科学技術振興対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1962/04/10
会議録
○委員長(森八三一君) ただいまより委員会を開会いたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。質疑の通告がございますので、順次発言を許します。吉田君。
○吉田法晴君 経済企画庁の水質保全課長さんと水質調査課長さんに来ていただいておりますが、当面の担当は工業用水あるいは公共用水域の調査ということですが、この経済企画庁の工業用水、それから公共用水域についての調査あるいは水質保全という点は、経済企画庁が直接御担当になるわけですが、産業廃水処理技術部会というのがあるということですが、この関係はどういうことになるのですか。
○説明員(阿部新七君) 私、経済企画庁の水質保全課長でございますが、ただいまの産業廃水処理技術部会といいますのは、ちょっと私どもでは所掌しないのでございまして、内容を承知しないことでございますが。
○吉田法晴君 この産業廃水処理技術部会というのは、「工業技術」という雑誌に「産業公害の現状と問題点」ということで二号にわたって報ぜられておりますが、それによると、工業技術院では云々と書いて、進藤武左衛門氏が部会長になって産業廃水処理技術部会というのができている。そして産業廃水の処理技術ということですが、水の問題について水質の保全ということですから、その産業廃水処理技術部会と関係があるんではないか、あるいはそれらの調査研究ということも総合されておるんではないかと、こういう感じがしたのですけれども、委員の中にお入りになってなければ、水の保全について経済企画庁の調整局としてはどういう部面を御担当になるのか、接触をする他の部面、それから総合調整をやられるとして、その総合調整の及ぶ保全課なり調査課以外の分野とのいわば限界といいますか、そういうものを承りたいと思います。
○説明員(阿部新七君) 今の吉田先生のおっしゃいましたのは、たしか工業技術院の中にございます、工業技術協議会の中の一部会だろうと思うのでございますが、御質問の企画庁の所掌でございますが、ちょっと経緯を申し上げますと、産業廃水の問題は、特に戦後大きな問題になったわけでございます。戦前におきましても、特定の河川、特定の工場にはそういう問題はあったわけでございますが、特に戦後産業の復興、それから都市の人口の急速なる集中化に伴いまして、それに付随いたします下水の処理が完全でないといった問題から、相当の河川海域におきまして水質汚濁の問題が起きたわけでございます。実は十年ほど前でございますが、昭和二十六年に当時の経済安定本部時代に、安定本部に置かれました資源調査会から安定本部の長官に対しまして水質汚濁防止に関する勧告書が当時出されておるわけでございます。この勧告の中で、わが国としまして初めて水質の標準と申しますか、公共水の許容限度を定めなさいというような勧告が出たわけでございます。たまたま当時は戦後の復興期にあたりまして、そちらのほうに手が回らなかったというのが実情ではなかったかと思うのでございますが、時期尚早ということで、この勧告は日の目を見なかったわけでございますが、出たあとに昭和二十八年の末ごろから当時の厚生省、建設省両省が中心になられまして、水質汚濁に関する連絡協議会ということで、関係各省の協議会が開かれまして、各省それぞれのお立場から、すなわち水質汚濁規制に関します法案の準備があったのでございます。それが実現に至らないうちに、御承知のような昭和三十三年の六月でございますか、本州製紙の江戸川工場の汚濁水の問題で江戸川の下流の漁民との間に紛争事件が勃発いたしまして、工場の操業の停止という問題が惹起されまして、それで政府といたしましてもいたずらに時日を延ばすということはいかんということで、法制化のほうに踏み切ったという段階に至ったわけでございます。一方経済企画庁はそういう情勢でございましたので、三十二年の末以来庁内に水質汚濁防止対策準備室というものを設けまして、水質汚濁防止の——ただいま申しました規制に関する法律案の起草準備にかかりまして、関係各省と御連絡申し上げ検討いたしました結果、内閣の審議室が中心になって、今のようなことで経済企画庁それから関係各省の案を総合的におとりまとめになりまして、三十三年の九月に水質汚濁防止対策要綱というのが閣議了解されて、これが基本となりまして現在われわれが所管しておりますところの、公共用水域の水質の保全に関する法律というものが日の目を見たという経過になっております。この水質保全——現在は水質保全法と略称しておりますが、この水質保全法と一緒に工場排水等の規制に関する法律が同時に制定公布せられまして、三十四年の四月一日から全面的に施行されて今日に至っているわけでございます。企画庁としましてはこの法律に基づきまして前の水質保全法でございますか、水質保全法に基づきまして指定水域を定められまして水域にかかわるところの指定基準を設定するという権限と義務を負ったわけでございます。それから片方の工場排水等の規制に関する法律によりまして、これは法律に各主務大臣が明記されているのでございますが、大蔵大臣、厚生大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣と、この五大臣が主務大臣になられまして、その定められました水質基準を守り、事後監督を指導されるということになっております。したがって現在の水質保全行政は経済企画庁が水質基準を定め、定められた基準を関係各省がその所掌の業種について事後の監督をされるということになっております。三十三年の暮にこの法律が出まして、企画庁は実質的の準備その他に取りかかりまして、三十四年にわれわれのところに水質保全課と水質調査課の二課が設けられまして、具体的にその調査に取りかかり、水質基準の設定に取りかかったわけであります。三十四年の四月から、ただいま申しましたように二課が発足いたしますと同時に、水質審議会というものが水質保全法によって設けられましたので、その水質審議会の部会をとりあえず二つ作りまして、一つは調査方法部会、一つは調査基本計画部会、この二つの部会が設置されまして、調査はどういう方法でやるかという具体的問題と、ただいま申し上げましたような全国的の問題になって参りましたので、全国の河川なり海域をどういうものを今後調査していくかということを御審議願いまして、日の目を見まして告示になりましたのは、実はたいへんおくれたのでございますが、昨年の七月七日に調査基本計画の企画庁長官の告示が出されたのであります。これによりますと、全国百二十一カ所の水域を昭和四十五年度末までに調査を完了するということでございますので、大体全国のおもなるところの汚濁されているといわれておりまして、何がしかの問題のあります水域が四十五年度末までに調査が終わるという仕組みでかかっているわけでございます。調査が終わりましたならば、調査方法部会で御審議願いました調査方法によって調査をするわけでございますが、その調査が終わりましたならば、その水域にかかわりますところの水質基準を設定して参るというふうな仕組みでございます。実際は審議会の下におかれますところの専門部会で御審議願う前に、われわれは各省の連絡協議会を開きまして、実務担当の課長以下の担当官に集まっていただきまして、その河川なり海域の実態を討論のテーマにいたしまして、具体的な案を一応作り上げ、それを専門部会でまた御審議を願って、審議会にかけるという仕組みになっております。現在はこの調整そのものにつきましては、連絡協議会の場において各省、各省の御意思と申しますか、見解の調整をして参る建前になっております。それで三十四年度から——ただいま申しましたように百二十一カ所の調査を四十五年度までに終わらせるのでありますが、三十四年、五年はまだその調査の基本計画ができておりませんでしたので、それが出る前に、とりあえず相当汚濁度のあるといわれております個所を取り上げて参るということで、三十四年度は七水域、三十五年度も七水域、三十六年度も七水域、合計二十一水域につきまして調査に着手いたしまして、三十七年度も七水域を調査して参るという建前になっております。過去に手をつけました二十一水域のうち調査がほとんど済み、具体的な基準数字がはじけるという点に参りましたものが、大体四カ所、六水系、そのうちの一番早く上がって参りました、また水質保全法制定の契機になりました江戸川の水域にかかわる水質の基準につきましては、先週の月曜日——四月二日でございますが、二日に審議会を開いていただきまして、正式の答申が出ましたので、近く江戸川にかかわります指定水域と、水質基準といったものを公示いたしまして実施いたすという段階に至っております。おおざっぱな点は以上のとおりであります。
○吉田法晴君 そうしますと、水の点について政府の建前といいますか、行政庁の建前からいって、水質調査課は調査をする。それから水質保全について計画を立てるのは、これは水質調査課にも「基本計画及び水質調査の実施」と書いてありますけれども、保全課の所掌に関連しては「総合調整」、それから「指定水域の指定、水質基準の設定等を行なうこと」と書いてあります。経済企画庁で各省の連絡協議を経るということでありますが、調査なり水質基準の設定なりを経済企画庁が担当し、それからあとの規制の実務といいますか、これは通産省の工業用水課がやると、こういうことでございますか。
○説明員(阿部新七君) 総括的にはそうなるわけでありますが、企画庁は水質規準を定めまして、定めた場合は公示をするわけでございます。公示とともに関係行政機関の長に通知をしなければならない、その通知を受けました関係行政機関の長は、水質保全の事務を処理するにあたりましては、その水質規準を十分尊重しなければならないという義務が保全法に規定されておるわけであります。それにつきまして工場排水等の規制に関する法律のほうにおきましては、先ほど申し上げましたように、通産省だけではないのでございますが、関係五省が主体となりまして監督をなされるという建前になっております。
○吉田法晴君 水質審議会というのは、調査方法と基本計画部会とに分かれておったということですが、水質の調査あるいは基本計画の設定に関連をして、いわば経済企画庁の何といいますか、協議機関といいますか、経済企画庁でおやりになる水質の調査あるいは基本計画の決定に関連をして、水質審議会の議を経るとこういうことになりますか。
○説明員(阿部新七君) ただいま述べましたように、水質審議会には二つの部会があったわけでございますが、現在はその二部会は解散いたしましてございません。現在ございます部会は、水域ごとに部会を設けまして、北から申しますと石狩川上流部——石狩川の部会がございます。最近諮問がございました江戸川部会、それから淀川の部会、九州の遠賀川部会——四部会でございます。それから近く発足を予定しておりますのは、渡良瀬川に関します部会、木曾川に関します部会を発足させようと思っております。審議会ではその調査研究計画をきめるわけでありますが、毎年度調査いたします河川を一応事務当局が関係各省連絡会議で取り上げたものを審議会にかけまして、当年度この調査をしてよろしいかという諮問をいたしまして、よろしいということで毎年度調査をしておるという次第であります。 それから、今まではそう具体的にはなかったのでありますが、先ほど申し上げました江戸川に関しますように指定水域範囲を具体的に定めて告示する、それから指定基準を定めます場合にも、当然審議会にかけまして、長官が御決定になるというふうな法律の建前をとっております。
○吉田法晴君 そうしますと、最初のころ三十二年ですか、対策要綱ができてから調査方法なり基本計画を立てるために水質審議会ができた。しかし調査方法なりあるいは基本計画ができたから水質審議会はなくなって、個々の石狩川、江戸川以下、具体的な河川海域について水域ごとの審議計画を作るということですか。
○説明員(阿部新七君) 審議会はずっと継続してあるわけでございます。審議会の下部の特別の任務を持ちました調査方法部会と基本計画部会はなくなったということでございます。実際は三十四年の——先ほど申し上げましたように四月一日から全面的に法律の施行が行なわれておりますので、三十四年の四月からずっと審議会も開かれ、仕事もやっておりますわけでございます。特別の部会はなくなりましたということでございます。
○吉田法晴君 わかりました。御説明を聞いておって、たとえば江戸川の本州製紙の汚濁水によって被害が出たのではないか——これを契機にして水質保全全部について制度を作る。その制度を作るについて調査あるいはまた基本計画から始まったわけですが、実際に江戸川について基準もでき、あるいは指定の告示がなされるのはことしという工合に、まあ数年といいますか、三、四年がたっているわけです。そうすると、産業公害の発生、それを防止すべき法律なり指定なり、あるいは水質の管理なりというものの、十全と言えるかどうかわかりませんが、一応の対策というものが三、四年ののちになるという点は大へん問題だという感じがするのです。江戸川自身について、あるいは本州製紙自身については、この間にどういう措置がとられてきたのか、お伺いをいたしたい。
○説明員(阿部新七君) 水質基準が設定されるまでは、閣議了解の中にもあるのでございますが、関係各省が十分の措置、指導をしなければならぬということになっておりますので、基準が設定されない、あるいはないからといって、出し流しに水を出してよろしいということでは、さらさらないわけでございまして、江戸川に関しては本州製紙では約一億七千七百万円でございますか、当時相当額を投じまして廃水処理施設を完備されたわけでございます。それから江戸川の汚濁源は本州製紙だけじゃなしに、相当の関連工場が流域に存在しているわけでございますし、それから都市下水も相当入るわけでございますが、これにつきましても関係各省でそれぞれ所管の業種の工場を御指導いただいて設備をしたものが相当数ございます。それから先般の審議会で決定いただきました基準が施行されますと、さらに設備をふやす、あるいは監督を十分にするという必要が出て参るわけでございますが、基準ができますまでに、確かに先生のおっしゃいますように三、四年かかるのが常態だということになりますと、相当問題でございますが、水質保全行政そのものが、先ほど申し上げました経緯のように、非常に新しい行政でございまして、それまではこういう根本法規もなかったというのがわが国の実態であったわけでございます。したがって、法的な整備は一応私は現在の水質保全法なり、あるいは工場排水等の規制に関する法律によりまして十分じゃないかと思うわけでございます。わが国の従来のこういう廃水の質そのものの検討と申しますか、それの関心が若干薄かった面も確かにございまして、技術的な面から解決するといったきめ手そのものを欠くきらいがあったのではないかと思うのでございます。したがいまして、この調査に取りかかりまして、調査そのものも、これは調査方法部会の内容は水質調査課長から申し上げますが、短期間の結果だけでは判定できない。相当長期間のデータが必要でございますとともに、河川の流量なり、あるいは潮の干満によりまして相当逆流するわけでございますが、それと汚濁源の対流関係その他を科学的に検討しようということを、ここに書いてございますのと一緒に、内部的に個々の工場から出ます廃水の質が何によって起因するかということと、それが被害産業と言われておりますところのものに対して、どういう結果になるという因果関係をきわめてからやりたいということで、関係行政機関なりあるいは各大学にいろいろお願いいたしまして、的確なデータをお願いするわけでございます。それから先ほど申し上げておりますように、過去の実績と申しますか、すぐ右から左に出るといったものでないので、私どもから御依頼申し上げてから、新たに採取なり分析をされるということになりますので、相当時間がかかったというのが実態でございます。ただ過去三年そういう仕事をやって参りまして、百二十一水域に手がけて参りましたので、法律の運営と申しますか、行政的にもなれて参りましたし、関係者の方々のなれと申しますか、一応のものが出て参りましたし、また各大学その他におきまして衛生工学的な講座その他も充実が行なわれて参りましたので、今後は相当処理がスピード・アップされるというふうに考えております。
○吉田法晴君 江戸川から始まって指定なり、それから調査の方法、基準の設定等がだんだんなれてきたからスピード・アップするだろう、こういうお話ですが、遠賀川は汚濁にいたしましても、ちょっと炭塵は別ですが、本州製紙の問題、あるいは江戸川の問題等、化学関係が産業公害の被害に深刻なものでありますだけに急がれるわけでありますが、一応今あげられました石狩川以下に基準の告示をし得るにいたりますのは大体いつごろになりますか。
○説明員(阿部新七君) 河川それから加害、被害、それぞれ非常にむずかしい問題がございまして、また先ほど申しました六水域でございますが、この六水域につきましても非常に異なった事情があるわけでございます。遠賀の問題につきましては炭塵でございますが、炭塵だけじゃなしに、炭塵から溶融しまして河川に入りますので、硫酸根が非常に問題だとということなんでございますが、これは純技術的にと申しますか、実験的には除去は可能でございますが、これを工業的にと申しますか、企業的に処理いたします場合には、非常に巨額の資金を要するという問題があるわけでございます。これと、被害を受けます農業なり、上水道の問題といったものとのバランスと申しますか、平衡をいかに考えるかということが問題でございますが、これは水質保全法の第一条の目的に、そういった産業の協和をうたっておるわけでございますので、いずれかの側に根本的にしわ寄せをするということはわれわれ考えておらないわけでございまして、両方の産業が立ち行くと申しますか、両方で一応御納得がいくと申しますか、がまんしていただく線のところに持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、技術的に可能であっても、経済的にあまりにも当該産業を圧迫するというような基準は、これは法の精神からはずれるのじゃないかと思います。企業的な面から見た処理技術の可能性の線を一応ベースにした基準を計算していかなければならぬというふうに考えておるのでございます。それは遠賀川の炭塵だけではなしに、石狩川の問題につきましても、石狩川の汚濁というのが二、三ございまして、これは化学廃水と下水がまじり合いまして、特殊の水生菌という菌を発生いたしまして農地に入り込む、ところが現実の処理技術では、この水生菌をなくすということは不可能ではないかというふうなことも言われておる段階でございまして、根本的にこれを解決することは非常にむずかしいような感じもいたすのでございます。ただ現実に農地に被害があるわけでございますので、その農地の被害をいかに最小限に食いとめるかこいうことで、現在学者の先生方に分析をお願いしておるのでございますが、炭塵が——化学廃水だけではなしに、いろいろな二、三の化学廃水がまじり合ってある廃水になる。それが都市下水と北海道の炭鉱廃水とまじり合って非常に複雑な様相を呈しているわけでございます。淀川につきましては、都市下水と染色廃水その他もまじり合って非常に複雑な問題があるのでございます。これら河川につきましては、われわれの現在の予定といたしましては、本年度内には基準の設定に至りたいというふうに考えておるのでございます。
○吉田法晴君 今あげられました予定で、本州あるいは水俣等のような顕著な産業災害が出ました水域なり、あるいは危険のあるものは、一応緊急に取り上げなければならぬものも包括されておるのでしょうか。それとも、こういう点については百二十一カ所のうち六カ所、これに続くものはどういうところですか。
○説明員(阿部新七君) そういう顕著な産業災害と申しますか、相当問題になったと思います河川は、百二十一の水域の中に取り上げられております。百二十一水域のうちまだ特に問題と申しますか、現実に非常に問題になっております水域については、すでにほとんどのものが着手済みでございます。
○吉田法晴君 先ほど遠賀川、石狩川その他について公害の原因を生ずるであろうと考えられる産業と、それから被害を受ける産業なり国民の利益の協和と申しますか、あるいは企業的に処理可能という方法を考えたいということですが、この辺に公害問題についての大きな問題があると思うのですが、私はこの法律なり、あるいは補償賠償の点からいって、日本の損害を全部通じて、これはまあ賠償の観点からいってですけれども、今の産業存立の可能性というものが第一になって、人間といいますか、あるいは被害を受ける国民の保護——これは権利意識に欠けるところもあろうし、あるいは裁判に持ち込み得る経済的な能力あるいは制度等があって、その点に非常に不備な点がある、不十分な点があると考えているのです。もう一つ因果関係を明らかにする云々ということですけれども、科学の点についても、それからあるいは法律的にも因果関係を論証するということが不十分だという感じを持っているのです。たとえば具体的に水俣の例をとってみても、あるいは本州の場合をとってみても、因果関係がはっきりさせられないで、いわば政治的な解決に終わっているのが過去の例であるし、あるいは今後もそういう危険性が多分にあるように思うのです。水質の問題について、今まで因果関係なら因果関係が、江戸川あるいは水俣等についてどの程度まで明らかになっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○説明員(阿部新七君) 具体的にどの程度までとは非常にむずかしいのでございますが、一応そういう工場なら工場が存在しなければ水は清かったわけでございますので、汚濁源としては確かに言えるわけでございます。現在われわれの考え方といたしましては、農業なら農業、上水道なら上水道の希望いたします数値を——一応計算の場合にはその数値を根拠と申しますか、基本にいたしまして、その数値を満足いたすためには、その汚水を出します工場のほうの汚水をどの辺まで高めたらよろしいかという規制の数値をはじくという考え方でやっておるわけでございます。ただ工場が複数的になりますと、先ほど申し上げましたようにどちら側の化学工業の汚水がよりウエートが高いかという問題になりまして、非常にむずかしい問題でございますので、その辺の分析を急いでおるのが現段階でございます。
○吉田法晴君 水質保全なり、あるいは規制の基準をこしらえて規制をするあるいは保全をする、こういうことですが、被害があった——被害の帰責原因としてどういうものがあったという追及の仕方でなしに、この程度ならば影響はないであろうという一般的な基準の設定をして、それから規制をする、あるいは保全をする、こういうようなやり方のようですが、このやり方についてはやはり多少問題があるのじゃないかという気がするのですが、技術院長、来ていただいたようですから、途中ですけれどもちょっと所見を承りたいのですが。
○政府委員(藤崎辰夫君) 非常にむずかしい問題でございまして、今までそういう測定をやりましたこともございませんし、今度水質保全法が出ることになりまして初めて測定を始めたような次第でございまして、従来と比べましてどうというようなことを申し上げる一つもデータがございませんので、その点はっきりした御説明を申し上げかねると思っております。
○吉田法晴君 はっきり申し上げられないというですが、これは実は工業技術院の、工業技術協議会の産業廃水処理技術部会とそれから経済企画庁の水質保全なりあるいは水質調査、あるいは通産省の工業用水の規制と、どういう関係がありますかということで質問を始めたのですけれども、それはあとで伺うのですけれども、大体今の制度、法律の建前とそれから調査、それから指定というのですか、告示の段階まで伺ったのですけれども、基準を作るについて双方の産業の協和、あるいは企業的に処理可能な限度というものが大幅に出たわけでございます。そこでこの技術的にといいますか、科学的にといいますか、因果関係を明らかにするということも一つの問題、それから今の産業の協和といいますか、加害と被害との両方とも存立するように——これは公害問題のときの中心的な問題だと実は思うのですけれども、日本の場合に、諸外国に比べて因果関係の究明というか、これが実は不十分ではないか。それから被害の完全な補償といいますか。あるいは賠償ということを考えないで、存立可能な程度においてということで規制が中途半端に——私のこれは解釈ですけれども、中途半端に終わるという危険が過去においてもあったし、企業存立可能の限度において基準を設けるということになれば、被害をあるいは公害を全くなくするということは困難ではないか、こういう感じを持つのです。因果関係の究明の問題についてあるいは科学的な解明の問題について、あるいは企業の存立可能ということがあるために、因果関係の究明についても、あるいはその結果ですけれども、公害の完全なる防止ということには至らない危険があるのじゃないか。こういう点について、これは制度の説明でなくて技術院長としてどういう工合にお考えになりますか、おそれ入りますけれども、もう一ぺんお尋ねしたい。
○政府委員(藤崎辰夫君) 私どもが今、産業廃水を考えますときには、一番被害を大きく与えておりますものから取り上げて実は考えております。そのうちで一番大きいものは亜硫酸パルプ廃液のほうをまず第一に解決しなければならないという考え方でございます。亜硫酸パルプ廃液は大体年間百万トンくらいの有機物を含んだものが出て参ります。これが一番大きいものでございますので、それを第一に解決する方法を今研究いたしておるのでございます。その次になりまして、セミケミカル・パルプというものになりますと非常に薄くなりまして、これは普通の処理法でいたしますと、経済的にも非常にむずかしい問題になりますので、そのあたりがだんだん大きな問題点になってくるのじゃないかと思います。亜硫酸パルプ廃液の場合には濃縮いたしまして、全部燃料にして使うというようなことになりますので、大体被害の大部分を防止できるような解決法ができるかと思いますけれども、非常に薄いものになりますと、これを全部とるということは困難になって参りますので、そのあたりに非常に問題点がございます。したがいまして、できるだけ最近はなるべく処理しにくいような廃水を出さないような方法に切りかわりつつあるというのも一つの傾向でございまして、そのあたりが先ほど御質問のように、そこを非常に厳格に申しますと、方法として産業が成り立たなくなるということがあるかもしれない、そういうふうに考えております。廃水と申しましてもいろいろございますので、その次に亜硫酸パイプ廃液が一番ひどうございまして、その次に化学工業の廃水——いろいろ重油でございますとか、あるいは硫酸でございますとか、あるいは染料廃水とか、非常にたくさんの種類がございます。それが次でございます。それから炭鉱の廃水、あるいはその次に農林水産関係になりますと、澱粉廃液というようなものが出て参ります。そのそれぞれによりまして限度がございますが、私どもは現在一番、先ほど申し上げました亜硫酸パルプ廃水を中心にいたしまして、化学工業の、たとえば染料廃水、あるいはセミケミカル・パルプの処理の仕方であるとか、あるいは炭鉱の廃水でございますとか、あるいは澱粉廃液、そういうような順序で今解決をはかろうと思いまして、研究を続けているわけでございまして、研究の途中でございまして、それがどこまで解決し得るかというのは、特に薄いものにつきましては非常に問題があると考えております。
○吉田法晴君 そうすると、亜硫酸パルプ廃液については一番問題だ、百万トン程度出ているものを防止をしたいということですが、水俣の場合には水銀云々ですか——亜硫酸パルプ廃液については、現在流出源がどこにあるかわかっておるところですが、逐次装置といいますか、あるいは操作というのですか、工場の亜硫酸パルプ廃液が出ないように転換をされつつあるという、こういうお話でした。被害を出さないように、いつごろになったら全部出ないようになるのか、もう少し具体的にその現状とそれからお見込みをお伺いしたい。
○政府委員(藤崎辰夫君) 私どもの研究のほうから申しますと、一応中間試験が終わりまして、三十七年度は、私どものほうの今までの技術とそれから荏原製作所が一緒になりまして、そうして装置を製作いたしまして、実際に使えるように装置の試作を三十七年度中にすることになっております。順調に参りますと、本年あるいは来年中にこの研究が完了するかと思っておりますが、問題は、なかなか廃液というものは簡単でございませんで、使います木材の原料によりましていろいろ性質が変わって参りましてそのために実は三十三年から始めました研究でございましたけれども、相当長期間かかっておりまして、大きくしましたときもまた、そういう問題が出てくるかもしれないと思います。私どもの研究は一応そういうことでございますが、民間では亜硫酸パルプ廃液からソーダ法に切りかわりつつあるのでございます。大体装置が一応可能なところでは、これを転換しようとして廃液の出ないほうの、SP法からかわりましてソーダ法に切りかわりつつあるのでございます。そちらのほうに参りますと、これは非常に濃い廃液が出ますので、これをちょっと煮つめますと、これを燃料として回収することができるものですから、そういう方向に転換をしようといたしております。それからスエーデンあたりの方法を購入いたしまして、現にこれは日本パルプだったと思いますが、購入いたしまして、その設備を使いまして処理をしているところがございますので、一番今まで被害の大きかった亜硫酸パルプの廃液につきましては、全部そういうことで解決をはかれると思っております。 私どもの研究に関する限りは方法が違いまして、まだことしが試作の時期でございますから、本年あるいは来年ということになるのじゃないかと、こういうふうに予想いたしておるわけであります。
○吉田法晴君 工業技術院の中間試験、それから試作による実用化、これは三十七年度に——それからソーダ法への切りかえは、民間の研究とそれから創意によるというのですか、そういう中間試験なり、それから民間の研究創意による機械購入あるいは装置の切りかえについては、助成の方法は講ぜられておるのでしょうか。これは通産省に関係があるのじゃないかと思いますが。
○政府委員(藤崎辰夫君) ことしは研究室から装置の段階になりましたので、初めて民間と共同研究ということにいたしまして、私どものほうは、今まで研究しましたやり方を持っていきまして、荏原製作所のほうでは製作上の特技を生かしまして、共同いたしまして、はっきり覚えておりませんが、大体四千万だと思いますが、両方二千万ずつの予算と記憶いたします。それで解決する。できるだけ私どものほうだけでございませんで、民間のそういう機械製作上の特長を結びつけまして、そうして解決するというようなことでことしは進んでおります。 それからなお、廃水関係につきましては、工業技術院の助成金といたしまして、昭和三十二年度から三十六年度まで、廃水処理につきましては、補助金を重点的に一千五百万円から二千万円程度、十九件、六千九百万円程度の補助金を今まで出しておるわけであります。それぞれの問題解決の補助金を交付して参っております。
○吉田法晴君 一千五百万円ないし二千万円というのは一件でしょう。総額が六千九百万円ですか。
○政府委員(藤崎辰夫君) そうでございます。
○吉田法晴君 それで装置といいますか、設備の切りかえに十分であるとは考えられないのですが、その助成なり補助のほかに、研究自体は別です。機械設備の切りかえについて融資その他の方法はないのですか。今六千九百万円という補助の総額をお話しになりましたが。
○説明員(藤岡大信君) そういう融資とかいうことになりますと、これは工業技術院の所管ではございませんで、中小企業に対するものにつきましては、無利子の貸付制度がございまして、御承知のとおり中小企業振興資金助成法によりまして近代化施設に対して貸し付けをする。その貸し付けた額の半分を国が補助する。貸し付けたものについては、これは一般の近代化資金につきましては五年の償還でございます。一年据え置、四年の償還でございますが、汚水の処理施設につきましては、一年据え置、六年間、合計七年間で償還をする。無利子で償還をいたしますので、償還期限につきましては、一年間の償還につきましてはちょうど半分ずつ、半分になるわけでございますが、そういう優遇措置を講じてやらしております。それから融資の点でございますが、これは今申しましたように、半分だけしか助成をいたしませんので、その残りの半分につきましては、中小企業金融公庫なり、あるいは商工中金等につきまして、通産省から通達を出すように御依頼をいたしまして、おのおのの総裁等から下部機構に通達を出して、これについては優先的に融資をしてくれということになっておりまして、現に融資はされております。それから中小企業については、そういう手厚い保護のためのいろいろな助成をいたしておりますが、大企業につきましてはそこまでの助成については実は考えておりませんで、開発銀行の融資のみにたよっておるという状態でございます。開発銀行の汚水処理施設を作る際の融資としては、われわれは年間五億程度を一応ワクとして考えてもらいたいという要求を出してございますが、企業のほうの申し出等との関係、あるいは企業が、全体の資金ワク等と汚水処理施設等を切り離してということになりますと、相当企業としても問題がございまして、全体の新しい施設を作る際の資金の中に入れて考えるということがございますので、汚水処理施設にだけやるという意味になりますと、非常に数が少なくなって、限られて参ります。古い工場で新しく処理施設を作るというような場合だけに限られて参りますので、現在の実績としては二、三にとどまっております。融資のあっせん及び施設の助成については大体以上のようでございます。
○吉田法晴君 まあ、害になる亜硫酸パルプ廃液にしても、あるいは水銀にしても——沃化銀ですか、あるいは重油その他にしても出さないようにするには、助成なり融資の道を講じていかなければ事実上困難だという意味で、十分な助成あるいは融資もなさればいいんですが、現状は承りました。もう一ぺん返りますけれども、この因果関係については、相当問題になりました江戸川水系の本州製紙あるいは水俣等については、因果関係は明らかになっているんでしょうか。因果関係を究明し云々という話が経済企画庁からございましたけれども、いかがでしょうか。
○説明員(阿部新七君) 江戸川水系の本州製紙につきましては、これは漁業のうちでも特に淡水魚的な性格のアユの稚魚が江戸川に遡行できるという点に着目いたしまして検討いたしましたので、おおむねこれは因果関係がつくということで結論が出たのであります。それから水俣につきましては、これははっきりした因果関係の結論は出ておらない状況でございます。
○吉田法晴君 どうも問題を取り上げて国の機関が調査をしても、なかなか因果関係が断定的に明らかにならない、あるいはしようとしない傾向があるんじゃないか。それは、その企業の存立可能の程度という点が非常に私は障害になっているような気がするのですが、産業廃水処理技術部会ですか、その他で検討されているところではいかがでしょうか。
○政府委員(藤崎辰夫君) 私どもの分担は、工場の出口で廃水の濃度が幾らかという測定をすることになっておりまして、河川に入りましていわゆる不特定多数の汚物が流れて混入して参りました場合につきましては、私ども検討を全然いたしておりません。その点につきましては全然知識がございません。私どもは工場からの出口のところのものを分析するということになっております。一応BODでございますとか、生物の住める可能性の限度というものを考えまして、この程度まであるいは廃水をきれいにしようというようなことを目標に置きながら、実は研究をいたしておりますけれども、これを大きくいたします場合にはやはり経済的な限度がございます。たとえば非常にたくさんの沈澱剤を使いますと非常にきれいになりますけれども、それではたいへん価額が高くなりまして、有機凝固剤というようなものを多量に使いますとそれは非常にきれいになりますが、そういうことは実際上不可能でございます。おのずから限度がございます。そうしますとやはり可能な限度というものを考えながら、そういう技術を考えて行くということになるわけでございます。
○吉田法晴君 そうしますと、因果関係を明らかにするのはどこですか。たとえば人間については厚生省、それから魚その他については農林省、こういうことになるのですか。
○説明員(阿部新七君) 今の御質問のように、現在の研究の進め方は、おっしゃいますように水産の被害でございますと農林省の水産研究所のほうでいろいろ具体的な事例について御検討する点が多いわけでございます。
○吉田法晴君 そうすると、調査方法の中に因果関係も明らかにするということで、それは水質保全課長さんですかからお話がございましたが、あなたのほうの調査方法での因果関係というのはどういう範囲ですか。
○説明員(永井陽君) 水質審議会の答申によりまして調査方法を決定したわけでございますが、企画庁が保全法によって水を調査する、その目的は汚濁源から出る水が、被害をこうむる利用点に対して、どのような変化をしていって、どのようになるという因果関係を究明するのが大きな目的でございます。たとえば工場の出口では一〇〇よごれた水が、河口部では薄められまして五なら五になる。五になるためにはそのときの川の流量が何トンぐらいのときには五になるし、渇水期には五でなくて八になると、そういうようなつかみ方をいたします。それで、そこの河口部をアユならアユが上って来るためには五でいいのか、七でいいのか、あるいは三まで下げるのかという、漁業に与えるぎりぎりの限度はどこかということは、御専門の水産庁なら水産庁の研究成果を私どもが見せていただきまして、それでもしそれが五が必要であるということになりますと、それでは五にするためには一〇〇の工場を八〇にしてもらうというように考えております。こういう意味の因果関係でございます。
○吉田法晴君 そうしますと、結局工場の出口から河口なら河口の被害の対象ですね、想像される被害対象あるいは利用点といいますか、その利用点の範囲、その因果関係あるいはその変化、そうして工場なら工場の出口でどういう工合に規制するかという程度にとどまっている。その工場の出口が一〇〇が八〇になることが望ましいという案が出ても、一〇〇を八〇にするためにはどうしてもらいたい、こういういわば工場の出口と利用点に至る因果関係からさかのぼる範囲内で、しかも、それが企業の存立の限度において予防線を押さえる、こう考えてよろしいですね。
○説明員(永井陽君) そういうことです。
○吉田法晴君 問題が明らかになっただけで、欠点は——危険性のあるものについて、人間の——まあ魚にしても人間が食うから問題になるわけですけれども、その人間の安全のために因果関係を全的に究明をして、その原因を除かなければならないのが、公害についての科学の使命であろうし、あるいは制度の使命だと思いますが、批評はまあこの際差しひかえて、現状だけ伺いたいと思います。 それで最初の問題に返りますけれども、工場排水について、あるいは河川、海域の水質の保全について、どういう手順で調査がされ、あるいは指定がされ、あるいは基準が設定され、告示がされるかということは、最初に承ったのですが、工業技術院のやっておられます汚濁水についての、あるいは産業廃水についての研究調査と、それから今の工場排水あるいは水質保全についての現状といいますか、保全規制の関係はどういうことになるのでしょうか。あるいはまた、お話の中に出て参りました国の研究機関、工業技術院を含めて、それと、民間の研究あるいは試作というものの総合調整をどういう工合になされておるのか。前半は工業技術院、後半はあるいは経済企画庁の調整局か計画局かになるのだと思うのですが、両方から承りたい。
○説明員(阿部新七君) 前半の調整の問題につきましては、先ほど申し上げましたような各省連絡会議におきまして、いろいろな各省間の問題点の情報の交換をやっておるわけでございますが、基準の設定につきましては、ただいま申しましたように技術的に可能であるというだけでなく、経済的にも可能だということでないと実際上不可能でございますので、ある場合には現時点でもって、現在の技術でもってやるだけやるのだということで私ども参りたい。一方工業技術院や科学技術庁のほうでいろいろ試験研究をされておりますので、その面の技術が進歩いたしまして、さらに処理技術が進んだという場合には、要望されますような水質基準にさらに近づく基準の改訂まで持っていきたいというふうに考えておるわけであります。それから、全般的にそういう技術的な面の調整その他については、科学技術庁のほうにいろいろお願いいたしまして、国の試験研究機関がおやりになる場合のテーマの選び方、その他につきましても、いろいろまあ御援助をいただいておるわけであります。
○吉田法晴君 この最後の、国の研究機関あるいは工業技術院等での技術的な開発といいますか、あるいは水質保全も含めた研究調査と民間の研究調査との総合はどこでやられておるのか。工業技術院ですか。経済企画庁ですか。
○説明員(阿部新七君) 建前は、その点につきましては科学技術庁がおやりになることになっております。
○吉田法晴君 工業技術協議会の産業廃水処理技術部会というのは、これは工業技術院の中のようですが、これと今の公共用水域なりあるいは海域なりの水質保全との関係はどういうことになるのですか。
○政府委員(藤崎辰夫君) 今の廃水部会と申しますのは、工業技術院の中に工業技術協議会という付属機関がございまして、その中に重要な問題別にいろいろ部会を作ります。それで工業技術院といたしましては、産業廃水の問題を重要な問題として取り上げておりますので、特に廃水部会を作りまして、そこでいろいろ問題点を調査いたします。そしてその調査に基づきましたものをまとめまして工業技術協議会に報告書を出したわけでございます。私どものところは、現在そこに出ておりますパルプ廃液の問題を三十二年度から始めまして本年まで継続をしているわけでございますが、そのほかに三十七年度といたしましては染料廃水処理に関する研究。それから澱粉工業廃水に関する——これは主として北海道でございますが、北海道でバレイショから澱粉を作る場合の廃水でございます。その廃水処理に関する研究。それから工場排水の試験法、これは試験法がなかなか厄介でございまして、この試験法を、全体に、特に地方の公設の研究機関あたりでどういう試験法が適切であるかということを確立いたしまして、その試験法を流すことになっております。あるいは技術者を集めまして訓練をすることになっております、そういう関係。それから今度は非常に薄いほうの亜硫酸パルプ廃液の濃縮に関する研究。それから酸性廃液、これは硫酸でございますが、酸性廃液処理に関する研究。それから微生物による有機廃水、たとえばアルコール発酵とかあるいは羊毛を洗浄いたしましたときの廃水でありますとかいうようなもの。それから炭鉱廃水。こういうようなものを並べて、最も被害の大きいものから順次取り上げて研究を進めております。先ほども申し上げましたように、本年も廃水関係の助成金の申請がございましたら重点的に取り上げていきたい、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 基準に関係をして、工業技術院なりあるいは科学技術庁なり、民間の研究を含めて技術開発がなされますが、それは基準の変更なりなんなりに——基準の設定変更に関係があるだろうということですが、たとえば汚濁水に関連して、パルプ廃水の処理技術について調査研究がなされ、回収装置あるいは沈澱池方式その他いろいろ調査がなされているようですが、そういう方法は、これは工場の生産方法あるいは施設に関連をする問題だと思うのですが、これらの点はどこを通って反映をするのですか。結局、まあしまいには工場で、先ほど中小企業あるいは大企業、多少方法が違いますけれども、その設備の改善に結果としてはなるのだろうと思うのです。これらの調査基準に関連しては、先ほどお話を承りましたが、設備、施設についての開発は、どういう順序を経て工場の装置の変更になるのですか。
○説明員(藤岡大信君) 基本的な研究等につきましては、工業技術院で御指導をいただいて、会社あるいはメーカーと共同して研究し、その具体的な装置について開発をしていただくということになりますが、今度会社の生産施設の一環といたしまして、その設備をフルに使って会社の生産から出てくる廃水全部を処理するというような規模になって参りますと、これは設備資金という関連になりますので、まあ中小企業につきましては中小企業庁がお世話をいたしますが、大企業につきましては、企業局のわれわれのほうで設備資金のあっせんという形でやって参っておる次第でございます。
○吉田法晴君 これは、産業公害についての汚濁水の研究は、工業技術院あるいは民間の研究等があり、それを工業技術院なりあるいは経済企画庁で総合されておるということですが、別の産業公害といいますか、大気汚染——大気汚染も放射能関係は原子力局関係でやっているのかもしれませんが、取り上げられておる。あるいはこの「工業技術」に「煤煙あるいは有毒ガス等は通産省内にある産業公害研究機関が中心になる」、こう書いてある。そうすると同じ産業公害についても、対象の違いによって、工業技術院あるいは科学技術庁、それから煤煙その他については通産省云々というように行政部門も別。これは放射能になると原子力委員会云々ということになると思うのですが、それらを相連関させ、一部門における発達が他の部門における発達にも資せられる、この交流あるいは総合というものは、どこかでやられなければならぬでしょうが、それは今はどこでやられているのですか。
○説明員(藤岡大信君) 先ほど先生がおっしゃいました放射能だけは、実は全然別に考えるといいますか、非常に専門的にわたりますので、廃水についても、大気汚染についても全然別に考えるという考え方でございます。これは私の所管ではございませんが、通産省で現在、大気汚染のほうの煤煙につきましては、今国会に法案を提出をいたしまして、現在審議をいただいておるわけでございますが、そういう煤煙の問題及び工業廃水の問題、これにつきましては、通産省といたしましては、先生のおっしゃるように、一つの産業公害という面で取り上げる必要があるのではないかという議論がございまして、われわれのほうの立地政策課に公害班という班を設けて、現在準備をいたしておりますが、あるいは近い将来にわれわれのほうの課の廃水の班と、その煤煙の班とを——煤煙を今やっております公害班とを一緒にして一つの課を作って、産業公害課なり何なりの一貫した一つの産業公害という面で見ていく課を作る必要があるのじゃないかというふうにいわれております。まだこれは、具体的に省内で議論されたわけではございませんが、相当そういう方向に動いてきつつあるということは申し上げてもいいのじゃないかというふうに考えております。
○吉田法晴君 騒音はどこでやっておるわけですか。
○説明員(藤岡大信君) 私の聞いておるところでは、厚生省でおやりになっておるようでありますが、騒音につきましても、それほどまだ研究といいますか、具体的な政策あるいは法律等の規制というようなことについて、具体的なところまでいっておるというふうにはわれわれ聞いておりませんが、研究をしておられるということはわれわれ仄聞いたしております。
○吉田法晴君 騒音についてははなはだしいところに指定をして、条例でもって規制をするというふうなのが現段階のようです。また、騒音問題については、法律はたしかそのうちにできるのかもしれませんが、全体について研究をし、そうしてその規制をどうするかということは、法なりあるいは制度としてもこれからのような感じがするのです。ここではこまかく汚濁水なり水の問題を追及する時間はございませんから、防災科学全体についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、基礎研究とそれから応用研究といいますか、あるいは防災科学の応用部面とは、担当が分かれている。基礎研究、それから応用研究、これらを含んで、この災害についても自然災害を一応ここで除いて、これは別の機会にしても、産業災害その他について考えてみても、それを総合的に推進をするためにいろんな改善が必要だと思うのですが、きょう来ていただいているのは、工業技術院なりあるいは経済企画庁、科学技術庁等でございますが、基礎研究と、それから応用研究あるいは制度化に至ります研究等の総合について、工業技術院長なりあるいは科学技術庁等の御所見を承りたいのですが。
○政府委員(前田陽吉君) 研究の面でございまするが、ただいまいろいろお話のございました大気汚染あるいは水質汚濁、騒音、こういう問題に関しまして、研究の面につきましては、基礎的研究あるいは共通的研究といいますか、そういう段階のものは、科学技術庁において所管する、その他の問題につきましては、それぞれの、通産省でございまするとか厚生省あるいは建設省あるいは気象庁でありますとか労働省でございますとか、それぞれの所掌事務を担当しておられます省で担当することになっておりまして、その間の調整を科学技術庁のほうで行なうということでございます。なお目下御審議いただいておりまする科学技術庁設置法の改正案におきましても研究調整をより活発に行ないますために研究調整局というものを設けるという考えでございまするが、その考え方は今御指摘のございましたような産業災害、環境科学というようなものに私どもは言っておりますけれども、環境科学技術の問題をより強力に研究の面で調整をしていこうという考え方がそういう機構改革の御審議をお願いしておる、こういうことにつながっておるわけであります。なお研究調整を十分に各省の方と共同してやるということでございまして、その他に研究の結果の普及と申しますか、制度化につきましては、それぞれの所管されておりまする各省を通じてお願いをする、こういうふうな運びになっておるわけでございます。
○吉田法晴君 産業災害といいますか、あるいはこれに対する環境科学というようなお話ですが、一応私どもが考えますのに、大気汚染、それから汚濁水処理、それから騒音、地盤沈下、それから鉱害——これは石炭、金属山からの鉱害、それから放射能対策、大体以上じゃないかと思いますが、それが厚生省、通産省、経済企画庁、通産省の企業局その他、それから下水のことは建設省、それから騒音は厚生省、地盤沈下は通産省と建設省、経済企画庁、科学技術庁、それから炭鉱、鉱山の鉱害は通産省の石炭局、鉱山保安局、建設省の河川局、放射線障害については科学技術庁の原子力局なりあるいは原子力委員会、それから厚生省の公衆衛生局、こういう工合に一つ一つについて分かれている。その総合調整は科学技術庁でおやりになる、こういうことですが、もう一つの問題は基礎研究との関係、それからいわば学界との関係、学界と所管の各官庁、それから民間の研究との総合調整ということが問題になるわけですが、それぞれの、たとえば水なら水の水質保全課なり水質調査課の、これは調整局ですから、経済企画庁と通産省あるいは厚生省、建設省との総合調整をやればいいということになると思いますが、それと民間の研究機関あるいは研究、それから大学その他の基礎研究あるいは応用研究との総合調整はという工合にされておるのですか、総合的にもう少し——経済企画庁を省にすべきだという議論もある、これは行政の組織として。それから学術研究との関係について言うと、私はこの宇宙開発の問題に関連をして、ロケットを飛ばせるときにサルを乗せる、乗せぬということで原地で議論になって、結局サルは乗せなかった。こういうことになっておりますが、行政庁と学界との間には原則の問題に関連をし——平和利用云々という点もありますし、それから自主性云々という点もございましょう。関連をして若干の対立があった。宇宙開発に関連をしてということは、これは否定するわけに参らぬと思うのですが、そういう問題を含めて大きな総合機関というのですか、学術会議を含んで行政委員会的なものかどうかは別問題として、研究機関といいますか、あるいは調整機関といいますか、そういうものが必要ではないかという感じがするのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(藤崎辰夫君) 先ほど申し上げるべきことだったと思いますけれども、基礎的研究と応用というお話でございましたが、少なくとも大気汚染とかあるいは産業廃水というふうな面に関しましては、むしろ応用研究でございまして、実用の研究でございます。私どもが基礎研究と申しますのは非常に学理的な、学問のための学問、理論のための学問研究というものを基礎研究と申しておりまして、先ほど問題になっておりますような産業廃水とかあるいは大気汚染という問題は一つの応用問題でございます。応用問題として解決する問題でございます。私どもの立場から申しますと、たとえば工場から出てくる廃水問題というものは装置自体によって解決するように考えております。それから大気汚染につきましても、燃焼装置から考えていく、つまりその装置に関連して研究を進めていく。同時に、私どものところでは大気汚染もやっておりますけれども、なるべく簡単な電気集塵機を作るということが解決の一つの方法になっておりまして、そういう方向に今力を集中しているわけであります。もう一つ、今主として石炭の燃焼につきまして、なるべく煙の出ないような燃焼のさせ方、そういう方向に行かなくちゃならないということで、そういう方面の実は研究をいたしておるわけであります。これが問題になっております限り、それは石炭設備と密着しておりますので、その問題と合わせて解決するように努力すべきであろう、こういうふうに私どもは考えております。なお、地方の公設機関につきましては、たとえば産業廃水の問題、大気汚染、汚染度の測定方法の問題というようなものを——私ともの中には実は公設試験機関連絡技術協議会というのがございまして、その中でも、たとえば化学部会は分析法の研究を地方の公設機関に流して、あるいは大気汚染に関しましても、地方の公設機関の人も入りまして、部会を持ちまして、そこで調査し、研究方針を連絡し、きめてやっているわけでありまして、今の問題に関する限り私どもは生産設備と結びついて解決していこうということで、私どものところで、そういう問題を取り上げていかなくちゃいけない、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 生産設備に関連をして考えるし、基礎研究でなくて応用研究といいますか、あるいは実用研究の範囲内だし、地方においても連絡協議会を作っているから問題はない、こういうお話ですが、基礎研究と、あるいは応用研究、実用研究というのが、そういう工合に截然と分けられない部分もあるのじゃないですか。たとえば大気汚染の放射能の問題、それからあるいは工業用水の問題、水域の汚染の問題、あるいは水俣の場合、あるいは江戸川の本州製紙の問題についても、これは工場から出てくるのを規制する云々ということになり、そこからさかのぼって一〇〇が八〇になる程度において、しかもそれが存立可能な程度において云々ということになりますと、限定がありますから問題になると思いますけれども、それを限定しないで原因を最後までさかのぼって、因果関係といいますか、法律的な因果関係の前に自然的な、あるいは科学的な因果関係を究明する。こういうことになると、応用研究だから設備の改善に関連をするから云々ということに限定ができない面があるのじゃないかと私は考えるのです、あるいはたとえば放射能の問題等になりますとですね。ですから、お話のように、基礎研究と実用研究あるいは応用研究と一応分けられるかもしれませんが、分けられない面もある。応用研究からさかのぼって基礎研究まで突っ込んでいかなければならぬ面が出てくるのじゃないか。そう考えて参りますと、これは宇宙開発のときに問題になったけれども、地方での連絡協議会その他でなくて、今一応産業公害なり何なり問題にするにしても、その総合——基礎研究といいますか、あるいは応用研究にしても、学者といいますかあるいは大学なり、いわば行政機関でない学者あるいは科学者、それと、行政機関あるいは民間の研究、これを分けて、大学なりは基礎研究をやる。それから役所なり民間は応用研究だけをやるのだ。あるいは設備改善に資するだけの研究部門を担当するのだ。こういうふうに分けてしまえば別問題。分けられない部面もあるとすると、それらの総合についてなお一段の工夫なり制度が考えられなければならぬのじゃないかという疑問に関しては、いや現状でいいのだということなんでしょうか。なお改善なり考えなければならぬ点があるのじゃないか、重ねてお伺いいたします。
○政府委員(藤崎辰夫君) 私が先ほど、これは実用研究でありますと申し上げましたのは一般論を申し上げましたので、少し誤解をされたかもしれませんが、私どもが基礎研究と申しますものは、一般に学問のための、あるいは真理のための研究というようなことで、基礎研究というものは、実はそういう目的を持たない、実用の目的を持たないものを基礎研究と私どもは言っております。それから応用研究、つまり目的を持ちましたものを応用研究という名前をつけておりまして、したがいまして、やり方、手段とかあるいは考え方というようなものは、もう最近におきましては、基礎研究でも応用研究でもその手段あるいは考え方、手法というものはほとんど区別できないような形にまで両方が入りまじっておりますけれども、明らかに一方は目的を持ったものと、それから学問のための研究というものと、こういうふうに二つに分けております。そういうふうな分類の仕方をちょっと申し上げましたが、この場合は明らかに目的を持ちました、しかもなお、もっと現実的な問題でございます。私どもが応用研究として取り上げる問題の中には、たとえば現在ありませんけれども、こういう性質を持った繊維を合成してみようとかということでございまして、それも応用研究の分類に入るべきものでございます。ところが、今のは工場廃水が出ないようにする、こういう有機物が出ないようにする、明らかにはっきりした目的がございまして、しかもそういう繊維関係、たとえばパルプ関係をやっていましたものからいたしますと、一つの現実の知識となっているようなものでございます。そういう人が取り扱って研究解決をはかっていくというような意味で、私どもの研究所にいるものが取り上げてやりますのが一番適切でありますし、なお、通産省はそういう工場を直接監督しておりますので、そういうところとの連絡、結びつきというものから申し上げまして、一番やる立場がいいであろうということを申し上げたわけでありまして、全体の結びつき、連絡の問題はまた別になると私は思っております。たとえば私のところは、現在地方の公設機関とそういう連絡協議会を作りまして、部会においては四つの部会、全体の部会では総合部会で一つというような、連絡をとってやっておりますけれども、必ずしもそれが十分でありません。そういう点は、今後もう少し検討する必要があるというふうには考えております。
○吉田法晴君 こまかく一つ一つについて、大気汚染あるいは廃水の処理あるいは騒音の防止あるいは地盤の沈下あるいは鉱害対策、放射線障害について、国の研究機関あるいは民間の研究機関あるいは大学その他の研究部門といいますか、そういうものを具体的にお伺いをする時間がございませんから、その点は工業技術院あるいは科学技術庁で御協力をいただいて、各関係の研究機関をあとであげていただきたいと思うのですが、お願いをしておきます。 その総合調整に一段の工夫を必要とするのじゃないかということをお尋ねをしたのですけれども、あまり回答はございませんでしたが、防災科学の問題について国際的な協力の現状、気象その他については別に伺いましたが、主として今問題にしておりますのは、産業公害の関係ですから、この産業公害に関連をしてもいいし、もっと広がってもいいのですが、防災科学に関連をする国際協力の現状と、それから何といいますか、こういう点についてはなおこういう改善の意図がある、あるいは情報交換、あるいは国際シンポジウムの開催等について現状と御希望を承ることができれば幸いです。これは工業技術院もでしょうし、あるいは科学技術庁の関係もあろうかと思いますが。
○政府委員(藤崎辰夫君) 防災工学と申しますか、そういうまとまった研究を私どもはまだ取り上げる段階には至っておりません、ごく問題ごとにしか取り上げておりません。たとえば火薬の取り扱い方が最近量がふえましたので、どの程度までの量をどういうふうな取り扱い方でやりましたら安全か、あるいはどの程度の火薬が破裂したときにどの程度のところまで被害がいくかというような、そういう研究でありますとか、それから高圧ボンベの安全性に関する研究でありますとか、あるいは液体青酸を取り扱いますとこれも爆発いたします。こういうものをどういうふうに取り扱えば安全であるかというような具体的な問題が散発的に通産省で起こりますので、そういう問題を取り上げて、私どもは一応協力してやってはおります。が、全体のそういうまとまった学問としては日本でもまだそういう学問として講座もない、あるいは横浜大学にできたかもしれません。その程度でございまして、むしろ形の上からいいますと、労働省の安全研究所あたりのところが具体的にそういう問題を取り上げているんではないかと思います。私どものところは、生産設備に関連しましてそういう災害の起こります部分を問題ごとに解決するという行き方で取り上げて参っております。
○吉田法晴君 火薬の話が出ましたが、その他の点についても国際的な協力の具体的な態容、これもできればあとでいただきたいと思います。 労働省の安全研究所というような話がありましたが、これは産業災害の中の災害だと思うのです。いわば従業員の産業の中での、工場の中での災害、その防止のための研究というのが中心になっていて、これも産業災害に間違いありませんが、主として今問題にしているのは、産業が外に対して与えている災害が中心ですから、労働省の安全研究所も参考にはなるでしょう、原因が同じであれば。しかし、それがそれだけで産業災害全部にわたるというのはなかなかだと思うのです。火薬以外の分について国際協力といいますか、あるいは情報の交換その他があれば、おそれ入りますけれども、あとで具体的にいただきたいと思います。 前の質問の中で御答弁がございませんでしたが、応用研究、実用研究云々ということですけれども、学界とのあれは御答弁がございませんでしたけれども、国立の試験研究機関についても各省あるいは各項目別というか、水あるいは水も公共用水と工場排水とは所管が一応別になっている。あるいは煤煙だとか騒音だとか、あるいは下水は厚生省云々ということですが、そういう国立研究機関の連絡統一について、各項目別に、あるいは法律ごとにと、こういうことになりますから、横の連絡というものはあまり研究の点で、科学の開発の点で十分であるとは考えられませんが、建前は科学技術庁で調整する。こういうことになっておりますが、研究それ自身についての交流といいますか、あるいはそれによって科学の発展の促進になる要素があると思うのです。調整の仕方について、あるいはそれぞれの研究の開発の促進について問題点はないわけではなかろうと思うわけですが、重ねてもう少し具体的にお答えいただきたい。
○政府委員(前田陽吉君) 交流の問題でございますけれども、各省ごとの交流につきまして私あまり詳しく調査したとともございませんし、それほど交流が行なわれているようには今のところちょっと聞いておりませんが、なおよく調査いたしましてお答えいたします。 それから、いろいろ各省間の研究を促進するための問題点でございますが、やはり科学技術庁が発足いたしますまでは各省が話し合いをする場が非常に少のうございました。それを非常に微力ではございましたけれども、努めて参ったわけであります、各省相互の話し合いの場を。やはり相互の話し合いの場によりまして、いろいろ問題点を引き出しまして、その問題ごとにまたお互いの調整を進めていくという方法が一番効果があるのではないかというふうに考えておる次第であります。したがいまして、先ほど申し上げました研究調整局の機構改革につきましても御審議をいただいておるわけでございますが、この研究調整局等におきましては、ただいまの公害の問題の研究調整につきまして、なお一そうよく連絡調整をはかるという方向で進んで参りたいという考えでございます。
○吉田法晴君 たとえば通産省で、工業立地関係で公害班を作るという案があるというお話、それから工業技術院で工業災害科学ですか——そういうようなお話がございましたが、その防災科学なら防災科学について総合的な学問というものもいわばないような感じがする、機関についてもですけれども。たとえば汚濁水に関連する科学あるいは因果関係を究明するという部面もあるし、あるいは研究も進みつつある。ところが下水は下水、煤煙は煤煙、それから鉱害は鉱害という工合に、法律と制度に即応してそこでの発展はあるけれども、いわゆる防災工学といいますか、あるいは公害班なら公害班、これは工業立地に関連して公害班というものを作って行こう。ここで防災工学といいますか、公害防止の科学の発展をはかろうと、こういうお話がございましたが、科学としてそれを総合し防災工学云々を考える場合には、今の連絡調整だけでなしに、もう少し考えなければならぬところがあるような感じがするのですが、それらの点についてはどういう工合に考えておりますか。科学技術庁と工業技術院にお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(前田陽吉君) この防災工学といいますか、そういう研究の何と申しますか、確立という問題でございますが、そういう問題につきましては、私どもといたしましてはさっき申し上げましたとおり連絡調整を十分はかって参りたいと、こういうことでございますが、ただいま科学技術会議に対しまして国の研究機関の刷新整備の方策という諮問がなされておりまして、それは国の研究機関にはずいぶん古いものもございますし、また新しいものもございますわけでございますが、最近の科学技術の情勢にぴったりしていない点もあるのじゃないかというふうなことから、こういう諮問がなされているのじゃないかと思うのでございます。特に最近は防災の問題、防災科学の問題が非常に大きく取り上げられて参っております。したがいまして、そういう点につきましても、これは私の所管ではございませんけれども、目下審議中でございまして、特にこの防災問題等につきましても審議はかなり突っ込んでなされるのじゃないか。それによりまして現状のように各分かれている研究機関——分属されている姿がいいのか、あるいはもう少し再編整備するのがいいのかというふうな問題も討議が、研究問題としてでございますけれども、されるのじゃないかと私は考えているのでございます。
○吉田法晴君 ちょっと工業技術院にお尋ねする前に。科学技術会議の諮問の結果は出て来なければわからぬですが、先ほど協議会のお話がございました。あなたの答弁の中に、協議をしております、産業災害防止について各省との間の協議がなされている、あるいはこれはその工場排水とかいろいろ項目が分かれていて、一つ一つについてなのかもしれませんけれども、とにかく協議云々というお話がございました。その協議の内容といいますか、記録になっておるものがあるのですか。もしあるのなら資料がいただきたいのでございますが。
○政府委員(前田陽吉君) 各省の連絡調整は、たとえば水質汚濁の問題でございますと、産業廃水の問題はこれは通産省が主として所管されますし、それから水産その他につきましての問題は農林省、あるいは下水の終末処理は厚生省というふうに分かれて行なっておりますものでございますから、そういう面の総合連絡調整をわれわれのほうで行なっておるということでございまして、これは予算要求をする前でございますとか、あるいは予算を執行する段階等での会合を開いておりますが、こまかい速記録は取っていなかったかとも思いますが、大体どういうことを審議したかということはわかりますから……。
○吉田法晴君 いや、私は問題点について討議をされて、それが多少の結論を見たようになっておるかと思ったら、予算の獲得だとか、あるいは行政のあり方についての連絡協議をするということなら、それは報告も出ないでしょうし、記録を拝見してもしょうがないと思うのですが、そういう意味の従来の総合調整をされてきた中で、まあ科学制度に関連をして中間的な結論にしても生まれているものがあるなら、それをいただきたいと、こう申し上げたわけでございますけれども……。
○横山フク君 ちょっと関連して。吉田委員の御質問に関連することなのですが、たとえば宇宙開発ですね。これは振興局長に伺いますが、宇宙開発の場合に宇宙開発を推進しなければならないというので、宇宙開発関係のたとえば電波研とか航研とか、あるいは気象庁とか、そういう関係省庁が集まって、それで研究調整というのは、これは消極的ですね。むしろ宇宙開発を推進していくために、積極的にここの所でどういう点を重点的にやるとかというような形の審議会を持ったら——それから吉田委員のお話のように公害防止、そういう形をとるのだったらば、公害関係の各研究所なんかを集めて研究調整をするというのでなく、積極的に進めるために、どこに盲点があるか、どこをもっとやらなければならないかということに対して、積極的に科学技術庁でもってイニシアチブをとってやりなすったかどうかということが問題になるのではないかと思うのですが、そういうのは、まだ科学技術庁でやっていなくて、ただ出た問題を研究調整するというのは、これは消極的だと思うのですが、もっとこれを積極的に、公害防止に対してどういう角度でやる御意思があるのか。あるいはそういうことについて考えているのか、考えていないのかと、こういうことになってくるのではないかと思うのだけれども、それに対して振興局長が果たして、その衝に当たるかどうか少し疑問かもしれませんけれども、ここには振興局長がいらっしゃいますから、まあ振興局長に御答弁願いたいと思うのです。
○政府委員(前田陽吉君) ただいま横山先生から御指摘のございましたとおり、私どもは各省から出てきた問題の調整と、こういうふうな問題はどういう省でやるべきでないかというような、多少積極的でございますが、そういう関係から予算はどういうふうにして、どこでどういうふうにして要求すべきか。ダブっている問題はこういう問題であるから、これはこちらに一まとめにしていくほうがいいのではないか。こういう点からやって参ったわけでございまして、個々の研究問題について、こういう研究体制にして、こういう点に非常にギャップがあるとか、そういう問題につきましては、私のほうではあまりやっておりませんので、これはむしろ科学技術会議のほうで根本的な研究体制の機構上の問題を御審議いただきたいと思っている次第でございます。
○吉田法晴君 工業技術院から御答弁いただきませんでしたが、私が尋ねておったのは、横山委員から、何といいますか、助けていただいた、そういう問題、部分的にはやっているけれども、現在の制度ではなくて、工業用水の問題についてはこういう問題が残っておる。それから科学技術の問題でこういう点が未開発の部分、それから下水なら下水について云々、防災科学なら防災科学全般にわたって検討をし、そしてこの研究機関はこういう部門を担当しよう云々という研究の段階を報告をしたり、あるいは交換をしたりして、そして相互に総合をして開発を進めようという、そういう協議の場はあったかなかったか。それからそういう検討は今の科学技術会議でしょうというお話ですけれども、そういう試みは今までないのか、そういうことです。
○政府委員(前田陽吉君) ただいまのそういう場でございますが、私どもは総合研究推進委員会というものをいろいろなテーマごとに設けまして、今御指摘にございましたような各受持ちの省庁におきまする担当の問題、あるいはどういう点が抜けているのではないかというような、お互いに批判するような場を研究調整局ができましたならば設ける所存でございます。ただ現在大気汚染につきまして、若干それに類似したような問題は一回処理いたしましたことはございます。あとは機構を強化いたしまして、総合研究推進委員会というものを、これは災害だけには限りませんけれども、特に災害の問題を重点的に考慮いたしまして今後いたしたいという段階でございます。
○横山フク君 関連ですが、これは委員長にもお願いしたいことなんですが、こういう災害関係、工場公害やいろいろ関係があるのですが、科学技術庁から振興局長だけしか出ていないのですけれども、ほんとうは資源局長も出てこなければいけないと思う。というのは今の大気汚染ですけれども、今振興局長が言われたところですが、資源局で調整して、資源局で大気汚染の基準測定等のことはする。しかし通産省のほうでは何をする、あるいは厚生省では何をするということもやったこともあったように私は聞いているのです。それは積極的であるか、消極的であるかということまでは聞いてないのですけれども、もう少し吉田委員が質問されたときに、それに的確に答弁できるような態勢を整えておくということを一つ私は要望したいと思うのです。 もう一つは、それに関連して振興局長だけから私も要望をし足りないところですけれども、吉田委員の言われることは、私は今の時代に一番必要な問題だと思う。そしてこれは推進していかなければならない。そうしたならば、科学技術会議の答申を待ってとかいうようなことでなくて、宇宙開発審議会、科学技術会議の答申を待たずに科学技術庁でなされた問題であるし、そしてあそこは電波研、あるいは先ほど申し上げたような気象庁とかあるいは航空技術研究所あるいは金属材料研究所とか、その他いろいろな関係機関が集まって、そしてさらに積極的にするためのいろいろな方途を研究した会議を持ったら、何回かそれと同じように、この工場公害に対して、それぞれ大気汚染なり水質汚濁なり、分科会でも総合でもいいし、こういう会議は積極的に持つべきだと思う。ところが、そういうことに対して、振興局長ではそういう答弁の権限外にあるから、これは答弁できないと思うし、むしろ長官なり次官なりが来て答弁されるべきであるし、将来どうあるべきかということを要望するのは、吉田委員の質問に対して答えなければならぬと思うわけですね。これは非常に必要な問題だと思うし、もっと推進していかなければならない。ほんとうに科学技術特別委員会でありながら、そして中核になる根本は科学技術庁でありながら、その役所の人があまり来てないということは非常に残念だと思いますので、委員長のほうで、こういう人たちを集めておいて聞いていただくように、今後御善処方をお願いしたいと思うわけでございます。
○委員長(森八三一君) 承知いたしました。
○政府委員(藤崎辰夫君) 先ほどの吉田先生の御質問に対して御返事申し上げます。工業技術院といたしましては、産業廃水でございますとか、大気汚染とかいうような一般に跡始末の問題でございますが、こういう問題はなかなか産業自体で取り扱うことで、どちらかと申しますと積極的にやらないような種類のものでございますので、私ども国の研究機関でこういう問題を積極的に解決しようというようなことで、産業廃水の問題は、昭和三十三年ごろから重要研究テーマとして取り上げて参っておるわけでございます。 なお、大気汚染につきましても、先ほどお話し申し上げましたように、工業技術協議会の中に大気汚染部会を作り、なお産業廃水部会を作りまして、そこで専門の方々にお集まりいただきまして審議していただく。そういうやり方で参っておりますし、今後も引き続きそういう方向に進んでいきたいと思います。なお、安全工学の問題でございますが、これは通産省関係には火薬類取締法という法律があり、それから高圧ガス取締法という法律がございまして、先ほど申しました火薬の問題あるいは高圧ガスの問題あるいは液化ガスの問題というようなものの安全につきまして、その法律に基づいた安全に関する試験を私どものほうが依頼されてやっていたわけでございまして、私どもの関係は一応そういうことでやっておりますが、今後やはり重要な問題であると考えられますので、今後十分研究してみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉田法晴君 今、工業技術院長がお話しになったように、あとのほうの安全工学なり何なり、法律ができて、そうして役所ができたらその法律に基づいて研究をするということだけれども、それ以前の問題については研究もなされてない、あるいはその総合調整もなされてない。そこが問題なんですが、横山さんから御指摘あるいは御意見をいただきました問題については、また別の機会に質疑をいたしたいと思います。横山さんからも御指摘になった宇宙開発についての協議会というのですか、その成果、それから産業廃水、大気汚染については、雑誌「工業技術」そのぐらいしかないわけですが、その経過、結論について、防災科学に関連があるものについては、あとで、資料でけっこうですからお出しをいただくようにお願いをしておきます。きょうはこの程度で。
○委員長(森八三一君) 他に御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時四十四分散会