外務委員会 第7号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1962/03/01
会議録
○委員長(井上清一君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結について承認を求めるの件、以上航空関係条約四件を便宜一括議題とし、前回に引き続き、質疑を続行いたしたいと思います。 御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。——別に御質疑のおありの方はございませんか。——それでは、ただいま議題といたしております条約四件のうち、本院先議となっておりますパキスタン、イタリア及びインドネシア共和国との間の航空協定三件につきましては、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上清一君) 御異議ないと認めます。 それではこれより本院先議の航空協定三件の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
○羽生三七君 この三協定についてはもちろん異議はありません。賛成ですが、要望を付しておきたいと思います。それは、できるだけすみやかに日ソ航空協定を促進すること、それから南回り日航の欧州乗り入れについては、アラブ連合との協定も、これまたすみやかに促進することそれからフィリピンとの航空協定もまだできておりませんが、行政措置にいつまでもゆだねることなく、正規の航空協定を促進すること等の要望を付して、本三協定に賛成いたします。
○委員長(井上清一君) ほかに御意見はございませんか。——別に御意見もないようでございますから、三件に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上清一君) 御異議ないと認めます。それでは、これより三件の採決をいたします。 航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件。 以上三件全部を問題に供します。三件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上清一君) 全会一致でございます。よって三件は全会一致をもって、承認すべきものと決定いたしました。 なお、三件の議長に提出する審査報告書の作成につきましては慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上清一君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 —————————————
○委員長(井上清一君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題にいたしたいと思います。 ただいま外務大臣が衆議院の内閣委員会に出ておりまして、すぐ、もうしばらくたつと参られると思いますので、ちょっとしばらくお待ちを願いたいと存じます。 ちょっと速記とめて。 〔午前十時三十八分速記中止〕 〔午前十時五十七分速記開始〕
○委員長(井上清一君) 速記をつけて 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○曽祢益君 ちょうど外務大臣御出席願っておるので、けさの新聞にかなり大きく出ておりました、沖繩のキャラウエー高等弁務官が沖繩の施政権のあり方、それに関する高等弁務官の施政方針といいますか、見解というものを発表されたので、それについて御質問申し上げたいと思いますが、この内容について新聞で多少まちまちな点もありまするが、外務省のほうで当然に重大な御関心をお持ちだと思うので、その内容についてどういうことを正確にキャッチしておられるか、まずそれをお示し願いたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私のほうも実ははなはだ申しわけないのでございますが、新聞を通じて知っておる程度でございまして、内容は曽祢先生も御承知でしょう新聞でごらんになっておることですから……。
○曽祢益君 新聞以外にはないのですか、今のところ。
○国務大臣(小坂善太郎君) ないのです。調べましていずれまた今の御質問にお答え申し上げたいと思います。
○曽祢益君 これはかなり重要なことであるので、当然に外務省のほうから正式に、どういう発表であったかを、しかるべき筋からお確かめの上で、後刻でけっこうですから、報告を願いたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 承知いたしました。
○曽祢益君 これで伝えられたところによると大体こういう趣旨のようなんですが、アメリカの今持っておる施政権の性質と日本の潜在主権との関係について、出先のキラャウエー中将がこういう重要な問題について見解を発表した。その見解がどれほどアメリカ当局のオーソライゼーションを得てやったのか知らないけれども、その趣旨は、簡単に言えば、潜在主権というようなものはあっても、それは現実には、要するに潜在だから眠っているのだ。したがいまして立法、司法、行政の三権が、アメリカの信託統治ができるまでの間は、完全に立法、司法、行政三権の全部または一部は純粋にアメリカだけが持っておる。こういうことを言っている。したがって、日本とアメリカとが、アメリカが施政柳を持っている間は、一種の何というか、やや共同といいますか、日本が潜在主権の名において、沖繩の統治について、何らかの権限を持つというようなことはあり得ないのだ。純粋にアメリカにだけ専属する権利である。したがって、たとえば沖繩に重大な混乱が起こった場合には、それは琉球政府の問題でもない、日本の問題でもない。もっぱらアメリカだけの問題だ。その問題はつまりアメリカの政府を代弁するところの自分が——米高等弁務官だけがこの責任を持っておる。こういう趣旨のことを言っていると思う。しかし、これは状況は、いろいろ今回のそういう発言が行なわれた状況というものは、どういう状況であったかということはわれわれわかりませんけれども、少なくともケイセン委員会が現地を視察して、しかもケイセン報告が出されなきゃならない段階であるけれども、新聞の伝えるところによれば、このケイセン報告の方向について、大体において作戦当局の言うなりほうだいの現状維持のほうがいいという国防総省の筋と、いやそうでない、何らかの意味でやはり住民の自治の要求あるいは施政権返還的な日本側の要望にできるだけこたえたほうがいいのじゃないかという国務省の意見との食い違いがあって、ケイセン報告それ自身がまだ脱稿できないというように伝えられておる。しかも沖繩の立法院では、国連の決議、つまり植民地をやめろという決議に関連させた、要するに施政権を返還せよというような決議がなされた。加えて、この間ロバートケネディ司法長官が日本に来て、日本側からいろいろ沖繩問題の訴えを聞いて、それに対してはかなり——むろん明確にどうこうということを約束したというわけではない。ようわかった、ケネディ大統領によく伝えるということで、かなり日本側に希望を持たせるような発言もあったやに聞いておる。そういう環境のもとにかなりどぎつい国隣省側の見解を積極的に発表して、いわば、あいまいというか、施政権返還なり、自治を拡大する方向に対して冷水をぶちかけたというような、こういうやはり政治的の意味合いがあるのですね。そこで今申し上げたように、彼の言っていることは、新聞の伝えるところで、正確にはキャッチできないけれども、たとえば潜在主権とアメリカの施政権との関係をどう考えるにせよ、少なくともそういった問題について、出先の官憲が出先の現役の軍人が、一体こういうことをほんとうに許可を得てやったのかどうか。とかく出先軍人の思いつきの行き過ぎの発言というようなことは非常にありがちなんです。もしそうだとすれば、これははなはだアメリカのためにも惜しむべきことでもあるし、われわれとしてもけしからぬ、こう考えることが第一点です。 それから第二には、この彼の言っていることの中で、潜在主権とそれからこの施政権の関連をどう法律的に解釈するにせよ、少なくとも沖繩に重大な混乱があったときの問題は、これは純粋にアメリカの問題で、アメリカの作戦当局を代表する高等弁務官だけの問題だ、沖繩の立法院も日本も知ったことじゃないと言わぬばかりの態度というのは、これははなはだ不謹慎であるばかりでなく、不当であり、不遜だとも言えると思うのです。むろんわれわれ日本国民の国籍を持っている八十万の沖繩同胞のその利益、その休戚に対して、日本国民として、また日本政府として最も重大な関心を持つのはこれは当然です。歴代の日本の政府の代表も、沖繩にいわゆる重大な戦乱等が起こった場合に、現実にどう日本が手を打つかは別として、それは日本の重大な関心である、ほうっておけないということを、これは日本の歴代の代表がはっきり明言している。そういうものが、アメリカの軍部から見れば、まず第一義的に自分らの任務だと考えることは、これはいいと思うのです。しかしほかの関心なり、権限なり、権利を排除するということは、これは全くわれわれとしてはほうっておけない重大なる失言だと思う。さらに、これは新聞によりまして違いますけれども、ある新聞の伝えるところによれば、沖繩の自治も現在の程度でいい。——これは全くこれまた行き過ぎもはなはだしい。アメリカ政府内部から見ても非常な行き過ぎで、今それを、どういうふうに自治をどう調整していくかということは、アメリカとしても重大な関心事ではなかろうか。アメリカ政府の決定があったとすれば、日本政府も、この問題については、わざわざワシントンにおける池田ケネディ会談の一番大きな主題になっているのは、自治の方向をどうするかどの程度自治を広げていくか。少なくともこの前の立法院の決議が、沖繩を型どおりの植民地と見るのが正しいか正しくないかは別として、少なくとも沖繩が植民地的なステータス、完全な軍政下に完全な住民の自治すら与えられていないというそのことに対して、すみやかに修正すべきことは議論の余地がないと思う。もし沖繩の自治が現行どおりでいいというのが、これがアメリカ政府の十分に考えた意見の結果であるとすれば、これは池田内閣としてはそれこそ重大な決意をしなければならないくらい大きな問題だと思う。そういう点については非常に重大ですから、それこそ発言そのものをはっきり知りたいのですけれども、少なくとも日本のある新聞には、自治は現状のままでいいということすら言っているというのです。これはまた私は不当もはなはだしいと言わざるを得ないと思うのです。そういう意味において、今の三点について政府の所信、御見解を明らかにされたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 今の御質問の三点についてお答えをいたしたいと思うのでございまするが、その前に、こういう発言をキャラウエー沖繩高等弁務官がしたということは、新聞の報ずるところで明確でございますが、内容が新聞報道でございまするので、それに基づいての御答弁をいたしたいと思います。 まず、何ゆえにこの時期にこういう発言をしたのであろうかということは、これは私どもにわかりません。現にケイセン報告をめぐりまして、いろいろ国務、国防両当局の間に意見がかわされているということでございまするし、何ゆえにこの時期に高等弁務官がかかることを言わなければならないか、これは全くわからぬのであります。が、これは率直に言って、事態が非常に何と申しますか、理解ムードというますか、そういうものに向かって進められているときにこういうことを言うことは、私どもの立場からして残念なことであると思います。 それから第二点の、施政権をアメリカが持っておる、したがって自分はそこに派遣されている高等弁務官であるから、自分の責任において施政権を行使するのである、これはそのとおりだと思いまするが、しからば、万一沖繩において混乱が起こった場合に、責任をとるのは高等弁務官である。したがってそれにつり合う権限を持たねばならぬということを言っておる点でございますが、これはその法的な解釈といいますか、このことはそのとおりだと思いますけれども、政治的に見ますと、やはり沖繩同胞は日本の同胞でありますし、また日本において重大な関心を持つのでありますから、こういうことをことさらに言う必要が今あるのかどうか、これは問題だと思います。ただこれは私の全くの憶測でございますけれども、例の植民地宣言に違反しておる、国連憲章に、沖繩の施政権をアメリカが持つということは、違反しておる、こういう立法院の決議に対して、この宣言が、ソ連のアドヴォケートによって先般の国連総会で言及された、それを受けているということを前提にすればあるいは高等弁務官とすれば、そういうものに対して、そういう何といいますか、一つの彼の頭の中におけるイメージに対してみずから問いみずから答えたということであるかもしれぬと思います。これは全く私の想像でございます。 それから自治の限度を今以上でなくてもいいと言った。これはそう言っている新聞もあるし、ない新聞もありますけれども、かりにそういうことを言ったという前提に立って申しますと、これはいかがかと思わざるを得ません。それについて今アメリカにおいてもいろいろ話をしておるし、それから先般の、昨年六月の池田ケネディ会談においても施政権を持つアメリカと潜在主権を持つ日本、その間において沖繩住民の幸福、福祉を増進する手だてについて緊密に協力していこうと、こう言っているのでありますから、どうもこの発言があったとすれば、全くそういう全般の政治的な配慮からして、日米両国の間に沖繩問題について深い理解が生まれつつあるこのときに、何ゆえにこういうことも言ったのか私どもわからぬと、こう思います。しかしいずれにいたしましても、われわれとしては、この発言によって今までのわれわれの態度を変えようという考えは毛頭ございません。われわれの主張すべきことはあくまで主張していきたい、こう考えております。
○曽祢益君 そこで、どう考えても不当であり、不適当である。われわれとしては、今言ったような内容だとすれば、厳重に抗議しなければならないと思うのですが、それに関して政府の態度は変わらない、従来と変わらない、これはわかるのですが、やはり冒頭申し上げたように、きわめて重大なことで、また非常に日米関係にもデリケートなことではなはだしくよろしからざる影響を与えるおそれもあるので、まず真相をはっきり確かめていただき、とにかく言ったことの正確な内容をつかんだ上で、やはりそれに即応して、これは政治折衝、外交折衝に移して、もし不適当とあらばそれを矯正するような適当な措置をとるべきだと、あえて議会の委員会、本会議等でこれを誹議する決議をするだけが能じゃないと思います。その前に当然外交の衝に当たられる政府として、不適当な発言であるならば、これを矯正するために、アメリカのほうからも進んで何らかの措置をとるとも思いますけれども、その真相をただされるとともに、それがもし従来の日本政府の態度あるいは日米間の現状における了解にたがうようなこと、あるいはそうでなくても、アメリカ出先当局の発言が不適当な場合には、それに対してきぜんたる態度をもって、要すればこれに抗議する、そういうような御決意があるかどうか、この点だけを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) まずこの実態について十分確かめまして、しかる上においてわれわれの見解において著しく先方と相違するものがあれば、われわれの見解をもって先方に、その間違っている点がよく調べました結果ありましたなら、それに対して是正すべく要望いたしたいと思います。
○曽祢益君 それではあとで委員会にこの結果等を御報告願いたいということを申し上げまして、質問は打ち切ります。
○委員長(井上清一君) 他に御発言ございませんか。
○加藤シヅエ君 外務大臣がおいでになりました機会にちょっと伺いたいものでございますけれども、きょうの新聞で、皇太子殿下がフィリピンを御訪問なさることを御計画なすっていらしたにもかかわらず、先方から無期延期というようなことの申し入れがあったと、こういうように承知いたしたのでございますけれども、それは、新聞では何かフィリピンの国内情勢のためということでございますけれども、この前おいでになるということで向こうが準備をしたときと今と何か非常に国内情勢に違ったことが特にあるのかどうか。そういうような点を外務当局としてどういうふうにごらんなっていらっしゃるのか、それをちょっと承りたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 三月中旬ごろ皇太子両殿下が行かれたい、こういうお話もございましたので、先方に、フィリピン側の政府にその都合を聞いてみたわけでございます。ところが、先方はそのころはどうも自分のほうが都合が悪いということでございますので、今後あらためて双方で相談いたしまして適当な時期を選ぶことにいたしたいというのが真相でございます。前のときも、実はこちらとしてこのごろ行きたいと言っておられるということを言いまして、先方が今は都合がいいということで日取りをきめたわけでございます。今度聞きましたら、ちょっと今のところ自分のほうの都合がつかない、こういうことでございますので、それじゃいい時期をまた相談しましょうと、こういうことでございまして、そのほかのことは特別にございませんわけでございます。
○加藤シヅエ君 その無期延期ということは普通常識的に言って流れてしまうというふうに理解したのでございますけれども、そうでなくて、やはりその計画は持ち続けていらっしゃるということでございますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 無期延期ということではございませんので、この計画をもってさらに双方の都合を打ち合わせたいと、こういうことでございます。
○佐藤尚武君 先ほどの琉球の問題で一応曽祢委員の質問に対して外務大臣からお答えがあったわけであります。私もこの記事を見てかなり考させられているので、曽祢委員の要求に応じて、外務大臣はとにかくどういう事情のもとにこういう弁務官の発言があったかというその事情をよく調べるということ、及びその内容は新聞によって伝えられているようなものであったかどうかということを確かめる。それは大へんけっこうなことでぜひそうお願いしなくちゃならぬと思うのでありますが、事情によっては弁務官の言論に対して日本政府として抗議をするというようなことも考えられるというような曽祢委員の御発言であったと思うのですが、私からかれこれ申し上げるまでもなく、沖繩の問題というものは非常に日米両国の間でデリケートな問題だと思うのでありまして、平和条約にああいうふうに明記されて、いるということ、そういったような法律問題ばかりでなくて、感情の問題もだいぶそこに介在し得る問題だと思うのであります。日本から言わせれば、潜在主権をアメリカに認めさせているのだというような立場がありましょうし、したがって、もっともっと立ち入って沖繩の住民のために、その幸福増進のために、当然日本としては口がきけるはずだというような感情もありましょう。と同時に、またアメリカ側においても、琉球に対してはかなり強い関心を持っておるのじやなかろうかと思うのであります。何分にも、あすこでは大東亜戦争中でも一番激しい戦争のあったところであります。アメリカ人も非常に大きな犠牲を払ったのであります。たしかアメリカの司令官も戦死しておるというふうな事態が起こっておるのであります。そういうような点からいいまするというと、単に条約上の規定、つまり法律上の問題でもってこれをさばいていくというようなことでは、問題の決着がつかないのではないかというように思うのであります。ということは、そこにもし必要以上に感情の問題が起きてきたりなんかしますというと、よしんば条約上の規定があっても、これがうまく運用されていかないというような危険がそこに生まれてきはしないかと思うのです。この琉球問題につきまして、日本としてもきわめて慎重に、そして時宜に適した、悪い感情なんぞそそらないような方法でもって、逐次住民の幸福を増進していくというようなやり方に出るのが、私は日本としてとるべき態度じゃなかろうかと思うのであります。したがいまして、今度の問題につきましても諸般の事情をお調べ下さるということ、これはぜひ第一着手の問題としてお願いしなくちゃならぬことでありますけれども、政府がこれに対して処せられる態度としては、できるだけ悪感情などをそそらないような態度、すなわち一言にして言えば、慎重な態度でもって臨んで下さいというように私としては希望を申し上げたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 佐藤先生の言われたこと、私もよく理解いたします。私どもの考え方は、沖繩の施政権の返還というのは、日米双方の間の信頼感、これが基礎になって返還されるということであって、現在施政権を条約上持っておるアメリカに対して、これをもぎ取る形で施政権を日本に返さしめる、返還せしめるということは、これはなかなか諸般の点を考慮いたしまして、日米双方にとって利益でない、またそのことは沖繩の住民にとっても仕合わせを招来するゆえんではないというふうに考えておるわけでございまして、そういう点で、この発言の真意がどこにあるかということを十分確かめますし、私どもの考えも、必要がある場合には、十分申し伝えます。その点は十分配慮して参りたいと思っております。
○佐藤尚武君 繰り返すようでありますけれども、講和条約を締結した際には、日本の潜在主権というものが日本に認められるかどうかということすらもはっきりはしていなかったと思うのでありますが、それが年数がたつに従って、日本国民の感情をアメリカ側も了解する程度がだんだん、度合いがだんだん深くなっていったというようなことで、潜在主権の問題も、今では両国の間に誤解のないところまでいったように、過去を振り返ってみてそういうふうに思われるのであります。今度の池田内閣になってから、琉球で日本の国旗の掲揚も認めることになった。そういうふうに一歩々々進んでいくということが非常に望ましいことで、つまりアメリカの悪感情を不必要にそそらないで、そして日本の要求を達成する方向に導いていくというのが、私は日本としてとるべき態度じゃなかろうかと思うのです。これが実現するかどうか知りませんけれども、参議院選挙に際して、琉球からも候補者を出すとかいうことも問題として持ち上がっているように新聞あたりで報道されているのであります。これなどはどういうふうなことになるか、私自身もちょっと考えを持ち得ないのでありますが、そういうように、少しずつ前向きに進んでいって、そして琉球問題に関しての日米両国間の関係を律していく、あるいは改善していくということが、そういうふうに、持っていくことがたいへん望ましいことだと思うので、これは私からかれこれ申し上げるまでもなく、政府としてはとくとお考えになっていることと思います。蛇足と思いますが、つけ加えさしていただくわけであります。
○委員長(井上清一君) 他に御質問はございませんか。——御質問がなければ、本日はこの程度で散会いたしたいと存じます。 午前十一時二十八分散会