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40回国会参議院1962/02/20

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
6
登壇者
3
会派数
2
開催日
1962/02/20

会議録

森八三一参議院同志会

○委員長(森八三一君) ただいまより委員会を開会いたします。  日本原子力研究所法の一部を改正する法律案(閣法第五九号)を議題といたします。  まず、提案理由の説明を願います。三木国務大臣。

三木武夫自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(三木武夫君) ただいま議題となりました日本原子力研究所法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。  日本原子力研究所は、わが国の原子力研究のセンターとして、昭和三十一年設立以来、各般の業務を通じて原子力の研究、開発、利用の促進に寄与して参ったのでありますが、昨今、原子力開発の新しい分野といたしまして、放射線化学が将来の化学工業の技術革新、高度化に大きな影響を及ぼすものとして、各方面から、その発展に多大の期待を寄せられており、海外諸国においても活発な研究開発が行なわれている現状でありまして、高度の化学工業を有するわが国といたしましても、この分野の研究開発を強力に推進することが緊急かつ必要であります。  このため、日本原子力研究所に放射線化学中央研究所(仮称)を新たに設け、民間においては設置が困難と見られる大施設を設置して、放射線化学に関する中間規模試験、放射線源の開発研究、大施設の使用を必要とする基礎研究等を行なうものとし、本年度予算におきましても、これに必要な経費を計上いたしております。  本改正案の内容は、日本原子力研究所の理事の定数を現在の六人から七人に増加しようとするものでありますが、これにより増員される理事一名は、同時に放射線化学中央研究所の所長を兼ね、同研究所の新設に伴う業務及び施設、人員の増大に応じて、この分野における業務の円滑な運営と管理機能の充実をはかろうとするものであります。  以上、この法律案の提案の理由及び要旨を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。

森八三一参議院同志会

○委員長(森八三一君) 以上で提案理由の説明は終わりました。本案に対する質疑は後日に譲ります。   —————————————

森八三一参議院同志会

○委員長(森八三一君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  昭和三十七年度科学技術庁関係予算の説明を聴取することといたします。島村官房長。

島村武久科学技術庁長官官房長

○政府委員(島村武久君) 昭和三十七年度の科学技術庁の予算案について御説明申し上げますが、お手元に縦長の表をお配りいたしました。昭和三十七年度科学技術庁予算要求総表というのをごらんいただきたいと思います。  まず、昭和三十七年度一般会計予算として歳出予算額百二十七億二千九百万円、国庫債務負担行為額三十一億五千三百万円を計上いたしました。これを前年度予算歳出予算額百十九億三千九百万円、国庫債務負担行為額二十四億四千九百万円に比較いたしますと、歳出予算額七億九千万円、国庫債務負担行為額七億四百万円の増額となっております。右のうち原子力関係といたしましては、昭和三十七年度歳出予算額七十八億五千七百万円、国庫債務負担行為額十五億二千百万円、前年度歳出予算額七十五億六百万円、国庫債務負担行為額十八億三千九百万円に比較いたしますと、歳出予算額三億五千百万円の増額、国庫債務負担行為額三億一千八百万円の減額となっております。  次に、科学技術庁予算要求額のうちおもなる事項につきまして、御手元に提出いたしました予算要求総表の順を追って、その大略を御説明申し上げます。   一、研究機関等の刷新整備、充実をはかるために歳出予算額八十八億七千万円、国庫債務負担行為額三十億六千五百万円を計上いたしました。これを前年度予算歳出予算額八十七億六千七百万円、国庫債務負担行為額十八億一千九百万円に比較いたしますと、歳出予算額一億三百万円、国庫債務負担行為額十二億四千六百万円の増額となっております。  試験研究機関の施設、設備等を刷新整備して、試験研究の推進をはかることは、当庁の大きな事業の一つでありまして、その予算の増額について努力いたしてまいりましたが、主要施設の一部が完成し、または完成に近づいたためと、第二次計画として着工するものの支払が、昭和三十八年度以降に行なわれる予定のものがありますため、歳出予算額の増にくらべ国庫債務負担行為額が相当増額になっております。  (一) 航空技術研究所におきましては、昭和三十一年度以降遷音速並びに超音速機関係の施設を中心に第一次整備計画の完成に努力して参りましたが、昨年十二月航空技術審議会が当面の重要研究目標及びその推進方策について答申をいたしましたので、その線に沿って、垂直及び短距離離着陸機の試作開発及びロケットに関する技術の基礎研究に必要な研究設備の整備をはかることといたしました。このほか第一次整備計画のうち、未着手でありました実験用航空機並びに同附属測定機器の整備を図ることといたしました。このため歳出予算額十七億二千三百万円と国庫債務負担行為額十一億四千六百万円を計上いたしました。  (二) 金属材料技術研究所におきましては、昭和三十一年度以降金属材料技術に関する基本的設備に重点をおいて整備をはかって参りましたが、明年度も引き続き材料試験、化学分析試験、鋳造実験関係の設備の整備をはかるほか、低温実験関係の設備の完成をはかることといたしております。このため歳出予算額八億一千二百万円を計上いたしました。  (三) 放射線医学総合研究所におきましては、放射線の医学的利用、放射線による人体の障害の予防、診断及び治療に関する研究設備の整備が逐次完成して参りましたので、これらを利用して本格的な試験研究を開始するための試験研究費の増額をはかりましたほか、放射線防護剤の研究を拡充するため薬学研究部の新設及び放射能調査の万全を期するための放射能検査機能の充実並びに動物を実験体とするための施設の整備等をはかることといたしております。このため歳出予算額四億五千九百万円を計上いたしました。  (四) 国立機関の原子力試験研究につきましては、各省庁の試験研究機関等において原子力に関する試験研究を実施いたしておりますが、この分野に属する研究の実施に必要な経費は、当庁に一括計上することになっておりますので、明年度は原子力船、原子炉用材料、放射線の測定、放射線の障害防止、同安全対策及び放射線の利用等の試験研究に必要な設備の整備をはかることといたしております。このため六億五千五百万円を計上いたしました。  (五) 日本原子力研究所におきましては、まず新規事業として、放射線化学の工業化中間試験研究を行なうため、放射線化学中央研究所を現在の東海研究所とは別個に設置することにいたしております。次に、原子炉の整備関係につきましては、動力試験用原子炉を昭和三十七年度末までに、原子力船の遮蔽研究用原子炉を昭和三十八年度末までに完成させる予定にいたしております。また試験研究関係といたしましては、原子炉を中心とした各試験研究のほか、プルトニウム研究の本格的開始、大型電子計算機の設置及びラジオ・アイソトープの製造試験工場の建設等を行なう予定にいたしております。  以上の諸事業を行なうため必要な経費に充てるため、政府出資金四十四億九千万円と国庫債務負担行為額十四億三千三百万円を予定いたしております。  (六) 理化学研究所におきましては、まず移転関係につきましては、移転予定地の正式転用許可があり次第、物理棟の建設をはかることにいたしております。このほか多年の懸案でありました大型サイクロトロンの建設を開始することにいたしております。また経常事業といたしましては、特別招聘研究員のための研究室、農薬の開発を目的とした有機合成研究室等三研究室を新設するほか研究設備の整備、研究費の充実等をはかることにいたしております。このため政府出資金七億三千万円と国庫債務負担行為額四億八千六百万円を予定いたしております。   二、重要総合研究の推進  生活環境の改善、宇宙科学技の開発及び原子力平和利用等を目的とする研究開発をいたしますために、それぞれのテーマを総合的観点から推進いたしますことは科学技術振興上きわめて重要な事業と考えられますので、六億八千一百万円を計上いたしました。これを前年度予算に比較いたしますと、九千九百万円の増額となっておりまして、そのおもなる事項の内訳は、  (一) 原子力平和利用研究の助成につきましては、原子炉及びこれに関連する機器、材料等の国産化、核融合、原子力船、ウラン濃縮、原子炉の安全性及び放射性同位元素の利用等の研究を前年度同様民間企業等に実施させるため研究費補助金及び研究委託費を三億一百万円計上いたしました。  (二) 宇宙科学技術の開発につきましては、前年度に引き続き内外の開発状況の調査及び日米両国の科学技術者会議の開催等、基礎的な調査研究を行なうとともに、昭和三十五年度から部分的に開発研究を行なって参りました気象観測用ロケットの試作研究の完成と、その打ち上げに必要な経費を計上いたしております。このほか本年度に引き続き人工衛星に装備されます計測装置等の技術を開発して参る計画でありまして、このため一億二千三百万円を計上いたしました。  (三) 多数部門関連試験研究の助成につきましは、多数部門の協力を要する試験研究及び各種研究に共通する試験研究を総合的に実施しようとするものに対する研究費補助金及び研究委託費として七千四百万円を計上いたしましたが、これは人工降雨の試験研究を南九州及び北関東の二地区で行なうほか、環境科学技術の振興をはかるため、大気汚染、水質汚濁及び騒音の防止研究等を行なうことにいたしております。  (四) 特別研究促進調整費の活用につきましては、予見しがたい事態が生じた場合に、各省庁の所管にかかわる研究業務の相互間の調整をはかって、特に推進する必要のある特別な研究を、総合的に促進するためにきわめて効果的役割りを果たしております特別研究促進調整費を本年度よりさらに増額をはかって、一億八千万円を計上いたしました。   三、国産新技術の開発  技術革新の重要性にかんがみ、国産新技術の開発利用、特許発明の実施化試験等を積極的に行なう必要がありますので、政府出資金、助成金等を合わせて、四億七千三百万円を計上いたしました。これを前年度予算に比較いたしますと一億一千九百万円の増額となっております。その内訳は、まず、  (一) 新技術開発事業団については、理化学研究所より分離独立した第二年目になりますことと、機構、人員等も一新され、本格的活動が明年度に期待されますので、開発委託費を増額して大いに事業の発展をはからしめたいと考えております。このため政府出資金四億二千万円を計上いたしました。次に、  (二) 発明実施化の促進をはかるため優秀な発明考案であるにもかかわらず、経済的理由からその発明品の試作をすることが困難な個人または中小企業者に対して、発明実施化試験費補助金を引き続き交付することにして二千五百万円を計上いたしました。また、  (三) 地方発明センターの増設につきましては、昭和三十五年度以降全国主要地区に設立されて参りましたが、明年度もその設置を予定されている地区が二カ所ほどありますので、その助長育成をはかるため、施設費の一部を補助することとし、二千八百万円を計上いたしました。   四、原子燃料の開発等  核原料物質、核燃料物質の開発及び濃縮ウラン等の購入等原子燃料につきましては、歳出予算額十七億八千五百万円、国庫債務負担行為額八千八百万円を計上いたしました。これを前年度予算と比較いたしますと、歳出予算額三億三千二百万円の増、国庫債務負担行為五億四千二百万円の減となっております。その内訳は、まず、  (一) 原子燃料公社におきましては、核原料物質の探鉱は前年度に引き続き人形峠及び東郷鉱山に重点をおいて探鉱を行ないますほか、山形・新潟県境の小国地区及び新潟県三川赤谷地区等の精査を組織的に行なうことにいたしております。  また、採鉱については人形峠鉱山において二段採鉱試験を実施するほか、洗鉱試験中間規模プラントの建設を行なう予定にいたしております。次に粗製錬・精製錬につきましては、東海精錬所において中間規模試験を続行し金属ウラン約十六トンを生産する予定にいたしております。このほか燃料検査技術の開発を一段と強化いたしますとともに、燃料再処理関係のの調査を促進し、再処理試験施設の建設を実施する予定にいたしております。このため政府出資金十二億五千万円を計上いたしました。次に、  (二) 核燃料物質の購入等につきましては、日本原子力研究所を初め、各大学等に設置されている原子炉または臨界実験装置等に使用される濃縮ウラン等の購入費及び賃借料でありまして、総額五億三千百万円と、国庫債務負担行為額八千八百万円を計上いたしましたが、そのおもなるものは日本原子力研究所の動力試験用原子炉の燃料であります。また、  (三) 核原料物質の探鉱奨励につきましては、民間鉱業権者の行ないます核原料物質の探鉱につきましても、引き続きこれを奨励助長していく考えでおります。このため四百万円を計上いたしました。  五、放射能調査及び安全対策   核爆発実験の再開に伴なう放射性降下物の防護はもとより、原子炉及び各種放射線取り扱い施設の急増に伴なう安全対策もきわめて重要なことでありますので、すでに申し述べました国立機関及び民間等に研究費、補助金等をそれぞれ計上して、その対策研究を進めて参りますが、それらの経費とは別に、九千二百万円を計上いたしました。これを前年度予算に比較いたしますと、四千二百万円の増額となっております。その内訳は、まず、  (一) 放射能調査につきましては、放射能調査分析及び対策研究等について、昭和三十六年度一般会計予備費を一部充当して、その強化をはかって参りましたが、放射性降下物の影響が長期間に及ぶことを考慮いたしますと、これら調査研究を一そう充実強化する必要がありますので、七千六百万円を計上いたしました。  (二) 放射性廃棄物処理事業の助成  放射性廃棄物による障害防止をはかるため、病院及び研究機関等より発生する放射性廃棄物の収集及び処理事業等の業務を、一元的に行なう者に対して、その施設の拡充、収集能力の強化をはかるため、七百万円を計上いたしまた。  (三) 放射線監視  原子力施設周辺、特に東海村原子力施設周辺の、環境調査のため、モニタリング・カーを設ける等、放射線監視を強化するため、新規事業費として、九百万円を計上いたしました。   六、国際交流の促進  外貨収支悪化の情況にかんがみまして、外貨を要する支出は極力抑制しておりますが、国際交流の強化は科学技術の振興上きわめて有効適切な事業であると考えられますので、一億一千六百万円を計上いたしました。これを前年度予算と比較いたしますと、わずかな減額となっております。その内訳は、まず、国際科学技術会議等の出席につきましては、科学技術に関する国際会議に出席して意見の交換を行ない、または海外諸国のすぐれた研究施設等の調査を行なうため、一千七百万円を計上いたしました。  次に、国際科学技術者の交流につきましては、わが国の研究者と海外の研究者と相互に交換して、その技術の交流をはかることは、国内科学技術水準の向上をはかるばかりでなく、国際協力の一助ともなり得るものと考えられますので、前年度よりも人員の増加をはかることにいたしております。このため、六百万円を計上いたしました。また、在外研究員の派遣につきましては、海外先進諸国へ、そのすぐれた科学技術を習得するために、研究公務員を派遣して、留学せしめる経費として九千三百万円を計上いたします。   七、科学技術情報活動と普及啓発  科学技術に関する情報の収集整理及びその提供等の事業を強化し、また科学技術に関する普及啓発事業を、活発に行なうために、三億三百万円を計上いたしました。これを前年度予算に比較いたしますと、五千三百万円の増額となっております。その内訳は、まず、  日本科学技術情報センターにおける情報の提供業務は逐年着実な伸展を続け、特に受託調査サービス件数は急速な増加を示して参りました。明年度は収集雑誌数を増加してその内容の充実をはかって、真にわが国の唯一の科学技術情報の中枢的機関としての機能を発揮させたいと考えております。このため政府出資金及び補助金として一億五千一百万円を計上いたしました。  次に日本科学技術振興財団の助成につきましては、明年度末には名古屋市における科学館、大阪市の科学センタービルが相ついで完成するほか、昨年末起工式を行ないました東京都における科学技術館が完成する予定になっております。したがいまして、これらの会館に展示する科学技術に関する模型品等の設備費の一部を補助して、日本科学技術振興財団設立目的の一つである科学技術に関する普及啓蒙の事業を強化充実させることにいたしたいと考えております。このための補助金として一億五千万円を計上いたしました。   八、資源総合利用方策等の調査強化  資源調査会を中心として、土地資源、水資源、保全防災及びエネルギー等、資源の総合利用方策の一般問題について調査を継続的に行ないますほか、特に資源構造の変動に伴う特別の調査を実施する予定にいたしております。このため二千六百万円を計上いたしました。これを前年度予算と比較いたしますと、三百万円の増額となっております。   九、以上の諸事業のほか、科学技術会議、原子力委員会及び科学技術庁の一般行政を実施いたします人件費、事務費等に必要な経費として、三億八千三百万円を計上いたしました。  最後に先日、長官の所信表明にございました研究調整局の新設でありますが、これは当庁の重要な任務であります研究の総合調整機能を画期的に強力に推進するための機構改革でありまして、所要の予算を計上いたしております。  以上、簡単でありましたが、昭和三十七年度の科学技術庁予算についてその大略を申し述べた次第でございます。

森八三一参議院同志会

○委員長(森八三一君) 以上で予算の説明は終わりました。  ただいま聴取いたしました予算並びに前回承りました長官の所信表明等に対します質疑は、次会に譲ることにいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時四十五分散会    ————・————

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