われわれといたしましては、細心の注意をもって警備を実施いたしましたために、かような予備費の要求となったわけでございまして、既定経費の範囲内におきまして各県のやっておる数字につきまして、一々ちょっとここに資料を持っておりませんし、実際上分析することは困難かと存ずるのでございます。御了承願います。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そういう必要な警備活動の経費というものを、これはひとつ、三人、四人あげて、あとでけっこうですから、お出し願いたい。やはり横綱は、ミコヤンが横綱でしょうね。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 最近、警察から見ましても、かような重要な方の来日というものはございませんでした。したがって、予備費ということになった次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 ほかの人の来日の警備の経費と比べた場合に、圧倒的に多額だろうと私は思う。今のお話によると、非常に警戒を要すべき徴候があったやに聞きましたけれども、具体的にありましたか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) ミコヤン氏の来日されましたのは八月十四日でございますが、すでに七月にはこの来日が決定いたしたのでございます。その当時から相当、ミコヤン氏の身辺に危害を加えられるがごとき、警察といたしましては、最も憂慮すべき事態というものが想像されましたので、これらの事態の発生を防ぐ意味におきまして、われわれのほうは全力をあげて実態を把握し、また来訪後におきましても、その沿道、身辺につきましては、従来にない警戒をいたした次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私は、警察や公安調査庁や政府の方々は、少し警戒し過ぎるのじゃないかと思う。ことに、左側の陣営の問題については、警戒し過ぎる。これが、たとえば半額で、同じように無事故で帰国されるようなことにならなかったか。五百万円でミコヤンの滞日を保障して、これをひとつ請け負ってやろうと、一千九百九十万四千円でございますが、これを二倍にしたって、三倍にしたって、五倍にしたっていいのでありまして、だから、どうなんです。こういう金額をあらかじめ、予備費ですから、技術的なものですが、こういう計算の基礎になった、そういう情勢は、あなた方のほうで、たしかこのくらいの金額が必要であるというふうな判断をされたのですか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) われわれのほうで要求いたしました金額につきましては、多額と申しますか、必要な限度を大蔵省に要求し、御承認をいただいたのでございます。結果的に見まして、事故の発生をいたさなかったことにつきましては、われわれの努力ばかりでなくて、国民総員の御協力があったと、感謝をするのでございますが、これを半額でよかったかどうかという点につきましては、私どももにわかに、それは結果論でございますので、自信を持ってお答えすることはできませんけれども、具体的な例ということになりますと、前にもいろいろ確実な情報が入り、すでにミコヤン氏が八月十四日に羽田空港に到着と同時に、フィンガーから数名の者が飛びおりまして、直接に会見をしたいという者が出て参りました。それから、これはすでに新聞に出ておりますことでございますが、あのとき同時に開かれました見本市におきましては、あのレーニンの像に傷つけるという事件、あるいは、これは新聞にあまり出ませんでしたけれども、最後近くになりましてから、短刀を持って通行を妨害せんとした者が出た、こういうふうないろいろの、警察としては、新聞に出ない事件も相当あったのを、すべて未然に発生を防止したわけでございまして、なお、お尋ねの第二点かと存じますが、決して右翼、左翼ということじゃなくて、私どもはあらゆるそういう事案に対して平等に不慮の事案の発生の防止に当たっておるのでございまして、今回のミコヤン氏の来訪に対しまして警察が特に警備を強化いたしましたのは、決して右翼の方々に対してではなくて、そういうミコヤン氏に対して危害を加えんとする人々に対しまして、われわれは警戒の重点を置いた次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 その警備活動費というのが、一千二百七十八万九千円使っておりますが、その内訳はどういうふうになっておりますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 一千二百七十八万九千円の内訳でございますが、これは捜査の旅費が三百六十四万二千円、それから警戒出動に要する経費が八百万一千円でございます。さらに警護の旅費といたしまして百十四万六千円となっておるのでございまして、警戒のための費用と申しますのは、ミコヤン氏の東京、大阪、京都その他沿道通過にあたりまして、警察官が警戒に当たった費用でございますと同時に、警護と申しますのは、直接身辺及び宿舎の警戒に当たった費用でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 一番最初の捜査の旅費ですね、これが三百六十四万二千円、これは情報収集などもしたのだろうと思いますけれども、捜査に当たられた人数ですね、情報収集に当たられた人数、これはどのくらいになっておりますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 警戒出動いたしました警察官の延べ数は、約六万でございます。それから、警護に当たりました警察官の数は、約三千六百でございます。具体的に捜査活動に当たりました警察官の数というものは、ちょっと結果的に算出がいたしかねるのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 情報収集、捜査活動などに相当の人数の警官が動員をされた、これに対する経費は、実際に活動をしない者に対しても若干支払われた金額があるのと違いますか、活動を確認して支払いましたか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 仰せのとおりに、警察におきましては、そういう実態把握のために情報を収集いたしまして、それらの費用は、この活動旅費でなくて、次の警察の捜査費に入っているわけでございます。われわれのほうといたしましては、御質問の御意図とあるいははずれるかもしれませんが、その情報の角度、内容によって、われわれのほうはその情報提供謝礼として支払っているのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 まあ、警戒のための諸費用ですね、それから張り込みをやったり、見張りをやったりした費用、それからこの警備活動について協力した者に対する報酬、こういうものには支払ったのですね。その場合に、その費用や報酬算定の方法はどうでございましたか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) お尋ねの第一点の、警戒出動のための費用、あるいは警護の費用の算定の基準かと存じますが、それらにつきましては、公務員の旅費の基準によって算出し、支払っているわけでございます。  なお、情報収集のための費用は、いかなる基準で払ったかということでございますが、それから情報収集のために、あるいは一定の場所の借り上げその他の費用の算定の根拠でございますが、それらは、情報につきましては、その情報の内容等をわれわれの経験から判断いたしまして支払いますし、また場所の借り上げ等につきましては実費を支払うという建前になっております。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この情報収集をやってくれた、そういう協力者に対する支払いというか、そういうことをやってくれる人は、民間の人でもいいわけですね。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 情報を収集いたしますにつきましては、それは民間の人でも、御質問のとおり、差しつかえない、そういう者から得ているわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そういう者には、大体つかみ金でやるのですか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) つかみ金という御趣旨が、あるいは私明確に理解していないかもしれませんが、先ほども申しましたように、情報の角度とか、内容とか、その捜査に対する寄与の程度とか、そういうものを総合的に判断いたしまして、つかみ金というよりも、結果的に支払っている、こういう形をとっているのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 それは、特定の者に特定の任務を与えて、金を事前に支払うのですか。たとえば、こういう巷間のうわさがあるが、これについてひとつあなた調べてくれと、一万五千円やると、いつ幾日までにその情報を入れて持ってこい、こういう金の支払いをするのですか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) むしろ、そういう形ではなくて、われわれのほうで委託する場合におきましても、その情報の角度、内容によって判断をいたしているので、これをあらかじめ金を渡しまして情報をとってくれというよりも、われわれのほうの、どこのどういう線、どういうところに頼めばいいかということはわかっておりますから、そういうものを発見するとともに、われわれのほうとしては、そういう情報の角度によって、今申しましたように、結果的に支払うというふうにやっているわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そういう種類の金は、やはり警察の関係の方が慎重に、しかも捜査的な頭悩を働かして、能率的に使わなければいけませんな。そういうことの配慮は十分でしたか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 捜査費の使い方につきましては、これはその活用のいかんによりまして警察の機能がいかに働かされるかという重要な問題でございますので、この費用の使い方につきましては、その目的に最も有効に使うと同時に、疑惑を招くことのないように、十分注意をいたしているわけでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 この警察官の警備活動というのは、心身ともに過労を来たすものでございますから、旅費などの点において、普通の公務員より単価を高くしてございますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) これも、先ほどお答えを申し上げましたとおりに、警戒あるいは警護の出動旅費につきましては、一般の公務員の基準と同じ基準をもちまして算定をいたしている次第でございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 相当危険な場面にも遭遇する警察官ですから、危険手当というのはどういうふうになっておりますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 危険な場合もございますし、また実際危害を受けたような場合におきましても、これもまた一般の公務員の危害と同一の結果的な措置になっているのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 そうすると、一般公務員と違うところは、どういうところが違うのですか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) 給与の基準といたしましては、一般の公務員と特に違った点はございません。ただ、形式的に俸給等を見ますというと、初任給におきまして約二号俸一般基準が高いと申しますが、これらは勤務時間の長いというような点で相違しているのでございます。しいて違うというふうな形に現われてきておりますのは、一般の公務員よりも、警察官は超過勤務等が長くなっております。この超過勤務手当等が、結果的に一般公務員より超過勤務するということでございますので、これは地方財政計画におきまして、一般公務員におきましては、本俸及び暫定手当の六%を予算の基準といたしますが、ちょうどこの御審議になっております三十六年度で申しますならば、警察官の超過勤務手当の基準と申しますのは、九%をもって単位をとっている、こういうふうな面において差が出ているのでございます。

大森創造日本社会党

○大森創造君 先ほど申し上げましたけれども、今度のこのミコヤン副首相の警備活動の費用というものと、それからあと三、四人最近来られて、警察が警備に使った費用というものを、あとで資料として提出をお願いしたいと思うのですが、よろしゅうございますか。

宮地直邦警察庁長官官房長

○政府委員(宮地直邦君) この費用と申しますのは、私どものほうでも十分検討いたしますが、なお重ねてこれは御説明をいたしますと、ある程度御理解いただけるかと思いますが、ここで予備費で要求いたしましたのは、活動費及び捜査費でございます。厳格に申しまして、このほかに——これを配賦いたしました府県は八府県でございます。これはミコヤン氏が滞在し、あるいは通過した、その府県に限ってこの予備費を配賦いたしました。それじゃ、それ以外の県においてミコヤン氏の警備について活動しなかったかと申しますと、これはいずれも全国的にこの情報を収集いたしましたから、いずれもそれらの経費を使って、厳格な意味においては、ミコヤン氏の警備費を使っているのでございます。それらにつきましては、予備費を配賦をいたしておりません。それからなお、八府県につきまして予備費を配賦いたしましたが、それはこの予備費だけにおいてミコヤン氏の警備ができたかと申しますと、これも厳格な意味におきましてはできておりません。消耗品等はこれに含んでおりません。それらの点につきまして、警察が総合的に活動をいたしておりますので、一定のものを取り出すという作業が非常に困難だと思いますが、十分検討はして、また御相談をいたしたいと思います。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 他に御質疑の方ございませんか。——御質疑は一応終了したものと認めます。  つきましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、討論採決を行なうわけでありますが、予備費使用については、一応各会派の御意思をあとで求めますので、中断をいたしますので、準備をしていただきたいと思います。     —————————————

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 次に、昭和三十五年度決算外三件を一括して議題として、総括質疑を続行いたします。  質疑の通告がございます。これを許します。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、初めに国鉄に対して、予備費の利用なり、その他決算、予算関連いたしまして質問いたします。時間もありませんので、要点を簡潔に質問いたしますので、質問に対して簡明に御答弁を願いたいと思います。  一昨日以来、国鉄の年度末手当についていろいろ紛争が起こりまして、けさ方も若干列車に混乱を生じたようでありますが、国鉄当局が年度末手当を支給するに際しまして、国鉄の職員が考えておりまする運輸収入よりも国鉄のほうは増加収入が少ないということで、意見が対立いたしておるようであります。したがって、私はまず、国鉄の三十六年度収支見込みについて、国鉄当局の説明を求めたいと思います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) お答えいたします。三十七年度の収入は、国家予算よりも二百三十億円程度上回わるものと見ております。支出も、予算よりも実質的にはほぼ同額上回わるものと考えております。その内訳で申しますと、国家予算が出されましてから、仲裁裁定の実施がございまして、この実施のために百九十二億という実際の経費が要ったんでございますが、これを一応予備費、それから資産の充当、その他節約、利用債というよらないろいろなものでまあ一応予算を立てまして今日に至ったわけでございまして、現在予算の支出権として出しましたものは、申し上げましたとおり、政府に手続きいたしましたものを加えまして二百五十億程度に上がっておりますが、現金の収入のほうでは、利用債の引き受けが二十億円ほどまあ穴があいた格好になっておりまして、これは工事経費の財源として足りなくなっておりますが、これは今年度として、来年度と兼ねて予算、決算の調整のすべきものと考えて、五カ年計画の工事を利用債を含めた財源全額だけまあ一応して、一刻もおくらさないようにしました配慮の結果、一応穴があいたような格好になっておりますが、これは工事がその年度で終わるわけではございませんので、まあ調整できるもの、こういうふうに考えて、今申し上げましたような事情でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その中の災害費について、予算並びに現在まで使っている金額について、御説明願います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 予備費は、当初予算で八十億みてあったのでございますが、そのうちで二十五億を残しまして、五十五億が仲裁裁定の実施に使われましたので、予備費として残りましたものは二十五億でございました。しかし、災害として実際消費されました額は七十四億でございましたので、その差額の四十九億は増収を目当てに支出されております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 三十六年度の災害が今七十四億支出されたと言われておりまするが、三十四年度、三十五年度の災害の金額は幾らですか。こまかい数字で、事前通知をしていなかったので、数字はあとで担当官で見ておいてもらいます。質問を続けますが、私が言わんとするところは、この一般質問に入る前に論議いたしました予備費承認の件で、国の特別会計の予備費は一千戸九十一億八千万円余でありますが、そのうちで使用いたしました金額が、六十二億しか使っておらぬわけであります。この中には、災害予算も含まれておる。ところが、国鉄の場合に、この災害を予想しながら組みました予備費が八十億、その中で七十四億の災害予算をすでに出しておる。このような予備費の組み方でよろしいかどうかということを今主眼にして質問いたしておりますが、この点についての国鉄の見解を聞きます。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 国鉄の予備費と申しますものは、私どもの理解いたしておりますところでは、一般の国の財政の予備費と違いまして、一応災害その他予想外に生じた通常損失に充てるものと考えておりますので、私どもとして、今までの慣例でも、五十億ないし八十億という金額でございまして、まあ金額としては、多い年には、大風水害があったときには多い年もございますが、幸運の年には三十数億で済んだ年もございますので、額としては、予算としては、適正なものではないかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 災害費の四十九億というのは、例年に比べて災害費用が多かったのか、少なかったのか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) ここ数年来のうちでは、若干多いのではないか。ただし、中部の伊勢湾台風の年を除きましてでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 災害費について、すなわち天災による国鉄経営の被害を運輸収入によってまかなう点について、国鉄は一体これは妥当と思っておるのかどうか。今までこの点について検討されたことがあるかどうか。もう少し敷衍しますならば、天災地変による国鉄の災害については、その幾分かは当然国なり県なり補助すべきものと私は考えておったわけでありまするが、そういう点について純然たる運輸収入の中から年々歳々まかなっておる。したがって、災害があったりなかったりすることによって、これが国鉄経営に影響し、かつそれが常に必要以上の労働提供をしている職員の待遇に影響してくる。このようなことが国鉄経営として一体妥当であるかどうか、これはほかの公社経営にも関連いたしますが、この点について検討されたことがあるかどうか聞いておきたい。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 大へん御理解のある御指摘を受けまして、恐縮に存ずるのでございます。私どもの立場といたしまして、災害の場合におきまして、非常に大きな災害がありましたならば、国鉄の通常の経費ではとうていまかない得ないものであって、国一般の財政の中にお願いしなければならぬ事態があり得ると考えております。しかしながら、今まで国鉄の問題は、財政投融資を除きましては、すべて国から補給を受けたことは創業以来ございませんで、逆に国鉄の収入を戦時中には一般会計に納めておるというような事情でございまして、ちょっと異なっております。最近の実例で考えますと、大きな災害費のうちで、応急復旧費であるとか、あるいは災害のためのいろいろな場での諸費用というようなものは、損益予算、すなわち収入による経費でまかなわれておりますけれども、工事として財産に残る大きなものは借入金でまかなったものもございまして、これは最近でも行なわれております。ただ、収入が多かった場合には、国鉄の制度というものは、それを資産のほうに回すことになっておるので、当然制度上そうなるのでございますが、収入がかりに予想より少なくて、しかも災害がございましたような場合ておきましては、これは財政当局のほうから特別の御配慮をいただかなければ、災害だからといって運輸をやめるわけにはいかぬと思いますので、私どもとしてはそういう見解でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 八十億の予備費に対して、七十四億の災害費を支出しておる、この点について、私は非常に不安定なものを感ずるわけであります。極端に言いますならば、八十億の予備費で、もし百五十億の災害が発生したとするならば、当然また緊急の借入金が必要になって参ります。そういうことの点が一つ。  それからもう一点は、年度当初から当然予想しなければならぬ経費節約という点が、決算期になりまして経費節約分を五十六億円も計上しておる。この点については、あまりにもしぼり上げる、絞め上げるというような印象を受けるが、この点についていかがですか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 今年度、すなわち昨年の四月に仲裁が出ましたのは、予算を御協賛いただきました直後でございます。そのような関係で、当時百九十三億の埋め合わせということにつきましていろいろ計画いたしました結果、節約という格好で五十六億を一応計上いたしたわけでございますが、節約というのは、結局実質的には、これは修繕の繰り延べをすることで、何としても仲裁を受けるということで、一応そのワク内で計画を立てて補正予算が出たのでございますが、その後増収の見込みがほぼ今申し上げましたように立って参りましたので、その額をできるだけ充当しようかというふうに考えて、今までプランをしておりましたのですが、それで修繕の繰り延べを少なくしたいということを当てにしておりましたのですが、また、その金額がたまたま、御指摘のように、団体交渉上の対象になる金額にも近づいておるというような結果になりまして、まあ議論になったわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経費節約分の五十六億については、あまりにも大き過ぎるという点についての御説明、まだ不満でありますけれども、次の質問に入りますが、三十四年、三十五年、三十六年を私は今対象としてこれから質問をしていきたいと思うのですが、三十四年、三十五年の予定収入に対する決算の増減について質問いたします。この点については、あらかじめ予告をしておいたと思いますので、そちらの数字を御発表願います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 三十四年度は、増収額が百六億でございまして、経費増加額も、決算としては百六億円、同額になっております。内訳を申しますと、仲裁裁定に要しました費用が五十一億円、それから増収対策のための、増収を生むに至るための必要な経費が三十二億円、それから十二月、すなわち年末に、公社職員の給与は予算上公務員よりも〇・一五少なくなっておりますが、それを公務員並みに支払いますために——これは労働慣行でもございますので、やりました経費が、合理化いたしました経費が三十億ということで、合計して百十三億出るほうがございましたのですが、そのほかに経費節約として七億円を、実質的には修繕費の捻出繰り延べというようなことでやりまして、決算額としては百六億円ということになっております。三十五年度は、増収額が予算に比べて二百八十八億円、経費の決算額の増加も二百八十八億円、同額でございますが、内訳を申しますと、仲裁裁定八百五十円の所要の経費が七十億円、それから二百八十八億円の増収のための必要な経費が八十五億円、それから去年が十二月に〇・二五カ月の差額を加えましたことと、それから三月の特別給を合計しまして、特別給として予算をこえましたものが八十一億円、それから退職手当が、予算が八十億でございましたが、実際の支払いが百三十七億で、五十七億円ふえまして、合計いたしまして二百九十三億円の支出増があったのでございますが、経費の節減の五億円といたしまして、二百八十八億円の決算額ということになったわけであります、

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私の調べておる数字と同じでありますから、それを基礎にしてさらに質問いたしますが、これも予告をしておきませんので、あるいはすぐ出ないかもしれませんが、三十四年、三十五年、三十六年の各月分の運輸収入はわかりますか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) まことに恐縮でございますが、ただいまそのほうを持って参りませんでしたので、後刻また御必要に応じて提出さしていただきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私のほうの調べたのを、簡単ですから読み上げますと、三十四年、三十五年は省略いたします。これはトータルで話します。三十六年の四月が四百三億、五月が三百八十八億、六月が三百四十八億、七月が三百八十九億、八月が四百三十二億、九月が三百六十四億、十月が四百十八億、十一月が四百一億、十二月が四百五億、一月が四百億、今三月でございますので、一月までわかっておりますが、これで計算いたしますと、三十五年に対しまして、三十六年の前月増収がわかります。それから三十四年、三十五年、三十六年の数字を計算いたしますると、予定収入に対する決算収入の増加がわかります。これで計算して参りますると、三十六年度の傾向線から推察し、もう少し計算機を使ってやったらいいのですが、計算尺でやりますると、三十六年度の増加は、三十五年の運輸収入に対しまして二一・二%になります。したがって、二一・二%を三十五年の収入にかけて予想収入を出しますと、三十六年は五千六百八十億円になりますが、この数字に対して、兼松常務理事はどのように御見解を持っておりますか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 私ども今手元に正確な数字を持っておりませんので、正確にお答えいたしかねますが、そのような大きな数字は私どもとしては予想できないと考えます。と申しますのは、三十六年度、三十七年度は、国会でいろいろ御議論ございましたけれども、国鉄の五カ年計画のための運賃問題についての御協賛をいただきましたので、その分が当然上がらなければならないので、当初予算で四百八十二億というものは予算上上がることになっております。運輸数量が予定よりも約三%ふえておりますから、その分がまたそれに加わるということは予想いたしておりますけれども、今先生の御指摘のような数字とは私いささか違ったように考えますけれども、ここで正確な数字がございませんので、後刻正確に……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年の四月に一二・六%の運賃値上げをいたしましたが、この一二・六%の運賃値上げによる増収について、あるいはその傾向について、どのように把握しておられるか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 増収の傾向につきましては、私どもは大体予定の数字であると考えております。ただ、三十六年度には、当時いろいろの問題がございまして、仲裁の裁定が予想いたされておりましたので、それらの点も私どもとしては勘案いたしまして、あまり大胆な収入の見込みをいささか遠慮したような傾向があったのであります。当初予算よりも若干支出増が御指摘のとおり出ておりますが、それがありますので、五カ年計画に支障なしに百九十二億がどうやら仲裁裁定が実施できたというようなことで、まあ過去の、例の第一次五カ年計画のときには、仲裁ごとにそれが工事に影響して御迷惑をかけたというような事態もございまして、今度の新五カ年計画においては、絶対にそういうことはしたくないということで、収入の見積もりその他につきましても慎重な配慮をして、政府当局の御理解もいただいたというようなことでございます。幸い、まあ今のところ。どうやら工事は予定どおりできて、収支もほぼ予想どおりにいって仲裁が実施できたというような格好になったというのが、財政的な大筋の見通しではないかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 さらに、十月一日か八十一万キロの列車増発ダイヤ改正をやっておられるが、これに対する増収に対してどのような見解を持っておられるか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 今度の増発は、主として日本の各地に特急のような汽車を走らして、サービスの地域格差を解消したいという強い熱意に燃えてやりましたものでございます。収入面で申しますと、料金収入が若干上がっておりまして、予想よりも料金収入の平均が約二%ほど上がっております。したがいまして、今度の三十七年度御協賛をお願いいたしました予算では、その上がったものを基礎にして入れてございますが、三十六年度の、今先生のおっしゃいました業績の中には、そのサービス改善による業績も含まれておるのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私の計算によりますと、当初二百三十億の増収を見込むといわれた数字が、約四百一億円ばかりの増収が予想されるわけであります。したがって、〇・四プラス千円で昨晩妥結したようでありまするが、それは、官房長官などの意見によりますと、内閣が一応の基準を年度末手当で取りきめたんだというようなことを漏れ承っておるが、年度末手当については内閣なり政府の方針に従って各企業体が支出するというような慣行を持っておられるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) まあ、政府機関でございますし、予算措置もみなそれぞれ必要でございますので、政府御当局とも十分それぞれの事情を申し述べて御連絡はいたしますが、各公社の財政事情は必ずしも同一ではございませんので、過去の例におきましても、違っておる場合も多々ございまして、国鉄のほうがむしろ非常に収益のいい電電公社等よりは少なかった実例のほうが過去としては多いが、多かったときもあるというようで、必ずしも内閣でどういう率ということをきちんとした成文のようなものはございませんが、こういう大事な問題でございますので、関係公社、それから政府当局とは緊密な御連絡をいたしておるということは事実でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨晩は政府の番頭である官房長官も相当心配しておったようであるが、あのような紛争を収拾することをしないで、今言ったように、増収見込みは相当あるにかかわらず、〇・四プラス千円で強引に妥結しようとしたのは、どうも政府から、あるいは日経連から、そういう大きな圧力がかかっておったように考えられてならぬのでありますが、年度末手当など賞与的なものについては公社自体が自主的に判断できると、このような方針で経営をしておられるかどうか、もう一ぺん聞いておきたい。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 一次的には、常に自主的に判断をいたして、労使の交渉をいたしておりますが、法律とそれに基づく法令の規定によりまして、財政上の処置に対しては政府当局のお許しを得なければならぬ立場に公社はあります。その点の御連絡、手続はいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、政府のほうで事態収拾のために何らかひとつこの際は若干考えになきゃならぬというような方針があれば、企業としてもまあその線に沿って考えることは、これは常識上当然である、そのように私は理解したいが、そのとおりでございますか。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 私の申し上げ方がちょっと悪かったために、あるいは十分伝わらなかったと思いますが、私どもとしては、政府のお話があればどうこうというような格好で言うのではなくて、公社の判断につきまして政府の御承認を得て、責任を持って、各公社の責任で処置するということになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 時間も制約されておりますので、これ以上数字の論争はいたしません。私は要請をいたして質問を終わりたいと思いまするが、公器をあずかる国鉄当局並びに職員としては、国民に御迷惑をかけないということは、これは大きな前提であります。したがって、その線で、なお生活の苦しさを守ろうとする、そういう立場でいろいろ要求もありますが、財源が余裕があるときは、それ相当の労力に対する支払いに対しては考えて、紛争を起こさないように、事前に対策を立てていかれることこそが、経営者としては当然あるべき姿ではないか、このように考えるわけであります。これは国鉄だけでございません。公企体も、あるいはその他の官庁もそうでございまするが、特に政府が一体となって行政措置をやられる等につきましても、このことは当てはまることでありますから、そういうことで、今後ともあのような紛争が大きくなりませんように、格段の御配慮を願い、かつ、ただいま私は予想の数字を申し上げましたが、まあしろうとの数字でございますので、私はこれを押しつけたくはございませんので、もう一回十分に検討されて、決算が出た場合は、労働条件の向上なりあるいは福祉対策の向上については格別の配慮をいただいて、明るい職場を作っていただくように要請いたしまして、決算委員会における一般質問は終わりたいと思います。

兼松学日本国有鉄道常務理事

○説明員(兼松学君) 御指導の点、深く体しまして十分……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、農林省の問題を質問いたします。簡単に要点だけ質問いたします。  昨年三十八国会の三月二十七日の予算委員会の問題になったのを再度ここに質問することを、私はまことに残念に思いますが、農林大臣並びに農地局長の御答弁があったにかかわらず、なお今日問題が解決されておりませんので、簡単に質問いたしますが、農林省としては、干拓事業については農業基本法の精神に沿って削減する方向であるのかどうか、お聞きいたしたいと思います。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 農林省といたしまして、土地の造成ということ、特に農地の造成ということにつきましては、開墾と干拓ということで戦後大幅にこれを推進して参っておる次第でございます。これにつきまして、今後も、構造改善の必要上、やはり経営規模の拡大というようなことがございますし、また経済の高度発展の反面、農地の改廃というようなことも大きくなる傾向にございますので、農地の造成ということにつきましての開墾、干拓というものにつきましては、今後とも力を入れて参りたい、こういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昨年の予算委員会でも、そのようなことを答弁されたが、農林大臣の答弁では、古いものから順次完工するように努力していきたい、そうしないというと、地元の人たちは不安であろうというような答弁がありました。この問題になりました横島干拓は、昭和二十一年の開始であって、もう十六年経過している。なお、今日、いつこれが完工するかわからないといって地元の人が不安に思っておるのであるが、昭和四十年完工という昨年の予定については、変更されておらないと理解してよろしゅうございますか。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 横島干拓につきましては、これを調査し着工いたしましてから相当年度のたっていることは、御指摘のとおりでございます。ただいまのところで大体工事の半ばを過ぎている状態でございますが、今後ともこれの完成には最善の努力を尽くしたいと、こういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 昭和二十一年から始まっておりますので、もう当時いたしましたのが、波にさらわれたりなど、非常な変形もいたしておるようでありますが、年々一億円ないし二億円程度の投資をして継続工事をしておるが、昨年度二億四千万の予算がついたようであるが、今年度の予算は幾らついておりますか。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 横島干拓につきましては、三十七年度予算につきましては、二億四千万というのを予定いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 問題になりましたのは、漁業補償の問題でありますが、昨年の予算委員会で、農林省並びに水産庁から調査員を派遣して調査して、直ちに協議に入りたいということでございましたが、調査の経過、結果並びにその後の交渉の経過について承りをいたします。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 横島干拓の補償問題につきましては、先生よく経過は御存じのことと存じますが、三十五年の九月に、地元から再補償の要求があったわけでございます。で、着工当時に補償は一応いたした次第でございまして、三十五年にさらに再補償の要求があったわけでございまして、われわれといたしましては、こういう追加補償の点につきましては、従来いたしました第一次の補償というものとダブらないように、新しい事態による新しい損害に対する補償というような点をよく究明しないと、重複補償というようなことがあってはいけない、こういうような態度で、慎重にこれに対して、海流調査、あるいは採土地点の調査、そういったようなものを、最も公正中立な、九州大学とか、あるいは気象台、あるいは漁業関係では西海区の水産専門技術者、そういうところに委託したわけでございます。海流調査につきましては、昨年の暮れ近くになりまして調査がありまして、まだこれにつきましては、明確に海流の変化による損害があるかどうかという点については、明確な答申がなされておりませんので、その取り扱いについては、ただいま検討中でございますが、採土地点の調査につきましては、やはり事業の進捗に伴いまして事情の変化が認められるというようなことから、三十六年度以降のサンド・ポンプによります採土地並びに堤塘の外側の押え盛土については、補償をしなければならないだろう、こういうような結論で、地元とも補償の方針をただいま打ち合わせ中でございます。何分いろいろ問題がございまして、御指摘のようにこれがはかどっていないという点につきましては、われわれもさらに今後努力したい、こういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いつごろ結論を出される予定ですか。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 来遊熊本の農地局の担当者の建設部長を呼んでございます。それで、よく事情を聞きまして、さらに週末、あるいは再来週農地局長を呼んでおりますので、そこで十分地元との交渉状況を検討いたしまして、地元の交渉状況、地元の意向等もよく承知の上で、促進して参りたい。できるだけこの補償については早く解決いたしたい、こういうことでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この工事費の三十七年度二億四千万とは、漁業補償の補償金は関係ないものと理解してよろしゅうございますか。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 三十七年度の二億四千万円は、事業費でございまして、これは今のところでは、工事をいたしまする費用を予定いたしておるのであります。補償額がきまりますれば、これはやはり補償額も事業費に入っておりますので、三十六年度に払うか、三十七年度に払うか——三十七年度に払えば、新しい予算を要求する、三十六年度ということになりますれば、二億四千万円の中か、あるいは干拓予算のほかのところあたりの工事の進捗状態等をよくにらみ合わせ、余裕がありますれば、その中から払う、こういう措置をとって参るつもりでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大体要点についてはわかりましたが、要請いたしますのは、一つは、農業基本法ができまして、農地造成については農林省は消極的になったという印象を地元の人が持っておることであります。これは横島干拓だけではございません。諫早干拓につきましても、その他の干拓にいたしましても、工事区の農林省の人たち自体がそういうような気持を持っていることは、率直に私は申し上げておきたいと思う。したがって、ただいま干拓事業をやっているものについては、早急にこれを完工して、所期の目的について積極的に意欲を燃やしてやっていくのだという方針については、明確に下部に達しておいていただきたいと思います。地元の人並びに村長などの意見を聞きますというと、事務所自体の空気が非常に消極的になったように見受ける、工事自体がこのままもう捨てられるのではないかというような空気すらある、そういう心配をしている。これは、私はあの辺だけではないという気がいたします。農業基本法の精神がそのようだということで、われわれも国会で論究しておりますから、したがって、今農地局長が言われたことを私は理解いたしますから、その線をひとつ各地に達せられまして、干拓工事に従事しているあなたの職員についても、十分これを理解さしていただきたい。そうしませんと、村民の間に変な空気が出つつあります。  それから第二は、この工事が長くなりますと、役人と村民との間に若干の感情的なものもあるように見受けます。特に補償の面などについては、いくら言っても役所の仕事はもう手ぬるくて話にならぬ、陳情してもしようがないというような、投げやりな気分があります。そのことが、農林省の皆さんに対して地元の人が協力しない、あるいは反感を持つ、そういうような空気があるようであります。漁業組合対事務所、あるいは農業組合対事務所、そういうものについては、これは部分的なものであればけっこうでありますけれども、全体的なものとして理解して、早急にそういう方針を明らかにして、所期の目的を達するのだという方針を明らかにしていただきたいのであります。  第三点は、ただいま言いましたような部分的な問題でありますが、もう数年来のことでありますから、早急に解決して、来年の予算委員会でこの問題が再び論議されませんように希望いたしまして、質問を終わります。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 重々御指摘の点、注意して参りたいと思います。なお、農地の造成につきましては、来年度におきましては、すでに御承知と思いますが、大長崎干拓の全体設計のほうに着手する。それから、中津の着工をいたします。それから熊本で申しますと、大不知火の調査にかかる。こういうような新しい事業を取り上げて、進めて参る次第であります。そういうふうに、われわれとしては積極的にこの事業を進めていく、こういう覚悟でございますが、この点につきましては、最近の経済発展等に伴いまして、地区の状況によっては、干拓いたしました一部が経済発展のために工場用地に転用される。これは国家的な見地からやむを得ないと思いますが、やはりそういう点もございますので、なおそれに代替する干拓をやっていきたい、こういう考えで進めていっております。こういう点は十分、この干拓に従事いたしております者、その他関係の農民に、みなよくPRをいたしたい、こういうふうに考えております。なお、陳情しても仕方がない、こういうような点につきましては、われわれの不徳のいたすところでありますが、今後十分注意いたしまして、農民の意思が十分結集しますように、われわれとしても最善の努力をいたしたい、こういうように考えております。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 私ちょっと、委員長から農地局長に、将来の問題として起こり得る可能性がありますので、一つお尋ねをしておきたいと思います。農地法第三条による申請があった場合に、耕作者に対して地主が賃貸契約をする、その場合に、大蔵省が無償と判断をして、権利金に対する贈与税、これを返すというようなことが実は戸塚税務署で起きた。これはきわめて重大な問題なんです。もしこういうことが将来起こり得るとすると、農民は非常な迷惑をこうむる、県知事なり農業委員会の法適用というものは全く無能になってしまう、こういうことが考えられるので、先日私のほうから関係者には御連絡いたしましたが、その結果は、法適用についてはあやまちを犯さないようになったという報告を受けたのでありますが、いま一度申しますと、農地法第三条の許可を受けて耕作権を譲渡した後、短期間の間に解消し、さらに他の者に耕作権を設定することがあっては、地主の農地所有権が乱用され、そのとき権利金を取るようなことがあっては、法の精神が曲げられると思うが、どうか、こういう質問になるわけなんです。こういう点を、農地局並びに大蔵省もおりますから、ひとつ御答弁をいただきたいと思う。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 農地法第三条は、農民が農地の所有権の移転あるいは賃借権の設定という場合の許可条項といたした次第でございます。それで、その所有権の移転あるいは賃借権の設立につきましては、有償のものと、無償のものとございます。所有権については、御承知のように、有償譲渡というものにはやはり移転税というものがかかるわけであります。それから無償のものには、生前の贈与と、それから相続による移転、そういうものもございましょうし、あるいは親族間の贈与、あるいは第三者に対する贈与、こういうものがあるわけです。これにつきましての税制は、やはり贈与税というものがかかるように私は承知いたしておる次第でありますが、そのあとで、旧所有権者から農民に所有権が移転しまして、委員長のお尋ねは、所有権の移転を受けた農民が、さらにこれをだれかに耕作させた場合でございますが、耕作させる場合には、所有権を移転するか、賃借権を設定するか、そういう三条の許可がさらに要るわけでございます。そういう場合に税金がかかる、こういうわけですか。その所有権が、貸借権の場合は転貸借というのは禁じてございますので、賃借権の再賃借ということは法律上ないわけでございますが、所有権の移転を受けてさらにこれを有償か無償かで第三者に移すというときには、第三条の許可が要るわけでございます。その許可の場合には、やはり有償譲渡の場合には移転税がかかる、無償の場合には贈与税というものがかかるように承知しておりますが、そこら辺のところはもう少し調べて御返答申し上げたいと思います。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 今の点、なお理解が深められなかったと思うのですが、たとえば地主が新耕作者に権利を移転をする、この場合に、三年ならば三年という知事なり農業委員会のいわゆる許可をもらった。しかし、もしこれが農耕を自分としてはもう続けられないということで、これを短期間に——三年と許可はもらったけれども、短期間に返す、こういうような場合に、もし今の贈与税というものを取られるということになれば、いわゆる悪い地主ならば、それを何回も繰り返せば、地主は減税を受けて、そうして農民の耕作者はたくさんな税金を納めなければならない、こういうことが繰り返される。こういう点で、大蔵省のいわゆる徴税の考え方と、農林省の農地局の農民の保護という立場からいくと、私はこの第三条の今の適用の問題はきわめて重要な問題だと思う。こういう点で、この農地法三条の許可問題についてきわめて新しい初めてのケースが先日出てきた。こういうことで、将来もし農民耕作者にそういうことが起こるとたいへんなことになってしまうそういうことで、注意をしておいたわけでありますが、さらに、決算室長がこのことをよく承知をいたしておりますから、農地局長も、あるいは大蔵省も、よく事情を調査して、そうして将来農民に不利にならないように、耕作者に不利にならないように、そういうことをひとつ要望をしておきたいと思う。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) 先ほど例をお示しになりましたところをお聞かせ願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 神奈川県戸塚市の戸塚税務署。

庄野五一郎農林省農地局長

○政府委員(庄野五一郎君) よく事情を調査いたしまして、また御報告申し上げたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、炭鉱に銀行が金を貸して、これを銀行が競売に付したために発生しておる労働者の賃金未払いの問題並びに侵掘の問題について質問をいたします。質問の相手は、開発銀行総裁、通産省並びに労働省であります。簡単に要点を申し上げますと、三友鉱業という炭鉱に、開発銀行が、昭和二十四年、今から十三年前でございますが、それから数年間かかって金を貸した。ところが、これがほとんど返済されないまま今日に至っている。そこで、開発銀行はこれを指名競売に付した、これがことしの二月十五日であります。それまでこの山は不況のために賃金未払いであった、あるいは労災掛金をかけないために労災金ももらっておらぬ、そういうような事態でありますが、まず第一に開発銀行総裁に御質問いたしますが、福岡県山田市上山田、籾井伝三所有の鉱業権を抵当のために競売に付したことの事情を御存じであるかどうか、これの説明を簡単に求めます。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 私が開発銀行の理事の間島でございます。総裁にかわりましてお答えいたします。  ただいまの籾井伝三というお話ございましたけれども、私の復興金融金庫の時代に、約千九百万円貸しまして、その後約百万ほど入りまして、現在は一千八百万円ほどになっております。その後籾井氏は、これを会社組織にいたしまして、三友鉱業株式会社というふうに組織を変更したわけであります。したがいまして、私のほうでは、籾井伝三氏個人を、その会社に対して連帯債務者といたしまして、貸付をしているという状態でございます。非常に小さな炭鉱でございまして、三十五年度の出炭の実績は月四百トン前後でございまして、使っております従業員が五十四名という非常に小規模なものでございます。ところが、だんだんこういうふうに炭鉱事業が一般に悪くなって参りましたので、月四百トン程度の出炭では赤字を続ける。だいぶ赤字が累積いたしまして、三十五年度末には約五千百万円ほどの赤字という状態でございます。私どもといたしましても、もちろん取り立てはいたしましたけれども、できるだけこの炭鉱が成り立つような方法はないものかと思って、経営者にも再三勧めたわけでありますけれども、どうにもなりかねるということでございまして、たまたま三十五年の秋でございますか、この炭鉱を譲り受けたいという人が現われたわけであります。私のほうといたしましては、自由意思でお互いの売買、任意売買をやるということは、非常にいい場合もございますが、なるべく公の価格でそいつを譲るというほうが銀行のためになるのじゃないかということで、むしろ競売にしたほうがいいということで、競売を考えたわけでございます。したがいまして、競売を考え始めましたのは、三十五年の秋ごろということでございます。その後いろいろ準備を進めて参りまして、競売申し立てをいたしましたのが昨年の七月でございます。申し立てが受理されまして、第一回の競売が、たしか昨年の十一月であったと思いますが、競落者がございませんで、これは流れました。第二回目が、先ほど先生がおっしゃいました二月十五日、そのときに中村道太郎さん外三名の方が競落いたしました。競落代金は六百十一万何がしでございます。その後、競落がきまりましてから、その会社の職員の人、それから労務者の方から、配当の要求がございました。職員の方からは約三百八十万円くらい配当してくれという要求、これは裁判所に出しました。それから鉱員の人は、二名でございますが、七十七万ほど配当してくれ、こういう御要求がございました。実情はそういうことでございます。お答えになっておりますかどうかわかりませんが、以上で説明を終わらせていただきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それだけ貸し出しまして、回収した金は、金額は幾らでございますか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 百二十万円ほどでございます。もう少し正確に申し上げます。数回にわたりまして出しました総計、これは貸し出しの元高でございますが、千九百六十三万九千円貸し出しました。これは五回にわたって貸したわけでございますが、その現在高が千八百二十八万七千円でございますから、その差額約千三百何がしは回収されたとこういうふうになります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の返済は、千三百万ではなくて、百三十万でしょう。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 失礼いたしました。私の答えが間違えたかと思いますが、百三十万何がしの回収があったということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 貸し出しの金額は千九百六十三万九千三百円でございますが、これに利子を含めますと一体幾らになりましょうか。あなた方の普通の利子で貸したものとして計算して、現在幾らになります。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 利息は、実はたな上げになっておりまして、これはたな上げ利息三分でございまして、それを加えますと、現在高でございます二千百三十二万六千円になるわけでございます。約三百万円ほどたな上げしております。利息でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第一点の問題点は、十数年の間国の金をそのようにルーズに扱ったとしか受け取れないのであるが、これは会計検査院も検査されたと聞いておりますが、会計検査院に質問しましょう。どうですか、こういうふうな国の金がこのように使われておるのを御存じでございましょうか。

芥川治会計検査院長

○会計検査院長(芥川治君) 特にその点につきまして、ただいま詳細承知いたしておりません。お答えはちょっといたしかねます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この点については、これは事実でありますから、会計検査院としても、今から質問することをよくお聞き取りを願いたいと思います。  そこで、競売に対しまして、六百数十万で落札したということであるが、そのときの落札の方法も指名競売であったと、このように言われておるが、そのとおりでございますか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 指名入札とおっしゃいましたけれども、実は私のほうでは、大体そういう炭鉱が経営が怪しくなって、銀行のほうの元利も延滞するというような状態になりますと、私どもはまず、なるべく炭鉱を生かしていこうという気持で、現在の経営者に対して、早く再建しろ、建て直しをしろということを勧告するわけでございますけれども、そういう状態をよそから見まして、ひとつおれがあそこを経営してやろうという人がまた現われるわけでありますが、この点につきましても、今御指摘になりましたように、三十五年の秋でございますが、ひとつあいつを任意売買で買って自分が経営したいという人が現われたわけであります。それで、私どものほうとしましては、先ほど申し上げましたような事情で、ひとつ競売をやろうということで、競売の準備をいたしまして、進めて参ったわけでございますが、それが、昨年の七月に競売の申し立てをいたし、昨年の十一月の第一回の競売のときに、その人は落とさなかったわけであります。したがって、それは流れてしまったというようなことで、おっしゃったような指名というようなことはないと私は考えております。したがって、ことしの二月十五日に落とした人は、最初に話しに参った人ではなくて、中村道太郎という、何かお聞きしますと、元の山田市の市長——この炭鉱は山田市にございます、山田市の市長をしておられました中村道太郎さん、そのほか三名の方が競落した、こういうことになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そのような例が、十数年も貸してなかなか焦げついて取れないというような例がたくさんございますか。これは会計検査院が検査することでありますが、不正、不当でなくて、そのような例もあるんですか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) ほかの例のことをお聞きだと思いますけれども、復金当時、非常に石炭融資というのは緊急性を要しまして、いろいろ石炭が足りないものでございますから、かなりこのころは石炭に重点的な融資をいたしたわけであります。かなり小さいものにも貸しまして、これもその一つの例なのでございます。今そういうもので焦げついておりますのが約二十五億ほどございます。これにつきまして、私どものほうも、各現地の支店、東京の管轄は本店でやるわけでございますが、鋭意回収に努めたわけであります。ただ、私のほうは、もちろん国の金で貸したわけでありますから、あくまで取り立てをしなければいかぬという考えはございますけれども、高利貸しでもございませんので、その辺は多少人情も入っておりまして、何とかやれるようなものなら少し待ってやろうというような点もございます。それで、本件につきましても、今までも何もしていないかと申しますと、そうではございませんで、実は今度競落の対象になりました鉱業権のほかに、不動産も入っておる。これは、炭住とか、そういうものでございますが、あと機械、器具のようなものが信託譲渡で私どものほうに入っておったわけであります。これはやはり、国税その他公租公課の滞納のために差し押え処分を受けまして、先ほど私ちょっと申し忘れましたんですが、その競売処分の配当金といたしまして、先ほど申し上げました回収金のほかに、百二十七万ほど、これはあとで元本にするか利息に充当するかわかりませんが、一応預かっております。先ほどの額に、その百二十七万何がしが、一つの回収金と見れば見られないことはない、そういう状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、問題は、操業中に競売を付したということであります。そして、働いている労働者、職員をそのまま引き継いでいけばいいんですけれども、もうそれは前からの賃金未払いがあります、そういうことで、切られまして、新しく買うた山主はほかの労働者を使うてやりますと、それこそ、競売した金は開発銀行で全部取ってしまう、あとは労働者、職員が、借金と未払賃金をかかえたまま路頭に迷うという現象が起こっているわけであります。さっき高利貸しじゃございませんからと言われましたけれども、これはまことに高利貸し以上に冷酷無残な処置ではないかと思うんですが、いかがですか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 御質問は、ごもっともだと思いますが、これにつきましては、私どもも、たとえば今度の競落された中村道太郎さん外も、私どものほうに見えたわけであります。そのときの話では、一応前の人を使っていきたい、こういうことを申しました。それは銀行も非常に望むところだ、そういう連中が競落のために路頭に迷うということがあっては困りますので、その点は新しい持ち主になるその人に十分確めたわけでございます。そうして、たとえば現在、今まで働いておりました人は、離職して路頭に迷うということはないんじゃないかというふうに、私は考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それはいつごろでございますか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) これは、昨日支店長から聞いて——支店長が聞いたわけでありますが、おそらく、二月十五日の競落する前に、この中村道太郎さん外が福岡の私どもの店に参りまして話し合ったときに、そういう話が出たのだと思います。おそらく、昨年のことだと思います。記憶は不確かでございます。私は想像で申し上げたのですが、たしかそういうことではないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 競売にはいろいろ条件もございましょうが、そういう前の労働者何百人かを次の落札者が雇うというようなことを条件にして競売されたわけではございませんか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 競売いたします場合に、あるいは自由売買の場合もそうでございますけれども、前の古い持ち主の使用人を全部とれということは、ちょっと条件としてできかねる。と申しますのは、やはり、金融機関といたしましては、少し出過ぎたやり方じゃないかという気がいたしまして、条件とはいたしませんでございました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうすると、それは支店長から聞いた程度である、条件にしておるということまではわからぬけれども、そのような話であったということでございますか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 支店長から聞きました話では、その人はそういうことを言っておった。したがって、支店長もそれで安心したと申しますか、よかったという気持になったということで、条件にはいたさないということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、その競売されて金をあなた方が取られる。あとは中村某に鉱業権が移っていくんですけれども、あと労働者をその山が使わなかったというようなときには、どういうことになりましょうかね。それは私は全然知りません、こういうことでございますか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) なお、よけいなあれかもしれませんが、付言いたしますと、今度の競落は、六百十一万即金では払えない——これはいろいろ法律上疑問があるかと思いますけれども、裁判所の許可が要るわけでございまするが六百十一万のうち、一部を現金で払いまして、残りはひとつ、年賦か月賦か知りませんけれども、分割払いにしてくれという要請があったそうでございます。そういたしますると、私のほうの銀行の債務者になるわけでございます。要するに、前の人の肩がわりをした。要するに債務者になる。その点におきまして、向こうとつながりができる。したがいまして、向こうが私のほうに借りがある、そういう点で指導監督ができるかと思いますが、それも非常に不確かなことで、どうしてもやれとか、そういう強さというのは、ちょっと私のほうとしては行き過ぎだと思いますので、できないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その分割払いというのは、今初めて聞いた話でありますが、二千万円近くの金を貸して十数年たった、それが今度は落札、六百十一万でこれを売る、そうして今度それを分割払いで収入していく、こういうような扱いは、これは国の金を、どういうことでしょうかね。それは権限はありましょう、銀行に金を国がやるんだから。そういう例がほかにたくさんあるんですか。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) これはもちろん、裁判所が介入いたしました競売事件でございますから、これは裁判所の許可がないとできないわけでございます。したがって、今そういった競落代金の支払い方法につきまして、裁判所で検討中だと思います。これはもちろん、競落人といたしましては、今後山を存続してやっていくという建前から競落したわけでございます。いよいよ競落いたしまして、山を存続してやっていきますには、金が要ると思うのでございます。かりに、前の所有主の労働者を全部使う、あるいは一部使うということになりましても、やはり何か未払い賃金の一部を払うとか、生活費をみてやるとかいうようなことがありまして、いろいろからくりの関係があるかと思いますが、そういう事情をなおよく今後聞きました上で、裁判所が許可いたしまするならば、分割払いも私どもはいとわないという考え方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 労働基準局長に質問いたします。今未払い賃金のまま競売に付されているわけです。これが強制競売です。指名競売ですね。そうしました場合に、賃金なり、退職金、未払い賃金などを請求する権限は、労働者としてはないでしょうか。もしあるとすれば、どこに、相手はだれでしょうか。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 賃金遅払い事件につきましては、私どもは非常に苦慮いたしておる問題であります。ことに、炭鉱における賃金遅払い問題は、非常に大きな問題であります。  本件の賃金不払い関係につきましても、かねて小柳先生非常に御心配をいただいておりまして、私どもも恐縮に存じておるわけでございます。法律上、賃金債権というものは、国税なり抵当権設定以後のものにつきましては優先いたさない建前になっております。ただ、事実関係におきまして、何しろ働いてもらうべかりし賃金が入らないという非常に気の毒な事態でありますから、事実上の関係におきまして、私どもの基準監督機関としては、できるだけの努力をいたしております。本件につきましては、昨年の八月に労働側から飯塚の監督署に申告がございました。労使双方を招致いたしまして、詳細な事情を聴取いたしました。さらにこの十月に、ただいまお話しのように、開銀のほうに強制執行のととがございましたので、私どものほうで配当加入の指導をいたしました。引き続き労働側から、その手続が済んだという報告がございました。その後数度、さらに経営者側に対しまして支払いの勧告をいたしております。現在裁判所において配当計算中と承っております。法律上は、今申し上げましたように、抵当権にはおくれるわけでありますが、事実上の関係におきましては、今申しましたように、非常に気の毒な事態なので、私ども関係方面と協方いたしまして、なんとか手に入るように、できるだけの努力を今後ともいたしたいと、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 基準局長、労災保険金の雇用者負担分未払いのために、労災保険すらとれない、障害年金もとれない、そういうような情勢もあります。この点についても、ひとつ御意見を聞いておきたいと思います。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) 労災保険法によりますと、保険料の滞納がございました場合には、給付制限をいたすことになっております。本件につきましても、相当な保険料の滞納がございましたので、現在まで給付制限をいたしておる実情であります。ただ、本年に入りまして——私ともも先生から詳しい実情を承ったのでありますが、本年に入りまして新しい事態も起こっておるようでございまして、これがほんとうに経営上はなはだ困難な事態に立ち至っておる、こういった点にかんがみまして、さらに私ども、さっそく当該監督署にもう一度実情を詳しく調べさしまして、また一番現地の事情に明るい先生ともよく御相談を申し上げて、善処いたしたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 鉱山保安局長も見えておるようでございますが、坑口がたくさんあるために、若干のところからすでに盗掘に似たようなことが起こりつつあるのではないかという懸念があります。その場合に、もし事故が発生した場合ですね、一体だれがこれは補償するのか。今非常に危険な情勢にありますが、保安局長、一体これをどうされますか。

大島靖労働省労働基準局長

○政府委員(大島靖君) その鉱区内におきまして施業を営んでおる場合、これは鉱業権者に責任があるわけでございます。鉱区外という場合には、これは一体鉱山保安法の範囲かどうか、こういう問題が従来あったわけでございます。ところが、事実問題としましては、新掘というような場合には、現在の鉱区内の坑口から自然に発展して、完全な盗掘というような問題とまたおのずから別個になるわけでございます。こういう際には、鉱山保安法を改正いたしまして、改善命令を鉱区外でも出し得る、こういうふうに現在なっております。したがいまして、これはもう当然、命令を出す相手先は鉱業権者でございまして、鉱業権者が保安の責任は当然持たなければならない、こういうことになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それで、たくさんまあ質問でございますけれども、あとは、現地で起こりました、支店なりあるいは出先機関で起こりましたことでありますから、微妙な点についてはまだ十分御調査もできておらぬのではないかと思うのです。今まで質問いたしましたのは概要でありまして、それでこの問題が解決するものではございません。そこで私は、第一に言いたいのは、さっき開発銀行の理事がおっしゃった、まだこちらのほうにつながりがあるのだから、労働者については失業をさせないで、前の労働者を使うことの勧告もあるいはできるかもしれぬということ、非常に私は希望いたします。それから、基準監督局長の言われました。抵当権には優先しないかもしれぬけれども、何とか賃金については、生活しなければならぬから、善処しよう、これについては私は希望を持ちます。しかしながら、事故が起こりまして、いくらここでまた騒ぎましても、何にもならぬことでありますから、鉱山保安上の問題については、保安局長、ひとつ責任を持ってそういう災害が起りませんように対処してもらいたい。それから、検査院長にこれも検討してもらいたいのでありますけれども、これは山だけじゃないと思うのです。開発銀行の金が重ねて十数年来焦げつき状態で参りまして、それがもう過去の金の値打からいっても相当の違いじゃないかと思うのです。今から十数年前の二千万円と、今の二千万円と、これが同じ問題だとされること自体が問題です。そういった点で、会計検査院はどういう見解か。それから、そういうものが詳細に検査されているかどうか。私は、一昨日でございましたか、開発銀行の総務部次長に、こういうことが一体許せますかと言ったら、いや会計検査院から検査をしょっちゅうしてもらっておりますという話で、会計検査院がほんの一部、何%検査されただけで、オールマイティで通っていきましたら、国の金の使い道というのは、もっとわれわれは慎重に検討しなければならぬと思います。したがって、そういう金の値打ちの問題、あるいは検査の方法なり、しかも開発銀行について莫大な金が国から預託されているわけなんですから、もう少し慎重に——慎重にやっておられるものと思いますが、私どもが納得する方途が講じられるべきであろうと思う。この問題については、まだ若干問題がありますから、私は、この未払い賃金が払われて、傷病金などが支払われ、かつ前の労働者が使われたら、これはもう問題解消だと思います。そうして、経営者がよく十分に検討して、そうして採算がとれるように経営していく、このことが一番大事なことでありますから、ここでよしあしを追及することも大事でしょうが、そのことよりも、前向きになって、関係当局がまずこの問題を解決してもらいたい、そういうことを要求いたしまして質問を終わります。

芥川治会計検査院長

○会計検査院長(芥川治君) ちょっと小柳委員から先ほど御質問がありましたとおり、会計検査院としては、もちろん日本開発銀行を検査いたしております。ただ、先ほど来お話しを承っておりますると、だいぶ新しい事態のことをお話しで、私初めて伺ったような点もありますので、これは三十六年度の検査におきまして十分調査をいたしたいと考える次第であります。  なお、出資関係の検査につきましては、人員等の関係で若干不十分な点も今まであったんではないかと、こう思いまして、新年度の関係から、出資関係について増強をはかることにいたしまして、再発足をいたしまして、御希望に沿うようにできるだけ努力して参りたいと、こう考えております。

間島達夫日本開発銀行理事

○参考人(間島達夫君) 先ほど私の言葉が足りませんので、誤解を生じたかと思いますが、蛇足かと思いますが、ちょっとつけ加えさしていただきます。先ほどの籾井伝三、三友鉱業に対して、千八百万何がし、これは元高でございます。今度競落いたしました六百十一万が入りますと、この千八百万何がしから六百十一万を引いた残りは、籾井伝三、三友鉱業に対する債権として、私どもはそのほかのことで回収をはかりたい、こう思っているわけでございます。この競落によってこの債権全部がなくなったというわけのものではございませんので、ちょっとつけ加えさしていただきました。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) それでは、昭和三十五年度決算についての総括質疑は、本日はこの程度にいたします。  参考人の方は御苦労さまでありました。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 速記を起こして。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) それでは、昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件について、討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

鳥畠徳次郎自由民主党

○鳥畠徳次郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件の事後承諾を求める件につきまして、本件はおおむね妥当と認められるので、私は本議案に対しまして異議はありません。したがって、本議案を承認することに賛成いたします。どうぞ皆様の御賛同を得たいと思います。以上。

大森創造日本社会党

○大森創造君 予備費使用につきましては、わが党としましても、若干問題はあると思いますけれども、各省庁において十分戒慎をされて、効率的に使用をされるように、また国会会期中の予備費はできるだけ少額にとどめるように配慮をしてもらうことを条件に、賛成をいたします。

奥むめお参議院同志会

○奥むめお君 予備費の件につきましては、今まで皆さんで審議いたしましたとおり、若干の問題の点もありますけれども、今後のことをきびしく注意していただくことにして、私は承認したいと思います。

北條雋八無所属クラブ

○北條雋八君 今までいろいろ審議されましたが、できるだけ少額に、また有効に使われるように希望いたしまして、賛成いたします。

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十五年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、昭和三十五年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用総調書、昭和三十六年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十六年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書、昭和三十六年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用総調書、以上八件を一括して問題に供します。  昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件は、承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 全会一致でございます。よって、昭和三十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外七件は、いずれも、全会一致をもって承諾を与うべきものと議決されました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) この際、派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和三十五年度決算検査報告において不当事項として指摘された、特別損失防止対策工事補助金の交付にあたり処置当を得ないものについての審査に資するため、現地に委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認めます。つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相澤重明日本社会党

○委員長(相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会をいたします。    午後六時六分散会      —————・—————

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